1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 00:30:46.02 ID:OWO5zIRQ0
ゼロ「……」バッ!!!

ルルーシュ「うぅ……ナ、ナリー……」

ナナリー「そんな……お兄様は、今まで……!!―――お兄様、愛しています!」

ルルーシュ「あぁ………俺は、世界を、壊し、世界を……つくる―――」ガクッ

ナナリー「お兄様!いや!目を開けてください!お兄様!お兄様ぁぁぁ!!」キュィィン

ゼロ「……」

ナナリー「ずるいです。私はお兄様だけでよかったのに。お兄様のいない明日なんて……そんなの……!!」

ゼロ「……」バッ!!!

ナナリー「今、人工呼吸を!!」チュッ

ルルーシュ「うぐっ!?」

ゼロ「なに?!」





3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 00:33:43.92 ID:OWO5zIRQ0
ナナリー「んっ……っ……」

ルルーシュ「んー?!んんー?!!?」

ゼロ「やめるんだ!!ナナリー!!!」

ナナリー「離して下さい!!」

ゼロ「皇帝ルルーシュはもう……」

ナナリー「そんなことありません!!私のキスで!!」

ゼロ「人工呼吸じゃないのか?!」

ルルーシュ「ん……?」

ゼロ「え……?」

ルルーシュ「な、なんだ……傷が癒えている……?」

ナナリー「お兄様!!」

ゼロ「……」

ルルーシュ「……」

ナナリー「よかった……本当に……」

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 00:37:27.63 ID:OWO5zIRQ0
ルルーシュ「―――くそ!!知れ者め!!」

ゼロ「悪の皇帝ルルーシュ!!覚悟ぉ!!!」

ルルーシュ「……!!」

ゼロ「はぁぁぁ!!!」グサッ

ルルーシュ「うご……!?」

ナナリー「いやぁぁぁ!!!!」

ゼロ「……」バッ!!!

ルルーシュ「はぁ……はぁ……」ガクッ

ナナリー「いやです!!お兄様!!私はお兄様がいてくれればそれでいいのです!!」キュィィン

ルルーシュ「ナ、ナナリ……」

ナナリー「今、キスを!!」チュッ

ルルーシュ「?!」

ゼロ「いい加減に―――」

ルルーシュ「傷が……癒えた……。これは……一体……」

ナナリー「お兄様!!」ギュッ


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 00:40:56.26 ID:4tx99G/F0
ルルーシュ「―――くそ!!知れ者め!!」

ゼロ「悪の皇帝ルルーシュ!!覚悟ぉ!!!」

ルルーシュ「……!!」

ゼロ「はぁぁぁ!!!」グサッ

ルルーシュ「うご……!?」

ナナリー「いやぁぁぁ!!!!」

ゼロ「……」バッ!!!

ルルーシュ「はぁ……はぁ……」ガクッ

ナナリー「いやです!!お兄様!!私はお兄様がいてくれればそれでいいのです!!」キュィィン

ルルーシュ「ナ、ナナリ……」

ナナリー「今、キスを!!」チュッ

ルルーシュ「?!」

ゼロ「いい加減に―――」

ルルーシュ「傷が……癒えた……。これは……一体……」

ナナリー「お兄様!!」ギュッ

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 00:41:57.49 ID:OWO5zIRQ0
ゼロ「……」

ジェレミア「いかん!!全軍撤退だ!!捕虜はそのままで解放しても構わん!!」

ルルーシュ「ナナリー……お前は……」

ナナリー「お兄様……」スリスリ

ゼロ「ギアスか……」

ルルーシュ「なんだと?!ナナリー!!目を見せろ!!」

ナナリー「はい?」キュィィン

ルルーシュ「が……?!紋章が……!?」

ナナリー「なんでしょうか?」

ゼロ「どうする?!」

ルルーシュ「ゼロレクイエムは延期だ!!」

ゼロ「わ、わかった」

ルルーシュ「ナナリー、話したいことがある。いいな?」

ナナリー「はい」

コーネリア「捕虜をすくえー」ダダダッ

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 00:42:44.28 ID:4tx99G/F0
ゼロ「今度こそ!」
ルルーシュ「―――くそ!!知れ者め!!」

ゼロ「悪の皇帝ルルーシュ!!覚悟ぉ!!!」

ルルーシュ「……!!」

ゼロ「はぁぁぁ!!!」グサッ

ルルーシュ「うご……!?」

ナナリー「いやぁぁぁ!!!!」

ゼロ「……」バッ!!!

ルルーシュ「はぁ……はぁ……」ガクッ

ナナリー「いやです!!お兄様!!私はお兄様がいてくれればそれでいいのです!!」キュィィン

ルルーシュ「ナ、ナナリ……」

ナナリー「今、キスを!!」チュッ

ルルーシュ「?!」

ゼロ「いい加減に―――」
ルルーシュ「傷が……癒えた……。これは……一体……」
ナナリー「お兄様!!」ギュッ


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 00:46:57.11 ID:OWO5zIRQ0
ルルーシュの自室

ルルーシュ「C.C.!!!」

C.C.「お前……。死んだんじゃないのか」

ルルーシュ「それは俺の台詞だ」

C.C.「意味がわからないな」

ルルーシュ「ナナリーを見ろ」

C.C.「んー?」

ナナリー「あ、C.C.さん。お久しぶりです」キュィィン

C.C.「ギアス……」

ルルーシュ「お前……」

C.C.「おいおい。私がそんなことするわけないだろ」

ルルーシュ「じゃあ、誰が……!!」

C.C.「V.V.じゃないのか。あいつは一度、ナナリーと出会っているからな。ギアスを譲渡するチャンスはあったはずだ」

ルルーシュ「くっ……」

ナナリー「あの……。お兄様?」キュィィン

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 00:46:59.37 ID:4tx99G/F0
ゼロ「好い加減に!」
ルルーシュ「ええい!!」

ゼロ「悪の皇帝ルルーシュ!!覚悟ぉ!!!」
ルルーシュ「……!!」

ゼロ「はぁぁぁ!!!」グサッ

ルルーシュ「うご……!?」

ナナリー「てややぁぁぁ!!!!」

ゼロ「……」バッ!!!

ルルーシュ「はぁ……はぁ……」ガクッ

ナナリー「いやです!!お兄様!!私はお兄様がいてくれればそれでいいのです!!」トエエエエイ

ルルーシュ「ナ、ナナリ……」

ナナリー「今、キスを!!」チュッ

ルルーシュ「?!」

ゼロ「やめたまえ!」

ルルーシュ「傷が……癒えた……。これは……一体……」

ナナリー「お兄様!!」ギュッ

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 00:52:10.10 ID:OWO5zIRQ0
C.C.「ふーん。傷を癒すギアスか」

ルルーシュ「人体の治癒能力を高めることができるものだと俺は判断した。勿論、物を直すこともできるかもしれないがな」

C.C.「なるほど」

ナナリー「あの……」

C.C.「ナナリー。お前、自分がギアス能力者だという自覚はあるんだろうな?」

ナナリー「はい」

ルルーシュ「……」

C.C.「……V.V.と契約したのか?」

ナナリー「優しい世界を目指すなら必要だって。そのときはまだギアスのことなんて知りませんでしたが」

C.C.「誰に対しても優しくありたいという想いが生んだギアスだな」

ルルーシュ「それにしても。両目に浮かび上がっているが……」

C.C.「既に暴走しているな」

ルルーシュ「……どうする?」

C.C.「私に訊くな」

ナナリー「あの……」キュィィン


23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 00:52:48.15 ID:4tx99G/F0
ゼロ「くそ!どうなっている!」

ルルーシュ「―――くそ!!!!」

ゼロ「悪の皇帝ルルーシュ!!覚悟ぉ!!!」

ルルーシュ「……!!」

ゼロ「はぁぁぁ!!!」グサッ

ルルーシュ「うご……!?」
ナナリー「いやぁぁぁ!!!!」
ゼロ「……」バッ!!!

ルルーシュ「はぁ……はぁ……」ガクッ

ナナリー「いやです!!お兄様!!私はお兄様がいてくれればそれでいいのです!!」キュィィン
ルルーシュ「ナ、ナナリ……」

ナナリー「今、キスを!!」チュッ
ルルーシュ「?!」

ゼロ「いい加減に―――」

ルルーシュ「傷が……癒えた……。これは……一体……」
ナナリー「お兄様!!」ギュッ


27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 00:59:01.96 ID:OWO5zIRQ0
ルルーシュ「ナナリー。その力はいつ使った?」

ナナリー「お兄様が初めてです」

ルルーシュ「……」

ナナリー「私のギアスは相手にギアスをかけて、さらに私の体の一部を飲ませないと効果を発揮しないようで……」

C.C.「どうしてそれを知ることができた?」

ナナリー「お兄様の傷が癒えたときにそう理解しました」

ルルーシュ「つまり、俺の傷を癒すまでは自分でもどんなギアス能力か知らなかった。ということか」

ナナリー「そうなりますね」

C.C.「まあ、つい2ヶ月前まで目は開かなかったわけだしな」

ルルーシュ「そうだな。ギアスを試すこともできなかったはずだ」

ナナリー「でも、これでお兄様と私はこれからも一緒にいられますね」キュィィン

C.C.「ゼロレクイエムはどうする?」

ルルーシュ「……ナナリー抜きでやるしかないな」

ナナリー「お兄様!?何故ですか?!」

ルルーシュ「俺は死ななければならないからだ!!」

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 01:05:49.93 ID:OWO5zIRQ0
ナナリー「私はお兄様だけで良いのです!!世界なんて……!!」

ルルーシュ「これが俺の罰だ」

ナナリー「お兄様……」キュィィン

スザク「ルルーシュ。もう一度、やろう」

ルルーシュ「わかっている」

ナナリー「お兄様!!せめて!!せめて!!私も傍に居させてください!!」

ルルーシュ「ナナリー……」

ナナリー「お兄様の最後を看取るのも……ダメですか?」キュィィン

ルルーシュ「しかし……」

C.C.「ナナリーがルルーシュに近づかなければいいだけの話だろ?妹の我侭ぐらい聞いてやれ」

ルルーシュ「そうだな……」

スザク「ルルーシュ。じゃあ、僕は逃げ出した捕虜をもう一度捕まえにいくよ」

ルルーシュ「何故だ?」

スザク「ナナリーだけじゃ見栄えが悪いだろ?ジェレミア卿も一緒だから問題ないよ」

ルルーシュ「ああ。そちらは任せた。どうせ、俺がどんなに理不尽なことをしても「ルルーシュだから」で片付くしな」

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 01:11:36.54 ID:OWO5zIRQ0
ナナリー「お兄様……。お気持ちは変わらないのですね」

ルルーシュ「当然だ」

C.C.「察してやれ」

ナナリー「……はい」キュィィン

ルルーシュ「パレードは捕虜が捕まり次第、再度行う!!」

C.C.「がんばれよ」

ルルーシュ「死ぬのにがんばれもないだろ」

C.C.「ああ、そうだったな」

ナナリー「……」

ルルーシュ「ナナリー。悪いが独房に居てもらうぞ」

ナナリー「分かりました」キュィィン

ルルーシュ(やはり常時ギアスが発動されていては落ち着かないな)

ナナリー「……」キュィィン

ルルーシュ「ナナリー、あまりこちらを見ないでくれ……」

ナナリー「……」キュィィン

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 01:15:22.95 ID:OWO5zIRQ0
数日後 パレード

カレン「くっ……なによ!!逃がしたくせに!!」

玉城「ぬか喜びさせんじゃねえ!!!」

藤堂「……にしても、どうしてまた同じことを」

千葉「まあ、ルルーシュですし」

星刻「そうだな」

天子「うぅ……かぐやー」

神楽耶「天子さま……」

ルルーシュ(よし……問題はないな……)

ナナリー「……」キュィィン

ルルーシュ(ナナリーが下から熱視線を送ってくる以外は前回と同じ条件!!あとは俺がナナリーの傍に行かなければいいだけの話!!)

ジェレミア「誰だ!!!」

ゼロ「……」バッ!!!

ジェレミア「賊めが!!」

ゼロ「……」ダダダダッ!!!

35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 01:19:55.33 ID:OWO5zIRQ0
ゼロ「……」ダダダッ

ナナリー「……」ガシッ!!!

ゼロ「うわぁ?!」バタッ!!

ルルーシュ「なに?!」

ゼロ「足を離してくれ、ナナリー!!」

ナナリー「いかせません……」キュィィン

ゼロ「こうなったら……。―――すまない!!ナナリー!!!気絶してもらう!!」

ナナリー「いやぁ!!」

ルルーシュ「やめろぉ!!!」ダダダッ

ゼロ「ルルーシュ?!」

ルルーシュ「(バカか!!お前が捕虜を殴れば英雄ゼロになれなくなるぞ!!)」

ゼロ「(そ、そうか……)」

ルルーシュ「(もういいから。ここで俺を殺せ!!)」

ゼロ「わかったぁ!!!」グサッ!!!

ルルーシュ「そ、そんない、いきな……り……!?」


37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 01:24:40.17 ID:4tx99G/F0
ゼロ「うおおぉ!!」

ルルーシュ「―――くそ!!知れ者め!!」

ゼロ「悪の皇帝ルルーシュ!!覚悟ぉ!!!」

ルルーシュ「……!!」

ゼロ「はぁぁぁ!!!」グサッ

ルルーシュ「うご……!?」

ナナリー「いやぁぁぁ!!!!」

ゼロ「……」バッ!!!

ルルーシュ「はぁ……はぁ……」ガクッ

ナナリー「いやです!!お兄様!!私はお兄様がいてくれればそれでいいのです!!」キュィィン
ルルーシュ「ナ、ナナリ……」

ナナリー「今、キスを!!」チュッ

ルルーシュ「?!」

ゼロ「いい加減に―――」

ルルーシュ「傷が……癒えた……。これは……一体……」

ナナリー「お兄様!!」ギュッ

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 01:24:40.83 ID:OWO5zIRQ0
ナナリー「お兄様ぁ!!!」キュィィン

ゼロ「ナナリー!!近づくな!!」

ナナリー「いやぁ!!!いやぁぁぁ!!!」

ルルーシュ(これでいい……これで……俺は……死ねる……)

ゼロ(さようなら……ルルーシュ……)

ナナリー「お兄様ぁ!!!お兄様ぁ!!いやです!!私はぁ!!お兄様のいない明日なんて!!いりません!!!」

ルルーシュ(ナナリー……強く……いき……て……)

ナナリー「えい」ポイッ

ゼロ「?!」

ルルーシュ「……!?」パクッ

ルルーシュ「な、なんだ!?何かが……口に……?!」

ナナリー「私の体液を入れたカプセルです」

ルルーシュ「ナナリー……?!―――しまった、傷が癒える!!!」

ナナリー「お兄様。どうしてすぐに死のうとするのですか?」

ゼロ「そんなものを用意していたのか……!!」


42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 01:29:18.23 ID:OWO5zIRQ0
ルルーシュ「バカな……。カプセルならこんなに即効性など……!!」

ナナリー「お兄様……」

ルルーシュ「もう一度だ!!諦めるな!!」

ゼロ「おぉぉ!!!」

藤堂「なんだ。何が起こっている?」

カレン(何、グダグダやってんの……?)

扇「あれ、やはり枢木スザ―――」

カレン「ゼロです!!」

星刻「しかし……」

カレン「あれはゼロです!!!」

ゼロ「皇帝ルルーシュ!!覚悟ぉ!!!」グサッ

ルルーシュ「うがぁ……いたい……!!」

ゼロ「これだけ深く突き刺せば……流石に死ぬだろ!!」

ルルーシュ「うぅ……う……」

ナナリー「……」キュィィン


46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 01:34:53.46 ID:OWO5zIRQ0
ゼロ「……」ズポッ

ルルーシュ(うつ伏せに倒れなければ……また繰り返す……)

ルルーシュ「ぐはっ……」バタッ

ゼロ「ルルーシュ……」

ルルーシュ「ごふっ……もう……これで……死なせて……く―――」

ナナリー「……そろそろ時間ですね」

ゼロ「え?」

ナナリー「カプセルが溶ける頃です」

ゼロ「なんだって?!」

ルルーシュ「はっ!?」ガバッ

ナナリー「ふふ……」

ルルーシュ「どうして……?!先ほどカプセルの効果は……」

ナナリー「カプセルを投げる前に唾液で濡らしておいたのです。これなら一度で二度美味しいですよね?お兄様?」

ルルーシュ「……」

ゼロ「ナナ、リー……」


51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 01:39:55.06 ID:OWO5zIRQ0
ルルーシュ「ナナリー……分かった……俺が悪かったから……もう死なせてくれ……」

ナナリー「嫌です」

ルルーシュ「?!」

ナナリー「私はお兄様さえ居てくれれば何もいりませんから」

ルルーシュ「スザク!!」

ゼロ「もう一度!!」

ナナリー「やめてください」ギュッ

ルルーシュ「ナナリー!?」

ゼロ「どくんだ、ナナリー!!」

ナナリー「お兄様をどうしても殺すというなら。私も一緒に貫いてください!!」

ルルーシュ「馬鹿なことをいうなナナリー!!お前は生きろ!!」

ナナリー「嫌です!!お兄様と一緒に生きて、一緒に死にます!だって、私はお兄様を愛しているから!!」

ルルーシュ「俺も愛している!!しかし!!俺は死ななければならない!!そしてお前は優しくなった世界で生きろ!!!」キュィィン

ナナリー「お兄様も居てくれないと生きる意味なんてありません!!」キュィィン

ゼロ「あの……刺してもいいのか?」

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 01:45:07.09 ID:OWO5zIRQ0
ルルーシュ「スザァァク!!!ナナリーを殺すなんて死んでも許さん!!!」

ゼロ「じゃあ!!どうすればいいんだ?!」

ナナリー「殺さないでください!!!」

ルルーシュ「いや、俺だけを殺せ!!」

ゼロ「うぅぅ……!!!」

藤堂「やはり、あのゼロは枢木―――」

カレン「ゼロです!!」

玉城「いや。もう―――」

カレン「ゼロだ!!!」

神楽耶「でも、ルルーシュ様もスザクと」

カレン「ゼロだって言ってるでしょ?!」

天子「ひっ。ご、ごめんなさい」

カレン「ゼロ!!!さっさとルルーシュをやっちゃいなさいよ!!!」

ゼロ「そうだ!!頭の頂点から串刺しにすれば……!!」

ルルーシュ「やめろ!!そんな死に方はしたくない!!」

59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 01:50:52.11 ID:OWO5zIRQ0
ナナリー「お兄様の頂頭部は私が守ります」ギュッ

ルルーシュ「ナナリー!?!」

ナナリー「私の頭も一緒に貫いてください」

ゼロ「そんな……串団子みたいな死に方……」

ナナリー「だんご兄妹で死なせてください」

ゼロ「くそ……!!」

ルルーシュ「スザク!!」

ナナリー「スザクさん!!」

ゼロ「こうなったら……ナナリーごと……!!」

ルルーシュ「やめろぉ!!」

ナナリー「ありがとうございます……」

ゼロ「うわぁぁぁぁ!!!」

ルルーシュ「本気か……!!―――ジェレミア!!」

ジェレミア「―――仮面の騎士よ。ナナリー様は殺させない」ギィィン

ゼロ「ジェレミア卿?!あなたまで邪魔をするのですか?!」


61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 01:56:51.37 ID:OWO5zIRQ0
ジェレミア「まずは剣を納めよ。その刃があるだけでまともな会話はできない」

ゼロ「は、はい……」

ルルーシュ「ふぅー……危なかった」

ナナリー「死ぬ覚悟をしていただけに、今は生きていることがすごく幸せなことだと実感できますね」

ルルーシュ「ああ、そうだな。―――って、違うぞ。俺は死にたい!!」

ナナリー「お兄様は嘘つきですね。ふふっ」

ゼロ「僕はどうしたらいいのですか」

ジェレミア「選択肢は様々ある。まずはナナリー様をルルーシュ様から引き剥がす」

ゼロ「それは……」

ナナリー「お兄様……ふふ……」ギュゥゥ

ルルーシュ「ナナリー!!民衆が見ている!!」

ナナリー「見せ付けてあげましょう」

ゼロ「無理です」

ジェレミア「だろうな。では、ギアスを使うという手もある」

ルルーシュ「そうか!!ギアスか!!」


64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 02:01:42.87 ID:OWO5zIRQ0
ルルーシュ「ナナリー!!」

ナナリー「お兄様、どこですか?私は目が……」オロオロ

ルルーシュ「なんだと?!」

ナナリー「お父様のギアスが再発しました」

ルルーシュ「おのれシャルル……!!どこまで俺の邪魔をする……!!」

ジェレミア「ならば私のギアスで……!!」キュィィン

ナナリー「……!!」

ジェレミア「これで目は開くはず。それだけではありません。足も……」

ナナリー「んっ……ダメです。上手く立てません」

ルルーシュ「リハビリが必要だな」

ナナリー「お兄様。手伝ってくださいますか?」

ルルーシュ「当然だろ?」

ナナリー「まぁ、うれしい」

ゼロ「ルルーシュ!!!君は今日、死ぬんじゃないのか?!」

ルルーシュ「そうだった……。すまない、ナナリー。その約束は果たせそうにない」

67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 02:07:43.56 ID:OWO5zIRQ0
ナナリー「そんな……!!お兄様は嘘つきです!!悪魔です!!」

ルルーシュ「ナナリー……」

ナナリー「私がどれだけお兄様とのリハビリを楽しみにしていたと思っているのですか?!」

ルルーシュ「だが、俺はもう……」

ナナリー「お兄様……共に生きてください……。私を助けると思って」

ゼロ「ナナリー!!ルルーシュがどれだけのことをしてきたのか知っているだろう?!それでも尚、君は許すというのか?!」

ナナリー「はい」

ゼロ「……迷いの無い瞳……。ナナリー……君はいつだって真っ直ぐだ……だから、僕は……」

ジェレミア「ルルーシュ様……」

ルルーシュ「ナナリー。死なせてくれ……頼む……。どうしたら俺は罪を償える……?」

ナナリー「私と生きてください」

ルルーシュ「それではユーフェミアを殺してしまった俺への罰は?!」

ナナリー「お兄様、めっ」

ルルーシュ「……」

ナナリー「これで私は許しました。さあ、二人だけのエデンに向かいましょう」


71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 02:12:59.93 ID:OWO5zIRQ0
ゼロ「ルルーシュゥゥゥゥゥ!!!!僕はやはり!!!君を殺す!!!殺さなければならない気がする!!!!」

ルルーシュ「そうだ!!俺を殺せ!!!スザァァク!!!!」

ナナリー「そもそも。スザクさんがゼロになってどうするのですか?!」

ゼロ「え……」

ジェレミア「ナナリー様……」

ナナリー「スザクさん、政治とかできるんですか?」

ゼロ「それは……」

ナナリー「その点、お兄様はできますよね」

ルルーシュ「あ、ああ……」

ナナリー「どうしてもお兄様が死なないとダメだというなら、スザクさんのように公には死亡させたことにして、お兄様がゼロになればいいだけの話ではないでしょうか」

ゼロ「だから、それでは僕が納得しない」

ナナリー「あくまでもお兄様を殺すと?」

ゼロ「そうだ」

ナナリー「では、お兄様とユフィ姉様はCの世界で仲良くなってしまうでしょうね。それでもいいのですか?」

ゼロ「?!」


75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 02:19:52.76 ID:OWO5zIRQ0
ルルーシュ「ナナリー、お前……どこでその言葉を……」

ナナリー「スザクさん。貴方が年老い、Cの世界へ旅立ち、そして目の当たりにするのは仲良く寄り添うお兄様とユフィ姉様の姿ですよ?」

ゼロ「……」

ルルーシュ「ま、惑わされるな!!俺がそんな不誠実な男に見えるのか?!」

ゼロ「……見えるから困っている」

ルルーシュ「スザァク……!!」

ナナリー「ユフィ姉様も老いたスザクさんより、若々しいお兄様を選ぶでしょう」

ゼロ「だが、ルルーシュはユフィを殺した!!なのにユフィがルルーシュを選ぶなんてことはありえない!!!」

ナナリー「ユフィ姉様はお優しいですから、もう許しているのではないでしょうか?」

ゼロ「……!!」

ルルーシュ「スザク!!目を覚ませ!!」

ナナリー「スザクさん。お兄様を殺すほうがデメリットは多い。あとは分かりますよね?」

ゼロ「しかし……僕は……ルルーシュ……を……ユフィのためにも……」ブルブル

ナナリー「ユフィ姉様がスザクさんに親友殺しを望んでいるとお思いですか?」

ゼロ「……!!!」

78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 02:24:29.42 ID:OWO5zIRQ0
ナナリー「目を覚まして、頭を冷ましてください」

ルルーシュ「スザク!!もういい!!今だ!!やれぇ!!!俺の心臓を貫け!!!」

ゼロ「……」ブルブル

ナナリー「スザクさん」

ルルーシュ「スザァク!!!」

ゼロ「うわぁぁぁぁ!!!!!」バッ!!!

スザク「―――俺にはできない!!ルルーシュ!!!もう君を殺す勇気が萎えた!!!」

ルルーシュ「スザァァァク!!!!」

藤堂「やはり枢木スザクだったか」

カレン「あれはゼロです!!!枢木スザクの仮面を被ったゼロです!!!」

扇「しかし、いつになったら俺たちは解放されるんだ」

星刻「早くしてもらえないだろうか」

天子「しんくー、おしっこ……」

星刻「なんと?!」

カレン「あれはゼロだ!!!ゼロなんだ!!!」

81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 02:31:38.27 ID:OWO5zIRQ0
スザク「うぅぅ……ごめん……ユフィ……俺は……俺は……」ガクッ

ルルーシュ「こんなことで……今まで積み上げてきたものは……一体……」

ジェレミア「むむむ……!!ルルーシュ様、撤退なさいますか?」

ルルーシュ「そ、そうだな……」

ジェレミア「では、一時撤退を―――」

コーネリア「―――ええい!!役立たずのゼロめ!!!」ダダダッ

ジェレミア「む?!」

ルルーシュ「姉上か?!」

ナナリー「え……コーネリア姉様」

コーネリア「悪虐皇帝ルルーシュ!!!覚悟ぉ!!!」

ルルーシュ(よし!!願っても無い好機!!!)

コーネリア「死ね!!ユフィの仇ぃ!!!」バァァン

ルルーシュ「ぐっ?!」

ナナリー「お兄様!!!」チュッ

ジェレミア「ギアス解除!!!」キュィィン


84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 02:37:20.97 ID:OWO5zIRQ0
ルルーシュ(よくやった!!ジェレミア!!!)

ナナリー「んっ……っ……」キュィィン

ルルーシュ「ん……」

ナナリー「おにい……さまぁ……んっ……」

ルルーシュ「んんっ……っ……」

ルルーシュ(ナナリー……そんなに体液を送り込んでも……もう遅い……お前が俺にかけたギアスはもう……消えている……)

ナナリー「お兄様……おにいさま……んっ……」ジュルル

ルルーシュ「ふぐっ……ぅ……」

ナナリー「目を開けてください」グイッ

ルルーシュ「ナナリー……?!」

ナナリー「お兄様……」キュィィン

ナナリー「んっ……」

ルルーシュ「うぐぅ……?!」

ジェレミア「……すごい。これがルルーシュ様とナナリー様の兄妹愛!!」

コーネリア「ふ……ふざけ……るな……!!」

88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 02:44:44.39 ID:OWO5zIRQ0
ナナリー「ぷはっ」

ルルーシュ「はぁっ……はぁ……はぁ……」

ナナリー「どうですか、お兄様?痛みはありますか?」

ルルーシュ「おかげさまでない」

ナナリー「お兄様ぁ」ギュッ

コーネリア「ルルーシュ!!!貴様だけはぁ!!!」

ルルーシュ「姉上!?これは!!」

コーネリア「民に対しあれだけの圧政、悪政を強いて!!!貴様はなんだ!!実の妹と……キ、キ……キス……を……公衆の面前で……!!!」

ナナリー「お兄様、お部屋に戻ってキスの続きを……」

ルルーシュ「ナナリー!!」

コーネリア「ルルーシュ!!もう許さん!!お前だけは我が手で!!!裁く!!!」

ナナリー「コーネリア姉様!!撃たないでくださ―――」

バァァァン!!!!

ナナリー「あ―――」

ルルーシュ「ナナリー……?」


93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 02:50:54.80 ID:OWO5zIRQ0
コーネリア「あ……」

ジェレミア「ナナリーさまぁぁぁ!!!」

ナナリー「……あ……はぁ……」

ルルーシュ「ナナリィィ!!!ナナリィィ!!!」

コーネリア「ルルーシュ……!!」

ジェレミア「銃をおさめてください!!!」キィィン

コーネリア「ジェレミア……きさまぁ……!!」

ジェレミア「ルルーシュ様!!!」

ルルーシュ「ナナリー……しっかりしろ……ナナリー……!!」

ナナリー「お兄様……」

ルルーシュ「ナナリー……すぐに止血をする!!少し待っていろ!!手で圧迫していろ!!いいな?!」

ナナリー「お兄様……最後に……もういちど……だけ……キスを……」

ルルーシュ「わかった!!―――んっ」

ナナリー「んっ……」

コーネリア「この期に及んでも……おまえたちはぁぁ!!!」

94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 02:55:04.49 ID:OWO5zIRQ0
ジェレミア「コーネリア様!!」

コーネリア「おのれぇ……私だって……私だってぇ……!!」

ナナリー「ふふ……お兄様……嬉しい……」

ルルーシュ「ナナリー!!!」

ナナリー「……もう……私は……」

ルルーシュ「……そうだ!!ジェレミア!!!」

ジェレミア「はっ!」

ルルーシュ「鏡だ!!鏡を!!」

ジェレミア「―――どうぞ」

ルルーシュ「ナナリー!!」サッ

ナナリー「お兄様……」キュィィン

ルルーシュ「どうだ?」

ナナリー「……あ……痛みが引いていきます……」

ジェレミア「まさか……ギアスをナナリー様ご自身に……」

ルルーシュ「よかった……本当によかった……ナナリー……」

98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 02:59:32.94 ID:OWO5zIRQ0
コーネリア「何だと……。ナナリーまで……」

ルルーシュ「残念でしたね。姉上」

ナナリー「お兄様、私はとても痛かったです」

ルルーシュ「そうだろうな。可哀相に」ナデナデ

コーネリア「……」

ルルーシュ「俺を狙わず、何故ナナリーを?」

コーネリア「それは……ナナリーがお前を庇ったからで……」

ルルーシュ「言い訳などするなぁ!!!」

コーネリア「なんだと?!」

ルルーシュ「姉上。あなたはなんの罪もないナナリーを撃った。それなりの覚悟はありますね?」

コーネリア「何を言っている!?お前がさっさと死なないからこうなったのだろうが!!」

カレン「そーだ!!そーだ!!」

ルルーシュ「外野は黙っていろ!!!」

カレン「……ぁぃ」

ナナリー「お兄様……。やっといつものお兄様に戻られたのですね……」


102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 03:06:24.47 ID:OWO5zIRQ0
コーネリア「おのれ……ルルーシュ……」

ルルーシュ「姉上……。ナナリーへの暴力だけは絶対に許せません」

コーネリア「お、おまえたち!!加勢しろ!!!」

ヴィレッタ「……」フルフル

コーネリア「ヴィレッタァァ!!」

ヴィレッタ(お腹に子どもも居るのに……無茶はできない……)

コーネリア「くそぉ……!!」

ルルーシュ「孤立無援ですか……姉上……」

コーネリア「ひっ……」

ルルーシュ「総督から随分と落ちぶれたものですね」スタスタ

コーネリア「こっちにくるなぁ……」

ルルーシュ「ふふふ……ふふははは……姉上……」

コーネリア「ルルーシュ……!!」

ルルーシュ「……」スッ

コーネリア「え……?」


105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 03:11:19.33 ID:OWO5zIRQ0
ルルーシュ「(姉上……あなたが英雄になってください)」

コーネリア「……!」

ルルーシュ「(無責任かもしれませんが、世界を見守ってください……あなたも……)」

コーネリア「ま―――」

バァァン……

ルルーシュ「ぐっ……」

ナナリー「え……?!」

ジェレミア(ルルーシュ様……失敗すれば自決する覚悟だったのですね……誰かに英雄の肩書きを託して……)

コーネリア「ルルーシュ……おい……」

ルルーシュ「あね……うえ……あなたが……きて……くれて……よかっ―――」ドサッ

コーネリア「あ……あぁ……」

ナナリー「お兄様ぁ!?お兄様ぁぁ!!!いますぐそちらに……!!!」ズリズリ

スザク「ナナリー!!よすんだ!!!」

ナナリー「はなしてぇ!!おにいさまぁぁぁ!!!!」

コーネリア「ルルーシュ……ルルーシュ……?」


107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 03:16:24.58 ID:OWO5zIRQ0
藤堂「なんだと……。コーネリアが撃ったのか……」

カレン「あれはゼロです」

千葉「は?」

カレン「あれはコーネリアの仮面を被ったゼロです!!!」

玉城「どーせ生きてんだろ?」

扇「俺もそう思う」

神楽耶「すぐに脈の確認をしたほうがよろしいですわ」

星刻「天子様!!もう少しの辛抱です!!」

天子「うぅぅ……!!!」モジモジ

カレン「悪虐皇帝ルルーシュは死んだぁ!!!コーネリアの仮面を被ったゼロが殺したんだぁ!!!」

スザク「……」

ナナリー「いやぁぁ……おにいさまぁぁ……!!」

ジェレミア「まずい!!この場は退却する!!退けー!!!」

リヴァル「ルルーシュ!!!おい!!!起きろ!!!もう騙されねえぞ!!!」

ミレイ「誰か!!皇帝陛下が本当に死んだのか確認して!!出来れば全然関係のない第三者でお願いします!!!」

111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 03:22:07.66 ID:OWO5zIRQ0
コーネリア「ルルーシュ……ルルーシュ……!!!」ギュッ

ルルーシュ「……」ピクッ

コーネリア「……」

ルルーシュ「……」

コーネリア「……お前、生きているな?」

ルルーシュ「(しーっ)」

コーネリア「(この痴れ者め!!何度生き恥を晒せば気が済む?!)」

ルルーシュ「(俺にもよくわかりません。確実に心臓を打ち抜いたはず……)」

コーネリア「(では、何故……)」

ナナリー「おにいさまぁぁ……うぅぅ……ぅぅ……ふふふふ……」

コーネリア「(私はどうしたらいい?)」

ルルーシュ「(とにかくこれ以上の茶番劇は避けたいので、姉上が合図を)」

コーネリア「……こほん」

コーネリア「悪虐皇帝ルルーシュは倒れたぁ!!!確実に死んだ!!火を見るより明らかに確定的に死んだ!!!捕虜を解放しろ!!!」

ヴィレッタ「おうぎぃぃ」テテテッ


118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 03:26:40.65 ID:OWO5zIRQ0
玉城「おうおう!!本当に死んだのかよぉ?」

コーネリア「死んだ!!」

扇「俺たちにも確認させてくれ」

コーネリア「ならん!!」

藤堂「何故だ」

コーネリア「私の言葉が信じられないのか?!」

神楽耶「はい」

コーネリア「ぐっ……」

星刻「どけー!!もう天子様は限界だ!!ぐほっ?!がはっ……こんなときに……!!」

天子「星刻……もういいです……」

星刻「え……」

ナナリー「おにいさまぁぁ!!おにいさまぁぁ!!!」

ジェレミア「ルルーシュ様のご遺体を回収しろ!!速やかにだ!!」

スザク「はい!!」

カレン「ちょっと待って!!」


122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 03:31:11.99 ID:OWO5zIRQ0
スザク「カレン……?!」

カレン「扇さん!私が確認します」

扇「あ、ああ」

カレン「……」

コーネリア「まて!!触るな!!私の弟にぃ!!」

千葉「いかせないぞ!!」ギュッ

コーネリア「おのれぇ!!」

ルルーシュ「……」

カレン「ルルーシュ……」ギュッ

ルルーシュ「……っ」ピクッ

カレン「(おはよう)」

ルルーシュ「(お、おは……よう……)」

カレン「(いっぱい見せ付けてくれたわねぇ?ルルーシュ?私がどれだけ苦労したか知ってる?聞いてた?私、もう喉を潰すぐらい叫んでたのよ?)」

ルルーシュ「(あ、ああ……届いていた……お前の声は……)」

カレン「(なのにあんたはナナリーと……なにしてんの?死んでアンタが世界の悪意を背負うんじゃないの?あ?)」


127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 03:38:21.28 ID:OWO5zIRQ0
ルルーシュ「(そのつもりだった……!!だが、想定外の邪魔が入って……!!!)」

カレン「(この……!!!)」グッ

ルルーシュ「?!」

カレン「バカぁぁぁぁ!!!!」ドゴォッ!!!!

ルルーシュ「ごほぉ?!」

玉城「なんだぁ?!」

スザク「カレン!?君はなんてことを?!」

カレン「なんで死んじゃうのよぉ!!この!!この!!」バキィ!!!ドカッ!!

ナナリー「カレンさん!!!やめてください!!!お兄様が大変なことになってしまいます!!」

扇「カレン!!おい!!もういい!!わかったからやめろ!!やめるんだ!!」

カレン「私だってキスぐらいしたかったのに!!この!!この!!!」ドゴォ!!!ベキィ!!!

ルルーシュ「(おまえとは……もう……)」

カレン「もっと濃厚な奴よ!!!」ボキィ!!!

ルルーシュ「はっ……!?!?」

ジェレミア「もうやめたまえ!!ご遺体を傷つけるな!!!」

131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 03:43:00.29 ID:OWO5zIRQ0
カレン「はぁ……はぁ……」

ルルーシュ「ぅぅ……ぅぅ……」

カレン「んっ……」チュッ

ルルーシュ「……」

カレン「……血の味がする」

ルルーシュ「……」ガクッ

コーネリア「ルルーシュ……」

カレン「悪虐皇帝は倒れた!!もう悪政は終わり!!!」

「ウオォォォ!!!!!」

「カレン!!カレン!!!カレン!!!カレン!!!」

カレン「私の名はゼロ!!!」バッ!!!

ジェレミア「とにかくルルーシュ様をお運びしないと」

ナナリー「おにいさまぁ!!目をあけてください!!おにいさまぁ!!!」

スザク「こんなに瞼が腫れあがっていては目を開けることはできないよ。ナナリー」

ナナリー「いやぁぁ……!!―――んっ」チュッ

136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 03:51:43.64 ID:OWO5zIRQ0
ルルーシュの自室

カレン「ナナリーのギアスで死に損なったのね」

ルルーシュ「そう……だ……」

ナナリー「お兄様、あまりご無理をされないでください」

C.C.「よくもまあ、顔面が倍になるまで殴れるな」

カレン「だって……」

コーネリア「しかし、ナナリーまでもがギアス能力者だったとはな……」

スザク「これからどうするべきか……」

ルルーシュ「そうだな……。政治のできないスザクのために兄上も折角用意したのに」

シュナイゼル「ゼロはどこだい?」キョロキョロ

ナナリー「お兄様ぁ……」

C.C.「ゼロレクイエムはナナリーが居る限り、失敗で終わるな」

カレン「ナナリーを監禁していればいいだけの話じゃないの?」

ルルーシュ「どちらにしても……もうゼロレクイエムはもう実行できない……これ以上は本当に茶番だ……いや、既に茶番に成り果てたが」

C.C.「では、どうする?お前はこのまま生き延びて、妻と妹と共に幸せな家庭を築くのかな?」


147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 04:00:22.16 ID:OWO5zIRQ0
ルルーシュ「今、身の振り方を考えている」

コーネリア「ルルーシュ……」

スザク「それにしても最後はどうやってギアスを発動させたんだ、ナナリー?」

ナナリー「カプセルの中にカプセルを入れただけです」

C.C.「つまり、一度目は外側を唾液でコーティングして、あとはマトリューシカの要領か」

ナナリー「はい。保険は大事ですから。一粒で3度美味しいです」

カレン「はぁ……。ナナリー……どうして、ルルーシュを……?」

ナナリー「お兄様は生きるべきですから」

ルルーシュ「え……」

ナナリー「望んでもいない敵討ちをスザクさんにさせて、死んで逃げるなんて私は許しません」

ルルーシュ「だったら……俺はどうすれば……!!!」

ナナリー「私とともに優しい世界を目指しませんか?」

ルルーシュ「ナナリー……だが、俺は血を流しすぎた……!!その責任はどうやってとる!!」

ナナリー「お兄様は世界の行く末を見守る義務があると思います。世界を壊したのですから」

ルルーシュ「……」

148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 04:06:37.10 ID:OWO5zIRQ0
スザク「……ルルーシュ」

ルルーシュ「スザク……」

スザク「これを……」

ルルーシュ「お前……」

スザク「ルルーシュは死んだ。これからはゼロとして生きるんだ」

ルルーシュ「いいのか?」

スザク「僕は許したよ。ううん、もう許していた」

ルルーシュ「スザク……お前……」

スザク「でも、それでも君が死にたいと望むなら今度こそ僕が息の根をとめる。ナナリーにも邪魔はさせない」

ルルーシュ「……」

ナナリー「お兄様……」

C.C.「お前次第だな」

カレン「ルルーシュ……ごめん。思いっきり殴って」

コーネリア「さっさと決めろ」

ルルーシュ「俺は―――」


150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 04:14:17.54 ID:OWO5zIRQ0
数ヵ月後

カレン「ねぇ、ルルーシュ。あれから世界は随分とマシになったわ」

カレン「戦争に向いていたエネルギーは今、飢餓や貧困に振り向けられている。色んな憎しみや悪事はほとんどあなた一人に押し付けられて」

カレン「皆、ダモクレスというシステムより、名前のある一人の方が分かりやすかったってことかしら?」

カレン「調子のいい話よね。でも、だからこそ、皆は過去にとらわれず先に進めるのかもしれない。計算通りだってあなたは笑うのかしら?」

カレン「もちろん、色んな問題は残っているけど。それでも――」

ゼロ「そんなことは知っている!!カレン!!そろそろ学校に行け!!」

カレン「はいはい。じゃあ、いってきまーす」

ゼロ「全く……」

カレン母「……」

ゼロ「あ、これが朝食です」

カレン母「いつもありがとうございます」

ゼロ「いえ。では、私もこれから仕事がありますので」

カレン母「はい。いつも娘を起こしに来てくれて……ありがとうございます……」

ゼロ「これはカレンとの約束ですからね。それでは」


152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 04:21:13.75 ID:OWO5zIRQ0
喫茶店

ゼロ「失礼する」

玉城「おー!!きたきた」

ゼロ「納品はこれで全部だな?」

玉城「いつも悪いねー。格安で食材を送ってもらってよぉ」

ゼロ「これが私の仕事だ。藤堂は?」

玉城「奥にいるぜ」

ゼロ「藤堂」

藤堂「ゼロか……」

ゼロ「話はつけておいた。この職場ならお前の能力を活かせるはずだ」

藤堂「ゼロ……!!」

ゼロ「また私に奇跡を見せてくれ」

藤堂「ああ!!」

玉城「ゼロよぉ。色んなことしてんなぁ。つかれーの?」

ゼロ「これが私の罰だからな」

153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 04:25:00.02 ID:OWO5zIRQ0
空港

シュナイゼル「ではナナリー様?」

ナナリー「はい。扇首相、ご無沙汰しております」

扇「こちらこそ」

ゼロ「……」

扇「ゼロもおかわりないようで」

ナナリー「ええ」

ゼロ「……あ」

ゼロ「……」タタタッ

(ルルーシュ)「よし、交代だ」

(スザク)「おかえり。じゃあ、あとは任せたよ」

ゼロ「扇首相、ごきげんよう!!」バッ!!!

扇「今、ゼロが二人いませんでしたか?」

ナナリー「気のせいです」

扇「はぁ……」



156 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 04:28:24.70 ID:OWO5zIRQ0
ブリタニア政府

ナナリー「ふぅー……ふぅー……」ヨロヨロ

ゼロ「そうだ……そのままゆっくり……」

ナナリー「あぁ……だめ……」ヨロッ

ゼロ「ナナリー?!」ギュッ

ナナリー「お兄様……ごめんなさい……」

ゼロ「気にするなゆっくりやろう」

ナナリー「はい」

ゼロ「あとお兄様ではない」

ナナリー「ふふ……そうでしたね」

コーネリア「ゼロ!!ちょっとこい!!!」

ゼロ「はい。またあとでなナナリー?」

ナナリー「あ……」

ゼロ「どうしましたか?」

コーネリア「この件だがな……」

157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 04:36:10.52 ID:OWO5zIRQ0
ゼロの自室

C.C.「ルルーシュは死んだ。そしてゼロは善意の限りを尽くし、ご奉仕活動か。笑えるな」

ゼロ「黙れ、魔女」

ナナリー「おに……ゼロ様……」ヨロヨロ

ゼロ「ナナリー。歩いてきたのか」

ナナリー「はい」

ゼロ「よくがんばったな」

ナナリー「ふふ……」

C.C.「これがナナリーの望んだ優しい世界なのかな」

ナナリー「はいっ」

ゼロ「ナナリー……」

ナナリー「私は……」

ゼロ「ルルーシュは死んだ。ここにいるのは中身のない亡霊だ。だから、極力こうしてプライベートでは会わないようにしよう。ナナリー」

ナナリー「ずるいです。私はお兄様だけで良かったのに……。どうして……みなさんとともに歩もうと?」

ゼロ「ゼロはナナリーのためだけに生きることは許されない。親友は許したと言っていたが、やはり私がナナリーと話しているのは奴にとって思うところがあるはずだ」


161 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 04:47:13.59 ID:OWO5zIRQ0
ナナリー「分かりました……」

ゼロ「いい子だ。さあ、もう部屋に戻れ。車椅子に乗っていけよ」

ナナリー「はい……おやすみなさい」ウィィィン

ゼロ「ああ」

C.C.「真面目な奴だな」

ゼロ「……俺は酷い男だな。数多くの命を奪い、親友も傷つけ、大事な人にも嘘を吐いてきたのに、のうのうと生きている……」

ゼロ「C.C.……許されるのか。俺は」

C.C.「ナナリーのギアスが貴様を生かした」

C.C.「ナナリーの優しいギアスがそうさせた。ならお前はその優しさに応えろ。ゼロとして一生を捧げろ。ナナリーの優しさを無駄にするな」

ゼロ「ああ……そうだな……そうしよう……」

C.C.「そうそう。最近分かったことだがな」

ゼロ「なんだ?」

C.C.「ナナリーのギアス。あれ、別にキスする必要はないようだぞ。ギアスをかけたら治癒するようだ。この前、聞いた」

ゼロ「なに……」

C.C.「しかも無制限に重ね掛けができるようだ。お前が何度も死に損なったのは、ナナリーが前日からお前にギアスを掛け捲っていたからだな。カプセルはただのハッタリだ。お前とキスするためのな」

163 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/30(木) 04:56:56.49 ID:OWO5zIRQ0
スザク「いたっ!?」

ナナリー「スザクさん。どうされましたか?」

スザク「ちょっと紙で指を切っただけみたいだ」

ナナリー「では」キュィィン

スザク「そんな!!ナナリー!!僕とキスなんて?!!ダメだ!!!」

ナナリー「は?何言っているんですか?」

スザク「え?」

ナナリー「私はお兄様としかキスはしません。―――だって……私はお兄様のことを愛しているのですから」

スザク「ナナリー……」

ナナリー「今は無理でもそのうちお兄様と二人だけで誰も知らない土地へ逃避行します。そして私のギアスを利用して小さな外科病院を経営し、お兄様と私は幸せに暮らすのです」

スザク「でも、体液が……いるんじゃ……」

ナナリー「ああでも言わないとお兄様は中々私と濃厚なキスをしてくれませんから。そもそもギアスを一回使っただけで暴走するはずないじゃないですか。何度も使ったから暴走するんですよ?」

スザク「な……」

ナナリー「きっとお兄様はそろそろ私の唇が恋しくなって仮面を外す頃ですね……。ふふふ……おにいさまぁ……私はお兄様だけで良いのですよ……ふふふ……」

スザク(どうやら僕たちは敵を見誤っていたようだ……ルルーシュ……)
                                                  END