1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 22:02:29.43 ID:Ieskx3kk0
ほむら「……え?」

まどか「私助手席がいいなー」

仁美「それでは私は後ろにしますわ」

さやか「みんな乗った?」

ほむら「ちょ、ちょっと待って……」

さやか「何?転校生も乗りたいの?あいにく私は三人乗りなんだよねえ」

まどか「さやかちゃん、意地悪言わないの」

ほむら「いや、だから……」


ほむら「どうして美樹さやかが車に変身しているの?」




5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 22:05:10.47 ID:Ieskx3kk0
さやか「なんでって……そりゃ当たり前じゃない?」

ほむら「そんなわけないじゃない…普通の人間は車に変身したりなんかしないわ」

まどか「そっか、ほむらちゃんはさやcarちゃん見たの初めてなんだね」

さやか「よろしい、教えて進ぜよう!なぜ私が車に変身できるのかといえば……」

ほむら「……」

さやか「私がトランスフォームできるからだ」

ほむら「……」

さやか「……おーけー?」

ほむら「……え、終わり?」


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 22:07:19.27 ID:Ieskx3kk0
さやか「それで、乗るの乗らないの?」

まどか「私たちこれからデパートに行くんだけど、ほむらちゃんも行こうよ!」

ほむら「いや、でも……」

仁美「せっかくですから、乗せて貰うといいですわ。私も時々塾に遅れそうなときは乗せて貰いますの」

さやか「全く、私はタクシーじゃないっての」

まどか「さやcarちゃんじゃなくてさやタクシーちゃんになっちゃうね」

あははははっはうふふふふふふふ

ほむら「……訳が分からないわ」


9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 22:11:09.91 ID:Ieskx3kk0
ほむら「その…せっかくだけど、今日は急ぐ用事があるから……」

まどか「それじゃあしょうがないね…さやcarちゃん、行こっか」

さやか「ほーい、発進するよー」

ブルルルン ブオオオオオオオオオオオオン

ほむら「行ってしまったわ……」

ほむら「なんだかよく分からないけれど、今日はQBを探してまどかとの契約を阻止しないと」

デパート

キキィッ

さやか「ふいー、着いたよ」ガショーンガショーン

まどか「お疲れ様、さやかちゃん」

さやか「いやー、今日はちょっと混んでたね」

仁美「たまにはのんびり走るのもいいものですわ」

まどか「それじゃあ何か食べにいこっか」

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 22:13:03.99 ID:Ieskx3kk0
仁美「それでは私はこの辺で」フリフリ

まどか「バイバイ仁美ちゃん」

さやか「ねえまどか、ちょっとCDショップ寄ってっていいかな?」

まどか「うん、いいよ」

CDショップ

たすけて…

まどか「あれ?今誰か呼んだ…?」

助けて…まどか…!

まどか「誰か呼んでる…こっちかな」ダッ

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 22:15:42.01 ID:Ieskx3kk0
ほむら「死ね」

QB「ぐわー」

まどか「あれ、ほむらちゃん!?どうしてここに?」

ほむら「まどか……そいつから離れて」

まどか「そんな…だってひどい怪我してるんだよ」

ほむら「いいから早く……でないと、あなたも」

ブオオオオオオオオン

キキィッ

さやか「大丈夫まどか!?早く乗って!!」

まどか「う、うん」

さやか「逃げるよ!」ブオオオオオオオオオオン

まどか「ありがとうさやcarちゃん!」

ほむら「……逃げられてしまった」

ほむら「ってそうじゃないわ!一体何なのよ美樹さやかは!!」

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 22:18:48.32 ID:Ieskx3kk0
オオオオオオォォォォォン キッ

さやか「ここまで来れば大丈夫かなー」

まどか「さやcarちゃん、ここどこなの?」

さやか「あれ?そういえば出口がない!なんてこった!」

まどか「そんなぁ!」

キャッキャキャッキャ

まどか「!?なんか変なのがいっぱい出てきたよ!」

さやか「まずいよやばいよ!まどか、出口はどっち!?」

まどか「私に言われても分かんないよー」

さやか「カーナビがあるでしょ!それ使って!」

まどか「えぇー……使い方忘れちゃったよ」

さやか「まどかぁ…あれほど使い方覚えといてって言ったのにぃ……カーナビできそうな声してるくせに!」

まどか「意味分かんないよさやcarちゃん…それより早く逃げないと」

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 22:22:20.37 ID:Ieskx3kk0
マミ「そこの人、今助けるわ」

まどか「誰?」

マミ「はぁっ!!!」

ヘンシーン ババババババーン

マミ「もう大丈夫よそこの人」

さやか「ありがとうございます、助かりました」

マミ「!?車が喋った…?」

まどか「ありがとうございます。さやcarちゃん、元に戻らないと」

さやか「おっと、失敬失敬」ガショーンガショーン

さやか「どうもどうも、危ないところを」

マミ「あなた……」

ほむら「みんな無事!?」

さやか「こら転校生、あんたなんてことやってたんだ!」

マミ「お会いできて光栄だわ!美樹さやかさん!」

ほむら「……え?」

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 22:25:52.76 ID:Ieskx3kk0
マミ「あなたよね!車に変身できるって噂の美樹さやかさんは!」

さやか「いやぁ、まあ…なんていうか……その通り?みたいな!?」

マミ「本物だわぁ!握手してください!」

さやか「なんのなんのそのくらい」

ほむら「……え、有名なの?」

マミ「そこの人、美樹さんは県内唯一の車に変身できる人なのよ!有名に決めっているじゃない!」

ほむら(そんなの世界中探してもいないわよ)

まどか「あの、盛り上がってる悪いんですけどこの子が怪我してて……」

マミ「あらQB、すぐ治してあげるわね」

ほむら「……よく分からないから今日のところは退散するわ」

さやか「おととい来やがれってんだ!」

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 22:28:22.56 ID:Ieskx3kk0
マミ「もうこれで大丈夫よ」

QB「ありがとうマミ。それに鹿目まどかと美樹さやか」

さやか「なんであたしらの名前を!?」

QB「僕は二人にお願いがあってここに来たんだ」

まどか「お願い?」

QB「僕と契約して魔法少女になって欲しいんだ」

マミ「詳しい事情を説明してあげるわね……とりあえず、うちにいらっしゃい」

さやか「あ、それなら私が送っていってあげますよ」

マミ「ほんと!?乗せてくれるの?」

さやか「勿論です、助けてくれたわけですし」

マミ「夢のようだわ……美樹さんに乗れる日が来るなんて」

17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 22:30:59.61 ID:Ieskx3kk0
ガショーンガショーン

マミ「すごいわ!生トランスフォーム初めてなの!」

まどか「さやcarちゃんモテモテだね」ティヒヒ

さやか「これはついに来ちゃったかな…あたしの時代が!」

ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン

マミの家

マミ「――というのが魔法少女なのよ」

まどか「すごいなぁ、願い事なんでもかぁ」

さやか「金銀財宝不老不死、もっと速くもっと滑らかにもっと燃費よくとか!?」

まどか「さやかちゃん欲張り過ぎだよ~」

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 22:33:52.48 ID:Ieskx3kk0
マミ「ねえ、魔法少女体験コースやってみない?そうすればもっと分かるわよ」

さやか「ぜひお願いします!」

翌日

マミ「ここが魔女の結界よ」

まどか「怖いな~……」

さやか「どれくらい走れば魔女のとこに辿り着くんですか?」

マミ「大体20分くらいね」

さやか「だったら私に乗っていった方が速いですよ」ガショーンガショーン

まどか「さやcarちゃんやる気満々だね!」

マミ「そうね、ならお願いするわ」

ブルルルルン ブオオオオオオオオオオオオオン

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 22:36:39.73 ID:Ieskx3kk0
マミ「ティロ・フィナーレ!」

ドギャーン シュアーン

マミ「これがグリーフシード…あなたにも分けてあげるわ、暁美さん」

ほむら「……必要ない、これはあなたのものよ」

さやか「なんだよ転校生、感じ悪いな~」ドゥルルン

まどか「さやcarちゃん威嚇しないの……」

ほむら「あ、そうだったわね、貴女美樹さやかよね」

さやか「ムッかー!失礼なやつだな君は!」

ほむら(車が一台あるようにしか見えないもの……)


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 22:39:45.78 ID:Ieskx3kk0
その夜

ほむら「話って何?」

マミ「どうして鹿目さん達が魔法少女になるのを邪魔するの?」

ほむら「別に、あなたには関係ない」

ほむら「それより私からもいいかしら?」

マミ「なに?」

ほむら「美樹さやかはどうして車に変身できるの?何か知らない?」

マミ「あなたそんなことも知らないの?」

ほむら「……その、しばらく入院してたから外のことよく知らないの」

マミ「なら教えてあげるわ……美樹さんはね」

ほむら「……」

マミ「トランスフォームできるからよ」

ほむら「もういいわ」

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 22:43:33.57 ID:Ieskx3kk0
翌日病院

さやか「やっほー恭介元気にしてるー?」

恭介「……」

さやか「今日はさー、レアなCD見つけてきたんだよー」

恭介「さやかは…さやかは僕をいじめてるのかい?」

さやか「そんな…私はそんなつもりじゃ」

恭介「だったらなんでそんな平気にしていられるんだよ!!!こっちは君にぶつけられたせいで大怪我したんだよ!」

さやか「それについては悪かったって思ってるよ……」

恭介「全く、こうして練習できない間にも他の人との差は広がる一方なんだから」

さやか「まあほら!もうすぐ退院できそうでよかったじゃん!」

恭介「随分長かったけどね」


ほむら(……どういうこと?上条恭介は治らない傷を負っているわけではないの…?)

ほむら(っていうか加害者は美樹さやかなのね)

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 22:46:41.04 ID:Ieskx3kk0
さやか「じゃあね恭介。明日もまた来るよ」ガショーンガショーン

恭介「もういいよ!…って病院内で車になるなよ!」

ブオオオオオオオオオン

恭介「全く……はぁ…僕はバカだな、ついさやかには辛く当ってしまう……本当はこんなこと言いたくないのに」

ほむら(上条恭介……まさかのツンデレなの!?)

さやか「お待たせまどかー」キキィッ

まどか「もう、さやcarちゃん病院の廊下は走っちゃ駄目だよー」

さやか「あれ、これグリーフシードじゃない?」

まどか「ほんとだ!大変、早くマミさん呼ばないと…あぁ、でも携帯の番号知らないや」

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 22:47:56.57 ID:LLM6oQsJ0
いろいろぶっ飛んでるw

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 22:50:25.85 ID:Ieskx3kk0
QB「大変だ!孵化しかかってる!早くマミを呼ぶんだ!」

さやか「仕方ない!私が中で様子を見てるからまどかはその間にマミさんを呼びに行って!」

まどか「駄目だよ、さやcarちゃんが言った方が速いよ!」

さやか「そんなことしてる間に孵化しちゃったら大変じゃん!」

ワーワーギャーギャー

QB「……こんなことしてる間にヤバくなってるよ。どっちでもいいから呼びに行くんだ」

さやか「よし!ならまどかは私に乗って!いっしょにマミさんを呼びに行こう!QBはその間これ見張ってて」

まどか「うん!!さやcarちゃん頑張って!」

さやか「飛ばすぞー!!!」

ドゥルッルルン ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン

QB「……二人も必要ないじゃないか」

26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 22:53:18.91 ID:Ieskx3kk0
オオオオオォォォォォォォォォン キキキィッ

マミ「ここね!すぐに行くわよ」

さやか「中に入ったらまた飛ばしますね」ドゥルルルン

ほむら「止まって三人とも」

まどか「ほむらちゃん!?どうしてここに?」

ほむら「この先の魔女は非常に危険よ…私がやるわ」

マミ「ふふ、手柄を横取りされたくないのかしら?残念だけど、あなたはここでお留守番よ」

ほむら「っ!?しまった、リボンが…!」

さやか「へへーん、悔しかったらここまでおいでーだ」

ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン

ほむら「……屈辱だわ……車に…車にそんなことを言われるなんて!!」

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 22:55:41.37 ID:Ieskx3kk0
マミ「あれが魔女ね!すぐに片付けてあげるわ!!」

ババババーン

さやか「やったぁ!流石マミさん!」

まどか「頑張れマミさん!」

シャルロッテ「モゴモゴ」

グニョーーーン

マミ「……っ!?」

まどか「はっ!?危ない!」

さやか「まずい!!!」ガショーン

ブルルンブオオオオオオオオオオオオオオオ

ドギャァッ




マミ「ヘブゥッ」グハッ

さやか「やべっ」


30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 22:58:40.80 ID:Ieskx3kk0
まどか「さやcarちゃん!マミさん轢いてどうするの!!」

さやか「ごめんなさいマミさん!車は急に止まれないっていうかそもそも浮いてるやつには当たらないっていうか」

シャルロッテ「グモーーン」

さやか「やばい!ほらほらこっちだよ!」

キキィッ ブオオオオン キュィッ

まどか「出た!さやcarちゃんの巧みなハンドル捌き!!」

さやか「ここだよほらほらーー!」ドゥルルルン

ほむら(……出て行きづらい)


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 23:01:24.07 ID:Ieskx3kk0
ほむら「これで終わりよ」

ドギャーーーン

まどか「ありがとうほむらちゃん、助かったよ!あのままだったら逃げることしかできなかったもんね」

さやか「ま、まあ今回はお礼を言っとくよ…ありがと……」

QB「僕と契約してくれればよかったのに」

ほむら「黙ってなさいQB」

ほむら「それより……巴マミはどこなの?」

まどさや「あっ」

「どうしてこんなところで事故っているんだ!?」

カラカラカラカラ

まどか「病院でよかったね」

ほむら「そういう問題じゃないわ」

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 23:05:52.01 ID:Ieskx3kk0
翌日

さやか「昨日は大変だったよ~…警察にちょっと話し聞かれてさー……なんとか見逃してもらえたよ」

ほむら「よく一日で解放されたわね」

さやか「マミさんの様子はどうなの?」

まどか「結局、マミさんは骨折とかで全治2カ月の怪我らしいよ」

さやか「マジかー…恭介と一緒だなー」

さやか「でも……やっぱり魔法少女って大変なんだね…いつも何が起こるか分からない状況で戦ってるんだね」

さやか「マミさんは…それをあたしたちに教えてくれたんだ」

まどか「うん……きっとそうだよ」

ほむら「……あなた、もう少しこってり絞られてきた方がよかったんじゃないかしら?」

35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 23:10:02.28 ID:Ieskx3kk0
QB「それより二人とも、魔法少女のことはどうする?」

さやか「正直、あんな姿のマミさん見ちゃうとね……」

ほむら(だからそれはあなたのせいでしょう)

QB「今この街には魔法少女がいない…そうなるとこの街は大変なことになるよ!」

ほむら「私がいるでしょ!鹿目まどか、美樹さやか、あなた達が無理に魔法少女になる必要はないのよ」

まどか「ほむらちゃん……」

ほむら「あんな目に逢いたくなければ、魔法少女は諦めなさい」

ほむら「それから横断歩道を渡るときは左右の確認を怠っては駄目よ」

ほむら「それから美樹さやかは特に人に不用意に近づかないようにね」

コツコツ

さやか「くっそー、転校生め!言いたい放題言ってくれちゃって!」

まどか「どうしてもっと仲良くできないんだろう……仲良くできればいいのになぁ」

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 23:14:48.37 ID:Ieskx3kk0
さやか「おっす恭介ー!また来たぞー」

恭介「やあさやか、元気そうだね」

さやか「あれ?なんか今日は機嫌いいね」

恭介「そうなんだ……実は、隣の部屋に凄い美人の人が入院してきたらしくてね」

さやか「へ?」

恭介「お淑やかなお嬢様って感じでさ…さやかとは大違いだったよ」

さやか「な、なんだとー!」

恭介「さやかも少しはガサツな面を治してあれくらい……って、えぇ!?」

さやか「うぅ…グスン」

恭介「ちょ、なにも泣くことはないだろう!?」

さやか「うるさぃ…これは涙じゃないもん!ガソリンだもん!」

恭介「それはもっと大変じゃないか!」

さやか「見てろよ!恭介が振り向くくらいもっとすごい女になってやるんだからね!」ガショーンガショーン

ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオン

恭介「だから病院で車に……あれ?今の台詞もしかして……まさかね…気のせいに決まってる」

39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 23:17:08.70 ID:Ieskx3kk0
さやか「QB!いるんでしょ!!」

さやか「QB!?どこにいるのよ!返事してよ!ここで待ってるって言ったじゃない!」

QB「こ…ここ…だよ……さやか」

さやか「……?」

QB「下だよ…さやか……」

さやか「あれ?ごめん、小さいから気付かずに踏んじゃってた!?」

QB「まあ別にいいけどさ……それで、その様子だと願いは決まったのかい?」

さやか「うん……私の願いは……」

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 23:21:27.49 ID:Ieskx3kk0
その夜

仁美「うふふふー、みんなでいい所へ行きましょう」

まどか「しっかりしてよ仁美ちゃん!こんなの駄目だよ!」

まどか「てぇーい!」ガシャーン

仁美「待ちやがれですのー」

まどか「ひっ…逃げなきゃ…!」

ガチャッ バタン

まどか「あれ?ここひょっとして魔女の結界?そんな……誰か…誰か助けて……」

ブルォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ

ドガシャーーン

キキィッ

さやか「お待たせまどか!」

まどか「さやcarちゃん!……ってあれ?なんかいつもと姿が違うよ?」

さやか「見せてあげるよ……これが、魔法少女美樹さやcarだ!!!」

まどか「!さやcarちゃん!魔法少女になっちゃったの!?」

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 23:25:57.65 ID:Ieskx3kk0
さやか「うおりゃぁぁぁぁっぁぁぁぁぁああああああああああああ!!!!!!!!」

まどか「凄い!車輪がいっぱい出てきてそれを全部操ってる!」

さやか「これでとどめだあああああああああああ!!!!!!!!」

ズブシャアーーー

さやか「ま、こんなとこかな」

まどか「さやかちゃん…剣と車輪が使えるの?」

さやか「そうだよ、私にふさわしいって感じでしょ?」

ほむら「……美樹さやか、あなた……」

さやか「ふん、今頃来たか転校生。残念ながら、私が倒しちゃったよ…グリーフシードが狙いなの?」

ほむら(剣と車輪の武器……なにやらデジャブを感じるわ)

ほむら「それはあなたのものよ……一ついいかしら?」

さやか「何?」

ほむら「あなたは…何を願ったの?」

さやか「ふむ、教えて進ぜよう……私は、もっと速いスピードが出せるように願ったの」

ほむら「……え?」

42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 23:30:07.02 ID:Ieskx3kk0
ほむら「スピー…え?」

さやか「いや、そろそろ今の車のボディにいろいろと限界感じてたんだよね~」

さやか「この際にと思って新しい車に乗り換えることにしたの」

まどか「そういえばそろそろ走行距離200万だったもんねえ」

ほむら(いやいやいやいや、あり得ないでしょその数字!!!)

さやか「これからの私は美樹さやcarではない……そう、」

さやか「これからは!美樹さやカウンタックと呼ぶがいい!!」

ほむら「……は?」

さやか「まさかカウンタック知らないの?」

ほむら「そういうことじゃないわ」

43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 23:33:12.44 ID:Ieskx3kk0
さやか「超速いよこれ!まどか、送って帰るよ、今の私ならすぐに家まで着けるよ!」ガショーンガショーン

まどか「うん、ありがとうさやカウンタックちゃん」

さやか「転校生はどうする?どうしてもっていうんなら、乗せてあげてもいいよ…?」

ほむら「……その、私はここの後始末をつけてからにするから」

さやか「そう?じゃあ先に帰ってるね」

まどか「バイバイほむらちゃん」

ドゥルルルンドゥルルルン キュキュッ バオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ

ほむら「……本当に速いわね」


45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 23:36:25.24 ID:Ieskx3kk0
杏子「ふーん、マミのやつが大怪我で動けないからって来てみれば……」

杏子「あれが新しく契約した魔法少女?」

QB「そうだよ、佐倉杏子」

杏子「よく分かんねーけど、願いでああいう体になっちまったのか?」

QB「違うよ、彼女が車に変身できるのは元々だよ」

杏子「……は?」

QB「美樹さやかは、さらにスピードを上げる体に変わっただけで根本的にはあまり変わってないね」

杏子「お前が何を言ってるのかさっぱり分からねー」

杏子「ま、難しいことはいいや」

杏子「ようはぶっ潰しちゃえばいいんだろ?」


47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 23:40:24.87 ID:Ieskx3kk0
さやか「じゃあねえ仁美。さやカウンタックちゃんのタクシー料金は高いんだからね!」

仁美「ふふっ、出世払いでお願いしますわ」

まどか「バイバーイ」

ブルオオオオオオオオオオオオ

まどか「仁美ちゃんも大変だね、今日くらい塾休めばいいのに」

さやか「仁美んとこ厳しいからね~…そうだ、今日は魔女退治のパトロールするんだった」

まどか「そうなの?私も行っていいかな?」

さやか「ありがとうまどか、危なくなったらすぐ乗せて逃げるからね」

オオオォォォォン キキキッ ガショーンガショーン

さやか「ふぅ~、慣れない車の体はまだちょっと疲れるかなー」

まどか「お疲れ様、さやかちゃん」

さやか「よし!いっちょ魔女でも使い魔でも探してみますか!」

49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 23:43:35.01 ID:Ieskx3kk0
使い魔「アハハハーブァーーン」

さやか「使い魔発見!」

ヘンシーン

さやか「車輪攻撃を喰らえー!」

ゴシャーンゴシャーン

さやか「あれ?使い魔が逃げてっちゃう!」

杏子「ちょっとちょっと何やってんの?あれ使い魔じゃん、グリーフシード持ってねーよ」

さやか「何よあんた、邪魔しようっての?」

杏子「口の聞き方がなってないねえ……先輩に向かってさ!」

ヘンシーン

さやか「なっ…魔法少女?」

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 23:46:40.00 ID:Ieskx3kk0
杏子「ちょいとお灸をすえてやらないとね…!」

さやか「は…ぐふぅ!」

まどか「さやカウンタックちゃん!?大丈夫?」

杏子「これに懲りたら大人しくしてなよ」

さやか「はぁ…まだ戦えるよ」

杏子「……おっかしーなー、全治2カ月ってほどに攻撃したつもりなんだけど」

さやか「今ので全治2カ月?ははっ……本当の全治2カ月の攻撃はさ……」ガショーンガショーン

杏子「なっ…!?」

さやか「こうやるんだよおおおおおおお!!!!!!!」

ブルオオオオオオオオオオオオオ

杏子「あぶねっ!」

さやか「上に逃げたって無駄だよ!」


53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 23:49:20.01 ID:Ieskx3kk0
さやか「今の私は…浮いてる奴にも突撃できるんだよ!!!」

ブルァアアアアアアン

まどか「さやカウンタックちゃん!?」

杏子「飛び上がった!?」

さやか「うりゃああああああああああああああ」

ガッチャン

さやか「ヘブゥッ」ゴシャーン

まどか「あれ?なんで地面に激突してるの!?」

杏子「し…死んだかと思った……なんだったんだ今のは」

ほむら「私よ」

まどか「ほむらちゃん!?」

54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 23:52:13.32 ID:Ieskx3kk0
ほむら「落ち着いて美樹さやか……あなたもよ、佐倉杏子」

杏子「……どこかで会ったか?」

ほむら「気にすることはないわ」

さやか「痛つつつ……ああ!?新品のボディに傷が!?おのれ転校生よくも!!」

ほむら「話を聞きなさい美樹さやか」

さやか「私は美樹さやかじゃない!美樹さやカウンタックだ!」

ほむら「…………み、」

杏子「み?」

ほむら「美樹さやカウンタック、話を聞きなさい……」カアッ

杏子「照れんなよ……」

さやか「ふん……何よ」

杏子「お前も素直だな」

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/18(火) 23:56:19.67 ID:Ieskx3kk0
ほむら「巴マミの件は仕方ないとは言え、これ以上争って犠牲者を増やす必要はないのよ」

さやか「あんたが一番争いたそうなんだけど」

ほむら「佐倉杏子、あなたも今日のところは引いて頂戴」

杏子「仕方ねー…あんたの手札が何も見えないし、あいつのはもっとわけ分かんねーし」

杏子「また出直すとするよ」ヒュン

さやか「何か話でもあるわけ?」

ほむら「……もう少し、時間を頂戴…時が来ればいずれ言うわ」ヒュン

まどか「二人ともどこか行っちゃった……さやカウンタックちゃん、大丈夫!?」

さやか「いやー、さすがに顔面から地面に分っ込んだのは痛かったわー」シュパァン

まどか「さやかちゃん鼻血出てるよ……今日はゆっくり歩いて帰ろ?ね?」

さやか「……そうだね、たまにはそういうのもいいかもね」

57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 00:00:20.52 ID:FU0Ccc1I0
ゲーセン

杏子「何の用だよ?」

ほむら「この街をあなたに預けたい…美樹さやかではいろいろと不必要な犠牲が出かねない」

杏子「あいつぜってー3人くらい殺ってるよな……それだけか?」

ほむら「もうすぐこの街にワルプルギスの夜が来る」

杏子「へぇー、そら大変だ」

ほむら「あなたにも協力してほしい」

杏子「まあ別に構わないけどよ…ひとつ教えてくれよ」

杏子「美樹さやか…あいつ何者なんだよ?なんで願い関係なしに車に変身できるんだよ?」

ほむら「私が聞きたいくらいだわ」

60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 00:05:19.06 ID:FU0Ccc1I0
ほむら「それにしても、まともに話ができる人がいて正直ホッとしてるわ」

ほむら「この街の人は誰も彼女に対して何とも思ってないもの」

杏子「この街のやつらおかしいんじゃねえのか」

ほむら「とにかく、美樹さやかには手を出さないで……私が何とかするから」

杏子「ふーん……」

杏子(とはいえ興味あるしな……)

翌日、病院

さやか「退院おめでとう恭介!はいこれ、花束のプレゼント!」

恭介「ありがとうさやか……まあ、こうなったのもさやかのせいなんだけどね」

さやか「もう、いつまでもブチブチ言わないでよ……根に持つ男は持てないんだぞー」

恭介「!?…へ、へぇー、そそそそうなんだ……」

さやか「何焦ってんの?それよりほら、屋上行くよ」

恭介「屋上?」

61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 00:09:36.03 ID:FU0Ccc1I0
さやか「あっ」バッタリ

マミ「あら?」バッタリ

恭介「どうも、巴さん……さやか、この人が前に言ってた……さやか?」

さやか「あああはははは、お元気そうでなによりですねーマミさん!あはははー」

マミ「えぇ……おかげさまで元気一杯よ…?」

さやか「それじゃあ、あたしらこれから用事がありますんで…それじゃ!」

マミ「はぁ…体が重い……こんな不自由な気持初めて……」

さやか「っ!!!」ガショーンガショーン

さやか「恭介乗って!!」

恭介「へ?うわっ」

ブルオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ

マミ「……うっ…別に怒ってないのに……せめてお見舞いくらい来てくれたっていいじゃない」グスン


64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 00:13:27.51 ID:FU0Ccc1I0
マミ「酷いわ…鹿目さんも美樹さんも、全然来てくれないんだもん…」グスグス

マミ「私……尊敬されてなかったのかな……」ジワァ

ほむら「……あの、」

マミ「暁美さん!?な、なんの用よ!私は別にあなたに来てほしいなんて――」

ほむら「そろそろ濁ってる頃かと思ってグリーフシードを持ってきたのだけれど……必要ないかしら?」

マミ「……ほ…ほしいです……」

ほむら「どうぞ巴マミ」

マミ「か、勘違いしないでよね!あなたがせっかく持ってきてくれたんだから、仕方なく使ってあげるだけなんだからね!」

ほむら(鬱陶しいわ……うざいツンデレは一人で十分よ)

65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 00:18:54.14 ID:FU0Ccc1I0
恭介「どうしたんだいさやか!?急に変身して」

さやか「黙ってて恭介!舌噛むよ!」

恭介「!!」

ブルオオオォォォォォォォォォン ドシャァン キキィッ

恭介「あーあ、また屋上のドア壊しちゃって……怒られるよさやか?」

さやか「平気平気、後で治しとくからさ!…それより、今の私は美樹さやかじゃないんだよ」

恭介「…?どういう意味だい?」

さやか「今の私は!美樹さやカウンタックなんだよ!!!」ガショーンガショーン

さやか「どうこの体!?カッコいいでしょ!?」

恭介「……うん、確かにすごいけど、その……あれ?ガサツな面を治すとか、そういうのは?」

さやか「は?なんの話してるの?」

恭介「……これだからさやかはさやかなんだ」

さやか「さやカウンタックちゃんだつーの」

66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 00:23:02.58 ID:FU0Ccc1I0
恭介「それで、どうして屋上に?まさか、それを見せる為だけに…?」

さやか「うん、そうだよ?勢いで屋上来ちゃったけど、別に下でもよかったなー」

恭介「おい」

さやか「せっかくだから、ドライブしよっか?恭介はどこに行きたい?」

恭介「ドライブって……そうだな、とりあえず落ち着けるところがいいかな」

さやか「よし来た!さあ乗って乗って」

恭介「乗って乗ってって……下に行ってからでいいじゃないか」

さやか「いいから乗るの!」

恭介「仕方ないなあ……これでいい?」

さやか「行っくよー!!!!!!!」

ドゥルルルンドゥルルルン ブルオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ

ブルアアァァァァァアン

恭介「ちょ!?こっから飛び降りるの!?」


68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 00:26:28.63 ID:FU0Ccc1I0
それから僕達は街のいろんなところに行った

昔二人で遊んだ公園、通っていた小学校、遠足で言った博物館など……

めちゃくちゃなドライブだったけど、それでも僕は久しぶりにさやか…もとい、さやカウンタックと一緒にいることができて

幸せだったと思う

気が付けば僕達は――





「スピード違反信号無視無免許運転器物損壊その他諸々」

「上条君だっけ?ちょっと署まで来てもらえるかな?」

恭介「う……嘘だっ!!!!」

さやか「恭介…なんで運転席に座ってんのよ…!助手席なら……助手席なら大丈夫だったのにぃ!!!」

71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 00:31:48.01 ID:FU0Ccc1I0
翌日

さやか「はぁ……まだ恭介は返ってないのかな」

さやか「……昨日は恭介には悪いことしちゃったなぁ~

杏子「よお、何もせずに帰るのかよ?昨日1日引きずりまわしてたくせに?」

さやか「!!あんた…!」

杏子「せめて謝ってやれよ」

さやか「そんなの…言われなくても分かってるよ……でも、あんたに言われるとなんか腹立つ」

杏子「意味分かんねーよ……やっぱお前ムカつくな、いっちょ派手にやるか?」

さやか「あんたがその気なら、いいよ……でも、ここじゃ戦えないね」

杏子「そうだな…よし、いい場所知ってるからついてき――」

さやか「あたしに乗っていきなよ、その方が速いし」

杏子「……なん…だと…?」

73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 00:36:10.16 ID:FU0Ccc1I0
ガショーンガショーン

さやか「ほら乗りなよ?安全運転は心掛けるからさ」

杏子「てめえ昨日あのガキに散々なことやっといてよくそんなこと言えるな!?」

さやか「いいから乗れってば!結構快適なんだよ?」

杏子(……ぶっちゃけ怖ええ、昨日のあれを見ちまったからな)

杏子(だがしかし、興味もあったんだよな…中はどんなふうになってるのかなってさ)

杏子「……いいだろう、乗ってやるよ…その代わり絶対安全運転だからな!約束破ったら殺すぞ!!」

さやか「分かってるって!大丈夫大丈夫!」

杏子「ったく……」ガチャッ バタン

さやか「そんじゃま、行きますか」

杏子「……どうした?」

さやか「どこ行くか言ってよ。なんならカーナビ使う?」

杏子「お前めんどくせえな」

74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 00:39:03.87 ID:FU0Ccc1I0
杏子「カーナビ…?今はそんなもんあるのか……」

さやか「あんたひょっとしてカーナビ知らないの?」

杏子「うるせえ…ちょっと疎いだけだよ」

さやか「へぇー、結構可愛いとこもあるんだねー」ニヒヒ

杏子「ば、馬鹿にすんなよ!これくらい適当にやってりゃ……」

さやか「あーもういいっていいって。口で案内してくれればいいからさ?」

さやか「それじゃあ今度こそ、出発ー!」

ドゥルルルン ブルオオオオオオオオ

杏子「おぅ……意外とゆっくりじゃねえか」

さやか「あんた乗せるの初めてだしね、初めての人には優しいんだよあたし」

杏子「そ、そうか……」

77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 00:44:58.92 ID:FU0Ccc1I0
杏子「そこの歩道橋ならいいだろ?」

さやか「了解了解」

オオォォォォォォォン キィッ ガチャッ バタン ガショーンガショーン

さやか「んー!……さてと、やったろうじゃんか!」

杏子「……あぁ、そうだな」

さやか「何よ?なんかやる気ないんじゃないの?」

杏子「なんか……酔った」オエー

さやか「はぁ!?嘘ごめん、結構気を使ったつもりだったんだけど…大丈夫?吐きそう?」

杏子「なんでちょっと優しいんだよ…きもちわりぃー」

さやか「気持ち悪いの?ほら、近くに公園があったと思うから、そこのトイレ使お?ね?」

杏子「そうじゃねえよ……うっぷ…なんであたしに優しくしてんだよってことだよ」

さやか「なんでって、初めての人には優しく!それがあたしのモットーだもん」

杏子「初めてじゃない奴との落差激しすぎだろ……やべっ…ちょっと行ってくるわ」

さやか「付き添おうか?一人で行ける?」

杏子「いいよ別に……」

78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 00:48:54.45 ID:FU0Ccc1I0
さやか「よーし!改めて勝負やるよ!」ヘンシーン

杏子「あぁそっか、そのためにここ来たんだっけな……しゃあねえ、いっちょやるか」ヘンシーン

まどか「さやカウンタックちゃん!こんな戦い駄目だよ!絶対おかしいよ!」

さやか「まどか!?あんた、なんでここに!?」

QB「僕が呼んだのさ。君が無茶してそうだったからね」

ほむら「あなたもよ佐倉杏子」

杏子「うお!?いたのかよ」

ほむら「美樹さやかには手を出すなと言ったはずよ」

杏子「いや、そうなんだけど……なんかあいつも乗り気だし」


80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 00:52:32.04 ID:FU0Ccc1I0
まどか「さやカウンタックちゃん、やめてよ?こんな勝負意味ないよ」

さやか「止めないでよまどか、なんかあいつムカつくんだもん」

まどか「そんな……どうしてもやめないっていうんなら…!」ダッ

さやか「まどか!?あんたなにやってんの!?」

まどか「私がここから飛び降りるからね!」

ほむら「ちょっ、何やってるのまどか!馬鹿なことはやめなさい!」

杏子「おい、部外者は引っ込んでろよ!あぶねーだろ!」

まどか「だって、こうしないと二人とも――」

フワッ

まどか「あっ」

ほむら「風が!?」

さやか「まどか!」

81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 00:55:54.18 ID:FU0Ccc1I0
ヒュー

ほむら「まどかぁーーーー!!!」

杏子「いや無事だ!」

ほむら「へぁ!?どこ!?」

杏子「見ろ、あそこのトラック!」

ほむら「奇跡的にトラックの荷台に着地してる…!」

杏子「奇跡すぎるだろ!!」

さやか「待っててまどか!すぐ助けに行くから!」

ドゥルルルンドゥルルルン ブルオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンンンンンンン

ほむら「速い…!」

杏子「なんてあぶねー運転だ」


さやか「まどかあああああああああああああああ!!!!!!」

まどか「さやかうんたっくちゃあああああああああああああああああああん!!!!!」

ガシッ

82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 01:00:09.35 ID:FU0Ccc1I0
ほむら「二人とも遅いわね……まさか、どこかで事故に…?」

QB「いや、あれを見るんだ!」

杏子「あのスピード……間違いねぇ!」

さやカウンタックだ!!!

さやか「もうまどか!あんたなんて無茶やってんの!」

まどか「ごめんさやカウンタックちゃん……でも、こうしないと二人とも……」

杏子「それだけど、もう無しにしようぜ」

さやか「うん、なんか疲れちゃったし、まどかに命がけで止められちゃったらね」

まどか「二人とも…ありがとう!!」

QB「まどかが無事でよかったよ……危うく契約できずに終わるところだったよ」

ほむら「……ねえ、ちょっと消えてくれないかしら?」

QB「へ――」バチュン

まどか「ほむらちゃん!?どうしてQBを!?」

ほむら「三人とも、大事な話があるの」


85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 01:05:33.58 ID:FU0Ccc1I0
ほむら「今のあなたたちなら真実を話してもいいと思って」

さやか「真実…?」

ほむら「魔法少女の真実よ」

実はこれこれこういう訳でー

杏子「なん…だと…?それじゃああたしたゾンビにされたようなもんじゃねえか!」

ほむら「遅かれ早かれ気付くことになっていたわ……美樹さやか、理解できたかしら?」

さやか「…………そんなの……そんなの嘘だっ!!」

ほむら「!?」ビクッ

さやか「あたしが……あたしの体が、もう人間じゃないだなんて……そんなの嘘に決まってる!!!」

杏子(元々人間だったのか…?)

ほむら(しまった、予想以上にメンタルが弱かったみたいね……)

ほむら「ねえさやか、話を――」

さやか「ごめん、今は一人にさせて」ガショーンガショーン

ドゥルルルンドゥルルルン ブルルルオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ

まどか「さやカウンタックちゃん……」

88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 01:10:48.87 ID:FU0Ccc1I0
さやか「生きてたのねQB…っていうか、あたし達を騙してたの?」

QB「騙してたなんて人聞きが悪い、僕はちゃんと魔法少女になってって説明したはずだよ」

QB「その正体は省略したけれど」

さやか「それを騙したっていうんでしょ!」

QB「やれやれ、君は戦いを甘く見過ぎだよ。実際にお腹に槍が刺さった痛みがどれほどかと言うとね」

さやか「――っ!!!ぐっ…うぅ……」

QB「どうだい?全然動けやしないだろう?」

さやか「何…これ……ガードレールでガリガリ削られるより痛い……」

QB「その例えはよく分からないよ」

89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 01:13:56.74 ID:FU0Ccc1I0
翌日
早乙女「美樹さんは休みみたいね……今朝は廊下が静かだったものね」

まどか(さやかちゃん、大丈夫かな……)


さやか「……」

杏子『いつまでもしょぼくれてんじゃねーぞボンクラ』

さやか『!?杏子……』

杏子『降りてきな…話がある』

さやか「なんの用?」

杏子「別に、ちょっと昔話をしようかなってさ……とりあえず、あたしの元家に行こう」

さやか「元家…?」

杏子「まあちょっと遠いけど、歩いていけば――」

さやか「なら、あたしに乗りなよ」ガショーンガショーン

杏子「……え?」

90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 01:16:48.71 ID:FU0Ccc1I0
さやか「遠いんでしょ?なら、あたしに乗ったほうが速いよ」

杏子「そうだけど……なんだ、もっと落ち込んでるのかと思ったよ」

さやか「落ち込んでるよ……あたし、もう人間じゃないんだもん……」

杏子「いや、だって車に」

さやか「いいから乗りなよ」

杏子「……分かったよ」ガチャッ バタン

さやか「場所は?」

杏子「えっと、隣町の――」

さやか「じゃあ出発するよッ!!!!」

杏子「ちょ、えええええええええええええ!?!?」

ドゥルルルンドゥルルルン キキキキィッ ブルルルアオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンンンン

94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 01:20:07.17 ID:FU0Ccc1I0
杏子「おまっ、昨日と全然運転違うじゃねーか!」

さやか「だって初めてじゃないじゃん?」

杏子「そういう問題じゃねー!!うおっ!」キキィッ

さやか「で、隣町のどこ?」

杏子「いや、だから隣町の教会ぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいぃぃぃ!?!?」

キュルキュルキュルキュル ブオオオオオオオオオオオ

杏子「ま、さやか…ヤバい……吐く…吐いちゃう……」

さやか「さやかじゃない!さやカウンタック!!」

杏子「なんでもいいから止めてええええええええ!!!!!」

ブルオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンンン

95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 01:24:03.99 ID:FU0Ccc1I0
オオオオォォォォォォォンン キキキィッ ガチャッ バタン

さやか「ここがあんたの家か……もうボロボロだね」

杏子「……死ぬ……あたし死ぬわ……オエップ…」

さやか「全く、乗り物酔いしやすいんならそう言ってよね」ガショーンガショーン

杏子「お前……昨日何を見てきたんだよ…つーか優しさどこ行った……」ウップ

さやか「だから、初めてじゃないでしょーが。ま、次からは酔いやすいって意識して運転してあげるよ」

杏子「なんで逮捕されねーんだよ」

さやか「とりあえず、酔い止めでも飲むかい?」

杏子「なんか…屈辱的な台詞だな」

98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 01:31:52.21 ID:FU0Ccc1I0
杏子「ここは昔あたしの親父の教会だったんだ」

魔女がー協会がー親父たちがー

杏子「結局最後は一家で無理心中さ…あたし一人を残してね」

杏子「あんたは、後悔してんのか?」

さやか「……」

杏子「あたしはね、まあいっかって思ってるんだ……なんだかんだ、この力のおかげで好き勝手出来てるわけだしね」

さやか「あたしだって、速くてカッコよくなれたこと後悔はしてないよ」

杏子「だったら――」

さやか「でも、やっぱり悔しいよ……今までのあたしは車に変身したってそれはあたしだった……」

さやか「美樹さやcarだったの」

杏子「…?」

さやか「今のあたしは美樹さやカウンタック……似てるようだけど全然ちがうんだよね、これ」

杏子「いや、さやcarがどんなんだったか知らねーけど、全然似てないんじゃないのか」


101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 01:36:52.73 ID:FU0Ccc1I0
さやか「とにかく、まだ受け入れられないの……」

さやか「今の体は嫌いじゃないはずなのに、魂がそこにないってだけでどうしても嫌になっちゃいそうなの」

杏子「自業自得なんだからいいんだよ」

さやか「え…?」

杏子「全部自業自得なんだから、全部自分のためにやったことなんだから、他人を恨むこともないし後悔なんてあるわけない」

杏子「お前はそれに気づいてないだけだろ?ま、別に今じゃなくてもいいからさ…速く好きになれるといいな」

杏子「今のお前を」

さやか「……あたし、あんたのこと酷い奴だと思って誤解してたよ…ごめん」

杏子「よせやい」

さやか「よしっ!!いつまでもうじうじしてるのはさやカウンタックチャンらしくない!お礼にドライブに連れて行ってあげる!!」

杏子「よせや……え?」

さやか「どこに行きたい?どこでも連れて行ってあげるよ」

杏子「警察一緒にいかねーか?」

103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 01:40:46.88 ID:FU0Ccc1I0
翌日
まどか「さやかちゃん!もう大丈夫なの?」

さやか「うん、平気。心配掛けてごめんね」

仁美「さやかさん大丈夫でした?何かマシントラブルでもあったんですか?」

さやか「いやーちょっと車検に行ってただけだよ!気にしない気にしない!」

まどか「さやかちゃん、車検はまだまだ先でしょ?」

あはははーうふふふー

まどか「あ、上条君学校来れるようになったんだね」

さやか「へ!?もう!?」

仁美「あら、退院はもう少し早かったはずですのに、登校は遅かったですわね」

まどか「きっと大事をとってたんだよ」

さやか「そそそそそうだよ~、まさかけけ、警察とかに行ってたわけないってばーあああはははははー」

まどか(さやかちゃん、バレバレだよ……)


107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 01:44:04.51 ID:FU0Ccc1I0
中沢「上条元気にしてたかー?」

上条「平気だよ、ちょっといろいろあって疲れてただけなんだ」

ワイノワイノ

まどか「さやかちゃん、上条君に話しかけないの?」

さやか「うん、まだちょっと勇気が出なくて……」

仁美「……」

放課後

さやか「仁美、話ってなんなの?」

仁美「実は、私上条恭介君をお慕いしておりましたの」

さやか「え!?……ああはははーそうなんだー、恭介も隅に置けないなーはははー…」

108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 01:48:58.46 ID:FU0Ccc1I0
仁美「さやかさんは、上条君のことをどう思っていますの?」

さやか「あたし!?別に、恭介は腐れ縁っていうか只の幼馴染ってだけで……あ、被害者加害者でもあるけど」

仁美「……本当にそれだけですの?」

さやか「え?」

仁美「私はもう自分に嘘をつかないって決めたんですの…さやかさん、あなたはどうですか?本当の気持ちと向き合えますか?」

さやか「本当の…気持ち……」

仁美「私は明日、上条君に告白します。それまでに、後悔なさいませぬようお願いします」

さやか「私の気持ち……?」

仁美「それでは」ガタッ

<アリヤトーヤーシター

さやか「……」

109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 01:53:08.56 ID:FU0Ccc1I0
その夜
まどか「今日の魔女退治、ついていってもいいかな?」

さやか「……まどか」

まどか「さやcarちゃんに一人ぼっちになってほしくなくて…だから……」

さやか「もう…なんでそんなに優しいかな……それに、今の私はさやカウンタックだよ」

まどか「でも、さやcarちゃんでもあるんだよ」

さやか「……仁美に、恭介取られちゃうよ……でもあたし、なんにもできない…!」

さやか「だってあたしもう死んでるんだもん!ゾンビなんだもん…!さやカウンタックだもん……!」

さやか「こんな体で…恭介に罪を作っちゃったこの体で……抱きしめてなんて言えないよ」

さやか「キスしてなんて言えないよ……」

111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 01:57:37.17 ID:FU0Ccc1I0
ブルルルオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンンンンンンンンン

さやか「はあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」

まどか「さやカウンタックちゃん!」

杏子「ったく、見てらんねーっつの…おい!あたしが手本見せてやるから戻ってこい!」

さやか「邪魔しないで!!!」

杏子「!?」

さやか「あははは!その気になれば…その気になればスピードの限界なんていくらでも超えられるんだ!!!」あははは!!」

ブルルルアオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ

まどか「さやカウンタックちゃんやめて!それ以上スピードあげたらエンジンが持たないよ!」

さやか「まだまだ超えるよ!音速超えちゃうよ!!!」

ブルルアアアアアアアアアアアアアアアアン

ドグシャーン

杏子「やっつけた……のか」


113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 02:00:56.63 ID:FU0Ccc1I0
さやか「ふぅ~……なんだ、音速なんて意外と大したことないね」シュパァン

まどか「さやかチャン大丈夫?フラフラだよ?」

杏子「おい……ふっ切ったんじゃねーのか…?」

さやか「……うん、なんか、思いっきり走ったらいろんなことどうでもよくなっちゃってさ」

杏子「お前…」

さやか「あたしさ……気が付いたら車に変身できるようになってたんだ」

杏子「?」

さやか「周りのみんなも変に思わないし、あたしもそれが普通なんだって思ってた」

さやか「だから普通に走ってたんだ……そしたらあるとき人を轢いちゃったんだ」

まどか「さやかちゃん、それって……」

さやか「うん、恭介だよ」

115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 02:07:28.92 ID:FU0Ccc1I0
さやか「あたしが4歳の頃かな、恭介と一緒に遊んでたら間違って轢いちゃってね……それが初めてだった」

杏子「あいつ運悪いな……」

さやか「恭介はボロボロでもう死んじゃうんじゃないかって思って、あたしは怖くてずっと泣いてた」

さやか「なんとか一命を取り留めたし、恭介も気にしないって言ってくれたんだけど」

さやか「あたし怖くなったの」

さやか「しばらく車に変身できないでいた……もう一生しないって決めてた…そしたらさ、恭介が言うんだ」

さやか「『なんでさやかはさやcarにならないの?またあれに乗って遊びたいよ』ってさ」

さやか「あたしなんか嬉しくなっちゃってその場でワンワン泣いて……それからまた変身するようになったの」

杏子「あいつ自分の首絞めたこと分かってんのか」

さやか「あたしはさやcarなんだよ……それだけなの…恭介がまだ私をさやcarって呼んでくれたら……」

さやか「さやカウンタックちゃんは再びさやcarちゃんとして復活するんだよ!」

さやか「だから今から告白してくるね!」ガショーンガショーン

116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 02:11:00.23 ID:FU0Ccc1I0
ドゥルルルンドゥルルルン

まどか「さやカウンタックちゃん…ううん、さやcarちゃんは、ようやく本当の気持ちに向き合えたんだね?」

さやか「うん、今度こそ本当に心配かけちゃったかな…行ってくるよ」ドゥルルルン

杏子「なあ、一つ聞いていいか?」

さやか「ん?何?」

杏子「お前結局あのガキ何回轢いたわけ?」

さやか「えっと……こないだのも入れて8回かな」

杏子「あいつホント運悪いな」

さやか「行ってきまーーっす!!!」

ブルルルアアアオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ

まどか「行っちゃったね……」

杏子「そういや、まどかって言ったけ?お前は轢かれたことねーの?」

まどか「うん、一回もないよ?」

杏子「そうか……お前すごいな」

118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 02:16:20.67 ID:FU0Ccc1I0
オオオォォォォォォォン キキィッ ガショーンガショーン

さやか「恭介起きてるー!?愛しのさやかちゃんだよー!」ピンポーンピポピポーン

恭介父「何事ですか…って、君は美樹さんとこの」

さやか「お久しぶりです!病院で会って以来ですね!恭介君いますか?」

恭介父「いるにはいるけど……あの、家の中では車にならないでね?」

さやか「分かってますって!あたしだってもう中学生ですよ?」

恭介父(小学生のころとあまり変わってないじゃないか……)

恭介父「まあいっか…じゃあ上がってよ」

さやか「ハイ!」


恭介「どうしたんだいさやか、こんな時間に?」

さやか「えっと……恭介に…じゃなくて、まずは……」

さやか「ごめん恭介!」

119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 02:21:13.64 ID:FU0Ccc1I0
さやか「警察にお世話になるようなことさせちゃったりっていうかまず何回も轢いてごめん!」

恭介「なんだ、そのことか…気にしてな…じゃなくて、こっちはひどい目に遭わされてイライラしてるんだよ!」

さやか「ふぇぇ…そんなぁ……」グスッ

恭介「!ちがっ、そうじゃなくってその……嘘だよ嘘!もう慣れっこだから気にしてないって!」

さやか「……ほ、ほんとに…?」

恭介「うんうん」

さやか「そっか、ありがと!」

恭介「あ、あぁ……それだけなのかい?いや、それだけでも充分嬉しいんだけど……」ゴニョゴニョ

さやか「そう!もう一つ見て欲しいの!」ガショーンガショーン

恭介「ちょっ、狭いんだから部屋の中で車に変身するのはやめてってば!」

120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 02:26:08.32 ID:FU0Ccc1I0
さやか「恭介!あたしの姿見てどう思う!?」

恭介「どうって……いつものさやかじゃないか」

さやか「んんー…そうじゃなくって……もう一声!もう一声!」

恭介「は?」

さやか「もうっ!恭介は私のことなんて呼んでたの!」

恭介「なんてって……こないだ確かさやカウン――」

さやか「昔の話!昔の!昔なんて呼んでたっけって話!」

恭介「そりゃ、確かさやcarって……」

さやか「さやcar?さやcar!?ほんとに今のあたしもさやcarに見える!?」

恭介「う、うん……見えるよ、さやcar」

さやか「ありがとう恭介!」ガショーンガショーン

恭介「???何がどうしたっていうんだい?」


124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 02:30:29.14 ID:FU0Ccc1I0
さやか「あたしのことこれからもさやcarって呼んでよね!」

恭介「まあ、別にいいけど……さやカウンタックはやめたのかい?」

さやか「それはもういいの!じゃあね、あたしもう帰るね!」

恭介「えぇ!?何しに来たのさやか?謝ってくれたのはいいんだけど…それだけ?」

さやか「へ?他になんかあったかなー……」

恭介「あの、その……こ…くはく…とか……は?」

さやか「……は?」

恭介「なんでもないよ!早く帰ればいいだろこのランボル野郎!」

さやか「それはもういいんだってば!!」

恭介「いいから帰れって!」

さやか「恭介!」

恭介「なんだよ!?」





さやか「好きだよ」


128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 02:33:14.61 ID:FU0Ccc1I0
恭介「…………え?」

ガショーンガショーン ドゥルルルンドゥルルルン

恭介父「こらー!家の中で変身するなって言ったろーが!」

さやか「ごめんなさい!すぐ出て行きますんで!!」

ブルルアァン ブルオオオオオオオオオオオオオオンン キキキィッ クルッ ブオオオオオオオオオオオオ

恭介父「はぁ…また家がめちゃくちゃだ……どうした恭介?」

恭介「……ううん、別に……なんか、車に轢かれたみたいな衝撃が体中を貫いたから」

恭介父「何言ってんだ恭介……大丈夫か?」

130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 02:37:11.27 ID:FU0Ccc1I0
翌日
まどか「おはようさやかちゃん!昨日はどうだった?」

さやか「んふふ~…なんと、さやかちゃんはさやcarちゃんに進化しました!!」

ほむら「なんにも変ってないじゃない」

さやか「うお!?ほむほむいたのか!」

ほむら「ほむっ!?」

まどか「あ、そのあだ名可愛いね」

さやか「ほむほむも今度一緒にデパートに乗せて行ってやるからねー!はっはっはー」

仁美「ご機嫌ですわね……これは私の完敗なのかしら」

ほむら「美樹さやか……後で覚えてらっしゃい」

131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 02:42:08.73 ID:FU0Ccc1I0
その夜

ほむら「随分遅くなったけれど、ワルプルギスの夜対策会議を始めるわよ」

杏子「さやかのインパクトがでかすぎてすっかり忘れてたぜ」

さやか「あたしも」

マミ「何それ初めて聞いたんだけど」

ほむら「……オホン…これから説明するからしっかり頭に叩き込んでおいてね」

出現予測地とかー対策とかーいろいろとー

マミ「そんなことがあったなんて……これはベッドでのんびりしてる場合じゃないわね」

杏子「無理せず寝てろよ、悪化すんぞ」

マミ「そんなわけにもいかないわよ!私だって魔法少女なんだから!」

杏子「つーかなんで怪我したんだっけ?理由聞いてなったな」

マミ「美樹さんに轢かれたからよ」

さやか「うぉい!?あっさり言っちゃいますか!?」

杏子「お前ほんとなんなんだよ」

134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 02:52:30.23 ID:FU0Ccc1I0
さやか「いや、だってあの場合は命の危険があったから仕方なくさ!?」

マミ「そうね、食べられるよりはましだったわね……正直今も辛いけど」

さやか「うぐっ……」

ほむら「とはいえ、巴マミはやっぱりその足で動くのは無理よ」

杏子「そうだよ…足がなきゃあな……」

マミ「足……」

ほむら「足……」

さやか「足か……」

ほむら「美樹さやか、あなたが乗せればいいじゃない」

さやか「え?」

杏子「なるほど、その手があったか」ポン

マミ「よろしくね、美樹さん」

さやか「いいんですかマミさん…あたしに命預けても…?」


136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 02:58:42.87 ID:FU0Ccc1I0
マミ「奪われかけた命……いえ、乗りかけた車だもの、あなたに託すわ!何もせずに指を咥えているよりずっとましよ!」

さやか「っ!!ハイ!必ず役に立ちます!!」

ほむら「ありがとうみんな……必ずワルプルギスの夜を倒しましょう」

ほむら(ソウルジェムが魔女になることは知られていないけれど……今回は言う必要ないわね)

ほむら(そしてまどかとQBも……いえ、こちらは最後まで油断できないわね)

杏子「とにかく、いっちょ派手にやってやろうぜ!」

さやか「おおー!」

ワルプルギスの夜襲来
ほむら「みんな、準備はいいわね?」

杏子「いつでもいいぜ」

マミ「えぇ」

さやか「まっかせといて!」ブルルルルルン


138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 03:03:17.17 ID:FU0Ccc1I0
ほむら「まずは私が時間を止めて集中砲火」ドッガーンドッギャーン

さやか「私が走りながら」バオオオオンブオオオオオオオオオオオオ

マミ「私も砲撃!」ドシューンドシューン

杏子「ひるんだところをあたしが一突き!!!」ズシュゥッ

ワル夜「アハハハハハーキャハハハー」

杏子「効いてない!?」

マミ「まだまだよ!美樹さん、もっと寄って!」

さやか「ハイ!」ブルルオオオオオン

マミ「ティロ・フィナーレ!!」

ドギューーーーン

ほむら「まだよ…杏子、さやかに乗って!」

杏子「おう!」

ほむら「私も乗って…時間停止」

ガッチャン

139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 03:06:40.95 ID:FU0Ccc1I0
ほむら「限界まで近づいて!」

さやか「おっしゃあ!さやcarちゃんのマックススピード見せてあげるよ!」

ギュオオン ギュオン ブオオオオオオオオオオオオンンン

杏子「さやか、そのまま突っ込め!あたしが潰す…!」

ズギューーン

マミ「ティロ・フィナーレ!」

マミ「もう一発!ティロ・フィナーレ!!!」

ドギューンドギューン

ほむら「停止解除」

ガッチャン

ズババババババーン

さやか「これでどうだ!?」

141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 03:09:56.88 ID:FU0Ccc1I0
ワル夜「アハハハハー」

さやか「ぐっ!?」

ほむら「まだ…駄目なの?」

杏子「くそっ、何て野郎だ!」

マミ「美樹さん、しっかり!!」

さやか「もう駄目……なのかな……」


まどか「さやcarちゃん!」

さやか「まどか!?」

ほむら「どうして…!!インキュベーター!?」

QB「ご存知インキュベーターだよ」キャピッ

143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 03:13:41.07 ID:FU0Ccc1I0
ほむら「来ちゃ駄目だって言ったでしょ…!」

まどか「ごめんねほむらちゃん…わたし、やっぱりみんなが心配なの」

さやか「まどか…駄目だよ、こんなところにいたら危ないよ」

まどか「その心配はないよさやcarちゃん」

QB「まどか、僕と契約してくれるんだろう?さあ、魔法少女になろう!」

まどか「QB……私は、魔法少女にはならないよ」

QB「な、なんだって!?だったらなぜこんなところに来たんだい!?」

まどか「さやcarちゃん、ごめんね……実は、さやcarちゃんにずっと隠してきたことがあったの」

さやか「まどか…?」

まどか「私はね……本当は」


まどか「鹿目まどcarなの!!!」

ガショーンガショーン


148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 03:18:28.45 ID:FU0Ccc1I0
ほむら「…………え?」

さやか「へ!?そんな、聞いてないよそんなの!!」

まどか「私はね、ずっと昔から車に変身できるせいで虐められてきたの……」

まどか「でも、さやcarちゃんが助けてくれて、しかもさやcarちゃんは私と一緒で…凄く嬉しかった」

まどか「さやcarちゃんは車に変身できることを隠したりしないから、凄く素敵だと思ったの…私もさやcarちゃんみたいになりたいって思ってた」

さやか「だったら、どうして言ってくれなかったの!?」

まどか「ごめんね……勇気がなかったの…でも今は違う」

まどか「ありのままの私を出せる……友達のために、何だってできる!私は鹿目まどcar!」

まどか「さやcarちゃん!」

さやか「ま…まどcar!」

ガショーンガショーン ガショーンガショーン



153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 03:24:47.81 ID:FU0Ccc1I0
まどさや「「合体っっ!!!!!!」」

まどさや「「魔法少女まどcar☆さやcar!!!!!!」」


杏子「なんて…神神しいんだ…!」

マミ「これが……シンメトリカルドッキング…!」

ほむら「いや、あの…えぇー……」


まどさや「「くらえええええ!!!!!!!」」

まどさや「「ソニックランボルゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウ!!!!!!!!!!!!!!!!」」

キュイーン ドゥルルルンドゥルルルン

ドッギャバーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン

ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンンンンンンン

ワル夜「アハハハハハハハハハハー……」

シュアーン


ほむら「……倒した……の?」



157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 03:29:09.35 ID:FU0Ccc1I0
ガショーンガショーン ガショーンガショーン

まどか「ふう……久しぶりに車になったから疲れたー」

さやか「あはは、これから毎日なればいいじゃん」

まどか「うん!ありがとうさやかちゃん!」

さやか「いやー、しかし合体とかしてみるもんだね…まさかホントにできるとは……」

杏子「お前ら!凄いな!!車に変身とか最初馬鹿にしてたけど、マジですげーよお前ら!!!」

マミ「鹿目さん、まさかあなたも変身できたなんて……なんだか夢みたいだわ…!」

まどか「マミさん、杏子ちゃん、無事でよかったよ…ほむらちゃんは?」

さやか「あれ?ほむらー?そんなとこで何やってんのー?」

ほむら「……」

まどか「ほむらちゃん?」

ほむら「……はっ!ごめんなさい、なんかちょっと魂が抜けてたわ」

杏子「おいおい、ソウルジェムが℃っか言ったんじゃねーかと思ったよ」

あはははははーうふふふふふー


162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 03:34:08.55 ID:FU0Ccc1I0
ほむら(それから、街は復興していき徐々に元の生活を取り戻していった)

ほむら(元の生活と言えばもう一つ)

まどか「おはよう仁美ちゃん、ほむらちゃん!」キキィッ

仁美「おはようございますまどかさん、今日も速そうでなによりですわ」

まどか「えへへ、つい調子に乗って走り過ぎちゃって」

さやか「おーい!みんなおはよー」キキィッ

恭介「やあ、みんなおはよう」

ほむら「あら、どうして上条恭介が美樹さやかに?」

さやか「いやぁ、昨日うっかり轢いちゃってね」テヘッ

恭介「怪我は軽いんだけど送ってもらうことにしたんだ」

163 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 03:38:01.64 ID:FU0Ccc1I0
まどか「もう、二人ともラブラブなんだから~」

仁美「ほんと、羨ましい限りですわ」

さやか「じゃあね~、おっさきー」ブオオオオオオオオオン

まどか「あっ、ズルイ!私も行くよ!ブオオオオオオオオン

仁美「あらあら、みなさん待って下さい」トテトテ

ほむら「行ってしまったわね……」

マミ「おはよう暁美さん」

ほむら「あら、おはよう巴マミ…今日もドリルが素敵ね」

マミ「ばっ!変なこと言わないでよ!そんなこと言われても、全然嬉しくないんだからね!」

ほむら(上条恭介のツンデレがなくなってしまったから、たまにこっちで遊ぶと面白いわね)

杏子「なんだ、もうみんな行っちまったのか」

ほむら「あら、杏子じゃない」


165 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/19(水) 03:41:56.02 ID:FU0Ccc1I0
マミ「佐倉さんは、やっぱり隣町に帰ってしまうの?」

杏子「まあな…四人も魔法少女が同じ街にいられないだろ」

杏子「別れのあいさつでもするかと思ったけど、やっぱいっか…湿っぽいのはなしだ」

ほむら「私から伝えておくわ……元気でね」

杏子「ふん…さんきゅー」

ほむら(これが私の日常……日々平和、何も問題はなし)

さやか「杏子ーー!!!」ブオオオオオオオオン

杏子「げっ!?どっから沸いてきた!?」

さやか「隣町に帰るんでしょ?送ってあげるよ?」

さやか「このさやcarちゃんがね!」