1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 16:41:03.26 ID:e5JonWx60
ルルーシュ「シャーリー!!!」

シャーリー「ルル……」

ルルーシュ「大丈夫だ!!今、助ける!!」

シャーリー「私、ルルが好き。お父さんを巻き込んだって分かっても、嫌いには、なれなかった……。

シャーリー「ルルが全部忘れさせてくれたのに……それでも、また、ルルを好きになった。記憶を弄られても、また好きになった……」

ルルーシュ「喋るな!!シャーリー!!」

シャーリー「何度生まれ変わっても、きっとまた、ルルを好きになる……。これって、運命なんだよね」

ルルーシュ「死ぬな!!シャーリー!!!」キュィィン

シャーリー「だから、いいよね、ルル……。生まれ変わっても、また、ルルを好きになっても……。何度も、何度も、好きに、なる……から―――」

ルルーシュ「目を閉じるな!!!シャーリー!!!シャーリィィ!!!!」

ジェレミア「ルルーシュ様、どうされましたか




2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 16:44:00.46 ID:e5JonWx60
ルルーシュ「ジェレミア!!」

ジェレミア「むむ。これはいけない。すぐに治療を開始せねば」

ルルーシュ「できるのか?!」

ジェレミア「お任せください」

ルルーシュ「頼むぞ!!」

ジェレミア「まずが服を脱がせないと」

ルルーシュ「待て!!こんな場所で何を考えている?!」

ジェレミア「しかし!!服を脱がせなければ治療が行えません!!!」

ルルーシュ「そうか……シャーリー!!服を脱がせるぞ!?いいな?!」

シャーリー「い、いいけど……目を、瞑って……くだ……さ……」

ジェレミア「わかりました。善処します」

ルルーシュ「しっかりしろ!!シャーリー!!」

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 16:47:35.82 ID:e5JonWx60
ジェレミア「麻酔!!」グサッ

シャーリー「ふぐっ?!」

ルルーシュ「おい!!」

ジェレミア「今からオペを始めます」

シャーリー「うぅ……」

ルルーシュ「シャーリー!!」

シャーリー「えへへ……まだ……ルルと話せる……うれし、い……」

ルルーシュ「俺もだ!!」

ジェレミア「やや」

ルルーシュ「どうした?」

ジェレミア「傷は浅いですね。これなら消毒してしまえば問題ありません」

ルルーシュ「そうなのか!?よかったな!!シャーリー!!!」

シャーリー「え……わたし……たすかるの……?」

ジェレミア「はい。傷も残りません」

7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 16:51:23.17 ID:e5JonWx60
シャーリー「えっと……」

ルルーシュ「しかし誰がシャーリーを……!!」

ジェレミア「ルルーシュ様、私が犯人の捜索しましょう」

ルルーシュ「いいのか」

ジェレミア「我が君の女房となる者を撃った罪は重いですので」

ルルーシュ「ありがとう、ジェレミア卿」

ジェレミア「では。あと、これ消毒液とガーゼと包帯です。お使いになってください」

ルルーシュ「助かる」

シャーリー「……」

ルルーシュ「シャーリー……本当によかった……本当に……」

シャーリー「あの」

ルルーシュ「どうした?」

シャーリー「殺して……」

ルルーシュ「どうしてだ!?」


9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 16:56:09.07 ID:e5JonWx60
シャーリー「だ、だって……私、今、とんでもなく恥ずかしいこと……言ったし……」

ルルーシュ「恥ずかしいこと?」

シャーリー「もうルルの顔とか見れないよ!!!」

ルルーシュ「シャーリー……何を言っている?」

シャーリー「え……?」

ルルーシュ「恥ずかしいことなんて言ってなかったぞ、全く」

シャーリー「そ、そう?」

ルルーシュ「ルルが全部忘れさせてくれたのに……それでも、また、ルルを好きになった。記憶を弄られても、また好きになった……。なんて、どこが恥ずかしいんだ?」

シャーリー「うわぁぁぁあぁ!!!!!いわないでぇぇ!!!!―――あたたた」

ルルーシュ「シャーリー!!大声を出すな!!」

シャーリー「うぅ……もう死ぬと思ったからそういう告白してみたのに……こんなの生き恥を晒すだけじゃないかな?!」

ルルーシュ「どうしてそんなことを言うんだ?恋はパワーなんだろ?」

シャーリー「ちょっと!!もうやめて!!」


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 17:02:16.67 ID:e5JonWx60
シャーリー「あたたた……お腹が……」

ルルーシュ「今、消毒する」

シャーリー「うん……」

ルルーシュ「しみるぞ」

シャーリー「ひゃっ!?ルル!!もっと優しく!!」

ルルーシュ「我慢しろ。拳銃で撃たれたんだぞ」

シャーリー「そうだけど……」

ルルーシュ「よし。あとはガーゼと包帯で……」

シャーリー「はぁ……」

ルルーシュ「それにしてもシャーリーは凄いな。思い返せばいつも驚かされてばかりだったかもしれない」

シャーリー「え……なにが?」

ルルーシュ「死を悟った奴が「何度生まれ変わっても、きっとまた、ルルを好きになる……。これって、運命なんだよね」なんて台詞を自然と出せるなんてな」

シャーリー「いやぁぁ!!!もうやめて!!ルル!!おねがいぃ!!!」

ルルーシュ「シャーリー……でも、俺にとっては感動的だったんだが……」

シャーリー「私にとっては恥ずかしいの!!!そん台詞!!死ぬって分かってるから言えたの!!!」

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 17:07:15.12 ID:e5JonWx60
ルルーシュ「ナリタのときもそうだったな」

シャーリー「な、なりた?」

ルルーシュ「記憶を失くし、俺のことなど忘れたシャーリーは俺を励まそうと……」

シャーリー(なんて言ったっけ……?)

ルルーシュ「私、さっきまで何しにここまで来たのか分かんなくなっていたんですけど、もしかしたら、何か区切りをつけたかったのかもしれません」

ルルーシュ「そりゃあ、忘れることなんてできっこないし、悲しい事っていっぱいあるけど、でも、朝は来るじゃないですか。だから、無理して押さえ込んでも。と言ってくれた」

シャーリー「ルル?!」

ルルーシュ「どうした?」

シャーリー「わ、私……そんなこと言ったの……?」

ルルーシュ「朝は来ますよって台詞は今でも俺の心に刻まれている」

シャーリー「死ぬ!!死んでやる!!!」

ルルーシュ「シャーリー!!やめろ!!」

シャーリー「あ……」キュィィン

シャーリー「ダメ!!死んだらダメ!!!―――あぁ!!!死にたいのに死ねない!!!」

ルルーシュ「大丈夫か?!シャーリー!!落ち着け!!」

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 17:12:43.07 ID:e5JonWx60
ルルーシュ「―――コーヒーを買ってきた。これでも飲んで落ち着こう。シャーリーは撃たれたことで少し興奮しているんだ」

シャーリー「違うよ。撃たれたことじゃなくて、私自身に興奮してるよ」

ルルーシュ「もう少ししたら救助の人も来てくれるはずだ」

シャーリー「うん」

ルルーシュ「事情聴取はあるかもしれないが……」

シャーリー「そっか。私、撃たれたんだもんね」

ルルーシュ「誰にやられたんだ?」

シャーリー「……えっと……分からない。気づいたら撃たれてて」

ルルーシュ「おいおい」

シャーリー「ご、ごめんね」

ルルーシュ「まぁ、いいさ。シャーリーが無事なら」

シャーリー「ルル……」

ルルーシュ「ところでシャーリー?」

シャーリー「なに?」

ルルーシュ「……あの……だな……。いいぞ?」


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 17:18:20.39 ID:e5JonWx60
シャーリー「え?なにが?」

ルルーシュ「だから……別に好きになっても」

シャーリー「……?」ゴクゴク

ルルーシュ「シャーリーが言ったんだろ。「だから、いいよね、ルル……。生まれ変わっても、また、ルルを好きになっても……。何度も、何度も、好きに、なる……から―――」って」

シャーリー「ぶふっ?!」

ルルーシュ「シャーリー!!大丈夫か!?」

シャーリー「げほっ……!!ごほっ……!!」

ルルーシュ「ハンカチを使え」

シャーリー「あ、ありがとう……」

ルルーシュ「どうしたんだ?」

シャーリー「ルルが変なこというからでしょ?!」

ルルーシュ「これはシャーリーの台詞だろ?」

シャーリー「そうだった?!あぁぁ!!!!私、羞恥心で死ねる!!!ダメ!!!死ねない!!死んだらだめぇ!!」

ルルーシュ「お、おい。まだ、傷が痛むのか?」

シャーリー「私自身が痛いよ!!ルル!!どうにかして!!こんなの耐えられない!!」

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 17:25:58.94 ID:e5JonWx60
ルルーシュ「そんなこと言われても」

シャーリー「またナリタのときみたいに記憶を弄ってよぉ……」ウルウル

ルルーシュ「いや、できればよかったが、もうシャーリーには……できない」

シャーリー「そんなぁ……私、今日の日記はどう書けばいいのぉ……」

ルルーシュ「ありのままを書けば……」

シャーリー「そんなことしたら見返すたびにベッドの上でバタバタするじゃない!!!」

ルルーシュ「バタバタ?」

シャーリー「ルルだって恥ずかしい過去がフラッシュバックしたら叫んだり、顔を埋めたくなるでしょ?!」

ルルーシュ「ああ」

シャーリー「でも、まだ忘れていられるだけマシだよね!!私なんて記憶を改竄してくれないともう一生引き摺っちゃうよ!!いいの!?」

ルルーシュ「いいんじゃないか?」

シャーリー「穴があった閉じこもりたい……」

ルルーシュ「ここは落ち着けないか。寮に戻るか」

シャーリー「でも……事情聴取とかあるんでしょ?」

ルルーシュ「シャーリーが苦しむだけなら、この場から離れたほうがいいだろう。行くぞ」

32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 17:32:06.33 ID:e5JonWx60
シャーリー「あ、ルルー。まってよぉ」

ルルーシュ「はいはい」

警官「あ、君たち。ここで何をしている?」

シャーリー「あ……」

警官「少し話を―――」

ルルーシュ「俺たちを見逃してもらえますか?」キュィィン

警官「―――分かった」

シャーリー「え……」

ルルーシュ「シャーリーには話しておかないといけないな」

シャーリー「今、何したの?」

ルルーシュ「これがギアスの力だ」

シャーリー「ギ、ギアス……?もしかして記憶を弄ったときに使った……?」

ルルーシュ「お前の心理を巧みに利用した男もいただろ。あいつもギアスという力により、お前の心を読んでいた」

シャーリー「今流行ってる催眠術ってそんな名称なの?」

ルルーシュ「え?」

33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 17:38:33.93 ID:e5JonWx60
シャーリー「あなたはだんだんめむくな~る。的なやつでしょ?ギアスって」

ルルーシュ「……まぁ、そうだな」

シャーリー「だよね。そういうことでもないと記憶を失くさせるとかできないよね」

ルルーシュ「俺のギアスは絶対遵守。どんなに理不尽な命令でも、相手に従わせることができる」

シャーリー「へー。犬にも?」

ルルーシュ「犬?」

シャーリー「うん」

ルルーシュ「できるんじゃないかな。試したことはないが」

シャーリー「じゃあ、実家にね、私にすっごく吠える犬がいるの。全然懐いてくれなくてさ」

ルルーシュ「シャーリーに懐かせろと?」

シャーリー「うん」

ルルーシュ「……」

シャーリー「だめ?」

ルルーシュ「考えておこう」

シャーリー「わーい」

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 17:42:33.29 ID:e5JonWx60
ルルーシュ「でも、いいのか?」

シャーリー「何が?」

ルルーシュ「それって、俺がシャーリーの実家に行くということになるが」

シャーリー「へ、変な勘違いしないで!!別に深い理由なんてないもん!!」

ルルーシュ「そうか」

シャーリー「そう!!別にルルを将来の旦那様的な扱いで招待するわけじゃないし!!」

ルルーシュ「分かった。分かった。そんなに騒ぐとまた出血するぞ」

シャーリー「大丈夫です!」

ポタッ……

シャーリー「え……?」

ルルーシュ「シャーリー!!血が!!」

シャーリー「あぁ……もう……私……ルル……あのね……」

ルルーシュ「大丈夫だ!!傷は浅い!!死ぬような出血でもない!!」

シャーリー「あぶな……また、恥を上塗りするところだった……」

ルルーシュ「とにかく学園に戻るぞ。いいな?」


40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 17:48:10.75 ID:e5JonWx60
翌日 生徒会室

シャーリー「お腹いたい……」

アーニャ「生理?」

シャーリー「アーニャ!!それセクハラ!!」

アーニャ「心配してあげたのに」

リヴァル「トイレいけよ」

シャーリー「そういう腹痛でもないの!!」

ルルーシュ「おいおい、お前ら。あまりシャーリーを興奮させないでやってくれ」

リヴァル「なんかあったのか?」

ルルーシュ「色々とな」

アーニャ「わかった」

シャーリー「何が?」

アーニャ「ルルーシュ、シャーリーに無茶な 位を要求した?」

シャーリー「アーニャ!?なにいってんの?!」

ルルーシュ「 位?なんのことだ?」


45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 17:54:34.25 ID:e5JonWx60
アーニャ「こう……仰向けに横たわったシャーリーの両脚をルルーシュが両手で持ち上げ、そのまま頭の方に持っていって……」

シャーリー「アーニャ!!実演しなくていいから!!!そもそもそんなことしてません!!!」

アーニャ「そうなの?」

ルルーシュ「アーニャ。  が丸見えだぞ」

アーニャ「●●●」

シャーリー「自分でやっておいてなに言ってるの?!」

ルルーシュ「シャーリー、あまり無茶はするなよ?」

シャーリー「うん」

ルルーシュ「じゃあ、俺は先に失礼する」

シャーリー「バイバーイ、ルルー」

リヴァル「……なんか、距離が縮まった気がしませんか、アーニャさん」

アーニャ「シャーリーもお年頃。ルルーシュもお年頃」

リヴァル「と、いうことは?!」

アーニャ「シャーリーの落とし頃を過ぎたかもしれない」

リヴァル「シャーリーは元々そんな時期なかった気がするけどな」

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 18:01:13.52 ID:e5JonWx60
女子寮 自室

シャーリー(ルルってば、私の文字通り命をかけた告白については何も言ってくれないけど、どう思ってるんだろ……)

ソフィ「シャーリー、お風呂いく?」

シャーリー「あ、ごめん。先に行ってて」

ソフィ「また日記?」

シャーリー「う、うん」

ソフィ「ほどほどにねー」

シャーリー「別にいいでしょ!!」

シャーリー「さてと……何を書こうかな……」

シャーリー「……」

シャーリー「そういえば、あのロープウェイのとき……ルル、私の秘蔵写真持ってたっけ……」

シャーリー「……」

シャーリー「……まさか!!!」ガタッ

シャーリー「でも……いくら、ルルでも……部屋に忍び込むとか……うーん……」

シャーリー「よし。電話しよ」



48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 18:05:42.75 ID:e5JonWx60
シャーリー「あ、もしもし。ルルー?」

ルルーシュ『どうした?』

シャーリー「ちょっと聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」

ルルーシュ『ああ、構わない』

シャーリー「ルルさ、ロープウェイのとき……あ、私がルルを撃っちゃおうとしたときね」

シャーリー「あのとき私の持っていた写真、ルルが持ってたよね?もしかして私の部屋に入った?」

ルルーシュ『……ああ』

シャーリー「やっぱり?!」

ルルーシュ『ギアス漏洩を防ぐためだったんだ……。すまない』

シャーリー「日記は読んだ?!」

ルルーシュ『……ああ』

シャーリー「おぉ……?!」

ルルーシュ『本当に悪いと―――』

シャーリー「ど、どこまで読んだの?!」

ルルーシュ『どこまでって全部だが……』

49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 18:13:31.45 ID:e5JonWx60
シャーリー「ぜ、全部って……」

ルルーシュ『勿論、シャーリーの日記の内容を公表するつもりなんてない』

シャーリー「あ、当たり前でしょ!?」

ルルーシュ『時々、ポエムみたいになるのが俺は好きだったな』

シャーリー「ポエ!?」

ルルーシュ『―――今日もあいつを見ていた。誰に言われるでもなく、ただぼんやりと背中を眺めていた。ああ、これが恋か。とか』

シャーリー「いやぁぁ!!!!それ日記をどう書くか迷走しだしたときのやつじゃない!?」

ルルーシュ『あとは……。―――今日は冷たいソフトクリームを  ペロ。とっても甘い。冷たいアイツも  ペロしたら甘いのだろうか。とかな』

シャーリー「うわぁー!!!うわー!!!!」

ルルーシュ『どうした?!シャーリー?!』

シャーリー「いやぁぁ!!!やめてぇぇ!!!」バタバタ

ルルーシュ『シャーリー?!暴漢でも現れたのか?!』

シャーリー「心の暴漢が耳元にいるよ!!」

ルルーシュ『なんだと?!分かった!!すぐにそっちへ行く!!』

シャーリー「こないでぇ!!ルルはだめぇ!!」


58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 18:22:18.70 ID:e5JonWx60
ルルーシュ『シャーリー!!無事なのか!?』

シャーリー「いや……もう……ダメかも……」

ルルーシュ『シャーリー!!しっかりしろ!!』

シャーリー「もう……表に出られない……死のう……」キュィィン

シャーリー「ダメ……死ねない……よぉ……」

ルルーシュ『シャーリー……。俺でよければ相談に乗るが……』

シャーリー「ほ、他には……?」

ルルーシュ『え?』

シャーリー「もう……それだけしか……覚えてない……?」

ルルーシュ『いや、一番強烈だったのが一つだけあるな』

シャーリー(なんだろう……!!もしかして初めてルルに会ったときのやつ?それともルルって呼び始めた日のこと……?!)

ルルーシュ『今日の妄想シリーズはとても記憶に残っている」

シャーリー「だめ……!!それは……言わないで……!!おね……がい……!!」

ルルーシュ『しかし、デートプランはかなりしっかりしていた。相手のLって奴が羨ましいぐらいだ』

シャーリー「……もう……ころしてよぉ……」

63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 18:31:54.28 ID:e5JonWx60
ルルーシュ『何度も『ここでキスをしようとするも失敗』というト書きは気になったが』

シャーリー「あー!!あー!!」

ルルーシュ『シャーリー?!!やはり今から……!!』

シャーリー「ルル!!お願い!!忘れて!!」

ルルーシュ『忘れたくても……』

シャーリー「忘れろー!!」

ルルーシュ『だが……』

シャーリー「忘れないなら舌噛み千切って、丸めて、窓から投げ捨ててやる!!」

ルルーシュ『俺のか?』

シャーリー「私のに決まってるでしょ?!」

ルルーシュ『シャーリー!!死ぬぞ!!やめろ!!』

シャーリー「なら忘れて!!」

ルルーシュ『ポエムは忘れなくてもいいか?』

シャーリー「全部!!恥ずかしい内容の日のやつは全部お願いします!!!」

ルルーシュ『どれが恥ずかしい日のものなんだ?LとSのいけない日記シリーズか?あれは確かに女の子が書いていい内容ではなかったが……」


66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 18:40:39.03 ID:e5JonWx60
シャーリー「それ日記じゃないよ?!パソコンに入ってるやつでしょ?!」

ルルーシュ『でも、日記と書かれたフォルダに……』

シャーリー「私小説を隠すためのフォルダなの!!」

ルルーシュ『なんだ。そうだったのか』

シャーリー「よ、読んだの……?」

ルルーシュ『1ページ400字で800ページ以上あったからな。全て読むのに少し時間がかかった』

シャーリー「読んだんだ……」

ルルーシュ『初めは文章も荒かったが、中盤から洗練されてきて、とても読み応えがあった』

シャーリー「……」

ルルーシュ『特にLがSを自室に招いてから  場に向かう心理描写なんて秀逸だったな』

シャーリー「ルル……あの……それは……」

ルルーシュ『LはSの瞳を見るたびに鼓動を大きくさせた。もうこの感情を抑えることはできない。Lの心に灯る。劣情と言う名の青い火が。とかな』

シャーリー「うぅぅ……うぅぅ……」

ルルーシュ『シャーリー?具合でも悪いのか?』

シャーリー「舌が噛み切れません……」


70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 18:48:04.48 ID:e5JonWx60
ルルーシュ『このような物語を書こうと思った経緯を知りたいところだが』

シャーリー「言えるわけないでしょ」

ルルーシュ『その機会はいずれ』

シャーリー「言わないってば!!」

ルルーシュ『ん?ジェレ……ロロ……だと……!!!』

シャーリー「え?ルル?どうしたの?」

ルルーシュ『ああ、悪い。急用が入った。また明日な』

シャーリー「ルル!!日記と小説のこと忘れてね!!お願いだから!!」

ルルーシュ『分かっている』

シャーリー「あ、あと!!」

ルルーシュ『なんだ?』

シャーリー「ルルのこと手伝いたい……。もし困っているなら何でも言って」

ルルーシュ『シャーリー……』

シャーリー「……」

ルルーシュ『シャーリーは俺の帰る場所になってくれたらそれでいい。お前が生きている限り、俺は死ねない』

71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 18:53:30.93 ID:e5JonWx60
シャーリー「私もルルが生きている限り死ねない!!なんだか死んだあとが怖いから!!!」

ルルーシュ『嬉しいよ』

シャーリー「嬉しいの?!ありがとう!」

ルルーシュ『それじゃあ、おやすみ』

シャーリー「ルル!!忘れてね!!ルルー!!!」

シャーリー「切れちゃった……」

シャーリー「……」

シャーリー(さっき、ロロって……)

シャーリー「……!」ガタッ

シャーリー「もしかして私を撃ったのがロロくんだって分かったの……」

シャーリー「大変。ロロくんを探さないと……」

シャーリー「今のルル、何をするかよくわかんないし……」

シャーリー「催眠術でロロくんに意地悪するかもしれないし……!!」

シャーリー「よしっ」ダダダッ

72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 18:57:40.39 ID:e5JonWx60
ルルーシュ宅

シャーリー「ごめんくださーい」ドンドン

咲世子「なんでしょうか?」

シャーリー「咲世子さん。ルルは?」

咲世子「生憎と」

シャーリー「ロロは?」

咲世子「ロロ様もいまは……」

シャーリー「ロロもルルもいない……。やっぱり!!」

咲世子「シャーリーさん!?どちらへ?」

シャーリー「二人を探します!!」

咲世子「あ……!!」

シャーリー「ロロー!!!」ダダダッ

咲世子「……はぁ……」

咲世子「―――ヴィレッタ様」

ヴェレッタ『分かっている。ルルーシュからも言われているからな。こちらで保護しよう』



75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 19:01:02.02 ID:e5JonWx60
地下室

ヴィレッタ「入れ」

シャーリー「あの……ここは……?」

ヴィレッタ「私の仕事場だ」

シャーリー「ヴィレッタ先生ってここに住んでいるんですか?」

ヴィレッタ「まぁな」

シャーリー「わぁ。モニターがいっぱいありますね。今、面白いドラマとかやってますよ。一緒に見ます?」

ヴィレッタ「それはテレビではない。とにかく座れ」

シャーリー「は、はい」

ヴィレッタ「ルルーシュからどこまで聞いた?」

シャーリー「……私が恥ずかしい小説を書いているところまで……」

ヴィレッタ「何のことだ。ギアスについて聞いたのだろ?」

シャーリー「ああ。そっちですか。はい」

ヴィレッタ「どう思った?」

シャーリー「ルルはすごいなーって思いました」



81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 19:08:02.50 ID:e5JonWx60
ヴィレッタ「それだけか?」

シャーリー「はい」

ヴィレッタ「もっとあるだろ。お前の父親はルルーシュに殺され、更に記憶まで奪い、偽りの日常をお前に与えたのだぞ」

シャーリー「今の催眠術ってそんなことまで出来るんですよね。凄いです」

ヴィレッタ「シャーリー……」

シャーリー「あの。今はロロを助けにいかないといけないんで……」

ヴィレッタ「その必要はない。ルルーシュはロロに手を出すことはない。まだまだ利用価値があるからな」

シャーリー「利用価値?」

ヴィレッタ「ロロのギアスは相手の体感時間を奪うものだ。それを利用してナナリーを救出するのだろう」

シャーリー「ナナちゃんを……」

ヴィレッタ「ああ。それまでは手出しなどしないはずだ」

シャーリー「そんなのナナちゃんを救っても手なんて出したらダメですよ!!」

ヴィレッタ「……お前な……」

シャーリー「はい」

ヴィレッタ「やはりお前だけは好きにはなれない」


87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 19:16:38.77 ID:e5JonWx60
シャーリー「そ、それって……やっぱり、私が先生を撃ったからですか?」

ヴィレッタ「嫌なことを思い出させるな」

シャーリー「あれは……あの……ごめんなさい。アルバイトして治療費払います」

ヴィレッタ「もういい。治療費はタダだったしな。それ以前に父親を殺されて平然としていられるお前に腹が立つ」

シャーリー「平然としているように見えますか?」

ヴィレッタ「見える」

シャーリー「……よかった」

ヴィレッタ「……」

シャーリー「なら、きっとルルにもそう見えてますよね」

ヴィレッタ「何を言っている?」

シャーリー「だって。お父さんが死んだことを気にしているように見えちゃったら、ルルは私に今よりももっともーっと優しくなると思うんです」

ヴィレッタ「それでいいじゃないか」

シャーリー「ダメですよ。それはただ罪の意識から私の頭を撫でてくれているだけじゃないですか」

ヴィレッタ「なに?」

シャーリー「私はルルのことを許しました。だから、いつものルルと私でいいんです。ルルは少しだけ遠くにいるような気がするけど、それでもいつものように接してくれるだけで嬉しくて……」



91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 19:23:18.74 ID:e5JonWx60
ヴィレッタ「……」

シャーリー「あの……理由になってないですか?それとも撃ったことを気にしてますか?」

ヴィレッタ「お前も撃たれたのだったな?」

シャーリー「あ、はい。ここです」

ヴィレッタ「ふんっ」ツンッ

シャーリー「がっ……?!!?」

ヴィレッタ「どうだ?ちょっと突いただけでも痛いだろ?私も同じ苦しみを味わった」

シャーリー「あ……ご、ごめ……」

ヴィレッタ「そのように思考ができれば……私も扇と……」

シャーリー「先生?」

ヴィレッタ「何でもない。ともかく、お前はロロに命を狙われている。我々が保護を―――」

シャーリー「先生?せんせー。もしもーし」

ロロ「―――シャーリーさん」

シャーリー「あ、ロロ。みてよ、先生ったら固まっちゃって」

ロロ「今度こそ……貴方を……」


98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 19:27:49.04 ID:e5JonWx60
シャーリー「え……?」

ロロ「死んでもらいますよ」チャカ

シャーリー「ロロ……」

ロロ「貴方は兄さんにとって危険な存在だ……」

シャーリー「どうして……」

ロロ「貴方が!!兄さんを惑わせるから!!!死んでください!!!」

シャーリー「ロロ、私は―――」キュィィン

シャーリー「死ねない!!」ダダッ

ロロ「なに!?―――くそ!!」バァァン!!!

シャーリー「うっ?!」

ロロ「もう一発……!!」

シャーリー「ふっ!!」ドゴォ

ロロ「ぐ?!」

シャーリー「はぁ……はぁ……ロロ、やめようよ……どうして……」

ヴィレッタ「―――は?!シャーリー?!ロロ!!」



105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 19:34:18.00 ID:e5JonWx60
ロロ「くっ……そ……」

シャーリー「……」

ヴィレッタ「ロロ、どうして……。シャーリーの時も奪えばよかっただろに」

ロロ「それは……」

シャーリー「ロロ、私もルルのこと大好きなの」

ロロ「それがなんですか?」

シャーリー「ロロも好きなんでしょ?」

ロロ「ええ。そうですよ……。兄さんは僕だけの……」

シャーリー「うん。わかった」

ヴィレッタ「え……」

ロロ「シャーリー……さん……?」

シャーリー「ロロ、じゃあ競争しよ」

ロロ「競争……?」

シャーリー「私だってルルが好きだもん。でも、ルルを独り占めにするつもりもないから。だから、競争。恋敵の時を奪うんじゃなくて、好きな人の心を奪おうよ。そのほうが良いと思うよ?」

ロロ「……」


113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 19:42:11.83 ID:e5JonWx60
シャーリー「ロロが私を撃ったことはルルに内緒ね。ほら、心象悪くなっちゃうし。チクった私の」

ヴィレッタ「おい!!お前は二度も殺されかけたんだぞ?!」

シャーリー「でも、私は死んでいません。この前も今も、ロロなら簡単に殺せるのに」

ロロ「……」

シャーリー「頭とか心臓を撃っちゃえばいいのに、ロロはそうしなかった。今も足を撃っただけですし」

ヴィレッタ「お前!!大丈夫か!?」

シャーリー「痛いですよ!!」

ロロ「シャーリーさん……」

シャーリー「ロロはきっとちょっと興奮しただけなんです。ほら、良くあるじゃないですか。好きな人の隣に知らない誰かがいて、それを見た恋敵がハンカチを噛むとか」

シャーリー「むきー!誰よあの女はぁ!!みたいな」

ヴィレッタ「あるかもしれんが……」

シャーリー「私もカレンとルルが一時期怪しかったので、いつもむきーってなってました。ロロのことを責めるなんてできません」

ヴィレッタ「あのな……。いいのか?ロロはまたお前を狙うぞ?」

シャーリー「ロロは私じゃなくてルルのハート狙うべきだよ」

ロロ「新手の命乞いですか?」

138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 20:07:43.39 ID:e5JonWx60
シャーリー「命乞いって……ひどいなー」

ロロ「兄さんも貴方のそんなところに惹かれたのでしょうね……」

シャーリー「え?」

ロロ「兄さんが写った写真をかき集めたり、変なポエムを書いたり、LとSの  小説書き溜めたり……」

シャーリー「うわぁぁぁっぁ!!!!!」

ロロ「変 の癖に!!」

シャーリー「女の子はみんなしてるよ!!」

ヴィレッタ「してないが」

ロロ「ヴィレッタさん、見てください」

ヴィレッタ「これは?」

ロロ「シャーリーさんのポエム集です」

ヴィレッタ「ポエム集」

シャーリー「なにそれ?!」

ロロ「あなたが日記の残した恥ずかしいポエムを一覧にしたものですよ」

シャーリー「なんでそんなことするの!?そんなことするなら撃ってよ!!」


150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 20:22:42.12 ID:e5JonWx60
ヴィレッタ「空は高い。手が届かない。じゃあ、私の恋もきっと空だ。だって手が届かないから……」

シャーリー「いやぁぁぁぁ!!!声に出さないでぇぇぇ!!!」

ロロ「ふふふ……」

ヴィレッタ「シャーリー、こういうのが趣味なのか」

シャーリー「それはだから、日記の余白を埋めようとして……!!!」

ヴィレッタ「良い匂いがした。自分を深い場所まで潜らせる。そして包まれる。それが好きということ」

シャーリー「せんせぇぇ!!もうやめて!!音読はやめてください!!!黙読で!!黙読でお願いします!!」

ヴィレッタ「意外と面白いじゃないか。本でも出せばいいのに」

シャーリー「悶死しますよ!!」

ロロ「兄さんが写っている写真もこれだけあります。千枚以上はありますね」バサッ

シャーリー「ロロ!?私の部屋からもってきたの?!」

ロロ「それに画像データは1テラバイト弱もありましたよ。なんですか、これは?」

シャーリー「それは一つの画像に保存用、鑑賞用、実用に分けてあるのと、大きさも普通のと壁紙に分けてあるから、自然と要領が肥大化しちゃって……」

ロロ「ド変 ですね」

シャーリー「みんなやってるよ!!きっと!!」


159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 20:31:45.59 ID:e5JonWx60
ヴィレッタ「していないが」

ロロ「あなたの異常性を兄さんが知ればどうなるでしょうね……」

シャーリー「ロロ……!!」

ロロ「きっと気持ち悪がりますね」

シャーリー「それだけはやめて!!お願い!!!」

ロロ「なら兄さんに近づくな。半径100メートル以内に入らないでください!!」

シャーリー「そんな!?」

ヴィレッタ「おい、ロロ。無茶を言うな。シャーリーとルルーシュは同じクラスだ」

シャーリー「そ、そうだよ!!」

ロロ「なら、学園を去るしかないでしょうね」

シャーリー「そ、それは……!!」

ロロ「どうするんですか?」

シャーリー「うぅぅ……!!」

ヴィレッタ「シャーリー。どうでもいいが、足の怪我はどうする?応急処置ぐらいしたほうがいいぞ。化膿したら大変だ」

シャーリー「うぅぅ……出血多量で死にます……私はもう生きているのが辛いんです……」

162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 20:37:22.87 ID:e5JonWx60
ヴィレッタ「いや、そんな浅い傷で死ねないだろう。血も止まっているし」

シャーリー「やっぱり……私は死ねないんですね……」

シャーリー「ルルにも恥ずかしい秘密をいっぱい知られたし……もういやぁ……」

ヴィレッタ「はぁ……」

ロロ「シャーリーさん、いや、シャーリー!!早く兄さんの傍から離れろ!!この魔女め!!」

ヴィレッタ「そこまでいうなら何故、一思いに殺さない?」

ロロ「……!」

ヴィレッタ「お前、実はシャーリーを生かして何かを得ようとしているのか?」

ロロ「そ、それは……」

シャーリー「え?なに?」

ロロ「……ち、違う!!僕は本当にシャーリーに死んで欲しいんです!!」

シャーリー「早く殺して!!だめ!!やっぱり殺さないで!!!」

ヴィレッタ「……」

ロロ「僕は……本当に……!!」

ルルーシュ「―――そこまでだ。ロロ」


165 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 20:43:02.64 ID:e5JonWx60
ロロ「兄さん?!」

ヴィレッタ「ルルーシュ……」

シャーリー「ルルがきたー!!!もうお終いだー!!!」バタバタ

ルルーシュ「シャーリー。落ち着け」

シャーリー「え……?」

ルルーシュ「俺はお前の秘密を全部知っているだろ。どうしてロロの脅しに屈しようとする」

シャーリー「あ、そうだった。全部、見ちゃってるもんね。ルル」

ルルーシュ「そうだ」

シャーリー「じゃあ、私のこと嫌い?!キモいとか思った?!」

ルルーシュ「何度生まれ変わっても、きっとまた、ルルを好きになる……。とか、新しいポエムだろ?」

シャーリー「ちがっ!?」

ヴィレッタ「そんなポエムは見当たらないが」

ルルーシュ「シャーリーの新作なんですよ、きっと」

シャーリー「ルル!!違うってば!!!それは死ぬ間際だから……!!」

ルルーシュ「だからこそ最高傑作が出来上がったんだろ?分かっている」

169 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 20:50:15.42 ID:e5JonWx60
シャーリー「ルルのどーんかーん……」ウルウル

ロロ「何しにきたの?」

ルルーシュ「シャーリーを撃ち、こんな卑劣な脅しまで……。ロロ、もう言い逃れはできないぞ」

ロロ「兄さん!!目を覚ましてよ!!シャーリーさんはただの変 ストーカーだよ!!きっと兄さんの上履きとか縦笛とかもクンカクンカ、  ペロしてるよ!!」

シャーリー「まだ踏み込んだことのない領域です!!」

ヴィレッタ「普通するだろ」

ルルーシュ「ロロ……。ならば、貴様のパソコン内のあのフォルダはなんだ?」

ロロ「え……な、なんのこと……?」

ルルーシュ「容量は2TB超。しかも外付けHDDにまで同じフォルダがある」

ロロ「それはあれだよ。バックアップで……」

ルルーシュ「俺の画像がか?」

ロロ「僕は兄さんを監視する役目があったんだよ。盗撮したような画像が多くなるのは仕方のないことだよ!!」

ルルーシュ「風呂、トイレまでもか?」

ロロ「ひ、一人になる場所は一番警戒しなきゃダメでしょ?全く、素人なんだから、兄さんは」

ルルーシュ「ああ。俺も最初はそう思った。―――まるで便器の中から撮ったような動画が見つかるまではな」


181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 20:56:44.70 ID:e5JonWx60
ロロ「な?!それはちゃんとパスワードも設定してロックしていたのに……?!」

シャーリー「な、なにそれ……」

ヴィレッタ「おいおい。どんな動画だ?資料として持って帰る」

ルルーシュ「これだ」ピッ

シャーリー「……モニターが……」

ヴィレッタ「……」

ロロ「やめてよ……兄さん……」

シャーリー「あ、ルルだ」

ヴィレッタ「おい、シャーリー。目を逸らせ」

シャーリー「わわわ……ルルが……ルルが……」

ロロ「兄さん!!!」キュィィン

ルルーシュ「―――ふっ」

シャーリー「あ、あれ?!決定的瞬間が終わってる?!」

ロロ「兄さん……自分の恥ずかしい映像を見せて……何が楽しいの……?」

ルルーシュ「出演者は俺。そして視聴者はシャーリーだ。別に問題はないな」


190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 21:06:31.71 ID:e5JonWx60
ロロ「どういうこと?!」

ルルーシュ「いつかは自分の裸も見られるときが来る。今から恥ずかしがっていてどうする?」

ロロ「に、兄さん……それって……!!!」

シャーリー「え?どういうこと?ルル、私の前で裸になるの?なんで?ヌードデッサンなんて私、興味ないけど」

ヴィレッタ「シャーリー……」

ルルーシュ「悪いな、ロロ。お前には見せない。しかし、シャーリーには見せる。それが答えだ」

ロロ「ぐっ……!!どうして!!僕だってこんなに愛しているのに……!!兄さん!!!」

ルルーシュ「それはシャーリーも同じだな」

シャーリー「わ、私は別にルルのことなんて、そこまで愛してないもん!!」

ヴィレッタ「今更それは通じないだろ」

シャーリー「ホントです!!ルルが私を好きなだけです!!」

ルルーシュ「ロロ。貴様の持つ画像と動画データを消去されたくなければ、この俺に従い続けろ。その無償の愛を持ったままな!!!」

ロロ「くそ……!!くそぉ……」ガクッ

シャーリー「ロロ?大丈夫?」

ヴィレッタ「シャーリーの勝ちか」

195 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 21:14:53.14 ID:e5JonWx60
ルルーシュ「さあ、シャーリー。行くぞ」

シャーリー「どこへ?」

ルルーシュ「また新しいポエムでも聞かせてくれ」

シャーリー「い、いや!!」

ルルーシュ「あの小説の続きは出来たのか?」

シャーリー「よ、よみたいの!?」

ルルーシュ「当然だ。教室でLとSが盛っているのをクラスメイトに見られたあと、一体どうなるのか。気になって夜も眠れない」

シャーリー「あ、あのあとは……後ろから抱きしめているだけってSが言い訳しながら、実は繋が―――って、女の子に何を言わせるの?!おかしいよ!!」

ルルーシュ「はいはい」

シャーリー「もう……」

ロロ「負けた……あんな魔女に……僕は……」

ヴィレッタ「ロロ……」

ロロ「うぅぅ……」

ヴィレッタ「あの動画、コピーさせてくれないか?」

ロロ「いやです!!」


200 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 21:21:13.17 ID:e5JonWx60
ルルーシュ宅

ルルーシュ「シャーリー。あまり一人で出歩くな。怪我だってしているし」

シャーリー「ごめん。だって、ルルがロロに何かしちゃうって思って」

ルルーシュ「するわけないだろ」

シャーリー「うん……」

ルルーシュ「足の応急処置はこれでいいな」

咲世子「ルルーシュ様。では、私は……」

ルルーシュ「連絡してくれて助かった」

咲世子「とんでもありません」

シャーリー「咲世子さん。さようなら」

咲世子「はい。では、失礼しますね」

シャーリー「……」

ルルーシュ「今日はどうする?泊まっていくか?」

シャーリー「え?ううん。ルルに悪いし、寮に戻るよ」

ルルーシュ「そうか」


203 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 21:27:09.17 ID:e5JonWx60
シャーリー(しまったぁ!!あまりに自然に訊いて来るから断っちゃったよぉ……)

ルルーシュ「送っていく」

シャーリー「ね、ねえ!!ルル!!」

ルルーシュ「ん?」

シャーリー「あの……嘘を吐かないで欲しいんだけど」

ルルーシュ「ああ」

シャーリー「ルルの写った写真をかき集めたり、ポエム書いたり、変な小説書いたり、気づいたらいつもルルのことばかり見ているような女の子ってやっぱり変……?」

ルルーシュ「変だな」

シャーリー「やっぱりぃ……?」

ルルーシュ「冷静に考えたらそんな女は気持ち悪い」

シャーリー「うぐっ……?!」

ルルーシュ「ルームメイトも白い目で見ているんじゃないか?」

シャーリー「生暖かいです」

ルルーシュ「だろうな」

シャーリー「じゃあ……ルルは……私のこと……嫌い……だよね」


207 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 21:38:52.59 ID:e5JonWx60
ルルーシュ「シャーリー」

シャーリー「は、はい」

ルルーシュ「嘘を吐かないで欲しいんだが」

シャーリー「う、うん?」

ルルーシュ「俺の写った写真をかき集めたり、ポエム書いたり、変な小説書いたり、気づいたらいつも俺のことばかり見ているような女の子を好きになるって変か?」

シャーリー「……変かな」

ルルーシュ「やはり……」

シャーリー「そんな子、絶対ストーカーだよ!!ルル!!目を覚まして!!」

ルルーシュ「目を覚ましたらシャーリーのことを好きでいられなくなる。それはゴメンだ」

シャーリー「なによぉ!!私はそんなこと……してる!!それ、私のことだった!!」

ルルーシュ「恋はパワーだからな。それぐらいの押しがあってもいいとは思うが……」

シャーリー「ルルぅぅ……もう画像も保存用だけにするし、ポエムも書かないし、小説もやめるぅ……だから……」ウルウル

ルルーシュ「そうだな。写真を撮る必要も、小説を書く必要もこれからはないからな」

シャーリー「え……?」

ルルーシュ「シャーリー。ゲームで決まっただけの恋人は終わりにするぞ。―――シャーリー、俺の恋人になってくれないか。ずっと傍にいてくれる恋人にな」


220 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 21:50:20.40 ID:e5JonWx60
シャーリー「ルル……?」

ルルーシュ「やはりダメか?」

シャーリー「……」

ルルーシュ「悪い。虫のいい話だったな。忘れてくれ」

シャーリー「ねえ!!」

ルルーシュ「どうした?」

シャーリー「……私はルルのこと許してるから!!」

ルルーシュ「……」

シャーリー「だから、気にしないで!!」

ルルーシュ「シャーリー……」

シャーリー「生まれ変わってルルがまた自分を見失って、酷いことしても……きっと私はルルを許しちゃうと思う」

ルルーシュ「どうして?」

シャーリー「それが好きってことでしょ。きっと、そうだと思うの。ルルが好きだから……。許しちゃうの……多分……」

ルルーシュ「馬鹿な女だな」

シャーリー「思うところがないわけじゃない。それでも、ルルが好きだから仕方ないでしょ?!」


231 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 21:59:36.81 ID:e5JonWx60
ルルーシュ「……」

シャーリー「だから……えっと……画像捨てる!小説も書かない!!ポエムも捨てる!!」

ルルーシュ「よせ」

シャーリー「え?」

ルルーシュ「ポエムは書け。いや、書いて欲しい」

シャーリー「なんで?!もうあんなの忘れたい過去の上位なんだけど?!」

ルルーシュ「あのポエムはいい。本も出そう」

シャーリー「えぇ!?」

ルルーシュ「出版社にも話は通してある。ギアスを使った」

シャーリー「どうして!?」

ルルーシュ「ナナリーにも見せてあげたいんだ。あんなに読んでいる側までも綻んでしまうような文章、中々書けない」

シャーリー「それ苦笑いでしょ!?私、知ってるよ?!」

ルルーシュ「シャーリー。今の気持ちをポエムにしてくれ」

シャーリー「え?えーと……見上げると夜空があった。視線を合わせても星が見えた。彼の瞳の中にそれはある。こっちのほうが綺麗だし、なにより近くていいね―――って、ルル!!」

ルルーシュ「今のもいいな。メモしておくか」カキカキ


240 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 22:07:55.79 ID:e5JonWx60
シャーリー「もういや……死にたい……あ、ダメ、死ねない……」ウルウル

ルルーシュ「都合よくロロがシャーリーもポエムを纏めてくれているし、これでスムーズに事が進むな」

シャーリー「すすめないで……ルルぅ……」

ルルーシュ「あとシャーリーの声を録音してポエム集の付録にCDを付けたい。ポエムの音読CDだ」

シャーリー「はぁ?!」

ルルーシュ「これでナナリーにも安心してシャーリーのポエムを届けることができる」

シャーリー「ルル!!ナナちゃんを取り戻そう?!そうすれば本を出版しなくてもいいじゃないかな?!」

ルルーシュ「ナナリーを助けるための手は打っている。だが、まだまだ時間はかかる」

シャーリー「出版とか寄り道してるからじゃないの?!」

ルルーシュ「そんなことはない。俺はシャーリーが大好きだからな」

シャーリー「うん……私も……って、そんな言葉では騙されない!!」

ルルーシュ「シャーリー……俺のことが嫌いなのか……」

シャーリー「ううん!!大好き!!」

ルルーシュ「よかった……シャーリー。録音、頑張ろうな」

シャーリー「うん……え?本当に?」


247 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 22:15:32.26 ID:e5JonWx60
翌日 女子寮 自室

シャーリー(はぁ……結局、朝帰り……。ソフィ、心配してるかなぁ……)

シャーリー「ただい―――」

ロロ「お帰りなさい。シャーリーさん」

シャーリー「ロロ?!なんで?!」

ソフィ「あ、シャーリー。たすけてよぉ」

シャーリー「どうしたの?!」

ソフィ「この子がね、シャーリーに新作小説を書くようにお願いしろって。じゃないと、シャーリーの恥ずかしいポエムをばら撒くって」

シャーリー「小説……?」

ロロ「貴方を殺せなかったのは、この小説を読んでしまったからなんです」

シャーリー「それは!?」

ロロ「LとSのキャラが生々しくて素晴らしいですね。僕も大ファンになってしまいました。なので殺してしまっては続きが読めない……。そこで僕に迷いが生じた」

シャーリー「そ、それで……?」

ロロ「本来なら殺さない代わりに、あるいは学園を去りたくなければ小説を書けと脅すつもりでした。昨日はそれができませんでしたから」

シャーリー「わ、私の小説……どうして、みんな読むの……。ただのストレス解消なのにぃ……」


253 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 22:24:11.27 ID:e5JonWx60
ロロ「でも、それもできない。なら、次はこの赤裸々な貴方のポエムを……ネットにばら撒く!!」

シャーリー「やめて!!―――と、思ったけど。別にいいか」

ロロ「な……?!どうして?!僕は本気ですよ?!」

シャーリー「だって、そのポエム集、本にして売るから」

ロロ「正気ですか?!」

シャーリー「ルルにいってよぉ!!私だって今すぐに誰かに殺して欲しいぐらい……。でも、殺されたくない」キュィィン

ロロ「兄さんめ……。分かりました。では、この未完成の小説は新人賞にでも出してみましょうか」

シャーリー「完成してないしダメぇ!!」

ロロ「ネットにばら撒いてもいい!!勿論、名前も顔もつけてね!!」

シャーリー「ひどいよ!!」

ロロ「なら書くんです。まずはこのLとSのいけない日記を完結させて、次はLとRの秘め事ってタイトルのBL小説を書いて下さい!!!」

シャーリー「えぇ……そんなの……」

ロロ「いいんですか?バラ撒きますよ?」

ソフィ「いいじゃん。書いちゃえば」

シャーリー「もう!!書く!!かきますぅ!!」


259 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 22:31:05.49 ID:e5JonWx60
数週間後

シャーリー「できた……!!できちゃった……!!」

ルルーシュ「シャーリー。何が出来たんだ?」

シャーリー「うおぉ?!なんでもありません!!」

アーニャ「ルルーシュのシャーリーの子ども?」

ルルーシュ「なに?本当か?」

シャーリー「そんなわけないでしょ?!」

アーニャ「お腹に手を当ててみる。何も聞こえない。何も感じない。だけど、貴方の温もりだけが残っている。―――これって、どういうこと?」

シャーリー「なんで買ってるの!?」

リヴァル「生徒会メンバーはみんな買ってるって」

シャーリー「こっそり出したのに……!!」

ルルーシュ「これは小説か」

シャーリー「あ?!みちゃだめぇ!!」

ルルーシュ「これも出版してみるか?」

シャーリー「ルルー!!これ以上、私の恥部を配り歩かないで!!」

266 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 22:38:49.06 ID:e5JonWx60
総督府

ナナリー「カレンさん、見てください」ウィィィン

カレン「どうしたの?嬉しそうに」

ナナリー「シャーリーさんのポエム集です」

カレン「どういうこと?」

ナナリー「私は付属のCDでシャーリーさんの声と共に、美しい詩を聞きました」

カレン「ふーん……」ペラッ

ナナリー「水の音が聞こえる。それは命の息吹。それを受け止め、私はまた未来を望む。ああ、このときだけが私の全て……。これが一番好きですね」

カレン「何を思って書いてるんだろ……」

ナナリー「もうすぐ小説も出るみたいですよ。私、楽しみです」

カレン「できたら私にも貸してよ」

ナナリー「はいっ」

カレン(シャーリー……人生を楽しんでるわね……ん?このポエムは……CD未収録集?)

『何度生まれ変わっても、きっとまたルルを好きになる……これって、運命なんだよね』

カレン「……シャーリー……本当に人生、楽しんでるなぁ……!!」



270 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/27(月) 22:46:29.35 ID:e5JonWx60
学園 中庭

シャーリー「うわぁぁぁ!!!私の知らないポエムまでのってるぅ!!!」

ルルーシュ「俺に向けたポエムだろ?」

シャーリー「違うよ!!あれは一世一代の告白だったのぉ!!」

ルルーシュ「そうだったのか?」

シャーリー「分かってて載せたんでしょ?もうー!!」

ルルーシュ「悪い。あまりにも嬉しくて」

シャーリー「……ホントに?」

ルルーシュ「もう一回、言ってみてくれないか?」

シャーリー「……な、何度生まれ変わっても、きっとまたルルを好きになる……」

ルルーシュ「俺もだ、シャーリー」

シャーリー「そんなことで、この出版は許さない!!」

ルルーシュ「シャーリー……好きだ……」

シャーリー「私も、ルルのこと大好き……。でも、恥ずかしいよぉ!!!もっと普通に告白したらよかったぁ!!!」ジタバタ

ルルーシュ「シャーリーは見ていて飽きないな。これなら一生一緒でも大丈夫だろう」
                                                       おしまい