1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 21:25:15.36 ID:J4y33bFQ0
「……ここはどこだ?」

黒井「ようやくお目覚めか。やれやれ、少々やりすぎたか?」

貴音「気分はいかがですか?」

「気分? あぁ、何だか少し頭がぼーっとするような」

貴音「黒井殿。やはり今日一日は、休ませておいたほうがよろしいのでは」

黒井「それはできないな、貴音ちゃん。今やトップアイドルである君のスケジュールはカツカツなんだよ」

貴音「しかし!」

黒井「貴音ちゃん」

貴音「っ……」

「なぁ、アンタ達さっきから一体何の話を……」

黒井「おっとおっと、すまないねぇ主役を置いてけぼりにして」

黒井「今からここに居る彼女に歌とダンスを披露してもらう。君はそれに対して意見を言ってもらうよ」

「はぁ? おい、一体ここはどこなんだ! 僕をどうするつもりだ!?」

2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 21:29:26.32 ID:J4y33bFQ0
黒井「質問は受け付けない。黙って彼女のショウを見学したまえ」

「ふざけるな!」

黒井「ふざけてなどいないさ、失礼だな」

黒井「君が私の頼みを聞いてくれないというのなら……」

男はこちらに向かって右手を向ける。その手には、銀色に輝く拳銃が握られていた。

「け、拳銃!?」

貴音「黒井殿、いきなり銃口を向けるなど!」

黒井「キャンキャン喚く犬を優しく躾けている時間はないんだよ、貴音ちゃん」

黒井「彼が言うことを聞いてくれれば済む話だ……貴音ちゃん、彼を説得してはくれないか。どうも私は嫌われたようでね」

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 21:34:24.78 ID:J4y33bFQ0
貴音「いきなりこんな状況に置かれて、さぞ不安でしょう」

貴音「ですが今だけ、今だけでよいのです。私たちのお願いを聞いてはいただけませんでしょうか」

「で、でも……」

貴音「お願いいたします」

少女はそう言って僕に対して頭を深く下げた。
その姿がとても美しく、そして真摯で……この女性は悪い人ではない、そう思えた。
それに、従わなければあの拳銃で撃ち殺されてしまうのだろうし。

「わ、分かった」

貴音「ありがとうございます」

黒井「さすがはトップアイドルだね、貴音ちゃん。じゃあそろそろ始めるとしよう」

「ちょっと待ってくれ」

黒井「ん?」

「この人の歌とダンスを見て意見を言えって言われても……僕はど素人だぞ?」

黒井「あぁ、そんなことは分かっているさ」

「じゃあなんで……」

黒井「いろいろと事情があるのだよ。では、始めるとしようか」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 21:39:24.37 ID:J4y33bFQ0
音楽が流れ始め、彼女の身体が激しく動き始める。

貴音「カッコ悪いわよ。アタシを堕とすの、バレてるの」

貴音「カッコつけたところで、次に出る台詞プランBね――」

先ほどまでの優しい声色はどこへ行ったのか。
彼女の歌声は強気というか、高圧的な感じだ。しかし、それでもどこかに気高さが感じられる声だった。
なんと表現するべきか……そうだな、さしずめ女王様と言ったところか。

貴音「やっぱアンタには高嶺の花ね。ここに響き、渡らなくちゃ……意味がないのよ!」

高嶺? 確かこの子の名前もタカネって言ったような……ギャグ?
それにしても、聞いてる人を虜にするような声だ……。

貴音「タブーを冒せる奴は、危険な香り纏うのよ」

貴音「覚えておけば? Come again――!」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 21:44:24.25 ID:J4y33bFQ0
貴音「ありがとうございました」

黒井「さて、意見を聞かせてもらおうか」

「……分かった」

僕は歌い方や踊りについて感じたことを、いくつか指摘した。

黒井「ほう、これはこれは。クックックッ……」

貴音「黒井殿」

黒井「あぁ、分かっているよ貴音ちゃん」

「アンタ達の頼みは聞いただろ。早く僕を家に返してくれ!」

黒井「では、住所を教えてもらおうかな?」

「住所、住所は……ん? 思い、出せない。なんで、なんで思い出せないんだ!」

黒井「名前は?」

「名前、名前……。僕の、名前は……なんで、なんで出てこない」

黒井「残念ながら君の記憶は消させてもらった。もう帰る場所などないのだよ」

「嘘だ、嘘だ……!」

黒井「だから私が君に居場所と名前をあげよう。君の名前は、今日からツヴァイだ」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 21:49:30.42 ID:J4y33bFQ0
黒井「意識を失ってしまったようだな」

貴音「むごい事を……」

黒井「理解して欲しい。コイツは運悪く見てはいけないものを見てしまったのだ」

黒井「本来なら抹殺してしかるべき人物。しかしそれではあまりにも救いがない」

黒井「幸いコイツには才能があった。先ほどの君のパフォーマンスについての指摘は完璧」

黒井「プロデューサーを失った直後に代わりが来るとは……実に運がいいな」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 21:54:33.12 ID:J4y33bFQ0
ツヴァイ「う、ここは……?」

貴音「気が付きましたか」

ツヴァイ「き、君は……」

貴音「このようなことになってしまって申し訳ございません」

ツヴァイ「君が謝ることじゃない。悪いのはどうせあの男だろ」

貴音「いいえ、あなたを助けようともせず黒井殿の指示に従ったのですから……同罪です」

ツヴァイ「ずいぶんと真面目な人なんだな。そんな人がなんであんな男に?」

貴音「込み入った事情があるのです、申し訳ございません」

ツヴァイ「まさか僕みたいに拉致されて来た、とか?」

貴音「さて、どうでしょう」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:00:56.10 ID:J4y33bFQ0
ツヴァイ「どうして、僕がこんな目にあったんだろうな……」

貴音「あなたは見てはいけないものを見てしまった。だから殺されてしまうはずだったのです」

ツヴァイ「こ、殺……?」

貴音「しかし黒井殿があなたの才能を見抜き、もう一つの人生を用意したのです」

貴音「そう、アイドルのプロデューサーとして生きるという人生を」

ツヴァイ「俺が、アイドルのプロデューサーに?」

貴音「ええ、申し遅れました。私は961プロ所属のアイドル、四条貴音と申します」

ツヴァイ「君が、アイドル……もしかして僕は」

貴音「そう、あなたは今後私のプロデューサーとして働いて頂きます」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:05:28.47 ID:J4y33bFQ0
ツヴァイ「そんな事を言われても。僕はただの、ただの……?」

貴音「どうかなさいましたか?」

ツヴァイ「ははっ。どうやら自分の年齢すら消されてるようだ」

ツヴァイ「家族の顔や友達の顔も思い出せない。いや……そもそも居るのかどうかすら分からないよ」

貴音「…………」

ツヴァイ「はは、夢なんだ……全部、悪い夢なんだ」

貴音「それで慰めになるのなら夢だと思うのもよいでしょう。しかし、長い夢になりますよ」

貴音「今日のところはお休み下さい。明日、迎えに参ります。それでは――」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:10:06.72 ID:J4y33bFQ0
次の日――

目が覚めると、そこは昨日連れてこられた部屋だった。見回してみると、それなりに整っている。
部屋をじっくり見てみようと思った時、扉をノックする音が聞こえた。

ツヴァイ「どうぞ」

貴音「おはようございます、調子はいかがですか?」

ツヴァイ「……最悪だ」

貴音「まぁ、それはいけません。どこか痛む所でもあるのでしょうか?」

ツヴァイ「そうじゃない、精神的な意味でさ」

貴音「…………」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:15:25.16 ID:J4y33bFQ0
黒井「入るぞ、ツヴァイ」

ツヴァイ「既に扉が開いてるんだが?」

黒井「細かいことを気にするな」

貴音「おはようございます、黒井殿」

黒井「おや、貴音ちゃん。こんな所にいたのかい」

貴音「えぇ」

黒井「ちょうどいい。朝食でも食べながら仕事についてのレクチャーでも始めるとしよう」

ツヴァイ「仕事?」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:18:36.47 ID:J4y33bFQ0
ツヴァイ「えっと……アイドルのプロデューサーだったか?」

黒井「おっと、既に話を聞いていたか」

黒井「ツヴァイ、君にはプロデューサーの素質があるようだからな。今日から貴音ちゃんのプロデューサーとして働いてもらう」

ツヴァイ「拒否権は……」

黒井「ないな。まぁ逃げても構わないが、行く宛はあるまい?」

ツヴァイ「クソッ……」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:21:49.54 ID:J4y33bFQ0
ツヴァイ「それにしても広い建物だなぁ」

黒井「フッ、我が961プロは今をときめくアイドル事務所だからな」

黒井「ちなみにここは社員寮であって、事務所は隣の建物だ」

ツヴァイ「そんな大手の事務所が拉致ですか……芸能界は真っ黒だなホント」

黒井「汚い事に手を染めずに生きていける人間なんて、ほんの一握りにすぎんよ」

ツヴァイ「…………」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:26:16.36 ID:J4y33bFQ0
黒井「言っておくが、君を拉致ってきたうんぬんは他言無用だからな。他の社員は一切知らん」

ツヴァイ「……分かった」

貴音「つきましたよ、プロデューサー」

ツヴァイ「な、なんだここは!」

黒井「何って、レストランだが?」

ツヴァイ「高級感で溢れすぎだろう……」

黒井「言っただろう、一流の芸能事務所だと」

ツヴァイ「それにしたって限度があるんじゃないか」

貴音「早く参りましょう、プロデューサー」

ツヴァイ「いや待ってまだ心の準備が……ってうぉあ! 手を引っ張らないでくれ貴音!」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:31:23.35 ID:J4y33bFQ0
ツヴァイ「落ち着かない……」

黒井「おいそろそろウェイターを呼ぶぞ。何を食べるか早く決めてくれ」

ツヴァイ「って言ってもメニューが多すぎて……というか、何でこんな雰囲気の店にラーメンがあるんだ」

貴音「プロデューサーはらぁめんがお嫌いですか?」

ツヴァイ「いや、嫌いじゃないけど」

貴音「よかった。ではプロデューサーも、私と一緒にらぁめんを食べませんか?」

ツヴァイ「うーん……そうだな、そうするよ」

黒井「決まったな。そこの君ィ! こっちのテーブルへ来てくれたまえ!」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:36:31.97 ID:J4y33bFQ0
ウェイター「ご注文をどうぞ」

黒井「私はいつものを頼むよ」

貴音「私とプロデューサーは、豚骨らぁめん野菜大盛ニンニク増しをお願いします」

ツヴァイ「!?」

貴音「どうかなさいましたか、プロデューサー」

ツヴァイ「いや、なんだか今呪文みたいな言葉が聞こえて……」

貴音「ふふっ、変なプロデューサーですね」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:42:29.29 ID:J4y33bFQ0
食事後――

貴音「実に美味しゅうございました」

ツヴァイ「うえっぷ……お腹痛い」

黒井「貴音ちゃんと同じ物を頼むだなんて中々のチャレンジャーだな」

黒井「では事務所に行って仕事の説明をするとしようか」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:46:52.35 ID:J4y33bFQ0
黒井「……プロデューサーの仕事に関する説明は以上だ」

ツヴァイ「正直出来る気がしないんだが?」

黒井「それでもやるしかないのだよ。さぁ、現場に向かいたまえ」

貴音「大丈夫ですプロデューサー、私がおりますから」

ツヴァイ「あぁ……頼りにしてる」

黒井「やれやれ、これじゃあどっちがプロデューサーだか分からないな」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:52:06.53 ID:J4y33bFQ0
ツヴァイ「しかし有名芸能雑誌の表紙撮影とは……貴音、さんは本当にトップアイドルなんだな」

貴音「いえ、私はまだまだ未熟です。もっと高みを目指したいと思っております」

ツヴァイ「すごい向上心だな。俺も見習わないと」

貴音「えぇ、期待しております。それとプロデューサー、私のことは貴音とお呼び下さい」

ツヴァイ「た、貴音……さん? あ、さんつけちまった」

貴音「面白い方ですね、プロデューサーは」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:57:47.87 ID:J4y33bFQ0
貴音「ところで、プロデューサーは今回の撮影について……どう思われますか?」

ツヴァイ「どう、とは?」

貴音「どのような点をアピールするべきか、ということです」

ツヴァイ「そうだな……雑誌の表紙を飾るんだし目立っておきたい」

ツヴァイ「いや、貴音の魅力はその気高さや優雅さにあると思うんだよな……」

ツヴァイ「あまり派手なポーズは取らずに、おしとやかな感じでいけばいいんじゃないか」

貴音「さすがはプロデューサー。私のことをよく見られておりますね」

ツヴァイ「なんだかそんな風に言われると照れるよ」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 23:04:05.56 ID:J4y33bFQ0
17
撮影後――

貴音「お疲れ様でした」

スタッフ「四条さん、お疲れ様です! あ、少しお話ししたいことがあるのですが、この後お時間よろしいでしょうか?」

貴音「プロデューサー、この後の予定はどうなっておりますか?」

ツヴァイ「今日は……この仕事だけですね、問題ないかと。お時間はどのぐらいですか?」

スタッフ「30分もあれば十分です」

ツヴァイ「分かりました」

スタッフ「ではお二人とも、私についてきて下さい」

29: 17はコピペミス 2012/02/10(金) 23:06:31.47 ID:J4y33bFQ0
スタッフ「この部屋です。入りましょう」

貴音「えぇ」

ツヴァイ「レコーディングルーム……?」

貴音「さて、お話とはなんでしょうか」

スタッフ「それはですね……」

貴音にゆっくりと近づく男性スタッフ。
そしてものすごい勢いで、右手を貴音の胸目掛けて突き出す。

ツヴァイ「!」

ツヴァイは反射的に貴音の首根っこを掴んで後ろに引っ張りつつ、自身も距離をとる。
先ほどまで貴音の心臓があった位置には、ナイフを持つ男性スタッフの右手があった。

貴音「なっ……!?」

スタッフ「チッ……」

ツヴァイ「いきなり何をするんだ! 誰か、誰か来てください!」

スタッフ「残念ながらここは防音設備が完璧でね。叫んでも無駄だ」

ツヴァイ(ひとつしかない出入り口は奴の背後だ。容易には近づけない……どうする?)

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 23:11:44.26 ID:J4y33bFQ0
貴音「一体誰の差金なのですか、この無礼者!」

スタッフ「さてね」

ツヴァイ(とりあえずハッタリをかましてみるか)

ツヴァイ「レコーディングをしに誰かが来るかもしれないぞ」

スタッフ「あいにく今日は貸切なんでな」

ツヴァイ「監視カメラがある可能性もある」

スタッフ「ないな。事前に調べてあるさ」

ツヴァイ(やっぱ駄目か、実力行使しかない。武器になりそうなものはないか?)

ツヴァイ(マイクスタンドや椅子でもあればいいんだが、たぶんアイツが撤去したんだろう)

スタッフ「では、今度こそ死んでもらおう。悪く思うな」

ツヴァイ(クッ、何でもいい。何かないか……)

貴音「プロデューサー、これを!」

ツヴァイ「貴音!?」

いつの間にか背後にあるドラムに駆け寄っていた貴音が、ツヴァイに向けて棒状のものを2本投げていた。

ツヴァイ「ドラムのスティック!?」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 23:17:21.91 ID:J4y33bFQ0
スタッフ「そんなものでどうにかなるとでも思っているのか」

ツヴァイ「何もないよりは遥かにマシだ! 金属製だしな!」

横一文字に振られるナイフを右手に持ったスティックで受け止め、左手のスティックで相手の頭部目掛けて振り下ろす。
しかしそれは相手の左手に阻まれてしまった。

スタッフ「痛ッ……!」

金属製のスティックを受けたことで左手にかなりの痛みが走り、顔を苦痛に歪ませるスタッフ。

ツヴァイ「今だ!」

とっさに相手の左足に右足をかけて地面に相手のバランスを崩しながら押し倒す。
そして左手のスティックを捨てて、ナイフを持つ右手を完全に抑える。

ツヴァイ「貴音、助けを呼んできてくれ!」

貴音「は、はい!」

しかし貴音が扉に近づいた時、何者かが外側から扉を開けた。

黒井「待たせたな、二人とも」

ツヴァイ「黒井社長!?」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 23:21:09.06 ID:J4y33bFQ0
黒井「貴音ちゃんの命が狙われているという情報があってね、慌てて駆けつけたわけだ」

黒井「警備員の諸君、この不届き者を連れていってくれたまえ」

貴音「なぜ、私を狙ったのでしょうか……」

黒井「短期間でトップアイドルの座に上り詰めた貴音ちゃんを、快く思わない者もいるのだよ」

貴音「卑怯な、正々堂々と勝負を挑んでくればいいものを」

黒井「それでは貴音ちゃんに勝てないから、こんな手段を取るのさ。ツヴァイ、よく貴音ちゃんを守ってくれたな」

ツヴァイ「貴音のプロデューサーですから」

黒井「とりあえず事務所に戻るとしよう」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 23:28:46.86 ID:J4y33bFQ0
黒井「あんなことがあって疲れているだろうし、貴音ちゃんはすぐに休みたまえ。今日はもう予定もないしな」

貴音「ええ……そうさせていただきます。では、また明日」

ツヴァイ「あぁ、また明日な」

黒井「……ツヴァイ、お前には今から話がある」

ツヴァイ「話? 一体何のだ」

黒井「ここでは話せないな……社長室まで来てもらおう」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 23:32:31.93 ID:J4y33bFQ0
社長室――

黒井「今日は本当にご苦労だったな、ツヴァイ」

ツヴァイ「まったくだよ。死ぬかと思った」

黒井「しかし期待以上だった、君の動きは」

ツヴァイ「身体がとっさに動いてね……僕はもしかして殺し屋でもやってたのか?」

黒井「いいや、私が調べた限りではお前にそういった経歴はないな」

ツヴァイ「ん? ちょっと待て。今、期待以上だった……そう言ったよな。どういうことだ」

黒井「あぁ……さっきのは君への試験だったのさ。秘密裏にカメラを設置して、じっくりみさせてもらったよ」

ツヴァイ「死人が出たかもしれないんだぞ!」

黒井「貴音ちゃんの身に危険が及びそうになったら、潜ませておいた戦闘のプロが相手を叩き潰しているさ」

ツヴァイ「だからと言って他にやりようがあるだろう!」

黒井「極限状態でなければこの手の才能は開花しなくてね。そして君の才能は本物だった」

ツヴァイ「もしかして、僕を生かしておいたのはプロデューサーの才能なんかじゃなく……」

黒井「そうだな、殺しの才能の方が大きい」


36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 23:38:25.52 ID:J4y33bFQ0
ツヴァイ「じゃあなんであんな余興をやらせた?」

黒井「あぁ、最初に貴音ちゃんの歌を聞かせたことか。プロデューサーがいないのも事実でね」

ツヴァイ「こんなに大きな事務所……わざわざプロデューサーと殺し屋を同じ奴にする理由がない」

黒井「大きな事務所ではあるが、有能な人間しか必要ないのでね。社員数は大したことないのさ」

黒井「君にプロデューサーの才能があるのは嘘ではないしな。貴音ちゃんとも上手くいってるようだし」

ツヴァイ「…………」

黒井「では、明日からスケジュールが開いている時は戦闘訓練を行なってもらう」

ツヴァイ「はぁ? おい、ちょっと待ってくれ」

黒井「拒否権はない。あぁ、安心してくれたまえ。基礎的なことからきっちり教える」

黒井「基礎体力を身につけることなどはもちろん、銃の扱い方や人体の急所……まぁそれはおいおい説明しよう」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 23:42:31.56 ID:J4y33bFQ0
ツヴァイ「銃!? そ、そんなもの使いたくない! それに殺しなんて……僕に出来るわけがないだろう!」

黒井「どうかな? あの時の君は、組み伏せている相手を殺さんとばかりの雰囲気を醸し出していたが」

黒井「今朝も言ったが、君に拒否権はない」

ツヴァイ「ぐぅ、この悪魔め……!」

黒井「何とでも言い給え。殺すために鍛えるのが嫌なら、貴音ちゃんを守るために鍛えるとでも思えばいい」

ツヴァイ「貴音を……?」

黒井「そうだ。いつまた命を狙われるか分からんからな」

黒井「君が戦闘能力を身につければ、貴音ちゃんの身の安全も確保されるだろう」

ツヴァイ「僕が、貴音を……守る?」

黒井「そうだ、君は貴音のプロデューサー兼ボディガードなのだよ」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 23:47:52.54 ID:J4y33bFQ0
次の日――

ツヴァイ「今日はスポーツ飲料のCM撮影、雑誌のインタビュー、そしてレッスン」

ツヴァイ「貴音がレッスンしてる間、俺は戦闘訓練か」

ツヴァイ「休む暇が全然ない。ハードな一日になりそうだな」

ツヴァイ「とりあえず飯食って事務所へ向かうとしよう」

身支度を整えて扉を開けようとすると、扉をノックする音が聞こえた。

ツヴァイ「誰ですか?」

貴音「私です、プロデューサー」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 23:51:15.27 ID:J4y33bFQ0
ツヴァイ「貴音か」

扉を開け、貴音を部屋に招き入れる。

貴音「おはようございます、プロデューサー」

ツヴァイ「あぁ、おはよう。どうした?」

貴音「プロデューサーは食事を済ませましたか?」

ツヴァイ「いや、これからだよ」

貴音「ではご一緒にどうでしょう?」

ツヴァイ「あぁ、よろこんで」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 23:55:56.69 ID:J4y33bFQ0
ツヴァイ「しかし二回目でもなれないな、この雰囲気……。貴音は何を食べるんだ?」

貴音「私は……そうですね、焼きそばを食べようかと」

ツヴァイ「朝からヘヴィだな。昨日のラーメンほどじゃないけど」

貴音「そうでしょうか? とても美味しいですよ」

ツヴァイ「いや、おいしいのはわかるけどさ……。俺は無難にモーニングセットにしておこう」

貴音「お腹一杯に食べないと仕事に支障がでるのでは?」

ツヴァイ「一杯になったら動けないよ。腹八分目が一番じゃないかな」

貴音「では係の者をお呼びいたしますね……そこの方、よろしいですか?」

ウェイター「ご注文ですか、どうぞ」

ツヴァイ「モーニングセットとコーヒーを」

貴音「焼きそばのXLサイズを二つお願いいたします」

ツヴァイ「!?」

貴音「どうかなさいましたか、プロデューサー」

ツヴァイ「いや、なんでもないよ」

ツヴァイ(アイドルがそんなに食べて大丈夫なのか……? いや、もう突っ込むまい)

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 00:00:46.22 ID:EMJFWv340
数時間後――

ツヴァイ「今日の仕事はこれで終わりだな、お疲れ様」

貴音「はい、プロデューサーもお疲れ様です」

ツヴァイ「それじゃあ事務所に戻るとしよう……それにしても事務所にレッスンできる施設が完備されてるとは」

ツヴァイ「本当に961プロって大きな事務所だな」

貴音「そうですね。おや、あれは……」

ツヴァイ「あの女の子、知り合い?」

貴音「黒井殿が目の敵にしている、765プロという事務所のアイドル……」

貴音「卑怯な手段を用いたり、所属アイドルにセクハラまがいのことをしてるとか何とか」

ツヴァイ「961プロもあれだけど、その765プロってのも大概だな……芸能界って怖い」

春香「!」

ツヴァイ「む、気づかれたようだぞ。どうする貴音?」

貴音「丁度よいでしょう。765プロのアイドルと一度お話しをしてみたかったのです」

ツヴァイ「でもそんなに時間はないぞ。話すとしても10分ぐらいだ」

貴音「十分です」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 00:07:45.53 ID:EMJFWv340
春香「あの……もしかして、四条貴音さんですか?」

貴音「えぇ。あなたは765プロの……」

春香「天海春香ですっ! 四条さん私のこと知ってるんですか? 嬉しいなぁ……」

貴音「最近力をつけてきているようですから、765プロは」

春香「えへへー。でも四条さんに比べたら、私なんてまだまだですよ」

貴音「ふふ、もっと上に来るのを楽しみにしていますよ」

春香「はいっ、頑張りますっ!」

貴音「ひとつ、お聞きしてよろしいですか?」

春香「なんですか?」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 00:14:02.04 ID:EMJFWv340
貴音「765プロ所属のアイドルが、事務所の人間からセクハラを受けていると聞いたのですが……それは真ですか?」

春香「セ、セクハラ?」

春香「私、セクハラなんてされてませんよ。社長もプロデューサーも、そんなことする人じゃないです」

貴音「そう、なのですか?」

ツヴァイ「貴音、僕には彼女が嘘をついてるようには見えない」

貴音「では黒井殿が言ってたことは一体……」

春香「あの……そちらの方は?」

ツヴァイ「あぁ、自己紹介が送れました。四条貴音のプロデューサー、ツヴァイです」

春香「つ、つばいさん……ですか?」

ツヴァイ(やっぱ変だよな。もう少しまともな名前つけてくれよ……)

ツヴァイ「あ、あだ名の様なものですよ。はは……」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 00:18:55.61 ID:EMJFWv340
春香「その話、黒井社長から聞いたんですか?」

貴音「えぇ……どうやら大嘘だったようですが」

春香「うちの社長と黒井社長は、何か因縁があるみたいですからねぇ」

貴音「無礼なことをお聞きして、申し訳ございません」

春香「そんなっ、頭なんて下げないでください」

ツヴァイ「貴音、そろそろ……」

貴音「そうですか。天海春香、また会いましょう」

春香「は、はいっ!」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 00:26:09.54 ID:EMJFWv340
事務所――

ツヴァイ「それじゃ、レッスン頑張って」

貴音「プロデューサーはこれからどうなさるのです?」

ツヴァイ「黒井から頼まれごとしちゃってさ……」

貴音「そうですか。では今日はここでお別れですね」

ツヴァイ「あぁ、また明日」

貴音「えぇ」

ツヴァイ(さて、これから戦闘訓練か。一体どんなことをさせられるやら……)

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 00:30:31.25 ID:EMJFWv340
ツヴァイ「はぁっ、はぁっ……」

ツヴァイ(なんてキツいトレーニングなんだ……畜生)

腕立て伏せや腹筋など定番の筋力トレーニングをさせられた後にマラソン。
いずれも身体がまともに動かなくなるまで続けられた。

そしてその後は格闘技の訓練。
人体の急所について教わり、いかにしてそれを素早く攻撃するかを教えられた。

ツヴァイ(こんな訓練が明日からもあるってのか……身体がボロボロになりそうだ)

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 00:38:03.51 ID:EMJFWv340
次の日――

貴音「プロデューサー、プロデューサー!」

ツヴァイ「Zzz……」

貴音「プロデューサー、何かあったのですか!? 入りますよ!」ガチャ

貴音「よかった、寝ていただけなのですね」

貴音「プロデューサー、朝になりましたよ。さぁ、起きて下さい」

ツヴァイ「ん、んんんーっ……貴音? おはよう」

貴音「おはようございます、プロデューサー」

ツヴァイ「もうこんな時間だったか。起こしてくれてありがとう、すぐに支度する」

貴音「顔色が悪いような気がします……大丈夫なのですか?」

ツヴァイ(昨日えらい目にあったからなぁ。でもこのことは貴音に言わないように黒井に言われてる)

ツヴァイ「いやー、ちょっと夜深しちゃってさ」

貴音「駄目ですよ、規則正しい生活を送らなければ」

ツヴァイ「あぁ、次からは気をつける」

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 00:44:36.29 ID:EMJFWv340
貴音「今日の朝食は何にしましょうか……あぁ、迷ってしまいます」

ツヴァイ「僕は貴音と同じものにするよ。腹が減って死にそうだ」

貴音「同じもの、ですか……では牛丼超特盛汁だくにいたしましょう」

ツヴァイ「いいね、腹にガツンとキそうだ。すみません、注文いいですか?」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 00:50:37.37 ID:EMJFWv340
5分後――

ウェイター「おまたせいたしました、牛丼超特盛汁だくになります」

目の前に置かれたのは直径35cm、高さ15cmはある巨大な丼。
そしてこれでもかと言わんほど載せられた肉の山。ご飯が全く見えない。

ツヴァイ(今の僕ならこれぐらい余裕でいけそうだな)

貴音「いただきます」

ツヴァイ「いただきます」

二人はものすごい勢いで肉を食べていく。
数分後、丼の中には米ひと粒すら残っていなかった。

ツヴァイ「食ったぁー。お腹いっぱいだぜ、ごちそうさまでした」

貴音「ごちそうさまでした。プロデューサーの食べっぷり、中々のものでした」

ツヴァイ「いやいや、貴音には負けるよ」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 00:55:19.19 ID:EMJFWv340
1ヶ月後――

ツヴァイ(拉致されてきてもう1ヶ月か……)

ツヴァイ(最初は戸惑っていたけれどプロデューサーの仕事にも慣れてきた)

ツヴァイ(基礎訓練や銃の扱いなども手馴れてきている。幸い、貴音が狙われることはあれ以降なくなっているが)

ツヴァイ(貴音は黒井の目を盗んで時々天海春香と話をしているようだ)

ツヴァイ(どうやら貴音には今まで友人と呼べる相手がいなかったようで、とても楽しそうにしている)

ツヴァイ(黒井にバレたらとんでもないことになりそうだがな……)ピロリロリン

ツヴァイ「ん、メールか。なになに……社長室にすぐこい、か。月に一度の完全な休日だっていうのに」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 00:59:24.99 ID:EMJFWv340
社長室――

ツヴァイ「お呼びですか」

黒井「あぁ、休日に悪いねぇ」

ツヴァイ「いえ……」

黒井「用というのは他でもない、貴音ちゃんのことだ」

黒井「どうやら最近、悪い虫がくっついてるようでねぇ」

ツヴァイ(天海春香のことか。バレていだんだな……)

黒井「君にはその虫……天海春香を始末してもらいたい」

ツヴァイ「なっ!? ちょっと待ってください!」

黒井「これ以上貴音ちゃんに悪い影響を与えられては困るのでね」

ツヴァイ「しかし天海春香は貴音にとって初めての友人で……」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 01:05:26.44 ID:EMJFWv340
黒井「友人? そんなものは、王者には必要ないのだよ!」

黒井「さぁ、早く準備をしたまえ。君は私なしでは生きていけないということを忘れていないか?」

ツヴァイ(いや、今なら一人で生きていけないとは思わないな。鍛えられたおかげでね)

黒井「逃げ出したりしたら、すぐにでも追手を差し向けるぞ? 今の君はそれなりに強い……私にとって脅威になりかねん」

黒井「それに君が殺さなければ他の者に任せるまでよ。その場合、どんなえげつない殺し方をするか分からんがな」

ツヴァイ「アンタって人は……!」

黒井「フッ、なんとでも言い給え。必要なものがあればこちらで手配しよう、以上だ」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 01:09:54.66 ID:EMJFWv340
ツヴァイ(天海春香を、貴音の初めての友人を……殺せだと?)

ツヴァイ(そんなこと出来るはずが……。でも、俺が殺さなければ他の奴にむごい殺され方をするかもしれない)

ツヴァイ(俺は一体どうすればいいんだ)

貴音「おや、プロデューサーではありませんか。休日だと言うのに事務所にいるとは……私、感服いたしました」

ツヴァイ「貴音……」

貴音「何かあったのですか?」

ツヴァイ「いや、何でもないよ」

貴音「何もなかったようには見えません。悩み事があるのなら、私に話していただけませんか?」

ツヴァイ(話せるわけないだろう)

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 01:15:06.44 ID:EMJFWv340
貴音「プロデューサーは私のこと、信頼できませんか?」

ツヴァイ「いや、そんなことはないって」

貴音「では話して下さいませ。あなた様のお悩みを」

ツヴァイ「それはできない。貴音のことが大切だからこそ、話せないんだ」

貴音「私?」

ツヴァイ「そうだ」

貴音「…………」

ツヴァイ「…………」

貴音「分かりました、これ以上は追求いたしません……それが私の為だと言うのなら、その言葉を信じましょう」

ツヴァイ「すまない」

貴音「謝ってはなりません。あなた様は正しいことをしているのでしょう?」

ツヴァイ「……そう、だな」

貴音「では、お昼ごはんでも食べにいきましょう。私、お腹が空きました」

ツヴァイ「あぁ、俺もだよ」

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 01:22:13.67 ID:EMJFWv340
ツヴァイ「さて、何を食べる?」

貴音「そうですね……では、豚骨らぁめん野菜大盛ニンニク増しでどうでしょうか?」

ツヴァイ「それって確か、俺が初めてこのレストランに来た時の……」

貴音「えぇ。今のプロデューサーには少々物足りないかもしれませんが」

ツヴァイ「どうだろう。食べてみないと分からないな。でもなんでこれを?」

貴音「プロデューサーと出会って、今日でちょうど一ヶ月ですから。その記念にと思いまして」

ツヴァイ「そう、か。ありがとう貴音」

貴音「これからもよろしくお願いいたします、プロデューサー」

ツヴァイ「あぁ、こちらこそよろしく頼む」

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 01:29:04.08 ID:EMJFWv340
ツヴァイ「ずるずる……うまいな、うん」

貴音「えぇ。らぁめんは真、面妖な魅力を兼ね備えております」

ツヴァイ「初めて食べた時は味わう余裕がなかったからなぁ」

貴音「ふふ。あまりの量に驚いておりましたからね」

ツヴァイ「まったくだ。なぁ、貴音」

貴音「なんでしょう?」

ツヴァイ「これから時間あるかな」

貴音「えぇ、今日は仕事もありませんし……春香と合う約束もしておりません」ボソッ

ツヴァイ「そうか。それなら俺の部屋に来てくれないか」

貴音「と、殿方の部屋にですか?」

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 01:37:56.34 ID:EMJFWv340
ツヴァイ「何でそんなに驚くんだ。毎朝来てるだろう」

貴音「それはそうですが、プロデューサーの方からお誘いになるなんて……」

ツヴァイ「なんか勘違いしてないか。話をしたいだけだ」

貴音「話、ですか?」

ツヴァイ「そう。とても、とても大事な話だ」

貴音「分かりました。そのお誘い、お受けいたします」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 01:44:49.21 ID:EMJFWv340
ツヴァイの部屋――

ツヴァイ(この部屋にはなぜか、一切監視カメラや盗聴器が置かれていない)

ツヴァイ(黒井ならその手の物を仕掛けていてもおかしくないんだが……置く必要がないとでも考えているのだろうか)

貴音「それで、お話とは一体?」

ツヴァイ「貴音のことが知りたい」

貴音「私のこと、ですか?」

ツヴァイ「そう。まずは、何故君がこの961プロにいるのかだ」

ツヴァイ「会ったばかりの時にも似たような質問をしたの、覚えているか?」

貴音「はい」

ツヴァイ「あの時、君ははぐらかしたけれど……今なら答えてくれるんじゃないかと思っているんだが」

貴音「そうですね……いいでしょう、お話いたします」

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 01:51:57.09 ID:EMJFWv340
貴音「私もプロデューサー同様、拉致されてきて来たのでしょう」

ツヴァイ「でしょう?」

貴音「記憶がないのです、ここに来る前の記憶が。この名前が本当の名前なのかも分かりません」

ツヴァイ「そうだったのか……」

貴音「私は記憶を取り戻したいのです。黒井殿は私がトップアイドルになれば……記憶を返すと言いました」

ツヴァイ「……信用できないな。というかトップアイドルだろう、貴音は」

貴音「そう言いたい所ですが、最近の765プロの勢いは凄まじい物があります」

貴音「彼女たちに勝たずしてトップアイドルは名乗れない」

ツヴァイ「でも貴音は春香と仲良くしてるよな……何故?」

貴音「最初は情報収集のつもりで近づきました。彼女たちの強さの理由を知るために」

貴音「しかし何度もあっている内に、春香と過ごす時間が……とても楽しく感じられるようになってしまったのです」

貴音「春香は敵対する事務所のアイドル、いけない事だとは分かっておりますが……どうしても会うのをやめられない」

ツヴァイ「春香と話すことと、記憶を取り戻すこと。貴音にとってはどちらが大切だ?」

貴音「意地悪な質問をするのですね……」

72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 01:57:27.13 ID:EMJFWv340
貴音「どちらかを選ばねばならないとしたら……」

貴音「私は、自分の記憶を選びます」

貴音「自分が何者なのか分からないということは、とても辛いことです」

貴音「常に地面から足が離れているというか、世界から断絶されているようにも感じられる」

貴音「私は自分がどこで生まれ、どのように育てられたのか……それを知りたいのです」

貴音「もし家族や友人がいたのだとしたら、きっと心配してるでしょうし」

貴音「天海春香もとても大切な存在です。ですが……」

ツヴァイ「分かった。すまない、変な質問をして」

ツヴァイ(それが貴音の答えなら、俺は……)

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 02:03:00.28 ID:EMJFWv340
数日後――

ツヴァイ(天海春香の家は事務所からおよそ二時間かけた所にある)

ツヴァイ(家が近いアイドルや事務所の人間はいないため、電車を降りた後は孤立する)

ツヴァイ(しかも今日は仕事が詰まっており、こんな深夜に家に帰るという状況だ)

ツヴァイ(帰宅ルートは既に調べ終えている。この時間帯なら寄り道せずまっすぐ帰るだろう)

ツヴァイ(人気がある大通りをできる限り選んでいるが、一箇所だけそうでない場所がある)

ツヴァイ(そこを通らねば大幅に時間をロスしてしまうからだ)

ツヴァイ(狙うならここしかあるまい)

ツヴァイ(相手はど素人だ、ナイフがあれば十分だろう。万一に備えてコンシールド性に優れた、9mm口径のオートマチックを用意してあるが)

ツヴァイ(こいつを使うような事態にはならないといいがな……日本では発砲事件なんて三面記事になる)

76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 02:11:12.05 ID:EMJFWv340
春香「この公園は何度通ってもなれないなぁ……この時間は人が全然いないし」

春香「でも他の道にすると時間かかっちゃうし、仕方ないよね」

ツヴァイ(周りに人は居ない。やるなら今だ)

足音を消して春香に近寄る。そしてもう少しでナイフの射程に入るという瞬間、銃声が響いた。

ツヴァイ「ぐぁあああっ!」

ツヴァイ(馬鹿な、周辺に人など……まさか、狙撃?)

ツヴァイは痛みを我慢しつつ、公園の遊具の背後に逃れる。

ツヴァイ(この暗闇で狙えるということは暗視装置の類をつけているのは間違いない)

ツヴァイ(今銃弾が飛んできた方向からすると、おそらくあのマンションから狙撃している)

ツヴァイ(暗視スコープは用意してあるが、この拳銃じゃ対処の仕様がない……)

春香「あ、あの……大丈夫ですか!?」

ツヴァイ(!)

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 02:15:54.12 ID:EMJFWv340
ツヴァイ(顔は仮面で隠している、声は変声機を使う……正体がバれることはない)

ツヴァイ(あの狙撃手は俺を狙ったのか、それとも春香を狙ったのか?)

ツヴァイ(まず前者だろう。春香を殺すのならば狙撃銃なんて使う必要がないからだ)

ツヴァイ(ということは春香の命が狙われているということが分かっていたということになる)

ツヴァイ(ならばここで俺が取る行動はいたってシンプル……天海春香を盾にしての離脱)

ツヴァイ(そして逃げ切ったら天海春香を殺害すればいい)

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 02:21:04.18 ID:EMJFWv340
春香「右手から血が……しっかりしてください!」

ツヴァイ「大したことないさ……」

春香「大したことありますよ! こんなに血が出ているんです!」

ツヴァイ「人の心配するより、自分の心配したらどうだ?」

ツヴァイは春香に向けてナイフを突きつける。

春香「え……?」

ツヴァイ「殺しはしない、が……ちょっと盾になってもらう」

春香「た、盾!?」

ツヴァイ「おっと動くなよ。怪我はさせたくないんでな」

ツヴァイはナイフを突きつけながら、春香の身体を自分の前に持って行き、盾のようにした。

春香「ひぃっ……」

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 02:30:48.96 ID:EMJFWv340
ツヴァイ(3・2・1……今だ!)

ツヴァイは春香を突き出しながら猛ダッシュをかける。

ツヴァイ(よし、相手は撃ってこない……あのマンションを超えたら春香を俺の後方に置いて走り続ける)

ツヴァイ(あとは、このまま大通りまで出れば!)

しかし物事はそううまくは行かない。
突然春香の身体が引っ張られ、後ろに倒れてしまう。春香の腕を握っていたツヴァイの身体も、バランスを崩した。
そしてそこに襲いかかるナイフ。とっさに身体を捻ってかわそうとするが、かわしきれず浅い傷を負ってしまう。

ツヴァイ「チッ……」

しかし身体を捻った勢いで後ろに振り向き、ナイフを相手に向けて弧を描くような軌道で振りぬく。
相手はそれを距離を取って躱す。

春香は二人の間で倒れ込んでいたが、あまりの恐怖に動けない。

81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 02:36:37.03 ID:EMJFWv340
ツヴァイ(さて、どうする……春香の身体は奴の方が近い。盾にするのは難しい)

ツヴァイ(ナイフを投擲するという手もあるが、そんな隙を見せては確実に俺は殺されてしまう)

ツヴァイ(これじゃあハッタリにもならない……なら、銃を使えば)

ツヴァイは腰に隠しておいた銃に手を伸ばそうとする。しかしそれは相手の銃弾に阻まれてしまった。

ツヴァイ「がっ……!」

ツヴァイ(馬鹿な、いつの間に抜いたんだ? まったく見えなかった……格が違いすぎる)

ツヴァイ(銃は抜けない、ナイフの投擲なんて間に合うはずがない……万事休すか?)

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 02:42:01.07 ID:EMJFWv340
しかしその時、思わぬ人物が現れる。

貴音「双方、武器を納めなさい!」

ツヴァイ「貴音!?」

春香「貴音ちゃん……?」

貴音「二人とも、顔を隠すものを外しなさい」

???「やれやれ、これはとんだ誤算だな……」

高木「まさか四条君が現れるとはね」

春香「社長!?」

ツヴァイ(765プロの社長、高木順二郎!?)

85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 02:47:04.09 ID:EMJFWv340
貴音「さぁ、あなたもその仮面を外しなさい」

ツヴァイ(どうする? ここで俺の顔が割れたら……いや、既に貴音にはバレているな)

ツヴァイ(貴音がこんな場所にいる理由はひとつ)

ツヴァイ(おそらく深夜に事務所を出ていく俺の行動を不審に思い、つけてきたんだろう)

ツヴァイ(天海春香を殺さねばならないとはいえ、注意を怠り過ぎたな)

ツヴァイは仮面を取り外した。

ツヴァイ「これで、いいか?」

春香「あ、あなたは四条さんのプロデューサーさん!?」

貴音「…………」

86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 02:54:47.80 ID:EMJFWv340
高木「とりあえず場所を移そう。警察が直に来る」

貴音「えぇ……」

高木「私の車を使おう」

ツヴァイ「信用出来ないな。どこかに監禁するつもりじゃ?」

高木「まさか」

貴音「プロデューサー、今は高木殿に従って頂けませんか。ここは危険ですし、血まみれのあなたは目立ちます」

ツヴァイ「……確かに」

88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 03:02:37.72 ID:EMJFWv340
高木「音無君、急患だ」

音無「社長、歳なんだからやっぱり無理は駄目ですよ……ってあら?」

高木「私じゃなくてこっちの彼だよ」

音無「あなたは……なるほど、すぐに手当しますね」

ツヴァイ「お願いします」

90: 88の前にこっちだった 2012/02/11(土) 03:05:14.78 ID:EMJFWv340
765プロ事務所――

ツヴァイ(ここは、765プロか。敵対事務所の人間を招き入れるとはいい度胸だな)

ツヴァイ(いや、相手の本拠地なんだ。どんなトラップがあるか分からない。油断は禁物だ……)

高木「そんなに緊張しなくても、何も仕掛けたりしていないよ」

ツヴァイ「…………」

高木「ここはアイドルたちが過ごす場所なんだ。物騒なものは一切おいていない。さぁ、入りたまえ」

高木「あと、その程度の傷ぐらいなら治す用意もしてあるよ」

貴音「参りましょう、プロデューサー」

ツヴァイ「あぁ」

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 03:11:04.49 ID:EMJFWv340
高木「さて、話を聞かせてもらえるかな。おおよその検討はつくが……」

ツヴァイ(顔が割れている以上、逃げるわけにはいかない)

ツヴァイ(しかしこの社長、まったく隙がない。仕留めるのはまず無理だ)

ツヴァイ(……って何を考えているんだ。貴音がいなければ俺は殺されているかもしれないんだぞ)

ツヴァイ(洗いざらい話すしかないのか……しかし、それでは黒井が貴音の記憶を戻してくれなくなるかもしれない)

ツヴァイ(何とかしてここで二人まとめて始末しないと)

貴音「プロデューサー」

ツヴァイ「な、何だ貴音?」

貴音「もう、よいのです」

ツヴァイ「何の話だ?」

92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 03:17:03.48 ID:EMJFWv340
貴音「プロデューサーは、私の……私の記憶の為に、春香を殺そうとしたのでしょう」

ツヴァイ「……バレバレか」

貴音「私が春香と出会っていることは黒井殿にバレていた」

貴音「それを快く思わない黒井殿に、春香を殺すように命じられた」

ツヴァイ「あぁ」

貴音「以前私に聞いた、記憶と春香どちらが大事か……あの質問に対する私の回答が、あなたの行動を決めたのですね」

貴音「春香と答えたのなら、どういう行動に出たのかは検討もつきませんが」

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 03:21:58.51 ID:EMJFWv340
貴音「天海春香。私のせいで、あなたに多大な迷惑をかけてしまいました」

貴音「私が、あなたと仲良くしたいと思ったせいで。本当に、申し訳ございません……」

春香「そ、そんな。謝らないでよ四条さん……四条さんは何も悪いことしてないよ」

春香「私も四条さんと一緒にお話できて嬉しかったもん」

貴音「春香……」

春香「確かに今日はすごく怖い目にあったけど……命を狙われるなんて、ね」

ツヴァイ「すまなかった……謝罪して済むことではないけれど」

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 03:27:09.09 ID:EMJFWv340
高木「ところで、さっきから口にしている記憶とは何のことかね?」

貴音「私とプロデューサーは、961プロに入る以前の記憶を消されてしまっているのです」

春香「記憶を……?」

高木「黒井がそんなことを……許せん」

小鳥「それで仕方なく、黒井社長に従っていたっていうことですか……ひどすぎます」

ツヴァイ「えぇ。なんせ自分の名前や、住んでいた場所すら分からない」

98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 03:33:07.50 ID:EMJFWv340
高木「黒井は少し前から政治家個人に多額の献金をしていてね」

ツヴァイ「いきなり何の話です?」

高木「つい最近ようやくその裏付けが取れたんだ」

小鳥「961プロはおしまい、ですね……」

高木「そこでだ、二人ともよければ我が765プロに来ないかね?」

ツヴァイ「待ってくれ。黒井が捕まったら貴音の記憶は……!」

高木「あの男が、素直に記憶を返してくれる人間だと思うのかね?」

ツヴァイ「それは……」

高木「ほんの僅かもあるか分からないその可能性に賭けて死ぬまでこき使われるか……」

高木「記憶を諦めて新たな人生を歩むか……」

高木「どうする、四条君。そしてツヴァイ君」

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 03:37:37.40 ID:EMJFWv340
ツヴァイ「俺は、貴音の記憶を……」

貴音「プロデューサー、私の記憶は……もうよいのです」

貴音「あなたの記憶と春香どちらを取るという質問に対して、以前は記憶と答えました」

貴音「しかし今は違います。春香の命を奪ってまで、自分の記憶を手に入れたいとは……思っていません」

貴音「その道を選ぶのだとしたら、高木殿が言うように、一生こき使われるでしょう」

貴音「それが私だけならいざ知らず、あなたまで巻き込んでしまう……そんなことには、耐えられません」

ツヴァイ「貴音……」

貴音「記憶はなくとも、私にはかけがえのない人がいます。プロデューサーや春香のような」

ツヴァイ「そう、か」

101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 03:45:20.85 ID:EMJFWv340
数日後――

テレビのテロップには「961プロ社長、黒井崇男逮捕!」と書かれている。

ツヴァイ「終わったんだな」

貴音「ええ……」

小鳥「なんだか複雑な表情をしてるわね、二人とも」

ツヴァイ「クソったれな人間だけど、一応世話になった人間だからな……」

高木「ツヴァイ君はいるかね!?」

ツヴァイ「はい、なんですか社長?」

高木「君の身元が分かったよ!」

102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 03:51:10.64 ID:EMJFWv340
ツヴァイ「本当ですか!」

小鳥「たった数日で分かるものなんですか?」

高木「ツヴァイ君は黒井に連れ去られて一ヶ月少々しか経っていないからね」

高木「その辺りで出された捜索願などを調べれば……いやぁ、それにしてもよかったね、吾妻玲二君」

ツヴァイ「吾妻、玲二……?」

高木「そう、それが君の本名だ。漢字では……こう書く」

小鳥「もしかして身体が覚えているかも? はい、鉛筆とメモ帳です」

鉛筆とメモ帳を小鳥から受け取って、社長が書いたとおりの漢字を書いてみる。
吾妻玲二、吾妻玲二、吾妻玲二、吾妻玲二……手は覚えていた。何度も書いた自分の名前を。
そして、記憶を取り戻した。

103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 03:55:58.66 ID:EMJFWv340
玲二「そうだ、俺は……黒井が男を殺すのを見てしまったんだ」

玲二「あの男は誰だったんだ……うーん」

貴音「もしかして、銀縁のメガネにオールバックでは?」

玲二「あぁ、そんな感じ……灰色のスーツに、紺色のネクタイだ」

貴音「おそらくそれは、私の以前のプロデューサーでしょう。何かしら不都合なことがあって口を封じたのでしょうね……」

小鳥「ということは黒井社長は殺人の罪も……」

高木「しかしそれは黙っておいたほうがいいだろうな。それを話すと、君への追求も深まってしまう」

玲二「確かに……」

104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 04:02:44.32 ID:EMJFWv340
高木「さて、では玲二君を実家まで送り届けるとしよう」

玲二「社長がですか?」

高木「そんなに遠い所でもないしな。音無君、四条君のことは任せたよ」

小鳥「はい、任せておいて下さい社長」

玲二「貴音……」

貴音「私のことはお気になさらず。ご実家でごゆっくりしてきてくださいませ」

玲二「貴音の身元も、いつか絶対に分かる。俺は……そう信じてる」

貴音「えぇ、いつかきっと……」

105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/11(土) 04:04:09.49 ID:EMJFWv340
終わり!


引用元: ツヴァイ「俺が、アイドルのプロデューサーに?」