1: ◆Vysj.4B9aySt 21/05/29(土)10:43:56 ID:nv9h
『文香が消えた……』

それは第十回総選挙が終わった直後に立った噂だった

連絡しても電話に出ない、住居に行っても空っぽ。叔父を訪ねても行方不明の一言。逆に何かしたのかと疑われる始末

こういう時に限って、失せもの探しが得意な彼女は

「女の子の日でしてー」

と手を借りることができず八方塞がりだった



そして立ち上がる一つの影



都「今こそ、名探偵たる私の出番です!」

頼子「まってちがう」



3: ◆Vysj.4B9aySt 21/05/29(土)10:52:31 ID:nv9h
都「とりあえず、当時の様子などを……」



志希「んー、文香ちゃん?そうだなぁ、少し怯えているようだったなぁ」

奈緒「そうそう、普段から人の前に出ることを好まないから、『こんな私に勤まるのでしょうか……』とか言ってたな」

奏「……クローネのあの件があるから心配したら……実際になってしまったみたいで」

都「なるほど……」



飛鳥「彼女の今まで堆積していたメンタル……それが爆けてしまったのかもね」

智絵里「わ、私も……もしなったら……やっぱり逃げたくなると……思いますし」

心「んー、はぁとみたいに繊細な心だと、やっぱりプレッシャーがすごい来るもんね☆」

都「繊細……とは?」



――このあと、都は物理的はぁとくらっしゅを浴びました

頼子「口は災いの元……です」

4: ◆Vysj.4B9aySt 21/05/29(土)10:59:06 ID:nv9h
――その一方でこんな意見もあった



藍子「もしかすると……ありすちゃんのいちごパスタが関係するかも」

都「い、いちごパスタ……ですか?」

楓「ありえますね……ありすちゃん、以前入賞者全員にいちごパスタを作って来て……」ガクガクブルブル

まゆ(楓さんが冗談を言わない!?)

頼子(なるほど、原因の一つとして覚えておきましょう)

都「しかし、いちごパスタですか……それはどのようなものでしょうか?」

まゆ「……ただの興味本位なら止めた方がいいですよ」

楓「あれは……人生の在り方すら変えてしまいますから」

藍子「……(肯定の眼差し)」

都「なんと……っ!」

5: ◆Vysj.4B9aySt 21/05/29(土)11:01:59 ID:nv9h
都「ということで、(いちごパスタ対策の為の)助手を雇うことにしました」

頼子「自分で食べる気はないのね……」





千枝「ふぇーん!千枝は何もしていませんよぉ!」

桃華「なんで私なんですか!」

由愛「ママ……助けて……」ハイライトオフ

6: 名無しさん@おーぷん 21/05/29(土)11:04:55 ID:nv9h
都「というわけで、今日はフリスクの穂乃香ちゃんの誕生日です。きっとありすちゃんも……ここに」

頼子「さ、パンシ○ンですよ」



桃華「残念ですが、征露○でも効きませんわ」

千枝「うぅ……千歳、先に逝くお母さんを許して」ハイライトオフ

由愛「私……赤ちゃん生みたかった……」ハイライトオフ

7: 名無しさん@おーぷん 21/05/29(土)11:06:54 ID:nv9h
ガチャ



柚「フリルドスクエアユニット第一位と」

忍「穂乃香ちゃんの誕生日を祝って」

あずき「誕生日大作戦開始だよーっ!」

8: 名無しさん@おーぷん 21/05/29(土)12:33:56 ID:nv9h


穂乃香「ありがとう、みんな!」









ありす「おめでとうございます!さ、橘流いちご料理をどうぞ!」



都頼子千枝桃華由愛『イター!』

9: 名無しさん@おーぷん 21/05/29(土)12:42:49 ID:nv9h


ありす「で、皆さんはどうかしたんですか」

千枝「うん、文香さんが行方不明のことなんだけど……」

由愛「ありすちゃんと仲がよかったし……」

ありす「仲がよいなんて失礼ですよ!文香さんは私が将来こうなりたいと思う大人の女性の一人ですよ!」





頼子「時々、本の読みすぎで台本を間違えてくるけど」

ありす「そ、それはおチャメということで……」

頼子「レッスンの寸前まで本を読んでいたから、そんなに面白い本か聞いたら、緊張を柔げるためで実は逆さまに持っていたとか」

ありす「スーパーチャメっ子倶楽部出身ですから……」

頼子「本の読みすぎで、両手の握力が60オーバーになって……」

ありす「うわぁぁぁぁぁん!」





桃華「よ、頼子さんって意外に鬼畜ですのね」

由愛「普段は優しいお姉さんですが、えっと……」

都「時々、その言葉の刃は私に襲い掛かってきます……」

10: 名無しさん@おーぷん 21/05/29(土)13:07:42 ID:nv9h


ありす「うぅぅ……」シクシク

頼子「悪は滅びたわ」
スチャ

都「さすがは頼子さんです!」




桃華(別の悪によって滅ぼされた……では?)

由愛(しーっ!しーっ!)

千枝(頼子さんに聞かれちゃいます!)

11: 名無しさん@おーぷん 21/05/29(土)13:59:24 ID:nv9h
都「で」



ありす「文香さんですか?私も聞いてませんので……」

頼子「そう、邪魔したわね」

ありす「い、いいえ」

都「ありすちゃんも知らないとなると……この事件は迷宮入りでしょうか?」

ありす「それぐらいで迷宮入りにしないで下さい!」

「もしかしたら、文香さんは誘拐されているかもしれないんですよ!」

由愛「っ!!」ビクッ

千枝「あ……」

都「ほぅ……つまりはあゆみ「都ちゃん、それぐらいにしなさい」

都「えっと……」

頼子「みんな、不安になるから……例え、冗談でもね」

都「は、はい……?」

12: うちの由愛は軟禁されて 21/05/29(土)14:05:44 ID:nv9h
千枝「大丈夫……?」サスサス

由愛「あ……はい……さっきよりは……」ビクビク





都「もしかして……その……」

桃華「察していただきましたの?」

頼子「悪気はなかったとは思うから、許してあげて欲しいけど今はまだ無理かしら?」

由愛「い、いえ……大丈夫……です」ブルブル

ありす「どうしましょう、由愛さんのプロデューサーさんでも呼ばないと……」



「あ……由愛ちゃん?」

「大丈夫ですか!?」

13:   21/05/29(土)14:38:11 ID:nv9h
タタッ

ありす「あ、むつみさんに聖さん」

むつみ「何か飲む?買ってくるよ」スッ

由愛「う、うん……今は……いいかな?」ブルブル

聖「……ひどい奮え」

「……」

ギュッ

由愛「あ……」

聖「大丈夫……知ってるよ……」

由愛「うん……」グスッ

聖「私の歌で……忘れてくれたらいいな」

「♪ラ~」

14: 名無しさん@おーぷん 21/05/29(土)14:41:04 ID:nv9h
♪~





頼子「……いい歌ね」

千枝「はい……」

都「……」ウトウト

ありす「都さんっ?!」

桃華「……」ウツラウツラ

千枝「これが聖さんの……」

むつみ「歌声か……」





由愛「……」

(ありがとう、聖ちゃん……)

(大切なお友達……)



聖「♪~」

15: 名無しさん@おーぷん 21/05/29(土)14:46:27 ID:nv9h
――数刻後

由愛「もう大丈夫です……」

千枝「よかったです!」

ありす「でも、無理はしないで下さいね」



むつみ「ところでみんなは何をしていたの?」

聖「由愛ちゃんをいじめるなら……許さない……よ…」ゴゴゴゴゴ

都「違います違います!」

頼子「んー、文香さんが何処にいるか知ってる?」

聖「え?文香……さん?」

ありす「今、行方不明で……心配で」

聖「ごめんなさい……見てません……」

由愛「うぅん、大丈夫だよ」

「むつみちゃんも見てない……よね?」

むつみ「三日前かな……たしか、国会図書館に行くって言ってたような……」

みんな『え?』

16: 名無しさん@おーぷん 21/05/29(土)14:56:17 ID:nv9h
むつみ「うん、悠貴ちゃんとほたるちゃんと外でトレーニングしていた時だけど……」



~~~~~~~~~~~~

悠貴「ふぅふぅ、あと二回ダッシュしたら終わりにしましょう!」

むつみ「はぁはぁはぁはぁ……ちょ、ちょっと休憩を……」

ほたる「はぁはぁ……悠貴ちゃん、あ、足が早いから……」

悠貴「えへへっ、足が早いのは取り柄ですからっ……あ、茜さんとかまひろさんに比べると」

二人『あの二人は比べちゃいけませんっ!』

ゴゴゴゴゴ

むつみ「ん?」



茜「ボンバァァァァァァァァ!」



ほたる「そ、そんなこと言ってたら」

悠貴「茜さんが来ましたねっ」

茜「とらーいっ!皆さん、ジョギングの最中ですか!?」

むつみ「あ、はい!」

茜「いいですね!私は、文香さんが国会図書館に行くと言ったのを、文香さんのプロデューサーさんに伝えに行く最中です!」

ほたる「そ、そうなんですか?」

悠貴「あの……メールとか……」

茜「それでは失礼します!」バビューンッ





三人『行っちゃいました……』

17: 名無しさん@おーぷん 21/05/29(土)14:58:40 ID:nv9h
~~~~~~~~~~~~

むつみ「……と」

ありす「国会図書館……ですか」

頼子「ま、まさか全部読むつもりで……」

桃華「さ、流石の文香さんでもそれは……」

千枝「と、とりあえず行きましょう!」

18: 名無しさん@おーぷん 21/05/29(土)15:04:31 ID:nv9h
――国会図書館

(由愛と聖とむつみは置いていきました)

頼子「こっそり入ったからバレないようにね」

ありす「えっと文香さんは……」





文香「」モクモクモク



千枝「た、大量の本に囲まれてます」

ありす「いえ、文香さんのことですから、自分で運んですぐに取れる位置に置いたのですよ」

桃華「とはいえ……100冊は裕に越える本ですわ」

都「とりあえず呼びましょう!」

頼子「しっ!」ムギュ

都「んー、んーっ!」

頼子「図書館では静かにするのがルールだから叫んじゃダメよ」ギューッ

都「んーんー!」ジタバタ



ありす「都さん……ただ、苦しいだけでは?」

頼子「あ」

19: 名無しさん@おーぷん 21/05/29(土)23:38:20 ID:nv9h
――事情を説明しました

文香「そんなことに……大変申し訳ございません」ペコペコ

千枝「とりあえず、見つかってよかったです……」

ありす「でも何故、こんなに本を……?」

文香「実は……加蓮さんがシンデレラになって、ある日のことなんですが……」

桃華「一体それは……?」ゴクリ

20: 名無しさん@おーぷん 21/05/29(土)23:44:25 ID:nv9h
~~~~~~~~~~~~

加蓮「ふぅ……疲れた」

奈緒「お疲れ、加蓮」

凛「ふふっ、加蓮も大変だってわかったでしょ」

加蓮「うん……凛がシンデレラんときに、目が石川賢になったてたことがあるけど……」

凛「何それ、どういう意味!?」

奈緒「まぁまぁ、それだけ余裕が持てないぐらい忙しかったんだろ」

加蓮「うん……あぁ、ジャンクフードが恋しいよぉ」

凛「止めときなよ。撮影はまだまだあるから、体重制限とか厳しいんだから」

奈緒「加蓮の場合、茜みたいなダイエットができないからなぁ」

加蓮「なんでぇ!せめてポテトにナゲットにコーラにハンバーガーぐらい!」

奈緒「せめて……の域じゃねぇ!」

凛「諦めなよ。せめて夏が終わるまでは」

加蓮「うぅ……シンデレラのバカヤロー!」





文香「……」

21: 名無しさん@おーぷん 21/05/29(土)23:51:24 ID:nv9h
~~~~~~~~~~~~

文香「という会話を耳にしまして……」

「それで、シンデレラになってしまっては、好きな時に本を読む機会が減ると思いこうして……」

頼子「たしかに、文香さんは本が読めなくなると目が濁ってきますからね……」

都「うぅ……そんなに本なんか読めましぇん」

ありす「何を言ってるんですか!有名な探偵物はすべて活字から生まれているんです!」

「そんな本を読まないようで探偵なんて名乗るのは、そういった推理やトリックの知識もない、ただの探偵紛い。つまり都さんは探偵にはなれないということです!」ロンパァ

都「そ、そんなぁ……」ガクリ

千枝「あはは……」

頼子「ありすちゃんが一本先取!……ですね」

22: 名無しさん@おーぷん 21/05/30(日)00:01:37 ID:JEwt
ありす「しかし困りましたね。文香さんはタブレットも不可不可じゃないんですが」

頼子「関谷あさみさんのサークルですね」

千枝「たしか千枝の本もあります!」

ありす「……ではなく、紙の本を一定以上摂取しないと手の奮えが止まらなくなりますから」

桃華「奇病ですわね」

千枝「とりあえず、ウサちゃんロボとかに頼んで、文香さんの近くに本を常備しておくってのはどうかな?」

文香「積極的手段ではありますね……これ以上の迷惑はかけられませんし贅沢を言っている場合でもありません」



都「贅沢と鷺沢って字は似てませ「都ちゃん……空気は読みましょうね」

都「スミマセンデシタ」ドゲザ

23: ◆Vysj.4B9aySt 21/05/30(日)00:07:27 ID:JEwt
――そして

文香「それでは撮影に……行ってきます」スクッ

ウサちゃんロボ「ウサッ」バタバタ

バタン



聖「あれで……よかったのかな?」

由愛「まだ戴冠式とかまだですし……どうなんでしょう……」

むつみ「トライアンドエラーです!失敗しても何度も立ち上がればいいんです」

桃華「……それまで、精神が持てばいいのですが」

ありす「文香さん……ファイトです!」

24: ◆Vysj.4B9aySt 21/05/30(日)00:12:43 ID:JEwt
HAPPY BIRTHDAY

yesterday

AYASE HONOKA



today

ICHINOSE SHIKI

25: ◆Vysj.4B9aySt 21/05/30(日)00:15:07 ID:JEwt
どっかのミストさんじゃないが、ふみふみの本好きって根本的な解決はないよねぇ?



では読んでくださった方へ、いちごのムースを

引用元: 【モバマス】それも愛でしょう……