2: !ninja 2012/11/16(金) 22:20:12.14 ID:Fj/faWSz0
男「いや、後輩のものでは無いと思うよ」

後輩「ぬっ、その割には朝から楽しそうに話をしていたではないですかっ」

男「いや、あれは部活の予算の話をしていただけですけど」

後輩「男先輩は……ズルいです!」

男「いや、普通に部長と副部長だからね」

後輩「私も部長になります!!」

男「その意気込みは嬉しいけど、残念ながら…うん、来年だね」

後輩「ぐぬぬ……」

3: !ninja 2012/11/16(金) 22:21:43.94 ID:Fj/faWSz0
【放課後】

男「さて、アンプ運ぶか…」

女「もうすぐライブ近いからね、もう設置したままにしないか?」

男「そうですね。その方が片づけ楽だし」

女「楽な方ばかり考えないの! じゃあ、そのベースアンプそこに設置して」


部員A「それにしても、なんか夫婦みたいだな、あの安定感」

部員B「揺ぎないよね」

後輩「ぐぬぬ」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 22:23:44.14 ID:Fj/faWSz0
部員A「後輩ちゃんどうしたの?」

後輩「男先輩ばっかり……」

後輩B「あれ嫉妬? 男先輩好きなの!?」

後輩「女先輩ですっ! ぐぬぬ…」

後輩A「後輩ちゃんは女の子なのに…これはッ、百合ッ!」

後輩「百合とかバラとかそんなのどうだっていいのですっ! 女先輩は女先輩なんですっ!」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 22:25:22.25 ID:Fj/faWSz0
【部活終了後】

男「さて帰るか…」

友「ういーっす、帰ろうぜ」

男「お前も部活終わりか?」

友「当たり前じゃん。俺は残業をしない派だ」

男「部活に定時なんてねぇよw」

友「あ、お前このバンドコピーするんだ」

男「原点回帰。90年台ロックは凄いパワフルで簡単なんだよ」

友「へぇ、俺も聴いてみようかな」

男「タツヤ行ってこいよ、ベスト聞いたら大体分かるぞ」

友「おk」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 22:27:58.73 ID:Fj/faWSz0


友「じゃあな。俺こっちだわ」

男「うぃーっす」


後輩「男先輩」

男「ぬわっ、なんでここにいるの?」

後輩「えっと、その……今日は女先輩と帰らないんですね」

男「いや、あいつはあいつで女友達と帰ってるし、そんなんじゃないから」

後輩「……でも帰る日はあるじゃないですか」

男「だから何なんだよ。俺だって女子と帰る日ぐらいくれよ」

後輩「ゴクッ…男先輩は、女先輩のこと好きなんですか?」

男「なっ……何を突然?」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 22:30:32.30 ID:Fj/faWSz0
男「なっ……何を突然?」

後輩「……私は。男先輩と比べ物にならないぐらい、女先輩のことが好きなんです」

男「……まぁ、その、人の恋愛観をどうこういうつもりはないが…」

後輩「それ以上なんです!」

男「あいつ、彼氏いるぞ?」

後輩「……?」

男「あれ、知らなかったの?」

後輩「えっ……? 彼氏って、先輩?」

男「いや、違うけど」

後輩「ぎゃああああああああ!!」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 22:31:51.31 ID:Fj/faWSz0
【ドクマナルド】

男「ほれ、ドックシェイク、おごってやるよ」

後輩「あ…ありがとうございます…」

男「で、どうして女のこと好きになったの?」

後輩「そ、そりゃ……演奏かっこ良くて…あこがれが…延長して…」

男「まぁ、あいつベース上手いもんなぁ、センスもいいし」

後輩「先輩はダサいです。ギター高く持ちすぎです」

男「うっせぇ、リードプレイするとき低かったらやり辛いんだよ」

後輩「歌下手ですし…コーラスすら不安定」

男「やめてくれ……だから俺はギターボーカルは辞退しているんだよ」

後輩「はぁ…それにしても先輩彼氏がいただなんて…」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 22:35:02.90 ID:Fj/faWSz0
男「残念だったな。あいつ中学時代から続いているからな。別の高校だし知らないのも無理もない」

後輩「……」チュルルルル

男「まぁ、新しい恋路見つけろよ。お前可愛いし、すぐに良い奴見つかるさ」

後輩「んなっ…か…可愛いとか突然言わないで下さい」

男「ちっちゃくて可愛いじゃないか。それなのに大きいベース持っちゃってw」

後輩「や、やめてください! てか、小さいは余計です! ベースは女先輩の憧れです!」

男「まずスラップを練習しだしたことには笑ったわ」

後輩「なんでですかっ! かっこいいじゃないですか! あのドゥンって響き」

男「まぁ初心者はまず憧れるよね。ギターならハーモニクスあたりか」

後輩「先輩、好きなベースメーカーってどこですか?」

男「あぁ、そういやベース買い換えたいっつってたな。というより、俺ギターだからなぁ」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 22:37:28.98 ID:Fj/faWSz0
後輩「女先輩の真似して買ったんですけど…やっぱり大きすぎるんですよ…」

男「フェンダーとかいいんじゃないかな? 無難で」

後輩「無難って……むぅ……参考にします」

男「ベースはよく分からないからな。ギターならロックやるかポップスやるかで色々考えれるが…ね」

後輩「先輩はギターを選んだ理由ってなんなんですか?」

男「色と形」

後輩「なんですか…結局それですか…」

男「まぁそこからギター初めてさ、そこから色々自分のしたい音楽を見つけて、幅を広げたってかんじだ」

後輩「そうなんですか…」

男「自分の使っているギターに併せて、好きな音楽が出来たって感じだな。お陰でビジュアル系には興味が無い」

後輩「私もビジュアル系は苦手です…人間関係も何か…」

男「やっぱバンドは己を着飾る前に、音楽を着飾れと」

後輩「先輩は演奏ダサいですけどね」

男「うるせぇ」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 22:38:51.10 ID:Fj/faWSz0
……

後輩「はぁ、沢山喋ったらすっきりしました」

男「そうかいよかったな」

後輩「また、おしゃべりしてもいいですか?」

男「まぁ時間が合えばいつでも相手してやるよ」

後輩「じゃあ、さようなら…」

男「うん、じゃあな」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 22:40:11.31 ID:Fj/faWSz0
……

女「男、シールド断線しているんだけど…」

男「あぁぁぁ…そこに転がってるの無理?」

女「いや、あそこはジャンクの山」

男「やべぇ……これ2000円したのに…」

女「シールドは5000円からよ」

男「うっせぇ、ブルジョア! 俺はギターを買うために節約しているんだよ」

女「ふふっ、果たしていつになることやら」

男「ライブ終わったら、またしばらくバイト入るから、部活来れねぇし」

女「早く貯めなさいよ? じゃないと後輩ちゃん寂しがるわよ?」

男「なんでそこで後輩の名前が出てくるんだよ?」

女「さぁね~?」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 22:42:50.35 ID:Fj/faWSz0
……
男「ふぅーずっとシャンデリアばっかしていると死ねる」

後輩「先輩」

男「あ、後輩か。どうした?」

後輩「べ…ベース買いました! どうですか?」

男「おっ、フェンジャパじゃん…おぉ、ピックガードが黒でボディがホワイトか分かってるな!」

後輩「た、たまたま…色かぶっただけですよ!」

男「ベース名前付けていい?」

後輩「何で名前をつけるんですか?」

男「名前は…うーん。アベで!」

後輩「何ですか、アベって…」

男「俺の尊敬する師の名前だ…」

後輩「何か嫌です…それ」

男「よろしくな! アベ!」

後輩「やめてください! 普通にベースでいいでしょぉ!」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 22:46:31.36 ID:Fj/faWSz0
……ライブ


部員C「オケ、早く行きまする」

男「あぁぁぁぁ、なんてうまっくかねぇへぇ~」

部員D「早くしろ」

男「ほいほい…えっと、」

♪~~


後輩「……」

女「どう?」

後輩「男先輩、ギター出来てきてますけど…カッコ悪いです」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 22:47:54.88 ID:Fj/faWSz0
女「ふふっ、そこは相変わらずね」

後輩「でも、嫌いじゃないです」

女「ふーん……アベっち、元気?」

後輩「女先輩まで、アベって呼ばないで下さいっ!」

女「それって昔人気だったバンドのギタリストの名前なのよ?」

後輩「そうなんですか…きょ…興味無いです」

女「で、もうそのギターリストは死んじゃって今となっては伝説のギタリストなの」

後輩「そうなんですか…」

女「聴いてみる? ベースも中々悪くないわよ? 時代あんまり感じないし」

後輩「ま…まぁ…き…聴くだけなら…聴きます」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 22:49:22.91 ID:Fj/faWSz0
【家】

後輩「えっと…女先輩からCD借りてきた…えっと、PCで…」

~~~ワルイノハゼンブ~キミダトォ~~

後輩「……」

~~ソレデモアシタハ~フル~

後輩「……」

~~~スモーケンビ~~~~

後輩「ふぬぬ……」

~~ダニゴー~~ダニゴー~

後輩「……」

~~~エレクトリックサーカァ~~~

後輩「……」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 22:51:53.90 ID:Fj/faWSz0
【翌日】

男「無事にライブも終わったことですし、俺はバイトという修行に行ってきます」

女「じゃあ、給料日は牛角に行きましょう」

男「意味ねぇェェェ!! とにかくまぁ、よろしく頼んだ!」

女「じゃあねぇ~」

……
部員A「何聞いてんの? 後輩っち」

後輩「えっ……これ」

部員A「あぁ~男っちが好きなバンドだよね~どう?」

後輩「なんていうか…今のバンドにはあまり無い、荒々しさ…があります」

部員A「そうだねぇ~もうこんなロックバンドは出ないとか言われているぐらいだよねw」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 22:56:31.45 ID:Fj/faWSz0
後輩「そうなんですか?」

部員A「男がそんなことばっかり言ってる。しかもこのバンド聴き始めたのあいつ3ヶ月前だよw」

後輩「短いですね…」

部員A「あいつすぐ影響されるけど、長いからね。もっと早く出会っとけばよかったとか言ってるし」

後輩「そうなんですか…」

部員A「それにしても最近男の話ばっかりだね~」

後輩「そ、そんな事無いですよ」

部員A「いやぁ~そんなことあるよ~w」

後輩「き、気のせいですよ…」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 22:59:27.71 ID:Fj/faWSz0
……

後輩(今日も先輩…来ないですもんね……バンドスコア買っちゃった…)

後輩(こっそり練習……してやりますよ、びっくりさせて…やります)

女「ん、それは…あぁ、その曲ね…その曲好きなの?」

後輩「ひぇっ…そ、そういう訳では…」

女「テンポ早いから、ベース歴浅いとしんどくない?」

後輩「が、頑張ります!」

女「わかんないとこあったら言ってね」

22: みんなエヴァに行って戻ってきてないのか 2012/11/16(金) 23:01:26.47 ID:Fj/faWSz0
……

後輩「……今日も先輩来ない…ですよね」

ガチャン

男「ういーっす」

後輩「えっ…せ…先輩」

男「いやぁ~今日はシフト入れ無かったんだよね…だから部活に…」

後輩「……」ポロポロ

男「んなっ、何で泣き出す!? おいおい」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 23:02:46.12 ID:Fj/faWSz0


後輩「なんで…泣いたんでしょう」

男「いや、こっちが聞きたい、んぬ? それはバンドスコア!!」

後輩「はっ、しまった」

男「マジか…お前も……このバンド聞いてくれたのか」

後輩「うるさいです……たまたまです……」

男「そうかい。どうだい、アベは元気にしているかい?」

後輩「アベって……まぁ、元気にしていますけど…」

男「……それにしてもライブが終わったら凄くみんなダラダラしてんな」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 23:06:42.57 ID:Fj/faWSz0
後輩「私だけですよ…今、楽器出しているの」

男「俺なんてバイト中も触りたくてうずうずするのに…」

後輩「それは駄目ですよ……流石に……」

男「そうだ、お前にプレゼンツ」

後輩「えっ…な、何ですか?」

男「いや、なんとなく、ほい…ピック」

後輩「ぴ…ピックですか?」

男「おう、1枚買ったら1枚タダってキャンペーンがあったから、プレゼンツ」

後輩「あ…ありがとうございます……」

男「よぉーす、俺も楽器出そうっと」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 23:08:42.57 ID:Fj/faWSz0
……

後輩「♪~♪~」

女「ごきげんね。後輩ちゃん」

後輩「そ…そんな事無いですよ」

女「それ、男のピックじゃない?」

後輩「へ? いや、貰ったんです…」

女「そのピックあいつしか使わないからついね」

後輩「女先輩は男先輩のこと何でも知ってますね…」

女「まぁ中学から一緒の部活だからね」

後輩「……羨ましいな」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 23:11:51.93 ID:Fj/faWSz0
女「ふふっ、でもあいつも、後輩ばっかひいきしているじゃないかな?」

後輩「へ?」

女「あいつケチだよ? 誰かに何かをあげるとか全然しないのに、ピック貰ったりしてるじゃん」

後輩「え…そ、そうなんですか?」

女「うん。もしかしたら、後輩ちゃんのこと好きかもしれないよ~」

後輩「んなっ…す…好きだなんて」カァァ

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 23:15:20.92 ID:Fj/faWSz0
女「後輩ちゃんは? どうなのかな?」

後輩「え…その……私は……」

女「顔真っ赤っかだよぉ?」

後輩「す…好きですよ。いつからか…男先輩のことばっか考えてるし……」

女「分かりやすい。可愛い」ナデナデ

後輩「や…やめてください……でもちょっとだけですよ、ちょっと…好きなだけで…」

女「じゃあ、あいつにアタックしないと? ねぇ?」ウインク

後輩「アタック…!?」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 23:17:38.15 ID:Fj/faWSz0
バイト先……

男「あぁぁぁ…ずっと立ちっぱなしはしんどい」

店員A「学校帰りにここはしんどいよなぁ~」

男「いらっしゃいま…後輩!?」

後輩「こ、こんばんわ…」カァァ

男「あ…はい、カードお預かりします…はい…」

後輩「これで…お、お願いします」

男「畏まりました。はい、どうぞ」

後輩「あと…これ…どうぞ…クッキーです…休憩時間にでも…」

男「えっ…」

後輩「し、失礼しますっ! がんばってください…」ピュー

男「へ…へ…」

店員A「裏山死刑」

……
男(それにしても、どうしてクッキーなんか…貰えたんだろうか)

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 23:20:23.40 ID:Fj/faWSz0
……数日後

男「はてさて……給料日……ぬぬぬっ」

男「やったぁぁぁ! 漸く…届くぞ……俺の新しい彼女!」

男「楽器屋レツゴーだぜ」

女「よかったね。で、誰かと行かないの?」

男「あぁ、どうしようかな…」

女「後輩ちゃん、一緒に行ってあげたら?」

後輩「えっ、わ…私ですか?」」

女「適任だよ。最終判断は後輩ちゃんに委ねる!」

男「別に無理しなくていいぞ? 嫌だったら別に」

後輩「い、行きます! 男先輩のギター選びます!」

男「いや、もう決めているんだけどね…」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 23:24:02.53 ID:Fj/faWSz0
……楽器屋

男「これなんだよ。これ」

後輩「フェンダーですね……好きなんですか?」

男「何よりこのストラトシェイプが好きでさ……ずっと憧れだよね」

後輩「でもよく見ればピックガードは鼈甲なんですね…」

男「だなぁ…でも、これは追々交換できるからな」

後輩「そうなんですか?」

男「うん。今なら特価で59800円なんですよねぇ……ここまでが長かった」

後輩「よかったですね。本当に…」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 23:25:37.41 ID:Fj/faWSz0
>>32 シャンデリアっす。個人的に鬼畜アベさんを味わえる曲だと思ってる。


男「新しい恋人だからな。大事にするんだ!」

後輩「恋人…ですかぁ…?」

男「うん! ギターは恋人だよ。抱いて一緒に寝たいぐらいだ!」

後輩「……ちょっと嫉妬」ボソッ

男「え? 何?」

後輩「なんでもありませんよーだ! 早くレジに行きましょ!」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 23:29:51.42 ID:Fj/faWSz0
……購入


男「やったぁ……本当に達成感!」

後輩「よかったですね。大事にしてくださいね」

男「名前付けないと…何にしよう……」

後輩「ジェニーなんてどうですか?」

男「お、ジェニー……いいな! それ!」

後輩「えへへ……先輩好きなバンドの曲名から…取ってやりました」

男「よかった……フトシとか言われたらどうしようと思ってた」

後輩「同性愛みていになるところでしたね……」

男「今日はありがとうな」

後輩「早く弾いてる所見せて下さいねっ!」

男「任せとけ、明日から本格復帰だからさ…」

後輩「はいっ!」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 23:34:24.32 ID:Fj/faWSz0
……後輩の家

後輩(なんでいつからか先輩が好きになったんだろう……)

後輩(演奏もダサいのに……)

後輩(でも…先輩は私のことどう思っているんだろう……ただの後輩か…嫌な子と思ってるのかな)


……男の家

男「ジェニー!! よろしくなっ」

姉「キモイ。ギターに名前つけんな」

男「この命名は後輩からだ。お前には文句は言えまい」

姉「ふーん。後輩ちゃんねぇ~彼女?」

男「違うよ。でもいい子だよ。将来幸せになってほしい」

姉「へぇ~。見てみたいわ」

男「うん。小柄で必死にベースを弾いているところを見るとキュンキュンする」

姉「キモ、ロリコン」

男「ちげぇ。1歳下でロリコンとか生きるのつらすぎるわ」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 23:39:17.29 ID:Fj/faWSz0
……翌日

男「ふぁぁぁ」

女「おはよう。というわけで、顧問から指令をいただきました」

男「えっ、何」

女「なんかなんちゃら軽音楽コンクールの応募をするみたいだから、オリジナル曲を作れという指令」

男「うわぁぁ……オリジナル……黒歴史になりそうだ」

女「あんたが、既に黒歴史の塊だし問題ないでしょ。というわけで、2年は全員参加だから」

男「嫌だァァァ……」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 23:41:09.72 ID:Fj/faWSz0
【部室】

男「歌詞かぁ……インストでいいよね?」

女「駄目、ふざけてんの?」

男「とりあえずコード進行はずっとDで…」

女「単調とか冒険し過ぎ」

後輩「先輩何しているんですか?」

女「コンクールで曲作りよ」

後輩「へぇ~凄いです……女先輩が作るんですか?」

男「俺は絶対に歌詞は作らんぞ」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 23:43:54.68 ID:Fj/faWSz0
女「一人一曲で、ライブでバンド演奏しないといけないの。来年は1年がやるのよ」

後輩「ひぇぇぇ……作曲とか凄い世界ですね」

男「楽譜すら読めんのに……どうすんだよ……マジで」

女「あんたはずっとタブ譜で練習しているばっかだらでしょ。音符で練習しないからそうなる」

後輩「男先輩の曲楽しみにしますねっ!」

男「やめてくれ。聞き流してくれ…な?」

後輩「iPodに入れて毎日聴いてやりますよ♪」

男「だめだだだだだだ!」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 23:46:11.75 ID:Fj/faWSz0
男「でも…歌詞とか曲ってさ、やっぱり感情が大事じゃん」

女「そうだね~景色とか思い浮かべて、それに歌詞を載せたりしてさ」

男「俺ちょっと、休みに一人旅してくるわ」

女「一人旅~いいわね。それで色々感じ取ればいい曲書けるかもね」

男「歌詞は恥ずかしいからまだつけんが……作るならのっぺらな曲は作れん」

女「急にヤル気見せたねぇ」

男(後輩に妙に期待されてるし、中途半端ななのは作れん)

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 23:50:30.71 ID:Fj/faWSz0
……休日

男「さて、母さん旅にでる」

母「そんな装備で大丈夫か?」

男「いや、携帯と財布とパソコンとギターで大丈夫だ」

母「そうか。旅は道連れ世は情けというじゃないか」

男「じゃあいってくる」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 23:54:40.15 ID:Fj/faWSz0
……

男「ん……あれは、後輩じゃないか」

後輩「……うーん」

男「だーれだ」ガシッ

後輩「んなっ!! なっ、だれ …せ、先輩!!」

男「ゴメンゴメン」

後輩「どうしたんですか? 楽器なんて持って」

男「ちょっと旅に出るんだ」

後輩「そうなんですか……」

男「一緒に来るかい? (なーんて)」

後輩「えっ、いいんですか!? い、行きます!」キラキラ

男「えっあ、はい(冗談のつもりで言ったんだが)」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 23:59:46.20 ID:Fj/faWSz0
……ガタンゴトン

男「でも付いてきてもあんまりおもしろくないよ」

後輩「いいんです」

男「特に話す話題もないかもしれんぞ?」

後輩「いいんです。ずっと喋らなくてもいいんです」

男「いいの? 戻るなら今だよ?」

後輩「えへへ、先輩とどこか遠くに行けるって何かいいじゃないですか♪」

男(しょうがない日帰りだな…)

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/17(土) 00:01:08.34 ID:NAlk7hUc0
……どこか遠めの駅

男「何も無いなぁ」

後輩「どうしてここに降りたんですか?」

男「いやぁ、人ごみから離れたかったからねぇ~」

後輩「なるほど……」

男「みんなと一緒にいると、普通な音楽しか作れない気がしてさ」

後輩「そうですね……」

男「まぁ、後輩がいるけどね。まぁいいや~一応マイナーな観光地なんだとよ」

後輩「隠れた名所ってところなんですか」

男「海も近いみたい。まぁ夏場は海水浴で少しは人が来るみたいだけど、今は冬近いし」

後輩「海も見に行きましょう」

男「寒いぞ? いいのか?」

後輩「行きましょう、別に海に入るわけじゃないんですから」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/17(土) 00:03:10.37 ID:NAlk7hUc0
……海辺

男「うおおおおお…寒いな」

後輩「風が強いですね」

男「よし、離れよう」

後輩「あはは…そうですね」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/17(土) 00:04:29.08 ID:NAlk7hUc0
……

男「あぁ~それにしても人が少なくてなんだかゆったりしている」

後輩「はい。都を離れて~ってなんでしたっけ?」

男「うーんわからん。でも都忘れって花があるじゃないか」

後輩「初めて聞きました」

男「都の日々を忘れるぐらい綺麗な花…という意味らしいけど」

後輩「へぇ~。いいですね。そんな曲が書けそうですか?」

男「深すぎる。そこまで悟った歌詞や曲は書けそうにもないや」

後輩「先輩なら出来ますよ」

男「でも、本当、バイトで体疲れていたからさ…なんとなくリフレッシュ」

後輩「へへっ、そうですね。いいものですね」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/17(土) 00:06:16.88 ID:NAlk7hUc0
……

男「さて、ここでバスを乗れば……あっ」

後輩「どうしました?」

男「バス、おい、まだ早いだろ! おい…おーーーい」

後輩「ど、どうしました!?」

男「ありゃ……今日の最終バス言っちゃった」

後輩「んなっ……そんな」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/17(土) 00:08:22.99 ID:NAlk7hUc0
……近くの旅館

男「もう夜道歩くのは…やめとった方がいいよな」

後輩「ぁぁ、そ…そうですけど」

男「男女で高校生2人で……旅館は流石に」

後輩「えと……どうしましょ…」

男「仕方ない、兄妹という設定で…」

後輩「ほ、本当にですかっ!?」

男「あぁ……それしか選択肢が無い……それに道知らないし」

後輩「もう足痛いし……ちょっと待って下さいね……お…お母さんに電話しますっ」

男「本当にゴメンな」

後輩「いいんです……もともと私が行きたいといってしまったので……もしもしお母さん…うん」

男(しかし後輩と二人っきりで……死ねる)

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/17(土) 00:11:52.30 ID:NAlk7hUc0
……部屋

男「まぁ、のんびり過ごそう」

後輩「は…はい…」

男「さて……テレビでも……見ようかな」

後輩「先輩、でも凄いです……なんていうかロビーでの受付の落ち着き」

男「あぁ、接客業しているからな……なんつーかそういう面で役に立つ」

後輩「頼りになります…」

男「いや、頼りになったら、こんな目にはならないんだけどね…」

後輩「あっ、お風呂行きませんか? その」

男「あ、そだな。もう足痛いし、温泉でも浸かるか」

後輩「行きましょう」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/17(土) 00:13:50.47 ID:NAlk7hUc0
……

男「あぁ…いい湯だった」

後輩「いいですね……こんな温泉があったなんて」

男「浴衣ぁぁ~」

後輩「えへへ~せっかくなんで着ました」

男「泣ける」ウッ

後輩「ど、どうしたんですか!?」

男「俺、死んでもいい」

後輩「死なないで先輩!」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/17(土) 00:16:16.17 ID:NAlk7hUc0
……部屋

男「布団がセッティングされていた」

後輩「兄妹という設定なので普通に2つで別れてましたね」

男「そだな……よし、ちょっとだけ曲作るわ」ジーッ

後輩「あ、ジェニー」

男「うん。こいつも一緒だったから二人旅だったんだな」

後輩「私もアベ持ってくればよかったかなぁ」

男「あははセッション」ジャカジャカ

後輩「…ははは」

男・後輩(気まずい)

男(集中できねぇ……さっきから簡易なコード進行しか出てこない)

後輩(どどど…どうしよう…先輩と同じ空間で寝るのは……)

男(てか、後輩と一緒の空間で寝るなんて……マジヤバイ)

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/17(土) 00:18:08.31 ID:NAlk7hUc0
……布団

男「もう冬だなぁ…」

後輩「そ…そですね」

男「……寒くないか?」

後輩「そ、そうですね……ちょっと」

男「そっちいってやろうかw」

後輩「お…お願いします…」

男「え」

後輩「え」

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/17(土) 00:19:38.01 ID:NAlk7hUc0
男「じょ…じょうだ…」

後輩「き…きてください……」

男(どういうことだ……最近の後輩の甘え体制……女先輩はわたしのものですから一転)

後輩「き…きてくれないんですか」

男「……一緒の布団は流石に…ねぇ」

後輩「だいじょうぶです……先輩は、優しいですから」

男「はい…来てしましました」

後輩「流石先輩です…」

男「お、おう…」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/17(土) 00:20:56.86 ID:NAlk7hUc0
後輩「先輩、暖かいですね…」

男「ま、まぁ2人もいればさ、そうなるだろうさ」

後輩「えへへ……先輩、私、先輩のこと好きなんです」

男「こ、告白っ!?」

後輩「えへへ…先輩は恋人はジェニーですよね…」

男「えっと。えっと、まぁそういう設定ですが…」

後輩「私が、その恋人奪って、私がそこに入ってもいいんですよね…」

男「え、え、本当に言ってるの?」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/17(土) 00:22:24.32 ID:NAlk7hUc0
後輩「先輩は、……とても大切な存在なんです」

男「う、うん」

後輩「まだまだ……先輩のこと知りたいですし、私も知ってほしいんです」

男「そ、そうか…」

後輩「先輩に甘えると……心地良いです……本当に……」

男「あはは……」

後輩「先輩…」ギュッ

男「よ…よろしく…」

後輩「……いいですか…? 先輩」

男「うん。なんていうか、うん…俺なんかでいいのかな?」

後輩「はい……先輩」カァァ

男「えっと、はい…よろしくね…はは……」

後輩「男先輩は私のものですからっ……ふふ…」

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/17(土) 00:24:57.58 ID:NAlk7hUc0
世界の終わり



ちょっと打ち切りぽいですが、これで終わりです。
青春っぽい何かを書きたかったんですが、ちょっと違いますね。
でも、それが逆に青春なのかもしれないです。
ちなみにミッシェルは最近聴き始めてハマったので、作品に混ぜてみました。
高校時代軽音楽部だったので、その思い出もまぜてつくってみたんですがね

引用元: 後輩「女先輩は私のものですからっ!」