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【ノンストップ議論開始!】

‣【甜花の証言】
‣【掃除当番】
‣【頭部付近の血痕】

凛世「推理は振出しに戻ってしまいました……」

甘奈「事件が起きたのは夜時間……」

甜花「甜花となーちゃん以外には、アリバイもない……」

小糸「わ、わたしたちも……透ちゃんを殺す動機なんかないよ!」

摩美々「……感情論は持ち込まない方がいいのでー」

雛菜「何か手掛かりになるものとかないんですか~?」

雛菜「【透先輩を見た人】とか~」

雛菜「【怪しい人物を見た人】とか~」

雛菜「【犯行現場を目撃しちゃった人】とか!」

小糸「そ、そんな人……いない……ですよね……!」


【正しい発言に正しいコトダマで同意しろ!】

↓1
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308: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/01(月) 23:56:06.93 ID:rt+rsBIV0
【怪しい人物を見た人】に【甜花の証言】

309: ◆zbOQ645F4s 2021/03/01(月) 23:57:48.63 ID:sO4S4++F0
灯織「それに賛成です!」

【同意!】

灯織「怪しい人物……そういえばその目撃証言がありました」

愛依「マジ?!お手柄じゃん灯織ちゃん!」

灯織「いえ、お手柄なのは私ではなく……甜花です」

甜花「えっ……?!」

甘奈「もしかして、甘奈も一緒に見たやつ……?」

咲耶「話してもらえるかな?」

甜花「う、うん……」

甜花「なーちゃんと一緒のお泊り会の途中で、どうしても甜花がトイレに行きたくなって……」

甜花「一人じゃ心細いからなーちゃんにもついてもらって寄宿舎のトイレに行ったんだけど……」

甜花「その帰り道、甜花たちは見ちゃったの……真っ白なお化け……!」

円香「…………」

甜花「…………おしまい」

樹里「……って終わりかよ!」

樹里「おいおい!今の話が目撃証言なのか?!」

灯織「落ち着いて、樹里……確かに今の話だけだと素っ頓狂に感じるかもしれないけど、これが事件に関係してるかもしれない証拠もあるの」

(そう、お化けなんて実在しない……だから二人が見たのは、お化けに見えるような何か、だったんだと思う)

(そのなにかも……私は知っている)

【正しいコトダマを指摘しろ!】

コトダマ>>228~>>230

↓1

310: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/01(月) 23:59:53.77 ID:8Q5kCr370
シーツ

312: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 00:01:40.59 ID:h3QY4sR50
灯織「これです!」

【解!】

灯織「ランドリーの洗濯機に放り込まれていたシーツ……二人はこれを運んでいるのを幽霊と見間違えたんじゃないかな」

甜花「……あ!確かに、同じ色……」

霧子「頭からシーツをかぶったら、幽霊さんみたいだね……」

凛世「ですが、シーツが事件にどう関係しているのでしょうか……?」

愛依「事件現場にシーツとかあったっけ?」

灯織「あったんです」

愛依「あったっけ?!」

(そう、あれはもともとシーツだったんだ……)

【正しいコトダマを指摘しろ!】

コトダマ>>228~>>230

↓1

313: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/02(火) 00:03:30.80 ID:r2AxoODao
拘束具

314: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 00:06:14.89 ID:h3QY4sR50
灯織「これです!」

【解!】

灯織「透さんを縛っていた拘束具、あれに既視感を感じていたんですが……ほら、シーツと素材が一緒ですよね?」

智代子「ホントだ!確かに手触りとかが一緒だよ!」

灯織「しかもこちらのシーツにも引き裂かれたような跡がある。もともと同じ一枚の布だった証拠じゃないかな?」

甜花「ほ、ほんとだ……クラフト素材だったんだ……」

灯織「さらに、ランドリーに入れただけで洗濯機はまわしてなかったみたいだから……」

灯織「ほら!シーツの隅に血が付着してる……事件に関係してる証拠だと思う」

智代子「でもうっかり屋さんの犯人だよね!」

樹里「ん?どういうことだよ」

智代子「だってすぐそこにトラッシュルームがあるでしょ?焼却炉で燃やしちゃえば証拠は残らないよね?」

樹里「確かにな……透の部屋に戻るのを見られたくなかったにしても、トラッシュルームもランドリーと同様に個人の部屋とはまた離れたところにある」

樹里「燃やしちまえばよかったのに、なんで燃やさなかったんだ?」

灯織「ああ……それなら……」

(燃やせなかった理由は、あれのことだよね……)

【正しいコトダマを指摘しろ!】

コトダマ>>228~>>230

↓1

315: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/02(火) 00:07:45.55 ID:Q1evvWaT0
掃除当番

317: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 00:10:42.56 ID:h3QY4sR50
灯織「これです!」

【解!】

灯織「掃除当番……トラッシュルームを開けられるのは、毎週特定の一人に限られるんだって」

樹里「え?そうなのか?」

雛菜「は~い!今週の掃除当番は雛菜で~す!」

灯織「そう、シーツを隠滅するには市川さんを起こすしかなかったんです」

雛菜「もちろん雛菜は起こされてないですよ~?」

咲耶「それはつまり……逆説的に言えば雛菜は犯人ではない、ということかい?」

樹里「まあノクチルの中でコロシアイに発展したとは考えづらいしな」

甘奈「そっか……じゃあ甘奈たちが見たのは、透ちゃんを拘束するための道具を持ち出している最中のところだったんだ……」

甜花「あぅ……でも、肝心の、その人の特徴まではわからない……」

愛依「ん……?待って!犯人はシーツを持ち出したってことだったら……自分の部屋にシーツが無い人が犯人ってことじゃない?!」

摩美々「犯人なら普通透から鍵を奪って透の部屋のシーツを使うと思いまーす」

愛依「あー……そっか、ごめん」

霧子「シーツの出元は、わからないのかな……」

甘奈「ごめん、犯人がどこの部屋から出て来たかは見てないや……」

318: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 00:12:06.24 ID:h3QY4sR50
摩美々「でも、それを見た時間で犯行時刻をある程度絞り込めるんじゃない?」

摩美々「シーツが透のだと仮定して、だけど……殺害後しかシーツは持ち出せないわけだしー」

真乃「ほわっ……確かに……!」

灯織「……ねえ二人とも、そのお化けを見たのっていつ頃なのかな」

甘奈「えーっと……確か、十二時過ぎだったよね?」

甜花「うん……そう思う……」

智代子「よし!それなら犯人は十二時前後でアリバイが無い人なんだね!」

樹里「だからそれはほぼ全員なんだっての……」

凛世「他に何か、手掛かりは……無いのでしょうか……」

めぐる「うーん……手がかり手がかり……」

甘奈「ねえ、手掛かりが見つからないなら、一回事件を整理してみない?」

灯織「整理?」

甘奈「うん、これまでに集めた情報を振り返ることで新しいものが見えてきたり……しないかな?」

愛依「うち賛成!しょーじきもう全然ついていけてないから!」

樹里「胸を張って言うことか?」

円香「……いいと思う、透を殺した犯人を特定するため」

円香「それならどれだけ時間をかけても構わない」

小糸「ま、円香ちゃん……」

咲耶「そうだね、それじゃあ事件を振り返ることにしよう」

319: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 00:12:36.52 ID:h3QY4sR50
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【ノンストップ議論開始!】

‣【目覚まし時計】
‣【愛依の怪我】
‣【頭部付近の血痕】

めぐる「事件が起きたのは、【夜時間の十二時前後】……」

甘奈「甘奈と甜花ちゃんで、【シーツを運ぶ犯人を目撃した】んだよね☆」

摩美々「夜時間にそれ以上の手掛かりはなくてー」

智代子「事件が次に動くのは【朝の7時20分】からだね!」

愛依「うちが1-Bに呼ばれて……」

愛依「で、待ってたら【目覚ましが鳴った】から1-Aにチョッコー」

雛菜「仕掛けが作動して透先輩に机が落っこちたんですよね~」

霧子「でも、これは犯人さんの【偽装工作】……」

小糸「せ、せっかちな和泉さんなら【勢いよく開けてくれる】と思ったんだね!」

めぐる「愛依、いっつも元気もりもりだからね!」

愛依「アッハハ!めぐるちゃんがそれ言う~?」


【矛盾する発言を正しいコトダマで論破しろ!】

↓1
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320: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/02(火) 00:15:47.79 ID:I9OnOq/Z0
【勢いよく開けてくれる】に【愛依の怪我】

321: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 00:16:50.38 ID:h3QY4sR50
灯織「それは違います!」

【BLEAK!】

灯織「いえ……愛依さんは事件当時、というか今も……扉を勢いよく開けることなんてできないはずだったんです」

小糸「ぴぇっ……?!な、なんで…………」

真乃「灯織ちゃん?どういう意味なのかな」

灯織「うん、真乃は知らないと思うんだけど……昨日めぐるたちが参加した球技大会で愛依さんは肩が軽い脱臼状態になってるんだよね」

雛菜「え~、大丈夫ですか~?」

愛依「うん、まあダイジョブダイジョブ!ありがとね!」

真乃「肩が脱臼……?」

灯織「そう、むしろ愛依さんは罪を擦り付ける相手としては本来むしろ不適切ですらあるんだよね」

摩美々「ずっと引っかかってたのはそこだったんだー」

摩美々「そもそも愛依が罪を擦り付ける側だとしたらあの偽装工作って不可解な点が多いんだよねー」

摩美々「透を殴打した風に見せたいのに、どう考えても愛依には脱臼があるから不可能だしー」

摩美々「教室の扉を開けた瞬間する発動するトラップの作動要因なら、少なくとも怪我してる愛依は避けるでしょー」

樹里「確かに……そもそも紐で机と括りつけられて重たくなってる扉を、脱臼のせいで開けれない可能性すらあるしな」

めぐる「扉を開けるときに、肩が痛いから別の人を呼んで開けてもらったり、とかされても困るもんね!」

322: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 00:17:59.97 ID:h3QY4sR50
灯織「もしかして、犯人は肩の脱臼のことを知らなかったんじゃないのかな」

咲耶「脱臼のことを知らなかった人間、か……」

愛依「少なくとも球技大会に参加してたメンバーは違うかんね」

樹里「じゃあめぐる、咲耶、アタシ、凛世、チョコ、愛依辺りは切っていいのか?」

咲耶「うん、愛依の脱臼は私たちの目の前で起きたからね……」

咲耶「今思い出しても胸が痛む光景だったよ……どうして、私は愛依を守ることができなかったんだ……!」

めぐる「それと灯織もだよ!」

めぐる「球技大会後、食堂でお話ししてた時に灯織とは話したんだ!」

霧子「あと、わたしは愛依ちゃんの治療をして……その時、摩美々ちゃんも一緒だったから……」

摩美々「うん、霧子と一緒だったから実際愛依にも会ったしねー」

摩美々「愛依、あれ以降誰かに話したりしたー?」

愛依「や……朝教室に行くまでは誰とも会ってない系!」

智代子「じゃあ残るのは……真乃ちゃん、甘奈ちゃん、甜花ちゃん、円香ちゃん、雛菜ちゃん、小糸ちゃん……?」

凛世「甘奈さんと甜花さんは、アリバイがございますから……そこからさらに抜けてしまいます」

甜花「掃除当番の話で、市川さんも……」

霧子「じゃあ、残るのは……」

323: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 00:18:30.54 ID:h3QY4sR50






樹里「真乃、円香、小糸……?」

(…………え?)

(…………真乃が、犯人候補……?)






324: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 00:19:36.34 ID:h3QY4sR50
灯織「い、いや!ちょっと待ってください!」

めぐる「ち、ちがうよ!そんな……そんな……!」

灯織「今の話は結局私の推論でしかありませんし……!」

摩美々「ちょっと灯織、そんなにコロコロ主張を変えられたら困るんだケドー?」

灯織「実際愛依さんは脱臼した右腕で扉を開けて仕掛けを作動させてるんですし、何も問題はないじゃないですか!」

摩美々「それは結果論でしょー?」

めぐる「ま、真乃もホントは脱臼のこと知ってたんだよ!わたしが後でお話しして……」

摩美々「めぐるさー、それ本当の話?」

めぐる「も、もちろんだよ!だって真乃が犯人なわけ……」

摩美々「もし、嘘の話なら……めぐるはここにいる全員を裏切ることになるわけなんだケド、自信をもって、胸を張って、本当の話だって言える?」

めぐる「え、あ、そ、その……」

摩美々「大体さっきも真乃は愛依の脱臼の話が出た時動揺してたの、私たち全員が見てるからねー」

真乃「…………」

(真乃……!どうして何も言わないの……?)

325: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 00:20:34.26 ID:h3QY4sR50
咲耶「みんな、少し落ち着こう」

摩美々「……咲耶」

咲耶「まだ、完全な証拠も出ていない……あくまで犯人は、愛依の脱臼を知らない可能性が高い、という域を出ない議論なんだ」

咲耶「結論を急ぎすぎない方がいいんじゃないかい?」

(真乃が犯人なわけない……だったら、どうにかして私が)

(摩美々さんたちを納得させないと……!)

甘奈「でも、脱臼の話を抜きにしちゃうと、アリバイのない人だらけに戻っちゃうよね……」

甘奈「うーん……どうやって絞ればいいのかな」

凛世「犯人像を考えてみるのは、いかがでしょうか……」

愛依「犯人像?」

凛世「はい……誰なら犯行が可能か、ではなく……犯人は、どんな特徴があるか……でございます」

咲耶「確かに一度俯瞰的にとらえなおしてみるのもいいかもしれないね」

咲耶「裁判開始前とは違い、教室では二回の事件が起きていたことが明らかになったんだ。そうなると証拠の持つ意味も変わってくるのかもしれないね」

(意味が、変わってくる……?)

摩美々「無関係に思えたものが、そうじゃなかったりとかねー」

(そんなものが、あるだろうか……)

【正しいコトダマを指摘しろ!】

コトダマ>>228~>>230

↓1

326: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/02(火) 00:30:00.09 ID:Q1evvWaT0
プラスチック片

327: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 00:32:06.17 ID:h3QY4sR50
灯織「これです!」

【解!)

灯織「現場に落ちていた、プラスチック片……ですか?」

雛菜「あは~?」

灯織「透さんの遺体とはまた、離れたところに落ちていたものです。現場の状況と一致する者もなかったので……ただのゴミかと思っていたんですが……もしかしてこれも、何か意味があるんでしょうか」

摩美々「……これ、甘奈何かわからない?」

甘奈「え?甘奈?」

甘奈「うーん……あっ!」

愛依「マジ?!わかったん?!」

甘奈「違ったらごめんね、多分これ、ネイルチップだと思う!」

灯織「ネイルチップ……?」

甘奈「うん、表面の水色にラメが入ってるでしょ?その裏に接着剤使ったみたいな痕があるから……もともと誰かがネイルに使ってたものなんじゃないかな」

樹里「おいおい!すげえヒントじゃねーか!」

霧子「それじゃあ……このネイルを持っていた人が、犯人さん……?」

(えっ……?)

凛世「ねいるを、日常的に使っている方は……限られます……」

灯織「……!!」

めぐる「イルミネは違うよ!」

めぐる「ステージに立つときも、そんなに付けない……真乃も一緒だよ!」

灯織「うん!犯人はつけ爪をしていた……なら、真乃は違う!」

真乃「…………」

甜花「うん……真乃ちゃんは、ネイルはしてるイメージ無いから……!」

(やった……!これで真乃の容疑は払しょくできた……!)

摩美々「…………」

摩美々「そのネイルチップ、私のですねー」

円香「…………は?」

灯織「……えっ?」

(ど、どういうつもりなの……?摩美々さん……?)


328: 大分いい時間ですが佳境も佳境なので最後まで行きたいですね ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 00:34:06.55 ID:h3QY4sR50
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【ノンストップ議論開始!】

コトダマ
‣【モノクマファイル1】
‣【目覚まし時計】
‣【教室の血痕】

甘奈「あのプラスチック片はネイルチップで間違いないよ!」

摩美々「事件現場に落ちていたネイルチップ……」

摩美々「これ、【私の私物】ですねー」

雛菜「それってつまり、【現場に行った】ってことですかー?」

凛世「透さんを殴った際に、その勢いで【割れてしまった】のでしょうか……」

樹里「ここに来て自白かよ?!」

摩美々「まあ正確には、【私物だったもの】、なんですケド」

円香「……は?」


【矛盾する発言を正しい発言で論破しろ!】

↓1

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329: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/02(火) 00:43:50.05 ID:UT6IqHQL0
【現場に行った】に【目覚まし時計】?
死体発見時に摩美々がいなかったって話かと思ったけどしっくり来るコトダマがないな

331: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 00:47:02.06 ID:h3QY4sR50
ヒントが少なかったですね、
【矛盾する発言を正しい発言で論破しろ!】はコトダマ指定ではなく
【登場人物の発言を記憶して他の発言にぶつける】タイプの論破です!
原作で△ボタンでやるやつですね!

不正解判定はなしで続行します…

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【ノンストップ議論開始!】

コトダマ
‣【モノクマファイル1】
‣【目覚まし時計】
‣【教室の血痕】

甘奈「あのプラスチック片はネイルチップで間違いないよ!」

摩美々「事件現場に落ちていたネイルチップ……」

摩美々「これ、【私の私物】ですねー」

雛菜「それってつまり、【現場に行った】ってことですかー?」

凛世「透さんを殴った際に、その勢いで【割れてしまった】のでしょうか……」

樹里「ここに来て自白かよ?!」

摩美々「まあ正確には、【私物だったもの】、なんですケド」

円香「……は?」


【矛盾する発言を正しい発言で論破しろ!】

↓1

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332: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/02(火) 00:48:25.61 ID:UT6IqHQL0
【私の私物】に【私物だったもの】

333: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 00:49:55.99 ID:h3QY4sR50
灯織「それは違います!」

【BLEAK!】

灯織「確かにそのネイルチップは摩美々さんのものなんだと思います」

灯織「ですが、摩美々さんが犯人とは考え難いです……」

雛菜「あは~?」

小糸「げ、げ、現場に証拠があるのに?!」

灯織「摩美々さんが所持しているネイル用品に、もうネイルチップは残っていないんです」

甘奈「え?でも摩美々ちゃんのネイルチップなんだよね?」

灯織「もともとはそうだったんですが……摩美々さんは別のある人にネイルチップをそのまま全部あげてしまったんです」

摩美々「ネイルグルーも持ってないから、ネイルチップをつけること自体出来ないんだよねー」

灯織「だから、摩美々さんのネイルチップをした別の誰かが、落としたとしか……」

334: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 00:50:38.79 ID:h3QY4sR50
霧子「摩美々ちゃんの、ネイル……」

咲耶「摩美々、誰にそのネイルチップを渡したんだい?」

摩美々「…………」

樹里「おい!だ、誰なんだよ!」

(…………そんな)

(摩美々さんは、最初からわかってたんだ…………)

(おそらく、プラスチック片もその正体は最初から分かっていた……)

(私は、摩美々さんの推理の補強に、使われただけ……)

樹里「早く教えろって!」

摩美々「…………」

(私も、知っている…………)

(唯一摩美々さんにネイルをしてもらい、そして愛依さんの脱臼も知らず、掃除当番でもない……その、犯人を)

【怪しい人物を指摘しろ!】

↓1

335: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/02(火) 00:52:31.21 ID:I9OnOq/Z0
真乃

336: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 00:53:36.59 ID:h3QY4sR50
灯織「…………」

(ダメ……言いたくない、言えるわけない……!)

(どうして、どうして摩美々さんは……)

(私に友達の首に、刃を突き立てるような真似をさせるの……!?)

甜花「田中さん、忘れちゃったの……?」

摩美々「……」

円香「誰なの、言って!」

摩美々「……そっか、灯織はやっぱり優しいんだねー」

摩美々「でも、その優しさは本当に優しさなのー?私たちはいま、命を懸けた、学級裁判の途中……」

摩美々「いつまでも、いい子のままじゃダメなんじゃないのー?」

灯織「……っ!」

めぐる「ひお、り……」

灯織「私は……私は……!」

337: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 00:54:02.52 ID:h3QY4sR50






真乃「私……です……っ」






338: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 00:54:52.60 ID:h3QY4sR50
(え……?)

真乃「私が摩美々ちゃんにネイルをしてもらって……透ちゃんを殺害した、犯人だから……っ」

霧子「え……?」

甜花「真乃、ちゃん……?嘘……」

真乃「……ごめんなさい」


そう言って真乃はゆっくりと、自らの指先を、照明のもとに晒した。
その先端、爪の部分。
綺麗に彩られたネイル……しかし、一本の指だけが、不完全な状態、割れた状態のつけ爪になっていた。


真乃「これが証拠です……っ、摩美々さんにしてもらったネイルチップ……余った分は全部私が持ってます……」

摩美々「…………本当いい子ばっかりー」

真乃「夜時間になるとシャワーが出なくなるので、ネイルグルーを溶かすことが出来なくて……そのまま裁判にまでつけたまんまになっちゃいました……っ」

真乃「でも、これでわかってくれますよね……っ」

甜花「…………やだ、やだよ……」

甘奈「…………っ」

めぐる「ちがう!ちがうよ!真乃は別の人をかばってるだけなんだよ!」

(めぐる……)

めぐる「真乃が犯人なんてぜーーーーーーったい!ありえないんだから!」

凛世「……」

甘奈「……」

真乃「めぐるちゃん、ごめんねっ」

めぐる「真乃……?やだよ……なんで、なんで謝るの……?なんで!?なんで……」

真乃「……灯織ちゃんも」

灯織「真乃…………違う、違うよ」

真乃「ううん、違わない……」

真乃「私が、犯人だから……」

339: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 00:55:20.56 ID:h3QY4sR50





私は、私のことが嫌いだった。






340: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 00:55:55.38 ID:h3QY4sR50
外の世界に臆病で、世界との間に壁を作って殻に閉じこもる。
そしてそんな殻の中ですら、自分のことを肯定できない。私はどこまでも、私のことを認めていなかった。


「あっ、ごめん!自己紹介からしなきゃだよね!わたし、八宮めぐる!ふたりは?」
「さ、櫻木真乃です……よろしくお願いします」
「……風野灯織です。よろしくお願いします」


出会った頃は、緊張が抜けなかった。
アイドルという夢の舞台に踏み込んだはいいけど、それに挑むには私には勇気も自信も足りてなくて……そんな未熟な自分を痛感してまた自己嫌悪。
同じユニットを組むことになった二人に、向ける顔がなかった。
言葉足らず、口下手な私は人づきあいも苦手で……


「……今の櫻木さんは多分、ひとりで練習した方がいいと思う」


またやってしまった……
誤解を生んで、周りを傷つけて、自分が嫌いになる。

ああ、私はアイドルになっても変わることなんて出来ないんだ。
私はこれからもどこまで行っても、臆病者。
_____この殻を破るときなんて、来ないと思っていた。

341: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 00:56:51.76 ID:h3QY4sR50

「いつか、ふたりと一緒に歩けるように、私、これからも頑張るねっ」
「わたしは灯織が大好きだし、真乃だってきっとおんなじ!真面目で真っすぐで、今みたいにわたしと真乃のこと、一生懸命考えてくれる灯織が大好き!」


でも、イルミネの二人はそんな私も受け入れてくれた、肯定してくれた……隣に並ばせてくれた。
私が自分を守るために籠ってしまった殻。それすらも二人は認めてくれたんだ。


「ほわぁ……灯織ちゃんのハンバーグ、美味しいなぁ……」
「灯織の料理、すっごくおいしい!」


二人はこれまでの私では考えられないほどたくさんの、最高の思い出をくれて……


「灯織ちゃん!大丈夫、灯織ちゃんならできるよっ!」
「ファイトだよ、灯織!」


二人は私だけじゃ超えられない壁を、一緒に手をつないで乗り越えさせてくれた。

私がアイドルの風野灯織として、ここまで歩んでこれたのは真乃とめぐるというかけがえのない友達が、側にいたから。
一緒に喜び、悲しみ、悔しみ、絆を育んできたから。





一人じゃたどり着けない星空を、三人で描いてきたから。






342: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 00:57:28.75 ID:h3QY4sR50
だけど、今私は……その友達を、自分の手で殺さなくちゃいけない。


灯織「そんなの……無理だよ……」

真乃「……灯織ちゃん……?」

灯織「真乃が犯人……なんてそんなの…………認められない……」

真乃「……」

灯織「もうどうだっていい!……真乃を殺してまで……私は生きたくない!」

343: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 00:57:59.90 ID:h3QY4sR50





真乃「灯織ちゃん、私アイドルになってよかったって思ってるんだ」






344: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 00:58:43.83 ID:h3QY4sR50
灯織「真乃……?」

真乃「プロデューサーさんに出会うまで、アイドルのこともよく知らなくて……っ!初めはどうなるんだろう、私にできるかなってドキドキしてて……」

真乃「やっぱりそううまくいくことばっかりでもなくて……アイドルのお仕事ってやっぱり大変なんだよね……っ!」

真乃「でも、辞めたいとは思わなかったな……」

灯織「……っ!」

真乃「灯織ちゃんにめぐるちゃん、二人がいたから……っ!」

真乃「二人と一緒なら……どんなに大変なことでも、頑張ろうって……乗り越えようって……!一緒に輝きたいなって思えたから……っ!」

真乃「レッスンもお仕事も……すっごく、すっごく楽しくて……いつの間にか、次は何ができるのかなって……ドキドキがワクワクに変わって……っ」

真乃「新しい世界に……新しい空に出会えたんだ……っ!」

真乃「だからね、二人に今だからこそ言いたいんだ……今までありがとうって……っ!」

345: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 00:59:17.68 ID:h3QY4sR50
真乃「私ね……最初は死んじゃうのが怖くなっちゃって……それで、みんなに迷惑かけちゃった……」

真乃「いくら謝っても足りないくらいの迷惑……透ちゃん……ノクチルのみんなにはどれだけ恨まれても仕方ないよね……」

真乃「でも、これだけはホントだから……言わせてほしいの……っ」

真乃「私は、みんなを……灯織ちゃんとめぐるちゃんを犠牲にしてまで生きたくない」

灯織「そ、そんなの私だって……!」

真乃「二人はとっても優しいから……私が死んじゃったら、すごく悩んだり苦しんだりしちゃうんだよね……」

真乃「でも、二人はそれも乗り越えられる……輝きを持ってる二人だって信じてるよ……っ!」

真乃「どんなに辛いことでも、手をつないで乗り越えて来たよねっ!だから……私がいなくなっても、二人で……一緒に乗り越えて行けるって信じてるよ……っ!」

真乃「ファイトだよ!むんっ!」

灯織「真乃……」

真乃「灯織ちゃん、笑顔は無敵……だよねっ!」

灯織「…………」

(……そうはいっても無理なものは無理。私には、真乃のいない世界なんて考えられない)

(真乃を失う絶望、それを乗り越えることなんてできない)

346: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 00:59:47.48 ID:h3QY4sR50





(だから)






347: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 01:00:54.21 ID:h3QY4sR50
(その絶望も悲壮も苦悶も……そのすべてを引きずっていく……!)

(引きずって引きずって……!私がいつか輝くその時にも引きずり続ける……!)

(私は絶望の中でも……輝いて見せるから……!)

(それが真乃に思いを託される、私の義務……!)

灯織「真乃……わかった……」

真乃「灯織ちゃん……聞こえたんだね」

灯織「……うん、真乃が私に託したもの、やっとわかったから」

灯織「真乃の思いを継ぐことが……私たちの絆、私たちの輝きだから……!」

真乃「……ありがとう、灯織ちゃん」

灯織「めぐる、全部終わりにしよう」

めぐる「……灯織……?」

灯織「私たちが真乃の想いを聞かなくてどうするの?……真乃のことをこの場で誰よりも知っていて、信頼しているのは私たち」

灯織「だったら、私たちのすべきことはわかるよね?」

めぐる「……ちがう、ちがうよ灯織……!真乃が犯人だなんて前提からして違う!」

348: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 01:02:01.40 ID:h3QY4sR50
真乃「めぐるちゃん……あのね、もう一度言うからよく聞いて……っ!」

めぐる「ちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがう!」

灯織「め、めぐる……」

めぐる「ちがーーーーーーーーーーーーう!!」

(……めぐるの気持ちは痛いほどにわかる)

(でも、ここで足を止めることは真乃の望むところじゃない!だから私は……)

灯織「めぐる、残酷でも私は現実をめぐるにぶつけるよ」

めぐる「……!!」

灯織「だって、それが真乃の想いだから……めぐるにも、この想いに気づいてもらわないと……!」

めぐる「なんで、灯織は真乃を犯人だって認められるの……?」

灯織「私だって信じたくはないよ……でも、信じないことは真乃を裏切ることにもなるから……!」

灯織「だから、もう逃げない!行くよ、めぐる!」

-------------------------------------------------
これより最後のぶつかり合い、パニックトークアクションが開始します。
パニックトークアクションでは灯織とぶつかり合う相手が複数の言葉の盾を引っ提げてまいります。
本家ではリズムゲーム感覚でパンパンパンとぶつかり合うわけでございますが、文字上ではそうはいきません。
そこでその盾を打ち破るために必要となるのが、運。【コンマ】のことでございますね。
盾ごとに定められた数値、防御力をコンマ値で削っていくのが目標となります。
複数回コンマ判定いたしますので【連投歓迎】でございます。

みごと0となった場合には最後の盾、【ムジュン】が現れてまいります。最後はアナグラムの要領でとどめを刺してくださいませ。
補足しておきますと、ここでもコンマの緩和はスキルで予定しております。次章以降お役立てくださいませ。
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349: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 01:02:55.37 ID:h3QY4sR50
-------------------------------------------------

【パニックトークアクション開始!】

めぐる「灯織のばか!」【防御力10】
めぐる「わからない……わからないよ……」【防御力15】
めぐる「ちがうちがうちがうちがうちがうちがう!」【防御力20】
めぐる「なんでわかってくれないの……?」【防御力25】
めぐる「真乃は犯人なんかじゃない!」【防御力30】
めぐる「イルミネが、大好きだから……」【防御力35】

【盾の防御力をコンマで削り取れ!】

↓直下から六回コンマ判定
-------------------------------------------------

350: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/02(火) 01:03:35.28 ID:I9OnOq/Z0
ほい

356: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 01:12:29.11 ID:h3QY4sR50
-------------------------------------------------

【パニックトークアクション開始!】

めぐる「灯織のばか!」【BLEAK!】
めぐる「わからない……わからないよ……」【BLEAK!】
めぐる「ちがうちがうちがうちがうちがうちがう!」【BLEAK!】
めぐる「なんでわかってくれないの……?」【残り防御力7】
めぐる「真乃は犯人なんかじゃない!」【BLEAK!】
めぐる「イルミネが、大好きだから……」【残り防御力7】

【盾の防御力をコンマで削り取れ!】

(あと少し……残った二枚の盾も打ち破る!)

↓直下から2回残った盾を順にコンマ判定
-------------------------------------------------

357: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/02(火) 01:12:58.54 ID:UT6IqHQL0
にへへ

359: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 01:15:09.61 ID:h3QY4sR50
【ALL BLEAK!】

-------------------------------------------------

灯織「めぐる、聞いて……!!」

【めぐる「真乃は犯人じゃないよ!犯行現場なんかに行ってないんだから!」】

ネ/ップ/イ/ルチ

【正しい順番に並び替えて、コンマ値30以上でぶつけろ!】

↓1
-------------------------------------------------

360: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/02(火) 01:16:58.19 ID:Q1evvWaT0
ネイルチップ

361: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 01:17:47.46 ID:h3QY4sR50
【コンマ19】

(ダメ、これじゃめぐるには届かない……!)

(今度こそ……!)

-------------------------------------------------

灯織「めぐる、聞いて……!!」

【めぐる「真乃は犯人じゃないよ!犯行現場なんかに行ってないんだから!」】

ネ/ップ/イ/ルチ

【正しい順番に並び替えて、コンマ値30以上でぶつけろ!】

↓1
-------------------------------------------------

362: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/02(火) 01:18:17.60 ID:I9OnOq/Z0
ネイルチップ

363: お疲れ様でした、安価とコンマは終了です ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 01:19:24.74 ID:h3QY4sR50
灯織「これで終わり……!!」

【BLEAK!】

灯織「めぐる……あのネイルチップはこの学校で真乃しか持っていないものなの。それはさっき確認したでしょ?!」

めぐる「……ううっ、ううっ」

灯織「めぐる……気持ちは痛いほどに私もわかる、前を向こうにも辛くて辛くて……そうでしょ?」

めぐる「……ううっ」

灯織「でも、私たちでこの事件は終わりにしなきゃいけない……そうでしょ?」

めぐる「……わからない、わからないよ……わたしには……」

灯織「……わかった、なら私に任せて」

灯織「私が初めからこの事件をすべて振り返って終わりにする……」

灯織「この学級裁判に終止符を打つ!」

364: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 01:19:59.22 ID:h3QY4sR50
【クライマックス推理開始!】

灯織「事件の始まりは昨晩。夜時間の事でした。待ち合わせをしていたのか、それともばったり鉢合わせたのか。それは私たちには窺い知らぬことですが、犯人と浅倉さんは二人っきりで1-A教室で邂逅していたんです」

灯織「……私たちにわかるのは結果だけ。何か争いがあったのかもしれないし、衝動的に殺意が起こったのかもしれない。だけど間違いなく言えるのは、犯人がその場で浅倉さんを撲殺したということ。浅倉さんの額めがけて真正面からの一撃。凶器には教室内にあった机を使ったと思われます。机の角にべったりと血が付着していましたしね」

灯織「犯人はよほど動転していたのか、教室の隅の乾いた血痕そして撲殺時にはがれてしまったネイルチップを現場に残したままにしています。おそらく気づくことができなかったんでしょうね。なんたって犯人にとってもこれまで経験したことのない行為、【殺人】に手を染めたんですから」

灯織「犯人は慌てて偽装工作に取り掛かります。まずは自分になんとしても容疑を向けないようにすること。そのために犯人が思いついたのは身代わり、つまり自分の代わりの犯人役を用意することだったんです。自分のアリバイが成立している時間帯にもう一度死体を使って事件を引き起こすことで、自分を安全圏にもっていこうとしたんです。

灯織「ですがここで犯人の失態があったんです。犯人役にしたのはどう考えても撲殺不可能な、怪我人の愛依さんだったんです。犯人が愛依さんの怪我を知っていたなら、こんな人生はあり得ない。この人選が結果として自分の首を絞めることになったんですから。逆に言えば愛依さんの怪我を知って、別の誰かを犯人役にしていたら展開は変わっていたかもしれません」

灯織「愛依さんを犯人にするための仕掛けは、扉を開けた瞬間に机が浅倉さんめがけて落下する仕掛け。まずは机を塔のように積み上げる。そしてその机の脚とドアノブの外側とを紐で括り付ける。あとは目覚まし時計をセットすれば完成。目覚ましの音を聞いて駆けつけた人が気づかずドアを開けてしまえば成立する、単純がゆえに厄介な仕掛けだったんです」

灯織「そして実際愛依さんは翌日、犯人の目論見通りに7時25分のアラームを聞いて部屋を慌てて開放。机が落ちる音を聞いて私たちも駆け付けた。そう、この時駆け付けた私たちにはアリバイがあり、愛依さんにはアリバイが無い。これが狙いだったんです。」

灯織「そうやって犯行時刻を誤認させ、本当の事件を隠そうとした……この事件の犯人は」

灯織「真乃……だったんだね……」

【COMPLETE!】

365: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 01:20:28.50 ID:h3QY4sR50
灯織「……これがこの事件のすべて。そうなんだよね、真乃」

真乃「灯織ちゃん……ありがとう……っ」

めぐる「ひぐっ……うっ……うっ……まのぉ……ひっく……」

咲耶「もう……間違いないんだね」

真乃「はい……灯織ちゃんが言ってくれた通りです」

樹里「……くそっ」

咲耶「……真実とは、こうも苦々しい味がするものなんだね」




円香「…………」

366: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 01:21:06.39 ID:h3QY4sR50





円香「真乃、覚悟はできてる?」






367: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 01:21:52.88 ID:h3QY4sR50
(…………っ!)

(そうだ、樋口さんは……っ!)

円香「私は情に流されない……私にとって真乃は、透を殺した仇でしかない」

小糸「ま、円香ちゃん!?」

樋口さんはいたって冷淡な口調で、それを取り出した。

甘奈「………包丁?!」

円香「宣言したはず。透を殺した人間は私がこの手で殺すって」

(そうだ……この事件において、いまだに検討されていなかった謎……)

(【食堂の包丁】……!あれを持ち出していたのは、樋口さんだったの……?!)

円香「現場に残されていた包丁、真乃が持ち込んだのか透が持ち込んだのかは知らないけど……真乃を刺し殺すにはおあつらえ向きでしょ」

モノクマ「ちょ、ちょっと何おっぱじめてるのさ!クロにはボクがおしおきするんだよ!止まりなさい!」

円香「……私がやらなきゃ意味がない」

樹里「おいっ!やべーぞ!誰か止めろ!」

真乃「……っ!」

(真乃……避けようとしてない、刺されるつもりだ……!)


樋口さんは周りのみんなの制止に耳も貸さず、裁判場の壇の上から降り、包丁片手に真乃に向って突き進む!
その足取りに一切の迷いはない……覚悟を決めている!


円香「悪いけど、死んで」

368: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 01:22:32.66 ID:h3QY4sR50





ドスッ

カランカランカラン・・・・・・







369: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 01:23:14.41 ID:h3QY4sR50
円香「……なんで?」

小糸「はぁっ……はぁっ……ダメだよ!円香ちゃん!」


樋口さんを止めたのは、福丸さんだった。
後方からの体当たりを無防備に食らった樋口さんは正面から転倒。
その手に握られていた包丁は明後日の方向に飛んでいき、カランカランという音が裁判場に響いた。


小糸「透ちゃんは……そんなの望んでないよ!」

円香「知ったこっちゃない……!私が透の仇を討ちたいだけ……!」

小糸「円香ちゃんの馬鹿!」

円香「……っ!」

小糸「円香ちゃんが櫻木さんを刺したら……円香ちゃんがクロになって死んじゃうんだよ!?わたしは……円香ちゃんに死んでほしくない……!!」

雛菜「円香先輩、雛菜も同じだよ」

円香「雛菜……」

雛菜「円香先輩も透先輩と一緒、替えの効かないたった一人の先輩だから」

円香「……生意気」


樋口さんの口角がわずかに上がったかと思うと、そのまま立ち上がり、元居た席へと戻った。

370: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 01:23:44.37 ID:h3QY4sR50
円香「……ごめん、進行の邪魔した」

智代子「い、いやー……それはいいんだけどー……」

樹里「もう、大丈夫なのか……?」

円香「……行っておくけど、真乃はこの先何があっても許さないから」

真乃「……!」

円香「……透の死、それに対するこの感情は否定なんかできないから」

真乃「……うん、そうですよね……ごめんなさ」

円香「謝らないで。謝られたら気がふれそう」

真乃「……!」

円香「ほんと滑稽……復讐すらできないで……一番愚かなのは、私……」

371: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 01:24:15.83 ID:h3QY4sR50

モノクマ「もー!樋口さん?ボクより先にクロを殺したりしたら、お仕置きどころじゃ済まさないからね!厳重注意ですよ!」

円香「……」

モノクマ「ま、終わったんだったら例の言っときます?」

小糸「れ、例の……?」

モノクマ「学級裁判といえば最後はおなじみの投票タイムだよ!オマエラはお手元のスイッチで投票してください!」

めぐる「……っ!」

灯織「……これで、本当に終わるんですね」

摩美々「……はぁ」

咲耶「終わりは、ずいぶんと虚しいものなんだね」

真乃「みなさん……私に……投票してください……っ!」

モノクマ「裁判の結果導き出したクロは正解なのか、不正解なのかー!さあ、どっちなんでしょうかね?」

372: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 01:24:42.42 ID:h3QY4sR50
-------------------------------------------------
    【VOTE】
〔真乃〕〔真乃〕〔真乃〕

  CONGRATULATIONS!!!!

   パッパラー!!!
-------------------------------------------------

【学級裁判 閉廷!】

379: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 22:46:06.55 ID:h3QY4sR50

モノクマ「というわけで、だいせいかーい!」

モノクマ「浅倉さんを殺したクロは櫻木真乃さんでしたー!」

樹里「マジかよ……」

甜花「真乃ちゃん……どうして……」

霧子「かなしすぎるよ……」

めぐる「……うっ……うっ……」

モノクマ「ほわほわした顔のわりにえげつない真似をするモンですね!やっぱりアイドル業界って恐ろしい……恐ろしい……」

咲耶「真乃、良ければ聞かせてもらえないかな……透を殺害した、その理由を」

円香「せめてそれぐらいは聞かせてくれるでしょ?」

真乃「あ、あの……その……っ」

灯織「……真乃?」

380: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 22:49:14.33 ID:h3QY4sR50
真乃「お話ししたいんですが……ええっと……っ」

モノクマ「ん?」

モノクマ「あーそっか!校則のせいだね!」

雛菜「なんでここで校則がでてくるんですか~?」

灯織「……校則ってことは……つまり、モノクマの動機!?」

愛依「体育館の時に配られたやつ!?」

モノクマ「ザッツライ!今回櫻木さんが事件を起こしたのは、ボクが渡した動機……【自分以外の誰かの秘密】が大きく関係しているんだよね!」

モノクマ「話してもらえないと進まないよねー……もう、しょうがないなぁ」


ピピッ

【校則【7】がモノクマ学園長によって消去されました】


モノクマ「元から別に話すぐらいならオッケーなんだけど、気後れしちゃうだろうから消しておいたよ、ほら!」

真乃「は、はい……」

モノクマ「ボクは酒とばでもしゃぶってるんで、裁判を終えたピロートークを櫻木さん、どうぞー」

甘奈「最低っ……!」

真乃「さっき、モノクマが話した通りです……動機の自分以外の秘密……私は、皆さんとの約束を破ってそれを見てしまったんです……っ」

真乃「そこに書かれていたのは……透ちゃんの秘密でした……」

円香「やっぱり……」

381: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 22:50:17.56 ID:h3QY4sR50






真乃「その秘密は【浅倉透は黒幕とつながっている】でした」






382: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 22:50:57.33 ID:h3QY4sR50

灯織「!?」

円香「……は?」

樹里「はあああああああああ?!」

真乃「私も、すぐには信じられなくて……っ、本人に聞くわけにもいかないから一人で黙って背負い込んで……もやもやを抱えたままだったところに、手紙が来たんです」

咲耶「手紙、かい?」

真乃「ちょうど愛依さんに私がやったように、扉の下からメモ用紙で『深夜12時前に1-Aに来て 透』って」

灯織「え……?!」

円香「呼び出したのは、透……?」

真乃「私、そんな秘密を見たばっかりだから……怖くなって、一度は行くのをやめよう……ってそう思ったんですけど」

真乃「自分の足で進まなきゃ、何も変わらないって……自分の目で確かめないとって……っ!」

灯織「……!!」

(あのときの言葉……あれが、真乃にとってのきっかけになったの……!?)

真乃「教室には私が先について、あとから透ちゃんが来ました……っ」

383: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 22:52:58.18 ID:h3QY4sR50
-------------------------------------------------

透「真乃ちゃん、来てくれたんだ。よかった」

真乃「と、透ちゃん……?なな、なんで、呼んだのかな……?」

透「えっ……あー、話。したくてさ」

透ちゃんは異様に落ち着いていました……
深夜の時間帯、二人っきりで会うという異様な状況下でも異様なくらいに変わらなくて……っ

透「ここ、座ってよ」

そう言って透ちゃんは一つの席を指さし、自分も腰掛けようとしました。でも、その時みちゃったんです……っ、透ちゃんが包丁を隠し持っているのを……っ

透「なんかさ、こっち来てからわかんないことばっかだよね」

真乃「え……?」

透「殺すとかなんとか、知んないじゃん。そんなの」

真乃「う、うん……」

384: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 22:54:47.29 ID:h3QY4sR50
透「……でもさ、真乃ちゃん」

真乃「……え?」

透「一つだけ、気になることがあるんだ」

そういうと透ちゃんはゆっくりと立ち上がって……近づいてきて。

その瞬間、動機の話が頭をよぎりました……
もし、透ちゃんが本当に黒幕とつながっているなら、私を呼び出した意味って?
透ちゃんは武器を持っているのに、私は何も持っていない……

透ちゃんの言う気になることって……?

その瞬間、疑問は恐怖へと様変わりしました……
透ちゃんの笑顔が仮面のように見えて、裏からは殺意が滲み出ているかのように錯覚……


385: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 22:55:53.27 ID:h3QY4sR50
おかしかったのは、私のほうだったのかもしれません……っ

恐怖が堰を切ったようにあふれ出しました。

真乃「こ、来ないで……っ!」

ガンッ

恐怖で我を忘れて……

真乃「……え?」

気が付けば、目の前に透ちゃんが頭から血を流して倒れてたんです……

-------------------------------------------------

386: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 22:57:30.51 ID:h3QY4sR50

真乃「これが、あの時起きたすべてです……っ」

円香「……なにそれ」

円香「透は、あんた茫然自失だったから無罪だって主張でもしたいわけ……?」

小糸「ま、円香ちゃん……!」

灯織「……ちがう」

真乃「ひ、灯織ちゃん……?」

灯織「ふざけないで!こんなの……こんなの……許せない!」

灯織「モノクマ……こんなのあなたの言う正々堂々フェアなコロシアイなんかじゃないでしょ!」

モノクマ「へ?」

灯織「あなたは……真乃に浅倉さんが黒幕側の人間だなんて嘘の情報を流して、狂乱状態にして……それで事件を起こさせた!」

灯織「あなたがこの事件を意図的に引き起こしたクロそのものじゃないですか!」

モノクマ「おいおい、いいがかりはよし子ちゃんだよ!ボクが情報をでっち上げた?なんの根拠があって言ってるのさ!」

円香「……私は誰よりも側で、透を見て来た」

円香「ありえない。透が黒幕とつながっているなんて、絶対にありえない。私が気づかないはずがないんだから」

モノクマ「ぷひゃひゃひゃひゃ!じゃあ樋口さんの目は節穴ってことだね!」

円香「……は?」

387: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 22:58:26.84 ID:h3QY4sR50
モノクマ「ていうかさ、櫻木さんこそ嘘を言っちゃいけないよね!」

真乃「……え?」

モノクマ「櫻木さんに渡した秘密はさ、【浅倉透は黒幕と関係がある】だったよね?」

智代子「あのー、何が違うのかわからないというか……」

モノクマ「浅倉さんは百パーセント、黒幕と関係がありますよ!ボク秘蔵のハチミツに、白黒カラーのアイデンティティまで賭けてもいい!」

小糸「そ、そんなわけない!透ちゃんが黒幕とつながって……こんなコロシアイをけしかけるなんてありえないよ!」

モノクマ「……ん?」

モノクマ「ああ、なるほどね!オマエラは黒幕と関係がある人間は、コロシアイをけしかけた人間だと思ってたんだ!どおりで話が嚙み合わないわけだ!」

灯織「……え?」

モノクマ「行間を読んでほしいよね。活字を読まなくなったのか知らないけど、言わずの文意を読み解くことも日本人の心意気なんだよね」

咲耶「まどろっこしいな、結局のところ何が言いたいんだい」

モノクマ「だからー、浅倉さんが黒幕と関係あるのは間違いないよ」


388: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 22:58:55.27 ID:h3QY4sR50






モノクマ「ていうかオマエラ全員、黒幕と関係があるんだけどね!」







389: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 22:59:39.48 ID:h3QY4sR50
灯織「……は?」

甘奈「なになになになに?!何を言ってるの?!」

モノクマ「オマエラ全員黒幕と会ったことも会話したこともあるんだよね!……なんなら同じ釜の飯を食べたりもしてるんじゃない?」

凛世「仰る意味が、わかりません……」

モノクマ「はぁ……しょうがないなぁ、わかりやすくかみ砕いて教えてあげるよ!クマだけに!」


390: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 23:00:36.02 ID:h3QY4sR50






モノクマ「このコロシアイ合宿生活を開いた人間は、オマエラもよく知る人間の誰かなのです!……ま、要は事務所の誰かってことだね!」







391: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 23:02:35.95 ID:h3QY4sR50

モノクマの発する言葉……それを理解することを本能が拒絶した。
モノクマの今の言葉を受け入れることは、私たちのこれまでをすべて破壊しかねない言葉だったから。
だってモノクマの言葉が真実なら……
私たちの間の信頼、絆は……ハリボテのものだったということになってしまいかねないから。


モノクマ「ね?オマエラ全員関係があるでしょ?」

モノクマ「ていうかこの際だから言っちゃうけどさ、オマエラに渡した秘密っての全部中身は一緒だったんだよね!【別の誰かが黒幕と関係ある】……ってね!」

モノクマ「多感な時期の学生諸君は勝手に疑心暗鬼に陥りゃしないかと期待してたけど、いやー予想以上でしたね!」

真乃「……そんな、それじゃ、透ちゃんは……」

モノクマ「シロも真っ白、驚きの白さだね!なのに櫻木さんは勝手な勘繰りで無実の浅倉さんを殺しちゃってんの!」

モノクマ「そもそも浅倉さんが櫻木さんを呼び出したのもそういうことなんじゃないかな?だってさ、包丁をわざわざ忍ばせて来たんでしょ?」

モノクマ「それって黒幕側の人間と会うための護身用装備ってことじゃん!」

円香「……っ?!」

真乃「それを……私が勘違いして……?」

モノクマ「せっかちもそこまでいくと罪ですな!早とちりのせいで死んじゃうなんてとんだ無駄死にですな!アーッハッハッハッハ!」

392: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 23:03:33.55 ID:h3QY4sR50






灯織「笑わないで」







393: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 23:05:16.93 ID:h3QY4sR50
真乃「灯織ちゃん……?」

灯織「私の友達を、それ以上馬鹿にしないで」

モノクマ「……はぁ?」


考えるより先に言葉が口からとび出していた。
これはこれまでに感じたことのないほどの、怒り。
はらわたが煮えくり返るどころか、脳が沸騰しそうなまでに激昂する感情が、勝手に言葉を紡いでいく。


モノクマ「おいおい何雑魚キャラがしゃしゃってんのさ!イライラするんだけど、ムカムカするんだけど!」

灯織「あなたは許さない……私の友達をどこまでコケにすれば気がすむの」

モノクマ「悪いのは櫻木さんじゃん!ま、コロシアイ合宿生活の中では超優等生だよね!ボクの策略にまんまとはまってみんなの絆をずたずたに破壊してくれたんだから!」

灯織「それがまず間違ってるんです」

モノクマ「はあ?」

灯織「私たちの【絆】は……破壊なんかされてない!」

394: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 23:06:10.09 ID:h3QY4sR50
モノクマ「なにそれ?流石に無理があるでしょ?だって樋口さんがいい例じゃん!」

モノクマ「もう樋口さんは真乃さんのこと、殺したくて殺したくて仕方なくて……そのために包丁を現場からこっそり持ち出したんじゃん!」

灯織「あなたは【絆】というものを誤解しているんです……人と人との絆は、そう切れるものじゃない」

灯織「たとえ途中で相手が裏切ろうとも、相手が息絶えようとも、引き継がれる想い……それが【絆】なんです!」

灯織「確かに真乃も自分の罪を逃れるために偽装工作をして、愛依さんに罪を擦り付けようとまでした……けど、完全に真乃が裏切ろうとしているなら消せる証拠もいくつもあった!」

真乃「……っ!」

灯織「推理の決め手になったネイルチップだってそう!本当に裏切るつもりなら、めぐるの訪問を無視して自分の部屋でシャワーを使って剝がしてからいけばよかった!」

灯織「真乃はずっと残された私たちのことを考えて、苦しんで……変わらない真乃でいてくれたんです」

灯織「真乃は私たちに生きていく希望を託してくれたんです!」

灯織「私たちの【絆】を、馬鹿にしないでください!」

めぐる「灯織……」

395: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 23:07:58.85 ID:h3QY4sR50

モノクマ「おぇっ……おぇっ……なんだこれ、気持ち悪い……」

モノクマ「そうだ、これが胸やけってやつだね!くっさいくっさい感情論で絆なんか持ち出されたことに、胸やけがしちゃってるんだ!」

モノクマ「ま、絆がどうとかどうでもいいよ。勝手に言ってろ!」

モノクマ「ボクにはお楽しみの【おしおきタイム】が残ってるんだからね!」

めぐる「おしおきって……」

小糸「処刑……?!」

モノクマ「そうそう!今からオマエラの大好きな櫻木さんを、オマエラの前で惨たらしく殺しちゃうから!」

真乃「……っ!」

摩美々「……最悪―」

凛世「お待ちください……まだ、凛世は……真乃さんと……真乃さんと……!」

モノクマ「嫌です!待ちません!」

モノクマ「デス・オールウェイズ・ウィズ・ユー……死はいつもあなたと共にあり……突然死んじゃうのも、人生の醍醐味だよね!」

396: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 23:09:24.96 ID:h3QY4sR50

真乃「もう、お別れみたいですね……っ」

咲耶「真乃……!そんな、早すぎるよ……!」

樹里「くそっ……どうにかなんねえのかよ!?」

モノクマ「いいねえ、ゾクゾクしちゃうよ!オマエラのその顔を見るためにやってるんだよね!」

智代子「真乃ちゃん!そんな……まだ、お別れなんて嫌だよ!」

甜花「真乃ちゃん!甜花、まだ真乃ちゃんと……一緒に色々したかった……!」

霧子「真乃ちゃん……だめ……!」

モノクマ「じゃ、そろそろいきますか!」

真乃「灯織ちゃん!めぐるちゃん!」

灯織「真乃!」

めぐる「うぅ……真乃……!」

397: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 23:10:41.12 ID:h3QY4sR50


真乃「ごめんね、最後まで一緒にいられなくて……アイドルの夢を追い続けられなくて」


モノクマ「一流アイドルでありながら、動物たちにも好かれている……そんな超高校級の飼育委員たる櫻木真乃さんのために、スペシャルなおしおきを用意しました!」


真乃「でも、私二人なら頑張れる……アイドルとしてもっともっと輝けるって信じてるよ……っ!」


モノクマ「それでは張り切って参りましょう!おしおきターイム!」





398: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 23:11:48.59 ID:h3QY4sR50





真乃「灯織ちゃん……めぐるちゃん……負けちゃダメだよ!むんっ!」






399: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 23:13:14.89 ID:h3QY4sR50
-------------------------------------------------



GAMEOVER

サクラギさんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。



-------------------------------------------------

400: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 23:15:47.04 ID:h3QY4sR50

イルミネーションスターズのセンターとして活躍する櫻木真乃さん。
そんな彼女には煌びやかなステージがよく似合いますね。

さあ、モノクマPの演出の元、ステージが幕を開けますよ!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【ありったけの輝きで
超高校級の飼育委員 櫻木真乃 処刑執行】

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

モノクマPの手元のマリオネット、それに連動して櫻木さんもステップステップ!
櫻木さんの素晴らしいパフォーマンスに観客たちも大熱狂!

こんなに素晴らしい櫻木さんには、こんなチンケなステージじゃあ似合いませんね。

オーディション会場、屋内ステージ、ドーム公演、野外フェス会場……
櫻木さんのパフォーマンスに合わせてどんどんステージも組み替えられていきます。

それに合わせて櫻木さんの衣装もスタイリストモノクマによってどんどん煌びやかになっていきます。
はじめはただのスパンコールだった衣装の輝きも、終わる頃には本物の宝石を散らしたドレスに!頭にもダイヤのティアラが乗ってまるでお姫様みたい!

まさにトップアイドルの輝きです!
観客たちも賛美の声を上げ、ステージのライトも一心にその身に集める櫻木さん。


401: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 23:17:44.18 ID:h3QY4sR50

でも、櫻木さんもうっかり屋さんですね。
櫻木さんの大好きなお友達の鳥さん、そのうちのカラスさんの習性を忘れちゃうなんて。

野外フェスなんだから、櫻木さんのお友達のカラスさんもやってくるに決まってるじゃないですか。

カラスさんはキラキラしたものが大好きで巣に持って帰る習性があるのです。
ステージで全身に宝石を纏う櫻木さんは格好の獲物。

カラスは櫻木さんに飛びかかり、衣装の宝石を櫻木さんの肉ごと啄み始めました。

煌びやかなドレスがカラスの黒い羽毛に埋もれてしまったかと思うと、
カラスたちは櫻木さんを

啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで
啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで
啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで
啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで
啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで啄んで





最後に1匹のカラスが、星型に加工された宝石を持って飛び去りました。

ステージ上には、無残に食い荒らされた櫻木さん【だった物】だけが、ライトに照らされていましたとさ。

めでたしめでたし。

402: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 23:20:32.06 ID:h3QY4sR50

モノクマ「ヒーハー!!やっぱりおしおきタイムはたまんないねー!!」

モノクマ「アドレナリンが、染みわたるーーーー!!!」

モノクマ「どうどう?今回はオマエラ”アイドル“にもかなりフィーチャリングしてみたんだけど?」

真乃が、死んだ。
私の目の前で、凄惨に、食い荒らされて。
ステージに並び立った彼女の姿の面影すらもう残ってはいない。
ただの死骸に、彼女は変えられてしまった。

膝の力が抜け、とめどない涙が溢れだそうとしてくる。

愛依「……マジ、ありえない……こんなの……ありえないっしょ……」

小糸「………あ……………ぁぅ」

凛世「なぜ……ここまで残酷なことをなさるのですか……?」

モノクマ「残酷?いやいや違うよ!オマエラだって歴史の授業で習ったでしょ?バビロンの時代から同害復讐は人間の原則だからね!」

モノクマ「人を殺したんなら自分も殺されてトーゼンだよね!悪いのは櫻木さんなんだから!」

樹里「お前が殺させたんだろ!」

甜花「…………ああああああ」ガクッ

甘奈「甜花ちゃん!?大丈夫?!」

403: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 23:23:13.63 ID:h3QY4sR50

モノクマ「いいねえ、いいムードだよ。オマエラの中が絶望で満たされていく、心地いいムード。こうムードがいいと、否が応にもムンムンしちゃいますな!」

モノクマ「むんっ!むんっ!……なんつって!」

樹里「どこまで馬鹿にすりゃ気が済むんだ……!」

智代子「樹里ちゃん、ダメ!手を出したら樹里ちゃんが殺されちゃう!」

灯織「樹里、落ち着いて」


……でも、涙を堪えた。
足にぐっと力込めて、歯を食いしばって、顔は上を向いて。
真乃から託されたこの遺志を、絶対に無駄にするわけにはいかないから。


灯織「モノクマ、用件が済んだならもう引っ込んで」

モノクマ「ん?今さっき大親友が処刑されたばかりの風野さんじゃん、どしたの?凹んだり吐いたりしなくて大丈夫?」

灯織「見くびらないでください!」

モノクマ「ありゃりゃ?」

灯織「真乃に預けられたこの想い……私は絶対に折れません!」

モノクマ「……雑魚キャラの覚醒イベントって普通もっと終盤じゃないの?」

灯織「……モノクマ、私は負けません。私のため……みんなのため……犠牲になった二人のためにも」

モノクマ「ふーん……ま、言うだけなら勝手だからね。それをわざわざボクも咎めたりしないよ。せいぜい分不相応な勇気を振りかざすといいさ」

灯織「はい、そうさせてもらいます」


うん、私は何があろうともモノクマと戦う。そう決めた。
それが真乃と私とをつなぐ【絆】の証明になる。


モノクマ「それじゃオマエラお疲れ様―、今日はぐっすり休んで明日からまた健全なコロシアイをよろしく頼むよー!」


モノクマはそれだけ言うと引っ込んでしまった。

404: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 23:24:39.99 ID:h3QY4sR50

智代子「なんで……こんなことになっちゃったんだろう……」

凛世「智代子さん……」

智代子「私、帰りたいよ!こんなコロシアイなんてもう嫌だよ!」

甘奈「甘奈も……もう嫌だ……みんなを疑って、誰かを犠牲にするなんて……もう、うんざりだよ……」


失意の底……なんて言葉じゃ足りないほどの状態。





_______それでも私は、無理やりその一歩を踏み出した。


灯織「……戻りましょう、皆さん」

樹里「灯織……大丈夫じゃねえだろ、無理すんなって」

灯織「無理しますよ!……じゃないと真乃が報われませんから」

めぐる「そうだよ!わたしたちは、頑張らないといけないよ!」

灯織「……めぐる?!」

405: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 23:27:46.00 ID:h3QY4sR50

めぐる「ごめんね灯織……わたし、やっぱり真乃のことは受け止めきれなくて……」

めぐる「でも、それでも前に進まないと真乃に悪いもんね!」

灯織「めぐる……」

(よかった……めぐるにも、真乃の想いは届いた)

(めぐるの心にも、前へ進もうとする希望が宿ったんだ……!)

めぐる「みんなで明日からも頑張ろう!頑張って頑張って……絶対にコロシアイなんか二度と起きないようにしようよ!」

円香「……頑張るって具体的には?」

めぐる「具体的……えへへ、わかんないや……」

樹里「……へへっ、なんだよそれ」

めぐる「でも、こうやって現実に目を背けて立ち止まるってことじゃないのはわかるよ!」

愛依「……めぐるちゃん、言ってくれんじゃん!」

霧子「……そうだね、わたしたちみんな、頑張らないと……」

灯織「うん……!みんなで頑張って、私たちの絆を証明しよう……!」

甜花「甜花、頑張りましゅ……!」

甘奈「甘奈も!頑張って頑張って頑張って……みんなで生きて帰るんだよね☆」

小糸「……は、はい!絶対……生きて帰りましょう!」

406: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 23:29:00.63 ID:h3QY4sR50


_______頑張る、前に進む、【絆】を証明する。
私たちはその言葉を途絶えさせることなく、エレベーターに乗り込み、元居た学園へと戻った。


ただの空元気だったかもしれない。
本人でさえもまだ十分に立ち直れていないのに、それでも周りを必死に励まそうとするだけの空元気。
でも、その想いはとても強くて、とてもあったかくて……
裁判と処刑を経て冷え切ってしまった血液に喝を入れるようなそんなあたたかみがあった。


大丈夫、もう二度と事件は起きないし、起こさせない。





_________私たちの絆は、固いんだから。







407: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 23:30:24.19 ID:h3QY4sR50





【CHAPTER 01絶望のレッスン】

END

残り生存者数 14人

To be continued...





408: ◆zbOQ645F4s 2021/03/02(火) 23:32:09.40 ID:h3QY4sR50


【CHAPTER01をクリアしました!】

【学級裁判クリア報酬としてモノクマメダル34枚を入手しました!】

【CHAPTER01クリア報酬としてアイテム:「絶望の羽」を手に入れました!】
〔CHAPTER01を生き抜いた証。かつて真乃が希望を預けた羽も、死期に即して黒い絶望に染め上げられた。見るたびに真乃に託された想いについて考えてしまう〕

【CHAPTER01クリア報酬としてスキル:【一番星の魔法】を習得しました!】
〔自由行動二回目終了時にモノクマメダル10枚を消費することで、その日の自由行動を一回プラスすることができる〕




421: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 22:02:16.54 ID:DKwoH+sK0





スタッフ「はいっそれじゃ収録5秒前ー!5、4、3…………」





422: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 22:03:07.29 ID:DKwoH+sK0
芸人「赤裸々スタジオー!今日もゲストをお招きして、根掘り葉掘りとことん詳しく聞いちゃいますよー!」

芸人「本日のゲストはこの方!【超高校級のアイドル】、舞園さやかさんでーす!」

舞園「よろしくお願いします!」

芸人「いやぁほんと可愛らしい……これでボクと同じ人間ってのが信じられませんわ」

舞園「ふふっ、そうですね!実は私、宇宙人なんですよ?」

芸人「やっぱり!可愛すぎると思うたわ!」

舞園「もー、冗談ですよー!」

芸人「舞園さんが超高校級のアイドルに選ばれてから結構経ちましたけど、どうです?反響とか」

舞園「ええ……周りの方はそれで改めて評価してくださる機会も増えたので、とても光栄なことだと思っています」

舞園「でも、私のやるべきことはステージの、目の前のお客さんを喜ばせること。これはずっと変わりませんから!」

芸人「はえー立派ですねぇ……流石!アイドル業界ダントツ人気なだけありますわ!」

423: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 22:03:38.16 ID:DKwoH+sK0

芸人「もう他のアイドルなんか目じゃないでしょ?」

舞園「そんなこと……同世代でも私よりももっとすごいアイドルの子なんてたくさんいますよ!」

芸人「ないない!そんなわけない!」

舞園「もー!本当ですよ!最近は他のアイドル事務所もメキメキ力をつけてるんですから!」

芸人「えー?」

舞園「【283プロ】の方々なんか、ご一緒した時に圧倒されちゃって……!みなさんすごい熱意を持ってるんです」

芸人「283……イルミネとかか、確かに最近人気よね」

舞園「彼女たちは、自分の芯にしっかりとした希望を持っているんです。だから折れないし、常に磨かれ続ける……まさにアイドルの鑑ですよ」

芸人「舞園さんがそこまで言うか……」

舞園「はい、彼女たちから……次の超高校級のアイドルが出ますよ!間違いないです!」

芸人「おっ、言い切った!」

舞園「私、未来が見えるんです」

芸人「おいおい今のアイドルは超能力も身につけてんのか!」

舞園「ふふっ、冗談ですよ」

424: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 22:04:15.42 ID:DKwoH+sK0
-------------------------------------------------

CHAPTER02

存在証明を、この悲鳴を、或いは絶望を

(非)日常編

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425: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 22:05:13.74 ID:DKwoH+sK0
【灯織の部屋】

裁判終了後は努めて明るく振舞っていたけれど、部屋に入るなり我慢していた感情が一気にあふれ出し、枯れるまで泣いた翌朝。
気が付けば夜時間の終わりを告げるチャイムが鳴る。

灯織「朝礼……いかないと」

個室の扉を開ける時ですら、どうしても真乃のことが頭をよぎる。
ここに来てからの数日間、毎朝一緒に食堂に行っていたのに……

(いやいや!センチメンタルになっていてばかりじゃダメ!)

顔を両手でパン、と叩いて無理やり元気を引き出す。
裁判場で大見栄切ったのは私。こんなところで止まってちゃダメだよね。

(……こういうとき、いつもならめぐるが勇気づけてくれるんだけどな)

今日はめぐるのモーニングコールもない。
めぐるも思うところがあるんだろうし、そっとしておこう。

426: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 22:06:04.57 ID:DKwoH+sK0
【食堂】

咲耶「やあ、灯織」

灯織「おはようございます……」

咲耶「昨日は……寝れなかったみたいだね」

灯織「……はい、真乃のためにも頑張らなくちゃいけないんですけどね」

咲耶「大丈夫、私たちがついているんだ。そう気負わなくていいよ」


出迎えてくれた咲耶さん。
いつものようにふるまってはいたものの、さすがに元気がないことが伝わってくる。


灯織「みんな辛いだろうに、こんなに早くから集まって……私も負けてられませんね」

樹里「おいおい、灯織が言ったんだろ?二人との絆をアタシたちで守り続けるって」

灯織「……うん、必ず」

灯織「……あれ?」


そこでようやく食堂の違和感に気が付いた。
いつもなら、私やめぐる、そして今は亡き真乃が着く頃には咲耶さんと霧子さん、樹里と凛世が待っているはずなのに……


灯織「……どうして?」

427: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 22:07:50.85 ID:DKwoH+sK0

小糸「お、おはようございます……」


その場所には、福丸さんの姿があった。


灯織「福丸さん……?」

小糸「あ、あの……き、今日から早めに朝礼に参加したいなって……ご、ごめんなさい!」

灯織「あ、謝らなくても!」

咲耶「しかし驚いたね……昨日までは透と円香、雛菜と四人で同時に来ていたよね?」

小糸「……ぁ……あう……すみません」

咲耶「いやいや、むしろ歓迎さ。小糸とこんなに早くから会えたなら、一日を気持ちよく走り出せそうだよ」

霧子「小糸ちゃん、来てくれて……嬉しいな……」

(昨日の事件、裁判……それを経たことで福丸さんの中で、何かが変わったのかな……?)

灯織「福丸さん、その……昨日の事件で、何か思うところが……?」

小糸「ぴぇっ……あ、その……」

灯織「あ、いえ!すみません、言葉足らずで……えっと……」

小糸「いえ…………あの、ええっと……と、透ちゃんが……し、し、死んじゃったから……」

428: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 22:09:36.39 ID:DKwoH+sK0
小糸「わたし、わたし……みんながいなくてもやっていかなくちゃって……いつまでも、わたしを守ってくれる人を頼りにしてちゃ、いけないんだって……」

小糸「わたしの力で円香ちゃんと雛菜ちゃんを守りたいから!な、なーんて……」

樹里「小糸……へへっ、知らなかったよ。小糸がそこまで強いなんてな」

小糸「ぴゃっ?!わ、わ、わたしが……つよい……?」

樹里「昨日の事件で誰よりも深い傷を負ったのは円香に雛菜に小糸だ。それなのに、アタシなんかよりよっぽど前を向いてるんだもんな」

小糸「……え、えへへ……」

樹里「……よしっ!負けてらんねえな!」

樹里「アタシみんな呼んでくる!朝礼はしっかり全員でやらねーとな!」


福丸さんの強さ、勇気に焚きつけられてか樹里は食堂からとび出していった。遠くに樹里のパワフルな叫びが聞こえる。


霧子「小糸ちゃん、ありがとう……小糸ちゃんの希望で、みんなが前を向ける……小糸ちゃんは、おひさまみたい……!」

小糸「お、おひさま……」

凛世「一人一人の希望はたとえ小さくとも……その希望が集えば、いずれ闇を掃う光明にもなることでしょう……」

(そうだ。真乃の死も、浅倉さんの死も決して無駄になんかならない。私たちが前に進むための力になるんだ)


429: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 22:11:12.92 ID:DKwoH+sK0

福丸さんの姿からそんな教訓をかみしめていると、樹里が他のみんなを引き連れて戻ってきた。


樹里「おしっ!それじゃあ朝礼始めるぞ!」

智代子「うぅ……樹里ちゃん、もうちょっと優しく起こしてよ……」

円香「……」

めぐる「灯織、おはよう」

灯織「めぐる……大丈夫?」

めぐる「……うん!大丈夫、真乃と約束したから!」

モノクマ「うんうん、みんな早起きで感心感心!」

小糸「ぴゃっ?!」

灯織「も、モノクマ……!」

摩美々「何か用ですかぁ?」

樹里「よく顔出せたもんだな、おい」

モノクマ「うぅ……女子高生とは思えない剣幕に正直ブルっちまいそうだぜ」

モノクマ「でもオレは負けないんだぜ!なぜなら届けたい情報があるからなんだぜ!」

円香「……情報?」

モノクマ「皆さんは、この合宿生活はどこかせま苦しいな、あと一フロアでも行ける範囲が広ければ開放感があるのになぁ……」

モノクマ「そんな風に感じたことはありませんか?」

愛依「いやいやどこの通販だし……」

430: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 22:14:01.00 ID:DKwoH+sK0

モノクマ「そんなかゆいところに手の届かないあなたに!新エリアを開放いたしました!」

灯織「新エリア……?」

モノクマ「これまで行けなかったところを一部ボクの裁量で開放しておきました!」

霧子「これまで行けなかったところ……学校エリアの二階、とかかな?」

甘奈「二階って廊下の突き当りの階段?!」

愛依「あっこの階段が使えるようになんの?!」

摩美々「そういえばここに来る途中、お風呂と倉庫の封鎖が解かれてるのを見た気がしますー」

霧子「お風呂……みんなで一緒に、入れるかな……?」

智代子「倉庫……新しいお菓子とか、無いかな?!」

モノクマ「百聞は一見に如かず、ぜひ一度お立ち寄りください!」

甜花「行っちゃった……」

雛菜「本当に今の情報を伝えるためだけだったみたいですねー」

甘奈「……どうしよっか」

樹里「行くしかねーだろ、そりゃ」

凛世「はい、一階にはなかった手掛かりが見つかるやもしれません……」

めぐる「うん!それじゃあまた、探索だね!」

咲耶「ああ、今日は一日探索にあてて、夕食会で情報共有を行おうか」

小糸「は……はい!」

431: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 22:15:34.33 ID:DKwoH+sK0

円香「…………」

樹里「お、おい円香!」

円香「……何?探索、行くんでしょ?」

樹里「あ、いや……夕食会も、できれば来てほしいからさ、頼む」

円香「…………」


返事をしないまま、樋口さんは食堂を後にした。


愛依「やっぱまだ割り切れない系みたいだね……」

小糸「ま、円香ちゃん……昨日の裁判以降まだわたしとも話相手にすらなってくれなくて……」

雛菜「円香先輩、ちょっと心配ですよね~」

咲耶「すぐにどうこう何かするようなことはないと思うけれど、観察はしておいた方がいいかもしれないね」

摩美々「真乃が透を殺したこと、まだ呑み込めてないみたいだよねー」

灯織「……はい、致し方ないですが」

小糸「あ、あの……わたし、円香ちゃんのところに行ってきます!……せ、せ、説得……頑張ってみます!」

樹里「お、おい小糸……!……行っちまった」

霧子「小糸ちゃん……張り切りすぎないか、心配……」

樹里「雛菜、小糸たちのこと頼めるか?」

雛菜「……まあ、雛菜がやるしかないですよねー」


市川さんは渋々といった感じで福丸さんの後を追った。



432: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 22:17:00.27 ID:DKwoH+sK0

智代子「……私たちもそろそろ行こっか!」

めぐる「うん!頑張ろう!」

咲耶「探索する場所は寄宿舎エリアの倉庫、浴場、学校エリアの二階だったね」

凛世「はい……確認しに参りましょう……」

智代子「まだ見ぬお菓子を求めて……!」

甘奈「甜花ちゃん、甘奈たちも行こ?」

甜花「今日も一日、がんばるぞい……!」

こうして私たちは、新エリアとやらの探索を開始した。

-------------------------------------------------
【探索について】
今章より探索時にモノクマメダルが回収できるようになります。
場所指定の安価と同時にコンマを判定し、末尾の数字と同じ枚数だけモノクマメダルが獲得できます。
-------------------------------------------------

めぐる「灯織、どこから行こっか?」

灯織「うん、はじめは……」

めぐる「灯織、どこから行こっか?」

灯織「うん、はじめは……」

-------------------------------------------------
1.【学校エリア2F】図書室
2.【学校エリア2F】プール
3.【寄宿舎エリア1F】倉庫
4.【寄宿舎エリア1F】大浴場

↓1

433: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/08(月) 22:18:55.69 ID:oAzTcjsM0
3

434: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 22:21:46.11 ID:DKwoH+sK0
3 選択

【寄宿舎エリア 倉庫】

寄宿舎の二階は封鎖されたままだけど、その階段の手前、倉庫は解放されていた。
さっきの食堂の話でも出たとおり、多分既にチョコが……

智代子「あっ灯織ちゃんだ!」

いた。しかも両手に何か箱を持っている。

灯織「それ……何持ってるの?」

智代子「え?!あー、えへへ……これ、私が外の世界で大好きだったチョコ菓子なんだよね」

めぐる「え?!なになに!?見せて見せて!」

智代子「えへへ……こちら、普段ならセーブしちゃうからそんなにいっぱい食べれないんだけど、ここなら夏葉ちゃんがいないから……!」

(夏葉さんが聞いたらチョコ用のジャージをすぐさま持ってきそうな話だ……)

智代子「……うう……でも、夏葉ちゃんを裏切るわけにはいかないし……うう……」

(謎の葛藤を始めてしまった)

【コンマ69】

【モノクマメダル9枚獲得しました!】

【現在のモノクマメダル…43枚】

-------------------------------------------------
1.【学校エリア2F】図書室
2.【学校エリア2F】プール
3.(選択不可)【寄宿舎エリア1F】倉庫 
4.【寄宿舎エリア1F】大浴場

↓1

435: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/08(月) 22:22:43.90 ID:6xsiukgE0
2

436: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 22:26:55.14 ID:DKwoH+sK0
2 選択

【更衣室前】

円香「……」

(……樋口さん!?)


二階階段上がってすぐの扉を開くと、仏頂面の樋口さんが待ち構えていた。


灯織「ひ、樋口さんも調査中ですか……?」

円香「……」

灯織「あの、その……」

円香「……はぁ」

円香「別に灯織が謝る必要はないから」

円香「いくら謝っても透は帰ってこない、そっちも。罪を雪いだところで真乃も帰ってこない、そうでしょ?」

灯織「それはそうですが……」

円香「真乃のことを許すことはない。けどそれだからって残った人間にもどうこうとかは無いから」


そういった樋口さんの口元には力がこもっていて。
必死に何かをかみつぶそうとしているように見えた。
自分自身の感情と向き合うのに、私以上の葛藤をしている、そんな風に思える。


めぐる「灯織、わたしたちはわたしたちのやるべきことをやろうよ」

灯織「うん、そうだね……」


樋口さんとも、以前のように話せる日がきっとまた来る。
今はそれを信じるしかない。


【コンマ90】

【末尾0は10として扱います】

【モノクマメダル10枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル…53枚】


437: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 22:27:52.00 ID:DKwoH+sK0

【更衣室の扉】


灯織「トイレと同じく……一応男女には別れてるんだね」

めぐる「もともと希望ヶ峰学園は共学だったってことだよね!」

灯織「にしても……」

(この扉の真ん前のいかついマシンガンは一体……?!)

モノクマ「はぁ……はぁ……」

めぐる「出た!モノクマ!」

モノクマ「はぁ……はぁ……ぶっぱなしてえ……マシンガンを、ぶっぱなしてえよぉ……」

めぐる「わわ!ダメだよ!ぜったい!」

モノクマ「はぁ……はぁ……このマシンガンは、神罰のガトリング……」

モノクマ「性別を無視して更衣室に入る不埒な輩のみを裁くんだ……だから抑えろ、抑えるんだパトス……」

灯織「消えた……」

めぐる「ぽかーんだね」

灯織「要は更衣室の性別は守れ……ってことだよね」

めぐる「心配しなくても男子の方には入らないよー!」

灯織「電子生徒手帳を使って入室するみたいだね。行ってみようか」

めぐる「うん!」


438: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 22:31:23.79 ID:DKwoH+sK0

【女子更衣室】

プールの前の部屋……ここで更衣をしろってことなのかな?
更衣目的に加えてトレーニングルームとしての利用もできそうな部屋。
ダンベルとか腹筋マシーンとか……夏葉さんがいれば喜んだのかな。

めぐる「灯織みて!ポスターが貼ってあるよ?」

灯織「ポスター……?」


めぐるが指さした先には男性アイドルのポスターが。
トレーニング中に眺めろとでも言いたいんだろうか。


灯織「見たことあるアイドルグループだね……たしか元先生のユニットアイドルじゃなかったっけ?」

めぐる「灯織、詳しいんだね」

灯織「い、いや別に!お仕事でいつかご一緒する機会もあるかと思って、下調べをしていただけで!」

めぐる「ふふふ、さすがだね!準備はいつでも万全ってところかな?」

灯織「もう……めぐる、からかわないで」


439: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 22:33:54.74 ID:DKwoH+sK0

【プール】

めぐる「すっごーい!プールめちゃくちゃ広―い!」


めぐるの興奮も納得の規模のプール。
25mのコースはもちろんのこと、横幅も広くとられていて、それこそ記録会の一つや二つぐらいいつでも開けそう。


めぐる「灯織!プールだよ!プール!」

灯織「め、めぐる……わかったからそんなにはしゃがないで……」

めぐる「いい?灯織、水泳は全身を使う運動なんだよ!」

めぐる「そして運動をすると気持ちを前向きにする物質が作られる……つまり、水泳をすれば全身ポジティブになるんだよ!」


目をらんらんと輝かせてる……
エネルギッシュなめぐるだもん、少しでも発散先が増えるなら喜ばしいことなんだろう。


めぐる「今度灯織も一緒に泳ごうよ!」

灯織「……うん、せっかくだし一緒に泳ごうか」

めぐる「やったー!どうしようかな、10000mメドレーとか、どうかな……?」

(……やっぱり、やめようかな)

-------------------------------------------------

(さて、次はどこを調べよう)

1.【学校エリア2F】図書室
2.(選択不可)【学校エリア2F】プール
3.(選択不可)【寄宿舎エリア1F】倉庫 
4.【寄宿舎エリア1F】大浴場

↓1


440: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/08(月) 22:35:38.33 ID:oAzTcjsM0
1

442: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 22:38:06.42 ID:DKwoH+sK0
【図書室】

凛世「…………!!」

凛世「樹里さん……!!こちら、こちらの一冊は……!!」

樹里「お、おう……すげーのか、それ?」

凛世「すげーでございます……いえ、すげーで済まぬほど……国立図書館で禁帯出になっていたはずの一冊……!」

凛世「蔵書のラインナップが、超すげーのでございます……!」


図書室に入るなり目に入ったのは、本棚を嘗め回すように確かめては目をらんらんと輝かせる凛世の姿。
一緒に調査をしているだろう樹里の袖を引いてあちらこちらへと動き回っている。

-------------------------------------------------
【本棚】


私の背丈の倍近くありそうな本棚。
端から端までギチギチに詰まった本の数々が目を引く。
……全部読むってなったら何年かかるんだろう。


灯織「素人目に見ても本の数はすごいかも……」

めぐる「うわぁ……文庫本から図鑑まで、すごいいっぱいあるよ!」

樹里「……漫画とかはないみたいだな」

めぐる「みたいだねー、学校の図書館だしね!」

灯織「学校の図書館なら、戦時中に裸足で奮闘した少年の漫画とかあってもおかしくないけど……そういうのもなさそう」

樹里「っておい!凛世気をつけろ!梯子を使うなら先に言えって!アタシが支えるから!」

凛世「ああ……!これは、『磯の香りの消えぬ間に』……!凛世にとっても、思い出の一冊でございます……!」

樹里「へー、面白いのか?それ」

凛世「恋愛文学に革命を引き起こしたともされる一冊でございます……樹里さん、ぜひ一度ご覧になってみては……?」

樹里「凛世がそこまで言うなら……読んでみるか」

-------------------------------------------------

【コンマ33】

【モノクマメダルを3枚獲得しました!】

【現在のモノクマメダル…56枚】

443: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 22:40:41.61 ID:DKwoH+sK0

【ノートパソコン】


めぐる「あれ?受付コーナーに置いてあるこれって、パソコンだよね?」

灯織「……パソコン?!パソコンなら何か使える情報とかあるかも!?」


インターネットを使えば外部の情報も手に入るかも!
そう思いかじりつくようにパソコンの前に座ったけど……


灯織「……ダメだ」

めぐる「電源はつくけど、壊れてるみたいだね……」

樹里「あ、アタシが壊したんじゃねーからな?!」

灯織「ふふっ、樹里焦りすぎ」

めぐる「大丈夫だよ!」

樹里「お、おう……下手に触って壊すのが、怖くてオチオチ触れねーからな……」

凛世「樹里さんに代わって凛世が調べましたが、きーぼーども反応している様子すらございませんでした……」

(まあそりゃそう簡単に情報を渡したりしないよね……)

-------------------------------------------------

【書庫】

灯織「けほっ!けほっ!狭いうえに埃っぽい……!」

めぐる「この部屋も本がいっぱいだけど、図書室の本棚と何か違うのかな……?」

灯織「あんまり長居はしたくないね……一冊だけ手に取って様子見たら出よう……!」

そう言ってすぐそこにあった一冊を手に取った。

灯織「ええっと……?……『世界の殺人鬼図鑑』」

めぐる「これ、モノクマの趣味なのかな……?」

(……最悪の気分)
-------------------------------------------------

(よし、あとはあそこだけだね……)

【選択肢が最後の一つとなったので、残った探索先の大浴場へ向かいます】

【コンマ判定でモノクマメダル獲得枚数の判定を行います】

↓1

444: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/08(月) 22:44:29.09 ID:6xsiukgE0
ぴゃ

445: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 22:46:31.81 ID:DKwoH+sK0
【大浴場】


寄宿舎エリア、食堂と向かい合う形で設けられているエリアが開放されていた。
これまでは自分の個室でシャワーだけだったけど、ここでなら足を広げて入浴できるのかな?


摩美々「灯織とめぐるじゃーん、早速お風呂―?」

灯織「い、いえ……とりあえずは調査を……」

霧子「お風呂はすごく広くて、気持ちよさそうだったよ……」

めぐる「わー!せっかくだしみんなで一緒に入ったりしたいね!」

咲耶「浴場奥にはサウナもあった……汗を流すこともできるようだよ」

灯織「無駄に充実した設備ですね……」

摩美々「ま、お風呂もいい発見なんだけどさー」

摩美々「この部屋だけの特徴、あるみたいだよねー」

(この部屋だけの特徴……?)

めぐる「あっ!この脱衣所、カメラがないよ!」

灯織「えっ……ほんとだ!監視カメラがない!」

咲耶「どこまで信用していいものかはわからないけど、黒幕の目が他の場所よりは届きにくいつくりになっているようだ」

霧子「なにか、使えるかもしれないね……!」

(監視カメラのない部屋、か……何か隠すときに使えるかもしれない……!)

-------------------------------------------------

【コンマ09】

【モノクマメダル9枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル…65枚】


(さて、調査はこんなものかな)

446: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 22:48:08.29 ID:DKwoH+sK0

【食堂】

咲耶「さて、いつもの報告会だね。どうだろう、大きな発見はあったかな?」

甘奈「脱出の決め手になるようなものはなかったね……」

甜花「あぅ……二階も、窓は全部鉄板がついてた……」

摩美々「まぁそんな簡単な話なわけないよねー」

凛世「図書室には数え切れぬほどの蔵書がございました……」

樹里「凛世いわく掘り出し物もたくさんあったってよ」

小糸「そ、そういえば……ノートパソコンも置いてありましたよね!」

凛世「はい、ですが……壊れて使い物にならず……」

摩美々「樹里、今時のパソコンは精密だから叩くとかえってよくなかったりするんだよー」

樹里「ちげーよ!アタシが壊したんじゃなくて元から壊れてたんだよ!」

めぐる「二階にはプールがあったから、運動できるよ!今度みんなで一緒に泳ごうよ!」

愛依「おっ!いいじゃんいいじゃん!泳ごう泳ごう!」

霧子「愛依ちゃん……その、脱臼がまだ完治してないから……」

愛依「あー……ごめんね!マッハで治すから!」

447: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 22:49:21.89 ID:DKwoH+sK0

智代子「倉庫にはお菓子以外にも生活用品・日用品があったから……学校生活の助けになりそうだったね!」

霧子「うん……!救急グッズとか、お薬もいくつか数があったよ……」

咲耶「有事の際には霧子を頼るといいよ」

樹里「倉庫といえばよ、なんか箱が二、三個持ち出されたみたいな痕があったんだけど、誰か知らねーか?」

智代子「え?あー……モノクマもうっかりだなー、ハハ……」

(あの後結局お菓子を持ち去ったのか……)

摩美々「新しく解放された大浴場、使い勝手は良さそうだから一度行ってみたらいいと思いますよー」

甘奈「やった☆こっち来てからシャワーだけだったから、お風呂に入りたかったんだよねー!」

甜花「にへへ……お風呂、楽しみ……」

めぐる「奥にはサウナもあったんだよね!」

咲耶「フフ、サウナでみんなでデトックスというのも乙なものじゃないかな?」

摩美々「ふふー、それもいいですねー」

灯織「摩美々さん、脱衣所の……」

摩美々「灯織―?」

灯織「……あっ」

(大浴場、その前の脱衣所には監視カメラが無かったこと……は監視カメラのある食堂で共有はできないよね)


448: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 22:50:41.48 ID:DKwoH+sK0

咲耶「残念ながら、脱出の糸口は見つからなかった……」

摩美々「ま、元から期待してなかったけどねー」

咲耶「しかし、気を落とすことはない。私たちの間には絆があるから、ね」

灯織「……!そうですね、諦めなければ必ず道は開けるはずです!」

めぐる「うんうん!落ち込んでる暇はないよー!」

小糸「……は、はい!明日からも……が、が、頑張りましょう!」

愛依「……おっし、そんじゃもうちょいで夜時間だし……早速、お風呂とかどうよ!」

咲耶「フフ、大浴場で決起集会……といったところかな?」

摩美々「えー、準備とかしてないんですけどー」

愛依「まあまあ!ゼンは急げっていうじゃん!」

摩美々「それ、使い方あってるー?」

449: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 22:51:38.02 ID:DKwoH+sK0

円香「……」

愛依「……ほーら、円香ちゃんも!」

円香「……私も?」

愛依「いいじゃんいいじゃん!せっかくだしさ!」

雛菜「円香先輩、どうする~?」

円香「……はぁ、わかった。行く。行くからその手離して」

愛依「あっ、ごめん!重かった?!」

円香「重かった、いろんな意味で」

愛依「……どゆこと?」

円香「……はぁ」

智代子「そうだ、凛世ちゃん!お風呂上りに着物を着るわけにもいかないから、倉庫にあったジャージを着るといいよ!」

凛世「智代子さん……ご忠告、痛み入ります……」

めぐる「よーし、それじゃあ後でみんな大浴場に集合だね!」

(みんなでお風呂、か……こんな状況下ではあるけど、合宿生活らしい催しで気分が高揚しちゃうな)


450: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 22:53:15.36 ID:DKwoH+sK0

【大浴場】

愛依「うーわ咲耶ちゃんマジでスタイルお化けだわー……」

咲耶「ふふっ……そうマジマジと見られると流石に照れてしまうね」

摩美々「そういう愛依もスタイルえげつないですけどねー」

霧子「摩美々ちゃんも、素敵だよ……!」

摩美々「霧子も肌白いしスレンダーですごいよね、スキンケア何使ってるのー?」

小糸「……ぁ……ぁぁ……」

円香「……小糸には小糸の魅力があるから」

雛菜「小糸ちゃ~ん、ここの浴槽深いよ~?一緒に泳ご~?」

小糸「だ、ダメだよ雛菜ちゃん!」

灯織「やっぱりみんなスタイルに気を使ってるんだろうな……私ももっと食生活を見直すべきかもしれない」

灯織「ここに来てから炭水化物の摂取量が多いような気はしていたし、明日からはお茶碗に盛る量も……」

めぐる「灯織―!何考え込んでるの?せっかくのお風呂なんだしリラーックスリラーックス!」

灯織「め、めぐる……めぐるは普段何を食べてるの……?」

めぐる「へ?何って……普通だけど?」

樹里「かぁ~……やっぱり湯船は格別だよな~……」

智代子「ふふふ、樹里ちゃんお父さんみたいになってるよ!」

樹里「しょうがねえだろ……あー、最高……」

凛世「はい……極楽、です……♪」

甘奈「痒いところはございますかー?」

甜花「大丈夫、です……!」

甘奈「はーい☆次はお背中流しますねー?」

甜花「にへへ……あ……くすぐったい……なーちゃん……!ふふ……!」

甘奈「ほれほれー!」

甜花「もう……次は甜花の番……なーちゃんを、天国に連れて行ってあげるからね……!」

451: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 22:55:19.65 ID:DKwoH+sK0

【灯織の部屋】

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより、“夜時間”になります。間もなく、食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま~す』

モノクマ『ではでは、いい夢を。おやすみなさい…』

みんなで入ったお風呂は最高に気持ちよくて、最高に楽しいひと時だった。
この学園に来てから、ここまでの満足感、幸福感を味わえたのは初めて。
冷え切った心が、だんだんと溶かされていくような、体の芯からあったまる感覚。

そう、私たちは仲間なんだ。
同じ夢を追いかけた仲間たち。信頼しあえる仲間たち。コロシアイなんかに屈しない仲間たち。
この絆がある限り、私たちは大丈夫。

(……よし、明日からも頑張ろう!)

ベッドに横になる。
体がまるでベッドにとろけていくような心地よさ。

この日私は、この学校に来て以来一番の熟睡をした。



452: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 22:57:29.61 ID:DKwoH+sK0
___

_____

_______

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』

これまでで一番すっきりとした目覚め。もちろん問題は山積みだけど、私たちの中に感じる確かな絆が前向きな気持ちにさせてくれる。

(よし、まずは朝礼!)

私は颯爽として個室を後にした。

-------------------------------------------------

【食堂】

小糸「お、おはようございます!」

灯織「福丸さん!おはようございます!」


今日も福丸さんは私より先に食堂についていた。
ずっと内向的な側面ばかり見て来た福丸さんが、こうやって自分から変わろうと努力しているさまは見ていて私も力がもらえる……


小糸「円香ちゃんと雛菜ちゃんにも一緒に来てほしいんですけど……ふ、二人とも起きる時間がばらばらだから……」

咲耶「フフ、それでも結局二人しっかり参加はしてくれるから気に病むことはないよ」

めぐる「うんうん!みんな八時までに来てくれるからね!」

小糸「え、えへへ……」


このコロシアイ合宿生活のおかげで親しくなったって言うのは語弊があるけど、結束は深まったんじゃないかな。


今日の朝礼も何事もなく終わり……自分の部屋に戻った。

453: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 22:59:03.13 ID:DKwoH+sK0

【灯織の部屋】

(まだ時間はあるな……せっかくだし他の誰かと過ごそうかな?)

【自由時間開始】

灯織「さて、どうしようかな……」

-------------------------------------------------
1.購買でモノモノマシーンに挑戦する(現在モノクマメダル65枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1

454: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/08(月) 23:00:20.00 ID:6xsiukgE0
1

455: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 23:07:54.11 ID:DKwoH+sK0

【購買】

(よし、モノクマメダルもだいぶ溜まったし、ここでアイテムを集めておくのはありだよね)

(なにか実用的なものが手に入ればいいけど……)

-------------------------------------------------
ここでアナウンスです。
探索でのコンマ数値が思った以上にはねたので枚数が過多気味になってしまいました。

そこで購買での選択肢に次回更新時より【自動販売機】を追加しようと思います。
モノクマメダルを数十枚単位で消費することにより、強力な効果を持ったアイテムを入手できるように調整します。
プレゼントとは別枠ではたらく、スキル的なものとお考え下さい。

-------------------------------------------------

(さて、どれぐらい回そうかな?)

【モノクマメダルを何枚消費するか安価で指定してください】

【消費した枚数分だけコンマ判定を行い、番号に応じたアイテムが獲得できます】

↓1

456: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/08(月) 23:11:45.19 ID:oAzTcjsM0
15

457: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 23:13:34.49 ID:DKwoH+sK0

【モノクマメダルを15枚消費します】

【現在のモノクマメダル…50枚】

【直下より15回のコンマ判定を行います】

【消費した枚数分だけコンマ判定を行い、番号に応じたアイテムが獲得できます】

↓1~15 ※連投OKです

473: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 23:34:45.86 ID:DKwoH+sK0
【これくらいのお弁当】
【永遠のミサンガ】
【色恋沙汰リング】
【スカラベのブローチ】
【新品のサラシ】
【斬鉄剣】
【アンティークドール】
【アンティークドール】
【ミレニアム懸賞問題】
【携帯ゲーム機】
【プロジェクトゾンビ】
【超技林】
【水笛】
【無銘の巾着】
【ジャスティスV変身ベルト】
を獲得しました!

-------------------------------------------------

93.無銘の巾着
〔だれが作ったのかも不明の巾着。ほとんど値段もつかぬほどの商品だが、よく似た特徴の品がオークションに出た際にはすさまじい金額の金が飛び交ったとの噂がある〕

-------------------------------------------------

94.ジャスティスV変身ベルト
〔戦隊ヒーロージャスティスファイブの人気グッズ。刺したカードリッジによって返信の時の効果音とボイスが変わる(カートリッジは別売り)。〕

-------------------------------------------------

灯織「わわっ、すごいいっぱい出てきちゃった……」

灯織「なんだか見覚えのある品もあるし……これならプレゼントにも使えるかも?」

-------------------------------------------------

【灯織の部屋】

(まだ今日は時間があるな……)

灯織「さて、どうしようかな……」

-------------------------------------------------
1.購買でモノモノマシーンに挑戦する(現在モノクマメダル50枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1

474: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/08(月) 23:35:10.19 ID:oAzTcjsM0
2 小糸

475: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 23:37:07.73 ID:DKwoH+sK0

2 小糸選択

476: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 23:41:45.22 ID:DKwoH+sK0
途中送信すみません……

2 小糸選択

【図書室】

灯織「あ、福丸さん……こんにちは」

小糸「え、あ……こ、こんにちは!」

(福丸さん……挨拶の返しはいつも通りたどたどしいけど、前とは違って目を見て返してくれるようになった)

(前回の事件を経て福丸さんの中には確かな変化があったんだ)

小糸「あ、あの……その、もしよかったら、一緒に……なにか」

灯織「……!はい、ぜひ!」

小糸「……!!わぁ、よかった!そ、それじゃあこっちでき、気になった本があるんですけど……!」


福丸さんと同じ本を読んで過ごした……

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?

現在
【これくらいのお弁当】
【永遠のミサンガ】
【色恋沙汰リング】
【スカラベのブローチ】
【新品のサラシ】
【斬鉄剣】
【アンティークドール】
【アンティークドール】
【ミレニアム懸賞問題】
【携帯ゲーム機】
【プロジェクトゾンビ】
【超技林】
【水笛】
【無銘の巾着】
【ジャスティスV変身ベルト】
を所持しています。

1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない

↓1

477: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/08(月) 23:48:40.69 ID:6xsiukgE0
1【ミレニアム懸賞問題】

480: ◆zbOQ645F4s 2021/03/08(月) 23:58:10.38 ID:DKwoH+sK0

【ミレニアム懸賞問題】を渡した……

小糸「これは……?」

灯織「いまだ世界中の誰も解いたことのない難問、みたいです。解いたら多額の報酬がもらえるみたいですよ!」

小糸「へ、へぇ……そうなんだ……」

灯織「どうでしょう、福丸さんは聡明ですし、もしかして……」

小糸「い、いやいや!わ、わたし、さすがにこんな問題に手が届くほどじゃないから……えっと、その……ごめんなさい!」

灯織「さ、流石にそうですよね……」

小糸「……」

灯織「福丸さん?そ、そんなに眺めてどうしたんですか?」

小糸「や、やっぱり無理そうです……」

(解こうとはしたんだ……)

-------------------------------------------------

小糸「ご、ごめんなさい!」

灯織「え、ええっ?!と、突然どうしたんですか?!」

小糸「あ、あの……円香ちゃんに、みんなと一緒に仲良くしてもらえるよう頼んでるんですけど……なかなかうまくいかなくて……」

(ああ、そういえば福丸さんは事件の翌日からずっと樋口さんにつきっきりで私たちとの仲を取り持ってくれようとしているんだった)

灯織「い、いえ……仕方ないですよ、私たちは恨まれて当然だとも思いますから」

小糸「ち、違うんです!円香ちゃんは皆さんを恨んだりなんか……えっと、その……」

小糸「今はまだ、気持ちの整理に時間がかかるってだけで……恨みとか、そういうのじゃ……」

灯織「福丸さん……」

小糸「だから、か、か、風野さんたちも……円香ちゃんを、悪く思わないで挙げて下さい……!」

灯織「そ、それはもちろんです!はい!」

灯織「私たちはみんな仲間なんですから……樋口さんだけ邪険にするなんて無いですよ、大丈夫です」

小糸「え、えへへ……!」

小糸「わたし、頑張りますね!絶対円香ちゃんが皆さんとしっかりお話できるようにしてみせますから!」


1.福丸さん、ありがとうございます
2.今度私も一緒について行ってもいいですか?
3.自由安価

↓1

481: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/09(火) 00:05:56.97 ID:yrd3PexC0
1

483: 時間的に次の自由行動を選択したら終了します ◆zbOQ645F4s 2021/03/09(火) 00:11:34.34 ID:jRx96E3t0
>>479
【昭和ラジオ】が完全に抜け落ちてましたね……すみません
もしも小糸に今回で渡したい方がいらっしゃったなら申し訳ないです、次回以降でお願いします!

-------------------------------------------------

1 選択

灯織「福丸さん、ありがとうございます」

小糸「ぴぇっ?!」

灯織「私たちからは何もできないですから……福丸さんのおかげですごく助かってるんです」

灯織「霧子さんも言ってましたが、福丸さんのおかげで私たちはみんな勇気づけられてるところもあるんですよ」

小糸「そ、そんな……えへ、えへへ……」

灯織「今度私たちからなにかお礼でもさせてもらえたらと……」

小糸「お、お礼……?!」

灯織「はい、何がいいでしょうか……福丸さんの好きな料理があればぜひ……」

小糸「そ、そんな大丈夫ですって!」

灯織「いや、料理を私がふるまったところで福丸さんの舌に合うかどうか……」

小糸「え、え……?」

灯織「何か形として残るものを渡した方がいいのかな?」

小糸「か、風野さん……?」

灯織「それなら金額としてはどれくらいがいいのかな、あんまり高額なものを渡して気を使わせてはいけないし……」

小糸「ぴゃっ……」

【親愛度が上昇しました!】

【福丸小糸の現在の信愛度…2.5】



485: ◆zbOQ645F4s 2021/03/09(火) 00:19:58.84 ID:jRx96E3t0
 

-------------------------------------------------
【灯織の部屋】

(さて、もう少しぐらいは行動する時間があるかな?)

-------------------------------------------------
1.購買でモノモノマシーンに挑戦する(現在モノクマメダル50枚)
 ※次回更新時には【自動販売機】も追加予定
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1

486: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/09(火) 00:22:52.14 ID:1IJrTbT20
2.樹里

497: ◆zbOQ645F4s 2021/03/13(土) 21:01:25.55 ID:czw+ipLf0
完全に自己管理の怠慢さからの発熱でしたが、温かい言葉ありがとうございました
以後気を付けます…

-------------------------------------------------
2 樹里選択

【女子更衣室】

灯織「樹里、トレーニング中?」

樹里「おー、灯織。まあな、こうも室内にいると体がなまっちまうからな」

樹里「出た時に夏葉に小言言われたらたまんねーしな」

灯織「樹里なら心配ないんじゃない?」

樹里「まあどこぞのチョコアイドルよりは心配はないけどな」

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?

現在
【これくらいのお弁当】
【永遠のミサンガ】
【色恋沙汰リング】
【スカラベのブローチ】
【新品のサラシ】
【斬鉄剣】
【昭和ラジオ】
【アンティークドール】
【アンティークドール】
【携帯ゲーム機】
【プロジェクトゾンビ】
【超技林】
【水笛】
【無銘の巾着】
【ジャスティスV変身ベルト】
を所持しています。

1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない

↓1

498: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/13(土) 21:03:26.11 ID:mO1gBNi00
1 【これくらいのお弁当】

499: ◆zbOQ645F4s 2021/03/13(土) 21:11:49.58 ID:czw+ipLf0

【これくらいのお弁当】を渡した……

灯織「樹里、これ購買のガチャガチャから手に入れたんだけど……」

樹里「ん?なんだ?……弁当、か?」

灯織「ほ、ほら、樹里って料理とか割とやるイメージだから何かに使えたりしないかなって……」

樹里「んー?……へー、結構これ凝ってんだな」

灯織「え?」

樹里「肉類を一切使わずにこのボリューム、案外気使って作られてるみたいだぜ?」

灯織「ほんとだ……すごい」

樹里「ありがとな、灯織。ちょっと参考にしてみる、明日からの朝ご飯期待してくれていいからよ!」

灯織「え、そ、そんなつもりじゃ……」

樹里「ははは、いいんだよ。アタシが勝手に閃いただけだからな。ナイスチョイスだぜ、灯織!」

【PERFECT COMMUNICATION】

【親愛度がいつもより多めに上昇します】

-------------------------------------------------

樹里「灯織、大丈夫か?」

灯織「え……?」

樹里「いや、その……みんなの前ではああは言っても、やっぱり気になってんじゃねーかなって」

(樹里……こそばゆそうにしながらも私のことを気遣ってくれてる)

(樹里が言ってるのは多分、真乃の事……)

灯織「うん、大丈夫。心配してくれてありがとう」

樹里「……ほんとか?ほんとだよな?」

灯織「もう、樹里……心配しすぎだよ」

樹里「嘘ついてたら許さないからな!」

灯織「え、えぇ……」

樹里「あのな、アタシたちは今生き残りをかけた敵同士なんかじゃねー」

樹里「"生き残る"って共通の目的を持った仲間だ。その中で嘘とか隠し事とかは絶対ダメだからな」

灯織「樹里……」

1.樹里も辛いときは隠したりなんかしちゃだめだよ
2.樹里は心配性だね
3.自由安価

↓1

500: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/13(土) 21:17:32.17 ID:gYTSXSS40
1

501: ◆zbOQ645F4s 2021/03/13(土) 21:31:52.54 ID:czw+ipLf0

1 選択

灯織「だから、樹里も辛いときは隠したりなんかしちゃだめだよ」

樹里「……へへ、なんか前も似たようなことあったよな」

灯織「あれ、そうだった、かな」

樹里「あんときは事件が起きる前。……灯織、その時と同じこと言ってるぜ」

灯織「ええっ?!ご、ごめん!!」

樹里「だから謝んなって。アタシは灯織の事信頼してるんだからさ。遠慮なく頼らせてもらうぜ」

灯織「う、うん!どんとこい!」

樹里「ははっ、なんだよそれ」

灯織「うぅ……」

樹里「……あのさ、アタシには何かできなかったことはないのか、真乃と透をどうにか止める方法はなかったのか」

樹里「そんぐらいにはアタシも悩んでんだ」

灯織「樹里……」

樹里「……嘆いても仕方ないってのによ」

灯織「……ううん、そんなことない」

樹里「灯織……?」

灯織「樹里が後悔してるってことは、ずっと二人のことを想い続けてるってことだから……」

灯織「えっと、言葉にするのは難しいんだけど、すぐに諦めたり気持ちを切り替えたりすることが必ずしもいいってわけではなくて……」

灯織「思い悩む時間こそが大きな意味を持つときもありやなしや……」

樹里「……ああ、そうだよな」

灯織「頼って、って言ったのに口下手でごめん……」

樹里「だー!だから謝んなくていいって、アタシが勝手に相談したんだから!」

樹里「それに、灯織もアタシと同じこと考えてんだってわかっただけでうれしいよ」

灯織「樹里……」

樹里「また、相談に乗ってくれよな。今日はありがとう、じゃあな!」

(私でも相談に乗ることができた、のかな……)

【親愛度が上昇しました!】

【西城樹里の現在の親愛度…3.0】

-------------------------------------------------

【スキル:一番星の魔法を発動できます】

【モノクマメダルを10枚消費することにより、本日の自由行動をもう一度だけ追加することができます】

【現在のモノクマメダル 50枚】

【スキル:一番星の魔法】を使用しますか?
↓1

502: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/13(土) 21:34:19.86 ID:mO1gBNi00
使う

503: ◆zbOQ645F4s 2021/03/13(土) 21:37:08.75 ID:czw+ipLf0

【スキル:一番星の魔法を使用しました】

【現在のモノクマメダル…40枚】

-------------------------------------------------
【灯織の部屋】

(樹里からも今回は少し本音を聞けたし、私も成長してるのかな)

(……うん、絶対にみんなで生きて帰るんだもの)

(私も強くならないと……!)

(さて、もう少しぐらいは行動する時間があるかな?)

-------------------------------------------------
1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル40枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1

504: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/13(土) 21:52:59.35 ID:gYTSXSS40
2.摩美々

506: ◆zbOQ645F4s 2021/03/13(土) 21:57:30.01 ID:czw+ipLf0

2 摩美々選択

【図書室】

灯織「摩美々さん……?」

摩美々「灯織じゃーん、読書ー?」

(摩美々さんが図書室にいるとは……)

(根はまじめな方だし、案外そういう趣向があるのかな……)

灯織「ええ、何か外の世界の手掛かりになるものでもあればと思い……」

摩美々「それじゃここ座りなよー、今面白い本見付けたんだよねー」

灯織「え、ええ……それじゃあご一緒させていただきます……」

摩美々「……座らないのー?」

灯織「な、なにか仕掛けてませんよね……?」

摩美々「ヒドー、何もしてませんよ?」

(摩美々さんにブーブークッションでからかわれて過ごした……)

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?

現在
【永遠のミサンガ】
【色恋沙汰リング】
【スカラベのブローチ】
【新品のサラシ】
【斬鉄剣】
【昭和ラジオ】
【アンティークドール】
【アンティークドール】
【ミレニアム懸賞問題】
【携帯ゲーム機】
【プロジェクトゾンビ】
【超技林】
【水笛】
【無銘の巾着】
【ジャスティスV変身ベルト】
を所持しています。

1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない

↓1

507: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/13(土) 21:58:21.76 ID:mO1gBNi00
1【プロジェクトゾンビ】

508: ◆zbOQ645F4s 2021/03/13(土) 22:14:37.29 ID:czw+ipLf0

【プロジェクトゾンビ】を渡した……

灯織「摩美々さん、こういうのお好きじゃないですか?」

摩美々「んー?……ひぃっ?!」

灯織「摩美々さん方アンティーカのゴシックな感じと似たりしていませんか?」

摩美々「いや、灯織……悪気はないんだろうケド、ちょっとこれはロックが過ぎるんじゃない……?」

灯織「え、ええっ?!あ、その!すみません!」

摩美々「……別に大丈夫だよ、パッケージもよく見たらイカしてるじゃーん」

(驚かせてしまったかな……?)

-------------------------------------------------

(摩美々さん……前回の事件で真相にたどり着く最後の証拠)

(『ネイルチップ』のもともとの持ち主……)

(真乃のことについて、一度話をしておきたかった)

灯織「摩美々さん……」

摩美々「あれー?……今日はいつになく真面目な顔だね」

灯織「ええ……その……」

摩美々「真乃のコト、だよね?」

灯織「お気づきでしたか……」

摩美々「そりゃね、灯織に真乃を指名させようとしたわけだし」

(そう、前回の裁判で摩美々さんは真相にただひとり最初っから気づいていた)

(そのうえで私自身に、私の手で謎を解かせるという選択をした)

灯織「……どうして、だったんですか?」

摩美々「んー?」

灯織「……どうして摩美々さんははじめっから真実を語らなかったんですか?」

摩美々「灯織が解かなきゃあの事件は意味がなかったでしょ?」

灯織「……」

1.私を試したってことですか?
2.真乃の気持ちに摩美々さんは気づいていたんですか?
3.自由

↓1

509: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/13(土) 22:21:30.47 ID:gYTSXSS40
2

510: ◆zbOQ645F4s 2021/03/13(土) 22:32:15.95 ID:czw+ipLf0

2 選択

灯織「真乃の気持ちに摩美々さんは気づいていたんですか?」

摩美々「さあ、どうでしょうかねー」

灯織「さあって……」

摩美々「私にわかってたのは事件の顛末だけ……でも、この謎を解くべきなのは"田中摩美々"じゃないってことはわかったんだよねー」

灯織「……そういう、ものなのでしょうか」

摩美々「私たちは誰もまだ、この合宿生活に適応できてない、わかってない未知の段階だからちゃんとステップは踏まないとー」

灯織「……よく、わかりません」

摩美々「事件の謎にはそれぞれ意味があって、それに気づくべき人がいるんだよ」

摩美々「そうじゃなきゃ、真乃も灯織もめぐるも、みーんな本音は隠したまま、だったんじゃない?」

灯織「そういう、ものでしょうか……」

摩美々「消化不良だっただろうし、それこそ円香に真乃は刺されてたかもねー」

灯織「……!」

摩美々「小糸があの時動けたのも真乃の想いを引き継いだからだって、摩美々は解釈してるんですケド」

灯織「福丸さんは、確かに事件の前後で大きく変わりました……」

摩美々「それが全てなんじゃないですかー?」

灯織「摩美々さんは、お強いんですね」

摩美々「別にー?やるしかないから、やってるっていうかー?」

灯織「それができるだけ、強い心を持っていらっしゃると思います」

摩美々「……ふぁぁぁぁ。眠くなっちゃいました、じゃあねー」

灯織「えっ?!ま、摩美々さん?!急にどうして?!」

(行ってしまった……)

(摩美々さん……相変わらず真意の読みづらい人だ)

【親愛度が上昇しました!】

【田中摩美々の現在の親愛度…1.5】

511: ◆zbOQ645F4s 2021/03/13(土) 22:34:45.72 ID:czw+ipLf0

【灯織の部屋】

(昨日は広々とした浴槽に疲れたおかげで熟睡できたし……)

(今日もまだ時間があるから、お風呂に行こうかな)

(せ、せっかくだしめぐるも誘って……)


-------------------------------------------------
【めぐるの個室前】


インターホンを鳴らすとものの数秒で扉が開いた。


めぐる「はいはーい!何か用ですかー?……あれ、灯織?どうしたの?」

灯織「めぐる、せ、せっかくだから……お風呂一緒にどうかな?」

めぐる「わあ!うんうん!いいよ、一緒に入ろう!ちょっと待ってて……準備してくるから!」


案の定めぐるは快諾。そのまま風呂支度をしに部屋の奥へと走っていった。
……怪我しなきゃいいけど。


甘奈「あれ?灯織ちゃん……どうしたの?」


めぐるを待っているとそこに大崎姉妹がやってきた。
甘奈と甜花さんの手にはちょうど入浴具が万全の状態で抱えられている。


灯織「あ、今めぐると一緒にお風呂に入ろうかって話をしてて……せっかくだし、甘奈と甜花さんも一緒に……ど、どうかな?」

甘奈「もちろんオッケーだよ☆」

甜花「うん、風野さん……一緒に、入ろう……!」

めぐる「灯織お待たせー!……あれ?甘奈に甜花?」

灯織「あ、うん……二人も一緒にお風呂に入ろうって話に成ったんだけど……いいかな?」

めぐる「もちろん!一緒に行こう!」

512: ◆zbOQ645F4s 2021/03/13(土) 22:36:14.92 ID:czw+ipLf0
___

_____

_______


【食堂】


お風呂あがり、まだ夜時間にはなっていないこともあり食堂であったかい飲み物を淹れることにした。
リラックスして寝るのには、気持ちを落ち着かせるのが一番だから。


甜花「気持ちよかった……にへへ……」

甘奈「うん!大浴場が解禁されてホントに良かったね☆」

灯織「甜花さんもホットミルクで良いですか?」

甜花「え!あ、うん……ありがとう……」

めぐる「コロシアイ合宿生活自体は嫌だけどこうやってみんなでのんびりするのは好きだなぁ~」

甘奈「ねー、もともとの合宿に行けてたらこんな感じだったのかなー?」

ホットミルク片手にのんべんだらりとしていたら、食堂の扉が開いた。

円香「……あれ」

めぐる「円香!どうしたの?」

円香「……いや、眠れないから。これでも飲もうかと」



513: ◆zbOQ645F4s 2021/03/13(土) 22:37:13.79 ID:czw+ipLf0

樋口さんの手には【睡眠薬】が握られていた。確か倉庫にあったものだ。
はじめギョッとしたけど、その目元は確かにクマが出来ている。
……私もまだ真乃については割り切れないところがあるし、
浅倉さんを被害者として失ってしまった樋口さんは私以上に思うところがあるのは当然だ。


めぐる「そっか……コップも厨房にあるよ、場所分かる?」

円香「大丈夫、邪魔した」

甘奈「あっ……円香ちゃんも一緒にどう?」

灯織「は、はい!せっかくですし……あ、ホットミルク樋口さんの分も淹れましょうか?」

円香「……いい、すぐ部屋戻るから」


樋口さんはどこか申し訳なさそうに厨房に入っていき、すぐに食堂を後にした。


めぐる「う~ん、やっぱりまだ元気ないね……」

灯織「うん……変に考え込まないといいんだけど」

甘奈「円香ちゃんはしっかりしてる……けど、この状況だとちょっと心配だよね」

灯織「今日も朝礼にはしっかり出席してたから今すぐどうってことはないと思うんだけど……」


しばらく樋口さんのことについて話し合ったのち、私たちは個室に戻った。
結束が以前より強まった来た中、樋口さんの存在がどうしても気にかかる。
……私にも何か、できることはないのかな。

514: ◆zbOQ645F4s 2021/03/13(土) 22:38:21.93 ID:czw+ipLf0

【灯織の部屋】

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより、“夜時間”になります。間もなく、食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま~す』

モノクマ『ではでは、いい夢を。おやすみなさい…』

(もう夜時間……何も進まなくても時間はすぐに過ぎてしまう……明日も頑張らないと)

そう決意を胸に私は眠りについた。


515: ◆zbOQ645F4s 2021/03/13(土) 22:40:35.95 ID:czw+ipLf0
___

_____

_______

【灯織の部屋】

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』

(……朝)

(とりあえず朝礼に行かないとね)

-------------------------------------------------

【食堂】


今日も食堂に入ると福丸さんが出迎えてくれた。


小糸「か、風野さん……お、おお……おはよう!」

灯織「お、おはようございます!」

小糸「え、えへへ……き、き、今日も頑張ろうね!」

咲耶「灯織、今日はサプライズがあるんだ」

灯織「え?サプライズ……ですか?」

めぐる「今日の朝ご飯は小糸が作ったんだよー!」

凛世「はい……凛世と樹里さんも今日は休暇をいただきました……」

小糸「た、大したものじゃないですけど……わたしも、なにかしてみたくて……」

樹里「いや、照れなくていーぞ!うまいこと出来てたし……家で料理とかやるのか?」

小糸「た、たまに……」

灯織「福丸さん……ありがとうございます」

小糸「い、いえ!そんな……」


今日の朝礼は福丸さんが作ってくれたごはんとお味噌汁を食べながら過ごした。
福丸さんもみんなに料理をほめてもらって嬉しそう。

樋口さんのところにも福丸さん、感想を伺いに行ってたけど……どうだったんだろう?

ほんとに福丸さんは頑張ってる。

516: ◆zbOQ645F4s 2021/03/13(土) 22:42:22.75 ID:czw+ipLf0
-------------------------------------------------
【灯織の部屋】

(……福丸さん、ほんと表情が明るくなったな)

(気がかりなのは、樋口さんと市川さんだけど……)

(……今の私にできることをやろう、ただそれだけ)

(さて、今日はどうしようかな?)

【自由時間開始】

-------------------------------------------------

灯織「さて、どうしようかな……」

1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル40枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1

517: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/13(土) 22:48:23.97 ID:mO1gBNi00
2 小糸

518: コピペして投稿してる部分の修正忘れがちょくちょくありますね、すみません ◆zbOQ645F4s 2021/03/13(土) 22:53:46.00 ID:czw+ipLf0

2 小糸選択

【小糸の部屋】

ピンポーン

灯織「あ、福丸さん……今お時間大丈夫ですか?」

小糸「え、あ、はい!大丈夫です!」

灯織「せっかくですし、何か一緒に時間を過ごすことが出来たらなと……」

小糸「そ、そうですね……ええっと……風野、さんは……何が好きですか……?」

灯織「わ、私ですか……?そうですね、占いを見るのは好きですね……あとは料理もたまに……」

小糸「う、占い……あ、あの……図書室で占いの本でも、読みますか……?」

(図書室で福丸さんと占いの本を読んで過ごした……)

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?

現在
【永遠のミサンガ】
【色恋沙汰リング】
【スカラベのブローチ】
【新品のサラシ】
【斬鉄剣】
【昭和ラジオ】
【アンティークドール】
【アンティークドール】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【水笛】
【無銘の巾着】
【ジャスティスV変身ベルト】
を所持しています。

1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない

↓1

519: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/13(土) 22:55:53.99 ID:gYTSXSS40
1【永遠のミサンガ】

520: ◆zbOQ645F4s 2021/03/13(土) 23:02:16.52 ID:czw+ipLf0

【永遠のミサンガ】を渡した……

小糸「み、ミサンガ……」

灯織「ミサンガ、ご存じでしょうか……?」

小糸「は、はい!切れたら……願いが、適うんですよね……?」

灯織「はい!そのミサンガです!ですから、福丸さんも何か大切なお願い事をそれに込めていただけたらなと……」

小糸「あ、あの……えっと……」

灯織「……ど、どうかしましたか?!」

小糸「このミサンガ、絶対に切れないって書いてるんですけど……」

灯織「えっ」

小糸「え、えへへ……ぶ、ブレスレット代わりにしますね!」

(気を使わせてしまった……)

-------------------------------------------------

灯織「福丸さん、今朝は朝ごはん、おいしかったです。普段からお料理はされるんですか?」

小糸「え、ええっと……た、たまに、お母さんの手伝いとか……」

灯織「なるほど、でしたら味付けはお母さんから教えてもらったり、でしょうか」

小糸「そ、そんな感じです……」

小糸「え、えっと……か、風野さんも料理するんですよね……?」

灯織「はい……私もたまに、ですが」

小糸「そ、そうですか……」

灯織「……」

小糸「……あ、あの!風野さんは、占いはどうして好きなんですか?!」

灯織「ど、どうして……」

小糸「あ、む、無理だったら大丈夫です!」

(ふ、福丸さん……今日はよく話してくれる……)

(むしろ話そうとしてくれてるんだよね、それならちゃんと返さないと……)


1.占いを見るのが日々のルーティンでして……
2.私の背中を押してくれるんです
3.自由安価

↓1

521: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/13(土) 23:05:10.82 ID:0kmmc2QJ0
2

522: ◆zbOQ645F4s 2021/03/13(土) 23:13:40.95 ID:czw+ipLf0

2 選択

灯織「占いは私の背中を押してくれるんです」

小糸「えっと……それって……?」

灯織「私、あまり打たれ強い方ではないので……大きな仕事のある日なんかは、ちょっと気後れしてしまう時もあって……」

灯織「そんな中で、朝に見る運勢がよかったら、『私は大丈夫、頑張ろう』なんて励ましをもらった気になって……」

灯織「占いに心酔しすぎるのはよくないですけど、ゲン担ぎみたいな形なら、楽しいですよ」

小糸「で、でも……運勢がよくなかったら……?」

灯織「そ、そういう時もありますよね……」

小糸「ぴぇっ……ご、ごめんなさい!」

灯織「前までなら、それで輪をかけて気分が沈むこともありましたが……」

灯織「最近では、イルミネのみんなもいるんだから悪い運勢も寄ってこない!なんて都合のいい解釈をするようになっちゃいました」

小糸「わぁっ……す、すごく仲良しなんですね!」

灯織「ノクチルの皆さんほどではないですよ……あ!」

(し、しまった……浅倉さんを思い出させるような発言を……)

小糸「え、えへへ……そうですね」

小糸「わ、わたしたちも、風野さんたちと一緒で、いつまでも、どこまでも……仲良しですから!)

(福丸さん……)

(その笑顔に偽りはなかった。福丸さんもまた、私たちと同じく、浅倉さんから引き継いだ絆を信じている)

(遺されたもの同士、この想いは共通だ)


【親愛度が上昇しました!】

【福丸小糸の現在の親愛度…4.0】

523: ◆zbOQ645F4s 2021/03/13(土) 23:16:40.82 ID:czw+ipLf0

【灯織の部屋】

(福丸さんと占いについて話をした……)

(福丸さんにも、私にも確かな絆というよりどころがある)

(私たちは、負けない)

(……そのためにも、今できることをやらないと)

【自由時間開始】

-------------------------------------------------

灯織「さて、まだ時間があるけどどうしようかな……」

1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル40枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1

524: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/13(土) 23:20:41.36 ID:gYTSXSS40
2.小糸

525: ◆zbOQ645F4s 2021/03/13(土) 23:25:05.60 ID:czw+ipLf0

2 小糸選択

【食堂】

灯織「福丸さん……料理の準備中でしたか?」

小糸「え、あ……は、はい……晩御飯、手伝うから……」

灯織「私も手伝いますよ、二人でやった方が早く終わりますよね」

小糸「あ、ありがとう……ございます!」

灯織「礼には及びませんよ、ふふ」

(福丸さんと晩御飯の準備をして過ごした……)

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?

現在
【色恋沙汰リング】
【スカラベのブローチ】
【新品のサラシ】
【斬鉄剣】
【昭和ラジオ】
【アンティークドール】
【アンティークドール】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【水笛】
【無銘の巾着】
【ジャスティスV変身ベルト】
を所持しています。

1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない

↓1

526: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/13(土) 23:35:10.88 ID:mO1gBNi00
1 【アンティークドール】

528: ◆zbOQ645F4s 2021/03/13(土) 23:41:47.33 ID:czw+ipLf0

【アンティークドール】を手渡した……

小糸「わぁっ……すごくかわいい……!」

灯織「ど、どうでしょう、骨とう品の様でしたが」

小糸「い、いえ!むしろそんな貴重なものを頂いていいんですか?!」

灯織「わ、私よりも、喜んでいただける方が持っていた方が、そのアンティークドールも嬉しいと思いますから」

小糸「お人形さん、すごくかわいいです!え、えへへ!ありがとうございます!」

(ここまで喜んでいただけると、渡した甲斐がある……!)

【PERFECT COMMUNICATION】

【親愛度がいつもより多めに上昇します】

-------------------------------------------------

【倉庫】


灯織「……あれ?」

(何か物音が聞こえたような……誰かいるのかな?)

灯織「す、すみませーん……誰かいらっしゃいますかー……?」

???「ぴぇっ?!ご、ごめんなさい!!」

灯織「ひゃぁっ?!……ふ、福丸さん……?」

小糸「……あ、あれ?か、風野さん……?」

灯織「どうしたんですか……?そんな大きな箱を抱えて……」

小糸「……ご、ごめんなさい!」

灯織「え、ええっ?!あ、謝られてもこ、困ります!別に怒ってませんし……!」

小糸「ほ、ほんとですか……?」

灯織「はい……大丈夫ですよ、落ち着いてください」

小糸「お、落ち着いて……すぅ……はぁ……」

小糸「あ、あの……わたし、この飴が、すごく、大好きで」

灯織「飴……?」

(福丸さんは大量の飴玉の袋が収められた箱を大事そうに抱えている)

小糸「これ、わたしが持って帰っても……ダメ、です、よね……あ……ごめんなさい……」

灯織「え、ええっ?!」


1,大丈夫だと思いますよ?!
2.私にも一つ分けてください
3.自由安価

↓1

529: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/13(土) 23:50:11.53 ID:jwghC95k0
2

530: もう少ししたら区切りをつけていったん終了します ◆zbOQ645F4s 2021/03/13(土) 23:55:35.17 ID:czw+ipLf0

2 選択

灯織「私にも一つ分けてください」

小糸「ぴ、ぴぇっ?!」

灯織「これで、共犯です」

小糸「え、え……?」

灯織「共犯になっちゃったからには、私もばれたら怒られちゃうかもしれませんね」

灯織「だから、お互い黙っておきましょうか?……ど、どうでしょう」

小糸「……」

(な、慣れないキザな真似をしてしまった……)

(うぅ……福丸さん、きょとんとしていらっしゃる)

小糸「……」

小糸「……はい!」パァァァァ

(よかった……!)

小糸「か、風野さんとわたしは、お仲間……ですから!」

小糸「な、内緒ですよ!」

灯織「はい!仲間ですから!」

(福丸さんと心の距離がぐっと近づいたのを感じる……)


【親愛度が上昇しました!】

【福丸小糸の現在の親愛度…6.0】

-------------------------------------------------

【スキル:一番星の魔法を発動できます】

【モノクマメダルを10枚消費することにより、本日の自由行動をもう一度だけ追加することができます】

【現在のモノクマメダル 40枚】

【スキル:一番星の魔法】を使用しますか?
↓1

531: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/13(土) 23:57:26.38 ID:gYTSXSS40
使用する

532: この選択で最後にします ◆zbOQ645F4s 2021/03/14(日) 00:01:38.98 ID:ZxWL6/Is0
【スキル:一番星の魔法を使用しました】

【現在のモノクマメダル…30枚】

-------------------------------------------------

【灯織の部屋】

(福丸さんと秘密の共有をした……)

(飴玉をあんなに抱えて、ほんとに好きなんだな……)

(……チョコとかとも好みが合うのかも?)

【自由行動開始】

(さて、もう少しぐらいは行動する時間があるかな?)

-------------------------------------------------

1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル30枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1

533: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/14(日) 00:02:25.40 ID:kRbsOeAi0
2 小糸

536: この選択で最後にします ◆zbOQ645F4s 2021/03/14(日) 00:09:47.30 ID:ZxWL6/Is0

そろそろ自分用のメモの意味もかねて情報を整理しておきます。

主人公:風野灯織
・習得スキル
〔一番星の魔法〕
〔自由行動二回目終了時にモノクマメダル10枚を消費することで、その日の自由行動を一回プラスすることができる〕

・所持アイテム
【色恋沙汰リング】
【スカラベのブローチ】
【新品のサラシ】
【斬鉄剣】
【昭和ラジオ】
【アンティークドール】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【水笛】
【無銘の巾着】
【ジャスティスV変身ベルト】

・モノクマメダル…30枚

・現段階での親愛度
櫻木真乃……1 【DEAD】
八宮めぐる……0
田中摩美々……1.5
白瀬咲耶……0
幽谷霧子……0
西城樹里……3.0
杜野凛世……0
園田智代子……1.0
大崎甘奈……1.0
大崎甜花……0
和泉愛依……0
浅倉透……0 【DEAD】
樋口円香……0
福丸小糸……6.0
市川雛菜……1.0


それでは今度こそおやすみなさい……

544: ◆zbOQ645F4s 2021/03/15(月) 22:01:42.95 ID:8YjB0g7C0
2 小糸選択

【ランドリー】

灯織「あれ、福丸さん?」

小糸「ぴゃっ?!こ、こんばんは」

灯織「今日はなんだかよく会いますね」

小糸「え、えへへ……そうですね」

灯織「私も洗濯するものがあるので、待ち時間少しお話でもどうですか?」

小糸「は、はい!ぜひ!」

(福丸さんと洗濯の待ち時間にお話をして過ごした……)

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?

現在
【色恋沙汰リング】
【スカラベのブローチ】
【新品のサラシ】
【斬鉄剣】
【昭和ラジオ】
【アンティークドール】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【水笛】
【無銘の巾着】
【ジャスティスV変身ベルト】
を所持しています。

1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない

↓1

545: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/15(月) 22:08:48.98 ID:thyuxw360
1でアンティークドール(一度パフェ出たアイテムならもう一度パフェなるよね?)

546: ◆zbOQ645F4s 2021/03/15(月) 22:14:57.38 ID:8YjB0g7C0

【アンティークドール】を手渡した……

灯織「福丸さん、こちらをどうぞ」

小糸「あっ、こ、これ……この前もらったお人形とそっくりですね!」

灯織「はい、以前とても喜んでいただけたようだったので……あ、不要でしたら破棄していただいても……」

小糸「そ、そんな……!捨てたりなんかしませんよ!」

灯織「そうですか……良かったです……!」

小糸「これ、すごくかわいくて……それに、部屋で見てると風野さんのことを思い出して……」

灯織「私、ですか……?」

小糸「い、いえ!なんでもないです……!」

小糸「え、えへへ……ありがとうございます、大切にしますね!」

【PERFECT COMMUNICATION】

【親愛度がいつもより多めに上昇します】

-------------------------------------------------

小糸「あ、あの……そういえば、あ、あの時は……すみませんでした」

灯織「あ、あの時……?な、なんのことでしょうか……」

小糸「え、えっと……クリスマスの……せ、聖歌隊の時……」

灯織「えっと……?」

(そういえば、事務所のみんなで聖歌隊を組んで商店街の皆さんに披露した時があった……)

(その時に福丸さんとは初めてご一緒したんだった)

灯織「な、なにも謝ることは……」

小糸「わ、わたし……今みたいに風野さんとお話しすることが、で、できなくて……」

灯織「いえ、そんな……!わ、私こそ慣れていらっしゃらない福丸さんのことに気が回らず、息詰まるような思いをさせてしまい……!」

小糸「わ、わたしがもっと、お話……できてたら……!」

灯織「い、いえ……私こそ……!」

小糸「わたしが……!」

1.私たち似たもの同士ですね
2.これじゃキリがありませんね
3.自由安価

↓1

547: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/15(月) 22:24:32.35 ID:b/Jng8rc0
1

548: ◆zbOQ645F4s 2021/03/15(月) 22:28:03.15 ID:8YjB0g7C0

1 選択

灯織「私たち似たもの同士ですね」

小糸「ぴぇっ……?」

灯織「ふふ、お互い譲らないんですから」

小糸「え、えへへ……お互い、謝ってばっかりですね」

灯織「もう口癖みたいになっちゃってますから」

小糸「た、たしかに……」

灯織「たまにめぐるに怒られるんですよ、一人で責任感を感じすぎだよーって。なかなか難しいんですけどね」

小糸「……わたしも、そうなのかな」

灯織「私たち二人とも、もう少し肩の力を抜いてみてもいいのかもしれませんね」

小糸「そ、そうですね!みんな……優しい人がたくさんですし!」

灯織「そうですよ、皆さんを頼っちゃいましょう」

小糸「は、はい!……頑張ります!」

灯織「もう、福丸さん、肩に力が入ってますよ」

小糸「ぴぇっ……!え、えへへ……」

【親愛度が上昇しました!】

【福丸小糸の現在の親愛度…8.0】

549: ◆zbOQ645F4s 2021/03/15(月) 22:30:34.16 ID:8YjB0g7C0

【灯織の部屋】

(そろそろ夜時間……)


ピンポンパンポーン

だけど、鳴り響いたのは夜時間のチャイムとは異なる聞きたくなかったあの音。
モノクマのたくらみが動き出したことを告げる最悪のチャイムだ。


『ようオマエラやってる?飯食って寝てるだけの家畜と変わらない生活楽しんでる?』

『そんな退屈な生活に飼いならされてたらオマエラの牙も抜け落ちちゃうよね!だから今日はオマエラに喝を入れるプレゼントをご用意しました!』

『そう!恒例の動機提供の時間だよ!視聴覚室に夜時間までに集合だよ!拒否権はもちろんないからねー!』

(……は?)


動機、提供……?
前回の事件で言う【他の人の秘密】のこと?あれ自体は意味を持たない秘密だったけど、それをモノクマが持ってきたことで私たちの間に疑心暗鬼の種が撒かれ、結果として事件は起きてしまった。
まさか、今回も……?

頭の中がぐるぐるする。

『もう私たちは大丈夫、絆を信じて立ち向かえる』

そう誓ったはずなのに、芯が揺らぐような音が脳内に響く。


(……行くしか、ないんだよね)

550: ◆zbOQ645F4s 2021/03/15(月) 22:32:59.84 ID:8YjB0g7C0

【視聴覚室】

視聴覚室にはすでにみんなの姿、そしてモノクマの姿があった。

めぐる「あっ、灯織……」

灯織「めぐる、もう来てたんだ」

モノクマ「集まったみたいだね!」

摩美々「なんなんですかぁ?プレゼントって」

モノクマ「欲しがりさんだなぁ、そう焦らなくてもちゃんとプレゼントするから落ち着きなよ!」

モノクマ「……ほら、これだよ!『モノクマビデオ』~!」


そう言って掲げられたモノクマの手には私たちの名前だけがラベリングされたDVD。
パッケージも何もないそれからは、他の情報は一切得られない。


モノクマ「一人一枚ずつ、しっかりご用意させていただきました!備え付けのビデオデッキでご覧くださいね!」


前回の【秘密】は私たちの自主性に任せられていたけど今回は違う。
拒否権はない、その言葉は文字通りらしい。
仁王立ちするモノクマからはこれまでにない圧を感じる。

……どうせ見なくちゃいけないんだ。

私たちはモノクマからそのDVDをひったくるようにして、それぞれの席についた。

551: ◆zbOQ645F4s 2021/03/15(月) 22:34:50.55 ID:8YjB0g7C0
-------------------------------------------------

DVDをビデオデッキに差し込むと、
しばらくの無音と暗闇の後、プツンと音を立てて映像が流れ始めた。

その映像は私たちイルミネーションスターズのライブ映像だった。
センターで笑顔を輝かせるのは、今は亡き友達の真乃。
その横で私とめぐるがステップをとり、三人の演技は完成する。


『大人気のアイドルユニット、イルミネーションスターズ。かわいらしく、華やかな彼女たちにはアイドルのステージが本当によく似合いますね』

『ここにたどり着くまで、彼女たちは絶え間ない努力を積み重ねてきました』


モノクマのわざとらしいナレーションで台無しだけど。


『しかし、彼女たちの仲間はこの三人だけではありません!彼女たちを裏でサポートしていた、いわば四人目のイルミネーションスターズともいうべき人がいますよね!』

(……四人目?)

552: ◆zbOQ645F4s 2021/03/15(月) 22:35:21.33 ID:8YjB0g7C0





……プロデューサーだ。





553: ◆zbOQ645F4s 2021/03/15(月) 22:36:16.40 ID:8YjB0g7C0

そこにいたのは私たちイルミネーションスターズを担当しているプロデューサー。
私たちをここまで連れてきてくれた、これ以上ない恩人のプロデューサー。

だけど、その目は黒布で塞がれ、両の手足は手術台のようなものに縛り付けられている。
拘束されていないその口は必死に画面の前の私に何か叫びかけているように見えるが、その音声は届かない。
編集でつけられた、悪趣味なBGMにかき消されている。


灯織「な、なんで……!?」


思わず画面にかじりついて声をあげてしまう。

カメラアングルが差し代わる。
プロデューサーの顔を画面全体でとらえていた映像は、横向きの俯瞰映像に。

_______そこで私は、この映像の本当の意味を知った。

554: ◆zbOQ645F4s 2021/03/15(月) 22:37:42.99 ID:8YjB0g7C0

手術台に横たえられていたプロデューサー、その眼前には回転する鋸が迫っていた。
目隠しされているものの、その音は聞こえているらしく、プロデューサーの絶叫はその勢いを増す。


灯織「やめて……やめて……!!」


クレーンは徐々に下がっていき、プロデューサーと回転鋸の距離は近づいていく。


灯織「なんで……?なんでプロデューサーが?!やめて!!」


プロデューサーの体に鋸が重なりかけたその瞬間……停止。

流れていた映像そのものが止まり、浮かび上がる文字。

555: ◆zbOQ645F4s 2021/03/15(月) 22:38:17.11 ID:8YjB0g7C0





【真実は卒業のあとで!】


『うぷぷぷぷ……みんな大好きプロデューサークンは一体どうしちゃったんですかね?もう職場復帰はできないのかな?』

『……でもでも、それを知るには卒業するしかないんだよね!』





556: ◆zbOQ645F4s 2021/03/15(月) 22:39:20.85 ID:8YjB0g7C0
-------------------------------------------------

映像が、終わった。


灯織「……は?」


心臓の鼓動がとてつもなく早くなる一方で、全身の血の気が引いていく。
視界はぐらぐらとゆらぎ、自分の目の前の画面すら、捉えることは困難になっていた。


モノクマ「お、風野さん終わったかな?どうだった?ボクの秘蔵の隠しビデオ(秘)!」

灯織「どういう……ことですか……?!」

モノクマ「どういうこと?あー中身の事ね!それが気になるなら……」

モノクマ「コロシアイをまた始めるしかないよね!」

(……!?)


モノクマの狙いはそれだ。
前回は私たちの絆を破壊しようとして、今回は私たち個人に対する攻撃。
身近な人の生死不覚という絶望の淵に急に立たされた私たちを一気に揺さぶりにかけている。

557: ◆zbOQ645F4s 2021/03/15(月) 22:40:23.62 ID:8YjB0g7C0

ガタガタという音が鳴っていることに気づいた。
それはほかならぬ私自身から発せられた音。奥歯が震えて打ち鳴らす音。

……出なきゃ、出てプロデューサーの無事を確かめないと!


モノクマ「いいねえ、いいねえ!その顔その顔!自分だけでなく、自分の大切な人まで窮地に立たされていることを知ったとき、人はすごいいい顔になるんだ」

モノクマ「怒り憎しみ悲しみ戸惑い不安……全部持ってる美しい顔になるんだよ」


視聴覚室に響き渡るみんなの声はモノクマの言うとおり、様々なものを孕んでいた。
それは学級裁判で味わった……あの絶望の声だ。


円香「……心外ですね」

モノクマ「ん?」

円香「動揺したことは否定しませんが、私がわざわざあの人のために外に出ようとするとでも?」

モノクマ「うーん……まあ樋口さんはそうかもね!」

円香「は?」

558: ◆zbOQ645F4s 2021/03/15(月) 22:41:30.77 ID:8YjB0g7C0

甘奈「千雪さん……?!」

(……!?)

咲耶「恋鐘……結華……!?」

樹里「果穂っ!!夏葉っ!!おい、どうなったんだよ!二人は、どうなったんだよ!?」

愛依「あ、ああ……あさひちゃん……!?冬優子ちゃん……どうして……?!」

(ほかのみんなは、見ている映像が違ったの……?!)

モノクマ「うぷぷぷぷ……283プロのユニットは女子高生以外も在籍するユニットがあるからね!せっかくだからユニットアイドルの方が絶望感が増すかなって!」

モノクマ「そういうわけで、イルミネとノクチルのみなさんにはプロデューサーさんの映像、他のユニットはアイドル仲間の映像をご提供させていただきました!」

灯織「なんで……なんでこんな酷いことをするんですか……?!」

モノクマ「なんでって言われてもなー、それはボクがモノクマだからとしか言いようがないよね!」

灯織「……どういう意味なんですか!」

モノクマ「オマエラが呼吸するのと一緒!ボクは生きると同時に絶望を振りまいているからね!オマエラが望もうが望むまいが、ボクは絶望をもたらし続けるんだよ!」

モノクマ「気になるならやるしかないよね!ユー、さっさと殺っちゃいなよ!気になるあの子の生死を知るには生きたままここを卒業するしかないんだよ!」


私たちは無言でモノクマの言葉を聞くことしかできなかった。
この学園から完全に脱出することが頭の中を支配していた。
早まる鼓動が思考を遮る。

疑心暗鬼じゃない……

自分自身を信用できるかどうかの闇に放り込まれたんだ。
私はこの衝動を……本当に抑え込めるのかな……


559: ◆zbOQ645F4s 2021/03/15(月) 22:42:33.94 ID:8YjB0g7C0
___

_____

_______


【灯織の部屋】


キーン、コーン・・・カーン、コーン


モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』


昨晩の動機発表。
あのビデオで見た光景が目に焼き付いて離れなかった。
前回の動機とは異なる直接的な揺さぶり。
仲間との協力で押さえつけられるような衝動ではない何かが、自分の中で湧き出しているのを感じる。

でも、その一線を越えるわけにはいけない。
それをしてしまえば、真乃を、みんなを裏切ることになる……だから今は堪えるしかない。
大丈夫、プロデューサーは無事。


(……行こう)


ベッドの傍らに置いてあったモノクマビデオをゴミ箱の中に放り込んだ。

560: ◆zbOQ645F4s 2021/03/15(月) 22:43:26.85 ID:8YjB0g7C0

【食堂】


咲耶「……やあ、灯織」


今日も変わらず咲耶さんは出迎えてくれる。
だが真乃の事件の直後とはまた違った意味合いで元気がない。


摩美々「おはよう灯織―」

灯織「摩美々さん?!き、今日はお早いんですね!?」

摩美々「昨日の今日だしね、早めに手は打っておかないとー」

灯織「ど、どういう意味でしょう……?」

摩美々「わかってるでしょ?前回の動機とはわけが違う、今回は直接的な動機……」

摩美々「既に誰かが別の誰かを殺す計画を立てててもおかしくないんだよねー」

灯織「……っ!?」


摩美々さんの口ぶりは、重たかった。
冗談なんかじゃない……
私自身その言葉が真実味を帯びていることはいやでも感じている。

______否定は、できない。


摩美々「今日の朝礼は何があっても全員参加してもらう、灯織たちも呼び出し手伝ってくれるー?」

灯織「は、はい……」

561: ◆zbOQ645F4s 2021/03/15(月) 22:44:50.26 ID:8YjB0g7C0

摩美々さんの指示に従い、いつも通りの朝礼一番乗り組で他の全員を食堂へと呼びだした。
幸い誰もまだ危害を加える加えられたの関係性ではないようだったけど、
集まった全員が全員。その瞳に不安と動揺と携えていることが見て取れた。


咲耶「すまないね、今日は早めに全員に集まってもらった」

めぐる「ううん!しょうがないよ!」

愛依「うん……むしろこうやってみんなで集まってる方が安心できるし……」

円香「……昨日の件でしょ?」

甘奈「昨日の……ビデオ……」

智代子「……か、果穂……」

樹里「……くそっ」

摩美々「……あのビデオ、信じる信じないは別にしろ、かなり悪趣味なものだったよねー」

凛世「……いまだに凛世は、受け入れられません」

愛依「許せない……絶対許せないよ」


怒り、憎しみ、焦燥……
みんなの顔には同じ表情が浮かぶ。


562: ◆zbOQ645F4s 2021/03/15(月) 22:45:20.85 ID:8YjB0g7C0

摩美々「でも、間違っても誰かを殺そうなんて考えない方がいいよー」

灯織「……はい」

愛依「そりゃそうだけど……!」

雛菜「みんなそれは思ってますよ~?」

雛菜「でも、事件は既に一度、起きちゃいましたよね~」

めぐる「そ、それは……!」

摩美々「具体的に抑止する方法はない、それは確か」

霧子「ま、摩美々ちゃん……」

咲耶「……残念だがその通りだよ、この合宿生活で制限を賭けようにもある程度の限界はある」

咲耶「かえってそれを犯行に利用される恐れもあるところだ」

小糸「ぴぇっ……!」

摩美々「口約束なんて守らなかったらそれまで、事実真乃と透は守らなかったわけだしー」

円香「……結局何が言いたいの」

563: ◆zbOQ645F4s 2021/03/15(月) 22:46:28.57 ID:8YjB0g7C0




摩美々「人を殺すリスクを考えてほしいんだよねー」

摩美々「真乃と透の事件でわかったよね、出ようとしたところで失敗すれば待っているのは最悪のおしおき」

摩美々「普通に死ぬ方が楽だろうねー」





564: ◆zbOQ645F4s 2021/03/15(月) 22:47:28.86 ID:8YjB0g7C0

今でも、目を閉じれば浮かび上がる。
あの時の真乃の惨状。
いつも一緒にいた真乃の可愛らしい、元気な笑顔は一瞬の間に無機質な死体へと変えられてしまった。

そう、学級裁判に勝つことが出来なければクロになったところで待っているのは最悪の結末。

摩美々さんは、不安に恐怖を上塗りすることで抑止力にしようとしているんだ。


凛世「筆舌に尽くしがたい、苦痛を味わうやもしれません……」

愛依「想像しただけで吐きそう……」

樹里「あいつ、人の死をなんとも思っちゃいねー。むしろショーみたいに楽しんでやがる」

霧子「どうして、そんなことができるんだろう……」

摩美々「それにもし仮に卒業に成功したとしても、その先に待っているのはまた別の地獄だよ」

摩美々「誰かをその手で殺した、それに加えて私たち全員を犠牲にしたっていう罪悪感を抱えてこの先何十年と生きていくわけでしょ?」

摩美々「そんなの、死よりも辛そうだよねー」


そうだ、人を殺すということはこの学園から離れても重い十字架を背負い続けるということ。
どんなに勇気があっても、それを乗り越えることは、耐え抜くことは容易じゃない。
そんなことができる人間は、もはや人間とすらいえないのかもしれない。


めぐる「……わたしなら、耐えれないよ」

小糸「……そう、です……ね……」

摩美々「それだけ言いたかったので、集まってくれてありがとうございましたー」


摩美々さんは語り終えるとどっしりと椅子に腰かけた。

565: ◆zbOQ645F4s 2021/03/15(月) 22:48:29.10 ID:8YjB0g7C0

智代子「人を殺す、覚悟……」

樹里「そんなもの、できなくていいんだよ」

灯織「……樹里」

樹里「そんな覚悟ができることが強くなることなら、アタシは弱いままでいい。そんな強さはでたらめだ」

凛世「はい……理に背く強さは、蛮勇に過ぎません……」

めぐる「……うん!そうだよ!それにまだあのビデオが本当かどうか決まったわけでもないんだし!」

灯織「……めぐる」

めぐる「だってそうでしょ?わたしたちを監禁してるだけじゃなくあんなことまでしてたら大犯罪者だよ!?」

愛依「……そうだよ、ね。うん……あさひちゃんも冬優子ちゃんも、うちよりよっぽどすごいんだし……あんなの嘘に決まってる、そうだよね!」

甜花「なーちゃん、みんなの言う通りって……甜花も思うよ」

甘奈「甜花ちゃん……?」

甜花「千雪さんは、甜花となーちゃんの、二人のお姉ちゃん、だから……絶対無事……!」

霧子「そうだよね……恋鐘ちゃんも結華ちゃんも無事だよね……」

咲耶「ああ、二人を捕らえることなんて魔法使いでもない限りは不可能さ」

めぐる「うん!みんなを信じよう!みんなもきっと頑張ってるんだよ!」

めぐる「だからわたしたちも頑張ろうよ、ね!」

摩美々「……ふふー」

(摩美々さん……まさかこの流れも計算して……?いや、まさか……)


でも、摩美々さんとめぐるのおかげでみんなの表情はぐっと変わった。
食堂に入ってきたときの不安げな色はだいぶやわらぎ、視線も自然と上向きになっていた。
私の心も、少しばかり軽くなった気がする。

これなら大丈夫……かもしれない。

566: ◆zbOQ645F4s 2021/03/15(月) 22:49:08.59 ID:8YjB0g7C0
-------------------------------------------------

【灯織の部屋】


食堂での励まし合いを終え自分の部屋に戻ってきた……

昨日の動機発表で一時はどうなることかと思ったけど、この調子なら協力も出来そう。
交流も滞りなく行えるかな。
むしろ今だからこそ交流は大事になるかも、私にできるところから始めよう。


【自由行動開始】


灯織「さて、どうしようかな……」

-------------------------------------------------

1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル30枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1

567: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/15(月) 22:58:41.90 ID:thyuxw360
2.小糸
(どうせだからスキル拾いに行きたいけど交流が偏るのはスレ的にどうなのだろう)

568: まあスキル取りにいくために一人のキャラ連続は原作でもよくあるので… ◆zbOQ645F4s 2021/03/15(月) 23:04:07.88 ID:8YjB0g7C0
2 小糸選択

【小糸の部屋】

(……今回の動機を見た時から、福丸さんのことが気にかかっていた)

(大丈夫、かな……?)

ピンポーン

小糸「あ、風野さん……」

灯織「こんにちは、その……大丈夫ですか?」

小糸「え、あ……は、はい!大丈夫です、ありがとうございます」

小糸「田中さんも、八宮さんも……言ってたことを、私も信じるしかないかなって……思う、から……」

灯織「福丸さん……」

(福丸さんと静かに時を過ごした……)

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?

現在
【色恋沙汰リング】
【スカラベのブローチ】
【新品のサラシ】
【斬鉄剣】
【昭和ラジオ】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【水笛】
【無銘の巾着】
【ジャスティスV変身ベルト】
を所持しています。

1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない

↓1

569: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/15(月) 23:06:21.11 ID:b/Jng8rc0
1 【水笛】

570: そういえばアナウンスを入れ忘れましたが事件発生前最終日の自由行動です ◆zbOQ645F4s 2021/03/15(月) 23:10:38.99 ID:8YjB0g7C0

【水笛】を渡した……

灯織「福丸さん、これどうぞ」

小糸「……こ、これって?可愛い形ですね……」

灯織「水笛と言って、笛の一種です。試しに吹いてみてください」

小糸「は、はい……」

ピーヒョロロ……

小糸「わぁ……可愛い音……」

灯織「どうでしょう、この音色で少しでも気持ちが休まれば……」

小糸「ありがとうございます……大事にしますね、すごくかわいいです……!」

【PERFECT COMMUNICATION】

【親愛度がいつもより多めに上昇します】

-------------------------------------------------

灯織「福丸さん……大丈夫、ですか?」

(福丸さん、昨日までの溌溂とした表情とは異なり、どこか沈んだ表情だ……)

(昨日モノクマに見せられたビデオが気にかかっているんだろう……)

小糸「だ、大丈夫ですよ!か、風野さんこそ!」

灯織「わ、私ですか?……正直、気になりはしています。プロデューサーは私にとってかけがえのない恩人ですし、今すぐにでも無事を確かめたいと思っています」

小糸「そ、そうですよね……」

灯織「ですが、摩美々さんも仰っていた通り……ここは堪えるしか」

小糸「う、うぅ……」

(福丸さん、震えている……)

小糸「わたしも、プロデューサーさんの無事が気になって……でも、それ以上に……」

小糸「こわい……」

1.ノクチルの皆さんがいるじゃないですか
2.私も支えますから
3.自由安価

↓1

571: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/15(月) 23:17:34.05 ID:thyuxw360
2

572: ◆zbOQ645F4s 2021/03/15(月) 23:21:31.55 ID:8YjB0g7C0
2 選択

灯織「福丸さん、前も言いましたよね。皆さんを頼っちゃいましょうって」

小糸「……!!」

灯織「怖いなら、誰かを頼るのもいいんじゃないでしょうか」

灯織「その恐怖に正面から一人で向き合う必要は必ずしもない、と思います」

灯織「その、もしよろしければ……私もいることですから」

小糸「か、風野さん……?」

灯織「わ、私も……支えますから……!」

小糸「あ、ありがとう……ちょっと気が楽になりました……」

灯織「そ、そうですか?なら良かったです」

小糸「え、えへへ……また、励まされちゃった……」

灯織「福丸さん……」

小糸「あの……ま、また!話に来てくれると、嬉しいです……!」

灯織「もちろんですよ!ぜひ!」

小糸「や、約束ですよ!」

(福丸さんとまた一緒にお話しする約束をした……)


【親愛度が上昇しました!】

【福丸小糸の現在の親愛度…10.0】

573: ◆zbOQ645F4s 2021/03/15(月) 23:23:42.94 ID:8YjB0g7C0

【灯織の部屋】

(福丸さん、最後には明るい表情になってよかった)

(……だいぶ、仲を深めることができているんじゃないかな)

(い、いや……私だけがそう感じている可能性もあるし、慎重に接するようにしないとだめだよね、うん……)

【自由行動開始】

【事件発生前最終日の自由行動です】

灯織「さて、どうしようかな」

-------------------------------------------------

1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル30枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1

574: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/15(月) 23:25:59.29 ID:b/Jng8rc0
2 小糸

575: ◆zbOQ645F4s 2021/03/15(月) 23:29:01.11 ID:8YjB0g7C0

【小糸の部屋】

ピンポーン

小糸「あ、か、風野さん!えへへ、会いに来てくれたんですか?」

灯織「はい、福丸さん……ぜひ一緒に過ごせればと」

小糸「も、もちろんです!どうぞ!」

灯織「ありがとうございます……お邪魔します」

(福丸さんと楽しくおしゃべりして過ごした……)

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?

現在
【色恋沙汰リング】
【スカラベのブローチ】
【新品のサラシ】
【斬鉄剣】
【昭和ラジオ】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【無銘の巾着】
【ジャスティスV変身ベルト】
を所持しています。

1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない

↓1

576: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/15(月) 23:46:36.72 ID:b/Jng8rc0
1 無銘の巾着

577: ◆zbOQ645F4s 2021/03/15(月) 23:51:28.31 ID:8YjB0g7C0

【無銘の巾着を渡した……】

灯織「福丸さん、これをどうぞ……」

小糸「巾着、ですか……?わぁ、すごくかわいいですね」

灯織「はい、手作りで、作った人の気持ちがすごく籠ってるんです」

小糸「……ですよね、その、風野さん」

灯織「福丸さん……?」

小糸「その、だ、だからこそ……もっとこの巾着袋は、その人と強いつながりがある人が受け取るべきなんじゃないかなって思うんです」

小糸「ご、ごめんなさい……別にいらないとかそういうわけでは、すごく嬉しいんですけど!」

小糸「わ、わたしよりもっと渡すべき人がいるんじゃないかなって……」

-------------------------------------------------

灯織「福丸さん、元気が出たようで良かったです」

小糸「えへへ、か、風野さんのおかげですよ!」

小糸「み、見て下さい!風野さんにもらったプレゼントもしっかり飾ってるんですよ!」

灯織「わぁ……本当ですね、ありがとうございます」

小糸「そ、その……それで、いつももらってばかりだから……」

灯織「福丸さん?」

小糸「こ、これ……!もらってください!」

(福丸さんが渡して来たのは……【アンティークドール】?)

灯織「あ……ふ、福丸さん……不要、でしたよね……」

灯織「そうですよね、一個ならまだしも二つは、流石に邪魔になりましたよね……」

小糸「ああいえ、違うんです!これ、せっかく二つ頂いたので私なりの気持ちをこめて、服をお裁縫道具で作ってみたんです……!」

(そういえば、それぞれの個室にはモノクマ曰く犯行にも使える裁縫道具セットがあったんだっけ……)

灯織「これを福丸さんが……?たしかに、私が渡した時とは布地も違う……」

小糸「い、いらなかったですか……?」

灯織「そ、そんな……!大変ありがたいです……!」

小糸「えへへ……よかった」

1.これでお揃いですね
2.家宝にします
3.自由安価

↓1

578: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/15(月) 23:56:02.47 ID:thyuxw360
1

580: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 00:02:34.99 ID:08s1xuh70

灯織「そ、その……福丸さん、これでお揃い……ですね」

小糸「……!そ、そうですね……!」

灯織「福丸さんの人形と私がいただいたお人形で、まるで姉妹みたい……」

小糸「姉妹……」

灯織「福丸さん?」

小糸「あ、いえ!なんでも、ないです!」

灯織「?……そうですか」

灯織「私も自分の部屋にいるときでも福丸さんのことが、この人形を見ればいつでも思い出せそうです」

灯織「すごく嬉しいです……本当にありがとうございます」

小糸「い、いや……もともと、風野さんが私に何度も話しかけてくれたおかげですし……」

小糸「あ、あの……本当に、いつもありがとうございます!」

灯織「こちらこそ、福丸さんにはいつも救われてますから」

小糸「か、風野さんって大人ですね……」

灯織「そ、そうですか?」

【親愛度が上昇しました!】

【福丸小糸の現在の親愛度…11.5】

-------------------------------------------------

【スキル:一番星の魔法を発動できます】

【モノクマメダルを10枚消費することにより、本日の自由行動をもう一度だけ追加することができます】

【現在のモノクマメダル 30枚】

【スキル:一番星の魔法】を使用しますか?

【事件発生前最終日の自由行動です】

↓1


581: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/16(火) 00:04:49.36 ID:6ACb8ive0
使う

582: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 00:07:04.85 ID:08s1xuh70
【スキル:一番星の魔法を使用しました】

【現在のモノクマメダル…20枚】

-------------------------------------------------

【灯織の部屋】

(福丸さんにプレゼントを頂いてしまった……)

(思いがけない一品、実際もらってみるとこんなにうれしいものなんだな)

(さて、今日ももう少しだけ頑張ってみよう)

【自由行動開始】

【事件発生前最終日の自由行動です】

灯織「さて、どうしよう……?」

-------------------------------------------------

1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル20枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1

583: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/16(火) 00:15:27.58 ID:RpJRJqfg0
2.小糸

584: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 00:18:08.46 ID:08s1xuh70
2 小糸選択

【食堂】

灯織「あ、福丸さん……こんばんは」

小糸「こ、こんばんは……」

灯織「晩御飯ですか?……ご一緒してもいいでしょうか」

小糸「は、はい!ぜひ……!」

灯織「ありがとうございます、隣、失礼しますね」

小糸「え、えへへ……」

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?

現在
【色恋沙汰リング】
【スカラベのブローチ】
【新品のサラシ】
【斬鉄剣】
【昭和ラジオ】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【ジャスティスV変身ベルト】
を所持しています。

1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない

↓1

585: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/16(火) 00:19:13.26 ID:RpJRJqfg0
2

587: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 00:21:36.70 ID:08s1xuh70

【プレゼントを渡しませんでした】

灯織「ふふっ、福丸さんよく笑うようになりましたね」

小糸「そ、そうですか?」

灯織「あ、す、すみません……私個人の見解なのですが、ここにくる以前より福丸さんの笑顔を多く見かけるようになったような気がします」

小糸「た、多分それは……風野さんのおかげだと思います」

灯織「わ、私ですか……?」

小糸「は、はい……透ちゃんの事件の裁判で、か、風野さんが言ってた【絆】……わ、わたしも考えてみて」

小糸「透ちゃんがいなくなっても、わたしの中で透ちゃんは生き続けてるんだって思うようになって……」

灯織「福丸さん……」

小糸「それに、風野さんはわたしに何度も話しかけてくれて……そのたびにわたし、嬉しくて……次に会えるのはいつかなって、楽しみになってて」

灯織「そこまで思ってくれていたんですか……?」

小糸「あ、す、すみません!」

灯織「いえ、そんな、謝らないでください!私も同じですから!」

小糸「ぴぇっ?!」

灯織「私も、次にお会いしたら何を話そうか、何をしようか。そうやって思いを巡らせるようになってて……」

小糸「か、風野さん……」

灯織「その、だから……」

1.福丸さんのこと、小糸って呼んでもいい……かな?
2.もう、友達ってことで、いいのかな……?
3.自由安価

↓1

588: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/16(火) 00:24:13.85 ID:vfoJ7LHG0
1

590: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 00:25:54.86 ID:08s1xuh70
1 選択

灯織「福丸さんのこと、小糸って呼んでもいい……かな?」

小糸「え……?」

灯織「あ、いや……もし嫌でしたらお断りしていただいても!」

小糸「だ、大丈夫だよ!……灯織ちゃん!」

灯織「……!」

小糸「え、えへへ……灯織ちゃんとわたしはもう、と、と、友達……だからね!」

灯織「……はい!ありがとうございます」

小糸「も、もう灯織ちゃん!敬語になってるよ!」

灯織「あ、いや……つい……」

小糸「も、もう……灯織ちゃんはうっかり屋さんだなぁ!」

灯織「あはは……ごめん、小糸」

小糸「そうだ、せっかく友達になれたんだし……こ、これ灯織ちゃんに!」

灯織「こ、これって……?」

小糸「あ、飴玉だよ!実は、この学校に入ったとき既にポケットに入ってたもので……わ、わたしのお気に入りなんだ!」

灯織「そんな貴重なものを……」

小糸「もう、と、と、友達だからトーゼンでしょ!」

灯織「……うん、ありがとう小糸」

小糸「えへへ……」

(小糸との間に確かな絆を感じる……)

(心の内側からじんわりと広がっていく温かさ、確かな友情がここにある)

(この絆は、絶対に切れない)

【親愛度が上昇しました】

【親愛度MAX!】

591: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 00:26:33.23 ID:08s1xuh70

【アイテム『お気に入りの飴玉』を手に入れました】
〔外にいた時、普段小糸が口にしていた飴玉。口に入れるだけで頬が蕩けるほど甘い〕

【スキル『ポシェットの中には』を習得しました】
〔自由行動のある日に限り一日の終わりにコンマ判定を行い、末尾の数字の枚数分だけのモノクマメダルを獲得できる〕


-------------------------------------------------

おめでとうございます。福丸様との親愛度が最大限に到達いたしました。
自由行動での目標は到達いたしましたが、以降も交流で福丸様を選択いただくことは可能です。
その際にはモノクマメダルをコンマ値に応じて獲得できるイベントが発生いたします。
必要に迫られることがあれば、ご活用くださいませ。

-------------------------------------------------

592: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 00:27:41.72 ID:08s1xuh70

【灯織の部屋】

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより、“夜時間”になります。間もなく、食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま~す』

モノクマ『ではでは、いい夢を。おやすみなさい…』

(一日が、終わってしまった)

今日も日中は皆さんと交流した。
そのおかげで私自身気も楽になったし、他の皆さんも昨晩ほどの沈みようは感じなくなった……と思う。

大丈夫、何も心配することなんかない。

……あのビデオも、嘘っぱちなんだから。

そう自分に言い聞かせながら、私は目をつむった。

593: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 00:28:09.23 ID:08s1xuh70


……でも、思えばそんな虚勢ははじめから意味なんて無かったのかもしれない。

理不尽は、そんなもの関係なしにやってくるからこそ、理不尽なんだ。





___________もう、絶望は迫っていた。





594: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 00:35:21.34 ID:08s1xuh70
 
-------------------------------------------------

【スキル:ポシェットの中にはの判定を行います】

【末尾の数字と同じだけのモノクマメダルが獲得できます】

↓1

595: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/16(火) 00:38:57.06 ID:6ACb8ive0
乙です

598: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 22:04:44.71 ID:08s1xuh70

予定通り事件発生から少し更新します……


-------------------------------------------------
>>595

【コンマ06】

【スキル:ポシェットの中にはの効果でモノクマメダルを6枚手に入れました!】

【現在のモノクマメダルの枚数…26枚】

599: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 22:07:17.14 ID:08s1xuh70

___

_____

_______


【灯織の部屋】


キーン、コーン・・・カーン、コーン


モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』

(……朝だ)

昨日は結局何事もなく一日が終わった、けど……
みんなはどう思っているんだろう。

朝礼ではみんな前向きになっていたし、
その後の交流でもそこまで思い詰めた人はいなかった、ように思う。

でも、私の視点からそう見えるだけで、実際のところはわからない。

楽観的になんて、なれないよ……

600: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 22:09:36.55 ID:08s1xuh70

【食堂】


食堂の扉を開けると、出迎えてくれたのは咲耶さんだった。


灯織「おはようございます」

咲耶「やあ、おはよう」


ああ、よかった。いつもと変わらない朝だ。
咲耶さんの笑顔はいつも通り華やかで、卓には既に温かい飲み物と一緒にくつろいでいるみんな。


霧子「おはよう、灯織ちゃん……」

凛世「おはよう、ございます……」


霧子さんに、凛世。


(……あれ?)


______『みんな』は、欠けていた。


灯織「凛世?樹里と小糸は?」

凛世「はい、今朝呼び鈴を鳴らしても返事がなく……食堂に先にいらしているものかと思っていたのですが……」

601: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 22:12:25.69 ID:08s1xuh70

咲耶「珍しいね、樹里が寝坊とは……」

凛世「こちらに来てからも、生活習慣を崩されているご様子はなかったのですが……」

霧子「疲れが、出ちゃったのかな……?」

灯織「こ、小糸もですか……?」

咲耶「二人同時に寝坊……」

咲耶「…………」

咲耶「…………であって欲しいけれど」

霧子「……!!まさか、何かあったんじゃ……」

凛世「……まさか」

(……嫌な予感がする)


昨日の動機がよみがえる。

モノクマに見させられた悪趣味な映像。
阿鼻叫喚というほかない地獄の光景。

私の脳内に常に流れ続けているこの映像……

もし、万が一。
誰かがこの衝動に飲み込まれたんだとしたら。


灯織「わ、私、樹里の部屋に行ってみます!」


_______いてもたってもいられなかった。


咲耶「私たちは小糸を探そう!霧子、凛世!」

凛世「はい、参りましょう……!」

602: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 22:14:07.29 ID:08s1xuh70

【樹里の部屋前】

ドンドンドンドンッ!


灯織「樹里?起きてる?返事して!」


インターホンを何度鳴らしても、扉を乱暴に叩いても、廊下で声を張り上げても……返事はない。

脳裏によぎる浅倉さんの事件。
……いや、そんなわけない。
私たちはあの時裁判上で誓ったんだ

……殺しなんて、事件なんか起きてるはずがない!


灯織「樹里!樹里!」

めぐる「あれっ灯織!?どうしたの!?」

灯織「め、めぐる!樹里の姿が見えなくて……」

めぐる「樹里が?!いっつもあんなに早く集合してるのに?!」

灯織「そう……だから妙だなって思って……でもこうやって部屋を訪ねても反応がないの!」

めぐる「よし、みんなで探そう!大丈夫、どこかにいるはずだよ!」

灯織「あ、めぐる!樹里だけじゃなくて小糸も朝礼に来てないの……小糸も探してもらえる?」

めぐる「うん、もちろん!今からみんなの部屋のインターホンを鳴らして叩き起こして捜索開始!」

(そ、それはそれで困るけど……)


603: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 22:16:53.41 ID:08s1xuh70

めぐるの協力もあり、すぐに樹里と小糸を除く全員が集まった。

智代子「じゅ、樹里ちゃんがいないの?!」

灯織「うん……いつも朝礼に早くから集まってるのに、今日はまだ二人とも……」

愛依「どうしたんだろ……誰か見た人もいない系?」

甘奈「ううん、甘奈たちは見てないよ……」

甜花「どうしちゃったんだろう……」

円香「…………」ギリッ


めぼしい目撃情報もなし。
明らかな異常事態に、すぐさまに二人の捜索が始まった。


灯織「ダメ、いない……!」


倉庫、ランドリー、大浴場……
教室、視聴覚室、購買……

片っ端から覗き込んでも二人の姿はない。

604: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 22:17:58.71 ID:08s1xuh70





_____焦燥が体の震えに変わりだした頃、学校中に響き渡る、それが聞こえた。

「わああああああ!!!」






605: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 22:20:55.08 ID:08s1xuh70

(今の声は……チョコ?!玄関ホールから?!)

私はすぐさま調べていた教室を抜け出し、声の方へと駆けつけた。

玄関ホール。学校エリア一階の正面に位置する場所からチョコの声は聞こえた。

普段から開け放たれた玄関ホールからは心なしか冷たい空気が漂っている。

事実を確認しようとするその足取りは重たい。
まるで足枷をつけられているかのように、一歩を踏み出すのが苦しい。

______違う、そんなわけはない。
もう私たちの間でコロシアイなんか起きるはずない。
そう確信していたし、今も頭の中で何度も何度も叫び続けている。






でも、この……血の匂いだけは……
ただ一つの認めたくない現実を表している。

606: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 22:23:03.10 ID:08s1xuh70


大きな唾を一つ、呑み込んで、私は玄関ホールに踏み込んだ。


そして、私は【それ】を見た。


それを見て……


それを見て……


見、て…………


…………………………


……………………………………………………


…………………………………………………………………………………………………………


607: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 22:23:48.83 ID:08s1xuh70





【玄関ホールの中央に胸部に深々と包丁を突き刺され絶命している福丸小糸の姿があった】






608: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 22:25:40.49 ID:08s1xuh70
-------------------------------------------------


CHAPTER02

存在証明を、この悲鳴を、或いは絶望を

非日常編


-------------------------------------------------

609: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 22:26:39.38 ID:08s1xuh70

ピンポンパンポーン!

「死体が発見されました!一定の捜査時間の後、学級裁判を開きまーす!」




………………
………………………………
………………………………………………え?

しばらくしてから絶叫している自分に気がついた。
目の前で広がる赤々とした惨状。
完全に力の抜けた小糸の遺体。

誰よりも小さなその身体で、誰よりも一生懸命現実に立ち向かい、自分の中の殻を破った小糸。
私たちがモノクマにもう一度立ち向かうそのきっかけをくれた小糸。

______そして、ここでの生活で本当の友達になれた小糸。

そんな彼女は、もう動かない。

610: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 22:28:21.76 ID:08s1xuh70

他のみんなが集まるまでそう時間はかからなかった。


めぐる「こ、小糸?!」

咲耶「……なんてことだい」

雛菜「こ、小糸……ちゃん……?」

円香「…………」

灯織「……なんで、なんでまた」

灯織「コロシアイが起きてしまうんですか!」


絶叫虚しく、その答えが返ってくるはずもない。


モノクマ「てやんでいてやんでい!」

めぐる「も、モノクマ!」

モノクマ「天下の往来の玄関ホールで殺したぁ肝の座った犯人でねぇか!」

凛世「今回も、犯人は凛世たちの中に……?」

モノクマ「タリメェよ!おみゃーらん中に犯人はいるんでい!っちゅーわけで」

モノクマ「ザ・モノクマファイル2!渡しておくでい!」

611: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 22:34:55.68 ID:08s1xuh70

甘奈「うぅ……また、始まるの……」

甜花「もう、やだよ……学級裁判なんて……」

モノクマ「いやもへったくれもねー、もうおみゃーらは現実に向き合うしかないんじゃ!」

灯織「……っ!」


……悔しいけど、こればかりはモノクマの言う通り。
私たちがこうして嘆いていても小糸は帰らない。

自然と、そのことを自分が理解するのにそう時間は要さなかった。


(……真乃の事件で、慣れてしまっているんだ)

(このいかれた状況に)


灯織「……モノクマ、ファイルを頂けますか」

めぐる「ひ、灯織……?」

灯織「めぐる……小糸のためにも、今は動くしかない……そうでしょ?」

めぐる「……そうだけど!」

モノクマ「風野の嬢ちゃんは立派だね、もうこの状況に慣れつつあるんじゃな」

モノクマ「他のおみゃーらも見習うように!」

愛依「んなこと言ったって……」

612: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 22:40:22.39 ID:08s1xuh70

摩美々「モノクマ、私にもファイルくださーい」

霧子「ま、摩美々ちゃん……」

摩美々「昨日も確認したでしょ?学級裁判にかかってるのは私たちのおしおき」

摩美々「私は死にたくないのでー」

智代子「う、うぅ……」

円香「……それじゃあ私も、ファイルいただきます」

雛菜「……雛菜も」

モノクマ「ほっほっほっ、いいのういいのう、後ろ向きな前向きじゃのう!」

愛依「……あーもう!しょうがない、うちにもちょうだい!」


みんないやいやながらも私たちの後に続いてファイルを受け取っていき、
やがて全員の手に行き届いた。


摩美々「……灯織、今回は切り替え早かったね」

灯織「別に切り替えたわけではありません……」

灯織「小糸の遺志を継ぐこと、それは真乃と約束したことでもある」

灯織「……それなら向き合うことから逃げてる時間はないんです」


613: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 22:45:30.76 ID:08s1xuh70

摩美々さんに返した言葉は本心だった。
半ばやけくそなところもあったとは思う。
それでも、私の心の中には臆病な自分をふっとばして無理やり振るい建てようとする心があった。

それが残されたものに課せられた義務だと知っていたから。

生き残らないと、それに報えない……!


ファイルを配り終えたモノクマは、大きく一つ伸びをするとそそくさとその場を去ろうとする。


モノクマ「じゃ、せいぜい頑張りな!わしは江戸仕込みのワインでも飲みながらおみゃーさんらのことを眺めとくけーの!」

摩美々「ストップ」


だが、それを摩美々さんが制止した。


モノクマ「べらんめぇ?!」

摩美々「……樹里がこの場にいないけどいいの?ていうか樹里は無事なんですかぁ?」


そう、一瞬の間小糸の死で忘れてしまっていたが、この場所にはもう一人、樹里がいない。
まだ緊急事態は終わってなどいないんだ。


モノクマ「クックック……それはわしの口からは言えんからの……おみゃーさんらでどうにかせんかい」

咲耶「自分の目で確かめろってことかい……」

モノクマ「そういうこと、教師が干渉しすぎるのは教育的に良くないって偉い人も言ってるからね!」

モノクマ「もういい?行っていいよね?やかんのお湯が沸騰してるころだしもう行くよ!」


モノクマはそれだけ言うと、すぐにその姿を消した。


614: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 22:51:59.73 ID:08s1xuh70

智代子「えーっと、どうしよっか……」

めぐる「ど、どうするも何も、樹里を見付けなきゃだよね?!」

咲耶「それもそうだけど、捜査も進めないと学級裁判で勝つことはできない」

凛世「ならば、分担いたしましょう……」

凛世「現場で小糸さんの死を究明するチーム……樹里さんの無事を確認するチーム……」

凛世「分かれて行えば倍々でお得、でございます……」

摩美々「それが一番だねー」

愛依「ならうち、樹里ちゃん探すよ!推理はやっぱり苦手だし……任せた!」

咲耶「私も手伝おう、樹里が気がかりで頭が働きそうにない……」


自然と樹里の捜索班と事件の調査班とに分かれていき、事件現場には数人が残された。


灯織「めぐるはどうする?」

めぐる「わたしはやっぱり樹里を探しに行こうかな……頭を使うのより、こっちの方がやっぱり得意だし!」

めぐる「だから灯織、推理は任せたよ!」

灯織「うん、こっちこそ。樹里は任せたよ」

めぐる「まっかせてー!必ず樹里の無事の知らせを、届けて見せるから!」


めぐるもすぐに捜索班の後を追い、私と別れることになった。

……残された私も、役目を果たさないとね。

逃げてばっかりじゃいられない……!
小糸……あなたの遺志は絶対に受け継ぐから……!


【捜査開始】



615: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 22:55:44.93 ID:08s1xuh70

さて、まずは事実確認のモノクマファイルから。
モノクマに手渡された封筒を開封する。

『被害者は福丸小糸。胸部を包丁で人差しにされている。切り傷、刺し傷といった外傷はない。犯行現場には血文字で『成敗』と残されている』

(……これだけ?)

今回のモノクマファイルの情報は目で見てもわかる情報に限られている……あまり使えそうにないかも。
前回の事件でも肝心記述がなかったり、モノクマが意気揚々と持ち出す割には大した代物じゃない。

……どこがフェアなんだか。

コトダマゲット!【モノクマファイル2】
〔被害者は福丸小糸。胸部を包丁で一刺しにされている。切り傷、刺し傷といった外傷はない。犯行現場には血文字で『成敗』と残されている〕

-------------------------------------------------

(……さて、どこから捜査しよう)

1.小糸の死体を調べる
2.智代子の話を聞く

↓1

616: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/16(火) 22:57:32.22 ID:RpJRJqfg0
2

618: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 23:01:04.28 ID:08s1xuh70

2 選択

灯織「チョコ……第一発見者はチョコだったんだよね……?」

智代子「うん……見た瞬間、声を上げちゃって……」

(そりゃ、これだけ凄惨な死体を突然目にしたら叫びたくもなる……)

智代子「私の声を聴いて、灯織ちゃんが遅れてやってきたんだよね」

灯織「うん、その後私の声を聞いてだんだんみんなが集まってきて……今に至ると」

智代子「……ん?うーん……」

灯織「あれ?チョコ、どうかした?」

智代子「いや、大したことじゃないんだけど……前回の透ちゃんの事件の時は、灯織ちゃんたちより先に愛依ちゃんが死体を発見してたよね?」

灯織「え?……うん、そうだったよ」

智代子「今回は、私が先に目撃して……その後灯織ちゃんがやってきた」

灯織「それがどうしたの?」

智代子「モノクマの『死体発見アナウンス』がなったタイミングっていっつも第一発見者じゃないんだよね」

灯織「……それは確か校則にも書いてあったよね、クロ以外の三人が死体を確認した場合に鳴らすアナウンスだって」

智代子「そう!で、それだったら今回の事件ではアナウンスが鳴ったタイミングって私と灯織ちゃんで……二人だよね?」

灯織「ほんとだ……これって、どういうことなんだろう……」

智代子「うっかり……じゃあないよね」


コトダマゲット!【死体発見アナウンス】
〔クロ以外の三人以上が死体を発見した時に鳴るアナウンス。智代子と灯織が死体を発見した直後に今回のアナウンスが鳴った〕


619: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 23:04:07.04 ID:08s1xuh70

-------------------------------------------------

【選択肢が一つなので自動進行します】

-------------------------------------------------

(小糸の死体だ……この小さな身体で、彼女は絶望に争い続け、私たちを励ましてくれたんだよね……)

(心臓が止まり、冷え切った身体に触れるとどうしても彼女との思い出が蘇ってくる)

(でも、泣いてる場合じゃない……よし!)


小糸の死体に向き合った。
冷静に見返してみると今回の事件は異様だ。


モノクマファイルの記述にも会ったように
小糸の死体はただ包丁を突きさされているだけではなく、
大きな血文字の上に横たえられている。

誰かの意思がそこには大きく絡んでいる。
ここも含めて検討しないと。

-------------------------------------------------

1.小糸の死体を触って調べる
2.小糸に突き刺さっている包丁を調べる
3.血文字をよく見てみる
4.死体のそばに落ちている紙を調べる

↓1

620: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/16(火) 23:04:45.64 ID:6ACb8ive0
4

621: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 23:07:19.88 ID:08s1xuh70

4 選択

……あれ?小糸の遺体のそばに何か紙が落ちている。
そういえば愛依さんが事件に巻き込まれた時も、メモ用紙で呼び出されたんだった……もしかして!

『二人っきりで話したいことがあります。深夜2時に図書室に一人で来てください』

……!!
これって!

コトダマゲット!【小糸の持っていた手紙】
〔小糸の遺体のそばに落ちていた手紙。『二人っきりで話したいことがあります。深夜2時に図書室に一人で来てください』と書いてある〕

-------------------------------------------------

1.小糸の死体を触って調べる
2.小糸に突き刺さっている包丁を調べる
3.血文字をよく見てみる

↓1

622: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/16(火) 23:08:02.35 ID:RpJRJqfg0
3

624: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 23:09:20.38 ID:08s1xuh70

3 選択

血文字……小糸の血を使って書かれたものだ。


智代子「ううっ……小糸ちゃん、最後の力を振り絞ったんだね……」

灯織「チョコ……?それってどういう意味?」

智代子「え?これってダイイングメッセージじゃないの?」

灯織「ダイイングメッセージ……被害者が死の間際に犯人を指し示す証拠を残したメッセージのことだよね?」

(うーん、確かにドラマとかだとよくあるけど……)

(小糸の死体はあおむけで、血文字はその遺体の両脇にでかでかと書かれている)

(これを被害者本人が書いたとは考えづらい、よね)

灯織「チョコ、状況からみてダイイングメッセージじゃないんじゃないかな?」

智代子「え?」

灯織「ほら、血文字は背中側だし、小糸はあおむけ。それにこの血文字……『成敗』って書いてあるよ?」

智代子「『成敗』……何の意味があるのかな?」

灯織「むしろ犯人が残して、その犯行声明みたいな感じだったりするのかな?」


コトダマゲット!【血文字】
〔小糸の背中側にでかでかと書かれた『成敗』の二文字。小糸の死体はあおむけで、その文面からしても小糸のダイイングメッセージだとは考えづらい。犯人の犯行声明のようなものだと思われる。〕

625: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 23:11:16.56 ID:08s1xuh70
-------------------------------------------------

成敗の2文字……犯人は一体なんのために……?


凛世「灯織さん、もし宜しければ一緒に図書館までいらしていただけませんか……?」

灯織「凛世?……う、うん、いいけど……図書館が何か関係してるの?」

凛世「はい、こちらの血文字……凛世には心当たりがございます……」

灯織「え?」

凛世「殺人鬼【ジャスティスブラック】でございます……」

(ジャスティスブラック……?)


そういえば、以前黒幕の話になった時智代子が言っていた……
確か果穂も大好きな戦隊ヒーロー【ジャスティスV】のお面をつけた連続殺人鬼、だったっけ。

________それが、どうしてここで?


(現場での捜査がひと段落したら凛世に話を詳しく聞いてみようかな)

-------------------------------------------------

1.小糸の死体を触って調べる
2.小糸に突き刺さっている包丁を調べる

↓1

626: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/16(火) 23:11:41.12 ID:6ACb8ive0
2

627: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 23:13:33.92 ID:08s1xuh70

2 選択

胸に正面から突き立てられた包丁……これが凶器と見て間違いはないのかな?

霧子「小糸ちゃん、苦しまずに死ねたのかな……」

灯織「霧子さん……?」

霧子「あ……えっとね……この包丁って、真正面から突き立てられてて……そのまま一直線に突き抜けてるみたい……」

灯織「真正面から……?」

(確かに言われてみればそうだ……今回の凶器も、まるで垂直に包丁が突きたてられたかのように、真正面から突き刺さっている)

灯織「胸部に真正面からって……不自然ですよね」

霧子「うん……胸のあたりは、肋骨もあるから……殺害を目的にするなら、普通狙うのはお腹なんじゃないかな……」

灯織「そう、ですよね……」

霧子「これが死因なら、即死だったと思うよ……」


コトダマゲット!【包丁】
〔小糸の死体に突き刺さっていた包丁。胸部に真正面から包丁を突き立てられているため、これが死因なら即死だったものと思われる〕

628: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 23:14:30.35 ID:08s1xuh70

灯織「……あれ?そういえばこの包丁ってどこから来たものなんでしょう?」

智代子「あ!それなら多分食堂の包丁だよ!ほら、厨房の!」

灯織「厨房の……?」

凛世「はい、凛世や樹里さんが料理をする際に用いていたものになります……」

凛世「ちょうど5日ほど前から、厨房の包丁は一本歯抜けの状態でございます……」

智代子「うんうん、それは私も見たよ!包丁が消えてから……一度も戻ったのは見てないなぁ……」

凛世「今朝の朝礼の段階で、朝餉の支度はしておりましたから包丁の数は確認しております……」

凛世「犯行に使われたのは、その消えていた一本で間違いないです……」


コトダマゲット!【包丁の出どころ】
〔今回の事件に用いられた包丁は食堂の厨房のもの。5日前から消えていた一本が、そのまま犯行に用いられたとみられる〕




629: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 23:15:10.52 ID:08s1xuh70
-------------------------------------------------

【選択肢が一つなので自動進行します】

-------------------------------------------------


……もう私は、逃げないと決めた。
なら遺体の調査も、自分の手でしっかりと終える……

灯織「小糸、ごめんね……いくよ!」

意を決して小糸の遺体に手を触れる。指先から伝わってくる冷たい死の感覚……気を抜くと当てられてしまう瘴気だ。
それでも決意が揺るがないように、必死に自分に抗いながら触診する。

ぱっと見でもわかるとおり、この包丁で負った傷は致命的。
刃先が半分肉体沈むほど深々と刺さっている……
モノクマファイルの情報にも矛盾はない。

他に外傷としては見当たらない、ような……
いや、切り傷とかにはなって無いってだけかな……?

もうすこし体を念入りに触ってみると、胸部当たりの感触に違和感を感じる。
触ってみるとわかるけど、これは……肋骨が折れている……?


コトダマゲット!【小糸の死体】
〔心臓を包丁で一差しにされている他、肋骨が折れてしまっている〕


630: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 23:16:33.67 ID:08s1xuh70

(よし、玄関ホールで気になるところは一通り調べ終わったかな)

灯織「ねえ、凛世。さっき血文字に心当たりがあるようだったけど」

凛世「はい、灯織さんが都合がよろしければ……今すぐにでも、図書室へ……」

灯織「うん、大丈夫。教えてもらえるかな?」

凛世「こちらへ……」

-------------------------------------------------

【図書室 書庫】

ここに来たのははじめの探索以来。
相変わらず埃っぽい空間……だけど凛世はそれに怯むことなくずいずいと突き進み、棚から一冊の本を手に取った。


凛世「こちら、でございます……」

凛世が手渡してきた本、そのタイトルは……

灯織「世界殺人鬼名鑑?!」

凛世「はい、左様でございます……かつて世間を賑わかせたジェノサイダー翔はもちろん、海外の殺人鬼キラキラちゃんまで……古今東西和洋折衷の殺人鬼が収められております……」

(凛世がこんな本を読んでたなんて意外だな……)

凛世「こちらのページを、ご覧になってくださいませ……」


というと凛世はページ角が折られた1ページを開いた。


灯織『ジャスティスブラック……新進気鋭の殺人鬼。現場には必ず【成敗】の血文字を残すことで知られる。彼がその目に映すのは正義か、それとも狂気か』

灯織「……これって!」

凛世「はい、現場の血文字と一致しております……」

灯織「わ、私たちの中にジャスティスブラックの正体が……?!」


コトダマゲット!【世界殺人鬼名鑑】
〔古今東西時代を問わず殺人鬼が収められた一冊。ジャスティスブラックについての記述もある。『現場には必ず【成敗】の血文字を残す』〕



631: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 23:17:49.46 ID:08s1xuh70

凛世「……凛世も、一瞬そう思ったのですが」

灯織「……え?」

凛世「こちらの一冊もご覧になってください……」

灯織「えーっと……『日本殺人鬼大観』、これまた物騒なタイトルだね……」

凛世「こちらは日本の殺人鬼に絞って記載がされております……時代の流れに合わせて新旧入り混じった殺人鬼が……」

灯織「すごい……猟銃と日本刀で三十人殺した青年……こんな人もいたんだ……」

凛世「ご覧になっていただきたいのはこちらのページです……」


凛世が開いた1ページ。
そこには先ほどの名鑑よりもはるかに大々的にジャスティスブラックが取り上げられていた。
しかもある程度のボカシは入っているものの、被害者の写真付き。


凛世「これと世界殺人鬼名鑑とを比べ読むと、凛世の感じる違和感も理解していただけるものかと……」

灯織「う、うん……わかった」


『ジャスティスブラックは近年登場した連続殺人鬼だ。
彼の名前の由来にもなったジャスティスVはXX年より放映が開始されており、彼が登場したのはその一年後の△△年になる。

彼の特徴は、殺人が正義のためのものであるということ。
彼が殺害する対象は元服役囚ばかりで、その胸に正面から刃物を突き立てることが共通している。
その死体は死体自身の血で猟奇的に彩られるのも特徴だ。血でできたVの字の上に横たえられた死体、その脇には成敗の2文字。

ジャスティスブラック本人にとっては、まさに悪の組織の一味を討ち取ったような感覚なのだろう。そんな子供じみた狂気を我々は感じてならない』


凛世「小糸さんのご遺体と、相違点があることに……お気づきになられましたか……?」

灯織「うん……この情報は使えると思う、ありがとう。凛世」


コトダマゲット!【日本殺人鬼大観】
〔日本に絞って殺人鬼の情報が集められた一冊。ジャスティスブラックについての記述もこちらの方が濃密〕

632: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 23:18:54.17 ID:08s1xuh70

【図書室】

埃っぽい図書室での捜査を終え、図書室に出てくると、数人が図書室を調査中だった。

甘奈「あれ?灯織ちゃん?!ありゃりゃ、甘奈たちより先にもう来てたんだ」

灯織「うん……もしかして、樹里を探してるところ?」

甜花「書庫なら、いるかなって思った……けど……」

灯織「はい、ここにはいませんでした……」

甘奈「まあ、樹里ちゃんが図書室って感じでも無いかなぁ?」

灯織「あんまり関係ないと思うけど……」

甜花「西城さん、どこだろう……」

(どうせだし図書室も少し調べてみようかな……?)

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1.本棚を調べる
2.脚立を調べる
3.床に落ちているゴミを調べる

↓1

633: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/16(火) 23:19:24.78 ID:RpJRJqfg0
1

634: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 23:20:49.01 ID:08s1xuh70

1 選択

(相変わらず夥しい数の本がギチギチに詰め込まれている……)

凛世「どなたか、凛世たちより先に入られたのでしょうか……」

灯織「え?」

凛世「こちらの本棚……凛世が以前覗いた時と、並びが異なっております……」

灯織「ホント?!ど、どの棚?!」

凛世「入口向かって正面の棚……ご覧になってください、五十音の並びがめちゃくちゃになっております……」

灯織「ホントだ……めちゃくちゃだ、しかも本棚全体だよ」

凛世「一度全ての本を出して……適当に入れ直すほどの労力を、要したものと思われます……」

(何か事件に関係あるかもしれない、覚えておこう……)


コトダマゲット!【凛世の証言】
〔図書室の本棚の並びが事件前後でめちゃくちゃになっている。〕

-------------------------------------------------

1.脚立を調べる
2.床に落ちているゴミを調べる

↓1

635: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/16(火) 23:21:55.26 ID:kpw+QLhV0

637: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 23:22:49.55 ID:08s1xuh70

(図書室の隅、あれはなんだろう……)

灯織「アルミ製の、ゴミ……あ、これって!」

凛世「PTPシート、でございますね……」

灯織「え?」

凛世「錠剤を入れるアルミ製のシートをそう呼ぶと、以前お聞きいたしました……」

灯織「へぇ……でもなんでこんなところに錠剤のシートが……?」

凛世「裏面に薬の名前の記載がございます……」

灯織「……『スグネムール』、直球なネーミングだね」

凛世「『あったらいいな』をカタチになさる製薬会社の薬なのでしょうか……」

灯織「名前からしても、これは睡眠薬みたいだね」

(それにしてもこの薬、どこかで見覚えがあるんだけどな……)


コトダマゲット!【睡眠薬】
〔図書室に落ちていた睡眠薬のシート。既に薬はなくなっており、何者かが使用したものと思われる〕

638: 少し早いですがもう少しで一つの区切りになるのでそこで終わります ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 23:24:04.90 ID:08s1xuh70
-------------------------------------------------

【選択肢が一つなので自動進行します】

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甘奈「あれ?このハシゴ、壊れてる……?」

灯織「甘奈、それはハシゴじゃなくて脚立だよ。ほら、ハシゴだったら何かに立てかけて使ったりするけど、脚立は自立するから」

甘奈「そうかな……?ハシゴも脚立も結局登るから一緒なんじゃないの?」

灯織「えっ」

甜花「風野さん、もっとホンシツを見るのが大事……!!」

甘奈「そういうこと☆」

灯織(な、なんか釈然としない……!!)

凛世「妙でございますね……昨夜、凛世は本棚の上段にある本を取る際に、使用したばかりです……」

灯織「そうなの?」

凛世「はい、図書館に備えつきの足場です……凛世は毎日図書室に通っていたので、頻繁に活用していたのですが……」

甘奈「この壊れ方、危ない……足場がガタガタになってるよ!」

甜花「気付かずに使ったら、大怪我しちゃう……!」

凛世「モノクマさんに、交換のお申し付けをしておかなければ……」


コトダマゲット!【脚立】
〔図書室に備え付けの脚立。凛世が昨日使用した段階では故障していなかった。事件後は足場がガタガタになっており大変危険な状態になっていた〕


639: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 23:25:37.55 ID:08s1xuh70

(図書室でもまさか情報が得られるとは……一度小糸さんの遺体のある玄関ホールに戻ろうか……?)

そう思って移動しようとした矢先。
図書室の扉は乱暴に開かれた。

愛依「ちょいちょい!灯織ちゃんたち!こっち来て!」

灯織「め、愛依さん?!どうしたんですか、そんなに慌てて!」

愛依「じゅ、樹里ちゃんが……見つかった、見つかったんだけど……マジでやばいから急いで!」

灯織「樹里が見つかったんですか?!」

愛依「現場はプールサイドだから、早く向かって!うちは他のみんなも呼んでくる!」

樹里がプールサイドに……?
なんでこんな朝早くから?別に樹里にそんな運動習慣は無かったはず。
それに愛依さんの慌てっぷり……まさか!?

640: 小糸さんになってますね→小糸です ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 23:27:06.54 ID:08s1xuh70

心臓の鼓動がはち切れんばかりに早まる。
嘘だ、そんな……ついさっき、絶望を味わったばかりなのに……
そんなこと、あるはずがない!あっちゃならないんだ……!


-------------------------------------------------

【プール】

我も忘れて廊下を駆け抜け、更衣室も走り抜け、そしてプールサイドへ到着。

既に対岸の方には摩美々さんたちの姿が見える。
ざわめきが遠目にもわかる……間違いない、【何か】が起きている。


頼むから、その【何か】が私の思っているものとは違っていて……!


641: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 23:27:39.70 ID:08s1xuh70




__________でも、この学園ではそんな願いなんて無意味だ。






642: ◆zbOQ645F4s 2021/03/16(火) 23:28:42.54 ID:08s1xuh70





【プールサイドのロッカーには頭部が自身の血に染め上げられた西城樹里が押し込められていた】






650: ◆zbOQ645F4s 2021/03/17(水) 22:03:47.10 ID:RLtFVL/p0

灯織「樹里!!」

(そんな、そんな……!?)


集まっているみんなには構う余裕もなく、思わず樹里のそばに駆け寄る。
誤解されやすい見た目だけど、すごく面倒見が良くて、気さくで……
心許しあえる仲間だった彼女の手は、かつての温もりを…………






__________失ってはいなかった。


灯織「え?」

咲耶「灯織、落ち着くんだ。樹里はまだ息がある……死んではいないんだ」


樹里の口元に耳を寄せる。

スーッ……スーッ……

微かだが、呼吸が聞こえる。
苦悶の中絞り出すような呼吸ではあったが、確かに彼女の生存を物語るものだった。


摩美々「今霧子が倉庫に応急処置の道具を取りに行ってるとこー、とりあえずは安心していいってー」

灯織「ほ、ホントですか……良かった……」

樹里「……当たり……まえ……だろ?」

灯織「樹里!?」

樹里「アタシが……こん……なとこで……死ぬわけ……ねー……」

灯織「でも、ひとまずは安心しました……樹里が無事で何よりです」

摩美々「まぁ無事じゃないですけど、犠牲者の数は増えなくて良かったですよねー」


651: ◆zbOQ645F4s 2021/03/17(水) 22:05:04.03 ID:RLtFVL/p0

しばらくするとすぐに他のみんなも集まってきた。


めぐる「うわっ?!樹里?!大丈夫なの?!」

円香「……」

凛世「樹里さん……!樹里さん……!」

甘奈「えっ……大丈夫なんだよね?!これ、大丈夫なんだよね?!」

甜花「西城さん……踏ん張って……!まだ、死んじゃダメだよ……!」

樹里「こんなの……大したことねーよ……」

霧子「救急セット、持ってきたよ……!止血はこれで済むし、大丈夫……!」


霧子さんの治療は手早く、あっとういう間に樹里の頭は包帯でぐるぐるまきになってしまった。
布越しに浮かび上がる血の跡がなんとも痛ましい。


霧子「あと、鎮痛剤も持ってきたから……」

樹里「おう、悪いな……いってて……」


樹里はそう言ってヨロヨロと体を起こして……


樹里「痛っ!!」


その途中で勢いよく転んでしまった。


652: ◆zbOQ645F4s 2021/03/17(水) 22:05:33.80 ID:RLtFVL/p0

愛依「わああああああああ!!?!?樹里ちゃん?!?!?!」

甜花「あわわわわわ……西城さんが、死んじゃった……!!!!!」

摩美々「スペランカーじゃないしそんな簡単に死なないでしょー……」

樹里「いって……くそっ、右脚が……右脚が……」


樹里が痛みに いで身を捩りながら指さしたのは右脚。素人目にもわかるぐらい腫れ上がっている。


霧子「これは……骨折……?ごめんね、樹里ちゃん……ちょっと触るよ……」

樹里「ガッ……!!痛っ……!!」

霧子「…………うん、右脚が骨折してるみたい……犯人に襲われた時に、折れたのかな……」

樹里「ま、マジかよ……」


コトダマゲット!【樹里の骨折】
〔ロッカーに押し込められていた樹里は、右脚を骨折していた〕

653: ◆zbOQ645F4s 2021/03/17(水) 22:07:28.00 ID:RLtFVL/p0

めぐる「き、霧子……どうにかならないの?!」

霧子「……私も、そこまでできるわけじゃないから……どうしよう……」

咲耶「このままじゃ裁判どころじゃないね……」

愛依「どうすんの……まだ捜査も終わってないよね?!」

摩美々「……モノクマー」

モノクマ「はいはい!お呼びでしょうか!」

灯織「ま、摩美々さん?!」

摩美々「樹里の怪我の治療、お願いできませんかー?」

樹里「はぁ……?!摩美々、ふざけんな……!んなもん、アタシはやだかんな……!」

モノクマ「いいっすよ!」

智代子「快諾?!」

モノクマ「まあ放っておいても別に死ぬ怪我でもないしね!これで西城さんが死ぬんなら事件が面白くなるかもしれないし放っておくところだけど!」

咲耶「最低の理由を語ってくれてありがとう」

モノクマ「ま、この様子だと西城さんは生きてる方が面白そうだし助けてあげるよ!」

円香「……それ、どういう意味?」

モノクマ「おっと、喋りすぎたかな!」

樹里「アタシはモノクマになんか治療される気ないからな……」

モノクマ「はいはい、我が儘が許されるのはママの子宮の中までだよ!」


……と、モノクマが適当に樹里を宥め、指を鳴らすと。

654: ◆zbOQ645F4s 2021/03/17(水) 22:10:35.63 ID:RLtFVL/p0

_____ピーポー……


めぐる「……あれ?何か聞こえない?」

灯織「……え?」

モノクマ「聞こえるかい……自然の呻きが」


_____ピーポーピーポー……



咲耶「微かに……サイレンのような音が聞こえるね」

霧子「救急車さん……?」


_____ピーポーピーポー……



愛依「え?なんか……近づいてきてるくない?!」

灯織「……えっ?」


_____ピーポーピーポー!


愛依さんの言葉通り、サイレンはどんどん大きくなっていき、


_____ズガドーン!!


プールの壁をぶち破って救急車が姿を現した!

655: ◆zbOQ645F4s 2021/03/17(水) 22:12:22.39 ID:RLtFVL/p0

智代子「えええええええええ?!?!」

灯織「きゅ、救急車がなんで……学校の壁から……?」

甘奈「ここここここ、二階だったよね?!」

モノクマ「あとはドクター・デスの異名を欲しいままにするボクにお任せ!」

咲耶「不吉極まりない異名だね……」

モノクマ「至急!この患者をモノクマ救命センター24時に搬送します!」

めぐる「ど、どこにそんなところがあるの?!」

樹里「おい、こら!離せ!」

モノクマ「あーもう!暴れない暴れない!」

霧子「じゅ、樹里ちゃん……暴れると、怪我によくないよ……!」

モノクマ「ボクの医師人生を賭けて、西城さんを救ってみせるよ!免許はないけどね!」


呆気にとられる私達を他所にモノクマはそそくさと樹里を救急車に乗せ、どこかへ走り去ってしまった。


656: ◆zbOQ645F4s 2021/03/17(水) 22:15:23.47 ID:RLtFVL/p0

愛依「今何が起きたん……?」

めぐる「ぽかーんだよ……」

摩美々「……ひとまずはモノクマに任せるしかないよー」

甘奈「だ、大丈夫……だよね?」

智代子「信じるしかないよ……大丈夫、奇しくもモノクマは世界一の外科医とカラーリングが一緒だから……」

咲耶「……関係あるのかい?」


……理解は追いつかない、けど
とりあえずは喜んでいいんだよね?
あそこまで言うからには樹里はきっと助かるんだよね?
大丈夫なんだよね?

……はぁ、考えても無駄だよね。
仕方ない、樹里は行ってしまったけど、残された証拠から得られる情報もあるはず。
ここで調査を行おう。


-------------------------------------------------

1.樹里の入っていたロッカーを調べる
2.ロッカーの中に落ちている紙を調べる
3.愛依に話を聞く

↓1

657: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/17(水) 22:16:08.14 ID:MgUxpfI00
2

658: ◆zbOQ645F4s 2021/03/17(水) 22:20:08.00 ID:RLtFVL/p0

樹里が入っていたロッカーを隅々まで見てみると、一枚のメモ用紙がロッカー内に落ちていることに気が付いた。

『二人っきりで話したいことがあります。深夜1時に図書室に一人で来てください』

あれ?これって……
そうだ、さっき小糸の遺体の近くで見つけた手紙と同じ紙で同じ内容になっている。
違うのは、集合時間だけ……

同じ犯人が書いたものとみて間違いない……のかな?


コトダマゲット!【樹里の持っていた手紙】
〔樹里の押し込められていたロッカー内に落ちていた手紙。『二人っきりで話したいことがあります。深夜1時に図書室に一人で来てください』〕

-------------------------------------------------

1.樹里の入っていたロッカーを調べる
2.愛依に話を聞く

↓1

659: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/17(水) 22:20:45.56 ID:hYw8pQFI0
2

660: ◆zbOQ645F4s 2021/03/17(水) 22:23:03.05 ID:RLtFVL/p0

2 選択

灯織「そういえば、愛依さんが樹里さんの第一発見者なんですか?」

愛依「うん……うちだよ」

愛依「あ、今回もマジでうち何もしてないかんね!ロッカーの扉を開けた瞬間に机も降ってこなかったし!」

(相当浅倉さんの事件がトラウマになってるみたいだ……)

愛依「学校中隅々まで探してたら見つけたってだけだし……特に手掛かりになる心当たりとかは無いかな~、ごめん!」

灯織「いえ……」

(そうだ、愛依さんが第一発見者なら樹里から何か話を聞いてるかもしれない)

灯織「あ、では愛依さんじゃなくて樹里は何か言ってませんでしたか?私は大して樹里と話す間もなかったので……」

愛依「あー、おっけ!任せて任せて!確か……」

661: ◆zbOQ645F4s 2021/03/17(水) 22:24:34.15 ID:RLtFVL/p0

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

愛依「樹里ちゃーん!おーい!いたら返事してー!」

______ガタガタ

愛依「……あり?あっこのロッカー、今動いた?」

愛依「……んしょっと」ガチャ……

樹里「……あ……?」チミドロ

愛依「うわあああああああ!?!?!?!?じゅ、樹里ちゃんが、死んでる?!?!?」

樹里「め、愛依か……死んでねーよ、静かにしてくれ……」

愛依「……え?じゅ、樹里ちゃん、無事なん?!」

樹里「無事……じゃなさそうだけどよ……」

樹里「へへっ、犯人は……アタシを殺し損ねたみてーだ」

愛依「は、犯人?!犯人知ってんの?!」

樹里「…………いや……不意打ち食らったから、生憎な。顔も……見てねー……」

樹里「あー……くそ……図書室に呼び出されてから……記憶があいまいだ……」

愛依「わー!無理しないで!すぐにみんな呼んでくっから!死なないで!」

樹里「……任せとけ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

愛依「頭打ってる状態で頭使わせんのはアレかなって……でもマジで記憶ソーシツ?みたいな感じだったよ!」

灯織「……大丈夫です、樹里の記憶も重要なところはしっかり残っているようですし」

(ただ、本人は何があったのかすらよくわかってなかったんだ……)


コトダマゲット!【樹里の証言】
〔樹里は昨晩の夜時間に図書室に呼び出され、そこで犯人の不意打ちを受けた。殴られた衝撃でそれ以外の記憶は曖昧になっている〕

662: ◆zbOQ645F4s 2021/03/17(水) 22:25:22.29 ID:RLtFVL/p0
-------------------------------------------------

【選択肢が一つなので自動進行します】

-------------------------------------------------

樹里が押し込められていたロッカーだ。
内側にはベッタリと血が付着している。


霧子「その血痕は、樹里ちゃんの血だよ……後頭部の頭皮が裂けてたから……」

灯織「後頭部が、ですか?」

霧子「うん、なにかで強く頭を一度殴られたみたい……」

灯織「ってことは……樹里は不意打ちをうけたということなんでしょうか」

霧子「かも……それで、一撃で意識を失っちゃったみたい……」

(樹里の意識を飛ばすほどの衝撃……犯人はかなりの勢いで殴りつけたに違いない)


コトダマゲット!【後頭部の怪我】
〔樹里の後頭部に出血を伴う強い打撲痕がある。樹里は不意打ちでこれを食らったようで、その衝撃で意識を失ってしまった〕


663: ◆zbOQ645F4s 2021/03/17(水) 22:27:04.13 ID:RLtFVL/p0

……大体調べるべきところの調査は終わった。
ただ、今回の被害者が被害者だけに、あの人に話を聞いておくべき、私は逃げるべきじゃない。


-------------------------------------------------

【小糸の部屋前】

灯織「やっぱり、ここにいましたね」

円香「……何?」

灯織「……っ!」

(冷ややかな目……私のすべてを見透かしているかのよう……)

(でも、樋口さんの視線からは……真乃の時に感じたような敵意は、感じない)

円香「……別に話すこととか、ないから」

灯織「いや、あの……樋口さんは、小糸のこと見かけたりとかは」

円香「してない」

灯織「……そんなわけないですよね?!だって幼馴染なんですよね?!」

円香「……関係ない」

灯織「小糸のこと、何か少しでも知っていることがあれば!」

円香「……ごめん」

(どうしてしまったんだろう……!?のれんに腕押し……話していてもまるで響いている感覚がない……!)

664: ◆zbOQ645F4s 2021/03/17(水) 22:27:58.06 ID:RLtFVL/p0

(死体発見の時にも、透さんの時のような錯乱の色が全く見えなかった……)

(何も感じていないわけがないのに……)

雛菜「円香先輩……」

(……市川さん!)

雛菜「雛菜、今の円香先輩こわくてきらい~……」

円香「……そう」


市川さんに話しかけられても樋口さんはおざなりな返事でその場を去ってしまった。


雛菜「……」

灯織「い、市川さん……あの」

雛菜「なんですか~……?」

灯織「その、ショックだとは思うんですが……その……事件を解決することが小糸のためにもなるといいますか……」

雛菜「……わかってますよ、雛菜もそれぐらい~」

雛菜「でも、ごめんなさい……今は、雛菜も……円香先輩とおんなじだから……」


市川さんも、そのまま樋口さんのあとを追ってどこかに行ってしまった。

二人は私たちに証言を提供しないどころか、協力を拒んでいる……そんな態度だ。
私たちに彼女たちの気持ちがすべてわかるわけない。けど……どうしてここまで?

樋口さんも市川さんも、【絆】を信じてはくれなかったの……?


665: ◆zbOQ645F4s 2021/03/17(水) 22:31:45.14 ID:RLtFVL/p0

_______キーンコーンカーンコーン……

『お疲れ様です、進捗のほどいかがでしょうか!』

『そろそろ裁判の時刻が迫って参りました!学校エリア一階、赤い扉の前に集合くださいね!裁判場でボクと握手!』

『……あ、そうそう!お友達は無事応急処置が終わったから、しっかり裁判にも参加してもらうから安心してね?』

『みんな揃って学級裁判をしないとだめだよね、それが平等な教育って奴だから!法令を遵守する、ボクって立派なクマだなぁ……!』

(……時間だ)


今のモノクマの口ぶりからして、樹里は本当に助かったみたい。
ただ、そのまますぐ裁判に連れて行くんだ……
樹里には苦しい時間を過ごさせることになってしまう……

結局樋口さんにも協力は得られなかったし、今回の事件には不安材料が多い。

……でも、やるしかない。進むしかない。
なんとしても生き残る……そのために、行くんだ。

666: ◆zbOQ645F4s 2021/03/17(水) 22:34:14.16 ID:RLtFVL/p0

【学校エリア エレベーター前】

モノクマ「いらっしゃい!裁判場は天国と地獄の一歩手前!三途の川クルーズへようこそ!」

既にエレベーターホールにはみんなが揃っていた。
もちろん、樋口さんも市川さんも。

そして、樹里も。


灯織「樹里……!大丈夫なの?!」

樹里「まあな、みんなに裁判まかせっきりってわけにもいかねーし……頑張るよ」

めぐる「無茶はしちゃだめだからね!」


怪我をしながらも私たちと一緒に戦おうとしてくれる樹里。


円香「……」

雛菜「……」


その一方でだんまりを決め込む樋口さんと市川さん。

二人の協力は多分この裁判でも得られない。
私たちは決して一枚岩じゃないかもしれない。

……でも、共に生きる仲間なんだ。私たちは絶対に生き残る。
この裁判でも……死ぬわけにはいかない!


めぐる「灯織……頑張ろうね」

灯織「……うん」


私がエレベーターに乗り込むとドアは締まり……
エレベーターは動き出す。

667: ◆zbOQ645F4s 2021/03/17(水) 22:35:28.55 ID:RLtFVL/p0

エレベーターの立てる機械音は大きな音だけど……不思議と気にならなかった。
福丸さんの死、樹里の大けが、モノクマに渡された動機ビデオ……

気になるものはもっと他にある。

今の私の胸の動悸はそのどれかに向けられたものなのか。
もう自分の感情がわからない、戸惑いや恐怖なんて一言じゃ表せない……
ただ唯一確かなのは、死にたくないということだけ。

_______だから私は、もう一度戦わなくちゃいけないんだ。




エレベーターが停止した。

裁判場は浅倉さんの事件の時とは様変わりしていた。
青色だったカーテンは今から命のやり取りをするとは思えないパステルなピンク色。
そんな色彩の中で裁判の設備が備えられてるのが異様なミスマッチで不気味だ。


モノクマ「どうせなんで福丸さんに合わせてキュートでポップなレイアウトに変えてみました!背景もずっと一緒じゃマンネリ化しちゃうしね!」

めぐる「一体どこからそんなお金が出てるんだろう……」


けど、そんなことにかかずらっている場合じゃない。

私たちは現実に向き合わなきゃいけないんだ。
私たちの中にいる殺人犯、クロを見つけ出さなきゃならない!

668: ◆zbOQ645F4s 2021/03/17(水) 22:36:58.38 ID:RLtFVL/p0

________超高校級の学級委員、福丸小糸。

学級委員の名にふさわしい責任感、そして誰よりも強い心の芯を持っていた。

彼女は浅倉さんの死を乗り越え、強く、大きくなろうとしていて……
そんな彼女に私たちは希望をもらっていた。
それなのに、そんな彼女を殺した人間がいる。

二度目だろうが何だろうが、慣れることはない。

学級裁判……


________それは仲間たちを疑いあう私たちの戦い。


________それは仲間たちを犠牲にして生き残る私たちの戦い。


________それは仲間たちを信じるための私たちの戦い。


戦うんだ!私の全力をかけて……!


676: ◆zbOQ645F4s 2021/03/19(金) 21:53:20.18 ID:TyhsjsHe0

【コトダマ】

‣【モノクマファイル2】
〔被害者は福丸小糸。胸部を包丁で一刺しにされている。切り傷、刺し傷といった目に見える争った外傷はない。犯行現場には血文字で『成敗』と残されている〕

‣【死体発見アナウンス】
〔クロ以外の三人以上が死体を発見した時に鳴るアナウンス。智代子と灯織が死体を発見した直後に今回のアナウンスが鳴った〕

‣【包丁】
〔小糸の死体に突き刺さっていた包丁。胸部に真正面から包丁を突き立てられているため、これが死因なら即死だったものと思われる〕

‣【包丁の出どころ】
〔今回の事件に用いられた包丁は食堂の厨房のもの。5日前から消えていた一本が、そのまま犯行に用いられたとみられる〕

‣【小糸の死体】
〔心臓を包丁で一差しにされている他、肋骨が折れてしまっている〕

‣【小糸の持っていた手紙】
〔小糸の遺体のそばに落ちていた手紙。『二人っきりで話したいことがあります。深夜2時に図書室に一人で来てください』と書いてある〕

‣【世界殺人鬼名鑑】
〔古今東西時代を問わず殺人鬼が収められた一冊。ジャスティスブラックについての記述もある。『現場には必ず成敗の血文字を残す』〕

‣【日本殺人鬼大観】
〔日本に絞って殺人鬼の情報が集められた一冊。ジャスティスブラックについての記述もこちらの方が濃密〕


677: ◆zbOQ645F4s 2021/03/19(金) 21:55:31.45 ID:TyhsjsHe0

‣【血文字】
〔小糸の背中側にでかでかと書かれた『成敗』の二文字。小糸の死体はあおむけで、その文面からしても小糸のダイイングメッセージだとは考えづらい。犯人の犯行声明のようなものだと思われる。〕

‣【凛世の証言】
〔図書室の本棚の並びが事件前後でめちゃくちゃになっている。〕

‣【脚立】
〔図書室に備え付けの脚立。凛世が昨日使用した段階では故障していなかった。事件後は足場がガタガタになっており大変危険な状態になっていた〕

‣【睡眠薬】
〔図書室に落ちていた睡眠薬のシート。既に薬はなくなっており、何者かが使用したものと思われる〕

‣【樹里の骨折】
〔ロッカーに押し込められていた樹里は、右脚を骨折していた〕

‣【後頭部の怪我】
〔樹里の後頭部に出血を伴う強い打撲痕がある。樹里は不意打ちでこれを食らったようで、その衝撃で即座に意識を失ってしまった〕

‣【樹里の持っていた手紙】
〔樹里の押し込められていたロッカー内に落ちていた手紙。『二人っきりで話したいことがあります。深夜1時に図書室に一人で来てください』〕

‣【樹里の証言】
〔樹里は昨晩の夜時間に図書室に呼び出され、そこで犯人の不意打ちを受けた。殴られた衝撃でそれ以外の記憶は曖昧になっている〕