3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/23(土) 23:44:08.20 ID:miQVzgB10
梓「だいぶ気が動転してたみたいだけど、唯先輩何の用事なんだろう」

梓「憂がご両親と海外旅行に行くって言ってたから、てっきり唯先輩も一緒かと思ってたけど」

梓「夏休みなのに全然練習してない理由はそこじゃないみたい」

梓「まぁ、純もジャズ研の練習で忙しいみたいで暇だったからちょうどいいかな」

ピンポーン ピンポーン

唯「待ってたよ、あずにゃ~~ん!」ガチャ

梓「おはようございます、唯先輩。突然どうしたんですか?」

唯「挨拶はいいから早く入って! 掃除機と洗濯機が反乱して台所が戦場なんだよ!」グイグイ

梓「痛た……言ってる意味はわかりませんが、大体の状況は掴めました……」





4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/23(土) 23:49:48.12 ID:miQVzgB10
梓「うわぁ……想像より酷い有様ですね。何したらこんなになるんですか?」

唯「別におかしなことはしてないよぉ。一気にやった方がいいかな、って思ったから全部にスイッチ入れただけだよ」

梓「はぁ。ちゃんと手順通りやらないと駄目じゃないですか。それでこのフライパンの中の炭は何ですか?」

唯「色々炒めちゃおうとしてて、火を点けてからギー太弾いてたらこんなことになってたんだよ」

梓「よく火事になりませんでしたね……とりあえず、一つずつ片付けていきましょう。唯先輩は散らばったゴミをまとめて下さい」

唯「ごめんね、あずにゃん」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/23(土) 23:54:24.77 ID:miQVzgB10
唯「やっと終わった~!」

梓「何とか元通りですね。それで聞きたいんですけど、唯先輩は旅行行かなかったんですか? てっきり家族全員で行ってるものだと思いましたよ」

唯「あぁ……」

梓「?」

唯「だって私……夏期講習があるから……それに受験生なんだから、遊んでばっかりじゃ駄目って憂に怒られちゃったし……」

梓「うーん、つい最近も夏フェス行きましたからね。それでお留守番してるってわけですか」

唯「そういうことなのです」

梓「いつ頃帰ってくるんですか?」

唯「えっとね、日曜の夜には帰ってくるって言ってたよ」

梓「今日は火曜日だから、まだまだですね。いつから行ってるんです?」

唯「一昨日の日曜から行ってるよ」

梓「たった二日間でこの有様ですか……」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/23(土) 23:59:05.25 ID:miQVzgB10
唯「そういえば憂がすっごい心配そうな様子だったよ。一週間くらいお留守番できるって言ってるのに。失礼だよね」

梓「全然出来てないじゃないですか。私が憂の立場でも心配で眠れませんよ」

唯「うぅ、あずにゃんも私を出来ない子扱いにする……」

梓「事実ですよ。こんなんじゃ憂に叱られますよ?」

唯「あぁ、それだけはご勘弁を~! お願いあずにゃん、憂が帰ってくるまで私を養って下さい!」

梓「えぇ!? でも私も勉強とかギターの練習とかしないと」

唯「一緒にやろうよ~! お願いだよ~!」グイグイ

梓「わ、わかりましたっ。わかりましたってばっ! もう、それじゃちゃんと用意してくるんで一度家に戻ります」

唯「やった~、あずにゃんと同棲だ~!」

梓「へ、変な言い方しないで下さい! じゃあ大人しく待ってて下さいね」

唯「は~い。あ、アイス買って来て~」

梓「行ってきます!!」ガチャバタン!

唯「ううぅ、あずにゃんが反抗期だよ~」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 00:02:01.38 ID:bRoSJjB30
梓「はぁ、まったく唯先輩はもう……」

梓「着替えと勉強道具と……あ、ギター忘れずに持っていかないと」

梓「ああ言ってはみたものの、どうせ暇だったから唯先輩と一緒に過ごせるならいいかな」

梓「ちょうどいい機会だから何事にも真面目に取り組んでもらえるようにしなきゃ」

梓「えっと、他に必要なものはあったかな。まぁ、その時にコンビニでも行けばいいか」

梓「そういえば唯先輩、アイス欲しがってたっけ。後で泣き付かれても面倒だしね」

梓「……私の分も買って行こう」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 00:07:44.62 ID:bRoSJjB30
ピンポーン ピン

唯「待ってたよ、あずにゃ~~ん!!」ガチャ

梓「わっ、びっくりした。どうしたんですか、その格好」

唯「あずにゃんがお泊りするから、気合入れて晩御飯作ってたんだけど」

梓「あー……」

唯「あの、その、台所が戦場で……」

梓「それはもう聞きました……それじゃ一緒に作りましょうか?」

唯「! あずにゃん、ありがと~!」

梓「わわっ、いきなり抱きつかないで下さい!」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 00:13:54.10 ID:bRoSJjB30
唯「ごちそうさまでした~」

梓「お粗末さまでした」

唯「あずにゃん、料理上手なんだね。憂に作ってもらったみたいだったよ」

梓「ちょっと前から憂に料理教わってたんです。こういう事もあろうかと、ってやつです」

唯「ふーん。あ、でも次は私が作るよ! お客さんにばっかり作らせてちゃあ平沢家の名がすたるってぇもんです!」

梓「は、はぁ。じゃあ過度の期待はしないでおきますね」

唯「うぅ~、何か風当たりきついよぉ~」

梓「それより明日も講習あるんでしょう。ちゃんと準備できてるんですか?」

唯「いやだねぇ、この子は~。そこまで人を疑っちゃいけないよ。ほら、受講証もちゃ~んと……あれ?」

梓「どうしたんですか?」

唯「いや、あのね……確かここに入れたはずなんだけど……」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 00:18:37.38 ID:bRoSJjB30
梓「まさか受講証無くしちゃったんですか!?」

唯「おっかしいなぁ、今日の講習の時まであったのに~」

梓「部屋にあるんじゃないですか?」

唯「あーそうかも。あずにゃんも探すの手伝ってくれる?」

梓「もう、仕方ないですね」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 00:23:12.30 ID:bRoSJjB30
梓「それにしても……」

唯「何? あ、そこ危ないよ」

梓「おっと。憂がいないからって、これはちょっと散らかしすぎじゃないですか?」

唯「え~? 結構普段通りなんだけどなぁ」

梓「余計に悪いです! 片付けを先にしないと、見つかるものも見つかりませんよ」

唯「ぶ~。あずにゃん、憂より厳しいよ~」

梓「ふぅ……大体片付きましたけど」

唯「受講証、見つからないね」

梓「どうするんです? このままじゃ……あ、唯先輩の携帯鳴ってますよ」

唯「お、りっちゃんからだ~。もしもし、りっちゃ~ん? どうしたの」

唯「え、そうなんだ。うん、ありがと~! それじゃあね」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 00:28:07.73 ID:bRoSJjB30
梓「律先輩、何だったんですか?」

唯「受講証、りっちゃんが持ってたんだ。私が持ってたら忘れそうだから、りっちゃんに預けておいたの忘れてました!」

梓「それじゃ意味無いじゃないですか……でも、何でわざわざ電話を?」

唯「唯の事だから受講証がない! って大騒ぎしてる頃だろうなー、と思ってだって。ひっどいよねー」

梓「完全に行動パターンを読まれてるじゃないですか。そもそも自分で管理してたら大騒ぎする必要はなかったんですよ」

唯「ううぅ」

梓「憂がいない間、私が責任を持って唯先輩の面倒を見させてもらいますから」

唯「え、わ~い。それじゃあ早速アイス食べようよ~」

梓「そうですね……それじゃあ明日の予習してからにしましょう」

唯「えぇ!? いいよ~、外でも勉強、家でも勉強じゃ破裂しちゃうよ~」

梓「これが受験生のセリフですか……いいから始めて下さい。私も自分の勉強しますから」

唯「あずにゃんのケチ~!」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 00:34:17.47 ID:bRoSJjB30
梓「――それじゃあ、そろそろ寝ましょうか」

唯「そだね~。あずにゃんもベッドで寝る?」

梓「ベッドは唯先輩のじゃないですか。私は床で結構ですよ」

唯「もう、愛いやつよのぅ~。一緒に寝ようよ~」

梓「け、結構ですっ! もう電気消しますよ!」

唯「あ~う~、あずにゃん厳し過ぎだよ~」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 00:39:39.29 ID:bRoSJjB30
水曜日!


梓「――唯先輩! 唯先輩!!」

唯「ん~……うい~? あと10分……」

梓「憂じゃないですよ、梓です! 唯先輩!」

唯「あ~、あずにゃんだ~。何か用~?」

梓「朝ですよ! もー、何でそんなにいっつもだらしないんですか!?」

唯「まだ早いよ~、世間は夏休みなんだよ~」

梓「唯先輩は夏期講習に行くんでしょう! ほら、朝食もできてますから!」

唯「あうぅ~、すまないね~」

梓「平沢家の名がすたるんじゃなかったんですか? ああ、それカバンじゃなくて枕ですよ! もう!」

唯「明日はしっかりやるよ~」

梓「朝から明日の話しないで下さい。とりあえず顔洗ってご飯食べて下さい」

唯「はいよー」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 00:45:14.65 ID:bRoSJjB30
梓「ふぅ。憂がどれだけ万能なのか身に染みて理解できてきた……」

梓「今日はどうしようかな。とりあえず掃除洗濯……買い物もしておこうかな」

梓「それから唯先輩が帰ってくるまで自分の勉強でもしてようっと」

梓「……それにしても唯先輩遅いな。唯せんぱーい! どれだけ時間掛かってるんですか? ごはん冷めちゃいますよ!」

唯「うーん……あ、この髪型どうかな、あずにゃん」

梓「え? 別に悪くないと思いますけど」

唯「うーん、そうかぁ。じゃあこれにしよっかなぁ。あ、でもでもこういうのもいいかな」

梓「普段の通りでいいんじゃないですか? って、何やってるんですか! のんびりしてる時間ないですよ!」

唯「えぇ~? あずにゃんには身支度に時間を掛ける乙女の心はないの?」

梓「それとこれとは関係ないです! 早くごはん食べて出発して下さい!」

唯「わわっ、は~い!」タッタッタッ

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 00:52:04.14 ID:bRoSJjB30
梓「まったくもう……」

梓「……私もたまには髪型変えた方がいいのかな……」

唯「あずにゃんはそのままが一番可愛いよ~」

梓「!! は、早く行って下さい!!」

唯「すっごいカミナリ! 行ってきま~す!」

梓「はぁ……はぁ…………もう」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 00:56:43.65 ID:bRoSJjB30
梓「お掃除、しようかな」

梓「――よくわかんない炭が部屋中に散らばってて大変だったな」

梓「あれで今までよくやってこれたなぁ。憂がいないとどうなっちゃうんだろう、この家」

梓「じゃあ次は天気もいいからお洗濯しちゃおう」

梓「唯先輩に任せたら色付いてるやつも一緒に洗いそうだもんね」

梓「あ、下着……」

梓「や、やだなぁ、女の子同士なのに! べ、別に気にしない気にしない!」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 01:02:06.01 ID:bRoSJjB30
梓「うぅ……」

梓「結局干すから、しっかり広げて見ることになりました……」

梓「こう改めて見せられると、私って相当小さいんだなぁ」

梓「でもまだ高校二年だし、これからだよね。きっと」

梓「でもよく考えたら、憂も純も私より全然ご立派だ……」

梓「特に憂。絶対去年より成長してるような」

梓「あっ、憂は今いないから……ちょっと拝見しようかな」

梓「ちょっとだけ……ちょっとだけだから……失礼しまーす」ガチャ

梓「憂の下着入れはここかな? うん、あった」

梓「では服を脱いで……憂のを着てみると……」

梓「うっ」

梓「ぶかぶか……油断してると落ちちゃうくらい……」

梓「さ、さぁ、お買い物に行こうかな」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 01:07:36.50 ID:bRoSJjB30
梓「これで用事はひとまず終了」

梓「お昼は適当にすませて、夕方には唯先輩帰ってくるだろうから、それまでに晩御飯の用意しよう」

梓「それまで何していようかな……」

梓「特にすることないから勉強でもしようか」

梓「唯先輩に厳しくしておいて、自分ができてなかったら恥ずかしいしね」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 01:13:28.89 ID:bRoSJjB30
梓「えっと、この公式は……こうだから……」

梓「ふぁああ~」

梓「ちょっと眠くなっちゃった」

梓「少し横になろう」

梓「目覚ましセットして、と。お休みなさい……」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 01:21:56.59 ID:bRoSJjB30
ピピピピピピ ピピピピピピ

梓「――はっ。あ、そうか眠くなったんで少し横になってたんだっけ」

梓「うん、ちょうどいい時間。晩御飯の用意でもしようかな」

梓「♪~ ♪~ ♪~」

梓「えっと醤油は……あったあった。そして砂糖は……あ、切れてる」

梓「うーん。まだ唯先輩帰ってくるまで余裕あると思うから、また買いに行こうか」

梓「火は落としたし、玄関の鍵も閉めたし。よし!」

梓「ちょっと急いで行こうかな……あれ? あの人は」

梓「こんにちは!」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 01:27:43.11 ID:bRoSJjB30
とみ「あら、あなたは確か……あずにゃんさんね。こんにちは」

梓「覚えてくれてたんですか? あ、一応私は中野梓っていうんですが」

とみ「あの演芸大会は楽しかったもの。覚えていますよ」

梓「そう言ってもらえると嬉しいです」

とみ「それで今日はどうしたの? 唯ちゃんの家から来たみたいに見えるけど……」

梓「はい、実はかくかくしかじかという訳なんです。それで今は砂糖切らしちゃってて、買いに行く途中なんですよ」

とみ「あら、それは大変ね。ちょっと待ってて、今分けてあげるから」

梓「そんな。悪いですよ」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 01:33:48.32 ID:bRoSJjB30
とみ「いいのいいの。困った時はお互い様、って言うでしょ? もらってちょうだい」

梓「あ、はい! すみません、必ずお返ししますんで」

とみ「気にしないでいいのよ。それよりも唯ちゃんの事、よろしくお願いしますね」

梓「はい! 憂が帰ってくるまで、責任を持ってお世話します」

とみ「ふふふ。それじゃあ私は寄る所があるので失礼しますね」

梓「あ、すみません呼び止めてしまって」

とみ「いいのよ。それじゃあね、あずにゃんさん」

梓「はい。私も失礼します」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 01:38:50.63 ID:bRoSJjB30
梓「ふーっ、相変わらず優しいお婆さんだったなぁ。お砂糖も分けていただいたし」

梓「ではありがたく使わせてもらいます、と。多めに作ってお返しに持っていこうかな」

梓「よし完成。憂のレシピ通りだから間違いないね」

梓「後は唯先輩を待つだけ……あ、ちょうどよくきたみたい」

唯「あっずにゃーん! たっだいまー!」

梓「おかえりなさい、唯先輩。あれ? 律先輩に澪先輩、ムギ先輩まで一緒だったんですか?」

澪「話は唯に聞いたよ」

紬「梓ちゃん一人じゃ大変だと思って、様子を見に来たの」

律「唯は憂ちゃんに依存しまくってるからなー。大変だったろ?」

梓「いえ、そんな」

唯「みんなひっどーい! 私だってやる時にはやるよ」

梓「それ、ちゃんと朝起きてから言いましょう……」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 01:45:19.98 ID:bRoSJjB30
澪「やれやれ、そんなんじゃ梓が過労で倒れちゃうぞ」

唯「えーっ、そんなのやだよぉ! あずにゃんどうしよう、栄養ドリンクでも買ってくる!?」

梓「そうならないよう、唯先輩が努力して下さい!」

律「これで日曜までって、本当に大丈夫かぁ?」

澪「でもまぁ、これで少しは唯もしっかりしてくれたらいいんだけどな」

紬「その辺は梓ちゃんなら大丈夫そうだわぁ。私達が心配するほどのことでもなかったみたい」

澪「この晩御飯は梓が作ったのか? 凄いじゃないか」

梓「あ、それは以前憂にレシピを教えてもらっていたので、それをなぞってやっただけですよ」

澪「それでもこれだけできるなら大したものじゃないか」

紬「本当。梓ちゃん、いいお嫁さんになれるわ」

梓「えへへ……」

唯「ええぇ、あずにゃんは私のお嫁さんになってよ~」

律「お前は現実を見ろー」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 01:50:37.64 ID:bRoSJjB30
澪「それじゃあ、私達が手伝えるような事もないみたいだし、帰るな」

唯「あれ? もう帰っちゃうの~」

律「これ以上居て唯に構ってたら梓に睨まれちゃうからなー?」

梓「なっ! 何言ってるんですか! そんなことしませんよ!」

律「うひゃあ、こわーい。逃ーげろー!」バタバタ

紬「わーい」パタパタ

澪「おい律! 全く……悪かったな、梓。まぁ、身体壊さないように頑張ってな」

梓「はい、ありがとうございます。澪先輩も夏期講習頑張って下さい」

澪「ああ、それじゃあおやすみ」バタン

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 01:54:08.54 ID:bRoSJjB30
梓「ふぅ……律先輩もああ見えて心配してくれてたんだな。ふふっ」

唯「あずにゃーん、早く食べようよー!」

梓「あ、はーい! 今行きます!」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 02:01:18.32 ID:bRoSJjB30
唯「は~、今日も美味しかった~! あずにゃんは平沢家に嫁げばいいよ!」

梓「まだその話引き摺ってたんですか。あ、そういえばお隣のお婆さんに会いましたよ」

唯「え、そうなの?」

梓「お砂糖切らしちゃって買いに行くとこだったんですけど、偶然会って分けてもらいました」

唯「あ~、私も前に分けてもらったことあるよ。お婆ちゃん、やっさしいよね~」

梓「そうですね」

唯「でも私、醤油と間違えて砂糖分けてもらったんだぁ。その後、憂に返しにいってもらっちゃったよ」

梓「何かその話、聞いた覚えあります……」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 02:06:50.13 ID:bRoSJjB30
唯「そうだっけ? まぁ、あずにゃんも気をつけなよ」

梓「そうそうそんな間違いはしないと思いますよ」

唯「そうかなぁ。私、しょっちゅうあるよ?」

梓「忘れないようメモしといたらどうですか? それより私は食器洗うんで、唯先輩は先にお風呂入って下さい」

唯「え~、あずにゃんも一緒に入ろうよ~」

梓「け、結構ですよ! 遠慮しておきます!」

唯「ぶー。合宿の時は一緒に入ってたじゃん」

梓「あれはみなさん一緒でしたし……二人っきりはちょっと……は、恥ずかしいです!」

唯「大丈夫だよ~。私は困らないし」

梓「私が困るんです! いいからさっさと入って下さい!」

唯「あはは~。は~い」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 02:12:01.54 ID:bRoSJjB30
唯「じゃあお休み、あずにゃん」

梓「はい、お休みなさい」

唯「Zzz……」

梓「凄く寝付きいいなぁ」

梓「うーん、まだまだ唯先輩を真面目にするには時間が必要かな」

梓「唯先輩には悪いけど、もう少し厳しくしよう」

梓「全く、憂は甘過ぎるよ……Zzz……」

唯「」ムクリ

唯「あずにゃん、そんなこと考えてたのか~」

唯「あ、それなら」

唯「ふふ~ん、この平沢唯さんを舐めてもらっちゃいけねぇなぁ」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 02:18:08.58 ID:bRoSJjB30
木曜日!


梓「(ん……唯先輩起きてる……? 時間は……まだ7時前?)」

梓「(なんで唯先輩がこんな早くに?)」

唯「んー……あずにゃんより早く起きちゃったなぁ」

唯「でも、もうすぐ起きちゃうだろうし。寝とこう!」

梓「(……一体どういう事……?)」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 02:23:23.37 ID:bRoSJjB30
ピピピピピピ

梓「(あ、目覚まし鳴っちゃった)ん……と」

梓「(唯先輩は……寝てる。寝たフリ、だよね)」

梓「ゆ、唯先輩。朝ですよ、唯先輩」

唯「ん~……あずにゃん~? あと10分……」

梓「(昨日と同じ反応! まさか昨日も先に起きててわざと!?)」

梓「ほ、ほら、遅刻しますよ! 早く起きて下さい!」

唯「う~ん、仕方ないなぁ」ムクリ

梓「……」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 02:28:29.95 ID:bRoSJjB30
梓「ほら、早く朝食とって下さいよ」

唯「うん、わかったよ~」ヌリヌリ

梓「……唯先輩、何してるんですか?」

唯「え? 何ってパンにジャムを……うおっとぉ! これはジャムじゃなくてごはんですよだったぁ!」

梓「……(わざとらしすぎる! 馬鹿にしてるの!?)」

唯「じゃあ行ってきま~す」バタン

梓「…………はぁ」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 02:34:04.22 ID:bRoSJjB30
夏期講習会場!


律「お、唯、おっはよー。何か機嫌よさそうだな?」

唯「んふふ~、今日もあずにゃんに怒られちゃったんだ~」

澪「怒られたって、何でそれで笑ってるんだよ」

唯「だって~、怒ってるあずにゃんも可愛いんだもん。これってあれ? 好きな子にはいたずらしたくなっちゃうっていう」

律「そーゆーのは小学生の話じゃないのかぁ?」

紬「折角梓ちゃんが、心配でお世話しにきてくれてるのに悪くない?」

澪「そうだぞ、唯。梓だっていつ爆発するかわかんないぞ」

唯「えー、大丈夫だよ~。あずにゃん嫌がってても、最終的には何でもしてくれるもん」

律「うーん、そういうとこもあるかもな」

唯「でしょー?」

澪「……」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 02:39:24.32 ID:bRoSJjB30
紬「澪ちゃん」

澪「ん、何?」

紬「唯ちゃんはああ言ってるけど、本当に大丈夫かしら?」

澪「私も何とも言えないけど……様子見かな? いつもの通りって言えばいつも通りだし」

紬「そうね……」

唯「みんな、じゃーねー」

律「おう、お疲れー」

紬「お疲れ様」

澪「あんまり梓に迷惑かけるなよー?」

唯「だーいじょうぶだって、澪ちゃんは心配性なんだからー」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 02:47:02.00 ID:bRoSJjB30
唯「キミを見てると、いつもハートDOKI☆DOKI~♪ 揺れる思いは――お、あそこに見えるは買い物途中のあずにゃん!」

唯「お~い、あっずにゃ……あっ」

梓『もー、こんな人が多い所で大声で呼ばないで下さいよ! 恥ずかしいじゃないですか!』

唯「……ってことがあったっけ。ぬふふ~、それじゃあわざとやっちゃいますか~」

梓「今日は何作ろうかな……えっと」

唯「お~い、あっずにゃ~~ん!!」ダキッ

梓「うわわっ! ゆ、唯先輩!? いきなり何ですか!?」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 02:54:46.37 ID:bRoSJjB30
唯「店の前からあずにゃんが見えたから、あずにゃんに会いにきたんだよ、あずにゃん!」

梓「ちょちょっ、そんなに大声で連呼しないで下さいよっ」

客A「あら、あの子、あずにゃんとか呼ばれてるわねぇ」

客B「姉妹かしら? 可愛らしいわぁ」

梓「――!!」

唯「? どうしたの? あずにゃん、あずにゃん?」

梓「い、いいから早く出ましょう!」タッタッタッ

唯「待ってよ~」

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 02:58:21.81 ID:bRoSJjB30
唯「わぁ、今日の晩御飯も美味しそうだね! いっただっきま~す」

梓「唯先輩」

唯「うん? 何~」

梓「私、前にも言いましたよね? 人前で大声で呼ばないで下さいって」

唯「え、う、うん」

梓「どうしてそんなことするんですか?」

唯「え……何か怖いよ、あずにゃん」

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 03:03:50.54 ID:bRoSJjB30
梓「それだけじゃないです……今朝、私より早く起きてたのにまた寝ちゃいましたよね」

梓「それでわざと遅れて起きてきたじゃないですか。昨日もそうだったんですか?」

唯「あ、あずにゃん……」

梓「私をわざと困らせて、怒らせて……た、楽しいですか?」ポロポロ

唯「あずにゃん! そ、そんなつもりじゃ……」

梓「う、うぅっ……っ」グイッ

梓「……憂が帰ってくるまでは厄介になります」

梓「でも唯先輩は私がいなくても大丈夫みたいなんで、明日からは一人で何でもやって下さい」

唯「…………」

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 03:09:42.24 ID:bRoSJjB30
唯「あ、あずにゃん、私の部屋で寝ないの?」

梓「……すみません。私は憂の部屋をお借りします。お休みなさい」バタン

唯「あ……」

梓「(ちょっと言い過ぎたかな……でも……ううん、いいよ。ハッキリ言わないと唯先輩の為にもならないよ)」

梓「はぁ……」

梓「憂に怒られちゃうかな……」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 03:14:41.32 ID:bRoSJjB30
金曜日!


梓「これで朝食完成、と。後は唯先輩を起こす――」

梓「はっ!? 昨日の事忘れてて二人分の朝食作っちゃった」

梓「どうしよう」

唯「あ、あずにゃん、おはよう……」

梓「あ、お、おはようございます」ササッ

唯「あ、もう朝食用意したんだ。そ、それじゃ私も自分の朝食作るね」

梓「……」

梓「仕方ない。二人分食べようかな」

梓「何か……自己嫌悪」

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 03:19:24.16 ID:bRoSJjB30
再び夏期講習会場!


律「お、唯、おっはよー。何か……あったのか?」

唯「うわあぁ~ん! あずにゃんに怒られちゃったんだよ~!」

澪「怒られたって、昨日何かあったのか?」

紬「やっぱり……」

唯「うっうっ……全部私が悪いんだ。あずにゃんに迷惑掛けてるのに楽しんじゃって」

唯「ちょっと調子に乗り過ぎちゃったんだ。そしたらあずにゃん怒っちゃって」

澪「いつもとは違う感じか?」

唯「うん。怒ってるのかどうなのかもわからないトーンでさ。あれなら怒鳴られた方が全然いいよぉ」

律「ははぁ。そりゃ完全にご立腹だな」

唯「うわあぁ~ん! 澪ちゃん、助けてよ~~!」グイグイ

澪「こ、こら引っ付くな! わかった、わかったから!」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 03:24:52.72 ID:bRoSJjB30
唯「ふぇ、本当?」

澪「ああ、本当だ。でもそんなに難しい話じゃないだろ?」

唯「えっ」

律「ま、そうだな」

唯「えっえっ、どういうこと?」

紬「あのね、唯ちゃんは自分が悪いってわかってるんでしょう?」

唯「う、うん」

紬「それなら簡単ね」

澪「ああ、唯が梓に謝ればいいんだよ」

唯「え、それだけ?」

律「それだけも何も、他にないだろー?」

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 03:31:44.60 ID:bRoSJjB30
唯「でもでも、あずにゃんいつもと全然雰囲気違うんだよ。クールなのにホットなんだよ」

律「その言い回しはわからんが……単純に謝っただけで許してくれるかな。梓も頑固だしなぁ」

唯「うえぇえ~!?」

澪「変に煽るな。唯は真剣なんだぞ」ゴチン

律「あだっ! でも実際言葉だけじゃ効果薄くないか?」

澪「え? うーん」

紬「そうね……それじゃあ唯ちゃんがしっかりすればいいんじゃないかしら」

澪「しっかり?」

紬「そう。事の発端はそういうことでしょう。それで唯ちゃんが家事、勉強全部しっかりやって」

律「それから梓に誠心誠意謝れば」

唯「許してくれるかな!? ありがとう、みんな! 早速やってみるよ!」ダッ

澪「うおおおい! まだ講習始まってないぞ! 終わってからにしろ!」

72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 03:36:51.04 ID:bRoSJjB30
梓「……はぁ」

梓「なんかすっごい気まずいなぁ」

梓「よく考えたら私も唯先輩に無理させてたし」

梓「いつもダラダラしてるけど、ここぞでバッチリ決めるのが唯先輩なのにね」

梓「私の勝手な考えを押し付けちゃってさ。そりゃ唯先輩も反抗するよ」

梓「それで私だけキレちゃって……ほんと、子供みたい」

梓「謝ろうかな……でもあれだけ言って、すぐに謝るのも……難しいな」

梓「誰かに相談しようかなぁ」

梓「先輩方は講習で一緒にいるから……憂はまだ旅行中だし、じゅ、純!?」

梓「何か純に頼るのは負けた気がする。でも、仕方ないか」ピッピッ

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 03:42:07.45 ID:bRoSJjB30
梓「あ、繋がった。もしもし、純?」

純『なんだ梓か。何か用? こっちは練習が忙しくてさ』

梓「あ、ごめん。いや、用って程ではないんだけどさ」

純『もったいぶるなぁ。何々?』

梓「実は今、平沢家にいるんだけど――」

梓「――と、いうわけなんだよ。どうしたらいいかな?」

純『っっっっはぁぁ~~~』

梓「な、何そのリアクション」

純『くっだらない用で掛けてくんな! 忙しいって言ってるっしょ』

梓「な!? くだらないって、私は真面目に――」

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 03:47:08.76 ID:bRoSJjB30
純『そんなもん、謝れば済む話でしょーが。そんなとこで意地張る理由がわからんわ』

梓「わ、私は純ほど単純にできてないのっ」

純『あーはいはい。それじゃあ複雑な乙女心の梓さんは頑張ってちょうだいね。じゃあ切るよ』

梓「え、あ、うん。じゃあ」ピッ

梓「謝ってしまえ、かぁ…………はぁ~」

梓「それが簡単にできないから相談してるのに~」ゴロゴロ

梓「あぁ、もう唯先輩が帰ってくる時間だ……」

梓「今日は何もできなかったなぁ」

梓「晩御飯の用意しなくちゃ……えっと、じ、自分の分だけ……かな」

76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 03:51:13.63 ID:bRoSJjB30
梓「唯先輩遅いな……あ、帰ってきたかな」

唯「ただいま~」

梓「お、おかえりなさい……です」

唯「あ、あずにゃんもう夕食済ませたんだ」

梓「あ、は、はい」

唯「じゃあ私も何か作って食べよっと」

梓「え? あ、あの唯先輩?」

唯「ごはん、ごはん~♪」

梓「(唯先輩が自発的に動いてる!? これってやっぱり昨日の事があったからだよね)」

唯「お塩、お塩~、お塩はどこかな~♪ っと、あったあった~」

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 03:56:26.69 ID:bRoSJjB30
唯「かんせ~い! いっただっきま~す」

梓「(唯先輩は私を頼って連絡してきたのに……こんな慣れない事までさせちゃって)」

唯「うわ、甘っ!? お塩じゃなくてお砂糖だった~!」

梓「(こんな……唯先輩は私が言った事を受けて、こんな事……)」

唯「あずにゃん、私先にお風呂入るね~」

梓「(それなのに私、ただ謝る事なんかもできない……純の言う通りだ、くだらない。最低だ、私)」

唯「明日は講習もないから暇なんだぁ。お掃除とギー太の練習と~。あ、勉強もしなくちゃね……はは」

梓「(ごめんなさい、唯先輩)」

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 04:00:08.66 ID:bRoSJjB30
唯「今日はシャーペン忘れてりっちゃんに借りたんだぁ。ほんとそそっかしいよね、私」

唯「こんなんだから、あずにゃんにも怒られちゃうんだよね」

梓「(…………唯先輩……唯先輩、唯先輩)」

唯「あははは……それじゃあ、お休み。あずにゃん」ガチャン

梓「あ……!」

梓「ゆ……」

梓「唯先輩!!」ガチャン!

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 04:10:49.12 ID:bRoSJjB30
唯「わっ! びっくりしたー。どうしたの、あずにゃん?」

梓「あ、ああ、あの……」

唯「?」

梓「えーっと……」

梓「ああああのあの! 唯先輩の部屋で寝ても……いいですか?」

唯「! い、いいよ! もちろんだよ」

85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 04:22:18.66 ID:bRoSJjB30
梓「……」

唯「……」

梓「(あ、あれ!? 一緒の部屋で寝てるのはいいけど……この後どうするんだっけ!?)」

唯「ねぇ、あずにゃん……起きてる?」

梓「え!? あ、はい、起きてますよ。どうしたんですか?」

唯「うん、あのね……私、自分でももっとしっかりしなきゃなーって思ってたんだけど」

唯「ついついあずにゃんに甘えちゃってて。憂と違うのにね」

唯「それで何だろう? ちょっと調子に乗り過ぎちゃってたね。ごめんね」

梓「唯先輩……」

梓「……いえ」

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 04:32:47.04 ID:bRoSJjB30
唯「え?」

梓「私も、私も悪いんです!」

梓「唯先輩が私を頼って連絡してきたのに、唯先輩に私の勝手な考えを押し付けちゃって」

唯「そんな! そんなことないよ!」

梓「いえ。更に唯先輩に先に謝らせてしまって……謝るのは私の方です。すみませんでした」

唯「あずにゃん……」

梓「本当にすみませんでした! お詫びに……私を、ぶ、ぶって下さい!」

唯「えぇ!? そこまでしなくてもいいよ!」

梓「いいえ、私だけ酷いこと言っちゃって何も無しじゃ気が済みません。さぁ、ガツーンとお願いします!」

唯「うえぇ……」

88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 04:37:26.80 ID:bRoSJjB30
梓「さぁ!」

唯「じゃ、じゃあ行くよ?」グッ

梓「は、はい!」キュッ

唯「ぎゅ~」ダキッ

梓「ふぇ!? ちょっ、唯先輩?」

唯「あずにゃんをぶっちゃうなんてできないよ~。私はもう気にしてないんだし、今まで通りの私たちでいようよ」

梓「唯先輩……は、はい!」

唯「えへへ~。あれ、あずにゃん泣いてるの?」

梓「な、泣いてなんかないです! これは、その、そうゴミです。ゴミが入ったんです!」

唯「あははは、その反応はベタじゃの~」

梓「えへへへ……」

89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 04:42:12.32 ID:bRoSJjB30
唯「ねぇ、あずにゃん」

梓「はい、何ですか」

唯「今日は一緒に寝ようよ」

梓「え!? えーっと……きょ、今日だけですよ?」

唯「わ~い、やったぁ! はい、枕置いたよ~」

梓「もー、仕方ないですね」

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 04:46:39.89 ID:bRoSJjB30
土曜日!



パタパタパタ ガチャン

憂「ただいま、お姉ちゃん! お姉ちゃんが心配で一日早く帰ってきたよ」

憂「ご飯とか大丈夫だった……って、まだ寝てるのかな」ガチャ

憂「あ、やっぱり。あれ? 梓ちゃんも来てたんだ」

憂「それにしても……ふふ。二人とも本当に仲良いなぁ」

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 04:55:00.94 ID:bRoSJjB30
純「――へ~、色々あったんだ」

憂「そうみたいだよ」

梓「純のアドバイスは役に立たなかったけどね」

純「なーに言ってんだか。結局謝って仲直りじゃん。私の言った通りでしょ」

梓「う……」

純「ちょっとは感謝してもいいんじゃない?」

梓「ま、まぁ、結果的にはそうなんだけど……あ、ありがとう」

憂純『梓しゃん……』

梓「も、もーっ! 憂まで! この話はこれでおしまい!」

純「えー、いいじゃん」

梓「お・わ・り! あ、もうこんな時間。早く部室行かなきゃ」

92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/24(日) 04:59:00.04 ID:bRoSJjB30
唯「あっずにゃ~~ん!」

梓「あ、唯先輩。どうしたんです、二年の教室まできて」

唯「へへ~、今日はまだあずにゃん見てなかったからね~。待ちきれなくってさぁ」ダキッ

梓「にゃっ!」

唯「これで今日のあずにゃん分補給完了~。さ、行こっ!」

梓「もう……」

梓「唯先輩は本当に……仕方が無いですね!」



おしまい!

引用元: 梓「唯先輩は本当に……仕方が無いですね」