1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/12(月) 16:42:49.57 ID:bjaCli160
上条 「いや外見だけじゃなくて性格も。キャラクターグッズ買いあさっちゃうところとかさ」

ミサカ 「そんな幼稚なもの買うそぶりも見せないクールビューティーのほうが魅力的だと思います、とミサカはさりげなくアピールします」

上条 「乱暴なところとかもあるんだけどさ……」

ミサカ 「そうですね乱暴です。ところで乱暴な部分抜いたらとびっきり可愛いと思いませんか? とミサカはさりげなくミサカをさらにアピールします」

上条 「でもそれだって俺に負けたくないって言う競争心だろ? そこもまた負けず嫌いで可愛いっていうか……」 

ミサカ 「いやいやねーよ、とミサカは暴力の片鱗も見せない乙女が目の前にいるというのにそんなことを言うあなたに愕然とします」

上条 「やっぱり可愛いよなーアイツ」

ミサカ 「いやいやねーよです、とミサカは……」

上条 「うんやっぱり可愛い。今まで出会ってきたどんな子よりも可愛いわ」

ミサカ 「いやいやそれは……ミサカの話を聞いていますか? とミサカは質問します」

上条 「好きなのかなー俺……アイツのこと」

ミサカ 「いやい……や……それは……」 グスグス

上条 「……あれ御坂妹!? 何で泣いてるんだよお前!!?」

ミサカ 「ねー……よ、と……と。ミサカは……」 グスグス

上条 (まさか魔術師の仕業!?)





 

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/12(月) 17:00:39.62 ID:bjaCli160
ミサカ 「…………」 グスグス

上条 「ちょ、ちょっととりあえず落ち着けよ。ほらハンカチ」 ヒョイ

ミサカ 「ご迷惑をかけてすいません……とミ、ミサカは……」 グスグス

上条 「いや迷惑だなんて……」

ミサカ 「…………」 グスグス

上条 (とりあえず落ち着け。俺も落ち着け……何で御坂妹は泣いてるんだ?)

上条 (御坂妹の無表情には定評がある……私生活はどうか知らんがいくらなんでも他人の前で泣くことは絶対ありえない)

上条 (となるとつまり……魔術師の仕業。もしくは精神感応の能力者によるいたずら……)

上条 (御坂妹は上条勢力として魔術側に認知されている。俺の身の上を考えると魔術師の仕業って線が強いな……)

上条 (よしオッケー、これは魔術師の仕業。でも誰が? そもそも何で御坂妹を狙う? 俺は何故狙われない……幻想殺しがあるからか?)

上条 (御坂妹を標的にしたのは戦力の分散を狙ってのことか……)

ミサカ (ミサカが泣き止むまで何も言わずに待っててくれる……そんなあなただからミサカは恋に落ちたんですよ、とミサカは心の中で吐露します)

上条 (おのれ魔術師がぁ!!)

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/12(月) 17:08:26.63 ID:bjaCli160
上条 「御坂妹、俺の手を握ってくれ!」

ミサカ 「……え? とミサカは理解が追いつかずマヌケな声を漏らします」

上条 「いいから早く!」

ミサカ 「は、はい」 ギュッ

上条 (コレが魔術によるものなら幻想殺しが触れたことで効果は消えるはず……)

ミサカ (あ、あなたの体温が直に伝わってきます……とミサカは感傷に浸ります……///)

上条 (……魔術を打ち消したか?)

ミサカ (……感動で目から涙が止まりません……とミサカは彼に不審に思われるのを嫌と思いつつも、あふれ出る涙をどうすることも出来ません) グスグス

上条 「げ、幻想殺しが効かないだと!?」

ミサカ 「へっ?」

上条 (コレは思ったよりも手ごわい相手だぞ……どうする、救援を呼んだほうがいいか?)

ミサカ (……何を考え込んでいるのでしょう、とミサカは疑問に思います)

上条 (とりあえず御坂妹だけは匿ってあげないと……)


11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/12(月) 17:18:43.04 ID:bjaCli160
上条 「ちょっと電話していいか?」 プルル プルル

ミサカ 「それはミサカに確認を取らなくても、とミサカは答えます」

上条 「……あーインデックスか?」 ガチャッ

インデックス 「とーま? どうしたの、ご飯の時間はまだだけど……」

上条 「お前の頭はそればっかかよ。えーっとだな……涙が止まらなくなる魔術ってあるか?」

インデックス 「感情を操作する魔術なら山ほどあるんだよ! それこそせかい中の魔術結社が扱ってるといっても過言ではないんだよ!」

上条 「そっかー……実は御坂妹がその感情を操る魔術の攻撃を受けてるみたいなんだ」

インデックス 「ちょっとそれだけだと絞れないかなー……どんな状況か教えてくれる?」

上条 「俺が御坂のこと好きだって御坂妹に話してたときに喰らったらしい。あ、紛らわしいけど御坂が好きってことを話してたときな。御坂と話してたんじゃないぞ」

インデックス (余計紛らわしくなったんだよ……)

上条 「分かるかインデックス?」

インデックス 「たぶんそれは恋の魔術なんだよ。後は自分でどうにかするんだよ。晩飯はハンバーグがいいんだよ」 ガチャッ

上条 「恋の……魔術? ……そんな魔術で御坂妹を苦しめやがって……許さねぇ!!」ツーツーツー




15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/12(月) 17:28:00.41 ID:bjaCli160
上条 「御坂妹! そのまま手握って俺の学生寮来い!」

ミサカ 「えっ……とミサカは驚きの展開に驚きすぎて少しだけ声を漏らすに留まります」

上条 (一応手は握っておいたほうが良い……恋の魔術とやらが俺の幻想殺しに根負けして打ち消せるかもしれない)

ミサカ (いやでもまさかこれはつまり……と、ミサカはミサカはミサカはミサカはミサカは……」





【とある学生寮 土御門の部屋】

上条 「というわけでコイツ匿ってくれ」

土御門 「上やんの鈍感さには正直ドン引きだけど面白そうなんで了解にゃー」

ミサカ 「……確かに予想だにしない展開ではありました、とミサカは肩を落としてみまあばばばばばばばばばば」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/12(月) 23:09:23.38 ID:bjaCli160
上条 「御坂妹!」

ミサカ 「は、はい! と、ミサカは急な呼びかけにびっくりしながらも返事をします」

上条 「俺は魔術師を始末しに行く! 土御門はおちゃらけてるけど信用できる男だ。ここなら危険が及ぶこともない」

ミサカ 「は、はぁ……とミサカは状況を飲み込めませんがとりあえず相槌を打ちます」

上条 「ここで土御門と待ってろ! じゃあ行ってくる!」 バタンッ!

ミサカ 「…………」

土御門 「状況分かるぜよ?」

ミサカ 「いえ全然、とミサカは素直な気持ちを口に出します」

土御門 「じゃあ上やんが馬鹿ってのは分かるにゃー?」

ミサカ 「それはもう」

土御門 「ですよにゃー」

【とある学生寮 上条の部屋】

上条 (魔術関係といえばやはりアイツに当たるしかないな……)

上条 「インデックス!!」

インデックス 「……げっ」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/12(月) 23:15:36.05 ID:bjaCli160
上条 「何だよげっ、て?」

インデックス 「いやちょっとばかり頭の弱い高校生に呆れただけだから気にしないでほしいnだよ」

上条 「?」

インデックス 「えっと、一応聞いとくけど何しにきたのかな?」

上条 「そうだ大変なんだ! 恋の魔術とやらは俺の幻想殺しでも防ぎきれない……強敵だぞ!!」

インデックス (とうまの頭のほうが強敵かも)

上条 「どうやったら魔術を解除……いや魔術師を見つけるほうが先決か? ……どうしたらいい、教えてくれ!」

インデックス (適当に嘘ついたほうがインデックスの精神衛生上楽だね……一から説明したら日が暮れちゃうかも)

上条 「早くしてくれ! 御坂妹が危ない!!」 

インデックス 「あーそうだねー……えっと、まずとうまに安心してもらうと、その魔術は身体的な害はまったく無いんだよ。無害なんだよ」

上条 「何だ無害か……でもそんな魔術を何で仕掛けてきたんだ?」

インデックス 「今のところは……ね。ほうっておくとその魔術は対象の精神を汚染、廃人と化してしまう危険な代物なんだよ」

上条 「な、何だって!?」

インデックス (おなかすいたなー)

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/12(月) 23:23:23.22 ID:bjaCli160
インデックス 「うん危険。でもちゃんと解呪の方法はあるから安心して欲しいんだよ」

上条 「どうすりゃいいんだ!?」

インデックス 「その魔術は……とうま昨日の晩御飯何だったっけ?」

上条 「えっ何だよ急に……たしかインスタントのカルボナーラだったろ」

インデックス 「で、その魔術の名前はカルボナーラって言うんだけどね……さっき対象の精神を汚染するって言ったでしょ?」

上条 「あ、あぁ……っていうか名前」

インデックス 「汚染は汚染でも精神の一部だけしかしないんだ。その場所は心の最も弱い部分」

上条 「弱い部分?」

インデックス 「そう弱い部分。だからとうまが外から呼びかけて心の弱い部分を克服……要するに対象者のお悩みを解決したら精神汚染が止まるんだよ」
 
上条 「それって簡単なような難しいような……」

インデックス 「まぁとりあえずやってみるんだよ。攻撃する精神の一部が無かったら、魔術は攻撃目標を喪失して自動消滅するから」

上条 「なるほどな……とにかく御坂妹の悩みを解決すりゃいいわけか」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/12(月) 23:27:07.89 ID:bjaCli160
上条 「後、術者もどうにかしないと!」

インデックス 「大丈夫なんだよ。そんなのとうまの頭の中にしかいないから」

上条 「は?」

インデックス 「……もういいや。とにかくクールビューティのところ行ってきたら?」

上条 「そうだな……サンキューインデックス!」バタンッ!!

インデックス 「いってらっしゃいなんだよー」

インデックス 「…………」

インデックス 「…………」 プルル プルル

インデックス 「……あ、もしもしインデックスなんだよ。ちょっといいかな……」




【とある学区】

上条 「御坂妹の悩みを解決……か。先ずは悩みが何かを知らないとどうしようもないな」

上条 「……直接本人に聞いても問題ないよな」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/12(月) 23:36:55.81 ID:bjaCli160
【とある学生寮 土御門の部屋】

上条 「というわけだ。悩みを教えてくれ御坂妹」

ミサカ 「魔術……ですか、とミサカは一生懸命思考を張り巡らせますが理解が追いつきません」

土御門 (……んな魔術聞いたことないにゃー。ちゅうかたぶん元からないぜよ)



ミサカ (……先ほどから上条当麻はどうしたのでしょうか? とミサカは彼の様子に不信感を抱きます)

ミサカ (どこからおかしく……そうですね彼の意中の女性を聞いてミサカが泣いたあたりでしょうか、とミサカは当たりを付けてみます)

ミサカ (そうですね、そこからですね。その後彼がミサカの手を握ってくれました……とミサカは恥ずかしがりながらも思い出してみます)

ミサカ (とてつもなく嬉しいですがこの行動は奇妙です、彼はお姉さまが好き、となればミサカの手をつなぐ必要性がありません、とミサカは分析してみます)

ミサカ (その後、イン……さんに電話で連絡を取りました。魔術がどうとか話してましたね、とミサカは細かい会話も鮮明に思い出します)

ミサカ (そういえばこちらのサングラスの男性、彼も魔術師だとか何とか……と、ミサカは考えます)

ミサカ (……全く状況が理解できません、とミサカは結論を出します)

ミサカ (…………)

ミサカ (……何だコレ)

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/12(月) 23:45:34.94 ID:bjaCli160
上条 「御坂妹、悩みを打ち明けるのが言い出しにくい事だってのは分かる……でもお前の命がかかってるんだ!」

ミサカ (……どう行動するのが正解なんでしょう? と、ミサカはまるでゲームの選択肢を吟味するかのように迷います)

土御門 (なーんとなくだけど、これはたぶん上やんがまいた種のような気がするぜよ……ん?) プルル プルル

上条 「電話?」

土御門 「すまん俺にゃー。……もしもし、あれねーちん?」

上条 「神裂から?」

土御門 「……あー、うん、うん……なるほどにゃー。……うん、……それはまた面倒な……」

土御門 「……あー、それでなっちゃたぜよ……あーうん、協力するにゃー、それじゃ」 ツーツーツー

上条 「何だった?」

土御門 「術をかけた魔術師が現れたぜよ。第9学区だ」

上条 「よし分かった! ……土御門、御坂妹を頼んだ」

土御門 「了解にゃー」

上条 「じゃあ行ってくる!」 バタンッ!

土御門 「えーっと……状況把握したんで説明するにゃー」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/12(月) 23:53:11.64 ID:bjaCli160
土御門 「お前上やんが好きにゃー?」

ミサカ 「そ、それはまぁ……と、ミサカは口をもごもごさせながら……」

土御門 「だのに上やんが空気読めずにお前の目の前で超電磁砲が好きって告白しちゃったぜよ」

ミサカ 「…………」

土御門 「いやそれだけならただの失恋話で終わるんだけどにゃー……上やん勘違いしちゃったにゃー」

ミサカ 「勘違い? とミサカは聞き返します」

土御門 「勘違い。……お前魔術って知ってるか?」 




【第9学区】

上条 「ここらへんって聞いたけど……何処にいる?」

ステイル 「来た来た来た来た……神裂、仮面よこして」

神裂 「どうぞ」

魔術師 (ステイル) 「ありがとう……装着!」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 00:04:03.96 ID:huB/aplX0
神裂 「……ところでその仮面何なんですか?」

魔術師 「イギリスで有名なゲームのキャラクターのさ。仮面が題材のゲームだったからそのレプリカマスク」



魔術師 「おい上条当麻!!」

上条 「出たな魔術師! ……名前を知ってるってことはやっぱり俺の情報は筒抜けって訳か」

魔術師 「その通りさ! 君が居候に 的イタズラ、セクシャルハラスメントォしてることも聞こえてるよ!」

上条 「何でそんなことも知ってるんだよ!?」

魔術師 「軽いジョークさ……ん? その反応もしや本当にしてるのか!?」

上条 「……えっ? ……いやしてねぇけど、ジャパニーズ式セクシャルハプニングがあったから」

魔術師 「焼き殺してやる!!」

上条 「何でそれでキレてるんだよ!? っていうか魔術師のくせに石投げるな! 痛いから!! 痛いから!!」 バシッ! バシッ!

魔術師 「こなくそっ! こなくそっ!! こなくそぉぉぉぉぉぉっ!!!」 

神裂 (楽しそうですね二人とも……)

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 00:11:44.08 ID:huB/aplX0
魔術師 「吸血殺しの紅十字ッッ!!」

上条 「やられっぱなしでいられるか……幻想殺し!!!」 バシューッ・・・・・・

魔術師 「炎がかき消された!?」

上条 「どんなもんだ!?」

魔術師 「投石ッッ!!」

上条 「痛いっっ!!」 バシッ バシッ 

魔術師 「吸血殺しの……」 

上条 「幻想殺し!!」

魔術師 「……からの投石ッッ!!」

上条 「痛いって!!」 バシッ バシッ

魔術師 「どうした上条当麻? ずいぶん苦戦してるじゃないか!?」

上条 「この魔術師……今まで戦ったどの相手よりも強い」


神裂 (私の出番なさそうですね……)

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 00:21:45.01 ID:huB/aplX0
上条 「上条さんは受けに回るのは性に合わないんだよ!」 バシィーン!!

ステイル 「拳で石を砕いただと!?」

神裂 (いやマジで凄いです) 

上条 「どんなもんだ! ……この隙に一気に距離を詰める!!」

ステイル 「……くっ、マズいこのままでは」

上条 「接近戦なら俺が圧倒的に有利だぜ!」

ステイル 「……と思わせて、吸血殺しのドロップキックッッ!!」

上条 「あぶへぇっ!?」 バキィッ! 



【とある学生寮 土御門の部屋】

土御門 「……とういわけだ」

ミサカ 「魔術のほうはにわかに信じられませんが……彼がミサカの為に奔走してることは良く分かりました、とミサカは述べます」

土御門 「あぁ。イギリス精教のやつらもお前に協力してくれてるにゃー」


50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 00:31:21.38 ID:huB/aplX0
ミサカ 「それが……叶わない恋だとしてもですか、とミサカは親切にしてくださった方に言いたくもない言葉を投げかけます」

土御門 「告白せずに後悔より告白して後悔したほうが気分も良いぜよ」

ミサカ 「……いえミサカは告白などしなくても諦めはつきますので、とミサカは遠慮します」

土御門 「超電磁砲のことなんか気にするなって。お前はお前で勝手にやってりゃいいんだにゃー」

ミサカ 「…………」

土御門 「ぶっちゃけ俺らが余計なお世話かもしれないってのは承知してるんだけど、相手が超鈍感の上やんだからこうでもしないと一生思い告げられないぜよ?」

ミサカ 「……彼が鈍感なのはミサカも知るところですが、とミサカは受け答えます」

土御門 「とりあえず上やん戻ってきても魔術にかかった振りしとくにゃー。術者倒してもそのカルボナーラは解けないって設定だから」

ミサカ 「わかり……ました、とミサカはしぶしぶ了承します」

土御門 「あんま緊張するんじゃないぜよ」


52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 00:39:32.96 ID:huB/aplX0
魔術師 「」

上条 「…………」 ゼェーゼェー

上条 「……何とか倒した」

上条 「こいつ何処の回しもんだったんだろう? ずいぶん背が高かったから外国人だとは思うけど……」

上条 「……仮面はがしてみるか」

魔術師 「ふんッッ!!」 バシュー!!! 

上条 「なっ!? 別の魔術師が突然現れて、更に衝撃波を発して気絶していたほうの魔術師を塵と化しただと!!?」

魔術師 「こちらの素性を知られるわけには行きませんので葬らさせていただきました……」

上条 「お前もあいつの仲間か!?」

魔術師 「えぇ……ステイル(故)の敵をとらせていただきますよ!」

上条 「……連戦かよッッ!」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 00:49:59.86 ID:huB/aplX0
【とある学生寮 土御門の部屋】

土御門 「…………」

ミサカ 「…………」 ソワソワ

土御門 「……お前もうチョイ落ち着けにゃー」

ミサカ 「……い、いえでもこれから彼に告白するかもしれないのに、とミサカはソワソワするもやむ無しと説明します」

土御門 「あとミサカがミサカがもやめるにゃー。聞いてて鬱陶しい」

ミサカ 「こ、これは一万にも及ぶミサカ個々人のアイデンディティーなので、とミサカはちょっと頑張って説明します」

土御門 「あーもう、それ嫌ぜよ。いっぺんでいいから普通に言ってみるにゃー」

ミサカ 「無理です、とミサカは断固拒否します。それにミサカのよりもあなたの語尾のほうが鬱陶しいと思います、とミサカは本音を漏らしてみます」

土御門 「……そう思うぜよ?」

ミサカ 「はい、とミサカはうなずきます」

土御門 「…………」

ミサカ 「…………」

土御門 「にゃーwwwwwwにゃーwwwwwwにゃーwwwwwwww」

ミサカ (いらっ)

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 00:57:33.06 ID:huB/aplX0
土御門 「にゃーwwwwww ……って可愛くないか?」

ミサカ 「うわ気持ち悪っ、とミサカは目の前のグラサンを生理的に受け付けません」

土御門 「うわ気持ち悪っ」

ミサカ 「は?」

土御門 「別にミサカがミサカが、のことが気持ち悪いなんて誰も言ってないにゃー」

ミサカ 「うわ気持ち悪っ」

土御門 「ぜよ?」

ミサカ 「ぜよ(笑)、とミサカはとんでもない言語能力を持った目の前の男に…… 

土御門 「ミサカはミサカはうるせぇな、と土御門は申してみますー」

ミサカ 「きっしょ」

土御門 「は?」

ミサカ 「きっしょいにゃーwwwwww」

土御門 「うぜぇ」


御坂 (何がどうなってこんな空気になってるんだろう……入っていいのかな?)

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 01:07:44.48 ID:huB/aplX0
インデックス 「駄目だよ! 短髪はこっちの物陰で待機してなきゃだよ!」 ヒソヒソ

御坂 「……いやあの二人に顔見せちゃいけないわけ」ヒソヒソ

インデックス 「そうなんだよ! クールビューティの気持ちを間近で見て欲しいからなんだよ」 ヒソヒソ

御坂 「だったらなおさら顔見せたほうがいいじゃない」 ヒソヒソ

インデックス 「かといって、短髪がここにいることを知られてもいけないわけで……ややこしいんだよ」 ヒソヒソ

御坂 「私もわけわかんないんだけど……まぁいいや。隠れるの秘密基地みたいで楽しいし」 ヒソヒソ

【第9学区】

魔術師 「どうしました……その程度ですか上条当麻」

上条 「こいつ……おれが今まで出会ったどの魔術師よりも強ぇ!!」

上条 「……ところでお前の日本刀どこかで見たような?」

魔術師 「えっ……あー、その……」

上条 「それってまさか……神裂の七天七刀!?」

魔術師 「……あーはい。神裂は私が葬り去りました。コレはその戦利品です」

上条 「な、何だって!!? アイツが死ぬわけないだろ!!」

魔術師 (私もビックリですよ)

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 01:18:48.94 ID:huB/aplX0
上条 「よくよく考えたらそれだけじゃねぇ……さっき使ってたのは神裂の技?」

神裂 「はい」

上条 「それに神裂みたいな体つきだし……? メタモルフォーゼか? いやでもこいつは魔術師……」

神裂 「よく気がつきましたね……そう、私のコレはメタモルフォーゼです」

上条 「魔術師が能力を使うだと!? そんなことが……しかし神裂に告示しているのもコレで納得がいくぞ」

神裂 「古来より私の一族……暗黒呪縛札の一族は写し身と呼ばれる、まぁ技を盗む技術に長けていました……
    そしていつしか学園都市が生まれ、能力と呼ばれるものが跋扈するようになった頃
    私は一族を代表してこの街に侵入しました

    そこで出会いましたよ……メタモルフォーゼに。
    私はメタモルフォーゼに出会うとコレを暗殺術に利用するため能力のコピーを始めました
    魔術と能力の境はとてつもなく深い……だがしかし、私は血のにじむような訓練で能力を支配下に置くことに成功しました

    わが一族、暗黒パラシュートと魔術、そして写し得た能力を使って世界を支配します!!          」

上条 「そんなことさせるか!!」

神裂 (設定考えるのって案外楽しいですね、癖になりそうです)

ステイル 「神裂それ黒歴史」 

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 01:26:02.45 ID:huB/aplX0
神裂 「…………」

上条 「ぐぶへぅっ!!?」 ドガバキ! ドガバキ!

神裂 「…………」

上条 「ぶぅぅふひゅぅ!!?」 ドガバキ! ドガバキ!

神裂 「…………」 

上条 「ぐはぁっ!?」 ドガバキ! ドガバキ!

神裂 「…………」

上条 「……ぅぐ……!」 ドガバキ! ドガバキ!

神裂 「…………」

上条 「」 ドガバキ! ドガバキ!

神裂 「……!」

上条 「」

神裂 「どうしましょう、勝ってしまいました……」

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 01:32:38.22 ID:huB/aplX0
ステイル 「どーするのさ神裂?」

神裂 「ステイル、塵になったはずでは?」

ステイル 「男は燃え尽きてからが本番なんだよ?」

神裂 (やだこの人濡れちゃう……///)

ステイル 「それでどーするの? あの子から頼まれたのは上条当麻の足止め。倒せまでとは言われてないよ」

神裂 「ヒールとして倒され役割を終えるはずでしたからね……起きるまで待つしかないでしょう」

ステイル 「土御門の部屋に皆集まっているんだよね……時間的に大丈夫かな?」

神裂 「各々事情があるでしょうからね……帰る方も出てくるのでは?」

ステイル 「……一番心配なことがある」

神裂 「何でしょう?」

ステイル 「完全なヒールとして認識されることさ」

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 01:42:06.63 ID:huB/aplX0
【とある学生寮 土御門の部屋】

ミサカ 「メイド本ばっかりですね、若干引きます、とミサカはドン引きしているにもかかわらず気遣いを見せ付けます」

土御門 「いや別にいいだろメイド。最高にゃー」

ミサカ 「最高にゃー(笑)」

土御門 「……何時まで幼稚な煽り合いしてるぜよ? さすがにもう俺怒り収まったにゃー」

ミサカ 「マジですか、とミサカはその言葉が真実か確認してみます」 ビリィッ!!

土御門 「何ぁぁぁにぃぃ俺のメイド本破ってるにゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」

ミサカ 「ビリビリ……お姉さまのクローンなだけに、とミサカは上手いこといってみます」 ビリィッ!!

土御門 「手を休めろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


御坂 (上手いわね……)

インデックス (いくら何でもとうま遅すぎるんだよ……)

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 01:51:15.47 ID:huB/aplX0
【第9学区】

上条 「」

ステイル 「とにかく土御門のやつかあの子に連絡しないとな」

神裂 「すいません……私精密機器の扱いは得意ではなくて」

ステイル 「あ、いいよいいよ。ボクが連絡するから……」 (別に携帯は精密機器でもなんでもないと思うけど……)

神裂 「……どうしました?」

ステイル 「……土御門の電話番号知らないや」

神裂 「ではあの子なら」

ステイル 「上条当麻の部屋の番号なら聞いたことが歩けど……あの子の0円ケータイのまでは……」

神裂 「直接……土御門の家まで行きますか?」

ステイル 「悪の魔術師役が訪問するのは変だろう?」

神裂 「そうですよね……あぁ、だから完全なヒールになるかもしれないって言ってたんですね」

ステイル 「上条当麻の仲間ってずいぶん強い能力者が多いらしいよ」

神裂 「それはまた……大変なことになりましたね」

ステイル 「科学と魔術のプチ戦争になるかもしれないか……笑えないよ」

76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 02:01:32.03 ID:huB/aplX0
【下校時刻 とある学生寮 土御門の部屋】

御坂 「ねぇシスター。そろそろ私帰らないとマズイんだけど」ヒソヒソ

インデックス 「えぇ!? もうすぐとうま帰ってくるかもしれないから待っててなんだよ」ヒソヒソ 

御坂 「そんなこと言われても……寮監怖いし……じゃあね」 ヒソヒソ

インデックス 「あぁ短髪! ……帰っちゃったんだよ」 ヒソヒソ


土御門 「上やん遅いにゃー……」

ミサカ 「……いくらなんでもこれ以上の居残りは少々マズいですね、とミサカは危険性を示唆します」

土御門 「……上やんがお前のために頑張ってるのにさっさと帰るって言うのか?」

ミサカ 「いえ、さすがにそのような薄情なまねはしません、とミサカは先に言っておきます」

土御門 「じゃあどうするぜよ?」

ミサカ 「ここに泊まるしかないですね、とミサカは変な意味にもとられかねない言葉を吐きます」

土御門 「いやとらねーよ。妹一筋だし」

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 02:09:43.41 ID:huB/aplX0
ミサカ 「しかし彼が戻ってきたときに誤解されないか心配です、とミサカは不安要素を呟きます」

土御門 「大丈夫にゃー。上やん鈍感だし」

ミサカ 「こういうときくらいには彼の鈍感が役に立つのですね、とミサカは呆れます」




【同時刻 とある病院】

ステイル 「彼お願いします」

冥土返し 「どうしたんだね彼?」

神裂 「あー、色々合って意識が全く無いんです」

冥土返し 「色々?」

神裂 「大男に石投げられたりしたんです、彼」

ステイル 「なっ! 直接の原因は君がボカスカ殴ったからじゃないか!?」

神裂 「連帯責任ですよ、悪い魔術師さん?」

ステイル 「どうせ僕は悪い魔術師ですよ……喫煙だってするし」

冥土返し (通報したほうがいいのかな?)


79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 02:17:30.91 ID:huB/aplX0
【同時刻 とあるコンビニ】

打ち止め 「……っていうことをミサカネットワークで知ったよ! ってミサカはミサカはあなたに報告!!」

一方通行 「三下のやつが……」

打ち止め 「ゆくえふめい!」

一方通行 「で、何でかというと……」

打ち止め 「おのれ まじゅつし!」

一方通行 「妹達の一人が……」

打ち止め 「さんした だいすき!」

一方通行 「にも関わらず……」

打ち止め 「つちみかどさんと ねてる!!」 

一方通行 「…………」

打ち止め 「どうするの? ってミサカはミサカは質問してみる!」

一方通行 「……三下はどうでもいいわ。問題は妹達に危害を加えた、土御門含め魔術師共だな」

打ち止め 「それでそれで!? ってミサカはミサカは興味津々!!」

一方通行 「そりゃ悪い魔術師だろうが悪党は悪党だろ。捻り潰す」

81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 02:26:18.48 ID:huB/aplX0
【同時刻 常盤台学生寮 御坂と黒子の部屋】

御坂 「ただいまー。……ふぅ、ギリギリ門限間に合ったわ」

黒子 「お、お帰りなさいませお姉さま!」 バタバタ

御坂 「……あんたずいぶん忙しそうね? また風紀委員の仕事?」

黒子 「いえ警備員の方で事件が……そのツケが風紀委員に回ってきているのですの」

御坂 「事件って何かあったの?」

黒子 「一つは学園都市外からの不正侵入ですの」

御坂 「不正侵入って凄いことできるやつもいたものねー。まぁ私にはあんまり関係ないけど」

黒子 「もう一つのほうはお姉さまにも関係ありますの」

御坂 「へ?」

黒子 「どうにもその不審者が高校生……おそらくあの類人猿、上条当麻さんに暴行を加えたそうですの」

御坂 「ぼ、暴行!? それでアイツは今何処に!!?」

黒子 「行方不明ですの……それで警備員が刈り出されていますの」

82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 02:31:28.52 ID:huB/aplX0




【翌日 とある学区】

ステイル 「…………」

神裂 「…………」

ステイル 「……あちらこちらに警備員がいるね」

神裂 「最初はボランティア精神でしたのにとんでもないことになってきましたね」

ステイル 「…………」

神裂 「…………」

ステイル 「……何でこんなことになったんだっけ?」

神裂 「ちょっと整理してみましょうか」

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 02:38:37.37 ID:huB/aplX0
ステイル 「昨日の朝、あの子から電話がかかってきたんだ」

神裂 「クールビューティさんが上条当麻に気持ちを告白できる場を作って欲しい……とのことでしたね」

ステイル 「僕らとしても断る理由は無いので承諾した」

神裂 「恋愛は素敵なことですしね」

ステイル 「えっ」

神裂 「……なんですか?」

ステイル 「いや別に。続きだ。御坂妹さんは悩みを聞かなければ死ぬ魔術「カルボナーラ」にかかっている設定らしい」

神裂 「最初上条当麻が勘違いしたのを、あの子が機転を利かせて御坂妹さんの場を設けるために嘘をついたんですよね」

ステイル 「で、上条当麻が御坂妹さんの悩み……つまり上条当麻が好きで生きているのが辛いという悩みを聞けばそれで終了だったんだが……」

神裂 「どうやら上条当麻の頭の中では、魔術「カルボナーラ」を仕掛けた魔術師がいるそうです」

ステイル 「そこでその役に抜擢されたのが僕らだった」

86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 02:48:40.72 ID:huB/aplX0
ステイル 「第9学区に赴いた上条当麻と変装した僕らが決闘……悪役らしく負けたら済む話だったんだけど」

神裂 「……本当にすいません、ステイル」

ステイル 「仕方ないさ、さじ加減を間違えることは誰にでもある」

神裂 「えっと……私のせいで上条当麻が意識不明になってしまい」

ステイル 「仕掛け人のインデックスと土御門に連絡しようとしたんだよね。でもあいにく僕らは連絡先を知らなかったんだよね」

神裂 「悪役である私達が彼の家を訪れることも出来ず……」

ステイル 「ふう……色々と面倒なもんだよ」

神裂 「とりあえず上条当麻を放っておくわけにも行かないので病院に担ぎ込みました」

ステイル 「で、今彼は病院のベッドにいるわけなんだけど……その間に彼の学校関係者が異変に気づいたのかな? 彼の行方不明がばれた」

ステイル 「通報を受けた警備員が彼を捜索。なし崩し的に僕らの不法侵入もばれてしまったというわけだ」

神裂 「犯罪者ですよね……私達」

ステイル 「とりあえずこれからどうしようか?」

89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 02:56:11.18 ID:huB/aplX0
神裂 「上条当麻の意識が覚醒するのを待ち、事情を説明するのが一番手っ取り早いと思いますが」

ステイル 「そうだねぇ。それだったら僕らが学園都市で学生暴行の罪も綺麗に消えてくれるわけだが……」

神裂 「……駄目ですねそれじゃ」

ステイル 「だね。それだと御坂妹さんが思いを伝えられなくなってしまうかもしれない。それは正解じゃないね」

神裂 「恋愛は大切にしませんとね」

ステイル 「えっ」

神裂 「いちいちうざいんですけどその反応」

ステイル 「まぁ本音はさておき僕らのとるべき道は一つだ。違うかい?」

神裂 「はいそうですね……上条当麻の意識が覚醒するまで待ち、その後彼に吹っ飛ばされる」

ステイル 「その間学園都市の包囲網から抜け出せるかは分からない……おおよそ超能力者にまで恨みを買ってるみたいだからね」

神裂 「そうなんですか?」

ステイル 「御坂妹さんのお姉さんは超電磁砲さ。まぁ死ぬかもしれないけどここで男を見せられないようじゃ生きてる価値も元々ないさ」

神裂 「だったら私も女を見せるとしますね」

ステイル 「だね」

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 03:07:28.14 ID:huB/aplX0
【とある学生寮 土御門の部屋】

<<< 昨夜未明行方不明となったのは 第七学区に住む上条当麻くん 
       暴行があったと見られる現場では多量の血痕が付着しており…… >>>


土御門 「……とんでもないことになってるにゃー」

ミサカ 「ミ、ミサカのせいで……」

土御門 「んなわけないにゃー。ちょっと待ってろ確認してくるから」


【とある学生寮 上条の部屋】

インデックス 「んー、どうなってるのかな?」

土御門 「とりあえず優先するのはステイルとねーちんの疑いを晴らすことと上やんの捜索」

インデックス 「要するに全員見つけ出すんだよ!」

土御門 「欠陥電気のやつはどうする? もう全部止めにするか?」

インデックス 「たぶんステイルも神裂もクールビューティのために頑張ってるんだよ! だから……」

土御門 「……とりあえず三人を見つけ出すぞ。このままじゃ下手すりゃあいつらが死ぬ」

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 03:16:24.35 ID:huB/aplX0
【とある病院 とある病室】

上条 「」

冥土返し 「誰にも知らせないように……か」

冥土返し 「医者としてはそんなこと許されないんだけどなぁ……」

冥土返し 「天草式の女教皇が頼んでるんだし……いや違うな」

上条 「」

冥土返し 「あんな必死な顔で頼み込まれたら折れるしかないんだよなぁ……」

冥土返し 「たぶん……何処か苦しんでる子供達の為に彼女達は動いてるんだろうな」




【とある学区】

ステイル 「ここには警備員いないみたいだな……」

神裂 「さすがに人員には限界があるのでしょう……このまま逃げ切りましょう」


一方通行 「警察官はいなくても一方通行はいるってなァ」

ステイル 神裂 「!!?」

94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 03:17:12.16 ID:huB/aplX0
警察官じゃなくて警備員

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 03:26:25.28 ID:huB/aplX0
ステイル 「何故ここが……?」

一方通行 「俺は他のやつより目玉の数が多いンだよ。ただしこの街限定の目玉だけどな」

ステイル 「日本語でおk」

一方通行 「ミサカネットワーク」

ステイル 「日本語でおk」

一方通行 「…………」

ステイル 「…………」

一方通行 「オラァッ!!」 ブワァァァァァァァ!!!

ステイル 「ぐわぁっっ!!?」 バキィ!!

神裂 「風でステイルがゴミクズが如く吹き飛ばされた!?」 

ステイル 「……こ、こいつも能力者?」

一方通行 「そうだよ。テメェら悪党は粉々にしてやる」

神裂 「ステイル! 行ってください……吹き飛ばされる悪役は一人いれば十分でしょう」

ステイル 「神裂……済まない!!」

一方通行 「一人逃げやがったか……まァいい、先ずはお前からだ」

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 03:39:39.03 ID:huB/aplX0
神裂 「あなた……私達を殺すつもりですか?」

一方通行 「そうだよ」

神裂 「この街の学生なら警備員に通報するのが筋でしょう……自身で手を染める必要が何処にあるのです?」

一方通行 「①テメェら魔術師はどうせ裏の連中に関わってるから ②手を染めるのは慣れてる」

一方通行 「③コレが一番大事だ……テメェらが俺の身内に手を出したからだよ」

神裂 「身内……?」

一方通行 「妹達の一人にだよ。俺は打ち止めっつゥ上位固体からミサカネットワークを元に得た情報を聞いてンだよ」

神裂 (土御門から聞いたことがあります……第一位の少年は御坂妹さん達と繋がっていると……)

一方通行 「お喋りは終わりだ……とっとと殺させてもらうぜ」

神裂 「待ってください! あなたはミサカネットワークとやらで情報を取得しているのでしょう? でしたら芝居のことも知っているはずです!!」

一方通行 「適当なこと吹いてンじゃねェぞ、糞つまらねェ」

神裂 (彼は断片的な情報しか持ちえていない……?)


【黄泉川邸】

打ち止め 「あの人が空気読まないで邪魔しないように芝居のくだりは教えなかった! ってミサカはミサカは自分の気遣いに酔いしれてみたり!!」

99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 03:57:45.50 ID:huB/aplX0
目の前にいる敵の攻撃に備えて、神裂が愛用の七天七刀に手を添える

一方通行 (刀……ねェ。魔術師相手だ、ナリ通りの使い道って限りでもないだろ)

神裂 (ステイルを吹き飛ばしたところを見るに彼は風の能力者……問題は私の鋼糸が断ち切られるレベルかどうか……)

一方通行 (とンでも能力のオンパレード。チートにチート上乗りしたようなやつらばっかりだしな。だけど悲観するこたねェ)

神裂 (殺したくはない……しかし彼はおそらく第一位。負けるつもりはありませんが器用な倒し方が出来る自信もまた……)

一方通行 (なンだかンだでアイツらも人間……シェルターのときのバケモノでもない限り銃弾一発で死ぬ軟弱なやつらだ)

神裂 (彼の出方を見るのが吉か……? くそっ、こんなことなら土御門に能力の詳細を聞いておくべきでした……)

一方通行 (まァ……要するによォ……)

風、身体、反動……その肌に接するあらゆるベクトルを操作、足元に集中
地面をひとたび蹴ることで猛烈な勢いの跳躍を可能にし、それにより神裂へと攻撃を仕掛けた

一方通行 「俺の一撃でバラバラってなァァァァァァァ!!!」

反射速度、運動速度なら一方通行に比べるでもなく、圧倒的に神裂に分がある
しかし能力持ちと知りはしても、超人的な動きを仕掛けてくるとは思わず不意をつかれ反応が間に合わなかった

神裂 「ぬぅっっ!!?」

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 04:14:02.80 ID:huB/aplX0
山を裂き、海を割る……といっても過言ではないほどの一方通行の蹴りが神裂の腹部へと放たれる
その一撃を喰らったものの身体は原形を留めきれず、身体をこま切れにしながらもはるか彼方へと吹き飛ばされる

まさしく第一位が使うにふさわしい破壊力だった……が 

一方通行 「……あン?」

神裂が両腕を前に突き出し、迫り来る攻撃の軌道を予測し、当てにいく
一方通行の強大すぎる威力を持った右足は簡単に明後日の方向へと反らされてしまった

神裂 「……やはり侮れませんね、学園都市第一位」

一方通行 「……悪い夢でも見てるみたいだぜ。ファンタジーもほどほどにしとけよ魔術師?」

神裂 「今度はこちらからですね」

今度は一方通行に代わって神裂が仕掛ける
一方通行と同じように凄まじい身体能力で地面をけり、一気に距離を詰める
その瞬間、耳を劈くような轟音が飛び交った

一方通行 (音速だァ?)

神裂の掌底が一方通行の顔面を正確に捉える
まさに掌と肌が触れようというその一瞬、神裂の身体が見えない力に引き寄せられるように音速を保ったまま後方に弾き飛ばされた

神裂 「……今のは?」

一方通行 「さ~て何でしょう? テメェの足りない頭で必死kに考えてやがれ、ばあさンよ」

101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 04:26:20.52 ID:huB/aplX0
神裂 (何だったのでしょう? 彼に攻撃したら後ろに引っ張られるように……)

神裂 (彼はおそらく風使い……でしたら攻撃の瞬間、風によって吹き飛ばされたということでしょうか?)

神裂 (いえそれだと彼の超常的な身体能力の説明がつきませんね……風使いというわけではないのでしょうか?)

神裂 (……分かっている点は二つ。彼の攻撃が聖人の力を持ってすれば凌げるものではあるということ)

神裂 (もう一つは彼に攻撃しようとすると何らかの力で弾き飛ばされてしまうこと)

神裂 (こちらから攻撃は仕掛けられないということですね)

神裂 (……いえ結構、むしろ上等です。元々私の役目は彼を倒すにあらず)

神裂 (上条当麻覚醒までの間、ステイルを無事に逃がしていればそれでいいのですから)

神裂 (持久戦はむしろ歓迎するところにあるというわけです)

一方通行 「で、どうすりゃいいか分かったか?」

神裂 「わかりましたよ……私の今やるべきことがね」

一方通行 「そうか、じゃ殺すわ」


103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 04:43:15.13 ID:huB/aplX0
【とある学生寮 土御門の部屋】

ミサカ 「ミサカはこんなところで何をしているのでしょう? とミサカは自問します」

ミサカ 「土御門元春は学園都市統括理事長を頼りに、インデックスは上条当麻のクラスメイト及び教師をたずねて回っているというのに……」

ミサカ 「……この事態を引き起こしたのはミサカの責任です、とミサカは当たり前の事実を言います」

ミサカ 「お姉さまが上条当麻に好意を寄せていたから、上条当麻もまたお姉さまに好意を寄せていたから……」

ミサカ 「自分から踏み出す勇気が無かったくせに嘘の理由を盾にして逃げていました、とミサカは独白を続けます」

ミサカ 「ミサカの周りのかたがたも皆そんな逃げてばかりのミサカに協力してくれた……とミサカは事実を述べます」
 
ミサカ 「そして結果、このような事態を招いてしまった……とミサカは最悪の事実を述べます」

ミサカ 「……こんなところで一人寝ている場合なわけありませんね、とミサカは颯爽と起き上がります」

ミサカ 「自分がしでかしたのですからケツは自分で吹くべきなのです……とミサカは感覚共有を始めます」

ミサカ 「……どうにかこの騒動を治めて、皆に謝って、上条当麻に思いを告げよう……とミサカはひそかに決意します」

151: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 20:42:14.82 ID:huB/aplX0
【とある学区】

ステイル 「…………」 ゼェーゼェー

ステイル 「…………」 ゼェーゼェー

ステイル 「……神裂は彼を倒せただろうか?」ゼェーゼェー

ステイル 「……まだ戻ってこないところを見ると苦戦しているのか」ゼェーゼェー

ステイル 「……あ」

ステイル 「待ち合わせ場所指定しとくの忘れてた……余裕無かったし」 

ステイル 「……まぁいいや。元々この都市の地理関係はあまり把握してない」

ステイル 「神裂は必ず彼を倒して僕と合流できるだろう……今は僕一人でどうにか逃げ切ろう。 ……ん?」

突如ステイルの目の前、何もない空間に背丈の低い女の子が突然姿を現す
御坂と黒子だ

ステイル 「……空間移動というやつか」

154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 20:49:40.55 ID:huB/aplX0
黒子 「……少しばかりお時間よろしいですの? そこの学生さん」

ステイル 「あぁいいよ。ところで何の用かな? 僕はなかなかに急ぎの身なんだが……」

御坂 「上条当麻って高校生知ってるかしら?」

黒子 「昨夜、とある暴力魔……おそらく学園都市外から来たものに攻撃され行方不明らしいですの」

御坂 「今朝方から警備員と風紀委員が総出で探し回ってるのよ、ソイツを」

黒子 「テレビでも流れていたことですしあなたもご存知でしょう?」

ステイル 「……あぁー、我が家にあいにくテレビを置いていなくてね。今知ったよ」

御坂 「それでさっき風紀委員に通報があったんですって。見知らぬ風貌の大男を見かけた、事件に関係有るかもしれないって」

ステイル 「僕を疑っているのかい?」

黒子 「当たり前ですの。学園都市は無宗教の科学の街、協会の一つですら置いてありませんのに修道服を着ているとのがたなど要るはずありませんっから」

ステイル 「……あぁそう」」

156: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 20:58:16.29 ID:huB/aplX0
ステイル 「……そのー、実はだね」

御坂 「…………」

ステイル 「……僕が彼を殴ったんだよ、昨日は酔っていてね」

御坂 「酔っていただなんて……学生にしてはずいぶん不真面目みたいね」

ステイル 「その通り僕は不真面目。煙草だってここにたんまりさ」

黒子 「やはりですの……でしたら身柄を預からせていただきますの」

両手を上に挙げ降伏を示しながら、ステイルが黒子と御坂のほうに歩き寄る

黒子 「……一事が万事、あなたの不真面目さがこのような一大事を巻き起こしたのですのよ?」

ステイル 「あぁ、反省してるさ」

御坂 (……ずいぶんおとなしいわね?)

御坂 「……黒子危ないっ!!」

上げていた両の腕を力任せに振り下ろし、黒子の後頭部へと当てる
風紀委員で鍛えているとはいえ中学生の未発達な身体。油断していた黒子の意識は闇に堕ちた

ステイル 「ふー……当身だから気にしないでね」




159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 21:06:04.09 ID:huB/aplX0
黒子 「」

御坂 「黒子! しっかりして!!」

ステイル 「当身だといっているだろう? 僕は捕まるわけにはいかないので君にも気絶させてもらうよ」

御坂 「……あんたねぇ!!」

怒りに震える御坂が、億をゆうに越える電撃を撒き散らせステイルを睨みつける

ステイル 「……おや? もしや君が超電磁砲か」

御坂 「だったら何なのよ!? アイツに続いて黒子まで……黒焦げにしてやる!!」

ステイル (これは参ったね……超電磁砲は神裂ですら手こずると聞いたことがあるような無いような……)

ステイル (僕が敵うかと聞かれれば結果はまぁ……うん、隣のピンク髪の子だけでも気絶させといてよかったよ)

ステイル (ルーン貼ってないんだよなぁ……逃げてたから当たり前なんだけど。うん、やっぱりここは……)

御坂 「覚悟は良いわね!?」

ステイル 「全然よくないから逃げさせてもらうよ、超電磁砲」

そう言い残すと全速力で疾走し、御坂に背を向け路地裏へと姿を消した

御坂 「あっ、待ちなさい!!」

ステイル (なるべく人通りの少ないほうに逃げないとな……とりあえずイノケンティウスを出せる環境を作らないとまずいね)

161: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 21:18:42.50 ID:huB/aplX0
【路地裏】

御坂 「喰らっときな……さいっ!!」 ビリビリ

ステイルが次の角を曲がろうかというときに、後ろから電撃の槍が近づいてきた
間一髪のところで、ステイルは角を曲がりきり、電撃を避けることに成功した

ステイル (まずいなコレは……僕の炎は道幅が狭すぎて、出そうものなら自滅の恐れさえある)

ステイル (大して彼女のは電撃……速度も桁違いだしこんな窮屈な場所でも何のお構いもなしに放てる)

ステイル (……大通りに出たほうがいいか? 彼女の電撃も周りの金属物を利用することで防げるかもしれない)

ステイル (……いや駄目だ。目立つから僕が見つかるし、何より人通りの多いところでイノケンティウスを使うだなんてありえない)

ステイル (死に物狂いで逃げるしかなさそうだね……まっ、なんとかなるでしょ)

ステイルは逃げている間に懐からルーンが印刷されたコピー用紙を取り出す
そして逃走中にも御坂からは見えない死角、そのわずかな空間に少しずつ貼り付けていく

御坂 「くっそ、逃げ足の速い……待てっ!!」

ステイル (ぺたぺたぺたぺたぺたぺた……と)


163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 21:29:19.78 ID:huB/aplX0
【第七学区】

ミサカ 「感覚共有使用……ミサカネットワークから情報を引き出します、とミサカは一人呟きます」

ミサカ 「……10032号です。上条当麻、及び今回魔術師役を演じてくださってる方の行方
      その情報提供を要求します、とミサカは他の固体に要請します」

ミサカ 「……え? 二人の居場所なら把握している? とミサカはちょっぴり驚きます」

ミサカ 「……一方通行に居場所を押してたのですか? とミサカはここで一方通行の名が飛び出したことに若干驚きます」

ミサカ 「……一方通行が魔術師の方々を襲っている? とミサカは驚愕の事実にだいぶ驚きます」

ミサカ 「その方々は悪気があるわけではありません、とミサカは必死で弁解します」

ミサカ 「……上位固体から情報開示を否認された? とミサカは上位固体の行動に疑問を感じます」

ミサカ 「一方通行が邪魔をしないようにしようとした……? それで事態を悪化させていては元も子もありません、
     とミサカは上位固体に心の中で嘆息します……ミサカも人のことは言えませんが」

ミサカ 「では一方通行に提示した座標をミサカにもお願いします……とミサカは頼みます」

ミサカ 「…………」

ミサカ 「……分かりました、ではそこへ向かいます、とミサカは通信を終えます」

ミサカ 「……戦いをとめなくては、とミサカは決意を胸に走り出します」

165: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 21:39:21.28 ID:huB/aplX0
【とある学区】

神裂 「はぁッッ!!」

神裂が七天七刀を抜刀する
それを引き抜く勢いを利用して、刀の陰より七つの鋼糸が目視できない細さとスピードとで一方通行に向かう

一方通行にそれを見ることはできない
しかし、やはり一方通行の肌に触れると同時に、七つ全てが神裂の方向へと跳ね返されてしまった

一方通行 (七つ来やがったな……とりあえず刀じゃない、だが斬撃ではある)

神裂 (やはり跳ね返されますか……)

一方通行 「おィお前、さっきから距離をとってる攻撃ばっかりじゃねェか。最初見てェに殴ってこないのかよ?」

神裂 「何となくです」

一方通行 (そうだ、それより問題なのはコイツが俺の時間制限を知ってるかってことだ……)

一方通行 (残り12分弱……あンだけの速度で動かれちゃ俺の攻撃が上手く当たらねェ)

神裂 「はぁッッ!!」

また一度七天七刀を居合いのように振り抜く

一方通行 (またアレか……何にせよこの攻撃手段を無くさせないとやつが俺に近づいてくることはねェ……)

167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 21:49:24.95 ID:huB/aplX0
一方通行 (この速さ、演算仕切れるかァ……?)

一方通行がある事柄に思考を傾ける
もちろんそのことを気にかけるでもなく、七つの鋼糸は一方通行へと猛烈な速さで迫る

鋼糸の七つ全ては一方通行の身体を捉えた

一方通行 (あァよし……やっぱよくねェわ。うン? ……こうか、こうだな)

神裂 (また跳ね返されるか……? 馬鹿なッッ!!?) 

跳ね返されることは無かった
一方通行を七つの鋼糸の終点とし、それら全てはピンと糸を張り詰めたまま動きを静止した

一方通行 「なるほど、ワイヤーを使ってたってわけか……そりゃ見えるはずもないわな」

神裂 「鋼糸の動きが止まるなど……」

一方通行 「実際止まってるンだから気にするな……よォォォォッッ!!」

一方通行は七つを一束に纏め上げ、まとめて掴む
そして、ベクトルを自身の運動エネルギーに還元することで鋼糸全てを引き裂いた

一方通行 「飛び道具は潰したぜ?」

神裂 「……くっ」

一方通行 (残り十分……いけるか?)


169: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 22:01:12.29 ID:huB/aplX0
【とある路地裏】

ステイル (ぺたぺたぺたぺたぺた……)

ステイル (ん? またしても曲がり角か……ここで若干待機、と)

御坂 「休んでんじゃないわよぉッッッ!!」 ゼェーゼェー

少しして御坂が後ろから追いついてくる。ステイルから見ても疲れが見てとれた
御坂がの怒声を合図にステイルは曲がり角で待機するのを止め、スイッチを切り替え全力で走る

電撃はまたしても外れた

御坂 「アイツ……私の死角を利用することで電撃を上手く避けてる」 ゼェーゼェー

ステイル (だいぶ疲れてきたのかな? 彼女、中学生にしてはずいぶん体力があるようだけどそれでも所詮は女の子)

ステイル (体力面では僕のほうが有利だね)

ステイル (もしかしたらこのままイノケンティウス出すまでも無く逃げ切れちゃうかも、うんそれがいい)

御坂 「……このままじゃ追いつけない」ゼェーゼェー

御坂 「炙り出してやるわよ」 ゼェーゼェー

172: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 22:13:20.23 ID:huB/aplX0
ステイル 「…………」ゼェーゼェー

ステイル 「……僕もさすがに疲れてきた」 ゼェーゼェー

ステイル 「……彼女追ってこないな、逃げ切れたか?」 ゼェーゼェー

ステイル 「……呼吸を整えて、と」

ステイル 「さて、だったらとっととこの場を後にさせてもらいますか」

御坂 「あら? そんなところにいたのね」

ふとステイルの頭の上から声が聞こえた
見上げてみると、そこには六枚の青白く輝く6枚の翼を生やした御坂が華麗に空を待っていた

ステイル 「……まるで天使様だね。美しいよ」

御坂 「ここからなら遮蔽物に邪魔されることも無くアンタを狙えるわよッッ!!」


上空から雷の雨が降り注ぐ

ステイルの眼前を閃光が覆った

174: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 22:19:01.27 ID:huB/aplX0
【とある学生寮 土御門の部屋】

土御門 「…………」 

インデックス 「…………」

土御門 「…………」

インデックス 「……クールビューティまでいなくなってるんだよ」

土御門 「……何がどうなってるんだにゃー」

インデックス 「クールビューティ何処に住んでるかわかる?」

土御門 「欠陥電気なんてどの固体がどの場所にとか全く知らんぜよ」

インデックス 「…………」

土御門 「……もう一回探しに行くにゃー」

インデックス 「うん」

176: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 22:26:34.33 ID:huB/aplX0
【とある路地裏】

御坂 「よし、こいつを警備員に突き出さなきゃねー……」
 
ステイル 「……や、優しいんだね」

御坂 「……あんたまだ意識があったの?」

ステイル 「気絶程度に留めておいてくれたのは君だろう? 礼は言うよ、ありがとう。だけど僕もここで捕まるわけには行かない」

御坂 「気絶させるつもりで撃ったんだけどまだ意識があるとはね……そんなに学歴に傷がつくのが嫌?」

ステイル 「全然。ただ一人の女の子の恋を応援してあげたいだけさ……その結果が彼女の理想ではなかったとしてもね」

御坂 「あなたお酒で酔ってたって……」 

ステイル 「何だっていいじゃないか」

御坂 「……そうね後でゆっくり聞きだすから。今はもう一発電撃くらっときなさいッッ!!」

電撃を出そうとしたそのとき、辺りが急激な熱さに見舞われる
異変に気づいた御坂が辺りを見渡す。
右手の方向に、燃え盛る炎の巨人が見えた

御坂 「……こいつは?」

ステイル 「準備完了。さて、反撃といくよ」

180: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 22:42:15.56 ID:huB/aplX0
【とある学区】

一方通行 「……らァッ!」

コンクリートに収束したベクトルを押し当てる
ベクトルを加えられたコンクリートはさながら散弾銃のように前方に噴射し、神裂に直撃する

神裂は何事も無く立ちすくみ、一方通行を捉えていた

一方通行 (避けるまでもないってかァ……やっぱ目くらまし程度の攻撃はやるだけ無駄か)

神裂 (何となく彼の能力がぼんやり掴めてきました……)

一方通行 (全力の攻撃しかお呼びじゃないってか……まァやつに通る攻撃なら俺には山ほどある)

神裂 (彼の能力は全てを思い通りにする能力……まぁこんなところでしょう。科学のことは良く分からないので詳しくは分かりませんが)

一方通行 (なんたってパワーソースが地球そのものだからよォ)

一方通行が両手を掲げる
すると、一方通行を中心に周囲に風が巻き起こった

神裂 (また風の攻撃……?)

風が台風のような勢いで回転、収束し続ける
しだいに、宙に青白い光を放つプラズマが姿を現した

一方通行 「高電離気体だよ、分かるか?」

184: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 22:53:49.30 ID:huB/aplX0
一方通行 (残り三分かよ……これで決められなきゃマズイなさすがに)

神裂 「段違いのようですね……それは」

一方通行 「第三位の超電磁砲が霞むくらいにはな……死ンどけ」

一方通行が両手を振り下ろす
その動きに合わせて、宙に停滞していたプラズマが発進。蛇のように光球をうねながら神裂へと襲いかかった

その一瞬で神裂はその危険性を察知した

神裂 (凄まじいまでの熱量……まともに相手をしていてはこちらの身体が熔ける、やもや蒸発してしまいますね)

神裂はあろうことか、向かい来るプラズマに向かって直進した
熱の放射が肌に届くよりも先に、プラズマを通り過ぎ、攻撃をやり過ごした

神裂 「ふぅ……」 

一方通行 「そンくらいはやると思ってたぜ、ばあさンよ」

神裂 「なっ!?」

一方通行はまたしても両手を掲げていた
プラズマを宙に浮かべながら


185: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 22:58:01.08 ID:huB/aplX0
やもやって何やねん

やもや → ともすると

188: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 23:07:46.88 ID:huB/aplX0
一方通行 「距離ねェな」

神裂 (しまったっ……彼に近づいてしまった! 回避が間に合わないッッ!!)

一方通行 「二度も言うとは情けねェけどよ……今度こそ死ンどけ」

至近距離でプラズマが炸裂する
辺りに暴風雨のような風が巻き起こり、コンクリートは融解しグツグツと煮えたぎる

一方通行は瞬時に辺りに危害を加えるそれらのベクトルを操作、プラズマの攻撃に上乗せした
それにより、被害は限りなく少なく、それでいて最高級の威力を誇ったプラズマを放ったのだ

それを何の防御手段を講じる時間も無く、まともに喰らってしまった神裂
神裂の姿は何処にも見えなくなっていた

一方通行 「…………」

一方通行 「……蒸発でもしたか?」

一方通行 「……まァいい、ジャスト一分。何とか間に合ったぜ」

神裂 「時間を気にしているのですか?」

一方通行 「……なッ!?」

神裂 「唯閃で叩き斬らせていただきました……使いたくは無かったのですが」

190: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 23:13:20.24 ID:huB/aplX0
【とある学区】

ミサカ 「…………」 ゼェーゼェー

ミサカ 「…………」 ゼェーゼェー

ミサカ 「…………」 ゼェーゼェー

ミサカ 「……この辺りのはずですが、とミサカは一人確認します」ゼェーゼェー

ミサカ 「…………」 ゼェーゼェー

ミサカ 「……あれは」

一方通行 「」

ミサカ 「一方通行! ……よかった、チョーカーの電池切れというだけのようですね、とミサカは安堵します」

ミサカ 「急いで病院に運ばなければ、とミサカはある程度融通の利くあの医者のいる病院を思い浮かべます」



192: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 23:17:59.25 ID:huB/aplX0
【とある病院】

冥土返し 「あらあら、電池切れちゃったんだね」

一方通行 「」

ミサカ 「彼をよろしくお願いします、とミサカは一礼します」

冥土返し 「いや充電するだけだからたいした事はないんだけど……とりあえず開いてる病室で寝させとこうか」



【とある病院 とある病室】

一方通行 「」

ミサカ 「ミサカのせいで……とミサカは一人思いつめます」

ミサカ 「でもここにいても何も事態は好転しません、三人を探さなくては、とミサカは病室を出ようと……

上条 「」

ミサカ 「……いた、とミサカは思いもがけない人物に目を丸くします」

196: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 23:27:28.01 ID:huB/aplX0
ミサカ 「……これはどうことですか? とミサカは医者に迫ります」

冥土返し  「え、あぁいやねぇ……」

ミサカ 「あなたには連絡の義務があるはずでは? とミサカは更に迫ります」

冥土返し 「いやぁ頼まれちゃったんだよ、良く分からないんだけど芝居をおじゃんにしたくない、ってね」

ミサカ 「誰にですか? と、ミサカは質問します」

冥土返し 「彼をここに運んだ人たちさ。君って魔術の知識もあるんだっけ?」

ミサカ 「お二方がミサカのために……とミサカは……」

冥土返し 「えっ、君のため?」


【30分後 とある病院 とある病室】

上条 「」

土御門 「うわっマジで寝てるにゃー」

インデックス 「いったいなにがあったんだよ?」

打ち止め 「あなたでも負ることがあるんだね! ってミサカはミサカはびっくりしてみる!!」

一方通行 「うるせェ」

201: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 23:33:50.87 ID:huB/aplX0
【とある路地裏】

御坂 「よし、こいつを警備員に突き出さなきゃねー……」
 
ステイル 「……や、優しいんだね」

御坂 「……あんたまだ意識があったの?」

ステイル 「気絶程度に留めておいてくれたのは君だろう? 礼は言うよ、ありがとう。だけど僕もここで捕まるわけには行かない」

御坂 「気絶させるつもりで撃ったんだけどまだ意識があるとはね……そんなに学歴に傷がつくのが嫌?」

ステイル 「全然。ただ一人の女の子の恋を応援してあげたいだけさ……その結果が彼女の理想ではなかったとしてもね」

御坂 「あなたお酒で酔ってたって……」 

ステイル 「何だっていいじゃないか」

御坂 「……そうね後でゆっくり聞きだすから。今はもう一発電撃くらっときなさいッッ!!」

電撃を出そうとしたそのとき、辺りが急激な熱さに見舞われる
異変に気づいた御坂が辺りを見渡す。
右手の方向に、燃え盛る炎の巨人が見えた

御坂 「……こいつは?」

ステイル 「準備完了。さて、反撃といくよ」

206: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 23:42:53.83 ID:huB/aplX0
土御門 「って何で一方通行までこんなとこにいるんだにゃー?」

冥土返し (こんなとこって……)

一方通行 「テメェらみてェな魔術師始末するためだよ」

土御門 「俺なんか悪いことしたか?」

打ち止め 「あーっ! ちょっと事情説明するから待ってて! ってミサカはミサカはあわてて説明!!」






一方通行 「……勘違いだァ?」

打ち止め 「ごめんなさい……ってミサカはミサカは余計なことをしちゃったって謝ってみる……」

一方通行 「別にお前が謝ンなくてもいいだろ……あの魔術師に悪いことしちまったな」

土御門 「ねーちんに吹っ飛ばされただけだし心配するにゃー」

一方通行 「うるせェ」

インデックス 「……とりあえずこれからどうするんだよ?」




212: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/13(火) 23:49:54.20 ID:huB/aplX0
ミサカ 「全部終わらせたら……と、ミサカは提案してみます」

インデックス 「それは駄目なんだよ!」

一方通行 「全部把握したわけじゃねェんだけどよ……その魔術師どもは死に物狂いでお前の為に逃げてるんだろ?」

土御門 「だったらネタバレなんて言語道断にゃー」

インデックス 「とうまの勘違いはこのまま続行なんだよ!」

一方通行 「廊下で話さないか? 三下に聞かれると都合が悪いだろ」

土御門 「お前動けるのか?」

一方通行 「充電完了」


【とある病院 廊下】

土御門 「じゃあ、ねーちんとステイルのやつだけ探さないとな」

一方通行 「俺も協力するわ。迷惑かけちまったしよ」

打ち止め 「あなたにしては素直だね! ってミサカはミサカはびっくりしてみたり!」

一方通行 「殺すような勘違いしておいて何も無しはありえねェだろ」


213: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 00:01:14.06 ID:piGuz3+C0
一方通行 「じゃあ土御門、妹達、行くぞ」

ミサカ 「あなたとですか? とミサカは思わぬ申し出に驚いてみます」

一方通行 「うるせェな。俺一人だけだと攻撃されるから橋渡し役が必要なンだよ」

土御門 「じゃあインデックスと打ち止めは上やん見ててくれにゃー」

インデックス 「了解なんだよ! ってミサカはミサカは返事してみる!」

ミサカ 「意識が覚醒したらミサカネットワークにて連絡をください、とミサカは頼みます」

打ち止め 「そっちも進展あったら教えてね! ってミサカはミサカは10032号にもいってらっしゃい!!」




【とある病院 入り口前】

一方通行 「他の妹達からは?」

ミサカ 「何も見かけていないそうです、とミサカは報告します」

土御門 「地道に探すしかなさそうにゃー」

一方通行 「他のやつらに襲われたりしてねェだろうな」

土御門 「超電磁砲とかキレてたりしてにゃー」

一方通行 「笑えねェから止めろ……マジでありそうで怖い」

216: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 00:13:31.77 ID:piGuz3+C0
【とある路地裏】

御坂 「あーもう、鬱陶しいわねッッ!!」

御坂の電撃がイノケンティウスを射抜く
迸る強力な電撃はイノケンティウスの身体に風穴を作るには十分。だが、射抜いた先から再生してしまう

ステイル 「今の内に逃げさせてもらうよ」

御坂 「……逃がさないわよッッ!!」

ステイル 「僕のイノケンティウスだって君を逃がさないさ」

イノケンティウスが御坂に攻撃を仕掛ける
電撃を放射することで難なく攻撃は退けられる、しかし注意を逸らすには十分で逃げ行くステイルにまで意識がまわせない

御坂 「待ってッッ!!」

ステイル 「待つわけないだろ? 今の僕は悪党なんだからね」

御坂に背を向け走り出す
イノケンティウスによって御坂の行動は制限されている。安心だ

しかしステイルがそのことに安心しきり逃げようとした矢先、彼の頭部に強烈な衝撃が走った
戦線を復帰した黒子が強烈な膝蹴りを見舞ったからだ

ステイル 「……うっ!?」

黒子 「まだ頭がグラグラするですの」

217: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 00:21:38.32 ID:piGuz3+C0
御坂 「黒子っ! 無事だったのね!!」

黒子 「ご心配をおかけしましたの。しかしこの方、発火能力者というわけではございませんのね」

御坂  「得体が知れないわよこいつ」

ステイル 「……ふぅー、テレポートというやつだね。急に現れるものだから中々に驚いたよ」

黒子がイノケンティウスを見やる

黒子 「炎の巨人……何時ぞやの泥人形のようなものでしょうか? 私では手に負えませんの」

御坂 「巨人のほうは任せて、アンタはあっちの大男をお願い!」

黒子 「お姉さまとの共同作業ですの!」

御坂 「気持ち悪いこと言ってないでとっとと行きなさい!!」

ステイル (テレポート使いかぁ……。勝てる要素が皆無だね)

264: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 17:17:35.49 ID:piGuz3+C0
黒子 (暴漢とはいえ……体内に直接テレポートなどして重傷を負わせるつもりはありませんの。拘束に留めておきますの)

ステイル (彼女が消えた……うわッ!?)

黒子が目の前からテレポートで姿を消し、体制を低く構えてステイルの懐にもぐりこむ
不意をつかれたものの、黒子の能力は知りえていたので反撃に出ようとする

しかし黒子は彼が反撃するより早く、右足ですくい上げる様に足払いを行い、ステイルの重心を崩した

バランスを失い真後ろに倒れる。それにより地に伏せたステイル
彼は追撃に備えて起き上がろうとした。しかし、その間黒子は指先に意識を集中させ自分の膝元を滑らせるように触れる

隠し備えていた円柱型の金具の一つ一つは指先が触れるごとにテレポート。
ちょうどステイルの修道服と地面のコンクリートをつなぎ合わせる位置にそれらは出現し、彼は身動きを取れなくなった

ステイル 「あー、磔とは君はキリスト教徒か何かかい?」

黒子 「そのような軽口が飛び出すとは……あなたの担当になられる警備員は絞り甲斐があることでしょうね」

御坂 「ちょ、ちょっと黒子! こっちの巨人が消えないんだけど!?」

少しはなれたところでイノケンティウスの猛攻をなんとか捌きながら、御坂が叫ぶ

黒子 「……あなたを気絶でもさせたら消えますの?」

ステイル 「さぁ? イノケンティウスを出したまま気絶なんてしたことないから分からないね」

265: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 17:18:32.59 ID:piGuz3+C0
黒子 「では少しばかり意識をフッ飛ばさせていただきますの」

ステイル 「それより先に彼女を助けたらどうだい? 馬鹿にしているわけではないけど、君の非力な拳じゃ僕の意識を飛ばすには足りないと思うな」

彼女、つまり御坂の存在が口に出たので反射的に振り返る

破壊力は並々ならぬものの驚異的な再生力に攻めきれない御坂。一方、攻撃範囲は狭いものの耐久性を生かしてじりじりと彼女を追い詰めるイノケンティウス
持久戦を考慮し、むやみに能力を消費して息切れすることを考慮。御坂は攻撃を控え、磁力と周りの金属物を利用することで回避に専念していた

戦況は第三者から見ても明らかだった

黒子 (お姉さまが……押されている?)

御坂 「黒子ッ!! テレポートで援護してッ! 情けない話だけど私の攻撃が効かない、いったんコイツから距離をとりたいッッ!!」

黒子 「はいですの!!」 
  
ステイル 「……良かった。僕から離れて行ってくれて」

ステイルの懐より小さな炎が起こる
燃え起こった場所は黒子がテレポートさせた自身を地面に繋ぎ止めている金具
一つ一つを自身の肌は燃えないように、かつ金属が溶けるほどの熱量を発生させ、拘束から抜け出た

ステイル 「炎剣は決まった形ばかりじゃないんだよね……ってちょっとばかり僕の服が燃えちゃったや」

神裂 「もとより穴が開いていたではないですか。同じことでしょう」

ステイル 「神裂! あの少年を倒せたのか!」

神裂 「イノケンティウスの魔力を感知したので……無事でよかったです」

267: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 17:19:42.07 ID:piGuz3+C0
神裂 「あの少女達は?」

ステイル 「この街の風紀委員というものらしい。たぶん警察のようなものかな?」

神裂 「ではイノケンティウスに気をとられているうちにここを離れたほうが無難ですね」

ステイル 「だね。彼女たちの中に空間移動できるものがいたし、まぁイノケンティウスからも逃げ切れるだろう」

神裂 「飽くなく闘い続けるということは?」

ステイル 「……勝ち目のない戦いに挑む馬鹿はいないでしょ。この街は頭のいい子供ばっかりなんだし」

神裂 (あなたも子供ですけどね…そうは見えませんけど)




【とある歩道】

ステイル 「…………」

神裂 「…………」

ステイル 「……ん?」

神裂 「どうかしましたか、ステイル?」

ステイル 「イノケンティウスが……消滅した?」

270: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 17:24:10.58 ID:piGuz3+C0
神裂 「イノケンティウスが……? まさか、ルーンも知らない学園都市の学生がそのようなことをできるわけが」

ステイル 「だよねぇ……倒す手立てがあるわけ無いんだけど」

疑問を感じながらも、当ても無く路上を歩き続ける二人 
その眼前にまたしても御坂と黒子が姿を現した

御坂 「ふ~ん、あの紙ルーンっていうんだ」

黒子 「熱くて熱くてたまらなかったですの……まぁー、こんなに汗がびっちょり……」

ステイル 「何故君たちが……!?」

御坂 「あんた道端にぺたぺた変な模様が書かれた紙貼り付けてたでしょ?」

黒子 「テレポートで逃げる私達を炎の巨人が追う途中、そこらじゅうに貼り付けられたルーンとやらが炎の巨人自身の手によって燃え尽きましたの」

御坂 「一通り路地裏を逃げ回ったら勝手に巨人は消滅したわよ。私たちが何を攻撃するでもなくね」

神裂 「……ステイル」

ステイル 「……それは盲点だった。何も配置考えてなかったからなぁ」

御坂 「さぁ、覚悟はいいッッ!?」

神裂 「ステイルは援護を。彼女達は私が片付けます」

276: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 17:38:43.54 ID:piGuz3+C0
ステイル 「神裂。左の茶髪の少女は電撃使い、右のピンク髪はテレポート使いだ」

神裂 「了解しました」

黒子 「お姉さま、あの方は……」

御坂 「油断しないで黒子。あの人も妙な能力者かもしれない、テレポートがあるからってうかつに近づかないで」

神裂 (唯閃の影響で身体が重い……それに第一位の手により鋼糸は使い物にならないので遠距離からの攻撃は無理ですね)

神裂が右脚を力強く踏み込む。それに伴って起こるソニックブームと超加速
音速を超える勢いで直進し、二人の能力者めがけて突っ込んだ

その初動を御坂が張り巡らしている電磁波のレーダーが感知する
黒子に微弱な電撃を流し、危険が迫っていることを伝えた

それを察知し黒子は上空にテレポート、御坂は磁力を利用した緊急回避を用いることでどうにか回避をしようとする
到達するより先に、何とか神裂の打撃を喰らうことを免れた

神裂 (もう一段ッ……空間移動とおそらくは超電磁砲……どちらを潰しておくべきかといえば……)

攻撃が避けられたことを神裂が感知する
すると今度は攻撃対象を変更、もう一度力強く地を蹴り上空にテレポートで回避した黒子へと音速で近づいた 

284: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 17:50:19.37 ID:piGuz3+C0
御坂 「黒子避けなさいッッ!!」

御坂が声を張り上げて危険を伝える
しかし音速を超えている神裂は黒子へ声が伝わるよりも先に、彼女の後頭部へと手刀を放つ

上空で意識を喪失させる黒子
神裂は空中にいながら器用に身を翻すと、今まさに落下しようとする黒子を抱きかかえ、着地した

黒子 「」

神裂 「気絶しているだけですよ、心配は無用です」

御坂 「よかった……」

ステイル 「? ずいぶんすんなり受け入れるじゃないか。仲間がよりにもよって敵に助けられたというのに」

御坂 「あんたらがただの暴漢じゃないことくらいは薄々気づいてるわよ」

神裂 「かといって闘うことを止めはしないと……ステイル、彼女をお願いします」

ステイル 「ああ」

御坂 「そうよ。あんたらが上条当麻を傷つけたって事実がある、だからどんな理由があったにしても野放しにはしておけないッ!!」

神裂 「上条当麻はずいぶんと頼もしい仲間を持っているようですね……しかし野放しにしてもらいますよ? 私たちは捕まるわけには行かないので」

御坂 「いくわよッッ!!」


286: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 18:02:50.01 ID:piGuz3+C0
神裂 (彼女は雷使い……雷の速度ってどれくらい速いんでしょう? 何にせよ狙いをつけさせないにこしたことはありませんね)

トップスピードでそこかしこを縦横無尽に走り回る神裂
超人的な動きが可能にするその動きはおおよそ人間が目視できるものではなかった

御坂はその場に立ち竦み、電磁波が生み出すレーダーの策的範囲を平常より広く、敏感にし意識を集中させた

御坂 「…………」

神裂 (攻撃を仕掛けてこない……? 隙が出来るのを恐れているのか、もしくは私に遠距離戦が不可能なことを知っているのか……)

御坂 「…………」

神裂 (後者は彼女が第一位と知り合いだとしたらありえるかもしれませんが……どうしたものでしょう)

御坂 「…………」 

神裂 (それにしても彼女の反射神経もまた並々では……いえ考えても仕方ありませんね。仕掛けます)

進行方向を御坂に向け、一瞬の内に距離を詰める神裂 
そのとき御坂のレーダーに反応が示された

御坂 「今だぁッッ!!」

地面のコンクリートより黒い粒子状の物質、砂鉄が噴射しあふれ出す
それは御坂を中心に形を成し、黒い大剣とでもいうべきものが出現し、神裂の行く手に立ちふさがった 

290: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 18:16:51.51 ID:piGuz3+C0
神裂はそれらに気づき、寸でのところで止まりバックステップをとる
聖人の身体能力により、その一跳びで五メートルほどにまで御坂と距離をとった 

完全には避けきれず神裂の白みがかった頬から血が流れ出た

ステイル 「神裂ッ!」

神裂 「大丈夫です。少しかすっただけですから……しかしアレでは近づけませんね」

ステイル 「彼女……おそらく超電磁砲だよ。素手の君と渡り合ってるし」

神裂 (第一位と戦った後ではそれほど凄いと実感もありませんが……あの黒い剣はどうしたものか)

御坂は砂鉄の剣を常時ミキサー状に展開
攻防両方の役割を成すことで、神裂の超高速の動きが何時来てもいいように備えた

神裂 (七天七刀なら彼女の硬度にも負けない……切り裂けるでしょう。しかしそれだと勢い余って彼女を傷つけかねませんね)

突如、後方から何かが神裂のそばを横切った
ステイルの炎剣だ
砂鉄の剣は迫り来る炎剣を軽くなぎ払ったが、前方からは相当数のそれらが飛び交ってくる

ステイル 「神裂ッ! 彼女の黒い大剣はわずかだろうけどいつか形を崩す、そのときを狙えッ!」

神裂 「……協力感謝します」

294: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 18:32:28.51 ID:piGuz3+C0
ステイル 「……だぁぁッッ!!」

ステイルの両の手を振り下ろすことで、炎剣が速射される
魔力の供給が途切れない限り炎剣は無限に生成できる

砂鉄の剣と炎剣が衝突することで、砂鉄の結合が弱まり分散、黒い土煙のようなものが舞う
しかしそれだけで、形を崩すことまでには至らず、御坂の作り出す砂鉄の剣によるシールドは一向に弱まらない

ステイル 「くっ……やはり威力が足りないか? 数で攻めればどうにかなるとは思ったが」

御坂 (……後は痺れを切らしてやつらが突っ込んでくるのを待つだけ ……!? あのお姉さんがいない!?)

ある不安要素を思うかべる御坂
砂鉄の剣は御坂を中心に高速回転させながら形成することで、攻防一体を成す非常に優れた技だが欠点がある

御坂 (……上はノーガードッッ!? あいつの炎のせいでレーダーの探知を逃ていたとしたらッッ!!?)

炎剣に注意を払いながらも頭上を見上げる御坂
しかし、そこには青空が見えるだけで神裂の姿は見当たらない

御坂 (じゃあ一体何処にッッ!?)

神裂 「ここですよ」

頭上ではなく、真下から聞き覚えのある声が聞こえた

296: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 18:44:12.23 ID:piGuz3+C0
まるで火山が噴火したかのように、御坂が立っている場のコンクリートが叩き割れる

砂鉄剣の有効範囲を地中より通り抜け、神裂が姿を現した

御坂 「も、土竜かあんたは……」

神裂 「服が土まみれですね……さて、眠っていたきますよ」

確実に意識を分断させようと手刀を繰り出す
何の策を講じることも出来ず、御坂は反射的に目を瞑る

が、手刀と御坂の間に何者かの腕が割り込み、その殴打を遮る
神裂はまるで自身の攻撃がフィードバックしたかのような錯覚に襲われ、半歩ほど退いた

一方通行 「はいそこまでェ」

御坂 「あ、あんた……何で……」

神裂 「……今の感覚はどこかで、と思いましたがやはりあなたでしたか」

一方通行 「俺だけじゃねェ」

土御門 「一日ぶりにゃー、ねーちんとステイル」

ミサカ 「お姉さますいません……とミサカは謝りながら登場します」

御坂 「これはどういうこと……?」

土御門 「説明タイムにゃー」

300: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 18:53:24.75 ID:piGuz3+C0
御坂 「…………」

黒子 「ま、魔術と申されましても……」

御坂 「ちょっと突拍子がなさすぎよねぇ……」

土御門 「じゃあそこは省いてかまわないにゃー。とりあえず上やんが勘違いしてるってことだけは分かったかにゃー?」

御坂 「えぇ、要するに告白の場を設けるために……その、あんたは……」

ミサカ 「すいませんお姉さまの気持ちは把握しているのですが……と、ミサカは後ろめたい気持ちで謝ります」

御坂 「別に謝らなくてもいいけどさ……あんたの気持ちはあんたの気持ちでってことなんだし」

ミサカ 「…………」

一方通行 「面倒な連中だな色恋沙汰で……オイお前ら、さっきは悪かったな」

ステイル 「気にしちゃいないさ」

黒子 「お詫びしますの」

御坂 「ごめんなさい……」

神裂 「私たちが望んでしたことですから、警備員にマークされてることだけはどうにか解除お願いしたいのですが」

303: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 19:00:41.85 ID:piGuz3+C0
黒子 「どうにか上に掛け合ってみますの、では先に戻りますわ」 シュッ

神裂 「お願いします」

ステイル 「さて、後一仕事残ってるね」

一方通行 「三下に吹っとばされるってやつか……アイツ結構力あるから痛ェぜ?」

ステイル 「ふふ、もうすでに実感済みだよ」

土御門 「上やんが目覚めるの待って病院戻るとしますかにゃー」








上条 「おのれ魔術師ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃッッッ!!」

ステイル 「……えっ」

神裂 「……戻るまでも無く直に来ましたね」

306: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 19:09:24.78 ID:piGuz3+C0
ステイル 「土御門、サングラス貸してくれないか? 神裂が変装しなければならないからね」

土御門 「俺のアイデンディティーが……はいぜよ」 ヒョイ

神裂 「ちょっとステイル! あなたはしないのですか!?」

ステイル 「僕は設定上もう死んでるし、頑張りたまえ」


上条 「テメェよくも御坂妹をッッ!!」

ミサカ 「マズい……とミサカはうっかり声を漏らします」

上条 「あれ御坂妹……?」

御坂 「こちらにいるのはミサカ10058号です、とミサカは懇切丁寧にあんたに説明します」

上条 「あぁそうだよな……あいつは魔術にかかって眠ってるしここにいるわけないよな」

ミサカ (お姉さま感謝します、とミサカはお姉さままで妹達になりきらなくてもいいのに……と思いながらも礼を述べます)

魔術師 「私を見事殴ってみなさい! 上条当麻ッッ!!」

ステイル (神裂……殴られるの前提とはいえそれじゃ変な発言に聞こえるよ)

315: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 19:46:36.78 ID:piGuz3+C0
上条 「そッげッぶッッ!!」

魔術師 「ぶひぃっ!!?」 バキィッッ!!

上条 「そぉぉぉ……うげッぶッッ!!」

魔術師 「はぐぅっ!!?」 バキィッッ!!

上条 「そげぶそげぶそげぶそげぶそげぶそげぶそげぶ……」

魔術師 「……ぅぅ」 バキィッッ!! バキィッッ!! バキィッッ!! バキィッッ! バキィッッ!!

上条 「そぉぉぉぉぉげぶぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッッッ!!!」

魔術師 「」 バキィィィィィィィィッッッ!!!

上条 「……ふぅ」

魔術師 「」

上条 「敵は討ったぜ……神裂」


ステイル (何あれ怖い)

土御門 「欠陥電気、俺の部屋に戻っとくにゃー。上やんもこの後向かうだろうから」

ミサカ 「分かりました、とミサカは了解します」

一方通行 「俺が運ンでくわ。そっちのが速いだろ?」

318: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 19:55:19.08 ID:piGuz3+C0
ミサカ 「一方通行にですか……とミサカは若干引きます」

一方通行 「うっせェな……テメェがのろのろ歩いてたら三下に追い抜かれるかもしれねェだろ?」

土御門 「俺の部屋分からないだろ? 俺も一緒に行くわ」

一方通行 「いンや十分だ。お前の家にはもう打ち止めとシスターがいるだろうし、妹達一人いれば十分だ」

土御門 「じゃあ俺らは後からそっち行くにゃー」

一方通行 「おゥ」 シュン

ミサカ 「ありがとうございます、とミサカは一方通行に抱きかかえられながらお礼を述べます」 シュン


上条 「ふぅ……これで魔術師による被害は食い止められるな」

土御門 「お疲れにゃー上やん」

上条 「気のせいだと思うんだけどさっきここに一方通行いなかったか?」

土御門 「あいつがこんなところにいるわけにゃいだろ。俺の部屋行くにゃー、欠陥電気のやつがお前を待ってる」

神裂 「上条当麻」 ボロボロ

上条 「神裂!? 生きてたのか!!?」

神裂 「えぇなんとか……ボロボロにされてしまいましたが」 (あなたのせいで)

325: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 20:02:20.14 ID:piGuz3+C0
上条 「生きてて良かったよ……お前を病院に連れてかなきゃ!」

ステイル 「彼女は僕が運んでいくよ……君は魔術を掛けられたという少女の元に向かうといい」

上条 「本当に大丈夫なのか……?」

神裂 「元より身体が頑丈な私の心配をするよりあの少女の心配をしてください」

土御門 「そういうわけだ、欠陥電気のほう行くことにするぜよ」

御坂 「わ、私も同行してよろしいでしょうか? とミサカはお二人に許可を求めます」

上条 「お前も妹達のことが心配だよな……よし一緒に行こうぜ」

御坂 「…………」

土御門 (修羅場になったりしないよな? いやいや意外と分別あるやつだとは思うぜよ……第三位)

328: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 20:09:18.87 ID:piGuz3+C0
【とある学生寮 土御門の部屋】

インデックス 「あっ、お帰りなんだよ!」

打ち止め 「さっさと横になって病人の振りしなきゃ! ってミサカはミサカは急かしてみる!!」

ミサカ 「はい、とミサカはその提案を受け入れ横になります」

一方通行 「……じゃあ俺らはこの家出ようぜ。いても邪魔なだけだろ」

インデックス 「告白の場で余計な茶々は要らないんだよ!」

打ち止め 「じゃあ頑張ってねー! ってミサカはミサカは下位固体を励ましてみたり!!」

ミサカ 「待ってください! とミサカは三人を呼び止めます」

一方通行 「ンだよ?」

ミサカ 「ミサカは昨日の今日で多くの人に迷惑をかけました……
     だからせめて事の行く末をあなた達に見守って欲しいんです、とミサカは必死で呼び止めます」

インデックス 「……迷惑かかっただんてこれっぽちも思ってないけど、まぁクールビューティがそういうならお言葉に甘えてみるんだよ!」

一方通行 「……適当な場所に隠れるとするわ。いくぞ」

打ち止め 「あなたは細いから隠れやすいね! ってミサカはミサカはあなたをからかって……痛いっ! 殴らないでよ!!」 ボカ

333: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 20:14:54.93 ID:piGuz3+C0
上条 「御坂妹っ!」

ミサカ 「…………」

土御門 「悩みを聞いてやるぜよ。そしたら欠陥電気の魔術も消え去るから」

御坂 (いまだに魔術の設定が良く分からないわね……)





上条 「御坂妹……聞こえるか?」

ミサカ 「……は、はい。とミサカはかすれた声で返事をします」

上条 「信じられないかもしれないけどお前は今魔術にかかってるんだ」

ミサカ 「……魔術? とミサカは首を傾げます」

上条 「あぁ魔術だ。それを解除するにはお前の抱えてる悩みを解消するしかないんだ」

ミサカ 「悩み……」

上条 「お前の悩み、俺に打ち明けてくれないか?」

339: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 20:22:31.37 ID:piGuz3+C0
ミサカ 「…………」

上条 「…………」

ミサカ 「……ミサカの」

上条 「!」

ミサカ 「……あなたが私たちの目の前に現れてより、ミサカの思考はあるもやでいっぱいでした
       とミサカは振り返ってみます」

上条 「もや? それが悩みか?」

ミサカ 「はい、ミサカのそれは二十四時間一日中まとわりついて、気持ち悪いことこの上ありません
     とミサカは状況を抽象的に説明します」

上条 (たしかにちょっと要領得ないな……もやだけだと)

ミサカ 「でも、そのもやはある状況下においてあっさりと消え去り、ミサカの心は
     台風が過ぎ去った翌日のように晴れやかな気分になるのです、とミサカは説明します」

上条 「ある状況下?」

ミサカ 「えぇ、彼を見るとミサカはたまらなくなるのです、とミサカは恥ずかしながらも説明します」

344: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 20:29:40.81 ID:piGuz3+C0
上条 「彼?」 (もしかして御坂妹の悩みって恋愛関係か?)

ミサカ 「ミサカは生まれてまだ間もないです、学習装置によって植えつけられた知識のみでは
     その感情を形容するには経験が足りません、とミサカはミサカが説明できないことを説明します」

上条 「……あぁたぶんだな、その感情は恋だぞ」

ミサカ 「恋……? とミサカはあなたの言葉を復唱します」

上条 「あぁ恋だ。俺も今、御坂に夢中だからよく分かる」

御坂 (!!?)

ミサカ 「……そうですか、ミサカは恋に思い悩まされていたのですね、とミサカは実感します」

上条 「お前の悩みって……」

ミサカ 「はい、ミサカはこのもやを晴らしたいのです、とミサカは内容を端的に述べます」

上条 「そっか、じゃあその彼ってやつに告れ。それが一番いい」

ミサカ 「…………」

上条 「……御坂妹?」

ミサカ 「……分かりました、とミサカはあなたの提案を受け入れます」

353: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 20:39:00.19 ID:piGuz3+C0
ミサカ 「ミサカ検体番号10032号は上条当麻に好意を寄せています、とミサカは告白してみます」

上条 「…………」

ミサカ 「返事をお聞かせください、とミサカは懇願します」

上条 「…………」

ミサカ 「…………」

上条 「……御坂妹」

ミサカ 「はい、とミサカは涙声で返事をします」

上条 「…………」

ミサカ 「…………」

上条 「俺はだな―――





356: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 20:44:54.62 ID:piGuz3+C0




【翌日 とある病院 とある病室】

土御門 「お見舞いだにゃーねーちん。はい果物」

ステイル 「残念。今朝方僕もお見舞いに果物を用意したばかりでね」

土御門 「タイミング悪いにゃー」

神裂 「お二人のを美味しくいただきますので安心してください。安心してって変ですけど」

土御門 「……結局俺たちのしたことは正しかったのかにゃー?」

ステイル 「正しいわけないじゃないか。僕たちのエゴだったんだし」

神裂 「御坂妹さんを残念な結果に終わらせてしまったのは紛れも無く私たちのせいですからね」

ステイル 「あのまま少しずつ交友を深めていれば、もしかしたらということもあったかもしれないし」

土御門 「…………」

359: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 20:56:19.55 ID:piGuz3+C0
ステイル 「上条当麻は今どうしてる?」

土御門 「偶然とはいえ気持ちをポロりしちゃったからにゃー、お互い両思いって分かったことで 
      第三位のやつと仲良くしてるぜよ。付き合ってるかどうかまでは分からないけど」

神裂 「上条当麻にとってはハッピーエンドというわけですね」

ステイル 「コレで僕たちは正真正銘のヒールだね……ま、こうなることも薄々覚悟してたけど」



【黄泉川邸】


打ち止め 「10032号……ってミサカはミサカはうっかりもらしてみる……」

一方通行 「自覚してる時点でうっかりでもなんでもねェだろ」

打ち止め 「ミサカたちのしたことって本当にするべきだったのかな? ってミサカはミサカはたずねてみる」

一方通行 「元々妹達はよォ寿命がひ……」

打ち止め 「いいよあんまり気にしてないし、ってミサカはミサカは続投即答」

一方通行 「……妹達ってのは総じて寿命が短いじゃねェか。やれることは早いうちにしといたほうがいいと俺は思うがな」

打ち止め 「…………」

一方通行 「別にそのことが免罪符になンざなりゃしねェけどよ。俺はしない後悔よりする後悔だと思ったぜ? 結果は最悪だけどな」

363: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 21:03:36.33 ID:piGuz3+C0
【とある路上】

インデックス 「……あっ」

ミサカ 「先日はどうも、とミサカは出会いがしらの挨拶をします」

インデックス 「クールビューティ、昨日はごめんなんだよ……」

ミサカ 「何処へ向かっているのですか? とミサカは質問を投げかけてみます」

インデックス 「かおりのところ、昨日入院しちゃったしそのお見舞いなんだよ」

ミサカ 「そうですかそれはちょうどよかったです、とミサカは安堵します」

インデックス 「?」



【とある病院 とある病室】

ミサカ 「失礼します、とミサカは一言申し入室します」

インデックス 「お邪魔するんだよー」

ステイル 「み!?」

神裂 「御坂妹さん……」


365: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 21:12:38.61 ID:piGuz3+C0
ステイル 「……先日は本当に済まなかったね。出すぎに出すぎたマネをして君を傷つけてしまった」

神裂 「許しを得ようとは思いません。ただ謝らせてください」

土御門 「すまんにゃー」

神裂 「にゃーじゃないです」

土御門 「すいません」

ミサカ 「…………」

インデックス 「……クールビューティ」

ミサカ 「……先ず初めにすいませんでした、とミサカは深々と頭を下げます」

ステイル 「へっ?」

神裂 「何故あなたが謝るんです」

ミサカ 「昨日一日……またあのときのもやとは違う、抑えようのない感情がミサカを襲い苦しめました
     彼に手が届かなくなったという喪失感……心に穴が開いたかのような虚無感……そして理不尽な怒り」

インデックス 「…………」

ミサカ 「ミサカに対する怒り……そしてその中に……すいません。
     一瞬だけですが……協力してくださったあなた達に対して理不尽な怒りを感じてしまったのです、とミサカは正直に、告白します」

375: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 21:23:10.85 ID:piGuz3+C0
ミサカ 「本当に、本当にすいませんでした、とミサカは……」 グスッ 

インデックス (短髪が……泣いてる?)

ステイル 「いやちょっと泣かないでくれ! 君の非難は浴びる覚悟だったが、君に謝られる覚えは無いぞ全く!」

神裂 「あなたの感じたその怒りは最もなんですよ? 何処の誰とも知らないものに横槍を入れられて恋路を邪魔されたのですから」

ミサカ 「ただそのことを謝っておきたかっただけです……そしてこれからが本題です、とミサカはケロっと立ち直ります」

インデックス (やっぱり泣いてたように見えたのは気のせいだったのかな? クールビューティだしそれはないかも)
 
土御門 「本題?」

ミサカ 「先日はみな…… 

打ち止め 「お見舞いに来ました! ってミサカはミサカはドアをドカンとぶち破ってみるっ!」

一方通行 「お前の力じゃできねェだろそれ……ンで何だこの空気?」

ミサカ 「…………」 

387: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 21:43:52.18 ID:piGuz3+C0
一方通行 「……目赤いぞお前?」

ミサカ 「赤くありません! とミサカは必死で弁……それより一方通行と上位固体もお聞きください」

打ち止め 「どしたの? ってミサカはミサカは聞いてみる」

ミサカ 「先日はどうもありがとうございました、とミサカは心よりお礼申し上げます」

ステイル 「…………」

ミサカ 「ミサカは確かにミサカが望む理想的な結果にはたどり着きませんでした、とミサカは事実を述べます」

ミサカ 「失ったものはあります。しかしミサカはこの結果を受け入れることに抵抗はありません、とミサカは感想を述べます」

ミサカ 「あなた達に出会え、優しさを授かった。
     名前も姿も知らなかった方、お世辞にも仲がいいとはいえなかった方……と、ミサカは列挙します」

ミサカ 「決してこの結果に満足はしていません、でも決して悪いことばかりではありませんでした、とミサカは本音を述べます」

ミサカ 「人はそれを『逃げ』と呼ぶかもしれない、確かにそうなのかもしれない、とミサカは自身を分析します」

ミサカ 「しかしミサカはこの結果に満足はしなくても悔いはない
     ですからあなた達からもらったぶんの優しさ、情熱、思いやり……ミサカはそれに感謝したい、恩返ししたいのです、とミサカはここに来た目的を口にします」 

ミサカ 「本当にありがとうございました、とミサカは……」 グスグス 

一方通行 「……何泣いンだアホらしい」


391: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 21:53:07.44 ID:piGuz3+C0
ミサカ 「…………」 グスグス

ステイル 「…………」

神裂 「…………」

土御門 「……あー、そういえばねーちんとステイル学園都市観光したいって言ってたにゃー?」

ステイル 「えっ? ……あぁうん」

土御門 「欠陥……御坂妹! こいつら案内してやれにゃー!」

ミサカ 「……ミサカが、ですか? とミサカは思いもがけない指名に少し驚きます」 グスグス

打ち止め 「じゃあセブンスミスト行こっ! ってミサカはミサカは提案してみる!!」

インデックス 「インデックスもなんだよ! 美味しいご飯いっぱい食べたいんだよ!!」

一方通行 「打ち止めェ! ンでお前が……」 

打ち止め 「新しいお洋服欲しい! ってミサカはミサカはおねだりしてみたり!!」

一方通行 「……だったら俺もついてかなきゃ行かないだろうがァ、支払いあるしよ」

ミサカ 「……へ? とミサカはマヌケな声をもらします」

ステイル 「ぼうっとしてないで一緒に遊びに行こうじゃないか、御坂妹くん?」

395: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 22:03:10.67 ID:piGuz3+C0
土御門 「こいつらもうすぐしたら外国帰っちゃうにゃー! 今の内遊んどけいっ!」

ミサカ 「は、はいっ! とミサカは上位固体ばりにハキハキとした声を発します」

神裂 「では私も学園都市のお洋服とやらを見て回りたいですね……術式用に改造するのがオチだとは思いますが」

打ち止め 「やらしい目でみちゃ駄目だよ! ってミサカはミサカは注意を促してみたり!!」

一方通行 「見るわけないだろボケ、黄泉川見てもなンとも思わないンだぜ?」

ステイル 「だったら僕はこっちの煙草を味わってみたいな……」

ミサカ 「あなたの年齢では法律の適用範囲から外れています、とミサカは警告します」

ステイル 「な、何だってっ!?  くそっ、なんて国なんだ!!」


上条 「楽しそーだな、あいつら」

御坂 「そうね」

上条 「結局よぉ……正しいとか正しくないとかってないんじゃないか?」

御坂 「えぇ、どんな結果に落ち着こうが受け入れちゃうものだもの。」

上条 「結果を出すことすら諦め、何もせず動かないのが一番駄目って事かぁ」

御坂 「あんたの勘違いはそれとタメ張れるくらい駄目だったけどね」

上条 「悪かったって……」

398: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/14(水) 22:12:45.90 ID:piGuz3+C0
【とある病院 入り口前】

打ち止め 「しゅっぱつしんこー! ってミサカはミサカは号令をかけてみたり!!」

インデックス 「私も掛けたいんだよー! ってインデックスはインデックスはむくれてみるんだよ!!」

打ち止め 「まねするなー! ってミサカはミサカは憤慨してみる!!」

一方通行 「何してンだあいつら……」 

神裂 「セブンスミストというのはデパートなのですか?」

一方通行 「妹達に聞けよ。こいつらミサカネットワークで何でも知ってやがるから」

ミサカ 「セブンスミストというのは今年で創立7年目を迎えたデパートです。客層を幅広く取り入れるため……

一方通行 「ンな長ったらしい説明は要らねェ!」

ステイル 「物知りなんだね御坂妹くんは」

ミサカ 「いえいえ、とミサカは若干照れます」



ミサカ (最善の結果になるとは限らないと理解していても、最善の行動は常にとりたいものです、とミサカは一人考えます)

ミサカ (目に見えない宝物などそこらじゅうに散らばっているのですから、とミサカはこの人たちをチラリと見ながら思いましたとさ)

                                                            
                                                           おわり

引用元: 上条 「御坂可愛い」 ミサカ 「外見がミサカですから、とミ(ry