1: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/09(火) 00:06:28.54 ID:Zpj8slRu0

大淀「提督が鎮守府に着任しました。これより艦隊の指揮をお願いします」

間宮「どんな方なのでしょうか……楽しみですね」

明石「んー……書類によれば確か>>+2な人ですよ!」

大淀「ちなみに、秘書艦には>>+5さんをつけておきました」
 
 
 
提督の前職 >>+2
1.警察官
2.ギャングスター
3.科学者
4.料理人
5.ロボット
 
提督の属性 >>+2コンマ以下
01~33 善良
34~66 中立
67~00 凶悪

秘書艦 >>+5
コンマ以下が初期好感度になります

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1418051178




3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/09(火) 00:07:28.94 ID:nb9b7YTfO
4

6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/09(火) 00:08:04.40 ID:NFdU+GLQO
天龍

9: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/09(火) 00:13:42.28 ID:Zpj8slRu0
提督
前職:料理人
属性:凶悪
気に入らない奴の食事に毒や劇薬を混入したり、
依存性や幻覚作用等の薬効のある食材を使うくらいは平気でやる


秘書官:天龍
好感度:40
提督とは仲のいい友達くらいの関係

11: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/09(火) 00:24:48.77 ID:Zpj8slRu0
 
――――――――――
執務室前

 
天龍「……提督ー? てーいーとーくー!?」ドンドン


シーン……


天龍「……ったくあの野郎、留守かよ。また厨房で料理でもしてんのか?」

天龍「大本営から特別任務が回ってきたってのに。仕方ねぇなぁ」

12: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/09(火) 00:31:33.75 ID:Zpj8slRu0
 
提督「へぇ、特別任務か。ずいぶん急な話だな」

天龍「だろー? 提督の奴、飯の支度なんか間宮さんに任せりゃ……ってオイ!」

提督「よう」

天龍「よう、じゃねぇよ。提督なんだから大人しく執務室にいろよな」

提督「別に俺が夕飯の仕込みを手伝ったって悪いことはないだろ」

天龍「オレが用がある時に限って留守にしてやがるのがムカつくんだよ」

提督「ハハハ、悪いな。天龍を困らせると楽しくて」

天龍「はっ倒されたくなけりゃさっさとこいつに目を通せ」ズイッ

13: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/09(火) 00:41:16.03 ID:Zpj8slRu0
 
提督「しかし、特別任務ねぇ。お偉いさんのパーティーにでも呼ばれたか?」

天龍「そんなコネもねぇくせによく言うぜ」

提督「客じゃなくてシェフとしてだよ。宴会料理を作れって任務なら楽なもんなんだが」

提督「いや、ひょっとして元帥閣下の専属の毒見係かなんかに抜擢か……おいおい、もう転職か」

天龍「バーカ」

提督「どれどれ……えぇと、>>+2せよ……?」
 
 
 
任務内容 >>+2

15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/09(火) 00:48:03.27 ID:NFdU+GLQO
りんごの皮むき

17: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/09(火) 01:01:22.55 ID:Zpj8slRu0
 
――――――――――
厨房
 
提督「……」シュルシュル

間宮「……」シュルシュル

天龍「……」ショリ…ショリ…

提督「次」ヒョイッ

間宮「あら……やっぱり提督さんはお上手ですね。そんなに手早く剥けるなんて」

提督「まあ、こういう作業は死ぬほどやらされたからなぁ」

天龍「……」ショリ…ショリ…

18: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/09(火) 01:16:31.49 ID:Zpj8slRu0
 
提督「天龍、遅いぞ。そんなんじゃ日が暮れちまう」

提督「ていうか力が入りすぎだな。もう少しリラックスしてやってみろ」

間宮「う~ん……天龍さんはピーラーを使ったらどうかしら。あれを使えば簡単ですよ」

提督「そうだな、じゃあ天龍はピーラーで皮剥け。ほらナイフ置いて」

間宮「ええと、ピーラーはこの引き出しに」

天龍「……~~!」イライラ

天龍「なんなんだよこの任務は! なんでリンゴの皮なんか剥かなきゃならねぇんだよ!」ムキーッ

19: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/09(火) 01:32:45.60 ID:Zpj8slRu0
 
提督「仕方ねぇだろ。上層部が急にリンゴを60キロも送ってきたんだから」

間宮「でも、どうしてリンゴなんでしょう。どちらかと言うとお米やジャガイモの方が……」

提督「あー、俺の予想だと、多分お偉いさんが昼のワイドショーかなんかに影響されたんだな」

天龍「はぁ? なんだそりゃ」

提督「知ってるか? リンゴは昔から『医者いらずの果物』というくらい栄養が豊富でな」

間宮「ええ、知ってます。疲労回復に整腸作用、アレルギーの予防にもなるとか」

天龍「まあ食料の補給なら純粋にありがたいんだけどよ……」

提督「問題は、各鎮守府でリンゴをどういう風に消費したかをレポートしろってところだ」

20: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/09(火) 01:45:20.75 ID:Zpj8slRu0
 
天龍「余所の鎮守府にもこれが届いてんだよな……」

提督「なんでそんな面倒な課題をつけるのか理解に苦しむな」

間宮「それぞれの鎮守府で集めたデータを海自の食事メニューに応用するためとか……?」

提督「いや、自分達が美味いリンゴ料理を食べたいだけじゃないか?」

天龍「違うね。オレが思うに、どこの鎮守府が一番リンゴの皮剥きが下手か知りたいんだ」

天龍「あの鎮守府では他と比べて何グラム無駄にしてるとか、そういうネチネチした感じのアレだと思うぜ」

提督「なるほどな。軍官僚の派閥争いの余波が来てるってわけか……」

21: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/09(火) 01:50:07.21 ID:Zpj8slRu0
 
天龍「ていうか、こんな量の皮剥きやってらんねーよ。もっと人を呼ぼうぜ」

提督「そうだな。じゃあ天龍、第一艦隊の連中を招集しろ」

間宮「う~ん……アップルパイ、ロールケーキ、リンゴゼリー、今日のデザートはどれにしようかしら」
 
 
 
第一艦隊メンバー >>+1~>>+5
 

22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/09(火) 01:50:34.95 ID:BOcmv3lq0
若葉

23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/09(火) 01:52:00.99 ID:eyl9wp7m0

24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/09(火) 01:57:36.37 ID:XSNKjyHfo
うーちゃん

25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/09(火) 02:00:20.92 ID:jvpzw2HPo
阿武隈

26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/09(火) 02:11:32.16 ID:2oDecUQSO
那珂ちゃん

28: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/09(火) 02:17:25.71 ID:Zpj8slRu0
 
書き忘れてましたが、第一艦隊メンバーもコンマ以下で好感度を設定します
それにしても完全に水雷戦隊ですね……たまげたなぁ……



若葉
好感度:95
提督のためなら24時間寝なくても大丈夫だしいくらでも手を汚せるくらい好き


好感度:99
ケッコン待ったなし。提督をクズ司令官呼ばわりしなくなって久しい

卯月
好感度:37
可もなく不可もなく。悪戯しても怒らない辺りは気に入ってる

阿武隈
好感度:92
提督のためご期待以上の戦果を挙げる。提督にわざと衝突しに行くことも

那珂ちゃん
好感度:16
正直提督のことは嫌い。だが一応上官なので営業スマイルでやり過ごす

32: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/09(火) 11:35:15.60 ID:Zpj8slRu0
 
若葉「若葉だ。ただいま出頭したぞ」

霞「今日は何をすればいいのかしら、司令官?」

卯月「うーちゃんはぁ~、あんまり難しい任務はやーだびょん」

阿武隈「どんな任務でも任せてください! ご期待に応えます!」

那珂「(チッ)那珂ちゃん、現場入りまーす」
 
 
 
天龍「第一艦隊全員集合だ。オレ達全員でかかれば、リンゴの山なんてどうってこたぁねぇぜ」

提督「期待してるぞ。よし、それじゃあ各艦に作業の分担をするか」

提督「天龍は引き続き俺の補佐に回れ。若葉達はこれから指示する作業を行うように」
 
 
 
若葉 >>+1
霞 >>+2
卯月 >>+3
阿武隈 >>+4
那珂 >>+5
 

33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/09(火) 11:40:57.51 ID:aMH2wLH0o
上層部へ依存性のある料理を現物で送るための手伝い

34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/09(火) 11:44:50.06 ID:DHr8jRjuO
提督をマッサージする 

35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/09(火) 11:45:13.05 ID:NJNr8f1uO
天龍のサポートをする

36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/09(火) 11:46:22.71 ID:yy4GWt25O
だし巻き卵を作ってみんなに振る舞う
ついでに提督にあーん

37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/09(火) 12:03:56.08 ID:PHrOTqQUO
鎮守府内BGM

39: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/09(火) 12:50:51.83 ID:Zpj8slRu0
 
提督「若葉。ちょっと手伝ってくれ」

若葉「何をすればいいんだ? なんでも言ってくれ」

提督「見ての通り、今回の任務は大量のリンゴを使いきり、その使い方をレポートすることだ」

提督「ちょっと思いついたことがあるんでな。調理を手伝え」

若葉「了解だ。この若葉に任せておけ」

40: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/09(火) 12:52:28.77 ID:Zpj8slRu0
 
提督「これから作るのは酢豚だ。まずは下ごしらえ。シメジ、ピーマン、パプリカを切ってくれ」

若葉「ほう、シメジか。酢豚といえばニンジンやタマネギだと思ったが」

提督「シメジは石突を切って小房に分け、ピーマンとパプリカは種とワタを取って細切りにする」

若葉「わかった。これでいいか?」ザクッザクッ

提督「なかなか上手いな」

若葉「うむ。すべてお前のためさ」

提督「嬉しいこと言ってくれるな。次はリンゴとパイナップルを1cm角くらいに切っておいてくれ」

41: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/09(火) 12:53:50.67 ID:Zpj8slRu0
 
提督「次は合わせ調味料だ。塩、醤油、黒酢、酒、リンゴジュース……」

提督「あとはユズのジャムでも入れてみるか。あとは水溶き片栗粉、これで甘酢あんを作る」

若葉「豚肉はどうする」

提督「酢豚に使うのは豚バラ肉だな。一口大に切って下味をつけた豚バラ肉に片栗粉をまぶしておく」

提督「肉を揚げる直前にもう一度片栗粉をつけると、あんを絡めても衣がパリッとするぞ」

若葉「なるほどな」

提督「じゃあ、下ごしらえが終わったら作っていくぞ」

42: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/09(火) 12:54:41.29 ID:Zpj8slRu0
 
提督「といっても手順自体は簡単なもんだけどな。まず揚げ油を170℃に温めておく」

提督「豚バラ肉を揚げ油に投入し、しっかり中まで火を通しながら揚げる」

若葉「揚がったら油から取りだしてキッチンペーパーの上で余分な油を切るんだな」

提督「それから、次は野菜を素揚げする」

提督「170℃の揚げ油に水気を切ったシメジとピーマンとパプリカを入れ、10秒くらいで取り出す」

若葉「野菜も同様にキッチンペーパーの上に置いておくぞ」

43: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/09(火) 12:56:58.51 ID:Zpj8slRu0
 
提督「別の鍋を用意し、油を引いてリンゴとパイナップルを軽く炒める」

提督「それから合わせ調味料を投入して加熱し、水溶き片栗粉を適量入れる」

提督「甘酢あんにとろみをつけすぎると、肉や野菜にあんが絡みにくくなるから注意だ」

若葉「そして、甘酢あんの鍋に素揚げした具材を投入」

若葉「具材をあんと絡めて……出来上がりというわけか」

45: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/09(火) 13:07:05.57 ID:Zpj8slRu0
 
若葉「……ふむ。ジューシーな肉にフルーティなあんも合うものだな」

提督「シメジもフルーツとの相性は悪くない。ユズの風味もいいな」

若葉「中華か……これも悪くない。このレシピを書き残しておけばいいのか」

提督「いや、これはあくまで試作品だ」

提督「これからもう一度作るから、その料理を海軍省の軍需局に差し入れてくれ」

若葉「直接提出するのか?」

提督「この任務を提案した軍需局長とは知り合いでな」

提督「昔、俺が働いてたレストランの常連だったんだ。直接食べてもらった方が早い」

提督「なに、俺の名前を出せば通してくれる。頼んでいいか?」

若葉「お前からの頼みだ。嫌だなんて言わない」

46: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/09(火) 13:10:47.83 ID:Zpj8slRu0
 
―――――――――
――――――
―――
 

提督「よし、できた。じゃあ若葉、届けてきてくれ」

若葉「了解した。若葉、出撃する」


タッタッタッ……


提督「……ククク」

天龍「……おい提督、お前何を企んでやがるんだ」

提督「あの酢豚にちょっとした『隠し味』をな」

天龍「……まさか、毒でも入れたのか!?」

47: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/09(火) 13:21:04.90 ID:Zpj8slRu0
 
提督「そんなんじゃない。むしろ局長はシアワセいっぱいな気分になるだろうよ」

天龍「どういうことだ」

提督「若葉に持たせたものはちょっと濃いめの味付けにしたんだが、それの隠し味のスパイスがな」

提督「ケシの実をたっぷり入れといたのさ」

天龍「ケシの実?」

提督「未成熟のケシの実には麻薬成分が含まれているのは知ってるよな?」

提督「まあ死にゃしねぇさ。ちょいと気持ちよくなってトリップするかもしれねぇし」

提督「後々俺の料理が食べたくて食べたくて仕方なくなるかもしれねぇが」

提督「ま、ちょっとした意趣返しって奴だよ。こんなバカバカしい任務寄越してきたことへの」

48: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/09(火) 13:28:16.67 ID:Zpj8slRu0
 
天龍「……お前って奴は、ホントに……」

提督「いいだろ? 将軍だろうが大統領だろうが料理人をナメたらいけねぇのさ」

提督「このクソ忙しい時期にクソくだらねぇ任務を……バカにしてるぜまったく」

提督「テメエらが深海棲艦をさっさと滅ぼさねえもんだから食材は高くなる一方だし……」ブツブツ

天龍(ちょっと、こいつの飯を食うのが怖くなってきちまうな……)

53: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/09(火) 21:01:14.68 ID:Zpj8slRu0
 
間宮「それでは明日のメインのおかずがグリルチキンのリンゴソースがけで、デザートがリンゴの春巻」

提督「ヨーグルトと合わせてリンゴのスムージーにでもすればさっさと消費できそうだな」

間宮「そうですね、それは朝ごはんの時に出しましょう。夜のうちにリンゴをカットして冷凍して……」

提督「ん゛……しかし、今日は午後からずっと厨房に立ちっぱなしだな」ノビー

間宮「第一艦隊の皆さんまで動員して手伝って下さるなんて、本当にありがとうございます」

提督「構わねぇよ。本当なら第二~第四のどれかをつけただろうしな」

提督「同じ料理人としてあんたの苦労はわかるし、こういう時こそ俺の本領発揮だろ」

54: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/09(火) 21:01:54.11 ID:Zpj8slRu0
 
ガラッ


霞「司令官? いるかしら」

提督「ん? どうした霞」

霞「もう夕方でしょ? ずっと厨房にいるんなら、疲れてるんじゃないの?」

提督「まあ……ちょっとな」

霞「やっぱり。そろそろ休憩にしましょう? こっちも一段落したところよ」

提督「いや、大したことはねぇよ。元々料理人は体力勝負の仕事だし」

霞「いつまで料理人気分でいるのよ。今のあんたは提督で、あたしの司令官なのよ」

霞「張り切るのはいいけど、それで明日からの執務に差し支えるなんて冗談じゃないわ」

55: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/09(火) 21:02:36.90 ID:Zpj8slRu0
 
提督「そうは言っても、これも任務のうちでな」

霞「そんなのわかってるわよ。ちゃんと身体を休めなさいって言ってるの」

霞「全力でやるのはいいけど、限度をわきまえなさい。大人ならそれくらいわかるでしょ」

提督「……うーん」

間宮「うふふ」

霞「な、何よ間宮さん」

提督「いや……なあ?」

間宮「ええ。うふふ……霞ちゃんったら提督のお母さんみたいなこと言うんですもの」

56: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/09(火) 21:03:26.03 ID:Zpj8slRu0
 
霞「なっ……何それ、だから何よ!?」///

提督「いやいや、なんていうかなぁ?」ニヤニヤ

間宮「提督に対しても、ずいぶん言い方が柔らかくなったし」クスクス

提督「前なら、『このクズ!』とか『本っ当に迷惑だわ!』とか」ニヤニヤ

提督「いやー、前は『解体してやろうかこのクソガキ』とか思ってたけどよ」ニヤニヤ

提督「こいつの言うことも一理あるかと罵声をアドバイスとして受け取ってみれば」ニヤニヤ

提督「霞の言うことが間違ってたことなんかねぇし、何度も助けられてさ」ニヤニヤ

提督「なんだかんだと一緒に修羅場をくぐってきた仲だもんなぁ」ニヤニヤ

間宮「霞ちゃんったら素直じゃないんですもの。そういうことだったのねぇ」クスクス

57: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/09(火) 21:03:56.99 ID:Zpj8slRu0
 
霞「~~~っ! い、いいから来なさいよっ!」///

提督「おいおいそんな引っ張るなよ。俺は逃げやしねぇから」グイグイ

提督「あ、夕食の時間までには戻るからな。後は頼むぞ間宮」

間宮「はい♪ じゃあ霞ちゃん、頑張ってね」

霞「が、頑張ることなんて何もないわよ!」

58: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/09(火) 21:17:55.50 ID:Zpj8slRu0
 
――――――――――
食堂


天龍「指定された量の皮剥きは終わったな。あとは20個分くし切りにして、それからこっちは冷凍して……」

天龍「まったく、これだけやってもまだあんなに残ってんのか。これからしばらくはリンゴ尽くしだな」

卯月「なら天龍ちゃん! 焼酎につけてリンゴ酒を作るのはどうぴょん?」

天龍「それいいな。飲めるようになるのは一ヶ月から三ヶ月ってところか?」

天龍「生きて帰ってくる楽しみが増えるってもんだ。早速間宮さんに瓶を借りるか」

卯月「じゃあうーちゃんはスーパーに行ってお酒を買うぴょん!」

天龍「お前の見た目じゃレジで止められるだろ。つーか卯月、お前逃げようとしてないだろうな」

卯月「ぎくっ……そ、そんなことはないぴょん?」

59: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/09(火) 21:18:35.64 ID:Zpj8slRu0
 
提督「ようお前ら、やってるか」ズルズル

天龍「んあ? 何やってんだ提督。また霞を怒らせたのか?」

霞「違うわよ! ……いや、ある意味そうだけど、違うの!」グイグイ

提督「俺はこれから霞と休憩するから。いやぁ、霞がどうしてもって言うからよぉ」ズルズル

天龍「なんだ、そういうことかよ。まあ霞が言うんなら仕方ねぇな」

霞「~~」///

卯月「霞ちゃんはホント提督のことが大好きぴょん?」ニヤニヤ

霞「~~、そ、そうよ! 悪い!?」///

提督「いやー好かれてるわー。俺ってば霞に好かれちゃってるわー(棒)」

霞「う、うるさいわねっ! さっさと行くわよ!」グイグイ

60: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/09(火) 21:24:51.45 ID:Zpj8slRu0
  
天龍「……しっかし、あの霞がねぇ」

卯月「霞ちゃんも物好きだぴょん」

天龍「まっ、提督も一人前になったってことだろ。霞が認めてるんだし」ヒョイッ

卯月「あーっ、秘書艦のくせにつまみ食いぴょん?」

天龍「別にいいだろ、こんだけあるんだから。大体提督が休憩してんだからオレも休憩だよ」シャクシャク

卯月「じゃあうーちゃんも休憩するぴょん!」

天龍「いや、なんでだよ」

卯月「うーちゃんは天龍ちゃんのアシスタントだからだぴょん!」ドヤッ

天龍「その理屈はおかしいだろ……」

62: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/09(火) 21:33:28.27 ID:Zpj8slRu0
 
――――――――――
 
 
提督「あ、そうだ」ズルズル

霞「なに? どうかしたの?」グイグイ

提督「ちょっと寄るところがあったから待っててくれ。すぐ戻るから」

霞「? いいわよ、行ってらっしゃい」

63: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/09(火) 21:38:53.05 ID:Zpj8slRu0
 
――――――――――

 
那珂「はーなーのいろはー♪ いたーずらーにー♪」

提督「おう那珂ちゃん、『華の二水戦』はもういいから次は『艦隊アイドル改二宣言』な」

提督「はい家具コイン3000枚。夕食の時間までよろしく」ジャラジャラ

提督「いやー、ジュークボックス買おうにも家具職人呼べなくて困ってたんだよな。助かるわー」

提督「じゃあ、俺は執務室で休んでくるから」

那珂「……」
 
 
 
那珂(死んでくれないかなぁ提督……)ビキビキ

70: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/10(水) 01:56:54.47 ID:tOvYVQUK0
 
――――――――――
執務室
 

霞「ほらっ! さっさと横になりなさいよ!」

提督「はいはい。よっこらせっと」ゴロッ

提督「それで? お前がいいって言うまで寝てりゃいいのか?」

霞「そうよ……ああ、違うわ。うつ伏せになって」

提督「? こうか」

霞「そのまま大人しくしてなさい」ヨイショ

提督「えっ!? おい、なんで馬乗りになるんだ」

71: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/10(水) 01:57:28.48 ID:tOvYVQUK0
 
霞「ふんっ……!」グリグリ

提督「あッ」ビクッ

霞「やっぱり。結構凝ってるじゃない」グニグニ

提督「ああ゛ぁ……霞、お前マッサージなんてできたのか」

霞「整体もできるわよ。べ、別にあんたのために勉強したわけじゃないけど」モミモミ グリグリ

提督「はいはいツンデレツンデレ」

72: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/10(水) 01:58:08.22 ID:tOvYVQUK0
 
提督「あー……でも普通に気持ちいいな。マジでいい腕だぞ」

霞「それはどうも。はい、次は首回り行くわよ」グイッ

霞「ん、こっちも硬いわね。ちょっとこの辺重点的にほぐしていくから」モミモミ

提督「ん゛っ……あぅっ」

霞「ちょっと強めに行くから、痛かったら言いなさい」グリグリ

提督「ああ……大丈夫だ。続けてくれ」

霞「よいしょっ……と!」グニッ
 
 
 
提督「俺の  声を描写しても誰も得しないだろうからカットするぞ」

73: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/10(水) 01:58:52.08 ID:tOvYVQUK0
 
霞「どうだったかしら? あたしのマッサージは」

提督「んん゛~、スッキリした。身体が軽くなったみたいだ」ノビー

霞「マッサージ中ずっと情けない顔しちゃって。見てらんなかったわ」クスクス

提督「いや、ホントありがとな。疲れがブッ飛んだぜ」ナデナデ

霞「あっ……」ドキッ

提督「ん? どうした」ナデナデ

霞「う、ううん。なんでもないわ」カァァ

74: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/10(水) 01:59:43.95 ID:tOvYVQUK0
 
提督「さて、そろそろ夕食の時間だな。食堂に戻るか」パッ

霞「……っ」ギュッ

提督「? ……おい、なんだ?」

霞(あっ……お、思わず司令官の手を掴んじゃった)

霞「え、えっと……その……」

霞「あ、あんたの手、ゴツゴツしてるなって思ったの!」

提督「ん……そうか? まあ、そうだな」

75: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/10(水) 02:00:44.54 ID:tOvYVQUK0
 
提督「まあ重い鍋を振り続けて腱鞘炎になったりとか、手の骨が疲労骨折したりとかよくある話だしな」

提督「料理人に限った話じゃないが、職人の手ってのはゴツゴツしてるもんさ」

提督「でも料理人の手は何より大事な商売道具だ。手荒れとかには気を使ってるぞ」

霞「ふ、ふーん、そうなの……」スリスリ

提督「お前に言わせりゃ、いつまでも前職の気分を引きずってるってことになるか?」

霞「そ、そうね。あんたは司令官なんだから、料理するのは本来の仕事じゃないし」

霞「……でも、あたしは好きよ。司令官の手」

76: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/10(水) 02:02:04.31 ID:tOvYVQUK0
 
提督「そうか? でもお前、俺が料理にかまけてるのは不満なんだろ」

霞「だって、あたしの大好きな人の手だもの。嫌いになれるわけないじゃない」ギュッ…

霞「そりゃあ提督らしくしなさいとは言うけど、料理を作ってる司令官も、司令官らしくて好きだから」

提督「……お前、たまに真顔ですげぇ恥ずかしいこと口走るよな。ツンデレ設定はどうした」

霞「何よ。あたしだってたまには素直になるわよ」

霞「……こういうの、隠したって意味ないし」プイッ

提督「……参ったなこりゃ。今のお前すごい可愛いわ」

霞「うるさいっ」///

82: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/10(水) 10:57:39.46 ID:tOvYVQUK0
 
――――――――――
食堂
 
 
ガヤガヤ


天龍「あっ、来た来た。おせーぞ提督ー」モグモグ

那珂「(チッ)お先に頂いてまーす」パクパク

提督「悪い悪い、霞がなかなか離してくれなくてよ」

霞「そういうこと言わなくていいの! ……バカ」

卯月「ぷぷぷ、今更照れちゃってカワイイぴょん」

阿武隈(むー……)

天龍「そーいや、若葉が帰ってるぞ。もうすぐ食堂に来ると思うぜ」

若葉「いや、今さ」スッ

83: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/10(水) 11:00:29.12 ID:tOvYVQUK0
 
若葉「若葉だ。帰投したぞ」キリッ

提督「お、若葉。帰ってたのか」

若葉「ついさっきな」

提督「ちゃんと渡してこれたか?」

若葉「お前の名前を出したらすぐ通してくれた。流石だな」

提督「まあ、俺だからな。ご苦労だったな若葉、ほら席につけ」ヨッコイセ

若葉「了解だ」チョコン




卯月(当たり前のように司令官のお膝に座ったぴょん……あっ、隣の席に移動させられたぴょん)

天龍(若葉のあしらい方も上手くなったなぁ提督)

84: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/10(水) 11:01:07.44 ID:tOvYVQUK0
 
阿武隈「て、提督っ、お待ちしてました!」ギュッ

提督「おう阿武隈。衝突禁止って言ってるだろ」マエガミグシャー

阿武隈「えへへ……すみません」グシャー

卯月(あざといぴょん)

那珂(那珂ちゃんよりあざとい)モグモグ

提督「間宮の手伝いはちゃんと出来たか?」

阿武隈「はい! 見てください、この出汁巻き卵。あたしが作ったんですよ!」

提督「ほほう」

天龍「阿武隈の出汁巻き卵マジで美味いぜ! 提督も食ってみろよ」

阿武隈「提督に食べてもらいたくて、頑張っちゃいました!」

85: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/10(水) 11:03:30.17 ID:tOvYVQUK0
 
提督「そりゃ楽しみだな。じゃあ早速」

阿武隈「あっ、ま、待ってください」

提督「ん?」

阿武隈「えっと……は、はい、あーん」

提督「おいおい、そこまでしてくれんでいいぞ」

阿武隈「あ、あーん……」プルプル

提督「……」

阿武隈「……」

提督「……わかったわかった」パクッ

86: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/10(水) 11:04:06.62 ID:tOvYVQUK0
 
提督「ん……甘さ控えめで出汁が多め。関西風だな」モグモグ

提督「出汁が多いからか、ジューシーでふわっとした口当たりだ」

提督「刻んだ青ネギの風味もいいアクセントになってる。こりゃ日本酒が欲しいな」

提督「……うん、また腕上げたな、阿武隈。美味いぞ」

阿武隈「あ……ありがとうございますっ!」ガバッ

提督「だーから衝突禁止って言ってるだろうが」グイッ



卯月(司令官、阿武隈ちゃんのあしらい方も上手くなったぴょん)

天龍(意外とグイグイ行くからなぁ、阿武隈も)

87: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/10(水) 11:06:02.09 ID:tOvYVQUK0
 
提督「少なくとも出汁巻き卵に関しちゃ俺や間宮にも引けを取らないな。金取れるぞコレ」

阿武隈「ほ、本当……? あたしに期待してくれてるんですね? そうなんですね!」

阿武隈「はいっ、提督。もう一個どうぞ! あーん」

若葉「司令官。若葉もあーんするぞ」

霞「行儀が悪いわよ若葉。阿武隈も、司令官が困ってるでしょ」
 
 
 
卯月(ああは言いつつも提督の対面の席に座った霞ちゃん、正妻の余裕をかましてるぴょん)

天龍(正妻というかかーちゃんだろアレは)

88: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/10(水) 11:14:48.38 ID:tOvYVQUK0
 
――――――――――
 
 
ゴチソウサマー
 
 
天龍「今日も美味かったなぁ! なあ提督」

提督「まあ飯の仕込みは俺も手伝ってるんだけどな」

天龍「お前が来てから飯の時間が一層楽しみになって、そこは感謝してるぜ」

提督「当然だろ。俺がいるうちはどこの鎮守府より美味いもん食わしてやるよ」

天龍「……あ、でもお前今日の分の書類とか決裁してねぇだろ」

提督「あっ……仕方ねぇな、じゃあ皿洗いと明日の仕込みをやってから」

天龍「……お前が提督じゃなくて主計科だったらなぁ」

89: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/10(水) 11:21:08.97 ID:tOvYVQUK0
 
――――――――――
執務室
 
 
提督「……バケツの備蓄が334個。このペースなら年内に500個は行けるか」

天龍「いつデカイ作戦があるかわからねぇからな。きちんと貯めとかねぇと」

提督「ボーキサイトが3万を切ってるな。遠征で調達させるか……」


コンコン


提督「? 誰だ……?」

90: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/10(水) 11:22:06.17 ID:tOvYVQUK0
僕からは以上



執務室に来た人物&その目的 >>+3

第一艦隊以外の艦娘・深海棲艦も可
例によってコンマで親愛度設定

93: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/10(水) 11:57:28.15 ID:6+yNZCeBO
神通
訓練の改革案申請

94: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/10(水) 11:59:54.44 ID:tOvYVQUK0
神通
好感度:15
ハッキリ言ってしまえば提督のことが嫌い。



最後の希望は川内だけですね(震え声)

98: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/10(水) 12:52:16.00 ID:tOvYVQUK0
この際毒を食らわば皿までということで川内の好感度コンマします(白目)

>>+2

100: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/10(水) 12:54:22.39 ID:SocKP6vj0
ysnssr

103: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/10(水) 13:05:04.33 ID:tOvYVQUK0
川内
好感度:39
提督とは普通に仲のいい友達感覚。でも夜戦の方がもっと好き


神通に何したらこんなに嫌われるんでしょうかね(他人事)
続きはできたら夜辺りにやります

109: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/11(木) 00:31:51.71 ID:LMNi5mF30
どうも僕です

せっかくだから神通と那珂ちゃんに嫌われてる理由を考察するために
提督の川内型への好感度をコンマで設定します
火傷する予感しかしないけどよろしくお願いします

提督→川内 >>+1
提督→神通 >>+2
提督→那珂 >>+3

110: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/11(木) 00:32:12.23 ID:S/4J9asOO
00

111: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/11(木) 00:32:50.11 ID:8l0NTVgOo
ナカチャン!

112: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/11(木) 00:33:21.93 ID:onY/mgRC0
ぽい

117: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/11(木) 00:49:52.62 ID:LMNi5mF30
提督→川内
好感度:23
割と無関心。夜戦バカにつける薬なし

提督→神通
好感度:11
目と目が逢う瞬間嫌いだと気付いた。一目惚れならぬ一目ギレである

提督→那珂
好感度:93
なぁ……ケッコンしようや……


どうしてこんな極端な数字ばかり出るのか私には理解に苦しむね(ペチペチ)

122: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/11(木) 13:22:23.23 ID:LMNi5mF30
 
神通「失礼します。『主計科』」ピシッ

天龍(げっ……)

提督「……よお、何の用だ『川内型二番艦』」

神通「はい。訓練及び演習に関する改善案をまとめましたので、それを提出しに」バサッ

神通「それから、その第一種軍装は主計科の着て良いものではないと忠告して差し上げようかと」ニコォ

提督「おう、ご親切にどうも。実は俺も軍服よりコックコートを着てた方が落ち着くんだ」ニヤァ

天龍「……」

123: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/11(木) 13:23:04.52 ID:LMNi5mF30
 
天龍(なんか知らないけど、こいつらすげぇ仲悪いんだよな……)

天龍(川内とはそんな仲が悪いってわけでもないのに、神通とだけやたらと険悪だし)

天龍(那珂は……まあ提督が悪いな。うん)

天龍(フフフ……怖い。気まずい)

124: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/11(木) 13:24:04.73 ID:LMNi5mF30
 
提督「わざわざ改善案とやらをまとめてきてくれて悪いが現行のレベリング体制を変えるつもりはない」

提督「今のやり方がベターだ。資材運用上無理のない訓練計画を立ててそれを実行できてる。何が悪い?」

提督「おい天龍、お前もそう思うだろ」

天龍「えっ」

神通「今のやり方は非効率的です。我が艦隊はより高い練度を維持できるはずです」

神通「艦隊全体の練度の底上げを図るべきです。いつ大規模作戦が発令されるとも限らないのですから」

神通「天龍さん。貴女もそう思うでしょう」

天龍「えっ……えっ? いや、その」

125: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/11(木) 13:24:55.13 ID:LMNi5mF30
 
提督「とにかく提督は俺だ。艦隊の運営に関してお前の出る幕はねぇぞ。なあ天龍」

神通「私には巷の料理人が帝国軍人のコスプレをして粋がっているようにしか見えませんよ。ねえ天龍さん」

天龍「だからなんでオレに振るんだよ!? お前ら、ちょっとは落ち着いて……」

提督「俺が軍服を着なきゃならん羽目になった理由なんぞ俺が一番知りてぇんだよ! 人事局に聞け人事局に!」

神通「料理人が艦隊司令官なんて畑違いも甚だしい……貴方に命を預けることはできかねます」

提督「……あんまり料理人をナメるなよ川内型二番艦」

神通「貴方こそ自分の能力を過信するのはやめるべきですよ、主計科」

天龍「あーもう! だから落ち着けって言ってるだろ!」ガタッ

127: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/11(木) 13:27:35.48 ID:LMNi5mF30
 
天龍(確か、執務室備えつけの冷蔵庫に……あった)ガチャッ ゴソゴソ

天龍「ほら、これでも食って落ちつけよ。神通、お前甘いものは好きだったろ」ドンッ

神通「……それは?」

天龍「オレがオヤツ用に作ってたオレンジピール入りのパウンドケーキだよ」

天龍「我ながらいい出来だぜ? 提督の作るやつには負けるけどよ」

提督「へぇ……いつの間に菓子作りなんてしてたんだよ。美味そうじゃん」

天龍「へへ、そうだろ? 今紅茶を入れてやるから一緒に」
 
神通「結構です。最近は間食を控えるようにしているので」

提督「フン、そうだこんな奴には勿体ねぇ。鉄インゴッドとガソリンのカルパッチョで十分だ」

天龍(こ、こいつら……)

128: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/11(木) 13:30:43.18 ID:LMNi5mF30
  
提督「この際だから言っておくがな。俺には絶対に許せないものがひとつだけある」

提督「それは料理人を愚弄する奴だ。誰だろうと俺の料理をバカにするのは許さねえ」

提督「特に死にたがりの戦争屋、どこぞの軽巡洋艦みたいな奴はな!」

神通「……!」

天龍(……)

129: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/11(木) 13:51:28.27 ID:LMNi5mF30
 
提督「俺に文句があるなら異動願いでも何でも出せ。即刻受理してやる」

提督「だが俺が提督をやめることはしねぇ。なんだかんだと言ってもお前らに対して責任がある」

提督「お前がどんなに不満に思おうがこれは決定事項だ。覆らねぇし覆さねぇ。わかったな」

神通「……わかりました。今日のところはこれで失礼します」

神通「ですが、私も貴方に言っておきます」

神通「もし貴方の指揮で誰かが沈むようなことがあれば……」



神通「……私は貴方を決して許しません。覚えておいてください、主計科」ガチャッ
 
 
バタン

130: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/11(木) 13:55:11.22 ID:LMNi5mF30
 
提督「ケッ、気に入らねぇな。あの川内型二番艦は」ヒョイッ パク

提督「ちったぁ那珂ちゃんを見習えってんだ、ウォーモンガーめ」モグモグ

天龍「……なあ提督。前から聞きたかったんだけどよ」モグモグ

提督「ん?」

天龍「お前ってなんで那珂のことをそんなに気に入ってんだ?」

提督「なんでってお前……そりゃアレだよ。カワイイから」

天龍「真面目に答えろよ」

131: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/11(木) 13:58:54.12 ID:LMNi5mF30
 
提督「んー……まあ、アレだ。那珂ちゃんいつも言ってるだろ。アイドルがどうのこうの」

天龍「ああ、アレな」

提督「戦いが終わったら歌手になりたいって、いつだったか言っててよ」

提督「正直艦娘なんて戦争するしかねぇのかと思ってたから、驚いちまったんだ」

提督「応援したくなったっていうかな……ま、ファンになった。そういうこったよ」

天龍「へー、なんか意外だな。お前がそんなこと思うなんて」

132: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/11(木) 14:05:02.42 ID:LMNi5mF30
 
提督「アイドルも料理人も同じだ。歌とか踊りとか料理とか、とにかく人を感動させて満足させるだろ?」

提督「豊かになるっていうか、世界を拡げられる。そんな仕事だと俺は考えてる」

提督「艦娘は戦争の道具かもしれねぇが、艦娘にだって世界を拡げることができる」

提督「そんな風に思わせてくれるかもしれないって思ったんだよ、那珂ちゃんを見ててな」

提督「……でも、な。大っぴらに応援すんのも恥ずかしいし贔屓してるみたいになるから」

提督「まあ、任務とかにかこつけて色々と……な?」

天龍(ひょっとして、ジュークボックスの真似事をやらせて家具コイン3000枚も渡してたのもそれか……?)

133: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/11(木) 14:09:59.21 ID:LMNi5mF30
 
提督「ああそうだ、せっかくだし美容にいいメニューでも考えるか! 那珂ちゃんのためにも」

天龍(那珂に『死ねばいいのに』と思われてることは黙っておくか……)

提督「さて、そうと決まればさっさと書類仕事を片付けて……ん?」

天龍「どうした? 何かあったのかよ」

提督「いや、これなんだけどな……」
 
 
 
提督が見つけた文書の内容 >>+3

136: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/11(木) 14:11:48.81 ID:WKE4c8R5O
新規着任艦娘選考について

139: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/11(木) 14:17:14.39 ID:LMNi5mF30
 
提督「『新規着任艦娘選考について』……」

提督「大本営で建造された艦娘を新戦力としてこっちに招聘できるらしいな」

天龍「艦種なんかもこっちで指定できるらしいな。いい話じゃねぇか」

提督「まあ、戦力を整えるに越したことはないな」

天龍「じゃあ、>>+3なんてどうだ?」
 
 
 
鎮守府に新しく着任する艦娘 >>+3
コンマ以下は初期レベル

142: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/11(木) 14:19:04.29 ID:3rEO4cUzO
まるゆ

160: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/11(木) 16:56:29.24 ID:LMNi5mF30
※川内型は特例として提督側からの好感度も設定しましたが、
 他の艦娘達については提督も大体同じ程度に好意的だと思っておいてください。



せっかくなのでまるゆの処遇について安価

まるゆチャレンジする/しない >>+2
「しない」になった場合、コンマ以下がまるゆの初期好感度になります

162: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/11(木) 16:57:34.84 ID:uFLUYtGJO
する

163: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/11(木) 17:03:16.29 ID:LMNi5mF30
☆まるゆチャレンジ☆

まるゆとの出会いを生贄に捧げ好感度上昇イベントを召喚します
安価で好感度を上げる艦娘とイベント内容を決定
コンマ以下の数字の1/3の数値分好感度を+します

1.天龍 好感度40
2.若葉 好感度95
3.霞 好感度99
4.卯月 好感度37
5.阿武隈 好感度92
6.那珂 好感度16
7.神通 好感度15
8.川内 好感度39



>>+4

167: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/11(木) 17:06:27.36 ID:vFfu5sWhO
神通

169: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/11(木) 17:07:29.18 ID:LMNi5mF30
神通 好感度12上昇

イベント内容 >>+2

171: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/11(木) 17:10:12.89 ID:Qq4Ugzivo
殴り合い

176: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/11(木) 17:16:20.60 ID:LMNi5mF30
せっかくだからイベントで使うかもしれないので第二艦隊メンバーを安価
いつも通りコンマ以下が好感度になります

>>+1~4

177: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/11(木) 17:16:36.52 ID:M2xRo/Ke0
青春ですな

178: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/11(木) 17:17:10.62 ID:jq4llPtDO
秋月

179: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/11(木) 17:17:21.70 ID:Om9ZFRuBo

180: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/11(木) 17:17:23.15 ID:K1cskZroo
初春

185: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/11(木) 17:20:10.32 ID:LMNi5mF30
第二艦隊
川内(39)
神通(15)
秋月(62)
響(70)
初春(15)
曙(77)

また水雷戦隊じゃないか(困惑)

196: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/11(木) 19:07:59.97 ID:LMNi5mF30
 
――――――――――
 
 
秋月「あわわ……」アタフタ

提督「よお、どうした秋月。気分でも悪いのか」

秋月「司令っ……! こ、これを見てください!」バッ

提督「あん? なんだこれ、お前の給与明細か? えーと、基本給に各種手当がついて税金が……」

提督「合計で548,900円か。計算間違いもないな。これがどうかしたか?」

秋月「こ、こんなに貰ってしまっていいのでしょうか!? 何かの間違いではないんですか!?」

提督「……はぁ?」

197: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/11(木) 19:11:23.49 ID:LMNi5mF30
 
提督「間違いも何も、これがお前の月給だろ」

秋月「月々のお給料でこんなに貰えるなんて知らなくて……」

提督「艦娘は最前線で命賭けてるんだからこのくらい当然だろ。むしろもっと貰ったってバチは当たらん」

秋月「そ、そんな、とんでもありません! ち、長10㎝砲ちゃん、どうしよう」

長10㎝砲ちゃん「己の為すべきと思ったことを為せ」

提督「喋った!?」

198: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/11(木) 19:14:22.90 ID:LMNi5mF30
 
秋月「うーん……そうは言われても、思いつきません」

提督「給料日くらい贅沢したらどうだ。服買うとか映画を観るとか」

秋月「ですが、いつ深海棲艦が現れるかわかりません。鎮守府を離れるわけには」

提督「なら通販でもいいだろ。そうだ、ハーゲンダッツを箱買いするってのはどうだ? 贅沢だろ」

秋月「いいえ、秋月にはホームランバーで十分です!」

長10cm砲ちゃん「彼女はそういう娘だ。あまり贅沢なものを食べさせると寝込んでしまうぞ」

提督「どういう体質だよ。どんだけ貧乏こじらせたらそうなるんだよ」

199: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/11(木) 19:15:45.70 ID:LMNi5mF30
 
提督「……よしわかった。せっかくだから俺がなんか作ってやるよ」

長10㎝砲ちゃん「ほう」

秋月「しかし、司令のお手を煩わせるのは……」

提督「気にすんな。人間も艦娘も、どうせなら美味いもん食いながら生きたいだろ」

提督「そして美味いもん作ってやるのが料理人の仕事だ」

提督「ま、ただ御馳走されんのも気が引けるだろうし、ちょっと手伝ってもらうぞ」

秋月「司令……ありがとうございます!」

200: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/11(木) 19:17:29.09 ID:LMNi5mF30
 
――――――――――
厨房
 
 
提督「これから作るのは豚ロース肉のシャリアピンステーキだ」

秋月「シャリアピンステーキ? 普通のステーキとは違うのですか?」

提督「昭和11年に来日したオペラ歌手、フョードル・シャリアピンのために作られたステーキだ」

提督「当時歯の具合が悪かったシャリアピンが『柔らかいステーキが食べたい』と言ったんで」

提督「帝国ホテルの料理長が考案したのがシャリアピンステーキってわけだな」

提督「本当なら牛肉を使うんだが、今回はたまたま冷蔵庫に入ってた豚ロース肉を使う。じゃあ始めるぞ」

秋月「了解しました。秋月、頑張ります!」

201: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/11(木) 19:20:10.43 ID:LMNi5mF30
 
提督「まず肉の下ごしらえだ。筋切りをしていくぞ」

秋月「赤身と脂身の境目の筋に包丁を立てて切っていくんですね」

提督「そうだ。包丁の刃先で垂直に切り込みを入れる。感覚は2~3cm程度でいい」

提督「それからあまり長く入れすぎると肉の旨味が流れちまうから、深さは1cmくらいを目安にする」

秋月「こうですか?」グッ グッ

提督「よし、いい感じだ。筋切りをしたら次は肉の表面をフォークで突いて細かく穴を開ける」サクッ サクッ

提督「肉叩きで叩いてもいい。あまり薄くするのは好みじゃないから今回はそうしないが」

202: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/11(木) 19:20:59.03 ID:LMNi5mF30
 
提督「そしたら塩、コショウを振ってなじませる。お好みでナツメグなんかもいいかもな」ササッ

秋月「お肉の下処理はできましたね。次はどうするんですか?」

提督「ああ。肉をこれに漬け込む」ドンッ

秋月「これは……?」

提督「摩り下ろしたタマネギだ。タマネギにはタンパク質分解酵素が含まれていてな」

提督「肉を漬け込んでおくと、酵素が肉のタンパク質を消化して柔らかくなるわけだ」

提督「他にタンパク質分解酵素を含む食品にはパイナップルやキウイ、ショウガや大根などがある」

提督「パイナップルを食べ過ぎると口の中が荒れてしまうのはタンパク質分解酵素の働きだな」

秋月「司令。秋月はパイナップルをそんなにたくさん食べたことは……」

提督「……次行くぞ」

205: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/11(木) 19:26:56.80 ID:LMNi5mF30
 
提督「裏表まんべんなく浸かるように漬け込んだら、最低でも30分~1時間はそのままにしておく」

秋月「では、その間に付け合わせのサラダなどを作っておきましょう」


~~~~~~~~~~


提督「十分漬け込んだら表面のタマネギを落として、油を引いたフライパンで両面焼く」ジュゥゥゥ

提督「豚肉は有鉤嚢虫という寄生虫がいるのでレアはNGだ。しっかり火を通すように」

提督「肉に火が通ったら皿に取って、続いて肉を焼いたフライパンにバターを入れる」

秋月「漬け込んでいたおろしタマネギをフライパンに入れて炒めるんですね」

提督「その通り。弱火~中火で炒めて、仕上げに醤油を加えて……」

秋月「出来上がったソースをお肉の上にかけて、完成ですね!」

206: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/11(木) 19:28:07.32 ID:LMNi5mF30
 
~実食~



秋月「お肉が柔らかくて美味しいです!」モグモグ

提督「こういうマリネステーキは安い肉を美味く仕上げるにはうってつけの手法だ」モグモグ

提督「おろしタマネギだけじゃなく、大根おろしやパイナップルの果汁でも同様の効果が期待できる」

提督「他には炭酸水やビールに肉を漬け込むってのもあるな。これも肉が柔らかくなるぞ」

長10cm砲ちゃん「炭酸に含まれる炭酸水素ナトリウムが余分なタンパク質を灰汁として溶かすからだな」

秋月「御馳走様でした。司令、ありがとうございました!」

207: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/11(木) 19:29:15.50 ID:LMNi5mF30
 
提督「まあ、これから贅沢の仕方がわからない時は俺に言えよ。人生美味いもんがあれば……」

間宮「提督……? ちょっとよろしいですか」

提督「えっ?」

間宮「お夕飯のトンカツ用にと思って買っておいたお肉が足りないんですけれど……」

間宮「提督と秋月ちゃんが勝手に使ってしまったんですね……?」ゴゴゴゴ

提督「あっ……そうだ、今日の夕食の献立はトンカツだった! 忘れてた!」

秋月「す、すみません間宮さん! あ、秋月は……」

間宮「いいからお肉屋さんに行って買ってきてくださいな。今すぐでいいですよ?」ドドドド

提督・秋月『イ、イエスマム! 行ってきますっ!!』



長10cm砲ちゃん「やれやれ……」

215: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/12(金) 00:01:03.07 ID:u85CoWiX0
 
――――――――――
厨房
 
 
天龍「大本営にもこっちに回せる潜水艦はいなかったみたいだなぁ」ジュワァァァ

提督「らしいな。ま、潜水艦自体そんなに数がいるわけでもないしな」ジャッ ジャッ

天龍「でも、代わりにオレ達の艤装の改修のための部品を回してくれるってんだからラッキーだぜ」チャッチャッ

提督「装備の開発と改修は明石に任せっきりだけどな。たまに秋月に手伝わせてるが」

天龍「あいつに高角砲とか造らせるといいモンできるからなぁ。流石は防空駆逐艦……っと」

天龍「よし、から揚げ揚がったぜ」

提督「そこに置いといてくれ。こっちもチキンライス上がりだ」

216: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/12(金) 00:03:29.03 ID:u85CoWiX0
 
天龍「しっかし、わざわざ横須賀まで改修資材を取りに行かなきゃなんねぇとはね」

提督「向こうも人手が足りてねぇんだろ。渾作戦の時に確認された敵の新型のこともある」ヨソイヨソイ

天龍「重巡ネ級、駆逐棲姫、それに空母水鬼か……ネ級には改修型もいたらしいしな」

提督「まあ行って戻ってくるだけだし、一日で済む。遠征部隊として第二艦隊を行かせるつもりだ」ギュッギュッ

天龍「旗艦は川内か……まあ、少なくとも昼間は大人しいしな」

提督「夜戦夜戦とうるさいアホだけど、長女らしく仕切りが上手いところもあるんだよな」サッ サッ

提督「よし天龍、次はこっち揚げてくれ。油の温度は170~180℃」

天龍「……わざわざ遠征組の弁当自分で作ってやるんだから、お前もマメな奴だよなぁ」ジュワァァァ

217: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/12(金) 00:04:05.42 ID:u85CoWiX0
 
天龍「で、今回の弁当は何なんだ?」

提督「メインはから揚げおにぎりとチキンライスのコロッケだ」

天龍「から揚げおにぎりの方は読んで字のごとく、から揚げを具にしたおにぎりだな」

提督「一口大の鶏のから揚げを炊き立ての白飯で包んで丸く握り、全面にゆかりをまんべんなくまぶす」

提督「鶏肉にはたっぷりのニンニクとショウガ、醤油で濃いめの下味をつけてある」

提督「こってりとしたから揚げの味を、ゆかりの酸味が受け止めて後味をさっぱりさせるって寸法だ」

天龍「へぇ、天むすとかライスバーガーみてぇなジャンクフードっぽい感じか」

218: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/12(金) 00:04:43.66 ID:u85CoWiX0
 
提督「で、お前が今揚げてるのがチキンライスのコロッケだ」

提督「チキンライスの具はタマネギ、マッシュルーム、鶏もものひき肉、それに粉チーズを入れてある」

天龍「まずフライパンにバターを溶かして、みじん切りのタマネギをじっくり炒めて」

天龍「マッシュルーム、ひき肉の順で炒めて塩コショウ……ってやってたな」

提督「全体に火が通ってきたら冷や飯を投入して、混ざってきたら全体にケチャップで味をつける」

提督「仕上げに粉チーズを投入してさらに混ぜ合わせればチキンライスの出来上がりだ」

提督「あとはチキンライスを温かいうちに三角形に握り、小麦粉、溶き卵、パン粉をつけてカラッと揚げる」

天龍「ライスコロッケというよりおにぎりのコロッケって感じだな、見た目的に」

219: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/12(金) 00:05:34.37 ID:u85CoWiX0
 
提督「あとはおかずを別容器に詰め合わせて……せっかくリンゴが大量にあるし、飾り切りでもやってみるか」

天龍「定番どころならウサギとかか?」

提督「文字も彫れるぜ。星とかハートを書いてやろうかな……」

提督「あっ、あの川内型二番艦には『I hate you.』って書いてやる。どうせ英語なんて読めねーだろ」

天龍「やめとけって。ったく、もう少し仲良くできねぇのかよお前ら……」

220: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/12(金) 00:06:15.33 ID:u85CoWiX0
 
――――――――――
母港
 
 
提督「第二艦隊、整列! お前達にはこれより横須賀鎮守府に向けて出発してもらう」

提督「横須賀にある改修資材を受領するのが目的だ。旗艦は軽巡洋艦・川内とする」

川内「任せといてよ。夜戦がなさそうなのは不満だけどさっ」

提督「遠征でドンパチなんて御免だぜ。ほら、弁当」ホイッ

川内「ふふー、提督のお弁当美味しいから好きだなぁ。みんなで横須賀についてから食べるね」

提督「はいはい。じゃあ頼んだぞ」

221: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/12(金) 00:06:57.69 ID:u85CoWiX0
 
提督「お前らもしっかりやれよ。ほら」ホイッ

秋月「了解です。もしものことがあっても、秋月が艦隊をお守りします!」

提督「そうならねぇことを祈ってるよ」

響「スパスィーバ、司令官。期待してくれ」

提督「行って帰ってくるだけだろ? ま、気をつけろよ」

曙「こんなお弁当なんかで懐柔できると思わないでよね。このクソ提督」

提督「じゃあ返せ。俺が食う」

曙「でも食べてあげないのも可哀想だから、貰ってあげるわ。ふんっ♪」

提督(ある時期の霞と同じ匂いがするな、こいつは……)

222: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/12(金) 00:07:32.21 ID:u85CoWiX0
 
提督「……それから、ほらよ。お前らにも」ホイッ

神通「……」

初春「ふん。苦しゅうないぞ」

提督「へっ、可愛くねぇこと。礼のひとつも言えねぇのか? 川内型二番艦に初春型一番艦」

神通「……そうですね、一応お礼は言っておきます。主計科」

初春「誰にでも取り柄はあるものじゃからのう。飯炊き係の下男とはいえ一応上官、礼儀は示さねばな?」

提督「おーおー、そうかい。せいぜいたくさん資材を持ちかえってきな」

223: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/12(金) 00:08:22.13 ID:u85CoWiX0
 
≪遠征部隊 出撃!≫
 
 

提督「……行ったか。よし、天龍。オレ達は今のうちに装備の点検と整備をしておこうぜ」

天龍「なぁ提督……神通もそうだけど、初春もなんとかなんねぇのかなぁ」

提督「知るか。あいつら頭ン中が昭和初期だし、平成育ちの俺には理解できねぇな」

天龍(こっちこそ、なんでオレがこんな気苦労抱えんのか理解できねぇよ……)ハァ

224: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/12(金) 00:09:28.48 ID:u85CoWiX0
 
――――――――――
数時間後・執務室
 
 
提督「う~ん……烈風と流星の開発を進めてぇけど、ボーキサイトの収支は……」


バタァン!


天龍「提督! 大変だ!」

提督「どうした天龍。何かトラブルでも起こったのか? また阿武隈が誰かに衝突を……」

天龍「遠征組が横須賀から帰還中に深海棲艦の襲撃に遭った!」

提督「……!」ガタッ

天龍「規模は一個艦隊だが、例の新型がいるらしい。交戦状態に入ってから通信が途絶してる!」

提督「今すぐ第一艦隊を招集、出動だ。第二艦隊を救え!」

天龍「了解だ! 天龍、水雷戦隊、出撃する!」

225: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/12(金) 00:10:29.56 ID:u85CoWiX0
僕からは以上

のじゃロリに嫌悪されるというのも結構破壊力高い

226: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/12(金) 00:33:31.06 ID:u85CoWiX0
それから今後登場するかもしれないということで再び「かもしれない」安価
例によってコンマ以下が好感度となります

第三艦隊のメンバー >>+1(旗艦)~>>+6
第四艦隊のメンバー >>+7(旗艦)~>>+12

227: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/12(金) 00:34:07.18 ID:fSploJmd0
赤城

228: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/12(金) 00:35:14.23 ID:kKQG0phvo
大鳳

229: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/12(金) 00:35:51.27 ID:gD34mP5AO
山城

230: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/12(金) 00:35:57.40 ID:JEPoXiygo
綾波

231: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/12(金) 00:38:18.44 ID:kV3ssxWdO
大和

232: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/12(金) 00:38:39.77 ID:agPdsHCuO
武蔵

233: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/12(金) 00:39:11.77 ID:p47iFuGOo
春雨

234: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/12(金) 00:39:30.21 ID:uybqymvu0
初霜

235: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/12(金) 00:39:39.71 ID:VZ6iZYUT0
鬼怒

236: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/12(金) 00:40:00.71 ID:xUJ7NY+8O
58

237: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/12(金) 00:40:46.13 ID:NV4kPsSJO
満潮

238: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/12(金) 00:42:16.86 ID:SkKDhfQSo
加賀

239: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/12(金) 00:44:01.75 ID:u85CoWiX0
第三艦隊
赤城(18)
大鳳(23)
山城(27)
綾波(40)
大和(44)
武蔵(77)

第四艦隊
春雨(77)
初霜(21)
鬼怒(71)
伊58(71)
満潮(13)
加賀(86)

空母機動部隊に受けが悪い提督
赤城さん提督の何が不満だったんですか……

246: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/12(金) 01:20:45.16 ID:u85CoWiX0
好感度ランキング
01.霞(99)
02.若葉(95)
03.阿武隈(92)
04.加賀(86)
05.曙・武蔵・春雨(77)
08.鬼怒・伊58(71)
10.響(70)
11.秋月(62)
12.大和(44)
13.天龍・綾波(40)
15.川内(39)
16.卯月(37)
17.山城(27)
18.大鳳(23)
19.初霜(21)
20.赤城(18)
21.那珂(16)
22.神通・初春(15)
24.満潮(13)


何故好かれてるかより何故嫌われてるかを考える方が難しいってはっきりわかんだね

271: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 11:47:53.08 ID:219/QZ1j0
 
――――――――――
同刻・鎮守府近海
 
 
ドォォォォン!
 
 
響「くっ……!」小破

川内「響、大丈夫!?」

響「問題ない……戦闘に支障はないよ」

川内「響は後退して! 曙は響の援護!」

曙「仕方ないわね。沈ませないわよ!」

響「すまない、曙」

曙「そんなの後にして! 響は鎮守府との交信を続けなさい!」

272: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 11:49:01.96 ID:219/QZ1j0
 
川内「神通、秋月、初春は私に続いて! 砲雷撃戦、用意!」

秋月「了解! 長10cm砲ちゃん、行きましょう!」

長10cm砲ちゃん「是非もない」

初春「よかろう……わらわの怒りを買ったことを悔いるがいいわっ!」

神通「神通……行きます!」

273: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 11:50:22.95 ID:219/QZ1j0
 
響「……本部、こちら第二艦隊……応答願う」ガチャッ

響「鎮守府近海にて敵巡洋艦隊に遭遇。数は6」

響「駆逐ハ級3、雷巡チ級1、軽巡ツ級1……それに敵の新型重巡洋艦」

響「繰り返す、敵の新型重巡洋艦がいる」

響「南西方面海域で確認された重巡ネ級……その改修型だ」

274: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 11:51:29.72 ID:219/QZ1j0
 
――――――――――
同刻・指令室
 
 
大淀「第一艦隊、抜鋲。第二艦隊の救援のため出撃しました」

提督「第二艦隊はまだこちらからの呼び掛けに応じないのか」

大淀「依然通信は途絶したままです。ですが川内以下6隻の生命兆候は健在」

大淀「おそらく通信機の故障によるものかと思われます」

提督「天龍、聞いての通りだ。事態は一刻を争う」ガチャッ

天龍『わかってる! 最大戦速でブッ飛ばしてるところだ!』

275: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 11:52:38.47 ID:219/QZ1j0
 
提督「第二艦隊がいる海域の座標はそっちに送ってある。迷子にはならんはずだ」

天龍『あいつらの状況は? 本部で艦隊の情報をモニターしてるんだろ!?』

提督「ああ、艦娘の艤装に装備されている生体情報モニターからある程度のことはわかってる」

提督「だが通信機が逝っちまってるから詳しい状況は……」

大淀「……秋月中破! ダメージ危険域です!」

提督「……! 急げ天龍!」

天龍『了解!』

276: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 11:53:46.47 ID:219/QZ1j0
 
提督「クソッ、間に合ってくれよ……大淀、第三・第四艦隊は」

大淀「第三艦隊は南方海域にて展開中のMO作戦に参加中」

大淀「第四艦隊は沖ノ島海域の戦闘支援任務です。今呼び戻しても間に合いません」

提督「ウチは余所の艦隊の支援が主任務の遊撃隊だからな……あちこちに遠征に行くことが多くなる」

提督「第二~第四の戦力は鎮守府にいないことも多い。それがこの土壇場で仇になった」

提督「やはり今頼りにできるのは第一艦隊だけ、か……」

大淀「第二艦隊は輸送用のコンテナやドラム缶を装備していましたから、戦闘能力は落ちています」

大淀「そのため、単独で敵艦隊に決定打を与えることは難しくなっているはずです……」

提督「……今は天龍達が間に合うことを祈るしかねぇ」

大淀「提督……」

277: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 11:57:05.81 ID:219/QZ1j0
 
――――――――――
鎮守府近海
 
 
ドォォォォン!
 
 
川内「さあ……待ちに待った夜戦だッ!」シュバッ

チ級「……!?」


ドゴォォォ!


川内「敵艦撃破! 次ッ!」

神通「残敵……駆逐艦2! 軽巡1! 重巡1!」

初春「流石の夜戦狂いじゃのう。わらわ達も続くぞ!」

278: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 11:57:47.40 ID:219/QZ1j0
 
初春「邪魔な駆逐艦はわらわが始末してくれるッ!」ジャキッ

ハ級「……!」
 
 
シュバァァァ……ドォォォォン!
 
 
初春「よし、一撃で……」

神通「……! 初春、避けて!」

初春「!?」

279: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 12:00:14.87 ID:219/QZ1j0
 
バッ!


ネ級「……!」

初春「なっ……」
 
 
ドォォォォン!
 
 
初春「がぁっ……!」大破

初春(いつの間に接近を……駆逐艦を盾にしてわらわに肉薄しおったのか……!?)

川内「初春っ!」

280: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 12:03:38.39 ID:219/QZ1j0
 
ネ級「……」


ジャキッ


ネ級「……!」

川内「止めを刺す気……!? やらせないっ!」


ドォンッ!


ツ級「……」

川内「邪魔だ、どけぇっ!」ジャキッ

281: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 12:05:58.63 ID:219/QZ1j0
 
ネ級「……!」

川内「初春っ!」

初春「……っ」ギュッ
 
 
ドォォォォン!

282: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 12:08:32.62 ID:219/QZ1j0
 
 
  
「……油断、しましたね」
 
 
 

283: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 12:09:20.86 ID:219/QZ1j0
 
ネ級「……!?」
 
 
シュバッ……ドゴォォォォン!
 
 
ネ級「……!」中破

初春「なっ……」



神通「……次発、装填済みです」大破

284: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 12:13:14.98 ID:219/QZ1j0
 
初春「神通……わらわの盾になったのか……!?」

神通「秋月さんは初春さんを連れて後退を……早く!」

秋月「は……はい!」

川内「神通! 大丈夫!?」シュタッ

神通「問題ありません……それより姉さん、今のうちです。この海域から離脱を……!」

285: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 12:24:28.06 ID:219/QZ1j0
 
神通「敵の戦力は半減しました……今なら敵艦隊の追撃を振りきれます」

神通「殿は私が務めます。姉さんは味方を連れて離脱してください」

川内「何言ってんの!? そんなこと……」

神通「いいから早く逃げてください!」

神通「ここで全滅するわけにはいきません……味方の救援を待っている時間もないんです」

神通「私達の任務は、受領した資材を鎮守府に届けることです……」

神通「姉さんは第二艦隊旗艦として、任務を全うしてください」

286: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 12:28:09.66 ID:219/QZ1j0
 
川内「……」

神通「……」

川内「……わかった。私はみんなを連れて先に行くよ」

川内「神通も……死なないでね」

神通「……」コクッ

287: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 12:33:27.48 ID:219/QZ1j0
 
≪遠征部隊 離脱!≫



神通「……行きましたか」ヨロッ



ネ級「……!」

ツ級「……」

ハ級「……」
 
 
 
神通「姉さん達を追わせはしません。私が……この神通がお相手します」ジャキッ

神通「神通……行きます」

288: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 12:37:57.58 ID:219/QZ1j0
 
 
 
――!
 
 
 
――轟沈確認……! あと2つ……! 
  
 
 

289: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 12:38:32.23 ID:219/QZ1j0
 
 
 
――……ッ!
 
 
 

290: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 12:39:09.80 ID:219/QZ1j0
 
 
 
――まだ……この神通は沈みません……!
 
 
 
――もう一撃くらいは……ッ
 

 

291: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 12:39:54.74 ID:219/QZ1j0
 
  
  
――………………
 
 
 

292: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 12:41:36.32 ID:219/QZ1j0
 

 
 
  

――………………

――…………
 
――……
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

293: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 12:45:53.40 ID:219/QZ1j0
 
「……しっかりして! 那珂ちゃんの声、聴こえる!?」



「対象意識不明! 慎重に運んで!」



「こんなムチャして、このバカ……!」



「――こちら天龍、神通を発見した……ああ、大丈夫だ、あいつは……」

294: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 12:47:16.47 ID:219/QZ1j0
僕からは以上

295: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 12:57:55.62 ID:219/QZ1j0
※突然ですが神通イベントのサイドキックを決めます


>>+1~2
第一~第四艦隊の艦娘

296: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/13(土) 13:04:31.76 ID:TMDJwAjOo
那珂ちゃん

297: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/13(土) 13:05:18.13 ID:cZs6VdRY0
春雨

298: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 13:11:56.46 ID:219/QZ1j0
【サイドキック】
今後の好感度上昇イベントの際、メインキャラとサイドキックを決めます。
サイドキックはイベントの脇役的なアレですが、彼女達もある程度好感度が上昇します。

今回は神通イベントの脇役として那珂ちゃんと春雨を出していきます。

302: イベントシステムまとめ ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 13:38:53.59 ID:219/QZ1j0
・イベントの際にメインキャラとサイドキック、及びイベント内容を安価で決定

メインキャラ
 そのイベントの主役になるキャラ。好感度上昇値はコンマ以下の数字の1/3。
 最大で33も上がる可能性がある一方、サイドキック以下のショボい上昇値の可能性もあり。
 好感度が100を超えているキャラがメインキャラに選ばれたら……?

サイドキック
 そのイベントの脇役になるキャラ。好感度上昇値はコンマ以下の下一桁の数字。
 なお好感度100超えのキャラがサイドキックに選ばれても特に何もないもよう。

305: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 15:36:21.25 ID:219/QZ1j0
 
――――――――――
入渠ドック内・療養施設
 
 
神通「……ん……」

那珂「あっ、神通ちゃん! 目が覚めたの!?」

神通「……あ……那珂、ちゃん……?」

那珂「よかった、本当に……川内ちゃんも本当に心配してたんだよ」

神通「ごめんなさい、心配かけちゃって……」

306: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 15:37:20.84 ID:219/QZ1j0
 
神通「姉さん達は無事に鎮守府に着いたの……?」

那珂「うん。資材もちゃんと持ち帰れたよ」

那珂「工廠の妖精さんの話だと、あの資材を使えば那珂ちゃん達の艤装がパワーアップするんだって」

神通「川内型の第二改装計画……そういえば、横須賀でもそんな話を聞いたかな」

那珂「……でも、那珂ちゃんは姉妹みんなが揃ってなきゃ嫌だよ」

那珂「いくら那珂ちゃんや川内ちゃんが強くなっても、神通ちゃんがいなきゃ嫌」

那珂「だから、もうこんなムチャはしないでね……?」

神通「……ごめんなさい」

307: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 15:38:44.70 ID:219/QZ1j0
 
那珂「あっ、そうだ……あんまり気は進まないけど、提督呼んでこなきゃ」

神通「……あの主計科を?」

那珂「うん。神通ちゃんが目を覚ましたらすぐ知らせてくれって」

那珂「嫌だなぁ。どうせ神通ちゃんに意地悪するつもりなんだから!」プンプン

那珂「こないだだって那珂ちゃんのこと家具扱いして……」

神通「……ううん、今回だけは仕方ないよ。私が勝手にやったことだから……」

那珂「神通ちゃん……」

那珂「……提督に意地悪されそうになったら、那珂ちゃんが守ってあげるからね」ナデナデ

308: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 15:39:40.09 ID:219/QZ1j0
 
――――――――――
指令室
 
 
「……!」ザザッ

「――!! ――――」ザーッ

提督「……どうだ、春雨」ピッ

春雨「雑音が酷くて聞こえにくかったですけど……なんとなくわかりました」

春雨「……『てすとハ終ワリだ。コレ以上戦ッテモ得ルモノハナイ』」

春雨「『コンナ死ニ損ナイノ相手デオ前ヲ失ウワケニハイカナイ。撤退スル……』」

309: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 15:40:25.02 ID:219/QZ1j0
 
提督「軽巡ツ級がそう言ってたんだな?」

春雨「はい」

提督「ネ級とツ級が第二艦隊を深追いせず、あいつに止めを刺さなかった理由がそれか……」

提督「艤装に積んであったレコーダーの戦闘記録、それに川内達の証言……」

春雨「川内さん達によれば、重巡ネ級の周囲には金色の靄がかかっていたって……」

提督「Flagshipクラスか……この間の南西方面海域での実戦投入からやけに早い」

春雨「でも……他の皆さんの艤装の戦闘記録から見ても、Eliteクラス以上は確実だと思います」

310: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 15:41:12.08 ID:219/QZ1j0
 
提督「状況証拠は十分だな。敵は新型重巡の運用試験のために適当に目に付いた艦隊を襲ったってわけだ」

提督「だが遠征の帰りの補給部隊と侮った相手が予想以上の奮戦」

提督「試験戦闘で新型を失っては本末転倒。連中も適当なところで撤退した……」

提督「チッ……俺の鎮守府の目と鼻の先で好き勝手やってくれるぜ、まったく」

春雨「でも何にせよ、天龍さん達が間に合って本当に良かった……」

提督「……そうだな。俺もホッとしてる」

311: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 15:42:06.41 ID:219/QZ1j0
 
春雨「艤装の修理にはすごく時間がかかってしまうらしいですけど……」

提督「……まあ、工廠の方にも色々都合があるからな。さて春雨、ご苦労だった。歩けるか?」

春雨「もう司令官、春雨は大丈夫ですよぅ。義足にも慣れましたし」

提督「他の艦娘同様に水上移動も問題ないって話だからな。さすが妖精作、大したもんだ」

春雨「で、でも、前みたいに司令官に抱えてもらうのも……春雨は好きです……」///

提督「輸送する側が輸送されてどうすんだよ。輸送作戦、好きなんだろ?」

313: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 15:43:06.55 ID:219/QZ1j0
 
提督(……春雨は第二次渾作戦の際に保護された艦娘だ)

提督(南西方面海域で確認された敵の新型・駆逐棲姫の撃破のためにウチからも戦力を出した)

提督(駆逐艦とはいえ『姫』クラスの深海棲艦。ウチの水雷戦隊もかなり手こずった)

提督(そして駆逐棲姫を倒した後に発見されたのが春雨だった)

提督(……驚きだったのは、保護された時には彼女の両脚の膝から下が欠損していたことと)

提督(彼女には『姫』や『鬼』以外の深海棲艦の言葉を理解することができたってことだ)

提督(上層部は春雨と駆逐棲姫を同一の個体であると考えているらしい)

提督(両脚の修理と保護観察のため、彼女は現在ウチの鎮守府に籍を置いているが……)

314: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 15:43:46.37 ID:219/QZ1j0
 
春雨「でも歩けるようになって嬉しいのは本当です。これで護衛任務や輸送作戦もこなせますから!」

提督「ああ、バリバリ働いてくれて助かる。お前に第四艦隊の旗艦を任せたのは正解だったぜ」

春雨「艦隊の皆さんもよくしてくれて……この鎮守府に配属になってよかったです」

提督「そうかそうか。というかお前、もう他の鎮守府に行っても働けないぜ」

春雨「え?」

提督「何と言っても、余所じゃ俺の料理が食えねぇからな」

春雨「ふふ……そうですね。それじゃあもう、他の鎮守府には行けませんね」
 
 
 
提督(……仮に春雨が元深海棲艦なのだとしても)

提督(美味いもんを美味いと思う感覚は艦娘も深海棲艦も変わらねぇみてぇだ)

提督(みんな仲良く、とは言わねぇけど、何のために戦争してんのかたまにわからなくなるな……)

321: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 20:59:25.85 ID:219/QZ1j0
 
――――――――――
入渠ドック内・療養施設
 
 
神通「……」

 
コンコン
 
 
神通「はい……どうぞ」


ガチャッ
 
 
提督「よう、川内型二番艦」

神通「……こんにちは、主計科」

提督「思ったより元気そうだなオイ。まあ身体の傷は高速修復材で治してんだから当たり前か」バタン

322: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 21:00:03.04 ID:219/QZ1j0
 
神通「あの……何の用ですか? 私の処分についてでしょうか」

提督「大体そんなところだ。だがまずはこれを食え」トン

神通「うどん……ですか」

提督「こういう時は消化にいいもん食って体力を取り戻すに限る」

提督「うどんやお粥のような消化のいい穀類は、体調の悪い時食べるものの定番だな」

提督「つゆはサバとムロアジの混合節で出汁を取って、醤油で味を調えた」

提督「そして……っと」コンコン パカァ

提督「トッピングは温泉卵。薬味はすり胡麻、おろしショウガ、ネギ、刻み海苔と用意してある」

323: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 21:00:38.06 ID:219/QZ1j0
 
神通「わざわざ作ってきたんですか……?」

提督「まあ今は四の五の言わずに食え。何事も腹が減ってちゃ始まらねぇんだから」

提督「俺は俺の分のうどんを食うから気にせずに食ってろ」サッ

神通「……そうですね。頂きます」ペコッ

提督「おう」

324: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 21:01:08.41 ID:219/QZ1j0
 
提督「……」ズルズル

神通「……」チュルチュル

提督「……」ズズー

神通「……」モグモグ

提督「……」パクパク

神通「……」コクン

325: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 21:02:30.93 ID:219/QZ1j0
 
――――――――――
 
 
那珂「……」コソコソ

春雨「……司令官も神通さんも無言ですね」コソコソ

那珂「提督のお料理じゃ神通ちゃんは懐柔されないよーだ。いくら美味しくても性格最悪なんだから」イーッ

春雨「那珂さん、そんなことは……確かに提督は、ちょっと変わったところもありますけど……」

那珂「ううん、神通ちゃんの気持ちだって全然わかってない……神通ちゃんがどんな気持ちで戦ってるか」

春雨「……でも、それは」

春雨(……神通さんだって那珂さんだって、司令官の気持ちなんてわかってないじゃない……)

326: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 21:03:07.31 ID:219/QZ1j0
 
――――――――――
 
 
神通「御馳走様でした」

提督「おう。丼は脇に置いとけ、後で持ってくから」

神通「はい」

提督「で、だ。早速本題に入るが……」

提督「良いニュースと悪いニュースがある。どっちから聞きたい」

神通「別に、どちらからでも構いません」

提督「そうか。なら良いニュースから話す」

327: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 21:03:37.61 ID:219/QZ1j0
 
提督「まず、お前達が持ち帰った資材のおかげで、川内型の第二改装が可能となった」

提督「いわゆる改二ってやつだな。艤装の性能も向上し戦力の大幅アップが期待できる」

提督「川内型は三人とも十分な練度に達している。艤装に振り回されるようなこともないだろうな」

神通「……それは知っています」

提督「那珂ちゃんにでも聞いたか」

神通「はい」

提督「艤装の改修は既に始まってる。ま、お前の艤装はメチャクチャだったからほぼ新造だがな」

神通「……」

328: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 21:04:45.95 ID:219/QZ1j0
 
提督「で、悪いニュースだ。お前を第二艦隊から外す」

神通「……!」
 
 
 

――――――――――
 

那珂「!」

春雨(司令官……)

330: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 21:05:24.93 ID:219/QZ1j0
 
提督「今回はずいぶんと無茶をやってくれたな、川内型二番艦」

提督「確かにお前のおかげで資材は手に入った。第二艦隊は一人の欠員もなく帰還した」

提督「が、それも全部結果論だ。お前がくたばり損なったのも深海棲艦側の都合があったからで」

提督「天龍達が到着したのがあと10分遅れてもヤバかった」

提督「言ってしまえば運が良かっただけだ。あのまま死んじまってもおかしくはなかった」

神通「……」

提督「勝手な真似をしやがってよ……いくら戦果を挙げようがこれじゃ危なっかしくて使えねぇんだよ」

提督「お前は俺がいいと判断するまでイモの皮剥きでもしててもらうからな」

331: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 21:06:01.46 ID:219/QZ1j0
 
神通「……わかりました」

提督「……どうした? なんか申し開きはねぇのか」

神通「いいえ。あれが私の勝手な判断であったことに変わりはありません」

提督「自覚はあるんだな。結構なこって」

神通「ですが……間違ったことをしたとも思ってはいません」

神通「私はあの状況で、自分の為すべきことを為しました」

神通「……貴方のような主計科に御理解頂けなくても構いませんが、それだけは言っておきます」



提督「」イラッ

332: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 21:06:41.10 ID:219/QZ1j0
 
提督「……おーおー、なるほど。こりゃあ参ったね」

提督「流石は花の二水戦旗艦サマは言うことが違うねぇ。うわーカッコイイー」

提督「旧日本海軍の伝統に則った優等生だぜテメエ。戦争の優等生だなぁ」

提督「旗艦は先頭に出て後続を守る、そのため旗艦には駆逐艦より装甲の硬い軽巡を使うんだっけか?」

提督「川内を差し置いて旗艦気取りで出しゃばった上にこのザマだ。そんなに死にてぇんだな」

提督「コロンバンガラ島沖の再現がしてぇなら余所でやりやがれ! いい迷惑だ!」
 
 
 
神通「」ピキッ

333: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 21:07:38.39 ID:219/QZ1j0
 
ガシッ!
 
 
神通「……」ググッ

提督「なんだテメエ、この手は……! 上官の胸倉掴むたぁいい度胸だな」ギリギリ

神通「貴方にはわからないでしょう。私達艦娘が、この国を守るためにどれだけ……!」

提督「知らねぇよ。大正生まれの若作りババアの考えてることなんざ……!」
 
 
バタァンッ!
 
 
那珂「神通ちゃんやめて!」

春雨「司令官も落ち着いてください!」

提督「うるせぇっ! こいつには言いたいことが山ほどある!」

神通「那珂ちゃん、どいて! こんな人が上官だなんて……っ!」

334: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 21:08:07.38 ID:219/QZ1j0
 
那珂「提督っ! 神通ちゃんに謝って!」

提督「いくら那珂ちゃんの頼みでもそれは聞けねぇな! いいかこのアホ軽巡!」

春雨「司令官!」

提督「俺はな、手前勝手な、身投げのようなヒロイズムで勝手に死ぬ奴が嫌いだ!」

提督「お前の命と引き換えにしなきゃ手に入らねぇ資材ならいらねぇ! そんなの気持ち悪ぃんだよ!」

提督「そんでお前達を改造してやることと言ったらまた戦争じゃねぇか……バカにしやがって、畜生!」

神通「それが戦争を終わらせるために必要だから、私達は……!」

335: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 21:08:56.61 ID:219/QZ1j0
 
神通「……私こそ、貴方のようなヒューマニズムに酔いしれたことを言う人が嫌いです!」

神通「私達が戦わなければ、世界中の海に深海棲艦がはびこり、人を殺します」

神通「それをさせないために命を賭して戦うのが私達艦娘です!」

神通「私一人の命でもっと多くの人の命を救えるなら、それが私達の勝利なんです!」

提督「勝手なこと言いやがって……! だったら、テメエの命の使い道を指図するのは俺じゃねぇか!」

神通「言ったはずです……貴方に命を預けることなんてできない!」

神通「私達を死にに行かせる覚悟もない貴方なんかに!」

提督「――この野郎ッ!!」


バシィンッ!

336: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 21:09:39.08 ID:219/QZ1j0
 
神通「……っ、やりましたね……!」
 
 
バキィッ!
 
 
提督「ぐがっ……テメエ、グーでやりやがったな!」
 
 
ガシッ ドカッ
バシィンッ
ガシャン!


那珂「神通ちゃん、やめて! やめてったら!」

春雨「司令官! 落ち着いて! 誰か、誰か来てください!」
  
 
 
………………
…………
……

337: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 21:11:01.09 ID:219/QZ1j0
 
――――――――――
医務室
 
 
武蔵「ずいぶん男前になったじゃないか、なあ提督よ」薬ヌリヌリ

提督「いてて……あの川内型二番艦がよ、軽巡のくせしてお前に負けず劣らずのメスゴリラだ」ボロッ

神通「……」

武蔵「減らず口が叩けるんなら大丈夫そうだな? 艦娘と殴り合う提督なんて前代未聞だ」絆創膏ペタッ

武蔵「ま、殴り合うというにはずいぶん一方的だったようだが……」ピンッ

提督「痛ッ」

武蔵「次は痴話喧嘩の仲裁じゃなく、敵艦との殴り合いにお呼ばれしたいものだ」

武蔵「お互い頭を冷やすことだな。じゃあな、お大事に」ガラガラッ

338: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 21:12:22.54 ID:219/QZ1j0
 
提督「……」

神通「……」
 
提督「……チッ。まあ、なんだ。アレだ、オイ川内型二番艦」

神通「……なんですか、主計科。まだやり足りないと」

提督「ちげーよ。今日のところはアレで勘弁しといてやる……ってそうじゃなくてだ」

提督「……まあ、俺は自分の意見を曲げる気はねぇ。お前の言うことにも一理くらいは認めてもいいが」

提督「だがな、これだけは知っておけ」

提督「お前達みたいな死にたがりに飯を作ってやる人間が、どんな気持ちでいるかってことをな」

339: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 21:13:03.05 ID:219/QZ1j0
 
神通「……なら、貴方も知ってください」

提督「あん?」

神通「貴方のような戦争を知らない大勢の人の命を守るために戦う存在が、どんな想いでいるのか」

提督「……ああ。考えといてやる」

提督「明日からお前の仕事場は厨房だ。間宮にイモの皮剥きのやり方でも習っておけ」ガラガラ
 
 
ピシャッ
 
 
神通「……」

340: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 21:13:37.54 ID:219/QZ1j0
 
提督「あ」バッタリ

那珂「……」

提督「どうした那珂ちゃん。あいつにゃお見舞いは必要ねぇよ。俺よりよっぽど元気だ」

那珂「……ねぇ提督」

提督「なんだ、那珂ちゃん」

341: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 21:14:16.98 ID:219/QZ1j0
 
那珂「提督は、なんで神通ちゃんにあんなに辛く当たるの」

提督「……参ったな、那珂ちゃんがそれ聞くか」

那珂「いいから答えて」

提督「……一言で言えば、気に食わないからだな」

那珂「どうして。どんなところが」

提督「自分が艦娘として生まれて艦娘として死ぬと決めつけてるところが、だ」

342: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 21:14:56.62 ID:219/QZ1j0
 
那珂「なんで? それのどこが悪いの?」

那珂「那珂ちゃん達はそういう風に生まれてくるから、だから艦娘なのに」

提督「……艦娘だからって艦娘にしかなれないなんて誰が決めたんだよ」

那珂「それは……」

提督「いつだったか言ってただろ、那珂ちゃん。終戦後は歌手になりたいって」

那珂「……うん。でも、それは」

提督「確かに難しい道かもしれねぇ。戦争が終わった後の艦娘の扱われ方なんてわからねぇし」

提督「でも、そうなりたいと思うのは全然悪いことじゃない。悪いことであるはずがない」

提督「むしろ、俺はそんな那珂ちゃんを尊敬してすらいる」

343: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 21:15:40.42 ID:219/QZ1j0
 
那珂「……」

提督「俺はお前達に死ぬ覚悟なんか求めてねぇ。俺が欲しいのは生きる覚悟だ」

提督「どんなに下らなくてもいいから生きる理由を見つけろ」

提督「見つからないなら、俺の料理を食うために生きて帰るんでもいい」

提督「艦娘なんぞという戦争の道具のまま死ぬな。どうせなら『人間』になってから死ね」

提督「……とまあ、理由としちゃこんなもんだ。だからああいう死にたがりが許せねぇ。それだけ」

那珂「提督は、那珂ちゃん達が『人間』になれるって本当に思うの?」

提督「そう思うきっかけをくれたのは那珂ちゃん、お前だぜ」

344: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 21:17:21.23 ID:219/QZ1j0
 
提督「じゃ、話は終わりだ。あいつが抜ける分、艦隊の編成を考え直さにゃならんからな」

那珂「あっ……」

提督「那珂ちゃんは、あいつにちゃんと厨房の下働きをするよう言い聞かせといてくれよ。じゃあな」
 
 



那珂「……那珂ちゃんの言ったこと、提督覚えてたんだ」

那珂「あの時は、そんな深く考えずに……みんなにちやほやされたいくらいの気持ちで……」

那珂「……」

那珂「……那珂ちゃん達が、『人間』に……かぁ……」

345: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 21:18:06.41 ID:219/QZ1j0
 
――――――――――
翌日・厨房
 
 
ジリリリリリリ……
 
 
提督「よォーし、昼食の時間終わりだ。俺達も休憩にするか」

間宮「お疲れ様です、提督」

提督「お前もお疲れさん、間宮。で、どうだあいつは」

間宮「神通さんですか? ええ、呑み込みが早いし手際も良くて助かってます」
 
提督「へぇ、あいつがねぇ」 
 
神通「……」テキパキ

346: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 21:18:55.36 ID:219/QZ1j0
 
提督「懲罰人事とはいえ適材適所だったかね。ま、しばらく楽させてもらうか」

神通「……主計科」ヒュッ

提督「ん? おっと」パシッ

神通「片付けが終わったので、上がらせて頂きます」

提督「……おう。夕食の時も遅れんなよ」

神通「それでは失礼します」ペコッ

提督「ふん、相変わらずいけ好かねぇ。リンゴなんか投げて寄越しやがって……ん?」

347: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 21:19:23.86 ID:219/QZ1j0
 
 
  
 
  
『I HATE YOU TOO !』
 
 
 
 
 

348: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 21:20:16.08 ID:219/QZ1j0
 
間宮「あらあら、飾り切りも上手ですねぇ」ウフフ

提督「……あの野郎、英語読めてんじゃねぇか」シャクッ
 
 

 
  
神通 好感度15→27

那珂 好感度16→22

春雨 好感度77→80

349: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 21:22:43.31 ID:219/QZ1j0
僕からは以上

神通の部署が第二艦隊から厨房の下働きになりました
提督と殴り合って多少は距離が縮まったようです



次のイベントのメインキャラ >>+2
次のイベントのサイドキック >>+3~>>+4

351: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/13(土) 21:23:50.55 ID:fFjYjKkAO
青葉

352: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/13(土) 21:23:56.69 ID:BLDAgjhVO

353: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/13(土) 21:24:14.41 ID:Mei2/eqoO
川内

356: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 21:28:09.88 ID:219/QZ1j0
書き忘れてしまいましたが、今後はこの鎮守府に所属している24名の中から選ぶ形になります。すみません
青葉はいないのでメインキャラ再安価で

あとついでに第一艦隊を再編成します
神通を除く23名の中から選んでください


再安価 メインキャラ >>+2

再編成後の第一艦隊 >>+4~>>+9

358: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/13(土) 21:31:01.45 ID:JW/7Bz57o
川内

360: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/13(土) 21:31:08.19 ID:G0hiG2JPO
再編成か霞で

361: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/13(土) 21:31:18.01 ID:JjWSAOg+o
阿武隈

362: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/13(土) 21:31:32.49 ID:Fyg9Zdjso
那珂ちゃん

363: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/13(土) 21:31:59.26 ID:fkJ4oFIOO

364: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/13(土) 21:32:33.85 ID:rnNuKFcf0
赤城

365: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/13(土) 21:32:41.24 ID:XpWZsI6+O
春雨

370: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 21:35:26.59 ID:219/QZ1j0
しまった、メインキャラとサイドキックが被ってしまった……まあいいや

メインキャラ 川内 好感度15UP
サイドキック 霞 好感度9UP


再編成後の第一艦隊
・霞(秘書官)
・阿武隈
・那珂
・曙
・赤城
・春雨

371: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 21:36:05.55 ID:219/QZ1j0
イベント内容 >>+3

374: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/13(土) 21:38:07.54 ID:XpWZsI6+O
川内と夜戦(意味深)

379: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 23:11:40.23 ID:219/QZ1j0
最新好感度ランキング
 01.霞(99)
 02.若葉(95)
 03.阿武隈(92)
 04.加賀(86)
 05.春雨(80)
 06.曙・武蔵(77)
 08.鬼怒・伊58(71)
 10.響(70)
 11.秋月(62)
 12.大和(44)
 13.天龍・綾波(40)
 15.川内(39)
 16.卯月(37)
 17.神通・山城(27)
 19.大鳳(23)
 20.那珂(22)
 21.初霜(21)
 22.赤城(18)
 23.初春(15)
 24.満潮(13)

神通と那珂ちゃんが「嫌い」から「苦手」程度までマシになった他、
春雨が「運命の人」レベルまで好感度を上げてます

381: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/13(土) 23:19:02.01 ID:219/QZ1j0
天龍
好感度:40(親友)
初代秘書艦。艦隊で一番の古株で、提督とは親友と言って差し支えない。
提督と一部の艦娘の不和に頭を悩ませる苦労人。

若葉
好感度:95(ケッコン間近)
提督のためならなんでもできる。ん? 今何でも(ry
最低限のことしか話さないが、提督といると比較的口数が多くなる。


好感度:99(ケッコン間近)
二代目秘書艦。提督の正妻というかおかん。クズ呼ばわりはもうやめた。
提督の一番の理解者であり現在ケッコンに最も近い艦娘。

卯月
好感度:37(友達)
提督とは普通の友達感覚。悪戯しても怒られないというかあまり相手にされない。
ニンジンが嫌いだったが提督お手製のニンジンフルコースをお見舞いされて克服。

阿武隈
好感度:92(ケッコン間近)
よく提督に衝突と称してボディタッチを試みる。料理の腕も高い。
弱々しい態度と裏腹にかなりガツガツ攻めるタイプ。

那珂
好感度:22(苦手)
提督にとても好かれているが、ズレたアプローチを繰り返されたためうんざりしている。
過去に提督の価値観に影響を与えたことがあり、地味に重要人物。

神通
好感度:27(苦手)
元第二艦隊所属だったが独断専行を咎められ現在は厨房の下働き。
提督と本音をぶつけ合い(結構一方的に)殴り合ったことからわだかまりは薄れ始める。

川内
好感度:39(友達)
第二艦隊旗艦の夜戦の鬼。あるいはただの夜戦バカ。
生来の社交性の高さから川内型では最も提督と気軽に話せる人物である。

秋月
好感度:62(尊敬)
第二艦隊所属の対空の鬼。あるいは貧乏をこじらせすぎた娘。
最近何やかんやと理由をつけては提督がご飯を作ってやっている。

春雨
好感度:80(運命の人)
駆逐棲姫を倒したらドロップした。駆逐棲姫と同一人物ではないかと思われている。
姫や鬼以外の深海棲艦の言葉を理解できるという特殊能力を持っている。

420: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/14(日) 22:14:26.28 ID:OCVghzOH0
 
――――――――――
執務室
 
 
提督「ケッコンカッコカリ……ねぇ」

霞「なに? またその話?」

提督「だってよ……ケッコンだぜケッコン」

提督「たかだか艦娘の能力のリミッターを外すだけのものに『結婚』ときやがる」

提督「なんだってこんな意味深な名前をつけやがったのか理解に苦しむぜ」

霞「その方が現場の士気が上がるって、お偉いさんの判断なんじゃないの」

421: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/14(日) 22:14:56.53 ID:OCVghzOH0
 
提督「だとしてもだ、そういう色恋めいた話はひどい拗れ方をするもんだぞ」

提督「俺は反対だね。ご丁寧に指輪まで用意しやがって、大本営の奴ら……」

霞「本当の結婚じゃない、おままごとみたいなものでしょ。問題なんてないわよ」

提督「いや、まあ……お前だからそう言えるのかもしれねぇけどよ」

霞「何よ。どういう意味?」

提督「誰だって形のあるものを欲しがるってことだ」

霞「はぁ?」

422: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/14(日) 22:15:36.69 ID:OCVghzOH0
 
提督「ま、ケッコンカッコカリについてはしばらく保留だな」

霞「充分な練度に達した艦は何隻かいるわよ? 私に若葉に阿武隈……加賀さんや春雨ももうすぐね」

霞「個人的には、天龍が全然足りてなかったっていうのはちょっと意外ね」

提督「天龍は一番の古株だったが、秘書艦として前線に出さないことも多かったからなぁ」

霞「秘書艦っていうか、司令官のアシスタントでしょ。結構な頻度で厨房に立たせてたじゃない」

提督「あいつは呑み込みが早くて教えがいがあったからな」

霞「あら、じゃあ神通とも案外仲良くなれそうじゃない?」

提督「……ノーコメントだ」

423: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/14(日) 22:16:13.52 ID:OCVghzOH0
 
提督「それより霞、艦隊から何件か陳情が来てたはずだ。見せてくれ」

霞「はいはい。えーと、この書類ね」

提督「サンキュー。どれどれ……『酒の種類を増やしてくれ』? こりゃ武蔵の奴だな」

提督「そうだな……フルーツビールでも仕入れてやるか。木苺とか青リンゴとかの」

提督「……となると、フルーツビールに合うつまみを考えとかないとな」

霞「司令官がそうやって甘やかすからそういう陳情を寄越すんじゃないの」ジトー

提督「あの大喰らいどもを黙らすには、結局飯を与えるのが一番なんだよ」

424: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/14(日) 22:16:59.08 ID:OCVghzOH0
 
霞「そういえば山城、第二改装が終わってからたくさん食べるようになったわよね」

提督「前は戦艦にしちゃ食が細いと思ってたが、気のせいだったみてぇだな」

提督「大和、武蔵、山城、赤城、加賀、大鳳。あいつらの『女子会』とやらを見たことあるか?」

提督「ありゃ女子会なんかじゃねぇ、控え目に言ってもゴリラとカバの集いだ」

霞「あんたねぇ。いい加減赤城をカバ呼ばわりするのやめなさいよ」

提督「お前だってさん付けしてやれよ。加賀にはしてるだろ」

霞「だって……いいや、私はいいのよ。でも司令官はダメ」

提督「俺はお前の子供か。そのオカンみたいなお為ごかしやめろや」

425: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/14(日) 22:17:54.76 ID:OCVghzOH0
 
提督「次は……『川内と那珂の改二記念パーティーを開くぴょん』。これは卯月だな」

霞「そういえばあの二人の第二改装も終わってたわね。神通はまだだけど……」

提督「あいつの艤装はほぼ新造になるからな。まあ改装が終わったところで出撃はさせねぇが」

霞「司令官、ひとつ聞きたいことがあるんだけど」

提督「なんだよ」

霞「川内と那珂の改二をお祝いしてないのは、神通を仲間外れにしないため?」

提督「そんなんじゃ……オイ、そのやたら優しげな眼差しやめろ。違うから。オカンか」

426: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/14(日) 22:19:11.12 ID:OCVghzOH0
 
提督「次。えーと、『ゴーヤの魚雷さんがお利口すぎてごめんなさいでち』」

霞「ゴーヤの開幕魚雷がダメージ出すぎてMVPをさらっていくのを愚痴ってたわね」

提督「次。『若葉だ。司令官はいつ若葉とケッコンするつもりなのか教えてくれ』」

霞「若葉もかなりストレートに来るわよね」

提督「次! 『宿舎のベッドがふかふかすぎて落ち着きません』」

霞「かといって秋月の部屋の家具のレベルを落とすとイジメみたいになるし」

提督「次! 『扶桑姉様を呉から呼び寄せるか、扶桑姉様を招聘するか、扶桑姉様を着任させてください』」

霞「扶桑は呉のエースなんだから呼べるわけないでしょ……」

提督「改二になっても山城は相変わらずか」

427: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/14(日) 22:19:59.93 ID:OCVghzOH0
 
提督「次……うわぁ……っ」

霞「どうしたの? また鬼怒が鬼怒のポーズのイラストだけで何かを伝えようと……」
 
 
 
『夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい
 夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい
 夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい
 夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい
 夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい
 夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい
 夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい
 夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい
 夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい
 夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい
 夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい
 夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい
 夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい
 夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい
 夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい
 夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい
 夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい
 夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい夜戦したい』

428: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/14(日) 22:20:37.77 ID:OCVghzOH0
 
霞「」ドンビキ

提督「川内……夜戦欠乏症にかかって……」

霞「ちょっと、これヤバくない? 改二になってから酷くなってない?」

提督「オイ、改二ってなんかヤバいんじゃないのか。戦闘能力と引き替えに精神が不安定になるとか……」

提督「! こうしちゃいられねぇぞ。那珂ちゃんがこんなことになるくらいなら改二なんてやめだ」

霞「あんたも落ち着きなさい。最近出撃もないし、川内がこうなるのは予想の範疇だけれど」

提督「予想できてたのかコレを」

霞「……川内の場合、単に戦いたいだけって感じじゃなさそうなのが厄介なのよ」

429: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/14(日) 22:21:43.44 ID:OCVghzOH0
 
提督「……」

霞「ねえ司令官、たまには川内と遊んであげたら? 川内にとってもいい気晴らしになるんじゃない?」

提督「俺はあのアホと違って忙しいんだ。夜中に遊んでられねぇよ」

霞「話をするだけでもいいわ。良い機会よ。多分、あんたも知っておくべきことなのよ」

提督「何を」

霞「なんで川内が夜戦が好きなのか」

提督「そんなのは……」

霞「たまには付き合ってあげなさいよ。そうでなくても、司令官はあんまり艦隊の皆と触れ合わないじゃない」

霞「大丈夫よ、厨房の仕事は私がやっておいてあげるから」

提督「……はぁ、わかった。考えとく」

436: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 10:14:24.26 ID:YaEFpkP/0
 
――――――――――
艦娘宿舎・川内型の部屋
 
 
川内「ああ~……ああ゛~」ゴロゴロ

川内「夜戦したいなぁ。今すっごく夜戦したいなぁ」ジタバタ

川内「誰でもいいから夜戦しよー、やーせーんー」ゴロゴロ

神通「姉さん……前にもまして夜戦したがりですね」ペラッ

川内「だってさだってさ、改二になってから身体がウズウズしちゃってしょうがないんだもん」

川内「最近は出撃も演習もないし……もー退屈だよー!」

437: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 10:15:10.86 ID:YaEFpkP/0
 
神通「そういえば、那珂ちゃんはどこに? あの子に模擬戦の相手を頼めば……」

川内「わかんない。なんだか最近どこかに出かけるようになっちゃったしさ」

川内「聞いても『アイドルには秘密がつきものなの☆』って言って教えてくれないもん」

神通「そうなんですか……那珂ちゃん、最近またアイドルの話をするようになりましたね」

川内「そうだねー。提督にその辺イジられてやめちゃったのかと思ってたけど」

川内「部屋の隅に立たせてジュークボックス代わりにBGM歌わせるとか端的に言ってイジメだし」

川内「その上よくわかんないのが、那珂の歌をひとしきり聞いたら満足げな顔で家具コイン渡したりねー」

神通「……あの主計科の考えることは私には理解できません」

438: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 10:16:01.36 ID:YaEFpkP/0
 
川内「模擬戦……模擬戦かぁ。じゃあ神通、模擬戦の相手してよ」

神通「ごめんなさい、明日も朝早いから……」

川内「だよねぇ。神通、最近厨房で働いてるんだもんね」

神通「主計科の許可なしには出撃も演習もできないし、そもそも艤装の改修が済んでいなくて……」

川内「いつまでかかるんだろうねぇ。待ち遠しいよねぇ」

川内「あー、夜戦したいなぁ。やーせーんー、やーせーんー」パタパタ

439: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 10:16:33.69 ID:YaEFpkP/0
 
コンコン
 
 
川内「? はーい、開いてるよー」
 
 
ガチャッ
 
 
提督「夜戦夜戦うるせぇぞ夜戦バカ。ないしただのバカ」

川内「あれ、提督? 珍しいね、宿舎に来るなんて」

神通「……」

440: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 10:17:17.14 ID:YaEFpkP/0
 
提督「まあ、色々な。まず聞くが、あの気持ち悪い陳情書はなんなんだオイ」

川内「私の溢れ出る夜戦へのパッションをちょっとね」キリッ

提督「ちょっと? あれでちょっとか?」

川内「だって夜戦したいんだもん! なんで出撃しないの?」

提督「俺達が出ていくような作戦が発動していないからだ」

川内「えー、何それ」

441: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 10:18:10.80 ID:YaEFpkP/0
 
提督「俺達が余所の艦隊の支援任務を専門にやる遊撃隊だってのは知ってるだろ」

提督「南方海域攻略作戦の際は、舞鶴艦隊の前衛としてサーモン沖海域の威力偵察」

提督「この間の第二次渾作戦では、佐世保艦隊の行動を遅らせないための敵新型駆逐艦の無力化を行った」

提督「主力艦隊を側面から支援する遊撃部隊。それがウチの艦隊ってわけだ」

川内「それはわかってるよ。みんな結構練度も高いし、何気に精鋭部隊だよね」

提督「大和や武蔵、赤城や加賀は大本営直属の艦だしな」

提督「むしろ、こういう自由に動かせる精鋭部隊を置いとかないと立ちいかないのが海軍の現状でもある」

442: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 10:18:43.74 ID:YaEFpkP/0
 
提督「深海棲艦との戦いはいつでも満を持して行われるわけじゃなく、むしろ戦いながら作戦を立ててる有様」

提督「大本営の奴らが拙速に立てた作戦の穴を埋める、俺達のような存在は必要不可欠になる」

提督「……問題は、作戦の穴に合わせてウチの艦隊が編成されたんじゃなく」

提督「俺達の方で作戦の穴に合わせにゃならんってことだがな……」

川内「でも、その分バリバリ夜戦ができるじゃん! 私は大歓迎だな」

提督「お前みたいなバカにこんな話をした俺が間違っていたな、うん」

川内「あー、またバカって言った! 提督こそ料理バカのくせにー!」

443: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 10:19:50.53 ID:YaEFpkP/0
 
提督「とにかく、今は俺達が動かなきゃならんような作戦はないわけだ」

川内「ちぇーっ、せっかく改二になれたのに」

提督「そこで、だ」

川内「?」

提督「川内、これからちょっと付き合え」

川内「なに? 夜戦!?」

提督「なわけあるか。まあ夜遊びってやつだ。気晴らしにはなるだろうと思ってよ」

444: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 10:20:51.23 ID:YaEFpkP/0
 
川内「……へー、提督がねー」

提督「なんだその目は。俺がお前を遊びに誘ったら悪いのかよ」

川内「料理バカの提督のことだし、早朝の魚市場とかに連れてかれるんじゃないかなって」

提督「連れて行ってもいいが、意味がないとわかりきってることはしたくねぇな」

提督「……とまあ、そういうわけだ。お前の姉を借りてくぞ川内型二番艦」

神通「……姉さんをいかがわしい場所に連れて行くというのであれば、許すことはできませんが」ジロッ

提督「別にお前の許しを得るつもりもねーけどな。明日も遅刻するなよ」

提督「そうだ、明日の朝は俺の代わりに霞が入るからな。あいつの指示を聞いてりゃ問題はない」

446: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 10:22:23.43 ID:YaEFpkP/0
 
川内「大丈夫大丈夫、提督にやらしーことされそうになっても……ボン! だから」

提督「オイ、今何が破裂した? 何が爆発する音だ今の……ほら行くぞ」

川内「了解! じゃあ神通、行ってくるね! おやすみー!」

神通「……仕方ありませんね。姉さん、おやすみなさい」
 
 
バタン
 
 
提督「さて、どこに行こうかね……」

川内「えー、決めてないの?」

提督「まあな。まずは適当にフラフラしながら決めようぜ」

447: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 10:23:32.93 ID:YaEFpkP/0
僕からは以上

提督と川内の行き先 >>+2 

449: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/15(月) 10:34:24.53 ID:2fokD0cAO
ストリートライブ

455: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 21:27:24.30 ID:fSrrNgoL0
 
――――――――――
街・駅前広場
 
 
ガヤガヤ


川内「うわー、人が多いね」

提督「この辺じゃ一番賑わってる地区だからな。こっちに来たことないのか」

川内「ううん、私や神通はあんまり鎮守府の外には出ないし」

提督「もったいねぇな。世の中、美味いもんや楽しい遊びは掃いて捨ててもまだ余るくらいあるんだぞ」

川内「ホントー? 美味しいものだったら提督の料理で間に合ってるんだけどな」

提督「俺や間宮以外にも、腕のいい料理人はたくさんいるんだよ。当然だろ」

456: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 21:28:48.96 ID:fSrrNgoL0
 
川内「……でも、いいなぁ」

提督「何がだ」

川内「キラキラしてるなって思って。あの看板の電飾とか、街路樹の飾り付けとか」

川内「あっ、あっちにすごくでっかいのがある! 何あれ!?」キラキラ

提督「そろそろクリスマスだしな。街のあちこちでああいうイルミネーションが飾られてる時期だ」

川内「クリスマス……去年もやったよね。那珂がサンタの格好してた」

提督「実はあの衣装は俺のチョイスなんだ。那珂ちゃんも改二になったし、新しいのを用意しないとな」

川内「えー? 提督が選んだら那珂、イヤなんじゃないかなー」

提督「バカ言え。俺くらい那珂ちゃんの魅力について考えてる人間はいない」

川内(当の那珂には『死ねばいいのに』って思われてるけどね)

457: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 21:30:28.56 ID:fSrrNgoL0
 
~~♪
 
 
川内「? なんだろ、あっちで何かやってるよ」

提督「ストリートパフォーマンスだな。ここの広場だけ、市が許可申請なしのパフォーマンスを認めてるんだ」

川内「パフォーマンスって何やってるの?」

提督「歌とかマジックとか大道芸とか、日によって色々だな」

川内「テレビでやってるようなやつ!?」

提督「そこまですごいのはないと思うぞ」

川内「提督、見てこうよ!」キラキラ

提督「そうだな。まあ、暇つぶしにはなりそうだし」

458: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 21:34:43.97 ID:fSrrNgoL0
 
提督(……こうして見ると、この夜戦バカもそこらへんのガキと変わらねぇな)

提督(あまり鎮守府から出ないっつうし、遊び方なんか知らないだけなんだな、多分)

提督(こうやって連れ出してみれば無邪気に喜んでるんだから可愛いもんだ)

提督(霞の奴も考え過ぎだ。これで夜戦夜戦うるさいのが治ればいいんだが……)


コイノ 2-4-11ー♪


川内「誰か歌ってるみたい。ストリートライブってやつだね!」

提督「でも何人も立ち止まってないな……まあここの客は目も耳も肥えてるから仕方ないだろうが」

459: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 21:35:54.38 ID:fSrrNgoL0
 
「ハートが高鳴るーのー♪」


川内「歌いながらダンスもやってる。上手いなぁ」


「入渠しても治まらなーい♪ どおーしーたーらーいいーのー♪」


提督「ん、もうちょっと近くに行ってみようぜ。素人にしちゃレベルが高いな」


「恋の2-4-11ー♪ もうごまーかーさーなーいー♪」

460: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 21:36:26.06 ID:fSrrNgoL0
 
川内「すいません、通ります……よいしょっ」


「しずーかーにー♪ でも大胆にー♪」


提督「さて、どんな奴がやってんのかな……っと」




那珂「アナタのココロに出撃しちゃうから~♪ ……きゃはっ☆」キメッ

461: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 21:36:59.26 ID:fSrrNgoL0
 
提督「……」

川内「……」

那珂「……」
 
 
 


「「「……え?」」」

462: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 21:37:30.44 ID:fSrrNgoL0
 
――――――――――
 
 
川内「まさか那珂がストリートライブやってるなんて、びっくりしたなぁ」

提督「最近外出許可申請が多いと思ってたが、こういうことだったんだな」

那珂「え、えへへ……バレちゃったね」

川内「でも那珂、歌もダンスもすごく上手かったよ。いつの間に練習してたのさ」

那珂「最近本格的に練習始めたの。歌とかダンスの教本を買って、早朝とか訓練の後とかに時間を作って」

提督「流石は那珂ちゃんだな! 鎮守府の奴らにも見せてやれよ。なんなら今度セッティングして……」

那珂「い、いいの! まだみんなに見せるのは恥ずかし……じゃなくて」

463: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 21:38:26.07 ID:fSrrNgoL0
 
那珂「那珂ちゃんはもう艦隊のアイドルだから、今度はステップアップしてこの街のアイドルを目指すの!」

那珂「本格的にアイドルを目指すのは戦争が終わってからになるだろうけど……」

那珂「今はこうして、一人でも多くの人に那珂ちゃんのことを覚えてもらおうと思って」

提督「那珂ちゃん……」

川内(……覚えてもらう、か)

提督「……それが那珂ちゃんの選んだ道なら、俺は応援するぜ」

提督「ま、もちろん深海棲艦が出たら出撃してもらわにゃならんけどよ」

川内「そういえば提督、なんで私を第一艦隊に編入してくれないの。那珂は入れるのに」

提督「当たり前だろ。一番頼りになる連中を選りすぐったらああなったんだよ」

川内「えー! ズルイよ、私も夜戦したいのにー!」プンスコ

464: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 21:39:24.43 ID:fSrrNgoL0
 
那珂「ところで提督、那珂ちゃんお願いがあるんですけどぉ」チラッチラッ

提督「なんだ那珂ちゃん」

那珂「これからもこの広場に歌いに来るつもりなんだけどぉ……その時は外出許可よろしくね☆」パチーン

提督「俺が許可を出さないわけないだろ。頑張れよ、那珂ちゃん」

那珂「ありがとー♪ 那珂ちゃん提督のことちょっとだけ好きになっちゃったかも」

提督「おぅ……いいぞ那珂ちゃん、今のアイドルらしかったぞ」

川内「……提督、那珂のこと好きだねぇ」

提督「まあな。何しろ那珂ちゃんのファン第1号を自負してる」キリッ

川内「ふふふ、本当にそう思う? 実は違うんだなぁ~」ヌフフ

提督「なにぃ? 俺がファン1号じゃなきゃ誰が1号だってんだ」

465: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 21:40:06.11 ID:fSrrNgoL0
 
川内「そーれーはー……」クイックイッ

提督「……まさか、お前?」

川内「当然。だって那珂の姉だよ? ファン1号と2号は私と神通に決まってるじゃん」

川内「したがって提督はファン第3号ってわけ。残念でした」フフーン

提督「ぐぬぬ……ナンバーが2つも繰り下がったのもそうだが、川内型二番艦の後塵を拝するというのも……」

那珂「那珂ちゃんはぁ、ファンのみんなには仲良くして欲しいかなぁー?」

提督「……仕方ねぇ、ファン3号で妥協してやる。覚えてろよ」

川内「ホント、提督って那珂のことになると途端に気持ち悪くなるよねぇ」

466: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 21:41:03.27 ID:fSrrNgoL0
 
那珂「じゃあ、もう遅いから那珂ちゃんはそろそろ帰るね。川内ちゃんはどうするの?」

川内「んー、まだ提督といるかな。神通によろしくね」

那珂「うん! 川内ちゃん、提督、おやすみなさーい!」
 
 
タッタッタッ……
 
 
提督「……意外だったというか、驚いたな。こんなところで那珂ちゃんに会うなんてよ」

川内「でも良かったの? 提督」

提督「何が?」

川内「私達って一応、海軍の最高機密なんでしょ。それをホイホイ外出させていいのかなって」

467: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 21:43:36.58 ID:fSrrNgoL0
 
提督「まあ……一応、二人以上で外出するように言っておくつもりではあるけどよ」

川内「……ホント、提督って那珂に甘いよねぇ」

提督「うるせぇ、ファン暫定1号」

川内「そろそろ負けを認めたら~? 3号くん」

提督「畜生、なんて時代だ……!」

川内「わっはっは! 当然の結果だね3号くん。いいのいいの、そんなに褒めなくても……」

提督「褒めるつもりはこれっぽっちもねぇ。調子に乗んな」

468: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 21:45:30.07 ID:fSrrNgoL0
 
――――――――――
数時間後・公園
 
 
川内「……っはぁ、色んなところ回ったね。ゲーセンとかボウリングとか」

提督「怪しい露天商を冷やかしたり、コンビニの肉まん食べ比べたりな」

川内「イルミネーション、綺麗だったよねぇ。ああいうの毎年やってるの?」

提督「そうだな、毎年手を変え品を変え、だ。ウチの鎮守府でもやってみるか?」

川内「あはは、お偉いさんのウケ悪そう~」ケラケラ

提督「まあ、そんなこんなで……」
 
 
 
提督「……現時刻、午前3時。当然終電は逃した」

川内「違う違う、マルサンマルマルだって」

提督「正直どうでもいい」ハァ

469: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 21:46:20.51 ID:fSrrNgoL0
 
提督「どうすんだオイ。タクシー拾うにしても結構高くつくぞ」

川内「いいじゃん、3時間も待てば始発でしょ?」

提督「寒いんだよ。12月の夜は。お前はどうなんだよ」ブルブル

川内「平気平気。海の上の方がよっぽど寒いくらいだし」

提督「……艦娘に聞いた俺がバカだったな」

川内「ゆっくりしてこうよ。ほら、あっちの自販機でココアでも買ってくれば」

提督「そうするわ」ヨッコイセ

470: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 21:47:03.24 ID:fSrrNgoL0
 
カシュッ
ゴクッ


提督「ふぅ……」

川内「この前テレビで見たんだけど、ココアって身体を温める効果が高いんだって」

提督「だな。お湯や温かいお茶を飲むより身体の芯まで温まって、しかもそれが長く持続する」ゴクッ

提督「ココアにおろしショウガを混ぜたショウガココアなんてのもあるらしいぞ」

川内「ショウガといえば、この間の遠征で持たせてくれたホットジンジャーエール。美味しかったよ」ニッ

提督「おう。香りづけに少量のラム酒を使ってみたんだが……」

川内「うん、ショウガの風味の中に優しい香りが立って……夜だったなぁ、それ飲んだの」

471: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 21:48:24.57 ID:fSrrNgoL0
 
川内「提督……夜はいいよねぇ、夜はさ」

提督「……なあ、川内。ひとつ聞いてもいいか」
 
川内「なに?」

提督「お前、なんでそんなに夜戦が好きなんだ? 正直常軌を逸してるレベルだと思うんだが」

川内「あはは、それ今聞いちゃうー? ……そうだなぁ」

提督「おう」

川内「……提督はさ、自分が『生きてる』って感じる時って、ある?」

提督「美味いもんを食った時だな。誰だろうと、生きてなきゃ何食っても美味いとは言えねぇだろ」

川内「提督らしいねー」

提督「お前はどうなんだ? 質問に質問で返しっぱなしは感心しねぇぞ」

472: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 21:49:17.41 ID:fSrrNgoL0
 
川内「……私はさ、戦ってる時が一番『生きてる』って思えるんだ」

川内「特に夜戦でね。暗くて、自分と相手の息遣いが聞こえそうな静かな海で」

川内「深海棲艦に魚雷を叩きこんで、敵は海に沈んで、私は生き残るんだ」

川内「一歩間違えればその時沈んでるのは私かもしれなかったのに、私が生き残ったんだよ?」

川内「そういうギリギリの、ヒリヒリするような殺し合いの中で」

川内「……なんというかね。みんなの命が光って見えるような気がするんだ」
 
川内「その瞬間、街で見たイルミネーションに負けないくらい、戦うみんなの命はキラキラ光ってる」

川内「暗くて静かで、行きも帰りもわからなくなりそうな海の上で、眩しいくらいキラキラしてるんだ」

川内「昼の明るさの中じゃ、そのキラキラはわからない。だから、私は夜戦が好き」

473: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 21:50:02.71 ID:fSrrNgoL0
 
提督「常人の感覚じゃねぇな。イカレてる」ケッ

川内「提督から見ればそうかもね。でも、艦隊のみんなに聞いたら意外と賛同してくれると思うなぁ」

提督「そんなわけねぇだろ……根拠を言えよ根拠を」

川内「だって、私達艦娘だよ。戦争するために生まれてきたんだよ」

川内「だったら……戦争する以外に、自分の命をキラキラさせる方法なんて思いつかないじゃん」

提督「そんなことはねぇと言い切れるぜ。お前の妹がまさにそれだ」

川内「すごいよねぇ、那珂は。アイドルだってさ……私じゃ思いつきもしないよ」

提督「ああ、そうだ。だから那珂ちゃんはすげぇんだよ」

474: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 21:54:40.40 ID:fSrrNgoL0
 
川内「でもみんながみんなそうじゃないよ。それが一番正しいんだって思ってる子もいる」

川内「例えば満潮とか。あの子、根がすごく真面目だしさぁ」

川内「そういう子だから、不安なんだよ。提督みたいな、戦争を二の次三の次に考える人の下にいると」

提督「あのクソガキがそんなナイーブなもんかよ。仮にも上官を愚図だのノロマだの言いたい放題だぜ」

川内「子供だから、強がってないとダメになっちゃうんじゃないかな」

提督「できれば俺への暴言以外の方法で子供らしさを表現して欲しいけどな」

川内「結局さ……艦娘って、人間なんだよ。どうしようもないくらい、人間に似ちゃったんだ」

475: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 21:57:01.90 ID:fSrrNgoL0
 
提督「……難しく考えすぎだと思うがな」

川内「あはは……そう思う? そうかなぁ……」

提督「ああ。俺に言わせりゃ、戦争しなけりゃ輝けないと思ってるのは、戦争以外しようとしてねぇからだ」

提督「……お前から見て、今日の那珂ちゃんはどう映った?」

川内「どう、って?」

提督「こういう場所でやるのに慣れてねぇせいもあるだろうが、歌もダンスもまだまだ硬さがあったし」

提督「立ち止まる見物人もまばら。贔屓目にも人気を博してるとは言えねぇだろう」

提督「……でも、俺の目には那珂ちゃんが光って見えたぜ」

提督「戦争なんかやらなくったって、那珂ちゃんは輝いてた。キラキラしてたぞ」

476: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 22:00:37.88 ID:fSrrNgoL0
 
川内「……うん。そうだね、那珂はキラキラしてた」

川内「ひょっとしたら本当に街のアイドルになるかもって、ちょっとだけ思っちゃったよ」

提督「な? だから、お前も見つけてみろよ」

提督「殺し合いする以上に、生きてることを実感できる瞬間をよ」

提督「まあ……料理をやってみたいんだったら俺が教えられる。教え方は厳しくするけどな」

川内「……ふふっ、そうだなぁ。試してみる価値はあるかもだね」

477: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 22:05:29.74 ID:fSrrNgoL0
 
提督「……つーか寒いなやっぱ。カラオケか漫画喫茶にでも行くか」

川内「カラオケ? ってアレだよね、歌うやつ。今の時間でも開いてるの?」

提督「多分な。そうだ、お前もなんか歌ってみろよ。那珂ちゃんと声似てるし上手いかも」

川内「えー? どうかなぁ。そういう提督はどうなのさ。すごい音痴だったら面白いんだけど」

提督「バーカ、ナメんな。誰とカラオケ行っても困らない程度には幅広いレパートリーがだな……」
 
 
 
 
 
川内 好感度39→54
霞 好感度99→108(ケッコン可能状態)
那珂 好感度22→25

478: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/15(月) 22:07:54.83 ID:fSrrNgoL0
僕からは以上

安価のストリートライブが美味しいネタだったので那珂ちゃんをサイドキック扱いで好感度アップさせました
提督の中の那珂ちゃんへの過大評価が止まらない


次のイベント安価

メインキャラ >>+3
サイドキック >>+4~>>+5

イベント内容 >>+7

481: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/15(月) 22:09:55.12 ID:hHZBT9ZNo
那珂ちゃん

482: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/15(月) 22:10:38.25 ID:Y2fokD0co
武蔵

483: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/15(月) 22:10:42.81 ID:jFb6MDkyO

484: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/15(月) 22:10:45.17 ID:MqR32g73o
山城

485: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/15(月) 22:10:55.89 ID:2fokD0cAO
山城

508: ◆YB3Fk8ydk/yN 2014/12/16(火) 18:05:56.11 ID:8wYogU0d0
最新好感度ランキング
 01.霞(108) ↑
 02.若葉(95)
 03.阿武隈(92)
 04.加賀(86)
 05.春雨(80)
 06.曙・武蔵(77)
 08.鬼怒・伊58(71)
 10.響(70)
 11.秋月(62)
 12.川内(54)↑
 13.大和(44)
 14.天龍・綾波(40)
 16.卯月(37)
 17.神通・山城(27)
 19.那珂(25)↑
 20.大鳳(23)
 21.初霜(21)
 22.赤城(18)
 23.初春(15)
 24.満潮(13)

霞がケッコン可能状態となりました。
この状態でイベントのメインキャラに選ばれたら二人は幸せなキスをして終了。
川内が『友達』から『気になる』になりました。
那珂ちゃんは依然として提督のことが『苦手』なままです。


せっかくなので新第二・第三艦隊の編成安価
霞・阿武隈・那珂・曙・赤城・春雨・神通を除く17人の中からどうぞ

第二艦隊 >>+1~>>+6
第三艦隊 >>+7~>>+12

509: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/16(火) 18:08:17.10 ID:pwtJCTYhO
山城

510: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/16(火) 18:09:01.19 ID:ZYztD5pqo
鬼怒

511: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/16(火) 18:12:35.89 ID:ZUQD9CXNo
大鳳

513: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/16(火) 18:16:21.47 ID:NCvDVYpxo

514: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/16(火) 18:16:22.91 ID:i6K4F4WzO
飛龍

515: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/16(火) 18:21:29.81 ID:1hltZ9fKO
秋月

516: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/16(火) 18:23:05.61 ID:NPffrbKKo
川内

517: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/16(火) 18:24:05.91 ID:ksgmHgM1O
加賀

518: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/16(火) 18:24:17.26 ID:E3zLPRRtO
若葉

519: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/16(火) 18:26:49.58 ID:noMzfG1nO
明石

520: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/16(火) 18:28:12.90 ID:CWz3asMNO
大和

521: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/16(火) 18:28:14.76 ID:5VAJnu44O
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