《南方海域》


榛名『南方海域… 岩礁が多く、機動力が生かせない…』

如月「重要なのは小回りが利くかどうか、になる」

ビリー『丁度、こちらの艦は全て小回りが利く。この場所はうってつけだね』

ブシドー「流石我が盟友、良い仕事をする」

マシュマー「どうやらここでは戦闘は行われて居ないようだ」

如月「そうみたい… 榛名さん、戦況は?」

榛名『現在中部海域が乱戦の模様です。既に30%近くが脱落しています』

如月「残り2/3ね。 今の所スコアは私が1、マシュマーさんが1…」

ブシドー「私はゼロだ」

ビリー『ずっとキミ達を東部海域で待ってたからね。敵が寄って来ないんだ』

如月「あぁ、そう言う…」

榛名『…敵意が、来る!』

ブシドー「何っ!?」

ビリー『高熱源体接近! これは…』


巨大な粒子の奔流が如月達に襲い掛かるが3人はそれを辛くも回避する


榛名『大型粒子砲!まさか…!』

如月「『イノベイター』!」

ブシドー「あのデンマーク代表か!」

マシュマー「不意打ちとは卑怯だぞ!」


「これはほんの威嚇、挨拶ですよ」


榛名『そんな剥き出しの殺気で、威嚇ですか』

「貴女程じゃありませんよ、狼さん。それに他の3人からも殺気がダダ漏れですがね」

ブシドー「当然だ…!このような無粋な真似、私は好かん!」

マシュマー「貴様、名を名乗れ!」

リヴァイヴ「僕はリヴァイヴ・リヴァイバル、『イノベイター』の一人さ」

榛名『リヴァイヴ・リバイバル…!』

ビリー『3人共、もう1射のチャージが始まっている!』

如月「戦う気なら…!」

ブシドー「応戦するのみだ!」

マシュマー「これ以上の狼藉は赦さん!」


行動安価 直下

557: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/04(金) 02:15:28.04 ID:NOJXtueg0
榛名『ビリーさん! 一時的にマシュマーさんのサポート権限をそちらに譲渡します!こちらは『クイーンエリザベス・ブレイヴ』のサポートに集中します』

ビリー『了解した! コントロール移譲を確認、サポートスタート!』

如月「2隻は牽制しつつ左右から挟み込んでください! 中央から私が翻弄します!」

リヴァイヴ「おや、3対1とは卑怯じゃないかい?」

ブシドー「不意打ちをする貴様が言う事か!」

マシュマー「卑怯だと罵りたければ罵れば良い!正々堂々正面から戦う気の無い輩は成敗してくれる!」


3隻が散開し、中央から敵艦に向けて如月が吶喊する!


如月「目標を目視で捕捉したわ! データを回して!」

榛名『敵は戦艦、ペーパープラン艦の『アルザス級』と断定! 第一ピリオドと同仕様の超長距離粒子砲装備型です!』

如月「架空艦… でも、使えるって事はレギュレーションには違反してないのね…!」

榛名『アルザス級の基礎設計は第二次世界大戦前、1940年のフランス降伏によって実艦の建造は行われていませんが『H44』や『超大和』と共にレギュレーション上は認可されています』


敵艦捕捉
・アルザス改 長距離狙撃仕様(リヴァイヴ・リバイバル)


リヴァイヴ「よく知ってるね。なら、こちらの性能はご存知の筈! そんなイギリスの旧式戦艦で!」


アルザスから砲撃が放たれ、真っ直ぐ如月のクイーンエリザベスへと砲弾が飛来するが如月はそれを巧みに掻い潜る!


リヴァイヴ「やるね。旧式の分際で」

如月「旧式艦でも舐めないで! こっちは小回りが利く、それに性能だって底上げしてるのよ!」

榛名『艦プラはその出来栄えによって能力が左右されます!いくらベース艦の性能が旧式化していたとしても、艦プラバトルならば匹敵も超越も出来るんです!』

リヴァイヴ「そんなに自信があるなら性能を比べてみようか!」


再びリヴァイヴは砲撃を開始し攻撃を加えるが如月は周囲の岩礁と砲弾を掻い潜ってアルザスを肉薄した!


如月「この位置なら…!」

榛名『照準補正完了!』

如月「今度は、こっちのターンよ!」


クイーンエリザベスの38.1cm3連装砲が火を吹き、砲弾をアルザスに向けて放った!


命中判定 直下
01~39 回避
40~60 至近弾
61~75 小破
76~85 中破
86~95 大破
96~00 撃沈


559: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/05(土) 01:32:25.01 ID:/C0umzip0
その砲弾が船体へと直撃し、アルザスの後部砲塔を抉り取った!


リヴァイヴ「何っ!?」

如月「こちらの有効射程まで肉薄を許したのが貴方のミス…!」

榛名『どうやら粒子砲が鈍重で動きを阻害している… つまり接近戦ならこちらに分があるようです!』

リヴァイヴ「唯の人間の癖に…!」

如月「その人間に翻弄されてる方はどちらかしら。『革新者』の名前が草葉の陰で泣いてるわよ?」

リヴァイヴ「…どうやら、キミは僕を怒らせたようだね」

榛名『この感じ… 如月さん、後退を!』

リヴァイヴ「もう遅い!」


アルザスを肉薄していたクイーンエリザベズの機関が停止し、そのまま船体が停止する。

それに呼応するようにリヴァイヴの瞳は金色に輝いていた。


如月「そんな、エラー!? こちらの操作を一切受けつけ無い!?」

榛名『システムハック…!』

リヴァイヴ「キミ達がいけないんだよ。僕を怒らせたりするからさ!」


大型粒子砲が収束を始め、クイーンエリザベスへとその砲を向ける。


如月「動いて! お願いだから!」

榛名『どのコマンドもエラーを吐き出し続けてる… どうすれば…!』

リヴァイヴ「圧縮粒子、充填完了… 終わりだ!」

如月「やられる… そんな…!」


そして粒子の奔流が放たれようとした瞬間、如月は不敵な笑みを浮かべる。そう、リヴァイヴは既に策に嵌っていた。


如月「な~んちゃって♪ 今です!」


2隻、ミズーリとサセックスが同時にリヴァイヴへと攻撃を仕掛け装備されている大型粒子砲を破壊する!

そしてその誘爆がアルガスを襲った!


リヴァイヴ「ば、馬鹿な!」

ブシドー「通信は全て聞かせて貰った。どうやら、この手で第一ピリオドを勝利したようだな」

マシュマー「貴様!卑怯な輩だとは思っていたが、ただの外道だったとは!」

ビリー『どんな手段でハッキングを仕掛けたのかは知らないけどキミの行いは許される事では無いよ』

リヴァイヴ「通信はクイーンエリザベス以外とは遮断していたのに…!」

榛名『榛名が何も手を打たないとでも? 榛名は一度マシュマーさんのサポートシステムへと接続している、そしてサポート権を譲渡した際にこちらの通信を彼等に流せるように仕向けていたんです。

貴方から感じた悪意、しっかりと榛名には伝わっていますので。ヤマト、やってください』

ヤマト『了解。『クイーンエリザベス・ブレイヴ』、コントロール停止解除。操作をファイターへ』

如月「よし、コントロール権限が戻った… これなら…!」

リヴァイヴ「馬鹿な… コントロール権限を奪い返した!?」

榛名『リヴァイヴ・リバイバル、企みは全部露見してるんですよ。ナチさんからヤマトに送られてきたデータ、その中には貴方方のハッキング経路が示されていた。

だからヤマトにはそれを辿って奪い返して貰ったんです。ヤマト達の『本気』で』

コトノ『後で彼女に仕留められないように、口添えよろしく。あと新しいプランターも』

ヤマト『そろそろ家庭菜園の規模を拡張したいので。出来れば御洒落なものを』

榛名『わかっています。後でカタログ見せてください』

560: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/05(土) 02:01:46.35 ID:/C0umzip0
榛名『目論見が全部潰されて、どんな気持ちですか『革新者』さん? それとも『もどき』さん?』

如月(あ、榛名さんブチギレモードになってる…)

リヴァイヴ「貴様…! リボンズ…!? 了解…」


アルザスが反転し、逃走を図ろうとする。


マシュマー「逃がさん!ここで成敗してくれる!」

如月「追わなくて構いません」

マシュマー「何故だ!ここであの卑怯者を…」

榛名『どの道彼等は終わりです。それにあの損傷状況では逃げたとしても包囲されれば終わりでしょう』

ビリー『しかしまた彼等が行く先でハッキングを仕掛ければ…』

榛名『もう3チームにハッキングの事実を知られているのに目撃者を増やす、なんて馬鹿な真似はしないと思いますよ』

ブシドー「それにだ、あの様な外道の相手は興が乗らん。興ざめにも程がある」

如月「同感、あんなに煽りが効くなんて小物も良い所よ」

マシュマー「悪には悪の報いが、罪には罪の報いが下される。これで奴等も…」

榛名『良くて厳重注意、最悪大会失格でしょうね』

如月「さて、ここに長居は無用よ。移動しましょう」


移動先 直下
・中部海域        補正なし
・北方海域(流氷海域)  回避低下、命中上昇


562: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/06(日) 00:46:26.38 ID:0mTEM+1a0
《北方海域》


榛名『北方海域へと到着、索敵を開始します』

ビリー『しかし戦闘も収まってきてるね』

如月「バトル開始からの経過時間は?」

榛名『20分弱、現時点で50%以上が脱落しています』

ブシドー「ならばこれからは攻めより守りが重要になってくるな」

如月「もう半分以下ならわざわざ敵と戦う必要は無い、規定数になるまで隠れてるか守ってやり過ごせば良いって訳ね…」

マシュマー「無用な戦闘を仕掛けるのは得策では無い、と?」

ブシドー「そうだ。仕掛けるのは余程の物好きか、それとも… 女絡みしかあるまい」

ビリー『そう言えば居たね、去年のロワイヤルに。彼女を次々と  って多数の選手に恨みを勝ったファイターが』

マシュマー「破廉恥な…」

如月「全くね…」



イベント 直下

564: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/06(日) 23:05:59.90 ID:0mTEM+1a0
榛名『艦艇群接近、数7。30秒で接敵します!』

ビリー『1隻だけ突出してる… 囮にしてこちらを…』

如月「待って。発砲してる…? もしかして1隻を追尾して…」

ブシドー「…ビリー、通信を傍受してくれ」

マシュマー「何かあるのか?」

ブシドー「この状況、去年見た気がする」

ビリー『通信傍受完了。流すよ』


被害者の皆さん「「「「「「フェリーニ、覚悟!」」」」」」

フェリーニ「だから!アレはあっちから誘って…」

被害者A「断らないお前が悪い!」

被害者B「今度は妨害してくる奴等も居ない!」

被害者C「お前はここで終わりだ、フェリーニぃぃぃぃ!」



榛名『案の定、ですね』

ブシドー「またか…」

マシュマー「やはり破廉恥だ…!婦女子の敵め、許せん!」

ビリー『所でソコの女子お二人さんはどう思う?』

如月「ああ言う軽いのは好きじゃ無いわ」

榛名『正直今回は見捨てても良いのでは無いかと。関わりも義理もありませんし自業自得ですし』

ビリー『うん、その答えを聞いて安心したよ。でもこの進路上だとこっちに飛び火するかも』

マシュマー「む… ではどうしろと言うのだ」

ビリー『反転&別方向への逃走』

ブシドー「この様な戦闘は興が乗らん。撤収だ」

如月「了解です」

マシュマー「承知した」

フェリーニ「待てよ!助けてくれよ! お前グラハムだろ!」

ブシドー「誰の事かな? 我が名はブシドー、グラハム・エーカーなどと言う名前では無い!」

マシュマー「如何にも他力本願と言うのがな…」

如月「自分で種蒔いて他人に尻拭いさせようなんて最低ね…」

榛名『極力関わりあいになりたくないタイプです』

フェリーニ「毎度思うが俺の扱い酷くねぇか!?」

ビリー『自業自得だよ。 頭と●●nが直結してる自分を恨めば良い』

フェリーニ「キツイ台詞をどうも!」

被害者D「お前達も仲間か!」

如月「え?」

被害者E「フェリーニなんかに手を貸すお前達が悪い!」

被害者F「どうせそこの女共が誑かされ…」

如月・榛名「「…」」ブチッ

ビリー『なんか今物凄く良い音が…』

如月「フォームシフト、アサルト!」

榛名『パワーゲート展開、セーフティー解除! 圧縮粒子艦首に展開、オーバードライブ!』

如月「纏めて、砕け散りなさい!」

565: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/06(日) 23:51:11.05 ID:0mTEM+1a0
フェリーニ「く、糞っ…! 俺まで巻き添えにしやがって…! 艦尾が酷い損傷じゃねぇか!」

榛名『チッ… 本命を外しましたか』

如月「もう一度、次こそ確実に仕留める…!」

フェリーニ「ちょ、待てよ!」

ブシドー「助太刀しよう」

マシュマー「婦女子の敵、ここで成敗してくれる!」

ビリー『今度こそ引導を渡してあげるよ』

フェリーニ「」


『ここで、規定の人数へと達した為試合終了です』


Battle end


榛名「仕留め損ねました」

如月「あんなのと一纏めにされるのって、ほんと嫌になっちゃう」

被害者一同(その巻き添え食らったんですが…)



《榛名の部屋》


榛名「ふぅ… 目立つ損傷もありませんし、続投出来ますね」

榛名(次の第3ピリオド、どうしましょうか…)


人物選択 直下
1.ヤマト『揺るがない友情』
2.ナチ『真実への道』
3.イセ『覚悟の意味』

567: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/07(月) 23:26:50.73 ID:+nw8LWTp0
『真実への道』

ティロリン

榛名「メール… ナチさんから?」

『昨日の件で少しお話があります。研究所に来て下さい』

榛名「ビサイド・ペインの… 行くしかありません」


《研究所 応接間》

ナチ「お越しいただきありがとうございます」

榛名「いえ、今日の一件はナチさんが早く解析して情報を提供して頂けたので出来た事です」

ナチ「しかし無茶を… あれでヤマトのカウンターが成功していなければ大惨事でしたでしょうに」

榛名「ヤマトとコトノなら成功すると信じてましたから」

ナチ「随分と信頼していらっしゃるのですね、彼女達を」

榛名「…『第二次坊ノ岬沖海戦』、二人がどんな考えで戦いを引き起こしたのかは知りません。でも今の二人は、榛名の友であり仲間です。

だから信じています。二人を、『ヤマト』と『コトノ』を」

ナチ「そうですか… でも、今回二人はイセ達の施したリミットを強制解除してしまいました。その事についての説明は…」

榛名「一応ですが、事後報告になりましたが既に瑞鳳さん達に伝達はしています。再びリミットをかける、との事でした」

ナチ「ならば構いません。 では、本題に入らせて頂きます」

榛名「わかりました」

ナチ「昨日、ビサイド・ペインより渡されたデータに記されていたのは『ヴェーダの計画』『ハッキングの経路』『イノベイド側の戦力』そして『拉致すべきターゲットの個人情報』でした」

榛名「ハッキング経路についてはヤマトが辿って、コントロールの奪還を行ったのでこの情報は『真実』ですね」

ナチ「はい。なのでバトル終了後、アタゴが既に経路を潰す作業にかかっています。次にターゲットについてですが、これもおおよそ本物の情報でしょう。

ターゲットの中には榛名さん、そして潮さんや瑞鳳さんも含まれていました」

榛名「やはり転生体を狙って… 都内周辺にも転生体は多いと言うのに…」

ナチ「それに我々が山梨に匿っている過去の拉致被害者の情報も含まれていました。 向こうには既に戦力として夕立さんと『ガルムガンダム』を割いています。

我々の使用する太陽炉搭載型機には光学迷彩機能があるので隠匿しての待機は太陽炉に電気が供給される限り可能ですので」

榛名「ではここの守りは『1.5ガンダム』だけ… イノベイド側の戦力が不明な以上、足りない可能性も…」

ナチ「いえ、舞鶴での戦闘で鹵獲した擬似太陽炉を修復出来たお陰で5機の『ガンダム』を運用出来るようになりました。

『ガルムガンダム』と比較すれば性能は劣りますが、どんな事態のも対処可能かと。あと402さんが『ヘイズル』と榛名さん用にもう1機MSを見繕ってきてくれるそうなので戦力の心配は不要です」

榛名「あれ『クシャトリヤ』では…」

ナチ「アレは貴女に合って無い機体、とヒュウガに言われました。なので他に機体を用意する、と」

榛名「そうですか。でも、なるべくは使いたくは無いですね」

ナチ「MSを使用する、と言う事はお台場を戦火に包むと言う事ですから。なるべくは避けないと…」

榛名「そのためには『ビサイド・ペイン』の協力が必要… でも提供された情報は全て真実とは限らない…」

ナチ「どうするべき、か… 今ウチの大和も瑞鳳さんもそれに悩んでいると…」

榛名「『ヴェーダの計画』は人類を導く計画、でもそれが人に仇なす可能性があれば…」

ナチ「ビサイド・ペインも敵、になりますね」

榛名「一体、どうすれば良いのでしょうね…」

568: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/07(月) 23:53:30.90 ID:+nw8LWTp0
《お台場海浜公園》


榛名「…」

榛名(少なくとも現状、リボンズ・アルマークは敵。 ビサイド・ペインはどうかは解らない…)

榛名「考えれば考えるほど、負のスパイラルに陥っている気がします」

榛名(もう考えても無駄、なのかもしれませんね。 決断する、それしか無いと…)



イベント 直下

570: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/09(水) 01:46:14.75 ID:EM7dTzvy0
リタ「あれ、ママ?」

榛名「リタ… どうしてここに…」

リタ「暇だから散歩。あと体に意識を馴染ませる練習、ってとこ」

榛名「もう馴染み終わったのでは?」

リタ「日常生活に支障が出ないくらいにはね。ただどうしても激しい運動や細かい動作の時には違和感出るし…

春雨みたいに意識を肉体に戻しても動作に違和感が出ないようにシャアがサポートしてくれてる、なんて無いしさ」

榛名「意外と彼も春雨さんを支えているんですね」

リタ「ま、アイツの場合  コンだからかもしれないけどね」

榛名「…一瞬で台無しになりました」

リタ「アイツを持ち上げるのは癪。 それよりママ、悩んでる?」

榛名「え?」

リタ「悩んでるのバレバレだよ。これでも私ママより3年くらい長く生きてから死んでるんだもん、感情の機微くらいならわかるよ」

榛名「実は昨日の、そして今日の一件で悩んでるんです… どうすれば良いか…」



リタ「ふぅん… で、ビサイド・ペインに協力するかしないか決めかねてるって事だね」

榛名「リタは、どう思います…?」

リタ「正直言うと、どうでも良い」

榛名「え…?」

リタ「人を勝手に巻き込むなって感じ。異世界の事もリボンズ・アルマークがどうたらこうたらって話も興味無いし、協力する理由も無い」

榛名「そう、ですよね…」

リタ「でも、もし私の周りに危害が加わるって言うなら全力でぶっ潰す。

私は『フェネクス』に取り込まれた時、いっぱい殺した。ジオンも連邦も見境無くね。だから、もう殺す事に躊躇は無いよ」

榛名「リタ…」

リタ「だからママに危害を加える気なら、イノベイド共も皆殺しにする。 それだけの覚悟はある。

でもママはそれを望んじゃいない。そうでしょ?」

榛名「当然です。娘に人殺しをさせるくらいなら、榛名が…!」

リタ「やっぱりそう言うと思った。私だってママに人殺しはさせたくない。

だけど相手が向かってくるなら倒すしかない… 今の敵は深海棲艦と同じなんだよ」

榛名「深海棲艦と、同じ…」

リタ「深海棲艦の場合は憎悪、リボンズ・アルマークは私欲で誰かを傷付ける。あれは人間やイノベイドじゃなくて人の形をしている、欲望の怪物だよ。

ビサイド・ペインもだ。 計画の主導権を欲しがってるけど、リボンズのように歪まないって保証はどこにあるの?」

榛名「確かに…」

リタ「利害の一致でこっちに情報を流してくれるのはありがたい、でも心を許せるような相手じゃないのはママが一番知ってる筈」

榛名「そうですね… 彼と直接対峙した榛名には…」

リタ「無条件で信じるのは不可能、リボンズを倒してもビサイドと戦う可能性があるから。 

でも利害は一致してる。それに現状は互いに戦う理由も無いし共闘するメリットの方が大きい」

榛名「じゃあどうしろと…」

リタ「さぁね? あとはママが考える事、私が口を出して良い事じゃ無い」

榛名「…」


榛名の選択 ↓3まで多数決
1.共闘する
2.共闘しない


選択肢次第でストーリーが変化

574: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/10(木) 00:18:01.81 ID:MuxKiIiF0
榛名「…」

リタ「決まったようだね、ママ」

榛名「ええ、決心しました。 後は皆に…」

「その必要は無いわよ」

榛名「皆…」

初風「もう皆決心してるわ。アンタに何があろうと付いて行くってね」

野分「このまま多くの人が傷付くのを見過ごすなんて出来ません」

秋月「こうなったら一蓮托生、やりましょう!」

朝潮「もしかすれば彼等もMIの一件に関わっている可能性がある、ならそれを問い質さなければ…」

如月「戦う理由なんて人それぞれだけど、やらなきゃならない事はそれぞれ解っている筈よ」

舞風「流石に今回の一件は堪忍袋の尾が切れそう。ぶっ潰さなきゃ気が済まないって」

曙「リボンズ・アルマークを叩き潰す、それが私達のやるべき事」

清霜「せっかくここまで来たのにバカに台無しにされちゃ嫌だもん」

春雨「春雨もイノベイターのやる事が正しいとは思えません… シャアさんもそう言ってます」

青葉「こちらも一応雇われ、雇用主の意向になら従いますよ。ま、それ抜きでも付いて行くつもりですが」

古鷹「助けて頂いたご恩返しもまだ済んでませんし彼等は元々私達とは敵対勢力みたいなので」

衣笠「特務諜報部の実力、いよいよ発揮する時が来たね」

龍鳳「【滅んだ世界】絡みと言うなら、見過ごす訳には参りません」

阿武隈「多分私達も多少なりとも元の世界で被害被ってるみたいだし、その仕返しくらいはするよ」

陽炎「今まで死んだ仲間の分まで、徹底的にブチのめしてやる…!」

長波「アイツ等は気に食わない、それだけで潰す理由は充分だ…!」

満潮「私は… アイツ等にどうしても聞かなきゃいけない事がある、だからやるだけ…!」

間宮「もう誰かが傷付くのは見たく無い… だからリボンズ・アルマークは止めないと…!」

ヤマト「我々は榛名の意志に従うだけです」

コトノ「それが私達の導き出した最適解、ならそれに従うだけ」

天城「天城も決めました。 耳障りな偽りの題目を掲げるリボンズの口にパイを放り込んでやる、と」

榛名「わかりました…! やりましょう、皆!」

リタ「さて、そこに聞き耳立ててるの。いい加減出てきたら?」


ビサイド「気付いていたか」


リタ「気付かないと思うな、イノベイド」

榛名「ビサイド・ペイン…!」

ビサイド「さて、お前はどうする気だ? 俺に手を貸すか、貸さないか?」

榛名「…良いでしょう。貴方の計画一枚噛ませて貰います、ビサイド・ペイン。

リボンズ・アルマークは大義名分と言う偽りの題目を掲げ多くの人を傷つけるのならば、榛名はそれが気に食わない… だから、徹底的に潰す…!」

ビサイド「ほう…」

榛名「ビサイド・ペイン、お前も裏切るようなら… 榛名の敵になると言うのなら、絶対に容赦はしない…!」

ビサイド「…良いだろう。 これで契約は成立だ、共同戦線といこうじゃないか」


榛名(リボンズ・アルマークの陰謀、そして『プロジェクト・フェンリル』を含む全てとの決着。 まだどんな戦いになるのかはわからない。でも榛名には仲間が居る。この世界で出会った仲間が…

皆と一緒なら何にも劣りはしない。 そして全ての運命は自らの勇気で切り拓く…)

榛名(それが榛名の、決断だ)


第20話『穢れ無き勇気と共に』 終

576: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/10(木) 00:33:37.63 ID:MuxKiIiF0
番外編『勇気を継ぐ者』

《現実とは異なる世界・ドキドキ顔合わせ喫茶》


潮「私から瑞鳳さんに受け継がれ…」

瑞鳳「さらに私から榛名さんに受け継がれた主人公の座… ついに譲り渡す時が来たようです」

榛名「…」

春雨(G)「番外編主人公なので春雨も来ちゃいました、はい」

潮「さて、主人公の面子は既に揃いました」

瑞鳳「今回は計6人、一体誰が主人公になるのかな?」

春雨(G)「あ、当人たちは別室待機です」

金剛「あの、何か注文を…」

潮「>>1からの伝言です。 黙ってないとラスボスにしてこのまま本編中で榛名にぶっ殺させるぞ、と」

金剛「すみません黙ってます!」

瑞鳳「どっちにしろ本編中出番無いから安心してください」

金剛「」

春雨(G)「あの、さっきから榛名さん無言なんですけど…」

榛名「だって… まだ本編終わってないのに、いきなりもう主人公変えるって…」

潮「大丈夫ですよ。あと6話くらい残ってますから」

榛名「あと6話なんですか!?」

瑞鳳「ありゃ、私より少ない」←29話

春雨(G)「くらい、だから伸びる可能性も縮む可能性もあるんですがね…」

潮「ともかく、主人公を変える前に最後に各主人公の説明だけしておきましょう」


内容 直下
1.設定
2.ヒロイン候補
3.好きなMS
4.その他

578: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/10(木) 00:50:47.36 ID:MuxKiIiF0
榛名「まずは、『好きなMS』ですか」

春雨(G)「私はCB系とU.C.0120系統が好きです、はい」

瑞鳳「いや、新しい主人公達のだから…」

潮「『もしかしたら乗るかも』との事ですが『全く関係ない機体に乗るかも』しれないので与太話的な感じで聞いてください」

瑞鳳「ではそれぞれの答えをどうぞ」


海風『好きなMS… 『インフィニットジャスティス』か『ウイングガンダムゼロ(EW)』でしょうか…』

那珂『那珂ちゃんは… 『Ξガンダム』か『ガンダムF91』かな?』

鹿島『そうですねぇ… 『ネオガンダム』と『ガンダムF90Ⅱ』ですね』

伊良湖『『アストレイブルーフレーム・サード』か『テスタメント』です』

霞『私は『Sガンダム』か『ダブルオーガンダム』に決まってるじゃない』

しおい『『ガンダムアスクレプオス』と『ガンダムバーンレプオス』』


瑞鳳「はい、皆さん独特た機体ですね。特に最後の微妙なゲテモノ系とか」

潮「海風さんはなんとなくお姉さんの『ウイングゼロ(アーリー)』と一緒と言うか」


海風『一緒にしないでください』


潮「すみませんでした…」

春雨(G)「鹿島さんとは良いお茶が飲めそうです、はい」

榛名「では次行きましょう」



1.設定
2.ヒロイン候補
3.その他

581: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/10(木) 01:04:12.58 ID:MuxKiIiF0
瑞鳳「設定ですね。 では」

潮「一覧にしてまとめました」


海風(ルート・アズール) シリアス
タイプ:指揮官


『世界最強の戦術家』である浜風の妹。いつも比較対象となる浜風を嫌い寄宿舎で暮らしている。
だが『浜風の妹』として目を付けられ、模型部に所属させられ戦いへと赴く事になってしまった。浜風よりバトル歴は長いが『戦術指揮』の才能はまだ開花していない。
性格は浜風と同じ優等生的で生真面目だが、浜風に比べると激情家で反発心が強い。しかし浜風とは違いコミュ障ではなく面倒見が良い(と言うか過保護)性格の為、割と好かれている。
 


那珂(ルート・イノセンス) ギャグ
タイプ:指揮官

かつて艦プラアイドルだったがファン?の心ない中傷で心を壊してしまった少女。しかし根性で復活を果たす。
かつてはバトルを利用してアイドルとしてのしあがったが利用する事に嫌悪感を覚え今度は純粋な戦士として新たな戦いへと赴く。
なお彼女のメンタルを蹂躙したのは瑞鳳&飛龍&402(+大淀)である(アンリミテッド編、箱根回参照)。
嘘を嫌い、自らの偽りだった過去を払拭したいと願い戦いへと挑む。


伊良湖(ルート・プレゼンシア) ギャグ
タイプ:ビルダー

物づくりが好きでお菓子からプラモデルまでこなしてしまう程器用な少女。ようやく念願の和菓子屋に就職する。
しかし転生者拉致事件に巻き込まれ店をクビにされてしまうが大和の斡旋で老舗菓子店に再就職、そしてさらに別の事情が発生し戦いへ身を投じることに。巻き込まれ体質故メンタルは強い。
葛城・雲龍の脱走を手助けしたのは彼女で、髪留めでピッキングを行い手錠を破る器用っぷりを発揮するも自身は失敗(雲龍の手錠で髪留めが折れた)してしまうがその後吹雪に発見、救助される。
なお他の被害者より遅く拉致されていた為天城の『おみまい』は避けられた。

鹿島(ルート・リンカー) シリアス
タイプ:ビルダー

愛宕の従妹で自身も教職を目指している少女。落ち着いた性格だが人懐っこく感情表現は豊か。
模型部に所属しているが部員がおらず廃部の危機に立ち向かう為に戦いへ身を投じるが戦闘能力は一般人に毛が生えた程度。しかし手先が器用で高い製作力を持つっており高い才能を持つ。
愛宕を尊敬しており、その才や包容力に憧れている。 



霞(ルート・アクロス) シリアス
タイプ:ファイター

瑞鳳や浜風と同じかつて在りし日の記憶を持つ転生体の一人。しかし記憶の内容は曖昧。
記憶の中にあったヒントから、艦船や航空機が戦う艦プラバトルを始める。そして自分の持つ記憶の意味を確かめる為に戦いへと身を投じる...
かつて両親や祖父母を失い友達に裏切られ、心を堅く閉ざす。しか本来は気が強く口も悪いが、面倒見が良い為困ってる人を見捨てられない程情が厚い性格。祖母から誕生日に贈られた『KPベース』(バトル用端末)を持ってはいるがバトルは全くの初心者、しかしそれに見合わない実力を誇る。

しおい(ルート・デザイア)ギャグ
タイプ:ファイター

艦プラバトルと無縁どころか存在すら知らなかった中学生。しかしバトルに触れる事で自分から艦プラバトルを始める事を決めた。そして戦いながらその才能を開花させていく。
艦プラバトルの存在すら知らなかったが天才肌で、バトルになればその才能を遺憾なく発揮する。
また協調性が無い(鶴翼準拠)。



春雨(G)「大体こんな所でしょうか…」

金剛「気をつけるデース… ギャグがギャグやってたらシリアスになる可能性も…」

榛名「黙れ」ゲシッ

瑞鳳「でもブレイヴ編って元々…」

潮「それ以上はいけない」

榛名「ギャグがギャグしてない可能性はかなり高いですね…」

春雨(G)「那珂ちゃんさんが『サヨナラノツバサ』流しながら特攻したり…」

榛名「それなんてマクロスFの劇場版ですか」



内容 直下
1.ヒロイン候補
2.その他

583: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/10(木) 01:10:17.04 ID:MuxKiIiF0
春雨(G)「ヒロイン候補、ですね」

潮「取り敢えず箇条書きですがどうぞ」


ルート・アズール
・風雲
・神通
・弥生

ルート・イノセンス
・川内
・村雨
・五月雨

ルート・プレゼンシア
・速吸
・鬼怒
・秋津洲

ルート・リンカ-
・菊月
・矢矧
・萩風

ルート・デザイア
・嵐
・時津風
・朧

ルート・アクロス
・浦風
・朝雲
・山雲


瑞鳳「イノセンスは基本那珂ちゃんチームの使いまわしだね」

潮「あれ、海風さんのところ… どこかで見たような…」

榛名「あ、あれ…? 時空が歪んでる…?」

春雨(G)「それは主人公になってからのお楽しみです、はい」

瑞鳳「あとヒロインは安価で最初に決めるのでこの候補にならない可能性もあるから悪しからず」



内容 直下
1.もう無い
2.その他 (内容も)

586: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/10(木) 22:20:19.45 ID:MuxKiIiF0
潮「ブレイヴ編からの経過時間ですか…」

榛名「アンリミテッド編の終了が8月下旬(エピローグ含めず)、ブレイヴ編開始が3月だったんで7ヶ月程ラグがありましたね」

瑞鳳「大体ブレイヴ編もそんな感じだと思いますよ? アズールにしろイノセンスにしろ、時間経過は約半年程かと」

春雨(G)「でもアズールのヒロイン候補は…」

榛名「触れちゃいけません」

潮「KBF2周年、と言う事ですのでそろそろアンリミテッドからの伏線を…」

瑞鳳「多分回収すると思うよ、多分だけど」

内容 直下
1.もう無い
2.その他 (内容も)

588: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/10(木) 23:02:38.87 ID:MuxKiIiF0
潮「ではもう無い、との事なので…」

瑞鳳「主人公選考へと移りたいと思います」

春雨(G)「では、これを…」

榛名「鍵…?」

金剛「説明するネ! それは『選択の鍵』、榛名の後を継ぐ者の部屋のドアを開ける鍵デース。

その鍵で扉を開ければ因果が繋がり、榛名を継いでくれるネ」

潮「開かなかった者は?」

金剛「勿論、『この世界』… 【主人公だけが入れる世界】から私と一緒に排除されるネ。

結局は異分子、因果を持たない者にはその資格はありまセン」

瑞鳳「でも、もしかすれば新たに継いだ者と因果を結ぶ可能性があります。この世界に足を踏み入れる事は無くとも、共に戦う事は出来る…

なので全ての因果が断たれる訳では無いので安心してくださいね」

春雨(G)「では榛名さん、この6つの扉… どれか一つお選び下さい」

榛名「榛名が選ぶ扉は…」


榛名が選ぶ扉…   ↓12まで多数決

1.海風の扉
2.那珂の扉
3.伊良湖の扉
4.鹿島の扉
5.霞の扉
6.しおいの扉

602: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/10(木) 23:20:29.70 ID:MuxKiIiF0
海風…2
伊良湖…3
霞…1
那珂…6☆


榛名「榛名が選ぶのは… 2の扉です」

瑞鳳「『純潔の扉』、ですね」

潮「『最初の扉』『無限の扉』そして『勇気の扉』… そしてそれに続くのは『純潔の扉』」

春雨(G)「もう後戻りは出来ません。それで構いませんね?」

榛名「はい。 では、開けます」ガチャッ


那珂「え、何? 那珂ちゃんなの?」


榛名「榛名は、貴女を選びました。なので、こちらへどうぞ」

那珂「待って、他の扉は…」

瑞鳳「もう、ありません」

那珂「そうなんだ… わかった。 居なくなった皆の分まで、意志を継ぐ」

潮「では…」


榛名「榛名の持つ勇気、受け継いでください」

那珂「はい。 私の、純潔の意志に誓って」


番外編『勇気を継ぐ者』 終

609: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/11(金) 23:44:08.78 ID:LR5NTeXE0
第21話『陰謀の地へ』


《粒子研究所 会議室》

潮「ではこれより、作戦会議を始めます。ナチさん、お願いします」

ナチ「こちらが資料です」

浜風「402から話は聞いていましたが、まさかこれ程とは…」

400「転生体の拉致、こちらの所有するMSの奪取… そしてこれだけの戦力、リボンズ・アルマークは『こちら側』にも侵攻するつもりですか…?」

ビサイド「『あちら側の世界』を手に入れたら、この世界にも手を出すつもりだろうよ。イノベイドは文字通り無限に創れるからな」

榛名「だからそうなる前に先手を打って、彼の計画を止める必要がある…」

青葉「それで今集まっている訳ですが…」

ビサイド「どうした、俺を見て?」

初風「ビサイド・ペイン、何でアンタが居るのよ」

ビサイド「俺はあくまでも協力者だ。悪いか?」

青葉「脳量子波による情報漏洩の可能性は?」

ナチ「その点は問題ありません。 この部屋にはヒュウガより提供され突貫で取り付けたサイコミュの応用、『サイコ・ジャマー』を取り付けています。

またこの部屋は基本的に私達グループ幹部が使用している場所なので情報漏洩を防ぐ為にジャミングは完璧です」

榛名「脳量子波と感応波はほぼ同種、ならば応用は出来ると言う事ですか」

ナチ「そう言う事です」

浜風「話を戻しましょう。 まずリボンズ・アルマークの行動を阻止する為に必要な事は…」

潮「ヴェーダをどうにかしない限り、どうにもならないと思います」

400「しかしビサイドもその詳細な所在を知らない… 手がかりすら無い状態でどうしろと?」

ビサイド「知ってるのはリボンズ、もしくはその側近くらいだな…」

初風「とっ捕まえて拷問でもするか…」

榛名「それが最も有効な手段かと…」

青葉「ま、また随分と強引な発想ですね…」

浜風「恐らく口を割らないと思いますがね」

400「なら、どうする?」

榛名「そう言えばナチさん、大会の件は…」

ナチ「リボンズ・アルマーク達を失格にする事は出来ませんでした。ハッキングの証拠も直ぐに消されてしまい、やったとは立証出来なかったので…」

400「ですがもうハッキングと言う手段は使え無い、そうですね?」

ナチ「はい。大会中に使用するバトルシステムをネットワークから一時的に切り離し、外部からは有線でしか干渉出来無いようにしておきましたので」

初風「相手の攻撃は封じたにしろ、こちらが打って出ない事には意味が無いわ」

浜風「その為にヴェーダを確保もしくは破壊する必要がある…」

青葉「せめて青葉達の軍籍が生きていれば大本営に正々堂々入って調べ上げる事が…」

浜風「そうか…! 潜入です!」

ビサイド「はぁ? これだから人間は…」

浜風「青葉さん、確か貴女方は任務でこちら側に来ているんですよね?」

青葉「ええ。そうです」

浜風「任務の内容は?」

青葉「『終末の獣』… 『金剛の捕獲もしくは抹殺』です」

浜風「思いつきました。 ですがこの任務、榛名さんの協力が不可欠です」

榛名「榛名、ですか?」

610: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/12(土) 00:08:36.67 ID:pFy26fXx0
浜風「榛名さん、貴女は一応金剛と同じ『プロジェクト・フェンリル』のデザインチャイルドでしたね」

榛名「ええ、不本意ながら」

浜風「400、金剛と榛名さんはどれくらい似てますか?」

400「60%、身長と瞳の色を除けば誤魔化せ無い事はありません。しかし至近距離で見られれば多分バレます」

浜風「金剛に擬装、は無理か…」

榛名「…」カチッ

ナチ「抹殺、ならば死体でも良いのでは?」

浜風「そうか! 死体なら目を開けなくて良い… それに死体袋なら身長も関係ない…」

青葉「金剛の死体に擬装した榛名さんを大本営の中に運び込んで、青葉達は任務達成で軍籍が復活する…!」

榛名「…」ブチッ

400「そして榛名さんも死体袋から脱出して潜入、と言う訳ですね」

初風「確かに、悪い案じゃなさそうね」

榛名「…」無言のトマホーク

潮「あの、榛名さん…?」

榛名「潮さん、ちょっと一歩引いてください」

潮「あ、はい」

榛名「トマホォォォォォクッ!ブゥゥゥゥゥメランッ!」ブォン

400「クラインフィールド!」キィン

ガスッ

ナチ「あ、壁にトマホークが…」

榛名「まだまだ!ダブルトマホォォ…」

潮「ちょ、落ち着いてください!」

榛名「あんな奴に擬装されるくらいなら榛名本気で死んだ方がマシですよ!」

浜風(あ、そんなに嫌なんですね…)

榛名「ただでさえ同じデザインチャイルドだって言うのすら嫌悪感しか感じないのに、あの腐れ似非外人になれ?冗談じゃありません、舌噛み切って自殺しますよ!?」

ナチ(ああ、地雷踏み抜きましたね…)

浜風「わかりました! すみません、代案出します!」


浜風の代案 直下

612: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/12(土) 02:51:53.83 ID:pFy26fXx0
浜風「あ、安直ですが現地の協力者として行動を共にしてそのままスカウトされたと…」

榛名「ならば構いません」

浜風(あ、良いんだ…)

ビサイド「なら証拠品はどうする? 殺した、なんて報告だけじゃ納得するか?」

400「そこは問題ありません。死体ならナノマテリアルで再現可能です」

ナチ「DNAまでは再現出来ませんがそこは問題無いでしょう。見せ終わったらそのまま形を崩壊させれば良いので」

榛名「そうなるとメンタルモデルを誰か… ヤマトは機能制限中なので他の誰かを…」

400「仕方ありません、私も同行します。浜風、良い?」

浜風「構いません。丁度400には小型の次元転移装置を組み込んでいますので」

榛名「でも榛名が潜入するなら誰が艦プラを…」

潮「なら、私がやります。元々『RGシステム』のオリジナルは私が携わっていますし、瑞鳳さんの『type-Z』と『アブゾーブ・コーティング』の技術なら再現可能です」

榛名「ではお願いします」

浜風「潜入期間は長くて2日、それ以上は危険です。またイノベイド側が向こうにMSを保有している可能性があるので、各自機体を持っていくように」

青葉「では衣笠と古鷹にも作戦の説明をしないと…」

榛名「二人を巻き込むのは乗り気ではありませんが、致し方ありません…」

浜風「私も作戦指揮官として同行します。まずこの場は一旦解散、若洲海浜公園に1900に集合しましょう」


《選手宿舎 ラウンジ》

古鷹「わかった。それが彼等の計画を止める切欠になるなら…!」

衣笠「OKOK! 衣笠さんにお任せ!」

榛名「良いんですか、二人共… 二人は記憶を消されて…」

古鷹「だからこそ、です」

衣笠「一度とっちめて、叩きのめして辞表も叩き付けに行くついでなんだから」

青葉「これで特務諜報部解散、最後のお仕事です」

古鷹「その名前も今回限り…」

衣笠「でも終わっちゃったらトリオ・ザ・タイツになっちゃうんだよね…」

榛名「それとも龍鳳さんも入れて『ヘンダーソン4人衆』とか…」

青葉「その今川ネーミングはちょっと…」

古鷹「タイツで良いです…」

衣笠「うん。あと龍鳳巻き込んじゃ駄目」

榛名「」ガーン


《イ400艦内》

ヒュウガ『で、私は『フェネクス』『アルトロン』『ヘビーアームズ』『ウイングゼロ』の整備をやっておけば良いのね』

浜風「お願いします」

ヒュウガ『あとそこの殻潰しさん』

榛名「ご、穀潰し!?」

ヒュウガ『今ザクもバンシィも使えないわ』

榛名「わかっています。なので間宮さんから『ガッデス』を…」

ヒュウガ『一応アンタの為に機体を用意してるけど、どうする?』

榛名「どのような機体ですか?」


ヒュウガの用意した機体 直下
1.ネブラブリッツ
2.アドヴァンスドジンクス
3.量産型キュベレイ
4.その他(U.C.0096、C.E.73、西暦2312年までの少数量産機)

616: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/12(土) 23:59:17.30 ID:pFy26fXx0
ヒュウガ『型式番号『ZGMF-X56/θ』、機体名『デスティニーインパルス』よ』

400「一体何時の間にそんなものを…」

ヒュウガ『アンタ達がハシラジマ近海にマスコミ共が押し寄せて近づけなくなってた時、『あっちの瑞鳳』から『擬似太陽炉譲ってくれ』って頼まれてね。

余剰機とトレード、って話だったから鹵獲したGN-Xやらアヘッドの擬似太陽炉を譲ったら貰った。手に余るシロモノだったらしいし』

榛名「手に余る…?」

ヒュウガ『試しに稼動させてみたら10分足らずでエネルギー切れ起こしたのよ。しかも3機も押し付けられたし…』

浜風「欠陥機じゃないですか…」

ヒュウガ『一応他に譲って貰った核エンジンを内蔵して稼働時間を増やせたけどね。それでも最大稼動で30分が限界、セーブしながらならなんとか戦えるけど』

榛名「それでも30分、NT-Dに比べればまだ…」

ヒュウガ『それでもヴォワチュール・リュミエール使用時の高速移動にも耐えられるように改修はしたし、コックピット周りもアンタに合わせて換装してあるから戦える筈よ』

榛名「ありがとうございます」

ヒュウガ『あとアンタは1号機、400は3号機を使いなさい』

400「私も?」

ヒュウガ『もしかしたら必要になるかもしれないもの。操縦訓練は一通りやってるでしょ?』

400「シュミレーターで20時間、『バイアラン・カスタム1号機』の実機で30時間程」

ヒュウガ『なら問題無いわ。二人は後で着座調整やるから準備しておいて』

榛名「了解しました」

400「通信終了。 浜風、どうする?」

浜風「進路を維持、このままハシラジマに向かいましょう」

400「了解。あ、食料大丈夫?」

浜風「後でハシラジマで補給しておきましょう」

400「わかった。このまま発進、進路をハシラジマ泊地へ」


《ハシラジマ泊地 格納庫》


ヒュウガ「着座調整終了、お疲れ様」

榛名「機動性は悪く無いし火力もバンシィ以上です。ただ、本当に燃費が…」

ヒュウガ「エネルギー分配には気を付けて。ビーム砲とVLを乱発すれば落ちるわよ」

榛名「気をつけます。尤も、使用しないのが一番ですけど」

ヒュウガ「ダミーの死体も用意したし、後はアンタが潜入に成功すれば良いだけじゃない」

榛名「それもそうですけどね…」


イベント(ハシラジマ) 直下


618: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/13(日) 23:46:17.44 ID:fRiGHoRm0
榛名(作戦決行まであと2時間、準備しておかないと…)

愛宕「あら、榛名さん?」

榛名「愛宕さん、それにユキカゼさん」

愛宕「パイロットスーツなんて着て、どうしたんですか?」

ユキカゼ「それに今貴女は大会中では?」

榛名「実は…」


愛宕「それで、転移するのにハシラジマに…」

ユキカゼ「イノベイドについての報告は浜風から一通り受けています。しかし作戦まで…」

榛名「それでイノベイドと交戦する際に敵にMSがあっては厳しいので『デスティニーインパルス』を受領しに…」

愛宕「やっぱり榛名さんを乗せる気だったのね、アレ」

ユキカゼ「コックピットをU.C規格のモノに換装していると思ったら、そう言う理由でしたか」

榛名「それに作戦に参加予定の浜風さん達の機体もありますし、どの道ハシラジマに寄らなければならないので…」

ユキカゼ「実は浜風から私達も合流して欲しい、と通達がありまして… 多分その事も理由の一つかと」

榛名「そうなのですか?」

愛宕「私達は夏休みの期間はハシラジマ待機だったのでここに居ましたし、作戦参加は可能ですので」

ユキカゼ「機体の慣熟も終わりましたし、戦闘はお任せください」

榛名「確か『ヤクト・ドーガ』と『ギャン・クリーガー』では…」

愛宕「ヤクトは無事だったんですけどギャンの損傷が思いの他激しくユキカゼちゃんは機体を乗り換える事になったんです。そのついでに私も…」

ユキカゼ「私はお姉ちゃんから『ヤクト・ドーガ』を譲り受け、そしてお姉ちゃんは『リバウ』に正式に戻る事になりました」

愛宕「なので今回は私も空戦、榛名さんや浜風ちゃんと同じ防空担当になります」

榛名「では、よろしくお願いします」


自軍戦力
・デスティニーインパルス1号機(榛名)
・フェネクス(青葉)
・ガンダムヘビーアームズ改(古鷹)
・アルトロンガンダム(衣笠)
・ウイングガンダムゼロ(浜風)
・リバウ(愛宕)
・ヤクト・ドーガ&船体(ユキカゼ)
・デスティニーインパルス3号機&船体(イ400)


浜風「では作戦について最終確認をします。 まず榛名さんと青葉さん、古鷹さんと衣笠さんを偽装死体と共に先に転移させて大本営へ潜入させます。

そこでヴェーダを探し、大本営に無い場合はその手がかりとなりそうなものを探してください」

榛名「わかりました」

青葉「研究施設とかの情報も調べておきます」

浜風「私達は大本営の付近の海域の20キロ先に潜行し4人からの連絡を待ちます。 成功、失敗に関わらず何かあった場合は小型の無線機を配布しておくので連絡を。

では以降、この作戦を『オペレーション・レイド』と呼称します。作戦発動は現時点を以って、では4人共武運を」

榛名

619: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/14(月) 00:16:58.55 ID:6+9JCdk60
《青葉達の世界 大本営》

榛名「ここが…」

古鷹「そうです。ここが大本営、本来なら横須賀なのですが横須賀は殆ど壊滅…

首都機能ごと宮城県へと移動させて大本営を設置したんです。多分この辺りは青葉区、太白区までは少々距離があります」

青葉「だからもう日本の首都は仙台となっています。こちら側の世界では」

榛名「成る程…」

古鷹「だから私達が仙台に現れたのは、使用した次元転移装置がこの大本営内部にあったからなんです。榛名さんに拾われたのは僥倖でした」

衣笠「さて大本営に入る前に、榛名は変装しておいて」

榛名「え?」

青葉「ビサイド・ペインの話では貴女が完成型デザインチャイルドとして既にイノベイド間で情報のやり取りが行われている、だから既に貴女の顔は割れているんです。

なので貴女には変装をして貰って潜入して頂く事になります」

榛名「ならば仕方ありません。 変装の道具は?」

古鷹「これです」

榛名「えっと…」


変装道具 直下
1.流竜馬(真ゲ版)風の衣装
2.普通の衣装(カラコン+シークレットブーツ+ヅラ)
3.(o∀n)
4.その他(内容も)

621: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/14(月) 00:42:19.04 ID:6+9JCdk60
 ボク、onダヨ!
   γHTBヽ
   ,'―――'、
  / o  n キ
  ヽつ ▽ とノ    
    | | | |   
   (_X_)

青葉「よし、これで準備完了です」

古鷹「じゃあ行こうか」

衣笠「時間かけられないしね」

(o∀n)<ってちょっとストップ!なんでナチュラルに榛名がonなんですか!?

青葉「いやだって榛名さん誤魔化すとしたらコレしか無いですし、生身よりonの方が強そうですし」

古鷹「せっかくHTBからレンタルしてきたんですから」

(o∀n)<いや、これ壊したらどうするんですか!?

衣笠「あ、これちゃんと『対次元生物用特殊部隊班』の予算から出るんだって弁償代」

(o∀n)<あ、そこはしっかりしてる…

青葉「ウダウダ言ってる暇はありません。行きましょう」

古鷹「あっちに私達特務諜報部が使える専用の隠し通路があります。 それなら誰にも見られず中に入れますよ」

衣笠「あ、狭いからバッテリーは切っておいてね」

)o∀n(<何か腑に落ちませんが了解です… シュー


《隠し通路》

古鷹「ここも随分久しぶりだね…」

青葉「ま、ここも二度と使う予定はありませんし」

衣笠「今回辞表出しちゃえばもう外部の人間だもんね」

)o∀n(<なんかonの湿気と合わさって凄く蒸れますね…

古鷹「ここの難点は一つ、湿気がたまり易いことなんですよ…」

青葉「通気口はちゃんとあるんですがね…」


イベント 直下

623: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/15(火) 00:04:38.81 ID:yARlzvb70
青葉「あぁ、もう! 何でこんなに蜘蛛の巣ばっかなんですか!?」

古鷹「多分私達が転移した後に誰も掃除してないんだと思う…」

衣笠「一応マメに掃除してたのに…!」

)o∀n(<業者雇った方良いんじゃないですか

青葉「ウチ殆ど予算無いんですよねぇ… 最低額だし経費下りてこないし… こんな通路に清掃員なんて雇ったらいくら取られるか…」

古鷹「お給料もそれ程高く無いですし、やっぱ色んな意味で真っ黒な職場だったんですよ」

衣笠「福利厚生なんて言葉もありゃしないし… やっぱ榛名に雇われてた方が良いよ」

青葉「完全週休2日、衣食住完備に充実の福利厚生… いやぁ、ホワイトクリーンだけに真っ白な職場ですよ今のヘンダーソンは」

)o∀n(<不満とかありませんか?

古鷹「いえ、これ以上を望むのは贅沢です」

衣笠「強いて言えば天城を調理中は拘束していて欲しいなって…」

)o∀n(<出来たら苦労しません

全員「ですよねー」



古鷹「もうやだぁ… これなら3日間ジャングルでライフル構えながら待機してた方がまだ楽だったよ…」

衣笠「衣笠さんもブローカーのアジトに一人フル武装で突っ込んだ時の方がマシだと思う」

青葉「青葉は爆破した船から脱出して丸1日くらい彷徨った時の方が良いかと…」

)o∀n(<いや、比較対象間違えてる気がするんですが

青葉「でもこの状況より嫌な仕事なんて少ないですよ」

)o∀n(<そうですねぇ、これより酷いとなると山の中で10日くらい猪を狩り続けたり下水道掃除だったり…

衣笠「うっへぇ、どっちも嫌だ…」

)o∀n(<バイトの手段は選びませんがこの二つだけは二度とやらないと誓いました

古鷹「そうですよね… あった、出口です!」

青葉「シャワー借りたいですけど借りれますかねぇ…」

衣笠「報告終わったら借りれるんじゃない?」

)o∀n(<取り敢えず出ましょう

624: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/15(火) 00:14:05.09 ID:yARlzvb70
《大本営 特務諜報部室》


)o∀n(<ここが…

古鷹「特務諜報部の隠し部屋、なんですが…」

衣笠「どう言う事? 部長も誰も居ない…」

青葉「それに埃まで… 誰にも使われて無いのでしょうか…?」

)o∀n(<時間経過を想定すると約3ヶ月程、恐らく青葉さん達が榛名達の所に転移した1・2ヶ月くらいで…

コツコツ

古鷹「待って…! 誰か来る…」

衣笠「ここって隠し通路と隠しドアでしか入れ無い筈だよ!?」

青葉「恐らく隠しドアでしょう… ともかく隠れて…」

)o∀n(<来ます…!


誰だった 直下
1.リジェネ・レジェッタ
2.テリシラ・ヘルフィ
3.ハナヨ

626: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/15(火) 00:57:36.53 ID:yARlzvb70
「特務諜報部の皆さん、それにPF-03。出てきてください」

)o∀n(<(こちらの潜入を…!)

青葉(小柄な女の子のようですが… ネコミミって…)

「ビサイドからの情報は既に届いています。 私は一応ビサイド側の協力者、と言う立場のイノベイドです」

古鷹(味方、なのかな?)

衣笠(榛名、何か感じる?)

)o∀n(<(悪意や敵意は感じません…)

青葉「本当に、そちらが味方と言う証拠は?」

「可能な限りのデータを持ち出せました。ヴェーダに関する情報も含め」

)o∀n(<…わかりました。周囲に人やイノベイドは?

「私以外に居ません」

古鷹「…嘘じゃなさそうです」

衣笠「みたいだね…」


(o∀n)<ふぅ、やっと膨らませられる…

青葉「それで、情報と言うのは?」

「端末を持ち出せなかったのでここのものを使わせて貰います」カタカタ

衣笠「そう言えば特務諜報部は…」

「2ヶ月前、上層部の決定で既に解散しています」

古鷹「そんな…」

「ヴェーダとイノベイドがあれば上層部の意に沿わない者の監視・殺害は容易いので」

(o∀n)<それで、貴女は…

ハナヨ「私は個体識別信号874、『ハナヨ』と呼ばれています。 これが持ち出せたデータです」

(o∀n)<ヴェーダの所在地情報は…

ハナヨ「不明です。しかし宮城県内のどこか、とデータには」

衣笠「これだけじゃ情報が…」

古鷹「…県内にある軍の関係施設を全て出してください」

ハナヨ「こちらです。 計20箇所程」

青葉「兵器工場や技術施設ばかり…」

(o∀n)<…怪しい場所があります

衣笠「え…?」

(o∀n)<遺伝子研究に関する情報や兵器開発に関する施設に絞り込んでください

ハナヨ「了解。該当件数3、『兵器開発局』『技術向上局』『食料生産局』です」

古鷹「食料生産局が何で…」

青葉「遺伝子組み換えの食料… 成長を促進させたり、生産効率を上昇させたり…」

(o∀n)<可能性としては捨てきれない…


イベント 直下

628: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/16(水) 10:02:45.76 ID:Np9AQDth0
(o∀n)<感じる… 伏せてください!

4人「!」


ズガガガガガガガ!


古鷹「こんな中で発砲…!?」

衣笠「部屋の内装全部防弾で出来てて良かったよ…」

青葉「一体誰が…」

ハナヨ「量産型のイノベイドのようです。数は8、全員制圧用の武装をしています」

(o∀n)<まさかこちらの情報を…!

ハナヨ「動きはバレてない筈なのですが…」


イノ1「投降しろ。命までは取らない」

イノ2「貴様達に拒否権は無い」


(o∀n)<嘘、ですね

青葉「大人しく捕まる訳にはいかない… 衣笠、古鷹!」

衣笠「OK! じゃ、ドンパチ始めるよ!」

古鷹「ハシラジマの武器庫から借りれたのは拳銃だけ… でも、この人数なら…!」

(o∀n)<いえ、弾が勿体無いです

三人「え?」

(o∀n)<ここでちょっとした奥義を見せましょう


(o∀n)<ダブルッ!トマホォォォクブゥゥゥゥメランッ!

ガスッガスッガスッガスッガスッガスッガスッガスッ

イノ3「何っ!?」

イノ4「武器だけを弾いて…」

(o∀n)<まだ! 必殺! クインテイプルッ!トマホォォォクッブゥゥゥゥメランッ!

イノ5「がはッ…」

イノ6「ぐっ…」

ドサドサドサドサドサドサドサドサ


衣笠「一体何やったの…?」

古鷹「2本のトマホークを投げた後、手に戻った瞬間別のトマホークを取り出して5本一斉に投げ付けた…」

青葉「いや、これもうトマホークの軌道が滅茶苦茶過ぎる… しかも1本だけ2メートル級のが混じってますし…」

(o∀n)<本当なら6本全部投げたかったのですが…

ハナヨ「雑談している余裕は無いようです。新たに増援が接近、数12」

青葉「どうやらこちらを本気で潰しにかかっているようです…」

(o∀n)<今のうちに逃げます

629: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/16(水) 11:43:33.56 ID:Np9AQDth0
《大本営近郊 市街地》


浜風『それで、既に特務諜報部は存在していなかったと…』

榛名「ええ、そして周辺施設の中にヴェーダがあるのは確実のようです」←脱いだ

浜風『それが先ほど送られてきたイノベイド・ハナヨからのデータ、ですか』

榛名「どうします?」

浜風『その貴女の考えている3箇所に潜入、出来ますか? 私の予測結果とゼロシステムの予測結果、そしてニュータイプである貴女の直感がその3つのいずれかである可能性が高めていますので』

榛名「セキュリティさえどうにか出来れば…」

浜風『わかりました。こちらでも可能な限りバックアップしますので、潜入をお願いします』

榛名「了解です」

青葉「やはり、潜入ですか?」

榛名「ええ、先ほどの3つ施設の中にあると浜風さんとゼロシステムも同じ解答が出したようで」

ハナヨ「ゼロシステム?」

古鷹「未来予測演算システム、って言えば良いのかな?」

ハナヨ「そのようなものが…」

衣笠「と言っても、今の所使える人間三人しか居ないし正確な訳じゃないから役立たずかもね」

榛名「ともかく、結論は出ました。 施設へと潜入します」



潜入先 直下
1.兵器開発局
2.食糧生産局
3.技術向上局

631: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/17(木) 00:46:31.59 ID:ma98p9rG0
《兵器開発局》


榛名「仙台の外れ、泉区…」

ハナヨ「ここが兵器開発局です」

衣笠「大変だったよ、ここに来るの…」

青葉「一度大本営に戻って車盗んで来ましたからね…」

古鷹「バレなきゃ良いけど…」

榛名「『イノベイド』を【兵器】と穿った見かたをすればここが正しいのでしょうけど…」

青葉「ヴェーダもある意味では情報兵器になりますからね」

ハナヨ「潜入経路は整えておきました」

衣笠「お、気が利く」

ハナヨ「しかし私は同系統のイノベイドが多数居ますが、そこの三人は先ほどイノベイドに顔を見られました」

古鷹「私達も変装しなきゃ駄目だね」

衣笠「と言う事で用意しておいて正解だったね、如月から借りたメイクアイテム」

榛名「…それ榛名の時も出してくださいよ」

青葉「う~ん、それはねぇ…」

古鷹「そもそも化粧嫌いじゃないですか」

榛名「それ言われると言い返せません…」

衣笠「はい、榛名の次の衣装」


変装道具 直下
1.真上遼のコート
2.タコ星人(水曜どうでしょう)
3.(n∀o)
4.その他(内容も)

633: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/17(木) 01:02:00.55 ID:ma98p9rG0
榛名(タコ星人)「…」

青葉「ブッ…」

古鷹「こ、これは…」

衣笠「あははは!」

榛名「」ブチッ

衣笠「あ、すみませんでした。ですので何卒トマホークを御仕舞いください」ドゲザ

榛名「次変な衣装は全部衣笠さん行きで」

青葉・古鷹「アッハイ」

衣笠「ちょ…」

榛名「何か?」

衣笠「喜んで着させて頂きます」

ハナヨ「…」

榛名「どうかしましたか?」

ハナヨ「それで本気で潜入する気ですか?」

榛名「不本意ながら」

ハナヨ「…頭がおかしいのでは?」

榛名「」ガーン


《セキュリティルーム》

青葉「裏からこう易々と侵入できるとは…」

ハナヨ「ロックは既に解除しておきましたので」

衣笠「さて、どんな感じ?」

ハナヨ「今からデータをスキャン、建物の中にあるヴェーダを捜索します」

古鷹「あれば良いけど…」


ヴェーダはあった? 直下

コンマ判定 70以上で発見

635: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/17(木) 01:25:21.54 ID:ma98p9rG0
ハナヨ「見つけた…!」

榛名「ッ…!」

ハナヨ「ヴェーダのターミナルユニットを発見。この施設の地下5階です」

古鷹「施設の構造データ見せて!」

ハナヨ「モニターに表示します」

衣笠「直通するのはエレベーター1基、階段も無いなんて…」

ハナヨ「直通の階段はありませんが、一応徒歩の経路はあるようです」

青葉「直通エレベーターは罠が張ってある可能性もあります。なので階段で行きましょう」

榛名「わかりました」


浜風『ヴェーダを発見した!?』

榛名「はい。兵器開発局の地下5階、そこにターミナルユニットが…」

浜風『可能な限り奪取、不可能なら破壊をお願いします』

榛名「了解。浜風さん、そちらはMSによる陽動を仕掛けて欲しいのですが…」

浜風『わかりました、こちらは400と愛宕さんと一緒に陽動を行います。また『デスティニーインパルス』をいつでも射出できるようにスタンバイしておきました』

榛名「ありがとうございます。では陽動開始と同時に、動き始めます」



ウー…!

「避難警報!?」

「深海棲艦の巨大兵器が攻めて来たらしいぞ!」

「最近現れて無かったのに…」


榛名「陽動を確認しました… これよりヴェーダの確保、もしくは破壊に移行します」

青葉・衣笠・古鷹「了解!」

ハナヨ「あの、私は…」

榛名「ハナヨさんもこちらに付いて着てください。貴女は既にリボンズからは裏切り者、なので狙われるかもしれないので」

ハナヨ「了解しました」



イベント 直下

642: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/17(木) 23:38:55.86 ID:ma98p9rG0
《ちょっと前 ハシラジマ》


ヒュウガ「よし、あとは建造に入れば…」

キィン… ゴゴゴゴゴゴ

ヒュウガ「起動音!? ユニコーンが勝手に…! まさかフェネクスと同じで…」

『…』

ヒュウガ「フルアーマーから武装を解除させておくべきだった…!」

『次元転移装置を起動させてください!』

ヒュウガ「ちょ、アンタ何時の間に!?」

『早くしてください!さもないとこの建造段階の機体を破壊します!』

ヒュウガ「わ、わかったから!今起動させる!」


《数分後》


浜風「これより陽動を開始します。地上に対しての攻撃は誰も居ない場所に、また航空機からの攻撃はコックピットを避けてください」

愛宕・400「了解」

400「…! 浜風、次元転移反応1。 MSが高速でこちらに飛来してる!」

浜風「この速度は… 各機、迎撃態勢! もしかすれば敵…」

愛宕「識別確認、『RX-0』…!? でも『フェネクス』はこっちだし『バンシィ』は改装中… それにまだアレは建造途中で…」


ピューン


400「ユニコーン、こちらを完全に無視」

愛宕「NT-D、起動してたわよね?」

400「発光現象は緑、その現象を引き起こせるのは二人。だけど一人は潜入工作中」

浜風「もう一人の覚醒したNT… いつの間にハシラジマに…」

400「多分、密航された。 さっきコトノ様から『メシマズな妹が一人どっかいった』って連絡があったから」

浜風「思いっきり拗らせてる… ウチの妹がああじゃなくて良かった…」

愛宕「私も、陽炎ちゃんみたいなタイプは欲しいけどああ言うのは…」

400「ウチのもどっちもツンデレで良かった…」

浜風「超反抗期の妹が居る身として、榛名さんのように仲が良いのは非常に羨ましいのですが…」←妹1

愛宕「いくら義理とは言え、小さい頃から一緒に育った姉に恋愛感情って沸くのかしら…」←姉1妹2

400「一応二人は血繋がってるからそう言う感情は沸かないんだと思う。402も私に邪な感情は無さそうだし」←妹2

浜風「あ、少し納得しました」

愛宕「妹だけど血が繋がって無い、って事でどっか振り切っちゃってるのね」

400「ただ、姉と同じになりたいってだけでユニコーンに乗ってニュータイプに覚醒したのは凄いよね」

浜風「時々思うんですが、あの人生まれも特に榛名さんみたいに特別じゃなくて一般家庭の生まれですよね?」

愛宕「多分その筈だけど…」

浜風「なのに成績優秀・美人・運動神経抜群・ニュータイプ… メシマズである事を除けばこれ、超人ですよね?」

400「メシマズに関しても人智を超えてる訳だし… しかも能力に関しては有名な『アムロ・レイ』を圧倒してるから…」

愛宕「天才、もしくは天災ってところかしら…」

643: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/18(金) 01:26:15.11 ID:lLj+zBD10
榛名「何か来る… これは、サイコミュ機…!」

青葉「リバウですか?」

榛名「違います… リバウよりもっと早い…」

ハナヨ「彼女は何を…」

古鷹「榛名さんは進化した人類『ニュータイプ』、その体現者なの」

衣笠「勘の鋭い人間、って言った方が良いかもね」

榛名「伏せて!」

4人「!」

ズガァァァァン!

榛名「ユニコーン!? まさか…」

「御無事ですか姉さん!」

古鷹「天城さん!?」

天城「来ちゃいました!」

青葉「いや、それじゃ済まない気が…」

榛名「ちょ、大会はどうしたんですか!?」

天城「任せました。私の出場出来るような種目ありませんでしたし」

衣笠「空母って使用方法限定されるからね…」

ハナヨ「彼女は…」

古鷹「榛名さんの義妹で、あの機体『ユニコーンガンダム』のパイロット…」

衣笠「そして地獄すらも怯えるメシマズ、天城だよ」

ハナヨ「メシマズ?」

青葉「超料理下手って事です」

榛名「まさかユニコーンで突っ込むなんて…」

ハナヨ「しかし、ターミナルユニットを持ち出す可能性を考慮すればあの機体は使えます」

天城「両腕のアームド・アーマー干渉しないでしょうか…」

榛名「はぁ… 天城、ここからユニコーンをどの精度で操れますか?」

天城「ある程度、細かい動作は無理ですが大まかな動きは」

榛名「ならユニコーンで付近を陽動してください。決して人的被害は…」

天城「わかっています。それくらいならサイコミュを介してちゃんと感じれるので」

榛名「なら良いのですが…」

青葉「同じRX-0のパイロットですけど青葉、あの二人とは天と地くらい差があると思います…」

古鷹「そもそもNTじゃ無い分ハンデ大きいからね…」

衣笠「あの二人は規格外だから大丈夫だよ」



イベント 直下

645: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/18(金) 17:52:14.53 ID:lLj+zBD10
浜風「よし、陽動も…」

愛宕「待って! 見て、あっちの方角!」

400「あそこは我々の世界で『自衛隊・松島航空基地』。恐らく迎撃の為の機体と推測。しかしあれは…」

浜風「擬似太陽炉の粒子光!? まさか…」

400「深海棲艦基地に残されていた機体を鹵獲して運用しているの…?パイロットは…」

愛宕「人間なの…?」

浜風「いくら人間とは言え、このままだと榛名さん達の所に行かせる訳には… 迎撃します! ユキカゼ!」

ユキカゼ『こちらユキカゼ』

浜風「デスティニーインパルスをコンテナから射出、遠隔操作で指定座標までお願いします」


榛名「MSが接近してる!?」

浜風『はい! 人類側が鹵獲した機体、そして擬似太陽炉搭載機です!』

榛名「どう来ます?」

浜風『我々の側に6、そちらに4機向かっています。 既にインパルスは射出済み、間もなくそちらに…』


ズガァァァァン!


榛名「今届きました」

浜風『了解しました。 榛名さんは天城さんと一緒に迎撃態勢を!』

榛名「了解!」

天城「姉さん?」

榛名「敵MSが接近、数4。全機擬似太陽炉搭載機です」

ハナヨ「もしや深海棲艦の基地に残されていた機体を… しかしそんな情報はヴェーダに…」

青葉「ど、どうするんですか!?」

榛名「天城、迎撃します! ユニコーンを戻し、乗ってください!」

天城「了解!」

榛名「4人はヴェーダの元に行き奪取・破壊工作を!」

青葉・古鷹・衣笠・ハナヨ「了解!」

646: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/18(金) 21:17:14.28 ID:lLj+zBD10
天城のユニコーンと榛名のインパルスは向かってくるMSを迎撃すべく、上空へと移動する。

そして二人には赤い光を蒔くMSが4機映った。


榛名「来た…!」

天城「機体識別開始、敵機は『GNZ-005』1『GNX-609T』3!」

榛名「また面倒な機体を…」

天城「来ます!」


天城が声を上げた瞬間、先頭のガラッゾが突出しカッターを展開しインパルスへとその刃を振り下ろす。

榛名は咄嗟に背中に装備してあるエクスカリバーのビームを発振させて一撃を防いだ!


榛名「流石に、重い…!」

「その機体、『ガンダム』って言うんでしょ?」

榛名「何っ!?」


突然の音声通信に気を取られた榛名だったがガラッゾを振り払って右腕に装備したライフルの銃口をガラッゾへと向ける。


「世界を救った『黒いガンダム』… その同型機に別の『ガンダム』まで! これは狩り甲斐があるわね!」

天城「コイツ… まさか、戦いを楽しんでる…?」

「そりゃそうよ!下等生物をこの手で殺せるんだからさぁ! その為にはもっと強い機体が欲しい訳… だから頂くよ、『ガンダム』!」

榛名「人を見下すその歪んだ心、見過ごす訳にはいかない…!」

ヒリング「冥土の土産に教えといてあげる… 今からアンタ達を殺すのはこのヒリング・ケアだって事をね!」

榛名「ヒリング・ケア…!?」


榛名はその名前に覚えがあった。それは第二ピリオドの前、イノベイドについて知った直後の事。



満潮『そいつは『ヒリング・ケア』、リボンズと同じ姿をしたイノベイドで常に他人を見下してる…』



満潮のかつての仲間を死に追いやり今なお満潮を苦しめる元凶の名前、それを聞いた瞬間榛名は強い殺気を放つ。



榛名「お前が、ヒリング・ケア…!」

ヒリング「あれ、ご存知だった? そりゃそうよね、あのクソみたいな艦娘がまだ生きてアンタと一緒に居るからね!

せっかく生贄になる機会を与えてあげたのに死に損なってさ!」

天城「生贄…?」

榛名「お前が、満潮さんを…!」

天城「姉さん、落ち着いてください!怒りに飲まれれば戦闘で冷静な判断が出来なくなります!」

榛名「そんな事言われても…」

天城「大体の事情はわかりました。『アレ』が満潮さんを傷付け、心に傷を負う原因となった存在ですね」

ヒリング「ちょっと、モノ扱い?」

天城「黙れ似非人。 その歪んだ心、生かしておく必要は無いようですね」

ヒリング「人間風情が、イノベイターに勝てると思ってるの?」


後方からGN-XⅢが榛名と天城に向けランスに内蔵されたビーム砲を向ける。

そして天城と榛名もまた機体に装備された銃口を4機へと向けた。

647: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/18(金) 21:19:00.64 ID:lLj+zBD10
榛名「天城、ごめんなさい。人殺しをさせてしまうかもしれません」

天城「アレは人間ではありません。人の形をした異形、敵です」

榛名「アイツだけは、絶対に…! インパルス、最大稼動モードへ移行!」

天城「NT-D… 熾れ、ユニコーン!」


インパルスに装備されたシルエットの翼から光が溢れ出し、続いてユニコーンのフレームが露出を始め緑の光を放つガンダムへと変身する!


榛名「MSと言う力を得て舞い上がってるつもりでしょうが… そんなものは無意味だとすぐに教えてやる、ヒリング・ケア!」

天城「お前達が『イノベイター』だと言うのなら私達『ニュータイプ』の力、その身で味わってみなさい!」


二人のニュータイプ、その全力をヒリング・ケアにぶつける為に剣を取る。

そしてヒリングはまだ知らない、自分が地獄行きの道を辿っている事に。そして既にが沈み始めている事に…




視点選択 直下
1.榛名
2.浜風
3.青葉

649: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/19(土) 01:57:57.70 ID:WttLAWVV0
side-榛名-

先手を打ったのは榛名達だ。 天城が下方に瞬時に移動し、榛名は上から敵に襲い掛かる。勿論GN-XⅢとガラッゾが迎撃を行おうとするがインパルスは分身し、ユニコーンも高速で動く為捉える事が出来ない。

そして1機目のGN-XⅢの頭部をライフルで撃ち抜き、下方から天城がアームド・アーマーVNで背中のコーン型スラスターを破壊した。

榛名「まず1!」

推力を失って墜落しつつあるGN-XⅢを蹴り飛ばして山の方角へと吹き飛ばす。このまま墜落すれば市街地に被害が出るからだ。パイロットが誰であれ何であれ一人を除いては殺すつもりは無い。

そして榛名は2機目のGN-XⅢへ向け左腕でテレスコピックバレル展伸式ビーム砲塔を展開し、コックピットの上部分にあるGNドライヴ[T]へと照準を合わせそのまま放つ!

榛名「2機!」

天城「そして3機!」

そのビームがコックピットの位置をギリギリで逸れてGNドライヴ[T]を貫通し機能を停止しそのまま落下する。その姿に呆然となっていた3機目もまた、ユニコーンが展開したビーム・トンファーによって瞬時に四肢を切断されて墜落した!

もうヒリングを守る盾は無い。そして彼(中性な為)はコックピットで舌を打ち苛立ちを隠せないでおり、敵意を榛名達に向ける。

ヒリング「唯の人間がぁぁぁぁぁぁ!」

榛名「殺気が、来る…!」

ガラッゾのカッターが刃を展開しインパルスへと斬りかかるが榛名は2本のエクスカリバーを連結させ、その一撃を防いで鍔競り合いとなった。そしてその瞬間を逃さず天城がアームド・アーマーBSを放つ!

必殺の一撃、となる筈だったが気付いたヒリングがGNフィールドを展開させてその一撃を防ぐ!

天城「堅い…!なんて圧縮率…!」

ヒリング「残念だったわね!出力がダンチなのよ!」

榛名「でも、隙は出来た!」

天城にヒリングの気が向いた瞬間榛名は機体を高速移動させてエクスカリバーの連結を解除し、右腕にもった刀身でGNフィールド発生装置の付属している左腕を切り落とした!そして榛名はガラッゾから離れてテレスコピックバレル展伸式ビーム砲塔の狙いを絞る。

ヒリングは足掻くように腕部のGNバルカンをインパルスへと放つが榛名のインパルスは高速で移動しながら分身している為捉える事が出来ない。

榛名「そこ!」

放たれ高出力のビームはガラッゾの右足を焼き、溶解させる。そして天城がそれに続くようにアームド・アーマーBSを上方から放ち右腕を破壊した!

そして最後に残った左足を再び手に持たせたインパルスのライフルが貫き爆散させ全ての四肢を削ぎ落とす。

ヒリング「そ、そんな…!」

天城「怖いですか? でも、そうなったのは自分のせいですよ?」

ユニコーンの左腕がガラッゾの頭部を背後から鷲掴みにし、天城の意志を感じ取ったユニコーンがそれを握りつぶす!もうコックピットのモニターには何も映っていない。

天城は彼から怯えを感じ取るが一切容赦はしない。彼女は既に榛名と同じ段階で堪忍袋の尾が切れていたからだ。

榛名「そこで、押さえていてください」

榛名のインパルスは既にVLを解除し武装は全て背中にマウントしなおしていた。しかし右腰からフォールディングレイザー対装甲ナイフを取り出し、コックピットの周辺を滅多刺しにする!

そう、あえてコックピットは狙っていない。それで今まで消えた命が報われないから。

ヒリング「ひっ… いや、やめ…!」

榛名「…」

懇願も聞き入れず榛名はフォールディングレイザーをさらに機体へ刺しては引き抜くを繰り返す。ここで参考にしているのは三日月がやった『本物の暴力』
だ。

榛名も天城も完全にヒリングに対し怒りをむき出しにしている。二人は知っていた、どれだけ満潮が傷付き心を痛めていたのかを。だからこそヒリングを許せない。

ヒリング「し、死にたく無い… 助けて…!」

榛名「…貴方達が嵌めて殺された者もそう言いたかったでしょう。でも、そんな言葉すらその人達は許されなかった!」

そしてコックピットフレームを剥ぎ、ヒリングに直接その刃を突き立てようとした瞬間コアファイターが作動し彼女は間一髪で難を逃れる事に成功する。

ヒリングは安堵しようとするが、そんなものは問屋が卸さない。

天城「逃がしません!」

なんと天城はアームド・アーマーVNでコアファイターを鷲掴みにする!そしてVNに力を少しづつ入れていく。そう、今度は天城が恐怖を与える番だ。

そしてコックピットはミシミシと言う不穏な音を立て始める。幾多の人間を手に掛け私欲で多くの人間を傷つけた対価を払う事になる、そんな恐怖を微塵も感じていなかったヒリングにとってこれは来るべき裁きだと気付かない。

この二人の怒りを買い戦闘行為を行った事でもうヒリングの運命は決まっていた。この地獄のような姉妹に勝てる訳も無く、今は唯コックピットで死の恐怖に怯える事しか出来ないのだから…

652: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/20(日) 01:01:50.62 ID:uF2NW5d60
side-青葉-


青葉「今どの辺ですか?」

ハナヨ「地下3階です。周囲に兵は居ません」

古鷹「セキュリティとか大丈夫なの?」

ハナヨ「全て解除しました。ですが…」

青葉「事が上手く運びすぎている、と?」

ハナヨ「ええ。奪取される可能性をリボンズが考えていないとは思えません」

衣笠「そこが一番のネックなんだよねぇ…」

青葉「でもこちらは切れる札が少ない、罠でも飛び込むしか無いんです」

古鷹「…待って、この地下って誰も居ないよね?」

ハナヨ「その筈です」

衣笠「どうしたの急に?」

古鷹「声がする…」

青葉「確かに… 大声で叫んでますが…」

衣笠「誰かここに囚われてるの?」

ハナヨ「そう言えば情報で地下4階に大きな空洞がありました。恐らく囚われているとすれば…」

青葉「行ってみます?」

衣笠「でも早くヴェーダを確保しないと…」

古鷹「もしかすればヴェーダを作った人間なのかもしれない… ともかく確認して…」

青葉「まだ余裕もありますから、行ってみましょう」


青葉「ここは… 地下牢…?」

衣笠「みたいだね…」

古鷹「警戒して、3人共…」

「だ、誰か助けてくれ!」

ハナヨ「どうやら、居るみたいです」

「た、助けだ!」

「早く我々を…」

古鷹「動かないでください…!」ジャキッ

衣笠「古鷹!?」

古鷹「間違い無い… この人達、研究所で私の記憶を消した『終末の獣』関係者だよ!」

青葉「なっ…!?」

「記憶を消した…? まさか、転生体の…」

「その左目… 被検体028…」

衣笠「コイツらが…!」

ハナヨ「デザインチャイルドPFシリーズの研究者、ですか」

青葉「こりゃ面倒な事態になってきましたよ…」

653: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/20(日) 02:08:42.48 ID:uF2NW5d60
side-浜風-


浜風「全機散開!オールウエポンズフリー、オープンコンバット!」

400・愛宕「了解!」


浜風の合図と共に戦闘が始まる。 浜風にはゼロシステムから敵に関する情報が逐一で流れ込む。

2機の『アヘッド』と4機の『GN-XⅢ』、厄介な機体だが深海棲艦との戦闘で同型機を機動力の劣る『シルヴァ・バレト』で撃墜している浜風にとって『ウイングゼロ』を使用している現状で撃破する事は容易い。


浜風「ツインバスターライフル… 今!」


浜風は接近する6機の編隊に向けてバスターライフルを放ち、牽制する。 直撃させる事は容易いが出力が高いこの武装ではパイロットを殺してしまう、そして編隊を組ませたままで連携されれば厄介な事になるかもしれないから連携を断つ方がやり易い。

そう思案した結果浜風は直撃させず牽制としてバスターライフルを使った。そして浜風の目論見どおり3機ずつの小隊に分かれてこちらに対し攻撃を加えてきた。


400「分断を確認、これより各個撃破に移行」


片方の小隊に向けて400の駆るインパルスが加速しながら牽制にライフルを放つ。当然反撃が行われビームの雨がインパルスに降り注ぐが400は全て回避する。

そして400はまず1機のGN-XⅢに向けビームブーメランを投擲し、その刃はGN-XⅢのシールドによって防がれたが想定通り。


400「ヴォワチュール・リュミエール、展開」


次の瞬間、インパルスは光の翼を展開しながら加速しGN-XⅢの頭部をライフルで撃ち抜き破壊する! そして複雑な機動を繰り返して分身を発生させ、残る敵を混乱させるようと目論む。

頭部を破壊されたGN-XⅢはバランスを失い落下し、残る2機のGN-XⅢとアヘッドがインパルスを追撃しようとするが分身に翻弄されて狙いが定まっていない。


400「時間を掛ける訳にはいかない、早めに落とす」

浜風「援護します」


400は機体を反転させて今度はアヘッドを高速で肉薄する。 そして接近するインパルスを避けようと態勢を崩した瞬間ウイングゼロがツインバスターライフルを切り離して撃ち、両肩を吹き飛ばして機体を墜落させた。

残る1機のGN-XⅢは狼狽したような素振りを見せるが容赦はしない。 400は残る1機のGN-XⅢの太陽炉を一撃で撃ち貫いて墜落させた。


愛宕「遅いわよ♪」


愛宕はリバウを分離させてGN-XⅢのランスによる一撃を回避、そしてライフルで太陽炉を破壊して機体の機能を奪う。

さらに愛宕は機体を合体させてグレネードランチャーを放ち残る2機を牽制し、機体を加速させて襲い掛かった。


愛宕「コックッピットは、ちゃーんと外すから!」


ビーム・アックスを展開しそのままGN-XⅢのコックピットの真上、丁度擬似太陽炉がある部分を両断して破壊する! そして残りのGN-XⅢに向かってライフルを放ちその機体を破壊した。



浜風「全機体の沈黙を確認、戦闘終了」

400「どうする?」

浜風「このまま榛名さん達の援護に…」

愛宕「そうは問屋が卸さないみたい。 さっきの方角から新しい擬似太陽炉の光よ」

浜風「仕方ありません… 大本を叩きます、それで構いませんか?」

400「異議なし」

愛宕「OKよ」

浜風「では、行きます!」

654: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/20(日) 21:39:22.91 ID:uF2NW5d60
side-榛名-


天城「さて、そろそろお終いにしましょう」


天城はVNの出力を上昇させて振動を与え、コアファイターを破壊していく。 既にヒリングの意識は恐怖で支配されており抗う事すら不可能だ。

そして出力を最大にしようとした瞬間、『それ』が起きる。


榛名「避けて!」

天城「っ…!?」


反射的に放たれた大出力のビーム砲による砲撃を回避に成功した天城。そして大出力のビーム砲が放たれた方角を榛名と天城は睨む。

そこに居た機体は1機、そして擬似太陽炉の光を発していた。


現れた機体 直下
1.1.5ガンダムタイプダーク
2.ガンダムプルトーネ(黒)
3.ガデッサ

656: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/20(日) 23:56:29.68 ID:uF2NW5d60
天城「あの機体は…」

榛名「GNZ-003、ガデッサ…!」


長距離砲撃型MS『ガデッサ』、MI攻略戦において榛名の危機を救った機体。その時のパイロットは朝潮だったが今回は違う。

恐らくイノベイド、先ほどのヒリング・ケアと同じ存在が乗っているのだと確証があった。榛名はそのパイロットを既に知っている…


榛名「リヴァイヴ・リバイバル…!」

リヴァイヴ「おや、僕に気付いていたのかい。 それはキミが『進化した人類』だから、かな?」

榛名「戯言を…!」

天城「姉さん、アレから敵意を感じ無い… どう言う事ですか?」

リヴァイヴ「へぇ… デザインチャイルドでも無いのに進化を果たした、唯の人間がやるじゃないか」


そう言ってユニコーンへと照準を向けるガデッサ。だが砲にエネルギーをチャージしていない。

その行動に榛名と天城は疑念を感じていた。


リヴァイヴ「出来れば、渡して貰えないかな?」

天城「何…?」

リヴァイヴ「ヒリングを。リボンズからの命令でね、流石に同型が死ぬのは面白く無いらしい」

天城「このまま潰す、と言ったら?」

リヴァイヴ「出来るのかい、キミの様な一般人に」


確かに普通の人間ならば、いくらイノベイドと言えど人の形をしているから躊躇うだろう。だが、天城は違う… 既に覚悟は出来ているのだ。


天城「出来ますよ。現に、あと少しでも力を加えれば殺せますし」

リヴァイヴ「へぇ…」

榛名「天城…」

天城「どうしてもコレを取り返したい、と言うのなら条件があります」

リヴァイヴ「条件?」

天城「ヴェーダのターミナルユニット、渡して貰いましょう」

リヴァイヴ「なっ!?」


これは博打だ。 イノベイドにとってヴェーダは最重要、そして必ずリボンズ・アルマークはヒリング・ケアを切り捨てる選択に出る。

しかしもしヴェーダが手に入るのであればそれはそれで僥倖だ。向こうにデメリットがあってもこちらにデメリットは無い、条件を向こうがつけてこなければの話だが。


リヴァイヴ「…了解。 良いでしょう、お渡ししますよ」

榛名「なっ…!?」

天城「良いでしょう。 受け取りなさい」


天城はヒリングの乗っているコアファイターをガデッサに投げ付ける。これで死のうが知ったこっちゃない。


リヴァイヴ「もっと丁寧に扱って貰いたいものだけどね…」

榛名「それとそこのコアファイターのに伝えて置いてください。『お前はもう地獄に居る、逃げられると思うな』と」

リヴァイヴ「わかりましたよ… あとは勝手にすると良い、こちらはもう撤退しますので」

天城「くれぐれもこちらに銃口を向ける事の無い様に。 向けたら、殺します」

657: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/21(月) 00:28:41.66 ID:NAcLNmVG0
リヴァイヴ「あと、リボンズから貴女達二人にお誘いです」

榛名「お誘い…?」

リヴァイヴ「明日の18時にお台場海浜公園にて待つ、と。リボンズは期待している、キミ達のような進化した人類に」

天城「…良いでしょう。姉さん、構いませんね?」

榛名「ええ、一度ハッキリさせないといけませんので」

リヴァイヴ「ではお伝えしましたので、さようなら」



天城「見逃して良かったのですか?」

榛名「正直機体のエネルギーがカツカツで… ユニコーンの推力剤も枯渇手前でしょう」

天城「確かにそうですね。帰還用の推力剤しか残ってません」

榛名「それより、ヴェーダの回収を行いましょう」

天城「了解、着陸させます」

浜風『榛名さん、応答を』

榛名「こちら榛名、どうぞ」

浜風『敵は全て撤退したようですが…』

榛名「実は…」


浜風『で、ヴェーダを渡すと?』

榛名「はい、一応交換条件を飲みました」

浜風『了解。しかし何かあるかわかりません、警戒しておいてください』

榛名「わかりました」



イベント(戦闘以外) 直下

659: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/21(月) 18:53:13.79 ID:NAcLNmVG0
《兵器開発局 地下5階》


青葉「これが『ヴェーダ』… イノベイド達の計画の根幹を成す存在…」

古鷹「でも、流石にこの大きさは生身じゃ持ち出せ無いね…」

衣笠「青葉、フェネクスは?」

青葉「既に呼んでいます。多分もうすぐ…」

ハナヨ「…」

古鷹「ハナヨさん?」

ハナヨ「まさか…!」

衣笠「どうかした?」

ハナヨ「ヴェーダの機能が、停止している…」

青葉「なっ…!?」


榛名「機体を降ろします。周辺に注意、何が隠れているか…」

天城「わかっています。接近する機体… IFF、友軍識別信号?」

榛名「『RX-0』… フェネクスですね。遠隔操作モードで呼んだのでしょう。 ヴェーダを発見し、持ち出す為に」

青葉『榛名さん!』

榛名「こちら榛名、何か異常は?」

青葉『それが… ヴェーダを発見したものの、ハナヨさんは既にヴェーダが機能を停止していると…』

天城「…してやられました」

榛名「だからヒリング・ケアを優先したのですか… ヴェーダを渡す、と言ったけど『稼働中のヴェーダ』を渡すとは一言も言ってませんし」

天城「ヴェーダは一つじゃない、いくつもあって『兵器開発局』にあるヴェーダは切り捨てても大丈夫なもの… 交渉は相手が上手だったようです」

榛名「全て探し当てるのは難しいでしょうし… ともかく一旦降り、話は現物を確認してからに」

天城「了解です、姉さん。 ユニコーンはこのままサイコミュで遠隔操作してフェネクスとインパルスを護衛しておきます」

榛名「頼みます。では青葉さん達の所へ」



榛名「やはり、機能を停止して…」

ハナヨ「はい。電源供給も既に断たれていました」

天城「再起動させる方法は、ここには無いでしょうし…」

ハナヨ「それに再起動させたとしてもデータは全て…」

青葉「ここまで来たのに…」

榛名「ですが目的は達しました。もしかすればコレにも使い道があるかもしれませんし、取り敢えず回収しましょう」

古鷹「ちょっと待ってください、これをどうやって…」

衣笠「MSで運ぶにしろ地上に出さないと…」

榛名「インパルスのビーム砲でここまで穴を開けます。浜風さん、ちょっと構いませんか?」

浜風『どうかしましたか?』

榛名「ゼロシステムで地下5階まで穴を開けるのに必要なビーム砲の出力を算出し、インパルスに送信してください」

浜風『了解しました。 建物に人は…』

榛名「先ほどのアラートで既にもぬけの殻です」

浜風『ならば構いません』

古鷹「ちょっと待ってください。 一つ、問題が…」

660: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/21(月) 19:20:11.70 ID:NAcLNmVG0
《4階 地下牢》


衣笠「コイツ等が拉致犯で私達の記憶を消した犯人、そして…」

古鷹「プロジェクト・フェンリルの研究員…」

榛名「…」

天城「…」

青葉「あの、二人共…?」

天城「402さんから聞いています。お台場事変の折、脱出する両親の乗っていた車に追突して天城達の両親を殺した事を…!」

「あ、あれは不可抗力で…」

天城「黙れ! お前達が居なければ、お前達が台場に居なければ…!」

榛名「こんな奴等が榛名を生み出し、そして両親の命を奪った…!」

「な、なんだと…」

「デザインチャイルド… しかしPF-01しか確認出来たものは…」

榛名「PF-03、と言えば理解出来ますか?」

「まさか… 成功体!?」

「次元の狭間に消えた筈では…」

榛名「貴方方にはまだ聞きたい事があります。質問に答えれば生き永らえる事が出来ますよ」


聞きたいこと 直下
1.1年前、なぜお台場に居たのか
2.龍鳳について
3.イノベイドについて
4.その他

663: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/21(月) 22:52:01.33 ID:NAcLNmVG0
榛名「1年前、何故お台場に?」

「そ、それは…」

「失われたPFシリーズに代わるデザインチャイルドを造るために必要だったんだ…」

天城「そんな、命を弄ぶような身勝手な理由で…!」

榛名「能力萌芽、ですね。榛名に備わっていた能力、その覚醒を促す為の」

「あ、あぁ… その為に『アリスタ』が必要だった… だからそのサンプルを回収しようと…」

「そうだ… 後発のデザインチャイルドにも付与しようとしたが結局全部失敗作で…」

榛名「ふざけるな…! 命を散々弄んで失敗作の烙印を押す、貴方達にとって命はそんなに軽いものなんですか…!」

古鷹「榛名さん…」

「軽いも何も、失敗したのだから価値も無い」

青葉「コイツ等、殺っちゃいましょう」ジャキッ

衣笠「そうだね。コイツ等こそ、本当に生きる価値無さそうだし」ジャキッ

榛名「殺すのはまだです。必要な情報をまだ吐いて貰いますよ。

そして自分達も水に飲まれるのを避けたい、だからお台場から逃げる際に交通状況を無視した結果事故を引き起こした…」

天城「そんな…」

「お、俺達は悪く無い… だってあんな非常事態に…」

「は、早く逃げないと水に飲まれて… 俺達だって死にたく無い…」

天城「…自分達の目的の為に水に飲まれかけた台場に行った挙句『死にたくない』なんて身勝手で暴走して事故を起こしておいて…!

挙句の果てには『自分は悪くない』!? お前達は、罪の意識すら持つ気は無いのですか!? お前達こそ死ねば良かったんだ!お前達が死ね!」

古鷹「天城さん落ち着いて!」

天城「死ね! 死んでお父さんとお母さんに、そして今まで弄んだ命に詫びろ! それとも、この手でお前達を殺してやろうか!」

榛名「天城!」

天城「だって姉さん!コイツ等は天城達の…」

榛名「落ち着いて、天城。 こんなのが殺しても二人は喜びません、きっと悲しむだけです。わかってください、天城」

天城「でも!」

榛名「コイツ等を殺したいのは榛名も一緒です。だけど、まだです」

天城「姉さん…」

聞きたいこと 直下
1.龍鳳について
2.イノベイドについて
3.もう無い
4.その他

665: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/22(火) 00:01:19.27 ID:A6HVxtXG0
榛名「次にイノベイドは貴方方が作ったのですか?」

「違う。だがベースとなる遺伝子マップを提供はした」

榛名「やはりデザインチャイルドのデータを流して…」

「そうしなければプロジェクトの存続が危ぶまれていた… ヴェーダなんか作ってる連中に提供するのは癪だが仕方なかった…」

古鷹「どうやら、最初から協力関係では無かったようですね」

「当然だろう… こちらとあっちでは目的が違う。私達は兵器を造っていただけだ」

榛名「…!」

青葉「榛名さん、堪えてください」

「しかし我々が求める最高の兵器は出来なかった。そして研究所を破壊されて…」

ハナヨ「プロジェクトを潰され、ここに拘束されていると」

「PF-01もPF-03捕獲から戻って来なかった… 何も成果を挙げられ無い上に研究所を破壊されてるから…」

衣笠「当然だよね、金剛はこっちで始末したし」

「始末だと!?」

衣笠「今頃生きてるのか死んでるのかすらも知らないけどね」

天城「…あんな奴も死んでしまえば良い」

古鷹「天城さん、落ち着いて…」

榛名「死んでいれば良い、と言うのは同意です。 運命と言う言葉を持ち出した以上、排除せざるを得ませんでしたので」

「結局アレも役立たずだったか…」

青葉「そろそろ余計な口塞いだ方が良いですよ、こちらは永遠に閉じさせても構いませんので」


聞きたいこと 直下
1.龍鳳について
2.もう無い
3.その他

667: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/22(火) 00:34:22.28 ID:A6HVxtXG0
榛名「そして貴方達に聞きたい事、それは『龍鳳』と言う艦娘についてです」

「りゅ、龍鳳だと!?」

榛名「知っているならば話なさい」

「…彼女はデザインチャイルドの礎、言わばベースだ」

青葉「ベース?」

「我々プロジェクト・フェンリルの前身、我々とは違うチームのデザインチャイルドを生み出す最初の計画によって造られた最古のデザインチャイルド…」

「しかし能力は申し分無かったが体が弱く、成長に耐えられないと言う結論に達し研究所でコールドスリープ処置を施したと聞いている」

「だがその研究成果はこちらにも活かされて、その遺伝子マップをベースにPFシリーズは作られた」

榛名「つまりはファースト・デザインチャイルド、そして姉か母親にあたる人物と言う訳ですか」

衣笠「でも大鯨さんにそっくりな理由は…」

青葉「こんな事聞いた事があります。艦娘は、融合した魂によって容姿が『艦の魂が本来あるべき容姿』の姿に変質すると言う話です」

古鷹「そう言えばこっちの春雨ちゃんは艦娘だけどもう一人は転生体、なのに容姿が同じなのはそう言うことなの…?」

榛名「空母『龍鳳』は元々潜水母艦『大鯨』… そして成長と共に容姿が大鯨さんと同じものへと変質、しかし艦艇の時に大鯨から龍鳳へと改修を受けた為少しだけ外見に差が出ている…」

衣笠「大鯨さんより龍鳳の方がちょっとだけ体が成長してるもんね」

榛名「本来体が弱くコールドスリープを施されたが龍鳳さんを育ててくれた方によって解除されて、そのまま普通に成長してしまった…

確かにあのシェルターならば菌も殆ど無いような場所でしたし、健康に成長出来るでしょうね」



聞きたいこと 直下
1.もう無い
2.その他(内容も)

670: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/22(火) 23:13:12.23 ID:A6HVxtXG0
榛名「では貴方達の上に立つ存在、について教えて貰いましょう」

「スポンサーはこの世界の大本営、元々の世界は滅んだから研究成果を持ってこの次元へと転移した」

「そして研究成果や技術を大本営に渡して我々は研究資金を得ていた」

青葉「暗部の連中ですか…」

古鷹「私達が特務諜報部時代に聞いた大本営の闇の部分…」

衣笠「まさか、こんな研究に繋がっていたなんて…」

ハナヨ「そしてその技術は我々イノベイドにも転用されている…」

榛名「では大本営が貴方達の直接上に立つ存在、と言う事で良いのですね」

「あ、ああ…」


聞きたいこと 直下
1.もう無い
2.その他(内容も)

672: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/23(水) 01:19:29.55 ID:zc4hAZUO0
榛名「もう、これで聞きたい事はありません」

「な、なぁ… 助け…」

榛名「…!」ブォン

「ひっ…」

古鷹「ちょ、榛名さん!?」

衣笠「2メートル級トマホーク、本気だ…」

「ま、待て!助けてくれるんじゃ…」

榛名「質問に答えれば生き永らえる、そう言いました。知りたい事を知ったので質問する事はありません。

だから、もう質問も無いので殺します」

「お前… 我々はお前の創造主で…」

榛名「それが? 産みの親だから殺すな、と?」

「そ、そうだ… だから…」

榛名「榛名、不公平って大嫌いなんですよ。 お母さん達は殺されたのにお前達が生きてる、フェアじゃありませんよね。

一人残らず首を切り落として、初めてイーブン。 そうだと思いませんか?」

「イーブンでは無いだろう!? 我々が事故で奪ってしまったのは二人で…」

榛名「まだ居るじゃないですか、貴方達が弄んだ命がいっぱい。 これで数はフェア、どころかそちらが不公平になってしまいますが仕方ありませんね。

その贖罪への道案内くらいはしましょう。ただし行き先は天国では無く、地獄ですが…!」

天城「姉さん、トマホーク1本貸してください」

榛名「駄目です。天城の手を汚す訳にはいきません」

天城「貸して下さい」

榛名「駄目」

古鷹「あの、やるなら私達にやらせてくれませんか?」

青葉「そもそも、『終末の獣』を消すのが我々の任務ですし」

衣笠「衣笠さんと古鷹に関しては個人的にもお返ししないとね。記憶を消して人生を弄んだその罪を」

古鷹「それに、もう血に濡れるのは慣れていますので」

榛名「これは復讐、そちらの任務には関係ありません。それに特務諜報部は解散していました」

青葉「受けた任務は最後までやり通す、それが我々のポリシーですので」

ハナヨ「ここで争うのは不合理です」

榛名「ハナヨさん?」

ハナヨ「先ほど、ヴェーダ爆破用に貴女達が所持していたダイナマイトを拝借して設置しました」

青葉「あれ、確か時限式のが…」

ハナヨ「今から10分後にセット済みです、なので退避しましょう」

榛名「…それで、納得しろと」

ハナヨ「はい。これならば貴女の提示する『自分以外の手を汚したくない』と言う意見と『抹殺する』と言う意見を両立出来ます」

榛名「…」

青葉「ってカウントダウン始まっちゃってますよ!?」

榛名「急いで地上の建物の外に出ましょう」

全員「了解」

「ま、待ってくれ!置いていかないで…」

榛名「ここで死ね」

673: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/23(水) 01:46:10.27 ID:zc4hAZUO0
《ハシラジマ》

榛名「…」

ヒュウガ「珍しいじゃない、アンタが機体を破壊して来ないの」

榛名「一応舞鶴戦の時は壊して無い筈ですが?」

ヒュウガ「言われてみればそうか。 で、これがヴェーダ?」

榛名「ヴェーダの再起動と解析お願いします」

ヒュウガ「任せなさいって。アンタ達は休みなさい、部屋はこの前の所使って良いから」

榛名「了解です」


ハナヨ「それで、私の処遇ですが…」

浜風「貴女にはこのまま、ハシラジマに留まって貰います。少し狭いですがサイコジャマーを張った部屋を用意しましたので」

ハナヨ「わかりました」


青葉「あれ、天城さん?」

天城「…」

衣笠「どうしたの?」

天城「暫く、一人にしてください」

古鷹「どうしたんだろ…」



視点選択 直下
1.天城 『迷い』
2.愛宕 『姉としての』

675: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/23(水) 16:09:28.41 ID:zc4hAZUO0
side-天城- 『迷い』


私はパイロットスーツを脱いでベッドに横たわる。決して疲れている訳では無い、もっと過酷な戦闘を行った事のある身にとってあの程度では準備運動にもならない。

心の靄が取れない、親の仇を討った筈なのに気分が沈んでしまっていた。自分の心の中で悩みが生まれた、多分それが原因なのは自分自身でもわかっている事。


天城『黙れ! お前達が居なければ、お前達が台場に居なければ…!』


怒りのあまりに自分で叫んだ言葉、後からその意味を自分で理解した。 『彼等が居なければ姉が生まれる事が無かった』と言う事実、それが天城の心に迷いを生んでいる。

憎い相手から生まれた被創造子、しかし天城自身は彼女を好いている。行き場の無い靄を生み出していたのはこれが原因だ。


天城「姉さん…」


もし姉さんが生まれなければ両親が死ぬ事は無かっただろう。 姉が生まれたせいで研究員達は大型結晶体に興味を持ったなら彼等がお台場に行くと言う事象を避ける事は出来る。しかし榛名と言う存在が居たからこそ何かを変えられた人間も居る。

長波と陽炎は姉さんが転移して戦闘に加わらなければ死んでいる可能性もあった、古鷹さんも記憶を取り戻して実の両親と向き合う事も無かっただろう。リタもやり直す事も無かったし、龍鳳さんも生涯を孤独に過ごしていたのかもしれない。初風さんも春雨さんも、間宮さんも満潮さんも変わる事が出来なかった可能性もあるのだ。


天城「そして天城自身も…」


私が姉さんの妹にならなければこの場に居なかっただろう。 『ユニコーンガンダム』のパイロットになる事もニュータイプの萌芽が起きる事も、誰かの為に戦うと言う事すらも。一緒に遊んで一緒に眠る、昔は当たり前だったような事も姉さんが居なければ出来なかった。

しかしプロジェクトそのものを否定すればその大切な姉の存在そのものを否定する事になってしまう。それが天城の中に姉にどう接して良いか迷いを生み出す原因となってしまっていた。


天城「理不尽ですね、世界って」


自分自身にとってこれ程理不尽な事は無いだろう。 仇から作られたのが自分の姉で、死の直接の原因となったのも間接的には姉なのだ。

だけど今更憎む事も出来ない、共に在った時間が長すぎて憎悪が愛情を上回る事は無い。でも、それに納得出来ない自分が居るのもまた事実。


天城「考える事が億劫になって、きました…」


何もかも、考えるだけ無駄だ。 そうやって時間だけを無駄に浪費していくくらいなら寝て明日お台場に戻る為の体力を蓄えた方がマシである。

でも、ここで向き合わないと後々歪んだ形になってしまう可能性がある。だけど上手い向き合い方がわからない。


天城「不器用、か…」


自分自身、色んな意味で不器用であるのは自覚してる。 手先も、人との接し方も。

例え誤解無く相互理解出来るニュータイプになった今でもその本質は変わっていないと思う。現に姉との接し方がわからなくなってしまっているのだから。


天城「天城らしい、やり方で…」


全部の想いを姉さんにぶつけた上で、もう一度今までのように向き合えるかどうかはわからない。

だけど、それでしか伝える事が出来ないならそうするしか無い。それが不器用なりのやり方… そして先ほど脱いだ筈のパイロットスーツを再び着込む。特別に作って貰った緑色に塗られたスーツを身に纏い、ヘルメットを抱えて姉が居る筈の部屋へと歩き出す。


そう、これが天城の出した答えだった。

676: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/23(水) 23:46:46.77 ID:zc4hAZUO0
side-愛宕-『姉としての』


愛宕「接し方がわからない、ですか?」

榛名「はい… 恥ずかしながら、いまいち距離が掴めなくなってしまって…」


私に榛名さんから相談を持ちかけられるのは以前から何度もあった。意外にも私はエンガノの中でも時々榛名さんとはメールでやり取りする仲で、たまに相談に乗ったり乗って貰ったりと互いに連絡しあう。

だけど、今回持ちかけられた相談は結構複雑なものだ。榛名さんを生み出した研究員が天城さんの実両親の死に関わっていた、そのせいで二人の間に軋轢が生じてしまったらしい。


愛宕「そうですねぇ… 慰めるのは逆効果ですし、かと言って時間経過を待っても拗れるだけかと」

榛名「でも、何を話すべきかどうかすら…」


確かに難しい。 姉妹として仲良く(多分天城さんに関しては結構アレな感じだけど)していたのに突然距離がわからなくなる事はあるだろう、私だってそう言う経験はある(直ぐに戻るが)。

だが榛名さんの場合は本当に事情が事情だけに私も的確にアドバイスするのは難しい。下手な事は言えないし、何が正しいのか自分でもわからないから。


愛宕「そうですねぇ、向き合ってみたらどうでしょうか?」

榛名「向き合う?」

愛宕「はい。 天城さんの想いを全部受け止めて、その上でお互いの本心で向き合うんです」

榛名「本心で…」


多分それが最も榛名さんにふさわしい解答、だと自分で思う。 向き合わなくちゃ分かり合えない、それが人間だもの。


愛宕「貴女の力は、本来その為にあると思うんです」

榛名「榛名自身の力…」


二人は共に完全な覚醒を果たしたニュータイプとして『互いに分かり合う』力を持っているのだ。私もサイコミュは使えるけどこの二人ほど卓越した力では無い。

この二人だからこそ出来る方法もきっとあるだろう。榛名さんはそれを聞いて納得したように立ち上がる。


榛名「ありがとうございます、愛宕さん」

愛宕「どうしたんです?」

榛名「今から、ちゃんと向き合ってきます」


違う、そうじゃない。 その手に抱えたものは何か、と聞きたい。


愛宕「それパイロットスーツじゃ…」

榛名「多分、こうでもしないと天城の本音に向き合え無いので」


そう言って榛名さんは専用に造られた純白のスーツを抱えて部屋から出て行った。


愛宕「呆れた…」


あの二人はどこまで不器用なのだろう、言葉で分かり合うのが難しいならMSで分かり合うつもりなのだろうか。


愛宕「やっぱり、そう言うところも瑞鳳ちゃんそっくり…」


何事もぶつかって、そして分かり合おうとする。不器用故の体当たり行動、やっぱりそれは私の恋人にそっくりだった。

677: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/24(木) 00:44:49.27 ID:3jgk0vaD0
《格納庫》


榛名「やはり、来ましたか」

天城「ふふっ、やっぱり天城と姉さんは似たもの同士と言う訳ですね」

ヒュウガ「ちょっと、アンタ達何を…」

天城「ユニコーンとインパルス、推力剤とエネルギーの補給は?」

ヒュウガ「済んでるけど…」

榛名「では次元転移装置を【滅んだ世界】にセットしてください」

ヒュウガ「はぁ!? 何する気よ?」

天城「姉妹喧嘩です」


《滅んだ世界 廃空港》


榛名「ここが榛名の生まれた世界、そして人が誰も居ない世界です」

天城「ここなら拓けていますし、目撃者も誰も居ない。 そして海から距離があるので邪魔な深海棲艦も来ないでしょう」


そう言って二人は同時に火器のサイトを向け合った。 そしてインパルスの翼から光が溢れ出し、ユニコーンが緑の光を纏い変身する。

二人は全力だ。ここから先は一切加減など出来ない。


天城「姉さん。今から貴女を、全力で殺しに行きたいと思います」


天城の体から殺気が溢れ出す。全力でやらなければ意味がない、そうしなければ納得出来ないから。

簡単に殺されるようなら、それだけだ。 殺したとしても後悔しないだろう、所詮その程度なのだから。


榛名「なら、全力で迎え撃ちます」


相対する榛名にも殺気が満ちる。 何があっても全力で受け止める、それが榛名の決意。

それに全力でやらなければフェアでは無い、それは榛名のポリシーに反する。


天城「確認ですが、これって生まれて初めての姉妹喧嘩でしたね?」

榛名「ええ、その筈です」


初めての喧嘩、今まで互いに譲り合っていた為やる必要が無かった。だが、そうしなければ向き合えない事もある。

だから向き合う為に、己の全てを出し切る為に…


榛名・天城「行きます!」


そして同時に、2機のガンダムは加速した!

678: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/24(木) 02:36:37.76 ID:3jgk0vaD0
榛名のエクスカリバーの刃と天城のハイパー・ビーム・ジャベリンの刃が交錯し火花を散らす。

この一撃では決着が付かない、そう判断した2機は同時に機体を互いから離して距離を取った。


天城「天城自身、わからなくなってました… 姉さんを憎んで良いのか、それとも今まで通りの関係で居られるのかと!」


アームド・アーマーBSを放ちインパルスの分身に惑わされずに本体を狙う。 だがインパルスはその一撃を回避する。

サイコフレームなど無くても榛名には対応出来る、榛名も幾多の深海棲艦との戦闘を重ねその力を成長させてきたのだから。


榛名「榛名だってそうです! 天城の側に居れば、もっと天城を傷つけてしまうかもしれない… それが怖かった!」


インパルスのテレスコピックバレル展伸式ビーム砲塔の照準をユニコーンへと向け、容赦なくトリガーを引く。

その一撃はユニコーンを捉えられず、地面に直撃して滑走路を抉った。


天城「いつだって羨ましかった… 姉さんばっかりいっぱい大きくなっていって!」

榛名「それは歳の差でしょう! それに今は天城の方が身長も胸も大きいじゃないですか!」


再びエクスカリバーの刃が振り下ろされ、ビーム・トンファーでその一撃を防ぐ。

そして天城はインパルスを蹴り飛ばして態勢を崩させる。


榛名「天城もせっかく作ったゲッター1のバ○ダイ製旧キット落として破壊しましたよね!」

天城「その後ゲッター2とグレートマジンガーをお小遣いからプレゼントしました! 姉さんだって人のとっておいたプリン食べちゃいましたし!」

榛名「知らなかったんです天城のだって!だから天城の好きな御煎餅買ってあげた筈ですよ!」

天城「和菓子と洋菓子じゃジャンル全く違うじゃないですか!」


放たれる攻撃を回避しつつ態勢を復帰させて榛名はユニコーンへライフルを向けて放つ。その間にも言い争いはヒートアップしていく。

それは些細なもの、お菓子食べただの洋服汚しただの下らない事ばかり。だけど、そうやって今までの溜まっていた鬱憤を晴らす。今までそうしてこなかった、だから今ここで互いに向き合う。


天城「桃狩りに行った時も自分は美味しいところばっかり取っていって!」

榛名「そっちだって苺狩りで熟したところばっかり持って行った癖に!」


あくまでも姉妹喧嘩、そして互いに向き合う為の戦いでもあるのだ。 激しい戦闘と口論はヒートアップを重ね、そして…

2機は同時にパワーダウンを起こして墜落した。


天城「そんな… NT-Dの冷却が間に合って無くてオーバーヒートなんて… 再起動まで3分…」

榛名「核エンジンの電力供給が追いつかない… エネルギーが枯渇して…」


そして互いにコックピットを開き、今度は生身で向き合う。だがどちらの顔も、スッキリと憑き物が落ちているように穏やかだった。


天城「引き分け、ですね」

榛名「そのようです… 天城、こんな姉でも良いですか?」

天城「いえ、姉さんじゃなきゃ嫌です… でも、もっと先の関係でも…」

榛名「それはまだ駄目です」

天城「えぇ…」

榛名「その話は、全て終わらせてからです」

天城「え?」

榛名「リボンズ・アルマークの目論見を全て潰したあと、じっくり話し合いましょう」

天城「は、はい!」


その後、ハシラジマに帰還したが無事に400と浜風、ヒュウガにこってりと絞られた。

682: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/26(土) 00:52:15.11 ID:GUYrhRjW0
《ハシラジマ 格納庫》

400「貴女達、自分で何をしたか理解していますか?」

榛名・天城「はい」

400「『深海棲艦は次元の穴に引き寄せられる』、 その習性を天城さんはまだしも榛名さんは知ってる筈ですよね?」

榛名「はい」

400「貴女達は何をしましたか?」

榛名・天城「次元転移装置を勝手に作動させて深海棲艦が多数居る世界に転移しました」

400「尻拭いするの、私達なんですよ?」

榛名・天城「真に申し訳にありませんでした!」



古鷹「400ちゃん、結構怒ってる…?」

愛宕「400ちゃんは真面目、と言うか割とお説教ポジションなのよね…」

ユキカゼ「夕張さんと400はエンガノ良心の2大巨頭、故に怒らせるとこのようにお説教が待っているんです」

衣笠「意外…」

愛宕「それにいつもは悪ノリをする402ちゃんも案外そう言うところは叱ってくるんで何だかんだ言って似たもの姉妹なのかな」

ユキカゼ「故に二人共『オカン』や『お母さん』などと言った仇名も… まぁ、400はスルーで402は怒るんで誰も言いませんが」

青葉「ユキカゼさんも真面目そうなんですけどね」

愛宕「どちらかと言えばユキカゼちゃんは悪ノリするタイプかしら?」

ユキカゼ「失礼な… 自分をちゃんと律してます、お姉ちゃんみたいにダラけたりしません」

愛宕「う… そこ突かれると反論出来ない…」


イベント(ハシラジマ) 直下

684: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/27(日) 00:56:20.92 ID:W+pZkjt00
《ゲストルーム》


榛名「やっとお説教から解放されました…」

榛名(自分でやった事なので仕方ありませんが…)

榛名「あれ、ケータイに連絡が…」

榛名(そう言えば持って行くの忘れてましたね。 内容確認しておきましょう)

榛名「差出人はヤマト?」

榛名(ヤマトがケータイに送ってくるのは珍しいです)

榛名「『大会について』ですか」


大会情報
・第3ピリオド『ターゲットシュート』(清霜)及び第4ピリオド『コンビネーションバトル』(野分&舞風)勝利
・第5ピリオド種目は『チーム・アサルト』(『防衛』『制圧』のチームに分かれ、目標地点を制圧・もしくは防衛に成功したチームの勝利)
・第5ピリオド出場選手は『阿武隈』『長波』『陽炎』『朝潮』
・イノベイターとの戦闘は避けられている
・現在の保有ポイントは同率1位(『イノベイター』『Mr.ブシドー』『ギンガナム家』『リカルド・フェリーニ』『アクシズ』なども同率1位)


榛名「大会情報はこれだけですか…」


イノベイドに関する情報
・リボンズ・アルマークの姿は確認
・リヴァイヴ・リバイバル及びヒリング・ケアは確認出来ず
・今日の出場選手は『リジェネ・レジェッタ』『ブリング・スタビティ』『デヴァイン・ノヴァ』
・会場周辺に潜入タイプのイノベイドを複数確認
・ビサイド・ペイン曰く『リジェネは仲間』との事(確証は無い)


榛名「流石ヤマト… こう言う情報はありがたいです」

榛名(さて、休んで向こうに戻る準備をしないと…)

685: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/27(日) 01:10:27.07 ID:W+pZkjt00
《格納庫》


榛名「では榛名と天城はインパルスとユニコーンで先行し、先にお台場へと向かわせて頂きます」

浜風「了解しました。くれぐれも昨日のような事はしないように」

天城「もう、その必要は無いので…」

榛名「機体はそのまま東京湾にある潮さん達の秘密基地でよろしいですか?」

ヒュウガ「ええ、機体は向こうで補給・メンテも出来るから。移動にはベースジャバーを使いなさい、燃料がもたないもの」

浜風「では1200にお二人は出発、その後私達も出ますので」

天城「了解です」



榛名「それで、お話とは?」

ヒュウガ「聞いてるとは思ってるけど『改RX-0計画』についてよ」

榛名「完成したのですか?」

ヒュウガ「まだよ。 進捗は30%、正直芳しくは無い」

榛名「そうですか…」

ヒュウガ「でも新技術の導入の目処は立った、これで進む筈よ」

榛名「新技術?」

ヒュウガ「そこは秘密。でも安心して、危険は無いわ」

榛名「そ、そうですか…」

ヒュウガ「それで、機体についてリクエストはある?」

榛名「リクエスト?」

ヒュウガ「例えば機体に付けたい武装とか施しておきたい改造とか」

榛名「そうですね…」


リクエストは? 直下
1.お任せ(>>1の裁量)
2.ある(内容も)

689: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/27(日) 21:20:25.24 ID:W+pZkjt00
>>688 ツインドライヴは無理(と言うか太陽炉外付けは少し厳しいかも)なので『ソードビット』と『重力子兵装』を採用させて頂きます


榛名「サイコミュ兵器、遠隔操作式のビットをお願いします」

ヒュウガ「了解、と言ってもソードタイプにビーム砲タイプやファンネル・ミサイルなんかもあるけど?」

榛名「そうですね… ソードビットで」

ヒュウガ「ま、アンタらしい選択かもね。問題は、動力か… 出力足りるかしら…」

榛名「駄目、ですか?」

ヒュウガ「一つだけ、方法があるけど…」

榛名「何ですか?」

ヒュウガ「重力子エンジンへの換装、ウイングゼロやエピオンはそれを前提に建造したけどバンシィは元が宇宙世紀のものだから…」

榛名「規格、ですか?」

ヒュウガ「そう。 上手く改修出来なければ二度とバンシィを動かせなくなるかもしれない」

榛名「…それでも、お願いします」

ヒュウガ「ま、どっちにしろやるしか無いか… それに、重力子エンジンなら重力子兵器も使えるようになるからメリットも大きいわね」

榛名「確かにIフィールドを持った敵を相手に重力子兵器は有用ですね。水中や大気圏での減衰を考慮する必要もありませんし」

ヒュウガ「重力制御による耐G能力もあるわ。 どちらにしろリスクはあるけど、メリットも大きい」

榛名「どのくらいで完成しますかね?」

ヒュウガ「最低でも2週間、最悪それ以上」

榛名「仕方ありませんね… お願いします」

ヒュウガ「了解。 さ、アンタそろそろ出発でしょ?」

榛名「そうでした… では、これで」



《ベースジャバー 機内》


天城「お台場まであと4時間程、オートで飛行中ですから暇ですね」

榛名「そうですね… 食事もしちゃいましたし」

天城「何かする事ありません?」

榛名「ゆっくり休む事、ですかね」

天城「もうちょっと、このシートも心地よければ…」

榛名「MSのコックピットに詰められるよりは幾分か良いですけど… それでも、少しこれはつまらないです」

天城「何か、お話しませんか?」

榛名「話、ですか?」

天城「ええ、話です」


会話内容 直下

692: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/28(月) 01:59:15.61 ID:e6v4E4Jh0
天城「一つ、聞きたい事があるのですが… リタさんは一度青葉さんの体を乗っ取ったのですよね?」

榛名「ええ、そうです」

天城「本来ならば『フェネクス』を依代としていたリタさんは、『リタ・ベルナル』と言う個では無く『全体』の筈です。

どうやって『個』となり、青葉さんの肉体を乗っ取ったのでしょうか…」

榛名「確かに『リタ・ベルナル』と言う個は失われ『全体』の一部になってしまっていました。『全体』、死した者の思惟が高次元に移行した存在の一部でしか無かった筈なんです。

でも、一つの因子がそれを狂わせた」

天城「因子…?」

榛名「『青葉さん』と言う存在です。青葉さんとリタは魂の波長が似ている、そして『リタ・ベルナル』と言う個を取り戻すだけの力が秘められていた…

青葉さんはまだ覚醒していませんが榛名達と同じニュータイプ、それもかなりの素質を持っているかと」

天城「でも、それだけでは…」

榛名「確かにそれだけでは『全体』から個に戻るのは不可能です。でももし『完全に波長が生前と同じ肉体』があったとすれば?

ep7で『全体』からバナージ・リンクスが個に戻る為の器があって戻る事が出来た、それとリタも同じだったんです」

天城「では青葉さんの体は…」

榛名「生前のリタと姿形は違えど、波長が同一の器なんです。だから個に戻る事が出来た、と言う訳です」

天城「それを姉さんが引き剥がして今の器に移し替えた、と?」

榛名「はい。一か八かの賭けでしたが…」

天城「良くそんな考え思い浮かびましたね…」

榛名「似た事をやっているのがガンダムシリーズにあったんです。 クロスボーンガンダム鋼鉄の7人の2巻、カリスト兄弟が死んだ弟の精神をキャッチしてバイオ脳に移し変えると言う技を…

咄嗟にそのやり方が思い浮かんで、実行してみました」

天城「妹ながら、姉さんの力には驚かされますよ…」

榛名「あと、そうですね… 青葉さんとリタ、二人の『願い』が同じだったから波長があったのかもしれませんね」

天城「『願い』… リタさんは『家族が欲しい』と言う願いだった筈です」

榛名「それとは違う願いです。 リタは『生まれ変わったら鳥になりたい』、そう生前願っていたそうです。

どこまでも自由で高い空を飛べる、何も縛られない鳥に…」

天城「鳥…」

青葉「そして青葉さんはの願いは『鳥のように自由に縛られない生き方をしたい』と言うものでした。

リタと繋がっていた時青葉さんの心を垣間見ましたが、青葉さんは命令で人を殺める事を止めたがっていましたので…」

天城「そして自由で縛られない鳥を選んだ…」

青葉「そしてその『願い』が二人を繋げる波長となり、リタを『全体』から引き剥がす事が出来たのでしょう。

因みにシャア・アズナブルは春雨さんの器を借りた結果、個を取り戻せたそうです」

天城「そうなんですか… 『全体』、そこにお父さんとお母さんも…」

榛名「天城…」

天城「人はいずれ、そこに還らねばならない… それまでは会えませんが、きっと二人も我慢してくれるでしょう」

榛名「そう、ですね…」

天城「あまり早く還るのも怒られそうですし、いっぱい生きて二人に胸を張って会える… そんな風に、なりたいです」

榛名「榛名も、そうありたいです」

天城「だからやれるだけの事をして、今を精一杯生き抜かないと…」

榛名「二人に顔向け、出来なくなっちゃいますね」

693: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/28(月) 11:56:46.98 ID:e6v4E4Jh0
ナチ『こちらナチ、応答を』

榛名「ベースジャバー、榛名と天城です。着陸許可を求めます」

ナチ『確認しました。 今からガイドビーコンを出します、それに従い基地へ侵入してください』

榛名「了解。これより着陸態勢へ移行、侵入します」


《呉グループ管轄 海底基地》


榛名「ここが…」

ナチ「お疲れ様です。報告は既に聞いています」

榛名「ターミナルユニットは持ち出せました、しかし…」

天城「ネットワークから既に切り離されていたダミーでしたが」

ナチ「それでも、反撃の切り札になるかもしれません。 お二人は機体をハンガーに固定させてください」

榛名「了解しました」

天城「あれ、機体増えてません?」

ナチ「以前から機体そのものはありました、しかし太陽炉不足でアイズとガルムの2機のみ運用していましたので」

榛名「太陽炉搭載型のガンダム…」

ナチ「本編に登場した第三世代機より15年前に開発された第二世代のガンダム… その近代化改修機です」


現有戦力(お台場)
・ZGMF-X56/θ デスティニーインパルス1号機
・RX-0     FAユニコーンガンダム・プランB
・CB-001.5 1.5ガンダム
・GNY-001F ガンダムアストレアtype-F
・GNY-002F ガンダムサダルスードtype-F
・GNY-003F  ガンダムアブホールtype-F
・GNY-004F ガンダムプルトーネ
・GN-XXX+GNR-000 ガンダムラジエル(セファーラジエル)


榛名「よくこんなに隠せますね」

ナチ「一応、ここ東京湾の下なので。 研究所から直結のトンネル掘ってあるので移動はすぐ出来ます」

天城「成る程… それにある程度距離があるので人目につかない、と言う利点もありますしね」

ナチ「はい。 少し移動に時間がかかるのがネックですが」

696: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/29(火) 00:56:28.03 ID:uamAcaT30
《お台場海浜公園》


榛名「指定時間は18時… あと30分程ですか」

天城「確か場所はこの『お台場海浜公園』でしたね」

榛名「ふと思ったのですが… 公園のどこなんでしょう」

天城「…あ」

榛名「それくらいは指定して欲しかったですね…」

天城「あの姉さん、一つ良いですか?」

榛名「…言いたいことはわかります。 何故、まだ5時半過ぎだと言うのに人が居ないのでしょうね」

天城「ここはデートスポットですし、夕焼けが綺麗と評判なのですがこの静けさは一体…」


「へぇ… 早いじゃないか」


榛名「いきなりお出ましとは… てっきり罠かと思いましたがね、リボンズ・アルマーク」

天城「…姉さん、どうやらこれは『仕組まれた静けさ』のようです」

榛名「ええ… この付近に感じられるだけで100近いイノベイドを感じます」

リボンズ「そこまで判るなんて、キミ達はどうやら本当に人間から進化を果たしているようだね」

天城「それはどうも。 姉さんやはりこれは罠、突破する必要があるようです」

リボンズ「安心しなよ。 一切キミ達に手を出さない、それは保証しよう」

榛名「…良いでしょう、ただし破った場合にはその命で贖って貰いましょうか」

リボンズ「怖い事を言うね。まぁ良いさ… 何で僕がキミ達を呼んだかわかるかい?」

天城「ええ、なんとなくは」

リボンズ「それなら話は早いね。 人類は滅びに瀕している、それは僕達の世界でも君達の世界でもそうだ。

人ならざる異形、深海棲艦の脅威によってね」

榛名「それが、どうかしましたか?」

リボンズ「でも最近では人類側が攻勢に出ている、何故かわかるかい?」

天城「棲地MI攻略による敵戦力の減少、でしょうね」

榛名「あの棲地は榛名達が破壊した… そして日本軍の追撃を逃れる為に即座に逃走しましたが…」

リボンズ「感謝してるよ、お陰でこちらも深海棲艦と対等に戦う武器を手に入れられたからね」

天城「モビルスーツ…」

リボンズ「でも、キミ達が暴れてくれたせいで貴重な機体を失ってしまったよ」

榛名「GN-Xについては謝りましょう。 ですが、ガラッゾに関しては別です」

リボンズ「ヒリングだね。 一度次元転移させて迎撃に向かわせたのに、まさか返り討ちなんて思わなかった」

天城「力量も測れず仕掛ける、そんな愚を犯すなんてパイロットとして3流です」

リボンズ「流石、侵攻した深海棲艦を退け棲地MIを攻略した『英雄』は言う事が違うね」

榛名「英雄…?」

リボンズ「キミ達は、あちらの世界で英雄なんだよ。 モビルスーツを駆り、深海棲艦へのカウンターとなった人類反撃の礎として。

特に不思議な力を使う『漆黒のガンダム』とその確認された同型機の2機はね」

榛名「…」

リボンズ「恐らく、深海棲艦を駆逐するにはさほど時間はかからない。 でも、僕達が見据えているのはその先だ」

天城「始まってもいない事を夢想、ですか」

リボンズ「人間の価値観は狭すぎるんだ。僕らはもっと広い視野で物事を考えている」

697: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/29(火) 01:44:20.36 ID:uamAcaT30
天城「そろそろ、雑談も飽きました。本題に入ってください」

リボンズ「せっかちだね、まぁ良い… 僕達は人類を導かなければならない。

戦争が終われば混乱は免れられない、その混乱に乗じて世界中の政府中枢にイノベイドを紛れ込ませて情勢をコントロールする。そして戦争の無い平和な世界を創り人類を進化に導くんだ」

榛名「それで、何故榛名達をここに呼んだのですか?」

リボンズ「君達は進化の体現者、君達から他の人間からはありえない筈の脳波が出ているんだよ。

それは進化の果てに得た力、僕達の脳量子波と同種のものなんだ」

天城「天城達が『イノベイター』、だとでも?」

リボンズ「『進化した存在』、と言う意味では間違ってないね。 そして進化した存在である君達は人類を導く権利を得た」

榛名「傲慢な…!」

天城「全くです…!」

リボンズ「進化した人類が築く世界、まさに理想郷じゃないか」

榛名「一つだけ、聞かせてください」

リボンズ「なんだい?」

榛名「情勢をコントロールして、平和を創り人類を進化に導く。 その考えの為に…」


榛名「どれだけ、血を流すつもりですか?」


リボンズ「へぇ…」

榛名「確かに、やり方としては間違いないかもしれない。 でもそれは、大の為に小を切り捨てる行為…

そしてそんな強引な方法で平和を創る為に必要なものは『暴力』… 少数派を弾圧しなければならないでしょう」

リボンズ「確かに血は流れる、でもそれは仕方の無い方法なんだよ? 不要なものを切り捨てるのは、いけないことかい?」

天城「そんなもので創られた世界は平和じゃない、ただのディストピアです…!」

リボンズ「でも、それが人類にとっては正しい行為だ。 人間は過去の戦争から何も学ばない、だからそうする必要がある」

榛名「違う… 人間は前に進める、後悔しながらもゆっくりと歩み出せる…! 少なくとも榛名はそうだった!

あの『後悔』があったからこそ、一歩ずつ前に進めるようになった!」

天城「姉さん… 人間には、進化の可能性がある… それを干渉ではなく見守るのと言う手段もある筈です!」

リボンズ「そんな悠長な事を言っている間にも人類は滅んでしまうよ」

榛名「少なくとも、人類はそんなに愚かじゃない!」

天城「貴方の考えは、人間を家畜にする事です! そのエゴが、世界を歪ませる!」

リボンズ「人間が自分達の都合で動物達を管理しているのと一緒さ。 そうしなければならない、人類は愚かだからね。

さて、ディベートもここまでだ。 僕に協力するか、それとも僕に討たれるか… 選ぶと良いさ」

榛名「答えは…!」

天城「既に決まっています!」



二人の選択 ↓3まで
1.「その歪み、私達が破壊する!」
2.「世界を好き勝手にさせない!」

701: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/30(水) 00:24:54.14 ID:vxDyuOMG0
榛名・天城「その歪み、私達が破壊する!」

リボンズ「へぇ… 上位種たる僕に逆らおうと言うのかい?」

榛名「その傲慢さが命取りになると知りなさい、イノベイター!」

天城「人は、お前達の手なんか借りなくても平和を生み出す事は出来ます!」

リボンズ「その前に人類は滅んでしまう、だから僕が導くのさ!」

榛名「その物言い、やはり貴方は『イノベイター』には成れ無い!」

リボンズ「何…?」

天城「自分だけが他を導く、それは『自分』以外の他者を見下していると言う醜悪さの表れ…!」

リボンズ「当然さ。ヴェーダを掌握している今、僕は神に等しいのだから!」

榛名「そんな身勝手で神を語るものに先駆者の資格は無い!貴方はイノベイター、いや人間ですらありません!」

リボンズ「僕が人間以下? そこまで僕を怒らせたいのか、君達は…!」

天城「どうやら、地が漏れ出しているようですよ?」

榛名「歪んだ性根、そして支配欲… その程度の器で革新者を名乗るなど小物も良い所です」

リボンズ「デザインチャイルド如きが…!」

榛名「そのデザインチャイルドの遺伝子を用いて創られたのは、どこの誰でしょうか?」

リボンズ「…!」

榛名「そんな事も気付かないで自身を上位種であると驕り昂ぶる、やはり『革新者』の名には程遠い…!」

リボンズ「ふ、ふふ…」

天城「何がおかしい…!」

リボンズ「こんなにコケにされたのは初めてだよ… 人間と同列に語られ、否定されるのは我慢ならないな…!」

榛名「殺気…!」

リボンズ「この場で手を下すつもりは無かったんだけどね、でも君達は僕を怒らせた… だから、死んでもらう」

ジャキッ

天城「包囲されてる…!」

榛名「こちらの退路を…!」

リボンズ「バイバイ、哀れなデザインチャイルドと人間。君達は興味深かったけどね、僕を怒らせたのがいけなかったのさ!」

榛名(どうにかして、天城だけでも…!)

天城(この数、天城達だけでは…)

702: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/30(水) 00:56:27.97 ID:vxDyuOMG0
ドサッ ドサッ ドサッ ドサッ ドサッ ドサッ ドサッ


リボンズ「何っ!?」

天城「量産型のイノベイドが勝手に倒れて…」

「この程度、気付かないとは…」

「所詮は木偶人形だ。 体の動かし方がなっちゃいねぇな」

リボンズ「何者だ…!」

「通りすがりの居酒屋の女将と」

「ブラック企業の係長だ」

榛名「貴女、鳳翔さん!?」

天城「大鯨さんの、妹さん…」

鳳翔「榛名さんに天城さん、貴女達は逃げてください。ここは私達が食い止めます」

サーシェス「って事だ、後は俺達に任せな」

榛名「貴方、確か…」

サーシェス「俺の名はアリー・アル・サーシェス、ご覧の通りゲリラ屋だ」

天城「さっきブラック企業の係長だと…」

サーシェス「ありゃ、名乗りミスったか… まぁ良い、退路の一つや二つ俺らにとっちゃ飛び込み営業より楽な仕事よ」

鳳翔「大丈夫です。 ここは既に私達のフィールド、片付けたら直ぐに撤収します」

天城「お二人は…」

榛名「行きましょう、天城!」

天城「でも…!」

榛名「お二人の善意、無駄には出来ません! ここは退きます!」

天城「了解…!」ダッ

リボンズ「逃がすな!」

サーシェス「ちょいさっ!」


ドサッ ドサッ


鳳翔「言いました、ここは『私達のフィールド』だと」

リボンズ「何…?」

サーシェス「俺達はなぁ、正面きっての戦いじゃ義姉さんとその旦那の足元どころか娘一人にも及ばない… だがゲリラ戦に関しちゃ、長があるんだよ」

鳳翔「既にこの場の『仕込み』は済んでいます。もう貴方達は既に蜘蛛の巣に絡めとられた羽虫同然… 逃げる事は叶いません」

リボンズ「くっ… まずはあの二人を殺せ!あっちの女達は後回しだ!」

サーシェス「へっ… じゃあいっちょ、やってやるぜ鳳翔!」

鳳翔「ええ、アリー。 私達夫婦の力、見せてあげましょう!」

705: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/30(水) 23:07:36.02 ID:wguwHV4P0
祥鳳「お二人共、こっちです!」

榛名「祥鳳さんまで… どうして…」

祥鳳「瑞鳳に駆り出されました。『今四国だけど厄介事に巻き込まれてるらしいから助けに行って欲しい』と…

それで、浜風さんにここで会うって情報を聞いてお母さん達仕事休んで周囲に罠を張り巡らせたんです」

ズガァァァァン ドゴォ

天城「うわぁ…」

榛名「…爆薬か何か使ってません?」

祥鳳「はい。因みに設置には私と私の彼も携わってます」

天城「しかし、二人であの数は…」

祥鳳「寧ろ、足りないと思いますよ?」

榛名「え…?」

祥鳳「ウチの両親は大鯨さんのような個人での超戦闘能力はありませんが罠を張り巡らせての戦いと闇討ちに関しては軽く大鯨さんを越えてます」

榛名・天城(あの一族は一体どこに向かっているのだろう…)

祥鳳「さて、そろそろ潮時かなお父さん達も。 私達は一旦、車でウチまで行きましょう」

榛名「わかりました」



鳳翔「破ッ!」

ドサッ

サーシェス「オラオラどうした!革新者さんよぉ!」

グシャッ

リボンズ「な、何なんだこの人間は…!」

鳳翔「身体を使う技は例え人造人間と言えど訓練しなければ対応出来ない、本来人を殺すには技があれば武器など不要です」

サーシェス「テメェ等はそれを甘く見過ぎなんだよぉ!地を強化した所で肝心な技が無けりゃ意味がねぇだろ!」

リボンズ「人間風情が…! 包囲して殺すんだ!」

鳳翔「さて、頃合でしょう」

サーシェス「だな。『迎え』もそろそろだし」

リボンズ「この包囲からどうやって逃げる気だい?」

鳳翔「私達の後ろに何があるかわかりますか?」

リボンズ「君達の背中は海、でも逃げ込む前に殺せるよ」

サーシェス「ゲリラ屋ってのはなぁ、最初から退路を用意しておくもんなんだよぉ!」

『その通り、なのね!』


ザッパァァァァァァン!


リボンズ「なっ… あれはモビルスーツか…!」

鳳翔「『MSM-03C ハイゴッグ』、強襲・ステルスに長けた水陸両用の機体…」

サーシェス「おらさっさとコックピットに上げろって、イク!つかもっとマシな機体無ぇのかよ!」

イク『舞鶴で鹵獲出来たの水陸両用はコイツだけなのね!さっさと乗るの!』

鳳翔「では、さようなら」

サーシェス「おっと、置き土産を忘れてたぜ。ポチっとな」


ズガァァァァァン!



リボンズ「くっ…! ゲホッゲホッ… たかが人間に80体近くのイノベイドがやられただと…!」

706: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/30(水) 23:27:10.34 ID:wguwHV4P0
《居酒屋『鳳亭』》


榛名「鳳翔さん達、大丈夫でしょうか…」

祥鳳「今、イクが二人を回収したと連絡がありました」

天城「どうやって回収したんですかねぇ…」

祥鳳「あの子もお二人と同じパイロット、そして水陸両用機乗りですから海から乗り込んで回収したようです」

天城「でも格納庫に『アッガイ』が残ってましたが…」

祥鳳「機体を替えたそうですけど、詳しい事は後で当人に聞いてください」

榛名「そうですか…」



イベント 直下

710: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/31(木) 20:46:55.53 ID:fn9RTDVE0
ガラッ!


初風「榛名!」

榛名「初風さん、それに皆…」

曙「ったく、なんで危ない橋を自ら渡ろうとするのか… アンタら、馬鹿じゃないの?」

舞風「心配したよ… たった二人でイノベイターに接触するなんて」

朝潮「無謀にも程があります。もっと私達を頼っても…」

如月「向こうから接触があって、二人だけが呼び出されたからって私達に相談くらいしても良いじゃない」

野分「それ程私達が信頼出来ませんか?」

榛名「そう言う訳では…」

秋月「なら、もっと頼ってください」

清霜「イノベイドの一人や二人なんてねじ伏せられるのに」

天城「いや、百体近く居たので…」

龍鳳「それこそ無謀です」

リタ「これには同意、瑞鳳達が伏兵を仕込んでたから良いものの…」

陽炎「どうせ逃げて来たのだって変に煽って怒らせたんでしょ?」

長波「でも、そうしたい気持ちもわかる。アイツ等はいけ好かない」

阿武隈「それで何があったの?」

榛名「実は…」


事情説明中…


満潮「アイツ等、そんな事企ててたわけ…!?」

コトノ「私達の世界でも『霧』と言う人類共通の敵が現れても欧州じゃ人間同士で争っていた」

ヤマト「リボンズ・アルマークのやり方は完全な誤り、と言う訳でもありません」

間宮「お二人共…」

コトノ「けど、今の私達はそれが正しいとも思わない。 その行動は私利私欲で動く悪徳政治家と同じよ」

ヤマト「リボンズ・アルマークは大義名分を掲げて己で支配を目論む、その傲慢さは異質です」

コトノ「人類の現状に絶望して隕石を落としたシャア・アズナブル、貴方はどう考えるの?」

シャア「そこまで言われるとはな… 確かにリボンズ・アルマークの言う事にも一理はある、だがそれで『人類の進化』を促せるとは思わん。

それに私の父、ジオン・ズム・ダイクンの思想とも程遠い。それでは『人の革新』など起こらんよ」

ヤマト「しかし、それでは榛名と天城さんの存在に説明が付きませんが?」

シャア「私とて万能では無い、そもそも何故ニュータイプが発生するのか不明な以上完全な答えなど出る訳が無い。

だが、私はこの二人の可能性を信じる。 私に今一度人の可能性を信じる意味を教えてくれたからな」

祥鳳(あの、この子って一体…)ヒソヒソ

榛名(紆余曲折の末に『宇宙世紀のシャア・アズナブル』の意識が融合して、本来の人格とは違う別人格として肉体を共有してるんです)ヒソヒソ

祥鳳(じゃあ、姿形は違えど…)ヒソヒソ

榛名(あのシャア・アズナブル本人です)ヒソヒソ

711: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/03/31(木) 22:34:19.27 ID:fn9RTDVE0
ガラッ!

「失礼する!」

「入らせて貰おう」

天城「なっ!?」

榛名「ハマーン・カーン、それにグラハムさん!?」

初風「ああ、私が呼んだのよ」

ハマーン「何、マシュマーから事のあらましは既に聞いている。我々に対し、無粋な行為を働く輩が居るのだろう?」

グラハム「こちらも飛龍と蒼龍から協力の要請があった。それに、あのような輩は好かん」

初風「それに、協力してくれるのはここに居る人間だけじゃない。『カトル・ラバーバ・ウィナー』、彼も私達に協力をしてくれるそうよ」

榛名「お二人はまだわかりますけど、カトル・ラバーバ・ウィナーさんは…」

ヤマト「彼は『対次元生物用特殊班』の出資者の一人でもあり、その創設にも携わっています」

榛名「成る程…」

ハマーン「さて、今お台場で何が起きているのか聞かせて貰おうか」


説明中



グラハム「『イノベイター』、気に入らんな…」

ハマーン「よもやそんな野望を抱いていたとは… だが、事情を聞いた以上協力させて貰おう」

榛名「構わないのですか?」

ハマーン「こちらにも守らねばならないものがある。 放置していれば、危機が及ぶかもしれんのでな」

グラハム「私も、出来る限り協力はしよう。 支配者気取りの輩に好き勝手はさせんよ」

榛名「では、これより我々は共闘関係を結びます。 イノベイターの野望を阻止する為にも、手を借してください」

グラハム「無論だ」

ハマーン「努力しよう」

714: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/02(土) 01:34:05.49 ID:OIfMjtCS0
鳳翔「祥鳳、今戻り… あら、榛名さん?」

榛名「どうも」

サーシェス「お仲間や妹さん達はどうした?」

榛名「先にお台場に戻って貰っています。先ほどはどうも、ありがとうございました」

鳳翔「いえ、可愛い姪の頼みでしたので。 それに久々に良い運動も出来ました」

サーシェス「アイツとの会話はこっそり聞かせて貰っていたが、嬢ちゃん格好良かったぜ。あそこまで啖呵切れる若いのは最近珍しいからな」

祥鳳「意外… もっと大人しそうな印象なのに…」

榛名「多分、前の榛名ならリボンズ・アルマークに従っていたかもしれません。綺麗事だけでは、何も出来無いから…」

サーシェス「確かにな… 青臭い理想論ばかりをいくら掲げた所で、いずれは現実に押し潰されちまう人間だって多い」

鳳翔「それでも、榛名さんは真っ向から対立する道を選びました。貴女は、もう以前の貴女では無い」

榛名「変われた、のでしょうか… ニュータイプだって、本当は戦争で生まれた悲しい変種かもしれないのに…」

鳳翔「確かに貴女の芽生えは『戦争』、ですがそれでより多くの心を救った。 悲しみを払い、憎悪を払い、そして心の傷を抱きとめる… それは、人の心を理解していないと出来無い事です。 

貴女は『人の革新』へと至った、だからこそ出来たのです。そして貴女は人の可能性を信じる道を選んだのでしょう?」

サーシェス「人間、何が正しいのかなんてわかんねぇもんだ。アイツ等の提示した未来と、嬢ちゃんの出した答え…

それが正しいのか決めるのは今を生きる若い奴等、これから生まれて来るガキだ」

榛名「お二人共…」

鳳翔「貴女自身の答えが正しいのか後世に判断を委ねる為にも、まず今は貴女の意志を貫き通し彼の野望を打ち砕く必要があります」

サーシェス「頑張れよ、嬢ちゃん。 陰ながら、応援してるぜ」

榛名「はい…! ありがとうございました!」



鳳翔「あの子も、本当に大きくなりましたね…」

サーシェス「ああ、死に体だったあの嬢ちゃんが立派になってな…」

鳳翔「榛名さんの何事にも怯えず立ち向かう勇気、前より大きくなってる気がします」

サーシェス「俺としちゃ、お前の言葉がいつまでも心の中に残ってるのが嬉しいぜ」

鳳翔「榛名さん、その心を絶対に無くさないでください…」

祥鳳(実の娘より娘らしい気がするな、榛名さん…)

サーシェス「そう言や祥鳳、お前の彼氏どこ行った?」

祥鳳「確か妹さんのところに…」

鳳翔「せっかく手伝って貰った御礼をしようと思っていたのだけど…」

祥鳳「後で呼んでおこうかしら?」



榛名「榛名自身の意志、か…」

榛名(人の進化… イノベイターによる可能性の閉ざされた未来か、榛名達の選ぶ可能性に委ねられた未来か…

そのどちらが正しいかなんてわからない、そんな事当然だ。未来なんて、誰もわからないのだから)

榛名「だけど、信じたいです…」

榛名(人の可能性を、そしてその可能性が描く未来を… でも、決して一人では届かないだろう…)

榛名「それでも、皆がいる…!」

榛名(掛け替えの無い仲間が、榛名には居る。 皆とならば、届かない可能性にも手を伸ばす事が出来る。

榛名はそう信じている。 だから戦う、共にある仲間達と、手に入れたい未来の可能性の為に…!)


第21話『陰謀の地へ』 終

715: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/02(土) 01:59:07.70 ID:OIfMjtCS0
第22話『牙を剥く歪み』


『これより第7ピリオド、『即席チームバトル』を行います』


Please Set Your KP BASE

Beginning Plavsky Particle Dispersal

Please Set Your KANPLA

BATTLE START!


榛名「『ヤマト・ブレイヴtype-R』、榛名!いざ、出撃します!」


「糞っ、損傷した…!」

榛名「リペアデバイス展開、修復作業を開始します」

「た、助かる…!」

「よし、敵は修復作業中だ!一気に攻めて…」

榛名「主砲斉射! なぎ払います!」 ズドォン

「ば、馬鹿な…!」

榛名「誰も、修理中は戦え無いなんて言ってませんし」



『第8ピリオドは『バトルレース』、各チームから一人ずつ選手を出してレースを行います』

陽炎「粒子スラスター、フルブースト! 一気に距離を広げるわ!」

「早い!?」

「なんてスピードだ!?」

陽炎「並の艦が私に追いつける訳無いでしょうが!」


『第9ピリオドは『ターゲットクラッシュ』、4チームずつで最も多くターゲットを破壊したチームの勝利です』


朝潮「システム起動、マルチロック… メイルシュトローム、纏めて壊します!」

「有り得ない…」

「俺達の分まで…」

朝潮「複数の対象があるなら、私が有利です」




初風「ここまでは順調、ね」

シャア「ああ。だが問題は、第10ピリオドだ」

榛名「1対1の正面からの対決、ですか」

初風「そうなるとPBC搭載艦は向かない…」

コトノ「まぁ、対戦相手が決定してからでも良いんじゃないかしら?」

初風「それもそうね… よし、そうしましょう」

717: ≫1 ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/04(月) 22:29:51.96 ID:Zxb1OGTL0
《粒子研究所 製作室》


榛名「…」カチャカチャ

榛名(大方の修復作業と改修は終わり、能力の底上げは大体終わった。劣化した粒子貯蔵用スペースの補強と磨耗した砲身の交換、これなら決勝大会までは戦える… 

問題は第10ピリオド、現時点で既に決勝体会への出場も確定しているけど敗れれば危うくなる…)

榛名「後は、選手次第か…」

榛名(チーム・ホワイトクリーン、榛名達の戦闘は基本『連携』を前提としている。 初風さんと阿武隈にコトノの『指揮官型』。

如月さんに陽炎と春雨さん『高速戦闘型』、青葉さんと長波に満潮さんの『強襲型』、清霜さんや衣笠さんに朝潮さんの『支援戦闘型』、舞風さんと野分さんの『連携型』、ウチの実質的なエースである天城を筆頭にした『空母型』…)

榛名「そして、実質榛名だけの『防御型』…」

榛名(『ミラーリングシステム』はコトノも使用可能、だけどPBCクラスの威力を完全に防げるのはヤマト・ブレイヴだけ…

防御層が薄いのがウチのネックですね…)

榛名「第10ピリオドで投入出来るのは高機動型と指揮官型で単体戦闘の可能な阿武隈、あとは強襲型と榛名だけ…」

榛名(技量がまだ調整しきれていない春雨さんと満潮さんは除外、それ以外から考えるしか無い…)

榛名「まぁ、指揮官の皆さんに任せましょう」



イベント 直下

719: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/05(火) 20:39:48.65 ID:XZ0y4UZk0
天城「お疲れ様です、姉さん」

榛名「天城ですか」

天城「これ、どうぞ。いくら空調が効いているとは言え今は夏場、脱水になってはいけませんから」

榛名「麦茶… まさか…」

天城「そんなに疑われるとは心外です… そこの自販機で買ったばかりだと言うのに…」

榛名「冗談ですよ。 ありがとうございます」

天城「一瞬目が冗談じゃありませんでしたよ」

榛名「そ、そんな事…」

天城「互いにニュータイプ、考えは筒抜けですよ」

榛名「うっ…」

天城「天城だって、好きで料理が下手な訳では無いのに… 努力だってしてるのに…」

榛名「多分、努力の方向が間違ってると思うんです」

天城「…向こうに戻ったら、また間宮さんに料理を教えを請うしかありませんね」

榛名「間宮さんは料理が上手過ぎなので参考にならないかと… それより、何か用があったのでは?」

天城「そうでした… 第10ピリオドの対戦相手が決定しました」

榛名「本当ですか!?」

天城「ええ、先ほど運営側から発表が」

榛名「それで、対戦相手は?」


対戦相手 直下
1.ブレイア・リュード
2.リカルド・フェリーニ
3.カトル・ラバーバ・ウィナー

721: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/05(火) 21:51:55.01 ID:XZ0y4UZk0
天城「敵は第一ピリオドで姉さんが戦った『フレスベルク隊』、恐らくファイターは『ブレイア・リュード』かと」

榛名「ブレイア…?」

天城「鋭い双子、その兄の方です」

榛名「超長距離砲撃を行う方ですか… 彼の方が感覚的に鋭かったので早めに倒しましたが…」

天城「過去のデータを確認した所、彼は本来長距離戦闘は得意では無いみたいです」

榛名「え?」

天城「彼の本来のレンジは近接、肉薄しての攻撃のようでした」

榛名「成る程…」

天城「恐らく、今回は本気で来るでしょう… ファイターは慎重に決めなければ…」

榛名「フレスベルクの他の候補は?」

天城「弟のイングはブレイアと比較して爆発力に劣り、姉さんと一騎討ちを行ったマーティン・マータフは連携での戦闘を得意としています。

そしてレックス・フォビアは支援型、天城達と戦ってはいませんがペスコ・リンガは撹乱型です」

榛名「可能性が高いのはイングとブレイア、そして爆発力のあるブレイアがほぼ確実と言う訳ですか」

天城「はい。 そしてこちらのファイター候補は阿武隈に陽炎、そしてリタだと初風さんが」

榛名「リタを…?」

天城「能力的には申し分ありませんし、爆発力もあります」

榛名「榛名の娘で一応ニュータイプですからね」

天城「この歳で叔母になってしまうなんて… しかも外見年齢的にはそんなに歳も離れてませんし…」

榛名「それしか方法が無かったので…」

天城「わかってますよ。 仕方なかった事くらい… では、行きましょうか」

榛名「ええ、そうですね」

722: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/06(水) 00:59:18.07 ID:70I9LS4i0
初風「で、艦の調整は?」

榛名「全部終わってます。 阿武隈の『アドミラル・ヒッパー・シュナイド』は通信範囲の広域化に成功、これで遠隔操作距離が伸びました」

阿武隈「距離短いのがネックだったもんね、遠隔操作能力」

陽炎「私のは?」

榛名「『アラスカ・ブレイヴ』は粒子貯蔵量の強化とスラスターの粒子消費量を効率化させたので継戦能力が向上しています」

陽炎「流石にディスチャージ周りまでは手が出なかったかぁ…」

榛名「多分弄るとすれば船体ごと手を加える必要があるので、短期間では無理です」

陽炎「ま、火力足り無いのは仕方無いか。機動力での勝負だもんね、こっちは」

榛名「リタの艦プラは、そもそも実戦を経験してないので強化のしようがありません」

リタ「だよねー。 何気私影薄いし…」

初風「んな事言ったら満潮もよ。 参入時期が遅いから仕方無いけど」

リタ「同時期の春雨は2回やってるけど?」

初風「あれはシャアがほぼやってるでしょ」

リタ「こう言う時だけ微妙に羨ましいなぁ… あの  コンは勘弁だけど」

榛名「それで、誰を第10ピリオドに?」


選手選択 直下
1.阿武隈『アドミラル・ヒッパー・シュナイド』
2.陽炎『アラスカ・ブレイヴ』
3.リタ 使用艦 安価

724: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/06(水) 01:37:13.11 ID:70I9LS4i0
初風「阿武隈、アンタがやって」

阿武隈「え、私!?」

初風「単純な戦闘技能はアンタが候補者で一番高いもの。数値的には『フレスベルク隊』の連中の誰にも劣って無い」

阿武隈「そうかもしれないけど…」

初風「榛名、阿武隈をサポートしてやって」

榛名「了解です」

阿武隈「話進めないで!?」

初風「大丈夫よ、アンタもいい加減自分に自信持ちなさい」

阿武隈「うぅ…」

陽炎「戦闘の時の勇ましさはどこに行ったのやら…」

リタ「時々阿武隈も多重人格じゃないかって思うよ、三日月みたいに」

阿武隈「アレとは違うよ!?」

初風「寧ろアレと同じ方が嫌よ、私。クィン・マンサ滅多刺しにした姿なんて鬼かと思った…」

榛名「てかげん+本物の暴力… 頭が…」

リタ「あれ、結構有効だよね。 特にランカスレイヤー回」

初風「その話は止めなさい」

榛名「あとは次作品の首狩りCファンネルですかね?」

リタ「似た条件のステージでBXのハイパーガルダは笑うしか無かった。アレデカ過ぎだし」

阿武隈「その前にナデシコのジラードさんをお忘れなく。ハイパーガルダに激突するし」

陽炎「説得条件にリオンは意外だったけどね。ただあのクロスオーバーは評価する」

榛名「個人的には地獄トリオのBADエンド強制終了が…」

初風「いい加減にしろ! スパロボの話は別の所でやれ! つーか皆やってんの!?」

榛名「何を今更… ウチにはスパロボが全作揃っているのを忘れましたか?」

初風「そんな設定始めて聞いたわ!」

727: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/07(木) 21:13:56.96 ID:lg/CGUwT0
《翌日 選手用ラウンジ》


『これより、第10ピリオドを開始します。選手の方々は…』


阿武隈「いよいよ、だね…」

榛名「ええ、これで全てが決まる…」

阿武隈「自信無くなってきた… 姉さん、代わってよ」

榛名「ヤマト・ブレイヴはミラーリング形態へ換装済み、もう無理です」

阿武隈「だよねぇ…」


「お、アイツ等は…」

「あ、ちょっとイング!?」


「確かアンタ等、俺達とやり合うチームだよな?」

榛名「確かイング・リュードさん、でしたか?」

イング「あ、覚えてた? つーか、アンタが俺達倒したんだったな」

ブレイア「白い大和のファイター…」

榛名「そして、その兄ブレイア・リュードさんでしたね。何か御用で?」

イング「いや、ただ誰がファイターか確認しに来ただけ。まさかアンタがファイター?」

榛名「今回は阿武隈、私の妹です」

阿武隈「初めまして、阿武隈です」

イング「第5ピリオドで旗艦やってたファイターか。隊長が兄貴に似てる、って言ってた」

ブレイア「ちょ、イング!?」

阿武隈「似てる…?」

イング「弱気な癖にいざ戦場になると一気に強くなる、ってタイプじゃない?」

榛名「言われてみれば…」

阿武隈「姉さんまで!?」

ブレイア「すみません、コイツちょっとお調子ものなので…」

榛名「大丈夫ですよ。これで少しは緊張も解れたと思いますから」

阿武隈(緊張度合い増した気がするんだけど…)

イング「じゃ、また後で。 第一ピリオドのリベンジ、させて貰いますよ」

榛名「負けませんよ、こちらだって本気ですから」


阿武隈「姉さん…」

榛名「大丈夫ですよ、阿武隈」ワシャワシャ

阿武隈「ま、前髪弄るの止めてったら!」

榛名「阿武隈は強い、自信を持ってください。 榛名の、自慢の妹なんですから」

阿武隈「姉さん… だけど、前髪は弄らないでよ!」

榛名「天城には『こうやれば自信が付く』と言われたのですが…」

阿武隈「後で絶対怒ってやる…!」

728: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/07(木) 21:21:36.88 ID:lg/CGUwT0
Please Set Your KP BASE

Beginning Plavsky Particle Dispersal

Please Set Your KANPLA

BATTLE START!


阿武隈「アドミラル・ヒッパー・シュナイド、阿武隈!」

榛名『及び榛名、チーム・ホワイトクリーン!』

阿武隈「出撃します!」



アドミラル・ヒッパー・シュナイド
艤装
・20cm3連装砲塔4基。
・10.5cm連装高角砲塔6基
・53.3cm三連装魚雷発射管4基
・後部対スクリュー用ネット発射装置2基
・対艤装用誘導式トリモチランチャー4基
・61センチ4連装酸素魚雷 10基
・艦首魚雷発射管6門
・対電子用レドーム
・RGシステムtype-HA
・ディスチャージ(1式『粒子圧縮砲弾』、2式『粒子圧縮加速』、3式『粒子攪乱フィールド』)
・アームド・アーマーWC(ゼーフント×4 魚雷艇×2)



榛名『敵艦捕捉、前回戦った時とは違う… 恐らく近接型!』

阿武隈「懐に入られたら負ける… 距離を保ち続けないと…!」


イング『兄貴、頑張れよ!』

ブレイア「イングこそサポートよろしく。負けたら後が無いんだ…!」


敵艦
・アドミラル・ヒッパー 近接型改


行動安価 直下

730: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/08(金) 23:00:42.86 ID:GlsZTYP80
阿武隈「『ヴォルフスシャンツェ』起動! ユニットパージ、全艦一斉展開!」

榛名『ゼーフント1号から4号まで射出開始、続いて魚雷艇を…』

阿武隈「待って姉さん、魚雷艇はヒッパーの後方に下げて。 敵に対して死角になる位置で展開を」

榛名『了解。 魚雷艇は後方に展開、ヒッパーの陰へ移動させます』

阿武隈(この拓けた海域じゃ奇襲は難しい… なら伏兵は仕込んでおかないと…!)


イング『敵艦がユニットをパージしたぜ』

ブレイア「例の遠隔操作式の潜水艦…! 一気に包囲する気?」

イング『いや、敵さんは恐ろしく慎重だ。まるで牙を研ぎ澄ましてるみたいにな』

ブレイア「やっぱあのお姉さんにして妹有りだね…! ならこっちも慎重に行くよ!」


榛名『ゼーフントの展開、完了しました』

阿武隈「牽制雷撃! まずは脅す!」



命中判定 直下

01~40 回避
41~65 小破
66~75 中破
76~90 大破
91~00 撃沈

732: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/08(金) 23:54:04.53 ID:GlsZTYP80
放たれた雷撃は回避運動を行うブレイアのヒッパーに直撃し、炸裂する!


ブレイア「当たった!?」

イング「回避位置に…! つーかなんて威力だ!?」


榛名『命中2、敵大破判定!』

阿武隈「え、えと… 想定以上のダメージ…?」

榛名『魚雷周りは弄って無いんですけどねぇ…』

阿武隈「本当…?」

榛名『やったのは対粒子フィールド用コーティングだけです。多分、当たり所が悪かったのかと』

阿武隈「バイタルパート一直線だったみたいだし…」



行動安価 直下

734: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/09(土) 01:59:23.94 ID:DW6BQAdr0
阿武隈「仕掛ける…! 包囲網を構築、このまま一気に!」

榛名『了解!ゼーフント1号から4号包囲陣形、続いて魚雷艇を展開!』


ヴォルフスシャンツェから放たれた小型艇がブレイアのヒッパーに攻撃を加えつつ追い込む。 そして阿武隈のシュナイドが側面へと移動して砲を向けた!



ブレイア「逃げないと…!」

榛名『逃がしません!』


榛名の操るゼーフントの一隻が放った雷撃がブレイアのヒッパーのスクリュー部分に直撃し、航行能力を奪う!


イング『馬鹿な… こうも正確に…!』

阿武隈「もう、群狼からは逃げられないよ! 主砲装填、目標敵『アドミラル・ヒッパー』!」

榛名『照準補正完了! 今です!』

阿武隈「食み砕け! 狼の牙!」



撃沈判定 直下
20以上で撃沈

736: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/11(月) 00:33:06.15 ID:WVosdh/k0
降り注ぐ砲弾と殺到する魚雷にブレイアのヒッパーは反撃できる暇すらも与えられず、水底へと消えていった


イング『馬鹿な…』

ブレイア「僕達が…」

阿武隈「私の、勝ちです」



Battle END

Winner“Team WhiteClean”


『勝者・日本代表『チーム・ホワイトクリーン』。よって、ホワイトクリーンは決勝体会への出場権が与えられます』



ブレイア「僕達の完敗、ですね」

阿武隈「でも、悪く無い試合でした」

ブレイア「一撃で大ダメージ受けちゃったけどね」

イング「これで、俺達も終わりか… 2度も同じ相手に負けちまうとはな」

ブレイア「だけど、今度戦う時は負けませんから」

榛名「こちらも、負けるつもりはありません」





《その夜》

榛名(榛名達は決勝大会まで歩みを進めた… これからの戦いは生半可なものじゃない…)

榛名「そして『イノベイター』もまだ残っている…」

榛名(彼等もまた決勝大会へと駒を進めた… 明日にならないと組み合わせがわからない…)

榛名「でも、ビルダーとしてやれる事は全部やる…!」

コンコン

榛名「あれ、誰でしょうか…」



誰? 直下
1.妹4人(天城、阿武隈、陽炎、長波)
2.前期組(初風、野分、秋月、朝潮、春雨)
3.後期組(如月、舞風、曙、清霜)
4.トリオ・ザ・タイツ(青葉・衣笠・古鷹)
5.居候ズ(ヤマト、コトノ、龍鳳、間宮、満潮)

738: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/11(月) 00:56:35.13 ID:WVosdh/k0
榛名「この感じ… 5人…? いや、3人+メンタルモデル2…」

ヤマト『よくわかりますね』

榛名「これでもNTですので。 今開けます」

ガチャ

榛名「珍しい組み合わせで…」

コトノ「そうかしら? 私達、基本行動は龍鳳と一緒なんだけど」

龍鳳「はい。 深海棲艦との戦闘時も基本一緒ですので」

間宮「私達も基本一緒ですよ」

満潮「いつフラッシュバックが来るかわからないもの」

榛名「でも間宮さん達は基本リタも居る筈じゃ…」

間宮「リタさんは天城さん達と出かけています。 お祭りに」

榛名「そう言えば、今日は花火大会でしたね」

ヤマト「榛名も一緒に行きませんか?」

榛名「プラモの調整があるので…」

コトノ「根を詰め過ぎよ、貴女。 少しは休んだら?」

龍鳳「そうですよ。 少しくらい気分転換をしても…」

榛名「潜入作戦の時に充分休みました」

満潮「ドンパチやってた癖に」

間宮「それは休んだとは言いません。 ヤマトさん、お願いします」

ヤマト「了解」ガシッ

榛名「ヤマト!? ちょ、離して…」

コトノ「このまま連行」ガシッ

榛名「わかりましたよ! 行きますから離してください!」


《祭り会場》


榛名「いっぱい居ますね…」

間宮「はぐれたら戻れそうも無さそうね…」

龍鳳「林檎飴や焼きそば… 屋台もいっぱいです」

満潮「値段も高めだけど、仕方ないか…」

コトノ「さて、行きましょうか」

ヤマト「花火まで時間もありますし、お祭りを堪能してから場所取りしましょうか」


イベント 直下

740: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/11(月) 21:23:23.87 ID:WVosdh/k0
間宮「えいっ!」パァン

「外れだな、姉ちゃん」

間宮「うぅっ…」

満潮「…!」パァン

「お、当たりだ。 おめでとう、嬢ちゃん」



ヤマト「間宮さんは全弾外れ…」

間宮「これでも訓練を受けた正規の軍人だったのに…」

コトノ「満潮は全弾命中、凄いじゃない」

満潮「特務部隊上がり、舐めんじゃ無いわよ」

榛名「ですが落ちたのは縫いぐるみだけ…」

満潮「何よ」

榛名「いや、あの店主から悪意が漏れているなと…」

龍鳳「確かに、あそこまで落ちないのは…」

ヤマト「スキャン開始、これは…」キィン

コトノ「間違いないわ。高そうな製品、全部両面テープで貼り付けてある」

満潮「はぁ!?」

間宮「もしや、私の銃にも細工が…」

コトノ「アンタはただ下手なだけ」

間宮「ですよねー…」

満潮「セコイわね…」

龍鳳「悪徳商法並に酷いです」

ヤマト「昨今、どこの屋台もそんなもの… ですが、悪質過ぎますね」

榛名「やります?」

コトノ「やっちゃいましょうか」

ヤマト「ええ、久しぶりに振るうとしましょうか」


榛名「そこっ!」パァン

コトノ「同時発射!」パァン

ヤマト「両面テープなら、3発同時直撃の衝撃で落ちます」パァン

「や、やめてくれ嬢ちゃん達!?」

榛名「まだまだ、ちゃんと弾は残っていますので」

コトノ「ちゃんと代金分は遊ばせて貰いますよ、おじさん」

ヤマト「次、あのゲーム狙いましょうか」


榛名「これしか取れませんでしたね…」(ゲーム4つ、ゲーム機2、その他色々)

コトノ「ショボイわね、あそこは」

ヤマト「接着剤ケチって両面テープ使うくらいですから」

間宮「3人共、ノリノリでしたね…」

コトノ「幾多の祭りを荒らしまわり、出禁を喰らった回数数知れず…」

ヤマト「こっちの大学時代によく都内の祭りの射的や型抜きを荒らしてましたから」

榛名「いつもこんなノリでしたからね」

龍鳳「何で3人が友人だったのかわかりませんでしたが、今わかった気がします」

満潮「ええ、三人揃ってロクでも無いっことばっかしでかすからじゃないのかしら」

741: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/11(月) 23:14:03.24 ID:WVosdh/k0
榛名「さて、そろそろ時間ですね」

コトノ「もうすぐ花火の打ち上げが…」

パァァァァァン!

ヤマト「始まったようですね」

龍鳳「綺麗…」

間宮「こんなの、あっちの世界じゃ見れませんでした…」

満潮「平和、か… 皆にも、見せたかった…」

榛名「平和…」

コトノ「『前の私達』がイセ達と戦い、敗れなければこの花火もなかったんじゃないかしら」

ヤマト「そして、舞鶴での戦いに敗れてもこの花火はありませんでした」

龍鳳「お二人共…」

コトノ「大丈夫、『私達』は人類に対して二度と敵対するつもりは無いわ」

榛名「…そろそろ聞かせてください、何故『第二次坊ノ岬沖海戦』を引き起こしたのかを」

ヤマト「今はまだ、です。 イノベイターとの決着を付け、全てを終わらせるその時までは」

榛名「では、それまでは待ちましょう」

コトノ「あら、待ってくれるの?」

榛名「親友、でしょう? それくらいは待ちますよ」

間宮「見てください! 凄い…」

満潮「こんなに、夜空が綺麗になるなんて…」

龍鳳「やっぱり実際に見るととっても凄い…」

ヤマト「これも、人類の叡智の結晶ですから」

コトノ「職人の努力の結果、とも言うけどね」

榛名(この景色、そして平和… その灯火を消さない為にも…)

榛名「全部、終わらせないと…」



視点選択 直下
1.イセ 『蘇る力』
2.ナチ 『警戒』

743: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/12(火) 00:17:51.52 ID:JOrgRgUU0
side-ナチ- 『警戒』


ナチ「海域クリア、周辺に異常はありません」

大和『了解。しかし敵も、足を見せないわね…』

ナチ「ほぼ毎日捜索していますが、基地一つどころか足跡一つも… あら…?」

大和『ナチ?』

ナチ「海中に動体反応、これは… どうやら、敵は尻尾を見せたようです」

大和『何かあった?』

ナチ「はい。 GN粒子の反応を海中から検出、さらに巨大な動体反応があります」

大和『まさか…』

ナチ「モビルアーマーです」

大和『暢気に言ってる場合!?』

ナチ「対処しますか?」

大和『しなさいよ! 任せるって言ったでしょ!』

ナチ「了解。レーダーユニットとソナーシステムを同期、海中探査精度を向上」


ナチの船体が展開され索敵システムが動き出す。 それは何者をも逃がさぬように、その『敵』の存在を捉えた。


ナチ「見つけました、データベースを照合。『GNMA-04B11 トリロバイト』と断定、距離6000」

大和『やっぱり、トリロバイト…!』

ナチ「では、仕掛けます。 擬似太陽炉始動、目覚めなさい『ガンダム』…」


ナチの甲板上に居るのは1機のモビルスーツ、そのセンサーアイが輝き背部から赤い光が溢れ出す。

そしてナチは機体に自身のセンサーを同調させ、その存在を完全に捉える。


ナチ「『ガンダムサダルスード』、やはりこの機体と私は相性が良いようです」

大和『一撃で仕留めなさい。 敵がこちらの攻撃に気付いて、逃げられる前に』

ナチ「了解。 もう、私の目と耳からは逃れられない」


ナチはコックピットからサダルスードを操縦し、本来は『ガンダムデュナメストルペード』の水中用狙撃銃を構え照準を合わせた。

そしてトリロバイトに向けて必中の一撃を放つ!


ナチ「命中まで3、2、1… 目標に命中、爆散を確認」

大和『了解。パイロットは?』

ナチ「今までの傾向通り、無人のようです。 回避運動を行おうとした痕跡がありません」

大和『ヴェーダによる遠隔操作、ね…』

ナチ「昨日アシガラが撃破した『アッシマー』やハグロが捕獲した『ディン』も無人、恐らくこれも囮… ですが、これで確定しました」

大和『その3機が現れたポイントを円で結んだその中心点は『八丈小島』、恐らくそこに基地がある』

ナチ「可能性は高いです。 施設も流用出来ますから」

大和『取り敢えず、一度帰還して。攻略作戦に向けて備えなさい』

ナチ「了解」

745: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/12(火) 19:59:59.44 ID:JOrgRgUU0
《翌日》


『これより艦プラバトル世界選手権決勝大会、トーナメント割りを発表します』

榛名「ついに…」

初風「誰が相手だろうと負けるつもりは無い…!」

天城「ええ、優勝するまではもうノンストップです」


『決勝大会第一試合は『リカルド・フェリーニ』VS『Mr.ブシドー』』


如月「あら、伊達男対武士道なの?」

間宮「どちらにしろ、優勝候補の一角は消える…」

舞風「優勝確率はあがるね」

野分「今日は第4試合まで行う予定、ウチがきてもおかしくは無いわ」

秋月「決勝大会は勝ち進めば計4回のバトル、油断は出来ません」


『第二試合は『キマイラ隊』VS『コンスコン隊』』


満潮「聞いた事無いチームね」

龍鳳「キマイラは知ってます。 あのジャコビアスさんもかつて所属していたそうですよ」

曙「げっ… あのオッサンの古巣…?」

陽炎「ジャコさん良い人なのに」

古鷹「時々鋭い気配がするけどね…」


『そして第三試合『チーム・ホワイトクリーン』VS…』


コトノ「あら、ウチ?」

長波「一体誰に当たるんだ?」

衣笠「どっちにしろ倒すだけだから問題なし!」

青葉「情報収集は済んでますんでお任せ下さい!」


『イギリス代表『アクシズ』です』


阿武隈「なっ!?」

シャア「ハマーンのチームか…!」

リタ「せっかく協力関係になったってのに、もう潰し合い?」

ヤマト「まさかこんなに早く…」

榛名「どちらにしろ、戦うしか無い…!」

746: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/12(火) 20:18:34.51 ID:JOrgRgUU0
《選手控え室》


初風「では、これより対・アクシズの作戦会議を始めるわ。 青葉、敵のデータを」

青葉「了解です! 現在の敵のファイターを纏めておきました」


敵選手情報
・ハマーン・カーン
・マシュマー・セロ
・キャラ・スーン
・ラカン・ダカラン
・イリア・バゾム
・ニー・ギーレン
・ランス・ギーレン
・グレミー・トト
・オウギュスト・ギダン
・アリアス・モマ


青葉「以上10名が選手登録済み、人数はこちらが多いのであちらは全員出すかと」

初風「ありがとう」

コトノ「そして現在編成で確定しているのはこちらです」


自軍戦力(確定枠)
・榛名(戦艦)
・リタ・ベルナル(重巡)
・天城(空母)
・春雨(withシャア)(重巡)
・如月(戦艦)
・衣笠(戦艦)

リタ「6人だけ?」

コトノ「今からその残りを決めるんです」

春雨「な、なんかシャアさんが怯えて出てこなくなってるんですけど…」

初風「バトルまでに引き摺りだしておいて。じゃあ選手を決めるわ」



ファイター選択
・一人目 直下
・二人目 ↓2
・三人目 ↓3
・四人目 ↓4


選択可能メンバー:秋月(空母)、朝潮(重巡)、野分(重巡)、舞風(重巡)、曙(重巡)、青葉(重巡)、古鷹(空母)、阿武隈(重巡)、陽炎(重巡)、龍鳳(空母)、満潮(重巡)

条件:最低『空母』×1、『重巡』×2であること

751: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/13(水) 21:04:53.58 ID:8Rr6lPmx0
初風「まず機動性に長けた牽制役が必要ね。 この場合は… 陽炎、アンタの出番よ」

陽炎「よっし!腕が鳴るわ!」

初風「陽炎は春雨とともに前衛に展開、敵に突っ込む役目を担って貰う。 そして仕留め役として舞風と野分」

舞風「仕留め役か… まぁ妥当じゃない?」

野分「相手の力量は測りしれない、確実に仕留めるわ」

初風「そして制空権の確保に秋月、アンタを投入する」

秋月「了解です!」

初風「榛名、プラモについてお願い」

榛名「了解。 まず榛名の『ヤマト・ブレイヴ』はミラーリングユニットを装備で投入、続いて天城の『ハクリュウ・ブレイヴ』は『アームド・アーマーSC』を強化、防御力と燃費効率が向上しています」

天城「わかりました。 防御はお任せ下さい」

榛名「『イブキ・ブレイヴ』及び『クイーンエリザベス・ブレイヴ』『アラスカ・ブレイヴ』に変化はありません。イブキに関しては高機動装備のままです。

舞風さんの『シュフラン・クラージュ』は『ランス・カラビーヌ』の威力が向上しています」

舞風「まぁ改善のしようが無いもんね」

榛名「衣笠さんの『ペンシルヴェニア・ブレイヴ』は全体的に性能を向上、またPBCの照射時間が5秒延びています」

衣笠「前みたいにエラー起き無い?」

榛名「確認済みです。 そしてリタの艦プラも調整終了、秋月さんと野分さんには新型アームド・アーマーを用意しました」

野分「新型のアームド・アーマー…!」

秋月「ようやく私専用の…」

リタ「で、どんな具合?」



リタの専用艦(改造内容を必ず書いてください) 直下


使用不可艦
重巡NG:古鷹型・青葉型・高雄型・妙高型・利根型・最上型・Aヒッパー級・カウンティ級 ・ボルチモア級 ・シュフラン級・ドイチュラント級・アラスカ級 ・改鈴谷型



野分と秋月用のアームド・アーマー(2つお願いします) ↓3

760: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/16(土) 00:30:01.23 ID:TvuWxyQD0
榛名「これがリタ専用の『トリエステ・コラード』です」

一同「…」

榛名「え、あれ…?」

間宮「真っ金色…」

初風「悪目立ちするじゃない… なんでそんな塗装にしたのよ、馬鹿じゃないの?」

リタ「うん、馬鹿は曙だね」

曙「はぁ!? なんでよ!」

リタ「『フェネクス』が何で金色かわかってる?」

曙「知らないわよ。 どうせ連邦軍が悪目立ちさせたいからでしょうが」

リタ「不正解。ヤマト、模範解答」

ヤマト「本体の鏡面化によるステルス性の強化、と言ったところでしょうか」

リタ「正解。バトルフィールドは空・海で形成されている、つまり情景を鏡面反射しているお陰で目視での発見はかなり接近しないと困難なの」

榛名「それに反射しやすいように調合も怠ってません」

清霜「確かに下手な迷彩よりは目立たないかも…」

リタ「あと『フェネクス』と同じ耐ビームコーティングに似た耐粒子用に加工した塗料にしてるから防御能力も高いよ」

曙「うぐぐ… で、でもそれは宇宙用で…」

リタ「海の青と空の青、その似た2色しか無いフィールドは宇宙と殆ど同じ。つまりこの塗装は有効、その効果も既に確認済み。ね、古鷹?」

古鷹「はい。 最終調整には携わってましたから。 それにレーダーでも捉えにくかったのでステルス性は結構高い…」

リタ「使い方次第じゃミラージュコロイドよりは劣るけどそれなりのステルス性だよ。 それで曙、文句ある?」

曙「…無い」

リタ「はい終わり。 ま、ミラージュコロイド以下って訳だから完全な訳じゃないしフィールドによっちゃ無意味に目立たせる時もあるかもね」

朝潮(あ、曙を口論で叩きのめした…)

初風(コイツだけは怒らせないでおこう…)

榛名「気を取り直して、野分さんのは『アームド・アーマー アタックブースター』、加速・火力を強化しています。

そして秋月さんのは本体から改修を施し防空ロケット兵器と『アームド・アーマー フラッククルーザー』を装備しました」

秋月「凄い… 以前とは段違いです…!」

榛名「正直、後期になるにつれてインフレ化が激しくて… 自重が止まらず、持てる技術を注ぎ込んだ結果ですが…」

初風「確かに性能不足は懸案事項だったけど…」

舞風「特に長波と陽炎の艦プラあたりからネジが吹っ飛び始めてたからね。私のヤツからも片鱗はあったけど」

コトノ「そして究極のインフレ原因は『ヤマト・ブレイヴ』…」

ヤマト「まさか本気で創り上げるとは…」

榛名「と、ネジを吹っ飛ばした設計者が申しております」

陽炎「本気でアラスカの加速性能はビビったわ…」

長波「ああ、こっちのステルス機能もだけど…」

衣笠「本当に恐ろしいのはそれを実現させるマジキチ製作能力だけど」

天城「おい、パイ食うか?」

衣笠「ごめんなさい何でもありません」

761: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/16(土) 01:19:05.58 ID:TvuWxyQD0
《バトル会場》


『これより第3試合チーム・ホワイトクリーン対アクシズのバトルを開始します』


榛名「ハマーン・カーン…」

ハマーン「ほう、まさか貴女が出てくるとは」

榛名「申し訳ありませんがこの試合、負ける訳にはいきません」

ハマーン「それはこちらも同じ、ミネバ様の前で恥を晒す訳にはいかない」

榛名「…気を付けて、悪意が満ちています。何者からか、放たれた悪意が…」

ハマーン「重々承知の上だ。 それはわかっている」



Please Set Your KP BASE

Beginning Plavsky Particle Dispersal

Please Set Your KANPLA

BATTLE START!


春雨「イブキ・ブレイヴ、春雨!」

衣笠「ペンシルヴェニア・ブレイヴ、衣笠!」

秋月「ヴィクトリアス・ブレイヴⅡ、秋月!」

野分「アドミラル・グラーフ・シュペー・シュナイド、野分!」

舞風「シュフラン・クラージュ、舞風!」

如月「クイーンエリザベス・ブレイヴ、如月!」

陽炎「アラスカ・ブレイヴ、陽炎!」

リタ「トリエステ・コラード、リタ!」

天城「ハクリュウ・ブレイヴ、天城!」

榛名「ヤマト・ブレイヴ、榛名! そして間宮及び天羽ヤマト! チーム・ホワイトクリーン、いざ、出撃します!」

762: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/16(土) 01:38:55.95 ID:TvuWxyQD0
ヤマト『敵軍情報確認、モニターに表示します』

敵軍情報
・インコンパラブル改 特殊装備仕様(ハマーン)
・重巡ロンドン改   高機動仕様(マシュマー)
・空母アークロイヤル改 重火力仕様(キャラ)
・重巡ドーセトッシャー改 高機動仕様(イリア)
・重巡カンバーランド改 近接仕様(ニー)
・重巡コーンウォール改 近接仕様(ランス)
・戦艦ライオン改   重火力仕様(グレミー)
・戦艦POウェールズ改  高機動火力仕様(ラカン)
・重巡シェロップシャー改 近接仕様(オウギュスト)
・空母ジブラルタル改 防御特化仕様(アリアス)


榛名「インコンパラブル… でも特殊装備…?」

間宮『不明です。 あと以前の戦闘では『気が付いたら艦を穴だらけにされて敗れていた』と言う情報もあります』

榛名「遠隔装備型の特殊装備… 厄介な…!」

如月「で、どうするの?」

榛名「前衛指揮は任せます。 衣笠さん、いつでもアレをやれるようにスタンバイしておいてください」

衣笠「了解!」

榛名「榛名と衣笠さんは空母の護衛に回ります」

如月「了解、じゃあ重巡組は私の指示に従って」

陽炎「奇襲か、それとも正面か…」



行動安価 直下

765: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/16(土) 21:13:48.28 ID:TvuWxyQD0
如月「正面から打って出るにもまずは制空権ね… 航空部隊に要請、制空権の確保を」

天城「了解、要請受託。 艦載機発艦スタンバイ!」

秋月「航空部隊スタンバイ完了、いつでも出せます!」

天城「ハクリュウ艦載機部隊、発艦始め!」

秋月「ヴィクトリアス航空部隊発進!」


ハクリュウとヴィクトリアスからそれぞれ艦載機が飛び立ち、戦場へと赴く。


間宮『来ました! 敵航空部隊です!』

ヤマト『数が少ない… 一隻分?』

榛名「温存している… 制空権を確保する気が無い…」

天城「それでも、今のうちに確保しないと! まず前衛はハクリュウの部隊がやります、秋月さんは撃ち漏らしを!」

秋月「了解です!」



制空判定 直下
10以上で確保 

767: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/16(土) 21:56:53.13 ID:TvuWxyQD0
天城「押してます…!」

秋月「このままいけば!」


天城と秋月のコンビネーションによって敵艦載機が撃ち落されていき、数の優位に立つ!


榛名「如月さん、制空権は既に確保済みです!」

如月「よし… 次の手は…!」



行動安価 直下

769: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/18(月) 23:19:08.31 ID:c7fxKtxD0
如月「よし、一気に畳み掛けます! 春雨ちゃん、シャアは?」

春雨「まだ奥に引きこもってます」

如月「引っ張り出すのは無理ね… リタちゃん・野分ちゃん・陽炎ちゃんを前衛に展開、後衛は私と春雨ちゃんに舞風ちゃんを展開します」

リタ「罠の可能性は?」

如月「そうだとしても、今を逃せばタイミングを失う」

リタ「出来すぎ、とは思わないの?」

如月「ならその状況を利用させて貰って、相手にほえ面かかせるってのは?」

リタ「悪く無い、寧ろ好きかな」

如月「流石、ノリが良いわ。 じゃあ行くわよ、乱戦になるからフレンドリファイアには注意して!」

全員「了解!」



衣笠「なんか、暇だね」

榛名「衣笠さんは常にPBCのスタンバイを。 ハマーン・カーンをロングレンジから潰すにはPBCしかありません。

観測データを如月さんが送ってくれる手筈ですので」

衣笠「わかってるよ。 でも、こんなにアッサリいくもの?」

天城「ハマーン・カーンが策を練らない訳がありません」

秋月「でも、そうだとすれば…」

榛名「如月さんはそれを承知の上で突撃しました。ならば問題はありません」

間宮『動きはサブのこちらともリンクしてるので大丈夫ですよ』

ヤマト『それよりも最大の懸念材料が一つ』

天城「グレミー・トト、ですか」

榛名(フィールド内に満ちる邪気… これは一人の人間から発せられるもの…)


視点選択 直下
1.榛名
2.如月

771: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/18(月) 23:42:52.23 ID:c7fxKtxD0
side-如月-


陽炎「目標レンジ内に捕捉、仕掛けるわよ!」

如月「待って! 様子が… これって…!」


6人の目に映るのは爆炎、しかし自分達は誰も撃っていない。

そうなれば導き出される答えはたった一つ、


リタ「間違いない、同士討ちだよ!」

野分「そんな…」

舞風「どう言う事なの!?」

春雨「わかりません… 状況不明、遠距離通信は… 不能!?」

如月「ジャマーね…!」

「そう言うことだ、ガキ共」

如月「回避運動!」



如月達に放たれた砲撃を掻い潜り、その声の主の存在を睨みつける。



如月「貴方、ラカン・ダカラン!」

ラカン「フフフ… 今日は良い日だ、新たな門出となるのだからな!」

リタ「門出…?」

ラカン「貴様らが知る必要は無い、大人しく沈め!」


砲撃が全方位から繰り出されるものの、如月達はその全てを避けきる。


野分「これ、どうなってるの!」

春雨「この攻撃量、明らかに規定ファイター数を超えた量の艦を…」

舞風「スレイヴ使ってるの!?」

陽炎「違う、スレイヴは原則として軽巡洋艦以下しか使用不可能よ! この攻撃は明らかに重巡か戦艦のもの、軽巡までの排水量で戦艦の砲は載せられない!」

如月「索敵開始、レーダーに感あり… 20隻近く居る…! 全部重巡と戦艦よ!」

ラカン「さぁ、狩りの時間だ! たかが子供、このラカン・ダカランの相手では無い!」

リタ「甘く見てると痛い目見るよ、オッサン!」


行動安価 直下

773: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/19(火) 01:31:38.38 ID:64S3kmtt0
如月「この中で取れる選択肢は2つ、一つは逃げて前衛に榛名さんと『ヤマト・ブレイヴ』を呼んで重火力による突破を試みるか」

シャア「その手は無しだ。 衣笠一人で空母2隻を守りきれる程甘くは無い」

リタ「随分と遅いお出ましで」

シャア「彼女に呼びかけられてな。引きこもっていた所でハマーンから逃れられる訳ではあるまい」

舞風「そりゃね。で、もう一つの選択肢って?」

如月「ラカン・ダカランを6隻による攻撃で撃沈、そのまま突破してハマーン・カーンかそれに従うファイターを探す」

野分「でも、彼女が味方とは限らない」

シャア「恐らく今のアクシズは2分されている。 一つはハマーンの派閥、そしてラカンの所属する派閥だ。

ハマーンならばこのようなシステムは使わんだろう。 良くも悪くも、潔い性格だったからな『あちらの彼女』は」

陽炎「少なくともレギュレーションには違反してる訳だし、現状の相手は。どんな手品かは知らないけど、何かしらシステム側に仕掛けてる筈よ」

如月「ハマーンに接触できれば、共同で現状を打開した後正式に決着をつけることも出来る。少なくとも、こんな戦いは望まないわ」

リタ「同感、バトルは所詮遊びだもの。 遊びにイザコザ持ち込む相手は叩く、それに限る」

シャア「では、始めるとしようか。 まず最初の目標は『ラカン・ダカラン』とその周囲に居る敵、構わんな?」

如月「ええ… よし、全艦フォーメーションを形成! 波状攻撃でラカン・ダカランを追い詰めて突破、その後ハマーン側との合流を行います!」



6隻が艦隊を形成し、中央に存在するウェールズへと増速する!


ラカン「フフフ… 来るか!」

如月「リタちゃん、陽炎ちゃん!」

陽炎「粒子スラスター、最大加速!」

リタ「フェネクスウイング、ブーストモード!まずは追い込む!」

ラカン「足が早い!無人艦共、よく狙え!」


2隻に砲撃が集中するが掻い潜る。 ニュータイプとオールドタイプながら同等の反射能力を持つ二人にとって、その砲撃は児戯に等しい。


陽炎「リタ、今!」

リタ「メガ・キャノン連射モード、目標敵の取り巻き!」


先端に収束された粒子が、大量に放たれ敵艦に穴を開ける!そしてその脇からアラスカが一気に加速してラカンとの距離を一気に詰めた!


ラカン「何っ!?」

陽炎「アンタじゃ私を捉えられないわよ!」


しかし攻撃したのは隣接する別の重巡、そしてその艦を沈めた陽炎は滅茶苦茶な動きで敵を牽制する!


如月「あの二人に攻撃が集中してる今なら… 舞風ちゃん、野分ちゃん!」

舞風「ランス・カラビーヌ!」

野分「オクスタン・カノーネK!」

舞風・野分「発射!」


2隻の攻撃が同時にウェールズへと放たれた!


命中判定 直下
40以上で命中

775: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/19(火) 21:13:52.10 ID:64S3kmtt0
高速の砲撃が船体を貫き、誘爆を引き起こす!


ラカン「な、なんだと! 相手はまだ子供なんだぞ!」


ラカンは反撃すべく砲撃を行うが船体のダメージによって目標に如月達を捉える事が出来ない!


野分「驕り昂ぶって実力も見抜け無い、三流にも程があります…!」

舞風「侮って貰っちゃ困るんだよね、私達を!」

ラカン「フ、フフ… だがこちらの勝利は既に決まっている…!お前達は絶対に勝てんぞ…!」

リタ「往生際悪いね、オッサン」


リタのトリエステがメガ・キャノンの砲口を向けて粒子を収束させる。


リタ「メガ・キャノン、これで御仕舞いだよ」


そして収束モードで放たれたメガ・キャノンが着弾し、大爆発を引き起こしてウェールズを屠った。



野分「プリンス・オブ・ウェールズの撃沈を確認、でもまだ無人艦は動いてる…」

舞風「いい加減、うっとおしくなってきた」

シャア「どうやら無人艦共を操っているのはラカン・ダカランでは無かったようだ」

如月「そのようですね。 取り敢えず突破口は開いた、今のうちに突破します」

陽炎「先頭は勤めるから殿は野分、任せたわよ」

野分「了解」

舞風「榛名達、大丈夫かな?」

天城『こちらハクリュウ・ブレイヴ、天城です。 応答を』

如月「こちら如月、現状は!」

天城『多数の無人艦の強襲を受けました。 第一波は凌ぎましたが第二波の可能性に備え移動中、現在索敵用に飛ばした機体を中継して通信しています』

リタ「それならジャマーの影響は受けない、考えたね」

天城『あと無人艦をどう操作しているのかを現在ヤマトさんが調査中です。手段が判明次第、潰すそうで』

如月「了解、あとはお願いします。通信終了。 陽炎ちゃん、何か見える?」

陽炎「何か信号送ってる艦が居る、『応答モトム』だって」

如月「応じます、通信回線を開いて」



誰だった? 直下
1.マシュマー・セロ
2.キャラ・スーン

777: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/19(火) 23:29:43.49 ID:64S3kmtt0
マシュマー『チーム・ホワイトクリーン、通信の応答に感謝する』

如月「お久し振りです、マシュマーさん」

マシュマー『おぉ!キミはあの時の…』

如月「現在の状況を確認をしたいので、説明お願い出来ますか?」

マシュマー『了解した。 先刻に遡る… バトル開始直後、我等の前に大量の無人艦が現れた。

その直後にラカンとオウギュスト、アリアスとグレミーがこちらに反旗を翻し襲ってきたのだ』

リタ「やっぱあのボンボンか、この『歪み』の原因は。 で、その反旗を翻した理由は?」

マシュマー「それは話せん、少々込み入った事情があるのでな」

舞風「えぇ!? 理由も話せないのに巻き込まれるって…」

陽炎「…如月、一旦通信切って。私が話す」

如月「どうして?」

陽炎「『アクシズ』の事情を知ってるのは私と長波、あと榛名姉さんと阿武隈姉さんだけ。 ならこの場に居る私が聞いた方が早い」

如月「わかった。通信を一旦切ります」

陽炎「秘匿回線モードオン、マシュマーさん聞こえていますね?」

マシュマー『ああ』

陽炎「込み入った事情、それは『ザビ家』絡みですね?」

マシュマー『どうしてそれを…』

陽炎「貴方方が『ミネバ・ラオ・ザビ』の護衛を務めていることはハマーン・カーンから聞き及んでいます。

そして貴方達の中で一人だけここに居るのが似つかわしく無い存在が居る、それは『グレミー・トト』です」

マシュマー『どうして、そう思うのだ?』

陽炎「そう考えた理由は1つ、貴方達に比べてグレミーの肉体は鍛えられていない。護衛役として、それは致命的です」

マシュマー『外観では鍛えられてるとわからない可能性もあるぞ?』

陽炎「身のこなしようですよ、彼からは『上品さ』が抜けて無い。これでも私、前に戦場に居たんで『戦士』かどうかは見て判別できます。

グレミーは元々名家の出身、そして何らかの理由でねじ込まれたとしか考えられません」

マシュマー『中々優れた観察眼を持っているな… そう、グレミーは英国の名家『トト家』の出身だ。

そして彼は『ザビ家』の血を継ぐ者だと自分で称し始めた。そして我等に牙を向き、戦いを挑んだと言う訳だが解せん…』

陽炎「何故この戦いの最中に牙を向いたのか、と言う理由ですね。 そこまでは私も推測出来ません、当人に聞くしか無いでしょう」

マシュマー『そこで、だ。 キミたちと、再び共同戦線を張りたい。 グレミーを打倒するまでで良い、ハマーン様も認めていらっしゃる』

陽炎「わかりました、如月に打診します。 秘匿モード終了、如月聞こえる」

如月「ええ」

陽炎「理由は把握した、かいつまんで言えば原因はグレミー・トトにあるみたい。 それでハマーンが共同戦線を張りたいって」

如月「確かにメリットはあるわね… このまま無人艦をのさばらせておくのもアレだし。 通信モード、再びマシュマー・セロへ。

マシュマーさん、共同戦線の話は受託します。 これより共闘を開始、後方の空母部隊にも打診を行っておきます」

マシュマー『すまない… 協力に感謝する…!』


視点選択 直下
1.天城
2.衣笠

779: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/20(水) 00:42:53.68 ID:AIPOL+k10
side-衣笠-


間宮『榛名さん、天城さんの交戦が始まりました』

衣笠「大丈夫かな、あの二人…」

秋月「あの2隻は防御特化型、それに実力でも無人艦程度なら二人の敵ではありません」

衣笠「最弱だった榛名が今やウチのエース、とはね」

秋月「榛名さん、変わりましたから…」

間宮『お二人共、敵艦接近。 数6、重巡級のみです』

衣笠「大半は榛名達が請け負ってくれてるけど…!」

秋月「こちらにも数隻来ますか…!」

衣笠「迎撃するよ!」


主砲の砲塔を敵艦隊へと向け、ペンシルヴァニアが火を噴く!

それに続くように秋月の攻撃部隊が空へと飛翔した。


衣笠「これでも元々の実力はトップだったから、一隻の護衛くらいやってみせるよ!」

秋月「天城さんが来る前は唯一の空母専任ファイター、簡単にはやられません!」

衣笠(さぁて、どうするか… 現状じゃPBCは使えない、今撃てば後から支障が出るからね)



行動安価 直下

782: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/21(木) 00:06:46.14 ID:ZOhKAebW0
秋月「仕掛けます!こちらがダメージを与えた艦を優先的に!」

衣笠「わかったよ!加速開始、主砲照準あわせ!」


爆発的な加速をしたペンシルヴェニア、それに続くように高速の艦載機が敵艦隊へと突入する!


秋月「攻撃開始!」


そしてドーントレスとアヴェンジャーによる攻撃が始まり、6隻の艦全てに被害が及ぶ。


秋月「今です!」

衣笠「オッケー! 沈めっ!」


そして衣笠の砲撃が殺到し、4隻の重巡が爆炎へと消えた。


衣笠「よしっ! 離脱完了、秋月!」

秋月「セカンドアタック!これで決めます!」


秋月が再び攻撃を仕掛け、その援護を衣笠が行う。不思議と二人の息が合っており、その残る2隻を瞬時に屠る。


間宮『敵艦の撃沈を確認、増援の気配なし』

衣笠「とは言え、私達は隠れてなきゃいけないからこの位置で先頭やったのはバレちゃマズイんだよね」

秋月「移動を提案しましょう。今から榛名さん達の辿った航路を辿れば敵も居ない筈です」

間宮『確かに、それなら気配は無いですね』

衣笠「榛名達、大丈夫かな?」

間宮『先ほどの通信では榛名さん達は敵無人艦隊を殲滅、中央に居る『グレミー・トト』を撃破する為に防衛網を次々と突破しているとか…』

衣笠「やっぱあの二人、バケモノだね」

秋月「確かにハクリュウがスフィア・クレイドルの機能をフルに使えば強引に突破も可能ですし、理に適っています」

間宮『そして衣笠さんには『プランB』の準備をしておいて欲しいと』

衣笠「アレやる気なのね…」

秋月「プランB?」

衣笠「囮からの狙撃、上手くいく保障は無いけどやるしか無いか…」

間宮『衣笠さん、射程への移動お願いします』

衣笠「了解っと!行くよ、秋月」

秋月「了解!」


783: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/21(木) 01:48:48.69 ID:ZOhKAebW0
side-榛名-


ヤマト『撃破率70%、突破出来ます!』

榛名「天城!」

天城「スフィア・クレイドル最大出力! ディスチャージ・ブーストモード!」

榛名「このまま、敵の中央を突破します!」


敵の中枢部を強引に突破し追撃を振り切る天城と榛名、互いに互いを理解しあってニュータイプへと進化を果たし感応出来る二人だからこその芸当だ。


榛名「しかしどうやって無人艦を操っているのでしょう…」

ヤマト『外部からの通信は全て遮断状態、イノベイターの脳量子波でも不可能です』

天城「それで今、ヤマトさんも干渉できずに手が打て無い…」

榛名「外部からの干渉… 有線端末は繋げませんし…」

ヤマト『端末… まさか…!』

天城「ヤマトさん?」

ヤマト『仮説ですが『KPベース』を媒介にしている可能性があります』

天城「確かに… でもKPベースに外部通信機能はあっても、バトル中は遮断される筈ですよ」

榛名「…ベース自体に、何か仕込んでいるのでは?」


「その通りです、日本のファイター」


天城「グレミー・トト…!」

グレミー「貴女方の推測どおり、私のベースにはウイルスが仕込んである。バトルシステムに内蔵されたCPU用無人艦を操作するウイルスがね」

ヤマト『だけど所詮は無人艦、世界大会出場ファイターに対しては無力です』

グレミー「だが、消耗はしただろう」

榛名「聞かせてください、何故今このバトルのタイミングで反乱を起こしたのですか?」

グレミー「それは『ある人物』との契約だ」

天城「契約…?」

グレミー「私こそがこの世界の支配者にふさわしい、そう彼は言っていた。そして貴女達を倒せば世界の統治を任せると」

榛名「世界の統治…?」

グレミー「そうだ。 私の高貴な血筋が、世界を支配するにはふさわしいと」

天城「…たった、それだけの理由でレギュレーションを犯しバトルを滅茶苦茶にしたと」

グレミー「何?」

榛名「ただ口車に踊らされているとも知らずに…!」

グレミー「口車、か。 だが私には戦わなければならぬ大義がある、貴女達こそ大義など無いのに何故戦う」



榛名の台詞 直下

786: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/21(木) 23:18:05.82 ID:ZOhKAebW0
榛名「願いを叶える為、世界に一つでも多くの笑顔を増やす為です!」

グレミー「笑顔…?」

榛名「親の身勝手で捨てられたりした子供が居る、親を亡くして天涯孤独子供になった子供がこの世界には居る…

今も世界では傷付いて、笑顔を失くした人は恐らく数え切れ無い程居るでしょう… だから榛名はそう言う人々の笑顔を創る為に戦っています!」

グレミー「くだらん… そんなちっぽけな願いの為に…」

榛名「くだらないのは貴方だ! 貴方こそそんなちっぽけな自己満足を掲げて、これから多くの人を傷つけようとするくだらない人間です!」

グレミー「この私をくだらないと断ずるか!」

榛名「貴方みたいに自分の欲望をむき出しにする人間が居るから悲しみが増える、そんな事では平和なんか訪れません!」

グレミー「私が、欲望だけの人間だと?」

天城「現に自分の主義主張の為にバトルシステムに介入してこのバトルを乱しているのは貴方です、グレミー・トト!」

ヤマト『明確なレギュレーション違反、貴方がやっているのは結局自身のエゴを押し付けているだけなのにどうして気付かないのです?』

榛名「天城、ヤマト…!」

天城「姉さんの夢をくだらないと、そう言う人間を天城が許容するとでも?」

ヤマト『前々から榛名の願いは知っています、それがどのような想いで紡がれてきた願いなのかも』

榛名「貴方には解らないでしょうね。 笑顔を失くした人間の気持ちも、苦しみも… 大切な者を亡くした悲しみ、わかりあえなかった後悔も…

今この場に榛名を立たせているものも、何も解らないでしょう!」

グレミー「貴様…!」

天城「姉さん、やりましょう。 恐らくグレミー・トトを倒せばシステムは無人艦を止められる…」

ヤマト『媒介となっているKPベースは撃沈と同時にシステム側から切り離される、後は私が榛名のベースを媒介にウイルスを除去します』

榛名「ならば、やるべき事は一つ…! グレミー・トト!榛名は絶対に貴方を認めはしない、その歪んだ欲望が争いを生む源になる!」

天城「そのちっぽけな野望で、人の可能性を潰させはしません!歪みの芽はここで摘み取らせていただきます!」

榛名「榛名の、榛名達の『ブレイヴ』で貴方を倒す! そしてその野望は、ここで破壊する!」

天城「ハクリュウ・ブレイヴ、天城!」

榛名「ヤマト・ブレイヴ、榛名!」

榛名・天城「いざ、参ります!」

787: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/22(金) 21:59:49.01 ID:C5ZpuDqw0
グレミー「チィッ… 無人艦共、奴等を沈めろ!」

榛名「天城!」

天城「数だけ居たところで!」


ハクリュウの直掩の戦闘機が現れた無人艦軍団の兵装や艦橋を破壊し、その戦闘力を瞬時に奪う!


グレミー「い、一瞬だと!?」

榛名「ウチのトップエース、舐めて貰っては困ります」

天城「ハクリュウには対艦兵装は殆ど無い、しかし無人艦の程度であれば対艦兵装も艦攻も要りません。主要区画や兵装類など、戦闘機1隻あれば潰せます」

ヤマト『そして無人艦は艦橋を破壊された時点でその動きを止める、後はただのフィールドに浮かぶブイのようなものです』

天城「姉さん、天城は無人艦を片っ端から破壊していきますのでグレミー・トトの相手はお任せします」

グレミー「ええい! アリアスにオウギュスト! 援護を…」

『残念だったな、グレミー』

グレミー「ま、まさか… ハマーン…!」

ハマーン『あの二人ならとうに沈んでいる。こちらも無人艦共によって痛手は受けたがな』

グレミー「ラカン! ラカンはどうした!」

リタ『あの傲慢オヤジならとうに倒したよ』

グレミー「ば、馬鹿な…」

野分『現在私達は共同で無人艦の掃討を行っています』

陽炎『進捗は60%くらいかな。相手も無限じゃ無いし』

如月『と言う事だから、思いっきりやっちゃって良いわよ』

榛名「感謝します、皆さん。 グレミー・トト、貴方を守る盾はもうありません!」

グレミー「だが私とて大望がある… 敗れる訳にはいかんのだ!」

榛名「自身の実力を測れない傲慢さ、思い知りなさい!」


行動安価 直下

789: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/23(土) 22:20:49.65 ID:257l7rzE0
榛名「ヤマト・ブレイヴ、主砲スタンバイ!」

ヤマト『了解。誤差修正、照準合わせ』


砲身がライオンを捉え、斉射の準備をする。


グレミー「ちぃっ…!」

榛名「牽制は要らない… 装填!」

ヤマト『装填完了、砲撃可能です』

榛名「主砲、砲撃開始!」


そしてヤマト・ブレイヴの砲門から一斉に砲弾が飛翔した!



命中判定 直下
70以上で命中

791: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/23(土) 23:29:06.92 ID:257l7rzE0
砲撃はライオンを掠めるが直撃はせず、水柱をつくりあげた。


グレミー「なんて威力だ…!」

榛名「外した… type-F装備にしておけば…!」

ヤマト『近接型のtype-Fを使えば作戦が瓦解します、我慢してください』

榛名「わかっています。今更どうこう言っても仕方はありませんし…」

グレミー「白い大和、私がこの手で屠ってくれる!」


榛名に向けてグレミーが砲撃を行うが、榛名には当たらない。


グレミー「何故当たらない!」

榛名「そんなダダ漏れの殺気で、当てられると思わないでください!」

グレミー「なら、奥の手だ…!」

ヤマト『フィールド内に異常反応を確認、熱源が多数現出』

榛名「まさか… 『シャドー』!?」


フィールドに現れたのは数隻のグレミー用に改造された『ライオン』だ。 そしてそれはヤマト・ブレイヴに向けて砲撃を行う!



榛名「砲撃戦も行えるなんて…!」

グレミー「所詮無人艦など役には立たない、これが私の本当の切り札だよ」

ヤマト『どうします、榛名』

榛名(今の状態なら、切り札を切れる…! ハマーン戦まで出来れば温存すべきですが、このままではジリ貧です…!)


『切り札』を… 直下
1.使う
2.使わない

793: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/24(日) 00:17:46.56 ID:UtCGsQ8d0
榛名「いえ、この程度で躓いて切り札を切ってしまうようではファイター失格です…!ヤマト、RGシステムを!」

ヤマト『了解。粒子循環開始、システム稼動準備完了』

榛名「熾れ、ヤマト・ブレイヴ!『RGシステムtype-HA』発動!」


ヤマト・ブレイヴの白き船体から蒼き燐光が溢れ出し、船体が光を纏う。


グレミー「例のシステムか!」

榛名「榛名の勇気の力、消せるものなら消してみなさい!」


榛名は主砲を放ち、一隻のシャドーを破壊する。 そして主砲を旋回させ、また1隻とシャドーを破壊し続ける。


グレミー「隙だらけだ!」


シャドーに気を取られている榛名に向け、グレミーは砲を向け放つ。


榛名「ディスチャージ・フィールド! その程度が読めないと思うな!」

グレミー「ば、馬鹿な…!」


グレミーの攻撃をものともせず、シャドーを全て消し去る榛名。グレミーの瞳には榛名の姿は鬼神に見えた。


榛名「さて、シャドーも全部消しました。 どうします?」

グレミー「くッ…! 沈め!」


榛名に向けグレミーは砲撃を行うが、既に動きを見極められもう榛名にとって彼は敵では無い。


榛名「ディスチャージ・ブースト! 放出時間は2秒で!」

ヤマト『了解、チャージ完了。ディスチャージ・ブースト、スタート』


そして一気にヤマト・ブレイヴはライオンに向けて加速し…


榛名「これで、トドメです!」


そして通りすがりざまに、主砲を放った!



撃沈判定 直下
20以上で撃沈

795: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/24(日) 01:04:00.91 ID:UtCGsQ8d0
放たれた砲弾は直撃するが、致命傷は避けられてしまう


グレミー「ダメージコントロール!」

榛名「仕留め損ねた…!なら…!」

ヤマト『榛名、熱くなり過ぎてはいけません。貴女の悪い癖です』

榛名「…了解。 グレミー・トト、もう貴方に勝ち目はありません」

グレミー「まだだ… まだ、私は…!」

ヤマト『往生際が悪いですね。まだシャドーが出てきます』

榛名「なら端から片付けるだけです」


「その必要はもう無いよ、ママ」


現出したシャドーが一斉に放たれた『メガ・キャノン』の砲撃で消し飛ぶ


リタ「はい、シャドーも全部消えた」

榛名「リタ…」

陽炎「やっほー、全部片付けてきたよ」

グレミー「あ、あれだけの数の無人艦をか!?」

リタ「舐めんな、この甘ったれボンボン」

野分「姉さん達に出来るのならば、私達にも出来ます」

舞風「ってな訳で、もうアンタを守るもんは無いよ」

シャア「大人しく消えて貰おうか」

如月「全艦、ライオンを包囲。砲撃スタンバイ」


ヤマト、エリザベス、アラスカ、イブキ、シュフラン、グラーフシュペー、トリエステの砲がライオンを捉え…


グレミー「ひ、卑怯だぞ…!」

リタ「何そのお前が言うな的台詞」

シャア「卑怯なのは自身の行いだと自覚するが良い」

如月「一斉射!」


そしてライオンに向かって7隻からの砲弾が降り注ぎ、ライオンは爆炎の中へと消えた。

796: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/24(日) 01:13:58.86 ID:UtCGsQ8d0
ハマーン「そちらも終わったようだな」

榛名「グレミー・トトは排除、無人艦も殲滅済みです」

ハマーン「なら我等の戦いを阻むものは既に無い…」

榛名「ここから先は純粋なバトル、といきましょうか」

如月「じゃ、私はマシュマーさんと決着つけてこようかしら」

舞風「私と野分は…」

野分「ギーレン兄弟を相手にしてきます」

天城「私はキャラ・スーンを」

陽炎「私はあのイリア・バゾムってので良いか」

ハマーン「1対1か、面白い」

榛名「では、貴女の相手は私が務めます」

ハマーン「白い大和、いや『ヤマト・ブレイヴ』と戦う事になるとは… 面白い…!」

榛名「いざ尋常に…!」


榛名「勝負!」

ハマーン「勝負だ!」



視点選択 直下
1.如月
2.天城
3.舞風・野分
4.陽炎

799: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/24(日) 22:02:11.71 ID:UtCGsQ8d0
side-如月-


如月「マシュマーさん、聞こえていましたね」

マシュマー「ああ、聞こえていた。それぞれ1対1で決着をつけると言う話だな」

如月「ええ、もう妨害するものはありませんもの。騎士道精神に乗っ取った、正々堂々とした戦いです」

マシュマー「だがキミは乙女だ。私にか弱い乙女と…」

如月「…」


如月はクイーンエリザベスの主砲をロンドンに向けて放つ。その砲撃は外れてしまうが、如月の目論見どおりだ。


マシュマー「な、何をする!」

如月「今の私は一人のファイター、女である以前に一人の戦士です。手加減遠慮は一切無用」

マシュマー「…加減など一切せんぞ?」

如月「それこそ本望です」

マシュマー「良いだろう!このマシュマー・セロ、私のハマーン様への忠誠を以ってキミを倒す!」

如月「クイーンエリザベス・ブレイヴ、如月。日本人として、そして戦士として… 推して参ります!」


そして二人の壮絶なバトルの幕開けとなった!



行動安価 直下

801: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/24(日) 22:19:42.82 ID:UtCGsQ8d0
如月「さて、一騎討ちって言うからには…!」


クイーンエリザベスの砲塔をロンドンへ向け、照準を定める。


如月「やっぱ私、指揮するより直接戦う方が合ってるのよね!」

マシュマー「来るか!」

如月「緒元入力完了、装填開始… 増速開始!」


如月は艦を加速させて一気に距離を詰め…


如月「主砲、撃て!」


38.1cm連装砲が4基、一斉に火を噴いた!


命中判定 直下

01~39 回避
40~70 小破
71~79 中破
80~89 大破
90~00 撃沈

803: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/28(木) 00:50:35.86 ID:55ZQqGYa0
その攻撃は外れ、水柱をつくりあげた。


如月「外した、でも挟叉…!」

マシュマー「なかなか正確な射撃、だが!」


如月の攻撃を回避したマシュマーは反撃に移る。


マシュマー「それだけでは、このマシュマー・セロには勝てん!」

如月「なんてプレッシャー… でも飲まれるわけには!」


そしてマシュマーのロンドンから砲撃が放たれた!


回避判定 直下
20以上で回避

805: ◆6G6UiAPa1Q 2016/04/29(金) 04:17:21.21 ID:XSLDkF0B0
如月「当たる… フィールド緊急展開!」


如月は砲撃の直撃を避けるためにフィールドを展開し、船体を守る


如月「当たってれば致命傷… 危なかったわ…!」

マシュマー「キミの実力はその程度か!」

如月「まだまだ、私の全力はこれからです!」

如月(これで実力は把握できた… 相当の気迫、それに実力も伴ってる…)

如月「でも負ける訳にはいかない、チームとして一人のファイターとして!」



行動安価 直下

810: ◆6G6UiAPa1Q 2016/05/02(月) 23:15:05.28 ID:j7SPMTsc0
>>807 支援ありがとうございます
自分もトマホークを探して来ないと…


如月(このままやってもジリ貧なだけ… なら、一か八か!)


如月はクイーンエリザベスを増速させて一気に肉薄する!


マシュマー「来るか!」

如月「発射管装填完了、雷撃開始!」


如月はロンドンへと魚雷を放つ。だが、当てるつもりは無い。


マシュマー「この雷撃位置、私を狙ったものなのか…?」

如月「これは囮…! ディスチャージ・ブースト!」

マシュマー「何!? こちらの逃げ道を封じて…!」


そしてロンドンの砲の回転速度を上回る速度でクイーンエリザベスは真横に回りこみ…


如月「主砲、これでトドメ!」


撃沈判定 直下
10以上で撃沈

812: ◆6G6UiAPa1Q 2016/05/03(火) 00:27:24.73 ID:nt6rK+qx0
その主砲の一撃はロンドンの船体容易く吹き飛ばし、轟沈するには充分な量のダメージを与えた!


マシュマー「私の、負けか…」

如月「貴方とは、本当はあんな妨害無しの状態で戦いたかったです」

マシュマー「それは私も同じだ。こうやって互いに消耗した状態での戦いは、本意では無い」

如月「またの機会があれば…」

マシュマー「今度こそ、正面からの戦いを」


そう言った瞬間、マシュマーの駆るロンドンは大爆発を引き起こす!


如月「私の勝ち、か… でも、これで納得できた訳じゃない…」


如月の中に残ったのは、一種の空しさであった…

813: ◆6G6UiAPa1Q 2016/05/03(火) 00:48:57.58 ID:nt6rK+qx0
side-榛名-


榛名「1対1、純粋な妨害の無い戦いです」


対峙するのは2隻の戦艦。 白を基調にした『ヤマト・ブレイヴ』、そして白とピンクが使用されたハマーンの『インコンパラブル』だ。


ハマーン「互いに白き戦艦、と言う訳か。だが私は大型の粒子兵装は持ち合わせていない、その艦の特殊兵装『ミラーリングシステム』は私には通用せんよ」

榛名「それは、戦ってから言ってください」

ハマーン「良いだろう。 どの道そちらとは戦う道だった、それが早まっただけだ」

榛名「互いに譲れ無いものの為に、戦うしかありません」


そして戦いの火蓋が切って落とされた!


ヤマト『来ます!』

ハマーン「行けっ、ファンネル!」

榛名「ファンネル!?」


小型の粒子の塊が形成されていき、ヤマトへと襲い掛かる!


ヤマト『あれは粒子操作技術の一種、粒子を凝固させ操作してこちらを攻撃するもののようです』

榛名「どっちかと言えばファンネルじゃなくてレギルスのアレじゃないですか…!」

ハマーン「余所見をしている暇があるのか!」

榛名「対空兵装オンライン、迎撃スタート! そこっ!」


襲い掛かる粒子の塊を榛名は撃ち落していく!


ハマーン「ほう… 軌道を先読みしてあの数を撃ち落とすか」

榛名(NTに覚醒してなければやられていました…! しかし、あの数をいつまで裁ききれるか…!)



行動安価 直下」

815: ◆6G6UiAPa1Q 2016/05/05(木) 01:21:22.68 ID:HJ9znRoc0
榛名「大本を潰さないと… ヤマト、あれの発射位置は?」

ヤマト『後部甲板、その装甲部がスライドしてその部分から放出されているようです』

榛名「なら、その部分を破壊します!砲撃用意!」


ヤマト・ブレイヴの主砲をインコンパラブルへと向け、砲弾を装填する。


ハマーン「ほう、まずはファンネルの発生装置を狙うか… だが!」


インコンパラブルから砲撃とファンネルの攻撃が襲ってくるが…


榛名「狙いは定まった… 砲撃開始!」


ブルーゴールドに塗られた砲身から、砲弾が放たれた!



命中判定 直下
20以上で命中

817: ◆6G6UiAPa1Q 2016/05/06(金) 00:02:15.18 ID:3xid+2eE0
その砲弾は直撃・炸裂し発生装置を破壊する!


ハマーン「チイッ…!やるな、流石日本代表と言うだけある!」

榛名「榛名だって、未熟だけどファイターなんです…! だから、未熟でも精一杯やれる事をやるだけ!」

ハマーン「貴様のその意気、面白い… ここからが私の本気だ!」

ヤマト『膨大な量の粒子の収束!?』


ハマーンのインコンパラブルへと光が収束しはじめ、そして船体が展開されて無数の粒子の塊が生み出される!


榛名「あれは… 船体そのものが粒子ビットの発生装置となって…!」

ハマーン「この全ての粒子の奔流、その大和とて無事では済むまい」

ヤマト『いくら膨大な粒子を使っているとは言え一つ一つは小さい、ならば『ミラーリングシステム』は稼動しない…』

ハマーン「そうだ、これが私の対・ヤマト・ブレイヴ用の切り札だよ」

榛名「これだけの量ならば、全部の防空兵器と粒子フィールドを用いたとしても防ぎきれ無い…」

ハマーン「ならどうする? 諦めるか?」

榛名「相手を失望させるような真似は、榛名はしません! そんな事では、『願い』は叶えられないから!」

ヤマト『どうやら、ここで切り札を切るしか無いようです』

榛名「真っ向からの勝負、と言う訳ですね… やります、衣笠さん! ターゲットは『ヤマト・ブレイヴ』、PBC発射を!」

衣笠「オッケー!」


ヤマト・ブレイヴの遥か後方、ペンシルヴェニア・ブレイヴの船体が展開されその中心に粒子が収束していく。


間宮『ターゲットロック、目標・『ヤマト・ブレイヴ』!縮退臨界、トリガーを!』

衣笠「プラフスキー・バスター・キャノン! フル・バースト!」


ペンシルヴェニアから放たれた膨大な粒子の奔流が、ヤマト・ブレイヴへと襲い掛かる。そして…


ヤマト『条件をクリア、コード・ブレイヴの認証を確認!』

榛名「『ミラーリングシステム』発動!」


そしてヤマト・ブレイヴの船体から展開された粒子レンズがその粒子の奔流を拡散・吸収し、蒼き燐光を帯びる!


ハマーン「ほう、こちらにPBCが無いと想定して味方のPBCを吸収する策に至ったか!」

榛名「榛名の全力の力、そのための布石です!」

ヤマト『続いてコードIB、発動! 各粒子レンズを所定位置へ!』

榛名「全てを焼き尽くす煉獄の炎、その全てをハマーンに!」


砲身が展開され、その先がインコンパラブルを捉えた。 そして…


ハマーン「トドメを刺せ、ファンネル!」

榛名「インフェルノ… ギガブラスタァァァァァァァァァァァァッ!」


無数の粒子の塊と、膨大な蒼き粒子の奔流が互いに真正面から放たれた!


撃沈判定 直下
01以上で撃沈

819: ◆6G6UiAPa1Q 2016/05/06(金) 01:12:28.78 ID:3xid+2eE0
放たれた煉獄の炎、その蒼き一撃は無数の粒子の塊をも飲み込みインコンパラブルへと直進する!そしてインコンパラブルの船体を貫き、蹂躙した!


ハマーン「私の、負けか…」

榛名「榛名の勝ち、です」


榛名とハマーン、その勝負を制したのは榛名だった。


Battle End
Winner "Team WhiteClean"


『決勝大会・第三試合、勝者・日本代表『チーム・ホワイトクリーン』』


榛名「どうやら、皆も勝てたようですね」

陽炎「そりゃね、私達を何だと思ってるのよ」

舞風「あー疲れた…」

春雨「あの無人艦を大量に相手にしましたから…」

野分「正直言って、辛かったです…」

リタ「あれで勝てれば御の字だよ。さて、あとは…」


ハマーン「グレミー、貴様…」

グレミー「違う、私は… 私は負けた訳では…!」

マシュマー「往生際が悪いぞ、貴様!」

ニー「大人しくして貰うぞ」

ランス「聞きたい事が山ほどあるのでな」

オウギュスト「くっ…」

アリアス「チッ…」

ラカン「くそっ… 俺達は従っていただけで…」

キャラ「グレミーの口車に踊らされてかい?」

イリア「どう足掻いても、この場から逃げ出す事は出来んぞ」


天城「どーも知ってるでしょう、天城でぇございます… おい、パイ食わねぇか?」


アクシズ一同「!?」

天城「テメェはよぉ、ファイター同士の勝負に水を差して滅茶苦茶にしたんだ。その報いは要るよな、なぁ?」

グレミー「ひっ…」

天城「選べよぉ、イギリスに居るママかそれともパパか? 何処に居ようが腐らねぇうちに届けに行きますよぉ、このパイをね…」

グレミー「貴様、私を愚弄する気か!」

天城「テメェはこの場のファイターを全員愚弄してんだよ。 姉さん含め天城の妹や仲間も、そしてハマーン・カーンやアクシズの面々にこの会場のファイター全員を」

グレミー「ッ…!」

天城「他人を愚弄するのが良くて自分は愚弄されたくない? ガキみてぇな思考だなぁ… パイでも食って少しは大人になれよぉっ!」ブォン

グレミー「ガッ… ぐぉぉぉ… 苦し、助け…」ドサッ

天城「次は… テメェ等か? 一族郎党、お見舞いしてやるよ」

ラカン「た、助けてくれ…!」


リタ「止めなくて良いの?」

榛名「無駄ですね。 ああなった以上天城を止めることは無理でしょうし、榛名の言いたいこと全部言ってくれてますし」

衣笠「久し振りに見た、シェフ天城」

この後天城は反乱組全員にパイをお見舞いした

820: ◆6G6UiAPa1Q 2016/05/06(金) 01:59:53.07 ID:3xid+2eE0
《その後…》


榛名「何と言うか、妹が申し訳ありません…」

ハマーン「問題無い、寧ろ良くやってくれたというべきか… ともかく4人はこのまま目が覚めるまでは病院に軟禁しておこう」

榛名「どうやってウイルスを手に入れたかを聞き出すまではイギリスには返せませんし」

ハマーン「十中八九、奴等だろうが」

榛名「イノベイター…」

ハマーン「こちらも可能な限りバックアップさせてもらう、出来ることなぞ少ないが」

榛名「どうして、そこまで…」

ハマーン「貴女がグレミーに言っただろう、人々の笑顔の為に戦うとな。 甘い考え、だが悪くは無い」

榛名「甘い、でしょうか」

ハマーン「ああ、人は生きる限り一人だ。 だから他者を平気で傷付けられる、そして人類はいつか地球すらも食い潰すよ」

榛名「…それは違うと思います。人は生きる限り一人かもしれない、でも一人だからこそ他者と手を取り合おうとするのでは?一人では弱いから、一人では辛いから… 

榛名だってそうです。一人では何も出来ない、唯の人間です。 一人では前に進むことさえ出来なかった、弱い人間なんですよ。バトルだってヤマトのサポートと衣笠さんのPBCに頼ってましたから」

ハマーン「だから貴女は他者と手を取り合って進む、か…」

榛名「貴女だって決して一人では無い、マシュマーさんだってキャラさんだって居ます。真に孤独であるならば、こうやって榛名と話す事も無いでしょう」

ハマーン「フッ… これは、一本とられたな。貴女と言う人間は面白い… だからこそ、協力する気にもなった」

榛名「そうですか…」

ハマーン「では、これにて失礼する。 貴女のその願い、いつまでも歪まずに居るよう願っているよ」

榛名「ありがとうございます」


榛名(グレミー・トトは倒れ、誰がウイルスを仕込んだのかはわからない。 だがその裏にはイノベイターが居るのは確実だろう…)

榛名「ほんの小さな歪みでも、それはいずれ世界をも殺す…」

榛名(だから榛名はそれを止める、榛名自身の意志で。 それが榛名の進むべき道… 榛名の願いの為に、人の命を踏み台にした世界を作らせない為にも…)

榛名「榛名自身の、勇気に誓って…!」


第22話『牙を剥く歪み』終

826: ◆6G6UiAPa1Q 2016/05/07(土) 02:45:14.10 ID:gTpYGRSZ0
小ネタ『意外な再会』


榛名「えっと、あと買う必要のあるものは…」

榛名(イセさんに頼んでクリアレジンの在庫はありったけ買いましたし… 特に無い…?)

榛名「曙さん用の『TC』と清霜さん用の『CS』の強化パーツも揃いましたし… …お腹空きました」

榛名(この近くには… そうだ、久し振りにあそこに行ってみましょう)


《榛名行きつけだった定食屋》※プロローグ参照


榛名「相変わらず賑わってますね、サラリーマンの方々に…」

「いらっしゃ… 嬢ちゃんじゃねぇか!」

榛名「お久し振りです。コロッケ定食お願いできますか?」

「おうよ! コロッケ定食一丁!」

「はーい」

榛名(ん…?)

「地元に戻ったって聞いてたが…」

榛名「はい、仙台に居ます。今は大会に参加しているので、その為に上京してました」

「大会って、あの台場のヤツか?」

榛名「艦プラバトル世界選手権、その日本代表のファイターの一人として」

「やっぱり決勝大会の1回戦に出てたの、嬢ちゃんだったのか」

榛名「観ていたのですか?」

「中継でな。 やっぱりあの白と蒼の戦艦は嬢ちゃんか… あの一騎打ちの時、叫んだ声が似てると思ったんだよ」

榛名「お恥ずかしい限りです… テンション上がっちゃって…」

「いや、気持ちはわかるぜ。 必殺技は叫びたくなっちまうよ。マジンガーのノリみたいでよ」

榛名「ロケットパンチとかブレストファイヤーとか、必殺技にはロマンがありますから」

「や、やけに詳しいな… おーい、まだか?」

「あともうちょっとです!」

榛名(聞いた事あるような…)

「すまんな。ウチのバカ娘がやっと帰って来たんだが、手際悪くて。 修業とやらを重ねてたらしいんだが…」

榛名「娘さん、いらっしゃったんですね」

「嬢ちゃんと同い年くらいのな。 奥さんに逃げられて男手一つで育ててきたけど、何故かカレーに目覚めて最近まで行方知れずだったんだよ」


比叡「お待たせしました~。コロッケ定食… え?」

榛名「!?」


比叡「な、ど、どうして!?」

榛名「おじさん、ちょっと娘さんお借りします」ガシッ

「お、おう」

比叡「ひぇぇぇぇぇぇぇぇぇ…」ズルズル

827: ◆6G6UiAPa1Q 2016/05/07(土) 03:20:13.58 ID:gTpYGRSZ0
《店の裏》


榛名「何故ここに居るんですか…! 事と次第によっては今すぐトマホークで首をそぎ落として…」

比叡「じ、実家に帰ってるだけですって! 偶然です、偶然!」

榛名「ここが、実家ですか?」

比叡「そ、そうですよ! 葛城さんも目を醒ましませんし、山梨のサナトリウムも非常事態だとかで追い出されましたし…

修業してた先のカレー屋もいつの間にか潰れてましたし実家しか帰る場所無かったんですよ!」

榛名「…そう言う事情ならば、納得せざるを得ませんね」

比叡「ホッ…」

榛名「と言うかまだ意識無いんですね…」

比叡「はい… でも、最後に面会した時は少しだけ反応が返ったんです。手を握ったら、ちょっとだけ」

榛名「そうなんですね… 山梨の守りは充分、危険は無いでしょう」

比叡「危険って、一体…」

榛名「金剛達と同じ異界の存在、そしてこの世界を蝕もうとする輩です」

比叡「それって、この前の舞鶴の…?」

榛名「あれは『深海棲艦』、『あちら側』の世界で猛威を振るった化け物で榛名達が生み出される原因となった存在です。

榛名達も舞鶴の防衛に参加しなければ危なかったですが、今は出現の兆候も無いので大丈夫でしょう」

比叡「もしや、舞鶴に現れた『ガンダム』は…」

榛名「榛名はテレビに映った第4次防衛戦には参加していません、深海棲艦の拠点を破壊しに向かっていたので。

なので今回の敵は深海棲艦ではありません。 彼等は『イノベイター』、そう名乗っています」

比叡「イノベイター… 金剛姉様から聞いた事があります、デザインチャイルドをベースにした連中だとか…」

榛名「その認識で合ってます。榛名達を生み出した『プロジェクト・フェンリル』、その系譜に連なるデザインチャイルドの遺伝子を用いて生み出された存在…  そして、世界を支配しようと目論む敵です」

比叡「敵…」

榛名「比叡さん、暫く東京を離れてください。 奴等は転生体、そして榛名達デザインチャイルドをも狙っています。 恐らく捕まったら最後拉致された転生体と同じ末路、薬物で自我を破壊され兵器にされます」

比叡「そんな…!じゃあ榛名さんは…」

榛名「榛名は、それを止めます。 誰かを傷つけさせない為に、この世界をイノベイターに支配させない為に」

828: ◆6G6UiAPa1Q 2016/05/07(土) 03:41:09.70 ID:gTpYGRSZ0
「お、戻ったか」

榛名「すみません、お借りしてました」

比叡「ひ、ひえ…」

「嬢ちゃんと比叡、知り合いだったのか」

榛名「ええ、少しだけ」

「一体どんな関係かは知らないけど、仲良くしてやってくれよ」

榛名「ええ、機会があれば」

比叡(お、恐ろしい事される未来しか見えません…!)

「…良く見たら嬢ちゃん、比叡に似てねえか?」

榛名「似てません」

「でも、少し面影あるんだよなぁ…」

榛名「似てませんよ」

「まさか嬢ちゃん、比叡の生き別れの…」

榛名「そんな訳があってはたまりません」

「お、おう…」

比叡(ごめんなさいお父さん、事実です。 生き別れの妹です)

榛名(余計な考えしてると上半身と下半身をさようならさせますよ?)

比叡(直接脳内に!?)

榛名(榛名、感応波が使えるんで。 貴女と榛名に血縁関係は無い、良いですね?)

比叡(ひええええええええええええ!)


榛名「では、ご馳走様でした」

「おうまた来いよ」

榛名「はい」

榛名(まさか、おじさんの娘が比叡さんだったとは… これで、行きつけの店が一つ減ってしまいました)

比叡「あ、あの… また来て下さい、今度はあの小柄な妹さんと…」

榛名「小柄… 長波ですか?」

比叡「はい、あの子にはちゃんとお礼を言いたくて…」

榛名「わかりました、ちゃんと連れてきます」

榛名(やっぱり、また今度も来ましょう。 今度は、長波も連れて…)


小ネタ『意外な再会』 終

829: ◆6G6UiAPa1Q 2016/05/07(土) 21:34:51.35 ID:gTpYGRSZ0
断章『目覚めぬ神狼』


《ハシラジマ泊地 格納庫》


ヒュウガ『OS設定終了、起動シーケンススタンバイ。 サイコミュ同調、『重力子ドライヴ』始動開始』

愛宕「確認、システム起動開始。 ここまでは順調…」

ユキカゼ「ここからが本番です。 『重力子ドライヴ』の監視はこちらで行いますのでやってください」

愛宕「了解。 『RX-0[F]』起動!」


純白に塗られた角を持つMS、そのゴーグルアイに光が灯る。



ユキカゼ「重力子ドライヴ、安定稼動領域到達」

愛宕「エンゲージ… 『ニュータイプ・ドライヴ』!」


愛宕は機体に自身の思念を流し込み、その機体を『ガンダム』へと変身させようとするが…


ユキカゼ「ッ…!? 重力子ドライヴに異常を検出、緊急停止!」

愛宕「ぐっ…」


そして愛宕自身が負荷に耐え切れず、血管が切れて鼻血を出してしまった。


ヒュウガ『バイタルに異常、サイコミュ緊急カット!』

愛宕「うぅ…」

ユキカゼ「システム強制終了! しっかりしてくださいお姉ちゃん!」

愛宕「だい、じょう、ぶ…」

ユキカゼ「ハッチ開放、医務室の準備を!」

ヒュウガ『了解!』

830: ◆6G6UiAPa1Q 2016/05/07(土) 22:20:09.00 ID:gTpYGRSZ0
《医務室》

愛宕「あ、ティッシュ取って。鼻血止まらないわ…」

ユキカゼ「はい、どうぞ」

ヒュウガ「脳波に異常は無いし、血管切れただけで良かったわね」

愛宕「あの、鼻血止まらないんですけど…」

ユキカゼ「あとでサプリメントを用意しておきます」

ヒュウガ「しかし、試作機の方は成功したのに何でこっちで失敗したのかしら…」

愛宕「パイロット感覚では、何も…」

ユキカゼ「システムを発動した瞬間、ドライヴの方にエラーが生じましたし…」

ヒュウガ「MS用の重力子エンジン『重力子ドライヴ』… こっちは通常稼動出来るみたいなのに」

愛宕「恐らく、バンシィから改修したのが原因かしら…」

ユキカゼ「パイロットの、榛名さんの念ですか?」

愛宕「違うわ… 何か、サイコミュに拒まれたような…」

ヒュウガ「拒まれた?」

愛宕「念じゃない、でも機体が私を拒んだようにしか…」

ユキカゼ「ヒュウガ、OSの再確認を。新しい『NT-D』、『ニュータイプ・ドライヴ』の方を重点的に」

ヒュウガ「わかった」


ヒュウガ(どう言う事…? 過去のパイロットの残留思念でも残ってるの?)カタカタ

ヒュウガ「可能性はなくは無い、でもこの場合はパイロットの意見を信じるべきかしら?」

ヒュウガ(システム側のエラー… でも特に機体にユニコーンのように生体認証や『La+』を積んでいる訳じゃない。

生体認証なら愛宕が起動させようとした時点で起動出来ないように…)

ヒュウガ「もしや…」カタカタ

ヒュウガ(ビンゴ! サイコミュのシステム側に特定のパイロット以外にシステムを起動出来ないようにOSが改竄されてる。原因はこれか)

ヒュウガ「でもこれ、フェネクスやユニコーンのセキュリティより厳重になってる… しかもこれ、霧のファイヤーウォール…? 一体誰がこんなものを…」

ヒュウガ(私でも突破は無理… どうすれば… って、何これ!?)

ヒュウガ「座標点… でも、これは… 『坊ノ岬沖』、龍鳳用の重力子エンジンをサルベージした場所… ヤマトの撃沈地点!?」

ヒュウガ(総旗艦、彼女に、そしてこの『フェンリル』に何をさせようと言うの?)


断章『目覚めぬ神狼』 終

842: ◆6G6UiAPa1Q 2016/05/10(火) 00:01:39.46 ID:PFiRrhYQ0
小ネタ『天城の料理修業~エンガノメシウマ勢編~』


瑞鳳「料理を教えて欲しい、ですか?」

天城「はい… 間宮さんの料理は上手すぎて参考にならなくて…」

瑞鳳「あぁ、成る程…」



瑞鳳「と言う事でウチの料理班集合」←中華料理担当

夕雲「天城さんのお料理の練習、ですか」←和食担当

夕張「教えられるものは限られますが…」←麺類担当

大鳳「あんまり下手に凝ったものは大惨事に直結するからね」←カレー・洋食担当

402「あとアレンジの加えようがないものだな」←オールラウウダー(洋食寄り)

イク「アレンジものやると確実に変なもんぶちこまれるのね」←和食・軽食補佐



瑞鳳「ではこれよりエンガノ料理教室を始めます」

蒼龍・浜風・瑞鶴「は~い」

天城「あの、一つ構いませんか?」

夕張「どうぞ」

天城「天城以外の3人は?」

夕張「『エンガノ料理出来ない』勢よ」

蒼龍「出来ないって訳じゃないのよ…」←全体的に雑

402「それは強火オンリーを止めるのと野菜を切りそろえられるようになってから言おうか」

浜風「わ、私だって頑張れば…」←出来ない訳では無いが凝り過ぎて失敗する

夕雲「だから最初は簡単なものにしましょう、と…」

瑞鶴「やる気になれば出来るし…」←やった事無い

イク「じゃあ最初からやれよなの」

大鳳「因みにこの三人以外全員人並みにはこなせるって言うね…」

瑞鳳「とりあえずついでにこの三人にも叩き込みます」

843: ◆6G6UiAPa1Q 2016/05/10(火) 00:34:11.25 ID:PFiRrhYQ0
イク「野菜の切り方は良い、それに調理する過程までは手際が良いのね」

天城「ど、どうも…」

瑞鳳「そしてここからが、最初にして最大の難関…」

夕雲「味付け…」

夕張「今回のメニューは野菜炒め、味付けが最も重要…」

大鳳「炒めさせるだけで味付けは私達が… でもそれじゃ天城さんの為にはならない…」

402「そうだ… お前『自分が最もマズそうに思う味付け』をやってみろ」

天城「…え?」

瑞鳳「ちょ、402ちゃん!?」

402「いいからやってみろ。自分が極限にまでマズいと思う味付けをな」

天城「…わかりました」



天城「で、出来ました…!」

瑞鳳「見た目は普通、匂いも美味しそう…」

夕雲「問題は、味…」

夕張「ここは一番頑丈な大鳳さんが…」

大鳳「し、死にたくないわよ私!?」

イク「イクもノーセンキューなのね!」

402「仕方無い、私が頂くとしよう」パクッ

瑞鳳「…ど、どう?」

402「なんだ、食べれるじゃないか」

天城「…!」

大鳳「ほ、本当だ… 普通に食べれる…!」

夕張「特に凄く美味しいって訳じゃないけど…」

夕雲「普通に食べれます…」

イク「一体どんな手品なのね?」

402「コイツの問題点は『感覚だけで料理を作っていること』、そして『味見をしないこと』だ。

だから『マズい』と思った味付けを促して味見をさせればそれなりのものにはなる、と結果がこう言う事だ」

夕張「流石我等がオカン…」

402「これ以上言ったらブン殴るぞ、夕張」


天城「今日はありがとうございました」

402「これからは味見を忘れるなよ」

天城「はい! ちゃんと味見をして作りたいと思います!」

瑞鳳「と、微妙に成長した天城ちゃんだったけど…」

三人「…」

大鳳「3人共、天城ちゃんと同じ要領でやったらマズくなるに決まってるじゃない…」

夕雲「天城さんは元が最悪、だから逆の結果になったんです」

イク「元が悪く無いのにそんな事したらただのマズメシが生まれるだけなのね」


しかしその結果、仕置き用のためだけにパイが量産されるようになったのは別のお話である。


小ネタ『天城の料理修業~エンガノメシウマ勢編~』 終

849: ◆6G6UiAPa1Q 2016/05/10(火) 01:47:00.46 ID:PFiRrhYQ0
すみませんがデートネタは思いつかないのでまた今度の機会に…


番外編 『サイコロの旅 浜風&蒼龍編』


8月上旬 埼玉県大宮市  


蒼龍「どうも、蒼龍です」

浜風「浜風です」

大淀「さて、どうしてお二人はこんな場所に居るのでしょう」

浜風「それはですね…」


瑞鳳『これです!』

蒼龍『サイコロとシート…?』

浜風『まさか…! サイコロの旅ですか!?』

飛龍『私と瑞鳳、402は既にやってるからね。 本当ならアマゾン川にでも放り込もうかと思ったけど、浜風まだ中学生だし今回は加減しておくわ』


浜風「対決列島で負けた結果、罰としてこうなっちゃいました」

大淀「とりあえず今回は札幌まで辿り着いていただく、と言う事で。ではサイコロとシートです」

蒼龍「どれどれ…」

1 やまと号 7時間50分 奈良
2 フローラ号 8時間30分 秋田
3 シリウス号 9時間5分 八戸
4 ブルーメッツ号 11時間50分 高知
5 ニューブリーズ号 12時間 広島
6 はかた号 14時間20分 博多


浜風「北海道まで行くには、秋田か八戸まで行く必要がある… はかた号は勘弁して欲しいです」

蒼龍「とりあえず、まずは投げてみるわよ…! えいっ!」


サイコロ判定 直下
1.やまと号 01~10
2.フローラ号 11~21
3.シリウス号 22~32
4.ブルーメッツ号 33~43
5.ニューブリーズ号 43~53
6.はかた号 54~00

851: ◆6G6UiAPa1Q 2016/05/10(火) 01:58:34.85 ID:PFiRrhYQ0
浜風「3番、シリウス号ですね」

蒼龍「よし、これで八戸だから北海道に近づけたわね」

大淀「では早速乗るとしましょうか」


浜風「深夜バス、初めて乗ります」

蒼龍「私も初めてよ」

大淀「意外ですね、蒼龍さんは」

蒼龍「これでも色々あるのよ」

蒼龍(ま、異世界の人間で強化人間だって言えないわよね)


浜風「これが深夜バス…」

蒼龍「キツイわね…」

大淀「まぁ、バスですからね」



イベント 直下

854: ◆6G6UiAPa1Q 2016/05/10(火) 23:51:04.94 ID:PFiRrhYQ0
浜風「…」

蒼龍「浜風ちゃん?」

浜風「ウプ」

蒼龍「まさか… 酔った?」

浜風「はい… 船は大丈夫なのに、バスだけは駄目なんです…」

蒼龍「さっき酔い止めあげるって言ったのに…」

浜風「こんな事なら、さっき牛乳一気飲みしなければ良かった…」

蒼龍「うん、原因それだから。 てか、何でそんな事したの」


浜風『ほ、本当に差し替えてくれるんですか?』

大淀『はい、今から撮る映像を使い編集し対決列島でゲロったシーンを差し替えて放送できるようにします』

浜風『牛乳の飲むテンポを遅らせる… プライドに障りますが、ゲロシーンを放映されるよりは…』

大淀『ではよろしくお願いします』


蒼龍「おい、メガネ」

大淀「は、はい!」

蒼龍「アンタ絶対これ狙ってやったでしょ」

大淀「さ、さぁ…」

蒼龍「私これでも相手の感情くらいはわかるのよね、貴女から悪意が漏れ出してるのに気付かない訳無いじゃない」

大淀「相変わらず鋭い…」

蒼龍「浜風、コイツ絶対差し替えるつもり無いわ」

浜風「そ、そんな… ウプ…」

蒼龍「あと10分でSAに着くから、持たせなさい」

浜風「は、はい…」

蒼龍「さて、覚悟できてるわよね」チャキッ

大淀「そ、それは…?」

蒼龍「防犯用ネットランチャー、を私用に改造した仕置き用バズーカ… ネットに電流流せるやつ」←金剛のをかっぱらった

大淀「や、やめ…」

蒼龍「八戸に着いたら、ビリビリっといくわよ」

855: ◆6G6UiAPa1Q 2016/05/11(水) 00:04:46.15 ID:PPHKugia0
《八戸駅前》

蒼龍「さて、八戸ね」

浜風「あの、鬼畜メガネは?」

蒼龍「あそこで感電してるわ」


大淀「あばばばばばばばばばばばばばば」ビリビリ


蒼龍「大丈夫、死なない程度の威力だから」

浜風(蒼龍さんって基本容赦無いですよね…)

蒼龍「さて、北海道に向かうのには青函トンネルを抜ける必要があるわ」

浜風「もしくはフェリーですね」

蒼龍「で、これが次のシート」


1.急行はまなす 札幌行き(ゴール)
2.津軽海峡フェリー 函館行き
3.特急スーパー白鳥 函館行き
4.ANA1854便    伊丹空港(大阪)
5.三陸鉄道     宮古行き
6.青森新幹線    東京行き



浜風「前半は天国、後半は地獄ですね…」

蒼龍「とくに4番はね。さて、次は浜風ちゃんのターンよ」

浜風「はいっ!」ポイッ


サイコロ判定 直下

1.急行はまなす 札幌行き(ゴール)01~15
2.津軽海峡フェリー 函館行き 15~29
3.特急スーパー白鳥 函館行き   30~45
4.ANA1854便    伊丹空港(大阪)46~70
5.三陸鉄道     宮古行き   71~85
6.青森新幹線    東京行き   86~00



857: ◆6G6UiAPa1Q 2016/05/11(水) 00:16:20.66 ID:PPHKugia0
浜風「出た目は3、と言う事は?」

蒼龍「函館ね。 しかも特急だからかなり楽よ」

浜風「でも、来年無くなっちゃうそうですね」※時系列は2015年夏

蒼龍「北海道新幹線の開業に伴ってね。はまなすも廃止だし、寝台特急の『カシオペア』もなくなっちゃうそうよ」

浜風「時代の流れって悲しいですね…」

蒼龍「そうね… 古き物は新しい物に淘汰される、それが時代の流れだもの。さて、いきましょうか」

浜風「その前に… アレは?」


大淀「あばばばばばばばばばばばばばばばばば」ビリビリ


蒼龍「どうしようかしら?」

浜風「何も考えて無いんですか!?」

蒼龍「冗談よ。 そろそろ電流ストップさせようかしら」



《特急スーパー白鳥》


浜風「そう言えば特急も馴染みありませんよね、私達」

蒼龍「確かに、乗ったのって夕雲ちゃんのトコに行くのに使ったロマンスカーくらいかしら?」

浜風「蒼龍さんも合流後に一度だけ行きましたよね、箱根」

蒼龍「今は火山でやられちゃってるみたいだけど…」

浜風「御両親も避難してて大変みたいですよ、夕雲」

蒼龍「再開も難しいだろうし、畳むのも厳しいし…」

大淀「大変ですね…」

蒼龍「あら、生きてた?」

大淀「ほぼ死にかけですがね…」ボロボロ

浜風「自業自得です」


イベント 直下

859: ◆6G6UiAPa1Q 2016/05/12(木) 23:30:09.48 ID:M89ZAKrZ0
蒼龍「浜風ちゃん、どっちだっけ?」

浜風「『豊漁 八宝寿司』の方です」

蒼龍「はい。 じゃ、私はこっちの『青森味づくし』ね。美味しそう…」

大淀「あの、私の分は…」

蒼龍「はい、コッペパン」

大淀「扱い酷く無いですか!?」

蒼龍「旅が終わるまで続きますよ、この扱い」

大鯨「あら、差別は駄目よ」

浜風・蒼龍・大淀「!?」

大鯨「こんにちはぁ、お二人共。今日はロケかしら?」

蒼龍「え、ええ… 榛名ちゃん達は大会、瑞鳳ちゃんは別件で出かけているので」

大鯨「ハシラジマ絡みかしら?」

浜風(あの、あんまりハシラジマについて公で言うのは…)ヒソヒソ

大鯨(わかってるわよ。折角今度あの子にエピオンに乗せて貰える約束なのに、これじゃ乗れなくなっちゃうもの)

蒼龍(何でよりによってエピオンなの!?)

大鯨「ま、良いか。サイコロの旅で函館まで行くの?」

蒼龍「はい。 着々とゴールに近付いています」

大鯨「なら私と一緒ね、函館までは」

浜風「函館に大鯨さんも?」

大鯨「ちょっと小旅行でね。 あの人も最近構ってくれないし、娘皆出かけちゃってるし暇で暇で…」

大淀「応援には?」

大鯨「夫が修業から戻ったら行きますよ。 多分来週には戻る筈ですけど」

浜風「あの方も自由奔放ですね…」

大鯨「あの人、大学クビになったらどうするんでしょうね…」

蒼龍「いや、妻として止めてくださいよ」

大鯨「でもいつでも養えちゃうし… 家事だって、あの人が家で主夫してくれた方が助かるのよね…」

浜風・蒼龍(これが俗に言う駄目男製造機…!)

860: ◆6G6UiAPa1Q 2016/05/13(金) 00:09:40.77 ID:E6WXjb1j0
《函館》


蒼龍「やっぱ北海道って涼しいわねぇ…」

浜風「本州よりも快適ですね。夏場はずっとこっちに居たい気分です」

大淀「では次のシートです」


1.函館本線 長万部行き
2.特急スーパー北斗 札幌行き(ゴール)
3.函館空港から飛行機 新千歳空港
4.函館特急ニュースター号 札幌行き(ゴール)
5.函館空港から飛行機  大阪(伊丹)
6.フェリー     青森


蒼龍「ゴールが2つ、ゴールに近づけるのが2つ、そして遠くなるのが二つ…」

浜風「これで当たれば…!」

大鯨「じゃ、私がやってみようかしら♪」

蒼龍「ちょ…!?」

大淀「どうぞ」

大鯨「何が出るかな何がでるかな、それはサイコロが決めるっと!」ポイッ


サイコロ判定 直下

1.函館本線 長万部行き 01~20
2.特急スーパー北斗 札幌行き(ゴール) 21~45
3.函館空港から飛行機 新千歳空港 46~65
4.函館特急ニュースター号 札幌行き(ゴール)65~75
5.函館空港から飛行機  大阪(伊丹)76 ~90
6.フェリー     青森 91~00

862: ◆6G6UiAPa1Q 2016/05/13(金) 01:22:07.61 ID:E6WXjb1j0
大鯨「1ね… チッ…」

浜風「長万部… って、今舌打ち聞こえたんですけど!?」

大鯨「気のせいよ~ 本当なら伊丹にやりたかったけど…」

蒼龍「鬼だ…」

大淀「では行きましょうか」


大鯨「ローカルも良いわよね~」

蒼龍「って何時まで付いて来る気ですか」

大鯨「そりゃ札幌までよ。目的地一緒だし」

浜風「あ、札幌行く気だったんですね…」

大淀「なんか面子が増えましたが、良しとしましょう」




イベント 直下

864: ◆6G6UiAPa1Q 2016/05/15(日) 01:22:15.77 ID:Oj8Dy/Ya0
《長万部駅》


浜風「これが名物、かにめし…」

蒼龍「美味しいわね、これ」

大鯨「流石北海道、ウチの物流系でも取り扱おうかしら?」

大淀「いや、そんな事出来るんですか…?」

大鯨「代表取締役権限」

浜風「横暴過ぎる…」

大鯨「でも止めておこうかしら、ウチは社員第一が基本だし。上が無茶な権限を振りかざして社員を苦しめるようなら、それは長として失格だもの」

蒼龍「それ、ウチの会長にも言って貰えませんかね。メイジンって割とハードワークなんですよ、瑞鳳ちゃんの所に比べたら」

大鯨「大和ちゃんの事?」

浜風「あれ、大和会長とお知り合いで?」

大鯨「だって『台場事変』で顔合わせてたじゃない」

浜風「あぁ、マーサ・カーバイン捕縛の時の…」

大淀「あの、その辺の話はマスコミとして詳しく聞きた… ぐふっ!?」ドサッ

蒼龍「おっと、この話は聞かせる訳にはいかないわ」

浜風「取り敢えずテープに細工しておきましょうか」

大鯨「大和ちゃんがアナハイムを潰したのは事実だけど、流石にこの辺の話はちょっと駄目ね」

浜風「すみません、ちょっと迂闊でした」

蒼龍「ま、次から気をつければ良いわ。取り敢えず誤魔化すのにレポートでも入れてみる?」

大鯨「やっぱこのかに、美味しいわね」(棒読み)

浜風「はい。さらにボリューミーで満足のいく一品です」(棒読み)

蒼龍「棒読み止めて…」

引用元: 榛名「艦プラビルドファイターズⅢ」