【艦これ】提督「バリバリ最強No.2」 前編
【艦これ】提督「バリバリ最強No.2」 中編
636: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/24(火) 19:54:49.44 ID:CkwhHRvGo
-再会-
加賀「…………」
ザザァァァァ……
加賀「…………」チリッ…
加賀「…………」クルッ…
鳥海「流石ですね、一番乗り」
加賀「無事で何よりです」
鳥海「まぁ、ご覧の通り結構痛んではいますけどね。他の皆はまだですか」
加賀「無事だと、私は信じてますから」
鳥海「ふふっ、それもそうですね」
加賀「……これは」チリッ…
??「あっ、居た!」
鳥海「あなたは、鬼怒さん!?」
鬼怒「そーっれ!」ポイッ
バシャァァァァン
長良「わぷっ…!はばばば、しょっぱ!塩、辛っ!」
鬼怒「長良お姉ちゃん?」
長良「はへ?えっ、鬼怒!?えっ、どうして?あっつ…いたた…あ、あれ?私、確か……」
鬼怒「あんな状態で海原で寝てたら沈んじゃうよ。応急修理要員連れてきて正解だったよ」
加賀「随分と激戦だったみたいね」
長良「あっ、加賀さん…と、鳥海!」
鳥海「ついでみたいな言い方はどうなんですか!」
長良「えへへ、ごめんごめん」
加賀「動けるくらいには回復しているのかしら」
鬼怒「応急修理要員に治させてましたから、少しはって所かと…」
長良「あはは、ごめんね。結構梃子摺っちゃって…」
鳥海「でも、こうして居るんだもの。それが答えでしょう?」
長良「うん!あっ、でもどうして鬼怒がここに?」
加賀「…………」
ザザァァァァ……
加賀「…………」チリッ…
加賀「…………」クルッ…
鳥海「流石ですね、一番乗り」
加賀「無事で何よりです」
鳥海「まぁ、ご覧の通り結構痛んではいますけどね。他の皆はまだですか」
加賀「無事だと、私は信じてますから」
鳥海「ふふっ、それもそうですね」
加賀「……これは」チリッ…
??「あっ、居た!」
鳥海「あなたは、鬼怒さん!?」
鬼怒「そーっれ!」ポイッ
バシャァァァァン
長良「わぷっ…!はばばば、しょっぱ!塩、辛っ!」
鬼怒「長良お姉ちゃん?」
長良「はへ?えっ、鬼怒!?えっ、どうして?あっつ…いたた…あ、あれ?私、確か……」
鬼怒「あんな状態で海原で寝てたら沈んじゃうよ。応急修理要員連れてきて正解だったよ」
加賀「随分と激戦だったみたいね」
長良「あっ、加賀さん…と、鳥海!」
鳥海「ついでみたいな言い方はどうなんですか!」
長良「えへへ、ごめんごめん」
加賀「動けるくらいには回復しているのかしら」
鬼怒「応急修理要員に治させてましたから、少しはって所かと…」
長良「あはは、ごめんね。結構梃子摺っちゃって…」
鳥海「でも、こうして居るんだもの。それが答えでしょう?」
長良「うん!あっ、でもどうして鬼怒がここに?」
637: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/24(火) 19:55:20.55 ID:CkwhHRvGo
鬼怒「これ…!」ピラッ…
長良「手紙…?」
鳥海「これ…」
加賀「どうかしましたか?」
鳥海「いえ、この手紙の字…」
加賀「……汚いですね」
鳥海「いや、そこじゃなくて!」
加賀「冗談です。これを書いたのは恐らく提督でしょうね」
鬼怒「えっと、長良お姉ちゃんの所の、提督?」
加賀「ええ、そうです」
鳥海「ホント、どこまで見通しているのやら…」
長良「後は満潮達だけか…大丈夫かな?」
加賀「問題ないでしょう」
鳥海「ひょっこり現れるんじゃないでしょうか」
漣「呼ばれて飛び出……はぶっ」バシッ
満潮「うるっさいのよ!」
山城「あら、騒がしいわねぇ」
鳥海「えっ……」
加賀「あなたは…!」チャキッ
満潮「あーっ!加賀、たんま!ちょっとあんたも弁解くらいしなさいよ!」
山城「はぁ、事情無視で矢を突きつけられる……不幸だわ」
満潮「弁解する気ないでしょ、あんた…」
加賀「これは、どういう事ですか、満潮」
鳥海「いえ、その前に…山城、あなた…本当に、あなたなの!?」
山城「ええ、不幸にも目覚めてしまったのよ。あのまま眠り続けていられれば、夢の中で扶桑姉さまと永遠に一緒で居られたのに…」
鳥海「あ、相変わらずですね…」
加賀「…………」
山城「あなたが私を見た、と言うのは恐らくエリート提督の下に居た私よね」
加賀「相違ありません」
山城「知ってるかどうかはこの際省かせてもらうけど、過去に新鋭と言う女性の提督が起こした大規模な叛乱事件、覚えてるかしら?」
加賀「知っています」
山城「その渦中に居て、餌食となったのが私達元・白夜の艦隊よ」
鳥海「……」
山城「そして、エリート提督は死んだと思っていた私のクローンを作成し、自分の傍に置く事で提督の心理を揺さぶろうとした」
加賀「では、あの時居たあなたは…」
山城「本当の私ではなく、クローンの私でしょうね」
鳥海「幻の六人目…」
山城「え?」
鳥海「この鎮守府に着任するに当たって、提督は以前私にこんな話をしたんです────」
638: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/24(火) 19:55:47.62 ID:CkwhHRvGo
提督「折角のチャンスを自分から捨てるとは、大した玉だな、お前」
鳥海「司令官さんが変わったように、私だって心境の変化はあるという事ではないでしょうか」
提督「違いない。未だに山城は昏睡から目覚めない。もしもだ…もしも、あいつが目覚めて敵として立ちはだかっても…」
鳥海「最善は尽くします」
提督「はぁ……そんで、てめぇは本当にあの鎮守府に行くつもりか」
鳥海「私の力を最大限に発揮するには、規律を重んじる大本営では無理です」
提督「言い切りやがって…まぁ、俺様もご覧の通り不手際働いて降格処分&左遷のダブルコンボだ。
が、てめぇが居るのなら戦術用法に関しちゃ問題はなさそうだ。しかし、どうにもアクの強い馬鹿共が揃ってる」
鳥海「以前の司令官さんの態度では凡そ無理でしょうね。っていうか不手際って何やらかしたんですか…」
提督「……うっせー。それと、それ以上過去を持ち出したらてめぇ殴り殺すぞ」
鳥海「はぁ…脅し文句だけは超一流になりましたね」
提督「っせーんだよ。ったく、小賢しい連中だぜ。巧妙に尻尾まで隠して着々と力を蓄えてやがる。
あの糞野郎に賛同して同志になってる連中が少なくとも六匹は居る。おまけに……」ブツブツ…
鳥海「なんの話ですか?」
提督「ちっ、うるせーな。てめぇは山城の動向だけ気にしてりゃ良い。いいか、山城は相手にとっても、俺達にとってもジョーカーだ。
どちらに転んでも腹ぁ括れ…例え、一度は肩を並べて共に戦った戦友であってもな」
鳥海「そうならなかったら、どうなんですか」
提督「…言っただろ。あいつはジョーカーだ。そん時は、幻の六人目だ……行き着くべくして行き着いた、海軍の墓場。
この腐りきった海軍に教えてやるのさ…てめぇ等が切り捨ててきた人材がどれだけ優秀なのか、どれだけてめぇ等が見る目がないのか。
そいつを身をもって落とし込んでやる」
鳥海「ですけど、司令官さんから貰った資料はどれも…」
提督「あぁ、そこに書いてあるのは大体が事実だ。が…どれも小賢しいレベルで細工がしてある」
鳥海「えっ!?」
639: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/24(火) 19:56:40.80 ID:CkwhHRvGo
加賀はエリート艦隊に属していた空母の中でも最高峰の艦娘だ。
進撃の艦隊に属している赤城と共に第一航空戦隊を牽引し、その双翼を担ったほどのな。
そんな優秀な艦娘をあっさりと手放したエリートの野郎はまさに馬鹿と言わざるを得まい。
じゃあなんで捨てたのか……突き詰めれば色々あるだろうが、恐らくは隠蔽だ。
加賀に知られては不味い案件でもあったんだろう。
あわよくばと戦場で轟沈を狙ったんだろうが、そうは問屋が卸さねぇ。
結果として奴は生き残ったが、これ幸いとこれ以上近くを飛ばれないようにあの鎮守府へ左遷同然で弾き飛ばしたわけだ。
長良は確かにこれはてめぇ自身で引き起こしたミスで変わりは無い。
変わりはないが、こいつの持つポテンシャルはこの程度じゃない。
はじめて見たぜ、深海棲艦の戦艦ル級FSを相手に単身乗り込んで相手取る軽巡なんてよ。
そんなのを相手にしながら前線の指揮までこなすとなれば、状況判断にはずば抜けた嗅覚を持っていると見てまず間違いはない。
が、先も言ったとおりこいつは自分のミスを未だ自覚していないしそこから逃げる傾向にある。
尻上がりって奴だろうが、それじゃ使い物になる前に死ぬのが落ちだ。
ある程度、荒療治が必要かもしれないな。
満潮だが、こいつも俺様が今までに見てきた駆逐艦の中では群を抜いている。
以前に進撃のところに居る白露型を見た事があったが、あれとはまた毛色の違う群の抜き方だ。
一言で言えばあれはただ死に急いでる。
なりふり構わず出だしからぶっ飛ばしていく姿はさながら鬼神だろうよ。
その姿勢はてめぇ自身が何とかしないとならないという強迫観念に常に突き動かされている。
周りがどうにかなる前に、てめぇが何とかしようとするから入渠後も直に再出撃しようとする。
勝つ事で周りを救えたと言う安堵からそこに至高の喜びを得る。
だがそれは長良と同じで辿り着く先は死だ。
必ず死ぬ。
だからこそ手綱が必要になるわけだが、あの沛艾を手懐けるにはこちらも相応の力を示さねぇとならん。
最後に漣だ。
こいつは特殊と言うより、一言で言っちまえばただのコミュ障だ。
対人恐怖症とは少し違うが解りやすいくらいに周りとの壁を形成し、それ以上は絶対自分から踏み込まないし相手にも踏み込ませない。
だが戦場じゃあその特性上、常に一歩引いた位置で周囲を上手い事見ている。
結果として戦場での状況判断、最善策が何か、そういった決断力がずば抜けている。
四面楚歌の状況で半数の仲間を失いながらも無能な馬鹿提督の進軍命令から脱却できたのもこの判断力による所が大きい。
そして何より、こいつは事射撃に関しては相当な腕前だな。
射程範囲内であればほぼ確実に標的を撃ち抜けるだけのセンスを持っている。
640: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/24(火) 19:57:12.95 ID:CkwhHRvGo
提督「磨けば輝く原石の宝庫。それがあの墓場なんぞと呼ばれてる鎮守府の実態だ。
その調書にあるのは大まかな現実とそれに肉付けされただけの、残りは全て改ざんされた虚偽ものだ」
鳥海「こんなものが、許されるのですか!?そ、それに、これだけ大それた事、大本営が気付かないわけが…」
提督「さて、精査している部署がどこかは知らないが、適当に目を通しているだけならすり抜けられるだけの偽装だ」
鳥海「それと、山城の関連性は…?」
提督「内部に膿が溜まっている。そんな中に山城を置いておく訳にはいかない。全て信じるな。
お前が真に足りえるとその目に適った連中以外は全て敵と思え。お前の目は、それを見極めるだけのものを有しているはずだ」
鳥海「あの鎮守府でも、それは変わりありませんよ?」
提督「構わん。その時は俺様も同様の事をするまでだ────」
641: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/24(火) 19:57:46.41 ID:CkwhHRvGo
加賀「では、はじめから…」
鳥海「申し訳ありません。ですが、山城の事もある以上、提督も私にすら細かい内容を話す訳にはいかなかった」
山城「……とんだ策士、いいえ腹ぐろ提督ね。とは言っても、扶桑姉さまが亡くなってそうなってしまった。
そう言う方がまだ報われるのかしら?」
鳥海「……それは、解りません」
山城「はぁ、扶桑姉さまの居ない世界をこの先も生きていくのかと思うと……不幸だわ」
漣「通算で16回目っと……」メモメモ…
満潮「何で数えてんのよ…」アセ
長良「ん~、まぁでもさ、また会えたね、皆!」
加賀「当然です」
鳥海「ふふっ」
鬼怒「ば、場違いでごめんなさい!」アタフタ
満潮「気にするだけ損でしょ」
漣「でーすよねー!」
山城「乗りかかった舟だもの、行くわ。それに、逃してしまったのもあるしね?」
満潮「……ええ、次こそ潰す!」
漣「結局、邪魔してきた深海棲艦を殲滅してる間に逃げられちゃいましたしねぇ…」
加賀「鬼怒さん」
鬼怒「えっ、あ、はい!」
加賀「あなたは万が一に備えて大本営に戻って現状を元帥に報告しに行って下さい」
642: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/24(火) 19:58:13.26 ID:CkwhHRvGo
鬼怒「で、でも…」
長良「だいじょーぶ。私達は掃除屋!」
鳥海「私達が愛するこの海を汚されたままじゃ困るもの」
漣「クリーニングは必要ですよねー」
山城「粗大ゴミはきっちりと焼却処分よ」
加賀「お願いできますか?」
鬼怒「…解りました。私は、お姉ちゃんやその仲間を信じます!」コクッ
満潮「あの顔面に絶対にキツイの一発……いいえ、撃ち込めるだけ全弾撃ち込んでやるわ」
漣「漣は受けた恩は決して忘れません!そしてやられたらやり返す……倍返しだ!」
鳥海「ドラマの見過ぎです。そして古いです。ついでに今後テレビ視聴の時間制限設けますよ」
漣「えー!?」
鳥海「さっ、それじゃ行きましょう、加賀さん」
漣「スルー!?」
加賀「そろそろ緩めている兜の尾を締め直して下さい。この出撃で、全てを終わらせます。
目標はエリート提督の計画阻止、その全てを完膚なきまでに破壊する事です」
山城「言うわねぇ。自信の程は?」
加賀「そんなもの必要ないわ。ただ、成すだけよ」
鳥海「私達は、そういう集まりですから」
山城「そう。確かにそうね、そういう集まりだものね」
漣「いっちょやってみっか~!ですよ!」
長良「うん、ただの勝利じゃなくて大勝利!しちゃおう!」
満潮「当然よ。絶対勝つ!」
加賀「行きましょう」
再度集まった五人。
そして新たに加わった一人。
改めて邂逅を果たしたこの六人。
見据える先に何が待っていようと、彼女達に迷いは一切ない。
今、最後の出撃が始まる。
646: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/25(水) 15:51:27.52 ID:BdERJ8/Go
~最強のNo.2~
-志の違い-
エリート「ふふっ、はは……あはははははッ!!」
提督「何が可笑しい!」
エリート「見てご覧よ。この僕が、長い年月を掛けて築き上げた一つの理念の下に集約された一群とも言える存在が、
君たちと言う烏合の衆に等しい存在如きに蹂躙されているんだよ。これを笑わずに何を笑えと言うんだい?」
提督「サイコパス野郎が…!」
エリート「人も艦娘も深海棲艦も…死に際こそ美しい。それが例えどんな死に方だろうと、神は平等に扱ってくれるさ。
何故なら、死と言う概念は死に方こそ千差万別を極めるが、その後は一つの線で繋がっているからだ。
死んだ先は、皆が平等で一つになる。そこには格差も、贔屓も、優劣も無い!完全なる無だ!」
提督「何をほざいてやがる…」
エリート「この世界を破壊する。この僕が、頂点に立つ事で全世界に平等な死を齎す。自分の欲に忠実に塗れるから、
人は何かをするのに全力を賭せる。それは真理だよ…見紛う事無き真理だ。深海棲艦は何故艦娘を憎悪するか解るかい?」
提督「…………」
エリート「何を黙ってるのさ」ニヤッ…
647: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/25(水) 15:51:55.50 ID:BdERJ8/Go
君も解ってるんだろう?
そこに答えが無いから決定的と認められずにいる。
彼女達は何処から来て何処へ行くのか。
これは一種の哲学だよ。
僕はそんな彼女達の道標になっているだけに過ぎない。
答えは、目の前に常にあるんだからねぇ!
けどそれを手にする事は深海棲艦にとっては禁忌、決してしてはならない、地獄への片道切符なのさ。
深い海の底から生まれ出でて、成長を遂げる毎に知恵を、力を、規模を増やしていく。
未曾有のシーハザードさ。
遥か昔、この海洋各地の底で無念の最期を遂げた数々の軍艦たちが存在した。
救われたものと、見捨てられたもの。
拾われたものと、拾われなかったもの。
生まれ変わったものと、生まれ出でたもの。
艦娘と深海棲艦は表裏一体……元は、同じ存在だ。
その宿した魂が人に宿るのか、物に宿るのか、それだけの違いさ。
深海棲艦は憎いんだよ。
自分達と違う道を行った同じ魂が。
艦娘と成った存在が、憎いのさ。
人と人が争う時代はもう終わった。
今は、人と物が争い、殺し合い、永遠と終わりの無い闘争を繰り広げる時代!
だからこそ、世界は滅ぶべきなのさ。
君たち人が争っている相手は、物だ。
その物はどこから生まれる?
この海だ!
人類は、僕たちちっぽけな人間は、愚かにも海と争っているのさ!
自然の驚異を認識できもしない愚かな人類が、何をどう足掻こうとこの海に、大海に敵う訳が無いだろう!
子供のプールで水の掛け合いをしているのとは訳が違う。
これは定められたもの……運命なんだよ。
例え僕をどうにかしようと、このうねりは、この悲劇は、この未曾有のシーハザードは決して止まりはしない!
エリート「そうだろう……戦艦レ級FSッ!!」バッ
提督「ッ!?」
レ級FS「そう……お前達人間は、艦娘は……神に逆らおうとしているんだよ。ボクこそが絶対だ」
エリート「哀れにも中身の無い言葉に縋って、それを信じて自らの身が傷付く事も厭わない…愚かで、無様で、無益な存在」
648: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/25(水) 15:52:33.31 ID:BdERJ8/Go
山城CL「沈めッ!沈めッ!沈めッ!!」ドォン ドォン
サッ
ボボボボボボボボボボボボンッ
榛名「大和さん!」ジャキッ
大和「合わせますよ!」ジャキッ
山城CL「どうして…あんた達は!沈まないのよ!!」
大和「志の違いです」
榛名「それでも、ごめんなさい。私達は、こんな悲劇が起こらない未来を必ず作って見せます」
大和「敵艦捕捉…」
榛名「主砲…!」
大和「全主砲薙ぎ払え!」
榛名「砲撃開始!!」
ドォン ドォン ドォン ドォン
山城CL「私は……私はッ!!」
ボゴオオオオオォォォォォォォォン
榛名「ごめんなさい…」
大和「…………」
爆発の収まった後には何も残っておらず、ただただ穏やかな水面だけがそこにあった。
榛名と大和は暫し、その場に佇み静かに頭を垂れて、本来は生まれてくるはずも無い、
出会う筈も無かった艦娘の冥福を祈った。
649: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/25(水) 15:53:09.58 ID:BdERJ8/Go
武蔵CL「邪魔だ、退けぇ!!」ジャキッ
妙高「お断りします」ジャキッ
ドォン ドォン
ドン ドンッ
ボボボボボボボボボボンッ
武蔵CL「おのれ…ッ!」
足柄「無理よ。妙高姉さんの鏡面射撃は大本営随一よ。あなた程度に、このイージスの盾は破れはしないわ。
そ・し・て……防御したら反撃が待ってるって事、忘れちゃダメよ?」クスッ
バババッ
武蔵CL「貴様等…!」
川内「終わりにしようか、戦艦武蔵の亡霊さん」
神通「次発装填済みです。神通、突撃致します!」ザッ
羽黒「五倍の相手だって、支えてみせます!神通さん、後ろは気にせずに!」ジャキッ
神通「はい!」
川内「羽黒!」
羽黒「川内さん、いきますよ!」サッ
足柄「あの子達、何を…」
妙高「……?」
神通は真っ直ぐに武蔵CLへ向かい駆け出し、川内と羽黒は左右に展開する。
そして羽黒は陣痛の進む少し先に主砲を翳し、躊躇う事無く砲撃を開始した。
羽黒「これ以上、やらせません!」
ドン ドンッ
神通と武蔵CLの中央付近、斜めに射線を取り二人を別つようにして羽黒の砲撃が放たれる。
カカカッ
その直後、乾いた音と共に神通と武蔵CL、両者の中央で大きな爆発が巻き起こった。
650: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/25(水) 15:53:37.92 ID:BdERJ8/Go
ボゴオオオオォォォォォォォォォン
武蔵CL「な、に…!?」
羽黒「やった!」
川内「ビンゴ!」
妙高「まさか、擬似的な煙幕!?」
足柄「うそでしょ…」
武蔵CL「くそ…!小賢しいッ!!」ジャキッ
──言ったはずです。次発装填済みと──
武蔵CL「ッ!?」
カッ
武蔵CL「これは…魚雷だと!?」
ボゴオオオォォォォォン
武蔵CL「ぐぅ…!」 中破
651: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/25(水) 15:54:20.98 ID:BdERJ8/Go
羽黒の放った砲撃が両者の丁度中央に迫った瞬間、川内の放ったクナイ型の爆雷が羽黒の砲弾に接触し誘爆を引き起こした。
結果として周囲は一瞬にして煙幕に包まれ、視界は白み、武蔵CLにとっては照準を絞る事もできなくなった。
そんな中、神通だけは目標を見失わず、先に捉えていた場所へ向かい抜刀の要領で魚雷を放つ。
その爆発によって生じた音と気配で更に場所の把握をし、一気に射程内へと忍び込んだ。
ヒュンヒュンッ
ズババババッ
キンッ…
武蔵CLと交錯した瞬間、空を何かが薙ぐ音と、それによって何かが切断される音が静かに響き渡る。
一拍置いて、更に爆発音が響き渡り、武蔵CLの堪えるようなうめき声が続いた。
神通が斬り捌いたもの、それは武蔵の艤装だった。
ボゴオオオォォォォン
武蔵CL「おの、れ…!」 大破
神通「終わりです」ジャキッ
振り返った神通は手にする主砲を構え、それを躊躇う事無く解き放つ。
神通「よく……狙って!」
ドン ドンッ
武蔵CL「おのれえええぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
ボゴオオオォォォォォン
ザザザザッ
神通「あなたの想いは榛名さんが受け継いでいます。ですから…どうか、お心、静かに…」
猛々しい咆哮の様な叫びと共に武蔵CLの姿は静かに水面の底へと沈んでいった。
それを神通は最後まで見送り、胸の前に手を添えて静かに瞳を閉じて冥福を祈った。
652: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/25(水) 15:54:56.76 ID:BdERJ8/Go
ガシッ
葛城「離せ…!」ググッ
天城「離さない!戻ってきて、葛城!あなたは、一航戦から脈々と受け継がれてきた航空戦隊の歴史を背負っているのよ。
二航戦の飛龍さんを始めとして、五航戦の意志を継いで、あなたは生まれたの!それを、あなたが忘れるはずが無い!
あなたは新生第一航空戦隊の筆頭、改飛龍型、雲龍型三番艦の葛城よ!深海棲艦に意識を乗っ取られるような柔な子じゃない!」
葛城「うる、さい…!五月蝿い!五月蝿いッ!!わた、しは……!」
天城「戻ってきなさい、葛城!あなたは弱くない。だから、目を覚ましなさい、葛城!!」
葛城「あ…あぁ……」
天城「…!」バッ
遥か遠くを目を見開いて葛城は凝視する。
その先に天城も視線を巡らせ、その目を大きく見開いた。
飛龍「安心しなよ。私達は沈まない」
蒼龍「ご覧の通りってね?」
翔鶴「まだまだ、やる事は多いですよ」
瑞鶴「さっさと戻ってきなさいよ、葛城!」
天城「皆さん…」
葛城「瑞……鶴……先、輩……」パシャ…
葛城は力なくその場に崩れ落ち、両手で自らの顔を覆い、静かに肩を震わせた。
その肩にそっと手を置いて最後に現れた赤い袴の艦娘が優しく微笑んだ。
赤城「やっと、海軍の誇る空母が揃いましたね。過去、現在、未来、私達が護るべきものはとても多いです。
だから、誰一人として、失う訳には参りません。そうですよね、天城さん」
天城「はい…!はい…!」
赤城「翔鶴さんも瑞鶴さんも、私達一航戦の後釜です。そう易々と沈みはしません。同じように二航戦のお二人も、
あなたが思うよりもずっと強い。だから、あなたは悔やむ前にまずは顔を上げて前を見て下さい。
その目に映っているのがどんな光景か、絶望なのか希望なのか、それを見極めてからでも遅くはありませんよ」
ザッ…
赤城はそっと葛城の肩から手を離し、周囲を見渡す。
本丸からは結構離れたところ、まだ深海棲艦の数は数え切れないほどに居る。
けど不安は微塵も無い。
きっと彼女達がこの元凶を絶ってくれると信じているから。
だから赤城は自分のすべき事に心血を注げる。
653: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/25(水) 15:55:30.97 ID:BdERJ8/Go
赤城「天城さん、葛城さんはもう大丈夫なはずです。そうですよね、飛龍さん?」
飛龍「ん…まぁ、そうだね。私もね、同じような目に遭った事あるけど、大丈夫だよ。この子なら、戻ってこれる」
蒼龍「うん、そうだね」
天城「はい、ありがとう、ございます…!」
赤城「では、二航戦のお二人はまずは修復と補給に専念して下さい」
飛龍「オッケー」
蒼龍「ごめんね」
赤城「翔鶴さん、瑞鶴さん」
翔鶴「はい!」
瑞鶴「はい!」
赤城「見せて頂きます。その手腕、今一度」
翔鶴「……!」
瑞鶴「え、それって…」
赤城「加賀さんも言っていましたね。私達一航戦を越えるのならば、この程度の障壁は跳ね除けて下さい」
翔鶴「良いんですか?」
瑞鶴「翔鶴姉ぇ?」
赤城「はい?」
翔鶴「赤城さんの見せ場、無くなってしまうかもしれませんよ?」クスッ
赤城「うふふ、それは大変ですね。では、程々にして頂く方が良いのでしょうか?
けど、そうなると加賀さんがブツブツと五月蝿いですよ、きっと」
瑞鶴「あなた達、まさかこの程度を蹴散らしただけで図に乗っているのかしら?だとしたら勘違いもいい所ね。
とか絶対言う!絶対に言う!」
赤城「ふふっ」
翔鶴「では、赤城さん。赤城さんも今しばらくは腕の怪我の治療に専念して下さいね?応急修理要員は居ると思いますから」
赤城「…バレていましたか」ニガワライ
瑞鶴「無理すると加賀さんが五月蝿いよー」
赤城「はい、そうですねぇ…では、お言葉に甘えるとします。頼みました、五航戦」
翔鶴「お任せ下さい。いい、瑞鶴?」
瑞鶴「勿論!」
翔鶴「行くわよ!」
瑞鶴「了解!」
655: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/25(水) 16:34:02.20 ID:BdERJ8/Go
-遺恨-
エリート「さぁ、提督。見物はここからさ…あの時と同じ悪夢を、今一度お前の目に焼き付けてやるよ!
前回と違うのは、絶望を焼き付けたその先で、今度は共に死ね」ニヤッ
──滅びの時を迎えるのはあなたです──
エリート「……!?」バッ
レ級FS「お前等……ッ!」
提督「…………」ニヤッ
加賀「……やはり、あなた程度を立てた所で物事が穏便に済むとは思えませんね、エリート提督。器の差、でしょうか」
エリート「加賀……貴様ッ!」
加賀「今更になって私の名を覚えた当たり、学習能力は高い方なのでしょうか。いえ、そもそも今更ですから低いのかもしれません」
エリート「ほざくなよ、艦娘風情が……取るに足らない存在の顔と名前を一々覚える方が無駄と言うものだ。
僕の為に成らない存在を、何故僕がご丁寧に覚えてなきゃならない。寝言は寝て言えッ!」
満潮「どんだけ脳みそ小さいのよ。一人や二人の名前も記憶に残せないとか、馬鹿も通り越してただの痴呆ね」
漣「ご主人様~、生きてます?死んでたら心マした上でぶっ殺しますよ~」
提督「けっ、うっせーんだよ。片方のお下げ切り飛ばして、バランス取れなくしてやろうか、小娘が!」
漣「ふふっ」ニコッ
長良「司令官、最後の大掃除、始めちゃうよ!」
鳥海「存外しぶとく健在なようで、安心しました。司令官さん」
提督「言いたい放題言ってく……」
山城「はぁ、随分と様変わりしてるわね、提督?」
提督「……山、城」
山城「ふふ、その顔を見れただけでも役得かしら。レアケースだものね」
エリート「馬鹿、な……何故、お前が、生きている……お前は、昏睡していたはずだろうッ!」
山城「遺恨を残さない為、かしら?扶桑姉さまに呼ばれたから、かしら?どっちにしても、目覚めるべくして目覚めたのよ」
レ級FS「のこのこと現れて…だったらここで確実に沈めてやる。忘れた訳じゃないよね?一度は死に掛けてるんだからさぁ」ニヤァ
鳥海「そちらこそ、先とは状況が違うという事を認識して下さい」
加賀「これ以上、この海も、艦娘も、何もかも、穢させはしません」
エリート「さぁ、提督。見物はここからさ…あの時と同じ悪夢を、今一度お前の目に焼き付けてやるよ!
前回と違うのは、絶望を焼き付けたその先で、今度は共に死ね」ニヤッ
──滅びの時を迎えるのはあなたです──
エリート「……!?」バッ
レ級FS「お前等……ッ!」
提督「…………」ニヤッ
加賀「……やはり、あなた程度を立てた所で物事が穏便に済むとは思えませんね、エリート提督。器の差、でしょうか」
エリート「加賀……貴様ッ!」
加賀「今更になって私の名を覚えた当たり、学習能力は高い方なのでしょうか。いえ、そもそも今更ですから低いのかもしれません」
エリート「ほざくなよ、艦娘風情が……取るに足らない存在の顔と名前を一々覚える方が無駄と言うものだ。
僕の為に成らない存在を、何故僕がご丁寧に覚えてなきゃならない。寝言は寝て言えッ!」
満潮「どんだけ脳みそ小さいのよ。一人や二人の名前も記憶に残せないとか、馬鹿も通り越してただの痴呆ね」
漣「ご主人様~、生きてます?死んでたら心マした上でぶっ殺しますよ~」
提督「けっ、うっせーんだよ。片方のお下げ切り飛ばして、バランス取れなくしてやろうか、小娘が!」
漣「ふふっ」ニコッ
長良「司令官、最後の大掃除、始めちゃうよ!」
鳥海「存外しぶとく健在なようで、安心しました。司令官さん」
提督「言いたい放題言ってく……」
山城「はぁ、随分と様変わりしてるわね、提督?」
提督「……山、城」
山城「ふふ、その顔を見れただけでも役得かしら。レアケースだものね」
エリート「馬鹿、な……何故、お前が、生きている……お前は、昏睡していたはずだろうッ!」
山城「遺恨を残さない為、かしら?扶桑姉さまに呼ばれたから、かしら?どっちにしても、目覚めるべくして目覚めたのよ」
レ級FS「のこのこと現れて…だったらここで確実に沈めてやる。忘れた訳じゃないよね?一度は死に掛けてるんだからさぁ」ニヤァ
鳥海「そちらこそ、先とは状況が違うという事を認識して下さい」
加賀「これ以上、この海も、艦娘も、何もかも、穢させはしません」
656: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/25(水) 16:34:39.69 ID:BdERJ8/Go
エリート「小賢しい……レ級FS、知らしめるんだ……君がこの世の頂点であるという事を。矮小な存在がどれだけ足掻こうと、
無駄だという事をさ……教えて上げなよ!」
山城「こっちも教えて上げるわ。あなたがやってきた事がどれだけ無意味だったのかをね?提督、最後くらいは指揮しなさいよ」
提督「ちっ……後からひょっこり湧いた分際で偉そうに……」
鳥海「内心嬉しいくせに…」ボソッ
提督「あぁ!?」
鳥海「いいえ、別に?」クスッ
提督「このクソメガネ……いいかてめぇ等。でけぇ粗大ゴミが二つだ……掃除を始めろ!」
エリート「ゴミだと…?クズがこの僕をゴミ扱いとは、分不相応にも程がある発言だよ。粋がるなよ…!」
進撃「それはあなたですよ、エリート提督」スタッ
エリート「進撃……!」
進撃「大層なお題目を並べたところで、結局あなたがやってる事は新鋭の延長に過ぎないでしょう。もう終わりです。
既に忌避の艦隊、隷属の艦隊は壊滅しました。野望と言うには余りに稚拙なあなたの計画もここまでですね」
エリート「くくっ……あの連中も結局は僕の駒さ。存外、糞の役にも立ってなかったみたいだったけどね」
提督「どこまでも、糞を地で行くゴミ野郎だな、てめぇは…」
エリート「それで、僕をどうする気なんだい?」
進撃「決まってるでしょう。どうせ大人しく縛に付く気はないんでしょうし、だったら実力行使に出るまでです」スッ…
エリート「知ってるよ。君は海軍の中でも刀の扱いがずば抜けて達者だ。君の間合いには決して入らないよ」
進撃「待つだけが剣術じゃないですよ」
エリート「解っているとも」ニヤッ
パァンッ
進撃「っ!」
エリート「ははっ、威嚇だよ。そんなにビビるなよ。けど、そうだな…次はその腕を貰おうか?」チャキッ
提督「クソガキ、選ぶ武装間違えたんじゃねぇのか」
進撃「痛んでる人は黙ってて下さいよ」
提督「ちっ、あぁそうかよ。だったら精々片腕持ってかれねぇようにしとけや」
エリート「安心しなよ、提督。お前は最後だ…一番最後に最も惨たらしく殺してやる」
提督「くくっ……だ、そうだ。クソガキ、精々生きろよ」ニヤッ
進撃「ちっ」(ホント性格最悪だな、この人!)
657: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/25(水) 17:12:05.64 ID:BdERJ8/Go
レ級FS「さぁ、死刑執行の時間だよ。墓場在住の皆様方?」
満潮「逆に死刑執行してやるわよ。覚悟しなさい」
漣「超本気モードでいくです!」
長良「絶対勝つ!」
鳥海「これで最後……是が非でも勝利をもぎ取ります!」
山城「それじゃ、いきましょうか」
加賀「預かり受けたこの力、如何無く発揮してみせます。友永隊……鎧袖一触よ」ビュッ
鳥海「目標、前方の戦艦レ級FS!全艦散開後砲戦用意……大掃除を開始しますよ」メガネキランッ
バババババッ
加賀の艦爆艦攻に続けて、六人が一斉に陣形を崩して散開する。
レ級FS「掃除?ふふっ、今更艦娘一人の放つ艦爆艦攻に、この僕がたじろぐとでも思ったのか!逆に掃除してやるよ!」サッ
ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン
加賀「友永隊を、余り見縊らない方がいいわ」
レ級FS「……ッ!?」
ボン
ボボボン
ボボボボボン
空中でレ級FSの艦載機と衝突した友永隊だが、出てきたのは友永隊の艦載機群。
その翼で煙を切り裂き、相手の制空領内へ進出し、大きく弧を描いて目標を補足する。
友永隊の妖精達も志す部分は同じなのだろう。
加賀に敬礼するその姿からは、任せておけという意思がしっかりと伝わってきた。
妖精の姿をしっかりと見届け、加賀は小さく頷く。
658: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/25(水) 17:12:37.56 ID:BdERJ8/Go
山城「鳥海、戦術の展開を」
鳥海「加賀さんの艦爆艦攻後、長良、満潮、漣による波状攻撃を展開!」
長良「よしきたー!任せといて!満潮、漣、いくよ!」
満潮「上等じゃない!」
漣「漣、狙い撃つ!ですよ!」
ボゴオオオォォォォォン
加賀の放った友永隊による艦爆艦攻がレ級FSを襲うが、それを物ともせずにレ級FSが煙を撒いて姿を現す。
レ級FS「効かないねぇ!」バッ 被害軽微
長良「私の足についてこれる?」ザッ
レ級FS「ほざけ、軽巡風情が!」ジャキッ
ドォン ドォン
サッ
ボボボボボボボボボンッ
レ級FS「何…!?」
レ級FSの砲撃と同時に、視認していた長良の姿がそこから消える。
レ級はFS眼球を動かし、神経を研ぎ澄ませてその行方を追う。
周囲に聞こえる海面を蹴る音、爆ぜる海面によって巻き起こる水飛沫、しかし長良の姿を視認するには至らない。
レ級FS「この、ボクよりも……速いっていうのか……ッ!?」ギリッ…
──そこっ!──
レ級FS「ッ!」バッ
ボゴオオオォォォォォン
レ級FS「ぐっ…!」 被害軽微
レ級FS「軽巡洋艦風情がァッ!!」ジャキッ
ドォン ドォン
ボボボボボボボボボンッ
満潮「長良一人にムキになってんじゃないわよ。ほら、精々顔面偏差値落ちないように気を付けなさい!」ジャキッ
レ級FS「ほざくな、駆逐艦が!!」バッ
659: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/25(水) 17:13:06.89 ID:BdERJ8/Go
満潮「」ニヤッ サッ
漣「漣からは、逃げられないよ!」ジャキッ サッ
ドン ドンッ
ボゴオオオォォォォォン
レ級FS「ぐぅ…!ウロチョロウロチョロ、貴様等ァッ!!」 小破
満潮「一々そうやって見下してる所がウザイのよッ!!」ザッ
一度目の構えをフェイクにしてレ級FSを誘い出し、後方に位置していた漣とスイッチする事で漣の砲撃に対する反応を遅らせる。
攻撃を受けたレ級FSは高確率で攻撃を加えてきた相手に矛先を向ける傾向がある。
そう満潮は推察して漣とスイッチした際にレ級FSの死角に回り込んでいた。
本来であればその動きにもレ級FSは気付けたはずだった。
が、長良の高速移動、加えて満潮の三次元の動き、漣の的確な射撃による弾幕がレ級FSの動きを大きく制限させた結果だった。
レ級FS「お前……何処から!」ザッ
満潮「撃つわ!」ジャキッ
ドン ドンッ
ボゴオオオォォォォォォン
レ級FS「がぁぁ……ッ!」 小破
660: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/25(水) 17:41:15.89 ID:BdERJ8/Go
エリート「馬鹿な……彼女は、最強なんだぞ。たかが六人の艦娘如きに、遅れをとる訳が…!」
進撃「世界最強…?」
エリート「何がだ…!?」
進撃「いや、日本最強……」
エリート「何が言いたい!」
進撃「あぁ、市区町村で最強程度だから、遅れを取るのでは?」
エリート「お前…何処まで僕等を見下すつもりだ」
進撃「見下すだなんてとんでもない。敬意は示してますよ。敬語でしょう?でもだからって、尊敬はしませんけどね」
提督「くくっ……嫌味言わせたら、そこのクソガキの右に出れる奴は、そうそういねぇよ」
進撃「」(あんたが言うな!)
エリート「…………」ギリッ…
提督「……はぁ、いやぁ~しかしなんだね……エリートくん、俺は今非っっっ常に愉快だ」
エリート「何…?」ピクッ
提督「くくっ……そう、その顔。その顔が見たかった。その呆けた馬鹿面を、どれだけ待ち望んだ事か」
661: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/25(水) 17:41:42.42 ID:BdERJ8/Go
いいか、このノータリンの痴呆持ちゴミクズ意識高い系気取ったなんちゃって糞屑野郎。
てめぇ等如きがチンケな小細工を幾重に展開させようと、俺様にしちゃ前座も前座、お遊戯レベルのしょぼい策な訳だ。
粋がって俺様の前を走ってたみてぇだが、勘違いも甚だしい。
じ・つ・に、甚だしい!
どうだ?実は先をいってるようでてんで後方、俺様の足許にも及んでなかったその腐った脳みその程を知って。
結果はご覧の通り、頭が良けりゃこうはならねぇんだよ、バァカ。
欠陥だらけな上に内容も稚拙、深海棲艦の手を借りなきゃまともな策も考え付かない。
最早提督と言う業務すらもまともにできない、雑魚以下の畜生にも劣る存在だな。
戦艦レ級ってのは生物を捕食する事で、その知能と能力を得て強化されるんだろ?
だったらてめぇ食わせれば、めでたく退化でもして消滅してくれるんじゃねぇのか。
馬鹿で無智!
ノータリンな上に医学界を震撼させる痴呆持ち!
ゴミでも今時リサイクルできるご時勢でリサイクルは不可!
その上クズときたもんだ!
こんだけマイナス要素取り込めばレ級も最速イ級クラスまで退化してくれんじゃないのかねぇ!
一丁前に意識高い振りはしてるが相手が悪かったなぁ……俺様を相手にするなんて正気の沙汰とは思えねぇよ。
分を弁えろよ、糞屑野郎。
解ったらさっさと銃なんぞ捨てて俺様の前に平伏せ、詫びを入れろ、てめぇがクズであると認めて自覚しろ。
言ってる意味は理解できましたか?
この糞屑野郎!
言い訳反論は認めん、以上だ。
662: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/25(水) 17:42:08.60 ID:BdERJ8/Go
エリート「……言いたい事は、それだけか……」ブルブル…
進撃「」(はぁ…煽ってくなぁ、この人)アセ
エリート「そんなに先に死にたいのなら、望み通り殺してやろうか、提督ッ!!」チャキッ
ザッ
ズバァッ
エリート「……っ!?」パラパラ…
進撃「言ったでしょう、待つだけが剣術じゃないって。でもって……」キンッ ガシッ
エリート「なっ」
進撃「漸く、掴まえましたよ」ブンッ
ドシャァ
エリート「くっ」
提督「おうおう、痛そうだねぇ…まぁ見てろよ。最強のNo.2連中がどんなもんかをな」
663: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/25(水) 17:42:41.55 ID:BdERJ8/Go
長良「鳥海!」
鳥海「山城、鬱憤晴らして来て下さい」
山城「言われるまでもないわね」サッ
レ級FS「雑魚が、どれだけ群れようとも、このボクには…」
山城「そうねぇ…あなたが複数でも居れば別かもしれないけど、あなた一人じゃどうかしら?」
レ級FS「何ぃ!」
山城「不思議と、今は嫌な予感がしないのよ。これって凄い事よ?それに、私ばかりに気を取られてると…」
ザッ
レ級FS「お前等…ッ!」
満潮「あんた何処いく、漣」
漣「どてっぱら!」ジャキッ
満潮「じゃあ遠慮なく顔面いくわね、私は!」ジャキッ
レ級FS「これ以上なめた真似を……」
長良「冗談、まだまだ終わりじゃないよ!」ジャキッ
レ級FS「……ッ!」
ドン ドンッ
ボゴオオオォォォォォン
レ級FS「片手で防げる程度の砲撃など…!」 小破
漣「なら防いでみるです!」
満潮「顔面とお腹、好きな方選びなさい!」
レ級FS「……くそォッ!」ザバァッ
満潮「こいつ…!」
漣「あぁ!ずっこい、潜った!?」
鳥海「加賀さんはそのまま、恐らく……」バッ
ザバァァァンッ
山城「標的が自分だって解ってたの!?」
レ級FS「ちぃ……お前、どうして」
鳥海「対水上電探って知ってます?」クスッ
レ級FS「…!」
鳥海「あなた如きに、私の展開させた戦術は破れません。ここに出てしまった事を、後悔して下さい」
レ級FS「後悔だと…?」
鳥海「目標、前方の戦艦レ級FS。砲戦用意……」バッ
レ級FS「なっ、しま……」
山城「不幸ね」ジャキッ
鳥海「……撃ち方、始め!」サッ
664: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/25(水) 18:08:42.92 ID:BdERJ8/Go
大きく手を振り翳し、その手を真っ直ぐにレ級FSを指し示すように振り下ろす。
次の瞬間、既に構えていた山城達の砲撃が一斉にレ級FSに襲い掛かる。
しかし恐るべきは相手の行動を予測した上で展開させた鳥海の戦術だろう。
開始、加賀の艦爆艦攻から息つく暇を与えず小回りと連射の利く長良、満潮、漣の三名による波状攻撃を展開。
海面を疾風迅雷の如く駆け抜ける長良と合わせ、そこに嵐を生み出すが如く、満潮による三次元の攻撃。
そんな二人が交錯する中でも的確に砲撃を命中させる漣の射撃センス。
暴風の吹き荒れた中、その間隙を縫って山城の砲撃を撃ち込む算段だったが、レ級FSもここで応戦する。
強引に包囲網を突破し、レ級FSが目星をつけたのは鳥海。
長良達三人はこちらの距離を的確に視認しており、狙い撃つにも距離が近過ぎる故に警戒態勢が万全だ。
加賀は最奥で遠すぎる。ならば、中距離に位置取り、今は動きを止めていた鳥海と山城。
その中で一番確実に仕留められると確信を得ていたのが鳥海。
だからこそ狙いを定めて突撃した。
驚くべきは相手が水上電探を備えた上に、こちらの目論見を完璧に看破し、更にそこからのカウンターに備えていた事。
ボゴオオオオオオォォォォォォォォォン
一際大きな爆発が轟き、そこに一点集中された砲撃の雨が止む。
大きく立ち昇る黒煙と硝煙の香りが辺りに充満し一時の静寂が訪れるが、直にそこから大きな雄叫びが響き渡った。
665: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/25(水) 18:14:08.43 ID:BdERJ8/Go
満潮「しぶとすぎでしょ」
漣「これだから戦艦って厄介ですー」
山城「これでもまだ足りないのね」
鳥海「ですが、この攻撃は相手にとって痛烈に効いている筈です」
加賀「…………きます」チリッ…
寡黙を貫き静観していた加賀が静かに呟き矢筒から矢を抜き取る。
それと同時に黒煙を吹き散らしてレ級FSが姿を現した。
レ級FS「ボク、こそが……絶対なんだ!忌々しい、艦娘如きに、ボクが敗れるわけには、いかないッ!!」 中破
加賀「いいえ、ここで終わりです」スッ…
レ級FS「……ッ!空母…ッ!なっ……」
加賀を真正面に捉えてその姿を認識し、レ級FSはその目を見開いた。
それは幻だったのか、いや恐らくは幻なのだろう。
幻なのかもしれないが、それはそのとき確かにそこに『存在』していたと言えるほどの威圧感を放っていた。
レ級FSが垣間見た、恐怖によって具現化した姿そのものなのかもしれない。
レ級FSにしか認識できず、レ級FSだけに具現化しているように見えていたのかもしれない。
それは加賀の背後に聳える無数の軍艦の群れ。
遥か昔、激戦を繰り広げてきた数々の歴戦の軍艦。
その誇りと魂は今を生きる艦娘達によって顕現された。
艦娘の秘めた闘志と秘めた想いは何れ、志半ばで朽ち果てていった軍艦達の無念すらも浄化してゆくことだろう。
これは、敵対するものに向ける怒りや悲しみ、憎しみ、恨みなどではない。
今を生きる者達を、共に戦う仲間達を護りたいと願う、彼女達の想いが具現化した本当の姿なのだろう。
その先陣を切るのは、第一航空戦隊の一翼を担った鎧袖一触の加賀。
その彼女を支えようと、力になろうと、共に行こうと、現れたのがそれなのかもしれない。
666: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/25(水) 18:14:57.00 ID:BdERJ8/Go
鳥海「全艦、突撃開始!加賀さんを援護して下さい!」ザッ
山城「決めなさい!全力で援護するわ!」ザッ
長良「よしきたー!がっつりいっちゃってー!」ザッ
満潮「当然じゃない!まだまだいけるわ!」ザッ
漣「キタコレ!全力で突撃ー!」ザッ
レ級FS「艦爆艦攻が放たれるのに、正気か、お前等…!?馬鹿なのかッ!?巻き添えを食って沈むだけだぞ!」
山城「果たしてそうかしら?」ジャキッ
ドォン ドォン
ボゴオオオォォォォォン
レ級FS「ぐっ…!」 中破
鳥海「今更、あの人がそんなヘマをするとでも?」ジャキッ
ドン ドンッ
ボゴオオォォォォン
レ級FS「くそっ、身動きが……!」 中破
長良「今更過ぎるね!」ジャキッ
ドン ドンッ
ボゴオオォォォォン
レ級FS「鬱陶しいぞ、お前等……ッ!」 中破
満潮「鬱陶しいのはあんた等よ!」ジャキッ
ドン ドンッ
ボゴオオォォォォン
レ級FS「この、程度で……ッ!」 中破
漣「漣達からは逃げられないよ、しつこいから!」ジャキッ
ドン ドンッ
ボゴオオォォォォン
レ級FS「がああァァ……!」 大破
加賀「ここは、譲れません」チャキッ
レ級FS「仲間、諸共……ボクを、沈めようと、言うのか……ッ!」
加賀「ありえません。みんな、優秀な子たちですから」ビュッ
レ級FS「正気、か……」
667: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/25(水) 18:15:23.57 ID:BdERJ8/Go
空を羽ばたく色とりどりの艦載機。
その後姿を見て、そして己が握る弓を見て、小さく、静かに、感謝の念を込めて呟いた。
加賀「……ありがとう」
パキッ…
その言葉と共に加賀の持つ弓が中央から真っ二つに裂け、完全に破損する。
それでも、加賀は矢を掴んでいた右手を振り翳し、飛び立った艦載機に最後の指示を出す。
加賀「鎧袖一触よ。心配いらないわ。敵機直上より急降下、全てを薙ぎ払って下さい」バッ
無数に連なる艦載機は一条の矢の如く、真っ直ぐに上昇後一気に急降下、加賀の意志を汲むように一糸乱れぬ鮮やかな動きをみせる。
そして目標へ向けて決死の艦攻艦爆攻撃を開始した。
レ級FS「くくっ……フフフ……アハハハハハッ!何度だって、何回だって、ボクは生まれてやるッ!
いいか、覚悟しろ…海軍、艦娘ッ!!ボクは、この海の破壊者だ……どれだけ歳月を掛けようと、必ずまた……」
ブウウゥゥゥゥゥゥゥゥン……
レ級FS「……お前達を皆殺しにする為にッ!地獄の底から舞い戻ってやるよ……ッ!!」
レ級FSの呪詛とも言える咆哮を掻き消すように、加賀の放った艦攻艦爆隊の猛攻がレ級FSに一斉に降り注ぐ。
一点集中の凄まじいまでの艦爆艦攻。
乱れ撃つのではなく、目標にのみ攻撃を加え周囲への被害を出さない圧倒的な精密射撃。
攻撃の止んだ後には文字通り跡形もなく、ただ穏やかな水面だけが存在した。
668: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/25(水) 18:38:50.65 ID:BdERJ8/Go
-変わらぬ明日-
エリート提督の企てた海軍のっとり計画阻止から半年が過ぎていた。
戦艦レ級FSを撃破した後、進撃提督の手によってエリート提督は捕縛され、残っていた首謀者の三人全てが縛に付いた。
提督を始めとしたハズレ鎮守府の面々は戦艦レ級FS撃破後、何事も通達する事無くその場から撤退。
表向きの功労者は現場に居合わせた進撃、鋼鉄、不動、新月の各鎮守府と大本営本部と報道された。
だが現場に居た者はその恐るべき功績を目撃している。
たったの六人、少数精鋭と言うには心許ないほどに少ない人数でエリート提督率いる主力本隊を壊滅させた艦娘達。
大本営をも揺るがす大事を成しえ、それを公にさせずにその場から去ってしまった艦娘達。
そこは外れた鎮守府。
大本営をはじめとし、他の鎮守府ではそこをハズレ鎮守府と呼ぶ。
問題児とされた艦娘や提督の行き着く陸の孤島。別名、海軍の墓場。
そこで六人の艦娘は今も過ごしている。
エリート提督の企てた海軍のっとり計画阻止から半年が過ぎていた。
戦艦レ級FSを撃破した後、進撃提督の手によってエリート提督は捕縛され、残っていた首謀者の三人全てが縛に付いた。
提督を始めとしたハズレ鎮守府の面々は戦艦レ級FS撃破後、何事も通達する事無くその場から撤退。
表向きの功労者は現場に居合わせた進撃、鋼鉄、不動、新月の各鎮守府と大本営本部と報道された。
だが現場に居た者はその恐るべき功績を目撃している。
たったの六人、少数精鋭と言うには心許ないほどに少ない人数でエリート提督率いる主力本隊を壊滅させた艦娘達。
大本営をも揺るがす大事を成しえ、それを公にさせずにその場から去ってしまった艦娘達。
そこは外れた鎮守府。
大本営をはじめとし、他の鎮守府ではそこをハズレ鎮守府と呼ぶ。
問題児とされた艦娘や提督の行き着く陸の孤島。別名、海軍の墓場。
そこで六人の艦娘は今も過ごしている。
669: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/25(水) 18:39:17.41 ID:BdERJ8/Go
山城「はぁ、やる事がなさ過ぎて不幸だわ…」
漣「よっ、今日も出ました山ピーの不幸自慢!」
山城「あなた、艤装の角で殴り殺すわよ?その山ピーって止めてくれないかしら」
漣「サンジョーさん?山さん?mountain castle?」
山城「」ピキッ ジャキッ
漣「わー!たんま、冗談!ジョーク!ウソ!こわっ、ヤバイってそれは!」アタフタ
満潮「あんた五月蝿いわよ!」
漣「あ、みっちゃん」
満潮「ったく…それよりアホ面オヤジまだ戻らないわけ?」
漣「恋しくなったとか、ですか?」ニヤッ
満潮「…………」ガシッ
漣「!?」
満潮「山城、良いわ。どてっぱらにぶち込んでやりなさい」
山城「あら、いいの?」
漣「ノー!良くないです!ダメです!イジメ反対!ダメ絶対!色々!」ジタバタ…
長良「あははは…相変わらずだねぇ」
鳥海「山城が加わってバリエーションが増えて、注意するのも面倒になってきたわ」
長良「何だかんだいってあの子達と山城さん、仲良いもんねー」
鳥海「元々山城は駆逐艦の子たちには良く懐かれてる所があったから、それの名残かしら?」
長良「名残って…それより加賀さんは?」
鳥海「弓道場」
長良「さ、流石…一人流されないねぇ」
鳥海「そこがあの人らしいといった所かしら?」
670: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/25(水) 18:39:48.96 ID:BdERJ8/Go
加賀「…………」ビュッ
トンッ
加賀「…………」スッ…
カチャ…
加賀「…二時間。まだまだね」
構えていた弓を静かに下ろし、時計を見て加賀は一人呟く。
加賀「集中力はある程度続くけれど、そこからの伸びが足りてないのかしら…」
??「競う相手がいねぇから気が緩んでるだけだろ、ダァホ」
加賀「……覗き見なんてついに下の下にまで落魄れましたね、提督」チラッ
提督「ぬかせ鉄面皮」
加賀「それで、今日は何かしら」
提督「全員集めろ。掃除の時間だってな」
加賀「……はぁ、平和を享受するのはまだ先という事ですか」
提督「っせーんだよ。つべこべ言わずにさっさと集めろ」
671: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/25(水) 18:40:22.92 ID:BdERJ8/Go
提督「全員揃ったな」
満潮「見て解んないわけ?あんた馬鹿?」
提督「クソチビまな板、殴り殺されてぇのか」
満潮「あっれー、算数できないのかと思って聞いただけなのに何ムキになっちゃってんの?」
提督「上等だ、即刻てめぇを解体処分にしてやる」
満潮「上等じゃない。解体される前にあんたを雷撃処分にしてやるわよ!」
加賀「……はぁ」
鳥海「……もう何も言いません」
山城「見てる分には愉快ね」
長良「あははっ、始まったー」
漣「よっ、待ってました!夫婦漫才っ!」パチパチパチ
満潮「漣……」ピキッ
提督「その口に五寸釘打ち込んで縫い合わせた上で二度と喋れねぇようにしてやろうか」イラッ
漣「」(こ、呼吸ピッタリ過ぎてヤバイんですけど…目がマジ過ぎて別の意味でヤバイんですけど!)プルプル
672: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/25(水) 18:40:51.46 ID:BdERJ8/Go
加賀「話が進みません」
提督「御託が多いんだよ。黙らせとけ!」
加賀「はぁ」
提督「ため息ついてんじゃねぇよ!」
鳥海「司令官さん…」アキレガオ
提督「ちっ…」
山城「三日間も鎮守府空けておいて、何をしていたのかしら?」
提督「あぁ?大本営はそうでもねぇが進撃のクソガキとそれに便乗したルポライターが五月蝿ぇんだよ。
だがまぁそんなのはどうでもいい。どうせここは外れに外れただぁれもしらねぇチンケな鎮守府だ。
任される任務なんてのも毛が生えたようなしょぼいもんしかねぇからな」
漣「お陰で平和すぎますけど、暇ですよぅ」
長良「体鈍っちゃうよねー」
提督「だろうと思って久々に仕方なく任務とやらを受けてやった」
加賀「任務?」
鳥海「どのような?」
提督「くくっ、何を血迷ったのか。未だに深海棲艦の残党ってのは姑息にも生きているらしい。
それの殲滅が任務だ。泊地があるのならそれ諸共消滅させて来いってなもんだ」
満潮「何それ。超まともな任務じゃないのよ。裏があるんじゃないの、それ」
提督「当然だ。だから俺様の鎮守府に話が『捨てられ』たんだからな」
山城「どう裏があるのかしら?」
提督「向かう先は中部海域、未踏の部分も多い場所だ」
鳥海「何が起こるか解らない。故に何か起きても責任は負わない」
提督「そういうこった」
加賀「やれというのならやるだけよ」
長良「どーせやる事ないもんねー」
漣「じゃあパッパとやっちまうのね!」
満潮「普段が有給休暇見たいなもんだしね」
山城「どうせ捨てるはずの命だったんだもの。今更どこに行こうと変わりはないわ」
鳥海「では、指揮をお願いします、司令官さん」
提督「ふん…どうせ殺しても死なねぇんだろ。だったらやる事やってとっとと戻って来い。目に物を見せてやれ!」
加賀「了解です。目に物、お見せしましょう。ハズレ鎮守府艦隊、出撃します」
673: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/11/25(水) 18:41:19.65 ID:BdERJ8/Go
誰も見向きもしない、はみ出し者が寄せ集められた海軍の墓場。
誰が言ったのか、外れと出来損ないのハズレを掛けたハズレ鎮守府。
そんな墓場には今、一癖も二癖もある提督を筆頭とし、六人の艦娘が漂着している。
世間には決して知れ渡らない、名も知られない、誰からも認知されない。
しかし、そこに存在して然るべき六人の艦娘達。
人知れず、ただ任務を忠実に成していく影の功労者。
決して表には出てこない、常に陰を歩き、二番手に甘んじる。
それ故に彼女達の存在を知る一部の者達からは『最強のNo.2』と言われる存在達。
彼女達は今日も何処かの海域で、密かに任務を全うしている。
【艦これ】提督「バリバリ最強No.2」 Fin.
引用元: ・【艦これ】提督「バリバリ最強No.2」
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