【3章現在での主人公の情報】

【超高校級の占い師】風野灯織

・習得スキル

【一番星の魔法】
〔自由行動二回目終了時にモノクマメダル10枚を消費することで、その日の自由行動を一回プラスすることができる〕

【ポシェットの中には】
〔自由行動のある日に限り一日の終わりにコンマ判定を行い、末尾の数字の枚数分だけのモノクマメダルを獲得できる〕

【意地っ張りサンセット】
〔反論ショーダウン・PTAのコンマ値の基礎値が+10される〕

・現在のモノクマメダル…75枚

・所持アイテム
【色恋沙汰リング】
【スカラベのブローチ】
【新品のサラシ】
【斬鉄剣】
【昭和ラジオ】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【ジャスティスV変身ベルト】

3: ◆zbOQ645F4s 2021/03/27(土) 21:01:30.26 ID:wsdCZq+f0
【校則】

【1】生徒達はこの学園内だけで共同生活を行いましょう。共同生活の期限はありません。
【2】夜10時から朝7時までを"夜時間"とします。夜時間は立ち入り禁止区域があるので注意しましょう。
【3】就寝は寄宿舎エリアに設けられた個室でのみ可能です。他の部屋での故意の就寝は居眠りとみなし罰します。
【4】希望ヶ峰学園について調べるのは自由です。特に行動に制限は課せられません。
【5】学園長ことモノクマへの暴力を禁じます。監視カメラの破壊を禁じます。
【6】仲間の誰かを殺したクロは"卒業"となりますが、自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません。
【7】生徒内で殺人が起きた場合は、その一定時間後に、生徒全員参加が義務付けられる学級裁判が行われます。
【8】学級裁判で正しいクロを指摘した場合は、クロだけが処刑されます。
【9】学級裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、クロだけが卒業となり、残りの生徒は全員処刑です。
【10】コロシアイ合宿生活で同一のクロが殺せるのは、2人までとします。

4: ◆zbOQ645F4s 2021/03/27(土) 21:02:41.35 ID:wsdCZq+f0
【通信簿および親愛度】

・【超高校級の飼育委員】櫻木真乃……1.0【DEAD】
・【超高校級の占い師】風野灯織……(主人公)
・【超高校級の助っ人】八宮めぐる……0

・【超高校級の保健委員】幽谷霧子……0
・【超高校級のモデル】白瀬咲耶……0
・【超高校級の服飾委員】田中摩美々……1.5

・【超高校級の幸運】園田智代子……1.0
・【超高校級の応援団長】西城樹里……3.0【DEAD】
・【超高校級の日本舞踊家】杜野凛世……0

・【超高校級のゲーマー】大崎甜花……0
・【超高校級のスタイリスト】大崎甘奈……1.0

・【超高校級のギャル】和泉愛依……0

・【超高校級の???】浅倉透……0【DEAD】
・【超高校級のディベート部】樋口円香……0
・【超高校級の帰宅部】市川雛菜……1.0
・【超高校級の学級委員】福丸小糸……12.0【DEAD】

8: ◆zbOQ645F4s 2021/03/30(火) 22:58:51.75 ID:tCjji0x70





_______あなたたちの言う絆なんて嘘っぱち。






9: ◆zbOQ645F4s 2021/03/30(火) 23:00:52.93 ID:tCjji0x70

死を超えた人と人との繋がり?
想いの継承?

そんなの自分の感情に対するただの逃避行動。
本当にその人のことを思うなら、仇はとって然りでしょ。

憎しみは何も生まないだなんて偽善者がよく口にする論調があるけど、あんなの欺瞞。
憎しむことで救われる想いもあるのに、清廉潔白という理想を追うがために蔑ろにしているだけ。

_______私は、憎しみ続ける。

精神の支柱とも言うべき幼なじみを、強引に、乱暴に、理不尽に奪い去ったあなた達を絶対に許さない。
悪いのはこんな状況に陥れた黒幕。
それはそうかもしれないけど、私の憎しみのベクトルは同じだけの尺度であなた方にも向けられていることをお忘れなく。


10: ◆zbOQ645F4s 2021/03/30(火) 23:02:12.80 ID:tCjji0x70

感情はそんな簡単に割り切れるものじゃない。
あなた方はそれをわかってて見過ごしているだけ。
だから私が教えてあげる。


_______あなた達の【絆】をめちゃくちゃにして、


_______生きる希望を奪って、


_______仲間との別れに絶望させて、


_______憎しみの種を植え付けて、

11: ◆zbOQ645F4s 2021/03/30(火) 23:03:31.29 ID:tCjji0x70





それでもあなたたちは今の【絆】を追い続けるの?






12: ◆zbOQ645F4s 2021/03/30(火) 23:04:01.47 ID:tCjji0x70
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CHAPTER03

部屋とオーパーツとワタシ

(非)日常編


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13: ◆zbOQ645F4s 2021/03/30(火) 23:05:07.43 ID:tCjji0x70
【食堂】

樹里と小糸の事件の翌日。
朝礼にいつも早めに集まるメンバーも歯抜けになってしまい、すこし寂しい雰囲気が漂っていた。


咲耶「やあ、灯織。よく眠れたかい?」

灯織「……ほどほど、ですね」

咲耶「いや、すまない……不躾な質問だったね」

灯織「いえ!お気遣いなく!あ、あの……凛世は?」


やはりこのメンバー内に気にかかるのは凛世。
放クラのメンバーであった樹里があんな感じで抜けてしまったからには凛世の心中も穏やかではないはず。


咲耶「今日も変わらず出席しているよ。……声をかけてやってくれるかい?」

灯織「は、はい!……もちろん!」



14: ◆zbOQ645F4s 2021/03/30(火) 23:06:05.25 ID:tCjji0x70
【食堂 厨房】

凛世は厨房でテキパキと朝ごはんを拵えていた。
咲耶さんは自分が代わろうかと申し出たらしいけど、凛世はそれを断ったらしい。


灯織「凛世……おはよう」

凛世「灯織さん、おはようございます……」

灯織「その、凛世……大丈夫?無理はしてない?」

凛世「いえ、無理などは……ただ、凛世はこちらに来てから毎朝樹里さんと朝食を作っていたので……」


凛世がちらりと視線を寄せた先には生前樹里が使っていたエプロン。
樹里のことに気持ちの整理をつけるためにも、体を動かしていたいようだ。


灯織「……凛世、今日も変わらず美味しいご飯をお願いできるかな」

凛世「はい、お任せを……!」


そう言って腕まくりする凛世の姿には樹里の姿がどこか重なって。
……私がわざわざ心配しなくても凛世なら大丈夫そう。
凛世も二回の事件を経て大きく変わろうとしているんだ。

15: ◆zbOQ645F4s 2021/03/30(火) 23:06:40.14 ID:tCjji0x70

私は厨房を後にすると徐々にみんなが集まり出していた。
8時にもなれば、ほぼ全員が集まり、朝礼が始まった。
________ただやはり、樋口さんの姿だけはそこになかった。


咲耶「みんな、集まってくれてありがとう。昨日の今日で色々と割り切れないものもあると思うけど、少しずつでも前に進んで行こう」

めぐる「うん、まだまだ頑張るからね!」

智代子「……絶対、生きて帰ろうね!」

摩美々「で、また事件が一つ終わったわけだからもしかして新しいエリアが解放されたりするんじゃないのー?」

甘奈「あ、確かに!」

甜花「浅倉さんの事件の後に、二階が開いたんだよね……」

霧子「それじゃあ、今回は3階……?」

モノクマ「その通りー!」

智代子「わああああああ?!?!」

雛菜「どこから湧いてきたんですか〜?」

16: ◆zbOQ645F4s 2021/03/30(火) 23:10:41.35 ID:tCjji0x70

モノクマ「オマエラのご期待に応えてアナウンスだよ!」

モノクマ「こんぐらっちゅれーしょん!福丸さんと西城さんの尊い犠牲のおかげで学校エリアを一部新たに解禁いたしましたー!」

愛依「犠牲って……今更言ってもしゃーないけど……マジにムカつく系」

摩美々「なんか周りくどい言い方ですねー」

灯織「え?」

摩美々「ただ三階を開けるだけならそう言えばいいですよねー?」

モノクマ「いい質問ですねぇ!その通り!今回は新たに一階の保健室もオープンいたします!」

霧子「保健室……!」

モノクマ「簡単な薬なら倉庫にも入れておいたけど、こっちの方が本格的な治療は行えるからね!興味があったら覗いてみてね!」

めぐる「うんうん、何をするにも怪我はつきものだからね!」

雛菜「保健室ならベッドもあるんですかー?」

モノクマ「もちろん!……あ!保健室でも居眠りは禁止だからね!」

モノクマ「病気の治療で泊まる必要があるとかじゃない限り保健室登校は許可しませんので、悪しからず!」

雛菜「ちぇ〜」

(い、市川さんに対するツッコミ役が不足している……)

咲耶「よし、それじゃあ今日は三階の調査からだね」

愛依「おっし、絶対手がかり見つけるかんね!」

めぐる「灯織!」

灯織「うん、めぐる……行こう、私たちも」

(今度こそ、脱出の糸口を見つけないと……!)

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【探索について】
場所指定の安価と同時にコンマを判定し、末尾の数字と同じ枚数だけモノクマメダルが獲得できます。
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めぐる「灯織、どこから探索する?」

灯織「えーっと……そうだね」

-------------------------------------------------
1.【学校エリア3F】娯楽室
2.【学校エリア3F】美術室
3.【学校エリア3F】物理室
4.【学校エリア1F】保健室

↓1

17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/30(火) 23:12:39.47 ID:jrepNfB90
4

19: そういえば昨日前スレで購買パートをやったのでメダル枚数が変動してます、悪しからず ◆zbOQ645F4s 2021/03/30(火) 23:15:26.19 ID:tCjji0x70
4選択

【保健室】

これがモノクマの言っていた保健室らしい。学校エリア一階で唯一閉鎖されていた部屋。この部屋が……もしも小糸の事件の段階で開いていたらもしかして……
いや、こんなことを考えても仕方ない……

霧子「うん、大体の怪我は治療ができそう……輸血パックもあるから、緊急時にも使えるかも……」

灯織「アンティーカの皆さん……どうでしょうか、設備は使えそうですか?」

咲耶「ああ、霧子に見てもらっているけど今のところは実用的みたいだ」

摩美々「うっかり灯織が階段から落ちてもヘーキだねー」

灯織「お、落ちませんよ!」

霧子「ふふ、病気になっても安心だね……!」

めぐる「霧子がいれば看病もしてもらえるもんね!」

摩美々「ただ設備が充実してるってことはその分警戒もした方がいいかもねー」

灯織「え……?」

摩美々「医療の現場にあるものって大体悪用できそうじゃない?ほら、注射器とかー、チューブとかー」

咲耶「……大丈夫、考えすぎさ」

摩美々「だといいですケド」

(……これからお世話になりそうな部屋だけど、扱いは慎重にした方がいいかも)

【コンマ47】

【モノクマメダル7枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル…52枚】

-------------------------------------------------
1.【学校エリア3F】娯楽室
2.【学校エリア3F】美術室
3.【学校エリア3F】物理室

↓1

20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/30(火) 23:25:27.16 ID:FoOVCUpe0
3

21: ◆zbOQ645F4s 2021/03/30(火) 23:28:19.00 ID:tCjji0x70
3 選択

【物理室】

……なんだこれ。
部屋に入るなり仰々しい装置が目につく。
よくテレビなんかで静電気発生マシーンをやっているけれど、あれによく似た形状の半透明な装置……何に使うんだろうか。


モノクマ「キミは今!因果律の歴史を作り替える装置に向かって一歩踏み出した!」

めぐる「わぁっ?!モノクマ?!」

灯織「な、何の用ですか……?」

モノクマ「忠告しにきたんだよ、このまま放っておいたら風野さんが危ないところだったからね!」

灯織「こ、この装置危ないものだったんですか?」

モノクマ「ああ、うっかり触れちまうと因果律の彼方、全ての物理が起する前段階に戻されるんだ!」

めぐる「んー?」

モノクマ「要は過去に戻るってことだね!」

灯織「た、タイムマシーン?!」

モノクマ「そういうこと、超高校級の物理学者が残した遺産さ。いつでもどこでも2秒前の世界に戻ることができる優れもの!」

灯織「……え?に、2秒?」

モノクマ「2秒」

(つ、使えない……!!)

めぐる「2秒じゃ意味ないよ……もっと一ヶ月ぐらい戻れたら真乃にもう一回会えたのに!」

モノクマ「……ぶひゃひゃひゃひゃ!嘘だよ嘘!タイムマシーンなんかじゃないよ、現代の人間の力じゃ2秒どころか0.000000001秒戻ることも不可能だからね!」

灯織「……は?」

モノクマ「これは空気清浄機!オマエラがこの学園で澄んだ空気を吸えるのはこいつのおかげ!だからくれぐれも壊さない様に!」

めぐる「……行っちゃった」


何やらくどくどと話していたけど……
要は空気清浄機には近づくな、ってことらしい。
こんなに大層な装置が必要なのかはわからないけど従っておいた方が良さそう。

【コンマ16】

【モノクマメダル6枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル…58枚】


22: ◆zbOQ645F4s 2021/03/30(火) 23:29:57.32 ID:tCjji0x70
【物理準備室】

物理室の奥の空間には実験器具などが並べられた倉庫の様な空間がある。
至って事務的で無機質な空間だ。

その空間の中央にポツリと置かれているのは……今度はカメラ?


めぐる「デジカメ……みたいだね?」

灯織「このカメラ……なんだか見たことがあるような……」

めぐる「え?……誰かが持ってたやつ?」

灯織「……これ、結華さんが持ってたカメラと同じ型じゃないかな」

めぐる「確かに、そうかも……!前に一度猫のスナップを見せてもらったよ!」

灯織「そっくりだよね……いや、流石に結華さん自身のものってことはないと思うけど……」

(でもアンティーカの皆さんに一度見てもらった方がいいかもしれない……)

灯織「これ、預かっててもいいかな?」

めぐる「えっ?うん……壊さないように気を付けてね!」

-------------------------------------------------
1.【学校エリア3F】娯楽室
2.【学校エリア3F】美術室

↓1

23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/30(火) 23:30:33.91 ID:jrepNfB90
1

24: ◆zbOQ645F4s 2021/03/30(火) 23:33:28.21 ID:tCjji0x70
1 選択

【娯楽室】

ここは……学校には珍しいスペースだ。
ビリヤード台やダーツスペース、漫画雑誌まで置いてある。


雛菜「あ~、これ読みたかったやつ~!」

めぐる「なんか本当にここが学校なのか自信を失っちゃいそうな空間だね……」

灯織「うん、うちの学校にはこんなのなかったよ」

めぐる「うーん……ビリヤードとかって知ってはいるけどルールがわかんないよね」

灯織「そうだね、プレイしてる人とかすごく大人でカッコいいなって思うんだけど……実際プレイするとなるとね」

甜花「甜花、ルールぐらいなら大体わかるよ……?」

灯織「甜花さん?!」

甜花「ビリヤードなら簡単なナインボール、ダーツならカウントアップかな……?どれもヤクザ屋さんのゲームで、ミニゲームにあったから……」

(どんなゲームなんだろう……)

甘奈「甜花ちゃんさっすが!せっかくだしみんなでやってみようよ☆」

雛菜「いいですね~、雛菜はオセロがいいかも~」

灯織「うん、また今度。甜花さん……私にもルールを教えてもらってもいいでしょうか?」

甜花「に、にへへ……うん!甜花、遊びの先生だから……」

【コンマ91】

【モノクマメダル1枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル…59枚】

-------------------------------------------------

(よし、あとはあそこだけだね……)

【選択肢が最後の一つとなったので、残った探索先の美術室へ向かいます】

【コンマ判定でモノクマメダル獲得枚数の判定を行います】

↓1

25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/03/30(火) 23:36:03.42 ID:FoOVCUpe0
ほい

26: ◆zbOQ645F4s 2021/03/30(火) 23:38:02.29 ID:tCjji0x70
【美術室】

ここは美術室、みたい。
石膏像やキャンバスがこれ見よがしに並べられてるし……壁はステンドグラス。
どこからこんなに予算を回してきたんだか。


灯織「彫刻刀とか絵具とか……設備も充実してるんだね」

めぐる「みたいだね、なんだか事務所でペンキを塗ったの思い出すなー」

灯織「流石にここで作品を作る気には、ならないかも……」

愛依「あれ……墨汁なんかもあるんだ……」

灯織「愛依さん?それは?」

愛依「あー灯織ちゃん!これ、墨汁っぽいんだよね。書道教室は流石に単体じゃ無いかー」

灯織「そういえば愛依さんは書道がお得意でしたよね」

愛依「んー?まあ、ボチボチ?昔っからおばあちゃんに教えてもらってたからねー」

愛依「あーなんかあさひちゃんのこと思い出しちゃうわ〜、あさひちゃんの書いた字も味があっていいんだよね!」

めぐる「灯織灯織!こっち、もう一つ部屋があるよ?」

灯織「えっ……?」

(美術倉庫……ここの扉は鍵付きだ、内側からかけるタイプみたいだけど……)

【コンマ42】

【モノクマメダル2枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル…61枚】

27: ◆zbOQ645F4s 2021/03/30(火) 23:40:31.25 ID:tCjji0x70
【美術倉庫】

美術倉庫の名前の通り、美術の授業で使うような用具がこちらにもゴロゴロと転がっている。
中でも目につくのは大きなハンマーの数々かな?
壁にかけられたハンマーは石膏像を作るときに使うんだろう。

だけど、一番目を引いたのは部屋の隅に落ちていた一枚の写真。


灯織「写真……?誰が撮ったんだろう……?」


そう、純粋な興味で私はその写真を手に取った。
この学校に関係するものだろうか、外の世界に関係するものだろうか。ただそれだけの興味だった。
でも、そこに残されていたのは。

(……え?)




_______真乃と小糸が二人で料理をしている写真だった。


(……な、なんで?)

めぐる「こ、これって……?」

モノクマ「わーーーーー!!なに見てるのさーーーー!!」


思わずめぐるも私もたじろいでいると、どこからともなくモノクマが現れて、手に持っていた写真を引ったくってしまった!


モノクマ「プライバシーもあったもんじゃないね!この野郎!……いや、野郎じゃないか」

灯織「も、モノクマ?!今のは?!」

モノクマ「あー、あー!知りませーん!ボクはなにも知りませんよーだ!」


私の質問になにも答えることもなくそのまま逃げてしまった。


めぐる「い、今の写真……」

灯織「小糸と真乃ってそんなに仲良かったのかな……あの写真、背景から見てどこかのキャンプ場だったよね……?」

めぐる「ずるいなー真乃!わたしももっと小糸と仲良くなりたかったのにー!」

(なんだろうこの違和感……二人とも知り合いだったわけだし、あんな写真があったとしてもおかしくはないんだけど……)

(なにか、重大な見落としが……?)


28: ◆zbOQ645F4s 2021/03/30(火) 23:42:14.20 ID:tCjji0x70
【空き教室】

学校という施設である以上当然ながら教室も存在する。
三階にもこれまでの階と同様にいくつかの教室があり、その中の一つを何気なく開いてみた。


円香「……」

灯織「ひ、樋口さん?!どうしてここに……?」

円香「どうしても何も無いでしょ、私も灯織達と同じ生徒。モノクマがお節介焼いただけだから」


乱暴な口調で樋口さんは私に言い訳をするとそそくさと部屋を後にしようとドアノブに手をかける。


めぐる「待って!」

灯織「めぐる……?」

円香「……何?」

めぐる「円香は今何を考えてるの?」

円香「……は?」

めぐる「お願い……教えてもらえないかな。わたしね、ここにいる皆で協力すれば絶対モノクマに負けないって思うんだ」

めぐる「円香は透と小糸が死んじゃって……わたしたちのことを信じられないのもわかる……わかるけど!」

めぐる「円香も一緒に帰らないと意味がないから!円香だってわたしの友達だと思ってるから!」

円香「……お生憎様、私に協力の意思はない」

めぐる「……円香」

円香「変に期待を持たれても困るから先に言っておく」

29: ◆zbOQ645F4s 2021/03/30(火) 23:43:30.47 ID:tCjji0x70





円香「私は必ず誰かを殺す」





30: ◆zbOQ645F4s 2021/03/30(火) 23:45:06.47 ID:tCjji0x70

灯織「……!?」

めぐる「……え?」

円香「灯織とめぐるが真乃にほだされて見出した【絆】……そんなのただの綺麗事。向き合うべき感情に対する逃避行動でしかない」

めぐる「ち、違うよ!真乃に透に樹里に小糸!四人の思いを引き継いで……」

円香「勝手に透と小糸を入れないで」

めぐる「……っ!」

円香「あんたに死んだ人間の何が分かるっていうの?透も小糸も……私の方が分かってる」

灯織「そ、それは……」

円香「なかよしごっこするならご自由にどうぞ。私は知ったこっちゃないから」


樋口さんが去り際に吐き捨てるように残した言葉がしばらく胸に刺さっていた。何も言い返せなかった。
幼なじみを立て続けの失った樋口さんの心境なんか私たちにわかるはずもないし、分かろうとすることすら樋口さんは嫌がるはずだ。


めぐる「灯織……」

灯織「……」


でも、だからといってここで折れるわけにはいかない。
それこそ絆を樋口さんの言うように独りよがりなものだと認めたことになるから。
背負って生きると決めた以上、止まるわけにはいかない。


灯織「めぐる、行こう」

めぐる「……うん」


絶対に皆で生きて帰るんだ……!!

31: ◆zbOQ645F4s 2021/03/30(火) 23:46:59.16 ID:tCjji0x70
【食堂】

新しく広がったエリアの探索を終え、食堂に戻るとすぐに報告会が始まった。


咲耶「さて、みんな一通り探索を終えたところで今回も報告会と行こうか」

甘奈「甘奈と甜花ちゃんと雛菜ちゃんは娯楽室を色々と調べてたんだけど、沢山ゲームがあって楽しそうだったよ!」

甜花「ダーツにビリヤード……ゲームとして申し分なし……!」

雛菜「漫画雑誌も読みたい奴がありましたよ~」

摩美々「オセロなんかもあったし今度灯織一緒にやろうよー」

灯織「……お、お手柔らかにお願いします」

愛依「美術室は画材?とかもめっちゃあって色々できそうだったよ!」

咲耶「彫刻造りの材料もひとしきり揃っていたね、芸術をするにはうってつけな環境のようだ」

智代子「うんうん、しかも愛依ちゃんの得意な書道セットもあったよね!」

愛依「マジマジ!久しぶりに一筆、書いてみますかー!」

凛世「物理室には、かなり仰々しい装置がございました……」

智代子「モノクマが言うには空気清浄機、らしいね!」

灯織「私は初め、タイムマシーンだとからかわれました……」

摩美々「確かにそう見えなくてもないケド、信じたのー?」

灯織「し、信じてません!」

霧子「保健室には、倉庫以上の設備が充実してたよ……」

霧子「怪我をしちゃっても、これで安心できる……かな……」

咲耶「私たちには白衣の天使がいるからね、もしもの時には頼らせてもらおうか」

霧子「さ、咲耶さん……」


32: ◆zbOQ645F4s 2021/03/30(火) 23:49:41.78 ID:tCjji0x70

報告がひと段落したので、私たちはずっと気になっていた話題を持ち出した。


灯織「その……私とめぐるから一ついいでしょうか」

咲耶「なんだい?聞かせて欲しいな」

めぐる「あの写真のことだよね?」

甜花「しゃ、写真……?」

灯織「はい……モノクマに回収されたので手元には残っていないんですが、美術準備室に入った際に一枚の写真を拾ったんです」

愛依「あー、あん時?写真なんかあったんだ!」

めぐる「愛依は美術準備室には入らなかったの?」

愛依「うん、うちはさらっと美術室の方しか見てなかったカンジ」

灯織「その、写真には……真乃と小糸が写っていて」

雛菜「……小糸ちゃんが?」

灯織「は、はい……二人で屋外で料理をしていて……まるでキャンプの様でした」

摩美々「それ、この合宿よりも前に撮られたやつってコトだよねー?」

33: ◆zbOQ645F4s 2021/03/30(火) 23:50:49.99 ID:tCjji0x70

雛菜「……」

咲耶「どうだろう、雛菜。何か心当たりはないかな?」

雛菜「……小糸ちゃんはアンティーカの人とは仲良かったみたいですけど、他のアイドルとは別に聞いてないですね〜」

霧子「わたしのことかな……?」

灯織「真乃は誰とも打ち解けやすいとは思いますが……小糸と特別仲が良かったとかはイルミネも聴いてないですね……」

甘奈「二人が実は生きてて、キャンプの真っ最中とか?」

摩美々「流石にないでしょー……真乃に至っては、私たちが目の前で死んだのを確認してるんだしー……」

(そうだ……真乃は間違いなく、モノクマのおしおきで命を落とした)

(それをここにいる全員が目撃している)

愛依「うーん、現物見てないしなんとも言えんカンジだね」

めぐる「ほ、ホントなんだよ?!」

咲耶「大丈夫さ、疑ってるわけじゃない」

摩美々「……」

34: ◆zbOQ645F4s 2021/03/30(火) 23:52:50.51 ID:tCjji0x70

摩美々「一旦考えても仕方ない謎は置いとこうよー」

灯織「あ、それでしたらこちらのカメラの話をしませんか?」

凛世「カメラ、ですか……」

灯織「はい……こちらは物理準備室で拾ったものなんですが」

智代子「すごいね灯織ちゃん……いろいろ見つけたんだね!」

めぐる「このカメラ、アンティーカのみんなは見覚えないかなー?」

咲耶「……おや?これは結華の持っていたものと同じ型のカメラかい?」

摩美々「まさかそっくりそのまま同じやつー?」

霧子「結華ちゃんのカメラさん、なのかな……」

灯織「どうでしょう、何かわかりませんか……?」

咲耶「うーん、データは残っていないみたいだね」

摩美々「似てはいるけど、これだけじゃ判別つかないですねー」

凛世「……」

智代子「凛世ちゃん?」



35: ◆zbOQ645F4s 2021/03/30(火) 23:53:27.44 ID:tCjji0x70

凛世「いえ、その……カメラと聞いて、プロデューサーさまのことを思い出してしまいました……」

咲耶「……そうか、凛世はこの前のクリスマスにプロデューサーにインスタントカメラを渡したんだったね」

凛世「はい……」

智代子「凛世ちゃん……」

凛世「夏には、プロデューサーさまに随伴して海に行ってお写真を撮ったこともありました……」

凛世「凛世にとってカメラにはプロデューサーさまとの思い出が、忘れ難く……」

摩美々「……」

摩美々「……凛世、このカメラ使うー?」

凛世「摩美々さん……?!」

霧子「摩美々ちゃん……ふふっ、うん……♪」

霧子「凛世ちゃんが持ってた方がカメラさんも嬉しいかもしれないね……!」

凛世「で、ですが……」

摩美々「正直私たちが持ってても仕方ないし凛世が持っててよー」

咲耶「カメラを見て、元気を取り戻せるなら持っておくべきは私たちじゃないさ」

凛世「皆さん、ありがとうございます……」


こうしてカメラは凛世の元へと渡った。
カメラから手がかりを得ることはできなかったけど、結果として誰かの支えになったのならそれは成功だよね。

36: ◆zbOQ645F4s 2021/03/30(火) 23:55:23.59 ID:tCjji0x70

咲耶「報告会はこれで終わりだけど……円香は結局来なかったね」

雛菜「円香先輩朝から見てないですし、もうほっといていいんじゃないですか〜?」

愛依「うーん、やっぱり気になんだよね……小糸ちゃんのことで相当うちらに恨みをもっちゃってるみたいだし……」

灯織「樋口さんのことなんですが……探索中に一度お会いしました」

摩美々「そうなのー?」

灯織「は、はい……しかし、取りつく島もないといった感じでして……」

智代子「そうだろうね……うーん、困り物ですな」

-------------------------------------------------

円香「私は必ず誰かを殺す」

灯織「……!?」

めぐる「……え?」

-------------------------------------------------

(流石に……あれは黙っておいたほうがいいよね)

めぐる「……でも、円香の協力なしにはモノクマには勝てないよ!」

咲耶「……そうだね、円香も含めて一丸とならないと私たちに希望はない」

咲耶「何かしらの手は講ずるべきだろう」

摩美々「お人好しですねー」

雛菜「雛菜はもう円香先輩ほっといていいと思う〜」


樋口さんという大きな懸念材料を残し、その日の報告会は終わった。

37: ◆zbOQ645F4s 2021/03/30(火) 23:56:45.72 ID:tCjji0x70
【灯織の部屋】

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより、“夜時間”になります。間もなく、食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま~す』

モノクマ『ではでは、いい夢を。おやすみなさい…』

(……夜時間)

新しいエリアが増えたからといって手がかりが増えるわけでもない。
もちろん脱出口なんてものもない。
……私たちはまだ、モノクマの手の上で踊っているだけなんだろう。

……だから何?
私は樹里の姿から何を学んだ?
どんなに苦しくたって立ち向かっていく勇気じゃないの……!?

そう、これまでに二度の裁判を終えてきた……
弱音を吐くような自分じゃ、その二度を無駄にしてしまうだけ。

大丈夫、樋口さんのこともきっとどうにかなる。
それに、必ず活路は見出せる……!

無理やりにでもポジティブにならなきゃ、
蟠りを見ないようにして、私は無理やり眠りについた。

42: ◆zbOQ645F4s 2021/04/01(木) 22:03:25.88 ID:hCqXwXeT0

【灯織の部屋】

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』

灯織「よし!」


決意を新たに顔を叩いて無理やり奮い立たせる。
落ち込んでいる時間なんかない……

さあ、今日もがんばろう!

-------------------------------------------------

43: ◆zbOQ645F4s 2021/04/01(木) 22:05:46.69 ID:hCqXwXeT0

【食堂】


寝ぼけ眼をこすりながら扉を開けると、出迎えたのは意外な人物だった。


円香「……灯織」

灯織「ひ、樋口さん……!?」


昨日は探索途中に一度鉢合わせただけで、以後姿を見せていなかった樋口さんが食堂の椅子に堂々と腰かけていた。


灯織「ど、どうしてここに……?」

円香「どうして?……私も灯織たちと同じく283プロダクション所属のアイドルなんだけど」

灯織「そ、それはそうですが……」


つい昨日まで私たちを避けて行動していた人とは思えないほどに冷静な様子でいるのがかえって不気味。
何か腹に抱えたものがありそうな気配を感じる……


咲耶「円香はどうやら何か話があるみたいだよ」

灯織「は、話……ですか?」

霧子「うん……みんなが来てから、話すらしいんだ……」

めぐる「だからみんなを待ってたんだよー」

円香「そう、これは全員が聞くべき話」

円香「……特に、今のあなたたちの中心核である灯織にこそ聞いてほしい話」

灯織「……私に?」


樋口さんは冷たい視線を真っすぐに私に向けていた。
樋口さんは宣言通り、それ以降は食事に手を付けることもなく静かに全員が揃う時を待っていた。


雛菜「……円香先輩、なんでここにいるわけ~?」

円香「……」


前回の裁判で仲たがいした二人も会話はそれだけ。
樋口さんは最後の一人が食堂の席に着いたのを確認して、ようやくしゃべり始めた。

44: ◆zbOQ645F4s 2021/04/01(木) 22:07:22.50 ID:hCqXwXeT0

円香「……全員揃った」

甜花「ひ、樋口さん……どうしたの……?」

甘奈「甘奈たちに話って何?もしかして、脱出の方法が分かったとか☆」

円香「……」

摩美々「否定するときぐらい喋りなよー」

愛依「で、話ってなんなん?めっちゃ重要な話なんだよね?」

円香「……まあ、私からすればどうでもいい話なんですが」

雛菜「え~?どうでもいい話ならいいじゃ~ん、引っ込んでてよ~」

智代子「し、辛辣すぎるよ雛菜ちゃん?!」

円香「あなた方は知っておくべき事実だと思いまして」

(わ、私たちが知っておくべき事実……?)

灯織「ど、どういう意味でしょう……」

凛世「円香さんにとっては無価値でも、凛世たちは知るべき情報……」

凛世「先の裁判での発言を顧みると……コロシアイ、これを防ぐための有効な情報なのではないでしょうか……」

めぐる「えっ?!それだったらすっごく助かるよ?!」

甘奈「うんうん!甘奈たちが何よりも一番望んでることなんだし!」

甜花「樋口さん、お手柄……!」

円香「……」


いや、違う……
そんな私たちにとって助けになる情報なら、樋口さんはあんな表情をしない……

45: ◆zbOQ645F4s 2021/04/01(木) 22:08:37.16 ID:hCqXwXeT0

円香「私は小糸の裁判以降、あなた方に非協力的な姿勢を貫いてきた」

円香「……まあ、それは別に変らないんだけど」

円香「昨日、ひとつ面白いものを見たから」

霧子「面白いもの……?」


霧子さんの問いかけに樋口さんは不敵に微笑むと、私の正面に向き直った。


円香「このコロシアイ……私たちが戦うべき相手は誰だと思う?」

(私たちが戦うべき相手……?そんなの、決まってる)

灯織「モノクマ……このコロシアイをけしかけた首謀者、黒幕ですよ!」

円香「そう、ゲームに乗らないなら戦うべきはモノクマ。当然じゃない?」

円香「コロシアイのルール自体に抗わなきゃいけない……最終的に行き着くのは黒幕との直接対決かもね」

46: ◆zbOQ645F4s 2021/04/01(木) 22:10:06.50 ID:hCqXwXeT0

霧子「コロシアイなんて、だめだよ……」

霧子「でも、そうなると黒幕さんと戦わなくちゃ、ダメなんだよね……」

愛依「戦う……そっか、そうだよね……」

愛依「モノクマが途中でコロシアイを投げ出すなんて、そんなんありえないか……」

咲耶「要領を得ないね、円香が見たという面白いものの正体を早く聞かせてもらえないかい?」

円香「……せっかちですね」

凛世「モノクマさんと、円香さんのお話に何か関連があるのでしょうか……」

めぐる「もー、早く本題に入ってよ!」


樋口さんの話にやきもきする私たちの様子を見ると、
樋口さんは満足したのか、また元の無表情に戻って冷たい口調で言い放った。


円香「結論から言う」

47: ◆zbOQ645F4s 2021/04/01(木) 22:12:36.91 ID:hCqXwXeT0





円香「私たちの中に、黒幕側の人間がいる」






48: ◆zbOQ645F4s 2021/04/01(木) 22:14:17.76 ID:hCqXwXeT0

(……!?)

灯織「……え?」


樋口さんの発した言葉の意味が暫く分からなかった。


円香「もう一度言う?」

円香「私たちの中に、黒幕側の人間がいる」


急激に火照る肌を、汗が撫でた。
樋口さんが口にしたのは、これまで考えもしなかった事実。
いや、あってはならない事実だからこそ……
考えようとする気もわかなかったというべきか……
それだけ、根底を覆すような一言だった。


めぐる「ま、待ってよ……何を言ってるの、円香?」

凛世「あ、ありえません……そのような、ことなど……」

円香「……説明、いる?」

めぐる「いるよ!いるいる!そんなの……円香の言葉だけじゃ信じられないって!」

49: ◆zbOQ645F4s 2021/04/01(木) 22:16:37.12 ID:hCqXwXeT0

円香「オッケー。それじゃあ全部話す、それで決めて」

円香「昨日の夜時間、私は美術室で物色中でした」

咲耶「……物色とはね」

摩美々「何をしてたか……いや、やっぱいいや」

円香「お察しの通り」

円香「あの部屋には彫刻刀やハンマーなど、使えそうなものがたくさんありますから」

霧子「円香ちゃん……何か、作品を作りたかったのかな……?」

愛依「そんな隠れて作らなくてもうちら馬鹿になんかしないよ!?」

摩美々「……」

円香「……で、あらかた目を付けたので美術室を出ようとしたとき。美術倉庫の方から話声が聞こえて来たんです」

灯織「……話し声、ですか?」

50: ◆zbOQ645F4s 2021/04/01(木) 22:17:49.60 ID:hCqXwXeT0
-------------------------------------------------

モノクマ「はーいお疲れさーん、どうだった?西城さんの処刑の後のみんなは?」

???「…………」

モノクマ「ふーん、別にみんな凹んでなかったしそんなもんか」

???「…………」

モノクマ「やっぱり彼女の活躍が大きいんだね。ボクもみんなも予想外だったわけだけど、すごくいい感じだ。彼女のおかげだよね」

???「…………」

モノクマ「次の動機?それはまだ言えないよ!大丈夫大丈夫、絶対コロシアイはまた起こるんだからさ、心配する必要はないよ!」

???「…………」

モノクマ「そうそう、とっておきのやつが残ってるからね!」

-------------------------------------------------

51: ◆zbOQ645F4s 2021/04/01(木) 22:19:03.11 ID:hCqXwXeT0

智代子「ちょ、ちょっと待ってよ!な、なにこの会話……」

智代子「モノクマは誰と話してるの?!」

円香「……さあ?」

灯織「……え?」

円香「生憎だけどモノクマが話してた相手までは。モノクマは特徴的なダミ声だから聞こえただけ、ドア越しなら会話なんて聞こえない」

甘奈「え、で、でも……今の話って……」

甘奈「モノクマと同じ、コロシアイの黒幕側の人間だよね……?」

円香「さっきも言ったでしょ?あなたたちの中に黒幕側の人間がいるって」

灯織「違う……!そんな、私たちの中にいるかどうかなんてまだわからないですよ……!」

めぐる「そうだよ、今の話じゃ……!」

円香「話はまだ終わってない」

灯織「……え?」

52: ◆zbOQ645F4s 2021/04/01(木) 22:21:00.39 ID:hCqXwXeT0

-------------------------------------------------

モノクマ「にしてもキミがいてくれて本当助かるよ!ボクの視力はマサイ族並みとはいえ、限界があるからね」

???「…………」

モノクマ「ん?ああ、そうだよ。キミにはこの調子でお願いするから……その調子でみんなの様子をボクに伝えてよね」

モノクマ「やっぱコロシアイを主催する側として、活かせる情報を見逃すわけにはいかないからね、逐一教えてもらわないと!」

???「…………」

モノクマ「うんうん、頼んだよ。それじゃあ早いとこ戻ってくれる?夜時間とはいえ、不在でバレる可能性もあるしさ」

???「…………」

モノクマ「はーい、お疲れー。ほんじゃ、またねー」

-------------------------------------------------

53: ◆zbOQ645F4s 2021/04/01(木) 22:22:16.63 ID:hCqXwXeT0

(……は?)

円香「わかったでしょ?モノクマと話してた相手……黒幕側の協力者」

円香「いわば裏切り者はあなた方の中に紛れ込んでいる」


違う。そんなわけない。
だって、私たちは既に二度のコロシアイを生き抜いてきた仲間なんだ。


甘奈「嘘、だよね……?」

愛依「ないない……そんなん、うちは……信じないから……」

めぐる「うらぎり、もの……?」


それなのに、黒幕と同じ……
コロシアイを企んでいる人間がこの中にいるわけ……


円香「灯織」

灯織「……な、なんですか」

円香「どう?この場にいるお仲間のうち一人は……灯織の言う【絆】を前提から否定するような存在みたいだけど?」

灯織「……!?」

円香「……笑える。どれだけ灯織がお仲間を信じようともそのお仲間ははなっから協力する気がないなんて」

54: ◆zbOQ645F4s 2021/04/01(木) 22:23:30.49 ID:hCqXwXeT0





摩美々「はいストップー」






55: ◆zbOQ645F4s 2021/04/01(木) 22:25:22.23 ID:hCqXwXeT0

灯織「ま、摩美々さん……?」

摩美々「みんな学級裁判で何を学んだんですかー?」

摩美々「この学園で生き残っていくために必要なのは、真実を見つけ出すことですよねー?」

円香「……は?」

摩美々「円香の話しか根拠はないのに、鵜吞みにする必要ありますー?」

(……!!)

円香「……まあ、好きにすればいいですが」

摩美々「お言葉に甘えて好きにさせてもらっちゃいまーす、ねー、灯織―」

(ま、摩美々さん……)

(……そうだ。ここで私が認めてしまうわけには、いかない)

(私は、自分のためにも……みなさんのためにも、否定をしなければ……!)

灯織「そうですね……私も摩美々さんと同じく、信憑性には欠けると思います」

智代子「そ、そうだよね……裏切り者なんか、いるわけないよね……」

56: ◆zbOQ645F4s 2021/04/01(木) 22:27:28.34 ID:hCqXwXeT0

灯織「だって考えてもみてください……裏切り者が本当に要るのなら、私たちの結束をもっと邪魔するはずじゃないですか?」

めぐる「そ、そうだよ!コロシアイをさせたいんだったら、こんな風に集まるのだって妨害するはずだよ!」

灯織「大体あのモノクマに協力するメリットがないですよ」

灯織「モノクマのようにコロシアイを心から熱望するような人……私たちの中にはいないですよ!」


そう、私たちには283プロで共に過ごした歴史の積み重ねがある。実感がある。
一緒に夢を追った仲間たちなんだ……その内面だって知り尽くしている。
そんな裏切りなんて、ありえない!


雛菜「まあ円香先輩って、雛菜たちと敵対してるみたいなものだから~、不安を掻き立てるためだけの作り話って可能性もありますもんね~」

円香「……雛菜、あんたは」

雛菜「べ~!!!雛菜は円香先輩と話す時間なんてありませ~ん!」

摩美々「よくできた話だよねー、円香小説家でも目指したらー?」

円香「……それが、あなたたちの選択?」

凛世「円香さん、凛世たちは……仲間を信じます」

凛世「凛世たちは、揺らぎません……!」

霧子「そうだよ……わたしたちは、裏切ったりなんか……しないよ……」

57: ◆zbOQ645F4s 2021/04/01(木) 22:29:06.75 ID:hCqXwXeT0

円香「……はぁ」


樋口さんは私たちに辟易とした様子でため息を一つつくと、食堂から姿を消した。


(作り話、そう思うしかない……)

(でも、樋口さんの語り口は、妙なリアリティがあった……)

(……ダメ、考えちゃダメ)


摩美々「……さ、円香も帰ったし解散しますかー」

愛依「今の話、ウソ……なんだよね」

咲耶「……ああ、当然さ」

甜花「甜花……甜花は、信じない……」

摩美々「考えるだけ無駄だってー」


全員、信じないという言葉を別れの言葉にそれぞれへの個室へと戻った。

……私も、信じない。裏切り者なんて、そんなの……あってはならないんだから。

58: ◆zbOQ645F4s 2021/04/01(木) 22:31:41.57 ID:hCqXwXeT0

【灯織の部屋】

裏切り者……あの話は嘘なんだ。
間違いない。樋口さんの、私たちをばらばらにするための策略。

……それなら、私たちはより結束を強固にして立ち向かわないと。

今の私にできることは、これだ。


【自由行動開始】

灯織「さて、どうしようかな」

-------------------------------------------------
1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在のモノクマメダル…61枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1

59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/01(木) 22:32:08.67 ID:Py3cVXuo0
2雛菜

60: ◆zbOQ645F4s 2021/04/01(木) 22:37:35.91 ID:hCqXwXeT0
2 雛菜選択

【娯楽室】

灯織「市川さん……今、お暇ですか?」

雛菜「ん~?あ~、こんにちは~」

雛菜「雛菜に何か用ですか~?」

灯織「も、もしよろしければ一緒に過ごさせていただいても……?」

雛菜「え~?う~ん……」

(……な、何を悩むことがあるんだろう)

(も、もしかしてなにか失礼をしてしまった?!だとしたら?!)

雛菜「オセロでもやります~?」

(よ、よかった……ただゲームで悩んでいただけだった……)


市川さんとオセロで遊ばせていただいた……

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
・現在の所持品
【ミネラルウォーター】
【ルアックコーヒー】
【ローズヒップコーヒー】
【虹色の乾パン】
【色恋沙汰リング】×2
【ツルカメダイヤモンド】
【ブルベリの香水】
【スカラベのブローチ】×3
【あしたのグローブ】
【おでこのメガネ】×2
【新品のサラシ】
【もちプリのフィギュア】
【高級チンチラシート】
【残鉄剣】
【むらまさ】
【狂戦士の鎧】
【昭和ラジオ】
【水晶のドクロ】
【黄金のスペースシャトル】
【月の石】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【蝶ネクタイの変声機】
【古代ツアーチケット】×2
【もしもFAX】
【キャットドッグプレス】
【隕石の矢】
【アゴドリル】
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ジャスティスV変身ベルト】
【ダンベル君主論】
【冬優子ちゃん育成キット】

1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない

↓1

61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/01(木) 22:46:22.58 ID:3G/t8N8Q0
1.ブルベリの香水

62: ◆zbOQ645F4s 2021/04/01(木) 22:55:04.08 ID:hCqXwXeT0

【ブルベリの香水】を渡した…

灯織「い、市川さん……どうでしょう、香水なんですが」

雛菜「あ~、ありがとうございます~」

雛菜「確かにいい匂いですね~」

灯織「で、ですよね!清涼感がある香りで、爽やかな印象……」

雛菜「でもこれ、パパの香水にそっくりな匂いですね~」

灯織「……え?」

雛菜「これ、男性用香水じゃないですか~?」

灯織「えっ?!?!?し、失礼しました!!」

-------------------------------------------------

灯織「い、市川さん……あの、この前の裁判では」

雛菜「ん~?」

灯織「そ、その……樋口さんとは、結局どういう状態になられたのでしょうか」

雛菜「……」

灯織「樋口さんと、その……仲たがいしたような形に、見受けられましたので……」

雛菜「……」

灯織「し、失礼しました……!差し出がましい真似を……!」

雛菜「言う通りですよ~、そのまま~」

雛菜「雛菜は円香先輩と文字通り絶交したので~」

灯織「ぜ、絶交?!」

雛菜「当たり前でしょ~?だって円香先輩は透先輩と小糸ちゃんの気持ちを……理解しようともしてなかったんですから~」


1.本当にそうでしょうか……?
2.仲直りする気はないんですか?
3.自由安価

↓1

63: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/01(木) 22:58:31.32 ID:Py3cVXuo0
2

64: ◆zbOQ645F4s 2021/04/01(木) 23:09:16.65 ID:hCqXwXeT0
2 選択

灯織「その……市川さんは仲直りをする気はないんでしょうか……?」

雛菜「仲直りですか~?」

灯織「市川さんと樋口さんの関係性って……ここにいる誰よりも深い関係性、だと思うんです」

灯織「幼馴染として積み重ねた時間は……私たちユニット同士のつながりよりも濃い、と思うのですが」

雛菜「まぁそれはそうですけど」

灯織「い、市川さん……?」

雛菜「だからこそ、この前の事件での円香先輩は許せないんですよ」

灯織「……そう、ですよね」

雛菜「透先輩の気持ちも、小糸ちゃんの気持ちもわかってない……むしろそれを踏みにじってましたよね?」

灯織「……い、いえ……その……」

雛菜「雛菜には、今の円香先輩がわからないんですよね~」

雛菜「それと雛菜自身のことも」

灯織「……え?」

雛菜「雛菜は、円香先輩のことどうしたいんですかね~」

灯織「え、あっ!ちょっと……!」


市川さんは機嫌を悪くしたのか、その場を離れてしまった……
絶対に、市川さんと樋口さんの関係性も今のままじゃいけない……
それは、そうなんだけど……

私に何かできるのかな……?


【親愛度が上昇しました!】

【福丸小糸の現在の親愛度…2.5】

65: ◆zbOQ645F4s 2021/04/01(木) 23:10:47.15 ID:hCqXwXeT0
【灯織の部屋】

市川さんと樋口さんのことを考えながら部屋に戻ってきた……

(喧嘩、なんて次元の話じゃないんだよね……)

(根源的な部分にできてしまった蟠り……どうすればいいんだろう)

【自由行動開始】

(さて、もう少しぐらいは行動する時間があるかな?)

-------------------------------------------------
1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在のモノクマメダル…61枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1

66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/01(木) 23:19:04.21 ID:YJvEvu120
2 市川

67: ◆zbOQ645F4s 2021/04/01(木) 23:23:15.82 ID:hCqXwXeT0
2 雛菜選択

【雛菜の部屋】

ピンポーン

雛菜「……は~い」

灯織「あ、あの……市川さん、先ほどは」

雛菜「……なんですか~?」

灯織「す、すみませんでした!必要以上に踏み込んだ真似を……デリケートな問題のはずなのに……!」

雛菜「……別に気にしてないんでいいですよ~」

雛菜「それより、雛菜の部屋の前であんまりこういう話はしたくないので~」

(あ……ここで騒いでたら他の皆さんに見られてしまう……そっか、そうだよね)

灯織「す、すみません!配慮が届かず……!」

雛菜「とりあえず散歩でもしながら話します~?」


市川さんと散歩しながら平謝りした……

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
・現在の所持品
【ミネラルウォーター】
【ルアックコーヒー】
【ローズヒップコーヒー】
【虹色の乾パン】
【色恋沙汰リング】×2
【ツルカメダイヤモンド】
【スカラベのブローチ】×3
【あしたのグローブ】
【おでこのメガネ】×2
【新品のサラシ】
【もちプリのフィギュア】
【高級チンチラシート】
【残鉄剣】
【むらまさ】
【狂戦士の鎧】
【昭和ラジオ】
【水晶のドクロ】
【黄金のスペースシャトル】
【月の石】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【蝶ネクタイの変声機】
【古代ツアーチケット】×2
【もしもFAX】
【キャットドッグプレス】
【隕石の矢】
【アゴドリル】
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ジャスティスV変身ベルト】
【ダンベル君主論】
【冬優子ちゃん育成キット】

1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない

↓1

68: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/01(木) 23:24:01.44 ID:Py3cVXuo0
1【高級チンチラシート】

69: ◆zbOQ645F4s 2021/04/01(木) 23:28:07.73 ID:hCqXwXeT0

【高級チンチラシート】を渡した…

灯織「あ、あの……こちらお詫びのしるしといいますか……」

雛菜「……これって?」

灯織「毛皮を使用した座り心地のよいシートです……かつて王族が使用していたのと同じモデルと聞きました」

雛菜「なんかすごいですね~」

雛菜「わっ、フカフカ~

70: 途中送信すみません… ◆zbOQ645F4s 2021/04/01(木) 23:35:32.03 ID:hCqXwXeT0
【高級チンチラシート】を渡した…

灯織「あ、あの……こちらお詫びのしるしといいますか……」

雛菜「……これって?」

灯織「毛皮を使用した座り心地のよいシートです……かつて王族が使用していたのと同じモデルと聞きました」

雛菜「なんかすごいですね~」

雛菜「わっ、フカフカ~!これだったら何時間座っても大丈夫かも~!」

(よ、よかった……)

雛菜「ありがとうございます~、またよろしくお願いしま~す」

-------------------------------------------------

(……さっきは、市川さんの機嫌を損ねてしまった)

(樋口さんとのことは気になるけど、直接言及しない方がいいかも)

灯織「市川さん、その……」

雛菜「ん~?」

灯織「えっと……その……」

(ダメだ……わ、話題が出てこない……!)

雛菜「あの~」

(市川さんとはこの学園に来るまで交流もまだそこそこだったし……今は状況が状況)

雛菜「あの~」

(当たり障りのない……楽しい話題を提供しなければ!)

雛菜「もしも~し!」

灯織「い、市川さん?!」

雛菜「あの……そんな気を使わなくていいですよ~?雛菜も仲間の一人なんで~」

雛菜「それよりむしろ、雛菜から質問してもいいですか?」

灯織「し、質問……ですか?」

雛菜「小糸ちゃんと……仲良かったんですよね~?」

(……!!)

雛菜「小糸ちゃんのこと……どう思います?」


1.小糸は私の友達です
2.小糸には勇気をもらいました
3.自由安価

↓1

71: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/01(木) 23:48:28.32 ID:3G/t8N8Q0
1

72: そろそろ終了します ◆zbOQ645F4s 2021/04/01(木) 23:56:54.27 ID:hCqXwXeT0
1 選択

灯織「……小糸は私の友達です」

雛菜「……ふ~ん」

灯織「この学園に来たとき、私と小糸はまだお互いのこともよく知らないで、おたがい人見知りで……」

灯織「全然、仲良くはなかった……と思います」

雛菜「小糸ちゃん、あんまりそういう話聞きませんでしたしね~」

灯織「でも、何度も会話をするたびに、小糸には強い芯があって……思いやりもあって……」

灯織「見習うべき点の多い、すごい人なんだって……」

灯織「大切にしたい友達なんだって思うようになっていって……」

雛菜「……」

灯織「小糸は、命を落としてしまいました……それでも、私の胸の中で生き続ける最高の友達の一人であることには変わりありません」

(ど、どうだろう……割と赤裸々にすべてを話してしまったけど……)

灯織「い、市川さんの聞きたかった質問にそぐわなかったでしょうか……」

雛菜「ううん、ありがとうございました~」

雛菜「小糸ちゃん……本当に、強くなってたんだね」

灯織「市川さん?今何か……?」

雛菜「なんでもないです~!それより、話聞かせてもらったので、お礼に何かしないとですね~」

灯織「え?!お、お礼なんてそんな……っ!」

雛菜「また今度、何か用意しときますね~」


【親愛度が上昇しました!】

【福丸小糸の現在の親愛度…4.0】

-------------------------------------------------

【スキル:一番星の魔法を発動できます】

【モノクマメダルを10枚消費することにより、本日の自由行動をもう一度だけ追加することができます】

【現在のモノクマメダル 61枚】

【スキル:一番星の魔法】を使用しますか?
↓1

73: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/01(木) 23:58:16.50 ID:Py3cVXuo0
使う

74: この行動指定でおしまいです ◆zbOQ645F4s 2021/04/02(金) 00:00:15.75 ID:nhXa7SMD0
【スキル:一番星の魔法を使用しました】

【現在のモノクマメダル…51枚】

-------------------------------------------------

【灯織の部屋】

市川さんとお話をして自分の部屋に戻ってきた……

(市川さんにお礼をもらう……?)

(一体、どんなものが……?)

【自由行動開始】

(さて、もう少しぐらいは行動する時間があるかな?)

-------------------------------------------------
1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在のモノクマメダル…61枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩


75: 途中送信… ◆zbOQ645F4s 2021/04/02(金) 00:00:46.81 ID:nhXa7SMD0

-------------------------------------------------
1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在のモノクマメダル…51枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1

77: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/02(金) 00:19:21.13 ID:NXrtwbB10
2雛菜

えっと親愛度の表記が、福丸小糸になっているのと2回目プレゼント成功していれば4.5ではないでしょうか

83: ◆zbOQ645F4s 2021/04/05(月) 22:03:48.58 ID:dNWZ7uNU0
2 雛菜選択

【食堂】

雛菜「ん〜?あ、ここ座ります〜?」

灯織「い、市川さん……もう晩ご飯は済まされたんですか?」

雛菜「まだですけど……」

雛菜「……」

灯織「……」

雛菜「一緒に食べます〜?」

灯織「は、はい……ぜひ……」

雛菜「あは~?」

(かなり考えた末に誘っていただけた……)

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
・現在の所持品
【ミネラルウォーター】
【ルアックコーヒー】
【ローズヒップコーヒー】
【虹色の乾パン】
【色恋沙汰リング】×2
【ツルカメダイヤモンド】
【スカラベのブローチ】×3
【あしたのグローブ】
【おでこのメガネ】×2
【新品のサラシ】
【もちプリのフィギュア】
【残鉄剣】
【むらまさ】
【狂戦士の鎧】
【昭和ラジオ】
【水晶のドクロ】
【黄金のスペースシャトル】
【月の石】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【蝶ネクタイの変声機】
【古代ツアーチケット】×2
【もしもFAX】
【キャットドッグプレス】
【隕石の矢】
【アゴドリル】
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ジャスティスV変身ベルト】
【ダンベル君主論】
【冬優子ちゃん育成キット】

1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない

↓1

84: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/05(月) 22:08:50.16 ID:zPGvLSxg0
1渡す【月の石】

86: ◆zbOQ645F4s 2021/04/05(月) 22:15:31.39 ID:dNWZ7uNU0
【月の石】を渡した…

灯織「市川さん、こちらどうでしょうか……」

雛菜「え~……石じゃないですか?」

灯織「石は石でも、月面でとれた石らしいんです」

雛菜「あは~?」

灯織「月面の石は場所ごとに成分も異なっていて…これは『静かの海』でとれたものだそうです」

雛菜「そうなんですね~」

雛菜「ロマンってやつですか~?」

灯織「……!は、はい!その、ロマンを感じていただければと」

雛菜「そういうのって円香先輩がすきそうですよね~」

灯織「え、あ……そ、そうかも、しれないですね……」

雛菜「一応雛菜、もらっときますね~」

灯織「……」

-------------------------------------------------

雛菜「はいコレ〜!」

灯織「えっ?!い、市川さん?!こ、これってどうしたんですか?!」

雛菜「クッキー焼いたんですよ〜?この前小糸ちゃんの話聞かせてもらったのでそのお礼です〜」

(そういえば、そんなことを言っていた気もするけど……)

灯織「あ、ありがとうございます……これは……市川さんが、手作りで……?」

雛菜「小糸ちゃんが、前ハロウィンの時に焼いてくれて、その時に教わったんですよね〜」

雛菜「……」

(じっと私の顔を見ている……味の感想を求めているんだろうか)

灯織「……い、いただきます」

灯織「……」

灯織「美味しいです、口触りが良くて指が進みますし、サクサクとした食感も抜群です」

雛菜「あは〜?」

灯織「クッキーの形も、市川さんのお好きなキャラクター……ユアクマ、でしたよね?」

雛菜「よく知ってますね〜、可愛いですよね〜」

灯織「は、はい!とても!」

雛菜「やは〜!」

(私の拙い感想を飛び跳ねたり身振り手振りで喜んでくれる市川さん)

(……ただ、市川さんのこの憂いげな表情はなんなんだろう)

雛菜「雛菜の顔に何か付いてます〜?」


1.無理、なさってないですか……?
2.やはり、小糸のことが引っかかってらっしゃるんですか……?
3.自由安価

↓1

87: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/05(月) 22:23:01.32 ID:zPGvLSxg0
1

88: ◆zbOQ645F4s 2021/04/05(月) 22:40:53.39 ID:dNWZ7uNU0
1 選択

灯織「無理、なさってないですか……?」

雛菜「え~?」

灯織「その、市川さんは……私たちと交流を、あまり好ましく思っていない印象があったので……」

(この学園に来た直後もまだそうだった……)

(口では明らかな態度にしていなかったが、私たちとの間に明確な線引きをしていたような……)

(なのに、今の市川さんはむしろ距離を詰めようとすらしている印象を受ける)

雛菜「そんなことないですよ~!雛菜そんなに変わった風に見えますか~?」

(その原因は、小糸のことだろう……)

(この前も私に小糸とのことを訪ねてきたように……)

(私たちとの距離感で思うところがあったんじゃないかな……)

灯織「……その、私が言えたことではないと思うんですが」

灯織「別に、無理やり前に進む必要はないと思います」

雛菜「……」

灯織「あの……?」

雛菜「雛菜は、透先輩が死んじゃって……もう前にも後ろにも進めなくなっちゃった」

雛菜「小糸ちゃんは、それでも一生懸命前を向いててすっごく偉くて……」

雛菜「でも、雛菜は小糸ちゃんの頑張りを横で見るしかできなくて……」

雛菜「雛菜が小糸ちゃんの想いを受け継ぐとしたら、雛菜も頑張るしかないのかなって……」

灯織「市川さん……」

灯織「……でしたら、私にそのお手伝いをさせてもらえませんか」

雛菜「え?」

灯織「そばで、見ておくくらいはできますから」

雛菜「……優しいんですね~」

(市川さんはそういうと会釈を一つして去っていった)

(市川さんの中で起きている変化……それを私も見届ける必要があると思う)

【親愛度が上昇しました!】

【市川雛菜の現在の親愛度…5.5】

89: ◆zbOQ645F4s 2021/04/05(月) 22:44:03.97 ID:dNWZ7uNU0
___

_____

_______


【灯織の部屋】

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより、“夜時間”になります。間もなく、食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま~す』

モノクマ『ではでは、いい夢を。おやすみなさい…』


夜時間のチャイム。
今日もそろそろ寝ようかとベッドに向かって足をうごかしたその時、インターホンが鳴った。


ガチャ

灯織「はい……?」


そこに立っていたのは、摩美々さんだった。


摩美々「ちょっと今……いいー?」


その声色は淡々としており、いつもの私をからかう時のそれとは大きく異なっていた。
並みならぬ様子に気おされた私はそのまま摩美々さんを部屋へとあげた。

90: ◆zbOQ645F4s 2021/04/05(月) 22:46:00.23 ID:dNWZ7uNU0

灯織「どうしたんですか?摩美々さん……め、珍しいですね」

摩美々「まぁねー……」


摩美々さんは言葉に困っているのか、しばらくツインテールを指先でいじっていた。
こんな時間にわざわざ訪問するのに、言葉に詰まる……
それなら話題は……


灯織「裏切り者……の件でしょうか」

摩美々「……わかるー?」

灯織「わざわざ個室に上がってってことは他の人に聞かれたくないということですから……」

摩美々「……だいぶ灯織も察しが良くなってきたよねー」

灯織「それ、どういう意味なんですか……」

摩美々「この学園生活に慣れて来たんじゃないのー?」

灯織「や、やめてください……そんなの……」

摩美々「……ごめん」

摩美々「……で、本題なんだケド、灯織はどう思ってる?」

灯織「どう……と言いますと」

摩美々「裏切り者、いると思う?」

(……!!)


摩美々さんの言葉は真っすぐだった。おふざけなんて一つもない。
私の真意を聞きたがっている。

……なら、隠すわけにはいかない。

91: ◆zbOQ645F4s 2021/04/05(月) 22:51:08.91 ID:dNWZ7uNU0

灯織「……可能性の完全な否定は、難しいかと思います」

摩美々「……やっぱりそう思うよねー」


ほんの少しだけ、本当にわずかな可能性として……
裏切り者がいる可能性は、あると思う。
そのことを私はこの瞬間まで隠していた。


灯織「この大規模なコロシアイ……単独犯で運営する方が無理がありますから」

灯織「それに、樋口さんの作り話にしては突飛すぎます……」

摩美々「……だよねー」


あの時は咄嗟に強く否定したけれど、この学園において絶対はない。
むしろ自分にとって不都合で信じたくないものの方がこの学園では実現してしまう。
それを痛いほど知っているから。


灯織「……無いとは、思うんですが」


自分でもその口調の弱さが感じ取れた。


摩美々「……私も、裏切り者はいると思うんだよねー」

灯織「ま、摩美々さん……?」

摩美々「てゆーか、最初から思ってたみたいなー……」

灯織「最初から……ですか?」

摩美々「モノクマの狙いはコロシアイの中でも私たちを仲間割れさせることなのはなんとなく感じ取れるでしょー?」

摩美々「だったら、内実を良く知っておかないと……情報を絶えず取り入れないと駄目だと思うんだよねー……」

灯織「……」

92: ◆zbOQ645F4s 2021/04/05(月) 22:52:40.56 ID:dNWZ7uNU0

摩美々「ごめん……全員が全員、絶対に裏切り者がいないって思ってたらキケンじゃーん?だから確認しとこうかなって思ってー」

灯織「い、いえ……摩美々さんのおっしゃる通りですから」

摩美々「……それでも、不安を抑えてくれてありがとうね灯織ー」

灯織「……え?」

摩美々「朝、食堂でー。私に合わせてくれたでしょー」

灯織「あ、あれは……」


摩美々さんの言葉にただ私は乗っかっただけだ。
あそこで樋口さんに圧されていたら、まずい。ただその一心だったから。


摩美々「ふふー、やっぱり灯織はリーダーに向いてるよー」

灯織「り、リーダーだなんて……」


摩美々さんは私の謙遜の言葉を背中に浴びながら扉へ向かっていき、その手をドアノブにかけた。


摩美々「今から寝る所だったの、邪魔してごめんねー」

灯織「ま、摩美々さん……いえ、気になさらないで下さい」

摩美々「明日からも頑張ろうねー」


摩美々さんはそのまま部屋を後にした。

93: ◆zbOQ645F4s 2021/04/05(月) 22:54:58.64 ID:dNWZ7uNU0

摩美々さんを見送り、ベッドに突っ伏す。
実際のところ、裏切り者の真偽はわからない。

……ただ、勘ではあの話は真実だ。

可能性の砂粒一つ一つまで疑っても足りないくらい、
この学校は、この日常は歪んでいるから。

目をつむればモノクマの邪悪な笑い声が頭に響くよう。

疑念と不安のスパイラル、それが浮かび上がることを止めることはできなかった。



……その日は眠りにつくまで時間がかかった。

94: ◆zbOQ645F4s 2021/04/05(月) 22:56:32.77 ID:dNWZ7uNU0
___

_____

_______


【灯織の部屋】

キーンコーンカーンコーン……

モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』


朝だ……
とりあえずは食堂に行かないと

朝を告げるアナウンスが鳴り、いつも通りに部屋を出ようとしたんだけど……

_____ガチャガチャ

……あれ?
いや、鍵を閉めて寝たのはそうなんだけど……
鍵を開けても何かが引っかかっていて開かない。
おかしいなと首を傾げ、何回も何回もドアノブを下ろしてみても一向に扉は開かない。


灯織「ま、まさか……」


誰かに襲われてる……?!
この部屋は完全防音、内側から助けを呼ぶことはできない。もしもこのまま扉が開かなかったら、いずれ餓死してしまう……?
それを誰かが狙って、私を標的にでもしているのなら……?


灯織「開いて!開いて!」

______ガチャガチャ!ガチャガチャ!

95: ◆zbOQ645F4s 2021/04/05(月) 22:57:55.38 ID:dNWZ7uNU0

モノクマ「ちょっと!何やってんのさ、ステイだよステイ!」

灯織「うわっ?!」


部屋には自分以外誰もいないと思っていたために自分でも想像以上の声が出た。
そうだった……モノクマは学園内ならいつでもどこでもすぐに現れることができるんだった。


灯織「も、モノクマ……ドアが開かないんです!」

モノクマ「そりゃそうだよ!ボクが閉めてるんだから!」

灯織「え……?」

モノクマ「風野さんも持ってるマニュアルキーとは別に、中央制御のロックキーがあるの!今はボクが風野さんの部屋をそれで閉鎖してるってわけ!」

灯織「な、なんだよかった……」

(いや良くないけど!)

モノクマ「まあまあ、ボクからのお話を聞いてくれたらすぐに開放するからさ。ちょっとの辛抱だよ」

そういうとモノクマはどこに仕舞い込んでいたのか、両腕で抱え込むぐらいの大きさのプレゼントボックスを持ち出した。

モノクマ「じゃじゃーん!これはボクからの気持ちだよー!」

灯織「は、はぁ……」

モノクマ「風野さんのためにボクが三日三晩考え抜いたプレゼントだよ、喜んでくれると嬉しいな!」


そういって無理やり私に手渡したプレゼントとやらは見た目のわりには軽い。
それに持ち上げるとカラカラという音がした。


モノクマ「ほら、見て見て!」


モノクマに促されるままにその箱を開けてみると……

96: ◆zbOQ645F4s 2021/04/05(月) 22:59:33.59 ID:dNWZ7uNU0

灯織「水晶玉……?」


球の形に加工された透き通った物体。
台座に使ってくれと言わんばかりの紫紺の布地の上に鎮座してあった。


モノクマ「そう!ほら、入学したときにボクがオマエラの才能を考えてあげたでしょ?」

灯織「そういえばそんなのもありましたね……」


希望ヶ峰学園に閉じ込められた初日。モノクマに手渡された電子生徒手帳にそんな項目があったような気もする。
【才能】なんて銘打ってはいたものの、私たち等の本人にはそれを裏付けるようなものも無いので完全に忘れ去っていた。


モノクマ「ほら、必死に考えた割にあれが死にステになっちゃってるのがもったいないと思ってさ!少しでもその才能を発揮してもらいたいと思ってまずは形から入ることにしました!」

灯織「それで、水晶玉ですか……」

モノクマ「うぷぷぷ……どう?未来とか過去とか見えてこない?」

灯織「以前も話した通り私は別に占いができるわけでは……」

モノクマ「えー?せっかく超高校級の占い師本人が使ってたのと同じモデルのを用意したのにー?」

灯織「前からちょくちょく言ってますけどそれ誰なんですか…?」

モノクマ「どんな占いでも必ず3割の確率で的中させちゃう占い師がいたんだよ……」

灯織「さ、3割ですか……」

(すごいのかそうじゃないのか微妙なラインだ……)

97: ◆zbOQ645F4s 2021/04/05(月) 23:00:58.77 ID:dNWZ7uNU0

モノクマの言動は理解に苦しむものばかりだけど、この超高校級というワードは頻出の割に聞き馴染みもない。
それなのにモノクマの口ぶりはあたかもそんな人間が実在したかのようで……

まあ、モノクマの話なんてまともに聞く必要はないとは思うんだけど……


モノクマ「確か彼はその水晶を一億円出して買ったとか言ってたっけね!」

灯織「い、い、一億円?!」


手に持っていたガラスのような軽さの球体が一気に重くなったように感じる!
これ以上手に持っていることに耐えられず、私は箱の中に水晶玉を戻した。


モノクマ「やれやれ、ゲンキンだなぁ風野さんも」

灯織「い、一億なんて言われて冷静じゃいられませんよ……」

モノクマ「もう、売れっ子アイドルになれば一億何て端金でしょ?こんなんに動揺してちゃダメだよ?」

灯織「無理ですよ……」


そ、そんな一億円の価値のある代物をポンと渡してきたってことなの……?
モノクマの財力は一体どこから……

98: ◆zbOQ645F4s 2021/04/05(月) 23:03:29.66 ID:dNWZ7uNU0

モノクマ「まあそういうわけで、ボクからのプレゼントを有効に使って存分に才能磨いチャイナ!」

モノクマ「才能が成熟した暁にはそのプレゼントも活用して殺しチャイナ!」

灯織「結局はそこに行き着くんですね……」

モノクマ「そりゃね、これが今回の【動機】でございますから!」

灯織「【動機】……」


真乃の時の『秘密』、樹里の時の『仲間』……
モノクマはこれまでに二回私たちを犯行へと焚きつけるための【動機】を用意していた。
どちらも悪意に満ちて、残酷なものだったけど……

______今回は、この水晶玉?


灯織「……何を考えてるんですか?」

モノクマ「んー?」

灯織「これを渡されたからと言って、殺意も何も抱くとは思えませんけど……」

モノクマ「まあ確かにすぐには動機には結びつかないかもね!」

灯織「……というと?」

モノクマ「もっと多面的に見るんだよ、例えばその安物のガラス玉!ボクは占いに使う道具って言ったけど、人に投げて当てれば十分な凶器だよね!」

灯織「……!!」


99: ◆zbOQ645F4s 2021/04/05(月) 23:06:23.13 ID:dNWZ7uNU0

モノクマ「布で包んでぶん回したら撲殺にも使えちゃう!あらやだ便利!」

モノクマ「風野さん以外のみんなにも才能にまつわるプレゼントをお渡ししております!他のみんなは一体どんなプレゼントもとい凶器をもらったのかな?」


モノクマの狙いが見えてきた……
モノクマは全員に凶器を握らせることこそが目的だった。


モノクマ「うぷぷぷ……」

これまでの動機で揺さぶりをかけられても耐えてきた私たち、それに突然凶器を渡すことで精神をコロシアイという場に無理やり持ってこようとした。

他の人が手に入れたものが、もし殺害に使われたら……
自分のもらったプレゼントで可能になる殺害方法が、有効だったら……

そうやって疑心暗鬼を引き起こす、そんな企みだ。


モノクマ「まっ、好きに使用方法は考えて頂戴よ、ストレートにそれで誰かを呪い殺したりなんかもいいかもね!ばいばーい!」


……だとしても、些か周りくどすぎるような気もする。
特に前回の【動機】のビデオ……
あれが直接殴りつけるほどの衝撃のものだった後。
比べてしまうと本気で私たちにコロシアイをけしかける意思があるのかを疑いすらしてしまう。

______でも、油断するわけにはいかないのも重々承知。


ひとまずモノクマも去って部屋から出ることもできるし、この一件は皆さんと共有して対策を考えよう。

……流石に一億円の水晶を持って出歩くのは恐ろしいので、部屋に残したまま。

100: ◆zbOQ645F4s 2021/04/05(月) 23:08:54.32 ID:dNWZ7uNU0
-------------------------------------------------
【食堂】


食堂に着くと、まばらな集まり方をしていた。
いつも早くに来ている凛世がいなかったり、割と遅めな集まりの甜花さんが既に来ていたり……
すこし新鮮な光景だ。


霧子「おはよう、灯織ちゃん……」

灯織「霧子さん、おはようございます……あの、これはまた、どういった状況なんでしょうか……」

愛依「多分みんな理由は一緒だと思う!灯織ちゃんもついさっきまでモノクマに捕まってたんでしょ!」

灯織「え……はい、そうなんです。もしかして皆さんも?」

甜花「うん……なーちゃんと一緒にゆっくり寝てたら、突然モノクマがやってきて……」

甘奈「叩き起こされたかと思ったらそのままこんなの渡されちゃったんだ!」

灯織「……ヘアアイロン?」

甘奈「才能のためのプレゼント……って、みんなもそうだったんだよね?」

霧子「うん……わたしも同じ理由で、注射器を渡されたんだ……」

愛依「うちはなんとかっていうファッション雑誌を……山積みで。まあ表紙のツインテの子は可愛いし、暇つぶしにはなるけどさ……」

咲耶「……私は体型維持のため、と言われて下剤を渡されたよ」

灯織「だ、だいぶまちまちですね……」

愛依「灯織ちゃんは?」

灯織「わ、私は水晶玉でした……ふ、普通の」

(い、一億円の価値があるなんてとても言えないよ……)

101: ◆zbOQ645F4s 2021/04/05(月) 23:11:20.33 ID:dNWZ7uNU0

甜花「ふっふっふっ……これなら、甜花が一番、大当たり……!」

灯織「甜花さんは何を渡されたんですか?」


私が何気ない気持ちで尋ねると、
甜花さんは得意げに机の下から両腕で抱えるほどの大きさの段ボールを箱を持ち上げた。


甜花「じゃじゃん……ゲームの詰め合わせ……!」テッテレー!

甘奈「甜花ちゃんよかったねー☆」

愛依「え……すご?!めっちゃあんじゃん……!」

甜花「甜花、超高校級のゲーマーだから……才能の研鑽に努めます……!」

甜花「ふんす……ふんす……!」

愛依「め、めっちゃ鼻息荒くなってる……」


段ボールの中には私も見覚えがあるような携帯機や、テレビに接続するタイプのものまで様々。
甜花さんのゲーマーとしての心に火をつけるにはこれ以上ないだろう。


甜花「せっかくだし、視聴覚室のテレビを使ってみんなでゲームとか、やりたいな……」

咲耶「それはいい考えだね、パーティ用のゲームなんかはあるのかい?」

甜花「えっと、資産を奪い合って友情を破壊するゲームと……日本全国を駆け巡るって友情を破壊するゲーム……どっちがいいかな」

咲耶「で、できれば友情を破壊しないゲームで頼むよ……」

102: ◆zbOQ645F4s 2021/04/05(月) 23:13:49.20 ID:dNWZ7uNU0

灯織「しかしものすごい数のゲームですね……甜花さん、全部ご存知なんですか?」

甜花「もちろん……!基本ハードは全部抑えてるから……あ、風野さんにも分けた方がいい、かな……?」

灯織「え、わ、私にですか?」

甜花「いやむしろ、分けてあげるべき……布教はゲーマーとして、闘うものとしての、義務……!!」

灯織「は、はぁ……」

甜花「例えばこの携帯機なんだけど……」

灯織「これって……男子がモンスターを狩りに行くときに持ってたゲーム機では……?」

甜花「更にそれをアップグレードしたやつ……!液晶タッチ操作に背面タッチパッドを搭載してたんだ……!」

甜花「でも、末期にはちょっと   なゲームの移植版ばっかりになっちゃったんだけど……」

灯織「え、えぇ……?」

甜花「甜花はやったことないけど、これなんか人気だったらしいんだ……ノベルゲームらしいし、風野さんの好みに合う……かな……?」

(なんだか悪趣味なパッケージだ……)

甜花「デスゲームを題材にしてるらしいんだけど……」

(しかも今の私たちと同じような……)


甜花さんに半ば強引にゲーム機を手渡されてしまったけど、流石にこの状況ではプレイする気は起きそうにないな……

103: ◆zbOQ645F4s 2021/04/05(月) 23:15:45.31 ID:dNWZ7uNU0

そうしてモノクマにもらったものを見せ合っているうちに
食堂にはポツリポツリ人が集まっていき、やがて樋口さん以外の全員が揃った。


智代子「突然でびっくりしたよね!部屋から出れなくて驚いちゃった!」

めぐる「うんうん、一人一人に手渡しするために一律で扉が閉められてたみたいだね!」

雛菜「これが今回の【動機】ってことでいいんですかね〜?」

灯織「おそらくは……モノクマ自身もプレゼントした品を犯行に使うように促す趣旨の発言をしていましたし……」

愛依「にしては随分と差があんね……うちとか甜花ちゃんとか、どうやっても人なんか殺せなくない?」

摩美々「適当なんじゃなーい?」

甜花「甜花は、ゲームがもらえたので満足……!」

甘奈「えへへ、良かったねー☆」

智代子「の、呑気だ……」

凛世「しかし、今回のプレゼントで犯行の幅が広がったという事実も否定はできません……」

咲耶「……ああ、私のもらった下剤や灯織の水晶玉、甘奈のヘアアイロンなどは犯行に組み込むことは可能だろうね」

智代子「そ、それはそうだけど……怖がりすぎじゃない?」

霧子「不安だったら、みんなのもらったものを集めて保管するのはどうかな……」

摩美々「悪くないアイデアだけど、それを管理するのも監視がいるし、余計な手間がかかりすぎるかもねー」

雛菜「あは〜、結局は自主性ってことですね〜」

めぐる「大丈夫だよ!わたしたちのもらった道具はあくまで犯行も可能ってだけ、それを使うための【動機】が今はないんだし!」

摩美々「まぁねー、モノクマが余計なことしてこなければ、とりあえずは様子見でいいかもー」

甜花「むしろ、生活を豊かにする可能性すらあるから……!」

愛依「アッハハ、甜花ちゃんそんな必死にならなくても誰もゲームは取らないってー!」


油断は禁物……
それはこれまでの経験で痛いほど分かっているけど……

モノクマの真意が見えない……
本当に凶器を私たちに渡すためだけだったの?
それにこんな回りくどい形で……?

104: 本日はこの自由行動消化で終わりにします 前スレ埋めネタ更新もやるので… ◆zbOQ645F4s 2021/04/05(月) 23:17:52.66 ID:dNWZ7uNU0
-------------------------------------------------
【灯織の部屋】

モノクマによって動機は渡されたけど、今回は自主性に任せることにしてそれぞれの個室に戻った。
今回は何を狙ったものなのか、モノクマがまだ二の手三の手を隠し持っているのか。
それはわからない……

とりあえず今は皆さんと対策を考えるべきなのかな……

よし、今はできることをしよう……それしかない。

【自由時間開始】

灯織「さて、どうしようかな」

-------------------------------------------------
1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在のモノクマメダル…51枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1

105: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/05(月) 23:21:38.80 ID:zPGvLSxg0
2 摩美々

107: あ、小糸のスキルの判定忘れてますね 更新終わりにやります ◆zbOQ645F4s 2021/04/05(月) 23:26:33.01 ID:dNWZ7uNU0
2 摩美々選択

【美術室】

灯織「摩美々さん、こんにちは」

摩美々「んー?あ、灯織かー、おつかれー」

灯織「美術室に何か御用が……?珍しいですね」

摩美々「えー、なにそれー。わたしに芸術のイメージゼロなわけー?」

灯織「い、いえ……」

摩美々「ま、別にいいケド。今日はそういうんじゃないしー」

灯織「……え?」

摩美々「忘れたのー?昨日の円香の話、裏切り者の情報の出どころ、ここだったでしょー」

灯織「そ、そういえば……」

摩美々「なにか手がかりでもあればって思ったんだケド……無駄足みたーい」

灯織「まあ、そう簡単に証拠を残しはしないですよね……」

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
・現在の所持品
【ミネラルウォーター】
【ルアックコーヒー】
【ローズヒップコーヒー】
【虹色の乾パン】
【色恋沙汰リング】×2
【ツルカメダイヤモンド】
【スカラベのブローチ】×3
【あしたのグローブ】
【おでこのメガネ】×2
【新品のサラシ】
【もちプリのフィギュア】
【残鉄剣】
【むらまさ】
【狂戦士の鎧】
【昭和ラジオ】
【水晶のドクロ】
【黄金のスペースシャトル】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【蝶ネクタイの変声機】
【古代ツアーチケット】×2
【もしもFAX】
【キャットドッグプレス】
【隕石の矢】
【アゴドリル】
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ジャスティスV変身ベルト】
【ダンベル君主論】
【冬優子ちゃん育成キット】

1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない

↓1

108: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/05(月) 23:33:55.43 ID:zPGvLSxg0
1.渡す 【水晶のドクロ】

109: ◆zbOQ645F4s 2021/04/05(月) 23:44:04.23 ID:dNWZ7uNU0
【水晶のドクロ】を渡した…

灯織「摩美々さん、こちらをどうぞ」

摩美々「なにこれー……ドクロ?」

灯織「はい、とある古代文明の遺跡から発掘された、水晶製のドクロなんですけど……」

摩美々「へー……水晶自体はホンモノっぽいねー」

灯織「いわゆるオーパーツの一つ、みたいです」

摩美々「……ふふー、イカすじゃーん」

摩美々「灯織、プレゼントのセンスいいんだねー、そういうのモテるよー」

灯織「も、モテるって……こんなところでそのように褒められても、こ、困ります……」

摩美々「ふふー」

-------------------------------------------------

灯織「……摩美々さん」

摩美々「めちゃくちゃ真剣な顔してるねー、皺残るよー?」

灯織「……今日のモノクマによる【動機】についてなんですが」

摩美々「……灯織は、水晶玉だったっけー」

灯織「はい、今手元に持ってはいないですけど……モノクマの言っていた通り、人を殴打して殺害するには十分な大きさと重量がありました」

摩美々「灯織のことは心配してないケド、人を殺せる道具なら他にももらってる人いたよねー」

灯織「……はい、今は自主性に任せた形ですが」

摩美々「はぁ……つくづく性格悪いよねー、モノクマ」

灯織「ですね……どこまでいっても疑心暗鬼の罠を仕掛けてあって……陰湿な印象を受けます」

摩美々「……でも、今回の動機はそれにまして不気味なんだよねー」

摩美々「真の狙いが裏にある感じがして、すっごく気持ち悪いカンジがするっていうかー」

(やはり摩美々さんも同じ考えみたい……)


1.ところで、摩美々さんのもらったプレゼントを伺っても?
2.裏切り者のことと何か関係が……?
3.自由安価

↓1

111: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/05(月) 23:52:17.61 ID:zPGvLSxg0
2

112: ◆zbOQ645F4s 2021/04/06(火) 00:01:45.19 ID:7ilcFB/90
2 選択

灯織「今回の動機、裏切り者のことと何か関係があるんでしょうか……」

摩美々「裏切り者って、昨日の円香の話だよねー?」

灯織「はい……モノクマの動機提供、前回の事件から日にちもそうあかないうちに今回は行われましたから……」

灯織「もしかすると、裏切り者の存在が透けたから黒幕が焦ったのかもしれない、と思いまして……」

摩美々「それも一理あるかもねー」

摩美々「円香の話が本当なら裏切り者はあの食堂の中にいたわけだし、モノクマもその情報はつかんでるでしょー」

灯織「ですよね……」

摩美々「灯織ってホント私のコト疑わないよねー」

灯織「え、はい……摩美々さんは、私たちを裏切ったりはしないですから……」

灯織「いや、それを言ってしまえば事務所の皆さん当然そうなんですが……」

摩美々「……灯織ってホント悪い子とは無縁だねー」

灯織「え、ええ……?そうでしょうか……」

摩美々「灯織が悪い子だったら全人類悪い子でしょー」

摩美々「やっぱり灯織が今の私たちには大切だしー、頑張ってよねー」

灯織「は、はぁ……」

【親愛度が上昇しました!】

【田中摩美々の現在の親愛度…3.5】

113: ◆zbOQ645F4s 2021/04/06(火) 00:04:12.33 ID:7ilcFB/90
最後に昨日分の判定を。

【スキル:ポシェットの中にはの判定を行います】

【末尾の数字と同じだけのモノクマメダルが獲得できます】

↓1

114: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/06(火) 00:12:54.77 ID:k06ASEzS0

115: ◆zbOQ645F4s 2021/04/06(火) 00:16:05.80 ID:7ilcFB/90
【コンマ77】

【スキル:ポシェットの中にはの効果でモノクマメダルを7枚手に入れました!】

【現在のモノクマメダル…57枚】

-------------------------------------------------

【ここまでの親愛度】

・【超高校級の飼育委員】櫻木真乃……1.0【DEAD】
・【超高校級の占い師】風野灯織……(主人公)
・【超高校級の助っ人】八宮めぐる……0

・【超高校級の保健委員】幽谷霧子……0
・【超高校級のモデル】白瀬咲耶……0
・【超高校級の服飾委員】田中摩美々……3.5

・【超高校級の幸運】園田智代子……1.0
・【超高校級の応援団長】西城樹里……3.0【DEAD】
・【超高校級の日本舞踊家】杜野凛世……0

・【超高校級のゲーマー】大崎甜花……0
・【超高校級のスタイリスト】大崎甘奈……1.0

・【超高校級のギャル】和泉愛依……0

・【超高校級の???】浅倉透……0【DEAD】
・【超高校級のディベート部】樋口円香……0
・【超高校級の帰宅部】市川雛菜……5.5
・【超高校級の学級委員】福丸小糸……12.0【DEAD】

-------------------------------------------------

というわけで今回の更新はここまで、
次回自由行動より再開いたします。
4/08(水)22:00~更新予定です。

本日は前スレの方埋めネタ更新をやってるのでよろしければそちらもどうぞ。

それではまた、おやすみなさい……

130: ◆zbOQ645F4s 2021/04/28(水) 20:53:19.29 ID:FyTVo8qK0
-------------------------------------------------
【灯織の部屋】

灯織「摩美々さんも言っていたけど、今回の動機はかなり特殊……」

灯織「対策はしっかり練っておくべきかもしれない」

灯織「加えて、裏切り者の存在……」

(……今はただ、皆さんを信じるほかない)

【自由時間開始】

灯織「さて、どうしようかな」

-------------------------------------------------
1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在のモノクマメダル…57枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1

131: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/28(水) 21:03:37.18 ID:0R5lL3eJ0
2.甜花

132: ◆zbOQ645F4s 2021/04/28(水) 21:08:26.96 ID:FyTVo8qK0
2 甜花選択

【視聴覚室】

灯織「……あ、甜花さんこんにちは。もしかしてさっき食堂で話してたパーティゲームの準備中ですか?」

甜花「あ、風野さん……うん、いいゲームが見つかったから……あとは接続だけ……」

灯織「なるほど……いったいどんなゲームなんですか?」

甜花「友情破壊ゲームがダメらしいから……拳と拳の、真っ向からのぶつかり合いにした……!」

灯織「え……?」

甜花「格闘ゲーム……!小足からの昇龍で余裕でした……!」

灯織「て、甜花さん……その……」

(甜花さんにゲームの選びなおしを進言した……)

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
・現在の所持品
【ミネラルウォーター】
【ルアックコーヒー】
【ローズヒップコーヒー】
【虹色の乾パン】
【色恋沙汰リング】×2
【ツルカメダイヤモンド】
【スカラベのブローチ】×3
【あしたのグローブ】
【おでこのメガネ】×2
【新品のサラシ】
【もちプリのフィギュア】
【残鉄剣】
【むらまさ】
【狂戦士の鎧】
【昭和ラジオ】
【黄金のスペースシャトル】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【蝶ネクタイの変声機】
【古代ツアーチケット】×2
【もしもFAX】
【キャットドッグプレス】
【隕石の矢】
【アゴドリル】
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ジャスティスV変身ベルト】
【ダンベル君主論】
【冬優子ちゃん育成キット】

1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない

↓1

133: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/28(水) 21:10:48.27 ID:bRwJfhN0o
1 むらまさ

134: ◆zbOQ645F4s 2021/04/28(水) 21:26:16.84 ID:FyTVo8qK0
【むらまさを渡した…】

灯織「えーっと……甜花さん、こちらはどうでしょうか」

(いや、流石に無いか……どうみてもただの刃物……甜花さんのイメージとは程遠い)

甜花「え、プレゼント……?」

甜花「……これを、甜花に?」

灯織「あ、はい……いや、いらなければ別に」

甜花「……風野さん、ありがとう!!」

灯織「……え?」

甜花「これを使えば、ダンジョンのワープも壁抜けもできる!あの名作ゲームのファンアイテム……!甜花、滅茶苦茶嬉しい……!」

灯織「こ、この刀、そんなものだったんですか……」

(意外と喜んでいただけた……)


【PERFECT COMMUNICATION】

【親愛度がいつもより多めに上昇します】

-------------------------------------------------

甜花「~~~♪」

(甜花さん、上機嫌だ……よっぽどモノクマの動機でゲーム機が手に入ったことが嬉しいんだろう……)

灯織「甜花さん、本当にゲームがお好きなんですね」

甜花「にへへ……うん、ゲームずっと我慢してた分、余計に嬉しい……!」

灯織「甜花さんのお好きなゲームもあったんですか?」

甜花「えっと……ハード自体はちょっと古いのしかなかったんだけど……」

甜花「シリーズとしては、甜花が好きな奴もあったよ……?」

灯織「そうなんですか……その、例えば?」

甜花「……!!話しても、いいですか……!?」

(……あれ、なんかスイッチが入った……?)

甜花「えっと、それじゃあ風野さんでも知ってそうなとこから行くと……」

甜花「じゃーん……!!モンスターを狩るゲーム……!!」

甜花「それか……!!ばーん……!!インクで撃ち合うゲーム……!!」

甜花「どっちについて……お話すればいいかな……?」

(目をらんらんと輝かせている……)

(こ、これはお話を伺わなければいけない……)

1.モンスターを狩るゲーム
2.インクで撃ち合うゲーム
3.自由安価

↓1

135: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/28(水) 21:28:35.07 ID:0R5lL3eJ0
1

136: ◆zbOQ645F4s 2021/04/28(水) 21:35:59.01 ID:FyTVo8qK0
1 選択

灯織「そ、それではモンスターを狩るゲームの方についてお話窺えますか……?」

甜花「任せて……!甜花、このゲームも結構やりこんだ……!」

甜花「言うまでもなく、いろんな武器を使って、いろんなモンスターを狩るゲームなんだけど……」

甜花「オンラインで、協力するのが激熱……!」

灯織「さ、最近のゲームは知らない人とも簡単に繋がれるとお聞きしました……甜花さんもそのような楽しみ方を?」

甜花「うん……えっとね、最新のはまだ甜花そこまでやってないけど……オープンワールドの方はよくやったかな……」

甜花「古龍の竜玉集めに……救難信号ガン待ちしたりして……」

(……しょ、正直出てくるワードはまるで分らない)

甜花「でも、周回しまくった甜花より先に……香川県のプレイヤーさんとか、ハッシュタグ使いのサメさんとかのほうがあっさりドロップしたりして……」

(……?)

甜花「でも、そうやって深夜に一喜一憂する時間の浪費が……すごく、楽しい……にへへ」

灯織「な、なるほど……」

甜花「でも、ここにはWi-Fiがないから……」

灯織「あっ……」

甜花「甜花、絶対脱出して……ライズもやる……!」

(動機はどうあれ、甜花さんの瞳は未来を見据えている……希望の色だ)

灯織「はい、絶対生きて帰りましょうね……!」

甜花「うん、甜花……頑張りましゅ……!」

【親愛度が上昇しました!】

【大崎甜花の現在の親愛度…2.0】

-------------------------------------------------

【スキル:一番星の魔法を発動できます】

【モノクマメダルを10枚消費することにより、本日の自由行動をもう一度だけ追加することができます】

【現在のモノクマメダル 57枚】

【スキル:一番星の魔法】を使用しますか?
↓1

137: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/28(水) 21:36:58.42 ID:0R5lL3eJ0
使おう

138: ◆zbOQ645F4s 2021/04/28(水) 21:40:20.85 ID:FyTVo8qK0
【スキル:一番星の魔法を使用しました】

【残りのモノクマメダル枚数:47枚】
-------------------------------------------------
【灯織の部屋】

灯織「甜花さん、本当にゲームが好きなんだな……」

灯織「甜花さんはあのままゲーム大会の準備をしてくれてるみたいだし、もしかして本当に全員でできる時が来るのかな……?」

【自由時間開始】

(また時間はあるかな……)

灯織「さて、どうしようかな」

-------------------------------------------------
1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在のモノクマメダル…47枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1

139: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/28(水) 21:41:44.88 ID:Bh+duOc80
2愛依

140: ◆zbOQ645F4s 2021/04/28(水) 21:49:37.48 ID:FyTVo8qK0
2 愛依選択

【愛依の部屋】

ピンポーン

愛依「はいは~い♪……あれ、灯織ちゃんじゃん。どしたの?」

灯織「愛依さん……あの、少し雑談でもできたらと。もしかして、取り込み中でしたか?」

愛依「ううん、だいじょぶだいじょぶ!モノクマにもらった雑誌読んでただけだし!」

灯織「そういえばファッション雑誌をもらったんでしたっけ……」

愛依「なんかタテコ?って子が表紙の雑誌なんだけど……」

(た、タテコ……?変わった名前だな……)

(愛依さんと雑談をして過ごした……)

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
・現在の所持品
【ミネラルウォーター】
【ルアックコーヒー】
【ローズヒップコーヒー】
【虹色の乾パン】
【色恋沙汰リング】×2
【ツルカメダイヤモンド】
【スカラベのブローチ】×3
【あしたのグローブ】
【おでこのメガネ】×2
【新品のサラシ】
【もちプリのフィギュア】
【残鉄剣】
【狂戦士の鎧】
【昭和ラジオ】
【黄金のスペースシャトル】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【蝶ネクタイの変声機】
【古代ツアーチケット】×2
【もしもFAX】
【キャットドッグプレス】
【隕石の矢】
【アゴドリル】
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ジャスティスV変身ベルト】
【ダンベル君主論】
【冬優子ちゃん育成キット】

1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない

↓1

141: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/28(水) 21:53:05.52 ID:PREk+jY40
1 【冬優子ちゃん育成キット】

142: ◆zbOQ645F4s 2021/04/28(水) 22:04:31.96 ID:FyTVo8qK0
【冬優子ちゃん育成キットを渡した…】

(これ、ものすごくネーミングに悪意があるんだけど……愛依さんに渡していいものか)

愛依「……ん?灯織ちゃん、それって……」

灯織「あ、はい……いや、その……モノモノマシーンで手に入れたはいいんですが、なぜか冬優子さんの名前が使われていて……」

愛依「ちょ、ちょい見せて!」

愛依「…………アハハ!」

灯織「愛依さん?」

愛依「うっわめっちゃ懐かしい……!これって多分クワガタ育てる系のやつっしょ?」

灯織「は、はい……おそらくは」

愛依「アハハ、前にあさひちゃんがさ!クワガタの幼虫に冬優子ちゃんって名前をつけてかわいがろうとした時があってさ~!」

愛依「アハハハハ!いやぁ~、あんときの二人の話!面白かったな~~~!」

愛依「なんかこの学園に来る前のこと、思い出せた……!ありがとう、灯織ちゃん!めちゃくちゃ嬉しいわ!」

灯織「愛依さんに喜んでいただけたのなら、本望ですから……!」

愛依「うん、マジで嬉しい!サンキュね!」

(ここまで喜んでもらえると渡した甲斐がある……!)

【PERFECT COMMUNICATION】

【親愛度がいつもより多めに上昇します】

-------------------------------------------------

愛依「灯織ちゃんさ、マジすごいよね!」

灯織「え……?わ、私ですか……?」

愛依「いや、マジですごい……うちなら、絶対そうはいかないし……」

灯織「えっと……話が見えてこないんですが……」

愛依「あぁごめん!えっと……灯織ちゃんはさ、その……これまでの事件でもいっつもうちらを率いてくれる立場にいたじゃん?」

灯織「率いるだなんてそんな……」

愛依「いやいや!そういうケンソンは無駄!うちはこの目でちゃーんと見てっからね!」

愛依「真乃ちゃんのこともあったのに、それでも前を向いて……うちらを元気づけてくれる……それってマジですごいことだよ!」

灯織「私には、めぐるの支えもありましたし……ユニット以外の皆さんにも支えられてばかりですよ」

愛依「灯織ちゃんマジで偉いな~、うちのが年上なのにマジリスペクト!」

愛依「でも、そうだね。めぐるちゃんがいてくれるとやっぱ心強いっしょ?」

灯織「はい……底なしの明るさで、今も私のことを支えて……」

(……あ)

(私を褒めちぎる愛依さんのこえはいつものように明るいのに……)

(その表情は、どこか曇りの色が見えた)

(……そうか、愛依さんは……あさひも、冬優子さんも近くにいない)

(ユニットの仲間がいない中、一人でこのコロシアイ合宿生活に挑んでいるんだ)


1.私たちも、愛依さんの心の支えになれてるでしょうか
2.めぐるだけじゃなくて、愛依さんには特に助けられているんですよ?
3.自由安価

↓1

143: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/28(水) 22:06:19.97 ID:Bh+duOc80
2

144: ◆zbOQ645F4s 2021/04/28(水) 22:13:54.73 ID:FyTVo8qK0
2 選択

愛依「やっぱめぐるちゃんの明るさがあってこそのイルミネってカンジ?うちもそういうの憧れるわ~!」

灯織「愛依さん、あの……いいですか?」

愛依「ん?どしたの、灯織ちゃん」

灯織「私……ここまでやってこれたのは他の皆さんの支えがあってこそ、そう言いましたよね」

愛依「う、うん……そうだけど」

灯織「私にとって、中でも特に大きな支えには、愛依さんの存在もあるんです」

愛依「う、うち?!いやいや、うちなんかいっつも議論でも大して力になってないし……」

灯織「いえ、違うんです……愛依さんは、いつでも……私が道を踏み外しそうになったり、絶望に負けそうになったりしたときでも……私のことを信じてくださいましたよね?」

愛依「や、うちは推理とかもできないから、それに従ってるだけってゆーか……」

灯織「私の推理を純粋に信じて、意見を言ってくれる……それだけでもありがたいことなんです」

灯織「この合宿生活において、一番大切なのに一番難しいこと……信頼するということ」

灯織「それを誰よりもまっとうにやり遂げている愛依さんの存在は、それだけで私にとって大きな支えになっているんです」

愛依「……灯織ちゃん」

灯織「……ですから、愛依さんも私にとってかけがえのない存在といいますか……」

愛依「だいじょうぶ、伝わったから」

灯織「愛依さん……!」

愛依「ありがとね、うち……頑張るから!」

(そう言って笑う愛依さんの表情は、あの事務所で見た笑顔と全く同じ明るさを取り戻していた)

【親愛度が上昇しました!】

【和泉愛依の現在の親愛度…2.0】


145: ◆zbOQ645F4s 2021/04/28(水) 22:15:37.46 ID:FyTVo8qK0
【灯織の部屋】

ピンポーン

夜時間も近く、そろそろ寝ようかとしていたとき。
インターホンが鳴った。

こんな時間に誰が?めぐるがお風呂にでも誘いに来たのかな?
そう思って扉を開けると、いたのは意外な人物。


甜花「こ、こんばんは……」

甘奈「灯織ちゃん、こんばんはー☆」

灯織「甜花さんに、甘奈……?どうしたんですか、もうすぐ夜時間ですが」

甜花「えっと……その……風野さんも、一緒にゲームしない……?」

灯織「ゲーム……ですか?」

甜花「うん、朝お話したよね……パーティゲームをみんなでやろうって……」

(そういえば……モノクマにもらったアイテムで遊ぼうって話になってたんだっけ……)

甘奈「なんとか視聴覚室のモニターと繋げられたから、せっかくだし遊んでみようよ!」

甜花「甜花おすすめの、友情も壊れない最高のゲーム……!」

灯織「はい、ぜひ……!」



今回のゲーム大会には咲耶さんや摩美々さんも参加するらしく、今日限りは夜時間の外出禁止も破って樋口さん以外の全員が集まるみたい。

樋口さんも一緒に遊びたかったけど……
どこにいるのかすらわからないから、仕方ない……

私は自分の部屋を後にして、視聴覚室へと向かった…

146: ◆zbOQ645F4s 2021/04/28(水) 22:19:58.82 ID:FyTVo8qK0
【視聴覚室】

視聴覚室に入ると既に他の皆さんはプレイ中のご様子。
家電量販店の展示でしか見ないような巨大なモニターの中では可愛らしいキャラクターがミニゲームで飛び跳ねている。


甜花「このゲームには、必勝法がある……!」

甘奈「さすがは甜花ちゃん☆めーっちゃ上手だね☆」

めぐる「あー!ずるいよ摩美々!そこにいたら得点がもらえないってー!」

摩美々「ふふー、これも戦術のうちなのでー」

愛依「あれ?!霧子ちゃん地味にめっちゃポイント稼いでるくね?!」

霧子「ふふ……♪いただきます……♪」

雛菜「あは~?案外ずるがしこいんですね~」

咲耶「その調子だ霧子!今なら勝てる!」

摩美々「とんだ伏兵ですねー」

灯織「皆さんこんばんは……私も、混ざってよいでしょうか……?」

智代子「あ、灯織ちゃん!ちょっと待っててね!四人ずつだから交代交代でやるんだ!」

灯織「あ、うん……あれ、チョコそのお菓子は?」

147: ◆zbOQ645F4s 2021/04/28(水) 22:21:37.15 ID:FyTVo8qK0

甜花「ゲームで徹夜なら、ポテチとコーラは欠かせない……甜花の宴スタイル……!」

灯織「て、徹夜するんですか……?!」

甘奈「個室の外での睡眠はモノクマにおしおきされちゃうから、無理せず眠くなったら自分の部屋に戻ってね!」

咲耶「親交を深めるためなら徹夜でもやぶさかではないけど、校則ばかりはどうしようもないからね」

灯織「そうですね……」

めぐる「灯織~~~!お願い、わたしの仇を取って~~~!」

灯織「め、めぐる?!」

摩美々「……ふふー」

灯織「……なるほど、摩美々さん……やはりあなたが」

摩美々「勝負しようよ、灯織―」

灯織「いいでしょう、受けて立ちましょう!」

めぐる「やっちゃえ灯織―!」

咲耶「摩美々対灯織……これはまた面白い対戦カードだね」

(このゲームは私は初見だけど、ビギナーズラックという考え方もある)

(摩美々さんの予想外なプレイをすれば、勝機はある……!)

【灯織が摩美々にゲームで挑みます】

【直下のコンマが1~50なら負け、51~80なら勝ち、81~00なら圧勝です】

【※スキル:意地っ張りサンセットは適用外です】

↓1

148: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/28(水) 22:23:06.82 ID:Bh+duOc80
どうだ

150: ◆zbOQ645F4s 2021/04/28(水) 22:30:57.64 ID:FyTVo8qK0

【コンマ82…まさかの圧勝】

灯織「……摩美々さん、攻めに徹しすぎですよ」

摩美々「……それ、どういう意味ー……?」


卵を中央のエリアから自分のゴールへと持ち帰るミニゲーム。
摩美々さんは先に高得点の金色を一つ持ち帰ると後は妨害に徹するという戦術でめぐるを完封……

なるほど、初心者狩りにはもってこいの攻めの戦術……

_______それなら


灯織「摩美々さんの弱点、スケスケです……!」


逆にこちらが摩美々さんのゴールを狙う……!


摩美々「なっ……ちょっとー、それは聞いてないんですけどー」

灯織「相手の妨害に徹底する以上、摩美々さんの点を奪ってしまえば戦略は破綻してしまいます……!」


咲耶「ま、まさか……摩美々が負けるというのかい……?!」

めぐる「いっけーーーーーー!!灯織ーーーーーーーーー!!」



灯織「_____勝機!!」




摩美々「『私は、灯織に完全敗北いたしましたー』……これでいいですかー?」

灯織「はい……どうですか、た、たまには私も仕返しするんですよ……!」

摩美々「はぁ、これ読むだけでいいとか随分かわいい罰ゲームですねー……」


【圧勝ボーナスにより親愛度がわずかに上昇しました!】

【田中摩美々の現在の親愛度…4.0】

151: ◆zbOQ645F4s 2021/04/28(水) 22:32:33.70 ID:FyTVo8qK0

その後もゲーム大会は大盛り上がり……!


愛依「よっしゃ、もらった~~~~!!」

智代子「あー!愛依ちゃん、それはずるいよー!そっちは狙ってたやつだってー!」

雛菜「あは~、いただきま~す」

智代子「ひ、雛菜ちゃん?!お慈悲を……!今もってかれたらわたしは……!」


甜花さんの持ってきたパーティゲームはゲームの腕も問わないもので、
苦手な私でも十分楽しむことができた……


霧子「ふふ……♪また勝っちゃった……♪」

灯織「う、運が良すぎませんか……?」

摩美々「確率の壁超えてるよねー……」


こんな合宿生活にいることなんか忘れちゃって……
最高の時間を過ごすことができたんだ……


愛依「て、甜花ちゃんマジぶっちぎりなんだけど?!」

めぐる「は、早すぎるよ~~~~?!」

甜花「甜花にはルートも全部インプットされてるから……無敵、にへへ……!」

甘奈「甜花ちゃんさっすがー☆」


152: ◆zbOQ645F4s 2021/04/28(水) 22:35:43.20 ID:FyTVo8qK0

愛依「……ごめん、うちはこれ以上は……きっつい……」

甘奈「わわっ!愛依ちゃん危ないよ、寝ちゃいそう!」

咲耶「愛依、無理して付き合う必要はないよ。早く個室で休むといい」

愛依「サンキュー……また、あそぼーねー……」

智代子「ふぁぁぁ……愛依ちゃんと同じでわたしも結構眠くなってきちゃったね……」

灯織「夜時間になってすでに数時間経ったからね……」

甜花「甜花はまだまだ大丈夫……!むしろスイッチが入ったところ……!」

摩美々「私も甜花に一泡吹かせるまでは眠れないですねー」

めぐる「うぅ……起きてたい、起きてたいけど……」

灯織「め、めぐる……無理はしちゃだめだよ?!」

甘奈「うーん、それじゃあいったんお開きにしよっか!眠たい人は無理せず寝ること!」

霧子「うん……わたしもそろそろ、バイバイさせてもらおうかな……」

雛菜「あは~?おやすみなさ~い!」


モノクマの校則の縛りがある以上、寝落ちはするわけにもいかず……
徐々にメンバーは減っていき、会はそのままお開きになった。

私も途中までは同席したけど、最後までは一緒にいられなかった……

153: ◆zbOQ645F4s 2021/04/28(水) 22:36:51.47 ID:FyTVo8qK0
___

_____

_______


【灯織の部屋】

(……あれ?)

ふと目を覚ますとベッドの上……
昨日はゲーム大会ではしゃぎすぎちゃって部屋に戻るとそのまま寝ちゃってたんだ……

部屋の時計に目をやる……

(は、8時10分?!)

しまった……大遅刻だ!
朝礼の時間を10分も回ってる……

皆さんをお待たせするわけにはいかない、
ほとんど全力疾走に近い形で食堂に急いだ。


154: ◆zbOQ645F4s 2021/04/28(水) 22:40:01.68 ID:FyTVo8qK0

【食堂】

灯織「す、すみません!遅れてしまいました!」


遅刻してしまった申し訳なさから出た大声が静かな食堂内に響き渡る。
ああ、どう申し開きをしたものか。
いや、私なんかが許しを請うなんて許されないよね……
皆さんと一緒に決めた取り決めを一方的に反故にして、しかもその理由は寝坊……
こんな自己管理もなっていない人間にかける情けなんてないよ……!

……あれ?【静かな食堂】?


咲耶「灯織、早かったね」

灯織「さ、咲耶さん?!すみません、遅刻してしまいました……昨晩のゲーム大会の疲れから寝過ごしてしまったようです……せっかくの朝礼なのに、私は自己管理が」

咲耶「大丈夫さ、落ち着いて。ほら……食堂を見回してごらん」


咲耶さんに促されるままに食堂を見渡すと……
集まりはかなりまばらだった。
少なくとも朝礼は始まっていないみたい。


咲耶「灯織は知らなかったんだね、昨日のゲーム大会を開催する段階で今日の朝礼は実施しないって決めてたんだ」

凛世「はい……遅くまでもつれ込むことは明らかでございました故……」

霧子「体調を崩しちゃったら、よくないから……睡眠時間はしっかりとってもらわないと……」

愛依「昨日はごめんね、すぐ眠くなっちゃって!でもおかげでばっちり寝れたからめっちゃ元気~~~!」

めぐる「でもほんとすっっっごく楽しかったよね!」

咲耶「そういうわけさ、だから今日は自由にしてくれて構わない」

灯織「なるほど、わかりました……ご迷惑をおかけしていなかったようで安心しました……」


心の底から安心した私は、そのまま朝食を皆さんと一緒に頂いた。
たまにはこんな日もありだよね……

155: ◆zbOQ645F4s 2021/04/28(水) 22:42:44.71 ID:FyTVo8qK0

と、穏やかな朝を過ごしていたときだった。
せわしない足音とともに彼女は現れた。


甘奈「た、大変大変!大変だよ!」

咲耶「甘奈……?どうしたんだい……?」

甘奈「て、て、甜花ちゃんが……!」

咲耶「甜花が、どうかしたのかい……?!ま、まさか……!!」

甘奈「そのまさかだよ!甜花ちゃんが……甜花ちゃんが……!」






甘奈「風邪、ひいちゃったんだ……!」






咲耶「な、なんてことだい……!」

霧子「か、風邪……?!霧子ちゃんは大丈夫なの……!?」

甘奈「ううん、今すっごい熱が出てて……急いで部屋まで来て……!」


甜花さんが命を落としたわけでないにしろ、緊急事態に変わりない。
特にこの学園の中で病気なんて、大きな不安要素になってしまう。

万が一のことだって、起こらないとは限らない……!

私たちは慌てて食堂を飛び出した。

156: ◆zbOQ645F4s 2021/04/28(水) 22:44:15.74 ID:FyTVo8qK0

【甜花の部屋】

甜花「けほっ……けほっ……」

甘奈「甜花ちゃん、みんなが来てくれたよ……!」

甜花「あぅ……ご、ごめんなさい……体調くずしちゃった……」


甜花さんの様子は思ったより深刻だ……
咳が止まる様子もなく、息も上がっている。
顔色を見るに発熱症状もありそうだ。


愛依「甜花ちゃん、無理しないで!そんまま寝たままでいいから!」

霧子「ごめんね、ちょっと触るね……?」

霧子「すごい熱……!どうしよう、お薬、あったかな……」

甘奈「昨日のゲーム大会で頑張りすぎちゃったみたいなんだよね……」

甜花「あぅ……」

咲耶「昨日私は途中で離脱したけれど……そんなに遅くまでやっていたのかい?」

甜花「午前、5時くらいまで……けほっ」

愛依「もう朝じゃん!?」

咲耶「遅くまで起きていたことに、これまでの合宿生活での心労も祟ったのかもしれないね……」

灯織「だ、大丈夫でしょうか……その、ただの風邪なら問題ないかもしれませんが……」

霧子「この学校は衛生面は問題なさそうだから、感染症はないと思うな……」

霧子「でも、ウイルス性のインフルエンザさんとかの可能性は否定できないかも……」

めぐる「うーん……あっ!そうだ!」

灯織「めぐる……?」

めぐる「モノクマだよ!モノクマに治療してもらえばいいんだよ!」


そうだ、モノクマは樹里の時にも学級裁判に参加できるまでには治療してくれた……
今回の甜花さんも、今のままでは学級裁判に参加できなくなってしまうし、もしかすると直す手立てを与えてくれるかもしれない……!

157: ◆zbOQ645F4s 2021/04/28(水) 22:46:38.33 ID:FyTVo8qK0
と、思った矢先。


モノクマ「こらこら、ボクは万能なお医者さんじゃないんだよ!」

めぐる「モノクマ!聞いてたよね?!甜花の事治療してよ!」

モノクマ「こらこら、ボクは万能なお医者さんじゃないんだよ!」

甘奈「お願い、甜花ちゃんを助けてあげて!」

モノクマ「こらこら、ボクは万能なお医者さんじゃないんだよ!」

咲耶「……モノクマ?」

モノクマ「こらこら、ボクは万能なお医者さんじゃないんだよ!」

愛依「おんなじことしか言わないんだけど……」

咲耶「治療する意思はないってことかい……?」

灯織「そ、そんな……なんでなんですか?!」

モノクマ「なんでも何も、今回の甜花さんの病気ってさ、何かコロシアイに関係あるの?」

モノクマ「あのねえ、ボクは慈善団体でもなんでもないんだ、モノクマなんだよ?ボクが動くのは、絶望が生まれる可能性があるときかセクシーレディがいるときだけなんだ」

霧子「で、でもこのままじゃ甜花ちゃんは……」

モノクマ「今すぐに死ぬってわけじゃないでしょ?そんなんでいちいち騒ぎすぎなんだよ、オマエラみたいないるから日本悪くなる!健やかに育てアホ!」

甘奈「そんな……ひどいよ、ひどすぎるよ!」

モノクマ「はぁ……そんなに言うならオマエラ自身で治療してやればいいじゃん」

灯織「え……?」

158: ◆zbOQ645F4s 2021/04/28(水) 22:47:49.80 ID:FyTVo8qK0

モノクマ「この学校にもあるでしょ?保健室!」

モノクマ「薬も一通りそろえてあるし、体を冷やさないように湯たんぽもあるし、熱を冷ますための万能シートもあるから!それじゃ不満かい?!」


そういえば、探索の時にもモノクマは言っていた。
治療のためならひとりまで病人とともに保健室での寝泊りを許可する、と。
あくまで私たちの中で起きたことは私たちに任せるつもりなんだ……


咲耶「……それで妥協するしかないようだね」

めぐる「ただの風邪ならそれで大丈夫だけど……インフルエンザとかだったら!」

モノクマ「まぁそれはそれじゃない?」

灯織「そんな無責任な……!」

モノクマ「あっ、もうすぐ三河屋がやってくる時間だ!扉の前に瓶置いとかなきゃだし、これにて失礼!」

愛依「あっ、逃げた!」

咲耶「……どうやら私たちでどうにかするしかなさそうだね」

甘奈「うぅ……」

甜花「くしゅん!……けほっけほっ!」

霧子「とりあえずみんなで協力して保健室まで連れて行ってあげたらどうかな……」

めぐる「仕方ないね……ほら甜花、わたしがおんぶしてあげる!」


無責任なモノクマに落胆した私たちは協力して甜花さんを保健室まで送り届けた……

159: ◆zbOQ645F4s 2021/04/28(水) 22:49:45.71 ID:FyTVo8qK0

【保健室】


甜花「あぅ……みんな、ありがとう……」

咲耶「礼には及ばないよ、ゆっくりそのベッドで休んでくれ」

甘奈「甜花ちゃん……安静にしててね……」

霧子「その、熱は高くて扁桃腺も腫れちゃってるから……まだウイルスさんの可能性は否定できない、かな……」

愛依「そ、そうなん?」

霧子「だから、甜花ちゃんに会う時はマスクを忘れないようにしてほしいな……」

灯織「全員が病魔に付すわけにはいきませんしね……」

咲耶「やたらめったに面会するのもできる限り避けた方がいいだろうね、甜花にもよくないし、私たちにもよくない」

咲耶「治療は詳しい霧子に一任して、私たちは霧子のサポートに回ろう」

愛依「よっし、霧子ちゃん何すればいいかな?!」

霧子「えっと、それじゃあとりあえずタオルを濡らしてきてもらえるかな……」

愛依「オッケー!十人分でも百人分でも任せてー!」

霧子「そ、そんなにはいらないかな……」

160: ◆zbOQ645F4s 2021/04/28(水) 22:51:10.87 ID:FyTVo8qK0

甘奈「……」

灯織「甘奈、やっぱり心配?」

甘奈「うん……甜花ちゃん、こっちに来てから甘奈のことを励ましてくれてばっかりで……」

甘奈「甘奈が甜花ちゃんに無理させちゃってたのかなって……」


甘奈は甜花さんの病気に対し、自責の念を感じてしまっているみたい。
甜花さんの病気を心配している以上に罪悪感で面持ちが重たい。


灯織「大丈夫だよ甘奈、甜花さんならすぐに元気になるって」

甘奈「そうかな……」

灯織「心配なら、今度は甘奈が甜花さんを元気にしてあげようよ……!ほら、励ましたり、ええっと……一緒にゲームしたりで!」

甘奈「ゲームは、流石に今は……」

灯織「あっ、ご、ごめん!」

甘奈「ううん、大丈夫……そうだよね、甘奈が不安そうだと甜花ちゃんも逆に不安になっちゃうよね!」

甘奈「よーし、甘奈も精一杯霧子ちゃんのお手伝いするから!」

甘奈「めーっちゃ甜花ちゃんを元気にしてあげる☆」

灯織「うん、それでこそ甘奈だよ!」


161: ◆zbOQ645F4s 2021/04/28(水) 22:53:49.13 ID:FyTVo8qK0
【灯織の部屋】

こうして私たちは保健室に霧子さんと甜花さんを残し、いったんは離れることにした。
時々は様子を見てもいいけど、むやみやたらに訪問するのはよくないかもね……

霧子さんに任せっきりにするわけにもいかないし、私たちでできることはやってあげよう。

さて、甜花さんが動けない分……私たちもできることをやらないと!

【自由行動開始】

灯織「よし、行こう……!」


【大崎甜花が病気になったことにより、暫くの間自由行動で大崎甜花と幽谷霧子が選択不可能になりました】

-------------------------------------------------
1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在のモノクマメダル…47枚)
2.交流 (人物指定安価)※甜花と霧子を除く
3.休憩

↓1

162: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/28(水) 22:55:44.88 ID:PREk+jY40
2 摩美々

163: ◆zbOQ645F4s 2021/04/28(水) 22:59:56.43 ID:FyTVo8qK0
2 摩美々選択

【摩美々の部屋】

ピンポーン

摩美々「だれー?摩美々は今日は休業中なんですけどー……ふわぁ……」

灯織「ま、摩美々さん……そんな開口一番に大あくび……」

摩美々「しょうがないじゃーん……昨日、ていうか今日は明け方までずっとゲームしてたんだしー」

灯織「もしかして、甜花さんとずっと一緒に?」

摩美々「まあねー、甜花がめちゃくちゃ強くて結局勝ち星ゼロですケド」

灯織「そ、それは甜花さんがすごいですね……」

(眠そうにする摩美々さんのために温かい飲み物を淹れてさしあげた……)

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
・現在の所持品
【ミネラルウォーター】
【ルアックコーヒー】
【ローズヒップコーヒー】
【虹色の乾パン】
【色恋沙汰リング】×2
【ツルカメダイヤモンド】
【スカラベのブローチ】×3
【あしたのグローブ】
【おでこのメガネ】×2
【新品のサラシ】
【もちプリのフィギュア】
【残鉄剣】
【狂戦士の鎧】
【昭和ラジオ】
【黄金のスペースシャトル】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【蝶ネクタイの変声機】
【古代ツアーチケット】×2
【もしもFAX】
【キャットドッグプレス】
【隕石の矢】
【アゴドリル】
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ジャスティスV変身ベルト】
【ダンベル君主論】

1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない

↓1

164: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/28(水) 23:01:17.79 ID:Bh+duOc80
1【蝶ネクタイの変声機】

166: ◆zbOQ645F4s 2021/04/28(水) 23:11:01.20 ID:FyTVo8qK0
【蝶ネクタイの変声機を渡した…】

灯織「摩美々さん、こちらをどうぞ」

摩美々「んー?これって、あれじゃなーい?百巻ぐらい出てる漫画の……」

灯織「どうやら裏のダイヤルで自由に自分の声を変えられるみたいですよ?」

摩美々「ふーん……」

灯織「あ、でもだからといって悪用をしては……」

めぐる?「灯織……ごめんね、見ちゃったんだ……」

灯織「め、めぐる……?み、見たって何を……?」

めぐる?「灯織……信じてたのに……なんで、なんで……」

灯織「ご、ごめん、めぐる!私何かしたのかな?!だ、だったら直すし、謝るから……!」

めぐる?「ホント?それなら灯織……摩美々のために肉まんを用意してあげて……!」

灯織「……摩美々さん」

摩美々「ノリわるーい」

灯織「十分乗りましたよ……それに肉まんなんてここじゃ無理ですよ……」

摩美々「灯織はケチですねー」

灯織「ケチじゃありません!」

【PERFECT COMMUNICATION】

【親愛度がいつもより多めに上昇します】

-------------------------------------------------

灯織「摩美々さん、甜花さんが……」

摩美々「え、甜花がどうかしたわけー?」

(そうだ、摩美々さんはさっき食堂にいなかったし……甜花さんの病気を知らないんだ)


摩美々さんに甜花さんのことについてお話しした……


摩美々「うぇ……それ、摩美々も責任あるやつじゃないですかー……」

灯織「ま、まあ……否定は、できないかもしれないですね」

摩美々「甜花、ゲームしてるときはすごい元気そうだったケド……無理してたのかなー」

灯織「状況が状況ですから……表に出さず抱えているものがそれぞれあってもおかしくはないですよ」

摩美々「はぁ……なんか悪いことしちゃったかなー、罪悪感感じちゃうー」

灯織「摩美々さんが罪悪感……?」

摩美々「それどういう意味ー?」

灯織「じょ、冗談ですよ……」

摩美々「灯織、昨日からやたら私に仕返ししようとしてるじゃーん」

灯織「別にそんなつもりでは……」

摩美々「ま、いいですケド……あとで甜花と甘奈にはちょっと謝っとこうかなー」

灯織「それがいいかもしれませんね……」


1.どんなゲームでそんな早朝まで……?
2.二人にいたずらしちゃダメですよ?
3.自由安価

↓1

167: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/28(水) 23:16:51.59 ID:PREk+jY40
1

168: ◆zbOQ645F4s 2021/04/28(水) 23:24:15.62 ID:FyTVo8qK0
 
-------------------------------------------------
1 選択

灯織「ところで摩美々さん、そんな遅くまでいったい何のゲームをしていたんですか……?」

摩美々「えー?灯織が出て行ったときっていつぐらいだっけー?」

灯織「えっと……確かレースゲームをしていたころだったような」

摩美々「あー……レースゲームはもう勝ち目なさ過ぎたからすぐやめてー、その後結局格闘ゲームもやったんだよねー」

灯織「はぁ……」

摩美々「そしたらまた甜花がめちゃくちゃ強くて……なんかフレーム?ってとこまで計算してるらしくて、なんかいろいろと教えてもらっちゃったー」

(前に自由行動の時に言ってたゲームかな……?)

摩美々「前は灯織にコテンパンにやられましたけどー、次やったら摩美々が勝つからねー」

灯織「そ、そもそも私はその格闘ゲームを知らないんですが……」

摩美々「でも、甜花意外だねー。ゲームになると結構饒舌っていうかー」

灯織「え、そうなんですか?!」

摩美々「あー……それは、甜花とマンツーマンでゲームやった人間のみが知れる特権ってコトでー」

灯織「ず、ずるいですよ!」

摩美々「ふふー」

【親愛度が上昇しました!】

【田中摩美々の現在の親愛度…6.0】

169: ◆zbOQ645F4s 2021/04/28(水) 23:26:18.18 ID:FyTVo8qK0
-------------------------------------------------
【灯織の部屋】

(甘奈に謝りに行く摩美々さんを見送って自分の部屋へと戻ってきた……)

灯織「摩美々さん、珍しくかなり反省してたな……」

灯織「まあ、ゲームは楽しいとはいえ……のめりこみすぎちゃ、ダメだよね……」

(甜花さん、大丈夫かな……?)

【自由時間開始】

(また時間はあるかな……)

灯織「さて、どうしようかな」

-------------------------------------------------
1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在のモノクマメダル…47枚)
2.交流 (人物指定安価)※甜花と霧子を除く
3.休憩

↓1

170: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/28(水) 23:27:19.33 ID:Bh+duOc80
2雛菜

171: そういえばまたポシェット判定してなかった…更新終わりにでもやります ◆zbOQ645F4s 2021/04/28(水) 23:33:15.25 ID:FyTVo8qK0
2 雛菜選択

【美術室】

灯織「市川さん、こんにちは。昨日はどうもありがとうございました」

雛菜「ん~?……あ~、ゲーム楽しかったですね~!」

灯織「はい、市川さんは普段はゲームなどは?」

雛菜「ん~、たまに四人で揃った時とかはやってましたかね~」

雛菜「あとスマホゲームをちょびっとだけやったり~?」

灯織「なるほど……私もおおむね同じです」

雛菜「そういえば前にゲーム配信、やってたって聞きましたけど~?」

灯織「ご、ご存じなんですか?!」

雛菜「また聞きですけどね~……あ、どうせ暇ですし、その時の話でもします~?」

(市川さんにイルミネでやったゲーム配信についてお話しした……)

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
・現在の所持品
【ミネラルウォーター】
【ルアックコーヒー】
【ローズヒップコーヒー】
【虹色の乾パン】
【色恋沙汰リング】×2
【ツルカメダイヤモンド】
【スカラベのブローチ】×3
【あしたのグローブ】
【おでこのメガネ】×2
【新品のサラシ】
【もちプリのフィギュア】
【残鉄剣】
【狂戦士の鎧】
【昭和ラジオ】
【黄金のスペースシャトル】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【古代ツアーチケット】×2
【もしもFAX】
【キャットドッグプレス】
【隕石の矢】
【アゴドリル】
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ジャスティスV変身ベルト】
【ダンベル君主論】

1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない

↓1

172: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/28(水) 23:39:08.48 ID:PREk+jY40
1 【ツルカメダイヤモンド】

174: 今日のところはこの自由行動で終わります ◆zbOQ645F4s 2021/04/28(水) 23:56:15.71 ID:FyTVo8qK0
【ツルカメダイヤモンドを渡した…】

灯織「市川さん、こちらをどうぞ」

雛菜「ん~?指輪ですか~?」

灯織「はい、これをつければ長きの幸せが保証される婚約指輪……の模造品なんですが、どうでしょう。市川さんの可愛らしい着こなしに似合うんじゃないかと」

雛菜「ん~……あ~!確かに可愛いですね~!ガラス製の偽物なのはちょっと残念ですけど~、ありがたくいただいておきま~す」

(うーん、普通の喜び方だったな……)

-------------------------------------------------

雛菜「あ、そうだ!この前の話、覚えてます~?」

灯織「この前の話……?というと……」

(そうだ、この前は浅倉さんと小糸の死を受けて、市川さんが変わっていこうとしていること)

(前に進もうとしていることについて、私もお手伝いをしていきたいって申し出をさせていただいたんだ……)

雛菜「まだ、雛菜の中で答えが出せてなくって~……ごめんなさい」

灯織「い、いえ!市川さんが決して謝る必要は……!」

雛菜「でも、絶対雛菜も前に進むための結論は出すつもりなので~、もう少しだけ雛菜のわがままで待ってもらってもいいですか~……?」

灯織「はい、待ちますよ……もちろん。そばで見守らせてもらいます」

雛菜「……」

灯織「……」

雛菜「……あの、今更なんですけど……どうして、そこまで人のために動けるんですか~?」

灯織「……え?」

雛菜「雛菜以外にも……それこそ小糸ちゃんにだって、自分の時間とかエネルギーを割いてまで話を聞いて、すごく大変で辛い思いをしながらもみんなと関わってるじゃないですか~」

雛菜「雛菜は、今のところそこまではできてないし……まだ、前に進み切れてない」

灯織「……」

雛菜「人のために動くことが、『しあわせ』なんですか~?」


1.……少なくとも、私にとってはその一つなんじゃないかとは思っています
2.はい、雛菜さんのために頭を悩ませているこの時間も、そうなんです
3.自由安価

↓1

175: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/29(木) 00:00:42.71 ID:AAToA1Tj0
2

176: この安価とコンマ処理で終わります ◆zbOQ645F4s 2021/04/29(木) 00:10:05.84 ID:3z9119yo0
2 選択

灯織「市川さんの言う『しあわせ』がなんなのか、私のはそのすべてが分かったわけではありません」

灯織「ただ言葉通りの幸福、であってもそうでなかったとしても……」

灯織「市川さんのために頭を悩ませているこの時間も、私にとって……『しあわせ』だと言えるものなのは間違いないと思います」

雛菜「……!!そっか~……!」

雛菜「なんだか、プロデューサーにそっくりじゃないですか~?」

灯織「ぷ、プロデューサー……ですか」

雛菜「プロデューサーも、自分のことは置いておいて雛菜たちのことばっかりしてるのにすごくしあわせ~な感じしてるじゃないですか~?」

雛菜「それに似てるな~って、どう思います~?」

灯織「……わ、私がプロデューサーの影響を受けている……ことは、そうかもしれません……」

雛菜「あは~?」

灯織「えっと、その……それは純粋な尊敬の気持ちと言いますか、態度を見習いたいと言いますか……」

雛菜「なんだか顔真っ赤ですけど~……照れてるんですか~?」

灯織「こ、これは生理現象といいますか……!」

雛菜「あは~?別に雛菜からかったりしてませんよ~?」

雛菜「純粋に、プロデューサーと一緒ですごいな~って!」

灯織「そう言っていただけると助かります……」

(なんだか市川さんの手玉に取られてしまったような感じだ……)

(でも、前よりも、仲はどんどん縮まってきている気がする……)

【親愛度が上昇しました!】

【市川雛菜の現在の親愛度…7.0】

-------------------------------------------------

【スキル:一番星の魔法を発動できます】

【モノクマメダルを10枚消費することにより、本日の自由行動をもう一度だけ追加することができます】

【現在のモノクマメダル 47枚】

【スキル:一番星の魔法】を使用しますか?

>>177

【併せて昨日分のスキル:ポシェットの中にはの判定も行います】

【コンマ末尾と同じ枚数だけモノクマメダルが獲得できます】

>>178

178: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/29(木) 00:15:45.40 ID:sORH2Xz1O
あは~?

179: ◆zbOQ645F4s 2021/04/29(木) 00:20:21.49 ID:3z9119yo0
【スキル:一番星の魔法を使用しました】

【残りのモノクマメダル枚数:37枚】

【スキル:ポシェットの中にはを使用しました】

【コンマ判定:40】

【末尾0は10と判定します】

【モノクマメダル10枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル枚数:47枚】

180: ◆zbOQ645F4s 2021/04/29(木) 00:23:08.61 ID:3z9119yo0
モノクマメダルが増減ゼロとなったところでここまで。
今回は長く更新が滞った分一気に進めさせていただきました。
事件発生も近いです。

次回更新は4/29 22:00~を予定していますが、事件発生パートが今回は長くなりそうなのでどこまで進めるかは別途調整するかもしれません。

最後に親愛度の整理だけあげて、終わりにします。
それではお疲れ様でした。

-------------------------------------------------

【ここまでの親愛度】

・【超高校級の飼育委員】櫻木真乃……1.0【DEAD】
・【超高校級の占い師】風野灯織……(主人公)
・【超高校級の助っ人】八宮めぐる……0

・【超高校級の保健委員】幽谷霧子……0
・【超高校級のモデル】白瀬咲耶……0
・【超高校級の服飾委員】田中摩美々……6.0

・【超高校級の幸運】園田智代子……1.0
・【超高校級の応援団長】西城樹里……3.0【DEAD】
・【超高校級の日本舞踊家】杜野凛世……0

・【超高校級のゲーマー】大崎甜花……2.0
・【超高校級のスタイリスト】大崎甘奈……1.0

・【超高校級のギャル】和泉愛依……2.0

・【超高校級の???】浅倉透……0【DEAD】
・【超高校級のディベート部】樋口円香……0
・【超高校級の帰宅部】市川雛菜……7.0
・【超高校級の学級委員】福丸小糸……12.0【DEAD】

-------------------------------------------------

183: ◆zbOQ645F4s 2021/04/29(木) 22:04:18.58 ID:3z9119yo0
-------------------------------------------------
【灯織の部屋】

(市川さんとの距離はどんどん詰まってきた感触がある…)

(ただ、いまいち踏み切らないような印象があるのは、市川さんがまだその一線を越えてないからだろうか……)

【自由時間開始】

(また時間はあるかな……)

灯織「さて、どうしようかな」

-------------------------------------------------
1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在のモノクマメダル…47枚)
2.交流 (人物指定安価)※甜花と霧子を除く
3.休憩

↓1

184: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/29(木) 22:05:35.43 ID:QPC3E0xb0
2園田

185: ◆zbOQ645F4s 2021/04/29(木) 22:09:18.89 ID:3z9119yo0
2 智代子選択

【倉庫】

灯織「あれ、チョコ……またこんなところでどうしたの?」

智代子「あ、あっ?!灯織ちゃん!?ひ、灯織ちゃんこそどうしたの?!」

灯織「そ、そんな慌てなくても……大丈夫だよ、誰にも密告なんかしないから……」

智代子「え、えへへ……お見通しでしたか……」

灯織「この前も箱ごとお菓子持って帰ってなかった?」

智代子「なくなっちゃいまして……えへへ……」

灯織「早すぎるよ……」

(チョコと一緒に新しいお菓子を探して過ごした……)

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
・現在の所持品
【ミネラルウォーター】
【ルアックコーヒー】
【ローズヒップコーヒー】
【虹色の乾パン】
【色恋沙汰リング】×2
【スカラベのブローチ】×3
【あしたのグローブ】
【おでこのメガネ】×2
【新品のサラシ】
【もちプリのフィギュア】
【残鉄剣】
【狂戦士の鎧】
【昭和ラジオ】
【黄金のスペースシャトル】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【古代ツアーチケット】×2
【もしもFAX】
【キャットドッグプレス】
【隕石の矢】
【アゴドリル】
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ジャスティスV変身ベルト】
【ダンベル君主論】

1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない

↓1

186: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/29(木) 22:11:12.65 ID:f5Say+BP0
1.ダンベル君主論

187: ◆zbOQ645F4s 2021/04/29(木) 22:18:38.95 ID:3z9119yo0
【ダンベル君主論を渡した……】

灯織「チョコ、これ……」

智代子「え、ダンベル……こ、これって……?」

灯織「ダンベルの中に電子書籍が内蔵されてて、一ページめくるごとに持ち上げる仕組みになってるみたいなんだけど……」

智代子「こ、これは……夏葉ちゃんが大喜びの予感……!」

灯織「そうだよね。夏葉さんは文武両道な方だからいつでも自己研鑽に努めていらっしゃって……」

智代子「でも流石にこれは使いづらいと思うよ?!」

智代子「まあ……両者別々になら、並行作業でやってたんだけど……」

灯織「あはは……夏葉さんらしいね」

智代子「うん、なんだか夏葉ちゃんのことを思い出して……元気が湧いてきたよ!ありがとう灯織ちゃん!」

【PERFECT COMMUNICATION】

【親愛度がいつもより多めに上昇します】

-------------------------------------------------


智代子「ひ、灯織ちゃん……ご相談が……」

(うっ……なんかデジャブだ……この前はこの学園にお菓子がないことについて相談を受けたんだっけ……)

灯織「チョコ、でも今さっきもお菓子は探したばかりじゃない?」

智代子「ち、違うよ灯織ちゃん!わたしそんなにお菓子ばっかりでもないから!」

灯織「えっ……ご、ごめん!失礼だったよね!?」

智代子「大丈夫大丈夫!今回もそれに近しい話題ではあるから!」

灯織「そ、そうなの……?」

智代子「そ、その……今度は逆に、お菓子を食べすぎて……太ったみたいで」

灯織「えぇ……」

智代子「大変なんだよー!いつも使えるフックがきついんだよー!ほんのちょこっとだけ食べすぎちゃったんだよー!」

灯織「それなら……我慢するしかないんじゃない?」

智代子「それはそうなんだけど……大変断腸の思いと言いますか……」

灯織「お菓子は抜きたくない……と」

智代子「なんかいい運動とか知らないかな?!」

灯織「お菓子の摂取カロリーを超える運動って結構厳しいよ……?それこそそういうのは、ユニットの……」

智代子「……?」

(そうだ……もう、樹里はいないんだ……)

(いつもチョコを引っ張ってくれた放クラのお二人はこの場にはいない……)

(まさかこんなことで、そんな寂しさを感じることになるとは……)

1.それじゃあめぐると一緒に運動してみたら?
2.図書室で効率のいいトレーニングを研究しよう
3.自由安価

↓1

188: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/29(木) 22:21:44.90 ID:QPC3E0xb0
2

189: ◆zbOQ645F4s 2021/04/29(木) 22:28:05.88 ID:3z9119yo0
2 選択

灯織「よし、それじゃあチョコ。一緒に新しいトレーニングメニューを開発してみない?」

智代子「あ、新しいトレーニングメニュー……?」

灯織「そう、私はトレーニングについて夏葉さんや樹里みたいに詳しいわけでもないから……痩せるために必要な運動量もわからない」

灯織「だからまずは現状把握と問題明確化のためにも知識から、基礎から行こう」

智代子「な、なんか本格的だね?!」

灯織「この学校の図書室なら蔵書も沢山だし……きっとチョコのためになるトレーニングが開発できると思うよ」

智代子「な、なるほど……わ、わかった!わたしも手伝うよ!」

灯織「もぉ……手伝うのは私の方でしょ?」

智代子「あ、あはは……面目ない……」

-------------------------------------------------

灯織「有酸素運動と無酸素運動をインターバルをはさんで取り入れて……」

智代子「な、なるほど……」

~~~~~~~~~~~~~~~~

灯織「チョコの安静時心拍数は70前後だから、目標心拍数は……」

智代子(お腹すいたなぁ……)

~~~~~~~~~~~~~~~~
灯織「よし、運動強度設定はできた。後は時間効率からメニューを再検討しよう」

智代子「zzz……」


【親愛度が上昇しました!】

【園田智代子の現在の親愛度…3.0】

190: ◆zbOQ645F4s 2021/04/29(木) 22:30:05.93 ID:3z9119yo0
【灯織の部屋】

あと数時間で夜時間、今日もまた一日が終わろうとしている。
進展はなくてもお腹はすく、今日も早めに食堂に行っておこうかな。

-------------------------------------------------

【食堂】

夕食を頂きに食堂に入ると、ちょうど甘奈が出て行こうとしている最中だった。
その手には二人分の食事乗ったお盆がある。


灯織「あれ、甘奈どうしたの?」

甘奈「灯織ちゃん、こんばんはー☆えっと、これから保健室に行くところなんだ」

灯織「ってことはそれ、甜花さんと霧子さんの分?」

甘奈「うん、凛世ちゃんが甜花ちゃんのために消化のいい食事を作ってくれたんだ☆」

甘奈「それに霧子ちゃんもずっと付きっきりでご飯を食べる暇もないみたいだし……甘奈が持って行ってあげようと思って!」

灯織「そっか、それなら私も手伝うよ」

甘奈「ううん、大丈夫。保健室に入るときはマスクしなくちゃいけないし、今灯織ちゃん持ってないでしょ?」

灯織「あっ……そっか、でも個室に戻ればすぐに」

甘奈「いいからいいから、甘奈がぱぱっと行ってぱぱっと終わらせちゃうから!」


甘奈は私を振り切るように小走りで行ってしまった。
少しでも早く甜花さんに会いたかったんだろう、邪魔しちゃ悪かったかな……

私は甘奈を見送った後、食堂で他の皆さんと一緒に食事を頂いて、自分の部屋へと戻った。

191: ◆zbOQ645F4s 2021/04/29(木) 22:31:01.14 ID:3z9119yo0

【灯織の部屋】

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより、“夜時間”になります。間もなく、食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま~す』

モノクマ『ではでは、いい夢を。おやすみなさい…』


甜花さんの病状は心配だけど、とりあえずは二人を信じるしかないよね……

なにより私が体調を崩すようなことがあっちゃいけないし……

ゆっくり休んでおこう……

192: ◆zbOQ645F4s 2021/04/29(木) 22:33:20.39 ID:3z9119yo0
___

_____

_______

【灯織の部屋】

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!

さて、今日も頑張らないと。
まずは食堂に行くところから。

……この生活リズムにも慣れてきちゃったな。

-------------------------------------------------

【食堂】

朝礼のために食堂に入ると、またしても甘奈と鉢合わせる形になった。


灯織「わわっ、甘奈?」

甘奈「あ、灯織ちゃんおはよー☆へへ、今からまた甜花ちゃんのところにご飯を届けに行くんだ!今度はおかゆだよ☆」


甘奈……いつもより早起きして殊勝だな。
お盆に乗った二つのおかゆは米粒もしっかりとたっていておいしそう。
凛世の料理の腕が窺える出来栄えだ。


灯織「甘奈、無理しないでね?甜花さんのことが心配なのはわかるけど」

甘奈「大丈夫大丈夫、甘奈はご飯を届けてるだけ……むしろそれぐらいしかできることは無いから……ね?」

まあ、甘奈自身ご飯を届けて甜花さんとお話しすることで救われてる部分もあるんだろうし私がとやかく言うことでもないよね。

灯織「うん、それじゃあ甜花さんと霧子さんに私の分もよろしく伝えておいてくれるかな」

甘奈「オッケー☆」


甘奈は小走りで学校エリアの方へ駆けて行った。

~~~~~~

私たちはそのまま朝食会を終え、自分の部屋へと戻った。

193: ◆zbOQ645F4s 2021/04/29(木) 22:35:08.13 ID:3z9119yo0
【灯織の部屋】

甘奈、毎食運んでるみたいだな……
私も何か手伝えたらいいけど、邪魔になってもいけないし……
どうしたものか……

【自由時間開始】

灯織「さて、どうしようかな」

-------------------------------------------------
1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在のモノクマメダル…47枚)
2.交流 (人物指定安価)※甜花と霧子を除く
3.休憩

【またしてもスキル:ポシェットの中にはの判定を忘れてしまったのでこの直下レスで合わせてコンマ判定します】

↓1

194: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/29(木) 22:40:48.18 ID:AAToA1Tj0
2 咲耶

195: ◆zbOQ645F4s 2021/04/29(木) 22:45:08.79 ID:3z9119yo0
2 咲耶選択

【娯楽室】

咲耶「おや……灯織かい?これはこれは、お姫さまは時間を持て余した様子と見てよろしいかな?」

灯織「ええ……まあ……どなたかいらっしゃればご一緒に過ごせたらと思ってきたのですが……」

咲耶「フフ、それなら謹んで招待をお受けしよう。この場なら、娯楽も沢山あるようだからね」

灯織「はい……ぜひ、お願いします!」

咲耶「それならまずはチェスなんかいかがかな?」

(咲耶さんとのチェスで敗北した……)

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
・現在の所持品
【ミネラルウォーター】
【ルアックコーヒー】
【ローズヒップコーヒー】
【虹色の乾パン】
【色恋沙汰リング】×2
【スカラベのブローチ】×3
【あしたのグローブ】
【おでこのメガネ】×2
【新品のサラシ】
【もちプリのフィギュア】
【残鉄剣】
【狂戦士の鎧】
【昭和ラジオ】
【黄金のスペースシャトル】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【古代ツアーチケット】×2
【もしもFAX】
【キャットドッグプレス】
【隕石の矢】
【アゴドリル】
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ジャスティスV変身ベルト】

1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない

↓1

196: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/29(木) 22:48:07.49 ID:QPC3E0xb0
1【ローズヒップコーヒー】

197: うわ……ずっとコピペミスってた……なんだローズヒップコーヒーって…… ◆zbOQ645F4s 2021/04/29(木) 22:55:01.07 ID:3z9119yo0
【ローズヒップティーを渡した……】

咲耶「おや、これは……」

灯織「ローズヒップティーです。咲耶さんは紅茶を嗜まれるとお聞きしましたので……」

咲耶「フフ、耳ざといね。ありがとう、灯織。これで毎朝の目覚めもすっきりとしたものになると思うよ」

灯織「はい……喜んでいただけて良かったです」

咲耶「それでは私からお返しに、今度この紅茶でお茶会にご招待してもいいだろうか?」

灯織「……!!はい、もちろん!」

【PERFECT COMMUNICATION】

【親愛度がいつもより多めに上昇します】

-------------------------------------------------

灯織「咲耶さん……その、ありがとうございます」

咲耶「おっと……そんな突然お礼を言われても受け取りづらいな……理由を聞かせてもらってもいいかな?」

灯織「あ、す、すみません!その……咲耶さんは、こちらに来てから朝礼を主催してくださったり、私たちを鼓舞してくださったり……リーダー的役割を担ってくださっているので……」

灯織「その、過度な負担になってはいないかと……」

咲耶「ありがとう、灯織は優しいね」

灯織「お、お礼を言うのはこちらですから……!」

咲耶「でも心配には拠らないよ。私もやりたくてやっていることだからね」

咲耶「それに、今この学園で最年長は私だ。年長者にとってみんなをとりまとめることは義務だと思っているよ」

灯織「咲耶さん……」

咲耶「それに、みんなと一緒に過ごせているうちは私が抱え込むようなストレスも解消されてしまう」

咲耶「仲間と共に過ごすこの人と気が私にとって何よりも活力になるんだからね」

灯織「なるほど……」

咲耶「だから、灯織も存分に私のことを頼ってくれると嬉しい。私でその期待に添えるのかはわからないけどね」


1.何か私にもお手伝いできることはありますか?
2.はい、頼らせてもらいます……リーダー!
3.自由安価

↓1

198: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/29(木) 22:57:51.89 ID:AAToA1Tj0
1

199: ◆zbOQ645F4s 2021/04/29(木) 23:04:13.35 ID:3z9119yo0
1 選択

灯織「何か私にもお手伝いできることはありますか?」

咲耶「おっと……今しがた私は私を頼るように言ったつもりなんだけどね」

灯織「はい……それは了承の上で、です。リーダーだからと言ってすべてを背負う必要は決してありませんから」

灯織「私にできることがあれば、なんでもやらせてくれて構いません。それこそ咲耶さんの言うように、咲耶さんのお役に立つことが私にとっての活力ですから」

咲耶「……困ったね、これでは言い換えしようがないな」

咲耶「それではわがままなお姫様のお申し出に、ありがたく従うこととしよう」

灯織「はい!」

咲耶「これから、私と定期的におしゃべりしてもらえないだろうか」

灯織「おしゃべり……ですか?」

咲耶「ああ、今言った通り、私にとっては仲間と過ごす時間が何よりの宝なんだ。だからその宝を、灯織の方からも提供してくれるとありがたいかな」

灯織「そ、そんなことでいいんですか?」

咲耶「そんなこと……なんかじゃない、それだからこそいいんだよ」

灯織「わかりました……」

咲耶「フフ、よろしく頼んだよ、灯織?」


【親愛度が上昇しました!】

【園田智代子の現在の親愛度…2.0】


【スキル:ポシェットの中にはの効果によりモノクマメダルを獲得しました】

【コンマ判定:48】

【モノクマメダル8枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル枚数:55枚】

200: ◆zbOQ645F4s 2021/04/29(木) 23:06:09.71 ID:3z9119yo0
【灯織の部屋】

咲耶さん、本当に立派な方だな……
私たちのリーダーを行うだけでなく、細やかな気配りまで……

私も咲耶さんのように立派な人になれたらいんだけど……

【自由時間開始】

(まだ時間はあるかな……)

灯織「さて、どうしようかな」

-------------------------------------------------
1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在のモノクマメダル…47枚)
2.交流 (人物指定安価)※甜花と霧子を除く
3.休憩

【言い忘れていましたが事件発生前日の自由行動です】

↓1

201: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/29(木) 23:09:07.85 ID:QPC3E0xb0
2凛世

202: ◆zbOQ645F4s 2021/04/29(木) 23:11:57.05 ID:3z9119yo0
2 凛世選択

【図書室】

灯織「凛世……やっぱりここにいたんだね」

凛世「灯織さん……?凛世に、何か御用でしょうか……」

灯織「ううん、用事っていうほどでもないんだけど……一緒に読書してもいいかな?」

凛世「はい、無論歓迎でございます……どうぞ、向かいの席に……」

灯織「うん、失礼するね」

(凛世と一緒に読書をして過ごした……)

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
・現在の所持品
【ミネラルウォーター】
【ルアックコーヒー】
【虹色の乾パン】
【色恋沙汰リング】×2
【スカラベのブローチ】×3
【あしたのグローブ】
【おでこのメガネ】×2
【新品のサラシ】
【もちプリのフィギュア】
【残鉄剣】
【狂戦士の鎧】
【昭和ラジオ】
【黄金のスペースシャトル】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【古代ツアーチケット】×2
【もしもFAX】
【キャットドッグプレス】
【隕石の矢】
【アゴドリル】
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ジャスティスV変身ベルト】

1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない

↓1

203: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/29(木) 23:21:27.22 ID:AAToA1Tj0
1 【新品のサラシ】

204: ◆zbOQ645F4s 2021/04/29(木) 23:29:31.96 ID:3z9119yo0
【新品のサラシを渡した……】

凛世「こちらは……」

灯織「サラシって、確か下着に使うんだよね……?和装の人がその下に使ったりとか……」

灯織「凛世、その……こっちに来てから下着とかって」

凛世「……気を遣わせてしまい、申し訳ございません」

灯織「ご、ごめん……!こ、これってもしかしてセクハラみたいな……!?」

凛世「落ち着いてくださいませ……凛世に咎めるつもりなど……」

凛世「むしろ灯織さんの気遣いに、感謝しております……」

【PERFECT COMMUNICATION】

【親愛度がいつもより多めに上昇します】

-------------------------------------------------

灯織「凛世、最近毎朝ご飯作ってくれてるけど大丈夫?無理とかしてない?」

凛世「いえ……無理などは……凛世は、朝餉の支度は普段のるーてぃーんのようなものですゆえ……」

(ルーティンと言っても毎朝他のみんなより早く起きるのは大変だと思うけど……)

凛世「凛世のふるまう料理で笑顔になっていただける……それだけで凛世にとっては幸甚の至りでございます……」

灯織「凛世……」

凛世「ふふ……♪料理とは、そのようなものではございませんか……?」

灯織「うん、そうだね。私もそう思う」

凛世「作り手の気持ちがこもった料理ほど、絶品なものもございません……」

灯織「やっぱり凛世、料理上手だよね。毎朝すごくおいしい……」

凛世「灯織さんの料理も至妙だとお聞きいたしました……」


1.私なんか凛世に比べたらまだまだだよ
2.凛世は料理に工夫が凝らしてあるよね
3.自由安価

↓1

205: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/29(木) 23:31:39.04 ID:QPC3E0xb0
2

206: ◆zbOQ645F4s 2021/04/29(木) 23:35:04.01 ID:3z9119yo0
2 選択

灯織「わ、私はマニュアル通りにやってるだけだから……凛世みたいに創意工夫に溢れてるわけじゃないよ」

凛世「凛世も、何も特別なことは……」

灯織「そうかな……?お味噌汁だって私が普段飲むのとちょっと味付けが違うし……」

凛世「それは、地方性の違いなのではないでしょうか……」

灯織「あ、そういえばみそ汁の味付けって日本でも東と西で違うって聞いたことがある……」

凛世「はい……お味噌と一口に申しましても……赤味噌、白味噌、だし味噌……合わせみそまで様々でございます……」

灯織「そうだよね、だから違うんだ」

凛世「凛世の故郷である山陰では……カニを贅沢にあしらったお味噌汁もございます……」

灯織「えっ?!ってことはカニ味噌?!」

凛世「灯織さん……カニ味噌と普通のお味噌は別物でございます……」

凛世「蟹のお味噌汁とは言葉通り、松葉ガニの肉を使った料理でございます……」

凛世「海鮮のうまみがお味噌の味付けと絡み合い、大変美味です……」

(冷静に突っ込まれた……)

-------------------------------------------------

【スキル:一番星の魔法を発動できます】

【モノクマメダルを10枚消費することにより、本日の自由行動をもう一度だけ追加することができます】

【現在のモノクマメダル 55枚】

【スキル:一番星の魔法】を使用しますか?

↓1

207: ◆zbOQ645F4s 2021/04/29(木) 23:35:57.17 ID:3z9119yo0
あ、親愛度表示抜けてた……
再安価します


【親愛度が上昇しました】

【杜野凛世の親愛度…2.0】

-------------------------------------------------

【スキル:一番星の魔法を発動できます】

【モノクマメダルを10枚消費することにより、本日の自由行動をもう一度だけ追加することができます】

【現在のモノクマメダル 55枚】

【スキル:一番星の魔法】を使用しますか?

↓1

208: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/29(木) 23:44:41.08 ID:sORH2Xz1O
使う

209: ◆zbOQ645F4s 2021/04/29(木) 23:46:40.96 ID:3z9119yo0
【スキル:一番星の魔法を使用しました】

【残りのモノクマメダル枚数:45枚】

【灯織の部屋】

凛世の料理、毎日の楽しみになってるけど……
樹里の死から張り切りすぎてるような気もしてるんだよね……

凛世自身は否定してるけど……

【自由時間開始】

(まだ時間はあるかな……)

灯織「さて、どうしようかな」

-------------------------------------------------
1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在のモノクマメダル…45枚)
2.交流 (人物指定安価)※甜花と霧子を除く
3.休憩

【事件発生前日の自由行動です】

↓1

210: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/29(木) 23:50:48.56 ID:th0wxpf90
2咲耶

211: ◆zbOQ645F4s 2021/04/29(木) 23:55:34.18 ID:3z9119yo0
2 咲耶選択

【食堂】

咲耶「やあ、灯織。これから夕食かな?」

灯織「はい、そのつもりですが……咲耶さんも?」

咲耶「ああ、タイミングはバッチリだね。ご一緒してもいいだろうか?」

灯織「もちろんです!ぜひご一緒させてください!」

(咲耶さんと一緒に夕食を頂いた……)

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
・現在の所持品
【ミネラルウォーター】
【ルアックコーヒー】
【虹色の乾パン】
【色恋沙汰リング】×2
【スカラベのブローチ】×3
【あしたのグローブ】
【おでこのメガネ】×2
【もちプリのフィギュア】
【残鉄剣】
【狂戦士の鎧】
【昭和ラジオ】
【黄金のスペースシャトル】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【古代ツアーチケット】×2
【もしもFAX】
【キャットドッグプレス】
【隕石の矢】
【アゴドリル】
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ジャスティスV変身ベルト】

1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない

↓1

212: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/29(木) 23:58:59.55 ID:QPC3E0xb0
1【古代ツアーチケット】

213: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 00:04:29.40 ID:3crg9ztu0
【古代ツアーチケットを渡した……】

咲耶「こ、これはまた変わった品だね……」

灯織「古代人と一緒にムー大陸を探検できるそうです」

咲耶「古代人……ムー大陸……未知の世界だね」

灯織「お気に召しませんでしたか?」

咲耶「いや、新しい世界との出会いは自分からは見出しづらい。そのきっかけをくれた灯織には感謝するよ」

(うーん、普通の反応だったかな)

-------------------------------------------------

咲耶「さっきの約束通り、私に話に来てくれたのかな?」

灯織「は、はい……私でよろしければ咲耶さんのお時間を頂いて、雑談のお相手をさせていただこうかと」

咲耶「おっと、さっきも言った通り、灯織だからいいんだ。必要以上の卑下は認められないな」

灯織「き、気を付けます……」

咲耶「さて、雑談と言っても何を話したものか……楽しい話題がいいかな」

灯織「そうですね……でしたら、ここを出た後の話などいかがでしょうか」

咲耶「なるほど、それは希望に満ちた話だね。灯織は展望が何かあるのかい?」

灯織「展望……やはり、私がいないことでご迷惑をかけている方々に謝罪に回って……」

咲耶「おお……さ、流石は灯織だね」

灯織「もちろんプロデューサーや事務所にも急いで伺います!」

咲耶「そういう殊勝な心掛けも大切だけど……ここではできないことをしてみたい、なんて夢はないかな?」

灯織「夢……ですか」

咲耶「例えば、私は恋鐘の手料理をアンティーカのみんなでまた食べたい……とかね」

灯織「それは素敵な夢ですね……!」

咲耶「ああ、恋鐘の料理は絶品だからね」

灯織「私の夢は……」


1.めぐると一緒に……
2.真乃のために……
3.自由安価

↓1

214: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/30(金) 00:08:25.63 ID:UyVPiU6R0
1.めぐると一緒に……

215: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 00:14:41.23 ID:3crg9ztu0
1 選択

灯織「私たちは、真乃を失ってしまいました……」

灯織「でも、だからこそ……めぐると一緒にこの先を歩んでいくことに夢を見出すことは重要だなって思うんです」

咲耶「灯織……立派な心掛けだと思うよ」

灯織「真乃とめぐると三人でやりたかったことを、めぐると全部やっていく……それが今の私の夢です」

咲耶「例えば、聞かせてもらってもいいかな?」

灯織「すでにいろんなところに三人で行ったりはしてるので……海外なんか行ってみたいかもしれません」

咲耶「大きく出たね」

灯織「他にも食べたことないものを試してみたり……」

灯織「新しい体験をどんどん積んでいきたい……回答としてはぼんやりしすぎでしょうか」

咲耶「いや、かまわないよ。灯織の強い思いが伝わってきたさ」

咲耶「その希望を胸に抱いているうちは、前を向ける。私もそう思うよ」

灯織「……はい!」

【親愛度が上昇しました】

【白瀬咲耶の親愛度…3.5】

216: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 00:16:17.70 ID:3crg9ztu0
【灯織の部屋】

ピンポーン

咲耶「やあ、灯織」

灯織「咲耶さん……?どうしたんですか?」

咲耶「実はいまみんなを集めていてね、みんなで一度甜花のお見舞いに行こうと思うんだ」

咲耶「みんな病状が気になってはいるけど、なかなか会いに行くわけにもいかないからね」

咲耶「霧子に相談したら、今は割と病状が落ち着いてるタイミングらしくてね。それならと思い立ったわけだ」

灯織「ぜひご一緒させて下さい……甜花さんの様子が私も気になっていたところなんです」

咲耶「そうか……甜花も灯織が来てくれたら喜ぶよ。是非一緒に来てくれ」

灯織「はい、ぜひ!」


みなさんが集まるなら急いで準備しなくっちゃ!
甜花さんに何かプレゼントしてみてもいいかもしれない……


【現在所持しているアイテムを大崎甜花にプレゼントできます】

【渡したプレゼントに応じて親愛度が上昇します】

【何か渡しますか?】

-------------------------------------------------
・現在の所持品
【ミネラルウォーター】
【ルアックコーヒー】
【虹色の乾パン】
【色恋沙汰リング】×2
【スカラベのブローチ】×3
【あしたのグローブ】
【おでこのメガネ】×2
【もちプリのフィギュア】
【残鉄剣】
【狂戦士の鎧】
【昭和ラジオ】
【黄金のスペースシャトル】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【古代ツアーチケット】
【もしもFAX】
【キャットドッグプレス】
【隕石の矢】
【アゴドリル】
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ジャスティスV変身ベルト】

↓1

217: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/30(金) 00:18:06.24 ID:r0z/iqRh0
超技林

218: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 00:21:09.58 ID:3crg9ztu0
【超技林】選択


【保健室】

保健室に入った私たちを出迎えたのは、ベッドの上で元気なく横たわる甜花さん……





ではなく、意気揚々とゲームにいそしんでいる甜花さんの姿だった。


愛依「ちょ、ちょい……甜花ちゃん、大丈夫なん?」

甜花「……あれ?み、みんな……」

甘奈「みんなが甜花ちゃんのためにお見舞いに来てくれたんだよー☆」

咲耶「思ったより元気そうで良かったよ、もう横にならなくて大丈夫なのかい?」

霧子「甜花ちゃん、ここ数日はとにかく眠って安静にすることに専念してたから……」

霧子「今はだいぶ安定してるんだ……熱も平熱に近いところまでさがってるよ……」

甜花「甜花、日中ずっと寝てたから……眠くなくなっちゃって……」

甜花「なーちゃんに、ゲーム機持ってきてもらっちゃった……」

雛菜「なんだか心配して損しましたね~」

智代子「ひ、雛菜ちゃん?!」

219: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 00:22:32.85 ID:3crg9ztu0

摩美々「まぁゲームできるぐらいには元気になったってコトでしょー?」

甜花「でも、本当はテレビに接続するゲームでシューティングやりたかったんだけど……」

甜花「今は仕方ないから、携帯機で我慢する……」

摩美々「あ、それ見たことあるー」

甜花「この前で、発売十周年になる名機……!ゲームを3Dでプレイできるから、当時は革新的って言われたんだ……」

甜花「けっきょく、3D表示はしないことの方が多いんだけど……」

愛依「そ、それ意味あるの……?」

甜花「でも、携帯機でカメラにミュージックにインターネットに、いろんな機能が詰め込まれるようになったのもこのぐらいの時代だから……」

甜花「最悪カートリッジがなしでも遊べる……にへへ……」

めぐる「へー、今は甜花何してるの?」

甜花「天使が一つ目の怪物を撃って倒すシューティングゲーム……」

愛依「結局シューティングじゃん!」

(ほ、ホントに元気になったんだね……)

220: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 00:25:12.08 ID:3crg9ztu0
灯織「あの、甜花さん……これ、差し入れです……」

甜花「え……?」

甜花「……!?か、風野さん……これ……」

灯織「【超技林】……ゲームの裏技を記した本、らしいんですが……体調が良くなった今ならこれでも呼んでもお暇をつぶしていただけたらと……」

甜花「……暇がつぶれるどころじゃ、ない……!」

灯織「え……?」

甜花「甜花は今、燃えている……!かつてないほどに、ゲーム欲で燃えている……!風野さんのおかげ……!」

灯織「は、はぁ……」

甜花「甜花、ブーストモード……!」

(とにかく、喜んでいただけたようだ……)

【PERFECT COMMUNICATION】

【親愛度が上昇しました】

【大崎甜花の現在の親愛度…3.0】

-------------------------------------------------

咲耶「それじゃああまり長い間お邪魔してもよくないし、そろそろ失礼するよ」

霧子「うん……咲耶さん、みんなもありがとう……」

灯織「いえ、私たちはこれくらいしかできませんから……」

めぐる「霧子も無理しないでね!」

霧子「うん……」

甘奈「甜花ちゃんも、ゲームが楽しいのはわかるけど、早めに寝るようにしてね?」

甜花「な、なーちゃん……わかった……」

ガララ……

221: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 00:25:57.36 ID:3crg9ztu0

【学校エリア廊下】


智代子「でも安心したね!一時はどうなることかと思ったけど……」

愛依「ゲームできるくらいに元気なってたらもうばっちりっしょ!」

凛世「はい……凛世のおつくりする料理も、完食いただけているご様子……」

凛世「食欲も万全なら、快方に向かうことでしょう……」

雛菜「そうですね~、変な病気とかじゃなかったみたいですし~」

咲耶「ああ、インフルエンザのようなものでもないようだし、明日か明後日ぐらいには二人も戻ってこれるだろうね」

摩美々「まぁ二人を信じて待つしかないですねー」

めぐる「甜花、ファイトだよ!」


甜花さんの元気そうな様子を見て、私たちは安心してそれぞれの個室へと別れたんだ。

222: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 00:27:06.03 ID:3crg9ztu0
【灯織の部屋】

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより、“夜時間”になります。間もなく、食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま~す』

モノクマ『ではでは、いい夢を。おやすみなさい…』


大きな不安材料もなくなり、一安心……

また仲間たちが揃って、一緒に戦える。

みんなで協力して、脱出の糸口を探して……

必ず、揃って生きて帰る。

私たちはみんなそんな希望を抱いていた。

223: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 00:27:55.23 ID:3crg9ztu0





でも、そんな時は……

二度とはやってこなかったんだ。






224: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 00:32:37.16 ID:3crg9ztu0
というわけで事件発生前日が全て終了して今回はここまで。
次回事件発生です。
4/30 21:00~より更新予定です。

最後に親愛度を乗せつつ、スキル:ポシェットの中にはのコンマ判定を直下で行うようにしておくので、
次回更新時にモノクマメダルを獲得してから開始します。

それではお疲れ様でした。
-------------------------------------------------

【ここまでの親愛度】

・【超高校級の飼育委員】櫻木真乃……1.0【DEAD】
・【超高校級の占い師】風野灯織……(主人公)
・【超高校級の助っ人】八宮めぐる……0

・【超高校級の保健委員】幽谷霧子……0
・【超高校級のモデル】白瀬咲耶……3.5
・【超高校級の服飾委員】田中摩美々……6.0

・【超高校級の幸運】園田智代子……3.0
・【超高校級の応援団長】西城樹里……3.0【DEAD】
・【超高校級の日本舞踊家】杜野凛世……2.0

・【超高校級のゲーマー】大崎甜花……3.0
・【超高校級のスタイリスト】大崎甘奈……1.0

・【超高校級のギャル】和泉愛依……2.0

・【超高校級の???】浅倉透……0【DEAD】
・【超高校級のディベート部】樋口円香……0
・【超高校級の帰宅部】市川雛菜……7.0
・【超高校級の学級委員】福丸小糸……12.0【DEAD】

-------------------------------------------------

【スキル:ポシェットの中にはの判定を行います】

【直下コンマの末尾の数字と同じ枚数だけモノクマメダルが獲得できます】

↓1

225: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/30(金) 00:34:42.72 ID:r0z/iqRh0
乙です
今回は誰が犠牲者になるのか予想がつかないな……

229: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 20:59:17.74 ID:3crg9ztu0
___

_____

_______

【灯織の部屋】

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!


昨日は甜花さんの元気そうな顔を見れて一安心だったな。
他の皆さんもおかげで明るい表情になれてたし、なんだかいい予感がする。

よし、今日も頑張っていこう……!

230: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 21:01:22.85 ID:3crg9ztu0
【食堂】

(……あれ?)

しかし、食堂に入ると待っていたのは暗い表情をした甘奈だった。


灯織「甘奈?ど、どうしたの……?」

甘奈「灯織ちゃん……あのね、甜花ちゃんの病気がまた悪化しちゃったんだ……」

咲耶「つい先ほど甘奈がまた、朝食を持って行ってくれたんだ。しかし、どうやら甜花の病状が芳しく無いようでね……」

灯織「そうなんですか……」

甘奈「うん、甜花ちゃん咳が止まらないみたいで……霧子ちゃんも厳戒態勢だって言ってた……」

めぐる「昨日はだいぶ元気そうだったのにね……」

灯織「だいぶ良くなったと思ってたんだけど……こればっかしは仕方ない……のかな」

凛世「お体のこと故、凛世たちに何もできないのが大変歯がゆい思いです……」

甘奈「咳が止まらない中で絞り出した『ありがとう』の一言で涙を禁じえなかったよ……うぅ……甜花ちゃん……」

灯織「甘奈……」


その日の朝礼はほとんど甘奈を励ます内容になった……
みなさんの言う通り、私たちには何もできないことの無力感が虚しい。

また、甜花さんと肩を並べて食事を早くしたいのに、今は祈ることしかできない……

231: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 21:05:16.71 ID:3crg9ztu0
-------------------------------------------------
【灯織の部屋】

(だからこそ、その分今のうちに皆さんと協力する下地を整えておかないと)

(部屋に閉じこもっているような時間はない……!)

【自由行動開始】

【事件発生前最後の自由行動です】

-------------------------------------------------

【スキル:ポシェットの中にはの効果が発動しました】

【コンマ判定:72】

【モノクマメダル2枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル枚数:47枚】

-------------------------------------------------
1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在のモノクマメダル…47枚)
2.交流 (人物指定安価)※甜花と霧子を除く
3.休憩

↓1

232: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/30(金) 21:13:29.44 ID:ydNHOJ/L0
2 摩美々

233: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 21:17:47.42 ID:3crg9ztu0
2 摩美々選択

【摩美々の部屋】

ピンポーン

摩美々「はーい、なんですかー」

灯織「摩美々さん、今お時間よろしいでしょうか」

摩美々「んー?暇つぶしー?まぁ、付き合ってもいいですケド……」

灯織「ありがとうございます」

摩美々「……その顔、真面目な話するつもりでしょー」

灯織「……え?」

摩美々「別にいいよー、甜花のこととか、気になることはありますしー」

(摩美々さんと今後の作戦会議をした……)

-------------------------------------------------
・現在の所持品
【ミネラルウォーター】
【ルアックコーヒー】
【虹色の乾パン】
【色恋沙汰リング】×2
【スカラベのブローチ】×3
【あしたのグローブ】
【おでこのメガネ】×2
【もちプリのフィギュア】
【残鉄剣】
【狂戦士の鎧】
【昭和ラジオ】
【黄金のスペースシャトル】
【携帯ゲーム機】
【古代ツアーチケット】
【もしもFAX】
【キャットドッグプレス】
【隕石の矢】
【アゴドリル】
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ジャスティスV変身ベルト】

1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない

↓1

234: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/30(金) 21:24:23.21 ID:5m6tAwQ0o
1 キャットドッグプレス

236: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 21:28:19.36 ID:3crg9ztu0
【キャットドッグプレスを渡した……】

灯織「摩美々さん、こちら気分転換のリフレッシュにいかがでしょうか?」

摩美々「んー?……あー、ペットの本ねー、かわいいじゃーん」

灯織「摩美々さんはこういうのお好きですか?」

摩美々「ボチボチって感じかなー、爬虫類の飼育とかが好きだケド、別に犬猫も嫌いじゃないしー」

パラ……パラ……

摩美々「……えっ」

灯織「摩美々さん?」

摩美々「灯織、この本って中身みたー?」

灯織「い、いえ……表紙しか……」

摩美々「……これ、途中から動物の繁殖の話、そこから脱線して……その、人間の男女の話になってるんだケド……」

灯織「!?!?!!????!?!?」

摩美々「……灯織、ちょっとこれはー……」

(しまった……別のものを渡せばよかったかな……)

-------------------------------------------------

摩美々「なんだか不気味だよねー」

灯織「不気味……ですか?それはいつものことでは……」

摩美々「まぁ、この学園が不気味なのは確かに今更だけどさー……何より不気味なのは円香じゃない?」

灯織「樋口さん……ですか」

摩美々「樹里の事件が終わってすぐ、私たちに裏切り者の話を持ち出したくせに以降は全く音沙汰なしでしょー?」

摩美々「どうせロクなことしてないんだろうケド、あまりにも姿が見えなさすぎじゃない?」

灯織「確かにそうですね……私もあれから毎日校内を探索していますが、樋口さんの姿はお見受けしていないような……」

摩美々「円香、また暴走したりしないよねー……?」

(脳裏によぎるのは小糸の事件。樋口さんはあれ以降変わってしまわれた……)

(『誰か殺す』……あの発言の真意を読めないままだ)

摩美々「まさか甜花の病気に関係してたりしてー」

灯織「そ、そんな……?まさか、毒……?!」

摩美々「冗談だよー」

灯織「わ、笑えませんよ……」


1.そういえば、『裏切り者』について何かわかったことなどは……
2.樋口さんはどんな『動機』を手に入れたんでしょうか……
3.自由安価

↓1

237: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/30(金) 21:38:06.91 ID:ydNHOJ/L0
2

238: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 21:43:51.25 ID:3crg9ztu0
2 選択

灯織「樋口さんは一体どんな動機を手に入れたんでしょうか……」

摩美々「あー、そういえばそんなのあったねー」

灯織「モノクマに渡された【プレゼント】の中身次第ではそれを用いて凶行に及ぶ可能性もありますし……」

灯織「私たちの取るべき警戒も変わってきますよね」

摩美々「確か円香は【超高校級のディベート部】?だっけ……ディベートって何使うんだろー」

灯織「卓上ベルや……コピー用紙……?」

摩美々「けっきょく弁論だしねー、具体的なもののイメージがあんまりないしー……」

灯織「だからこそ、モノクマの意図が読みづらいですね……」

摩美々「……」

摩美々「とりあえず、円香をどうにかして早いところ見つける方がいいかもねー」

摩美々「動機提供からすでに数日経ってるんだし、準備するには十分じゃないかなー」

灯織「はい……そうですね」

摩美々「任せたよ、リーダー」

灯織「もぉ……リーダーは私じゃないですよ」

摩美々「ふふー」

【親愛度が上昇しました!】

【田中摩美々の現在の親愛度…7.5】

-------------------------------------------------

【スキル:一番星の魔法は今回は発動しません】

【事件発生パートに移ります】

239: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 21:46:21.83 ID:3crg9ztu0
(さて、自分の部屋に戻ってプレゼントを整理したらまた交流でも……)

この学校の生活の中で半ばルーティン化した日中の交流。
次は誰とどんなことをして過ごそうか、そんなお気楽な考えを抱きながら自分の部屋に向かっていた。





________その始まりは唐突だった。

唐突しか表現のしようがないほどに唐突。
前触れなんて一切なく、それは始まってしまった。


「どっひゃあああああああ……!!!!」


校内に響き渡った絶叫、演技なんかじゃない恐怖の色がその中に見てとれた。
お気楽だった私の頭の中は一気に真っ白になり、足の先から身体中の熱が引いていく。


(……急がなきゃ!)


私の足は勝手に動き出していた。

240: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 21:48:41.91 ID:3crg9ztu0

【学校エリア 1F 廊下】

学校エリアに踏み入ると、すぐに絶叫の主がその姿を現した。


凛世「ひ、灯織さん……」


体を小刻みに震わせている凛世は、うるんだ瞳でこちらを見つめていた。


めぐる「灯織!凛世が……凛世が……!」


私よりも先にめぐるは現場に駆けつけており、凛世の介抱をおこなっていた。


灯織「凛世、大丈夫……?な、何があったの……?」


私が問いかけると凛世は言葉に詰まった様子.
凛世がめぐるに目配せをすると、めぐるも黙ってうなずいた。


凛世「凛世が申し上げるよりも、先にこちらを見ていただいた方が……」


そういって凛世が差し出してきたのは一枚の写真。


凛世「以前灯織さんに見つけていただいたカメラで撮影したもので、ございます……」


百聞は一見にしかず、ということだろう。
色々と聞きたいことはあるが、まずはその写真を見てみることにした。






「…………え?」

241: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 21:50:25.15 ID:3crg9ztu0

________そこに写っていたのは、紫色の布に身を包んだ何者か。

シルエットはてるてる坊主に近い。
ポンチョのように布を身に纏い、腕や脚を覗くことができる。
だが顔の部分は布地そのままであり、中に入っている人間の顔は全く見えない。
その代わりに丸々とした目、牙の生えたU字の口が描かれている。

……どこか既視感のある顔。






灯織「デビ、太郎……?」


甜花さんの大好きなキャラクター、【デビ太郎】が二足歩行になったような不審者がその写真に写っていた。

242: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 21:51:43.06 ID:3crg9ztu0

灯織「り、凛世……?これは……?」

凛世「はい、凛世はこちらの……デビ太郎さまに襲われたのでございます……」

灯織「で、デビ太郎に?!」


よく見ると確かにデビ太郎の手元には刃物らしきものが見える。
これでデビ太郎は凛世に襲い掛かったのだろう。


めぐる「こ、怖かったよね凛世……」

灯織「だ、大丈夫なの?!怪我とかは……?」

凛世「幸い、直接的に斬られたり刺されたりなどは……ただ、もみ合いになった際に足をくじいてしまいました……」


凛世の足首辺りは青あざのようになっておりなんとも痛ましい。
咄嗟のことでパニックだったんだろう。


凛世「転んだ状態ではとどめを刺されてしまいかねない……そこで皆さんをお呼びしたのです……」

灯織「それであの絶叫だったんだ……凛世にしてはすごい声量だったもんね……」


こんな不気味な人間に襲われたらそりゃ叫びたくもなる。
なんにせよ凛世が命を落とすようなことにはならなくてよかった。

243: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 21:53:25.22 ID:3crg9ztu0

凛世とめぐると共に不審者の写真を眺めているとすぐに他のみんなが集まってきた。


雛菜「痛そ〜……何があったんですか〜?」

咲耶「凛世、だ、大丈夫かい?!」

摩美々「何が起きてるんですかぁ?」

灯織「み、皆さん……こ、これを……」


私はすぐに凛世の写真を集まった皆さんに手渡した。
それを見た反応はみんな揃って、困惑。


咲耶「な、なんなんだいこれは……」

摩美々「もしかして今ってハロウィンですかぁ?」

雛菜「かわいくな〜い」

灯織「どうやら凛世がこの写真の人物に襲われたようなんです……ほら、見てください……刃物を握っています」

咲耶「ホントだ……!!これはまずいね……!!」

雛菜「……これ、どこに行ったんですか〜?」

凛世「凛世が声を上げるとすぐに階段へ向かって廊下を走って逃げて行きました……」

摩美々「追いかけた方が良いよねー?今この場にいない人が危ないでしょー」

咲耶「霧子と甜花は保健室のはずだ……犯人の逃げた方向と一致している……!」

めぐる「そういえば……チョコも愛依も円香もいないよ!」

灯織「……急ぎましょう、凛世も保健室まで一緒に来て!」

凛世「はい、お供いたします……」

244: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 21:55:14.25 ID:3crg9ztu0

【保健室】

急いで保健室の扉を開けると、霧子さんはキョトンとした様子で私たちを出迎えた。


霧子「あれ……みんな、どうしたの?またお見舞いに来てくれたのかな……」

咲耶「霧子、無事かい?!」

霧子「うん……咲耶さん、心配してくれてありがとう……」

摩美々「とりあえずは一安心ですねー」

めぐる「ま、まだだよ!不審者を捕まえないと!」

霧子「あ、あの……何かあったのかな……」

灯織「霧子さん、凛世が先ほど何者かに襲われまして……」


凛世が不審者に襲われた際の捻挫痕を霧子さんに見せると、
霧子さんは血相を変えて保健室の奥から救急箱を持ち出した。


霧子「凛世ちゃん……?!い、急いで治療しないと……!!」

霧子「ど、どうしよう……湿布……テーピングもした方がいいかな……」

咲耶「き、霧子……凛世の治療も存分にやってくれて構わないんだけど……その、不審な人物を見かけたりしなかったかい?」

霧子「え……?」

245: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 21:57:04.68 ID:3crg9ztu0

摩美々「さっき灯織も言ったけどー、凛世はザ・不審者って感じのやつに襲われたんだよねー」

凛世「細かい説明は、こちらの写真を見た方が早いかと……」

霧子「……」

霧子「で、デビ太郎さん?!」

雛菜「この不審者が逃げた方向が保健室の方だったんですよねー」

霧子「……あ!」

咲耶「何か思い当たることでもあるのかい?!」

霧子「うん、ついさっきなんだけど……誰かが思いっきり勢いよく階段を駆け上がるような音が、聞こえたような気がするんだ……」

めぐる「それだよ!不審者は二階に逃げたんだ!」

灯織「急ぎましょう……!今なら不審者を捕まえられるかも……!」

凛世「あ……」

咲耶「凛世は無理をしちゃダメだ。霧子、頼めるかい?」

霧子「うん……いってらっしゃい……!」


私たちは保健室の霧子さんに手負いの凛世を託し、すぐに階段を駆け上がった。


246: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 21:58:44.18 ID:3crg9ztu0
【二階】

摩美々「まずは二手に分かれませんかー?」

灯織「そうですね、不審者が二階に逃げたのか三回に逃げたのかわからない以上は複数班に分かれた方がいいかもしれません」

めぐる「よし、それじゃあ灯織と雛菜はわたしと一緒に二階を調べよう!」

雛菜「あは〜?」

灯織「三階はアンティーカのお二人にお任せできますか?」

咲耶「ああ、任せてくれ」

摩美々「もしも不審者を見つけても無茶はしちゃダメですからねー?相手は刃物を持ってる、すぐに他のみんなを呼ぶコト」

灯織「はい!」

(なんとしても不審者を見つけないと……!)

(急がないと取り返しのつかないことになりかねない……!)

-------------------------------------------------

【不審者を見つけましょう】

1.プールを探す
2.図書室を探す
3.空き教室を探す

↓1

247: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/30(金) 21:59:32.32 ID:5m6tAwQ0o
2

249: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 22:03:46.17 ID:3crg9ztu0
2 図書室選択

【図書室】

図書室……ここなら本棚も多いし身を隠すのには適している……!!
ここに隠れてる可能性は高い……!!



……ダメ、誰もいない。
本棚の後ろまで見たけどまるで痕跡もない……

書庫も一応確認したけど違うみたい……

急いで違うところを探さなきゃ!

-------------------------------------------------

【不審者を見つけましょう】

1.プールを探す
2.空き教室を探す

↓1

250: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/30(金) 22:04:29.08 ID:r0z/iqRh0
2

251: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 22:07:17.32 ID:3crg9ztu0
2 空き教室選択

【空き教室】

二階の構造は特殊……
廊下の奥まったところになって初めて教室が姿を現す。
逃げ込むならやっぱりここ?!




……と思ったけど、不審者の姿はなく、隠れる所もない。
ロッカーも一応開いては見たけど、見当外れだったみたい。

……急いで不審者を見つけないといけないのに!

252: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 22:08:24.60 ID:3crg9ztu0

ピピピピピ・・・・・・

咲耶「出た!デビ太郎だ!」


廊下に出るとすぐに聞こえてきたのは咲耶さんの声。
不審者は三階に潜んでいたんだ!


咲耶「急いでくれ、階段のほうに行った!」


咲耶さんの口ぶりからして不審者はすぐに逃走を開始、階段からまた下の階に逃げようとしている。


(逃すわけにはいかない……!)


そのまま声に促されるままに階段へと走る。


めぐる「灯織、聞いた?!」

灯織「うん、多分もう階段を降りたはず……一階を急いで調べないと!」

雛菜「はぁ……はぁ……すばしっこい……」


みんな緊張と焦りとで呼吸が浅い。
でもここで立ち止まるわけにはいかない、なんとしても事件を防がないと……!

253: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 22:09:49.76 ID:3crg9ztu0
【1F 階段前】

ピピピピピ・・・・・・

階段を駆け下りると、一つ目に付くものがあった。


(保健室の扉が、開いている……?)


さっき霧子さんと別れた時扉は確かに閉めたはず。
不審者が校内に潜伏している以上、自ら危険に身を晒すはずもない。
この扉を開けたのが霧子さんや凛世だとは思い難い。

犯人の動きはある程度掴めている。
凛世を襲った後三階へと逃げた犯人は、潜んでいたところを咲耶さんに目撃されて一階へと逃げてきた。

なら、この扉を開けたのは……


(まさか……!)

めぐる「灯織!」


まだ間に合う。そう思っていた。
だって事件はまだ起きている真っ最中。私たちはみんなその中心にいる。
だから頑張ればどうにでもなる、防げるはず。

254: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 22:10:41.47 ID:3crg9ztu0





________本気でそう思っていた。

だから、この鼓膜を破りそうなほどに早まる鼓動を早く止めたくて……

保健室を覗き込んだんだ。





255: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 22:12:22.18 ID:3crg9ztu0





【保健室の中には、腹部の刺し傷から大量の出血をして息絶える大崎甜花の姿があった】






256: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 22:14:08.03 ID:3crg9ztu0

間に合わなかった。
私たちはわかっていなかった。現実に情けなんてものはない。
いくら希望を願っても、絶望は無関係に湧き上がる。


灯織「わああああああ!!!」

めぐる「ひ、灯織?!なに、が…………」

雛菜「…………」


ピンポンパンポーン!

モノクマ『死体が発見されました!一定の捜査時間の後、学級裁判を開きまーす!』


死体発見アナウンス。目の前の甜花さんが息絶えていることの何よりの証明だった。

私たちが呆然とすること数秒。

すぐに咲耶さんと摩美々さんが階段を駆け下りて駆けつけた。


咲耶「さ、さっきのアナウンスは……!?」

摩美々「……間に合わなかった」

咲耶「そんな……」


咲耶さんと摩美々さんも言葉を失ってしまう凄惨な現場。
体温が急速に下がったように錯覚するほどの冷たい空気。

257: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 22:15:34.47 ID:3crg9ztu0

雛菜「……あれ?これおかしくないですか〜?」


立ち尽くす私たちを他所に市川さんが一つ疑問を漏らした。


雛菜「あとのアイドルの二人いませんね〜」

めぐる「……ホントだ!霧子と凛世がいないよ!?」


思わず辺りを見渡す。二人の指摘通りだ。
この部屋で手当てを行っていたはずの霧子さんと凛世の姿は跡形もなく消え去っている……?


咲耶「な、なにが起きてるんだい……?」

摩美々「……事件はまだ終わってないってことでしょ」

咲耶「摩美々……!?」

摩美々「急がないと、次の犠牲者が出るかもしれないよー」

灯織「そ、そんな……!」


だけど摩美々さんの言う通りだ。
現場の状況、事件の流れからして考えてみても霧子さんと凛世はあの不審者によって拐われてしまったものと考えるのが自然。
このまま放って置いたら、第二第三の事件へとつながりかねない……!


めぐる「……灯織、行こう!」

灯織「めぐる……」

めぐる「急がないと……今できることをやらないと、次もできなくなっちゃうよ!」

灯織「……!!」


そうだ、今は足を動かすしかない……
立ち止まってる時間はないんだ……!

258: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 22:17:18.96 ID:3crg9ztu0

甜花さんの死にも向き合わねばならないけど、今はそれよりも不審者を捕まえることが先決。

_______保健室を出ようとしたその時だった。

扉は外側より開かれた。


円香「……甜花?」


樋口さんだった。


めぐる「円香……!?」

円香「……どうやら、起きてしまったみたいですね」


樋口さんは甜花さんの死体を一瞥すると苦虫を噛み潰したような表情でそう呟いた。


灯織「ど、どうしてここに……?」

円香「どうしても何も……死体発見アナウンスがあったでしょ?どこで殺しがあったのか気になったから」


樋口さんは私たちの言葉にほとんど耳を貸さず、中腰になって甜花さんの亡骸に触れた。

259: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 22:18:49.92 ID:3crg9ztu0

円香「……辛かったんでしょうね、こんな表情で。苦しくて痛くて……恨んでも恨みきれない、そんな表情です」

咲耶「円香……何を」

円香「やっぱり、絆なんてそんなものなんですよ」

樋口さんは一歩ずつ私に向かって詰め寄ってくる。
心臓に刃物を突きつけられているような感覚……
限りなく深い色をした瞳孔に思わず吸い込まれていきそうになる。

灯織「……樋口、さん」

円香「口先だけで仲良しぶっても意味なんかない、特にエゴとエゴがぶつかり合うこのゲームでは」

喉がひりつく。
言葉が出てこない。
認めたくなくとも、現実は樋口さんの言うとおりになっている。


円香「いい加減認めたらどうですか?あなたたちの言う絆なんて嘘っぱ」

めぐる「あーもう!今はそれどころじゃないよ、円香!」


だけど、それをめぐるは正面から無視した。

260: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 22:20:58.20 ID:3crg9ztu0

円香「はぁ?」

めぐる「事件の真っ最中!学校の中を犯人が走り回ってるの!」

円香「……知りませんけど」

めぐる「もう、難しい話ばっかりしすぎ!円香も手伝ってもらうからね!」

円香「いや、だから」

めぐる「時間がないの、ほら早く!」

~~~~~

咲耶「というわけで不審者の捜索を再開だ。どこに行ったか手がかりはない、学校エリアだけでなく寄宿舎エリア全体も調べないといけないね」

円香「……なんで私まで」

(本当に樋口さんを抱き込んでしまった……)

めぐる「うん、急がないとね!とりあえずわたしと灯織は寄宿舎エリアを捜索するよ!」

円香「待って」

咲耶「円香?」

円香「今私は自分の部屋からここまできた、だけど何も不審なものは見てない」

円香「不審者とやらは寄宿舎エリアから学校エリア一階にはいないでしょ」

摩美々「だとしたら私たちと入れ替わりになったってコト?」

咲耶「上の階にまた逃げたというわけかい……」

めぐる「それなら急いで戻らないと!霧子と凛世が危ないよ!」

咲耶「よし、それなら分担はさっきと基本は同じだ、円香は私についてきてくれ」

円香「……はぁ、なんで手伝ってるんだか」

(なんとしても事件が続くことだけは防がないと……)

(急いで不審者を見つけるんだ……!)

-------------------------------------------------

【不審者を見つけましょう】

1.プールを探す
2.図書室を探す
3.空き教室を探す

↓1

261: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/30(金) 22:22:35.46 ID:r0z/iqRh0
1

262: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 22:24:58.17 ID:3crg9ztu0
1 プール選択

【プール】

さっきは調べられなかったけど……ここも隠れる所は豊富。
更衣室にプールサイド、潜水してる可能性もある。
隅々までくまなく探さないと!




……いない、霧子さんと凛世を襲った後にどこまで活発に動けるの?!
急がないと……!これ以上は、時間をかけるわけには……!

-------------------------------------------------

【不審者を見つけましょう】

1.図書室を探す
2.空き教室を探す

↓1

263: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/04/30(金) 22:29:06.55 ID:ydNHOJ/L0
2

264: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 22:31:12.91 ID:3crg9ztu0
2 空き教室選択

【空き教室】

_____今度こそ!

人間の心理として、逃げれば逃げるほど追い込まれるはず……

そうなると行き着くのは、こういう袋小路のはず!




……いない、か。
やっぱりまた三階に逃げてしまったのかな……?

265: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 22:32:10.21 ID:3crg9ztu0

円香「いた……!いましたよ、不審者……!」


廊下に出た瞬間聞こえてきたのは今度は樋口さんの声。
ということは不審者はまたしても三階……?

また急いで階段に向かう私たち。


雛菜「なんかデジャブですよね〜……」

めぐる「……今度こそ、絶対に止めるよ!急ごう!」

灯織「うん!」

266: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 22:33:46.61 ID:3crg9ztu0

【1F 階段前】

もう……次はない。
ここまで散々かき乱してきた不審者を私たちの手でつかまえて、全てを終わりにする。
その覚悟で階段を降りてきた。





それなのに


灯織「また、扉が開いている……?」


保健室の扉はまたしても開け放たれていた。


めぐる「そん、な……」

雛菜「……」


樋口さんと合流して、保健室を出た時、確かに私たちはあの扉を閉めていた。
不審者の目撃証言と同様に、デジャブを感じてならない。

267: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 22:35:03.50 ID:3crg9ztu0





_________もう、頭の中で確信していた。

間に合わなかったんだ。
事はすでに終わっている。

それでも、ほんの僅かにも希望があるならそれを信じたい。
そんな心の強さと弱さの二律背反に突き動かされ、保健室を覗き込んだんだ。








世界は、残酷だった。



268: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 22:37:21.72 ID:3crg9ztu0





【大崎甜花の亡骸の脇で、自ら首を掻っ切って息絶えたかのような大崎甘奈の姿があった】






269: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 22:38:34.47 ID:3crg9ztu0
-------------------------------------------------


CHAPTER03

部屋とオーパーツとワタシ

非日常編


-------------------------------------------------

270: もう少しだけ進みます ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 22:39:53.08 ID:3crg9ztu0

ピンポンパンポーン

『死体が発見されました!一定の捜査時間の後、学級裁判を開きまーす!』


寒い。寒い寒い寒い。
全身を突き抜けた寒気が体温を急速なまでに下げていた。
ただ死体を目撃した、ただ友人を失ったというだけではなく、自分たちの無力さがもたらした最悪の結末。
守ることができなかったという絶望感が全身を支配していた。


モノクマ「はいはい、皆さんお待ちかねのモノクマファイルの時間ですよー!」

灯織「も、モノクマ……」

モノクマ「いやぁ起きちゃいましたね、事件!しかも続け様に二回の殺しですか、とんだスピードアタッカーもいたもんですね!」

咲耶「待ってくれ、事件の解明は確かに急務だけど……今はそれどころじゃない」

モノクマ「ん?」

摩美々「カメラみてたんでしょー?今私たちは殺人鬼の不審者を追跡するので手一杯なんですよ」

モノクマ「あー、今ってみんなで鬼ごっこ中なんだっけ!」

271: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 22:40:56.64 ID:3crg9ztu0

雛菜「人の命がかかってるんですけど〜?」

モノクマ「ま、それはもういいんじゃない?」

めぐる「よくないよ!!!!!」

モノクマ「ほら、大崎さんの死体をよく見なよ」


モノクマは甘奈のぐったりとした死体に近寄ると、
左手に握られていた一つの封筒を手に取った。


モノクマ「代読、風野灯織さん!」

灯織「わ、私ですか……?」


モノクマに手渡された血染めの封筒、それを恐る恐る開くと『遺書』の文字があった。

『遺書

もうこれ以上コロシアイに耐えられません。お姉ちゃんを殺したのは甘奈です。みんなを道連れにして甘奈は死にます。ごめんなさい。』


咲耶「……これは」

摩美々「遺書、甘奈は自殺して死んだ……そういう意味だねー」

めぐる「そ、それにこの文面……あの不審者が甘奈だったって言ってるようなものだよ!」


甘奈が凛世を襲い、甜花さんを殺し、霧子さんと凛世を誘拐した犯人だった……?
だが、手紙はその真実を裏付ける根拠としては十分な証拠。
この文面通りなら、事件はここに完結したことになる。

272: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 22:42:50.46 ID:3crg9ztu0

雛菜「やっぱり不審者の正体はアルストロメリアのアイドルだったんですね〜」

灯織「市川さん…?」

雛菜「これ、死体が被ってるのも写真の不審者が着てたやつと一緒ですよね〜」


よく見ると甘奈は布のようなものが覆いかぶさりかけたような形で倒れている。
姿勢から見て正しくは脱げかけた形なんだろう。
絶命に伴い、後ろ向きに倒れた時に体が一部露出した。

そしてその布は……紫色だ。


咲耶「私の見た不審者と全く同じ着ぐるみだね……」


顔の部分にはデビ太郎そっくりの目と鼻がついており、凛世の撮った写真とも合致する。
咲耶さん樋口さんの両名が目撃した不審者もおそらくこれと同一のはずだ。

……つまり、不審者の正体は甘奈だった?


モノクマ「うぷぷ……ボクが言いたいことはわかってくれた?」

摩美々「不審者が連続殺人を引き起こした、けどその犯人もとい不審者はすでに自殺しているからこれ以上の事件が起こりようはない……ってコト?」

モノクマ「そうそう!まあ同一のクロが殺せるのは二人までなんで、少なくともここから同じクロが引き起こす事件はないってことだよね!」

咲耶「そういうわけか……」

273: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 22:44:20.68 ID:3crg9ztu0

灯織「ま、待ってください!まだ霧子さんと凛世……それにチョコと愛依さんの所在が明らかになってないんです……」

モノクマ「あー、まあそれも大丈夫だよ。少なくとも死ぬことは無いんじゃないっすかね」

灯織「そ、そんな適当な……」

モノクマ「というわけで改めまして〜……『ザ・モノクマファイル』〜〜〜!!」

雛菜「ひと息つく間もないですね〜」

めぐる「うぅ……また学級裁判をやらなきゃなんだね……」

モノクマ「今回は二人も死んでるからね、モノクマファイルも2倍の厚みでございますよ!」

モノクマ「ところでオマエラは夜にハンバーガーを食うときは倍にする?ボクはがめついクマだと思われたくないから2個ハンバーガーを注文するんだけどさ」

咲耶「捜査に集中したい、無駄話をするなら避けてくれるかい?」

モノクマ「……(チッ、うっせーな)反省してまーす」


モノクマは咲耶さんに窘められるままに現場から消えていった。


めぐる「灯織……」


まだ、体は凍りついたようになっていた。
引いた血の気は戻ってこないし 、頭は真っ白なまま。完全にショート寸前だ。

だけど、ここで足踏みしているわけにはいかないことは嫌でも分かる……


灯織「めぐる、やろう。絶対にこの事件の全てを明らかにしよう……!」

めぐる「うん!」


【捜査開始】

274: ◆zbOQ645F4s 2021/04/30(金) 22:47:37.31 ID:3crg9ztu0

というわけで今回の更新はここまでです。
3章にて大崎姉妹が両名揃って退場となりました。
ダンガンロンパシリーズでは3章は連続殺人……これは外せませんからね。

さて、次回更新なのですがGWの予定がまだちょっと定まりそうにないので次回更新のめどはまだ立っておりません。
明日もできる……かもちょっとわからないので改めてまたお伝えさせていただきます。

次回は捜査パートから、それではお疲れ様でした。

-------------------------------------------------

【ここまでの親愛度】

・【超高校級の飼育委員】櫻木真乃……1.0【DEAD】
・【超高校級の占い師】風野灯織……(主人公)
・【超高校級の助っ人】八宮めぐる……0

・【超高校級の保健委員】幽谷霧子……0
・【超高校級のモデル】白瀬咲耶……3.5
・【超高校級の服飾委員】田中摩美々……7.5

・【超高校級の幸運】園田智代子……3.0
・【超高校級の応援団長】西城樹里……3.0【DEAD】
・【超高校級の日本舞踊家】杜野凛世……2.0

・【超高校級のゲーマー】大崎甜花……3.0【DEAD】
・【超高校級のスタイリスト】大崎甘奈……1.0【DEAD】

・【超高校級のギャル】和泉愛依……2.0

・【超高校級の???】浅倉透……0【DEAD】
・【超高校級のディベート部】樋口円香……0
・【超高校級の帰宅部】市川雛菜……7.0
・【超高校級の学級委員】福丸小糸……12.0【DEAD】

-------------------------------------------------

285: ◆zbOQ645F4s 2021/05/03(月) 23:01:28.57 ID:h61bRmIJ0
【捜査開始】


摩美々「捜査を始めるのはいいとして、4人の捜索も並行して行わないといけないですよねー」

雛菜「不審者さーん?どこに連れて行ったんですか〜?」

咲耶「雛菜……死者は答えてはくれないよ」

摩美々「不審者の行動パターンからして学校エリアの1〜3階のどこかだとは思いますケド」

円香「……まあ、捜査の途中で見つかったらでいいんじゃないの」

雛菜「円香先輩はみんな死んじゃってもいいと思ってるから適当言えますよね〜」

円香「……」

咲耶「しかし円香の言うことにも一理ある、モノクマの口ぶりからしていますぐどうこうという話ではなさそうだし、何よりいまこちらの人手も6人と少数だ」

摩美々「円香の監視もしないといけないですし実際はもっと少ないかもね」

円香「……は?」


樋口さんの監視……それも致し方ないことだろう。
樋口さんは前回の裁判以来『殺す』ことに躊躇がなくなり、
私たち全員がこのコロシアイ合宿生活の中で死んでしまっても構わない破滅的な思想を持つようになってしまった。
自由にさせていては現場を荒らされる可能性すらある。


円香「まあ好きにしていただければ、私は私で『頑張ります』ので」

雛菜「む〜……」

咲耶「よし、ひとまずは捜査だ。もしかすると霧子たちの所在の手がかりもあるかもしれないしね」

摩美々「なにより学級裁判で負けてちゃ元も子もないですからー」

めぐる「うん……!頑張ろうね!」

灯織「はい!」

286: ◆zbOQ645F4s 2021/05/03(月) 23:03:38.64 ID:h61bRmIJ0

まずはモノクマファイルの確認から。
今回は甜花さんと甘奈の二人が犠牲者になってるから…二人分か。


『被害者は大崎甜花。死因は腹部を滅多刺しにされたことによる失血死。
被害者は大崎甘奈。死因は頸動脈を裂かれたことによる失血死』


どちらも死因としては失血死、つまり出血多量で死んだことになるみたい。
確かに現場には彼女たちのものと思われる血液がそこら中に散っている。
特に甜花さんは滅多刺しとまで書かれているのだから相当なものだったんだろう。


コトダマゲット!【モノクマファイル3】
〔被害者は大崎甜花。死因は腹部を滅多刺しにされたことによる出血死。
被害者は大崎甘奈。死因は頸動脈を裂かれたことによる出血死。〕


(さて、今回の調査で大切になるのは私たちが事件にリアルタイムで居合わせていたこと)

(となると不審者の移動経路は調べておく必要はあるよね……)

(もちろん遺体のある現場の保健室も調べておく必要がある)

(それと事件に関与していない学校エリアの部屋……これも調べておかないと。霧子さんたちがそこにいるかもしれない)

(まずは私がいる、現場からだね)

-------------------------------------------------

どこを調べよう……?
1.二人の死体
2.ゴミ箱
3.ベッド
4.咲耶に話を聞く

↓1

287: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/05/03(月) 23:06:29.55 ID:AjiKd8tU0
4

288: ◆zbOQ645F4s 2021/05/03(月) 23:10:11.51 ID:h61bRmIJ0
4 選択

咲耶「どうだい、灯織……捜査は順調かい?」

灯織「……うーん、まだわからないことも多いです」

咲耶「私たちの目の前で起こったとはいえ、かなり複雑なものだったからね……どうだろう、ここで一度事件について整理してみようか」

灯織「そうですね、お願いします」

咲耶「まず最初に凛世が学校エリアの廊下で襲われた……その際に駆け付けたのはめぐると灯織、摩美々と雛菜と私だったね」

灯織「はい……あれはたしか13時頃だったかと思います」


咲耶「その後不審者は階段を使って上の階に移動したので、そこで探索を開始……次に不審者が姿を現したのは私の前だった」

灯織「咲耶さんの声に従ってすぐに一階まで全員で駆け下りたんですよね」

咲耶「その結果、保健室が荒らされていることに気づき……そこで覗いてみると甜花の死体があったんだ……」

灯織「それと同時に樋口さんが合流してたんでしたね」

咲耶「概ね同時刻だね……姿を消した霧子と凛世を探すために動き出した瞬間、部屋に入ってきたんだ」


灯織「それで樋口さんの証言を基にもう一度上の階で捜索を始めたんですよね」

咲耶「そう、最後に不審者が現れたのは円香の前……またしても階段を駆け下りたので後を追うと、保健室の中には不審者の着ぐるみを着て息絶えた甘奈の姿があったんだ」

灯織「……ありがとうございます。改めて整理できました」

咲耶「礼には及ばないさ、私にできることはこれくらいだからね」


コトダマゲット!【不審者の目撃情報】
〔まず最初に凛世が学校エリアの廊下で襲われた。
その後不審者は階段を使って上の階に移動し、灯織たちはそこで探索を開始。
咲耶が3階から降りていく不審者を発見し、一同は階段を駆け下りて、保健室が荒らされていることに気づく。
そこで覗いてみると甜花の死体があった。
それと同時に円香が合流。
姿を消した霧子と凛世を追うため円香の証言を基に不審者を捜索、一同は再度階段を登ることに。
捜索を続けていると不審者が再度出現、またしても階段を駆け下りたので後を追うと保健室の中に不審者と全く同じ格好で息絶える甘奈の姿があった〕

-------------------------------------------------

どこを調べよう……?
1.二人の死体
2.ゴミ箱
3.ベッド

↓1

289: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/05/03(月) 23:15:54.26 ID:j12nbobs0
1

291: ◆zbOQ645F4s 2021/05/03(月) 23:21:31.51 ID:h61bRmIJ0
1 選択

二人の血痕はまだ新しく、血液にも彼女たちが生きていたころの熱気を感じさせる……
私たちの目の前で事件が起こったゆえの生暖かさ……
これを、私たちは受け止め、刻み付けなくてはならない……

先に死んだのは甜花さんのはずだ。
不審者の捜索以後、はじめに保健室に覗いた際に彼女は既に死んでいた……

そこから再度不審者の捜索に移って、
今度保健室に戻ると死んでいたのは甘奈……

奇しくも姉妹が同じ事件で似たような絶命をしている……
犯人の意図はいったいどこにあるんだろう……?


さて、死体とその近辺をざっと見たところ、やっぱり注目すべきは甘奈の方かな?
甘奈の格好もそうだし……遺体近辺に気になるものが多い。
これら一つ一つを調べていく必要がありそう。

-------------------------------------------------

どこを調べよう……?
1.甘奈の死体
2.甘奈が着ているデビ太郎の着ぐるみ
3.甘奈の遺書
4.甘奈の握っている刃物

↓1

292: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/05/03(月) 23:24:42.70 ID:j12nbobs0
2

293: ◆zbOQ645F4s 2021/05/03(月) 23:26:23.85 ID:h61bRmIJ0
2 選択


摩美々「やっぱり甘奈は死んだときデビ太郎の着ぐるみを着ていたみたいだねー」

灯織「摩美々さん……」

めぐる「確かに着ぐるみが脱げかけみたいに見えるけど……言い切れるの?」

摩美々「ほら、甘奈は首から大量に出血してる……でもその血液は着ぐるみの内側にしか付着してないよねー?」

言われてみればそうだ。頸動脈を裂かれた甘奈出血量は尋常ではない、だけどその血液は決して着ぐるみの外側には付着していない。

摩美々「しかも着ぐるみの裂かれたところは甘奈の首元の位置と一致してるよねー」

めぐる「そっか……着ぐるみって言っても布地だし、その上から刃物で切り裂かれた可能性もあるんだ……」

摩美々「甘奈の命を奪った犯人が甘奈本人にしろ、別の誰かにしろ相当急いでたのかもねー」


コトダマゲット!【甘奈の着ぐるみ】
〔甘奈の死体が着ていた着ぐるみは血液が内側にしか付着していない。刃物で切った痕跡は甘奈の首元と一致しているため、着ぐるみの上から切りつけたものと思われる〕

294: ◆zbOQ645F4s 2021/05/03(月) 23:27:29.49 ID:h61bRmIJ0

(甘奈が着用していた着ぐるみをもっと調べてみよう……)

(作り自体は単純だ。シーツのような布地を上から着色したものをてるてる坊主のように仕立てたもの)

(頭部より下はポンチョのようになっているので手足は自由に動かすことができる。事件発生直後に凛世の撮影した写真とも特徴が一致している)

めぐる「これだけ手と足が自由に動かせたら学校中を走り回ったりできるね!」

灯織「うん……みんなの証言に出てきた不審者の情報にも矛盾はないね」

めぐる「布で作った簡単な作りだから、誰でも自由に使えそうだよね」

灯織「そうだね、デパートとかでよく見るのとは違うから……着ぐるみっていい方もふさわしいかどうか」

めぐる「うーん……布……かぶる……はしる……布かぶり……違うな〜……」

(重要なのはこれを着たままでも十分事件は実行可能だったってことだよね、ちゃんと覚えておこう)


コトダマゲット!【デビ太郎の着ぐるみ】
〔シーツのような布地を上から着色し、てるてる坊主のように仕立てたもの。頭部より下はポンチョのようになっているので手足は自由に動かすことができる〕

295: ◆zbOQ645F4s 2021/05/03(月) 23:29:29.40 ID:h61bRmIJ0

灯織「……あれ?」


着ぐるみを調べていると一点目に止まるものがあった。
これもまた上から着色されているので目立つものではないけど、ガムテープをバッテンに重ねて補修した痕がある。


めぐる「破れちゃったのかな?」

灯織「……みたいだね、何かに引っ掛かったとか……とっさに塞いだ痕みたいでかなり雑。製作者としては想定外だったのかも」

めぐる「あ、だったら不審者を自分の目で見た人たちにこの特徴を聞いてみようよ!もしも補修した跡に見覚えがあれば裏付けになるよね?」

灯織「うーん、どうだろう……緊急時も緊急時、私ほどじゃなくてもみんなパニックに近かっただろうししっかり観察できたとは思いづらいかな」

めぐる「そっか……」

(でも、もし形として残している人がいればそれと照らし合わせることは可能かも?)


コトダマゲット!【補修痕】
〔甘奈の着ていた着ぐるみにあった補修痕。ガムテープを×印に重ね合わせていてよく目立つ〕

-------------------------------------------------

さて、着ぐるみ周りはこのくらいかな……?
1.甘奈の死体
2.甘奈の遺書
3.甘奈の握っている刃物

↓1

296: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/05/03(月) 23:31:33.95 ID:AjiKd8tU0
2

297: ◆zbOQ645F4s 2021/05/03(月) 23:33:15.20 ID:h61bRmIJ0
2 選択

甘奈の遺体付近に落ちていた紙……ついさっき私も読んだ甘奈の遺書だ。


めぐる「うぅ……甘奈、この合宿生活で思い詰めてたんだね」

灯織「この遺書を信じると、そうだね……心中なんて並大抵のことではないし……」

めぐる「だってお姉ちゃんの甜花を殺しちゃってるんだもんね……」

(そう、この遺書は甘奈が甜花さんを殺害したことまで書かれている……)

(甘奈が、甜花さんを……)

(本当に、そうなのかな……)

(なんだろう、この違和感……この遺書自体に強い違和感を感じる……)

めぐる「灯織?」

灯織「この遺書……もしかするともっと別の手掛かりになるものかもしれない」

めぐる「……?」

(なんにせよ、しっかりと覚えておこう)


コトダマゲット!【甘奈の遺書】
〔現場に落ちていた甘奈の遺書。犯行を自供する内容が書かれており、甘奈は心中のために犯行に及んだ。『遺書 もうこれ以上コロシアイに耐えられません。お姉ちゃんを殺したのは甘奈です。みんなを道連れにして甘奈は死にます。ごめんなさい。』〕

-------------------------------------------------

あと少しかな……

1.甘奈の死体
2.甘奈の握っている刃物

↓1

298: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/05/03(月) 23:34:17.45 ID:AI/ls6Z+0
2

299: ◆zbOQ645F4s 2021/05/03(月) 23:35:52.56 ID:h61bRmIJ0
2 選択

甘奈の遺体の側で鈍く光る銀色の刃物……
これは、彫刻刀……?


めぐる「これって……美術室にあったやつだよね……?」

灯織「うん、多分……凛世を襲った時にも不審者が刃物を持ってたけど、これだったのかな」

めぐる「どうだったっけ……写真を見たら一発なんだけど」

灯織「凛世が見つかったら、それも含めて確認しておきたいよね」

めぐる「えっと……彫刻刀が凶器ってことは、甘奈は人を刺して殺害しようとしてたってことだよね?」

灯織「そうなる……実際甜花さんは腹部をめった刺しにされて殺されてるし」

めぐる「うぅ……残酷だね」

(……あれ?甜花さんを殺したのはこの凶器、なんだよね……?)

(にしては、綺麗すぎるような気がするんだけど……)


コトダマゲット!【彫刻刀】
〔甘奈が実際に持っていた凶器。美術室で誰でも入手可能な代物で、人を刺殺するためのもの。不自然なまでにきれいな状態である〕

-------------------------------------------------

【選択肢が残り一つなので自動進行します】


300: sage 2021/05/03(月) 23:36:02.68 ID:j12nbobs0
1

301: ◆zbOQ645F4s 2021/05/03(月) 23:38:51.66 ID:h61bRmIJ0
【甘奈の死体】


甘奈……
思えば学級裁判でも頻繁に疑問を投げかけてくれて私たちを前に進めてくれていたし、
なにより甘奈の明るさは私たちのとってかけがえのない希望だった……

そんな彼女が本当に不審者だったんだろうか……


(うぅ……これが死因、なんだよね……)


甘奈の死体を調べようと意気込んだものの、流石に傷跡を直視はしがたい……
それでもなんとか目を開けたり瞑ったりを繰り返して甘奈を確かめる。
なるほど、モノクマファイルの情報通り首元の切り傷がそのまま死因みたい。
他に目立った外傷はない、ということは争った後も無いってことだよね。


(……あれ?)


そんな中で目に入ったのは甘奈の右手。掌がべったりと血の跡で汚れている。


めぐる「わわっ!甘奈擦りむいちゃってるのかな?!」

灯織「めぐる、落ち着いて……これは傷痕じゃないよ、付着してるだけ」

めぐる「そ、そっか……」

(でも、こんなに全面に付着するなんて……何か出血中のものを触ったのかな……?)

(……あ!)

灯織「めぐる、わかったよ。これは首の傷を抑えた跡なんだ」

めぐる「え?どういうこと?」

灯織「ほら、首元の血の跡、よく見たら手の指みたいに伸びてるところがあるでしょ?これが甘奈の手が重なってた証拠なんだよ」

めぐる「……ほんとだ!一致したよ!」

(間違いない、甘奈は絶命する前に傷痕を自分の手で抑え込んでいる)

(つまりは止血を試みたってことなんだ……!)


コトダマゲット!【甘奈の右手】
〔甘奈の右手には血液がべったり付着している。その痕跡は首元と完全に一致。甘奈が絶命前に止血を試みていたことがわかる〕

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遺体の関連で調べるべきところは概ね調べ終わったかな。
後はこの保健室という事件現場について。
遺された疑問は一つでも解消しておかないと。

どこを調べよう……?
1.ゴミ箱
2.ベッド

↓1

302: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/05/03(月) 23:40:16.38 ID:s1Wjb4RO0
1

303: ◆zbOQ645F4s 2021/05/03(月) 23:41:53.25 ID:h61bRmIJ0
1 選択


円香「……雑」

灯織「樋口さん?」

めぐる「円香、何見てたの?」

円香「……はぁ」


樋口さんがため息まじりに指さしたのは保健室の片隅にあるゴミ箱。
樋口さんの言葉通りに、何かビニールの容器が乱雑に押し込まれたままになっている。


灯織「これはなんでしょうか……?」

めぐる「Blood transfusion……えーっと輸血、かな?」

灯織「輸血……?」

摩美々「二人は知らないのー?」

摩美々さんは保健室の冷蔵庫を開いて見せた。そこには飲料水の類は少ししかなく、あとはすべてゴミ箱の容器と同じビニールがずらりと並んでいる。

摩美々「ここに輸血パックがずっと保存されてたんだよ」

灯織「すごい……こんなにも数が……」

摩美々「誰でも使用可能だったし、治療か何かに使われたのかもしれないねー」

円香「そうそう使わないでしょ、輸血パックなんて」

(誰でも使えた輸血パックか……)

(怪しいな、覚えておこう)


コトダマゲット!【輸血パック】
〔保健室の冷蔵庫に備蓄されていた輸血パック。ゴミ箱に乱雑に空の容器が捨てられていた〕

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【選択肢が残り一つなので自動進行します】

304: ◆zbOQ645F4s 2021/05/03(月) 23:43:16.02 ID:h61bRmIJ0
【ベッド】


灯織「ま、摩美々さん……?」


妙に静かだと思ったら摩美々さんは床に這いつくばるようにして、保健室のベッドの下に手を伸ばしていた。


灯織「な、何をしてるんでしょうか……?」

摩美々「成人向け雑誌を隠すならここかなーって」

灯織「え、は、え、ええっ?!そ、そんな本が……?」

摩美々「冗談だって、大体ここ女子しかいないじゃーん」

灯織「そ、それはそうですが……」

しばらくすると摩美々さんはなにかを引っ張り上げ、私の前に立ち上がった。

摩美々「やっと取れた、やたら奥に押し込んであったんだよね」

灯織「それは……?」


プラスチックでできた楕円形の容器……?
あまり見慣れない形状だけど……


咲耶「湯たんぽだね?」

摩美々「あ、わかるー?」

咲耶「ああ、以前病気になった時父が用意してくれてね。先人の知恵というやつさ、お湯を入れて抱きしめるだけで驚くほど体が温まるんだよ」

灯織「へぇ……そうなんですか、話には聞いていましたが、実際に見たことはなかったです」

咲耶「フフ、私たち世代にはあまり馴染みがないかもね」


2000年代にはエアコンが主流だし、こうしたものは写真ぐらいでしか見たことがないかも。


灯織「……でも、どうして湯たんぽが?」

咲耶「うーん……甜花の体を温めるのにでも使っていたのかな?」

摩美々「だとしたらあんなに奥まで押し込む必要はないと思うんだよねー」

(まさか……事件にこれも関係あるの?)


コトダマゲット!【湯たんぽ】
〔保健室のベッドの下に押し込められていた湯たんぽ。中にお湯を入れて抱きしめておくだけで体中がグッと温まる〕

305: ◆zbOQ645F4s 2021/05/03(月) 23:45:08.57 ID:h61bRmIJ0

(事件現場で気になったのはこれくらいかな?)

(今回の事件は私たちの目の前で起きた……事件の捜査をするならその要所要所をしっかり確認しておかないといけないよね)

咲耶「おや、イルミネの二人は保健室での捜査はひと段落ついたのかい?」

めぐる「うん、そろそろ移動して捜査をしようかなーって」

摩美々「私もそろそろ移動したいんだケド、どうしましょうかー」

摩美々「現場の保全と円香の監視が必要でしょー?」

雛菜「雛菜円香先輩と一緒は嫌なのでそれ以外ならなんでも〜」

円香「……好きにすれば」

咲耶「はは……それなら雛菜、私と一緒に現場の保全を頼めるかい?」

雛菜「わかりました〜」

摩美々「咲耶ぁ?」

306: すみません、少し短いですが丁度捜査パートの折り返しぐらいになると思うのでそろそろいったん終わります ◆zbOQ645F4s 2021/05/03(月) 23:47:29.98 ID:h61bRmIJ0

咲耶「摩美々、私の分も任せたよ」

摩美々「それじゃあ円香は私についてきてもらえますー?」

灯織「えっ、ま、摩美々さんがお一人で監視するんですか?」

摩美々「大丈夫だよー」

摩美々「今は事件の捜査中だから円香が危害を加えてくることはないし、私は霧子たちの捜索をメインにするからー」

めぐる「そっか……もう事件は起きないってモノクマも言ってたしね」

摩美々「円香も離れないでよねー」

円香「……わかってる」

雛菜「あは〜、円香先輩金魚のフン〜」

めぐる「ってことは捜査をメインでやるのはわたしと灯織なんだね?責任重大だ!」

灯織「うん、めぐる!頑張ろう!」


今回は人手が足りていない……
捜査を任された人間として責任は大きいよね、抜かりなくやらないと……!

307: ◆zbOQ645F4s 2021/05/03(月) 23:49:54.34 ID:h61bRmIJ0

めぐる「捜査はどこを調べればいいかな?」

灯織「事件が起きたところで言うと……凛世が襲われた学校エリア一階の入り口近辺が最初だったよね」

めぐる「その後に咲耶が三階で不審者を目撃して……」

咲耶「ああ、そういえば私が不審者を目撃したのは美術室の方だったよ。何か証拠があるかもしれない、是非調べてみて欲しい」

灯織「あ、ありがとうございます!」

めぐる「で、保健室に行って……その後に不審者を目撃したのは、円香だったよね」

円香「……そうだけど」

灯織「あ、あの……不審者はどこで見かけたんですか?」

円香「私も一緒……美術室の方だったはず」

めぐる「オッケー!それなら三階はそこだけで良さそうだね!」

灯織「あと調べておきたいのは……甘奈の部屋かな」

めぐる「え?どうして?」

灯織「ほら……今回は甘奈が犯行を自白した旨の手紙が落ちてたでしょ?それなら甘奈の部屋にも自殺を仄めかすような手がかりがあるかもしれないし……」

めぐる「そっか!それじゃあちゃんと調べておかないとね!」

(よし……整理できた)

(今回調べるべきは、学校エリア一階の入り口付近、美術室、甘奈の部屋の三箇所がメイン)

(……絶対に真実を明らかにしてみせる!)


311: ◆zbOQ645F4s 2021/05/04(火) 22:30:38.58 ID:/8Dwz+lS0
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【学校エリア一階廊下】

(今回の事件の始まりはここだった)

(学校中に響き渡る凛世の絶叫を耳にして、私たちは駆けつけたんだ)

灯織「そういえばめぐるは私より先に駆けつけてたよね?」

めぐる「うん、だけどもう不審者はいなくなってたよ」

めぐる「わたしが着いたときにはもう、凛世は怪我しちゃってたんだ……」

(思えば凛世は怪我で済んだのは幸運だった)

(あの時、めぐるが来るのが遅れていれば……もしかすると……)

めぐる「うーん……でも手がかりらしい手がかりはないね……」

灯織「確かに目ぼしいものはなさそうだね……」

めぐる「……ん?ねえ、灯織!あそこの扉って凛世の事件があったとき開いてたっけ?」


めぐるが指さしたのは1-B教室。
真乃の事件で浅倉さんが命を落とした教室のすぐ隣の部屋だ。
その扉は不自然に半開きになっている。


灯織「ホントだ……」

めぐる「この扉、しっかり閉めないとすぐ開いちゃうんだよねー」

めぐる「……ん?ってことは……誰かが出入りしたのかな?!」


おそらくはそういうことだ。
私たちが凛世と共にこの場所を離れた後、何者かがこの部屋を出入りした。
霧子さんたちを捜索中の摩美々さんと樋口さんが開けた可能性もないわけではないけど、見ておいて損はないだろう。

私とめぐるは1-B教室へと踏み入れた……

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312: ◆zbOQ645F4s 2021/05/04(火) 22:34:11.49 ID:/8Dwz+lS0
【1-B教室】

めぐる「うーん、何か事件があった雰囲気……ではないね」

灯織「うん……でも、いくつか気になるものはあるよ」

めぐる「ほんと?!」

灯織「めぐる、お手柄だよ。多分この部屋は今回の事件でも鍵を握ってるよ」

めぐる「やった!それじゃあ隈なく調べよう、灯織!」

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教室の机の上にポツンとおかれているのは手のひらに収まるほどの大きさの機械。


めぐる「あれ?こんなのこの学校で見たことないよね?」

灯織「……うん、見かけないね。ストップウォッチ……みたいだね」

めぐる「……こうやって使うのかな?よいしょ」


ピピピピピ!


めぐる「わ、わぁっ?!」

(……すごい大きな音!)

灯織「め、めぐる……止めて、止めて……!」

めぐる「わわわ、わかった……お願い、止まって!」


313: ◆zbOQ645F4s 2021/05/04(火) 22:38:07.41 ID:/8Dwz+lS0

めぐる「……止まった」

(……鼓膜が破れるかと思った)

めぐる「ストップウォッチなのにこんなに大きな音じゃ校内中に響いちゃうよ……」

灯織「……うぅ、頭がガンガンする」

(……あれ?)

灯織「ねえめぐる、今の音……聞き覚えない?」

めぐる「え……?うーん……」

めぐる「あっ!咲耶が不審者を目撃したとき、鳴ってたよね?!」

(そうだ……私たちが慌てて保健室まで駆け下りたあのとき、学校中にこの音が鳴り響いていた!)

めぐる「でも、甜花の死体を発見して気がついたらもうこの音止んでたよね?」

灯織「うん……きっと誰かが今のめぐるみたいにこのアラームを止めたんだよ」

めぐる「てなると、誰かがこの部屋に来てたのは間違いないんだね!」


コトダマゲット!【ストップウォッチ】
〔1-Bに置かれていたストップウォッチ。一定の時間を設定することができ、時間になると学校中に響き渡るほどの爆音が鳴る。咲耶が不審者を目撃したときにも鳴っていた〕

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314: ◆zbOQ645F4s 2021/05/04(火) 22:39:54.27 ID:/8Dwz+lS0
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(事件に関係あるものを何か隠すとすれば、ロッカーあたりかな?)

灯織「うわっ?!」


教室後ろのロッカーをそんな何気ない気持ちでガチャリと開けると
ドサリと私に向かって一枚の布が覆いかぶさって落ちてきた。


めぐる「灯織?!大丈夫?!」

灯織「う、うん……急に布が……なんだろう、これ」

めぐる「ちょっと待ってて、広げてみてみよう!……よいしょ!」


めぐると協力して二人で教室の床に布を広げてみた。
布は全面が紫色に着色されており、一部には既視感のあるイラストが書かれている。


めぐる「あれ?これって……」

灯織「甘奈の着ていたきぐるみと同じデザイン、だね」

めぐる「うん、不審者が着てたやつだよ!甘奈のやつは一部が破れて補修した跡があったけどこっちには無いね!」

灯織「どうして同じデザインの着ぐるみが二個……?しかもかなり乱暴にロッカーに押し込められていた……」

めぐる「くしゃくしゃになっちゃってるね……誰かが使った後みたい」

(どういうこと……?不審者の正体は甘奈じゃなかったの……?)


コトダマゲット!【教室の着ぐるみ】
〔1-B教室のロッカー内に押し込まれていた着ぐるみ。デザインは全く甘奈のものと同じ。誰かが着用したような痕跡がある〕

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315: ◆zbOQ645F4s 2021/05/04(火) 22:41:33.92 ID:/8Dwz+lS0
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【美術室】

咲耶さんと樋口さんの証言では、この辺りで不審者を目撃したらしい。
何か不審者が潜んでいた痕跡でもあればいいんだけど……


めぐる「あっ!灯織!これ見て!」

灯織「……それって、彫刻刀……だよね?」

めぐる「うん、甘奈が握ってたのと同じ型みたい……やっぱりここにあったものを凶器として持ち出したんだね」

灯織「……うん、数も合ってないし、やっぱりそういうことなんだ」

灯織「そう考えるとデビ太郎の着ぐるみもここで作られたものなのかな……ほら、あそこにビニールシートみたいなのもあるし、使用後の塗料もある」

めぐる「ホントだ……!!今回の事件に関係するものは、ほとんどここから持ち出されてたんだね!」

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めぐる「あれ、そういえばこの部屋って鍵がついてるんだね」

灯織「めぐる?」

めぐる「ほら、美術倉庫の扉だよ。ここって内側から鍵がかけられそうじゃない?」

灯織「え?……ホントだ、個室以外にこんなところがあったんだ」

めぐる「ここになら潜伏できそうじゃないかな?」

灯織「……うん、めぐるの言う通りだよ。ここなら不審者は捜査の目を掻い潜って潜むことができたんだよ」

めぐる「ここに隠れてタイミングを伺って……それで咲耶と円香の前に現れたんだね?」

灯織「うん……そうだと思う」


コトダマゲット!【美術倉庫】
〔学校エリアで唯一内側から鍵をかけることができる部屋。不審者はここに潜伏していた可能性が高い〕

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316: ◆zbOQ645F4s 2021/05/04(火) 22:43:15.09 ID:/8Dwz+lS0
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【甘奈の部屋】


めぐる「甘奈の部屋……もしかしたらここにも手がかりがあるかもしれないんだね」

灯織「うん、遺書が本当だとしたら事件の計画書なんかがあってもおかしくない……調べておいて損はないよ」

めぐる「でも……どうしよう、個室だから調べようにも鍵がないよ?」

灯織「それはそう、なんだけど……」

めぐる「あっ……もしかして」

灯織「うん、あんまり呼びたくはないんだけど、仕方ないかなって……モノクマ」

モノクマ「はいはいお呼びですかお嬢さん?!」

めぐる「わわっ?!どこから出てきたの?!」

モノクマ「イカがインクの中に潜むように、クマは陰に潜むことができるんだよ」

灯織「はぁ……」

317: ◆zbOQ645F4s 2021/05/04(火) 22:44:19.12 ID:/8Dwz+lS0

モノクマ「で?なんの御用?」

灯織「あの……甘奈の部屋の扉の鍵開けてもらえないでしょうか」

モノクマ「あらま!破廉恥!」

灯織「ち、違っ……!」

モノクマ「いいねぇ、青春まっしぐらですな。ボクもそういう時代があったもんだよ。かつてはこのキュートな見た目の中にピンクの綿が詰まってたからね」

めぐる「ん?破廉恥ってどういうこと?」

モノクマ「……八宮さんは眩しいなぁ」

灯織「あの、モノクマ。これは捜査のためなんです。学級裁判を公平に運営する立場なら捜査に協力してもらえませんか」

モノクマ「……うーん、プライバシーやらリテラシーやらデモクラシーやらモロモロを天秤にかけて……いいでしょう!許可します!」

めぐる「やった、ありがとう!」

モノクマ「被害者の私生活にもヒントがある、その着眼点が気に入りました!力を貸してしんぜよう!」

318: ◆zbOQ645F4s 2021/05/04(火) 22:46:18.35 ID:/8Dwz+lS0

モノクマ「危ないから二人はちょっと離れててね」

モノクマは私たちを廊下の隅に追いやると、
なにやら仰々しい構えで甘奈の部屋の扉の前に向き直った。

モノクマ「……すぅぅぅぅぅぅ」

モノクマ「開けクマーーーーー!!」


モノクマが叫ぶと数瞬の静寂の後、ガチャリという音が響いた。


めぐる「す、すごい……音声認識だ!」

灯織「だとしても私たちを離す必要はあったの?」

モノクマ「ふぅ……もう大丈夫だよ、無事に扉は開かれました!」

めぐる「ありがとうモノクマ!」

モノクマ「いやいや、礼には及びませんよ!なんたってボクは世界一フェアな学園長なんですから!」


モノクマの態度に多少いらつきながらも、そのまま甘奈の部屋の捜査を開始した。

319: ◆zbOQ645F4s 2021/05/04(火) 22:49:18.55 ID:/8Dwz+lS0

扉を開けると甘い香りが鼻孔をくすぐる。
甘奈が生きていたとき、幾度となく嗅いでいた彼女の香りだ。

部屋も甘奈らしく可愛らしい装飾が施されていて、棚の上には甜花さんとのツーショット。
『大崎甘奈』という存在が強く刻み付けられたこの部屋では、気を抜くと涙がこみあげてきてしまう。

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目に着いたのは甘奈の部屋の卓上。
一封の封筒がそこには置かれていた。


めぐる「なんだろう、お手紙かな!」


糊付けよりも更に上の部分でハサミか何かを使用して開封したような跡を見ても、
誰かが甘奈に送ったものを甘奈が開封したもののようだ。
封筒の中にはめぐるの予想通り、一通の手紙。


灯織「……読んでみるね」


折り畳まれたその手紙をゆっくりと開いた。
しかし、その瞬間私たちは言葉を失うことになる。


めぐる「こ、これって……」

灯織「きょ、脅迫状……?」


その筆跡は書かれている言葉以上に荒々しく、殺意のようなものが透けて見える。
これは正常じゃない……


コトダマゲット!【脅迫状】
〔甘奈が受け取っていた脅迫状。『大崎甘奈 お前の命運は既に私の手中にある すべてを失いたくないのなら私の命令に従え』〕

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320: ◆zbOQ645F4s 2021/05/04(火) 22:51:49.52 ID:/8Dwz+lS0
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めぐる「よし、とりあえず調べたいところは一通り調べ終わったかな?」

灯織「うん、手がかりもだいぶ集まってきたと思うよ」


____と、一通り調べておきたいところの調査を終えたところだった。


めぐる「よし、それじゃあ一旦保健室に戻って咲耶たちと合流……」

摩美々「あ、ここにいた」


息を切らしながら私たちのところに駆けつけてきたのは、摩美々さんと樋口さん。


灯織「……摩美々さん?それに樋口さんも、どうして?」

円香「どうしても何も……お仲間、見つかったんだけど」

めぐる「えっ?!凛世たちが?!どこ、どこ?!」

摩美々「体育館、今から助けるから急いでついてきてー」

灯織「は、はい……!」


私たちはすぐに体育館へとむけて駆けだした。

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321: ◆zbOQ645F4s 2021/05/04(火) 22:52:58.27 ID:/8Dwz+lS0
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【体育館】

摩美々さんたちの言葉通り、体育館扉を開けてみるとそこには拘束された状態のチョコ、愛依さん、凛世、霧子さんの姿があった。

めぐる「わーーーー?!みんな、大丈夫?!」

愛依「〜〜〜〜〜!!」


私たちの声はどうやら聞こえているらしく、声にならない呻き声で反応して答える。


摩美々「とりあえずは解くところから、円香も手伝ってよー?」

円香「……了解」


私たちは急いで4人の拘束を解いていった……


灯織「大丈夫?!凛世?!」

凛世「灯織さん……凛世は、無事です……」

めぐる「すごいきつく結んである……!うんしょ……!」

愛依「めぐるちゃん、角度が……か、角度が……!」

摩美々「ほら暴れなーい」

智代子「ま、摩美々ちゃん~~~!!怖かったよ~~~!!」

円香「……ほら」

霧子「ありがとう……円香ちゃん……!」



322: ◆zbOQ645F4s 2021/05/04(火) 22:54:01.80 ID:/8Dwz+lS0

智代子「ぷは〜!生き返る〜〜〜!」

愛依「あ〜、マジで辛かった……」

凛世「助かりました……」

霧子「うん……すごく、怖かった……」

灯織「皆さんがご無事で良かったです……どこか体に異常などは……!?」

愛依「うーん、大丈夫、それは問題なさそう!」

摩美々「凛世は怪我が悪化とかしてないー?」

凛世「摩美々さん、お気遣いありがとうございます……凛世は無事です……」

霧子「良かった……凛世ちゃんのことも気になってたんだ……」

円香「……」


ひとまず四人とも無事なようで一安心。
結論からしてみれば、モノクマの言葉通りだったことになる。
一応は公平な立場というのも嘘じゃないらしい。

しかし楽しい歓談をしている時間はない、本題に戻らなければならない。

323: ◆zbOQ645F4s 2021/05/04(火) 22:56:03.42 ID:/8Dwz+lS0

智代子「そ、それよりさっき鳴ってたのって死体発見アナウンスだよね?!しかも二回も鳴ってなかった?!」


そう、四人の預かり知らぬところで事件は起きてしまっている。


灯織「……甜花さんと甘奈が、亡くなってしまって」

愛依「……嘘、そんな……」

霧子「甜花ちゃん……ここにいないと思ったら……」


自分たちの知らない間に二人の仲間の命が失われた、そのことは事件が起きた以上の衝撃を与えている様子だった。
だけど、そんな感傷に浸るような時間がないことはもうみんな気付いている。
この学園では生き残るためには無理やりでも前に進むしかない。


摩美々「細かい説明は後でするから、とりあえず四人に話を聞かせてもらうよー」

摩美々「もう学級裁判までの時間もあんまり残ってないしねー」

愛依「……うん、うちらの知ってることで力になれることがあれば何でも話すから!」

智代子「と言ってもずっと閉じ込められてたし話せることってそこまでないんだけどね」

凛世「凛世たちの知ることは、包み隠さず全てお話しいたします……」

霧子「うん、不審者さんのことも……知ってる範囲でなら……」

(ここで手に入る情報が事件の最後の手掛かりになる……)

(情報の取りこぼしはないようにしないと……!)


324: ◆zbOQ645F4s 2021/05/04(火) 22:57:53.04 ID:/8Dwz+lS0
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愛依「うちとチョコちゃんはここに閉じ込められて既に数時間ぐらい経ってたよね?」

智代子「うん、朝礼の後学校を散歩してたら突然後ろから襲われて……気がついたら体育館にいたんだよ!」

灯織「じゃあ、襲ってきた犯人とかは……?」

愛依「ごめん、分かんないわ」

めぐる「そっか……」

智代子「確か私が体育館に押し込められた時にはもう愛依ちゃんはいたよね?」

灯織「そうなんですか?」

愛依「うん、多分うちのが先だった……捕まってしばらくしたら扉の開く音がして、チョコちゃんっぽい呻き声が聞こえたし……」

めぐる「あれ?そういえば二人、音は聞こえてたんだね」

智代子「へ?」

灯織「そういえば……手と足と口と目は塞いでいても、耳は塞がれてなかったね」

愛依「うん、おかげで死体発見アナウンスが聞こえたわけだしね」

智代子「ほかの情報は入ってこないから、音の情報には注意しておりました!」


コトダマゲット!【愛依と智代子の監禁】
〔二人は事件発生前より体育館で監禁されていた。手足を縛られ、目を封じられていたが耳は自由だった〕

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325: ◆zbOQ645F4s 2021/05/04(火) 22:59:03.17 ID:/8Dwz+lS0
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灯織「そ、それじゃあ何か手掛かりになるような音とか……」

智代子「そ、それが……」

愛依「アハハ……」

めぐる「うーん、そんな都合のいい話はないかー……」

智代子「聞き落としとかはないと思うんだけど……体育館の扉の開閉音以外には、特に……」

灯織「体育館の扉の開閉音……?」

智代子「多分凛世ちゃんと霧子ちゃんを不審者が連れて来た時の音じゃないかな?」

めぐる「そっか……ここまで連れてこられてたんだもんね」

智代子「……あれ?」

灯織「どうかした?チョコ?」

智代子「そういえば、時間差でもう一回扉が開いてたような気がするんだよね……」

めぐる「えっ?!」

愛依「そういや確かに……なんか一回あったような……?」

(時間差で聞こえた、体育館の扉の開閉音……?)

(何か手掛かりになるのかな、覚えておこう……)


コトダマゲット!【体育館の扉の開閉音】
〔智代子は監禁されてから救出されるまでに体育館の扉の開閉音を二回聞いている。うち一回は犯人が霧子と凛世を監禁するためのものと思われる〕


灯織「そっか……ありがとう、話聞かせてくれて」

智代子「ううん、こっちこそ力になれなくてごめんね?」

灯織「二人が捕まっていた、それだけで十分な手掛かりになるよ」

めぐる「うん、推理は灯織に任せて!」

愛依「アハハ、頼りになる〜!」

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326: ◆zbOQ645F4s 2021/05/04(火) 23:00:34.36 ID:/8Dwz+lS0
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灯織「二人とも体育館に監禁されてたんですね……」

霧子「うん……みんなと別れてしばらくしてから、保健室に不審者さんがやってきちゃって……」

めぐる「その不審者って凛世が見た不審者と一緒だったの?」

凛世「はい、凛世が見たのと同じデビ太郎さまの姿をしておりました……」

霧子「抵抗しようとしたんだけど、すぐに薬か何かを嗅がされちゃって気絶させられて……」

凛世「目が覚めた時には既に体育館でございました……」

霧子「病気だった甜花ちゃんは逃げることもできずに、そのまま殺されちゃったんだね……」

灯織「……はい」

めぐる「不審者がやってきたのが何時ごろかってのはわかるかな?」

凛世「いえ、その……凛世も一度襲われたばかりでまだ頭が真っ白な状態で……」

霧子「わたしも、時計は見てなかったから……」

灯織「そうですか……」

(私たちが保健室を離れた後にそんなことがあったなんて……)

(何か私たちにできなかったのか、悔やんでも仕方ないけど……)

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327: ◆zbOQ645F4s 2021/05/04(火) 23:01:43.97 ID:/8Dwz+lS0
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灯織「そうだ、凛世。一つ確認したいことがあるんだけど……」

凛世「はい、なんでしょうか……」

灯織「不審者に襲われた時に撮影した写真、あれを今でもみることってできる?」

凛世「こちらに……」

凛世「デジカメで撮影したものですので……こちらの写真で、ございます……」

(……やっぱり)


さっき保健室で甘奈の着ぐるみで確認した、ガムテープの補修痕がこの写真の中の不審者にも確認できる。
やはり凛世を襲ったのは甘奈だったと見て問題ないみたい。


凛世「咄嗟ゆえ、あまりうまく撮れておりませんが……」

灯織「ううん、大丈夫だよ凛世……十分な証拠だよ」


コトダマアップデート!【補修痕】→【凛世の写真】
〔凛世を襲った不審者を撮影した写真。不審者の着ぐるみにはガムテープで補修した痕が残っている〕

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328: ◆zbOQ645F4s 2021/05/04(火) 23:04:07.90 ID:/8Dwz+lS0
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キーンコーンカーンコーン……

『子供の時って20分の休憩時間でめちゃくちゃ遊べたのに、大人になったら20分なんてあっという間に感じるのどうしてなんだろうね?』

『一説によりますと時間の流れを感じる脳内分泌物が年齢とともに増加するようになるため、なんて言われてるらしいね』

『オマエラはあの20分休憩のことなんて呼んでた?ボクはエンペラータイムって呼んでたよ!』

『まあそんなことは置いといて、そろそろ学級裁判と洒落込もうじゃないの!学校エリア一階、エレベーターホールに集合だよー!』

(……時間だ)


今回の事件は、これまでと違って私たち全員がその輪の中に入れられたリアルタイムの事件。
それ故に感じるのはこれまで以上の無念さ。

防ぐことはできなかったのか、何かできることはなかったのか……
そんな感情が湧き上がるのは今更止めようもない。

だから、ここでその贖罪をしないといけない。


灯織「めぐる、行こう」

めぐる「うん、ここからが本番だよ……気合入れていかないとね!」


前に進まないと、いけない。

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329: ◆zbOQ645F4s 2021/05/04(火) 23:05:13.06 ID:/8Dwz+lS0
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【エレベーターホール】


エレベーターホールでは既にみんなが待ち受けており、情報共有に勤しんでいた。
特に体育館に監禁されていたみんなは、今回の事件の流れすらよくわかっていない。
……今回の事件は一筋縄ではいかない。


咲耶「みんなお疲れ様、捜査の程はどうだったかな?」

灯織「はい、概ね調べたいところは全て……」

雛菜「お疲れ様で〜す、雛菜たちはずっと現場にいたけど異常なかったですよ〜?」

めぐる「うん、雛菜もありがとう!」

摩美々「円香も私の視界では何もやってなかったと思いまーす」

円香「……」


今回は今まで以上に私たちにかかる責任は大きい。
事件の当事者……そして推理を託された人間として、最後まで食らいついていかないと……!

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330: ◆zbOQ645F4s 2021/05/04(火) 23:06:40.34 ID:/8Dwz+lS0
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めぐる「ねえ、灯織……どうして今回の事件は起きたのかな」

灯織「……めぐる?」

めぐる「わたしね、捜査中ずっと考えてたんだ……わたしたちの中に、こんな残虐な犯行に及んだ人がいるなんてとても思えなくて……」

めぐる「モノクマだって今回はほとんど何もしてないのに……」

めぐる「誰かが、ずっと胸の奥にしまい込んでたのが爆発しちゃったのかな……?」

(そうだ、今回の事件は動機が見えていない……モノクマの提供した動機は今回はあくまで道具のプレゼントでしかなかったはず……)

(それなのに、どうしてこんな凶行は起きてしまったんだろう……)


コトダマゲット!【モノクマの動機】
〔今回の事件でモノクマが提供した動機は各人の才能に応じたプレゼントの贈呈だった〕

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331: ◆zbOQ645F4s 2021/05/04(火) 23:08:02.10 ID:/8Dwz+lS0

エレベーターに私が乗り込むと、すぐに扉は閉まり下降を始めた。
これで耳にするのは三度目になるエレベーターの音。
ゴウンゴウンという音と共に全身に伝わってくる振動……
事件の衝撃で未だ揺さぶられ続けている脳がより一層揺れるような錯覚。

……ふと振り返った。
私の後ろにいるのは、10人の仲間たち。
既に6人の仲間が、ここまでに離脱してしまった。
私たちの歩んだ道には、その六人の尸が積み重なっている。

……この揺さぶりを感じなくなる頃には、私の心は既に麻痺し切っているんだろう。
まだこの居心地悪い振動を感じられている限りは大丈夫、まだ前に進める。

自分にひたすらにそう言い聞かせる長い長い時間の末、

_______チーン

エレベーターは停止した。


モノクマ「はいはい、いらっしゃいませー!」

智代子「また模様替えしてる……」

モノクマ「尊き双子の犠牲を弔う意味を込めて、ふたご座流星群をモチーフにした模様替えだよ!」

咲耶「……こんな学園でなければ、もう少しロマンチックだったのだけれどね」


332: ◆zbOQ645F4s 2021/05/04(火) 23:09:31.30 ID:/8Dwz+lS0

犠牲になったアルストロメリアの二人……

お姉さんの甜花さんは、
マイペースな一面からムードメーカー的な役割も果たしていて、
こんな状況下で戸惑う私たちを癒してくれていた。
それに他のみんなにも負けず劣らずの努力家で、私たちもその背中を見て頑張らないとって思えたんだ……


妹の甘奈は私よりも一つ年上だけど人懐っこくて、誰とでもすぐ打ち解けられる人だった。
気後れする私に率先して話してくれて、そのおかげで私は元気をもらえたんだ。

二人は誰がみても仲良しの姉妹で、二人を見ているだけで元気をもらえた……


______そんな二人は死んだ。

刃物で刺され、裂かれ……
これまでの事件とは違う残虐な方法で……


333: ◆zbOQ645F4s 2021/05/04(火) 23:10:29.89 ID:/8Dwz+lS0

こんな事件を引き起こした人間が私たちの中に、本当にいるの……?


そんなことは信じたくないし、できれば考えたくもない……


でもこの合宿生活に「できれば」なんてものは存在しない。


意思とは関係なくその選択は迫ってきて、逃げ場なんかない。


だから今回も私たちがやるべきことは、それに正面から挑むこと。
真実を明らかにすること。


334: ◆zbOQ645F4s 2021/05/04(火) 23:11:06.41 ID:/8Dwz+lS0





____学級裁判で生き残ること。

その選択肢しか、選ぶ余地はない。