1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/26(土) 22:32:04.52 ID:Mi/x8C5N0
『うぅ………』
ハァ…ハァ…
『動けない…苦しい……』
ハァハァ……ハァ……
『パパ…ママ…』
ボォォォォォ ガシャン
『プレゼント…が……何か、眠くなってきちゃった』
ヒョコッ
「やあ―――――――かい?」
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/26(土) 22:35:23.43 ID:Mi/x8C5N0
ハァ………ハァ………
『…天使…?妖精……?』
「―――望み――――い?」
ハァ…………ハァ……………
『おねがい――』スッ
助けて
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/26(土) 22:38:52.77 ID:Mi/x8C5N0
マミ「んっ」パチリ
シーン
マミ「……」
マミ(夢?わたし、パパ達と遊園地に行く途中―)
キョロキョロ
マミ「…病院?」
看護師「あら?良かった…意識が戻ってくれて」ガラガラ
マミ「あの、ここは?」
看護師「見滝原総合病院よ、お名前言えるかな?」
マミ「巴…マミです」
看護師「マミちゃんね、ありがと」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/26(土) 22:43:11.36 ID:Mi/x8C5N0
看護師「怪我のほうは大丈夫、どこも問題無いわ安心して」
マミ「怪我?…あの、何でわたし病院に?」
看護師「…覚えてないの?」
マミ「あっあの!パパとママは!?」キョロキョロ
看護師「………」
マミ「?パパとママ帰っちゃったの?」
看護師「違うのマミちゃん」
マミ「……ねえ教えてっ」
マミ「何でマミ、病院にいるの?」
看護師「それは――」
『君の両親は事故で死んだよ、巴マミ』
マミ「………え?」
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/26(土) 22:47:53.17 ID:Mi/x8C5N0
『あの場所で一人無事だった君がこの病院に運ばれて来たわけさ』
マミ「事故……?なに、これ」
『僕はね、君達ヒトの願いを何だって一つ叶えてあげられる』
『そして君は願ったはずだ――助けてほしいと」
看護師「どうしたの?」
『君のその祈りはエントロピーを凌駕した、無事叶ったんだ』
『そしてその奇跡と引き換えに―』
『僕と契約して魔法少女になったんだよ、マミ』シュタッ
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/26(土) 22:52:19.14 ID:Mi/x8C5N0
マミ「あの時の妖精、さん?」
『やあ、僕の名前はキュ―』
マミ「じゃ、じゃあ!あれは夢じゃないの?……本当にあった事?…ウソ……」
ズズズズズズ
看護師「顔色が悪い…どこか痛い所ある?」
『…やれやれ、もう濁り始めてる』
マミ「妖精さん!教えて!!パパとママ」
マミ「パパとママ、本当に死んじゃった…の?」
看護師「マ、マミちゃん!?落ち着いて?誰と話してるの?」
『ああ、君の両親は死んだ―即死だったね』
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/26(土) 22:56:48.16 ID:Mi/x8C5N0
マミ「嘘………うそ……」ポロポロ
『でも君だけはこうして無事助かった』
マミ「やだよ……ぃや……嫌!!」ズズズズ
『やれやれ…やっかいだねほんとに』
『落ちついたらまた来るよ』ピョンッ
看護師「しっかりて!…先生!」
マミ「嫌よ……ウソだよ…マミ、信じない……」ガクガク
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/26(土) 23:05:10.91 ID:Mi/x8C5N0
――2日後――
マミ「」ボォー
看護師「マミちゃん、親戚の方が来て下さったわよ」ガラガラガラ
叔父「良かった、怪我は無いって聞いて安心したよ」
叔母「そうね、看護師さん?マミちゃんはもう退院しても大丈夫なのよね?」
看護師「え?ええ…大丈夫ですが…」チラッ
看護士「…かなり事故のショックを受けているので、メンタルケアの方をちゃんと―」
叔父「いえ大丈夫です」
叔母「さあ、マミちゃん?叔母さん達の家に帰りましょう?」
マミ「パパ……ママ……」ブツブツ
叔父「そうだよ、今日から叔父さん達が新しいパパとママさ」ニコッ
叔母「マミちゃん、ママ達がいるから心配な―」
マミ「やめて……違うよ…違う!」ダッ
看護師「あ、ちょっと!」
叔母「(チッ…)」
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/26(土) 23:11:44.84 ID:Mi/x8C5N0
――病院屋上――
マミ「ぅぇぇ…ヒック…ぅあぁ…グスッ」エッグエッグ
マミ(…どうして?どうしてこんな目にあうの…?マミだけ何で――)ヒックヒック
(――『でも君だけはこうして無事助かった』――)
マミ「……マミだけ生きてても…意味無いじゃない……」ポロポロ
『君自身が願った事じゃないか』シュタッ
マミ「あなたは…」ヒック
『僕の名前はキュゥべえ』
マミ「妖精さ…きゅ、きゅうべえ!」ダッ
マミ「ねえ、パパとママを生き返らせて!お願い!」
QB「それは無理だ、願いを叶えるのは1度きりだよ」
QB「君にはもう差し出せる対価も無い、そしてこれは契約だよマミ」
マミ「そんな!」
QB(………)
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/26(土) 23:16:49.67 ID:Mi/x8C5N0
QB「……けど、君があの時『両親を助けて』と願っていたなら」
QB「2人は無事だったんじゃないかな」キュップイ
マミ「ぁ…」
QB「流石に3人まとめては無理だけどね」
QB「マミならあの2人を生き返らせるぐらいは可能だったよ」
マミ(じゃあ……マミのせいなの…?)
ズズズズズ
QB「しかしマミは自分の命を選んだ、そうだろ?」
マミ(わたしがパパ達を……グスッ……見殺しに…?)
ズズズズズズズ
27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/26(土) 23:20:41.35 ID:Mi/x8C5N0
QB「マミ、君の両親が戻ってこないのは確かだ」
QB「君には魔法少女として動いてもらわないといけない」
マミ「わたし…ヒック…わたしが…ころし」ズズズズ
QB「そして君にはその力がある」
QB「巴和也 巴千尋」
QB「……2人を『殺した』魔女を倒したくないかい?」
マミ「ころし、た…?」
――そうだよマミ、あの事故はね―――
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/26(土) 23:25:49.58 ID:Mi/x8C5N0
―――――
―――
マミ「…」
看護師「マミちゃん探したわよ、大丈夫?」スタスタスタ
マミ「あ…うん、平気……ごめんなさい看護師さん」
看護師「良かった…目が真っ赤よ?ずっと泣いてたのね」ナデナデ
マミ「ぁ……ぅ」ウルッ
マミ「大丈夫…わたし、強くならなきゃいけない」ゴシゴシ
看護師「強くって……そうね、そうよその意気!」
マミ「やらなきゃ……わたしが」
マミ「こんなの絶対許せない」
看護師「マミちゃん?」
マミ「……何でもないです」
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/26(土) 23:29:21.65 ID:Mi/x8C5N0
――翌日――
叔父「マミちゃん、どうやら元気が戻ったみたいだね」ガラガラ
叔母「ほんと、もう大丈夫そうね」
マミ「叔父さん叔母さん、昨日はごめんなさい…ごめいわくをおかけしました」ペコリ
叔母「いいのよ、マミちゃんが無事ならそれで」
マミ「でも、ごめんなさい…叔父さん達のお家に行くのは」
叔父「遠慮する事は無いよ?これは叔父さん達のわがま―」
マミ「いえ、違うんです…その……ごめんなさい」
叔母「?」
マミ「わたしこの街から離れたくないんです、この見滝原から」
マミ「パパとママと一緒に暮らしたあの家から…離れたくないの」
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/26(土) 23:33:23.51 ID:Mi/x8C5N0
叔母「マミちゃん…(クソ!やっぱりこうなったじゃないの!)」
叔父(ハァ……何もしなくても遺産が入り込んでくるんだ)
叔父(生活費くらい、渡してあげればいい)
叔母(無駄金じゃない!あのマンションの家賃いくらすると思ってるの!?)
看護士「……」ジー
マミ「本当にごめんなさい!」
叔母「……仕方ないわね、でも一人で生活できるの?」
マミ「はい、ママの真似して家事はよくやってたので」
叔父「そんな生易しいものじゃないぞ?独り暮らしは」
マミ「マミの、わたしのわがままです…やらなきゃ」
叔母(ギリッ)
叔父(ほら行くぞ)
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/26(土) 23:38:42.10 ID:Mi/x8C5N0
看護師「独り暮らしなんてほんとに大丈夫?いつでも頼ってきていいからね」
マミ「ありがとう看護師さん、本当にお世話になりました」ペコリ
ガラガラガラガラガラガラ
マタカ!ホカノビョウインハ!?アイテナイノカ!?
「また事故があったらしいわよ」ヒソヒソ
「最近多いな、これで1週間連続じゃね?」ヒソヒソ
マミ「…」
QB「マミ、話がある」トコトコ
マミ「キュゥべえ、なあに?」
QB「魔法少女についてもう少し詳しく教えておこうと思ってね」
マミ「そうね、それじゃお家………お話できそうな場所を探しましょう」
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/26(土) 23:44:49.22 ID:Mi/x8C5N0
――廃ビル――
マミ「よいしょ」
QB「やれやれ、君の家でいいじゃないか」トコトコ
マミ「それより教えてくれるのよね?魔法少女について」
QB「そうだね、『魔女の口づけ』については昨日話した通りだ」
QB「とりあえず変身してみようか?ソウルジェムは持ってるよね?」
マミ「うん、何かちょっと黒いよ?」ゴソゴソ
QB「……強く念じてみて」
マミ「う…うん、わかった!」グッ
シュパンッ
マミ「わぁ…」
QB「次は武器だね、これも念じると君の本質に合った物が出せるよ」
マミ「武器って…この糸?」ビヨーン
QB「慣れたらちゃんとした形で出せるようになるさ、経験を積む事だね」
マミ「そう…よね、がんばる!」
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/26(土) 23:52:32.41 ID:Mi/x8C5N0
QB「あと、ソウルジェムが黒くなっている事だけど――」
マミ「ええ、これは?」
QB「………それが黒く染まりきると、魔力を使う事が出来なくなるから気をつけて」
マミ「じゃあどうすれば―」
QB「魔女を倒せばいいのさ、倒せばグリーフシードという物を時々落とす」
QB「そのグリーフシードで君のソウルジェムを綺麗に出来るんだ」
マミ「わかったわ、魔女はどうやって見つけたらいいの?」
QB「ソウルジェムを使うんだ、反応の仕方で――
―――――――
――――
マミ「できた!!」シュルシュル
QB「流石だねマミ、もう使いこなしてるじゃないか」
マミ「えへへ………暗くなってきちゃったね、そろそろ帰らなきゃ」
QB「そうかい?じゃあ僕はここで、またね」ピョンッ
マミ「あっ………うん、いっちゃった…マミもかえろ」
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/26(土) 23:56:05.96 ID:Mi/x8C5N0
――マミホーム――
マミ「………」
スーハー
ガチャリッ
バタン
マミ「………」トコトコ
パチッ
シーン
マミ「…た、ただいま」ボソッ
………
マミ「……グスッ……うぇぇ」ポロポロ
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 00:00:20.35 ID:a7S52k7n0
――2日後――
マミ「……」ピィィィィン
マミ「反応が……近づいてるのかな」トコトコ
ウォ-!
シネ!シネ!シネ!
マミ「!?」タッタッタ
モブ男「ぐひひひひひ!」ザシュッザシュッ
モブ三「オゴォ…あばべ」ボトッボトボト
マミ「ひぃっ!」
44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 00:04:18.90 ID:a7S52k7n0
QB「魔女の口づけだね、どうする?」トコトコ
マミ「と、止めないと!」シュパンッ
マミ「ごめんなさい!」シュルシュル
モブ男「!?」ギュゥゥゥゥ
マミ「こっちの人は……!?ぅっ、酷い」
QB「魔力で癒せばまだ間に合うと思うよ」
マミ「ええ」パァァァァ
モブ三「う…あぁ…ぁ…ぁ…………」zzz
マミ「これでよし」チラッ
マミ「あ…後で解きますので!」ダッ
モブ男「むぐぅ!むぐぅ!」イキデキネエヨ
46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 00:09:24.00 ID:a7S52k7n0
QB「これが魔女の結界だよ」
ゴゴゴゴゴゴゴ
マミ「この中に居るのね」
マミ(一連の交通事故の原因、そしてパパとママを……その魔女がこの中に)
マミ「……大丈夫よ、マミは頑張れる」
QB「緊張してるのかい?」
マミ「ぅ………」
QB「マミ、君の魔力はとても大きい」
QB「例外はもちろんあるけど、敵無しと言ってもいい」
マミ「……励ましてくれてるの?」
QB「事実を言っただけだよ」
マミ「ふふ…ありがとキュゥべえ」
マミ(怖い……でも、それ以上に憎い)
マミ「行きましょう」ダッ
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 00:15:11.51 ID:a7S52k7n0
――魔女の結界内――
ハァハァ
マミ「たぁっ!」シュルシュル
使い魔「!?」
ビタ-ン!ビタ-ン!
マミ「次々と……きりが無いわ!」ハァハァ
ガチャ
バタン
マミ「広いお部屋ね、真ん中に……何かしらあれ」
魔女「……」ススススス
マミ「!?…おっきい蜘蛛がいる!」
QB「あれが魔女だよ、マミ」
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 00:19:50.34 ID:a7S52k7n0
魔女「……」ギロッ
マミ「!!」
ビュッビュルルルッ
QB「気をつけて!」
マミ「きゃぁ!」ビチャビチャッ
QB「マミ!」
マミ「なにこれ……動けな…」ネバァ
QB「マミ!来るよ!」
マミ「!」
ブンッ
ズドズドズドズドズドッ
マミ「カハッ……」ボタボタ
52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 00:24:41.46 ID:a7S52k7n0
魔女「シシシシシシシシシシ」スチャ
マミ「ゴホッゴホッ!…ハァハァ…は…針?が………ひぃっ!…」
QB「マミ!避けて!また来るよ!」
魔女「シハ-!シハ-!シハ-!」ブンッ
ズドズドズドズドズドッ
マミ「ぅあ…っ!」ボトッボトボト
マミ「ハァハァハァ…くっ…!」パァァァァァ
QB「大丈夫かい?」スタッ
マミ「こ……こわい……」ガクガク
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 00:30:07.87 ID:a7S52k7n0
QB(…君は病院でかなりソウルジェムを濁らせていた)
魔女「シシシシシシシシシシ」ギョロ
マミ「ぃ……や……」ズズズズズズズ
QB(この2日だけでもだいぶ絶望してくれた)
マミ「ハァハァ……動いて…動いてっ!」ネバネバネバ
魔女「……シシ」ジャキッ
ビュルッ
ビチャビチャ
マミ「………ぅぁ!」ハァハァハァ
QB(いい状態に仕上がってくれたよ)
魔女「シシシシシシシシシシシ!!!」ブンッ
マミ「!?」
ドスドスドスドスッ
QB(頃合いかな)
57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 00:37:04.18 ID:a7S52k7n0
魔女「シシシ…?」
ブゥゥゥゥゥン ジジッジジジ
QB「防壁…」
マミ「ハァハァ…」シュルッスパスパッ
ギュッ
魔女「!!!?」ギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
マミ「死に……たくない……倒さなきゃ倒さなきゃ!!!」シュルルルルルルルルル
魔女「シシ…シシシ?」グルングルングルングルングルン
マミ「これだけ…ぐるぐる巻きなら…ハァハァハァ…」
ギュゥゥゥゥゥゥゥ
魔女「グペペペペペ!!!」ゴキゴキゴキボキッ
マミ「!?ひぃ…っ」
魔女「グペャペャペャペャペャペャペャペャ!?」ブチブチブチブチブチ
マミ「うぁ…いや…っああああああ!!!!」ギュゥゥゥ
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 00:41:14.61 ID:a7S52k7n0
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
チンッ
QB「やれやれ、ギリギリだよマミ」シュタッ
マミ「ハァハァ……ハァ」シュパンッ
QB「……これがグリーフシードだ、まさか落とすとはね」
――呆れた――
マミ「……わかってたのに……グスッ…わかってた」ドサッ
QB「?」
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 00:45:51.48 ID:a7S52k7n0
――ただ、当たり散らせる相手が欲しかった――
マミ「仕返しなんてしても…パパ達帰ってこない……」ヒックヒック
――後の事なんて何にも考えてなかった――
マミ「わかってた!!」
――虚しさ 後悔 そして寂しさが大きく膨れ上がり――
マミ「……パパ……ママ……うぁぁぁ」ポロポロ
――後はまた絶望していくだけ――
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 00:49:14.01 ID:a7S52k7n0
マミ「……ヒック………わたし…何で生きてるんだろ……」ズズズズズ
QB「………」
――これが私の、醜く最低で最悪な――
マミ「これから…ヒック……どうしよう……」ズズズズズ
マミ「わたし……何のために…どうやって生きて……」ズズズズ
マミ「あはっ……わかんない……あははっ―」ズズズズズ
――魔法少女生活の始まり――
ピシッ
63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 00:54:50.43 ID:a7S52k7n0
――マミホーム――
杏子「へぇ、それがマミさんのデビュー戦」パクパク
マミ「フフ…恥かしいわね」
杏子「復讐…意外だよ」パクパク
マミ「そうかしら?……あの時の私はほんと、どうかしてた」ズズ-
マミ「自分が自分でなくなっていく感覚…ていうのかしら」
杏子「フゥン……しかしあのキュゥべえがねえ」パクパクパク
マミ「そうね…フフッ、でもキュゥべえのあの提案があったから」カチャッ
マミ「今の私がいるの」ニコッ
64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 01:00:44.11 ID:a7S52k7n0
――ビル屋上――
ビュゥゥゥゥゥ
マミ「…………」
QB「マミ、調子はどうだい?」シュタッ
マミ「キュゥべえ…今日は使い魔が数匹いただけよ」
マミ「はい、グリーフシード」スッ
QB「そうかい…ゴクッ……よくやるね」キュップイ
マミ「ここも異常無し、ね」
QB「……魔力の無駄使いじゃないかな?」
マミ「また言ってる…しつこい男子は嫌われちゃうんだよ?」
QB「わけがわからないよ」
マミ「…一人でどこまでできるのかわからないけど」
マミ「やれるだけの事はやりたいの」
QB「やれやれ」
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 01:04:43.06 ID:a7S52k7n0
あれから約半年
私はこの街を守る為……ううん
生きる為に魔女、そして使い魔を狩り続けた
その結果、街を守る事に繋がるなら
犠牲が無くなるならそれでいいと思って―
66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 01:09:01.51 ID:a7S52k7n0
――路地裏――
シュゥゥゥゥゥゥゥ
マミ「ハァハァハァ…ぅ…」
マミ(危なかった…!直撃してたらと思うと…)パァァァァァ
マミ「…あの子は…無事ね」
モブ恵「…ヒック…ヒック…」ガクガクガクガクガクガク
マミ「もう大丈夫よ?安心し――」
モブ恵「ひっ…ぃ!!」ダダダダダッ
マミ「………」シュパンッ
ジロジロジロ
「あんな所で何してるのかしら…」ヒソヒソヒソ
「小さい子が泣きながら飛び出して行ったわよ」ヒソヒソ
「かつあげ?ヤダワー」ヒソヒソ
マミ「帰ろ…」トボトボ
68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 01:15:54.99 ID:a7S52k7n0
――マミホーム――
マミ「………」カキカキカキ
マミ(このノートももう終わりかあ)
マミ「マミのドキドキ魔女図鑑Ⅸ!」ウフフ
マミ「魔法少女のお友達とかできたら……見せたいなあ」
マミ「フフッ、そしたら必殺技とかつけ合ったりしたりして」
マミ「……わたし以外にもいるよね、魔法少女」
倒した魔女についてノートに書き残すのが私の日課になっていた
イラスト付きで…
ただ闇雲に魔女に突っ込んで痛い目を見る事もあった
だから戦闘についても必死に勉強した
魔力の効率的な使い方や体術、戦闘中の立ち回り
全部一人で行き抜く為に――必要な知識だった
69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 01:21:30.08 ID:a7S52k7n0
――魔女の結界内――
マミ「はっ!」パパパパ
パンッパンパンパンパン
QB「だいぶ戦闘に慣れてきたね」
マミ「…ありがとっ」ウフフ
QB「今日は銃なんだね、どうだい?」
マミ「私の戦い方だと、やっぱりこれが一番いいかも」ダッ
タッタッタッタッタッタッタッ
QB「マミ、君はまだまだ強くなれるよ」
パンッパンッ
ガチャ
魔女「シャゲエエエエエエエ」バッサバッサ
71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 01:25:18.22 ID:a7S52k7n0
マミ「……」
QB「恐れちゃダメだよマミ」ピョンッ
QB「今この街の魔法少女は君だけなんだ――」
マミ「ええ、わかってる」
マミ「だから……全部やっつけないと」パパパパパパ
マミ「その為に、わたしがいるんだもん」チャキッ
QB「…頑張って」
マミ「うん、負けるもんですか」ニコッ
72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 01:31:10.31 ID:a7S52k7n0
来る日も来る日も魔女達を倒し続けた
必死になって探して、反応があればすぐに向かって
そしてそこから…命がけの殺し合い―
魔女に怯え、死の恐怖に襲われ絶望して…
でもそれが私の選んだ生き方、そう言い聞かせていた
そんな非日常的な生活の中でも落ち着ける場所はあった―
74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 01:35:54.63 ID:a7S52k7n0
――マミホーム――
マミ「はぁ…」
マミ(どうしよ…全然学校行ってなかったから…)
マミ「宿題、ぜんぜんわかんない…」
マミ(そうだわ)
マミ『キュゥべえ!キュゥべえ!?』
QB『何だいマミ、魔女のはんの―』
マミ『キュゥべえ…ちょっとお願いがあるの』
QB『……何だい?』
マミ『お勉強教えてほしいの、わたし全然学校に行ってなかったでしょ…?』
マミ『だから…学校の授業についていけなくて』ウゥ…
QB「やれやれ、学校なんて行かなくていいじゃないか」ガラッ
75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 01:36:26.86 ID:y9EgfMMr0
きゅっぷいきゅっぷい
76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 01:39:55.57 ID:a7S52k7n0
マミ「わたし、この年でニートになりたくないの」プイッ
マミ「…それに叔父さん達のほうに連絡がいってて……迷惑かけちゃってるみたいなのよ」
QB「無視したらいいじゃないか」ゴロゴロ
マミ「ダメよ、生活費を頂いてるわけだし……迷惑かけたくないの」
QB「……元々は君の両親の遺産なんだ、君がおかね―」
マミ「キュゥべえ!……そのお話はおしまい!ね?」
QB「わけがわからないよ」
マミ「でねっ、ここと…ここなんだけど…」
―学校
普通の小学生の私で居られる事ができる唯一の場所
私には、捨てられなかった
77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 01:45:20.04 ID:a7S52k7n0
杏子「すごい数だな」ペラペラ
マミ「もう3年近くかな…ずっと書き続けてるんだもん」
マミ「あっ、佐倉さんには…こっちのノートの内容全部覚えてもらいますから」スッ
杏子「それは?」
マミ「効率的な魔力の運用方法や、魔法少女生活で気をつける所とか色々書いてあるから」
杏子「えっああそう、いやあ…私は頭より体で覚えるタイプだから」アハハハハ
マミ「弟子…なんでしょ?」フフッ
杏子「うっ…」ペラペラ
杏子「………ん?これって」ペラッ
マミ「どれ?あぁ………」
マミ「そうね、佐倉さんも知ってると思うけど―」
マミ「結構あったのよ……ここでも」
杏子「……グリーフシードを巡って、か」
マミ「ええ…『魔法少女同士の争い』」
80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 01:49:52.97 ID:a7S52k7n0
――マミホーム――
QB「他の魔法少女?」
マミ「うん…本当にいないのよね?」
QB「魔力でわかるだろう?マミ一人だよ」
マミ「そう…よねえ」
マミ「じゃあ、わたしが魔法少女になる前は?誰かいたのよね?」
QB「……ああ、いたよ」
QB(すぐ回収しちゃったけどね)
マミ「ほんと!?」パアア
マミ「ねえ!その人と…会う事は無理かな?」
QB「どうしてだい?」
マミ「だって!わたしの先輩みたいなわけだし!色々お話しできたら――」
QB「もう死んでるよ」
マミ「…ぁ、そう…なんだ…」
81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 01:53:29.49 ID:a7S52k7n0
QB「マミは他の魔法少女に会いたいのかい?」
マミ「そりゃぁ…うん、会いたいよ」
QB「……あまりオススメはしないよ」
マミ「?」
QB「マミみたいなタイプはそうは居ない」
QB「覚えておくといい」トコトコ
マミ「…どういう事かしら?」キョトン
82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 01:59:19.35 ID:a7S52k7n0
――廃墟――
マミ「えいっ!」バシゥゥゥゥゥゥ
ドゴォォォォォォォ
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
マミ「ふぅ…あら?だいぶ濁っちゃってる…」ズズズ
マミ(グリーフシードのストックは…あと3個か)
マミ「まだ大丈夫そうね」シュパンッ
「…………」
85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 02:05:28.80 ID:a7S52k7n0
――学校――
マミ「じゃあまた明日ね」バイバイ
モブ子「バイバイ!マミちゃん!」ブンブン
マミ(さあて、今日はスーパーの特売日よね)
マミ「ケーキの材料足りてたか――」
ピィィィィン
マミ(この反応…この前逃した魔女……)タッタッタッタッ
キョロキョロ
マミ「…ちょっと離れてるわね」シュパンッ
シュタッシュタッシュタタ
86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 02:08:15.24 ID:a7S52k7n0
マミ(この辺だと思うけど……あった!)
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
スタッ
マミ「さあ、もう逃がさないわよ」ダッ
「…………」
ダッ
88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 02:14:09.60 ID:a7S52k7n0
――魔女の結界内――
バタンッ
バタンッ
バタンッ
ガチャッ
マミ「……見つけた」
バタンッ
魔女「マタオマエカ」ジョキジョキ
マミ「もうあなたの手の内はわかってるのよ?蟹さん」バッ
(リボンは全然役にたたない…)
マミ「はっ!」パンパンパンッ
魔女「キカンナア」キンッキンキンッ
マミ(とにかく甲羅を集中的に狙って牽制)
パパパパパパパパパパンッ
89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 02:20:12.49 ID:a7S52k7n0
マミ(スピードを上げて…)シュィィィン
シュタタタタタタタタ
魔女「ブクブクブクブク」
ペッペッペッペッ
マミ(バリアで耐える!)バチバチッ
魔女「チョウシノンナ」ジャキンッ
マミ(鋏を上げた!間接部は…そこね!)パッ
マミ「ティロ―」ドシュゥゥゥゥ
ドゴォォォ
ドスンッ
魔女「ウオオオオオウデガアアアアアアアアア」
マミ(お口があんぐりよ!)パッ!
魔女「アッ」
マミ「ニコッ」
―フィナーレ!!
91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 02:26:54.01 ID:a7S52k7n0
ドゴォォォォォォォォ
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
チンッ
マミ「ふぅ…」
マミ(うふふ…思わず叫んじゃった///)
マミ「……楽しく闘ったほうが絶対良いわよ」ウンウン
マミ「グリーフシード…良かった」スッ
マミ「さあて…他に反応は無いかし――!」
ザシュッ!
マミ「えっ…」
ボトボトッ
(ハサミ?…なに…これ)
92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 02:32:14.04 ID:a7S52k7n0
ドサッ
ドゴォ!
マミ「ぐっ…っ!」ゲホッゲホッ
「悪いね、でも油断してたあんたが悪いんだよ?」ザシュッ!
マミ「ぅあっ…ゴホッ」
マミ(……魔力……魔法少女?)ハァハァハァ
「これも『生きる為』なの…許してとは言わない」ジャキンジャキンッ
マミ(生きる……為……?)ハァハァ
「ソウルジェムは……頭か」スッ
マミ(何を…?ハァハァ……逃げないと……)シュルシュルシュル
「んっ?」グルグルグル
ギュッ
「っ!?……」ギュゥゥゥゥゥ
マミ「ごめん……なさい……」ハァハァハァ
「ははっ―゙ッ…さっき……こんな技使ってたっけ?」ギュゥゥゥゥ
93 :擬音を大量に使用しております、妄想の限界に挑戦してみて下さい:2011/11/27(日) 02:39:18.15 ID:a7S52k7n0
マミ「…」ヨロッ
ダッ
「逃がすか!」ジョキジョキッ
マミ「!?」
ザシュッザシュザシュッ
ズサササー
マミ「ぅぅ…なんで……?」ハァハァハァ
マミ「ハァハァ…あ…あなた、誰なの?何でこんな―」
「…藤沢早苗」ジャキッ
早苗「あなたのグリーフシードを頂きに、隣街からわざわざ来てあげたの」
マミ「隣街…?」ハァハァ
95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 02:45:10.14 ID:a7S52k7n0
早苗「聞いたよ?一人で頑張ってるらしいね」ジャキンジャキンッ
早苗「あれだけずっと尾行してたのに全然気づかないとか…気ぃ抜きすぎじゃない?」ククッ
マミ「尾行…?聞いたって…?」ハァハァ
早苗「かなり魔女狩ってるって聞いてさ、グリーフシードも貯め込んでるんじゃないかってね」
マミ「グリーフシード…ハァハァ…あっ、あげます!渡しますから!」
早苗「……やれやれ、欲しいのはそれだけじゃないんだけど な!」
ビュンッ
マミ「!?」サッ
スパスパスパッ
チッ
早苗「……欲しいのはこの縄張りだよ、巴マミ」
96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 02:51:44.61 ID:a7S52k7n0
ポツ……ポツポツ……
ザァァァァァァ
マミ「ハァハァハァ…縄張り?」パァァァァァ
早苗「ええ、こんな美味しい場所を一人占めなんて」ジャキンジャキン
マミ「!!」
「贅沢すぎんだよ!」ザシュザシュッ
バチッバチバチッ
マミ「くっ…!」
早苗「バリア…器用ね」ジャキンジャキン
マミ「な、何でこんなこと……グスッ……ねえ!?」
マミ「仲良くやろうよ……お願い、こんな事したく…ない…グスッ」
早苗「………」
マミ「わたし、嬉しいの…初めて魔法少女に出会えて」ポロポロ
マミ「ねえ―これで終わりにして…ヒック…一緒に魔女倒していこ?ね?」
97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 02:59:24.31 ID:a7S52k7n0
早苗「…それじゃダメなのよ、共闘なんてもっと無理」ビュンッ
ズシュゥ
マミ「っ!……ハァハァ…グスッ……何で?わたしがそんなに邪魔?」
早苗「ええ、とても」ジャキンジャキン
ズバババババズシュッゥ
マミ「ゴボッ…」ビチャッ
早苗「……あなた、使い魔も倒してるって?」ジャキン
マミ「………」ハァハァハァ
早苗「困るのよ……効率的に魔女を育てる環境を維持しないと」
マミ(ハァハァハァ…魔女を育てる?)パァァァァ
マミ(この人は何を言ってるの…)
早苗「使い魔は人を襲い、やがて魔女になる」
マミ(そうよ…だからわたしは必死になって倒してるの)
99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 03:05:11.96 ID:a7S52k7n0
早苗「その芽を摘むあなたと共闘?あはは!」
マミ「何でそこまで…?他人を、人を犠牲にしてまで―」
早苗「生きる為だっつってんだろ!」
マミ「!」ビクッ
早苗「ククッ、それに犠牲って…あんたは誰も犠牲にせず生きてきたの?」
マミ「っ…!」
早苗「あらぁ?ククッ…どうしたの?」ビュンッ
ズシュゥ!
マミ「ううっ」ヨロッ
早苗「…人は必ず何かを犠牲にして生きてる」
早苗「あんたみたいな……ヒーローごっこやって浮かれてるお子様が!」ドゴォ
マミ「ゲホッ」
早苗「生意気な事言ってんじゃないよ」
100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 03:11:58.75 ID:a7S52k7n0
マミ(…………)ハァハァ
マミ「ごっこじゃないよ、わたしも生きる為にやってるもの」パパパパパ
早苗「……意味不明だし」ジャキンジャキン
マミ「わたしは生きる理由が…・・・・生きてていい理由が欲しいの」ジャキッ
パンパンパンッ
早苗「!!」サッ
シュルル
早苗「うあっ!?」グイッ
ビタ-ン!
マミ「目的が欲しいの…グスッ……その結果がヒーローごっこに繋がってるだけ」
シュルルルルルルルルルルル
101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 03:15:03.99 ID:a7S52k7n0
早苗「くそっ!」グルグルグルグルグル
ギュゥゥゥゥゥゥゥゥ
早苗「うあああ!?」ボキボキッ
マミ「!!ごめんなさい…」
早苗「クッ…うごけっ!」ジョキジョキッ
マミ「ッ!」パパパッ
チャキッ
早苗「ハァハァ…ははっ…油断した」
102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 03:20:14.11 ID:a7S52k7n0
マミ「………」ガクガク
早苗「撃ちなよ」
マミ「できれば…もうこんな事しないで」
早苗「は?」
マミ「魔法少女を襲うのは、もうやめてほしい…」
マミ「グリーフシードはここに置いておきます」コトッコトッコトッ
早苗「…っざけないで」ハァハァ
105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 03:24:27.30 ID:a7S52k7n0
マミ「一緒に闘いたくなったら…」
マミ「また来てね」
ダッ
シュルンッ
コトッコトッコトッ
早苗「………クソッ!!」ガンッ
108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 03:30:02.79 ID:a7S52k7n0
――マミホーム――
マミ「グスッ……ヒック……ヒック……」
ガラッ
QB「やあマミ、また泣いてるのかい?」
マミ「きゅうべえ…きゅぅぇ…うわああああん」ポロポロ
QB「やれやれ」
マミ「わかんない…マミわかんなくなっぢゃったよ……!」ポロポロ
マミ「酷い事した…!魔法少女の子に……銃まで向けて」ヒック
マミ「苦しんでた!痛がってた…それでもやめなかった…」ヒックヒック
QB「だから言ったじゃないか、オススメはしないって」
QB「……次からはちゃんと警戒した方がいいよマミ」
マミ「キュゥべえ……?」グスッ
109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 03:36:14.25 ID:a7S52k7n0
QB「今こうしてる間も、魔法少女同士争っている地域はたくさんある」
QB「そしてグリーフシードは持っていればいるほど有利だ」
QB「前にも言ったけど、マミみたいな考えの子は少ないんだ」
QB「何故だかわかるかい?」
マミ「…わかんない」グスッ
QB「すぐ死ぬからだよ」
マミ「ビクッ……」
QB「………グリーフシードが手に入らなくなると、魔力が使えなくなる」
QB「そうなると、もし今日みたいな事があったらどうなる?」
マミ「それは…」
QB「魔女も放置する事になるね、君は耐えられるかい?」
QB「―それでも君は…考え方を変えるつもりは無いのかい?」
マミ「わたし………は――」
111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 03:42:45.96 ID:a7S52k7n0
ザァァァァァ――
早苗「クソッ!クソッ!せめてもう2,3個は持って帰らないと―」
ピィィィィィン
早苗(…すごいタイミング、ついてる!)
早苗「……よし、近いな」シュパンッ
シュタタタタタ
トコトコ
QB「………」
QB(やれやれ、あの提案は大失敗だ)
QB(実に効率が悪い…あの時に回収すべきだった)
QB(……頑固だねまったく)
112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 03:47:53.91 ID:a7S52k7n0
その後も、縄張り争いは絶えなかった
魔女退治と違って相手はヒト
私に出来る事は…限られてる
相手を無力化して、グリーフシードを渡し帰ってもらう
これが精一杯…
敵意を感じる魔法少女に対しては特に警戒し
身構えるクセが出来てしまっていた
でも、話し合えばきっとわかってくれるはず
そんな子は0に近かったけど…
今でもそう信じてる――
113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 03:52:26.92 ID:a7S52k7n0
――現在――
杏子「しかし……『マミのドキドキ魔女図鑑』て」アハハハハハッ
マミ「もうっ笑わないで」
杏子「ごめんごめん…ん?この十字架のノートは何―」
マミ(あ、まずい)サッ
杏子「ん?何で隠すんだ?」
マミ「…気にしないで」ニコッ
杏子「いやあ、それは無理があるだろ」
マミ「……気にしないで」ニコッ
杏子「チェッ……わかったよ」
115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 03:58:03.21 ID:a7S52k7n0
ピィィィィィン
QB「マミ!杏子!」ヒョコッ
杏子「わっ!」
マミ「ええわかってる…魔女の反応ね、佐倉さんっ」
杏子「居たのかキュゥべえ…ビックリさせるなよ」
杏子「…私はいつでも行けるよ、マミさん」シュパンッ
マミ「オーケー…うふふ、じゃあ行きましょ?」シュパンッ
ガラッ
ダッ
杏子「?何か可笑しかったかな」ダッ
QB「やれやれ…不用心だね」ガラガラ バタン
117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 04:04:34.08 ID:a7S52k7n0
――魔女の結界内――
杏子「たぁぁっ!」ズバババババババ!
マミ「はっ!」パンッパパンッ
タッタッタッタッタッ
マミ「凄いわ佐倉さん、あれだけの使い魔を一瞬で」タッタッタッ
杏子「へへっ、何匹か斬り損ねちまったけどね」ズババッ
マミ「大丈夫!ちゃんとフォローするわ!」パパパパンッ
ガチャッ
魔女「……」ジャキンジャキンッ
マミ「居たわね」
杏子「ハサミ?一面刃物だらけだなあ」
118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 04:10:24.68 ID:a7S52k7n0
マミ「…危なくなったらすぐ下がってね」
杏子「まかせてよ」
バッ!
シュシュンッ
杏子2「まあ、こんなの一瞬で消してやるさ」ジャキッ
マミ「牽制するから怯んだ隙に!」パパパパパパパ
杏子1「オッケー!一気に決めてやる!」
マミ「行くわよ!ティロ・ボレー!」ドドドドドドドドッ
魔女「グフォ」グラッ
杏子1,2「今だ!」シュタタタタタタタタタタ
ズバババババババ
シュゥゥゥゥゥゥゥゥ
チンッ
119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 04:14:39.24 ID:a7S52k7n0
杏子「やった!グリーフシード!」スッ
マミ「フフッ、おめでとう」
ギュゥゥン
杏子「はいっ、マミさん」スッ
マミ「…いいわよ、私はそんなに魔力使ってないし」
杏子『二人で倒した成果』、だろ?」
マミ「佐倉さん…」
マミ「グスッ…ありがと」
121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 04:20:00.79 ID:a7S52k7n0
今は『弟子』と『師匠』なんていう関係だけど
彼女なら…きっと――
杏子「なっ、なんで泣くんだよ…」
マミ「っ……ごめんなさい」ゴシゴシ
杏子「しっかしあれじゃあ訓練にもなんないよ」ブンブン
マミ「じゃあ、続いてパトロールに行きましょうか」
杏子「ああ!私らがいるんだ、使い魔一匹たりとも見逃さないよ」
マミ「うふふ」
きっと、わかってくれる――
杏子「しかし泣き虫だよな、マミさんて」
マミ「そ…そうかしら?」
122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 04:26:19.48 ID:a7S52k7n0
~エピローグ~
――マミホーム――
チュンッチュン
マミ「これでよしっと」コトッ
マミ「…うん、バッチリね」
QB「マミ!」シュタッ
マミ「あらキュゥべえ、ウフフ…どう?新しい髪留めにしたの」フフンッ
QB「いつもと大して変わらないよ」
マミ「」シュンッ
QB「それより、とてつもない魔力の持ち主が現れたよ!」
QB「昨日までたいした力じゃなかったのに……急激に増したんだ」
マミ「そう……契約は?」
QB「してないよ、でも彼女なら『ワルプルギスの夜』を倒せる力がある」
123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 04:31:47.78 ID:a7S52k7n0
マミ「慌てないで?この街の事だもん……私一人でやらなきゃ」
QB「何度も言ってるけど、いくらマミでも一人じゃ無理だ」
QB「……勝ちたいなら仲間を集めるんだね、君の知り合いの佐倉杏―」
マミ「キュゥべえ」
QB「…やれやれ」キュップイ
QB「あと、もう1つ…契約した覚えの無い魔法少女がこの街にいる」
マミ「気づかなかったわ…いつから?」
QB「それも今日だよ、十分に気を付ける事だね」
マミ「……わかったわ」
QB「それじゃあ僕はこれで失礼するよ、またね」ピョンッ
マミ「あっ、無理矢理契約迫っちゃダメよ!……もうっ」
チラッ
マミ「いけない、そろそろ行かないと」
125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/27(日) 04:37:29.44 ID:a7S52k7n0
スッ
あの事故の日
遊園地に行く途中に撮った私と…パパとママが写った写真
わたしの一番の宝物――
マミ(……パパ、ママ)
マミ「マミは……一人でも大丈夫だよね?」
コトッ
マミ「いってきます」ニコッ
もう、何があっても――挫けない――
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