1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 20:50:10.36 ID:js05G1310
鈴「・・・メシマズ党員がここにも・・・」

一夏「メシマズとか言うな!セシリアはやれば出来る子なんだ!」

一夏「たとえ料理が壊滅的、破滅的に下手でも他の部分でカバー可能だ!」

鈴「ふーん?例えば?」

一夏「そうだな。まずグラマラススカイなプロポーション。そして余りある財力。お淑やかで、気品のある性格。結婚相手としてこれに勝るものはないだろう」

鈴「でもさ。仮にセシリアと結婚するとするじゃん」

一夏「うん」

鈴「仕事で疲れた一夏はこう思うのよ「ああ・・・早く帰って女房の美味しいご飯が食べたい。ビールとあうつまみもあれば最高だ」

一夏「はぁ」

鈴「それがあんた。帰宅してみなさい。あるのは悪臭を放つ何か。料理とは呼べない化学兵器よ」

一夏「・・・・・・」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 20:54:30.88 ID:js05G1310
鈴「ビールに合う?そうね・・・豚の餌には合うかもね」

一夏「・・・・・・」

鈴「あーあ。かわいそうに。セシリアと結婚したら、一生"美味しい愛妻弁当”は味わえないでしょうね」

一夏「セシリアの悪口はそこまでだっ!」ダンッ

鈴「っ!」ビクッ

一夏「違うんだ鈴。発送の逆転が必要なんだよ」

鈴「はぁ・・・どういうこと?」

一夏「セシリアが料理を作るというのがそもそも間違いなんだ」

鈴「ん?」

一夏「つまり、俺が料理を作ればいいんだよ」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 21:01:46.96 ID:js05G1310
一夏「つまり、俺が料理を作ればいいんだよ」

鈴「なるほどね。あんたが台所の長を務めるわけだ」

一夏「そうだな。俺が専業主婦をやってもいい。例え共働きでも、夫がご飯を作っている家庭もある」

鈴「バットだがしかし、その論理には穴があるわ」

一夏「む?完璧だと思うが」

鈴「セシリアとの間に子供が生まれたらどうするのよ。いい?母親は離乳まで子供と一緒にいなきゃいけないのよ?」

一夏「む?なにか問題があるのか?」

鈴「セシリアが哺乳瓶の煮沸消毒とか出来ると思う?離乳食とか作れる?」

一夏「むむ・・・離乳食は・・・さすがに無理だが・・・哺乳瓶の煮沸くらいならできるだろ?」

鈴「あら?火事が起きない保証は?」

一夏「えー?セシリアってそのレベルだっけ・・・原作ではメシマズではあるものの俺んちで普通に・・・」

鈴「そもそも元栓という概念があるのか疑問ね」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 21:08:37.65 ID:js05G1310
一夏「いや・・・最近ではIHとかあるし・・・それに、離乳食に関しては俺が昼の分まで朝にに作ればいいだけさ」

鈴「いやー・・・でも大変よねー・・・あんたが風邪の時は?単身赴任のときは?」

一夏「あー・・・あー・・・」

鈴「コンビニ弁当じゃまずいわよねー。子供の栄養的にも」

一夏「・・・・・・」

鈴「いい?あんたに言っておくわ」

一夏「・・・ん?」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 21:20:47.58 ID:js05G1310
鈴「料理スキルは不要と言われる昨今!それでも料理は必須!」

鈴「経済的にも!栄養的にも!そして愛する夫のためにも!妻は夫のために尽くすべし!家のために尽くすべし!」

鈴「其は女の義務であり!魅力であり!定められた宿命!男女平等の風潮でも其は健在!」

鈴「女は何のために鍋を振るう!何のために箸を折る!愛する夫は何のために戦う!家を出る!」

鈴「全ては相互の関係!この社会に生まれたときから定められた共同作業だ!」

鈴「ボーヴェワールは言った!女は生まれながらにして女ではない!女となるのだ!」

鈴「女として生きる!其れは即ち、女としての義務を果たすこと!料理をすること!」

鈴「料理をしない女は、女ではない・・・ に甘んじる 豚だ!」

鈴「生きよ!女として!生きよ!料理こそ汝の手に!」


一夏「・・・」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 21:27:14.15 ID:js05G1310
チェルシー『お嬢様、そんなことでは一夏様は振り向いてはくれません』

セシリア「そ、そうでしょうか・・・」

チェルシー『いいですか、恋は早いもの勝ちです。油断していると、どこぞの泥棒猫にカッさらわれます』

セシリア「は、はぁ・・・」

チェルシー『そうですよ、想像してご覧なさい、一夏様が他の女とキスしてるところを』

セシリア『い、いやっですわ!』

チェルシー『誘惑されて、ベッドでまぐわい、一夏様の上で腰を振る他の女』

セシリア『いやぁあああああ!聞きたくありませんわっ!』

チェルシー『ならばさっさと行動することです』

セシリア「でも・・・どうすれば・・・」

チェルシー「そうですね。とりあえず料理でも振舞ってみたらどうでしょう」

セシリア「料理ですか?私、料理は自信ありましてよ」

チェルシー「お嬢様、自分の料理を食べたことはありますでしょうか?」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 21:32:54.86 ID:js05G1310
セシリア「え?ありませんが・・・なにか問題でも?」

チェルシー「・・・・・・お嬢様。料理は諦めたほうがいいかと」

セシリア「なにをおっしゃるの!?」

チェルシー「まずはご自分の料理を味見してからお電話お掛けください」ガチャ

ツー ツー ツー

セシリア「あっ!ちょっと・・・どういうことですの?」

セシリア「仕方ありませんわ。とりあえずシャルさんに言って、お料理部部室を使わせてもらいましょう」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 21:36:30.07 ID:js05G1310
シャル「るるるー♪」

セシリア「シャルロットさん。ごきげんよう」

シャル「あれ?セシリア?ごきげんよう」

セシリア「ちょっとお願いがあるのですけどよろしいでしょうか」

シャル「え?僕に?どうかしたのかな」

セシリア「ちょっとお料理がしたくて・・・料理部の部室を使わせてもらえないでしょうか」

シャル「ええ!!??セシリアが料理をするのっ!?」

セシリア「?何か問題でも?」

シャル(問題しかないとは言えない・・・)

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 21:41:12.79 ID:js05G1310
 
シャル「そ、そうだね~・・・それって一夏に食べさせるのかな?」

シャル(さすがに一夏に死んで欲しくないからね・・・)

セシリア「いえいえ。自分で食べようかと。料理の練習も兼ねますし」

シャル「そ、そっか・・・それはよかった」ボソッ

セシリア「・・・何か言いまして?」

シャル「いやぁ・・・何も!それじゃあ部室に案内するよ」

セシリア「恩に着りますわ」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 21:47:54.73 ID:js05G1310
料理部 部室

シャル「うわぁ・・・」

セシリア「できましたわ!」

何か「できたよー」

シャル「セシリア・・・念の為に聞くけどこれ何?」

セシリア「見てわかりませんか?日本のカリーアンドライスですわ」

シャル(あ・・・これカレーだったんだ・・・汁っ気全く無いから分からなかった)

セシリア「むー。少し水分が足りませんわね・・・コーヒーでも混ぜましょうか」

シャル「ちょ、ちょい!?どうしてそうなるの!?」

セシリア「え?なぜって水分が足りませんので」

シャル「普通に水を入れればいいんじゃないの?」

セシリア「それでは隠し味になりませんわ。料理は工夫こそ大切なのです」キリッ

シャル(うわぁ・・・)

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 21:55:26.98 ID:js05G1310
セシリア(そういえば・・・チェルシーに味見してみろと言われましたわね)

セシリア「それでは・・・」サッ

シャル「た、たべるの!?それを?」

セシリア「はぁ・・・シャルロットさんも食べたいのですか?それならそうと」

シャル「いやいやいや遠慮します!」

セシリア「あらそうですの?それでは・・・」サッ

シャル「・・・・・・」ゴクッ

セシリア「あーん」

セシリア「・・・」パクッ

シャル「・・・・・・」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 22:06:48.70 ID:js05G1310
セシリア「!!」

シャル(あ・・・これは・・・)

セシリア「・・・・・・っ」プルプル

シャル「セ、セシリア・・・無理しなくてもいいからね」

セシリア「・・・・・・っ!」ガタッ

シャル「・・・」ビクッ

セシリア「シャルロットさん・・・少し失礼しますわ・・・」

シャル「あ・・・うん・・・わかった。うん無理もないよね」

セシリア「お願いします」スタスタ

シャル(可愛そうに・・・・・・セシリア・・・)

セシリア「・・・・・・」スタスタ

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 22:13:34.41 ID:js05G1310
セシリア「参りましたわ・・・」

セシリア「まさか・・・私の料理があんなに・・・」

セシリア「・・・あんなに・・・」

セシリア「・・・・・・










セシリア「美味しいなんて!」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 22:20:48.44 ID:js05G1310
セシリア「びっくりしましたわ!こんなにも自分に料理の才能があったなんて!」

セシリア「今まで食べたどんな料理より美味しいですわ!」

セシリア「そういえば、私の料理を食べた一夏さんが失神していましたけど、もしかして・・・」

セシリア「美味しすぎて失神していたのではありませんこと?だとしたら納得行きますわ!」

セシリア「これからは毎日一夏さんに料理を振舞ってあげなくては!」

セシリア「そうでないと宝の持ち腐れですわ!ああ!早く一夏さんの笑顔が見たい!」

セシリア「そうですわ。レシピを増やさなくては・・・将来の一夏さんの妻として・・・レパートリーを・・・それから・・・」

―――――――
――――――

72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 22:25:02.14 ID:js05G1310
一夏「ふぅ・・・午前の実習も終わったことだし。昼飯にするか」

箒「一夏。私と・・・」

ラウラ「嫁!私と飯を食うぞ!屋上で!」

一夏「おっ。屋上かぁ・・・久しぶりに外の空気を吸いながら食べるか」

箒「(ちぃ・・・二人きりで食事を摂るチャンスを・・・)

セシリア「あら。私もご一緒してよろしくて?」

一夏「ああいいぞセシリア。じゃあ購買に言ってパンを・・・」

セシリア「それには及びませんわ。私が一夏さんの分を作ってまいりました」

ラウラ「!!」

箒「!!」

一夏「うっ・・・」

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 22:28:29.19 ID:js05G1310
屋上


セシリア「あら?一夏さん?嬉しいのかしら、顔が笑顔でひきつってますわよ」

一夏「ああ・・・そうだな・・・うれしいよセシリア」

箒(それは違う意味で引きつってるんだぞ・・・)

ラウラ(セシリアのバスケットから異臭が・・・そうか・・・これが新手の生物兵器)

セシリア「・・・それでは」パカッ

   モーン

一夏「ううっ・・・」

箒「ああ・・・」クラッ

ラウラ「・・・・・・精神がやられる」

セシリア「さぁ!たーんと召し上がれ!今日の昼食はちゃーんとつくりこんできましたわ!」

箒「セシリア・・・時に聞くが、お前それ自分で味見したのか?」

セシリア「?当たり前じゃないですか。改心の出来ですわよ?」

ラウラ(味見しただと・・・)

箒(それでよく生きていられるな・・・)

76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 22:34:34.40 ID:js05G1310
一夏(いや逆に考えるんだ・・・むしろ味見をして大丈夫だということは、セシリアの料理は上達しているとっ!)

セシリア「はい、あーん!」

一夏「うう・・・・・・」

箒「・・・・・・」ジー

ラウラ「・・・・・・」ジー

セシリア「あーん」

一夏(頑張れ俺!心鬼に!今俺は修羅となる!)

一夏(オルコッ党員の一員として俺は・・・セシリアの全てを受け入れる・・・)

一夏(風に身を任せろ。大地の地動を感じろ・・・地球と一つになるのだ)

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 22:36:02.76 ID:js05G1310
一夏(おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!)

一夏「・・・」パクッ

セシリア「ど、どうですか?」ドキドキ

一夏「・・・」

箒「一夏?」

ラウラ「・・・」サッ

ラウラ「・・・・・・息してない」

一夏「・・・・・・」

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 22:40:39.02 ID:js05G1310
セシリア「一夏さーん!今日もお弁当を作ってまいりましたわ!」

一夏「あ、ああ・・・ありがとう」

シャル「ねぇ・・・鈴・・・」

鈴「ええ、わかってるわシャルロット。言いたいことはわかる」

セシリア「今日のお弁当は煮込みフライドチキンですわ!」

一夏「ああ・・・うん・・・楽しみだな。ははは」

シャル「い、一夏が死んじゃうよぉ・・・」プルプル

鈴「無理よシャルロット。一夏は言ったの。俺が行く道が例え死につながっていても、決してセシリアを悲しませる真似はしない、と」

シャル「そ、そんなぁ・・・」

セシリア「一夏さん!屋上へ!」

一夏「ああ・・・セシリア・・・嬉しいなぁ。嬉しいなぁ」

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 22:46:31.58 ID:js05G1310
数週間後

一夏「・・・・・・」フラフラ

のほほん「ねぇ・・・最近のおりむー大丈夫かな」

クラスメイトA「そうよね・・・声かけても空返事しか返ってこないこともあるし」

一夏「・・・・・・ぁ・・・」フラフラ

箒「なぁ・・・一夏・・・大丈夫か?」

一夏「・・・・・・ん?お前誰だ?」

箒「はぁ?私は篠ノ之箒だ。忘れたのか?」

一夏「ん・・・ああ・・・箒か・・・いかんな。最近物忘れが激しくて」

箒「大丈夫かお前・・・」

セシリア「あ!一夏さん!」

一夏「ひっ!」

81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 22:53:20.75 ID:js05G1310
セシリア「探しましたわ!今日もお昼を作ってきましたのよっ!」

一夏「あぁ・・・・・・セシリア」ガクガク

箒(う・・・一夏の体が拒否反応を・・・)

一夏「俺は・・・もう限界だ・・・セしりあぁ・・・」

セシリア「あら?実習で疲れてらっしゃるのね。私のお弁当で癒されてくださいな」グイッ

一夏「あぁ・・・助けてぇ」ビクビク

シャル「あっ!一夏。織斑先生が呼んでたよ!」

一夏「はぁ・・・はぁ・・・え?」

シャル「至急連絡することがあるんだって!」

セシリア「あら・・・そうですの・・・仕方ありませんわね」

シャル「ははは。ごめんね。一夏行こっ」

箒「ほら。一夏。しっかりしろ」

一夏「ぁあ・・・・・・ぁあ」

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 22:56:50.63 ID:js05G1310
調理室


一夏「ぁあ・・・あれ・・・ここは?」

シャル「ごめんね一夏嘘ついちゃった。織斑先生が読んでたって言うのは嘘なんだ」

一夏「え・・・?」

鈴「いーちか」

ラウラ「嫁・・・辛かったな」

一夏「お、おまえら・・・どうしたんだ一体」

箒「お前をセシリアから解放させてたくてな」

シャル「皆でご飯作ったんだ」スッ

 
モクモク ホクホク


一夏「あぁ・・・・・・ここは・・・天国かぁ・・・」

85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 23:01:03.53 ID:js05G1310
シャル「洋食は僕」

箒「和食は私」

鈴「中華は私よ」

ラウラ「私も微力ながら汁物を少々な」


「たーんと召し上がれ!」

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 23:05:15.83 ID:js05G1310
一夏「うぅ・・・あぁ・・・」

一夏「・・・」パクッ

一夏「・・・・・・」パクパク

一夏「・・・ぁうう・・・」パクパクパク

シャル「ど、どうかな?」

箒「む、無理しなくてもいいんだぞ」

一夏「ぇぐ・・・うぅ・・・」ポロポロ

ラウラ「よめぇ・・・」

一夏「おぃしいなぁ・・・おいしいなぁ・・・えぐ・・・」ポロポロ

鈴「一夏・・・」

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 23:12:40.88 ID:js05G1310
一夏「この和食・・・俺が小さい頃箒ん家で食べた懐かしい味だァ・・・」

箒「て、照れるなぁ」

一夏「この洋食・・・味付けも最高で・・・全然しつこくない・・・母性を感じる、シャルの料理だなァ・・・」

シャル「あはは」テレテレ

一夏「この中華、熱々で、頬張るたびに唾液が止まらなくなるよ。鈴の親父さん、元気かなァ・・・」

鈴「元気でやってるわ」

一夏「この汁物。無骨だけど、仲間を大切にする想いが伝わるよ、これがドイツ軍仕込みなんだなァ・・・」

ラウラ「べ、別に・・・材料を切り刻んで放り込んだだけだ・・・誰でもできる」

一夏「うぅ・・・旨いぞぉ・・・最高だぁ・・・俺はこんな料理が食べたかったんだぁ・・・」

96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 23:18:36.87 ID:js05G1310
シャル「辛かったね・・・」

箒「一夏・・・お前が我慢することはない」

ラウラ「そうだ。私たちからセシリアに直接言う」

鈴「そうね。一夏。あんたはもっと自分を大事にすべきだわ。あんたの優しさは時に残酷よ。もちろんセシリアにとってもね」

一夏「だが・・・俺は」

シャル「元はといえば僕がセシリアを止められなかったのが悪いんだ」

シャル「セシリアの料理はまずいって、あの時ちゃんと言えていれば・・・」

ラウラ「シャルロット。お前のせいではない。それにこれは皆で解決すべき問題だ」

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 23:28:05.64 ID:js05G1310
千冬「その通りだ」

一夏「ち、千冬ねえ」

千冬「オルコットの味覚は筆舌に尽くしがたい。舌だけにな。既にこいつにはわからせておいた」

セシリア「あう・・・」

一夏「セシリア・・・お前」

セシリア「すいませんでした、一夏さん。私、一夏さんがそんなに苦しい思いをしていたとは知りませんでしたの」

一夏「・・・・・・」

千冬「オルコット。お前は謝罪ではなく、別のもので織斑に返す必要がある」

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 23:33:48.29 ID:js05G1310
セシリア「・・・え?なんですの・・・?」

千冬「おいおい、ここにいるじゃないか。お前に必要なものを補ってくる奴らが」

シャル「・・・」

箒「・・・」

鈴「あら」

ラウラ「ほう」


セシリア「あぁ・・・皆さん」

千冬「ほら、さっさと土下座でもなんでもしろ」

セシリア「皆さん・・・この私めに・・・








料理を教えてくださいまし!」

101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 23:38:49.02 ID:js05G1310
一夏「それから・・・皆によるセシリアへの猛特訓が始まった」


箒「ばかかっ!どうして味噌汁にゼリーを入れるやつがある!」

セシリア「は、はい!」


グツグツ


シャル「ちょ、ちょっと!ちゃんと火を見て!吹きこぼしちゃってるよ!」

セシリア「は、はい!ただいま!」

ジュー ジュー

鈴「ちょっと!練習もしないうちに手首でフライパン返ししないの!下手くそ!」

セシリア「はひぃ!」

104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 23:43:20.12 ID:js05G1310
ダンダン ダンダン

ラウラ「いいか・・・ナイフの持ち方はこうだ」

セシリア「こ、こうでしょうか」

ラウラ「ちなみに相手の後ろを取ったときはこう、逆手に持つ」

セシリア「はぁ・・・こうですか」

ラウラ「そうだ・・・そして相手に向けて突き刺すときは」

鈴「ちょっとラウラ。関係ないでしょそれ」

106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 23:49:16.43 ID:js05G1310
セシリア「・・・・・・」フラフラ

一夏「お、おい・・・セシリア。お前最近疲れてないか?」

セシリア「・・・一夏さん。そんなことありませんわ。私はもっと頑張らなくては」

一夏「あんまり頑張りすぎも良くないんじゃ・・・」

セシリア「一夏さんのためを思うなら・・・こんなもの屁でもありませんわ」

一夏「屁ってお前・・・」

セシリア「それでは、失礼します」フラッ

セシリア「・・・・・・ほうれん草を茹でる時間は・・・」ブツブツ 

一夏「・・・セシリア」

110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/13(火) 23:55:18.62 ID:js05G1310
のほほん「セッシーがんばってるね~」

一夏「ああ、正直心配だ。セシリアが倒れでもしたら」

のほほん「あれれ~?おかしいぞ~?おりむーだってあんな感じでふら~としてたよー」

一夏「え?そうだったのか?」

のほほん「むしろあれよりひどかったかも。人を見ているようでみていなかったよー」

一夏「のほほんさんは知らないのさ・・・あの時のセシリアの料理を」

のほほん「あははは。セッシーの頑張りは、その時のツケをとりかえしてるのかもねー」

一夏「ははは・・・」

112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:00:45.76 ID:he64ubRN0
のほほん「恋する乙女はどうして強いか知ってる?」

一夏「いや・・・わからないな」

のほほん「好きな人のためなら。なんだってやれちゃうからだよ!女の愛は男のそれよりもずっと深いんだから!」

一夏「へぇ・・・それとセシリアと何の関係が?」

のほほん「おりむーはダメだなー」

一夏「えー?なんだよ」

のほほん「しらなーい」

一夏「えー」

116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:06:24.05 ID:he64ubRN0
セシリア「一夏さん。お昼休み。お時間ありますか?」

一夏「ん?あるぞ。どうした?」

セシリア「私の料理を・・・」チラッ

シャル「・・・」グッb

ラウラ「・・・」謎のサイン

セシリア「た、たべてください!」

一夏「(ついに来たか)」

一夏「ああ。いいぞ」

セシリア「ほ、本当ですの!では・・・一夏さんのお部屋で待っていてください」

一夏「ああわかった。待ってるよ」ニコッ

セシリア「が、がんばりゅ、がんばりますわ!」ガチガチ

箒「・・・(噛んだな)」

鈴「・・・(かわいい)」

117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:10:33.60 ID:he64ubRN0
コンコン


一夏「はい・・・ああセシリアか」

セシリア「はい!ご、ご飯を持ってまいりましたわ」プルプル

一夏「おい、大丈夫か・・・なんかちょっと零れてる気が」

セシリア「すみません・・・途中で緊張から転びそうになって・・・」

一夏「ああ・・・(大丈夫かな)」

セシリア「それじゃあ・・・召し上がってください」

一夏「ああ、そうだな・・・」スッ

セシリア「・・・・・・」ドキドキ

一夏「あー」アー

セシリア「・・・」ドキドキドキドキ

一夏「あむ」

セシリア「・・・」ゴクッ

119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:15:11.48 ID:he64ubRN0
一夏「・・・・・・」パクッ

一夏「・・・・・・」パクパク

セシリア「・・・どうでしょうか・・・」

一夏「んー・・・普通に旨いんじゃないか」

セシリア「本当ですのっ!?」パァッ

一夏「うん。味付けをもうちょっと工夫したほうがいいけど。全然食べられる」

セシリア「はふぃ・・・よかった」ヘナヘナ

一夏「うん。なかなかだ」

セシリア「うぅ・・・えぐ」ポロッ

一夏「え?セシリア?」

セシリア「また嫌われたら・・どうしようかと」ポロポロ

125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:21:52.69 ID:he64ubRN0
鈴「よかったねーセシリア」ガバッ

一夏「え?鈴お前どっから出てきた?お前まさか・・・ずっとベッドの下に」

ラウラ「ふむ。練習の成果だな」ドン

一夏「えー・・・・・・机の下に・・・」

箒「これで料理音痴も卒業だ」ガチャ

一夏「クローゼット・・・」

シャル「ボンジュール」ガチャ

一夏「シャワールームですね。わかります」

セシリア「皆さん」カァ

130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:26:02.45 ID:he64ubRN0
箒「セシリアは本当に成長した。ご飯を牛乳で炊こうとしたお前がよくここまで」グスッ

シャル「まったくだね。本当に片時も目が離せなかったよ」

鈴「まあまだ人参をみじん切りににするのに10分くらいかかるけど、いい調子よね」

ラウラ「ああ、確かに以前包丁の切れ味を生かしきれてないが、及第点といったところか」

一夏「よく頑張ったなセシリア」ナデナデ

セシリア「あう・・・///」

箒(う、羨ましいぞ・・・)

シャル(ずるい・・・)

ラウラ(私も頭を撫でて欲しい)

鈴(まあ今くらいはいいかな)

セシリア「い、一夏さん!これを気に・・・私を・・・一夏さんのよ、よめこうほ


四人「それはダメ(だ)」

一夏「えっ」

133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:33:59.98 ID:he64ubRN0
セシリア「なんですの!?お料理もできるようになった私はもう、一夏さんの妻となるしか

箒「そんなわけがなかろう」

ラウラ「嫁は私のだ、異論は認めん」

セシリア「何をおっしゃいますの?教えてくださったことは心より感謝しますが、欠点のなくなったわたくしに敵はございませんでして

シャル「セシリア。それは料理で僕たちを追い越してからいいなよ」ニコッ

セシリア「ひっ」ビクッ

鈴「あらあら。まだまだ出藍の誉れと呼ぶには道のりが遠いんじゃないかしら」ニヤリ

134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:38:36.58 ID:he64ubRN0
セシリア「・・・・・・わ、わたくしは」

一夏「まぁ・・・まだ和食では箒には適わないな」ボソッ

セシリア「え?」

一夏「洋食もシャルの味付けには達してないかな」ボソッ

セシリア「ん?」

一夏「中華も鈴の腕には遠いかなぁ」

セシリア「・・・」ズーン

ラウラ「嫁っ、私は?」

一夏「ああラウラはかわいい」

ラウラ「よめぇ・・・///」

セシリア「」

138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/14(水) 00:43:02.25 ID:he64ubRN0
セシリア「怒りましたわ!いいでしょう!絶対貴方たちより美味しいご飯を作ってみせますわ!」

箒「ふむ?あのセシリアが?」

セシリア「そうです!英国淑女たるもの、全てにおいて優秀でなければなりませんわ!」

シャル「セシリア・・・無理しなくていいんだよ」

セシリア「むきー!今に見ていなさい!」ダッ

鈴「あらあら。いっちゃったわね」

ラウラ「よめぇ・・・///」ナデナデ

一夏「まぁ・・・味噌汁はこの中で一番美味かったかなぁ」ボソッ

四人「「「「!!」」」」


セシリア「チェルシー!特訓ですわ!」

セシリア「世界一のシェフを呼びなさい!私絶対にギャフンと言わせてみせます!」




セシリア「もう二度とメシマズとはよばせませんわーーーーー!!!」


引用元: 一夏「実は俺・・・オルコッ党なんだ」