P「お、俺はお金の力になんて屈しないぞ!!」

伊織「ほら、帰るわよ」P「いや、無理」

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 22:15:52.12 ID:c7Kvqo/cO

P「おはよう伊織。今日も可愛いな」

伊織「はいはい、ありがと。そういうアンタは朝からだらしがないわね」

P「別にいいじゃん、ここ俺ん家なんだし。ほら、もう朝飯できてるから早く顔洗ってこい」





11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 22:23:30.53 ID:c7Kvqo/cO

P「なぁ、伊織。お前それやよいの家でも同じ事言えんの?」

P「仕事で疲れた身体に鞭打って、スーパーを何軒もはしごして安い食材を求めて、少しでも苦しい家計を楽にしようと頑張ってるやよいの前でも同じ事言えんの?」

伊織「うっ……わ、分かったわよ」

P「分かればいいんだよ、分かれば」ポンポン


12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 22:25:18.97 ID:c7Kvqo/cO

P(まぁ、今はやよいもAランクだし、実際は特に節約しなくても毎日外食&月1で海外に家族旅行に行けるぐらいのギャラは稼いでるんだけど)

P(今後の我が家の食卓の安全の為にも、今はこのまま黙っておこう)

伊織「……いつか、絶対こいつをギャフンと言わせてやるんだから」ボソッ

P(正直、俺をギャフンと言わせたいだけなら今のままでも十分なんだけどなぁ……)


13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 22:26:42.73 ID:c7Kvqo/cO

伊織「アンタ今、もの凄く失礼な事考えてるでしょ。もう知らない! 顔洗ってくる!」キーッ!

P「はいはい、いってらー。オレンジジュースあるけど飲む?」

伊織「コップについでおいて!!」ドタドタ

P「走ると転ぶぞー。………やれやれ、朝から騒がしいヤツだ」


15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 22:27:54.82 ID:c7Kvqo/cO

伊織「……ただいま」ムスッ

P「応、おかえり。なんだ、お前まだ不貞腐れてんのか」オイデオイデ

伊織「ん……。別に、もういいわよ」ストン

P「そうかそうか。それはありがたいこったな。はい、これフレンチ」


16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 22:29:12.22 ID:c7Kvqo/cO

伊織「……」

P「なんだ? 実はあんまり腹減ってないのか?」

伊織「……食べさせなさいよ」

P「はい?」


17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 22:30:36.76 ID:c7Kvqo/cO

伊織「だから、アンタが食べさせなさいよ」

P「誰が、誰に?」

伊織「アンタが、私に」

P「えぇー……」


18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 22:31:50.90 ID:c7Kvqo/cO

伊織「なんでそんな露骨に嫌そうな顔するのよ。」

伊織「まぁ、いいわ。アンタが食べさせてくれないなら私はこれ食べないから」ツーン

P「ふーん。そうかそうか。いらないというのなら仕方がないな。捨てるの勿体無いし、これは俺が食うとするか」

P「あーあ。残念だなー、伊織の為に頑張って作ったのになー」チラッ


19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 22:32:43.57 ID:c7Kvqo/cO

伊織「なによ。別に食べさせてくれたっていいじゃない」グスッ

P「oh……」

P(あかん、ちょっとからかうつもりが泣かしてしまった)

P(……だが、不思議と後悔はしていない。泣いてるいおりんマジ天使!!)


20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 22:33:32.39 ID:c7Kvqo/cO

P「甘えるな馬鹿。飯くらい自分で食え」チギリチギリ

伊織「なによ…なによぉ……。アンタなんかだいっ嫌いなんだからぁ……っ」ポロポロ

P「……ほれ、口開けろ」アーン

伊織「ぁ……い、いいの?」グスッ


22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 22:35:29.89 ID:c7Kvqo/cO

P「おう。正直に言うと、お前の反応見て楽しんでただけだしな。悪かった」

伊織「ヒック…悪趣味ね。ホントサイテーよアンタ」ジトー

P「生まれつきそういう性癖なんだ、許してくれ」

P「けどさ、そんな俺みたいなのに惚れるお前も大概物好きだよな」


23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 22:36:53.59 ID:c7Kvqo/cO

伊織「そう思うならもっと大事に扱いなさいよこの馬鹿!」

伊織「アンタみたいな変 、私くらいしか相手してくれないんだからね///」

P「へーへー、分かったよー。伊織ちゃん好き好き大好き結婚してー」

伊織「言ってる側からこれなんだから。アンタなんてだいっきらいよ!!」キーッ


24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 22:37:51.04 ID:c7Kvqo/cO

P「ほれ、あーん」ポイッ

伊織「あーん。むぐむぐ……うん、美味しいわ。もう一口」

P「ほれ、あーん。まったく、幼稚園児みたいなヤツだなお前」

伊織「うるさいわねぇ。アンタも似たようなもんでしょうが」モグモグ


25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 22:40:14.51 ID:c7Kvqo/cO

P「どこがだよ」ポイッ

伊織「あーん。さぁね。私しーらない。せいぜい今までの自分の行動を振り返ってみなさい、幼稚園児プロデューサー」モグモグ

P「なんだよそれ。……ほら、オレンジジュース」

伊織「ジュースは自分で飲むからいいわ」ツン


26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 22:43:35.20 ID:c7Kvqo/cO

P「あ、はい」ショボン

伊織(……やっぱり幼稚園児ね)ゴクゴク

伊織(あ、このクッキー美味しい)ポリポリ


27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 22:44:18.34 ID:c7Kvqo/cO

伊織「ところでプロデューサー、アンタそろそろ時間ヤバイんじゃないの?」

P「え、あっ! しまったすっかり忘れてた!! 伊織今何時……8時35分!? もうスーパーヒーロータイム終わってんじゃんやだー!!」

伊織「え、そっちなの」

P「ノリだよノリ! やっべぇ、急がないとまた律子にどやされる!!」アタフタ


28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 22:45:31.81 ID:c7Kvqo/cO

伊織「はぁ……アンタ毎朝そんな感じね。困ったモンだわ」ヤレヤレ

P「……他人事みたいに言うなよ。へへっ、お前も一緒に怒られようぜ?」

伊織「なんでもう諦めてんのよこの馬鹿。と言うか、まだ普通に間に合う時間じゃないの」

P「ちっ、バレたか」


29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 22:46:52.12 ID:c7Kvqo/cO

伊織「ほら、ふざけてないでさっさと用意してきなさい」

伊織「私が歯を磨き終わるまでにスーツ着て車も出せるようにしておきなさいよ? 分かった?」

P「うっせぇ、お前は俺の母親かよ!」

伊織「違うわ、アンタの恋人よ。ほら、遅れたくなかったらはやく支度しなさい」


31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 22:47:37.89 ID:c7Kvqo/cO

P「分かったよ。あ、けどその前にちょっとトイレだけ行かせて」

伊織「ダメよ、私が先に予約してるから」

P「予約ってなんだよ。つーか入るならはやくしてくれ、漏れそう」

伊織「にひひ♪ 意味もなく10分くらい閉じ籠ってやろうかしら」


33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 22:49:42.31 ID:c7Kvqo/cO

P「いいぜ、やってみろよ」

P「俺がみっともなくお漏らししちゃってもいいのならな!!」バーン

P「そしたら俺、泣くぞ。大人げなくわんわん泣いちゃうぞ」

伊織「……流石にキモいわよ」


35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 22:51:13.29 ID:c7Kvqo/cO

P「謝ったって遅いぜ……」

P「俺が泣いたら千早が来て、お前なんか殺しちゃうんだからっ!!」

伊織「それどこの壁と千早の神隠しよッ!!」

天井『』ガタガタッ


37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 22:52:33.15 ID:c7Kvqo/cO

伊織「……」

P「……」

天井『』シーン

伊織「ねぇ……」

P「言うな、何も」

伊織「……うん」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 22:54:24.05 ID:c7Kvqo/cO

伊織「……」ジー

P「……」ジー

天井『』シーン

伊織「やっぱり、アンタが先に入りなさい」

伊織「私はまだ死にたくないわ」


40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 22:55:42.15 ID:c7Kvqo/cO

伊織「お邪魔するわ」ガチャ

P「いらっしゃい。お客さん、今日はどちらまで?」

伊織「そうね、765プロまでお願いするわ」

P「OKだぜお客さん。ただ、俺の運転はちょっとばかし荒っぽいからな。シートベルトはしっかりしておいてくれよ?」


41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 22:57:13.52 ID:c7Kvqo/cO

伊織「……流石にネタだとは思うけど、伊織ちゃんが乗ってるんだからちゃんと安全運転しなさいよ」カチャッ

P「任せろ。Pさんのハニーハントコースと暴走警察24時コースがあるけどどっちにする?」

伊織「どっちもイヤよ。特に、人の畑に突っ込んで寝たフリしなきゃいけなくなるようなコースは断固拒否するわ」

P「まぁな。それに今、トランクの中調べられたらヤバいし」

トランク『』ガタガタッ

伊織「」


42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 22:58:42.28 ID:c7Kvqo/cO

伊織「…………」

伊織「アンタねぇ、そろそろあのストーカー何とかしなさいよ」

P「アレはもうペットみたいなモンだから気にするなよ」

伊織「前から思ってたけど、アンタ頭おかしいんじゃない?」


45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 23:02:14.17 ID:c7Kvqo/cO

P「フヒヒ、ちーたん可愛いよちーたん」

P「聞けよ伊織。アイツ、俺が寝静まった後にこっそり降りてきてTシャツの匂い嗅いでたりするんだぜ?」

P「たまたま起きてた俺と目が合うと、ニコッと笑って天井に戻ってくんだよ」

伊織「いや、そんな嬉しそうな顔で語られても私は普通に怖いだけよ! 普通にホラーじゃないの!!」


46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 23:04:59.38 ID:c7Kvqo/cO

伊織「元居た所に帰してきなさい!!」

P「捨ててもたぶんまた戻って来ると思うけど」
伊織「」

P「……俺は3回目くらいで既に諦めたよ」

伊織「もうイヤこの事務所」


48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 23:07:04.41 ID:c7Kvqo/cO

P「まぁまぁ。お前だって最初は千早とおんなじようなモンだっただろ?」

P「札束で俺を懐柔しようとしたり」

P「婚姻届片手に迫ってきたり」

P「やよいの体操服着たまま俺に告白したり?」


49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 23:07:47.32 ID:c7Kvqo/cO

P「それに、今でこそ彼氏彼女の関係でこうやって同棲してるけどさ」

P「そもそも、一番最初に無断で俺の家に侵入してきたのってお前じゃん」

伊織「そんなの覚えてないわ」

P「もういっそ清々しいな」


51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 23:09:57.75 ID:c7Kvqo/cO

伊織「そうね。今は少し気分がいいから、ストーカーの話も聞かなかった事にしてあげていいわ」

P「だからなんでそんな上から目線なんだよお前は」

伊織「そんなの、いつもの事でしょ?」

伊織「ほらほら、はやく車出しなさい」ペシペシ


52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 23:11:50.42 ID:c7Kvqo/cO

P「はいはい。叩くな叩くな。シートベルト締めた?」

伊織「締めたわ」

P「家の鍵閉めた?」

伊織「知らないわよ。アンタが閉めたんでしょ?」


53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 23:14:16.23 ID:c7Kvqo/cO

P「そういえばそうだったな。トランクは?」

トランク『』ガタガタッ

伊織「……元気そうよ」ハァ

P「そうか。じゃあ出発するぞ」


54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/12(水) 23:18:52.21 ID:c7Kvqo/cO

伊織「で、結局どっちのコースなのよ」

P「Pさんのハニーハントコース」

P「ちなみに、この場合ハニーハントのハニーは千早の……」

伊織「言わなくていいわよ。ま、程ほどにしておきなさいよ」

P「……おう」

伊織「それと」

伊織「どうでもいいけど、アンタスーツに着替えるの忘れてるわよ?」

P「……あ」


fin


引用元: 伊織「……おはよう」