1: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 00:36:52.11 ID:0+i0+J790
魔王「後悔している」

勇者「何してんだ、早く飯持ってこいよ。もしくはトイレットペーパーでぐるぐる巻きになって窒息して死ね」

魔王「あ、はいただいま・・・」シュン

魔王「こんなはずじゃ無かったのに・・・」



3: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 00:40:57.14 ID:0+i0+J790

~三日前~

魔王「やっぱFF面白いわー」ピコピコ

臣下「魔王様!」

魔王「なんだ煩いな、今世界救ってる最中なんだから静かにしろ」

臣下「あ、す、すいません・・・。
じゃなくて魔王様、大変です!大変なんです!」

魔王「うるさいな・・・じゃあ端折って3行で」

臣下「国の一大事ですよ!
勇者です!勇者が派遣されました!」

魔王「えっ」

4: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 00:45:54.75 ID:0+i0+J790
魔王「なにそれこわい」

臣下「だから魔王様、早く勇者を殺しにいかないと・・・!」

魔王「む、無理・・・」

臣下「及び腰になってる場合じゃないでしょう!そんなんだから未だに●●なんですよ!魔王のくせに!」

魔王「だってこわいじゃん勇者とか。無理無理、死んじゃう。
こないだの健康診断の時測った握力左右合わせて40くらいしか無かったし」


臣下「お前はやたらか弱いアピールするJKかよ!
もういいです!私が代わりに行ってきます!」

魔王「こわい」

5: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 00:51:32.89 ID:0+i0+J790
臣下「ただいま戻りました!」

魔王「はやい。それでどうしたの」

臣下「勇者を拉致してきました!」

魔王「えっなんで」

臣下「勇者直々の頼みでして・・・」

魔王「いやなんでだよ、本拠地に親玉連れてくるとかなに考えてんのお前」

臣下「あっ」

魔王「あっじゃないから!勘弁しろよ貴様!」

勇者「おい」

魔王・臣下「ビックゥ!!」

6: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 00:53:36.42 ID:0+i0+J790
魔王「あ、はい何でしょうか・・・じゃなくて何だ勇者よ(うわっ金髪とか超怖いんですけど不良かよ・・・)」

勇者「トイレいきたいんだけど」

魔王「えっと・・・廊下を曲がってすぐの扉です・・・だ」

勇者「分かった。あとお前髪型ださいな」テクテク

魔王「」

8: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 00:55:23.74 ID:0+i0+J790
勇者「何故俺がここに来たか分かってんだろうなこのトリアタマ」

魔王「あ、は、はい・・・(うっせーよ髪型には突っ込むなよパパに言われてんだよ・・・)」正座

勇者「良し、じゃあ死ね」チャキン

魔王「ちょっ、ちょっと待って下さいよ!!!」

勇者「あぁ?」

9: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 00:57:18.24 ID:0+i0+J790
 

魔王「お、王様にどれだけ額を頂いてるかはわかりませんが!」

魔王「その三倍・・・いや四倍は出すからどうか私の臣下になっていただけませんでしょうかいやせめてころさないで!?」

臣下「いや無茶でしょおい」

魔王「ですよねー!?」

勇者「四倍・・・か」

魔王「えっ」

臣下「えっ」

10: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 01:00:46.49 ID:0+i0+J790
魔王「えっなにそれえっ」

勇者「うるさいワックス掛けたてのフローリングの上に落ちたバナナの皮で滑って転んで舌噛み切って死ぬか黙れ」

臣下「バナナの皮があるなら別にワックス掛けたてのフローリングじゃなくても

勇者「うっせぇ死ね」ボンッ

臣下「ギャァァァァァ・・・・」

魔王「なにこれこわい」

12: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 01:06:56.60 ID:0+i0+J790
魔王「えっつまり臣下になってくれるの」

勇者「保険と週休6.9日とボーナスと三食昼寝付けてくれるなら」

魔王「怠け者だなおい」


~こうして勇者を魔王城に閉じ込めることに成功したわけだが・・・


13: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 01:10:16.19 ID:0+i0+J790

魔王「正直もう心折れそう」

勇者「肩が凝ったぞ肩揉むか糠味噌にはまって非業の死を遂げろ」

魔王「揉ませていただきます・・・」モミモミ

勇者「力強い、死ね」ドガッ

魔王「ぐふぉっ!?サ、サーセン・・・」ビクビク



15: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 01:17:18.49 ID:0+i0+J790
魔王「こんなDV生活もう耐えられない・・・」メソメソ

勇者「おいそこの魔王みたいな軟体動物」

魔王「腕が複雑骨折したのは100%貴方の責任なんだが何だ勇者よ。
あと逆じゃないかってすいません僕は軟体動物ですタコの癖に生意気言ってすいませんだからその振り上げた拳をどうぞお納めください勇者様」ガクガク

勇者「暇だ。何か面白いことしろよ」

魔王「無茶振りの典型例きた!?」


17: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 01:25:38.94 ID:0+i0+J790
魔王「い、いやそう言われても・・・。私はこれから学校なんでな」

勇者「魔王の癖に学校あんのかよ死ね」

魔王「あ、なんか貴様の『死ね』は口癖だと思い込めばまだいけそうな気がしてきた
わ、私はまだ見習い魔王だからな・・・。
パパに言われてるし、帝王学とか集団生活とか学ばないといけないんだ」

勇者「中卒の俺に対する嫌味かよ。
ボットン便所に沈んでいきつつ走馬灯で今までの人生の嫌なことだけ思い出しながら静かに召されろ」

魔王「貴様中卒なのかよ」

勇者「俺が中卒だからって時給840円しか出さないって言った王様と    キスしながら纏めて死ね」ドゴォッ

魔王「ごふぅっ!?」


18: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 01:31:02.93 ID:0+i0+J790
~学校~

魔王「あ、朝から酷い目にあった・・・」
トボトボ

魔物1「よぉ坊ちゃん!朝からシケた面してんなぁ!」ドンッ

魔物2「マオーサマのシケた面見てるだけでこっちまで不景気になってきたわー」ギャハハハ

魔王「ま、魔物先輩・・・」

~教室~

魔女「うわっ出たよ魔王サマ」ヒソヒソ

猫娘「こないだ机隠したら三日も登校してこなかったのに良く顔出せるよねー」クスクス

魔王「・・・・・・」グスン



19: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 01:34:28.83 ID:0+i0+J790
~魔王城~

勇者「暇だ」

臣下「はぁ・・・そうですか」ブォォォーン

勇者「掃除機掛けてないで構ってくれミイラ男さん」

臣下「ミイラ男なのはこないだアンタにやられたからですよホラ掃除の邪魔です足上げて」

勇者「お前はオカンか」

20: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 01:38:07.10 ID:0+i0+J790
勇者「オカンと言えば」

勇者「トリアタマの親はどうしたんだ、パパとか言ってたが」

臣下「・・・・・・・」

勇者「・・・爪って何で手足合わせて20枚もあるか知ってるか?
神様が他人から20もの真実を聞き出すために・・・」

臣下「すいませんすいません喋りますから爪剥がないでくださいごめんなさい!」


21: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 01:49:47.59 ID:0+i0+J790
臣下「先代魔王様は・・・今は業務を息子である現魔王様に押し付けて行方不明です」

勇者「ダメな王様ってか世間一般で言うダメな親父じゃねーか」

臣下「お妃様・・・現魔王様のお母様が亡くなって以来、塞ぎ込んでおられ遂には業務を投げ出してしまったのです」

臣下「魔王様はまだお若く、本来であれば継ぐのはかなり先だったはずなのに・・・。
我々臣下が支えていかなければならないというのに、先代魔王様が行方不明になって以来臣下も随分と減ってしまって・・・。
魔王様もこの間泣きながら帰ってきて三日ほど家に引きこもっておられましたし」

勇者「・・・・・・・(何だこの複雑な家庭環境)」

22: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 01:54:28.07 ID:0+i0+J790

魔王「た、ただいま・・・」

臣下「どうしました魔王様、まだ昼前ですよ。
また給食に嫌いな八宝菜でも出ましたか」

魔王「小学校時代の黒歴史を掘り返すのはやめろ!そうじゃない・・・。
私は部屋に戻る、晩飯はいらん・・・」グスッ

臣下「あっ、魔王様!」

臣下「行ってしまった・・・」

23: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 01:58:36.54 ID:0+i0+J790
魔王「くそっ、みんな私を馬鹿にしやがって!」クッションドスドス

魔王「私だって、私だって一応とはいえ魔王なんだぞ!」

魔王「くそっ・・・悔しい・・・」メソメソ

勇者「そうか。なら棒付きキャンディ加えて歩いてる所をうっかり転んで脳みそ串刺しにして死ね」ドカッ

魔王「ぐふっ!?!?」

27: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 02:07:14.94 ID:0+i0+J790
 
魔王「腕が曲がっちゃいけない方向に曲がってしまった!?
じゃなくて何故ここに!?鍵は・・・!」

勇者「ピッキングしやすい扉ですね!」

魔王「爽やかに言うな!一応私は雇い主だぞ、出ていけ!」

勇者「命令すんな死ね」

魔王「す、すいません・・・」

29: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 02:12:14.03 ID:0+i0+J790
魔王「そ、それにしても何の用だ・・・」ビクッ

勇者「お前親いないんだってな」

魔王「直球キター!?!?」

魔王「いや、なんつーかそういうのはもっとこうオブラートに包んで言うもんじゃないだろうか!世間的に!」

勇者「俺はボンタンアメの包みすら綺麗に剥がして食うほどオブラートが嫌いだ」

魔王「反論すべきとこはそこじゃないだろう!」

30: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 02:16:20.11 ID:0+i0+J790
魔王「ぐぅ・・・!だ、だとしても貴様には関係のない事だろうが!
いいからさっさと出ていけ!」

勇者「関係ないことあるかよ!」

魔王「えっ・・・」

勇者「親がいないって事はなぁ・・・大変なことなんだよ!
臣下がいるから分かってないだけだ!
それに・・・!」

魔王「ゆ、勇者・・・」ホロリ

勇者「親がいないなら給料は誰が払うんだ!?給料待たないぞ俺は!」

魔王「」

31: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 02:21:02.03 ID:0+i0+J790

魔王「あ・・・うん。給料、給料ね・・・。
給料ならパパの残してくれたのが山ほどあるから・・・うん。」

勇者「なら良い。良かったな危うく海のモズクになるところだったぞお前」

魔王「せめて藻屑にして貰えないだろうか・・・。まぁ良い、それだけ言いにきたんなら早く出てってくれ。
私は一人になりたいんだ」グスグス

勇者「よし、一人で毛布と同化しながら一人さみしく死ね」スタスタバタン

魔王「・・・もう魔王とか嫌だ」メソメソ

32: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 02:25:54.41 ID:0+i0+J790
勇者「・・・さて」

勇者「契約通り6分だけ働くか」

勇者「明日筋肉痛怠いわー」ボリボリ

勇者「てか俺学校って嫌いなんだよな、まとめて滅びればいいのに」

勇者「えい」ポンッドガガガーンラガラガラ

33: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 02:30:32.83 ID:0+i0+J790
~翌日~

魔王「」

臣下「」

勇者「さぁこれでお前は学校に行かなくても良くなったな。
楽しい御学友もろとも木っ端微塵だし」

臣下「これはひどい」

魔王「私の輝かしい学歴が・・・!」

勇者「中卒の僻みなんかじゃないよホントダヨ」

魔王「し・・・し、死ねぇー!」ワーン





34: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 02:33:50.29 ID:0+i0+J790
勇者「良かれと思ってやったのに浴びせられる酷い罵声」

勇者「魔王ってやっぱりひどい」

臣下「何言ってやがるこの悪魔は」

臣下「しかし学校を木っ端微塵にするなんて・・・。
この騒ぎで先代魔王様が帰ってきたらどうしましょう・・・」

勇者「給料もらう」

魔王「死ね」

35: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 02:39:46.89 ID:0+i0+J790
魔王「なんかもう地球上のみんな鼻にマスタード詰めて窒息死すればいいのに」

勇者「荒んだ目をしてるな」

臣下「誰のせいですか誰の」

魔王父「息子がぐれちゃった・・・」ヒョコッ

臣下「えっ」

魔王「えっ」

勇者「えっ誰」

36: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 02:46:35.15 ID:0+i0+J790
魔王父「ただいま。元気にしてたかな
あ、これはお土産のスライム肉まんだ」

魔王「えっ、ありがとうえっ」

魔王父「お前の学校が生徒もろとも吹き飛んだと聞いて帰ってきたのだ」

臣下「あっそれならこの男の仕わz」ゴキュッ

勇者「初めましてお父さん、この度首が180度回ってしまった臣下くんに変わりまして魔王様のお世話をしてます田中です」


37: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 02:50:04.81 ID:0+i0+J790
魔王父「そっ、そうか田中くんか」ビクビク

勇者「魔王くんとは仲良くさせて頂いてまして・・・はっはっは」

魔王父「ほう、魔王の?
こいつは内気で中々友人ができなんだ、仲良くしてやってくれると嬉しいのう」

勇者「お安い御用ですよはっはっは」

魔王「えっちょっと」

38: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 02:55:04.36 ID:0+i0+J790
魔王「冗談きついz」ムガッ

勇者「ほら、魔王くんもこう言ってますしこれからも仲良くしたいですねええ」

魔王「むぐーっ!むぐぐー!」

魔王父「仲が良いことは美しいのう」ホロリ



40: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 03:01:24.57 ID:0+i0+J790
魔王父「これでワシも気兼ねなく旅を続けられるのう・・・うん?
・・・この馬鹿息子がぁー!!」ドグオッ

魔王「っ!?」ドサッ

勇者「わお」

魔王父「貴様・・・魔王ともあろうものがFFとはどういうことだ!
世界を救ってどうするのだ、ワシは常日頃から『勇者のくせに生意気だ』しかやってはいかんと言っておいたであろう!」

勇者「それは良いんだ・・・」


41: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 03:08:08.76 ID:0+i0+J790
魔王父「貴様は大体昔から甘いのだ!
魔王の息子のクセにウルトラマンや仮面ライダーが好きとはどういうことだ!」

勇者「こっちでもやってるのかウルトラマン」

魔王「いやしかしパパ・・・じゃくて父上の仰るようなキャラを尊敬しろと言うのは些か無理があるのではないでしょうか!」

臣下「そ、そうですよ!あと魔王様はウルトラマンや仮面ライダーだけじゃなくてストレッチマンも大好きでしたよね!」

魔王「お前は黙れ!」


42: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 03:10:06.69 ID:0+i0+J790
魔王父「バルタン星人やショッカーに憧れるのが我々魔族という生き物なのだ!
ええい、この軟弱者が!
そんな貴様に言っておこう、人間の国では勇者が行方不明になったそうだな」

魔王「!!」

臣下「!!」

勇者「あっ忘れてたやばい」

43: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 03:15:14.56 ID:0+i0+J790
魔王父「どういった経緯で勇者がいなくなったのかは知らぬが、魔王に対抗する唯一の希望である勇者が破れたとなって人間共は色めき立っておるわ」

魔王父「国の兵を総て率いた軍隊がこの国に向かってきているそうだ。
未熟な貴様に代わってワシが片付けてやろうと思っていたが気が変わった!」

魔王父「貴様の力でこの軍勢を滅ぼせ!ワシの息子ならできる筈だ!」

魔王「わ、私は・・・」

44: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 03:18:50.09 ID:0+i0+J790
魔王「私は・・・」

魔王父「ワシの命令が聞けないと言うのか!実の父の命令が!
人間共を滅ぼし尽くすだけの簡単なこt」

勇者「無茶振り死ねよ」

45: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 03:19:48.55 ID:0+i0+J790
魔王父「えっ」

魔王「えっ」

臣下「えっ」

魔王父「た、田中・・・殿?(震え声)」

46: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 03:24:33.83 ID:0+i0+J790
勇者「お前さぁ、母親が死んだ後の一番大事な時に行方不明になって」

勇者「ガキに業務を投げ出して自分だけ好き勝手して」

勇者「いきなり帰ってきて謝りもせずに何食わぬ顔でさぁ」

勇者「挙句の果てにはガキに虐殺とかさせようとしてんの?」

勇者「死ね。xxxx行ったときに嬢の前で  ずに馬鹿にされて失意のあまり酒に溺れて階段から落ちて頭から肥溜めに嵌まって溺れ死ね」

魔王父「」

47: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 03:29:14.07 ID:0+i0+J790
魔王父「す、すいません・・・」シュン

臣下「ひでぇ・・・ひでぇよ・・・」

魔王「ゆ、勇者・・・?」

勇者「・・・お前さぁ、魔王とかやってて楽しいわけ?」

魔王「な、何を急に・・・!」

勇者「お前のやってるゲームとかさぁ、王道ものばっかじゃん。
ドラクエとかFFとかテイルズとか」

魔王「だ、だから何なのだ!」

48: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 03:33:27.72 ID:0+i0+J790
勇者「お前さ、本当は魔王なんかじゃなくて・・・勇者みたいな、世界を救う側になりたいんじゃないのか?」

魔王父「なっ、何を馬鹿n」

勇者「うっせぇ口の中に猫大量に突っ込んで呪怨みたいな死に方しろ」

魔王父「」

勇者「だからさぁ、お前の本当の気持ちはどうなんだよ。
オニーサン怒らないから言ってみ?多分だけど」

魔王「わ、私は・・・私は・・・」ブルブル

49: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 03:38:09.77 ID:0+i0+J790
魔王「私は・・・本当は魔王になんてなりたくなかったんだ、本当は世界を救う勇者になりたかったんだよ・・・!」ブワッ

臣下「魔王様・・・」

魔王様「む、息子よ・・・」

勇者「あー、はいはいはいはい。分かった分かったから泣くな殺すぞ・・・っと。
これをあげるから泣き止めじゃないと内蔵に香草詰めてから焼く」

臣下「えらく美味しそうですね」

魔王「ゔぇ・・・?ってこれは・・・!?」

50: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 03:43:08.95 ID:0+i0+J790
魔王「ゆ、勇者の剣・・・!?」

臣下「!?」

魔王父「!?」

勇者「そして俺はこの城をもらうから

魔王「えっ、は、はぁ!?」

臣下「ちょっ、ちょっと何を言ってるんですか貴方は!」

魔王父「そ、そうだぞーここはワシの城だぞー(小声)」

勇者「うるさいアブラムシ共は纏めて死滅しろ」

魔王父・臣下「」

51: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 03:49:55.94 ID:0+i0+J790
魔王「そ、そんなの出来るわけがないだろうが!
第一魔族が勇者などと・・・!」

勇者「大丈夫大丈夫、パーティーに居た魔法使いは魔族だったし剣士はエルフだったし、大丈夫大丈夫多分」

魔王「その多分という付け足しが気になるが私には到底無理だ!
魔王が勇者などと・・・!」

勇者「諦めたらそこで試合終了だぞ。
大丈夫だって・・・そんでもって俺がこの城で魔王の代わりをやる。
もちろん悪いこととかしまくるし、人間だって傷付ける」

53: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 04:15:59.02 ID:0+i0+J790
魔王「き、貴様何を・・・!?」

勇者「お前の城と地位を乗っ取るんだよ。
時給840円の勇者とか時給3360円の魔王の部下なんかよりよっぽど良いだろうが」

魔王「お前は・・・っ!」

勇者「転移魔法で城まで飛ばすぞ。
とりまその剣さえ持ってりゃ勇者だと疑われるこたぁないだろうし・・・。
一応持ち主が継承しないと触れない筈だかんな。
そんじゃ、またな魔王・・・じゃなくて勇者様よ」

魔王「待て、やめろ勇者・・・!
勇者ぁあああああああああ!!!」シュンッ

54: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 04:18:44.73 ID:0+i0+J790
~5年後~

臣下「魔王様、お仕事ですよ」ドサッ

魔王「キツい、死にたい」ぐでーっ

臣下「貴方が望んだことでしょうが・・・。
それに最近は人間共が各地で反乱を起こして問題が山積みなんです。
腐ってないで早く案件を片付けて下さい」

魔王「うへぇ」パラパラ

55: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 04:21:39.69 ID:0+i0+J790
臣下「・・・どうしてそこまでしたのですか、元勇者よ」

魔王「・・・・・・」

魔王「・・・俺の仕事は魔王の部下であってその上人間の王の部下でもあったからな・・・。
どっちの願いも叶えるのに一番手っ取り早い道を選んだだけだ。」

臣下「そのためにいつか魔王様・・・いえ、勇者に殺されることになってもですか」

魔王「俺の命とか、スーパーのタイムセールばりに安いもんだよ。平和に比べりゃな」

臣下「貴方はそんなキャラでしたっけか」

魔王「うっせぇ百編回ってわんって言いつつ眩暈を起こして転んで死ね」

臣下「」

56: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 04:25:30.31 ID:0+i0+J790
臣下「・・・それじゃあ私は行きます。
魔王様が・・・勇者がこの城まで迫っているようですので迎え撃たなくては」

魔王「・・・おい臣下」

臣下「はい?」

魔王「悪い。お前を魔王・・・いや、勇者と闘わせることになってしまって」

臣下「・・・・・・私はいつでも『魔王様』だけの部下ですから。
貴方が気に病むことではありませんよ、魔王様。
それだけです・・・では」ギィイ・・・バタン



57: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 04:33:05.85 ID:0+i0+J790
~魔王の間~

僧侶「とうとうここまで来たのね・・・!」

騎士「我々の誇りにかけてここで決着をつけましょう!」

戦士「覚悟しやがれ魔族の王が!」

勇者「・・・・・・」

魔王「勇者・・・遅かったな、この俺を待たせるとか巫山戯てカラーコーンに頭突っ込んで遊んでる内に抜けなくなって一生を終えろ」

勇者「変わらないな・・・貴様は」チャキッ


58: 名も無き被検体774号+ 2012/11/05(月) 04:36:46.27 ID:0+i0+J790
魔王「5年経ってもお前も変わらないな、トリアタマも相変わらずだ」

勇者「私は5年ぽっちで変わるほど薄い人間ではないからな」

魔王「そうか・・・。そろそろお喋りは終わりにすっか」

勇者「・・・魔王。・・・私は貴様を倒すッ!」

魔王「待っていたぞ勇者・・・・さぁ来い!」

(終わり)

引用元: 魔王「勇者を拉致して監禁することにした」