【艦これ安価】秘書艦朝潮チャン 前編

490: 名無しさん@おーぷん 21/04/26(月)23:07:26 ID:WiCO
皐月「遠征終わったよ!」


勢いよく執務室の扉が開かれ皐月が入ってくる


朝潮「皐月さんお疲れ様でした」


皐月「もちろん今日も大成功だったから!」


僕のお陰だよと皐月は自慢げに話す。彼女と仲の良い朝潮も嬉しそうにしている


皐月「朝潮の言う通りメイド服にしてから調子が良くってさ!」


朝潮「この服装には何かあるのかもしれませんね」


朝潮がメイド服で秘書艦をやり始めてから何人かの艦娘もメイド服を着用するようになった。制服でなければいけないところだが乱れた服装ではないという理由で見逃されている



491: 名無しさん@おーぷん 21/04/26(月)23:10:37 ID:WiCO
朝潮「皐月さんが帰ってきたということは演習ですね」


皐月「今日もメイド隊で張り切っちゃうから!」


メイド隊。メイド服を着た艦娘で構成させる艦隊で、他の鎮守府では第一艦隊にあたるものである


皐月と朝潮は練度も十分にありメイド隊の一員として活躍している


朝潮「それでは司令官行って参ります!」


皐月「僕に任せておいてよ!」


↓2演習の結果

493: 名無しさん@おーぷん 21/04/26(月)23:16:16 ID:R2yN
圧勝
あまりの強さにメイド服への換装方法をガチで聞かれる

494: 名無しさん@おーぷん 21/04/26(月)23:43:02 ID:WiCO
演習の結果は圧勝だった。あまりの強さに演習相手の艦娘がいっそメイド服に換装しようかと話していたようだ


皐月「メイド服を着てから演習も殆ど負けてないよね」


朝潮「ここまでくると気のせいという話ではないのかもしれません」


プラシーボのように思い込みである程度の戦力は高まる。しかし思い込みには限度があるはずなのだ


皐月「出撃用のメイド服は妖精さんに作ってもらったけど火力はそのままだもんね」


朝潮「むしろ回避が落ちると妖精さんに注意されました」


メイド服のヒラヒラが邪魔になり弱体化するはず。しかし皐月をはじめメイド服を着用している艦娘の戦果は目を見張るものがあるのだ

495: 名無しさん@おーぷん 21/04/26(月)23:48:24 ID:WiCO
皐月「もしかしてメイドっぽく振る舞ってるのが原因なのかな?」


メイド服を着ている艦娘は提督に仕えるメイドのように過ごしている。着始めた頃は遊びの延長線だったのだがいつの間にかそれが定着したのだ


皐月「掃除もちゃんとやれば気持ちいいし料理はできて損はないもんね!」


朝潮「紅茶の知識も勉強になります」


ひょっとしてメイドさんっていいことしかないのかなと皐月は考える。朝潮も概ね同じことを考えていた


皐月「このまま頑張ればメイド鎮守府なんて言われるかも。そうなったら可愛いよね!」


朝潮「それはいい考えですね」


メイド鎮守府と呼ばれる日は来るのかもしれない


↓2この後どうなる

497: 名無しさん@おーぷん 21/04/26(月)23:51:43 ID:cGc6
朝潮と皐月と仲良しな和風着物の荒潮登場

498: 名無しさん@おーぷん 21/04/27(火)00:13:51 ID:xwKi
二人ともお揃いでどうしたのと声を掛けたのは荒潮だった


朝潮「演習が終わったところなんです」


荒潮「そうだったのね~」


皐月「荒潮もメイド服着ればいいのに」


私はこっちがいいのよ~と自由に振る舞う荒潮


朝潮「確かに荒潮はメイド服より和服が似合ってますね」


荒潮「あらあら~嬉しいわねぇ」


メイド服がいいのなら和服もいいのではないか。そんな意見もありこの鎮守府では和服も認められている

499: 名無しさん@おーぷん 21/04/27(火)00:18:26 ID:xwKi
皐月「今って制服着てる方が少ないんだっけ?」


朝潮「この前ちょうど過半数を超えました」


和服意外にも日常生活に支障がなく常識のある服装ならば着ても良いことになっている


皐月「制服が好きな子もいるけどお洒落したい子もいるもんね」


朝潮「好きな服を着れるのはストレスが溜まらなくていいのかもしれません」


三人は雑談をしながら食堂へ向かう。演習終わりに甘いものと荒潮もそれに付き合う形でついていく


↓2食堂での出来事

501: 名無しさん@おーぷん 21/04/27(火)00:27:11 ID:tyL6
鎮守府メイド料理大会の告知のポスターが貼られている

502: 名無しさん@おーぷん 21/04/27(火)00:40:10 ID:xwKi
食堂に来た三人はそれぞれ注文を済ませる。その時朝潮がなにかを見つける


朝潮「鎮守府料理大会?」


皐月も興味を示しその掲示を見てみるとメイド料理大会となっていた


皐月「これって僕たち専用ってことかな」


荒潮「違うわよ~」


詳細を知っていた荒潮が説明する。この料理大会で優勝したチームは特別給仕艦として様々な場所に出張するというのだ


荒潮「格好はなんでもいいけどこの鎮守府といえばメイドじゃない~」


皐月「確かにね」


開かれるのはあくまで料理大会。メイドである必要はないがとりあえずは書いておこうの精神らしい

503: 名無しさん@おーぷん 21/04/27(火)00:44:32 ID:xwKi
朝潮「これに出たいです」


ポスターを見つめていた朝潮が突然口を開いた


皐月「どうして?もし優勝したら色んな場所に出張するんだよ」


ここを離れる日も多くなるだろう。しかし朝潮はやってみたいと言う


朝潮「司令官に仕えるメイドとしても成長したいんです」


提督だけでなく様々な場所で給仕を熟せてこそ真のメイドだと朝潮は考えていた


皐月「よし僕も協力するよ!」


朝潮「皐月さんが一緒なら心強いです」


荒潮「参加できるのは1チーム二人から三人みたいよ~」


朝潮「では私と皐月さんで大丈夫ですね」


皐月「荒潮は参加しないの?」


荒潮「うふふふふ~考えておくわねぇ」


朝潮の料理大会に向けた特訓が始まろうとしていた


↓3特訓の内容
寝ます

504: 名無しさん@おーぷん 21/04/27(火)01:24:41 ID:THdM
ひたすら実践して自力を磨く
作った料理は失敗したものも提督他スタッフが頂きました
中華の朝潮
洋食の皐月と得意なジャンルが別れた

509: 名無しさん@おーぷん 21/04/27(火)17:39:01 ID:xwKi
朝潮「中華は火が命!」


皐月「強火で30秒かき混ぜながら半熟に…」


二人は料理大会に向けて特訓をしていた。それぞれの得意分野が違うことが判明したが、個人のレベルはあげて損はないので練習に励んでいた


朝潮「やはり調理の速さでいえば中華が優れています」


皐月「洋食もメニューによっては早いのもあるよ!」


二人が作った料理は妖精達が運んでいく。思いがけないご馳走様に嬉しそうにしている


朝潮「お互いに料理の腕は同じくらいですね」


皐月「アフタヌーンティーとか軽食は凄く美味しいけど料理大会には出れないもんね」


軽食やスイーツは朝潮の得意分野だが料理大会で勝てるとは限らない

510: 名無しさん@おーぷん 21/04/27(火)17:42:03 ID:xwKi
朝潮「矢矧さんから見てどう思いますか」


オリジナルメニューの開発をしていた矢矧。例によって制服ではなく和服メイドの格好をしている


矢矧「甘味を出すのは悪くないけどメインを張るものじゃないわね」


朝潮「やはりそうですか」


皐月「二人で協力した方がいいのはわかってるけど、得意分野が違うしなぁ」


どうすればいいか悩む二人。矢矧のアドバイスとは


↓2アドバイス内容

512: 名無しさん@おーぷん 21/04/27(火)19:06:40 ID:z2ZP
ワイルドアメリカン(格好も)シェフな間宮さんに新たなヒントをもらう

513: 名無しさん@おーぷん 21/04/27(火)19:38:59 ID:xwKi
間宮「アドバイスでしたら私にお任せください」


様子を見ていた間宮が三人の前に現れる。ライダースジャケットを羽織り手にはハンバーガーを持っている


矢矧「新作のハンバーガーですか」


間宮「そうですまずはこれを食べてみてくれませんか?」


渡されたハンバーガーを食べる二人。するとすぐに違和感に気付く


朝潮「ハンバーグみたいなのにハンバーグじゃありません」


皐月「豆腐ハンバーグだ!」


アメリカンな見た目とは以外にヘルシーなハンバーグが挟まっている。工夫は更にそれだけではない

514: 名無しさん@おーぷん 21/04/27(火)19:46:50 ID:xwKi
間宮「ソースはデミグラスソースでガーリックチップも使っているんですよ」


矢矧「使っているニンニクは無臭のものですね」


流石は矢矧さんですねと間宮は嬉しそうだ。一方で朝潮と皐月はハンバーガーを片手に固まっている


朝潮「豆腐に洋風のソースがかかってごちゃごちゃしてるはずなのに美味しいなんて意外です」


皐月「洋風も中華も関係ないってことなのかな」


なにかを掴みかけている二人を笑顔で見守る間宮


矢矧「言葉じゃなくて料理で語るなんて流石ね」


間宮「言いたいことはお料理で言わないと。これでも補給艦ですからね」


間宮の気持ちは伝わったようだ


↓2どうなった

516: 名無しさん@おーぷん 21/04/27(火)20:05:30 ID:B8gp
それぞれ得意分野で攻めつつ全体の調和も考えられた…そんなメニューを開発しましょう!(朝潮)

517: 名無しさん@おーぷん 21/04/27(火)20:16:04 ID:xwKi
料理大会に向けてメニューを開発している二人。具体的な料理名は決まっていないが方向性は定まっていた


朝潮「お互いの得意分野で攻めつつ全体の調和も考えましょう」


皐月「協力しないといけないもんね」


どちらかに寄るのではなく協力して考える。間宮からのアドバイスは参考になったようだ


朝潮「矢矧さんも良いことを教えてくれましたね」


矢矧は料理へのアドバイスではなく大会のことを考えるべきだと教わった


皐月「全国を飛び回るんだったらそこまで凝った料理を作れないよね」


朝潮「ハンバーガーとはいいませんが手軽さは必須ですね」


料理の大会でフレンチのフルコースの料理を作れれば評価は高い。しかし艦娘が色々な場所で給仕をするとなると毎回フルコースは作れないのだ

518: 名無しさん@おーぷん 21/04/27(火)20:22:56 ID:xwKi
皐月「サンドイッチみたいに手軽過ぎるのはやっぱりダメだよね」


朝潮「難しいですね」


素材に拘ると移動先でその素材が手に入らない可能性がある。○○産の野菜を使えば美味しいという料理も候補から外れる


皐月「どこにでもある素材で美味しくできる料理かぁ」


朝潮「メインの食材は持ち運べると考えても、それ以外の素材は現地で買う必要がありますね」


例えばステーキならば肉は持ち運べるがソースの素材は難しい。付け合わせの野菜も現地で揃える必要がある


皐月「僕たちといえばメイドだからそれも活かしたいね」


朝潮「それは最優先です」


どんなメニューになるのだろうか


↓2料理は?

520: 名無しさん@おーぷん 21/04/27(火)21:16:24 ID:z2ZP
洋風小籠包

521: 名無しさん@おーぷん 21/04/27(火)21:32:16 ID:xwKi
幾重にも及ぶ試行錯誤の上ついにオリジナルメニューが出来上がった


皐月「僕が作った洋風の餡を小籠包の皮で包む!」


朝潮「洋風小籠包といった所でしょうか」


トマトやチーズを使った餡を小籠包にするというこれまでにない料理が出来上がった


朝潮「小籠包の皮と蒸し器どこにでもあるとは限りません。このセットを持ち運べばどんな場所でも作れます」


フライパンで蒸すこともできるが蒸し器を使った方が味が違うという朝潮の拘りもあってこれは外せないということになった


皐月「餡の味付けは任せておいて!」


小籠包という形で食べた時に違和感なく更に洋風もちゃんと感じられる味付けにすると皐月は意気込む。味の要は皐月が担うことになった

522: 名無しさん@おーぷん 21/04/27(火)21:38:18 ID:xwKi
朝潮「私は小籠包の調理に集中します」


形を崩さずちゃんと火を通すという繊細な作業は朝潮が担当になる


皐月「料理は決まったけどこれって本当に美味しいのかな」


そもそも美味しいのかという疑問が出るのも無理はない。二人は味見をし過ぎていてよくわからなくなっていたのだ


朝潮「暫定のレシピ通り作ってそれを誰かに食べてもらいましょう」


まだ味覚がなんとかなっていた頃のレシピを参考に小籠包を仕上げる


↓2食べた人物と感想

524: 名無しさん@おーぷん 21/04/27(火)22:00:39 ID:aEYU

ハラショー

525: 名無しさん@おーぷん 21/04/27(火)22:14:56 ID:xwKi
響「ハラショー。これは素晴らしいな」


モグモグと小籠包を食べながら響が言う。どうやら味に問題は無いようだ


皐月「よしこれで料理大会のメニューは決まったね!」


朝潮「響さんは出ないんですね」


私には興味が無いよと響は言う。響は料理を食べる専門らしい


皐月「六駆の誰かは出ると思ったんだけどな」


響「もし優勝したらここを離れることなるからね」


各地の鎮守府や拠点を周ることになるのがネックになっているようだ


朝潮「この鎮守府を離れたくない気持ちはわかります。しかし私は様々な場所で勉強したい気持ちもあるんです」


その考えは素晴らしいと思うと響は答える

526: 名無しさん@おーぷん 21/04/27(火)22:23:02 ID:xwKi
響「そもそも私には料理大会より大切なものがあるんだ」


響はスッとあるものを取り出す。それを見た皐月の表情が強張る


皐月「ねぇ響」


響「サョ…」


大声でソ連国家を歌おうとする響を朝潮が制する


朝潮「せめて小さな声でお願いします」


響「それなら今日はやめておくよ」


小籠包を全て平らげた響は帰っていく


皐月「気分が良くなると歌う癖は凄いよね」


朝潮「私たちの料理を食べて気分が良くなったのなら成功です」


歌うことは悪くないのだが音量を気を付けて欲しい。そう思う二人だった


↓2どうする

527: 名無しさん@おーぷん 21/04/27(火)22:43:38 ID:THdM
調子はどう?と荒潮が様子を見に来た

529: 名無しさん@おーぷん 21/04/27(火)22:59:23 ID:xwKi
荒潮「調子はどうかしら~」


二人の様子が気になった荒潮が訪れる。メニューが完成したところですと小籠包を見せる


荒潮「二人が協力したってことは中身は洋風なのね~」


皐月「頑張って作ってみたから食べてみてよ!」


じゃあ遠慮なく~と小籠包を食べる荒潮。味は悪くなく出来もいい。大会で結果が出てもおかしくないような一品に仕上がっていた


しかし荒潮は不満げな表情を浮かべていた

530: 名無しさん@おーぷん 21/04/27(火)23:04:04 ID:xwKi
その表情を見た皐月は美味しくなかったのかと心配になるが味は問題ないという


朝潮「見た目が悪いというんですか?」


荒潮「小籠包の見た目はこれで正解よ~」


皐月「じゃあなんでそんな表情をしてるのさ」


私にもわからないと考え込む荒潮。なにかが足りない気がすると曖昧なことしか言えない


朝潮「味付けのアドバイスではないんですか」


荒潮「味は美味しいのよぉ」


皐月「なにかってなにーー!」


うんうん考え込む荒潮。そして考えた末に出した彼女の答えは


↓2荒潮の助言

531: 名無しさん@おーぷん 21/04/27(火)23:05:59 ID:z2ZP
可愛く映える見た目にするのよ
料理は見た目も命

532: 名無しさん@おーぷん 21/04/28(水)00:03:00 ID:WkPk
>>531
これだ!と二人とも張り切って改良する

533: 名無しさん@おーぷん 21/04/28(水)00:15:03 ID:2MZ4
荒潮「映えね」


聞き慣れない言葉に朝潮は混乱する。皐月は意味がわかったようだが困惑している


皐月「小籠包に映えが必要なの?」


荒潮「タピオカみたいなことはしなくていいのよ。料理は見た目も大事だって言いたいの~」


そう言われて朝潮は理解する。料理というのは味と見た目に拘ってこそだと


朝潮「すぐに改良に取り掛かりましょう!」


皐月「そうだねすぐにやろう!」


二人は荒潮にお礼を言い再び食堂に消えていく

534: 名無しさん@おーぷん 21/04/28(水)00:21:04 ID:2MZ4
二人を見送った荒潮はふらふらと鎮守府の中を散歩していた


荒潮(二人に協力してもいいけど給仕をしたいわけじゃないのよね~)


二人に協力してもし優勝してしまえば自分も一緒に鎮守府を出ることが多くなる


荒潮(もし優勝しても遠くに行ってしまうのは寂しいし、近くに居た方がいいのかしら)


会えないのは寂しいが給仕に憧れはない。そんな自分が手伝っても足を引っ張るのは目に見えている


荒潮(少し遠くから見守るくらいしかできなさそうねぇ)


寂しさはあるが二人のチームには参加せず応援することに決めた荒潮


↓2荒潮の行動

536: 名無しさん@おーぷん 21/04/28(水)00:41:35 ID:qyu3
しかし料理自体は好きな荒潮
荒潮は和食のエキスパートだった
気まぐれに不定期で振る舞ったりしてる
応援の意味で何か作って差し入れしようかしらと

537: 名無しさん@おーぷん 21/04/28(水)01:10:35 ID:2MZ4
ふらふらと食堂にたどり着いたが二人の姿は無かった


荒潮(材料の買い出しか資料を買いに行ったのね)


飾り付けをするなら細かい道具が必要になる。飾りの参考になるような資料があるかもしれない。見た目に拘るという未知の領域に備えはあるだけ有利になる


荒潮(応援しようと思ったけど別の方法になりそうね)


荒潮はそのまま厨房に向かい材料を確認する


荒潮(これだけあれば色々と作れそうね)


二人への差し入れを作り始める荒潮

538: 名無しさん@おーぷん 21/04/28(水)01:19:18 ID:2MZ4
荒潮が作っているのは和食。特別なアレンジや独創性はないが腕は確かなものだ


荒潮(和食は出汁が肝心なのよね~)


朝潮のように毎日なにかしらを作ることはせず不定期に、荒潮の気紛れで和食が振る舞われることがある


荒潮の腕前は美食家を唸らせるほどのものらしい。提督の知り合いだという評論家が荒潮の料理を食べこの料理を作ったのは誰だとまで言わせた…という噂がある


荒潮(うふふふふ~)


その噂の真相はわからないが荒潮は手際良く料理を作っていく



↓3荒潮か朝潮組になにか起こる


寝ます

541: 名無しさん@おーぷん 21/04/28(水)11:04:47 ID:VLKc
生地に素材で色を付けたり生地から透けさせる技とかで彩り華やかにしていくふたり

544: 名無しさん@おーぷん 21/04/28(水)18:20:40 ID:2MZ4
朝潮と皐月は小籠包の見た目を華やかにするために試行錯誤していた


朝潮「食紅で皮に色を付けるのはどうでしょうか」


皐月「色を付けるのはいいけど着色料を使うんじゃなくてなにかを皮に混ぜ込むのはどうかな」


奇抜すぎず程よい彩りを加える作業は簡単には行かないようだ


皐月「皮を透けさせて中の餡を見えるようにすれば華やかになるよ」


朝潮「避ける皮は他のものと蒸す時間が違います」


皐月「そこは蒸し器をうまく使ってなんとかできない?」


最適なものはなにかを話し合うがこれだというものが見つからない。このままでは埒があかないのでひとまず作ってみることになった

545: 名無しさん@おーぷん 21/04/28(水)18:24:55 ID:2MZ4
皐月「うわぁ!ほうれん草混ぜ過ぎてお魚の内蔵みたいな色になった!」


朝潮「人参を使った赤は簡単ですね」


比較的容易に色を付けるものもあればその逆もある。更に色を付けるために皮に拘り過ぎると味が変わってしまう


皐月「やっぱり皮が透けるのは欲しいからそれに蒸し時間を合わせよう!」


朝潮「調整が難しい色は使わない方がいいですね」


できることとできないことを分けていき答えに近付いていく二人


↓2メニューはどうなるか

546: 【27】 21/04/28(水)19:05:22 ID:fboi
まるで蒸し器の中が宝箱や~

547: 名無しさん@おーぷん 21/04/28(水)19:35:53 ID:WkPk
色とりどりの小籠包で>>546

550: 名無しさん@おーぷん 21/04/28(水)22:12:24 ID:2MZ4
朝潮「では開けてみますよ」


蒸し器を開けると色とりどりの小籠包が輝いていた


皐月「まるで宝石箱みたいだね!」


朝潮「いい喩えかもしれませんね」


真珠のように光沢のある小籠包が蒸し器の中にある様子は一種の工芸品のようにも見える


皐月「これでメニューは完成だね」


朝潮「あとは当日までお互いに腕を磨きましょう」


オリジナルメニューの答えは導けたのであとは本番に向けて努力を積み重ねるという状態になった

551: 名無しさん@おーぷん 21/04/28(水)22:20:26 ID:2MZ4
料理大会が近づいているある日の深夜。食堂に忍び込む漣の姿があった


漣(どいつもこいつもやりたい放題ですな)


本番が近付くにつれて食堂で練習するチームが多くなってきている。本来なら道具は片付けなければいけないがその手間を惜しむチームが多くなっている


それは朝潮たちも同じで蒸し器をしまわずに洗い場に放置されていた


漣「バレないようにちょちょいとな」


蒸し器に細工を施す漣


漣(ほんのイタズラにしかなりませんけど、これで気が晴れるんならそれでいいんですよ)


朝潮に対する怒りは収まらないがどうすればいいのか判らない。こんな嫌がらせしかできない自分に嫌悪しつつ細工を終わらせる


漣(なにやってんでしょうね漣は)


半ば自暴自棄になりながら食堂を後にする漣だった


↓2どうなったか

553: 名無しさん@おーぷん 21/04/28(水)23:18:46 ID:XfrB
普通に監視カメラがあって犯行がバレた漣

554: 名無しさん@おーぷん 21/04/29(木)00:09:50 ID:0Oky
翌日、漣は執務室に呼び出されていた


漣「食堂に監視カメラあるとか聞いてないんですけどぉ!」


漣が秘書艦だった頃には無かった監視カメラによってあっさりと犯行がバレてしまった


漣「なんでこんなことをしたかですって?ご主人様にはわからないでしょうねぇ!」


提督から犯行理由を聞かれても正直に答えられない漣。提督への気持ちは朝潮が秘書艦である間は表に出せない。出したところで無駄なのを知っているからである


漣(こんなことしたら逆効果なのにぃ~)


秘書艦に帰り咲くには遠い行為だが朝潮が活躍するのをジッと見ていることもできなかった

555: 名無しさん@おーぷん 21/04/29(木)00:14:55 ID:0Oky
漣「え、イタズラの内容ですか」


なにかをしていたのは監視カメラで見えたが具体的なことはわかっていない


漣「蒸し器に火薬を仕込んだんですよ」


ただしと漣は付け加える。仕掛けた量はオモチャ程度だという


漣「ちょっとビックリするくらいのイタズラですよ」


それでもやって良いことではない。提督から厳重に注意される漣


漣(ご主人様の隣は漣のものなのに。こうなったのも朝潮のせいですからね)


自分は悪くない。漣は朝潮に責任転嫁をはじめてしまう


↓2どうなった

557: 名無しさん@おーぷん 21/04/29(木)02:46:52 ID:X5BW
下らない嫉妬だとは自覚している
あんな事をするのも自分に自信が無いからだ
誇りを取り戻すには今のままでは駄目だ
完璧なメイドに、あのアニメで見たような…
本格的なメイド修行を始める漣

558: 名無しさん@おーぷん 21/04/29(木)14:49:35 ID:0Oky
下らない嫉妬だとは自覚している、あんなイタズラをするのも自分に自信が無いからだ


いくら朝潮に責任転嫁をしたとしても誇りを取り戻すことはできない。今のままでは駄目だ


漣(完璧なメイドに、あのアニメで見たような……)


本格的にメイド修行を始めようと決意する漣。その前にまずケジメは付けようと提督にあることを聞く


漣「朝潮はどこにいるんですか一言詫びておきます」


幼稚なイタズラに対して謝罪をしなければ前に進めない。提督の隣を奪い返すために必要なことだが漣の期待している答えは返ってこなかった

559: 名無しさん@おーぷん 21/04/29(木)14:57:01 ID:0Oky
漣「朝潮に知らせてないとかマジあり得ない!」


漣は大急ぎで食堂に向かう。監視カメラを管理している妖精さんから報告を受けてまずは漣に話を聞こうとなったのだ


漣「ぬぉぉぉっ!」


漣は全速力で食堂に向かう。仕掛けた火薬は事故が起こるような量ではないが万が一があるので回避できるならしておいて損は無い


漣「メイドだって全力疾走しますよぉ!」


漣は食堂に急ぐ


↓2間に合ったかどうか

561: 名無しさん@おーぷん 21/04/29(木)15:48:35 ID:KeWL
皐月が気付いて取り替えてくれてたよ!(朝潮は気付いてない)

562: 名無しさん@おーぷん 21/04/29(木)16:36:22 ID:0Oky
朝潮「そんなに急いでどうしたんですか」


漣が食堂に着くと朝潮は既に蒸し器を使っていた。しかしなにも異変は見当たらない


皐月「ごめんね朝潮ちょっと漣と話があるんだ」


漣が不思議に思っていると皐月にこっちに来てと食堂から離される


皐月「あれは僕が回収しておいたから」


蒸し器は皐月が取り替えていたので朝潮に被害はなかったようだ


皐月「ちゃんと話を聞かせてよね」


漣が逃げないようしっかりと掴みながら自分の部屋に連れ込む

563: 名無しさん@おーぷん 21/04/29(木)16:45:18 ID:0Oky
皐月のファンシーな部屋の中心に漣が細工した蒸し器が置かれている


皐月「どういうことか説明してよ」


漣「ただのイタズラです。ちょっとビビらせてやろうってバカな行動です」


そんな理由でこんなことをしたのと皐月は激昂する。ほんの些細なイタズラに対して怒り過ぎだと漣は思うが口には出さない


皐月「そんなことを考えるから秘書艦じゃなくなるんだよ!」


漣「そんなのは…わかってるんですよぉ!」


秘書艦を下ろされたという事実を他人に指摘され思わず怒りが込み上げる。漣も皐月も冷静ではなくなっている


↓2二人はどうなったか

565: 名無しさん@おーぷん 21/04/29(木)17:07:25 ID:xA6D
響が姉妹を引き連れて仲裁に入る

566: 名無しさん@おーぷん 21/04/29(木)18:17:08 ID:0Oky
響「ураーーー!」


暁「そこまでよ二人とも!」


突如皐月の部屋に入ってきたのは第六駆逐隊だった


雷「喧嘩は許さないわよ!」


電「二人とも落ち着くのです」


睨み合っていた皐月と漣を引き離す。響と暁は漣を、雷と電は皐月から話を聞くことになった

567: 名無しさん@おーぷん 21/04/29(木)18:22:07 ID:0Oky
雷「それは漣が悪いわね」


皐月「そうだよね!」


皐月の言い分を聞き雷は納得するが電の意見は少し違った


電「皐月ちゃんが怒るのはわかるのですが朝潮ちゃんの問題だと思うのです」


皐月「それはわかってるけど」


電「朝潮ちゃんと話す前に少しだけ漣ちゃんと話すのならいいのです。でも怒って喧嘩をするのは首を突っ込み過ぎなのです」


漣は朝潮に対してイタズラを仕掛けた。仕掛けた方と仕掛けられた方の本人同士で話し合うべきだと電は考えている


皐月「首を突っ込みたくもなるよ!朝潮は僕にとって大切な友達でパートナーなんだもん!」


朝潮は友人としてだけでなく料理大会での大切なパートナー。その朝潮に対してイタズラをされたというのが皐月の怒りの原因なのだ

568: 名無しさん@おーぷん 21/04/29(木)18:26:22 ID:0Oky
暁「危険はないとはいえ火薬を仕込むのはやり過ぎ」


漣「だって…」


漣から話を聞いた暁は漣が悪いと言い切る


響「皐月が気付かなければドッキリで済んだかもしれないね」


漣「ドッキリ…その手がありましたか」


余計なことは言わない!と暁に制されるが響は続ける


響「朝潮を妬む気持ちは理解できるよ」


漣「まさかの救世主?」


でも嫌がらせをするのは最低だよと漣を突き放す。漣もわかってんですよと半ば自暴自棄になっている


↓2第六駆逐隊の判断

569: 名無しさん@おーぷん 21/04/29(木)18:33:06 ID:kcRi
全部朝潮に話して朝潮の判断に任せる
皐月はそれに従う

570: 名無しさん@おーぷん 21/04/29(木)18:39:08 ID:3CfF
気持ちは伝えなきゃね
スッキリ伝えて名実ともにライバルになるんだよ
鬱屈したままじゃよくないからね
>>569

572: 名無しさん@おーぷん 21/04/29(木)19:25:36 ID:0Oky
第六駆逐隊の仲裁により鬱屈したままじゃよくない、気持ちは伝えるべきだという結論になった


朝潮とは名実ともにライバルになる。その為には直接本人に言うしかない


漣(居ましたね)


食堂には朝潮の姿が。皐月の帰りを待ちつつメニューの改善点はないか細かくチェックをしているところだった


漣(ご主人様は漣がものにするんです。朝潮なんかには渡しません!)


決意を胸に朝潮の元に行く


↓2朝潮の反応

573: 名無しさん@おーぷん 21/04/29(木)20:22:38 ID:3CfF
はい!共に切磋琢磨しましょう!

576: 名無しさん@おーぷん 21/04/29(木)20:34:31 ID:0Oky
漣は朝潮に全てを伝えた。蒸し器に細工をしたこと、秘書艦の座を奪われて悔しいこと、メイドとして朝潮に負けたく無いこと


それを聞いた朝潮は怒ることはなく手を差し出した


朝潮「漣さんの気持ちはわかりました、共に切磋琢磨しましょう!」


漣は朝潮の器の大きさに驚いた。艦娘として秘書艦としてだけでなく中身でも負けていることに気付いてしまう


しかしそれは提督を諦める理由にはならない。絶対に朝潮から提督を奪還すると決めた漣は行動を始める

577: 名無しさん@おーぷん 21/04/29(木)20:39:57 ID:0Oky
漣(朝潮に勝つにはこれしかないっすよね)


漣は料理大会のポスターの前に居た。優勝も全国への給仕も興味はないが朝潮が出る大会に意味がある


漣(朝潮組を負かしてやりますよ!)


朝潮組より上という曖昧な目標より優勝という誰にでもわかる結果を出せばいい。漣の目標は決まった


漣(初期艦の貫禄ってヤツを見せてやりますからね!)


とはいえこの大会には一人では出れない。漣はチームメンバーを探しに向かう


↓2漣チームは誰?

582: 【52】 21/04/29(木)21:12:51 ID:2BbK
メキシコ料理が得意でテキーラ大好きなポーラ

583: 名無しさん@おーぷん 21/04/29(木)21:28:31 ID:0Oky
ポーラ「うへへへぇ頑張りましょうねぇ」


漣が声をかけたのはポーラだった。テキーラ片手に鎮守府を徘徊している彼女だが得意料理はメキシコ料理という個性もある


漣「料理大会の概要は読みましたけど恐らく手軽に調理できるものがいいと思うんです」


大会の特性に漣も気付いていた。しかし手軽なメキシコ料理があるかまでは知らなかったのでポーラを頼るしかない


ポーラ「美味しい料理は作れますよぉ~」


すでに出来上がっているポーラはフラフラと食堂に向かう。漣は不安しかないがポーラを信じついていく

584: 名無しさん@おーぷん 21/04/29(木)21:35:07 ID:0Oky
漣「おおおっ」


フライパンから炎があがる。炎は火事ではなくフランベで手際良く調理されていく


漣(もしかしてポーラさんはダークホースだったのでは?)


どうぞ~と焼き上がったものを漣に出す。それは緑色をしていた


漣「……すぅぅ。これは?」


漣は皿に乗っている物体が理解できず変な声が漏れる。なんとか理性を保ちながらポーラに疑問をぶつける


ポーラ「サボテンステーキですよぉ」


サボテンをステーキのように切り香ばしく焼かれたサボテンステーキ。ポーラは美味しいですよぉというが漣は不安である


漣「……」


ステーキのようにサボテンをナイフで切るがねちゃっという音と共に糸が引いている


漣「い、いただきます」


覚悟を決めて漣はサボテンを口に運ぶ


↓2味はどうだったか

586: 名無しさん@おーぷん 21/04/29(木)21:40:05 ID:DbxV
いやーキツいっす

588: 名無しさん@おーぷん 21/04/29(木)22:00:27 ID:0Oky
お味はどうですか~とポーラは笑顔で問いかけるが漣はそっとフォークとナイフを置く


漣「いやぁキツイっす」


漣の口の中は薬のような味が広がっていた


ポーラ「この苦味が美味しいんですよぉ」


ポーラは美味しそうにサボテンを食べている。慣れれば美味しい可能性はあるが料理大会で出すにはリスクが高すぎる


漣「申し訳ありませんがサボテンステーキは無しです。他に作れる料理はありませんか?」


ポーラ「ありますけど一番得意なのがサボテンなんですよぉ」


声をかけたのは漣なので断り辛い。サボテンの未知数にかけるのか、ポーラはやめておくのかを選ぶ必要がある


↓2ポーラでいく?

590: 名無しさん@おーぷん 21/04/29(木)22:09:13 ID:3CfF
いく

592: 名無しさん@おーぷん 21/04/29(木)22:17:56 ID:0Oky
メキシコ料理は受ける、もしかするとサボテンは受け入れられるかもしれない


ポーラという不安要素も含め全てがうまくいけば優勝を狙えると信じ漣はポーラとチームを組むことを決めた


漣「宜しくお願いします」


ポーラ「はいぃ大会に向けて頑張りましょうねぇ」


漣はポーラという最終兵器を手に入れた。全てを滅ぼすか自らが滅びるか究極の二択である


漣(二位じゃ意味がないんですよ!)


一位か最下位という結果は見えている。漣の覚悟は決まった

593: 名無しさん@おーぷん 21/04/29(木)22:24:37 ID:0Oky
朝潮「私のことをどう思いますか」


朝潮の部屋で皐月と話している。その内容は朝潮はメイドとしてどうなのかという話である


皐月「朝潮はメイドとして凄く優秀だと思うよ」


朝潮「そうだとしても安心はできません。漣さんにライバルだと言われましたので」


料理大会もそうだがメイドとしても負けるわけにはいかない


朝潮「料理の練習も大事ですがメイドとしても活躍したいんです」


皐月「なら僕も付き合うよ!同じチームなんだし給仕の練習にもなるもんね!」


↓2メイド修行内容

595: 【73】 21/04/29(木)22:55:03 ID:2BbK
掃除、洗濯みたいな身の回りのこと

596: 名無しさん@おーぷん 21/04/29(木)23:07:24 ID:0Oky
掃除や洗濯といった身の回りでありメイドとして基本的なことを手伝う二人


皐月「妖精さんに負けないよ!」


鎮守府の掃除や洗濯は妖精さんが行っている。彼女らの仕事は概ね真面目だが気紛れな所もある


皐月「とぁーー!」


気合いを入れて廊下を掃除する皐月。その姿は勇ましいがメイドとして正しいのかは微妙なところではある


皐月「鎮守府の中は僕が全部綺麗にしちゃおう!」


皐月は更に張り切って掃除を続ける

597: 名無しさん@おーぷん 21/04/29(木)23:12:08 ID:0Oky
朝潮「素早く丁寧にたたみましょう」


朝潮は乾燥機から洗濯物を取り出しそれをたとんでいた。出撃で着用する制服やメイド服は妖精さんが扱わなければいけないが、私服や部屋着は朝潮でも扱える


朝潮「これとこれは同じ人ですね」


服に名前を書いている艦娘もいるが大半は書いていない。そんな中でどれが誰の服であるかを見極めなければいけない


朝潮「秘書艦なら皆さんの趣向や服は把握しておかなければいけません」


順調に洗濯物をたとんで仕分けていくがどうしても分からないものが出てきてしまった


↓2どんな洗濯物?

599: 名無しさん@おーぷん 21/04/29(木)23:23:13 ID:kcRi
夕雲型がおそろいにしているジャージ

600: 名無しさん@おーぷん 21/04/29(木)23:46:29 ID:0Oky
メイド服や和服、和装メイドのように凝った服を着ている艦娘もいる。これらの格好をしている艦娘に共通しているのは几帳面で拘りが強いということになる


鎮守府には艦娘が何人も居る。几帳面な艦娘も居ればその逆も居て当然なのである


朝潮はジャージを片手に夕雲の部屋に向かっていた。このジャージは夕雲型が共通で使っているジャージで名前も書かれていなかった


朝潮(夕雲さんに聞けばわかりますよね)


夕雲の部屋をノックし中に入る朝潮

601: 名無しさん@おーぷん 21/04/29(木)23:49:43 ID:0Oky
夕雲「どうしたのかしら」


ジャージ姿の夕雲が部屋から出てくる。この時点で夕雲のものではないと判る


朝潮「洗濯物をたとんでいたんですがこれが誰のなのかわからないんです」


貸してみてといいジャージを手に取る夕雲。するとすぐに誰のなのかわかったと言う


朝潮「やはり夕雲さんに聞いて正解でしたね」


夕雲「これでも長女だから当然よ」


折角なので一緒にジャージを届けに行くことになった


↓2ジャージ誰の?

603: 名無しさん@おーぷん 21/04/29(木)23:53:48 ID:xA6D
早霜

604: 名無しさん@おーぷん 21/04/30(金)00:16:10 ID:HUiF
早霜「ええこれは私のよ」


ふふふふと不気味な笑みを浮かべながらジャージを受け取る。夕雲は名前を書いておきなさいと注意はするが早霜は特に返事はしなかった


そんな二人を見ていた朝潮はふとあることを口にする


朝潮「お二人というか夕雲型の皆さんはこういう格好が面倒だと思っているんですよね」


朝潮は自分のメイド服をひらひらさせながら言う


夕雲「面倒というよりジャージが楽でいいの」


早霜「だらしなく無いギリギリの格好です」


 着姿やシャツでうろつくのは褒められたものではないがちゃんとしたジャージならば問題にはならない


夕雲「出撃のときは制服に着替えるから問題はないわよねぇ?」


もちろん問題はありませんが別のことが気になりますと朝潮は答える

605: 名無しさん@おーぷん 21/04/30(金)00:20:14 ID:HUiF
朝潮「お二人の部屋は綺麗ですか?」


その言葉に夕雲と早霜はピクリと反応する


朝潮「ジャージ姿は合理的でいいと思いますが、もし面倒だという理由が主な理由ならば掃除も面倒だと思うはずです」


朝潮「ちょうど私は今メイド修行中なので部屋が汚れているなら掃除させてください」


そうねぇと夕雲は言葉を濁す。早霜は朝潮の方は向いていない


朝潮「早霜さん部屋を見せてもらっていいですか?」


ここは早霜の部屋の前。ジャージを受け取りに出てきたので用事も無い


早霜「えぇ…どうぞ」


断る理由もないので朝潮を部屋に招き入れる早霜


↓2部屋はどんな感じか

606: 名無しさん@おーぷん 21/04/30(金)00:26:32 ID:osa9
とにかく物が、物が多い
あとジャージすら着崩してる同室の姉妹が居る

609: 名無しさん@おーぷん 21/04/30(金)00:43:15 ID:HUiF
部屋に入るとそこは物、物、物で溢れていた


朝潮「これは私の仮説が当たっていたということでしょうか」


夕雲はあら…と多くは語らず早霜は違うのと言い訳を始める


早霜「片付けようとしてただけなのよ。その為に一旦置いてただけ」


朝潮「上の方はホコリが溜まっていますよ」


朝潮に指摘されなにも言えなくなる早霜。そこに朝霜がやってくる


朝霜「よぉ早霜あたいのアレってどこに…」


朝潮「朝霜さん?」


ゲッ!という声を出して固まる朝霜。彼女はジャージを着てはいたがかなり着崩されていた

610: 名無しさん@おーぷん 21/04/30(金)00:50:03 ID:HUiF
夕雲、早霜、朝霜は正座し朝潮と話をしている


朝潮「司令官は良識があり規律を乱さなければ好きな格好をしてもいいと言っています。私のメイド服なんかがそうですね」


朝潮「ジャージ姿でも司令官は文句は言いません。規律が守られているからです」


朝潮「前はちゃんと閉まらず 着が見え、ズボンも下がってパンツが見えています。朝霜さんのその格好はいけませんね?」


でもよぉ…と元気なく言い訳をしようとするが先に朝潮が続ける


朝潮「早霜さんのこの部屋を見てもわかります。夕雲型はズボラな艦娘が多いんですね」


早霜はなにも言えず夕雲も目を逸らしている


朝潮「早霜さんの部屋の掃除は手伝いますが夕雲型の皆さんは少し生活態度を改める必要がありそうです」


鎮守府のメイドとして仲間の生活態度を正すのも仕事のうちだと朝潮は夕雲型の改善に取り掛かる


↓2どうなった

612: 【41】 21/04/30(金)01:03:30 ID:FLon
カモン漣
メイドたるもの周囲に尽くすのが定め
共に日々精進です

613: 名無しさん@おーぷん 21/04/30(金)01:08:56 ID:HUiF
早霜の部屋の片付けはなんとか終わったもののまだ姉妹艦が残っている


応援に皐月を呼ぼうと考えていたところ朝霜の部屋から聞き慣れた声が聞こえてきた


漣「これは捨てていいやつですね」


朝霜「ダメだって言ってんだろうがよ!」


声の主が漣だとわかった朝潮は部屋に入り漣と話す


朝潮「漣さんも夕雲型の皆さんのお手伝いをしてるんですか」


漣「メイドたるもの周囲に尽くすのが定めというヤツですよ」


ニヤリと笑いながらそう言う漣。メイドとして負けていられないと朝潮は気合いを入れ次の艦娘の所に向かう

614: 名無しさん@おーぷん 21/04/30(金)01:12:56 ID:HUiF
漣の協力と途中から皐月も合流したことにより夕雲型の部屋の改善はほぼ終わった。残すは一人だけである


朝潮「あとは夕雲さんのお部屋ですね」


皐月「夕雲って部屋は綺麗だと思ってたけど」


漣「ズボラ姉妹の長女なんですからわかりませんぜ」


朝潮が夕雲にジャージを見せた時に部屋の様子は見えなかった。偶然そうだと思っていたがもしかすると朝潮に部屋の中を見せないように扉をうまく使った可能性がある


朝潮「漣さんの意見が合っているかもしれません。気合いを入れていきましょう」


夕雲の部屋の扉が開かれる


↓2部屋はどうだった

615: 名無しさん@おーぷん 21/04/30(金)01:16:51 ID:a48d
ゴ ミ 屋 敷

616: 名無しさん@おーぷん 21/04/30(金)01:26:27 ID:brLj
>>615
ライバル(友)との熱い共闘

617: 名無しさん@おーぷん 21/04/30(金)01:32:46 ID:HUiF
部屋の中は地獄であった。天井付近までゴミが積み上げられとても寝れる状態ではなかった


皐月「嘘でしょ…」


漣「この部屋では寝泊まりしてないってことでしょうな」


違うわよと三人の背後から夕雲が指摘する。じゃあここで寝てるんですかと言われると夕雲は慣れた様子で部屋の奥に入っていく


夕雲「ここで寝てるのよぉ」


夕雲がベッドだと言い張り寝ている空間には、夕雲だけが入れるような隙間があった


漣「なんすかそれ」


皐月「ゴミ屋敷みたいになってたなんて…」


朝潮「こんな所で過ごしていれば病気になります急いで片付けましょう!」


三人で協力し夕雲の部屋を片付けていく

618: 名無しさん@おーぷん 21/04/30(金)01:38:23 ID:HUiF
漣「終わんねぇーー」


ゴミを片付けても次から次へとゴミが出てくる。三人がかりでも全く終わる気配がない


皐月「ゴミを片付けたあとに掃除もするとなると今日は徹夜かもね」


朝潮「メイドとして仕事を途中で放棄できません」


同感ですと漣も作業を続ける。お互いにライバルではあるがメイドなのだ


皐月「二人だけにやらせるわけにはいかないもんね!」


二人に負けじと皐月も張り切って作業を続ける


↓3部屋はどうなったか
寝ます

621: 名無しさん@おーぷん 21/04/30(金)04:12:21 ID:523n
結局完全に綺麗になるまで数日かかった
疲労困憊の三人
しかし掃除に関してのスキルアップという収穫はあった
単なるゴミばかりだと思われたが骨董品など宝の山だった事も時間がかかった原因となった
ひとまず空いている倉庫に整然と並べられたそれら

629: 名無しさん@おーぷん 21/05/02(日)19:53:11 ID:yss7
結局夕雲の部屋の掃除は数日間もかかることになった。部屋にある物を捨てるだけなら一日で終わったかもしれないが、それなりに価値のあるものが多くありゴミと仕分けるのに難航したのだ


朝潮ら三人はここ数日はずっと夕雲の部屋の掃除をやり続けていたので疲労困憊であった。しかし掃除のスキルアップという収穫があったのでメイドとして前には進んでいる


荒潮「凄いことになってるわねぇ」


ここは倉庫。夕雲の部屋から出てきた価値があるものが並べられている


荒潮「とりあえず高価なものは保護するからぁ、それを中心にお願いするわねぇ」


妖精さんに目利きをお願いする。この妖精さんは確かな目を持っているようで朝潮が捨てようとしていた食器に待ったをかけたのも妖精さんだった

630: 名無しさん@おーぷん 21/05/02(日)19:57:52 ID:yss7
荒潮(よくこれだけの量を集めたわね)


貰ったものやリサイクルショップで買ったものが積み重なってゴミ屋敷のようになってしまったらしい


荒潮(夕雲もゴミ屋敷になるとは思ってなかったんでしょうね)


宝の山とは言わないがそれなりの価値を見込めるもので溢れている部屋。夕雲の性格も相まってゴミ屋敷となれ果てたのかもしれない


荒潮(全部は無理でも迷惑料としてすこーし貰っちゃうわよ)


この中のものをいくつか売り払い朝潮達へ報酬代わりのご褒美を買う。夕雲と提督には了承済みである


↓2価値のあったものか売れそうなもの

632: 名無しさん@おーぷん 21/05/02(日)20:04:33 ID:1x4I
古い箱にしまわれた儀礼用サーベル

633: 名無しさん@おーぷん 21/05/02(日)20:15:35 ID:yss7
妖精さんが示したのは古い箱。それを開けるとサーベルのようなものが入っていた


荒潮「へぇ儀式や儀礼に使われてたの」


妖精さんの解説によると古代文明に関係するものでかなりの価値があるらしい


荒潮「ならこれは博物館に引き取ってもらいましょうねぇ」


妖精さんたちの手によってサーベルは運ばれていく。残るそれなりに価値があり夕雲の同意がとれたものは売り払い朝潮達のご褒美代に回された

634: 名無しさん@おーぷん 21/05/02(日)20:28:23 ID:yss7
荒潮(待っててねぇ朝潮ちゃん)


荒潮はご褒美代を持っていくついでに朝潮の様子を見に行こうとしていた。漣はもう回復しているらしいが朝潮は過労気味で暫く休養が必要となった


荒潮(ちゃんと休んでないといけないわよぉ)


朝潮の部屋をノックし中に入っていく


↓2朝潮の様子

636: 名無しさん@おーぷん 21/05/02(日)20:46:50 ID:xckQ
まだ働けると不服そう
そんな朝潮を寝かし付ける漣(これで優位に立てるとの魂胆もある)

637: 名無しさん@おーぷん 21/05/02(日)21:15:27 ID:yss7
朝潮「私はまだ働けるんです」


過労気味と診断されても本人はまだやれると不服そうであった。そんな朝潮の側には漣が居る


漣「いいから寝てて下さいね~」


朝潮を寝かしつけているが親切心からではないようだ


漣(これで漣の方が優位に)


荒潮「立てると思ったら大間違いよぉ」


ニコニコと漣の方を見る荒潮。心を読む能力なんかあるはずがないが漣の思考を読まれ動揺する


漣「あ、荒潮さんが来たようですし漣はこれにて失礼します!」


脱兎の如く素早く部屋から出ていく漣。そんな彼女を朝潮は不思議そうに見ていた

638: 名無しさん@おーぷん 21/05/02(日)21:19:45 ID:yss7
荒潮「ちゃんと寝てなくちゃ駄目よぉ料理大会も控えてるんだしぃ」


そうでしたと朝潮は考えを改める。メイドとして完璧になる為に料理大会での優勝は必須なのだ


荒潮「ここで無理をしても意味ないわぁ、ゆっくり休みなさい」


わかりましたと朝潮は返事をする。休むことを認めさせたところで荒潮は本題に入る


荒潮「夕雲の部屋にあったものを売ったお金を持ってきたのよぉ。買ってきて欲しいものがあれば買ってくるわぁ」


↓2朝潮の欲しいもの

640: 名無しさん@おーぷん 21/05/02(日)22:08:49 ID:Xcij
司令官

642: 名無しさん@おーぷん 21/05/02(日)22:32:18 ID:yss7
朝潮「司令官が欲しいです」


荒潮は朝潮の言葉が理解できずあらぁ?と呆気に取られる


朝潮「完璧なメイドを司令官が欲しがっていたので…」


やはり朝潮は過労で間違いない。言っていることも理解できないので休んでもらおうと荒潮は看病に専念する


荒潮「ゆっくり寝てていいのよぉ」


荒潮の呪文のような子守唄を聴き朝潮の意識は遠のいていく


荒潮「うふふふ~安心してお休みなさぁい」

643: 名無しさん@おーぷん 21/05/02(日)22:40:15 ID:yss7
朝潮へのご褒美はまた考えてもらうとしてこれからどうするかを考えていた


荒潮(料理大会で優勝したらここから居なくなっちゃうのよねぇ)


朝潮にはやりたいことをやって欲しいが友達と離れたくないという気持ちもある


荒潮(私は料理は好きだけど給仕はそこまで好きじゃない。だからメイドもやってないの)


皐月のように朝潮のメイドを手伝わない理由は荒潮の性格によるもので提督との関係は悪くない


荒潮(二人が遠くに行ってしまうのは悲しいわ)


自分の気持ちは秘めたまま荒潮は部屋を後にする


↓2どうなった

644: 名無しさん@おーぷん 21/05/02(日)22:46:29 ID:xckQ
提督は朝潮の事をどうおもっているのか、いなくなっても構わないくらいなのかストレートに聞いてみる

646: 名無しさん@おーぷん 21/05/02(日)23:36:13 ID:yss7
荒潮はそのまま執務室に向かう。朝潮のことをちゃんと聞いておこう、ハッキリさせておこうと決心し扉をノックする


荒潮「失礼するわねぇ」


中には提督だけが座っていた。朝潮は休養中なので秘書艦が居ないのは当然だが荒潮は若干の違和感を感じていた


コレステロールの権化とも呼ばれている提督が荒潮に何の用かと尋ねる。何もしていないのに汗だくなのはいつも通りのようだ


荒潮「朝潮について聞きたいことがあるのよぉ」


立ったままじゃなんだからとソファーに移動する二人

647: 名無しさん@おーぷん 21/05/02(日)23:43:15 ID:yss7
荒潮「料理大会に参加するのは知ってるのよねぇ」


提督は知っていると答える。汗をかいているのは動揺しているからではなく単なるいつものことのようだ


荒潮「もし優勝すればここを離れることになるのよ」


朝潮のことをどう思っているのかを問い詰める荒潮。居なくなっても構わないくらいのものなのかと思っていたことを口にする


荒潮「朝潮ちゃんをぞんざいに扱うなら手放して」


話をしていくにつれ怒気が混じっていく。朝潮の気持ちを弄んでいるのならそれは許されない行為なのだ


↓2提督の答え

648: 名無しさん@おーぷん 21/05/03(月)00:20:43 ID:v8w0
メイドとして成長する為に朝潮自身が決めた事なのだから主人は信じて待つだけ
少なくとも朝潮、皐月、提督の主従を超えた信頼関係の前には物理的な距離など些細な事

650: 名無しさん@おーぷん 21/05/03(月)01:43:16 ID:WMhs
汗を拭ったあと提督は朝潮についてハッキリと言った


メイドとして成長する為に朝潮自身が決めた事なのだから主人である自分は信じて待つだけだと。朝潮も皐月も本気でメイドになろうとしてくれているのだから自分もそれに応えるのだという


朝潮と皐月、二人と提督の主従を超えた信頼関係の前には物理的な距離など些細な問題だと言う説明を荒潮はただ黙って聞いている


荒潮「それが貴方の言い分なのね」


荒潮の顔に笑みは無い。かと言って憎しみや怒りの表情も見えない


荒潮「朝潮ちゃんを粗末に扱っていないことが知れたからもういいわ」


荒潮は執務室を出て行く。その目は何かを決意したように見える

651: 名無しさん@おーぷん 21/05/03(月)01:51:05 ID:WMhs
荒潮は食堂に居た。その手には料理大会の概要が記された紙が握られている


荒潮(給仕に興味は無いけど朝潮ちゃんと離れたくない)


荒潮は自分の料理の腕を知っている。その道に拘れば人並み以上に稼ぐことは容易い


荒潮(出撃や辞令だったら諦めはつく。でも彼女は自分の意思で離れようとしている)


自分の趣味と服装。その全てを受け入れてくれるこの鎮守府と朝潮は切って考えることはできない


荒潮「全っ力で止めてあげるから」


唯一無二の場所と友を守る為、荒潮は朝潮と戦う決意をする


↓3荒潮の行動
寝ます

652: 名無しさん@おーぷん 21/05/03(月)02:15:07 ID:a3Gq
荒潮は考える
敵として出場
もし自分が優勝してしまえば結局離れる事になる
朝潮に協力して一緒に出ても朝潮達とは一緒だがこの鎮守府には居られない
なら違うチームに勝ってもらう必要がある
相手となるチームに自分のレシピを教える…あまり気は進まないがこれだろうかと

654: 名無しさん@おーぷん 21/05/03(月)11:56:46 ID:ivzm
>>652
具体的には漣とPolaのコーチングをする

655: 名無しさん@おーぷん 21/05/03(月)19:59:29 ID:WMhs
もし自分が優勝してしまえば結局離れる事になる。朝潮に協力して一緒に優勝したとしてもこの鎮守府には居られない


荒潮の希望を叶える為には違うチームに勝ってもらう必要がある。そうするには相手となるチームに自分のレシピを教えるのはどうだろうか


レシピは自分だけの特許のような侵されたくない領域だが背に腹はかえられない。他のチームで優勝に近いであろう存在にレシピを教えようと決意した荒潮は行動を開始する


漣「レシピを譲ってくれるんですか」


荒潮が訪れたのは漣とポーラのペアだった。既に出来上がっているポーラは論外だが漣は荒潮の話を真剣に聞いている


荒潮「私の料理がどこまでやれるのか知りたいのよぉ」


嘘だ。だが体のいい言い訳を用意しておくのは必然だったのだ

656: 名無しさん@おーぷん 21/05/03(月)20:06:56 ID:WMhs
漣「漣たちは朝潮さんと戦うことになるんですよ」


漣は初期艦だけあってこの鎮守府の最初から知っている。荒潮がここに飛ばされてくる要因も知っているし朝潮が荒潮を救ったことまで全てを知っている


荒潮「朝潮ちゃんはぁ」


いつもの調子で答えようとするが言葉が出てこない。口から発せられるのは言い訳ではなくギリギリという歯軋り音だった


荒潮「わかるでしょ」


やっとの思いで出てきた言葉が全てを物語っていた。荒潮の表情は酷く曇っている


荒潮「朝潮ちゃんとここから離れたくないの」


荒潮は真っ直ぐに漣を見つめる。本人の知らない内に殺意をも込めた眼差しで漣だけを見つめていた


↓2漣の台詞か行動

657: 名無しさん@おーぷん 21/05/03(月)20:10:27 ID:2TPS
メイド舐めるんじゃねえですよ
こんなもの借りなくても朝潮は漣がどこにも行かせねえですから

659: 名無しさん@おーぷん 21/05/03(月)20:45:46 ID:WMhs
漣「和食はウケないんすよねぇ」


時代はメキシコ料理ですとやれやれといった動作を荒潮にするが無反応だった


漣「お情けは必要ないって話ですよ。そんなのなくても朝潮はぶちのめします!」


拳を握りながらそう宣言する。その言葉の意味がわかったようで荒潮は漣に問いかける


荒潮「本気で勝てると思ってるの?」


漣「出る前に負けることを考えるバカがいるかよ!」


その言葉と共に荒潮にビンタをする漣。荒潮は激昂し漣に掴みかかる

660: 名無しさん@おーぷん 21/05/03(月)20:52:58 ID:WMhs
漣「冗談だって言ってんでしょうが!今のはイノキの名言ですぞ!」


確かに漣が言った言葉は有名なプロレスラーが試合前のインタビューで発した台詞だった。ビンタをするところまでがプロレスラーの行動だったが荒潮にはそんなものは関係なかった


荒潮「あぁぁぁぁっ!!」


荒潮の気持ちは言葉にすることはできない。嫉妬も悲しみも妬みも殺意も。マイナスの感情が全て入り混ざったものを荒潮は抱えていた


漣「冗談でビンタしたのは謝りますから!ていうかそんな力でやってないですよ!」


漣のビンタは冗談で済むようなもので殆ど力を入れず軽く頬を撫でるレベルのものだった


しかし荒潮のスイッチを入れるのには充分であった。抱えていたものを全て漣にぶつけるように荒潮は暴れ始める


↓2どうなったか

662: 名無しさん@おーぷん 21/05/03(月)21:21:31 ID:ZHoK
皐月「ちょっと!また漣が何かしたの!?けど私闘はだめだよ!!」

漣「ちげーよ!でもタッケテ!」

665: 名無しさん@おーぷん 21/05/03(月)21:32:10 ID:WMhs
荒潮が暴れている音を不審に思った皐月が飛び込んでくる


皐月「また漣がなにかしたの?!」


だからといって私闘は駄目だと荒潮を止めに入る。荒潮は誰に止められているのかも判っていない


漣「漣じゃねーデス!けどヘルプ!!」


直接的な原因を作ったのは漣だがそれは置いておいても荒潮が正気ではないことに皐月は気付く


皐月「落ち着いて荒潮!」


着物に身を包みお淑やかな彼女からは考えられないような力に皐月は翻弄される


荒潮「いいぃぃっ!!」


体勢が良くなかったとはいえ引き剥がそうとした皐月を振り払い再び漣に襲いかかる

666: 名無しさん@おーぷん 21/05/03(月)21:40:16 ID:WMhs
漣「御免!」


襲いかかってきた荒潮の腕を掴みその勢いを利用し投げる。一本背負いのような形で荒潮は投げ飛ばされた


荒潮「ぎっ!」


ここは柔道場ではなく鎮守府であり畳は無い。更に正気を失っていたこともあって受け身をとることもできず思い切り床に叩きつけられた


皐月「荒潮…」


漣「……骨はいったかもしれません。でもこれしか無かったんですよ」


説得にも応じず暴れる荒潮を鎮めるにはこれしかなかったのかもしれない。嫌な音と共に床に打ちつけられた荒潮はピクピクと動くだけで言葉は発していない


皐月「なにがあったのか説明してくれるよね」


漣「モチロンです」


ポーラの泥酔した間抜けな声が聞こえるが事態は好転しない。荒潮を医務室に運ぶ算段を立てながら漣は皐月になにがあったのかを語る


↓2荒潮はどうなった

667: 名無しさん@おーぷん 21/05/03(月)21:43:53 ID:SwXd
怪我は軽い脱臼で済んだ
痛みで少し冷静になる

668: 名無しさん@おーぷん 21/05/03(月)22:04:54 ID:JDjS
>>667
荒潮は、朝潮には内緒にして、と
また心配かけたくないから

669: 名無しさん@おーぷん 21/05/03(月)22:20:52 ID:WMhs
診断の結果軽い脱臼で済んでいた。骨が折れていなかったのは幸いだがまだ鈍い痛みが荒潮には残っていた


荒潮「お願い…朝潮ちゃんには言わないで…」


痛みで冷静になった荒潮は二人に朝潮には言わないでと懇願する。嫌われたくないという本音は隠し心配をかけたくないと理由を付ける


皐月「僕は言うつもりはないよ」


漣から事情を聞いた皐月はそう答える。漣もまた同じ意見のようだ


漣「ご主人様には体調不良とでも言っておきますからそこで寝てて下さい」


二人は話しながら医務室を後にする。残ったのは荒潮だけだった

670: 名無しさん@おーぷん 21/05/03(月)22:26:19 ID:WMhs
荒潮「なにをしてるのかしら」


独り言を吐くが意味が無いのは自覚していた。冷静になると自分の行動の全てがおかしかったのは過去のトラウマが関係しているのだろうか


荒潮(昔に戻るくらいなら死んだ方がマシ)


自分を押し殺し意味の無い会話の毎日。頭がおかしくなる寸前で荒潮は救われた


荒潮(私にとってここは地球。朝潮ちゃんは太陽なの)


艦娘は地球以外で生き延びることはできない。太陽がなければ明日を迎えることができない


荒潮がこの環境を失うことは死に値する


↓2どうなったか

672: 名無しさん@おーぷん 21/05/03(月)23:15:19 ID:a3Gq
朝潮と出会う前の事を思い出す荒潮
そして朝潮と出会った時の事
思えば最初は印象は良くなかった
自由になりたいと渇望していた自分と忠犬なんて呼ばれている朝潮は真逆の存在だと思っていた

673: 名無しさん@おーぷん 21/05/03(月)23:34:51 ID:WMhs
荒潮が地球に来る前はただの道具であった。艦娘がぞんざいに扱われていたのではなくそうしなければ生きていけなかったからだ


出撃すれば敵を沈め遠征であれば物資を守る。演習では及第点を取るという何も変わらない毎日


地球とは呼べない場所は悪い環境ではなく寧ろ艦娘にとって良い場所とされていた。轟沈させた艦娘はおらず作戦も決して無理はしない


ただそんな毎日を荒潮は受け入れられなかった。毎朝鏡に映る制服を着た自分を見ると吐き気がしていた


 的少数派のような性別の問題ではなく自分のしたい格好ができない。自分のやりたいことができないというストレスは誰にも理解されず荒潮は孤立していった


『こんなにいい鎮守府は無いのに』


誰かが言ったその言葉で荒潮は我を失った

674: 名無しさん@おーぷん 21/05/03(月)23:43:40 ID:WMhs
それから荒潮が覚えているのは朝潮と出会った時だった。朝潮が会いに来ると聞いて随分と嫌な思いをしたことを荒潮は覚えていた


提督への忠誠心が高く忠犬とまで呼ばれている朝潮。そんな彼女が自分を理解してくれるはずがない。精神病棟の重い扉を開け入ってきた朝潮の姿を荒潮は今でも忘れられない


朝潮「貴女は私たちの鎮守府が引き取ります」


凛々しい言葉と共に敬礼する彼女は正に朝潮そのものだった。ただ一つ大きく違うのは制服ではなくメイド服に身を包んでいたということだった


朝潮「貴女のことを救いに来ました」


その言葉に荒潮は涙を流す。今まで溜めていた感情を全て洗い流すかのように大粒の涙を流し続けた


その日は荒潮は道具から艦娘という存在になり地球に降り立った記念すべき日になった

675: 名無しさん@おーぷん 21/05/03(月)23:49:19 ID:WMhs
医務室のベッドで目覚めると顔に違和感があった。どうやら泣きながら寝ていたらしい。顔を洗ってこなければならないが脱臼した部位が痛み起き上がるのに苦労していると隣に誰かが居ることに気付いた


荒潮「朝潮ちゃん…」


朝潮はなにも言わずタオルで荒潮の顔を拭う。いくらかマシになったが泣いた跡はまだ少し残っていた


朝潮「今日は何の日か覚えていますか」


そう言われ一瞬考え込むがすぐに答えを導き出す


荒潮「私が…艦娘になれた日…」


朝潮は大きく頷く。彼女にとっても荒潮との出会いは簡単には忘れられないものだった


↓2荒潮か朝潮の台詞

677: 名無しさん@おーぷん 21/05/04(火)00:28:46 ID:F2d2
何も言わず両手を繋ぐ二人
声を上げず静かに泣き始める荒潮と、少し強く手を握り直す朝潮

678: 名無しさん@おーぷん 21/05/04(火)00:43:26 ID:m6g8
朝潮は黙って荒潮の両手を取りしっかりと握る。逃げることはできないが荒潮を何処にもやらないという強い意思を持って両手を繋ぐ


荒潮は両手を通して朝潮の暖かさを感じていた。物理的な体温と誰よりも温かい朝潮の心を感じる


夢は終わったはずだが荒潮はまた涙を流す。その涙は悲しみではなく以前と同じように気持ちが溶けている涙だった


声もあげず静かに涙を流す荒潮の手を強く握る朝潮。救った方と救われた方は本来なら対等ではない。しかしこの二人にはそんなものは関係ない


二人の間に言葉はなかったが気持ちが溶け出した涙を見て朝潮はあの時と同じように微笑んだ

679: 名無しさん@おーぷん 21/05/04(火)00:50:40 ID:m6g8
朝潮「私がここを離れるのはメイドとしてだけではありません」


荒潮の涙の理由を理解した朝潮はそう言う。完璧なメイドとして振る舞いを覚えたいのもあるが他にも理由がある


朝潮「荒潮と同じような悩みを持つ『道具』を助けに行くんです」


給仕でどれくらいの範囲を動くのかは判らないがもし全国を飛び回るというのなら話を聞く機会は少なくない


朝潮「マイノリティであることを隠すこと程辛いものはないですよね?」


荒潮がその辛さを一番知っている。全てに押し潰されそうになるあの感覚は死より恐ろしい


朝潮「貴女を救えたのは偶然です。でも私はこれから必然にしたいんです」


道具を救うには必ずしも料理大会で優勝する必要は無い。しかしそれが一番効率がいいと朝潮は判断したのだ


朝潮「私は荒潮に応援して欲しいです。一番近くで私のことを見守っていて下さい」


↓2荒潮の台詞

681: 名無しさん@おーぷん 21/05/04(火)01:32:27 ID:iT8l
私もずっと側に居たい…
その為なら他の何だって容易い事
今さらだけど私もチームに加えてくれる…?

682: 名無しさん@おーぷん 21/05/04(火)01:50:18 ID:m6g8
朝潮の言いたいことは理解できた。やろうとしていることも立派で自分とは違い尊敬できる艦娘に違いない


それでもやはり朝潮の側を離れたくない。地球には帰ってくればいいだけで無くなるわけではない。太陽が無くなってしまうと生命活動は直ちに終わりを告げてしまうだろう


朝潮が遠ざかるということは絶対に受け入れられない荒潮は朝潮に素直に気持ちを伝える


荒潮「私もずっと側に居たい…今更だけどチームに加えてくれる?」


朝潮は悩む素振りもなく当然ですと答える。荒潮は安堵するが別の問題がある


朝潮「荒潮は料理より給仕を覚えなければいけません」


着物を着ることは多少動き辛いという点はあるが大きな問題ではない。それよりも大事なのは荒潮に給仕の経験が無いということだ

683: 名無しさん@おーぷん 21/05/04(火)01:55:59 ID:m6g8
死ぬ気で覚えればなんとかなるかもしれない。しかし荒潮は脱臼という怪我を負っていて死ぬ気でなにかをできるほど無茶はできない


荒潮「無理…かしら」


朝潮「やる前から諦めてはいけません!」


朝潮は真っ直ぐに荒潮を見つめる。彼女はこの目が大好きでいつも朝潮を見る時はまず目を見ている


彼女の目を見ていると自分を救ってくれたあの幸福感を感じられる。でも今は別の気持ちが芽生えていた


荒潮「朝潮ちゃんが言うと…本当にそう思えるのよ」


これまでの幸福感とは違い自信に満ち溢れた朝潮の目から安心感を得ていた


↓3荒潮はどうなったか
寝ます

684: 名無しさん@おーぷん 21/05/04(火)02:30:23 ID:iT8l
元々素質はあった荒潮
怪我に障らないよう意識しているその所作には無駄が無い
それはまるで一流旅館の若女将のような

687: 名無しさん@おーぷん 21/05/04(火)19:40:31 ID:m6g8
荒潮に給仕を教えることになったのだがどうやら素質があったようで心配するようなことにはならなかった


怪我を気にしながら動いているのが功を制したようで動きに無駄が無く、容姿と相まって旅館の女将のような雰囲気もあった


給仕という行動はどちらかと言えばやりたくない部類に入るものだったが、朝潮の側を離れるというマイナスが大き過ぎたので苦にならず続けることができていた


荒潮の給仕にある程度の期待を持てるようになった時、皐月は料理について再考すべきかを話題に出す


皐月「荒潮が居るんだからもっと凝った内容にするか一品くらい追加してもいいんじゃない?」


二人チームで自慢の一品を出すのは不思議ではないが三人チームで一品だけとなると審査員の印象は変わるかもしれない


荒潮「せっかく朝潮ちゃんが頑張ってるんだしぃ料理の変更はしないでぇ」


色とりどりの小籠包は試行錯誤の上レシピも完成し、毎回完成度の高いものを作れるようになっていた


朝潮「小籠包に合わせる和食があるのでしょうか」


メニューの変更は朝潮も考えていないようだった。しかし追加するにしてもなにが適正なのか決められない

688: 名無しさん@おーぷん 21/05/04(火)19:45:13 ID:m6g8
皐月「中華に追加しても違和感のない和食かぁ」


頭を捻るがなにも思い浮かばない。いつもの荒潮ならとりあえず作れる和食を実際に作るところだが、怪我の影響を考えると無駄な行動は控えておきたい


荒潮「カラフルなもので色を合わせるかぁ、単色で小籠包を引き立てるものがいいわよねぇ」


荒潮の頭には朝潮の小籠包より目立つものは作らないという考えがあり、メイン料理を作る気持ちは全く無かった


朝潮「レシピ本を見て考えましょう」


荒潮を酷使させるわけにはいかないので本を参考になにか使えるものはないか探すことになる


↓2メニューはどうなるか

690: 名無しさん@おーぷん 21/05/04(火)20:45:00 ID:MbMr
味変の和のタレを作る

691: 名無しさん@おーぷん 21/05/04(火)20:52:29 ID:m6g8
朝潮「これはどうでしょうか」


朝潮が示したのはラーメンのページだった。なにも参考にする所はないと皐月は言おうとするが荒潮は気付く


荒潮「途中で味を変えようっていうのねぇ」


朝潮が見つけたのは味変ラーメンと書かれているものだった。肉そばと呼ばれる種類のラーメンを半分食べたところで酢を入れると別物のような味になるらしい


朝潮「具材に変化はありますが小籠包というものは飛び越えていません」


荒潮「そこを和風のソースかタレで飛び越えちゃおうって話ねぇ」


今までのタレも悪いものでは無いので残しておいて問題ない。好みによって使い分けてもらうのはプラスであろうと皐月もその案に賛成する

692: 名無しさん@おーぷん 21/05/04(火)21:00:01 ID:m6g8
荒潮「うん…悪くないわねぇ」


荒潮の監修による和風タレは数種類の試作を経て完成した。小籠包の中の具材が親しみやすいものが多かったのですぐに大まかなレシピは完成した


朝潮「これで私たちの料理は完成ですね」


皐月「給仕も問題無いしあとは頑張るだけ!」


朝潮と皐月もやる気充分で今すぐにでも大会が始まっても問題無さそうだった


荒潮「朝潮ちゃんの足は引っ張らないようにしなきゃいけないわねぇ」


二人から問題ないと言われていても慣れない給仕が本番でどうなるか判らない


朝潮「あとは当日まで努力あるのみです!」


料理大会に向け三人は一致団結し改めて勝利を収めようと決意を固めた


↓2どうなった

694: 名無しさん@おーぷん 21/05/04(火)22:03:42 ID:EoIn
一応提督に挨拶をしておく荒潮

695: 名無しさん@おーぷん 21/05/04(火)22:21:14 ID:m6g8
大会が近付いているある日、執務室に荒潮の姿があった


荒潮「一人でお仕事は辛そうねぇ」


朝潮が料理大会に向けて練習を重ねているので秘書艦の仕事が出来ていない日が多い


提督は気にしていないようだが仕事量が増えるにつれ汗の量が増して書類が湿っていく


そんな湿り気の増した書類を手に取り荒潮は仕事を手伝おうかと言う


荒潮「秘書艦の朝潮ちゃんと一緒に出るからぁ、少しくらい手伝っておこうかなってぇ」


断る理由は無いようで提督は簡単な仕事を手伝ってくれと書類をいつくか渡す

696: 名無しさん@おーぷん 21/05/04(火)22:36:20 ID:m6g8
荒潮「ねぇ」


無言で仕事を続けていたが突然口を開く。提督の方は見ていないが執務室には二人しか居ないので提督に話しかけているのだと分かる


荒潮「私って病気なのよね」


提督は答えなかった。汗を拭う手は止まらないが口は開くことはない


荒潮「自分で調べたのよ。人間に当てはまるなら自閉症って所ね」


朝潮に助けられる前の鎮守府で荒潮は馴染めず暴力を振るい病院送りとなった。その病院は一般的なものではなく患者を縛り付けることもある病院だ


荒潮「私の料理が上手なのはサヴァン症候群なのよね」


サヴァン症候群。未だそのメカニズムは判明していないがなにも障害のない健常者よりも才能が突出することがある。画家や暗記能力など人によって出現する能力は違う


荒潮「貴方がここまで知ってたから私を引き取ったの?」


提督は荒潮に詰め寄る。自閉症ともサヴァン症候群とも診断された覚えはないが見る人が見れば判るものであるかもしれない


↓2提督の台詞か行動

697: 名無しさん@おーぷん 21/05/04(火)23:08:18 ID:M3ky
知ってはいたがそれは荒潮がここに来てからだと
荒潮を引き取る事を強く進言してきたのは朝潮で、彼女が居なかったら最悪今も病院の中だったかも

699: 名無しさん@おーぷん 21/05/04(火)23:51:09 ID:m6g8
提督は知っていたと答える。荒潮が何かを叫ぼうとする前にここに来てからだと付け加える


荒潮は忘れていたがこの鎮守府に来るにあたりカウンセリングを受けていた。その時に自閉症である可能性が高いと診断されていた


普通ならば引き取ることはしない。しかし強く志願した朝潮の意見を尊重し荒潮を受け入れることになったのだ


真実を知り荒潮は言葉が出ない。もし朝潮の判断が無ければ今も自分は病院の中だったかもしれない。それを救っていたのも朝潮だったのだ


荒潮「どうして朝潮ちゃんは……」


それ以上言葉は出なかった。口にしても無駄だと知っていたから出す気になれなかった


『貴女を救いに来ました』


朝潮の言葉がどれほどの覚悟があってのものだったのか。それを知った荒潮は泣くことすらできずにいた

700: 名無しさん@おーぷん 21/05/04(火)23:58:29 ID:m6g8
執務室を飛び出した荒潮は朝潮の元に向かう。走ると体が痛むがそんなものは関係なかった


荒潮(私はなにも理解してなかった)


自分は偶然救われたんじゃない。朝潮が居たから自分はここに存在できている


荒潮(言葉じゃ気持ちを伝え切れない!)


自分の全てを朝潮に捧げよう。そうしてもこの感謝の気持ちは伝え切れない


荒潮(貴女の幸せは私の幸せ)


自分の恩人でもあり太陽でもあり、もはや神と呼んでいい存在でもある朝潮のもとに荒潮は急ぐ


↓2朝潮となにが起こる

702: 名無しさん@おーぷん 21/05/05(水)00:58:40 ID:UtyO
うえの言葉がよく聞き取れ無かった朝潮執務室で提督の手伝いをしていたことは知っていたので、何かしら彼の事を誤解したかもと思い提督の優れている所を説く

703: 名無しさん@おーぷん 21/05/05(水)01:22:28 ID:RfOF
朝潮「司令官はとってもいい人なんですよ」


食堂でなぜか提督の良さについて語る朝潮。実は荒潮が執務室で提督の手伝いをしていたのを知っていたのだ。二人だけで話しているのなら邪魔はできないと近くで様子を伺っていると突然荒潮が執務室を飛び出して行った


荒潮の自閉症が悪い影響を及ぼしたのかと思ったが取り乱した様子もなく執務室をチラ見してもなにも問題は無さそうだった


提督は見た目で損をしている。心優しい人であるのは間違いないのだが体の脂肪が邪魔をして本来の人柄までたどり着けない人が多い


荒潮もその一人なのかもしれないと思い提督はいかに良い存在なのかを荒潮にプレゼンしている


荒潮(朝潮ちゃん…)


一方の荒潮は話の内容はまるで耳に入っておらず神を崇める信者のように朝潮を見つめている

704: 名無しさん@おーぷん 21/05/05(水)01:31:52 ID:RfOF
皐月「そろそろ練習しようよ」


痺れを切らした皐月が二人に話しかけるがもう少しと朝潮は話しを続ける。荒潮には皐月の声は届いていない


皐月は荒潮が病を抱えているのは知っているが病名までは知らない。知る必要もないし知ったからといって特に対応が変わることもないので気にすることが無かった


皐月はずっと誤解していた。荒潮は朝潮のことを 的に好きなのだろうと思っていた。朝潮に対する対応や言葉遣い視線などそれら全てが愛だと思っていたのだがそれは勘違いだったと思い知る


皐月(本番までになんとかなるかなぁ)


跪き神に祈るように両手を握る荒潮。まるで神のお告げを聞くかのように朝潮の言葉を全身で受け止めている彼女と朝潮の関係を友人に戻さなければ大会どころではない


↓3三人はどうなるか
寝ます

人少ない
直下も必要かもね

707: 名無しさん@おーぷん 21/05/05(水)07:44:21 ID:idkY
自分たちは対等な関係だと思ってたのに……隣に並んで一緒に歩んでくれないの?(漣との交流でおぼえたお目目うるうる上目遣い)→荒潮はハートをブチ抜かれそのショックで正気に戻る

710: 名無しさん@おーぷん 21/05/05(水)19:23:31 ID:RfOF
朝潮は皐月の言葉に耳を疑った。冗談にしては変なのでもう一度確認するが皐月の言葉は変わらない


荒潮が自分を崇拝しているのではないかという皐月の疑問を否定しようとするがその方法が思いつかない。荒潮に少し待っていて欲しいとお願いすると


荒潮「何時間でもここで待ってるわ!」


朝潮は嫌な気配を感じた。荒潮に慕われるのは悪いことではないがこの返答はどうだろうか。皐月の言っていることが現実味を帯びてきたので真偽を確かめるため荒潮に質問をしてみる


朝潮「これは仮の話ですがもし私が怪我をしたら」


荒潮「腕でも足でも内臓でもあげる!!」


これはいけない。皐月の話を信用する気になった朝潮は彼女と話し合うことを決めた

711: 名無しさん@おーぷん 21/05/05(水)19:30:57 ID:RfOF
皐月が言うには一時的におかしくなっているので元に戻すしかないという。医者ではない自分に治せるのかと思っていたがなにやら作戦があるらしい


皐月から漣に習ったという秘伝の技を荒潮に試すため再び彼女に近付いていく


朝潮「お待たせしました」


荒潮「もういいの?何時間でもここで待ってるわよ」


荒潮の目をよく見ると瞳孔が開ききっている。これは確かにまともではないといえる。これで戻るかは判らないが今は試すしか選択肢はない


朝潮「私たちは対等な関係です」


荒潮「え…?」


荒潮の表情があっという間に曇る。しかし雲が彼女を覆い尽くす前に朝潮が続ける


朝潮「隣に並んで一緒に歩んで欲しいです」


漣は上目遣いで頼めばどうにかなるという技を伝授してもらっていた。これはミスをした時に使える技だと漣は教えていたのだが、皐月から朝潮に伝えられる時に多少ニュアンスが変わった。うるうると小動物のような瞳で荒潮を見つめてしまい荒潮は堪らず卒倒する

712: 名無しさん@おーぷん 21/05/05(水)19:37:11 ID:RfOF
皐月「荒潮!」


気絶するフリではなく本当に気を失い倒れたので頭を強打する所だった


しかし朝潮がなんとか彼女を支え最悪な展開は免れた。荒潮をそっと抱き抱えるが意識は戻らない


皐月「どうしよう医務室に連絡した方がいいよね」


皐月が心配し荒潮を治療しようか迷っているが朝潮は大丈夫ですと皐月を制止する


朝潮「起きて下さい」


荒潮「はぁっ?!」


ガバッと勢いよく起き上がる荒潮。多少混乱しているようだったがいつもの調子に戻っているようだった


荒潮「朝潮ちゃん…?」


朝潮「なんでもありませんよ。それより大会に向けて準備をしましょう」


荒潮「そ、そうねぇ」


皐月は深く突っ込むべきか迷ったが料理大会への影響を考えてこの場は流しておくことに決めた


↓2どうなったのか

714: 名無しさん@おーぷん 21/05/05(水)20:43:53 ID:62st
話題は対戦相手は漣組の他に誰が出るのかに

715: 名無しさん@おーぷん 21/05/05(水)21:04:42 ID:RfOF
皐月「そういえば漣以外に誰が出るんだっけ」


練習がひと段落したところで皐月がそんなことを言い出した。荒潮はさぁ~と知らない様子だが朝潮は知っているようだ


朝潮「戦艦の方も出られるみたいですよ」


皐月「へぇ…」


朝潮「小柄な方が中心ですね」


小柄な戦艦と疑問に思うがコロラドの存在を思い出し納得する皐月。給仕を行う上で大柄だと不便なことが多いので大会に出たがらないらしい


皐月「間宮さんが出ない理由はそれなんだ」


艦としては大きくないが上の方や下の方がボリュームのある間宮が出ない理由が判明したと皐月は思うが朝潮は違うと訂正する


朝潮「間宮さんはここの食堂から離れたくないそうです。アメリカン最高といつも言ってますからね」

716: 名無しさん@おーぷん 21/05/05(水)21:12:18 ID:RfOF
荒潮「  コンの為の大会なの?」


大柄な艦娘が出ないと聞いて荒潮の目が変わる。変な目で見られるのなら出たくないという当たり前のことを心配する


朝潮「それはないと思います。矢矧さんも出ると聞きましたしコロラドさんも出るんですよ」


コロラドも見ようによってはロリではないのだろうか。荒潮の心配は増していく


皐月「大丈夫だよ司令官は  コンじゃないし」


そうねぇと荒潮はなんとか納得する。提督の厚い脂肪は艦娘に情緒を抱くより甘味を食べたいという欲望の表れである


それを証明するように提督から変な目で見られたり 着が無くなったりすることが一度も無い


朝潮「手強いのは矢矧さんでしょうか。漣さんの三振かホームランというのも気になります」


ライバルは漣たちだけではないようだ


↓2どうする?

717: 名無しさん@おーぷん 21/05/05(水)21:23:55 ID:YyGv
敵情視察

718: 名無しさん@おーぷん 21/05/05(水)21:29:33 ID:lcfs
>>717
みんな腕試し大会として楽しみにしてる様子

719: 名無しさん@おーぷん 21/05/05(水)21:47:05 ID:RfOF
他のチームの動向が気になるということで視察をすることになった。漣たちはどこで何をしているのか分からないのでそれ以外のチームの様子を見て回る


矢矧「腕試しにはもってこいの大会よね」


朝潮「腕試しですか」


矢矧が作っているのもはかなり凝っている料理で給仕には向かないものであった


矢矧「ハッキリ言って優勝したら給仕役っていうのはオマケみたいなもの」


矢矧はあくまで自分の料理がどこまでできるのかを確かめたいだけのようだ


矢矧「だから朝潮達が給仕のことを前提に料理を作ってるのはいい作戦だと思うわよ」


朝潮達は優勝した後の給仕役がメインであるのでそこに的を絞っているのは悪いことではない


矢矧「大会が楽しみね。全力で戦いましょう」


矢矧と握手を交わし正々堂々と戦おうと誓う

720: 名無しさん@おーぷん 21/05/05(水)21:51:11 ID:RfOF
皐月「次はコロラドさんだね」


荒潮「誰とチームを組んでいるのかしらぁ」


矢矧は阿賀野型姉妹でチームを組むのだがコロラドの詳しい情報は入っていなかった


朝潮「コロラドさんの性格から言って勝つことを目標にしているはずです」


朝潮達のように給仕を前提にした料理で勝負をしてくる可能性がある


皐月「そうだとしたら強敵だね」


荒潮「どんな作戦でくるのか知っておきたいわねぇ」


コロラドはどういう作戦を立てているのだろうか


↓2コロラドの様子

721: 名無しさん@おーぷん 21/05/05(水)22:19:15 ID:YyGv
ホットドッグみたいなアメリカンで提供もしやすいものをアメリ艦総出で考えてるらしい、強敵
ただカロリー凄そう

723: 名無しさん@おーぷん 21/05/05(水)23:36:08 ID:RfOF
サミュ「やっぱりホットドッグは外せないよね!」


ガンビアベイ「チリソース派とヨーグルトソース派に別れちゃいますよぉ」


イントレピッド(それはタコスじゃなかったかしら)


コロラドをリーダーに米国艦娘総出で試行錯誤をしているらしい。もっと詳しく話を聞こうとするがここまでだとコロラドに止められる


コロラド「敵に手の内を見せる気はないわよ!」


朝潮「本気なんですね」


勝負事に負けはいらないとコロラドはやる気に満ち溢れている。料理の腕は定かではないが提供し易いという点で朝潮達と被っておりライバルになるのは間違いなさそうだ


皐月「ホットドッグならすぐ作れて給仕にも最適だよね」


朝潮「メニューは確定してないようですがどうなるんでしょうか」


その時料理を試作していたアイオワの方から荒潮の叫び声が聞こえた

724: 名無しさん@おーぷん 21/05/05(水)23:41:31 ID:RfOF
荒潮「あ、ああ貴女いったいなにをしているの?!」


アイオワ「ンン~~」


アイオワは焼き上がったパンにバター半分を塗りたくっている


荒潮「料理を舐めてるの?!」


荒潮がアイオワの愚行を責めていると後ろから手が伸びてきてあるものを掴む


サミュ「残ってるバター使うね」


そう言い残った半分のバターを素揚げし始める


荒潮「はぁぁ?!」


コロラド、サミュエルのアメリカンチームは手強いのだがそのカロリーは凄いことになりそうだ


皐月「荒潮の血圧が心配だから一旦帰ろう」


まだまだ続く大味の料理に荒潮が卒倒してしまう前に三人はその場を離れた

725: 名無しさん@おーぷん 21/05/05(水)23:47:47 ID:RfOF
視察も終わり部屋に帰ろうとしている三人だったが皐月がそう言えばと話を振る


皐月「審査員って誰なの?もちろん司令官は参加するよね」


メインの審査員は五人居て、提督は特別審査員という立場らしい。もし審査員の判定が割れてしまった場合最終の決定権があるそうだ


朝潮「審査員は本部と料理家の人が来ると聞いています」


皐月「本格的なんだ」


荒潮「優勝すれば色んな場所で給仕なんだしぃ、半端な子は優勝させられないわよねぇ」


大会はこの鎮守府で行われるが全国で給仕を行うということは一つの鎮守府ではなく本部の看板を背負うことになる。審査員として参加するのは当然だろう


↓2どうなったか?

727: 名無しさん@おーぷん 21/05/06(木)00:37:07 ID:2Lvp
漣「このままだと勝負にすらならんないですがそれは。ポーラさんイタリア艦の人達に手伝いを呼びかけて貰えませんか?」

728: 名無しさん@おーぷん 21/05/06(木)00:55:56 ID:BThK
その頃漣たちはポーラの部屋で作戦会議をしていた


漣「このままだと勝負にすらならないんですが」


漣チームはサボテンステーキを主軸にしたメキシコ料理。受け入れられれば評価は高いだろうがその確率は低い


漣「ポーラさんイタリア艦の皆さんに手伝ってはもらえませんでしょうか」


イタリア艦娘といえばパスタをはじめ多彩な料理が得意で有名だ。協力してもらえれば料理が改善されるのは間違いなかった


ポーラ「それは無理ですねぇ~」


イタリア艦はアメリカ艦のように団結し大会に出るリベッチオチームのサポートに回っていると聞かされる


漣「ポーラさんはなぜ手伝わないんですか?」


ポーラ「えへへへぇ~」


ポーラは答える変わりに酒瓶を掲げる。どうやらイタリア艦娘に戦力と数えられていないようだった


漣「オ…オワタ…」


今更ながら協力してもらう人物を間違えたと漣は崩れ落ちてしまう

729: 名無しさん@おーぷん 21/05/06(木)01:05:10 ID:BThK
そんな漣をよそにポーラは酒を抱えたまま部屋でゴソゴソと何かを探し出す。そして目的のものを見つけたようで何か作業を始める


漣「ご主人様の隣は漣のものなのに…ケッコンするはずだったのに…」


落ち込んでいる漣のもとにポーラが何かを差し出す。それはグラスに入った液体だった


漣「なんですかこれは」


ポーラ「お酒ですよぉ~」


この状況でもお酒しかないのかと怒ろうとポーラの方を見るが、雰囲気が違うことに気付く


漣「ポーラさん?」


ポーラ「どうぞぉ~」


ポーラが差し出していたのはカクテルだった。いつの間にかバーテンダーの服に着替えていたポーラが笑顔でカクテルを作っていた


漣「こ、これは」


ポーラ「元気を出すにはこれですよぉ~」


そのカクテルは漣をイメージしたかのような鮮やかなピンク色で見た目も華やかなものだった

730: 名無しさん@おーぷん 21/05/06(木)01:14:32 ID:BThK
漣「美味しい…」


ポーラ「まだ仕事中ですからノンアルコールです~」


アルコールが入っていなくとも要領は変わらないという。しかし漣はそれは違うと指摘する


漣「なにかの番組で見たんですけどノンアルコールでカクテルを作るってめちゃくちゃムズイですよね」


カクテルの基本であるジントニック。それをノンアルコールで再現するのは至難の技である


漣「ポーラさんもしかして」


ポーラ「これがポーラが料理大会に出る理由です」


漣の前にいくつかのリキュールが置かれた


ポーラ「瓶からペットボトルに移し替えているので移動中に割れることはありません。種類は絞ってありますが全て料理に合うものです」


他のチームはもちろん料理には拘っている。しかし飲み物まで計算に入れているチームは無い


ポーラ「お酒を飲めない人でも楽しんでもらいたいんですぅ~」


漣「キ…キタコレ!!」


料理大会を目前にして漣チームの完成度が極限まで高まった


↓3大会前日、なにか起こる
寝ます

733: 名無しさん@おーぷん 21/05/06(木)04:51:07 ID:OLjX
六駆が話している
そして暁は艦娘としては初めてのライセンス持ちメイドだった
実際は料理だけが上手くてもまだまだメイドとして完璧には程遠いと厳しい

734: 名無しさん@おーぷん 21/05/06(木)17:25:56 ID:BThK
料理大会の前日、出場することはないが第六駆逐隊の四人が暁の部屋に集まり話している


電「明日の大会は荒れそうなのです」


雷「全員そこそこの実力があるのよね」


強いて言えばアメリカ艦娘が一歩遅れているという所だがカロリーが改善されれば優勝してもおかしくはない


響「暁はどう思う?」


暁は加熱式のタバコを吸いながらため息をつく


暁「この大会自体意味がないわね」


そう言い捨てる暁。その格好は第六駆逐隊の制服であるが実はライセンス持ちの本物のメイドなのである


暁「料理と奉仕は別物。料理大会で優勝したから給仕をするっていう話がおかしいのよ」


タバコを吸い終わったタイミングで響がゴミ箱を差し出す。黙ってそこに吸い殻を捨てたあと更に話を続ける

735: 名無しさん@おーぷん 21/05/06(木)17:35:56 ID:BThK
暁「メイドはお金を貰って奉仕するもの。給仕で全国を回るなんて言ってるけど貰えるお金は雀の涙じゃない」


給仕を行う艦娘には特別手当てが支払われるがそれはかなり安いものだと言う


暁「あんな端金で雇えるのはメイドじゃないわよ」


二本目のタバコを吸おうとするが加熱式の本体の充電が切れたようで使えず舌打ちをしてポケットにしまう


その様子を見てかは判らないが響が暁の前提はそもそもおかしいと反論する


響「私は妥当だと思うよ。暁が言ってるのは奉仕で優勝して全国を回るのは給仕。ハッキリ言ってしまえば給食係のようなものなんだ」


そう思えば特別手当ては悪くないと響は言う。暁はタバコの本体を充電器に繋ぎながら話を聞いている


響「朝潮達を見て腹が立つのはわかるけど彼女らなりに頑張っているんだ」


暁「あんなのガキのお飯事じゃない」


暁はメイドとして主人に奉仕していた。食事や掃除だけでなく身の回りの世話もしていた


身の回りという曖昧な言葉で誤魔化されてはいるが実際は玩具にされ道具として遊ばれていたのだ

736: 名無しさん@おーぷん 21/05/06(木)17:44:03 ID:BThK
暁「あんなのを見てると腹が立つのよ。私はライセンスまで取った本物のメイドだったのに!」


他の第六駆逐隊は暁がどう使われてどんな目に遭ったのかを知っている。この鎮守府が暁を保護してメイドを辞めたことに誰も文句は言わない


響「暁はお金を貰っていたんだろう」


暁「そうよ悪い?!」


暁は道具として扱われていたがその代価は支払われていた。だから主人が捕まっても大きな罪になることはなかった


響「暁は運が無かったんだ。ちゃんとメイドとして働ける可能性もあった」


暁「じゃあ過去に戻って私を雇いなさいよ!」


落ち着くのですと電が暁に抱き着く。雷は響に言い過ぎだと注意するが響はそんなことは無いという


響「この大会に意味はあるし朝潮は本気だ。それを認めて欲しかったんだよ」


暁「あんなお遊び認めるわけないでしょ!」


電を振り払い部屋を出ていく。部屋に残された三人は暁を追いかけることはできない


響「暁はメイドとして誇りを失ってしまっている。明日の大会を見れば考えが変わると思ったんだ」


雷「考えは悪くなかったけど言い方があるでしょ」


電「暁ちゃん悲しそうな顔をしてたのです」


部屋を出ていく暁の顔は怒りよりも悲しみが優った表情をしていた


↓2どうなったか

737: 名無しさん@おーぷん 21/05/06(木)18:14:02 ID:OLjX
皆は私を被害者扱いするけど私は幸せだった
だけど主人は捕まって私は奉仕する相手を失った
楽しそうに給仕をしているのが羨ましいのかしらね…と暁は自嘲する

738: 名無しさん@おーぷん 21/05/06(木)18:57:36 ID:2Lvp
>>737
こういう心内もあるので一様に前主人を悪く言って欲しくもない

739: 名無しさん@おーぷん 21/05/06(木)19:17:18 ID:BThK
暁はメイドとして幸せだった。純潔を捧げ道具として扱われようともメイドとして満足のいく生活を送れていた


しかし本人達が満足していようと違法行為は許されない。主人が捕まってしまうのは当然だったのだが暁はそれで終わりでは無かった


主人を失ったメイドほど役に立たないものは無い。行き場を無くし『被害者』である暁が再び艦娘として鎮守府に配属されるのは必然であった


暁はこの鎮守府が嫌いだった。全員が自分のことを可哀想な被害者だと決めつけ主人を非難した


暁はなにも言い返さなかった。報酬をもらい奉仕することがメイドとして最上級の行為であると思っていたからだ


それなのに自分は可哀想そうだ不幸だと言われるのが嫌で嫌で仕方なかった。訂正しようにも本物のメイドが居ないので自分の考えは理解されることはないだろうと思いなにも反論しなかった

740: 名無しさん@おーぷん 21/05/06(木)19:22:24 ID:BThK
主人は悪くない。今でも暁はそう思っており悪く言われると腹が立っていた


暁が朝潮達を見るとイライラするのは彼女たちが楽しそうにしているのが原因なのかもしれない


暁(私は奉仕する主人を失ってしまった。楽しそうな姿を見て嫉妬してるのかも)


暁はもう二度とメイドとして働くつもりは無い。だがこの状況が続くのは良いとも思っていない


暁(暇つぶしにでもなるのなら見てあげてもいいかも)


第六駆逐隊とは別で料理大会を見ようかと検討しているようだ


↓2どうなる

742: 名無しさん@おーぷん 21/05/06(木)20:07:37 ID:MidH
万が一の警戒で朝潮の周辺警護をする響

743: 名無しさん@おーぷん 21/05/06(木)20:40:44 ID:BThK
大会当日、響は早朝から朝潮の所に居た


皐月「どうして朝潮に引っ付いてるの?」


響「万が一があるかもしれないからね」


響の言う万が一が何か分かっていない三人は困惑するが悪意は無いようなのでそのままにしておこうとなった


荒潮「甘い卵焼きでも食べる~?」


響「ウラーー!」


高揚すると大きな声を出すのもいつもと変わりない。響に異常がないことを確認した三人は本番に向けて最後の調整を終えた

744: 名無しさん@おーぷん 21/05/06(木)20:44:50 ID:BThK
響「そこに段差があるよ」


響の警護はまだ続き朝潮を過保護がまでに守っている


皐月「響はどうしちゃったんだろうね」


朝潮「彼女なりの応援ということかもしれません」


荒潮「朝潮ちゃんが怪我でもしたら大変だものねぇ」


響の護衛の甲斐もあって三人は会場に無事にたどり着いた


朝潮「ありがとうございました」


響「私は向こうで見守っているよ」


応援席に壁をよじ登って入っていく響。電と雷が慌てて響を引き上げようとしている


皐月「なんかいい意味で力が抜けたかも」


荒潮「もしかしてこれを狙ってたのかもしれないわねぇ」


響にそんなつもりはなかったが結果として三人をリラックスさせたようだ


↓2大会の様子

745: 名無しさん@おーぷん 21/05/06(木)20:55:44 ID:2Lvp
審査員の紹介
いかにもな和服大柄の人やピンクのキグルミ……?とかいる

750: 名無しさん@おーぷん 21/05/06(木)22:01:55 ID:BThK
大会が始まる前に審査員が紹介される。本部からの人間が二人と外部から三人のようだ


皐月「あの着ぐるみはなんなんだろう」


外部からの三人の中にピンクの着ぐるみが居た。本部から来た二人も気になっているようでチラチラと様子を伺っているようだった


荒潮「あの人…」


外部からの審査員の中に荒潮は見覚えのある人物を見つけた。大柄で和服を来た男性で特徴がある


荒潮(私の料理を食べて褒めたって聞いたわよ)


提督の知り合いで美食家の男性が審査員の一人として参加している

751: 名無しさん@おーぷん 21/05/06(木)22:05:37 ID:BThK
荒潮(今日私は料理は作らない)


美食家というものは厄介で調理時間や盛り付けにまで拘ると聞く。料理人が料理を作らないということにいちゃもんを付ける可能性があった


荒潮(私が作るのはタレだけ。工夫はしたけど和食とはいえない)


荒潮の実力を知っている美食家がどのような反応をするか。五人のうちの一人で諦めるしかないと開き直った方が早いと決める


荒潮(朝潮ちゃんを負けさせるわけにはいかない!)


朝潮達の戦いが始まった


↓2大会中のできごと

753: 名無しさん@おーぷん 21/05/06(木)23:05:05 ID:ahbd
各チーム大きなハプニングなく料理を完成させていく
そんな中荒潮は美食家がずっと自分を見ている気がして生きた心地がしなかったが朝潮に激励され自分を取り戻す

754: 名無しさん@おーぷん 21/05/06(木)23:30:43 ID:BThK
各チーム大きなハプニングもなく料理を作っていく。朝潮達も問題なく料理をしているが突然荒潮の手が止まる


荒潮(やっぱり見てる…)


美食家が自分の方をジッと見ていると荒潮は作業に集中できなくなっていた。目線を合わせれば目が合う気がして顔も上げられない


朝潮が荒潮の様子がおかしいことに気が付き声をかける


朝潮「なにかありましたか?」


なにかハプニングがあったのかと荒潮に聞いてみるが下を向いて答えられない


皐月「こっちは大丈夫だけど…」


皐月も荒潮に近付いて様子を伺うが事態は進展しない

755: 名無しさん@おーぷん 21/05/06(木)23:37:01 ID:BThK
何度も問いかけるとようやく荒潮が口を開きなにがあったのか説明する


朝潮「見られていても構わないじゃないですか」


ええっと朝潮の方を驚いた表情で見る荒潮。皐月が続けて言う


皐月「審査されるのは料理なんだから頑張ろう!」


朝潮「美食家は料理を判断するだけです。荒潮を見たからって関係ありません!」


なにか言われる可能性があってもそれは料理が終わってから。今は調理に集中すべきという朝潮と皐月の激昂で自分を取り戻す


荒潮「そうね…料理を終わらせないと始まらないのよねぇ」


荒潮は目線を気にすることなく料理に戻ることができた


↓2どうなったのか

756: 名無しさん@おーぷん 21/05/07(金)00:06:53 ID:Wy82
暁もその様子を見ている
優勝するかは審査次第だけどやっぱり朝潮のところが優勢かしら
そういえばメイドの料理分野の試験思い出すわね…あれは過酷だった
材料から調理器具、何から何まで自分の目利きで揃えなければいけなかったとしみじみ

758: 名無しさん@おーぷん 21/05/07(金)00:52:30 ID:AOHW
暁は料理大会の様子を鎮守府の屋上から見ていた


暁(優勝するかどうかは審査員次第ね)


朝潮達が優勢のようだが審査員によっては評価が別れるだろうと読んでいた


暁(これを見てるとメイドの料理試験を思い出すわ)


メイドのライセンスを取る為に必要な料理の試験。ただ料理をすればいいというものではなかった


材料や調理器具を自分で揃えなければいけなかったがどんなものを用意したのか目利きも審査の対象だったのだ


調理の方法も食材に対して最適なものを選んでいるか、調理時間は最適か。メイドは全てを完璧に熟せる者でなければならない

759: 名無しさん@おーぷん 21/05/07(金)01:07:07 ID:AOHW
暁(やっぱり私のと比べるとおままごとね)


暁の経験したものに比べると確かにこの大会は緩いがそれでも全員必死になっている


暁(子供の遊びでも真剣にやってるわね)


汗を流す朝潮を見て思う。最近自分はあそこまで何かを必死に頑張っていただろうか


出撃も遠征もそれなりにこなしそれが終われば部屋でタバコを蒸す。艦娘としては及第点だが必死に頑張っているとはいえない


暁「…ふん」


少しイラついた様子でタバコを取り出す。部屋の外なので加熱式ではなく手巻きのタバコ。慣れた様子で火をつけ口をつける


暁「ご主人様のタバコ…また吸いたいな」


主人に教えてもらったタバコ。それをゆっくりと吸いながら想いを馳せる暁だった


↓3どうなるか
寝ます

761: 名無しさん@おーぷん 21/05/07(金)10:54:51 ID:VRBu
ポーラとドリンクを出す順番、タイミングを最終確認する漣
がポーラは審査員達を見ながらぶつぶつ言ってて冷や汗

763: 名無しさん@おーぷん 21/05/07(金)21:45:49 ID:AOHW
漣とポーラの二人も順調に料理を行っていたが、料理に合わせたノンアルコールのカクテルを用意するタイミングでポーラの様子がおかしくなる


漣「審査員の方を見てますけどなにかあるんですか?」


ポーラは答えないが冷や汗が答えの変わりになっていた


漣「なにか因縁のあるお相手がいる感じで?」


ポーラは微かに首を縦に振る。漣はもうすぐ完成というこのタイミングで気付くポーラがおかしいと問いただす


ポーラ「審査員の顔まで見てません…」


審査員が紹介されたときポーラは持ってきていたリキュール類をチェックしていて顔を見ていないどころか名前も知らなかったらしい

764: 名無しさん@おーぷん 21/05/07(金)21:50:36 ID:AOHW
漣「これは直感なんですけど、男関係ですか」


ポーラは頷く。やっぱりかぁ~と漣は深いため息をつき誰なのかを聞く


ポーラ「本部から来てる人で…元彼です」


それを聞き漣はため息をつく。今更どうしようも無いのはしょうがないがせめてカクテルは作って欲しいと説得する


ポーラ「わかってます、ええ」


ポーラの反応を見る限り二人は良い別れ方ではなかったのだろう。ポーラに落ち度がある可能性が高いと漣は思うが確かめるのは今ではない。なんとかポーラにカクテルを作るよう何度も元気付ける


↓2大会中のできごと

766: 名無しさん@おーぷん 21/05/07(金)22:39:25 ID:LOI0
事情を知ってるイタ艦がヒートアップ

767: 名無しさん@おーぷん 21/05/07(金)22:50:10 ID:AOHW
ポーラが動揺を見せている頃、それに気付いたイタリア艦娘チームは料理どころではなくなっていた


リベッチオ「やっぱりあの男はポーラさんを降った男だ!」


審査員が紹介された時、その名前に聞き覚えがあったがポーラが反応していないのを見て勘違いかと一度はスルーした。しかしポーラが審査員の方をチラチラ見ながら正常でない様子を見て確信していた


ガリバルディ「今更になって気付くのはポーラさんらしいか。なぁザラさん」


リベッチオとガリバルディがザラの方を見るがすぐに目を逸らす


ザラ「……ろす」


全ての作業を止め審査員の方を睨み付けるザラ。普段からは考えられないような鬼の形相を浮かべている

768: 名無しさん@おーぷん 21/05/07(金)22:56:08 ID:AOHW
どうすんだよとリベッチオに相談するが動揺するだけで事態は進展しない。流石にこのままではマズイとガリバルディがザラに話しかけようとするが


ザラ「殺す殺す殺す殺す殺す」


呪文のように言葉を繰り返しどうしようもない状態だと知る。せめて被害者は出ないようにザラを見張ることに決めたガリバルディは残りの作業をリベッチオに託す


リベッチオ「リベに無理だよ~!」


ガリバルディ「包丁でも振り回したら洒落になんねぇだろ!」


ザラはなんとか理性を保っているのか睨み付けるだけで済んでいるがこの場には調理をするために包丁があるのだ


ガリバルディ「傷害事件はヤバイ、だから頼むぞ!」


幸いにも料理は殆ど終わっている。あとは仕上げだけなのでリベッチオ一人でもなんとかなるのかもしれない


↓2大会中の出来事

769: 名無しさん@おーぷん 21/05/07(金)23:24:44 ID:uT6S
矢矧チーム
手際よく調理する三人

と味見待機の長女

771: 名無しさん@おーぷん 21/05/08(土)00:15:28 ID:k2KM
イタリア艦娘チームが混乱している中、矢矧率いる三人は順調に最後の仕上げに入っていた


矢矧「こっちは大丈夫よ」


能代「酒匂はどう?」


酒匂「びゃあぁっ!」


絶妙なタイミングで天ぷらを油から上げる酒匂。純和風料理で勝負する三人はそれぞれが完璧な仕事を熟すことができていた


矢矧「本番でも練習通りできたわね」


能代「よくやったわよ!」


ぴゅううとため息かどうか良くわからない息を吐き安堵の様子の酒匂。料理は終わったのであとは盛り付けをするだけになったところで三人の視線はある人物に向けられる

772: 名無しさん@おーぷん 21/05/08(土)00:24:15 ID:k2KM
阿賀野「んぁぉ~」


口を開き指でここだと示す。阿賀野は味見で自分を使えと言っているのだ


本来なら阿賀野のチームに入るべきだがチームは三人までというルールがある。そうなると料理の腕では一歩劣る阿賀野が抜けるしかなかった


能代「阿賀野姉をあのままにはできないわね」


矢矧「かといって味見はさせられないわ」


大きく口を開いたままの阿賀野。気のせいか周りの空気を吸い込んでいるように見える


能代「どうする?」


酒匂「ここは任せて!」


ぴゃっ!と勢いよく酒匂は何かを投げる。それは綺麗な弧を描き阿賀野の口に吸い込まれた


矢矧「ナイスコントロールね」


能代がなにを投げたのか聞く前に答えが出る。阿賀野が辛いー!と絶叫していた


酒匂「青、唐、辛、子!」


阿賀野は静かになり矢矧達は安心して仕上げを行うことができた


↓2大会中の出来事

774: 名無しさん@おーぷん 21/05/08(土)01:17:44 ID:fz69
ドイツ組
ソーセージ!ビール!ソーセージ!ビール!ビール!ビール!

775: 名無しさん@おーぷん 21/05/08(土)01:43:09 ID:k2KM
プリンツオイゲン「イェーイ!」


ドイツ艦娘チームは既に出来上がっていた


Z1「追加のソーセージが焼けたよ」


呂500「ビールお代わりですって!」


料理にかかる費用は大会持ちになっている。もし高級食材を使う場合事前の申請で弾かれることになっていた


ドイツ艦娘が申請したソーセージとビールの量は多かったが単価が安かったので許可された


費用は大会から出る。この事実を知ったプリンツオイゲンはこれを逃すまいと参加を決めたのだった


プリンツオイゲン「タダでビールが飲めるのは最高です!」


お裾分けにとビスマルクの分を始め持ち帰るためにビールとソーセージはちゃんと分けられている

776: 名無しさん@おーぷん 21/05/08(土)01:48:29 ID:k2KM
Z1「そろそろ料理時間が終わっちゃうね」


呂500「もっと呑みたかったのに残念ですって」


審査員用に適当にソーセージを並べビールを添える。あっという間に料理が完成した


プリンツオイゲン「これで完成!」


Z1「ならもう少し呑んでようか」


呂500「んぁ~ソーセージとビールは最高ですってぇ~」


ドイツ艦娘チームがビールを飲み干したと同時に調理時間が終わった


↓3審査までに起こったこと
寝ます

778: 名無しさん@おーぷん 21/05/08(土)15:31:24 ID:WWxa
ポーラとザラが話してる

780: 名無しさん@おーぷん 21/05/08(土)18:50:39 ID:k2KM
審査員達が料理を食べ審査を行っている頃、ザラとポーラは二人だけで話していた


ポーラ「ザラ姉さまぁ…」


ザラ「少し待ってて」


審査が終わればポーラの元彼をリンチするとザラは言っている。審査員としての仕事はやってもらわなければ本部に喧嘩を売ることになってしまうからだろう


審査が終わっても彼の立場は変わらない。この鎮守府やリベッチオ達に迷惑がかかるからとポーラが説得しても効果はない


ザラ「妹を弄んだ罪は重いのよ」


こうなったら力づくでも止められない。彼に事情を話して審査が終われば裏口から逃げてもらおうと思っていた所に来てはいけない訪問者が現れる

781: 名無しさん@おーぷん 21/05/08(土)18:56:38 ID:k2KM
「あ、お前は」


ポーラの元彼であり本部から来た審査員。その彼がポーラ達の前に姿を見せたと思うとすぐに消えた


瞬間移動を疑うが人間にそんな芸当はできない。よく周りを見てみると彼はポーラの後ろで蹲っていた


ポーラはわけがわからず混乱していると殺気を纏うザラが目に入る。どうやら彼女が一瞬で彼の後ろに回り込み、そのまま殴り飛ばしてポーラの後ろで倒れたようだ


ポーラ「ザラ姉さまやめて下さい!」


ポーラの言葉はザラには届かず彼に馬乗りになる。彼はなにかを言おうと口を開くがそれよりも早くザラの拳が顔面に向かう


↓2どうなったか

783: 名無しさん@おーぷん 21/05/08(土)19:24:56 ID:tYOa
漣がバシッと拳を受け止めてビシッとキメゼリフ

784: 名無しさん@おーぷん 21/05/08(土)20:30:59 ID:k2KM
顔面に拳がめり込む寸前、漣が片手で受け止める。ザラは激昂し手を離せと叫ぶが拳はビクともしない


漣「やめろ」


普段からは考えられない本気の表情でザラを睨む。彼女は怯み力が抜けたところを漣が突き飛ばす


漣「あんた達のいざこざは知りませんがここに迷惑をかけるのは許しません」


反論しようとするザラを無視し、彼女が彼にしようとしたように顔面に拳を振り下ろす


飛び散る血を見てポーラは漣は伊達に綾波型を名乗ってはいないと思い知る。とても止められるものではなくザラは一方的に殴られ続けた

785: 名無しさん@おーぷん 21/05/08(土)20:37:04 ID:k2KM
ザラの反応が無くなった頃、漣は審査員の彼に頭を下げる。彼は目の前で起こったことにショックを受けていたようで反応は鈍い


無礼を働いたザラは教育しておいたのてこれで許して欲しい。そんな内容を漣は捲し立てるように話し彼に無理やり納得させた


彼はポーラの方を一瞬見るが倒れるザラの方が気になりそちらに目線を移す。そしてバツが悪そうにこの場から去っていった


ポーラ「あの…」


漣「本部を怒らせると最悪鎮守府が無くなるんですよ」


実際、本部から来た彼にそんな力は無かった。しかし印象が悪くなるのは確実だったので漣の行動は悪いものではなかった


漣「一時の感情で流されるのは二流です」


既に意識の無いザラを背負い医務室に向かう漣。ポーラも遅れて後を追っていった


↓2どうなったか

786: 名無しさん@おーぷん 21/05/08(土)20:44:35 ID:gxOU
医務室への移動中元彼との間にあった事を話すポーラ
完全じゃないけどザラよりはダメージが癒えてる様子

788: 名無しさん@おーぷん 21/05/08(土)22:09:19 ID:k2KM
医務室に向かう道中、ポーラは彼となにがあったのか漣に説明する


彼はポーラとザラに二股をかけていた。それだけならまだしもザラに対してはプロポーズまでしていたという


彼は自分の立場があるから周りには言わないでくれ。それを真面目に守っていたザラを裏切る形でポーラとも関係を持った


ポーラが彼と破局したのはイタリア艦娘は知っていたがザラと二股までは知らない。彼はそんなことをザラが言いふらす艦娘ではないと計算して交際していた


もちろん彼のプロポーズはザラと体の関係を持つ為の嘘であり二人は結婚することはなかった。ザラはポーラよりも彼を恨んでいた


ポーラからおおよその話を聞いた漣はそれで?と返す。同情の余地はあっても関係ないと吐き捨てる


漣「艦娘が人間を殴る時点で終わりですよ」


暴力を振るうのは最悪ではない。自分たちの命を理解できていないザラが悪いのだと漣は言う

789: 名無しさん@おーぷん 21/05/08(土)22:17:02 ID:k2KM
漣「プロポーズまでしてんなら結婚詐欺で罰は下せるでしょうが」


漣は暴力で解決するならそれは仕方ないという考えを持っている。しかしそれは艦娘同士や人間同士での話である


漣「漣が提督に抱いている気持ちも本当は理に反してます。道具が人間に愛情を抱いてどうするんですか」


ポーラは思った。ザラに必要以上に暴力を振るったのは漣自身のこともあったのではないか。ポーラとザラが彼といざこざがあったのは漣も知っていたはず。詳細は今知ったのだろうが男女関係であることは知っていた


艦娘と人間は対等ではない。そんな当たり前のことを提督が好きな漣が知らないはずがない。そんな中で偽りであったとしても人間と愛し合ったザラを妬んでいたのではないか


漣が語らない限り詳細は知りようが無い。だが決して的は外していないだろうとポーラは思うのであった


↓2どうなる

791: 名無しさん@おーぷん 21/05/08(土)23:12:03 ID:fRbx
ポーラに発破をかける漣
当然勝つために頑張って貰わないといけないんですがね、糞男の鼻を明かしてやりましょうぜ
アンタと別れてからも充実してますよ~って

792: 名無しさん@おーぷん 21/05/08(土)23:20:04 ID:k2KM
医務室に運び込まれたザラは妖精さん達の手によって治療される。意識はまだ戻っていないが大きな怪我は無さそうでポーラはほっと一息つく


漣はザラの容体を確認するといつもの調子に戻りポーラに話しかける


漣「さて、審査はどうなりましたかね~」


ポーラのカクテルはなんとかうまくいき完成度に不満は無かった。あとはどれだけ票を集められたかになる


漣「当然あの男の票は入ってないでしょうがそれで構いまやしませーん!」


残り四票全てを集めれば勝てる。そういう意味で漣が言ったのかと思ったがどうやら違うようだ


漣「漣達の素晴らしい料理にケチしかつけれないような糞男は無視ですよ無視!」


その言葉にポーラは胸につっかえていた何かが取れるような感覚があった

793: 名無しさん@おーぷん 21/05/08(土)23:23:39 ID:k2KM
ポーラはザラよりも立ち直っていた。だがそれでも胸の奥で得体の知れないものが蠢いている感触はあった


それを漣が取ってくれた。満足感や幸福感とも違う、スッとするような感覚になっていた


漣「アイツに見せつけてやりましょうぜ!こっちはこんなに充実してるんだって!」


ポーラは笑顔で漣に応える。ザラはもう少し時間がかかるかもしれないがポーラが居れば問題はない


あんな最低な男のことは存在しないのと同じなのだ


↓2朝潮組になにか起こる

794: 名無しさん@おーぷん 21/05/08(土)23:58:00 ID:SrP8
荒潮に美食家が会いに来た
道具でなく人間としてうちの料亭で料理をしてくれないかですって!

796: 名無しさん@おーぷん 21/05/09(日)01:02:28 ID:hfCn
荒潮の元に美食家が訪れていた。朝潮と皐月は席を外している


荒潮は文句を言われることは覚悟していた。自分は料理を作らずタレを作っただけでなにもしていないと言われるだろうと想像していた


しかし美食家は懐から録音機を取り出しなにかの音を再生した


それはなにかを揚げる音で油の音が録音機からする。荒潮は美食家がなにをしているかその時点では理解できなかった


荒潮も美食家もなにも喋らずただ油の音が響く。そしてあるタイミングで荒潮が美食家に話しかけた


荒潮「ねぇ」


「そうだ」


美食家は上出来だと録音機をしまう。荒潮は音を聞いているうちにそれが何か理解した

797: 名無しさん@おーぷん 21/05/09(日)01:14:10 ID:hfCn
音の正体は海老を揚げる音で荒潮が声をかけたタイミングはちょうど揚がった音だった。五秒足りなければ揚げたりず五秒遅ければ揚げ過ぎ。素人では到底無理なことを荒潮は耳だけで判断した


「貴様と同じことができる料理人がどれだけ居ると思う」


荒潮は答えられない。自分の実力を充分知っている荒潮だからこそ答えることができないのだ


「貴様の料理が食べられないと知って帰るところだった。だが料理を見て思い留まった」


荒潮が作ったのはタレだけ。しかしそこに秘められた技術と思惑を美食家は見逃さなかった


美食家はカラフルな小籠包のうち朝潮と皐月だけで作ったものを挙げる。そして荒潮が助言し色を付けたり野菜を混ぜ込んだものはこれだと挙げていく。それは全て当たっていた


味変として用意されていたはずのタレ。素人が食べればただの味変だが美食家はタレの本来の役割を見抜いていた


荒潮が助言し『作らせた』小籠包と荒潮のタレは最初からペアであったように相性が良い。むしろそう食べる為にあるものだった


この美食家になにを言い訳しても無駄。そう思った荒潮は全てを話す決意をする

798: 名無しさん@おーぷん 21/05/09(日)01:19:55 ID:hfCn
「あの二人は義理のある恩人か何かで自分は目立ちたくなかった。だからメインの料理は作らなかった」


荒潮「ええ…」


「だが料理人としてのプライドがそれを許さなかった」


そうよ、と荒潮は力なく答える。やはり全てを知られていると諦めの気持ちが大きくなる


「素人があれを食べても美味いというだろう。だが儂のように思惑に気付く奴がいると踏んでいたな」


荒潮「その通りよ…」


荒潮は朝潮に頑張って欲しい、邪魔をしてはいけないとメインを作るつもりは無かった。だが料理を競う大会で自分の料理が目立たないのも許せなかった。なのでタレと小籠包に助言をするという形で自分の料理を作り上げたのだ

799: 名無しさん@おーぷん 21/05/09(日)01:25:08 ID:hfCn
下を向き黙り込んでしまった荒潮。そんな彼女に美食家がある提案をする


「儂の料亭に来い」


荒潮は艦娘としてではなく料理人として生きるべきだと美食家は言う。艦娘が料理人というは不思議ではなく前例があると言う


「料亭は儂の嫁が女将だ。お前と同じ元艦娘だ」


そう言われ荒潮は美食家と目を合わせる。彼の言っていることに嘘はないようだった


「お前は道具として一生を終える器ではない。嫁のように人間として生きろ」


荒潮の答えは


↓3荒潮の台詞か行動
寝ます

802: 名無しさん@おーぷん 21/05/09(日)10:04:46 ID:uRmw
朝潮と一緒な限り自分は影に徹するだろう
しかし料理人として存分にその実力を発揮したいという願望もあるのは確か
だけどやっぱり朝潮と離れるのも嫌だ
葛藤する荒潮に美食家
そんなに困らせるつもりは無い
ゆっくりでいい
少し考えてくれと残して去る

803: 名無しさん@おーぷん 21/05/09(日)19:37:50 ID:hfCn
荒潮は考えていた。朝潮と一緒に居る限り彼女より光を浴びることはない。しかし料理人として悔いなく実力を発揮したいという願望もある


だがやはり朝潮と離れたくない。朝潮が自分を救ってくれたことには間違いない。そんな彼女を裏切るようなことはできない


葛藤している荒潮に美食家はやはりそうかと話しかける


「金や命より重いものは義理だ。あの二人には相当な義理があるようだな」


美食家は話を聞いてすぐに断らなかった時点でこの話を魅力的だと思った。だが快諾しないのは義理があってのことだろうと


「返せる義理なら返しておけ。それくらいは待ってやる」


美食家は荒潮にそう告げると去っていった

804: 名無しさん@おーぷん 21/05/09(日)19:50:46 ID:hfCn
荒潮は朝潮と皐月と合流していた。荒潮の態度がおかしいのに気付いた朝潮がなにかあったのかと心配そうに問いかける


荒潮「ちょっと、あったわね」


皐月が大丈夫かと荒潮の側に寄ってくるがそれを手で制し問題ないと答える


朝潮「本当に大丈夫なんですか?」


念を押すように朝潮に言われると荒潮は明らかに動揺する。なにか隠しているのは明らかだが荒潮はなにも言わない


朝潮「皐月さん少し席を外してもらえませんか」


皐月はなにも言わず二人から離れていく。二人でなら話してくれると朝潮は思ったようだ


朝潮「なにがあったか話して欲しいとはいいません。私にしか聞いて欲しくない話があるのなら聞きます」


↓2荒潮の台詞

805: 名無しさん@おーぷん 21/05/09(日)20:11:40 ID:ONZW
艦娘が道具と言われることについてどう思うか聞く
(朝潮は自分がどのような決断をしても肯定すると荒潮は感じているので、さっきの美食家の話で引っかかっている事をきいておく)

807: 名無しさん@おーぷん 21/05/09(日)21:19:53 ID:hfCn
荒潮は艦娘が道具として扱われることをどう思うのか朝潮に尋ねた。朝潮の性格から言えば荒潮がどんな決断をしてもそれを否定することはない。なので自分を道具から艦娘にしてくれた朝潮にこの質問をした


朝潮「我々が道具なのは事実です」


朝潮は悩む様子もなく答える。淡白な答えに荒潮が動揺しているとですが、と朝潮は続ける


朝潮「道具に命が宿り意思が生まれた。それが艦娘なんです」


道具は本来の仕事を果たしてこそ存在意義がある。しかし道具に意思があるのなら、必ずしもその仕事をやる必要はない


朝潮「ドライバーがネジを絞めずアパレル業界で働いてもいいんです。鉛筆がバスを運転しても咎められることはないんです」


肝心なのは違う仕事をできるのかという一点だけだという。鉛筆に命があってもバスを運転することはできない。しかしドライバーがお洒落な服を開発することは不可能ではない


朝潮「だから艦娘が料理人になってもいいんですよ」


核心を突かれた荒潮は涙目で朝潮の話を聞いていた

808: 名無しさん@おーぷん 21/05/09(日)21:28:27 ID:hfCn
朝潮「私が司令官のためにメイドになりたいのと同じです。荒潮もしたいことをすればいいんです」


でも…と今にも泣きそうな声で朝潮に返事をする。その先に言いたいことが山ほどあるのだがうまく言葉にすることができない


それを知ってか大丈夫ですよと朝潮は荒潮に抱きつき、優しく背中を撫でる


朝潮「荒潮を救えたことは誇りです。でもそれが貴女の重しになることは望んでいません」


助け、助けられたという関係ではなく姉妹艦として自分のことを見てほしい。朝潮の素直な気持ちに荒潮は力強く抱き返すことで答えた


↓2どうなる

809: 名無しさん@おーぷん 21/05/09(日)21:51:34 ID:uRmw
朝潮は好きに生きろと背中を押してくれた
ならそれに甘えてみようか
私が私である為に
自分がどこまでやれるか試してみたい
その足で美食家に会いに
早かったな
しばらく待つ事になるかと思っていたが予想外
答えは出たかと聞く

811: 名無しさん@おーぷん 21/05/09(日)22:17:01 ID:hfCn
朝潮は好きに生きればいいと背中を押してくれた。ならばそれに甘えてみよう


荒潮は朝潮に礼を言いその場を離れる。朝潮は応援していますと笑顔で見送った


料理の道は優しくはない。才能があっても輝けるのはほんの一握りもいない。だが挑まなければ輝くチャンスは与えられない


自分が自分である為に。どこまでやれるのか突き止めるのは今しかない


荒潮は自分の為に生きることを決めた

812: 名無しさん@おーぷん 21/05/09(日)22:22:54 ID:hfCn
荒潮が美食家の元を訪れると意外そうな表情で出迎えた


「暫く待つと思ったがな。義理は果たせたのか」


荒潮は言う。義理を返した訳ではないが背中を押してくれたと。むしろ自分を助けてくれたことを義理と思う必要はないとまで言ってくれた


美食家は黙って荒潮の話を聞いたあと改めて荒潮に問う


「答えは出たのか」


荒潮「はい…宜しくお願いします」


美食家に頭を下げ世話になることを決めた荒潮。道具から艦娘になった彼女が人間に近付いた瞬間だった


↓2審査の結果

814: 名無しさん@おーぷん 21/05/09(日)23:09:38 ID:Icy7
全てのチームに1票ずつ
命運は提督の手に委ねられた

817: 名無しさん@おーぷん 21/05/09(日)23:28:58 ID:hfCn
集計が終わり審査の結果が出る。なんとドイツ艦娘チームを除き全てのチームに一票ずつ入っていたという混戦状態だった


この結果が出たということは全てが提督に委ねられるということ。五つのチームの視線は提督に集中する


ちなみにドイツ艦娘チームは結果を待たず引き揚げておりビスマルク達にお裾分けを届けに行ったようだ


本部から来た二人はこうなった以上は提督に委ねられるがここまで拮抗しているとなると正当な理由が欲しいと注文を付ける


自分の好みだけではなくちゃんとした理由を持って大会の勝者を決め、給仕役をやるチームを決定しなければならない

818: 名無しさん@おーぷん 21/05/09(日)23:34:09 ID:hfCn
五つのチームの視線を受けて提督は物理的に重い体を起こし勝者を決めようとする


祈る者や自信に満ち溢れている者。全員が全員勝利を信じて全力を出した


各チームに個性がありそれを活かすことができた。だからこそ全てのチームに一票ずつ入り拮抗する形となった


全員が優勝とも取れる状況だが今回はその先がある。給仕役を決めるには優勝者が必要なのだ


もちろんその事を知っている提督は優勝チームを発表する


↓2提督の台詞

820: 名無しさん@おーぷん 21/05/10(月)00:25:18 ID:xlff
朝潮チームの勝ちデース

821: 名無しさん@おーぷん 21/05/10(月)00:42:23 ID:Sbs7
提督が優勝チームとして名前を挙げたのは朝潮チームだった。その結果に朝潮と皐月は抱き合って喜び荒潮は少し複雑な表情を浮かべる


他のチームは提督が決めたのなら仕方ないと納得している様子だったが一人だけ感情を露わにする艦娘が居た


漣「おぎゃぁぁ~~ん!」


漣は秘書艦の座を取り戻す為、提督の為に完璧なメイドになる為、提督の隣に居る為。様々なものを賭けてこの大会に臨んでいたが敗北した


ただ負けたのではなく最後は提督は自分を選ばなかった。そのことが漣のショックを何倍にも大きくしていた


ポーラ「頑張ったんですけど残念でしたねぇ」


ポーラは漣を落ち着かせようとするが一向に泣き止む気配は無い。ポーラがどうしようかと困っていると朝潮が漣の前に現れる

822: 名無しさん@おーぷん 21/05/10(月)00:51:32 ID:Sbs7
朝潮「良い勝負でした!」


これからもお互いに頑張りましょうと朝潮は手を差し出す。それを見た漣は何度も涙を拭ったあと手を出し朝潮と握手を交わす


漣「負けました完敗です…」


朝潮は紙一重だったと言うが本当にその通りで、五つのチームに一票ずつ入っていた。漣たちが優勝してもおかしくなかったのだ


漣はそれでも負けは負けですと潔く頭を下げる。給仕役を頑張って欲しいというエールを朝潮は受け取る


漣「ご主人様とも幸せになって下さいね」


その言葉を聞いた朝潮は首を傾げる。どうして司令官が関係あるのですかと漣に聞き返すと嫌味とは朝潮らしくないと返答する


漣「秘書艦をかけた勝負に漣は負けたんですよ」


朝潮は確かにその通りだと答える。しかし直後に秘書艦というものと司令官と私が幸せになるのが関係あるのですかと質問する


漣「はあぁ?」


混乱する二人の元に提督が歩み寄る


↓3提督の台詞か行動
寝ます

825: 名無しさん@おーぷん 21/05/10(月)02:12:54 ID:14mm
よく頑張ったな二人共
朝潮はこれからが本番だ
忙しくなるぞと激励する提督
朝潮は元気よくはい!と敬礼
さて漣はまた秘書艦として俺の側に付いてもらう
はれ…?と漣
考えてみれば当然だ
優勝すれば給仕として飛び回るのだから秘書艦は続けられない

826: 名無しさん@おーぷん 21/05/10(月)19:30:25 ID:Sbs7
提督はよく頑張ったと二人を労う。朝潮にはこれからが本番で忙しくなるぞと激励する。朝潮は敬礼で答えその表情は自信に満ち溢れていた


次に漣に対してまた秘書艦として自分の側に居て欲しいと頼む


漣「はれ…?」


漣はまだ事態が飲み込めていないようだった。そこで提督は事情を説明する、というか判っていないのは漣だけだったりする


優勝して給仕役として飛び回るのだから秘書艦は続けられない。たまには帰ってくるだろうがその僅かな時間だけ秘書艦をするというのは現実的ではない


漣は秘書艦をかけて勝負と言っていたがそもそもの前提で矛盾していたのだ

827: 名無しさん@おーぷん 21/05/10(月)19:45:02 ID:Sbs7
漣はがっくりと肩を落とす。提督のことを考え過ぎて冷静に物事を考えられなくなっていたのだ。
勝負に勝てばメイドとして成長できるが秘書艦になれない。それに早く気付いていれば大会に出ないという選択肢もあった


しかしこの大会は漣を成長させるものになった。正々堂々勝負したからこその結果であるので大会に参加して良かったのだろう


漣は再び秘書艦に返り咲くことは確定したが勝負には負けているので複雑な表情をしている。だが提督の隣に居れるならそれでヨシと、秘書艦としてお願いしますと提督に挨拶をしようとするが少し待って欲しいと止められる


漣が不思議そうに提督を見ていると突然、跪こうとするが腹が邪魔でできなかったので立ったまま漣に小さな箱を見せる


漣「…?」


漣はまだ何が起こるのか判っていない


↓2提督の台詞か漣の台詞

829: 名無しさん@おーぷん 21/05/10(月)20:49:06 ID:PSeO
漣:なんすか?特別賞でもくれるんですか……(ここで提督のプロポーズ)

830: 名無しさん@おーぷん 21/05/10(月)21:12:13 ID:Sbs7
漣「なんすか、特別賞でもくれるんですか?」


貰えるものはなんでも貰いますけど…と箱が小さいのが気になっているが、頑張った自分への努力賞がもらえると思っている漣


提督が箱を開くとそこには指輪が入っていた。カッコカリではない本物の指輪であることは一目瞭然だった


結婚して欲しい。提督からそう言われ暫く動きが止まっていたがその意味が理解できた瞬間漣は叫びをあげる


漣「はにゃあ~~~~!」


動揺する漣の手を取り左手の薬指に指輪を嵌めようとする提督。もちろん漣は拒否することなくそれを受け入れる


漣「ぅわあ、モノホンのダイヤじゃないっすかぁ」


漣の指に嵌められた指輪は更に輝いて見える。朝潮は良かったですねと祝福するがちょっと待って下さいと声が聞こえる

831: 名無しさん@おーぷん 21/05/10(月)21:16:13 ID:Sbs7
声の主は本部から来たうちの一人の女性で提督にどういうことか説明して欲しいと問う


朝潮チームを優勝させたのは漣に指輪を渡すためで優劣で言えば漣チームの方が優れていたのではないかと


最終の決定権は提督にあるが正当な理由が必要であることを強調する


漣も本部の彼女が言っていることが理解できたようで提督の方を見ている


提督は判っていると本部の彼女へ理由を話す


↓2提督の台詞か行動

833: 名無しさん@おーぷん 21/05/10(月)21:21:01 ID:fR31
特色のある料理どれも素晴らしかったが高いレベルで複数のジャンルをまとめていた朝潮チームがふさわしいと考えた
これから様々なところを巡るのであれば万人に対応できるのが望ましいから

834: 名無しさん@おーぷん 21/05/10(月)21:29:13 ID:Sbs7
どのチームの料理も素晴らしかったが高いレベルまとまっていた朝潮チームが優勝にふさわしいと考えた。これから様々なところを巡るのであれば万人に対応できるのが望ましいという提督の説明を聞き、本部の彼女はある程度は納得したようだった


しかしもし漣チームが優勝していればどうだったのかと引かない。朝潮は彼女がどうしてここまで細かいのかと不思議に思っていたが皐月は気付いていた


本部の彼女は年老いてはいないがそこまで若くない。それなのに左手の薬指に指輪が無い。彼女は行き遅れてしまっているのだろう


そんな彼女の前で公開プロポーズでもすれば癇に障ってもおかしくない。自分の仕事も忘れて漣と提督を攻撃したくなる気持ちも理解できなくはない

835: 名無しさん@おーぷん 21/05/10(月)21:35:09 ID:Sbs7
そんな状況のなか彼女の味方をしてしまう内容を荒潮が話す


荒潮「ごめんなさい…私は給仕役はできないわ」


荒潮は美食家に料理人として誘われてそれを受けると返事をしてしまった。給仕役は一年程と聞いているがとても待てない


荷物や準備が終われば料亭に向かう。なので給仕役は朝潮と皐月しか無理だと伝える


本部の彼女はそれみたことかと朝潮チームの優勝無効を宣言する


↓2どうなるのか

836: 名無しさん@おーぷん 21/05/10(月)21:58:45 ID:rpNL
美食家「その話なんだが、すまんが此方にも準備がある。そうだな…一年程給仕の修行をしてきてもらおうか、うちに来るのはそれからだ」

837: 名無しさん@おーぷん 21/05/10(月)22:00:16 ID:fR31
>>836
+普通に一人で何を決めてるのかと他の審査員達から突っ込まれる

839: 名無しさん@おーぷん 21/05/10(月)22:18:48 ID:Sbs7
本部からの彼女が暴走する中美食家が姿を現す


美食家「貴様を料亭に呼ぶ話だが此方にも準備がある。そうだな…一年程給仕の修行をしてきてもらおうか」


その言葉に荒潮は安堵と困惑の表情を浮かべる。本当にいいのかと美食家を見るが特に表情は変わっていない。朝潮に義理があるのは知っていてもなにがあったのかまでは知らないはず


先程の義理は返したという荒潮の言葉が信じられなかったのか。それとも義理を返し切るように猶予を与えたのか。はたまた本当に準備が必要だったのか。美食家がなにを思ってこんなことを言ったのかは判らないが荒潮にとってこれ以上嬉しいことはない

840: 名無しさん@おーぷん 21/05/10(月)22:21:36 ID:Sbs7
一方で本部から来た彼女は他の審査員からなにを一人で決めているのかと突っ込まれていた


ポーラとザラを騙していた彼でさえ正論を言っているので余程先走ったことを言ってしまったのだろう


彼女は慌てて言い訳するがもう遅い。この一件は本部に知られ彼女に処分が下されるだろう


混乱は招いたが料理大会は朝潮チームが勝ち、一年程給仕役をやることが決まった


↓どうなる

841: 名無しさん@おーぷん 21/05/10(月)22:32:47 ID:14mm
後日幸せ絶頂で顔面が緩みまくっている漣を尻目に朝潮達三人はこれからについて話し合う
給仕役として経験を積む一方、本来の目的、艦娘や人間の助けになる事
誰かの役に立ちたいという気持ちを再確認する
朝潮が本物のメイドになるのも遠くはないのだと荒潮は思う

843: 名無しさん@おーぷん 21/05/11(火)00:50:09 ID:RZTc
料理大会から数日後。漣は幸せ絶頂で顔面が緩みまくっていた頃、朝潮達三人はこれからについて話し合っていた


給仕役として経験を積むのは提督の為で艦娘としての使命は忘れてはならない。艦娘と人間、道具とそれを使う側という立場は揺るぎないがそれでも誰かの役に立ちたい


メイドと艦娘を同時にやることは容易ではないが朝潮ならできるだろう。荒潮は目を輝かせる朝潮を見てそう思っていた


話し合いではこれからの予定も確認する。一週間後にはこの鎮守府を出る必要があるのでそれまでに準備を終わらせなければいけない。制服は容易だがメイド服と和服は慎重に扱わなければいけないので注意する必要がある


服装については本来なら制服でやる所だが給仕役の妨げにならないのなら制服でなくてもいいと許可は出ている

844: 名無しさん@おーぷん 21/05/11(火)00:57:12 ID:RZTc
話し合いはこれくらいにして各自準備をしましょうと三人は解散する


皐月は私物が多いので持っていけるものを選り分ける作業に時間がかかりそうで、荒潮は和服に気を配りつつ料理のこともある。レシピをまとめたノートや美食家から課題のようなものを貰っているので、それをどうしようかと嬉しそうに悩んでいた


一方で朝潮はある場所に向かっていた


朝潮(キッチリ片付けておいた方がいいですよね)


これから一年程鎮守府には殆ど帰ってこない。それならば残っている問題を片付けてしまうのは合理的な考えである


↓3朝潮が向かった場所か人か何か
寝ます

846: 名無しさん@おーぷん 21/05/11(火)01:42:25 ID:YVwP
夕雲型の部屋へ
あれだけ片付けたのにもう既に散らかり始めている
夕雲に至ってはまた一見ガラクタのような何かを買い集めているようだった
この調子では一年後どうなっているか容易に想像出来てしまう

847: 【88】 21/05/11(火)07:47:12 ID:vsHX
>>846
でもゆるゆるだらだらだったら姉妹同士でシャツとかぱんつとか着せあって改善も少し見られる様子

849: 名無しさん@おーぷん 21/05/11(火)17:44:39 ID:RZTc
夕雲「はぁいどちら様…」


ドアを開くと目の前に居た人物は見たくない存在だったのでそのまま閉めようとする。しかしそれを朝潮は許さず強引に中に入る


朝潮「なんですかこれは!」


数日かけて掃除をしたというのに夕雲の部屋は再び散らかり始めていた。ガラクタかよく判らないものが乱雑に並べられており一年後にはどうなっているか容易に想像できる


価値があるのならちゃんと保管しておくようにと夕雲に強く注意する。夕雲はまさか自分の所に来るとは思っていなかったようで正座するしかなかった


朝潮が部屋をチェックしていると改善されていた部分も発見できた。前はいつ洗濯されたか分からない服や 着が山積みになっていたがそれが無くなっていた

850: 名無しさん@おーぷん 21/05/11(火)17:51:48 ID:RZTc
朝霜「おーい夕雲…ゲッ!」


都合良く朝霜が現れたので朝潮が捕まえると何かを夕雲に持ってきていたようだった


それをチェックするときちんと畳まれたシャツや 着だったのだが朝潮はある疑問をぶつける


朝潮「これは洗ってますか?」


朝霜「洗ってるに決まってんだろうが!!」


信用できませんと 着をとり匂いを嗅ぐ朝潮。そのまま暫く動きを止めていたが朝霜の方を向く


朝潮「本当に洗ったんですよね?」


朝霜「てめぇぇぇ!!」


 着は確かに洗われていたが部屋干しだったので特有の匂いがしていた。いつもの朝潮ならそれに気付いていたが夕雲達の 着ということでその考えが頭から抜けていたのだ


↓2どうなったか

852: 名無しさん@おーぷん 21/05/11(火)18:30:41 ID:YVwP
朝霜の反応を見て
という事は貴女達の部屋もそうなんですね?
後でそちらもチェックします
朝潮メイドモード起動
以前よりも手早く効率的に片付けていくと同時に収納のレクチャーをする余裕も
私は確実にレベルアップしている!と内心ウキウキの朝潮

853: 名無しさん@おーぷん 21/05/11(火)19:40:27 ID:RZTc
自分を見た反応から夕雲以外の部屋も散らかっていると判断した朝潮は後でそちらもチェックしますと朝霜に宣言する。朝霜はヤバいという表情を表に出してしまい部屋が綺麗で無くなっていることがバレてしまう


夕雲には自分でやっておくように指示しておき朝潮は朝霜と部屋に向かう。朝霜の部屋は夕雲ほどではないが以前と同じくらい散らかっていたので前と同じように片付けていく


前回と比べて手早く効率的に片付けられ、朝霜に収納のレクチャーをする余裕もあった。前と比べて自分は確実にレベルアップしていると自覚できた


メイドとして成長するには様々なことに対応できる力が必要。朝潮はあらためてそれを確認していた

854: 名無しさん@おーぷん 21/05/11(火)19:50:27 ID:RZTc
朝霜の部屋を後にした朝潮はある場所に向かった


暁「どうしたのよ」


見ての通りタバコはちゃんと外で吸っているわよと暁は言う。ここは屋上で室内ではないことは明白だ


朝潮は文句を言いに来たのでなく貴女に話があると言う。早くしてと暁は面倒臭そうに答える


朝潮「先日の料理大会はご覧になられましたか」


暁「覚えてないわ」


朝潮「そうですか。少なくとも近くでは見ていなかったようですね」


実際には暁は屋上からその様子を見ていた。だが朝潮の言う通り近くでは見ていない。それがなにか関係あるのかと暁は問う


朝潮「あの場には貴女の主人が居たんですよ」


朝潮がそう言い終わると暁は朝潮の頬を叩く。舐めないでと暁は朝潮を睨み付けている

855: 名無しさん@おーぷん 21/05/11(火)20:02:56 ID:RZTc
暁「私がご主人様のことを忘れたとでも言いたいの?!」


暁は叫びながら朝潮に言い放つ。確かにあの場にはそんな男性は居なかったしそもそも前科持ちになってしまった男が簡単に鎮守府に入れないことは朝潮も知っている


朝潮はぶたれた頬はそのままに続ける。あの場に着ぐるみが居ましたよねと言われ暁は思い返す。そしてある考えが頭をよぎる


朝潮「あの着ぐるみは地元の活性化の宣伝で審査員の席に居ました。実際に審査をしたのは別の方で中にはボランティアの方が入っていたんです」


まさか、と暁は頭を抱える。そんな彼女をよそに朝潮は続ける


朝潮「ボランティアで入っていた方は汗で大変そうでしたが必死になって頑張っていましたよ」


暁の息が荒くなる。ライセンス持ちのメイドが主人のことが判らないのは問題外でメイドの資格はない


朝潮「自分を責めないで下さい。遠くから着ぐるみを着ている主人は判別できなくて当たり前です」


暁の様子を見てフォローするがうるさいと一蹴する。着ぐるみを着ていようが気付かねばいけなかった自分が許せないのだ


↓2どうなる

856: 名無しさん@おーぷん 21/05/11(火)20:22:47 ID:YVwP
貴女がどういうつもりでわざわざそれを私に教えたのか知らないけど…借りはいずれ返すわ
居たのだと解れば暁には探すのは容易い
また一目会いたい…その想いが今にも溢れそうだ
ソワソワする暁

858: 名無しさん@おーぷん 21/05/11(火)21:29:33 ID:RZTc
どういうつもりでそのことを知らせたのかはわからないがこの借りはいつか返す。暁は今すぐにでも飛び出していきそうだったが朝潮が待ったをかける


朝潮は封筒を取り出す。その中身は暁の主人が書いたものらしい


朝潮「控え室でこれを渡されました」


だから暁の主人だとわかったのだと朝潮は言う。そうでなければ確かに朝潮は暁の主人の存在は知っていても、その見た目の情報は無い


つまり向こうから話しかけてきたりしない限りは朝潮が存在に気付くことはなかったのである

859: 名無しさん@おーぷん 21/05/11(火)21:36:40 ID:RZTc
今にも飛び出していきそうにソワソワしていた赤城は封筒を受け取るとすぐさま中身を確認しようとする


朝潮は本物のメイドである暁を尊敬していた。主人の為にここまで本気になれるのは本物のメイドであるからこそ


これを完全に真似できれば本物に近付く。メイドとしての所作は全てが参考になるものだった


主人が悪であってもそれを気にせず主人に尽くす、それこそがメイドである。必ずしも愛する必要は無いが、主人をそれくらい大切に思わなければメイドとして失格


暁はある日突然主人を失った。暁の中ではまだあの主人のメイドであり続けているのだ


↓2手紙の内容

860: 名無しさん@おーぷん 21/05/11(火)21:55:47 ID:MCcj
主人として命じる
自分の事は忘れてくれ。暁は暁自身に仕えてくれ

861: 名無しさん@おーぷん 21/05/11(火)22:47:59 ID:YVwP
>>860
ふふっ…ふふふっ
いきなり手紙を破り捨てる暁に唖然とする朝潮
メイドってのは時に主人の間違いを正すのも役目なのよねぇ…ふふふっ
目が座っている
その関係性は盲目的なものではなくあくまで対等だったのだろうと内心思う朝潮

862: 名無しさん@おーぷん 21/05/11(火)23:00:30 ID:RZTc
朝潮は手紙に書いてある文字は知らないが内容は知っている。着ぐるみの彼から直接話を聞いていたのだ


メイドは主人があって初めて成り立つ。しかし永遠に同じ主人に使えることは少ない。何らかの事情でメイドを手放したり使える主人が変わることは珍しいことではない


そういう時はちゃんと主人がそれをメイドに伝えるのだ。流石に主人が死んでしまえば主従関係は無いので次の主人を探すことになるが、暁のように本人達の望まぬ形で別れることになれば話は別だ


自分の事は忘れて暁は自身に仕えてくれ。それが彼の言っていたことだった。これで暁は彼のメイドとしては終わり。自分自身に仕えるかは判らないが彼に囚われることは無くなる


艦娘を辞めて新たに主人を探すのも暁の自由なのだ

863: 名無しさん@おーぷん 21/05/11(火)23:07:48 ID:RZTc
暁が読んでいる手紙はやはり朝潮が聞いた話と同じような内容だったようで何度も読み直して確認している


暁には艦娘として生きるよりメイドとして生きた方が良いのだろう。朝潮は暁は明日にでも新たな主人を求めて旅立つであろうと思っていた


じっくりと手紙の内容を確認したあと暁は手紙をビリビリに破り捨てた。朝潮は暁の行動の意味が判らず動揺することしかできない


暁「ふ…ふふ……メイドは…時に主人の間違いを正すのも……役目なのよ…」


ふふふふふと怪しく笑う暁。虚空を見つめるその目は正常ではないことがよくわかる


手紙は破かれてしまったので内容は確認できないがやはり朝潮が聞いた話と同じだったのだろう。それが受け入れられない暁が怒ったのだろうか


いや暁と彼は対等な関係だったからこそ、彼の一方的な通達に怒っているのかもしれない


暁「ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」


怒っているどころでは無さそうだった


↓2どうなるか

865: 名無しさん@おーぷん 21/05/12(水)00:43:41 ID:MI4c
しゃんとしなさい!(ビンタ)
あなたの主人は犯罪者になってしまった自分に縛られることは無いと、暁の事を考えてその手紙を書いたはずです!それを自分の願望から間違いなどとは何事ですか!

866: 名無しさん@おーぷん 21/05/12(水)01:00:06 ID:2FrO
正常でない暁に朝潮はしゃんとしなさいと頬を叩く


朝潮「貴女の主人は犯罪者に縛られることは無いと言ってるんですよ!」


暁の事を考えてその手紙を書いたはずだと朝潮は言う。それを自分の願望から間違いなどとは何事かと責め立てる


暁は頬を叩かれ責め立てられても反応しない。力をそこまで入れたつもりの無い朝潮はどうしたのかと暁を観察しているがまだ反応が無い


数分間その状態が続くが朝潮は声をかけずじっと暁を見つめている。暁の目は虚を見ており現実を見ていないようだった


暁は着ぐるみの彼を主人としてではなく恋人か何かと思っていたのだろうか。それならばこの状況はつくがそれにしてもなにも反応が無いのは不思議だ。そう思いながら朝潮は声はかけず暁を見守っている

867: 名無しさん@おーぷん 21/05/12(水)01:10:45 ID:2FrO
流石になにか話しかけてるべきかと思っていると暁が動き出した。なにをするのかと思っているとタバコを取り出し火をつけ始め、そしてゆっくりと蒸しながら朝潮に語り始める


暁「彼のことを愛してるとかじゃないの」


呼び名が主人から彼に変わったところを見ると確かにそうなのかもしれない。だがそうだとすると正気を失ったりあの数分間の沈黙の都合がつかない


暁「私ね……彼の子を妊娠してたの」


あまりのことに言葉が出ない朝潮。暁の主人が捕まり暁が保護された時、精密検査でそれが判ったらしい。産むわけにもいかず結局堕ろしたのだが妊娠して僅か数週だったので暁の体に負担は無かったそうだ


朝潮は彼はそのことを知っているのかと聞くと知らないという。それどころか提督や他の艦娘にも一切知らせていないという。被害者のプライバシー保護の為自分から言い出さない限り誰も知ることができない事実だった


暁「私がどんな気持ちか判る?本当なら彼を責めていいんでしょうけど私はメイド。主人が要らないと言われればそれで終わり」


暁は遠くを見つめながらタバコを蒸している


↓3朝潮の台詞か行動
寝ます

870: 名無しさん@おーぷん 21/05/12(水)12:29:28 ID:rlfe
男女の事はまだ朝潮には難しい
愛してないなら憎んでいるのか
それならさっきの手紙を受け入れたらいいのにと
まさか復讐するつもりですか?
と朝潮は身構える

871: 名無しさん@おーぷん 21/05/12(水)17:08:35 ID:2FrO
男女の事はまだ朝潮には難しく暁の気持ちは理解できない。だが愛していないなら憎んでいるかもしれない。憎しみならば朝潮も理解できる。暁が抱いているものがそれならば良いことではない


さっきの手紙を受け入れなかった、彼が間違っているとまで言っていた。朝潮は一つの答えを導いた


朝潮「まさか復讐するつもりですか?」


朝潮の問いかけに答えずゆっくりとタバコを吸う。そして吸い終わると朝潮の方を向く


暁「これがメイドなのよ」


暁は屋上のフェンスにもたれかかりながら朝潮に話す

872: 名無しさん@おーぷん 21/05/12(水)17:14:31 ID:2FrO
主人に尽くすのがメイド。たとえ裏切られても道具として扱われても文句を言ってはいけない


朝潮はそれになろうとしている。暁の姿が将来の自分と言いたいようだったがそれは違うと朝潮は思った


暁「司令官が明日死んだらどうするの」


そんなことは無いとは言えなかった。深海棲艦の大群が攻め寄せてくるかもしれないしコレステロールの化身の提督は他人と比べて突然死のリスクは何倍もある


提督が死んでしまい後任の提督がやってくる。その時メイドだという朝潮を見てどんなことを思いどんなことをされるのだろうか


朝潮は答えられない


暁「メイドに憧れるのは程々にしておいた方がいいわよ」


捨て台詞を吐いて暁は姿を消した


↓2朝潮の行動かその他

873: 名無しさん@おーぷん 21/05/12(水)17:50:42 ID:rlfe

メイドである事は誇りだ
それは自分にとっては愛だとか憎しみなどを超越したところにある絶対的な価値観
それを次々新しい主人に注ぎ込める程には暁は器用ではなかった
生涯一主人
例え離れてもそれは変わらない

875: 名無しさん@おーぷん 21/05/12(水)20:00:41 ID:2FrO
メイドであることは誇り。それは愛や憎しみなどといった下らない感情を超越したところにある絶対的な価値観だった


生涯に何度も主人を替えてはいけないというルールはない。主人の都合や環境が変わりメイドが不要になることはある


しかし暁は自分にルールを課していた。生涯に主人は一人と決めていたのだ


手先は器用だが人間関係は器用ではなく、特に主人が何人も代わるなどということは考えることはできなかった


暁は生涯に一人だけと決めた主人と別れさせられた。それは暁がメイドとして終わりを迎えたということだった

876: 名無しさん@おーぷん 21/05/12(水)20:08:38 ID:2FrO
生涯に一人だけと決めていたからどんなことをされても苦痛に思わなかった。道具のように扱われても、 むまで行為を続けられても苦に思うことはなかった


暁は艦娘だったので鎮守府に着任するという選択肢が残っていたがそれは蛇足に過ぎない


暁は艦娘としてこの鎮守府に来てから笑うことは無かった。面白いことがあっても笑うという行為ができなくなっていた


感情が死んだからではなく気力が生まれなかったから。暁は生きながら死んでいるのと同じだった


道具として生まれメイドという道を見つけた暁。しかしその生涯はあっという間に終わった


暁は鎮守府から姿を消した。自由を求めたわけでもなく死ぬ道を選んだわけでもなくただ艦娘として生きたくなかったのだ


生きる目的を失った暁は笑うこともなく、ただ漠然と生きる毎日を永遠に続けることしかできなかった


↓2どうなるか。場合によってはルート分岐あり

877: 名無しさん@おーぷん 21/05/12(水)20:20:13 ID:rlfe
蓄えは充分あったので生活自体に困る事はなかった
提督も色々察して脱走とはならないよう手を回していた
それを引け目には感じても何もする気にはならない暁
目的も無く街をぶらついているとピンクの着ぐるみを見かけてしまう

878: 名無しさん@おーぷん 21/05/12(水)20:29:35 ID:unVz
>>877
切ろうとしても切れなかった縁
侍従は元の鞘に戻るが、変わったのは汗水たらして努力する主人とそれを支える従者ということ

879: 名無しさん@おーぷん 21/05/12(水)21:21:59 ID:2FrO
暁は鎮守府でなくとも生き延びることはできていた。メイド時代の蓄えもあり一人で生きるには充分過ぎるほどだった


提督は朝潮から手紙の話を聞き大凡の事情を知った。脱走扱いにならないよう手を回し、暁に迷惑がかからないようにしていたが暁はそれを知っていた


引き目を感じていたがそれだけで行動に移すつもりもなく、第六駆逐隊にも連絡を入れることはしなかった


意味もなく日々を過ごしていき数日、数週間、数ヶ月か。鎮守府を出た日数を数えていないのでどれくらい経ったのか。ある日、暁は食料を求めて街に出ていた


安いスーパーでその日の食料を買う。それをどれくらい繰り返していたか定かではないが、その日はいつもと違うものが目に入った

880: 名無しさん@おーぷん 21/05/12(水)21:26:05 ID:2FrO
ピンクの着ぐるみ。料理大会で見たあの着ぐるみがスーパーでビラ配りをしていた


暁は意味のない日常としてその光景を黙殺しようとしたができなかった。歩いていて突然冷水をかけられたように動悸が早まるのを自覚してしまった


あの日と同じ彼が入っている保証はない。確率論で言えばそうでない可能性の方が高いだろう


しかし暁はわかってしまった。近くで見れば見るほど彼であるとしか思えなかった


着ぐるみに群がっていた子供達を押しのけ目の前に立つ暁。着ぐるみはそれを見て動きを止める


↓2暁の台詞

881: 名無しさん@おーぷん 21/05/12(水)21:31:49 ID:6E3o
タバコはやめたの?

884: 名無しさん@おーぷん 21/05/12(水)22:01:08 ID:2FrO
暁「タバコはやめたの?」


そう言われ頷く着ぐるみ


暁「当たり前よね刑務所の中じゃ吸えないもの」


終わるまで待ってるわと暁はスーパー横の路地裏に行き室外機に腰掛ける。なにもせずに待つのは苦痛であるはずだが暁は待ち続けた


やがれ日が暮れ子供達の姿も見えなくなったとき暁の前に彼が現れた


暁「行きましょうか」


彼は待たせたかと問いかけ暁は待ち疲れたと答える。暁の言っている待つというのは路地裏での時間でなく彼が捕まってからの時間であることを察した彼はそれ以上なにも言えなくなってしまった

885: 名無しさん@おーぷん 21/05/12(水)22:07:04 ID:2FrO
彼の家はそこそこ距離があったが二人は喋ることはなく黙ってアパートまで歩いた。そして中に二人で入ると部屋の綺麗さに暁は少し驚いた


暁「片付けられたのね」


塀の中では散らかすことができない。早寝早起きと整理整頓は刑務所で得た利点だと彼は言う


暁「タバコ、吸っていいわよ」


彼はタバコは持っていないというが暁があるものを差し出す。それは手巻きタバコの道具と葉だった


暁「自分じゃどうやってもあの味が出せなかったわ」


久しぶりだから再現できるかわからないと言うが暁は強引にタバコを渡す。彼は少し躊躇ったあとそれを受け取りタバコを作り始める

886: 名無しさん@おーぷん 21/05/12(水)22:15:26 ID:2FrO
タバコの出来はまずまずだったようでちゃんと形にもなっていた。そのタバコを返そうとするが暁はライターを取り出していた


暁「火」


暁によってつけられた火がタバコを燃やし煙が彼の肺を巡る。久々の煙にむせるが同時に懐かしさを感じているようだった


タバコを蒸しながら彼は悩んでいた。タバコに対しては礼を言ってもいいがその後が思い付かない。謝罪をするのは当然だがなんと言うべきか。鎮守府に行ったのは偶然なのだがそもそも暁は知っていたのだろうか


様々な考えを彼を巡っていたがそれを口に出すより早く暁が彼の口を自由を奪った


唇同士が触れ合うだけの優しいものではなく彼の口内を全て暁が上書きするような激しいもの。グイグイと暁の勢いに押され彼は立っていられなくなり尻もちをつく。暁は彼を見下す形になった


↓2暁の台詞

888: 名無しさん@おーぷん 21/05/12(水)22:29:51 ID:rlfe
謝ったら許さない
私達のあの日々を誰にも否定はさせない
例え貴方自身でもね

889: 名無しさん@おーぷん 21/05/12(水)22:43:17 ID:2FrO
暁「謝ったら許さないから」


彼は暁のことを愛していた。メイドとして雇ったはずの彼女に愛情を抱いてしまっていた。彼は暁に嫌われようと欲望をぶつけた。しかし彼女は全く否定せず彼の全てを受け入れた


二人の間で行われていたことは愛ではない。外から見れば犯罪行為、愛情の紛い物だったが否定されることは許せなかった


例え貴方自身でもあの日々を否定することは許さない。彼を見下しながらそう言い放つと手を差し出す


暁「また雇ってくれる?」


「給料は…払えても雀の涙だ」


暁「いまだけサービス料金にしてあげるわ」


二人の縁は切ろうとしても切れるものではなかった

890: 名無しさん@おーぷん 21/05/12(水)22:51:06 ID:2FrO
それから二人は安いアパートで狭い狭いと言いながら暮らしている。暁の蓄えの元は彼の財産であるがそれに頼るつもりは無いらしい


暁は無駄に日を過ごすことは無くなり彼の為に部屋を掃除し彼の為に料理を作る。彼の給料で買える食材は限られていたが全力を尽くし栄養のある食事を作る


メイド服を着る余裕は無いが心にはいつもメイド服を着ている。彼だけの為に仕えるのだから服はいらないという考えもあったがクリーニング代が馬鹿にならない。今の環境ではメイド服はどうやっても着ることはできない


侍従は元の鞘に戻ったが全てが元通りというわけでは無い。住む場所も環境も変わったが、なによりも変わったのが汗水たらして努力する主人とそれを心から支える従者というところだ


↓2次

891: 名無しさん@おーぷん 21/05/12(水)23:10:20 ID:rlfe
時間は少し遡り
一方その頃の朝潮達
三人の給仕は概ね好評
そしてそれよりも朝潮が困っている者を助けて回る何でも屋の需要が高まりつつあるようで…

892: 名無しさん@おーぷん 21/05/12(水)23:55:47 ID:6E3o
>>891
まっすぐな朝潮に太陽を感じはまり込んでいたときの荒潮状態になる娘もしばしば

経験者荒潮のフォローで大事には至っていないが

893: 名無しさん@おーぷん 21/05/13(木)00:20:51 ID:lcXD
暁が彼の元を訪れる前、朝潮達は既に鎮守府を出て給仕役を始めていた


朝潮と皐月の給仕に不安が無かったが荒潮は症状によってはどうかという不安はあった


しかし今のところは順調であり大きなトラブルも無い。朝潮の勧めで定期的にカウンセリングを受けいるのが功を奏しているようだ


困ったことといえば朝潮の方で給仕役というより何でも屋のような状態になってしまっている。困っている人や艦娘を見つけては助けて回り給仕よりそちらの仕事の方が多いくらいである


分け隔てなく手を差し伸べる姿はかつて荒潮が朝潮を信仰したように一種の宗教のような状況になってしまう。それを防ぐ為に荒潮は奮闘していた

894: 名無しさん@おーぷん 21/05/13(木)00:24:17 ID:lcXD
荒潮「朝潮ちゃんは本当に凄いわねぇ」


皐月「見返りも求めないから信仰化しちゃうのかもね」


今日も朝潮は給仕役の仕事を終えると人助けに向かっていった。皐月達が手伝うこともあるが基本的に一人で解決してしまう


皐月「基本なんでも解決してできないことは最善を尽くす。当たり前だけど凄いことだよね」


荒潮「他人の為にそれができるのが凄いわぁ」


荒潮は自分のことで精一杯で他人を思いやる余裕は無い。だからこそ朝潮の凄さがわかる


↓2その頃の朝潮

896: 名無しさん@おーぷん 21/05/13(木)00:41:41 ID:gnsa
匿名のお便り相談
姉妹の中で一番着任が遅く、妹もいるのに怖くて仕方がない
司令官ともまだよく話せていない
どうしたらいいでしょうか

898: 名無しさん@おーぷん 21/05/13(木)01:00:29 ID:lcXD
朝潮「もしもし?」


朝潮に人伝えに渡ってきた手紙。本来なら直接話を聞いて悩みに対処するのだが悩みの主は他人と話すのが苦手らしい。コミュ症というらしいが朝潮はよく分かっていない


手紙には姉妹の中で一番着任が遅く、妹もいるが会話が怖くて仕方がない。司令官ともまだよく話せていないしどうしたらいいのかという内容が書いてあった


悩みは知れたが手紙には電話番号があったので直接聞いてみようと朝潮は電話をかけた


「…」


通話相手は電話に出たのだがなにも喋らない。イタズラかと思ったが電話をかけたのは自分なのでそれは違う。いや電話番号が嘘だったのかと思っていると手紙に書かれていたことを思い出す

899: 名無しさん@おーぷん 21/05/13(木)01:16:29 ID:lcXD
妹と話すのが怖いのなら自分と話すのも怖いのではないだろうか。たとえ電話であってもそれは同じ


朝潮「聞こえているなら物音を立てて下さい」


ガタン、と電話から音が聞こえる。聞こえているが会話ができない状況なのを理解した朝潮は一方的に話すしかないと決める


朝潮「貴女の悩みですが全てを解決することは不可能です」


妹とも提督とも話せるようになるのは難しい。だから少しずつ改善していけばいいと朝潮は言う


朝潮「まずは司令官と話せるようになって下さい。そうすれば次のステップに進めます」


提督と話せるようになれば提督を交えて三人で話せるようになる。それを続けていけばきっと改善すると朝潮は断言する


朝潮「司令官と親密になるには秘書艦がいいですね」


朝潮のアドバイスをじっと聞いていた依頼主。納得しているようでなにも音は聞こえない


朝潮「貴女の悩みはきっと解決しますよ。司令官とケッコンまでできるかもしれませんね」


そう言われると取り乱したようでガタガタと物音が聞こえた。朝潮はふふっと笑いながら安心して電話を切った


↓3次
寝ます

902: 名無しさん@おーぷん 21/05/13(木)13:11:21 ID:6kWV
おのろけ漣
コレステロールの化身を美味しく健康にする計画始動

903: 名無しさん@おーぷん 21/05/13(木)17:51:27 ID:lcXD
その頃、鎮守府ではある計画が始まろうとしていた


漣「ご主人様に健康になってもらう計画始動!」


念願叶い漣は提督とケッコンすることができた。提督と永く一緒に居る為にやるべきことは沢山あるがまずは体型だろう


三大欲求と呼ばれるものがあるが提督はそのうち二つの欲は殆ど無いに等しかった。急な襲撃に対応する為に二日寝なくても根を上げず、裸同然でうろつく夕雲型を見ても劣情を抱くことはなかった


ここまでなら立派なものなのだが提督は食欲というたった一つの欲にどうやっても勝てない。目の前に菓子があれば食べ尽くし、定食の二人前は当たり前。運動が嫌いなわけではないが消費カロリーに対して摂取するカロリーが高過ぎるのだ


そんな提督がコレステロールの化身となるのは当たり前のことでなにも矛盾はない。しかしこのままではよくないことは誰が見ても明らかだろう

904: 名無しさん@おーぷん 21/05/13(木)17:56:21 ID:lcXD
漣は提督が食べる姿が好きなので量は減らしたくない。だから美味しく痩せられる料理を作る。その他できることはなんでもしようと計画を始めたのだ


漣「豆腐ハンバーグとかとにかく体に入れるカロリーを少なくするべきですな」


提督の為にレシピを集めそれを実行する。漣の努力はそれだけではない


漣「筋トレもしてもらいますし間食も低カロリーで攻めます!」


やれることはこれでもかというくらいにある。提督に健康体を手に入れてもらう為なら漣はどんな努力も惜しまない


↓2どうなる

905: 名無しさん@おーぷん 21/05/13(木)19:15:54 ID:gnsa
全然減らないむしろ微増する提督体重
漣「そうはならんやろ…」

906: 名無しさん@おーぷん 21/05/13(木)19:23:21 ID:pdZc
>>905
食べさせる喜びで自分も太った哀れな漣

907: 名無しさん@おーぷん 21/05/13(木)19:31:43 ID:lcXD
計画が実施されて数週間。早速変化があったようで、提督の体重は僅かに増えていた


漣「そうはならんやろ…」


漣の作る料理はカロリーが抑えられていたし提督は以前より運動をするようになった。しかし漣はあることを見逃していた


運動をすればお腹が減る。カロリーが抑えられていても量を食べてしまうと意味がない。それに漣が提督に甘いというのも悪影響を及ぼしていた


今日は頑張ったから甘いもの、試作で作った低カロリーのお菓子。これでは提督の体重は減ることはない

908: 名無しさん@おーぷん 21/05/13(木)19:39:27 ID:lcXD
更にもう一つ悪影響が出ていた


漣「このぽっこりお腹が漣のもの…?!」


漣の料理を喜んで食べる提督に釣られ食べる量が増える。甘いものも味見や試作品の失敗作などカロリーが増えていっていた


計画は失敗だった。提督の体重は増え漣も太る。肥満とはそう簡単に改善できるものではなかったのだ


提督の食欲は人並み以上。我慢させてしまうと心に影響が出てしまう。健康的に痩せるのは容易では無い


↓2次

909: 名無しさん@おーぷん 21/05/13(木)19:57:45 ID:gnsa
ザラポーラフォローのイタ艦

911: 名無しさん@おーぷん 21/05/13(木)21:00:13 ID:lcXD
漣が提督を改善させようとしていたように、状況を改善させようとしている艦娘が居た


ザラ「ポーラもリベッチオに呼ばれたのね」


ポーラ「ザラ姉さまもでしたか~」


二人が呼び出し先に向かうとリベッチオを始めとしたイタリア艦娘が出迎える


ガリバルディ「主役の登場だな!」


リベッチオ「リベ達に任せておいて!」


リベッチオ達は二人を元気付けるために食事会を開いていた。イタリア艦娘総出で作られる料理はとても豪華なものになっている

912: 名無しさん@おーぷん 21/05/13(木)21:18:35 ID:lcXD
イタリア「悲しいことは美味しい料理を食べて忘れましょう」


ローマ「男に騙されるのが悪いとも言うけど、二人は悪くないんじゃないの」


ザラが漣に気を失うまで殴られたと聞きイタリア艦娘達は怒り漣を解体するよう提督に迫っていた。詳しい事情を聞き漣の行為は正当であると認めた。イタリア艦娘総出で提督に抗議するほど彼女達の仲はかなり良い


仲間思いなのは朝潮達もそうだが特にイタリア艦娘達はお互いを大切にしている。故郷が遠いというのも関係しているがこの鎮守府と提督の雰囲気が彼女達に合っているそうだ


ポーラとザラに元気になって欲しい。それだけの為に彼女達は集まり料理を喜んで作っている


↓2どうなるか

913: 名無しさん@おーぷん 21/05/13(木)21:46:21 ID:kLPh
バレたので色々愚痴をぶっちゃけるザラ
でもポーラより姉様の方が引きずってたんだなぁと分かられちゃう

915: 名無しさん@おーぷん 21/05/13(木)22:37:08 ID:lcXD
ザラ「うぇぇぇぇぇぇ」


酒を飲んだことで本部の彼のことを赤裸々に語り始めるザラ。彼のことを本気で愛しておりプロポーズされた時は飛び跳ねるほど嬉しかったと包み隠さず語る


一方でポーラは酔い潰れたザラの介抱に努めるなど、ザラとポーラで彼に対しての本気度が良くわかる格好になっていた


ローマ「ポーラはザラ程じゃないのね」


ポーラ「ぶっちゃけぇ遊びなのかな~ってちょっと思ってましたぁ」


ポーラは男性経験が少なくないようで彼の態度からある程度のことは推測できていた。しかしザラは彼の術中に嵌ってしまったのだ


ポーラ「ザラ姉さまは乙女なんですよぉ」


純粋な彼女だからタチの悪い男に捕まった。事実だけを表すとそうなってしまうがザラはなにも悪くなかったのだ

916: 名無しさん@おーぷん 21/05/13(木)22:43:02 ID:lcXD
リベッチオ「ザラさんって艦娘として立派だもんね」


ガリバルディ「浮ついた話がない方が優秀なのは間違いないだろうな」


イタリア「でも男性のことは知っておいて損はありませんね」


ザラを懸命に介抱し水を飲ませてあげているポーラ。普段は酒のことしか考えていない彼女だがザラのことは何よりも大切なのだ


ザラ「うううううポーラぁぁ」


ポーラ「よしよし~元気になって下さいねぇ」


いつもはポーラのフォローばかりしているザラも、やはりポーラは大事な存在だった


↓2次

917: 名無しさん@おーぷん 21/05/13(木)22:53:07 ID:kmpM
怪しい骨董品屋に入り浸る夕雲
古物商の間では名物になっていた
自分でもわからないがそういった物品に妙に惹き付けられる質らしい

918: 名無しさん@おーぷん 21/05/13(木)23:27:13 ID:76ov
>>917
声が聞こえる…気がするんですって

919: 名無しさん@おーぷん 21/05/13(木)23:35:23 ID:lcXD
とある骨董屋。夕雲の姿がそこにあった


夕雲「これ…かしら」


夕雲が手に取ったのはガラクタにしか見えないもの。店主も価値のないものと判断した為安値で売られている


夕雲はそれを手に取り店主に買うと伝える。すると店主はため息をつきながらレジを操作する


「お嬢ちゃんが選んだんだから本物なんだろうな」


骨董屋が見抜けないものを素人の夕雲が見抜くことはあり得ない。しかし彼女は古物商の間で噂になるくらい埋もれた逸品を手にしてきた

920: 名無しさん@おーぷん 21/05/13(木)23:51:29 ID:lcXD
声が聞こえる。本来なら価値があったり人目につくのが当たり前の品から夕雲に声がかかる


店主も信じられなかったが彼女がこれまで買っていった品は全て後から本物であったり価値があると判った品々だった


「お嬢ちゃん一つ頼みがあるんだ」


夕雲が持っているものは間違いなく売る。それとは別に頼み事があるらしい


「生活に困った奴の倉庫を買ったんだがガラクタだらけでな。売った奴によれば価値のあるものは間違いなくあるんだと」


鑑定士を呼んでもいいのだがジャンルがバラバラで鑑定士を何人も呼ぶ必要がある。そこまでしても高価なものの個数が少ないので元が取れるかは微妙だと言う


「もちろん礼はする。たまには店を助けると思って引き受けてくれないか?」


断る理由も無いのでその頼みを引き受ける夕雲。倉庫の中身は店の裏にあるというので夕雲はそこに向かった


↓2どうなったか

921: 名無しさん@おーぷん 21/05/14(金)00:14:38 ID:me3E
倉庫に足を踏み入れた夕雲
確かに色々なジャンルの物がある
その内の一角は人形だらけ
一斉にこちらを見たような気がした

922: 名無しさん@おーぷん 21/05/14(金)00:27:34 ID:s8ra
>>921
夕雲「寂しかったのね……もう大丈夫よ」

923: 名無しさん@おーぷん 21/05/14(金)01:20:50 ID:sGji
骨董屋の倉庫の中には壺や絵画、アンティーク雑貨など様々なものが詰め込まれていた。店主の言う通り数はあるがどれも価値が無く、この中から探すのは骨が折れるだろう


倉庫の一角には人形が並べられていた。夕雲はそちらの方をじっと見つめる


夕雲「あなた達ね」


夕雲が人形の中から一つを選び抱き上げる。それを見た店主は夕雲に疑いの目を向ける


「そいつはアンティークじゃない。近年に作られた人形だ」


メーカーの刻印も無いので価値はないだろうと店主は判断した。しかし夕雲が選ぶということはなにかあるのかもしれない


「お嬢ちゃんを信じようか」


倉庫に置かれた人形達は日の目を浴びることになった

924: 名無しさん@おーぷん 21/05/14(金)01:38:43 ID:sGji
夕雲は今回のお礼に人形を一つ貰い受けた。倉庫にあった人形は数があったので一つくらいならと店主から貰ったのだ


夕雲「寂しかったのね、もう大丈夫よ」


人形は夕雲の言葉に微笑んだ…気がした


物には魂が宿ると言われるがそれはごく一部である。大切にされていたり由緒正しい扱いを受けているといつの間にか魂が宿っている


夕雲はそう言ったモノの声が聞こえている。モノが実際に声を出しているわけではないが夕雲にはそれが聞こえている


今回の人形もアンティークでは無いが有名な作家が親しい仲間の為に作った価値のあるものだった。素人どころか鑑定士でも難しい代物を夕雲は見抜いた


外に出れることになった人形は満足そうにしていたが


夕雲「ただいまぁ」


夕雲の部屋の雰囲気を感じ取ると少し不機嫌になってしまう


この人形のお陰かどうかは判らないがこの日以降、夕雲の部屋は壊滅的な状況になることは無かった


↓3次
寝ます

927: 名無しさん@おーぷん 21/05/14(金)17:57:27 ID:vuaY
美食家の料亭に提督が赴いて会食

936: 名無しさん@おーぷん 21/05/15(土)18:56:40 ID:VuBE
漣の料理でコレステロールが増した提督は美食家の料亭に来ていた。美食家も相席しており個室に二人で会食をしている


「口に入ればなんでも美味いというタイプだな」


提督は否定せず出されたものは残さず食べる主義だという。美食家は当たり前だがそれができなくなっている日本人が多いと愚痴を零しながら水を飲む


提督に酒は飲めるのかを聞き、飲めると返事をもらった美食家はそうかと返す。やがて従業員が日本酒を持って個室に入ってくる


「有名どころの地酒だ」


従業員によって注がれる酒は透明な水より透き通っていた


↓2話題

942: 名無しさん@おーぷん 21/05/15(土)19:47:22 ID:WgvJ
こちらもすみません

944: 名無しさん@おーぷん 21/05/15(土)20:28:06 ID:VuBE
美食家は荒潮を誘っておきながら一年待つなど話が二転三転したことを詫びる。提督は荒潮が納得したのであれば自分は関係ないと返すと美食家はほっとした表情を浮かべていた


本題が早くに解決してしまったので雑談に入る。共通の話題は無いように思えたが二人はあることで共通している


「駆逐艦を嫁にしたのか」


美食家は驚きつつも提督の話を聞いて納得する。提督は見た目に拘るような小さい人間(物理的にも腹が大きいが)ではない。漣の努力を惜しまない生き方や考え方に惹かれたという話は美食家かも同意する


美食家も結婚した艦娘の直向きな姿が良いと思ったと褒め、お互いに艦娘と結婚した者同士で話は進んでいった

945: 名無しさん@おーぷん 21/05/15(土)21:14:05 ID:VuBE
食事も終わりかけた時、コースとは関係なく卵焼きが運ばれてくる。美食家は食べてみろと勧め提督はそれを口に運ぶ


「それは嫁が焼いたものだ」


甘い卵焼きは提督の口に合ったようでそれを褒めちぎる。美食家も褒められて悪い気分ではなかったが提督を見てハッとする


「甘ければなんでもいいと言んじゃないだろうな」


提督は否定するがその体では説得力は無いに等しかった


↓2次

947: 【51】 21/05/15(土)22:13:03 ID:JpSr
女将のこと美食家のお嫁さんは…以外!それはアイオワさん!
更にその下で修行してるのはホーネットさんにウォースパイトさんにグラーフさん

もしかして…と言う提督に
もしかしなくてもだ…が才能があるのに見向きされなかった娘達を集めただけのはずなのだが…と遠い目の美食家
なおみんな仲が良くて食関係が以外では尻に敷かれてる美食家

948: 名無しさん@おーぷん 21/05/15(土)22:25:09 ID:VuBE
二人の元に美食家の嫁であり女将がやって来るという。提督は卵焼きといえばあの軽空母が来るのだろうと構えていたが襖を開けて入ってきたのは長身で金髪の女性だった


アイオワ「ようこそいらっしゃいました」


深々と頭を下げる女将。そこに居たのは艦娘としてのアイオワではなく女将として働く人間だった


卵焼きはどうだったかと聞かれ美味しかったと答える提督。その返答にありがとうございますと頭を下げる。その所作にアイオワの面影は殆ど無かった


女将は今日の料理は修行している仲間が料理を手伝ってくれたという。仲間、即ち鎮守府を辞めてここに来ることになった艦娘が何人も働いているのだ

949: 名無しさん@おーぷん 21/05/15(土)22:30:34 ID:VuBE
美食家は才能があるのに見向きもされなかった艦娘を集めた結果こうなったという。提督も他の鎮守府で厄介払いをされた艦娘を引き取っていて二人は近いものを持っていたのかもしれない


片方は才能を見抜き片方は自由を与える。どちらが正解という答えはないが受け皿の種類は多いに越したことはない


食事は終わったが会合はまだ終わらない。女将を交えて三人で話し修行中であるという艦娘も呼び人数は増える


美食家がアイオワの尻に敷かれていることが判ったり、料理以外のことでは美食家は一歩引いているようだった


↓2次

946: 名無しさん@おーぷん 21/05/15(土)21:48:19 ID:asRy
阿賀野お姉ちゃんへのお詫びにスイーツ食べ放題にみんなで行く阿賀野型
艦娘お断りの所もあるがここは大丈夫、軽巡ということもあり油断されている

953: 名無しさん@おーぷん 21/05/15(土)23:22:11 ID:VuBE
ここはスイーツショップ。料理大会で阿賀野を外すことになってしまい、そのお詫びにとスイーツ食べ放題に阿賀野型で訪れている


一部の艦娘のせいで食べ放題は艦娘お断りの所もあるがここは大丈夫なのでこの店を選んだ。食べ放題といっても所詮は甘いものという考えがあるのだろう


矢矧達は鎮守府で過ごすようないつもの格好だが阿賀野だけは違う。伸縮性に優れたジャージを着用しこの店までやって来ている


能代「阿賀野姉やる気ね」


矢矧「食べ尽くされる前に食べたいものは確保しておかないと」


酒匂「プリン~プリン~~」


先に矢矧達がスイーツを選び席に戻る。それを確認した阿賀野はゆっくりと立ち上がりスイーツが置かれているコーナーに向かった

954: 名無しさん@おーぷん 21/05/15(土)23:28:20 ID:VuBE
スイーツショップは一瞬でパニックに陥った。巨大な容器に入っていたティラミスは一口で葬られ、チーズケーキは1ホールが一瞬で消える。ショートケーキは存在が無くなりプリンは容器ごと彼方に消える


ミルクレープをフライパン直でいこうとした所で矢矧達によるストップがかかり席に戻る。店員達は安堵し阿賀野をブラックリストに入れようと話し合っている最中、追い討ちをかける一言が聞こえる


阿賀野「お代わりお願いします!」


材料は食い尽くされこの店は三日間営業することができなくなった


↓2次

956: 名無しさん@おーぷん 21/05/15(土)23:46:38 ID:UoZU
ドイツ艦はお客と好きに食って飲んでできる素晴らしい形態のドイツパブを考案
食べっぷり飲みっぷりに癒やされるとリピーター多数

957: 名無しさん@おーぷん 21/05/16(日)00:26:12 ID:nqBk
Z1「いらっしゃいませ」


鎮守府から徒歩三分。貸倉庫を改修したドイツパブがオープンした


バーとは違い客が飲みたいものを飲んで食べるという変わった形の形態だが滑り出しは好調のようだ


プリンツオイゲン「ビスマルク姉さまぁお代わり持ってきましたぁ」


ビスマルク「よくやったわ」


客が自由に飲めるということは店員も同じ。ビスマルク達は自分の店で好き勝手に飲んでいる


通常なら褒められたものではないがその飲みっぷりが評判となっているようでリピーターが順調に増えている


Z1「ソーセージが焼き上がったよ」


ビスマルク「焼きたては確保しなさい!」


プリンツオイゲン「わかりましたぁ!」


時には客の分まで食べてしまう。それも魅力の一つのようだ

958: 名無しさん@おーぷん 21/05/16(日)00:31:54 ID:nqBk
プリンツオイゲン「んええ~」


店の営業が終わりドイツ艦娘達は鎮守府に帰っている。鎮守府の目の前にでも店を出すことはできたのだが提督が待ったをかけた。あまりに近いと毎日酔い潰れてしまうので、徒歩で帰れるくらいに止めておくようにという注意の意味があった


ビスマルク「フラフラしてないでしゃんとしなさい」


プリンツオイゲン「あいいぃ~~」


Z1「今日もお客さんが沢山来てくれたね」


ビスマルク「このビスマルクが構えている店なんだから当然よ!」


客は入っているが自分たちで消費する分も多い。儲けは少ないが、その分毎日を楽しめているようだ


↓2次

960: 名無しさん@おーぷん 21/05/16(日)00:49:44 ID:LNww
朝潮は相変わらず人助けに奔走している
荒潮は料亭で働く時に備えて研究に余念が無い
そして皐月はというと…

961: 名無しさん@おーぷん 21/05/16(日)17:12:59 ID:nqBk
朝潮達三人は相変わらず忙しい。給仕役はもちろんだが朝潮は人助けに奔走しており、荒潮は料理の研究に余念が無い。今日も二人はそれぞれの用事で出掛けていて、泊まっているホテルには皐月一人しか居ない


皐月「朝潮も荒潮も自分のことを頑張ってて偉いなぁ」


皐月は二人が暫く帰ってこないことを確認するとスマホと折り畳み式のキーボードを取り出す


ホテルのWi-Fiが繋がっていることを確認するとキーボードにスマホを置きタイピングを始める


皐月「エスエスソクホウ……」


目当てのページを開くと特定のスレッドを確認する。そして内容をチェックしため息をつく


皐月(どうしようかなぁ)


暫くそのページを見ていたがゆっくりと目を閉じ考え込んだあとそのページを閉じる


皐月(終わりは考えてあるんだけどこの状況じゃ無理だよ)


皐月が確認していたスレッドには安と価という文字があり、皐月が見ていたページには名前と書かれている枠には♯から始まる英単語が入力されていた

962: 名無しさん@おーぷん 21/05/16(日)17:20:59 ID:nqBk
皐月はページを閉じたあとは適当にネットサーフィンを続けていたが、やがてあるサイトを発見する


皐月(おーぷん…)


そのサイトは皐月が最初にチェックしていたものより人が少ないように思えた。普通ならば利点は無いが皐月はある理由で惹かれる


皐月(ここなら僕を知ってる人は少ないよね)


カチャカチャとキーボードを叩きそのサイトについて調べ上げていく


そのサイトの概要と仕様をある程度理解した皐月は、ここならば良い気分転換になりそうだと決めた


皐月(向こうのことは一旦忘れよう。気分転換で頭を悩ませたくないし)


皐月はこのページを使うことを決めたが内容は決まっていない。時間をかけ過ぎると朝潮達が戻ってきてしまうので早く決めておきたい

963: 名無しさん@おーぷん 21/05/16(日)17:33:37 ID:nqBk
皐月(朝潮……朝潮か)


皐月は頭の中で思考を巡らせる。するといい考えが思い浮かんだようでキーボードに手を乗せる


皐月(どこの朝潮も司令官に忠実だけど性格はバラバラ。これは使える!)


皐月の表情は明るくなりタイピングする手は止まらない。メモのアプリに思い付いたことを全てタイピングし終えると、人が少ないページに戻ってくる


皐月(タイトルはどうしようかな、普通に朝潮っていうんじゃつまらないよね)


腕を組んで考えたあと一つの候補を思い付く。その後も更に考えるがそれ以上のことは思い付かない


皐月「…よし!」


最初に思い付いたものでいこうとスレ作成という部分をタップしタイトルを入力していく。そのタイトルは




ひしょ
秘書

秘書かん
秘書艦これ
秘書艦

秘書艦あさしお
秘書艦朝潮

秘書艦朝潮ちゃ
秘書艦朝潮チャン



964: 名無しさん@おーぷん 21/05/16(日)17:34:54 ID:nqBk
元々1スレのつもりだったのでこのエンドです
他に思い付きませんでした
東西もやりますので見たかったらどうぞ参加して下さい

引用元: 【艦これ安価】秘書艦朝潮チャン