1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 00:14:46.34 ID:SQ0HK3tMP
老人はそう呟いた


これはある一人の青年の物語

はじまりはじまり




3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 00:20:52.81 ID:SQ0HK3tMP
男「うう………今日は寒いな…」ブルブル

男「さっさと帰ろう」スタスタ

ドンッ

男「いてっ」

通行人「ん?」

男「す、すみません…」

通行人「??」スタスタ

男「なっ…」

男「おいちょっとあんた!」

通行人「…」スタスタ

男「チッ…無視かよ、気分わりぃな…」

男「…さむっ」スタスタ

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 00:25:47.25 ID:SQ0HK3tMP
男「ただいまー」ガチャ

母親「おかえり、学校はどうだった?」

男「まあ別に普通だよ」

母親「そう、もうすぐご飯できるからね」

男「はーい」ドタドタ

男「はぁ~寒い」ドサッ

男「そういや明日課題の提出日だったか」

男「…」

男「やるか…」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 00:30:38.47 ID:SQ0HK3tMP
次の日

男「おはよう」

友「おうもやし野郎」

女「おはよう」

男「うん」

友「相変わらず今日も冴えねーな」

男「うるさいな」

女「まずそのダッサイ眼鏡どうにかしたら?」

男「もうその話はいいよ」

男「気に入ってるって言っただろ」

友「はっ、その眼鏡のどこがいいんだよ」

男「ほっとけ……」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 00:35:57.71 ID:SQ0HK3tMP
講義後

男「はぁ~…やっと終わった」

男「…」

男「あれ、今日課題提出日だよな?」

男「なあ、今回の課題って自分で出しに行くのか?」

友「は?何言ってんだ?さっき集めてたじゃねえか」

男「え?」

女「担当の子が声かけて回ってたわよ?」

男「嘘だろ?」

男「……俺声かけられてないぞ?」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 00:39:56.47 ID:SQ0HK3tMP
女「あんた存在感ないから気づかなかったんじゃない?」

男「そんなこと…」

友「案外わざと無視されたりしてな」

男「…」

女「ま、ボーッとしてたあんたがわるいのよ」

男「もういいよ、自分で出しに行くから…」ガタッ

男「なんだよ…」スタスタ

男「俺はそんなに存在感がないかよ」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 00:46:01.64 ID:SQ0HK3tMP
男「失礼します、課題を…」ガチャ

教授「いやそれはわかっているが…」

男「(電話中か…)」

男「課題ここにおいておきますね」

教授「そう……うん……そうだな」

男「教授?」ブンブン

教授「だからそれは…」

男「(電話に夢中なのか?)」

男「(目や仕草で返してくれてもいいだろ…)」

男「じゃあ置いておきますんで!」

教授「違うと言っているだろ!」

男「……なんだよ」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 00:51:39.29 ID:SQ0HK3tMP
男「今日もさみぃな…」

男「…」

男「ったくなんだよあの教授…」

男「ムカつ」

男「わっ!」ヒョイ

男「あぶねーな!ぶつかるところだっ」

ドンッ

男「いでっ!」

通行人「え?」

男「どこみてんだよおっさん!」

通行人「……?」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 00:55:49.55 ID:SQ0HK3tMP
男「てめえもだよ」クルッ

男「ぁ……」

男「もういっちまったか…」

男「まあいい…おいおっさん!」

男「そっちからぶつかっといて謝罪の一言もないのかよ」

通行人「き、気のせいか…??」スタスタ

男「なっ…」

男「無視とはいい度胸だな…」

男「おい!待ちやがれ!」グイッ

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 00:59:06.82 ID:SQ0HK3tMP
通行人「わっ!?」

男「話は終わってねえだろ?」

通行人「な、なんだ?」

男「なんだじゃねえよ、ぶつかってきたのはそっちだろ!?」ガシッ

通行人「ひぃっ!?」

男「謝罪ぐらい…」

通行人「う、うわあああああ!」ダッ

男「お、おい!!」

男「…」

男「ちょっとやり過ぎたか…?」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 01:03:23.00 ID:SQ0HK3tMP
男「ただいまー」ガチャ

母親「おかえり、今日も寒いわね」

男「うん」ドタドタ

ガチャ

男「ふぅ…」ドサッ

男「…」

男「(あのおっさんなんだか変だったな…)」

男「(わけがわからないって顔してた)」

男「………」

男「まあいっか…」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 01:08:28.48 ID:SQ0HK3tMP
次の日

男「あっぶねー!遅刻するところだった!」

男「おはよ…」

友「あれ?今日もやし野郎は休みか?」

男「……え?」

女「ほんとね、どうしたのかしら?」

男「い、いや今来ただろ?」

男「ここにいるじゃねえか!」

友「まあ、もやしだからな」

友「この寒さで風邪でもひいたんだろ」

女「きっとそうね」

男「お前ら何言って…」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 01:13:01.31 ID:SQ0HK3tMP
女「もう講義が始まるわ」

男「お、おい…」グイッ

女「痛いわね!何よ?」

男「いやお前ら…」

女「ちょっと!」

友「ん?」

女「なにすんのよ!」

男「え?」

友「いや…なんにもしてねぇけど?」

女「はぁ?今わたしの肩引っ張ったじゃない」

友「そんなことしてねえよ」

男「……?」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 01:18:24.90 ID:SQ0HK3tMP
女「しらばっくれないでよ」

友「いやだからしてねえって!」

男「な、なあ!おい!」ガシッ

友「!?」

男「なんなんだよ!どういうつもりだよ!?」ガクガク

友「なっ、えっ!?えっ!?」

女「何あんた震えてんのよ…」

友「いや…なんか誰かに掴まれて…」

女「何をバカなことを…もういいわよ」

友「………?」

男「……なんで?」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 01:22:51.81 ID:SQ0HK3tMP
次の日

母親「そろそろ学校でしょ?早く支度しなさい」

男「うん…」

母親「どうしたの?」

男「いやなんでもないよ…」

母親「そう…?」

男「(なんであいつら俺を無視したんだ…)」

男「(俺は何かしたのか…?)」

男「学校行きたくねえな…」

男「はぁ…」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 01:29:33.79 ID:SQ0HK3tMP
男「結局サボっちまった」

男「…」

男「お、パン屋か…なんか買って行こうかな」

男「えーっと…コレとコレと……」

男「ほい、頼むよおっちゃん」コトッ

店主「………」

男「おいおっちゃん!テレビばっか見てないで店番しろよ!」

店主「………」

男「おいってば!」

店主「………」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 01:32:28.69 ID:SQ0HK3tMP
男「いい加減にしろ!!」ドンッ

店主「!?」ビクッ

男「客が来てんだぞ!」

店主「な、なんだ?」

男「早くしろよ」

店主「気のせいか……」

男「お、おい…」

店主「………」

男「なんだってんだ!!クソ野郎!!」

男「金置いてくからな!!」バンッ

男「潰れちまえこんな店!!」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 01:36:01.69 ID:SQ0HK3tMP
男「ただいま…」ガチャ

母親「あら、早かったわね」

男「ちょっとね…」ドタドタ

ガチャ

男「なんだよクソッ!」

男「世の中クソ野郎ばっかだ!」

男「街の奴らも…学校の奴らも!」

男「みんなクソだ!!」

男「……」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 01:39:19.49 ID:SQ0HK3tMP
男「なんでなんだよ…」

男「みんなまるで俺がいないみたいに…」

男「急に…」

男「そりゃもともと存在感は無かったけどさ…」

男「…」

男「(まさか本当に見えなくなって…?)」

男「……そんなわけないか」


39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 01:44:06.68 ID:SQ0HK3tMP
次の日

母親「そろそろ起きなさい」ガチャ

男「ん……ぁ……ああ…」

母親「あら?いないわ…」

男「………え?」

母親「あの子ったらどこいったのかしら…」

男「おい…母さん?」

母親「トイレかしら…」スタスタ

男「ま、待てよ母さん…母さん!」バッ

母親「いないわねぇ…一体どこに…」

男「母さん…?俺はここにいるだろ!?」ガシッ

母親「キャッ!」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 01:49:40.81 ID:SQ0HK3tMP
母親「なっ、なに!?」バッ

男「…え?」

母親「今のは…?」

男「嘘だろ…なあ!?」ガシッ

母親「キャァ!!や、やめて!!何っ!?誰なの!?」バタバタ

男「そんな……」パッ

母親「はぁ……はぁ……誰かいるの!?」

男「母さんまで…」

母親「あなたが息子をさらったのね!?」

母親「あなたが息子をさらったのね!?」

男「母さん……」

男「くっ…!」ダッ

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 01:53:08.75 ID:SQ0HK3tMP
男「なんで……なんで母さんまで……」

男「…」

男「本当に俺は誰にも見えなくなったのか…?」

男「嘘だろ…?」

男「……」

男「なあちょっとあんた」

通行人「…」スタスタ

男「……」

男「俺……」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 01:55:53.73 ID:SQ0HK3tMP
男「……」トボトボ

男「いきなり見えなくなったなんて…」

男「そんなバカな話があるかよ」

男「…」

男「きっと夢なんだ」

男「起きたらまた普通の生活に戻ってるさ」

男「うん…きっとそうだ…」

男「……帰って寝よう」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 02:00:47.71 ID:SQ0HK3tMP
男「え…警察?」

男「なんで俺の家に…?」

男「まさか…」

男「母さん!」ガチャ

男「なにがっ…!?」

刑事「いやぁ、奥さん」

刑事「いきなり見えない誰かが息子を連れ去ったと言われましても…」

母親「本当なんです!」

母親「実際に私も襲われたんですよ!?」

刑事「ですがねぇ…」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 02:05:08.58 ID:SQ0HK3tMP
男「母さん!刑事さん!俺はここにいるよ!」

母さん「探して下さい!可愛い息子なんです!!」

刑事「お気持ちはわかりますが…」

刑事「きっと家出か何かですよ」

母親「そんなっ…」

男「もういいよ母さん…」

男「刑事さん、帰って下さい…」グイッ

刑事「なっ…!?」

刑事「何事だ!?」バッ

男「いいから帰って下さいよ!」ドンッ


47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 02:09:25.50 ID:SQ0HK3tMP
刑事「くっ…!」

刑事「本当に…誰か…いるのか?」

母親「きっと今朝私を襲った犯人ですわ!」

男「母さん!」

刑事「まさか…」チャキッ

男「もうやめてくれ!帰ってくれよ!」グイッ

刑事「くっ…!」

刑事「この野郎!」

パンッ

男「がっ……!?」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 02:13:23.96 ID:SQ0HK3tMP
刑事「やったか……?」

男「う、撃ちやがった……くっ…」ガタッ

母親「そこですわ!」

刑事「くそっ!!」

パンッ パンッ

男「ば、馬鹿野郎!殺す気か!?」

母親「………ゃく」

男「…え?」

母親「早くそいつを撃ち殺してください!!」

男「……………………母さん?」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 02:18:22.82 ID:SQ0HK3tMP
刑事「しかし姿が見えなくては…!」

母親「いいから早く殺して!!」

男「……」

男「……くそ……くそっ!」

男「くそおおおおおおお!!!」ドンッ

刑事「ぐっ…!」ドサッ

ガチャ

母親「!?」

母親「逃げましたわ……逃げたんですわ!!!」

母親「早くあいつを追って!!!」


52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 02:21:52.65 ID:SQ0HK3tMP
男「はぁっ…はぁっ…」タッタッタッ

男「母さん…母さん…母さん!!!」

男「くそっ!!」

男「なんだよ……なんだよこれ!!?」

男「はぁ…はぁ…」

男「…」

男「傷が痛い……」

男「夢じゃないのか………」

男「どうして………」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 02:27:33.35 ID:SQ0HK3tMP
男「あは…….あはは……」

男「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!!!」

男「いいじゃないか!」

男「誰にも見えないんだ!」

男「何してもいい……」

男「警察だって俺が見えない…」

男「捕まえようがない」

男「ははっ…」

男「俺のことが見えなくなるようなヤツなんて…いらない」

男「そんな友達いらない」

男「母親も…」

男「いらない!!」

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 02:32:53.14 ID:SQ0HK3tMP
男「……」

男「まずは何をしようか…」

男「金でも盗むか?」

男「いやそもそも見えないんだ、金はいらないか」

男「なんでも盗み放題だもんな」

男「…」

男「誰かにいたずらするか…」

男「女でも襲うか…」

男「いざとなると何をするか迷うな…」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 02:38:46.08 ID:SQ0HK3tMP
男「うーん…」

男「…」スタスタ

男「ん?貸衣装屋?」

男「そういや服破れてたな」

男「どうせ見えないけど…」

男「…」

男「どうせ見えないなら変てこな服で街中歩いてやるか」

ガチャ

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 02:42:00.28 ID:SQ0HK3tMP
もうなんか不評だしすっ飛ばすわ

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 02:50:19.58 ID:SQ0HK3tMP
男「あーあ…」

男「もうやることやったなぁ…」

男「最初の頃は楽しかったのに…」

男「……」

男「つまんね……」

ペッ

男「うわっ!」ビチョッ

男「てめえ!良くもツバかけやがったな!」ガシッ

ヤンキー「なっ!?うわっ!!」

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 02:57:01.81 ID:SQ0HK3tMP
ヤンキー「な、なんだ!?」バタバタ

男「お返ししてやるよ」ペッ

ヤンキー「くっ…」ビチャ

男「はっ!ざまぁみや」

ヤンキー「クソッ!」ブンッ

男「がっ!?」ボコッ

ヤンキー「あ、あたった!」

ヤンキー「何かいやがるな!?」ブンッ

男「うっ……!」バキッ

男「くそっ……!」

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 03:02:37.23 ID:SQ0HK3tMP
男「この野郎!」ボスッ

ヤンキー「いっ……!」

男「くそっ!くそっ!」ボスッボスッ

ヤンキー「だぁっ!!!」ドンッ

男「がはっ…!」ドサッ

ヤンキー「ふ、ふん…なんだか知らねえがそんなへなちょこな攻撃が効くかよ!」

ヤンキー「おらっ!」ゲシッ

男「っ!!」

ヤンキー「おらっ!おらっ!」ゲシッゲシッ

男「や、やめ…」

ヤンキー「おらあ!!」バキッ

男「ぐあっ!!!」

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 03:08:22.07 ID:SQ0HK3tMP
ヤンキー「はっ…はっ……」

男「ぅ……くそ……」

ヤンキー「ざまあ…みやがれ…」

男「………」

男「殺してやる…」

男「殺してやる!!!」ジャキッ

ヤンキー「なんだ…もう終わりか?」

男「今殺してやるって言ってんだよ!!!!!」ドスッ

ヤンキー「ぐ……ぁ…」

男「ぁ…………あ……」

男「う、うわあああああああ!!」ダッ

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 03:14:12.97 ID:SQ0HK3tMP
男「いやだ……いやだいやだいやだ!!!」タッタッタッ

男「もういやだ!!!!!」

男「誰か……誰か……」

男「人を殺した!!!!!」

男「誰か捕まえてくれ!!!!!」

男「おいあんたっ!」ガシッ

通行人「ヒッ!?」ビクッ

男「俺は人を殺したんだ!通報だ!!警察を呼ぶんだ!!」ガクガク

通行人「う、うわああああ!!」バッ

男「…なんで」

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 03:17:06.10 ID:SQ0HK3tMP
男「おい…聞いてくれよ…」

男「人を殺したんだ……」

男「なあ!誰か!!」

男「………」

男「俺はここにいるんだ……」

男「俺はここにいる!!!!!」

男「誰でもいい!!誰でもいいんだ!!!!」

男「誰か俺を見つけてくれよおおおおおおお!!!!」

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 03:21:04.59 ID:SQ0HK3tMP
男「………」

男「もうダメだ……」

男「どうすりゃいいんだ…」

男「俺は……」

男「……」

男「こんな世界で…」

男「もう………」

男「……」

男「…………死のう」

86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 03:29:10.40 ID:SQ0HK3tMP
ビッグ・ベン 時計台上

男「この町ともお別れか…」

男「……」

男「街の人たち…友達……」

男「母さん……」

男「やっぱり俺寂しいよ…」

男「…」

男「いらないなんて言ってごめんな……」グッ

男「さよなら」バッ



               グシャッ

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 03:30:36.42 ID:SQ0HK3tMP
通行人「わっ…!」


通行人「な、なんだ……?なんか落ちて来たぞ?」


通行人「……絵本?」


 

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 03:37:13.95 ID:SQ0HK3tMP
男「ん……ぁ?」パチッ

老人「やっと目が覚めたか」

男「ぇ……?」

老人「それにしても凄い服装じゃの」

老人「ほとんど全身シマシマじゃないか」

男「あ、これは……」

男「いや…そうじゃなくて!」

男「あんた誰だよ!?俺が見えるのか!?」

老人「もちろんじゃ…名は白髭とでも呼んでくれ」

男「あんたふざけてんのか…?」

男「そもそも俺時計台から飛び降りて……」

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 03:41:39.84 ID:SQ0HK3tMP
老人「ふざけてなどいない」

老人「とりあえずこれをやろう」スッ

男「……は?」

男「杖?なんだこれ?」

老人「魔法の杖じゃ」

男「ふざけるのも大概にしろよジジイ!!」

老人「ふざけていないといっておる」

老人「お前は世界を救う為に選ばれた」

男「……は?」

老人「さあ行け、一つ目の世界じゃ」キュイイイン

男「お、おい……!!」スゥ

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/10(金) 03:46:22.82 ID:SQ0HK3tMP

青年は幾つもの異世界を救う旅に出る

誰にも見つけてもらえなかった青年は、誰もが探し求める人物となった

ひょろっとした身体
丸い眼鏡
赤と白のシマシマの服
魔法の杖

男の名はウォーリー


ウォーリー「俺を見つけてくれ!」

                 おわり

引用元: 老人「ふむ、この赤ん坊にしようかの」