2: ◆vkx/VtAX92 2014/08/27(水) 23:38:06.27 ID:29VY81aU0

提督「なぁ、山城」ショルイ カキカキ

山城「なんですか? 提督」オチャ ズズー

提督「俺は今何してるかわかってるか?」

山城「AL/MI作戦の書類整理ですね」チャガシ モグモグ

提督「そうだな、それでここの秘書艦は誰だったか?」

山城「……はぁ」

提督「なんでそこで溜息つくんだ、山城?」





3: ◆vkx/VtAX92 2014/08/27(水) 23:44:43.43 ID:29VY81aU0

山城「いえ、提督もボケがでたとは、まさか、二十代でそんな痴呆がでる提督のもとに配属されるなんて、不幸だわっと思いまして」

提督「違けえよ、確認のためだ。いいから答えろ。誰がここの秘書艦だったかな? 戦艦 山城」

山城「私ですが、なにか?」クビカシゲ

提督「なにか? じゃねえよ、じゃあ質問変えるが、秘書艦ってどんな役割をもった艦娘だ?」

山城「提督もついにそこまでボケが……」

提督「天丼はいいから答えろよ、てかあきるわそのネタ」

4: ◆vkx/VtAX92 2014/08/27(水) 23:54:22.23 ID:29VY81aU0

山城「第一艦隊において旗艦を任されている艦娘で、主に提督の執務サポートが役割ですね」

提督「ああ、その通りだ。では、もう一回尋ねるぞ、秘書艦山城。俺は何をしている?」

山城「AL/MI作戦の書類片付けですね」

提督「ここの秘書艦である山城は何をしている?」

山城「隣の提督から頂いたお饅頭を食べていますが」

提督「手伝えや! 秘書艦だったら。ずっと俺が書類とにらめっこしてるのに、お前はお茶飲んで饅頭食って!」

6: ◆vkx/VtAX92 2014/08/28(木) 00:03:29.81 ID:o7WFM8xl0

山城「?」クビカシゲ

提督「……うわーい、この秘書艦、すっごい一点の曇りもない眼(まなこ)で『なにいってんの?こいつ』みたいな目で首をかしげやがったよ、コンチクショー!」

提督「大体、そんなん饅頭とか甘い物食ってばかりいるから、あの巫女さんみてーな服がきつくなったんだろうが!」

山城「な! なぜ提督がそれを……」

提督「気づくわ! お前、この夏の間ずっとあの巫女衣装に袖通してねえだろうが! だいたいドックにいるどころか、そもそも巫女さん衣装じゃなくて、高校時代の短パンとジャージじゃねえか! きつくなったんだなってのが丸わかりだぞ!」

8: ◆vkx/VtAX92 2014/08/28(木) 00:13:00.52 ID:o7WFM8xl0

提督「だいたいそんなんだから、って、おいどうした、薄笑い浮かべて」

山城「不幸だわ、この間千歳さんが優しい笑みを浮かべて、『これ、書いてみたんですが一冊いかがですか?』とダイエット本渡してきたのは、そういうことなのね……不幸、いえ、滑稽の極みね」ウフフフフフフフ

提督「や、山城、おい、どうした窓際にたって」

山城「こんな辱め、観艦式の時に、提督の親族の方々が御覧になってて、そのあとにあいさつをしたら、どう間違ったのか婚約者と勘違いされた時以来の屈辱だわ」ススス

提督「い、いや、あれは悪かったっていって」

10: ◆vkx/VtAX92 2014/08/28(木) 00:18:23.51 ID:o7WFM8xl0

山城「こうなったら、飛び降りるしかないじゃない!」ガッ

提督「山城、まてええええ! ここ一階だから飛び降りても死ぬどころか、ってお前逃げる気だな、さては!」

山城「ッチ!」

提督「おい、その舌うち、図星だろ? 図星なんだろ!? てめえ、この野郎逃がすか!」

山城「私は野郎じゃなくて、アマですよ!」マド ガシャーン!

提督「山城、てめえええ! まてこの野郎!」ズドドドドドドド

11: ◆vkx/VtAX92 2014/08/28(木) 00:20:54.52 ID:o7WFM8xl0
そんな感じで乗ったりまったり更新していきたいと思います。
山城なのは友人からのリクエストで、一日ちょっとずつ更新していきたいです。

それじゃあ、おやすみなさい

18: ◆vkx/VtAX92 2014/08/28(木) 18:18:59.08 ID:o7WFM8xl0

提督「はぁはぁはぁ……まったく手間取らせやがって」ズルズルズルズルズル

山城「……提督、あの、引きずらないでくれますか? ジャージは私服だから支給されないんですけど」ズルズルズルズルズルズル

提督「だったら、そんなもん着んじゃねえよ! あの巫女衣装にしろ! きついんなら仕立て直してもらえ!」

山城「だって、仕立て直す費用は自費なんですもん。支給品なのに自費があるなんて不幸だわ~」

提督「じ ゃ あ 我 慢 し て き ろ !」

19: ◆vkx/VtAX92 2014/08/28(木) 18:23:02.32 ID:o7WFM8xl0

山城「はいはい、わかりましたよ。着てきますよ、ちょっと待っててください」ヨッコイショット

提督「ちなみに二十分以内に戻ってこなかったら今日の晩飯抜きだからな、監督権限で」

山城「………」ジー

提督「……なんだよ?」

山城「……鬼!」バタン

提督「(戻ってくる気なかったな)」

20: ◆vkx/VtAX92 2014/08/28(木) 18:28:35.50 ID:o7WFM8xl0

19分後

山城「……ただいま戻りました」ガチャ

提督「……時間ぎりぎりだな、おい」

山城「いいじゃないですか、間にあったんだから。部屋の隅に残ったごみまでぐちぐち言う舅ですか? 提督は」

提督「まだ子供どころか独りもんだよ、俺は。それよか、山城……」ジー

山城「なんですか? 提督」




21: ◆vkx/VtAX92 2014/08/28(木) 18:34:20.96 ID:o7WFM8xl0

提督「本当にぱっつんぱっつんだな、その服」

山城「………いやらしい」

提督「安心しろ、お前をそんな目で見てねえよ、腹のあたりがぱっつんぱっつんなのにどうすればいやらしい目で見れるんだよ?」

山城「お、おなか周りは艦装で隠すから大丈夫です!」

提督「それとな、山城よ」

23: ◆vkx/VtAX92 2014/08/28(木) 18:45:11.43 ID:o7WFM8xl0

提督「袖のところが虫に食われて穴だらけじゃねえか!」

山城「ああ、これは防虫剤、姉さまがタンスに入れ忘れました。姉さまったらドジっ子なんですから」キャ!

提督「キャ! じゃねえよ! 片付けくらい自分でやれ! それくらい自分でやれよ!」ツクエ ダーン!

山城「……そんなに大声あげてばっかりだと頭の血管切れますよ」ドンビキ

提督「誰のせいだよ、誰の!」

25: ◆vkx/VtAX92 2014/08/28(木) 18:53:03.01 ID:o7WFM8xl0

提督「とりあえず、さっきのジャージに着替えてこい」ハァハァハァ

山城「……まったく、人に着替えてこいっていったら戻せとか」ブツブツブツ

提督「さっきのジャージの方がまだましだからだよ」ハァ……

山城「わかりました。着替えてきますから」

提督「あ、まて、着替えはまた二十分以内に」

26: ◆vkx/VtAX92 2014/08/28(木) 18:56:06.96 ID:o7WFM8xl0

山城「……」バタン

提督「……あのアマ、笑ってやがったな。サボる気満々じゃねえか」ハァ……

提督「…………」

提督「……胃薬どこだったかな?」ゴソゴソ

31: ◆vkx/VtAX92 2014/08/28(木) 21:51:48.68 ID:o7WFM8xl0
E-4、まったくあきつ丸がでないのでぼちぼち更新していきます。

大型66連敗中だよ、コンチクショー!!

32: また愛宕だよ ◆vkx/VtAX92 2014/08/28(木) 21:58:41.46 ID:o7WFM8xl0

――2時間後――

鎮守府 工廠裏 実験施設


提督「まったく、あの架空戦艦はどこほっつき歩いてんだか……」トボトボ

34: オシオキ部屋行きませんように ◆vkx/VtAX92 2014/08/28(木) 22:02:11.32 ID:o7WFM8xl0

提督「……確か、廊下ですれ違った扶桑さんの話しだと工廠の方に行ったらしいけど、いねえな」キョロキョロ

提督「って、あの影は」テクテクテク

35: ◆vkx/VtAX92 2014/08/28(木) 22:12:06.01 ID:o7WFM8xl0

提督「おはようございます。元帥殿」ビシッ

元帥「ん? ああ、君か、おはよう、というかもうお昼だよ」ヘンレイ

提督「……そうでしたね。ところで、元帥殿、今日は釣りですか?」

元帥「ああ、うん、まあね」マンジュウ モグボグ

提督「こんな工廠裏の海に魚などいるのですか?」



36: まさかのもがみん二連続! ◆vkx/VtAX92 2014/08/28(木) 22:23:18.51 ID:o7WFM8xl0

元帥「いや、まったくいないね。でもまぁ、ここならうるさい連中に見つかることもないし、絶好の隠れ場所、というやつだよ」マンジュウ ゴックン

提督「なるほど、通りで先ほど扶桑殿をはじめ、元帥殿所属の艦娘がせわしなく鎮守府中を動いてらっしゃるわけですな。探しておられましたよ」

元帥「いいの、いいの。ちょっとは休んでも罰は当たらんでしょうに、仕事が湧いて出るんだもん。息抜きも必要だと思うよ、僕は」

提督「元帥殿は毎日息抜きしていらっしゃるでしょうに」

元帥「……君も言うようになったね」

提督「貴方の部下ですから」

元帥「さいですか」

37: ◆vkx/VtAX92 2014/08/28(木) 22:31:06.19 ID:o7WFM8xl0

提督「ところで元帥殿?」コホン

元帥「なんだい?」

提督「山城はどこにおりますでしょうか?」

元帥「」ピタッ

元帥「いや、ぼ、僕は山城なんて艦はしならないな」アセ ダラダラ

提督「(わかりやすすぎるだろ、いくらなんでも)」

38: ◆vkx/VtAX92 2014/08/28(木) 22:46:05.35 ID:o7WFM8xl0

提督「……そうですか、知りませんか」

元帥「う、うん、まったく知らないね!」アセアセ

提督「ところで元帥殿?」ズイ

元帥「な、なんだい」

提督「さきほど、元帥殿が召し上がっていた饅頭ですが、あれは山城が食っていた饅頭と同じ銘柄でしたな」

39: ◆vkx/VtAX92 2014/08/28(木) 22:52:46.83 ID:o7WFM8xl0

元帥「」

提督「はぁ……で、どこに行きましたか、あの航空戦艦は?」

元帥「はい、そのあっちです」ユビサシ

提督「情報感謝します」ビシッ

元帥「はい、どうも」

提督「じゃあ、これで失礼しま……」クルッ

元帥「あ、ちょっとまって、折り入って頼みたいことが」

40: ◆vkx/VtAX92 2014/08/28(木) 23:16:45.36 ID:o7WFM8xl0

――三十分後――

執務室前

山城「(……はぁ、不幸だわ)」

山城「(ついに提督が迎えに来なかったってことは相当怒ってるわね、やばいわ、怖いわ。自業自得とはいえ気が重いわ)」

山城「(いいえ、ここは山城、ポデシブよ、ポデシブにとらえるのよ!)」

山城「(ここは扶桑姉さまがいっていた、逆に考えるんだの精神よ。何事にもなかったかのようにはいればいいのよ)」

41: ◆vkx/VtAX92 2014/08/28(木) 23:21:55.06 ID:o7WFM8xl0

ポワポワポワ

扶桑「え? 山城、提督がついに迎えにこなかったから相当怒ってる? 山城、逆に考えるのよ、怒らせちゃってもいいんだって考えるのよ」

ポワポワポワポワ

山城「(さすが姉さま!)」

――

山城「(じゃあ、入るわ、一二の三で入るわ)」

山城「(呼吸を整えて………)」スゥハァスゥハァ

山城「(では!)」キリッ

山城「一、二の……」

42: ◆vkx/VtAX92 2014/08/28(木) 23:25:50.95 ID:o7WFM8xl0

山城「さ……」

提督「なにやってんだ? 山城」カタ ポン

山城「ひゃああああ!!」

提督「……な、なんだ、今度は突然、熊野みたいな声出しやがって」ドキドキドキ

山城「そ、そそそそそ、それはこっちのセリフです! 後ろから声かけないでください、不幸すぎて心臓が止まるかとおもいました」ドキドキドキ

43: ◆vkx/VtAX92 2014/08/28(木) 23:34:40.00 ID:o7WFM8xl0

提督「(……いや、それは不幸関係ねえだろ)まあいいか、とりあえず入れ」ガチャ

山城「(とりあえず、提督はそんなに怒ってないみたいね、不幸じゃないわ)」フー ヤレヤレ

提督「あ、そういえば、山城、実は新入りがいるんだ」

山城「……新入りですか?」

提督「ああ、実は先に執務室で待っててもらっている。あいさつしろよ」

山城「……子供じゃないんだから、挨拶ぐらいできます」ムッ

提督「すまん、すまん。で、紹介するが」コツコツコツ

44: ◆vkx/VtAX92 2014/08/28(木) 23:41:13.42 ID:o7WFM8xl0

???「む、指令、それには及ばない」

提督「ん、そっか、じゃあ、こっちから紹介するが、こいつがさっき話してた山城だ」

山城「ふ、扶桑型戦艦、妹の方、山城です」ビクビク

提督「で、こっちが新入りの」

磯風「陽炎型駆逐艦十二番艦、磯風。山城、共に進もう。心配はいらない」

45: ◆vkx/VtAX92 2014/08/28(木) 23:46:15.57 ID:o7WFM8xl0

山城「(……なにか、私よりも戦艦らしい眼光を放つ子ねぇ、はぁ、不幸だわ)」フウ

提督「で、だ。事後承諾になって悪いが、しばらくの間磯風に秘書艦のサポートを担当してもらいたい」

山城「………………………へ?」

提督「つまりはお前の部下として考えてくれ。まぁ、仕事をさぼった罰だな」ニヤニヤ

磯風「山城、よろしく頼む。む、確かこういうのだったな」

46: ◆vkx/VtAX92 2014/08/28(木) 23:46:59.10 ID:o7WFM8xl0


磯風「問おう、貴方が私の先輩か?」


47: ◆vkx/VtAX92 2014/08/28(木) 23:52:26.84 ID:o7WFM8xl0

提督「まぁ、そういうこったな。よろしく頼むぞ、山城。俺は昼飯を食ってるから、仕事の説明よろしく」バタン

山城「へ? あの、ちょっ、提督!?」アセアセ

磯風「では、山城、共に仕事を片付けよう。聞けば、この艦隊では夏季特別作戦の書類整理が溜まっていると聞く、共に片付けよう」

山城「いや、あの、お昼ごはんは……」アセアセ

磯風「む、この書類は、山城、尋ねたいことが……」アーダコーダ

山城「………………………………………………………はぁ」

48: ◆vkx/VtAX92 2014/08/28(木) 23:54:00.94 ID:o7WFM8xl0


山城「不幸だわ、今世紀最大級の不幸だわ」ボソッ

56: ◆vkx/VtAX92 2014/08/29(金) 20:47:30.39 ID:Vh1d56uO0

――食堂――

提督「(……うん、やっぱ坦々麺にしといてよかったな、塩ラーメンばっかだと飽きるわ)」ズルズルズル

扶桑「あら? 今日はおひとりですか?」

提督「ん? ああ、どうも扶桑さん。そっすよ、今日は独り飯です」

扶桑「あらあら、ということはあの子(山城)はまだ捕まって……」

提督「いえいえ、自分で戻ってきましたよ、今日は」

57: ◆vkx/VtAX92 2014/08/29(金) 20:54:41.90 ID:Vh1d56uO0

扶桑「あら? そうでしたか、それはよかった……山城は時間が経てば経つほど解決しずらくなる問題を、あの子、わかってはいるけど先延ばしにする癖があるから」フゥ……

提督「(わかってるなら、それ指摘してくださいよ)」ズルズルズルズル

扶桑「お隣に座っても?」

提督「いいですよ」

扶桑「失礼しますね」ガチャ

58: ◆vkx/VtAX92 2014/08/29(金) 21:03:43.94 ID:Vh1d56uO0

提督「………………」ズズー

扶桑「………………」モグモグ

提督「……そういや、MI作戦で本隊が出払ってるときに攻めてきた深海棲艦を撃退し、新しい艦娘の製作データを手に入れたじゃないですか?」

扶桑「ええ、そうでしたね……たしか、駆逐艦、磯風のデータ、と伺っています」

提督「あってますよ。それで、さっき建造が終了したらしいですけど、うちの艦隊に配属されました」

59: ◆vkx/VtAX92 2014/08/29(金) 21:11:12.88 ID:Vh1d56uO0

扶桑「あら、おめでとうございます」

提督「それがまた張り切って、張り切りまくってるような奴でね」フゥ……

扶桑「あらあら、それは御愁傷様です」クス

60: ◆vkx/VtAX92 2014/08/29(金) 21:20:08.71 ID:Vh1d56uO0

提督「あんまり張り切りまくってるから、山城に秘書艦サポート艦ってことで押し付けてきた」

扶桑「へぇ………………え?」ピタッ

扶桑「あ、あの、あの子は、その……」

提督「山城は最近治ってきたとはいえ、ひっどい人見知りだから今頃苦労しまくってるだろうな。それと相性最悪だぞ、あいつらは」ケケケ

扶桑「……相変わらず人が悪いですね、あなたは」ハァ……

61: ◆vkx/VtAX92 2014/08/29(金) 21:29:10.36 ID:Vh1d56uO0

扶桑「それと、地が出てますよ」

提督「おっと、それは失礼しました、超弩級戦艦 扶桑殿」ビシッ

扶桑「……相変わらず陸軍式の敬礼なんですね」モグモグ

提督「気に障ったのなら直しますよ?」

扶桑「いいえ、気にしてませんから。それよりも、その……」

提督「わかってます。そろそろ山城の手伝いに行きます。それじゃ」ガタン

62: ◆vkx/VtAX92 2014/08/29(金) 21:41:18.80 ID:Vh1d56uO0

執務室

提督「……と格好いいこといって来たはいいものの………………」

磯風「む、司令、おかえり。飯はうまかったか?」

提督「……ああ、うまかったが、山城どこ行ったんだ?」キョロキョロ

提督「まさか、またあの野郎またどっかに……」ギギギ

磯風「……なんだ、その、司令、山城から置き手紙だ」

提督「置き手紙だぁ……?」

63: ◆vkx/VtAX92 2014/08/29(金) 21:44:42.71 ID:Vh1d56uO0


『GUSOH とうさい』


64: ◆vkx/VtAX92 2014/08/29(金) 21:50:52.09 ID:Vh1d56uO0

提督「……(なんだ、これ? てか、なんで真っ赤な絵の具で書かれてるんだ? GUSOHってなんだ? で、どこにいるんだよ、あいつは?)」

磯風「……すまない、司令」

提督「え? なんでお前さんが謝るんだ? どうせ山城はまたサボ」

磯風「いや、山城はさぼりじゃない、倒れた」

提督「……え゙?」

77: ◆vkx/VtAX92 2014/08/31(日) 23:04:23.38 ID:B5wziWVR0

――34分前(つまり、提督がでていって2分後)――

磯風「……」モクモクモクモク

山城「……」カキカキカキカキ

磯風「……」デンタク カタカタカタカタ

山城「……はぁ」カキカキカキカキ

山城「(はぁ、気が重いわ、なんなのこの空気、ものすごく真面目な空気よ、だめ、普段お茶飲んでお菓子齧って、持ち込んだ漫画読んでた私にはとても耐えられないわ……不幸だわ)」ハァ

78: ◆vkx/VtAX92 2014/08/31(日) 23:26:13.28 ID:B5wziWVR0

山城「(だいたい、私が普段どんな生活送ってるのかあの提督はしらないはずがないのに、いきなり部下なんてハードル高すぎるわ! SO2で例えるならクロードが飛ばされた森のなかでいきなりミカエルに遭遇するレベルのやばさよ、フェイズガンなんて序盤最強だけど、ダメージ的に後半まったく通用しないようなちゃっちな銃じゃ、雪男は倒せてもスピキュールに対抗なんてできないわ! そもそも……)」カキカキカキカキ

??「……ろ、…………ここ……………ど…………?……………や……………」

山城「(……んでリメイク版で隠しキャラが、ウェルチなのよ、まったく繋がりがないわ! そこはアシュトンの故郷エピソードいれてあげて! そもそもオラクル様が創造神って設定なのにSO3のラスボスが創造者ってわかったときはオラクル様を倒しにいくのかと戦慄したのにまったく関係ないって……オラクルさまを崇拝する扶桑姉さまに)」

磯風「山城!」

山城「は、ハイ!」ビクッガタッ

79: ◆vkx/VtAX92 2014/08/31(日) 23:33:11.24 ID:B5wziWVR0

磯風「山城、大丈夫か? さっきからまったく返事をしないし、どこか上の空だぞ、山城」

山城「え、ええ。まったく大丈夫よ、ちょっとオラクル様のことを……」

磯風「おらくる……?」クビカシゲ

山城「い、いえ、まったく関係ないわ、こっちだけの話しだから……」オホホホホ

磯風「……ならいいのだが、そうだ山城、この書類のことで伺いたいことが……」ショルイサシダシ

81: ◆vkx/VtAX92 2014/08/31(日) 23:48:23.43 ID:B5wziWVR0

山城「え、えっと、これは……」ヒヤアセダラダラ

山城「(ま、まずいわ、特別作戦と並行して行われた通常軍事行動にあたっての費用計算なんて提督にまかせっきりだから、殆ど知らないわ……これは正直にわらかないって言うべき? で、でも)」チラ

磯風「……」ジー

山城「(せっかく頼ってきてくれた子にわからないっていうのも、それに、そんなこと言えば秘書艦としての立場を崩してしまう、私個人ならいいけど、この子は新入り、きっと憧れをもってるもの、一点の曇りもない純粋な目ですもの……眼光は私よりも強そうだけど。そんな子の期待を裏切ってしまうわけには……でも、わからないものはわかんないわ、こんな書類! ………ああ、不幸だわ!)」グルグルグルグル

磯風「(む、なにか失礼なことをしただろうか? やたらさっきからチラチラとこっちをみて……はっ!)」ショルイ ミテ

82: ◆vkx/VtAX92 2014/08/31(日) 23:57:40.18 ID:B5wziWVR0

磯風「(これは、こんな簡単な業務もこなせないのか、と困惑させてしまったのか、養成所で聞いたことがある。秘書艦というのは有能かつ多才の艦娘だけがなれる特別の存在、そして、我が司令と山城の関係はこの鎮守府でも元帥とその秘書艦に次ぐと伺った、つまり山城の業務歴も長いのは必然)」

磯風「(この磯風にとって難解であっても山城にとってはお茶の子さいさい、くっ、もうここは軍学校ではない。実戦と変わらない、なのに、磯風の評価が常に問われていることを失念し、不用意に尋ねてしまった。なんという失態)」クッ

磯風「(なにか、なにか、この状況を打開する一手を打たなければ、磯風はただの鉄くず以下だと思われてしまう)」アセ ダラダラ

83: ◆vkx/VtAX92 2014/08/31(日) 23:59:30.57 ID:B5wziWVR0
山城「(なにか、なにか手はないの?!)」

磯風「(なにか、なにか打つ手はないのか?)」

山城・磯風「(なにか、この状況を打破する、一手は!?)」

91: ◆vkx/VtAX92 2014/09/01(月) 20:24:46.91 ID:nXQQDk+Q0



山城・磯風「「((なにか、神の一手はないの!!?))」」




92: ◆vkx/VtAX92 2014/09/01(月) 20:27:11.33 ID:nXQQDk+Q0

山城「……」グゥ……

山城・磯風「「!!?」

93: ◆vkx/VtAX92 2014/09/01(月) 20:33:27.31 ID:nXQQDk+Q0

山城「……あ、あのいまのはその……(あああああ! お昼ご飯を抜いた影響がこんなところで……よりにもよって、こんなところにでるなんて、ああ、不幸だわ)」ワタワタワタ//

磯風「(……好機)」キラリン

磯風「む、山城、いかんな、腹が減っては戦はできん。だから、いま食堂から何かをもってくる。ちょっと待っていてくれ」ダッシュ 

山城「あ、あの……」

扉<バタン

山城「……これは、幸運だったのかしら?」

94: ◆vkx/VtAX92 2014/09/01(月) 20:41:18.69 ID:nXQQDk+Q0

磯風「(た、助かった……まさか山城の腹がなってくれたおかげで、このように抜け出せるとは、ありがたい。しかし……)」ダダダダダ

磯風「(偶然だったのだろうか? 山城の腹が鳴ったのは? たしか、司令の話しでは先に山城は休憩にはいったらしい……ならば昼飯を取るのは当たり前のはず……)」ダダダダダ

磯風「!……まさか!?」ピタッ フリムキ

95: ◆vkx/VtAX92 2014/09/01(月) 20:41:57.37 ID:nXQQDk+Q0


磯風「あれは、わざと鳴らした、否、鳴らしてくれた、とでもいうのか?」


96: ◆vkx/VtAX92 2014/09/01(月) 20:49:51.69 ID:nXQQDk+Q0

磯風「(……そう考えれば不自然でもない)」クルッ

磯風「(使えないと思われればそれまで。鉄くず以下と評され終わりだろうが、配属前、元帥閣下がおっしゃっていた、ここの司令と秘書は優しい、と。つまり、山城は磯風にもう一度、機会を、挽回の機会をくれたのでは?)」ダダダ

磯風「(腹を鳴らし、わざと隙をみせ、どう反応するかを視た、もう一度評価の場を部下に与える、なるほど、確かに優しい方だ)」クスッ

磯風「(ならばその機会を無駄にすれば本当に鉄くず以下、否、鉄さびだ。なんとしてもこの温情に報いなければ!)」ダダダ

磯風「(そう……)」グッ


97: ◆vkx/VtAX92 2014/09/01(月) 20:50:50.59 ID:nXQQDk+Q0


磯風「山城の腹を満たす物をもってこなければ!」


98: ◆vkx/VtAX92 2014/09/01(月) 20:52:24.24 ID:nXQQDk+Q0

磯風「(待っていてくれ、山城)」ダダダ

磯風「(この磯風、料理は不得手だが、必ず腹を満たせるものをつくってくる)」ダダダ

磯風「(だから、まっていてくれ、山城おおおおお!!)」

99: ◆vkx/VtAX92 2014/09/01(月) 20:53:13.24 ID:nXQQDk+Q0
風呂入ってきます
ちょっと中断

101: ◆vkx/VtAX92 2014/09/01(月) 21:15:47.49 ID:nXQQDk+Q0
戻りました

再開

103: ◆vkx/VtAX92 2014/09/01(月) 21:22:39.77 ID:nXQQDk+Q0

――一方、その頃、執務室――

山城「…………」ポツーン

山城「…………フッ」ビショウ

山城「あああああああああああああああああああああああああああああ!!」ゴロゴロゴロゴロゴロ

104: ◆vkx/VtAX92 2014/09/01(月) 21:31:59.71 ID:nXQQDk+Q0

山城「(めがっさいい子だったわあああああああああああああああああああああああああ!!!)」ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ

山城「(何あの子、ものすごくいい子じゃない。こっちのミスをすかさずフォロー、そればかりか料理をもってきてくれるなんて、配属されたばっかりなのにそんなに気が回る子なんていないわ)」ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ

山城「(しかもこっちが書類一枚片付ける間に磯風は書類三枚も終わらせ、確認してみたけど間違いは私よりも少ない)」ゴロゴロゴロゴロゴロ

山城「…………………フッ」ピタッ

105: ◆vkx/VtAX92 2014/09/01(月) 21:33:29.24 ID:nXQQDk+Q0


山城「完敗じゃない…………」ポツリ


107: ◆vkx/VtAX92 2014/09/01(月) 21:41:04.13 ID:nXQQDk+Q0

山城「(……新入りの磯風よりも仕事が遅くてミスがある、しかも部下だっていうのに指導どころかちゃんと教えることすらできない)」

山城「(あっちはフォローができて、こっちのミスをミスだと思わせないように最大限の努力をしてる)」

山城「……こんな姿じゃ、扶桑姉さまには見せられないわ」ガバッ

山城「……とりあえず、今のうちに調べとかないと」ショルイ ダシテ

山城「(あと、磯風はプロトタイプ(先行試作型)だからって、提督に渡された書類も読んでおきますか……どうせ嫌がらせしか書いてないでしょうけど)」ハァ……

108: ◆vkx/VtAX92 2014/09/01(月) 21:48:54.37 ID:nXQQDk+Q0

山城「(……うーん、この計算はこうすればいいのかしら? ……そうみたいね、あとは)」チラッ

ショルイ メクリ

山城「(……えっと、『先の特別実施作戦において、大型深海棲艦姫型を旗艦とする敵が各鎮守府に奇襲……』ここは飛ばしてもいいみたい)」フウ……

山城「…………」フムフムフムフム

山城「…………え?」ピタッ

山城「…………」モウイチド ヨンデ

山城「(………………え、うそ、そんなことが……………あの磯風が、まさか………)」ガタッ

109: ◆vkx/VtAX92 2014/09/01(月) 21:59:35.36 ID:nXQQDk+Q0

――執務室――

磯風「山城、ただ今戻った。磯風、無事帰還したぞ」バタン

山城「え、あ、お、お帰りなさい」ビクッ

磯風「む、どうしたのだ、山城、急須をもって固まっているようだが?」

山城「い、いえ、あの、その、あなたの湯飲みどうしようか、と思って……ほら、ここには提督と私の分しかないから……」アセアセ

磯風「(なんだ、そんなことか)大丈夫だ、磯風の湯飲みは持ってきてある。そこの段ボールの中に入っている」ホッ

山城「……用意がいいわね」コポコポコポ

110: ◆vkx/VtAX92 2014/09/01(月) 22:03:12.10 ID:nXQQDk+Q0

山城「とりあえず、座ったら? 昆布茶でアレルギーはないわよね?」

磯風「ん、ありがとう。それと磯風はアレルギーはもっていないから安心してくれ」スチャ

山城「はい、とりあえず粗茶だけど」

磯風「ありがとう、いただこう」ズズッ

山城「……美味しい?」

磯風「ああ、美味だ、山城」ニカッ

111: ◆vkx/VtAX92 2014/09/01(月) 22:14:11.04 ID:nXQQDk+Q0

山城「…………」

磯風「? どうしたのだ、山城?」

山城「はっ、いえ、なんでもないわ」アセアセ

磯風「…………そうか」

山城「(……この子も笑顔は年相応ね)」

112: ◆vkx/VtAX92 2014/09/01(月) 22:18:16.73 ID:nXQQDk+Q0

磯風「……じ、実はな、山城」モジモジ

山城「?」

磯風「さきほど食堂に急いだのだが、その昼の部はもう終わってしまっていたのだ」モジモジ

山城「(ああ、なるほど、つまり昼飯はなかったのね。ああ、ふこ)」フゥ

磯風「だから、作ってみた。握り飯なんだが、是非、食べてくれないか?」

山城「……え?」

113: ◆vkx/VtAX92 2014/09/01(月) 22:20:40.45 ID:nXQQDk+Q0

山城「作ったって、あなたが?」

磯風「……」コクリ

山城「わざわざ、私のために作ってくれたの?」

磯風「……ああ」コクリ

山城「(……いい子通り越して最早天使よ、この子は)」ジーン

114: ◆vkx/VtAX92 2014/09/01(月) 22:26:42.69 ID:nXQQDk+Q0

山城「(思えばこの艦隊、という名の二人部屋、何かあるとすぐ架空戦艦架空戦艦とバカにする提督が上司という最悪な労働環境の中で、ここまで気を使えて、仕事ができる部下という名の天使を得られたことはありえない奇跡だわ)」ジーン

磯風「……あの、山城?」

山城「(今日限りで不幸という文字は私の辞書のなかから永久に追放される記念日に認定することにするわ、もう幸運の絶頂なのね)」グスグス

磯風「……どうしたんだ、山城、大丈夫か?」

山城「ハッ………ごめんなさい、そのちょっと飛んでたわ」

115: ◆vkx/VtAX92 2014/09/01(月) 22:30:27.68 ID:nXQQDk+Q0

磯風「それは、大丈夫なのか? 山城よ」

山城「大丈夫よ、それよりもなに?」

磯風「……じ、実はな」モジモジ

磯風「言い訳になってしまうが、その、恥ずかしながら料理というものが不得手ででな」モジモジ

磯風「それで、若干、失敗してしまったのだ、栄養補給には問題はないと思うのだが……」カオ マッカ

116: ◆vkx/VtAX92 2014/09/01(月) 22:32:36.84 ID:nXQQDk+Q0

山城「あら、それくらい構わないわ。それよりも、私のために作ってくれたんですもの、どんなものでも食べれるわよ」ニッコリ

磯風「ん、それならありがたい」

磯風「では、これが磯風の握り飯だ!」

バッ

おにぎり<<デロデロッデロロロロロロロ


117: ◆vkx/VtAX92 2014/09/01(月) 22:33:23.73 ID:nXQQDk+Q0


山城「」



118: ◆vkx/VtAX92 2014/09/01(月) 22:38:01.65 ID:nXQQDk+Q0

磯風「さあ、遠慮せずに食べてくれ、山城」

山城「……………ふう」ビショウ







山城「(前言撤回。全力で不幸だわ。なぜって……天使が握ってくれたおにぎりが紫色で、しかも中からゲル状の何かがにじみ出てるんですもの)」アキラメノキョウチ

124: 誰かあきつ丸レシピ知ってたら教えてくだち ◆vkx/VtAX92 2014/09/02(火) 20:26:37.85 ID:qN3DMBIE0

山城「……ち、ちなみに、このおにぎりの具はなにかしら?」

磯風「今日の日替わりランチで余っていた、チキンマヨだ。間宮から山城はアレルギーはないと聞いていたのだが、嫌いだったか?」

山城「い、いえ、嫌いじゃないですけど……」チラ

おにぎり<シューシュー ゴボッ

125: あきつ丸でたらなんでもしますから ◆vkx/VtAX92 2014/09/02(火) 20:33:07.80 ID:qN3DMBIE0

山城「(た、大変です! 扶桑姉さま、おにぎりの具材がチキンのはずなのに、紫色のご飯の間から覗くものは明らかに青緑のゲル状!)」

山城「(しかもなんだか、そのゲルも泡だって、気泡が浮かんでるわ、どんな料理をすれば、明らかに固形物から液状になるの!?)」

山城「(でも……)」チラッ

磯風「…………」ジー

山城「(お願いだから、そんな期待と不安が混じり合った純朴な目で私を見ないで……絶対に食べなきゃいけないのね、これ)」ハァ

127: あきつ丸、コーイ! ◆vkx/VtAX92 2014/09/02(火) 20:41:42.32 ID:qN3DMBIE0

山城「(たぶんこの子、ここに来る前にデロデロの湯、もしくは大こうずいの罠を踏んだのね。それじゃなかったらにぎりへんげ見習いと戦ったか、まったく、巻物系とおにぎり系はほぞんの壺に入れて持ち歩くのが基本テクニックでしょうに…………)」ゴクリ

山城「(さて、現実逃避もこれくらいにして)」チラ

磯風「………………」ジー

山城「(はぁ、女は度胸か、嫌な言葉ね…………)」

山城「………モグ」パクリ

130: ◆vkx/VtAX92 2014/09/02(火) 20:51:27.92 ID:qN3DMBIE0

山城「……」モグモグモグモグ

磯風「……」キラキラキラキラ

山城「……………」モグモグモグモグモグ

磯風「……………」ジー

山城「…………………」ゴックン

131: ちなみにシレンだとアスカ派です ◆vkx/VtAX92 2014/09/02(火) 20:59:49.43 ID:qN3DMBIE0

磯風「…………………どうだった、山城?」

山城「そうね、紙をいだたけるかしら?」ニッコリ

磯風「? ああ」コレ ドウゾ

山城「ありがとう……」サラサラサラ

磯風「(ん? 山城は書き物をもっていないはずだが……)」

山城「……磯風」

磯風「な、なんだ? 山城」 

132: ◆vkx/VtAX92 2014/09/02(火) 21:06:48.50 ID:qN3DMBIE0

山城「………ゴフッ!!」バタン

磯風「山城!」ダッシュ

磯風「山城、しっかりしろ、山城! 血を吐くなんて、艦橋が倒壊しそうなのか? 山城?」ユサユサ

山城「……こ、これを」

磯風「なんだ山城!?」

山城「これを、提督に……」

磯風「この手紙を司令に渡せばいいのか? 山城」

山城「……ええ、たの……不幸だわ」ガクリ

磯風「……山城? お、おい、ウソだろ? しっかりしてくれ、返事をしてくれ、山城オオオオオオオオオオオオ!!」

133: ◆vkx/VtAX92 2014/09/02(火) 21:12:57.04 ID:qN3DMBIE0

――現在・執務室――

磯風「……ということがあったのだ、司令」

磯風「そのあと、騒ぎを聞きつけ、隣の艦隊の秘書艦・名取が助けてくれ……って、司令? どこに行ったのだ?」


135: ◆vkx/VtAX92 2014/09/02(火) 21:20:58.31 ID:qN3DMBIE0

――医務室――

提督「山城オオオオオオオオオオオオ!!」

窓<ガッシャアアアアアアアアアアアアン!

医務官「頼むからドアから入ってくれ!」

提督「時間が惜しいんだよこちとら! 先生、山城は無事なのかこの野郎!?」

137: ◆vkx/VtAX92 2014/09/02(火) 21:27:52.24 ID:qN3DMBIE0

医務官「相変わらず君は人を罵倒するのがデフォなんだね、ある意味変わってなくて安心したよ。死ねばいいのに」ハァ

提督「んな昔の話しはどうでもいいんだよ、先生、山城は無事なのか死んだのか、どっちなんだ!?」カタ ガッ

医務官「相変わらず君の品性だけじゃなくてその物事を究極の二択で考えるのも変わってないんだね、安心できないよ。あと肩揺さぶるのやめて、脳震盪起こしそう」ガックンガックン

カーテン シャー

曙「うっさいわね! 病人がいるのに静かにできないの!? このクソ提督共!」

138: ◆vkx/VtAX92 2014/09/02(火) 21:38:43.70 ID:qN3DMBIE0

提督「お、お前は、なぜか知らんが常にあの日かと思われるぐらいにいらいらしてて、ついたあだ名が『月下の狂犬』、曙、曙じゃねえか! なぜナース服着てるか知らんが、『月下の狂犬』曙! なんでピンクのナース服着てんのか知らんが!」

医務官「ああ、彼女が私の秘書艦だからだよ。提督業務と医療行為を併走せにゃいかんのが私の艦隊のつらいところだね」メガネ クイ

提督「お前、ここの秘書艦だったのか……ナース服はわかったが、なぜ、ピンクなのだか知らんが、『月下の狂犬』曙」

曙「うっさい、昔のあだ名連呼するな! このクソ提督!」

提督「いや、お前のツッコミが一番うるせえぞ! ピンクナース曙」

医務官「ああ、ナース服がピンクなのは私の趣味だよ、まったく 欲をもてあ」

曙「死ねええええええええええええええ!!」ドゴオオオン!!

154: ◆vkx/VtAX92 2014/09/03(水) 20:38:38.72 ID:4YO1xNpi0

――医務室――

曙「……………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

提督・医務官「「…………………どうもすみませんでした」」ドゲザー

提督「すみませんでした、正直調子にのってました……窓から突入したのは調子にのってました」

医務官「はい、自分でもなんでピンクのナース服を用意したのか、すみませんでした」

医務官「あ、はい! すみません、猛省してるから頬を連装砲でつつくのはやめてください」ツンツン

155: ◆vkx/VtAX92 2014/09/03(水) 20:44:12.88 ID:4YO1xNpi0

提督「ああ、お前は猛省しろ! ピンクのナース服なんて、お前天才だけど変 だろ? そこは婦警服だろうが!?」

医務官「ふっ、哀れな男だ、相変わらずそんなものに…………」

曙「…………もう一回、ふっ飛ばされてみる?」

提督・医務官「「すみませんでした」」ドゲザー

156: ◆vkx/VtAX92 2014/09/03(水) 20:50:31.84 ID:4YO1xNpi0

提督「あの、あけぼ」

曙「なに?」ギラリン

提督「いや、あの、曙様、その、質問よろしいですか?」

曙「はぁ、なによ、言ってみなさい?」

提督「山城は大丈夫なのでしょうか?」


157: ◆vkx/VtAX92 2014/09/03(水) 20:57:47.37 ID:4YO1xNpi0

曙「そういうのは最初に尋ねるものでしょうが! このクソ提督!」

提督「ああ、その通りだから、山城の様態はどうなんだ?」

曙「……一応、今は安定してるわ。胃の洗浄も終わったし、あとは様子見だけど明日には元通りね」

提督「そりゃよかった」ホッ

曙「でも一体なにを食わせたのよ? あんなショック症状初めて見たわ、洗剤でも飲ませたの?」

158: ◆vkx/VtAX92 2014/09/03(水) 21:08:12.53 ID:4YO1xNpi0

提督「いや、新人――磯風っていう奴の作った昼飯食ったって聞いたな」

曙「……そいつ、一体何を調理したのよ……」

医務官「まあ、それはおいおい尋ねるとして、山城は安定してるし、顔でも見てきなさいよ」

提督「いたのか、さっきから声出してないから逃げたのかと……それじゃ、ちょっと覗いてもどるか……って、やべ、執務室に磯風独りにしてきちまったな……」

医務官「……その新人も災難だよね……」ハァ

提督「それってどっちの意味で災難なんだ?」

医務官「君が考えてる二重の意味で災難だよ、新人にはこの鎮守府は厳しすぎる」

提督「……まあな」

医務官「まぁ、それはおいおい考えておいて、山城、面会だ」カーテン シャー

159: ◆vkx/VtAX92 2014/09/03(水) 21:11:02.38 ID:4YO1xNpi0

山城「あっ」オカシ ボリボリ ゲーム ピコピコ

医務官・提督「……」

山城「…………」ボリボリボリ ピコピコピコ

医務官・提督「…………」

山城「………………」ボリボリボリボリ ピコピコピコピコ

提督「お菓子食う手をとめろ!」

160: ◆vkx/VtAX92 2014/09/03(水) 21:18:37.73 ID:4YO1xNpi0

医務官「そうだよ山城、お菓子を食べるかゲームをするかしないとどっちの効率もあがらない。現にルナツー防衛とジャブロー防衛に戦力を傾けているみたいだが、ジオンがジャブロー攻めをしてるからこの隙をついてキャルフォルニアベース攻略作戦を実施した方がいいね」

山城「あ、本当だ。ありがとうございます。ドクター」

医務官「いやいや、お礼にはおよばな」

曙「止めなさいよ、このクソ提督!」アタマ パカーン

曙「あんたも病人なんだからゲームなんてするな!」デンゲン off

山城「……せっかくハワイを攻略できたのに、不幸だわ」

163: ◆vkx/VtAX92 2014/09/03(水) 21:26:19.73 ID:4YO1xNpi0

提督「……元気そうだな、山城」

山城「……んー、おなかが痛いわ、めがっさ痛いわ、こりゃ今日は寝てるしかないわ、不幸だわ~」フトン バサッ

山城「でも、提督がお見舞いとしてメロンを買ってきてくれるなら全快できそうだわ~」チラッ チラッ

提督「嘘つけ! さっきまでギレンの野望やってた奴がなにいってんだ、この野郎!」

山城「だって、おなか減って、部屋の隅にギレンの野望とTVがあったらやることはひとつじゃない?」

提督「ね む れ ! バ カ !! それと二つになってんじゃねーかよ!」ゴゴゴゴゴゴゴ

164: ◆vkx/VtAX92 2014/09/03(水) 21:31:02.50 ID:4YO1xNpi0

山城「……はぁ、わかったわ。眠りますよ、眠ればいいんでしょ?」マッタク モー

提督「あれ? なんだろうこの胸奥が湧き上がってくるこのどす黒い気持ち、だれかこのもやもやとってくれない? このままだと秘書艦を解雇しそう」

山城「そういえば提督……」

提督「なんだ、山城? 言っておくがメロンなんて……」

山城「あの子、磯風は養成所卒業してないって本当ですか?」

165: ◆vkx/VtAX92 2014/09/03(水) 21:33:42.30 ID:4YO1xNpi0

提督「……山城、その話題は」

曙「……私は通常業務に戻るわ」

医務官「ああ、そうなの? じゃ頑張」

曙「あんたも戻るのよ、このクソ提督!」ズルズルズル カーテン シャー

提督「…………」

山城「…………」

166: ◆vkx/VtAX92 2014/09/03(水) 21:43:58.40 ID:4YO1xNpi0

提督「話しは戻すが、その通りだな」

山城「……この鎮守府もそこまで嫌われたんですか? 基礎訓練すら2時間の訓練生を送ってくるって……」

提督「嫌われてるな」

山城「……艦装は最新鋭だけど、まったくのド素人が艦娘、それで無理やり実戦に連れ出すように命令書を送って、戦死させたらこっちのせいにするってことですよね?」

提督「概ねその通りだろうな」

山城「……腐ってますね」

提督「腐ってるな」


167: ◆vkx/VtAX92 2014/09/03(水) 21:52:42.05 ID:4YO1xNpi0

山城「……それで、私があの子を訓練させて、一人前にさせるってことですか?」

提督「暇なんだからいいだろうが」

山城「……積みげー攻略する時間がなくなります」

提督「その分休暇と給料をくれてやる」

山城「……私は人に物を教えるってがらじゃないです」

提督「んなこと知ってる、通常業務と通常演習をすりゃいいんだよ」

山城「そんな! 私に死ねってことじゃないですか!?」

提督「さぼれないからって、そこできれるなバカ!」

169: ◆vkx/VtAX92 2014/09/03(水) 22:00:36.89 ID:4YO1xNpi0

山城「……はぁ、わかりましたよ」

提督「ああ、頼んだ」ペコリ

山城「一つ言っておきますけど、新技のサンドバックになってくださいね?」

提督「鉄拳か?」

山城「いえ、光の巨人伝説です……」

提督「……マニアックなやつもってきたな」ガタン

提督「またくる。メロンでよかったか?」

山城「メロンの気分でしたけど、今はリンゴが食べたいですね」クスッ

170: ◆vkx/VtAX92 2014/09/03(水) 22:04:54.41 ID:4YO1xNpi0

提督「了解した、それじゃ」

山城「ええ、それじゃ」

カーテン シャー

山城「……さてと、今度はまた北京攻略作戦から」

提督「ちゃんと寝てろ、この野郎!」カーテン シャー

山城「卑怯ですよ、提督」

提督「うるせー!」

ギャーギャー

曙「うっるさーーーーい! 医務室では静かにしなさい! このクソ提督とバカ秘書艦!!」ドッカーーン

178: ◆vkx/VtAX92 2014/09/04(木) 09:54:01.62 ID:g9KrN4v+0
小ネタ
『GUSOHの謎と言いつつ、明かされなかったので』

提督「そういや、山城よ」

山城「なんですか? 提督」

提督「この置き手紙のGUSOHってどういうことなんだ?」

山城「ああ、それはこれをやればわかりますよ」

つ『亡国のイージス2035』

提督「そうか……」

山城「ええ」

完!

189: ◆vkx/VtAX92 2014/09/05(金) 17:54:42.53 ID:9xCPgmSd0

【の、前に小ネタ】

>>181様より

提督・山城「「((と、とんでもない糖度だったー!))」」

山城「ど、どうするんですか、提督……とんでもない甘さじゃないですか? 真夏のスイカよりも甘いって……」

提督「言うな山城オオオオ!! >>1の無能と無知が招いた結果だ、俺たちには関係ねえ! 関係ないっていいはれ!」

山城「いやでも」

提督「あー!! あー!! 聞こえないよ、なんも聞こえねえよ!」

190: ◆vkx/VtAX92 2014/09/05(金) 18:03:57.05 ID:9xCPgmSd0

山城「……あの、全力で見苦しい主張をしてる中、一ついいですか?」

提督「……ん、なんだ?」ハァハァ

山城「私と提督が何をすれば甘い展開になるんですか?」

提督「そりゃお前……」

山城「…………」

提督「…………」



完!

191: ◆vkx/VtAX92 2014/09/05(金) 18:14:24.45 ID:9xCPgmSd0

いい忘れましたが、今回はオリジナル設定多めです。

――翌朝・執務室――

提督「えー、それでは昨日から俺と山城の二人部屋から脱却し、司令一人、航空戦艦・山城、駆逐艦・磯風の二隻となり、正式に艦隊と認められるようになりました」

山城「…………」ウツラウツラ

磯風「…………」ビシッ!

提督「磯風に説明しますと、艦隊と認められると単独の作戦が実施できるようになります」カツカツカツ

山城「……ふぁあ」アクビ

磯風「…………」フムフム

192: ごめんなさい、更新速度かなり遅いです ◆vkx/VtAX92 2014/09/05(金) 18:24:22.61 ID:9xCPgmSd0

提督「一隻――単独での作戦もありますが、複数隻――最大6隻で構成させる艦隊での出撃、任務にあたることが通常です」

山城「…………」ゴソゴソゴソ

磯風「…………」メモメモ

提督「しかし、同じ提督の元で働く艦娘同士でも出撃でも同じ作戦をこなすとは限りません」

山城「…………」アッタ アッタ

磯風「…………」カキカキ

193: ごめんなさい、更新速度かなり遅いです ◆vkx/VtAX92 2014/09/05(金) 18:28:56.44 ID:9xCPgmSd0

提督「それはなぜか、説明しますと、作戦によって求められる艦種が違うからです」

山城「…………」ソウチャク

磯風「…………」ナルナル

提督「ですから、同じ鎮守府所属でも通常業務では提督が違う艦娘が一つの艦隊を形成して出撃するのが常となっております」

山城「…………」グガーグガー

磯風「…………」ホウホウ

195: ◆vkx/VtAX92 2014/09/05(金) 18:38:16.85 ID:9xCPgmSd0

提督「ですから、うちは艦娘が山城しかおりませんので、作戦に参加してもうちの艦隊名義ではありませんでした」

山城「…………」ムニャムニャ

磯風「…………」ナルホドナルホド

提督「では、それ以外、先ほどいった通常業務を行うのですが、こちらがメインとなります。通常、作戦行動時間外、もしくは艦隊に組まれていない艦娘の通常業務は所属する提督によって違います」スリッパ ヌイデ

山城「…………」ズビーズビー

磯風「…………」ヘェヘェ

196: ◆vkx/VtAX92 2014/09/05(金) 18:42:43.97 ID:9xCPgmSd0

提督「提督によって、あとは艦娘の性格や特性などによって変わりますが、うちでは作戦や軍事演習での事務がメイン」トットット

山城「…………」ガーガー

磯風「…………」アッ

提督「ですから、最初のうちは磯風には当艦隊の秘書艦・山城の業務サポートを昨日言った通りやってもらおうと思ったのですが」チラッ

山城「…………」グーグー

提督「起きろや! この架空戦艦!!」スリッパ パコーン

山城「……あだ、不幸だわ」サスリサスリ

197: ◆vkx/VtAX92 2014/09/05(金) 18:51:12.79 ID:9xCPgmSd0

提督「不幸だわ、じゃねえよこの野郎! 磯風が実質着任初日だから、この通り俺は二種軍装できたってのにお前は相変わらずジャージだしよぉ……」

山城「いいじゃないですか、遅かれ早かればれるんだから」

提督「まぁ、それは百歩譲るとしても、しょっぱなから寝る奴がいるか! しかもご丁寧にアイマスクまで付けやがって!」

山城「だって暗くないと眠れないんですもの……」

提督「医務室でゲームばっかりしてるからだ! あのあとも部屋に戻って、今日は早く寝るかと思えば夜遅くまで64版のポケ●ンコロシアムやってやがって!」

山城「ポ●モンスタジアムですよ……てか、なんで知ってるんですか? やらしい……」

提督「秘書艦と提督は相部屋なんてもんがあるから、ずっとおんなじ部屋だろうが! 頭までぼけたのか!?」

201: ◆vkx/VtAX92 2014/09/05(金) 19:27:41.56 ID:9xCPgmSd0

山城「そうやって私のプライベートを盗みみてる癖に……いやらしいんですから、本当に」ハァ

提督「安心しろ、お前同じ部屋で一緒でもいやらしい展開に発展したことはないという事実がある」

山城「…………ただのへたれなだけでしょうに」ボソッ

提督「よし、表でろ。今日こそお前との因縁に清算を果たす時が来たみたいだな」

ギャーギャーワーワー

磯風「…………」ポツン

202: ◆vkx/VtAX92 2014/09/05(金) 19:30:31.84 ID:9xCPgmSd0

扉<ガチャ

名取「………」テマネキ テマネキ

磯風「む……」チラッ

<<ギャーギャー

磯風「………」コソコソ

名取「………」コッチ コッチ

203: ◆vkx/VtAX92 2014/09/05(金) 19:40:08.25 ID:9xCPgmSd0

――隣の執務室――

名取「はい、ココアだけど、よかったかな?」コトリ

磯風「……いただこう」スッ

名取「…………」

磯風「……!」ゴクリ

磯風「……!!」ゴクゴクゴクゴクゴク

名取「あっ、あの、あわてないで飲んでもいいよ」

磯風「む、すまない。初めて味わう甘味だったものでな、つい……」

204: ◆vkx/VtAX92 2014/09/05(金) 19:48:08.27 ID:9xCPgmSd0

名取「外じゃ手に入りずらいもんね、甘いものとか」

磯風「ああ、嗜好品の類は高級品だからな」ゴクゴク

名取「とりあえず、山城さんと提督さんの喧嘩が終わるまでここにいたらいいよ」チラッ

壁<<ギャーギャー

磯風「む、すまないな。名取。昨日に続き助けてもらって」ペコリ

名取「え? い、いやいいって、わ、私は何もしてないし」ワタワタワタ

205: ◆vkx/VtAX92 2014/09/05(金) 20:03:31.96 ID:9xCPgmSd0

磯風「しかし、磯風一人であったなら医務室の場所が分からず、そもそも山城を背負うこともできなかっただろう、やはり礼は言うべきだと磯風は思うが」

名取「うぅ~……こちらこそ、どういたしまして」ペコリ

磯風「そういえば、ここの司令殿はどうしたんだ? もう就業時間だったはずだが」

名取「え、えっと、提督は今演習場の見回りにいってるから、私はそのお留守番……」

磯風「なるほど」ゴトリ

210: ◆vkx/VtAX92 2014/09/05(金) 20:37:07.40 ID:9xCPgmSd0
【小ネタ】パート2
『風邪』

提督「……っく、なんで俺まで風邪こじらせにゃあかんのだ……>>1の体調管理がなってないせいで俺まで苦しまなきゃあかんのだ」ゴホッ

山城「私が看病したらどうなるのかってシュミレーションみたいですね、ちなみに今の風邪をひいてる提督は本編では風邪をひいていないので」ゴソゴソ

提督「……あ、あ~クソッ! つっこむ気力まで失せてやがる……山城、すまんが薬とってくれ」

山城「はい」ポン

提督「すまねえな、ところでお前は何をしてるんだ?」

山城「相部屋の私まで風邪が移されたらたまったものじゃないので扶桑姉さまの部屋に退避させてもらいます」ニッコリ

山城「それじゃ」ランラン♪

扉<バタン

提督「……看病すらしねえ……」ゴホッゴホ

完!

ぼちぼち再開

211: ◆vkx/VtAX92 2014/09/05(金) 20:48:17.41 ID:9xCPgmSd0

磯風「実際の現場はかなり違う、ということか……」ズズー

名取「ふぇ! な、何が?」オカワリ イル?

磯風「いや、なに、磯風の認識が大分間違っていたという話だ」モラオウ

名取「それってどういう?」

磯風「ここに配属される前、鎮守府には司令は一人しかいないものばかりと思っていた」

名取「…………」コポコポコポ

磯風「だが、配属されてみれば司令はたくさんいて、しかも兼業が多いな」

212: ◆vkx/VtAX92 2014/09/05(金) 20:57:07.79 ID:9xCPgmSd0

磯風「昨日、ドクター、だったか? 軍医も提督だった時はさすがに驚いた」

名取「(まったく驚いてなかったように見えたなぁ……)」カランカラン

磯風「そもそも、事務員を雇っているものだとばかり思っていたが」

名取「(まぁ、それは……)」オボンハ ドコダッタカナ?

磯風「この磯風も司令と山城の力となれるように満身しないといけないな!」フンス

213: 関係ないけど、今日病院の帰り、小学生が今日のQ放送を楽しみにしていた…… ◆vkx/VtAX92 2014/09/05(金) 21:12:54.77 ID:9xCPgmSd0

名取「あの、磯風ちゃん……提督さんと山城さんの喧嘩はそろそろ……あ」トケイ ミテ

時計<<8時 29分ダゼ!

名取「ごめん、ちょっと窓抑えるの手伝って!」ダッ

磯風「? ん、ああ」ダッ

名取「……3、2、1」ギュ


ドッカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!

窓ガラス<ビリビリ

214: ◆vkx/VtAX92 2014/09/05(金) 21:17:29.85 ID:9xCPgmSd0
エヴァ始まったので、ちょっと中断

218: ◆vkx/VtAX92 2014/09/05(金) 23:02:51.33 ID:9xCPgmSd0
【小ネタ】パート3

『Q』

TV<ライシュウ ハ サルノ……

提督「……」

山城「……」

提督「……」

山城「……提督」

提督「なんだ?」

山城「飛行機にけん引してもらって空を飛ぶ戦艦、これが本当の航空戦艦って手がありましたね、さっそくヴィレに連絡をとって……」

提督「テンパリすぎてただでさえキャラが崩壊気味なのに、完全に崩壊してるぞ」

完!

221: ◆vkx/VtAX92 2014/09/05(金) 23:19:27.18 ID:9xCPgmSd0

磯風「クッ……!?」マド オサエ

名取「んッ……!」マド オサエ

窓<ビリビリビリ……

磯風「今のは一体……敵襲か!?」ガシャ

名取「いや、ちが……って拳銃!? どこから!?」

222: ◆vkx/VtAX92 2014/09/05(金) 23:26:57.89 ID:9xCPgmSd0

磯風「武器の携帯は許されている! 大丈夫だ、名取、この磯風がいる限り心配はいらない」ガシャコン!

名取「だ、大丈夫だからしまってください! それにあれは敵襲じゃないから安心して!」ワタワタワタ

磯風「む……」

名取「ほ、ほら、敵襲だったらもっと皆あわてるだろうけど、誰もあわててないし、ね、ほら!」ワタワタワタ

磯風「……名取、了解した。だから落ち着いてほしい」スゥ

223: ◆vkx/VtAX92 2014/09/05(金) 23:31:28.29 ID:9xCPgmSd0

磯風「しかし、あれが襲撃ではないとすれば一体……?」

名取「ああ、あれはね……」

224: ◆vkx/VtAX92 2014/09/05(金) 23:34:45.71 ID:9xCPgmSd0

<……テイトクノバカー ギャー

<……コンノアホー グアー

<……アナタノカンタイハキリツガ ウォォォー

名取「色々な艦隊の秘書艦と提督による朝の夫婦喧嘩」

磯風「……なるほど」アセ タラー

230: ◆vkx/VtAX92 2014/09/06(土) 15:42:49.47 ID:mqdb+/KQ0

壁<<…………

名取「あ、隣の提督さんと山城さんの喧嘩も終わったから戻るといいよ」

磯風「うむ、ありがとう名取」

名取「ど、どういたしまして」

磯風「……」ガチャ…

名取「ん……どうしたの?」

磯風「その、な……名取」モジモジ//

名取「?」クビカシゲ

磯風「……また、ここあ、を飲みに来てもいいか?」

名取「……こちらこそ、また遊びにきてね」クスッ

磯風「では、またな」フリフリ ガチャン

名取「うん、またね」テヲフリフリ

231: ◆vkx/VtAX92 2014/09/06(土) 15:50:04.22 ID:mqdb+/KQ0

――執務室――

磯風「ただいま磯風帰還した。ムッ!」ガチャ

山城「あ、おかえりなさい……」ツクエ カタヅケ

提督「おう、お前さんどこ行っていたんだ?」ショルイ マトメテ

磯風「うむ、隣の名取にここあを馳走になっていた。ところで、執務室がひどい有様だが、この惨状は……」

山城・提督「「主にこいつ(この人)のせい」」ビシッ オタガイヲユビサシ

提督「ああん!?」

山城「……ん!?」

232: ◆vkx/VtAX92 2014/09/06(土) 15:59:32.69 ID:mqdb+/KQ0

提督「山城さんよぉ、誰のせいで執務室の机がひっくりかえってると思ってるんだ、この野郎……艦装まで召喚して、室内でぶちまけてくれるとはな」

山城「空砲だったし、誰かさんが無駄に煽るからいけないと思いますが?」

提督「空砲でもすさまじい衝撃波なんだよ! 一瞬大隊長や同期の顔が見えたわ!」

山城「……そのまま召されればよかったのに」ボソッ

提督「よし、待ってろ! 工廠からバーナー借りてきて艦装ごと鉄塊に溶かしてやるから!」

山城「上等です、その前に跡形もなく、人体の一部だったってのもわからないくらいにミンチに変えてあげますから……」ガシャコン

234: ◆vkx/VtAX92 2014/09/06(土) 16:12:42.66 ID:mqdb+/KQ0

磯風「……司令に山城よ、一ついいだろうか?」キョシュ

山城・提督「「……」」ア、イタンダッケ

磯風「……その反応に思うところはあるが、いいだろう。喧嘩すること自体は止めないが、しかし、ほどほどにしておかないと仕事が片付かないと思うが?」

山城・提督「「……」」ハイ、ソノトオリデ

磯風「だから」

山城「わかりました」

提督「ああ、すまんな、磯風」

235: ◆vkx/VtAX92 2014/09/06(土) 16:22:26.21 ID:mqdb+/KQ0

提督「思えば磯風の記念すべき仕事初日なのに、大人げなかったな」

山城「……ええ、そうですね」

提督「さて、片付けたら仕事始めっか。午後から工廠での仕立て合わせの予定だし」

山城「あら、じゃあそのあとは私も久々に戦闘訓練ですか?」

提督「ああ、その予定だ」

山城「じゃあ、早く片付けないといけませんね。今モップを借りて……」

磯風「むッ、山城、それには及ばない。こういうのは新入りの仕事、この磯風が担当する!」キリ

山城「へっ? でも場所が」

磯風「大丈夫だ、この鎮守府の場所は把握してある。場所を教えてもらえばすぐにでもいけるッ!」キリッ

246: ID168ってよめる ◆vkx/VtAX92 2014/09/07(日) 17:50:49.45 ID:l68ntuGa0

磯風「モップは掃除用具、つまりはゴミ置き場だ! いってくる」バタン!

山城「あの……」

提督「……いっちまったな」

山城「ええ、そうですね」

提督「場所はわかってるみたいだが……」

山城「……」

提督「……」

山城「不安だから見てきます」ガタッ

提督「ああ、頼む」

247: ◆vkx/VtAX92 2014/09/07(日) 18:03:08.72 ID:l68ntuGa0
――鎮守府・廊下――

磯風「(うむ、昨日はあの大失態、さらにあのまま突っ立っているだけだったら、ますます司令と山城に失望されてしまう、あぶないところだった)」ヤレヤレ ダッダッダッダッダッダッダッダッダ

磯風「(常にこの磯風は評価されていることを念頭に置かなくてはいかんな)」キリッ ダッダッダッダッダッダッダッダッダ

磯風「(しかし)」ダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダ

磯風「(……ここはどこなんだ?」ダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダ

磯風「(ち、ちがうぞ、これは断じて迷子ではない!)」ダッダッダッダッダッダッダッダッダ





248: ◆vkx/VtAX92 2014/09/07(日) 18:04:43.55 ID:l68ntuGa0


磯風「(ただ、闇雲に走りすぎて道がわからなくなっただけだ!)」ドン!! ダッダッダッダッダッダッダッダッダ



249: ◆vkx/VtAX92 2014/09/07(日) 18:13:09.43 ID:l68ntuGa0

磯風「(だが、この状況を打破するためには、一体……?!)」ダッダッダッダッダッダッダッダッダ

??「……ねぇ、あなた、どうしたの? さっきから走り回ってるみたいだけど」

磯風「むっ」フリムキ

ビスマスク「Guten Morgen! 見かけない子だけど貴女、どこの所属?」

250: ◆vkx/VtAX92 2014/09/07(日) 18:27:23.06 ID:l68ntuGa0

磯風「!?」

ビスマルク「……ああ、ごめんなさい。自己紹介をしてないのに尋ねるのはブレイだったわね、私はビスマルク型戦艦のネームシップ、ビスマルク! 所属は工廠よ、よおく覚えておいて!」ドヤッ

磯風「(ビスマルク、確か教本で読んだ……ドイツ連邦が誇る艦娘、その代表)」

磯風「(ドーバー大海戦にて最も多くの深海棲艦を仕留め、欧州同盟の盟主をドイツとさせた大戦艦、日本では一部の鎮守府にしか配備されていないのにこの鎮守府にも配備されているとは……)」ゴクリ

ビスマルク「? どうしたの、貴女?」クビ カシゲ

磯風「……っは、失礼した、ビスマルク殿! 陽炎型駆逐艦十二番艦磯風!」ビシッ

磯風「そして、所属は……」ハッ……


251: ◆vkx/VtAX92 2014/09/07(日) 18:36:36.60 ID:l68ntuGa0

ビスマルク「(……? 今度は固まったけど、どうしたのかしら)」クビ カシゲ パート2

磯風「(し、しまった……所属する正式名称を尋ねていなかった、なんたる不覚!)」アセダラダラ

磯風「(……まさか、これも評価試験なのか!?)」クッ

磯風「(そうか、そういうことか、まだ磯風が知らないことを尋ね、そしてその反応をみる)」

磯風「(全ての反応を見、使い物になるかどうかの評価試験、なるほど、完璧なものだ!)」クワッ

ビスマルク「(どうしたのかしら? 走り回ってたから声をかけたら固まって、汗かきはじめて、それで今度は目を見開いて)」

252: ◆vkx/VtAX92 2014/09/07(日) 18:43:03.89 ID:l68ntuGa0

磯風「(この磯風、昨日よりも立場を悪くしていたことを失念していた!)」

磯風「(大方再試験というものだろう、先ほどまで山城が後ろからこっそりつけていたこと謎が解けた!)」

磯風「(……ならば、最上の一手とは!)」クワッ

ビスマルク「(……観察してると面白いわね、この子)」


253: ◆vkx/VtAX92 2014/09/07(日) 18:43:47.73 ID:l68ntuGa0

夕ご飯食べてきます。
キャラ崩壊が激しすぎるな、ごめんなさい

254: ◆vkx/VtAX92 2014/09/07(日) 20:04:49.57 ID:l68ntuGa0
戻りました。薬飲むとやっぱりぼおっとしますね

255: ◆vkx/VtAX92 2014/09/07(日) 20:05:48.16 ID:l68ntuGa0

磯風「ビスマルク殿!」ビシッ

ビスマルク「な、なにかしら?」ビクッ

256: ◆vkx/VtAX92 2014/09/07(日) 20:07:42.68 ID:l68ntuGa0

磯風「この磯風、決してモップの場所どころか鎮守府での現在位置を見失ってなどいない! これから任務遂行にあたるので安心してほしい!」フンス


257: ◆vkx/VtAX92 2014/09/07(日) 20:19:13.38 ID:l68ntuGa0

ビスマルク「…………」アッケ

磯風「……」ドヤ

ビスマルク「(……ああ、迷子なのね、この子)」ナルホド

ビスマルク「(わかるわ、着任したばっかりの時って迷子になりやすいけど、誰かに道を尋ねるのって恥ずかしいし、それに仕事を任せられたのに応えられないってなりそうなのであせっていたのね)」ナルホドナルホド

ビスマルク「(放っておいてもだれかが助けてくれそうな気がするけど……)」チラッ

259: ◆vkx/VtAX92 2014/09/07(日) 20:22:12.54 ID:l68ntuGa0

ビスマルク「あら、それは御苦労さま」ヘントウ

磯風「ああ、だからこれから急いで……」

ビスマルク「でも奇遇ね、私もこれからモップを取りに行くところなのよ」

磯風「む、それは奇遇だな」チャンス!

ビスマルク「それじゃ、私は先に行くわね」スタスタスタ

磯風「あ、ああ」コッソリツイテイコウ

260: ◆vkx/VtAX92 2014/09/07(日) 20:28:48.04 ID:l68ntuGa0
 
――それからしばらくして――


ビスマルク「……」チョットウシロ ヲ ミテ

磯風「!」カクレロ

ビスマルク「……」スタスタスタ

磯風「……」ツイセキ ツイセキ

ビスマルク「(ちゃんとついてきてるわね、よかった)」スタスタスタ

磯風「……」スタスタスタスタ

ビスマルク「(……工廠で使う建造資材が届いたって連絡受けたから、本部から開発の事務連絡用書類をもらいに来ただけなのに、なんでモップ取りに行ってるんだろう、私)」スタスタスタ

磯風「……」スタスタスタ

261: ◆vkx/VtAX92 2014/09/07(日) 20:36:22.37 ID:l68ntuGa0

――五分後・執務室――

磯風「磯風、無事帰島したぞ」バタン

山城「……お、おかえりなさい」プスプスプスプスプス

提督「ああ、おかえり」プスプスプスプスプス

磯風「……なぜ、司令と山城は黒こげなんだ?」

提督「……ちょっとホットケーキ作ろうとして失敗した」

山城「ええ、不幸だわ」

磯風「そうか、バケツの水、使うか?」

提督「……ああ」アリガタク

山城「……ええ」ツカワセテモラウワ



262: ◆vkx/VtAX92 2014/09/07(日) 20:40:25.94 ID:l68ntuGa0

それからしばらく

提督「……」ショルイ カキカキカキカキカキ

磯風「……」デンタク カタカタカタ

山城「……」パソコン パチパチパチ

提督「(……しかし、まぁ)」チラッ

263: ◆vkx/VtAX92 2014/09/07(日) 20:47:31.91 ID:l68ntuGa0

提督「(山城が、あ の 山 城 が、秘書艦としての仕事をしてくれている光景を拝める日が来ようとは……)」ジーン

磯風「……」チラッ

提督「(む、いかんいかん、俺も仕事しないと)」ガバッ

提督「(磯風と山城が必死に仕事してるんだ、仕事を早く片付けないとあとで山城になにかいわれかねぇし)」カキカキ

提督「(それと)」チラッ

磯風「……」ムムムッ

264: ◆vkx/VtAX92 2014/09/07(日) 20:52:39.89 ID:l68ntuGa0

提督「(磯風は真面目だな、慣れないこともあってか、多少作業は遅いが、初日にそれをいうのは酷だが、不慣れを誠実さで補って仕事量は……)」ショルイヲミテ

提督「(……ん?)」ショルイ メクリメクリ

提督「(……)」メクリメクリ

提督「……」タチアガリ

265: ◆vkx/VtAX92 2014/09/07(日) 21:10:31.96 ID:l68ntuGa0

磯風「むっ、どうかしたのか、しれ」

提督「シー……」ヌキアシサシアシ

磯風「むっ……」クチオサエ

山城「………」カタカタカタ

提督「……」ソーット

PC イヤホン ヌイテ

山城「あっ!」

PC<アザムキニ フルエ キル~♪

提督「……」

山城「……」

PC<ウスモモノ ケガレ ステ!

山城「……」ニコッ

提督「……」ニッコリ

PC<ワラウハナ アダヤツノレ ト~♪


266: ◆vkx/VtAX92 2014/09/07(日) 21:16:07.76 ID:l68ntuGa0

提督「職務中に  ゲしてんじゃねえええええ!!」コンチクショー

山城「剣客小説として読んでました!」ダッシュ!

窓<ガシャーン! パート2

提督「まてや、この野郎!!」ダッシュ

山城「ですから、私は野郎じゃなくて、アマですよ!」ダット

267: ◆vkx/VtAX92 2014/09/07(日) 21:18:04.90 ID:l68ntuGa0

磯風「……司令と山城は元気がいいな」ウンウン

磯風「…………」ポツン

磯風「(……帰ってくるまで、仕事をできるだけ進めたら、隣でここあでも馳走になってくるか)」ソウシヨウ

268: ◆vkx/VtAX92 2014/09/07(日) 21:33:31.75 ID:l68ntuGa0

――午後・鎮守府・工廠――

提督「えー、では、午前中山城の脱走やらさぼりやら色々とありましたが、無事に磯風のおかげで仕事は片付きました。どっかの秘書艦にも見習ってもらいたいものです」

山城「ええ、まったくです。全ての秘書艦は磯風を見習うべきですね」シレッ

提督「えー、お前のことだよお前、という言葉を飲み込んで、やってきましたのは工廠ですが、ここは何番工廠前でしょうか? はい磯風さん」

磯風「……第三工廠、だな」

提督「正解だ。どの鎮守府にも工廠は二施設あり、この鎮守府では四番工廠まであるが、一つ一つの工廠で担当する艦隊がある。うちでお世話になってるのは三番工廠だから覚えておくように」

磯風「……ああ、しっかりと記憶しておこう」

提督「ちなみに、入渠施設も四番まであるが、どこも共通なのでどこに入渠しても構わないからな」

磯風「む、それで司令、一つ質問が」キョシュ

269: 今回オリジナル設定多めです。ごめんなさい ◆vkx/VtAX92 2014/09/07(日) 21:46:58.90 ID:l68ntuGa0

提督「なんだ? 磯風」

磯風「……昨日、そのこの磯風のせいで、山城を運び込んだのは医務室なんだが、入渠施設にも確か、医療施設はあったはずだが、なにが違うんだ?」

提督「いい質問だ、磯風。長くなるから移動しながら話をするぞ、山城、受付すましてくれ」ウィーン

山城「はぁ、相変わらずそういうの苦手なんですね」タメイキ

提督「うるせえ、午前中仕事らしい仕事してねぇんだから、それぐらい仕事しろ!」

山城「大声出さないでください、わかりましたよ……」トボトボ

提督「まず、そもそも、艦娘って定義から入るが、艦娘の定義ってのはなんだ? 磯風」アー スズシ

磯風「……艦装をまとった人間、か?」ムゥ……

提督「おしいな、まぁ、艦娘の定義にも様々だが、おおむねは間違ってねえな」

270: ◆vkx/VtAX92 2014/09/07(日) 21:59:37.87 ID:l68ntuGa0

提督「が、より正確に定義するなら『艦装を纏える適性をもち、実際に艦装に適応することができた人間』だ」

磯風「……」フムフム

提督「昔、艦娘が国家最重要機密なのに、一般に公開せにゃあかん自体になった時なんて民衆どころか軍の間まで、様々な憶測が流れた。艦娘自体が旧日本海軍の軍艦そのもの、なんて面白そうな話もあったが、実際、艦娘自体はただの人間だ」オ、コノジハンキ ヒャクエンダ

提督「昔は今と違い、二つの難関を突破できる人間、艦娘になれる人間そのものが貴重だったから機密にせにゃあかんかった。それになにをしてもいい、情報が漏れない人間集めてたって聞いているし、っと話がずれた」イソカゼハナニガイ?

磯風「……」ココア デ

提督「まぁ、人間だから、壊れ方は色々ある」ホラヨ

磯風「……」アリガトウ

271: ◆vkx/VtAX92 2014/09/07(日) 22:20:29.46 ID:l68ntuGa0

提督「しかも、深海棲艦なんてわけのわからんもんと、事実上闘争状態だから更に壊れ方も色々だ」

磯風「……」ゴク

提督「本来なら、絶対に直せない壊れ方をすることはある。お前もそれは覚悟の上だろう?」

磯風「……ああ」ゴクゴク

提督「だが、艦娘システム、ってあとで詳しく説明するが、まぁ、それを治しちゃう技術があるんだわ」タバコ タバコ

磯風「……」ゴクゴク

提督「それをするのが入渠の医療施設、それで、一般病院でも治すことができる怪我を治療するのが本部の医務室って認識でいいぞ、あれ? 結構話し短かったな」ドコイッタカナ?

磯風「……そんな技術があるなら一般にも広まりそうだが?」

提督「いったろ、お前さんみたいに艦娘になれる人間は現状でも貴重なことには変わんねえんだ」ネェナ

提督「民間だと費用がかかりすぎ、それと国家が貧乏人から財産没収に変わらねえことするぐらいまで貧困してる昨今だ、そんな高級品を一般に広めても使用することはできんだろう」アッタ アッタ

磯風「……」ムム ウデクミ

提督「ま、思うところはあるみたいだが、俺たちはそれで生きていられるってわけだ。ちょっと一服してくる。それまでに飲んどけよ」

磯風「ああ」ゴクゴク

272: ◆vkx/VtAX92 2014/09/07(日) 22:27:53.21 ID:l68ntuGa0

――喫煙所――

提督「……フゥ」タバコ ガ ウマイ

山城「……煙草、やめたんじゃないんですか、提督?」イッポン クダサイ

提督「いいじゃねえか、細かいことは。それよか山城よ、受付はすんだのか?」ホラヨ

山城「ええ、二番ドックで準備がもうすぐ済むそうです」アリガトウゴザイマス

提督「……そうか」ケムリ プファー

山城「……相変わらず、甘いですね、優しいんじゃなくて甘いですよ、提督は」カチッ

273: ◆vkx/VtAX92 2014/09/07(日) 22:41:35.13 ID:l68ntuGa0

提督「……何が言いてえんだ、山城?」ギロ

山城「そうやってすぐに睨むのも変わってない、昔からの悪い癖ですよ、提督の……」ケムリ フファー

提督「……っち、本当にそうだな、すまねえ」アタマ ガシガシ

山城「……」ジー

提督「……何見てんだ、山城?」

山城「提督が素直に謝るなんて、最大の不幸の前触れかと寒気がしたんです。みてください、この鳥肌」

提督「……おめえは本当に口を開けばぐちぐちと……」

山城「でも、ですね、あの子に本当のこと言った方がいいと思います、私は……」テンジョウ ミテ

提督「……」ケムリ ミテ

山城「……」テンジョウ ミテ

274: ◆vkx/VtAX92 2014/09/07(日) 22:48:19.16 ID:l68ntuGa0

山城「すみません……」

提督「なに突然謝ってるんだよ、今度は」

山城「提督じゃなくても言いづらいのは同じだって気づいたからですよ……」

山城「普通に生きてきた女の子に、大けがをしても大丈夫! たとえ、死ぬべき怪我でもたちまちに全快! 艦橋に炸裂弾でも撃ち込まれ、肉片にでもならない限り、生き返ってしまう倫理・人道を踏みにじる技術で治療を受けます、なんて説明できませんよね」フゥ

提督「……すまねえ」

山城「今度はなに提督が謝ってるんですか?」

275: ◆vkx/VtAX92 2014/09/07(日) 23:03:00.25 ID:l68ntuGa0

提督「山城も、あのまま、俺がもっとしっかりしてればお前さんだって艦娘辞めて普通の人生送れたかもしれねえのに、巻き込んじまってこんな場所にいる、俺の……」

山城「不幸だわ……」フゥ

提督「……なにが」

山城「私は自分の人生を自分で決めて、ここにいるだけです。別にそれ自体は不幸じゃないのに、それを、出世コースから完全に外れて人生お先真っ暗の不良軍人から勝手に憐れまれて、しかも、勝手に私がここにいる理由を自分のせいだって後悔されて、そう思われるのが不幸だわっと思っただけですよ」

提督「……だったら仕事しろよ、ポンコツ秘書艦」

山城「……給料も上がらないのに働きすぎなんですよ、不良提督」

提督「…………」

山城「…………」


提督「いくか、山城」

山城「ええ、いきましょうか」


279: ◆vkx/VtAX92 2014/09/08(月) 23:30:57.36 ID:/qF/xtm10

――第三 工廠 内 二番 ドック――

提督「さて、ここが二番ドックだ。この扉の向こうに軍艦・磯風の船体が用意されている」トビラ ユビサシ

山城「……」

磯風「……」ドキドキ

山城「(まぁ、今日は慣らしでシンクロするだけだから船体を見ておく必要はないんですけど……)」チラ

磯風「……」ドキドキ ワクワク

提督「(……見ておきたいよな、そりゃ)」


280: ◆vkx/VtAX92 2014/09/08(月) 23:37:13.95 ID:/qF/xtm10

提督「せっかくの機会だ、見ておこうか、磯風」

磯風「! ああ、頼むぞ司令!」ワクテカ

提督「ああ、それじゃさっそくいってみるか」カチッ

扉<ウィーン



281: ◆vkx/VtAX92 2014/09/08(月) 23:38:38.59 ID:/qF/xtm10

<♪ドンドコドンドコドンドコドンドコ

祭壇<ウババー!!


提督「あ、間違えた」ポチ

扉<ウィーン

282: ◆vkx/VtAX92 2014/09/08(月) 23:48:07.86 ID:/qF/xtm10

提督「すまんすまん、磯風、ここは二番ドックでも建造用のドックだった。確か、置かれてるのはこっちの……」イッケネ

山城「……うっかりミスが多いのは本当にボケが始まったんじゃないですか? そのうちはげるのも時間の問題ですね」ヤレヤレ

提督「……山城よ、確かに俺のミスだが、禿はやめろ禿は。お前はうちの一族が皆禿げてるの知ってるんだろうが」ピキピキ

山城「そうやって気にするのも認めてる証拠ですよ、自分がはげるって」ハァ

提督「ようし! この架空戦艦、そのデカ尻を蹴ってだるんだるんにしてやろうか……」シュシュ!

山城「上等です、髪の余命いくばくもない時間を今0にしてあげます」ガシャコン!

提督・山城「「……」」

提督・山城「「うらああああ!」」ガキイイン


284: ◆vkx/VtAX92 2014/09/08(月) 23:55:54.59 ID:/qF/xtm10

ガキンガキン! チィ ヨケナイデクダサイ! テメエモ チョコマカ ウゴクンジャネエ!

ガキンガキン!!

磯風「……………」ポツーン

磯風「(……なんだったんだ、今の光景は!?)」

磯風「(確か、ドックの中に櫓のような巨大な祭壇のようなものが組まれ、その周りで太鼓や雄たけびを上げる者たちがたくさんいたな)」

磯風「(……えっと、ここは工廠で、それで司令の話では建造用のドック、でも中に置いてあったのは工作機械ではなく櫓と太鼓と踊る人々…………おちつけ、いそかぜ、こういうときこそ、じょうきょうせいりだ、じょうきょうせいりにつとめるんだ)」ピコーン

285: ◆vkx/VtAX92 2014/09/08(月) 23:58:15.78 ID:/qF/xtm10

磯風「(…………………………)」ポクポクポクポクポクポクポクポクポクポクポク

磯風「(いや、わけがならない!)」チーン!

286: ◆vkx/VtAX92 2014/09/09(火) 00:02:15.12 ID:hCNRC+Tn0

磯風「(なんだったんだ、あの光景は……この磯風の目が狂っていたと信じたいが、だが、見てしまったものは信じるしかない)」

磯風「(司令に尋ねるのが筋なんだろうが、山城と喧嘩をしてしまっている)」チラッ

ガキンガキン ドコン!ドコン! モラッタアアアアア!! アマイ!

磯風「(あんなハイレベルな争いに入っていくのは、この磯風、いくら艦娘といえど不可能だな)」ウンウン

磯風「……」チラッ

扉ボタン<ユカニ!

磯風「………」チラッ

提督・山城「「うりゃあああああああああああ!!」」セントウチュウ

287: ◆vkx/VtAX92 2014/09/09(火) 00:05:50.93 ID:hCNRC+Tn0

磯風「(スイッチを押して、もう一度確認したい!)」ウズウズ

磯風「(だが、それは許されないだろう)」クッ

磯風「……」トビラ ミテ

磯風「(でもすさまじく見たい!)」クゥ!

磯風「(どうする磯風)」スイッチツカミ

磯風「(どうする!?)」テ プルプル

288: ◆vkx/VtAX92 2014/09/09(火) 00:08:57.31 ID:hCNRC+Tn0

???「あら、イソカゼじゃない、奇遇ねこんなところで」カタ ポン!

磯風「ぴゃあああああああああああ!!」ドッキーン!

???「きゃ!」トビノキ

磯風「……」ドキドキドキドキ フリカエリ

ビスマルク「……ど、どうしたのよイソカゼ? そんな軽巡みたいな悲鳴をあげて……」ドキドキ

289: ◆vkx/VtAX92 2014/09/09(火) 00:15:33.04 ID:hCNRC+Tn0

磯風「び、ビスマルク殿か……すまない、あまりのことにおどろ」ピシッ!

ビスマルク「? どうしたの? また固まったりして?」

磯風「び、び、ビスマルク殿、なんだ、その格好は!?」ビシッ!

ビスマルク「イソカゼ、人を指さしちゃだめなのよ!」プンプン

磯風「む、すまない……じゃない、どうしてそんな格好をしているかと尋ねているんだ!」

ビスマルク「? この格好がおかしいの?」クビカシゲ

磯風「ああ、だって……」ワナワナワナ

290: ◆vkx/VtAX92 2014/09/09(火) 00:16:41.35 ID:hCNRC+Tn0

磯風「なぜ、チューブブラとホットパンツなんだ!」

291: ◆vkx/VtAX92 2014/09/09(火) 00:23:15.44 ID:hCNRC+Tn0

ビスマルク「違うわ、サスペンダーもついてるから」

磯風「そんな細かいところ指摘してもわからん! 誰だ! どの艦にやられたんだ! そんな破廉恥な格好をするなんて! 服を隠した連中を見つけ出してやる」

ビスマルク「落ち着いて、イソカゼ。別にいじめとかじゃないから」

磯風「いじめ以外にそんな格好はしない」

ビスマルク「これはあれよ、召喚用の衣装」

磯風「……召喚?」クビカシゲ

ビスマルク「いいわ、見せてあげるからついていらっしゃい、貴女の提督と秘書艦はまだ決着つきそうにないし」チラッ

磯風「あ、ああ」チラッ

コンノヤロウ! ダカラ アマデスヨ!! ガキンガキィイン



299: ◆vkx/VtAX92 2014/09/09(火) 21:19:18.11 ID:hCNRC+Tn0
では、番外編をお送りいたします。

『鎮守府の秋休み』


300: ◆vkx/VtAX92 2014/09/09(火) 21:25:11.13 ID:hCNRC+Tn0

バス<ブロロロ……

提督「なぁ、山城」

山城「なんですか、提督」マホウビン カチャカチャ

提督「俺は今、休暇中だよな?」

山城「ええ、そうですよ」オチャ トクトクトク

提督「それで内地の俺の実家までバスで来たところだよな?」

山城「はい、そうですね」グビッ

提督「なんでお前がついてきてんだよ!」

山城「……今頃になってツッコミですか?」ハァ


301: ◆vkx/VtAX92 2014/09/09(火) 21:31:46.27 ID:hCNRC+Tn0

提督「いやいやいや、上(提督)が休みになりゃ、所属する艦隊の艦娘も必然的に休みになるが、なんでいるんだ本当に!?」

山城「……だって、内地にいくには宿泊先の場所書かないといけないじゃないですか?」

提督「そりゃそうだが……」

山城「だから面倒臭くて提督の御実家の住所を書いて提出しました」シレッ

提督「なにしてくれてんだ、この野郎!」

302: ◆vkx/VtAX92 2014/09/09(火) 21:39:28.14 ID:hCNRC+Tn0

提督「お前、わかってんのか!?」

山城「なにがですか?」

提督「提督と艦娘、それも秘書艦が休暇で片方の家に泊まるってことは、そういうことだって思われるぞ!」

山城「そういうことって、なんですか?」

提督「だから、その、えっと……耳かせ」ゴニョゴニョ

山城「……なっ!!」カオ マッカ

山城「だ、だだだだだだだだだれが提督とそんな関係だってんですか!?」

提督「だから、お前の提出した書類はそういうことだと思われちまんだよ!」

山城「……あ」

提督「おい、いまあって言ったな、あって、それ今気付いたってことだよな!」グギギギギギ

山城「い、いやですね、そんなわけあるわけないじゃないですか」プイッ アセダラダラ

303: ◆vkx/VtAX92 2014/09/09(火) 21:49:01.09 ID:hCNRC+Tn0

提督「どうすんだよ、コンチクショウ! どうりで見送りにきてくれた連中がよくやった! って目で送ってくれたわけだ! そういうことか、コンチクショウ!」ウズクマリ

山城「……不幸だわ」ボソッ

提督「お前のは自業自得だがな!」

山城「……提督も確認しなかったのが悪いじゃないですか。もっと早くに確認していればこんなことには……」

提督「お前が直接提出しにいくって言ってたからだろうが!」

山城「だって、確認したら提督絶対ねちねちいうじゃないですか、名だけ借りるだけでもぐちぐち言われて、外出休暇前に水さされるのもあれだなって思って」プイ

提督「やっぱり自業自得だ!」ガー!

308: ◆vkx/VtAX92 2014/09/09(火) 22:30:33.56 ID:hCNRC+Tn0

提督「てか、扶桑さんの実家の住所借りればよかったんじゃねえのか? それなら……」

山城「……提督みたいに一番近隣の港からバス優遇してくれるくらいならいいんですけど、扶桑姉さまの御実家を書くと、泊地から送迎付きなんで、名前だけ借りて途中で逃げるって手段は使えないんですよ」ハァ

提督「あ、そうなんだ、さすがお偉いさん、スケールがちが……って、悪い」ホホ ポリポリ

山城「? なんで謝るんです」センベイ バックカラダシテ

提督「いや……それに扶桑さんも一緒ならいいだろうけど、山城一人は……」

山城「……? ああ、いえ、提督が考えていらっしゃるようなことはないです」センベイ フクロアケ

提督「そうなんか?」

山城「ええ、むしろ優しくしてくれるんですけど、その優しさが……」ハァ  センベイ バリバリ

提督「(つらいよな……)」ハァ


309: ◆vkx/VtAX92 2014/09/09(火) 22:39:11.49 ID:hCNRC+Tn0

提督「ま、過ぎちまったことは仕方ない、鎮守府に戻ったときにはそんなの関係ないって顔してりゃいいし」センベイ クレヨ

山城「そうですね」イヤデス

提督「問題は、お前このあとどうするんだ? 本当に泊まるか? 別にいいが」テカ、ソレ オレノ センベイ ジャネ?

山城「いえ、そこまでお世話になるわけにも、それに、せっかくの長期休暇なんで、気ままに一人旅でもしてみます」ソウデスヨ

提督「なら、あのままバス乗ってればよかったんじゃね?」ナラ クレ

山城「無料券がここのバス亭までだったんで」イヤデス

山城「次来るバスでとりあえず、行ってみようと思って……」

提督「……山城よ」

山城「なんですか? 提督」

310: ◆vkx/VtAX92 2014/09/09(火) 22:43:04.63 ID:hCNRC+Tn0

提督「次来るバス、一週間後だぞ」

山城「は?」

提督「いや、だから、次来るバスは一週間後なんだよ」

山城「いやいや、そんなわけないじゃないですか? いくら私が世間知らずでも騙されませんよ、孤島じゃないんですから」

提督「……」つ時刻表

山城「ほら、次来るのは……え゙?」

山城「……提督?」

提督「なんだ?」

311: ◆vkx/VtAX92 2014/09/09(火) 22:49:48.10 ID:hCNRC+Tn0

山城「なんでこの時刻表、一日一本しかないんですか?」

提督「ここがクソがつくほどの超ド田舎だからだ」マワリ ヤマバッカリ

山城「なんでこの時刻表、平日が真っ白で、土日祝日、それもカッコ書きで、日曜のみってなってるんですか?」

提督「基本、ここらの集落の住人は車かトラクター持ちだから、バスを利用する奴がいないからだ。それと資源不足もあって、バス会社が極限まで削ったらこうなった」

山城「タクシー会社は?」

提督「十年近く前までふもとの村にあったが、元が取れずつぶれた」

山城「この道、車通りますか?」

提督「稲刈りの時期だから、基本集落から人がでることはない。それと、集落同士の行き来だから、ふもとまでいくことはないな」



312: ◆vkx/VtAX92 2014/09/09(火) 22:54:41.70 ID:hCNRC+Tn0

山城「……提督」

提督「なんだ?」

山城「不幸だわ」

提督「それには全面的に同意する」

313: ◆vkx/VtAX92 2014/09/09(火) 22:59:52.68 ID:hCNRC+Tn0

山城「え、え~……ちょ、ええ~」ウナダレ

山城「……なにこの田舎、というか山の中! こんな場所に住むって、ええ~……」

提督「おっと、ここに住んでいた元、住民を前にディスるのはやめろ、地味に傷つく」

山城「……提督」

提督「なんだ?」

山城「お世話になります。不束者ですが、よろしくお願いします」フカブカ

提督「おう、それはいいが、そのアイサツはやめろ。誤解を受ける

324: ◆vkx/VtAX92 2014/09/10(水) 21:40:59.66 ID:sbzvC4Xe0

山城「……あの、提督」ゼェゼェゼェ

提督「なんだ? 山城」ア、サテサテ♪

山城「もう歩き続けて二時間になりますよね?」ゼェゼェゼェ

提督「正確には二時間と十一分だな」トケイ ミテ

山城「確か、提督の実家がある集落って三つめでしたよね?」ゼェゼェゼェ

提督「正確には三つ目の集落の端っこだな」サテサテ ナンキンタマスダレ♪

山城「だけど、まだ一つ目の集落も見えてないんですけど」ゼェゼェゼェ

提督「集落同士かたまってるから、一つみてたらすぐにつく」チョイトノバセバ ウラシマタロサンノツリザオニ♪

山城「それ、何回目ですか!?」ウガー

提督「十回ぐらいじゃね?」サテサテ ナンキンタマスダレ♪

325: ◆vkx/VtAX92 2014/09/10(水) 21:49:58.58 ID:sbzvC4Xe0

山城「てか、さっきから何歌ってんですか!?」グアー

提督「南京玉すだれ」

山城「もっと静かな歌にしてください……てか、歌ですらないじゃない」ハァ

提督「演歌歌ってたらもっと陽気なやつにしろってお前が言ったんじゃねえか」

山城「だって、二時間も永遠と演歌聞かされれば嫌になります」ハァ

提督「だったらお前も歌えばいいじゃねえか?」

山城「……二時間も山登りすればそんな気力も失せます……」フコウダワ

提督「大体お前の装備も山登る格好じゃねえしな、まっしろワンピースとか」プッ

山城「……」ムッ


326: ◆vkx/VtAX92 2014/09/10(水) 22:01:13.31 ID:sbzvC4Xe0

山城「一つ言わせていただきますけど、このワンピース選んだの、提督ですかなね」

提督「あ? 俺がいつ……」

山城「半年前の観艦式の際、内地で買ってくれたじゃないですか? そこまでぼけたんですか?」

提督「……ああ、あの夜に俺ら下っ端司令官同士の親睦会で、秘書艦同伴なのに着てく服がねぇってお前がごね始めたから買ったやつか」ポンッ

山城「……ごねたんじゃないです。あの会は秘書艦のみなさん、私服だって聞いて、私は私服持ってきてなくて行きづらくだけで……」

提督「だから、それをごねるっていうんだよ」ハァ

提督「そもそも、事前に渡された書類だと、秘書艦は私服って書いてあったじゃねえか……だから書類はちゃんと確認しろって言ってるんだし、それに」

山城「それに……」

提督「そのワンピースの立て替えた代金、まだもらってないんだけど、な! 秘書艦・山城さんよ!」

327: ◆vkx/VtAX92 2014/09/10(水) 22:19:30.06 ID:sbzvC4Xe0

山城「……これって、提督の贈り物じゃなかったんでしたっけ?」

提督「思い出せ、お前はあの時、金を殆ど持ってきてなかったから俺が立て替えたんだ。それと、艦娘服のまま外にでるのは恥ずかしいっていって、要望聞いた俺が何件も服屋梯子して、買ってきたんだろうが」

提督「だいたい、お前はそそっかしい時が……」

山城「……」ジー

提督「……な、なんだ? 山城?」

山城「……別に」プイッ

提督「……?」

328: ◆vkx/VtAX92 2014/09/10(水) 22:31:24.03 ID:sbzvC4Xe0

提督「(……なんか怒らせたか? 金取るってわかったからか? でも、まぁこうなると…)」ウーン

山城「……」ブツブツブツブツ シャガミコミ

提督「(……こうなるんだよな。部屋の隅とかで、ぶつくさいってるけど、疲れたのもあってかしゃがみこんでぶつぶついってるよ)」ハァ

提督「わかったよ、山城、金取らねえよ。俺のおごりだ」ハァ

山城「……別にそういうこと気にしてませんから。それに提督のプレゼントだからって別に嬉しくありませんから」プイ

提督「(完全にへそ曲げてるよ、面倒くせえよ)」ハァ……

提督「ほらよ」シャガミコミ

山城「?」クビ カシゲ

提督「いじけるにしろなんにしろ、おぶってやるからそうしろ。思えば慣れない山歩きだもんな、それにお前にとって、元々想定外、すまねえ配慮がたりなかった」

山城「……特別にゆるしますよ」ヨイショ

提督「よっと」タチアガリ

329: ◆vkx/VtAX92 2014/09/10(水) 22:39:11.71 ID:sbzvC4Xe0

提督「……」ノッシノッシ

山城「……」

提督「山城」

山城「なんですか?」

提督「やっぱり、お前太っ」ゴキン

提督「いてー……」コブプックリ

山城「女性に失礼なことをいうからですよ」

提督「いや、だって、おまえ太ももの大きさとか、絶対太くなっ」バゴン

提督「……っ~~~~~!!」コブガ

山城「そ、そうやって足の太さとか、いつもいやらしい目で見てたんですね! このクソ提督!」

提督「それ、お前のキャラじゃねーだろ?」

提督「てか、お前を前におぶった時よりも重くなったのは当たり前か、背も伸びたしな」

山城「は? ……わ、私、提督におぶってもらったことなんて、あ」

提督「思い出したか?」

330: ◆vkx/VtAX92 2014/09/10(水) 22:42:26.34 ID:sbzvC4Xe0

山城「……ええ」

提督「あんときお前との付き合いがこんなになるなんて思わなかったわ」ハァ

山城「それは私もです」

提督「とか、そんなことを話しているうちに第一集落に到着だ」

342: ◆vkx/VtAX92 2014/09/11(木) 20:34:41.25 ID:uktYLEUS0

提督「それと、すまんが山城、ここにいてくれ」ドザッ

山城「え、ちょ、あ」ドザン

提督「ちょっとした用事だからすぐ戻るからな、動くなよ~」タッタッタッタッタッタッタ!

山城「……いっちゃった」ポツーン……

山城「……」マワリキョロキョロ

ヤマノナカデスヨー

山城「……フッ」ビショウ

山城「こんな森の中にほっぽりだされるなんて、不幸だわ」ナミダメ

343: ◆vkx/VtAX92 2014/09/11(木) 20:43:48.51 ID:uktYLEUS0

――15分後――

提督「すまんすまん、遅くな」タッタッタッタッタッタッタ

山城「チェストーーーー!!」トビヒザケリ!

提督「ぐぼっ!」エライトコロニハイッタ!

山城「ふー……まったく、女一人置いていっちゃうなんて、何考えてるんですか、まったく……」フゥ アセヌグイ

提督「……」ピクリピクリ

山城「それに、まったくいつまで寝てるんですか? 提督」

提督「て、てめえ、何しやがる……」ガフッ

山城「あら? やっぱりまだ息がありましたか?」

提督「てめえやっぱり殺す気あったのか!? 殺す気だよな!? 殺す以外何物でもなかったな!」ガバリ

山城「乙女を森の中に姥捨て山のごとく放置した罰ですよ」プンプン

344: ◆vkx/VtAX92 2014/09/11(木) 21:04:51.12 ID:uktYLEUS0

提督「プンプンじゃねえよ! 年考えろ年!」

山城「……」ガタン

提督「そんないつまでも若いつもりでいるからぶくぶく太って」

山城「……」ガシッ

提督「ってお前なにするつ」

山城「いっけええええええ!!」ジャーマン!

提督「なんとおおおお!」スープレックス!

提督「……」ゴンッ!

346: ◆vkx/VtAX92 2014/09/11(木) 21:15:22.40 ID:uktYLEUS0

――五分後――

提督「すみませんでした。山城さん」オブッテ

山城「わかればいいんですよ、わかれば」ツーン

提督「(ひたすら平謝りしたけど、だめか)」チラッ

山城「……」ツーン

提督「(まぁ、流石に言いすぎたか)」ハァ

山城「……そういえば、提督の用事ってなんだったんですか?」

提督「あ? なにが?」

山城「ですから、私 を 森 の 中 に 放 置 した理由ですよ!」プンプン

提督「……ああ、用事ってのはこれだ」

つ袋

山城「……見ても?」

提督「いいぞ」

山城「……羊羹に、プリンですか?」ゴソゴソ

347: ◆vkx/VtAX92 2014/09/11(木) 21:30:03.08 ID:uktYLEUS0

提督「ああ、プリンは保冷剤も入ってるから取り出すなよ」

山城「……」ゴソゴソ

提督「羊羹は大人、プリンは子供用だ」

山城「……お土産ですか?」スッ

提督「正解だ。どれもこれも外、ってここは内か、まぁ、そんな話しはどうでもいいが、なかなか内地だと甘いもんなんて手に入らんから喜ばれるんだよ」

山城「安全は手に入りますけどね」ケッ

提督「そう拗ねるな、確かに内地は湾岸部以外は安全だが、税金は高けえし、甘い物なんて滅多に手に入らん」

山城「……だからってよその集落の分まで買う必要は……」スッ

提督「持ちつ持たれつなんだよ、俺たちは。だから、山城、バックに入れた羊羹とプリンだせ、人数分しか買ってねえんだから」

山城「けち」チェ

提督「あと、二番目の集落がもうすぐだから降りろ。すぐ戻ってくるから」ホラホラ


348: ◆vkx/VtAX92 2014/09/11(木) 21:39:48.81 ID:uktYLEUS0

山城「……嫌ですね」

提督「は?」

山城「だから、嫌です。このままおぶったまま提督はお土産を配ってください」

提督「いやいや、何言ってんだ、お前?」

山城「だって、村の中には誰もいないのに私が待つ必要ないじゃないですか?」

提督「いや、今日は皆畑に出てるだけで、そろそろ戻ってきて鉢合わせしてもおかしくは」

山城「それにいちいち降りるのは面倒ですし」ハァ

提督「それが本音か、てめえ!」ガア!

提督「こっちは見られると色々とまずいんだよ!」

349: ◆vkx/VtAX92 2014/09/11(木) 21:52:47.52 ID:uktYLEUS0

山城「……たとえば?」

提督「コミュニティがひどく狭いから、目撃されると何噂されるかたまったもんじゃねえんだよ!」

山城「……いいじゃないですか」フッ

提督「話し聞いてたか?」

山城「ええ、聞いていましたよ」ウンウン

山城「だって、私、もう来ることがないですから何噂されても平気ですし」ニコッ

提督「また来る俺が困るっ言ってんだろ!」

山城「なら、ここで降りたらなんだかとっても不幸だわー、具体的には軍に努めてるって自己紹介して、上司に無理やり襲われ、でも責任とらずに実家に上司が逃げたから、子供を認知してもらうために追いかけてきたって畑にいる人たちにあることないこと、いちいち説明しそうなくらいに不幸で疲れたわー、ついでに上司の住所を暴露しそうだわー(棒)」

提督「……お前、俺を社会的に抹殺するつもりだろ?」

山城「あら? 私はその上司が提督だなんて一言もいってませんよ?」

提督「俺の故郷で軍属になったのは俺ぐらいだって前に言ってたよな!」

山城「もしかしたら、提督の知らないうちに軍に入った方がいらっしゃるかも知れないじゃないですか?」

350: ◆vkx/VtAX92 2014/09/11(木) 22:00:42.96 ID:uktYLEUS0

提督「……はぁ、わかったよ。その代り、誰かいたらすぐ降りろよな、それが俺の最大譲歩だ」マッタク

山城「はじめからそういえばいいんですよ」♪

提督「(……はぁ、どうしてこうなったんだろうか?)」テクテクテク

山城「♪」ルンルン

提督「(……てか、誰も見てなくても流石に恥ずかしいよな。いい年こいたカップルでもない野郎がおぶってるって)」ユウビンポスト ニ オミヤゲ トウカ

山城「♪」センベイパリパリ

提督「(俺の背で、ウォークマン聞きながら煎餅食ってるし)」チラッ

提督「(……あ、そうだ)」

提督「なぁ、山城よ」

山城「……なんですか、提督?」イヤホン ハズシテ

351: ◆vkx/VtAX92 2014/09/11(木) 22:08:05.12 ID:uktYLEUS0

提督「実はな、お前に教えなきゃいけんことがあったんだよ」ニタニタ

山城「(なんか碌でもないこと考えてるな)……なんですか、それは?」

提督「いやな、じつは」ニタニタ

山城「じつは?」

提督「実はさっきからお前の胸が背にあたってんだわ」ニカッ

提督「(よし、これで山城は恥ずかしくなって背から降りるわ! 逆セクハラかます癖にこういうのにあんまり耐性ないだろう、なぁ! 山城さんよぉ!)」

352: ◆vkx/VtAX92 2014/09/11(木) 22:14:04.86 ID:uktYLEUS0

山城「提督」

提督「(さぁ恥ずかしがレ! そして降りてもらうぞ!)」

山城「今更何言ってんですか?」ムギュ

提督「(な、なにいいいいいいいいいいい!!)」ドギャン!

山城「♪」イヤホン ソウチャク

提督「(このアマ、恥ずかしがるどころか逆に押し付けてきただとおおお!)」

提督「(しかもかなりこっちも育ってるだとおおおおお!)」セナカ ノ カンショクデ

提督「いやいやいやいやいや!」

山城「はぁ……なんですか、提督?」イヤホン ハズシ

353: ◆vkx/VtAX92 2014/09/11(木) 22:24:50.02 ID:uktYLEUS0

提督「お前いつからそんなキャラになったんだ、この野郎! ここは恥ずかしがって降りるところじゃねーのか!?」

山城「……どうせそんな魂胆だろうと思いましたよ」ハァ

山城「別に今更●くらいいいですよ、提督なら。襲う勇気もないんですから」

提督「あれ? なんだろう、とてつもなくバカにされてる気しかしねえんだけど」

山城「あと、襲われるで思い出しましたけど」ゴソゴソ

山城「姉さまにもしものときはってこれ行く前に渡されてました」

つxxxxx

提督「あの人何考えてるんだぁぁぁぁ!」

山城「『慢心しては駄目』っていってました。万が一慢心してもその時は……」

提督「みなまでいうな! てかそれ違う人! 違う人から!」

354: ◆vkx/VtAX92 2014/09/11(木) 22:35:27.45 ID:uktYLEUS0

山城「使います? これ」

提督「使うかぁぁぁ!」

山城「でもこれ、試しに水いれて風船作ろうとしたら針で穴空いてましたから本来の使用目的通りには無理なんですけどね」ハァ

提督「ならなんでいま聞いた? 尋ねた? てか、あの人は本気で何考えてるんだよ……」ハァ

山城「空気読んだんじゃないんですか? 姉さまは間違った方向に全力投球しちゃう、ちゃめっけあふれる方ですから」

提督「いらねえな、その才能!」

山城「あと、夫婦って四六時中子作りに励んでる関係かと思ってるのか、のどっちかですね」

提督「てか、お前疲れると本当に辛辣かつ淡泊だな! 初期のころのはかなげでシスコン気味だった面影がどこにもねえよ、見事なまでに」ハァ

山城「そんなもんで同情買えるほど世間は厳しくないって教えられましたからね、提督のせいで」ニコッ

提督「俺のせいかよ」ハァ

山城「ええ、提督のせいですよ」

提督「とか、なんとか話してるうちにもうすぐうちつくってか、目の前じゃねえか!」

358: ◆vkx/VtAX92 2014/09/11(木) 22:57:40.56 ID:uktYLEUS0

山城「いままで、流れ形式でやってたから気付かなかったんですね」オリテ

提督「ああ、そうだな……て、ことは俺は往来であんな会話してたのか」ズーン

提督「ああああ、明日からすっげ~速度で集落中に広まってるぞ、おい」orz

山城「まぁ、過ぎてしまったことはしょうがないですから、とりあえず、中にはいりましょう」スタスタスタ

提督「やっぱりお前疲れてると淡泊ってか、冷酷だな!」ガー

359: ◆vkx/VtAX92 2014/09/11(木) 23:07:59.58 ID:uktYLEUS0

――提督宅――

山城「……大きな家、というか、屋敷ですね、この広さは」キョロキョロ

提督「田舎の家なんて、少し多く金持ってれば周り近所がこれぐらいにしちまうんだよ」

山城「提督のお母様の御実家でしたっけ?」キョロキョロ

提督「ああ、父方は俺が小さいころに第一次軍港襲撃で全滅したからな、この家に引き取られた。親父が軍属一族だったのが災いしたんだよ」

山城「……そうでしたね」キョロ

提督「別に構わないぞ、記憶ねえし」

山城「謝ってませんが」キョロキョロ

提督「……そうだったな。てか、そんなに珍しいか? 扶桑さんの実家だって大屋敷だって聞いたが?」

山城「姉さまの御実家は洋館なんで、こういうところには初めて来ました」キョロキョロ

提督「じゃあ、そっちに池がある。あと錦鯉、はいねえが真鯉がいるから眺めてるか?」

山城「いえ、ご一緒させてもらいます」ウデ クンデ

360: ◆vkx/VtAX92 2014/09/11(木) 23:11:26.93 ID:uktYLEUS0

提督「……だから、誤解されるっていって」

山城「いえ、誤解されて提督の婚約者だと思われた方がおいしいご飯がでそうなので」マガオ

提督「お前は綺麗な瞳のどこにそんな真っ黒いもんもってんだ!」ガー

提督「……はぁ、まあいいか、いくぞ」テクテク

山城「ええ」テクテク

369: ◆vkx/VtAX92 2014/09/12(金) 22:20:22.52 ID:Qop9lmVN0

提督「――じいちゃーん! じいさーん!? いねえのか!」オーイ!

屋敷<シーン……

山城「……いないみたいですね」

提督「……らしいな、とりあえず上がるか」ガラガラガラ

山城「鍵、掛けないんですね」ブヨウジンダワ

提督「基本、こんな山奥じゃ知り合いくらいしか尋ねてこねぇしな」ヨイショット

山城「おじゃましま……」ガラガラガ……

提督「? どうした山城、立ち止まって」

山城「……この扉が閉まらなくて……」グググ……

提督「ああ、その戸、建てつけが悪くて、一回上に持ち上げてやってみろ」スタスタスタ

山城「あ、できた」ガラガラガラ

371: ◆vkx/VtAX92 2014/09/12(金) 22:28:15.57 ID:Qop9lmVN0

提督「とりあえず、山城は座布団出したからこれ座って待ってろ」ポスンッ

山城「はぁ、わかりました」スワッテ

提督「大方じい様は畑だろうからちょっと覗いてくるわ、お茶、そこに入ってるし、湯ポットの電源入れれば飲めるから頼むわ」スタスタスタ

山城「あ、ちょっとていと……」ワタワタ

山城「いっちゃった……」ポツーン

山城「……はぁ、お茶入れましょうか」コポコポコポ

山城「……って、これでがらしね、不幸だわ」フフフ……

373: ◆vkx/VtAX92 2014/09/12(金) 22:40:56.53 ID:Qop9lmVN0

――13分後――

山城「……遅いわね、はぁ」トケイ チラッ

山城「それにしても……」キョロキョロ

山城「(さっきから誰かに見られているような気がするのだけれど、気のせいね)」フゥ

山城「はぁ……」

??「さっきから溜息ばかりだけど、どうしたの? そんな暗い顔して」

山城「いえ、疲れたなぁと思って……」ズズッ

??「さっきの男の人で疲れたの?」

山城「ええ、それもあるわね」フゥ

山城「あの人、疲れるとオーバーリアクションになるのよ……一緒にいると疲れるわ」フコウダワ

??「なんでかしらね?」

山城「本人は昔うけたからってそれを繰り返してるうちに習慣になってしまったっていってたけど……」ズズ

374: ◆vkx/VtAX92 2014/09/12(金) 22:48:15.22 ID:Qop9lmVN0

山城「あれは逃げの姿勢よ」プンプン

??「逃げ?」

山城「ええ、逃げだわ、逃げてるのがああなって現れてるのよ、昔、私にあんなことしたからって、今でも引きずらなくても、だいたい……」ブツブツブツ

――5分後――

山城「……胸押し付けるって、意味わかってるのにリアクションで逃げるって、卑怯だと思うわ。私は痴汝じゃないし、痴汝でもしないわ、だからそもそも……」ハァ

山城「……ごめんなさいね、愚痴もらしちゃって」ハァ

??「構わないわ、むしろ、溜息ばかりしてるから幸運が逃げるのよ」

山城「結構言うわね、あなた」ハッ

山城「(私、誰としゃべってるのかしら?)」アセ ダラダラ

山城「……」フリムキ

少女「……」ジーッ

375: ◆vkx/VtAX92 2014/09/12(金) 22:54:37.60 ID:Qop9lmVN0

山城「……なんで見てるのかしら?」

少女「見てるだけよ、いけないの?」

山城「いえ、いけなくもないでしょうけど……お茶、飲む?」

つ湯飲み

少女「いえ、出がらしじゃない、遠慮しとくわ」ジーッ

山城「そ、そう……」グビッ

少女「……」ジーッ

山城「(……気まずいわね)」

山城「(ここの家の子かしら?)」チラッ

少女「……」モグモグ

山城「(提督が持ってきたプリン食ってるわ……それにしても、水色の髪って、まるで)」

376: ◆vkx/VtAX92 2014/09/12(金) 23:04:13.85 ID:Qop9lmVN0

戸<ガラガラ

提督「いねえな、一体どこ行ったんだか?」ガー!

山城「あ、提督、お帰りなさい、ちょうどいいところに。あの」クル

提督「あ、どうした山城?」クツ ヌイデ

山城「この子は提督の御親戚の子ですか?」クルッ

山城「……って、あら?」ダレモイナイ

提督「……なぁ、山城よ」

山城「あら、さっきまでここに子供が……」クビカシゲ

提督「なぁ、山城さんよ」ゴゴゴゴ

山城「……おかしいわね、さっきまでここにいたのに」

提督「山城」カタ ポン

山城「? どうしました?」

提督「……」つプリン カラッポ


377: ◆vkx/VtAX92 2014/09/12(金) 23:11:39.86 ID:Qop9lmVN0

提督「お前、食ったな? あれほど土産に手を出すなって」ゴゴゴゴ

山城「あ……」

提督「この野郎! 確かにてめえは食い意地は張ってるわ! 仕事さぼってばかりいるわ! ゲームは一日五時間だわ! 時に人間性がやばいなこのダメ人間だと思ったが、そこまで腐ってるとはおもってもみなかったわ!」

山城「……すごく理不尽だわ、不幸だわ。あと、違います、これは私じゃなくて、さっきまでここにいた子が食べていました」

提督「お前と俺しかいねえじゃねえか! 誰もいねえだろうが!」

山城「だから……」

ギャーギャーワーワー

少女「さっきからここにいるのに、影が薄いって不幸ね」ハァ

383: ◆vkx/VtAX92 2014/09/12(金) 23:33:57.86 ID:Qop9lmVN0

――二分後――

提督「だから、お前以外誰が食ったんてんだよ!?」カオマッカ

山城「で、ですからここに別な女の子が」ナミダメ

ギャーギャーワーワー

少女「……ふむ、そろそろね」

少女「ていっ!」ビシッ

提督「いでえええ!」ケツガ

提督「誰だ!?」クルッ

少女「……」ジーッ

提督「お、お前は!?」

少女「久しぶりね」ヨッ

提督「……誰だ、あんた?」

384: ◆vkx/VtAX92 2014/09/12(金) 23:38:47.22 ID:Qop9lmVN0

少女「そう鈍いところも久しぶりね、お兄ちゃん」

提督「お兄ちゃんだ? ……あ」

少女「私に気付いたのはいいけど、彼女、大丈夫なの?」ユビサシ

提督「あ?」

山城「……」エグエグ

提督「」

少女「あーあ、泣いちゃった」

提督「す、すまねえ山城! 俺が悪かった! ほらおめえもあやまっていねえ!」

山城「……」グスグス

提督「す、すまん、俺がわるかったって、この通りだ、山城!」

385: ◆vkx/VtAX92 2014/09/12(金) 23:45:04.51 ID:Qop9lmVN0

――三分後――

山城「……」ガツガツ エグエグ

提督「(羊羹一本で何とか泣きやんでくれたか、すまねえな……多分だが、山城が言った通りプリン食ったのはあいつなんだろうな)」フゥ

提督「(これで気が済んでくれればいいんだが)」チラッ

山城「……」エグ ガツ エグ ガツ

提督「(泣きながら食ってるもんなぁ)」フゥ

山城「……それで」

提督「なんだ? 山城」

山城「それで、提督の隣でお茶飲んでる子は誰なんですか?」ヒッグヒッグ

提督「となり?」トナリミテ

女の子「……」オチャズズー

提督「……いたのか」

女の子「いたわよ、いちゃ悪いの?

386: ◆vkx/VtAX92 2014/09/12(金) 23:51:49.15 ID:Qop9lmVN0

提督「いちゃいけねえわけじゃねえが、心臓には悪いな」ビクビク

女の子「……相変わらずなのね、提督になっても」

提督「そんなに簡単に人が変わるかよ」

女の子「結構変わると思うわよ」

提督「だいたい、お前が……」キッ

山城「……で、だれなんですか? そのこ?」グスグス

提督「あ、すまん山城、それでこいつだが」

女の子「ひどい言い草ね、いいわ私が名乗るから」スッ

387: ◆vkx/VtAX92 2014/09/12(金) 23:58:52.51 ID:Qop9lmVN0

女の子「陽炎型駆逐艦 七番艦初風よ」

提督「それは、艦娘としてだろ? てか、お前が艦娘になったなんて聞いてねえぞ」

初風「当たり前じゃない、今日訓練が終わって、来週から正式に艦娘になるところなんだから」

提督「……じいちゃんは知ってんだろうな?」

初風「じいちゃん? 私の祖父は墓の下よ」

提督「お前の父ちゃんだよ!」

初風「当たり前よ、適性あるって判明してたら喜んでたわ」

提督「ッチ! 相変わらず俺には……」

山城「……あの、いいからしら?」キョシュ

提督「あ? なんだ?」

388: ◆vkx/VtAX92 2014/09/13(土) 00:03:59.40 ID:w5lSkmWi0

山城「結局、二人の関係って、そういえば、祖父とか、父とか……」

提督「……平たくいえば、俺がこの家の持ち主の娘の子供、それでここの孫」

初風「そして、私がこの家の娘、つまり」ユビサシ

初風「こいつにとって、私は叔母で、私からすればこいつは甥っ子って関係ね」

提督「ついにこいつ呼ばわりか……でも俺の方が年上だからな」

初風「女を泣かすからよ。まったくあんたたち聞かせてもらえばいつまで夫婦漫才して……」

提督・山城「「夫婦じゃ(ない)(ありません)!」

初風「息ぴったりね」ズズー


396: ◆vkx/VtAX92 2014/09/13(土) 12:36:31.43 ID:w5lSkmWi0
【の、前に小ネタ】パート2

>>393様より

提督「……そういや、俺とこいつの関係ってまんま仗助と承太郎だな」

初風「あら、本当ね」←こいつ

山城「>>1は四部が一番好きなのに気付かないなんて、本当に無能ですね」ハァ

提督「四部って、なんやかんやで一番主人公してたのって、康一君だよな」ボウロン

山城「いえ、あれは主人公気質の連中がジョジョには多すぎるのが理由だと思いますよ、だから私は露伴先生を主人公に押します」

初風「違うわ、ジョジョの真の主人公はホルホー……」

提督・山城「「それはない」」ズバッ!


はじまるよ!

398: すみません、犬じゃらしながらだとめがっさ遅い ◆vkx/VtAX92 2014/09/13(土) 12:49:22.87 ID:w5lSkmWi0

提督「とりあえず、爺さん、お前の父ちゃんはどうした? ちな……初風」

山城「(……いま、本名呼びかけたわね)」

初風「……私が来週から出陣だから今日は村中で出陣式っていう飲み会してるわ」

提督「……いや、艦娘なるのって、お前だよな?」

初風「ええ、そうよ」

提督「主役がほっぽりだして帰ってくるなや! なに抜け出して帰ってきてんだ!」

初風「だって、仕方がないじゃない。この艦娘になるとやたら影が薄くなるみていで、私のこと忘れられてんだから」

提督「おめえの影の薄さは生まれつきだろうが!?」

400: ◆vkx/VtAX92 2014/09/13(土) 12:56:57.67 ID:w5lSkmWi0

初風「……」ビスッ ビスッ!

提督「無言で蹴りを入れんな! いてえんだよ」シリガ

初風「人の嫌な部分に触れるからよ」フン

提督「てか、通りで村中に人がいねえわけか、大方神社の方で酒盛りか?」

初風「ええ、そうよ。大人はいいわね、気楽で」ハァ

提督「気楽にふるまってんだろ? 覚悟しとけよ、嫌ってほど手紙来るから」

初風「アンタの時はそうだったの?」

提督「ああ、学校時代は来なかったのに、出征したら嫌ってほど来たわ、上官から苦笑されるくらい」

初風「……うわぁ」

山城「……」

402: ◆vkx/VtAX92 2014/09/13(土) 13:05:36.84 ID:w5lSkmWi0

提督「ま、お前も覚悟しとけよ、てか、その髪色……」

初風「綺麗でしょ? この髪色」

提督「派手だな、山城もそう思うだろ?」

山城「え? あ……私は、綺麗だと思うわよ。その色」

初風「あら、ありがとう。見る目あるわねあなた、どっかの誰かと違って」

提督「悪かったな、誰かと違って」ケッ!

初風「……ん」ガクン

提督「おい、大丈夫か?」

初風「ごめんなさい、ちょっと私も酒を飲んだから眠いわ……さきに横になるから」ガタン

提督「……ああ、布団敷くか?」

初風「いえ、だいじょ……やっぱりお願いしてもいいかしら?」

提督「ああ、わかった」ガタン スタスタ

403: ◆vkx/VtAX92 2014/09/13(土) 13:14:06.99 ID:w5lSkmWi0

初風「……」ジー

山城「な、なにかしら?」タジッ

初風「あいつの秘書艦って、貴女?」

山城「……ええ、そうだけど」オチャ ゴクリ

初風「へぇー、あいつの婚約者ってあなたなのね」ジー

山城「ぶっ!」ブファ!!

初風「大丈夫?」サスリサスリ

山城「ごほっ……げほっ……」キカンニハイッタ

山城「ごほっ……ち、違います!」

初風「? なにが?」クビカシゲ

404: よし、子犬昼寝したから書ける! ◆vkx/VtAX92 2014/09/13(土) 13:26:33.73 ID:w5lSkmWi0

山城「だ、誰が提督の婚約者なのよ!」カオマッカ

初風「だと思ったわ……」フゥ

山城「あの人と私は、って、え?」

初風「あんたたち、どうみたって恋人って間柄じゃないし」

山城「(……それはそうね)」

初風「それにこの村の住人のことだから早とちり以外の何物でもないなって気がしてたし」

山城「(まぁ、確かに)」ウンウン

初風「それに私もあなたに一回会ってるけど、そんな気がしてたのが今ので確信したわ」

山城「うんうん、え?」

初風「大体、あいつに恋人ができるってどんなモノ好きなのかしらね」ケッ

山城「(悪態付く姿がそっくりだわ、さすが血縁者って)私とあなた、あってたの?」

405: ◆vkx/VtAX92 2014/09/13(土) 13:47:45.19 ID:w5lSkmWi0

初風「あら? 前に会ってるわよ、私とあなたは」

山城「……どこで、会いましたっけ?」

初風「半年前の観艦式で」

山城「(……いましたっけ?こんなこ?)」ウーン

初風「……存在感ないもんね、私は」ケッ

山城「あ、ご、ごめんなさい」シュン

初風「別にいいわ、いつも忘れ去られるのが私ですもん」ケッ

山城「(へその曲げ方まで提督そっくりだわ)」ハァ

初風「ま、別にいいけど」ガタン

初風「あいつの部屋は離れだから、夜に激しい運動してもいいけど、隣家まで聞こえないようにやってね」スタスタ

山城「なっ!」カオ マッカ

415: ◆vkx/VtAX92 2014/09/14(日) 21:11:35.43 ID:CEikS7wP0

山城「ち、ちちちちちちちちちちちがいます!! 提督とそんな関係じゃないのに誰があの人とそんなことを……」カオ マッカ

初風「はいはい、わかってますよ、超弩級戦艦 山城殿」スタスタ

山城「は、話をっ!」

提督「おい、布団敷いたぞ」ヒョコ

山城「きゃあああああああああ!!」ガバ

提督「……なんだ、なにかあったのか? 山城」

山城「て、提督、脅かさないでください……というか、いきなり現れないでください」ドキドキ

提督「いや、ここ俺の家なんだから別にいいだろうが」

416: ◆vkx/VtAX92 2014/09/14(日) 21:17:04.42 ID:CEikS7wP0

山城「それはそうですけど……」ゴニョゴニョ

初風「まぁ、父ちゃんもすぐに帰ってくるでしょうから、もう少しゆっくりしとけばいいわ。おやすみなさい」スタスタ

山城「あ、おやすみなさい、あと、私と提督は……」ゴニョゴニョ

初風「ええ、わかってるわ。お兄ちゃんもおやすみなさい」テヲヒラヒラ

提督「? ああ、おやすみ」

扉<ピシャ

417: ◆vkx/VtAX92 2014/09/14(日) 21:27:41.33 ID:CEikS7wP0

提督「……色々というようになったか、あいつも」スタン

山城「……そうなんですか?」グデー

提督「俺、というか、この家にいたら大分口は悪くなるが、元々は引っ込み思案だったからな」センベイ パリ

山城「……艦に引っ張られてるんでしょうね」センベイ クダサイ

提督「髪染める必要があったようだしな」ホラヨ

山城「私はそこまでじゃなかったですけど、提督が」シケッテルワネ

提督「おかげさまで俺はオッドアイ、つうか、左目の色素が薄くなっちまったけどな」

山城「コンタクトにしたらどうです? 金と蒼にしてロイエンタールっぽくすれば」

提督「中二病じゃねーか」オチャズズー

戸<ガラ

??「かえったぞー!」フラフラ

418: ◆vkx/VtAX92 2014/09/14(日) 21:40:56.57 ID:CEikS7wP0

??「ん、あ、帰ってきてたんか!?」

提督「おかえり、じいちゃん」

山城「……お、おじゃましてます」ペコリ

祖父「おうおうおう! ただいまただいま!!」カタテ アゲ

山城「(相変わらず、老いてますます壮健を現したような人ですね)」チョットニガテ

提督「元気そうだね、じいちゃん」オチャ イレテ

祖父「おう! 元気よ元気! 今日も酒を一杯浴びてきたわ!」ガッハッハッハッハッハッハ!

祖父「いやー、孫よ、お前も元気そうでなによりだわな!」ヨッコイショット

提督「ああ、まあそうだな」ホラ オチャ

祖父「ありがとう! それと、確か、山城さんでしたか?」セイザニナオッテ

山城「え、は、はい」ビクッ セイザシテ

祖父「いやーいつも不詳のせがれを支えてくれてありがとうございます」フカブカ

山城「あ、いえ、そんな、私は大したことは」オドオド

提督「俺は孫だよ、爺ちゃん」オチャ ズズー

421: ◆vkx/VtAX92 2014/09/14(日) 21:47:58.53 ID:CEikS7wP0

祖父「細かいこと気にすんな! それよりも山城さん……」ムムム

山城「は、はい」ゴクリ

祖父「いつごろ孫の顔を見せていただけますでしょうか?」シンケンニ

山城「はい?」

提督「だから、孫の顔今見てるって」オチャ ズズー

祖父「いやー、このご時世、世継ぎはいすぎて困るってことはあるめえ、だから毎晩せがれとはどうです?」ウンウン

山城「なっ!」カオマッカ

提督「じいちゃんのせがれは墓の下だよ」オチャ ズズー

祖父「来年あたりには孫の顔を見せてもらえると助けるんだけんちょ、で、名前の方ですが」

山城「な、な、なな!!」ユゲ ブシュー

提督「だから、孫は俺だって、いってんでしょうが!」ユノミ ツクエ ダン!!


423: ◆vkx/VtAX92 2014/09/14(日) 22:02:59.84 ID:CEikS7wP0

一つ書き忘れましたが、方言注意。誤字脱字じゃありません

提督「だいたい、俺は山城はそういう関係じゃねえって何回言や、気が済むの!?」

祖父「だから、男と女が長らく一緒にいるのにそういうことはあるめえ! 恥ずかしがんな!」ガッハッハッハッハ!

提督「否定しとかんと、えらいことになっからっしょ! 議員様になにいってんの!? この間本部さ行った時、たまたま視察きてた議員さまさ会った時なんて、いつ式あげんだ?って尋ねられたんだかんね!?」

山城「(ああ、あのときの……)」センベイ パリ

祖父「仕方ねえべ、昔さ、あんつの後援会の会長頼まれたときに応援頑張ったんだから、式あげん場所聞いただけだ。罰あたんね!」ガッハッハッハッハ!

提督「おかげさまで、俺は議員様の誤解をその場でとかんといけんこととなったんだから!」ガー!

祖父「仲人たのみゃえがったのに!」クソー

提督「ちょっと、もう一回説明すっから、ここに座って!」ガー

山城「(提督、ヒートアップしすぎてなまり全開ね……)」センベイ パリパリ

424: ◆vkx/VtAX92 2014/09/14(日) 22:13:21.77 ID:CEikS7wP0

――16分後――

祖父「……つまり、山城さんとお前は仕事上のつきあいであって夫婦ってことじゃねえんだな?」ウンウン

提督「やっとさ、わかったか」ハァハァ ゼェゼェ

山城「(二十回ぐらいおんなじ説明したわね)」ホシイモ モグモグ

祖父「……うん、つまり、山城さんはフリーってことか?」

提督「え……そうだな」オチャ ズズー

祖父「ん、じゃあ、山城さん」クルリ

山城「あ、え、はい?」

祖父「俺んとこさ、嫁さこねえか?」シンケン

山城「え、はい? えええ!!」

提督「ぶふぁっ!」オチャガ!

祖父「いやー、この孫と一緒にいてもいいことなんぞねえし、俺んとこにきて、畑耕して子供産んでくんねえか?」ニカッ

426: ◆vkx/VtAX92 2014/09/14(日) 22:22:07.96 ID:CEikS7wP0

山城「え、ちょ、こ、困ります」キョドキョド

祖父「いやいや、困ることなんぞあるめぇ、思えば俺も妻に先立たれて早十何年、そろそろ新しい所帯をもつ時かなって思っててな」ウンウン

提督「ゴホッ! ゴホッガッ!!」キカンニオチャガ!

祖父「娘も今度独立すっし、孫もああだし、新しく子供こさえるのもいいか、って思ってて」ウンウン

山城「だから、あの」オドオド

祖父「あんた安産のいい尻してるし」サワリ

山城「きゃああああ!!」ビャ

祖父「だから、俺と所帯を……」

提督「寝言は寝ていえ! 色ボケ爺いいいいいいいい!!」トビゲリ


427: ◆vkx/VtAX92 2014/09/14(日) 22:36:55.87 ID:CEikS7wP0

祖父「いてえな、何すんだ!」ヒリヒリ

提督「なにすんだ じゃねえよ! なに人の同僚と所帯を持とうとしてんだ!」

祖父「だって、もったいねえじゃねえか、これほどのいい女、安産のいい尻だし、おめえは所帯もつつもりねえならだれが結婚申し込んでもいいべな?」

提督「年考えろ年ぃぃぃぃぃぃ!! 大体爺さんは生涯何人と結婚するつもりだ! また若けえ女手籠めにしたってある事ねえ事噂されるぞ!」ガー

祖父「いいじゃねえか! 噂してえ連中には噂させとけば! それに俺は生涯現役! まだまだ二十歳(はたち)! あっちの方もな!」ガッハッハッハッハッハ!

提督「ファーブル気取りだよ、この爺様!」モウヤダー

祖父「で、どうですか! 山城さん? 俺の妻に……」

山城「え、その、ご、ごめんなさい、私の心には扶桑姉さまが……」オドオド

祖父「む、そうか、じゃあ仕方ねえな」アッサリ

提督「もう寝ろ! 布団敷いてあっから、今日は寝てくれ! 頼むから!!」

祖父「ん、わかった、ありがとう、じゃあ、おやすみなさい」ペコリ

扉<ピシャ

428: ◆vkx/VtAX92 2014/09/14(日) 22:47:27.75 ID:CEikS7wP0

提督「……」ゼェゼェ ハァハァ

山城「……」カオ マッカ

提督「……山城」フゥ

山城「……はい」

提督「色々と、すまねえな、爺ちゃんが尻触ったことは謝る」ペコ

山城「いえ、気にして……ますけど、山城は大丈夫です」

提督「……すまねえ、娘が戦地行くんでやけ酒したみたいだ。普段、も軽いが、もっと節度はある人なんだが……」

山城「(受けなかったわね) まぁ、前にお会いした時と違いすぎますし、そんな気はしてましたから、いいですよ」

提督「そっか」

山城「ええ……」

提督「風呂、入るか?」

山城「……いただけるなら」

提督「五右衛門風呂だから、準備してくる」ガタン

山城「(五右衛門風呂ッ!)」ガタン!

提督「……山城も沸かすか?」

山城「是非!」コクン

431: ◆vkx/VtAX92 2014/09/14(日) 23:03:57.41 ID:CEikS7wP0

――提督宅・離れ提督自室――

山城「それにしても……」ハァ ポカポカ

提督「ん、どうしたんだ? 山城」フトン シキシキ

山城「五右衛門風呂っていうから、てっきりドラム缶みたいなお風呂を想像してたら、普通のお風呂なんですね」ガッカリ ポカポカ

提督「その割にはお前しっかり入ってたよな」ユ ザーメ

山城「はぁ、がっかりだわー不幸だわー」 ポカポカ

提督「……お前、最近その不幸って本当はあんまり不幸じゃなくて使ってねえか?」ヨッコイショット

山城「そ、そんなことは、どうでも、ん?」ポカポカ ヘヤノスミニ

提督「……まぁ、んなことどうでもいいが、お前はどっちの部屋にって、どうした山城?」

山城「……提督、これって」

つP●2 and ソフトたっくさん

提督「……あ」イッケネ

432: ◆vkx/VtAX92 2014/09/14(日) 23:13:27.75 ID:CEikS7wP0

山城「へぇ、提督は鎮守府でさんざんゲームなんてしてるなって言ってたくせに、御実家にはたくさんもってらしたんですね」ニヤニヤ

提督「いや、それは」アタフタ

山城「へぇ、普段言い訳はするなっていってらっしゃるくせに、言い訳ですか?」ニヤニヤ

提督「ぐっ……」イタイトコロヲ

山城「不幸だわー普段ゲームを下らないって言ってる方がやってらして、本人もやってるのに不幸だわ~」ニヤニヤ

提督「……わかったよ、何が欲しい?」ハァ

山城「とりあえず、これやらしてくれたら(欲しいものの)軽減ありそうな気がするわ~」スットボケ

提督「……わかった、そこのテレビ使っていい。その代り、隣の部屋で寝かしてもらうからな」スタスタ

山城「あら? ここで寝ないんですか?」クビ カシゲ

提督「お前は新作とか、やったことねえゲーム手に入れると徹夜だろうが! さすがに今日はそんなピッピコやってる隣じゃ、眠れねえよ!」スタスタ

山城「……そうですね、じゃあ、おやすみなさい」バイバイ

提督「……ああ、早く寝ろよ、おやすみ」バタン

山城「さて、最初は何からしますか?」ワクワク ガサゴソ

山城「ん? これは……」