1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 18:46:18.88 ID:GkhoDCHr0
佐天「……は?」

初春「佐天さんをプロデュースです!」




3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 18:49:46.33 ID:GkhoDCHr0
佐天「いや、あの、どうしたの、突然……」

初春「私、思ったんです!」

初春「佐天さんを輝かせてあげたいって!」

佐天「えっと……突然すぎて何がなんだか……」

初春「この前のことで、反省したんです」

初春「私、佐天さんの友だちなのに、佐天さんのこと何も知らなかった…」

佐天「レベルアッパー事件については、ほら、お互い様だし…」

初春「いえ、私、いつも佐天さんに励ましてもらってばかりなのに全然お返しできてない」

佐天「初春……」

初春「だから、佐天涙子をプロデュース!」

佐天「いや、そこがよくわからない。」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 18:52:49.84 ID:GkhoDCHr0
初春「そこで色々プロデュースプランを考えてきたんです」

佐天「あの、話を聞いて……」

初春「まず最初のプランは『アイドルプラン』」

佐天「ア、アイドル!?」

初春「ええ!」

初春「学園都市初の歌って踊って演技もできる、本格派アイドル佐天涙子ちゃんです!」

佐天「あの、頭が痛くなってきた…」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 18:56:18.90 ID:GkhoDCHr0
初春「ただこの計画には問題があるんです」

佐天「うん、問題ばっかだね」

初春「ただの正統派アイドルじゃ物足りないなぁ、と思いまして」

初春「ちょっとひねりを加えてみようと思ってテレビを見てたんです」

佐天「あー、まあ一応聞きますけど……」

初春「そこで!私は見たんです!」

初春「悪と戦うプリティでキュアーな変身美少女の姿を!」

初春「……グッ!」

佐天「いや、グッ、じゃなくて」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 18:59:55.50 ID:GkhoDCHr0
初春「というわけで今回の佐天さんのプロデュース企画はこれです!」

初春「……」

佐天「……

初春「……あの、佐天さん」

初春「♪ババンって言って下さい」

佐天「えっ……」

佐天「私が?」

初春「そうですよ、ほら、ボーっとしないで進行どおりに」

佐天「えっ、なにそれ」

初春「……」

佐天「バ、ババン……」

初春「はい!」

初春「今回の佐天さんのプロデュース企画はこれです!」

佐天「……」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 19:02:17.87 ID:GkhoDCHr0
初春「『歌って踊って演技も出来る、正統派魔法少女をプロデュース!』」

佐天「……」

初春「……」

佐天「……あの、もう一回言ってもらっていい?」

初春「『歌って踊って演技も出来る、正統派グラップラー系魔法少女をプロデュース!』」

佐天「なんか更におかしいのがついた!」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 19:07:23.54 ID:GkhoDCHr0
佐天「まあ、他は置いておくとするけど」

佐天「この『グラップラー』っていうのは何!?」

初春「私、実は知ってたんです……」

初春「佐天さんが私たちに隠れてレスリングを習いに行っていたことを」

佐天「!?」

初春「どうして隠してたんですか?」

佐天「……」

初春「『能力がなくても、せめて強くならないと』」

初春「『みんなに守られてばかりじゃだめだから…』」

初春「『だから強くなろう』って」

初春「佐天さんは優しい女性だから、そういうこと考えてたんですよね!?」

佐天「考えてたもなにも……」

佐天「そんな設定、今知ったわよ!」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 19:10:53.73 ID:GkhoDCHr0
初春「はい、というわけで」

佐天「スルーされた……」

初春「今、佐天さんが仰った、『魔法少女にどうやって変身するか』という問題ですけども」

佐天「そんなこと一言も言ってないね」

初春「実はここに変身ステッキがあるんです」

佐天「えっ?」

ゴソゴソ

初春「じゃーん!」

佐天「……マジで?」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 19:13:56.79 ID:GkhoDCHr0
初春「チッチッチッ」

初春「学園都市の技術力は底なしなんですよ、佐天さん」

初春「木山先生に頼んで作ってもらいました」

佐天「あの人に!?」

初春「ええ、技術力は確かですから、先生は」

初春「それに事情を説明したら」

初春「『あの娘には負い目がある。私にできることがあればなんでもしよう』って快諾してくださって…」

佐天「良い人だ……」

佐天「そんな良い人をこんな馬鹿げたことに使っちゃだめでしょ!」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 19:23:34.52 ID:GkhoDCHr0
初春「ほら、佐天さん、早速ステッキを持って……」

佐天「ええっ、本当にやるの!?」

初春「もちろん、ほら」

佐天「うう、しょうがないなあ……」

佐天「変身!、でいいの?」

初春「うーん、それだけじゃ物足りないなあ……」

初春「前口上つけましょう!」

佐天「まあ、お約束だけど…」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 19:28:12.17 ID:GkhoDCHr0
初春「じゃあ、私のあとに続いてくださいね」

佐天「ううう…」

初春「コホン」

初春「『Kiss Me!殴るように唇に血が滲むほど!』」

佐天「えっ、Kiss Me……殴るように唇に血が滲むほど……」

初春「『Hols Me!あばらが音を立てて折れるほど!」

佐天「Hold Me……あばらが音を立てて折れるほど……」

初春「『変身!』」

佐天「へ、変身!」

キラキラ、ピカァ!

初春「おおっ!」
佐天

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 19:30:51.83 ID:GkhoDCHr0


初春「おお、全裸変身!」

初春「眼福、眼福」

佐天「ちょっと、恥ずかしいからやめてよ!」

キララララー

ドカーン

佐天「魔、魔法少女……」

佐天「魔法少女!ラジカルさてん!」

佐天「愛してるって言わなきゃ殺す!」

キラキラリーン!

初春「……ぱちぱちぱち」

佐天「……」

佐天「……なにこれ?」

佐天「何、これ!?」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 19:36:58.70 ID:GkhoDCHr0
初春「いいです!いいですよ佐天さん!」

佐天「ほ、本当に変身してる…」

佐天「というか、なに!?この短いスカート!」

初春「『オーウ、コレガジャパニメーションノムイミナ チラデスネー」です!」

佐天「ちょっと、なにそれ!」

ペラッ

初春「ふふふー、今日の佐天さんはかわいらしい水色ですね」

佐天「いつもと立場が逆!?」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 19:40:36.24 ID:GkhoDCHr0
佐天「あの、変身したはいいけど、これからどうするの?」

初春「もちろん悪と戦うんです」

佐天「いや、だから私はレベル0で……」

初春「ふふふー」

初春「実はその魔法服、秘密があるんです」

佐天「えっ?」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 19:44:43.35 ID:GkhoDCHr0
初春「ラジカルさてんは『正当派グラップラー系魔法少女』!」

初春「その魔法服には『掴んで投げる』能力を促進する機能が備わっているんです!」

佐天「……」

初春「な、なんだってー!」

ガガーン!

佐天「……あの、初春?」

佐天「魔法は?」

初春「え、やだなあ佐天さん」

初春「魔法なんて、そんなの非科学的なもの使えるわけないじゃないですか」

佐天「……」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 19:47:09.46 ID:GkhoDCHr0
初春「じゃあ、早速悪そうな人を見つけて」

初春「掴んで投げちゃいましょう!」

佐天「……」

初春「ばっちこーい!ばっちこーい!」

佐天「……」

ヒュン!

ガシッ!

ズバッ!

初春「ガハッ!」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 19:49:46.92 ID:GkhoDCHr0
初春「……こ、これが」

初春「これが魔法少女ラジカルさてんの必殺技……!」
   
初春「『オリンピック級スラム』……!」

佐天「……」

佐天「あ、愛してるって言わなきゃ殺す!」

バシッ!キラーン!

初春「み、見事ですぅ……」

ガクッ

佐天「ちょ、ちょっと、初春!?」

佐天「初春ーーーーーーーーー!!!!!」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 19:57:03.93 ID:GkhoDCHr0
悪が蔓延る学園都市に新たな天使が現れる!
正統派グラップラー系魔法少女、ラジカルさてん!
彼女が進む未来は、果たして光か闇か!
次回へつづく!

佐天「ちょ、なにこのナレーション!」

あ、とうまー、きょうはパエリアたべたいなー!

佐天「知るか!」

次回へつづく!

佐天「ら、来週も愛してるって言わなきゃ殺す!」

第一話 完

37: 2010/01/29(金) 20:05:51.99 ID:GkhoDCHr0
ちょいと出なければいけないので、暫くお待ちを…

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 21:26:36.28 ID:GkhoDCHr0
初春「はい」

初春「と、いうわけで」

佐天「ううう…」

初春「佐天さん?」

佐天「あの、いつまでこの姿で……?」

佐天「寒空の中で、ノースリーブミニスカート姿は…」

初春「あっ……」

初春「どうやれば変身が解けるんだろう…」

佐天「ちょっと!?」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 21:28:24.56 ID:GkhoDCHr0
初春「ええと、多分普通に着替えれば大丈夫だと思います!」

佐天「ええっ」

初春「ほら、だって魔法少女とかって、魔法解けたあとのケアってあんまりしないし…」

初春「多分、普通に着替えてるのかなあって」

佐天「いやいやいやいや」

佐天「元々私が着てた服は?」

初春「……さぁ?」

佐天「ちょっと!?」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 21:32:13.46 ID:GkhoDCHr0
初春「細かいことはどうでもいいんです!」

初春「さあ、さっそく学園都市で起こったトラブルを解決しにきましょう!」

佐天「いきましょう!と言われても…」

佐天「というか、どこから出したの、そのビデオカメラ!?」

佐天「てか、なんでビデオカメラ!?」

初春「え?」

初春「やだなあ、佐天さん」

初春「魔法少女の親友といったら、ビデオカメラでその勇姿を撮影するポジションに決まってるじゃないですか」

佐天「そのケース……」

佐天「ひとつしか知らない!」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 21:37:07.61 ID:GkhoDCHr0
初春「だって、佐天さん凄いかわいいですよー!」

佐天「ちょっと、お世辞はよしてよ!」

初春「お世辞なんかじゃないです!」

初春「ほら、佐天さんの生足~」

佐天「ちょっとやめてよ!」

初春「腋の下~」

佐天「やめてって……」

初春「リンパ線まわりの産毛~」

佐天「………」

ガシッ

グワッ

ズドーン!

初春「くはっ!」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 21:38:42.40 ID:GkhoDCHr0
初春「これが佐天さん、第二の必殺技『ヘラクレス・カッター』」

初春「二話目にして大技、さすがです……」

初春「ガクッ」

佐天「しまった、つい反射的に…」

佐天「う、初春!大丈夫!?」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 21:45:41.97 ID:GkhoDCHr0
~しばらくお待ちください……~

初春「いやはや、さすが木山先生特性のスーツ……」

初春「恐るべき威力です……」

佐天「うう、これからどうすればいいんだろう……」

初春「佐天さん、さっきも言ったじゃないですか!」

初春「悪い人を懲らしめに行くんです!」

佐天「そんなの、ジャッジメントのお仕事だし……」

佐天「やっぱり勝手にやるのはよくないよ……」

初春「あ、向こうからちょっと悪そうな人が!」

佐天「あの、人の話を……」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 21:49:31.61 ID:GkhoDCHr0
初春「……」

佐天「……」

初春「……色素の薄い髪」

初春「明らかに悪人の目つき」

初春「そして何より……」

初春「傍に連れている小さい女の子!」

初春「事件です……事件の匂いです……」

初春「誘拐事件の匂いです!」

初春「クワッ!」

佐天「ちょっと勘弁してよ……」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 21:56:22.44 ID:GkhoDCHr0
初春「ちょっとそこのあなた!」

佐天「だからやめとこうって!」

白い人「……?」

初春「誘拐の容疑で……」

初春「ジャンジメントですにょ!」

佐天「……噛んでるし」

白い人「……」

白い人「なんだァ、おまえら?」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 22:00:37.96 ID:GkhoDCHr0
初春「あなたが……」

初春「あなたがそんなことをする人だとは思いませんでした!」

白い人「なんだ突然!」

初春「こんな小さい子に手を出すなんて!」

初春「お母さん許しませんよ!」

白い人「????」

佐天「すみません、頭に花が咲いちゃったんです、この子…」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 22:05:35.27 ID:GkhoDCHr0
白い人「あァん?」

白い人「いや、おゥ……」

佐天「ほら、初春、困ってるってこの人……」

初春「……」

初春「あの、どうしよう、気まずい……」

佐天「ちょっと!」

初春「……知り合いです」

佐天「ハア!?」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 22:11:05.59 ID:GkhoDCHr0
一同「………」

女の子「あの……」

女の子「お姉さん、寒くないの?とミサカはミサカは心配してみたり……」

佐天「あ、えっと……」

佐天「ちょっと寒いかな、ははは」

女の子「あの良かったらこのマフラー貸してあげるとミサカはミサカは提案するの」

佐天「え、あ、その……ありがとう……」

女の子「よいしょよいしょ……」

女の子「うん、すごく似合ってる!」

女の子「とミサカはミサカは自分のおせっかいを自画自賛してみたり」

一同「……」

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 22:12:43.21 ID:GkhoDCHr0
白い人「……満足かァ?」

二人「……」

白い人「チッ……」

二人去っていく

佐天「……」

初春「……」

初春「……こうして、危機がひとつ過ぎ去ったわけですよ!」

初春「佐天さん!」

佐天「寒さより……」

佐天「恥ずかしさと申し訳なさで死にそうだわ!」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 22:25:00.09 ID:GkhoDCHr0
学園都市の危機を救った正統派グラップラー系魔法少女、ラジカルさてん!
しかしこの世に悪は尽きない。ひとつの悪が過ぎればまた新たな悪がひとつ…
大ピンチに次ぐ大ピンチ!さてんさんの明日はどっちだ!

次回に続く!

佐天「だからなに!?このナレーション!」

とうまー、きのうのよるとうまのへやからおんなのひとのこえがきこえたけどなんだったのー
プ、プロレスしてたんだよ!

佐天「だからこれはなに!?」

次回へ続く!

107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 19:41:09.49 ID:uKPC7dEO0
初春「いやー、今日も良い天気ですね」

佐天「いやー、今日もいい天気ですね、じゃない!」

初春「佐天さん、なんでジャージなんですか?」

初春「13歳にして女日照りですか?」

佐天「違う!」

佐天「変身すると服がどこかに消えちゃうから、安いジャージ着てるのよ!」

初春「おお、やる気になってくれましたか!」

佐天「そうじゃないけど……」

佐天「どうせなにかに巻き込まれるし……」

109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 19:44:44.76 ID:uKPC7dEO0
初春「でもいいんじゃないですか?」

初春「変身前はジャージの魔法少女」

初春「そういう需要とかありますよ?たぶん」

佐天「いやいやいやいや」

初春「ほら、ギャップ萌えってやつです」

佐天「ギャップ萌えってそういう意味じゃないような……」

初春「あ、佐天さん」

初春「反復横とびしてください」

佐天「え?こう?」

シュシュシュシュシュ

初春「あー、今のポイント高いですね」

佐天「なぜに!?」

110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 19:49:12.05 ID:uKPC7dEO0
初春「じゃあ佐天さんの趣味が筋トレと決まったところで」

佐天「勝手に決めないで!」

初春「今日も悪を退治しにいくわけですが……」

佐天「またやるの!?」

初春「当たり前です。」

初春「魔法少女なんですから。」

佐天「別に戦うだけが魔法少女というわけじゃないと思うんだけど……」

佐天「ほら、こういうのもベタじゃない?」

佐天「みんなの願いをかなえるため、魔法の国からやってきましたー、って」

初春「みんなの願いを叶えるんですか?」

初春「レスリングで?」

佐天「……」

113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 19:53:48.28 ID:uKPC7dEO0
佐天「……な、なにか他の機能はないの!?」

佐天「レスリング以外で!」

初春「その言葉を待ってました!」

佐天「あるの!?」

初春「ええ!」

初春「実はこのステッキ、秘密がありまして……」

初春「ここに青いボタンがあるでしょ?」

佐天「うん」

初春「これを押しながら変身すると、魔法少女ラジカルさてんの別コスチュームverで変身できるんです!」

佐天「おおっ!」

114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 19:57:26.55 ID:uKPC7dEO0
初春「じゃあ、例のあれお願いします」

佐天「え、やるの?」

初春「もちろん」

佐天「ううう……」

佐天「しょうがないなあ……」

佐天「Kiss Me……殴るように唇に血が滲むほど……」

佐天「Hold Me……あばらが音を立てて折れるほど……」

佐天「変身!」

キラキラ、ピカァ!

初春「おお、今週も全裸変身」

初春「愛知地方放送版では●●が見えるらしいですよ、佐天さん」

佐天「やめてよ!」

116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 20:03:29.86 ID:uKPC7dEO0
キララララー

ドカーン

佐天「魔、魔法少女ラジカルさてん!」

佐天「愛してるって言わなきゃ殺す!」

キラキラリーン!

初春「……ぱちぱちぱち」

佐天「……」

佐天「何回やってもやっぱりつらい……」

佐天「というか、このコスチュームも半袖だし……」

佐天「しかもへそ出し……」

佐天「うう、寒い…」

ペラッ

初春「緑ってすごい趣味ですね」

佐天「だから見るな!」

119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 20:10:33.28 ID:uKPC7dEO0
佐天「でも、まあ、これでちょっとは魔法少女らしいことができるのよね?」

佐天「さすがにレスリングはもうどうかと思うし」

初春「大丈夫ですよ!」

初春「ラジカルブルーのコスチュームは多い日も横漏れを防ぐ安心設計で出来ています!」

佐天「生理用品なの!?」

佐天「でも、このコスチューム、不思議」

佐天「なんか凄い力を感じる……」

初春「あ、気のせいですね」

佐天「乗っかってよ!」

121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 20:14:34.15 ID:uKPC7dEO0
佐天「で、このコスチューム」

佐天「どんなパワーがあるの?」

初春「ふふふー」

佐天「おお、なんか凄そうな力が潜んでそうな笑顔」

佐天「教えて教えて!」

初春「それはですねー」

初春「……実は」

佐天「実は?」

初春「蹴りが重くなるんです」

佐天「……は?」

初春「きゃっ、言っちゃった……」

佐天「いや、『きゃっ』じゃなくて……」

122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 20:19:55.07 ID:uKPC7dEO0
佐天「あの……魔法とかは……?」

初春「え、やだなあ佐天さん」

初春「魔法なんて、そんなの非科学的なもの使えるわけないじゃないですか」

佐天「……」

初春「じゃあ、早速今日も悪を探してパトロールしますよ!」

初春「佐天さん!」

佐天「……」

初春「……」

ヒュン!バシッ!
ヒュン!バシッ!

初春「ちょっ、膝は痛い、膝は……」

123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 20:25:14.67 ID:uKPC7dEO0
学園都市の悪に立ち向かうべく、新たな力を手に入れた
正統派ストライカー系魔法少女、ラジカルさてん!
しかし次週、そんな彼女の前に最大の危機が……
そのとき、現れたのは!?
次回へ続く!

佐天「またナレーション!?」

はまづら、きのうきぬはたとなにしてたの?
プ、プロレスしてたんだよ……
ヒュン!バシッ!
ヒュン!バシッ!
ちょっ、膝は痛い、膝は……

佐天「だからなにこれは!?」

次回へ続く!

181: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/31(日) 17:14:31.44 ID:9RvagObj0
初春「うう、膝がまだ痛む……」

佐天「ごめんごめん、ちょっとやりすぎちゃった」

初春「でも、このキック力なら世界狙えますよ、佐天さんっ!」

初春「そしてロー一辺倒の判定狙いの糞キックボクサーとしてネットで叩かれます」

佐天「勘弁してよ!」

佐天「……そういえば」

佐天「もう一個ステッキの下の方に黄色いボタンがあるんだけど、これはなに?」

初春「ふふふー、これも変身ボタンです」

初春「このボタンを押してラジカルイエローに変身すると、尿意がとまらなくなります」

佐天「まるで意味がわからない!」

182: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/31(日) 17:18:44.20 ID:9RvagObj0
初春「そんなことはおいておいて、さっそく悪を叩きにいきますよ、佐天さん!」

佐天「そんなこといって、また町を歩いている人を適当に悪人にするんでしょ?」

初春「チッチッチッ」

初春「前と同じ轍は踏みません!」

佐天「ほんとに?」

初春「ええ、実はこの日のためにいろいろと計画を練ってたんです」

佐天「嫌な予感しかしないんだけど…」

183: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/31(日) 17:21:47.23 ID:9RvagObj0
初春「ここです!」

佐天「銀行?」

佐天「こんなところでなにが……」

初春「風紀委員の優秀なネットワークから探し出した情報によると」

初春「なんと今日、とある犯罪組織がこの銀行を強盗するということになっているのです!」

佐天「……マジで?」

初春「これはまさにチャンス、大チャンス!」

初春「ラジカルさてんの名を売る大チャンスですよ!佐天さん!」

佐天「……帰る」

佐天「帰る帰る帰る!」

初春「さ、佐天さん!」

184: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/31(日) 17:24:50.38 ID:9RvagObj0
佐天「わ、わたしにそんなのできるわけないじゃない!」

初春「なにいってるんですか!」

初春「そのための木山先生特性魔法スーツじゃないですか!」

佐天「レスリングとキックと尿のどこが魔法だ!」

初春「それに、時計を見てください」

佐天「?」

初春「例の犯罪組織が銀行を襲う予定時刻が午後2時」

佐天「今の時間は……」

佐天「午後1時59分……」

佐天「は、はかったな、初春!」

初春「期待してますよー、佐天さん!」

佐天「も、物陰に隠れるなー!」

324: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 14:48:08.87 ID:SwyMQEmq0
強盗A「おいこら、おまえら!」

強盗A「地に伏せろ!」

ズバババババ

佐天「あー、はじまっちゃった…」

初春「さーてんさん!ファイト!」

佐天「ファイトじゃない!」

強盗B「おい、てめえら、なに無駄口叩いてやがる」

強盗B「xxxしろオラァ!」

佐天(コ、コテコテだなあ……)

佐天(初春はああいうけど、とりあえず白井さんたちが来るだろうし)

佐天(ちょっとおとなしくしてよう…)

325: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 14:52:04.04 ID:SwyMQEmq0
強盗A「そうだ、このバックに金を積めるんだ……」

銀行員「うう」

初春「……グッ」

佐天(期待の目を寄せるなっ!)

佐天(こんなことしても、痛い目見るだけなのになあ、この人たち…)

?「うえーん!」

佐天「!」

佐天(これは、子供の泣き声?)

子ども「おじちゃんが……」

子ども「おじちゃんがぼくの超合金ザンボット3を壊したー!」

326: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 14:55:59.14 ID:SwyMQEmq0
強盗B「ちっ、この糞ガキ……!」

母親「やめて、この子だけは……」

強盗B「うるせえっ!」

ゲシッ

子ども「あうっ!」

母親「やめてえっ!」

佐天(……)

強盗C「待て、慌てるな!こんなガキ相手にするな!」

強盗B「だけど、こいつさっきから噛み付いてきて……」

子ども「うーっ!うーっ!」

強盗B「畜生、鬱陶しい!」

佐天「………ちょっと」

佐天「ちょっと待ちなさい!あなたたち!」

329: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 15:02:46.86 ID:SwyMQEmq0
強盗たち「………」

強盗たち「……なんだてめえはァ?」

佐天「さっきから見てられないわよ」

佐天「銀行強盗で手っ取り早く金をせしめようとする根性も気に入らなければ…」

佐天「何の関係もない子どもに手を出す、その腐りきった性根も気に入らない!」

強盗A「ああん、嬢ちゃんにこそ関係ねえ話だよなぁ?」

強盗B「おい、よく見ればこいつ上玉だぜ?まだガキっぽいとこがあるが」

強盗C「馬鹿、そういうのが好きな奴もいんだよ。まあ、俺の話だが」

強盗A「確かに嬢ちゃんの言うとおり性根が腐りきってるよ、お前は」

強盗C「うるせえ」

ガハハハ!

子ども「おねえちゃん…」

佐天「……待っててね、すぐ助けに行くから」

初春(このベタ展開!たまらないです!たまらないですよ!佐天さん!)

330: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 15:07:48.24 ID:SwyMQEmq0
スチャッ

強盗B「なんだぁ?そんな棒切れで俺たちとやろうってんのか?」

強盗B「いいぜ?遊んでやるよ」

佐天「Kiss Me……殴るように唇に血が滲むほど……」

強盗C「ああん?」

強盗A「気でも狂ったか?」

佐天「Hold Me……あばらが音を立てて折れるほど……」

強盗B「おい、なんかさっきから空気がキラキラしてねえか?」

強盗C「おい、なんだぁ、こいつ?」

佐天「変身!」

キラキラピカァ

初春(キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!)

初春(佐天さんの全裸変身!)

初春「ちなみに北米版では無修正です」

佐天「やめてよ!」

331: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 15:09:25.86 ID:SwyMQEmq0
キララララー

ドカーン

佐天「魔法少女ラジカルさてん!」

佐天「愛してるって言わなきゃ殺す!」

キラキラリーン!

初春「……ぱちぱちぱち」

強盗たち「……」

子ども「……」

母親「……」

銀行員たち「……」

お客たち「……」

佐天「……び」

佐天「微妙な空気になってる!」

332: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 15:15:51.92 ID:SwyMQEmq0
強盗A「てめえ、まさか……」

強盗A「能力者か!」

佐天「……あたしの前で」

佐天「それは禁句よ!」

ヒュン
ガシッ

強盗A「なっ……」

強盗A「足を掴まれただと!」

334: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 15:19:16.80 ID:SwyMQEmq0
初春(目にもとまらぬ速さのタックル!)

初春(まさにラジカルさてんの真骨頂です!)

初春(さあ、やっちまうのです!佐天さん!)

初春(ハァハァ)

女の子「お母さん、さっきからあの人ハァハァ言ってる」

母親「見ちゃいけません!」

335: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 15:23:04.11 ID:SwyMQEmq0
強盗A「くっそ、こいつ、離れない……」

佐天「……既に昭和史に刻む勢いの」

佐天「ジュ・テーム!」

ギュルン!

強盗A「ギャホオオオオオオオオオオオオオ!」

初春(足をがっちり掴んで、身体ごと回して捻る…)

初春(手加減なしのドラゴンスクリュー!)

強盗A「足がぁああああ!足があああああああああああ!」

初春(あちゃー、靭帯いっちゃいましたね、これは…)

336: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 15:27:00.93 ID:SwyMQEmq0
強盗B「く、くっそお」

強盗B「なんなんだ、てめえはああああ!」

子ども「!」

子ども「おねえちゃん、うしろ!」

ズダダダダダダ

佐天「……」

ヒュン!

強盗B「はぁはぁ…」

強盗B「へへっ、蜂の巣になったかぁ?」

佐天「……残念」

強盗「えっ……」

佐天「……」

強盗B「後ろを取られた……だと……」

338: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 15:33:18.39 ID:SwyMQEmq0
ガシッ

強盗B「う、腕ごと獲られたっ!」

佐天「……日常を打破して」

佐天「具現化するxxx!」

ビュウン!
ドガン!

強盗B「ゲボシッ!」

初春(腕をがっちり掴んで受身を取れなくするスープレックス……)

初春(タイガースープレックスですね!佐天さん!)

強盗B「あが、ががっ……」

初春(あー、首にダメージがイっちゃいましたね)

初春(ご愁傷様です)

佐天「……これで二人」

339: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 15:36:42.33 ID:SwyMQEmq0
強盗C「ヒイッ」

佐天「……」

強盗C「てめえ、何が目的だ……」

佐天「目的なんかないわよ……」

佐天「私はすでに……」

佐天「ヤケクソよ!」

ヒュン
ドガッ

強盗C「ぐあっ」

初春「やったああああああああ!!!!!」

初春「佐天さんマウントとったああああああああ!!!!!」

女の子「お母さん、この人怖い……」

母親「見ちゃいけません!」

341: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 15:41:54.49 ID:SwyMQEmq0
佐天「……」

強盗C「ちょっ、てめえ、何をするつもりだ」

佐天「……」

強盗C「おい、待て、タンマ……」

ゲシッ

強盗C「はぶっ」

ゲシッ

強盗C「ばびっ」

ゲシッ

強盗C「げぼっ」

初春(まるで容赦がない氷のような打撃……)

初春(エメリヤ・エンコ・ヒョードルですね!佐天さん!)

ゲシッゲシッ

強盗C「……」

342: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 16:01:34.41 ID:SwyMQEmq0
ゲシッ

強盗C「……」

佐天「……反応がない」

佐天「こんなもんかしらね」

一同「……」

佐天「あの……」

佐天「……ええっと」

佐天「魔法少女ラジカルさてん!」

佐天「お礼は見てのお帰りっ!」

キラーン!

343: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 16:05:20.70 ID:SwyMQEmq0
初春「佐天さんっ!」

ガバッ!

佐天「きゃっ!」

佐天「初春、急に抱きついてこないでよー!」

初春「佐天さん!」

初春「佐天さん、かっこよかったです!」

佐天「や、やめてよ」

佐天「ほんとはすごいこわかったんだから……」

初春「……佐天さん」

初春「無事でよかった……」

ギユッ

佐天「初春……」

佐天「いろいろ言いたいことがあるけど、今はいいや……」

344: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 16:08:01.59 ID:SwyMQEmq0
子ども「あの……おねえちゃん……」

佐天「あっ……」

佐天「大丈夫だった?」

母親「本当にありがとうございます……!」

佐天「そんな……」

佐天「あたしはただ、ちょっと足を捻ったり、掴んで投げたりしただけなんで……」

母親「ほら、あなたも……」

子ども「あ、あの……」

345: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 16:12:05.37 ID:SwyMQEmq0
子ども「……あの」

子ども「おねえちゃんこわい……」

佐天「えっ?」

佐天「………これは、返り血?」

佐天「なんじゃこりゃあああああああああああ!」

初春「おめでとございます!佐天さん!」

初春「●●を捨てましたね!」

佐天「ビスケット・オリバか!?」

346: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 16:16:03.88 ID:SwyMQEmq0
初春「じゃあ、佐天さん」

佐天「なにが『じゃあ』よ!」

初春「さっそく、ステッキをかざして、星型のボタンを押してください」

佐天「えっ、こ、このボタン?」

佐天「なんだろうと思ってたんだけど……」

初春「うふふふふ」

佐天「嫌な予感……」

佐天「でも、もうヤケクソよ!」

佐天「どうにでもなれー!」

ポチッ

347: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 16:18:42.35 ID:SwyMQEmq0
佐天「………あれ?」

佐天「なにも起こらない?」



佐天「!?」

佐天「急に音楽が……」

初春「ラジカルさてんは『歌って踊って演技も出来る、正統派グラップラー系魔法少女』…」

初春「勝利のあとは……」

初春「歌って踊るんです!」

佐天「なに、その破綻した設定!?」

348: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 16:21:21.58 ID:SwyMQEmq0
初春「ほら、歌がはじまりますよ!」

佐天「ええっ、もう……」

佐天「♪ひと月に一度一度座敷牢の奥で玉姫様の発作がおこる」

佐天「♪肌の色は五色 黒髪は蛇に」

佐天「♪放射するオーラをおさえきれない」

佐天「♪中枢神経 ●●に移り」

佐天「♪十万馬力の破壊力……」

一同「………」

初春「キャーサテンサーン」

349: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 16:23:20.11 ID:SwyMQEmq0
佐天「♪レディヒステリック 玉姫様 乱心」

佐天「♪もう何も見えない もう聞こえない」

佐天「♪あなたの話が理解出来ない」

佐天「♪異常な発汗と嘔吐の中で」

佐天「♪六感は冴えわたる」

佐天「♪神秘! 神秘! 月に一度」

佐天「♪神秘! 神秘! 神秘の現象~」

一同「………」

佐天「………なにこれ」

佐天「何、これ!?」

351: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 16:28:25.91 ID:SwyMQEmq0
初春「これにて一件落着ですね!」

初春「佐天さん!」

佐天「離れた安全な場所から笑顔で言うな!」

初春「でも大手柄ですよ!」

初春「これでみなさんに名前も覚えてもらえたはず……」

佐天「……」

初春「……佐天さん?」

佐天「う、動けない……」

初春「えっ?」

352: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 16:32:32.71 ID:SwyMQEmq0
強盗A「……ち、ちくしょう」

強盗A「これでやられっぱなしだと思うなよ……」

佐天「うそ……でしょ……」

初春「佐天さん!?」

強盗A「こうなれば、俺の能力ごとお前を道連れにしてやる……」

初春「まさかまだ動けたなんて……」

佐天「不覚ね……」

強盗A「俺の能力の味はどうだ……」

強盗A「これが俺の能力!」

強盗A「『長時間正座しすぎて血行の流れが偏り足が痺れてくる、アレ』だ!」

一同「………」

初春「……しょぼい」

強盗A「うるせえっ!」

359: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 17:25:03.95 ID:SwyMQEmq0
強盗A「動けなくなったらこっちのもんだ……」

強盗A「覚悟はできてるんだろうな、お嬢ちゃん……」

佐天「ちょっと、何するつもりよ……」

強盗A「散々、痛めつけられた借り……」

強盗A「身体で返してもらわないとなああああああああ!」

子ども「おねえちゃん!」

初春「佐天さん!」

バリーン!

?「待ちなさい!」

強盗A「誰だ!」

?「ジャッジメントですの!」

360: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 17:28:21.48 ID:SwyMQEmq0
~しばらくおまちください~

黒子「やれやれ、とんだ小物でしたわね」

御坂「佐天さん、大丈夫?」

佐天「御坂さん……、白井さん……」

御坂「もう、無茶しちゃって……」

黒子「お姉さま、現場にお二人がいると聞いて」

黒子「わたくしの静止も聞かずに飛び出していったんですのよ」

黒子「せっかくデート中でしたのに」

御坂「もう言わないでよ!」

黒子「あらあら、失礼」

佐天「み、みさかさあん……!」

御坂「あーあ、泣き出しちゃった」

黒子「無理もありませんわね」

362: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 17:31:32.49 ID:SwyMQEmq0
御坂「話は後で聞くけど……」

ギュッ

御坂「もう無理しちゃだめよ」

佐天「ごめんなさい、ごめんなさい……」

黒子「ほんと、こんなに返り血で真っ赤に……」

黒子「こほん、失敬」

黒子「こんなにボロボロになっちゃって…」

黒子「あんまりお姉さまや私たちに心配かけちゃいけませんわよ」

佐天「ごめんなさい……」

初春「でもよかったです、本当に……」

初春「佐天さんが無事で……」

佐天「……し」

佐天「白々しい!」

363: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 17:34:20.58 ID:SwyMQEmq0
御坂「……ほら、佐天さん」

御坂「なにか言いたいことはある?」

佐天「はい!」

佐天「あたし、気づいたんです……」

佐天「力なんかなくても」

佐天「無理しなくても」

佐天「あたしは皆さんの友達だって……」

一同「……」

佐天「あたしは、皆さんの友達だって……」

御坂「あ、気のせいね」

黒子「あ、気のせいですわね」

初春「あ、気のせいですね」

佐天「……き」

佐天「傷つくわ!」

364: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 17:36:28.87 ID:SwyMQEmq0
~数日後~

初春「もしもし、木山先生ー」

木山「……君か」

初春「先日はありがとうございましたー」

木山「なに、礼に及ぶことはない」

木山「鍵はもっているのだろう?」

木山「入りなさい」

初春「では、失礼します」

367: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 17:38:25.68 ID:SwyMQEmq0
初春「……これ」

木山「?」

木山「これは、例のステッキじゃないか」

初春「はい!」

木山「なぜ返す?」

初春「佐天さんは」

初春「魔法のステッキがなくても素敵で強い人ですから!」

木山「………」

木山「……フフッ」

二人「ふふふふふっ」

368: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 17:40:18.01 ID:SwyMQEmq0
初春「でも、申し訳ありません」

初春「せっかく作っていただいたのに」

木山「なに、構わんよ」

木山「結果、一番大事なことに気づけたのなら教師冥利に尽きる」

初春「大事なこと、ですか?」

木山「ああ」

木山「ほら、早く行け。友だちが待っているのだろう」

初春「あ、はい!」

初春「失礼します!」

木山「うむ」

369: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 17:41:16.57 ID:SwyMQEmq0
ガララッ

木山「………」

木山「………」

木山「……魔法少女か」

木山「……」

ポチッ

木山「……変身」

キラキラピカァ

370: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 17:45:01.98 ID:SwyMQEmq0
ドカーン
キラキラリーン

木山「………」

木山「……くっ」

木山「あの少女のサイズで寸法を測ったから……」

木山「服が小さい……」

木山「臍が見えてるじゃないか……」

木山「スカートも短くて……普通にしているだけで 着が……」

木山「普段は気にならないのに、何故この服だと 着が見えるのがこんなに気になるのだ……」

木山「まったく合理的ではない……」

木山「………///」

372: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 17:46:28.35 ID:SwyMQEmq0
ガラララ

木山「!?」

初春「………」

木山「………」

初春「………」

木山「………」

初春「……グッ」

木山「?」

初春「木山春生をプロデュース!」

376: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/02(火) 18:09:01.03 ID:SwyMQEmq0
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  \ヽ, ,、
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\`ヽ、|
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    `L,,_
    |ヽ、)                ,、
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 .|      , ‐'´   __     `ヽ、  `|
  |    / , ‐'"´       ``''‐、  \  |
  |   / /             \ ヽ |
  ヽ,  y'   /` ‐ 、    ,.. -'ヘ   ヽ. }ノ
   ヽ,'     /   /`,ゝ' ´     ヽ   Y.
.    i    ,'     { {        ヽ   `、
    l    ,イ─- 、.._ ヽ ,, _,.. -─:}   !
.    |  r‐i| ー=ェェ:ゝ ,.∠ィェェ=ー' |r 、.  l
   |  {ト」l|.      : | "    ``: |!トリ  |
.  │  ヽ、|      ;.」_      |'ソ    !
.  │     ヽ     r──ッ    /ノ    |
    |      lヽ    ̄ ̄     / イ    │
.    !    丶ヾヽ    ~   , ' ノ │   !
    ト.    ミ.ゝ ヽ.____./  /  l   /
    ヽ  ヽ           イ ,' / , '       ┼ヽ  -|r‐、. レ |
     \.             ノレ'/         d⌒) ./| _ノ  __ノ

引用元: 初春「佐天涙子をプロデュース!」