2: ◆ivbWs9E0to 2021/05/03(月) 23:21:05.24 ID:7tOys3Ck0
百合子「奈緒さん奈緒さん、私ひらめいちゃいました!」
奈緒「お~? なんや嫌な予感がするけど言うてみ」
百合子「もし私と奈緒さんが結婚したら、七尾奈緒(ななおなお)になるんですよ!」
奈緒「お、おぉ~?」
百合子「すごくないですか!?」
奈緒「あ、あー。百合子ぉ。あんな、言いにくいんやけど」
3: ◆ivbWs9E0to 2021/05/03(月) 23:21:55.55 ID:7tOys3Ck0
奈緒「めっっっっっっっちゃすごいやん! 天才かと思ったわ!」
百合子「ですよね!!!!」
4: ◆ivbWs9E0to 2021/05/03(月) 23:23:32.53 ID:7tOys3Ck0
奈緒「はぁ~、それは思いつかんかったわ。世界広しと言うてもソレ思いつくのは百合子くらいやで」
百合子「も、もしかして私、とんでもないこと思いついちゃいました?」
奈緒「とんでもないなんてもんちゃうで。たぶん明日には天地がひっくり返って、美奈子がダイエットし始めるわ」
百合子「ど、どうしましょう奈緒さん。世界の真実を知ってしまった私は、名うてのヒットマンに命を狙われてしまうんじゃ……」
奈緒「そうやな。今すぐ護衛を付けたほうが良い。瑞希あたりに声かけてみるわ」
百合子「お願いします!」
5: ◆ivbWs9E0to 2021/05/03(月) 23:24:21.98 ID:7tOys3Ck0
ガチャ
瑞希「横山さん。緊急事態とは」
奈緒「お、さすが瑞希。早いなぁ」
百合子「瑞希さん! 助けてください!」
瑞希「七尾さん。一体どうしたんでしょうか」
奈緒「ええか、聞いて驚かんといてな……、実は……」
瑞希「……ごくり」
百合子「もし私と奈緒さんが結婚したら、七尾奈緒(ななおなお)になるんですよ!」
瑞希「……」
奈緒「……」
6: ◆ivbWs9E0to 2021/05/03(月) 23:25:02.89 ID:7tOys3Ck0
瑞希「……」
百合子「あ、あれ? 瑞希さん?」
奈緒「瑞希?」
瑞希「……ハッ、驚きのあまり、固まってしまいました」
奈緒「瑞希ぃ~。固まってる場合ちゃうで。一大事や一大事」
瑞希「たしかに、これはとんでもないことを聞いてしまいました。……どきどき」
百合子「瑞希さん助けてください! この秘密が世界にばれて私の命が狙わないうちに!」
奈緒「今な、百合子をどうやって守ろうかって話しててん」
瑞希「七尾さん。落ち着いてよく聞いてください」
百合子「はい!」
7: ◆ivbWs9E0to 2021/05/03(月) 23:25:45.34 ID:7tOys3Ck0
瑞希「正直なところ、私だけの力では七尾さんを守り切れる自信がありません」
百合子「そんな……!」
瑞希「なので、宮尾さんを呼びましょう。ぴぽぱ」
奈緒「奇遇やな。同じこと考えてたわ」
百合子「どんどん事が大きくなってきていますね……!」
瑞希「それだけ相手も強大ということです。もしもし、宮尾さんですか」
奈緒「百合子、安心してな」
百合子「ありがとうございます」
8: ◆ivbWs9E0to 2021/05/03(月) 23:26:30.80 ID:7tOys3Ck0
ガチャ
美也「おや~。奈緒ちゃんと百合子ちゃんもいたんですね~」
瑞希「宮尾さん。来てくれてありがとうございます」
美也「瑞希さんのお願いですからね~。一体何があったんでしょうか~」
奈緒「実はな、百合子がとんでもないことに気付いてしもてん」
美也「とんでもないこと、ですか~?」
百合子「はい、実は……」
百合子「もし私と奈緒さんが結婚したら、七尾奈緒(ななおなお)になるんですよ!」
美也「お~?」
奈緒「どうだろ」
瑞希「どうでしょう」
9: ◆ivbWs9E0to 2021/05/03(月) 23:27:23.57 ID:7tOys3Ck0
美也「それじゃあ私は宮尾美也(みやおみや)なので、ライバルですね~」
百合子「!?」
奈緒「そのパターンは知らんかったわ」
瑞希「さすが宮尾さん、ですね」
百合子「まさか美也さん、既に帝国軍側について……!?」
美也「はい~。七尾奈緒(ななおなお)と宮尾美也(みやおみや)は似ているので、良いライバルになれると思います~」
百合子「奈緒さん、瑞希さん! どうしましょう……!」
奈緒「百合子、とりあえず落ち着くんや」
瑞希「はい。今の宮尾さんは武器を持っていません。戦闘の意志は無いようです」
美也「七尾奈緒(ななおなお)もネコさんの鳴き声みたいですね~。百合子ちゃん、『にゃお~』って言ってみてください~」
百合子「にゃ、にゃお~?」
美也「なるほど~。そう来ますか~」
奈緒「何がなるほどなんやろうな」
10: ◆ivbWs9E0to 2021/05/03(月) 23:27:55.80 ID:7tOys3Ck0
百合子「で、でも今は奈緒さんと瑞希さんが私の味方です! 三対一で勝てると思わないことですね!」
美也「ふむふむ~。それでは仲間を増やすとしますか~。兵法の基本ですな~」
瑞希「さすが宮尾さん。定石を知っていますね」
美也「確か紬ちゃんが劇場に来ていたはずです~。連絡してみますね~」
百合子「なっ、ジェネシスのエースを引き抜こうとは……!」
奈緒「美也は負けん気が強いからなぁ」
11: ◆ivbWs9E0to 2021/05/03(月) 23:28:36.05 ID:7tOys3Ck0
ガチャ
紬「おや、皆さんお揃いで」
美也「紬ちゃん~、助けてください~」
紬「一体どうしたのですか。横山さんに真壁さんも神妙な顔をして」
瑞希「……きりっ」
奈緒「えぇか紬、真剣に聞いて欲しいんやけど」
紬「は、はい……」
百合子「奈緒さん、ここは私から」
奈緒「あぁ、頼むわ」
百合子「紬さん、落ち着いて聞いてくださいね」
12: ◆ivbWs9E0to 2021/05/03(月) 23:29:15.58 ID:7tOys3Ck0
百合子「もし私と奈緒さんが結婚したら、七尾奈緒(ななおなお)になるんです……!」
紬「は……?」
13: ◆ivbWs9E0to 2021/05/03(月) 23:29:58.16 ID:7tOys3Ck0
紬「えっと、宮尾さん。助けてほしいというのは」
美也「そういうことです~」
紬「真壁さん」
瑞希「……私からは、何も」
紬「横山さん」
奈緒「……んーっとな、何て言えばええかな……」
14: ◆ivbWs9E0to 2021/05/03(月) 23:30:35.19 ID:7tOys3Ck0
紬「つまり七尾さんと横山さんは、密かに愛し合っていたと……?」
百合子「えぇっ!? そうなんですか!?」
奈緒「百合子」
紬「性が七尾になるということは、横山さんが七尾さんの家に入るということ……?」
紬「ようやく籍を入れるに至ったにも関わらず、助けてほしいということは、何か両家で折り合いがついていないのでしょうか……」
百合子「確かに、七尾の姓を持つということは、そうなりますね」
瑞希「横山さん、ご両親にお話は?」
奈緒「するわけないやろ」
美也「違いますよ~。奈緒さんは私のライバルになるんですよ~」
紬「三角関係ということですか!?」
奈緒「アカン、収集がつかへん」
15: ◆ivbWs9E0to 2021/05/03(月) 23:31:11.16 ID:7tOys3Ck0
紬「ただでさえ障壁の多い同性での婚姻。そこに更に痴情の縺れとあっては……」
奈緒「痴情て」
百合子「私を巡って奈緒さんと美也さんが!?」
瑞希「そうなりますね。……きゅん」
紬「うぅ、私には少々荷重かもしれません……。ハッ、島原さんなら多様な価値観への理解が深いのでは!?」
奈緒「どんどんわちゃわちゃしてきたなぁ」
紬「島原さんに連絡してみます。少々お待ちを」
16: ◆ivbWs9E0to 2021/05/03(月) 23:31:52.06 ID:7tOys3Ck0
ガチャ
エレナ「なになに~? ナオとミヤがユリコのことが好きなノ~?」
百合子「はい、七尾奈緒(ななおなお)なんです」
奈緒「雑ぅ」
美也「そして私は宮尾美也(みやおみや)ですよ~」
瑞希「それはそうです」
紬「女性同士の婚姻について、島原さんなら多角的な御意見を頂けるのではないかと……」
エレナ「ん~」
17: ◆ivbWs9E0to 2021/05/03(月) 23:32:35.62 ID:7tOys3Ck0
エレナ「ワタシもミンナのことが大好きだヨ~!ギュ~!」
百合子「むぎゅ!」
美也「ひゃ~」
瑞希「おぉ……、ふぉーりんらぶ」
紬「し、四角関係……?」
奈緒「どうしよこれ」
18: ◆ivbWs9E0to 2021/05/03(月) 23:33:37.40 ID:7tOys3Ck0
ガチャ
紗代子「みんな? もうすぐレッスンの時間だから、そろそろ着替えないと」
奈緒「あぁ~紗代子~! 紗代子だけが頼りなんや~」
紗代子「どうしたの奈緒ちゃん!?」
瑞希「実は……」
百合子「七尾奈緒(ななおなお)が」
美也「宮尾美也(みやおみや)で~」
紬「血みどろの四角関係が」
エレナ「だ~いすきなんだヨ♪」
紗代子「本当にどうしたの!?」
19: ◆ivbWs9E0to 2021/05/03(月) 23:34:27.87 ID:7tOys3Ck0
紗代子「瑞希ちゃん、説明してくれる?」
瑞希「七尾さんが、横山さんと結婚したら七尾奈緒ですねという話しから……。はい、悪ふざけが過ぎました。すみません」
百合子「悪ふざけ……? じゃあ奈緒さんがあの時ささやいてくれた愛の言葉はまやかしだったということ……?」
奈緒「こら、捏造すな」
紬「しかし、宮尾さんが私に救いの手を求めてきたのは……?」
美也「私が百合子ちゃんを大好きなのも本当ですな~」
エレナ「ワタシも!」
紗代子「えっと……?」
奈緒「ややこしくなるから」
20: ◆ivbWs9E0to 2021/05/03(月) 23:35:01.76 ID:7tOys3Ck0
紗代子「とにかく、レッスンの準備をしちゃって良いんだよね?」
紬「今日はダンスレッスンですか、りきまんと……」
美也「エレナさん、負けませんぞ~」
エレナ「望むところだヨ!」
百合子「あ、そういえば紗代子さん」
紗代子「なぁに?」
21: ◆ivbWs9E0to 2021/05/03(月) 23:35:55.80 ID:7tOys3Ck0
百合子「私と奈緒さんが結婚したら、七尾奈緒(ななおなお)になるんですよ!」
紗代子「そういえばそうだね。……あ」
奈緒「紗代子?」
紗代子「ごめんね百合子ちゃん。聞こえなかったからもう一回言ってくれる?」
百合子「?? はい」
22: ◆ivbWs9E0to 2021/05/03(月) 23:36:48.76 ID:7tOys3Ck0
百合子「私と奈緒さんが結婚したら、七尾奈緒(ななおなお)になるんですよ」
紗代子「え、ええぇぇぇぇ~~~~!!!?!?!?」ドンガラガッシャーン
奈緒「芸人しかおらんのかこの事務所!!!」
おわり
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