1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 00:30:58.36 ID:9bFP36pK0
僕には親がいない。物心がついた頃から孤児院で生活していた。

そして13歳になった僕は中学生になった。

4月が終わる頃になっても僕はクラスで浮いていた。

最初の頃は僕に話しかけてくる人もいたが、僕が素っ気無い態度をとっていると誰も話しかけに来る人
はいなくなった。

僕はクラスで浮いた存在になっていた。

そんなつまらない毎日を過ごしていた頃、僕の人生を絶望に突き落とす出来事が起きた。

なぜかは解らない。僕は唐突に理解した、ある女の子の存在。

そして自分に与えられた能力と使命を。

閉鎖空間とよばれるものはほとんど毎日のように発生していた。
その度に僕はビクビクしていた…僕は気づいていながら無視していた。





3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 00:32:30.51 ID:9bFP36pK0
ある日僕は学校を仮病で休んでいたとき、。僕は閉鎖空間の発生を感知した。

興味本位だった。僕が理解したことを確かめるためでもあった。



僕は閉鎖空間が発生したと思われる場所に向かった。

そして僕は半信半疑でその空間に入ろうとした。



嘘だったら、勘違いだったらどれほど良かったことだろう…この時僕は踏み入れてしまったのだ……閉鎖空間へと。



僕は腰を抜かして膝を地面につけた。

理解はしていた、でも半信半疑だったまさか本当にこの空間に入れるなんて夢にも思っていなかった。



そして解っていたはずだった、この空間に君臨する巨人を……



「な…なんだよ…これ!? 嘘だろ…!?」



4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 00:34:03.73 ID:9bFP36pK0
その巨人は僕の住む町を破壊していた。

動けないでいる僕を見つけた巨人はこっちに向かってきた。



「ぅ…く…来るなっ!! だ…誰か…た…助けて…」



その瞬間、巨人めがけて赤い玉が接近して、腕、足と巨人の体を切り刻んだ。



手足をなくした巨人は倒れ、光の粒となって消えていった。



「大丈夫!?」



僕は声が出せずに唖然としていた。

「まさか…こんな小さな子も…?」



巨人を倒したその人は驚くことに女性だった。

「もう大丈夫よ。怪我はない?」



彼女は僕に手を差し伸べ微笑んだ。

とても―綺麗な人だった。



5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 00:35:42.13 ID:9bFP36pK0
僕は彼女の手をとり立ち上がった。

すると空間は砕け散り、世界は光を取り戻した。



まるで何事も無かったように。





僕はそのまま拉致されるように車に乗せられ見覚えない場所に連れて行かれた。

そして色々な人に会った。

そのたびに僕を同情するような目でみていた。

そして口々に「まだ子供じゃないか…」と呟いていた。

僕は大きな部屋へとおされて、機関という存在を知らされた。

そしてありとあらゆる説明を受けた。

涼宮ハルヒのこと、自分達がしなければいけない事、そして宇宙人や未来人の話も聞かされた。

前なら馬鹿にしていただろうが、僕はその存在を否定することは出来なかった。



そして僕は連絡先などを聞かれ、曖昧な返事をした後部屋をでた。



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 00:37:46.71 ID:9bFP36pK0
「おつかれさま」

あの時僕を助けてくれた女の人が部屋の前に立っていた。

「あなた…名前は?」

古泉「…古泉一樹」

森「私は森よ。森園生。よろしくね、古泉くん」

彼女はニコッと笑って僕に握手を求めた。



古泉「よ…よろしくって…もう会うこともないと思いますけど…」

森「…あら。さっきのオジサンたちの話を聞いてなかった?いや聞かなくたってあなたは理解しているはずよ?自分の役割をね?」



古泉「知らない…」

森「まぁ…そのうち慣れるわよ。古泉君が来るまでは私が最年少だったけど、古泉君は13歳だっけ?この組織に10代は私と古泉君だけだから仲良くしましょう」



古泉「知らないって言ってるだろ!! 勝手なことばっかり言うなよ! 世界を守るため? ふざけんな!! そんなの僕には関係ない!こんな世界勝手に滅んじまえばいいんだよ! 」



僕が言いたいことを言い終えると、彼女は僕の頬を思いっきり殴った。



8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 00:39:33.51 ID:9bFP36pK0
古泉「っ…!?」

森「あんたの苦しみは解っているつもりよ。でもね?私はこの世界が好きなの。親や友達のいるこの世界がね。

だから滅んでしまえなんて言うのはやめなさい。」



古泉「僕には…親も友達もいない…」



森「…そう」



古泉「だいたい…悪いのは涼宮ハルヒじゃないか!? あいつさえいなければ良いんだ!!

 なんであいつのストレス解消に僕が付き合わないといけないんだよ…

なんであの巨人を危ない思いをして倒さなきゃいけないんだよ!? こんなのおかしいよ! 」



森「しょうがないでしょ。涼宮ハルヒにも自覚はないの」



古泉「そんなの…理不尽だ…理不尽だよ…なんで僕なんだよ!!」

森「古泉!!」



彼女は怒気のこもった声で僕の名を呼んだ。

僕は情けないことにビビッてしまった。



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 00:41:30.19 ID:9bFP36pK0
森「男でしょ!! うじうじしないの!! 良い!? あなただけじゃないのよ?苦しいのはあなただけじゃないの。私だって…私だってつらいわ」



古泉「だ…だったら…」



森「私は逃げないわ。たとえ神の気まぐれだとしても私…私が選ばれたのには理由があると思っているわ。きっとね…古泉君…あなたにも」



その日僕は森さんの車で送ってもらった。

気まずい空気の中、森さんも口を閉じたまま車を運転していた。



僕はふと森さんのほうを見た。すると森さんと目が合ってしまい、僕は思わず視線をそらした。森さんがクスッと笑った気がした。



気づくと施設に到着していた。

車を降りるとき森さんは特に何も言わなかったが、「またね」と言って車を発進させた。



僕は車が見えなくなるまでそこに立っていた。



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 00:44:12.28 ID:9bFP36pK0
その日の夜は閉鎖空間は発生しなかった。

疲れていた僕はすぐに眠りについた。



目を覚ました僕はいつものように学校に向かい、一人寂しく過ごしていた。



そして学校から帰るとき、またあの感覚がやってきた。



古泉「閉鎖空間だ…」



僕は逃げるように走って家に帰っていた。後ろめたさを感じながら。



施設に着くと見覚えの無い車が止まっていた。

不審に思いながらも車に近づくとドアが開いた。

「あなたが古泉君…ですね?」

髭を生やした40代くらいの紳士が出てきた。





12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 00:46:07.26 ID:9bFP36pK0
新川「私…機関の新川と申します」

古泉「な…なにしに来たんですか?

新川「お迎えでございます」

古泉「迎えに来いなんて言った覚えはありません…!」



新川「そうですか…では…無理やりにでも連れて行くことになりますが…よろしいでしょうか?」



古泉「うっ…」



僕は昨日拉致されるように機関につれていかれたのを思い出した。



古泉「わかったよ…行けばいいんでしょう…でも…僕は何もしないからな…」

新川「フフ…では参りましょうか。どうぞお乗りに」



新川と言う人は助手席のドアを開けてくれた。

僕はその車に乗り込んだ。



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 00:48:04.61 ID:9bFP36pK0
閉鎖空間が発生している場所はここからは少し遠い。

車を持っていない僕にはとても移動できる距離ではない。



新川「昨日は森に痛そうなのをもらってましたな…」



新川さんは運転しながら僕に話しかける。

僕は昨日森さんに頬をビンタされたのを思い出した。



新川「彼女ほど怒らすと怖い女性はいないでしょうな…私めも冷や汗をかかされた事がありますよ」



古泉「なにかしたんですか?」



新川「いえ…誤って本部にある彼女の私物を捨ててしまいましてね。彼女は気にしてません、と言ってましたが。あの時の笑顔は恐怖でしたな…」



僕はこの話にクスッと笑ってしまった。



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 00:51:40.92 ID:9bFP36pK0
新川「彼女…あなたの事を気にしていましたよ?言い過ぎたのではないかとね」

古泉「……」



新川「私もあなたの苦しみは理解しているつもりです。あなたのような子に重荷を背負わせなければならない事が悔しくもあります。

ですがあなたがやらなければ世界は消滅してしまうかもしれません。

どうか少しずつでもこの事実を受け入れて頂ければ…」



新川「着きました」



僕と新川さんは車から降りた。

新川「では…お気をつけて」



古泉「あ…新川さんは…いかないの?」

新川「私には戦闘能力がありません。ましてや閉鎖空間に入る事ができないのです。」



古泉「えっ……」

新川「……」



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 00:53:47.39 ID:9bFP36pK0
古泉「…なんだよ…入れないくせに…戦わないくせに…なら解ったような事言わないでよ!!」



新川「承知しています。私は車の中で自分勝手なことを言いました…。ですが私には力がありません。守りたくてもこの世界を守れません。でもあなたには力があるのです。閉鎖空間の中で私達の仲間が戦っています。

どうか…戦って頂けないでしょうか。私達の仲間の為にも…」



新川さんはぼくに深々と頭を下げた。

僕よりも大分年上の大人が僕に頭を下げていた。僕は罪悪感に押しつぶされそうになった。



新川「お願いします。古泉君…私にはあなたにお願いする事しかできません…大人の私達が子供のあなたに命を懸けて戦って来いなどと頭を下げることがどれほど愚かなことか充分承知しています…しかし…」



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 00:55:52.38 ID:9bFP36pK0
古泉「わかったよ…行くよ…行くから…顔を上げてよ…」

そんな事僕にしないで…そんな事されたら惨めになってしまう…



僕は意を決して空間に入り込んだ。入る瞬間は躊躇われたが新川さんはずっと僕に対して頭を下げていた。そんな新川さんを見ているのが辛かった。



2度目の閉鎖空間…そこは静まり返っていた。もしかしたらもう巨人は倒されてるのかもしれない。僕はほっとした。

正直空間に入ってから足が震えっぱなしだった。



僕が元の空間に帰ろうとしたとき大きな音がした。建物が崩れるような。



いつの間にか僕の後ろの建物は跡形もなく崩れ、あの巨人―神人が君臨していた。



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 00:57:31.68 ID:9bFP36pK0


古泉「う…うわぁ!!」



僕はその存在に気づくと一目散に逃げ出した。神人は動きは鈍いが歩幅がでかく、次第に僕は逃げ場を失くしていた。



古泉「く…来るな…あっち行けよ…」



僕は後悔した。この空間にまた来た事を。

逃げ続けていた僕は躓いて転んでしまった。

神人はもうそこまで迫っていた、尻餅をついた状態で後ずさり神人を見上げる。



古泉「や…やめろ…!やっぱり…来るんじゃなかった…無理だ…無理だ…こんなの倒せるわけ無いじゃないか…怖い…怖い…誰か…助けて!!」



神人は腕を振り上げた。僕を標的にしてまっすぐそのでかい腕を振り下ろそうとしていた。



古泉「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 01:00:04.31 ID:9bFP36pK0
僕はそのとき我を忘れていた。自分の手のひらに赤い光の玉を作って、何発も神人に浴びせた。

僕は無意識の内に能力を使っていた。



古泉「はぁ…はぁ…」



気がつけば神人はもう人の形を保っていなかった。



僕が…僕がやったのか…?



僕が自分の力に驚愕していると、新川さんの言っていた機関の人達が集まってきていた。



「大丈夫か!?」



僕はそのとき気を失った。

僕が気を失う直前に見たものは崩れ落ちる閉鎖空間と僕に駆け寄る数人の中にいた彼女だった。



22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 01:03:39.24 ID:9bFP36pK0
僕が目を覚ましたときもう夜になっていた。



古泉「ぅ…ここは…?」

目を覚ますと、そこは病室のような所だった。



森「目は覚めた?」

森さんは僕のベッドの横の椅子に座っていた。

古泉「…う…うん」



森「ふふ…リンゴでもむいてあげるわ」

森さんはそう言うと果物ナイフでリンゴの皮をむき出した



森「悪かったわね。今日は特に神人が多くてね。あなたを助けに行くのが遅れたわ、怖い思いをさせてごめんね。」



古泉「別に…怖くなんか」



森「そうそう…伝言を頼まれていたわ。新川さんが『ありがとう』って言ってたわよ」

古泉「…」



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 01:05:32.49 ID:9bFP36pK0
森「それから…この前は悪かったわね。痛かったでしょう」

古泉「別に…」



森「そう…はい。 食べられる?あーん」

森さんはリンゴをむき終わると、爪楊枝にさした一口サイズのリンゴを僕の口に持ってくる。

古泉「!?や…やめろよ! 子供扱いすんな!」

自分でも顔が赤くなるのが解った。



森「あら。冗談よ、はい」



そう言うと森さんは綺麗に切られているリンゴが乗ったお皿を僕に渡した。





27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 01:07:45.65 ID:9bFP36pK0
森「それからね古泉くん、あなたは中学生でしょう。だから車を運転できないあなたは…その…閉鎖空間まで自分で行けないでしょう。今回は新川さんが迎えに行ったけど毎回毎回迎えに行ってると時間が無駄になるわ」



森さんは申し訳なさそうにしていた。

僕はこれからも閉鎖空間に行くなんて言ってない!と言いたかったが僕は黙って話を聞いていた。



森「それでね、新川さんのご家族と一緒に住んでみない?新川さんのお子さんはご結婚なさってるから、新川さんは奥さんと二人暮らしなの。新川さんがもし良かったらって…」



正直な話、少し嬉しかった。僕は家族というものに憧れを持っていたのだ。しかしだからといってYESと返答はしなかった。



森「そう…それなら、しばらく機関の施設に一人で寝泊りする事になるけど大丈夫?」



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 01:11:25.80 ID:9bFP36pK0
古泉「一人暮らしですか?」

森「相部屋の方がいい?」

古泉「いえ…一人のほうがいいです」



森「そう。まぁ一人暮らしと言っても機関の施設だから住人は機関の人間よ。あなたの世話をしてくれるように頼んでおくわ。今あなたが住んでる施設にはこちらから事情を説明する事になるけど大丈夫?」



そうか…とうとう僕もこの機関とやらの仲間入りらしい。多分何をいっても断られるだろう。これから僕は毎日閉鎖空間に向かい、あの巨人を相手にする生活を送るわけか。

ははっ…



古泉「わかりました…」









30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 01:13:10.53 ID:9bFP36pK0
それから数ヶ月がたった。

僕はもう以前住んでいた施設を出て機関の施設で生活する様になっていた。

そして僕は毎日のように閉鎖空間に向かっていた。

もうあの巨人に恐怖する事は少なくなっていた。



でもやはり涼宮ハルヒを恨まずに居られない。

あいつさえ居なければ僕は…僕は…



どうなっていたんだろう…



でも…今の生活よりはマシなはずだ!時間を問わず閉鎖空間は発生して、僕が寝ていようが疲れていようが関係ない。僕は日に日にやつれていった。

この施設に住んでいるのは大人の人ばかりだ。僕の事を度々気にかけてくれているのが解る。



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 01:15:01.98 ID:9bFP36pK0
そんな人の優しさも疎ましく感じるようになっていた。

森さんも…週に1回部屋の掃除や料理を作りに来てくれた。



でも森さんは閉鎖空間に入るとまるで別人みたいだ。

僕はこの数ヶ月で何度森さんに説教を受けたかわからない。



いくら神人への恐怖を克服したって、危険なのには変わりない。

この数ヶ月で僕は力を大分使いこなせるようになってはいたが、それでも何回かひょっとしたら死んでいたかもしれないという場面もあった。

そのたびに森さんに怒られていた。



森さんは僕の事が嫌いなのだろうか?

と思わずにいられなかった。



33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 01:17:04.81 ID:9bFP36pK0
そして僕はこんな生活に慣れてしまった。 でも…

疲れた…素直な気持ちだった。



本当に疲れたのだ。





学校には変わらず通っていたが、クラスメートの僕に対する視線は冷たいものだった。

僕は今週学校に行くのをやめていた。

いつの間にか僕は閉鎖空間と家を往復するだけの人間になっていた。



34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 01:19:06.53 ID:9bFP36pK0
ピンポーン



家のチャイムがなる。

ドアを開けると森さんが立っていた。

森さんはおじゃましますと言って部屋に上がった。

森「あんた…ちゃんとご飯たべてるの? そんななんじゃ大きくなれないわよ。」



誰のせいだ。



森「ほら…カップラーメンとコンビ二弁当ばっかりじゃない。簡単にできて栄養のある料理の作り方教えてあげたでしょう」



料理?疲れてるのに料理なんてできるわけ…



森「古泉…ほらボサッとしてないで、今日はビーフシチュー作ってきてあげたわよ。」



森さんは疲れてないのか?



いや…森さんも…初めて会ったときより痩せてる気がする。



36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 01:23:10.57 ID:9bFP36pK0
古泉「いただきます…」



森「たくさん食べなさいよ。てかあんた…今週学校いってないんだって?まぁ…その…疲れてるのは解るけど、学校にはちゃんと行きなさい。

何週間も休んでたらクラスで浮いちゃうわよ。あと…この前たまたま下校中のあんたを見たんだけど…?喧嘩でもしてたの?」



古泉「…」



なぜだかわからない。でも僕は無性にむかついていた、自分の中に溜め込んでいた怒りが腹のそこから湧き出てくるようだった。。



古泉「うるさい」





森「…え? 」



古泉「なんなんだよ…あんたは…閉鎖空間にはちゃんと行ってるんだから文句無いだろ!? 僕が学校に行って何になるって言うんだよ!! 」



森「わ…私は…あんたの事を心配して」



37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 01:24:26.11 ID:9bFP36pK0
古泉「ならほっといてよ!! それにクラスで浮いてるのは今に始まった事じゃない!森さんが見たのだって喧嘩じゃない。一方的にやられていただけだ!! イジメだよ!!

だいたいこういう生活をさせてるのはアンタ達じゃないか!! もう面倒くさいんだよ…なにもかも…どうせ…僕の価値なんて閉鎖空間での力しかないんだし」



森「そんなことないわよ!」



古泉「あるよ! 森さんだって…僕の事嫌いなんでしょ…こうやって食事や世話をしてくれるのは、僕に力があるからしょうがなくやってるんでしょ…いいよ…別に気を使ってくれなくて…

コンビ二弁当やカップ麺でも死んだりしないでしょ…」



森「ちがう…私は本当に…あなたが心配で…」



38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 01:26:47.52 ID:9bFP36pK0
古泉「もう帰ってよ!!心配してくれなんて頼んでないだろ!!森さん達は僕が閉鎖空間に行ってれば満足なんだろ…だったら…っ!」



僕は出会ったときの様に森さんにビンタされた。



古泉「…っ」



苛立っていた僕は机の上にある森さんが作ってくれたビーフシチューが入っている鍋を力を込めて払いのけた。



大きな音を立てて鍋はひっくり返りビーフシチュー床にこぼれていた。



僕は一目散に自分の寝室に逃げ込んだ。



部屋に入るとき一瞬森さんの顔が見えた。







とても悲しそうな顔をしていた。



40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 01:30:20.70 ID:9bFP36pK0
僕は胸が潰れそうだった。

そして森さんが隣の部屋で床にこぼれたビーフシチューを拭いている音が聞こえてくる。

10分程度たっただろうか、森さんが片づけをする音が消えていた。

僕は安心した。森さんが片づけをしていると思うと無性に胸が痛んだのだ。



コンコンとドアをノックする音が聞こえる。



森「…古泉…今日は帰るわね。その…さっきは殴っちゃってゴメン…。

でも私があなたを心配してるのは本心よ…あなたに力があるとかどうかは関係ないわ。じゃ…またね。おやすみ」



森さんが玄関を出て行く音がすると

ぼくは布団にうずくまり、声を出しながら泣いた。



41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 01:32:00.86 ID:9bFP36pK0






それから3日経った、めずらしいことにその間閉鎖空間は発生しなかった。

これからずっと起きなければいいのに…



僕はこの3日間ずっと家に閉じこもっていた。

僕にはやりたい事も行きたい所もなかった。



僕は…なんて人生を送っているんだろう。なんて不幸な人生を送っているんだろうか。



僕にはふと…ある考えが頭を過ぎった。



古泉「死にたい…」



生きてたって辛い事ばかりじゃないか。

幸い僕が死んで悲しむ人はいない。

せいぜい機関の偉い人たちだろう、こんな僕でも貴重な戦力らしいし。



知ったことか。

本当にもうどうでもいい。



42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 01:33:50.46 ID:9bFP36pK0
次…



閉鎖空間がでたら…そこで死のう。



僕の意思に同調するように、閉鎖空間の発生を感じた。



僕は立ち上がり部屋を出た。

どうやら閉鎖空間は歩いて行ける距離にあるようだ。



やっと開放されるんだ…こんな馬鹿げた世界から。

僕は閉鎖空間に到着した。



44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 01:35:45.32 ID:9bFP36pK0
機関の施設から近い事もあってもう既に何人かの能力者が戦っていた。



僕はしばらくボーっと周りの光景を眺めていた。

3日ぶりと言うこともあってか神人はいつもの3倍近くいた。



森「古泉……?」



空間に森さんが現れた。どうやら今到着したらしい。



森「ふーっ…今日は骨が折れそうね。良い小泉?今日はいつも以上に気を引き締めなさいよ。」



古泉「わかってますよ…」



僕は森さんに背を向けた。



森「古泉…?」



古泉「森さん…」



「さようなら」



45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 01:37:34.11 ID:9bFP36pK0
僕は能力を使い宙に浮く。さっき周りを見回したとき一番の危険地帯である場所に向かって飛び出した。



森「バカッ!古泉!?なにやってるの!?止まりなさいっ…!!」



森さんが何かを叫んでいるのが聞こえたが僕は止まらなかった。

神人への群れへと飛び込んだ。



神人退治は大抵2~3人で1体を倒すのが普通だった。

僕が飛び込んだ場所には神人は4体以上。



こんなの自殺行為だ。



でもそれで良い。

今日僕は神人を倒しに来たわけじゃない。

神人に殺されにきたのだから。



47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 01:42:29.33 ID:9bFP36pK0
涼宮ハルヒも苦しめば良い。

お前の作り出した巨人により僕は死ぬんだ。一生そんな事実は彼女の耳には届かないかもしれない。でももしお前がその事実を知って自責の念に駆られると良いんだ



そして機関の人間も苦しめば良い。

お前らが中学生の子供に戦いを強要した結果、その子は殺されてしまうのだから。



僕は神人の群れの中に無防備で立っていた。

初めてここに来た時のように神人が僕に攻撃を仕掛けようとする。



49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 01:44:34.32 ID:9bFP36pK0
あぁ…これで開放されるんだ。やっと…この苦しみから…



僕は寂しかったのだ。



孤独を感じずに居られなかった。



あの部屋で一人で夜を過ごして

寂しくて……寂しくて。

堪らなかった。



でも…もうそんなの感じなくて済むんだ…

やっと…開放されるんだ…



神人が手を振り下ろし、僕が死を覚悟した瞬間僕は目を瞑った。



50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 01:45:35.25 ID:9bFP36pK0
でも…僕は生きていた。

神人の腕は振り下ろされなかった。

僕は恐る恐る目を開ける。



僕はその光景を見て唖然とした。



4体の神人相手に僕を守るように飛び交う1つの赤い光につつまれた女性がいたのだ。



森さんが僕を守るように戦っていた。



古泉「な…なんで…」





51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 01:47:49.29 ID:9bFP36pK0
森「古泉…ここは危ないから逃げなさい!!」



古泉「な…なんで…なんで来たんだよ…やっと死ねると思ったのに!! 」



森「いいから…早く逃げなさい!!…きゃっ!!」



森さんは僕の前で神人の攻撃を受けた。僕は一瞬にして血の気が引いていくのが解った。

森さんはここから離れた場所に落下する。

能力が使えなかったら即死だっただろう。



森さんが落下した場所に僕は能力を駆使して向かう。



52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 01:48:58.26 ID:9bFP36pK0
森「くっ…ぅう…こ…古泉…だ…大丈夫?」



なにが…大丈夫?だよ…自分の心配をしろよ…



僕なんかを助けに来たから…僕なんか見捨ててしまえば良かったのに…



森「あんただけでも…逃げなさい…私はもう…飛べないみたいだから…」



なんで僕なんかのために…怪我をしてまで…



森「これは命令よ古泉!! くっ…は…早く逃げなさい」



僕が動揺していると神人の足音が近づいていた。



古泉「…僕は…僕…」



僕は泣いていた。何故かは解らない。でも涙が止まらなかった。



53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 01:50:25.53 ID:9bFP36pK0
森「大丈夫よ…古泉…泣かないで…私は大丈夫だから…もう行きなさい」



ズドン…!と神人の足音はもう直ぐそこに迫っていた。



いや…もう既に4体の神人に囲まれていた。



なんだ…僕は死にたいんじゃなかったのか!?

いいじゃないか…森さんが怪我をしたのは僕のせいじゃない。

彼女が勝手に助けに来ただけだ。

だったら僕もここで一緒に死ねばいいじゃないか。



なのに…なのに



なんで…僕は



戦おうとしているんだ…!



56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 01:56:04.85 ID:9bFP36pK0
古泉「うわぁぁぁぁぁあぁああ」



僕は赤い光をまとい飛びだった。

逃げる為ではない。



戦う為に。

さっき森さんが僕を守ってくれたように。



僕は初めて人の為に神人に挑んでいた



僕は心の底から森さんを守りたいと思った。



古泉「この人に…森さん…に近づくなぁ!!はぁ…っ…はぁっ…うぐっ!!」



4体相手に勝てるわけもなく、僕も攻撃をかわしきれないでいた。



古泉「僕が…僕が…守らなきゃ…僕が…守る…!!」



手のひらに赤い光の球を作り2対の巨人を長距離攻撃で足止めし、残りの2体は接近戦で足止めしていた。



57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 01:57:13.94 ID:9bFP36pK0
油断していたわけではない。

ただ数が多すぎた。僕は神人の攻撃に直撃して地面に叩き落された。



そして止めをさされようとされていた。



僕はさっきと同じように死を覚悟した。

森さんが僕の名前を叫んでいるのが解る。

でも…さっきと違うのが1つだけある。



僕は死にたくなかった。







58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 02:01:38.19 ID:9bFP36pK0


その時

無数の赤い光をまとった人たちが神人の群れに飛び込んできた。



おそらく機関の有する能力者の殆どがそこに集まっていた。

劣勢に立たされた神人はみるみる内に原型がなくなり消滅していった。



古泉「助けに…助けにきてくれた…?」

森さんだけじゃなかった。

機関の能力者は僕を助けに来てくれた



僕は神人が能力者達によって倒されていく光景をしばらく眺めていた。





古泉「…そ…そうだ…森さん…森さんは…」



僕は周りを見渡すと森さんもこちらに向かって歩いてきていた。



60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 02:03:06.40 ID:9bFP36pK0
僕と森さんが向かい合うと、森さんは僕の頬を2発も殴った。



僕は森さんに今まで何回ビンタされたんだろう…



森「はぁ…はぁ…あんなことして…心配させないで!!バカ古泉…」



森さんは僕に抱きついてきた。



人に抱きつかれたのは初めてだった。

その暖かさに僕は再び涙を流していた。



その時空間は砕け散った。閉鎖空間が消滅したのだ。



62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 02:06:04.77 ID:9bFP36pK0
僕はもう涙が止まらなかった

古泉「ごめんなさぃ…ごめんなさぃ…ぅう…」



僕も森の背に腕を回して力いっぱい抱きついた。

森「もう…あんなことは絶対にしないで…約束よ…絶対だからね…」



古泉「……ごめんさい…僕…森さんに…ぅ…っ…ひどい事…」

僕は森さんが作ってくれたビーフシチューを台無しにしたのを思い出していた



森「もう気にしてないわよ…それから…アンタにはやっぱり一人暮らしは無理ね…」



森「あんた…今日から私の家にきなさい…部屋も1つ余ってるし。まぁ…新川さんのほうがいいんなら…」

僕は森さんの体をより強く抱きしめていた。



63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 02:09:20.45 ID:9bFP36pK0
森「古泉…」



古泉「森さん…ぼく…ぼく…ずっと…寂しかった…寂しかった…」



森「…ごめんね…無理やりにでも一人暮らしは止めさせるべきだったわね。大丈夫…これからは一人じゃないわよ…私もいるから…」



僕は多分…一生分くらい泣いたのではないだろうか…それくらい涙が止まらなかった。



森「よろしくね…古泉」

古泉「はぃ…」



僕は孤独だった。文字通り孤独だったのだ

親も…兄弟も…友達もいなかった。



だから



僕はずっと求めていたのかもしれない。

こんな人の暖かさを



64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 02:13:03.75 ID:9bFP36pK0






それから1年経った。

僕は森さんと二人で暮らすようになっていた。



最初は女の人との同居にたじろいでばかりだったが、今では大分慣れた。

森さんの買ってきていたシュークリームを食べてしまい半殺しにされたり。

シャワーを浴びようとしたら脱衣所で着替え中の森さんが居てこれまた半殺しにされたり。

森さんと沢山喧嘩して、全部負けたのも良い思い出だ。





この1年だけでも危険に溢れている生活だが、楽しい生活が送れるようになっていた



僕は中学2年になっていた。

学校にもちゃんと通っている。相変わらずクラスでは浮いているが、あんまり気にならなくなった。

相変わらず閉鎖空間は発生し続けている。正直弱音を吐きたくなるが、一年前のあの頃に比べると全然マシだった。



65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 02:14:26.44 ID:9bFP36pK0
それは…多分…僕にも…



守りたいものができたんだと思う。



森「古泉!あんた私に内緒で新川さんたちと焼肉食べに行ったんですって?」

古泉「べ…別に…内緒にしてたわけじゃ…」

森「ふーん…焼肉いったんだ」

古泉「いや…僕は…森さんも誘おうと思ってたんですけど…田丸さんが…男同士で語り合おう!とか言い出して」

森「そうなんだ…私は寂しいわ…私も食べたかったなぁ…焼肉」

古泉「…僕だって知ってるんですよ…森さんが僕に内緒で男の人とお寿司食べにいったの…」

森「あら…最近機嫌が悪いと思ったら…もしかして妬いてるの?」

古泉「ち…ちがいますよ」



67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 02:19:22.39 ID:9bFP36pK0
森「ふふ…あんたも可愛いところあるじゃない。大丈夫よ、仕事関係の人だから」

古泉「別に…森さんが誰と食事しようと気にしたりしませんよ…」



森「へぇ…新川さんが古泉が心配してたっていってたんだけどなぁ」

古泉「えっ!?」

新川さんめ…あの人結構口が軽いんだよな…



森「まぁ…いいわ…それより最近オセロにも飽きてきたでしょう。今日は将棋を買ってきたわ。」

古泉「…でも…ルールが…」

森「大丈夫よ、結構簡単だから」

古泉「…それなら教えてください」

森「あんたはオセロ弱いからねぇ…でももしかしたら将棋は私よりも強いかもしれないわよ」



68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 02:20:33.53 ID:9bFP36pK0
そんな話をしていると僕たちはあの空間が発生した事を感知した



森「あら…今日も私達の神様はご機嫌斜めなようね。行くわよ、古泉。将棋は帰ってきてからやりましょう。あんた戦闘に慣れてきたからって気を抜いたら駄目よ。この前だって…」

古泉「わかってますよ」



僕は森さんの言葉をさえぎるようにそう言った。

この人は説教や文句がいちいち長いのだ。



古泉「行きましょう。森さん」



今日も僕は閉鎖空間に向かう。

世界を守る為。



いや



大好きな人を守る為、僕は戦っているのだ。



70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 02:22:56.70 ID:9bFP36pK0




そして僕の人生に2度目の転機が訪れた。

高校1年生の春。



森「あんた。来週から北高ね。」

古泉「え!?なんでです?」

森「あんたも知っているでしょう。朝比奈みくる、長門有希、そして『鍵』である彼があの涼宮ハルヒに接近しているの。

機関も遅れをとるわけにはいかないわ。そして機関はあんたを今回の任務につかせることを決めたの。」



古泉「なるほど。そういう事ですか…解りましたよ」



この時の僕はまだ知らない。



この4人が僕の大切な人たちになるということ。



この4人で過ごす日々が掛け替えの無い日々になるということを。



古泉「不肖古泉、その任務に全力で当たらせてもらいます」



森「よろしい。まぁバックアップは機関でも充分とらせてもらうわ」



71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 02:25:02.75 ID:9bFP36pK0
森「そうそう…古泉。これ」



そういうと森さんは僕に丁寧に包装されたものを僕に渡した



古泉「なんです? これ?」

森「入学祝いよ。私が選んだから大切に使いなさいよ」



包装用紙をはがし、箱を開けると腕時計が入っていた。



森「気に入らなかった…?」



古泉「…いえ」



僕は久しぶりに涙が込み上げそうになった。

恥ずかしさからそれをグッと我慢して



古泉「とても気に入りました。ありがとう森さん。」



森「そう、良かったわ。それじゃ久々にオセロでもやる?」



古泉「いいですね。ちょうど僕もそんな気分です。ふふ…負けませんよ…森さん」



森「あら…強気ね古泉。敗者には1週間の皿洗いがまっているわよ」



古泉「望むところです。」







僕が1週間の皿洗いを強いられたことは言うまでもないだろう。



73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 02:27:38.17 ID:9bFP36pK0
僕はその1週間後北高に入学した。

初日に涼宮ハルヒに捕まり、SOS団と呼ばれる団体に入団させられた。



そして僕は怒涛の高校1年間を過ごした。

僕ももう17高校2年生である。



もし未来人のように、時間を移動できるのなら。



僕は死を望んだあの頃に戻って、こう言いたい



その辛さを乗り切れば、お前にはとびっきりの日常が待っている。

かけがえのない友達と家族を持つことができるんだ…それにお前の人生はそんなには悪くないのかもしれない。

だって命を懸けて守りたいと思える人ができるのだから。



機関の仲間。



SOS団。 



そして…僕の初恋の人。



74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 02:29:53.00 ID:9bFP36pK0
僕が胸に秘めているこの思い。



高校を卒業したら、思い切ってその想いを伝えてみよう。



僕の大好きなその人に。



「大好きです」



そう伝えてみようと思っている。



fin



119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 19:16:04.70 ID:9bFP36pK0
キョン「おーい…起きてるかぁ?」



古泉「…」



キョン「古泉…?」



古泉「あっ…すいません。僕の番でしたね」

キョン「どうした?なんかあったのか?」



古泉「いえ…ちょっと考え事を」

キョン「考え事? ハルヒ絡みか?」



古泉「はは…今回は涼宮さんは無関係ですよ。僕の個人的な悩みです」

キョン「ふーん。ハルヒ絡みじゃないお前の悩みっていうのも気になるな。」



120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 19:19:07.41 ID:9bFP36pK0
古泉「はは…大したことではありませんよ。今まで乗り越えてきた苦難を考えれば可愛いものですよ、僕の悩みなんて」



キョン「ふん。新入生の女の子達からの猛烈なアタックに困ってるとかか?」



古泉「まぁ…それもあるんですが」

キョン「けっ…羨ましいことで…色男はつらいな」



古泉「はは…僕はあなたの方が羨ましいですよ?」

キョン「俺が?」



121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 19:20:33.33 ID:9bFP36pK0
古泉「はい、あなたです。学校で1~2を争う美少女である涼宮さんとの仲むつましい光景を僕は毎日のように見てきていますが?」



キョン「どういう風に解釈したら仲むつましく見えるんだよ。」



古泉「犬も食わないという奴ですよ」



キョン「王手…」



古泉「ほぉ…なるほど。その手がありましたか…完敗ですね。さすがです」



123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 19:23:16.64 ID:9bFP36pK0
キョン「ふんっ…! それで…?」

古泉「はい?」



キョン「お前の悩みとやらだよ。暇だから聞いてやる」



古泉「はは…本当に大したことではないんですよ。実は相談するのも恥ずかしい事で…好意だけ受け取っておきますよ」



キョン「そうかい。 ならハルヒたちが来るまでもうひと勝負だ。ジュースを賭けてな」

古泉「はは…お手柔らかに」



124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 19:27:41.55 ID:9bFP36pK0
今僕はある懸案事項を抱えている。

そのことを考えながら僕は家に帰っている。



そして僕は思い出していた。森さんと住む事になって、初めて森さんの家に行ったことを

古泉「お…おじゃまします」

森「どうぞ」



森「おなか減ってるでしょう? ご飯食べるでしょう?」

古泉「あ…はい」



森「ふふ…あんたもしかして緊張してるの?」

古泉「し…してないよ!」



125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 19:29:28.68 ID:9bFP36pK0
森「はいはい。ほら座って、たくさん作ったんだから残さず食べなさいよ」



古泉「うん…」

それは今までに僕が見たこともないご馳走だった。口の中によだれがたまるのがわかるほど美味しそうなものばかりだった。



森「まぁ…これからもよろしく頼むわ。あんたの部屋は自由に使っていいわよ。ただ掃除はちゃんとやりなさいよ。

それからいくら私が魅力的だからって勝手に私の部屋に入って変な事はしないでね」



古泉「し…しないよ! なんで森さんなんかに…」



森「…古泉? その森さんなんかにというのはどういう意味かしら…」



森さんは僕に殺人スマイルを見せていた。あの新川さんが冷や汗をかいてしまうのも無理はない。



126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 19:32:07.94 ID:9bFP36pK0
古泉「ご…ごめんなさい」

森「わかればいいわ」



それからいろんな話を聞かされた。



意外だったのは森さんが僕より4つ年上の17歳だという事。

なんで車の運転ができるのかはとても気になったが…あえて聞かなかった。





僕は量が多すぎる料理を食べながら森さんの話を聞いていた。

そのときなぜか僕は涙が目に溜まっていた。



あまりにもご馳走が美味しかったからだ…と自分に言い訳していた。



そこから僕の新しい生活が始まった。



127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 19:34:55.74 ID:9bFP36pK0
相変わらず閉鎖空間に行き、学校にも通う。

前と一緒の生活



でも1つ違うのはもう1人じゃないという事。



そう思うとたまらなく嬉しかった。



森さんと過ごした日々。

色々な思い出がある。お互いに誕生日を祝ったり、クリスマスにバレンタインデー。

 その度に僕は照れ隠しでぶっきら棒な態度で、森さんは僕のそんな心を見透かしたようにクスっと笑っていた。



128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 19:37:36.47 ID:9bFP36pK0
高校1年の夏。



SOS団の夏合宿の前日にはこんな事もあった。

僕が団活をおえいつものよう家に帰ると



森「お帰りなさいませ」

僕は口を空けたまま思考が停止した。

手に持っていたバックが床に落ちた。



古泉「なにやってるんですか…森さん」



森「あら?似合わない?」



森さんはメイド姿だった。



129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 19:40:44.19 ID:9bFP36pK0
森「明日は私もメイドさんとしてあんた達に同行するわ」



森「まさか20にもなってこんな格好するなんて思わなかったわ」



僕は少し見惚れていた。

可愛らしい朝比奈さんのメイド姿を毎日のように見ているのに。

森さんのメイドの格好は朝比奈さんにも負けていないほどだった。



いや朝比奈さんよりも…



森「どうしたの?古泉」



古泉「あっ…いえ。」



森「ふふ…あんた私の可憐なメイド姿に見惚れてたんでしょ?」



古泉「からかわないでくださいよ…でも…まぁ…似合ってますよ森さん」



144: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 23:51:30.48 ID:9bFP36pK0
高校一年の冬。

僕はSOS団のみんなでクリスマスパーティーをした。

同年代の人たちとの過ごす初めてのクリスマス。

朝まで盛り上がった。

楽しかった。

とても。



僕はもう朝日が昇るころに自分の家に帰った。

森さんを起こさないようにゆっくりと家に上がり自分の部屋に入ろうとした。



すると薄暗空間からパーンっと大きな音がした。

森「メリークリスマス」

森さんが僕に向かってクラッカーを発射していた



145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 23:53:08.74 ID:9bFP36pK0
古泉「森さん!? まだ起きてたんですか?」

森「なんだか眠れなくてね。楽しかった?」



古泉「…はい。とても」

森「そう。良かったわね、お腹すいてる?ケーキ作ったんだけど…」

古泉「…いただきます」

森「そう?無理しなくていいわよ。むこうでも食べてきたんでしょ?」



古泉「いえ。森さんの作ってくれたケーキなら別腹ですよ」

森「ありがとう…古泉」



このクリスマスは僕の人生で最高のクリスマスとなった。



146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 23:55:52.02 ID:9bFP36pK0
僕はテレビのCMを何気なく見ていた。

そのときあるワードが僕の耳に入ってきた。



僕はそのワードを聞いてふと森さんの顔が浮かんだ。



僕はその日に森さんのためになにかしようと考えていた。



その事を考えながら彼と将棋をしていたのだ。



彼は相談に乗ってくれるといっていたが恥ずかしかったので断ってしまった。



具体的な案が浮かぶ事もなく、僕は平和な日常をすごし土曜日、その日の前日になっていた。



147: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 23:59:59.49 ID:9bFP36pK0
その日も不思議探索が行われ僕は朝比奈さんと涼宮さんと一緒になった。



最初は喉が渇いたという涼宮さんに引きつれられていつもとは違う喫茶店にいた。



僕はどうやらまた母の日のことを考えていたらしく



ハルヒ「古泉くん?どうしたの??」

古泉「あっ…すいません。ちょっと考え事をしていました」

みくる「なにかあったんですかぁ?」

ハルヒ「古泉君…キョンも心配してたわよ。団員の心配事は団長の心配事でもあるの!包み隠さず話しなさいっ!」



古泉「はは…」



148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/09(火) 00:01:24.05 ID:9bFP36pK0
僕は涼宮さんの勢いに負けて、僕の今の懸案事項を話した。

もちろん所々ぼかしを入れながら。



ハルヒ「ふーん…なるほどねぇ」

古泉「涼宮さんはお母様になにかしたりしないのですか?」



ハルヒ「そうねぇ…今までとくに考えた事もなかったわね。みくるちゃんは?」



みくる「えっ!?私ですかぁ?そうですね…私は親と離れて暮らしますし…」



ハルヒ「よし!決めたわ。今から3人でのプレゼントを買い行きましょう! みくるちゃん、あなたもプレゼント買ってお母さんに宅急便で送りなさい!

そうと決まれば今すぐ買いにいわよ!!」



149: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/09(火) 00:03:59.06 ID:wBcUwYUH0
こういう時の涼宮さんの行動力は助かる。

プレゼントを贈るというのは最初から考えていたのだが、どうも行動を起こせずにいた。



たぶん恥ずかしかったのだ。



それから彼達とも合流して街中を歩き回り、母の日のプレゼントを探し回った。



キョン「なるほどね…そういうことか」

古泉「あなたは何かしたりしないのですか?」



キョン「この年になると何かするって言うのも恥ずかしいからな。まぁ…たまには良いか…世話になってるのは事実だしな」



古泉「ふふ…そうですね」



そして僕は森さんに贈るプレゼントを1日かけて探して家に帰った。



150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/09(火) 00:06:18.80 ID:wBcUwYUH0
そして次の日。

日曜日である。



僕はその日なるべく普通に過ごした。

いつものように暇な時間は森さんと談笑したり、ゲームをしたりしていた。



そして夕食も終わり二人で一息ついていたとき



古泉「あの…森さん」

森「どうしたの?古泉」



古泉「あの…実は渡したいものが…」



森「あら…古泉が私に?」



151: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/09(火) 00:07:26.57 ID:wBcUwYUH0
古泉「はい…日ごろお世話になってますし。その今日は…」



僕は緊張していた、心臓が鼓動する音が聞こえていた。



森「今日?…今日ってなんかあったけ?」



古泉「…はい…今日は…」





古泉「母の日です…」



森「…えっ?」



152: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/09(火) 00:09:09.27 ID:wBcUwYUH0
古泉「これ…僕から森さんへプレゼントです」



僕は森さんにプレゼントを渡した。

森さんは何があったのか理解してないような表情で、まるで思考が停止しているようだった。



森「は…母の日?」

僕が森さんに贈ったプレゼントは、悩みに悩んだ結果「エプロン」だった。

森「これ…エプロン…?」



古泉「はい…その…気に入らなかったら捨ててください…。はは…じゃ…おやす…!?」



今度は僕の思考が停止してしまった。



森「うぅ…気に入らないわけないじゃないの…バカ」



森さんは僕を抱きしめていた



153: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/09(火) 00:10:45.56 ID:wBcUwYUH0
古泉「森さん…」



森「ありがとう…すごく…すごく…嬉しいわ。大事に使うわね。」



森さんの顔は見えない。でももしかしたら泣いているのかもしれない。

僕もつられて涙が1つこぼれた。



森「…古泉…あんた大きくなったわね…それにカッコよくなった」



古泉「はは…森さんに言われると嬉しいです」



森「古泉…」



森さんは僕の頭をつかみ頭を下げさせた。





そして森さんは僕の頬にキスをした。



154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/09(火) 00:13:48.37 ID:wBcUwYUH0
古泉「っ…!?」



森「ふふ…おやすみ。それから…ありがとう」



森さんは天使のような笑顔でそう言うと、僕の贈ったエプロンを大事そうに胸に抱えたまま自分の部屋へと入っていった。



僕はしばらくそこから動けないでいた。



しばらくして僕も自分の部屋にはいりベッドで寝ようとした。



でも…その日は満足に眠ることができなかった。











155: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/09(火) 00:15:52.36 ID:wBcUwYUH0
キョン「…おい。古泉…おーい。…古泉っ!」



古泉「あっ…すみません」



キョン「おいおい…先週より酷いじゃないか。母の日失敗でもしたのか?」



古泉「いえ…みなさんのおかげでちゃんとプレゼントも渡せましたし…」



キョン「そうかい」



古泉「……」



キョン「…おい」



古泉「……」



キョン「古泉!」



古泉「はい?」



156: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/09(火) 00:18:07.01 ID:wBcUwYUH0
キョン「お前の番だぞ…」



古泉「何がです?」



キョン「オセロだよ! オセロ!! さっきからお前の順番で止まってるんだよ」

古泉「あっ…あぁ失礼。おや…? 僕は白でしたっけ? 黒でしたっけ?」



キョン「おい…古泉。 お前大丈夫か…? さっきから心ここにあらずじゃねぇかよ。

それにさっきから…にやけ面しやがって…」



古泉「なんですか…僕のにやけ面はいまに始まった事ではないでしょう」



キョン「…なんか今日のにやけ面は…なんつうか…いつもと違う気がするんだよ」



古泉「はは…そ…そんなことありませんよ」





157: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/09(火) 00:20:38.87 ID:wBcUwYUH0
キョン「そうかい…。」



古泉「……」



キョン「古泉…だから順番…」



古泉「へ?」



キョン「オセロだよ! ちなみにお前は黒だ! 盤面は俺の白によってほぼ白く染まってるがな!」



古泉「はは…わかっていますよ。」



キョン「…やれやれ」



160: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/09(火) 01:12:40.06 ID:wBcUwYUH0
どうやら僕は昨日のキスに動揺を隠せずにいるようだ。

こんなんで家に帰って森さんとまともに会話できるんだろうか。



僕は上の空で家に帰っていく。



森「お帰り、古泉」



古泉「た…ただいま」



森「どう? 似合う?」



森さんは僕の贈ったエプロンちゃんと使っていてくれていた。



古泉「はい…似合ってますよ」



どうやら意識しているのは僕だけで森さんはいつもと変わらず、僕をからかっていた。



ただ森さんはいつにもまして笑っていた。



161: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/09(火) 01:15:43.62 ID:wBcUwYUH0
森「そういえば古泉。新川さんから聞いたんですけど…あんた私に隠し事しているでしょう?」



古泉「え? な…なんのことでしょうか?」



森「とぼけても無駄よ? あんた田丸兄弟と一緒にキャバクラまがいのお店に行ったんですって?高校生の分際で? 充分楽しそうにしてたみたいねぇ?」



古泉「は…はは…おかしいですね? そんな記憶はないのですが? それに僕がそんなお店に行くはずないじゃないですか?」



森「とぼけても無駄って言わなかった? 新川に全部吐かせたんだからね…?神人退治のあとにそんな店に行く余裕があるなんて随分成長したのねぇ? 古泉?」



うっ…森さんは例の殺人スマイルになっていった。



古泉「あ…あれは…田丸さんがですね…ちょっと付き合えとかいうから…。僕もまさかあんなお店だとは…」



森「…言いたいことはそれだけかしら?」



古泉「ごめんなさい…」



163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/09(火) 01:20:58.44 ID:wBcUwYUH0


森「よろしい。 保護者としてそんな如何わしいお店にいくのは認められないわ。明日にでも田丸兄弟にはよく言っておくわ…きつくね」



田丸さん兄弟はタダではすまないだろうな…。



森「あんたも罰として1週間の風呂掃除ね!」



森さんはとはしばらくこんな関係が続いてしまいそうだ。



彼が涼宮さんに振り回されているように。



僕も森さんに頭があがらないだろう。



でも



そんな森さんに惚れてしまったのだからしょうがない。



164: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/09(火) 01:23:16.95 ID:wBcUwYUH0
森さんはとはしばらくこんな関係が続いてしまいそうだ。



彼が涼宮さんに振り回されているように。



僕も森さんに頭があがらないだろう。



でも



そんな森さんに惚れてしまったのだからしょうがない。



森「だいたいあんたは…」



どうやら森さんは説教モードに入ってしまったらしい。



今日も長くなりそうだ。はは…



165: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/09(火) 01:25:57.63 ID:wBcUwYUH0
僕は心の中でため息をついて彼の常套句を借りて呟いた。



こんな日常に幸せを感じながら…





…やれやれ







僕は人が憎くてしょうがなかった。



でもあなたに出会って



意気地のない弱い僕だけど、自分から人を遠ざけた僕だけど。



僕は人が愛おしくてたまらない。



もし生まれ変わる事ができるのなら。…



バラ色の人生でないとしても。

古泉一樹の人生を



あなたに…みんなに会えるこの人生を選ぶだろう。







END



引用元: 古泉「寂しかった…ずっと」 森「…もう一人じゃないわよ」