1: ◆Vysj.4B9aySt 21/08/15(日)07:03:48 ID:Qz4t
――事務所

サー

冬優子「ふぅ、嫌な雨ね……」カサバサバサ

あさひ「冬優子ちゃん、冬優子ちゃん!」バタバタ

冬優子「ん?どうしたのかな、あさひちゃん」

あさひ「…………今、事務所には誰もいないっすよ」

冬優子「うっさいわね。いつ何処で何を言われるかわからないご時世なのよ。ふゆモード全開で文句ある?」キッ

愛依「まぁまぁ、冬優子ちゃん落ち着きなって。で、あさひちゃんは何かあったのかな?」

冬優子「そうよ。こんな雨の中に呼び出して」

あさひ「あ、そうだったっす」

冬優子「あ~さ~ひ~」#





あさひ「今日、記念日なのにおまんじゅうがないっすね」

冬優子「はぁ?」

2: ◆Vysj.4B9aySt 21/08/15(日)07:06:00 ID:Qz4t
お盆は今年は20~22日と聞いて



今日は1945年のあの日本で一番長い日、ポツダム宣言を受諾した日です

よろしかったらお付き合い下さい

3: ◆Vysj.4B9aySt 21/08/15(日)07:13:37 ID:Qz4t
TV『今日、76年目の終戦記念日~』



あさひ「ね。記念日っすよ」

冬優子「はぁ~、頭痛い……」

愛依「優しさ半分でできた頭痛薬なら……」

冬優子「いらないわよ!」

あさひ「ねぇ、おまんじゅうはないっすか?」

冬優子「……」



「戸棚の一番上。チョコレートの箱の下にあるわよ」

あさひ「さすが冬優子ちゃんっす!」ガタッ

愛依「あ、あさひちゃん!戸棚の一番上って、あさひちゃんじゃ……」

バタバタバタ





バタバタバタ

あさひ「ハシゴは何処っすか?!」

冬優子「はぁ~」

愛依「う、うちが取るから……」

4: ◆Vysj.4B9aySt 21/08/15(日)07:19:14 ID:Qz4t
パクパク

あさひ「このおまんじゅう、おいしいっすね」パクパク

愛依「な、なんか超高級そうな箱なんだけど……」オソルオソル

冬優子「……一箱5000円よ。大事に食べなさいよ」

愛依「ご、ごせんえんっ!?」

あさひ「うまいっす!うまいっす!」

冬優子「まぁ、あさひには馬の耳に念仏かしら」





愛依「で、何でこんな高級なおまんじゅうなんかあるんすか?」

冬優子「それは……」

あさひ「で、冬優子ちゃん。何で記念日なのにおまんじゅうが用意してなかったんすか?」

冬優子「……」





「……その日を記念日なんかにしたヤツの頭をカチ割りたいわよ」

あさひ「?」

冬優子「何でもないわよ」

愛依「冬優子ちゃん……」

5: ◆Vysj.4B9aySt 21/08/15(日)07:31:27 ID:Qz4t
冬優子「とりあえず、日本がポツダム宣言……はっきり言えば降伏勧告を受け入れた日ってのは知ってるわよね」

あさひ「はいっす!でも満州では五式砲戦車や四式突撃砲戦車がまだまだ活躍したっすよ!」

愛依「それって、アユマリンの……」

冬優子「アニメの話はいいわ。実際に米軍最後の戦死者は8月15日以降だしね」

「……ふゆが問題にしたいのは、負けたことを記念にしている脳細胞を持った連中についてよ」

愛依「あ……」

冬優子「そうね、ふゆには戦争に参加したわけでもないし、あの時代に生きていたわけでもないわ」

「だから戦争そのものの功罪を問う気なんかないし、断罪する資格も権利もない」

あさひ「でも、冬優子ちゃんにとっては望ましい現実じゃないんすね」

「あの戦争自体は私たちからどんどん遠ざかっているのに、逆に近づいて来ているように感じてるんすか?」

冬優子「……」





「あんた。たまに、恐いぐらい的確に指摘するわよね」

6: ◆Vysj.4B9aySt 21/08/15(日)07:44:51 ID:Qz4t
冬優子「……何もできないわよ。たかが一アイドルグループの一人に過ぎないふゆが、戦争について持論を述べたところで、どっかのメンタリス(ry と同類扱いされるだけ」

「できるといったら、せいぜいインタビューでアホみたいに『戦争なんかイヤです』とか言わされるぐらいよ」

「下手に変な波風立てて、ストレイライトに黒雲を「そんなの、冬優子ちゃんらしくないっすよ」

愛依「……ウチもそう思う。具体的に何かっていうのは思いつかないけどさ」



冬優子「……ありがとう」



「なら、ストレイライトらしい戦争考察についてみんなで考えないとね」

あさひ「そういうのは冬優子ちゃんの仕事っす!」

冬優子「あ~さ~ひ~ちゃーん?」

あさひ「降り懸かる火の粉はなんとやらっすよ」ビュー

冬優子「あ、こら!…ったく。で、愛依は……」

愛依「36計逃げるが勝ちと」ビュー

冬優子「それが簡単にできたらいいわよ……」



「まったく……」

7: 名無しさん@おーぷん 21/08/15(日)11:37:23 ID:Qz4t
冬優子「……」

「本当にあの戦争を断罪し、非難できる資格があるのは……」





「実際に戦場で死んでいった……人たちだけだから…………」





『第三二軍はおよそ三ヶ月半にわたり決死敢闘、帝国陸軍の本領発揮の機会を十全に得られたり。』

8: 名無しさん@おーぷん 21/08/15(日)11:51:21 ID:Qz4t








あさひ「あれ?冬優子ちゃん、追い掛けてこないっすね」

愛依「マジ……」

あさひ「……戻るっすよ」

愛依「そうだね。今日の冬優子ちゃん、少し調子が違っていたからね」

あさひ「怒って追い掛けない冬優子ちゃんなんて……心配っす」

愛依「もしかして……誰か知り合いが戦争に参加していたとか?」

あさひ「パソダジュエリーの人みたいっすね!」

愛依「うんうん!あ、ならコンビニ行く?」

あさひ「行くっす!」

9: ◆Vysj.4B9aySt 21/08/15(日)11:52:26 ID:Qz4t

――こうしてコンビニチキンを買占め、食べ切れなくてまた冬優子ちゃんに怒られるあさひちゃんでした

まる

引用元: 【シャニマス】冬優子「ふゆには……戦争を断罪する資格も権利もないのよ」