1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 00:24:55.53 ID:sXl2okYF0
めざまし「じりりりりり」

男「ぐがーぐがー」

めざまし「じりり..」

めざまし「...ぐすっ別にさみしくないもん...」




3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 00:27:34.15 ID:sXl2okYF0
めざまし「じりりりりりりり」

男「ん?あ、朝か」

めざまし「じりりりパアン

めざまし「いたくないもん..」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 00:30:52.60 ID:sXl2okYF0
めざまし「じりりっりりちりりちり」

男「あれ?音が...」

めざまし「///ぱかっ」

めざまし「そんなとこみちゃ...ダメぇ..」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 00:32:34.05 ID:sXl2okYF0
めざまし「...............設定忘れましたね?」

男「ぐがーぐがー」


めざまし「いっつも助けてもらえるとおもったら大間違いなんだからっ...」

男「ぐがーー」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 00:35:10.74 ID:sXl2okYF0
男「ぐがーぐがー」

めざまし「.......もう7時32分28秒371です...仕事に遅れちゃいます...」

男「ぐおおおおおーー」

めざまし「...ううー...」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 00:37:48.56 ID:sXl2okYF0
めざまし「................設定してもらえないと音は出せませんからね....」

男「ぐおお...ぶるふぁー」

めざまし「....ゴチン
めざまし「あいたっ!」


16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 00:39:38.23 ID:sXl2okYF0
めざまし「あっバランスがっ..」

男「ゴチンぐおっ...痛い」

男「やっべ!もうこんな時間!?」

男「設定忘れたー!急げ!」


17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 00:40:38.33 ID:sXl2okYF0
めざまし「結果的に起こすことが出来ましたね」

めざまし「...............倒れたままにしないでほしいのです....」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 00:45:09.87 ID:sXl2okYF0
めざまし「昼間は暇ですね」

めざまし「家事とか出来ればいいのですが...」

めざまし「なにぶん手足がありません...」

めざまし「男さんには朝起こしてあげることしかできない...」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 00:46:37.82 ID:sXl2okYF0
めざまし「.....はぁ..さみしいよぅ...」

携帯「べべべべべべべべべべべ」

めざまし「携帯電話さん?」

携帯「ああ...めざましかい..」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 00:49:16.14 ID:sXl2okYF0
めざまし「そんなに落ち込んでどうされたんですか?」

携帯「いや...あいつアタシのこともういらないのかなって」

めざまし「.....先週からスマ穂さんしか使っていらっしゃいませんね...」

携帯「アタシみたいな旧世代のデバイスはもう必要ないのかなって」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 00:54:04.70 ID:sXl2okYF0
めざまし「.....私もうすうす感じてます...」

携帯「最近あいつ目覚ましアプリよく検索してるもんねぇ」

めざまし「実は...電池の残量はあともって一週間ですなんです」

携帯「そっそれはほんとうかい!だったらまずいんじゃあ...」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 00:56:48.33 ID:sXl2okYF0
めざまし「はい...携帯電話さん。長い間楽しかったです」

携帯「アンタそれって..」

めざまし「私みたいな旧世代のデバイスは電池がきれたら永遠に停止します」

めざまし「携帯さんが充電されることを願っています....」

携帯(アンタ...ホントにイイ娘だね...」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 00:59:05.98 ID:sXl2okYF0
めざまし「私は最期の一秒まで男さんに時を知らせたい....」

めざまし「最期までっ...最期まで朝起こしてあげたい...」

めざまし「うっ.....うっ.....止まりたくないよぉ.....」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 01:02:44.80 ID:sXl2okYF0
次の日の朝

めざまし「じりりりっじりっ」

男「最近音が弱いな...もう寿命かな」

男「大事にしないとな...」

めざまし「男さん...私っ...」

男「スマ穂のアプリが見つかるまでもってもらわないと」


32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 01:05:19.01 ID:sXl2okYF0
めざまし「....やっぱり...!」

スマ穂「ぁんたもう現役引退ぢゃね?」

めざまし「えっ....」

スマ穂「ぁたしが居ればあんたの二倍は役に立つケドね!」

めざまし「スマ穂さん...ひどいです...でもっ否定はできません...」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 01:06:43.34 ID:sXl2okYF0
めざまし「でも頑張ります!」

携帯「__________」

めざまし「携帯さん!?」

携帯「___________バッテリーオフ 充電してください」

めざまし「携帯さん.....」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 01:10:09.83 ID:sXl2okYF0
めざまし「もう一人になってしまいました...」

めざまし「ブラウン管おじさまは地デ二さんに変わってしまいました....」

めざまし「あとは残った時間を生きるだけですが.....」

めざまし「やっぱり男さんを想う気持ちは変わりません...」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 01:12:56.04 ID:sXl2okYF0
数週間の時が経った。
めざましは自分が予測した1週間という期間をこえ、未だ朝を知らせつづけた。


めざまし「じ...じりり...りん」

男「もうダメそうだな」

スマ穂「別にァタシのアプリつかえばいーぢゃん」

男「いや...それはだめだ」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 01:16:04.76 ID:sXl2okYF0
男「こいつは俺が生まれた時に母さんが買ってくれたらしい」

めざまし「男さん...!?おぼエていてくれタんですカ...?」

男「めざまし....ごめんな。ずっとずっと頑張ってくれたのにな...」

めざまし「私は満足ですよ?男さん...」


38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 01:18:06.74 ID:sXl2okYF0
男「嘘はやめてくれ、今日電池買ってくるから待っててくれるか...?」

めざまし「いえ...もう本当にいいですから」

めざまし「最期まで男さんの朝を知らせたいっていう願いも叶いましたし」

男「仕事いってくるから。待っててくれ。お願いだ」

めざまし「ううっ...男さん...」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 01:20:27.95 ID:sXl2okYF0
20:00---------

男「めざまし!電池買ってきたぞ!!」

めざまし「......................」

男「めざまし?...めざましッ!!しっかりしてくれよ!!約束したじゃないか!!電池買ってくるって...」

めざまし「............男さん....」

男「電池をいれるぞ....」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 01:24:16.19 ID:sXl2okYF0
めざまし「だめです。了承できません」

男「!?」

めざまし「まずは携帯さんを充電してください」

男「でもっお前は今いれないと永遠に停止しちゃうんだぞ!!時計は動いても自我はなくなるんだぞ!!めざまし!!」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 01:27:46.97 ID:sXl2okYF0
めざまし「私は携帯さんに言いたいことがあるんですからね」

男「わかったよ...」

めざまし(男さんはエネループを買ってきた...きっと使い続けてくれます...でもっ...スマ穂さんと幸せになってほしいです。だからもう...いいです)

男「めざましー電池...」

めざまし「........................................」

男「.........お前...」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 01:30:44.17 ID:sXl2okYF0
その後、俺は自然と六時半には目が覚めるようになった。

めざましの願い通り俺はスマ穂とともに毎日仕事をしている。

時折くる電話は携帯でうけている。


めざましはもう止まってしまっていた。

引用元: 新ジャンル「ひたむきなめざまし時計」