歩夢「侑ちゃん、音楽科の授業はどう？疲れてない？」

侑「全っ然！普通科と結構違うから、ついていくのは大変なんだけどね」

侑「でも、普通科と同じ教科は転科する前でやった内容ばっかだから、そこまでキツくないんだ」

歩夢「そっか」

侑「そういえば、音楽科の子たちがさ」

歩夢「ふふっ、よかった」

侑「？歩夢？」

歩夢「私ね、心配してたの。侑ちゃん一人で寂しいんじゃないかって」

歩夢「でも、今日の侑ちゃん見てたら安心した」

侑「そりゃ同じクラスなんだから、授業とかで隣の席の子とかとはよく話すよ」

侑「歩夢じゃないんだし」

歩夢「なっ、そんなことないもん！」

侑「ホントかな〜？歩夢、すぐ私とペア組もうとするじゃん」ﾆﾔﾆﾔ

歩夢「それは、侑ちゃんが居たから…たまたま、組もうと思っただけで…///」

侑「ふふっ、歩夢のそうゆうとこもかわいいよ」

歩夢「もぅ、ごまかさないの！」ﾎﾟﾑｩ!

侑「懐かしいなー」

侑「1年の年度初め、歩夢、ワンワン泣いてたっけ」

侑「『侑ちゃんと離れ離れになっちゃう〜』って」

歩夢「もぅ、小学校の時でしょ？」

歩夢「侑ちゃんだって、幼稚園の頃、遠足で同じグループになれなくて駄々こねてたでしょ？」

侑「そうだっけ？覚えてないや」

歩夢「むーっ」ﾎﾟﾑｯﾎﾟﾑｯ

侑「あははっ、ゴメンゴメン」

侑「で、話を戻すけど」

歩夢「ふふっ、なあに？」

侑「音楽科の子たち、みんなして『ぽむる』って言うんだよね」

歩夢「…ぽむる？」

侑「そ、ぽむる」

侑「音楽用語かなって思って調べたんだけどさ、全然見つかんなくて」

侑「友達にも聞いたんだけど、答えてくれなくてさ」

侑「『ゆうぽむ神に下界の雑念を振りまくなど罰当たりにも程がある』んだって」

侑「歩夢、知ってる？」

歩夢「ううん、知らない」

侑「そっか」

侑「ぽむる、ぽむる…」

歩夢「侑ちゃん、まだ言ってる」

侑「だってさ、気になるじゃん」

侑「意味聞いても有耶無耶にされてさ、モヤモヤするじゃん」

歩夢「そうかなぁ」

侑「そうだよ」

侑「歩夢もさ、仮に私がせつ菜ちゃんと結婚するって聞いたら、とことん問い詰めるでしょ？」

歩夢「…」

歩夢「ねぇ、侑ちゃん」

@cﾒ＊◉ _ ◉ﾘ「なんでせつ菜ちゃんが出てくるの？」

侑「歩夢？」

@cﾒ＊◉ _ ◉ﾘ「せつ菜ちゃんの方が大事なの！？」

侑「違うよ（即答）」

侑「…歩夢、覚えてる？」

侑「幼稚園の時、ずっと一緒にって約束したこと」

侑「せつ菜ちゃんは大好きだけどさ」

侑「歩夢は、世界でただひとりの、私の幼馴染だから」

歩夢「…」

@cﾒ＊˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘ「な〜んだ」

@cﾒ＊˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘ「そうゆうのは早く言ってよ〜」

侑（最初から言ってたんだけどね、ま、いっか）

侑「歩夢はどうなの？気になるでしょ？」

歩夢「ふふっ、言わなくても分かるでしょ？」

侑「バレたか」

歩夢「バレバレだよ〜。侑ちゃん、すっごく分かりやすいもん」

侑「歩夢だって、興味無い素振りっぽく見えるけど、すっごくときめいてる」

歩夢「…私たち、結構似てるね」

侑「かもね」ﾆｶｯ

歩夢「ぽむるかぁ…聞いたことないけど、親近感はあるの」

侑「どんな？」

歩夢「なんとなく、かわいいなって」

侑「かわいいかぁ」

侑「かわいいで思い出したんだけど、かすみちゃん、今日元気無かったよね？」

歩夢「あー、すごく落ち込んでたね」

歩夢「『ゆうぽむ成分が足りないです〜』って」

侑「そうそう！その、なんちゃら成分っていうのはよく分かんなかったけど」

歩夢「でも、練習終わりはピンピンだったよね？」

侑「確かに」

侑「果林さんとペアになって嬉しかったのかな？」

歩夢「それはないよ。今日だって、ほっぺをぐにぐにされてたでしょ？」

侑「ほんと？歩夢がかわいくて全然気づかなかった」

歩夢「もう、侑ちゃんったら…///」ﾎﾟﾑｩ

歩夢「…消して」

侑「…歩夢？」

歩夢「…恥ずかしいから、消して」

歩夢「侑ちゃんはいいけど、残されるのは嫌なの」

歩夢「だから」

歩夢「侑ちゃんの記憶に留めて？」

侑「…そっか」

侑「ごめんね、歩夢」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

歩夢「ううん、いいの」

歩夢「ありがとう」

侑「そっちは明日からテスト週間だっけ」

歩夢「うん」

侑「頑張ってね、歩夢だから大丈夫だと思うけど」

歩夢「もぅ、その自信はどっから出てくるの？」

侑「うーん、なんとなく！」

歩夢「そっか」ﾌﾌｯ

歩夢「侑ちゃん、おやすみ」

侑「おやすみ、歩夢」

ﾊﾞﾀﾝｯ
ｶﾞﾁｬｯ

〜間〜

侑「…」
歩夢「…」

ゆうぽむ（ぽむるってなんだろう？）

@cﾒ＊˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘ おしまい