1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 01:19:47.76 ID:vPF2k3cq0
―――エリア11 ブリタニア政庁 特別虜囚室―――

スザク「――すまなかったッ!!」

カレン「何いってんだっ!!」
バキィッ!

カレン「やっていい事と!! 悪い事があるだろっ!!」
ドゴォ ゴガッ パシンッ!

カレン「いい人きどって勝手にお終い!?」
ボグッ ドゴッ アッパー!

カレン「おさまらないんだよ……!! 紅月カレンを安く見るなっ!!」

スザク「う、うぅっ……」ヨロリ

カレン「……ふんっ! 抵抗しないところが余計腹立つ!」ドカッ

カレン「さぁ、あたしを殺しなさいよ」ツンッ

カレン「捕虜がラウンズにt
スザク「え……もう、終わりなのかい?」シュン

カレン「……は?」

2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 01:22:34.93 ID:vPF2k3cq0
カレン「気のせいかしら、あんた今変な事言わなかった?」

スザク「いや、僕は正常だよ」

カレン「あらそう……なら、さっさと殺しなさいよ」ツンッ

カレン「捕虜がラウンズに手を出したんだ、覚悟は出来てる!」

スザク「そんな事……いけないのは、僕だから……」

カレン「っ―――あんたなんか……大っ嫌い!!!」

スザク「そう、だよね……なら、好きなだけ殴るといい。君の気が済むまで……」

カレン「~~~っ! そういうとこが腹立つってぇのよ!」イラッ

スザク「ほらやっぱり、気が晴れてないみたいじゃないか!」

スザク「なら殴ってくれ、僕はもっと殴ってほしいんだ!!」

カレン「何なのよあんた! 気持ち悪いわねぇ!」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 01:26:03.84 ID:vPF2k3cq0
スザク「!? 違うよカレン、そういう意味じゃない!」

カレン「ならどういう意味よ、変にしか聞こえないわよ」

スザク「いいかい? 僕はラウンズになってから、誰かに殴られた事がない」

カレン「だから?」

スザク「だからこそ! 君が感情込めて殴ってくれた事が、ちょっと嬉しかったんだ!」

カレン「やっぱり変な意味でしょうが!!」

スザク「僕は正常だ! それに僕は君に酷い事をしたんだ、だから君自身からその罰を受けたいんだ!」

カレン「何よそれ、ずいぶん自分勝手じゃない」

スザク「どう思っても構わない、でも頼む! 殴ってくれ!」

カレン「っ……引き下がる気もないみたいね……わかったわ」

スザク「!!」

カレン「あんたがいいって言ったんだ……なら泣くまで殴らせてもらうわよっ!」ゴキゴキッ

スザク「ああ、よろしく頼む!」パァッ

カレン「ってなんで嬉しそうなのよっ!!」
ドゴォッ!

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 01:29:06.89 ID:vPF2k3cq0
カレン「だいたい、前からあんたは気に入らなかったのよっ!」
3HITS ワンツー!

スザク「ぐっ!」

カレン「中から変える!? やってる事はブリタニアの犬じゃない!」
6HITS ガスボグッゴツッ!

スザク「くっ、うぅっ……」

カレン「日本のみんなを裏切って、何が正しいやり方よっ!!」
10HITS ドカバキッ マワシゲリッ!

スザク「ぐぅっ! ぼ、僕は……」

カレン「リフレインまで使おうとしてさぁっ!!」
15HITS オラオラオラァッ!

スザク「うあ゛っ! す、すまない……」

カレン「あんたに、あたし達を否定する権利なんて! あってたまるかぁっ!!」
21HITS スパパパパパパンッ!

スザク「あぶっ、うぅ……少しは、気が晴れたかい……?」フラフラ

カレン「何いってんのよ……まだまだこんなもんじゃないってのよ!」ガシッ!

スザク「ああ……じゃあそのまま頼む……」ニカッ

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 01:32:38.25 ID:vPF2k3cq0
カレン「これは殺られた仲間の分っ!」
28HITS ドカボキメキッ!

カレン「あんたを信じた人達の分っ!」
36HITS バキボキッ グリッ!

カレン「記憶弄られた会長達の分っ!」
39HITS ワンツー アッパー!

カレン「あんたが騙してる、ナナリーの分っ!」
40HITS キンテキッ!

スザク「はぉっ!?……う、うぅ……」

カレン「あんたに売られた、ルルーシュの……分っ!!」
44HITS ドゴゴスッ コークスクリュー!

スザク「ぐっ、はぁ……っ!」

スザク(お、重い……なんて重い拳だ!)

スザク(きっとこれはカレンの想い、そして僕の罪の重さなんだ)

スザク(そうだ、これがずっと待ち望んだ罰なんだ)

スザク(そう考えたら、悪い気はしないな。むしろ気持ちいいとさえ感じる……)

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 01:37:16.46 ID:vPF2k3cq0
カレン「あんただけは……絶対に許さないっ!」
47HITS ゴッ ドゴッ ボグッ!

スザク(アーニャが言ったとおり、僕はマゾなのか……いや、それは違う)

スザク(でもこんな気持ちいいのが罰なんて、むしろご褒美じゃないか)

スザク(いや違う、ご褒美じゃない。これは罰だ、報いなんだ)

スザク(そうだ、これが償いなんだ。受け入れるしかない)

カレン「まだまだぁっ!!」
49HITS ダブルアッパー!

スザク(ちょっと気が遠くなってきたな……もしかして、死ぬのか)

スザク(でも、この心地いい痛みの中ならきっと、安らかに逝ける)

スザク(ここで、俺は―――)

ドクンッ……
(―――――『生きろッ!!』―――――)

スザク「!!」

キュイィィィィン!

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 01:41:15.13 ID:vPF2k3cq0
スザク「ッ……お、俺はっ……生きるッッッ!!」

カレン「こんなもんで、終わりと思うなぁっ!!」ゴォッ!

ガシッ!

カレン「っ!?」

スザク「うああああああああっ!!」

ダンッ!
ブォンッ!(背負い投げ)

カレン「ふぁっ!? きゃああああああっ!!」

ズダンッ! ドサッ…

カレン「うっ、うぅ……痛ったぁ……」

カレン「って、あれ? 牢の……外!?」

スザク「っ!! お、俺は一体何を!?」

(※現在の状況:カレン→牢の外 スザク→牢の中)

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 01:45:28.43 ID:vPF2k3cq0
カレン「ちょっとあんた! どういうつもりよ!」

スザク「違う、これは僕の意思じゃないんだ!」

カレン「じゃあ何で出したのよ! 情けでもかけたつもり!?」

スザク「そんな事ない! 頼むから牢に戻ってくれ、カレン!」

カレン「何都合いい事言ってんのよ……余計腹立ってきたわ!」

カレン「さっきまでの倍は殴ってやるから、覚悟しなさい!!」ツカツカツカ

スザク(まだ殴ってくれる!?……でもさすがに死ぬかも―――)
キュイィィィン!

スザク「ッ!!」

カレン「いっくわよぉっ!!」グォッ!

スザク「生きるッ!!」ポチッ

パシューッ(ドアLOCK)

ビタンッ!
カレン「あうんっ」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 01:48:46.00 ID:vPF2k3cq0
カレン「~~~っ、あんたホントなんなのよ! 戻れってったり閉め出したり!」プンスカ

スザク「うるさいッ! 俺は生きなければならないんだ!」

カレン「はぁ!?」

スザク「だからこっちへ来るな! 俺は中、君は外だ!」

カレン「意味わからないんだけど?」

スザク「いいか、これ以上君に殴られていたら俺は死ぬ!」

スザク「もっと殴られたいとも思うが、死ぬのはダメだ!」

カレン「なら、あんたが部屋から出ればいいだけじゃない」

スザク「だが君がここにいる限り、また来なければならない!」

スザク「次来たらきっとまた殴られる! それだと命がいくつあっても足りない!」

スザク「なら答えは一つだ! 君がここにいなければいい!」

カレン「だからって何であんたが牢の中入るのよ!?」

スザク「君でもこの牢は壊せない! 中にいれば安全だ!」

カレン「一体何考えてるわけ!?」

スザク「知るかっ! 俺は生きるんだ、どんな事をしてでも!」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 01:51:07.37 ID:vPF2k3cq0
カレン「よくわかんないけど……もう捕虜は終わりって事?」

スザク「ダメだ! 君は大事な捕虜だ、それは変わらない!」

カレン「でもあたしにここから消えて欲しいんでしょ?」

スザク「そうだ! どこへなりと行けばいい、俺が生きるために!」

カレン「めんどくさい奴ねぇ……」

スザク「早くしろ! 俺は君に関わってはいけないんだ!」

カレン「はいはい……ったく、礼なんて言わないからね」

スザク「出てってくれればそれでいい! 俺は生きる!」

カレン「あっそ……じゃーね!」テッテッテッテッ

プシューッ

スザク「よし……これで俺は生きられる!」

シュウゥゥゥン…

スザク「ッ、はっ! 何だこれは……僕が、やったのか!?」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 01:54:01.68 ID:vPF2k3cq0
スザク「カレンを逃がすわけにはいかない……ここから出なければ!」

ガンガンッ

スザク「くっ、ダメだ……このままでは外側の開閉装置に触れない!」

プシューッ

ジノ「やぁカレン、今日も勧誘に来たぜ~……って、あれ?」

スザク「ジノ! いいところに!」

ジノ「なぁ、スザク……だよな? 何でお前が牢ン中いんの? カレンは?」

スザク「説明は後でする! とにかく、牢を開けてくれ!」

ジノ「ん~よくわかんねーけど、はいよっと」

ポチポチッ
パシューッ

スザク「ありがとう、助かったよジノ」

ジノ「んで一体、どうしてこうなったんだ?」

スザク「そんなの後回しだ! 今はカレンを探さないと!」

ジノ「おーい……」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 01:56:22.79 ID:vPF2k3cq0
―――政庁内 廊下―――

カレン「……ふっ!」

ドガッ!

兵士「ピ、ピンク……ぐあっ」キゼツッ

カレン「はっ、他愛のない」
ガチャッ

カレン「武器と見取図は手に入れた。あとは紅蓮を取り戻せば!」

カレン「……それにしてもスザクの奴、一体どういうつもりよ?」

カレン「まぁ出られたのは事実だし、チャンスには違いないわね」

カレン「バカな真似したって事、思い知らせてやるわ……よし、いくわよ!」
タタタタタッ……


アーニャ「ん?」チラッ

タタタタタッ……

アーニャ「紅蓮のパイロット……なんで?」キョトン

アーニャ「……多分、見間違い」テクテク

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 01:59:31.06 ID:vPF2k3cq0
ジノ「なぁスザク、いー加減何があったか教えろって。なんかボッコボコだしさー」

スザク「だからカレンを見つけるのが先だって」

ジノ「理由がわからなきゃ……って、お? アーニャじゃん」

スザク「アーニャ! すまない、カレンを見なかったか?」

アーニャ「え? カレン……って、紅蓮のパイロット?」

ジノ「そうそう、牢にいるはずがスザクと入れ替わっててさー」

アーニャ「じゃあさっきの……本物?」

スザク「見たのか!? どっちに!!」

アーニャ「あっち。ちょっと前に見た」

ジノ「さ~んきゅ! そうだ、アーニャも一緒にいかねぇ?」

スザク「僕らはカレンを捕えなければならない。手伝ってくれるか?」

アーニャ「いいよ。でも、なんで出てるの」

スザク「捕えてからゆっくり話す、それでいいだろ」

ジノ「ダメだっての。ほら、いー加減話せよ」

スザク「……わかったよ」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 02:00:54.79 ID:vPF2k3cq0
スザク「じゃあ簡単に。僕はさっきカレンに殴られてたんだ」

ジノ「そんなボコボコになるまでか……んでもなんで?」

スザク「悪いのは僕だから。でも、すごくいいパンチだったよ」

アーニャ「言い方、おかしい」

スザク「そうかな? で、気づいたらカレンを牢の外に投げ飛ばしてた」

ジノ・アーニャ「「は?」」

スザク「そのあと戻るよう言ったんだけど、僕はカレンを閉め出してしまって……」

ジノ「なぁスザク、頭大丈夫か?」

スザク「僕は至って平静だよ」

アーニャ「やっぱりおかしい」

スザク「正常だって。……それでカレンを捕らえ直す必要があるんだ。二人とも、手伝ってくれるかい?」

ジノ「んーよくわかんねーけど……俺もカレンは死なせたくないし、いいぜ」

アーニャ「いいよ。でもスザク、終わったら病院行った方がいい」

スザク「だから大丈夫だって……(ギアスの呪いの事は言えないし)」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 02:03:16.92 ID:vPF2k3cq0
―――政庁内 格納庫―――

カレン「警備体制も大した事なかったわね……それすらラウンズに頼りきりなのかしら」

カレン「っ! これ、紅蓮の起動キーじゃない! 警備どころか管理までザルみたいね」

カレン「ってことは……あの機体、紅蓮? でもなんか、違う……」

カレン「動かしてみればわかるか……ドレスじゃ動きづらいけど、悩んでる暇はない!」

タタタタタッ…

セシル「? ロイドさん、アレ……」

ロイド「おやぁ? 誰か紅蓮に乗ろうとしてるねぇ」

セシル「だからキー置きっ放しじゃまずいって言ったのに!」

ロイド「だ~いじょぉぶだってぇ、並大抵の人じゃまともに動かせないだろーしぃ」

セシル「そうかもしれませんけど」

ロイド「今の紅蓮を動かせるのなんてスザク君ぐらいなもんでしょ。だから心配ございませ~ん♪」

セシル「もう……知りませんよ?」ハフー

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 02:05:50.58 ID:vPF2k3cq0
カシュッ…ピピピッ! ヴィンウィンウィンウィン…
GUREN S.E.I.T.E.N EIGHT-ELEMENTS START UP

カレン「起動した! ……いろいろ変わってるけど、基本システムは同じ!」

カレン「エナジーも輻射波動も満タン……よぉっし、いくよ! 紅蓮っ!!」

ジャキィン!! ウィィン…

セシル「……ロイドさん、あの……」

ロイド「んん?」

セシル「紅蓮、動いてます……」

ロイド「」

セシル「……どう、します?」

ロイド「あは~……」ヒヤアセ

カレン「今までの憂さ晴らしだ……派手に暴れてやる!」

カレン「まずはコイツだ! 弾けろぉーっ!!」

ガシィッ! ズギュゥゥゥゥゥ…
ドゴォォォォォン!<ランスロット(無人)、爆☆散>

ロイド・セシル「「」」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 02:09:04.08 ID:vPF2k3cq0
スザク「負傷した兵達を辿ってきたら、ここは……」

ジノ「格納庫だよなぁ……なんっかヤな予感」

ドゴン! ズガァァァァン!

アーニャ「この音……爆発?」

スザク「とにかく行ってみよう!」

タッタッタッタッ…

ラウンズ3人「「「!!!」」」

ロイド「あぁ君達! あれをなんとかしてよぉ~~~っ!」

セシル「無理ですよロイドさん、周り見て下さい!」

ジノ「うぇ!? あの残骸ってまさか、トリスタン!?」

アーニャ「モルドレッド……どうして……」

スザク「なんだこれは……ランスロットはどこだ!?」

カレン『遅かったわねぇ、あんた達の戦力は潰させてもらったわよ!』ギュイィィン

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 02:12:06.76 ID:vPF2k3cq0
スザク「やめるんだカレン! こんなやり方間違ってる!」

カレン『どの口がいうのかしらねぇ、この支離滅裂男が!』

セシル「一体どういう事!?」

ジノ「なんか、スザクがカレンを脱獄させちまったみたいで……」

ロイド「枢木卿、君なぁにやってんの!?」

アーニャ「やっぱりおかしかった」

スザク「僕は正常だ! カレン、早く牢まで戻るんだ!」

カレン『誰が戻るか! んなバカいたら見てみたいわよ』

スザク「僕なら戻る! それが正しいやり方だからだ!」

ジノ「スザク、お前バカだろ?」

アーニャ「治せない」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 02:16:51.67 ID:vPF2k3cq0
カレン『さぁ、コイツで最後ぉっ!!』
ズババァン! ドゴォォォ…

セシル「ああっ、パーシヴァルまで!」

ジノ「うぇ!? じゃあ俺達の専用機全滅!?」

ロイド「残ってるのは専用格納庫にあるギャラハッドぐらいだよぉ~!」

アーニャ「本気でヤバイ……」

スザク「やめるんだカレン、これ以上罪を重ねちゃいけない!」

カレン『恨むなら自分を恨むのね。あたしを出したのはあんたなんだから!』

スザク「そんな、どうしてこんな……!」

アーニャ「全部、スザクのせい」

ジノ「あー間違いねぇわ。でも本気でどーするよ!?」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 02:19:38.93 ID:vPF2k3cq0
スザク「とにかく、カレンを止めるんだ! 機体に取り付いて……」

ジノ「っておい、どーやってだよ? 生身じゃ勝ち目ねーぞ!?」

アーニャ「自殺行為」

スザク「でもやるしか―――」
キュイィィィン!

スザク(っ!! 俺にかけられた『生きろ』のギアスが撤退するよう命じている!)

スザク(カレン、それほどの相手か……!)

スザク「退くぞ! 俺は生きなきゃいけない!!」スタコラサーッ

一同「「「」」」

カレン『これでこのラボの機能は破壊した。じゃーね!』ギューン!

ロイド「どろぼぉ~~~~っ! 僕の、僕のぉっ!」

セシル「違いますよぉ~、私も手を加えましたから♪」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 02:23:09.62 ID:vPF2k3cq0
ピピッ

ニーナ『ロイドさん、ちょっとよろしいですか?』

ロイド「ニーナくん!? 今それどころじゃないってばぁ!」

ニーナ『え? そういえばなんだか騒がしいですけど……』

セシル「捕虜が脱走したの! ほら、あなたのお友達だった……」

ニーナ『! まさか、カレン!?』

ロイド「おまけにラウンズ専用機も壊されて、枢木卿までどっか行っちゃったわけ!」

ニーナ『スザクが!? ……やっぱり、所詮はイレヴンだったのね!』ギリギリィ

セシル「今は抑えて! とにかくそういうことだから危ないの!」

ニーナ『……わかりました。 さっき報告しようとしたんですけど、フレイヤの発射装置が出来たからそちらに持って行きます!』

ロイド「ニーナくん何考えてんの!?」

ニーナ『だってカレンはゼロの手先でしょ!? だったらフレイヤで!!』

ロイド「あんなもんここで使っちゃったら政庁も僕らも吹っ飛んじゃうでしょーにぃ!!」

ニーナ『でもゼロの手先なのぉ! ユーフェミア様の仇ぃっ!!』

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 02:26:59.63 ID:vPF2k3cq0
セシル「ニーナさん、持って来たところでここにあるKMFは全部壊されちゃってて!」

ニーナ『だったら誰かこっちによこしてください! どんな奴でもフレイヤなら!』

ロイド「こりゃ聞く耳持たないねぇ……ヴァインベルグ卿とアールストレイム卿、どっちでもいいから取りに行ってやってくんない?」

ジノ「いいですけど、何です? フレイヤって」

ロイド「ニーナくんが作った新兵器なんだけどね。すんごいヤバイから絶対使わないよーに!」

ニーナ『そんな事言ってる場合じゃないでしょ! あれ一つ撃てば勝てるのに―――

ガシャアァァァァン!!

カレン『へー、これがそのフレイヤってやつ? そんな物騒なものなら置いていけないわね』

ロイド達一同「「「「!!??」」」」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 02:30:08.70 ID:vPF2k3cq0
ニーナ『その声、カレン!? どうしてここに!!』

カレン『通信を傍受したから寄らせてもらったの。ご希望通り、あたしが貰ってってあげるわ』ガチャリ

ジノ「うそ!? もうあそこ着いてんのか!?」

ロイド「完っぺきに乗りこなしてる……あは~、どーしよぉねコレ?」

ニーナ『やだ、返して! 私のフレイヤがぁぁぁーーーーっ!!』

カレン『ごめんなさいニーナ……よし、じゃあ次っ!!』ギューン!

アーニャ「……ジノ、どうする?」

ジノ「あはは……勝てる気しねーや、トリスタンもあんなだし……」

ロイド「とりあえずぅ……逃げましょぉ~っ!」スタコラピューッ

セシル「あ、ちょっとロイドさん! 待って下さ~い!」テッテッテッ

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 02:34:26.51 ID:vPF2k3cq0
―――ギャラハッド専用格納庫―――

ビスマルク「何、捕虜が逃げ出した?」

兵士「はい、同時に鹵獲していたKMFも奪われたとの事で!」

兵士「また、脱走を手引きしたのは枢木卿ではないかという話も……」

ビスマルク「まったく何をしているのか……所詮は故国を裏切った半端者か!」

ビスマルク「仕方ない、私が出る! ギャラハッドの出撃準備をしろ。私はコクピットにて待機する」ウィーン

兵士「はっ、すぐに―――

ガシャアァァァァン!!

カレン『ここがナイトオブワン専用の格納庫……ここさえ潰せば!!』

ビスマルク「なんだ貴様は! ……っ、まさか、貴様が!」

カレン『コイツがラウンズ最強機か! でもまだ準備中、なら!!』

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 02:37:47.81 ID:vPF2k3cq0
カレン『動き出す前にカタをつけさせてもらうっ!!』
グォッ!!

ビスマルク「おい待て貴様、騎士を名乗るなら正々堂々―――ぐっ!」
ガシャァン!

カレン『勝つためなら、手段は選ばない!!』

ビスマルク「ぐぅぅ、これは……くっ!」
キュイィィィィン!

ビスマルク「死しか視えん……遺憾ながら脱出するしかない、か……」スタコラ

カレン『弾けろ、ブリタニアァッ!!』
ズギュゥゥゥゥゥ…チン!

ドゴォォォォォン!!

兵士「ギャラハッドがやられたぁ! もうダメだーっ!!」スタコラサーッ

カレン『よし、ここらでエナジーフィラーを交換して……ん?』

カレン『へー、あの爆発の中でも残ってるなんていい剣じゃないの。藤堂さんへのお土産にしましょ』ヒョイッ

カレン『エナジーも全快、お土産もできた! あとはナナリーさえ取り戻せば!』ギューン!

ビスマルク「待て! 私のエクスカリバー返せぇぇぇぇぇっ!!」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 02:41:14.45 ID:vPF2k3cq0
―――総督執務室―――

ナナリー「あの、この騒ぎは一体何があったんですか?!」

ローマイヤ「紅月カレンが乗機と共に脱走したとの事です。やはりさっさと処刑しておくべきでしたね」

ナナリー「そんな、どうして……」

ローマイヤ「兵達の間では枢木卿が脱走を手引きしたという話が出ています。軽薄な同族意識でしょうか」

ナナリー「スザクさん……一体、何が……」

ローマイヤ「ラウンズの枢木卿はともかく、紅月カレンは発見次第抹殺の指示を出します。いいですね?」

ナナリー「ダメです、殺すなんて!! カレンさんは―――」

ローマイヤ「状況を考えて下さい、彼女は反逆者で―――

ズガァァァァン!!

カレン『ナナリー!!』

ナナリー「その声は……カレンさん!?」

カレン『迎えに来たわ、一緒に行きましょう!!』ウィイン

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 02:44:25.32 ID:vPF2k3cq0
ナナリー「で、でも私は……」

ローマイヤ「そ、総督! ご無事をお祈りします!」スタコラピューッ

ナナリー「」

カレン『あの性悪女、総督置いて逃げるなんてサイテーね』

カレン『でもちょうどいいか。さっ、行こう? ナナリー』

ナナリー「ですが……」

ギューン!

スザク『やめろカレン! ナナリーを渡すわけには!』

カレン『スザク……性懲りもなく!!』

スザク『これ以上の暴挙は許さない! ランスロットはなくても、このヴィンセントで!』ジャキンッ!

カレン『あんたさっきからわけわかんないのよ! 邪魔するなら容赦しないからね!』ジャキンッ!

ナナリー「あ、ああ……」オロオロ

―――同じ頃、別の格納庫で―――
ギルフォード「私のヴィンセントはどこだぁっ! 姫様ーーーっ!!」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 02:47:17.73 ID:vPF2k3cq0
スザク『はぁぁぁぁぁっ!!』ゴォッ!

カレン『遅いっ!!』ザンッ!

スザク『くっ! まだっ……』ブンッ!

カレン『通じないよ!』ガシィッ!
ズギュウゥゥゥン!

スザク『ち、違い過ぎる……マシンポテンシャルが!』
ドゴォン!

スザク『か、勝てない……っ』

カレン『さよなら、スザク……!』グォッ…

ナナリー「だめですカレンさん! スザクさん、私はもういいですから!」

スザク(ナナリー……でも、それだけは! 例え、ここで死ぬとしても……!)

スザク(そうだ、これが償いなんだ! 受け入れるしかない……)

スザク(こんな状況になったのも全て俺の責任なんだ、だったら)

スザク(ここで、俺は―――)

ドクンッ……
(―――――『生きろッ!!』―――――)

キュイィィィィィン!!

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 02:50:02.57 ID:vPF2k3cq0
スザク『っ!……お、俺はっ……生きるッッッ!!』

ギュゥン! ゴォーッ……

カレン『ッ!? スザク、一体何を……』

ナナリー「スザクさん……?」

ガシッ

ナナリー「えっ?」

スザク『カレン! 取引だ!』

カレン『!?』

スザク『俺をこのまま見逃せ! そうしたらナナリーは引き渡す!』

カレン『』

ナナリー「スザクさん!?」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 02:53:22.73 ID:vPF2k3cq0
カレン『スザク、あんた本気で言ってんの!?』

スザク『当然だ! 俺は生きなきゃならないんだ!』

カレン『ナナリーは総督でしょうが!!』

スザク『生きるためなら仕方ない!!』

カレン『堕ちるところまで堕ちたわね……』

スザク『好きに言え! それでどうするんだ!』

カレン『……いいわ。見逃してあげる』

スザク『よし、ならナナリーは連れていけ!』スッ

ナナリー「スザクさん!? スザクさぁぁぁぁん!!??」

スザク『すまないナナリー、だが俺は生きなきゃならないんだ!』

カレン『あんたホント最低ね……確かに受け取ったわ。でも二度とあたし達の前に現れない事ね』

スザク『ああ、それで生きられるなら喜んで! それじゃあ!』ズヒュン! ピューッ

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 02:58:42.17 ID:vPF2k3cq0
ハッチウィーン…

カレン「よっ……と」

ナナリー「……」

カレン「ごめんねナナリー、少し狭いけど我慢してね?」

ナナリー「カレンさん……スザクさん、一体どうしたんでしょうか……」

カレン「わからない……でも、もうあいつの事は」

ナナリー「あんな事する人じゃなかったのに……」グスッ

カレン「……そうね。どうしてだろうね……」

カレン「……ちょっとだけ我慢してね。あなたのお兄ちゃんに逢わせてあげるから」

ナナリー「! 本当ですか!?」

カレン「うん! ……車椅子も弾薬ケースの中に入れたし、行こっか!」

カレン(もしかして……あのスザクの奇行はルルーシュのギアス?)

カレン(じゃあ、あたしはルルーシュとスザクに助けられた事になるのかな……)

カレン(一応礼を言っとくよ、スザク。でもやっぱり、あたしはあんたが大っ嫌いだ!)

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 03:01:47.54 ID:vPF2k3cq0
―――蓬莱島上空・斑鳩 ゼロ私室―――

ルルーシュ「まずい……シャルルが戻ってきた以上、一刻も早くナナリーを取り戻さなければ!」

ルルーシュ「もう手段を選んでる余裕はない……スザクを頼るしか……」

C.C.「あの、ごしゅじんさま……」オソルオソル

コンコンッ

カレン『ゼロ! カレンです、よろしいですか?』

ルルーシュ「カレン!? まさか、自力で脱出したのか!?」

カレン『その事で話があるんですが、その前に……ルルーシュ・ランペルージに逢わせたい人がいるんです』

ルルーシュ「?……ま、まさか!!」

カレン『はい、ナナリー総督です! ……よろしいですか?』

ルルーシュ「ああ……入ってくれ!」パァッ

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 03:05:17.44 ID:vPF2k3cq0
プシューッ

C.C.「っ!」コソッ

ルルーシュ「カレン……ナナリー! よく無事で……」

カレン「ご覧の通り、二人ともピンピンしてるわ。……あたしがこうしてられるのは、ナナリーのおかげなの」

ルルーシュ「そうか……じゃあ、そのドレスもか」

カレン「まぁね……あんまり、見ないでよ」

ナナリー「本当に、お兄様なのですか?」

ルルーシュ「ナナリー……ああ、ナナリーッ!!」ヒシッ

ナナリー「お、お兄様痛いです……あの、ところでスザクさんが……」

ルルーシュ「スザク? あいつがどうかしたのか」

カレン「あたしもその事で話があるんだけど、実は……」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 03:08:33.39 ID:vPF2k3cq0
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ルルーシュ「なるほどな……そういう事か」ギュウウウ

カレン「やっぱり……あたしの考えてる通り?」

ルルーシュ「そうだな。それについては後で話そう」

ナナリー「あの……一体なんですか?」

ルルーシュ「ナナリー……そうだな。スザクはその、一種の病気なんだ」ナデナデ

カレン「病気、ねぇ……」

ナナリー「とても怖い病気みたいですね」

ルルーシュ「ああ、でももう心配いらないよ。もう怖い目にはあわせないから」ニコッ

ナナリー「そう、ですか」

ルルーシュ「そうだとも」

カレン(まったく、やっぱりナナリーばっかり構って……)ジトーッ

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 03:11:15.07 ID:vPF2k3cq0
カレン「ねぇルルーシュ、そろそろちゃんと話したいんだけど」

ルルーシュ「……そうか、なら向こうに行こう。ナナリー、ちょっとすまない」

ナナリー「あ、はい」

ルルーシュ「お前も、隠れてないで出て来いよ」

C.C.「ふぁっ!? ひゃ、ひゃいっ!!」バタバタ

ルルーシュ「彼女は俺の妹なんだ、話し相手になってくれないか」

C.C.「わ、わかりましたっ! ……よろしく、おねがいします……」

カレン「えっ、あれC.C.!? 一体どうしたの?」

ルルーシュ「そのことについても話すさ……それにしても、君には感謝してもしきれないな」

カレン「……気にしないで。その代わり、もう隠し事とかしないでよね」

ルルーシュ「ああ……だがまずはもう一度言わせてくれ」

ルルーシュ「ありがとう、カレン!」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 03:14:30.03 ID:vPF2k3cq0
―――その日の夜、東京上空―――

ゼロ「全軍に通達。作戦内容は把握してるな?」

藤堂「ああ。ゲフィオンディスターバーの有効なうちにカタをつけるんだな」

ゼロ「敵主戦力はカレンが悉く粉砕してくれた。これで当初の予定より短時間で決着をつけられるだろう」

カレン「ゼロ、あなたも斑鳩も、私が護ります!」

ゼロ「ありがとう。頼りにしているぞ、カレン! ……さて」

ピピッ(プライベート通信)

ゼロ「ジェレミア、咲世子。作戦中にロロの始末を任せる」

ジェレミア「我が君のご命令とあらば!」

咲世子「よろしいのですね?」

ゼロ「ああ、奴はもう用済みだ……ギアスさえ封じれば始末も容易い」

ジェレミア・咲世子「「了解しました!」」

ゼロ「頼むぞ……ではな」ピッ

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 03:17:39.67 ID:vPF2k3cq0
ルルーシュ「フフフハハハ……ナナリーもカレンも取り戻し、ロロもこの作戦中に始末できる」

ルルーシュ「ラウンズの脅威も薄れ、ご自慢のエクスカリバーは藤堂の手にある」

ルルーシュ「フレイヤの解析はラクシャータが進めている……アンチシステムの開発も遠くないだろう」

ルルーシュ「全てのカードは我が手の内にある……シャルルへの警戒も必要だが、今は日本奪還が先だ」

ルルーシュ「これも全てスザクがやらかしてくれたおかげだ……感謝するぞスザク!」

ルルーシュ「そうさ、やはり俺達は親友だからなぁ! フフフハハハハハハハ……!!」

ルルーシュ「では始めよう……俺はゼロ。世界を壊し、創造する男だ!」

ゼロ「ではこれより、日本解放作戦を開始する! 総員奮起せよッ!!」

騎士団一同「「「承知!!」」」

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 03:22:15.56 ID:vPF2k3cq0
そこからの展開は、いわゆるワンサイドゲーム同然であった。

主戦力を潰されたブリタニア側に対抗できる術はなく、トウキョウ租界は陥落。

第二皇子シュナイゼルが会談を申し出るも、ゼロはこれを拒否。

フレイヤによる恫喝も、アンチシステムをラクシャータが完成させたことにより無効となった。

ほどなくして、日本は再び自治を勝ちとった。

この勝利の裏側に、両国から「裏切りの騎士」と呼ばれた少年の活躍(?)があったことを知る者は少ない……

だが彼はある意味、ブリタニアを中から変えたのだ。

囚われの戦乙女と、その乗機であるオーバースペックKMFを解き放ち、文字通り中から破壊したのだから。

なお、この戦闘の最中に「生きる!」と叫びながらありえない動きで飛び回る奇怪な人物が目撃されたというが、その消息は不明である―――

「ッ……俺は、生きるッッッ!!!」

~終幕~

引用元: カレン「あんたなんか、大っ嫌い!!」スザク「だよね……」