1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 02:41:53.36 ID:2ZJrlcSE0
かつて彼と敵対したことのある人物がその光景を見たら、間違いなく目を疑うだろう。あるいは自分の脳を疑いか
ねない。
そのくらいありえない光景だった。
(クソったれが、冗談じゃねェぞ!?)
学園都市最強と名高い超能力者(レベル5)は今まさに絶体絶命の窮地にあった。
ズキズキと痛む頭に加え、強烈な圧迫感で胸が詰まりそうになる。本来ならそれはありえないことだった。彼の能
力はあらゆる物から彼を守る。核爆発からも生還できる化物がこうも簡単に追い詰められるなどあってはならないこ
となのに。
(どォしろってんだこンなン……)
銃弾をぶちまけたところで意味は無い。
自慢のベクトル操作も全くの無意味。
そもそもこれはそういう方法で倒せるような相手ではないのだ。
けれど諦めるわけにはいかない。震える指先を必死で動かし喰らいつく。それがどんなに無様な姿であろうと、今
の一方通行には関係ない。
頼まれたのだ。先ほどまで共に居た彼女の最後の言葉……自分の代わりにどうかと、この場を任されたのだ。
しかし、それはあまりにも圧倒的で、
(どォしろって――――ッ!)
学園都市第一位はその日、あまりにもあっさりと沈んだ。
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 02:46:46.63 ID:2ZJrlcSE0
あの天下の第一位が、ファミレスの一角で山盛りのパフェを前にうな垂れているなど、この都市(まち)の誰が信じるだろうか。
一方通行の目の前には3分の1程度残っているパフェが1つ。そして、僅かに手をつけただけでほとんど残っている山盛りのパフェ――この店の名物、ジャンボフルーツパフェなるものらしい――が1つ。
「一体どォしてこォなった……」
元々甘いものが得意ではない一方通行は既に胸焼け寸前の状態にまで追い詰められていた。
無理に詰め込んだ胃は先ほどから悲鳴をあげている。強烈な圧迫感がこれ以上は無理だと彼に訴えている。
その上溶ける前に食べてしまわねばと慌てて頬張ったアイスのせいでズキズキと頭が痛い。はっきり言えば既に投げ出したい気分満点である。
その上、彼の前にあるパフェは1つではなかった。つい先ほどまで同席していた人物が頼んだジャンボフルーツパフェは圧倒的オーラと共に彼の前に鎮座していた。
これさえ無ければ自分の分のパフェはもう残り僅かだというのに、たった一つの誤算がそれを根底から覆してしまった。
プルプルと震える指先に、歯を食いしばって力を込めスプーンを動かす。たったそれだけの動作が酷く緩慢で、傍から見ても彼が限界に来ているのは一目瞭然だった。
(こりゃ学園都市最強の看板は早急に取り外さねェとな……)
もはや思考も大分怪しくなっている。パフェ相手に何大人気なく意地張ってんだこいつという視線を周囲から浴びていることにすら気がついていない。
いや、正確にはいきなり連れが居なくなり、彼が一人取り残されたことを知っている店員からの憐れみの視線と、事情を知らない客からの疑惑の視線、
そして、彼が一方通行であることに気がついてしまった者からの恐怖の視線とが混ざっていたのだが、今の彼にはそんなことに注意を払う余裕は全く無かった。
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 02:48:23.56 ID:2ZJrlcSE0
ここまでか。
圧倒的な甘味の量の前に、僅かな希望すら打ち砕かれた。ただただ絶望だけが彼の心に広がっていく。一週回って少し冷静になった一方通行の頭にようやく諦めが過ぎったその時だった。
打ちひしがれる彼の前に、
――――最後の希望が舞い降りる。
誰も声を掛けることが出来ないで居る中、一人の少女が現れた。その少女は13歳前後の姿をしていた。
腰まであるストレートの黒髪に、活発そうな笑顔。花の形をしたワンポイントの髪留めをつけて、中学らしきセーラーの制服に身を包んでいた。
「あの、大丈夫ですか?」
偶然見つけたその怪物を前に、彼女は臆することなく声を掛けた。そのありえない光景を前にしても躊躇うことなく真っ直ぐ彼の傍へと歩み寄った。
それを見た者は、ある者は少女の勇気と優しさに感心し、またある者は興味本位からその行動を見守り、
そして第一位のことを知るものはこれから起こるであろう惨劇を想像して恐怖した。そしてそのどれもが予想を裏切られることになる。
後から思えば、ちょうどその少女と店内の照明が直線状に並んでいただけに過ぎないのだろう。
しかしその時の一方通行にそこまでのことを考える余裕は無かったし、ギブアップ寸前だった彼にとってその少女の登場は紛れも無く救いだった。
彼女こそが本当のヒーローだと言われればきっと信じたに違いない。あるいは宗教に目覚める切欠にすら成り得たかもしれないほどにそれは神秘的な光景だった。
声を掛けられたことに気づきゆっくりと振り向いた先に、一方通行は後光を纏った天使を見た。
「佐天さんマジ天使!」
「……はい?」
これは、学園都市230万人の頂点に位置する第一位と、対照的に底辺の能力者である一人の少女とを中心にした、悲喜劇(コメディー)である。
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 02:49:49.32 ID:2ZJrlcSE0
■時間軸
適当。もろもろ片付いて平和になった学園都市ってことで一つ。
もろもろ片付いてるので打ち止めとか元気。その他もいろいろご都合展開満載。
■佐天涙子
無能力者(レベル0)⇒能力者(レベル1)に。能力は原作通り風力使い(エアロハンド)。
初春のスカートをよりふわっとめくる程度の能力。ひょんなことから一方通行と面識がある。
以前に不良に絡まれてるところに一方さんが通り掛かったとかそんな感じ。
とりあえずこの2点だけ先に注意です。OKなら続きをどうぞ
佐天さんは無能じゃないとって方はそっとスレを閉じてください
セロリさんは コンじゃないとって方もそっとスレを……あ、13歳相手なら十分 コン?
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 02:51:02.75 ID:2ZJrlcSE0
・冒頭の1日前、177支部
初春「あれ? 白井さんもう上がりですか?」
黒子「ええ。今日の分の見回りは済ませましたし、書類もさほど溜まっておりませんしね」
初春「何事も無く平和ですねぇ」
黒子「あら、いいことじゃありませんの」
初春「ああ、私がまだ書類残っているのに白井さんがそそくさと上がろうとしているのが悔しいだけですから」
黒子「まったく、貴女という人は……」
初春「そうそう、頼まれてた件なんですけど……」
黒子「! まあ、出来ましたのね!?」
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 02:51:36.57 ID:2ZJrlcSE0
初春「まあ情報の信憑性はかなりあれですけどねー。何せ元が掲示板への書き込みとかつぶやきとかですから」
黒子「そこは貴女の腕前を信じてますわよ」
初春「そこは是非この書類を手伝うことで感謝の意を示して欲しいなぁと」
黒子「お馬鹿なこと言ってるんじゃありませんの」
黒子「どちらにせよ今日はもう上がらせてもらいますわよ」
初春「はーい。お疲れ様でーす」
黒子「それでは失礼いたしますの」
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 02:52:15.51 ID:2ZJrlcSE0
黒子「さて……これで今日は寮の門限まで自由に動けますの」
黒子「先日お見かけしたお姉様そっくりの少女……是非とも詳しい情報を手に入れませんと」
黒子(お姉様にお話ししても他人の空似と取り合ってすら頂けませんでしたの……)
黒子(けれどこの黒子の目はごまかせませんの。あれは間違いなくお姉様のオーラでしたわ)
黒子(お姉様の目撃情報の中から、アリバイ的に不自然な目撃情報だけを抜き出す……)
黒子(初春には後で黒蜜堂のあんみつでもご馳走しないといけませんわね)
黒子(さて、目撃情報の多いのはこの辺りの区画ですけれど――)
ヒュン
結標「この辺まで送ればいいでしょ? 後は自分でどうにかして頂戴ね」
???「あいよー。まったく、お出迎え無しなんてあの野郎も当てにならないよねー」
結標「それにしても……あなた本当にあの妹達の1人? なんというか、個性的よね」
???「ま、良くも悪くもミサカは例外なんでね」
黒子(あれは!?)
11: っと、sageてた、こっから本文はageるね 2010/09/12(日) 02:54:02.50 ID:2ZJrlcSE0
・更に数時間前
ブブブブブ
結標「あら? 土御門からね……まったく、また呼び出しかしら」
結標『もしもし?』
土御門『仕事の依頼だ』
結標『迎えは?』
土御門『いや、今回は集合の必要はない。座標移動(ムーブポイント)へご氏名の依頼だ』
結標『……どういうこと?』
土御門『PDAの方に資料を転送する。とりあえず北エリアの外部接続ターミナルへと向かっていてくれ』
結標『まあいいわ、了解よ』
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 02:54:44.41 ID:2ZJrlcSE0
・外部接続ターミナル物資搬入路
ヒュン
結標「っと、時間通りならここに来るはずだけど……」
???「貴女が運び屋さん?」
結標「……へぇ、本当にオリジナルより肉体年齢が引き上げられてるのね」
???「ふーん? オリジナルと顔見知りなんだ?」
結標「番外個体(ミサカワースト)……だったわね」
番外個体「他のミサカと同じに見えるなら眼科に行くべきだね」
結標「あまり舐めた口を利かない方がいいわよ? そのオリジナルとはどちらかというと因縁がある方だから」
番外個体「あっひゃっひゃっひゃ、出来もしないことは言うもんじゃないよ? 迂闊に手を出したら報復に来るのはあの第一位だよ?」
結標「私がその程度の脅しで怯むとでも?」
番外個体「何ならこの場で黒コゲでもいいんだけど?」
結標「…………まったくもって不毛ね」ハァ
番外個体「ほんとにね」ニヤニヤ
結標「とんだ仕事になったものだわ」
ヒュン
結標「っと、時間通りならここに来るはずだけど……」
???「貴女が運び屋さん?」
結標「……へぇ、本当にオリジナルより肉体年齢が引き上げられてるのね」
???「ふーん? オリジナルと顔見知りなんだ?」
結標「番外個体(ミサカワースト)……だったわね」
番外個体「他のミサカと同じに見えるなら眼科に行くべきだね」
結標「あまり舐めた口を利かない方がいいわよ? そのオリジナルとはどちらかというと因縁がある方だから」
番外個体「あっひゃっひゃっひゃ、出来もしないことは言うもんじゃないよ? 迂闊に手を出したら報復に来るのはあの第一位だよ?」
結標「私がその程度の脅しで怯むとでも?」
番外個体「何ならこの場で黒コゲでもいいんだけど?」
結標「…………まったくもって不毛ね」ハァ
番外個体「ほんとにね」ニヤニヤ
結標「とんだ仕事になったものだわ」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 02:55:22.08 ID:2ZJrlcSE0
・黄泉川のマンション周辺
ヒュン
黒子「結標淡希! ここで会ったが百年目というやつですわよ!」
結標「ッ! あなたは!」
黒子「風紀委員(ジャッジメント)ですの! そちらの方も一緒にお話を……お、おお、お姉様!?」
結標「ちょうどいいわ、彼女に道は聞いて頂戴。それじゃあね」ヒュン
黒子「あ!? お待ちなさい!」
黒子「くっ、いつの間にあんなほいほい自分を転移できるように……」
番外個体「ねぇ」
黒子「っと、そこの貴女! 見るからにお姉様にそっくりの貴女は一体……」
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 02:55:54.80 ID:2ZJrlcSE0
番外個体「風紀委員って言ってたよね。こっちはフォーサイドってマンション探してるんだけどさぁ」
黒子「ちょ、ちょっとお待ち下さいですの!」
番外個体「ん? 何、何か文句あるのかにゃーん?」
黒子(お、お姉様と同じお顔でにゃーん、にゃーんって!? お、落ち着け落ち着くのよ白井黒子! 目の前の人物は結標淡希と一緒に転移してきた不審者! そう、不審者ですのよ!)
番外個体「ちょっと、聞いてんの?」ギロ
黒子「アァン、その蔑むような眼差し! 黒子は、黒子は何かに目覚めてしまいそうですの!」
番外個体「うげぇ、学園都市に来て早々にこんなのに捉まるなんてミサカってばかなり不幸なんじゃね?」
黒子「御坂……? やはり貴女、お姉様の関係者ですの?」
番外個体「はぁ? 誰よお姉様って。っていうかやっぱりそういう趣味なの?」
黒子「超電磁砲(レールガン)、御坂美琴お姉様のことですわ。先ほどご自分のことを御坂とおっしゃってましたし、ご家族か何かですの?」
番外個体「やだ、こんなのが超電磁砲の関係者なわけ? 即行で面倒臭い展開なんですけどー」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 02:56:31.72 ID:2ZJrlcSE0
番外個体(うーん、どうしたもんかなぁ……)
黒子(可能性としてはお姉様のお姉様……。お姉様のそっくりさんを探していて、逆にお姉様のお姉さんを見つけるなんてある意味奇跡ですの)
番外個体(下手に一般人に手ぇ出しても後で煩いし、適当にはぐらかしておくか)
番外個体「ま、超電磁砲とは姉妹みたいなもんだから、関係者には違いないね」
黒子「まぁ! ということはやはりお姉様のお姉様ですのね!?」
番外個体「はぁ? なんだそりゃ」
黒子「おほん、失礼しましたの大きいお姉様」
番外個体「大きいお姉様……ま、何でもいいやもう。で、場所分かるのあんた?」
黒子「ファミリーサイド……少しお待ち頂けますの?」
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 02:57:08.43 ID:2ZJrlcSE0
trrrrr
初春『はいはーい。まだ書類と格闘中の私に何の御用ですか?』
黒子『第7学区にあるファミリーサイドというマンションの地図情報をお願いしたいのですけれど。ちょっと道案内をすることになりましたの』
初春『はぁ、道案内ですか。えっと、PDAの方でいいですか?』
黒子『ええ。携帯ですと私のはちょっと見づらいですしね』
初春『それじゃ送りますよー』
黒子『助かりましたの。それにしても随分早かったですわね』
初春『いやぁ、先に帰ったはずの白井さんが外でお仕事中だと思うと作業がはかどります♪』
黒子『……せっかく今日のお礼に黒蜜堂のあんみつでもと思ってましたのに、残念ですわ』
初春『ええ!? あ、ちょ、今の無し、取り消しで』プツッ
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 02:57:45.58 ID:2ZJrlcSE0
黒子「お待たせしましたの」
番外個体「いやー、悪いね」
黒子「いえいえ、大きいお姉様のお役に立てるのならこれくらい何でもありませんわ」
黒子「ところで、このマンションはもしかしなくても教員用ですわよね?」
番外個体「そこの黄泉川って人のところに用事があるの」
黒子「まあ、黄泉川先生のお知り合いでしたか」
番外個体「うんにゃ。そこに上位こ……えーと、ミサカの姉妹の1人がお世話になってんのよ」
黒子「なっ!? 大きいお姉様意外にもお姉様のお姉様が!?」
番外個体「あれはどっちかというと妹というべきかなー」
黒子「ということは小さいお姉様!? 何ですの一体そこは! 大きいお姉様に小さいお姉様だなんて、ワ○ピースはグランドラインではなくてこんなところにあったんですのね!?」
番外個体「小さいお姉様て……もう訳が分からないよ」
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 02:58:26.86 ID:2ZJrlcSE0
番外個体「ま、細かい話はいいや。とっとと案内してよ」
黒子「承りましてよ大きいお姉様」
黒子(はぁはぁ……この圧倒的に上から目線の口調! しかも大人びたお姉様フェイスで! 更に極めてだるそうなお姉様ヴォイス付き! これはイイ、イイですわぁ~!)
黒子「では少し失礼して……」
番外個体「は?」
ヒュン
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 02:59:04.48 ID:2ZJrlcSE0
黒子「地図によるとこちらですの」
番外個体「……空間移動能力者(テレポーター)って結構レアなんじゃなかったっけ?」
黒子「レアもレア、学園都市でも60人を下回る数しか確認されておりませんわね」
番外個体「ま、着いたんならいいや。もう帰っていいよあんた」
黒子「そんなご無体な!? 黒子にも小さいお姉様にご挨拶をさせて下さいませ!」
番外個体「えー」
黒子「なんてやる気の無いお返事!?」
番外個体「……まあいいや、どうなっても知らないからね」ピンポーン
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 02:59:39.30 ID:2ZJrlcSE0
打ち止め「いらっしゃーい、ってミサカはミサカは久々に会う貴女をお出迎えしてみたり……あれ、番外個体以外にもう1人? というかそっちの人とは初めてましてだね、ってミサカはミサカは咄嗟に軌道修正」
番外個体「ここまで案内してくれた風紀委員、っていうか赤の他人だから」
黒子「こ、ここここ、ここここ」
打ち止め「ここ?」
番外個体「ニワトリ?」
黒子「ここは天国ですのー!? なんて愛らしい! 大きいお姉様だけでなく小さいお姉様だなんて! 黒子は、黒子はどうにかなってしまいそうですの!」ガバッ
一方通行「……うぜェ」ベクトルチョップ
黒子「ビブルチ!?」グシャ
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:00:22.89 ID:2ZJrlcSE0
打ち止め「ちょ、ちょっとー!? ミサカの目の前で殺人事件が!?」
番外個体「うわー、これはフォローできないわ」
一方通行「……馬鹿、ちゃんと加減してるっつの」
打ち止め「だ、だってさっきからこの人ピクリともしてないよ!? ってミサカはミサカはどうすればいいのって慌ててみたり」
一方通行「ただの脳震盪だから心配すンな」
一方通行「っつかテメェ、何いきなり学園都市来てやがンだ。急にこっち来るとか一方的に連絡しやがって、IDとかいろいろ用意するもンあンだぞ?」
番外個体「っと、そうだった。あまりのインパクトにそのことすっかり忘れてた」
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:01:14.52 ID:2ZJrlcSE0
打ち止め「番外個体って何か御用でこっちに来たの?」
番外個体「そうそう、実は美味しいものが食べたくてさぁ」
一方通行「………………ハァ?」
打ち止め「え、番外個体ってばもしかして食いしんぼキャラで立てていくつもりなの? ってミサカはミサカは予想外の展開に絶句してみたり」
番外個体「だってミサカネットワークを通じて世界各地の美味いもの情報が流れてくるんだよ!? その上アンタの『煮込みハンバーグ美味しかったー』とかログ残しておくんじゃねぇよ!? お腹空いてしょうがないっつの!」
打ち止め「そう言えばこの間ミサカネットワークに思わずバックアップ取ったかもってミサカはミサカは思い出してみたり」
一方通行「よし、そこの変 連れてとっとと出てけ」
番外個体「いやん、冗談だってば☆ 何、本気でこのミサカが食いしんぼキャラなんて誰かと被ってそうなキャラで立ててくつもりだと思ったわけ? 馬鹿なの? 阿呆なの?」
打ち止め「あなたってば本当に口が悪いよね……ってミサカはミサカは呆れてみる」
番外個体「お褒めの言葉として受け取っておくよ☆」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:01:53.42 ID:2ZJrlcSE0
一方通行「……で? それじゃ一体どんな理由何だ?」
番外個体「えぇー、まずはおもてなしじゃないの? せっかちな男は嫌われるよ?」
一方通行「いいから話せ。もう一度だけ言う、とっとと話せ」
番外個体「へーいへい、全くつまんないなぁ。じゃあ掻い摘んで。実は少し前からネットワークに接続しにくくなってさぁ」
一方通行「何だと?」
打ち止め「ネットワーク障害? でも別にミサカのところには何も問題がある報告は来てないけど、ってミサカはミサカは現状報告」
番外個体「いや、接続自体は問題なく出来るの。問題は接続した後」
打ち止め「どういうこと?」
番外個体「数日前からネットワーク上に一方通行への怨嗟の声が溢れててさぁ、とてもじゃないけど繋いでられないのよ。ほら、ミサカってばネットワークから負の感情を拾いやすいから今のネットワークに繋いでるともう所構わず当り散らしちゃいそうでさぁ」
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:03:01.62 ID:2ZJrlcSE0
番外個体「で、この馬鹿が一体何やらかしたのか、ネットワーク経由で確認することも出来ないから直接聞きに来たってわけ」
打ち止め「そうなの!? え、でもどんな内容? ミサカのところにはそんな話全然来てないんだけどってミサカはミサカは小首をかしげてみたり」
番外個体「んー、例えば、『ぬか喜びさせやがってあのセロリ!』とか、『パーフェクトボディの夢がー!? おのれ白モヤシ!』とか、
『奴は所詮 コン、発育促進法なんて最初から教える気は無かったんだよ! な、なんだってー!?』とか、
『今は争ってる場合ではありません、お姉様にこのチート能力が渡らないよう一致団結しなければ』とか、こんな感じ」
一方通行「…………ォォゥ」
番外個体「あ、心当たりはあるんだ?」
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:03:32.81 ID:2ZJrlcSE0
・数日前、とある病院(一方通行の回想)
一方通行(確かこの間、あの医者の病院で怪我人の治療中に超電磁砲がひょっこり顔出してきやがったンだったか…)
美琴「アンタさっきから何してるの?」
一方通行「生体電流を操作して血液の流れを良くしたり、細胞の再生を促してンだよ」
美琴「ふーん、なるほどねぇ、細胞の再生を……ってはあぁぁ!?」
一方通行「いちいち煩ェやつだ……」
美琴「あんたってそんなことも出来るわけ?」
一方通行「出来るからやってンじゃねェか」
美琴「くっ……これが第一位の実力か……」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:04:20.12 ID:2ZJrlcSE0
一方通行「いや、これぐらいテメェも出来ンじゃねェのか?」
美琴「……なんですと?」
一方通行「俺が今何を操作してるっつったか思い出せ」
美琴「生体電流……あ、電流? え、これそういう系統でいいわけ?」
一方通行「テメェ……今までそういう発想が無かったってことは、どんだけバトる方向でしか能力使ってなかったンだよ?」
美琴「うぐっ」
美琴「と、とりあえずコツ。私にもコツ教えなさい! これぐらいすぐマスターしてやるんだから!」
一方通行「……ハイハイ」
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:07:21.67 ID:2ZJrlcSE0
一方通行「ちなみにこれを更に応用すりゃァ部分痩せとかも自由自在に……」
美琴「!?」
美琴「その話、もっと詳しく!!」
一方通行(うォっ、なんだこのプレッシャー……。この俺が気圧されてるだとォ!?)
美琴「アンタの演算式を応用すれば私の生体電流コントロールは完璧になるわ」
美琴「そうすれば部分痩せどころか発育促進すら思うがまま! 究極の痩身法の完成よ!」
19090号「そんな卑怯な真似は是非このミサカにだけリークして下さい! とミサカは唐突に乱入します」シュバッ
一方通行「どっから湧いてきやがったテメェ!?」
御坂妹「なるほど、そうやってあちこちで『汚い真似(ダイエット)』をしていたわけですね……とお姉様と不埒なミサカの抜け駆けを阻止すべく参上しましたとミサカは説明します」
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:08:08.39 ID:2ZJrlcSE0
美琴「さぁ、一方通行、観念して演算式を教えなさい!」
御坂妹「右に同じく!」&19090号「左に同じく!」
一方通行「お、オゥ……いや、まァ別に教えるのは構わねェが……」
美琴&妹s「「「やったー!」」」
一方通行「ただ、完璧に制御するにはレベル4は必要なンだが……」
美琴「なんだ、それくらい別に……」
御坂妹「えっ?」
19090号「えっ?」
美琴「……あ」
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:09:04.23 ID:2ZJrlcSE0
・一方通行の回想終了
一方通行「……あれか」ゲンナリ
番外個体「まあそういうわけで、どうにかしてくれないとミサカがネットワークに接続できないんだよねって文句を言いに来たわけ」
一方通行「だがなァ……ンなもン俺にどォしろと……」
打ち止め「んー、良く分からないけど皆が怒ってる内容を忘れるようなインパクトのあるものをネットワーク上に流せばいいんじゃないかな? ってミサカはミサカはネットワークの管理者らしく有効そうなアイデアを出してみたり」
黒子「ふふふ……話は聞かせて頂きましたわ」
一方通行「うォ!?」
黒子「詳しい話はさっぱりでしたがとにかく怒らせてしまった相手のご機嫌を取りたい、そういうお話なのでしょう?」
打ち止め「おお、さっきまで気絶してたのになんという飲み込みの良さってミサカはミサカはこの謎のお姉ちゃんに戦慄してみる」
黒子(小さいお姉様に大きいお姉様、ここはまさに私のためにあるようなプァラダ~イス。このエデンに少しでも長く居座るためにも、黒子が役に立つ女であることをアピールしなくては!)
一方通行「……あれか」ゲンナリ
番外個体「まあそういうわけで、どうにかしてくれないとミサカがネットワークに接続できないんだよねって文句を言いに来たわけ」
一方通行「だがなァ……ンなもン俺にどォしろと……」
打ち止め「んー、良く分からないけど皆が怒ってる内容を忘れるようなインパクトのあるものをネットワーク上に流せばいいんじゃないかな? ってミサカはミサカはネットワークの管理者らしく有効そうなアイデアを出してみたり」
黒子「ふふふ……話は聞かせて頂きましたわ」
一方通行「うォ!?」
黒子「詳しい話はさっぱりでしたがとにかく怒らせてしまった相手のご機嫌を取りたい、そういうお話なのでしょう?」
打ち止め「おお、さっきまで気絶してたのになんという飲み込みの良さってミサカはミサカはこの謎のお姉ちゃんに戦慄してみる」
黒子(小さいお姉様に大きいお姉様、ここはまさに私のためにあるようなプァラダ~イス。このエデンに少しでも長く居座るためにも、黒子が役に立つ女であることをアピールしなくては!)
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:09:47.32 ID:2ZJrlcSE0
番外個体「でも、実際問題どうするわけ?」
黒子「ズバリ、スイーツですわ!」
一方通行「……あァ?」
黒子「この世にスイーツの嫌いな婦女子が居りましょうか? いえ、居るはずがありませんの!(反語)」
打ち止め「要するに美味しいお菓子でご機嫌を取れってこと?」
番外個体「ぶっひゃ」
黒子「え?」
番外個体「ぎゃははは☆ この仏頂面がスイーツ作り! それも妹達のご機嫌取り! あっひゃっひゃっひゃ、マジウケる! 作ってるとこ想像するだけで腹筋が千切れそう、くけけ、ぶひゃひゃひゃひゃ!」
黒子「なっ……想像を絶する下品な笑い方……いえ、ですがこれはこれで!」
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:10:32.82 ID:2ZJrlcSE0
打ち止め「でも美味しいお菓子で皆のご機嫌取りってのは意外と悪くないかも?」
番外個体「無理無理、だってこの人コーヒーはブラック、砂糖なんて誰のためにあンだよを地で行くような人だよ? スイーツ作りとかまるで期待できねぇっつうの。妹達のご機嫌取ろうと思ったら相当極上のスイーツ作らないと」
一方通行「全くだな、この俺が菓子作りたァ何の冗談だ」
黒子「おやおや、そんな簡単に諦めてしまわれるんですのね」
一方通行「……何だと?」ギロ
黒子「その程度の覚悟しかないのならスイーツ作りなど最初から不可能でしたわね、と言ってるのですけれど?」ニタァ
番外個体「そうそう、恥かくだけだから止めときなっての」ニヤニヤ
打ち止め(なんて的確な連携プレー! ってミサカはミサカはこっそり解説のようなことをしてみたり)
一方通行「上等だァ……妹達(シスターズ)を唸らせる至高の逸品、作ってやろォじゃねェか!」
黒子(ふっ、ちょろいですわ)フンス
番外個体(うわー、マジで乗っかったよ。ぶふっ、笑い堪えるのがキツイ……)プルプル
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:12:09.39 ID:2ZJrlcSE0
・スイーツ作りが決まった翌日の午前
黒子「というわけで今日は助っ人をご用意しましたの」
一方通行「どォいうわけだよ」
初春「白井さんの同僚で初春飾利と言います。初めまし……て?」
一方通行「何でそこで疑問系なンだよ。大丈夫なのかこのお花畑は」
初春「あの、前にどこかでお会いしてませんか?」
黒子「あら? この殿方とお知り合いでしたの?」
一方通行「あァ? 俺にはそンな覚えは――」
初春「……垣根帝督ってご存知ですか?」
黒子「というわけで今日は助っ人をご用意しましたの」
一方通行「どォいうわけだよ」
初春「白井さんの同僚で初春飾利と言います。初めまし……て?」
一方通行「何でそこで疑問系なンだよ。大丈夫なのかこのお花畑は」
初春「あの、前にどこかでお会いしてませんか?」
黒子「あら? この殿方とお知り合いでしたの?」
一方通行「あァ? 俺にはそンな覚えは――」
初春「……垣根帝督ってご存知ですか?」
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:12:43.71 ID:2ZJrlcSE0
一方通行「何でそこであのメルヘンの名前が……あァ、オマエあの時の奴か」
初春「! やっぱりあの時の白い人だったんですね!」
一方通行「別に、ハシャいでた三下をこっちが勝手にブチのめしただけだ」
初春「それでも、私が貴方に助けられたのは事実ですから」
初春「あの時は助けて下さってありがとうございました」ペコ
一方通行「ま、それで気が済むならいいけどよ」
黒子「あの、出来れば私にも分かるように説明を……」
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:13:19.49 ID:2ZJrlcSE0
初春(白井さん、ちょっと)ヒソヒソ
黒子(どうしましたの?)ヒソヒソ
初春「すみません、ちょっと待っててもらえますか」←白井を引きずったまま距離を取る
一方通行「はァ? あ、オイ……」
初春(一体どういう経緯であの人と知り合いに?)
黒子(どうと言われても、昨日話した通りですわよ。お姉様のお姉様にお会いして、そのままの流れで知り合ったんですの)
初春(あの人が誰だか分かってるんですか!?)
黒子(さぁ? 私昨日はもう大小のお姉様に夢中でしたし、ぶっちゃけあんな殿方なんて興味無しですの)
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:14:37.86 ID:2ZJrlcSE0
黒子(まあとにかく後は任せましたわよ)
初春(ちょ、白井さん!?)
黒子(今日一日小さいお姉様の遊び相手をする権利を無駄には出来ませんの)
黒子「では私は失礼致しますの」ヒュン
初春「あぁー! 白井さーん!」
初春(あの人、きっとっていうか間違いなく第一位なんですよ!? そんな人相手に私にどうしろって言うんですかー!?)
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:15:31.78 ID:2ZJrlcSE0
一方通行「そっちの話は済んだみてェだな」
初春「は、はい」ビクビク
一方通行「あの空間移動能力者(テレポーター)から話は聞いてンだろうけど、俺ァあんまりスイーツやら何やらには詳しくねェんだ。だから今日はよろしく頼むわ」
初春(ええーい、もうヤケです! わ、私だって風紀委員(ジャッジメント)なんだから!)
初春「分かりました、スイーツとは何か、実地で学んで頂きましょう!」
一方通行「……オ、オゥ(何だァ? 急にテンション上がりやがった)」
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:16:17.14 ID:2ZJrlcSE0
初春「というわけでまずはこのクレープ屋台から行きましょう」
一方通行「初っ端からずいぶんとまた甘ったるそォだなオイ……」
初春「何言ってるんですか。まだこんなのはお手軽スイーツですよ?」
一方通行「お手軽……ってこたァスイーツにもいろいろレベルがあンのか?」
初春「その通りです!」
初春「今ではスイーツ(笑)というネットスラングまで派生していますが、そもそもの語源はイギリス英語の『甘いもの・菓子類』を指すスイートから来ているんです」
一方通行「要するにデザートと同じじゃねぇのかよ?」
初春「全く違います。そりゃ語源的には同じものですけどね」
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:16:58.62 ID:2ZJrlcSE0
初春「スイーツという言い方が流行り出したのは女性向け雑誌で取り上げられるようになってからなんですが、当初は有名店のパティシエによる高級洋菓子とか、普通のお菓子と区別して大人が味わって食べるお菓子という意味で使われていたんです」
一方通行「ハッ、まさにスイーツ(笑)だな」
初春「どうしてそっちの使い方は一瞬でマスターしてるんですか……」
一方通行「なンとなくだ」
初春「要するに何気なく食べるようなお菓子じゃなくて、ちょっと高級感のある贅沢なお菓子としてスイーツというカタカナ英語が登場したわけですよ」
一方通行「別に高級デザートでいいじゃねェかと思うのは俺が男だからなンだろうなァ」
初春「それだけ女の子の甘い物への思いは強いってことですよ」
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:17:37.60 ID:2ZJrlcSE0
初春「世の中の女性陣はいつだって甘い物とカロリーとの間で板ばさみなんですから」
初春「目一杯ケーキを頬張るあの瞬間のために我慢して我慢してダイエットに励むんです」
一方通行「恐ろしく無駄な努力だなオイ……そういやあいつらも部分痩せの話題には妙に食いついて来やがったなァ……」
初春「というか白井さんの話だとダイエット関連の迂闊な話題のせいで怒らせた相手の機嫌を取りたいって話でしたよね?」
一方通行「そォか……そもそも何でこンな話になってンのかって理由がそれだったな……」ゲンナリ
初春「女の子の甘い物への執念を甘く見るからですよ」
一方通行「チッ……」
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:18:27.21 ID:2ZJrlcSE0
初春「ではさっそくこのクレープから実際に食べてみましょう」
一方通行「つか待て、何だこのメニューの数は」
一方通行「パッと見で30種類くらい並んでるよォに見えるンだが……」
初春「クレープは中に包む具材の組み合わせを楽しむものですからね。これくらいじゃ普通というか少ないぐらいですよ?」
一方通行「マジか」
初春「ここのお店だと基本10種にカスタードクリームの有る無しで倍に、特殊トッピングで更に+10種類になってるだけなんで、やっぱり少なめな部類ですね」
一方通行「もォ既についていける気がしねェ……」
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:19:15.71 ID:2ZJrlcSE0
初春「初心者はおススメってなってるのが無難ですよ?」
一方通行「そのおススメが3種類もある時点で不親切だっつの……じゃァこのチョコバニラデラックスで」
初春「おお、なかなかいい線つきますね。それじゃ私はバナナチョコアーモンドでお願いします」
オマタセシマシター
初春「出来立てはこのクレープ生地の温かさと中の具とのギャップがまたいいんですよ!」
一方通行「甘ェ……」
初春「あ、残すなんてもっての他ですからね? きちんと最後まで味わってこそのスイーツなんですから!」
一方通行「……甘ェ……」
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:20:08.63 ID:2ZJrlcSE0
初春「そして次は学び舎の園の高級スイーツ店『パスティチア・マニカーニ』です!」
初春「やっぱりこの学園都市でスイーツと言えばここは外せませんね」
一方通行「……へェ」
初春「今日のおススメは……苺のクロスタータとモンテビアンコになってるみたいですね」
一方通行「チーズケーキで」
初春「ちょ!? なんでそこでおススメを外すんですか!?」
一方通行「……ン」ユビサシユビサシ
初春「甘さ控えめ……なるほど」
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:20:53.42 ID:2ZJrlcSE0
初春「んん~! 前は食べ損ねちゃったんですよねぇ……思い切って両方頼んで正解でした!」
一方通行「さっきよりはマシだが……甘ェ……」
初春「このちょっとクッキーっぽいタルト生地がまた絶品で……」
初春「モンテビアンコも中の栗がまたいい感じに……」
一方通行「てか栗のやつはそれモンブランとどォ違うンだ?」
初春「基本は一緒ですね。このお店はイタリアンなんで、モンテビアンコって名前なんですよ」
一方通行「なるほど。それにしても……甘ェ」
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:21:35.13 ID:2ZJrlcSE0
初春「さて、ここまで来たらちょっと調子に乗って今度はファミレスです」
一方通行「また落差が激しいなオイ」
初春「ふふふ、今ちょうど甘味フェアでデザート類が軒並み割安なんです!」
一方通行「つまりまた大量に頼むと……」ゲソッ
初春「すみませーん、ジャンボフルーツパフェ2つお願いしまーす」
一方通行「なン……だと……」
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:22:10.39 ID:2ZJrlcSE0
一方通行「デケェよ……」
初春「うわぁ、2つも並ぶと壮観ですねぇー」
一方通行「つかなンで俺の分まで勝手に頼ンでンだ」
初春「何言ってるんですか、この名物ジャンボフルーツパフェを食べずにスイーツ巡りは終われません」
一方通行「ありえねェ……」
初春「ではでは、いっただきま――」
固法「初春さん?」
初春「――……え?」
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:23:27.26 ID:2ZJrlcSE0
固法「ちょうど良かったわ。初春さん、あなた今日までにって頼んでおいた書類、まだ提出してないわよね?」
初春「ちょ、ちょっと待ってください」アセアセ
固法「言い訳は詰め所で聞くわ。お連れの人、悪いけど彼女は連れて行くわね」ズルズル
初春「そ、そんな~~」ズルズル
初春「あ、一方通行さん! 私の代わりにそのパフェを頼みます~」ズルズル
一方通行「……えっ?」
一方通行「いや、これを俺1人で? 2つも?」
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:24:16.19 ID:2ZJrlcSE0
オソルオソル パクッ
一方通行「――ッ!」
一方通行「あ、甘過ぎる……」グッタリ
一方通行「じょ、冗談じゃねェぞオイ……」
初春『残すなんてもっての他ですからね?』
初春『きちんと最後まで味わってこそのスイーツなんですから!』
一方通行「く、クソったれがァ……食やイインだろ食や!」←ヤケ
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:39:49.70 ID:2ZJrlcSE0
・冒頭へ戻る
一方通行「……っとまあそンなわけだ」カクカクシカジカ
佐天「は、はぁ……まあ大体の事情は飲み込めました」モグモグ
一方通行「地獄に仏ってなァああいうのを言うンだろォなァ」
佐天「んぐ……いや、そんな大げさな」パクパク
一方通行「いいや、俺の中で佐天は今ヒーローの次にヒーロー指数が高ェ」
佐天「もう意味が分からなくなってますよ……」ングング
佐天「あ、すみませーん、コーヒー2つお願いしますー」
一方通行「……っとまあそンなわけだ」カクカクシカジカ
佐天「は、はぁ……まあ大体の事情は飲み込めました」モグモグ
一方通行「地獄に仏ってなァああいうのを言うンだろォなァ」
佐天「んぐ……いや、そんな大げさな」パクパク
一方通行「いいや、俺の中で佐天は今ヒーローの次にヒーロー指数が高ェ」
佐天「もう意味が分からなくなってますよ……」ングング
佐天「あ、すみませーん、コーヒー2つお願いしますー」
61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:40:44.70 ID:2ZJrlcSE0
佐天「ふぅ、さすがにジャンボフルーツパフェ丸々1つは量が多かったですね」ケプ
一方通行「あァ、さすがの俺ももう駄目かと……って何だと?」
佐天「いやこれ普通に1人で食べきるの大変ですよ?」
佐天「仲良しグループで2人で1つ頼むぐらいのメニューですからね」
一方通行「……マジか。あの花畑、普通に1人1つで頼ンでやがったぞ、オイ」
佐天「あの子、あれで結構甘党だからなぁ……」
コーヒーオマタセシマシター
63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:41:30.25 ID:2ZJrlcSE0
佐天「というか今更ですけど初春とお知り合いだったんですか?」ズズッ
一方通行「前にちょっとな。というかそっちこそ知り合いなのか?」ズズッ
佐天「同じ中学で同じクラス、席は前後」
一方通行「ォォゥ」
佐天「というか私の親友ですよ」ブイッ
一方通行「あれが親友……」
佐天「あ、今ちょっと酷いこと考えてませんでした?」
64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:42:35.13 ID:2ZJrlcSE0
佐天「確かに初春は料理方面は食べ専ですけど、パソコンとか使わせたら凄いんですから」
一方通行「逆に言うと料理方面で教えを乞うべき相手じゃねェってことだよな」
佐天「あはは、初春も別に悪気があったわけじゃないですし、許してあげてください」
一方通行「どォやら俺ァ教わるべき人間を間違ってたみてェだ」ズズッ
佐天「へ?」ズズッ
一方通行「よく考えて見りゃ今回のことは俺がスイーツを作れるようになるためだってンのに、完全にスイーツ食べ歩きになってた」
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:43:28.63 ID:2ZJrlcSE0
一方通行「ダメだよなァ。そンなンじゃ全然ダメだ。俺が目指してンのはその先なンだよ」
佐天「まあそうですね」
一方通行「今の俺に必要なのは料理スキルがあるやつ。それも菓子類を作れるやつだ」
佐天「作る側の立場が分かる人じゃないとスイーツ作りそのものを教われないですもんねぇ」
一方通行「付け加えるなら気配りが出来て、更にこの俺に物怖じせずに教えられれば満点だ」
佐天「最後でいきなりハードル上がりましたね」
66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:44:35.33 ID:2ZJrlcSE0
佐天「この都市で一方通行さんに物怖じせずに物を言える時点で相当限られそうなのに、その上お菓子作りスキルだなんて無茶振りにも程がありますよ」
一方通行「いや、居る」
佐天「おお! 当てがあるんですね?」
一方通行「オゥ」ジー
佐天「でもスイーツ作りが出来て一方通行さんに意見できる人だなんて、どんな人なんです?」
一方通行「……」ジトー
佐天「あ、あの……?//////」
一方通行「料理スキル完備・気配りOK・俺と面識アリ」←佐天を指差し
佐天「……って私!?」
67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:45:27.13 ID:2ZJrlcSE0
佐天「いやいやいや、何言っちゃってるんですか」ブンブン
一方通行「いやァ、俺ァツいてるぜェ。あの地獄でまさに救世主(メシア)様のご登場だァ」
佐天「ええ!? いや、あたしそんなに凄いお菓子とか作れませんよ!?」
一方通行「別に学び舎の園にあるような店レベルを要求しちゃいねェよ」
一方通行「多少でも心得のあるやつの目線から見たアドバイスが欲しいンだ」
佐天「えぅ、でもそんな期待されても私なんかじゃお役に立てるかどうか」
一方通行「よし、善は急げだ。早速スイーツ探訪第2弾と行こうぜェ」
佐天「私の抗議はスルーですか!?」
68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:46:31.13 ID:2ZJrlcSE0
・黒蜜堂
佐天「えー、というわけで学園都市の和スイーツと言えばここ、黒蜜堂にやって参りました」
一方通行「ナイスな説明アリガトウ。さすが普段はつっこみ役だけのこたァあるぜェ」
佐天「なんですかそのお笑いのつっこみの方は司会が出来るみたいな」
一方通行「比較的作り易そうなのとか、佐天の目から見て美味しそうってのを一通り選ンでくれ」
佐天「うわ、自分から振っておいてスルー!? なんという傍若無人っぷり」
佐天「まあもういいや……。そうですねぇ、これとかこれとか、あとこれとかも良さそうですね」
一方通行「ン。他には?」
佐天「えぇっと……あ、これとかも美味しそうですね。こっちのケースのは比較的どれも作り易そうな感じかも」
佐天「えー、というわけで学園都市の和スイーツと言えばここ、黒蜜堂にやって参りました」
一方通行「ナイスな説明アリガトウ。さすが普段はつっこみ役だけのこたァあるぜェ」
佐天「なんですかそのお笑いのつっこみの方は司会が出来るみたいな」
一方通行「比較的作り易そうなのとか、佐天の目から見て美味しそうってのを一通り選ンでくれ」
佐天「うわ、自分から振っておいてスルー!? なんという傍若無人っぷり」
佐天「まあもういいや……。そうですねぇ、これとかこれとか、あとこれとかも良さそうですね」
一方通行「ン。他には?」
佐天「えぇっと……あ、これとかも美味しそうですね。こっちのケースのは比較的どれも作り易そうな感じかも」
69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:47:42.03 ID:2ZJrlcSE0
一方通行「なるほどな……オイ」
ゴチュウモンハオキマリデスカー
一方通行「今こいつが指したの全部だ」
佐天「はぁ!?」
一方通行「大丈夫だ、余ったら食べる係はいくらでも居る」
佐天「えぇー……これが超能力者(レベル5)の財力か……」
オマタセイタシマシター
一方通行「結構あンな……この住所まで届けてくれ」
佐天「うわぁ……普通のお持ち帰り用の箱が初っ端から12個も」
一方通行「よし、次の店行くぞ」
佐天「ですよねー」
71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:48:58.65 ID:2ZJrlcSE0
・黄泉川のマンション
佐天「……と、言うわけであちこちで買って回ったわけですが」
打ち止め「それでこんなに沢山のケーキの箱が届いたんだね……」
芳川「一方通行、いくら何でもこれは買いすぎよ」
一方通行「別に一日で全部食うわけじゃねェよ。日持ちするような菓子だってあンだろ」
黒子「ケーキの山に埋もれる小さいお姉様……写メでは物足りませんわ! どなたかビデオを、ビデオカメラを!」
佐天「というかいつの間に白井さんここの皆さんとお知り合いに……」
佐天「……と、言うわけであちこちで買って回ったわけですが」
打ち止め「それでこんなに沢山のケーキの箱が届いたんだね……」
芳川「一方通行、いくら何でもこれは買いすぎよ」
一方通行「別に一日で全部食うわけじゃねェよ。日持ちするような菓子だってあンだろ」
黒子「ケーキの山に埋もれる小さいお姉様……写メでは物足りませんわ! どなたかビデオを、ビデオカメラを!」
佐天「というかいつの間に白井さんここの皆さんとお知り合いに……」
72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:49:54.68 ID:2ZJrlcSE0
一方通行「そォいやアイツはどォした」
打ち止め「ワーストなら『見てるだけで胸焼けしそう、何か飲み物買ってくる』って言ってさっきコンビニに出かけたよ、ってミサカはミサカは台詞を再現しながら教えてみたり」
黒子「大きいお姉様のげんなりしたお顔もまた素敵でしたわぁ~」
芳川「そしてこの事態に動じるどころか打ち止めや番外個体を愛で続ける……なかなかやるわねこの子」
佐天「いや、あの……」
一方通行「そこは明らかに褒めるところじゃねェよ」
74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:50:49.29 ID:2ZJrlcSE0
・その頃のミサワさん
番外個体「あ、電撃大王の今月号出てるじゃん。ロシアだと月遅れだったんだよねー」
番外個体「ところでシャナっていい加減話長くない? てか今何巻までいってんの?」
番外個体「今月ヘヴィーオブジェクト載ってんじゃん、読みたかったんだよね」
番外個体「最近は全体的に小粒だねぇ……」
番外個体「あ、この新連載面白いかも」
※コンビニで長時間の立ち読みは止めましょう
番外個体「あ、電撃大王の今月号出てるじゃん。ロシアだと月遅れだったんだよねー」
番外個体「ところでシャナっていい加減話長くない? てか今何巻までいってんの?」
番外個体「今月ヘヴィーオブジェクト載ってんじゃん、読みたかったんだよね」
番外個体「最近は全体的に小粒だねぇ……」
番外個体「あ、この新連載面白いかも」
※コンビニで長時間の立ち読みは止めましょう
76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:52:07.76 ID:2ZJrlcSE0
・再び黄泉川のマンション
一方通行「このタルトなンかはどうだ?」
打ち止め「うん、とっても美味しーよってミサカはミサカは舌鼓を打ってみたり」
一方通行「じゃあこっちのパウンドは?」
打ち止め「わお、これも美味しー! ってミサカはミサカは――」
一方通行「……ダメだ、参考になりゃしねェ」
佐天「どれを食べても美味しい以外の感想が返ってこないのもそれはそれで凄いような」
黒子「……これは小さいお姉様の味覚を参考にしたかったんですの?」
一方通行「このタルトなンかはどうだ?」
打ち止め「うん、とっても美味しーよってミサカはミサカは舌鼓を打ってみたり」
一方通行「じゃあこっちのパウンドは?」
打ち止め「わお、これも美味しー! ってミサカはミサカは――」
一方通行「……ダメだ、参考になりゃしねェ」
佐天「どれを食べても美味しい以外の感想が返ってこないのもそれはそれで凄いような」
黒子「……これは小さいお姉様の味覚を参考にしたかったんですの?」
77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:53:12.18 ID:2ZJrlcSE0
一方通行「別にこいつじゃなくて、番外個体の方でもイインだけどよ」
黒子「要するにお姉様の味覚に合えば良いわけですわね」
一方通行「そォだな」
黒子「つまりご機嫌を取らねばならない相手というのはお姉様だったのですね……?」ユラッ
一方通行「ハァ?」
黒子「例え小さいお姉様の保護者と言えど、いえむしろだからこそ! 大中小でお姉様独り占めなどという暴挙を見過ごすことはできませんわー!」ガバッ
一方通行「黙れ」ベクトルチョップ
黒子「ブルゥヘ!?」グシャ
79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:54:32.53 ID:2ZJrlcSE0
佐天「なんという流れるような手際の良さ!?」
打ち止め「クロコお姉ちゃん、見た目より全然頑丈だよねってミサカはミサカは2度目のこのやり取りに呆れてみたり」
佐天「えっ、ていうかこれ大丈夫なんですか!?」
芳川「一応気絶しているだけのようね」
一方通行「ったく、何でこの俺が超電磁砲(レールガン)に菓子差し入れねェとならねェンだ」
佐天「でもそっか。要するに妹さんたちの味覚に合わせるんだから、御坂さんが好きそうなのを選べばいいんだ」
一方通行「分かンのか?」
佐天「んふふー、伊達に友達やってないですってば」
83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 03:57:03.52 ID:2ZJrlcSE0
佐天「御坂さんの好みに合いそうなのだとこの辺とかこの辺とかですかねぇ」
芳川「フルーツ系にクリーム系……ストレートに甘そうなラインナップね」
佐天「御坂さんの場合下手に凝ってるのよりシンプルに美味しい系のが好きっぽいですね」
一方通行「要するにオリジナルからして味覚がお子様なわけだな」
佐天「そんなバッサリ言っちゃうとフォローのしようが……」
一方通行「うし、これで参考にするスイーツは決まりだな」
芳川「それじゃあ残りは好きに食べちゃっていいのよね」
打ち止め「ヨシカワってば太るよ……?」
86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:00:35.75 ID:2ZJrlcSE0
番外個体「戻ったよ~」
打ち止め「あ、お帰り~ってミサカはミサカはケーキを頬張りつつお返事してみる」モグモグ
佐天「この人が噂のワーストさんですか……おお、本当に御坂さん高校生バージョンって感じだ」
番外個体「へぇ、この子が例の家事万能中学生?」
佐天「私、妹さんたちの間でどんな紹介されてるんです?」
番外個体「結構評判だよ? 『第一位を倒すには胃袋を攻めれば良かった』とか、
『料理スキルで底辺から一躍頂点へ』、『時代は家庭的な女! 究極の下克上を見た!』とかそういう感じ」
佐天「……うわ~い」
87: 原作15巻扉絵、アイテムがファミレスで食ってる時の窓の外に佐天さんが 2010/09/12(日) 04:02:11.29 ID:2ZJrlcSE0
・というわけで翌日
一方通行「というわけで楽しいベクトルクッキングのお時間だ」
佐天「いや、どういうわけなんですか」
一方通行「昨日大量に試食したスイーツによって作るべき方向性は見えた」
佐天「結局昨日だけじゃ処理し切れなくて今日も朝からケーキ三昧ですけどね」チラッ
打ち止め「うぅ……さすがにもういいかもってミサカはミサカは限界をアピールしてみたり……」
番外個体「馬鹿じゃねーの? 何あの量? うぇっぷ、胸焼けが……」
黄泉川「まさか帰ってきたらケーキの山ってのは想定外だったじゃん……」
芳川「…………」プルプル
佐天「……見事な死屍累々ですね」
一方通行「尊い犠牲ってやつだァ」
一方通行「というわけで楽しいベクトルクッキングのお時間だ」
佐天「いや、どういうわけなんですか」
一方通行「昨日大量に試食したスイーツによって作るべき方向性は見えた」
佐天「結局昨日だけじゃ処理し切れなくて今日も朝からケーキ三昧ですけどね」チラッ
打ち止め「うぅ……さすがにもういいかもってミサカはミサカは限界をアピールしてみたり……」
番外個体「馬鹿じゃねーの? 何あの量? うぇっぷ、胸焼けが……」
黄泉川「まさか帰ってきたらケーキの山ってのは想定外だったじゃん……」
芳川「…………」プルプル
佐天「……見事な死屍累々ですね」
一方通行「尊い犠牲ってやつだァ」
88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:03:26.28 ID:2ZJrlcSE0
佐天「しかもまだ残っているので増援を呼びました」
初春「昨日はどうもすみません」
一方通行「あァ、今日こそは頼むな」
初春「ま、任せて下さい! 今日こそはお役に立ちますよ!」
一方通行「よし、これで毒見役も確保されたことだしサクサク作ってくぜェ」
初春「毒見役ってなんですか!?」
佐天「大丈夫だよ初春。ちょっと普通じゃありえない作り方をするだけだから」
初春「余計に不安なんですけど!?」
89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:04:44.43 ID:2ZJrlcSE0
佐天「一方通行先生の、ベクトルゥー↑クッキング!」
佐天「はい、というわけで解説と調理助手は私、佐天涙子が」
一方通行「…………」カチ カチャカチャ
佐天「あ、何もう始めてるんですか先生!」
初春(え、料理番組のノリでいくつもりなんですか?)
初春「ってえぇぇ!?」
佐天「おお、早速いいリアクションを頂きました!」
90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:05:52.18 ID:2ZJrlcSE0
初春「な、何でハンドミキサーも無しであんな簡単にメレンゲが!?」
佐天「解説しよう! 一方通行先生はベクトル操作により自由自在に食材に力を掛けることが出来るのだ!」
初春「今度は包丁を一振りしただけで苺が4分割に!?」
佐天「あれは細胞のつなぎ目に力を掛けているのだよ初春」
初春「小麦粉もダマにならずに何て滑らかな生地!」
佐天「普通なら少しずつ溶かしたりとかしないといけないのにねー」
佐天「他にも火の通り加減なんかも自由自在のスーパーチート、それがこの万能ベクトルクッキング!」
初春「なんて便利!」
92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:07:04.11 ID:2ZJrlcSE0
チンッ!
佐天「お、早くもスポンジが焼けたみたいだね」
初春「早っ! まだ作り始めて3レスも経ってませんよ!?」
一方通行「……ン」スッ
佐天「あ、はーい」
初春「あれ? せっかく焼けたスポンジは佐天さんに任せて放置ですか?」
佐天「ちっちっちっ、先生が生クリームや2品目の下準備をしている間に、この焼き立てのスポンジの粗熱を取るのが助手である私のお仕事なのだよ」ソヨソヨ
初春「おお、佐天さんのエアロハンドにスカートめくり以外の使い道があったなんて!」
佐天「初春ー? それは前振りなのかなー?」
94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:08:21.36 ID:2ZJrlcSE0
佐天「というわけで、ショートケーキのかっんせーい!」
初春「ま、まさかこの本格的なショートケーキがこんな短時間で完成するなんて……」
佐天「更にガトーショコラまで同時進行で出来上がりました」
初春「それじゃあ、頂きます」パク
佐天「せっかくだし私も」モグ
佐天&初春「「こ、これは……!?」」
一方通行「(ごくっ)どォだ?」
佐天&初春「「すんごく普通です」」
96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:09:12.46 ID:2ZJrlcSE0
初春「何というか正直作ってる時の見た目の派手さに比べて味はとっても普通ですね」モグモグ
佐天「うん……これは予想以上に平凡な美味しさ」パクパク
一方通行「馬鹿な……寸分違わずにレシピ通りの仕上がりのはずだぜ!?」
佐天「ふーむ……ちょっとレシピを拝借」
一方通行「一体何が原因だ? どこを直せばイイ?」
佐天「これは……」
佐天「レシピが普通ですね」
97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:09:50.25 ID:2ZJrlcSE0
初春「はい?」
一方通行「ハァ?」
佐天「いや、ですからレシピがとっても普通なんですって」
一方通行「?」
初春「あ、私分かったかも」
佐天「うむ、それじゃあ発表してみたまえ初春」
初春「レシピを忠実に再現し過ぎていて、レシピが普通だと出来上がりも普通なんじゃないですか?」
一方通行「な、何だとォ!?」
98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:10:24.18 ID:2ZJrlcSE0
佐天「多分そういうことだと思いますよ」
初春「でも、あれだけ自由自在な調理ならレシピの改変なんてお手の物に思えますけど」
佐天「うーん、本人が甘い物得意じゃないから、どう改変すれば美味しくなるのかってイメージが全然湧かないんじゃないかな」
一方通行「じゃ、じゃァ何か? このレシピだと……」
佐天「普通の出来上がりにしかなりませんね」
一方通行「……」ガックリ
初春「やはりここは原点回帰でスイーツを好きになるまで食べ歩きを!」
佐天「いやいやいや、下手すると余計に甘い物苦手になりそうだし」
102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:25:16.92 ID:6mSQGlQD0
一方通行「ハッハァ、何だ何だァこの様はよォ……全く、話にならねェぜ。デカイ口叩いといてこの程度だなンて、笑うしかねェよなァ」ズーン
初春「えーっと……その、なんというか」
佐天「ま、まあほら、上手くいかない時なんて誰にでもありますって」
一方通行「挙句にレベル1コンビに気ィ遣われるとか、マジありえねェ……」ズーン
初春「な、なんて打たれ弱い……」
佐天「テンションの上下が激しいなぁ……」
初春「ここは一つ気分転換しましょう!」
佐天「お、何かいいアイデアでもあるの?」
初春「行き詰まった時は、一見何の関係も無さそうな何気ない会話からヒントを得る……グルメ物の鉄板です!」
佐天「……おおぅ」
104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:27:04.54 ID:6mSQGlQD0
・というわけで近くの公園に出てきました
佐天「あ、ちなみに初春は残ってるスイーツを処理すべく居残りです」
一方通行(誰に向かって喋ってんだ?)
一方通行「……はァ」ズーン
佐天「まあまあ、もう少し練習すればもっといいものが作れるようになりますって」
一方通行「所詮俺みてェな奴に作れるはずが無かったンだ……」ズズーン
佐天「あー、えーっと……(ど、どうしようこれ……)」
佐天(何か他の話題、そう他の話題で繋ごう!)
佐天「そ、そうだ! 前からちょっと聞きたいことがあったんですよ!」
一方通行「……ァ?」
105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:27:57.50 ID:6mSQGlQD0
佐天「ほ、ほら、私つい最近レベル1に上がったじゃないですか?」
一方通行「……そォいやそォだったな」
佐天「で、エアロハンドが使えるようになったのはいいんですけど、今度はどうやってトレーニングすればいいのかとかさっぱりで」
一方通行「レベル、上げてェのか?」
佐天「やー、せっかく能力者になったんだから少しは上を目指さないと勿体無いかなぁって」
一方通行「…………」
佐天「あ、あの……?」
一方通行「知り合いに同系統のやつは居ねェのか?」
107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:28:59.90 ID:6mSQGlQD0
佐天「うーん、同系統……あ、婚后さんが確かレベル4の風力使い(エアロハンド)だったはず!」
一方通行「ほォ? レベル4たァ大したもンじゃねェか」
佐天「まさか婚后さんに教えを乞う日が来るとは……」
一方通行「後はそォだな、ハイドロハンドとかも参考になンじゃねェの?」
佐天「ハイドロ……水流操作系の人ですか?」
一方通行「風と水って違いはあっけどなァ、どっちも形の定まンねェもンを操作する能力だから、演算式とか参考になンだろ」
佐天「なるほど……あ、そういえば湾内さんとか水流操作系だったっけ」
108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:29:37.93 ID:6mSQGlQD0
一方通行「おーおー、十分人脈あるじゃねェか」
佐天「や、でもこんなすぐに的確なアドバイスが出せるなんてさすが第一位!」
一方通行「ハン、別に大したことじゃねェよ」
佐天(よしよし、この調子この調子)
佐天「まったまたー、自分の能力と全然関係の無い能力についてのアドバイスなんて普通そんなスラスラ出てこないですよ?」
一方通行「別に即興で思いついたってわけじゃねェよ」
佐天「……へ?」
一方通行「どォせそのうち聞かれンだろうと思って前から考えてたってだけだ」
佐天(あれ? え、それって私のためにわざわざ……ってこと? えぇ!?//////)
109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:30:24.47 ID:6mSQGlQD0
一方通行「ま、そんだけ居りゃ見本には困らンねェだろ」
佐天「ふぇ!? あ、そ、そうですよね!?」
一方通行「下手に珍しい能力だと同系統のやつ探すだけで大変……」
佐天「うんうん、まさかここで常盤台に友達が居るのが役に立つとは」
一方通行「……そォか」
佐天「そうそう……って何の話です?」
一方通行「大切なのはイメージだ」
佐天「あー、なんとなく分かります」
佐天「自分の能力が使ったらどうなるのかってイメージが大事ってことですね」
111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:31:20.77 ID:6mSQGlQD0
一方通行「俺に足りなかったのは実際に菓子を作っているイメージだ」
佐天「そうそう、上手に出来るイメージが大切……ってあれ?」
一方通行「レシピだけじゃ上手くいかねェわけだぜ」
佐天「いや、あの?」
一方通行「今頼れンのはオマエだけだ!」ガシッ
佐天「ふぇぇ!?(ちょ、手!)//////」
一方通行「頼む、ケーキを作って見せてくれェ!」
佐天「……えー?」
113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:32:04.59 ID:6mSQGlQD0
・というわけで黄泉川のマンションに戻ってきた
佐天「というわけで今度は私が作ります」
一方通行&初春「「おおー」」パチパチパチ
初春「今度は佐天さんのふわふわクッキングですね!」
佐天「いや、そのノリはもういいから」
~調理中~
佐天「もうすっかり日も暮れちゃいましたけど、コーヒーシフォンケーキの完成~」
初春「おお、先ほどとはまた違うラインナップで来る辺りさすがです佐天さん!」
一方通行「シフォンケーキのレシピが頭の中に入ってるたァさすが料理スキル完備だぜェ」
114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:33:15.26 ID:6mSQGlQD0
佐天「あ、今コーヒーも淹れますね」
初春「そして何気に気配り上手……これが女力の差というやつですか!?」
一方通行「こ、これが即席で作ったシフォンケーキだと……!?」モグモグ
初春「うわ、何もう食べてるんですか!?」
初春「それじゃ私も……」パクパク
初春「こ、これは……!」
117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:41:49.18 ID:4upMhad90
佐天「はーい、淹れたてのコーヒーですよー」
佐天「……で、お味の方はどうでしょう?」オズオズ
初春「……佐天さん! グッジョブです!」グッb
一方通行「これからは師匠と呼ばせてくれ」
佐天「そこまで!?」
初春「何言ってるんですか! 佐天さんは私のお嫁さんですからね!?」
佐天「いや、そっちも突然何言い出してんの!?」
119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:43:17.28 ID:4upMhad90
一方通行「スイーツを甘く見てたわ」ズズッ
初春「佐天さんのスキルはもはやお嫁さんに欲しい級です」ズズッ
一方通行&初春「「こ、これは!」」
佐天「お、気がついたかな?」
初春「ケーキと同じ香りが口の中で……」
一方通行「まさかこいつァ、同じコーヒー使ってンのか?」
佐天「最近のインスタントコーヒーは水に溶けやすいんでお菓子とかにも使い易いんですよー」
120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:45:15.33 ID:4upMhad90
佐天「甘い物が得意じゃなくても、普段飲んでるコーヒーの風味なら少しは食べ易いかなぁって」
初春「なんという読みの深さ……佐天さん、完敗です」
一方通行「ハッ、なるほどなァ……どうやら俺ァ間違ってたみてェだ」
一方通行「誰が食べるのか、いや、そもそも誰が美味いと思うのか」
一方通行「スイーツ以前に料理の基本的な視点が欠けてたンだな」
佐天「なんかそこまで言われると照れるなぁ」
121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:47:11.21 ID:4upMhad90
一方通行「うし、今度こそ最高のスイーツを作って妹たちを見返してやるぜェ!」
初春「おお、復活しましたね」
佐天「うんうん、それぐらい自信満々なくらいのが一方通行さんらしいですよ」
一方通行「テメェにはデカイ借りが出来ちまったなァ」
佐天「いやー、あはは」
初春「ふふん、なんと言ってもこの私の自慢の親友ですからね!」フンス
佐天「いやいや、初春が今回役に立ったの気分転換のアイデアだけだからね?」
122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:49:10.87 ID:4upMhad90
・翌日が休日なのでそのまま皆泊り込みでスイーツの研究してました
初春「うぅ……も、もう食べれません……」フラフラ
佐天「さ、さすがに徹夜は堪えるね……」フラフラ
一方通行「途中でバッテリーが切れてぶっ倒れた時は焦ったぜェ……」フラフラ
佐天「いきなり言葉も話せなくなるとかもの凄い焦りましたよ」
初春「何にせよとうとう完成ですね」
一方通行「あァ、これもオマエ達のおかげだ」
佐天「お礼を言うにはまだ早いですよ?」
一方通行「ハッ、違ェねェ」
初春「うぅ……も、もう食べれません……」フラフラ
佐天「さ、さすがに徹夜は堪えるね……」フラフラ
一方通行「途中でバッテリーが切れてぶっ倒れた時は焦ったぜェ……」フラフラ
佐天「いきなり言葉も話せなくなるとかもの凄い焦りましたよ」
初春「何にせよとうとう完成ですね」
一方通行「あァ、これもオマエ達のおかげだ」
佐天「お礼を言うにはまだ早いですよ?」
一方通行「ハッ、違ェねェ」
123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:51:12.16 ID:4upMhad90
黒子「うう~ん……もう食べれませんの……」zzz
打ち止め「お菓子の家が崩れる、埋もれるってミサカはミサカは……」zzz
黄泉川「甘い、甘すぎるじゃん……」zzz
番外個体「なんでこのミサカがこんな目に……うぅ、もう食べたくない……」zzz
芳川「ふふふ……皆これぐらいの徹夜がもたないなんて軟弱ねぇ」zzz
初春「……約1名、つっこみ所が満載ですね」
佐天「芳川さん……」ヨヨヨ
124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:53:58.24 ID:4upMhad90
一方通行「オラ、起きろテメェら! 完成品の試食が待ってンぞ!」
初春「うわっ、その上まだ食べさせる気ですか!?」
佐天「うぅ、この2日間でどれだけ太ったんだろ……」シクシク
死屍累々「「「「「う、うぅ~ん」」」」」
一方通行「この俺が手ずから作った至高のスイーツ、とくと味わいやがれェ!!」
初春「あー、この妙に高いテンションは徹夜明けのあれですか」
佐天「あぁ、なるほど」
125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:55:15.82 ID:4upMhad90
・みんな無理矢理起こしました
黄泉川「朝からまたケーキ……一方通行、さすがにこれはどうなんじゃん?」
番外個体「ぶひゃはははは! もうヤダ、何これ、何だぁこれ!」
黒子「大きいお姉様、お気を確かに!」
初春「まあ、普通に考えたら連続でケーキ攻めはきついですよね」
打ち止め「というかついに完成したんだねってミサカはミサカはあの人の予想外の頑張りに驚いてみる」
芳川「さすがに眠いわね……佐天さん、コーヒー貰えるかしら」
佐天「あ、はーい」トタトタ
黄泉川「朝からまたケーキ……一方通行、さすがにこれはどうなんじゃん?」
番外個体「ぶひゃはははは! もうヤダ、何これ、何だぁこれ!」
黒子「大きいお姉様、お気を確かに!」
初春「まあ、普通に考えたら連続でケーキ攻めはきついですよね」
打ち止め「というかついに完成したんだねってミサカはミサカはあの人の予想外の頑張りに驚いてみる」
芳川「さすがに眠いわね……佐天さん、コーヒー貰えるかしら」
佐天「あ、はーい」トタトタ
126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:57:22.76 ID:4upMhad90
黄泉川「まあこれで最後だし、頂いてみるじゃんよ」
打ち止め「いっただきまーす」
番外個体「……へぇ、まあまあイケるんじゃないの?」パクパク
芳川「コーヒーチーズケーキ……面白いものを考えたわね」モグモグ
黒子「なるほど、味わい的にはカフェオレをそのままケーキにしたようなイメージですのね」パクパク
初春「おお、佐天さんのシフォンケーキも美味しかったですけど、これも絶品ですね」モグモグ
佐天「チーズの濃厚さにコーヒーの風味がちょうどいいアクセントになってるんですね」パクパク
127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:59:13.95 ID:4upMhad90
一方通行「ハッ、この俺にかかりゃァこンなもンよ」
黄泉川「すごく美味しいのはいいんだけど、結局なんで一方通行はこんなの作ってるじゃんよ?」モグモグ
佐天「そう言えばこれって御坂さんの妹さん達のご機嫌取りが目的でしたっけ」
初春「途中から完全に納得の行くケーキを作るにシフトしてましたね……」
打ち止め「ま、まあでもこれだけ美味しいケーキならみんなの機嫌が直るの間違い無しだよってミサカはミサカは……あっ!?」
芳川「どうかしたの、打ち止め?」
打ち止め「え、えーっと……」ダラダラ
129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 05:01:09.32 ID:4upMhad90
一方通行「何だ、一体どォした?」
打ち止め「あー、えー、そのー……」ダラダラ
佐天「……初春、私なんかすごいやな予感してきた」
初春「それは奇遇ですね、実は私もなんですよ」
打ち止め「昨日こっちで騒いでる裏でお姉様があの人のところに行ったみたいなの、ってミサカはミサカは断片的に情報を開示してみる」
黒子「小さいお姉様のお姉様……ってお姉様!? あの人って一体どの人ですの!?」
打ち止め「それで何でか分からないけどお姉様が料理をご馳走するみたいな流れになったみたいで……」
芳川「これはオチが見えてきたわね」
黄泉川「それは思ってても口に出しちゃ駄目じゃんよ」
130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 05:03:23.19 ID:4upMhad90
打ち止め「今ミサカネットワークはどうすれば料理が上手くなるかとか、あの人の好きな料理は何かとかって話題で持ちきりだったり?
ってミサカはミサカは可愛らしく言ってみることで少しでも被害を減らせないかなって考えてみたり」
一方通行「それは、あれか」
打ち止め「うん、もうこの間のことは皆どうでもよくなっちゃってるかもってミサカはミサカは残酷な事実を伝えてみたり」
一方通行「この2日間は一体なンだったンだ……」ガックリorz
番外個体「あひゃひゃひゃひゃ! ばっかじゃねぇの? スゲェ! 馬鹿の真顔チョーウケる!」
初春「なんという追い討ち!?」
芳川「哀れね……」
132: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 05:05:53.39 ID:4upMhad90
黒子「はっ! こうしては居られませんわ、一刻も早くお姉様にことの真相を問い質さなくては! ああ、お姉様! 黒子は心配で心配で」
一方通行「黙れェェえ!」コクヨクチョップ!
黒子「ブギュルワ!?」ドグシャ
初春「ひぃ!? 白井さーん!?」
佐天「お、落ち着いて! ほ、ほら今度また何かあった時にすぐに手が打てるってことじゃないですか!?」
打ち止め「そ、そうそう! サテンお姉ちゃんの言う通りだよってミサカはミサカはここぞとばかりに畳み掛けてみる!」
黄泉川「あー、これ収集つくんじゃん?」
芳川「どうかしらねぇ……」
番外個体「あっひゃっひゃっひゃ!」
133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 05:10:27.45 ID:4upMhad90
初春「当初の目的は果たせないかもしれませんけど、お菓子作りには詳しくなったからOKですよ!」
佐天「そうですよ! 私も能力開発のアドバイス貰えたし、この2日間は無駄じゃないですよ!」
初春「って佐天さん!? 何さり気なく自分だけ能力アップしようとしてるんですか!?」
佐天「えぇ!? 今そこに喰い付くの!?」
黄泉川「あー、やっぱ駄目そうじゃん?」
芳川「これはやっぱり駄目そうね」
一方通行「――――yjrp黙qw」
番外個体「ぎゃははは……は?」
135: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 05:16:10.50 ID:omSlRemR0
結局この後、散々笑い転げていた番外個体が黒翼チョップでオシオキされたり、
2日間で恐ろしいカロリーを摂取した女性陣のダイエット作戦が始まったり、
部分痩せベクトル痩身法でまた一波乱起きたりするのですが……それらはまた別のお話
学園都市は、今日もそれなりに平和です
お・わ・り☆
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