2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 18:46:22.77 ID:AVI1gJN90
P「秋も深まってきましたが、音無さんは秋といえば何の秋ですか?」

小鳥「あたしは芸術の秋でしょうか」

P「嘘はやめてくださいね……音無さんのどこに芸術性があるって言うんです?」

小鳥「見てください!半年かけてシェイプアップしたあたしの腰回りを!」

P「じっくり見ていいんですか?おおーこれは中々のくびれ」

小鳥「さすがにアイドルの子達にはかないませんが、頑張ったんですから」

P「ふむふむ、どれどれ」ガシッ

小鳥「きゃああああああ!いきなり腰を掴むなんてセクハラですよ!」

P「す、すいません……誘惑に耐え切れず……」




5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 18:53:17.21 ID:AVI1gJN90
小鳥「んもう!今回は許してあげます……それで、プロデューサーさんはどうなんですか?」

P「俺ですか?うーん、やっぱり食欲の秋でしょう。そうだ、これから飲みに行きません?先ほどのお詫びも兼ねてご馳走しますよ」

小鳥「太っ腹ですねーもちろん行きますよ!ただ酒ほど美味しいものはありませんからね!」

P「あ、でもいいんですか?半年の苦労が水の泡になるんじゃ……」

小鳥「うぅ…いいんです!どうせあたしなんか芸術よりも食欲の秋がお似合いの残念な女ですよーだ」

P「そんなことはありませんよ。少なくとも俺にとっては魅力的な女性ですよ」

小鳥「えっ……?今何て」

P「さ、行きますよ。どうしたんですか?おいていきますよ」

小鳥「あーん待ってください……いじわる………」


―――その頃の星井家

美希「ミキは…睡眠の秋なの……」zzz

おわり

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 19:05:54.34 ID:XCRCiiAQ0
千早「秋といえば……ですか」

P「ああ、何かあるだろ?千早なら芸術の秋とかか?」

千早「確かに歌は好きですが、秋だからの物というと難しいですね……」

千早「うーん……」

P「い、いやそこまで真剣に悩まなくてもいいんだよ、紅葉が綺麗だなーとかそういうのでも」

千早「いえ、感受性が少ないと歌も人の心に響きませんから」

P「そんなに深く考えなくても」

千早「いえ、少し考えさせて……あっ!一つありました」

P「おっなんだ?」

千早「肉まん」

P「えっ?」

千早「プロデューサーに食べ方を教えて貰った肉まんはとてもおいしかったです」

P「あーあれか……確かに寒い時の肉まんは美味しかったな」

千早「無知だったのは恥ずかしいですけれど、皆との思い出になるなら悪くないのかもしれませんね」

P「そうだな、今度は皆で食欲の秋、だな」
終わり  

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 19:15:32.47 ID:0BejScF+0
~紅葉の秋~

春香「もう季節も秋って感じだねー」

雪歩「最近急に冷えてきたよね」

春香「ほんとほんと!
   あ、見て!もう葉っぱが赤くなってる!」

雪歩「そうだね・・・あっ、ふふ」

春香「どうしたの?」

雪歩「春香ちゃんのほっぺたも赤くなってるよ」

春香「わっ、本当?
   恥ずかしいなぁ・・・」

雪歩「ふふ・・・」

春香「笑わないでよ・・・
   ん?あそこに居るのはやよいじゃない?」

やよい「春香さーん!雪歩さーん!」

雪歩「どうしたの?
   あれ、これ彼岸花?」

やよい「はい!そこに生えてました!」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 19:20:47.82 ID:0BejScF+0
春香「綺麗だよねー」

やよい「ですよねー!」

雪歩「綺麗だけど・・・
   事務所には持って帰らないほうがいいんじゃないかな」

やよい「どうしてですかー?」

雪歩「彼岸花を家に持ち込むと、
   火事になるって言い伝えがあるんですぅ」

やよい「そんなぁ・・・」

春香「こんな綺麗なのにね」

やよい「明日の晩ご飯がなくなっちゃいます!」

春香・雪歩「晩ご飯?!」

やよい「ちゃんと毒抜きすれば、食べられるんですよー!」

雪歩「ねぇ、やよいちゃん・・・」

春香「明日、家族の皆でご飯食べにいこうか」

やよい「えっ、本当ですかー?!ありがとうございますー!」

~食欲の秋~
終わり

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 19:21:40.37 ID:tifVLFpL0
P「やっぱり秋といったら読書だな!事務所の皆は何の本を読んでるのかリサーチだ!」

春香「私はいつもお菓子作りの本を読んでますよ!でも夜に読むとお腹が減っちゃって…つい、てへっ」

千早「私は…本というよりは楽譜をよく。見ていて楽しいですよ」

真「へへーん!やっぱり女の子らしく少女漫画ですよ!もう胸がきゅううんとなって…くうぅ」

響「自分は動物図鑑だぞ!いろんな表情の友達達が見れて面白いんだよっ」

やよい「私はいつも絵本を読んであげてます!絵もかわいいし、何よりみんな幸せそうに聞いてくれるからうれしいなーって」

美希「んー、ファッション雑誌かなあ?でもいつも途中で眠っちゃうの、あはっ☆」

貴音「最近は…源氏物語や竹取り物語のような、古き良き文を親しんでおります」

小鳥「わ、私は………薄い本ですよっ!やぁだもう、なんてこと言わせるんですかぁ!」

安定の小鳥さん
他の子はどんな本読んでるか思いつかなかった

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 19:33:09.89 ID:XCRCiiAQ0
小鳥「秋かーサンマが美味しくなるわよね」

春香「私栗剥くのが好きなんですよー綺麗に剥けると嬉しいですよね!」

亜美「葡萄のケーキが最高だよ→!」

真美「柿も美味しいですぞ!」

真「プロテイン」

あずさ「この前山で採ってきたキノコは美味しかったわ~」

律子「あの時の事は正直思い出したくないですけどね…でもマイタケとかシメジとかの炊き込みご飯はいいですよね」

伊織「ふふん、どうせキノコならマツタケとかにしなさいよね!」

貴音「味噌らあめんの時期が今年もやって参りました…」

響「ソーキ蕎麦もいいぞ!」

雪歩「温かいお茶と和菓子があれば幸せですぅー」



やよい「うっうー……良いんです…もやしは年中美味しいんです…」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 19:46:15.83 ID:k5Lypbs8O
P「山菜とか、ですかね」
小鳥「キノコ類も美味しいですよ」

あずさ「栗とか梨なんかもいいですね~」

P「秋ナス、とか?」

小鳥「えぇ!?私もナス食べたいですよ!」

あずさ「大丈夫です、私が頑張って赤ちゃん産みますから!」

P「え?」

小鳥「え?」

あずさ「え?」

春香「秋ナスは嫁に食わすな、には憎たらしい嫁には美味しい秋ナスを食べさせるのはもったいないという意味の他にも、秋ナスには種が少ないから●●ができない、という意味もあるんですよ!勉強になりましたね!」

31: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/21(日) 20:04:14.73 ID:m0t0bvTY0
真「というわけで運動の秋ですよ!」

P「くわああああ…眠い」

真「プロデューサー!しゃきっとしてください!せっかく早起きしたんですから爽やかな朝にしましょうよ!」

P「早朝からとは聞いてたけど…まさか5時に真が迎えに来るとは」

真「ボクは昨日から楽しみであんまり眠れませんでした!だから今徹夜ハイなんです!」

P「やけに元気と思えば…それで何するんだ?」

真「もちろん最初はラジオ体操に決まってるじゃないですか!」

P「決まってるのか、でもラジオ体操なんて久々でいいかもな」

36: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/21(日) 20:12:33.56 ID:m0t0bvTY0
<チャンチャンチャンチャン!マズハセノビノウンドウ-!

真「いっちーにーさーんしーごーろくしーちはーち」

P「にーにさんしーごーろくしちはーち」

真「プロデューサー!もっと手を伸ばさないと!ほらっこうですよ!」

P「(真が伸びをすると控えめとはいえ形がいい    が強調されて…これはいい)」

<マゲルウンドウ-!イーチニーサンシー

真「ほっ!プロデューサー、体硬いですね!日ごろから運動しておかないといざと言うとき困りますよ!」

P「(スパッツに包まれたお尻が…真の引き締まったお尻が…早起きしたかいがあったな)」

P「夏休みを思い出すなー…お菓子が欲しくてスタンプ貰いに行ってたわ」

真「ボクのところは500円の図書券でしたよ!ってプロデューサー!ラジオ体操に集中してください!」

P「ほいほい、ゴーロクシチハチ」

38: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/21(日) 20:17:44.96 ID:m0t0bvTY0
<オオキクシンコキューウ

真「すぅーはぁー空気が綺麗で気持ちいいですねー」

P「ラジオ体操も本気でやるといい運動になるんだな」

真「そうですよ!ラジオ体操は1日の始まりに体を起こすように考えられてるんですから!」

P「おっ珍しい博学な真」

真「って試してガッテンで言ってたような気がします!」

P「テレビの受け売りかよ!…それで次は何するんだ?」

真「次はストレッチです!体をほぐして血の巡りをよくしましょう!」

P「俺体が硬いからストレッチ苦手なんだよなぁ」

真「大丈夫ですよ!ボクがしっかり教えてあげますから!無理しない範囲で頑張りましょう!」

40: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/21(日) 20:24:06.84 ID:m0t0bvTY0
真「つま先に手がつくようにーグイッーと体をーのばすんですよーこんな感じでぇーす」

P「こんな感じか?」

真「えぇ?!それが限界なんですか?!」

P「これ以上は痛いかな」

真「上体が全然曲がってませんよ!プロデューサー!ほらっ!」グイグイ

P「痛い痛い!自分の限界は俺が分かるから!これ以上は曲がんないって!」

真「少し痛いくらいがちょうどいいんです!いきますよー!」グイグイ

P「あぎゃああああああ!無理しないんじゃ無かったのかああああ!」

真「言い訳無用です!ほらほらっ!」

42: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/21(日) 20:31:20.11 ID:m0t0bvTY0
真「それではプロデューサー!次は腕を組んで背筋を伸ばすストレッチしますよ!はいっ!」

P「背中合わせでやるあれか、でも俺が真を抱えるのはいいとして真が俺を抱えるのは大変だろ」

真「大丈夫ですよ!ボク鍛えてますから!プロデューサーくらいヒョイと抱えてみせます!だからはいっ!」

P「分かったけど無茶はすんなよ、じゃあまずは俺が真を抱えるから」

真「お願いしますねプロデューサー!」

P「じゃあ行くぞ!ほっ!」

真「ふううううう…背筋が伸びて気持ちいいですねー…」

P「(真の少し火照った体に荒い呼吸…変な 癖に目覚めてしまいそうだ)」

真「プロデューサーぁ…もう少し傾けてくださいー…」

P「こんくらいか?」

真「ちょうどいいですねー」

46: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/21(日) 20:38:53.96 ID:m0t0bvTY0
真「おしっ!それではプロデューサーの番ですね!」

P「いややっぱいいよ真!何があるか分かんないし!」

真「プロデューサーは心配性ですね!準備はいいですか?それではいきますよ!ふんっ!」

P「うおっと!…あ”あ”あ”あ”あ”き”も”ち”い”い”…これはきくなー」

真「プロデューサーおじさんくさいですよ!」

P「だっておっさんだしぃー…平気かーまことー?」

真「プロデューサーこそ意外に軽いですね!ちゃんとご飯食べてますか?」

P「食べてるさー外食ばっかりだけど」

真「ちゃんとバランスのいいご飯食べないと駄目ですよ」

48: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/21(日) 20:44:39.86 ID:m0t0bvTY0
P「あ”あ”あ”あ”体が軽い、やっぱりたまには運動しないとな」

真「そうですよ!今度からは一緒にボクと運動しましょうよ!」

P「気が向いたらな」

真「もうっ!そんなんじゃあいつまで経っても運動不足のままですよ!明日もボクと朝から運動しませんか!?」

P「は、腹減ったろ真!なんかコンビニで朝飯買ってくるよ!」

真「え?ってちょっと待ってくださいよプロデューサー!そんなのボクが買って来ますよー!」

P「真は休んでてくれー!色々適当に買ってくるからー!」

49: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/21(日) 20:45:22.73 ID:m0t0bvTY0
真「(えへへへっ♪プロデューサーと朝から二人っきりだなんて滅多に無いし…ついつい顔がニヤケちゃうよ♪)」

真「(これもデートに入るのかなぁ?早朝デートって言うのもあるらしいし)」

真「(でもプロデューサーあんまり運動してないみたいで心配だなぁ、もしもボクがプロデューサーの彼女だったら毎日でも一緒に運動するのに…)」

真「(朝から二人でランニングしてバランスのいいご飯作ってあげて夜も運動して…って何考えてるのさ!う、運動ってそういう意味じゃないって!)」

真「(…プロデューサーのせいでボク●●●になっちゃってるんですからね、責任取ってください)」

真「ふああああああ…徹夜したから眠くなって、きちゃった…でも、プロデューサー…を待って、ない…と…あふぅ」



P「真ー待たせたなーって寝てるし」

真「…zzz…えへへプロデューサー…ボクと運動しましょうよー…」

P「徹夜したって言ってたからな、まだ7時半だし少し寝かせてやるか」

P「真の寝顔が見れるなら運動の秋も悪くないかな」

終わり

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 20:50:36.67 ID:76ybIvoXO
「本番いきまーす! 3、2、1……」

雪歩「こ、こんにちは、皆さん! 萩原雪歩ですぅ!」

雪歩「今回私がお邪魔した農家はなんと、サツマイモを栽培なさっているそうです」

雪歩「もちろん私は今回も収穫を手伝わさせていただくつもりです!
  では農家のかたにお話を伺いましょう……」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 20:53:35.65 ID:76ybIvoXO
P(食欲の秋、芋掘りの秋か……
 最近仕事が入ってくるようになったとはいえ、こんな地方まで来ないといけないとは、トップアイドルまでの道のりはまだまだ長いなあ)

「いいかい、お嬢ちゃん。農家をなめるんじゃないよ。
 芋掘りというのはとても過酷で辛いんだ」

雪歩「は、はいっ!」

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 20:56:43.91 ID:76ybIvoXO
P(……でも俺達は確実に進歩しているはず。
 雪歩だって収録中に穴掘って逃げることだって少なくなった)

「まあ、試しに掘ってごらん。お嬢ちゃんのような細腕じゃたかがしれている……」

雪歩「あ、あの、どこまで掘ればいいんでしょうか……?」

「な、何ぃー!?」

P(……ま、まあ、これはそういう企画だしセーフ、セーフ)

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 20:59:33.45 ID:76ybIvoXO
P「雪歩、お疲れ様。今日の収録は良かったぞ」

雪歩「ほ、本当ですか?」

P「ああ、ADの人も良いのが撮れたって言っていたし、農家の人も喜んでいたな」

雪歩「えへへ、私、夢中でしたからわかりませんでしたけど、本当にそう言ってもらえたなら嬉しいです」

P(機械と同スピードで掘り起こしていたもんな)

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 21:01:40.71 ID:76ybIvoXO
雪歩「……」ウツラ、ウツラ

P「雪歩、眠いなら眠ってもいいぞ? 事務所についたら起こすし」

雪歩「だ、大丈夫です。……プロデューサー、収録の最後に食べたお芋美味しかったですね」

P「そうだな。でも俺は雪歩がおならしないか心配だったけどな」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 21:07:53.25 ID:76ybIvoXO
雪歩「そ、そんなことしませんよぉ!」

P「はは、冗談だよ、冗談。でも収録現場とかはともかく、今みたいな俺と二人っきりのときは我慢しなくていいんだぞ?」

雪歩「…………なおさら、できませんよぉ」ボソッ

P「ん? 何か言ったか?」

雪歩「なんでもありません! ……本当に、プロデューサーは、もう……」プウ

65: 終わり 2012/10/21(日) 21:11:14.72 ID:76ybIvoXO
P「……」

雪歩「……」ジワッ

P「だ、大丈夫だ! 雪歩……」

雪歩「……あ、あ……」プルプル

P「芋食ったら屁が出るくらい当然のことだ! だから……」

雪歩「穴掘って埋まってますぅー!!」

P「高速道路走行中の車に穴掘るなー!!」

翌日、高速道路の一カ所だけ新しくなっていたとかいなかったとか

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 21:15:46.72 ID:RUuh4kYs0
貴音「あなた様、秋といえば」

P「貴音の場合は『食欲の秋』か?」

貴音「なんと!いえ、確かに秋は実りの秋、様々な作物を美味しくいただくことのできる素晴らしい季節」

P「だろう?」

貴音「ですが!このような風情のある場所で即答とはわたくしとて些か傷つきます」

P「はは、悪い悪い。確かに今日はそんな雰囲気じゃないもんな、しかし突然月を見に行こうなんて驚いたぞ」

貴音「今宵は中秋の名月、せっかくですからあなた様と2人で静かに月を眺めようと」

P「しかし東京にこんな場所があるなんてな」

貴音「都心から離れればまだ緑は多く残っています、この静かな公園はわたくしのとっておきの場所なのですよ」

P「虫の声と月の灯に包まれてなんかこう…な」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 21:18:06.08 ID:RUuh4kYs0
P「……」

貴音「……」

P「…なぁ貴音」

貴音「なんでしょう」

P「月が綺麗だな」

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 21:19:23.10 ID:RUuh4kYs0
貴音「!? あ、あなた様、それはどういう意味なのでしょうか」

P「どういう意味も何も、今の俺のそのままの気持ちだよ」

貴音「…ま、まさか、いえ…そういう意味とは…ですがしかし…」

P「貴音?どうしたんだブツブツと?」

貴音「い、いえ、そう…ですね、あなた様と見る月は…まこと綺麗だと思います」

P「? 別に俺と見るから変わるわけではないと思うけど」

貴音「今は意味はわからずとも…それはいずれ…また…」

P「また?そうだな、一緒にこうして月を眺めるのもいいもんだな。また誘ってくれるか?」

貴音「もちろんです、あなた様さえ良ければまた一緒に」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

貴音「などと!などと!」

響「た、貴音!?どうしたんだ!?月をじっと見てたと思ったら急に悶え出して、大丈夫か!?」

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 21:20:13.86 ID:RUuh4kYs0
おわり

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 21:26:48.73 ID:k5Lypbs8O
P「秋の花っていえば?」

真美「えっと……キンモクセイ、かな?」

P「事務所の近くにも植えてあるよな、確かにいいにおいだ」

真美「あとは、コスモスとかかな?」

P「結構知ってるんだな、にしても真美は可愛らしい花を選ぶな」

真美「そうかな?」


79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 21:29:50.37 ID:k5Lypbs8O
P「じゃあさ、金木犀の花言葉知ってるか?」

真美「ううん、知らないよ、なになに?」

P「謙遜、真実、陶酔」

真美「なんかムズいねー」

P「あとは…初恋」

真美「は、初…恋///」

P「真美はもう初恋終わってんのかな?それともまだかな?もしかして…?」

真美「う、うぁ…///」

P「え?マジで?」

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 21:30:32.40 ID:k5Lypbs8O
おしまい

86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 21:43:11.96 ID:m0t0bvTY0
P「秋雨の候とはよく言ったものですね」

小鳥「雨止みませんね、これじゃあろくに洗濯もできませんよ」

P「洗濯物が3日分溜まってますもんね、そろそろ洗濯しておきたいところですが」

小鳥「部屋干しでもいいから洗濯しますか?」

P「いえどうせすぐに乾かないので止めておきましょう、それに太陽の匂いが好きなんです」

小鳥「そうですね、それなら晴れるまで気長に待ちましょうか」

P「でもせっかく出かける予定が潰れたのが少し残念です」

小鳥「いいじゃないですか、たまにはお家でゆっくりしましょう?それじゃあ私朝ごはん作っちゃいますね」

P「お願いします、俺は朝シャワー浴びてきます」

小鳥「はいっ♪今日はまったり過ごしましょう」

91: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/21(日) 21:50:34.78 ID:m0t0bvTY0
P「ふうっ上がりました…おっ!味噌汁のいい匂い!」

小鳥「もうすぐ出来ますので待っててくださいね」

P「いやー朝から手作り味噌汁が飲めるなんて贅沢だなー」

小鳥「そんなおおげさですよ、はいプロデューサー出来ました」

P「かぼちゃにじゃがいもにほうれん草に盛りだくさんな味噌汁ですね」

小鳥「昨日の残りものを入れただけですよ、卵焼きもありますから食べてくださいね」

P「それではいただきまーす!あむっ…うんっ!卵焼きも出汁がきいてて美味いですよ!」

小鳥「ならよかったです、私もいただきます」

97: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/21(日) 21:55:27.91 ID:m0t0bvTY0
P「ごちそうさまでした、美味しかったー」

小鳥「お茶をどうぞ」

P「何から何まですいません…ぷはっ渋くて美味い」

小鳥「くすっ…プロデューサーさんったらさっきから美味い美味いしか言ってませんよ」

P「それだけ小鳥さんの料理が美味かったんですよ」

小鳥「あれだけ美味しいって言ってもらうと私も作り甲斐があるってものです」

P「それじゃあこれからも美味しい美味しいと言い続けますよ」

小鳥「でも口に合わなかったらはっきり言ってくださいね?プロデューサーさんの好みを早く覚えたいですから」

P「分かりました、まぁでも多分大丈夫ですよ」

小鳥「大丈夫って?」

P「小鳥さんが作ったものなら何でも食える自信があります」

小鳥「…もうっ!それだと私の料理の腕が上がらないじゃないですか!」

99: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/21(日) 22:02:04.48 ID:m0t0bvTY0
P「ズズズッ…それで今日はどうしましょうか?」

小鳥「私は何もしなくてもプロデューサーと一緒なら構いませんが」

P「でもせっかくの二人揃っての休日を無為に過ごすのもなぁ……そうだ!映画見ましょう!映画!」

小鳥「映画、ですか?」

P「春香と千早のW主演の映画ですよ!DVD買ったのにすっかり忘れてました!」

小鳥「でもプロデューサー、あの映画公開日当日に二人で見に行きませんでしたか?」

P「まぁまぁいいじゃないですか!面白い映画だったでしょう!とくの春香と千早が喧嘩するシーンなんて演技と思えないほどリアルですし!」

小鳥「…あのシーンは二人をよく知る私たちもハラハラしましたものね」

P「あまりに喧嘩シーンがリアルすぎて週刊誌に春香と千早の不仲説なんてゴシップ記事まで出ましたからね」

小鳥「でもすることも無いですし、映画見ましょうか?」

P「それでは電気消しましょう、PS3を起動してと」

小鳥「(全く…休日でもアイドル達をことばっかりなんだから)」

101: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/21(日) 22:08:01.14 ID:m0t0bvTY0
春香『あんたのせいで私の人生めちゃくちゃよ!この疫病神!』

千早『それで…?言いたいことはそれだけなの?なら帰ってくれる?貴女のことを視界にも入れたくないの』

P「あぁ…千早が春香にそんなこと言うなんて…演技としては素晴らしいけど…でも胃がキリキリする」

小鳥「プロデューサーさん、映画ですよ?」

P「分かってるんです、分かってるんですけど」

小鳥「顔色が青くなってきてませんか?」

P「そうですか…いえそんなことは無いですよ」

千早『どいてよ!』パシッ!

小鳥「あ、千早ちゃんがビンタした」

P「ああああああ…!千早があんな冷たい目つきで春香を…!辛い、これ以上は見ていて辛い!」

小鳥「見るの止めませんか?」

P「いえ最後まで見ます…せっかくの二人の映画ですから」

103: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/21(日) 22:14:34.78 ID:m0t0bvTY0
P「やっぱりいい映画だなぁグズッ」

小鳥「もうっ!この映画見て泣くの何回目ですか?はい、ティッシュ」

P「グズッラストで二人が和解するシーンは涙なしで見れませんよ」

小鳥「プロデューサーが泣いてる理由は普通の人と違うと想うんですが」

P「そうですか?でもまぁいい映画ですよ」

小鳥「なんだかんだでもう1時ですね、お昼ご飯にしますか?」

P「昼ごはんは俺が作りますよ」

小鳥「そんなプロデューサーはお疲れでしょうから休んでてください」

P「いやいや昼ごはん作るくらいでそれほど疲れませんって!」

「 「 ……… 」 」

小鳥「それじゃあ二人で作りませんか?」

P「ですね、何を作りましょうか?」

小鳥「パンとハムがあるので軽くサンドイッチでも作りましょう」

P「それくらいなら俺一人でも」

小鳥「二人で作ることに意味があるんです」

105: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/21(日) 22:20:18.52 ID:m0t0bvTY0
小鳥「プロデューサーさん、ソースの味をみてもらえますか?」

P「分かりました…あむっ」

小鳥「ってちょっとプロデューサーさん?!…あんっ…」

P「うん、おいしいですよ」

小鳥「急に指を舐めないでください…びっくりするんですから」

P「す、すいません!指についてたから舐めていいのかなぁと思いまして!」

小鳥「次からは気をつけてくださいね」

P「前向きに検討したいと思います」

小鳥「もうっ本当に反省してるんですか?」

106: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:15) 2012/10/21(日) 22:25:44.21 ID:m0t0bvTY0
小鳥「ねぇプロデューサーさん」

P「なんですか?」

小鳥「これから先も私たちこうして二人で居れるでしょうか?」

P「未来のことは俺にも分かりません、もしかしたらさっきの映画みたいに春香と千早が仲たがいするなんてことも有り得るかもしれない」

P「何が起こるかなんて分からないけれども…でもきっと二人一緒に居ると思いますよ、いや居れたらいいなぁなんて」

小鳥「私もプロデューサーさんとこれからも一緒にいたいです」

P「二人が同じ気持ちなら大丈夫ですよ、これから色々あると思いますがよろしくお願いします」

小鳥「ふ、不束者ですがよろしくお願いします!」

P「はははっ!何ですかそれ、おっ晴れてきましたよ!」

小鳥「本当ですね!ん~これなら洗濯物も干せそう!」

P「一気にやっちゃいますか!」

小鳥「出かけるのはどうします?」

P「いえ今日は二人でゆっくりしてましょう」

小鳥「そうですね、秋だからたまにはゆっくりしましょう」

おわり

109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 22:29:10.13 ID:YymTewiz0
美希「秋と言えば、なんだと思う?」

響「何を言ってるんだ!そんなの決まってるじゃないか!」

響「自分達の誕生日じゃないか!」

美希「そういえば、響はこの前誕生日だったね」

美希「あらためて、おめでとう」

響「えへへ♪ありがと♪」

美希「でも、響って秋生まれってカンジしないな」

響「え?」

110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 22:31:28.01 ID:YymTewiz0
美希「どちらかと言えば、夏っぽいイメージ」

響「そ、そうか?」

美希「うん」

美希「だって、肌は小麦色だし、沖縄だし」

響「沖縄って関係あるのかな…」

美希「なんていうかチビTシャツにホットパンツでお日様の下を走りまわってるイメージかな」

響「自分、直射日光は苦手なんだけどな…」

美希「えっ?それも意外かも!」

111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 22:33:21.44 ID:YymTewiz0
美希「だって、響はスポーツとか好きでしょ?」

美希「夏の海とか似合うのに」

響「うーん…確かに好きだけど…」

響「屋内とかで出来るスポーツの方が……卓球とか…」

美希「なんか、ますます意外な…」

響「自分、元卓球部部長だぞっ!」エッヘン

美希「わお」

112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 22:37:10.34 ID:YymTewiz0
美希「じゃあ、やっぱり響は秋生まれで良かったんだね」

響「何がやっぱりなのかはわからないけど…」

響「そういう美希だって秋より夏ってイメージだぞ!」

美希「やっぱりそう思う?」

響「あっ、否定したりはしないんだ?」

美希「うん。ていうか、ミキの誕生日自体があり得ないっていうか…」

響「美希の誕生日?えーと…たしか11月の23日…」

響「……」

響「…勤労感謝だっけ?」

美希「働きたくないの…」

響「あー……」

響「まぁ、なんだ……がんばろう!」

美希「…zzz」

響「…あはは」

響「美希は夏よりも秋よりも元旦で寝正月とかの方が合ってるかもな…」  おわり

115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 22:44:23.47 ID:COeE7ihHO

P「秋だなー千早ー」

千早「秋ですねプロデューサー」

P「秋といえばー」

千早「秋といえば?」

P「紅葉だなー」

千早「そうですね。肌寒くなりましたけど、真っ赤な木々を見ると心が暖まります」

P「うんうん。俺は千早といると心が暖かくなるよー」

千早「な、なに言って……!」

P「えー、千早は俺といても嬉しくないかー?」

千早「う、嬉しいですけど」

P「ならいいじゃないかー。あ、そうだ」

116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 22:46:24.01 ID:COeE7ihHO

千早「?」

P「紅葉狩りに行こう!」

千早「紅葉狩り、ですか?」

P「うん。二人で山に行こう千早ー」

千早「私と行っても楽しくないですよ、きっと」

P「いんやー、楽しいさ絶対。千早と二人っきりだー」

千早「……ありがとうございます」

P「照れてる千早は可愛いなー」

千早「そんなことないですっ」

P「そんなことあるさー。ほら、紅葉みたいに赤いほっぺー」プニ

117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 22:48:03.42 ID:COeE7ihHO

千早「んん、やみぇ……やめてくだはい」

P「千早は可愛いなぁ」

千早「もうっ。……ところで」

P「んー?」

千早「膝枕、気持ちいいですか?」

P「当たり前だろー千早の脚はスベスベモチモチだー」ゴロゴロ

千早「ふふっ」ナデナデ



P「千早と一緒だからあったかいなー」

千早「プロデューサーと一緒だから、あったかいです」



そんな秋の日おわり


122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 22:57:08.82 ID:rUyLiW930
P「大変だ律子! 小鳥さんにビンタされてみたら頬にもみじマークできた! すげぇ秋っぽい! やった!!」

律子「秋というより馬鹿っぽいです」

小鳥「はたいた手も赤くて超もみじ! あたしの方が秋っぽい! たぶんあたし勝った!」

律子「何を競い合ってるんですかアナタたちは」

美希「おもしろそうなの! ミキもなにかネタ考えてくるね! 行ってきます!」

律子「美希もどっか行っちゃうし。何なんですかコレ」

P「今決めた! 一番秋っぽい奴が優勝選手権やる! 律子は名前がチートだから失格!審査員でもしてろ!」

律子「しばくぞ」

124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 23:05:39.38 ID:rUyLiW930
P「じゃあ俺! まつたk

律子「通報しました」

P「やめてください」

律子「……」

貴音「ふふ、律子嬢にそのようなおーたむぇごかしは通用しませんよ。もっとさりげなく、うまく忍ばせるのです」

律子「うんそれ忍んでない。わざわざ“め”を“むぇ”にしてるあたり全然忍んでない」

貴音「おぉたむェ……」

律子「うん、なんかすごく秋が嫌いそうな言い方ね」

貴音「好きですが」

律子「さいですか」

125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 23:08:50.67 ID:rUyLiW930
律子「はぁ…… 奇人だらけで疲れるわ。ていうかこの面妖なお花畑っぷりはどう考えても春でしょ……」

雪歩「あの、律子さん」
春香「ちょっといいですか?」

律子「何よ。言っとくけど今の私はちょっとやそっとの秋っぽさじゃびくともしな

雪歩「私ウインタァァァァァ!!!!!」
春香「私スプリィィィィング!!!!!」

律子「うわ全然秋じゃねぇぇぇ!!!」

美希「ただいまー! 考えるの飽きたのー!」

律子「うわ飽きっぺぇぇぇぇ!!!」

美希「ホント? じゃあ美希の優勝なの!」

律子「その秋じゃねぇぇぇぇぇ!!!」

P「秋(フォール)だけに、落ち切らない話でした」

小鳥「お後がよろしいようで」

おわり

126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 23:15:19.48 ID:k5Lypbs8O
P「なぁ響」

響「どうしたの?プロデューサー」

P「今月って響の誕生月だったじゃん?」

響「うん!そうだぞ!みんながお祝いしてくれて嬉しかったさー」

P「そうか、そりゃよかったな」

響「うん!」

P「少し遅いけど、プレゼントに花を買って来たよ」

響「本当!?」

P「ほれ、コスモスに月桂樹に菊だよ」

128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 23:17:00.00 ID:k5Lypbs8O
響「うわぁ…ありがとう!プロデューサー!」

P「おう」

響「ねぇねぇ、花言葉は何?」

P「じゃあ、まずは響の誕生花の月桂樹は、栄誉と勝利」

響「栄誉と…勝利、うん!自分、絶対にトップアイドルになるよ!」

P「あぁ…期待してる、じゃあコスモスはな、乙女の真心、乙女の愛情だ」

響「真心…愛情///」

131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 23:19:54.05 ID:k5Lypbs8O
P「じゃあ最後、菊は…ってかこれはスプレーギクって菊なんだけどな」

響「うんうん」

P「えーっと、ね…やっぱり内緒!」

響「えぇ!?じゃあ自分で調べるよ!」

P「駄目だ!!」

響「へ!?なんでさー!?」

P「いつかきちんと言うからさ、ほら!レッスン行ってこい」

響「うーん…じゃあ約束だぞ!行ってきまーす!」

P「おう、いっらっしゃい」

P「ふぅ…まだ言えないよなぁ…『私はあなたを愛す』、なんて…」

P「うっしゃ!仕事仕事!」

―――

響「なんちゃって、ほんとは知ってるんだからね、だから…いつかきっと…ちゃんと自分に教えてね、プロデューサー」

おしまい

149: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 23:50:59.03 ID:HvjBetRm0
伊織「プロデューサー?今度のハロウィンイベントのことなんだけど……」

伊織「あら?いないの?」

貴音「プロデューサーならば出かけられましたが」

伊織「あらそう……」

伊織「……あら?」

貴音「どうしました?」

伊織「ハロウィンイベント資料、あるじゃないの
   こっそり見ちゃいましょ」

貴音「……伊織、勝手に見ないほうが」

伊織「いいのよ、どうせ仕事なんだし」ガサガサ

150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 23:51:46.18 ID:HvjBetRm0
伊織「あら……なにこれ?」

貴音「どうかしたのですか?」

伊織「……このイラストの衣装……」

貴音「はて……?吸血鬼……をかたどった衣装……しかし、露出が……」

伊織「っていうか紐じゃないのこれ!衣装と呼べるかどうか怪しいじゃない!」

伊織「あの馬鹿、伊織ちゃんにこんな衣装着せようとするなんて!」

伊織「帰って来たらとっちめてやるんだから!」

151: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 23:53:17.92 ID:HvjBetRm0
貴音「……水瀬伊織……」

伊織「何よ?」

貴音「あの方も、殿方なのです」

伊織「……だから何だっていうのよ?」

貴音「プロデューサーが、初めて、そのような衣装を着るように求めているのです」

伊織「……」

貴音「つまり、これは……初めて、女性として、伊織を見た、ということなのです」

貴音「……もし伊織がこれを着ないのならば、私が着てイベントに出ますが」

152: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/21(日) 23:53:43.12 ID:HvjBetRm0
伊織「待ちなさいよ……」

伊織「着てやろうじゃないの……!」

貴音「……ふふっ、それでこそ水瀬伊織です……」


P(遅くなったなー、伊織怒ってるかなー)

P(しかし、一緒にイベント出る芸人さんが体張って変な衣装着てくれるんだ)

P(それを生かすようにしないとな!俺も頑張るぞ!伊織!)

終わり

172: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 00:32:54.83 ID:ZdKsgr/f0
美希「ねえねえ律子、もう秋だよ」

律子「さんを……もういいわ。それで、それがどうかした?」

美希「ミキ的には、『おにぎりの秋』なの」

律子「……は?」

美希「ほら、よくナントカの秋って言うでしょ?」

美希「ナントカの部分を考えてたら、結局おにぎりになっちゃったの」

律子「……食欲の秋、じゃ駄目な理由は?」

美希「え?」

律子「いやだって……おにぎりは食べ物でしょ」

律子「だったら食欲の秋に含めればいいじゃないの」

美希「……」

律子「な、何よ」

美希「律子……ううん……り、律子さん!」

美希「天才なの!」

律子「…………」

173: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 00:37:25.91 ID:ZdKsgr/f0
美希「ミキ、そんな考え思いもしなかった……」

美希「流石は律子さん!」

律子「いやもう……こちとら食欲の秋が浮かばなかったことの方が驚きなんだけど」

美希「そういうものだもん」

律子「そーゆーもんですか」

美希「じゃ……律子!」

律子「また戻っちゃったし。敬いタイムが終わるのが早いわねー……」

美希「いいからいいから!……そういうわけでおにぎり作ろうよ」

律子「どういうわけ……ああこれももういいわ」

律子「いいわよ、それで気が治まるなら一緒に作ってあげる」

美希「やった!」

美希「じゃー『食欲の秋』だし、秋っぽいもの入れようよ」

律子「そうねぇ。キノコとかベタだけどいいかもね」

美希「サンマは?」

律子「……無難なようで……結構チャレンジかしら」

175: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 00:40:33.03 ID:ZdKsgr/f0
美希「あと秋っぽいものって何だろう?」

律子「……」

律子「ああ駄目だわ……入れられないのに果物ばっかり思いつく……」

美希「例えば?」

律子「聞いてどうするのよ?リンゴとか柿とか、梨とか……?」

美希「じゃあそれも全部入れようよ」

律子「ブホッ!? ……しょ、正気!?」

美希「うん、だって面白そうだもん」

美希「それにぃ、律子…さんが作るんなら多分おいしいよ」

律子「あんたねぇ……」

美希「やってみよ?」

律子「ハァもう……責任持たないわよ?」



美希「やっぱり柿のおにぎりはちょっと無かったの……」

律子「うぇー……だから言わんこっちゃ無い……」

180: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 00:52:05.99 ID:eE/kAwF5P
P「もう……秋だな」

貴音「そうですね……貴方様」

P「秋って聞いて貴音は何を思い浮かべる?」

貴音「私ですか?そうですね、やはり月が綺麗な季節でしょう」

P「ほう、なるほどな」

貴音「それや、紅葉も見ごろでしょうね」

P「流石貴音、風流と言うかなんかいいな。俺はてっきり食欲の秋!って即答するものかと」

貴音「それはいささか失礼ではありませんか、貴方様?」

P「おぉ……すまんすまん」

貴音「そういう貴方様は何を?」

P「俺か?そうだなぁ、やっぱり読書の秋とか芸術の秋とか縛られたものしか浮かばないけど」

貴音「なるほど、よく言われますね」

P「でもさ……俺は別に季節にそんなにこだわらないかなぁ」

貴音「そうですか、それはまたどうして」

P「それぞれいいところやら悪いところやらあるだろ?だからわざわざ挙げる気にならないというかさ」

182: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 00:58:41.23 ID:eE/kAwF5P
貴音「なるほど……」

P「春は始まりの季節。花が咲き始めていく」

P「夏は行楽の季節。猛暑と戦いつつ落ち着いた日々」

P「秋は趣味の季節か。時間がゆっくり流れていく気がするな」

P「冬は終わりの季節。一年の終わりとともに寒さが訪れてまた次の年に」

P「そんなことを毎年毎年繰り返すのもまた一つだが、気の向くまま、あぁもう秋だなぁとつぶやくだけでもいいもんだ」

貴音「確かに貴方様のおっしゃることも一理ありますが、そこに一喜一憂するのがまた一興という考え方も」

P「確かにな、たまにはそういうのもいい」

P「でも、俺はやっぱり1年中どの季節でもいい。それは変わらないものがあるからな」

貴音「……それは?」

P「貴音、お前だ。……わかってるくせに」

貴音「ふふっ、貴方様の口から言って欲しかった、というのは少しわがままでしょうか?」

P「そんなことはないさ、むしろ貴音のわがままが聞きたかったところだ」

貴音「……貴方様はいけずですね」

P「思い返せばあっという間の1年だったな」

183: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 01:04:25.17 ID:eE/kAwF5P
P「貴音のプロデュースが終わって、俺が告白して。あれも確か今日みたいな月夜だったか」

貴音「……」

P「そうだな、秋は俺と貴音の出会いの季節か」

貴音「……えぇ、やっと思い出してくれましたか」

P「なるほど、そういうことだったのか。そりゃ、季節にも意味がある。ってことだな」

貴音「……貴方様」

P「どうした、貴音?」

貴音「私のこと、どう思っておりますか?」

P「どうって、そりゃ大切だ。……愛してる」

貴音「……」

P「……貴音?」

貴音「申し訳ございません、と先に謝っておきましょう」

P「どうしたんだいきなり、何かあったのか?」

貴音「私が想う、秋はもう一つございます」

P「ほう、秋といえば、なんだ?」

186: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 01:13:23.04 ID:eE/kAwF5P
貴音「飽き、とでもいいましょうか」

P「……ん?」

貴音「もう、今日で終わりにいたしましょう貴方様」

P「ちょっと待ってくれ……何かの冗談だよな?」

貴音「ちょうど1年、もうじき冬も訪れるこの季節。秋風が立ったのですよ」

P「どうしてだ……俺に何か不満があったのか? だったら言ってくれ、頼む……」

貴音「理由は有りません、言うならば私がそういう女だったというだけの話」

貴音「貴方様は良くしてくださいました、ですが今日でそれも終わり」

貴音「月夜の元、もう二度と会うことはないとここで宣言しておきましょう」

P「嘘だ……俺は貴音なしでは生きていけない……なぁ、頼む。貴音……」

貴音「一度冷めた恋は……というではありませんか。男子たるもの、去り際くらい格好をつけていだだけませんか?」

P「……本当に、もう会えないのか?」

貴音「……えぇ」

P「……わかった。そこまでいうなら、仕方ない。……でも、俺は諦めない。また会おう、貴音」

貴音「……これまで、ありがとうございました」

189: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 01:21:31.87 ID:eE/kAwF5P
貴音「元から私たちは相容れぬ存在」

貴音「貴方様を思うあまり盲目になってしまい、貴方様のことは愚か自らさえ見えないほど夢中になっておりました」

貴音「……まさに秋の鹿は笛に寄る。ですか」

貴音「何人の仲間を失ってしまったのでしょう」

貴音「駆け落ちの末路など、最初からわかっていたこと」

貴音「ならばせめて、この秋に。償いの意を込めて貴方様とは別れを」

貴音「……貴方様、どうかお元気で」

貴音「私たち、互いにこの冬を孤独に生きようではありませんか」

貴音「1年の熱い恋を冷まし、これからを生きるために」



貴音「……お慕いしていますよ、貴方様」


193: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 01:23:58.56 ID:HdSk0XwY0
響「小さいあーきー 小さいあーきー 小さいあーきーみーつけたっ♪」

貴音「ふふっ……響、ご機嫌のようですね」

響「うんっ! 自分は暑いのが苦手だから、暑過ぎず寒過ぎずの秋が好きなんだ!」

貴音「おや? 響は沖縄出身ではないのですか? 沖縄は常夏の島だと聞き及んでいますが……」

響「暑さの種類が全然違うんだよ~。沖縄はカラッとした気持ちのいい暑さだけど、都会はこう……じめっとした蒸し暑い感じ? みたいなさ」

貴音「なるほど、気候の違いというものですね」

響「貴音はそういうの平気そうでいいよね……レッスンとかの運動以外で汗を流してるの、ほとんど見たことないんだけど」

貴音「心頭滅却すれば火もまた涼し……そう言うではありませんか」

響「あんなのありえないでしょ……修行僧じゃないんだからさー」

貴音「私は修行の経験があります」

響「えぇっ!? 貴音って修行僧だったの!?」

貴音「いえ、そうではないのですが……。四条の家のしきたり、とでも申しましょうか。座禅、滝行、針地獄……断食も経験致しました」

195: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 01:24:57.65 ID:HdSk0XwY0
響「貴音が断食? なんかウソっぽいなあ……」

貴音「はい、冗談です」

響「うぎゃーっ! 騙された~っ!!」

貴音「騙すとは失敬な。ただの冗談です」

響「ちぇっ、もういいよ。……あ、銀杏のはっぱだ! こういうの見るとすっごく秋だーって感じるよね!」

貴音「ええ。まこと、風流なものです」

響「ほらほら、太眉だぞ~♪」

貴音「面妖な……黒髪の響には似合いません……。美希ならば似合うと思うのですが」

響「なーんだ……あっ、こっちにもなんか実が落ちてるぞ!」

貴音「実、ですか? ……っ!! なりません、響! それに触れてしまっては……!」

響「ん?」ヒョイッ

貴音「あ……ああ……なんということでしょう……」

196: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 01:25:41.46 ID:HdSk0XwY0
響「貴音? ねぇ、なんで逃げるの?」

貴音「私、近くの薬局かこんびにで石鹸を買ってきます。響はそこを動かぬよう……」

響「貴音ってば! いきなりどうし……ん? なんか臭いなあ……」クンクン

ぷ~ん

響「うぎゃーっ! 自分の手が臭くなっちゃったぞ~!!」

貴音「……銀杏の実の皮は耐え難い悪臭を発するものなのです。私がもう少し早く注意をしていれば……」

響「た、貴音! なんとかしてよ! 自分、こんな臭い手なんてやだよ!!」

貴音「ですから石鹸を買ってくると……」

響「やだやだやだ! 自分が臭いと思われちゃう! 一人にしないでよーっ!!」

貴音「響は臭くなどありません!! このように良い香りが……」

ぷ~ん

貴音「……共に参りましょう。この手袋を付けてください」

響「手袋があるなら早く出してよ! なんでこんないじわるするさー!?」

197: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 01:26:25.51 ID:HdSk0XwY0
貴音「無邪気に遊ぶ響が可愛らしいので、ついうっかり」

響「か、かわいい? ねぇ、自分かわいい? そんなにかわいいかな?」

貴音「ええ、もちろん」

響「そっかあ……えへへ…………ってそんなことじゃごまかされないぞ!」

貴音「申し訳ありません。本当に、ただ鞄に入っているのを忘れていただけなのです」

響「それならそうと言ってよ~……」

ぷ~ん

貴音「……それよりも、早急にその臭いを絶ちましょう」

響「……そうだね。ごめん……」

貴音「消臭した後は、二人で焼き芋でも食べましょうか」

響「さんせーい! 焼き芋大好きだぞ! あ、でも食べ過ぎるのはダメだからね?」

貴音「ふふっ……善処します」


おわり

204: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 01:44:12.62 ID:UY3zXSmn0

あずさ「急にたずねてきたと思ったら……どうしたの、美希ちゃん?」

美希「おねがいっ! 今日だけでいいから、ミキをここに泊めて欲しいの!」

あずさ「え、えぇ!? ……とにかく、理由を聞かせてもらえないかしら」

美希「んっとね……ちょっと、家族とケンカしちゃって……」

あずさ「ケンカ……」

美希「うん。それでね、家出してやるー! って言って、出てきちゃったんだ。だからおねがいっ!」

あずさ「んー……私としては、それでもいいんだけど……。実はね、もう先客が――」

貴音「先ほどからどうされたのです、あずさ?」ヒョコ

美希「うぇえっ!? た、貴音!? なんで貴音が、あずさの家にいるの!?」

あずさ「実は今日、私と貴音ちゃんでね、秋の味覚パーティーをやろうってことになってたのよ」

美希「え? み、みかくパーティー……?」

あずさ「実家から、食べきれないほどの食材を送ってもらったから、それでね」

貴音「ふふっ。食欲の秋、ですから」

205: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 01:48:13.88 ID:UY3zXSmn0

美希「栗ごはん、おいひぃ~の~……♪ おいぎりにひたら……、ゼッタイ、イケるって思うな!」

貴音「この秋刀魚も、脂が乗っていて真……モグモグ……美味でございます」

あずさ「ふたりとも、たくさん食べてね? まだまだ食材はいっぱいあるんだから」

美希「はいなの! えへへっ、それじゃあ~……次はこれっ!」

貴音「私はこれを……」

あずさ「それじゃあ……私はこれ♪ ふふっ」

―――
――


あずさ「まぁ……見事にぜんぶ、無くなっちゃったわね~」

貴音「あずさ、ごちそう様です。大変美味でございました」

あずさ「いいのよー。でも、私のお料理を作るペース、遅くなかった?」

貴音「それは愛情が込められているからこそです。そして、時間をかけて味わうこともまた大切ですから」

美希「ミキからも、ありがとっ、あずさ! …………あふぅ」

あずさ「あら? 美希ちゃん、もうおねむかしら?」

美希「うーん……たっくさん食べたから、おなかいっぱいになって、なんだか眠くなってきちゃったの~……」

206: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 01:52:47.60 ID:UY3zXSmn0

あずさ「あらあら……。それじゃあ美希ちゃん。寝る前に貴音ちゃんとお風呂、入ってきちゃいなさい」

美希「うん! あ、でもでも、あずさは?」

あずさ「私は今から、たくさん仕送りをしてくれた実家の方に、お礼の連絡をしないといけないからね」

美希「そっか~。それじゃあ、ミキもありがとって言ってたって伝えといてほしいな!」

あずさ「うふふっ、まかせておいて。
お母さんも、美希ちゃんみたいなスーパーアイドルにそう言ってもらえたなら、きっと喜んでくれるわ~」

美希「えっへへ……そう、でもあるけどね~♪ それじゃあ貴音、いこ!」

貴音「ええ」

あずさ「行ってらっしゃ~い」



あずさ「さて、と……」

……prrrrr

ピッ

あずさ「……あ、もしもし、プロデューサーさんですか? 夜遅くにすみません、私、あずさです」

あずさ「ふふ、まだ事務所にいてくださって助かりました。実は、教えていただきたいことがあって……」

208: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 01:56:28.11 ID:UY3zXSmn0
あずさ「……もしもし、星井美希さんのお宅でしょうか?
夜分に申し訳ありません。私、美希さんと同じ事務所に所属している――」

―――

あずさ「……はい。ということで、美希さんは今日一日、私が責任を持って……ええ。それでは、失礼します」

ピッ

あずさ「……ふぅ。初めてお話する相手だと、やっぱり緊張しちゃうわ~」

貴音「あずさ」

あずさ「ひゃうっ!? た、貴音ちゃん? お風呂に行ったんじゃ……」

貴音「驚かせて申し訳ありません。あの、ばすたおるの場所を教えていただきたくて……」

あずさ「あ、ああ、ごめんなさいね。バスタオルなら、えっと……」

ガサゴソ

あずさ「……ところで、その、美希ちゃんは?」

貴音「美希なら、先にお風呂に入っていますよ。心配には及びません」

あずさ「そう、それなら良かっ……い、いえ、心配なんて、なにもしていないけどね」

貴音「しかし、先ほどの電話。美希に聞かれてはいけない話でもないでしょう?」

あずさ「あう……やっぱり聞かれてたのね……」

209: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 02:00:46.87 ID:UY3zXSmn0

あずさ「……それでも、ね。美希ちゃんの気持ちも、少しはわかる……かもしれないから」

貴音「あずさにも、美希のような時期があったのですか?」

あずさ「さすがに家出とまではいかないけれど~……。それなりに、上京してくる前は色々とあったからね」

貴音「そうですか……ふふっ、意外な過去があったのですね」

あずさ「うふふっ、私のことをなんだと思っていたの?」

貴音「事務所の皆から慕われる、頼れる母のような存在かと」

あずさ「は、母……」

貴音「ですが、それは違いました。あなたは本当は、姉のような存在なのですね」

あずさ「んー……違いがあるのかしら~……?」

貴音「先ほど、美希もこう言っていましたよ」


『あずさは優しくて頼りになって……、ミキにとっての、お姉ちゃんみたいなヒトなの!』


貴音「と……。ですから、あなたは――」

あずさ「……貴音ちゃん、かわいいわ~……!」

貴音「えぇ!?」

211: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 02:03:58.22 ID:UY3zXSmn0

あずさ「ねえねえ、今の物まね、もう一回やってくれる?」

貴音「お、お断りしますっ。私が伝えたかったことは、そのようなことではなくてですね……」

あずさ「ああん、いいじゃない。私も、貴音ちゃんの意外な一面、もっと知りたいんだもの」

貴音「……み、美希をひとりにさせるわけにはいきません。湯船で寝て、溺れてしまうかもしれませんので」

あずさ「あら、そう?」

貴音「失礼します……」

あずさ「行ってらっしゃ~い♪」



あずさ「……」

あずさ「……お姉さん、か……」

あずさ「ふふ。明日は、貴音ちゃんと美希ちゃんとデートでもしちゃおうかしら?」

あずさ「そうね、朝早くから紅葉を見ながらお散歩して……気の向くままに、喫茶店にでも入って」

あずさ「……美希ちゃんの悩みなんて、ぜんぶ吹き飛ばしあげて……」

あずさ「そして、最後には……いつも私達らしく、ね♪」

お終い

216: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 02:08:44.47 ID:HdSk0XwY0
高木「もう10月か」

黒井「秋だな」

高木「思い返せば、あの日彼女が失踪した日も秋だったような気がするね」

黒井「夢の先が見つからない、だったか? 何を甘ったれたことを」

高木「だが彼女は本当に行き詰まっていたんだろう。我々はそれを強制させてしまった」

黒井「ふん……だから貴様は甘いと言うのだ。私はあの日の選択を後悔していない」

高木「黒井、それは君の本心ではないだろう?」

黒井「……何が言いたい」

高木「彼女が失踪したという報告を聞いた瞬間、君は確かに唇を噛み締めていた」

黒井「……彼女の甘っちょろい考えが忌々しかっただけだ。他意など無い」

217: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 02:09:30.10 ID:HdSk0XwY0
高木「黒井、また手を取り合っていかないか? 彼女も……いろいろあったが、今では笑顔で共に歩んでくれている」

黒井「我々の道はもう違えたのだ。貴様の生温い考えには賛同できんな」

高木「彼女がそれを望んでいたとしても、かね?」

黒井「何?」

小鳥「お久しぶりです、黒井さん」

黒井「音無小鳥……」

小鳥「あの日逃げてしまったのは本当に申し訳ありません。小娘だった私には、あれ以外の選択肢が思い付きませんでした」

黒井「今更謝罪か? くだらない。私は怒ってなどおらん」

小鳥「怒ってない……ですか? じゃあ……」

218: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 02:10:09.34 ID:HdSk0XwY0
黒井「アイドルとは群集に夢を与える者。そのアイドルが夢を失くしてしまってはアイドル失格だ。その時点で君には王者たる風格が欠落していたのだよ」

高木「おいおい、少し言い過ぎではないかね?」

黒井「貴様は黙っていろ。そう、君は私に怒られる資格すら無いのだ」

小鳥「そう、ですね……。私にはアイドルの資格などありません。逃げてしまったんですもの」

黒井「それに君は勘違いをしている」

小鳥「えっ?」

黒井「今の君の役割は何だ? 事務員として、765プロの一員としてアイドル達を導く存在だろう」

高木「黒井……」

黒井「君はアイドル達に慕われている。そしてそこにいる高木もだ。そのような場所に私の入る隙間など存在しない」

219: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 02:11:15.04 ID:HdSk0XwY0
高木「それは違うぞ黒井。彼女達はかつての敵であろうと受け入れる。何故ならばみんないい子達だからな」

小鳥「ふふっ、そうですね。みんな最高にいい子達ですもの」

黒井「貴様らはそれが間違っていると言うのだよ」

小鳥「いいえ、みんな本当にいい子達ですよ」

黒井「そこではない! 何故ならば私は……高木! 貴様が大嫌いだからな!!」

高木「おやおや、嫌われてしまったものだ」

黒井「貴様と同じ空気を吸うだけで虫唾が走るのだ。今日は話を聞いてやっただけでもありがたいと思え」

小鳥「はい、ありがとうございます!」

黒井「ふん……どうにも不愉快だ。失礼する! 釣りはとっておけ」

220: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 02:11:59.02 ID:HdSk0XwY0
小鳥「……ツンデレ、ですか?」

高木「奴のことはよくわからん……。だが小鳥君、黒井と話せて少しはすっきりしたかね?」

小鳥「はい。胸の支えが取れたような感じです! 明日からも頑張らないと!」

高木「それは良かった。さて、まだ10月とはいえ外はもう寒い。この辺りでお開きにしようか」

小鳥「そうですね。でも私はほとんど飲んでいないので、一杯だけ乾杯を」

高木「それもそうだね。何に乾杯しようか?」

小鳥「アイドル達の夢の先に、なんてどうですか?」

高木「ははっ、それはいい考えだ。では……」

高木・小鳥「乾杯」

221: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 02:12:51.58 ID:HdSk0XwY0
黒井「秋の夜空に侘しい壮年男が一人、か。我ながら惨めなものだ」

黒井「不愉快だが、やはり君の前では調子が狂ってしまうようだな……」

黒井「いつか、私の機嫌がいい時にまた会おう。その時は高木も交えて談笑しながら杯でも交わそうではないか」

黒井「君は今の君なりの夢の先を見つけたまえ。私もささやかながら応援しているよ」

黒井「達者でな、小鳥」


終わり

227: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 02:24:21.00 ID:IBeP5LNn0
公園


「……………」

律子「ふー……………」パタン

律子「まさか展開になるとは……次が気になっちゃうじゃない……」

?「あれ?」

律子「ん?」

響「やっぱり律子じゃないかー!」

律子「あら響じゃない、それに貴音まで」

貴音「おはようございます、律子。こんなところ出会うとは奇遇ですね」

律子「ハム蔵もおはよう」

ハム蔵「ジュッ!」

律子「2人とも今日はオフだったっけ?今日はお出かけかしら?」

響「うん!急に寒くなってきたから2人で色々見に行こうかと思ってさ」

律子「うんうん、仲が良くて大変結構」

228: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 02:26:07.41 ID:IBeP5LNn0
貴音「はて、律子はこのような場所で何をしていたのですか?」

律子「私?今日は竜宮もオフだったから、ちょっと溜めてた本でも読もうかなと思って来てたのよ」

響「そうなのかー、でもなんでわざわざ公園まで来て読んでるんだ?」

律子「まぁ肌寒くはなってきたけど今日は暖かいしね、景色を見たり陽に当たりながら読書っていうのもリラックスできて良いものよ?段々紅葉も色づいてきたしね」

貴音「ふふ、とても風流な過ごし方ですね。読書の秋とも言いますし、実に律子らしいです」

響「おおー大人っぽくてなんかかっこいいぞ!ちなみにどんな本を読んでるの?」

律子「それは…………企業秘密よ(恋愛小説なんて言えない…)」

229: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 02:28:05.33 ID:IBeP5LNn0
響「教えてくれたっていいじゃないかー、隠されると自分気になっちゃうぞー!」

貴音「響……人には探られたくないこともあるもの、無理に聞くのはいけませんよ」

ハム蔵「ジュッ!」

響「むー……貴音とハム蔵がそう言うなら分かったぞ……ごめんね律子!」

律子「いやいや、別に気にしなくてもいいわよ」

貴音「律子のことです、さぞ難しい学術書やプロデュースの指南書を読んでいるのでしょう。同じ事務所の仲間とはいえ、我々に話せないこともあるのでしょう」

律子「お、おう」

230: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 02:30:11.49 ID:IBeP5LNn0
律子「で………さっきから気になってたんだけど貴音がさっきから持ってる紙袋は何なの?」

貴音「そうでした。先程そちらで焼きいも屋というものを見かけまして、折角なので食べてみようかと思っていたところなのです」

響「こっちだとああいう風に車で移動して売ってるんだね、自分初めてみたぞ!」

律子「あー、流石に沖縄だとああいう風には売ってないのかしら?最近は減った気もするしね。………しかし随分大量に買ったわね」

貴音「事務所方面に向かう予定でしたので、皆へ差し入れとして持って行こうと話していまして。よければ律子もお1ついかがですか?」

律子「あら、いいの?じゃあ一つもらおうかしら」

231: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 02:31:49.03 ID:IBeP5LNn0
響「それじゃいただきまーす!!………うん甘くておいしいぞ!はい、ハム蔵も食べて!」モグモグ

ハム蔵「ジュッ、ジュジジュッ!」

律子「熱っつつ………うん、まだ時期には早いかなと思ったけど十分甘いわね、美味しい美味しい」

貴音「まこと美味なものです、このように季節の旬の物を美味しくいただけるのは幸せですね」

律子「春と夏にも同じ言葉を聞いたような………気持ちは分かるけど食べ過ぎちゃダメよ?食ロケなんかも増えてくるだろうしね」

貴音「ふふ、心得ています

232: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 02:33:40.50 ID:IBeP5LNn0
響「なんかこういう風に外で食べるのってなんか楽しいね!食べ物も美味しいし自分やっぱり秋が一番好きだぞ!」

律子「あら意外ね、てっきり夏好きなイメージだったけど」

響「こっちに来てから夏好きなイメージしか持たれたことないぞ……暑すぎるのも寒すぎるのも苦手だから春か夏が良いんだけど、やっぱり秋は自分の誕生日があるからな!」

貴音「この前の誕生会も大変盛り上がりましたしね」

律子「そうだったわね、まさか響が感動のあまりガチ泣きしちゃうと思わなかったけど」

響「う、うぎゃー!!感動したんだからしょうがないでしょー!!」

律子「あはは、ごめんごめん」

貴音「とてもかわいらしかったですよ、響」

響「思い出さないでよー!うぅ……今度の美希の誕生会は自分が絶対泣かせてやるんだからな……」

律子「それはあくび以外だと難易度高そうね……」

233: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 02:36:21.56 ID:IBeP5LNn0
貴音「さて、ではそろそろ行きましょうか、響」

響「そだね!あ、律子はこの後ヒマなの?」

律子「うんそうね、特に予定は無いけど」

響「だったら自分達と一緒に買い物行かないか!?」

律子「あら、デートの邪魔しちゃってもいいのかしら?」

響「デ、デート!?じ、自分達そんなんじゃないぞ!?ねぇ貴音!ハム蔵!律子も一緒に行ってもいいよね?」

貴音「ええ、構いませんよ。いつもは律子と共に行動することもできませんしね」

ハム蔵「ジュッ!」

律子「ふふ……ありがと、じゃあご一緒させてもらおうかしら。どこに行く予定なの?」

響「とりあえず事務所に行って、その後はちゃんと決めてないんだけど自分も貴音もあんまり詳しくないからよければ案内して欲しいさー」

貴音「律子、私はこのもんぶらんふぇあというものに………」

律子「また芋食べるの!?はぁ、次は運動の秋がやって来そうね………」


終わり

236: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 02:39:14.63 ID:HdSk0XwY0
愛「秋ですよ───っ!!!!」

涼「わわっ! あ、愛ちゃん! 声大きいよ!」

愛「ご、ごめんなさい涼さん! でもあたし、秋が大好きで! わらびーもちーっ!!」

絵理「愛ちゃん、それは冬?」

愛「あわわっ、間違えちゃいました!! でも秋って本当に素敵ですよね!」

涼「そうだね。落ち葉とか紅葉とか」

絵理「家の中から聞くコオロギの声も、なかなかきれい……」

愛「そう!! 秋といえば秋物バーゲンセールですっ!!」

涼「えっ」

絵理「愛ちゃんの思考が、読めない……?」

237: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 02:40:10.28 ID:HdSk0XwY0
愛「というわけでやってきました! ランジェリーショップのバーゲンセール!!」

涼「ぎゃおおおおん!! なんでランジェリーなの!? ぼ……私、こういうところは苦手で……」

絵理「涼さん、スタイル良いからいろいろ似合うかも。これとか、どう?」

愛「いいですね! 値段は……よーし! 思い切って買っちゃいましょう!!」

涼「ええっ!?」

絵理「その前に、試着?」

愛「あっ、そうですね! 涼さん早く! ほらほら!!」

涼「ちょっ、ちょっと待って! ほ、ほら! 私は試着はしないで直感で選ぶ主義だから……」

絵理「でもサイズ……大丈夫?」

愛「そうですよ! ほらほら、遠慮せずに!!」

涼「それもそうだけど……ってなんで一緒に入ろうとしてるの!?」

238: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 02:41:25.55 ID:HdSk0XwY0
愛「女同士だからヘーキですっ! 何ならあたしも試着しちゃいますよ!」

絵理「三人は狭いから、わたしは隣で……」

涼「ああもう! それなら私が隣に行くから! 愛ちゃん離れて!!」

愛「大丈夫ですって! ほらほら!!」

絵理「愛ちゃんは頑固だから、あきらめるべき?」

涼「やめて!! ホントやめて!!」

愛「脱がしますよー!?」

絵理「……ちょっと、わくわく♪」

涼「ぎゃおおおおん!! りゅんりゅんしちゃうよおおぉぉっ!!」

239: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/22(月) 02:42:15.08 ID:HdSk0XwY0
武田「そう、僕だ」

愛・絵理・涼「!?」

武田「空気など読むな。だが君達は少し騒ぎ過ぎだろう」

愛「は、はいっ! ごめんなさい!」

武田「たまには僕も大人らしく注意するというところを見せてやろう。静かにしたまえ」

絵理「ごめん……なさい……」

武田「そうだ、秋月君」

涼「は、はい」

武田「いい魂の叫びだった……掛け値なしに」

涼「ありがとう、ございます……?」

愛「涼さん、絵理さんみたいになってます! あっ、行っちゃった」

絵理「すこし、騒がし過ぎたみたい。気を付けよう?」

涼「……っていうか、何で武田さんがランジェリーショップにいるんだろう……」

武田「空気など読むな」


TAKEDA END

引用元: P「秋といえば」