海未「紙芝居屋さんです」4 前編

433: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/16(火) 01:28:20.04 ID:jyAfsQAL
………………


こころ『……』

穂乃果『ねぇ、こころちゃん』

こころ『……』

穂乃果『もしかして、セカンド・ストーリーって凄く扱い辛い。とか?」

こころ『……いえ、そう言うわけではないんですけど』

穂乃果『けど?』

こころ『ごめんなさい……もう大丈夫です。』



434: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/16(火) 01:30:56.35 ID:jyAfsQAL
こころ『穂乃果さん。本に手を当てがってみて下さい。』

こころ『そうすれば、きっと何かが分かるはずですから」

穂乃果『……分かった。』

穂乃果『っ』スッ

ズァァァアアアアッッ!!!!!

……グニャァア

穂乃果『──ッ!!』ヨロッ

こころ『うっ!!?』ガクツ

435: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/16(火) 01:31:42.82 ID:jyAfsQAL
こころ『なっ、なにこれ!?』

穂乃果『身体の感覚が……っ』

こころ『なんかっ、近い物がすごく遠く感じます!』

穂乃果『……ホントだ。』スッ

穂乃果『目の前にこころちゃんがいるのに、ずっと向こうにいる感じがする』

こころ『!』

436: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/16(火) 01:33:26.90 ID:jyAfsQAL
穂乃果『あっ!』

こころ『な、波が止まってる!?』

穂乃果『これって……穂乃果が前に壱号を使った時と似てる……』

こころ『え!?ま、前もこんな感じだったんですか!?』

穂乃果『う、うん。』

穂乃果『この変な感覚は無かったけど、周りの景色が止まったのはそっくりだよ』

437: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/16(火) 01:34:36.11 ID:jyAfsQAL
穂乃果『ツバきゅんはこれの事、壱号の力の前段階だって言ってたけど』

こころ『な、なるほど』

こころ『──うっ!?』グラッ

穂乃果『え?ど、どうしたの!?』

こころ『っ……は、早くやっちゃいましょう!』

こころ『これ……ッ、参号との連結作動より、力の消耗が激しいみたいですっ……っ!』ガクガクッ

438: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/16(火) 01:41:59.85 ID:jyAfsQAL
穂乃果『わ、分かった!』

こころ『……穂乃果さん、』

穂乃果『え?』

こころ『……』

こころ『手、繋いでて下さい』スッ

穂乃果『……えへへ、』ギュッ

穂乃果『離さないからね!』

こころ『はい!』

439: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/16(火) 01:44:12.93 ID:jyAfsQAL
穂乃果『よしっ、行こうっ!!』

こころ『ッッッ』グッ

スッ

パァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッ

こころ『うぁ……っ』ググッ

穂乃果『~ッ』

穂乃果『……理事長先生、みんな。穂乃果たちが必ず助けるからっ、』


穂乃果『だから、待っててねっ!!』

440: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/16(火) 01:45:18.65 ID:jyAfsQAL
全てが崩れ去って行く世界の中

穂乃果とこころは願いました

あの毎日に還りたい。と


幸せを取り戻したかった、絵里とツバサ

幸せを守りたかった穂乃果たち

それぞれが追い求めた幸せの先にあるのは


果たして……

450: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/18(木) 01:40:58.07 ID:BArcQaG3
──気が付けば、


光り輝く渦の淵にて佇んでいる

天使見習いの、穂乃果とこころ



穂乃果「……」

こころ「……」



あの、奇妙な感覚は既になくなっており

今はただ、渦の中心だけを茫然と眺めていました。

451: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/18(木) 01:41:55.57 ID:BArcQaG3
穂乃果「……」

穂乃果「……わたし、何してたんだっけ、」

穂乃果「だめだ……なんだか意識がぼんやりしてる……」

穂乃果「……」

穂乃果「そうだ、壱号と肆号をつかって……」

穂乃果「それで……」

穂乃果「──ッ!」

452: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/18(木) 01:42:30.00 ID:BArcQaG3
穂乃果「こ、こころちゃん!」

こころ「……」

穂乃果「こころちゃん!こころちゃんってば!!」

こころ「……あっ、」

こころ「ほのか、さん?」

穂乃果「そうだよ!穂乃果だよっ!」

453: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/18(木) 01:42:51.04 ID:BArcQaG3
こころ「あれ……わたし、どうして……」

穂乃果「良かったぁ。大丈夫そうだね」

こころ「──あっ!」

こころ「こ、ここどこですか!?」

穂乃果「それが分かんないんだよ。ついさっきまで浜辺に居たのは覚えてるんだけど」

こころ「そうだ!肆号!肆号は!?」バッ

454: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/18(木) 01:43:21.43 ID:BArcQaG3
穂乃果「今までこころちゃんが持ってたよね?」

こころ「うぅ……も、もしかして失くしちゃった……?」

穂乃果「ん~……」


……ボワァアア。


穂乃果「ん~」

こころ「……え?」

455: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/18(木) 01:44:18.61 ID:BArcQaG3
:望む時を明示して下さい。


こころ「……なに、これ」

穂乃果「むむむっ」

こころ「ちょっ……穂乃果さん!」

穂乃果「へ?」

こころ「地面!地面になにか、光る文字が浮かんできましたよ!?」

穂乃果「もじ?」チラッ

456: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/18(木) 01:44:58.13 ID:BArcQaG3
:望む時を明示して下さい。


穂乃果「ホントだ!」

穂乃果「望む時を、め、めい……」

こころ「……」

穂乃果「っ」

こころ「……明示です。」

穂乃果「あ、そうそう!それ!」

457: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/18(木) 01:45:32.38 ID:BArcQaG3
こころ「それにしても、望む時を……ですか。一体なんなんでしょう。」

穂乃果「んん?ここにいる事となんか関係あるのかなぁ?」

こころ「……」

こころ「あっ!」

穂乃果「え!?なに!?」

こころ「も、もしかして……っ!!」

458: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/18(木) 01:46:17.28 ID:BArcQaG3
バッ

こころ「こ、答えて下さいっ!!ここは何処なんですか!?」

穂乃果「なんで地面に話しかけてるの?」

こころ「さぁ!」


……ボヤァァアア。


こころ「!」

穂乃果「お!」


:ここは、過去と未来の辻

:その陰に当たる場所です。

459: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/18(木) 02:00:54.64 ID:BArcQaG3
こころ「……は?」

穂乃果「……」

こころ「あの……じゃあ、質問を変えます。」

こころ「貴方は、壱号か肆号。そのどちらかなんですか?」


:私は目録を書き換える術

:又の名を、天界劇場式肆号。その片割れです。

465: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/19(金) 03:27:00.54 ID:2secj+Ai
こころ「や、やっぱり!」

穂乃果「……」

こころ「穂乃果さん!オーバーヒートしてる場合じゃないですよっ!!」グイッ

穂乃果「んぁ!?」

こころ「肆号です!肆号が話しかけてます!」

穂乃果「ん?なに?どう言うこと?」

466: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/19(金) 03:27:29.32 ID:2secj+Ai
こころ「あーもぉーっ!」

こころ「肆号さん!ここは一体何処なんですか!?分かる様に説明して下さい!」


:本書に於ける、空白の項に当たります。


こころ「ほん……こう……?」


:アナタ方は、本書にとっての記録地点となります。

467: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/19(金) 03:27:59.92 ID:2secj+Ai
こころ「むきぃーーーっっ!!!!」バッ

穂乃果「こ、こころちゃんっ!落ち着いて!」グッ

こころ「分かんないよっ!!分かる様にって言ったでしょ!!?なんで分かんないの!!?」


:ここは、未だ形になっていない世界


こころ「時間がないの!!お願いっ!!」


:つまり、天界劇場式肆号の空白の項です。


こころ「──ッ!?」

468: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/19(金) 03:28:30.60 ID:2secj+Ai
こころ「え……そ、それって……」

穂乃果「うん。なんか、穂乃果も分かってきたかも……」

こころ「つまり、つまりですよ?ここって……」

こころ「肆号の中ってこと!?」


:はい


穂乃果「だよね!?」

469: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/19(金) 03:28:58.80 ID:2secj+Ai
こころ「あ、あのっ!それじゃあ、現実の世界って今は……」


:天使監督官が用いた甦生術によって


:全てが入れ替わっている真っ最中です。


こころ「ッッッ」

穂乃果「……もう、何もないの?」

470: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/19(金) 03:29:36.69 ID:2secj+Ai
:いいえ。全てが在ります


:しかし、それは形ではありません。


こころ「かたちじゃ……ない……?」

穂乃果「……」

穂乃果「今のこの状態って、連結してるんだよね?」

471: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/19(金) 03:30:26.96 ID:2secj+Ai
:肯定します。


穂乃果「あの、ここから穂乃果たちはどうすればいいの?」

穂乃果「どうやったら、戻りたい時間に戻れるの?」


:コチラをお使い下さい


穂乃果「こちら?どれ?」

こころ「?」

472: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/19(金) 03:30:51.58 ID:2secj+Ai
:本書に書き加えることの出来る、唯一の物


:縁の蝋筆です。


穂乃果「……読めない。」

こころ「えん?ふで?」


:縁(ヨスガ)の蝋筆(ロウヒツ)です。


こころ「うわっ、読み仮名ふってくれた。」

穂乃果「よすが?ろうひつってなに?」

473: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/19(金) 03:31:22.48 ID:2secj+Ai
こころ「あ、多分コレじゃないですか?背表紙の間のとこに刺さってるヤツ」

穂乃果「うわっ!本ってこんな便利な収納場所があるんだ!作った人あったま良いなぁー!」

こころ「……いえ、たまたまじゃないですかね、」

穂乃果「で?これでどうするの?」

こころ「戻りたい時間を書けばいいんじゃないんですか?」

474: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/19(金) 03:32:07.45 ID:2secj+Ai
穂乃果「時間!?何時何分ってこと!?」

こころ「お、おそらく……」


:正確な表記は、正確な遡行を可能にします。


こころ「ほら、やっぱり時間ですよ。あと場所ですね」

穂乃果「ぇえーっ!!時間なんて分かんないよぉ!穂乃果時計持ってないもんっ!」

こころ「……忘れたんですか?」

穂乃果「へ?」

475: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/19(金) 03:34:42.88 ID:2secj+Ai
こころ「私、持ってます。」ジャラッ

穂乃果「おーっ!!」

こころ「……ただですね。」

こころ「私が記憶してる時間は、ツバサさんと出会った時までしかありません」

こころ「だから、もっと前の記憶で、時間をハッキリと思い出せる様な場面を──」

穂乃果「あ」

こころ「はい?」

476: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/19(金) 03:35:51.13 ID:2secj+Ai
穂乃果「あのさ、参号と肆号で見た映像とかでも大丈夫?」


:記憶の関連性は問いません。


こころ「あの、どう言うことですか?」

穂乃果「……」

こころ「穂乃果さん?」

穂乃果「……えっとね、」

穂乃果「20年前に戻りたいんだ。」

こころ「え?」

477: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/19(金) 03:36:48.98 ID:2secj+Ai
:不可能です。


穂乃果「!」

こころ「不可能!?なんで!?」


:その時空間へ戻る為の力が不足しています


穂乃果「……そっかぁ、」

こころ「それなら、何処までなら戻れるの?」


:現在、アナタ方に残存している力を使用した場合


:戻れる時間は、今より3時間27分55秒前までです。

478: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/19(金) 03:38:32.86 ID:2secj+Ai
こころ「3時間前……」

穂乃果「……」

穂乃果「やっぱり、さっきこころちゃんが言った、ツバきゅんと会った時間にしよう。」

こころ「……と言うより、私が記憶してる時間と場所が一致するのが、もうそこしか無いんですっ」

穂乃果「なら、迷う事ないよ。」

穂乃果「きっと、あのタイミングが一番いいって事なんだと思う」

479: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/19(金) 03:54:00.20 ID:2secj+Ai
こころ「……」

こころ「……ツバサさん、説得出来ると思いますか?」

穂乃果「……どうだろうね。」

こころ「……」

穂乃果「でも、ツバきゅんだって楽しかったはずなんだよ。」

穂乃果「今日までの日々が幸せじゃなかったら、あんな辛そうな顔で、私たちのこと抱きしめたりしないんじゃないかな。」

480: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/19(金) 03:54:21.34 ID:2secj+Ai
こころ「そう……なんですかね、」

穂乃果「大丈夫。私たちならきっとやれるよ」

穂乃果「穂乃果は、そう信じてるから」

こころ「……」

穂乃果「ね?」

こころ「……もし、」

穂乃果「え?」

481: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/19(金) 03:55:05.42 ID:2secj+Ai
こころ「もし、説得に失敗したら、簀巻きにして林の奥に隠して置きましょう。」

穂乃果「!?」

こころ「見つけられないんじゃ、どうしようもないんですからね」

穂乃果「あ、あはは……」

こころ「じゃあ、時間はさっき書かれてた上限を目一杯使いましょう」カキカキッ

こころ「そして、場所はマメイチ・ビーチ」カキカキッ

482: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/19(金) 03:55:34.72 ID:2secj+Ai
穂乃果「こころちゃんとことりちゃんと穂乃果が居た所だね。」

こころ「はい。」

こころ「肆号さん、これでいいですか?」


:認識しました。


:それでは、壱号の所有者に問います


穂乃果「え?」

483: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/19(金) 04:02:28.08 ID:2secj+Ai
:時間。3時間27分55秒前


:場所。マメイチ・ビーチ


:人物。壱号の所有者 現肆号の所有者


:この認識で間違いありませんか?



穂乃果「……」

こころ「っ」

穂乃果「……うん、大丈夫。」

484: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/19(金) 04:08:10.41 ID:2secj+Ai
:了承しました。


:縁の糸は切られ、輪廻が糾われます。


穂乃果「?」

こころ「は?」


:蝶の旅路に幸福を。


グニャァアアァアアアアアアアアアッッッ

485: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/19(金) 04:08:45.01 ID:2secj+Ai
穂乃果「うぁ!?……これっ、」

こころ「うっ、グルグルして……気持ち悪い……っ」

こころ「ほ……ほのかさ……っ」ギュッ

穂乃果「だいっ……じょうぶ、だよ……こころちゃん……っ!」グッ


グニャァアアァアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァ………………ッ



「……ぅっ」

「~っ」


………………。

493: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/21(日) 21:38:56.93 ID:18qDPW+d
斯くして、最後の連結作動を成功させた

我らが穂乃果とこころ。


彼女たちが向かう先は、
運命の交差点とも言うべき時の中

ツバサが、穂乃果たちへ別れを告げた場面。

494: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/21(日) 21:39:45.98 ID:18qDPW+d
しかし、

ここでツバサを引き留めると言うことは

臨戦態勢の絵里と遭遇してしまうという事


6年前に袂を別った、この因縁の二人を

穂乃果とこころは止められるのでしょうか。

495: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/21(日) 21:40:17.29 ID:18qDPW+d
ズキュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッッ!!!!!!!!



「…………ぅ……」



「……うぇ……気持ち悪いっ」



「ほ、ほのかさんっ……大丈夫ですか?」


「うん……でもぉ……」



穂乃果「まだぐらぐらするぅ……っ」

こころ「はいぃぃ……わたしもですぅ……」

496: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/21(日) 21:41:06.56 ID:18qDPW+d
穂乃果「あれ?」

こころ「あっ」


穂乃果「夕方だ……」

こころ「ほ、ホントだっ。さっきまで青空が広がってたのに……」

「んむぅ~♡」

穂乃果「うわっ!?」

こころ「!?」

ことり「むちゅ~♡」ムゥ~

497: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/21(日) 21:41:44.99 ID:18qDPW+d
穂乃果「こ、ことりちゃん!!?」

こころ「うわっ!」

ことり「チューっとねぇ~♪」ググッ

穂乃果「うぎぎっ……っ!こ、ことりちゃん!!ちょっと待って!!」

こころ「ことりさん!ストップ!」

ことり「イヤでぇ~す♡」


「──ねぇ、」

498: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/21(日) 21:42:08.94 ID:18qDPW+d
穂乃果「あっ!」

こころ「!」

ツバサ「……」

穂乃果「ツ、ツバ……っ!!?」

ツバサ「三人とも、私のそばに来てくれる?」

ことり「?」

こころ(このセリフっ!!)

穂乃果(思い出したよ!確かツバきゅんが抱きついて来て、それで……)

フワ……

499: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/21(日) 21:42:39.64 ID:18qDPW+d
穂乃果「っ」

ツバサ「……」ギュウッ

ことり「ツ、ツバサちゃん!?」

こころ(そうだ。いきなり抱き付かれて私、訳わかんなくなっちゃったんだ)

ツバサ「……」

穂乃果「つ、ツバきゅんっ」

ツバサ「……わたしね、」ギュッ


ツバサ「みんなの事、だいだい大ッ好きなんだ!」

500: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/21(日) 22:15:20.35 ID:18qDPW+d
こころ(そして、この後聖天術で眠らされちゃうんだよね)

穂乃果「……」

こころ(でも、今ならまだ間に合う。ここでツバサさんを止められれば、まだ)

穂乃果「──穂乃果も、」

こころ「え?」

穂乃果「穂乃果も、大好きだよ。」

こころ(ほ、穂乃果さんっ!?)

こころ(このままだと、また私たち同じことになりますよ!?)

501: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/21(日) 22:18:42.38 ID:18qDPW+d
穂乃果「……穂乃果もね、」

穂乃果「ツバきゅんのこと、それから、理事長先生も、英玲奈先生も。」

ツバサ「……」

穂乃果「漆号の三人も、お父さんもお母さんも雪穂も!魔女のみんなも、下界のみんなも、」

穂乃果「みんな、みんなみんな……」

穂乃果「大好きだったんだよっ」

502: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/21(日) 22:19:40.03 ID:18qDPW+d
こころ「っ」

ツバサ「ほ、穂乃果?」

穂乃果「……」

ことり「穂乃果ちゃん?」

穂乃果「ツバきゅん、」

ツバサ「な、なに?」


バチンッ!!

503: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/21(日) 22:21:42.43 ID:18qDPW+d
ことり「えっ!!?」

こころ「……」

ツバサ「ッッッ」ヒリヒリッ

穂乃果「……」

ツバサ「ぇ……えっ、」

穂乃果「あのね、」


穂乃果「この世界を、勝手に変えたらダメなんだよ。」

ツバサ「──ッ!!?」

504: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/21(日) 22:57:39.14 ID:18qDPW+d
穂乃果「私は……私たちは、ツバきゅんを止めに来たの。」

ツバサ「あ、あなた……っ」

こころ「……」

ことり「え?え?」

穂乃果「私とこころちゃんはね、壱号と肆号を使って、少し先の未来から来たんだ。」

ツバサ「……連結作動ね。」

505: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/21(日) 22:58:03.80 ID:18qDPW+d
穂乃果「だから、全部分かってるの。ツバきゅんがこれからやろうとしてる事も」

穂乃果「そして、どう言うことになるのかも……」

こころ「……」

ことり「???」

ツバサ「……」

ツバサ「……セカンド・ストーリーはこころちゃんが使ったの?」

506: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/21(日) 22:58:35.19 ID:18qDPW+d
こころ「は、はい。」

こころ「でも、私の力じゃ本を開いてる状態を維持するのがやっとだったので、」

こころ「時間遡行する為の力は、ほとんど穂乃果さんにお願いしたんです。」

ツバサ「……私も似た様なものだよ。」

ツバサ「6年前の事は記憶にあっても、それだけ前の項をファースト・ストーリーで見る為の力が、私にはなかった。」

ツバサ「だから、ほとんどセカンド・ストーリーに書き出せなくて、過去を変える事も出来なかったんだ……」

507: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/21(日) 23:33:09.57 ID:18qDPW+d
穂乃果「……」

ツバサ「……ねぇ、」

ツバサ「わたしは……私たちは、どうなったの?」

穂乃果「……」

穂乃果「みんな、居なくなっちゃったよ……」

こころ「っ」

ツバサ「……」

ツバサ「……絵里、は?」

508: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/21(日) 23:33:35.61 ID:18qDPW+d
穂乃果「……分かんない。私たちは直接会ってないんだ」

こころ「……」

ツバサ「そう……」


「あ、あのぅ、」


ことり「ことり、何がなんだか……」

こころ「ごめんなさい。実は、私と穂乃果さんは3時間後の未来から来たんです。」

509: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/21(日) 23:33:57.45 ID:18qDPW+d
ことり「え?み、みらい?」

ことり「でも……今の今まで一緒にいたよ?その穂乃果ちゃんたちは、どこに行ったの?」

穂乃果「あ、そう言えば」

こころ「確かに、この時間の私たちって何処に行ったんでしょう?」

ツバサ「……記憶と精神だけが戻ったんだよ。」

こころ「え?」

510: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/22(月) 00:05:05.98 ID:JfwQJJu/
ツバサ「自分が存在する過去や未来に行くのに、わざわざ肉体ごと移動させる意味はないって言ってたから」

ツバサ「だから、今の貴方たちは精神と記憶だけ、3時間後の状態を持ち越したんだと思う。」

こころ「……言ってたから?」

ツバサ「肆号がね。」

ツバサ「並行する世界の残滓を垣間見ながら……とかなんとか言ってたけど、体験するまでサッパリだったわ。」

こころ「並行する世界の……」

こころ「あっ!」

511: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/22(月) 00:05:29.48 ID:JfwQJJu/
ツバサ「身に覚えがあるの?」

こころ「は、はい!ここへ来る直前に、浜辺で知らない子たちが遊んでるのが見えたんです!」

穂乃果「え?ほ、穂乃果見えなかったよ?」

ツバサ「アンタは壱号使ってたんでしょ?なら見えないよ」

ことり「……あ、あのぉ~。」

ツバサ「?」

ことり「そ、それってつまり、穂乃果ちゃんとこころちゃんは、何かを止める為に3時間後の未来から来たって事なんだよね?」

512: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/22(月) 00:05:53.96 ID:JfwQJJu/
ツバサ「……私をね。」

ことり「そ、そこが分かんないんだよぉ~。」

ことり「これから止めなきゃいけないのって、例の金髪の魔女さんなんでしょ?なのになんで……」

こころ「……甦生術って、聞いたことあります?」

ことり「!」

ことり「それって、確か世界を作り替える術だって……」

513: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/22(月) 00:06:48.92 ID:JfwQJJu/
こころ「さ、さすがですね。まさか知ってるとは思いませんでした」

ことり「でも、酷い術だから絶対に使おうと思ったらダメだって……お母さんそう言ってたよ。」

穂乃果「……」

こころ「……」

ツバサ「……穂乃果、こころ。」


ツバサ「今の貴方たちに、伝える事があるの」

520: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/23(火) 02:21:20.17 ID:eZKvlgvu
穂乃果「いまの?」

こころ「ど、どう言う意味ですか!?」

ツバサ「……」

ツバサ「……ファースト・ストーリーの記録には、貴方たち二人が時間遡行するなんて文面は、何処にも無かった。」

穂乃果「!」

ツバサ「これで、ようやく歴史が変わるのかも知れない」

こころ「ようやく!?ようやくって!?」

521: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/23(火) 02:22:04.99 ID:eZKvlgvu
ツバサ「6年前、私は大きな過ちを犯した。」

ツバサ「そして、その過ちを塗り替えたくて、天使監督官になって肆号の管理を志願した」

ツバサ「でも、何度使ってみても近い未来と過去の出来事しか見る事が出来なかったの」

ことり「……」

ツバサ「あの出来事は、罪は、もうどうやっても変える事は出来ないんだって、」

522: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/23(火) 02:23:10.70 ID:eZKvlgvu
ツバサ「絵里と一緒にいる未来は、もう何処にもないんだって……」

穂乃果「……」

ツバサ「……でも、思ったのよ。」

ツバサ「もしかしたら、過去だけじゃなくて、これから起こる未来を書き換える事も出来るんじゃないかって」

こころ「っ」

ツバサ「それで、何気なしにファースト・ストーリーで近い未来を見て見たのよ」

ツバサ「……そこには、白紙になるまでの項に今日までの大体の出来事が記されてた」

523: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/23(火) 02:36:12.49 ID:eZKvlgvu
ツバサ「今から、私が絵里に殺される事」

ことり「!?」

ツバサ「理事長や、他のみんなが絵里と闘う事。そして」

ツバサ「──"絵里"が落日を唱えてしまう事も。」

こころ「え!?」

ことり「!」

穂乃果「ど、どう言うこと!?私たちの居た未来と違うの!?」

524: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/23(火) 02:36:53.08 ID:eZKvlgvu
ツバサ「……本当なら、絵里の落日起動は必ず成功する筈だったんだよ」

ツバサ「理事長も含め、絵里の原生呪禁術でみんなやられてしまった後に」

こころ「~っ」

穂乃果「な、なら!なんで教えてくれなかったのさ!?別に話してくれたって」

ツバサ「変えたくなかったの。」

穂乃果「えっ」

525: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/23(火) 02:38:03.56 ID:eZKvlgvu
ツバサ「ここで変に変えてしまったら、また同じ結末に逆戻りしてしまうんじゃないかって……」

こころ「ど、どう言うことですか?」

ツバサ「……」

ツバサ「この未来を知った時、私はセカンド・ストーリーを使って、ファースト・ストーリーに書かれた重要な場面を、少しだけ書き換えようとしたの」

こころ「よ、肆号本来の使い方ですね」

526: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/23(火) 02:38:38.44 ID:eZKvlgvu
ツバサ「うん。これ自体は、前にも使ってたから問題はなかったんだけど」

ことり「い、いつ?」

ツバサ「希とあんじゅの仲違いをどうにかしたくてね、少しだけ修正したんだ」

ことり「あっ」

ツバサ「だから、今回もきっと上手くいくと思って、修正してみたんだけど」

ツバサ「……どう書き直しても、最終的には絵里が落日を起動して、世界が再構築されると言う白紙の未来が記されてしまった。」

527: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/23(火) 02:41:43.84 ID:eZKvlgvu
穂乃果「っ」

ことり「そ、そんな……っ」

こころ「~ッ」

ツバサ「どう足掻いても、落日が起動される未来は変わらない。」

ツバサ「それならば──」


ツバサ「"絵里以外の人が"落日を起動したら、その先の未来が変わるかも知れない。」

穂乃果「!」

こころ「そ、それでツバサさんが……?」

528: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/23(火) 02:48:30.15 ID:eZKvlgvu
ツバサ「そっちの私がどうやったのかは分からないけど、こうして穂乃果とこころが未来から来てくれたって言う事は、」

ツバサ「或いは、私の目論見は成功したのかも知れないね。」

穂乃果「……」

こころ「ッ」

ことり「……ツバサちゃん。」

ツバサ「なに?」

ことり「大体のお話は分かったよ。」

529: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/23(火) 02:49:21.81 ID:eZKvlgvu
ことり「これからしなくちゃいけない事もね。」

こころ「ことりさん……」

ことり「だから、次はこの世界で一番近い未来から変えてみようよ。」

ことり「そうすれば、また何かが大きく変わるかも知れないから」

こころ(……このことりさん、なんだか真面目な時の理事長にちょっと似てる。)

穂乃果「うん、そうだね。」

530: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/23(火) 02:50:43.45 ID:eZKvlgvu
穂乃果「こうして前の時間に戻ってこれたんだもん、ここから頑張らなくちゃ!」

ことり「……たぶんだけど、」

穂乃果「え?」

ことり「穂乃果ちゃんたちが来た未来の私は、全然役に立ててなかったんじゃないのかなって」

穂乃果「そ、そんなことないよ!」

こころ「そうです!そんな事ありません!」

ことり「ううん、なんとなく分かるの。」

ツバサ「……」

531: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/23(火) 02:51:15.27 ID:eZKvlgvu
ことり「だから、もう可愛くなくてもいいから……この世界では死に物狂いで頑張って、」

ことり「そして、今度こそみんなの役に立ちたいんだって」

ことり「何故か、そう強く思ってるんだ。」

穂乃果「ことりちゃん……」

ことり「ねぇ、ツバサちゃん。」

ツバサ「ん?」

ことり「これから、直ぐ起きる事は分かる?」

532: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/23(火) 03:13:34.91 ID:eZKvlgvu
ツバサ「本来なら、もうすぐここで私と絵里が遭遇して」

ツバサ「……そして、私は絵里に殺される。」

穂乃果「ッッッ」

こころ(前の世界では、私たちが眠った直後に起こるんだよね……っ)

ことり「……」


ことり「待ち伏せしよう。」

533: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/23(火) 03:14:16.14 ID:eZKvlgvu
穂乃果「うぇ!?」

こころ「はっ!?」

ツバサ「ま、待ち伏せ!?」

ことり「そう。後ろの林の中で待ち伏せして、四人でいっぺんに飛びかかるの」

穂乃果「な、なんかそれっ、卑怯ってゆーか」

ことり「そんな事言っちゃダメ!!」

穂乃果「!?」

534: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/23(火) 03:14:56.73 ID:eZKvlgvu
ことり「ここで終わりにしなくちゃダメなの!!その為には、やれる事はなんでもやらなくちゃいけないんだよ!?」

穂乃果「で、でもぉ……」

ツバサ「てゆーか!取り押さえた後はどうする気なの!?呪文唱えられちゃったらそれまでなんだよ!?」

ことり「その時はコレ!ことりの必殺アイテム!」

ツバサ「へ?」

ことり「天界魅了式伍号の出番です!」

550: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/28(日) 18:44:07.45 ID:z8Y+usko
前の世界にて、

天使監督官・ツバサが起こした突然の乱心

当初、絵里への悔恨の念と共に
落日を起動させてしまったかに思えたが

しかし、それは予定調和を崩す為の

ツバサによる、正に苦肉の策だったと言う。

551: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/28(日) 18:44:46.64 ID:z8Y+usko
そんな彼女の願いに応えるかの様に

決死の時間移動を刊行した、穂乃果とこころ。


──果たして、


彼女たちは、
白紙の世界に明日を記す事が出来るのでしょうか

552: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/28(日) 18:45:22.80 ID:z8Y+usko
穂乃果「……」

こころ「……」

ことり「……」

ツバサ「……」


ツバサ「……ねぇ、」

ことり「ツバサちゃん。しー、だよ?」

穂乃果「金髪の人が来たら飛びかかる……金髪の人が来たら飛びかかる……」ブツブツ

こころ「違いますって、私が気を引いたらです。」

553: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/28(日) 18:45:45.42 ID:z8Y+usko
ツバサ「あの……これだけ言わせて?」

ことり「なに?」

ツバサ「やっぱさ、囮役は私がやった方がいい気がするんだけど」

こころ「駄目です、それは私の役目です」

ツバサ「で、でもさぁ?」

ことり「ツバサちゃん。」

ことり「ここでツバサちゃんが出て行ったら、また同じ結末になっちゃうかも知れないんだよ?」

554: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/28(日) 18:46:08.53 ID:z8Y+usko
ツバサ「それは……っ」

ことり「だから、ここはちょっとだけ我慢して」

穂乃果「そうだよ!絶対あの魔女さんと一対一になったらダメ!」

ツバサ「……それにしたってさぁ、」

ツバサ「こころちゃんが絵里の気を引いてる隙に、私たち三人で飛び掛かって押さえ付けるって」

ことり「……」

ツバサ「これ、どう考えても失敗する様な気がするんだけど」

555: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/28(日) 18:53:45.89 ID:z8Y+usko
ことり「大丈夫。」

ツバサ「大丈夫って……」

ことり「ふん捕まえたらすぐに、そこで拾ったツタでグルグル巻きにして、口にはその辺の葉っぱ詰め込むから」

ことり「だから、何も抵抗出来ないよ。」

ツバサ(鬼……っ!)

こころ(通り魔みたいな事言ってる)

556: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/28(日) 19:19:01.30 ID:z8Y+usko
ツバサ「あ、あとさ?ホントに私……これ被るの?」スッ

ことり「だって、あの魔女さんはツバサちゃんにプンプンしてるんでしょ?」

ことり「だからね、なるべく興奮させないようにそれで顔を隠して、声も出しちゃダメだよ?」

ツバサ「……」クンクンッ

ツバサ「……葉っぱ臭い、」

ことり「それはそうだよぉ。それも葉っぱとツタで作ったんだもん」

557: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/28(日) 19:22:01.63 ID:z8Y+usko
ツバサ「~っ」

こころ(ことりさんって、意外と野性的なところあるんだなぁ)

穂乃果「ことりちゃん。」

ことり「ん?」

穂乃果「もう一回だけ、手順を確認してもいい?」

ことり「いいよぉ。」

ことり「こう言うのはぁ、納得出来るまで何回もした方がいいからねぇ」

穂乃果「ありがと~」

558: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/28(日) 19:37:00.91 ID:z8Y+usko
穂乃果「──えっと、最初にこころちゃんが魔女さんの気を引いて」

穂乃果「穂乃果たちは後ろからこっそり近づいて、三人でいっぺんに飛び掛かる。」

ことり「うんうん。」

穂乃果「そんで、手足をグルグル巻きにして、口に葉っぱ詰めて詠唱出来なくしたら」

穂乃果「最後に、ことりちゃんが伍号で魔女さんの気持ちを落ち着かせる。……で、いいんだよね?」

ことり「はい。よく出来ました♪」

穂乃果「えへへぇ」

559: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/28(日) 19:37:32.86 ID:z8Y+usko
こころ(なんか不安になってきた……)

ツバサ「それで、伍号を使ったあとはどうするの?」

ことり「えっとね、」

ことり「ツバサちゃんに対する気持ちを、少しだけ変えようかなって」

ツバサ「そんなの洗脳じゃないのっ!!」

ことり「うっ……や、やっぱりダメかなぁ、」

穂乃果「う~ん……本人の考え方まで変えちゃうのは、穂乃果も良くないと思う。」

560: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/28(日) 19:37:55.52 ID:z8Y+usko
こころ「でも、そんなに怒ってる人の事、本当に説得なんて出来るんでしょうか」

ツバサ「……」

ことり「っ」

穂乃果「説得する。」

こころ「!」

穂乃果「穂乃果が、必ず説得するから」

穂乃果「必ず。」

562: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/29(月) 07:01:06.15 ID:ZK4BpzOQ
こころ「穂乃果さん……」

ことり「うん。ことりも精一杯頑張る!」

ツバサ「……」

ツバサ「……思うにね、」

穂乃果「え?」

ツバサ「最初に起こった出来事が少しでも違えば、その後の未来は似ても似つかない、全然違うものになるんじゃないかなって」

ツバサ「私は、そう思うんだ。」

563: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/29(月) 07:01:38.87 ID:ZK4BpzOQ
ことり「……」

こころ「……」

ツバサ「それってさ、今のこの状況がもう、まったく違う未来に向かってるって」

ツバサ「そう言う事なんじゃないかな?」

穂乃果「……」

こころ「……つまり、未来を変えられる可能性は十分にあるって事ですよね。」

564: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/29(月) 07:02:31.98 ID:ZK4BpzOQ
ツバサ「そう。」

ツバサ「だから、穂乃果のその訳のわかんない自信も、今なら信じてもいいって、そんな気持ちになれるかな」

穂乃果「訳わかんなくなんてないよっ!」

ツバサ「なんで?」

穂乃果「だってさ!」

穂乃果「今回はツバきゅんも一緒なんだよ!?」

ツバサ「!」

565: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/29(月) 07:03:59.57 ID:ZK4BpzOQ
穂乃果「みんないるんだもん!だから大丈夫!!」

ツバサ「……そうだね。そうかも知れない。」

ことり「うふふ、」

こころ「ちょっと他力本願の様な気もしますけど、確かにそんな気はしますね」

穂乃果「やれるよ!今度こそ!」

ことり「うん♪」

ツバサ「──ッ!!」

566: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/29(月) 07:07:34.50 ID:ZK4BpzOQ
……ザッザッザッ



ツバサ「き、来た!!」

ことり「みんな隠れて!」

穂乃果「ッ」バッ

こころ「穂乃果さん!足!足踏んでます!!」

穂乃果「はわわっ!ご、ごめん!」ザザッ

ツバサ「いいから早く隠れなさいって!」

ことり「──ん?」

567: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/29(月) 07:08:53.20 ID:ZK4BpzOQ
絵里「……」



ことり「あれ?」

穂乃果「……あの魔女さんの髪型ってさ、」

ことり「そうそう!ことりも思った!」

こころ「そんなんどーでもいいですっ!!二人とも集中して下s」

ツバサ「こころちゃん!陽動お願い!」

こころ「へ?は、はい!」ザッ

575: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/30(火) 07:22:44.65 ID:xDd3vGDM
ザッ ザッ ザッ……


絵里「……」


絵里(……おかしい。)

絵里(あの映像だと、確かにここら辺だった筈なのだけど、)

絵里(それに、先手を打って理事長か長だけでも倒しておきたかったのに、あんな編成じゃ不意もつけない)

絵里(肝心の骨を持ってる中立者も、どうやら反対の方向に居るみたいだし)

絵里「……しくじったわ。」

576: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/30(火) 07:23:25.06 ID:xDd3vGDM
「あ、あのっ」


絵里「!」

こころ「~っ」

絵里「……あら、誰かしら?」

こころ「え、えっとですね!」

こころ(ヤバいっ、緊張して話す内容が……っ)

絵里「……」

こころ「~ッッッ」

絵里「あっ」

577: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/30(火) 07:24:56.80 ID:xDd3vGDM
絵里「貴方、もしかして……」


絵里「足が悪かった子かしら?」

こころ「……へ?」

絵里「やっぱり」

絵里「久しぶりね。少し雰囲気が違ってたから、気付くのが遅れちゃったわ」

こころ「あ、あのっ」

絵里「えっと、確か……そう、」

絵里「ここあちゃんってお名前だったわよね?」

こころ「!!?」

578: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/30(火) 07:26:06.82 ID:xDd3vGDM
こころ「どっ、どーしてここあの事を!!?」

絵里「!?」ビクッ

こころ「なんでここあの事を知ってるんですか!!?」

絵里「え?だ、だって、前に足を治した事もあったし……それに、その後も会ってたから、」

こころ「足をっ!!?」

絵里「……と言うか、貴方ここあちゃんじゃないの?」

579: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/30(火) 07:27:04.26 ID:xDd3vGDM
こころ「私は姉のこころですっ!!」

絵里「あっ、お、お姉さんだったのねっ?ごめんなさい」

こころ「そんな事はいいです!それより、どうして貴方がここあの足を治したんですか!!?」

絵里「どうしてって……なんだか可哀想だったから……つい、」

こころ「~っ」

580: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/30(火) 07:29:48.95 ID:xDd3vGDM
穂乃果「……ねぇ、」

ツバサ「ん?」

穂乃果「なんか、こころちゃん焦ってるみたいに見えるよ?」

ツバサ「ん~。でも、この距離じゃ話してる内容までは分からないからなぁ」

ことり「上手く相手の気は引けてるみたいだから、そんなに心配しなくても大丈夫だと思う」

ツバサ「それはそうだけど……」

581: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/30(火) 07:30:35.49 ID:xDd3vGDM
ことり「焦っちゃダメ。こう言う時こそ落ち着かないと」

穂乃果「そうだね。こころちゃんが合図するまで待とう」

ツバサ「あの子が海の方を向いたら、だよね?」

ことり「そう。ゆっくり忍び足だよ?」

穂乃果「穂乃果は忍者……穂乃果は忍者……」

ツバサ「……それ必要?」

穂乃果「うん。」

582: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/30(火) 07:42:23.55 ID:xDd3vGDM
絵里「あの、貴方の名前は?」

こころ「……さっき名乗りました。」

絵里「ご、ごめんなさいっ、よく聞いてなくて……もし良かったら、もう一度教えて貰えないかしら?」

こころ「私はこころです。」

絵里「こころちゃん、ね。ここあちゃんのお姉さんの」

こころ「……貴方はなんてお名前なんですか?」

絵里「私は絵里よ。よろしくね?」

583: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/30(火) 07:43:08.14 ID:xDd3vGDM
こころ「……」

こころ「なんで、妹の足を治したんですか?」

絵里「え?だから、可哀想だったからつい」

こころ「……そこがよく分かんないです。」

絵里「そうかしら?目の前に困ってる人が居たら、たとえ誰でも助けたくなるものじゃない?」

こころ「っ」

こころ(どうして?なんでこんな事言う人が、
人を傷つけたり出来るの?)

584: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/30(火) 07:43:56.78 ID:xDd3vGDM
絵里「それより、ここあちゃんは元気かしら?」

絵里「前に会った時もあまりお話できなかったから、今度こそちゃんとお話したいわね。」

こころ「……」

絵里「彼女、呪文に少し興味があったみたいだから、将来は辺境に来るのも悪くないんじゃ──」

こころ「ここあは下界で幸せになるんですっ!!魔女にはなりませんっ!!」

絵里「うっ!?ご、ごめんなさい!」

こころ「~っ」

585: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/30(火) 07:45:00.67 ID:xDd3vGDM
絵里「……あの、気を悪くさせたのなら謝るわ。私はただ、ここあちゃんの興味を大事にしたくて」

こころ「っ」

絵里「だってほら?結局、最後は自分が何をしたいのかが大事だと思ったから……」

こころ「……いえ、」

こころ「私も、言い方が悪かったです。」

絵里「……」

586: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/30(火) 07:45:53.67 ID:xDd3vGDM
こころ「絵里さん」

絵里「なに?」

こころ「絵里は、なんで……」

絵里「?」

こころ「……」

絵里「どうしたの?」

こころ「……みんなの事は、嫌いですか?」

587: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/30(火) 07:50:52.63 ID:xDd3vGDM
絵里「みんな?みんなって誰のこと?」

こころ「えっと、希さんとかあんじゅさんとか、それから、英玲奈先生とか」

こころ「あとは……亜里沙ちゃんとか、それに凛さんとか長さんも、」

絵里「あら、亜里沙の事を知ってるの?」

こころ「……大事なお友達です。」

絵里「それは良かったわ。亜里沙の事、よろしくね?」

588: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/30(火) 07:51:22.91 ID:xDd3vGDM
こころ「い、いえ、こちらこそ」

絵里「それで、みんなの事が嫌いか?だったかしら」

こころ「あ、はい。」

絵里「んー、そうねぇ」

絵里「色々と思うところはあるけれど……」


絵里「私は、みんな大好きよ。」

こころ「!」

589: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/30(火) 07:53:00.49 ID:xDd3vGDM
絵里「ふふ。急にどうしたの?」

こころ「……」

こころ「……私も、みんな大好きです。」

絵里「もちろん、貴方とここあちゃんの事もよ?」

こころ「!」

絵里「事情があって、ここあちゃんと出逢った時は邪険に扱ってしまったけど」

絵里「出来れば、貴方たち二人ともちゃんと仲良くしたいって」

590: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/30(火) 07:54:12.55 ID:xDd3vGDM
絵里「──私は、そう思ってるわ。」

こころ「……」

スッ

穂乃果「あっ!」

ツバサ「振り向いた!」

ことり「行くよ!ヒヨコ隊突撃っ!」バッ

ツバサ(その名前っ!!)

597: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/31(水) 07:30:55.54 ID:1Mm4tVwh
こころ「……」

こころ(……亜里沙ちゃんも、希さんもあんじゅさんも、それに英玲奈先生だって)

こころ(絵里さんの事、あんなに大事に思ってた)

こころ(そして、絵里さんもみんなの事を大好きだって……)

こころ(本当に、ツバサさんとの事さえ許して貰えれば、何もかも上手く行くんじゃないのかな)

598: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/31(水) 07:34:52.17 ID:1Mm4tVwh
こころ(こんなにいい人なのに、これからここで、絵里さんはツバサさんをっ)

こころ(……ダメ。そんな事、絶対にさせたくない)

絵里「?」

こころ(でも、どうすれば絵里さんがツバサさんを許してくれるのか……私にはとても思いつかない。)

こころ(相手を消しちゃいたくなる様な恨みなんて、私には……)

絵里「あの、こころちゃん?」

599: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/31(水) 07:36:39.89 ID:1Mm4tVwh
こころ「私は……」

絵里「こころちゃーん。」

こころ「えっ?は、はい!」クルッ

こころ「──ッ!!?」


『それぇえええええっっっ!!!!!!』バッ


絵里「え!?」ビクッ

こころ「あっ!!」

600: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/31(水) 07:37:50.04 ID:1Mm4tVwh
こころ「ふんっっ!!!!!」ドンッ

絵里「のっほっ!!?!?」グンッ

穂乃果「はっ!!?」

ことり「ぇえっ!!?」

ズザァッ!!!

絵里「」ガクッ

ツバサ「こ、こころちゃん!!なんで!!?」

こころ「……あ、」

601: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/03/31(水) 07:39:34.40 ID:1Mm4tVwh
なんと、

計画していた、絵里捕獲作戦の手筈は

あろう事か、陽動役だったこころの蛮行によって

敢なく打ち崩されてしまったのです。

618: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/06(火) 05:50:33.76 ID:U00CDB84
絵里「ぅっ……いったたた……」ムクッ

こころ「ど、どうして私……」

穂乃果「あ……ぅ……っ」

ことり「~ッ」

絵里「うぅ……なに?なんなの一体」

ツバサ(ど、どうするの!?こんなの予想してないんだけど!!)

穂乃果「こ、ことりちゃん!」

ことり「ッ」

ことり「突撃っ!突撃ぃいいっ!!!」

619: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/06(火) 05:52:22.56 ID:U00CDB84
こころ「待ってくださいっ!!」

ツバサ「!?」

ことり「どうして止めるの!?」

こころ「ぇ、どーしてって……」

穂乃果「~っ」

こころ「それは……っ」

「あ、貴方たちっ!!」

620: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/06(火) 05:53:43.24 ID:U00CDB84
絵里「……」

穂乃果「!」

ことり「うっ!?」

こころ「え、絵里さん……」

ツバサ「~ッ」

絵里「……もしかして、」


絵里「その、葉っぱの天使から逃げてきたの?」

621: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/06(火) 05:54:19.25 ID:U00CDB84
穂乃果「へ?」

こころ「は?」

ツバサ「……」

絵里「そうなんでしょ?確かにその子、羽と光輪は付いてるみたいだけど、どう見ても怪しいもの」

ことり「!」

ことり「そ、そうなんです!!」

ツバサ「!!?」

622: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/06(火) 05:54:51.66 ID:U00CDB84
ことり「実は私たち!この葉っぱ天使と鬼ごっこしてたんですよ!」

ことり「ね!?ねぇ!?」

ツバサ「~っ」

穂乃果「そ、そうなんだよ!!この葉っぱちゃんから逃げてたら、そこで転んじゃってさ!あはは!」

絵里「やっぱりね。そんな風態の子に追い掛けられたら誰だって逃げるもの」

こころ「ッッッ」

623: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/06(火) 06:01:14.68 ID:U00CDB84
絵里「で?その子はいつまでそんなお面を被ってるの?怖いから早く取りなさい。」

ツバサ「っ……っっ」

絵里「どうしたの?初対面の人にはちゃんとお顔を見せて挨拶しなきゃ駄目よ?」

ツバサ「うっ……あ、あの、」

絵里「どうしたの?何か見せられない理由でもあるの?」

ツバサ「(こっ、ことりぃ!)」チラッ

ことり「じ、実はですね、」スッ

絵里「え?なに?」

624: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/06(火) 06:02:18.42 ID:U00CDB84
ことり「……」ゴニョゴニョ

絵里「……」

絵里「……そんなっ」ウルッ

ツバサ「!?」

穂乃果「え!?」

絵里「ごっ……ごめんなさい……っ、そんな事情があるなんて……ウッ……わたしっ、知らなくてぇ……っ」

こころ「ッッッ」

625: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/06(火) 06:04:26.78 ID:U00CDB84
ツバサ「(ことり!?アンタなに言ったの!?)」ヒソヒソッ

ことり「(か、顔中毛だらけでよく馬鹿にされるから、いつも隠してるって……)」ヒソヒソッ

穂乃果「(意味わかんないよっ!!)」ヒソヒソッ

こころ「(声はどう誤魔化す気なんですか?)」ヒソヒソッ

ツバサ「(ちょ、ちょっと低くしてみるっ)」ヒソヒソッ

絵里「グスッ……と、ところでこころちゃん。」

こころ「はい?」

626: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/06(火) 06:09:09.72 ID:U00CDB84
絵里「どうして、私の事突き飛ばしたの?」

こころ「うっ!?」

こころ「そ、それは……っ」チラッ

ツバサ「っ」

穂乃果「~っ」

ことり(上手く誤魔化してくださいっ!)バッ

絵里「?」

こころ「え、えっとぉ……その……」

「見つけたわ」

627: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/06(火) 06:28:21.91 ID:U00CDB84
絵里「!」

あんじゅ「……」

ツバサ「あっ」

穂乃果「あんじゅさん!?」

絵里「し、師匠……っ」

あんじゅ「……」

あんじゅ「アンタに言いたい事は山ほどあるけど、取り敢えずは──」スッ

絵里「えっ」

ドヒュウゥゥゥゥゥッ!!!!!!!

628: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/06(火) 06:29:21.79 ID:U00CDB84
絵里「うぅっ!!?」ズザッ

穂乃果「あぁっ!!」

ツバサ「ちょっ!?」

あんじゅ「……」

ことり「あ、あんじゅさんっ!?」

絵里「っ……っっ」グッ

あんじゅ「いきなりで悪いけど、少し大人しくしてて貰うわ」

629: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/06(火) 06:36:53.12 ID:U00CDB84
絵里「~ッッッ」

あんじゅ『……』スッ

ズドッ!ズドッ!ズドォオオッッッ!!!!!!

絵里「か、囲まれ……っ!?」

あんじゅ『──ッ』バッ

ザバァアアアアアァッッッ!!!!!

絵里「うわっ!!?」バシャアァァッ

630: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/06(火) 06:37:28.46 ID:U00CDB84
絵里『くっ、くそっ!!』ザッ

……パキパキパキパキパキパキパキッッ!!!!

絵里「!!?」

あんじゅ『遅いわ』

絵里「い、いつの間に!!?」

あんじゅ「成り立てのアンタと違ってね、私は思ったと同時に術が出せるの」

631: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/06(火) 06:40:08.09 ID:U00CDB84
あんじゅ「まぁ、あくまで中級以下の話だけども」

絵里「くそっ、足が……っ!」ググッ

絵里「そ、そっちがその気なら!私も全力で──」

こころ「……」

絵里「あ、あれ?」

こころ「……」

絵里「こころちゃん!そこ危ないって言ったでしょ!?早く後ろにっ」

「それ私じゃないっ!!」

絵里「え?」

こころ「おバカ。」スッ

632: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/06(火) 06:41:19.22 ID:U00CDB84
こころ『呪禁術・休怠ヘノ歩』

絵里「なぁ!!?」

ミヨヨヨ~ン

絵里「$☆☆¥♪÷!?」ホワワワ~

こころ「え、絵里さん!?」

こころ『……』

ポンッ!

あんじゅ「……」

こころ「あんじゅさん!どうして!?」

633: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/06(火) 06:54:16.06 ID:U00CDB84
あんじゅ「……こうでもしないと、本当にあの映像の通りになっちゃうでしょ?」

こころ「で、でもっ」

絵里「はわぁ~、立ってるのめんどくさぁ~い」ゴロンッ

穂乃果「あっ」

絵里「すなの上きもちいい~」ゴロゴロッ

ツバサ(うわぁ……)

あんじゅ「それとも、そこの葉っぱ人間が虐められてるところを見たかったとか?」

ツバサ「!」

634: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/06(火) 06:56:07.21 ID:U00CDB84
こころ「誰だか分かるんですか!?」

あんじゅ「さぁ~、ちょっと自信ないわねぇ」

あんじゅ「試しにぃ、天辺から燃やしてみてもいいかしらぁ?」スッ

ツバサ「い、今取るからぁ!」バサッ

ことり「あぁ……可愛かったのに……」

穂乃果「……」

「お姉ちゃん!」

穂乃果「!」

635: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/06(火) 06:57:37.65 ID:U00CDB84
雪穂「もう!見つけたらすぐ連絡してって言ったじゃん!」

ミカ「み、みんな大丈夫!?」

穂乃果「雪穂!?それにミカもっ!?」

穂乃果「……あれ?ミカと雪穂がなんで一緒にいるの?」

あんじゅ「アナタ、もう忘れたの?」

あんじゅ「"最初からこの三人のチーム分け"だったでしょ?」

こころ「えっ、」

穂乃果「あれ?そうだっけ?」

636: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/06(火) 07:07:57.24 ID:U00CDB84
こころ「(ち、違いますよ穂乃果さん!)」ヒソヒソ

穂乃果「へ?」

こころ「("私たちが居た時間"では、あんじゅさんはお医者さんコンビと一緒にいたじゃないですか!)」ヒソヒソ

ことり「(そ、そうなの?)」コソッ

穂乃果「……」

穂乃果「あっ!」

ツバサ「……」

637: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/06(火) 07:17:14.73 ID:U00CDB84
あんじゅ「何はともあれ、未然にアンタたちのケンカを防げて良かったわ」

ツバサ「……そうね。」

絵里「う~」ゴロゴロッ

こころ「……」

ミカ「そ、そうだよね!ホントに何事もなくて良かったよぉ!」

雪穂「あの、こうして魔女さんも見つかった事だし、一度みんなをここに集めませんか?」

あんじゅ「そうね、そうしましょう。」

638: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/06(火) 07:17:45.04 ID:U00CDB84
当初の予定からは大分異なりましたが

なんとか成功した、絵里捕獲計画。


しかし、絵里の人間性を目の当たりにしたこころは

その感情をよく理解出来ないまま

それでも、彼女に強く惹かれ始めていました


大きく変化を見せ始めたこの世界は

果たして、何処に向かって行くのでしょうか?

645: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/08(木) 07:24:46.61 ID:1q5q7YHU
「──あんじゅちゃん、」


あんじゅ「……」

真姫ママ「貴方の魔女としての実力、そして人柄。私はそのどちらも信頼しているわ」

真姫ママ「特に、実力に関しては元天使見習いだったとは思えないくらいの成長を見せてくれたんだもの」

あんじゅ「っ」

真姫ママ「辺境の未来の事もよく考えてくれているし、大体のことは貴方に任せて大丈夫だって自信もある」

真姫ママ「……ただ、ちょっとね?」

646: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/08(木) 07:25:15.88 ID:1q5q7YHU
「ほぇ~」

真姫ママ「コレは少し、術が強過ぎるんじゃないのかなぁ~って、」

絵里「はわぁ~わぁ~」ポケェ

あんじゅ「し、しょうがないでしょ!何かされる前に抑え込まなくちゃならなかったんだからっ!」

真姫ママ「それにしたってねぇ」

あんじゅ「うるっさいわねぇ!どーせその内正気に戻るんだから同じでしょ!?」

647: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/08(木) 07:26:17.78 ID:1q5q7YHU
絵里「わぅわ~」ポケェ~

真姫ママ「そう言う問題じゃないんだけどなぁ~」

あんじゅ「~ッッッ」

「要するに、」

真姫「コイツの呪文がヘッタクソなだけって事なんでしょ?」

あんじゅ「」ブチッ

真姫ママ「ま、真姫ちゃん!」

648: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/08(木) 07:27:03.06 ID:1q5q7YHU
あんじゅ「……あらっ、ママの前だから粋がりたくなったのかしら?」

真姫「」ブツッ

真姫「……ごめんなさいねぇ、大恥かいた所に横槍まで入れちゃって」

あんじゅ「……」

真姫「……」

真姫ママ「ちょ、ちょっと二人とm」

ズボゥッッッ!!!!!!

649: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/08(木) 07:29:09.37 ID:1q5q7YHU
あんじゅ「あららぁ!?つまんない遺言はそれだけでいいのかしらぁ!?」メラメラッ!!!

真姫「いいえ!!続きはアンタのキモい辞世の句を聞いてからにするわ!」ビシィッ!!!

真姫ママ「……」

チャキッ!

真姫「うっ!?」

モ モ ッ!

あんじゅ「きゃぁあっ!!?」


「……まったくっ、」

650: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/08(木) 07:30:22.31 ID:1q5q7YHU
にこ「あんたらホントいい加減にしなさいよね!」

希「そうやでぇ?ケンカしてる場合とちゃうよ?」

真姫「わ、分かったから包丁しまって!!」

あんじゅ「なぁに胸揉んでんのよぉ!!!」ゴチッ

希「てむじんっ!!!」ガクッ

真姫ママ「はぁ、」

亜里沙「希さんも真面目にやって下さい!」

651: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/08(木) 07:49:01.29 ID:1q5q7YHU
希「いってて……ウチはいつでも真面目なんやけどなぁ」

あんじゅ「だったら病気ね」

凛「希ちゃんはいっつもそんな感じにゃ」

花陽「そ、そうなの?」

希「うぃ~っ、タンコブ出来ちゃうよぉ」

ほのパパ「……」スッ

希「あ、すいません、近寄らないで貰えますか」

ほのパパ「っ」

ほのママ「き、気にしなくていいと思うわよ?」

652: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/08(木) 07:49:33.31 ID:1q5q7YHU
英玲奈「一応、これで全員は揃った様だが」

ヒデコ「そうだね。あの部屋に居た人たちはみんな居ると思う」

フミコ「うん。ちゃんと居るよ」

フミコ「……でも、」

穂乃果「……」ギュッ

理事長「うふふふ~♪」ナデナデ

英玲奈「……このねぼ助は、一体いつまで理事長にしがみ付いているつもりなんだ?」

穂乃果「むぅ~」グリグリッ

653: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/08(木) 07:51:25.96 ID:1q5q7YHU
ほのママ「ほ、穂乃果?お母さんはコッチよ?」

穂乃果「今は理事長先生がいいの。」

理事長「ふふふ~♪ごめんねぇ~」

ほのママ「うぅ……っ」

ほのパパ「……」ヨシヨシッ

英玲奈「……まぁ、さっきの話を続けようか。」

英玲奈「えぇ、つまり、このねぼ助とちび助の二人は、天界先駆式壱号と劇場式肆号の力を使って、今から約3時間後の未来からやって来た。」

654: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/08(木) 07:54:27.81 ID:1q5q7YHU
英玲奈「そして、その未来世界では、そこのポンコツ馬鹿とでこ助が使った甦生術なんて言う、とんでもない術を使ってこの世界を作り替えてしまった。と」

英玲奈「そうなのか?」

ツバサ「……」

穂乃果「つ、ツバきゅんは悪くないよぉ!!」ガバッ

こころ「そうですっ!!ツバサさんは未来を変える為に、敢えて自分からそうしただけなんですからっ!!」

英玲奈「……まぁ、あくまで起こった結果を確認したかっただけだ。」

655: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/08(木) 07:57:41.85 ID:1q5q7YHU
ツバサ「でも事実だよ。」

ツバサ「私は一つの世界を台無しにした。それは変わらない」

英玲奈「……」

あんじゅ「……絵里は分かるとして、なんでアンタが甦生術の事を知ってたの?」

ツバサ「寧ろ、その質問は私がしたいんだけど」

希「ウチらは長から聞いたんやけど」

ツバサ「……」チラッ

656: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/08(木) 08:00:49.09 ID:1q5q7YHU
真姫ママ「うっ……だ、だってぇ、」

真姫ママ「前任者として、原生呪禁術の申し送りの時に甦生術の事も話さないといけないから……ねぇ?」

ツバサ「いえ、長さんを責めてる訳じゃないんです。」

真姫ママ「あ、あらホント?」

英玲奈「……原生呪禁術?」

希「ヤッバいのがあるんよ」

あんじゅ「見たら腰抜かすわよ?」

657: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/08(木) 08:19:49.82 ID:1q5q7YHU
真姫ママ「……でも、変なのよねぇ」

ツバサ「変?」

真姫ママ「えぇ。甦生術とその呪文については、彼女たち三人には話したんだけど」

真姫ママ「未来のツバサちゃんは、どうやって文言を知ったのかな?」

ツバサ「……たぶん、聖天術で絵里の記憶を引き出したんだと思います。」

真姫ママ「ふむ。でも、もう一つの方の問題が解決してないわ」

664: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/10(土) 10:42:27.64 ID:wEe1SOh+
真姫ママ「最初は、絵里ちゃんが唱えるつもりだったのよね?」

真姫ママ「だったら、絵里ちゃんはどうやって聖文を手に入れたのかしら」

ツバサ「……ごめんなさい、それは分からないです。」

英玲奈「6年前……は、あり得ないな」

あんじゅ「少なくとも、辺境で聖文を使える人は限られてるわね」

665: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/10(土) 10:53:08.42 ID:wEe1SOh+
希「堕天した人なんてあんま居ないもんなぁ」

英玲奈「……ん?」

英玲奈「そう言えば、つい最近絵里が天界に来たな」

あんじゅ「!?」ギクッ

ツバサ「へ?い、いつ!?」

理事長「伍号を取りに来た時だよねぇ~?わたしも会ったよぉ~」

ことり「あっ、あの時かぁ」

674: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/14(水) 23:11:15.82 ID:pclPqm7i
あんじゅ「~っ」

真姫ママ「……なんで絵里ちゃんが天界に行ってるの?私、聞いてないよ?」

あんじゅ「い、いやぁ……それはたまたまってゆーか……」

真姫ママ「たまたまあの子が天界に行くの?それってあり得ると思う?」

あんじゅ「うっ……思いません……っ」

真姫ママ「で、どうして絵里ちゃんに七つ道具なんて取りに行かせたの?」

675: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/14(水) 23:12:05.45 ID:pclPqm7i
あんじゅ「~っ」

あんじゅ「……伍号の能力なら、もしかしたら絵里のトラウマを完全に解消出来るかもって思って……それで……」

ことり「……」

真姫ママ「だからって、盗みに行かせるのはどう考えても間違いだと思うわよ?」

あんじゅ「……はぃ、」

真姫ママ「そもそも、ミナm──」

あんじゅ「?」

676: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/14(水) 23:13:16.12 ID:pclPqm7i
真姫ママ「……理事長に一言言えば、それで済む話でしょう?」

あんじゅ「っ」

あんじゅ「……この人は、」

「私が悪いんだよぉ~」

あんじゅ「!」

真姫ママ「どう言うこと?」

理事長「んっとねぇ~」

678: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/14(水) 23:34:02.80 ID:pclPqm7i
理事長「絵里ちゃんが堕天した時にねぇ~、私なぁ~んにも出来なかったからぁ~、」

理事長「そのせいでぇ~、あんじゅちゃんからの信用とか色々失くしちゃったのぉ~」

あんじゅ「っ」

ツバサ「そ、それは違いますっ!!」

英玲奈「そうだっ!!理事長はあの時、絵里の誤解を解く為に方々へ陳情して回ってたじゃないかっ!!」

希「理事長。いくらなんでも、それは自分を責め過ぎやで?」

679: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/14(水) 23:35:06.92 ID:pclPqm7i
理事長「ん~……」

真姫ママ「そ、それと此れとは話が違うんじゃないの?」

理事長「ん~ん~。信用出来ない人なんてぇ、普通は頼りにしたりしないでしょ~?」

真姫ママ「あなた……」

あんじゅ「ッッッ」

穂乃果「……」

穂乃果「理事長先生。」

680: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/14(水) 23:54:21.76 ID:pclPqm7i
理事長「なぁ~に?」

穂乃果「……あのね、」


穂乃果「例えどうなっても、穂乃果は理事長先生の事が大好きだよ。」

理事長「──ッ!!」


穂乃果「辛いこともあったけど、こうして天使になれて……理事長先生に会えて、本当に良かったって思ってるもん」

ほのママ「穂乃果……」

雪穂「お姉ちゃん……」

ほのパパ「……」

681: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/14(水) 23:57:29.64 ID:pclPqm7i
理事長「……」

ギュッ

穂乃果「わっ」

理事長「穂乃果ちゃん……」グッ

穂乃果「えへへぇ、」

あんじゅ「……どうなってもって、どう言うこと?」

英玲奈「分からん」

希「……」

682: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/15(木) 01:00:59.25 ID:DjXozxEL
「うぅ……」


理事長「!」

穂乃果「あっ」

絵里「…………あれ?私、何してたんだっけ?」フラッ

あんじゅ「!?」

希「え、えりち!?」

絵里「あぇ?のぞみ?」

こころ「あっ」

ことり「や、ヤバ──ッ!!」ガバッ

ツバサ「んぶっ!?」ゴリッ

683: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/15(木) 01:05:02.94 ID:DjXozxEL
英玲奈「ひ、久しぶりだな?絵里っ、」

あんじゅ「~っ」

絵里「英玲奈……それに、師匠も……」

絵里「!」

絵里「そ、そうよっ!!」バッ

あんじゅ「!?」

絵里「師匠っ!!いきなり私に攻撃して……一体どう言うつもりなのっ!!?」

あんじゅ「……はぁ、」

686: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/16(金) 22:39:37.05 ID:SAJjsjfb
絵里「ちょっと!」

あんじゅ「……じゃあ、逆に聞くけど」

あんじゅ「アナタ、ここで一体何してるの?」

絵里「!?」

あんじゅ「確か、ゲームを買いに行くって言って出て行った筈だけど」

絵里「そ、それは……」


「お姉ちゃん」

687: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/16(金) 22:40:11.38 ID:SAJjsjfb
絵里「えっ」

亜里沙「……」

絵里「亜里沙?」


絵里「……あ、」


希「……」

凛「……」

真姫ママ「……」

688: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/16(金) 22:41:54.76 ID:SAJjsjfb
理事長「絵里ちゃん……」

英玲奈「……」

穂乃果「……」

こころ「~っ」

ヒデコ「っ」

フミコ「……」

ミカ「え、絵里ちゃん……っ」


絵里「……」

689: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/16(金) 23:41:51.03 ID:4B0zUGZb
真姫「大人しくしときなさい。悪い様にはしないから」

にこ「まったく、あっちこっち探し回ったじゃないの」

花陽「っ……っっ」

ほのママ「……」

ほのパパ「……」

雪穂「……」


絵里「……なによ、」



絵里「まさか、これで終わりなの?」

690: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/16(金) 23:49:07.14 ID:4B0zUGZb
ツバサ「……」

絵里「あれだけ色々と準備して、確定した未来をただなぞるだけだったのに……」

絵里「こんな……こんなしょうもないミスで……終わり……?」

あんじゅ「残念だけど、その通りよ。」

絵里「……」

希「えりちがこれからやろうとしてる事も、その結果も、全部この子たちから教えて貰ったんや」

絵里「!」

698: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/21(水) 22:46:19.05 ID:w6D7wRC3
穂乃果「……」

こころ「っ」

絵里「……」

絵里「……おかしいでしょ、」

絵里「肆号の所有者はアイツでしょ?なのに、なんでこの子達に未来の事なんて分かるの?」

絵里「それに、ここのチーム分けにしたってそうじゃないっ、どうして……」


絵里「なんでっ、あの部屋で分けた組み合わせと、浜辺で行動してたメンバーが違うのよっ!!」

699: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/21(水) 22:46:58.67 ID:w6D7wRC3
英玲奈「……あー、それはな?」

絵里「っ」

英玲奈「ここへ着いた直後に、編成についてあんじゅとこの医者から猛抗議があって、それで急遽変えざるを得なくなったんだ」

絵里「なによそれ……っ」

英玲奈「まぁ、要するにツイてなかったって事だな。」

絵里「ッッッ」

真姫「私のお陰ね?」

あんじゅ「ブン殴るわよ?」

700: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/21(水) 22:49:09.64 ID:w6D7wRC3
絵里「っ」

絵里「……未来の映像を見て、私は貴方たちの裏をかく形で行動していた」

絵里「その筈だったにも関わらず、何故かこの浜辺に着いてから上手く立ち行かなくなかった」

英玲奈「……」

絵里「でも、よく考えてみたらおかしいわよね……」

絵里「どうして私、ここに着いた後も"上手く行く"だなんて思えたのかしら」

701: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/21(水) 22:51:06.68 ID:w6D7wRC3
絵里「なんとなく、この浜辺に着いたらすんなり事が運んでくれる様な気がしたんだけど」

絵里「……まぁ、今の状況ではそれももうあり得ないわね」

英玲奈「あぁ、そうだな。」

絵里「……」

絵里「七つ道具で見た出来事が外れるだなんて、英玲奈が言った様に、よっぽど運に見放されていたのね、私は。」

絵里「……それにしても、」チラッ

こころ「!?」

702: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/21(水) 22:56:18.50 ID:w6D7wRC3
絵里「まさか、あの時助けた子のお姉ちゃんにしてやられるとは、とんだ恩返しだわ」

こころ「うっ、」

絵里「あの会話も、今考えればただの時間稼ぎだったってワケね。」

こころ「わ、わたしは……っ」

絵里「……」

こころ「……いえ、最初はそうでした。」

こころ「本当は四人で絵里さんを捕まえる為に、私が囮役をやっていたんです」

706: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/23(金) 22:46:03.03 ID:fLUlVZWJ
絵里「……そう、」

こころ「でも、ここあを治してくれた事には、本当に感謝しているんです!」

にこ「はっ!?そ、それどう言うことよ!?」

絵里「……ただの偶然よ。」

こころ「それでも、妹に良くして頂いたのは事実です。」

こころ「本当に、ありがとうございます。」

絵里「……」

707: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/23(金) 22:46:51.71 ID:fLUlVZWJ
にこ「ッッッ」

にこ「ちょっと!」

絵里「なに?」

にこ「……私からもお礼を言うわ。」

絵里「どうして貴方が?」

にこ「私はこの子たちの姉だからよ!」

絵里「え?」

708: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/23(金) 22:47:16.67 ID:fLUlVZWJ
こころ「っ」

にこ「……」

絵里「……確かに、似てるわね」

にこ「……」

にこ「私はにこ。あんたの名前は?」

絵里「え?絵里、だけど」

にこ「そう……妹のこと、ありがとね、」


にこ「絵里。」

絵里「!」

709: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/23(金) 22:48:34.61 ID:fLUlVZWJ
絵里にとっては、ただの気まぐれでしか無かった

あの日の行い。

それが、一つの善行として

少しづつ彼女の心を救い始めました。

710: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/23(金) 22:49:20.03 ID:fLUlVZWJ
にこ「今度、私の家に来なさい。にこ特製の料理を振る舞ってあげるわ」

絵里「え……で、でも、」

にこ「いいから、お礼くらいちゃんとさせて?」

絵里「〜っ」


穂乃果「……ふふっ、」



そして、

この良き行いを糧に芽吹いた、希望の萌芽は

我らが主人公、穂乃果へと託されました。



穂乃果「絵里ちゃん!」

絵里「え?」

711: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/23(金) 22:50:48.53 ID:fLUlVZWJ
穂乃果「ほい!」グイッ

真姫「ハァ!?ちょっ、ちょっとなに!?」

絵里「え?ぇえ?」

穂乃果「次はこの子の紹介をするね!」

穂乃果「ほらお医者さん!お願い!」

真姫「真姫よっ!!」

穂乃果「そうそう!そんな感じで絵里ちゃんにも自己紹介してあげて?」

真姫「〜っ」

712: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/23(金) 22:54:32.47 ID:fLUlVZWJ
絵里「……」

真姫「……わ、私は真姫っ。そこのにこちゃんと一緒に、音ノ木村でお医者をやってるわっ」

絵里「……」

真姫「ッッッ」

真姫「ま、まぁ?具合が悪くなったらいつでも来なさい。この真姫ちゃんが治してあげるから」

絵里「……ありがとう。」

713: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/23(金) 22:55:05.54 ID:fLUlVZWJ
希「んん……」

あんじゅ「な、なにがどうなってるの?」

希「……自己紹介?」

あんじゅ「そうじゃなくてっ」

英玲奈「分からん……分からんが、」

英玲奈「悪いことにはなっていない。と言うことだけは分かる」

あんじゅ「そんなの見れば分かるわよ!!」

ツバサ「……」

714: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/23(金) 23:06:01.21 ID:fLUlVZWJ
穂乃果「じゃあハイ!次は貴方!」

花陽「へ?わ、わたし!?」

絵里「……」

花陽「はわっ……わた、私の名前ははにゃ……」

花陽「うぃっ///は、花陽……ですっ……音ノ木村で畑を管理してます……」

絵里「……えぇ。」

凛「かよちんはね、凛の一番のお友達なんだよ?」

穂乃果「おーっ!」

715: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/23(金) 23:06:42.59 ID:fLUlVZWJ
絵里「え?そ、そうだったの?」

凛「うん、よくここで遊んでるんだ!」

花陽「えへへ。」

花陽「つい最近まで、凛ちゃんの事人魚さんだと思ってたけどね?」

凛「!?」

絵里「人魚?」

凛「か、かよちんそれ──」

「凛。」

凛「っ」ビクッ

716: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/23(金) 23:07:32.84 ID:fLUlVZWJ
あんじゅ「……」

凛「あ、あはは……」

あんじゅ「……下界では呪文は控えなさいって、私そう言ってたわよね?」

凛「うっ……そ、それはぁ……」

あんじゅ「術を教えた日に、絵里と一緒に説明を聞いてた筈だけど?ねぇ?絵里。」

絵里「へ?あ、そ、そう言えば……」

凛「ッッッ」

あんじゅ「……」

717: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/23(金) 23:17:01.71 ID:fLUlVZWJ
あんじゅ「……絵里、師匠命令よ。」

絵里「!」

あんじゅ「姉弟子として、ちゃんと凛にお説教しておく様に」

絵里「は、はいっ。」

凛「うぇええっ!?絵里ちゃん勘弁してよぉ〜!」

真姫ママ「……ふふっ。」

理事長「〜♪」

720: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/25(日) 06:41:03.11 ID:t7bzp6UI
穂乃果「よし!次は私の家族を紹介するね!」

ほのパパ「!」

ほのママ「え?わ、私たちも?」

雪穂「……」

穂乃果「えっと、コッチが穂乃果のお父さん!」

ほのパパ「♪」

絵里「あ……ど、どうも、」

721: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/25(日) 06:41:44.90 ID:t7bzp6UI
穂乃果「で、コッチがお母さん!」

ほのママ「よろしくね?絵里ちゃん。」

絵里「は、はい。こちらこそっ、」

穂乃果「この子が妹の雪穂!」

雪穂「……どうも、」

絵里「う、うん。」

希「♪」

希「雪穂ちゃんはなぁ〜?亜里沙ちゃんのライバル的存在なんやで〜?」

亜里沙「!?」

722: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/25(日) 06:42:23.18 ID:t7bzp6UI
穂乃果「ぇえっ!!?」

絵里「そ、そうなの?」

亜里沙「そんなんじゃないよっ!!」

雪穂「……弱い者イジメはしたくないんだけどな、」ボソッ

亜里沙「っ」カチンッ

亜里沙「……誰が弱い者なの?」

雪穂「さぁ、誰だろうね」

ザッ

亜里沙「……」

雪穂「……」

723: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/25(日) 06:43:18.55 ID:t7bzp6UI
穂乃果「へ?」

希「お〜っ、」

絵里「ちょ、ちょっと?二人とも……」

……キィィィイイイイイイイイイイッ!!!!!!!!!

亜里沙『──ハイッ!!!』バッ

ドヒュウウゥゥゥゥゥゥゥゥッッッ!!!!!!!!!!

絵里「!?」

穂乃果「うわっ!?」

雪穂「──フンッッッ!!!!!!!」ドッ!!!

ボンッッッ!!!!!!!!!


ズザザァァァァァァァァァァァァ………………

724: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/25(日) 06:44:39.60 ID:t7bzp6UI
亜里沙「っ」

雪穂「……」


穂乃果「ゆ、ゆきほ……?」

ほのママ「ふむ……成長してるわねぇ。」

絵里「ふ、二人ともっ!怪我するからもうやめなさいっ!!」

亜里沙「……大丈夫。すぐこの子を大人しくさせるから」ザッ

絵里「え"っ」

雪穂「大人しくなるのは貴方だよ」スッ

穂乃果「ちょ、ちょっと待って!」

725: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/25(日) 06:45:48.48 ID:t7bzp6UI
ほのママ「は〜いはい。続きは後でねぇ〜?」

雪穂「お母さん。私はいま──」

ほのママ「"オシリ"」

雪穂「!!?!?」ビクッ

雪穂「……うぅ、ごめんなさいっ」

亜里沙「!」

絵里「ほら、貴方も」

亜里沙「ご、ごめんなさい……」

絵里「はい。よく出来ました」


ツバサ「……」

726: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/25(日) 06:47:19.29 ID:t7bzp6UI
穂乃果「絵里ちゃん、次はこの子だよ!」

ことり「ふぇ?こ、ことりぃ!?」

絵里「あら」

ことり「うぁ……えぇっと……じょ、上天生のことりですぅ……」

絵里「……あの、」

ことり「〜っ」

絵里「前に酷いことをしてしまって、ごめんなさい」

727: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/25(日) 06:48:34.17 ID:t7bzp6UI
ことり「へぇ……?」

絵里「貴方から天界道具を盗もうとした事、本当に反省しているの」

ことり「う、うぅん!私は全然気にしてないよ!だからもう気に病まないで?」

絵里「……えぇ、ありがとう。」

真姫ママ「……」ジッ

あんじゅ「うっ……も、もう謝ったでしょ!」

728: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/25(日) 06:51:52.79 ID:t7bzp6UI
ことり「あ、あのね?」

絵里「うん」

ことり「ことり、月に何度か下界でコンサートを開いてるの。……それで、もし良かったら絵里ちゃんにも見て欲しいなぁって」

絵里「コンサート?」

亜里沙「そう!ことりさんはね?ミナリンスキーって名前でアイドルをやってるんだよ?」

絵里「ミナ……?なんだか聞いた様な……」

729: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/25(日) 06:52:20.20 ID:t7bzp6UI
絵里「あっ!」

ことり「へ?」

絵里「そう言えば貴方!喫茶店でもの凄く変な歌詞書いてたわよね!?」

ことり「へ、変な歌詞!?」

絵里「ふわふわ〜とか、マカロンがどーとか……なんか麻○患者みたいなこと呟いてた気がするけど、」

ことり「──ッ!!?」ガ-ンッ!!!

絵里「……まさか、アレを人前で歌ってる訳じゃないわよね?」

730: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/25(日) 06:53:50.29 ID:t7bzp6UI
ことり「…………ソウデス……」

絵里「……ぇ、」

ことり「……」

絵里「あ"っ、ごごっ!ごめんなさいっ!!私ったら──」

「お姉ちゃんっ!!!」

絵里「!?」

亜里沙「ミナリンの曲は最高なんだよっ!!?バカにしないでっ!!」

花陽「そうですっ!!!ミナリンは私たちのアイドルなんですからっ!!!」

737: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/27(火) 23:39:51.75 ID:QW+swx4V
絵里「えっ……あ、あのぉ、」

こころ「絵里さんっ!!」

絵里「!?」

こころ「……どうやら、絵里さんにはミナリンの良さをたっぷりと教えてあげなきゃいけないみたいですね?」

にこ「そうね。私たちがじっくり叩き込んであげるから、楽しみにしておきなさい?」

絵里「ぇ……ぇえ?」

738: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/27(火) 23:43:43.99 ID:QW+swx4V
にこ「因みに、作曲は全部うちの相方よ。」グイッ

真姫「ちょっ!?」

絵里「え!?あ、貴方もファンなの!?」

真姫「違うわよっ!!」

ことり「……」

真姫「あっ、ち、違くて!踊りや衣装なんかは好きだしっ……歌の練習なんかもよく頑張ってくれてるし……」

真姫「ふぁ、ファンみたいなものよ……?」

絵里(あぁ……)

739: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/27(火) 23:48:16.89 ID:QW+swx4V
ことり「歌詞は?」

真姫「へぇ!?」

ことり「歌詞は?」

真姫「かっ、かしっ……は……っ!!」

ことり「……」

真姫「歌詞はっ……ですねっ……っ!」

ことり「うふふ、」

真姫「!」

740: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/27(火) 23:56:36.27 ID:QW+swx4V
ことり「大丈夫。ちゃんと分かってるよ?」

真姫「ことり……」

ことり「たぶん、ことりの言葉選びがダメなんだよね。」

ことり「好きな言葉ばかり選んじゃうから、その組み合わせがきっと、変に思われちゃうのかなって」

絵里(あ、意外と分かってたのね)

ことり「難しいねぇ〜」

真姫「……ふふ、お互いにね。」

741: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/28(水) 00:04:12.53 ID:IsLTGduA
ことり「えへへ、そうだよねぇ」

ことり「いくら紅茶とケーキが好きだからって、紅茶の中にケーキを入れちゃったら、そんなの……」

ことり「……」

真姫「こ、ことり?」

ことり「……」

ことり「……美味しそう、」

真姫「!?」

742: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/04/28(水) 00:04:52.25 ID:IsLTGduA
ことり「閃いちゃったよ、真姫ちゃん。」

真姫「っ」

ことり「紅茶にケーキを入れれば良かったんだよ」

真姫「こ、ことり?お願いだから落ち着い──」

ことり「任せて!紅茶にケーキを入れた様な、とっても可愛い歌詞にして見せるから!」

真姫「ことりいぃぃっ!!!」

747: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/30(金) 23:05:48.81 ID:bwqLDpNC
絵里「……」

にこ「……まぁ、大体いつもあんな感じなのよ。」

あんじゅ「ほ〜んと、おバカばっかりでやんなっちゃうわぁ〜」

真姫ママ「ふふっ、」

穂乃果「えぇ〜、ことりちゃんの歌詞可愛いと思うけどなぁ」

こころ「制作秘話……そう受け止めれば、まだ……」

748: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/30(金) 23:10:33.31 ID:bwqLDpNC
花陽「新曲……っ、新曲だって!亜里沙ちゃん!」

亜里沙「はい!さっそく舞台衣装の予測に入りましょう!」

理事長「うふふふ〜♪」

ヒデコ「ことりってさ、前からあんな感じだった?」

英玲奈「……どうなんだ?」

希「いい匂いと    が大きいこと以外分かんない」


絵里「……ふふっ、」


絵里「アッハッハッハッハッ!!」

749: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/04/30(金) 23:13:20.62 ID:bwqLDpNC
ツバサ「!」

絵里「うっふっふっふっ……お、おなか痛い……っ!」

真姫「笑ってないでこの子止めてよぉ!!」

ことり「……プニプニ……ホイップル、」

絵里「いいじゃない。私も楽しみにしてるわよ?」

真姫「もうっ!」

ミカ「あはは、」

ほのママ「あの子ってアイドルなの?」

雪穂「うん。たまにお城の近くでコンサートしてるよ?」

754: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/02(日) 13:22:14.58 ID:B+PlSB3N
にこ「──よし!絵里!」グイッ

絵里「うぇ!?」ヨロッ

にこ「次はこの全員で応援に行きましょう!」

花陽「おぉー!」

絵里「え?わ、私も!?」

にこ「当たり前でしょ!!アンタも一緒に行くのよっ!」

こころ「穂乃果さんのパパさん!暗闇でピッカピカに光る天界道具を作って下さい!」

ほのパパ「……」

755: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/02(日) 13:22:51.86 ID:B+PlSB3N
にこ「ことり!次のライブはいつ!?」

ことり「アツアツホワワン……メリ-メリ-……」

真姫「……来月よ。」

理事長「二人とも頑張ってねぇ〜♪」

花陽「はわぁあああっ!た、楽しみだなぁ〜っ!」

ミカ「わたしもー!」

雪穂「……アイドルかぁ、」

こころ「一緒に観れるよ〜♪」

亜里沙「わ〜い♪」

756: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/02(日) 13:23:36.05 ID:B+PlSB3N
希「やぁ〜、まさかこんな大所帯になるとは」

あんじゅ「人混みってあんまり好きじゃないんだけど」

真姫ママ「あら、こんなお祭りなら大歓迎じゃないの」

ほのママ「チャンスよアナタ!うちも露天販売しましょ!?」

ほのパパ「!」

フミコ「お花見みたいでいいですねぇ。」

英玲奈「ハハハ。座って観れるのならなんでも良いぞ」

ヒデコ「寝るつもりでしょう!?」

757: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/02(日) 13:25:50.39 ID:B+PlSB3N
亜里沙「ふふっ。これならきっと、来月は大盛り上がりだろうなぁ」

絵里「そうねぇ、ちゃんと曲も覚えて行かなきゃ」

こころ「大丈夫です!そこは私たちに任せてください!」

絵里「あはは、それじゃあお任せるわね。」

あんじゅ「あとは、ゲームで夜更かししない様にしなきゃね?」

絵里「そ、それは大丈夫よ!ねぇ?凛」

凛「難しい注文だにゃ〜」

758: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/02(日) 13:26:40.66 ID:B+PlSB3N
穂乃果「ゲーム!?ゲームあるの!?」

凛「うん。面白いのいっぱいあるよ〜?」

希「アクションにRPG。シューティングや格ゲー。選り取りみどりやでぇ〜」

穂乃果「今度遊びに行ってもいい!?」

ミカ「私も行きたいです!」

花陽「わ、わたしも……っ」

にこ「にこも行きたぁ〜い!」

759: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/02(日) 13:28:52.86 ID:B+PlSB3N
理事長「みんなぁ〜、遊びに行くのはいいけどぉ〜、あんまり遅くなったらダメよ〜?」

真姫ママ「あと、ゲームは一日一時間だからね?」

『ぇえーっ!!?』

絵里「……」

あんじゅ「……ハァ、またゲーム勢が増えるなんてねぇ」

あんじゅ「てゆーか、コレだけ自由に行き来しちゃったら、もう天界も辺境も関係ないじゃないの。……ねぇ?絵里。」

絵里「……」

あんじゅ「絵里?」

760: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/02(日) 13:29:57.50 ID:B+PlSB3N
──全ては、これまで通り。


まるで、何事もなかったかの様に

日々の平和を繋げる彼女たち



絵里「……」



そんなやり取りの中に

いつか夢見た幸せを垣間見た


嘗ての心優しき天使 絵里。

761: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/02(日) 13:31:24.03 ID:B+PlSB3N
絵里「……」


「良かったね、」


絵里「!」

穂乃果「……」

絵里「あなた、」

穂乃果「絵里ちゃん、」

穂乃果「友達がいっぱい出来て、良かったね!」

絵里「え?」

762: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/02(日) 13:43:24.12 ID:B+PlSB3N
穂乃果「一緒に遊んで、一緒に帰って……そして、またねって言ってバイバイして……」」


穂乃果「そうやって、楽しかった昨日の続きがまた来る。」


絵里「……」

穂乃果「……ねぇ、絵里ちゃん。」



穂乃果「明日があるって、いいね!」

絵里「──ッ!!」

763: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/02(日) 13:44:34.87 ID:B+PlSB3N
彼女が放ったそのひと言は、

6年前のあの日から止まってしまった絵里の時間を


少しだけ、ほんの少しだけですが

揺り動かす事が出来たのです。


……そして、

764: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/02(日) 13:46:26.41 ID:B+PlSB3N
「そうですっ!!」


絵里「!?」


こころ「それに、次の遊ぶ約束をしたらそれはもう友達なんですよ!」

ことり「えへへ。絵里ちゃんにも楽しんでもらえる様にぃ、次のライブ頑張るからねぇ♪」

ヒデコ「絵里。また一緒に遊べてホントに嬉しいよ。」

フミコ「これからも宜しくね?」

ミカ「絵里ちゃん……」

765: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/02(日) 13:49:56.90 ID:B+PlSB3N
真姫「具合が悪くなったらすぐうちに来なさいよ。いい?」

にこ「あ、そうそう!助手としてのにこにーも忘れないで欲しいにこ♪」

凛「まだまだやってないゲームもいっぱいあるにゃー!」

花陽「ら、ライブ、一緒に観ましょうね?」

ほのママ「お菓子もいっぱい持っていくから、みんなで一緒に食べましょ♪」

雪穂「あの……私も楽しみにしてますから。」

ほのパパ「……」

766: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/02(日) 13:56:15.08 ID:B+PlSB3N
あんじゅ「……ま、もう少しだけアンタの面倒みてあげるわ」

あんじゅ「親友として、ね。」

英玲奈「お互い、大体のことは喋らなくても分かるからな」

希「そーそー。だって、ウチらはもう切っても切れない間柄やもん♪」

真姫ママ「ふふふっ、あなた達は変わらないわねぇ」

理事長「明日がある。いい言葉だなぁ〜♪」

絵里「……っ」

767: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/02(日) 13:59:20.96 ID:B+PlSB3N
穂乃果「絵里ちゃん。」

絵里「っ」


穂乃果「これからは、穂乃果たちも絵里ちゃんのお友達として、ちゃんと支えて行くから……」

穂乃果「もう、絶対に独りぼっちになんてさせないから」

絵里「ッッッ」

穂乃果「……」

絵里「っ……それでも、」


絵里「それでも、アイツへの恨みは消えない……っ、」


絵里「消えてくれないのっ……」

穂乃果「……」

768: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/02(日) 14:03:54.38 ID:B+PlSB3N
絵里「貴方たちが、本当にいい人たちだって事は分かったわ」

絵里「それに、もしかしたらまた、楽しく暮らせる様になるかもって……そんな気もした。」

絵里「……でも、やっぱりダメ」

穂乃果「そ、そんなこと……っ」

絵里「……」

絵里「私の人生は、6年前に……いえ、」


絵里「"あの子"を裏切った瞬間に、決まってしまったの」

769: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/02(日) 14:12:39.64 ID:B+PlSB3N
絵里「確かに彼女は、消えない傷を私に残した。……でも、」

絵里「私自身も、あの子の心に大きな傷を負わせたの」

穂乃果「……」

絵里「私たち二人は、きっと何処までも互いを傷つけ合いながら生きて行く運命だったんだって、そう思う」

あんじゅ「絵里……」

希「そ、そんなのっ」

英玲奈「ッ」

絵里「……だから、」

絵里「今の私の願い、あの子を殺すって言う、その願いすら叶えられないと言うのなら──」


絵里「私の生きる理由は、もうどこにもないのよ」

穂乃果「ッッッ」

770: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/02(日) 14:18:52.10 ID:B+PlSB3N
「──あるよ。」


絵里「え?」

ザッ

穂乃果「……あっ!!」

希「!?」

英玲奈「オイッ!!?」

あんじゅ「つ、ツバッ──」


「貴方の生きる理由は」スッ



ツバサ「ここにある。」

782: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/09(日) 14:32:24.04 ID:uGcs8Bjo
6年もの時を、憎しみの下で生きてきた絵里と

悔恨の中で生きてきたツバサの対峙


そして、ただそれを受け入れるしかない

三界の勇士たち


暮れる浜辺に立ち尽くす彼女らに

明日という日はやって来るのでしょうか。

783: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/09(日) 14:35:12.63 ID:uGcs8Bjo
絵里「……」


英玲奈「あの……大バカッ、」

希「ど、どうしよ……っ」

あんじゅ「……どうするもなにも、もうどうしようもないわよっ」

理事長「ッ」

ことり「うわ……っ」

こころ「〜っ」

穂乃果「……」

784: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/09(日) 14:57:36.13 ID:uGcs8Bjo
ツバサ「……やぁ、久しぶりだね。」


絵里「……」


ツバサ「今日はポニーテールじゃないんだね。アレも似合ってて可愛かったよ?」

ツバサ「まぁ、サイドテールも、それはそれで似合ってていいね。」

絵里「……」

ツバサ「私はほら?相変わらずの髪型だよ。もうオデコ出てるのが当たり前になっちゃった」

あんじゅ「ッッッ」

785: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/09(日) 15:44:23.74 ID:uGcs8Bjo
ツバサ「いつの間にか、みんなからトレードマークみたいに見られてるんだもん。笑っちゃうよ」

絵里「……」

ツバサ「……でも、ホント元気そうで良かった。」


真姫ママ「え、絵里ちゃん……」

理事長「……」

真姫「……ヤバいんじゃないの?コレ」

にこ「あのおバカっ、」

英玲奈「くっ!」

786: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/09(日) 15:45:51.59 ID:uGcs8Bjo
ヒデコ「どど、どうする……どうしよ……?」

ミカ「わ、わかんないよぉ〜っ」

フミコ「……っ」

花陽「ひっ、ひぃ……っ」

凛「ね、ねぇ……絵里ちゃん、大丈夫だよね……」

亜里沙「〜っ」

ほのママ「……もしもの時は、」

雪穂「……」

希「ツバサ……えりち……ッ!」

787: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/09(日) 15:47:14.12 ID:uGcs8Bjo
ツバサ「ふふっ。絵里の顔を見て、なんだか少し安心したよ」

絵里「……」


あんじゅ「ツバサ……やめなさいっ、」

英玲奈「っ……っっ」

希「うぅっ……」


ツバサ「……」

絵里「……」




絵里「…………そう。」

788: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/09(日) 15:53:19.68 ID:uGcs8Bjo
あんじゅ「え!?」

英玲奈「!」

希「え、えりち!?」


ツバサ「ぁ……えへへ、」

絵里「……」

ツバサ「そ、そう言えば知ってる?あのふわふわくりん屋さん、まだちゃんと営業してるんだよ?」

絵里「……うん、知ってる。」

ツバサ「絵里、あのお菓子大好きだったもんね!?中天の頃よく二人で食べてたもんね!」

絵里「そうね」

789: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/09(日) 19:50:06.98 ID:uGcs8Bjo
ツバサ「てゆーか聞いてよぉ!」

絵里「……」

ツバサ「私ね?今日のお弁当にコットンサラダ入れてたんだけどさぁ」

ツバサ「なんとドレッシング入れ忘れちゃってたのよ〜」

穂乃果(え?)

ツバサ「それでねぇ、一緒に食べてた穂乃果にドレッシングないか聞いたんだけど、そしたらなに渡して来たと思う?」

790: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/09(日) 19:51:13.48 ID:uGcs8Bjo
絵里「……なにかしら、」

ツバサ「醤油だよ!?醤油!ソイソース!あり得ないよね!?」

ツバサ「一緒にいたこころちゃんも見てたんだけどねぇ」

ツバサ「もーさぁ、思わず二人で穂乃果のアタマ叩きそうになっちゃったんだよぉ」

絵里「……」

こころ(やっぱり変わってる。前の世界ではそんな事無かったのに……)

791: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/09(日) 19:55:40.67 ID:uGcs8Bjo
ツバサ「理事長も理事長で、相変わらず可愛いものの事しか考えてないし」

ツバサ「英玲奈の授業なんて、たま〜に生徒からクレームが入ってくるし」

ツバサ「私は私で、アッチコッチの管理はさせられるし、下界にも行ったり来たりでさぁ」

ツバサ「ほぉ〜んと、しょうもない毎日だよ。ハハハ……」

絵里「……」

ツバサ「……ねぇ、絵里。」

ツバサ「私たちって、さ」


「昔も、こんな風に話してたんだっけ」

792: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/09(日) 19:57:05.03 ID:uGcs8Bjo
ツバサ「なんかね、絵里との話し方も忘れちゃっててさ」

ツバサ「私がグレちゃう前って、どんな感じで絵里と話してたのかな?」

絵里「……」

ツバサ「……はは、分かんないよね。もうずっと前の話しだもん」


あんじゅ「……」

希「ツバサ……」

英玲奈「……」

793: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/09(日) 20:00:14.23 ID:uGcs8Bjo
ツバサ「あの日の事ね、謝っても謝り切れない」

ツバサ「貴方を不幸にしたんだもん。死んで当然だって、いつもそう思ってた」

ツバサ「それなのに、自分のした事……貴方に拒絶される事が余りに恐ろし過ぎて、こんなになるまで何も出来なかった」

ツバサ「……そんな奴が、今日まで普通に生きてきたんだ。」


穂乃果「っ」

こころ「そんな……っ」

理事長「……」

794: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/09(日) 20:02:36.45 ID:uGcs8Bjo
ツバサ「でも……それでも、コレだけは言わせて。」

ツバサ「何年もずっと、放ったらかしにしちゃったけど」

ツバサ「それでも、いつも貴方が言ってくれた言葉の返事をさせて欲しいのっ」

絵里「……」


ツバサ「──絵里、」


ツバサ「私、貴方のこと大好きだよ。」



「私の親友になってくれて、ありがとう。」

808: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/17(月) 21:57:25.98 ID:T76DAMjl
絵里「……」


「絵里。」


絵里「!」


あんじゅ「……」


絵里「し、師匠、」

ツバサ「あんじゅ……」

あんじゅ「私もね、あの日からずーっと放ったらかしにして後悔を重ねてきたの」

809: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/17(月) 21:57:55.99 ID:T76DAMjl
あんじゅ「どうして、下界でもっと早く絵里の事を見つけてあげられなかったのか」

あんじゅ「なんで、あの時傷付いた絵里のそばにいてあげられなかったのか」

あんじゅ「……私は、絵里とツバサの確執を知ってて、なぜ仲直りさせてあげられなかったのか」

絵里「……」

ツバサ「っ」

あんじゅ「こんな事、今さらどう言ったって何も解決しないのは知ってる。でも、」

あんじゅ「アナタに、ちゃんとごめんなさいって言いたかったの」

810: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/17(月) 21:59:03.17 ID:T76DAMjl
あんじゅ「……絵里、ごめんなさい。」

あんじゅ「これからは"師匠"じゃなく、アナタの親友に戻れる様にがんばるから」

あんじゅ「ね?」

絵里「……ぅっ、」

「ウチもおんなじ事思ってたんよ」

絵里「!」

希「えへへ」

絵里「の、のぞみ、」

811: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/17(月) 22:00:08.13 ID:T76DAMjl
希「天界にいた頃は、少しでも二人を笑わせてあげられればって、そう思って色々始めたりもしたけど」

希「なんか、ただウチに変 のレッテルが貼られただけで、なぁーんも意味なんてなかったんじゃないかって、そんな気がするんよ」

絵里「そ、そんなことっ」

希「それに、ウチは最後までえりちの事見つけらんなかった」

希「だからね?せめてコレから少しでも、罪を償わせて欲しいの」

812: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/17(月) 22:02:12.56 ID:T76DAMjl
英玲奈「……私も、そう思っている。」

絵里「っ」

英玲奈「6年前、結局わたしはお前を探さずに天界に残った」

英玲奈「ツバサの為に、なんて言えば聞こえはいいが、それも理事長がどうにかしてくれたから、本当は私が残った意味なんて殆どなかったんだよ」

ツバサ「英玲奈っ!!」

英玲奈「いいんだ、ツバサ。」

ツバサ「ッッッ」

英玲奈「……絵里も助けられず、ツバサもケアしてやれない、こんなダメな私だったが」

813: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/17(月) 22:07:15.51 ID:T76DAMjl
英玲奈「それでも、どうかお前達のそばに居させて欲しいんだっ!」

英玲奈「頼むっ!!」

絵里「~ッ」

ツバサ「英玲奈……」

「絵里ちゃん、ツバサちゃん」

絵里「えっ」

ツバサ「!」


理事長「うふふ」

814: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/17(月) 23:05:26.44 ID:T76DAMjl
理事長「絵里ちゃ~ん。」

絵里「な、なに?」

スッ

絵里「──ッ!」

理事長「うふふ~、この間はちゃんと見れなかったけどぉ~、大きくなったわねぇ~♪」ナデナデ

絵里「……ど、どうも、」

理事長「それにぃ~、そのサイドテールも可愛いねぇ~♪その服にとっても似合ってるよぉ~」

絵里「~っ」

815: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/18(火) 00:12:27.79 ID:bxbnL60y
理事長「うふふふ~。」

理事長「……絵里ちゃん、ツバサちゃん、」スッ

絵里「……」

ツバサ「……」

理事長「それに、あんじゅちゃんに希ちゃん、そして英玲奈ちゃん。」

あんじゅ「……」

希「っ」

英玲奈「理事長……」

816: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/18(火) 00:13:16.11 ID:bxbnL60y
理事長「わたし……わたしね?またこの5人が揃ってるところを見れて」


絵里「……ぁ」


──ポロッ


理事長「すごく、すごぉ~く……嬉しいんだぁ……」ポロポロッ

ツバサ「ッ」

817: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/18(火) 00:16:51.23 ID:bxbnL60y
幸か不幸か

再び理事長の元へと集う事となった

嘗ての上天生5人

それぞれの心中は違えど

その姿は、皆が望んで止まなかった

幸せの形でした。

818: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/18(火) 00:21:13.02 ID:bxbnL60y
理事長「もう、こんな日は来ないのかって……そう思った時もあったけど、」

理事長「今だけでも、今この時だけでも……嬉しい……っ」

あんじゅ「……っ」

希「っ……ッッ」

英玲奈「くっ……」

ツバサ「ッッッ」

ツバサ「え、絵里っ!!」ザッ

絵里「……」

819: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/18(火) 00:31:51.25 ID:bxbnL60y
ツバサ「最初は、絵里が報われるならって……私、死のうと思ってた」

ツバサ「でもっ、それじゃあ私の事を思ってくれてるみんなを、ずっと悲しませちゃう事になるからっ……だからね、」

絵里「……」

ツバサ「今すぐ許して欲しいなんて言わないっ!そんな都合のいい事言わないからっ……」

ツバサ「どうかっ、少しづつでもいいから……アナタへの罪滅ぼしをさせて欲しいのっ」

ツバサ「アナタが許してくれるその日までっ、わたし頑張るからっ!!だからっ──」

絵里「……」

ツバサ「お願い……っ、お願いっ!!」

820: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/18(火) 00:34:30.81 ID:bxbnL60y
穂乃果「絵里ちゃん……っ」

こころ「うぅっ、」

ことり「~っ」

亜里沙「お、お姉ちゃんっ」

凛「っ」

真姫「……」

にこ「……」

真姫ママ「絵里ちゃん……」


絵里「……」

821: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/18(火) 00:34:57.04 ID:bxbnL60y
花陽「ひっ、ひぅ……っ」

ほのママ「……っ」

ほのパパ「……」

雪穂「ッ」

ヒデコ「絵里……」

フミコ「……」

ミカ「え、絵里ちゃん……」


絵里「……」



絵里「……」スッ

822: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/18(火) 00:35:53.97 ID:bxbnL60y
ツバサ「!?」

英玲奈「おいっ!!」

希「えりち!?」

理事長「!」


絵里「……」


あんじゅ「……アナタ、また記憶を消すつもりなの?」

絵里「……」

あんじゅ「本気?この記憶まで消したら、もう──」

824: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/18(火) 01:07:19.57 ID:bxbnL60y
『響け。氷結の囀りよ。』


あんじゅ「!!?」

ツバサ「えっ!?」


『その姿たるや、千の枸橘蔓』


英玲奈「!!!」

希「え、えりち!!?」

理事長「絵里ちゃんっ!!」

真姫ママ「やめなさいっ!!」


絵里『……ごめんね、みんな、』

831: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/20(木) 09:56:15.38 ID:xUW3+4rr
穂乃果「ッッッ」

こころ「絵里さん……っ」


絵里『わたしね、みんなに優しくして貰えて、とっても嬉しかった』

絵里『それに、こんなに一度に友達が増えたのだって初めての事だったわ』


花陽「〜っ」

真姫「……」

亜里沙「お姉……ちゃん……っ」

832: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/20(木) 09:57:24.47 ID:xUW3+4rr
絵里『穂乃果やこころちゃん達と話せたこと。ことりのライブにみんなで誘ってくれたこと』

絵里『ミナリンさんの曲をじっくり教えてくれるって言ってくれたのも、ご飯を食べに来てって言ってくれたのも』


絵里『……本当に、本当に嬉しかった。』


ことり「っ」

にこ「あんた……」

833: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/20(木) 11:03:43.78 ID:xUW3+4rr
絵里『……』


絵里『いつも、ふと過るの。』


絵里『今が幸せであればある程、この幸せが呆気なく崩れ去って行く、そんな情景が』

絵里『そして、その中でただひたすら絶望しているみんなが、』

絵里『あの日……炎の中で苦しんでた子達の顔が重なるの……』


ツバサ「ッッッ」ギリッ

834: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/20(木) 11:05:46.06 ID:xUW3+4rr
絵里『──ツバサ、』

ツバサ「!?」ビクッ

ツバサ「うっ、な、なに……?」

絵里『貴方が被ってた、あの怖いお面。いったい誰が作ったの?』

ツバサ「え?あ、アレはことりが……」

ことり「〜っ」

絵里『そう。……うふふっ、』

835: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/20(木) 11:06:37.29 ID:xUW3+4rr
ツバサ「ご、ごめんなさいっ。絵里を騙すような事しちゃって……」

絵里『……しょうがないわよ。』

絵里『だって、私たちは"お互い"そうするしかなかったんだもの』

絵里『コレは、しょうがない事なのよ。』

ツバサ「っ」

絵里『……ねぇ、ツバサ。』

ツバサ「な、なに?」

836: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/20(木) 12:27:51.71 ID:xUW3+4rr
絵里『少し前の私なら、とても考えられない様なことを言うね』

ツバサ「え?」

絵里『ふふっ、こんな状況だからなのかしら……それは分からないけど、』

絵里『今は、もうツバサに対する気持ちも、だいぶ変わってきたみたいなの』

ツバサ「!」

絵里『そんな気持ちの中で、そう言ってもいいって、今の私はそう思う。』

ツバサ「そ、それって……」

837: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/20(木) 12:28:56.71 ID:xUW3+4rr
穂乃果「ぁ……」

こころ「っ……っっ」

理事長「っ」

あんじゅ「ッッッ」

希「うっ……」

英玲奈「〜ッ」


絵里『……』



『──ツバサ。』

838: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/05/20(木) 12:32:25.57 ID:xUW3+4rr
絵里『私たちの争いは、終わりにしましょう。』

851: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/05/27(木) 22:22:32.84 ID:cjMB1bj9
永らく絵里の心を縛り付けていた

6年前の忌まわしい記憶


しかし、新旧合わさった仲間たちによる

力強くも、また心優しい言葉の数々


それら、多くの暖かい感情たちに包まれ

つもりに積もった憎しみに苛まれていた


彼女の心の行方は、果たして……

852: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/05/27(木) 22:28:18.16 ID:cjMB1bj9
──ドサッ


絵里『……』

ツバサ「ぁ……え、えり……っ」


ツバサ「ほんと……?……本当なの……っ?」

絵里『……うん。』


ツバサ「あっ……あぁあぁぁぁ……っ」

ツバサ「絵里っ、えりいぃぃっ……」

絵里『……』

ツバサ「うっ……うぅぅ……っ」

絵里『……あの日のこと、たぶん一生消える事はないんだと思う。』

853: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/05/27(木) 22:29:13.77 ID:cjMB1bj9
絵里『でも、貴方の私に対する言葉を聞いてたら、何故か仲良くしてた頃を思い出して……』

ツバサ「うん……うん……っ!」

絵里『……』

絵里『この数年間、ただずっと貴方をどうにかしてやろって、そんな事ばかり考えて、世界をやり直そうとまで企んで』

絵里『そうして、今度は今までやって来た事すべてを否定して……』

絵里『私は、また前の私に戻ろうとしてる。』

854: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/05/27(木) 22:47:10.15 ID:cjMB1bj9
希「ふっ……うぅっ……」

英玲奈「ッ」

あんじゅ「……」


絵里『……誰かを好きになって、諍いが生まれて。別れて、そして、また出逢って。』

絵里『結局、私の中の感情はこうしている間も目まぐるしく移り変わってる』

絵里『変わるまいって、そう誓って守ってきたモノすらも既に崩れて、今はもう瓦礫の中に埋もれしまったわ……』

絵里『ホント、私は何がしたい人なんだろうね』クスッ

855: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/05/27(木) 22:55:22.55 ID:cjMB1bj9
絵里『私は、みんなみたいに強い人間じゃなかった。』

絵里『一つの、芯の様なモノを持って生きる事が出来なかったの』

絵里『ただ、何かに縋って漫然と生きてきた。……それは、友情だったり憎しみだったり』

絵里『私にとって、その場だけの感情に押し流されながら……』


絵里『きっと、また同じ事を繰り返すんでしょう』

ツバサ「え、絵里……?」

857: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/05/28(金) 00:15:10.54 ID:zLvyPJkM
絵里『……』

絵里『願わくば、変わる事のない気持ちの中で、穏やかに過ごしたかった』

絵里『そうして、何事でもないそんな平和な日々を、愛してみたかったの』

絵里『何に祈る事もなく……ただ、愛して……』グッ

ツバサ「!!?」

希「──ッ!!」

英玲奈「ばっ!!?」

あんじゅ「絵里っ!!」


絵里『…………もう……』



『疲れちゃったんだ。』

858: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/05/28(金) 01:04:50.17 ID:zLvyPJkM
ツバサ「あなた……っ、」

絵里『……』


絵里『呪禁術・凍星ノ怪鳥』


ドッ!!!


ツバサ「うっ──!!?」ヨロッ


ケェエエェエエエエエェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッッッ!!!!!!!!!

859: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/05/28(金) 01:55:14.87 ID:zLvyPJkM
熾烈を極めた感情のせめぎ合いの中、

自身の心の有り様に、ただ失望した絵里

860: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/05/28(金) 01:55:28.81 ID:zLvyPJkM
ケエエェエエエエエェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッッッッ!!!!!!!!


あんじゅ『〜ッッッ』バッ

希『くぅ……っ!』バッ

英玲奈「くそっ!間に合えっ!!」ダダッ

理事長『ッ』ガチャ

真姫ママ『絵里ちゃんっ!!』ボゥッ!

ほのママ「ッ」ダンッ

雪穂「届かない……っ!!」ザッ

861: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/05/28(金) 01:56:04.92 ID:zLvyPJkM
幸福を求めた彼女の、酷く痩せ細った心は

最後に、自らの消失を望んでしまいました

862: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/05/28(金) 01:56:50.00 ID:zLvyPJkM
エエェエエエエエェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッッッ!!!!!!!!!!


亜里沙「お姉ちゃぁああああんっっっ!!!!!」バッ

ことり「どうして……どうしてぇっ!!!」

こころ「うっ……っっ!」

花陽「ひいぃぃぃっっ!!!!」

にこ「バカァアアッッ!!!!!」

凛「ぁ……あぁ……っ」

真姫「っ」スッ

863: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/05/28(金) 01:57:41.09 ID:zLvyPJkM
天界、下界、辺境。

この、三界を股にかけた彼女たちの戦いは

864: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/05/28(金) 02:09:10.94 ID:zLvyPJkM
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッッッ


絵里『……』


絵里『……ごめんね、みんな、』


絵里『…………ごめんね、』




『ツバサ。』









今ここに、決着の時を迎えます。









ガバッ!


絵里「!!?」

穂乃果「ッッッ」

872: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/06/01(火) 00:50:23.28 ID:GE0Rr5Le
──キンッ


ゴォオオオォオオオオオオオォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッ


ツバサ「ッッッ」ゴォッ

あんじゅ『うぅっ!!!』グッ

希『うぁっ!!?』ヨロッ

英玲奈「くっ……っ!!」ズズッ


こころ「──ッ!!」


「穂乃果さぁあああぁあああああああぁあぁああああああああんっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

873: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/06/01(火) 00:51:12.57 ID:GE0Rr5Le
ッズシャアアァアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ…………………………



ツバサ「ぁ……あぁぁ……」


英玲奈「そ、そんな……っ」

希「ッッッ」

あんじゅ「えりっ……」


理事長「絵里ちゃんっ……穂乃果ちゃん……っ!!」

真姫ママ「間にっ、合わなかった……っ」ガクッ

874: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/06/01(火) 00:52:02.31 ID:GE0Rr5Le
亜里沙「お……姉ちゃ……っ」

雪穂「あぁ……そんな……」

ほのママ「穂乃果……っ」

ほのパパ「ッッッ」

ヒデコ「酷いよ……こんなの……」

ミカ「なんでっ……えりちゃぁあんっ」

フミコ「……っ」

にこ「〜ッ」

こころ「うっ……うぅ……ほ、ほのかさあぁん……っ!」




…………ズッ

875: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/06/01(火) 00:54:02.40 ID:GE0Rr5Le
ズザザッ!!!


「──うぇっ!ペッ!」


あんじゅ「えっ、」


「べぇーッ!な、なんで砂が……っ!」


希「!」

英玲奈「……ぁ、」


「うっ……く……っ」

「ケホッ!ゴホッ!」


こころ「ぁ……あぁ……っ」

876: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/06/01(火) 00:58:40.37 ID:GE0Rr5Le
穂乃果「あーもぉーっっ!!!!」

絵里「っ……っっ」

真姫「お、思ったより強烈だったわ……」


「穂乃果さぁあああああんっっ!!!!!」

ガバッ

穂乃果「ぐぇっ!!?」

こころ「穂乃果さん穂乃果さんっ!!良かったっ!!良かったよおぉぉぉっ!」

穂乃果「こ、こころちゃん……」

877: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/06/01(火) 00:59:19.72 ID:GE0Rr5Le
理事長「穂乃果ちゃん……絵里ちゃん……っ」

真姫ママ「あ、あぁぁ……」

ほのママ「穂乃果……無茶し過ぎよっ、」

雪穂「うっ……うぅぅっ。」

希「たす……かってる…………助かってるっ!夢じゃ無いよね!?現実だよねっ!!?」

英玲奈「……そ、そうらしい、」

ドサッ

英玲奈「!?」

希「あ、あんじゅ!?」

878: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/06/01(火) 01:00:19.81 ID:GE0Rr5Le
あんじゅ「……」

希「どうしたの!?」

英玲奈「大丈夫か!?」

あんじゅ「……うっ、うぅ。」

希「!」

あんじゅ「なんっ、なのよ……っ、なんなのよぉ……もぉ……っ」

あんじゅ「これ以上……泣かせないでよおぉぉ……っ!」

希「っ」

英玲奈「……あぁ、本当になっ。」

879: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/06/01(火) 01:03:56.17 ID:GE0Rr5Le
絵里「……」


絵里「……わたし、」


「ばかぁああっ!!!!」

絵里「!」

ガシッ

絵里「うわっ!?」

ツバサ「バカっ!大バカッ!!なんでっ、なんであんな事したのよぉ!!!」

絵里「……」

ツバサ「死なないでよぉ……お願いだからぁ……生きててよぉ……っ」

880: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/06/01(火) 01:06:02.68 ID:GE0Rr5Le
絵里「……」

ツバサ「うぅぅぅっ、」

絵里「……」

絵里「……どうしてかしら、」

ツバサ「ふうぅぅ……グスッ、」

絵里「自分に術を撃った時、一瞬だけど見えた気がしたの」

絵里「あの部屋で見た続きが……貴方に術を撃ってしまった後の光景が……」

881: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/06/01(火) 01:11:23.44 ID:GE0Rr5Le
ツバサ「〜っ」

絵里「……後悔したんだと思う。」

絵里「貴方の声が、言葉が聴こえていたにも関わらず、あの私は止まらなかった。……いえ、」

絵里「きっと、もう止まれない所まで行ってしまってたんでしょうね」

ツバサ「……でも、」

ツバサ「それでも、今回はちゃんと止まってくれた。」

絵里「……」

ツバサ「私の声を聴いてくれたんだもん。今の絵里はもう違うんだよ。」

絵里「……そう、なのかもね。」

882: 名無しで叶える物語(浮動国境) 2021/06/01(火) 01:14:28.06 ID:GE0Rr5Le
絵里「思えばここに来てから、もう既に私の心は変わって来ていたのかも」

ツバサ「……」

絵里「本当はね、あの班分けで計画が頓挫したと分かった瞬間、何故だか……」

絵里「ちょっとだけ、安心してたんだ。」

ツバサ「ッ」

ギュッ

絵里「つ、ツバサ?」

ツバサ「嬉しい……嬉しいよ、絵里っ。」

絵里「……ふふっ、」

896: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/06/08(火) 19:22:36.28 ID:VEHCuGmn
穂乃果「えへへ、」

「穂乃果さん!」

穂乃果「は、はい!?」

こころ「どうやってあの状況から助かったんですか!?聖天術!?」

穂乃果「……こころちゃん、目ぇ真っ赤っかだよ?」

こころ「へ?」

穂乃果「泣くほど心配してくれたんだね」

こころ「──ッ!」

897: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/06/08(火) 19:23:16.71 ID:VEHCuGmn
こころ「ち、違いますっ!!コレはあの……目に砂がっ」

ギュッ

こころ「!」

穂乃果「……ありがとう。」

穂乃果「心配かけて、ごめんね?」

こころ「ッッッ」

こころ「そ、そんなことよりっ!!」バッ

穂乃果「ん?」

898: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/06/08(火) 19:24:12.72 ID:VEHCuGmn
こころ「あんなどうしようもないタイミングで、なんで助かったのかって聞いてるんです!!」

穂乃果「い、いやぁ〜、それが穂乃果にもサッパリなんだよねぇ」

こころ「はぁ?」

にこ「てゆーか、なんで私らの真後ろに居たのよ?オマケに真姫まで巻き込んで」

凛「うっわ〜、このタイミングでそんなお寒いギャグ言うの?にこちゃん」

にこ「ぁああっ!!?」

899: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/06/08(火) 19:29:27.39 ID:VEHCuGmn
ほのママ「穂乃果、あなた全然覚えてないの?」

穂乃果「だ、だからホントに分かんないんだって!」

穂乃果「あの時、無我夢中で絵里ちゃんに飛びついて……それで、気が付いたら砂の中に頭突っ込んでたんだもん。」

雪穂「なにそれ、マジック?」

真姫「……」

真姫「……えっと、穂乃果?」

穂乃果「へ?」

900: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/06/08(火) 19:30:07.00 ID:VEHCuGmn
真姫「……」

穂乃果「なに?」

真姫「……その、リストバンド、」

穂乃果「コレ?」

真姫「それ、前の時間の私がよこしたんでしょ?」

穂乃果「う、うん。必ず役に立つからって、真姫ちゃんが渡してくれたんだよ」

こころ「!?」

こころ「そ、そんなハズないです!」

真姫「え?」

901: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/06/08(火) 19:31:47.60 ID:VEHCuGmn
こころ「"自分が存在する時間なら、肉体ごと転移する意味がない"って、そうツバサさんは言ってましたもん!」

こころ「だから、今の私たち二人が3時間後の物を身に付けてるワケがないんです!」

穂乃果「うぇ〜!?そ、そんな難しい事言われてもぉ……」

こころ「だってほら!現に私もセカンド・ストーリーは持ってないんですから!」

真姫「どう言う事かしら……、この道具自体には時間に干渉する力なんてないのに、」

902: 名無しで叶える物語(地図に無い場所) 2021/06/08(火) 19:36:04.65 ID:VEHCuGmn
こころ「と言うか、そのリストバンドってなんなんですか?」

真姫「……」

穂乃果「あ!真姫ちゃんのはリスのマークがあるね!」

にこ「り、リスのリストバンドって……っ」

凛「ちょっと黙ってた方がいいと思うにゃ〜」

にこ「きいぃぃぃっ!!!」ババッ

凛「にゃっはっはっは!」サッ

912: 名無しで叶える物語(死都ミュロンド) 2021/06/13(日) 11:11:06.11 ID:thTa0Tc4
真姫「……このリストバンドはね、二つ揃わないと意味がない物なのよ。」

穂乃果「そ、そうなの?」

真姫「それぞれが親機と子機の役割を果たす物として、そこのうどん職人に作って貰ってたんだけど」

ほのパパ「!」

真姫「ソレを渡した方の私は、何故か子機の方を先に作らせたみたいね」

穂乃果「???」

真姫「でも、親機が先に出来ていた時間があるってゆー事は、今現在の時間とは直結してないってこと……?」

913: 名無しで叶える物語(死都ミュロンド) 2021/06/13(日) 11:12:08.94 ID:thTa0Tc4
真姫「未来の私はそれを知ってた?……そんなのあり得ないわ。」

にこ「ねぇ、ソレってどう言う道具なワケ?」

真姫「……」

真姫「この、親機となるバンドを着けてる人が、もう片割れを着けてる人の事を強く思うと」

真姫「その人が、親機の元へ強制的に転移するってゆー道具なの」

凛「だから、二人とも真姫ちゃんの所に突っ込んでたんだね」

真姫「そう言うことよ。」

914: 名無しで叶える物語(死都ミュロンド) 2021/06/13(日) 11:13:06.79 ID:thTa0Tc4
ことり「それにしても、なんで穂乃果ちゃんがソレを持ってこれたのかなぁ?」

こころ「んん、どうしてなんでしょう。」

穂乃果「……たぶん、叶えてくれたんだよ。」

ことり「え?」

こころ「穂乃果さん?」

穂乃果「……」

穂乃果「!」

915: 名無しで叶える物語(死都ミュロンド) 2021/06/13(日) 12:42:10.54 ID:thTa0Tc4
ツバサ「うっ……うぅぅ……っ」

絵里「……」

絵里「……ツバサ、そろそろ離してちょうだい。」

ツバサ「いやっ!」

絵里「っ」

ツバサ「だって……貴方、またやる気だもんっ」

ツバサ「ずっと悲しそうな顔してるもんっ!」

絵里「そ、それは……」

916: 名無しで叶える物語(死都ミュロンド) 2021/06/13(日) 12:42:34.02 ID:thTa0Tc4
ツバサ「させないっ……もう、絶対にさせないから……っ!!」

絵里「……」

「絵里。」

絵里「!」

あんじゅ「……」

絵里「あんじゅ……」

英玲奈「……」

希「……」

絵里「英玲奈……希……」

917: 名無しで叶える物語(死都ミュロンド) 2021/06/13(日) 12:42:58.86 ID:thTa0Tc4
あんじゅ「まったく、おバカな事をしたもんだわ」

ツバサ「うっ……うぅ……」

英玲奈「……」

希「……」

絵里「わたし……」

英玲奈「ハァ、」

英玲奈「お前のお陰で、私の大して強くもない心臓が潰れそうになったよ」

希「ウチもねぇ、あの瞬間思わず泣き叫んじゃったよ。どうしてくれるん?」

918: 名無しで叶える物語(死都ミュロンド) 2021/06/13(日) 20:39:28.39 ID:thTa0Tc4
あんじゅ「絵里。」

絵里「……」

あんじゅ「私も、……いえ、」

あんじゅ「私たちも、決して強い人間なんかじゃないわ」

あんじゅ「これまでの人生で、私は色んな人たちと出会って、そして別れて、それに合わせて気持ちもどんどんと変わっていった。」

あんじゅ「そんな中で、心に何かしらの芯を持って生きて来ただなんて、正直言える自信はないもの」

919: 名無しで叶える物語(死都ミュロンド) 2021/06/13(日) 20:43:34.94 ID:thTa0Tc4
絵里「……」

あんじゅ「きっと、最初からそう言うものを持って生きていれば、もしかしたら今より良いものになってたのかも知れない。」

あんじゅ「……けれどね、」

あんじゅ「結局、私達は自分なりに生きて行くしかないのよ。」

あんじゅ「そして、その自分なりをどれだけ受け止められるかが、きっと今後の人生を決めるんだと、私は思うわ。」

絵里「自分なり……」

920: 名無しで叶える物語(死都ミュロンド) 2021/06/13(日) 20:44:49.08 ID:thTa0Tc4
英玲奈「まぁ、なんだ。」

英玲奈「私から言わせれば、お前を含めたこの5人は、あの頃から大して変わってないと思うぞ?」

英玲奈「表面的な部分は多少変わったかも知れないが、根っこになる部分はみんな同じだ」

絵里「……」

英玲奈「それに、」

英玲奈「お前の願いは、昔からちっとも変わってなんかいなかったじゃないか」

絵里「え?」

921: 名無しで叶える物語(死都ミュロンド) 2021/06/13(日) 20:46:24.64 ID:thTa0Tc4
英玲奈「"みんなと幸せに過ごしたい"」

英玲奈「この願いがずっと同じだったんだから、やはりお前の誓いは守られているよ」

絵里「そう、なのかなっ、」

希「……えりち、」

希「えりちが言ってた、何事でもない平和な日々」

希「それが、すぐそこまで来てるよ?」

絵里「っ」

希「もう、願うことも祈ることもしなくていい、そんな愛すべき毎日がね。」

923: 名無しで叶える物語(死都ミュロンド) 2021/06/14(月) 01:06:39.90 ID:jLnPbHyH
絵里「……」

絵里「……私は、」

「絵里。」

絵里「!」

ツバサ「……」

絵里「ツバサ……」

ツバサ「あのね、」

ツバサ「私は、これから先も貴方への償いをさせて欲しいの」

924: 名無しで叶える物語(死都ミュロンド) 2021/06/14(月) 01:12:37.86 ID:jLnPbHyH
ツバサ「そんな毎日が不幸だなんて全く思わないし、絵里にもさせない」

ツバサ「また、絵里と一緒に過ごせるのなら、こんなに嬉しいことはないから」

ツバサ「それに、この先また5人が揃う日々が待ってるんだとしたら」

ツバサ「私はもう、後悔なんてしない」

絵里「ッッッ」

ツバサ「……ねぇ、絵里。」

ツバサ「それでもまだ、消えてしまいたいって、そう思ってる?」

930: 名無しで叶える物語(死都ミュロンド) 2021/06/16(水) 00:28:46.97 ID:/WgYX5sw
絵里「わたし、は……」


絵里「私は──ッ!!」


「絵里ちゃん!」


絵里「!」

穂乃果「えへへ、」

絵里「あなた……」

穂乃果「……」

穂乃果「もう、いいんだよ。」

931: 名無しで叶える物語(死都ミュロンド) 2021/06/16(水) 00:29:41.76 ID:/WgYX5sw
穂乃果「一人で悲しんだり苦しんだり、やりたくもないのに誰かを傷付けたり」

穂乃果「そんな、いつ来るか分からないホントの明日を、ただ茫然と待つのはもう終わりだよ」

絵里「ッ」

穂乃果「大丈夫。この世界なら、絵里ちゃんは絶対に幸せになれるって」

穂乃果「私は、そう信じてる。」

絵里「〜ッッッ」

932: 名無しで叶える物語(死都ミュロンド) 2021/06/16(水) 00:31:18.73 ID:/WgYX5sw
穂乃果「これからはね、一緒に過ごして、笑って、たまにくだらない事で喧嘩もして」

穂乃果「そうして、大人になって、それぞれに家族が出来て、子供にも家族が出来て、お爺ちゃんお婆ちゃんになって……」

穂乃果「そうやって、長い長い時間をみんなと一緒に過ごして行ってさ、」

穂乃果「そして、最後にみんなでこう言おうよ」


穂乃果「"この人生で良かったな"」

穂乃果「──って、」

933: 名無しで叶える物語(死都ミュロンド) 2021/06/16(水) 00:35:30.01 ID:/WgYX5sw
絵里「……」

穂乃果「そこにはね、絵里ちゃんも居なきゃダメなんだよ。」

絵里「……」

穂乃果「……」

絵里「……私も、」

穂乃果「え?」

絵里「わたしも、そう言えるかな」

934: 名無しで叶える物語(死都ミュロンド) 2021/06/16(水) 00:38:17.53 ID:/WgYX5sw
絵里「そんな風に言える日が、」

絵里「思える時が、来るのかな……」

ギュッ

絵里「!」

穂乃果「来るよ、必ず来る。」

穂乃果「コレからは、ずっと穂乃果たちと一緒なんだもん」

穂乃果「それに、絵里ちゃんの……みんなの幸せは、私の幸せでもあるんだから」

935: 名無しで叶える物語(死都ミュロンド) 2021/06/16(水) 00:39:06.10 ID:/WgYX5sw
絵里「……」

穂乃果「……」

穂乃果「……誰よりも、心優しい絵里ちゃん。」

穂乃果「私は、そんな絵里ちゃんのことが」


穂乃果「大好きだよ。」


絵里「……」


絵里「……ぅっ、」



絵里「うぁ……っ……あぁあぁぁ……っ」

936: 名無しで叶える物語(死都ミュロンド) 2021/06/16(水) 00:41:40.22 ID:/WgYX5sw
絵里「あぁあぁああぁぁぁぁぁぁっ…………っっ」

937: 名無しで叶える物語(死都ミュロンド) 2021/06/16(水) 00:45:25.81 ID:/WgYX5sw
「絵里いぃぃいぃぃぃっっっ!!!!!!」ギュッ


ツバサ「大好きっ……わたしも大好きだよぉ……っ!!」

絵里「……うんっ、」

絵里「ごめんねっ……ごめんねツバサ……っ」


あんじゅ「絵里……」

希「見てよえれ姉……二人が抱きしめ合ってる……っ」

英玲奈「……あぁ、ちゃんと見てるよ。」

938: 名無しで叶える物語(死都ミュロンド) 2021/06/16(水) 00:47:04.95 ID:/WgYX5sw
絵里「っ……っっ」


穂乃果「えへへ、」

穂乃果「……絵里ちゃん、」


穂乃果「よかったね!」

絵里「っ」



絵里「うん!」

939: 名無しで叶える物語(死都ミュロンド) 2021/06/16(水) 00:47:53.88 ID:/WgYX5sw
天界、辺境、下界

そして、過去と未来の出来事

940: 名無しで叶える物語(死都ミュロンド) 2021/06/16(水) 00:48:27.38 ID:/WgYX5sw
こころ「うっ、うぅぅぅっ……っ!」ギュッ

理事長「うふふふ〜♪」ナデナデ

真姫ママ「絵里ちゃん……良かったわね。」

真姫「ふふ、」

にこ「うんうん♪」

花陽「はうぅぅぅぅっ……っ」

凛「かよちんも泣いてるにゃ〜」

941: 名無しで叶える物語(死都ミュロンド) 2021/06/16(水) 00:48:55.88 ID:/WgYX5sw
これら、全てを巻き込む事となった

絵里とツバサの因縁

942: 名無しで叶える物語(死都ミュロンド) 2021/06/16(水) 00:49:49.63 ID:/WgYX5sw
亜里沙「お姉ちゃん……っ」

雪穂「良かったね、亜里沙。」

ほのママ「ふぅぅ……あなたぁ……っ」

ほのパパ「♪」

ヒデコ「あはは……やっと……」

フミコ「うん……っ」

ミカ「ホントにっ……本当に良かったっ」

943: 名無しで叶える物語(死都ミュロンド) 2021/06/16(水) 00:51:55.69 ID:/WgYX5sw
これら激闘の日々、その全ては

今まさに、この瞬間へと向かうための


悔恨と献身、そして犠牲を伴った

痛々しくも優しい時間への道標でした。

944: 名無しで叶える物語(死都ミュロンド) 2021/06/16(水) 01:04:16.27 ID:/WgYX5sw
──斯くして、


それぞれの幸せを求めた


彼女たちの物語は




今ここに、堂々の終結と相成ります。

945: 名無しで叶える物語(死都ミュロンド) 2021/06/16(水) 01:08:23.24 ID:/WgYX5sw

………
………………


パチパチパチパチパチパチッ


海未「あっ」

千歌「へ?」

海未「ごめんなさい。もうちょっとだけ、その後の彼女たちのお話がありまして……」

ダイヤ「も、申し訳ありませんっ。てっきりここで終わりなのかと」

花丸「あらら」

果南「ちょっとフライングしちゃったねぇ」

曜「でも良かった、まだ続くんだね。」

946: 名無しで叶える物語(死都ミュロンド) 2021/06/16(水) 01:09:35.57 ID:/WgYX5sw
海未「はい。みんながどの様に成長したのか、それを皆さんにお送りしたいと思います。」

鞠莉「ワォ!それは楽しみでぇーす!」

善子「〜ッ」

梨子「……貴方、泣いてるの?」

善子「泣いてないっ!!」

ルビィ「ぅゅ……き、気になる。」

海未「それでは、その後のお話をさせて頂きましょうか」

引用元: 海未「紙芝居屋さんです」4