1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:40:15.81 ID:HH+HqJ/20
梓(体育の日なのでムギ先輩を誘ってテニスコートに来ました)

梓(だけど……)

紬「きっと私とテニスしても楽しくないよ。球技苦手だし迷惑かけちゃうと思うから」

梓「気にしなくて大丈夫です。私が教えてあげますから」

紬「だけど……」

梓「ここまで来たんだから腹を括ってください。それに……」

紬「それに?」

梓「私はムギにゃんと一緒に遊べるの楽しみにしてましたから」

紬「梓ちゃん……。よしっ、私頑張るね」

梓(なんとかムギ先輩前向きになってくれました)

梓(確かに先輩は球技が苦手ですが、手取り足取り教えてあげるのも楽しいはずです)




3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:45:48.90 ID:HH+HqJ/20
梓「テニスをやったことはあるんですよね?」

紬「うん。小さなころに沢山やったの。写真も沢山残ってるわ」

梓「それじゃあとりあえずサーブを打ってみてくれますか。あっ、写真は後から見せてくださいね」

紬「うん」トトトトトト

梓(ムギ先輩のことだから力は十分なはず。コントロールが悪いのかな?)

紬「えいっ」バシュン

梓「は、速い」

紬「入ってた?」

梓「入ってました」

紬「やった!」

梓「それじゃあ次は打ち返しますね」

紬「うん」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:50:28.76 ID:HH+HqJ/20
紬「それっ」バシュン

梓(これも入ってくる)

梓(さっき見たところほとんど弾まなかったからカット系のサーブのはず)

梓(それなら前に出て……)

梓「お、おもい……」バン 

シュッ タンタンタン

梓(ネットに引っかかっちゃった)

紬「どうだった?」

梓「どうもこうもありません。凄かったです。どうやって打ってるんですか?」

紬「こんな感じなんだけど」ヒュン

梓「……スライスサーブですね」

紬「スライスサーブ?」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:51:43.20 ID:HH+HqJ/20
梓「横に曲がるサーブです。ただ、フォームが独特なせいか全然曲がりませんね」

紬「曲がらなきゃ駄目なんだよね?」

梓「普通はそうです」

紬「やっぱり…」シュン

紬「ただムギ先輩の場合は球が重いから問題ありません」

紬「球が重い?」

梓「はい。ほとんど跳ねない上、打ってもあまり跳ねないんです」

紬「やっぱり梓ちゃんはすごいね。一球受けただけで色々分かっちゃうんだ」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:52:24.57 ID:HH+HqJ/20
梓「謙遜してましたけど、ムギ先輩も普通に上手じゃないですか」

紬「……それじゃあ次は梓ちゃんがサーブを打ってみてくれる?」

梓「はい」トトトトトトト

梓(普通にフラットサーブを打ってみよう)

梓「えいっ」バシィッ

紬「えいっ」バキュン 

ヒューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

梓「……」

紬「……」

梓「安心してください、ムギにゃん。野球ならホームランです」

紬「梓ちゃん。それ慰めになってないよ」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:56:51.01 ID:HH+HqJ/20
梓「……まぁ、想定の範囲内です」

紬「えっ」

梓「むしろサーブが凄すぎたんです。これから私がみっちり体に叩きこんであげますから、すぐに上手くなれますよ」

紬「どきどき」

梓「あっ、変な意味ではないので」

紬「しゅん」

梓「何を期待してたんですか……。とりあえずラリーしてみましょう」

紬「ボールを打ち合えばいいのね?」

梓「はい。できるだけ取りやすい球をお願いします」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:58:15.02 ID:HH+HqJ/20
___

梓「う~ん。2球に1球ぐらいアウトしちゃいますね」

紬「ごめんなさい」

梓「謝らなくていいです。それより対策を考えましょう」

紬「なんだか今日の梓ちゃんは頼もしいわ」

梓「はい、私に任せてください」

紬「それで、どうすればいい?」

梓「とりあえず回転をかけてみたらどうでしょうか」

紬「回転?」

梓「はい。ムギ先輩の場合、力をコントロールしきれていないんだと思うんです」

紬「ふむふむ」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:59:29.56 ID:HH+HqJ/20
梓「力を抑えるって方向もありますが、それはあまり楽しくないので却下です」

紬「梓ちゃんとテニスができれば、それくらい我慢――」

梓「ムギにゃんが楽しくないと私も楽しくないので却下です」

紬「……」キラキラ

梓「むぎにゃん?」

紬「今日の梓ちゃんカッコいい!!」

梓「///」

紬(そして、照れてる梓ちゃんはかわいい)

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:01:44.20 ID:59VNvE+z0
梓「とりあえずトップスピンを試してみましょう」

紬「トップスピン?」

梓「前方向に回転をかけるんです。こうやってボールの背面をこする感じで」ヒュン

紬「こう?」ヒュン

梓「はい、そんな感じです。じゃあボールを投げてみますので、打ってみてください」トトトトト

紬「うん」トトトト

梓「はい」シュ

紬「えいっ」パン

梓「はい」シュ

紬「えいっ」パン

梓「はい」シュ

紬「えいっ」パン

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:07:26.62 ID:fSN3meXc0
梓「5球に1球ぐらいアウトかネットになっちゃいますね」

紬「ううん。それでもすごいい進歩。梓ちゃんすっごく教えるの上手ね」

梓「そうですか? 次はバックハンドをやってみましょうか」

紬「ええ」トトトトトトト

梓「はい」シュ

紬「えいっ」パン

梓「はい」シュ

紬「えいっ」パン

梓「はい」シュ

紬「えいっ」パン

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:09:23.55 ID:L3HkInxQ0
___
紬「……」

梓「30球以上やって1球も入らないなんて……」

紬「やっぱり私、球技は……」

梓「あ、諦めるのはまだ速いです」

紬「でも……あっ!」

梓「どうしました?」

紬「バックハンドだけ左手でやったらどうかしら?」

梓「ムギ先輩両利きなんですか?」

紬「うん。私、左利きを矯正してるから」

梓「ムギ先輩にそんな過去が……」

梓(本当はちゃんとバックも打てるようになったほうがいいけど、今日は遊びだし……)

紬「梓ちゃん?」

梓「わかりました。じゃあやってみましょう」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:10:56.56 ID:L3HkInxQ0
___
紬「どうかな?」

梓「5球に2球ぐらいミスしますね」

紬「楽しくラリーはできそうにないね」シュン

梓「だ、大丈夫です。できるだけフォアハンド(右手側)に返すようにしますから」

紬「梓ちゃんやさしいね」

梓「これくらい当然です。それじゃあラリーしましょうか」

紬「ええ」

パン! 
パン! 
パン! 
シュッ タンタンタン

パン! 
パン! 
パン!


律「そんなこと言うなよ澪にゃん」

澪「澪にゃん澪にゃん言うな!」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:12:43.81 ID:L3HkInxQ0
律「え~っ」

澪「えーっ、じゃない。まったくもう……」

律「…あっ、あれ」

澪「どうしたんだ? あっ」

紬「りっちゃん! 澪ちゃん!!」

梓「律先輩と澪先輩。偶然ですね」

律「ムギと梓じゃないか。二人もデートか?」

梓「まぁ、そんなところです」

澪「そうか。私たちは横のコートなんだ」

律「あっ、そうだ。後から試合しないか」

梓「いいですよ」

紬「えっ」

27:   2012/10/09(火) 00:18:44.27 ID:L3HkInxQ0
律「よし。私たちはちょっとラリーして体を温めるよ。三十分ぐらいしたら試合しようぜ」

梓「はい。わかりました」

___

紬「梓ちゃん!」

梓「ど、どうしました?」

紬「ねぇ、なんで試合なんて」

梓「嫌でしたか?」

紬「うん。私きっと足を引っ張っちゃう」

梓「大丈夫です。それ分私がカバーしますから」

紬「でも、きっと勝てない。澪ちゃんもりっちゃんも強そうだし」

梓「別に負けてもいいんですよ。遊びですから」

紬「そうかな?」

梓「ええ、そうです。でも勝つつもりでいきましょう」

紬「えっ」

梓「勝つとすっごく楽しいんですよ、テニスって」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:23:13.13 ID:L3HkInxQ0
___
30分後

梓「うぃっち?」

澪「すむーす」

グルグルグルグル バタン

梓「ラフです。サービスをもらいます」

澪「じゃあ私は左のコートを選ぶよ」

梓「はい」

紬「私達のサービスからね」

梓「はい。ムギにゃんのサービスからです」

紬「えっ、私?」

梓「はい。澪先輩と律先輩の度肝を抜いてやりましょう」

紬「私にできるかな?」

梓「できるかどうかじゃなくて、やるんです!!」

紬「……!」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:29:36.20 ID:L3HkInxQ0
紬「……」

紬(集中して……まずは最初のサーブを入れる)

律「……」

律(さっきちらっと見せてもらった。ムギのサーブはよく入る)

律(だけど、そこまでのスピードはない)

律(それほど曲がるわけでもない)

律(リターンエースを狙う!)

紬「えいっ!」バシュン

律「それっ!」バン

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:32:08.76 ID:L3HkInxQ0
シュッ タンタンタン

律「……ネットか」

紬「やった!!」

梓「やりましたね、ムギにゃん。サービスエースですよ」パン

紬「うん。やったよ、梓ちゃん。……右腕をあげてどうしたの?」

梓「ハイタッチです」パン

紬「あっ、うん」パン

律「くそっ、やられたぜ……」

澪「どうだった、ムギの球」

律「重い。とてつもなく重い」

澪「そう重い重い連呼するのはやめてくれ」

律「……?」

澪「……少し下がって受けてみるか」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:37:39.17 ID:L3HkInxQ0
紬「ふぃふてぃーん、らぶ」

紬(この調子でもう一球)

紬「えいっ」バシュン

澪「ひ、低い」バン

シュッ タンタンタン

梓「またエースです」パン

紬「うん。凄くいい調子」パン

律「澪でも無理か……」

澪「悪い」

澪(低くて上手く打てなかった。しかもこれだけ下がっても重いなんて)

澪(ムギがサービスのゲームは捨てるのが得策かな?)

澪(何か作戦を考えないと)

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:42:38.95 ID:L3HkInxQ0
___
数分後

梓「まさかサービスエースだけで1ゲームとってしまうとは思いませんでした」

紬「うん……でも」

梓「……大丈夫。私がカバーしますから」

紬「うん。お願い」



律「なぁ、澪にゃん」

澪「あぁ。あのサーブは無理だ」

律「でもさっきの練習を見ていた限りだと、ムギはサーブだけだ」

澪「じゃあ律のサーブで取り戻してくれ」

律「任された!!」

澪「ふふっ、こういうときの律は実に頼もしいな」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:45:19.00 ID:L3HkInxQ0
___
律「げーむかうんとぜろいち」

紬(りっちゃんのサーブ……どんなのかしら)

律「……」

律(ここはサービスエースを狙っていく)

律(入ってくれよ……)

律「それっ!!」バシュン

紬「えっ」

トン…トントントン

律「いえ~い」パン

澪「おしっ」パン

紬「う、動けなかった」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:52:52.16 ID:L3HkInxQ0
梓「どんまいです、ムギにゃん」

紬「ごめんなさい」

梓「謝らなくてもいいです。私もムギ先輩と同じ位置だったら返せなかったでしょうから」

紬「えっ」

梓「やりようはあります。見ててください」



律「澪にゃん見ててくれたか」

澪「ナイスサーブだったぞ律」

律「よし、この調子でいくぜ」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 01:00:08.58 ID:L3HkInxQ0
律「ふぃふてぃーんらぶ」

梓「……」

梓(確かに速い。でもそれだけです。後ろに下がればなんてことないはず)

梓(かかってくるデス)

律「……」

律(梓……随分後ろに下がってるな)

律(私は自分の仕事をするだけだ)

律「えいっ!」バシュン

梓「それっ」バン

梓(思ったより重かったけど返せた……えっ)

澪「ここだ」バシュ

トン……トン……トン

澪「よしっ!」パン

律「よっしゃ!」パン

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 01:03:51.50 ID:L3HkInxQ0
梓「思ったよりお二人は強いみたいです」

紬「梓ちゃん……」

梓「でも、この調子ではいかない筈です」

紬「へっ」

梓「とりあえずムギ先輩はさっきより下がって打ち返してください。そのうち勝機は見えてきますから」

梓(思い切り打つフラットサーブはコントロールがつけにくい)

梓(そのうちフォルトを連発するはずです)

___
律「さーてぃーんらぶ」

律「……」

律(よしっ、この調子だ)

律「えいっ」バシュン

紬「……フォルト」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 01:06:20.80 ID:L3HkInxQ0
紬(外れてくれた)

紬(2本目も外れますように……)

律「……」

律(外してしまったか)

律(ならば、これを使う)

律「えいっ」シュ

紬「えっ」

紬(アンダーサーブ? ボールが凄く高いところに行って、あっ、落ちてきた)

紬(ギリギリネットインする位置!? 走らなきゃ)タタタタタタタタ

トン……トン…トン

梓「せ、せこい……」

律「これだって立派な戦術だぞ。しかも結構難しいし」

梓「確かにそうですが……」

澪「まぁ、確かにせこいけど」

律「澪にゃん……そりゃないよ」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 01:11:51.39 ID:L3HkInxQ0
律「ふぉーてぃらぶ」

律「えいっ!」シュバッ

梓「それっ」バシ

シュッ タンタンタン

律「1ゲーム取り返したな」パン

澪「あぁ、律よくやってくれた」パン

律「サーブの調子が良かったからな」

澪「うん。いつもあれくらい入れば無敵なんだけどな」

律「大丈夫だって、私にはアンダーもあるし」

澪「あれバレてるから、次使ったらリターンエース食らうぞ」

律「そんなことないって。澪にゃんは心配性だな」


梓「あっさり取られちゃいましたね」

紬「うん。どうしよう?」

梓「大丈夫です。また試合は始まったばかりですから」

紬「……うん。頑張ってみる」

58: ここからダイジェスト多め 2012/10/09(火) 01:24:25.16 ID:L3HkInxQ0
___
梓「げーむかうんといちいち」

梓「……」

梓(私のサーブはちゃんと曲がるスライス)

梓(あまりサービスエースは取れないけど、リターンエースもされにくい)

梓(何よりほとんどフォルトが出ない)

梓(ムギ先輩はボレーならちゃんとできる)

梓(後衛私、前衛ムギ先輩というのは最善の陣形)

梓(このゲーム、落とすわけにはいかない……)

律「……」

律(梓のやつ、打つの遅いな)


___
40分後

紬「ぜぇ…はぁ…はぁ……やったね、梓ちゃん」パン

梓「はぁ…はぁ…はい。なんとか取りましたね、このゲーム」パン

66: 唯ちゃんなら和にゃん&憂ちゃんと紅葉狩りに行ったよ 2012/10/09(火) 01:36:42.34 ID:L3HkInxQ0
澪「げーむかうんといちにー」

澪「……」

澪(ムギのやつだいぶ疲れてきてるみたいだ)

澪(梓もそれなりに疲弊してる)

澪(私たちはまだまだ元気だ)

澪(……試合前の運動量が少ないからちょっとズルいけど、勝負に情けは無用だな)

澪(このゲームも徹底的に走り回ってもらう)

澪「えいっ!」キュン

紬「それっ!」ズバシャ

律・澪「えっ」

タン・・・タンタン

澪「私が反応できなかった……」

梓「やりましたね、ムギにゃん」パン

紬「えーっと。うん……」パン

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 01:42:33.37 ID:L3HkInxQ0
梓「納得行かなそうな顔ですね」

紬「うん。どうしてあんないい球を返せたのかしら」

梓「澪先輩がスピンサーブを打ったからです」

紬「スピンサーブ?」

梓「トップスピンと同じ回転がかかったサーブです」

紬「ほうほう」

梓「回転がかかってうおかげでラケットに大きな摩擦抵抗が生まれ、強いトップスピンのかかったリターンができたんです」

紬「……うん。よくわからない」

梓「……澪先輩のサーブはトップスピンで返すといいってことです」

紬「わかった!」


澪「……」

律「澪にゃん?」

澪「……」

律「しっかりしろ、澪。ここから取り戻すぞ」

澪「……あぁ」

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 01:50:44.06 ID:L3HkInxQ0
澪(0-15から始まったこのゲーム)

澪(点取合戦がもつれてデュースに)

澪(取られ取り返されを繰り返して20分ぐらい)

澪(最後は梓のボレーが決まって、私たちの負けになった)

澪(これで1-3。……いや、次はムギのサーブだから1-4だと考えたほうがいいか)

澪(順調に梓とムギの体力は奪っているけど、ここらへんで取り返さないと……)

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 01:56:06.00 ID:L3HkInxQ0
__
15分後

澪「まさかここまで取られるとは」

律「あぁ、でもあいつらの躍進もここまでだ」

澪「できるか?」

律「あぁ、任せとけ。今日の私は無敵だから」タタタタタタタ


律「げーむかうんといちよん」

律(ここは澪のためにも絶対に外せない)

律(全部入れる)

76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 01:57:30.00 ID:L3HkInxQ0
律「えいっ!」バシュン

紬「えっ」スカ

タン……タン…タン
___
律「ふぃふてぃーんらぶ」

律「それっ!」バシュン

梓「このっ!」バン

シュッ……タンタンタン
___
律「さーてぃーんらぶ」

律「そいや!」バシュン

紬「やあっ!」バン

シュッ……タンタンタン
___
律「ふぉーてぃらぶ」

律「いけっ!!」バシュウン

梓「えいっ!」スカ

タン……タン…タン

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 02:04:36.70 ID:L3HkInxQ0
澪「りつうう!! 大好きだ愛してるぞおおおおお!!!」ダキッ

律「うおっ、澪にゃん?」

澪「どうして律はこんなにかっこいいんだ」

律「それはまぁ……私だからな」

澪「うんうん。律は律だからかっこいいんだな」スリスリ

律「ははは……」

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 02:11:22.85 ID:L3HkInxQ0
梓「それにしても、まさか律先輩にサービスエースだけでゲームを取られるとは……」

紬「りっちゃん凄いわ」

梓「はい。認識を変えなければならないようです」

紬「ええ」

梓「律先輩がサービスのゲームは落とすつもりでいかないと……そう考えると」

紬「考えると?」

梓「次のゲームは私がサーブ。そして澪先輩のゲームは私がサーブです。このどちらかを取ります」

紬「ということは、5-3にするの?」

梓「はい。そこでムギ先輩にサーブが回れば勝てます」

紬「だけど……」

梓「はい、わかってます。このゲームはちょっと休めましたが、私達の体力は限界に近い。だから……」

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 02:18:26.79 ID:L3HkInxQ0
梓(ゲームカウント4-2で迎えた私のサービスゲーム)

梓(二人で選んだ戦略は「捨てること」だ)

梓(私たちはなるべく動かず、澪先輩と律先輩に走り回ってもらう)

梓(幸い、ムギ先輩はゲーム中ずっと前衛なので運動量は多くない)

梓(次の澪先輩のサービスゲーム。これが取れるかどうかに勝負はかかっている)

86: ここから多分ダイジェストなし 2012/10/09(火) 02:23:05.40 ID:L3HkInxQ0
澪「げーむかうんとさんよん」

澪「……」

澪(前のゲームはたぶん捨てにきたんだと思う)

澪(結構走らされたけど、律はまだ元気だし、私もまだまだやれる)

澪(でも、このゲームを落としたら、次のムギのサービスゲームで敗北が確定する)

澪(絶対に負けるわけにはいかない)

澪「えいっ!!」ビュン

紬「それっ!!」ギュン

澪(凄い球だけど…心の準備ができてれば打ち返せる!)

澪「えいっ」ギュン

梓「ここです!!」バシン

澪「と、届かない」

タン……タン…タン

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 02:28:00.31 ID:L3HkInxQ0
律「どんまい、澪にゃん」

澪「ご、ごめん律」

律「気にしなくていいよ。今のは梓がうまかった」

澪「あぁ、梓本当に上手いな。ムギを上手くサポートしてる」

律「でも、明らかに運動量が落ちてるな」

澪「そうだな」

律「この勝負、勝てる」

澪「あぁ、私もそう思うよ」

89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 02:33:08.76 ID:L3HkInxQ0
紬「梓ちゃんナイスよ!!」パン

梓「綺麗にキマリました」パン

紬「でもあんな球良く取れたね」

梓「ヤマがあったんです」

紬「ヤマが……やっぱり梓ちゃんすごい!」

梓「くすっ。ムギ先輩だって十分凄いですよ」

紬「そうかな」

梓「ねぇ、ムギ先輩テニスって楽しいでしょ」

紬「えっ」

梓「勝っても負けても楽しいものだと思います、テニスって」

紬「うん。とっても楽しい!」

梓「それでこそ連れてきた甲斐がありました」

紬「なんだか死亡フラグみたいだね」

梓「縁起でもないこと言わないでください。これは檄です。勝ちに行きますよ」

紬「うんっ!」

92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 02:40:15.73 ID:L3HkInxQ0
澪「らぶふぃふてぃーん」

澪「えいっ!」バシュ

梓「それっ」パン

澪「緩いボール? どっちだ?」

律「私に任せろ!!」

澪「頼んだ」

律「えいっ」バシュ

梓(さすが幼馴染のお二人。お見合いへの対応は完璧です)

梓(でも、崩れた陣形は戻らない)

梓「これで」バシュ

タン……タン…タン


紬「やった!」パン

梓「狙い通りです!」パン

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 02:45:21.89 ID:L3HkInxQ0
澪「……らぶさーてぃ」

澪「……」

澪(このまま負けるわけにはいかない)

澪「えいっ!!」バシュ

紬「それっ」バキュン

澪(これは……アウトだ)

澪(……! ここから落ちるのか! 対応できない!!)

澪「……っ」スカ

タン……タン…タン


紬「いえいっ!」パン

梓「ないすリターンです」パン

94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 02:47:02.30 ID:L3HkInxQ0
律「大丈夫か、澪?」

澪「あぁ、大丈夫だ」

律「……全然大丈夫そうな顔してないけどな」

澪「うん。わかってる」

律「あまり難しく考えるな。ただの遊びだから」

澪「遊びだけど……負けたくないんだ」

律「澪にゃんは負けず嫌いだな」

澪「茶化すな! 私と律が組んでるんだ。誰にも負けたくなんてない!」

律「…!」

澪「律は負けてもいいのか?」 

律「……絶対に勝つ!」

澪「……うん!」

96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 02:51:05.96 ID:L3HkInxQ0
澪「らぶふぉーてぃ」

澪(これを落とせば絶望的)

澪(絶対に、負けない!!)

澪「えいっ!!」バシュ

梓「やっ!」バシュ

澪「えいっ」シュパ

梓「それっ」バシュ

律(今だ…! 絶好の位置。このスマッシュ、貰った!!!!)

梓(律先輩があんなところに…対応できない!)

紬「…!」

律「そりゃあ!!」バシュン

紬「そうは問屋が…卸しません!!」バン

トン……トン……トン…トントン

梓「やった!」

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 02:57:16.86 ID:L3HkInxQ0
梓「ムギにゃん、やりました。後は先輩のサービスゲームを取れば!」

紬「う……うん」

梓「ムギにゃん?」

紬「……っ」

梓「……どうしました?」

紬「ご、ごめんね梓ちゃん」

梓「……律先輩のスマッシュを受けた時、捻ってしまいましたか」

紬「……うん」

梓「……」

紬「……」

梓「仕方ありません。降参しましょう」

紬「ごめんね。本当にごめんね」ポロポロ

梓「な、泣かないでください」

101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 03:06:15.99 ID:L3HkInxQ0
律「聞いたか?」

澪「うん」

律「こんな終わり方は不本意だけど、仕方ないな」

澪「……そうだな」

律「また、今度やりたいな」

澪「あぁ……」

102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 03:11:26.21 ID:L3HkInxQ0
紬「ひっく……本当にごめんなさい」ポロポロ

梓「も、もう泣かないでください。試合ならまたできますから」

紬「……っ…梓ちゃんがせっかく頑張ってくれたのに」ポロポロ

梓「でも仕方ないです」

紬「ごめんねなさい。本当にごめんなさい」ポロポロ

梓「……」

梓(ムギ先輩……私だって悔しいです。ムギ先輩と組んで律先輩達に勝てそうだったのに)

梓(だけど、手を怪我したらしょうがないんです。だって、手が使えなくちゃ)

梓(手が使えない……?)

梓(……)

梓(……)

梓「ムギ先輩、ひとつだけ方法があります」

紬「えっ」ポロポロ

梓「勝てるかどうかは分かりませんが、やってみる価値はあると思います」

107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 03:23:18.83 ID:L3HkInxQ0
律「いいのか? ゲームカウントこのままで後日再試合でもいいんだぞ」

梓「体力回復してからやるのでは、フェアじゃないですから」

律「そうか」

梓「はい。ただ、ムギ先輩がアイシングする時間だけは頂こうかと」

律「あぁ。じゃあ暫く休憩だな」

梓「すいません」

律「いや、謝ることはないよ。むしろ試合を続けられて私も嬉しい」

梓「律先輩のこと見直しました」

律「そ、そうか?」

梓「あっ、照れると怒られますよ、澪にゃんに」

109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 03:25:29.13 ID:L3HkInxQ0
___
15分後

紬「オーストラリアンフォーメーション?」

梓「はい。ムギ先輩にはこれから左手だけを使って試合してもらいます。でも左手でバックハンドなんて絶対無理ですよね」

紬「……うん」

梓「だから陣形を変えるんです」

紬「どんな陣形なのかな?」


110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 03:26:29.16 ID:L3HkInxQ0
梓「ちょっと地面に書いて見せます。普通はこんな感じです」

   紬◯
   ◯梓
  ====←ネット
   澪◯
   ◯律

紬「うん」

梓「オーストラリアンフォーメーションだとこうなります」
   紬◯
   梓◯
  ====←ネット
   澪◯
   ◯律

紬「……どういう意味があるの?」

梓「ムギ先輩の右手側を狙いにくくなります」

紬「…なるほど」

114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 03:30:56.02 ID:L3HkInxQ0

梓「あと、並行陣も使います」

紬「並行陣?」

梓「はい。こんな感じです」

   梓紬
   ◯◯
  ====←ネット
   澪◯
   ◯律

紬「横に並ぶんだ」

梓「はい。これならムギ先輩の右手側を私がカバーできます」

116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 03:33:08.16 ID:L3HkInxQ0
梓「どちらも欠点はありますが、勝てるとしたらこの方法しかないと思います」

紬「うん。精一杯頑張る!」

梓「この手が使えるのはムギ先輩がサーブの時だけです。だから……」

紬「……うん」

梓「次のゲームを落としたら潔く降参しましょう」

紬「わかった」

梓「それじゃあ行きましょう」

117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 03:34:55.68 ID:L3HkInxQ0
___
紬「ごめんね。りっちゃん、澪ちゃん」

澪「ムギが謝ることないよ」

紬「次のゲーム落としたら私達降参するから」

律「へっ」

紬「勝ち目がなくなっちゃうから」

律「……そうなのか」

澪「……」

梓「逆に言えば、次のゲームは十分勝ち目があるってことです。そして次のゲームを取れば私達の勝ちです」

澪「梓?」

梓「そろそろラストゲームを始めましょう。勝っても負けても恨みっこなしです」

律「あぁ」

律「澪にゃん! 勝つぞ!!」

澪「おお!」

梓「ムギにゃん! 行きますよ!!」

紬「おーーーー!!」

119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 03:40:09.73 ID:L3HkInxQ0
紬「げーむかうんとごーさん」

紬「……」

紬(せっかっく梓ちゃんが繋いでくれたチャンス。無駄にするわけにはいかない)

紬「えいっ!」パン

律(あっ、これは……)

律「フォルト」

梓「どんまいです、ムギにゃん」

紬「う……うん」

紬(思ったより難しい)

紬(なんとか入れないと)

紬「えいっ!」パン

律(緩いボール。これなら)タタタタ

律「それっ!!」パキュン

タン……タン…タン

紬「そんな……」

122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 03:47:18.24 ID:L3HkInxQ0
紬「らぶふぃふてぃーん」

紬「……」

紬(緩く打ったらリターンエース取られちゃう)

紬(でも、強く打ったら入らない……)

紬(どうすれば……)

梓「ムギにゃん?」

紬「えっ…あっ……そっか。並行陣だから梓ちゃんが横にいるんだ」

梓「緊張してますねムギにゃん」

紬「……うん」

梓「強く打ってください。勝てるとしたら、それしかありません」

紬「……そうだね」

紬「……えいっ」バシュ

澪(これは……入る)

澪「それ」パン

124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 03:52:19.28 ID:L3HkInxQ0
梓「このっ!!」バン

律「取れる!」バキュン

紬「えいっ!」バン

梓(ムギ先輩……なんとか打ち返した。今のうちに)タタタタタタタ

澪「それっ」バン

澪「えっ、なんで梓がネット前に」

梓「走ってきたんです。今デス!!」バン

タン・・・タンタン


梓「やりました!」パン

紬「梓ちゃん……最高!!」パン



律「くそっ」

澪「次取り返せばいいさ」

125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 03:54:44.38 ID:L3HkInxQ0
紬「ふぃふてぃーんおーる」

紬「……」

紬(梓ちゃんが頑張ってくれてる。私も頑張らなきゃ)

紬「えいっ!!」バン

律「それっ」バシュ

梓「届きます!!」バン

律(よし、左が空いた……これで)

律「決まれ!!」バシュ

紬(バックハンドにきた……でも、あてるだけなら!!)

紬「入って!」タン

梓(高く上がった……でも、飛距離が……。お願い、ネットまで届いて。)

タン………タンタン

律「ネットイン…だと…」


梓「やりました!!」パン

紬「うん!」パン

128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 04:00:26.58 ID:L3HkInxQ0
紬「さーてぃふぃふてぃーん」

紬(後2ポイント連続でとれば、私達の勝ち)

紬(うん。こうなったら……やってやるです!)

紬「えいっ!!」バシュ

シュ…タン…タン

梓「どんまいです、ムギにゃん!」

紬「……」

紬(落ち着いて……)

紬(ふぅ……)

紬「えいっ」バシュ

澪「フォルト」

紬「そ、そんな……」

130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 04:06:41.62 ID:L3HkInxQ0
紬「さーてぃーおーる」

紬「……」

紬(次こそは絶対に入れる)

紬(……入って!)

紬「えいっ!!」バシュ

律「球が甘い!」バキュン

梓(と、届け)タタタタタ

梓「……っ」バン

律(ガットに当たった!? どんだけ運がいいんだ? でも、これで)タタタタタタ

律「えいっ!」バシュ

紬「左端……届かない」タタタタタタタ

タン……タン…タン


律「おしっ!」パン

澪「さすが私の律!!」パン

131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 04:10:24.00 ID:L3HkInxQ0
紬「……」

紬(次取られたらおしまい)

紬(……)

紬(……っ)

梓「ムギ……にゃん」

紬「梓ちゃん?」

梓「また、緊張してるみたいですね」

紬「……うん」

梓「今、楽しいですか?」

紬「……どうだろう」

梓「じゃあ、もっと楽しんでください」

132: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 04:13:45.38 ID:L3HkInxQ0
紬「そんなこと……どうすればいいの?」

梓「勝つところを想像してください

紬「勝つところ?」

梓「そして、自分の読みがあたるところを想像してください」

紬「……想像するだけでいいの?」

梓「はい。自分が成功するところを想像してください」

紬「…うん」

梓「後はムギにゃん次第です」

紬「……」

紬(勝てたら……きっと楽しいだろうな)

紬(梓ちゃんは大喜びしてくれるだろうし)

紬(きっと私も誇らしいと思える)

紬(……私のサーブを澪ちゃんが受ける)

紬(私はどう動けば勝てるだろ?)

紬(……うん。決めた)

134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 04:21:07.11 ID:L3HkInxQ0
紬「さーてぃふぉーてぃ」

紬「えいっ!!」バシュ

澪(打ち頃の球だ…)タタタ

澪「それっ!」バキュ

梓(緩い球)タタタタタ

梓「それっ!!!」バシュ

律(私の方に来た! これで決める!!)

律「そいやっ!」バキュン

梓(走れば届く……)タタタタタタタタタタタ

梓「えいっ!!」バン

紬(ここ!!!!)

澪(高い球……アウトか? インか? インだ!)

澪「それっ!!」

135: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 04:25:42.06 ID:L3HkInxQ0
律(ムギが……)

澪(あがってきてる……?)

紬(ここしかない……左手でスマッシュは初めてだけど)

紬(きっと入る。きっと勝てる。だから……)

紬「それっ!!!」バシュン

梓(ムギ先輩のスマッシュ……力強い……。でも、ちょっとだけ高い……)

梓(お願い、入って!!)













タン……タン……タン…タン

澪「アウト」

137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 04:32:47.32 ID:L3HkInxQ0
帰宅後-律宅
___
律「こんなに白熱した試合は久しぶりだったな」

澪「うん、すっごく楽しかった」

律「こんどはムギが万全な状態でもう一度やりたいな」

澪「うん」

律「また練習しに行こうぜ」

澪「律が誘ってくれればいつでも行くよ。だって、カッコいい律が見られるから」

律「///」

澪(照れてる律かわいい)

律「あっ、そうだ」

澪「なんだ?」

律「そろそろいい時間だけど帰らなくていいのか?」

澪「私に言わせるのか?」

律「あっ…………。まぁ、なんだ、澪にゃん。今日は泊まってってくれ」

澪「……うん!」

139: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 04:39:53.32 ID:L3HkInxQ0
帰宅後-紬宅
___
梓「……負けちゃいましたね」

紬「うん。でも……」

梓「はい。想ってることは同じだと思います」

紬「うん。とっても楽しかった!」

梓「私も楽しかったです」

紬「だけど……」

梓「……はい」

紬「楽しかった以上に悔しいな」

梓「それが勝負です……」

紬「それは分かってるけど……。やっぱり梓ちゃんと二人で勝ちたかった」

梓「そうですね……。でも時間ならたっぷりあります」

紬「うん! 打倒りっちゃん澪ちゃんペアを目指して猛特訓ね!」

梓「はいです!」

140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 04:41:56.69 ID:L3HkInxQ0
紬「そうと決まれば明日から猛特訓ね」

梓「ムギにゃん。明日からじゃなくて今日からするべきです」

紬「……! そうね! 何をすればいいのかしら」

梓「今日わかったことがあります。私達の弱点は持久力です」

紬「そうだね」

梓「だからスタミナをつけるべきだと思うんです」

紬「どうやって?」

梓「夜の体育で」

紬「夜の体育?」

141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 04:42:49.15 ID:L3HkInxQ0
梓「はい、知りませんか?」

紬「うん」

梓「それじゃあ私がムギにゃんの体に教えこんであげるです」

紬「わくわく」

梓「それっ」ガバッ

紬「ひゃん///」



おしまいっ!

引用元: 梓「ムギにゃんとテニスに行くです」