1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 08:38:24.08 ID:wz1fiZ3Y0

やよい「え!?」

P「500円をあげるよ。ほら、遠慮しないで」

やよい「で、でも……500円なんて大金、受け取れないですー」

P「大丈夫。これはね、いつも頑張ってるやよいへのご褒美なんだから」

やよい「……ゴホウビ……」

P「そうだよ。さあ、これで卵でも買いなさい」

チャリンチャリン

P「それじゃあ、俺はこれで」タタッタ

やよい「あ……行っちゃった……」




3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 08:41:05.16 ID:wz1fiZ3Y0

やよい「……なんで急に、ゴホウビなんてくれたんだろー?」

やよい「うぅ……使っちゃっていいのかなぁ……」

伊織「やよい」

やよい「あっ、伊織ちゅあん!」

伊織「どうしたの、深刻な顔して。やよい」

やよい「実はね……」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 08:45:33.58 ID:wz1fiZ3Y0

伊織「へえ、あのプロデューサーがそんなことを……」

やよい「うん。でもでも、こんなの私、使ってもいいのかわかんなくて……」

伊織「いいんじゃない? 最近やよいは出ずっぱりだったし、お給料とは別にゴホウビを貰ったってバチは当たらないわよ」

やよい「そうかな……」

伊織「そうよ」

やよい「……えへへ。伊織ちゃんがそう言うなら、使っちゃおうかな!」

伊織「それがいいわ。ところでやよい」

やよい「どうしたの?」

伊織「1000円をあげるわ」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 08:48:36.52 ID:wz1fiZ3Y0

やよい「……」

やよい「伊織ちゃん、なんだかムズかしいこといっぱい言ってから、千円札渡して行っちゃいました……」

やよい「……この千円は、とっとこーっと!」

やよい「それよりそれより! 今日はプロデューサーから貰った500円で、雪国もやしを買っちゃいましょーうっ!」



一日目

P:☆
伊織:☆☆

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 08:52:49.85 ID:wz1fiZ3Y0

二日目

やよい「あっプロデューサー!」

P「おはようだよやよい」

やよい「えへっへ! おっはようございまーっす!」

P「どうしたんだい。今日はいつにも増してゴキゲンだね」

やよい「はいっ! 昨日プロデューサーがくれた500円のおかげで、今朝はお米が食べられたんですっ!」

P「そうかそうか」ニッコリ

やよい「えへへ……今日はどんなレッスンでもお仕事でも頑張れるかなーって」

P「そうかそうか……それじゃあ、やよい」

やよい「なんですか?」

P「今日も、500円をあげよう」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 08:56:53.09 ID:wz1fiZ3Y0

やよい「だっ、ダメです! ゴホウビはそんなにたくさん、貰っちゃいけないんですっ!」

P「そんなことはないよ。やよいはいつも頑張ってるんだから」

やよい「で、でもー……」

P「それに、明日もちゃんと、朝ご飯を食べたいだろう?」

やよい「それなら大丈夫ですっ!」

P「……なんだって?」

やよい「えへへ……昨日あのあと、伊織ちゃんも私に、お誕生日だからってお金をくれて……」

P「誕生日はまだ先だろう? ……それで、いくらもらったんだい?」

やよい「千円ですっ!」

P「……なるほど……」


P(伊織の奴め、大胆な手に出たな)

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 09:01:36.53 ID:wz1fiZ3Y0

P(千円……か。さすがは水瀬財閥のご令嬢と言ったところだ)


P「……それなら、やよい」

やよい「えっ?」

P「500円は受け取ってくれなくてもいい。その代わりに、今日は夜ご飯をゴチソウしてあげよう」

やよい「ええ!? ほ、ホントですかー……?」

P「ああ。もちろん、高槻家全員だ。びっくりドンキーに行くぞ」

やよい「!」


P(正直、この出費は手痛い)

P(しかしながら、今日は伊織は竜宮のイベントで地方に行っている。ここで差を見せ付けてやらなければ……!)

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 09:05:21.10 ID:wz1fiZ3Y0

その夜

やよい「えへへ……ごちそーさまでした! ほらほら、みんなも!」

かすみ&その他「ごちそーさまでした!」

P「いいんだよ。みんなが喜んでくれて、俺も嬉しいさ」

P「ところで、かすみちゃん」

かすみ「なんですか?」

P「……いや、まだいい。ごめんね、なんでもないよ」

P(焦ってはいけない)


二日目 思い出メーター

P:☆☆☆☆
伊織:☆☆

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 09:10:42.06 ID:wz1fiZ3Y0

三日目

伊織「……ぬかったわ……私が地方に行ってる間に、奴がそんな手を使うなんて……」

伊織「びっくりドンキーなんて、庶民に手が出せるとは……一体どれほどの……」ブツブツ

やよい「伊織ちゃん?」

伊織「どうしたのよかわいいわね」

やよい「え?」

伊織「なんでもないわ……」

やよい「えへへ……肉を喰らったのはとっても久しぶりだったから、すーっごく嬉しかったですーっ!」

伊織「そう……」


伊織(……でも、ここで差を付けられるわけにはいかないわね)

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 09:14:23.53 ID:wz1fiZ3Y0

伊織(にひひ♪ このスーパーセレブアイドル水瀬伊織ちゃんの真の力を見せてあげるわ)


伊織「やよい」

やよい「どうしたの?」

伊織「今日は、私の家に招待するわ」

やよい「え!?」

伊織「こないだ、私もやよいの家にお邪魔しちゃったでしょ? そのお返しよ」

伊織「もちろん、高槻家全員で来てくれて構わない。最高のおもてなしをさせてもらうわ」

やよい「……で、でも……」

伊織「決まりね」

やよい「うぅ……」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 09:18:29.15 ID:wz1fiZ3Y0

その夜 765プロ事務所


伊織「……」

伊織「新堂に手配させて、最高のシェフ、最高のベッド、最高のうさちゃんを用意させた」

伊織「あとはやよいが事務所に帰ってくるのを待って、一緒に家に行くだけ……」

伊織「……なのに……」

小鳥「あぁ~ちくっしょう!」カチカチ

伊織「なんでやよいは」

小鳥「うわああんもう! なんなのよっ、ちょっと理不尽すぎない!? ラブリこの譜面!」カチカチ

伊織「うるさいわねぇ……」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 09:22:44.66 ID:wz1fiZ3Y0

伊織「ねぇ、小鳥」

小鳥「なあに? ……お、あまとう出現」カチカチ

伊織「ちょっとPSPから目を話して私の話を聞いてちょうだい」

バッ

小鳥「ああっ春香ちゃんが!」

伊織「やよいは?」

小鳥「え、やよいちゃん? 春香ちゃんじゃなくて?」

伊織「そうよ。いつもだったら、もう事務所に帰ってきてる頃でしょう?」

小鳥「やよいちゃんなら……たしか、今日は……」ガサゴソ

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 09:29:34.79 ID:wz1fiZ3Y0

小鳥「うん、やっぱりそう。今日はやよいちゃん、帰りが遅くなるって連絡があった気がするわ」

伊織「……なんですって?」

小鳥「なんでも収録が長引いちゃってるみたいで……何か約束でもしてたの?」

伊織「ま、まぁ……ちょっとね」

伊織(誤算だった)

伊織(やよいのスケジュールは完璧に把握していたはずなのに……こんなトラブルがあるとは)

伊織「……ところで、今日のやよいには、やっぱりアイツも付き添ってるわけ?」

小鳥「アイツって……プロデューサーさん?」

伊織「ええ」

小鳥「違うわよ。今日はアイドルたちだけで行かせるってことになってるから」

伊織「……たち?」

小鳥「そう。やよいちゃんと……響ちゃんよ」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 09:32:07.90 ID:wz1fiZ3Y0

収録スタジオ

響「……あっ! こおらハム蔵! そっちじゃなくて~……」

カーット!

監督「んもう、しっかりしてよね響ちゃん」

響「うえ~……ごめんなさーい……」

やよい「……」

チラ

やよい(うぅ……もうこんな時間……伊織ちゃん、待ってるよね……)

響「……」



響「よくやったぞハム蔵」

ハム蔵「ヂュイ」ニヤリ

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 09:38:52.48 ID:wz1fiZ3Y0

響「あんまりしつこいと、疑われるかもしれない……次はOKを出そう」

ハム蔵「ヂュ?」

響「え? ……ううん、大丈夫大丈夫! あと何度か今日中に撮らなきゃいけないシーンはあるし……」

ハム蔵「ヂュヂュ」

響「そのとおりさー! だからね、このまま行けば……ムフフ」


やよい「……ごめんなさい、監督さん」

監督「どうしちゃったのやよいちゃん?」

やよい「あの、ちょっと電話をしてきてもいいですか?」

監督「電話? ん~、しょうがないわねぇもう。それじゃあ15分休憩するから、その間にかけてきちゃいなさい」

やよい「はいっ! ありがとうございまーっす!」

監督「アタシもヒゲを剃ってこようかしら」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 09:44:27.66 ID:wz1fiZ3Y0

765プロ事務所

伊織「……そう、そうなの……わかったわ。ううん、気にしないで。それじゃあ……」

ピッ

小鳥「ねぇいっぱいいっぱいいっぱいいっぱいあ・な・た・の・声・を」カチカチ

伊織「……」

伊織(恐らくこれは、響が意図的に収録を遅らせているわね)

伊織(……響、恐ろしい子……!)

伊織「ああもう! 約束がパーになっ」

小鳥「やったあああフルコン!」

伊織「うるさいわねもうっ!」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 09:49:41.55 ID:wz1fiZ3Y0

再び収録スタジオ

スタッフ「おつかれさまでしたー」

やよい「うっうー! ありがとうございましたーっ!」

響「ね、ねぇねぇやよい」

やよい「響さん! どうしたんですか?」

響「あの……ごめんね。自分のせいで収録長引いちゃって……」

やよい「……だいじょーぶですっ! 私、まだまだ元気いっぱいですよーっ!」

響「でも……なんか約束、あったんでしょ?」

やよい「え……な、なんでそれを……?」

響「ずっとやよいのことだけを見てきたから……自分、それくらい知ってるぞ」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 09:55:01.02 ID:wz1fiZ3Y0

やよい「……えへへ。私のことだけを見てきたって……」

響「うあっ! ち、違うぞ! そ、そそ、そういう意味じゃないんだからねっ!?」

響「ただ、可愛い顔してずっと時計を気にしてたから、それで……」

やよい「えへへ……」

響「も、もう! ちがうんだからぁ……」カァァ



響(ツンデレを持ってツンデレを制す)

響(へっへーん! これで伊織のことは、ちょっとは頭の中から消えて無くなったはずさーっ!)

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 09:59:24.87 ID:wz1fiZ3Y0

響「それでさ、お詫びと言っちゃなんなんだけど……今日は、自分の家に泊まりに来ない?」

やよい「え!?」

響「今からじゃもう、バスもないし……駅まで歩いて言ったら、着く頃には終電も無くなっちゃってるから」

やよい「そーなんですかー……」

響「自分の家、ここからすぐ近くなんだ! だから」

やよい「でも」

響「ホテルに泊まると律子から経費が経費がって言われちゃうし! ね! ね!」

やよい「……わかりましたっ! えへへ、それじゃあ、お邪魔しちゃいますねっ!」

響「ムフフ」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 10:03:49.86 ID:wz1fiZ3Y0

響ちゃんの家

響(都会の電車は苦手だけど、今日この瞬間のために勉強してきて助かったぞ)

響(このチャンスを逃すわけにはいかない)



響「……それじゃあ、どうぞ」

ガチャ

やよい「はーいっ! おっじゃましまーっす!」

響「ふっふっふ……」

やよい「はわわっ! ペット達がいっぱいですー!」

響「好きなだけ戯れてもいいぞ……」


響「今日からやよいも、その一員になるんだからね……」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 10:07:36.20 ID:wz1fiZ3Y0

響「やよい。えs……じゃなくて、ご飯だぞ」


響「おいしい? えへへ……良かった、喜んでくれて」


響「さあやよい。お風呂に入ろうか」


響「自分が洗ってあげるぞ」


響「遠慮することないさー。大丈夫、これも飼い主の役目だから」


響「……えへへ……気持ちいい? やよい……もっとゴシゴシしてあげるね」


響「やよい……」




三日目 思い出メーター

P:☆☆☆☆
伊織:☆☆
響:★★★★★

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 10:11:21.18 ID:wz1fiZ3Y0

四日目 765プロ事務所


P「……」

伊織「……」

P「伊織」

伊織「言いたいことはわかっているわ」

P「……そうか」


伊織「同盟を、組みましょう」

P「……ああ。このまま響の思い通りにさせるわけにはいかない……!」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 10:15:36.43 ID:wz1fiZ3Y0

伊織「まずは、情報の共有ね」

P「そうだな。俺の方には、今朝やよいから連絡があった。今日は体調不良だから来れないと……」

伊織「そう……トーゼン、それだけじゃないわよね?」

P「もちろん。耳を澄ませて、俺は聞いたんだ……春香の声をな」

伊織「正確には……」

P「ハム蔵の声だ」

伊織「……」

P「おそらく、今やよいは、響の家に監禁されている」

伊織「それでも、体調不良だとウソをついてまでそれを隠そうとした……」

P「ああ……」

 

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 10:35:15.55 ID:wz1fiZ3Y0

伊織「……私は昨日、響にまんまとやられたわ」

P「というと?」

伊織「やよいと約束をしていたのよ。私の家に招待するってね」

伊織「でも、響とハム太郎が不自然にNGを連発してしまったせいで、時間が無くなってオジャンになってしまった……」

P「ははっ、俺にとっては好都合だったかもな!」

伊織「……プロデューサー?」

P「……すまん。冗談だよ。今や俺たちは仲間だ」

伊織「一時だけどね。にひひっ♪」

P「しかし……これで一層、響への疑いが深まったな。もはや確定と言ってもいい」

伊織「ええ」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 10:37:21.89 ID:wz1fiZ3Y0

P「しかし、どうすれば……」

伊織「そうね……いきなり突入するって言っても」

千早「私に任せて」

P「教祖!」

千早「話は夢の中で聞きました。高槻さんが大変なことになっているみたいですね……」

伊織「……」

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 10:44:15.98 ID:wz1fiZ3Y0

伊織「……どういう風の吹き回し?」

千早「何か問題でもあるのかしら?」

伊織「あんたは決して誰とも群れず、やよいとも一定の距離を保つ中立派だったじゃない」

千早「中立、だからこそよ。ルールを破り、均衡を無理矢理に崩す我那覇さんを見過ごすわけにはいかない」

伊織「……」

P「……伊織。疑う気持ちはわかるが、ここは……」

伊織「わかってる、わかってるわ……」

千早「……」

伊織「……千早。いずれは裏切ると考えてもいいのね?」

千早「もちろん、それでいいわ。完全にあなた達の味方になったと思ってもらっても困るもの」

伊織「そう……」


伊織(考えるのよ、知将いおりん)

伊織(ここはどう動くのが最適解かを……)

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 10:50:17.95 ID:wz1fiZ3Y0

伊織「……わかったわ」

千早「そう。よかったわ、納得してくれて」

伊織「完全に納得したわけじゃない。あんたは何を考えているかわからないからね」

千早「……それでも、この気持ちだけは確かよ」

千早「高槻さんを愛する気持ち」

伊織「……」

P「……」

千早「……行きましょう」

伊織「ええ」

P「そうだな」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 10:54:17.87 ID:wz1fiZ3Y0

ブロロロ……キキィー

ガチャ

伊織「……着いたわね」

P「ああ……響の家だ」

千早「……」



千早(ふ、ふふ……)

千早(……やはり、甘いわね。プロデューサー、水瀬さん)

千早(ククク……)

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 11:01:11.54 ID:wz1fiZ3Y0

P「……」

ピンポーン

伊織「……」

ピピピピピピピンポーン

ピピピピピピピピピピンポーン

P「ひーびーきーちゃーん」

伊織「あーそびーましょー」

P「いーるんでしょー」

伊織「でーてきなさーい」

P「出ないと」

響「ああっ、もう! なんなの、近所迷惑でしょ!」ガチャ

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 11:05:45.46 ID:wz1fiZ3Y0

響「……自分、今日はオフだぞ。なんで家に来てるの?」

P「いやまあな、ちょっと聞きたいことがあって」

伊織「まどろっこしいこと一切抜きで聞くわ。やよい、ここにいるんでしょ?」

響「……知らない!」プイ

伊織「あら。しらばっくれる気なのね。それならいいわ、強制捜査させてもらうから」

響「やっ、やめてよ! きょ、今日は部屋が散らかってるから、はいらな」

ギュッ

響「え……?」

千早「……我那覇さん」

響「ち、千早……?」

千早「会いたかった……」ギュー

響「え、え、え……?」

P「お邪魔します」

伊織「うわっ何これ、まるで動物園じゃない」

響「あ、ああー!」

72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 11:08:24.73 ID:wz1fiZ3Y0

P「さあて、やよいはどこ……に……」

伊織「ちょっとどうしたのよ、さっさと……奥……に……」


P「」

伊織「」



やよい「……にゃ?」

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 11:12:01.35 ID:wz1fiZ3Y0

やよい「ああ! ぷろにゅーにゃー! いおりにゃんも!」

P「ぽぇー……」

伊織「きー!」

みょんみょん

伊織「もーっ!」

カッ

ドカーン

千早「ふたりともどうし……た……」

やよい「ちはやにゃんっ!」

千早「……ね、猫耳、猫尻尾……!?」

響「あうう……」

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 11:15:50.80 ID:wz1fiZ3Y0

千早「なんということなの……」

やよい「にゃにがですかにゃーっ?」

千早「……」

響「うう……自分の 癖がバレちゃったぞ……」

千早「……尻尾はどうやって……」

クル

やよい「はわわ……」

千早「」

響「ちょうどいい入れる場所がそこしかなかったから……」

千早「ふぇぇ……」

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 11:20:49.92 ID:wz1fiZ3Y0

千早「だっダメよ、高槻さん! そこの穴はそんな風に使うものじゃ……えいっ!」

グイ

やよい「ああっ! んっ……!」

千早「……えい、えい」

クイクイ

やよい「や、やめてくだにゃい……んっ……」

千早「……」

P「いやあ、いいもんだね」

伊織「そうね」

千早「思わず心のxxxが反応してしまいます」

響「えへへっ! でしょでしょ!」

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 11:27:27.20 ID:wz1fiZ3Y0

P「……なあ、伊織」

伊織「どうしたの」

P「俺たちは……間違っていたのかもしれないな」

伊織「……どういうこと?」

P「……俺たちはさ、少しずつ、少しずつでいいから……やよいと距離を縮めようと頑張ってきた」

伊織「お金をあげたり、食事に誘ったりしてね」

P「ああ……でも、今この光景を見て思ったんだよ」



千早「ほーらほら、猫じゃらしよ~」

やよい「にゃっ! にゃにゃ!」



P「やよいの心を掴むのは……決して、お金なんかじゃないんだってさ」

伊織「……そうね」

86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 11:36:12.23 ID:wz1fiZ3Y0

P(――こうして、やよいを巡る騒動は終わりを告げた)

P(……心……)

P(それは決して、お金では買えない。今回は響に教えられてしまう形になってしまったな)

P(やよいの笑顔を見て、俺は改めてそう思ったのであった……)


おわ



P「……あれ?」

伊織「どうしたのよ」

P「……千早とやよいの姿が……見えない」

響「え!?」

88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 11:41:14.78 ID:wz1fiZ3Y0

??の部屋

千早「……連れてきたわ」

やよい「……すぅ……すぅ……」

??「ふふっ。ありがと、千早ちゃん♪」

千早「効果テキメンね、あなたのクッキー」

??「えへへ……そりゃあ、たーっくさん、『愛情』込めましたから!」

千早「……これで、高槻さんの家族は解放してくれるのよね?」

??「んー……そのことなんだけどね」

千早「……」

??「かすみちゃん。あの子、かわいいよね」

千早「……っ! あ、あなたという人は……!」

??「ああ、怒らないで。千早ちゃんももちろん、負けないくらいかわいいよ♪」

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 11:46:16.35 ID:wz1fiZ3Y0

千早「……話が違うわ。私は高槻さんと一緒に帰らせてもら――」

クラッ

千早「……!?」

??「あ、気が付かなかった?」

??「この部屋にはね、やよいに食べさせたクッキーと同じ成分のモノが……って」

千早「……は……る……」

??「……もう、寝ちゃったかな」


春香「うふふ……」

春香「ずーっと、一緒だよ、千早ちゃん……やよい……」

92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 11:52:34.59 ID:wz1fiZ3Y0

P(――やよいを巡る戦いは続いていく)

P(姿を消したやよい、千早……)

P(千早が何を考えていたのか……その真相が明らかになるのは、まだまだ先の話)


P(……しかし、俺たちには、たった一つの武器がある)

P(それはお金でもない。豪華な食事でもない)

P(団結……絆……その力が、きっといずれ、再び俺たちとやよいを出会わせてくれることだろう)


P(俺たちの戦いは、これからだ!)


引用元: P「ほうらやよい。500円をあげよう」