2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/03(水) 23:39:47.32 ID:MKYqra4No
―提督執務室―


提督「卯月って、本当に存在するのか?」


弥生「………いきなり、どうしたんですか?」

提督「だって、いくら建造しても来てくれないしさ…もしかして、うちの工廠に問題があるのか?」

弥生「…とりあえず異常があるという報告は来てない、です」ペラ

提督「そっか…うーん、早いとこ着任してほしいんだがなあ…」

弥生「どうして…ですか?」

提督「一人だけ外れたタイミングで着任するのって、けっこう心細いものがあると思うんだ」

弥生「………」

提督「弥生も最近着任したんだし、誰かが一緒のほうが心強いだろ?同型艦なら尚更だ」

弥生「……はい」

提督「………」


提督(この子とうまくコミュニケーションが取れてる気がしない…なんか壁を感じるんだよなあ)


弥生「……?」


提督(周りにあまり馴染めてないようだからひとまず秘書艦にしたが、遠征隊で皆と触れ合わせたほうが良かったか?)


提督「ま、まあ…宿舎の部屋割をさっさと確定したいってのもあるんだけどな。睦月型は多いからな~」

弥生「すみません、ご面倒をおかけして…」

提督「ああ、いや…そういうつもりで言ったのではなく…えーっと」

提督(参ったな、ちょっとした冗談のつもりだったのに…)ポリポリ




3: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/03(水) 23:44:37.12 ID:MKYqra4No
コンコンコン


弥生「!」ビク

提督「はい、どーぞ」


ガチャ


大淀「失礼します」

提督「大淀か、どうした…って、それは?」

大淀「はい、先ほど届いた大本営からの封書です。お早めに目を通すようにお願いしますね」

提督「いちいち言われなくてもわかってるよ…」

大淀「本当でしょうか?」

提督「おいおい、ひでえなあ」

大淀「ふふ、冗談です。では私はこれで。弥生ちゃんも、またね」

弥生「は、はい…」

提督「ごくろうさーん」


ギィ…バタン


提督「さて、中身はなんだろなっと…降格処分とかだったらどうしようか、ははは…」ガサガサ

弥生「………」

提督(反応が無いとむなしい…えー、なになに…小難しいところは読み飛ばして…)ペラ


提督(ふんふん…――沖ノ島沖戦闘哨戒作戦においての目覚ましい功績を認め…)


提督「……なに!?」

弥生「……?」



提督「…………卯月が、来る」

弥生「……え?」

4: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/03(水) 23:48:10.18 ID:MKYqra4No
数日後

―鎮守府正門―


提督(そろそろ卯月が来る時間だ…)

弥生「……あの」

提督「なんだ?」

弥生「新しい艦娘が着任するときは、いつも司令官自らこうやって迎えてるんです…か?」

提督「いや、いつもじゃない。今日はあまり忙しくないし、気が向いただけだよ」

弥生「そう…ですか」

提督(あとは、弥生と卯月を一秒でも早く会わせたいってのもあるんだが…)


ササササ…


弥生「……あっ」

提督「ん?どうした?」

弥生「い、いえ…」


提督「まだかねー…」

弥生(い、いいのかな…)

6: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/03(水) 23:57:04.49 ID:MKYqra4No
ササササ…ススッ


提督(む、背後から何やら怪しい音が…!?)


卯月「ぴょーん!」バッ


提督(うおおおおおっ!?)ビク

卯月「はじめまして、卯月でっす!うーちゃんって呼ばれてま~す!」

提督「は、ははは…は…?」バクバク


卯月「あり?この人が司令官…だよね?どしたぴょん?」

弥生「…ちょっと驚かせすぎちゃったのかも」

卯月「ありゃ~…やよぴょんが気付いてもスルーしてくれたおかげでうまくいきすぎちゃったかな」

弥生(やよぴょん…)


卯月「しれいかーん、悪気はなかったっぴょん…そろそろ復活して~…」ペシペシ


提督「……はっ!」


提督(いかんいかん、俺としたことが、この程度で平静を失うとは…とにかく挨拶だ挨拶!)


提督「う、卯月!」

卯月「はい、なんでしょーか!びしっ!」


提督「↓2」


※挨拶の言葉

8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/04(木) 00:01:51.52 ID:kggaWwhr0
お手

10: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/04(木) 00:16:48.36 ID:KorEO44ko
提督「……お手」

卯月「ぴょん!」スッ


弥生「!?」


提督「……あ」

提督(俺は何やってんだ!そしてこいつはなぜ当然のように従ってるんだ!)

卯月「………ぴょん?」

提督(……でも、なんというか…なんか落ち着くような、ドキドキするような…)

提督「………」ボケー


卯月「やよぴょんやよぴょん」

弥生「な、なに?」

卯月「やよぴょんもいつも、こーやってお手してるの?」

弥生「し、してないよ」

卯月「じゃあ、なんでうーちゃんはお手してるっぴょん?」

弥生「さ、さあ…?」

弥生(それはする前に疑問に思って欲しかったんだけど…)

卯月「がーん!おとめのじゅんじょーを利用されたっぴょん!もしかして騙されたっぴょん!?」

弥生(ノリについていけない…)


卯月「しれーかんしれーかん!」

提督「お、おう!なんだ!」

卯月「なんでお手なんて言ったの!ぱわはら!?今流行りのぱわはらっぴょん!?」

提督「い、いや…その…↓2」


※お手の理由

12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/04(木) 00:18:02.82 ID:D4K/vkEno
可愛い手をみたらつい…

25: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/05(金) 23:38:16.91 ID:vb1YjRSwo
提督「その…なんつーか…可愛い手を見たらつい…」

卯月「なんとっ!ぱわはらじゃなくてせくはらだったっぴょん!」

提督「セ、セクハラ!?」

提督(そ、そうか…そう取られても仕方ない…いや、冷静に考えると明らかにそうだな)


卯月「まーいっか!それよりしれーかーん、うーちゃんにこの鎮守府の案内を…」


提督「俺はなんということを…」ズーン


卯月「また自分の世界に入っちゃったの?けっこー面倒な人っぴょん」

弥生「卯月、司令官のことをそんなふうに言っちゃ…」

卯月「しょーがないから、やよぴょんが案内してっ!さ、しゅっぱーつ!」ズイズイ

弥生「えっ、ちょっと…押さないで…」


提督(そんなつもりじゃなかったんだ、俺はあくまでフランクに…いや、でも言おうと思って口に出た言葉じゃないし)

提督(お手という言葉は独占、支配の象徴と考えられる…これが無意識に出たうえに理由が可愛いとかなんとか初対面の相手に言ってしまったという事実)

提督(つまり深層心理にそういう邪な気持ちが根付いていたということで俺がいかに卑しい人間であるかということが…)

提督「………」ブツブツ



弥生(司令官って、あんな顔するんだ…)

弥生(ちょっと…面白いかも)


卯月「やーよぴょんっ!はーやくっ!」ズイズイ

弥生「わ、わかったから、少し落ち着いて…」

27: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/05(金) 23:51:54.95 ID:vb1YjRSwo
提督(深層心理と対話しているうちに、いつの間にか俺だけ取り残されていた…不覚)

提督(いったい二人はどこへ…まあ、弥生がついていれば安心…安心できるよな?……大丈夫だろう、多分)


提督「……んーむ」


提督(というか、俺こんなにメンタル弱かったっけ?それなりの精神力があると自負してたんだけどなあ)

提督(執務室に戻りながら少し状況を整理するか…)


提督「………」スタスタ


提督(やっぱアレだな、後ろから驚かされたのが主な原因だな)

提督(揺さぶられたところで動転して言ってしまった言葉なんて、意味があるとは言えない。たまたまだったんだろう)


提督「………」スタスタ


提督(でも…卯月にお手をした時のあの感覚…言葉にできない心地よさ。あれは…)


提督(今、結論を出すのは早計か。しばらく様子を見てから考えても遅くはない)

提督(……遅くないが、だからといって何もしないのも落ち着かないな)


提督「っと、もう執務室か」


提督(よし、卯月になんらかのアプローチを試みよう)

提督(そのうち弥生が卯月を執務室に連れて来てくれるだろうから、そのとき…)



提督(試しに↓2だ!)


※卯月へのアプローチ

29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/05(金) 23:54:12.59 ID:VEVGSZPtO
人参をプレゼント

33: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/06(土) 00:04:47.22 ID:6QWp3kwVo
―提督執務室―


提督(間宮さんから特別に分けてもらった人参…これを卯月にプレゼントだ)

提督(さあいつでも来い!こちらの準備はできている!)


コンコンコン


提督「どーぞ!」


弥生「失礼しま…」

卯月「失礼しまーっす!」ピョン


提督「おかえり、弥生。そして卯月、待ってたぞ」

卯月「ぴょん?」

弥生(宿舎の部屋割りの話かな?)


提督「さっきは挨拶が微妙に終わったし、お近づきの印にプレゼントがある」

卯月「ぷれじでんと?」

提督「プレゼントだ!さあ、これを受け取ってくれ」スッ


弥生(に、にんじん!?なんで…?)


卯月「こ、これは…!」


↓2 卯月の反応

35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/06(土) 00:06:10.76 ID:xlTfai3kO
いきなり人参はないぴょん

43: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/06(土) 00:17:18.23 ID:6QWp3kwVo
卯月「こ、これは…!」

提督「………」ドキドキ

卯月「し、司令官…」

提督「な、なんだ?」


卯月「いきなり人参はないぴょん…」


提督「!?」


弥生(これは仕方ないよ司令官…)


提督「だ、だよなー!こ、これはちょっとした冗談で…」

提督(やべえ、どうやってごまかそう…こんな反応が返ってくるのは予想外…いや予想しとけよ俺)


卯月(なんかきまずいけど、うーちゃんのせいじゃないっぴょん?これはさすがに…)


提督(どうしよう、頭が真っ白…この場を乗り切るには、えーっと…)


弥生「し、司令官…その…宿舎の…部屋割りの話を…」


提督「それだ!」

弥生「!」ビクッ

提督「じ、実はその話をしようと思ってたんだが、唐突かなーと思ってちょっとしたネタをだな…」

卯月「唐突に人参が出てきたこっちの気持ちを考えてほしいっぴょん…」


提督(…………返す言葉もない)

45: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/06(土) 00:38:34.80 ID:6QWp3kwVo
提督「……ごほん、我が鎮守府が保有している睦月型は、今日着任した卯月を含めて十人だ」


卯月(真面目モードに入ったけど、その手に持った人参のせいでしまらないっぴょん…)


提督「ここの宿舎では、基本的に同型の艦をまとめて同じ部屋においている」

提督「同型艦でないのに相部屋にしてる奴らもいるが…まあこれは例外だ」

提督「そんで睦月型だが、数が多いので、三、三、四で分けたいと思っている」

提督「俺としては最近着任した弥生と卯月を同じ部屋にして、他二人にサポートさせるのがいいと思うんだが…二人はどうだ?」


弥生「はい、それで構いません…」

卯月「やよぴょんと一緒なのは歓迎ぴょん!」ダキッ

弥生「い、いきなり飛びつくのはやめてってさっきも…」

卯月「むふふ~、かたいこといっちゃだめ~」

弥生「………」


提督(心なしか、弥生が楽しそうに見える…卯月と一緒なら周囲とも馴染めるかもな)


提督「さて、確認ができたところで本題だが、お前たちと相部屋にする二人を考えてある」

弥生「もう、ですか?」

提督「ああ、俺の考えだから最適である自信はないが、いい奴ばかりだし誰でもはずれってことはないだろう」

卯月「それで、その二人って誰ぴょん?」


提督「↓1と↓2だ」


※睦月型限定

46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/06(土) 00:40:22.37 ID:4A3jp3vqo
睦月

47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/06(土) 00:41:19.78 ID:AZRj5gcoo
如月

50: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/06(土) 01:06:44.15 ID:6QWp3kwVo
提督「睦月と如月だ」


卯月「むむむ~、よりによってその二人とは…」

提督「え、嫌だったか?俺なりに考えた結果なんだが、何か問題でも…」

卯月「だってー…名前にぴょんつけて呼びにくいっぴょん…むつぴょん…きさぴょん…」

提督「あ、そう…」


提督「弥生はどうだ?」

弥生「弥生は、別に…皆いい子ですし、誰でもいいですよ」

提督「そ、そうか…」

提督(誰でもいい、の意味が良い方向だといいのだが…)


提督「さて、今日は二人とももう休んでていいぞ。弥生は卯月を宿舎に連れて行ってくれ。これは部屋割表な」ペラ

弥生「えっ…秘書艦の仕事は…」

提督「今日は大したことないから俺一人で大丈夫。明日また頼むよ」

弥生「……わかりました」

提督「卯月も、明日からよろしくな」

卯月「りょーかいでっす、びしっ!」


… … … … … …


提督(……弥生が部屋割りの話を出してくれたおかげで、なんとか空気を切り替えられたな)

提督(しかしとんだ失敗をしてしまった…アプローチどころか遠ざかった気がしたぞ)

提督(次こそ、明日こそなんとかアプローチだ。早く俺の心をはっきりさせたい)


提督(明日は…↓2をしよう)


※明日の卯月へのアプローチ

52: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/06(土) 01:09:58.33 ID:HYUPhvvvO
頭を撫でる

57: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/06(土) 23:18:17.10 ID:6QWp3kwVo
―宿舎・卯月たちの部屋―


卯月「えー、そういうわけで、やよぴょんともども同じ部屋の仲間としてよろしくお願いしまっす!」

弥生「……よろしく」ペコ


睦月「こちらこそよろしくなのね♪」

如月「ふたりとも、よろしくね。何かわからないことがあったら…」

睦月「わからないことは、この睦月に聞くといいんだよ!これでも一番お姉ちゃんですしっ」

如月「この子が頼りないと思ったら、いつでも私に相談していいわよ?」

睦月「わ、私のほうが頼りになるから!ね!」


弥生「えっと…」

卯月「ふふふ、どっちが頼りになるかはそのうちはっきりさせてやるから心配いらないっぴょん!」

弥生「う、卯月…そんな言い方は…」


如月「ふふ、これはちょっと頑張らないと"お姉ちゃん"に負けちゃうかもね~?」

睦月「むぐー、いつもお姉ちゃんって呼んでくれないくせにこんなときだけー…」


卯月「まあまあ、元気出すっぴょん、睦月お姉ちゃん」


睦月「お、おお、お姉ちゃん!?」キラキラ

卯月「むつぴょんが良い子なのはよくわかってるから、負けても大丈夫っぴょん」ポンポン

睦月「なんで一瞬でお姉ちゃん呼びやめちゃったの!?それに負け確定!?」

如月「あらあら…」ニコニコ


ワーワー…


弥生「………」


弥生(卯月ってすごいな…)

58: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/06(土) 23:31:24.12 ID:6QWp3kwVo
翌日

―提督執務室―


卯月「何のごようでしょーか、司令官!」

提督「うむ、少し試してみたいことがあってな」

卯月「試したいこと?もしや、うーちゃんにあんなことやこんなこと…ひゃー!」

提督「な、なんだそのいかがわしい言い方は…」


弥生(またにんじんみたいなことをするつもりじゃ…ないよね?)


提督「いいから、ちょっとこっちに来てくれ。すぐ終わる」

卯月「はーい」ピョン

提督(面倒くさいやつだけど、割と素直なのな…)


卯月「それで、なにを…」

提督「よーしよーしよしよし」ナデナデ

卯月「ぴょ、ぴょん…?」

弥生「……?」


提督「よーしよしよし」ナデナデ

卯月「司令官…」

提督「なんだ?」ナデナデ


卯月「二日続けてセクハラとは…さてはうーちゃんに惚れたっぴょん?」


提督「!?」

59: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/06(土) 23:45:22.59 ID:6QWp3kwVo
提督「ば、馬鹿言うなよ!なんで俺がそうなるんだ!っつーかセクハラじゃねーし!」

卯月「えー?」

提督「えー、じゃねえ!」


弥生(司令官、急に怒鳴ったりしてどうしたのかな…)


提督「と、とにかく用は済んだ!下がっていいから仕事にかかってくれ!」

卯月「仕事って、何やればいいかまだ聞いてないぴょん…」

提督(……メインの用事はそれだったのに、すっかり忘れてた)


… … … … … …


提督(……ふう、なんとか卯月を遠征に行かせることができた)

提督「………」ドクンドクン

提督(まださっきの動揺が収まらない…もしかして、俺…)


弥生「司令官、さっきのは…」

提督「あ、ああ…驚かせてしまったか。なんでもないよ」

弥生「そう、ですか…?」


提督(俺…本当に卯月に惚れてる…のかも)

61: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/06(土) 23:53:18.76 ID:6QWp3kwVo
提督「………」カリカリ

弥生「………」カリカリ


提督(そうなんだよな…わかってたけど認めたくなかった。でも本人に指摘されてはごまかしようがない)

提督(まあ、卯月は本気で言ったわけではないのだろうが…冗談でも俺に意識させるには十分すぎた)

提督(……よし、そうとわかれば、アプローチだ。仲良くならなければ何も始まらない)


提督「なあ、弥生」

弥生「はい」

提督「卯月と仲良くなるにはどうすればいいだろうか?」

弥生「……え?」

提督「あっ、別に、変な意味じゃないぞ。ただ…」

弥生「ただ…?」


提督(卯月に惚れたかもしれない、なんて弥生にはとても言えないよな…)

62: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/07(日) 00:10:02.68 ID:vfMy2nFBo
提督「ほら、卯月と接触したときの俺って妙なことばかりやってしまったし、あんまりいいイメージを持たれてないと思うんだ」

弥生「それは…」


弥生(確かに、あんなにショック受けたり変なことしてる司令官は見たことなかった…)


提督「せっかく仲間になったんだから、俺は卯月ともできるだけ仲良くなりたいんだよ」

弥生「…わかりました。けど、弥生ではあまり力になれないと…思います」

提督「相談に乗ってくれるだけでいいんだよ。それに、弥生ならこんな情けない話でも安心してできるし」

弥生「安心…?」

提督「弥生は個人的な相談を他に言いふらしたりしないだろ?そういう信頼できる奴にしかこういう相談はできないよ」


弥生(信頼…できる…)


提督「あ、悪い…今のは俺の勝手なイメージで…気に障ったか?」

弥生「い、いえ…そういう、ことなら…一緒に考えましょう」

提督「本当か?助かるよ」


弥生(でも…卯月と仲良くなる方法って…なんだろう)


↓2 卯月と仲良くなるためのアプローチ案

64: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/07(日) 00:11:00.77 ID:2CsyYBeJO
兎をあげよう

65: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/07(日) 00:24:29.57 ID:vfMy2nFBo
弥生「うさぎ…」

提督「兎?」

弥生「卯月がぴょんぴょん言うのは、兎が好きだから…なのかもと思って」

提督「なるほど!」

弥生「あ、でも…ただの推測だから、まずは兎…」


提督「兎をプレゼントか!」


弥生「え、えと…」

弥生(兎の写真とかぬいぐるみで様子を見つつ、それとなく話を振る作戦…だったんだけど)


提督「そうと決まれば、ペットショップだな。いつ行こうか…いや、思い立ったが吉日、もう今からでも…」

弥生「で、でも…もし推測が間違ってたら」

提督「そのときはそのときだ。責任を持って俺が飼う」


弥生(……どうしてこんなに張り切ってるんだろう?本当に仲良くなりたいだけ…なのかな?)

70: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/07(日) 00:46:22.61 ID:vfMy2nFBo


―提督執務室―


卯月「……で、今度は何ぴょん?」

提督「まだ、お近づきの印を渡せていなかったと思ってな」

卯月「別に無理しなくていいっぴょん…」

提督「まあまあ、そう言わずに見るだけ見てくれよ」

卯月「……そこまで言うなら」


提督「ふふふ…さあ、こいつを見よ!」ジャーン


卯月「う、うさぴょん!」キラキラ


提督「この兎をお前に…」

卯月「いいの!?ほんとにいいの!?」キラキラ

提督「お、おう」

卯月「やったー!ほんもののうさぴょんだー!」


提督(予想以上の大成功だ…弥生に相談してよかった!)

弥生(よかった…卯月がこれで喜ばなかったら、司令官、悲しむだろうから…)


卯月「うさぴょん!大事にするからね!」ギュ

うさぴょん「きゅー!」ジタバタ


提督(無邪気な卯月…これはいいな)デレー

弥生(兎さん、苦しそうだけど大丈夫かな…)

79: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/08(月) 00:59:11.22 ID:wg7mX1V8o
―宿舎・卯月たちの部屋―


卯月「うさぴょん、ぴょんぴょん♪」

うさぴょん「ぷきゅ~…」ゴロゴロ


弥生(かわいい…さわりたい…でも、あの子は司令官から卯月へのプレゼントだし…)


如月「うーちゃんってば、帰って来てからずっとご機嫌ね」

睦月「にゃはは、なんだかこっちまで楽しくなっちゃうね!」ニコニコ


弥生(卯月はペットができて嬉しそうだけど、その卯月がさらに睦月と如月のペットみたい…)


弥生「そうだ…二人は卯月が兎を連れてきてもあまり驚いてないみたいだったけど、もしかして…」

如月「ええ、司令官から聞いてたのよ」

睦月「そうそう、お前たちの部屋で兎を飼うことになるかもしれないが、大丈夫か?って」

弥生「……いつの間に」

睦月「ちょっとびっくりしたけど、すぐにおっけー出したよ!」

如月「びっくりといえば、ここでペットを飼っていいって事実に驚いたわ…」



卯月(むむ…そーいえば、嬉しすぎてみんなの了解を取ることなんて全然気にしてなかったっぴょん…)

卯月(しょーじき、司令官のことはアレな人だと思ってたけど…そこまで気を回してくれるなんて、普通にいい人…ぴょん?)

80: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/08(月) 01:04:26.36 ID:wg7mX1V8o
翌日

―提督執務室―


提督(兎プレゼント作戦は大成功を収めた。だが、あの作戦は卯月を喜ばせる目的以外にもうひとつ…)


提督「昨日、部屋に戻ってからの卯月はどうだった?」

弥生「えっと…興奮してて、楽しそうで…ずっとうさぴょんと遊んでました」

提督「そりゃよかった。プレゼントでは一回失敗したものだからちょっと不安でな~…」

弥生「大丈夫です。卯月だけじゃなくて、睦月も如月も…喜んでましたから」


提督「弥生は?」


弥生「えっ?」


提督「弥生は部屋に兎が来てどう思った?」


弥生「どう…って」

提督「思ったことを正直に言ってみてくれ。可愛かったでもいいし、実は嫌だったでもいいし」

弥生「い、いやじゃないです。可愛いと思って、その…撫でたいと思いました」

提督「撫でたいって…撫でなかったのか?」

弥生「……あの子は、卯月のだから」

提督「………」


提督(おおむね予想通りか。だが、切っ掛けを作ってしまえばこっちのもの)

81: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/08(月) 01:12:09.26 ID:wg7mX1V8o
提督「弥生は、思ったことをもっと遠慮せずに言っていいんだぞ」

弥生「え…」

提督「卯月なら、頼めば兎を撫でさせるぐらい許してくれるだろ。むしろ弥生がお願いしてきたら喜ぶかもな」

弥生「そう…でしょうか」

提督「ああ、睦月や如月も、弥生が思ってることを話してくれたらきっと喜ぶ」

弥生「………」

提督「卯月ほどまでになれとは言わないから、少しずつ自分を見せてみてくれよ」

弥生(……急に、そんなこと言われても…)


提督「よしわかった、しばらく俺で練習しようか」


弥生「…練習?」

提督「まずは…そうだな、敬語を禁止する。弥生は今から俺に対してため口で話すこと」

弥生「な、なんでそうなるんですか」

提督「そっちのほうが思ったことを言いやすいだろ?」

弥生(……それは、そうかもしれないけど)

提督「ここの連中は許可もしてないのにため口を利く奴らも多いし、気にするな」

弥生「………」


弥生(よくわからないけど、司令官の言うことだし…)


弥生「……わかり…ました」

提督「………」

弥生「わ、わかった」

提督「その調子その調子」


提督(だいぶ強引だった気もするが、なんとか目標達成だな)

提督(いや、ここからが本番か。どうにか弥生の心を開けるといいが…)

82: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/08(月) 01:20:37.89 ID:wg7mX1V8o
提督「それで、また卯月に何かアプローチをしようと思ってるんだが…」

弥生「え…兎だけじゃだめなんですか…じゃなくて、だめなの?」

提督「あれはなんというか、俺への悪いイメージを払拭したくてやったことで…仲良くなれたかどうかというと、まだ微妙だと思う」

弥生(よくわからない…)


提督「話を戻すぞ。また作戦を考えるから、弥生も一緒に考えて欲しい。そこで思ったことを言ってみてくれ」

弥生「それが練習…?」

提督「そういうこと。頼まれてくれるか?」

弥生「…わかった」


↓1 次の卯月へのアプローチ案

83: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/08(月) 01:21:26.81 ID:Z/i0+8meO
踏んでもらう

111: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/10(水) 01:30:58.75 ID:x8qLa7y0o
提督「仲良くなるには、やはりスキンシップは必要だと思うんだが、どうだろう」


弥生(スキンシップ…一里あるけど、きっとまたセクハラとか言われちゃうよ。せっかくプレゼントを喜んで貰えたのに…)


提督「……弥生はどう思う?」


弥生(あっ…そうだった)


弥生「え…と…お手をしたり頭を撫でたりしたときを思い出すと、あんまりよくないかな…って」

提督「あー、言われてみれば、それもスキンシップか…下手するとまたセクハラって言われるな」

弥生(これでひとまず……)ホッ


提督「じゃあ、どういうふうに仕掛けたらセクハラ扱いされないかな」

弥生「えっ」


提督「ん?」

弥生「あ、なんでも…ない」


弥生(スキンシップは…諦めないんだ…)


提督「手、頭…他は…うーん、他の方法を考えれば考えるほどセクハラ度が上がっていくな」

弥生「……司令官から手を出すから…セクハラみたいになるのかも」

提督「つまり、卯月に何かをさせるってことか!なるほど、そういうことなら卯月に文句を言われる心配もないな」

弥生「あ、でも、そんな状況にする方法なんて…ただの思いつきだし…」


提督「いや、踏んでもらえばいい!」

弥生「!?」

114: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/10(水) 01:39:29.02 ID:x8qLa7y0o
弥生「……あの…よく意味が…わかりません」

提督「そのままの意味だ。卯月に踏んでもらう。俺は何もせずにただ踏まれるんだ…これならいける」

弥生(な、なにが…?)

提督「この案に何か意見はあるか?」

弥生「ええ…っと…その…」

提督「うん?」


弥生「いいと…思います…」


提督「だよな!よし、この方向でさらに煮詰めていこう」

弥生(ごめんなさい、衝撃的すぎて考えを放棄しただけです……)


提督「んで、大事なのは踏まれるシチュエーション…踏まれ方…その前に、踏まれる方法が問題か」

弥生(そっか…ここで無理だということになれば考え直しに…!)

提督「あ、良い方法を思いついたぞ」

弥生(……もう、諦めよう)


弥生「……ちなみに、どういう方法ですか?」

提督(いつの間にか敬語に戻ってるな…まあ、いきなり変えるのも難しいから仕方ないかな。少しは大目に見よう)


提督「スバリ、↓2だ」


※卯月に踏まれる方法

116: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/10(水) 01:42:17.11 ID:ORhaXgagO
怒らせてみよう

142: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/11(木) 23:08:26.22 ID:9eaCBcDDo
提督「卯月を怒らせて、俺を踏むように仕向ければいいんだ」

弥生「………」


弥生(それって、結局は怒らせる方法も考えなきゃいけないし、怒らせても踏んでもらえる保証はないし…なにより…)


提督「どうだ?穴があるようなら遠慮なく言ってくれ」


弥生(穴だらけで、どこから突っ込めばいいのかわからないよ…でも、とにかく言えることは…)

弥生「怒らせちゃったら、仲良くはなれないと…思います」

提督「い、言われてみれば!」ハッ

弥生(どこまで本気で言ってるのかな…)

提督(確かに、仲良くなるのが目的なのに、怒らせるようなことをするって本末転倒じゃねえか!アホか!)


提督「ば、万策尽きた……」ガク

弥生(一策しか尽きてないです…)

提督「どうしよう…」


弥生「………」

提督「………」


弥生「…………弥生が」

提督「…え?」


弥生「わ、私が…思いついた作戦で、いいなら…試してみませんか?」

143: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/11(木) 23:23:33.24 ID:9eaCBcDDo
翌日

―宿舎・卯月たちの部屋―


バタバタ…


卯月「うさぴょん、うさぴょん!どこ!」


バタバタ…


卯月(いない、いない、どこにもいない…部屋の外?でも、なんで…?)


弥生「ただいま…」ガチャ


卯月「やよぴょん!うさぴょんが、どこにもいない!いないの!」

弥生(予想以上に取り乱してる…ちょっと可哀そうだったかな)


卯月「そ、外でうさぴょん見なかった!?」

弥生「え、っと…司令官が、抱き抱えてるところ…見たかな」

卯月「な、なんですぴょん!?」

弥生(驚いた反応なんだろうけど、動揺しすぎでよくわからないことになっちゃってる…)

弥生「こいつは俺がやらなきゃ…とか呟いてるのが聞こえたよ」

卯月「や、殺らなきゃ!?」

卯月(司令官、まさかうさぴょんを…)


卯月「こーしちゃいられないっぴょん!」ダッ


バン!ダダダダダダ…


弥生「………」


弥生(うまくいくかな…)

144: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/11(木) 23:41:40.10 ID:9eaCBcDDo
―廊下―


提督「………」スタスタ


ダダダダダダ…


提督「ん?」クルッ


卯月「しれーかーん!!!!!」ギラギラ


提督「おお!?」

提督(殺気!殺気やべえ!)

提督「に、逃げろー!」ダッ


卯月「待てー!逃がさんっぴょん!止まれー!」


提督「そ、そう言われて止まるやつなんてこの世にはいないんだよ!」

提督(と、焦ってるふりをしつつこのあたりで転ぶのがベスト…)コケ

ドテーン

提督(いって…もっとうまい転び方練習しとけばよかった…だが、これで全ての準備は整った…)


卯月「ふっふっふ…」

提督「う、卯月…」

卯月「ここで転んじゃったら…もう逃げられないっぴょん…」ジリジリ

提督(目標確認、姿勢…仰向けセッティング、着地予想地点…胸部から腹部…)


卯月「かくごー!」ピョーン

提督(来るッ!)

ドゲシ

提督「ぐふっ…」


提督(腹…か…迷わず弱点を狙うとは…やるな)

145: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/11(木) 23:51:48.66 ID:9eaCBcDDo
卯月「うさぴょんを!」ゲシ

提督「ぐっ」

卯月「どこに!」ゲシ

提督「っぬふ」

卯月「やった!」ゲシ

提督「くぁっ」


卯月「ぴょん!」ピョン


ズゲシ


提督「っはぁぁ…!」

提督(一点集中、隙のないコンボからの強力なフィニッシュ…文句なしに…)


提督「グッジョブ…!」キラキラ


卯月「何言ってるっぴょん!いいからうさぴょんになにをしたか…」

提督「……け」

卯月「け?」


提督「健康診断…だ」

146: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/12(金) 00:13:09.10 ID:8J6xrFCXo
―提督執務室―


卯月「うさぴょん!」ギュ

うさぴょん「きゅー!」ジタバタ

弥生「卯月、もうちょっと優しくしてあげて…」

卯月「ご、ごめんうさぴょん…」

うさぴょん「きゅー…」


卯月「だいたい司令官!まぎらわしいっぴょん!てっきり、うさぴょんを…うさぴょん…」

提督「悪い悪い、子兎はもし寄生虫にやられていた場合には命にかかわるとかいう話を小耳にはさんでな」

卯月「い、命に…?」

提督「それで、余計な心配かけないように内緒で腕利きの獣医に診てもらってたんだ」

提督「バレないようにしようと思ったんだけどなー、失敗だなー」


弥生(ものすごく白々しい…って、この作戦を思いついた弥生も同じようなものかな…)


提督「もちろん、うさぴょんは健康体だったぞ。安心しろ」

卯月「そ、そっかぁ…」ホッ


卯月(と、なると、司令官を思いっきり踏んづけちゃったのは…完全に…)


提督「卯月、どうした?」

卯月「……さっきのは…ごめんなさい…ぴょん」

提督「気にするな、誰にも勘違いはある」

弥生(その通りだけど、わざと勘違いさせた人が言うセリフじゃないよね…)

卯月「でも、でも…」


提督「それに、俺も満足したしな…」

卯月「え?」

提督「あ、今のなし」

147: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/12(金) 00:34:22.40 ID:8J6xrFCXo


―提督私室―


提督(またしても弥生の作戦が大当たりしたな…)

提督(取り返しがつくレベルで卯月を怒らせる方法を考え、踏まれる可能性ができるだけ高くなる状況を作り出した)

提督(俺の穴だらけだった策を、実現可能なものに昇華させやがった。あいつ、けっこうすごいのかも)

提督(……急にしっかりしてきた気がするけど、どうしたんだろうか)


… … … … … …

―中庭―


卯月「………」ボケー


弥生「卯月、ここにいたんだ。部屋に戻らないの?」

卯月「あ、やよぴょん…ちょっと、考え事してたっぴょん…」

弥生「……司令官のこと?」

卯月「ぴょ、ぴょん!?」

弥生(分かりやすい…)


卯月「……司令官って、なんでうーちゃんのためにいろいろしてくれると思うっぴょん?」

弥生「それは…」

弥生(仲良くなりたいから、って言ってたけど…たぶん…)

卯月「んー、まあ、考えてもわからないし、そろそろ戻ろっか、やよぴょん!」

弥生「うん…」


弥生(司令官は卯月のことになるとおかしくなるみたいだから…弥生が、私がしっかりしないと)グッ



↓2 翌日自由イベント

※行動主など含め自由選択可(提督でなくともよい)

149: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/12(金) 00:35:55.36 ID:AzzsYn2J0
事案発生

152: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/12(金) 00:46:03.95 ID:8J6xrFCXo
翌日

―提督執務室―


提督「………」カリカリ

弥生「………」カリカリ


提督(作戦成功の礼に、弥生にごほうびとかあげたほうがいいんだろうか…)


弥生「……どうか、しました?」

提督「あ、いや…別に…って、そうだ、もうすっかりため口のこと忘れてないか?」

弥生「あっ…!えと、ごめん、なさい…つい」

提督(なんだか弥生をいじめてるような気分になってきた……いじめてないよな?)


コンコンコン


提督「は、はいはい!どーぞ」


大淀「失礼します」ガチャ

提督「今日はどうした?また封書か?」

大淀「いえ、ちょっとした報告というか…ある事案について」

提督「……事案?穏やかじゃないな。いったい何があった」


大淀「預かった報告書によると…↓2ということです」


※事案の内容

154: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/12(金) 00:49:32.46 ID:x13rWWcyO
近隣に  コン出現

164: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/13(土) 01:44:29.38 ID:4HL/K6koo
大淀「近隣に…その…  コンが現れたということです」


弥生(  こん?)


提督「な、なにぃ!?それは本当か!」ガタ

大淀「はい。といっても、私も先ほど知ったことなのですが」

提督「うむむ…これは由々しき事態だぞ。詳しい情報はないのか?」

大淀「出没したという情報だけで特に他には…しかし、報告されるということは外見か行動が特殊だったのだと思われます」

提督「だろうな……危険、危険だ…早急に何か対策を…」

弥生「司令官、何がそんなに危険なの?」

提督「何がってそりゃ、  コンだぞ?ここの子たちに目をつける可能性がある」


弥生「……  こんって、なに?」


提督「え…ああ、  コンっていうのは…」

提督(なんて説明すればいいんだ?幼い女の子が好きな人…って曖昧すぎるし、性的嗜好がどうとかは弥生に言いたくないぞ)


大淀「簡単に言うと、未成熟な少女に対して恋愛感情を抱いてしまう男性のことですね」

弥生「へ~…」

提督「め、明快な回答ありがとう大淀」

弥生「…でも、それってそんなに危険…なの?」


大淀(あら?そういえば、さっきから弥生ちゃんの喋り方…)


提督「さっきも言ったろ?報告されるってことは、それなりの異常性があったってことだ。十分警戒するに値する」

弥生「そういうものなんだ…」


大淀(警戒…まずは、鎮守府内の艦娘全員にこのことを公表して、外出時は単独行動を控えるように注意喚起…)


提督「よって、今日は弥生と近隣の見回りに出かけることにする!」


大淀「え?」

弥生「……?」

165: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/13(土) 01:56:29.42 ID:4HL/K6koo
―鎮守府正門―


提督(見回りなんて口実。弥生を連れ出して、最近手伝ってくれているお礼をするのが目的…)

弥生「……あの、どうしてもついてくるって言うから」

提督(だから、二人で出かけるつもりだったのだが…)


卯月「うーちゃんを置いてふたりだけでどこかに行くなんてずるいっぴょん!」


提督「い、いや…これは遊びではなくてな」

提督(正直、卯月が一緒なのは嬉しい。嬉しいのだが!一緒だと弥生を贔屓しづらい!)


卯月「うーちゃん、このあたりのことまだよくわからないし、司令官が案内してくれたらうれしいなー…」チラ

提督「………」

卯月「………」ウルウル

提督「……わ、わかった。ついてこい」


卯月「やったー!司令官ちょろいっぴょん!」

提督「なんだとこら!」

卯月「ぷっぷくぷー!」ピョン

弥生(楽しそう…)


提督(はあ…ま、いいか、弥生贔屓と同じぐらい卯月も贔屓すればいいんだ。……いいよな?)

提督(さて、まずは↓2に散歩…もとい、見回りに行くか)

167: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/13(土) 01:58:19.78 ID:nXh9AY0Wo
海が見える高台の公園

171: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/14(日) 16:56:06.44 ID:LNK1w3DDo
―高台公園―


弥生(わ…綺麗な景色…)

提督「海が一望できるおすすめスポットだ。艦娘たちの間でも人気の場所みたいだな」

弥生「高いところから海を見るのって、新鮮…」

提督「だろ?普段見てるものでも、目線を変えると違って見えるものだ。卯月も…あれ、卯月?」


バサバサバサ…


卯月「ハトさんたち、待つっぴょ~ん!」



提督「……あいつ、自由だなー」

弥生「………」コクコク

提督「しょーがない、こいつの出番か」ヌッ

弥生(……パンくず?)

提督「くらえっ!ハトども!」バッ


バサッバサッ…

クルッポクルッポ…


弥生(ハトさんたちがみんな集まってきた…)


卯月「司令官!?どうやったっぴょん!?」

提督「ふふふ…こんなこともあろうかと撒き餌を用意していたのさ。ほら、卯月もどうだ?」

卯月「やるやる!もちろんやるっぴょん!」ピョン


弥生「………」

弥生(……海、綺麗だな…)

172: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/14(日) 17:10:00.81 ID:LNK1w3DDo
卯月「撃てぇ~、撃て~!」バッ

バサバサ…

卯月「きたー!司令官、やったっぴょん!」ブンブン


提督「おー、やったなー!」パチパチ


卯月「そりゃー!あははー!」



弥生「………」ウズウズ



提督「……弥生もやってみるか?」

弥生「え…」

提督「ほら、こいつを持って…」ギュ

弥生「わ、えと…あの…」

弥生(し、司令官…手…この格好、ちょっとはずかしい…)カァ

提督「そして、ぽいっと投げるっ」

弥生「ぽ、ぽいっ…」


バサバサ…


弥生「あっ…」

提督「どうだ、面白いだろ?」

弥生「う、うんっ…」ニコ



卯月「しれーかん!パンくずおかわりくださいなっぴょん!」

提督「それだとまるで卯月が食べるみたいだな…はは」


弥生「……えへへ」

173: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/14(日) 17:18:29.15 ID:LNK1w3DDo
提督(卯月も弥生も楽しんでいるようでよかったよかった)

提督(これからも、たまには連れ出して一緒に遊んで…)


弥生「あの…司令官」

提督「ん、どうした?」

弥生「ずっとここにいるけど、見回りは?」

提督「おっと…そ、そうだった、見回り見回り、見回りだな」


提督(いかん、すっかりここで遊んで帰るつもりになってた…)


卯月「どしたの?別のところに遊びに行くぴょん?」

弥生「遊びじゃなくて、見回り」ムス

提督「そ、そうそう、見回り…遊びじゃないんだぞ」

卯月「ぴょん?さっきまで、司令官も楽しそうに…」

提督「さ、さーて次行くぞー!次はあっち方面かなー!」ビシッ


提督(って、何も考えずに指差してしまったが、あっちに何かいいとこあったっけ…)

提督(そうだ、↓2にでも行くか)

175: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/14(日) 17:20:46.06 ID:x+1MEPUiO
砂浜

176: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/14(日) 17:42:20.83 ID:LNK1w3DDo
―砂浜―


提督「ここはさっきの公園から見えてた海岸だ。二人はこういう砂浜って来たことあるか?」

弥生「……ううん」フルフル

卯月「うーちゃんも初めて…ふえ~、波の動きがおもしろーい…」ジー


提督(艦娘にとっての海と陸の境目は、基本的には港だけだろうからな…)


弥生「足元、じゃりじゃりする…」

卯月「ぴょんぴょんしたときの感触が違うっぴょん」ピョン

提督「波打ち際の感触はもっと面白いぞ。ちょっと裸足になって遊んでみないか?」

卯月「遊ぶ遊ぶ―!」ポイ

提督「く、靴を投げ捨てるな!お行儀悪いぞ!」


提督(つーか遊ぶと決めてから動くのが早すぎる!)


卯月「やよぴょんもはやく、靴脱いで、靴下脱いでー!」

弥生「ちょ、ちょっと…やめ…」


提督(卯月が強引に弥生を脱がせている…なんだこの絵は…目が離せない)


卯月「さー準備完了、波打ち際へゴー!っぴょん!」ダッ

弥生「もう…卯月ってば」クス


バシャバシャ…


提督(……あの二人が遊んでるのを見ると、なごむなあ)

提督(む、この絵は  コンにはたまらないものかもしれん。周囲を警戒せねば!)キョロキョロ

177: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/14(日) 17:54:31.36 ID:LNK1w3DDo
卯月「ふふふ~、楽しかったー!ね、やよぴょん」ダキッ

弥生「……ま、まあ、うん…」


提督(いやあ、目の保養になった…)ホクホク


提督「なあ、ここは普通に海水浴もできるし、二人がよければそのうち泳ぎに来ないか?」

卯月「行くー!約束っぴょん!もちろんやよぴょんも!」

弥生「そんな勝手に…」

卯月「……いや?」

弥生「うっ…い、いやじゃ…ないけど」

卯月「じゃーいっしょに行くっぴょん!」


弥生(……卯月にはかなわないな)フゥ


提督「決まりだな。いつか水着を用意して皆で来よう」

卯月「はーい!」


弥生「ところで司令官、見回り…」

提督「わ、わかってるって…もう次に行くから」


提督(もうそろそろ暗くなってくるな…次あたりで最後かな)

提督(最後は↓2へ行こう)

179: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/14(日) 17:59:14.17 ID:NR8c8pVzO
ホテル街

181: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/14(日) 18:13:32.54 ID:LNK1w3DDo
―ホテル街―


提督(そろそろ少し真面目に見回りをしようと考えた結果、ここに来た)

提督(そうだよ、  コンはいかにも怪しいやつなんだ…こういうところに居る可能性は高い)


卯月「し、司令官…?なんかちょっとここ、雰囲気が怖いっぴょん…」ギュ

弥生「………」ギュ


提督「あ、ああ…ちょっと見回るだけだから。心配しなくていいぞ」

卯月「……ぴょん」

弥生「……うん」


提督(……よく考えたら、見回りだけなら二人を帰してから俺だけで来ればよかったのでは)


ヒソヒソ…ヒソヒソ…


提督(ん?周りの人がこっちを見て何か話している…)



「また違う子と一緒…」

「こんなところに幼い子を連れてくるなんて…」

「ほんとにあの  コンは危険なんじゃ…」



提督「………」ダラダラ

弥生「司令官、すごい汗…どうしたの?」

提督「い、いや?なんでも…」

卯月「顔色も悪いっぴょん…」

提督「……く、暗くなってきたからそう見えるだけだろ?」


提督(一刻も早く、ここを抜けなくては…)


ジロジロ…


提督(やめろ!こっちを見るな!……見ないでください…頼む…)

188: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/15(月) 00:14:47.93 ID:DE5/xjveo


―宿舎・卯月たちの部屋―


卯月「――で、その後は砂浜に連れて行ってくれたんだぴょん!」

睦月「ああ、あそこの…いいな~、睦月も今度司令官に連れてってもらおっかにゃ~?」

卯月「それでそれでー、司令官が波打ち際が面白いって言うから、やよぴょんとふたりで波打ち際に行ってみてー…」

睦月「ふんふん…」



如月「今日、司令官は見回りに出かけてたって聞いたのだけど…どういうことかしら?」

弥生「えっと…見回り…だったはず。でも、司令官はあんまり真面目にしてなくて…まるで遊んでたみたい」

如月「ふ~ん?そうなの?」

弥生「公園でも、砂浜でも…弥生たちに遊びかたを教えて、満足そうにしてて…」


如月「なるほど、そういうこと…なら、遊んでたんでしょうね」


弥生「えっ…?」

如月「初めから二人を楽しませるのが目的だったのよ、きっと」

弥生「で、でも…見回りだって言ったのに」

如月「ふふ、あの人も素直じゃないから…恥ずかしかったんでしょうね♪」


弥生(弥生たちを楽しませるのが目的だった…でも、卯月が来るのは急に決まったこと。司令官は知らなかったはず)

弥生(つまり、弥生のため…?)

189: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/15(月) 00:28:00.02 ID:DE5/xjveo
翌日

―提督執務室―


提督「………」ズーン

弥生「あの…」


提督(あのあと入ってきた新情報により、例の  コンの詳細が判明した…)

提督(報告書の中で挙げられた特徴は、ことごとく俺と一致)

提督(どうやら、"いつも違う女の子を連れ歩きニヤニヤしてる怪しい男"として近隣の住民に認識されていたようだ)

提督(……不名誉にもほどがある)ハァ

提督(確かに、たまに駆逐艦の子たちと一緒に出かけはするさ。だが、それだけで…ニヤニヤなんてしてないし…)

提督(仲良く遊ぶ様子を見てなごんでいるだけで、ニヤニヤなんて絶対に…)

提督(……してないよな?)


弥生(昨日のお礼を言おうと思ってたのに…どうしたのかな)

弥生(あ、この報告書…)ペラ

弥生(………)ペラペラ


弥生「……司令官」トントン

提督「…なんだ?」


弥生「……司令官って…  コン、だったの?」


提督「」ゴハッ


弥生「………」


弥生(たぶん、司令官が駆逐艦ぐらいの子を好きだったら、  コンっていうんだよね)

弥生(司令官はきっと、卯月のことが…それって、そんなにいけないことなのかな?よくわからない)


提督(弥生に  コンだと思われた…幻滅された…もうだめだ…)

190: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/15(月) 00:39:12.00 ID:DE5/xjveo
弥生「……昨日は、楽しかった」

提督「え?」

弥生「司令官、昨日は弥生のために見回りに行こうって言ってくれたんだよね」

提督「な…!?」


提督(なぜバレた!態度が露骨だったか!?)


弥生「……ありがとう」ニコ

提督「お、おう…」ドキ


提督(おおお落ち着け…ちょっとこちらの思惑を読まれただけだ。そんなに動揺するようなことではない…)


弥生(お礼したいけど、弥生ができることなんて…そうだ)

弥生「また、卯月にアプローチするつもりなら…いっしょに考えるよ」

提督「そ、そうだな…またやろうとは思ってたけど」


提督(弥生、日に日に…芯が強くなってきた?ような気がする…)


提督「それじゃ…お言葉に甘えて一緒に考えてもらおうかな」

弥生「うん、がんばる」


↓2 卯月へのアプローチ案

192: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/15(月) 00:41:36.30 ID:MqR32g73o
ニンジンを食べさせる

196: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/15(月) 01:04:24.08 ID:DE5/xjveo
提督「人参を食べさせる…のはどうか」


弥生(……司令官がまたおかしくなっちゃった)ジトー


提督「ちょ、ちょっと待った!何か勘違いしてないか?」

弥生「勘違い?」

提督「別に、生の人参を突き付けて食わせるわけじゃないぞ。調理済みのものだ」

弥生「……何のために?」

提督「この前、食堂で見てしまったんだ…卯月が人参を残しているところを」

提督「人参といえば、兎の好物だろ?うさぴょんと好物の共有ができないのは悲しいことだと思うんだ。だから…」

弥生「あの、兎はそんなに人参は好きじゃない…はず」

提督「……?兎といえば、人参…」

弥生「人参も食べるけど、葉っぱ類のほうが好きみたい…大葉とか」

提督「……マジ?」

弥生「………」コク




提督「好き嫌いは良くないよな!」

弥生「う、うん」

提督「卯月に人参を好きになってもらいたいんだよ俺は!そのためのアプローチだ!」

弥生(アプローチ…これは何のためのアプローチだったっけ)


提督「ということで、人参料理を作る!」


弥生(……え?司令官が?)

215: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/20(土) 02:10:23.44 ID:SJl+Qbu2o
―宿舎・卯月たちの部屋―


提督「さあみんな、遠慮せずに食べてくれ!」ドン

弥生(まさか今日実行するとは思わなかった…)


睦月「わぁ~、司令官ってお料理できたんだっ!そんけーしちゃうかも!」

如月「どれも美味しそう…でも、なんで急にこんなことを?」

提督「な、なんでって……あー…ははは、気まぐれというか、なんというか」

如月「え~?目が泳いでるわよ?ほんとのこと、教えてよ?」

睦月「なになに?なにか理由があるんですかー?」

提督「い、いいから冷めないうちに食べてくれよ、な?」



弥生(筑前煮、きんぴら、酢の物、卵焼き。どれも人参が入って…え、卵焼き?……あ、細かい人参が混ぜてあるんだ)


卯月「………」タラーリ


弥生(……目を泳がせて汗をかいてる人が、ここにもうひとり)


卯月(まずい…まずいっぴょん…まだ食べてないけど、まずいっぴょん…)

卯月(司令官が手料理をふるまってくれるって言うから楽しみに待ってたのに、にんじん…だらけ…なんて)



睦月「みんな、手を合わせて~せーのっ」


「「「いただきます」」」


卯月「い、いただきます…っぴょん」

217: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/20(土) 02:24:38.04 ID:SJl+Qbu2o
卯月(……よく考えたら、別ににんじんを無理に食べる必要ないっぴょん)

卯月(にんじんがあることを抜きにすれば普通においしそうだし、いつもどおりてきとーににんじんをよけて…)サッ


提督「………」ジー

卯月「………」ピタ

提督「………」ジー

卯月「………」


卯月(ものすごくやりづらい…ずっとこっち見てる…っぴょん)


提督(頼む、食べてくれ…)


卯月(なぜか、残したらいけないような、気がする…)チク



睦月「おーいしー!お箸が止まらな~い!」パクパク

如月「ほんとね…美味しいんだから、味わって食べないともったいないわよ?」

睦月「うーむ、たしかに…でも、食べちゃう!」パク

如月「もう…せめてちゃんと噛んで食べてね」


弥生(……うん、美味しい)モグモグ



卯月(おいしい、これはおいしい…みんなおいしそうに食べてるからこれは絶対おいしいんだっぴょん…)ゴクリ


提督「………」ドキドキ


卯月(……えーい!)パク


提督「!!」ガタ

218: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/20(土) 02:45:06.97 ID:SJl+Qbu2o
提督(た、食べた…卯月が人参を…)


卯月「………」モグモグ

提督「……う、卯月、どうだ?うまいか?」

卯月「………」ゴクン

提督「卯月…」


卯月「まあまあ…っぴょん…」


睦月「えー、まあまあ?こんなにおいし…」


提督「っしゃああああああああああ!」


睦月「し、しれーかん!?」

如月(なるほど…そういうことね)


提督「まずくはないんだな!?」

卯月「う、うん…まあ…おいしいとまでは言えないけど」

提督「それで十分だ!」

卯月「ぴょ、ぴょん…?」


提督(人参を普通に食えることだけでも大きな進歩だ!)

卯月(……なんで、このにんじんは普通に食べられるのかな?)

219: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/20(土) 02:55:01.17 ID:SJl+Qbu2o
弥生(司令官、よかったね)ニコ


如月「このこと、弥生は知ってたのね?」

弥生「えっ…如月、気付いてたの?」

睦月「ど、どういうこと?」

如月「だって、司令官ったら妬けちゃうほどうーちゃんばっかり見てるんだもの」

弥生「それだけで気付くなんて…さすが、だね」

睦月「あ、あの~…つまり?」

如月「まあ、私は司令官の手料理を食べられただけで満足だけどね♪」


弥生(……そういえば、手料理を食べさせるって…けっこうアプローチとしては良い手だったのかも)

弥生(嫌いなものを食べさせるっていうのが危険ではあったけど…うまくいってよかった)

弥生(でも、なんで卯月は人参を食べられたのかな?人参嫌いのためのレシピだったとか…?)


睦月「だ、誰かどういうことか説明してー!」

220: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/20(土) 03:08:43.54 ID:SJl+Qbu2o


―宿舎・卯月たちの部屋―


睦月「へー…じゃあ、うーちゃんのにんじん嫌い克服のためだったんだ!」

弥生「そういうこと」


弥生(つい話しちゃったけど、内緒とは言われてないから、いい…よね?)


睦月「でもでも、嫌いだったのによくがんばって食べたね~」

卯月「そ、それは…そのぅ…残したら司令官が…っぴょん?」


卯月(司令官が、悲しむかも…と思って?)


睦月「んん~?」

卯月「な、なんでもないっぴょん」

睦月「司令官が…なにかにゃ~?」

卯月「あー、うさぴょんの世話すっかり忘れてたー!」ピョン

睦月「わわ、そんな手ではごまかされないからねー!」



如月「青春っていいわね♪」

弥生(青春…っていうのかな、これ)

221: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/20(土) 03:36:53.60 ID:SJl+Qbu2o
卯月(にんじん…食べちゃった)


卯月(食べなかったら司令官が悲しむと思って、仕方なく口に放り込んで…)

卯月(でも、司令官が作ってくれたものだと思いながら食べたら、不思議と嫌な味がしなくて…)


卯月(……なんでかな~)


… … … … … …


―提督私室―


提督(また勢いで行動してしまった…正直、危ない橋だった)

提督(俺なりに工夫はしたが、人参はそのまま人参だ。食べてもらえない可能性は十二分にあった)

提督(だいたい、嫌いなものを食べさせるってのが俺のエゴなんだよな…誰しも苦手なものはあるんだし、余計なお世話だったかも)


提督(……ま、一応食べてもらえたんだし、これでアプローチは成功と言っても…)


提督「………」


提督(……何のアプローチだ!?)


提督(卯月の人参へのアプローチか!そうか!そりゃそうだ!やったぜ!)

提督(じゃあ次は俺の卯月へのアプローチを考えないといけないよな!そりゃそうだ!やったぜ!)


提督「……はあ」


提督(弥生に頼りすぎるのも悪いし、今回は自分で考えるか…)

提督(次は↓1をしよう…今度こそ卯月の好感度を上げる!)

222: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/20(土) 03:38:42.74 ID:UuxLEv9DO
一緒に買い物で洋服をプレゼント

231: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/21(日) 18:08:52.95 ID:ektudbWso
提督(一緒に買い物に行こう。楽しくショッピングは男女が仲良くなる基本だ、多分!)

提督(そんで…そうだな、卯月に洋服でも買ってあげよう、それがいい)

提督(……そーいや、卯月ってどんな私服着るんだろうか)


… … … … … …


翌日

―提督執務室―


弥生「え…次の作戦、もう決めちゃったの?」

提督「おう、卯月と買い物に出かけることにした」カリカリ

弥生(……決める前に相談してくれると思ってたのに)

提督「今日誘って、卯月さえ良ければ次の休みにでも…あれ、どうした?」

弥生「……なんでもない」プイ

提督「?」


提督(何か気に触るようなことしちまったかな?)

232: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/21(日) 18:22:36.08 ID:ektudbWso
弥生「……あ、  コン」

提督「ぐぼっ」


提督(それ禁句…弥生どんだけ怒ってんだ。俺は何をしてしまったんだ)


提督「や、弥生…俺が悪いのかもしれないけど、それはちょっと精神的ダメージが大きすぎるから勘弁してもらえないかなー…」

弥生「……何の話?」

提督「へ?」

弥生「司令官、  コンって言われるのがいやなんだよね」

提督「あ、ああ」

弥生「でも、卯月と買い物に行ったら、また…」

提督「そ、そうか…そうだな」

提督(つい先日  コン疑惑騒動が起きたばかりなんだ。またあらぬ疑いをかけられてしまう…)

弥生「……どうするの?それでも行くの?」

提督「うーむ…」


提督(確かに、そう考えると行きづらいな…卯月にも迷惑がかかるかもしれない)

提督(いやいや、諦めるな!逆に考えろ、行っても変な目で見られない方法を考えればいいんだ)

提督(俺と卯月が一緒に居て変に思われないためには…そうだ!)


提督「大丈夫だ!良い手を思いついた!」

弥生(……本当に大丈夫かな)

234: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/21(日) 18:39:25.68 ID:ektudbWso
数日後

―鎮守府正門―


提督(この作戦を決めておいてなんだが、女の子の服ってどこで買うんだ?)

提督(卯月と出かけるのが楽しみすぎてリサーチを怠ってしまった…思った以上に舞い上がってんのかな)

提督(んー…あのへんに良さそうな店があったような…なかったような…多分、ある。あった。はず)



提督(……もうそろそろ約束の時間か)

提督(ここで待ってると、初めて卯月に会ったときを思い出すな)

提督(こうして待ってたら、後ろから急に…)


卯月「ぴょーん!」バッ


提督「甘い!」サッ

卯月「ありゃ?」スカッ

提督「二度同じ手は通じないぞ」

卯月「ぐぬぬ…なかなかやりおるっぴょん…」

提督「なんだそのノリは」ビシッ

卯月「あたっ」


提督(おっと、こんなアホやってる場合じゃない。ずっと気になってた卯月の私服は…)


↓2 卯月の服装

※あまりに常識外れなものは安価下

236: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 18:44:17.05 ID:cjkJJAoAO
ウサギ耳付きパーカーにホットパンツ

241: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/21(日) 23:36:28.37 ID:ektudbWso
提督(パーカーにショートパンツ…いや、ホットパンツって言うんだっけ?)

提督(カジュアルさが卯月らしくて、でもちょっと意外な感じもして…)


卯月「し、司令官?急に黙ってどしたの?」


提督(なんつーか、うん…魅力的だ)ジー


卯月「あの~…そんなに見られると、さすがのうーちゃんも…っぴょん…」

提督「あ、悪い、つい…」


卯月(あうー…なんか変な気分っぴょん…フード被っちゃお…)ボフッ


提督「なにぃ!?」

提督(それウサ耳付きだったのかよ!さっきので満点だと思ってたのに限界点突破だぞおい!)

卯月「ぴょ、ぴょん!?」

提督「い、いや、あはは…そのパーカー、よく似合ってるなーって」

卯月「あ、ありがとぴょん…」


卯月(んむむ…どうにも変な感じっぴょん…ぴょーんといつものペースを取り戻さなきゃ!)

242: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/21(日) 23:53:29.43 ID:ektudbWso
卯月「司令官も、今日は一段と素敵っぴょん!」

提督「そ、そうか?ありがとう」

卯月「なーんて…」

提督「実は、艦娘と外に出る時ってのは服装に気を遣うんだよなー…ダサい男の隣で歩きたくないだろうし」

卯月「………」

提督「卯月にそう思ってもらえたなら、頭を捻った甲斐があったよ」

卯月「そ、それは…司令官も大変っぴょんね」


卯月(うっそぴょーん…ってからかおうと思ったのに、そんな嬉しそうにされたらいまさら言えないっぴょん…)


提督「それはともかく、さっきから気になってたけど…注意したことすっかり忘れてないか?」

卯月「ぴょん?」

提督「今日は俺のことをなんて呼ぶんだった?」

卯月「あ、そーだったっぴょん…おとーさん?」

提督「よし、偉いぞ卯月」ナデナデ

卯月「うん、おとーさん♪」



提督(親子として振る舞うことで、  コン疑惑に終止符を打つ。我ながら完璧な策だ)

提督(じゃあ今まで卯月以外の子を連れてたのはなんだってことになるような気がしたが多分気にしなくていいことだ)

提督(つまりこの作戦は完璧なんだ)


提督(……そういや、最近は頭を撫でてもセクハラ扱いされなくなった…?距離が縮んだとみていいのか?)

244: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/22(月) 00:14:23.77 ID:75VeEzNGo
―総合衣料品店―


提督(俺が可愛い服専門の店なんて知ってるわけがなかった…結局ここに来てしまった)


卯月「おお~、なかなか広いお店…」

提督「そう、広いんだ。だから専門店じゃなくても十分なんだ。いろいろ置いてるんだ」

卯月「なに言い訳っぽくなってるっぴょん、司令官…じゃない、おとーさん」

提督「ああ、すまん…」


提督(おとーさん呼びに謎の心地よさを感じてきた…これは危険かもしれない)


提督「き、気を取り直して行こう。卯月、こっちだ」

卯月「はーい」


… … … … … …


卯月「おー!こーゆーのとかなかなか…」


提督(当然だが、周りの客は女性ばかりで俺の場違い感がすごい…いたたまれなくなってきた)


卯月「おとーさん、おとーさんはどれがうーちゃんに似合うと思う?」

提督「そ、そうだなー…」


提督(まずい、女物のコーディネートなんてさっぱりわかんねえ)

提督(ここはあれだ、妙なことは考えず、フィーリングだ。卯月に着てほしいものを思い浮かべろ…)


提督(……来た!)ピコーン


↓2 提督による卯月コーディネート

※あまりに常識外れなものは安価下

246: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/22(月) 00:20:59.73 ID:vHbY/99Xo
薄手のキャミソールにダメージジーンズ

249: >>1のセンスも人のこと言えない ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/22(月) 00:44:06.27 ID:75VeEzNGo
提督(上は薄手のキャミソール、下はダメージジーンズ…これだ)

提督「ちょっと待ってろ、揃えてくる」

卯月「ぴょん」


… … … … … …


卯月「……じゃーん」

提督「どーだ?」


卯月(どーだと言われましても…)


卯月「キャミ、かわいいっぴょん」

提督「だろ?」

卯月「ジーンズ、ワイルドな感じっぴょん」

提督「だろ?」

卯月「……ちなみに、コンセプトとかは?」


提督「野に放たれた子兎、だ」


卯月「………」

提督「何か言いたいことがあるなら言えよ」

卯月「ちょっとアンバランス過ぎないっぴょん?」

提督「……そ、そうか」

提督(俺的に渾身の閃きだったのだが…)


卯月「えーと…あ、そうだ!うーちゃんのパーカーを上から着ればバランス良くなるっぴょん!ほら!」パサ

提督「お、おお…確かに」

卯月「ウサ耳もつくし、これでさらに子兎な感じっぴょん!ね!」


提督(なんか全力で慰められてる…おかしいぞ、こんなはずでは…)

251: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/22(月) 01:09:13.67 ID:75VeEzNGo
「ありがとうございましたー」



提督「本当に俺が選んだのでよかったのか?」

卯月「ぴょん?どーいう意味?」

提督「いや、あまり気に入ってもらえなかったようだし…」

卯月「んー、そうでもないよ?モノはいいんだから、あとは着こなしの問題っぴょん」

提督「……そういうものか」


提督(卯月のためにも少しファッションを勉強するかな…)


提督「それじゃ、帰るか…」

卯月「えー、もう帰っちゃうぴょん?うーちゃん、もーちょっとなにかした~い」

提督「な、なにかって…俺はノープランだぞ」

卯月「服だけ買って帰るのってもったいないっぴょん…どこか寄っていきたいっぴょん!」

提督「う、うーむ…」


提督(服を買って、どこかで遊んで…って、まるでデートじゃないか?そう思うと緊張してきた…)


卯月「おとーさーん、お願いっぴょん!」


提督(あ、デートじゃねえや…こいつ娘だった)

提督「わかったよ…それじゃ、帰る前に↓2に寄ろうか」

254: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/22(月) 01:11:36.34 ID:3hKH5OMPo
クレープ屋さん

288: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/25(木) 23:12:30.28 ID:UZmP+qNMo
提督「クレープ屋さんに行ってみようか」

卯月「くれーぷ!?」キラキラ

提督「最近この近くにできたんだと。俺も少し興味があったんだけど、どうだ?」

卯月「うーちゃん、甘いの大好きっぴょん!おとーさんは?」

提督「けっこう好きなほうだな。よっぽど甘ったるいものじゃなけりゃ、だけど」

卯月「ふむふむ、すなわちー…うーちゃんがあまあまで甘えたら大喜びっぴょん?」

提督「すまんが、何がすなわちなのかさっぱりわからん」

卯月「ごほん…ぱぱー!うーちゃんちょっと疲れたからおんぶしてー?」ウルウル


提督「……さて、いつまでもここにいても仕方ない。行こうか」スタスタ


卯月「あ、あれ?司令官、前はちょろかったのに…耐性ついちゃったっぴょん?」

提督「司令官じゃなくて、お父さんだ。そんでもって、重要なことがひとつ」

卯月「重要なこと?」


提督「俺はパパよりお父さん呼びのほうがテンション上がる」


卯月「ええー…」

卯月(なんかいらない情報をゲットしてしまったっぴょん…)


提督(勢いで妙なことを口走った気がするが今更か。何も問題ないな)

291: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/25(木) 23:34:05.40 ID:UZmP+qNMo
―クレープ屋―


卯月「はむはむ…」

提督「ん…ごくん…これは予想以上にうまいな」

卯月「はむ、はむ…」


提督(卯月、一心不乱にクレープを食べているな…)

提督(こういうとき、デートだったらお互いのクレープをちょっと分け合ったり…するのか?)

提督(卯月と…クレープを食べさせあいっこ…)

提督(いやいや、今の俺はこいつの父。とりあえず形は父。年頃の女の子と親父がそんなことはしないだろう)


提督「はあ…」


ぱくっ!


提督「あん?」


卯月「ごくんっ…ふふふ、甘い…っぴょん!二重の意味で!」

提督「お、俺の許可もなくお前…」

卯月「おとーさんがあんまりに隙だらけだから、ついやっちゃったっぴょん♪」

提督「つい、って…」


提督(間接キスはいいのか、とか思ったけど俺から言うのは恥ずかしいな)


卯月「お返しにうーちゃんのフルーツミックス食べていいから許して?おとーさん」ウルウル

提督「許す」

卯月「ほんとにおとーさん呼びならちょろいっぴょん…はい、どーぞ」

提督「あーん…」


提督(なんか妄想したのと違うが、これはこれで…あれ、結局これって傍から見たら痛い親子では…)

293: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/25(木) 23:47:35.27 ID:UZmP+qNMo


―提督私室―


提督「ふう~、疲れた…」ボス


提督(けど、楽しかった。仕方なくやり始めた親子ごっこがここまで楽しめるとは、僥倖、僥倖)

提督(まー、おかげで新しい世界への扉を開きかけてしまったが…)


卯月『おとーさん!』


提督「………」


提督(……違う、んだよなあ)


提督(卯月みたいな娘がいたらそれはもう可愛いだろう。実際、可愛い。しかし…違うんだ)

提督(やっぱり、俺は…あの子のことが、好きだから…親子なんかじゃなく…)


提督「あーあ…もう寝よ」

295: ◆2CHuV0SWzudy 2014/12/26(金) 00:03:29.80 ID:xvbZ6xiMo
―宿舎・卯月たちの部屋―


卯月「それでねー、おとーさんにお洋服買ってもらって…」

睦月「……お父さん?」

卯月「あ、もうおとーさんじゃなかったっぴょん…司令官にそう呼ぶように言われてたんだけど」

如月「あら…そんな趣味があったの?知らなかった」

卯月「しゅみ?そーいえば、パパだとだめで、おとーさんだと嬉しいらしいっぴょん」

如月「へえ~、良いこと聞いちゃった。今度使ってみようかし