3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/28(土) 22:11:47.53 ID:CbN6SC2j0
―――765プロ近くの健康ランドにて



春香「みんなでお風呂なんて初めてだよねー」

千早「そうね。でもタイミング的には良かったんじゃないかしら」

律子「合同ダンスレッスンやって、シャワーの代わりにみんなで一緒のお風呂に入る」

律子「……実際、竜宮でやってみたら、みんな前よりも距離感が近くなったわよ」

春香「へぇ~、そうだったんですかぁ」

伊織「庶民的なこういう所のお風呂も、悪くないわよね」

真「も~、なんだよぉその言い方~」

伊織「ふふん!……なんなら私の家のお風呂に入りに来る?」

やよい「あ!わたしは伊織ちゃんの家のお風呂、入ってみたいですー!」



貴音「ふふ……皆、入浴前から和気藹々としておりますね」

あずさ「そうねー」

あずさ「……響ちゃん?どうしたの?」




5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/28(土) 22:15:16.40 ID:CbN6SC2j0
響「!?」ビクッ

貴音「というか響……鍛錬が終わってから、何故そんなにも離れて歩くのです?」

響「あ……いや……」

響「き、気にしないでいいさぁ……」

あずさ「そうは言っても……」

あずさ「……こういう所のお風呂、響ちゃんは苦手だったかしら?」

響「や、そんなことない……っていうか、好きな方だけど……」

貴音「では何故?」

響「…………」


響「ほ、ほっといてくれよ……」

あずさ「あ、あら……」

貴音「…………」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/28(土) 22:21:02.93 ID:CbN6SC2j0
カポーン


……ガラガラガラガラ

春香「うわー、結構広いんですねー!」

律子「そうねー……春香たちはそっちで楽しんでね」

千早「……どういうこと?」

律子「私はねー、いつもの竜宮だと亜美がこういうとこで暴走するのを止める役割なんだけど」

律子「今日はあと二人ほど問題児がいるからねー」


真(ていうか広いから声響くなぁ)

伊織(風呂での律子……眼鏡ナシ+隠れ巨 ストレート)

伊織(いつ見ても、事務所の中でも結構なポテンシャルありそうな方よねぇ……)



春香「問題児って、亜美と真美と……」


美希「うわー!おっきぃ~!……あ、ジャグジーがあるの!」

美希「よ~っし、真くん!あのジャグジー入ってみよっ!」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/28(土) 22:26:06.14 ID:CbN6SC2j0
真「え、ちょ、美希……!待っ……!」

ズルズルズル……


春香「……」

千早「……頑張ってね」

律子「お気遣いどーも」

律子「……コラァ!美希、風呂に入る前に身体を洗いなさい!あと走り回らない!」



ガラガラガラガラ

貴音「少し遅れたようですが……何やら賑やかですね」

あずさ「伊織ちゃんや亜美ちゃんたちとはよく来るけど、貴音ちゃんたちとは初めてね~」

貴音「……」

あずさ「……?」ドタプーン

貴音「……」ポインポイン

貴音「ふむ……」

あずさ「ど、どうしたの貴音ちゃん?急に自分の を触って……」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/28(土) 22:28:44.66 ID:CbN6SC2j0
貴音「いえ、……あ、それよりも響は……」


ガラガラガラガラ!

響「……」


スタスタスタスタ……

ストン!


響「……」


カシュ!カシュ!


響「~~~~~!」


ワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャ


響「~~~~~!」


ワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャ

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/28(土) 22:33:31.83 ID:CbN6SC2j0
あずさ「…………」

あずさ「ど、どうしっちゃたの……響ちゃん……?」

貴音「……いえ、わたくしにも全く……」

貴音「何故、あそこまで一心不乱に身体を洗っているのでしょう……」


響「……」

ワシャワシャワシャワシャワシャ

響「……」



真美「……亜美ってばまぁ~た怒られてやんのー」

真美「真美はもう大人だから、こういうとこで騒いだりしないんだもんね~」

真美「い、い、ゆ、だ、な!っと」

真美「ハァ~ビバノンノン♪」


真美「!?」ギョッ

真美「……び……ビックリしたぁ。泡のお化けかと思ったら……ひびきんだったかぁ」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/28(土) 22:37:58.63 ID:CbN6SC2j0
真美「お~いひびきーん、そんなに泡立てて何するの?アワアワの実のアワ人間なの~?」

響「……」

ワシャワシャワシャワシャワシャワシャ

真美「ちょ、無視しないでよぉ。ひびきん?」

響「……い……」ブツブツブツブツ

響「じ……は……」ブツブツ

真美「?え、何て?」

響「自分……い……自分……い……」

響「自分は臭い……自分は臭い……」ブツブツ


真美「!?」ギョギョギョッ

真美「え、あの、え、……ひ、ひびきん……え?ちょ、えーと、その……」

真美「…………だ、だいじょうぶ……?」


響「……」ブツブツ

真美「……こ、これちょっと……ヤバいんでないの……?」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/28(土) 22:42:59.68 ID:CbN6SC2j0
あずさ「ま、真美ちゃん……!」

真美「……ん?あ……あずさお姉ちゃん。……お姫ちんも」

貴音「真美、こちらへ……」


貴音「響がそのようなことを……」

真美「うん、なんかもー真美の話も聞こえてなかったっぽいし、ちょっと怖かったよぉ」

あずさ「ひ、響ちゃんどうしちゃったのかしら……」

あずさ「そんな、臭いだなんて……全然そんなことないと思うんだけど……」

貴音「……」チラッ


響「……」ゴシゴシゴシゴシ


貴音「まだやっていますね」

真美「眼が怖いってぇ、血走ってるよぉ……」

あずさ「ど、どうすれば……」オロオロ

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/28(土) 22:48:38.39 ID:CbN6SC2j0
貴音「……」

貴音「…………」

貴音「今は、響の気が済むまでやらせましょう」

真美「大丈夫なの?」

貴音「……その保障はありませんが……恒常的な行いならば、いつか終わりもあるはずです」

貴音「それよりも今すべきことは……」

あずさ「な、何かしら?」

貴音「…………」

貴音「事務所の皆に、響の最近の出来事について聞いて回りましょう」

あずさ「響ちゃんがああなったのには、何か原因があるのかもってことかしら?」

貴音「そうです。何か切っ掛けを知っている者がいるやもしれません故……」

真美「わ、わかった」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/28(土) 22:54:02.65 ID:CbN6SC2j0
―――

雪歩「……」ブクブクブクブク

雪歩「…………」ブクブクブクブク

雪歩(お風呂の中に潜って、身も心もうずくまる……)

雪歩(……やっぱりこれが、一番幸せなひと時ですぅ……)ブクブクブクブク


ガシッ


雪歩(!!!???)ボゴゴゴッ

ザバーッ!

雪歩「ゲフ……ケホ……ひいぃ、い、一体なんなんですかぁ……?」


真美「……それはこっちのセリフだよゆきぴょん……」

真美「いい歳してなぁ~にやってんのさぁ」

真美「こういうとこで潜りっこしてたら、みんなに迷惑かかちゃうっしょー?」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/28(土) 22:59:55.38 ID:CbN6SC2j0
雪歩「あ、真美ちゃん……」

真美「……プ、ククッ!……あ、あわてて飛び出したから……」

真美「ゆ、ゆきぴょん……は、鼻水……」

雪歩「え!?うそ!?」


貴音「雪歩……こんな所に居たのですか」

雪歩「しぃ!?し、し四条さん!?」

雪歩「あ、あの!は、はな、はな、鼻水はその!」ジャバジャバ

雪歩「じゃなくて……!その、潜ってたのもその……とにかく違うんですぅ!」ジャバジャバ


貴音「……?ともかく落ち着いて下さい。聞きたいことがあるのです」

雪歩「……え?……は、はぁ……」



雪歩「最近の響ちゃん……ですかぁ」

雪歩「そう、ですねぇ……。実は……」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/28(土) 23:05:06.78 ID:CbN6SC2j0
あずさ「実は?」

雪歩「わ、私……きら、嫌われてるんじゃないか……って……」

真美「えぇ、ゆきぴょんがひびきんにぃ!?」

貴音「何故、そう思ったのです?」

雪歩「そ、その……今日もそうだったんですけど……」

雪歩「前は仲良くおしゃべりとかしてたのに、最近は近寄ってすらくれなくて……」

雪歩「私が近づくだけで、響ちゃんの方から距離をとられて……」グスッ


貴音「…………」

真美「あちゃー……そうきたかぁ」

あずさ「雪歩ちゃん……多分だけど、響ちゃんは雪歩ちゃんを嫌いになったわけじゃないと思うわよ?」

雪歩「な、なんでわかるんですかぁ?」

あずさ「え、えーとね……」

あずさ「…………」

あずさ「な、なんとなくかしら……?」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/28(土) 23:11:31.39 ID:CbN6SC2j0
雪歩「なんとなく……ですかぁ……?」

真美(そっか……ひびきん、何か思いつめてたもんなぁ)

真美(ホントのこと言っても、ゆきぴょんの誤解は解けるかもしれないけど……もっとややこしくなるかもね)

貴音「雪歩、響は雪歩のことを嫌ってなどおりませんよ。わたくしも保障いたします」

雪歩「そ、そうですかぁ。……ありがとうございます」


―――

真美「ひびきんってば深刻すぎるよぉ」

あずさ「さっきわたしたちから離れてたのも、そういうことだったのね……」

貴音「……」

貴音「とりあえず、手分けして事務所の皆から話を伺いましょう」

真美「ん、オッケー。じゃあ亜美とかりっちゃんたちのとこ行って来るよ」

あずさ「じゃあ私は、春香ちゃんたちから聞いてくるわ」

貴音「はい、お願いいたします。……わたくしは残りの者たちに聞いてくるとしましょう」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/28(土) 23:18:44.37 ID:CbN6SC2j0
―――

春香「響ちゃんですか?……うーん、最近はちょっと、話す機会があんまり無くて……」

千早「……そうね。あえて会話に入ってこないように見える時も、中にはね……」

春香「うん、どうしたのかな……?」


春香「すみませんでしたあずささん、あんまり力になれなくて」

あずさ「あらあら~、いいのよ。お話してくれて、ありがとうね」

ドタプーン

千早(生で見ると余計に……くっ)


―――

伊織「響ねぇ……なぁーんか、最近付き合い悪いのよね」

真「うん、ボクもそう思ってた」

やよい「あう~……前おはなししようとしたら、どこかに走っていっちゃいましたぁ」

貴音「そうでしたか……」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/28(土) 23:26:08.67 ID:CbN6SC2j0
貴音「何か心当たりは?」

伊織「そんなもんこっちが知りたいわよ」

やよい「響さん……前みたいなやさしい響さんに戻ってほしいです……」

真「そっか……貴音はそれを調べてたのか。知ってること少なくてごめん」

貴音「いえ、それはいいのですが……」

貴音「……」

貴音「皆、何故サウナに?」



やよい「あ、あうぅ~……ま、まだがんばりますよ~……」

伊織「……やよいが入るって言って聞かないのよ」

真「……ボクはその前から入ってただけだよ。サウナ好きだし」


やよい「て、テレビで……サウナは健康にいいって言ってたんですよ~……」

やよい「でもわたしサウナってすぐクラクラ~ってなっちゃうから……」

やよい「クラクラ~ってならないように、とっくんしてたんです!」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/28(土) 23:32:55.37 ID:CbN6SC2j0
貴音「……成程」

伊織「やよい、無理しちゃダメよ?健康にいいって言ったって、適度に使うことで効果が現れるんだから」

やよい「う、うん~……でももうちょっとがんばる……」

真「人のことは言えないけど……やよいってば汗まみれだよ」

伊織「……そう言うアンタはアンタで男らしいわね」

伊織「……まさにすっぽんぽんじゃない」

真「え?だって……女湯だし、しかもサウナだし」

真「……なんで隠す必要があるのさ?」

伊織「……」ハァ

貴音(真……それが男らしい、ということなのでは……)

貴音(……わたくしも暑くなって参りました。そろそろ出ましょう)

貴音(…………)

貴音(他の皆は……何か知っているのでしょうか……)

貴音(響……)

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/28(土) 23:40:06.50 ID:CbN6SC2j0
―――

律子「響ねぇ……ごめんなさい。竜宮が忙しくて、事務所の他のみんなには目を向けてなかったわ」

真美「うーん、そっかぁ……」

律子「響がどうかしたの?」

真美「ん?い、いやぁ、ちょっとね……」

亜美「あー、ひびきん最近冷たいよね~」

律子「……そうなの、亜美?」

亜美「そーそー、前はいっしょに遊んでくれたのにさぁ、全然遊んでくれなくなっちゃった」

亜美「ハムゾーとかイヌ美っちゃんとかも、前は事務所に連れてきてくれたのにさー」

真美「あ……そ、そういえば確かに……」

律子「……そう言えばそうねぇ。ハム蔵をここ最近、響が連れてるのを見ないわね」


プクプクプク……

美希「……ミキ、ひょっとしたら知ってるかも……」

真美「!?」

真美「ど、どういうこと!?」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/28(土) 23:50:34.18 ID:CbN6SC2j0
ゴンッ

美希「あぐぅ!?」

律子「浴場で潜るなっつーのに……」

美希「で、でもでも、何も殴ることないの……」

律子「……で、美希、響について知ってることって?」

美希「ムー……えーとね、前に響が言ってたんだけど……」


響『自分って……臭かったのか……』


美希「って言って、すんごく落ち込んでるの、見たの」

亜美「なにそれ」

真美(……!そ、それだ……!)

真美「そ、それって、いつごろのこと?どこで?」

美希「ん?んとねー……1週間くらい前だったと思うな」

美希「事務所のパソコンの前で……だったかな」

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/28(土) 23:59:49.95 ID:CbN6SC2j0
真美「パソコン……」

律子「……ははぁ、なんとなくわかったわよ」

美希「なにが?」

律子「……響の勘違い、っていうか……何と言うか……」


律子「!?ちょ、ちょっと……!」

律子「あそこに倒れてるの……響じゃないの!?」

真美「え!?」

亜美「ど、どこ!?」

美希「ほ、ほんとだ……律子!」

律子「言われんでもわかってるわよ!」

ダッ


―――

響「ふぎゅ……んあ?」

貴音「よかった……響……」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 00:07:46.88 ID:CbN6SC2j0
響「あれ、貴音……ひざまくらかぁ……ていうかみんな……」

響「どうした……ハッ!?」

響「や、やめ……じ、自分から離れてくれぇ……」

貴音「いいえ、離れなどしません」

響「だ、ダメだぁ……た、貴音に……自分、の……」


律子「大丈夫よ、響。アンタは悪臭を放ったりしてないから」

響「え?」

あずさ「……響ちゃん……」

律子「何でそう勘違いしたかは知らないけど……響、自分のことを臭いって思ってたのね?」

響「!?」ビクッ

律子「ハァ……それで、みんなに自分の悪臭で迷惑がかかる、と思ってた……と」

響「あ、あぅ、あうぅ……」

響「も、もうやめてくれよぉ……」ポロ

響「みんな、無理しなくていいから……自分が臭いのは、もうわかってるんだ……」ポロポロ

響「臭くない、なんて気休め……もうやめて欲しいさぁ……」

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 00:15:57.60 ID:8Yyk/HWU0
雪歩「そ、そんな……!響ちゃん、本当に大丈夫だよ……?」

伊織「そうよ!そもそも響は臭くないし、そんなことを迷惑に思ったりもしないわよ」

真「ひ、響……どうしたんだよ、らしくないじゃないか」

響「うぅ、うぅぅー!……もう止めてくれよ!自分のことなんか放っておいてくれよぉ!」

響「あう……ううぅ~……」ポロポロ


やよい「ひ、響さん……」

春香「そ、そんな、響ちゃん……」


貴音「……」

貴音「皆の衆、申し訳ありませんが……わたくしと響、二人だけにさせてもらえないでしょうか?」

美希「え?」

律子「……わかった、アンタに任せるわ」

美希「え、え?いいの?」

律子「ほら、みんなここから出るわよ。美希もさっさと準備して。……この座敷は二人に使わせましょ」

千早「え、ええ…………」

81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 00:23:14.03 ID:8Yyk/HWU0
―――

真美「じゃあ、お姫ちん……あとよろしくね」

亜美「ひびきんをよしなに」

貴音「……ええ」


パタン


響「……」グスッ

貴音「……」

響「……もう離せよぉ貴音。一人でも歩けるよ」

貴音「駄目です。のぼせた身体で無理は禁物です」

響「でも……自分臭いのに、貴音が近くにいたら……」

貴音「…………響……」


ガバッ


響「!!??た、貴音ぇ!?」

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 00:31:51.57 ID:8Yyk/HWU0
スーハースーハー

響「ちょ……た、貴音!?ど、どこ嗅いでるさぁ!」

貴音「……腋の下、と呼ばれる所ですね」

響「それはわかって……や、やめろよぉ!やめろってば貴音ぇ!」

スーハースーハー

響「ひぐ……も、もう止めて……グスッ……うぐ……」

貴音「…………」

響「……ひぃ……あ、う……」グスッ

響「なんてこと……するんだよぉ……」

響「酷いよ貴音……」


貴音「酷いのはどちらの方ですか」

響「え?」

89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 00:41:18.51 ID:8Yyk/HWU0
貴音「……わたくしの顔が、悪臭を嗅いだときの顔に見えますか」

響「……見えない、けど……」

響「貴音のことだから……きっと自分のために無理して……」

貴音「……何故、なのですか。何故そのようにしか、考えられなくなってしまったのですか?」

貴音「そもそも響……先ほどまで、あんなにも丁寧に洗浄していたではありませんか」

貴音「何故あそこまでして尚、自分が悪臭を放っているなどと思うのですか」

響「…………」

響「……自分は、臭いんだよ……」

貴音「……ですから、そのようなことは無いと

響「貴音みたいに!」

貴音「!?」ビクッ

響「貴音みたいに……いっつも良い匂いしてる人には、わかんないんだ……」

貴音「……なんと…………」

96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 00:49:59.18 ID:8Yyk/HWU0
貴音「響……わたくしが良き匂いを発しているかは置いておきますが……」

貴音「響の身体から放たれる香りも、悪い香りではありませんよ?」

響「うそばっかり……」

貴音「いえ、先ほど無理やりに嗅がせていただきましたが……」

貴音「悪いどころか……とても魅力的な香りでした」

響「……冗談も慰めも、いい加減にして欲しいさぁ……」

貴音「……ならば」


ガバァッ


響「うわっ!?」

貴音「それが冗談でも慰めでもないことを……」

貴音「響の身体中を嗅ぐ事で……証明してみせようではありませんか」


スーハースーハー

スーハースーハー

103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 00:58:54.32 ID:8Yyk/HWU0
響「ひ、ひぃぃ……こ、こんなところ誰かに見られたら……」

貴音「わたくしは一向に構いません!」

貴音「響にわたくしの思いをわかってもらえるならば……わたくしの外聞など知ったことではありません」

スーハースーハー

貴音「ふむ、臍の部分は他とは違いますね」

響「ひ、ひぃぃぃぃぃ……」

響「わかった!わかった、わかったよぉ!」

響「じ、自分は臭くない!臭くない!」

響「……だからもう嗅ぐのを止めてくれぇ!」


ピタッ


貴音「……響」

響「……ゼーッ……ハーッ……」

響「……勘弁して欲しいさぁ、貴音…………」

107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 01:08:07.24 ID:8Yyk/HWU0
貴音「納得行かないようでしたら……」

響「も、もういい!もういいから!」

響「ハァ……自分が悪かったよぉ」

貴音「……では、教えていただけますね?」

響「…………うん」


―――


響「小鳥に教えてもらったけど……パソコンに自分のファンサイトがあるんだってな!」

響「ファンのみんな……自分のことどんな風に応援してくれてるのかなぁ」

響「ライブだと少しの人としかお話できないもんなぁ……楽しみだなぁ!」


響「えーと、『我那覇響』……っと」

響「よし、これで検索してみよう」

115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 01:16:08.35 ID:8Yyk/HWU0
貴音「…………」

響「小鳥にはちゃんと、有る事無い事書かれてるから、悪いことは気にしなくて良いって言われたさぁ」

響「でも……ちゃんとした、本当に自分のこと応援してくれてる所だったのに……」



・響の汗で蒸れた  ペ ペ ペ ペ ペ p p p p p p p p p !!!!!!!

・響ちゃんと体洗いっこしたい

・くさい

・我那覇響はぼっちでくさい

・あんだけ動物がいる家にいたら確実に臭いだろ・・・

・響の匂いは男を興奮させる匂いな

・響はもののけ姫だから仕方ない

・響なんてまだいい方だと思うが

・響を全力でクンカクンカしたい

・響んの汗だくの脇クンカクンカ!キュインキュイン!

131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 01:24:37.70 ID:8Yyk/HWU0
貴音「……しかし……」

響「うん、もちろん良い匂いだって書いてる人も居たし、そういうこと言うのを止めようって言ってる人もいた……」

響「でもすっごくショックだった……」

響「何よりも……自分、ダンスも、歌も、どれだって頑張ってるつもりだったのに……」

響「自分のことを話してくれてるところで……そんなこと一切何も言われてなかったんだ」

貴音「……!」

響「自分の匂いがどうだ、こうだって……そんな話ばっかりされてて……」

響「だから……だから…………っ」

貴音「……っもう良いです、響。……響の苦しみは、十分にわかりました」

響「……」グスッ

貴音「そう、でしたか……そのようなことが……」

響「うん……」

142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 01:33:47.97 ID:8Yyk/HWU0
貴音「…………」

響「もう自分、何がいいのかわからないんだ」

響「自分が凄く臭いんだって思ってから……みんなも自分の臭いを我慢してたのかなって思ったり……」

響「さっきみたいに、身体中くまなく洗わないと不安でしょうがなくなったり……」

響「はは……貴音のお陰でちょっと目が覚めたけど……」

貴音「響……」ギュッ

貴音「……」

貴音「響は、決して悪臭を放ってなどおりません」

貴音「そしてむしろ良い匂いだと言えるでしょう」

響「……はぁ」

貴音「そして響は、そんな風に、匂いの話題でしか取り上げられない状況をどうにかしたい、と」

響「……うん」

貴音「……」

貴音「わたくしが……何とかしてみせます」

155: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 01:39:58.04 ID:8Yyk/HWU0
響「貴音が?」

貴音「……すみません。響のために、と啖呵を切ったは良いのですが……」

貴音「わたくしにも今現在、特に対策があるわけでは……」

響「……ふふっ、その気持ちだけでも嬉しいさぁ」



「話は全て聞かせてもらった!」



響「!?」

貴音「!?」


スパーン!

P「俺やで!」

響「ぷ、プロデューサー!?」

貴音「何故ここに……」

P「律子から連絡を受けてな、ちょうど風呂にも入りたかったし!」

161: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 01:45:37.02 ID:8Yyk/HWU0
響「全てって……」

P「えーとな、と言ってもさっき到着したからな」

P「律子からの大体の説明と、響がファンサイト見たって話を聞いてたから、それで自体は把握した」

貴音「……そこから、でしたか」

貴音(外聞など捨てる、とは言っても……見られずに済んで何よりでした)

P「で、だな響!自分のファンが、自分のニオイのことしか話題にしてくれない、ということだな」

響「お、おう」

P「……良い事を教えてやろう」

響「何だ?」



P「そいつらはお前のライバルのアイドルたちだ!」



響「……」

響「…………は?どういうことだ?」

166: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 01:49:17.75 ID:8Yyk/HWU0
貴音「あなた様……わたくしにも理解しかねますが……」

P「実はだな、響……お前の言っていたそのファンサイト」

P「お前を蹴落とそうとする、お前に悪いイメージを付けようとするライバルたちが……」

P「そういう話題にばっかりして、お前を落ち込ませようと企んでいたんだよ!」


響「な……」

響「なんだってーーー!?」


貴音「…………」

P「だから安心しろ響!お前のファンの人たちは、お前のニオイのことなんかちーっとも心配してない!」

P「どころか、お前のダンスや歌や、お前の可愛さの話で持ちきりだぞ!」


響「そ……」

響「そうだったのかぁーーーー!!」


貴音「…………」

171: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 01:54:01.91 ID:8Yyk/HWU0
貴音(あなた様)コソッ

P(どうした?)

貴音(……この茶番は何なのです)

貴音(どう考えても話に無理があります。出鱈目を仰るのは止めたほうが……)

P(じゃあ……)

P(じゃあ、お前だったら……あの状態で、どうやって響を元に戻す?)

貴音(…………!)

貴音(そ、それは…………)

貴音(…………)

P(……俺だって、響のこと臭いだなんて思ったことないよ)

P(実際は凄く良い匂いだし、ハム蔵たちだって響が献身的に世話してる)

P(だから、よく言うような『動物臭さ』もほとんど無い)

P(だけど……さっきまでの響にそれを言ったって、無駄だろ?)

P(自分は臭いんじゃないか……自分のファンは、そういう話しかしてくれないんじゃないか……って)

180: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 02:00:59.53 ID:8Yyk/HWU0
貴音(そ、それは……)

P(だからな……まずはその「心無いファン」の呪縛から解き放つことが大事なんだ)

P(それが嘘でも、出鱈目でも……心を軽くさせる、それが一番大事)

貴音(……)

P(イヤなことなんてさっさと忘れちゃう響が、1週間以上もああいう状態だったって言うじゃないか)

P(相当ショックだったみたいだ……。だから、焼け石に水の慰めなんかよりも……)

P(ハッタリでも、ショックを全て吹き飛ばすくらいの別のショックを与えるんだ)

貴音(……では、この後はどうするのです?)

P(後?)

貴音(今は良いかもしれません……しかし、あなた様の話が嘘だとわかった時……)

貴音(その時、響がまた落ち込んでしまうのではないですか?)

P(確かに、その危険性がないわけではない)

P(……が、貴音、喜べ)

貴音(……?)

P(この後は……本当に、お前に何とかしてもらうことになるからな)

185: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 02:07:55.76 ID:8Yyk/HWU0
―――

P「よし、響お疲れさん」

響「おぉ、お疲れ様プロデューサー」

P「今日もバッチシだったぞ?可愛くてかっこよくて、最高だったな!」

響「そーか?まぁ、自分完璧だからな!」


貴音「響……」

響「あ、貴音」

貴音「本日も、よろしいでしょうか?」

響「……ああ!」

響「プロデューサー、悪いけど……」

P「ん?あ、ああ……わかった。俺は席を外すよ」

P「……じゃ、な」チラッ

貴音「…………」

187: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 02:11:55.42 ID:8Yyk/HWU0

ギュッ

響「はあぁ~……」

貴音「……スー……ハー……」

響「……どうだ?」

貴音「ええ、いつも通り……良き香りですよ」

貴音「……素晴らしいです」

響「へへ、そうかぁ」

響(……まさか貴音がなぁ)

響(あれ以来、響の良い匂いがクセになったから、定期的に嗅ぎたいって言ってくるなんて……)

響(でもま、気持ちいいし……良い香りって言われて嫌な気分はしないし……これでいいかぁ)


貴音(……ええ、確かに、確かに良い香りです。何時まででも嗅ぎ続けていられるほどの)

貴音(しかしまさか……このようなことになろうとは……)

193: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 02:17:30.52 ID:8Yyk/HWU0
―――

P「響に必要なのは、匂いに対するコンプレックスの解消だ」

P「最終的に、ファン全員への解消が出来なくてもしょうがないとは思う」

P「どんな理由であれ、響のことを応援してくれるファンなわけだから」

貴音「……ふむ」

P「じゃあどうするかと言うと……」


『この人だけは、絶対に自分を裏切らない』


P「という人が居ればいい。その人が響の匂いを認めてくれれば、響もコンプレックスを解消しやすくなる」

貴音「それが……わたくし、ということでしょうか」

P「そう」

P「響の匂いを定期的に嗅いで、その都度、良い匂いだって響を認めてあげればいい」

P「……響の臍のニオイまで嗅ぐような貴音なら、うってつけなんだが」

貴音「!??」

貴音「あ、あなた様……あのような事を仰っておきながら……まさか……」

199: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 02:23:35.56 ID:8Yyk/HWU0
P「ああ、響が居る手前ああいったけど、本当は結構前から見てたよ」

貴音「…………い、いけず……です……」

P「ああでも……勘違いして欲しくないのは……」

P「別に貴音や響の弱みを握った、とかは一切考えていないからな」

貴音「え?」

P「……むしろ俺だって真剣に、響のためになるように何かしてあげたいよ」

P「でも、あの状態の響の心を開いたのは、他の誰でもない貴音なんだ」

貴音「わたくしが……」

P「俺が貴音がやったように『アレ』をやれば、真の意味で犯罪だ」

P「貴音にしか出来ないことでもあり、最も響のためになる」

P「……どうする?」

貴音「…………」

貴音「………………」

200: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 02:27:53.80 ID:8Yyk/HWU0
―――

貴音(プロデューサーに流され、この役を引き受けることになったものの……)

響「た、貴音ぇ……まだかぁ?」

貴音「……もうしばらく」ギュッ

響「わ、わかったよぉ」

貴音(……響の匂いは、本当に素晴らしいです)

貴音(心無いファン、と仰っていましたが……本当ですね)

貴音(この香りのどこが、悪い匂いだと言うのでしょうか……)

貴音「……響」

響「どうした?」

貴音「わたくし……世間の皆様方に声を大にして言いたいです」

貴音「……響は、非常に良い匂いである、と」

響「んの……///」

響「そ、それは……恥ずかし過ぎるから……勘弁して欲しいさぁ」

貴音「…………残念です」ギュウ

203: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 02:30:57.18 ID:8Yyk/HWU0
貴音「しかし、その言葉は嘘ではありませんよ?」

響「はは、わかってるさぁ貴音」

響「貴音は、自分に嘘なんかつかないもんな」

貴音「ええもちろんです……」

貴音(……この状態になることを考えたのがプロデューサーである)

貴音(……という『隠し事』は存在しますが…………)

貴音(それ以外の言動全てに……)

貴音「嘘は、ございませんよ」

貴音「響も、響の身体の香りも、とても大好きです」ギュッ

響「……おぅ、ありがとうな……貴音!」










おわり

引用元: 響「自分は臭い……自分は臭い……」ブツブツ