1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 19:46:57.31 ID:xFhkbd490
ナカジマ「イソノー! 野球しようぜ!」
カツオ「ナカジマ!」
カツオ「行ってきまーす」
サザエ「ちょっとカツオ、宿題終わったの?」
カツオ「あとでやるよ」タタッ!
サザエ「カツオー!」
鳴滝「……あの少年が、この世界の主人公か……」
カツオ「ナカジマ!」
カツオ「行ってきまーす」
サザエ「ちょっとカツオ、宿題終わったの?」
カツオ「あとでやるよ」タタッ!
サザエ「カツオー!」
鳴滝「……あの少年が、この世界の主人公か……」
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 19:47:52.97 ID:xFhkbd490
カキーン!
「行ったぞー! 回れ回れー!」
……。
カツオ「……なあ、ナカジマ」
ナカジマ「? 何だよ、イソノ」
カツオ「僕達、前にもこんな風に野球をしてなかった?」
ナカジマ「へ?」
ナカジマ「そりゃ、野球は毎日のようにやってるし……」
カツオ「そうじゃないんだ」
カツオ「これと全く同じことを、何十年も続けてる気がするんだ……」
ナカジマ「熱でもあるんじゃないのか?」
「行ったぞー! 回れ回れー!」
……。
カツオ「……なあ、ナカジマ」
ナカジマ「? 何だよ、イソノ」
カツオ「僕達、前にもこんな風に野球をしてなかった?」
ナカジマ「へ?」
ナカジマ「そりゃ、野球は毎日のようにやってるし……」
カツオ「そうじゃないんだ」
カツオ「これと全く同じことを、何十年も続けてる気がするんだ……」
ナカジマ「熱でもあるんじゃないのか?」
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 19:49:15.51 ID:xFhkbd490
カツオ「なあ。僕達、一体いつまで小学生を続けるんだろうな?」
ナカジマ「イソノの言ってることが僕にはわからないよ」
カツオ「去年も、その前も、ずっと同じことを繰り返してる気がするんだ……」
ナカジマ「……イソノ」
鳴滝「私にはその理由がわかるぞ。カツオ君」
カツオ「! だ、誰!?」
鳴滝「それは、この世界に“ライダー”が紛れ込んだせいだ」
カツオ「ライダー?」
鳴滝「それもこれも、すべてはディケイド……あの悪魔のせいだ」
カツオ「ディケイド……?」
ナカジマ「……」
ナカジマ「イソノの言ってることが僕にはわからないよ」
カツオ「去年も、その前も、ずっと同じことを繰り返してる気がするんだ……」
ナカジマ「……イソノ」
鳴滝「私にはその理由がわかるぞ。カツオ君」
カツオ「! だ、誰!?」
鳴滝「それは、この世界に“ライダー”が紛れ込んだせいだ」
カツオ「ライダー?」
鳴滝「それもこれも、すべてはディケイド……あの悪魔のせいだ」
カツオ「ディケイド……?」
ナカジマ「……」
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 19:52:05.36 ID:xFhkbd490
士「さて、また新たな世界に来たわけだが」
ユウスケ「なんだ士。小学生みたいな格好だな!」
夏海「今度は何の世界なんでしょう……」
士「さあな。とりあえず、この辺りをブラついてみるか……」
サザエ「ディケイド!」
士「あ?」
サザエ「ディケイド、あんた宿題ちゃんと終わらせたんでしょうねえ」
士「宿題? 何の話だ」
サザエ「そちらはお友達?」
士「お前の知ったことじゃないな」
サザエ「まあ! 姉さんに向かってなんて言葉遣いを!」
ユウスケ「なんだ士。小学生みたいな格好だな!」
夏海「今度は何の世界なんでしょう……」
士「さあな。とりあえず、この辺りをブラついてみるか……」
サザエ「ディケイド!」
士「あ?」
サザエ「ディケイド、あんた宿題ちゃんと終わらせたんでしょうねえ」
士「宿題? 何の話だ」
サザエ「そちらはお友達?」
士「お前の知ったことじゃないな」
サザエ「まあ! 姉さんに向かってなんて言葉遣いを!」
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 19:55:22.94 ID:xFhkbd490
ユウスケ「何だ何だ?」
夏海「士くん、妹さんの他にお姉さんもいたんですか?」
士「知らねえよ」
サザエ「反抗期にも程があるわー。お父さんに叱ってもらわないとっ!」
士「……」
サザエ「ちょっと、いらっしゃい!」
士「……何だかよくわからないが、行ってみるか。それでこの世界のことが分かるならな」
ユウスケ「じゃ、じゃあ、俺達は俺達で、この世界を調べてみるよ」
夏海「あとで合流しましょう」
夏海「士くん、妹さんの他にお姉さんもいたんですか?」
士「知らねえよ」
サザエ「反抗期にも程があるわー。お父さんに叱ってもらわないとっ!」
士「……」
サザエ「ちょっと、いらっしゃい!」
士「……何だかよくわからないが、行ってみるか。それでこの世界のことが分かるならな」
ユウスケ「じゃ、じゃあ、俺達は俺達で、この世界を調べてみるよ」
夏海「あとで合流しましょう」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 19:59:27.38 ID:xFhkbd490
士「だーかーらー、俺はこの家の子供じゃないし、小学生でもないっ!」
サザエ「ディケイド! 大人をおちょくると怒るわよー!」
士「もう怒ってるじゃねえか。少しは落ち着けよ、大人なら」
サザエ「ムッキー! なんですってー!」
フネ「まあまあ。放っておけば、じきに収まりますよ」
サザエ「でも、母さん!」
フネ「サザエだって反抗期はあったのよ」
サザエ「……それとこれとは」
士(どうやら俺は……この家族の子供としての役割を与えられてしまったようだな)
サザエ「ディケイド! 大人をおちょくると怒るわよー!」
士「もう怒ってるじゃねえか。少しは落ち着けよ、大人なら」
サザエ「ムッキー! なんですってー!」
フネ「まあまあ。放っておけば、じきに収まりますよ」
サザエ「でも、母さん!」
フネ「サザエだって反抗期はあったのよ」
サザエ「……それとこれとは」
士(どうやら俺は……この家族の子供としての役割を与えられてしまったようだな)
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 20:02:28.79 ID:xFhkbd490
テクテク……
ユウスケ「ふーん。なんだか、平和そうな町だなー」
夏海「特に事件が起こってるようなそぶりも、ありませんね……」
カツオ「あ、イササカ先生。こんにちはー」
イササカ「ん? なんだ君は。私の患者……にしては若過ぎるな」
カツオ「はい?」
イササカ「こんな子供がガイアメモリを持っている筈がないか……」
カツオ「イササカ先生? どうしたんです?」
イササカ「さあ、そこをどいてくれ。私はドーパントの能力の研究で忙しいんだ」
ユウスケ「なんだあの人?」
夏海「さあ……」
ユウスケ「ふーん。なんだか、平和そうな町だなー」
夏海「特に事件が起こってるようなそぶりも、ありませんね……」
カツオ「あ、イササカ先生。こんにちはー」
イササカ「ん? なんだ君は。私の患者……にしては若過ぎるな」
カツオ「はい?」
イササカ「こんな子供がガイアメモリを持っている筈がないか……」
カツオ「イササカ先生? どうしたんです?」
イササカ「さあ、そこをどいてくれ。私はドーパントの能力の研究で忙しいんだ」
ユウスケ「なんだあの人?」
夏海「さあ……」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 20:06:26.38 ID:xFhkbd490
ナミヘイ「ただいま」
フネ「お帰りなさい」
サザエ「お父さんお帰りなさーい。ちょっと聞いてよ、ディケイドったら酷いのよー」
ナミヘイ「なんだなんだ。またイタズラでもしたのか」
士(一家の大黒柱のお帰りらしいな)
士(家族、か……。俺には無かったな、そういうの……)
ドスドスドス、バン!
士「! 何だ!?」
ナミヘイ「ディケイドっ! ちょっとわしの部屋に来なさいっ!」
フネ「お帰りなさい」
サザエ「お父さんお帰りなさーい。ちょっと聞いてよ、ディケイドったら酷いのよー」
ナミヘイ「なんだなんだ。またイタズラでもしたのか」
士(一家の大黒柱のお帰りらしいな)
士(家族、か……。俺には無かったな、そういうの……)
ドスドスドス、バン!
士「! 何だ!?」
ナミヘイ「ディケイドっ! ちょっとわしの部屋に来なさいっ!」
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 20:10:30.13 ID:xFhkbd490
士「どうやらあんたが俺の親父らしいが」
ナミヘイ「そんなことは分かっておる。ちょっとそこに座りなさい」
士「あのサザエとかいう女が、何か言ったのか?」
ナミヘイ「そのこともだが。それより」
ナミヘイ「見ろっ。わしが大事に床の間に飾っておいた、全自動卵割り機がないっ!」
士「は?」
ナミヘイ「どうせお前の仕業だろう。どこに隠したんだ、言いなさい」
士「俺が知るかよ。そんなもの」
ナミヘイ「いい加減にせんか、ディケイド!」
ガミガミガミ……
ナミヘイ「そんなことは分かっておる。ちょっとそこに座りなさい」
士「あのサザエとかいう女が、何か言ったのか?」
ナミヘイ「そのこともだが。それより」
ナミヘイ「見ろっ。わしが大事に床の間に飾っておいた、全自動卵割り機がないっ!」
士「は?」
ナミヘイ「どうせお前の仕業だろう。どこに隠したんだ、言いなさい」
士「俺が知るかよ。そんなもの」
ナミヘイ「いい加減にせんか、ディケイド!」
ガミガミガミ……
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 20:12:48.72 ID:xFhkbd490
士「あーあ。やっと解放されたか」
サザエ「ちょっとディケイド! あんた、こんな時間にどこ行く気?」
士「散歩だよ。散歩」
サザエ「んもう!」
ツカツカ……
士「……しかし、何なんだ、この世界は……。一体俺は何をすればいいんだ」
海東「やあ、士。災難だったね」
士「海東! 相変わらず神出鬼没だな」
海東「あの家のお宝、全自動卵割り機。あれは僕が頂いておいた」
士「お前っ! お前のせいで俺は二時間もお説教を食らったんだぞ!」
海東「あはは。これはなかなかのお宝だよ、士。君も使ってみるかい?」
士「誰が使うか、そんなバカバカしいもの」
サザエ「ちょっとディケイド! あんた、こんな時間にどこ行く気?」
士「散歩だよ。散歩」
サザエ「んもう!」
ツカツカ……
士「……しかし、何なんだ、この世界は……。一体俺は何をすればいいんだ」
海東「やあ、士。災難だったね」
士「海東! 相変わらず神出鬼没だな」
海東「あの家のお宝、全自動卵割り機。あれは僕が頂いておいた」
士「お前っ! お前のせいで俺は二時間もお説教を食らったんだぞ!」
海東「あはは。これはなかなかのお宝だよ、士。君も使ってみるかい?」
士「誰が使うか、そんなバカバカしいもの」
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 20:15:01.94 ID:xFhkbd490
士「それで、この世界は何なんだ? お前のことだ、もう調べは付いてるんだろう」
海東「ああ。この世界ではなかなか面白いことが起こっているよ。タダで教えてやる気はないけどね」
士「……ふん」
海東「僕の代わりに親父さんから叱られてくれたお礼に、一つヒントは与えておこう」
士「ヒントだと?」
海東「この世界で起こっていることは、一つじゃない」
士「一つじゃ、ない……」
海東「それじゃあね、士。家族団欒を楽しんでくれたまえ」
士「お、おい!」
士「チッ。相変わらずだな、海東の奴……」
海東「ああ。この世界ではなかなか面白いことが起こっているよ。タダで教えてやる気はないけどね」
士「……ふん」
海東「僕の代わりに親父さんから叱られてくれたお礼に、一つヒントは与えておこう」
士「ヒントだと?」
海東「この世界で起こっていることは、一つじゃない」
士「一つじゃ、ない……」
海東「それじゃあね、士。家族団欒を楽しんでくれたまえ」
士「お、おい!」
士「チッ。相変わらずだな、海東の奴……」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 20:19:04.18 ID:xFhkbd490
ユウスケ「おーい、士!」
夏海「士くん!」
士「お前ら。この世界について何かわかったのか?」
ユウスケ「いや、それが……」
夏海「特に何の変哲もない世界ですよ。どれだけ見ても」
夏海「この世界で、士くんのやるべき事はあるんでしょうか……」
士「さあな。ないならないで、たまにはラクができていい」
士「そろそろ家に戻ってみるか。お前らも来てみるか?」
夏海「士くん!」
士「お前ら。この世界について何かわかったのか?」
ユウスケ「いや、それが……」
夏海「特に何の変哲もない世界ですよ。どれだけ見ても」
夏海「この世界で、士くんのやるべき事はあるんでしょうか……」
士「さあな。ないならないで、たまにはラクができていい」
士「そろそろ家に戻ってみるか。お前らも来てみるか?」
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 20:22:57.26 ID:xFhkbd490
カツオ「姉さん! 家に入れてよー!」バンバン!
サザエ「何言ってるのあなた? 悪ふざけもいい加減にしてちょうだい!」
カツオ「ひどいよー、姉さーん!」
士「……何だ?」
ユウスケ「あ、あの子、さっきの」
夏海「どうしたんでしょうか……」
カツオ「お仕置きでもあんまりじゃないか、こんなの!」
士「おい」
サザエ「あ、ディケイド!」
士「どうしたんだ。何だ、このガキは」
サザエ「知らないわよ。自分がこの家の子供だって言い張って聞かないのよ」
サザエ「何言ってるのあなた? 悪ふざけもいい加減にしてちょうだい!」
カツオ「ひどいよー、姉さーん!」
士「……何だ?」
ユウスケ「あ、あの子、さっきの」
夏海「どうしたんでしょうか……」
カツオ「お仕置きでもあんまりじゃないか、こんなの!」
士「おい」
サザエ「あ、ディケイド!」
士「どうしたんだ。何だ、このガキは」
サザエ「知らないわよ。自分がこの家の子供だって言い張って聞かないのよ」
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 20:24:48.42 ID:xFhkbd490
ユウスケ「おい士。この子、まさか」
士「ああ」
夏海「この家の本当の子供、でしょうか……」
士「入れてやったらどうだ。多分こいつの方が本物だぜ」
サザエ「何バカなこと言ってるの!」
カツオ「ひどいよ姉さん、誰なんだよこいつら!」
士「……」
士「姉さんとやら。俺はもうしばらく、こいつと一緒に散歩してくる」
サザエ「えっ?」
士「ほら。来いよ、坊主」
カツオ「えっ」
サザエ「もう! ディケイドったら!」
士「ああ」
夏海「この家の本当の子供、でしょうか……」
士「入れてやったらどうだ。多分こいつの方が本物だぜ」
サザエ「何バカなこと言ってるの!」
カツオ「ひどいよ姉さん、誰なんだよこいつら!」
士「……」
士「姉さんとやら。俺はもうしばらく、こいつと一緒に散歩してくる」
サザエ「えっ?」
士「ほら。来いよ、坊主」
カツオ「えっ」
サザエ「もう! ディケイドったら!」
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 20:29:41.15 ID:xFhkbd490
士「さて。何があったか話してもらおうか」
カツオ「そんなの僕が聞きたいよ! 一体どうしてこんなことに……」
カツオ「……いや、ひょっとして」
カツオ「ひょっとして、あれか……?」
夏海「何か心当たりがあるの?」
カツオ「で、でも、そんなこと……そんなこと本当にあるわけ……」
ユウスケ「何があったのか話してみてくれよ」
カツオ「……僕は」
キィン……キィン……
ユウスケ「! この音は?」
士「ミラーモンスターの接近音、か?」
カツオ「そんなの僕が聞きたいよ! 一体どうしてこんなことに……」
カツオ「……いや、ひょっとして」
カツオ「ひょっとして、あれか……?」
夏海「何か心当たりがあるの?」
カツオ「で、でも、そんなこと……そんなこと本当にあるわけ……」
ユウスケ「何があったのか話してみてくれよ」
カツオ「……僕は」
キィン……キィン……
ユウスケ「! この音は?」
士「ミラーモンスターの接近音、か?」
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 20:33:09.38 ID:xFhkbd490
ガルドサンダー「グルルルッ……」
士「! 現れたな!」
カツオ「う、うわあっ! 何だあれ!?」
夏海「大丈夫、安心して。士くんはライダーだから!」
カツオ「ら、ライダー!?」
士「変身!」
【カメンライド――ディケーイ!】
ディケイド「行くぜ!」
シャキィン!
士「! 現れたな!」
カツオ「う、うわあっ! 何だあれ!?」
夏海「大丈夫、安心して。士くんはライダーだから!」
カツオ「ら、ライダー!?」
士「変身!」
【カメンライド――ディケーイ!】
ディケイド「行くぜ!」
シャキィン!
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 20:38:34.48 ID:xFhkbd490
ディケイド「ハッ!」ガキィン!
ガルドサンダ―「グオオォッ!」
カツオ「ライダー、ライダーって……やっぱりあいつが!」
ユウスケ「何か知ってるのか?」
カツオ「あいつのせいで、僕はこんなことに!」
夏海「士くんのせい……?」
カツオ「僕は……ずっと、変な感じがしてたんだ」
カツオ「同じ時間を何度も繰り返してるような。ずっと同じことを繰り返してるような」
ユウスケ「そんなバカな……」
カツオ「そのバカなことから抜け出したくて。もう、繰り返しをやめたくてたまらなかったんだ!」
ガルドサンダ―「グオオォッ!」
カツオ「ライダー、ライダーって……やっぱりあいつが!」
ユウスケ「何か知ってるのか?」
カツオ「あいつのせいで、僕はこんなことに!」
夏海「士くんのせい……?」
カツオ「僕は……ずっと、変な感じがしてたんだ」
カツオ「同じ時間を何度も繰り返してるような。ずっと同じことを繰り返してるような」
ユウスケ「そんなバカな……」
カツオ「そのバカなことから抜け出したくて。もう、繰り返しをやめたくてたまらなかったんだ!」
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 20:41:15.00 ID:xFhkbd490
【カメンライド――リュウキ!】
ディケイド「はっ!」
ガキィンッ!
ガルドサンダー「ギャオッ!」
カツオ「だけど……いくらそう願ったからって、まさか僕が……」
カツオ「僕が、僕じゃなくなっちゃうなんて……!」
夏海「カツオ君……」
ユウスケ「で、でも、士が役目を終えて、この世界から帰れば! そうすればまた――」
鳴滝「それはできんよ」
夏海「! 鳴滝さん!」
ディケイド「はっ!」
ガキィンッ!
ガルドサンダー「ギャオッ!」
カツオ「だけど……いくらそう願ったからって、まさか僕が……」
カツオ「僕が、僕じゃなくなっちゃうなんて……!」
夏海「カツオ君……」
ユウスケ「で、でも、士が役目を終えて、この世界から帰れば! そうすればまた――」
鳴滝「それはできんよ」
夏海「! 鳴滝さん!」
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 20:47:06.88 ID:xFhkbd490
鳴滝「ディケイドは、この世界の無限ループに永遠に幽閉されるのだ」
ユウスケ「無限ループ、だって?」
鳴滝「何者かがこの世界の時空を歪めてしまっている。だが、それはむしろ好都合だな」
鳴滝「この世界に来たが最後、ディケイドは二度と抜け出すことができない!」
カツオ「ぼ、僕はどうなるんだよ!」
鳴滝「君の不幸はディケイドのせいだ。呪うならディケイドを呪うがいい」
カツオ「僕は戻れないの!?」
夏海「鳴滝さん、あんまりです! 何か元に戻す方法はないんですか!?」
鳴滝「無駄だよ。ディケイドはここで滅びる……はははははっ!」
ユウスケ「……居なくなった……」
ユウスケ「無限ループ、だって?」
鳴滝「何者かがこの世界の時空を歪めてしまっている。だが、それはむしろ好都合だな」
鳴滝「この世界に来たが最後、ディケイドは二度と抜け出すことができない!」
カツオ「ぼ、僕はどうなるんだよ!」
鳴滝「君の不幸はディケイドのせいだ。呪うならディケイドを呪うがいい」
カツオ「僕は戻れないの!?」
夏海「鳴滝さん、あんまりです! 何か元に戻す方法はないんですか!?」
鳴滝「無駄だよ。ディケイドはここで滅びる……はははははっ!」
ユウスケ「……居なくなった……」
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 20:50:39.90 ID:xFhkbd490
【ファイナルアタックライド――リュリュリュリュウキ!】
ディケイド「ハッ! はあぁぁ……」
ドラグレッダー「ギャオオ!」
ガルドサンダ―「!」
ディケイド「ダアァァァッ!!」
ドガーン!!
士「……ま、こんなもんか」
夏海「士くん!」
士「なんだ夏ミカン、切羽詰まった顔で」
夏海「早く、この世界の異変を止めないと……カツオ君が、あまりに可哀想です!」
士「……ああ。まあ、そうだな」
ディケイド「ハッ! はあぁぁ……」
ドラグレッダー「ギャオオ!」
ガルドサンダ―「!」
ディケイド「ダアァァァッ!!」
ドガーン!!
士「……ま、こんなもんか」
夏海「士くん!」
士「なんだ夏ミカン、切羽詰まった顔で」
夏海「早く、この世界の異変を止めないと……カツオ君が、あまりに可哀想です!」
士「……ああ。まあ、そうだな」
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 20:54:34.67 ID:xFhkbd490
士「海東の奴が言ってたな。この世界で起きてることは、一つじゃないって」
カツオ「一つじゃない?」
士「お前、感じてたんだろ? この世界の時間がループを繰り返してると」
カツオ「う、うん……」
士「俺とこいつが入れ替わったことが一つ。だが、もっと肝心なのは、そのループのことだ」
ユウスケ「だとしたら、それは……士が来る前から起きてたんだろ?」
夏海「一体誰が、何のためにそんなことを……」
士「今はわからない。……詳しいことはまた明日だな」
カツオ「えっ?」
士「ガキが起きてていい時間じゃないだろ。……夏ミカン、こいつは写真館に泊めてやってくれ」
ユウスケ「士はどうするんだ?」
士「俺はあの家に帰るさ。暖かい布団、ってやつを堪能するのも悪くない」
カツオ「一つじゃない?」
士「お前、感じてたんだろ? この世界の時間がループを繰り返してると」
カツオ「う、うん……」
士「俺とこいつが入れ替わったことが一つ。だが、もっと肝心なのは、そのループのことだ」
ユウスケ「だとしたら、それは……士が来る前から起きてたんだろ?」
夏海「一体誰が、何のためにそんなことを……」
士「今はわからない。……詳しいことはまた明日だな」
カツオ「えっ?」
士「ガキが起きてていい時間じゃないだろ。……夏ミカン、こいつは写真館に泊めてやってくれ」
ユウスケ「士はどうするんだ?」
士「俺はあの家に帰るさ。暖かい布団、ってやつを堪能するのも悪くない」
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 20:57:53.18 ID:xFhkbd490
夏海「ほら、そこが私たちの家。光写真館ですよ」
カツオ「あれ? ここって三河屋さんじゃ……」
栄次郎「やあ、お帰り、夏海にユウスケ君。そっちの子供は?」
ユウスケ「今夜は泊めてあげてくれないかな」
栄次郎「そりゃ、全然構わないけどね。今日は大変だったんだよ、ここにお酒を買いに来る人がたくさん……」
カツオ「……僕、戻れるのかな」
夏海「大丈夫だって。士くんに任せておけば、きっとどうにかなりますよ」
カツオ「本当に?」
夏海「士くんは今までも、色んな世界を救ってきたんだから」
カツオ「……」
カツオ「あれ? ここって三河屋さんじゃ……」
栄次郎「やあ、お帰り、夏海にユウスケ君。そっちの子供は?」
ユウスケ「今夜は泊めてあげてくれないかな」
栄次郎「そりゃ、全然構わないけどね。今日は大変だったんだよ、ここにお酒を買いに来る人がたくさん……」
カツオ「……僕、戻れるのかな」
夏海「大丈夫だって。士くんに任せておけば、きっとどうにかなりますよ」
カツオ「本当に?」
夏海「士くんは今までも、色んな世界を救ってきたんだから」
カツオ「……」
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 21:00:50.62 ID:xFhkbd490
~翌日~
ナカジマ「ディケイドー! 野球しようぜ!」
士「野球?」
士(可能な限り、この世界の出来事に合わせてみるか……)
士「いいぜ。人数は多いほうが楽しいだろ、俺がおまけを連れてきてやる」
ナカジマ「? ディケイド、珍しいこと言うんだな」
~光写真館~
士「おーい、お前ら。出てこいよ、野球をやるぞ」
ユウスケ「野球? こんな朝っぱらから……」
夏海「私もやるんですか?」
ナカジマ「ディケイドー! 野球しようぜ!」
士「野球?」
士(可能な限り、この世界の出来事に合わせてみるか……)
士「いいぜ。人数は多いほうが楽しいだろ、俺がおまけを連れてきてやる」
ナカジマ「? ディケイド、珍しいこと言うんだな」
~光写真館~
士「おーい、お前ら。出てこいよ、野球をやるぞ」
ユウスケ「野球? こんな朝っぱらから……」
夏海「私もやるんですか?」
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 21:04:27.64 ID:xFhkbd490
ユウスケ「カツオ君もやろうか、野球」
カツオ「野球は好きだけど、こんな時に遊んでる場合じゃ――」
カツオ「! な、ナカジマ!」
ナカジマ「?」
カツオ「ナカジマは僕を覚えてるだろ!? 僕がわかるよな、な!?」
ナカジマ「ディケイド、この子誰……?」
士「あ、ああ。俺の友達だ。お前も友達になってやったらどうだ」
ナカジマ「ふうん。僕を知ってるなんて、変なやつ」
カツオ「そ、そんな……ナカジマまで……」
夏海「カツオくん……」
カツオ「野球は好きだけど、こんな時に遊んでる場合じゃ――」
カツオ「! な、ナカジマ!」
ナカジマ「?」
カツオ「ナカジマは僕を覚えてるだろ!? 僕がわかるよな、な!?」
ナカジマ「ディケイド、この子誰……?」
士「あ、ああ。俺の友達だ。お前も友達になってやったらどうだ」
ナカジマ「ふうん。僕を知ってるなんて、変なやつ」
カツオ「そ、そんな……ナカジマまで……」
夏海「カツオくん……」
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 21:07:04.82 ID:xFhkbd490
カキーン!
ユウスケ「すげーな士、またホームランだ!」
士「まあな。俺にかかればこんなもの」
ナカジマ「……」
士「おい、どうした。俺にかっこよくホームランを打たれて落ち込んでるのか」
ナカジマ「……何か、違う気がする」
士「あ? 何が違うんだよ」
ナカジマ「わからないよ。だけど……何か、引っかかるんだ」
ナカジマ「ディケイド。僕は君と……ずっと、こんな風に野球をしてた筈なんだよね!?」
カツオ「な、ナカジマ! 違うんだ、君の友達は、本当は僕――」
ナカジマ「なんなんだ……この違和感は……!」
ユウスケ「すげーな士、またホームランだ!」
士「まあな。俺にかかればこんなもの」
ナカジマ「……」
士「おい、どうした。俺にかっこよくホームランを打たれて落ち込んでるのか」
ナカジマ「……何か、違う気がする」
士「あ? 何が違うんだよ」
ナカジマ「わからないよ。だけど……何か、引っかかるんだ」
ナカジマ「ディケイド。僕は君と……ずっと、こんな風に野球をしてた筈なんだよね!?」
カツオ「な、ナカジマ! 違うんだ、君の友達は、本当は僕――」
ナカジマ「なんなんだ……この違和感は……!」
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 21:11:18.92 ID:xFhkbd490
キィィン……キィィィイン……!
ユウスケ「! ま、まただ!」
士「しつこいモンスターだな。下がってろ、お前ら」
ガルドミラージュ「グオオォ!」
ガルドストーム「ギャオオ!」
ナカジマ「う、うわぁっ!?」
カツオ「ま、また化け物が!」
士「変身!」
【カメンライド――ディケーイ!】
ユウスケ「夏海ちゃん、みんな、こっちへ!」
ユウスケ「! ま、まただ!」
士「しつこいモンスターだな。下がってろ、お前ら」
ガルドミラージュ「グオオォ!」
ガルドストーム「ギャオオ!」
ナカジマ「う、うわぁっ!?」
カツオ「ま、また化け物が!」
士「変身!」
【カメンライド――ディケーイ!】
ユウスケ「夏海ちゃん、みんな、こっちへ!」
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 21:15:47.89 ID:xFhkbd490
ディケイド「ハッ! ヤアッ!」
シュバァッ!
ガルド「グオオ!」
ナカジマ「あ……そ、そうだ、僕は……」
カツオ「ナカジマ、どうしたんだ!?」
ナカジマ「! イ、イソノ! そうだ、君はイソノだ!」
カツオ「! お、思い出してくれたのか!?」
夏海「ナカジマ君、カツオ君のことがわかるんですか?」
ナカジマ「どうして……どうして僕は、分からなくなっていたんだ……!?」
ユウスケ「な、何にしても、記憶が戻ったならよかった!」
カツオ「わかるんだな!? ナカジマ、僕がわかるんだな!?」
シュバァッ!
ガルド「グオオ!」
ナカジマ「あ……そ、そうだ、僕は……」
カツオ「ナカジマ、どうしたんだ!?」
ナカジマ「! イ、イソノ! そうだ、君はイソノだ!」
カツオ「! お、思い出してくれたのか!?」
夏海「ナカジマ君、カツオ君のことがわかるんですか?」
ナカジマ「どうして……どうして僕は、分からなくなっていたんだ……!?」
ユウスケ「な、何にしても、記憶が戻ったならよかった!」
カツオ「わかるんだな!? ナカジマ、僕がわかるんだな!?」
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 21:21:43.05 ID:xFhkbd490
ナカジマ「教えてくれイソノ! どうして、どうして君とあのライダーが!?」
カツオ「それは――」
夏海「士くんが、カツオ君の役割を演じることになっちゃったからですよ」
ユウスケ「で、でも、君の記憶が戻ったってことは、他の人達も――」
ナカジマ「そうか……あのライダーが来たから、全てが狂ってしまったんだ……」
カツオ「? ナカジマ?」
ナカジマ「また、巻き戻さなきゃ……」
カツオ「!?」
ナカジマ「これを使って……また……」
夏海「そ、それって、ミラーライダーのカードデッキ――」
カツオ「それは――」
夏海「士くんが、カツオ君の役割を演じることになっちゃったからですよ」
ユウスケ「で、でも、君の記憶が戻ったってことは、他の人達も――」
ナカジマ「そうか……あのライダーが来たから、全てが狂ってしまったんだ……」
カツオ「? ナカジマ?」
ナカジマ「また、巻き戻さなきゃ……」
カツオ「!?」
ナカジマ「これを使って……また……」
夏海「そ、それって、ミラーライダーのカードデッキ――」
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 21:26:23.19 ID:xFhkbd490
ディケイド「! どういうことだ!? 何故あいつがデッキを持ってる!」
ユウスケ「ナ、ナカジマ君、それをどこで!?」
カツオ「そうだよナカジマ! また巻き戻すって、どういう意味だよ!」
しゅぃぃぃいん!
アポロガイスト「それは、我々が与えたのだ」
ディケイド「お前、大ショッカーの!」
アポロガイスト「また会ったなディケイド。だが、この世界が貴様の見納めとなろう」
ディケイド「大ショッカーが手を引いてやがったのか。何のつもりだ!」
アポロガイスト「おいおい、人聞きが悪いな。我々はその少年の望みを叶えてやっただけだぞ」
ディケイド「何……?」
ユウスケ「ナ、ナカジマ君、それをどこで!?」
カツオ「そうだよナカジマ! また巻き戻すって、どういう意味だよ!」
しゅぃぃぃいん!
アポロガイスト「それは、我々が与えたのだ」
ディケイド「お前、大ショッカーの!」
アポロガイスト「また会ったなディケイド。だが、この世界が貴様の見納めとなろう」
ディケイド「大ショッカーが手を引いてやがったのか。何のつもりだ!」
アポロガイスト「おいおい、人聞きが悪いな。我々はその少年の望みを叶えてやっただけだぞ」
ディケイド「何……?」
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 21:29:42.06 ID:xFhkbd490
ナカジマ「僕は……この時間をずっと生きていたかったんだ」
カツオ「ナカジマ!」
ナカジマ「最初は、日曜日が終わらなければいいって願っただけだった。月曜日なんて来なきゃいいって。
そしたら、大ショッカーの怪人が現れて……これを使って時間を巻き戻せ、って」
ナカジマ「知ってる? このタイムベントのカード。これを使えば時間が巻き戻せるんだよ」
ディケイド「お前……」
ナカジマ「これを使って日曜日を繰り返している内に、気付いたんだ……
僕が生きてるこの時間、全部……全部繰り返せばいいんだって!」
アポロガイスト「そうだ。その少年の願いで、この世界はループを続けていたのだ」
カツオ「ナカジマ!」
ナカジマ「最初は、日曜日が終わらなければいいって願っただけだった。月曜日なんて来なきゃいいって。
そしたら、大ショッカーの怪人が現れて……これを使って時間を巻き戻せ、って」
ナカジマ「知ってる? このタイムベントのカード。これを使えば時間が巻き戻せるんだよ」
ディケイド「お前……」
ナカジマ「これを使って日曜日を繰り返している内に、気付いたんだ……
僕が生きてるこの時間、全部……全部繰り返せばいいんだって!」
アポロガイスト「そうだ。その少年の願いで、この世界はループを続けていたのだ」
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 21:32:45.62 ID:xFhkbd490
カツオ「ナカジマ! お前、どうしてそんなこと!?」
ナカジマ「君と野球がしたかったからだよ、イソノ……。決まってるだろ?」
ナカジマ「中学生になって、高校生になって……大人になったら……
こんなふうに、毎日楽しく野球で遊ぶなんて、できなくなるんだ」
ディケイド「そのために、子供の時間をいつまでも繰り返そうとしたってわけか」
アポロガイスト「素晴らしいだろう! この世界での実験は、実に上手く行った!」
アポロガイスト「感謝しているよ、ナカジマ君。君のおかげで、この世界はディケイドを幽閉する牢獄となった」
アポロガイスト「だが、ここで再び時間を巻き戻されては迷惑だ。デッキは返してもらうぞ」
ナカジマ「!」
ナカジマ「君と野球がしたかったからだよ、イソノ……。決まってるだろ?」
ナカジマ「中学生になって、高校生になって……大人になったら……
こんなふうに、毎日楽しく野球で遊ぶなんて、できなくなるんだ」
ディケイド「そのために、子供の時間をいつまでも繰り返そうとしたってわけか」
アポロガイスト「素晴らしいだろう! この世界での実験は、実に上手く行った!」
アポロガイスト「感謝しているよ、ナカジマ君。君のおかげで、この世界はディケイドを幽閉する牢獄となった」
アポロガイスト「だが、ここで再び時間を巻き戻されては迷惑だ。デッキは返してもらうぞ」
ナカジマ「!」
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 21:38:24.98 ID:xFhkbd490
ナカジマ「い、嫌だ! このままじゃ、イソノとディケイドが入れ替わったままじゃないか!」
アポロガイスト「それでいいのだ。我々の目的は、最初からそれだったのだから」
ナカジマ「そんな!」
アポロガイスト「と、いうことだ、ディケイド。お前は繰り返される時間の中で、役割を演じ続けるのだ」
ディケイド「ふん。ごめんだな」
カツオ「ずるいよ、ナカジマ。そんな……時間を繰り返して、楽しい時だけを送りたいだなんて」
ナカジマ「イ、イソノ!? 何を言うんだ!? 君だってその方が――」
カツオ「月曜日からの辛い一週間があるからこそ、日曜日って楽しいんじゃないのかな……?」
ディケイド「ま、そういうことだな」
ディケイド「よく聞けお前ら。楽しい時間を繰り返したいなんて、大人になりきれてない証拠なんだ!」
アポロガイスト「なに?」
ナカジマ「……!」
アポロガイスト「それでいいのだ。我々の目的は、最初からそれだったのだから」
ナカジマ「そんな!」
アポロガイスト「と、いうことだ、ディケイド。お前は繰り返される時間の中で、役割を演じ続けるのだ」
ディケイド「ふん。ごめんだな」
カツオ「ずるいよ、ナカジマ。そんな……時間を繰り返して、楽しい時だけを送りたいだなんて」
ナカジマ「イ、イソノ!? 何を言うんだ!? 君だってその方が――」
カツオ「月曜日からの辛い一週間があるからこそ、日曜日って楽しいんじゃないのかな……?」
ディケイド「ま、そういうことだな」
ディケイド「よく聞けお前ら。楽しい時間を繰り返したいなんて、大人になりきれてない証拠なんだ!」
アポロガイスト「なに?」
ナカジマ「……!」
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 21:39:20.88 ID:xFhkbd490
(あの音楽)
ディケイド「確かに人は、今の時間が永遠に続けばいいと思うこともある。次の日が来なければいいのにと願うこともある」
ディケイド「だが本当は、辛い時間と楽しい時間が交互に続くからこそ、人は楽しく生きていけるんだ!」
ナカジマ「!」
カツオ「ディケイド……!」
ディケイド「そうして紡がれていく日々のことを……俺達は、日常、と呼ぶんじゃないのか!」
アポロガイスト「貴様……生意気に語らいおって! 一体何様のつもりだ!?」
ディケイド「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ!」
アポロガイスト「クッ……やれっ!」
ガルドミラージュ・ガルドストーム「グオオォッ!」
ディケイド「確かに人は、今の時間が永遠に続けばいいと思うこともある。次の日が来なければいいのにと願うこともある」
ディケイド「だが本当は、辛い時間と楽しい時間が交互に続くからこそ、人は楽しく生きていけるんだ!」
ナカジマ「!」
カツオ「ディケイド……!」
ディケイド「そうして紡がれていく日々のことを……俺達は、日常、と呼ぶんじゃないのか!」
アポロガイスト「貴様……生意気に語らいおって! 一体何様のつもりだ!?」
ディケイド「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ!」
アポロガイスト「クッ……やれっ!」
ガルドミラージュ・ガルドストーム「グオオォッ!」
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 21:41:20.35 ID:xFhkbd490
【クウガ! アギト! リュウキ! ファーイズ! ブレーイ! ヒビキ! カブト! デンオー! キバ!】
【ファイナルカメンライド――ディケーイ!】
ディケイド「はあぁっ!」
ガキィンッ!
カツオ「ナカジマ。もう、やめてくれないか。時間を戻すのは」
ナカジマ「……僕は」
バッ!
ナカジマ「!?」
海東「そうだよ、少年。このお宝は、君が持つには荷が重すぎる」
ナカジマ「か、カードデッキを!」
【ファイナルカメンライド――ディケーイ!】
ディケイド「はあぁっ!」
ガキィンッ!
カツオ「ナカジマ。もう、やめてくれないか。時間を戻すのは」
ナカジマ「……僕は」
バッ!
ナカジマ「!?」
海東「そうだよ、少年。このお宝は、君が持つには荷が重すぎる」
ナカジマ「か、カードデッキを!」
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 21:43:13.82 ID:xFhkbd490
海東「こんなもの……この世界に存在しちゃいけない」
バキュンッ!
パリーン!
ナカジマ「ああっ、デッキが!」
海東「……」
ゴルトフェニックス「キュオオォォッ!!」
海東「士あー。敵が増えたよー」
ディケイド「ああ?」
ガルドミラージュ・ガルドストーム「ギャオオ!」
バキュンッ!
パリーン!
ナカジマ「ああっ、デッキが!」
海東「……」
ゴルトフェニックス「キュオオォォッ!!」
海東「士あー。敵が増えたよー」
ディケイド「ああ?」
ガルドミラージュ・ガルドストーム「ギャオオ!」
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 21:44:36.57 ID:xFhkbd490
ディケイド「チッ……」
【リュウキ! カメンライド――サバイブ】
【ファイナルアタックライド――リュリュリュリュウキ!】
ディケイド「せやあっ!!」
バシュッ!ズバァッ!
ガルドミラージュ「グオォォッ!」
ガルドストーム「ギャアアァッ!」
ドカーン!!
ディケイド「……後はあれか」
ゴルトフェニックス「キュオォォォォ!!」
【リュウキ! カメンライド――サバイブ】
【ファイナルアタックライド――リュリュリュリュウキ!】
ディケイド「せやあっ!!」
バシュッ!ズバァッ!
ガルドミラージュ「グオォォッ!」
ガルドストーム「ギャアアァッ!」
ドカーン!!
ディケイド「……後はあれか」
ゴルトフェニックス「キュオォォォォ!!」
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 21:46:14.62 ID:xFhkbd490
ディケイド「カツオ!」
カツオ「えっ!?」
【ファイナルフォームライド――カカカカツオ!】
ディケイド「ちょっとくすぐったいぞ。我慢しろよ」
カツオ「な、何だよ!?」
にょいーん
ガシッ!
ディケイド「よぉし……」ブンブンッ
ナカジマ「! イソノが――」
夏海「野球のバットに……!」
カツオ「えっ!?」
【ファイナルフォームライド――カカカカツオ!】
ディケイド「ちょっとくすぐったいぞ。我慢しろよ」
カツオ「な、何だよ!?」
にょいーん
ガシッ!
ディケイド「よぉし……」ブンブンッ
ナカジマ「! イソノが――」
夏海「野球のバットに……!」
56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 21:47:21.02 ID:xFhkbd490
ディケイド「でっかいホームランをお見舞いしてやるぜ」
【ファイナルアタックライド――カカカカツオ!】
ゴルトフェニックス「キュオオォォッ!」
ディケイド「ハアァッ!」
カキ――ン!!
【ファイナルアタックライド――カカカカツオ!】
ゴルトフェニックス「キュオオォォッ!」
ディケイド「ハアァッ!」
カキ――ン!!
58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 21:48:43.50 ID:xFhkbd490
ゴルトフェニックス「ギャアアァァァッ!!」
ディケイド「命中っ……」
............... ..ヽ . ;: . / .⌒ _,,..__ ヽ ) ;. :ノ......... .........
:::::::::::::::::::::::::::ゞ (. (::.! l,;::) .ノ ノ ./::::::::::::::.......:::::
._ゝ,,. .-ー;''""~ ';;; - .._´,
._-" ,.-:''ー''l"~:|'''ーヾ ヾ
::( ( . |: ! ) ) ドカーン!!
ヾ、 ⌒~'"| |'⌒~'"´ ノ
""'''ー-┤. :|--~''""
:| |
j i
ノ ,. , 、:, i,-、 ,..、
_,, ,. -/:ヽ::::::::ノ::::Λ::::ヽ::::-- 、ト、
,,/^ヽ,-''"::::\::::::/:::::|i/;;;;;;/::::;;;;ノ⌒ヽノ:::::::::ヽ,_Λ
ディケイド「命中っ……」
............... ..ヽ . ;: . / .⌒ _,,..__ ヽ ) ;. :ノ......... .........
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._ゝ,,. .-ー;''""~ ';;; - .._´,
._-" ,.-:''ー''l"~:|'''ーヾ ヾ
::( ( . |: ! ) ) ドカーン!!
ヾ、 ⌒~'"| |'⌒~'"´ ノ
""'''ー-┤. :|--~''""
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59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 21:51:46.68 ID:xFhkbd490
………。
サザエ「カツオ! あんた、どこ行ってたの!」
カツオ「姉さん! 姉さあーん!」
サザエ「ちょっ、ちょっと、何よ!?」
士「これで、この世界も元通り……か」
ナカジマ「……ディケイド」
士「ん」
ナカジマ「ごめん、僕は……どうかしていたんだ。あんなことを」
士「いいんじゃねえか。少しは大人になっただろ。お前も……あいつもな」
サザエ「カツオ! あんた、どこ行ってたの!」
カツオ「姉さん! 姉さあーん!」
サザエ「ちょっ、ちょっと、何よ!?」
士「これで、この世界も元通り……か」
ナカジマ「……ディケイド」
士「ん」
ナカジマ「ごめん、僕は……どうかしていたんだ。あんなことを」
士「いいんじゃねえか。少しは大人になっただろ。お前も……あいつもな」
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 21:54:34.85 ID:xFhkbd490
海東「やれやれ。今回も僕は骨折り損だったよ」
海東「あの“全自動卵割り機”だけどね。実際使ってみたら、あんなもの何の役にも立たなかった」
士「そりゃそうだろ。普通に手で割った方が早い」
海東「この世界にもお宝は無かったってことか……いや」
ナミヘイ「カツオ! こっちへきて座りなさい!」ガミガミ……
カツオ「お父さーん、ごめんなさいー!」
海東「ああいう平凡な日々が。案外、お宝なのかもしれないな」
士「……ふん」
ユウスケ「行こうぜ、士」
夏海「次の世界が待ってますよ」
士「……ああ」
(おしまい)
海東「あの“全自動卵割り機”だけどね。実際使ってみたら、あんなもの何の役にも立たなかった」
士「そりゃそうだろ。普通に手で割った方が早い」
海東「この世界にもお宝は無かったってことか……いや」
ナミヘイ「カツオ! こっちへきて座りなさい!」ガミガミ……
カツオ「お父さーん、ごめんなさいー!」
海東「ああいう平凡な日々が。案外、お宝なのかもしれないな」
士「……ふん」
ユウスケ「行こうぜ、士」
夏海「次の世界が待ってますよ」
士「……ああ」
(おしまい)
61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 21:55:31.21 ID:xFhkbd490
次の世界はどれがいいですか?
1.遊戯王の世界
2.天体戦士サンレッドの世界
3.牙狼の世界
一番レスが多かったのを次の世界にします
1.遊戯王の世界
2.天体戦士サンレッドの世界
3.牙狼の世界
一番レスが多かったのを次の世界にします
70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/29(日) 22:04:13.33 ID:xFhkbd490
次回、仮面ライダーディケイド!
「俺の役目は……フロシャイムの戦闘員?」
「俺の勝てねえ敵がいるなんて。もう……ヒーローはやめだ」
「ただのご当地ヒーローなど、我が大ショッカーの敵ではないわ!」
「レッドさん! こんなことで落ち込むなんて、レッドさんらしくないですよっ!」
「立てよ、ヒモ野郎。お前が守らないで、誰がこの街を守るんだ」
次回、『バトルするなら溝ノ口』
――全てを破壊し、全てを繋げ!
「俺の役目は……フロシャイムの戦闘員?」
「俺の勝てねえ敵がいるなんて。もう……ヒーローはやめだ」
「ただのご当地ヒーローなど、我が大ショッカーの敵ではないわ!」
「レッドさん! こんなことで落ち込むなんて、レッドさんらしくないですよっ!」
「立てよ、ヒモ野郎。お前が守らないで、誰がこの街を守るんだ」
次回、『バトルするなら溝ノ口』
――全てを破壊し、全てを繋げ!
引用元: ・ディケイド「サザエさんの世界か……」
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