眠れない

西田「どういうことやねん眠れないて」

哲夫「せやからそれがお題やがな」

西田「何言うてるかサッパリわからん」

哲夫「あー、ほやな、したら寝れへんときに何するかっちゅう話や」

西田「羊でも数えるくらいしかあれへんくないか」

哲夫「おー、ほなそれでええわ。お前寝れへんで羊数えい。オレ羊やるわ」

西田「おまえ羊なん？！」

西田「まええけど……」

哲夫「ほなやるで、数えぇ」

西田「オウ」


西田「あーなんや寝れへんなァ、羊でも数えるか」

西田「羊がいっぴき」



哲夫「こんにちわ」


西田「え喋んの？！」

西田「聞いてへんでそんなん」

哲夫「言うたかて喋らんかったらオレの出番あれへんやんけ」

西田「まそれはそやろけど」

哲夫「とにかく喋るでな。えな」

西田「まわかったわ。でも」

哲夫「なやねん」

西田「今度おまえ数ええ。オレもしゃべるわ」

哲夫「お前もしゃべるんかい！」

哲夫「あー、なんや寝れへんなァ、羊でも数えるか」

哲夫「羊がいっぴき」

西田「こんにちわ」ﾊﾞｱ

哲夫「……羊がにひき」




西田「ここんにちわわ」


哲夫「なやねんそれ！」

西田「そらおまえ二匹おったら二匹分喋らなあかんやろがい」

哲夫「せやかてそんなん一緒くたに喋らんでもええがな一人ずつ喋ったら」

西田「オウ」

哲夫「オウやあれへんがな……ほんでおまえ最初に普通にこんにちわ言うてるから計3回挨拶してなんや結局おかしなってんで」

西田「オウ」

哲夫「……おまえ困ったときにオウ言うのやめや！」

哲夫「おまえアカンわ、オレに喋らせえお前寝とけ」

西田「寝たらあかんやろ」

哲夫「じゃかしい揚げ足取りなや」

西田「オウ。……あーなんや寝れへんなァ、羊でも数えるか」

西田「羊がいっぴき」




哲夫「お呼びですかご主人様」


西田「執事やそれ！」

西田「……正直読めたわ」

哲夫「なんや呼ばれた気がしてん」

西田「読んでへんわ、代われお前数え」

哲夫「おン」


哲夫「あーなんや寝れへんなァ、羊でも数えるか」

哲夫「羊がいっぴき」

西田「こんにちわ」

哲夫「羊がにひき」

西田「こんにちわ」

哲夫「羊がさんびき」





西田「●●●にわ」


哲夫「ドアホ！！！！！！！！」

哲夫「なにいきなり●●●言うてんねん」

西田「羊もロレツ回らんで噛むことぐらいあんで」

哲夫「あれへんわい、そもそも羊喋れへんし」

西田「おまえそれ言うたらおしまいやがな！おまえが喋らせ始めてんやろ！」

哲夫「分かっとるがな、ほんだら喋るで」

西田「オウしゃべれや」

西田「あーなんや寝れへんなァ、羊でも数えるか」

西田「羊がいっぴき」

哲夫「こんにちわ」

西田「羊がにひき」

哲夫「こんにちわ」

西田「羊がさんびき」




哲夫「うーっす」


西田「おい個性出すな！！」

哲夫「そんなん羊かて色んな奴おるわい」

西田「そやろけどその個性今要らんねんそいつどないなやっちゃ気になってよう寝られへんわ」

哲夫「ま羊もおまえを寝かすためだけにおるねんとちゃうねん、悪い奴もおんねんて」

西田「せやからその個性が要らん言うてんねん！代われ！」

哲夫「あーなんや寝れへんなァ、羊でも数えるか」

哲夫「羊がいっぴき」





西田「じゃんじゃじゃんじゃーじゃんじゃがががじゃ」


哲夫「入場曲をかけるな！！！」

西田「個性いうのはこないして出すねん」

哲夫「知らんわほんでなんでお前も個性だすねん！」

西田「ほんなんお前だけ個性出しよったらずるいやんけ。オレにも個性やらせえよ」

哲夫「アカンわおまえの個性なんか要らへんねん代われおまえ数えんかい」

 
西田「あーなんや寝れへんなァ羊でも数えるか」

西田「羊がいっぴき」

哲夫「こんにちわ」

西田「羊がにひき」

哲夫「こんにちわ」

西田「羊がさんびき」







哲夫「せんせー渡辺くん今日休みですー」


西田「出席取ってんのんとちゃうわ！！」

西田「おまえの個性その程度かいな」

哲夫「なやねん文句あるんかいな」

西田「そらおまえ言いたいことだらけやけど」

哲夫「ほなおまえもっと個性出せんねんな？」

西田「オウ見とけよおまえ。数えや」

哲夫「あーなんや寝れへんなァ羊でも数えるか。羊がいっぴき」

西田「こんにちわ」

哲夫「羊がにひき」

西田「こんにちわ」

哲夫「羊がさんびき」

西田「こんにちわ」

哲夫「……羊がよんひき」

西田「こんにちわ」

哲夫「……羊が、ごひき」

西田「こんにちわ」

哲夫「……ひつじが、ろっぴき」





西田「……オウ」

哲夫「困んな！！」

哲夫「オウやあれへんがな個性を出せよ」

西田「あれがオレなりの個性や」

哲夫「なんやつまらん」

西田「おまえのうーっすかて大概やぞ」

哲夫「じゃかしいわ！」

哲夫「ほんでおまえ寝れへんかったら他にもすることあるやろがい」

西田「オウなやねん」

哲夫「とりあえず眠たなるまで本でも読もかなるやろ」

西田「あーなるな」

哲夫「ほんで部屋の明かりつけとったらオカンがトイレに起きたついでか知らんなんや言いに来よんねやな」

西田「アンタなにしてんの言うてな」

哲夫「せやせや、それに返事すんのがなんや不思議とめんどくさいねんな」

西田「せやな」

哲夫「いだらオレ本読むからや、お前オカンになって部屋の前来いや」

西田「オレオカンでええの？」

哲夫「なやねんええがな」



西田「オレヒゲこんなやけど」

哲夫「今更どこ気にすんねんはよオカンやれや！」

哲夫「あー寝れへんな本でも読も」

西田「ドンドンドンちょっとアンタ何してんのォ」

哲夫「うっわオカンきよっためんどくさいなほんま」

西田「こんな時間に明かりつけて何してんのあんた」

哲夫「あーもうっさ、寝れへんから読書してんねん」

西田「明日起きられへんでも知らんでアンタ」

哲夫「はいはい分かっとるわいな、も寝えやじゃかしい」

西田「はいほなカーチャン寝るでな、あんま遅うまでしとったらあかんで」

哲夫「おーもう行けや」

西田「ふう」ｶﾞﾁｬ


哲夫「でなんで入ってくんねん？！」

哲夫「オカンはオカンの部屋いけよ」

西田「夜の廊下怖いねんな」

哲夫「ええ歳して何言うてんねん。おまえオカンやったんアカンかったわ、次オレオカンやるからお前本読んどけや」

西田「えおまえオカンやんの？」

哲夫「なやねん」

西田「オレ嫌やでこない土気色のカオしたオカン」

哲夫「じゃかしいわはよやれ！！」

西田「あー寝れへんな本でも読も」

哲夫「ドンドンドンちょっとアンタ何してんのォ」

西田「うっわオカンきよっためんどくさいなほんま」

哲夫「こんな時間に明かりつけて何してんねんあんた」

西田「あーもうっさ、寝れへんから読書してんねん」

哲夫「明日起きられへんでも知らんでアンタ」

西田「はいはい分かっとるわいな、も寝えやじゃかしい」

哲夫「はいほなトーチャン寝るでな、あんま遅うまで」



西田「オカンちゃうんかい！！」

西田「えてっきりオカンや思てたわ」

哲夫「別にええがなオトンでも」

西田「ま別に問題はあれへんけども……せやかてオトンの喋り方としてはちょう気持ち悪いで」

哲夫「ええがなオレとこのオトンがどないな喋り方しても」

西田「え今のおまえとこのオトン？！」

哲夫「ええがな別に」

西田「ええけど……うわ複雑」

哲夫「ほんでどないすんねん」

西田「ああそかしたらお前寝とけやオレがオカンやるし」

哲夫「おン」

哲夫「あー寝れへんな本でも読も」

西田「ドンドンドン」

哲夫「うっわオカンきよっためんどくさいなほんま」




西田「ちょっと誰かおるんー？」


哲夫「……おったらアカンのんかい！！」

哲夫「オレの部屋やん、そらおるわい」

西田「オウ」

哲夫「おまえなんもオカンでけへんやん、オレやるからお前寝とかんかい」



西田「あー寝れへんな本でも読も」

哲夫「ドンドンドン」

西田「うっわオカンきよっためんどくさいなほんま」




哲夫「ちょっとアンタなんで本読んでんの」


西田「ドアの向こうからなんで分かんねん！！」

哲夫「オカンは息子のことなんかなんでもお見通しや言うがな」

西田「いや言うけどや、でもそれそない怖い意味ちゃうで。おまえも全然オカン分かってへんやん代われや」

哲夫「あー寝れへんな本でも読も」





西田「ピンポーン」


哲夫「そんなもんあれへんわ！！代われ！！」

西田「あー寝れへんな本でも読も」

哲夫「ドンドンドン」

西田「うっわオカンきよっためんどくさいなほんま」




哲夫「ちょっとアンタなんでコボちゃん読んでんの」


西田「せやからなんで分かんねん！！代われ！」

哲夫「あー寝れへんな本でも読も」


西田「ピンポーン」


哲夫「そなもんない言うてるやろが！！」


西田「佐川急便でーす」


哲夫「部屋の前まで来るな！！深夜に！！」

西田「あー寝れへんな本でも読も」

哲夫「ドンドンドン」

西田「うっわオカンきよっためんどくさいなほんま」




哲夫「こんにちわ」


西田「羊やないか！！！」

西田「……オカンなんも関係あれへんやんけ」

哲夫「なあや、ちょう気づいたことあってんけど」

西田「なやねん」




哲夫「夜やからこんにちわやのうてこんばんわやったわ」


西田「どうでもええよもうええわ」

哲夫「ありあした」