1: パワプロ2013発売決定記念に 2013/06/26(水) 21:59:48.16 ID:K3tn6oay0
ダイジョーブ「犠牲ハ……」

ゲドー「ギョギョ?」

ダイジョーブ「……げどー、イヤ、京子クン」

ゲドー→京子「ぎょ……何ですか博士?」

ダイジョーブ「コノサンプルハ、我々ガイツモ見テイルヨウナダイヤノ原石デハナイヨウデース」

京子「そうなんですか?」




2: パワプロ2013発売決定記念に 2013/06/26(水) 22:00:31.02 ID:K3tn6oay0
ダイジョーブ「ムシロダイヤソノモノデース」

京子「あらま」

ダイジョーブ「多少荒削リナ所ハアルモノノ、言ウナレバコノ少年ハ、天然モノノブリリアント・カット」

京子「カラットに直すと?」

ダイジョーブ「100カラットデース」

京子「まぁ素敵!……あら、この子良く見ると」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/26(水) 22:01:59.44 ID:K3tn6oay0
ダイジョーブ「オヤ、京子クン。モシヤ知リ合イダッタノデスカ?」

京子「ええ、病院の関係で……成程、原石とは言えない、というのが納得出来ました」

ダイジョーブ「コノ少年ハ余リニ惜シイ……野球界、イヤ、スポーツ界ノ未来ノ為ニモ、確実ニオペヲ遂行シ成功サセナケレバナリマセーン」

京子「博士がそこまで仰るなんて……でも、この子は確かに、医学の発展の犠牲にはしたくないです……私情は挟みたくないのですが」

ダイジョーブ「フーム……理香クンヲ至急呼ンデクダサーイ」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/26(水) 22:03:43.92 ID:K3tn6oay0
 
京子「姉さんをですか?」

ダイジョーブ「三人デ集中シテオペヲ行イ、彼ノオーダーニ応エマース」

京子「博士……!分かりました!すぐに連絡を入れてみます!」

ダイジョーブ「急グノデース京子クン……イヤ、げどークン!」

京子→ゲドー「ギョギョー!」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/26(水) 22:07:48.24 ID:K3tn6oay0
――
???「ん……あれ?俺は一体……」

???「あ、おにーちゃんおかえりー!」

???「おかえりー!」

???「あ、あぁ、ただいま。お前達、良い子にしてたか?」

???「「してたー」」

???「よしよし……今日はハンバーグ作ってやるからな」

???「ほんとー?」

???「やったー!」


???(……俺、どの道通って帰って来たんだ……?)

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/26(水) 22:10:45.60 ID:K3tn6oay0
翌日 朝 路上

???(昨日は良く眠れたなー……何だか調子いいぜ)

???「ほっ、ほっ、ほっ、ほっ……あれ……え、友沢?」

友沢「ん……お、橘じゃん。おはよ」

みずき「おはよ……って、何であんたがこんな所にいんの?」

友沢「何でって、朝のランニングだけど。あぁ、お前もか。でもお前、確か実家は市の中心の方だろ?何でこっちにいるんだ?」

みずき「こっち?私はいつものコースで優雅に流してた所なんだけど」

友沢「は?……あれ、確かに見慣れねー街並……」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/26(水) 22:14:47.12 ID:K3tn6oay0
 

みずき「あんたまさか、寝ぼけて郊外からここまで走って来たわけ?」

友沢「……なのか?」

みずき「いや私に聞かれても……!はっはーん……あれね!テキジョーシサツって奴ね?」

友沢「何だそりゃ」

みずき「決まってるでしょ?来週、帝王と聖タチバナの練習試合があるから、エースの私の様子を見に来た。違う?」

友沢「そういやそうだっけ」

みずき「しらばっくれても無駄よ!ふんだ、いくら付き合いが長いとはいえ、あんたは私のライバルなんだからねっ!
手の内明かすと思ってたなら大間違いなんだから」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/26(水) 22:17:53.25 ID:K3tn6oay0
友沢「あー、何か盛り上がってるとこ悪いんだが、マジでここどこら辺?帰り道分かんねーんだけど」

みずき「ぷー!探りを入れに来て迷子だなんて、これは勝ったも同然……えっ。ていうか、マジで迷子なのあんた?」

友沢「らしいな、情けない話だが」

みずき「……はぁ、しょうがない……車出してあげるから、適当な所まで乗せてってあげるわ」

友沢「良いのか?」

みずき「今のあんたみたいな間抜けが相手じゃ、張り合い無いじゃないの。早いとこ部に戻って、情報持って帰れませんでした、
って情けない姿晒して来なさい。そんで後はちゃんと練習すること!試合の時に腑抜けてたら許さないわよ!」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/26(水) 22:20:38.28 ID:K3tn6oay0
友沢「言われなくても練習はするってーの……まぁ、でも、なんだ。サンキューな」

みずき「なっ……ふ、ふん!?とりあえずそこで待ってなさい!今人呼ぶから」

友沢「おう、頼むわ」

みずき(何よ、何かいつもと違ってへらへらしちゃって……良いことでもあったのかしら?……!成程ね……この超絶美少女のあたしを、
朝から眺めて幸せ幸せ、ってやつね?……あれ、じゃあ友沢の奴、もしかしてわざわざ私に会うために、こっちまで足を伸ばしたってこと?)

友沢「橘ー?」

みずき「はっ、はいぃ?!」

友沢「よく思いだしたらこの道は分かるわ、これ駅前に続く通りだろ?」

みずき「う、うん、そうだけど」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/26(水) 22:23:40.89 ID:K3tn6oay0
友沢「走って帰るよ!これも自主トレだと思えばどうってことないし」

みずき「ちょ……郊外まで20kmはあるわよ!?今から戻るつもり?!」

友沢「平気平気。真っ直ぐ帝王に行きゃいいんだ。それに、しっかり俺がトレーニングしないと、お前ががっかりするんだろ?」

みずき「そ、それは、その……」

友沢「気持ちだけありがたく受け取っておくよ。それじゃ!」

みずき「あっ、ちょっと……って、速っ!?」


みずき「……もう、なんなのよ、朝から」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/26(水) 22:26:38.73 ID:K3tn6oay0
部室前

友沢「てぃーす」

???「お、友沢か。おはよう」

友沢「おはようございます、山口先輩」

山口「今日は早いな」

友沢「ちょっと自主トレで遠出しちゃったんで、真っ直ぐ来たんですよ」

山口「そういやいつもとは反対側から走って来たな。荷物も無いし」

友沢「あれ、見てたんですか?」

15: 時系列と山口先輩の性格は御都合主義 2013/06/26(水) 22:29:53.20 ID:K3tn6oay0
山口「やたら速い奴がいるなと思ったらお前だった」

友沢「流してたつもりなんすけど」

山口「そうなのか?あぁ、それより、荷物が無いってことは弁当も無しか」

友沢「先輩……まーた俺の弁当狙ってたんすか?」

山口「いやだってお前の家の卵焼きの味が好きなんだもん」

友沢「子供じゃ無いんすから……もう朋恵や翔太にも知られてるんすよ?」

山口「お、嬉しいね。お前のきょうだい可愛いからなー。確か弁当もその子達が作ってるんだっけ。小さいのに凄いよ」

友沢「『おにーちゃん、きょうはおべんとうどろぼうさんにとられないようにね』って」

山口「ど、泥棒呼ばわりか……いや参ったね」

17: 時系列と山口先輩の性格は御都合主義 2013/06/26(水) 22:32:32.49 ID:K3tn6oay0
友沢「全く……あ、そうだ。先輩、去年の教科書とか」

山口「さすがに物持ちの良い俺でも持って無いぞ?家だ」

友沢「ですよねぇ……」

山口「何だ、お前教科書も持って来てないのか」

友沢「いや、まぁ色々予定が狂っちまったと言うか……」

山口「ふむ……よし友沢!」

友沢「はい?」

山口「sabotageだ!」

友沢「は?」

18: 帝王野球部も御都合主義になってた 2013/06/26(水) 22:35:43.53 ID:K3tn6oay0
 

山口「ちょうど昨日習った英語なんだよ。破壊活動」

友沢「ハカイカツドウ?」

山口「サボるの語源さ」

友沢「えぇ……先輩、前から言ってますけど俺サボりはちょっと」

山口「うるさいっ!今日という今日はお前に我が野球部の伝統をだな」

友沢「練習辛いから代わりに授業をサボるのは悪習だって監督が言ってました」

山口「先輩命令だ!四の五の言わずついて来い!大体お前は普段から色々力み過ぎなんだよ……自主トレから練習、学校からバイト」

友沢「慣れてますから大丈夫ですって……あぁ、ちょっと先輩、引っ張んないで下さいよー……」


???「サボりか。まぁ、それも青春かしら」

19: 帝王野球部も御都合主義になってた 2013/06/26(水) 22:38:31.97 ID:K3tn6oay0
午後 部活

友沢(結局山口先輩に付き合わされてサボってしまった)

山口(帽子ON)「……ボール行くぞ、友沢」シュピー

友沢(んで帽子を被った途端これだもんな)パスッ

友沢「てぃーす……じゃこっちも……あれ」

友沢(何か……軽い?)ギュン

山口「……!」ズバーン

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/26(水) 22:41:38.92 ID:K3tn6oay0
友沢「あっ、すんません!ちょっと力加減間違えて……」

山口(帽子OFF)「お前……肘、治ったのか?」

友沢「へ?」

山口「いや、今のボールは明らかに去年の……それどころか、今までで一番凄いボールだったぞ?」

友沢「えっと……?」

監督「山口!友沢!何やってる!」

友沢「げ、やば……」

山口(帽子ON)「……」スチャ

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/26(水) 22:44:49.46 ID:K3tn6oay0
友沢(うわ、山口さん帽子被っちゃったよ。逃げるつもりだろこの人)

山口「……監督、ちょっと良いでしょうか?」

監督「何だ」

友沢(あら?)

山口「友沢なんですが……」

監督「どうかしたのか?まさか、また肘を……」

山口「いえ……友沢、1球投げろ」

友沢「う、うーす……」ギュン

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/26(水) 22:47:35.56 ID:K3tn6oay0
監督「!」

山口(やはり……)ズバーン

友沢「……ど、どうっすかね?」

監督「どういうことだ……?おい友沢、一度保健室で体に異常が無いか簡単に診て貰って来い」

友沢「え、いや、マジすか?」

監督「駆け足!!」

友沢「サーイエッサー!?」


???「……うふふふ……」

23: 多分主任は座子川さん似 2013/06/26(水) 22:51:17.96 ID:K3tn6oay0
部活後 バイト先


友沢(何だか色々うやむやのまま部活が終わってしまった)

友沢「うーん……まぁ、確かに体の調子はイイ感じだけど……俺何かしたっけ……?」

???「おっ、亮ちゃん」

友沢「……うっす。主任、また彼女とメールっすか?」

主任「かかか、まぁそう嫌な顔すんなって。その分『コレ』は上乗せするからさぁ?」

友沢「はぁ……分かりましたよ。不肖友沢、謹んで持ち場を担当させていただきます」

主任「あざーす♪」

友沢(……ああいう人間になったら、俺もお終いだな)

友沢「さて、お勤めお勤め……と」カーン!カーン!

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/26(水) 22:54:36.26 ID:K3tn6oay0
夜 家

朋恵「おにーちゃんおかえりー」

翔太「おしごとおつかれさまー」

友沢「あぁ、ただいま」

朋恵「なんかおてがみきてたよ」

翔太「たいりょくそくてーのけっかだって」

友沢「そういやそんなのやったなぁ……先月だっけか。どれどれ……?」


友沢亮
視力C筋力C走力D肩の強さC反射神経C集中力D


友沢「げ。こりゃひどい」

26: 能力値はいつもの並び 2013/06/26(水) 22:57:51.41 ID:K3tn6oay0
翔太「けっかよくなかったの?」

朋恵「からだおかしいの?」

友沢「はは、体がおかしいってわけじゃないさ。ただこの時兄ちゃんちょっと疲れててさ、手ぇ抜いちゃったんだよ」

朋恵「まじめにやらないとめー」

翔太「めーだよ」

友沢「悪い悪い……よっしゃ、次は全部一番とってやるからな?」

朋恵「ほんとー?」

翔太「やくそくだよー?」

友沢「おう、任せとけ」

友沢(あの時は本当に体動かなかったもんなぁ……でも今の感じなら、結構1番狙えるかもな)


※友沢 CCDCCD→??????

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/26(水) 23:00:34.56 ID:K3tn6oay0
約1週間後 帝王VS聖タチバナ


「「「「「「ヨロッシャッシェャース!!!」」」」」」

みずき「ふふふ……遂にこの日が来たわね……覚悟しなさいよ、友沢」

友沢「お、おお……相変わらず敵意剥き出しなのなお前」

山口(OFF)「モテモテだな」

友沢「何でそうなるんですか」

みずき「そ、そうよ……って、どなた?」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/26(水) 23:03:47.28 ID:K3tn6oay0
山口「はっはっは……」スチャ

山口(ON)「……よろしく」

みずき「 」

友沢「それ一発芸みたく使うのやめません?」

聖「……よろしくお願いします」

友沢(……六道聖、か。橘は勿論だけど、こいつも要注意だな)

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/26(水) 23:06:35.60 ID:K3tn6oay0
試合 7回裏0-0 帝王の攻撃 友沢第3打席


友沢(さすがと言うべきか、ここまでの橘はほぼ完ぺきなピッチング)

友沢(初回は必殺のクレッセントムーンで華麗な三者三振、2回は俺を敢えて歩かせ、後続で楽々ゲッツーとフライアウト。
下位打線はスクリューと精密なコントロールで凡打を誘い、その後一時1アウト1・2塁のピンチを招くも、またも俺を歩かせて敢えての満塁策。
これが大当たりで、5番6番をあっさり切って取ってみせた。それ以降は甘く入るように見せかけた釣り球のスクリューにことごとく引っかけられ、
帝王打線は凡打を量産。本来は相手の弱点である球数さえもまともに稼げない。数少ない公式登録された女子選手の実力は伊達じゃなかったのだ)

友沢(橘に関してはともかく、六道聖については俺も半信半疑だった。女性でキャッチャーなんて、茨の道も良い所。ところが実際このバッテリーは、
明らかに六道の方が主導権を握っている。俺に四球を出す時の橘の苦々しい顔が、全て物語っていた。橘は昔から良いピッチャーだったけれど、
ここまで好投し続けられるのは、それを操縦する相棒に依る所が非常に大きい。誰が見てもそのリード、配球、ボール捌きはお見事だ)

友沢(……それにしても、ベンチにいる監督の無言の圧力がめっちゃ怖い。懲罰の特別メニューでも考えてるんじゃないか)

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/26(水) 23:09:54.80 ID:K3tn6oay0
監督「……友沢」

友沢「!はい」

監督「山口が踏ん張っとる。楽にさせてやれ」

友沢「……うす」

友沢(無茶な注文だなぁ……こっちはまだまともな勝負さえさせて貰って無いっていうのに)

友沢(まぁ、確かに山口先輩は相変わらずの大エースっぷりだしな。7回投げて無失点、毎回の計10奪三振)

友沢(ただ、明らかに対策はされてるみたいだから、割とぎりぎりの内容なんだよなぁ)

友沢(そしてまた要注意は六道聖だ。さっきも決め球のフォークを難無くセンターに弾き返しやがったし……ここら辺が勝負か)

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/26(水) 23:13:07.67 ID:K3tn6oay0
――
みずき「むむむ……いい加減友沢と対戦したい……」

聖(本当にみずきは友沢先輩が好きだなぁ)

みずき「……何よ」

聖「何でも無いさ。それより、次は勝負するぞ。さすがに4番を全打席敬遠では、とてもじゃないが勝ったとは言えない……違うか?」

みずき「もっちろん!友沢をここでとっちめてやらないと、女が廃るわ!!」

聖(本当は試合に勝つなら全打席敬遠が一番なんだけどな。全員侮れないが、あの漂う威圧感……やはり友沢先輩は別格だ)

聖(最近は調子を落としていたと聞いていたが……やはりこの目でプレイを見るのが一番。間違いなくベストコンディションに近い。威圧感さえある)

聖(私達が甲子園に行けるかどうか、大きな分岐点はここだ。それを考えると、逃げていては始まらない……いざ!)

33: 前レスの聖んの台詞被って変になっちゃった見逃して 2013/06/26(水) 23:16:59.84 ID:K3tn6oay0
 
――
1球目

友沢「ふー……」

友沢(さて、頼むから勝負させて欲しい所だけれど……)

友沢(橘は……すんなり投げてくる。打ち合わせ済みってことか)

バシーン ストラーイ

友沢(膝元の超厳しいコース……うーん、相変わらず女とは思えねーな。球威はともかく、コントロールは山口先輩以上か)

友沢(でも敬遠じゃない。勝負出来るかな)

34: 前レスの聖んの台詞被って変になっちゃった見逃して 2013/06/26(水) 23:19:35.55 ID:K3tn6oay0
2球目

聖(振らない……まぁ、決まれば御の字のコースだったし、当然か。あんなのを弾き返されては投げるコースが無い)

聖(しかし、みずきの奴気合が入っているな。今日一番のボールだったじゃないか)

聖「……愛の力……?」

友沢「?」

聖(……ここで反応を返してくれたら、みずきはどんな反応をするのだろう……っと、いかん。集中だ。次は……これだ)スッ

バシーン ボー

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/26(水) 23:23:19.45 ID:K3tn6oay0
3球目

友沢(ボールからストライクに甘く入る……と見せかけて、橘のボールはそこら辺のピッチャーじゃ敵わないようなキレで変化する)

友沢(あれはボールからまたボールのコースだ。1球目はともかく、2球目は予想通り……ま、安牌だしな。よっぽど狙ってない限り、確実に凡打コース)

友沢(しかし……前やった時より変化してる気がするな。そんだけ頑張って来たってことか)

友沢「ふっ」

友沢(何考えてんだか俺は……ちょっと嬉しいだなんて、ベタな野球漫画じゃあるまいし)

友沢(まぁでも、こっちもそれに応えないと。橘をガッカリさせるのだけは御免だ)

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/26(水) 23:26:35.21 ID:K3tn6oay0
 
――
聖(……笑った?余裕ということか?いや……この人に限ってそれは無い。全力で打ち砕きに来るはずだ)

聖(ここが勝負なのか……?なら、これで……!)
――
友沢(来た。アウトロー一杯、ボールから……これだ!)
――
聖(振って来た!だけれど、このボールはそう簡単に捉えられないはず!)
――
友沢(……あ、こりゃいかん。クレッセントムーン。しまった。やられた。ちくしょう、やっぱりキレが前と段違いじゃねーか)
――
聖(いける!これは打ち取れるコースだ。良くて外野フライ。勝てる……!)

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/26(水) 23:27:32.71 ID:K3tn6oay0
カキーン

聖「なっ!?」

友沢「あれ?」

みずき「嘘?!」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/26(水) 23:31:04.10 ID:K3tn6oay0
――

試合後

山口「いやー、友沢。今日は助かった」

友沢「山口先輩」

山口「結局、あのホームランの1点しか取れなかったからなぁ。みずきちゃんだっけ?お前の彼女、打たれた後ペース乱したけど良く投げ切ったよ」

友沢「だから彼女とかじゃ無いですって」

山口「何言ってんだ、可愛いじゃないか。しかも橘のお嬢様だろ?仲良くしといて損は無いだろうに」

友沢「……打ち損じた、って思ったんですけどね」

山口「は?」

友沢「あれ、あいつの決め球です。今までの俺じゃ打てないような、最高のボールだったんです。でも……」

山口「……最近、何かお前変だよな。肘のこともそうだけど、普段の練習もちょっと動きが違うっていうか」

友沢「……どうなってるんだろう、俺……」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/26(水) 23:34:52.55 ID:K3tn6oay0
――
聖タチバナのバス内 

みずき「……」

聖「……すまん、みずき。あれは私の……」

みずき「そういうのは言いっこなし」

聖「だが、あれは間違いなく最高のボールだった。私の要求したコースが……」

みずき「……何か、違和感があるのよね」

聖「違和感?」

みずき「……うー、上手く言えないなぁ……あー、悔しいは悔しいけど、何か腑に落ちない!もーう!」

聖「……」

聖(今までのデータ上、友沢先輩のホームランは右翼、左翼にバランス良く散らばっているが……そもそも彼はスイッチヒッター。
強打は殆ど引っ張っている。しかし今日のレフトへのホームランは、見事な流し打ちだった。それと何か関係が有るのだろうか)

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/26(水) 23:38:08.97 ID:K3tn6oay0
――
夕方 バイト先

友沢「……」カーン!カーン!

友沢(やっぱり何かおかしい……いつからだろう。最近妙な事ってあったっけか……?)カーン!カーン!

主任「おーい、おーい」

友沢「……ん?何すか、主任?」

主任「ちょっとちょっと亮ちゃん、やけに気合入ってるじゃないの。もう今日のノルマとっくに過ぎちゃってるじゃん」

友沢「え……?あれ、本当だ」

主任「まだまだやれそうなら、さ?」

友沢「……はぁ」

主任「かかか!いやー悪いね!今日欠勤してる奴いるから、そっちも頼んじゃおうかな!もちろん『コレ』は色付けるぜ」

友沢「うぃーっす……」

友沢(どうしようもねー大人だな……ま、稼ぎが増えるなら、何でも良いか)

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/26(水) 23:42:24.18 ID:K3tn6oay0
 
――
試合の翌日 朝

友沢(今日も寝起きはすこぶる良し……っていうか、良すぎやしないか?)

みずき「……何でまたあんたがここにいるのよ」

友沢「あれ?……げ、また走り過ぎたのか……」

みずき「走り過ぎたって……ふん、どうせそんなこと言って、私を馬鹿にしに来たんでしょ?」

友沢「そこまで性格悪くはねーよ」

みずき「どうだか……何か、あんた最近変わったわよねぇ」

友沢「!……橘、お前、俺が変わったって思うのか?!」

みずき「うわっ!?な、何よ急に」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/26(水) 23:45:38.85 ID:K3tn6oay0
友沢「いつからだ?いつから、俺が変わったと思う!?」

みずき「お、落ち着きなさいってば!」

友沢「あ、す、すまん……実は、俺も自分が最近何かおかしい気がするんだよ。でも、その原因の心当たりがなくてさ」

みずき「そうなの?」

友沢「ああ……別に困るようなことは起こって無いんだけどな」

みずき「なら別に良いんじゃない?」

友沢「いや、その……こう、お前に申し訳ないというか、俺が納得出来ないというか」

みずき「何それ。どうして私が出てくるのよ」

友沢「と、ともかくだ。お前の方で何か心当たり無いか?」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/26(水) 23:48:51.61 ID:K3tn6oay0
みずき「いきなりそう言われても……っていうか、そもそもあんたがここまで来るのがおかしな話じゃないの」

友沢「確かにそうだな」

みずき「そういえば、試合の1週間前くらいだったかしら。その時も、あんたはここに来たわよね」

友沢「ああ」

みずき「その前は、間違ってもあんたと私のランニングコースが被るなんてことは無かった」

友沢「成程……考えてみれば妙な話だ。ということは、何か原因があるとすればその時点よりも前、ってことか」

みずき「何か覚えてることはあるの?」

友沢「うーん……1週間前って言ってもなぁ。そんなに細かく覚えてるわけじゃないし」

みずき「まぁ、今の所目立って困った事は起きて無いんでしょ。だったら、気にしなくても良いような気がするけど。
深く考え込むとか、あんたのキャラじゃないし」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/26(水) 23:53:01.05 ID:K3tn6oay0
友沢「お前の中じゃ俺はどんな扱いなんだ……」

みずき「すかした野球馬鹿」

友沢「身も蓋も無いなおい……おっと、そういえば時間大丈夫かよ?」

みずき「えっ?あっ、そうね、ちょっとやばいかも」

友沢「俺もそろそろ戻るわ。悪いな、手間取らせて」

みずき「別にいいわ。その代わり、原因が分かったらちゃんと報告しなさいよね。期待はしないけど」

友沢「ああ、分かったよ。それじゃ」

みずき「ええ」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/26(水) 23:54:46.80 ID:K3tn6oay0
みずき(……そういえば、最近妙に明るいわよね。前はもっと冷たかったっていうか、陰があったっていうか……
まぁこんな友沢も、えっと、その、ちょっとイイ感じ?だし、これはこれでアリ……)

キキー!!!ドッカーン!!!

みずき「……え?」

ブロロロロ……

みずき「……?!えっ、ちょっ」

友沢「……ぐ、うう……」

みずき「いやああああああああああああ!?友沢っ!!友沢!!しっかりしなさい!!?」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/26(水) 23:58:12.12 ID:K3tn6oay0
 
――
病院 待合室

みずき「……」

みずき(大切な……ライバルの一大事だもの、無断欠席くらいへでもないわ)

京子「橘さん、橘みずきさんはいらっしゃいますか?」

みずき「!は、はい!」

京子「亮君を連れて来てくれたのはあなたね?」

みずき「はい。あの、友沢は……」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/26(水) 23:58:44.65 ID:K3tn6oay0
京子「それについて大事なお話があるから、ついて来てくれるかしら?」

みずき「わかりました……って、あれ?そっちは外……」

ゲドー「ギョギョ―」

みずき「?!」

ゲドー「ギョ」プス

みずき「ふにゃ……」パター

ゲドー「……ごめんね」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/27(木) 00:01:30.06 ID:6yt3vO6d0
 
――
???

みずき「う、うーん……」

???「お目覚めのようね」

みずき「あれ……ここは……?」

ダイジョーブ「ヨーコソ、橘ミズキサン」

みずき「は?あんた誰……!ていうか、病院!友沢!」

京子「大丈夫よ、亮君なら……ほら」

みずき「モニター……?あ、友沢……嘘、まさか……」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/27(木) 00:04:38.16 ID:6yt3vO6d0
???「心配いらないわ。病室で眠ってるだけよ」

みずき「よ、良かった……って、ちょっと!?どこよここ?!」

???「元気の良いお嬢様ねぇ」

みずき「何か、変な機械とか一杯あるし……怪しい!」

ダイジョーブ「ココハ、ワタシノらぼデース」

みずき「ラボ?」

京子「ちょっと他の人には聞かれちゃ不味い話をしないといけないから、悪いけれどここまで連れて来させて貰ったの」

みずき「看護婦さん?えっ、何これ、夢?」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/27(木) 00:07:35.90 ID:6yt3vO6d0
???「そう思うのも無理ないけど、これは現実よ」

みずき「あれ、あんた、良く見るとどこかで……?」

???「うふふ」スチャ

みずき「帝王の野球帽……あ!試合の時ベンチに居た……」

理香「加藤理香。そこの京子の姉で、帝王で保健医をやってるわ。試合の時はベンチで救護係ってわけ」

京子「改めまして、加藤京子です。よろしくね、橘さん」

みずき「全く状況が飲み込めないんですけど!聞かれちゃ不味い話?連れて来た?一体全体どういうことなのよ!?」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/27(木) 00:10:56.39 ID:6yt3vO6d0
ダイジョーブ「マァマァ、落チ着イテ聞イテクダサーイ」

理香「亮君の体のこと、あなたも気になるでしょう?」

京子「混乱しちゃうかもしれないけど、質問には出来る限り答えるから、まずは先生の話を聞いて下さいね」

みずき「くっ……分かったわよ」

ダイジョーブ「オオヨソ1週間前ノコトデース。私ハ、夜ノ道デ非常ニ疲レタ表情ヲシタ少年ヲ発見シマーシタ」

みずき「疲れた表情の少年?」

ダイジョーブ「彼ハ帝王野球部ノばっぐヲ持ッテイマーシタ」

みずき「……友沢ってわけ」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/27(木) 00:13:49.96 ID:6yt3vO6d0
ダイジョーブ「ソノ通リデース。私ハ迷ワズ声ヲカケマーシタ」

京子「博士はダイジョーブ医学の第一人者で、日々スポーツ界の発展を願って、スポーツ少年達の体のケアを行っているの」

理香「勿論本人の了解は得た上で、あくまでも自己責任で処置を受けて貰っているわ」

みずき「う、胡散臭……まさか、友沢がこのおっさんの誘いに乗ったとか言うんじゃないでしょうね」

京子「それは……」

みずき「嘘乙!あいつはとっても用心深いから、あんた達みたいな胡散臭いのについて行くわけ無いじゃない!」

理香「話は最後まで聞きなさい」

ダイジョーブ「橘サンノ言ウ通リ、彼ハ断ロウトシマーシタ。シカシ……」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/27(木) 00:16:52.18 ID:6yt3vO6d0
――
ダイジョーブ『ソコノ少年!随分トオ疲レノ様子デース』

友沢『……は?あんた何……?』

ダイジョーブ『私ハダイジョーブ博士。すぽーつ少年ノ強イ味方デース』

友沢『スポーツ少年の味方……?』

ダイジョーブ『君ガ望ムノナラバ、肉体改造ヤ才能開花、肉体的疲労ノ処理マデ行ッテ見セマース』

友沢『うさんくせぇおっさんだな……俺、そういうのは信じてないんで……あー、でも、体の、疲れは、取り除いて……貰える、なら……』バターン

ダイジョーブ『オー、ナントイウコトデスカ。気絶シテシマイマーシタ。トリアエズらぼニ運ンデアゲマショウ。げどークン!』

ゲドー『ギョギョー』

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/27(木) 00:19:40.50 ID:6yt3vO6d0
――

ダイジョーブ「……トイウワケデース」

みずき「路上で気絶?あいつ、何してんのよ……」

京子「とりあえず彼をここに運び込んで、一通り検査をしたの。そしたら、博士がとても亮君を気に入ってしまって……」

ダイジョーブ「彼ハ今マデノ中デモ最高ノソザ……ゲフン、患者デーシタ」

みずき「ちょっと!?今『ソザイ』って言いかけたでしょ?!やっぱりあんた達アブない怪しい奴らじゃないの!
……ハッ!?まさか、最近友沢の様子がおかしくなったのはあんた達の仕業ね!?どうしてくれんのよ!私のライバルに何しやがったのよ!?」

理香「落ち着きなさい。これからそれを説明してあげるから。
絶対に失敗してはいけない、ということで、本来は処置に参加しない私も急遽呼び出されて、3人で亮君に処置を施した。その内容は……」

みずき「な、内容は……?」ゴクリ

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/27(木) 00:22:32.24 ID:6yt3vO6d0
理香「肉体的疲労の除去」

みずき「……」

理香「……」

みずき「……と?」

理香「終わりよ?」

みずき「……えっ」

理香「肉体的疲労の除去。彼の希望通り、それだけ行って、家の前まで送ってあげたわ」

みずき「疲れを取っただけ?」

理香「ええ。と言っても、亮君の場合、尋常じゃない疲労が全身に溜まっていたのだけど」

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/27(木) 00:26:02.85 ID:6yt3vO6d0
京子「普通の方なら、とっくに倒れてるか、悪くすれば過労死してしまうほどの疲れが、彼には溜まっていたの」

みずき「あいつ、そんなに体の具合悪かったの?」

理香「そりゃあもう。私も不注意だったわ。立場上普段から色々チェックはしてたんだけれど」

ダイジョーブ「不運ハ彼ノ身体的能力ノ高サ故デース。常日頃ノ厳シイとれーにんぐヲ遂行出来ル彼ノ体ハ、常人ノ何倍モ力強ク、たふナノデース。
ソノタメ、多少ノ負荷ガ体ニカカッタトシテモ、アマリ問題無ク動ケテシマッタノデショウ」

京子「亮君はそれに加えて真面目で責任感が強いから、無茶をし過ぎてしまう所があるのよね」

理香「彼が今やってるアルバイトも原因ね。相当きつい作業をしていたみたいなの。校医としては注意してやめさせるべきだったんでしょうけれど、
稼ぎが良いらしくて、強制出来なくて。亮君の家、経済的にかなり厳しいのは知っていたから、余計にね。そして限界を迎えてしまった」

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/27(木) 00:30:58.36 ID:6yt3vO6d0
みずき「あいつ、今何のバイトしてるの?」

理香「炭鉱。それも現代都市のど真ん中で。初めて聞いた時は耳を疑ったわ」

みずき「はぁ?!」

京子「PPコーポレーションとかいうベンチャー企業が取り仕切ってる、ちょっと危ない類のバイトみたい」

みずき「……馬鹿だわ、あいつ」

ダイジョーブ「シカシ、我々ノ処置ニヨッテ彼ノ疲レハ全テりせっとサレマーシタ。余程無茶ヲシナイ限リ、モウ以前ノ状態ニハ陥ラナイデショウ」

理香「疲れがとれたことによって、低下していた彼本来の身体能力が戻っているはずよ。心当たりは無いかしら?」

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/27(木) 00:33:49.00 ID:6yt3vO6d0
みずき「最近のあいつの変化は疲れがとれたせいだっていうの?性格もちょっと変わったのよ?」

京子「疲れているとピリピリしやすくなってしまうでしょう?亮君の場合、それがあまりにも慢性的だったから、
性格にまで影響を及ぼしてしまったのでしょうね。本来はまだ親に甘えるべき年頃の彼が、一家を支えようと頑張って来たのだし」

みずき「確かに、そうなのかもしれないけど……でもでも、じゃあ今朝の事故はどういうこと?2tはありそうなトラックに吹っ飛ばされて、
もう病室で寝てるっていうのはおかしい話じゃないの!」

理香「それが、あなたをここに連れて来た理由ね」

京子「その……言いにくいのだけれど、実は博士が……」

ダイジョーブ「有望ナ野球少年ニトッテ交通事故トハ不倶戴天ノ仇敵!シカシ彼ノヨウナ才能ガソノ犠牲ニナルノハイケマセーン」

みずき「まさか、それで体を弄くったとか言わないわよね?」

ダイジョーブ「ソノマサカデース」ニンマリ

理香「今の亮君は、常人のケガのしにくさを3だとするなら、7か8って所。飛行機事故からも生還出来るレベルの頑強さよ。正に鉄人ね」

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/27(木) 00:36:43.84 ID:6yt3vO6d0
みずき「ふ、ふざけんじゃないわよ!?鉄人どころか改造人間じゃないのそれ!ていうか、もしかして事故自体があんた達の……」

京子「それは絶対に無いわ。人の命を預かる立場として、神様に誓ってそんなことはしません」

みずき「じゃあ何でこのおっさんを止めなかったのよ!?」

京子「気付いた時には博士が処置してしまっていたので……」

理香「私達も自分の作業に集中せざるを得なかったのよ」

京子「もしあの時点で治療していなかったら、亮君はどこかで倒れてそのまま死んでしまっていたかもしれないの。
だから、許してとは言わないけれど、ある程度納得してもらえたら……」

みずき「納得?そんなの無理に決まってる!」

理香「でも、あなただって亮君が無事な方が良いでしょ?」

みずき「それは……」

理香「それから、このことについてはあなたにお願いしたいこともあるのよ?」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/27(木) 00:40:12.04 ID:6yt3vO6d0
 
――

京子「……納得してくれたかしら、橘さん」

理香「大丈夫よ。あの子、亮君にぞっこんだもの」

ダイジョーブ「愛ノ力ハ偉大デース……ウーン、痛イデース」

京子「博士、大丈夫ですか?」

理香「そりゃ投手の全力平手は痛いでしょう。これに懲りて、勝手な治療は止めて下さいね、博士。
あくまでも私達のダイジョーブ医学は、本人の了承の元で行わなければいけないのですから。そもそもこれ、博士が決めたルールじゃないですか」

ダイジョーブ「オー、スイマセーン。肝ニ命ジマース」

70: 結局ゲドー君の中身は外道 2013/06/27(木) 00:41:45.04 ID:6yt3vO6d0
理香(ま、本当は私もちょこっと細工しちゃったけれども。前から弄ってみたかったのよね、亮君のカラダ。目指すなら落○選手のような大選手よね)ニッコリ

京子(やっぱり野球選手は脚が命よね。それにしても、亮君の太もも、素敵だったわぁ……)ニッコリ

友沢亮
CCDCCD→AASAAA
鉄人 広角打法 走塁○ 取得

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/27(木) 00:44:54.04 ID:6yt3vO6d0
――
事故から数日後 病院

みずき「……失礼しまーす」コンコン ガチャ

友沢「あれ、橘じゃないか……それと、六道?」

聖「……どうも」

みずき「お見舞いに来てやったわよ。感謝しなさい」

聖「……付き添いです」

友沢「何でお前はいちいち偉そうなんだ……ま、救急車呼んでくれたのは、確かに感謝してるけどさ」

みずき「……」

72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/27(木) 00:47:34.80 ID:6yt3vO6d0
――
理香『お願いっていうのは、口裏合わせと今後の亮君のケアについて』

理香『まず、ちょちょっと亮君の記憶を弄って、トラックに吹っ飛ばされたんじゃ無く、軽乗用車に接触したことにする。
念入りな検査入院、っていう名目で、一応何日か入院はしてもらうけど』

理香『幸い早朝だったから、目撃者はあなただけ。あなたが合わせてくれれば、亮君も自分の体について疑うことは無いでしょう』

理香『勿論、ひき逃げのトラックの検挙なんかは警察にしっかりやって貰うわ。そこら辺の工作は、私達がやるから気にしないで』

理香『それから、ここが一番大事。今後の亮君のケアのこと』

理香『彼は疲れが取れてしまった分、これからまたハードワークを自分に課してしまうようになるでしょう。それだと意味が無いの。
いくら今の亮君の体が頑丈だとはいえ、疲れの蓄積は心身に悪い影響を及ぼす。同じ轍を踏ませるわけにはいかないわ』

理香『私は校医として、出来る限り彼のサポートはするつもり。それは、お母さんのことで昔から面識のある京子も同じ。
でも、困った事に、彼ってあんまり私達の言うことは聞いてくれなさそうなのよね』

理香『そこであなたの出番よ。彼の中でもあなたの存在は特別なはず。少なくとも、私達のような外野の人間よりは、
同じ野球に打ち込む人間としての、あなたの言葉の方が彼も耳を傾けてくれると思うの』

理香『ライバルとして、一人の友人として、亮君を適度に嗜めてあげなさい。お願いね』

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/27(木) 00:50:40.68 ID:6yt3vO6d0
みずき(嗜めるって言われてもねぇ……とりあえず、あの胡散臭いおっさんはぶちのめしてやったけど)

みずき「あ、そういえば妹ちゃんや弟くんはどうしてるのよ?」

友沢「検査入院って言ってもよく分からんだろうし、心配させるのもあれだから、部の都合で急に短期合宿が入ったことにしてある」

みずき「ふーん……そっか。会えたら嬉しかったんだけどなー。あんたと違って超可愛いし」

友沢「お前本当に朋恵と翔太のこと好きだな……そのフルーツ盛り合わせも、俺じゃ無くあいつらに、ってとこか」

みずき「一応あんたの分も想定してあるわ。人の事を冷たい女扱いするんじゃないわよ」

友沢「はは、悪い悪い。サンキュー」

聖「……」チョイチョイ

みずき「ん?」

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/27(木) 00:53:36.33 ID:6yt3vO6d0
聖「……折角だし、りんごでうさぎさんを作ってあげれば良いのでは?」ヒソヒソ

みずき「!?な、なんで私がそんなことを……」

友沢「どうかしたのか?」

聖「みずきがりんごを剥いてくれるそうだ」

みずき「なー?!」

友沢「それくらい自分で……」

聖「何を隠そう、みずきはうさぎさんりんごを作るのが趣味でな」

友沢「……そうなのか?」

みずき「ちが……」

聖「そうなのだ」ドヤッ

76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/27(木) 00:56:34.32 ID:6yt3vO6d0
みずき(どんなキャラなのよ私は?!聖の奴、後で覚えてなさい……!)

みずき「ふ、ふん……いいわ、私の華麗なナイフ捌きを見せてあげようじゃないの」

友沢「わくわく」

聖「わくわく」

みずき「……何であんた達そんなに息ぴったりなのよ……痛っ」プスッ

友沢「……おいおい、大丈夫か」

みずき「こ、これはちょっとしたミス……痛い!?」ザクー

聖(普段女子力女子力言ってる癖に下手とは……これは誤算だった)

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/27(木) 00:59:35.36 ID:6yt3vO6d0
 

友沢「見てらんねーな……ちょっと貸してみろ」

みずき「ひえっ……?!な、何勝手に人の手を……」

友沢「良いから良いから、ほら、力抜いて……そう、その調子だ」

聖「おお……」

聖(初めての共同作業というやつだな。素晴らしい)ムフー

みずき「……や、やけに手慣れてるじゃないの」スイー

友沢「朋恵と翔太に教えてるからな。ていうか趣味の割に下手過ぎだろお前」スィー

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/27(木) 01:03:18.59 ID:6yt3vO6d0
京子「あらあら、お邪魔だった?」

理香「両手に花じゃ済まないわねぇ。山口君辺りにチクってあげようかしら」

みずき「げっ!?あ、あんた達何で」

聖「?」

友沢「京子さん、理香さん。何だ橘、知り合いだったのか?」

みずき「……ちょっとね」

京子「何で、って言われても、問診の時間ですから」

理香「私は野球部代表としてお見舞い。はい、千羽鶴」ワサー

友沢「おー」

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/27(木) 01:07:04.62 ID:6yt3vO6d0
理香「これ作るのにみんな協力してくれたのよ。復帰したらみっちり練習だからね、覚悟しなさい」

友沢「うへぇ」

京子「まぁ、その分今はゆっくり休めばいいじゃない」

聖「うむ。休める時に休んでおくのが良いぞ」シャクシャク

みずき「なんであんたが真っ先に食べてるのよ……」

聖「蜜がたっぷりでうまいな」

友沢「はは、何だ。だんまりかと思ったら、案外こいつも面白い所あるんだな」

聖「褒められたぞ、みずき」ムフー

みずき「素直に喜ぶ所じゃないでしょうが!」

81: 聖ちゃん 有能 2013/06/27(木) 01:10:37.11 ID:6yt3vO6d0
京子「……水を差すようで悪いけど、他の患者さんの所にも行かないといけないから……」

みずき「あっ、ごめんなさい。それじゃ、私達は退散しよっか」

聖「ふむ。分かった。だがその前に」

みずき「?」

聖「友沢先輩、これも何かの縁だ。連絡先を交換したいのだが」

友沢「おお?」

みずき「!?」

聖「何、別に間諜などに使うわけじゃない。敵に塩を送らない程度の範囲で、個人的なアドバイスを願いたくて」

82: 聖ちゃん 有能 2013/06/27(木) 01:13:34.17 ID:6yt3vO6d0
友沢「まぁ、そういうことなら構わねーけど」

聖「ついでにみずきとも連絡先を交換してはどうだ?お互い知らないだろう?」

理香「あら、案外進んでないんだ」

みずき「な、何よ進んでないって」

京子「純情なのね」

みずき「なー?!」

友沢「?よくわからねーけど、橘にも後で教えておいて構わないぞ」

聖「恩に着る」

みずき「か、勘違いすんじゃないわよ!?あくまでもついで、つ!い!で!なんだからねっ?!」

友沢「分かった分かった……」

理香「青春ねぇ。ま、お大事に」

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/27(木) 01:17:15.13 ID:6yt3vO6d0
――
京子「賑やかだったわね」

友沢「なんかすいません」

京子「ううん、ああいうのは微笑ましくて良いのよ」

友沢「はぁ」

京子「……ねぇねぇ、正直橘さんの事、どう思ってるの?」

友沢「橘ですか?うーん……」

京子「わくわく」

友沢「大きい妹、っていうか、目を離せないっていうか……」

京子「ふむふむ」

84: 規制に引っ掛かって死ぬかと思った 2013/06/27(木) 01:21:03.58 ID:6yt3vO6d0
友沢「……それから、知り合いの中だと、あいつが一番、俺に対して遠慮が無いんですよね」

京子「ほうほう」

友沢「家の事も、肘の事も、『関係無い、あんたは私のライバルなんだから』って一言で片付けてくれて」

京子「おー」

友沢「あいつがいなかったら、多分俺、どっかで折れちゃってるような気がします」

京子「……大事なんだ?」

友沢「……そうですね、大事な……友達ですよ。あいつにとっての俺は、ただのライバルかもしれないけど」

京子「……ただのライバル、ねぇ?」

京子(もっと違う答えを期待してたんだけど……これはこれで)ホッコリ

85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/27(木) 01:27:32.33 ID:6yt3vO6d0
――

数日後 退院の日

友沢「お世話になりました」

京子「いえいえ。元々疲れが溜まってたみたいだから、今後はあまり無理しちゃ駄目よ?」

友沢「ははは、善処します」

友沢(……今日これからバイトに行くって言ったら、京子さん、怒るだろうなぁ……)

京子「自主トレとかも今日くらいは休んで、ゆっくり体を慣らしていくのよ?いい?」

友沢「……了解です。それじゃ」

京子「お大事に」


京子「……うーん、本当に大丈夫かしら?」

86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/27(木) 01:31:37.66 ID:6yt3vO6d0
――
バイト先

友沢「……なんじゃこりゃ」

友沢(『ただ今工事中 近隣の皆様にはご迷惑をおかけします タチバナ建設(株)』って……一体どういうことだ?)

???「……もしかして、ここで働いてたバイトの人かな?」

友沢「はい?えっと、まぁ、そうですけど……?」

???「良かった。君を待っていたんだ。私、こういう者で……」

友沢「タチバナ建設人事部……?の、部長さん?ご丁寧にどうも」

部長「ここは最近私達の会社の管轄になったんだけれど、何分急な話だったから、その保証としてここで働いていた人達に仕事を紹介しているんだ。
はい、これが紹介している仕事先の一覧。全部タチバナの系列だから、福祉関連や職場環境は安心して貰って良いと思うよ」

友沢「はぁ……うわ、条件すげー良い……!?」

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/27(木) 01:35:39.48 ID:6yt3vO6d0
部長「その中から自由に選んでもらって構わない。掛け持ちもOKだし、詳しい事を聞きたければ、担当の人間を紹介しよう」

友沢(詐欺か何かじゃないのか……?でも、タチバナの名前を使うってことは、確かに信用出来るはずだし……)

部長「ちょっとびっくりしてしまったかな。まぁ無理も無いか」

友沢「あの、変な事聞きますけど、本当に、俺なんかがこんな条件の良い話受けて良いんでしょうかね……?」

部長「当然。何せ、未来の上司殿だからね。ははは」

友沢「???」

――
物陰

京子「驚いた……まさかそこまでやるなんて」

理香「うーん、恐るべし橘財団」

ダイジョーブ「愛の力は偉大デース」

88: もうちょいで終わる 2013/06/27(木) 01:39:20.07 ID:6yt3vO6d0
次の日 祝日 市内 朝

みずき「……だから何であんたとここで会うのよ?!」

友沢「いや、調子取り戻そうと少し長めに走ってたら、何となく」

みずき「全く……病み上がりのくせに……」

友沢「もう大丈夫だってーの。あぁ、そういえば昨日メールしたんだけど、寝てたか?」

みずき「!あ、あー、その、う、うん。そうね。ちょっと昨日は、寝るの、早かったから」

友沢「やっぱりそうか。反応無かったもんな。悪かったよ」

みずき(どう返せば良いのか悩んだ挙句寝落ちしてしまったとか死んでも言えない)

90: 別PC1 2013/06/27(木) 02:01:45.99 ID:6yt3vO6d0
ここでさるさんとかふざけんなカス ちょっと時間かかる

91: 別PC1 2013/06/27(木) 02:21:23.20 ID:6yt3vO6d0
みずき「そ、そうね。偶然ね」

友沢「実を言うと前のバイト先の主任は典型的な駄目な大人だったんだよ。
解放されて助かった。メールの繰り返しだけど、あんがとな。まぁ、お前に言うのは変な話かもしれないけどさ」

みずき(あのチャラ男、やっぱりしあわせ島送りにしとけばよかったかしら)

みずき「……ていうか、あんたの所は今日も練習?」

友沢「いや、珍しく休みだよ」

みずき「そっか。なら安心……」

友沢「でも暇だし、俺はサボってた分練習かなぁ。山口先輩辺りに頼み込んで付き合って貰って……」

92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/27(木) 02:26:14.83 ID:6yt3vO6d0
みずき「だー?!」

友沢「うわっ!何だよ急に」

みずき「あんたは!何でそう野球しか頭に無いのよ!?何か祝日を有効活用出来る趣味とか無いわけ?!」

友沢「……特に無い、な」

友沢(よく分からんがホーミング娘関連のことを口に出すとぶん殴られそうだから止めておこう)

みずき「呆れた……くっ、こうなったら……」

友沢「ん?」

みずき「……今日私、ショッピングする予定なの」

友沢「はぁ」

みずき「付き合いなさい」

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/27(木) 02:32:30.11 ID:6yt3vO6d0
友沢「……俺がか?」

みずき「勘違いすんじゃないわよ?荷物持ち!あくまでも荷物持ちなんだかりゃ……」

友沢「かんでるぞ」

みずき「うるさい!?どっ、どうなのよ!?付き合うの?付き合わないの?」

友沢「……筋トレだと思えば悪くない、か。お前こそ、本当に俺なんかで良いのか?」

みずき「し、仕方なくだもん。有り難く思いなさいよね」

友沢「……分かった。じゃあ、家に戻ったらまた連絡するわ」

みずき「う、うん。待ってるわ」

友沢「……それじゃ」

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/27(木) 02:37:47.75 ID:6yt3vO6d0
みずき(……行っちゃった……わ、私も準備しないと……えっと、まずシャワー浴びて……うわ、し、下着とかどうしよ)

――

友沢(……むぅ、顔のにやつきが……いやいや、単なる荷物持ちだぞ?そんな期待とかしてどうすんだ……でも、もしかしたら)


――
物陰

理香「面白そうなことになって来たわねぇ」

京子「あーん、姉さん、盗聴器と双眼鏡独占はずるいですー!」

ダイジョーブ「……ヤレヤレ」

みずき 初球○ 寸前× 積極走法 取得

96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/27(木) 02:41:04.34 ID:6yt3vO6d0
終わりやで gdgdになってしまってすまんな ていうかよくこんな長いの書いたな俺 

引用元: ダイジョーブ「医学ノ発展ニ犠牲ハ……」