ユミル「今日も空が高いな」 前編

144: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 20:45:22 ID:auma0kAI0
~~~~~~~~
ー審議所ー
ザワザワ

ナイル「エルヴィンッ!何時になったら連れて来るんだっ!?」

エルヴィン「今ハンジが迎えに行っている…もう来るだろう」

リヴァイ「おい…。幾ら何でも遅すぎるぞ?」ボソッ

エルヴィン「…様子を見に行ってもらえるか?リヴァイ…」ボソッ

リヴァイ「…チッ…!あのメガネはお使いもまともに出来ねぇのか…」スッ

ダリス「……………」
ガチャッ

リヴァイ「ッ!」

レオン「遅れて申し訳有りませんでした…」

リヴァイ「…クソでも長引いたか…?」

レオン「えぇ…。直ぐそこで催してしまいまして…」ニヤッ

エルヴィン「…どういう事だ?ハンジ…」ボソッ

ハンジ「クリスタに連れて来てもらったみたい…」ボソッ

ピクシス(…奴も男よの…)

エルヴィン「総統。お待たせしてしまい、申し訳有りませんでした」

ダリス「では…始めようか…。レオン・パルマー君だね?…随分顔色が悪いが大丈夫かね?」

レオン「…ハッ!問題有りません…」ハァハァ

ダリス「そうか…。今回は思想犯と言う事だ…。なので通常の法が適用されない兵法会議となり、決定権は全て私に委ねられている…。君の生死も…今一度検めさせてもらう。何か異論はあるかね?」

レオン「いえ…。有りません(…有るに決まってんだろっ!ってか…これまんまエレンの役回りじゃねぇかよ…)」

ダリス「では…。憲兵団からの申し立てによると…君は虚偽と甘言を用いて駐屯兵団と調査兵団を誑かし、現王政の転覆を目論む反王政思想の持ち主であり、その危険な思想は人類にとって大きな災いをもたらす物として、壁外に追放するべし…。これについて…先ずは憲兵団から意見を聞こうか」

ナイル「ハッ!憲兵団師団長、ナイル・ドークより進言致します!申立書に記載の通り、彼はこの壁の中を混沌に陥れようとしています!…彼の思想は人類にとって災いにしかなりませんっ…!手遅れになる前に極刑に処するべきだと申し上げます!」

ダリス「ふむ…。では…駐屯兵団と調査兵団からは?」

エルヴィン「ハッ!調査兵団団長、エルヴィン・スミスより代表して進言致します。彼のもたらしてくれた情報は…この百年間で人類が幾万の犠牲を払いながら求めた物ですっ!…彼の処刑は絶対に人類の利に反していますっ!」

ナイル「何を持ってそう言えるんだっ!?貴様…本当に三文小説の様な話を信じているのかっ!?」

ダリス「…落ち着きなさいナイル。エルヴィン…ナイルの言う事も尤もだ…。根拠を示してくれ」

エルヴィン「先ずは…彼が異世界の住人である可能性が高い事…。さらに話の裏も既に取れております」
ザワッ

145: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 20:46:22 ID:auma0kAI0
憲兵「異世界の住人だと…!?エルヴィン団長はおかしくなったのか!?」

調査兵「おい…。お前聞いてたか?」

調査兵「初耳だよっ…!マジで団長は大丈夫か…?」

ダリス「静粛にっ!」バンッ
シーン

ダリス「…異世界の住人だと…?申立書にはその様な記載はされていないが…?」

ナイル「…夢物語ですので、記載の必要は無いと判断致しました…!」

ダリス「レオン…?どういう事か詳しく話してもらおうか…」

レオン「…今団長が申し上げた通り…私はこの世界の住人ではありません…。恐らくの話になりますが…私が住んでいた世界は…遠い過去に当たると思われます…」

ダリス「では…君は過去からこの世界にやってきたと言うのか…?」

レオン「はい…。そして私の世界では…この世界の事が書物になっています…。その書物ではもう時間が進んでいて…超大型巨人や…鎧の巨人の正体も判明しています」
ザワザワ ザワザワ

ウォール教「何…だとっ…!?仮に本当なら…一刻も早く処刑しなければならんぞっ!?害虫を壁の中に入れてしまっているとはっ!…貴様も仲間ではないのかっ!?」

ニック「…そうだ…。そうに違いないっ!!貴様等はこの壁内を地獄に陥れる為に侵入して来たのだなっ!?なんて事だ…!即刻神の名の下に処刑しなければっ!!」

ダリス「ウォール教の方も…静粛に願います」バンッバンッ

ダリス「さて…君が壁を壊した巨人を知っているとして…何故早い段階で申し出なかったのかね?」

レオン「…一人の兵士になった今でさえ…ここ迄の温度差があるんですよ…?誰が訓練兵のそんな話を信用してくれますか?…開拓地に送られて…終了してしまいますよね?」

ダリス「成る程…。しかし…俄には信じ難い話だな…」

ナイル「信じる必要などありませんっ!この者が言っているのは虚偽であり、出任せですっ!」

エルヴィン「ならば…そちらも根拠を示したらどうだ?」

ナイル「何っ…!?こんな話…嘘に決まっているっ!」

エルヴィン「総統…。ならばレオンが嘘を吐く理由は何でしょうか?今、正に極刑に処されるかもしれない…この瀬戸際で…」

ニック「そんな物は関係無いっ!!今直ぐ悪魔を壁外に追放するべきだっ!!」

レオン「まぁ…そんなに邪険にしないで下さいよ…。ニック司祭?」

ニック「ッ!?貴様…何故私の名前を知っている…!?」

146: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 20:47:17 ID:auma0kAI0
レオン「ですから…。私はこの世界の大筋は…既に知っているのです。まだ知らない事も沢山ありますがね…」

ダリス「…ほう…。エルヴィン…?この…巨人の力を利用し、マリアを奪還…。シガンシナ区のエレン・イェーガー調査兵の生家を調べた後…壁外の国へ目掛け進撃、可能であれば和解とあるが…これはどういう事だ?」

エルヴィン「調査兵のエレン・イェーガーの生家には…彼も知らない巨人の謎が隠されていると言われています…。イェーガー調査兵は…父親に巨人化の薬を注射されており、父親は巨人の謎を知っていたと思われます」

ダリス「…どういう事だ?巨人化が薬による物だと…?」

エルヴィン「その様です。ただ本人はまだその力を自覚しておりませんので、詳しくは分かりませんが…。」

ナイル「…ちょっ…ちょっと待てっ!!エルヴィンッ!一体この壁内に…何体の巨人が居ると言うんだっ!?」

エルヴィン「…全部で…五体だ」
ザワザワ

憲兵「巨人が五体も居るってのか…!?」

駐屯兵「なら…こんな事やってる場合じゃないんじゃないか…?」

ダリス「それは…本気で言っているのか?」

エルヴィン「はい。この情報もレオンがもたらしてくれた物であり、本来ならば…今もう既にトロスト区の壁が破壊されていた筈でした…。しかし、訓練兵時代に敵の内通者と接触し…味方にする事に成功したのです!」

ナイル「馬鹿なっ!何故そんな事が言える!?」

エルヴィン「本人達に確認したからだ」

ダリス「では…もう既に大型や…鎧に接触したと言うのか?」

エルヴィン「はい…。レオンの話を聞いて…私が確認しました。彼等は…解散式の次の日に壁を破るつもりだったと言いました」

ダリス「…では…その者達は我々に味方していると言うのか?」

エルヴィン「はい。その通りです」

ナイル「何を言っているんだ…?貴様…本当に狂ったのか?巨人が味方になる筈が無いだろう!!」

エルヴィン「彼等は…大人達に騙されて壁を壊した事を…非常に後悔していた様だ。そこをレオンが突いたのだ…。此方側になり贖罪をしないか?…と」

ダリス「…大人に騙された…?まさか壁を壊した巨人とは…」

レオン「はい…。104期の訓練兵の中に紛れていました」

ダリス「…仮に君の話を真実だとすると…。壁の中には五体の巨人が居り…その内の二体が壁を壊した巨人…。しかしその巨人は壁内の人類に協力し、敵国を攻め入る事に協力する…。こういう事か…?」

147: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 20:47:59 ID:auma0kAI0
エルヴィン「はい…。巨人化出来る五人は証人として待機させております…。喚問致しますか?」
ザワッ

ナイル「…待てっ!この場で巨人化されたらどうするつもりだ?」

エルヴィン「その心配はないだろう?何の得があるんだ?此処でやるならば…とっくにやっているよ」

ダリス「では…その五人を此処へ」

ナイル「総統っ!!」

憲兵「マジかよ!?逃げた方が良くねぇか…?」ボソッ

憲兵「今から何処へ逃げるんだよ!?」ボソッ

調査兵「マジかよ…」

駐屯兵「大丈夫なんだろうな…」
ガチャッ

ライナー「……………」

ベルトルト「…………」

アニ「……………」

エレン「……………」

ユミル「……………」

エルヴィン「順に、ライナー・ブラウン調査兵、ベルトルト・フーバー憲兵、アニ・レオンハート憲兵、エレン・イェーガー調査兵、ユミル・プリミーティブ駐屯兵です」

ウォール教「なんて事だ…!!こんなにも害虫が紛れ込んでいたとは…!」

ニック(んっ?あれは…。レイス家の娘か…。駐屯兵団へ入ったと聞いたな)

レオン(クリスタに…ミカサにアルミンもか…。大体集められているんだな…)

クリスタ(…レオン…。今にも倒れそうじゃない…!)

アルミン(これ以上長引くと…レオンがマズそうだぞ…!?)

ダリス「…君達に聞きたい事がある…。君達は巨人化出来るとの事だが…その力を我々の為に使えるのか?」

ライナー「…私は…鎧の巨人です。取り返しの付かない事をしてしまった事は分かっています…!ですがっ…!私達に…贖罪をするチャンスを下さいっ!その後は…処刑して頂いて結構ですっ!」

ベルトルト「…私は超大型巨人です…。私もブラウン調査兵と同じ気持です…!処刑の前に…せめてっ…贖罪だけでも…!」

アニ「私は…女型の巨人です…。壁が破られた時に巨人を先導しました…。私も今の二人と同じ気持です…!」

ユミル「私も巨人化能力者です…。壁が破られた時に運良く壁内に紛れ込めました…。この力は壁内の繁栄の為に使いたいです!」

148: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 20:48:49 ID:auma0kAI0
エレン「…私はまだ…自分の力をよく分かっていません…」

ダリス「成る程…。ライナーとベルトルトだったね…?君達が攻めて来た理由は?」

ライナー「…我々の国では壁内の人間は…悪魔だと言われていました…。そして…もう少しで…(これは言ってしまっていいのか?)」チラッ

エルヴィン「……………」コクリ

ライナー「壁の巨人の封印が解けるので…その前に壁内の人間を滅ぼせば復活を阻止できると踏んだ国王が、壁内総攻撃を仕掛ける様にと…私の村に勅令を出したのです…」
ザワッ

調査兵「壁の中の巨人っ!?」

憲兵「どういう事だっ!?」

ニック(マズイ…!まさかここ迄とは…!あのレオンとか言う奴は何処迄知っている…?)

レオン「…ニック司祭?…顔色が悪いですよ…?」ニヤッ

ニック「ッ!?黙れっ!」

ダリス「何…?壁の中が巨人だと…?ニック司祭…何かご存かな?」

ニック「私は何も知らんぞっ!」

ハンジ(くそっ!アイツ等が知らない訳が無いんだっ…!地下道建設とかにやけに反対してたしね…!)

リヴァイ「…嘘が下手な野郎だな…。お前等のお友達はこっちで元気にやっていると上に伝えておけ」

ニック「…友達?何の事だっ!?(…何を言っているんだ?)」

エルヴィン(司祭のあの様子…。レオンの件は本当に知らないのか…?)
ニック「何にせよっ!!害虫共の意見など必要無いっ!!即刻神の名の下に処刑すればいいのだっ!!」

リヴァイ「…ほぅ。どうやってだ?…ナイル。アイツ等を…どう処分するんだ?」

ナイル「なっ…!?」

リヴァイ「そこの豚野郎もよく考えろ…。まぁエレンとあの女は除外するにしても…三体の知恵を持った巨人だ…。俺達、調査兵でさえ知恵を持たない巨人で精一杯だってのに…。お前等はどう処分するのかと聞いているんだ」

ニック「…なっ…!」

ナイル「……くっ!」

アルミン(…処刑の手段なんて持ってないだろう…。結局リヴァイ兵長や…或いはミカサ…。それでも厳しいかもしれない…)

149: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 20:49:26 ID:auma0kAI0
エルヴィン「総統。彼等の罪は…死を持って償うべき物であるかもしれません。しかし…今我々はかつて無い程に勝利へ前進していますっ!これはチャンスです!今度は…我々が進撃する番ですっ!」

ダリス「……レオン」

レオン「…ハッ…!(ヤバイ…。息が苦しい…)」ゼェゼェ

ダリス「…そこまでボロボロになりながら…戦うのは何故だ?…君は何に心臓を捧げた?」

レオン「…ここに居る…皆さんと同じです…。手段や…形が違えど…兵士ですから…此処の人類が勝利するならば…」ゴホッ

ナイル「…この期に及んでまだそんな事を…!人類の勝利の前に…滅んでしまうわっ!」

エレン(俺達が命を懸けて戦うってのに…一体こいつらは何なんだっ…!)

エルヴィン「…お前も感づいている筈だ…。レオンが言っている事に嘘は無いと…!」

ナイル「…仮に本当だとしてっ!内地の問題はどうするつもりだっ!?」
レオン「…そこはお得意の情報操作ですよ…。内地を守る為にも…憲兵団の…協力は必須です」

ナイル「お得意だとっ!?…貴様っ!滅多な事を言うんじゃないっ!」

リヴァイ「そんな事はどうでもいいんだよ。薄らヒゲ…。テメェ等が協力するかどうかなんだ」

ナイル「しかし…!」

レオン「…ナイル師団長には…守りたい人は居らっしゃらないのですか…?居ないのなら仕方ありませんがね…。もし居るのなら…どうするべきか分かる筈です」

レオン「…もし決断するのに私が邪魔なら…極刑でも何でも…受けま…しょう…」

アルミン「レオンッ!何を…!?」

ユミル(何言ってんだ!?あの馬鹿はっ…!)

レオン「但し…この後の反撃も約束してもらいますよ?…この壁内の戦力が合わされば…未来に行ける…!あんたらは…いつ迄過去に居るつもりだ?今日は…歴史に…人類が反撃を開始した日だと刻む日だっ!!その為なら…俺は…ガフッ…!」ビチャビチャッ

ピクシス「イカンッ…!喀血しおったぞ…!」

ライナー「ッ!!」

アニ「ッ!?」

ユミル「オイッ!?」

エレン「大丈夫かっ!?」

クリスタ「レオンッ!!」ダッ

レオン「大丈夫だっ!!」

150: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 20:50:01 ID:auma0kAI0
クリスタ「ッ!?」ビクッ

レオン「…生きる為に…力を…貸して下さい…。我々が…やらなけれ…ば…」ドサッ
ザワッ

ナイル「……ッ!?」

エルヴィン「ナイル…。ここ迄の覚悟を見ても…まだ逃げるつもりか?」
ハンジ「そこの憲兵っ!担架急いでっ!」

憲兵「…ッ!?」ダッ

クリスタ「…大変っ!」ダッ

クリスタ「…あのっ!早く医療施設にっ…!」

ナイル「…まだ審議は終わっていないっ…!」

クリスタ「えっ!?でも…!」

ユミル「…何を言ってるっ!手遅れになるぞっ!!」

ピクシス「ナイルッ!」

ダリス「静粛にっ!」バンッ

ダリス「ナイル師団長…並びに以下憲兵に命じる。レオンを死なせてはならんっ!至急、医師の元へ連れて行け…!これが審議結果だ」

ダリス「但し…そこの五人と、各兵団長は此処に残りなさい…」

ナイル「…くっ!」

ユミル「クリスタッ!レオンを頼むぞっ!」

クリスタ「うんっ!」ダダッ

ハンジ「急ぐぞ!クリスタッ!!」ダダッ

ニック(主教にも念の為に報告しておかなければなるまい…)スッ

ダリス「さて…。君達の今後の処遇を決めなければならんな」

エルヴィン「それについてはご提案が有ります」

ダリス「…何だ?」

エルヴィン「今後の作戦には飛躍的手段…ひいては巨人の力が必要になります。そこで…兵団を超えた班を作っては如何でしょうか?そして…その班の指揮をリヴァイ兵士長に任せます」

ダリス「ほぅ…。では五人とも…か?出来るのか?リヴァイ…」

リヴァイ「…殺すことに関しては間違い無く…。問題は中間が無い事にある…。裏切る様なら直ぐに殺す…!」ギロッ

ライナー「…ッ!」ゴクリ

エルヴィン「レオンハートとフーバーに関しては、特別作戦班として在籍してもらいますが、引き続き内地の警護にあたってもらいます…」

151: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 20:51:58 ID:auma0kAI0
ピクシス「う~む…。シーナに巨人化能力者をの…」

ナイル「巨人を内地に置いておける訳が無いだろっ!?リヴァイが付いている訳でも無いんだろ!?」

エルヴィン「しかしレオンの話では…敵は壁内の人間を巨人に変えて攻めて来る様です…。有事に備え、シーナにも配置しておくべきです」

ダリス「…人を?まさか…巨人は人間から出来ているとでも言うつもりか?」

エルヴィン「…レオンの報告によればその可能性は大いに有ります…。そうだな?」

ライナー「はい…。私の国ではその実験が行われていましたから…。しかし我々は捨て駒です…。詳しい作戦は聞かされていないのです…」

ダリス「なんと…。しかし…幾ら警護が目的とはいえな…。急に内地に現れる事は無いんじゃないのか?」

ピクシス「…それは分からんな。じゃが…壁内に現れると言う事は何処にでも現れる可能性はあるな…」

エルヴィン「それに…彼等に内地に居てもらいたいのは、他にも理由が有ります…」

ダリス「何だ?」

エルヴィン「(ウォール教は居ないな…)総統。これは…推測のお話になるのですが…。敵は…王政、若しくは貴族家である可能性があるのです」

ナイル「エルヴィンッ!貴様っ!何て事を言うんだっ!」

リヴァイ「事実だろうが…。じゃあ何故レオンは拷問されたんだ?」

ナイル「…ぐっ…!」

ダリス「…レオンの怪我は拷問によるものなのか…?」

エルヴィン「…その様です。中央第一憲兵団による犯行だと思われます」
ダリス「…奴等を私の知らない所で動かせるとすれば…。レイス家か…」
ピクシス「…じゃが奴等は何もまだ掴んでおらんみたいじゃな」

エルヴィン「…はい。その為に丁度良かったレオンを拉致した物と思われます。そして…先程いた駐屯兵の少女がヒストリア・レイス…。あのレイス家の息女です。そして…レオンの話によれば、今後はヒストリアとエレンが鍵になってくると思われます」

ダリス「…成る程。内地に壁外…。問題は複雑だな…」

ピクシス「うむ…。しかしレオンが居らんかったら、分からず仕舞いだったの」

エルヴィン「えぇ。ですから内地にも我々の手を入れておきたいのです!」

ダリス「…アニ、ベルトルト。君達は人類の為に心臓を捧げられるな?有事の際は、君達が死ぬ事になっても戦ってもらうぞ?」

アニ「ハッ!」

ベルトルト「勿論ですっ!」

152: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 20:52:43 ID:auma0kAI0
ダリス「では…特別作戦班の結成を許可する。司令官はエルヴィン。班長はリヴァイ。但し…密に私に報告をする事。巨人化は最終手段とする事。この事は一部の上官の間で留める事。以上が条件だ…。何か質問は?」

ナイル「…総統っ!巨人を…信用するのですか…?」

ダリス「…殺す事も難儀な以上は信じる他にあるまい?作戦班を結成しても、各所属は変わらん。各兵団で連携を取る事だ。分かったか?ナイル」

ナイル「…了解致しました…」

ダリス「では…これで解散っ!」

一同「ハッ!」

~~~~~~~~
ートロスト区ー
-トロスト診療所-

医者「…これはっ…!恐らく…肋骨が肺に食い込んでしまっています。これを処置するには…開胸しか無いでしょう」

クリスタ「ではっ!お願いしますっ!」

ハンジ「…開胸できる医者は限られているんだ…。内地にしか居ないよ…」

クリスタ「…えっ…?じゃあどうするんですかっ!?」

憲兵「班長…。どうされますか?」

班長「彼は…内地まで持つと思うかね…?」

医者「…馬車に揺られてなんて…。しかし…それしか方法が…」

班長「…総統からの特命だというのにっ…。…ハッ!!おい…!お前カラネス区へ馬を出せっ!」

憲兵「…えっ!?カラネス区へ…ですか?」

班長「そうだ…。そしてシュバルツ・ジェックという医者を連れて来いっ!」

ハンジ「今はカラネス区の医者を呼んでる場合では無いでしょう!?」

班長「…話は後だっ!急げっ!!」

憲兵「ハッ!」ダッ

クリスタ「…何を考えているのでしょうか…?」

ハンジ「分からないけど…彼等も総統直々の特命だ…。下手な事はしないだろう」

班長「……………」
―――――
――――
―――

153: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 20:53:20 ID:auma0kAI0
シュバルツ「…まさか…憲兵団からお声が掛かるとはね…」

ハンジ「あなたは…この間の…」

シュバルツ「これはこれは…。まさか急患とは…」

クリスタ「そうですっ!レオンです!血を吐いて…気を失いましたっ…!」

シュバルツ「…だから無理をするなと言ったのに…」

班長「彼の処置には開胸する必要がある様なのだ…。ジェック医師…お願い出来ないだろうか?」

シュバルツ「…私をカラネス区へ追いやったのはあなた方憲兵団ですよ?」

班長「分かっている…。しかし…事態は一刻を争うのだっ!」

シュバルツ「…ハァ…。まぁ彼に罪は無い…。それに憲兵団に貸しを作るのも悪く有りませんね」

医者「…あの…開胸はあなたが…?」

シュバルツ「えぇ。私一人で結構ですよ。場所だけお借りしますね」ガラッ

クリスタ「あのっ!レオンを助けて下さいっ!」

シュバルツ「えぇ。勿論」ニコッ

ハンジ「彼はカラネス区の医者の筈だが…。何者なんです?」

班長「…元々エルミハ区で医者をしていたのだが…腕は立つが変わり者でな…貴族や憲兵と度々揉めていたらしい…。そして…当時の団長が無理やりな罪を着せてカラネス区へ追放したのだ…」

ハンジ「成る程…。おっとりしたおじさんかと思っていたけど…」

クリスタ「なら…レオンは助かるのでしょうか?」

班長「さぁな…。だが奴は貴族の間では…神の手と言われていたらしい。神業の様な外科術だと…」

ハンジ「正しく神のみぞ知るって所か…」
―――――
――――
―――

クリスタ「……………」コクリッ

クリスタ「……ッ!」ブンッブンッ

ハンジ「君も昨日から動きっぱなしで疲れているだろう…?少し休みなさい」

クリスタ「いえっ!問題有りませんっ!」

班長「……………」
ガチャッ

シュバルツ「………ふぅ…」スッ

クリスタ「先生っ!…レオンは!?」ダッ

154: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 20:54:26 ID:auma0kAI0
シュバルツ「…もう少しで肺を突き破るところでした…。ですが開胸して肋骨を元の位置に固定したので、もう大丈夫でしょう」

クリスタ「……良かったぁ…」ヘタッ

班長「…助かった。今回の件は上に話を通しておく…」

シュバルツ「結構ですよ…。カラネス区での生活も結構気に入っていますしね。それよりも…今回の請求はしっかり行いますよ?」

班長「…あぁ。仕方あるまい」

ハンジ「しかし…あなたがそんな高名なお医者様だとは…。今後も宜しくお願いしますね!」ガシッ

シュバルツ「えぇ。何かあれば是非私の所へ…。では…後の処置はこちらの先生お任せして私はお暇するとしましょう」

クリスタ「有難うございましたっ!!」バッ

シュバルツ「そうだ…。今度は、く・れ・ぐ・れ・もっ!安静にさせていて下さいね」

クリスタ「…はい」

ハンジ「分かりました…」

シュバルツ「では…」スッ

ハンジ「何はともあれ…。班長のお陰で助かりました。有難うございましたっ!」バッ

班長「…私も命令で動いたのだ…。我々も戻らせて頂くよ」ザッ

憲兵「馬を回しますっ!」ダッ

ハンジ「クリスタもお疲れっ!取り敢えず一旦戻ろうか!」

クリスタ「ハッ!」

~~~~~~~
ー審議所ー
-兵士待合室-

エレン「結局…俺達は認められたって事だよな…?」

ユミル「そういう事だろ?」

ミカサ「エレンが殺される訳が無い」

エルヴィン「君達の存在を一部制限は有るが、認めさせる事が出来た。さらに、特別作戦班の結成も許可されている」

アルミン「特別作戦班とは?」

エルヴィン「総統直下の組織で、私が司令官…リヴァイが班長になる班だ。兵団を超えた…人類の勝利に向けての組織だ」

アルミン「成る程…。では所属などは変更になるのですか?」

エルヴィン「いや…。所属は各自そのままだ。駐屯兵と調査兵はそれ程不便はあるまい?」

アルミン「憲兵団はどの様に?」

156: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 20:55:45 ID:auma0kAI0
エルヴィン「今後は…君の生家と戦う事になるかも知れない訳だが…。耐えられるのか?」

ヒストリア「…はい。もし…私の生まれた家が関係しているなら…。尚更…放っておけません!」

エルヴィン「そうか…。君には不自由を掛けるかも知れないが…宜しく頼むよ」ポンッ

ヒストリア「ハッ!」バッ

リヴァイ「この班の目的をハッキリさせておく…。エレンとヒストリアを傷一つ付かねぇ様に護衛し…俺達が勝利するように…命を懸ける事だ。分かったな?」

一同「ハッ!」バッ

エルヴィン「今日はご苦労だった…。解散してくれ」

~~~~~~
ー審議所前ー

エレン「まぁ取り敢えずは殺されなくて良かったよなっ!レオンも無事みたいだし」

ライナー「あぁ!そうだな」

ベルトルト「審議結果が良くても死んでたら元も子も無いからね…」

ミカサ「皆が認められて良かった…。レオンも無事なら尚更」

ユミル「…お前ってエレン以外にも興味あるのな…」

ミカサ「…それは流石に私に失礼だと思う」

アルミン「アハハッ!まぁ…ミカサは何気にレオンに一目置いてるんだよね?」

ミカサ「えぇ。私と渡り合う事が出来る…数少ない人間」

エレン「…………」ムスッ

ヒストリア「そっかぁ…。格闘術ならミカサに引けを取らないもんね!アニにも勝った訳だし」

アニ「…少し油断しただけだよ」

ミカサ「でも…エレンより頼りになる人間は居ない」

エレン「…そうか?まぁレオンも強いからなぁ」

アルミン(…最近のミカサはエレンの扱いが上手くなってきてる気がするなぁ)

ミカサ「……………」
―――――
――――
―――

157: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 20:56:29 ID:auma0kAI0
ー兵法会議前日ー

エレン「さてと…。そろそろ戻ろうぜ!」

アルミン「うん…。でもレオンは大丈夫かなぁ…?」

エレン「…大丈夫だろ?レオンは人類の為に進言するんだからなっ!」

アルミン「だといいけど…」

レオン「……………」チョイチョイ

ミカサ「…………?」スッ

レオン「悪いな!呼び出して」

ミカサ「何?」

レオン「ミカサってさ…。エレンの事好きなの?」

ミカサ「ッ!?//意味がよく分からない…」

レオン「家族だから云々とか抜きにしてさ?一人の男としてどうなの?」
ミカサ「…エレンは最後の家族だから。だから…大切?」

レオン「…ハァ。まぁ恐らく距離が近すぎたんだろうな…」

ミカサ「…?レオンは何が言いたいの?」

レオン「いやさ…。見ててまどろっこしいから早くくっついてくれないかなぁって」

ミカサ「ッ!?//私は…別に…そういうのじゃ…///」

レオン「まぁエレンも男だからさ…。偶には褒めたり、頼ったりしてあげねぇとさ…拗ねて他の女の所に行っちまうぞ?」ニヤッ

ミカサ「それはダメッ!!でも…エレンはまだ危なっかしいから…」

レオン「それだよっ!男が女に守られてるなんてっ!ってエレンみたいなタイプはそう思うんだよ…」

ミカサ「ッ!!でも…。どうすれば…」

レオン「まぁ愛情の裏返しだから多少は仕方無いにしても…。毎回だと馬鹿にされている様な気になっちまうぞ?」

ミカサ「分かった…。今後は気を付ける…。ありがとう」

レオン「おうっ!(この二人も見てられなかったしな…)」
――
―――
――――

ミカサ(確かに…。レオンの言う通りにしたら…前よりエレンの態度が柔らかくなった気がする…)

アルミン「落ち着いたら、レオンのお見舞いに皆で行こう!」

ライナー「そうだな!!恩人な訳だし…」

アニ「あぁ」

ベルトルト「そうだね…」

ユミル「まぁ今日の所は戻るか…!明日も仕事だぞ?」

158: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 20:57:57 ID:auma0kAI0
エレン「そうだな!ユミルとクリ…ヒストリアも気を付けてな!」

ヒストリア「うんっ!またね!」

ユミル「私等は指令の所に寄ってくか!」

~~~~~~~~~
ー駐屯兵団本部ー
-指令執務室前-

ヒストリア「お疲れ様です!私はヒストリア・レイスです!…指令にお伝えしたい事があるのですが!」バッ

見張り「指令に?今は恐らく居らっしゃらないと思うが…。アンカ班長なら居るかもしれない。ちょっと待ってろ」

ヒストリア「ハッ!有難うございます!」
―――
――
アンカ「指令に要件とは?私で良ければ賜りますよ?」ザッ

ヒストリア「ハッ!えっと…。レオン・パルマーの件なのですが…。現在はトロスト区の診療所で眠っていますが…。念の為に護衛を付けた方がいいかもしれないとのエルヴィン団長のお考えです!」

アンカ「成る程。それについてはもう既に対策済みよ」

ヒストリア「ッ!失礼しましたっ!要件は以上ですっ!有難うございました!」バッ

アンカ「お疲れ様!…あなたがヒストリアね?それであなたが…」

ユミル「申し遅れました!ユミル・プリミーティブです!」バッ

アンカ「私はアンカ・ラインベルガー。あなた達の話は聞いているわ…。恐らくあなた達三人は精鋭班に異動になると思う…。私自身…大分混乱しているけれど…。指令のお考えには賛成よ。だから出来る限り力を貸すわ!」

ユミル「有難うございます!」バッ

アンカ「じゃあ私は戻るわね!お疲れ様!」バッ
――――
―――

ヒストリア「流石指令のお側付きの人だよね!気品が有るっていうかさっ!」

ユミル「そうだな。私等も戻ってもう寝ようぜ!」

ヒストリア「そうだね…!今日はすごく疲れちゃったし」

ユミル「ヒストリア…。お前等が来てくれた時…凄く嬉しかったよ…。ありがとな」

ヒストリア「…当たり前じゃない!私達は何時だってあなたの味方だよっ!」

ユミル「…ありがとう」

ヒストリア「明日は訓練が終わったらお見舞いに行きましょ!」

ユミル「あぁ!!そうだな!」
―――――
―――
――-

159: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 20:58:32 ID:auma0kAI0
ー翌日ー
ー駐屯兵団本部ー
ー訓練場ー

ヒストリア「精鋭班って言ってたけど…。イアン班長の班なのかな?」

ユミル「どうだろうな…?」

アドルフ「おはよう」バッ

一同「お早うございます!」バッ

アドルフ「プリミーティブとレイス…それからパルマーは本日から精鋭班に異動となる」

同期「…凄いね!大抜擢じゃない」ボソッ

ユミル「そうでもないさ」ボソッ

アドルフ「所属班はイアン班だそうだ!…今後もしっかりやりたまえ!」
ユミ・ヒス「ハッ!」

イアン「丁度揃っているようだな…」

アドルフ「おっ!丁度いい所に来たな…。今説明していた所だ」

イアン「そうか…。俺はイアン・ディートリッヒ。第一精鋭班の班長をしている。…では二人はこっちだ。早速訓練だぞ!」

ユミル「…申し訳有りませんが、パルマーはまだ入院中なのですが…」

イアン「聞いている。回復次第合流してもらう手筈になっている」

ユミル「ハッ!」

~~~~~~

リコ「…その子達がそうなの?」

イアン「一人怪我で入院中だがな」

リコ「…私はリコ・ブレツェンスカ。第二精鋭班の班長をしている…。宜しく」

ヒストリア「ヒストリア・レイスです!宜しくお願いしますっ!!」バッ

ユミル「ユミル・プリミーティブです!宜しくお願いします!」バッ

リコ「…君が噂のお嬢様…?まぁ私達はよく分からないけど…。協力しろとの命令だ」

ヒストリア「…ハッ!宜しくお願いします!」

イアン「では…。先ずは立体機動の動きを見せてもらう。我々は調査兵団の様に壁外での交戦は先ず無いが…。精鋭班として有事に備えておく必要があるからな」

ヒストリア「ハッ!」

イアン「俺達が行うのは模擬市街地での掃討作戦だ。主に壁内に侵入した巨人を仕留めるべく、家屋等を使い攻撃する!各所に模型が設置してある…。やってみろ!」
――――
―――

160: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 20:59:06 ID:auma0kAI0
イアン「プリミーティブは良い動きをしている!が…レイスッ!何だあの動きはっ!?そんな事では市民どころか自分も助からんぞっ!」

ヒストリア「…くっ…!申し訳有りません!」ハァハァ

ユミル「森と違って遠近感が掴み難い…。落ち着いてやればすぐに慣れるさ」ボソッ

ヒストリア「…うん。ありがと…」ボソッ

リコ「…もう一人はどうなの?上手い訳?」

ユミル「対人格闘術には秀でていますが…。その他は平凡です…」

リコ「…ふーん。イアン?精鋭班に入れるのはまた別の意味が有るの?」
イアン「…それは分からんが…。指令の命令だ!俺達は黙って従うだけだ」

ユミル(恐らく…。ヒストリアの護衛の側面が強いんだろう…)

リコ「ハイハイ…。ミタビがうるさそうだね…」

ヒストリア「…申し訳有りません…。直ぐに上達して見せます!」

リコ「そう願いたいね…。私は班を解散させてくるよ」ダッ

イアン「では俺達も今日はここ迄!ゆっくり休みまた明日からの訓練に備えよっ!」

ユミ・ヒス「ハッ!」バッ

ヒストリア「…やっぱり難しいね…。また明日から頑張らなくちゃっ!」
ユミル「その調子なら直ぐに上達するさ!…私はアイツの見舞いに行くけど…お前は休んでた方がいいんじゃねぇか?」

ヒストリア「平気よ!私も行くっ!」

ユミル「じゃ着替えて行こうぜ」
――――
―――
ートロスト診療所ー

ユミル「お疲れ様です!」バッ

見張り「ご苦労様!」バッ

ユミル「アイツ生きてるかな?」

ヒストリア「もうっ!死んでる訳無いでしょっ!!」

ユミル「…冗談だろ」ガチャッ

レオン「……………」スーッ スーッ

161: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 20:59:51 ID:auma0kAI0
ヒストリア「…寝てるね…」ボソッ

ユミル「あぁ…。まぁ顔色も悪くなさそうだしな」ボソッ

レオン「…う~ん。…ッ…」ゴロッ

ヒストリア「…寝返り打つのも痛いんだね…」

レオン「…んっ…?ユミルに…クリスタ?」

ユミル「…おう。調子はどうだ?」

ヒストリア「ゴメンね!起こしちゃって…」

レオン「いや…。ずっと寝てるから丁度いいよ…」

ユミル「他に誰も来てないのか?」

レオン「俺の見舞いに来てくれるのなんて…お前等だけだよ」

ヒストリア「そんな事無いよっ!アルミン達も行くって話してたもん!」ガチャッ

エレン「おーっす!大丈夫かぁ?ん…?ユミル達も来てたのか!」

ヒストリア「ほらね!噂をすれば!」

アルミン「何々?何か噂してたの?」

レオン「お前等が見舞いに来てくれるって話を聞いてさ…」

エルヴィン「他でも無い君の見舞いだ。来ない訳には行かないだろう?」
レオン「…ッ!?団長!?…うっ…!」グッ

エルヴィン「無理に起きるな…。楽にしていなさい。しかし無事で何よりだよ」

レオン「申し訳有りません…。有難うございます」

ライナー「お前のお陰で…俺達も役に立てそうだ…。ありがとなっ!」

エルヴィン「彼等の存在意義を上に認めさせる事が出来たのも、その痛みあっての物だ…。君に敬意を」スッ

レオン「…有難うございます」グッ

ヒストリア「私も…今日からヒストリア・レイスとして胸を張って生きて行く事にしたのよ?」

レオン「…そうか…。これからも宜しくな…ヒストリア」

エレン「サシャ達も来ようとしてたんだがよ…。あの班は訓練が長引いちまったみたいでな」

レオン「そりゃ訓練優先にしてもらわねぇとな!…お前等が来てくれただけで十分嬉しいぜ!」

リヴァイ「…死んでるのかと思ったがな。悪運は強いじゃねぇか」

レオン「…兵長まで…。有難うございます!しかし…」

ユミル「どうした?」

162: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 21:02:45 ID:auma0kAI0
レオン「いやさ…。これってエレンの役回りだなぁと思ってさ」

エレン「…俺の?どういう事だ?」

レオン「俺の世界では…会議に召喚されるのはエレンなんだよ。巨人化の力の意義を巡ってな…。」

エルヴィン「…成る程。壁を壊された時に巨人化したと言っていたな」

レオン「はい。巨人に喰われて巨人化しました…。その力を危険視した貴族や憲兵団によって処刑されるか否かの会議でした」

リヴァイ「なら…。一回エレンの腕でも切り落としてみるか?そうすりゃ覚醒するかもしれねぇしな…」

エレン「…えっ!?」

ミカサ「…正気の判断だとは思えません。断固反対です」キッ

リヴァイ「……………」

エルヴィン「兎に角…。我々の特別作戦班の結成も許可が下りた。まぁ先ずは怪我を治す事に専念しなさい…。話はそれからだ」

レオン「…はい!しかし特別作戦班とは…?」

アルミン「…エルヴィン団長が提案した、兵団を超えて人類反撃の旗手となる班の事だよ!君が集めた104期は全員その班だ!」

レオン「スゲェな…!…団長…!私の話を信じて下さり感謝しています…!」

エルヴィン「私は自分がやるべきだと判断した事を行ったまでだよ」

リヴァイ「…エルヴィンも言ったが…先ずはさっさと怪我を治しやがれ…!」

レオン「ハッ!有難うございます!」

エルヴィン「ではそろそろ戻るとしよう…。お大事にな」

レオン「ハッ!」

エレン「また来るぜ!」

アルミン「またね!」

ミカサ「…お大事に。そうだ…。レオンの言う通りにしたらエレンの態度が柔らかくなった…。ありがとう」ボソッ

レオン「気にすんな!…頑張れよ!」ボソッ

ミカサ「えぇ」

ユミル「…また来るからよ…。大人しくしてろよ?」

レオン「分かってるよ…!ありがとな!」
バタンッ

レオン「俺の人気も捨てたもんじゃねぇな…。もう一眠りするか…」

163: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 21:03:20 ID:auma0kAI0
~~~~~~~~
ー診療所前ー

エルヴィン「ヒストリアは駐屯兵団の精鋭班で護衛してもらう事になっている訳だよ」

ヒストリア「…やはりそうですか…」

アルミン「急にどうしたの?何で自分が精鋭班なんですかー?なんて…」
ヒストリア「…うん。別に何でも無いの!」

ユミル「ハァ…。まだ気にしてんのか?…今日訓練が上手く行かなくてな。それでヘコんでるって訳だ」

ライナー「まだ慣れないんだから仕方無いだろう?」

アルミン「…そうだよ!気にしないで明日からまた頑張ればいいじゃない!」

リヴァイ「…その明日が来るかは分からんがな」

エルヴィン「リヴァイ…。もう少し言い方が有るだろう?」

リヴァイ「同じ事だろうが。お前等少し弛んでるんじゃねぇか?…明日が有るのは当たり前じゃねぇんだぞ?」

ミカサ「…ですから必死に訓練しています」

リヴァイ「必死になるのなんざ当たり前だ…。それでも力及ばず死ぬ人間が何人いると思ってやがる」

ミカサ「…くっ…!」

リヴァイ「慣れないから仕方無い?…巨人と対峙した時なんざ常に情報不足だ…。訓練すらまともに出来ねぇ奴は直ぐに喰われる」

ヒストリア「…兵士長の仰る通りです…」グスッ

ユミル「…ヒストリアは駐屯兵です。幾ら兵士長でも言い過ぎでは?」キッ

リヴァイ「だから何だ?その女とエレンが鍵になる以上は兵団を上げて保護するしかねぇ…。が、本人が訓練も覚束ない様じゃ困るってんだ」

ユミル「私が命に代えても守ってみせますよ…!」

ヒストリア「ユミルッ!いいの。兵士長の言う通りよ…。私はもっと強くなるっ…!」

エルヴィン「ふぅ…。リヴァイもそこまでにしておけ。ヒストリア…?リヴァイなりに君達を心配しているんだ…。分かってやってくれ」

ヒストリア「ハッ!お見苦しい所をお見せしてしまいました!リヴァイ兵長!有難うございますっ!」バッ

リヴァイ「威勢が良いのはいいが…。死なねぇ努力も怠るなよ…。エルヴィン。俺は戻るぞ?」

エルヴィン「あぁ。私もそうしよう…。ではこれで失礼するよ」

一同「ハッ!」バッ

ミカサ「…あのチビ…。さっきから調子に乗りすぎだ…」

エレン「まさか…リヴァイ兵長の事言ってんのか?」

164: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 21:03:59 ID:auma0kAI0
ユミル「…ケッ。ヒストリア…。気にするなよ?」

ヒストリア「うん…。でも言ってる事は尤もだよっ!もっと強くならなくちゃ!」

ライナー「まぁ…死んだら元も子も無いしな」

アルミン「そうだね!死なない様に訓練しよう!」

エレン「あぁ…。もうすぐ壁外調査もあるしな!」

ユミル「じゃ取り敢えず帰って寝るかっ!明日も訓練だしな!」

ヒストリア「うんっ!皆お疲れ!」

ライナー「お疲れ!」
―――――
――――
―――

ー調査兵団本部ー
ー訓練場ー

エレン「……………」

ミカサ「…?エレン?どうしたの?」

エレン「…ん?あぁミカサ…。…いよいよ明日かってさ」

ミカサ「壁外調査?」

エレン「あぁ。俺達はリヴァイ兵長と同じ班だ…。ただ…他の同期は…」
トーマス「何だよ?俺達は死ぬってのか?」

ミーナ「この日の為に訓練してきたんだから!」

エレン「トーマスッ!?ミーナッ!?…スマン。聞いてたのか…」

トーマス「新兵は比較的に陣形の中の方だしな!」

ミーナ「うんっ!班長達も付いててくれてるし!」
――――
―――

レオン『エレンの班で生き残ったのは…アルミンだけだ…』

―――
――――

エレン(あの話は別の世界だっ…!…俺達は必死に訓練してきたっ!)

エレン「あぁ!そうだな!」

アルミン「あっ!居たっ!エレンッ!ミカサッ!」ダッ

ミカサ「アルミン…。どうしたの?」

アルミン「団長が呼んでたよ?明日の事でって!」

エレン「そうか…。行くか!」

ミーナ「…エレン達って何で急に団長とかと関わる様になったの?」

165: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 21:04:54 ID:auma0kAI0
エレン「…それは…」

アルミン「今期は成績上位が多いだろう?だから目に留まったみたいなんだ!」

ミーナ「…そういえば…!上位陣はほぼ調査兵団だね!」

トーマス「期待の新人って訳か!同期として誇り高いぜ!」

エレン「ハハハ…。ありがと…」

ミカサ「やはり伏せておくの?」ボソッ

アルミン「仕方無いよ…。総統の命令だ…」ボソッ

~~~~~~~
ー団長執務室ー

エルヴィン「全員集まったな?…明日の壁外調査についてだが…」

ハンジ「ねぇっ!!エレンッ!?巨人化出来るか試してみようよっ!!」
エレン「えっ!?ハンジ分隊長?急にどうしたのですか…?」

ハンジ「いや~人が巨人になるなんて夢みたいじゃないかっ!!ライナーとかは流石に無理があるから…。是非君になってみてもらいたい!」

エルヴィン「…ハンジ。エレンはまだ覚醒していないんだぞ?」

ハンジ「だからだよ!壁外なら丁度いいじゃないっ!!ライナーの話によると…自傷行為で変身出来るみたいなんだっ!ねっ?ライナー?」

ライナー「はい。自身を傷付ける事が引き金になります」

エレン「…しかし…。急に言われても…」

エルヴィン「ハンジ…。今回は認められない。壁外で不確かな事をしている時間は無いのだ」

ハンジ「えぇっ~!じゃあ何時やるのさ!?」

リヴァイ「だが…。そこのメガネの言う事も一理あるぞ?よく分からねぇまま巨人化されたら…項を削ぎ落とすしか無くなっちまう…」

ミカサ「…エレンは殺させません」キッ

リヴァイ「…この間もやけに睨んでいたが…。お前はエレンの何なんだ?」

ミカサ「…家族です…」

リヴァイ「あ?兄弟か何かか?…目付きが悪ぃ所しか似てねぇな」

エルヴィン「よせ…。リヴァイ。君は知っているだろう?」

リヴァイ「…あぁ。この間の件はこの事か…」

ハンジ「もうっ!リヴァイは興味無い事は直ぐに忘れるんだからっ!」

エレン「あの…何か…?」

エルヴィン「すまない…。特別作戦班に在籍している人間の過去を洗わせてもらった」

166: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 21:05:35 ID:auma0kAI0
ハンジ「ライナー達は分からなかったけど…。そしたら君達の件が出て来てしまったって訳さ…。ミカサがエレンにご執心なのも…納得がいくよ」

リヴァイ「…それはそれだ…。お前…万が一の時に…エレンを殺せるのか?」

ミカサ「万が一など起きません」

リヴァイ「…この班の仕事は鍵であるエレンやヒストリアの護衛だ。だがな…巨人化能力者が暴走した場合の保険も兼ねているんだぞ?」

ミカサ「ですから!エレンが暴走などありえません!私が付いていれば!」

アルミン「…ミカサ」

サシャ「えっ!?と言う事は…ライナーや…エレンを殺さなきゃいけなくなるかもって事ですか!?」

コニー「マジかよ!?ライナーッ!?エレンッ!?勘弁してくれよな!?」

ジャン「…それはどうだろうな?ミカサ…。レオンも言ってたろ?エレンは暴走する事があって…お前を殺そうとした事も有るってよ?」

エレン「…くっ…!」

ミカサ「ジャンッ!!今エレンを責める事に何の意味が有るの?そもそも…まだ力は目覚めていない…!」

リヴァイ「だから危険なんだろうが…。エルヴィン。コイツは無理じゃねぇのか?」

エルヴィン「ミカサ…。君の戦闘力はこの班ではリヴァイに匹敵する物が有ると見ている…。が、リヴァイが言った事も事実だ。必要に迫られれば…エレンを処分してもらう必要が有る。出来るのか?君に」

ミカサ「…私はっ…!」

エルヴィン「ミカサだけでは無い。この班の使命だ…。ライナー達も例外では無い!万が一の際は…我々の手で仲間を殺さなければならない」

サシャ「…………」

コニー「……………」

ライナー「……………」

ジャン「……………」

ハンジ「…エルヴィン?必要以上に脅しすぎじゃない…?」

ライナー「…俺がっ!万が一裏切った時は…お前等に殺してもらいたいっ!」

ジャン「ライナー…」

エレン「…俺もだっ!ミカサ…。万が一俺が暴走した時は…お前と…アルミンに殺されたい…」

アルミン「…分かった。約束するよエレン…。君が人を殺す前に…僕とミカサで君を殺すっ!そうだろ?ミカサ?それが…エレンの為だよ」

167: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 21:06:06 ID:auma0kAI0
ミカサ「エレン…アルミン…。分かった…。団長…。もし…エレンが暴走した時は…責任を持って…私が殺します…」

サシャ「私も…」

コニー「俺もだ…!」

ジャン「あぁ…。だが…そうならない様に努力はしてくれよな!?」

エルヴィン「うむ…。とすればやはり実験は必要か…。だが一先ずは明日の壁外調査だ。実験についてはまた考えよう」

ハンジ「ちぇっ!」

エルヴィン「シガンシナ区を奪還する必要が有るが…兵站拠点を作りながらでは二十年掛かる計算だ。とても現実的では無いな」

アルミン「…壁は巨人で出来ているとレオンは言っていましたよね?」

エルヴィン「あぁ。その様だな。…それが?」

アルミン「…なら…穴を塞ぐのは…ブッ!」モガッ

ハンジ「そうかっ!…私に言わせてくれ!!」ガシッ

ハンジ「穴を塞ぐ資材とかが必要だから移動に時間が掛かる計算だったけど…ライナーとかが硬質化出来るならそれで塞げばいいんだね!?」

アルミン「…ゲホッ。そうです!それなら最低限の移動で済みますし…夜間に移動とかはどうですか!?」

エルヴィン「成る程…。ライナー?出来るか?君は体を硬い皮膚で覆っているんだろう?」

ライナー「…そうか…!申し訳有りません…。生き残るのに必死で…こんな単純な事に気付きませんでした…。ただ…大穴が塞げるかどうかまでは…」

リヴァイ「出来るかどうかなんざ関係ねぇだろ?それしか無いなら兵団を上げてやるしかねぇだろう?」

エルヴィン「そうだな…。なら今後の壁外調査はどうするべきか…。イタズラに兵を失う訳にもいかないが…」

ハンジ「でも…ここ迄目的がハッキリして来た以上は…それに集中するべきだと思うけど?」

エレン「なら…一先ず壁外調査は行わないって事ですか?」

エルヴィン「うむ…。そうだな。明日の壁外調査は中止する!但し…シガンシナ区奪還作戦は…今晩開始する!」

リヴァイ「成る程な…」

サシャ「…また急ですね…」

ジャン「いや…時間が無いのは変わりねぇ。早い方がいいだろ?」

エルヴィン「その通りだ!特別作戦班は夕食後、トロスト区の門に集合せよっ!」

一同「ハッ!」バッ

168: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 21:06:40 ID:auma0kAI0
~~~~~~~~
ーストヘス区ー
ー憲兵団支部ー

アニ「……………」ペラッ

ベルトルト「アルミンからの手紙によれば作戦は今夜決行みたいだ…」

アニ「…皮肉なもんだね…。私達が開けた穴を…私達が塞ぐなんて…」

ベルトルト「…そうだね…。でも…ここでしっかり決めれば…助かるかもしれないよ?」

アニ「それはどういう意味で?…人として?それとも…巨人として?」

ベルトルト「…両方さ」

アニ「…虫が良すぎるだろ…。私達は殺人鬼だ…。用が無くなれば殺されるよ」

ベルトルト「…僕やライナーはそうかもしれないけど…。アニは何もしてないじゃないかっ!」

アニ「…私だけ故郷に逃げられる訳が無いだろっ!」

ベルトルト「僕達は…アニだけでも助かるように動くつもりだよ…」

アニ「余計な事しなくていいっ!…きっと…皆私達なんか死んだ方がいいに決まってるんだっ!それだけの事をしたんだっ!!」

ベルトルト「…あぁ。その通りさ…。でも…罪は僕とライナーで背負うよ。僕は先に食堂に行ってるから…」スッ

アニ「あっ…!ベルトルトッ…!」

~~~~~~~~
ートロスト区 診療所ー

ヒストリア「今日…皆が出発するよ?マリアを奪還しに…」

レオン「そうか…。やっとここ迄来たなっ…!」グッ

ユミル「まぁ…何処迄上手くいくか分からねぇけどな…」

ヒストリア「大丈夫だよっ!皆でやるんだもんっ!上手くいくよっ!!」
ユミル「だといいがな…」

レオン「当然ヒストリアは留守番なんだろうな?」

ユミル「あぁ。イアン班長達と待機だ」

ヒストリア「…私も行くって言ったら皆ダメだって…」

レオン「そりゃ当たり前だろ?…ユミルは行くのか?」

ユミル「…あぁ。私は巨人だからな」

レオン「…そうか…」

ヒストリア「…私外で待ってるね?」スッ

ユミル「…悪いな。…っておいおい!そんな辛気臭い顔するなよっ!」

169: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 21:07:14 ID:auma0kAI0
レオン「ユミル…。絶対帰って来てくれよ…?(やべっ…!これ…フラグか?)」

ユミル「当たり前だろ?私は巨人だから…簡単には死なねぇよ」

レオン「…やっぱ俺も行こうかな(変なフラグ立てちゃったし…)」

ユミル「…怪我人が来た所で足手まといにしかならねぇよっ!」バシッ

レオン「イテッ…!ったく…。じゃあおまじないを掛けてやるか…」チョイチョイ

ユミル「…何だよ?」スッ

レオン「…頼むぞ?」チュッ

ユミル「…ッ!急に何すんだよっ!?」バッ

レオン「無事に帰ってこれるおまじないさ」キリッ

ユミル「ったく…。ありがとよ!//…そろそろ集合かな…?」

レオン「…頑張ってな」

ユミル「おぅ!!またなっ!」スッ
バタンッ

レオン「…マジで帰って来てくれよな…」ボソッ

~~~~~~~~
ートロスト区 門前ー

エルヴィン「今回は過去に例を見ない夜間、及び少数での壁外遠征になるっ!レオンの報告により、夜間も活動する巨人が報告されている!日が完全に暮れてしまえば信煙弾の連絡も取れないっ!各自適度な距離で展開、周囲を隈無く索敵し、火を決して絶やすなっ!」

一同「ハッ!!」

エレン「いよいよだっ!!」

ミカサ「エレン。気を付けて」

ユミル「…顔色悪くねぇか?」

アルミン「だ…大丈夫だ…!問題無いっ…!」

コニー「近くがサシャで良かったのか…?」

サシャ「酷いですっ!もうコニーは助けてあげませんからねっ!」プイッ

ジャン「…遊びに行くんじゃねぇんだぞっ!?真面目にやれっ!」

アニ「……………」

ライナー「…ベルトルト?何か…アニが元気無くないか?」

ベルトルト「…うん。帰って来たら話すよ…」

ハンジ「ハァーッ!本当に夜間に動く子とか居るのかなぁ」

リヴァイ「…居やがったらお前が囮をやれ」

170: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 21:08:29 ID:auma0kAI0
ハンジ「…酷いなぁ。リヴァイは…。ミケは一緒に戦ってくれるよね?」
ミケ「…………」フッ

門兵「周囲の巨人は粗方遠ざけましたっ!!」

エルヴィン「…開門三十秒前っ!!」

駐屯兵「エルヴィン団長っ!!お待ち下さいっ!!」ゼェゼェ

エルヴィン「どうした?そんなに慌てて」

駐屯兵「…巨人が…巨人が現れましたっ!!ローゼ南区の内地の廃墟跡にて…商人が発見した模様です!!」

エルヴィン「何っ!?(…ライナーもベルトルトも此処に居るのにか…?)」

リヴァイ「…チッ…!」

ハンジ「…ウソ…」

エレン「何だって…!?ライナーッ!どうなってやがんだっ!?」

コニー「壁が破られたってのか!?…南区…?」

ライナー「馬鹿なっ!俺にも分からんっ!!」

ベルトルト「…偵察に来たのか!?」

アニ「…くそっ!」

ミケ「どうする?エルヴィン」

エルヴィン「…開門中止っ!直ぐに現場へ向かい状況の確認を行うっ!!…調査兵団本部にも伝えてもらえるか?私も現場に向かう!」

駐屯兵「ハッ!!」

~~~~~~~~~
ー駐屯兵団本部ー

イアン「何だとっ!!…マズイな…。レイスッ!俺達と来いっ!住民の避難だっ!離れるなよ?」ダッ

ヒストリア「…ハッ!」ダッ

ミタビ「…マジかよ…!」

リコ「ボヤいてないで急ぐよっ!」ダッ

~~~~~~~~~
ートロスト診療所ー

見張り「…何だとっ!?じゃあ俺達も避難誘導にあたるのか?」

駐屯兵「そうだっ!!時間が無いっ!急ぐぞ!」

見張り「…レオンはどうするんだ?」

駐屯兵「~~~~~~~~~」

レオン「…?随分外が騒がしいな…」

171: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 21:09:16 ID:auma0kAI0
ガチャッ

駐屯兵「レオンッ!緊急事態だ…!壁が破壊された可能性がある!」

レオン「…えっ!?そんな馬鹿なっ…!」

駐屯兵「事実だっ!ローゼ南区の廃墟跡地で巨人が確認された…!俺達は避難誘導にあたらねばならん…!後で装備を届けさせるから、万が一の際は…」

レオン「分かっていますっ!私は大丈夫ですっ!」

駐屯兵「最悪の場合は此処の医者と逃げてくれっ!」ダッ
バタンッ

レオン(…ローゼの廃墟跡…?ハッ!まさか…獣の巨人!?だとしたら…俺も直ぐに向かおう…!)
―――
――

ートロスト区 内門ー

エルヴィン「先ずは状況確認の為に廃墟跡に移動っ!そこで他の団員と合流後、穴の修復に向かうっ!…極力戦闘は避けるぞっ!!」

門兵「開門準備出来ましたっ!」

エルヴィン「開門っ!!」
ゴゴゴゴゴゴッ

エルヴィン「前進せよっ!!」ダダッ

一同「オォォォォォッ!!」ダダダッ

アルミン「暗くなる前に少しでも進んでおきたいねっ!」ダダッ

ライナー「そうだな…!」ダダッ

~~~~~~~~~
ー調査兵団本部ー

ミーナ「…遂に巨人と対峙する訳ね…」

トーマス「あぁ…。大丈夫だっ!必死に訓練して来たじゃないか!」

ナック「そうだぞ!生きて帰ってこようぜ?」

ミーナ「うんっ!そうね!」

ナナバ「皆揃ったね?…これよりローゼ南区の廃墟跡に向う!」

ゲルガー「…もう直に日が暮れる…。団長によれば夜でも動く巨人も確認されているらしい…!各自警戒を怠るな!…行くぞぉー!」ダダダッ

一同「ウォォォォォッ!」ダダッ
――――
―――
――

172: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 21:09:52 ID:auma0kAI0
ー廃墟跡地ー

エルヴィン「…ここ迄殆ど巨人に遭遇しなかったが…」

ハンジ「…う~ん…。ちなみに此処はウドガルド城跡みたいだね。…最近まで誰かが居た形跡があるけど…」

リヴァイ「…大方商人共が悪巧みに使ってたんだろ?」

ミケ「…エルヴィン。俺達だけで先ずは穴の特定に行くか?」

アルミン「………………」ゼェゼェ

エレン「……………」ハァハァ

ミカサ「エレン?大丈夫?」

コニー「…母ちゃん…」

サシャ「…コニー…」

エルヴィン「…(新兵の疲労も限界か…?どうする…?)」

ライナー「団長っ!自分達が壁の確認をして来ますっ!もしかすると…故郷の戦士が攻めて来たのかもしれません…」

エルヴィン「そうか…。ではライナー、ベルトルト、アニには壁の確認を行ってもらう!…リヴァイ。行けるか?」

リヴァイ「当たり前だ」スッ

エルヴィン「他の者は兵団と合流まで此処で待機だっ!」

ユミル「…ライナー達が行くなら私も行くか?」

ハンジ「いや…。ユミルには此処に残ってもらうよ?此処の防衛だ」

ユミル「ハッ!」

エレン「…じゃあ俺も行くぞっ!」

ミカサ「エレンはダメ」

エレン「何でだよっ!?この一大事に俺だけ寝てられるかっ!」

エルヴィン「エレン。これは命令だ…。お前は此処で待機だ」

エレン「…ぐっ…!分かりました…」

アルミン「…僕はもう動けないかもしれない…」ハァハァ

ジャン「無理もねぇ…。初めての敵地の上に前もろくに見えなかったんだ…。俺も相当疲れたぜ…」ドサッ

ハンジ「破壊予想箇所は此処だ…。此処からグルッと回ってきて欲しい…。頼んだよ?」

ライナー「ハッ!任せて下さいっ!」

アニ「なら急ごう…」

リヴァイ「各自無理はするなよ?…もっとも…簡単には死なねぇんだろうがな…」

ベルトルト「……………」
ガチャッ

エルヴィン「ミケ。上に登って監視をしてくれるか?」

ミケ「了解した」スッ

173: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 21:10:26 ID:auma0kAI0
~~~~~~~~~
ートロスト診療所ー

医者「だからダメですって!!」

レオン「そんな事言っている場合では無いんですよ!!」

医者「だからどういう場合なんです?」

レオン「ですから…(やっぱ言う訳にはいかねぇよな…?でも言わなきゃ行かせてくれなそうだしな…)」

医者「兎に角っ!シュバルツ先生にもキツく言われているんですっ!安静にしていて下さいっ!」

レオン「…これは確認中なんですが…。壁が…破壊された恐れがあります」

医者「…はい?今何て…?」

レオン「だから行かなければならないんです…。ですから…痛み止めを処方して下さいっ!」

医者「そんな…!」
ガチャッ

フランツ「レオンッ!これ…装備だっ!」ガチャ

レオン「サンキュー!フランツ!…チョット待ってくれねぇか?」

フランツ「早くしてくれよ…?早く戻らなきゃ…ハンナが…」

医者「分かりました…。注射で痛み止めを…」スッ

レオン「有難うございます…。フランツ。先生を一緒に避難させてくれ!」

フランツ「分かったっ!」

~~~~~~~~~
ートロスト区ー

イアン「どうだ?そっちの様子は…」

リコ「なんとか本部に避難させたけど…。いつパニックになるか分からないよ?」

ミタビ「チッ!選りにも選ってローゼの内地とはな…。避難なんて何処にさせりゃいいんだよっ!」ガッ

ヒストリア(ユミル…。皆…)

イアン「…よしっ!後は駐屯部隊に任せて俺達は防衛線の死守だ!」

リコ「了解!」パシュッ

ミタビ「はいよ!」パシュッ

イアン「レイスッ!行くぞっ!」ダッ

ヒストリア「ハッ!…えっ!?待って下さいっ!」

イアン「どうした!?」

174: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 21:11:00 ID:auma0kAI0
ヒストリア「あれは…レオン?」

イアン「何っ!?此処で何をしているんだ?まだ怪我をしているのだろう!?」

ヒストリア「その筈ですが…。行ってみます!」パシュッ

レオン(急がねぇとっ!…ガスに刃に…後食料っ!適当にぶっ込んで行くか!)

ヒストリア「レオンッ!」スタッ

レオン「ッ!?…ヒストリア!どうして此処に?」

ヒストリア「それはこっちのセリフよっ!体は大丈夫なの!?」

レオン「あー…。まぁな!兎に角…早く団長達と合流しねぇと!」

イアン「リヴァイ兵長達は壁の確認に向かったと聞いているぞ!?」

レオン「えぇ…。ですから荷馬車で物資を運ばなければっ!…イアン班長はヒストリアをお願いします!」ダッ

ヒストリア「待ってっ!私も行くっ!!」ガシッ

レオン「ハァ!?何言ってんだっ!お前はダメだ!イアン班長に付いてもらっている意味を考えろっ!!」

ヒストリア「でも…私だけ此処でのんびりしてられないよっ!!」

レオン「いや…住民の避難が有るだろうが…」

イアン「ヒストリアッ!これは命令だぞ!大人しく俺に着いて来いっ!」
ヒストリア「くっ…」

レオン「安心しろ…。ユミル達は絶対に無事に帰す…!ではっ!」バッ

イアン「うむっ!頼むぞっ!」

~~~~~~~~~
ーウドガルド城跡ー

エルヴィン「新兵はしっかり休んでおくんだっ!」

コニー「…団長っ!朝になったら…村に行かせて下さい…」

サシャ「…南区には…コニーの故郷が有るんです…」

エルヴィン「…そうか。明るくなってから詳しく調査する必要がある…。その際に村に立ち寄ろう…」ポンッ

コニー「有難うございます…」

サシャ「コニー!元気出して下さいっ!大丈夫ですよっ!無事ですって!」

コニー「だといいけどよ…」

ミケ「エルヴィンッ!!」ズザッ

エルヴィン「どうした?ミケ」

175: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 21:12:05 ID:auma0kAI0
ミケ「来たぞ…。囲まれている」

エルヴィン「……ッ!!」

~~~~~~~~
ー破壊予想箇所ー

リヴァイ「この辺りらしいが…」

ライナー「どうやら無事ですね…」

リヴァイ「チッ…!なら回って探すぞ…」スッ

アニ「…ハッ!」

ライナー「俺達も行くぞ!」

ベルトルト「あぁ…!」

リヴァイ「さっき言っていた…お前等の国の戦士とは何だ?」

ライナー「…もしかしたら敵情視察かも知れません」

リヴァイ「…ならお前達だけでも十分じゃねぇか?」

ライナー「我々は捨て駒なんですよ…」

リヴァイ「…チッ…」

アニ「しかし…。もし奴等が来たんだったら壁は壊されて無い確率の方が高いね…」

リヴァイ「女…。何故そう言い切れる?」

アニ「…アニ・レオンハートです。奴等なら…壁内の人間を巨人に変える事が可能だからです…。わざわざ壁を破壊する必要が有りません」

リヴァイ「成る程な…。だが確定的で無い以上は調査を続けるしかねぇな…」

ベルトルト「…しかし…。もう大分回りましたよ…?」

ライナー「…くそっ!やはり戦士が攻めて来たのか…?…んっ!?兵長っ!」

リヴァイ「…何だ?」

ライナー「今…月明かりで見えたのですが…城の方に巨人が走って行った様な…」

リヴァイ「ッ!?…チッ!急いで戻るぞっ!」ダッ

ライナー「ハッ!!」

~~~~~~~~~
ーウドガルド城跡ー

エルヴィン「総員っ!屋上に登れっ!…戦闘準備だっ!ハンジッ!扉を塞げっ!」

エレン「くそっ!やっぱり夜に動く奴が居たのかっ!?」

ユミル「…街の方には行ってなきゃいいが…(レオン…ヒストリア…)」

176: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 21:12:42 ID:auma0kAI0
ハンジ「一体生け捕りに出来ないかなぁ…?」

モブリット「分隊長っ!そんな事言っている場合では有りませんっ!」

ー屋上ー

ジャン「何だコイツ等…。マジで元気じゃねぇか…」

サシャ「…あの…。あそこの巨人…何か変じゃないですか…?」

アルミン「…本当だ…!やけにデカイし…毛に覆われてる…?」

エレン「考えるのは後だっ!コイツ等をやらねぇと俺達がやられるぞっ!?」

ユミル「確かにな…!んっ!?増援も間に合ったみたいだぜ?」

ゲルガー「団長っ!!…巨人が囲んでやがる…!総員散開っ!巨人を掃討せよっ!」パシュッ

一同「ハッ!!」パシュッ

エルヴィン「…間に合ったか…!此処で掃討作戦を実施するっ!街に行かせるなっ!!」

ミカサ「エレンは下がっていてっ!」パシュッ

エレン「ハァ!?俺も行くぞっ!!」パシュッ

アルミン「ちょっ!エレンッ!」

エレン「うぉぉぉらぁっ!死ねっ!」パシュッ

アルミン「エレンッ!下だっ!!…くそっ!間に合わないっ!」パシュッ

エレン「えっ!?」

リヴァイ「…らぁっ!!」ザクッ

エレン「リヴァイ兵長っ!?」

リヴァイ「…クソガキ…。上でおとなしくしていろ」ギロッ

エレン「ッ!?申し訳有りません…」

ミーナ「イヤァァァッ!!トーマスッ!!」

エレン「ミーナッ!?くそっ!」パシュッ

ミーナ「…私が…助けなきゃ…!…ぐっ!」

エレン「ミーナッ!落ち着けっ!」ガシッ

ミーナ「エレンッ!?…トーマスが…!!」

エレン「くそっ!…兎に角上に避難するぞ…」パシュッ

エルヴィン「エレンッ!!お前は此処に居ろと言った筈だっ!!」

エレン「申し訳有りません…」

エルヴィン「ライナーは居るかっ!!」

ライナー「ハッ!」バシュッ

177: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 21:13:41 ID:auma0kAI0
エルヴィン「見回りご苦労だった…。しかし…あの巨人は何者だ?」

ライナー「恐らく…私の故郷の戦士だと思います…」

エルヴィン「そうか…。他の三人も無事か?」

ライナー「はい!ベルトルトとアニも掃討作戦にあたっていますっ!」

エレン「兵長には先程助けて頂きました…」

エルヴィン「そうか…。引き続き作戦を続行しよう」

ライナー「ハッ!」

ミーナ「…トーマス…。ナック…。」グスッ

エレン「…ミーナ…。大丈夫か?」

ミーナ「…ッ!平気よっ!二人の分まで私がっ!」ゴシゴシ

エレン「無理はしないでくれよ?」

ミーナ「うんっ!」パシュッ

エルヴィン(…獣の様な巨人だが…。目的はやはり敵情視察か…?)
―――
――

ナナバ「粗方片付いてきたね…。ガスももう少ないからこれ以上はマズイ…」

リーネ「そうね…。この塔のお陰で戦い易いわ…」
ヒュルルルルルル

リーネ「何っ!?このお…ドゴォォォンッ!

ゲルガー「…ナナバッ!リーネッ!くそっ!一度団長の所に集まるぞっ!」

エルヴィン「…急に岩が飛んできた?」

ゲルガー「…はい。ナナバとリーネが…。それ以外にも死者多数…。ガスや刃ももう無い者が大半です!」

リヴァイ「どうする?粗方片付いた所で退散するか?」

エルヴィン「あぁ…。潮時かも…コニー「あぁ!!また巨人多数出現っ!!先程の倍は居ますっ!!」

エルヴィン「何っ!?」

エレン「…お前等ガスとかは残ってるのか?」

ジャン「…俺はもうそろそろヤバイな…」

アルミン「僕はもう少し行けると思うけど…」

エレン「…ミカサは?」

ミカサ「…私は心配いらない」

アニ「嘘だね。あれだけ動いてたんだ…。もう殆ど残ってないだろ?」

178: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 21:14:12 ID:auma0kAI0
ミカサ「……………」

ライナー「…俺達がやるか?」

ユミル「…もうそれしかねぇだろ?」

ライナー「団長っ!!俺達が巨人化して時間を稼ぎますから、その間に逃げて下さいっ!」

エルヴィン「……(どうする…。万が一此処でライナー達を失う事になったら…)」

ミケ「…エルヴィン」

エルヴィン「(迷っている時間は無い…)ライナー達には殿を務めてもらうっ!他の者は陣形を再展開っ!トロスト区へ帰還せよっ!」

一同「ハッ!」

レオン「…ガスの補給はいかがすかぁ」スタッ

ユミル「レオンッ!?お前此処で何してんだ?!」

レオン「…団長!獣の巨人が現れたんですね?」

エルヴィン「…そうだ。やはり君は知っているのか?」

レオン「えぇ…。兎に角…!荷馬車でガスと刃を持って来ましたから、早く補給して下さいっ!」

エルヴィン「よしっ!ならば此処で作戦を続行するぞ!!」

一同「ハッ!!」バシュッ

エルヴィン「レオンは話を聞かせてくれ」

レオン「…やはり奴が俺の世界でも現れます…。そして我々と同じ言葉を話していました。立体機動装置の事を知らなかったので…壁外の者だと思われます」

エルヴィン「やはりそうか…。そしてこの巨人は…」

レオン「…後の調査でコニーの故郷…ラカゴ村の住人の可能性が高いという事が分かりました…」

エルヴィン「…そうか…。兎に角…此処を切り抜けたら調査でコニーの村に行く事になっている…。そこで何か分かるだろう…」
―――
――

調査兵「団長!」スタッ

エルヴィン「どうした?」

調査兵「周囲の巨人は粗方排除しましたっ!」

エルヴィン「そうか。ではこれで…獣「いやぁ…凄いなぁ」

調査兵「なっ!!コイツ!」バシュッ

獣「おっとっ!」ガシッ ブチュ

エルヴィン「…くっ!!」

179: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 21:14:58 ID:auma0kAI0
獣「その腰に付けた飛び回るやつ…何て言うんですか?」

ゲルガー「…クソがっ!」パシュッ 

獣「…んっ?危ないなぁ…」ブチッ

ゲルガー(しまった…!ワイヤーを掴まれたっ!)

獣「ぽいっと」ブンッ

ミケ「…くっ…!」パシュッ

アルミン「ゲルガーさんがっ!!」

エルヴィン「よせっ!ミケッ!」

獣「…ほいっ!」グチャッ

ハンジ「ミケッ!!コイツッ!」ガッ

モブリット「ダメですっ!落ち着いて下さいっ!!」ガシッ

エルヴィン「お前達の目的は何だ…?」

獣「…君達には関係無いよ…。僕はこれを持って帰れればそれでいいんだ…。またね」ズシンッ

ライナー「俺達が巨人化して…!」

エルヴィン「…よせ。深追いはしない…。特別作戦班はトロスト区へ帰還っ!他の者は壁の調査へ向かえっ!もう日が出て来た…。ハンジ。頼むぞ!」

一同「ハッ!」

ハンジ「了解っ!」ダッ

コニー「団長っ!…自分は…」

エルヴィン「…コニーは調査兵と共に壁の調査と…故郷の調査に同行しろ」

コニー「ハッ!」ダッ

ユミル「お前もう怪我はいいのかよ?」

レオン「…フッ…。愚問だな…」

アルミン「…随分汗かいているみたいだけど…?」

レオン「えっ?そう?(流石アルミンは鋭いねぇ…)」スッ

アルミン「…何で目を逸らすの?…ハァ。また悪化したらどうするのさっ!!」

エレン「まぁまぁ…。結果的に助かったじゃねぇか!」

ミカサ「ガスと刃が補給出来たおかげで助かった…」

レオン「皆無事でよかったよ…。ところでコニーは…?」

ユミル「この後の調査に同行するみたいだ…」

レオン「そうか…」

180: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 21:15:43 ID:auma0kAI0
ベルトルト「…今回の巨人の騒ぎは…やっぱり…」

レオン「…まだ分からねぇが…。俺の世界では…コニーの村の住人だった…」

ライナー「…くっ…!」

ベルトルト「…そうか…」

サシャ「…じゃあコニーの家族は…」

レオン「さっき掃討された巨人の中に居た可能性がある…」

エレン「…くそっ!!何で…俺達がこんな目に遭わなくちゃいけねぇんだっ!!」ガンッ

ミカサ「エレン…。落ち着いて…」

アルミン「…一先ず調査は他の班に任せて…僕達は戻ろう…」

ライナー「…あぁ。…アニ?戻るぞ?」

アニ「……………」
――――
―――
――

ー掃討作戦中ー

調査兵「ウォォォォォッ!」

ジャン「そっちだっ!!」

~~~~~~

獣「…上手く潜り込んでるみたいだね…。君の親も喜ぶだろう…」

アニ「…私はっ!!」

獣「…今更泣き言なんて言うなよ…?君の父親の命は預かっているんだ…。他の二人にも伝えておいてよ」
――
―――
――――

ライナー「…アニッ!…どうした?」

アニ「…あぁ。何でもない…。行こう」ダッ

ライナー「どうしたんだ?アイツは…」

ベルトルト「………………」
―――
――

181: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 21:16:27 ID:auma0kAI0
ートロスト区壁上ー

エレン「…流石に疲れたなぁ…」

ミカサ「お疲れ様…」

アルミン「まさか…壁内でこんなに人が死ぬなんて…」

ユミル「…向こうも大分本気だな…」

ヒストリア「皆っ!!」スタッ

アルミン「ヒストリアッ!良かった…。無事か…」

ヒストリア「…私はイアン班長に守ってもらったから…。皆は…?無事?」

ジャン「作戦班は全員無事だ…だが…」

エレン「…ミケ分隊長やその班の人…大勢が死んだよ…」

ヒストリア「…そんな…」

ユミル「調査兵団はまた減っちまったよ…」

リヴァイ「…あぁそうだ…。だが俺達はまだ生きている」

ユミル「リヴァイ兵長!?」

リヴァイ「奴等を犬死ににさせねぇ為にも…俺達がやらなきゃならねぇんだ…。分かったか?」

一同「ハッ!!」バッ

リヴァイ「さて…。何故死に損ないがここに居るか聞かねぇとならねぇか…?」ギロッ

レオン「………ッ!!」ビクッ

リヴァイ「…まぁお前が持って来た物資のお陰で助かった所もあるが…。怪我人は大人しく寝てろっ!」

レオン「申し訳有りません…」

リヴァイ「…チッ…。俺はエルヴィンとジジイの所に行ってくる…。お前等は本部で待機してろ…」

一同「ハッ!」

~~~~~~~~~
ー調査兵団本部ー
ー食堂ー

サシャ「…やっと帰って来ても何も食べ物が無いとは…」

アルミン「…仕方無いよ…。市民の配給に当てたみたいだし…」

ジャン「実際…内地に逃げる訳にも行かなかった訳だしな…」

エレン「でもよ…あの獣はどうやって入って来たんだ?」

レオン「恐らくだが…壁を登ってきたんだと思うぞ?」

アルミン「…えっ!?壁って…どういう事?」

レオン「俺の世界で…アイツは普通に壁を登ってたんだよ…」

ジャン「じゃあ…攻める気になりゃ何時でも来れるって事か…!?」

レオン「あぁ…。何故直ぐに来ないのか…。やはり来たる大戦に備えてるのかもしれんが…ライナー?どうなんだ?」

182: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 21:17:53 ID:auma0kAI0
ライナー「…敵情視察で間違いは無いと思うが…。やはり大戦の前に情報を収集しておきたいって所だろう…」

ミカサ「立体機動装置に興味を示していた…」

エレン「じゃあ何で今迄百年も放って置いたんだ…?」

ユミル「…そりゃ触らぬ神に祟り無しって事だろ?引き篭もってるとはいえ[座標]が居る可能性が高いんだ…。下手に叩いて虎を起こす事もないだろ?」

アルミン「そうか…。で、巨人復活が近付いてきた所で動き出した…」

サシャ「迷惑な話ですよね…。絶対に勝って…美味しい物沢山食べなきゃ割りに合わないです!」

レオン「ハハッ!そうだな…。サシャの言う通りだ…。死んで行った皆の為にも…勝たなきゃならねぇ…。例え…相手が…人間だとしてもだ…」
エレン「…あぁ」

アルミン(そうだ…。僕達はもう…人間だった巨人を殺しているんだ…)
ユミル「……………」

ヒストリア「……うん…」

ライナー「…コニーの村は無事だったんだろうか…」
ガチャッ

コニー「……………」スッ

ライナー「コニーッ!…大丈夫か…?」

コニー「…った…」

ライナー「…えっ?何だって…?」

コニー「俺の故郷は…無くなっちまったっ!!…家も…弟も妹も…」

サシャ「…そんな…」

ユミル「…チッ…」

ヒストリア「コニー…」

ミカサ「…………」

アニ「…………」ギュッ

コニー「…母ちゃんによく似た巨人が家で寝てたよ…。それだけだ…!なぁ!ライナーッ!!俺はっ!誰を恨めばいいんだよっ!?お前の故郷の奴か…?それとも巨人かっ!?…くっそぉぉっ!」ガクッ

ライナー「…すまない…」ガシッ

ベルトルト「……アニ?顔色が悪いよ…?大丈夫?」

アニ「大丈夫だよ…」

ベルトルト「…でも…。この間から様子がへ…アニ「大丈夫だって言ってるだろっ!?」バンッ

183: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 21:18:38 ID:auma0kAI0
ベルトルト「………ッ!!」ビクッ

ミカサ「…アニ?どうしたの…?」

レオン「………………」

アニ「…ッ!ゴメン…。何でも無いっ!」ダッ
バタンッ

ライナー「こんな時にアニまでどうしたんだ…?…コニー?取り敢えず宿舎でもう休め…。後の事は俺達でやっておくから…」

コニー「悪いな…。辛いのは俺だけじゃねぇのに…。アニにも謝っておいてくれ…」スッ
バタンッ

レオン「…で?ベルトルトは何してんの?」

ベルトルト「…え?」

レオン「いや…え?じゃねぇだろっ!!早くアニを追いかけろよっ!!」
ベルトルト「…ッ!?」ダッ
バタンッ

ユミル「…お前も気付いてたのか?」

レオン「…だってアイツ見過ぎじゃね?」

ヒストリア「何が…?」

ユミル「何でもねぇよ…」

サシャ「私…コニーの所に行ってきます…!」ダッ

レオン「…コニーを頼むな…」

エレン「なぁ…俺達って本当にこれで良かったんだよな…?」

アルミン「エレン…」

ジャン「いいも何もねぇだろ…?自分達でここ迄進んで来たんだ!今更引いたらアイツ等は何の為に死んだんだよっ!?…兵長の言う通り犬死にになっちまうじゃねぇかっ!!」

エレン「…ッ!…あぁそうだな…。もう迷わねぇ…!絶対勝って…外の世界を探検するんだっ!」

アルミン「そうだよ!一緒に行こうねっ!エレンッ!」

ミカサ「私も…また三人で…」

レオン(此処は大丈夫そうだな…。さてと…アニはと…)スッ

184: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 21:45:55 ID:auma0kAI0
~~~~~~~~~
ー調査兵団中庭ー

アニ(私達はもう壁内に攻撃しないって決めたんだ…!でも…そうしたらお父さんが…。私だけ自分の故郷には帰りたいの…?コニーの故郷を滅茶苦茶にしたのは私の国なのに…苦しい…)ギュッ

ベルトルト「…アニ?」

アニ「…ベルトルトか…。何?」

ベルトルト「…様子が変だったから…どうしたの?」

アニ「…さっき…獣の奴に言われたんだ…。まだ私達が寝返ったのはバレてないみたいだけど…。しくじったら…お父さんを殺すって…。ねぇ…。私達はどうすればいいのさ…?人間にも…巨人にもなれない…中途半端な私達は…うぅ…」グスッ

ベルトルト「そんな…。アニはどうしたいの…?僕は…この世界がどの方向に進んでもアニの…味方だよ…?」

アニ「分かんないよっ!!…もうアイツ等に恨まれる様な事はしたくないし…。でも…お父さんが…私のせいで殺されるなんて…」

ベルトルト「…アニ…。一緒に考えよう。どうすれば皆が助かるか…。僕も…手伝うから…」ギュッ

アニ「そんな都合のいい事が有るの…?」

ベルトルト「…分からない。でも…やろうとしないと出来ないよ?…レオンのお陰でまだ僕達は生きてるんだ…。壁内の脅威を取り去れば…あの国だって和解に応じるさ…。その為には…この班で生き残らなくちゃ…ね?」ギュッ

アニ「ベルトルト…」ギュッ

~~~~~~~~
ー物陰ー

レオン(ベルトルト…。言うようになったじゃねぇか…!目から汗が…)グスッ

ライナー「おいっ!アイツ等は大丈夫か?」ボソッ

レオン「ッ!!ライナーッ!?脅かすんじゃねぇよっ!」ボソッ

ライナー「スマン…。そんなつもりは無かったんだが…」

レオン「…あぁ。あの二人はなんとか大丈夫だろう…」

ライナー「そうか…。良かった…」

レオン「兄貴は心配したぜってか?」ニヤッ

ライナー「当たり前だろ?…でも何か入りにくい雰囲気だな…」

レオン「大丈夫だ…よっ」ドンッ

ライナー「うぉっ!」

ベルトルト「ッ!?…ライナー!?脅かさないでよ…」スッ

ライナー「いやぁスマンな…!で…アニ?落ち着いたか?」

アニ「あぁ…。ありがとう。もう大丈夫だよ…」

~~~~~~~

レオン(僕は戻りましょうかね…)スッ

185: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 21:46:44 ID:auma0kAI0
~~~~~~~
ー食堂ー

ヒストリア「あっ!!帰って来た…!何処に行ってたの?考えてみたらまだ動いちゃダメじゃないっ!!」

レオン「いや…便所だよ…?もうそろそろ休もうかなって思ってた所だ…!」

ユミル「ならさっさと休め…!またハードになるぞ?」

レオン「あぁ…。分かったよ…。じゃまた明日?な」スッ

エレン「おぉー」

アルミン「お休み」

―――――
――――
―――

ー駐屯兵団本部ー
ー指令執務室ー

ハンジ「…報告は以上になります…」バッ

ピクシス「…レオンに聞いただけでは半信半疑じゃったが…うぬぅ…」

エルヴィン「…やはり…巨人は元々は人間だった可能性が高くなりました」

リヴァイ「気にしねぇようにしてたが…。やはり俺は人間の項を削いで喜んでたって事か…」

ハンジ「…全部の個体がそうとは限らないよ…」

エルヴィン「…仕方あるまい…?躊躇えばやられるのはこちらだ…」

ピクシス「…しかしどうする?…獣の奴の騒ぎのせいで市民はパニックじゃ…。兵士や市民に多数の怪我人が出ておる…」

ハンジ「それについては安全宣言を出して問題無いと思われます…。壁も破壊されておらず…巨人の討伐数も…ラカゴ村の住人の数と一致していますので…」

ピクシス「…うむ。なら明日にでも宣言を出そう…。エルヴィン…。お主等はどう動く?」

エルヴィン「はい。先ずはエレンの覚醒が目下の目標になると思われます…。彼に巨人を支配する力に目覚めてもらわなければなりません」

ハンジ「なら…作戦の企画・立案は私でいいね?」

エルヴィン「あぁ…。リヴァイ班と協力しエレンの実験に入る」

リヴァイ「あぁ」

ハンジ「了解っ!!」

ピクシス「まぁ先ずは休め…。ろくに寝とらんじゃろ?」

エルヴィン「しかしもう朝ですからね…。お心遣い感謝致します!…では」バッ

リヴァイ「とは言え何処でやるんだ…?まさか兵団本部でおっ始める訳にもいかんだろ?」

186: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 21:47:14 ID:auma0kAI0
ハンジ「まぁねぇ…。ライナーの硬質化の事もあるしね…。どうするの?エルヴィン?」

エルヴィン「…今は使われていない旧調査兵団本部を使う。特別作戦班はそこで実験に当たってもらおう」

リヴァイ「あの城か…。まぁあそこなら最悪の場合でも対処も楽だな…」
ハンジ「じゃ場所は決まりだね!楽しみだなぁ!」

リヴァイ「…おいメガネ…。テメェはうるせぇから暫くしてから来いよ?」

ハンジ「何でさ!?直ぐにでも始めたいのにっ!!」ダンッ

リヴァイ「…これは命令だ。暫く大人しくしていろ…。エルヴィン。俺は奴等に伝えてくる…」スッ

エルヴィン「あぁ。頼む」

ハンジ「何だよ…。リヴァイの奴…」

エルヴィン「(素直じゃない奴め…)リヴァイもあぁ言っているんだ。少し休んでおくんだ」

ハンジ「へいへい…。分かりましたよ…!」スッ

~~~~~~~~~
ー調査兵団本部ー
ー食堂ー

アルミン「やっと市民の誘導が終わったね…」ドサッ

ジャン「あぁ…。朝一からキツかったぜ…」ドスッ

サシャ「ご飯はっ!?ご飯はまだですか?」

ユミル「…お前はそればっかりかっ!」

ヒストリア「でも…昨日からろくに食べてないからね…」

エレン「あぁ…。寝不足な上に空腹だ…。こりゃ持たねぇよ…」

ミカサ「大丈夫?何か木の実でも…」スッ

エレン「いいから…。そんな事は頼んでねぇだろ?」ガッ

アニ「まぁ…上官方も食べて無いんだ…。仕方無いね…」

ライナー「…そろそろ何か指示が有るか…?」

リヴァイ「揃いも揃って何て面してやがる…」チッ

サシャ「ひっ…!リヴァイ兵長…!お早うございますっ!」バッ

一同「お早うございますっ!」バッ

リヴァイ「移動するぞ…。準備しろ。…コニーとレオンは…?」

ユミル「…二人共まだ休んでいます」

リヴァイ「そうか…。二人共起こして来い」

ライナー「了解しましたっ!」スッ

187: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 21:47:47 ID:auma0kAI0
~~~~~~~~
ー男子宿舎ー

コニー(父ちゃん…母ちゃん…サニー…マーティン…。俺が…!幸せにする筈だったのにっ…!何も出来なかったっ…!畜生っ!!)
ガチャ

ライナー「コニー…?起きてるか?」

コニー「…ライナーか?起きてるよ…」スッ

ライナー「おはよう…。今リヴァイ兵長が戻られてな。移動するらしい。起きられるか…?」

コニー「そうか…。直ぐに行くよ。泣き言ばかり言ってられねぇからな…」

ライナー「…俺はレオンも起こしていくから先に行っててくれ」

コニー「分かった」

~~~~~~

レオン「やべぇ…。痛み止めが切れたら痛いんですけど…?うぅ…」
ガチャ

ライナー「起きてるか…?」

レオン「…ライナー。おはよう…」

ライナー「…ひどい顔だな…。眠れなかったのか?」

レオン「まぁな…。どうってことねぇよ」

ライナー「今兵長が戻られた。移動するらしいが…大丈夫か?」

レオン「分かった…。準備して直ぐに行くよ…。先に行っててくれ」

ライナー「…分かった」スッ

~~~~~~~~

リヴァイ「…集まったな」

レオン「お早うございますっ!」バッ

コニー「お早うございますっ!」バッ

リヴァイ「コニー…。俺達は生きているって事を忘れるな…。お前はよくやった」

コニー「兵長…。あり…がとうございま…す…」グスッ

リヴァイ「で…そこの死に損ないは随分顔色がいいようだが…?」

レオン「はは…。朝から快調ですよ…。ぐっ…」イテェ

リヴァイ「チッ…。おいユミル…。お前が連れてきてやれ」

ユミル「ハッ!」

ヒストリア「大丈夫?」

レオン「う~ん…。少し痛いかも…」

188: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 21:48:45 ID:auma0kAI0
ユミル「昨日あんなに動き回るからだよ…」

レオン「それ程でもねぇよ…」

ユミル「褒めてねぇよ…」ハァ

レオン「んで…?何処に行くの?」

アルミン「旧調査兵団本部みたいだよ?…エレンの巨人化実験をいよいよ開始するみたいだ」

レオン「あぁ。あの城か…」

エレン「知ってるのか?」

レオン「向こうでもお前を隔離してた施設はそこだったからな…」

エレン「そうだったのか…」

リヴァイ「何時迄も喋ってねぇで行くぞ…」
――――
―――
ーハンジ研究室ー

ハンジ(ハァ…。暫く休めって言われてもなぁ…。早く実験したいのに…。それに…じっとしてたら考えちゃうじゃんか…。ミケが死ぬなんてなぁ…。これで初代分隊長は私だけか…)
コンコンッ

ハンジ「…?どうぞー」

モブリット「失礼しますっ!」バッ

ハンジ「やぁ。モブリット…。どしたの?」

モブリット「いえ…。その…大丈夫…ですか?」

ハンジ「…?何が?」

モブリット「…今回の件で…ミケ分隊長が…。それで…ハンジ分隊長も随分…堪えていたご様子でしたので…」

ハンジ「えっ?(そうか…。だからリヴァイ達は…)そう見えてたかぁ…。ありがとう。モブリット…。私なら大丈夫だ。私は生きている…!嘆くのは…死んだ時に取っておくさ…!」

モブリット「…分隊長はいつもお一人で背負い過ぎです…。偶には…副官も頼って下さいね?…失礼しますっ!」バッ

ハンジ「あぁ!ありがとう」

ハンジ(しっかりしなくちゃねっ!…よしっ!行くかっ!)バッ
ガチャ

189: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 21:49:21 ID:auma0kAI0
~~~~~~~~~
ー旧調査兵団本部ー

ジャン「…へぇ。結構雰囲気がある所じゃねぇか」

アルミン「本当だ!でも…少し汚いね…」

アニ(…今気付いたけど…。まさか一つ屋根の下で男女が寝るのか?!)

ヒストリア「うわぁ…。凄いねっ!」

ユミル「そうだな…。随分立派なもんだ」

リヴァイ「一々騒ぐな…。この城は重大な問題を抱えている…」

レオン(…まさか!?)

ライナー「何か問題がっ!?」

リヴァイ「汚ねぇっ!…早急に取り掛かるぞ…」

レオン「そういや兵長は潔癖症だった…」

ライナー「な…成る程っ!」

エレン「うへぇ…。掃除かぁ」

ベルトルト「まぁ自分達が暮らす所だしね…」

リヴァイ「いや…。アニとベルトルトは明日には内地に戻ってもらう…。お前等は内地の査察だ」

アニ「(危なかった…)了解しましたっ!」

ベルトルト「ハッ!」

ジャン「戻ったらマルコに宜しく言っといてくれよな!」

ベルトルト「あぁ分かった!」

ミカサ「じゃあ早速始めよう…。これだけ大きいと終わらない…」

男「おいっ!新兵っ!いつ迄ボサッとしてやがるっ!!」

コニー「誰だ…?あれ…?」

アルミン「調査兵団の人みたいだけど…」

女「ちょっとっ!オルオッ!そんな言い方ないでしょ!?ゴメンね…。私はペトラ・ラル。こっちはオルオ・ボサド…。私達も今日から合流する事になったの。宜しくね」

オルオ「チッ…。いいか新兵…。お前等が遅いから俺達先輩が掃除しているんだっ!とっとと…ガリッ!ぐへぇ」ブシュ

リヴァイ「そういう訳だ…。流石に巨人が集まっているからな…。戦力の補強らしい…。俺は構わんと言ったんだがな…」

エレン「何だか強烈な人だな…。オルオさんて…」

サシャ「流石は調査兵団ですね!」

ユミル「いや…お前が言うなよ…」

レオン「って事は…」キョロキョロ

男「お前等こそいつ迄遊んでるんだ?兵長がお着きになってしまったじゃないかっ!」

男「オルオ…。また下を噛んだのか?」

リヴァイ「ご苦労。エルド…グンタ」

190: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 21:49:52 ID:auma0kAI0
エルド「いえっ!自己紹介がまだだったな…。俺はエルド・ジン。宜しくな」

グンタ「俺はグンタ・シュルツだ。宜しく」

一同「宜しくお願いしますっ!」バッ

レオン(スゲェッ!本物だっ!…生きてる。感動してきた…)グスッ

ヒストリア「大丈夫?あの…兵長…」

レオン「いやっ!ちょっ!ヒストリア?」

リヴァイ「…何だ?」

ヒストリア「レオンはまだ体調が優れない様なので…休ませてあげてもらえませんか?」

リヴァイ「…チッ…。仕方ねぇな。ライナー!部屋まで連れてってやれ…。エルド。案内してやれ」

ライナー「ハッ!…大丈夫か?…掴まれ…!」ヨッ

レオン「ありがとな…。(まぁ痛むのは本当だしな…)」

エルド「そいつはどうしたんだ?前回の騒ぎで怪我でもしたのか?」

リヴァイ「そいつが例の異次元の人間だ」

エルド「そうでしたかっ!じゃ夕食の時にでもゆっくり話でも聞こうか…。こっちだ」スッ

ライナー「有難うございますっ!」

レオン「有難うございますっ!」
――――
―――
ー食堂ー

サシャ「いやぁ…。なんとか終わりましたね!」

アルミン「うん。人数が居たから良かったよね」

リヴァイ「…お前等まさかこれで終わりだとか思ってねぇだろうな…?」
エレン「えっ!?…まだやるんですか?」

リヴァイ「チッ…。当たり前だ。まだ汚ねぇだろうが…」

ミカサ「…訓練はどうするんですか?」

リヴァイ「…訓練も当然行う。終わってから掃除すれば良い話だ」

コニー「うへぇ…」

オルオ「おいっ!ガキンチョ共っ!兵長に何か文句でもあるのか?」

ジャン「いえ…。文句が有る訳ではありませんが…」

ユミル「…これだと…どちらが本当か分かりませんよね?」

ヒストリア「ちょっ!ユミルッ!なんて事言うのよ…!」

191: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 22:05:44 ID:auma0kAI0
オルオ「何だとぉ…?」

ペトラ「もうオルオも止めなよ…。君達も…。この間の戦いで疲れているのは分かるけど…決まりには従おう」

エルド「そうだな…。班長がそう判断したんだ。俺達は指示通り動くぞ」
エレン「勿論ですっ!…お前等もいい加減にしろっ!俺達が自由に動けるのは兵長のお陰なんだぞっ!?」

アニ「その通りだね」

ベルトルト「…住む所は綺麗な方が気持ちが良いだろ?」

ユミル「へいへい…。分かりましたよ…」

リヴァイ「…………」

ペトラ「ご飯の用意も出来た事だしさっ!ご飯にしようよ!」

ライナー「自分はレオンを呼んできます」ダッ

192: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 22:10:29 ID:auma0kAI0
~~~~~~~

ペトラ「さてと…。食べながらでいいけどレオンには色々聞かなくちゃね」

エルド「…本当なんだよな?その…別の世界から来たってのは…」

レオン「本当です…。自分も信じられませんが…」

オルオ「フンッ!少しこの世界に詳しいか…ガリッ!ぐはぁっ…!」ブシュ

グンタ「お前は何をしているんだ…?」ハァ

アルミン「大丈夫ですか?!これ…タオルです!」スッ

オルオ「…新兵の割には中々気が利くじゃねぇか…!」

エルド「それで…向こうの世界ではコイツ等は敵…なんだよな?」

ライナー「…………」

アニ「…………」

ベルトルト「…………」

レオン「…そうです。ですが…!こっちでは違いますっ!そうだよな?」
ライナー「はい…!信じてもらえないかもしれませんが…。私達は兵士である事を選びましたっ!命を懸けて戦いますっ」

リヴァイ「まぁ…コイツ等に関しては、全てが終わった後に然るべき罰を受けてもらう…」

エルド「…お前等の事は信じてはいない。万が一の為に俺達が選ばれているんだ」

オルオ「そうだぞっ!お前等が何か企んだ所で…俺達が直ぐに殺すっ!」ギラッ

ベルトルト(さっき迄の雰囲気じゃ無い…。本物の…殺気だ…)

エレン(調査兵団切っての精鋭と言われている人達だ…。もしもの時は…この人達に殺されるのか…)

コニー(うわぁ…。一気に気まずくなっちまった…)

サシャ(折角のご飯が…暗いですね…)

ペトラ「…ちょっと!エルドもオルオも…ご飯の時に止めてよ!」

グンタ「まぁお前等の気持ちも分かるが…。今は共に訓練に励むんだ…雑念は捨てるべきだな」

エルド「…すまない。興奮してしまった…」

オルオ「…だが間違ってはいないんだからなっ!勘違いするなよっ!」

ライナー「…ハッ!」

レオン(スゲェ…!そのまんまだな!)

ペトラ「気を取り直してさ…。向こうの私達って何してるの?…気にならない?」

193: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 22:11:24 ID:auma0kAI0
グンタ「おぉ。そうだな」

オルオ「俺はやはりリヴァイ兵長にお仕えになってる筈だな!」

レオン「…そうですね。先輩方はやはりリヴァイ班ですよ。エレンの護衛と…監視目的ですね」

エルド「ほぉ…。そうか…エレンも巨人だったな」

エレン「はい…。まだ…よく分からないのですが」

リヴァイ「その為の実験だ」

ミカサ「何も心配いらない…。エレンはエレン」

ペトラ「…ねぇ。気になってたんだけどさ…ミカサ…って言ったよね?エレンの…彼女なの?」ニヤニヤ

ミカサ「ッ!?いえっ!…その//」

エレン「コイツはそんなんじゃありませんよっ//」

レオン「またまたぁ…。隠さなくてもいいじゃないですかぁ~」

アルミン「そうだよね!」

ジャン「…俺は認めねぇぞ…」ボソッ

ライナー「…ドンマイ…」ポンッ

ペトラ「あれぇ…。そうなんだ…。随分親しげだったからさ!」

エレン「コイツは…家族みたいなもんなんですよ!小さい頃から一緒に育ってきたから…//」

エルド「幼馴染か…?まぁ近すぎると見えない物ってあるからな…」

グンタ「深いねぇ…。実体験してる奴は違うねぇ」

ヒストリア「エルドさんも恋人は幼馴染なんですか?」

エルド「あぁ…。お互いの気持は知っていたが…その関係が崩れるのが嫌で中々言い出せない…。って俺の話じゃないだろっ!?」

ペトラ「でもエルドはいよいよ今年結婚するじゃないっ!」

サシャ「おぉ!おめでとうございますっ!」

ヒストリア「素敵っ!おめでとうございますっ!」

エルド「…参ったなぁ…。ありがとう…//ってな訳でエレン…。早くしないとこんなに美人じゃ誰かに取られちまうぞ?」ニヤッ

エレン「いや…ですからっ!そんなんじゃ無いんですってっ//」

ミカサ「…でもこの流れを無理に変える必要は無いと思う…//」

エレン「ハァ…?お前何言ってんだよっ!?…アルミンも笑ってないで何とか言えよっ!」

アルミン「まぁいいんじゃないの?フフッ」

レオン(これだ…。本当はこうなるべきだったんだっ!ここに居る全員で生き残ってやるっ!)

194: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 22:11:55 ID:auma0kAI0
ユミル「…何をボーッとしてんだ?」

レオン「ん?いや…これが見たくて俺達は頑張ってきたんだなぁってさ…」

ユミル「…?意味分からん奴だな…」

ペトラ「いいなぁ…。ねぇレオンッ!私って向こうじゃちゃんと結婚してるの?」

レオン「………ッ!?」ブッ

グンタ「おいおい…。それ聞いちゃうか?レオンがビックリしてるじゃないか」

ペトラ「えぇ~。別に違う世界なんだからいいじゃないっ!ねぇ!どうなの?」

レオン「(マズイ…。適当に誤魔化すか?)えっと…」

オルオ「レオンッ!遠慮する事は無いぞっ!現実を教えてやれっ!」

ペトラ「ハァ!?どういう意味よっ!?」

エルド「なら俺も聞きたいな…。アイツと一緒になってるかどうか…」

レオン「あのですね…。ペトラさんは…その…独身でしたね…。自分が知る限りでは…」

ペトラ「そっかぁ…」ガクッ

レオン「エルドさんはちゃんと結ばれていましたよ?」

エルド「そうかっ!スマンな!ペトラ!」

ペトラ「うるさいっ!」

オルオ「…やはりお前の様な女を貰ってくれる奴など俺しか居ないな」フッ

ヒストリア「でも…。あくまでも向こうの話ですからっ!そう落ち込む事も無いと思いますよっ!?」

サシャ「そっ…そうですよっ!これからですって」

レオン「…ペトラさんは実物の方が百倍綺麗ですからね!直ぐにお相手も見つかりますよっ!」

ペトラ「…そう?何か新兵に慰められるのも悲しい気もするけど…。ありがとねっ!」
ガチャッ

ハンジ「やぁ!リヴァイ班の皆さん!お城の住み心地は如何かな?」

リヴァイ「…メガネ。うっとしいから少し後に来いと言った筈だが?」

ハンジ「ありがとね…。リヴァイ。私は大丈夫だからさ」

リヴァイ「チッ…」

ハンジ「さてと…明日から忙しくなるよ?特にエレンッ!」ビシッ

エレン「はっ…はい!」

195: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 22:12:32 ID:auma0kAI0
ハンジ「君には早急に力に目覚めてもらわなくちゃいけない」

エレン「はい!やりますっ!全力でっ!」

アルミン「でも…どういった事をされるんですか?」

オルオ「バカッ!聞くなっ!」ボソッ

アルミン「…?」

ジャン「そうですね。気になります」

ヒストリア「是非教えてください!」

レオン(あ~あ…)

ハンジ「…そう?じゃあ新兵の子も多いし…。詳しく説明してあげようかな」ニタァ

リヴァイ「…………」ガタ

エルド「…………」ガタ

グンタ「…………」ガタ

ペトラ「…………」ガタ

オルオ「…………」ガタ

アニ(…?皆戻っちゃうね…)

サシャ「皆さん戻ってしまいましたが…?」

ハンジ「あぁ~いいのいいの!彼等はもう知ってるしねっ!…まぁ巨人化出来る子がいるからね…もしおかしな所あったら訂正してくれ」ニコニコ
―――――
――――
―――
チュンチュン

ハンジ「まぁ以上になる訳だけど…特に目新しい所は無かったかな?」

ライナー「…えぇ…。そうですね…」ゲッソリ

ベルトルト「………ッ!?」コクリッ

アニ「私も特には…」ゲッソリ

ユミル「Zzzzzzz」コクッ

ミカサ「Zzzzzzz」コクッ

ヒストリア「…流石研究されていますね…」ゲッソリ

コニー「……眠ぃ…」ゲッソリ

サシャ「…あそこに有るのはパンですか…?」ゲッソリ

ジャン「多分幻覚だと思うぞ…?」ゲッソリ

アルミン「皆…ゴメン…」ゲッソリ

エレン「…全部知っていました…」ゲッソリ

196: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 22:13:06 ID:auma0kAI0
コニー「…おぉー!確かにっ!」

アルミン「君達はなんて事を考えているんだ…」

ジャン「おいおい…。アルミンさんよ…。ムッツリは良くねぇよ…?」ガシッ

ライナー「そうだぞ?健全な男なら…興奮しない方がおかしいぞっ!?」ガシッ

エレン「…何考えてやがる…。そんな呑気な事言ってる場合じゃねぇだろ!?」

アルミン「そうだよっ!エレンの言う通りだっ!」グイッ

レオン「まぁそれによ…。ミカサにユミルも居るんだぞ…?変な事しようとしたら…殺されるぞ…?」

ライナー「…あっ…」

ジャン「それもそうか…」

ベルトルト(…アニの裸か…。って何を考えているんだっ!)ブンッブンッ

ライナー「おっ?ベルトルトも何か想像しちゃったか?」ニヤッ

ベルトルト「なっ…何をっ!僕は…何も!」

ライナー「照れるな照れるなっ!年頃の男じゃ仕方ねぇよ!」ガシッ

ベルトルト「だから…僕は何も…」

ライナー「皆そうさ…。そうやって想像力を鍛えていくんだっ!」

コニー「おぉー!ライナー頭いいなっ!」

レオン「そうだった…。よくよく考えてみれば…こっちの世界は大変だよな…」

ジャン「向こうは…違うのかよ?」

レオン「フッ…。向こうには動画って言ってな…。映像が見られる機械が有る訳よっ!…前に俺が見せた電話ってあったろ?アレとかがそうだっ!」

エレン「…動画?」

ジャン「どうした…?エレン君?興味無いんじゃないのか?」

エレン「べっ…別に興味無いとは言ってないだろっ!」

レオン「いいか…?動画ってのはな…。要は動いている訳よ…。男女が事に及んでいる場面が…。絵じゃなくてよ?」ニヤッ

ジャン「おぉっ!それは凄そうだなっ!」

レオン「まぁ絵は絵でいいかもしれないが…。あぁ~っ!!お前等にも見せてやりてぇよっ!」バンッバンッ

コニー「でもよ~?一回家畜が交尾してる所見た事あるけど…気持ち悪かったぜ…?」

197: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 22:13:40 ID:auma0kAI0
ライナー「バカッ!コニー…バカッ!人間と家畜を比べたらダメだろっ!」

ジャン「そうだぞっ!動いてるなんてスゲェじゃねぇかっ!」

レオン「そうそう…。俺も初めて見た時は…やばかったよ…」フッ

エレン「外の世界には有るかな?」キラキラ

レオン「どうだろうな…?でも探す価値は有ると思うぞ?」
ヤイノヤイノ

アルミン「全く…。僕は先に行って…る…よ…?…ミッ…ミカサ…!」

ミカサ「エレン…?アルミン…?さっきから何の話をしているの?」

アルミン「ぼっ…僕は関係無いよっ!」

エレン「なっ…何だよ?別に何でもいいだろ!?」

アニ「…あんたら…朝から何やってんのさ…?」ジロッ

ライナー「」

ベルトルト「(何で僕まで…)」

サシャ「コニー…。まぁ元気になったみたいで良かったですよ…」

コニー「あぁ…ありがとな…」

ユミル「朝から上機嫌じゃねぇか…?あ?体はもういいのか?」

レオン「えぇ…。お薬が効いていますので…」

ヒストリア「…でも…まぁ…男の子だしね…?」

ミカサ「…二人は後でたっぷりお説教。今は取り敢えず食堂に急ごう」スッ

エレン「」

アルミン「だから…僕は関係無いのに…」

アニ「あまり…近付かないでもらいたいね…」スッ

ベルトルト「そんな…」ガーンッ

ライナー「…直に機嫌も直るさ…」ポンッ

コニー「なぁ…?サシャ…?何か今日のお前はいつもより…その…色っぽいな?」

サシャ「…ッ!?なっ…何ですか?急に…//」

コニー「…あぁっ!分かったっ!シャワーで髪が濡れてるからだ!!お前色っぽいなっ!」

サシャ「…もう…。急にそんな事言われたら…恥ずかしいじゃないですか…//」

ライナー「…ッ!」ピーンッ

アルミン「…ッ!」ピーンッ

ベルトルト「…ッ!」ピーンッ

レオン「…ッ!」ピーンッ

四人(…それだっ!コニー!ナイスッ!!)

198: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 22:14:17 ID:auma0kAI0
ライナー「…ヒストリア…?今日の君は何時にも増して綺麗だ…」

ヒストリア「…え?…うん。ありがとう…。ライナー//」

ユミル「…テメェは誰の許可を得てセクハラしてんだ?あ?」メキメキッ

ライナー「ぐぇ…。ぐる…じ…い」パシパシ

ヒストリア「ちょっ…!ユミルッ!?止めなよっ!」

レオン「お取り込み中申し訳ない…。ユミル?何時もの百倍…綺麗だよ…?」

ユミル「ヒストリア…。チッ…。ライナーッ!次はねぇからな?」パッ

レオン「いや…聞けよ…」

アルミン「ミカサって…美人だよね?それで髪が濡れてるから…余計に綺麗に見えるや…」ニコッ

ミカサ「…?アルミン?変な物でも拾い食いしたの?…落ちている物を食べちゃダメでしょ?」

アルミン「」

エレン「ミカサにそんなの効くわけ無いだろ…?」

ベルトルト「アニッ…!何時も綺麗だけど…今はとても綺麗だ…!」

アニ「…そんなお世辞でポイントが上がると思ってるわけ…?」ハァ

ベルトルト「…ゴメン…。でも…綺麗だと思ったのは本当だよ?」

アニ「あぁそうかい…」プイッ

ライナー「…向こう向いた瞬間ニヤついてたぞ…?やったなっ!ベルトルトッ!」

ユミル「お前も変な事吹き込むんじゃねぇよっ!」バシッ

レオン「アイタッ!…どうもすみませんね…」

~~~~~~~~~~
ー食堂ー

リヴァイ「おい…。テメェ等はいつ迄顔洗ってんだ…?」

ライナー「申し訳有りません…」

ペトラ「早くご飯食べちゃってっ!」

一同「ハッ!」

199: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 22:14:52 ID:auma0kAI0
~~~~~~~~~
ー外庭ー

ハンジ「取り敢えず外に移動して来たけど…。エレンが巨人化出来る様にしないと…」

リヴァイ「アニとベルトルトはこのまま戻れ」

アニ「了解しました!」

ベルトルト「ハッ!」

ハンジ「…エレン?何とかならない?」

エレン「えっ…と…。何とかと言われましても…」

ライナー「キッカケは自傷行為だ…。自分の手をブレードで傷付けてみろ」

エレン「あ…あぁ」スッ

ハンジ「それぞれ距離を取れっ!」ダッ

エレン「フーッ…。オラッ!」スパッ

レオン「ダメか…?」

エレン「痛ってぇっ!!」ガクッ

ライナー「目的がしっかりしてないとなれない…。何か明確なイメージって無いか?」

ハンジ「急に巨人化しろってのも難しいだろうけど…私達は君達に頼る他に無いんだっ!」

エレン「分かっています…!もう一度やらせて下さいっ!」

ミカサ「でも…出血も結構している…。一度休んでからにするべき」

リヴァイ「本人が行けると言っている。続けるぞ」

ミカサ「…チッ…」

レオン「おいっ!あまりモメるなよっ!?」ボソッ

ミカサ「…分かっている」ボソッ

ハンジ「もう一度距離を取ろうっ!」バッ

エレン(…目的…。俺は…狭い壁を出るんだ…!氷の大地や砂の雪原…それを見た奴は…この世の何よりも…自由だっ!)スパッ
ドゴォォォンッ

ハンジ「出たぞっ!」

エレン巨人「ウォォォォォッ!!」

レオン「まだ近付かない方がいいですっ!もしかすると…」

エルド「本当に巨人化しやがったっ!」

オルオ「…大丈夫なんだろうな?」

ミカサ「エレンッ!」ダッ

ジャン「おいっ!ミカサッ!」

エレン巨人「…………」グゥ

200: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 22:15:27 ID:auma0kAI0
ミカサ「エレン…?私が分かる?」

エレン(…何だ…?変な感じだ…。んっ?ミカサ?…何だ…?眠くなってきた…)

巨人「グォォォォォォッ!!」ブンッ

ミカサ「…ッ!?」バッ

アルミン「…そんな…ミカサを攻撃した…?」

ハンジ「まさか…!?」

レオン「…暴走…!?」

グンタ「兵長っ!攻撃しても宜しいですねっ!?」

リヴァイ「待て…。お前等は動くな」ダッ

ハンジ「リヴァイ!?どうするつもり!?」ダッ

リヴァイ「アイツを項から引きずり出す…」

ミカサ「エレンを…攻撃するのですか?」

リヴァイ「このまま放って置く訳にはいかんだろうが…!手を貸せ」

ミカサ「…くっ…」パシュッ

巨人「ウォォォォォッ!」ブンッ

リヴァイ「大人しくしろっ…!」ギュイーンッ

ミカサ「エレンッ!私が分からないの!?」ガシッ

ジャン「ミカサッ!危ねぇっ!!」

巨人「ギャォォォッ!」ゴォッ

ミカサ「…ッ!しまっ…」

リヴァイ「チッ…!…馬鹿がっ!」ドンッ

ミカサ「うっ…!」ブワッ

ペトラ「兵長っ!」

巨人「ウォォォッ!」バキッ

リヴァイ「ぐっ…。調子に乗るなっ!」パシュッ

リヴァイ「…らぁっ!」ザクッ

ライナー「エレンが出て来たっ!」

ハンジ「よしっ!おりゃぁっ!!」ブチッ

エレン「……………」ヒュンッ

ミカサ「……ッ!」ガシッ

ユミル「エレンはミカサが捕まえたみてぇだな…」フゥ

巨人体「……………」シュゥゥゥ

201: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 22:16:01 ID:auma0kAI0
ミカサ「エレンッ!?エレンッ!?」ユサユサ

エルド「兵長っ!先程の足は…?」

リヴァイ「…チッ…。マズイな…。挫いたかもしれん」

ハンジ「何だって…?参ったね…どうも…」スッ

ジャン「おい…。コイツ大丈夫なんだろうな…」

ミカサ「エレンッ!?…エレンッ!?」ユサユサ

ハンジ「エレンは起きない?」

アルミン「まだ意識が戻りません…」

リヴァイ「…おい。ミカサ…」

ミカサ「…先程は…ありがとうござ…リヴァイ「んな事はいい…。お前…向こうに戻れ…。邪魔だ」

アルミン「えっ!?」

ミカサ「…先程の事でしたら謝ります…!」

ハンジ「幾ら何でも…それはどうなの…?」

リヴァイ「だからそんな事はどうでもいいんだ…。何ださっきのは?いきなり取り乱しやがって…。あのまま暴走してたらそいつは殺さなきゃならねぇんだぞ…?」

ミカサ「ですから…!意識を戻そうと…」

リヴァイ「…結果は分からん…。だからお前の行動が間違っているとは言わねぇ…。だがな…冷静で居られない様な奴にはこの班は務まらない。テメェのせいで他の班員を危険に晒す訳にはいかねぇからな」

アルミン「あのっ!ミカサにとってエレンは…その…」

リヴァイ「特別だから何だ?そんなのはそいつだけじゃねぇよ…。分かったら荷物纏めて本部に帰れ…」スッ

オルオ「兵長!一先ず手当に中に戻りましょう」スッ

ミカサ「…皆ゴメンナサイ…。私は冷静じゃなかった…。アルミン。エレンをお願い…」スッ

アルミン「ちょっ…!ミカサッ!…行っちゃった」

ペトラ「でも…結果として兵長に怪我をさせてしまった訳だしね…」

ジャン「しかしっ!」

エルド「…兵長の判断だ。俺達は従うだけだ」

ハンジ「だからと言っても…。リヴァイも怪我しちゃって…ミカサも居ないとなると…」

ヒストリア「えっ…!本当に戻しちゃうの…?」

ユミル「んな事言ってもな…。兵長が言うんだから仕方ねぇだろ?」

コニー「…ミカサは追い出されちまうのか…?」

202: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 22:16:40 ID:auma0kAI0
サシャ「う~ん…。少し可哀想な気もしますが…」

ライナー「おいレオンッ!…どうするんだ?」

レオン「どうするもこうするもな…。説得するにしても…兵長を?みたいな…」

ライナー「だよな…」

エレン「…んっ…。う~ん?」

ユミル「おっ!一番の元凶が目を覚ましたぞ?」

アルミン「エレンッ!?」

ハンジ「…やぁエレン…。気分はどう?」

エレン「…あまり…良くありません…」

グンタ「お前はさっき暴走したんだ…。何か覚えてないのか?」

エレン「そんなっ…!すみません…。急に眠くなって…そこから記憶が…」

エルド「あの間の記憶が無い…のか…?分隊長…。本当にエレンに頼っていていいのでしょうか?自分の力を…掌握出来ていないのですよ…?」
ハンジ「…それでもやるんだよ。それがエルヴィンの判断だ」

ペトラ「……………」

グンタ「……………」

エレン「申し訳有りません…。ですがっ…!もう一度チャンスを下さいっ!…うっ…」グラッ

ライナー「おっと…。無理をするな…。恐らく…まともに立つのもしんどい筈だ」ガシッ

アルミン「う~ん…。先行きは想像以上に険しいぞ…」

レオン「待ってくださいっ!これは大きな前進ですっ!今迄眠っていた力が遂に目を覚ましたんですよ?後は…[座標]として覚醒すれば…」

ユミル「…それを喜ぶには如何せん状況が芳しく無いがな…」

ハンジ「いや…。レオンの言う通りだ…!私達は立ち止まっていられないっ!どの道今日の訓練は無理そうだが…希望は捨てないっ!」

エルド「…ハァ…。一先ず戻るか?」

グンタ「…あぁ」

ライナー「お前は俺が肩を貸してやるよ」

エレン「すまねぇ…。ところで…ミカサは?」

ライナー「…えっ…と」チラッ

アルミン「…戻ったら話すよ…」

203: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 22:17:15 ID:auma0kAI0
~~~~~~~
ー食堂ー

リヴァイ「…起きたか」

エレン「はい…。その怪我は…どうされたんですか?」

オルオ「何っ!?…覚えてないのか?」

エルド「巨人化した時の記憶が無いらしい…」

オルオ「んだと…?」

リヴァイ「チッ…。まぁ有ったら有ったで考えもんだがな…」

エレン「あの…その怪我は…まさか…?」

アルミン「僕から話すよ…。君は巨人化した時に…暴走したんだ…。その時にミカサを攻撃した…」

エレン「何…だって…?俺が…?ミカサを?」

アルミン「あぁ…。それを兵長が庇って…それで…その…」

リヴァイ「冷静に対処出来ない奴はいらなぇからな…。ミカサは本部に戻した…。酷く取り乱しやがったからな」

エレン「えっ…?だからミカサが居ないのか?…兵長っ!お願いします…。もう一度チャンスを下さいっ!」

リヴァイ「もう一度とかの話じゃねぇだろ?お前には覚醒してもらわなくちゃならねぇんだ」

ハンジ「あぁ…。君がコントロール出来る様に訓練しなければならない」
エレン「あのっ…。それで…ミカサは…その…」

リヴァイ「何だ…?あの根暗が居なけりゃ何も出来ねぇのか…?」

エレン「…ッ!違います…。ただ…許してやって欲しいんです」

リヴァイ「…別に恨んじゃいないが?怒ってもねぇ…。ただこの班には不適合なだけだ」

エレン「…そうですか…。その…申し訳有りませんでした…」

ペトラ「…ねぇ…。本当に…君達は私達の味方なんだよね…?」

グンタ「ペトラ…。その話は昨日片が付いたろ?」

オルオ「いや…。無意識とはいえ人が操っている巨人の力は強大だ…!無知性の比じゃねぇ…!お前等だって見ただろ?」

ジャン「…………」

コニー「…………」

ハンジ「止めなさい。オルオ…。気持ちは分かるけど…皆命懸けで戦ってくれているじゃないか」

ライナー「俺達は…信じて下さいとしか言い様が有りません…」

エレン「俺が…しっかり出来なかったからっ…!皆さんっ!今度はしっかりやりますからっ!」

204: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 22:17:46 ID:auma0kAI0
オルオ「…チッ…」

ペトラ「……………」

エルド「…念の為に聞くが…。意図した訳では無いんだよな?」

エレン「はいっ!本当に…意識が無くなってしまって…」

エルド「フゥーッ…。オルオ…。ペトラ…。俺達はコイツ等を信用するしか無いんだ…。仲間として」

ペトラ「…そうね…!」

オルオ「チッ…。次は項を削ぎ落とすからなっ!ガキンチョッ!」

ハンジ「まぁ…今日は一歩前進できたかな…?エレンも巨人化したしね」
リヴァイ「…ついでに暴れてくれたがな」

エレン「…………」ズーンッ

ハンジ「…ちょっと…!じゃあ気を取り直してご飯にしようよっ!ねっ?」

ヒストリア「そっ…そうですねっ!」

ハンジ「じゃあ…ご飯の支度は…君達新兵に任せていいかな?」

一同「ハッ!」

~~~~~~~~

サシャ「いやぁ~…。食べたら幸せになりますね…」

ユミル「…お前は特別そうかもな…芋女」

コニー「そういやお前は芋女だったなっ!」

サシャ「ちょっ…!何の事ですかっ!?」

エルド「何だ…?芋女って」

ジャン「いえ…。コイツ…訓練兵入団の時に芋食ってて…それで教官に走らされたんですよ!」ブフッ

グンタ「本当か…?凄い奴だな…」

ペトラ「食い意地張ってて…そのスタイルっていうのも凄いわね…」

サシャ「…ッ!皆さんが変な事言うから…上官方に変な奴だと思われちゃったじゃないですかっ!!」

ユミル「変な奴なのは事実だろうがっ!」

ヒストリア「ちょっとっ!ユミルッ!そんな事言わないのっ!」
ワイワイ

エレン「…………」

アルミン「エレン…?元気だしてよ…」

エレン「…あぁ。でもよ…結局オレは何も出来てねぇじゃねぇか…」

205: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 22:18:24 ID:auma0kAI0
アルミン「そんな事無いよ!エレンが希望だから皆が頑張れているんじゃないかっ!」

エレン「…兵長には怪我させちまうし…。ミカサは俺のせいで追い出されちまうし…」

アルミン「それは…仕方の無い事だよ…。気にし過ぎていたら次に影響が出るかもしれない…。難しいかもしれないけど…気にしちゃダメだ!」
エレン「あぁ…。ありがとな…」

レオン「…ミカサとアルミンは絶対お前の味方だな…」ガタ

エレン「レオンか…。あぁ。コイツ等は家族だからな」

レオン「その家族の為にも…頑張ろうぜ?」

エレン「あぁ…!そうだなっ!」

ハンジ「ねぇっ!エレンッ!」ガバッ

エレン「…ヒッ…!ハンジさん…」

ハンジ「体の調子はどう?どんな感じ?気分は?」ハァハァ

エレン「体はまだ少しだるいですが…大分マシになりました。後は…切った所の傷が直ってる位ですかね…?」

ハンジ「…本当だ…。巨人の驚異的な再生能力が反映されているのか…」
レオン「…恐らくですが…。首を落とされない限り死なないと思われます…。手足は再生していました…」

アルミン「凄い…」

ハンジ「…じゃあさ…。腕…いっちゃう?」ギラッ

エレン「えっ…?いっちゃう?…とは…?」

アルミン「まさか…切断してみるとかでは無いですよね…?」

ハンジ「そのまさかさっ!項の中でどの程度の攻撃なら耐えられるのか…知る必要があるだろ?」

レオン「分隊長っ!幾ら何でも…それは…」

ハンジ「何でさっ…!いいよね?リヴァイ?」

リヴァイ「…リスクは大きい…が、試さない訳にもいかんだろ…」

エレン「そんな…。あの…まだどういう風に再生するのかよく分からないんです…!何か別の方法は…」

リヴァイ「…何の危険も冒さずに…何の犠牲も払いたくありません…と?」

エレン「…ッ!いえ…」

リヴァイ「なら腹を括れ…。俺達も一緒だ…お前に殺される危険があるんだからな…」

エレン「分かりました…」

アルミン「…エレン…」

206: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 22:18:57 ID:auma0kAI0
レオン「…スマン…。エレン…。余計な事言っちまった…」ボソッ

エレン「いや…!必要な事だ!腹括るさっ!」

ペトラ「エレン…?」ガタ

エレン「ペトラさん…。先程はすみませんでした…」

ペトラ「ううん…。私達の方こそゴメンね…。精鋭とか言われてるけど…ビクビクしてて間抜けで…失望したでしょ?」

エレン「そんな事っ…!」

ペトラ「でも…だからこそ私達は組織で行動するの…。私達はあなたを頼るし、あなたも私達を頼って欲しいっ!」

オルオ「だからって好き勝手なんざさせねぇからなっ!」ガタ

エレン「オルオさん…。はいっ!宜しくお願いしますっ!」

レオン(結果オーライ…か?…原作にも有ったなこの場面…。やっぱリヴァイ班はこうじゃなくちゃな!)

ハンジ「じゃあ明日はその訓練だねっ!…明日に備えてもう寝よーっとっ!お休みー!」ガチャッ

リヴァイ「チッ…。あのクソメガネ…。また泊まっていく気か…?」

ペトラ「アハハ…。さてと…私達も休みましょうか…」ガタッ

アルミン「はい」ガタッ

リヴァイ「…エレンとライナーとユミル…。お前等は今日から地下室で寝てもらうぞ」

ユミル「いっ!?…地下室…ですか?」

リヴァイ「そうだ。エレンは巨人の力に目覚めた…が、まだ掌握出来ていない…。もし寝惚けて巨人化しても…地下なら拘束出来る」

エレン「はい…。分かりました…」

ヒストリア「あのっ…!兵長…!…ユミルは女なんですよ?男の人と同じ場所と言うのは…」

リヴァイ「誰も同じ部屋を使えとは言ってねぇだろ?空いてる所を好きに使え…。エレンは地下室で…お前等は寝室って訳にはいかねぇからな」
ライナー「了解ですっ!…エレンッ!仲良くしようぜっ!」

ユミル「ハァ…。了解です…」

エレン「…スマン…」

207: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 22:19:34 ID:auma0kAI0
~~~~~~~~
ー調査兵団本部ー
ー取調室ー

隊長(…チッ…。アイツ等私を此処に閉じ込めたままろくに尋問してこないが…。まぁ…戻る所も無い以上…此処で死ぬしか無いがな)フッ
ガチャッ

??「やぁ…。どうですか?調子は?」

隊長「何だ貴様は…?」

??「私は上からの命令であなたを自由にしに来ました」

隊長「…ッ!?…私はまだあの方に見捨てられてないのかっ!?」

??「えぇ…。苦しんでいるだろうから早く助けてやってくれとの命令です」

隊長「そうか…。だが…こんな事したらお前も危ういんじゃないか?」

??「心配無用ですよ…。さぁ今自由にして差し上げます」ジャキッ

隊長「そうか?…なら早く縄を切ってくれ」スッ

??「……………」ビュッ
―――――
――――
―――
ー翌朝ー

ー旧調査兵団本部ー
ー食堂ー

アルミン「お早うございますっ!」

ペトラ「お早う!アルミン」

ライナー「お早うございますっ!」

エレン「アルミン!早いな!」

アルミン「まぁね!ジャン達ももう来ると思うけど…」

ハンジ「お早う皆っ!今日も張り切って行こうっ!ねっ!エレンッ?」

エレン「はっ…はい!宜しくお願いしますっ!」

リヴァイ「朝からテンションが高すぎなんだよ…」

一同「お早うございますっ!兵長っ!」バッ

リヴァイ「あぁ」
バタンッ

モブリット「リッ…リヴァイ兵長はいらっしゃいますかっ!?」

ハンジ「モブリット…?どうした?そんなに慌てて…」

モブリット「…ッ!?分隊長?!此処にいらしたんですか…」

リヴァイ「何だ?どいつもこいつも朝っぱらから…」

モブリット「失礼しました…!此処では…外まで宜しいですか?分隊長も…」チラッ

エレン「…?」

リヴァイ「何だってんだ?」スッ

ハンジ「どうしたのさ?」スッ
バタンッ

208: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 22:20:27 ID:auma0kAI0
ヒストリア「…どうしたんだろうね…?」

ユミル「さぁな…」

コニー「何か…また事件か?」

ジャン「縁起でもねぇ事言うんじゃねぇよっ!」

~~~~~~~~
ー中庭ー

リヴァイ「で…?何だ?」

モブリット「我々が監禁していた憲兵が…何者かに殺害されました…」

リヴァイ「…ッ!?」

ハンジ「…何だって!?」

モブリット「今団長がピクシス指令や…ザックレー総統への報告に追われています…。恐らく昨日の深夜の犯行かと…」

リヴァイ「見張りが居た筈だが?」

モブリット「…兵団内ですし…拘束していましたから…一人しか付けていませんでした…。トイレに行っている間にやられたものと思われます…」

リヴァイ「…チッ…。こりゃ殺された事よりも…」

ハンジ「あぁ…。裏切り者が…兵士…。更には調査兵団の人間の可能性が有るって事が問題だね…」

モブリット「それと…先程…兵団宛の荷物で…こんな物が…」スッ

リヴァイ「…チッ…。これは…」

ハンジ「えっ!?…どういう事…?何でコレだけが…?」

リヴァイ「恐らく…餌って事だろ?…随分舐められたもんだな…」ギリッ
―――――
――――
―――

209: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:21:02 ID:auma0kAI0
ー数十時間前ー
ートロスト区ー

ミカサ(エレンは大丈夫だっただろうか…。あのチビに苛められなければいいけど…。まさか…追い出されるとは…)シュン

ミカサ(大体…急に巨人化実験など行う方もどうかしている…!エレンの事を考えていないっ!…あのチビも…好き放題言ってくれた…)ギリッ

ミカサ(でも…。言っている事は恐らく正しかった…。私は冷静じゃなかった…。あぁエレン…。無事で居てね…)シュン

子供「ねぇ…。ママ?…あのお馬さんに乗ってるおねぇちゃん…。顔が色々変わるよっ!」

母親「いいからっ!見ないのっ!」メッ

ミカサ(しかし…。どうすればいいのだろう…。一度団長の所に行くべき…?)

??「君っ!!…助けてくれっ!あっちで連れが絡まれてるんだっ!!」ガシッ

ミカサ「(それは駐屯兵の仕事だけれど…)分かりました。何処ですか?」スタッ

??「あっちの路地裏ですっ!!早くっ!!」

ミカサ「了解ですっ!あなたは此処で待っていて下さい」ダッ

??「有難うございますっ!!」ニヤッ

~~~~~~
ー路地裏ー

ミカサ「………」ズザッ

ミカサ(…?何処にも居ない…?…ッ!?)ガシッ

??「うわっ!これに反応するの?…参ったなぁ…」

ミカサ「あなたは…さっきの…。どういう事か説明してもらう」ギリギリ

??「痛たっ!おっ…折れるっ!…勘弁してくれよ…!あんたを此処に呼べばいいって言われただけなんだよ…!」グスッ

ミカサ「呼ぶどころか殴りかかってきた…。…?…あなた…何処かで…」メキメキッ

??「ゴメンナサイッ!!許してっ!」
ドスッ

ミカサ「…ッ!?…弓…矢?(マズイ…。肩をやられた)」ガクッ

男「ったく…。何を梃子摺ってるんだ?さっさと縛っちまえ」ヒョイ

??「イタタ…。折れるかと思ったよ…。…これでよしっと」ギュッ

ミカサ「…ぐっ…!私を…どうするつもり?」ギロッ

??「怖いねぇ…。君にはどうもしないよ?君は餌だからね」

ミカサ(餌…?まさか…エレンッ!?)

男「ちなみにさっきのロープも代金は請求するからな?」

??「ハイハイ…。しっかりしてるね」

ミカサ「私を拉致した所で無駄。直ぐにあなた達も捕まる」

??「…まぁそれならそれで…君は変 の慰み物になってもらうさ!ね?東洋人のおねぇさん?」ニタァ

ミカサ「…ッ!?」ゾクッ

??「あまり手荒な真似はしたくないからね…。大人しくしてて…ねっ?」グリグリッ

ミカサ「ぐっ…!がぁっ…!」ガクガクッ

男「…十分手荒だと思うがな…。あっちに馬車を回してある。早く行こうぜ?」

??「あぁ…」ガシッ

210: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:21:33 ID:auma0kAI0
男「この馬車だ。…このままローゼの倉庫に連れて行けばいいんだろ?」
??「そうだ。俺はまだこの後一仕事してから向う。…よっと」ドサッ

ミカサ「うっ…!…エレンに手を出したら…殺すっ…!」

??「こんな状態でも人の心配とは…健気だね。調査通りだ…。これはその子にプレゼントだ…。預からせてもらうよ?」シュルッ

ミカサ「あっ!止めろっ!返せっ!」ブンッ

??「おっと…。流石だねぇ。そこから蹴ってくるとはね…。大人しくしていろと言った筈…だっ!」ドゴッ

ミカサ「ぐぅ…。返…せ…」ズリ

??「しつこいねぇ…」ガスッ ドゴッ バキッ

ミカサ「ガフッ…!ゲホッゲホッ…!ぐっ…」ハァハァ

??「ふぅ…。やっと静かになったね…?これはそんなに大切な物なのかい?…効果に期待できそうだ…」ニタァ

男「じゃあもう行くぜ?」

??「あぁ。また後で…」
――
――――
―――――
ー旧調査兵団ー
ー中庭ー

ハンジ「で…どうする…?」

リヴァイ「どうするも何も…目的が分かるまで動き様がねぇだろ?」

ハンジ「モブリット?荷物はこれだけだったんだよね?」

モブリット「はい。マフラーが入っていただけでした…。何処かで見た事が有ると思い、団長に報告したら…兵長に知らせろと…」

ハンジ「となると…追って要求が来るって事かな?」

リヴァイ「だろうな…。大方…歓迎の準備でもしてるんだろ?」

ハンジ「…あの子達には…どうする?」

リヴァイ「どうするとは?伝えるに決まってるだろうが…」

モブリット「…エレンにもですか?」

ハンジ「彼に伝えるのは今後の作戦にも影響が出るかもしれないね…」

リヴァイ「だからと言って伝えない訳にもいかねぇだろ」スッ

ハンジ「ふぅ…」スッ

モブリット「私は本部で何か要求が来てないか確認しています!」ダッ

ハンジ「あぁ。頼んだよ」

211: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:22:06 ID:auma0kAI0
~~~~~~~~
ー食堂ー

オルオ「しかし兵長達遅いな…」

グンタ「まさか本当に何かあったのか?」
ガチャッ

エルド「おっ!戻られたぞ?」

ジャン「随分険しい顔してるぞ?」

コニー「そうか?…兵長って何時もあんなじゃね?」

リヴァイ「昨日の夜…調査兵団で監禁していた憲兵が殺された」

アルミン「何だって!?…アイツが…」

ライナー「レオンが捕まえた奴だよな?」

リヴァイ「レオン。この話は知っていたか?」

レオン「いえ…。そもそも奴の存在は自分が居る為だと思っていましたから…。向こうの世界では出て来ません…!」

ハンジ「それもそうか…」

アルミン「しかし…と言う事は…」

リヴァイ「…あぁ。犯人は恐らく…兵士だ。それも…」

アルミン「調査兵団の可能性が高い…」

コニー「えぇっ!?何でそうなるんだ?」

ジャン「冷静に考えても見ろ…。一般人がどうやって兵団本部の取調室に居る奴を殺すんだよ?」

コニー「あぁっ!成る程っ!」

グンタ「しかし…調査兵と言うのは飛躍し過ぎでは?」

リヴァイ「断言は出来んが…可能性は高い」

ハンジ「エルヴィンも指令や総統への報告でてんやわんやみたい…」

ヒストリア「…でも…。何で兵士があの人を殺すの?」

レオン「それは恐らく…口封じだろう」

ハンジ「下手に情報が漏れる前に始末したってとこかな?」

ヒストリア「そんな…」

ユミル「私達が相手にするのはそういう連中だ」

リヴァイ「更に…ミカサが拉致された可能性がある」

エレン「え?」

アルミン「ミカサが…?」

レオン「……………」

リヴァイ「エレン。これはミカサの物で間違い無いか?」スッ

212: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:22:45 ID:auma0kAI0
エレン「…はい。ミカサのマフラーです…」

ペトラ「そんな…。兵長っ!私達はどの様に?」ガタッ

リヴァイ「どうもしないが?」

ジャン「は!?」

サシャ「…ミカサを見捨てるんですか!?」

ハンジ「ちょっとっ!その言い方は誤解を招くよ!?…落ち着いてくれ。正確には…まだ犯人の要求が分からないからまだ動けないって事だ」

エレン「犯人は何を…?」

レオン「恐らく…お前とヒストリアだろう…」

アルミン「ミカサをダシにして誘き寄せるつもりかっ!?」ギリッ

エレン「だったら最初から俺を狙いやがれってんだっ!!」ガンッ

ライナー「エレン…。落ち着け…」

エレン「これが落ち着いて居られるかっ!!ふざけやがって…!」

エルド「気持ちは分かるが…感情的になったら向こうの思う壺だぞっ!少し落ち着けエレンッ!」

エレン「…くっ…!」
ガチャッ

伝令班「エルヴィン団長より伝令ですっ!」

ハンジ「…ッ!…ご苦労様…」

伝令班「失礼しますっ!」バッ

ハンジ「…………」ペラッ

リヴァイ「で…?何て書いてある?」

ハンジ「向こうの要求が来たみたいだ…。やはりエレンとヒストリアの引き渡しが条件だそうだよ…。場所はローゼの倉庫…従わなければ…人質は殺すと言っているらしい…」

リヴァイ「ま…そうだろうな…」

サシャ「そんな…」

エレン「舐めやがってっ…!兵長っ!俺が行って…片を付けてきますっ!」

ハンジ「…待ってくれ…。エルヴィンの指示は…エレンは此処で待機…。他で敵の正体を探れとの事だ」

アルミン「えっ…と…。ミカサの救出が最優先ですよね…?」

ハンジ「ミカサの件は触れていない」

ジャン「そんな…。じゃあ…見捨てろって事ですか!?」

ハンジ「そういう訳では無い…。最優先はエレン、ヒストリアの保護と…敵の特定だ」

213: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:23:21 ID:auma0kAI0
エレン「…納得出来ませんっ!!そんなの…おかしいですっ!!」バンッ

グンタ「エレンッ!落ち着けっ!」

エレン「何故です!?ミカサを…見殺しにするって事ですかっ!?冗談じゃ無いっ!!」

レオン「そういう事じゃ無いだろ?エレン。頼むぜ…。しっかりしてくれよ」

エレン「何だよ…?」

レオン「敵はお前が目的なんだぞ…?そんな所にお前を送り込める訳が無いだろ?」

エレン「ならっ!ミカサの救出を最優先にするべきだろっ!?」

レオン「危険を冒してまで救出するよりも…敵の特定の方が重要だろ?…人類の命が懸かってるんだぞっ!?此処で逃したらまた防戦一方だ…。内通者の正体も分からないまま、寝首を掻かれるのを待つ事になっちまうだろうがっ!」

ハンジ「…ねぇリヴァイ…?流石に止めた方が良さそうじゃない?」

リヴァイ「…………」

エレン「何だと…?じゃあ何か?レオン…。お前は…ミカサの命はどうでもいいって事か…?」

アルミン「待ってくれっ!レオンはそういう事が言いたいんじゃないよっ!あくまでも最優先では無いだけで、見捨てる訳じゃないっ!そうだよね?」

レオン「…あぁ。ただな…?お前の代わりは居ないが…。ミカサの代わりは居る。どちらかしか選べないのなら…人類の未来を取るべきだ」

エレン「…テメェッ!」バキッ

レオン「…ぐっ…!」ドサッ

エレン「どいつもこいつもふざけやがってっ…!」

オルオ「おいっ!エレンッ!いい加減にしろっ!」

ペトラ「そうよっ!落ち着きなさいっ!」

エレン「誰もやってくれないなら…自分でやります!倉庫に乗り込んで…巨人の力を使ってでも敵をやりますっ!」

ライナー「なっ!?落ち着けよっ!」

アルミン「そうだよエレンッ!冷静に考えようよ!」

リヴァイ「エレンよ…。お前は間違ってない…。やりたきゃやれ」

ハンジ「ちょっ…!リヴァイッ!?」

エルド「兵長…?何を…」

リヴァイ「初めて見た時から思っていた…コイツは巨人の力の有無では無く本物の化け物だ…。どんなに押え込もうとしても…コイツの意識を服従させる事は絶対出来ない」

214: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:24:09 ID:auma0kAI0
リヴァイ「エレン…。俺達とお前の判断の相違は経験則に基づく物だ…。だが…そんな物はアテにしなくていい。自分で選べ…。自分を信じるか…調査兵団組織を信じるかだ…」

エレン「…………」

リヴァイ「俺には分からない…ずっとそうだ…。自分を信じても…信頼に足る仲間の選択を信じても…結果は誰にも分からなかった…。だからまぁ…精々悔いが残らない方を自分で選べ…」

ハンジ「リヴァイ…」

ペトラ「エレン…信じて…?」

エレン「…アイツはマフラーが無くて寒がっている筈だ…。俺が…また巻いてやらなきゃ…!」グッ

ライナー「じゃあ…やるのか…?」

コニー「…エレンも一緒に連れて行くって事か?」

ハンジ「ねぇ?本当に行かせるの?」ボソッ

リヴァイ「奴が選んだなら仕方ねぇだろ」
ガチャッ

モブリット「お待たせしましたっ!」ダッ

ハンジ「モブリット…。また何か有ったの?」

モブリット「えっ?…分隊長では…?」

ハンジ「…?私?私が何?」

レオン「申し訳有りませんっ!モブリット副長っ!ハンジ分隊長のお名前を借りましたが…私の判断ですっ!」

モブリット「えっ!?そうなの?」

憲兵「チッ…。何で俺がこんな事しなきゃならねぇんだ…」

ハンジ「憲兵?レオン…?どういう事?」

レオン「実は…」
―――――
――――
―――

215: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:24:50 ID:auma0kAI0
モブリット『はい。マフラーが入っていただけでした…。何処かで見た事が有ると思い、団長に報告したら…兵長に知らせろと…』

ハンジ『~~~~~~~~~』

リヴァイ『~~~~~~~~~』

~~~~~~

レオン(ミカサが拉致された…?マジかよ…!相手は人間か!?…しかしどうする…?エレンが目的だろうから…エレンを向こうに渡す訳にはいかねぇし…。かと言ってミカサを見捨てる訳いかねぇよな…。ヒロインだし…。…んっ!?副長は戻るのか?取り敢えず…)

レオン『モブリット副長っ!』ダッ

モブリット『んっ…?レオンか…。どうした?』

レオン『ハンジ分隊長からの言伝です!敵は何か飛び道具を持っている可能性が有るから、ライフルの扱いに長けた憲兵を一人連れてきて欲しいそうです!』

モブリット『…成る程っ!トロスト区駐在班が二人位は居る筈だ…!酔っ払って無ければいいが…。分かった!至急連れて来よう』ダッ

レオン『宜しくお願いしますっ!』バッ
――
―――
――――

レオン「という訳でして…」

ハンジ「成る程ね。でも確かに一理有る…。付いて来てもらおう」

エレン「何だよ…?ミカサはどうでもいいんだろ?」ギロッ

レオン「…此処の人類と比べたら仕方の無い事だと思う…。だけど俺は此処の人類じゃないからよ…。俺がミカサは絶対に取り戻すっ!誰の仲間に手を出したか…教えてやらねぇとなっ!」

ペトラ「…意外とレオンって…キザね…」

ユミル「癪に触りますよね…」

ジャン「じゃあ…お前は最初から…」

レオン「あぁ。ミカサを見捨てるつもりなんざさらさら無かったよ?それに…ミカサが居なくなったらヒロイン枠が空いちゃうしな…」

216: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:25:26 ID:auma0kAI0
コニー「何だって?」

サシャ「ヒロイン?」

レオン「何でもねぇよ」

アルミン「全く…。君は器用なのか不器用なのか…」ハァ

エレン「…すまなかった…。冷静じゃなかったよ…。兵長…。俺は残ります。皆さんを…信じますっ!」

ペトラ「…エレン…」

オルオ「最初からそう言えバカッ!」

エルド「あぁ…。お前の力はリスクが大きすぎるからな」

グンタ「これが最善だな…!」

レオン「……………」
――――
―――
――
ー巨大樹の森ー

エルヴィン『今回の件で分かった事がある…。最善策で留まっている様では到底敵を上回る事は出来ない…。必要なら大きなリスクも背負う。そうしなければ…人類は勝てない』

~~~~~~~~
グンタ『兵長と合流するぞっ!!』

兵士『……………』ザクッ

~~~~~~~~
ペトラ『エレン?私達の事がそんなに…信じられないの?』

エレン『…我が班の勝利を信じてますっ!ご武運をっ!!』

エルド『うぉぉぉっ!』ギュイィィィ

女型の巨人『………』バクッ

ペトラ『まだ…三十秒しか立ってないっ!!』

女型の巨人『…………』グシャッ

オルオ『…刃が…通らねぇ…』

女型の巨人『…………』バキッ

ーーーーーー…・・・
グンタ『』

エルド『』

ペトラ『』

オルオ『』
――
―――
――――

217: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:26:07 ID:auma0kAI0
レオン「…………」

ユミル「どうした?ボーっとして…。もう出発だぞ?」

レオン「あっ…あぁ…(アレは巨人相手だったからだし…状況も違うしな…。問題無い…)」

リヴァイ「隊の指揮はエルドに任せる…。頼むぞ?」

エルド「ハッ!」バッ

ハンジ「私は此処の防衛に着くっ!」

エレン「…なぁレオン…。アイツは寒がってると思うんだ…。もし助けられたら…これを巻いてやってくれ…」スッ

レオン「…なぁ。エレンは正直どっちがいいんだ?」

エレン「あぁ?今更何を言ってんだよ…?…この手で助けたいに決まってるだろっ…!ただ…確かにリスクが大きすぎるよな…。俺は仲間を信じることに決めたよ…!」グッ

レオン「…やっぱりそれはお前が巻いてやれ…!兵長っ!やはりエレンも連れて行くべきですっ!」

ユミル「なっ!?何言ってんだ!?」

コニー「さっき自分で言ってたじゃねぇかっ!エレンは行くべきじゃないって!!」

エルド「レオンッ!何を言い出すんだっ!」

リヴァイ「…テメェの事だ…何か思い当たる節が有るんだろうが…ハイそうですかって訳にはいかねぇな」

アルミン「どうしたの?急に…」

ペトラ「兵長まで…!レオンッ!折角エレンが落ち着いたのに煽らないでっ!」

レオン「申し訳有りません…。しかし…この状況が向こうにも有って…。向こうでもエレンは仲間を信じるんですが…」

リヴァイ「失敗した…と?」

レオン「…はい」

エルド「…それは向こうの世界の話だろっ!?それに…俺達でも無いんだろう?」

オルオ「そうだっ!失敗したのはそっちの兵士がヘボだからだっ!!」

グンタ「此処でエレンを連れ出すのは得策では無いと思うがな…」

レオン「向こうでもそうでした…。最善策を選んで…失敗した。団長が言っていたんです…。最善に留まっている様では勝てないと…」

ペトラ「でもっ!私達が付いてるわっ!」

レオン「…この間…一つ嘘を吐きました…。皆さんの将来です…。今の話は…リヴァイ班の話なんです」

リヴァイ「…ッ!」

218: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:26:42 ID:auma0kAI0
エルド「何…だと?」

ペトラ「えっ!?嘘って…もしかして…」

レオン「皆さんは…向こうでは巨人に殺されてしまうんですっ…!」

グンタ「馬鹿なっ!」

ライナー「この先輩方が…か…?」

エレン「…そんな…。本当かよ…」

ペトラ「私達…全員…?」

レオン「兵長と…エレンは無事です…。ですから…皆さんをこちらで見た時は嬉しかったんです…。生きているからっ!だから…同じ事を繰り返す訳にはいかないんですっ!」

エルド「…………」

リヴァイ「…エレン。万が一の時は巨人化して自分だけでも逃げると誓え」

ハンジ「リヴァイ…!本気?」

エレン「分かりました…。その時はっ…!」

リヴァイ「エレンも付いて行け…。ライナーッ!命に代えてもエレンを守れっ!普段その役目をしている奴が帰って来るまでな…」

ライナー「ハッ!」

リヴァイ「ユミルは俺達とヒストリアの護衛だ」

ユミル「ハッ!」

リヴァイ「目的を忘れるなよ?…行って来い」

一同「ハッ!」バッ

219: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:27:42 ID:auma0kAI0
~~~~~~~~~~~
ーローゼ内とある倉庫ー

男「しっかし…。こんな事で上手く行くのかねぇ」

男「しかし会長…。寧ろ来ない方がいいんじゃないですか?」

会長「あ?…あぁそれもそうか…。売っ払った方が実入りはいいわな」

ミカサ(…血を少し流し過ぎたかもしれない…。…寒い)

男「でも…少しゴツ過ぎますかね?」

会長「その辺は問題ねぇ…。内地にゃ違法な薬が出回ってる。それを何発かブチ込めば…ヨダレ垂らしながら大人しくなるらしいぞ?」

男「へぇ~…。ねぇちゃんっ!良かったな!もし誰も来なけりゃ内地で暮らせるぞ?」

ミカサ(…薬でおかしくされてしまうの…?でも…エレンが助かるのなら…それで…。良い人生だった…)

男「…ねぇ会長…。コイツ恐らく●●っすよね…?変 の旦那衆は●●が嫌いじゃなかったでしたっけ…?」

会長「…まぁ人によるが…。面倒だとか…興が削がれるとか言う奴もいるな…」

男「なら…いいっすよね?俺が毒味しておきますよ…」ハァハァ

会長「…チッ…。確かに美人だが…まだガキじゃねぇか。…好きにしろよ」スッ

男「へへへ…。ねぇちゃん…。今…男を教えてやるよ」スッ

ミカサ「…止めろ」ズズッ

男「そう怖がるなって!天井のシミ数えている間に終わるからよ?…それに気持ちいいんだぞ?」ガシッ

ミカサ「いや…!(どうして…。私は自分が完璧にコントロール出来る筈…。なのに…怖い…!寒いっ…!助けてっ…!エレンッ!)」

男「へへへ…。じっとしてろよ?」サスサス

ミカサ「やっ…止めて…(レオンの言う通りだった…。私が…エレンを必要としていた…。あの日助けてくれた時から…エレンが居ないなんて考えられなかった…)」

男「いいねぇ~。その顔…。そそるぜぇ…。ベルトが邪魔だな」カチャカチャ
ガシャーンッ

男「なっ…何だっ!?」

エレン「ミカサッ!俺だっ!!何処に居るんだっ!?」

ライナー「エレンッ!落ち着けっ!離れるなっ!!」

ミカサ「エレンッ!?…こっち!助けてっ!!」バッ

男「チッ…!黙ってろっ!」バキッ

ミカサ「ぐっ…!」ドサッ

エレン「此処かっ!!…害虫がっ…!殺してやるっ!!」ジャキッ

男「…外の奴等は何してやがる…!」ギリッ

エレン「馬鹿がっ…!舐めてんのか?チンピラが束になった所で勝てる筈ねぇだろうがっ!」

レオン「そういう事」ポイッ

ジャン「そらっ」ポイッ

チンピラ達「」ドサッ

エレン「ミカサ…。怪我してるのか…?待ってろ…。そいつを殺して…助けてやるから」

レオン「いやいや…。殺しちゃダメだろ…」

男「うっ…動くなよっ!?動いたら…この女の首…掻き切ってやるっ!」グッ

ライナー「…どうする…?下手に刺激出来ねぇぞ?」

220: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:28:15 ID:auma0kAI0
~~~~~~~~~
ー倉庫外ー

エルド「まさか…あんたらだったとはな…」

会長「…チッ…」

グンタ「元々黒い噂が絶えなかったが…」

ペトラ「…同じ女として許せない…!腕でも落としておく?」ジャキッ

オルオ「おっ…おいっ!落ち着けっ!ペトラッ!」ガシッ

会長「…お前等…こんな事してていいのか?」

アルミン「…?どういう意味だ?」

会長「俺達が…何の為に汚ねぇ仕事に手を染めてたと思ってんだ…?あ?」

エルド「…何が言いたい?」

会長「この狭い壁の中で…逆らっちゃならねぇ奴も分からねぇのか?って聞いてんだよ…」ハッ

サシャ「あのっ!皆さんっ!向こうから兵士が馬で駆けてきますが…?」
グンタ「んっ?増援か…?」

アルミン「いえ…。憲兵団の様ですが…。まさかっ!!」バッ

会長「お前等は俺達の仕事の邪魔して…壁内の流通を独占しようとしている犯罪者…。どうだ?立派な筋書きだろ?」ニヤッ

~~~~~~~~
ー倉庫内ー

エレン「何処までカスなんだよっ!」ギリッ

レオン「…おいっ!お前もう少し離れた方がいいぞ?」

男「あぁ!?離れるのはテメェ等だろうがっ!」グイッ

ミカサ「…くっ…!エレン…。私はもういい…。コイツを捕まえて」

レオン「そこでもいいけど…。深く刺さっちまうぞ…?」

ジャン「おいっ!レオンッ!何する気だ?」

レオン「…ハァァァ…。飛刀閃っ!」シャッ
ドスッ

男「…?…ギャァァァァッ!イテェェェェッ!!」ドサッ

エレン「ミカサッ!」ダッ

レオン「さぁ…大人しくお縄に着いてもらうぞ?」グイッ

ライナー「マジか…。半刃刀身を…鞘から投げ付けたのか…?」

ジャン「お前っ…!ミカサに当たったらどうするんだよっ!!」

レオン「ちゃんと当たらない様にしたよっ!」

エレン「すまない…ミカサッ…!遅くなって…」ブチッ

221: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:28:48 ID:auma0kAI0
ミカサ「…エレンッ!!」ダキッ

ジャン「」

レオン「…ドンマイ」ポンッ

ライナー「来世に期待だな…」ポンッ

エレン「肩…怪我してるじゃねぇか…。大丈夫か?」ギュッ

ミカサ「私は…やはりエレンが居ないと生きていけないみたい…。凄く…寒かった…。怖かった…!あの時を思い出してしまって…。でも…あの時の様にまた…助けてくれたっ!」ギュッ

エレン「…あぁ。俺は何時だってお前の側に居るっ!お前が攫われたって聞いた時…頭が真っ白になった…。もう…絶対怖い思いはさせねぇっ!…寒かったろ?ほら…」グルグル

エレン「俺は…お前程役に立たねぇかもしれねぇけどさ…」

ミカサ「そんな事無いよ…。私を助けてくれてありがとう…。また…マフラーを巻いてくれて…ありがとう…!」ダキッ

エレン「あぁ…!そんなもんまた巻いてやるよ…。俺が…何度でも…」ギュッ

レオン「あの~…?いつ迄イチャつく気ですかー?」

アルミン「皆っ!!大変だっ!!」ダッ

~~~~~~~~
ー倉庫外ー

憲兵「…どういう事だ?商会が襲撃を受けていると聞けば…変人共じゃないか」

エルド「…だから俺達は商会を襲撃した訳じゃないっ!!仲間を助ける為に…」

憲兵「ほぉ~。まぁそんな事はどうでもいい…。早く会長を解放しろ」

ペトラ「なっ!コイツは重要参考人です!我々が拘束しますっ!」

憲兵「…勘違いするなよ?そいつ等は俺達が必要なんだよ…。これ以上逆らうなら…反逆罪で…処分するぞ?」スッ

憲兵達「…………」ガチャッ

コニー「あっ!あの野郎…。ドサクサに紛れて向こうに付いてやがるっ!」

サシャ「本当だ…。ちゃっかりしてますね…」

オルオ「くっ…。どうする?エルド…」

エルド「…コイツ等は第一憲兵だ…。逆らえば…」

レオン「さっすが憲兵様だ…。普段の仕事ぶりが伺えるぜっ!」

憲兵「何だ貴様は?」

レオン「兎に角…早くそのおっさん連れて離脱して下さい…。後は任せて…。エレン達は裏から逃げています」ボソッ

222: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:29:23 ID:auma0kAI0
エルド「…いよいよ王政に逆らうのか…」

オルオ「俺達は…兵長に付いて行くって決めたろ!?」

レオン「俺が隙を作りますから…その隙に一気に屋根に登って下さい…」ボソッ

エルド「分かった…。死ぬなよ?」

レオン(ちょっ…!?それフラグッ…!)コクッ

憲兵「何をコソコソやっている…?あぁそうだ…。黒髪のガキも連れて来いとの命令だった。出せっ!」

レオン「まぁそんなに焦らないで下さい…よっ!」シャッ
ドスッ

憲兵「ギャァァッ!」ドサッ

レオン「今だっ!!」

グンタ「………」パシュッ

ペトラ「………」パシュッ

エルド「………」パシュッ

オルオ「………」パシュッ

アルミン「………」パシュッ

憲兵「クソガキがぁ…。生きて帰れると思うなよ…?」

レオン「ハッ…!最初っから…クライマックスだっ!」ダッ

~~~~~~~~

エルド「なぁアルミンッ!…アイツ一人で大丈夫なのか…?」

アルミン「…分かりません…。ただ…行けと言ってくれたんです…!我々は進まなければっ!!」

コニー「でも…アイツ滅茶苦茶強ぇじゃねぇかっ!」

グンタ「そうなのか…?お前達の期はあのミカサが凄く有名だからな…」
アルミン「格闘術なら…ミカサよりも恐らく上です」

ペトラ「へぇ…。兎に角無事ならいいけど…」

エルド「そうだな…」

グンタ「エレンとミカサは大丈夫なんだろうな…」

アルミン「ライナーとジャンが付いてますし…裏から安全に脱出したので…問題無い筈ですっ!」

オルオ「なら…このまま俺達も直接戻っていいんだな?何時迄もおっさんを抱いていたく無いんだ…」

会長「なら降ろせってんだよ…!」

エルド「そうだな!全速力で行くぞっ!」
―――――
―――
――

223: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:30:08 ID:auma0kAI0
ー旧調査兵団本部ー

ヒストリア「…あっ!!エルドさん達帰って来たよっ!」

ユミル「取り敢えず皆無事か…」フゥ

ヒストリア「お帰りなさいっ!!お疲れ様でしたっ!」

アルミン「ただいまっ!」

オルオ「オラッ!さっさと歩けっ!」ドンッ

会長「縛っておいてそりゃねぇだろ…?」

ユミル「そいつが首謀者か…」

エルド「エレン達は無事か!?」

ヒストリア「はいっ!先程戻って来ました!ミカサは治療して…部屋で休んでいますっ!食堂で兵長もお待ちです」

オルオ「兵長にたっぷり絞ってもらおうぜ!」

ユミル「…あの。レオンは…?」

アルミン「…それについては中で話すよ…」

~~~~~~~~
ー食堂ー

リヴァイ「ご苦労だった。お前達」

一同「ハッ!」バッ

リヴァイ「それで…。おっさん。誰の命令で動いている?」

会長「俺達は自分の意志で動いてんだよ!」

リヴァイ「まぁ…。誰の命令かは大方予想が付いているが…。兵士の中に憲兵以外でお前達に通じている奴が居るな?それは誰だ?」

会長「さぁな…」

リヴァイ「…チッ…。まぁ時間は有る…。喋りたくなったら何時でも言えよ?…ライナー。コイツを地下に運べ」

ライナー「ハッ!」ガシッ

会長「ちょっ…!ちょっと待ってくれよっ!まさか…拷問でもしようってのか…?」

リヴァイ「あ?何言ってやがる。はいさようならって帰してもらえるとでも思ってたのか?…連れて行け」

会長「うっ…うわぁっ!かっ…勘弁してくれよぉ」ズルズル
バタンッ

リヴァイ「さて…レオンはどうした?」

アルミン「それが…倉庫の見張りを眠らせて…会長を確保したら第一憲兵が来まして…」

224: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:31:07 ID:auma0kAI0
リヴァイ「…成る程。…二重の罠だったって訳か」

アルミン「その様です…。咄嗟にエレン達を逃がす事には成功したのですが…我々は追い詰められてしまって…。その時に…レオンが殿を引き受けてくれたお陰で…」

ジャン「あの時はそんな状態だったのか…。急に裏から逃げろなんて言うから何事かと思ったぜ」

グンタ「アルミンの機転であちらの意図に感付けました」

リヴァイ「そうか…。よくやった。で…あの死に損ないは無事だといいがな…」

コニー「やっぱり…助けに行こうぜっ!?今度は俺達がよっ!」

ジャン「…今更どうやってだ?」

ユミル「…チッ…。一々カッコ付けやがって…」

レオン「何々!?何の話?」スッ

ユミル「うわっ!…レオンッ!?無事だったか…!」

レオン「当たり前だろ?簡単には死なねぇよ…。兵長っ!只今戻りましたっ!」バッ

リヴァイ「話は聞いた…。ご苦労だったな」

エルド「無事だったかっ!!」

ペトラ「ありがとねっ!レオンッ!」

オルオ「新兵の割には役に立つじゃねぇか!」

グンタ「助かったぜ!」

レオン「ハッ!」バッ

リヴァイ「さてと…俺はあのおっさんに話を聞いてくるか…」ガタ

レオン「自分も行きますっ!」

エルド「兵長が行くなら…俺達も行くぞっ!」

225: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:31:53 ID:auma0kAI0
~~~~~~
ー地下室ー

ライナー「おっさんよ…。知ってる事が有れば早めに言った方がいいぞ?…兵長は恐ろしいお方だ…。笑いながら人の腕を切り落としたりな…」

会長「ひっ…」

ライナー「この間なんて…リヴァイ「随分楽しそうだな…?」

ライナー「…ッ!?…これは兵長…。ご苦労様です!」

オルオ「おいガキンチョッ!有る事無い事吹き込んでんじゃねぇぞっ!」
リヴァイ「エレンと一緒にお前の腕も落としてやろう…」

ライナー「」

アルミン(うわぁ…。これはライナーが悪いね…)

リヴァイ「さて…会長…。残念ながら今の話は当たらずも遠からずってとこでな…。今の俺は役立たずかもしれんが…人間の腕なんざ巨人の項に比べればハムみてぇなもんだ」チャキッ

サシャ「…えっ?人間の腕ってハムなんですかっ!?」

ユミル「少し静かにしてろ…」

会長「…俺達だって逆らえば殺されるんだ…!選択肢なんて無かったんだっ!いいぜ…。殺せよっ!どうせ俺の商会は終わりだ…!此処で生き延びたって…[不幸な事故]で死ぬんだからなっ!」

リヴァイ「…それはお前が決める事だ…。二つの選択肢が有る。一つは俺達に協力するか…。もう一つは[事故死]するかだ」

レオン「えぇっ!?コイツも仲間に入れるんですか?」

エルド「兵長っ!幾ら何でも…それは…」

会長「あぁ?協力だ?」

リヴァイ「そうだ…。お前等の持っている情報等は全て俺達に寄越せ。その代わりに俺達がお前を保護してやる」

会長「…そこのガキもそうだが…。この壁の中でどう足掻こうってんだ?完全にお前等はお尋ね者だぞ?第一の奴等に手を出したら…」

リヴァイ「だろうな…。だが…そんな事はどうでもいい。俺達は自由の為に戦ってんだよ…。毎日ドブみてぇな空気を吸っていて麻痺していた。だが…外の空気は違った…。地獄みてぇな場所だが…確かに俺は自由だった」

レオン「残念ながら…この壁内には時間があまり残されていない…。どの道このままでは皆死ぬぞ?」

会長「ハッ…!酔狂な奴等だぜ…。何言ってんのか分からねぇが…お前等に協力すれば…このドブ溜めから出られるんだな?」

リヴァイ「俺達はその為に戦ってんだって言ったろ?俺達に全幅の信頼を寄せろ」

会長「信頼…?商人は冗談でしか使わねぇぞ?…ただ一人の男として信用するよ」スッ

リヴァイ「見た目の割に賢くて助かった…」ガシッ

会長「今回は第一からの指令だ…。それでお前等の所に潜入している奴から俺達に依頼が来たって訳だ…」

リヴァイ「で…?誰なんだ?」

会長「そいつの名前は…」

226: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:32:39 ID:auma0kAI0
~~~~~
ー宿舎ー

エレン「…ミカサ?肩は大丈夫か?」

ミカサ「えぇ…。血も止まったし問題無い」

エレン「…悪かったな…。俺が…お前を攻撃したんだって…?」

ミカサ「違う。エレンはハエを叩こうとしただけ」

エレン「…ハァ。そうかよ…。でも…本当に無事でよかった…」

ミカサ「あの時…私を貴族の変 に売り飛ばす話をしていた。もう諦めた筈なのに…急にどうしょうもなく怖くなった…。あの時…凄くエレンに会いたくなった。そうしたら来てくれた…。やっぱりエレンは私の恩人」

エレン「…お前はそれでいいのかよ?俺なんかに人生を懸けてよ…?もしかしたら…また暴走するかもしれないんだぞ?」

ミカサ「そんなのは関係無い。今度はしくじらない…!私がちゃんと正気に戻してあげる」

エレン「そうか…。俺も負けてらんねぇなっ!巨人の力を使役して…外の世界に探険に行くんだっ!」

ミカサ「えぇ…。私は一生あなたに付いて行く」

エレン「ミカサ…。俺も…お前には…」
ガタッ

エレン「んっ?何だ?」スッ

~~~~~~~~

アルミン「ちょっ…!何で押すのさっ!?」ボソッ

レオン「俺じゃねぇよっ!ジャンがさ…」ボソッ

ジャン「悪い…。よく聞こえなくて…つい…」ボソッ

レオン「ていうかコソコソする必要なくね?…飯持って来ただけじゃん」
アルミン「いやぁ~…。何となくそんな空気だったじゃない…?」

ジャン「死に急ぎ野郎め…!」ギリッ

エレン「おーい。誰か居るのか?」コツコツ

アルミン「エレンが来ちゃうよっ!…盗み聞きしてたなんて…幼馴染としてバレたくないっ!」

レオン「任せろっ!んんっ!……ニャ~オッ!」

アルミン「……………」

ジャン「……………」

エレン「……………」

レオン「…………え?」

ジャン「え?じゃねぇよっ!!お前バカかっ!?何で猫なんだよっ!?」

レオン「こういう時の猫の鳴き声はお約束だろうがっ!」

227: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:33:19 ID:auma0kAI0
~~~~~~

エレン「誰か盗み聞きしてんだな…?」ザッ

ミカサ「エレン?別に誰が居ても関係無い。例えば…アルミンや…」

アルミン「…ッ!」ギクッ

ミカサ「ジャンとか…」

ジャン「…ッ!」ギクッ

ミカサ「レオンでも…」

レオン「…ッ!(何でバレた?)」ギクッ

ミカサ「…そんな事よりも…さっきの話の続きを聞かせて?」

エレン「そうか…?何か気持ち悪くねぇか?」

アルミン「…しょうが無い…。あっ…あーエレン?…ご飯持って来たから…此処に置いておくね?」

エレン「なんだよ…。アルミンか?そんなとこ居ないで入れよっ!」ガチャッ

アルミン「…ッ!?…やぁエレン…!別に盗み聞きしてた訳じゃないからね?」ハハハ

ジャン「…おい。死に急ぎ野郎…。ミカサは大丈夫か?」

エレン「あぁ。今はもう落ち着いてるよ…。入れよっ!」

ジャン「そうか?じゃあミカサの顔でも…ッ!?何だよ?レオンッ!」バタバタ

レオン「少しは空気読もうぜ?」ガシッ

アルミン「いやっ!僕達は此処で失礼するよ!…また明日ねっ!」

エレン「…?そうか?じゃあまた明日な!」

ジャン「…待てっ!俺はっ…!ミカサに…」ズルズル

レオン「じゃまた明日なー!…ほれっ!早く行くぞっ!」ズルズル

ジャン「くっそっー!!」ズルズル

~~~~~~

ジャン「~~~~~~!」

エレン「…ジャンが何か叫んでんな?」

ミカサ「(アルミン…レオン。流石っ…!)エレン?さっきの続きは…?」

エレン「何の話してたっけ?…そんな事より飯食おうぜっ!ほら」スッ

ミカサ(…この世界は残酷だ…)
―――
――

228: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:33:56 ID:auma0kAI0
エレン「さて…。食い終わったら俺は戻って寝ようかな…」スッ

ミカサ「…なんだか肩が痛くなってきた…。今日はずっと片方を向いて寝なければならない。ので…今日は何か掴まる物が必要」チラッ

エレン「あっ…!そうか…。…ッ!じゃあ枕もう一個持って来てやるよっ!」ダッ

ミカサ「待ってっ!…そうじゃないでしょ?エレン?しっかりして」

エレン「何だよ…。じゃあどうすりゃいいんだ?」

ミカサ「…エレンが…その…一緒に寝てくれれば事足りる…と思う//」

エレン「はっ…はぁ?何言ってんだ?…何で俺が一緒に寝る流れになるんだよっ!//」

ミカサ「だって…さっきハンジ分隊長が…」
――――
―――
――

ハンジ『大丈夫かい?ミカサ…』

ミカサ『はい…。大分薬も効いてきましたので…』

ハンジ『…エレンは?』

ミカサ『トイレに行くと言っていました』

ハンジ『そうか。今日はエレンにずっと付いててもらいなよ…。リヴァイも構わないってさ』

ミカサ『兵長が…?』

ハンジ『…彼なりに君達の事を目に掛けているんだ…。君の境遇を知っているから…尚更ね』

ミカサ『…そうでしたか…』

ハンジ『口が悪いから誤解されやすいけど…アレで良い奴だからさ…。リヴァイを信じて付いて行ってあげて?』

ミカサ『私は追い出されてしまいましたから…』

ハンジ『こんな事が有ったんだ…。もうそんな事言ってる場合じゃないしね!大丈夫だ!…まぁそんな訳だからエレンにも伝えておいて!じゃっ!』スッ
――
―――
――――

ミカサ「と…言っていた」

エレン「…本当かよ…。でも流石に同じベッドに寝る訳にはいかねぇよ!」

ミカサ「…肩が痛い…。手が痺れてきた…。血を流し過ぎたから寒い…。一人で寝たら…また寒くなってしまう…」

エレン「分かった…分かったよっ!ったく…しょうがねぇな…。じゃもう寝るぞっ!」ゴソッ

ミカサ「うん…。エレンとこうして寝るのは久しぶり…」スッ

エレン「あっ…!おいっ!あんまりくっ付くなよっ!//」

ミカサ「だって…くっ付かないと寒い…」ギュッ

229: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:34:34 ID:auma0kAI0
エレン「…分かったよ…。好きにしろよ…」

ミカサ「エレン?こっちを向いて寝て」

エレン「はぁ?何でだよ…?」

ミカサ「久しぶりにエレンの顔を見ながら眠りたいから…」

エレン「やだね…。下らない事言ってないで早く寝ろよ…」

ミカサ「…また…思い出した…。この世界は…エレン「あーっ…!分かったよっ!ほらっ!これでいいか?」クルッ

ミカサ「ありがとう。…エレンの顔をこんなに近くで見るのは久しぶり…」

エレン「…こんな暗いのに見えるのかよ…?」

ミカサ「私には関係無い。エレンの顔なら鮮明に見えている…。今…照れている事も」

エレン「はっ!?べっ…別に照れてねぇしっ!」

ミカサ「エレンはとても可愛い…。それに…とても強い」

エレン「お前に言われても嫌味にしか聞こえねぇよ…」

ミカサ「私は可愛いだろうか…?」

エレン「そこじゃねぇよっ!…まぁ…お前は美人だと思うぜ?」

ミカサ「…ッ!?…ねぇエレン…?私は…ずっと一緒に居ていいのだろうか?」

エレン「はぁ?今さら何言ってんだ?」

ミカサ「…エレンは…私を置いて何処か遠くに行ってしまう気がする…。追いかけても…追いかけても追いつけない…。私はただ…側に居られればいいのに…それだけなのに…」ギュッ

エレン「…あのなぁ…。今日も言ったろ?もう一人にはしないって…。それによ…?一緒に外の世界を探検しに行くんだろ?」

ミカサ「うん…!行く。一緒に行くっ!私は…一生エレンに付いて行く」
エレン「…あぁ。俺も頑張るからさ!一緒に頑張ろうぜっ!」

ミカサ「えぇ。約束」

エレン「ほらっ!もう寝るぞ!」

ミカサ「うん。おやすみなさい」
――――
―――
――

230: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:35:08 ID:auma0kAI0
ー翌朝ー
ーストヘス区ー
ー憲兵団支部ー

マルコ「…えっ!?」

ベルトルト「そんな…本当ですか?」

アニ「…チッ…」

上官「そうみたいだな。お前等の同期が何名か指名手配になった。で…顔と名前が一致しているお前等にその逮捕に協力させろってよ。詳細はこれに書いてあるからなっ!」グイッ

マルコ「…ッ!?」バサッ

上官「じゃヘマだけはするなよ~」スッ

ヒッチ「へぇ~…。あんたらの同期も目立ってるじゃん!」

マルロ「そういう問題じゃないっ!この壁内で王政に逆らうなんて…馬鹿にも程があるっ!」

マルコ「待ってくれ…!別に彼等は逆らっている訳では…」

マルロ「じゃあ何故指名手配などされているのだ?」

マルコ「…それはっ…!」

アニ「兎に角さ…。どうするの?マルコ…」

マルコ「…一先ずは指示通りに動こう。何とか連絡が取れればいいけど…」

ボリス「アニとベルトルトとマルコッ!師団長がお呼びだぞ…。談話室に居る」

マルコ「ありがとう!ボリス。…行こうか」

~~~~~~~~
ー談話室ー

ナイル「すまないな。急に呼び出して」

マルコ「いえっ!問題有りませんっ!」

ナイル「さて…。お前達も知っていると思うが…お前達の同期が何名か指名手配されている…。今回は最高議会の決定だ。流石の総統でも手が出せん。そこで…お前達には奴等の補佐に付いてもらう」

マルコ「我々が補佐…ですか?」

ナイル「そうだ…。私が直接出向くよりも向こうも信用しやすいだろう。奴等には…隠れ家を提供する手筈になっているのだ」

マルコ「…ッ!?本当ですかっ!?」

アニ「…ッ!?」

ナイル「あぁ。だが…あくまでも我々は憲兵団だ…。表立って協力は出来ん。お前達には橋渡しの役目をしてもらう」

マルコ「了解しましたっ!」

ナイル「だが一気に三人が抜けるのは目立つ…。だから一人は残るようにしてくれ。以上だ」スッ

アニ「あの…。一つ聞いても宜しいですか?」

ナイル「…何だ?」クルッ

231: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:35:46 ID:auma0kAI0
アニ「何故…我々に協力を…?」

マルコ「おいっ!アニッ!」ボソッ

ベルトルト「……ッ!?」

ナイル「…俺だって守らなきゃいけない奴が居る…。ただそれだけだ…」
アニ「…有難うございます」

ナイル「では…頼んだぞ?」

三人「ハッ!」

~~~~~~~~
ー駐屯兵団本部ー

ピクシス「…ここ迄来たらもう後戻りは出来んな…。ワシの所にも逮捕協力依頼が来よったよ」

エルヴィン「えぇ…。昨日の一件で…内通者に一杯食わされました」

ピクシス「…お主は手配されておらぬようじゃな…」

エルヴィン「私は参考人として王都に召喚されていますが、指名手配ではありません」

ピクシス「ハァ~…。ワシとしては駐屯兵団を預かる身じゃ…。あまりおおっぴらにお主達に協力する訳にはいかん…」

エルヴィン「心得ております。指令はご自身の使命を全うして頂ければ…」

ピクシス「しかし何か策はあるのか…?」

エルヴィン「…一先ずは彼等を匿います。後は私が王都で何とか交渉してみます」

ピクシス「…奴等にまともな交渉が通用するとは思えんがな…」

エルヴィン「えぇ…。しかし何もしないよりはマシです。マリア奪還が現実的になってきた今…壁内で争う訳にはいきません」

ピクシス「そうじゃの…。ワシも出来る限りの協力はする」

エルヴィン「お心遣い感謝します。…では私はそろそろ…」スッ

ピクシス「エルヴィン…。無責任じゃが…頼むぞ…」

エルヴィン「…ハッ!」バッ

232: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:36:17 ID:auma0kAI0
~~~~~~~~~
ー旧調査兵団本部ー

ハンジ「…と言う訳だ…」

サシャ「…遂にお尋ね者ですか…」

コニー「なぁ…結局捕まったらどうなるんだ?」

ユミル「仲良く殺されるに決まってんだろ?」

リヴァイ「で…?俺達はどうする?」

ハンジ「取り敢えず場所を移動してくれ…。此処じゃ直ぐに見つかる…」
エルド「ところで分隊長…。そこの男は…?」

ハンジ「ん?あぁっ!紹介が遅れたね!コイツが例の内通者だ」グイッ

モブリット「昨日兵長の連絡を受けて直ぐに捕獲しました」

男「…………」ドサッ

エレン「えぇっ!ミカサ?そうなのか?」

ミカサ「…顔が変形しているから何とも言えないけれど…恐らく」

リヴァイ「随分傷めつけた様だな」

ハンジ「んー…。中々喋らないからさ…。前回はゆっくりやり過ぎて失敗したから…今回は急いだんだよ…。名前はフェアラー・ペトロフだってさ」

会長「…うわぁ」

ペトラ「良かったわね…?協力しなかったら…あんたもあぁなってたわよ?」

ヒストリア「あの…。こっ…殺してしまったんですか…?」

ユミル「ヒストリア…。止めろ」ボソッ

ハンジ「…そうだと言ったら?」ズイッ

ヒストリア「ひっ…!あの…殺す必要は…ハンジ「じゃあ大人しく殺されるの?」

ヒストリア「…ッ!?」ビクッ

ハンジ「君は少し甘いんじゃないのかな…?まだ何処かで…現実として受け止めてないんじゃない?」

ヒストリア「そっ…そんな事…」

ハンジ「君は向こうを殺さない様に務めるだろう…。だけどね…向こうは君を殺すつもりで来るよ?そうしたら…?大人しく殺されるの?」

ヒストリア「…ッ!」

アルミン「ヒストリア…。しょうが無いよ…。訓練兵時代にも話しただろう…?僕達がやる事は…革命なんだよ…?どちらが正しいじゃない…勝った方が正しいんだ。だからこれは必要な犠牲だしこれからも僕達の邪魔になる様なら徹底的に潰さなければならない愚かな市民なんていくらでも丸め込める事が…」ハッ

ジャン「……………」

ライナー「……………」

ヒストリア「……………」

アルミン「…なぁんちゃって…!まぁ今のは冗談だよ…?」

ハンジ「素晴らしいっ!ヒストリア?アルミンを見習うんだっ!この目的の為なら何でも出来るという姿勢が必要なんだよっ!」

233: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:37:02 ID:auma0kAI0
サシャ「…アルミン…。少し怖いですね…」

エレン「コイツが下衆な事考えてんのは今に始まった事じゃねぇよ」

ミカサ「そんな子に育てた覚えはない」

アルミン「…でも…本当の事じゃないか…。やらなきゃやられるんだ…」
エレン「あぁ。俺もそこは賛成だ…!黙って殺される訳にはいかねぇ!」
ジャン「まぁ…それはそうだけどよ…」

リヴァイ「…クソメガネ。あまりガキをからかうんじゃねぇよ」

ハンジ「少し様子を見ただけじゃないか…!」

モブリット「ヒストリア?心配するな。殺してはいないよ」

ヒストリア「ほっ…本当ですか?」

ハンジ「あぁ…。少し君達の覚悟を見ようと思ってさ。ごめんよ」

リヴァイ「だが…。忘れるな?俺達は完全に反王政分子になった訳だ。エレンやヒストリアは別にしても…殺す気で来るだろう…。向こうも自分の命が懸かってるからな。だから…殺せとは言わんが…そのつもりでいろ」

オルオ「兵長は俺がお守りしますっ!!」バッ

ペトラ「兵長はあんたのお守りなんか必要無いわよっ!」

レオン「俺達は何処に行けばいいんですか?」

ハンジ「それについては憲兵団の師団長が隠れ家を提供してくれるみたい」

ユミル「憲兵団が…?罠では?」

ジャン「憲兵団だって俺達を捕まえるつもりなんですよね?」

ハンジ「まぁね…。でも厳密に言えば彼等も上の命令で逆らえないのさ。本当に欲しているのは第一憲兵…つまりは貴族の連中なんだよ」

モブリット「此処まで来れば疑い様が無い…。やはりこの壁内を実質支配しているのは…」

ヒストリア「……………」グッ

ハンジ「王様と言うよりも…王政最高議会の議長を務める…ロッド・レイス…。レイス家で間違いないだろう…」

エルド「昨日の一件で…俺達を捕まえる大義名分を与えてしまったって訳か…」

ミカサ「…申し訳有りません」

ジャン「ミカサは何も悪くねぇだろっ!?」

エルド「そうだ。俺達は…それを分かった上でここに居るんだ…!人類終焉を回避し…自由を取り戻すっ!」

グンタ「あぁ!」

エレン「折角マリア奪還が現実的になって来たってのに…」

ハンジ「そうなんだ…。こんな状態じゃ…壁外に行っている場合でも無いし」

リヴァイ「一先ず移動するぞ…。これからの事はエルヴィンが王都で何か掴んでくるはずだ…」

234: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:37:48 ID:auma0kAI0
~~~~~
ー王都ー
ー議会所ー

貴族「一兵団の長とは言えど…最高議会に庶民が出席するのは初めての事だ…。誇るが良い…エルヴィン」

エルヴィン「…有難うございます」

ロッド「さて…私が議長のロッド・レイスだ。君に聞きたい事がある…。率直に問う。君達は…何をしている?」

エルヴィン「何を…といいますと?」

ウォール教「惚けるなっ!!巨人の子供達を使い何かコソコソやってるだろっ!」

エルヴィン「それならば逆にお聞きしたい…」

貴族「貴様に質問する権利など有る筈がないだろう?」

ロッド「まぁ待て。何だ?言ってみろ」

エルヴィン「皆様は彼等を使い何をするおつもりですか?…まさか度重なる蛮行…知らないとはおっしゃらないですよね?」

ウォール教「貴様…。この場で死刑にする権限も我々は持っておるのだぞ!?」バンッ

ロッド「……………」

エルヴィン「何故エレンとヒストリアを狙うのですか?…理由の如何によっては我々は協力する事が出来る筈です!」

貴族「…ふざけおってっ…!レイス卿。此奴は極刑が相当の様だが?」

ロッド「…貴様達は何処迄知っている?例の…異次元から来た子供と言うのは…本当なのか?」

エルヴィン「はい。そのお陰でこうして未来は大幅に変わってきています(最高議会も一枚岩ではないのか…?)」

ウォール教「レイス卿…。勝手な事を言わない様に願いますぞ?」ボソッ

ロッド「…エルヴィン。こうして参考人として議会に召喚した意味が分からない貴様じゃないだろう?」

エルヴィン「……………」

ロッド「…全て忘れる事だ…。また壁外調査に精を出せ。そうすればエレンとヒストリア以外の手配は解いてやろう。その代わり…その二人を差し出せ」

エルヴィン「…くっ…!レイス卿…!何故分からないんですか?」

貴族「私達に意見する気か?ゴミ虫が…お前達が力を持つ事はならんっ!」

ウォール教「そうだっ!!…我々に任せて貴様は壁外に思いを寄せていろっ!」

ロッド「そういう事だ。もう下がってよい」

エルヴィン「…くっ…!」

235: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:38:28 ID:auma0kAI0
~~~~~~~~
ー兵団総本部ー
ー総統執務室ー

ピクシス「それで…?何とかならんのか?」

ダリス「…今回は最高議会からの特命だ。幾ら私とて止められんよ」

ピクシス「そうか…。ダリスよ…。お主はどちらに付く?」

ダリス「…どちらとは?」

ピクシス「…そのままじゃよ。エルヴィン達に付くか…王政に付くか…。このまま行けば…王政を転覆させる事になるやもしれんぞ?」

ダリス「フゥー…。分からん…。知恵の無い人形のまま留めようとした神が悪いのか…。人を騙してでも知恵を付けさせた蛇が悪いのか…。私には分からんよ…」

ピクシス「フッ…。相変わらず真面目じゃな…。んくっ…。ほれ…」スッ

ダリス「フッ…。あぁ…」グビッ

ピクシス「…ワシはエルヴィン達に付くぞ…。この世界が狭い籠の中だと知った時から…何時かこうなる事は予想しておった…」

ダリス「…そうか…。私は自分の職務を全うする。そして…もしその時お前が敵でも…」

ピクシス「あぁ…。その時はお互い遠慮はいらんな…。じゃあの」スッ
バタンッ

ダリス「……………」
―――――
――――
―――

ーローゼ東区ー

エレン「なぁ…。その廃墟は綺麗か?埃とか…草とかっ!」ボソッ

マルコ「う~ん…。俺も見た訳じゃないからなぁ…。何とも言えないけど…。そんな事が重要かい?」ボソッ

ジャン「あぁ…。また一日の始めが掃除からなんざ…」

マルコ「……?っと…。あそこじゃないかな?」

ユミル「結構立派じゃねぇか…」

ヒストリア「そうね…。ローゼも立派な物が沢山あるよね?」

アルミン「まぁやっぱり元は内地だった訳だしね」

コニー「成る程な…!でもよ…。こんだけデカイと…掃除が大変だよな…」

エルド「…見た目は綺麗そうだが…。どうだろうな…」ボソッ

グンタ「あぁ…。兵長のお眼鏡に適うかどうか…」ボソッ

オルオ「汚けりゃ掃除すりゃいいんだろうがっ!」

ペトラ「それはそうだけど…。やっぱりやらなくて済むならその方がいいじゃない…?」

リヴァイ「ほぉ…。廃墟だとか言う割にはまともじゃねぇか…」

一同(…ふぅ…)ホッ

リヴァイ「これなら一日で終わりそうだな」

一同(…結局やるのっ!?)

リヴァイ「各自荷物を置いたら始めるぞ」
―――
――

236: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:39:05 ID:auma0kAI0
ー食堂ー

エレン「意外と早く終わったな!」

マルコ「まさか今更大掃除する事になるとは思わなかったよ…」

ユミル「そうだろ…?前の所でもやったんだぜ?」

ヒストリア「でもっ…!自分達が住む所なんだから仕方ないでしょっ!」
ユミル「へいへい…。そうでございますね…」

マルコ「ハハハッ!でも…久しぶりで良いね!この感じ!」

アニ「喋りに夢中じゃ何時迄も終わらないよ!」

ジャン「そうだぞっ!上官方も待ってるし…腹減ったしよ」

サシャ「そうですねっ!折角早く掃除が終わったんですから…早くご飯にしましょう!」パクッ

コニー「あぁーっ!お前っ!摘み食いするなよな!」パシッ

サシャ「いえっ…!これは…毒味ですよ…!」ゴックン

アルミン「遊んでないで早くやろうよ…」

レオン「なぁ…。何で俺だけ芋の皮剥き?もっと面白い事やらせろよ!!」

ユミル「あぁっ!?テメェは料理なんざまともに出来ねぇだろうがっ!」
レオン「…そんな事無いし…」

アルミン「ハハ…。でも芋も皮を剥かなきゃ食べられないからね…?重要な仕事さっ!」

レオン「…分かりましたよ…」

――――
―――

サシャ「美味しかったですねっ!」

ジャン「マルコ達は普段もっと良い物食ってるんだろうから物足りなかったか?」

マルコ「いやぁ!そんな事無いよっ!皆で食べたから美味しかったよ!」
エルド「さてと…。本格的に今後どうするかって話になってきちまったな…」

グンタ「あぁ…。前門の虎、後門の狼と言った所か…」

コニー「なぁ…。今のどういう意味だ?」

アルミン「要はさ…。僕達はエレンを覚醒させなくちゃいけないし、更には第一憲兵を躱さなくちゃいけないしで前も後ろも挟まれている状態って事だよ」

レオン「エレンを覚醒させるのもリスクが大きいしな…。それにばっかり注視出来ない状態だしよ」

コニー「ふぅーん…」

オルオ「兵長…。これからはどちらで動くんですか?」

リヴァイ「…エレンの問題も…憲兵の問題も…後回しには出来んだろ?」
エルド「しかし…両方行うにしても…」
ドンッドンッ

ハンジ「私だよー!開けてー」

ヒストリア「ッ!今開けますっ!」ガタッ
ガチャッ

237: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:39:49 ID:auma0kAI0
ハンジ「やぁ!新居の住み心地は如何?」

リヴァイ「…メガネか…。茶化しに来たんなら帰れ…!」

ハンジ「違うよ…!エルヴィンが王都から戻った」

リヴァイ「…それで…?どうするんだ?」

ハンジ「議会は…保身しか考えていないみたいだ…。エレンとヒストリアを渡せば…手配は解いてやると言われたみたい…」

ミカサ「ふざけている…!エレンを渡す訳が無いっ!」

ユミル「ヒストリアを渡す訳にはいかねぇわな」

リヴァイ「…だろうな…。奴等が賢ければ…こんな事態にはなってねぇよ」

エルド「それもそうですね…」

ハンジ「それで…エルヴィンの判断だけど…。マリア奪還を優先しろとの事だ」

エレン「成る程…。自分の実験は…一先ず延期と言う事でしょうか…?」

ハンジ「いや…。マリアを奪還して地下室を調べる…そして…マリア内でエレンの実験を開始する!」

アルミン「えっ!?それでは…全てがマリア奪還成功の上に成り立っていますし…奪還しても…巨人は残っていますよね…?」

ハンジ「そうだ…。奪還を成功させて…更には実験も成功させなければならない…。巨人を討伐しながらだ…!」

グンタ「流石にそれは…奪還したとは言え…壁外なんですよ?」

ハンジ「しかし壁内で悠長にエレンの覚醒を待ってはいられないだろう?…最低限ライナーが穴を塞げる事を確認して…作戦開始だ」

ペトラ「……………」

エルド「……………」

リヴァイ「…これがエルヴィンの判断なら従うのみだ…。信じられる奴だけ付いて来い…。強制はしない」

エレン「俺は当然行く…!もう訳分からねぇのは沢山だっ!」

ミカサ「エレンが行くなら私も」

サシャ「…………」グッ

マルコ「凄い展開になってきたね…」

ジャン「俺は…行くぞっ!ここ迄来て…後に引けるかっ!」

コニー「おうよっ!今更後戻りは出来ねぇっ!」

238: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:41:07 ID:auma0kAI0
オルオ「…エルド…。お前は残った方がいいぞ…?」ボソッ

エルド「…ッ!?何だよ?急に…」ボソッ

オルオ「…結婚するんだろうがっ!…向こうじゃ幸せにしてやれなかったんだ…。こっちじゃ幸せにしてやれよ!」

ペトラ「そうよ…!綺麗な恋人が待っているんでしょ?」

エルド「兵長だって行かれるんだっ!俺だけ待機なんて出来るかっ!…アイツには…待っててもらうさ」

グンタ「…カッコつけやがって…」フッ

ユミル「お前は残れよ…?」

ヒストリア「ユミルは…?どうするの?」

ユミル「私に選択肢なんてねぇよ…。そういう条件で許してもらっているんだからな」

ヒストリア「ならっ…!私も行くっ!」

ユミル「お前なぁ…。いい加減にしろよ?只の壁外調査じゃねぇんだぞ?」

ヒストリア「だって…何時も私は守られてばかりっ…!もうイヤッ!この仲間達と一緒に戦うって決めたんだもんっ!!」

レオン「まぁいいんじゃね?俺達がしっかりお守りすればいいんだろ?」

ユミル「…チッ…!責任重大じゃねぇか…」

ライナー「ここ迄来て…穴が塞げねぇなんて笑えねぇよな…」

アニ「…大分ね…。何が何でもやるしか無いだろ?」

ライナー「…あぁっ…!そうだな」

ハンジ「…皮肉なもんだね…。中に居れば巨人の脅威は和らぐけど人に狙われる…。外に行けば人の脅威は和らぐけど巨人に狙われる…。今の私達は…人の脅威から逃れる為に壁外に出ようとしている…」

アルミン「…不思議ですよね…。我々は只…人類繁栄の道を進もうとしているのに…。それを人類に阻まれようとしている…。それでも…僕達がやらなければっ…!」

ハンジ「そうだね」

エレン「あぁっ…!」

リヴァイ「…全員付いてくるんだな…?…先ずはライナーが穴を塞げるか確認する…。明日から行動開始だ。今日はもう休め…」ガタッ

一同「ハッ!」
―――――
――――
―――

239: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:41:52 ID:auma0kAI0
ートロスト区ー
ー調査兵団本部ー

エルヴィン「…そうか。今日出発か…」

モブリット「はい。ライナーが穴を塞げる事を確認した為、今夜作戦を開始するとの事です」

エルヴィン「…分かった。私も付いて行きたいがな…」

モブリット「…団長には見張りが付いています…。それに…壁内を頼むとのリヴァイ兵士長からの言伝ですっ!」バッ

エルヴィン「あぁ。そうだな…。ありがとう。下がってくれ」

エルヴィン(頼むぞ…リヴァイ達)

~~~~~~~~
ーローゼ東区ー
ー丘ー

レオン「…………」ザクッザクッ

レオン「ふぅ…。こんなもんかな…」ガランッ

レオン(まさかこの世界に果物の苗が売っているとは…。ここなら見晴らしもいいしな…)

~~~~~~~~

ユミル(コソコソしてるから付いて来てみりゃ…。何してんだアイツ?)
ヒストリア「ねぇ…?レオンは何してるのかな?」ボソッ

ライナー「何かを…植えているみたいだが…?」ボソッ

アルミン「植物みたいだよね…?」ボソッ

ユミル「…ッ!?お前等此処で何してんだっ!?」ボソッ

ヒストリア「だってユミルがコソコソしてるから…」

ライナー「ヒストリアがコソコソ何処か行きそうだったから…」

アルミン「ライナーがコソコソとヒストリアの後を付いて行ったから…」
ユミル「…ハァ…。私は只…アイツが何をするのかと思ってよ…」

ヒストリア「見てっ!終わったみたいだよっ!」

~~~~~~~~~

レオン(我ながら良く出来たかな…!穴掘って埋めただけだけど…)

レオン「おいっ!そんな所居ないでこっち来いよっ!」

四人「…ッ!?(バレている…だと…?)」ビクッ

ライナー「よ…よぉレオンッ!何してんだ?」

アルミン「レオンが心配だったからさ…」

レオン「…ありがとな!いやさ…街に買い物行ったらさ?果物の苗が売ってたからよ…」

ユミル「あ?果物だ?…呑気な奴だな…。もう…帰って来れねぇかもしれねぇってのによ…?」

240: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:42:32 ID:auma0kAI0
ヒストリア「ユミルッ!そんな言い方ないでしょっ!」

レオン「…だからだよ。コイツに水をやるってのを仕事にしようぜ?だから…コイツを枯らさない為にも俺達は生きて帰って来る必要があるんだ!」

ライナー「成る程…」

アルミン「いい考えじゃないかな?…ちゃんと帰って来ないと枯れちゃうね!」

ユミル「かぁーっ!相変わらず気障な奴だなっ!?…分かったよ。帰って来たら…水をやろう」

ヒストリア「皆であげようね!」

コニー「おーいっ!此処に居たのか…!そろそろ出発だってよ!」

ジャン「ん?何してたんだ?」

サシャ「何か美味しい物でも食べてたんですか!?」

アニ「皆が皆あんたと同じな訳無いだろ…?」

エレン「アルミンも此処に居たのかっ!」

ミカサ「探した…。何をしていたの?」

アルミン「ゴメンね!…決意表明…かな?」

エレン「決意表明?」

レオン「あぁ…。今此処に果物の苗を植えた訳だ…!俺達が帰って来て水をやらねぇと枯れちまうって事だ!」

マルコ「成る程ね!」

ジャン「ケッ!クセェ奴だな…。まぁ嫌いじゃねぇがなっ!」

コニー「えっ!?どういう意味だっ!?」

サシャ「ですから…。要は生きて帰って来ようって事ですよっ!」

コニー「おぉっ!そういう事かっ!で…?何で水やりが出てくるんだ?」
マルコ「生きて帰って来なくちゃ…水があげられないだろう?」

コニー「おぉ!成る程なっ!じゃ絶対帰って来ようぜっ!!」

エレン「当たり前だっ!!」

ミカサ「当然の事」

オルオ「おいっ!ガキ共っ!もう行くぞっ!何してるっ!!」

レオン「すみませんっ!今行きますっ!」

エレン「よしっ!行くぞっ!」

一同「おうっ!!」

241: 進撃の名無し 2014/04/09(水) 22:43:06 ID:auma0kAI0
~~~~~~~
ーカラネス区ー
ー外門ー

ペトラ「兵長?足の調子はどうですか?」

リヴァイ「…思ったよりも動くようだ…。悪くない」

ハンジ「さぁて…!いよいよだねっ!」

エルド「…完全な日没までにはシガンシナ区には入りたいですね」

リヴァイ「極力戦闘は避けるぞ…。先ずはシガンシナ迄、全速力で駆けるっ!」

一同「ハッ!」

ヒストリア「何でトロスト区から出ないの?…そこからの方が近いのに…」

レオン「…トロスト区は各兵団本部があるだろ?此処の門兵だって非公式で協力してくれるんだぜ?…幾ら指令でもお尋ね者を堂々と出す訳にはいかないさ…」

ヒストリア「そっか…。私達は犯罪者なんだね…」

ユミル「それも後もう少しだよ…」

レオン「あぁ…。先ずはマリア奪還だっ!」

門兵「開門三十秒前っ!!」

エレン「よぉーしっ!」

ミカサ「エレン。気を付けてね」

門兵「開門っ!」ゴゴゴゴッ

リヴァイ「行くぞっ!」ダダッ

一同「ウォォォッ」ダダッ

~~~~~~~

アンカ「開門を確認。特別作戦班、出発しました」

ピクシス「うむ…。第一の奴等が居ないか策敵せよっ!」

駐屯兵「ハッ!」ダッ

ピクシス(頼むぞ…)
―――
――

242: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 22:43:43 ID:auma0kAI0
ー第一兵站拠点ー

エルド「もう直に日が暮れる…。少し遅れているか…」

グンタ「仕方無いだろう…。この班はほぼ新兵だ…。慣れていないしな」
オルオ「ガキ共を見ろよ…。すっかりバテてるぞ?」

ミカサ「エレン?アルミン?大丈夫?」

エレン「…どうって事ねぇよ…」

アルミン「まだ行けるよ…」

ジャン「しかし…流石に効くなぁおい…。前はまだ壁内だったからな…。重圧が半端じゃ無い」

マルコ「そうだね…。俺なんて初めてだから…少し気持ち悪いよ…」ウッ

アニ「あんた達大丈夫かい?…ほら。水だ」

マルコ「ありがとう…」

ジャン「しかし流石は先輩方…顔色一つ変えてねぇぞ…?」

ユミル「ヒストリア?大丈夫か?」

ヒストリア「う…うん…。少し疲れただけから…」

レオン「流石にユミル達は慣れているな…。凄ぇよ…」

ユミル「お前はもっとシャキッとしろっ!…ったく…。コニー達を見習え!」

コニー「…へへっ…!サシャ!どっちがより多く巨人を狩れるか勝負するか?」

サシャ「…コニー?それは木ですよ?」

ヒストリア「…サシャ?それは馬だよ…?」

ユミル「……………」

レオン「無理もねぇわな…。初めての壁外だ…。誰でもバテるよ…。あの人位だろ…?元気なのは…」

ハンジ「ねぇっ!リヴァイッ!さっきの子見た!?中々ハンサムだったよね!?巨人の顔ってどんな理屈で決まるのかなっ!?気になるなぁ…!ライナーッ!何か知ってる!?」バッ

ライナー「…えっ!?どうでしょうか…。やはり元の顔が反映されるのでしょうか…?(近い…)」

リヴァイ「うるせぇぞクソメガネッ!!少しは大人しくしてろっ!」

ハンジ「えぇ~!!いいじゃないかチョット位…。アニッ!アニは何か知ってる!?」グイッ

アニ「…ッ!?えっ…と…。すみません。私も詳しくは…(近い…)」

ユミル「…まぁあそこ迄元気な必要はねぇけどよ…」

グンタ「兵長っ!そろそろ移動しますか?」

リヴァイ「あぁ。全員…出発するぞ」

一同「ハッ!」

リヴァイ「もう日が暮れる…。速度を落として進むが…各自火を絶やさずに索敵に集中しろ」

マルコ「あのっ…!万が一巨人と遭遇した場合はどうすれば…?」

ハンジ「平地であればあまりに不利だ…が、逃げられない以上討伐するしか無い…!その場合は速やかに伝達しろっ!」

マルコ「…ハッ!」

243: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 22:44:41 ID:auma0kAI0
コニー「実際よ…平地で立体機動なんて難しいよな…」

サシャ「えぇ…。ですが…やるしか有りませんよっ!」

リヴァイ「…行くぞ!」ダッ

一同「よっしゃぁっ!」ダッ
――――
―――
――

ートロスト区ー
ー調査兵団本部ー

エルヴィン「これは…ウォール教の大主教様自らお越し頂けるとは…」

大主教「白々しい…。あの時の議会での事…忘れた訳ではあるまい?」

エルヴィン「…二人を差し出せ…と?」

大主教「そうだっ…!あれから一週間は経つぞっ!?一体何時迄待たせるつもりだっ!」ダンッ

エルヴィン「と言われましても…主犯であるリヴァイ兵士長を始めとする班員が行方不明となっていまして…目下捜索中です」

大主教「貴様が匿っている事など容易に想像がつくわっ!!」

エルヴィン「…お言葉ですが…。私に一日中監視を付けているからこそ、そんな事は不可能だという事を…一番ご理解頂けると思いますが?」

大主教「…くっ…。もう時間がないというのにっ…!」

エルヴィン「…もう間もなく攻撃が始まると…?」

大主教「…そこまで分かっているなら何故隠す…?」

エルヴィン「…隠してなどいません。この危機も手を取り合えば切り抜ける事が可能な筈ですっ!」

大主教「黙れっ!貴様等に何が出来るっ!」

エルヴィン「議会は…ご自身の事しか頭に無いのでは?」

大主教「何っ!?…口を慎めよ…?エルヴィン。貴様の処遇など…どうにでもなるのだぞ?」

エルヴィン「…本当に民の事をお考えなら我々は協力するべきですっ!」

大主教「…貴様はもう少し賢いと思っていたがな…。これで失礼する…」スッ

エルヴィン(…議会も焦っているのか…。各自注意を促さなければならないな…。どういう行動に出るか分からん…)

244: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 22:45:21 ID:auma0kAI0
~~~~~~~~~
ーマリア南区ー

リヴァイ「ようやく半分迄来たか…?」

ハンジ「思いの外順調だねっ!…少し物足りない気がするなぁっ…!」

リヴァイ「黙ってろっ!クソメガネッ!」

ジャン「生きてるぞっ!!俺は生きてるっ!」

マルコ「あぁ…!後もう少しだっ!」

オルオ「おい新兵っ!油断してんじゃねぇっ!!お家に帰る迄が壁外調査だっ!」

グンタ「だが…一人の欠員も無いなんてな…」

エルド「やはり…ライナー達の力が大きいだろう…」

ペトラ「うんっ!感謝してるよっ!三人共っ!」

ライナー「…有難う…ございますっ!」グッ

ユミル「おいっ!泣く事ねぇだろ…?」

ライナー「俺でも役に立つ事が出来たっ…!せめてもの償いだっ!」

アニ「…あぁ。そうだね…」

ユミル「……………」

サシャ「後は…無事に帰るだけですね…!」

コニー「おうっ!最後まで油断は出来ねぇけどなっ!」

エレン「……………」

ミカサ「…エレン?どうしたの?」

エレン「いや…。結局ライナー達の言う通りだったんだなってさ…。しかも…父さんが外の世界の人間だったなんてっ…!」

アルミン「…地下室の記録の話しかい?」

エレン「あぁ…。何処の国も変わらねぇ…。只…平和に生きたいだけなんじゃねぇか…!この国もっ…!外の国もっ…!」

アルミン「…そうだね。皮肉な話だよね…。平和の為に戦争するなんて…。でも…君が支配の力に目覚めれば…この戦いは終わるさ」

エレン「…結局俺は何も出来ていないがな…」

ミカサ「でも…レオンはエレンが力を持っているのは間違いないって言っていた…。レオン?違わない?」

レオン「あぁ…。まぁ最初から使いこなしていた訳じゃ無いがな…」

アルミン「やっぱり何か…条件が?」

レオン「…あの時は…コニー「マズイッ!巨人が出たぞっ!!」

リヴァイ「チッ…!各自至急出発するぞ!ライナーッ!アニッ!やれるか?」

ライ・アニ「ハッ!」ガリッ
ドゴォォォンッ

リヴァイ「ヒストリアッ!俺から離れるなよ!二人に気を取られている内に進むぞっ!」

レオン「話は後だっ!!逃げんぞっ!」ダッ

245: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 22:46:07 ID:auma0kAI0
アルミン「う…うんっ!」

エレン「あの二人は大丈夫なんだろうなっ!?」

ミカサ「エレンッ!前を向いてっ!」

ユミル「マズイッ!前からも来たぞっ!」

リヴァイ「オルオッ!エレンに付けっ!…ミカサッ!前の奴等をやるぞっ!」ダッ

ハンジ「私も行くーっ!!」ダッ

ペトラ「分隊長っ!?」

オルオ「ハッ!」ダッ

ミカサ「くっ…!ハッ…!」ダッ

ユミル「ヒストリアッ!私から離れるなよっ!」

ヒストリア「皆大丈夫かなっ!?」

ペトラ「…今は自分の心配をしなさいっ!」

ヒストリア「は…はいっ!」

ジャン「最後に…やられてたまるかよっ!」

リヴァイ「…らぁっ!!」ギュルッ

ミカサ「…ハァッ!!」ザシュッ

レオン「しかし…あの二人は本当にスゲェな…」

オルオ「兵長が凄いのなんて当たり前だろっ!バーカッ!」

エレン「…ッ!?また来ましたっ!」

オルオ「チッ!エルドッ!どうするっ!?」

エルド「…エレンとヒストリアは固まれっ!!ユミルッ!ペトラッ!二人を頼むぞっ!…オルオッ!グンタッ!やるぞっ!」ダッ

オルオ「おうっ!…新兵っ!ションベン漏らすなよっ!」ダッ

レオン「ハッ!(そりゃあんただろっ!)」ダッ

アルミン「ハッ!」ダッ

マルコ「俺達も行こうっ!」ダッ

ジャン「おうよっ!ミカサに良い所見せてやるぜっ!」ダッ

アルミン(マズイ…!陣形がバラバラにされてしまった…)

ジャン「アルミンとレオンは注意を引けっ!俺とマルコでやるっ!」ジャキッ

レオン「おうよっ!…頼むぜっ…!黒王号っ!」パシュッ

ペトラ「私達はこのまま逃げ切るわよっ!」

246: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 22:46:57 ID:auma0kAI0
エレン(今回は自分の我が儘を通す訳にはいかないっ…!俺達を逃がす為に戦ってくれているんだっ…!俺とヒストリアだけでも…生き残るっ!)

アルミン「あぁっ!!ジャンッ!!マルコッ!!」パシュッ

エレン「…ッ!?」

ジャン「…ぐっ!!」ガシッ

マルコ「…がぁっ!!」ガシッ

レオン「マズイッ!(俺じゃ間に合わねぇっ…!!)」バシュッ

ヒストリア「ジャ…ジャンッ!!マルコッ!!」

ユミル「ヒストリアッ!!前を向けっ!!」

ヒストリア「でっ…でもっ!!」

ペトラ「…くっ…!!」

エレン「ジャンッ…!マルコッ…!…巨人共めっ…!ふざけじゃねぇぇぇっ!!」バチッ

ライナー「…ッ!?(これはっ!?)」ビリッ

アニ「…ッ!?」ビリッ

巨人「バァァァッ!!」ドシャッ

巨人「ガァァァァッ!!」ドスンッ

アルミン「…何だっ!?急に巨人が…巨人を…?」

ジャン「…うっ…!」ドサッ

マルコ「ぐわっ…!」ドサッ

レオン「…アルミンッ!二人を回収するぞっ!!急げっ!」ダッ

アルミン「…ハッ…!りょ…了解っ!」バシュッ

リヴァイ「…何だ?」シュー

ミカサ「向こうの巨人に群がっています…」シュー

ハンジ「何々っ!?どうしたのかなっ!?」

リヴァイ「どうでもいい…!さっさと離脱するぞっ!!」

ライナー「ゴホッ!…ゲホッ!アニッ…!合流するぞっ!」ブシュー

アニ「ガフッ…!…あぁ…!」ブシュー

コニー「また集まってきちまうぞっ!」

レオン「何が何でも生きて帰るぞっ!!木が…枯れちまうからなっ!」

ヒストリア「うんっ!!」

ユミル「おうっ!」

エレン「俺は…今何を…?」

ミカサ「考えるのは後。今は行動が先」

ペトラ「…ッ!?前方から…巨人接近っ!」

サシャ「またですかぁっ!?」

リヴァイ「このまま馬で駆けるっ…!遅れるなっ!」
――――
―――
――

247: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 22:47:58 ID:auma0kAI0
ートロスト区ー
ー駐屯兵団本部ー
ー指令執務室ー

ピクシス「して…。リヴァイ達はまだ戻らんか…?」

エルヴィン「はい。まだ戻っておりません」

ピクシス「ふむ…。彼等が戻ったらどうするんじゃ?」

エルヴィン「知り得た情報次第ではありますが…。王政…いえ…議会と本格的に交渉に移りたいと思います」

ピクシス「そうか…。現王政を転覆させる事も有り得る…と言う事じゃな?」

エルヴィン「…はい。このままでは…滅亡を待つのみとなってしまいます」

ピクシス「…ふぅ…。武力行使だけは避けたいのぉ…」

エルヴィン「勿論です…が、向こうの出方次第では…。しかし…交渉が成功する可能性もゼロでは有りません。議会は恐らく…一枚岩では無いと思われます」

ピクシス「ほぉ…。和解を望む姿勢も見られる…と?」

エルヴィン「はい。どちらにしてもエレンの状況等に左右されますが…」
ピクシス「そうか…。しかし…ドガァァァァンッ!!!

エルヴィン「…ッ!?何だっ!?」ダッ

ピクシス「今の音は…まさか…!?」ガバッ

エルヴィン「…くっ…!私は本部に戻りますっ!壁が…破壊された模様ですっ!」ダッ

ピクシス「ワシも直ぐに出ようっ!!アンカッ!!」

アンカ「ハッ!全兵に非常事態宣言を発令致しましたっ!」

ピクシス「うむっ!駐屯部隊は住民の避難を再優先っ!精鋭班は調査兵団と協力し巨人の掃討に当たれっ!!」

アンカ「ハッ!!」バッ

ピクシス「よりによって…リヴァイ達が不在の時にっ…!」ギリッ

~~~~~~~~~

男「主教様…。仰せの通りに遂行致しました…」

主教「これで少しは目が覚めるか…?最早時間が無い以上…なりふり構ってられんわ!」

ニック「…何を仰っているのですか…?主教様…?」

主教「ん…?おぉ…。司祭か…。聞いての通り街の浄化だ」

ニック「なっ…何を…?」

主教「馬鹿なゴロツキ共が我々の邪魔をしようとするからな…。これで少しは目が覚めるだろう?」

ニック「神聖な壁を…自ら破壊したと言うのかっ!?…巨人が目覚めたらどうするのですっ!?」

主教「フハハッ!…所詮貴様もゴロツキ上がりか…何も知らんと見える…」

司祭「何っ…?我々ウォール教の真の目的は…壁の巨人を覚醒させない様に…秘密を受け継いで行く事では無いのですかっ!?」

主教「その通りだ…。だがな…?もう時間が無いんだよ…。早く[座標]を使い巨人を覚醒させ…ティタン王国に攻め入る必要が有る…」

ニック「なっ…何だ…と…?どういう事だ…?」

主教「…少し無駄話が過ぎたな…。おい…」

男「…ハッ…」ガチャッ

ニック「…ッ!」

主教「心配せずとも直にそちらも賑やかになる…」
ドンッ

ニック「…がっ…ふ…」ドサッ

主教「これで大主教様もお喜びになる事だろう…」

248: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 22:48:39 ID:auma0kAI0
~~~~~~~
ートロスト区ー
ー第一防衛線ー

イアン「リコッ!項を狙えっ!…俺が足をっ!」バシュッ

リコ「了解っ!」

ミタビ「お前は引き付けろっ!俺が項を削るっ!」バシュッ

駐屯兵「了解っ!」

調査兵「お前はそっちだっ!!」ギュィィィ

調査兵「任せろっ!」ブシュッー

~~~~~~~
ー作戦本部ー

エルヴィン(…リヴァイ達が居ない頃を狙いすました様な壁の破壊…。人為的か…?狙いはやはり…エレン達を炙り出す為か…?)

調査兵「団長っ!!戦況は芳しく有りませんっ!…このままではっ…!」ダッ

エルヴィン「…駐屯精鋭班と協力して住民が避難するまでの時間を稼ぐのだっ!避難が完了次第撤退するっ!」

調査兵「了解しましたっ!」パシュッ

~~~~~~~~
ー壁上固定砲班ー

駐屯兵「くそっ…!何で壁が急に壊れるんだよっ…!」

ハンネス「泣き言なら後にしろっ!!一匹でも多く此処で仕留めるんだっ!」ガチャガチャ

駐屯兵「…ハッ!」ドゴンッ

ハンネス(だが…嘆きたくもなるぜ…。何でまたっ…!ん…?あれは…)
~~~~~~~~
ー第二防衛線ー

駐屯兵「…先輩も皆やられたっ…!もう無理だ…!」

駐屯兵「諦めんなっ!まだ…生きてるだろうがっ!!立てっ!此処に居たって…がっ…!」ガシッ

巨人「…………」アー

駐屯兵「ひっ…!父さんっ!母さんっ!ゴメンッ…。何も恩返し出来なかった…うぅ…」ガシッ

巨人「……………」アー
グチャ

~~~~~~~
ー第一防衛線ー

イアン「リコッ…!ミタビッ…!状況は…?」ゼェゼェ

ミタビ「俺の班はほぼ壊滅だ…」ゼェゼェ

リコ「私の所も…二人しか残ってないよ…」ハァハァ

イアン「撤退の鐘がもう鳴る筈だっ!…それまで此処を死守するぞっ!」
駐屯兵「班長…。私達…ここで…」グスッ

リコ「諦めてはダメだっ!!最後まで希望を持てっ!…また来たぞっ!

イアン「リコッ!お前等は後ろの一体を頼むっ!…ミタビッ!俺達は前だっ!」パシュッ

ミタビ「上等だっ!!ここ迄来たら…狩りまくってやるっ!」ダッ

リコ「あぁっ!」ダッ

駐屯兵「班長っ!下ですっ!!」

リコ「…ッ!?」ガシッ

ミタビ「…ッ!?リコッ…!」クルッ

イアン「リコッ!!」バシュッ

249: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 22:49:14 ID:auma0kAI0
リコ(…くっ…!足が…潰れたみたい…。イアン…そんな顔しないで…。あなたのせいじゃないよ…。…えっ…?あれは…羽…?自由の…翼…?)
リヴァイ「らぁっ!!」ザシュッ

リコ「うっ!」ドサッ

リヴァイ「…無事か?…女」ガシッ

リコ「リヴァイ…兵士長…?」

イアン「リコッ!…リヴァイ兵長っ!有難うございますっ!!」

リヴァイ「礼はいい…。早く手当してやれ」バシュッ

ハンジ「総員散開っ!!群がっている所を一気に叩けっ!」

一同「ハッ!」バシュッ

~~~~~~~
ー作戦本部ー

ピクシス「本当かっ!?ハンネスッ!!」

ハンネス「ハッ!…特別作戦班が…帰還しましたっ!!」

エルヴィン「指令。後はお願いします。私も合流します」パシュッ

~~~~~~~~

リヴァイ「エレンッ!ヒストリアッ!お前等は戦わなくていいっ!エルヴィンを探せっ!」

エレン「しかしっ!俺が…[座標]の力でっ…!」

エルヴィン「リヴァイの言う通りだ。エレンとヒストリアは私と来い」スタッ

エレン「団長っ!?しかし…エルヴィン「話は後だ。急げ」

ヒストリア「ハッ!エレンッ…!」

エレン「…くっ…!」

エルヴィン「無事だったか…。リヴァイ」

リヴァイ「テメェも…随分元気そうじゃねぇか…」

エルヴィン「フッ…。此処は頼んだぞっ!」バシュッ

エレン「…ご武運をっ!」パシュッ

ヒストリア「……………」パシュッ

エルヴィン「今回の件は…巨人にやられた物では無いと考えている…」

ヒストリア「…えっ!?それって…どういう意味ですか…?」

エルヴィン「壁は…人為的に破壊された可能性が高い。壁内の人間によってっ…!」

エレン「そんなっ…!!誰がこんな事をっ!!」

250: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 22:49:59 ID:auma0kAI0
エルヴィン「…恐らく…議会によるものだと思われる。大分焦っていたからな」

エレン「…ふざけやがってっ!!団長っ!奴等は捕まえるべきですっ!…許せねぇっ!!」ギリッ

エルヴィン「落ち着けエレン…。向こうは君達二人が目的だ。感情的に行動すれば奴等の思う壺だ」

ヒストリア「しかし…どうするのですか…?」

エルヴィン「先ずは事態の沈静化が先だ…。君達が戻ってくれて助かったよ…。一度作戦本部に戻るぞ」

~~~~~~
ー作戦本部ー

ピクシス「おぉっ!!エレンに…ヒストリアッ!無事じゃったかっ!!」バンッバンッ

ヒストリア「ハッ!」

エレン「ハッ!」

ピクシス「して…エルヴィン。この事態…。どう収める?」

エルヴィン「それについては考えが有ります。レオンに聞いた話ですが…。向こうでトロストの壁が破壊された時は、例の大岩を使って塞いだようです…。ですので、今回もその作戦の決行を考えています」

ピクシス「成る程…。流石にライナーを使う訳にもいかんしの…。しかし…あの岩は掘り起こす事も叶わなかったぞ…?どうするのじゃ?」

エルヴィン「…エレン。出来るか?」ガシッ

ヒストリア「エレンに…やらせるのですか?」

エレン「…やりますっ!俺が塞いでみせますっ!」グッ

ピクシス「よう言ったっ!お主は男じゃっ!!」バンッ

エルヴィン「よしっ!指令。ヒストリアを頼みます!行くぞっ!リヴァイ達と合流する」

エレン「ハッ!」

~~~~~~~~
ーストヘス区ー
ー憲兵団支部ー

ヒッチ「ちょっとぉ…!壁が壊されたってマジィ?」

マルロ「…あぁ。そうみたいだな…。状況によっては…市民の受け入れを行うかもしれんそうだ」

ヒッチ「えぇぇぇっ!面倒くさぁ…」

マルロ「何を言ってるっ!市民を守るのが兵士の役目だろうがっ!」

ヒッチ「へいへい…。冗談みたいな頭して真面目な事言わないでよ…」

ベルトルト(…皆…。無事か…?)

ヒッチ「ねぇ…ベルトルトォ?アニとマルコはどうしたのよ?」

251: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 22:50:31 ID:auma0kAI0
ベルトルト「…貴族の護衛で…別の区に行っているみたい…」

ヒッチ「こんな時に何やってんのよ…」

上官「おーい!ベルトルトッ!ちょっといいか?」チョイチョイ

ベルトルト「ハッ!」ダッ

~~~~~~~~

上官「………………」

ベルトルト「お呼びでしょうかっ!?」バッ

上官「…あぁ。まぁ…なっ!」ビュッ

ベルトルト「…ッ!?」ザッ

上官「…今のを避けるのか…。流石に優秀じゃねぇか…」ジャキッ

ベルトルト「…何をっ…!?」

上官「よく分からんが…お前を殺せば上に行けるらしくてな…。別にお前に恨みは無いが…死んでくれや…」

ベルトルト「…くっ…!(向こうはブレード…こっちは素手…。斬られた位じゃ死なないけど…。殺す訳にはいかない…!)」

上官「…オラッ!!」ビュッ

ベルトルト「うっ!」サッ

上官「そらっ!」ブンッ

ベルトルト「…フッ!!」バキッ

上官「な…に…」ドサッ

ベルトルト「ふぅ…。(でも…どうしよう…。支部長に引き渡す…?もう全員繋がってるのかな…。取り敢えず縛っとこう…)」スッ

マルロ「ベルトルトッ!此処に居たのか?…団長がお呼びだ…ぞ…?お前っ…!上官に何をしたんだ!?」

ベルトルト「これはっ…!違うっ!」

マルロ「お前達は最近よく団長に呼ばれるな…。何か…やっているのか?」

ベルトルト「そうじゃないっ!急に…襲ってきてっ…!」

マルロ「何故上官が急に襲ってくるんだ?幾ら何でも…いきなり襲いはしないだろうっ!?」

ベルトルト「だからっ…!…ナイル「マルロッ!ベルトルトはどうしたっ?」

マルロ「…団長っ!…それが…」

団長「ん…?…何故そいつが倒れているんだ…?」

ベルトルト「急に…襲われました…」

252: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 22:51:09 ID:auma0kAI0
マルロ「だからって殺したのかっ!」

ベルトルト「殺してなんかいないっ!!気絶しているだけだっ!」

ナイル「…マルロッ…!下がっていい。この事は口外無用だ…。いいな?」

マルロ「しかしっ!」

ナイル「これは命令だっ!!」

マルロ「…ッ!?…了解しました…」スッ

ナイル「…お前を呼んだのもその事についてだ…。今日…また壁が破壊されたが…どうやら上の仕業らしい…。俺にはもう何が正義なのか分からん…」

ベルトルト「…ッ!?」

ナイル「…指名手配中のリヴァイ達を炙り出す気だったようだ…。お前も向こうに合流しろ。お前にも非公式に殺害命令が出ている」

ベルトルト「…そうですか。ですが…私は…殺されても…」

ナイル「ふざけるなっ!此処で意味もなく死んだら…お前が殺した奴等はどうなるっ!お前には…しっかりと罰を受けてもらうっ!…全てが終わった後にだっ!分かったらさっさと行け」バッ

ベルトルト「…ハッ!」ダッ
―――――
――――
―――

ーローゼ東区ー
ー廃墟ー
ー食堂ー

エルヴィン「皆ご苦労だった。残った巨人は壁上固定砲で掃討を行う…。よく無事に帰って来てくれた」

一同「ハッ!!」

エルヴィン「リヴァイ…。マリアは奪還出来たのか?」

リヴァイ「あぁ。しっかり塞いできたぞ。もっとも…巨人は残ってるがな…」

エルヴィン「壁が塞げれば時間の問題だ。しかし…本来なら英雄として讃えねばならない筈が…すまない」

エルド「団長っ!我々は名誉の為に戦っている訳では有りませんっ!…これから訪れる…自由の為に戦って来たのですっ!」

ハンジ「おっ!エルド良い事言うねぇっ!!」

エルヴィン「…そうだな。さて…エレン。君には無理をさせてしまった…。体は大丈夫か?」

エレン「はい…。問題有りません…。ぐっ…!」

ミカサ「エレンッ!大丈夫?」

エレン「あぁ…。問題ねぇよ。…地下室の…話をします」

253: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/09(水) 22:52:16 ID:auma0kAI0
エルヴィン「…頼む」

エレン「地下室には父の日記が置いてありました…。内容は…外の国…ティタン王国と…壁内が協力して発展して行って欲しいと言う父の願望が記してありました…」

ハンジ「ティタン王国…。それが敵国の名前か…」

ペトラ「でも…何故敵国との友好を願っていたのかしら…?」

エレン「…………」ギリッ

アルミン「エレン…」グッ

ミカサ「……………」グッ

エレン「それは…私の父は…その国の人間だからです…」

一同「…ッ!?」

エルヴィン「……………」

リヴァイ「……………」

ライナー「何…だと…?」

アニ「…本当かい…?」

エレン「あぁ。日記にそう書いてあったよ…。理由等は詳しく書いて有りませんでしたが…。和平について話合おうとしていた様です」

ヒストリア「じゃあ…エレンのお母さんは…?」

エレン「分からん…。何故か母さんについては書いてなかった…。どうすれば戦争を回避出来るか…。そればかり書いてあったよ…」

ユミル「……………」

マルコ「じゃあ…向こうの国も本当は戦いたくないのかな…?」

エレン「…それが国の意志なのか…父さんの物かは分からんが…。少なくとも父さんは戦争を回避したかったみたいだ…」

アルミン「だから…エレンが外に生きたいって言った時に…地下室を見せようとしたんだね…」

ジャン「…自分の意志を…受け継がせる為…か…」

リヴァイ「…それで?お前のやりたい事は何だ…?」

エレン「自分は…父の意志を継いで…戦争を回避したいです…」

グンタ「しかし…。向こうは臨戦態勢な訳だろ…」

エルヴィン「…議会は…自分の保身しか考えていない。今回の壁の破壊も…恐らく議会によるものだ」

サシャ「えぇぇっ!?人間が…壁を壊したんですか!?」

レオン「恐らく…それだけ切羽詰まっているんだ…。エレンとヒストリアを…何が何でも奪取したいんだろう…」

アルミン「だからってっ…!そんな我が儘のせいで…何人死んだと思ってるんだっ!!」ギリッ

ミカサ「アルミン…」

257: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/10(木) 23:18:20 ID:o1rd/yZ20
エルド「それで団長…。今後我々はどの様に…?」

エルヴィン「議会と最終交渉だ…。議会も一枚岩では無いと思われる。交渉の余地は残っている筈だ」

コニー「あの…。交渉が上手く行かなかったら…どうするんですか?」

リヴァイ「戦うしかねぇだろ?」

ペトラ「人間を…相手にするんですか?」

エルヴィン「勿論それは避けるべきだ…。だが…最悪の場合という事もあり得る」

レオン「やるしか有りませんよっ…!向こうはなりふり構わなくなっています!このままでは…何をしだすか…」

リヴァイ「レオンの言う通りだ。頭がおかしい連中だ…。多少の武力行使はやむを得んだろ」

エルヴィン「…それは最終手段だが…その可能性もある事を忘れないでくれ。…明日だ…。明日…王都に向けて出発する…!」

一同「ハッ!」

エルヴィン「今日はもう休んでくれ…」

~~~~~~~~

レオン「……………」ボーッ

ユミル「おい。どうしたんだ?ボケっとして…」

レオン「おぉ。ユミルか…。眠れないのか?」

ユミル「そりゃお前だろ?…私は水を飲みにな…」

レオン「それもそうだな…。いやぁ…。遂にこの日が来たかぁっ!ってさ」

ユミル「何だそりゃ?…まぁよく生きてたわな…」

レオン「奇跡みたいなもんだよな…。俺みたいな一般人がここ迄生き残るなんてよ…」

ユミル「そうかもな…。でもよ…地獄みてぇな場所を変えたのは…レオン。お前だよ」

レオン「俺は何もしてねぇよ。只の一般人が…偶々未来を知ってたってだけだろ?」

ユミル「その未来が大きかったんだよ…。まっ!泣いても笑っても明日が運命の日だ…。やられるのが巨人じゃなくて、人間なんて笑えねぇからなっ!」

レオン「あぁっ!そうだなっ!」

ユミル「じゃあなっ!さっさと寝ろよっ!」スッ

レオン「おうっ!その前に…」グイッ

ユミル「うぉっ!何だよっ!?」

レオン「お休みのキスだ…」スッ

ユミル「…ッ!?っは…!急に止めろよっ!」グイッ

レオン「ハハハッ!お休みっ!」ダッ

ユミル「…ったく…//」スッ
―――――
――――
―――

258: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/10(木) 23:18:58 ID:o1rd/yZ20
ー翌朝ー
ー廃墟前ー

エルヴィン「さて…。内地からベルトルトも駆け付けてくれた…。行こうか」

一同「ハッ!」

ライナー「お前…いつの間に来たんだ?」

ベルトルト「…昨日だよ…。開いてなかったから外に居たんだ…」

ライナー「いや…声掛けろよっ!何してんだ!?」

ベルトルト「だって…」

アニ「…まぁベルトルトらしくていいじゃないか」フフッ

ライナー「…それはそうだが…」

オルオ「おいっ!ガキ共っ!何時迄喋ってんだっ!?」

ライナー「ハッ!」

エルヴィン「行くぞぉっ!!」ダダッ

一同「オォォォッ!」

~~~~~~~~
ー王都ー
ー王宮ー

大主教「で…?エレン達の消息は掴めたのか?」

主教「…ピクシスからの報告によりますとまだ発見には至っていない模様です…」

大主教「…チッ!何をしておるのだっ!」ダンッ

ロッド「少し落ち着き給え」

貴族「レイス卿…。随分悠長ですな…。時間はあまり残されておりませんぞ?」

大主教「左様。このままでは…。我々はまだ死ぬ訳にはいかんのだっ!」
ロッド「…………(何を言っている…。豚共め…)」

主教「しかし…。見つかるのも時間の問題だと思われます。見つけ次第…」

貴族「あぁ。二人以外は殺して構わんっ!」
バタンッ

憲兵「失礼しますっ!!」ゼェゼェ

貴族「何だ貴様っ!無礼なっ!」

憲兵「…エルヴィン・スミスが…議会に通せと…」

大主教「何とっ!…これは探す手間が省けたな…。通せ」

主教「宜しいのですか?」

貴族「構わん。色良い返事を持って来たのだろう」

憲兵「ハッ!」バッ

ロッド「…随分出来過ぎでは無いか…?」

貴族「何を言っておるっ!奴等も気付いたのだろう…。大人しく従うのが得策だとなっ!」
ガチャ

エルヴィン「失礼します」

大主教「随分待たせてくれたじゃないか…。で?二人は何処に居る?」

エルヴィン「…今日は最終交渉に伺いました…。我々に協力してくだされば…敵国の脅威を取り除いてみせます!」

貴族「貴様っ!!まだそんな戯けた事を吐かすかっ!」ダンッ

259: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/10(木) 23:19:49 ID:o1rd/yZ20
大主教「…まだ目が覚めんか?あれだけは足りんか?ん?」

エルヴィン「何故我々に協力して下さらないのですか…?挙句の果てには…壁を破壊するなどっ…!」

貴族「貴様等が何時迄もダダをこねるからよ…!大人しく我々に従えばいいものを…」

大主教「もうよい…。貴様は賢いから生かしておいたが…。首をすげ替えればいいだけだ…ここで死ね。おいっ!」パンッパンッ
ガチャッ

リヴァイ「今呼んだのはこいつらか…?」ブンッ

ミカサ「……………」ポイッ

レオン「……………」ブンッ

憲兵達「……………」ドサッ

大主教「なっ…何だっ!?お前等はっ!」

リヴァイ「何だはねぇだろ?俺達に…会いたかったんだろ?」

貴族「えぇいっ!憲兵は何をしているっ!」

~~~~~~~~
ー憲兵団本部ー
ー大講堂ー

ナイル「本日は王宮で第一憲兵団による機密演習が有るとの事だ。各自合図があるまで王宮には近づかない様にっ!」

一同「ハッ!!」

憲兵「ならよ…。さっきの続きやろうぜっ!」

憲兵「おう!金持ってんだろうなぁ?」

ナイル(俺が出来るのはここ迄だぞ…。エルヴィン…)

~~~~~
ー王宮ー

ジャン「奴等なら来ねぇぞ?」

ミカサ「第一憲兵は皆寝てもらった…」

主教「…大主教様…。どうのように?」

貴族「貴様等…こんな事して…只で済む思ってるのか!?」

エルヴィン「我々も大変遺憾に思います…。ですが…このような方法しか無かったのも事実です」

大主教「くっ…。貴様等は何が目的だ…?金か…?土地か…?何でも欲しい物を言ってみろ!」

リヴァイ「ほぉ…。なら…自由を寄越せ。この壁の中は…百年間ずっとクソだった。テメェ等がクソみてぇな事しかしねぇからだ」

貴族「…自由だと?貴様等には十二分に与えてやっていただろう…?外に死にに行く事も許可してやっただろうがっ!」

260: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/10(木) 23:20:40 ID:o1rd/yZ20
ジャン「何だとっ!?」ギリッ

大主教「貴様等が寝惚けていられたのは誰のお陰だと思っておる?…我々が壁の秘密を受け継いできたからだ!何も知らない貴様等は幸せだっただろう!?…それらは全て我々が築き上げてきた物だっ!」

エルヴィン「はい。百年間もあのような強大な秘密を、ご自身で背負わなければならなかったご苦労は…我々の想像を絶する物でしょう…」

大主教「ならばっ…!何故邪魔をする!?貴様等は…馬鹿な人形のままで居ればいいのだっ!!」ダンッ

レオン「あー…。それは難しいでしょう…人間ですからね」

ロッド「…君が例の異次元の子供かね…?」

レオン「この国の最高権力者の方にまで知られているとは…光栄です。…そうですよ?私が別の世界の人間です」キリッ

貴族「貴様さえ来なければっ…!」ギリッ

レオン「それは関係ありませんよ…?私がもし来なかったとしても…時間がズレるだけで、結局この事態に陥ります…。議会の皆様は…庶民を侮り過ぎですね」

大主教「黙れっ!…貴様等は…纏めて極刑だっ!」

リヴァイ「どうやってだ…?お前等にはもうそんな力はねぇよ」

エルヴィン「我々は抗争を望んでいません。自ら身を引いて下されば、皆様の安全を保証致します」

貴族「何っ!?ならば…我々が断ると言えば…?」

エルヴィン「そうなれば仕方有りません…。我々も諦めます」

大主教「馬鹿がっ!ならば早急に此処から立ち去れいっ!」
ガチャッ

ハンジ「エルヴィン。…周囲の包囲は完了した」スッ

エレン「……………」スッ

ヒストリア「………………」スッ

ロッド「……(ヒストリア…)」

エルヴィン「…ご苦労。…本当に宜しいのですね?…エレンはもう既に力に目覚めています。あの力が有れば、我々は助かりますが…皆様は難しいかも知れません」

リヴァイ「自分が構わんと言ったんだ…。仲良く旧体制の元で死んでもらおう。…帰るぞ」スッ

ジャン「あぁ~あ。残念だったな!」スッ

レオン「残りの時間…精一杯の幸が有らん事を…。アーメン…」

ロッド「…待て。…どういうつもりだ?エルヴィン」

エルヴィン「そのままですが…?皆様が旧体制にしがみついて離れない以上…我々は全力で逃走します」

貴族「何だと…?どういう事だ?」

261: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/10(木) 23:21:27 ID:o1rd/yZ20
リヴァイ「…お前等は俺達を殺すつもりだろ?実はこの間マリアを奪還してな…。落ち着くまで…マリアにでも隠れてるよ…」

大主教「何っ!?マリアを奪還しただとっ!?」ガタッ

エルヴィン「はい。まだ相当数の巨人が残っていると考えられますが…エレンの力が有れば、掃討は難しい物では無いでしょう」

レオン「壁内が攻撃されても、あの力が有れば我々だけは助かりますし?」

ロッド「…我々を脅すつもりか?…民の為と言いながら…やっている事は勝手極まりないが?」

エルヴィン「滅相も有りません。我々は自分達が出来る事をやるだけです。…もし争いが起きれば…王政や憲兵の失態は浮き彫りになります。そこで我々が事態を沈静化すれば…」

ロッド「……………」

貴族「こっ…この壁内に居るのなら!…力尽くで捕まえてやるわっ!」

リヴァイ「そうか。じゃあ頑張ってくれ。また会えるといいな」

貴族「くっ…」

エルヴィン「レイス卿…。あなただけは…他のお二方と違うような気がしてならないのですが…?」

ロッド「…………」

大主教「何を言っておるっ!我々とレイス卿は一心同体だっ!…そうですな…?」

ロッド「……………」

エルヴィン「何故です?最高権力者のあなたが…何故ウォール教に肩入れを?…巨人にしてもそうです。何故…エレンだけなのですか?敵国とはいえど…巨人化出来る人間が他にも居たにもかかわらず」

ジャン「確かに…!ライナー達には触れなかったな…」

ロッド「…フッ…。レオン…と言ったか?確かに私達は君達を見くびっていた様だ…」

レオン「ご理解頂き恐縮です」

大主教「レイス卿…。この期に及んで我々を裏切るおつもりですか?…そんな事が出来るとでも?」

リヴァイ「うるせぇジジィ共だな。…そこの三人をつまみ出せ」

レオン「ハッ!…お立ち願えますか?」グイッ

貴族「馴れ馴れしく触るなっ!…くそっ!」バタバタ

ミカサ「立ちなさい」ガシッ

大主教「ぐっ…!グエッ…」ズルズル

ジャン「ほら行くぞっ!」グイッ

調査兵「我々に任せろ。外で拘束しておく!」

262: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/10(木) 23:22:07 ID:o1rd/yZ20
レオン「宜しくお願いします!」

ジャン「有難うございます!」
ミカサ「……………」パッ

大主教「…ゴホッ…!ゲホッ…!」

主教「離せっ!!…自分で歩けるわ!」バシッ
バタンッ

リヴァイ「さて…。うるさい奴等は居なくなった。存分に喋れ」

ヒストリア「………………」

ロッド「…この壁を築いた一族を二つに分けた…それがウォール教とレイス家の始まりだ」

ユミル「なら…やはりあんた達はイズンの?」

ロッド「あぁ。我々の先祖はイズン様だ。そしてイズン様に二人の子供が生まれたが…巨人を操る事が出来るのは、片方だけだった…」

ロッド「…この壁内が割れるのを危惧したイズン様は…力の無い子供に、壁の秘密…つまり巨人の開放の力を与えたのだ」

エルヴィン「成る程…。それが現在のレイス家とウォール教の関係に当てはまる訳ですね?」

ロッド「そうだ。そうする事で力の均衡を保とうと考えたのだ」

レオン「成る程…。これはお互いが必要になる訳ですね」

リヴァイ「それで?何故エレンでなければならなかったんだ?」

ロッド「エレンが[座標]の可能性が高い事を知っていたからだ…。エレンの母親は…私の妹だからな…」

エレン「…何っ!?」

ミカサ「…ッ!?」

リヴァイ「…成る程。ヒストリアは何故だ?…妾の子供だろう?…今更子供が恋しくなった訳じゃねぇんだろ?」

ロッド「ヒストリアの母親はウォール教の血が入っているのだ…。壁の名前でも分かる通り…壁の巨人を開放する力を持っているのは、代々女なのだ…。私の直系であり…ウォール教の一族の血を持つヒストリアが必要だった…」

ロッド「ヒストリアには姉が居た…[座標]の力を持つな…。だが…元々病弱だった為に…病死してしまった…」

ロッド「そこでヒストリアを迎えに行ったのだ。しかし…私が力を独占する事を恐れたウォール教に邪魔をされてしまった…」

ユミル「…何だそりゃ…?ヒストリアは…道具じゃねぇんだぞ!?」

ロッド「…ヒストリア…。私は…お前を忘れた事は一度も無かった…。あの時…本当にお前を迎え入れるつもりだったのだ…」

ヒストリア「…………」グッ

267: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/12(土) 02:34:11 ID:N.OgCAmo0
エレン「ちょっ…ちょっと待って下さいっ!!自分の母親が…あなたの…妹?どういう事ですか!?」

ロッド「グリシャから何も聞いていないのか…?」

エレン「父さんを…知っているんですか?」

ロッド「彼がティタン王国の人間だというのは知っているな…?私は…我々を狭い壁の中に追いやったあの国の奴等が許せなかった…。だから…何れは戦う時が来るのだ思っていたよ。そんな時に…彼はこの国にやって来た」

ロッド「彼は言ったのだ…。戦争など起こしても何も生み出さない…。自分は戦争を回避する為に此処に来た…とな。壁内が壁の巨人を放棄し、武装を解除すれば…お互いに争う理由も無くなる筈だと」

レオン「壁外の国にとって壁の巨人は…脅威以外の何物でも無いしな…」
ジャン「成る程…」

エルヴィン「そうでしたか…。しかしウォール教は協力を拒んだ…こんな所ですか?」

ロッド「私は彼の意見に同意したよ。お互いの文化の交流が持てれば発展が見込める…。更には…この狭い壁から開放されると…。だが…ウォール教は聞く耳を持たなかった…」

ロッド「そこで私の和平の証として…妹であるカルラを紹介したのだ…。何時か必ず和平を実現させようと誓い合った…」

ロッド「カルラが何かの力を持っていたのかは分からなかったが…その息子が巨人化したと聞いた時に…確証に近い物を感じた…」

ジャン「えぇと…。て…事はだぞ?ヒストリアと…エレンは…」

レオン「血が繋がっているって事になるな…(従兄妹って事か…)」

ミカサ「……………」ジッー

ユミル「…何だよ?エレンとヒストリアが血が繋がってちゃ悪いか?」

ミカサ「……別に」

エレン「…マジかよ…」

ヒストリア「…頭が付いていかない…」

エルヴィン「…レイス卿。もう迷う事は無い筈です…。勿論、和解交渉が先になりますが…。壁を…放棄しましょう。そうすれば争いは避けられ…互いが利を得る筈です!」

ロッド「…もう旧体制から脱却する必要があるのだろうな…。私達は退く…王家も我々の配下だ。どうとでもなる」

エルヴィン「市民の理解を得る為にも…国王に直接説明して頂きます。そして…レイス家が名実共に真の王家としてこの国を率いるのです!」

レオン「という事は…やはり…」チラッ

ヒストリア「…………………」

エルヴィン「あぁ。国王には…ヒストリアに即位してもらう」

ヒストリア「…えっ!?…そんな…国王なんて…出来ません…!」

268: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/12(土) 02:34:49 ID:N.OgCAmo0
リヴァイ「誰も出来るかどうかなんざ聞いていないが?」

ヒストリア「……ッ!?」ビクッ

リヴァイ「出来るかどうかじゃねぇよ…。やれ。それ以外無い筈だ」

ヒストリア「そんな…。無理です…!」

ユミル「本人が出来ないと言っているんです!…他の手を考えるべきです!」

リヴァイ「…何か勘違いをしてねぇか?…お前がダダをこねている間に勝機を逃がすかもしれねぇ。そうしたら…お前のせいで何人死ぬ…?」

ヒストリア「そっ…それは…」

リヴァイ「ただ…お前がさっさと決めれば、助かる命はどれ位あるだろうな?」

ユミル「…だから…!本人は出来ないと言ってるだろっ!!」ダンッ

リヴァイ「…うるせぇ奴だな。なら…此処から今直ぐ逃げろ。だが…俺達は絶対にお前を見つけ出して従わせる。…お前がうんと言うまで…痛めつけてでもな」

ヒストリア「…ヒッ…!」

エルヴィン「……………」

ハンジ「………………」

ジャン「あの…!幾ら何でも…それは…」

リヴァイ「…じゃあお前等全員死にたいのか…?…コイツが国王になれば助かる命が増えるらしい…。結構な事じゃねぇか。俺は人間が生きて行けるならば、xxxxでも何でも引き受けてやる。…そりゃ拷問の一つや二つはやらなきゃな」

ヒストリア「……………」グスッ

リヴァイ「どうした…?時間が無い!さっさと決めろっ!!」ダンッ

ユミル「ふざけんなっ!!…ヒストリア。嫌ならやらなくていい…。私が一緒に逃げてやる」ガシッ

リヴァイ「…ユミル。裏切るんだな…?」シャッ

エレン「おっ…おい…。これやばくねぇか…?」ボソッ

ミカサ「仕方が無い。ユミルが敵ならば…」

レオン「………………」

ユミル「ハッ…!今この場で巨人化したら…お前等に勝ち目は無いぜ?」スッ

ハンジ「おっ…おい!ユミルッ!よせっ!」

リヴァイ「…馬鹿が」スッ

ヒストリア「…止めてっ!!」

ユミル「…ヒストリア?」ピタッ

269: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/12(土) 02:35:43 ID:N.OgCAmo0
リヴァイ「……………」

ヒストリア「やります…!!…今度は国王をやればいいんですね…?分かりました!…やらせて下さい!!」グスッ

ユミル「おいっ…!お前何言って…」

ヒストリア「だって…!…私が一人が我慢すれば…皆助かるんでしょっ!?…今迄だってクリスタって役をやってきた…!もういいよっ!それで済むならそうするわよっ…!!これでいいですか…!?…うぅ…」ポロポロ

ユミル「………………」ギリッ

リヴァイ「一件落着じゃねぇか。話を進めよう…」

ジャン「……………」ゴクッ

エレン「……………」

ハンジ「リヴァイ…」

エルヴィン「…ふぅ…」

ユミル「…テメェ…いい加減にしろっ!」ダッ

レオン「はいストーップ!!」ガシッ

ユミル「離せっ!アイツは…許さねぇっ!!」バッ

リヴァイ「………………」

レオン「お前少し落ち着けよ…。ヒストリアも…。どうしたんだよ?」

ユミル「どうしただと…?テメェは何も聞いてなかったかよっ!?」グイッ

レオン「聞いてたよっ!…リヴァイ兵長が…俺達が助かる為なら、悪者を引き受けてくれるって話だろ!?」ガシッ

ユミル「はぁ…?お前…何言ってる?」

レオン「だってそういう事だろ?…この壁内で誰よりもその資格が有る奴を国王にさせようと背中を押して、更にその為に必要なら泥は全部被ってやる…。さっきの話を直訳すればこうなるわな?」

ユミル「………………」

レオン「…リヴァイ兵長が…口下手なのは今に始まった事じゃねぇだろ?それによ…?ヒストリア…。何故…やりたくないんだ?」

ヒストリア「何故って…私には出来ないもの…」

レオン「だから何で?…さっきも演じるみたいな言い方してたけどさ…。お前は…訓練兵の時のお前は演技だったのか…?」

ヒストリア「…アハハッ!そうだよっ!クリスタは私が生きて行く為に与えられた役で…全部演技だったの!…本当の私は…あんなにいい子じゃないもの…!」

ロッド「……………」

270: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/12(土) 02:36:44 ID:N.OgCAmo0
レオン「お前何言ってんだ?…クリスタだのヒストリアだの国王だの…別にどうでもいいだろ?そんなもんよ…。ヒストリアだからとか…クリスタだからとかじゃなくてよ…。お前がクリスタであり、ヒストリアであり、国王なんだろ?」

レオン「クリスタの時も、ヒストリアの時も…そして今も。お前はずっとお前だったよ…。顔は可愛いのに、意外と馬鹿な…普通の女の子だよ」
ヒストリア「………………」

ユミル「………………」

レオン「国王なんて最高じゃねぇかっ!成ろうとして成れるもんじゃねぇぞ?…何を気にしてんのかしらねぇけどよ…。こんなに怖いリヴァイ兵長だって…お前に忠誠を誓うんだぞ?」

リヴァイ「…チッ…」

ヒストリア「…だって…どうすればいいか分からないし…」

レオン「いやだから…。お前がやりたいようにやればいいだって!細けぇ所は周りにやらせてさ!…お前はこの国をどんな国にしたいんだ?外の国との交流が始まれば…もっと活気に溢れてくる!その時にお前はどうしたい…?」

ヒストリア「…皆と…仲間と一緒に…楽しく暮したい…!この国の人が…幸せに暮らしていけるようにしたい…!」

レオン「決まりだな。結局…お前は超が付く程の…お人好しなんだよ…。最初っから…ずっとな…!」

リヴァイ「おい…。何時迄仕切ってやがる…?」

レオン「…ッ!?失礼しましたっ!でも…中々優秀な通訳でしょう?」ニヤッ

リヴァイ「…さぁな…」

エルヴィン「…ヒストリア。やってくれるな?」

ヒストリア「…はい。もう迷いません…。この国の国王は…私です…!」
ユミル「いいのか…?」

ヒストリア「うん。ありがとう…。これからも…助けてもらうよ?」ニコッ

ユミル「…当たり前だろ?」ワシャワシャ

ヒストリア「…うわぁ…!ぐしゃぐしゃになっちゃう…!」

レオン「ふぅ…」

ハンジ「よくやった!レオンッ!」バシッ

レオン「イテッ!…有難うございます!」

エルヴィン「…レイス卿。貴方には裏方に回って頂き…ヒストリア女王陛下の補佐に回って頂きたいのですが?」

ヒストリア「………………」

ジャン「えっ…!?…まだ中央に置くつもりですか?」

271: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/12(土) 02:37:57 ID:N.OgCAmo0
エルヴィン「…あぁ。この方を除いて適任が居まい?」

ロッド「…願ってもない事だ…。ヒストリア…。お前には苦労を掛けた…。辛い目にも合わせた…。今更許してくれとは言わないから…側に置いてくれないか…?」

ヒストリア「…今更貴方を父親とは思えません…。でも…それでもっ…!私にとって…たった一人の…お父さん…だか…ら…!」ポロポロ

エレン「……………」グスッ

ミカサ「エレン?どうして…泣いているの?」

エレン「…ッ!?ばっ…!泣いてねぇよっ!」ゴシゴシ

ミカサ「……?」

エレン「あの…!ところで…父さんは何処に居るかご存知では有りませんか?」

ジャン「あぁ。それもそうだよな!」

ロッド「すまないが…。私は分からないな」

エレン「そうですか…」

ユミル「……………」

レオン「…お前はどう思う?」ボソッ

ユミル「…何がだ?」ボソッ

レオン「…エレンの父親だよ…。やっぱり…自分で…」

ユミル「…どうだろうな。可能性は高いと思うが…」

レオン「…これは黙っていた方がいいと思うんだが…」

ユミル「お前がそう思うならそうしろ…」

エルヴィン「…これで死んでいった仲間も報われるだろう…」

ハンジ「…ウォール教はどうするの?…壁の秘密は彼等が握っているのだろう?」

ロッド「それについては心配無い。…流石に開放の方は分からなかったが…先日ようやく見つけたのだ。壁の巨人を…消滅させる方法を…」

エレン「そんな事が…可能なのですか!?」

ロッド「作ることが出来たのだ…。消す事が出来ない方が変であろう?」

リヴァイ「それで…?その方法は?」

ロッド「[座標]能力者と術者が交わり…シーナの門に血を捧げるのだ」

ジャン「能力者と…」

レオン「術者が交わるぅ…?…それって…(近   …?)」

ミカサ「反対っ!!!断固反対っ!!!!」バンッ

ユミル「おいっ!おっさん!適当な事言っていると只じゃおかねぇぞ!?」バンッ

272: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/12(土) 02:39:10 ID:N.OgCAmo0
エレン「なぁ…。それってどういう事だ?」

ミカサ「エレンは何も分からなくていいっ!!」

ヒストリア「どういう意味?」

ユミル「お前は何も知らなくていいんだ…!」

ロッド「…何を騒いでいる?…お互いの指を少し切って…それで行えばよかろう?」

レオン「あー…」

ジャン「成る程…」

ユミル「……………」

ミカサ「……………」

リヴァイ「…マセガキ共が…。お前等には少し刺激が強すぎたか?」

ミカサ「くっ…」

ユミル「チッ…」

エルヴィン「ならば…新王政下に忠誠を誓えないなら…地下に幽閉する他あるまい」

ハンジ「まぁ…。殺されないだけ感謝して貰わなくちゃね!」

エルヴィン「ならば…遠征の準備を進めなくてはならないな…」

ハンジ「うん…。ライナー達が居るとはいえ…マリアのまだ先だ…。それなりの覚悟は必要だろう…」

ロッド「くくくっ…!ハハハッ!」

ヒストリア「…ッ!?どうしたのですか?」

ロッド「…エルヴィンッ!つくづく食えん男だなっ!…エレンはまだ覚醒しておらんのか?」

エルヴィン「…えぇ。申し訳ありません…。私はつくづく…博打打ちでして…」ニヤッ

ロッド「我々が勝てる筈もなかったか…。これだけ優秀な人間が…庶民に居たとはな…」

リヴァイ「…なら…戻って各自休んでおいた方がいいな。包囲ももう解除しても構わんだろ?」

エルヴィン「…あぁ。我々も戻ろう…」
バタンッ

アルミン「……………」ハァハァ

ライナー「おいっ!…落ち着けアルミンッ!戻ろうっ!」ガシッ

エレン「アルミン…?どうした?」

アルミン「……ッ!」ガチャッ

ライナー「おっ…おいっ!」

273: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/12(土) 02:39:50 ID:N.OgCAmo0
リヴァイ「おいガキ…。どういうつもりだ?」

アルミン「…間に合ってよかった…。長かった…本当に長かったよっ!!」ギリッ

エレン「おい…。どうしたんだよ…?何で…ライフルを…ヒストリアの父さんに向けてんだ…?」

ロッド「………………」

ミカサ「……………」スッ

アルミン「来ないでっ!!」

ミカサ「…ッ!」ピタッ

アルミン「…二人は覚えているだろう?…五年前の…馬鹿な作戦を…」

エレン「…奪還作戦…」

エルヴィン「そうか…。君のおじいさんは確か…」

アルミン「そうですっ!あの作戦のせいで…お爺ちゃんは…。お前等王政に…殺されたんだっ!」

ジャン「…どうしたんだよ…?お前は…こんな事する程…馬鹿じゃねぇだろ?」

ロッド「…あの作戦の犠牲者の遺族か…。仕方あるまい?あぁでもしなければ…全員飢え死にだったぞ?」

アルミン「黙れっ!!内地の貴族が…もっと協力してくれればっ…!」

ハンジ「取り敢えず落ち着くんだ…。それを…こっちに渡しなさい」

レオン(オーマイガッ!…一難さってまた一難かよ…!)

アルミン「…僕は…この時の為に兵士になったんだっ!…本当に…会いたかったよっ…!お前にっ!!」ガチャッ

ライナー「お前の頭なら…もっと他の方法も考えつくだろ!?…いいから落ち着けっ!」

アルミン「アハハッ…!五年間ずっと…コイツをどうやって殺すかって事しか考えてなかったよ…!…あのキツイ訓練だって…この時を思えば耐えられた…!」

ヒストリア「止めてよ!アルミン…。こんな事しても…」

ユミル「ヒストリア…。よせ…」

ヒストリア「こんな事しても…お祖父様は喜ばないよっ!?」

アルミン「…何で知ってるの…?」

ヒストリア「…え?」

アルミン「…お爺ちゃんが喜ばないって何で分かるの?…何処かで会ったの?…なら…僕にも会わせてくれよっ!怒っていたっていい…!もう一度…お爺ちゃんに会えるならっ!!…ヒストリアは知ってるんだろ?何処に居るか…。だったら早く教えてくれよっ!!」ガンッ

ヒストリア「…ッ!?」

274: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/12(土) 02:40:29 ID:N.OgCAmo0
リヴァイ「おい。アルミン…。丁度、今話しが纏まってな…。近い内に壁外遠征が決まった訳だ…。此処で殺せば…お前を放って置く訳には行かなくなるんだが?…余計な仕事を増やすんじゃねぇよ」

アルミン「心配いりません…。コイツを殺したら…直ぐに捕まります…」
エレン「なぁ…。お前言ったよな?一緒に外を探検しようって…。あれは…嘘だったのかよ…?」

アルミン「ゴメンね。エレン。僕は一緒に行けそうにないや…。僕の代わりに…しっかり探険して来て…」

エレン「…くっ!…お前がまだ…適当な冗談を言ってる可能性がまだ…有るからっ!!…それをこっちに渡せっ!今ならまだ間に合うっ!!」

ミカサ「エレンッ!落ち着いて…!」

レオン「こりゃ仕方ねぇな…」

エレン「はぁ!?…何が仕方ねぇんだよっ!!」グイッ

レオン「うーん…。憎しみってさ…自分にしか消せねぇんだよな…。今…一番苦しいのは…本人だ…。こんな事しても…何にもならないって分かってるのに…苦しくて…辛くてしょうが無い…。だから…復讐に燃えちまう…。分かるよ…。俺もそうだったからな…」

エレン「……あぁ?」

アルミン「…何?そんな事言ったって…無駄だよ?」

レオン「だから分かってるよ。その炎は他人には消せないんだよな…。自分で納得するしかないんだよ…」
バタバタッ

コニー「アルミンは見つかっ…た…か…?」ダッ

サシャ「居たんですか?コ…ニー…?」ダッ

コニー「おいライナー…。どうなってんだよ?」

ライナー「どうもこうもねぇよ…」

アルミン「二人共…。心配かけてゴメンね…。今もう終わるから…。レオン?君がどんな復讐に燃えていたのかは知らないけど…僕には関係無いよ…」

レオン「あぁ。もうしょうが無いと思うぞ?」

エレン「しょうが無い事あるかよっ!!アルミンッ…!親友として…一生のお願いだ…!お前を人殺しになんてさせる訳にはいかねぇんだよっ!!」

ミカサ「私からもお願い…」

アルミン「………………」

レオン「…後悔は無いんだよな?」

アルミン「…あぁ」

ハンジ「ちょっと…。エルヴィン?どうするの…?」

275: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/12(土) 02:41:26 ID:N.OgCAmo0
エルヴィン「………………」

リヴァイ「……………」

レオン「…もし…あの世で爺ちゃんに会っても…胸を張って今日の事を報告出来るんだよな?…お前は…今日の事を自慢出来るんだよな…?」

アルミン「……ッ!」

レオン「もし…爺ちゃんに自慢出来る事なら…俺達は止められねぇよ…」
ユミル「…………」

ヒストリア「……………」

エレン「…アルミン…」

アルミン「…ずるいよ…。レオンは…。その話は…反則だよ…」ガシャッ

コニー「…よしっ!」バッ

アルミン「そうやって言えば…出来無い事を…知ってて言うんだ…」ポロポロ

レオン「…そんな事ねぇよ…。覚悟はしてた…」

アルミン「…お爺ちゃん…。…ウワァァァァァッ…!」ガクッ

エレン「…くっ…!」ガシッ

ミカサ「アルミン…」スッ

エルヴィン「レイス卿。これも旧体制が招いた悲劇です…。この件は誰も悪くない…。それで宜しいですね?」

ロッド「私はもう権力者では無いんだ…。異論は無い」

ユミル「無茶しやがって!」バシッ

レオン「…別に狙った訳じゃねぇよ…」

ヒストリア「でも…間違いが怒らなくて…本当に良かった…」

エルヴィン「では包囲を解き戻ろう…。また忙しくなる…」

一同「ハッ!」

276: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/12(土) 02:42:06 ID:N.OgCAmo0
~~~~~~
ー王宮前ー

エルヴィン「皆ご苦労だった…。また明日から遠征準備で大変だが…真の自由は目前だっ!!心して掛かってくれ!」

一同「ハッ!!」バッ

レオン「何だか…今になってドっと疲れたな…」

ユミル「そうだな…」

ヒストリア「レオンには色々教わったから…」

レオン「俺は思った事を言っただけだよ…。お前はもっと自分を誇って行こうぜ!」

ヒストリア「うんっ!そうねっ!」
ドーンッ

ユミル「…ッ!?…銃声だっ!伏せろっ!」ガバッ

ヒストリア「…キャッ!」ドサッ

ミカサ「…居たっ!逃がさないっ!」ダッ

エルヴィン「全員無事かっ!!」

ユミル「…お仕置きが足らなかったのか…?…ん?レオンッ!何時迄寝てやがるっ!」

レオン「……………」

ユミル「…おいっ!…何してんだ?…おいっ!」ユサユサ

ヒストリア「…嘘っ…?」

エレン「おいっ!どうした?」

ユミル「…嘘だろ…?…これからじゃねぇかよ…。何してんだよっ!!」
アルミン「…そんなっ…!」ガクッ

エルヴィン「……………」

リヴァイ「…何時迄遊んでやがる…?早く行くぞ」

アルミン「…ッ!?」

エレン「…兵長…。流石にそれは笑えません…」

リヴァイ「あ?何言ってやがる…。笑わせるつもりなんざねぇよ」

ペトラ「………………」

オルオ「………………」

エルド「…幾ら何でも…」

グンタ「………………」

エルヴィン「…リヴァイ…。気持ちは分かるが…言い方がな…」

ハンジ「エルヴィンまで…何て事を言うんだっ!」

サシャ「流石に…付いていけません…」

リヴァイ「…チッ…」スッ

ユミル「…何か?」ギロッ

リヴァイ「おい…。お前が何時迄もふざけているせいで…すっかり悪者にされちまったぞ…?こんな形で悪役になるのは…不本意なんだが?」

ユミル「…何を言っているんですか?」

レオン「……別にふざけていた訳では無いんですがね…」ムクッ

ユミル「……は?」

一同「……は?」

277: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/12(土) 02:42:49 ID:N.OgCAmo0
ユミル「…お前…どうして…」

エルヴィン「彼は丁度そこに躓いて…転んだだけだよ…」

一同「ハァァァァッ!?」

レオン「いやだって…!起きようとしたら何だか…起きにくい雰囲気だったから…!ゴメンナサイッ!」テヘペロ

ミカサ「…話は聞いた。こればかりは擁護出来ない」スッ

エレン「あぁ…」スッ

レオン「あらら…?エレンさん?ミカサさん?おーい…」

ヒストリア「…はい。これ…。そこで気絶した兵士が持ってたよ」スッ

ユミル「おぉ。悪いなヒストリア。…よっと」ガチャガチャ

レオン「…あのー…?ユミルさん?何を…?」

ユミル「あ?ライフル用意してんだよ」ガチャ

アルミン「ダメだよっ!ユミルッ!」スッ

レオン「…ッ!流石はアルミンッ!分かっ…アルミン「ちゃんと弾を込めなくちゃ!…はい!」スッ

レオン「」

ユミル「おっ!悪い!…さてと…。おら…逃げねぇと体に穴空くぞ?」ガチャッ

レオン「…ヒーッ!助けてぇっ!!」ダッ

ユミル「待てこらぁっ!!!」ダッ

レオン「オルオさんっ!助けてっ!」グイッ

オルオ「…ッ!?おいっ!俺に隠れるなっ!こら…!ガキッ!」バタバタ

ペトラ「…本当によく分からない子ね…」

リヴァイ「何時迄遊んでるっ!帰るぞっ!」

オルオ「ハッ…!」

レオン「ほらっ!…削がれるぞっ!?」

ユミル「…チッ…。覚えてろよ?」スッ

レオン「……………」ジッ

ヒストリア「少しは懲りた?…どうしたの?手なんか見つめて?」

レオン「…ッ!?あっ…あぁ。何でも無い…。ゴメンなっ!」バッ

レオン(…時間…か…)
――――
―――
――

278: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/12(土) 02:43:30 ID:N.OgCAmo0
ーローゼ東ー
ー廃墟ー
ー倉庫ー

ユミル「何だよ…。こんな所に呼び出しやがって…」

レオン「ん…?まぁ偶にはゆっくり喋りてぇなぁ…ってさ」

ユミル「…?何時にも増して変な奴だな…」ドサッ

レオン「…ヒストリアは?落ち着いてるか?」

ユミル「あぁ。もう吹っ切れたみたいだぞ?…また…助けられたな…」

レオン「…俺は何もしてねぇって…。お前等の力だよ。…思えばあっという間だった…。お前等と過ごした三年半…辛い事や…苦しい事が沢山有った…。でもよ…嫌な時は無かった…。礼を言うのは俺の方だよ…」

ユミル「…何だ?急に…気持ち悪いな…」

レオン「気持ち悪いは無いだろっ!?…此処に来るずっと前からお前に夢中だった…。こっちに来て色々な経験したが…俺は今でもユミルに夢中だ…。本当に…ありがとな…」

ユミル「…お前どうした?…悪い物でも食ったのか!?」

レオン「…どうやら夢の時間は終わりらしい…。俺も…もう目覚めの時が来たみたいだ…」

ユミル「…はぁ?……ッ!?お前…体がっ…!」

レオン「何だか薄くなってきてるよな?…ちゃんと生きて帰れればいいんだが…。俺はお前達に出会えて幸せだったよ…。お前は…どうだった…?」

ユミル「…そんなもんっ…!幸せだったに…決まってん…だろ…?」ポロポロ

レオン「ありがとな…。最後に一つお願いがある…」

ユミル「…また…キスしてとかかよ…?」

レオン「キスはしてもらうが…そうじゃない…。あのさ…」スッ

ユミル「…あぁ。そんな事かよ…。分かった。楽しみにしてるぜ」

レオン「あぁ。後…木を枯らさないでくれよな?…頼んだぜ?」

ユミル「任せておけ…。あの木になる果物って…何なんだ?」

レオン「あぁ…。あれはな…………」スーッ

ユミル「聞いてんのか!?」バッ
シーンッ

ユミル「くっ…。…ウワァァッ!」ポロポロ
―――――
――――
―――

279: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/12(土) 02:44:13 ID:N.OgCAmo0
ー翌朝ー
ー食堂ー

ヒストリア「あっ!もう…何処に行ってたの?夜中から居なかったでしょ?」

ユミル「…レオンが…帰って行ったよ…」

ヒストリア「えっ!?…レオンって…?」

ユミル「はぁ?何言ってんだよっ!?レオンだよっ!レオン・パルマーッ!」

ヒストリア「…えぇと…。どうしたの?少し落ち着いてよ…」

ユミル「…チッ…!おいっ!ライナーッ!…レオンって知ってるよな!?」

ライナー「何だ急に…?レオン?そんな奴居たか…?ベルトルト?」

ベルトルト「ゴメン…。知らない…」

ユミル「…はぁ…?(どうなってやがる…。誰も…レオンを…覚えてない…?)」

リヴァイ「…飯の時位…静かに出来ねぇのか…?」

ユミル「兵長は…レオンを…知っていますよね?」

リヴァイ「レオン?誰だそりゃ?…さっと飯を食え…。今日も忙しいぞ」
ユミル「……(ははは…。マジかよ…。私しか覚えてねぇとは…。レオン。そっちでも…達者でやれよ…)」
―――――
――――
―――
――

おいっ!レオンッ!起きろっ!!…レオンッ!!

レオン「…はっ…!此処は…」

フィル「レオンッ!!」ガバッ

レオン「…フィルッ!?どうして此処に…?」

フィル「…お前は交通事故にあって…一ヶ月間寝たきりだったんだよ…!…さっき丁度…動いた様な気がしたから…呼び掛けてたんだ…」

レオン「…一ヶ月!?(向こうじゃ三年経ってた筈だが…。軸が違うのか…)」

フィル「あぁ…。先生にも意識が戻るか分からないとか言われちまうし…。本当に良かったっ…!!」グスッ

レオン「ありがとな…フィル…。ところでさ…進撃って…今どうなってんの?」

フィル「起きて早速それかよ…。それがさ…丁度お前が事故にあった日かな…?何でも作者が怪我しちまったとかでさ…。一ヶ月間休載になったんだよ…。だから…再開は来月からだな!」

レオン「アハハハハッ!そうか…そうだったんだ…」バンッ

フィル「…ッ!?…何だよ急に…」ビクッ

レオン「いや…何でも無い…(…結局神様の気まぐれかよ)」

レオン(元気でな…。ユミル…)
―――――
―――
――

280: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/12(土) 02:46:03 ID:N.OgCAmo0
男「全く…。陛下は何処に言ってしまったんだ…」コッコッ

隊員「…ッ!?お疲れ様ですっ!ボット隊長っ!」ビシッ

マルコ「やぁ。お疲れ様…。陛下を見なかったかい?」

隊員「ヒストリア様ですか…?私は存じません…!」

マルコ「そうか…。ありがとう。下がっていいよ」

隊員「失礼ますっ!」ビシッ

マルコ(ふぅ…。毎度毎度…。あ…。今日はそうか…あそこだっ!)ダッ

~~~~
ー丘ー
ー果実の木ー

ユミル(…結局…アイツが残した物はこれだけだったが…。毎年の今日…何故か皆、此処に集まる…。名目は開国記念日だが…本当は…)

女「あっ!居た居た…。こんな所でサボっていたら…隊長に怒られますよ?」

ユミル「…これはヒストリア女王陛下…。陛下こそ…また黙って出て来たのでは?隊長が探し回っていますよ…?」

ヒストリア「フフフッ…。…今日は普通に喋りましょ…!特別な日だしねっ!」

ユミル「そうだな…。もう五年か…。早いものだな…」

ヒストリア「そうね…。最初はどうなるかと思ったけど…皆のお陰で何とかなってるもんねっ!」

ユミル「いや…。実際お前はよくやってるよ…。陛下…」

ヒストリア「…むぅ…。からかってない…?」

ユミル「何処がだよ!?」
ガラーンッ ガラーンッ

ヒストリア「あっ!…旅団が帰って来たみたいね!」

ユミル「あぁ。恐らくアイツ等も来るだろ…」

281: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/12(土) 02:46:45 ID:N.OgCAmo0
~~~~~~~
ー王国入口ー
ワーッ ワーッ

漁師「あっ!!ジャン団長っ!!この間教えてもらった場所!…大物がバンバン釣れましたぜっ!」

ジャン「おう!オヤジッ!俺が言った通りだろ?」

漁師「何時も有難うございます!…また新鮮なの卸させて頂きますよ!」
ジャン「おう!楽しみにしとくぜっ!」

店主「おぅ!サシャちゃん!またいい肉仕入れたんだ!近い内に食べにおいで!」

サシャ「お肉ですかっ!?行きますっ!直ぐに行きますっ!」

店主「アハハッ!旦那と仲良くなっ!」

サシャ「はい!有難うございます!」

マダム「あらアルミン君…。元気?最近冷たいじゃない…」

アルミン「ゴメンね…。マダム。最近忙しくてさ…」

マダム「また遊びに来てね…。待ってるから…」

アルミン「うんっ!またね~」

ジャン「…お前って本当に年上キラーだよな…」

アルミン「う~ん…。狙ってる訳じゃないんだけどね…」

女子1「エレン団補よっ!!エレンさーん!」フリフリ

エレン「あ…ははっ…」フリフリ

ジャン「…何でコイツばっかりっ…!」ギリッ

女子2「…あんまり振ってると…部隊長が小石投げ付けてくるわよ…!」
女子3「…でも…今日は居ないみたい…?」

女子1「チャンスよっ!!手紙…渡すんでしょっ!?」グイッ

女子3「うっ…うんっ!」ダッ

女子3「あのっ…!イェーガー団補…。あの…アッカーマン部隊長は…居らっしゃらないんですか…?」

エレン「ん…?あー…。まぁ…うん。ゴメンな。ミカサに用事か?」

女子3「いえっ!…イェーガーさんに…そのっ…えっと…」モジモジ

女子1「…アッカーマン部隊長とはどういうご関係ですか!?」グイッ

女子3「ちょっ…ちょっと…!」

エレン「ミカサと?えーと…。その…まぁ…」

ジャン「…伝令っ!」

伝令「ハッ!」ダッ

ジャン「立体機動を許可する!今、エレンが女の子相手に鼻の下を伸ばしているとミカサに伝えろっ!」

エレン「…ッ!?おいっ!ジャンッ!どういうつもりだっ!…止めてくれよ?」

伝令「あの…。えっと…」

282: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/12(土) 02:49:55 ID:N.OgCAmo0
アルミン「ちょっと…。団長と団長補佐に挟まれたら可哀想だよ…。今のは忘れていいよ…。参謀長として立案しよう」

伝令「…ハッ!有難うございますっ!」ビシッ

ジャン「…チッ…。此処で権限使うなよな…」

女子1「あのぉ…。今のはどういう…」

女子3「……………」グッ

エレン「あぁー…。ミカサは今家で休んでるんだ…。その…妊娠してるから…。結婚してるんだ…俺達…」ポリポリ

女子1「…あちゃー」

女子2「…………」ポンッ

女子3「おめでとうございますっ!これからもお幸せに!…失礼しました!」バッ

エレン「おっ…おう…。有難う…//」

ジャン「チッ…!何でコイツばっかり…」

アルミン「ジャン…ドンマイじゃん…」ポンッ

男の子「わぁーっ!本物のヒメイル旅団だっ!」

エレン「…おっ…。フッ…」フリフリ

アルミン「…昔を思い出すね…」

エレン「あぁ…」

男の子「ねぇジャンッ!今日は丘に行くんだろ?」

ジャン「あぁ?何だガキンチョ?何で知ってる…?それにな…ジャンじゃなくて、ジャンさんだろ」

男の子「はぁ?ジャンはジャンだろ?それにガキンチョじゃねぇよっ!」
ジャン「…このガキッ…!」ピキッ

アルミン「まぁまぁ…。団長。子供にムキにならなくても…」

エレン「お前…親はどうした?」

男の子「家に居るよっ!」

エレン「そうか。で?一緒に行くか?…あの丘まで」

男の子「うんっ!行くっ!」

ジャン「ったく…。何で俺達がガキのお守りなんざ…」

アルミン「まぁまぁ…。それよりも…何処かで見た事ある様な気がするんだよなぁ…」

283: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/12(土) 02:50:25 ID:N.OgCAmo0
~~~~~
ー丘ー

マルコ「…やっぱり此処に居ましたか…。探しましたよっ!陛下っ!」

ユミル「まぁ…いいじゃねぇの」

マルコ「…王室騎兵隊、副隊長の君がそれでは困るよっ…!」

ヒストリア「ごめんなさい…。マルコ隊長。私が勝手な事をしたばかりに…」

マルコ「いや…。その…分かって頂ければ…それで…」

ユミル「…今日は特別な日だから…喋りは無礼講だぞ?」

マルコ「あのね。君みたいにコロコロ変えられないの!」

ライナー「これは…皆さんお揃いでしたか…!」

ヒストリア「まぁ…。ブラウン主席外交官…。ようこそ…ヒメイル王国へ…」スッ

ライナー「陛下自らお出迎えとは…恐れ入ります…」

アニ「久し振りだね…」

ベルトルト「お久しぶりです」

ユミル「おうっ!お前等も元気そうじゃねぇかっ!」

ジャン「だからっ!ジャンさんだってのっ!」

男の子「うるさいなぁ…。細かい男はもてないぞ?」

サシャ「あーっ!バレてしまいましたねっ!」

ジャン「キーッ!!」

エレン「おいジャンッ!子供にムキになるなよっ!」

アルミン「アハハハッ!…あれ陛下に…ライナー達ももういるよ?」

ヒストリア「お帰りなさい。団長。ご苦労様でした…」

ジャン「陛下。只今戻りました!」

男の子「あっ!ヒストリアだっ!」

ジャン「流石にな…言って良い事と悪い事があるんだよ…!」

ヒストリア「いいよ別にっ!子供の言った事だからねっ!」

ユミル「……ッ!?」

サシャ「…どうしたんですか?」

ユミル「えっ…?いや…(似てる…。そっくりだ…。まさかコイツが…)」

ユミル「なぁ…お前。名前は?」

男の子「レオンだよっ!…レオン・パルマーッ!」

ユミル「…ッ!?…プッ…。アハハハハッ!」

サシャ「あれ…?ユミルが壊れちゃいましたっ!?」

ユミル「そうか…。お前がレオンか…(ったく…待たせやがって…)」
―――
――

284: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/12(土) 02:50:59 ID:N.OgCAmo0
レオン『キスはしてもらうが…そうじゃない…。あのさ…。また…俺はお前に会いに来ると思うんだよ…。孫の孫のそのまた孫の…みたいな感じで…転生を繰り返してさ…。そしたら…もし俺が忘れてても…お前は覚えててくれよ…。絶対…また会いに来るからさ…二千年後の…お前にさ…?』

――
―――

ユミル(本当に来たが…まだガキじゃねぇかっ!)

ヒストリア「ユミルッ!?大丈夫?」

ユミル「あぁ!大丈夫だっ!」

コニー「おーいっ!悪ぃ!家畜の世話で遅れちまった!」

サシャ「もう…!遅いやないのっ!」

コニー「悪かったってっ!」

アルミン「相変わらず仲いいね!」

ミカサ「お待たせ…」

エレン「ミカサッ!?お前…平気なのか?体は!?」

ミカサ「エレンは心配性。少しは運動もしないとダメなんだって」

アニ「へぇ…。結構目立ってきたね…」

ミカサ「えぇ。エレンに似て…暴れん坊…」

レオン「あれっ!ミカサッ!妊娠してんのか?」

ミカサ「…?誰?この子は…?…何処かで見た事がある…?」

アルミン「あぁーやっぱり?僕もそんな気がするんだけど…。思い出せなくてさ…」

ユミル「あぁ…。お前等は多分会ってるよ…。ずっと昔のコイツにさ…」
サシャ「そうなんですか?」

ライナー「そう言われりゃ…そんな気も…」

アニ「…何だか腹立つね…」

ベルトルト「…………」

マルコ「あぁー…。まぁ…うん…」

エレン「そうかなぁ…」

ジャン「ケッ!俺はこんなに生意気なガキは知らねぇなっ!」

ヒストリア「うーん…。そんな気もするんだけど…」

レオン「まぁいいんじゃない?…忘れるって事はさ…大した事じゃないんだって爺ちゃんが言ってたぞ?」

285: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/12(土) 02:51:39 ID:N.OgCAmo0
ユミル「…そうかもな…」

コニー「おっ!もう実が生り始めてるぞ!?」

サシャ「ホンマや…。早く食べたいですねっ!」

マルコ「相変わらずだね…」

エレン「これ…何ていうんだっけ?」

アルミン「えっと…確か…」

レオン「りんごだよっ!」

コニー「あぁーそうだっ!」

ヒストリア「よく知ってるわね…。レオン」ナデナデ

レオン「…エヘヘ…。まぁね!」

ライナー「…何時迄鼻の下伸ばしてやがる…!」ギリッ

レオン「うわぁっ!あそこのおじちゃん怖い!」ギュッ

ヒストリア「よしよし…。ライナー?まだ子供なんだから…」ギュッ

ベルトルト「おじちゃん…。ドンマイ」ブフッ

アニ「ドンマイ」ポンッ

ライナー「くっ…。スマン…」

レオン「…………」ニヤリ

ライナー(コイツ!分かってやってやがるっ!)

ヒストリア「…ねぇレオン?皆で私の内に集まるんだけど…貴方もどう?」

レオン「うんっ!行く!王様のお家ってどんななの?」

ヒストリア「…あまり変わらないよ?」

一同(いやいやいやいや…)

ヒストリア「じゃ行こっか…!」

レオン「うんっ!」

ユミル「………………」

ヒストリア「……?ユミル?どうしたの?」

ユミル「えっ?あぁ…いやさ…」
―――――
――――
―――

286: ◆HOZlQYR1MY 2014/04/12(土) 02:52:12 ID:N.OgCAmo0
フィル「退院早々遅刻なんて笑えねぇぞっ!レオンッ!」ダッ

レオン「だよなっ!…あれ…?」

フィル「何してんだよっ!遅れちまうぞっ!」

レオン「いやさ…」

ユミル「今日も空が高いなってさ!」

レオン「今日も空が高いなってさ!」

ーーー完ーーー

引用元: ユミル「今日も空が高いな」