1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 19:32:31.55 ID:1MqFcYn50
ルルーシュ「ナナリー、飲み物でもいるか?」

ナナリー「はい。丁度、喉が渇いたなぁって思っていました」

ルルーシュ「それはよかった。用意しよう」

ナナリー「そんな。お兄様」

ルルーシュ「いいから、俺にやらせてくれ」

ナナリー「はい」

シャーリー「ルルってナナちゃんにだけは優しいよね」

ミレイ「妹に嫉妬は恥ずかしいわよ?」

シャーリー「そんなんじゃありません!」

リヴァル「仲のいい兄妹じゃないか」

カレン「そうね……羨ましい……お兄ちゃん……」

スザク「……」

2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 19:36:16.35 ID:1MqFcYn50
ルルーシュ「ん?……すいません。用事ができたのでこれで」

シャーリー「えー?サボりー?」

ルルーシュ「違う。急用だ」

ミレイ「何の用だぁ?」

ルルーシュ「秘密です」

リヴァル「まーただよ」

ルルーシュ「あとは任せる。それじゃあな、ナナリー?」

ナナリー「いってらっしゃい、お兄様」

カレン「どこに行ってるんだろう」

シャーリー「さぁ?どーせ、いけない場所でしょ」

ミレイ「もしかしてxxxなところ?」

ニーナ「xxx……」

スザク「僕は違うと思う」

リヴァル「何が?」

スザク「ルルーシュは優しさを履き違えている」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 19:42:33.45 ID:1MqFcYn50
ミレイ「突然どうしたの?」

スザク「ルルーシュはナナリーに優しい……。本当にそう思えますか?」

ミレイ「どう見ても優しいわよね?」

シャーリー「ナナちゃんのために炊事洗濯掃除までこなしてるんでしょ?」

リヴァル「主夫だよなぁ、ルルーシュって」

カレン「嫁に欲しいわね」

ニーナ「嫁って……」

スザク「でも、考えてみて欲しい。ナナリーがもし何不自由のない生活ができていれば……ルルーシュは今と同じように接するだろうか」

ミレイ「それは無いんじゃないかな?ナナリーだってそこまで付き纏われるのは嫌でしょ?」

ナナリー「え?いえ、別に……」

スザク「今のルルーシュは腫れ物を扱うようにナナリーに接しているだけじゃないか」

ナナリー「……」

シャーリー「カレン……」

カレン「なに?」

シャーリー「スザクくん、どれだけ失礼なこと言っているか分かってないみたいだし……。注意してあげて」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 19:48:04.28 ID:1MqFcYn50
リヴァル「スザク、何が言いたいんだよ?」

スザク「ナナリー?」

ナナリー「何でしょうか?」

スザク「ルルーシュに怒られたことってあるかい?」

ナナリー「怒られたことですか?何度もあります」

スザク「何時頃の話?」

ナナリー「えっと……」

スザク「僕と出会う前かな?」

ナナリー「そ、そうです。よく走り回ってお兄様にご迷惑をかけていたので」

スザク「今の状態になってからは?」

ナナリー「……ありません」

スザク「やっぱりか」

カレン「どういうこと?」

スザク「本当に相手のことを想っているなら、叱るはずなんだ。どんなに愛していても、大切に想っていても」

ナナリー「叱る……」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 19:54:22.52 ID:1MqFcYn50
シャーリー「そうかなぁ……。叱られるより優しくされたいけど」

ミレイ「私も。叱られるとヘコんじゃうし」

ニーナ「ミレイちゃんが?」

ミレイ「誰だって落ち込むでしょ?」

ニーナ「ミレイちゃんが?」

ミレイ「……」

カレン「でも、まぁ、スザクくんの言っていることは間違っていないと思うわ」

リヴァル「カレンも叱られたいって思うのか?」

カレン「ええ。好きな相手や尊敬している人からは叱責を受けたいわね」

シャーリー「どうして?マゾ?」

カレン「違うって。貶されることと怒られることは違うってこと」

スザク「そう。本当に大事な人だからこそ怒るんだ。関心の無い人に怒る人なんていないからね」

シャーリー「でもでも、いきなり怒鳴る人っているじゃない?電車とかで」

スザク「それは怒鳴った人が短気なだけだよ。そこに愛情なんてないから」

カレン「怒鳴られても大切にされているかどうかって不思議と分かるのよね……」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 20:01:23.43 ID:1MqFcYn50
ナナリー「ですが、お兄様は私のことを愛しているといつも耳元で囁いてくれますよ?」

スザク「違うんだよ、ナナリー」

ナナリー「どうしてですか?スザクさん、お兄様の言葉が嘘だと言う事ですか?」

スザク「確かにそうした言葉を並べるのも良い事だと思う。だけど、全てを優しい台詞だけで収めてしまうのはいけないと思う」

ナナリー「それは……」

ミレイ「そうよねぇ……。叱って欲しいときってあるかも……」

シャーリー「よくわかりません」

カレン「例えば帰宅が夜遅くなったとするでしょ?」

シャーリー「え?うん」

カレン「それで何も言われないのと怒られるの、どっちがいいって話よ」

シャーリー「怒られるのも嫌だけど、何も言われないのは……寂しいかなぁ……」

カレン「でしょ?」

シャーリー「カレンもそういう経験あるの?」

カレン「うん。あるよ」

シャーリー「どんなの?」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 20:08:20.07 ID:1MqFcYn50
ゼロ『カレン!!なんだこの報告書は!!!』

カレン『え?な、なにかまずかったですか?!』

ゼロ『状況がわかりにくい!!もっと完結に書けないのか!?』

カレン『す、すいません……』

ゼロ『全く……』

カレン『ゼロ……あの……』オロオロ

ゼロ『お前には期待しているのだからしっかりやってもらわないと困る……』

カレン『ゼロぉ……!!』


カレン「……えへへ……」

シャーリー「カレン?」

ナナリー「では、怒られない私は……お兄様に愛情を貰っていないということですか?」

スザク「本当の愛情ではないかな。残念だけど」

ナナリー「そんな……そんなこと……」

スザク「ルルーシュのは……ただの同情でしかないはずだ……」

ナナリー「……!!」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 20:14:46.72 ID:1MqFcYn50
ナナリー「お兄様の優しさが……同情……」

ミレイ「スザクくん、流石にそれは……」

スザク「ないと言い切れますか?」

ミレイ「……」

スザク「ナナリーが元気なときは叱っていたのに、今ではそういうことを一切しない。それはやはりナナリーに対して間違った優しさで接しているが故なんだ」

ナナリー「お兄様が……!!」

シャーリー「でも、怒れないよね?」

リヴァル「普通はなぁ……」

スザク「僕はナナリーを怒ることができるよ。大切な存在だから」

カレン「そうなの?」

ニーナ「私もユーフェミア様に叱られたい……鞭とかで……」

ミレイ「ナナリーが良い子だから怒る機会がないだけかもしれないじゃない?」

スザク「それなら問題はないですけど……」

カレン「今日もあたしを叱ってくれないかなぁ……」

ナナリー「お兄様……」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 20:20:18.19 ID:1MqFcYn50
カレン「あ……。ちょっとゴメン」

シャーリー「電話?」

カレン「うん。―――もしもし、カレンです」

ミレイ「ナナリーが悪いことするわけないし、ルルーシュだって叱りたいって思ってるぐらいかもね」

シャーリー「あ、それはありそうですね」

ナナリー「お兄様が私を叱りたいと?」

ミレイ「本当はお尻ペンペンしたいんじゃない?」

ナナリー「お、お尻……?!」

シャーリー「もう!会長!!ナナちゃんに変なこと言わないでくださいよ!!」

ミレイ「えー?でもー、あり得ない話でもないし」

ナナリー「……」


ルルーシュ『ナナリー……悪い子だな……。お仕置きだ!!!ほら!!お尻を向けろ!!!反省するまで叩いてやる!!!』ペシッペシッ!!!

ナナリー『あんっあんっ!お兄様!!ごめんなさいっ!!あんっ!!』


ナナリー「……私、叱られてみたいです」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 20:24:53.88 ID:1MqFcYn50
カレン「はい……わかりました……。すぐに……」

スザク「ナナリー?」

ナナリー「怒られることが愛情を確かめる術となるなら、私は是非とも叱られてみたいです」

ミレイ「でも、無理に叱られることは……」

ナナリー「いけないことですか?」

シャーリー「難しいんじゃないかなぁ……。ルルがナナちゃんを叱るなんて想像できないし……」

リヴァル「だよなぁ」

カレン「ごめんなさい。あたし、そろそろ……」

ミレイ「あ、そうなの?うん、それじゃあ、また明日ね」

カレン「はい」

シャーリー「カレン、なんだか嬉しそう……」

リヴァル「男か?」

シャーリー「まさか」

ナナリー「あの……どうしたらお兄様は私のことを叱ってくれるでしょうか?」

スザク「そうだな……」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 20:29:44.76 ID:1MqFcYn50


ナナリー「……」

咲世子「ナナリー様、そろそろご就寝のお時間ですが」

ナナリー「寝ません」

咲世子「しかし、お体に障りますし」

ナナリー「今日はお兄様が帰ってくるまで寝ないって決めたんです。ごめんなさい」

咲世子「どうして……」

ナナリー「……」

咲世子「わかりました。では、私もお付き合いいたします」

ナナリー「咲世子さんは部屋に戻っていただいても……」

咲世子「いえ。ナナリー様を独り残して自室には戻れませんから」

ナナリー「咲世子さん……ありがとうございます……」

咲世子「ですが、これっきりにしてくださいね」

ナナリー「私を叱っているんですか?」

咲世子「い、いえ!!滅相もありません!!」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 20:33:33.38 ID:1MqFcYn50
ナナリー「そうですか……」

咲世子「ナナリー様?」

ナナリー「とにかく、お兄様を待ちます」

咲世子「では、コーヒーでも淹れましょうか?」

ナナリー「咲世子さん……」

咲世子「ルルーシュ様がお帰りになるまでに寝てしまっては事ですから」

ナナリー「はいっ!お願いします!」

咲世子「それでは今しばらくお待ちください」

ナナリー「ありがとうございます」

咲世子「……」スタスタ

ナナリー「……」

ナナリー「…………」

ナナリー「………………はっ!?」

ナナリー「いけない……意識が……」

ナナリー「がんばらないと……がんばって夜更かししてお兄様に叱られなければ……」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 20:37:31.81 ID:1MqFcYn50
スザク『定番だけど夜更かししてみるといいんじゃないかな?』

ナナリー(スザクさんの言うことにきっと間違いはありません。夜更かしをすればお兄様は私に……)

ルルーシュ『ナナリー……こんな時間まで起きていていいとでも思っていたのか!!!』

ナナリー『お、お兄様……ご、ごめ……』

ルルーシュ『言い訳するな!!お尻を向けろ!!!』

ナナリー『いやぁぁ!!』

ルルーシュ『このっ!!悪魔の子め!!!』ペシッペシッ!!!

ナナリー『いたい!!いたいですっ!!おにいさまぁ!!!』

ナナリー「ふふ……」

ナナリー「お兄様……いけない妹を……是非とも……」

ナナリー「ふふ……」

咲世子「―――ナナリー様、コーヒーをお持ちしました」

ナナリー「……」

咲世子「ナナリー様?」

ナナリー「すぅ……すぅ……」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 20:42:29.50 ID:1MqFcYn50
ルルーシュ「……」

咲世子「お帰りなさいませ」

ルルーシュ「咲世子さん、どうしてこんな時間まで?」

咲世子「ナナリー様が寝付けなかったようでしたので」

ルルーシュ「そうですか。ありがとうございます」

咲世子「いえ。それではおやすみなさい」

ルルーシュ「はい」

C.C.「……おかえり。待っていたぞ」

ルルーシュ「適当なことをいうな」

C.C.「恋しかったのは本当だが?」

ルルーシュ「黙れ魔女」

C.C.「つれないなぁ……。こんなに可愛い天使が起きて主の帰りを甲斐甲斐しく待っていたというのに」

ルルーシュ「じゃあその大量のピザの空き箱はなんだ!!!」

C.C.「なんだ、一緒に食べたかったのか?なら、そういえばいいのに」

ルルーシュ「そんなわけあるか!!!こっちは疲れているんだ!!余計な体力を使わせるな!!!」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 20:46:54.40 ID:1MqFcYn50
ルルーシュ「健気に待つなら先に飯を食うな……」

C.C.「やっぱり一緒に食べたかったんだな、お前」

ルルーシュ「うるさい!!」

C.C.「何をカリカリしている?いつものことだが」

ルルーシュ「……向こうで色々あったんだよ」

C.C.「玉城が何かやらかしたか?」

ルルーシュ「カレンだ」

C.C.「珍しいな。お前の前では優等生のあいつが?」

ルルーシュ「最近、細かなミスが目立つ。戦場では申し分ないのだが……」

C.C.「わざとじゃないのか?」

ルルーシュ「わざと?メリットがない」

C.C.「お前に怒られたんだろ」

ルルーシュ「どこの世界にそんな馬鹿がいる。顔を拝んでみたいものだな」

C.C.「お前は本当にそういうことには鈍いな」

ルルーシュ「さて、ナナリーの寝顔でも見て癒されくるか」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 20:47:51.33 ID:1MqFcYn50

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 21:11:52.99 ID:1MqFcYn50
翌日

ミレイ「ナナリー、やっほー」

ナナリー「どうも」

シャーリー「どうだった、怒られた?」

ナナリー「駄目でした……」

リヴァル「やっぱ、ルルーシュがナナリーを怒るわけなかったか」

スザク「夜更かしじゃ効果はなかったか」

シャーリー「一回夜更かししただけじゃあねえ」

ニーナ「じゃあ、今晩もやってみたらどうかな?」

ナナリー「は、はい……」

スザク「二日連続ならきっとルルーシュも怒り狂うと思う」

ミレイ「二日連続は不良だものね」

ナナリー「不良ですか……」

カレン「昨日はすごく怒られた……今日も……」

シャーリー「そういえばさっきからカレンがずっとにやにやしてる。何か良い事でもあったのかな?」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 21:17:03.00 ID:1MqFcYn50


ナナリー「……」

咲世子「ナナリー様……今日もですか?」

ナナリー「昨日はできませんでしたので」

咲世子「ですが……」

ナナリー「お願いします!どうしても夜更かししてお兄様に……!!」

咲世子「余程、ルルーシュ様とお話がしたいのですね」

ナナリー「はい」

咲世子「分かりました。では、不肖篠崎咲世子。微力ながらナナリー様に片肌脱ぎます!!」

ナナリー「咲世子さん!!ありがとうございます!!」

咲世子「では、眠らないようにしないといけませんね」

ナナリー「どうしたらいいでしょうか?」

咲世子「まずはコーヒーを飲みましょうか」

ナナリー「わかりました」

咲世子「ご用意いたします」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 21:22:07.58 ID:1MqFcYn50
ナナリー「んっ……」ゴクッ

咲世子「どうですか?」

ナナリー「にがいです……」

咲世子「ブラックですからね」

ナナリー「でも、これで寝ないで済みますね」

咲世子「ええ。では、ルルーシュ様がおかえりになるまで私と―――」

ナナリー「……」

咲世子「ナナリー様?」

ナナリー「おにいさまぁ……だめです……あ……」

咲世子「ナナリー様!!」

ナナリー「え?!」

咲世子「大丈夫ですか?」

ナナリー「ごめんなさい……少し意識が……」

咲世子「やはりナナリー様に夜更かしは無理なのではないでしょうか?」

ナナリー「そんな……!!がんばりますから!!咲世子さん!!私は必ず夜更かししてお兄様に!!」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 21:26:05.60 ID:1MqFcYn50
ルルーシュ「咲世子さん、今日もですか?」

咲世子「ええ……」

ルルーシュ「ナナリー……」

咲世子「ですが、もうお休みになられましたので」

ルルーシュ「そうですか」

咲世子「あの……」

ルルーシュ「はい?」

咲世子「ナナリー様はどうしてもルルーシュ様にお話したいことがあるようです」

ルルーシュ「俺に?」

咲世子「実は昨日と今日、ルルーシュ様にお会いすために夜更かしをすると意気込んで……」

ルルーシュ「そうだったのか……」

咲世子「ルルーシュ様。ご無理を承知で申し上げます……」

ルルーシュ「分かっていますよ。明日は早く帰ってきます」

咲世子「ありがとうございます」

ルルーシュ「ナナリー……一体、俺に何を……?」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 21:30:43.23 ID:1MqFcYn50
翌日

スザク「駄目だったのか?」

ナナリー「は、はい……」

ミレイ「二日連続でも駄目なんて……」

リヴァル「じゃあ、これはもう三日目突入だな」

ミレイ「流石に三日連続なんて……」

ニーナ「ミレイちゃん?」

ミレイ「私がルルーシュならビンタよ、ビンタ」

シャーリー「そこまでですか?!」

スザク「これはやりかたを変えるしかないかもしれないね」

ナナリー「やりかた……ですか?」

スザク「夜更かしが駄目なら……」

ナナリー「……」

シャーリー「どうするの?」

スザク「あまり望ましいことじゃないけど、ナナリーがルルーシュの愛を感じたいっていうなら仕方ない」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 21:35:37.10 ID:1MqFcYn50
黒の騎士団アジト

ゼロ「何度言えばわかるんだ!!!」

カレン「ご、ごめんなさい」

ゼロ「この報告書は……!!」

カレン「ひっ」ビクッ

藤堂「ゼロ、その辺でいいではないか」

ゼロ「藤堂!!しかし!!」

藤堂「紅月は戦場で評価してやるべきではないか?」

ゼロ「そんなもの評価しているに決まっているだろう!!だからこそ怒っている!!!」

カレン「ゼロぉ……」

ゼロ「何をにやけている!!私は怒っているのだぞ!!!カレン!!!」

カレン「……ごめんなさい……」

ゼロ「全く……。ん?もうこんな時間か。私は失礼する」

藤堂「どこに行く?」

ゼロ「私用だ」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 21:39:01.23 ID:1MqFcYn50


ナナリー「……」

咲世子「そろそろお帰りになるとご連絡がありました」

ナナリー「そうですか」

咲世子「ナナリー様?」

ナナリー「咲世子さん。マグカップを持ってきてもらえますか?」

咲世子「何をされるのですか?」

ナナリー「お願いします」

咲世子「……わかりました」

ナナリー「ふぅー……」

咲世子「お持ちしました」

ナナリー「えっと……」

咲世子「ここに」

ナナリー「ありがとうございます」ギュッ

咲世子「ナナリー様……何を……?」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 21:42:06.52 ID:1MqFcYn50
ルルーシュ「ただいま」

咲世子「ルルーシュ様」

ナナリー「お兄様」

ルルーシュ「ナナリー……」

ナナリー「……てい」ポロッ

ガシャン!!

咲世子「ナナリー様!!」

ルルーシュ「ナナリー!!大丈夫か!!!」

ナナリー「……」

ルルーシュ「破片が足に刺さっていたりしないか?!」

咲世子「すぐに掃除を!!」

ルルーシュ「ナナリー。怪我はないか?」

ナナリー「わ、私はマグカップを落とし、割ってしまいました……」

ルルーシュ「そうだな」

ナナリー「……」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 21:46:26.50 ID:1MqFcYn50
咲世子「細かい破片もあるかもしれませんから、気をつけてください」

ルルーシュ「ここはお願いしてもいいですか?」

咲世子「はい。お任せください」

ナナリー「お兄様……」

ルルーシュ「怪我がないようで良かった。……ナナリー、俺に話があるそうだな」

ナナリー「え……」

ルルーシュ「部屋で聞くよ。行こうか」

ナナリー「お兄様」

ルルーシュ「どうした?」

ナナリー「わ、私はマグカップを割ってしまったのですよ?」

ルルーシュ「ああ」

ナナリー「お、怒らないのですか……?」

ルルーシュ「俺もティーカップをいくつも割った経験がある。ナナリーを怒る資格はない」

ナナリー「そんな……」

咲世子「ナナリー様……」

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 21:51:53.41 ID:1MqFcYn50
ルルーシュ「それで俺に話したいことってなんだ?」

ナナリー「……」

ルルーシュ「ナナリー?」

ナナリー「お兄様は私のことを愛していますよね?」

ルルーシュ「当然だろ?何を言っているんだ?」

ナナリー「……ですが、私は不安です。お兄様」

ルルーシュ「俺の言葉が信じられないというのか?」

ナナリー「そ、そんなことは……」

ルルーシュ「俺はナナリーのことを世界で一番愛している」

ナナリー「お兄様……」

ルルーシュ「たとえ世界を敵に回しても俺はナナリーを愛し続ける」

ナナリー「では……あの……」

ルルーシュ「ん?」

ナナリー「私が悪いことをしたら……きちんと怒ってくれますか?」

ルルーシュ「勿論だ。ナナリーが道を誤りそうになれば、叩いてでも正す」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 21:57:36.83 ID:1MqFcYn50
ナナリー「た、叩いてでも……!!」

ルルーシュ「ああ。覚悟しておけ。ナナリーだからってそのときは容赦しないからな」

ナナリー「……っ」


ルルーシュ『フハハハハハ!!!!ナナリィィ!!!!貴様はもう人間ではない!!!家畜だ!!!』

ナナリー『お、お兄様……いや……やめてください……』

ルルーシュ『知っているか?馬はな……鞭でお尻を叩くと言う事を聞くんだよ!!!!ナナリィィ!!!!』パシン!!!

ナナリー『あんっ!!』

ルルーシュ『言うことを聞かない妹はこうだ!!!こうだ!!!』パシンッパシン!!!!

ナナリー『おにいさまぁ!!あんっ!!ひゃんっ!!』


ナナリー「……」

ルルーシュ「ナナリー?紅潮しているようだが、熱でもあるのか?」

ナナリー「い、いえ……。大丈夫です」

ルルーシュ「ナナリー。最近、俺の帰りが遅いから不安になったんだな。安心しろ。俺は変わらない」

ナナリー「お兄様ぁ……」

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 22:09:02.86 ID:1MqFcYn50
翌日

スザク「マグカップも駄目だったのかい?」

ナナリー「はい。お兄様は破片で怪我をしていないか心配してくれたほどで」

ミレイ「うそ……。私だったら割ったマグカップに代わるモノを探すために一日中街を引きずりまわすけどなぁ……」

シャーリー「会長と買い物って拷問ですね」

ミレイ「なんですって?」

リヴァル「でも、ここまでだと難しいなぁ。マジでルルーシュってナナリーのこと怒らないんじゃないか?」

ミレイ「うーん……そうねえ……」

シャーリー「無理かも」

ナナリー「そんな!!私は叱られたい!!お兄様に叱られたいです!!」

ニーナ「ナナリー……そこまで……」

ミレイ「これは仲良し兄妹の危機よね。なんとかしないと」

リヴァル「でも、どうするんです?夜更かしも駄目。カップを割っても駄目。あとは……」

スザク「そうだ。なら、ルルーシュが怒るツボを抑えればいいんじゃないかな?」

ミレイ「それいいかもね」

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 22:14:13.86 ID:1MqFcYn50
スザク「早速、電話で聞いてみようか」

ナナリー「そういえば……」

シャーリー「どうしたの?」

ナナリー「最近のお兄様、機嫌が悪いときがあるんです。私の前ではそれを隠していますけど」

ミレイ「外でなにやってるのやら」

シャーリー「どうせ下らない事ですよ」

ミレイ「ルルーシュって自分の思い通りにならないと機嫌悪くなるときあるわよね?」

シャーリー「ああ。ありますね。文化祭のときとは予定がすこーし狂っただけでなんかムスってしてますもん」

リヴァル「狂わせてるのは会長だけどな」

ニーナ「うん」

ミレイ「聞こえてるけど」

ナナリー「お兄様の思惑とは違うことをすればいいのですか……」

シャーリー「予定があって初めて成り立つ作戦だけど、結構効果的かも」

ナナリー「なるほど……」

スザク「もしもし、ルルーシュ?」

81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 22:18:15.92 ID:1MqFcYn50
ルルーシュ『スザクか』

スザク「今、いいかな?」

ルルーシュ『あとにしてくれると助かるな』

スザク「そうなのか?でも、少しぐらいいいじゃないか」

ルルーシュ『悪いが……あとで頼む……』

スザク「ルルーシュ?」

ルルーシュ『今は取り込んでいるんだ』

スザク「何かあったのかい?」

ルルーシュ『いや……』

スザク「でも、凄く機嫌が悪そうだけど……」

ルルーシュ『なんでもないと言っている!!!』

『ひっ』

スザク「……ご、ごめん」

ルルーシュ『また、掛け直す』

スザク「わ、わかったよ。待ってる」

86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 22:24:18.58 ID:1MqFcYn50
ゼロ「全く……」

カレン「あの……今のは……?」

ゼロ「何でもない。それよりもだ……」

カレン「……」

ゼロ「何故、また同じミスをしている?!えぇ?!」

カレン「うっかり……していました……」

ゼロ「君の操縦センスは買っている!!しかし!!組織にいる以上は事務作業もかなしてもらわなければ困る!!」

カレン「はぃ」

ゼロ「君のように兵器を上手く扱える者は貴重だ!!!しかし、こういう書類処理で失敗を重ねられると……!!」

カレン「……すいません」

ゼロ「もういい……」

カレン「え?」

ゼロ「出て行ってくれ!!」バサァッ!

カレン「ひっ……」

ゼロ「……」

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 22:28:34.68 ID:1MqFcYn50
ゼロ「玉城ぃ!!!なんだこの会費というのは!!!」

玉城「それは新人歓迎会で……」

ゼロ「無断で使うな!!これは立派な横領だ!!!馬鹿者!!!」

玉城「わ、わりぃ……」

ゼロ「全く……!!」

扇「ゼロ。どうしたんだ?最近、気が立っているみたいだけど」

ゼロ「……」

扇「ゼロ……?」

ゼロ「黙れ……!!」

扇「……あ、ああ」

藤堂「ゼロよ。何を苛立っている?」

ゼロ「……」

藤堂「千葉の全身マッサージを受けてみるか?癒されるぞ?」

千葉「あれは藤堂さんにだけですけど!!」

ゼロ「……すまない。色々あって気が尖っているようだ。少しだけ休む」

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 22:35:02.62 ID:1MqFcYn50
C.C.「どうしたんだ?」

ゼロ「……」

C.C.「最近、イライラしているな」

ルルーシュ「スザクの件にコーネリアの件……。問題が山積している」

C.C.「それでか」

ルルーシュ「それに……」

C.C.「ナナリーか」

ルルーシュ「俺の思っている以上にナナリーは寂しがっているようだからな」

C.C.「鉄仮面で隠しても妹への情だけは溢れ出るな」

ルルーシュ「早くこの感情もコントロールできるようにならないとな……」

C.C.「できるのかな。●●坊やに」

ルルーシュ「お前の発言が最も俺を苛立たせる」

C.C.「それは悪かったよ。自重する」

ルルーシュ「ふんっ」

C.C.「……」

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 22:43:39.09 ID:1MqFcYn50
リヴァル「結局のところさぁ、俺たちがルルーシュを怒らせることはできてもナナリーが怒らせるのは無理なんじゃないか?」

ミレイ「そうよね……」

スザク「うーん……」

ナナリー「私はこのままお兄様に優しく頭を撫でられるだけの人生なのでしょうか……」

ニーナ「だめなの?」

ナナリー「そんな何もない毎日……楽しくありません……」

シャーリー「え……?」

ナナリー「はぁ……でも、お兄様にご迷惑をかけてまで自分の欲を満たそうとするのはとても……いけないこと……ですよね……」

リヴァル「そうだなぁ。それは駄目だ」

ナナリー「この想いは胸に秘めておいたほうがいいのでしょうか……。お兄様もそんなこと私には望んでいないでしょうし……」

ミレイ「あ!」

シャーリー「会長?」

ミレイ「そうよ。ルルーシュにとってナナリーには絶対にしてほしくないことをしたらいいんじゃない?」

スザク「例えば?」

ミレイ「男の子と付き合うとか」

105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 22:49:30.82 ID:1MqFcYn50
リヴァル「おお!それいいんじゃないですか?!」

ミレイ「でしょ?ルルーシュならきっと怒号と唾を撒き散らしながらナナリーを叱りつけるはず」

シャーリー「そうですか?」

ミレイ「どこの馬の骨とも分からない奴と付き合うとはどういうことだぁぁぁ!!!!!って感じで」

ナナリー「まぁ……♪」

スザク「確かに。ルルーシュならそうなるかもしない」

リヴァル「試してみる価値はあるかもな」

シャーリー「相手役はどうするんですか?」

ミレイ「んー……。最初は彼氏が出来たってことにしておいて、相手を隠す。それで突っ込んできたら……」

シャーリー「間違いなく突っ込んできますよ」

ミレイ「やっぱ、スザクくんが相手役でいいんじゃない?」

スザク「僕ですか?!」

ナナリー「スザクさんと……私が……?」

ミレイ「信憑性あるじゃない?」

ナナリー「……でも、それでお兄様に叱られるなら……なんでもします」

111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 22:55:47.33 ID:1MqFcYn50


ルルーシュ(今日も疲れたな……。ナナリーの顔を見て癒してもらおう……)

ルルーシュ「―――ただいま」

ナナリー「お兄様……」

ルルーシュ「ナナリー。なんだ、まだ起きていたのか」

ナナリー「お兄様。今日はお話しておきたいことが」

ルルーシュ「なんだ、改まって。怖いな」

ナナリー「私……今日から男性と付き合うことになりました」

ルルーシュ「……え?お腹が空いたって?はは、わかったよ。すぐに用意するから」

ナナリー「私、今日、ボーイフレンドが出来たんです」

ルルーシュ「魚がいいって?はいはい」

ナナリー「……本当です。告白されて……承諾しました」

ルルーシュ「分かってる。ああ、デザートもつけるよ」

ナナリー「お兄様。聞いてください」

ルルーシュ「さてと、料理を始めるか」

123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 23:01:54.97 ID:1MqFcYn50
ナナリー「お兄様!!」

ルルーシュ「どうした?」

ナナリー「あの……ですから……」

ルルーシュ「ナナリー」

ナナリー「はい」

ルルーシュ「俺はナナリーのことを世界で最も愛している」

ナナリー「は、はい……」

ルルーシュ「ああ、そうなんだよ。ナナリー」

ナナリー「……彼氏ができました」

ルルーシュ「今日は少し暑かったもんな。ナナリー、風邪でも引いたか?季節の変わり目は体調を崩しやすい」

ナナリー「今度の日曜日にデートの約束もしました!!」

ルルーシュ「……はは……」

ナナリー「お兄様……?」

ルルーシュ「フフフ……はははは……フフフハハハハハハ!!!!!!!」

ナナリー「……!」ビクッ

131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 23:07:45.17 ID:1MqFcYn50
ルルーシュ「そんなわけあるかぁぁぁぁ!!!!!」

ガシャーン!!!!

ナナリー「お、お兄様……?」

ルルーシュ「そんなこと……あるわけがない……!!あってたまるかぁ……!!!!」

ナナリー「あ、あの……?」

ルルーシュ「俺の計画は完璧だ!!!条件は全て満たしている!!!」

ナナリー「あの……あの……」オロオロ

ルルーシュ「橋を落としてルートを断て!!!!」

ガシャーン!!!!

ナナリー「きゃっ」

ルルーシュ「ふぅー……ふぅー……!!」

ナナリー「お兄様……あの……」

ルルーシュ「悪い……取り乱した……。最近、少し嫌なことが続いてな……」

ナナリー「い、いえ……」

ルルーシュ「ナナリーが決めた男なら間違いはないだろう……幸せにな……。ああ、結婚式には呼ばなくて結構だ。何をするか分からないからな。俺が」

138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 23:13:50.70 ID:1MqFcYn50
ナナリー「お兄様……私の相手は気にならないのですか……?」

ルルーシュ「言うな。絶対にな」

ナナリー「どうしてですか?!」

ルルーシュ「……名前を聞けばきっと俺は……道を踏み外す。人間でいられなくなる……」

ナナリー「それはどういうことですか?」

ルルーシュ「頼む、ナナリー。言わないでくれ……。お前の恋人を殺したくない……」

ナナリー「そ、それは……!?」

ルルーシュ「もう休む……おやすみ……ナナリー……」

ナナリー「……」

ルルーシュ「はははは……」フラフラ

ナナリー「スザクさんです」

ルルーシュ「……」

ナナリー「私の相手はスザクさんです。お兄様」

ルルーシュ「スザク……?どこの誰だ?名前だけじゃ……わからないな……」

ナナリー「枢木スザクさんです。お兄様もよく知っている。スザクさんです」

150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 23:18:48.73 ID:1MqFcYn50
翌日

カレン「はぁ……昨日の怒りかたは愛がなかった……。ゼロ……なにかあったの……?」

シャーリー「今日もルルったらサボりですよ」

ミレイ「いつものことじゃない」

シャーリー「だから駄目なんですってば」

スザク「ナナリーはまだ来てないんだ」

リヴァル「昨日の作戦上手くいったんだろうな」

ミレイ「それは大丈夫でしょ」

スザク「そうか。ルルーシュはきっと昨日の夜、怒ることにエネルギーを使いすぎて―――」

ルルーシュ「……」

シャーリー「あ。ルルだ」

リヴァル「よう!お前、そろそろ単位がヤバいんじゃねーの?」

ルルーシュ「スザクは?」

スザク「ルルーシュ?」

ルルーシュ「話がある」

156: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 23:25:03.56 ID:1MqFcYn50
ミレイ「席、外そうか?」

ルルーシュ「……スザク」

スザク「なんだい?」

シャーリー「ちょっと、雰囲気違う気がするんだけど……」

リヴァル「なんかこえぇ……」

ニーナ「ルルーシュ……」

カレン「……」

ルルーシュ「お前のことだ。生半可な覚悟ではないのだろう」

スザク「え?」

ルルーシュ「一晩……寝ずに考えた……。お前になら……ナナリーを……ナナリーを……」

スザク「ルルーシュ?」

ルルーシュ「ナナリーを……任せても……いいと……思って……おもって……って……」

スザク「ルルーシュ、鼻息が荒いけど、大丈夫か?」

ルルーシュ「ま、かせても……はぁ……はぁ……はぁ……いいと……思って……いる……はぁ……はぁ……!!!」

ミレイ「ルルーシュ……大丈夫?保健室、いく?」

164: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 23:31:36.12 ID:1MqFcYn50
ナナリー「お兄様!!」

ルルーシュ「ナナリー……」

ナナリー「これは……あの……」

ルルーシュ「兄として……たった一人の肉親として……俺は役目を果たした……。もういいな?」

スザク「ルルーシュ!!待ってくれ!!」

ルルーシュ「なんだ……?」

ナナリー「あの……ですから……」

スザク「……」

ルルーシュ「今日は……体調があまり……よくなくてな……。悪いが……早退させて……もら、う……」

スザク「僕はナナリーとは付き合わないよ」

ルルーシュ「……」

ナナリー「スザクさん!」

スザク「まさか、ここまでルルーシュが追い詰められるなんて思ってもみなかった。だから―――」

ルルーシュ「つ……付き合わない……だと……スザァク……」

スザク「ああ。僕はナナリーとは付き合わない。いや、付き合えないんだ。ユーフェミア様の騎士だからね」

179: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 23:36:30.10 ID:1MqFcYn50
ルルーシュ「ほほぉ……そうか……スザク……そうなのか……」

スザク「全部、嘘だったんだよ。ルルーシュ」

ルルーシュ「……」

ミレイ「ちょっと……」

シャーリー「こわぃ……」

ニーナ「データのバックアップとっておかないと」カタカタ

リヴァル「ルルーシュくん?あのー……」

カレン「やばそう……」

ナナリー「あぁぁ……お兄様ぁ……」オロオロ

ルルーシュ「嘘……だと……?」

スザク「だから、安心して―――」

ルルーシュ「ふざけるなよぉ!!!!スザァァァク!!!!!!」

スザク「うわ?!」

リヴァル「ルルーシュをとめろ!!」

シャーリー「ルルー!!!」

187: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 23:44:10.68 ID:1MqFcYn50
ルルーシュ「ナナリーの気持ちを踏み躙るとはなにごとだぁぁ!!!スザァァァク!!!!」

スザク「ルルーシュ……」

シャーリー「ルル、落ち着いて!!」ギュゥゥ

カレン「ルルーシュくん!」ギュゥゥ

ルルーシュ「ナナリーの想いを!!お前はなんだと思っているんだぁぁ!!!」

スザク「だから、嘘なんだ!」

ルルーシュ「ナナリーに嘘の告白をしたのか!!!貴様ぁぁ!!!!」

ミレイ「どうどう、ルルーシュ」ギュゥゥ

ニーナ「ルルーシュ、暴れないでぇ……」ギュゥゥ

リヴァル「ルルーシュ……こんなときになんだけど……羨ましい奴……」

ナナリー「お兄様……これは全て演技で……」

ルルーシュ「スザァァァァク!!!!頭を地に着けてナナリーに謝れぇぇ!!!!」

スザク「……」

ルルーシュ「ナナリーを……ナナリーを……かえしてくれ……うぅぅ……」

スザク「ルルーシュ……すまない……」

197: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 23:50:51.41 ID:1MqFcYn50


ナナリー「お兄様は?」

咲世子「今、お休みになられました」

ナナリー「そうですか……」

咲世子「相当、疲れていたのでしょう。ベッドに入るとすぐ眠りに」

ナナリー「私が……私がお兄様を追い詰めてしまったんですね……」

咲世子「ナナリー様……それは……」

ナナリー「私はなんてことを……!!こんなはずじゃ……ただ……お兄様に叱られて愛を確かめたかっただけなのに……!!」

咲世子「ナナリー様、気に病むことは……」

ナナリー「私は酷い妹です……うぅ……ぅぅぅ……」

咲世子「……」

C.C.「お邪魔するぞ」

咲世子「C.C.さん」

ナナリー「……」

C.C.「何かあったのか?」

204: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 23:59:04.49 ID:1MqFcYn50
C.C.「―――なるほどな。そんなことがあったのか」

ナナリー「はい……」

C.C.「ナナリーも最近、構ってもらえずに寂しかったのかな?」

ナナリー「そうですね。それもあるかもしれません……」

C.C.「まぁ、今回はナナリーが全て悪いな」

咲世子「そんな!!」

C.C.「諸悪の根源といってもいい」

ナナリー「……」

C.C.「それでもルルーシュはお前のことを叱りはしないだろうな」

ナナリー「……もう、いいです。お兄様をこれ以上、苦しめることはできませんから」

C.C.「そうか」

ナナリー「私にできるのは……。お兄様に心労をできるだけかけないようにすることだったのに。私はそのことを忘れていました」

C.C.「それでこれからどうするつもりだ?」

ナナリー「……お兄様の傍に行きます」

C.C.「それしかないな」

210: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 00:04:58.44 ID:pepEcdCW0
ルルーシュ「……」

ナナリー「お兄様……」ギュッ

C.C.「……」

ナナリー「ごめんなさい……お兄様……お兄様……」ウルウル

ルルーシュ「ナ……ナナリー……?」

ナナリー「お兄様?」

ルルーシュ「どうした……?」

ナナリー「ごめんなさい……ごめんなさい……」

ルルーシュ「おいおい……どうした?まさか、俺の顔に落書きでもしたのか?」

ナナリー「おにいさまぁ……うぅ……おにいさま……ごめんなさい……」

ルルーシュ「ナナリー……」

ナナリー「ぐすっ……」

C.C.「叱ってやったらどうだ?それでナナリーの気持ちも随分軽くなると思うがな」

ルルーシュ「ナナリー……お前……」

ナナリー「お兄様……ごめんなさい……ごめん、なさい……私が全て……悪いんです……」

214: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 00:10:20.47 ID:pepEcdCW0
ルルーシュ「……」

ナナリー「お兄様、私を叱ってください!!」

ルルーシュ「ナナリー……」

ナナリー「お願いします……お兄様ぁ……」

ルルーシュ「ならば……お仕置きが必要だな……」

ナナリー「鞭なら私の部屋に」

ルルーシュ「必要ない。ナナリー、反省しているんだな?」

ナナリー「はい」

ルルーシュ「……なら、叱ることはしなくてもいい」

ナナリー「え?」

ルルーシュ「叱るっていうのは相手が間違いに気づいていないときにすることだ。ナナリーのように理解しているものを叱っても何の意味もない。エネルギーの無駄だ」

ナナリー「そうだったのですか……」

ルルーシュ「ナナリーはいつも自分の反省点を理解している。だから、俺は叱れないんだよ」ナデナデ

ナナリー「お兄様……」

C.C.「私にはすぐ怒るくせに」

221: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 00:17:25.14 ID:pepEcdCW0
ルルーシュ「お前は反省をしないからな」

C.C.「はいはい」

ナナリー「お兄様、この度のことは本当に……」

ルルーシュ「いや。大丈夫だ。様々なことが重なりすぎただけだよ」

ナナリー「はい」

ルルーシュ「でも、もうこういうことはないようにな」

ナナリー「分かりました」

C.C.「●●坊やも偶には人間らしいことをいうんだな。感心したよ」

ルルーシュ「黙れ!!魔女!!」

C.C.「女に余裕が無いと怒りっぽくなるんだから、少しは大人しくしておいたほうがいいな」

ルルーシュ「きさまぁぁぁ!!!!ふざけるなぁ!!!」

C.C.「ぶつのか?いいぞ、ほら、私のお尻でもぶってみろ。その細く弱りきった腕じゃ痛くもない―――」

ルルーシュ「定規の撓りを利用すれば……どうなるのか……思い知らせてやろうか……?」ヒュンヒュン

C.C.「それは……やめろぉ……!!」

ナナリー「……」

229: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 00:26:26.61 ID:pepEcdCW0
ルルーシュ「―――ふん」

C.C.「痛いじゃないか」

ナナリー「C.C.さん、大丈夫ですか?」

C.C.「割と平気だが……痛い……」

ナナリー「定規という手があったなんて……灯台下暗し……!」

C.C.「何も定規が折れるほどフルスイングしなくてもいいだろ」

ルルーシュ「どうせ同じ事を繰りかえすつもりだろ、貴様」

C.C.「よく分かったな。エスパーも発現したのかな?」

ルルーシュ「貴様の軽口は耳障りだ!!」

C.C.「それは嬉しいなぁ。なら、もっと耳元で囁いてやろう」

ルルーシュ「やめろ!!離れろ!!」

C.C.「ルルーシュぅ?ピザはまだかぁ?」ギュゥゥ

ルルーシュ「魔女がぁ!!!いい加減にしろ!!!」

C.C.「ふふ、何を怒る?それとももう一度、ぶつか?私に体罰なんて意味はないけどな」

ナナリー(お兄様はC.C.さんと話しているとき、いつも怒っていますね……。もしかして……)

232: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 00:30:56.85 ID:pepEcdCW0
翌日

ルルーシュ「昨日は散々だったな……」

ミレイ「ルルーシュ。大丈夫?」

ルルーシュ「え?」

シャーリー「ごめん。ルル……。私たちが悪いの。ナナちゃんは全然悪くないの……だから……」

ルルーシュ「分かっている」

カレン「ごめんね、ルルーシュくん」

リヴァル「悪かったな。まさか、あそこまで取り乱すなんて思ってなくてさ」

ルルーシュ「もういいって」

スザク「ルルーシュ……」

ルルーシュ「……」

スザク「すまなかった!!」

ルルーシュ「スザク、昨日のは悪い夢だったんだよ……。それでいいだろ?」

スザク「ルルーシュ……!!」

ニーナ「ルルーシュ、優しいんだ」

234: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 00:35:13.66 ID:pepEcdCW0
ミレイ「この分だとナナリーとも仲直りできたみたいね」

ルルーシュ「初めから仲違いなんてしていませんがね」

シャーリー「もうっ、ルルったらぁ」

ルルーシュ「はははは」

ナナリー「……」ウィィィン

ルルーシュ「ナナリー」

シャーリー「あ、ナナちゃん」

ナナリー「……」

ルルーシュ「どうした?」

ナナリー「……ど……」

リヴァル「ど?」

ミレイ「なに?」

ルルーシュ「ナナリー?」

ナナリー「●●兄様、昨日は申し訳ありませんでした」

ルルーシュ「……」

246: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 00:40:58.94 ID:pepEcdCW0
シャーリー「ど、どうてい……?」

スザク「ルルーシュ……」

ルルーシュ「ははははは……ナナリー、何を……」

ナナリー「お詫びに私のためにピザを注文することを許します。●●兄様、早くしてください」

リヴァル「……」

ミレイ「ま、まだ……喧嘩中?」

シャーリー「そ、そっか……そっか……」

ルルーシュ「待て!!」

ニーナ「ふふ……かわいい……」

ルルーシュ「ニーナァァ!!!」

ニーナ「あ、ごめん」

スザク「ルルーシュ……すまない……これもきっと……僕のせいだ……」

ルルーシュ「下らん罪の意識は余計に腹が立つからやめろぉ!!!」

ナナリー「それとも私のお尻を定規でぶちますか?」

ルルーシュ「なんだこれはぁぁぁぁぁ!!!!!」

257: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 00:46:55.66 ID:pepEcdCW0
黒の騎士団アジト

カレン「……」スタスタ

カレン(また同じミスしてみたけど。そろそろゼロに愛想尽かされるかもしれない……)

カレン「今回でやめないと」

スパーン!!!スパーン!!!!

カレン「え?」

スパーン!!!スパーン!!!

カレン「な、何、この音……。格納庫から……?」

カレン「今は整備も終わっているから……誰も……いないはず……」ソーッ

カレン「……!?」

ゼロ「お前だろ!!お前しかいない!!!!」スパーン!!!

C.C.「かはっ!?!定規は……鉄の定規は……だめぇ……!!!お尻が割れる……!!」

ゼロ「黙れ!!!」スパーン!!!

C.C.「ぁはっ?!」

カレン「あぁぁ……」ガクガク

274: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 00:55:01.26 ID:pepEcdCW0
ゼロ「はぁ……はぁ……今後はこういうことがないようにしろ……!!いいな!!」

C.C.「気をつけ……る……」

ゼロ「全く……。ナナリーを誑かせるなど、言語道断だ。お前は踏み越えてはいけない一線を軽々と越えた。それがこの結果だ。わかったな?!」

C.C.「……」コクッ

ゼロ「はぁ……はぁ……疲れた……。私は休む」

C.C.「ゆっくりやすめよ……」モジモジ

ゼロ「ふんっ!!」

C.C.「……」

カレン「ゼ、ゼロ!!」

ゼロ「カレンか。どうした?」

カレン「……また、間違えました」

ゼロ「そうか。これからは藤堂に指導を頼もう。どうやら私の教え方が悪いらしい」

カレン「え……」

ゼロ「……疲れた。怒るのはもうやめだ……」

カレン「ゼロ!!あの!!私にも定規を!!」

284: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 01:05:22.80 ID:pepEcdCW0
ナナリー「結局、またお兄様を困惑させるだけでした」

咲世子「そうですか」

ナナリー「C.C.さんの口調ならお兄様も気持ちよく怒ることができると思ったのですが」

咲世子「気持ちよく怒るのは難しいですね」

ナナリー「やはりお兄様に叱ってもらうのは無理なのですね」

咲世子「もう拷問具を傍に置いておいて、四つん這いになっているというのはどうですか?」

ナナリー「それは……」

咲世子「ルルーシュ様もナナリー様の意図するところが分かるはずです」

ナナリー「そうですね。やってみます」

咲世子「定規と鞭、どちらもおいておきましょうか?」

ナナリー「お願いします」

咲世子「畏まりました」

ナナリー「四つん這いになるので、手伝ってもらえますか?」

咲世子「はい」

ナナリー(これでお兄様は……)

291: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 01:09:59.59 ID:pepEcdCW0


ルルーシュ「ただい―――」

ナナリー「……」ドキドキ

ルルーシュ「……」

咲世子「どうぞ。ルルーシュ様。気の向くままに強鞭をふるってください」

ルルーシュ「咲世子さん、少しお話が」

咲世子「はい」

ルルーシュ「あとそこの定規も持ってきてください」

咲世子「畏まりました」

ルルーシュ「……ナナリー、あとでご飯にしような」

ナナリー「はいっ。お兄様」

ナナリー(早く……お兄様……私を叱ってください……力の限り……時間の許す限り……)

ナナリー「……」ドキドキ


スパーン!!!!

おしまい。

引用元: ナナリー「お兄様、私を叱ってください!!ルルーシュ「ナナリー…」