1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 00:17:28.26 ID:VCxrTZnV0
堀込先生「どうです? アズラエル先生」
アズラエル「それはまた、どういった御了見で?」
堀込先生「山中先生が昨日から入院中なのはご存知でしょう」
アズラエル「ええ。なんでも、ヘ……ヘドバン? で首を酷く痛めたとか」
堀込先生「山中先生は軽音部の顧問をやっていましてね……
このままでは暫くの間、軽音部を監督する人が不在になる」
アズラエル「なるほど、それで代わりにと僕にお鉢が回ってきたと」
堀込先生「無茶なお願いだとは思うんだが……」
アズラエル「いいでしょう、ちょうど暇を持て余していた所です」
堀込先生「本来は私がやるべきなんだが、他に色々抱えていてね。すまない」
アズラエル「お気になさらずとも結構ですよ」
アズラエル「無理を無理と言うくらい誰でも出来ます。
それでもやり遂げるのが優秀な先生ですから」
アズラエル「それはまた、どういった御了見で?」
堀込先生「山中先生が昨日から入院中なのはご存知でしょう」
アズラエル「ええ。なんでも、ヘ……ヘドバン? で首を酷く痛めたとか」
堀込先生「山中先生は軽音部の顧問をやっていましてね……
このままでは暫くの間、軽音部を監督する人が不在になる」
アズラエル「なるほど、それで代わりにと僕にお鉢が回ってきたと」
堀込先生「無茶なお願いだとは思うんだが……」
アズラエル「いいでしょう、ちょうど暇を持て余していた所です」
堀込先生「本来は私がやるべきなんだが、他に色々抱えていてね。すまない」
アズラエル「お気になさらずとも結構ですよ」
アズラエル「無理を無理と言うくらい誰でも出来ます。
それでもやり遂げるのが優秀な先生ですから」
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 00:23:27.11 ID:VCxrTZnV0
堀込先生「はは、頼もしい言葉ですな」
堀込先生「それでは宜しくお願いしますよ」
アズラエル「お任せを」
アズラエル「(軽音部……以前から興味は有りましたが、
まさかこんな形で接触出来るとはね……)」
アズラエル「……良い研究対象になってくれそうですねぇ」
アズラエル「フ……クク……アーハッハッハッハッ!!!」
アズラエル「YATTAAAA!!!」
堀込先生「それでは宜しくお願いしますよ」
アズラエル「お任せを」
アズラエル「(軽音部……以前から興味は有りましたが、
まさかこんな形で接触出来るとはね……)」
アズラエル「……良い研究対象になってくれそうですねぇ」
アズラエル「フ……クク……アーハッハッハッハッ!!!」
アズラエル「YATTAAAA!!!」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 00:29:41.01 ID:VCxrTZnV0
部室
唯「さわちゃん大丈夫かな~?」
律「ライブ見に行って、年甲斐もなくヘドバンしたら首痛めたんだっけ」
律「笑えるよなー」
澪「さわちゃんがそれ聞いたら怒るぞ」
紬「今度、みんなでお見舞いに行きましょうか」
唯「いいね! フルーツとかケーキとかいっぱい持ってさ!」
律「それ、自分が食べたいだけだろ唯~?」
唯「あ、バレた?」
梓「分かりやす過ぎです」
澪「もっと真剣に心配しようよ……」
唯「さわちゃん大丈夫かな~?」
律「ライブ見に行って、年甲斐もなくヘドバンしたら首痛めたんだっけ」
律「笑えるよなー」
澪「さわちゃんがそれ聞いたら怒るぞ」
紬「今度、みんなでお見舞いに行きましょうか」
唯「いいね! フルーツとかケーキとかいっぱい持ってさ!」
律「それ、自分が食べたいだけだろ唯~?」
唯「あ、バレた?」
梓「分かりやす過ぎです」
澪「もっと真剣に心配しようよ……」
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 00:38:07.62 ID:VCxrTZnV0
律「だってさわちゃんだろ? 大丈夫だって」
律「どうせ一週間もすれば、ケロッとした顔で戻ってくるよ」
澪「……知らないのか律? 実は痛めた箇所が割とヤバい所で
全治するには時間が掛かるみたいだぞ」
律「嘘ん!? そんなに酷いの?」
紬「うん……だから暫くの間、
さわ子先生の代わりに別の先生が軽音部の顧問になるらしいわ」
律「それも初耳なんだけど」
梓「どんな先生が顧問になるんでしょうか」
唯「優しい先生だったらいいね~」
アズラエル「その御期待にはお応え出来かねますね」
律「どうせ一週間もすれば、ケロッとした顔で戻ってくるよ」
澪「……知らないのか律? 実は痛めた箇所が割とヤバい所で
全治するには時間が掛かるみたいだぞ」
律「嘘ん!? そんなに酷いの?」
紬「うん……だから暫くの間、
さわ子先生の代わりに別の先生が軽音部の顧問になるらしいわ」
律「それも初耳なんだけど」
梓「どんな先生が顧問になるんでしょうか」
唯「優しい先生だったらいいね~」
アズラエル「その御期待にはお応え出来かねますね」
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 00:46:18.86 ID:VCxrTZnV0
澪「アズラエル先生!」
梓「い、いつの間に部室の中に……」
律「げっ! もしかしてアズラエル先生が顧問になるの?」
アズラエル「その通り。僕がこの部を堀込先生から指揮、
管理するように一任された」
アズラエル「これから宜しく、お嬢さん方?」
紬「よ、宜しくお願いします」
澪「お願いします……」
唯「(こんな先生、学校にいたっけ?)」
律「マジかよ……」
アズラエル「ご不満かな? 田井中君」
梓「い、いつの間に部室の中に……」
律「げっ! もしかしてアズラエル先生が顧問になるの?」
アズラエル「その通り。僕がこの部を堀込先生から指揮、
管理するように一任された」
アズラエル「これから宜しく、お嬢さん方?」
紬「よ、宜しくお願いします」
澪「お願いします……」
唯「(こんな先生、学校にいたっけ?)」
律「マジかよ……」
アズラエル「ご不満かな? 田井中君」
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 00:54:11.03 ID:VCxrTZnV0
律「いやぁ~……別に……」
律「(自分の思い通りにならないとすぐキレるって、
評判悪いんだよなこの先生……)」
梓「宜しくお願いします、アズラエル先生」
アズラエル「はいはい」
アズラエル「さて……」キョロキョロ
紬「どうかしましたか?」
アズラエル「あのティーセット、何? ここは部室でしょう?」
アズラエル「さっさと片付けちゃって」
唯「ええ!? まだお茶飲んでないのに!!」
律「(自分の思い通りにならないとすぐキレるって、
評判悪いんだよなこの先生……)」
梓「宜しくお願いします、アズラエル先生」
アズラエル「はいはい」
アズラエル「さて……」キョロキョロ
紬「どうかしましたか?」
アズラエル「あのティーセット、何? ここは部室でしょう?」
アズラエル「さっさと片付けちゃって」
唯「ええ!? まだお茶飲んでないのに!!」
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 01:00:57.23 ID:VCxrTZnV0
アズラエル「聞くところによると、君達は1ヶ月後の学園祭で
演奏発表をするそうじゃないですか」
アズラエル「お茶を飲んでる暇……あるんですか?」
アズラエル「それとも余程、自らの腕に自信があるのか……」
アズラエル「いやはや、大した度胸です」ニヤニヤ
澪「(い、言ってることは正しいけど……)」
律「(いちいちイヤミなんだよ、この野郎~……!)」
紬「い、今片付けます!」
アズラエル「あ、ちょっと君」
紬「はい?」
アズラエル「片付ける前に僕にだけ、一杯お茶を頂戴」
アズラエル「喋ってたら、喉乾いちゃった」
演奏発表をするそうじゃないですか」
アズラエル「お茶を飲んでる暇……あるんですか?」
アズラエル「それとも余程、自らの腕に自信があるのか……」
アズラエル「いやはや、大した度胸です」ニヤニヤ
澪「(い、言ってることは正しいけど……)」
律「(いちいちイヤミなんだよ、この野郎~……!)」
紬「い、今片付けます!」
アズラエル「あ、ちょっと君」
紬「はい?」
アズラエル「片付ける前に僕にだけ、一杯お茶を頂戴」
アズラエル「喋ってたら、喉乾いちゃった」
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 01:07:34.57 ID:VCxrTZnV0
唯「(私が言うのもなんだけど、自分勝手だこの先生……)」
紬「わ、分かりました~」ピキピキ
梓「(上手くやっていけるんでしょうか……)」
…
アズラエル「うん、中々に美味しいお茶です。香りが素晴らしい」
アズラエル「良質な茶葉を使用している証拠です」
アズラエル「果たして、この価値を分かって飲んでいる人が
この部にどれほどいることやら」
一同「……」
アズラエル「ん? 何見てるんですか?」
アズラエル「ちゃっちゃと練習しちゃって下さい。時間は有限なんです」
アズラエル「ほら、弾いた弾いた!」
澪「……どれから練習する?」
梓「……ふわふわからやりましょうか」
紬「わ、分かりました~」ピキピキ
梓「(上手くやっていけるんでしょうか……)」
…
アズラエル「うん、中々に美味しいお茶です。香りが素晴らしい」
アズラエル「良質な茶葉を使用している証拠です」
アズラエル「果たして、この価値を分かって飲んでいる人が
この部にどれほどいることやら」
一同「……」
アズラエル「ん? 何見てるんですか?」
アズラエル「ちゃっちゃと練習しちゃって下さい。時間は有限なんです」
アズラエル「ほら、弾いた弾いた!」
澪「……どれから練習する?」
梓「……ふわふわからやりましょうか」
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 01:14:37.75 ID:VCxrTZnV0
律「……そうすっか」
律「んじゃ……ワン、ツー、ワン、ツー、スリー、フォー!」
♪
唯「君を見てると、いつもハートDOKI☆DOKI♪」
紬「~♪」
唯「揺れる思いはマシュマロみたいに……」
アズラエル「ストップ」
律「おおっと!?」
梓「な、なにか……?」
アズラエル「あーもう、ダメダメです」
律「んじゃ……ワン、ツー、ワン、ツー、スリー、フォー!」
♪
唯「君を見てると、いつもハートDOKI☆DOKI♪」
紬「~♪」
唯「揺れる思いはマシュマロみたいに……」
アズラエル「ストップ」
律「おおっと!?」
梓「な、なにか……?」
アズラエル「あーもう、ダメダメです」
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 01:19:51.21 ID:VCxrTZnV0
アズラエル「全然、音に迫力が無い」
アズラエル「やる気あるんですか、貴方達?」
律「(お前のせいでねーよ!)」
唯「むう……」
アズラエル「そんなんじゃ、学園祭でトップになるなんて夢のまた夢です」
紬「(……学園祭って、優劣を決めるものだったかしら?)」
アズラエル「特にドラムゥ!」
律「はっ、はい!」
アズラエル「走ってるなんてレベルじゃあ、ありませんよ
お遊戯でもやってるんですか?」
律「なんだとー!?」
アズラエル「確か、田井中君は部長でしたっけ? よくもまぁそんな腕で部長になれましたね」
アズラエル「ギャグですか? 笑えない」
アズラエル「やる気あるんですか、貴方達?」
律「(お前のせいでねーよ!)」
唯「むう……」
アズラエル「そんなんじゃ、学園祭でトップになるなんて夢のまた夢です」
紬「(……学園祭って、優劣を決めるものだったかしら?)」
アズラエル「特にドラムゥ!」
律「はっ、はい!」
アズラエル「走ってるなんてレベルじゃあ、ありませんよ
お遊戯でもやってるんですか?」
律「なんだとー!?」
アズラエル「確か、田井中君は部長でしたっけ? よくもまぁそんな腕で部長になれましたね」
アズラエル「ギャグですか? 笑えない」
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 01:27:52.72 ID:VCxrTZnV0
梓「っ! いっ、言い過ぎです!」
アズラエル「はい?」
梓「確かに律センパイはあんまり上手ではないですけど……
やる時はやるんです!」
律「おい梓」
澪「そうです!」
澪「走るのは良くないですけど、逆にそれが律の持ち味っていうか……」
紬「パワフルで元気いっぱいなのがりっちゃんのドラムなんです!」
律「澪……ムギ……」
アズラエル「なんですこれ? 僕、悪者ですか?」
アズラエル「言っておきますけど、そんなのは只の感情論だ」
アズラエル「彼女のレベルが低いのは純然たる事実です」
アズラエル「そして、そんな奴は……必要ですか?」
アズラエル「はい?」
梓「確かに律センパイはあんまり上手ではないですけど……
やる時はやるんです!」
律「おい梓」
澪「そうです!」
澪「走るのは良くないですけど、逆にそれが律の持ち味っていうか……」
紬「パワフルで元気いっぱいなのがりっちゃんのドラムなんです!」
律「澪……ムギ……」
アズラエル「なんですこれ? 僕、悪者ですか?」
アズラエル「言っておきますけど、そんなのは只の感情論だ」
アズラエル「彼女のレベルが低いのは純然たる事実です」
アズラエル「そして、そんな奴は……必要ですか?」
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 01:38:17.32 ID:VCxrTZnV0
律「!」
唯「ひ、必要って……」
アズラエル「僕にはね、この部を任された『責任』がある」
アズラエル「その為にも、君達にはある程度のレベルまで来て貰わないと困るんですよ」
アズラエル「平たく言えば、結果が欲しいんです」
アズラエル「君達には素養がある。かなりのね」
アズラエル「そしてその素養を育む為には不純物は取り除かなきゃ」
アズラエル「何か間違ったこと言ってます?」
澪「……何を言ってるのかよく分かりません」
アズラエル「いつまでたっても田井中律がこのままのレベルならば……」
アズラエル「学園祭のドラムは交代しましょう」
梓「そんな!!」
紬「ま、待って下さい!」
唯「ひ、必要って……」
アズラエル「僕にはね、この部を任された『責任』がある」
アズラエル「その為にも、君達にはある程度のレベルまで来て貰わないと困るんですよ」
アズラエル「平たく言えば、結果が欲しいんです」
アズラエル「君達には素養がある。かなりのね」
アズラエル「そしてその素養を育む為には不純物は取り除かなきゃ」
アズラエル「何か間違ったこと言ってます?」
澪「……何を言ってるのかよく分かりません」
アズラエル「いつまでたっても田井中律がこのままのレベルならば……」
アズラエル「学園祭のドラムは交代しましょう」
梓「そんな!!」
紬「ま、待って下さい!」
62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 01:49:29.30 ID:VCxrTZnV0
澪「横暴です! いくら顧問だからって……」
アズラエル「分かったら、ハイって言いなさいよ」
アズラエル「嫌だ嫌だで世の中渡っていける訳無いだろ」
アズラエル「これは決定事項です」
律「……」
アズラエル「言っておきますけど、君達も他人事ではありませんよ」
アズラエル「せいぜい身を入れて練習することです」
アズラエル「今日は顔見せってことでこれくらいにしますが……」
アズラエル「明日からの練習が楽しみですねぇ?」
アズラエル「それでは」
唯「一人で喋り倒していったね……」
紬「りっちゃん、気にしちゃダメよ?」
梓「そうです! あんなキザ教師、
どこぞの天使にでもやられれちゃえばいいんです!」
アズラエル「分かったら、ハイって言いなさいよ」
アズラエル「嫌だ嫌だで世の中渡っていける訳無いだろ」
アズラエル「これは決定事項です」
律「……」
アズラエル「言っておきますけど、君達も他人事ではありませんよ」
アズラエル「せいぜい身を入れて練習することです」
アズラエル「今日は顔見せってことでこれくらいにしますが……」
アズラエル「明日からの練習が楽しみですねぇ?」
アズラエル「それでは」
唯「一人で喋り倒していったね……」
紬「りっちゃん、気にしちゃダメよ?」
梓「そうです! あんなキザ教師、
どこぞの天使にでもやられれちゃえばいいんです!」
64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 01:58:30.15 ID:VCxrTZnV0
澪「……大丈夫か律?」
律「……~!」
律「だぁーっ!! 好き放題言いやがってあの野郎ー!!」
律「絶対に見返してやる!!」
澪「お、おお……」
唯「意外と元気だねりっちゃん」
律「あったりまえだ! あそこまで言われて黙ってられるかー!」
律「アズラエルのばかやろー!!」
梓「凄い気迫ですっ!」
紬「うん……こんなりっちゃんは初めて見た」
律「みんな、今すぐ練習再開だ!」
律「……~!」
律「だぁーっ!! 好き放題言いやがってあの野郎ー!!」
律「絶対に見返してやる!!」
澪「お、おお……」
唯「意外と元気だねりっちゃん」
律「あったりまえだ! あそこまで言われて黙ってられるかー!」
律「アズラエルのばかやろー!!」
梓「凄い気迫ですっ!」
紬「うん……こんなりっちゃんは初めて見た」
律「みんな、今すぐ練習再開だ!」
66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 02:04:50.98 ID:VCxrTZnV0
律「目にモノ見せてやるー!」ドンドンシャンシャーン!
澪「ああ、ぎゃふんと言わせよう!」
紬「そうね!」ふんす!
梓「やってやるです!」
唯「よーし!」
唯「いっくよー!『ふわふわ時間』!!」
…♪
部室の外
アズラエル「……」
アズラエル「単純な子達ですね、全く」すたすた
澪「ああ、ぎゃふんと言わせよう!」
紬「そうね!」ふんす!
梓「やってやるです!」
唯「よーし!」
唯「いっくよー!『ふわふわ時間』!!」
…♪
部室の外
アズラエル「……」
アズラエル「単純な子達ですね、全く」すたすた
71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 02:13:49.32 ID:VCxrTZnV0
一週間後
澪「~かなり本気よ♪」
紬「ふぅ……」
梓「唯センパイが少しズレてましたね」
唯「えへへ、ごめん……」
澪「でもかなり上手くなったんじゃないか? 私達」
紬「特にりっちゃんの成長が目覚ましいわ」
律「ここんとこ、練習漬けの毎日だからな。
そりゃ上手くもなるさ」
律「……練習するきっかけになったのがアイツってのが皮肉だけど」
澪「それは……まぁな」
アズラエル「今日もやってるようですね、感心感心」
アズラエル「メンバー交代が掛かってますからねぇ」
澪「~かなり本気よ♪」
紬「ふぅ……」
梓「唯センパイが少しズレてましたね」
唯「えへへ、ごめん……」
澪「でもかなり上手くなったんじゃないか? 私達」
紬「特にりっちゃんの成長が目覚ましいわ」
律「ここんとこ、練習漬けの毎日だからな。
そりゃ上手くもなるさ」
律「……練習するきっかけになったのがアイツってのが皮肉だけど」
澪「それは……まぁな」
アズラエル「今日もやってるようですね、感心感心」
アズラエル「メンバー交代が掛かってますからねぇ」
76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 02:20:41.07 ID:VCxrTZnV0
律「うわ、出た」
アズラエル「顧問なんですから、そりゃ来ますよ」
紬「……お茶いれますかぁ?」
アズラエル「いいえ、今日は結構」
アズラエル「それより皆さんにお見せしたいものがあってね」
唯「見せたいもの? お菓子とか?」
アズラエル「な訳無いでしょ、荷物を纏めて僕に着いてきなさい」
澪「外に出るんですか?」
アズラエル「そうですよ?」
梓「一体、どこに……」
アズラエル「学園祭まで猶予は有りませんからね、
そろそろステップアップしましょう」
アズラエル「顧問なんですから、そりゃ来ますよ」
紬「……お茶いれますかぁ?」
アズラエル「いいえ、今日は結構」
アズラエル「それより皆さんにお見せしたいものがあってね」
唯「見せたいもの? お菓子とか?」
アズラエル「な訳無いでしょ、荷物を纏めて僕に着いてきなさい」
澪「外に出るんですか?」
アズラエル「そうですよ?」
梓「一体、どこに……」
アズラエル「学園祭まで猶予は有りませんからね、
そろそろステップアップしましょう」
78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 02:29:02.32 ID:VCxrTZnV0
ライブハウス『ブルーコスモス』
アズラエル「ここです」
梓「ライブハウス……?」
紬「こんな所にこんな大きなライブハウスがあったなんて……」
アズラエル「君達には今から、あるバンドの演奏を聴いて貰います」
澪「あるバンド?」
アズラエル「インディーズでは有りますが、そこそこ名の売れたロックバンドです」
アズラエル「僕のイチオシでね。彼らの演奏を聴いたあと、
僕にその感想を聞かせて欲しい」
律「何? 自分の推しバン布教?」
アズラエル「フフ、そう言わずに聴きなさい」
アズラエル「きっと得るものがあるはずですよ」
アズラエル「ここです」
梓「ライブハウス……?」
紬「こんな所にこんな大きなライブハウスがあったなんて……」
アズラエル「君達には今から、あるバンドの演奏を聴いて貰います」
澪「あるバンド?」
アズラエル「インディーズでは有りますが、そこそこ名の売れたロックバンドです」
アズラエル「僕のイチオシでね。彼らの演奏を聴いたあと、
僕にその感想を聞かせて欲しい」
律「何? 自分の推しバン布教?」
アズラエル「フフ、そう言わずに聴きなさい」
アズラエル「きっと得るものがあるはずですよ」
84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 02:36:55.51 ID:VCxrTZnV0
唯「へぇー……なんかワクワクするねあずにゃん!」
アズラエル「はい?」くるっ
唯「? アズラエル先生? どしたの」
アズラエル「あ、いえ……」
梓「(……ははん)」
唯「もしかして、あずにゃんに反応した?」
律「ほほー」
アズラエル「馬鹿を言うな!」
澪「(ちょっと顔赤くなってる……ぷっ)」
紬「(少し可愛いかも……くすっ)」
アズラエル「な、なんだその目は! いいからステージを見てろ!」
アズラエル「……『ブーステッドマンズ』の登場だ!」
アズラエル「はい?」くるっ
唯「? アズラエル先生? どしたの」
アズラエル「あ、いえ……」
梓「(……ははん)」
唯「もしかして、あずにゃんに反応した?」
律「ほほー」
アズラエル「馬鹿を言うな!」
澪「(ちょっと顔赤くなってる……ぷっ)」
紬「(少し可愛いかも……くすっ)」
アズラエル「な、なんだその目は! いいからステージを見てろ!」
アズラエル「……『ブーステッドマンズ』の登場だ!」
89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 02:44:50.91 ID:VCxrTZnV0
…♪
オルガ「なんでコイツらの為だけに俺らが演奏しなきゃいけないんだよ」
クロト「どーでもいいよ。ヤれって言うならヤるだけさ」
シャニ「邪魔すんなよ」
クロト「邪魔はテメーだ、バーカ!」
オルガ「うっせぇよお前ら!」
律「なんか出ていきなり喧嘩し始めたぞ」
澪「こ、怖い……律……」がたがた
アズラエル「……すみませんね、あれが平常運転なんですよ」
アズラエル「内輪もめしてないで早く演奏しなさい!」
シャニ「だってよ」
オルガ「なんでコイツらの為だけに俺らが演奏しなきゃいけないんだよ」
クロト「どーでもいいよ。ヤれって言うならヤるだけさ」
シャニ「邪魔すんなよ」
クロト「邪魔はテメーだ、バーカ!」
オルガ「うっせぇよお前ら!」
律「なんか出ていきなり喧嘩し始めたぞ」
澪「こ、怖い……律……」がたがた
アズラエル「……すみませんね、あれが平常運転なんですよ」
アズラエル「内輪もめしてないで早く演奏しなさい!」
シャニ「だってよ」
93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 02:52:25.21 ID:VCxrTZnV0
クロト「ケッ、分かってるよ」
シャニ「ちゃんとやんないとまた怒られる?」
オルガ「しょうがねぇ、怒られるよりは演奏する方がマシってね!」
オルガ「いくぜ!『ブーステッドマンズ』で」
シャニ「……『悪の三兵器』」
クロト「音殺!」
♪
紬「……わぁ」
梓「凄いです……」
シャニ「あははっ」
クロト「リズム乱すなバカ」
オルガ「黙ってやってろ」
シャニ「ちゃんとやんないとまた怒られる?」
オルガ「しょうがねぇ、怒られるよりは演奏する方がマシってね!」
オルガ「いくぜ!『ブーステッドマンズ』で」
シャニ「……『悪の三兵器』」
クロト「音殺!」
♪
紬「……わぁ」
梓「凄いです……」
シャニ「あははっ」
クロト「リズム乱すなバカ」
オルガ「黙ってやってろ」
96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 03:02:43.50 ID:VCxrTZnV0
律「(凄ぇ……私達とは技術がダンチだ)」
澪「(一見、滅茶苦茶に見えるけど、実は絶妙な音のバランスが成り立ってる……)」
澪「(多分、私達が真似しても出来ない……彼らだけの音……って言うのかな?)」
アズラエル「……」
…♪
シャニ「フィニッーシュ」
オルガ「ハッ!」
クロト「ったく、いいように使ってくれるよねぇ? あのおっさん」
澪「(一見、滅茶苦茶に見えるけど、実は絶妙な音のバランスが成り立ってる……)」
澪「(多分、私達が真似しても出来ない……彼らだけの音……って言うのかな?)」
アズラエル「……」
…♪
シャニ「フィニッーシュ」
オルガ「ハッ!」
クロト「ったく、いいように使ってくれるよねぇ? あのおっさん」
98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 03:09:19.09 ID:VCxrTZnV0
唯「凄ーい! 格好良かったー!」パチパチ
唯「よく分かんないけど、三人の音がぎゅー!ってなってたっていうか」
唯「息ぴったりだった!」
オルガ「そ、そうか……?」
唯「うんうん! どうやったらあんな風に出来るの!?」
オルガ「それは……あ、アレだよ」
クロト「ぷーくすくす、コイツ照れてやんの」
オルガ「あぁ!?」
シャニ「ばっかみたい」
アズラエル「君達はどう思ったかな?」
律「……なんて言ったらいいのかな」
唯「よく分かんないけど、三人の音がぎゅー!ってなってたっていうか」
唯「息ぴったりだった!」
オルガ「そ、そうか……?」
唯「うんうん! どうやったらあんな風に出来るの!?」
オルガ「それは……あ、アレだよ」
クロト「ぷーくすくす、コイツ照れてやんの」
オルガ「あぁ!?」
シャニ「ばっかみたい」
アズラエル「君達はどう思ったかな?」
律「……なんて言ったらいいのかな」
103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 03:18:06.80 ID:VCxrTZnV0
律「重なった音色の中に、一人一人の音を確かに感じたっていうか……」
律「駄目だ、上手く口で言えない」
梓「私も……」
紬「私も」
澪「は、恥ずかしながら私も……」
アズラエル「ふむ……」
アズラエル「僕が君達に言いたかったのはね」
アズラエル「『自分だけの音』を知って欲しかったんだ」
アズラエル「誰かに真似出来ない、『自分だけの音』」
律「駄目だ、上手く口で言えない」
梓「私も……」
紬「私も」
澪「は、恥ずかしながら私も……」
アズラエル「ふむ……」
アズラエル「僕が君達に言いたかったのはね」
アズラエル「『自分だけの音』を知って欲しかったんだ」
アズラエル「誰かに真似出来ない、『自分だけの音』」
108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 03:29:18.24 ID:VCxrTZnV0
梓「自分だけの音……?」
アズラエル「実は彼らの演奏技術は君達とどっこいくらいだ」
紬「え? でも……」
アズラエル「そう、だが君達は彼らの音は自分達より遥かに上だと感じた」
アズラエル「それは何故か? 彼らと君達、何が違うのか?」
アズラエル「その答えは『自分だけの音』を持ってるかどうか、だ」
アズラエル「胸に手を当て、考えてみたまえ。君達は演奏技術の向上を図るばかりで
自分らしく演奏することを怠っていないか?」
アズラエル「『音楽』とは、何を以て楽しむものかな?」
アズラエル「実は彼らの演奏技術は君達とどっこいくらいだ」
紬「え? でも……」
アズラエル「そう、だが君達は彼らの音は自分達より遥かに上だと感じた」
アズラエル「それは何故か? 彼らと君達、何が違うのか?」
アズラエル「その答えは『自分だけの音』を持ってるかどうか、だ」
アズラエル「胸に手を当て、考えてみたまえ。君達は演奏技術の向上を図るばかりで
自分らしく演奏することを怠っていないか?」
アズラエル「『音楽』とは、何を以て楽しむものかな?」
113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 03:41:06.15 ID:VCxrTZnV0
澪「音楽とは……」
梓「何を以て……」
律「確かに、楽しんでやってなかったかも……」
紬「上手になりたい……って、焦りすぎてたのかしら」
アズラエル「(まぁ、そういう風に焚きつけたのは僕なんだけどね
だって、結果欲しいし)」
アズラエル「(けど、これくらいの年頃の子達なら、
こんな風に少しクサイ説教すればもっと上にいけるでしょう)」
アズラエル「(そうなれば、半ばお茶のみ部と化した軽音部を立て直したとして、
僕の評価はグンと高まる!)」
アズラエル「フフ……クックク……」
梓「何を以て……」
律「確かに、楽しんでやってなかったかも……」
紬「上手になりたい……って、焦りすぎてたのかしら」
アズラエル「(まぁ、そういう風に焚きつけたのは僕なんだけどね
だって、結果欲しいし)」
アズラエル「(けど、これくらいの年頃の子達なら、
こんな風に少しクサイ説教すればもっと上にいけるでしょう)」
アズラエル「(そうなれば、半ばお茶のみ部と化した軽音部を立て直したとして、
僕の評価はグンと高まる!)」
アズラエル「フフ……クックク……」
114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 03:47:30.52 ID:VCxrTZnV0
唯「ねぇねぇ、その髪の色って染めてるの?」
オルガ「はぁ? ……地毛だよ」
唯「鳥さんみたいだよね」
オルガ「と……」
クロト「やーい鳥頭ぁー!」
オルガ「クロトてめぇ!」
唯「クロちゃんも鳥っぽいよねぇ」
クロト「クロちゃ……」
オルガ「ぶふっ!」
クロト「死ね!」
シャニ「あほくさー……うぐっ!?」
唯「シャニちゃん?」
オルガ「がっ……!」
クロト「ぐぅぅっ……!」
オルガ「はぁ? ……地毛だよ」
唯「鳥さんみたいだよね」
オルガ「と……」
クロト「やーい鳥頭ぁー!」
オルガ「クロトてめぇ!」
唯「クロちゃんも鳥っぽいよねぇ」
クロト「クロちゃ……」
オルガ「ぶふっ!」
クロト「死ね!」
シャニ「あほくさー……うぐっ!?」
唯「シャニちゃん?」
オルガ「がっ……!」
クロト「ぐぅぅっ……!」
117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 03:55:52.78 ID:VCxrTZnV0
唯「み、みんな!?」
シャニ「あぅ……!!」
アズラエル「どうしました?」
唯「わ、分かんない! 急に苦しみ出して……」
オルガ「ちぃ……」
クロト「ぐぐぐ……!」
アズラエル「ああ、気にしなくて良いですよ」
唯「ええ?」
アズラエル「そういう『キャラ』なんです。バンドにはよくあるじゃない」
アズラエル「フリスクかじりゃ戻ります」
唯「なにそれ……」
アズラエル「さ、我々は帰りましょう!」
シャニ「あぅ……!!」
アズラエル「どうしました?」
唯「わ、分かんない! 急に苦しみ出して……」
オルガ「ちぃ……」
クロト「ぐぐぐ……!」
アズラエル「ああ、気にしなくて良いですよ」
唯「ええ?」
アズラエル「そういう『キャラ』なんです。バンドにはよくあるじゃない」
アズラエル「フリスクかじりゃ戻ります」
唯「なにそれ……」
アズラエル「さ、我々は帰りましょう!」
119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 04:04:24.94 ID:VCxrTZnV0
一週間後 病院
アズラエル「失礼」
さわ子「あら、アズラエル先生」
アズラエル「これ、お見舞いの品です。『核まんじゅう』」
アズラエル「美味しいですよ? 多分ね」
さわ子「なんか物騒だから食べるのは止しておきます」
アズラエル「それは残念」
アズラエル「首の具合はどうですか?」
さわ子「あまり動かせませんけど、良くはなっているわ」
アズラエル「そうですか」
アズラエル「失礼」
さわ子「あら、アズラエル先生」
アズラエル「これ、お見舞いの品です。『核まんじゅう』」
アズラエル「美味しいですよ? 多分ね」
さわ子「なんか物騒だから食べるのは止しておきます」
アズラエル「それは残念」
アズラエル「首の具合はどうですか?」
さわ子「あまり動かせませんけど、良くはなっているわ」
アズラエル「そうですか」
121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 04:12:36.51 ID:VCxrTZnV0
アズラエル「ではまだ暫くは僕が彼女達の顧問になる訳ですね」
さわ子「迷惑を掛けてすみません」
アズラエル「いえいえ! 彼女達は良い研究た……もとい、良い子ばかりですから」
アズラエル「上手く僕の出世に使わせて貰います」
さわ子「欲望丸だしじゃない……」
アズラエル「でなければ、こんな面倒臭いこと引き受けませんよ」
アズラエル「僕は僕の為に軽音部を昇華させます」
さわ子「どう転ぶか見物ね」
アズラエル「全ては僕の掌の上です」
さわ子「迷惑を掛けてすみません」
アズラエル「いえいえ! 彼女達は良い研究た……もとい、良い子ばかりですから」
アズラエル「上手く僕の出世に使わせて貰います」
さわ子「欲望丸だしじゃない……」
アズラエル「でなければ、こんな面倒臭いこと引き受けませんよ」
アズラエル「僕は僕の為に軽音部を昇華させます」
さわ子「どう転ぶか見物ね」
アズラエル「全ては僕の掌の上です」
122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 04:24:06.19 ID:VCxrTZnV0
一週間後
唯「だんだん、学校も学園祭ムードになってきたね!」
紬「みんな、色んな出し物の準備をして楽しそう!」
澪「ライブまで、あと一週間か……もうドキドキしてきた」
律「さすがに気が早すぎるだろ」
梓「澪センパイの気持ちは私も分かります」
梓「私も以前は上手く弾けるかな……失敗したらどうしよう……
って、なって眠れなくなったりしますから」
澪「だよなぁ……」
梓「でも、『自分らしく』弾けたら良いやって思うようにしたら、
気が楽になったんです。この辺は気づかせてくれたアズラエル先生に感謝ですね」
澪「……梓は強いな」
澪「私なんて、そう分かってても怖いから……」
唯「だんだん、学校も学園祭ムードになってきたね!」
紬「みんな、色んな出し物の準備をして楽しそう!」
澪「ライブまで、あと一週間か……もうドキドキしてきた」
律「さすがに気が早すぎるだろ」
梓「澪センパイの気持ちは私も分かります」
梓「私も以前は上手く弾けるかな……失敗したらどうしよう……
って、なって眠れなくなったりしますから」
澪「だよなぁ……」
梓「でも、『自分らしく』弾けたら良いやって思うようにしたら、
気が楽になったんです。この辺は気づかせてくれたアズラエル先生に感謝ですね」
澪「……梓は強いな」
澪「私なんて、そう分かってても怖いから……」
148: 書きため投下したら、少し席外します。ごめん 2012/10/16(火) 11:37:03.41 ID:VCxrTZnV0
律「澪は本当に小心者だな」
澪「だ、だって……」
アズラエル「おや? 今日はまだ練習してないんですか?」
アズラエル「時間無いって理解してます?」
唯「あ、アズにゃん三号だ」
アズラエル「……それ、やめて貰えません? とても不快だ」
唯「そお? 可愛いのに」
アズラエル「(もしかして、馬鹿にされてます?)」
澪「だ、だって……」
アズラエル「おや? 今日はまだ練習してないんですか?」
アズラエル「時間無いって理解してます?」
唯「あ、アズにゃん三号だ」
アズラエル「……それ、やめて貰えません? とても不快だ」
唯「そお? 可愛いのに」
アズラエル「(もしかして、馬鹿にされてます?)」
150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 11:41:16.08 ID:VCxrTZnV0
アズラエル「で、なんで練習してないんですか?」
紬「ビビりの澪ちゃんにライブ度胸をつけるにはどうしたら良いか
話し合っていたんです♪」
澪「へっ? ちが……」
紬「(いいからいいから。澪ちゃんだって、
本番で上手く弾きたいでしょ?)」
澪「(そりゃあ……そうだけど……)」
紬「(案外、アズラエル先生なら、
澪ちゃんの緊張しいをなんとか出来るかもしれないわ)」
澪「(そ、そうかな……?)」
アズラエル「ふーん、度胸をねぇ」
アズラエル「確かに緊張のあまり、本番で失敗されたら困ります」
紬「ビビりの澪ちゃんにライブ度胸をつけるにはどうしたら良いか
話し合っていたんです♪」
澪「へっ? ちが……」
紬「(いいからいいから。澪ちゃんだって、
本番で上手く弾きたいでしょ?)」
澪「(そりゃあ……そうだけど……)」
紬「(案外、アズラエル先生なら、
澪ちゃんの緊張しいをなんとか出来るかもしれないわ)」
澪「(そ、そうかな……?)」
アズラエル「ふーん、度胸をねぇ」
アズラエル「確かに緊張のあまり、本番で失敗されたら困ります」
153: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 11:47:54.51 ID:VCxrTZnV0
紬「アズラエル先生……何か良い方法は有りませんか?」
アズラエル「パッと思いつくのは施設にでもブチ込んで『強化』……」
澪「ひぃっ!?」
アズラエル「なんて暇は有りませんが」
澪「ほっ……」
アズラエル「そうねぇ……舞台度胸つけるんだったら
数こなした方が早いんじゃないの?」
律「数?」
アズラエル「秋山君。君、一旦HTT抜けなさい」
アズラエル「パッと思いつくのは施設にでもブチ込んで『強化』……」
澪「ひぃっ!?」
アズラエル「なんて暇は有りませんが」
澪「ほっ……」
アズラエル「そうねぇ……舞台度胸つけるんだったら
数こなした方が早いんじゃないの?」
律「数?」
アズラエル「秋山君。君、一旦HTT抜けなさい」
154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 11:55:46.72 ID:VCxrTZnV0
澪「ど、どういうことですか?」
アズラエル「ちょうど『ブーステッドマンズ』が、
腕の良いベーシストを欲しがっていてね」
アズラエル「学園祭当日まで、そいつらに混じってライブやってきなさい」
アズラエル「一人強化合宿です」
澪「えええええ!?」
アズラエル「彼らと三日も過ごせば、大抵のことには動じなくなるでしょ」
澪「彼らと……三日……!?」
…
オルガ「どこ見てんだオラァ!」
クロト「うぜーんだよ、バーカ!」
シャニ「オマエ、オマエ、オマエエエエ!」
澪「ひいいいいいいい!」
…
アズラエル「ちょうど『ブーステッドマンズ』が、
腕の良いベーシストを欲しがっていてね」
アズラエル「学園祭当日まで、そいつらに混じってライブやってきなさい」
アズラエル「一人強化合宿です」
澪「えええええ!?」
アズラエル「彼らと三日も過ごせば、大抵のことには動じなくなるでしょ」
澪「彼らと……三日……!?」
…
オルガ「どこ見てんだオラァ!」
クロト「うぜーんだよ、バーカ!」
シャニ「オマエ、オマエ、オマエエエエ!」
澪「ひいいいいいいい!」
…
156: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 12:01:47.04 ID:VCxrTZnV0
澪「無理無理無理無理無理!」
澪「絶対に嫌! 無理です!」
アズラエル「無理を無理と言うくらい誰にでも出来ます。
それでもやり遂げるのが優秀なベーシスト……」
アズラエル「これ、音楽界じゃ常識なんですけど?」
澪「そんな常識知らないです!」
アズラエル「平沢君、琴吹君、彼女を押さえて」
唯「はいっ」
紬「お任せを!」
澪「な、なに!? 離せ!!」
アズラエル「そしたら、彼女を以前行ったライブハウスの中に投げ込んで下さい」
アズラエル「あとは彼らが適当にやってくれます」
澪「絶対に嫌! 無理です!」
アズラエル「無理を無理と言うくらい誰にでも出来ます。
それでもやり遂げるのが優秀なベーシスト……」
アズラエル「これ、音楽界じゃ常識なんですけど?」
澪「そんな常識知らないです!」
アズラエル「平沢君、琴吹君、彼女を押さえて」
唯「はいっ」
紬「お任せを!」
澪「な、なに!? 離せ!!」
アズラエル「そしたら、彼女を以前行ったライブハウスの中に投げ込んで下さい」
アズラエル「あとは彼らが適当にやってくれます」
160: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 12:07:18.22 ID:VCxrTZnV0
唯 紬「了解!」
澪「ちょっ、マジで離してくれ! 嫌だぁ~!!」ずるずる
律「行っちゃった」
梓「澪センパイ、ショック死するんじゃ……」
アズラエル「そうなったら、それまでの奴だったってことです。
代わりのベースを見つけますよ」
アズラエル「さ、君達は個人練習に入りなさい」
アズラエル「ボーっと時間を過ごすのは、馬鹿のやることですよ?」
律「……分かってまーす」
梓「……でーす」
澪「ちょっ、マジで離してくれ! 嫌だぁ~!!」ずるずる
律「行っちゃった」
梓「澪センパイ、ショック死するんじゃ……」
アズラエル「そうなったら、それまでの奴だったってことです。
代わりのベースを見つけますよ」
アズラエル「さ、君達は個人練習に入りなさい」
アズラエル「ボーっと時間を過ごすのは、馬鹿のやることですよ?」
律「……分かってまーす」
梓「……でーす」
163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 12:14:35.06 ID:VCxrTZnV0
ライブハウス『ブルーコスモス』
紬「それじゃ、頑張ってね澪ちゃん!」
唯「応援してるよ!」ふんす!
澪「ま、待ってよぉ……もう行っちゃうの?」
紬「ええ、私達は私達で本番に向けて練習しないと」
唯「絶対に成功させたいもんね!」
唯「だから、澪ちゃんも頑張って!」
唯 紬「またね~♪」すたすた
澪「唯ぃ! ムギぃ!」
紬「それじゃ、頑張ってね澪ちゃん!」
唯「応援してるよ!」ふんす!
澪「ま、待ってよぉ……もう行っちゃうの?」
紬「ええ、私達は私達で本番に向けて練習しないと」
唯「絶対に成功させたいもんね!」
唯「だから、澪ちゃんも頑張って!」
唯 紬「またね~♪」すたすた
澪「唯ぃ! ムギぃ!」
165: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 12:20:55.07 ID:VCxrTZnV0
澪「……」
澪「ううう……無理だよぉ……心細いよぉ……」
澪「こんな所に一人でいたら、どうかしちゃうよ……」
ガタッ
澪「ひぃっ!?」
シャニ「あれ? この前の子じゃん」
クロト「本当だ。何やってんの?」
澪「あ、ああああの……」
クロト「はぁ?」
『はなつひかりーそらにおちるー♪』
オルガ「……ん? おっさんから指令(メール)がきた」
澪「ううう……無理だよぉ……心細いよぉ……」
澪「こんな所に一人でいたら、どうかしちゃうよ……」
ガタッ
澪「ひぃっ!?」
シャニ「あれ? この前の子じゃん」
クロト「本当だ。何やってんの?」
澪「あ、ああああの……」
クロト「はぁ?」
『はなつひかりーそらにおちるー♪』
オルガ「……ん? おっさんから指令(メール)がきた」
167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 12:27:00.63 ID:VCxrTZnV0
クロト「なんて?」
オルガ「そこにいる女を十日の間、
君達、『ブーステッドマンズ』のメンバーに加えろ……」
オルガ「なんだそりゃ」
クロト「意味わかんねー」
シャニ「……つまり僕らとこの子で演奏しろってこと?」
クロト「どうなんだよ?」ずいっ
澪「ははははははいっ……!」
オルガ「おい、怖がらせてんじゃねぇよタコ!」
クロト「へーへー」
オルガ「そこにいる女を十日の間、
君達、『ブーステッドマンズ』のメンバーに加えろ……」
オルガ「なんだそりゃ」
クロト「意味わかんねー」
シャニ「……つまり僕らとこの子で演奏しろってこと?」
クロト「どうなんだよ?」ずいっ
澪「ははははははいっ……!」
オルガ「おい、怖がらせてんじゃねぇよタコ!」
クロト「へーへー」
169: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 12:37:23.85 ID:VCxrTZnV0
オルガ「ったく……」
オルガ「おっさんが何考えてっか知らねーけど、命令は命令だ」
オルガ「これから宜しくな。えーと……」
澪「あ、秋山澪です……」
オルガ「おう、俺はオルガ」
クロト「僕はクロト、足引っ張らないでよね」
シャニ「……シャニ・アンドラス」
澪「(……意外と優しいのかな?
口は悪いけど気遣ってくれてる気がする)」
オルガ「そんじゃ早速、ライブの準備だ」
オルガ「俺達、一日三回はライブしてるから結構キツいぜ」
澪「えっ?」
オルガ「おっさんが何考えてっか知らねーけど、命令は命令だ」
オルガ「これから宜しくな。えーと……」
澪「あ、秋山澪です……」
オルガ「おう、俺はオルガ」
クロト「僕はクロト、足引っ張らないでよね」
シャニ「……シャニ・アンドラス」
澪「(……意外と優しいのかな?
口は悪いけど気遣ってくれてる気がする)」
オルガ「そんじゃ早速、ライブの準備だ」
オルガ「俺達、一日三回はライブしてるから結構キツいぜ」
澪「えっ?」
170: 一旦ここまで 2012/10/16(火) 12:40:40.38 ID:VCxrTZnV0
クロト「それに客層がアレな人が多いから」
シャニ「……絡まれないように気をつけてね」
澪「えっ? えっ?」
クロト「女の子がここにいたら普通、まず食べられちゃうよねぇ」
シャニ「ね」
クロト「この前はおっさんがいたから手出せなかったけど、今なら……」
澪「ひ……」がたがた
シャニ「ダメだよ、あれは、綺麗なんだぜ?」
オルガ「だから、怖がらせてんじゃねぇよお前らぁ!!」
澪「もうお家帰るー!!!」
シャニ「……絡まれないように気をつけてね」
澪「えっ? えっ?」
クロト「女の子がここにいたら普通、まず食べられちゃうよねぇ」
シャニ「ね」
クロト「この前はおっさんがいたから手出せなかったけど、今なら……」
澪「ひ……」がたがた
シャニ「ダメだよ、あれは、綺麗なんだぜ?」
オルガ「だから、怖がらせてんじゃねぇよお前らぁ!!」
澪「もうお家帰るー!!!」
186: 再開 2012/10/16(火) 15:01:59.33 ID:VCxrTZnV0
部室
唯「置いてきました!」
アズラエル「御苦労様です」
律「あの集団に澪が混じって大丈夫なの?」
梓「上手いこといってる姿が想像出来ません」
アズラエル「彼らはああ見えて根は優しいですから、その不安は杞憂ですよ」
律「優しい? どこが?」
アズラエル「例えばあの緑色の短髪をした青年……
オルガって言うんですけどね」
アズラエル「彼、見た目に反してかなり涙もろい所があるんです」
紬「それは意外ですね」
アズラエル「本当です。この前なんか、ジュブナイル小説って言うんですか?
それを読んで号泣してましたよ」
律「い、イメージ出来ねぇ……」
唯「置いてきました!」
アズラエル「御苦労様です」
律「あの集団に澪が混じって大丈夫なの?」
梓「上手いこといってる姿が想像出来ません」
アズラエル「彼らはああ見えて根は優しいですから、その不安は杞憂ですよ」
律「優しい? どこが?」
アズラエル「例えばあの緑色の短髪をした青年……
オルガって言うんですけどね」
アズラエル「彼、見た目に反してかなり涙もろい所があるんです」
紬「それは意外ですね」
アズラエル「本当です。この前なんか、ジュブナイル小説って言うんですか?
それを読んで号泣してましたよ」
律「い、イメージ出来ねぇ……」
189: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 15:06:54.18 ID:VCxrTZnV0
アズラエル「他の二人も趣味がゲームだったり、割と頭が軽かったりと
中身はお子様なんです」
アズラエル「ですから、秋山君ならそれなりに上手くやれるんじゃない?」
アズラエル「あの子も大概、頭のネジ外れてるでしょ」
梓「また言い過ぎじゃ……」
アズラエル「だってそうでしょう?
でなければあんな歌詞を書くなんて、とてもとても」ニヤニヤ
律「(……ちょっと反論出来ない)」
唯「私は好きだけど」
紬「私も! だって、凄く楽しい気分になれるもの♪」
アズラエル「へぇ、類は友を……ってやつですか?」
アズラエル「結果さえ出してくれれば文句は言いませんけど」
梓「(やっぱりこの人ウザい……)」
中身はお子様なんです」
アズラエル「ですから、秋山君ならそれなりに上手くやれるんじゃない?」
アズラエル「あの子も大概、頭のネジ外れてるでしょ」
梓「また言い過ぎじゃ……」
アズラエル「だってそうでしょう?
でなければあんな歌詞を書くなんて、とてもとても」ニヤニヤ
律「(……ちょっと反論出来ない)」
唯「私は好きだけど」
紬「私も! だって、凄く楽しい気分になれるもの♪」
アズラエル「へぇ、類は友を……ってやつですか?」
アズラエル「結果さえ出してくれれば文句は言いませんけど」
梓「(やっぱりこの人ウザい……)」
190: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 15:14:30.18 ID:VCxrTZnV0
アズラエル「さ、もう練習に戻りなさい」
アズラエル「繰り返し言いますが、時間は無いんです」
アズラエル「高い金出して楽器を買ったのは何の為です? 演奏する為でしょう?
だったら、ちゃんと練習しなきゃ」
律「はいはいっと」
梓「分かってます」
唯「ほーい……お茶が恋しいなぁ……」
紬「学園祭が終わったらたっぷり飲ませてあげるから頑張ろ?」
アズラエル「みっともない演奏は許しませんよ。
僕の指導能力が疑われてしまいますから」
律「(知るか!)」
アズラエル「繰り返し言いますが、時間は無いんです」
アズラエル「高い金出して楽器を買ったのは何の為です? 演奏する為でしょう?
だったら、ちゃんと練習しなきゃ」
律「はいはいっと」
梓「分かってます」
唯「ほーい……お茶が恋しいなぁ……」
紬「学園祭が終わったらたっぷり飲ませてあげるから頑張ろ?」
アズラエル「みっともない演奏は許しませんよ。
僕の指導能力が疑われてしまいますから」
律「(知るか!)」
192: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 15:20:23.98 ID:VCxrTZnV0
三日後
唯「……ライスたっぷりぃ♪」ギュイーン
律「あー疲れた」
梓「一息入れますか?」
律「いんや、もう少しやろうぜ」
律「澪もきっと今頃頑張ってるんだ。私だって負けられない」
紬「ね!」
唯「……澪ちゃん、どうしてるかなぁ?」
唯「学校にも来ないのはどうなんだろね」
梓「あ、出席とか大丈夫なんでしょうか……?」
アズラエル「それは問題無いです。僕の特権で彼女は出席してることになってます」
律「いいのかそれ……」
アズラエル「僕が良いったら良いんだよ」
唯「……ライスたっぷりぃ♪」ギュイーン
律「あー疲れた」
梓「一息入れますか?」
律「いんや、もう少しやろうぜ」
律「澪もきっと今頃頑張ってるんだ。私だって負けられない」
紬「ね!」
唯「……澪ちゃん、どうしてるかなぁ?」
唯「学校にも来ないのはどうなんだろね」
梓「あ、出席とか大丈夫なんでしょうか……?」
アズラエル「それは問題無いです。僕の特権で彼女は出席してることになってます」
律「いいのかそれ……」
アズラエル「僕が良いったら良いんだよ」
196: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 15:26:55.41 ID:VCxrTZnV0
その頃 ライブハウス『ブルーコスモス』
澪「おい、クロト! またお菓子をその辺に出しっぱなしにしてるぞ!」
澪「だらしなさ過ぎだ! お前は律か!」
クロト「はい……」
シャニ「こわ……鬼ババかよ」
澪「聞こえてるぞシャニ。男の子ならぼそぼそ言わずに堂々と言え」
澪「お前は暗すぎだ、もっとシャキシャキしろ」
シャニ「もうやだこいつ」
オルガ「……なんか、すげー順応してんな」
澪「もうすぐ開演の時間だ! 準備しろー」
澪「おー!」
三馬鹿「……」
澪「返事!」
三馬鹿「お、おー」
澪「おい、クロト! またお菓子をその辺に出しっぱなしにしてるぞ!」
澪「だらしなさ過ぎだ! お前は律か!」
クロト「はい……」
シャニ「こわ……鬼ババかよ」
澪「聞こえてるぞシャニ。男の子ならぼそぼそ言わずに堂々と言え」
澪「お前は暗すぎだ、もっとシャキシャキしろ」
シャニ「もうやだこいつ」
オルガ「……なんか、すげー順応してんな」
澪「もうすぐ開演の時間だ! 準備しろー」
澪「おー!」
三馬鹿「……」
澪「返事!」
三馬鹿「お、おー」
200: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 15:33:34.99 ID:VCxrTZnV0
更にその頃 病院
さわ子「病院ってやることなくて、本当に退屈ねぇ」
さわ子「一人くらい、軽音部の誰かがお見舞いに来るかと思ってたけど来ないし」
さわ子「ひーまーよー!」
ガサッ
さわ子「あら? 何か落ちたわ」
さわ子「『核まんじゅう』……」
さわ子「美味しいのかしら?」
さわ子「……」
さわ子「やっぱやめとこ」
さわ子「病院ってやることなくて、本当に退屈ねぇ」
さわ子「一人くらい、軽音部の誰かがお見舞いに来るかと思ってたけど来ないし」
さわ子「ひーまーよー!」
ガサッ
さわ子「あら? 何か落ちたわ」
さわ子「『核まんじゅう』……」
さわ子「美味しいのかしら?」
さわ子「……」
さわ子「やっぱやめとこ」
202: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 15:36:39.62 ID:VCxrTZnV0
学園祭当日
アズラエル「さぁ本番です。体調は万全ですか?」
唯「バッチリです!」
梓「澪センパイがまだ来ていませんが……」
アズラエル「彼女ならもう少しで来る手筈になっています」
アズラエル「今は自分の心配をしなさい」
紬「あれ? 楽譜どこに置いたかしら……」キョロキョロ
律「ほらそこ」
紬「あった! ありがとうりっちゃん」
アズラエル「やれやれ……先が思いやられます」
アズラエル「さぁ本番です。体調は万全ですか?」
唯「バッチリです!」
梓「澪センパイがまだ来ていませんが……」
アズラエル「彼女ならもう少しで来る手筈になっています」
アズラエル「今は自分の心配をしなさい」
紬「あれ? 楽譜どこに置いたかしら……」キョロキョロ
律「ほらそこ」
紬「あった! ありがとうりっちゃん」
アズラエル「やれやれ……先が思いやられます」
203: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 15:41:06.91 ID:VCxrTZnV0
唯「あずにゃん、半音ずれてない?」
梓「え……」ボーン
梓「あ、本当だ。調整しないと」
梓「教えてくれてありがとうございます」
唯「いえいえ~、あずにゃんの為ですから~」ぎゅっ
梓「抱きつかないで下さい」
アズラエル「(本当、子供ですね)」
たったった……
梓「え……」ボーン
梓「あ、本当だ。調整しないと」
梓「教えてくれてありがとうございます」
唯「いえいえ~、あずにゃんの為ですから~」ぎゅっ
梓「抱きつかないで下さい」
アズラエル「(本当、子供ですね)」
たったった……
204: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 15:48:12.89 ID:VCxrTZnV0
澪「おーい、みんなー!」たたた
唯「澪ちゃん!」
紬「澪ちゃーん!」
梓「澪センパイ!」
律「どうよ、特訓の成果は?」
澪「緊張ならもう大丈夫だ。今、何の恐怖も感じない」
澪「もう何も怖くない!」
梓「(この十日間で何があったんでしょうか)」
律「そ、そうか」
澪「みんなこそどうだ? しっかり練習したか?」
唯「当然!」
唯「もう1ヶ月前とは比べものにならないね!」ふんす!
アズラエル「そうなるように指導したんですから当たり前です」
唯「澪ちゃん!」
紬「澪ちゃーん!」
梓「澪センパイ!」
律「どうよ、特訓の成果は?」
澪「緊張ならもう大丈夫だ。今、何の恐怖も感じない」
澪「もう何も怖くない!」
梓「(この十日間で何があったんでしょうか)」
律「そ、そうか」
澪「みんなこそどうだ? しっかり練習したか?」
唯「当然!」
唯「もう1ヶ月前とは比べものにならないね!」ふんす!
アズラエル「そうなるように指導したんですから当たり前です」
205: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 15:55:35.66 ID:VCxrTZnV0
律「(またコイツは……)」
紬「(一言多くなければなぁ……)」
梓「(指導は確かに的確で上手なんですが……)」
アズラエル「む」チラッ
アズラエル「時 間 で す」
アズラエル「そろそろステージへ行きなさい」
澪「……いよいよか」ぶるぶる
紬「やっぱり緊張しちゃう?」
澪「いや、武者震いだよ」
律「行くか」
紬「(一言多くなければなぁ……)」
梓「(指導は確かに的確で上手なんですが……)」
アズラエル「む」チラッ
アズラエル「時 間 で す」
アズラエル「そろそろステージへ行きなさい」
澪「……いよいよか」ぶるぶる
紬「やっぱり緊張しちゃう?」
澪「いや、武者震いだよ」
律「行くか」
207: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 16:03:24.77 ID:VCxrTZnV0
アズラエル「君達の持てる力を全て出し切ってきなさい」
アズラエル「僕に恥をかかせないでくれよ」
唯「任せて、アズラエル先生」
梓「私達は私達の為に演奏しますけどね」
アズラエル「あっそう」
『次は放課後ティータイムの演奏です』
律「いっくぞー!」
一同「おー!」
アズラエル「……」
アズラエル「……若いねぇ」
アズラエル「僕に恥をかかせないでくれよ」
唯「任せて、アズラエル先生」
梓「私達は私達の為に演奏しますけどね」
アズラエル「あっそう」
『次は放課後ティータイムの演奏です』
律「いっくぞー!」
一同「おー!」
アズラエル「……」
アズラエル「……若いねぇ」
208: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 16:09:01.81 ID:VCxrTZnV0
…
『いいか、これだけは言っておく!』
『絶対にこのライブを成功させるんだ!』
『ミスしたら、その分倍返しにして良い音を出せ!』
『誰かの為じゃない、自分の為に演奏するんだ!』
…
アズラエル「……なんて頃が僕にもあったっけ」
アズラエル「……フン」
『いいか、これだけは言っておく!』
『絶対にこのライブを成功させるんだ!』
『ミスしたら、その分倍返しにして良い音を出せ!』
『誰かの為じゃない、自分の為に演奏するんだ!』
…
アズラエル「……なんて頃が僕にもあったっけ」
アズラエル「……フン」
211: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 16:14:58.29 ID:VCxrTZnV0
唯「どうも、放課後ティータイムです!」
唯「今日は私達の為に集まってくれてありがとうございます!」
唯「今、軽音部は顧問のさわちゃんが首を痛めて入院しちゃっててんやわんやでね」
唯「代わりにアズラエル先生が暫く顧問になってくれたんだけど」
唯「アズにゃん三号ったら、厳しくて、自分勝手でもう大変!」
唯「あ、アズにゃん三号ってのはアズラエル先生のあだ名で、一号と二号は……」
律「いいから早く始めろー!」
唯「ご、ごめーん」
唯「とにかく私が言いたいのはアズラエル先生はあんな人だけど、
本当はとっても優しい人なんじゃないかってことなんです」
アズラエル「……はぁ?」
唯「今日は私達の為に集まってくれてありがとうございます!」
唯「今、軽音部は顧問のさわちゃんが首を痛めて入院しちゃっててんやわんやでね」
唯「代わりにアズラエル先生が暫く顧問になってくれたんだけど」
唯「アズにゃん三号ったら、厳しくて、自分勝手でもう大変!」
唯「あ、アズにゃん三号ってのはアズラエル先生のあだ名で、一号と二号は……」
律「いいから早く始めろー!」
唯「ご、ごめーん」
唯「とにかく私が言いたいのはアズラエル先生はあんな人だけど、
本当はとっても優しい人なんじゃないかってことなんです」
アズラエル「……はぁ?」
214: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 16:20:39.38 ID:VCxrTZnV0
唯「アズラエル先生、私達の為に色々してくれてありがとうございました!」
アズラエル「(……この子は何を言ってるんだろう)」
アズラエル「……」
唯「それでは一曲目! 『ごはんはおかず』!」
律「ワン、ツー、ワン、ツー、スリー、フォー!」
…♪
アズラエル「(……この子は何を言ってるんだろう)」
アズラエル「……」
唯「それでは一曲目! 『ごはんはおかず』!」
律「ワン、ツー、ワン、ツー、スリー、フォー!」
…♪
215: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 16:25:10.91 ID:VCxrTZnV0
病院
アズラエル「失礼」
さわ子「もぐもぐ……アズニャエルしぇんしぇい?」
アズラエル「口の中のモノ飲み込んでから喋っていただけます?」
さわ子「ごくん……すみません」
さわ子「今日もお見舞いに来てくれたんですか?」
アズラエル「いえ、今日は報告に来ました」
さわ子「報告……? 軽音部のことですか?」
アズラエル「その通り」
アズラエル「私、教師やめます」
アズラエル「失礼」
さわ子「もぐもぐ……アズニャエルしぇんしぇい?」
アズラエル「口の中のモノ飲み込んでから喋っていただけます?」
さわ子「ごくん……すみません」
さわ子「今日もお見舞いに来てくれたんですか?」
アズラエル「いえ、今日は報告に来ました」
さわ子「報告……? 軽音部のことですか?」
アズラエル「その通り」
アズラエル「私、教師やめます」
219: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 16:32:02.73 ID:VCxrTZnV0
さわ子「え?」
アズラエル「御心配なく、貴女が復帰するまでの顧問の後釜は用意しています」
アズラエル「ナタル・バジルール先生、彼女なら上手くやってくれるでしょう」
さわ子「あ、あの! なぜ急に辞めるなんて……」
さわ子「もしかして、あの子達が何か……」
アズラエル「そうですね。あの子達のせいです」
アズラエル「やってくれましたよ彼女達は」
さわ子「(一体、何をしでかしたの!?)」
さわ子「申し訳有りません! 彼女達に代わって謝りますから、どうか考え直して……」
アズラエル「これは決定事項です」
アズラエル「御心配なく、貴女が復帰するまでの顧問の後釜は用意しています」
アズラエル「ナタル・バジルール先生、彼女なら上手くやってくれるでしょう」
さわ子「あ、あの! なぜ急に辞めるなんて……」
さわ子「もしかして、あの子達が何か……」
アズラエル「そうですね。あの子達のせいです」
アズラエル「やってくれましたよ彼女達は」
さわ子「(一体、何をしでかしたの!?)」
さわ子「申し訳有りません! 彼女達に代わって謝りますから、どうか考え直して……」
アズラエル「これは決定事項です」
222: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 16:44:15.92 ID:VCxrTZnV0
さわ子「そんな……」
アズラエル「私、最初は興味本意だったんです」
さわ子「……?」
アズラエル「以前、ここでお話ししたでしょう。軽音部の顧問を引き受けたのは僕の出世の為だと」
さわ子「え、ええ」
アズラエル「言葉通り、僕は彼女達を利用しようと思いました」
アズラエル「時には罵倒、叱責し、彼女達を奮起させ」
アズラエル「時には彼女達を導く教師紛いのことをやったり……まぁ教師なんですけど」
アズラエル「それもこれも全て自分の出世の為にやりました」
アズラエル「彼女達をプロと見紛う程の実力にまで昇華させれば、
それを指導した私の評価は高まりますからね」
アズラエル「私、最初は興味本意だったんです」
さわ子「……?」
アズラエル「以前、ここでお話ししたでしょう。軽音部の顧問を引き受けたのは僕の出世の為だと」
さわ子「え、ええ」
アズラエル「言葉通り、僕は彼女達を利用しようと思いました」
アズラエル「時には罵倒、叱責し、彼女達を奮起させ」
アズラエル「時には彼女達を導く教師紛いのことをやったり……まぁ教師なんですけど」
アズラエル「それもこれも全て自分の出世の為にやりました」
アズラエル「彼女達をプロと見紛う程の実力にまで昇華させれば、
それを指導した私の評価は高まりますからね」
223: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 16:50:53.93 ID:VCxrTZnV0
アズラエル「でもね」
アズラエル「なんだか急にそれが全部馬鹿らしくなっちゃいました」
さわ子「……それはまた何故?」
アズラエル「なんでですかね。僕にもよく分からないです」
アズラエル「……強いて言うならば」
アズラエル「昔を思い出したからかな?」
アズラエル「なんだか急にそれが全部馬鹿らしくなっちゃいました」
さわ子「……それはまた何故?」
アズラエル「なんでですかね。僕にもよく分からないです」
アズラエル「……強いて言うならば」
アズラエル「昔を思い出したからかな?」
226: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 16:57:11.50 ID:VCxrTZnV0
さわ子「……」
アズラエル「クッ……ククク……ハッハッハッ!」
アズラエル「こんなの、僕のキャラではありませんね。聞き流して下さい」
さわ子「……これからどうするんですか?」
アズラエル「ノープランです」
アズラエル「とりあえず、時間は腐るほど出来ましたからね……
昔取ったなんとやらで、また音楽を始めようかと」
さわ子「音楽をやってらしたんですか?」
アズラエル「少ーしね。かじった程度ですがバンドをやってました」
アズラエル「クッ……ククク……ハッハッハッ!」
アズラエル「こんなの、僕のキャラではありませんね。聞き流して下さい」
さわ子「……これからどうするんですか?」
アズラエル「ノープランです」
アズラエル「とりあえず、時間は腐るほど出来ましたからね……
昔取ったなんとやらで、また音楽を始めようかと」
さわ子「音楽をやってらしたんですか?」
アズラエル「少ーしね。かじった程度ですがバンドをやってました」
228: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 17:06:05.23 ID:VCxrTZnV0
さわ子「かなり意外です」
アズラエル「まぁ、売れなくてすぐ解散しましたけど」
アズラエル「さて、私は帰ります」
さわ子「もうですか?」
アズラエル「報告は終えましたし、他にも用事があるので」
アズラエル「それでは」
さわ子「はい、またいつか……」
アズラエル「良い子ですね。彼女達は」
さわ子「へ?」
アズラエル「なんでもありません」
アズラエル「まぁ、売れなくてすぐ解散しましたけど」
アズラエル「さて、私は帰ります」
さわ子「もうですか?」
アズラエル「報告は終えましたし、他にも用事があるので」
アズラエル「それでは」
さわ子「はい、またいつか……」
アズラエル「良い子ですね。彼女達は」
さわ子「へ?」
アズラエル「なんでもありません」
229: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 17:14:49.43 ID:VCxrTZnV0
病院の外
アズラエル「……」ピッピッ
アズラエル「もしもし、ああ私です。お久しぶりですね」
アズラエル「用ですか? それは他でもありません」
アズラエル「もう一度バンドを結成しませんか? あの時のメンバーで」
アズラエル「……」ピッピッ
アズラエル「もしもし、ああ私です。お久しぶりですね」
アズラエル「用ですか? それは他でもありません」
アズラエル「もう一度バンドを結成しませんか? あの時のメンバーで」
232: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 17:18:05.49 ID:VCxrTZnV0
アズラエル「そうです。あの時の、です」
アズラエル「急過ぎるし、今更……というのも理解しています」
アズラエル「ですが、やってみたいんです。もう一度」
アズラエル「いや……やりたいんだ」
アズラエル「急過ぎるし、今更……というのも理解しています」
アズラエル「ですが、やってみたいんです。もう一度」
アズラエル「いや……やりたいんだ」
233: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 17:22:55.28 ID:VCxrTZnV0
アズラエル「……」
アズラエル「……ハハッ! そうだ、これは隊長命令だ!」
アズラエル「やってくれるか……ありがとう、カレン」
アズラエル「エレドアには宜しくと伝えておいてくれ」
アズラエル「他のメンバーには俺から連絡しておく」
アズラエル「……俺のワガママにもう一度付き合ってくれて本当にありがとう」
アズラエル「それじゃあな」ピッ
アズラエル「……ハハッ! そうだ、これは隊長命令だ!」
アズラエル「やってくれるか……ありがとう、カレン」
アズラエル「エレドアには宜しくと伝えておいてくれ」
アズラエル「他のメンバーには俺から連絡しておく」
アズラエル「……俺のワガママにもう一度付き合ってくれて本当にありがとう」
アズラエル「それじゃあな」ピッ
237: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/16(火) 17:27:02.27 ID:VCxrTZnV0
アズラエル「……」
アズラエル「さぁ、始めましょうか!」
アズラエル「けいおん!(CV:檜山修之)」
おわり
アズラエル「さぁ、始めましょうか!」
アズラエル「けいおん!(CV:檜山修之)」
おわり
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