1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 21:34:30.95 ID:1KhAQ5D60
先輩「あの」

後輩「プッチンプリンですよ?」

先輩「いや、ちがくて」

後輩「なんがちがうというのです?」

先輩「食べ物で釣ろうとしても駄目だよ」

後輩「なんのことです?」



4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 21:37:33.57 ID:1KhAQ5D60
後輩「先輩が物欲しそうな目でこっち見てるから」

先輩「金ないし、しょうがないじゃん」

後輩「ですから、一口分けてさしあげようと思って」

先輩「それはうれしいんだけど」

後輩「じゃさっそく、あーん」

先輩「タンマタンマ」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 21:40:04.84 ID:1KhAQ5D60
後輩「タンマ切った」

先輩「はい、バリアー」

後輩「もう、小学生ですか?」

先輩「そっちこそ、あーん、だなんて高校生にもなってやるかよ」

後輩「え?やらないんですか?」

先輩「え、うん」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 21:43:23.95 ID:1KhAQ5D60
後輩「普通、女子校生はやりますよ?友達同士で」

先輩「友達、いないし」

後輩「ごめんなさい」

先輩「なんだよその眼は。同情するな」

後輩「つまり、先輩は友達同士でハグしたり、チューしたりといった文化を知らないわけですか」

先輩「そんな文化ありません」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 21:45:56.08 ID:1KhAQ5D60
後輩「さあ、私と一緒に文明開化を」

先輩「おさげ頭を叩きますよ?」

後輩「…もう、せっかく私達、女子校生なんですから」

先輩「そ、そんなことする為に女子校生になったんじゃないし」

後輩「じゃあ何の為なんですか?」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 21:49:56.32 ID:1KhAQ5D60
先輩「ま、まあそれはいいじゃん」

後輩「ふーん」

先輩「なんだよ、その疑いの目は」

後輩「だって先輩、王子様系じゃないですか。どっちかっていうと」

先輩「わけのわからない言葉を使わないでくれるかな」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 21:55:09.98 ID:1KhAQ5D60
後輩「かっこよくて優しい先輩には必ず裏があるというのは、我々の業界での常識です」

先輩「それ、誰の事言ってんの?」

後輩「そりゃもちろん、先輩の事ですよ」

先輩「私が?かっこよくて?優しい?んなあほな」

後輩「だって、漫研では一番絵上手いし、原稿落としそうな時も頼りになるし、みんなの憧れの的ですよ?」

先輩「それ、便利な先輩の間違いじゃないかな?」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 21:57:46.70 ID:1KhAQ5D60
先輩「それに、絵が描けることと関係ないじゃない、それ」

後輩「できる先輩っていうのは、後輩からみてかっこいいんです」

先輩「そんなもんかねえ」

後輩「そうですよ」

先輩「で、私がその王子様系?だったとして、別に裏なんかないよ」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 22:00:02.71 ID:1KhAQ5D60
後輩「その方がかっこいいかと思ったんです。キャラ的に」

先輩「私をなんだと思ってるんだよ、まったく……」

後輩「憧れの先輩です」

先輩「目をキラキラさせてこっちみんな」

後輩「だってえ」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 22:04:43.07 ID:1KhAQ5D60
先輩「わたしゃあね、何の変哲もない窓際女子校生Aだよ。漫画でいうところのモブキャラさ」

後輩「私にはそうは見えません!」

先輩「私みたいな、地味な見た目で地味な学園生活を過ごすしがない背景のことが、なんでそんな気になるわけ?」

後輩「よくわかんないです!」

先輩「よくわかんないって…」

後輩「わかんないけど、ずっと見ていたいんです!先輩のこと!」


20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 22:07:40.49 ID:1KhAQ5D60
先輩「飽きるよ、それ」

後輩「今まで三年くらいずっと見てますけど、飽きませんよ?」

先輩「三年?」

後輩「あ、しまっ」

先輩「ねえ、知り合ったの去年だよね?」

後輩「え、ええ。あの、えーと」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 22:13:07.58 ID:1KhAQ5D60
先輩「後輩ちゃんは二年生。私は三年生。去年の春に漫研入ってきてそっから一年だから、私達それくらいの付き合いしかなかったはずだけど」

後輩「実は、中等部の頃からずっと見てたんです。先輩の事」

先輩「なんじゃそりゃ」

後輩「私が中等部にいたころ、今と同じように電車で通学してたんですけど」

先輩「ほうほう」

後輩「いつも同じ車両に、先輩が乗ってたんです」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 22:14:45.84 ID:1KhAQ5D60
先輩「あ、まじで?」

後輩「はい、いつもシートに座っていびきをかいていました」

先輩「え?まじで!?」

後輩「はい」

先輩「あちゃー」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 22:17:57.58 ID:1KhAQ5D60
後輩「それがなんだかおもしろくて、ずっと見てたんです」

先輩「いびきかいてたとか超ショック」

後輩「なんだか、かっこいいなって思ってました」

先輩「それ、ただがさつなだけだから。フォローになってないから」

後輩「で、後ろからこっそりついていくことにしたんです」




27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 22:19:24.74 ID:1KhAQ5D60
先輩「な、なんでさ」

後輩「きになったので」

先輩「アグレッシブだね」

後輩「そうでもないです。高等部と中等部って、校舎近いじゃないですか」

先輩「いや、距離の問題じゃなくて」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 22:22:23.33 ID:1KhAQ5D60
先輩「なんでちょっと気になったくらいで、ついてくんのさ」

後輩「駄目、ですか?」

先輩「駄目です。こわいじゃん」

後輩「もしかしてこういうのストーカーっていうんですか?」

先輩「かぎりなくちかいです」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 22:25:26.37 ID:1KhAQ5D60
後輩「そんなあ」

先輩「やめりん、私なんか」

後輩「え?」

先輩「ほら、こういうの、百合っていうんじゃないの?」

後輩「っ、そうかもしれません」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 22:28:07.79 ID:1KhAQ5D60
先輩「…やめやめ、このお話は、やめー」

後輩「どうしてですか?」

先輩「百合なんて、漫画の世界だけだよきっと。私たちは普通の女子校生なんだからさ」

後輩「普通の?」

先輩「うん」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 22:31:00.83 ID:1KhAQ5D60
後輩「普通って、なんでしょう」

先輩「うーん」

後輩「先輩のことが頭から離れないのは、普通なんでしょうか?」

先輩「い、いやだなあ。ご冗談を」

後輩「私、近頃変なんです」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 22:33:29.51 ID:1KhAQ5D60
先輩「そう?いつもと変わらないと思うけど」

後輩「じゃあ、先輩を見つけた三年前から変なんです。きっと」

先輩「はは、ははは…」

後輩「冗談とかじゃ、ないんです」

先輩「いや、なんといっていいか」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 22:36:11.51 ID:1KhAQ5D60
後輩「私、女の子を好きになっちゃったんじゃないのかなって、悩んでるんです」

先輩「……ふうん」

後輩「私、普通じゃないのかなって」

先輩「普通、じゃないと思うよ多分」

後輩「私もそう思います」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 22:40:23.45 ID:1KhAQ5D60
後輩「だから、試そうと思って」

先輩「何を?」

後輩「プッチンプリン」

先輩「…あー、そういうことか」

後輩「はい。先輩にあーんってして」

先輩「ドキドキしたりなんかしちゃったら、後輩ちゃんはソッチってことだ」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 22:41:53.50 ID:1KhAQ5D60
後輩「…はい」

先輩「……」

後輩「……」

先輩「…いいよ、その実験付き合ってあげる」

後輩「っ!!」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 22:44:07.98 ID:1KhAQ5D60
先輩「ほら、ちょーだい?」

後輩「先輩、目を瞑っててください」

先輩「あ、ああ。メンゴメンゴ」

後輩「それじゃあ、行きますよ」

先輩「はいはい」

後輩「先輩、あーん」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 22:47:44.90 ID:1KhAQ5D60
先輩「あーん」

パクッ

後輩「どうですか?」

先輩「おいしいよ、うん。後輩ちゃんは?」

後輩「……わかんないです」

先輩「そっか」

後輩「先輩と一緒にいると、ドキドキしてしまって、わかんないですよ」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 22:49:37.20 ID:1KhAQ5D60
先輩「ああ、そりゃあ傑作だね」

後輩「え?」

先輩「かわいいなあもう。これで決まりだよ」

後輩「私が、先輩の事好きだってこと?」

先輩「そう。ようこそこっち側へ」

後輩「こ、こっち側?」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 22:52:51.32 ID:1KhAQ5D60
先輩「さっき、女子校入ったのには理由なんてないって言ったじゃん」

後輩「は、はい」

先輩「あれね、嘘なんだよね」

後輩「え?」

先輩「こういうの、カミングアウトっていってさ、不用意にするもんじゃないの」

後輩「そうなんですか?」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 22:57:12.32 ID:1KhAQ5D60
先輩「そうだよ。本来、生き物としては間違ってるんだからね。相手を探すのにも慎重にならなきゃ」

後輩「普通じゃないって、そういうことなんですか?」

先輩「普通っていうのは、いつだって私たちの敵さ」

後輩「私たちって」

先輩「だから、そういうことだよ。こっち側っていうのも、そういうこと」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 23:05:51.77 ID:1KhAQ5D60
先輩「私、レ なんだ。漫画的に言うと百合、かな」

後輩「先輩も、女の子が好きなんですか?」

先輩「まあね」

後輩「じゃあ、女子校に入ったのって」

先輩「ああ、可愛い子がたくさんいるじゃんこの学校。だから、受験してまでエスカレーターに飛び乗ったのさ」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 23:09:09.73 ID:1KhAQ5D60
後輩「先輩、高等部からだったんですね」

先輩「後輩ちゃんは初等部からでしょ?だからこの学園では私の方が新参者ってわけ」

後輩「そんな、先輩は先輩ですよ」

先輩「でもさ、新参者っていうのは、それなりに便利なんだよ」

後輩「どういうことですか?」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 23:13:33.97 ID:1KhAQ5D60
先輩「いやね、違う匂いがするっていうのかなあ」

後輩「匂い?」

先輩「同じ制服着てても、新参者は一味違う」

後輩「味?」

先輩「集団の中では異色の存在っていうのかな」

後輩「色?」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 23:18:52.59 ID:1KhAQ5D60
先輩「とにかく、目立つっていうのは得なことさ。恋愛においてはね」

後輩「勉強になります」

先輩「ちょっとちょっと、女の子落とすコツを覚えてどーすんの。後輩ちゃんが好きなのは、私でしょ?」

後輩「え…ああ、そっか。私、先輩を見てドキドキしてるんだから」

先輩「おいおい、大丈夫かよ」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 23:20:28.19 ID:1KhAQ5D60
先輩「で、どーすんの?」

後輩「なにをですか?」

先輩「私と付き合ってみる?」

後輩「え、ええ!?」

先輩「私の事、好きなんでしょ?今はフリーだし、いいよ?」

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 23:23:27.76 ID:1KhAQ5D60
後輩「そ、そんな、いきなりすぎますよう」

先輩「いきなりって、二、三年私の事ストーカーしてたんでしょ?」

後輩「中三の一年だけです!」

先輩「でも、全然いきなりじゃないじゃん」

後輩「……でもさっき、やめりんって」

先輩「ああ、気が変わった」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 23:26:15.86 ID:1KhAQ5D60
先輩「さっきは、ホントかどうかわかんなかったから」

後輩「ホント?」

先輩「後輩ちゃんが、ホントにこっち側なのかどうかってこと」

後輩「こっち側、なんだとおもいます。多分」

先輩「今は、そう思える。けどほら、それなりにリスクを負うことだから」

後輩「カミングアウト、ですか?」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 23:30:32.78 ID:1KhAQ5D60
先輩「うん、結構緊張すんだよね、これ」

後輩「先輩もですか?」

先輩「そりゃそうだよ、って余談はさておいて、付き合うの?」

後輩「そ、それは…考えさせてください」

先輩「ありゃ」

後輩「まだ、気持ちの整理がつかなくて」

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 23:33:12.12 ID:1KhAQ5D60
先輩「煮え切らないねえ」

後輩「ごめんなさい」

先輩「でもまあ、そこが可愛いとこでもあるんだけど」

後輩「え、ええ!?」

先輩「うん、かわいいよ?後輩」

後輩「な、なんで呼び捨て…?」

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 23:36:01.95 ID:1KhAQ5D60
先輩「いいじゃん」

後輩「恥ずかしいですよう」

先輩「ちょろいなー」

後輩「も、もう!」

先輩「ふふ」

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 23:38:04.40 ID:1KhAQ5D60
先輩「じゃあ、プリン頂戴」

後輩「さっき一口あげたじゃないですか」

先輩「そういわずにさ。あーん」

後輩「……先輩、あーん」

先輩「うん、おいしい」



おしまい

引用元: 後輩「先輩、あーん」先輩「……(百合か?)」