31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 17:32:13.18 ID:JNX3TqRFO
山田「上田、ドライブに連れてってくれるなんて珍しいな」

上田「お前には随分と世話になってるからな」

山田「しかしこんな山奥に連れてきて、何かあるのか?」

上田「あぁ、雛見沢という村があるんだ」

山田「まさか上田、そこに泊まって夜に鬼になって私を襲おうというのではあるまいな」

上田「馬鹿言え。鬼を食ってどうする」

山田「…………」

上田「おっ、そろそろ着くぞ」

山田「(……ん?ダム工事建設?)」




32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 17:36:40.57 ID:JNX3TqRFO
上田「すいませーん。手紙を頂いた上田という者ですが」

山田「……手紙?」

村人1「お、おぉ!!上田さんが来なすったぞ!!」

村人2「早く魅音ちゃんを呼ぶんじゃ!!」

山田「おい、上田。どういうことだ?」

上田「いや、これはだな」
魅音「ようこそ上田先生おいで下さいました。園崎家次期当主園崎魅音でございます」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 17:42:23.87 ID:JNX3TqRFO
魅音「お会い出来て光栄です!!」

上田「いやぁ、それほどの者でもありませんよ」

魅音「わ、私いっつも読んでるんですよ先生のどんとこい超常現象!」

村人「ここの、村人は、みんな先生の本を読んでおりますわ」

子供1「先生サイン頂戴!!」

子供2「ずりーぞ!!先生俺にも!!」

老人「わしにも下され!!」

上田「はっはっは!!」

山田「……帰るか」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 17:46:58.95 ID:JNX3TqRFO
魅音「ここじゃ話も何ですから家で話でも。そちらの助手さんの方も」

山田「助手?」

上田「おい行くぞ。私の2382人目に優秀な助手」

山田「おい、ちょっと!上田引っ張るな!!」





古手「……よくないことが起こりそうなのです」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 17:57:45.63 ID:JNX3TqRFO
科学者の登場人物を増やしたいので漢字3文字以内の名前を安価で決めさせて下さい

>>48

>>50

>>52

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 17:58:36.62 ID:EFfLCmmsO
春日

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 17:59:37.58 ID:zm6sd3gV0
永淋

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 18:00:13.09 ID:+QNFtk7IO

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 18:23:59.91 ID:JNX3TqRFO
魅音「お婆ちゃん。上田さんをお連れしてきたよ」

婆「……そちらの貧 の方は」

山田「えっ?」

キョロキョロ

上田「あぁ、私の3698番目に優秀な助手です」

魅音「(……あれ?)」

婆「そうですか。では奥へお入り下さい」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 18:34:31.14 ID:JNX3TqRFO
魅音「この廊下の突き当たりです。私はもう用があるので失礼します」

上田「ありがとうございます。華麗なお嬢さん」

魅音「お上手ですね。それでは」

スタスタ……

山田「……おい上田」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 18:35:39.13 ID:JNX3TqRFO
上田「なんだ貧 」

山田「……こんな凄い屋敷に何のようだ?旅館には見えないぞ」

上田「お前のボロアパートに比べれば犬小屋も大豪邸に見えるだろうさ」

山田「家主に失礼だぞ。さっき言っていた手紙って」

上田「あのお嬢さんとの恋文だ」

山田「なっ!上田!!ついに落ちるとこまで落ちたか!!」

上田「恋に落ちたのはお嬢さんの方だけどな」

山田「っっ~~!!」

上田「着いたぞ。さっさと入れ」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 18:49:56.61 ID:JNX3TqRFO
婆「手紙にも書きましたように他の権威の方も連れてきております。こちらが永淋さんでこちらが名さんです」

永淋「むぅ……」

名「初めまして私が名でございます。メイちゃんと呼んで頂いても結構です」

婆「こちらが上田先生と助手の貧 です」

永淋「言われんでもわかっておる」

名「こりゃ確かに小さすぎますね」

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 18:50:45.21 ID:JNX3TqRFO
上田「はっはっは。その癖腹の方は大きいんですよ」
プインプイン

山田「コラッ、上d」

永淋「どれ私も」

プインプイン

山田「ちょっ、いきなり何すr」

プインプイン

名「まぁ外から見たら分かりませんから大丈夫ですよ」

上田「胸の大きさは外から見てもわかりますがね」

一同「はっはっは!!」

山田「…………」

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 18:56:29.78 ID:JNX3TqRFO
魅音「婆っちゃ、最後のお客さん連れてきたよ」

春日「トゥース!!」

魅音「歴史考古学の世界的権威の春日さんです。今日は助手の方は来れなくなったそうで」

春日「またサイン欲しくなったら春日に言う。トゥース!!」

魅音「あ、ありがとうございます!!それでは私は失礼します」

スタスタ……

山田「上田」

上田「……なんだ」

山田「泣くな」

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 19:02:05.75 ID:JNX3TqRFO
婆「今日お集まり頂いた要件は皆さん既に手紙でご存知かと思います」

永淋「うぅむ」

名「はい」

婆「皆さんには碑文に隠された謎を解いていただきます。解いた方には見つかった黄金の三分の一を差し上げます」

山田「おっ、黄金!!?」
上田「ちっ……」

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 19:13:00.95 ID:JNX3TqRFO
レナ「どう思う?圭一くん」

圭一「どう思うって、今日来るやつらのことか?」

レナ「碑文の謎を解いてくれないと……雛見沢はどうなっちゃうのかな?かな?」

沙都子「そうですのよ。ヤマイヌ達が消えたとはいえ政府に雛見沢症候群のことを世間に発表されたら……」

圭一「なぁーに。そいつらが解けなかったら俺が解いてやるさ」

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 19:22:39.91 ID:JNX3TqRFO
婆「魅音!この方達を碑文のところに案内してあげな!!」

魅音「うん。わかった。皆さんついて来て下さい」



上田「今思ったんだがな」

山田「なんだ」

上田「大きくないか?」

山田「なっ!!?た、確かに魅音ちゃんもそれなりにはあるが私m」

上田「事態が大げさだと言おうとしたんだ」

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 19:24:52.44 ID:JNX3TqRFO
上田「黄金一つに世界的権威を三人も呼んでくるなんて」

山田「二人だ。いやゼロだ。それに黄金のためなら……おい上田」

上田「…………」

山田「前金はいくらもらったんだ?」

上田「…………」

魅音「あっ!圭ちゃん!!」

圭一「おぉ!魅音!!この方達が」

古手「こんにちはなのです。ニパァ」

名「うひょぉおお!!」

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 19:30:41.80 ID:JNX3TqRFO
圭一「俺達も部活ってことで碑文の謎を解きにいこうとしてたんだ」

魅音「へぇー、丁度いいや」

レナ「圭一くんったらね、魅ぃちゃんがいないからって……」

山田「上田、さっき言ってたことはどういうことだ」
上田「…………」

山田「ギャラの話はもういい!!大袈裟だって言ってたことだ!」

上田「あぁ、あれか。例えばだ。俺が300万の前金を貰っていたとする」

山田「貰ったのか!?」

上田「…………」

82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 19:41:32.47 ID:JNX3TqRFO
上田「例えを変えよう。お前が四択のクイズ番組に出たとする」

山田「はい」

上田「最後の問題まで来た。しかしお前はどうしてもわからない」

上田「そんな時だ。助っ人の俺に賞金の1/3をあげるかわりに電話出来るとしたら」

山田「オーディエンスを使う」

上田「ふざけるな。ようするにだ、3分の1というのは割合が大きすぎるんだ」

上田「300円のうちの100円くらいだったら平気で他人に与えられるだろう」

上田「しかし3000万のうちの1000万も他人に与えられるか?どうも俺には黄金を餌に何か別のことを企んでいる気が」

山田「言葉の問題だ。もし3兆もらえるんだとしたら1兆なくなっても一生楽して暮らせる」

上田「そうだけどな……」
魅音「皆さん着きました。これが碑文です」

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 20:03:22.24 ID:JNX3TqRFO
山田「上田……」

上田「あぁ……」

私は碑文の文章を読みぞっとするような寒気を覚えた

正方形の大きな石板には等間隔に縦×横の九つずつ、計81の穴が空いており以下のような文章が書かれていた

98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 20:32:14.37 ID:JNX3TqRFO
村にいるのは我らが民のみ

涙の降る夜に何かが起こる

全ての兵が鬼に殺され

血を香らせる子が鬼の味方をするならば

馬は向かうよ己が家に よろけながらも真っ直ぐと

月は天上

太陽は地獄

隅に収まる隅なる者 彼女は体を暖める

火車は急ぐよ虎に勝つため 最も短い距離を行く

黄金を手元に残したくば準ずる者は殺してけ

お社様は眠り続ける

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 20:40:15.89 ID:JNX3TqRFO
圭一「…………」

沙都子「あら、圭一さん?さっきまでの威勢はどこに行ったのかしら?」

梨花「さっぱりなのですー」

春日「トゥース……」

上田「……おい、貧 。わかったか」

山田「そのために私を連れて来たんでしょう?」

上田「わ、わかったらさっさと教えろ」

山田「上田さんの分の分け前の半分をくれると約束してくれるなら」

上田「くそっ、そんな約束……」

名「この涙というのは雨などの水を暗示しているのでは?」

一同「!!?」

105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 21:37:01.16 ID:9agJ+pvxO
名「ちょっといいですか」

山田「あっ、それ私の飲みm」

名「この水を例えばこの穴の中に入れると……」

ジョロォ……

永淋「これは……」

沙都子「地面から水の跡が浮かび上がってきましたわ!」

名「おそらく地面を通してつながっているのでしょう」

106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 21:37:47.33 ID:9agJ+pvxO
上田「成る程、暗号の碑文通りの穴に入れると黄金の在処がわかる訳か」

名「これで私にも分け前の1割はもらえますよね?」
永淋「むっ、黄金を見つけたものが……」

婆「名さんには分け前の1割を保証します」

永淋「なぜっ!!?」

圭一「そうしないと手掛かりをつかめても内緒にして協力しない場合があるからな」

沙都子「圭一さんだけはヒントを見つけても私達と分け前は平等ですのよ」

レナ「まだ答えわかっても言わないでね!!レナ今考えてるんだから」

107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 21:38:39.66 ID:9agJ+pvxO
山田「上田、どうする?」
上田「……仕方ない。分け前を与える代わりにヒントを教えろ」



山田「おほん。皆さん石板の上の方と下の方を見て下さい」

圭一「上にも下にも丸く彫ってあるな」

山田「これは太陽と月を表しています」

沙都子「どちらが太陽でどちらが月ですの?」

山田「えっ?」

婆「それぐらい私らも気付いておりますわ」

山田「あっ……そうですか」

108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 21:39:34.34 ID:9agJ+pvxO
山田「あっ!!?なら」

上田「全てのパターンを試すなどとは考えるなよ。浮かび上がる可能性の文字などいくらでもありたとえそれが一つであっても水を乾かす時間を踏まえると命がいくつあっても足りやしない」

山田「……ジュッデームを思い出しますね」

上田「そんなものは忘れた」

109: ◆l.Nvh8I0eU 2009/11/29(日) 21:43:01.66 ID:9agJ+pvxO
落ちたかと思いましたwww


碑文の謎というかキーワードがとけた方、カタカナでトリップやってみて下さい

狸がキーワードだと思ったら
#タヌキ
みたいに。

因みに自分はクイズの答えがわかると周りに言いふらして嫌われるタイプです

113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 21:50:21.94 ID:9agJ+pvxO
一時間後

春日「トゥース……」

永淋「うぅむ。子供たちもどこかへ遊びに行ってしまったな。私も少し休憩をとりたいのだが」

魅音「それではうちへ来て下さい。皆さんが滞在する間はうちを宿としてお貸しします」

名「私も後で考えることにします」

上田「それじゃ私も……」
ガシ

山田「…………」

上田「私は後で休むことにします」

魅音「それじゃみなさん。ついて来て下さい」

124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 21:58:29.33 ID:9agJ+pvxO
山田「面白いことを見つけたぞ、上田」

上田「なにをだ?」

山田「見てくれ」

チョロロー……

上田「地面に二つ点が浮かび上がったぞ」

山田「恐らく地面の中でバイプか何かが交差しているんだ」

上田「そうか。それで」

山田「……それだけです」
上田「ったく」

山田「あっ!!」

上田「今度は何だ」

山田「碑文の謎を簡単に読めます!!」

上田「どういうことだ?」

127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 22:05:11.78 ID:9agJ+pvxO
正直このスレの半分はキーワードで出来ているので先が見えてつまらなくなるかもwww


中学の時アルセーヌルパンの黄金三角を読んでぶちギレたが……って関係ないか

ヒントは……名称ぐらいなら誰でも知ってる。今はそれくらいです

131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 22:17:38.17 ID:9agJ+pvxO
山田「今まで私達が旅していた場所では江戸時代の財宝など昔のものが多くありませんでしたか?」

上田「そうだったような気もするが」

山田「つまり……」

上田「そうか!」

山田「……言ってみて下さい」

上田「……お前から言えっ」

山田「古典文体じゃないってことですよ」

上田「……そうだよな。でもそれがどうしたっていうんだ?」

山田「小判の可能性は薄いってことです。恐らく明治、大正時代、昭和初期に書かれたってことです」

上田「馬鹿め。カタカナで書かれていないことから恐らく大正の終わりから昭和初期にかけて書かれたものだろう」

山田「今何年でしたっけ?」

上田「昭和59年だろ。ったく」

山田「……(そうでしたっけ?」

136: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 22:31:01.98 ID:9agJ+pvxO
山田「上田さん、このヒグルマってどういう意味か知っていますか?」

上田「カシャだ。『仏教で生前悪事を犯した亡者を地獄に運ぶ時に乗せるという、火の燃えさかる車』だ。明鏡国語辞典より」

山田「なんですか今の」

上田「俺の記憶力をなめるな。それで何かわかったのか?」

山田「いいえ……別に……」

山田「火車……地獄……太陽……」

上田「もうそろそろ暗くなる。迷わないうちに魅音ちゃんの家に行くぞ」

山田「もうちゃん付けですかデクのぼう」

上田「だーれがデクの棒d」

ドン

上田「っ!!……」


138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 22:42:33.39 ID:9agJ+pvxO
上田「ふぅ~、中々広い部屋だな」

山田「そうですね。何より私の分の部屋もあることが最高です」

上田「助手のくせにな」

山田「目の前の鬼に夜襲われないからです」

上田「鬼は若い女の子を食べるんじゃなかったか?」
山田「ほっほーう……そうきましたか……」

魅音「お食事の用意ができましたのでお集まり下さい」

上田「わかりました。お嬢さんは鬼に捕まらぬようお気をつk」

ドス

山田「さっさと行くぞ」

141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 22:50:42.56 ID:9agJ+pvxO
山田「うまい!!こんな食事にありつけただけでも今日は来たかいがありました!!」

魅音「そ、そうですか。良かったです」

魅音「ところで皆さん、明日は綿流しのお祭りをするんでよかったら見ていって下さい」

永淋「むぅ、綿流し?」

名「私も聞いたことないですね」

魅音「単なるお祭りです。先程いた青い髪の」

名「梨花ちゃん!!」

魅音「……そうです。その娘が巫女姿で踊ります」

名「巫女……黄金……巫女……巫女!!」

永淋「私も行き詰まったらいってみようかね」



142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 22:54:08.25 ID:9agJ+pvxO




綿流しの夜


流れるば清冽な水か


それとも鬼の血か




    【火車想い編】




151: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 23:23:54.57 ID:9agJ+pvxO
「大丈夫なの?雛見沢症候群のことを政府に発表される前に……」

「大丈夫だって。きっと見つかるよ」

「でもレベル5は治せないんだよ。さとし君は……」
「それは……でも政府の方達に協力を求めれば」

「お姉にとって政府は敵なの?味方なの?」

「だから……それは前にも……」



月に照らされた木は今日も輝いている

155: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 23:32:49.90 ID:9agJ+pvxO



ガリガリガリ……


「信じられない……誰も信じられない……」



ガリガリガリ……



157: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 23:34:49.58 ID:9agJ+pvxO
上田「おい、起きろ貧 」
山田「…………」

上田「おい、巨 」

山田「何でしょうか?」

上田「さっさと碑文の謎を解きに行くぞ」

160: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 23:40:07.40 ID:9agJ+pvxO
圭一「おーい。魅音」

魅音「えっ?あっ、何圭ちゃん?」

圭一「今年もやるのか?綿流し祭りでの勝負」

魅音「あぁ、望むところだよ」

沙都子「今年も圭一さんがビリに決まってますわ」

梨花「圭一は弱い子弱い子なのです」

圭一「今年こそ絶対に勝ってやる!!」

161: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 23:48:43.10 ID:9agJ+pvxO
魅音「因みに今年は詩音も来るって言ってたから」

圭一「おっ、俺がドンケツになる可能性が少なくなったな」

沙都子「圭一さんが1位になる可能性も少なくなってよ」

レナ「そんな弱気な心行きじゃ圭一君本当にビリになっちゃうよ」

圭一「なら俺は1位を--」



梨花「前の話をちょっとしたいのです」

魅音「……いいわよ」

163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 23:58:13.41 ID:9agJ+pvxO
~夜~

山田「上田」

上田「…………」

山田「起きろウドの大木」
上田「…………」

山田「世界的権威の上田先生」

上田「はいっさー……山田か。どうした」

山田「どうしたもこうしたもありません。上田先生が寝て私が必死に碑文の暗号の謎を解こうとしている間にもう夜ですよ」

上田「結局解けなかったのか」

山田「でも私が初めに水を流して様々な試みをしていたおかげで他の二人はろくな実験ができなかったようです」

上田「進展なしじゃないか」

山田「もう疲れましたし、綿流しのお祭りでも見に行きません?」

165: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 00:04:47.98 ID:RcRD3+HDO
圭一「頭いてぇ……」

沙都子「かき氷は早く食べようとしたものが負ける勝負ですのよ」

レナ「魅ぃちゃん、詩ぃちゃんはまだ来ないの?」

魅音「おっかしーなー、確かに来るって言ってたのに……」

沙都子「もうすぐで梨花ちゃんの演舞が始まってしまいますわよ」

魅音「ごめん、みんな。ちょっと先行ってて」

圭一「急いで戻ってこいよ!」

166: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 00:09:03.52 ID:RcRD3+HDO
上田「おい、山田。正気か」

山田「梨花ちゃんには悪いけど今の時間帯しか行く時間がないんですよ」

上田「で、でも村人の話じゃ祟りが起きるって」

山田「……上田さん。ひょっとして怖いんですか?」

上田「ば、馬鹿言え。そんなことあるわけないだろ」

山田「上田さん、かき氷食べましたか?」

上田「食ってないが」

山田「そうですか……」

167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 00:17:58.51 ID:RcRD3+HDO
ドガッ! バキッ! 

山田「頑張れデクの棒」

ドゴン! ゴシュッ!

上田「目にゴミが……」

山田「もう少しだ!!」

バキッ! バギンッ!!

上田「……どうしてこうなった」

山田「でかしたぞ上田。中に入るぞ」

上田「俺は見張r」

山田「かえって目立つ。ちゃっちゃと入って下さい」

169: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 00:33:59.02 ID:RcRD3+HDO
山田「これは……」

上田「拷問器具のようだな」

山田「どうしてこんな物が」

上田「地方の村にはよくある話だ。外国でいう魔女狩りみたいなものだ」

山田「……何か変じゃないですか?」

上田「何がだ」

山田「例えばこの器具、変わった形の注射針のようにしかみえません」

山田「他にもこれは鍋のもののようにも見えます」

上田「グツグツと焼いたりするんじゃないか」

山田「あまりにも拷問器具とは呼べないものが多い気がするのですが……」



村人「早く捕まえるんじゃあああ!!」



上田「くそっ、ばれたか」

山田「いえっ……様子がおかしいです」

170: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 00:37:57.87 ID:RcRD3+HDO
少し前

圭一「くそっ、魅音のやつまだこねぇのか」

レナ「もう演舞始まっちゃったのに」

沙都子「……向こうから誰か走ってきますわよ?」

レナ「……魅ぃちゃん?」

172: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 00:39:34.67 ID:RcRD3+HDO









魅音「人が!!人が死んでる!!」










174: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 00:43:30.49 ID:RcRD3+HDO
村人「ど、どういうことじゃ」

魅音「こっち!!」

圭一「おいっ、待てよ魅音!!」

村人「い、一旦中止だ!!早く魅音ちゃんについていくんだ!!」

レナ「死んだって……だれかな?かな?」

沙都子「と、とにかく追いかけますわよ!!」







梨花「どうなっているの……」

176: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 00:48:48.20 ID:RcRD3+HDO
村人A「追いかけろ!!」

村人B「早く捕まえるんじゃあああ!!」




山田「どろぼうか誰かを追っているようですね。どさくさに紛れて私達も追いかけましょう。あわよくばここの侵入もそいつのせいにできるかもしれません」

上田「そうだな、こんな陰気臭いところさっさと出よう」

177: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 00:53:03.65 ID:RcRD3+HDO
圭一「はぁ……はぁ……、魅音のやつどこ行ったんだ?」

ボッチャン……

沙都子「今…何か音が」

レナ「鬼が淵沼の方からしたよ!!」

圭一「まさか……魅音!!?」

179: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 00:55:58.63 ID:RcRD3+HDO





上田「おい……あれは」



山田「魅音ちゃん?」






181: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 01:01:55.61 ID:RcRD3+HDO




「誰か!!早くロープを!!」

「魅音ちゃん!!魅音ちゃん!!」

「誰か!!誰かぁああ!!!」




183: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 01:12:33.29 ID:RcRD3+HDO
詩音「嘘でしょ……お姉が死んだなんて……」

上田「その沼に沈んだ子は確かに」

レナ「緑色の髪だったし魅音ちゃんだったよ……他人と見間違えるわけもないです……」

詩音「私はお姉がどこにいるか分からなくて家に向かおうと……そしたらみんなの声が聞こえて」

詩音「馬鹿お姉!!どうして死んじゃったの!!!私がちゃんと皆を見つけてたら!!!!!」

山田「落ち着いて詩音ちゃん。詩音ちゃんの責任じゃないわ」

名「それでは殺されたのは一体……」

上田「……永淋さんの姿を見た人は」

婆「永淋さんなら碑文の謎を解くと言って祭りには行きませんでしたぞ」

村人「……祟りだ」

山田「えっ?」

村人「お社様の祟りだ!!今年も生け贄が出たんだ!!」

185: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 01:19:14.65 ID:RcRD3+HDO
村人A「一人の死者と一人の行方不明者!!この呪いは消えないんだ!!」



バタン!

村人C「おいみんな!!聞いてくれ!!宝物庫が壊されてるぞ!!」

婆「なんてことじゃ……」
上田「あっ……」

村人B「何者かがお社様の怒りに触れたのよ!!」

村人D「誰だ!!早く捕まえろ!!」

山田「あのー、もしかしたら永淋さんが壊したのでは?」

189: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 01:25:04.29 ID:RcRD3+HDO
村人A「そうか……壊したついでに行方をくらました可能性もあるな」

村人B「そいつが魅音ちゃんを沼に突き落とした可能性もあるな。事故かもしれないが」

子供「オイラその貧 のおばさん達が宝物庫に行ってるの見たぞ」

山田「ちょっと!貧 はともかくおばさんじy」

詩音「そういえば私と会ったのも……」

婆「……どういうことか説明してもらえますかね」

ギロッ

山田「ひっ!!」

上田「いやぁ、それはですね。こいつが宝物庫に遊びに行こうと言い出したんですよ」

山田「なっ!?」

190: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 01:30:04.79 ID:RcRD3+HDO
上田「私は止めたんですがね。こいつがどうしてもって言って勝手に行っちゃいましてね。禁止されればされる程見たくなるとか言ってたんですよ」

村人「なんて罰あたりな……」

婆「……しばらく山田さんは村から逃げられないようにしないと行けませんな」
山田「えっ?ちょっと!!上田!!!」

192: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 01:36:11.15 ID:RcRD3+HDO
……ガチャン

婆「後ろの方には底の見えない穴が空いておりますから注意して下され」

婆「それでは……くれぐれも逃げ出そうなんて考えないことです」

山田「ところであそこに置いてある手錠付きのベッドh」

バタン!

山田「…………とんでもないところに閉じ込められてしまった」

194: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 01:44:47.61 ID:RcRD3+HDO
山田「……暇だ」

山田「もうあれから何時間経ったんだろう」

山田「…………」

山田「りんご」

山田「ゴールデンボール」

山田「ルクセンブルク」

山田「クリボー」

山田「ボール」

山田「ルイジアナ」

山田「なお」

山田「お母さん」

山田「終わっちゃった……」

梨花「おにぎり!」

山田「えっ?」

梨花「おにぎり持って来たのです。にぱぁー☆」

195: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 01:51:27.89 ID:RcRD3+HDO
梨花「暇にならないよう物語を話してあげます」

山田「梨花ちゃんが?聞きたい聞きたい」

梨花「長くなると思うのですが最後まで聞いて下さい」

196: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 01:54:45.93 ID:RcRD3+HDO

それは信じられないような話だった

雛見沢症候群のこと

ヤマイヌとか政府とかのこと

梨花ちゃんがクイーンだということ

入江医院にはレベル5の男の子が眠っているということ



しかし彼女の目には力強いものがあった。とてもからかっているようには見えなかった

198: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 01:56:44.32 ID:RcRD3+HDO
山田「それじゃ私も物語を話すね」

梨花「わかったのです」

山田「ある髪の青い女の子は髪の緑の子と相談事をしていました……」

199: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 02:01:48.50 ID:RcRD3+HDO
魅音「雛見沢症候群が世間にばれたら経済的にも交流的にも大きな負担がでるの」

魅音「梨花ちゃんには難しいかもしれないけど大切なことなの」

梨花「それじゃ誰か頭の良い人達に碑文の謎を解いてもらってはどうですか?」

魅音「そうはいっても……そうね、それにあの手紙によればこの村の存続事態危ういし」

魅音「仕方ない。あれを売るか」

202: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 02:12:16.35 ID:RcRD3+HDO
山田「梨花ちゃんのお話に出てきた半年前に割れた彫刻の像から出てきた手紙の内容」

山田「クイーンは遺伝的なものではなく薬剤投与によって雛見沢症候群への抵抗を与えられた人物であり、その効果は一代限りにしかもたない」

山田「つまり梨花ちゃんが死んじゃったら皆レベル5になっちゃうってこと」

山田「だから二人は前金で世間的な権威を呼び、黄金を餌にして碑文の謎を解かせようとした」

山田「けど実際はその碑文の謎は特効薬の作り方の在処を示しているものだった」

203: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 02:17:44.57 ID:RcRD3+HDO
梨花「北条家の有名な彫刻師、北条仁一の陶磁器を売るのですか?」

魅音「あれなら家を一軒売るくらいのお金は手に入るだろうしね」

梨花「あの割れて中から手紙が出てきた彫刻像もその人がつくったものだったのです」

魅音「なんかその仁一って人に全部仕組まれてるみたいでいやだよね」

梨花「もうずっと前になくなった人なのです」

205: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 02:29:53.60 ID:RcRD3+HDO

話が少しづつ繋がって来た

どうしていきなりクイーンの正体を示す手紙が出てきたのか


北条仁一は証拠は与えず答えだけを与えた。だからそれに気付いたご三家は必死になっている


答えを信じているのは園崎家と古手家のみ


きっと、北条仁一はもう一枚の手紙を碑文の場所に隠しているはずだ

206: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 02:35:41.62 ID:RcRD3+HDO
ドン! ゴシュッ! バギンッ!

上田「おーい、貧 はどこだー」

梨花「うわっ!鬼なのですか!!?」

山田「ただのデクの棒だから大丈夫よ」

上田「時間がない。数人気絶させてきたが追ってが来ている」

山田「鍵はある?」

上田「なんだ!?場所もわからないのか!!鉄の棒をこじ開けるなんて流石の俺でも……」

山田「なぜ、ベストを尽くさないのか」

208: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 02:41:48.53 ID:RcRD3+HDO
上田「うぅぉおおぉおおおおおお゙お゙お゙お゙!!!!!!!!!!!」


ミシミシミシ!!

┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛……


バギンッ!!

上田「おおぉふぅぅ!!ふぅ……その貧 なら通れるだろう」

山田「ありがとうなウドの大木」

上田「もっと気の聞いた言葉はないのか。そちらのお嬢さんは」

山田「少し恋の話をしていただけよ。内緒だもんねー」

梨花「にぱぁー☆」

上田「ふん、捕まらないうちにさっさと行くぞ」

209: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 02:45:10.29 ID:RcRD3+HDO
上田「やばい、追ってが来てるぞ!!倒していくか!?」

山田「大丈夫。この道からならあそこに行けるって梨花ちゃんから聞いたから」
上田「あそこ?あそこってどこだ?」

山田「いやらしい発言をするな!いいからついてこい!!お前が派手に暴れてくれたお陰で犯人を捕まえることができるかもしれない」

上田「なんだと!?」

210: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 02:51:17.96 ID:RcRD3+HDO
「あいつらさえ消えれば誰もこの村に関わろうとしない」

「未来の雛見沢なんて知ったことじゃない……私は……」

山田「あら、今晩は。こんな時間に何をやっているのかしら」

「!!?」

村人「こっちにいるぞぉー!!こっちに……あれ?」
上田「どうしてこんな時間に……」

山田「園崎詩音、お前の考えていることは全てお見通しだ!!」

詩音「なんで……」

211: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 02:58:23.35 ID:RcRD3+HDO
村人「詩音ちゃん、どうしてこんな夜中にこんな所にいるんだ」

詩音「それは……お姉が死んだのが受け止められなくて……」

山田「それでわざわざ鬼が淵沼までに?」

上田「なぁ、魅ぉ……詩音ちゃん、何か隠してないか?」

詩音「えっ?な、何も……」

山田「隠しているものは秘密の他にも色々ありそうですよ」

山田「例えば、『靴』、とかね」

詩音「っっっ!!!」

212: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 03:01:28.44 ID:RcRD3+HDO
山田「梨花ちゃんからあなたたちの過去にいたることから最近の会話までほとんど聞いたの」

山田「そして園崎詩音、あなたが園崎魅音に入れ替わっていたことがわかった」
上田「今の詩音ちゃんは詩音ちゃんなのか?」

山田「今から説明します」

213: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 03:15:07.83 ID:RcRD3+HDO
山田「綿流し前日の夜……」

圭一「詩音!!」
レナ「詩ぃちゃん!!」
沙都子「詩音さん!!」

詩音「みんな……」

上田「続けろ」

山田「はい。綿流しの祭りの前日の夜、園崎詩音さんは姉の魅音さんを殺害しました」

村人「ばっ!そ、そんな!!」

圭一「いきなり何言ってんだ!!詩音がそんなことするわけねぇだろ!!」

沙都子「そうですわよ!いきなり殺すとか言われて信じるわけが……」

山田「動機を最初に説明してもよろしいですけど」

詩音「…………」

上田「トリックから説明してやれ」

215: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 03:22:10.18 ID:RcRD3+HDO
山田「詩音さんは姉の魅音さんを殺し遺体を一目のつかない、森の奥や滅多に使うことのないだろう私が閉じ込められていた場所などに隠しておいたのでしょう」

山田「遺体を隠した詩音さんは翌日の綿流しの夜圭一くんたちにこう言ったでしょう」

山田「『詩音も来るといっていた』『こないから迎えにいくよ』などです」

レナ「それは……」

山田「これは誰からも聞いていないことです。おそらくその時間梨花ちゃんは着付けなどをしていたでしょうから」

216: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 03:39:56.69 ID:RcRD3+HDO
山田「その時詩音ちゃんは服とズボンを二枚着ていました。片方は長めで片方は短めの。周りに二枚着ていることを悟られないようにするです」

山田「それを来た詩音さんは'詩音さん'を探しに行ったはずです」

山田「そして魅音さんに成り済ましていた詩音さんは永淋さんが宿に残っていることを知り、警戒させずに殺すことも可能です」

山田「いや、既に殺していたのでしょう。そうすれば返り血を浴びるような殺し方をしても同じ服が2着無くても大丈夫ですから」

山田「遺体は園崎家の近くならばどこにでも隠すことが可能です」

山田「別に永淋さんを殺す必要はなかった。ただ伝説になぞらえればお社様の祟りとして自分は疑われにくい」

山田「それにこの村に関わろとする人もいなくなるかもしれませんしね」

詩音「…………」

217: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 03:57:34.13 ID:RcRD3+HDO
山田「そして演舞の時--これは梨花ちゃんから聞いたのですが--人が死んでいると叫びみんなが自分を追いかけるように仕向けた」

山田「綿流しの夜に絶対に誰もこないであろう鬼が淵沼の側に放置しておいた魅音さんの死体を突き落とす」

山田「音に気付いて誰かが駆けつけてくる間、急いで宝物庫の方へ隠れ逃げようとした」

山田「あなたは上に着ていた服を脱ぎあらかじめ置いておいた靴に履き替えた」
山田「そしてあなたは園崎詩音になりきる。これで終わりのはずだったのでしょう」

山田「しかしそこで私達と出くわしてしまった。あなたは近くの草むらに靴や衣類を投げ入れざるを得なかった」

山田「夜中なので見つかることもなかったでしょう。ですが夜が明けてしまったら?そうなる前にあなたはどうしても手に入れなければならなかった」

山田「そんな時上田さんが私を救出するために村に人騒ぎ起こしてくれました。彼はきっと祟りに怯え心細かったために起こした行動なのでしょう」

上田「…………」

山田「あなたは今しかないと思ったはず。この騒動で皆がいなくなっているならばれずに回収できると」

山田「彼が宝物庫を壊し、せっかく祟りのせいに出来そうでしたのに残念でしたね」

婆「あんたが壊したのか!!」

上田「いやっ、その」

詩音「……ババァ」

218: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 04:04:06.11 ID:RcRD3+HDO
詩音「あーあ、もうめんどくさい」

圭一「詩音……」

詩音「みんな死ねばいいのに」

レナ「詩ぃちゃん……」

詩音「死ねよ」

詩音「死ね死ね」

詩音「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」

詩音「みんな死んじゃえ!!どうせ私ももうすぐ死ぬんだ!!」

詩音「さとし君の生き返らない世界なんて意味ないもの!!」

詩音「みんな死んじゃえ!!」

ダッダッダ!!

上田「おい!どこに!!」

山田「まずいです。急いで追いましょう」

219: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 04:10:59.76 ID:RcRD3+HDO
詩音「これさえなければ!!」

上田「やめろ!!」

詩音「離せ!!離せぇえ!!」

山田「はぁ…はぁ……丁度月が出ていますね」

山田「別に必要はないのですが北条仁一のこの碑文をつくった時の心情が少しは感じとれるかもしれません」

沙都子「北条家の彫刻師……」

山田「誰か水を持ってきて下さい」

220: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 04:12:56.62 ID:RcRD3+HDO
山田「村にいるのは我らが民のみ

涙の降る夜に何かが起こる

全ての兵が鬼に殺され

血を香らせる子が鬼の味方をするならば

馬は向かうよ己が家に よろけながらも真っ直ぐと

月は天上

太陽は地獄

隅に収まる隅なる者 彼女は体を暖める

火車は急ぐよ虎に勝つため 最も短い距離を行く

黄金を手元に残したくば準ずる者は殺してけ

お社様は眠り続ける」

221: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 04:16:17.50 ID:RcRD3+HDO
上田「これは何を意味しているんだ?」

山田「駒の位置です」

婆「駒じゃと?」

山田「みなさんも名前くらいは知っているでしょう?








     『将棋』


         です。」

223: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 04:35:10.49 ID:RcRD3+HDO
山田「9×9のマスであること。梨花ちゃんの部活についてお話している時に気付きました

『村にいるのは我らが民のみ』
これは自分側の陣営にしか駒がないことをさします

『涙の降る夜に何かが起こる』
これは水です。夜の理由は……この後わかるかもしれません

『全ての兵が鬼に殺され』兵とは『歩』のことを差します。歩は全部消します

『血を香らせる子が鬼の味方をするならば』
これは『香子』が鬼、つまり敵側の位置に配置されているということです」

224: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 04:35:54.42 ID:RcRD3+HDO
山田「『馬は向かうよ己が家に よろけながらも真っ直ぐと』
桂馬は真っ直ぐ進もうとするならば相手側の本来桂馬がある位置につきます
そして桂は中国で月に生える木だと言われています

なので桂馬が到着する石版の上側、つまり天上が月を意味し下側が地獄、太陽を意味します

『隅に収まる隅なる者』は『角』が角にいることを意味します。『彼女は体を暖める』ので太陽側にいるのでしょう」

225: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 04:36:56.04 ID:RcRD3+HDO
『火車は急ぐよ虎に勝つため』
虎に勝つためヒシャ、つまり『飛車』は『龍王』になろうとします。
『最も短い距離を行く』ので月側から三つ手前です

上田「おい、それじゃ……」

山田「言いたいことはわかりますが後にして下さい。まだ私にも分かりません」

『黄金を手元に残したくば準ずる者は殺してけ』
これは銀の位置に何も置かないことを意味します

『お社様は眠り続ける』
残った『王』はそのままの位置で、ということでしょう」

226: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 04:46:43.14 ID:RcRD3+HDO
上田「それじゃこの位置に水を流すと……」

山田「はい。文字が浮かび上がるでしょう」


ポタ ポタ ポタ……


婆「これは……」




227: 携帯はAASで 2009/11/30(月) 04:56:57.44 ID:RcRD3+HDO
・・・・
  ・
  ・
・・・・・・

・・


・・・・・

・・・・

・・


249: 携帯はAAS 2009/11/30(月) 13:30:08.98 ID:RcRD3+HDO
・ ・ ・
・ ・ ・

・・・

・・・
・ ・
・ ・






・ ・
・ ・
・・

250: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 13:31:53.12 ID:RcRD3+HDO
村人「子ヲツクレ?」

婆「それじゃ若いお二方。早速●●りに励んで……」
山田「こっ、こういう時だけ若い呼ばわりしないで下さいよ!!」

レナ「圭一くーん、子供ってどうやってできるの?」

圭一「そ、それはだな」

253: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 13:40:47.24 ID:RcRD3+HDO
上田「男と女……王は男だとして……

圭一「彼女って書いてある『角』が女じゃないでしか?」

上田「そうか!それじゃ王と角のある位置に水を流せばいい!!」 

レナ「もとの位置の場合と動かした位置の場合を二つ試せばいいのかな?かな?」

詩音「さとしくん……さとしくん……」

255: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 13:50:01.81 ID:RcRD3+HDO

…………

上田「どっちもただの適当な点だな」

詩音「助からないよ……」
山田「詩音ちゃん、助からないっていうのはさとし君のことだよね?どうして諦めるの?」

詩音「仁一の手紙に書いてあった……自然治癒ではレベル5からは復活しないって」

256: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 13:59:20.18 ID:RcRD3+HDO
山田「まって、さっきどうして碑文の場所をめちゃめちゃにしようとしたの?」

詩音「だってさとしくんが……」

山田「だからどうして」

詩音「…………」

山田「それに私が梨花ちゃんに教えてもらった手紙の内容には自然治癒の話なんてのもなかったのよ」

257: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 14:08:31.37 ID:RcRD3+HDO
あんたたちさえいなかったら

私はさとしくんと……

ガリガリ……

あんたたちさえいなかったらさとし君と一緒に!!!!!!

「おい!押さえろ!!」

死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねぇ!!!!お姉もお婆もみんなみんな死ねぇ!!!!!!

ガリガリガリガリガリガリ

「誰か!!救急車を!!」

「入江医院に!!」

山田「どういうこと……」

272: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 18:15:46.83 ID:RcRD3+HDO
AM 7:00

梨花「入江医院で詩音さんは眠っているみたいなのです」

山田「そう……」

上田「俺達のことを相当憎んでいたな」

婆「わしのせいか……わしのせいか……」

上田「そろそろ教えてくれないか?詩音が殺害を企てた動機を」

273: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 18:20:53.59 ID:RcRD3+HDO
山田「……分からないんです」

上田「お、おい、動機は後で説明するってさっき……」

山田「私がわかる動機はそのトリックを行ったことについてです。でもどうして……何かがおかしい……」

村人「事件を整理するためにもう一度話して下さいませんか?」

山田「えぇ、わかりました」

275: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 18:28:21.96 ID:RcRD3+HDO
山田「まず詩音さんは魅音さんを殺害しました。その理由については恐らく私達のせいでしょう」

上田「どういうことだ!?」

山田「簡単です。詩音さんの状態を見てわかる通り彼女はレベル4、もしくは5に達しています」

村人「雛見沢症候群については私達も医院の先生から話を聞きました……」

山田「その雛見沢症候群。鬼が淵沼に発生したウイルスか微生物か何かが人間にとりついて殺すということでしたね」

上田「俺も詳しく話を聞いた。それがお社様の祟りの正体だったんだろ」

山田「えぇ。症状として人間を信じられなくなる、疑心暗鬼になり自分の喉を掻き毟って殺す。などがあるようですね」

名「わ、私達は大丈夫なんですか!!?」

276: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 18:47:31.62 ID:RcRD3+HDO
山田「長期間いない限り大丈夫でしょう」

上田「い、インフルエンザだっていきなり感染する場合もあるんだぞ」

山田「この雛見沢症候群、少し特殊な気がするんです」

山田「雛見沢は田舎の方にありますが一歩踏み出すと都会も広がっています。詩音さんがバイトをしていたところのあたりですか」

山田「雛見沢症候群にかかった者は雛見沢の地を離れていくことはできない。何故なら」

梨花「ぼくのせいなのです」

山田「むしろあなたのお陰というべきよ」

278: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 18:51:01.33 ID:RcRD3+HDO
山田「感染者がクイーンと呼ばれる抵抗を持つ者がいない土地に長く滞在すると精神的な問題が発生します。とりあえず『禁断症状』と呼ばせてもらいます」

山田「ここで疑問に思ったんです。過去に雛見沢で起こった事件のためにここな地に赴いた警察」

山田「もしくはここの地と交流をもつ運送業者などが雛見沢症候群にかかり禁断症状がでたということはおありですか?」

村人A「いや……そんなことは……。運送業者はしばしば来ている点はありますが」

梨花「赤坂は元気に暮らしているのですよ。にぱぁー☆」

山田「そうなんです。この雛見沢症候群は確かにおかしいんです」

279: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 19:02:38.54 ID:RcRD3+HDO
上田「それがどうしたんだ」

山田「いえ……ただ気になっただけなので。話を戻します」

山田「レベルが3以上になった詩音さんは目的達成のために邪魔者を殺します。私がわからないのはこの目的のことです」

山田「詩音さんは碑文の謎を解いて欲しくなかった。だから碑文を誰かに解かせようとする魅音さんを殺害し、チャンスがあったので永淋さんも殺した」

山田「今はこれだけしかわかりません。詩音ちゃんは目が覚めないかもしれませんし、覚めても教えてくれる状況は極めて生まれにくいでしょう」

山田「上田さんの話などを聞き私はあなた達が黄金を餌に何か他に別のことを企んでいるのではないかと思いました。そのことに梨花ちゃんは首を縦に振ってくれました」

山田「今この事件の解く鍵を持っているのは園崎さん、あなたしかいないんです」

婆「…………」

山田「犯罪まがいのことでも一切口外しません。洗いざらい過去の歴史から話していただけませんか?」

婆「……場所を変えましょう」

280: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 19:13:46.00 ID:RcRD3+HDO
山田「上田さんと梨花ちゃん以外の方には悪いけどこれからの話は聞かないでもらいます」

村人「ま、まぁ当主がそういうのでしたら……」

名「わ、私はもうこんな村帰ります!!症候群だとか祟りだとか殺人だとかばかげてる!!」

村人B「……朝の10時にはバスが来る。それでとっとと帰りやがれ」

名「結局黄金なんか無いんだろ!!もうお前らの好きにしろ!!前金の1000万円だけもらっていくからな!!!」

山田「いっ!!?」

上田「俺は300万しかもらってないぞ!!」

山田「さっ!!?」

婆「……早く行きますぞ」

281: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 19:19:38.77 ID:RcRD3+HDO
山田「……ここは」

上田「宝物庫ですか」

婆「祭具殿です。決して外の者は開けてはならぬと『厳しく』伝えられていたんですがね」

山田「はっ……はは……」

上田「……鬼……」

婆「何か?」

上田「い、いえ。それよりどうして祭具殿へ?」

婆「その前に色々と話しておきましょう」

283: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 19:34:49.99 ID:RcRD3+HDO
婆「かつて園崎家、古手家、北条家は御三家とも呼ばれ絶大な権力を所持していました」

婆「古手家は優秀な化学者がおり戦時中の国への貢献が大きかったようです」

上田「待って下さい、古手家はお社様信仰があったから……」

山田「最後まで話を聞いて下さい」

婆「物分かりがよい娘さんで助かる。さて」

婆「園崎家は代々優秀な医学の発展に関わる功績を残していたようで、園崎羽音という女性の方は時代が違ければ絶大な権威になっていたとのことです」

婆「最後に北条家ですが、北条家自体には大した権力がありませんでした」

婆「但し天下の才能を誇る青年が彫刻の道を歩んでからというもの一線を引くようになりました」

婆「最高彫刻『天上の火車』を造り上げた北条仁一のことです」

284: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 19:48:21.97 ID:RcRD3+HDO
山田「その人ってそんなに凄いんですか?」

上田「馬鹿も休み休み言え。北条仁一が小便小僧の彫刻を掘るだけでお前はあのボロアパートに軽く100年は住めるぞ」

山田「えっ、うっ、嘘でしょ!?」

上田「『天上の火車』なんてなぁな、北条仁一の最高傑作だと言われているが戦後間もないにも関わらず世界中の大富豪が手に入れようとしたものだ」

山田「手に入れられなかったんですか?」

上田「本人は無くしたとか言ってたらしいが、実際のところどうなんだろうな。博覧会ではそれだけにガードマンが二桁ついた程だったらしい。余程惜しい作品だったんだろう」

山田「一度見てみたいですね」

286: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 20:05:26.96 ID:RcRD3+HDO
婆「それでは続けますぞ」

婆「当時北条家は園崎家、古手家と肩を並べるために北条仁一のガラス細工の作品を贈与したといいます。仁一師は芸術に関することなら大抵のことはできたと言います」

婆「園崎家には『龍の勾玉』を、古手家には『虎の勾玉』を」

婆「そしてその作品はそれぞれの家で家宝とされ、大切に保存されてきたのです」

婆「しかしある日、ほぼ月数を変えずに二つの勾玉は割れ中から手紙が現れたのです」

上田「恐らくガスを発生するものなどを勾玉の中に閉じ込めていたんでしょう。ガラスは液体なのでゆっくりゆっくり溶け上表面は脆くなってきますからね」

山田「手紙にはなんと?」
婆「……これです」

289: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 20:54:34.24 ID:RcRD3+HDO
園崎家の者へ。お社様信仰によって封印された過去の歴史をここに記す

古手家が権力を手に入れたのは、鬼が淵池に発生した雛見沢症候群に対抗する薬を開発したからではない
戦時中、化学の分野に特化していた古手家が政府の依頼により強力な病原体を生成したからである
園崎家屈指の医学博士園崎羽音は、古手家の圧倒的な権力による支配を避けるため対抗薬をつくり始めた



290: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 20:55:24.99 ID:RcRD3+HDO
権力を得て古手家は必要とされなくなった雛見沢病の病原体を鬼が淵池に捨てることにした
しかし月日が経ち村では人が次々と発狂する事件が起きた
園崎羽音は変われ果てた鬼が淵池を見て正体が病原菌であると確信した。そしてとうとう薬の完成をさせた


291: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 20:56:41.95 ID:RcRD3+HDO
五段階に分類された雛見沢病に対し

三段階目までの症状の進行を抑えるのに有効であるとされる桂薬

五段階目までの症状の退行に有効とされる王薬

感染していない幼児の体内に取り込めば周りの発症を抑える成分を作りだすようになるQueen


皮肉なことに、Queenは当時誕生したばかりであった古手家の幼児に投与された

その交換条件として古手の残りの毒薬を全て回収し、機関の解体を行った

293: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 21:10:47.90 ID:RcRD3+HDO

彼女が最後に作った薬

王薬は雛見沢病で苦しむ者を救う唯一の手段

決して気軽に触れられぬようそれは天上の火車の中に入れてある

自然治癒では最終段階から復活を遂げるのは不可能である

最終段階に入った者が歩むは地獄への道のみ

私は愛する者へと使った

私もそろそろ使わねば

残るは二つ

貴方は誰に

294: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 21:15:05.59 ID:RcRD3+HDO
梨花「古手家の手紙には薬や自然治癒のことは書いていなかったのです」

山田「……罪だけを償えってことなのかも」

婆「何か役に立てましたかな」

山田「はい。それじゃ行くぞ、上田」

上田「行くってどこにだ」

山田「碑文の謎が解けたんですよ」

297: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 21:24:20.47 ID:RcRD3+HDO
--だめだ


私……まだ死んじゃだめだ


さとし君を助けなくちゃ


まだ警察にも捕まってない

さとし君と一緒に村を出ていけばいい


もしあの薬さえ手に入れば一生自由に……

298: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 21:46:43.27 ID:RcRD3+HDO
上田「なぁ、教えて欲しいんだがどうして魅音ちゃんはさとし君は助からないと思ったんだ?」

山田「私達が謎を解いてしまったら天上の火車を持っていかれると思ったんでしょう」

山田「手紙には桂薬とQueenは天上の火車の中に入っているとは書かれていませんでした。恐らく側にでも落ちているのでしょう」

山田「お婆ちゃん達にとってはQueenが手に入ればいいだけです。きっと魅音ちゃんに進言したのもお婆ちゃんなのでしょう」

上田「あぁ、そういえば『自分のせいだ自分のせいだ』って責めていたな。確かに詩音ちゃんのことならあの婆さんは激怒する反応が普通だ」

299: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 21:56:58.90 ID:RcRD3+HDO
上田「話がそれたな。要するに詩音ちゃんは王薬でさとし君だったか?を助けるためにこんな事件を起こしたんだろ?」

山田「そうです。王薬だけ天上の火車の中にありますから。国宝どころか世界の宝を私達が割ってまでくれるとは思わなかったのでしょう」

上田「たとえそれが1兆だろうが2兆だろうが人を見殺しにしてまで使うのは偽善じゃなくても気分が悪いぞ」

山田「重要なのは詩音ちゃんはレベル3以上であったということです。自分の目的遂行のために自分だけを信じることにしたんでしょう」

上田「聞こえはいいがな。俺なら謎を解くのを普通に助けて横取りしていただろう」

山田「もう冷静な判断は出来なくなっていたのでしょう。正直あのトリックも少しタイミングがずれたりするだけで簡単に壊れてしまいます」

301: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 22:07:57.29 ID:RcRD3+HDO
山田「碑文を壊そうと暴れたのも私達に解かせないようにするためでしょう。もうこの時点ではレベル4からレベル5に達していたのだと思います」

上田「古手家があんなウイルスをつくるのがいけないんだ」

山田「政府のお達しですしね。でも魅音ちゃんは梨花ちゃんと仲良くやっていました」

上田「まだ子供だからだろうが」

山田「そうですかね」

上田「違うかもな」

山田「そうですね」

303: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 22:16:14.73 ID:RcRD3+HDO
上田「……さて、着いたぞ。早く●●りに励んでくれ」

山田「上田さん、何か液体を出してくれませんか?」

上田「ばっ、ばか言え!!どうして俺が白昼堂々そんな不埒なことをしなくちゃならないんだ!!」

山田「……水買ってきます」

304: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 22:20:19.59 ID:RcRD3+HDO
山田「カルピス買ってきました」

上田「……誰に対する嫌がらせだ。それよりいいのか?みんな呼ばなくて」

山田「あまりにも単純すぎるので自信がないんです」

上田「とりあえずさっさと●●りをしてくれ」

山田「……わかりました」

306: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 22:43:10.36 ID:RcRD3+HDO
山田「上田さん、片方持っていて下さい」

上田「カルピス2本も買ってきやがって。飲む用か」

山田「まずは男である王様の位置。上田さん」

ポタポタ……

山田「あとは女の『龍王』の位置です」

ポタポタ……

上田「おい、いくらなんでもそんなごついのが……」

……ジワァ


  王 、

上田「……王の文字が浮かび上がったぞ」

山田「問題は右の『、』です。そこに宝があるのでしょう」

山田「祭具殿に戻りましょう」



「………………」

307: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 22:46:06.70 ID:RcRD3+HDO
山田「誰もいませんね」

上田「おいおい、こんな不気味な所にあるのか?」

山田「怖いなら外で待っていて下さい」

スタスタ……

上田「ま、まて!俺も入る!!」





大石「それは本当の事ですかぁ!!?」

入江「ええ、急いで探して下さい」

309: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 22:57:54.54 ID:RcRD3+HDO
上田「いつ見ても不気味な像だな」

山田「不気味な象の像の像ですね」

上田「いいから点の意味を教えろ」

山田「将棋では王将に点がついてるものがあります。確か先行側がそうです」

山田「実際に将棋で使う『王』の漢字は違うのですが碑文にあった通りお社様、つまり王の<玉>の部分を探ってみて下さい」

上田「探るって、ば、バチ当たりじゃ」

山田「うえだ」

上田「南阿無駄仏南阿無駄仏……」

コツン

コツン コツン

コツン カンッ

上田「おっ」

山田「でかした上田!!」


   「マダオワッテナイ」

310: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 23:08:01.29 ID:RcRD3+HDO
上田「引き出しになってるぞ」

スー

上田「これは……薬か!!『桂薬』 『Queen』 二つともあるぞ』

山田「上田さん、もっと奥の方は」

上田「……ハンカチ貸してくれ」

山田「どうぞ」

上田「……これが
 
   『天上の火車』  
           」
山田「凄い装飾……ガラス細工?」

上田「そのようだ。螺旋のガラスの柱中に閉じ込められた鬼の歯まで丁寧に彫刻されてるぞ」

山田「上田さん。そーっと、そーっとお願いします」

上田「わ、わかってる!ゆっくりゆっくり……」

山田「えっ?」

312: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 23:10:35.95 ID:RcRD3+HDO








圭一「逃げろぉおおぉおおおお!!!!!!!」

上田「あっ」

パリン!!

詩音「さとしくんさとしくんさとしくんさとしくん!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

314: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 23:17:19.64 ID:RcRD3+HDO
詩音「さとしくん会いたかったよぉ~……今助けてあげるからね」

上田「おいっ、ちょっと、その刃物危な」

山田「どうしてここに」

詩音「…………」

ギロッ

詩音「さとしくん助けたらあんたたち殺してやるから」

詩音「薬は二つ!私とさとし君はこんな呪われた村から抜け出してどこにでも行けるの!!」

詩音「今……今行くからね……」

ダッダッダッ!

大石「こっちにいたぞぉー!!」

詩音「どけじじぃ!!」

ザシュッ!!

大石「はぅう……」

317: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 23:22:09.86 ID:RcRD3+HDO
上田「どういうことだ」

山田「恐らく彼女はまだレベル5に成り切ってはいなかったんでしょう」

山田「疑心暗鬼が雛見沢症候群の最大の特徴です。でも彼女には唯一信頼できる人がいた」

上田「さとし君か……」

山田「それでも間もなくレベル5に達するでしょう」
上田「だ、だが」

山田「とにかく今は追いかけることが先です。場所は入江医院でしょう」

318: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 23:32:39.52 ID:RcRD3+HDO
ドンッ!

詩音「はぁ…はぁ…さとし君……。今、今助けてあげるからね」

ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ

詩音「鍵かかってるね……大丈夫だよ。詩音が力尽くで割ってあげるから」

ドンッ!ドンッ!

詩音「詩音頑張ったんだよ。一生懸命計画とか死体隠す場所も考えてお姉も殺して他人も殺して……」

ドンッ!ドンッ!

詩音「お姉はあのガラス細工を売れば桂薬やクイーンの凄い研究ができるって言ってたの」

ドンッ!ドンッ!ミシッ!

321: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 23:37:34.10 ID:RcRD3+HDO
詩音「でもひどいよね。誰もさとし君のことを心配してない。確実に目の前にさとし君を助ける方法があったらそっちを選ぶに決まってるよね?」

ドンッ!ドンッ!バリッ!

詩音「治ったら何しようか?詩音はさとしくんがしたいことなら何でもしてあげるよ?」

詩音「さとしくんは男の子だからHもしたいよね。でも私は手つないだりキスしたりしたいな」

詩音「こんな村出てって二人幸せに過ごすの。今まで寝てた分夜遅くまで一緒に話してさ」

詩音「でもまずはこの薬一緒に飲もうね……詩音が口移しで飲ませてあげる





さとしくんのこと、大好きだから!!!!!!!!!!!!!!!」


バリィィン!!!!

詩音「……ふふ。ただいま」

323: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 23:46:57.10 ID:RcRD3+HDO
山田「まって!!」

詩音「……あーぁ。せっかく聡くんと仲良くおしゃべりしてたのに」

詩音「この薬を飲んだらね、詩音と聡君で結婚するの」

詩音「聡くんびっくりするだろうなぁー、自分がずっと寝てたんだって知ったら」

詩音「でも大丈夫だよ。詩音が時間の埋め合わせしてあげるから」

山田「…………無理よ」

326: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 23:53:02.12 ID:RcRD3+HDO
詩音「……あはは!何言ってるの?聡くんは詩音が人殺したくらいじゃ嫌いにならないよ」

詩音「それどころか聡くんのために頑張ってあのクソガキの面倒をみてやったことに感謝してくれるよ」

詩音「これからが楽しみで仕方ないの!!朝日が差して目が覚めたら聡をはじめに見るの!!」

327: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 23:54:11.02 ID:RcRD3+HDO
詩音「いつもは夢だった!!それに聡くんが起きることもなかった!!でも夢が本当に叶うの!!!」

詩音「聡くんのご飯も私が作ってあげて聡くんはおいしいって言うの!!聡くんにおかえりなさいって言ったらただいまって言うの!!!」

詩音「誰にも邪魔させない!!今まで凄く辛い思いしてきたんだから!!私は聡くんとずっとずっと幸せに--」







山田「王薬はね、毒薬なの」

328: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 00:03:58.56 ID:Aaq4zJhNO
詩音「……な、何言ってるか全然わかんないよ」

圭一「詩音っ!!!」

レナ「詩ぃちゃん!!」

梨花「詩ぃ姉!!!」

沙都子「詩音さん……」

詩音「ねぇ、圭ちゃん。聞いてよ。この女が私を騙そうとしてるんだよ」

詩音「手紙にはちゃんと書いてあったんだよ!!最終段階のレベル5までなら症状を退行できるって!!」

山田「症状は確かに退行するの」

山田「『お社様は眠り続ける』。王の薬は特効薬なんかじゃない」

山田「苦しまずに楽に死ねる、死なせるための薬。園崎家が古手家から最後に回収した毒薬なの」

333: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 00:22:36.44 ID:Aaq4zJhNO
山田「あなたが壊したガラス細工の中から手紙も一緒に落ちてきたの」

山田「あんなに手の込んだ暗号をつくるんだもの。作者のメッセージの類のものがあるとは前々から思ってたわ」

山田「北条仁一は園崎家の娘、羽音に恋をしていた。二人は愛しあっていたが羽音は薬をつくるために園崎家の拷問部屋にこもってしまうの」

山田「祭具殿やあの部屋に私は違和感を感じていた。それは拷問道具とは思えない、むしろ人を救うための道具がおいてあったから」

山田「手紙によると園崎羽音は雛見沢病にかかるの。園崎羽音のつくった薬では既に彼女自身を救うことはできなかった」

山田「最終段階に入った者が歩むは地獄への道のみ」

山田「北条仁一は嘆き悲しんだ。彼女と一緒に死ぬ運命を選んだの」

詩音「そんな……」

335: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 00:34:47.88 ID:Aaq4zJhNO
レナ「詩ぃちゃん……」

詩音「……あはは、私結局みんなに迷惑かけただけだったみたい」

圭一「そ、そんなの雛見沢症候群のせいだ!!桂薬を使えば」

詩音「ごめんね圭ちゃん。もう私駄目、レベルも4以上みたい」

詩音「それ以前にお姉も殺しちゃったし……生きていく理由もさっきなくしちゃったしさ」

梨花「そんな……」

詩音「梨花ちゃんがバイト先に遊びに来てくれた時楽しかったよ。すっごく美味しそうに食べるんだもん」

336: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 00:38:28.19 ID:Aaq4zJhNO
詩音「沙都子、昔いじわるしてごめんね。聡くんと仲良くしてるのみて嫉妬しちゃってさ」

沙都子「詩音さん……」


詩音「沙都子、悪いけどもう一つ謝らなくちゃいけないみたい」

沙都子「いやですわ……お兄も詩音さんもいなくなったら……」


ポロポロ……

詩音「あなたの周りには素敵なお友達がたくさんいるでしょ?」

沙都子「…そ…そうですわ……みんな……」

圭一「沙都子……」

337: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 00:45:01.22 ID:Aaq4zJhNO
詩音「聡くん……ごめんね……」

詩音「私…頑張ったけど駄目だったみたい……」

詩音「聡くんのこと、本当に大好きだよ。だから」

サァー……

山田「待っ--」






詩音「最後にキスさせて」





------------



339: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 00:49:49.31 ID:Aaq4zJhNO
詩音「……山田さん。ありがとうございました」

山田「詩音ちゃん……」

詩音「せっかく明日が始まるって思った時に死んだら嫌ですもんね」

詩音「結局…三人も人殺して……何やってんだろ私………」

詩音「でも…これで…やっと……ずっと…」

詩音「聡くんと………い…っ……しょ……」

沙都子「いやぁああああああ!!!!!!!!」

340: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 00:57:41.42 ID:Aaq4zJhNO
その後、桂薬とQueenは園崎家に預けられ雛見沢の一時的未来は保証された


子供達は学校へ集まり、私と上田さんは病院に行き大石さんに事件の全貌を説明した。
幸い大石さんは数週間すれば治る傷だった。常識はずれな内容なのに真剣に聞いてくれた


事件の終着から数時間が経ち、村に戻ると異様な光景が広がっていた

343: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 01:10:16.29 ID:Aaq4zJhNO
里見「はなーみざわひなーみざわさとみざわ!!」

村人「はなーみざわひなーみざわさとーみざわ」

里見「違う違う!はなーみざわひなーみざわさとみざわ!!」

村人「はなーみざわひなーみざわさとみざわ!!」

山田「お母さん!!どうしてここにいるの!?」

上田「あぁ、お母さんは俺が呼んでおいたんだ」

山田「ちょっ、今お母」

里見「奈緒子、元気にしてたかしら?」

345: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 01:16:16.98 ID:Aaq4zJhNO
山田「どうしてここに来たのよ!」

里見「迷える子羊達がいると上田さんから聞いてね」

上田「あぁ、そうです。奈緒子さんのお母様の力があればこの淀んだ空気を浄化できると思いましてね」

村人「本当に!!もう 災いはこないのですか!!?」

里見「甘えるな!!」

村人「!!?」

里見「人に協力を求めるのは悪いことではありません」

里見「しかし人に頼りっきりになるのは悪いことです」

348: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 01:26:42.57 ID:Aaq4zJhNO
里見「みなさん、『力』という字をご覧下さい」

サラッ 

里見「なんだかカタカナの力のようで心細い気がするこの字も」

サラッ サラッ

里見「大人数で」

サラッ サラッ

里見「力を合わせれば」

サラッ

里見「『協力』になります」


349: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 01:28:17.62 ID:Aaq4zJhNO
村人「せんせぇ~い、『協力』して『強力』になるの間違いじゃねぇ~ですかい?」

里見「…………」

里見「細かいことは気にしない!!今ならこの『キョウリョク』お筆!!もれなく5000円で販売いたします!」

里見「ほら買った買った!!!!」

村人A「お、おら買うべ!!」

村人B「私も買ヴの!!」

村人C「俺が一番のりださ!!」

ワー ワー

350: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 01:30:44.36 ID:Aaq4zJhNO
石原「あにィ!!すっかり迷って出番なかったっすね!!」

ドンッ!

矢部「どアホッ、お前が運転したんやないか」

名「いいから事件終わってるらしいんでしたら私だけでも都会へ連れ返って下さいお願いします」

矢部「(今頃あいつらはどこをほっつき歩いとんのかなぁ……)」

353: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 01:36:22.98 ID:Aaq4zJhNO
石原「大石さんから聞いたんですが今回の事件の鍵は桂(カツラ)が握っていたようですね!!」

矢部「……そ、そうなんか!?」

名「桂は月で輝くらしいですね」

矢部「ホッ、ほんまかいな……」

名「根を張って、すくすく育ってもやがては枯れてしまうんですよ」

矢部「……知っとるわ」

357: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 01:50:06.18 ID:Aaq4zJhNO
上田「なぁ、どうして将棋の『竜王』が女だと思ったんだ?」

山田「あぁ、『Queen』に一番動きが近いからじゃないですか?」

上田「そんなむちゃくちゃな理由があってたまるか」
山田「そうですね。私もひょっとしたらと思ってやったんです」

山田「北条仁一が園崎家に与えたのは『龍の勾玉』でしたよね」

山田「だから竜王が園崎羽音を表しているんじゃないかと思ったんです」

358: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 01:51:03.73 ID:Aaq4zJhNO
上田「それじゃ前にも聞こうとしたんだが」

山田「どうして地獄の車である『ヒシャ』が向かうのは地獄の太陽ではなく天上の月なのか、ですか?」

上田「……それも似たようなものか」

山田「そうです。レベル5になり地獄へと続く車に乗ってしまった彼女をせめて碑文の上では天上に走らせたかったのではないでしょうか?」

上田「園崎羽音と北条仁一は夜な夜な月の前で会っていたのかもしれないな」

山田「顔に似合わずロマンチストですね」

上田「うるさい」

360: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 01:58:25.17 ID:Aaq4zJhNO
上田「投与薬が代々伝えられたのは……」

山田「えぇ。園崎のお婆ちゃんが梨花ちゃんにやったのでしょう」

上田「どうして梨花ちゃんがお社様の生まれ変わりだと信仰されるようになったんだ?」

山田「正確には古手家がです。園崎羽音にとっては時期的に運悪く古手家の幼児にQueenを与えざるを得なかったのでしょう」

上田「その時古手家は威厳を取り戻すチャンスだと思って決してレベルの上がらないQueenを持つものイコールお社様の生まれ変わりとしたのか」

山田「上がらないんですか?」

上田「分からないが、お前みたいなものだろう」

山田「なんですかそれ」

362: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 02:04:07.58 ID:Aaq4zJhNO
山田「それにしても今回の事件、不自然じゃありませんでした?」

上田「なにがだ」

山田「今回の事件の真犯人は別にいると思うんです」

上田「お、お社様とかいうなよ」

山田「そんなんじゃありませんよ」

363: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 02:06:36.16 ID:Aaq4zJhNO
山田「梨花ちゃんは薬のことなんて書いてないと言ってたのでQueenがわかるのも園崎家だけ」

山田「条件的に先に天上の月を見つけるのは園崎家なんです」

山田「まるで誰かが自分と同じ運命を辿る者を予期していたかのように」

上田「だとしたら気味が悪いな。勾玉が割れた時期もそうだ。今回の事件を仕組んだようだ」

山田「そうですね。もしかしたら犯人は北条仁一かもしれませんね」

364: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 02:11:37.36 ID:Aaq4zJhNO
上田「北条仁一はどうしてあんなめんどくさい仕掛けをつくったんだ?」

山田「信じていたのでしょう。園崎家にもう一度自分達のような悲劇が起こる場合」

上田「金ではなく愛をとるか、か。粋なことしてくれんじゃねぇか」

山田「上田さんは愛する人が苦しんで死ぬのを待っているとしたらどうしますか?」

上田「そんな目に合わせねぇよ」

山田「そんなお相手もいませんしね」

365: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 02:14:23.85 ID:Aaq4zJhNO
上田「結局北条仁一ってやつは北条家には何も残さなかった訳か」

山田「お婆ちゃんが言ってたじゃないですか。バンバン勝手に作品売られたって。流石に嫌になるでしょう。天上の火車をあんな使い道にしたのも関係あるかもしれませんね」

山田「それに権力を欲しようとはしなかったのでしょう。ただ」

上田「欲したのは愛する人だけか」

山田「上田さん……桂薬もらって来た方がよかったんじゃないですか?」

366: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 02:17:29.43 ID:Aaq4zJhNO
山田「ところであんなに多額の前金はどうやって支払ったのでしょうね」

上田「龍の勾玉の欠片を集めたものを売ったんだろう」

山田「壊れたものをそんな高額で売れるんですか!?」

上田「元より大分減るだろうがな」

山田「へぇ、それじゃあ」
上田「…………」

山田「…………」

上田「……ま、雛見沢の復興か症候群の研究にでもつかってくれるだろ」

山田「そうですね」

367: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 02:20:31.36 ID:Aaq4zJhNO
上田「ついたぞ、貧 」

山田「ありがとうございましたデクの棒」

上田「また機会があったら呼んでやろう」

山田「私より優秀な助手はたくさんいるんじゃなかったんですか?」

上田「助手は鍛えてこそ面白いんだろうが」

山田「……それでは失礼します」

上田「あぁ、またな」

369: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 02:25:33.60 ID:Aaq4zJhNO
山田「ただいm」

インド「イヤッフゥウウフォオオオイイィッフヒィー!!!!」

山田「失礼しました」

…………

山田「まさか」

池田「あんたには出てってもらったから」

山田「お願いします!もうすぐ大金が手に入るんで!!」

池田「その言葉が本当だったら今頃あんたは億万長者だね」

池田「出ていきな!!」

372: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 02:35:38.80 ID:Aaq4zJhNO
山田「上田さん!ちょっと待って下さい!!」

上田「~~♪~~♪」

山田「助手でも何でもいいですから!!泊めて下さい!!」

上田「~~♪~~♪」

山田「上田ーー!!!!」







雛見沢症候群の最終段階に至っても僅かな間自分を取り戻す力

科学では説明しきれないその鬼のような力は




    『愛』と呼ぶのかもしれない




        ~fin~

引用元: 魅音「わ、私いっつも読んでるんですよ先生のどんとこい超常現象!」