1: お久しぶりですと言っておきます 2018/09/03(月) 15:55:27 ID:2Mcj1gYY
ーーアリアハン城、謁見の間

王様「よくぞ来た、勇者オルテガの息子よ!」

いっぴきおおかみ勇者「…どうも」

王様「さて勇者よ、早速だがそなたには魔王を倒す旅に出てもらう…が!」

勇者「…が?」

大臣「今まで数多の勇者が大魔王を倒すために旅をしてきた。成功した者もあれば、道半ばで倒れた者もおる」

勇者「成功した…?成功したなら、もう俺は旅に出る必要が…」

王様「故にじゃ!ただ魔王を倒すだけでは面白くないからのう。そなたには縛りプレイをしてもらうことになったのじゃ!」

勇者「なったのじゃ!と言われてもな…」

大臣「まず、勇者殿に大事なアイテムを渡そう」スッ

たびびとのふくを手にいれた!こんぼうを手にいれた!こんぼうを手にいれた!ひのきのぼうを手にいれた!

勇者「…これが、大事なアイテム?」

王様「さよう。今回の縛りは…『誰かが死んだら装備品を投げ捨てる』じゃ!」クワッ

勇者「………はあ?」

2: やっぱりドラクエ3が好き 2018/09/03(月) 16:05:54 ID:2Mcj1gYY
王様「ふむ、分からぬか?大臣、説明を」

大臣「はっ。では説明させてもらいます…とはいえ、王様が言った通りでな。勇者殿か仲間の誰かが死んだら、装備品を1つ、投げ捨ててもらう。つまり誰かが死ぬ度にパーティーの戦力は落ちて行くだろうな」

勇者「何故そんな…」

大臣「そして大事なことじゃが…買い物は禁止じゃ」

勇者「はあ?そんな…」

大臣「更に!ストーリーが進まなくなるような貴重品以外は宝箱のものを我が物とするのも禁止じゃ!」

王様「どうじゃ?過酷で面白そうじゃろう」ワクワク

勇者「失敗する気しかしねえな…」

王様「ただし!わしも鬼ではない、それ以外の入手方法なら私物化しても構わん!」

勇者「それ以外、っつーと…」

大臣「盗み、それからあなほりじゃな。ああ、モンスターが落としたアイテムは自分のものにしてよいぞ」

王様「これでお主もどのような者を仲間にすべきか分かったじゃろう、はっはっは!」

勇者「仲間なんて…俺は別に1人でも…」

???「いけないわ、仲間は大事よ。四人でパーティーを組みなさい、冒険に出るならね」

勇者「誰だ?」

3: 今回はゆっくり更新するよ 2018/09/03(月) 16:14:59 ID:2Mcj1gYY
使者「私?私は…そうね、王様の使者、とでも言うべきかしら?職業は魔法使いだけれどね」

勇者「魔法使い?まさかあんたを仲間にしろってのか?」

王様「そうではないぞ勇者よ、お主の仲間は皆男にしてもらう」

大臣「女子だけでキャッキャ言わせてれば人が付くとでも思ってそうな書き手に現実を見せてやらねばならぬのでな」

勇者「何の話だ…?」

使者「こちらの話よ。さて勇者殿、私がルイーダの酒場まで案内しましょう。着いてきて」

勇者「バカにするな、ルイーダの酒場くらい知ってる」

使者「他にも寄る所があるのよ、さ、行くわよ。王様、大臣、失礼します」ペコリ

王様「うむ、アドバイザーよろしくな」

使者「さ、行きましょう…ああ、そうだったわ。あの二人ーー王様と大臣は言わなかったでしょうけれども…」

勇者「なんだ?まだ何か…」

使者「16歳のお誕生日おめでとう、勇者殿」ニコッ

勇者「…あ、ああ」

使者「じゃあ行きましょう。さっきも言ったけど、少し寄り道するから、ちゃんと着いてくるのよーー」

4: ※パラレルですよ、色々と 2018/09/03(月) 16:26:16 ID:2Mcj1gYY
勇者「こうやって城の中歩き回るのは初めてだな…」

使者「お城の中なんて、来る機会ないでしょうからねーーここよ」

勇者「ここ?ただの倉庫じゃ…」

倉庫番「お?なんだお前、仕事は良いのか?」

使者「今まさに仕事中よ。ほら、この方が勇者殿よ」

勇者「…どうも」

倉庫番「勇者?って事はオルテガさんの息子さんか!俺は昔オルテガさんに世話になってな…そうか、オルテガさんの息子が旅立ちの歳か…」

勇者「親父に世話に…」

使者「そうよ。まあ、貴方のお父さんに世話になった人はこの国には沢山いるけれどもね。それで貴方に相談があるのだけれど…」

倉庫番「ふんふん…はあ?なんだその縛りは…」

使者「それが王の意向だから。それでね…」

倉庫番「ああ、分かった。この倉庫の物を、今すぐにとはいかないがーーそうだな、自力でこの倉庫に入れるようになったなら、それまで足袋が続けられているのなら…この倉庫の物を勇者殿に差し上げよう」

勇者「…良いんすか?」

倉庫番「構わねえよ、俺はそれだけオルテガ殿に世話になったんだーーじゃ、道中気を付けてな」

使者「ありがとうね。さて…それではルイーダの酒場に行きましょう」

5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/03(月) 16:37:37 ID:2Mcj1gYY
ーールイーダの酒場、2F

使者「さて、ここで仲間を登録してもらうのだけれども、王様からいくつか言っておくように言われてるの」

勇者「まだ何かあるのか…」

魔法使い「まず、同じ職業の人を二人以上仲間にしないこと。あと、戦士は必ず仲間にすること」

勇者「戦士を、ねえ。あの縛りだと戦士は厳しそうだが…」

使者「だからこそ、という事らしいわよ。あと、登録する際仲間にサービスで種が使えるけど、これはお任せ、つまりランダムにするように、との事よ」

勇者「どんな性格になるか分からない、って事か」

使者「そういう事ね。さあ、登録を済ませてもらえる?」

勇者「仲間、か。あまり考えた事も無いが、まず戦士と、縛り的に盗賊もいるだろうな。後はあなほりの商人か、装備が少なくても戦える武道家か…」

???「商人が良いと思います!あなほり、あなほりでアイテムたくさん手に入りますよ!しかも男子はいけめんで女子はきゅーと!商人わよろしく!」

勇者「な、なんだあんたは?!」

女商人「あたしは通りすがりの商人だよ!勇者サマ、商人を宜しく!じゃ!」タタタ…

使者「…行ってしまったわね」

勇者「まあ、あそこまで言うなら商人にするか。どうせ最初は1人で旅するつもりだったんだ、どっちが仲間でも変わらねえからな」

7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/03(月) 16:51:10 ID:2Mcj1gYY
登録所担当「……さて、これでお仲間の登録は完了しましたよ」

まけずぎらい戦士「おう、よろしくな勇者!ま、俺は勇者にだって負けんがな!」

いのちしらず盗賊「どんな危険な冒険が待ってるんだろうな…わくわくするぜ」ニヤリ

ふつう商人「よ、よろしくお願いします…あ、あのー、僕なんかで本当に良いんでしょうか…」

使者「ふふ、前のめりなパーティーね」

勇者「笑い事じゃないと思うが…まあいい。どうせ俺一人いればなんとでもなるさ」

戦士「お、いうねえ~!負けねえぞ俺は!」

盗賊「ははっ、良いねその負けん気、嫌いじゃないぜ」

商人「頼もしいなあみんな…」

使者「さて、じゃあ私はここで失礼するわねーーああ、最後に1つ、良い忘れていたのだけれども」

勇者「まだ何かあるのか?!」

使者「次の場所に付くまでに時間制限を設けるとの事よ。今日を一日目として、明日までにレーベかどこかのダンジョンなりほこらなりに着くこと。それから2日ごと、偶数日目には新しい場所に着くようにすること。出来ない時は一日につき1つ、装備品を投げ捨ててもらうわ」

商人「そ、そんな縛りが…大変だなあ…」

戦士「大変だなあじゃねーだろ、お前も一緒に旅するんだよ!」

使者「そうよ、じゃあ力を合わせて頑張るのよ。じゃあねーー」

9: 待っててくれてる人が至ってだけで、もう… 2018/09/04(火) 17:00:46 ID:7GXw49Eo
大臣「おお、帰ってきたか。案内は無事終わったか?」

使者「ええ、滞りなく」

王様「ご苦労であった。しかしまた勇者達に伝えるべき事が出来たなら、お主に行ってもらうからな」

使者「かしこまりました」

王様「しかし、待っててくれてる人がまだいたとは、嬉しい事じゃのう」

使者「わざわざ待っててくれたのに縛りのせいで道半ばで倒れる可能性が高いのですが」

大臣「その時は過酷な縛りを課した王様が糾弾され、代わりに私が王座に座る事になるかもな、ははははは!」

使者「もう少し野心を隠して下さい」フウ…

王様「ちなみに、エルミのやつの続きも書きたかったが、なんだかしんどそうなのでとりあえず書きたいものを書こうと思ったのじゃ。これとあの話との関係は…ないな、今のところはな」

大臣「全てはこれからですな。とりあえずは彼らの無事を祈るのみですな」

使者「彼等があまりにも早く斃れれば、別の話を書くことになるかも分からないけれどもね…」

10: ※この後2まで上がりました 2018/09/04(火) 17:11:46 ID:7GXw49Eo
ーーアリアハン郊外

商人「モンスターめ、このー!」ボカッ

かいしんのいちげき!スライムをたおした!

戦士「お、やるじゃねーか!」

商人「はあ、はあ…な、なんとか戦えそうです…」

盗賊「こんぼうなんてゴツい武器持ってるんだ、それなりにやってもらわなきゃな」

戦士「オメーはなんでこんぼうも装備出来ねーんだよ!」

盗賊「そんな不格好な武器使ってられるかよ…お、なんだ勇者、さっきから黙りこんで」

勇者「俺は…この日を待ってた。親父の後を追って旅に出る日を、魔王を倒す旅に出る日を…オメーら、足だけは引っ張るなよ」

戦士レベル2「あ?言うじゃねーかおい!」

商人レベル3「は、はい。ど、努力します…」

盗賊レベル2「お前…一人だけレベル1で良くそんな事言えるな…」

勇者レベル1「う、うるせー!大器晩成なんだよ俺は!」

戦士「やーいやーい、レベル1~」

商人「はあ…大丈夫なのかなこのパーティー…」

11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/04(火) 17:45:55 ID:7GXw49Eo
商人「…いつの間にか夜になってしまいましたね」

戦士「この時間まで戦っても全然余裕だな!モンスターってのも大したことねーなおい!」

盗賊「まだ始まったばっかじゃないかよ、今からだろスリルがあんのは」

勇者「その通りだ、こんなとこではしゃいでらんねー」

商人「大変なのはこれからですよね…」

勇者「装備で強化もろくに出来ねーしな、キツいのはこれからだ」

盗賊「とりあえず明日はレーベか?縛り的にも先に進まないといけないだろ」

商人「レーベ周辺には、かわのぼうしを持っているモンスターもいるそうです。数少ない装備品を手にいれるチャンスかもしれないですね」

戦士「マジか!ちゃんと盗めよ盗賊!」

盗賊「努力はするけどな…」

商人「というか…アリアハン大陸にいる間はかわのぼうししか手にはいる装備はありません…」

戦士「マジで!?」

盗賊「良いね、スリルあるじゃないか」ニヤリ

勇者「ちっ、ガチで面倒な縛りだな…」

14: スマホボロボロ 2018/09/05(水) 15:20:27 ID:wGBY4NbI
ーー夜、勇者自宅

戦士「イエーイ!勇者、お誕生日おめでとー!」カンパーイ!

勇者母「いっぴきおおかみの息子の為にこんなに集まってお祝いしてくれて…」ヨヨヨ…

勇者祖父「我が息子オルテガはな、それは勇敢な男じゃった!旅立つ前にもな…」ヒック

商人「す、凄いですね…さすがオルテガさんだ…」

盗賊「全くだ。俺もそんな風にありたいもんだな」

勇者「…なんだこれは」

使者「何って、お誕生会じゃない。みんな貴方のお誕生会をお祝いしてるのよ」

勇者「なんであんたが居るんだ?…もしかしてこれはあんたの差し金か?」

使者「さあ、どうかしら?ただ、あの面子ではすぐに打ち解けはしないだろうとは思ったけれども」

勇者「だから、パーティーなんて要らなかったんだよ!親父だって1人で旅立ったんだ、俺だって…」

祖父「それは違うぞ孫よ!」

勇者「違う?何が…」

祖父「確かにお前の父は旅立つ時は1人じゃった。しかし、1人で出来る事には限界があるとも言っておった。おそらくは旅先で仲間を集めていたのじゃろう」

勇者「…」

15: な訳で更新遅れるやも 2018/09/05(水) 15:34:50 ID:wGBY4NbI
祖父「仲間は大事じゃ!わしも若い頃は…えーと、どうじゃったかな…」ウーン…

勇者「ちっ、酔っぱらいめ…」

使者「でも、仲間にするあてがあったのは事実みたいよ。確か…サイモンとかいう他所の勇者と合流する予定もあったみたいだし…」

勇者「なんでそんな事知ってんだ?」

使者「大陸を隔てても、連絡を取る手段位はあるわよ。そうでないと…貴方の父上の…」

勇者「火山に落ちたって最期も分からない、ってか?」

使者「…今までいっぴきおおかみとして生きてきて、急に仲間だ何だと言われても戸惑うとは思うけど…でもいつか必ず仲間がいて良かったと思う日が来ると思うわ」

戦士「そーだそーだ、俺はありがてーぞ!」ガハハ

勇者「ホントか…?まあいい、ここはあんたに騙されておくぜ」

使者「そうよ、大人の顔は立てとくべきよ」ニコッ

勇者「…そういうもんか」

盗賊「おっ?勇者さては…へえー」

勇者「…なんだよ」

盗賊「いやいや別に。使者さん、またたまにはこうしてこいつに会いに来てくれよな。次はきっともっと成長してるからな!こいつも嬉しいだろうしな!」ニヤニヤ

勇者「別に嬉しくもないが…なんか余計なこと考えてやがるな…」

16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/05(水) 15:46:05 ID:wGBY4NbI
ーー2日目、レーベの村

商人「おお、レーベだ!皆さん、着きましたよレーベに!」

勇者「うるせーな、言われなくても分かってるよ」

戦士「レーベか、俺はあんまり来たことねーなあ」キョロキョロ

盗賊「こんな田舎わざわざ来るまでもないからな。さあ、そんな事よりさっさと魔物退治してレベル上げようぜ」

戦士「待てよ、あんま来たことないって言ってるだろ。もう少し見て回って…」

盗賊「だから、見て回る物なんかないって。それとも何か、怖じ気付いたか戦士さんよ?」

戦士「ああ?てめえ誰に向かって言ってやがる!」

勇者「…ちっ、うぜーな」

商人「ああ、またケンカに…そうだ!昨日使者さんに教えてもらった冷静になれる歌を…やーまっかわー、やーまっかわー、やーまかーわーほーだかー♪」

盗賊「!?そ、その歌は…」

戦士「ぐ…ああ…やめろ…やめてくれ…」

勇者「ぐ…現地で初生岸を見られるとはしゃいでたのに…2打席連続でスタンドに放り込むのはやめろオ!」

商人「す、凄い効果だ…心なしか勇者さん達以外の感情が滲み出てる気がするし、これは本当に冷静になってると言えるのかは分からないけど…」

17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/05(水) 15:57:25 ID:wGBY4NbI
ーー3日目、レーベ郊外

勇者「らあっ!」ガンッ

おおありくいをたおした!まもののむれをやっつけた!

商人レベル5「ふう…昨日はこの辺の魔物にかなり苦戦しましたけど、今日は少し楽になりましたね」

盗賊レベル5「レベルが上がったからな。昨日の方がスリルあったけどな」

戦士レベル4「これなら明日次の場所行っても問題無さそうだぜ!」

勇者レベル3「そんな簡単なら良いけどな…まあ、縛りがあるから行かざるをえないんだけどな」

盗賊「それにしても…1つくらいアイテムが手にはいると思ったんだけどな」

商人「まさか装備品はおろかやくそうの1つも手に入らなかったですからね…」

戦士「盗賊ってのはもっとバンバン盗めるもんじゃねーのかよ!?」

盗賊「そんなに簡単だったらこの大陸盗賊だらけだろ。ま、もう少し上手くやりたかったのは事実だけどな」

勇者「関係ねーよ、やるしかねーんだ。お前ら、足引っ張るなよ」

戦士「おめーには負けねーよ、レベルも勝ってるしな!」ガハハ

勇者「くそっ、こんなにレベル差が出るもんかよ…」

商人「ま、まあまだ始まったばかりですし…」

19: ーー4日目、勇者自宅 2018/09/06(木) 19:10:14 ID:UBi/9EiQ
母「おはよう。もう仲間の皆は起きてるわよ」

勇者「ああ…くそ、結局奴ら昨夜もうちに止まりやがった…買い物出来ない縛りなんだから金を節約する必要なんてないだろ…」ブツブツ

母「ダメよ、お金は貯めとかなきゃ。そうだ、今朝早く使者さんが来たんだけど」

勇者「!」ガバッ

母「手紙置いて帰って行ったわ。はい、これ」

勇者「なんだ、手紙か…」

盗賊「ん?なんだい勇者君、ずいぶんガッカリした様子だねえ」ニヤニヤ

勇者「はあ?別にガッカリしてねーし…っと、手紙は…」ガサゴソ

商人「なんて書いてあります?えーと…『レーベ南の茂みと岬の洞窟の入り口は別カウントで良いそうよ』ですか…」

戦士「は?どういう意味だよ」

商人「2日ごとに新しい土地へ行かなければいけない縛りに関してでしょう。例えば今日4日目で岬の洞窟、6日目でレーベ南の茂み、8日目でナジミの塔、といった感じで…」

勇者「ここに書いてある。『今は良くても後々この縛りきつくね?って王様が気付いたのではないかと思う』ってな」

戦士「おいおい、王様ってのは何も考えてねーのかよ?」

盗賊「まあ、書いてるやつが考えなしっぽいからな」

商人「えーと…で、でもこれはありがたいですよ!レベル上げはともかく、今のうちにやくそうなんかを用意しておかないといけませんから。なんでも、この大陸から出たらなかなかやくそうも手に入らないみたいですし…しかしこの縛り、不安になるなあ…」

20: ーー岬の洞窟 2018/09/06(木) 19:20:05 ID:UBi/9EiQ
盗賊「さて、岬の洞窟に着いたな…入り口を眺めた事はあったが、入るのは初めてだな」

戦士「なんだ、盗賊が根城にしてるみたいな場所なのにか?」

盗賊「今どきそんな盗賊流行らないって…お、すぐに階段があるな、下りようぜ」ザッザッザッ…

商人「薄暗くて不気味ですね…」

戦士「で、俺らはここで何すりゃ良いんだ?」

勇者「ちっ、んな事も知らねーのか?商人、説明してやってくれ」

商人「あ、はい。えっと、とりあえず僕達はこの大陸から海の向こうに行かなければいけないのですが…その為にはいざないの洞窟の封印を解かなければいけなくて、解くためにはまほうの玉が必要なのですが、その為には…」

戦士「あー面倒くせえ!結局次にやるのは何なんだよ!?」

盗賊「まほうの玉を手に入れる為に必要なとうぞくの鍵探しだな。そいつはナジミの塔にあるって話だ」

商人「ナジミの塔はこの洞窟を抜けた先にあるそうです。だからここに…」

戦士「あーそういう事か、分かった分かった!」ガハハ

勇者「ったく、頼むぜ本当に…」

戦士「問題ねーよ、俺はモンスター倒すだけだからな、はっはっはっ!」

商人「それはそうなんですが…頼もしいのか頼もしくないのか…」

21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/06(木) 19:32:00 ID:UBi/9EiQ
戦士「はっはー!このアリクイ野郎が!おらっ!ドゴン

おおありくいをたおした!まもののむれをやっつけた!

盗賊レベル6「ふう、この洞窟のモンスターはレーベ周辺と変わらないんだな。ちょっとスリルが足りねえなあ」

勇者レベル4「アリクイとウサギとカラス退治なんか出来て当たり前だしな」

商人レベル6「僕達のレベルもあがりましたからね」

戦士レベル6「ただ攻撃はちょっと痛えな。服じゃなくて鎧がほしいがなあ」

商人「ぬののふくとたびびとのふくだけでは不安ですよね…」

盗賊「何言ってんだ、だからこそスリルがあるんじゃないか」

戦士「てめーは素早いから素の守備力高いだろーが!」

勇者「確かにな、俺らは体力はあるが守りが弱え。盗賊は体力はイマイチだが守備力がある。ここらで隊列を考え直す必要があるかもな…」

盗賊「お、勇者らしくパーティーの事を考え出したな。使者のお姉さんにも言われてたみたいだしな!」ニヤニヤ

勇者「は?関係ねーよ!」

商人「盗賊さん、からかわないで下さいよ…あ、ちなみに今は勇戦商盗の順になってますよ」

盗賊「説明口調だな…」

22: ーー夜、アリアハン城下町 2018/09/06(木) 19:46:54 ID:UBi/9EiQ
戦士「あー、今日も戦ったな!後は勇者の家で飯だなおい!」

勇者「てめえ、少しは遠慮しろよ…」

戦士「してるじゃねーか、おかわりは三回までによお!」ガハハ

商人「ははは…でも今日は良かったですね、やくそうが3つ手に入りましたよ!」

勇者「回復アイテムがねーと今後が不安だからな、まあ良かったぜ」

盗賊「ない方がスリルがあると思うがねえ…」

戦士「スリルもいいがよお、オメーまだ1つも盗めてねーじゃねーか!」

盗賊「…悪かったよ、明日は上手くやるさ」

勇者「ったく、頼むぜ」

戦士「そういや明日から隊列変えるんだったか?盗戦商勇だったか?」

勇者「ああ、高い守備力の奴が先頭で壁になる方が結果的に長く冒険出来そうだからな」

商人「そして、そろそろ回復呪文を覚える勇者さんを後ろにして守る下形ですね」

盗賊「勇者は生命線だからな。ま、俺は先頭の方がスリルあって良いけどな

戦士「そんなことより腹へったぜ!早く勇者の家行こうぜ!」

勇者「てめーは真面目な話してる時に…」

24: スマホ新品に 2018/09/07(金) 17:40:50 ID:gF3Oi6oE
ーー5日目、岬の洞窟

勇者「この洞窟の魔物は楽に倒せるようになったな。少し先に進んでみるか」

盗賊「この先はちょっと違う洞窟のようだが、行って良いんだな?」

商人「ええ、2日ごとに進むのは入り口を数えるらしいので…それより、先頭でも大丈夫そうですか?」

盗賊「ああ、うさぎ程度の攻撃ならかすり傷だ」

勇者「やっぱり素早い奴が先頭に立つ方が良さそうだな、少なくとも相手の攻撃力が低い間は」

戦士「俺だっていつでも先頭出来るぜ!ちょっと辛いけどな!」

商人「戦士さん守備力低いですからね…たびびとのふく装備で僕がぬののふく装備した守備力と変わらないですもんね」

盗賊「戦士の装備は金かけてなんぼだからな。ま、とりあえずは俺に任せときなよ」

勇者「ああ、行けるとこまでこれで行って…どこまで行けるかな…」

25: 土曜日は更新出来ない事が多くなります 2018/09/07(金) 17:49:34 ID:gF3Oi6oE
ーーレーベ南の洞窟

戦士「そらそらそらあっ!」ボカッ

おおありくいをたおした!まもののむれをやっつけた!

戦士レベル8「はっはー!めちゃくちゃレベル上がったなあ!」

商人レベル9「勇者さんがホイミを覚えたのが大きいですね、ダンジョンに長くいることが出来るようになりました」

勇者レベル7「ルーラとニフラムも覚えたしな。正直上げすぎな気もするぜ」

戦士レベル8「レベルも上がったが、ついに盗みに成功したな盗賊!」

商人「しかもかわのぼうしですもんね!冒険失敗が少し遠ざかりましたよ!」

盗賊「ま、このくらいはな。しかもフツーに宝箱からも出て、かわのぼうしは2つになったな。俺と戦士で装備させてもらったぜ」

勇者「前の連中に倒れてもらっちゃ困るからな。にしても、かわのぼうし2つはかなり運が良かったが、やくそうの方はイマイチだったな…」

戦士「盗みと宝箱でこっちも今日は2つか。昨日の何倍もモンスター倒した割には少なかったなあ」

商人「こればっかりは運ですからね…でも、これが今後響いてこなければ良いのですが…」

26: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/07(金) 19:46:41 ID:gF3Oi6oE
ーーアリアハン、謁見の間

王様「先ほど勇者が挨拶に来たが…あやつ、ずいぶん強くなったようじゃのう」

使者「はい。時間制限があるので、回復呪文が続く限りダンジョンの中に籠っていたとか」

大臣「なるほどのう。縛りを逆手に取られた、という言い方は正しくないかもしれんが…」

使者「私もあそこまで長くダンジョンにいられるとは思いませんでした。勇者殿の回復呪文もそうですが、思ったよりずっと彼らはタフだったようですね」

王様「ふむ…順調なのは喜ぶべきであろうが、つまらんのう…」フウ…

使者「…勇者殿が力を発揮している事実は喜ばしいと思いますが」

大臣「しかし、ここから先は今までのようにはいきますまい。魔物もどんどん強くなりますからな」

王様「そうじゃな、もっとピンチになってもらわねば困るからな!」

使者「別に困りはしないと思いますが」

王様「ああ、楽しみじゃのう。やはり苦戦してこその冒険じゃからのう」ワクワク

使者「…はあ、困った王様ね、本当に…」

28: 私>>1。今雨の中ライトスタンドにいるの 2018/09/08(土) 13:08:12 ID:Yv1bM6X2
女商人「第51回!まーちゃんと・さみっとー!!!」パチパチパチ

商人「な、なんですか?!というか50回まではいつやったんですか!?」

女商人「という訳で、出先でノートがないから本編は更新出来ませんが、待ち時間がヒマ…サービスであたし達の会議の様子をお伝えします!てゆーか今時ノート!?デジタル化はどうしたの!?」

商人「僕に言われても…」

女商人「さあ、今日のお題は『再リメイクした場合どうすれば商人はより輝けるのか?』です!」

商人「再リメイク時ですか…やっぱり戦闘力を上げて…」

女商人「それじゃダメ!戦闘力は結局戦士や武道家に敵わないんだから、商人独自の強みを身に付けないと!」

商人「僕達の強み…お金を集めたり、鑑定したり…」

女商人「そう、鑑定です!例えばらいじんのけんとか、普通だと使ってもベギラマの効果しか出ないようにするの。で、高レベルの商人が鑑定した時だけ真の力を発揮して、ベギラゴンまで威力が上がるの!どう?」

商人「確かに、それなら僕達の存在感が出ますね」

女商人「凄いでしょ!さすがきゅーとでせくしーだいなまいつで知的でくーるびゅーちーなあたし!」

商人「そ、そうですね…」

女商人「さて、これで第51回まーちゃんと・さみっとは閉幕!次回開催は未定です!それじゃ!」

商人「あ、さようなら…ところであの人、誰だったんだろう…?」

30: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/09(日) 12:34:21 ID:1UQQ6uEc
6日目、ナジミの塔

戦士「ついに来たな、ナジミの塔!近くて遠いナジミの塔によお!」

盗賊「まあな。しかしやっぱり盗賊たるもの、洞窟よりは塔をアジトにしたいものだぜ」

商人「そんなに違いますかね…」

盗賊「そりゃ違うさ。とうぞくのカギを作ったバコタさんだって、塔に住みたかったんだと思うぜ。で、この塔にいるじいさんにカギを取られちまった、と」

商人「そういうもんでしょうか…」

勇者「しかし、昨日は死ぬほど魔物を倒したのに、さっぱり数が減ってなかったな。この塔も魔物だらけで…」

商人「あ、何か居ますよ!」

おおがらすがあらわれた!

戦士「…ああ?外にもいるようなザコじゃねーか」

勇者「ちょっと拍子抜けだな…まあ、もっと強い奴はいるんだろうが…」

31: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/09(日) 12:45:36 ID:1UQQ6uEc
ーーナジミの塔、2F

戦士「なんかなー、下の洞窟と代わり映えしないモンスターばっかりでつまんねーな。盗賊じゃねーが、スリルが足りねーぜ」

盗賊「まあな。だがそれより苦痛な事が俺にはあるな」

商人「?なんですか?」

盗賊「宝箱を開けずにスルーする事だよ。盗賊としてこれ以上の苦痛はねえよ」

商人「あー…商人としてもそれは辛いですね…」

勇者「なんでこんな縛りをするのか…いや、言っても仕方ねーな、さあ、進むぞ」

盗賊「だな。宝箱は後ろ髪引かれるが、スリルの方はこの先待っててくれてるかもしれないからな」

商人「あ!見てください、上に行く階段ですよ!」

勇者「次は3階か、流石に今までと同じ魔物ではないだろうな」

盗賊「やっとスリルのお出ましか?楽しみじゃないか」

商人「僕は少し怖いです…でも頑張りますよ!さあ、行きましょう…」

32: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/09(日) 13:02:59 ID:1UQQ6uEc
ーーナジミの塔、3F

まほうつかいがあらわれた!

盗賊「魔法つかいだあ?魔法つかいってんなら、もっとスレンダー美人を寄越せっての。なあ勇者?」

勇者「なんの話か分からねー!おらっ!」ドガッ

まほうつかいをやっつけた!

商人「ふう、魔法さえ使わせなければ恐ろしい相手でもないですね」

バブルスライムがあらわれた!フロッガーがあらわれた!おおありくいがあらわれた!

戦士「おおっ!?なんだあの緑色のウネウネしてる奴は!?」

勇者「あいつは…確か毒を持ってるとかいう…」

商人「毒!?僕らには解毒する手段がありませんよ!毒になったら町まで戻らないと!」

盗賊「ならとっとと倒しちまえば良いさ!らあっ!」ポコッ

勇者「そらっ!」ガッ

バブルスライムをたおした!バブルスライムをたおした!

戦士「っしゃあ!後は消化試合みたいなもんだぜ!」

商人「毒になる前に倒してしまえば問題ないですね。それにしてもこのパーティー、かなり強いんじゃ…

34: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/09(日) 16:59:14 ID:1UQQ6uEc
盗賊「そりゃ落ちてるのを拾うのもダメさ。人から手渡しにされるならセーフらしいが、重要アイテム以外でそんなのあるかねえ?」

商人「さあ…あ、階段がありますよ!」

戦士「っしゃあー!次はどんな…お!扉があるぜ!」

勇者「鍵は…掛かってるか。盗賊、開けられねーのか?」

盗賊「こいつはカギがないと無理だな。この階は他に何か…何も無さそうだな」

商人「上り階段もなければモンスターも出ませんね。どういう事なんでしょうか?」

勇者「さあな。この扉の中に入れれば何か分かるのだろうが…」

戦士「つってもどうやって入るんだよ?こじ開けるのか?」

盗賊「そんなヤワな扉じゃないだろ。もしかしたらだが、今上ってきた階段とは別の階段があるのかもな」

商人「ああ、そこから上れば中に入れるかもしれないですね!」

勇者「他の階段ってやつがあればだけどな。じゃあ1回戻るか、ここに居ても仕方ねーしな…しかし、面倒な造りの塔だな…」

35: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/09(日) 19:35:18 ID:1UQQ6uEc
ーー3F

盗賊「さて、俺らの考えが正しいかどうか…」

戦士「んな広い塔でもねーし、他の階段もすぐ見つかるだろ、モンスターも強くねーしな!」

勇者「あのハチの攻撃は少し効いたけどな…てか、あのハチの方こそ毒がありそうなんだが、ねーんだよな」

商人「さそりばち、でしたっけ?サソリにハチですもんね、凄い毒持ってそうですよね」

戦士「でもあの緑色のヤツの方が毒持ちなんだもんな、分かんねーもんだぜ」

盗賊「モンスターってのは、俺らの理解を超えてる存在なのかもな…現状まだスリルが足りないが、これからは…」

商人「恐ろしい敵に会うかもしれないですね…あ、階段ですよ!」

盗賊「やっぱりあったか。いや、上ってみない事にはなんとも言えんな。もっと階段がある可能性も…」

勇者「まあ、広さ的にそれも無さそうだけどな。なんにせよ、上ってみなけりゃ分かんねーな」

戦士「だな!おらおら、さっさと上るぞ!」ダダダ…

商人「ああっ、待って下さい!もっと慎重に…」

盗賊「言うだけムダだろうな。さて、仮にこの上にいるのがバコタさんからカギを奪ったじいさんだとして、すんなりとカギをくれるもんかねえ?」

勇者「どうだろうな。年寄りに手を上げるのは趣味じゃねーんだがな。まあ、何とかするしかねーんだがな…」

37: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/10(月) 16:29:57 ID:rK9vQ81E
ーー4F

勇者「ここは…部屋の中?どうやら当たりのようだな。なら、あそこにいる年寄りが…」

商人「とうぞくのカギを持っているというご老人…!」

老人「おお、やっときおったか。わしは幾度となくお前にカギを渡す夢を見ていた」

戦士「夢?おいおい、じーさんの夢の話を聞きに来たんじゃねーよ!」

盗賊「しっ!ちょっと静かにしてなよ」

老人「だから、お前にこのとうぞくのカギを渡そう。受け取ってくれるな?」

勇者「…ああ」

商人「おお、とうぞくのカギが…!」

盗賊「ああ、やったな」

老人「では行くがよい、勇者よ。わしは夢の続きを見ることにしよう」

勇者「ああ、ありがたくいただくぜ。じいさんも達者でな」

とうぞくのカギを手に入れた!

38: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/10(月) 16:47:38 ID:rK9vQ81E
ーー夜、レーベの村宿屋

戦士「なんだ、今日は勇者の家じゃないのか?」

商人「ええ、やっぱりお互いに気を使いますからね」

戦士「あ?俺は全然気にしてねーぞ!」ガハハ

盗賊「おめーはな。さて、カギが手に入ったらまほうのたまってのもあっさり手に入ったな」

勇者「ここまでは上手く行ってるな。いや、行きすぎてる位だ」

商人レベル10「ナジミの塔でレベルも上がったし、アイテム各種も一通り手に入りましたね」

盗賊レベル10「やくそう、どくけしそう、せいすい、キメラのつばさ…ま、我ながら上手く盗めたと思うぜ」

勇者レベル8「本当に一通りだけどな。心許ないが仕方ねー」

戦士レベル9「勇者が回復魔法覚えたんだ、行けるだろ!」

勇者「そう思いたいけどな、次のいざないの洞窟とやらが今まで通り行くものなのか…」

商人「不安はありますよね…」

盗賊「ま、行くしかないな。俺としては、そろそろスリルが欲しいからな」

戦士「おう!俺らが魔物なんかに負けるかよ!」

勇者「まあ、やるしかねーんだけどな。しかし、いよいよ海の向こうか…」

39: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/10(月) 17:24:51 ID:rK9vQ81E
ーー7日目夜、レーベの村宿屋

戦士レベル10「あー、今日はあっという間だったな!メシメシ!」

盗賊「今日は外で戦ってたからな、あっという間だったぜ」

商人「東側の魔物達は強敵でしたね。やくそうも1つしか増えなかったし、レベルが上がったのは戦士さんだけ…」

勇者「やっぱりこっから先はしんどそうだな。さて、明日はいよいよいざないの洞窟だが、現状俺らの準備はどんなだ?」

商人「はい、お金は3241ゴールド、これは明日銀行に預ける予定です」

盗賊「アイテムはやくそうが8つ、あとはどくけしそう、せいすい、キメラのつばさが1つずつ」

戦士「装備は先頭から盗賊がひのきのぼう、ぬののふく、かわのぼうし。俺がこんぼう、たびびとのふく、かわのぼうし。商人がこんぼうとぬののふく。勇者がどうのつるぎとたびびとのふくだな」

勇者「あとは、装備してないぬののふくが1着。これが貴重品を除いた俺らの全財産ってわけだ」

盗賊「分かっちゃいたが、少ないな。無駄遣いは出来ないな」

商人「そうですね。ここぞという時に使わないと。欲を言えば、使わずに済ませたいですが…」

勇者「それで死んだら意味ねーからな。ま、やってみるさ。明日を乗りきって、海の向こうへ辿り着いてみせるぜ…!」

40: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/11(火) 18:15:57 ID:b.RVcYCQ
ーー8日目、アリアハン大陸東部

勇者「多分もうすぐいざないの洞窟につくはずだ、覚悟は良いな?」

盗賊「当たり前だろ。楽しみだな」

商人「ぼ、僕は不安だし怖いです…この辺でさえモンスターが強いのに…」

戦士「大丈夫だ、俺に任せとけ!…お?ほこらがあるぜ、寄ってかないのか?」

勇者「ほこらか…いや、寄らなくて良いだろ、むしろ寄らない方が良い」

盗賊「そういやレーベ南の茂みにも寄らなかったな。まあこの大陸でやる事はほぼ残ってないしなあ」

商人「やくそうはもっと欲しかった気もしますが…」

勇者「言ってもしょうがねーだろ。ほら、見えてきたぜ、あの泉の近くにーー」

戦士「いざないの洞窟とやらがあるんだよな!いよいよだな!」

盗賊「ああ。鬼が出るか蛇が出るか、1つ行ってみようじゃないか」

商人「そうですね。ああ、怖いなあ…」

41: ーーいざないの洞窟、B1F 2018/09/11(火) 18:27:30 ID:b.RVcYCQ
勇者「ここが、いざないの洞窟か…いよいよだな…」

盗賊「ったく、洞窟ってのは湿っぽくていけねえや…お、誰かいるな」

老人「ここはいざないの洞窟じゃ。だが階段は石カベで封じられておる」

使者「…という訳なんだけど、まほうのたまは忘れずに持ってきたかしら?」

勇者「あんたは…!なぜここに?」

使者「何故って、貴方達はいつも王様に報告に来るでしょう?今日ここに来ることは分かってたわよ」

商人「わざわざ見送りに来てくれたんですね」

盗賊「嬉しいなあ、なあ勇者?」ニヤニヤ

勇者「お、俺は別に…まあ、わざわざ、どうも…」

使者「良いのよ、ここから先は今までみたいに会えなくなるでしょうし、最後位はね…ここからは大変よ?」

勇者「分かってる。でも行くしかねえ」

使者「そう…頑張ってね。幸運を!」

勇者「ああ、ありがとう…よし、行くぞ」

商人「はい!」

戦士「っしゃー!やってやんぜー!」

42: ーーいざないの洞窟、B2F 2018/09/11(火) 19:14:46 ID:b.RVcYCQ
戦士「っしゃー!なんでも良いからかかってこいやー!」

商人「いや、静かに…」

ーーおばけありくいがあらわれた!

盗賊「なんだ?白いありくい?まあ良い、そらっ!」ガッ

勇者「行くぜ、おらっ!」ドゴッ

おばけありくいのこうげき!おばけありくいのこうげき!

戦士「うおお?!すげえ力だ!」

盗賊「くっ、今まではほとんどダメージなんて食らわなかったんだが…へっスリルが出てきたな!」

商人「は、早く終わらせないと…それー!」ゴンッ

ーーおばけありくいたちをやっつけた!

勇者「ふう、終わった…が、確かにここからはきつそうだな…」

盗賊「いよいよ始まったって感じだな。さあ、どんどん行こうぜ」

商人「ええ、もたもたしてると大変そうですからね…」

43: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/11(火) 19:28:14 ID:b.RVcYCQ
まほうつかいはメラをとなえた!まほうつかいはメラをとなえた!

勇者「あっち!っのやろー!らあっ!」ドゴッ

盗賊「ははっ、言ってやれよ勇者、同じ呪文食らうなら美人の方が…」

まほうつかいはメラをとなえた!

盗賊「あちあちあち!こっちかよ、くそっ!」ガッ

勇者「無駄口叩いてんじゃねーよ!らあっ!」ドゴッ

戦士「うらうらうらー!」ゴンッ

ーーまほうつかいたちをやっつけた!

商人「はあ、呪文攻撃は厳しいですね…」

勇者「少し回復するか。ホイミ欲しい奴は?」

戦士「あー、俺良いか?」

勇者「ああーー我が指に宿る仄かな光、死と穢れを遠ざけよーーホイミ!」パアア…

戦士「おおー!サンキュー勇者!」

勇者「隊列の一番後ろに置かせてもらってるからな、この位はしねーとな。他は大丈夫か?」

盗賊「ああ、まだ大丈夫だ。やっとスリルが出てきた所だしな。さ、進もうぜ」

44: ーーいざないの洞窟、B3F 2018/09/11(火) 19:36:31 ID:b.RVcYCQ
戦士「気持ちわりーイモムシ野郎が!おらあっ!」ゴッ

ーーキャタピラーをやっつけた!

盗賊「悪い勇者、ホイミくれ」

勇者「ああ、ホイミ!」パアア…

盗賊「サンキュー。流石に攻撃が苛烈になってきたな」

商人「勇者さん、魔力は持ちそうですか?」

勇者「ああ、お前らのバカ体力のおかげでな」

盗賊「戦士がHP80台で他は60台だからな。そうは死なないだろ」

戦士「守備力はねーけど体力は負けねーぞ俺は!」ガハハ

勇者「体力が高いと相対的に呪文には強くなるんだな。物理相手の盗賊と呪文相手の戦士って感じか」

商人「いざとなったら僕が前に出ても良いですよ」

戦士「まだまだ大丈夫だぜ俺はよお!」

勇者「回復出来るうちはこのままで良いだろ。さあ行くぜ。結構進んだからな、そろそろーー」

盗賊「ああ、俺の勘でもそろそろのはずだ…お?何か見えてきたぜ」

商人「な、なんでしょうかあれは…?空間が…行ってみましょう!」

46: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/12(水) 13:34:51 ID:Eyl4u53E
盗賊「なんだろうな、こいつは…?景色が歪んでるぜ」

商人「というか、これって別の場所の景色でしょうか?こことは雰囲気が…」

戦士「なんでも良いだろ、入ってみようぜ!」ズカズカ

商人「ま、待って下さい!危険かも知れませんし…」

勇者「…いや、ここはいざないの洞窟で、かつてはいざないの洞窟の旅の扉から多くの勇者が旅立ったって話だったはずだろ?ならここが、こここそが旅の扉で、ここから海の向こうに行けるって考えるのが自然じゃないか?」

商人「それは…確かに…」

戦士「決まりだな、行くぜ!」

盗賊「待てよ、こういう面白そうなのは俺が先に…」

勇者「いや、俺に行かせてくれ」スッ

商人「ゆ、勇者さん…!だいじょ…ゆ、勇者さんが、空間の歪みに入って、消えて…!」

盗賊「よし、勇者に続くぜ」スッ

戦士「おう、行くぜー!」ズカズカ

商人「み、みんな凄い…ぼ、僕も…それーっ!」スッ…

47: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/12(水) 13:47:51 ID:Eyl4u53E
勇者「ここは…何だか空気が違うな…ここが、海の向こうなのか?」

盗賊「勇者、無事か?」

戦士「おお、何だここは?どこだ?」キョロキョロ

商人「み、皆さんまって…と、ここはどこでしょう?建物の中みたいですけど…」

盗賊「まあ、慌てんなよ。ほら、そこに階段がある。まずは上ってみようぜ」

勇者「そうだな、行くか…くっ、眩しいな…」

商人「夕陽が強烈ですね…ただでさえずっと洞窟にいて目が慣れてないのに…」

盗賊「森の中だからそんなに明るくないはずなんだがな。さて、西があっちだとすると、道は北に続いてるようだな」

戦士「行ってみようぜ、何があるか楽しみだな!」ダダダ

勇者「ちっ、あいつは洞窟歩いてきて疲れてないのか?」

商人「はは…僕達も行ってみましょう。歩いてもすぐに抜けられ…あ!あれは?!

盗賊「城、だな。アリアハンのとは違う、見たことのない城。勇者…」

勇者「…行くぞ」

戦士「おう!海の向こうの城、海の向こうの町、どんなだろうな!」ワクワク

49: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/12(水) 19:33:45 ID:Eyl4u53E
勇者「…ちっ、着く前に夜になっちまったな」

商人「あとちょっとなんですけどね」

戦士「なあ、夜になっちまったんなら夜明け前までモンスター退治しないか?どんなモンスターがいるか確認しないとな!」

商人「え、でも一旦町に行ってからの方が…」

盗賊「だな、こっちの魔物はきっとスリルあるぜ」

商人「え、ちょっ…」

勇者「よし、じゃあちょっと戦ってから町に行くか。良いな?」

商人「…はい」

ーーポイズントードがあらわれた!

戦士「カエルかよ!おらあっ!」ドゴッ

盗賊「そらそらっ!」ゴンッ

ポイズントードのこうげき!ポイズントードのこうげき!

勇者「くっ、らあっ!」ガギン

ーーポイズントードたちをやっつけた!

勇者「ふう、やっぱり攻撃力はかなり強くなったが…なんとかなりそうだな」

50: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/12(水) 19:43:18 ID:Eyl4u53E
戦士「確かにあっちよりは強い奴もおおいけどよ、まほうつかいやらキャタピラーやら見たことあるやつらも結構…お?」

さまようよろいがあらわれた!

盗賊「おっと、こいつは強そうだ、そらっ!」ガキン

ミス!ダメージをあたえられない!

商人「全然効かない!?このおっ!」ギンッ

ミス!ダメージをあたえられない!

さまようよろいのこうげき!

戦士「ぐっ…お!?すげえ攻撃力だぜ…!」

勇者「盗賊と商人は防御に徹してろ!ったく、呪文は得意じゃねーんだが…安堵と脅威の申し子よ、我が掌より敵を討て!めら!」ゴウッ

さまようよろいにはきかなかった!

勇者「くそったれが!効かねーのかよ!」

さまようよろいのこうげき!

商人「ひっ…!防御してても凄い威力…!」

戦士「早く倒すしかねーだろ!おらあっ!」ドゴッ

勇者「そう思って呪文唱えたんだよ!地道にやるしかねー!」

51: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/12(水) 19:50:47 ID:Eyl4u53E
盗賊「くそっ、俺らじゃ歯が立たねえし…頼むぞ二人とも!」

戦士「そのつもりだぜ!だらあぁっ!」ゴンッ

さまようよろいのこうげき!

戦士「ぐあっ…い、今のは効いたぜ…」

商人「た、大変です!回復を…」

戦士「まだ大丈夫だ!それよりあと一息のはずだ、攻撃しろっ!」

勇者「くっ、だらああああっ!」ザンッ

ーーさまようよろいをやっつけた!

盗賊「…やったか?へっ、なかなかのスリルだったじゃねえかよ」

勇者「良く言うぜ、歯が立たなかった癖によ」

商人「いや、でも、今回はダメかと思いました…1体で良かったですね!」

盗賊「まあな。しかし、新大陸は楽しそうだぜ」

戦士「うおおー!勝ったぞー!」

勇者「うるせー!いちいち叫ぶな!しかし、少し油断してた所はあったかもな。やっぱりこっちは厳しい戦いになりそうだな…」

53: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/13(木) 19:02:37 ID:E5ZoKEvA
ーー9日目、ロマリア城下町

商人「昨日の魔物は強かったですね。ところで勇者さん、王様からは何を言われたんですか?」

勇者「ああ、カンダタとかいう盗賊に王冠を盗まれたから取り返して来いってよ。盗賊、カンダタって知ってるか?」

盗賊「さすがに違う大陸の盗賊までは知らないな。ただ、この城から盗み出したとなると、かなりの腕前だろうな」

商人「そうですよね、警備も厳重でしょうし…」

戦士「じゃあ次は盗賊退治か?俺は構わないぜ!」

勇者「と行きたい所だが、ここの警備を破った相手にひのきのぼうで歯が立つとはおもえねーな」

盗賊「俺なら構わないぜ。俺の華麗な棒術を見ただろう?」

戦士「ひのきのぼう振り回してただけじゃねーか!」

商人「ま、まあまあ…所で僕の集めた情報によると、この辺りで夜になると現れる魔物がせいなるナイフを落とすらしいですよ」

勇者「せいなるナイフか。確かどうのつるぎより攻撃力が高かったよな?流石にそろそろ新しい武器が欲しいよな」

盗賊「となると…結局この辺で魔物退治か。夜までボーッとしてる訳にもいかないしな」

勇者「だな。さて、これで新しい武器が手に入れば良いが、こればっかは運だからな…」

54: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/13(木) 19:15:02 ID:E5ZoKEvA
ーー夜、ロマリア城下町

盗賊「まさか1日かけてせいなるナイフはおろかレベルアップすら誰もしないとはな…」

勇者「旅立ってから初めてだな、こんなに収穫のない日は」

商人「で、でもかわのぼうしがもうひとつ手に入りましたよ!僕の防御力が上がりましたし、収穫なしって訳では…」

盗賊「1日かけて防御力2だけだからなあ。王様から聞いた限り、俺や商人はまだまだレベル上がりそうもないしな」

戦士「俺はもうすぐ上がりそうだぜ!」

勇者「俺は明日いっぱいかけてどうかって所だな。こっちの魔物ならもっとバンバンレベルが上がるかと思ってたが、あてが外れたな」

盗賊「で、明日どうする?北のカザーブとやらに行くか?俺は東でも良いが…

商人「だ、ダメですよ!恐ろしい怪物がいるって話じゃないですか!順番で言えば北のカザーブですけど、一旦アリアハンの鵬に戻るのも有りじゃないかと思うんです。あそこにはまだ2ヶ所未踏地がありますから、2日ごとに新しい場所に行く縛りをそれで回避して…」

戦士「おいおい、そんな面倒な事は止めて、さっさと進もうぜ!」

盗賊「そうだそうだ、さっさと東に…」

商人「だから進むなら北ですって!」

勇者「そうだな、確かに戻るのはたりいが、このまま進んでも上手く行くとは思えねえしな。さて、どうするか…」

55: ーー10日目、いざないの洞窟B1F 2018/09/14(金) 16:59:46 ID:YIYm85UY
商人「ふう、帰りはわりとあっさり着きましたね」

戦士「俺のおかげだろ!ガハハハハハ!」

盗賊「足踏み外して落下しただけだろ!にしても勇者、弱気になったなあ?」

勇者「仕方ねーだろ、今のままでこの先も無事に済むとは思えねー」

商人「そうですよね…あ!あんな所に手紙が!」

勇者「手紙?またあの人からか?」

盗賊「本人が来なくて残念だなー勇者?」

勇者「しつけーなてめーも…っと、宿に泊まった直後なら日数経過に数えなくて良いそうよ、ただし1日2回まで、か」

戦士「おー、ならパパっと移動出来るな!」

勇者「と言いてえが、今の俺はルーラの魔力すら重てえからな。ホイミの使用回数を減らす訳にはいかねー」

商人「僕ら本当にカツカツですね…後はなんて書いてあるんですか?えっと…無闇に町を出入りしたりダンジョンで上り下りしてあなほりするのは禁止…こ、これは…!」

盗賊「そりゃまあそうだろ、あなほり無制限にしたら誰かさんは何百回でもあなほりし続けるだろ?」

商人「な、何百回でもって、そんなひたすらあなほりし続ける人なんて…人なんて…うっ…」

戦士「おっ!?大丈夫か商人!?」

商人「た、確かにこの制限は必要なようです。ああ、僕の貴重な活躍の機会が…」

56: ーー11日目、ロマリア城下町 2018/09/14(金) 17:11:20 ID:YIYm85UY
勇者「で、昨日はレーベ南の茂みに行ってお茶を濁して、今日は1日魔物退治した訳だが…」

盗賊レベル12「全員のレベルが1ずつ上がったな。まあ最低限のパーティー強化は出来たって所か」

商人レベル12「僕はついにあなほりを覚えましたよ!さっき掘ってみたら2Gしか手に入りませんでしたが…」

戦士レベル11「これからガンガン見つけりゃ良いだろ!期待してるぜ!」

商人「は、はい、頑張りますよ僕は!」メラメラ

盗賊「かつてなく気合い入ってるな…」

勇者レベル10「あとは一応やくそうとどくけしそうがいくつか見つかったのも収穫だな」

戦士「一番は勇者の魔法だろ!ギラっつったか?一度にたくさんのモンスターを攻撃出来るんだろ?」

勇者「昨日も言ったが、俺は回復以外に魔力を回す余裕が無いんだよ。ま、ギラ使った方がホイミするより安く済みそうなら使うけどよ」

商人「使い方次第って訳ですね」

盗賊「ま、選択肢が増えたのは良いことじゃねえか」

勇者「まあな。俺らには複数を攻撃する武器もねえしな。てか、未だに一回も武器を更新してねえんだがよ」

戦士「新しい武器が欲しいよなあ」

商人「僕と盗賊さんが頑張りますよ!きっとせいなるナイフを手に入れてみせます」

盗賊「だな、俺らが何とかしないとな。みんなそろそろ俺の華麗なナイフ術をみたいだろうしな、いっちょ気張ってみるか」

58: ーー12日目、カザーブへの道中 2018/09/16(日) 12:36:17 ID:vRgIWWos
盗賊「今日はカザーブに行くことにしたんだな。覚悟を決めたのか勇者?」

勇者「覚悟もくそもねーよ、ただあのまま進まずにいてもらちが明かねーから…」

アニマルゾンビがあらわれた!ぐんたいガニがあらわれた!

戦士「見たことねーカニがいるぜ!ゾンビの犬は4匹もいるぞ!」

商人「か、数が多いです!どうしますか!?」

勇者「ちっ、しゃーねー…我が魔力の導きにより火の精よ此処に辿り着け!ギラ!」ゴオオ…

盗賊「倒せねーじゃ…いや、俺らがダメ押し摺りれば良いんだな、そらっ!」ポコッ

戦士「っしゃー!俺はカニをやるぜ!」ゴンッ

アニマルゾンビのこうげき!ぐんたいガニのこうげき!

勇者「くっそ、馬鹿力め…らあっ!」ガッ

ーーまもののむれをやっつけた!

商人「ふう、強かったですね…でも、勇者さんの呪文も凄いですよ!」

盗賊「やっぱ覚えてて良かったな、ギラ」

勇者「だな、回復に魔力を使いたいから使いづらい、じゃなくて、持たざる俺らだからこそあるものは総動員しなきゃいけないんだよな。再認識したぜ。厳しいのには違いねーがな…」

59: ーーカザーブの村 2018/09/16(日) 12:45:48 ID:vRgIWWos
戦士「おお、着いたなカザーブ!結構遠かったな!」

盗賊「そうか?その日のうちに着いたし、こんなもんだろ。にしても田舎臭い村だな…」

勇者「つってもレーベよりは多少ましだろ」

盗賊「まあな。どんぐりが必死で背を比べてるような感じもするが…どうした商人?」

商人「ぼ、僕としたことが…村に入る前にあなほりをするのを忘れてしまうなんて…」ワナワナ

戦士「ああ!?んなもん今から外に出てやれば…」

商人「無意味な出入りによるあなほりは禁じられています!ああ、ここならたびびとのふくが手に入るチャンスがあったのに…」

盗賊「まあそう落ち込むなよ。まだ明るいし、勇者の魔力にも余裕があるみたいだ。また魔物退治しに外に出るだろ。あなほりの本命は夜だろ?その時にーー」

商人「だから!まず村に辿り着く前に5回、そしてまた外に出て夜に出てから5回、10回は出来たのに、それを…」

勇者「うるせー!要は次のあなほりで当たりを引けば良いだけだろーが!ぐちゃぐちゃ言ってんじゃねー!」クワッ

商人「…す、すみません、そうでしたね。夜になったら、必ず何か掘り当ててみせますよ!」メラメラ

盗賊「お、おお、頑張れよ…そんなにあなほりってのは大事なのか…?」

61: ーーカザーブの村、夜 2018/09/16(日) 12:55:44 ID:vRgIWWos
戦士「あーっ、今日も死にかけたな!」

勇者「ロマリアなら夜明け寸前まで魔力が持ったが、ここだとまだ時間があるのに魔力切れだ。あっちより更に魔物が強くなってやがる」

盗賊「っておい!酒場閉まってるのかよ!夜開いてない酒場ってなんだよ!」ブーブー

勇者「うるせーな、宿屋があるだけましだろ…そういや商人はどうした?」

戦士「あ?あいつならあなほりするから先に行ってろって…」

商人「み、皆さん、お待たせしました…」

盗賊「お、来たな商人…ってお前、手に持ってる土まみれのそれは!?」

勇者「たびびとのふくか!」

商人「ええ、何とかこれ1つだけは…」

戦士「おおー!やったじゃねーか商人!」

勇者「せいなるナイフの方が良かったけどな…まあ、悪くねえ」

商人「ええ、まだまだです。これからはもっと良い物を見つけますよ。それで、これば誰が…」

勇者「お前が使えよ。最初の戦利品だ、その権利がある」

盗賊「ああ、そうするべきだな」

商人「あ、ありがとうございます!では早速…あ、洗濯しないと使えないか…うーん、今夜はもう一仕事だなあ…」

63: ーー13日目夜、カザーブ郊外 2018/09/17(月) 08:31:50 ID:QYLj5QYI
勇者「やっぱここじゃ夜になるかならないかまで戦ったらもう魔力切れになっちまうな。経験は多く積めるんだが、数をこなせないし、果たしてロマリア辺りとどっちが良いのか…」

盗賊「防御力が上がれば魔力も節約出来るんだけどな」

戦士「それより攻撃力だろ!早く倒せば問題ねー!」

勇者「ま、どっちも足りねーんだがな」

盗賊「増えるあても無いときた…商人はどうなった?」

商人「ダメです、あなほりしてもまんげつそうだけで…」

戦士「でもこれまだ持ってないやつだろ!良かったじゃねーか!」バンバン

商人「い、痛いです…」

勇者「無いよりはずっとマシだしな。俺らは何もかも足りねえからな」

盗賊「で、明日はシャンパーニの塔とやらに行くのか?盗賊達の本拠地らしいが」

戦士「おおー!いよいよ盗賊退治か!」

勇者「まだ無理に決まってんだろ。が、塔に行くだけは行ってみようかと思ってる」

商人「良いですね!ダンジョンに行けば自然と上り下りしますから、あなほりもたくさん出来ますよ!」

盗賊「お、おお…商人は反対するかと思ったが、あなほりって凄いな…ま、俺もダンジョンのスリムは大歓迎だけどな」

64: ーー14日目、カザーブ西部 2018/09/17(月) 08:43:12 ID:QYLj5QYI
戦士「ここまで結構歩いたけどよ、まだかシャンパーニってのは…お?あれ見ろよ、塔だぜ!」

商人「来ましたねシャンパーニの塔!もう夕方になってしまいましたけど」

勇者「ここに来るまでも結構消耗しちまったな。帰りの事も考えたら、あまり長居は出来ねえかもな…」

盗賊「ま、とりあえず入ってみようぜ…と。あー、ナジミの塔よりも薄暗いな。いかにも、って感じだぜ」

商人「盗賊とか居そうですよね…あ、あなほりしないと!」ザックザック…

戦士「マメだなおい!何か出たか?」

商人「待ってください、そんなにすぐには…ああ、アイテムは出ませんでした…」

勇者「金はずいぶん出たな、474Gか。普通なら嬉しかったんだがな…」

盗賊「今の所、宿屋以外に使ったことねーからな、金」

商人「実は昨日アリアハンの銀行に預けに行ったんですけど、預金と持ち金合わせれば7000Gくらいあるんですよね」

戦士「魔王倒したらドンチャン騒ぎだな!」ガハハ!

勇者「倒せれば良いがな…」

盗賊「ま、今まで何とかなってきたんだ、これからもなんとかなるさ。それより進もうぜ」

商人「そうですね。それにしても、盗賊のアジトってどんな所なんだろう…」ゴクリ…

65: ーーシャンパーニの塔、3F 2018/09/17(月) 08:56:20 ID:QYLj5QYI
戦士「うおー、ここのモンスターはつえーな!でも俺らもつえー!」

勇者「歯が立たないって程ではないようだな。こうもりおとこも良く見るから、せいなるナイフチャンスもあるしな」

盗賊「とはいえ、まだ俺は盗めてねーし…」

商人「あなほりも不発ですね…」

勇者「んなに上手くは行かねーだろ。それより見てみろよ」

戦士「おー、階段だな!上ってみようぜ!」ダダダ…

商人「僕も行きます!」タタタ…」

盗賊「ったく、お前まで突っ込んだら止めるやつ居なくなるだろうがよ…お、扉があるじゃないか」

勇者「おそらく、ここが盗賊どものアジトなんだろうな」

戦士「お、じゃあ入ってみようぜ!」商人「待ってください!さすがにここから先は危険です!」

盗賊「お、今度は止めたか。だが俺も先に進みたいんだよなあ」

勇者「どうせあと何日後かには来るようだろ。それより帰りも考えると魔力がやべえ。そろそろ帰るぞ」

盗賊「りょーかい。にしても友人の残り魔力で行動が制限されるのはしんどいな。かしこさのたねでも盗めれば良いんだがなあ…」

66: ーー15日目夜、ロマリア城下町 2018/09/17(月) 12:28:16 ID:QYLj5QYI
戦士「なんで今日はロマリアに来たんだ?」

盗賊「さっき勇者が説明してただろ…今日はロマリアに泊まって、明日はアリアハン側のいざないの洞窟ちかくにあったほこらに行って2日置き縛りを回避するってな」

商人「で、明後日はいよいよシャンパーニの盗賊退治ですよ!」

戦士「おお、いよいよか!負けねえぞ俺は!」ガハハ

勇者レベル11「レベルが上がったとはいえまだまだ不安だがな、いつまでも足踏みしてられねーからな」

盗賊レベル13「とにかく、明日16日目はいざないの洞窟通ってほこらに寄ってからカザーブまで戻って宿に泊まって、17日目に盗賊退治。18日目にはカザーブの北にあるっていう町を目指す。現状の予定はこうだな」

商人レベル13「もちろん、盗賊に負けてしまったら予定は変わりますけれども…」

戦士レベル12「はじめから負けることなんか考えてんじゃねー!明日は勝つぞ!」

勇者「明後日だっつってんだろ!」

盗賊「ったくこいつは…しかし、何もかも足りてない俺らだが、いざないの洞窟を通るならやくそうの数は増やしときたいな」

商人「かわのぼうしを手に入れるチャンスもありますよね…頑張りましょう!」

勇者「縛りは面倒だが、準備の時間と考えると悪くねえからな。あとは盗賊どもの腕がどの程度かって所だが…」

67: 明日から社員旅行なのです 2018/09/17(月) 16:13:27 ID:QYLj5QYI
ーー16日目、小さなほこら

戦士「ったく面倒くせーな行ったり来たり!」

商人「いざないの洞窟を往復しなければいけませんからね…でも来るまでにかわのぼうしが手に入りましたよ!」

盗賊「あなほりは凄いな。これで全員分のかわのぼうしが手に入った訳だな」

勇者「寄り道にしちゃ上出来だ。やくそうとどくけしそうもいくつか手に入ったしな」

商人「出来る限りの準備は出来ましたね。後は今日中にカザーブまで戻らないと…」

盗賊「いよいよ明日決戦だな。なかなか洒落た所に住んでる盗賊達だが、覚悟してもらおうかねえ」

戦士「洒落た所?薄暗いだけじゃねーか!盗賊ってのはコウモリみたいだな!」

盗賊「俺が牛ならお前はイノシシだな。前に向かって突っ込むだけだ」

戦士「んだとお、てめえ…」

勇者「止めろバカどもが!ムダな争いしてんじゃねー!」

商人「そ、そうですよ!…はあ、まだまだケンカが絶えないなあ…明日大丈夫かなあ…」

68: なのでしばらく更新止まります 2018/09/17(月) 16:31:45 ID:QYLj5QYI
ーー夜、カザーブの宿屋

盗賊「ふう、無事にカザーブまで着いたな」

商人「明日はいよいよ盗賊退治…ここに来るまでにたびびとのふくがもう1つ手に入って良かったですね!」

戦士「上手く盗んだなこのやろう!」

盗賊「へっ、最近あなほりにばっかり活躍されてるからな、たまにはな」ニヤリ

勇者「さて、最終確認だ。持ち物と装備はどんな感じだ?」

戦士「装備は俺と商人がそれぞれこんぼう、たびびとのふく、かわのぼうし。盗賊がひのきのぼう、たびびとのふく、かわのぼうし。で、勇者お前がどうのつるぎ、たびびとのふく、かわのぼうしだよな?」

盗賊「道具はやくそうが17個まで増えたな。それからどくけしそう8個、まんげつそう2個、せいすいとキメラのつばさ、それからラックのたねが1つずつ。あとは予備のぬののふくが3つだな」

商人「お金は3612Gあります。銀行にも6000G程預けてますよ」

勇者「やくそうには余裕が出てきたな。まあ、明日大量に使うことになるだろうし、シャンパーニの塔に行くときにせいすいも使っちまうけどな」

盗賊「1個しかない貴重品だけど、前回あの塔を上った時の消耗具合を考えれば仕方ないか」

商人「盗賊退治の前に消耗しては元も子もないですからね」

戦士「っしゃー!明日に備えて寝るぜー!」ガバッ

勇者「静かに寝れねえのかよ!ったくうるせーな」

商人「ま、まあまあ、この調子で頑張ってもらいましょうよ。それにしても、いよいよ明日は盗賊退治。意外とすんなり勝てるのか、それともーー」

69: ーー17日目、カザーブ郊外 2018/09/17(月) 20:34:23 ID:QYLj5QYI
盗賊「よし、いよいよ出発だな。スリルがなくなるのは気に入らないが、せいすいを撒いて…」

商人「あ、でも効果時間が切れるのが怖いから、ほんの少しでも歩いてからの方がーー」

アニマルゾンビがあらわれた!キャタピラーがあらわれた!ぐんたいガニがあらわれた!

勇者「おい!ちょっとけちろうとして逆効果じゃねーかよ!」

商人「す、すみません~!」

戦士「俺は構わねーぜ!オラオラ!」ドゴン

ーーまもののむれをやっつけた!

商人「す、すみません、ちょっと節約しようとして、かえって…」シュン

勇者「しゃーねーな、おい戦士、傷治すぞ!ホイミ!」パアア

戦士「おっほー!回復回復!じゃあせいすい使うぜ、おらあっ!」パシャッ

商人「よ、よし、これで…」

アニマルゾンビがあらわれた!ぐんたいガニがあらわれた!

勇者「おい!効果ねーのかよ!」

商人「ええー!?僕らを見て逃げる魔物もいたし、せいすい使えば寄ってこないと思ったのに…」

盗賊「やっぱスリルがなきゃダメって事だな。っしゃ、行くぜっ!」

72: ーーシャンパーニの塔、4F 2018/09/23(日) 19:22:05 ID:JsqJGVoE
勇者「さて、ここまではまずまず順調に来たな。おそらくこの扉の先がーー」

商人「盗賊達の根城ですよね…き、緊張してきたなあ…」

戦士「ぐずぐずすんなよ、行くぜっ!」バンッ

盗賊「おい!一人で突っ込むな!…っと、誰もいないようだな」

商人「ま、まさかもう逃げ出した後?」

盗賊「いや…微かに気配はするな、この先ーーおそらく階段の上だな」

勇者「何人くらいいる?分かるか?」

盗賊「二人くらいだろうな…もちろん、すぐ上にいる数だけだけどな」

商人「もっといるかもしれないんですね…盗賊団だから当然かもしれませんけど…」

戦士「おい!俺はもう行くぜ?おらあっ!盗賊共覚悟しやがれ!」ドドド…

勇者「ちっ!また突っ込みやがった!行くぞ!」

商人「は、はい!あ、あなほりしなきゃ…お、せいすいが見つかっ…」

盗賊「おい!急げよ!」

商人「す、すみません~!」タタタ…

73: ーーシャンパーニの塔、5F 2018/09/23(日) 19:33:29 ID:JsqJGVoE
戦士「オラオラ盗賊共、俺様が退治してやるぞー!」

手下「おい、変な奴らがきたぞ!」

勇者「待ておい!勝手に突っ込むな…んだあ?子供じゃねーか…」

手下?「おー!おやぶんにしらせにいくんだぞ!こんやはやきにくだな!」キャッキャッ

盗賊「焼き肉?なんの話だ?」

手下?「ホルモンもにんずーぶんあるぞ!みんなで食べられるな!」

商人「ま、まさか僕達を食べようと!?」

手下「おし、行くぞ!」タタタ…

手下?「おー!」タタタ…

戦士「ふざけんな!俺らが食われるかよ、待ちやがれ~!」ドドド…

商人「待って下さい、あなほりが…あ、スタミナのたねがあった!」

盗賊「おめーはまたやってんのかよ!早く行くぞ!戦士の奴に追い付かないと…っておい!?上から…」

戦士「うああああー!!」ドサッ

勇者「なんで上から落ちてきてんだテメーは!」

戦士「っててて…奴ら、落とし穴を…くっそ~、こんな事で負けねえぞ俺は!待ってやがれよクソヤロー共!…ってえ」ヨロッ…

74: そんな訳でご無沙汰でした 2018/09/23(日) 19:43:32 ID:JsqJGVoE
勇者「もう上に残ってるとは思えねーが、とりあえず上ってみるか」

戦士「いや、上には宝がたくさんあったぜ。あれを置いてはいかねーんじゃねーか?」

盗賊「だな、自分の稼ぎを簡単に手放す盗賊はいねえ。が、落とし穴まで準備してる奴らだ、逃げる手筈も考えてるかもしれねえ」

商人「は、早く追いかけましょう!」

勇者「ああ、行くぜっ!…くそっ、流石にもういねーか…いや、まだいやがった!待てっ!」タタタ…

手下?「またないぞ!じゃーな!」ピューン

戦士「くそっ、待ちやがれ~!」ピューン

盗賊「野郎、飛び降りやがった!仕方ねえ、らあっ!」ピューン

お頭「ちっ、しつこい奴らだ!」

手下?「あ、そーだおやぶん!あいつらたおさないとやきにくにできないぞ!」

勇者「また言ってやがる!大人しく焼き肉なんかになるかよ!」

お頭「そいつは確かにそうだな…よし!逃げるのは止めだ!やっつけてやる!」ザザッ

盗賊「望む所だ、こいつはこの冒険始まって以来のスリルになりそうだぜ」ニヤリ

商人「よ、よーし、やってやるぞー!」

ーーカンダタたちがあらわれた!

76: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/24(月) 18:06:11 ID:TA..nOgM
勇者「散りやがったな…ギラは無理か、まずは手下を一人ずつ倒してくぞ!」ザクッ

商人「は、はい!それっ!」ポコッ

カンダタこぶんのこうげき!カンダタこぶんのこうげき!

戦士「ぐおお!いってえ!」

盗賊「…だがそこらのモンスターと比べて特別強いって程でもねえな。そらっ!」ドスッ

カンダタのこうげき!

商人「ッ!?こ、これは痛いです…」ヨロッ

勇者「流石に首領は手下共とは違うか!早めに手下を片付けないとな、おらっ!」ザクッ

戦士「任せろ、おらあっ!」ガンッ

カンダタこぶんをたおした!

盗賊「おし、良い感じだ、次は…」

カンダタのこうげき!

盗賊「ぐっ…はあ、効くぜこいつは…」

商人「と、盗賊さん、やくそうを!」ガサゴソ

勇者「やくそうを節約してきた甲斐があったな。手持ち分で足りれば良いが…」

77: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/24(月) 18:13:08 ID:TA..nOgM
戦士「オラオラ、行くぜー!」ガゴンッ

カンダタこぶんをたおした!カンダタこぶんをたおした!

盗賊「おっし!あとは頭だけだな、集中してーー」

カンダタのこうげき!

戦士「ぐっはあ…やべえぜ…」

勇者「ちっ、ホイミ!」パアア

カンダタのこうげき!

盗賊「くそっ、やくそうだ!ったく、あいつが攻撃するたび誰かを回復するようだな!」

カンダタのこうげき!

商人「うっ、うう…」ガクッ

勇者「商人!お前はもう防御してろ!盗賊!お前も回復以外は防御だ!」

盗賊「俺らの攻撃力じゃろくにダメージ与えられないからな…頼むぜ二人とも!」

戦士「おおお、らあーっ!」ガンッ

勇者「うらあーっ」ザクッ

ーーカンダタたちをやっつけた!

78: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/24(月) 18:21:47 ID:TA..nOgM
カンダタ「参った!きんのかんむりは置いて行くから許してくれよ、な?」

勇者「…ああ、良いぜ」

盗賊「おい!あいつら他にもお宝もってるだろ!?」

勇者「ばか野郎!ここでもうひと悶着起こしてみろ、帰りの体力もなくなっちまう!」

商人「確かにもうみんな限界近いですよね。やくそうもこれ以上使いたくないですし…」

カンダタ「ありがてえ!あんたのことは忘れないぜ、じゃあな!」タタタ…

子分?「いつのひかかならずおまえにヤングべんとー食べほーだいだぞ!」タタタ…

戦士「はあ?なんだそりゃ?」

盗賊「あいつは最後まで良くわからなかったな。さて、きんのかんむりだが…」

使者「それは持っていって構わないそうよ、貴重品には違いないから」

勇者「あんたは…!何処から出てきた!?」

使者「王からの伝言を伝えるのが私の役目よ。そのためならどこにだって現れるわ。そして、その冠をロマリア王に返すかも貴方達が決めて良いそうよ」

盗賊「貰おう」

勇者「だな」

商人「良いんですか!?…でも、貴重な防具だし、今後の旅に役立てると考えれば、うーん…」

79: ーーカザーブの村、夜 2018/09/25(火) 16:40:35 ID:3BJy5WpA
戦士「ふい~、何とか無事に辿り着いたな!」

商人「帰り道で死ぬかと思いましたけど…」グッタリ

盗賊「帰り道でもやくそうを使っちまったな。出来れば道中では使いたくないもんだがな」

勇者「死ぬよりましだろ。それで今やくそうはいくつ残ってる?」

商人「ええと、7つですね。盗賊との戦いで10個使って、道中で1つ。その後あなほりで1つプラスといった感じです」

盗賊「半分以上使っちまったんだな。この先辛くなりそうだな…」

戦士「あ?勇者がスゲー回復魔法覚えるんじゃねーのかよ!」

勇者「それは相当先になるな。今までは上手くいったが、ここから先はどうだろうな…」

商人「結局、武器の更新もここまで出来てませんね…」

勇者「空き時間が出来たらもう一度だけシャンパーニに行ってみよう。それで見つからないなら諦めるしかないな」

盗賊「ったく、いつまで俺はひのきのぼうなのかねえ?」

商人「僕達もせめて金属の武器が欲しいですね。いつまで木の武器を使わないといけないのかなあ…」

81: ーー18日目、カザーブ北部 2018/09/26(水) 17:27:17 ID:DBrHKlbM
盗賊「さて、今日はカザーブから更に北に行く予定だったな。また村か町かあるんだったか?」

商人「確かそんな話だったはず…あ!あそこじゃないですか?」

戦士「なんだ、めっちゃ近いじゃねーか!」

勇者「だな。その割にはカザーブでほとんど情報がなかったが…」

盗賊「まあ、行けば分かるだろ…なんだかあまり賑わって無さそうな町だな」

商人「そうですね、妙に静かな…」

戦士「お?あそこに誰かいるぜ!おーい!おーい!おーいって言ってんだろ!」

勇者「聞こえてないのか?何か様子が…おい、聞こえないのか?」

町人「ぐうぐう…」

盗賊「立ったまま寝てるのか?器用だな、こんな真っ昼間から…」

商人「ええ、やっぱりおかしいですよ、すみません!そこの方、話を…」

町人B「すやすや…」

戦士「おいおい、どうなってんだよ!?」

82: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/26(水) 17:38:03 ID:DBrHKlbM
勇者「そういや、カザーブの酒場で聞いたな。眠りの呪いを受けた町があるってな」

盗賊「ああ、聞いたな!てっきり酔っぱらいの戯言だと思ってたんだけどな」

商人「とても信じられませんからね。こうして目の当たりにしても、これが現実なのか…」

戦士「おい!あっちに寝てないじーさんがいたぜ!なんでもエルフとかいうのから何とかってお宝を奪っちまったからこんなになったんだってよ!」

盗賊「エルフのお宝…?」

戦士「えーと、何とかルビーっめ言ってたはずだぜ!」

盗賊「ああ、ゆめみるルビーか!名高いお宝だな、そいつは!」

商人「ぼ、僕も聞いた事がありますよ。でも、おとぎ話の中の物だとばっかり…」

盗賊「俺もそう思ってたが、この有り様を見るにどうやら本当臭いな」

勇者「お宝を盗んで呪われたって事か。自業自得だな。…と言いたい所だがな」

戦士「なんだ?助けてやるのか?」

勇者「ここに魔王や親父の消息に関する情報が無いとも限らないからな。何年この様なのか知らねえが…」

商人「町の中の荒れ具合を見ると、情報が古い可能性もありますよね」

盗賊「ま、勇者様御一行だからな俺たちは。呪われた村を見捨ててく訳にも行かないだろうな。しかし、面倒な仕事になりそうだな…」

83: ーー19日目、シャンパーニの塔 2018/09/27(木) 14:12:37 ID:g0dHP8Hs
戦士「おい!昨日の流れならエルフのお宝探しだろーが!なんでこんなとこにいるんだよ!」

盗賊「そりゃ、せいなるナイフが欲しいからな。出来れば複数欲しい」

商人「時間が空きましたからね、もしかしたらラストチャンスかも…」

勇者「まだこの塔を隅から隅まで調べたとは言えねーしな。ま、調べても宝箱は開けられねーんだがな…」

盗賊レベル14「やっぱり辛いよな。さっきとうぞくのはなを覚えたんだが、何の役にも立たねえよ」

戦士「おめーの特技は役立たずだよな!」

盗賊「テメーは呪文も特技も覚えないだろうがよ!」

商人「戦闘向けとなると勇者さんだけですよね、そういうの覚えるのって…」

勇者「俺も連発出来る魔力はねーがな…ん?誰かいるな」

大男「お前ら、あのカンダタを倒してしまうなんて、よほど名の知れた盗賊なんだろうな」

盗賊「ん?ああ、そりゃあもうな」ニヤリ

商人「いやいやいや違いますよ!僕達はきんのかんむりを取り返しに…」

戦士「返してねーけどな!」

商人「あ、ああ…こうやって悪名っていうのは広がっていくんだろうか…」フウ…

84: ーー夜、カザーブ郊外 2018/09/27(木) 14:24:13 ID:g0dHP8Hs
ぐんたいガニのこうげきのぐんたいガニのこうげき!

戦士「や、やべえぜ…し、死ぬ…」フラッ

勇者「おめーはもう身を守ってろ!おらああっ!」ガンッ

商人「そ、それー!」ポコッ

ーーまもののむれをやっつけた!

盗賊「おい!大丈夫だろうな!?」

戦士「ギ、ギリギリ…」ヘタッ

勇者「あと少しだ、耐えろ!…しかし今日は特別収穫がなかったな」

商人「やくそうが1つ、どくけしそうとまんげつそうがいくつか。あとたびびとのふくが1つですね」

盗賊「つってももうたびびとのふくは足りてるんだよな。あとは勇者のレベルが上がったくらいか」

勇者レベル12「魔力がほとんど上がらなかったのがいてえな。ホイミを10回は使えるようになりてーんだがな」

戦士「ギラってのを使うと更に足りなくなるんだろ?」

勇者「まあな。ギラなんて使う余裕がねーと思ってたが、実際にはギラを使わない余裕がねーんだよな」

商人「ぐんたいガニの群れなんかと遭遇したら使わざるをえないですよね。僕と盗賊さんはろくにダメージ与えられないし…」

盗賊「だからこそのせいなるナイフを求めての今日1日だったんだがなあ…ま、言っても仕方ないんだよな。仕方ないんだが、日に日に攻撃力不足を実感するな…」

86: ーー閑話 2018/09/29(土) 18:05:20 ID:ea19SyVo
盗賊「きんのかんむりは戦士が装備してるな。あいつは守備力がヤバいからな」

戦士「守備力はきんのかんむりを装備して21!盗賊の51の半分以下だぜ!ははははは!」

勇者「笑い事じゃねえだろ…」

商人「とはいえ、僕も25ですし、勇者さんは26ですから、みんな低いんですよね。ただ、戦士さんが前から2番目なので…」

盗賊「ちなみに攻撃力は俺が37、戦士62、商人35、勇者が48だ」

商人「参考までに、戦士さんがはがねのつるぎを装備すると、攻撃力は81まで上がるんですよね…」

戦士「それでもこうもりおとこくらいなら一撃で倒せるぜ俺は!」

勇者「で、俺の魔力は29。はっきり言って全然多利ねえ。ま、勇者なんてこんなもんだろーがな」

盗賊「最後に体力は俺が92、戦士130、商人97、勇者が86だ。体力だけはみんなあるから、今の所死なずに済んでるな」

商人「いつまで無事でいられるでしょうね…」

87: ーー20日目、カザーブ北部 2018/09/29(土) 18:13:47 ID:ea19SyVo
戦士「っしゃあ!今日はいよいよ何とかルビー探しだな!っとお…」

ーーデスフラッターがあらわれた!さまようよろいがあらわれた!

商人「な、な、な…あの鎧が3体もいますよ!?」

盗賊「カラスも3体か、こりゃあなかなかのスリルだな」

勇者「くっそ、朝っぱらから魔力を使うようだぜ!ギラ!」ゴオオ…

戦士「一体効いてねえぞ!オラオラ!」ゴンッ

さまようよろいのこうげき!デスフラッターのこうげき!デスフラッターのこうげき!

盗賊「くっそ、攻撃力がヤバいな。鎧はかてえし、俺らはカラスだな!」ポコッ

商人「は、はい!」ゴンッ

デスフラッターをたおした!

さまようよろいのこうげき!デスフラッターのこうげき!デスフラッターのこうげき!デスフラッターのこうげき!デスフラッターのこうげき!

戦士「うおお、死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!くっそおお、くたばれテメーらあ!」ゴンッ

勇者「うおおらあっ!喰らええ!」ザンッ

ーーまもののむれをやっつけた!

勇者「くっ、なんとか勝てたが…戦士、ホイミだ!…最初の戦闘から魔力をこんなに使ってたら持たねえな。今日はあんまり長く探索出来ねえかもな…」

88: ーーノアニール西部 2018/09/29(土) 18:20:59 ID:ea19SyVo
盗賊「とりあえずあの後は大した敵も出てこないな」

勇者「ガスやイモムシは体したことねーからな。さて、それよりそろそろエルフの隠れ里ってのが見えてくるはずだが…」

戦士「んなもんあるかあ?お、あそこに洞窟があるぜ!あそこじゃねえのか?」

盗賊「バカ、エルフっつったら森だろ。が、お宝ならあそこにあってもおかしくはねえかな」

商人「ゆめみるルビーですか?確かにそうかもしれませんけど、まずは隠れ里を探してエルフ達から話を…」

戦士「どうせルビーは探しに行くんだろ?ならドラクエ行こうぜ!」

盗賊「確かに、そっちの方がスリルはありそうだな」

商人「え、ええ?!ちょっと待って下さいよ、勇者さん!勇者さんはどう思いますか?」

勇者「とりあえず洞窟を見つけたんだから、ここを探索でいいんじゃねえか?」

戦士「だよな!よし、行こうぜ!」

盗賊「さて、ここはシャンパーニよりスリルがあるかな?」

商人「ちょ、ちょっと…ああ、なんて前のめりなパーティーなんだろう…」フウ…

90: ーー地底の湖、B1F 2018/09/30(日) 17:08:27 ID:3m5xhxns
戦士「作戦っぽい?そうかそうか、じゃあお前ら、俺の作戦に付いてこい!」

盗賊「ただの誤字ではしゃぐな!…ったく。それよりここの魔物もまた強いな。へへ、スリルあるぜ」

商人「つ、辛いですよ…あの吸血鬼みたいな魔物が強いですね、攻撃力も呪文も…」

勇者「あのキノコも、今の所は大した被害が出てないが、眠らされるのは厄介だな。あいつから倒すべきか、他から倒すべきか…」

戦士「あの犬は大したことねーな、俺はもともと守備力低いから魔法で下げられても大して問題ねーぜ!」

盗賊「俺はそこそこ辛いがな…ま、進めない程じゃ無さそうだ…っと、誰かいるな」

商人「こんな所に誰が…神父様?!」

神父「おお、このような所に人が…この洞窟のどこかに、体力や魔力が回復出来る泉があると言います。貴方達もそれを求めて?」

勇者「いや、知らないな…こんな所にそんな物が本当にあるのか?」

神父「確かに、何故このような所に…私には、悲しげな呼び声が聞こえますぞ」

商人「悲しげな…呼び声?」

盗賊「ふーん…ま、行ってみりゃ分かるだろ。行こうぜ」

戦士「おお、進むぜー!」

神父「お気をつけて、旅のお方…」

勇者「…神父ってのも大変だな、こんな所で…しかし、回復の泉か…本当にあるなら魔力の足りねえ俺らには有難いことこの上ねーが、本当にそんなものあるのか…?」

91: ーー地底の湖、B1F 2018/09/30(日) 17:18:21 ID:3m5xhxns
戦士「お?別れ道だぜ、どっち行く?」

勇者「……とりあえず 右に行ってみるか」

商人「右ですか、分かりました…あ、また別れ道です!」

勇者「今度は左だな…階段だな」

盗賊「おし、下りてみるか…お?また下り階段だ、下りるぜ」

戦士「お?今度は上りだ、行ってみようぜ…また上りかよ!」

商人「2つ下がって2つ上って…って事は…ああ、やっぱりだ!最初の別れ道に戻って来てしまいました!」

戦士「ははは、勇者の勘も大したことねーな!よし、じゃあ今度は行ってない方の道を…」

勇者「待ちな。今日はもう引き返すぞ。魔力切れだ」

戦士「ああ!?もうかよ!」

盗賊「今日はカザーブ出てすぐに魔力を使っちまったからな、まあ仕方ないだろ」

商人「ええ、まだ余裕のあるうちに帰るのが賢明だと思いますよ」

戦士「ちぇーっ。ま、良いか、お楽しみは取っとかねーとな!」

勇者「お楽しみになれば良いがな…ったく、武器も防具も魔力も足りねえ。良くここまで無事で来られたもんだぜ…」

92: ーー21日目、カザーブ 2018/10/01(月) 17:39:14 ID:vCxm0BGI
商人「今日はどこに行きますか?昨日の続きか、それとも…」

盗賊「シャンパーニでせいなるナイフを探すのもまあ、悪くはないと思うが…もう見つかる気がしないな」

戦士「あるかねーかも分からねー物よりよお、なんとかの泉となんとかルビーを探しに行こうぜ!」

勇者「そうだな…本当に回復の泉なんてものがあるなら、俺達にはありがたいし、あの洞窟攻略の足掛かりにもなるよな」

盗賊「正直あの消耗具合じゃとても洞窟の奥まで行ける気はしないが…途中で回復出来るなら話は変わってくるからな」

商人「じゃあ、今日はあの洞窟に行くんですね?」

勇者「ああ、それにもしかしたらせいなるナイフよりも良いものがあるかもしれないしな」

盗賊「実際、ナイフ一本じゃちょっとした底上げに過ぎないからな…」

戦士「おっしゃあ!じゃああの洞窟に行くぜー!てめえらついてこいやあ!」

勇者「うるせー!指図してんじゃねー!」

商人「ま、まあまあ…あの洞窟かあ。今日も無事で帰って来られれば良いけれども…」

94: ーーノアニール西部 2018/10/03(水) 20:31:26 ID:YK/Pu5aQ
勇者「ちっ、洞窟に行く前に夕方になっちまった」

盗賊「少し回り道し過ぎたか?ま、もう着くから良いだろ」

商人「やっぱりここに来るまでに少し消耗してしまいましたね…」

戦士「ノアニールとかいう町に宿がねーのがわりーんだよ!カザーブからだと遠いんだよ!」

盗賊「宿屋が無いわけじゃないみたいだけどな。ま、あの様子じゃないのと変わらないがな」

勇者「今回もあんまり長居は出来そうにねーが、回復の泉さえ見つければ話は変わるな」

商人「本当にあるんでしょうかね?そんなのがあったら宿屋は商売上がったりですよ」

盗賊「いくらただで回復出来たって、こんな洞窟の中まで来る奴はそうそういねーだろ」

商人「それはそうですが…」

戦士「よっしゃ!じゃあ行こうぜ、タダ宿探しによお!」

勇者「宿じゃねーよ、水だけで生きてたあけるってんならオメーだけ泉に置いてくけどな!ま、あったらの話だが、どうなるか…」

95: ーー地底の湖、B2F 2018/10/03(水) 20:48:05 ID:YK/Pu5aQ
戦士「しっかし、代わり映えしねえモンスターばっかだよなここは!」

盗賊「どうだろうな。まだ3種類としか会ってないが、これしか居ないのかねえ?」

勇者「しかしどいつもこいつも攻撃力が高え。そろそろ引き返す事も考えるようだぜ」

戦士「もうかよ!?まだ洞窟入ってから2、3回しか戦ってねーじゃねーか!」

盗賊「だからここの魔物は強いんだよ。しかしこれじゃいつまでたっても…お?おお、あれ見てみろよ!」

商人「あ、何でしょうねあれは!?こんな洞窟には不釣り合いな立派な柱が…人工的なモノですよね?そしてあれはもしかしたら…やっぱり!泉ですよ!」

戦士「おお!?じゃああれがタダ宿か?」

盗賊「だから宿じゃねえよ!だが、もう目の前だ…よし!着いたぜ!」

戦士「っしゃあ!タダ水もらうぜー!」ゴクゴク

商人「わっ!?ち、躊躇とかしないんですか?」

盗賊「こいつがそんな事するかよ、で、どうだ?」

戦士「すげー!みろよ、傷が全部消えて無くなったぜ!」ウオー

勇者「マジか…よし、俺も…おお、魔力が、戻ってきたぜ…!」

商人「す、凄い!本当にこんな場所があるなんて…!ここに宿屋を作れば…いや、やっぱりアクセスが悪いし、この水を瓶詰めにして売り出した方が…」ブツブツ…

盗賊「いやいや、神秘の泉で金勘定するなよ…」

97: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/06(土) 10:54:08 ID:R0XAhblQ
戦士「くっそ、ここのモンスターは…らあっ!」ボガン

バンパイアはヒャドをとなえた!バリイドドックのこうげき!

勇者「くっそ…だああっ!」ザンッ

ーーまもののむれをやっつけた!

盗賊「まだ泉からそんなに離れてないんだけどな、ボロボロにねっちまったな」

商人「そうですね…うーん、まさかあの泉から直接飲まないと効果がないなんて… 瓶詰め計画はご破算かあ…」ブツブツ…

勇者「ごちゃごちゃ言ってんじゃねーよ!さあ、泉にもどるぞ」

戦士「戻るのかよ!?まだちょっとしか歩いてねーじゃねーか!」

盗賊「ま、スリルは好きだが全滅したい訳じゃないからな、泉に戻るのは良いと思うが…」

商人「もしかして僕達、泉から離れられなくなったんじゃ…」

勇者「んな訳ねーだろ、ここまで来れたんだから帰れるにも決まってるだろ!」

戦士「つー事は帰んのか?てっきりこの洞窟攻略するのかと思ったぜ」

商人「無理でしょう、これじゃ…」

盗賊「だな、ま、無事に戻れる保証もないが…まず泉にもどってからだな」

勇者「ああ、死にさえしなけりゃ泉で何度でもやり直せるからな。死にさえしなけりゃな…」

98: ーーカザーブ北部、夜 2018/10/07(日) 19:50:52 ID:OYPVSJh.
勇者「おい!もうちょっとだぞ、しっかりしろ!」

商人「だ、大丈夫です、さすがにこいつらくらいは…それっ!」ゴスッ

じんめんちょうをたおした!

キャタピラーのこうげき!じんめんちょうはマヌーサをとなえた!盗賊はまぼろしにつつまれた!

盗賊「くっそ、うざったいな…そらっ!」ツンツン

じんめんちょうをたおした!

戦士「お、まぐれ当たりか?そらそらそらあっ!」ドゴン

キャタピラーをたおした!まもののむれをやっつけた!

勇者「よし、もう大丈夫だな、カザーブはすぐそこだ。なんとか死なずに帰ってこれたな」

盗賊「なんとかな。やくそうを消費したのは少し痛かったが…」

戦士「一個だけじゃねーか、ケチケチすんなよ!」

商人「買えるのならばそうなんですが…やくそうを使って得たものがどくけしそう、まんげつそう、キメラのつばさですか、うーん…」

盗賊「この旅の条件だとやくそうを失う方が辛いな。ま、その代わり回復の泉なんてものを見つけたし、なんとかなるさ」

勇者「ああ、あそこで回復出来ると分かればもう少し攻撃に魔力を使えるからな。次はもっとスムーズに行けるはずだ」

商人「とはいえ、明日は新しい場所に行かないといけないですね。近くにあると言うエルフの隠れ里がすんなり見つかれば良いのですが…_

99: ーー22日目、ノアニール西部 2018/10/08(月) 20:12:56 ID:NAnYflkI
戦士「お、あの洞窟が見えてきたぜ!」

勇者「待てよ、今日はまずエルフの隠れ里を見つけなきゃならねえ」

商人「偶数日は新しい場所に行かないといけないですからね。でも、一体どこに…」

盗賊「ああ、目星なら付いてるよ。ほら、こっちだ」ザッザッ

戦士「ホントかよ…お?こいつは…」

商人「何者かが歩いた跡…!この跡を辿っていけば、もしかしたら…」

勇者「おそらくな…おお、あったぜ!しかし、良く分かったな」

盗賊「ま、盗賊のカンってやつだ。さあ行ってみようぜ。問題はここからかもしれないがな」

戦士「ああ?見つかったなら良いじゃねーか!」

勇者「バカ、わざわざ隠れすんでるって時点で人間と関わりたくねーんだろエルフ達は。それに…」

商人「ゆめみるルビーも持ち去られたという事ですからね。僕らを歓迎してくれるかどうか…」

盗賊「ま、そういう事だな。しっかしエルフ達の宝を盗み出すとは、よほど器用か色男か…気になるじゃないか。さあ、行こうぜーー」

100: ーーエルフの隠れ里 2018/10/08(月) 20:26:07 ID:NAnYflkI
エルフC「人間に物は売れませんわ。お引き取り下さいませ」ツーン

商人「そ、そんな…そこを何とか…」

勇者「おい!どうせ物は買えねーだろ!行くぞ!」

盗賊「へっ、商売熱心だねえ。しかしエルフってのは女しかいないのか?なかなか良い所じゃないか」

勇者「どうやらエルフの長がいるみたいだな。っと、どうも、俺達は…」

エルフ女王「あなた達人間がこの里に何の用ですか?」

盗賊「これは失礼、美しい女王様。俺達はノアニールの…」

女王「ノアニール?ああ、そんな事もありましたね。私の娘アンは、あの町の男と駆け落ちしてしまいました。ゆめみるルビーを持ち出して…エルフと人間、どうせアンは騙されたに違いありません。人間なんて見たくもありません」

商人「そ、そんな…ああ、あの様子ではノアニールをもとに戻してはくれなさそうですね」

勇者「そうだな…とりあえず、ゆめみるルビーを探して返せば気も変わるかもしれないな」

盗賊「しっかしルビーと姫様の両取りとはね。羨ましい男だぜ。よほど上手いこと言いくるめたみたいだな」

商人「そんな!二人は愛し合って…」

盗賊「んな訳ねーだろ、純な姫様を男が騙したのさ。ま、そんな事はどうでも良いさ。俺らはルビーを見つけて返すだけだ。となると、やっぱりあの洞窟だろうな…」

101: ーー地底の湖、B2F 2018/10/09(火) 19:42:34 ID:kZKZ67Ck
勇者「さて、回復の泉に着いたな。少し休むか」

戦士「っかー!ここまで来るのだけでも大変だな!」

商人「盗賊さん…さっきの話、僕はまだ納得出来ないですよ」

盗賊「お前も姫様みたいに純な奴だな。そもそもなんでゆめみるルビーを盗み出したんだよ。お前なら、惚れた女に盗みをさせるのか?」

商人「そ、それは…何か事情が…」

勇者「単純に考えりゃあ、駆け落ちで必要な路銀のため、か?」

盗賊「ま、おそらくそんな事を吹き込んで持ち出させたんだろうな。姫様も迷ったろうが、結局里や母親より男を取ったって訳だ」

商人「そんな…」

盗賊「母親があんなに美人なら、姫様もさぞかし美しかったろうな。となると、ルビーだけじゃなく姫様の方にもいろんな『使い道』があるわけだ。お前商人なら、エルフの女の値段なんか分からないか?」

商人「し、知りませんよ!そんな話、聞きたくもないです!」

盗賊「そうか?じゃあ肝心な所だけ話すが…もし俺の思う通りで、男の思惑通りになってたら、おそらくここにはゆめみるルビーはもうないぜ」

戦士「はあ?なんでだよ!」

勇者「エルフの女王の話やノアニールの様子を見るに、おそらく何年も…もしかしたら10年以上経ってるだろうからな。そんなに長い時間こんな所にはいないだろうな」

商人「そ、それはそうですが…でも、男の思い通りにいってない可能性だって…」

盗賊「ああ、その可能性も十分にある。こんなに寒くて暗くて魔物だらけの所で、いつまで恋の炎を燃やしていられるか…答えはこの先にあるはずだ。さあ、行ってみようぜーー」

102: ーー地底の湖、B3F 2018/10/09(火) 19:53:40 ID:kZKZ67Ck
ーーバンパイアのこうげき!ひとくいがのこうげき!

戦士「うお!?ここにきて見たことないモンスターだな、おらあっ!」トガッ

勇者「うらあっ!」ザグッ

ーーまもののむれをやっつけた!

商人「ふう、あの蛾の魔物も強いですね」

盗賊「だがまあ、他と比べて特別強い訳じゃねえ。さ、行こうぜ」

戦士「うっしゃー、どんどん行くゼー!お、階段だぜ!下りだ!」

勇者「下り階段か…さっきもあったが、あそこは湖の真ん中の小島行けただけだったな」

商人「何もありませんでしたよね…大きな地底湖があるのが分かっただけでした」

戦士「さっき外れたって事は今度は当たりだろ!下りようぜ!」

盗賊「理屈になってねえよ…だがまあ、この洞窟も大体歩き回ったしな、そろそろ当たりでもおかしくはないな」

勇者「まあ、下りれば分かるだろ…くそ、やっぱりこの階は肌寒いな…」

商人「確かに、こんな所に長居は出来ないでしょうね…」

盗賊「ああ。だが、見てみろよ。何かありそうだぜ。いよいよ答え合わせかな?あの二人の運命は、さてどうなったかーー」

103: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/09(火) 20:13:50 ID:kZKZ67Ck
盗賊「…宝箱!。こいつは開けなきゃならないだろうな。どれ…」カパッ

戦士「なんか入ってたか?…おおっ!こりゃ宝石だな!」

商人「ええ、ゆめみるルビーで間違いないでしょう?あと、底に手紙が…読んでみましょう……え?こ、これは…盗賊さん!やっぱり二人は愛し合ってて…」

盗賊「どれ、貸してみな…なるほど、心中か。となると、姫様が思い詰めたか、男の思惑に気付いちまったか?それとも…」

商人「まだそんな事を…!二人は…」

盗賊「ああ、その可能性だって0じゃねえよ。だが俺は、姫様が男の思惑に気づいて、男を湖に突き落として、自分も…って方が自然だと思うね」

戦士「自然じゃねーだろ!こいつらこんな所まで来たんだぜ?俺らだってこんなに苦労してここまで来たんだ、男はよっぽど腕が立つはずだぜ。それを女の細腕で突き落としたり出来ねーだろ!」

盗賊「ほー、それじゃ戦士よ、そのルビーを覗きこんでみなよ」

戦士「あ?このルビーがなん…だ……zzz…」グオー…

勇者「いびきうるせーな!しかし、あっさり睡っちまったな。これなら男を突き落とすのも難しくはない訳だ」

盗賊「ああ。ここで姫様は、この洞窟の過酷さに夢から引き戻されたか、それとも男に何らかの理由で不信感を持ったか、はたまたノアニールの惨状を知って恐ろしくなったか…とにかく、男が信じられなくなって、ルビーの力を借りて男を湖に突き落として、自分もーーって訳だおら、いつまで寝てんだよ」バシッ

戦士「いってえ!…ん?俺寝てたのか?なんでだ??」

商人「…でも、それはあくまでも盗賊さんの想像で…」

盗賊「まあな。残念だが、真実はもう誰にも分からねえ。分からねえからーー商人、お前の思う通りって事にした方が、みんな幸せだろうな」

勇者「さあ、もう良いだろ?ルビーも手に入ったし、戻ろう。ここから無事に帰ることが、今一番の問題だぜ。ここに来るまでに魔力もなかり消費しちまったしな…」

105: ーー地底の湖、B3F 2018/10/10(水) 19:25:33 ID:Z2UKLi0Y
ーーマタンゴのこうげき!ひとくいがのこうげき!

戦士「くっそ、くっそ…うおおらー!」ゴンッ

勇者「まだまだ!おらあっ!」ザグッ

マタンゴをたおした!ひとくいがをたおした!まもののむれをやっつけた!

商人「はあ…ボロボロになってしまいましたね…」

盗賊「さすがにそろそろやばいな、泉まで持つかどうか…そういや勇者よ、さっきレベルが上がって呪文覚えたみたいじゃないか。ここを脱出出来るような呪文じゃなかったのか?」

勇者レベル13「残念ながら、俺が覚えたのはアストロンって呪文だ。リレミトはまだ覚えてねーよ」

戦士「なんだよ、覚えてねーのかよ!」

勇者「うるせー!そもそも覚えてたとしてももう魔力切れだ。ホイミの一発もつかえねーよ」

商人「参りましたね。あまり気は進まないですが、やくそうを使うようですね…」

盗賊「ああ、こっちにもくれ。ここで魔力は0でやくそうを2つ消費、泉はもう1つ上の階ときた」

戦士「なんだ、弱気になってんのかよ?!」

盗賊「バカいえ、ちょうど良いスリルだぜ。今までがぬるすぎたからな」

勇者「とはいえ、誰も死なずに泉まで行けるのか…少し雲行きが怪しくなってきやがったな…」

106: ーー地底の湖、B2F 2018/10/10(水) 19:44:05 ID:Z2UKLi0Y
ーーマタンゴがあらわれた!バリイドドックがあらわれた!

勇者「くそっ、数が多い!逃げるぞ!」ダカダカダカ…

しかし まわりこまれてしまった!マタンゴのこうげき!バリイドドックのこうげき!

商人「ど、どうしますか!?覚悟を決めて…」

勇者「バカ、逃げると決めたら逃げるぞ!さあっ!」ダカダカダカ…

盗賊「ふう、逃げ切ったか。なかなかのスリルじゃないか」フウー

戦士「やっぱり逃げるなんて性に合わねーよ!戦おうぜ!」ウガー

勇者「もうそんな余力ねーよ。それにもう少しだ、ほら、泉が見えて…」

マタンゴがあらわれた!

商人「ああっ、あとちょっとの所で!」

勇者「マタンゴ4匹か…くそっ、やるぞオメーら!」

戦士「たりめーだ!オラオラー!」ゴンッ

盗賊「よっし、俺も…」

マタンゴのこうげき!マタンゴのこうげき!

盗賊は死んでしまった!

108: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/13(土) 14:38:07 ID:5QP1iVfs
商人「と、盗賊さん!」

戦士「おいおい、あいつ死んじまったじゃねーかよ!」

勇者「慌てるな!まずは目の前の敵を倒すぞ、おらあっ!」ザグッ

商人「は、はい!このおっ!」ゴンッ

ーーマタンゴたちをやっつけた!

戦士「おいおいどーすんだよ!なあどーすんだよ!」

勇者「落ち着けって!まずは泉だ、行くぞ」

商人「はい!…と言っても本当に目の前でしたね。あと一息だったのに…」

戦士「ぐびぐび…あー、生き返ったぜ!よっしゃ、早く帰って盗賊生き返らせようぜ!」

商人「でも、カザーブは遠いですね…ここからの道のりも大変ですよ、盗賊さんもいないし…」

勇者「いや、まずはエルフの隠れ里だ。そこで上手くノアニールの呪いを解ければ…」

戦士「おー、カザーブまで行かなくて良いのか!」

商人「なるほど…でも女王は呪いを解いてくれるでしょうか…?」

勇者「さあな、そこは賭けになるが…例え解いてくれなくても、大した寄り道じゃねえからな。さ、そうと決まったら行くぞ。さっさと生き返らせてやらねえとな…」

110: 回復の泉にぬののふくぶん投げてきました 2018/10/14(日) 19:49:29 ID:JxHhlZFo
ーーエルフの隠れ里

エルフ女王「ーー分かりました。ではこのめざめのこなをお持ちなさい。これでノアニールの人々は目覚めるでしょう…おお、アンよ!ママを許しておくれ!」

勇者「…ふう、気の重い仕事だったな…」

戦士「やっぱり家族が死ぬって辛いよな。お、商人、お前も辛そうだな?」

商人「…これで、良かったんでしょうか?王女は、男に…」

勇者「それは盗賊の考えだろ。本人も言ってただろ、本当の事は誰にも分からないってな。そもそも、それを伝えて女王の考えが変わったらどうする?ノアニールは呪われっぱなしだ」

商人「それは…確かにそうですね…」

勇者「俺達が最優先するべきはノアニールの呪いを解く事だ。だから、これで良いんだよ」

戦士「にしても、あれだけ怒ってたのに眠らせただけってのはなんでなんだろうなあ?全員眠らせられるなら皆殺しにだって出来るよなあ?」

勇者「さあな…ゆめみるルビーを盗まれた報復だからじゃねーか?お前ら眠りが欲しいんだろ?なら好きなだけ眠らせてやるよ、ってな」

商人「なるほど…」

勇者「さあ、呪いを解く手段は手に入れた。ノアニールに行ってさっさと呪いを解くぞ」

戦士「おー、盗賊のやつも早く生き返らせないとな!」

111: ーー夜、ノアニール 2018/10/14(日) 20:00:28 ID:JxHhlZFo
商人「なんとか無事にここまで来ましたね。では、このめざめのこなを…」サアア…

戦士「おお、風に舞い上がっていくぜ!すげー!」

勇者「この風は…この風も魔法なのか?町全体に降り注いでいく…」

商人「これで呪いが…あ!見てください、町の人達が!」

「ふああ…」「よく寝たなあ…」「あれ?なんでこんな所で…」

戦士「おおっ!目が覚めてるぞ!町の連中みんなだ!」

勇者「どうやら呪いは解けたみたいだな…お、じいさんが近づいてくるぜ」

老人「ま、町のみんなが…!これはあなた方が!?ありがとうございました!」

商人「いえ、そんな…」

勇者「ああ、眠ってた町に通りかかったから起こしただけだ。大した事じゃ…さて、それより盗賊だ、教会に…」

老人「教会?はて、この町に教会はありませんが…」

戦士「はあ?ねーのかよ!」

商人「という事は結局カザーブまでいかなければ盗賊さんは生き返らせられないんですか?」

勇者「のようだな。まああと少しだ、問題ないだろうが、あてが外れたな…」

113: ーー夜、カザーブ教会 2018/10/16(火) 19:41:53 ID:kqWiWQcU
盗難「………ん、ここは…」

戦士「おおー!生き返ったぜ!」

商人「良かった…神父様、ありがとうございました!」

神父「うむ、道中気を付けてな。皆様に神のご加護があらんことを」

勇者「ふう、一件落着だな。ぬののふくは捨てたが、もう少し装備には余裕があるからな」

商人「帰り道でたびびとのふくを見つけましたからね、差し引き0です」

戦士「にしてもよお、本当に大丈夫なのか?痛いとことかねーのか?」

盗賊「ああ、今は大丈夫だ、死ぬ時はそりゃ痛かったけどな…つーか、お前に心配されるのはキモいな」

戦士「てめー、人がせっかく心配してるのにキモいとはなんだよ!」ウガー

盗賊「わ、悪かったよ。それより早く宿に行こうぜ。痛みはないが疲れちまったよ」

商人「そうですね、今までで一番疲れた1日だったかもしれません…」フウー…

勇者「まあ、さすがに今日はな…よし、じゃあ宿に行くぞ」

戦士「っしゃー!飯食って寝るぜー!」

盗賊「元気だなお前…」

114: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/16(火) 19:55:59 ID:kqWiWQcU
戦士「ぐがー、ぐがー」zzz…

勇者「…んん…うるせー…」ムニャ…

商人「………」フウ…

盗賊「…眠れないのか?」

商人「盗賊さん…いえ、いやまあ、そうですね…」

盗賊「ノアニールの、あの二人の事か?あんまり俺の言ったこと気にするなよ。結局何が正しいかなんてもう分からないんだからな」

商人「そうですけど…」

盗賊「…なあ、あの湖を見て、あの手紙を読んだ後…やっぱりお前にはあの二人が仲良く手を繋ぎながら身を投げる姿が見えたのか?」

商人「え?ええ、見えたというか、そうだったんだろうなって…」

盗賊「そうか。俺には見えたよ。男を罵る女と、必死に言い繕う男。しばらくして、女は男に微笑んで、おもむろにゆめみるルビーを男の目の前に付き出すんだ」

商人「…」

盗賊「意識が遠のいていく男に女は体当たりをして、男を湖に突き落とす。男がゆっくり湖の底に沈んでいくのを、女は泣きながら、笑いながら見つめているんだ。そして、男が見えなくなった頃、自分もーー嫌になるよなあ?」

商人「え?」

盗賊「こんな考え方しか出来ない自分がさ。お前みたいにまっすぐ生きてりゃあ、こんな風にはならなかったんだろうが…まあ、だから盗賊なんてやってるんだけどな。さ、もう寝ようぜ。明日もまた冒険だ。疲れを残す訳にはいかないからな…」

116: 男だらけの夜会話…グハアッ 2018/10/17(水) 20:31:32 ID:kBL.T/IA
ーー23日目、カザーブ

勇者「つー事で、俺達の次の目的地はアッサラームだ」

盗賊「つー事でってなんだよ」

商人「えっと、ノアニールの宿屋で、オルテガさんがアッサラームに向かったっていう情報があったんですよ」

戦士「しかも昨日って言ってたぜ!あ、1日経ったから一昨日か!まあすぐ追い付くだろ!」

勇者「バカ、親父が町を出てってからすぐノアニールは呪われたんだよ!だからもうずっと前の話だ」

商人「でも、アッサラームに行ったのは間違いないので…で、あの、盗賊さんは、ノアニールに行かなくても大丈夫なんですか?」

盗賊「ノアニール?いや、俺は別に…何かあるのか?」

勇者「いいなら良いんだよ、お前は呪いが解けたあの町を見てないから、見たいならって思ってな」

盗賊「ああそういう事か。別に構わないな、後からでも、それこそこの冒険が終わってからでも来られるしな」

勇者「なら、今日は1日余裕があるからな、またシャンパーニに行ってせいなるナイフ探しだ」

戦士「まだ諦めてなかったのかよ!どうせ見つからねーんだから地底の湖で経験値稼いだ方が良くねーか?」

勇者「ところが今朝アリアハンから手紙が来てな、ただで回復出来る場所に長いこと居続けるのは好ましくないってさ」

商人「まあ、それをしたら2日ごとに新しい場所に行く縛りが緩くなりますからね…」

盗賊「なあに、俺か商人が今日こそは見つけてやるさ。さ、そうと決まったら行こうぜ」

117: ーーシャンパーニの塔、1F 2018/10/18(木) 20:02:45 ID:7YHCLYB6
戦士「本当にいつまで経ってもせいなるナイフが出なああい!盗みでもあなほりでも出なああい!」クワッ

盗賊「でも…レベルアップすれば、世界は変わる」ニヤリ

商人「なんて強さなんだ…この強さ、まさにメイドインアリアハン」

勇者「経験値、だーいすき♥️…って何やらせんだクソ共があっ!」

盗賊「まあ落ち着けよ。しかし出ないなせいなるナイフ。一旦五階まで上がって下りてくるまでに全く出なかったぞ」

戦士レベル15「ホントはレベル上がったの俺だけだしな!」

商人「しばらくレベルに触れてませんでしたけど、勇者さんが13、他の3人は15です…よっと」ザッザッ

盗賊「なんだ、懲りずにあなほりしてるのか商人。マメだなあ」

勇者「今のところどくけしそうとまんげつそうばっかりだからな…っておい商人、そいつは…」

なんと どうのつるぎをてにいれた!

戦士「おおー!やるじゃねーか!」

商人「はい!目的の物とは違いましたけど…」

盗賊「まあ、この際贅沢は言えねえよ。武器が初めて更新出来た、それだけでも感謝しなきゃな」

勇者「よし、とりあえずこれは戦士が装備しとけ。商人が持って攻撃力の底上げをしても良いが…」

商人「1人メインアタッカーがいた方が良いですよね。でも、僕と盗賊さんは未だに木製の武器だなあ。早く更新したいけど…」

119: ーー24日目、ロマリア郊外 2018/10/21(日) 19:48:32 ID:1NqUvFOQ
戦士「っしゃー!アッサラーム行くぜー!」

商人「アッサラームってここロマリアから東ですよね?東には恐ろしい怪物がいるという話ですが…」

盗賊「へっ、スリルがあって良いじゃないか。まあそう心配すんなよ、ちょっと西の方見てみなよ」

商人「西…?あ、あれはほこらですか?」

盗賊「もし本当に怪物だらけで進めなかったとしても、あのほこらに行けば縛りは回避出来る。進めないなら進まなくても大丈夫って訳だ」

商人「な、なるほど…」

勇者「あんまり冒険してる地域と離れすぎても縛り回避に使いづらいからな、そろそろ使っちまっても良いとも思うが…」

盗賊「まずは行ってみてからだな、よし、行くか」

戦士「アッサラームか、どんな町だろうな!楽しみだな!」

勇者「ノアニールみたいじゃないと良いがな」

商人「ま、まさかそんな…」

盗賊「でも実際呪われた町はあったからな。この先何が起きても不思議じゃねえよな」

勇者「まあ…何があろうと進むだけだけどな。行くぞ」

戦士「うおー!待ってろよアッサラーム!」

盗賊「少しは落ち着けよ…ま、今から元気なくても困るけどな」

120: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/21(日) 19:57:19 ID:1NqUvFOQ
勇者「ーー橋が見えてきたな。橋を渡ると魔物が強くなる、ってのは昔から言われてるらしいが…」

戦士「っしゃー!渡るぜー!っておお!?モンスターだぜ!」

あばれザルがあらわれた!バンパイアがあらわれた!

盗賊「おお!?ばかでかいサルだな、しかしまずはあんまり体力がないって分かってるバンパイアの方からだろ、おらあっ!」ポコッ

戦士「うおおおおー!」ザンッ

バンパイアをたおした!あばれザルのこうげき!あばれザルのこうげき!

勇者「ぐおっ!?バカ力が!おらあっ!」ザンッ

商人「こ、このおっ!」ゴンッ

ーーまもののむれをやっつけた!

戦士「おお、思った程じゃなかったな!」

勇者「アホか、クソいてえよ!だがまあ、バンパイア辺りとそこまで攻撃力の差はなかったかな」

商人「これならなんとかなりそうですね。とはいえ、他にも手強い魔物がいるのかもしれませんが…」

盗賊「そうでなくちゃスリルがないからな。よし、じゃあどんどん進もうぜ」

勇者「アッサラームまでどれくらいの距離なのか…近ければ良いんだけどな…」

122: ーーアッサラームの町 2018/10/22(月) 19:48:33 ID:Cw5X7HL2
戦士「おっしゃ着いたぜアッサラーム!」

盗賊「あれから一回しか戦闘せずにあっさり着いたな。ちょっとスリルが足りないぜ」

商人「いやあ、魔物が強いからスリルはありましたけど…それにしてもにぎやかな町ですね」

勇者「今までに寄った町では俺等は余所者丸出しだったけど、ここは旅人も多いから浮かなくて済むな」

旅人女「やーきにくーだー そのことーばーくちずーさんだーらー♪やーきにくーだー ほらねこーをーばらしーはじめーたー♪」

猫「ふにゃー!?ばらしちゃダメですにゃー!」オアー

戦士「ん?今猫がしゃべってなかったか?」

勇者「んな訳ねーだろ。にしてもせっかく新しい町に来ても、買い物出来ねえからやることねーんだよな」

商人「本当ですよね。色々見て回っても張り合いがないというか…」

盗賊「いや、この町は夜になると違う顔を見せるらしいぜ?だからとりあえず町から出て、モンスター倒しながら夜を待つってのはどうだ?」

勇者「そうだな…俺は親父が南に行ったっていう話が気になったな。夜の町はともかく、町を出てみるのは悪くねえ」

戦士「っしゃー!じゃあ魔物退治だな?やってやるぜー!」

商人「うーん、ここの魔物強いから少し怖いなあ…」

123: ーーアッサラーム南部、夜 2018/10/22(月) 19:58:11 ID:Cw5X7HL2
勇者「おいおい、南に行ったって、南は海しかねーじゃねーかよ!」

盗賊「まっすぐ南じゃないのかもな。東にも行けないようだし、西か?」

戦士「西ってえと砂漠か?暑そうだなおい!」

商人「砂漠は昼間は灼熱ですけど夜は凍えるほど寒いっていいますよね。辛い旅路になりそうですね…」

勇者「今さら辛いもクソもねーよ。でも砂漠で思い出したぜ、確か砂漠の南にまほうのカギの事を知ってる老人がいるとか町で聞いたな」

盗賊「ああ、言ってたな。そういやオルテガさんもまほうのカギを探してたって話だよな?」

商人「では、オルテガさんももしかしたら砂漠南の老人の所へいったかも…」

勇者「多分だけどな。よし、とりあえず次に行くべき所は決まったな」

盗賊「よっしゃ、そうと決まったらまず町へ戻ろうぜ。もう夜になったし、あの町のーー」

キャットフライがあらわれた!バリイドドッグがあらわれた!さまようよろいがあらわれた!

商人「も、モンスター!しかも5体もいますよ!」

戦士「構わねえ、やるぜおい!」ウオー

勇者「あの鎧のやつとルカナン使いが一緒か。しかもあの飛んでる猫も攻撃力がかなりあったと思ったが…やるしかねえな、行くぞ!」

125: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/23(火) 19:53:02 ID:PwHqxyRw
盗賊「とりあえず柔らかい犬からだろ、そらっ!」ポコッ

バリイドドッグはルカナンをとなえた!バリイドドッグのこうげき!キャットフライのこうげき!さまようよろいのこうげき!

勇者「くっそ、守備力が下げられた所にこいつらの攻撃力じゃ…!回復を…」

キャットフライはマホトーンをとなえた!勇者のじゅもんはふうじこめられた!

勇者「…!」

戦士「おいおい、大丈夫かよ!さっさと倒すしかねーな、おらおらっ!」ザンッ

バリイドドッグをたおした!キャットフライをたおした!

さまようよろいのこうげき!キャットフライのこうげき!

商人「ぐはっ…!」ヨロッ

盗賊「商人!大丈夫か!?」

商人「だ、大丈夫です…僕は3列目ですし、そこまで狙われる事は…」

バリイドドッグのこうげき!キャットフライのこうげき!

商人はしんでしまった!

戦士「うそだろ!?おい商人!」

盗賊「くっ、ダンジョンでもない所で死人がでちまうとは…やっぱり今までより厳しい戦いになりそうだぜ…」

126: ーーアッサラームの町 2018/10/23(火) 20:03:20 ID:PwHqxyRw
モギ!モギ!モギエイゴロー!モギ!モギ!…

戦士「なんだあ?夜なのにやたら騒がしいじゃねーか」

盗賊「んな事はどうでもいい、早く教会に行くぞ!」スタスタ

勇者「あおい、そんなに慌てんなよ!」

盗賊「着いたぜーーさあ神父さんよ、こいつを生き返らせてくれ、寄付金ならある」ジャラッ

神父「分かりました。おお神よ!忠実なる神のしもべ、商人の御魂を呼び戻したまえ!」テーテーテーテーテーーテーーテーー

商人「ん…あ、あれ?僕は…」キョロキョロ

戦士「おお、生き返ったか!心配したぜ、特に盗賊がやたら慌ててよー!」

商人「え?盗賊さん…」

盗賊「生き返ったなら良い。ほら、行くぞ!」

商人「え?え!?ちょっと…」

勇者「おい!どこ行くんだよ!…ってここはベリーダンスの劇場!?まさかてめえ…」

踊り子「おどりなーがら♪はばたくたーめのステージではいつくばっーててもおー♪」

盗賊「イマエ!イマエ!」ヒャッハー

商人「え…まさかダンスを見るために急いで…盗賊さん…?」

127: ーー25日目、アッサラーム宿屋 2018/10/24(水) 13:26:01 ID:ueLOZ9Tg
勇者「おう、お前らもう起きたか?」

戦士「おお、俺はもう出発出来るぜ!」

商人「僕ももう少しで準備が…あれ?盗賊さん?」

盗賊「…ああ、うん…」

戦士「おいおい、昨日あんなに張り切ってたのになんだよテンション低いな!」

盗賊「ああ、確かに劇場は良かったよ…ただな、その後のぱふぱふがな、なんだあれは…」クッ…

商人「ぱふぱふ?ああ、あのマッサージの事ですか?良かったじゃないですか、僕は死後硬直もスッキリですよ!」

勇者「いや、笑えねえからな…でも、まあ、悪くないマッサージだったな」

戦士「だよな!しかもタダだったしな!何が気に入らねーんだよ!?」

盗賊「くっ、お前ら本当に…!ぱふぱふは…ぱふぱふは男のロマンだろうがよ!それを、それを…くっそー!」タタタ…

戦士「おい!どこ行くんだよ!?」

勇者「なんだ?ありゃあ」

商人「さあ…」

129: ーー地底の湖、B1F 2018/10/25(木) 19:30:47 ID:EDVDXuyo
商人「今日は砂漠での旅に備えて経験値稼ぎですね」

戦士「おいおい良いのかよここに来てよ!ダメなんじゃなかったのか?」

勇者「何度も何度も回復の泉使うのが良くないって事なら、一回くらいならOKだろ。もしダメなら…」

盗賊「どこからともなくあのお姉さんが来るだろうからな。いや、来た方が嬉しいのかなー?」ニヤニヤ

勇者「んな訳ねーだろ!経験値稼ぎてーがもうシャンパーニじゃもの足りねーからな、ここ使えないと困るんだよ」

戦士「なんだ、せいなるナイフ諦めたのか?」

商人「さすがにあれだけ見つからないと…」

勇者「それに、せいなるナイフ見つけても攻撃力が上がるだけだからな。ならレベル上げて全体の能力アップさせた方が良いだろ」

盗賊「まあなあ。それにここはかしこさのたねも手に入るかもしれないからな、勇者の魔力が上がれば儲けもんよ」

商人「確かにかしこさのたねは欲しいですね」

勇者「もっと呪文が使えれば何て事ない場面も多かったからな…」

戦士「とにかくここでモンスター退治なんだな!やってやるぜー!」ウオー

勇者「とはいえ、この間はここで死人出してるからな。経験値稼ぎといえど、気楽には出来ないが…」

130: ーー地底の湖、B1F 2018/10/25(木) 19:42:53 ID:EDVDXuyo
盗賊「…で、何で俺はロマリアの教会にいるんだ?」

戦士「そりゃ死んだからに決まってんだろ!」

盗賊「だよな…くっそ、やっぱりルカナンはきついな…守備力が高くて前列にいる俺は、守備力下げられると脆いんだよなあ」

商人「天敵ですよね実際…」

勇者「とはいえ、あそこ以外で経験値稼ぎもなあ。アッサラーム周辺は効率が悪いみたいだしな」

盗賊「まあ、あそこしかねえよな。で、今ロマリアにいるって事は…」

勇者「ああ、今日は砂漠には行かねえ。ここの西にあるほこらで縛りを回避して、今日明日は経験値稼ぎだ」

戦士「モンスター退治だな?やるぜ俺は!…で、今日はほこら行った後どーすんだ?」

勇者「どうすっかなー。シャンパーニか地底の湖に日帰りで行ければ良いが、遠いよなあ」

商人「一応、ノアニールが近い地底の湖の方が帰りまで考えれば良さそうですが…」

盗賊「まずは行ってみて、か?辿り着けなかったり日付が変わるようだと1日ムダになるけどな」

勇者「これからは1日もムダに出来ねえからな。思えばアッサラームに着いた日はムダが多かったよなあ」

戦士「んな事言ってもしょうがねーだろ!昔より今日だろ今日!」

勇者「確かにな。終わった事をどうこう言ってもしょうがねえ、じゃあ地底の湖目指して行くぞ。時間が足りれば良いがな…」

132: ーー26日目、カザーブ山中 2018/10/26(金) 19:46:02 ID:hlD.ugnI
勇者「このペースだと…地底の湖に着くまでには夜になっちまってるな」

戦士「でも今日中にあそこまで行ってノアニールに戻れそうだよな?」

商人「多分、ギリギリだとは思いますけど…それより、さっきのほこら…ロマリアの関所でしたっけ?あそこの番人が言ってましたけど…」

盗賊「まほうのカギがあればポルトガとやらに行けるって言ってたな。やっぱり俺らにはまほうのカギが必要らしいな」

勇者「ポルトガに何があるか知らねーけどな。世界を回るには必要だって事だな…親父の足取りを追う為にもな」

商人「そうですね…」

盗賊「そのためにはまず、砂漠を越えられる強さが要るからな。遠回りだろうが、これも必要な行軍だ」

戦士「でもここに来るまでにやくそうが2つ見つかったぜ!これで7つだよなあ?」

商人「そうですね、あなほりと魔物の持っていた宝箱から…」

戦士「あなほりと宝箱っていやあよ、お前最近全然盗んでねえよなあ盗賊?」

盗賊「ぐ…ま、まあ調子の悪い時位誰にだって…」

勇者「23日目のまんげつそうが最後か。丸二日何も盗んでねえな」

盗賊「細けえな勇者!今日こそは盗んでやるよ、まあ見てろって!さ、目指せ地底の湖、だぜ!」

133: ーー夜、ノアニール宿屋 2018/10/26(金) 20:37:52 ID:hlD.ugnI
戦士「くー、今日も疲れたぜ!」

勇者レベル14「なんとかレベルアップ出来たな。リレミトを覚えたから、これから多少はダンジョンから安全に帰ってこられるかもな」

商人「脱出呪文はかなり良いですよね!」

勇者「とはいえ、魔力に余裕がないと使えないからな。なかなか使いどころは難しそうだな」

戦士「ところで盗賊よお、今日は何か盗めたか?」

盗賊「…」

勇者「商人はあなほりで何か見つけてたよな?」

商人「一応、どくけしそうとキメラのつばさを見つけました。あんまり使わないですけど…」

戦士「ちょくちょく掘り当ててるよな商人は!で、盗賊は何を…」

盗賊「ああ、何も盗んでねえよ!悪かったな3日連続で何も盗めなくて!」

商人「と、盗賊さん落ち着いて…!」

盗賊「あーくそ、こんなはずじゃなかったんだけどな…今頃せいなるナイフからかしこさのたねまで揃ってたはずなんだが…」

勇者「まあしゃーねえだろ。明日も地底の湖だ、明日かしこさのたねでも盗んでくれれば良いさ」

盗賊「良いさ、とは言うが、あれ盗むの大変なんだよ…ゆめみるルビー見つけてから俺だけレベル上がってないしな、明日はやらなきゃならない事だらけだぜ…」

136: ーー27日目、地底の湖、B1F 2018/10/28(日) 19:59:30 ID:.ZTelxT6
盗賊「さて、今日も今日とて穴蔵の中かーっと」

商人「ここの寒さは少し堪えますよね…」ブルッ

戦士「んだあ、軟弱だなおい!寒さなんて筋肉でシャットアウトだろ!」ムキィ

勇者「誰も彼もがてめえみたいじゃねーんだよ。ま、今日も死なない程度に頼むぜ」

商人「今日も遠回りして回復の泉を目指すんですね?あなほりの挑戦回数も増えますし…」

盗賊「手軽に地下3階まで行けるしな。どうやらそこまで下りないと出てこない魔物がいるみたいだからな」

戦士「あの蛾だろ?マヌーサがうっとおしいよな!」

勇者「そこまで行かなきゃ出ないって事は、そこまで行かなきゃあなほりで見つけられない物があるって事だからな。いろんなアイテムを見つける為にも…商人?」

商人「み、皆さん…み、見て下さい…!こ、このあなほりで出てきたこれ…!」

戦士「あー?…なんだこりゃ、すげー大金じゃねーか!」

盗賊「こりゃすげえな、いくらある?1000、2000…5000ゴールド近くあるぜ!」ヒュー

勇者「こいつは大金だな、やったな商人!…と、言いたい所だがな…」

商人「はい…お金があっても宿代と蘇生代にしかならないんですよね…」

盗賊「全くだよな、あーあ…ま、あって困るもんでもないがよ、なんかなー…」

137: ーー夕方、ノアニール西部 2018/10/28(日) 20:09:22 ID:.ZTelxT6
盗賊レベル16「ふう、なんとか今日中にレベルが上がったぜ」

戦士レベル16「ついでに俺も上がったぜ!盗賊にほぼ追いついたな!」

盗賊「ちっ、なーんか最近レベル上がるの遅いよなあ…」

勇者レベル14「これでゆめみるルビーを見つけてから全員が最低でも1はレベルが上がった事になるな。しかし今日はレベルが上がった割には昨日や一昨日よりも洞窟の中にいられた時間が短かったな…」

商人レベル16「妙に魔物の攻撃が苛烈だった気がしますね。もう余力が…あれ?皆さん、あれは…」

盗賊「あ?影が…なんか不自然だな。なんだあの影は?」

ーーあやしいかげがあらわれた!

勇者「なんだかよく分からねえが…おら、攻撃だ!」ザンッ

商人「たあー!」ゴンッ

ーーあやしいかげをやっつけた!

戦士「なんだ、大したことなかったな!…お?宝箱落としたぜ!」

盗賊「どくけしそうか。ってか、宝箱開けたらショウタイガ見えたな、こりゃあ…どくイモムシか?」

商人「みたいですね。影の中に他の魔物を宿す魔物っていう事なんでしょうか?いろんな魔物がいるんですね…」

139: ーー28日目、アリアハン城下町 2018/10/30(火) 19:56:52 ID:FSwOoR4E
勇者「ここに戻ってくるのも久しぶりな気がするが…前に来たときからそんなに経ってねえんだよな」

商人「19日目にお金を預けに来てますね。でもすぐに出立しちゃいますから、戻ってきたって感じがしないのかもしれませんね」

戦士「勇者よお、母ちゃんに会ってかなくて良いのか?」

勇者「んな暇ねーよ。今日も金預けたらさっさと出発するぞ」

盗賊「使いみちもないのにマメだよな。まあ商人がうるさいから仕方ないか」

商人「旅の途中ではあまり使いみちがありませんが、旅が終わってからもお金はお金ですからね。無駄には出来ません」

勇者「さあ、預けたなら行くぞ。今日は砂漠を越えなきゃならねえからな」

盗賊「せっかちだなあ。王様に挨拶しなくて良いのかよ?あと使者のお姉さんとかにもな」ニヤニヤ

勇者「…必要ねーだろ。さあ、アッサラームに行くぞ」

戦士「アッサラームか、良かったな盗賊!また楽しめるだろ!」

盗賊「お前…俺の心をそんなに責めるんじゃねえよ…」クッ…

140: ーーイシス砂漠 2018/10/30(火) 20:07:20 ID:FSwOoR4E
戦士「うおお、あちーぞ!」

商人「確かに、凄い日射しですね…」フウ…

盗賊「この暑さは参るな流石に。だが魔物にはあまり遇わずにすんでるな」

勇者「そうだな、確かに魔物自体は強いが、今の所一度に出てくる数が少ないからなんとかなってるな」

商人「アリアハンまでの往復をキメラのつばさを使って魔力節約出来たのもありがたいですね」

勇者「ホイミ一回の違いだけどな。まあ、俺らには貴重な一回だがよ」

盗賊「どうせキメラのつばさはそこそこ手に入ってるし、持ってるなら使った方が良いからな。あるものは有効活用して…お?」

商人「なんですか盗賊さ…あ!沼地が見えますね!」

戦士「うおー!沼で水浴びしてこーぜ!」

勇者「バカ、あれは毒の沼地だ!それに沼地の菜かを見てみろよ」

盗賊「なんか建物があるな。家か、ほこらか…」

戦士「おお、じゃあ家の中で涼もーぜ!」

勇者「涼みに来たんじゃねーよ!…と言いたい所だが、流石にこの日射しはきついからな…」

商人「いずれにしろ中にいるというご老人にお話を聞くようですからね。行きましょう。まほうのカギの事を詳しく聞けると良いのですが…』

141: ーー砂漠のほこら 2018/10/30(火) 20:18:25 ID:FSwOoR4E
盗賊「おお、涼しいぜ…」フウ…

戦士「ひんやりしてるな!もうずっとここにいようぜ!」

勇者「おめー一人で残ってろよ。んな事より話を聞くようだろ」

老人「ふむ、旅のお方か。ここに来たと言うことは…」

商人「はい、まほうのカギを探しているのですが、お話を…」

老人「やはりまほうのカギをお探しか。まほうのカギはピラミッドにあるという…だがその前に!」

勇者「その前に?」

老人「イシスのお城を訪ねなされ。確かオアシスの近くだったはずじゃ」

戦士「オアシス?オアシスってのは水があるんだよな!良いじゃねーか、涼しそうだ!」

盗賊「確かにな。しかしこんな砂漠に城があるのか、凄いな…」

勇者「まあ、オアシスで水が確保出来るからこそなんだろうが…じいさんはオアシスで暮らす気はないのか?」

戦士「そうだよな、こんな沼地の菜かじゃ体にわりーぜ!」

盗賊「水浴びしようとしてたくせによく言うぜ…」

老人「良いのです、私は静かに暮らす方が性に合ってるのですよじゃ」

勇者「そういうもんか…分かったよ、じゃあなじいさん。さて、砂漠の城か。どんな場所なのか想像も付かないが…」

142: ーー29日目、ノアニール西部 2018/10/31(水) 20:08:24 ID:tUlhCy8w
ーーどくイモムシはどくのいきをはいた!盗賊はどくにおかされた!商人はどくにおかされた!

商人「うっ…吐き気が…」ウップ

盗賊「ぐあっ、毒ってこんな感じなんだな…今までなった事がなかったから知らなかったぜ……」

勇者「何呑気なこといってやがる!おらあっ!」ザンッ

ーーどくイモムシたちをやっつけた!

戦士「はっはー!こいつらはよえーな!で、お前ら大丈夫かよ?」

商人「ええ、今まで使ってなかったどくけしそうがたくさんありますから…」

勇者「このどくけしそうがみんなやくそうならな。どくけしそうはあんまり役に立たねえから…どうした盗賊?」

盗賊「…悪かったな、久しぶりに盗んだアイテムが役に立たねえどくけしそうでよ」ムスー

商人「そ、そんな事ないですよ!ほら、今役に立ってるじゃないですか!」

戦士「おー、何日ぶりだよ!やったな!」

盗賊「…はー。まあいい、今日からまた盗みまくりだからな!」キッ

勇者「ああ、頼むぜ。さて、今日もまた地底の湖で経験値稼ぎだ。お前ら死ぬんじゃねーぞ!」

戦士「当たり前だろ!誰にいってんだ!?」

商人「はは…頑張ります…」

143: ーーカザーブ郊外、夜 2018/10/31(水) 20:18:15 ID:tUlhCy8w
戦士「あー、今日も退治しまくったな!」

勇者「少し余裕があったから地底の湖からの帰りにカザーブまで足を伸ばしたが、1つとはいえやくそうが手に入って良かったぜ」

商人「この辺の魔物ならもう怖くないですね。経験値はもう期待出来ませんけど…」

盗賊「まあしょうがねえよな。ま、個人的にはやっと盗みが復調してきて良かったぜ」

戦士「あのあとキメラのつばさ2つとまんげつそうか!すげーな!」

盗賊「どれもこれもいまいち役に立たねえのがな…こうもりおとこも出てきたし、やっぱりせいなるナイフが欲しかったぜ」

商人「もう僕らには縁がないんでしょうね…」フウ…

勇者「今日はかなり長いこと魔物と戦えたな。レベルが上がったのは商人だけだったが…」

商人「17になりましたよ。少しは攻撃力も増えてきましたね。守備力は相変わらずですが…」

戦士「防御力ねーもんなお前は!」

盗賊「一番無いのお前だろ…しかし砂漠には良い防具を持ってる魔物が複数いるらしい。是非とも盗みたいもんだぜ」

勇者「ああ、明日はイシス行きだからな、期待してるぜ。活動時間が俺の魔力で決まる以上、回復呪文の節約の為にも守備力は是非あげたい所だからな…」

145: ーー30日目、イシス砂漠 2018/11/01(木) 20:19:46 ID:/88nNzlY
盗賊「もう30日か、早かったな…なんて感傷に浸れねえくらい暑いな…」フウ…

勇者「砂漠だからしょうがねーだろ。それに、暑さだけじゃなくて…」

かえんムカデがあらわれた!じごくのハサミがあらわれた!

商人「魔物まで強いですよね、ここは。あのカニは特に…」

戦士「やるしかねーだろ、行くぜこのカニィ!」ザンッ

盗賊「俺と商人はムカデを攻撃だな、カニには傷1つ付けられねえしな。勇者は…」

勇者「俺もまずはカニだ、ギラ!」ゴオオ…

じごくのハサミはスクルトをとなえた!じごくのハサミはスクルトをとなえた!

戦士「うおお!?全然歯が立たなくなっちまったぞ!」ガキンガキン

商人「ぼ、僕らはムカデにさえダメージが与えられません!」

勇者「くっそ、ギラ!もう一発ギラだ!」ゴオオ…

盗賊「おい、あんまり意地になるなよ!逃げたって良いんだぜ!?」

勇者「今更引けねーだろ!おらあっ!」ガィン!

ーーまもののむれをやっつけた!

商人「た、倒せましたけど…これから回復にも魔力を使うでしょうし、勇者さんの魔力が…このペースでオアシスまで行けるんでしょうか…?」

146: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/01(木) 20:32:27 ID:/88nNzlY
戦士「ーーおい!キノコとカニだぜ!どうするよ?」

勇者「逃げだ逃げ、魔力に余裕がねー!」ダカダカダカ…

商人「な、なんとか逃げきれましたね。見てください、オアシスがあそこに…」

ーーひとくいががあらわれた!

盗賊「蛾が4匹だ!どうするよ?」

勇者「やるぞ!残りの体力全部ぶちこめ!おらあっ!」ザンッ

戦士「うおおおおー!」ドガン

盗賊「もう一息なんだよ…邪魔をすんじゃねえー!」ツンツン

ーーひとくいがたちをやっつけた!

商人「ああ…なんとか無事に着けそうですね。それにしても…」

勇者「逃げたのを数に入れないと4回しか戦ってねーのにもうボロボロだ。明日も魔物退治になるが、1日じゃとても足りなそうだ…」

盗賊「魔物は強くなる、だから経験値を稼ぎたいが、稼げないほど魔物が強いときた。参ったねこれは」

戦士「そんな事言ってもやるしかねーだろ!やんねーのかよおい!」

勇者「当たり前だ、やるしかねーんだ。しかし、今日があっという間に終わったのはいてえな…1日1日が大事なんだが…」

148: ーーイシス城下町 2018/11/03(土) 23:55:36 ID:9aUx.wSk
戦士「おー、ここがイシスか!やっぱり町は涼しいな!」

勇者「涼しいのは夕方になったからだろ…さて、まほうのカギはピラミッドにあって、ピラミッドに行く前にここに行けって話だったが…」

盗賊「よっしゃ、じゃあ手分けして情報収集だな。おーい、そこのお姉さーん!」タタタ…

勇者「…あいつ、本当に真面目に情報集めるんだろうな…さて、まずは…」

男「ここはイシスです。今は亡きファラオ王が作った国です」

勇者「まるで王が最近死んだみたいな言い方だが、とてもそんな国には見えねえよな…」

青年「私はソクラス。こうして夜になるのを待っています」

勇者「…暇そうで良いな。さて…」

商人「あ、勇者さん。ピラミッドっていうのは王家の墓のようですね。何千年も前からあるものらしいですよ」

勇者「何千年…やっぱり最近出来た国じゃなかったようだな」

戦士「おーい、あっちにモンスター格闘場があるらしいぜ!盗賊とか好きじゃねーのかよこーゆーのよお!」

盗賊「金増えても意味ねえからな、賭けがいがねえよ。んな事より勇者、ここの女王様は絶世の美女らしいぜ、やったな!」

勇者「お前ら…真面目にやれよ…」

商人「ま、まあまあ勇者さん…そ、そうだ、とりあえずお城に行ってみましょうよ。一旦町を出て北にあるみたいですよ」

盗賊「城か、じゃあ早速女王様とご対面だな。どれほど美しいのか、今から楽しみだぜ」

149: ーーイシス城内 2018/11/04(日) 20:08:57 ID:2C.4W9rY
ニャーニャー ニャーニャー…

勇者「…猫がやたらといるな…」

商人「本当ですね。お城の中でこんなに飼われてるなんて、余程大事にされてるんですね」

盗賊「猫なんてどうでもいいだろ、女王様だろ女王様」

勇者「待てよ、まずは城内で情報収集だろ」

女性「まあ、アリアハンから来たの?でも知らないわそんな国」

戦士「はあ!?アリアハン知らねーのかよ!」

商人「勇者さん、これは…」

勇者「ああ。アリアハンを知らないって事は、親父はここに来てないのか…?」

女官「あなた方もピラミッドを目指す旅人…でもお気をつけなさい、ピラミッドにはいろんな仕掛けがあるそうな」

勇者「どうやらまほうのカギはそう簡単には手に入らなさそうだな」

盗賊「問題ねえよ、そういう仕掛けを見破るのが俺の仕事だ。それよりほら、さっさと女王様の所に行こうぜ」

勇者「お前は女王様にさっさと会いてーだけだろーが!…とはいえ、ピラミッドは王家の墓って話だ、まほうのカギは恐らく副葬品…となると、女王の許可が要るかもな…」

商人「王家の墓に無断で入ったら墓泥棒ですもんね…女王様は許可を下さるでしょうか…」

150: ーーイシス城、謁見の間 2018/11/04(日) 20:21:09 ID:2C.4W9rY
女王「旅の方ですか?このような所まで遠路はるばるよく来てくださいましたね」

盗賊「ヒュー、これは…」

商人「綺麗な方ですね…」フウ…

女王「皆が私を褒め称える。でも、一時の美など何になりましょう?」

戦士「あー、まあ何十年か経てば婆さんになるもんなー」

勇者「おめーは黙ってろ!…女王陛下、我々はアリアハンから来た者です。我々は魔王を倒す使命を持って旅を続けています」

女王「魔王を…そうですか」

勇者「我々の目的の為にどうしてもピラミッドにあるまほうのカギが必要なんです。どうかまほうのカギを我々に託していただけないでしょうか?」

盗賊「まほうのカギ以外のお宝には手を付けません、誓って」

戦士「どうせ宝箱開けられねーもんな!」

女王「まほうのカギを………分かりました、それでイシスに、世界に平和がもたらされるのなら、まほうのカギを託しましょう」

商人「…ありがとうございます!」

女王「ただし、今やピラミッドは魔物の巣窟となっています。くれぐれもお気をつけなさりますよう…」

勇者「ご心配ありがとうございます。しかし我々の旅に危険は付き物です。そして今までいくつもの危険を乗り越えて来ました。必ずまほうのカギを手に入れ、世界に平和を…!失礼します」ザッ

151: 「あたし100回以上掘ったのに…」 2018/11/05(月) 19:38:16 ID:Erd6a31E
ーー31日目、イシス砂漠

ピューーーーン…ドサッ

戦士「ぐっはあ!?くっそ、城から飛び降りなきゃ外に出られねーのかよ!」

盗賊「っつう…わざわざ謁見の間に飛び降りる場所が用意してあるんだ、そういう事だろ」

勇者「ルーラで移動出来るのかもしれねーが、失敗した時魔力が無駄になるからな」

商人「歩いて出ることも出来るでしょうけど、時間が掛かりますし…でも、ルーラで出るより、こうして一回外に出たほうが一回多くあなほり出来ますよ!」ザッザッ…

盗賊「マメだなお前は…それより勇者、ちゃんと女王様に挨拶出来たじゃねーか。俺はてっきり…」

勇者「一応、そういう心得っつーか、教えてもらったんだよ。勇者とはどうあるべきか、みたいなな」

盗賊「なるほどな、勇者の家系ってのは…ん?商人、そ、そいつは…!」

商人「ゆ、勇者さんみなさん、や、やりましたよ、これ、これ…!」フルフル…

勇者「それは…防具か?防具っつーか…」

戦士「なんだそりゃ、着ぐるみじゃねーか!」

盗賊「着ぐるみじゃねー、ぬいぐるみだ!つべこべ言わずに着てみろよ!」ガサゴソ…

戦士「ああ!?あちーよそんなもの砂漠でよ…おおおおお!???!!?しゅ、守備力が倍以上になったじゃねーか!!」

勇者「まじか、すげえな…商人、やったじゃねーかよ!へっ、こいつはピラミッド攻略に希望が見えてきやがったぜ!」

152: ーー地底の湖、B3F 2018/11/05(月) 19:56:19 ID:Erd6a31E
商人「よいしょ、よいしょ…あ、出ましたよかしこさのたね!」

盗戦士「おお!絶好調だな商人!」

盗賊「やるな、俺もラックのたねなら1つ盗めたが…とりあえず勇者、そのかしこさのたね食っとけよ」

勇者「ああ、じゃあいただくぜ…あんまりうまくねーな…」ポリポリ…

商人「でも、効果があるのはレベルアップしてからなんですよね…勇者さん、さっきレベル上がったばっかりですよね」

勇者レベル15「まあな、それはしょうがねーよ。それより、俺以外にも盗賊と戦士もレベルアップ出来たのは嬉しい誤算だったぜ」

盗賊レベル17「勇者はレベルが上がるとして、俺は五分五分、戦士は少し厳しいかと思ってたけどな。守備力が上がったおかげで長い時間経験値稼ぎが出来るようになったな」

戦士レベル17「この鎧すげーぜ!たびびとのふくとは大違いだぜ!」イヤッホー

商人「鎧じゃないですけどね。でも、守備力倍以上になっても盗賊さんより低いんですね…」

盗賊「まだ当分俺が先頭だな。ま、戦闘力の違いを考えれば、戦士の方がはるかに死んだら困るから妥当なんだがな」

勇者「とはいえ、守備力が上がった恩恵はでけえ。今までと比べてホイミする数がかなり減ったからな」

商人「結果的に魔力の温存になりますよね」

盗賊「ホイミややくそうの効果も実質上がるって事だよなあ。ぬいぐるみ様々だぜ」

戦士「これならどんなモンスターにだって負けねーな!」ガハハ

勇者「ただ、守備力が上がった事によって体力に気を付けなくなる心配だけはあるけどな。さて、じゃあこの前と同じようにカザーブに向かうか。カザーブの周りで夜あけ前まで戦って、やくそうと、あわよくばせいなるナイフ狙いといこうか。この流れなら、今日は見つけられるかもしれねー。じゃあ行くぞ」

154: ーー32日目、ピラミッド1F 2018/11/06(火) 19:41:01 ID:Qw2Rb4qo
戦士「へー、ここがピラミッドかあー」キョロキョロ

勇者「あんま余所見すんなよ。仕掛けだらけって言ってただろ」

盗賊「おい商人、そこは踏むな。おそらく落し穴になってるぜ」

商人「え、ええっ!?」ザザッ

戦士「んな事分かんのかよ?」

盗賊「一応盗賊だからな。ああ、その先も真ん中は歩くな、端を歩け」

勇者「ああ…しかし、ここは魔物が少ないな…」

商人「王家の墓ですし、神聖な建物という話でしたからね。なんらかの力で魔物の侵入を抑えているのかも…」

戦士「魔物の巣窟って言ってたのにな!」

盗賊「まあ侵入されてるのは事実だしな。数は少ないが強さはかなりのものだったし、一般人から見りゃ立派な魔物の巣窟だろ」

勇者「まあな…だがこれだけ戦闘が少なくて済むなら、今日まほうのカギが手に入るかもな」

商人「今日と明日の2日がかりの予定でしたよね。1日早く手に入れば明日は自由になりますね」

盗賊「まあ、そいつは手に入れてから考えようぜ。まずはまほうのカギを見つけねえとな」

勇者「ああ、油断せずに行くぞ」

戦士「おー!魔物の大群が出ても負けねーがな!」

155: ーー32日目、ピラミッド3F 2018/11/06(火) 19:51:58 ID:Qw2Rb4qo
勇者「ーーここは…行き止まりか?いや、これは扉…なのかもな」

戦士「開けてみるぜ!…ぐぎぎぎぎ、重てー!開かねーぞこれは!」

商人「鍵穴もないですし、どうしたら…あ、そういえば扉を開ける何か、何かそんな話を聞いたような…」

盗賊「まんまるボタンはおひさまボタン、だろ?イシスの城の中で聞いた歌だ」

勇者「ああ!確かピラミッドの秘密が隠されてるとか言ってたな!」

盗賊「確か東の東から西の西、って歌ってたな。じゃあまずは東に言って…お、ボタンがあったぜ」ポチッ

戦士「次は西だな!行くぜー…お?2つボタンがあるぞ?」

勇者「西の西、だからより西側のボタンだろ。押してみるぞ」ポチッ ゴゴゴゴゴ…

商人「な、何か凄い音がしませんでした!?」

盗賊「おそらくさっきの開かずの扉辺りからだな。行ってみるか」

戦士「おお!?扉が開いてるぜ!お、見ろよ!宝箱があるぜ!」

勇者「もしかしてまほうのカギか?よし、こいつは開けるようだろ」パカッ

なんとまほうのカギをてにいれた!

商人「やった!やりましたよ!まほうのカギですよ!」

勇者「ああ、だがずいぶんあっさり見つかったな。まあ楽な分には構わないが、少し拍子抜けだったな…」

157: ーー33日目、ピラミッド4F 2018/11/07(水) 20:02:43 ID:.xXeDpmA
戦士「またここに来たのかよ!なんかあんのか?」

勇者「四階以上はまだ来たことなかったからな、一応だ」

商人「それにここではとげのむちが手に入るかもしれません。あんなに欲しかったせいなるナイフよりも強いんですよ!」

戦士「あー、じゃあまた上って下りてしながら穴掘るのか」

勇者「探索ついでにな。しかしまだ上の階があるみたいだな。魔物があんまり出てこねーからそんなに大変でもねーがな」

盗賊「にしてもなあ…見ろよ、この宝箱の数。目の毒だぜホント」

商人「ですね…でも仕掛けだらけって言ってましたし、この宝箱だって危ないかもしれないですよ」

盗賊「確かにな。危険を避ける賢明な選択をした、と思うしかねえよな」

勇者「宝箱の数もだが、石棺の数もすげえな。これが全部歴代の王達なのか…?」

商人「この沢山の宝箱が副葬品なら、きっとそうなんでしょうね」

戦士「死んだ後に宝物もらって嬉しいのかよ。俺は生きてるうちがいいけどな!」

盗賊「全くだ。飯も女も宝物も、生きてるからこそだ」

勇者「王様なんてものになれば、いつまでも贅沢したいと思うのかもな…さ、上に行くぞ」

158: ーーピラミッド1F 2018/11/07(水) 20:15:34 ID:.xXeDpmA
商人「ーー結局、とげのむちは見つかりませんでしたね。実は狙ってたかしこさのたねも…」シュン

盗賊「しょうがねえだろ、ぬいぐるみ見つけた上に武器まで見つけようなんてさすがに虫が良すぎるぜ」

勇者「だな。まあやくそうが3つ手に入ったから良しとしようぜ」

商人「そうですね。やくそうを入手する場所としては良いところですね、ここは」

戦士「しかしここの敵はつえーな!何回も戦わないうちに町に戻るようだぜ!」

勇者「それも仕方ねーな。ま、まほうのカギは見つられたんだ、先に進む事は出来る」

盗賊「よし、じゃあ戻って宿屋で休むとしようぜ。まだ明るいがたまには良いだろ」

商人「昨日も明るいうちに休みましたけどね…」

ーー

ーー夜、イシス城内

猫「けけけ。俺様は魔王様の使い魔にゃー…にゃ、にゃーって言っちゃ駄目にゃ…難しいですにゃー…それにしても勇者さんという方たちはまだ来ないのですかにゃー…」

旅人女「バカ猫、もう勇者は来ないってさ。使い魔のバイト代は無しだとさ、ほら、早く次の仕事見つけて金稼いできな!」ドカバキゲシゲシッ

猫「ふにゃー!?蹴っちゃ駄目ですにゃー!うにゃあ、みぃだってこんな仕事したくなかったのですにゃあ…」オアー…

160: ーー34日目、アリアハン城内 2018/11/08(木) 19:36:44 ID:X.wfe/cE
使者「あら、勇者殿。久しぶりね、旅はどう?」

勇者「まあ…順調かな。約束、覚えてるか?」

使者「ええ。という事は、倉庫の扉を開けられるようになったのかしら?」

勇者「多分な。行けば分かる」

使者「じゃあ行ってみましょう…着いたわ。ねえ、勇者殿が来たわよ」

倉庫番「ん?おお、オルテガさんの息子さんか!へえ、ここに入れるようになったのか?」

勇者「多分、このカギで…」ガチャ ギィ…

倉庫番「おお!凄いな、この扉を開けられるカギとは!さすがオルテガさんの息子さんだな!」

使者「それは…まほうのカギというのね?ふうん、面白い物ね…」ジーッ

勇者「そ、それより中のモノ、本当に貰って良いんすか?」

倉庫番「もちろん!ま、あんまり期待するなよ。あの王様の持ってるモノなんて大したことないだろうからな」

使者「そうね」

勇者「王様の評価ひでえな…宝箱が6つか、まずは…杖か、ルーンスタッフ?次は、種か、その次も種、あとは128ゴールド、336ゴールド…最後は…腕輪か?これは…」

倉庫番「ごうけつのうでわか!どこに行ったか王様が探してたが、ここにあったんだな。ま、どうせ行方不明になってた物だ、持っていって不都合はないさ」

勇者「そうなのか…?まあ、じゃあ遠慮なくいただいてくか…攻撃力の上がる腕輪か、半端な武器よりもずっと良さそうだが…」

161: ーーロマリア郊外 2018/11/08(木) 19:46:12 ID:X.wfe/cE
盗賊「ーーで?使者のお姉さんとちゃんと語らってきたのか?」ニヤニヤ

勇者「別に何も喋ってねーよ。それよりお前らもちゃんと金預けてきたんだろうな」

商人「ええ、9000G預けてきました」

戦士「金はどんどん貯まるな!使い道ねーけどな!」

盗賊「それより、どんなものもらったんだ?…へえ、杖に腕輪にちからのたねとすばやさのたねか」

商人「あとはお金が少々ですね。普通の旅をしてればありがたかったんでしょうけど…」

勇者「まあ、この腕輪だけでもありがてえよ。戦士、お前が使えよ」

戦士「俺が?良いのか?じゃあ…うおお!?力が漲って来るぜー!」ムキーン

盗賊「へえ、こいつは凄いな。だが良いのか?一人を強化するより、まんべんなく強くした方が…」

勇者「いや、これで良い。俺は呪文も使うからその腕輪をフルには使えねーし、魔力の上昇も落ちるかもって話だ」

商人「そうなんですね。でも確かに一人どんな敵にもダメージを与えられる人がいた方が良いことも多そうですよね」

勇者「そういうことだ。じゃあこれからポルトガに行くぞ。初めて行く土地だから、気を引き締めろよ」

戦士「おおー!今ならどんな奴にも負けねーぜ!」ウオー

163: ーーポルトガ城下町 2018/11/10(土) 21:10:01 ID:LD8cDiNo
戦士「おおすげー!船だぜ船!」

盗賊「はしゃぐなよ恥ずかしい。が、確かにこの数は驚いたな」

商人「凄いですよね。これで色んな国と貿易してるんでしょうか…」

盗賊「しかも話では王様が船をくれるって話じゃなかったか?へへ、太っ腹な王様だよな」

戦士「マジでか!スゲーな!」

商人「いや、さすがに見ず知らずの我々に船なんてくれないのでは…お城に行った勇者さんがよっぽどうまくやれば別でしょうけど…」

ーーポルトガ城内

王様「成る程、そなたが勇者か。勇者は船が欲しいと申すのだな」

勇者「え?俺は…」

王様「船が欲しければ東方へ行って黒胡椒を手に入れて来るがよい。東方で見たことを報告せよ。黒胡椒を手に入れたなら、そなたに船をやろう」

勇者「は、はあ…」

王様「この手紙があれば、ホビットのノルドが東方への道へと案内してくれるであろう。では、幸運を祈っておるぞ」

勇者「ありがとうございます…別に欲しいと一言も言ってないが、くれるのならもらうか…新しい土地に行けるなら願ったりだしな…」

164: ーーポルトガ郊外 2018/11/10(土) 21:20:21 ID:LD8cDiNo
商人「凄い!船を貰える事になったなんて!」

勇者「まだ貰えると決まった訳じゃねーがな。東方へ行って黒胡椒の手に入れなきゃいけねー」

戦士「つっても買い物だろ?楽勝じゃねーか!」

盗賊「ただの買い物で船をくれるかねえ?何か厄介事が待ってるじゃないのか?」

勇者「まあ、そうなった時の為にも、こうやって魔物退治で経験値を稼いで…」

ーードルイドがあらわれた!

戦士「おお!?なんだこのキモい奴等は!?」

勇者「不気味な奴等だな…やるぞ、おらっ!」ザンッ

ドルイドはバギをとなえた!ドルイドはバギをとなえた!ドルイドはバギをとなえた!ドルイドはバギをとなえた!

盗賊「うおっ!?全体魔法連発かよ!」

ドルイドはバギをとなえた!ドルイドはバギをとなえた!ドルイドはバギをとなえた!

商人「ううっ…こ、これは…」

ドルイドはバギをとなえた!ドルイドはバギをとなえた!

ーー商人はしんでしまった!

165: ーー35日目、ピラミッド3F 2018/11/11(日) 19:13:08 ID:QNUSW/kI
商人「はあ…昨日はあっさり死んでしまいました…」フウ…

盗賊「まああれだけ全体攻撃を連発されたらな…そもそも戦士以外はここしばらくずっと装備新しくなってないしな」

戦士「でもここに来たのはとげのむちとかいう武器の為だろ?あれも俺が装備するんじゃないのか?」

勇者「お前が装備更新すれば今お前が使ってる武器を商人に渡せるんだよ。そうすりゃ二人パワーアップだ」

戦士「おおー!なるほどな!」

盗賊「まあ、そのためにはここでとげのむちを見つけなきゃいけないんだが…」

マミーがあらわれた!

勇者「出やがったな、こいつは厄介だな…おらっ!」ザンッ

戦士「そおりゃっ!」ゴッ

マミーをたおした!

盗賊「おし、順調に…」

マミーのこうげき!つうこんのいちげき!商人はしんでしまった!

戦士「おい!?マジかよ!?今の一撃やべーだろ…」ゴクリ…

勇者「くっ、まさに痛恨の一撃だな…後衛の防御力の無さが厳しい所まで来ちまったようだな…」

166: ーー夜、アッサラーム 2018/11/11(日) 19:25:40 ID:QNUSW/kI
商人「はあ…僕、足引っ張ってますよね…」ハア…

戦士「あー!?この鎧見つけたのおめーじゃねーか!こんなの俺見つけられねーぜ!」

商人「でも…よく死ぬし、攻撃力もいまいちだし…そういえばポルトガで東には職業を変えられる神殿があるって…」

盗賊「おいおい、何の話してんだよ?良く死ぬのも攻撃力が不足してるのも、装備が足りねえせいなんだよ」

勇者「攻撃力で言えば俺や盗賊も大差ねーからな。まあ、転職してーなら止めねーが、まだ先の話だろ。それまでにじっくり考えれば良いんじゃねーか?」

盗賊「そうですね…すみません」

盗賊「謝んなよ。それより、まほうのカギで今まで行けなかった所に色々行ってみたが、東には行けなかったって話ばっかりだな」

戦士「関係ねーだろ!俺らには王様の手紙があるんだからよ!」

勇者「ホビットのノルドとか言ったか?相当なくせ者のようだが、ポルトガ王とはずいぶんと仲良しらしいからな、手紙さえあればなんとかなるだろ」

商人「ええ、王様を信用するしかないですよね…」

戦士「しかしさっきのちっちゃいの、なんだったんだ?なんかやたら凄そうな魔法唱えようとしてたけどよ」

勇者「ザラキな、心臓が止まりそうになったぜ。まあ、不発だったみたいだが」

商人「魔力が足りなかったみたいですね。使いこなしていたら物凄い脅威だったでしょうけど…」

盗賊「モンスターみんながあんななら助かるんだがなあ。これからもどんどん魔物は強くなり続けるんだろうな…」

167: ーー36日目、アッサラーム 2018/11/12(月) 20:00:46 ID:o1J8TGns
勇者「さて、今日はホビットのノルドとかいう奴に会いに行くんだが…その前に一つ行っておく事がある」

戦士「お?なんだよ」

勇者「俺らの旅は誰か死ぬたび装備を捨てるようだが…余ってる装備がもう4つしかねえ」

商人「すみません、僕が…」

盗賊「だから謝んなよ。それに俺も何回か死んでるからな。しかし4つのうち1つはルーンスタッフとかいうヤツだよな?アリアハンの倉庫からもらったっていう」

勇者「現状装備できる奴はいねーが、出来れば手放したくないよな…俺らからすれば最高レベルの武器だからな」

戦士「その4つ無くなったら俺らが装備してるやつを捨てるのか?」

盗賊「そりゃそうだろうな。まあ、まずは俺の持ってるこの棒切れだろうけどな」

商人「でも、武器を捨てるのも…だんだんモンスターの守備力が上がってきて、なかなか攻撃が通らなくなってきましたし…」

勇者「攻撃力も上がってきてるからな、防具わ捨てる訳にもいかねー。まず第一に死なない事、次に新しい装備品を手に入れる事だな」

商人「どっちも僕に掛かってますね…」

盗賊「お前だけじゃねえよ、俺もだ。ま、これから敵が強くなってくるんだ、きっと手に入る物も強くなるさ」

勇者「だと良いがな…とにかく、これからは今まで以上に気をつけてくれ。さ、行くぞ」

168: ーーノルドの洞窟 2018/11/12(月) 20:08:24 ID:o1J8TGns
盗賊「ここがホビットの住んでる洞窟ねえ…ホビットってより盗賊でも住み着いてそうだがな」

戦士「おめーに似合いそうだな!」

盗賊「だから俺は塔派だ!」

商人「塔派とか洞窟派とかあるんですか…?あ、誰かいますよ、すみません…」

ノルド「わしはホビットのノルド。お前さん方はなんだね?さ、出てって下され!」

勇者「やっぱりただでは相手もしてくれないか。じゃあ手紙だ……親愛なるノルドよ、この旅人達をーー」

ノルド「ふむ!それではお前さん方は東に行きたいというのかね?」

盗賊「ああ」

ノルド「ふむ!ではついて来なされ!」タタタ…

戦士「お、どっか行ったぞ!」

ノルド「ふむ!そこで待ってて下され!」ドシーン…ドシーン…

商人「た、体当たり!?抜け道ってこんな風に…!?」

ノルド「さ、ここが抜け道じゃ。通って下され!」

勇者「どうも…小せえのになかなかのパワーだな…よし、じゃあ行くぞ!」

169: ーーノルドの洞窟東側周辺 2018/11/12(月) 20:19:25 ID:o1J8TGns
商人「…と、勇んだものの、今日明日は次の土地には行かないですよね…」

勇者「おっし!レベルアップしたぜ。魔力もかなり上がったし、新しい呪文も覚えたぜ」

盗賊「魔力は商人のあなほりと、昨日ピラミッドで盗んだ2つのかしこさのたねを使ったからな」

勇者「ホイミが3回も多く使えるようになったぜ。レベルアップでかしこさが上がらなかったのは少し不安だが…」

盗賊「限界値ってやつに引っ掛かったのかもな。書いてる奴も良く理解してないようだが」

戦士「何の話だよおい!それより新しい魔法ってどんなんだ?」

勇者「ああ、ラリホーっつってな、敵を眠らせる呪文だ」

戦士「あー、あの角ウサギが使ってたヤツか!すげーじゃねーか!」

勇者「いい加減ギラじゃ火力不足を感じてたからな、搦手の呪文を覚えたのは悪くねえ。もちろん、使い方次第だがな」

商人「魔力の消費もギラより少ないんでしたっけ?魔力の増加と合わせて、今までより長く冒険出来そうですね」

盗賊「まあ、だからって突っ込みすぎちゃいけねえがな。スリルはあるが死にはしないギリギリを見極めないとな」

勇者「さっきも言ったが、無茶は出来ねーからな。とはいえ、旅に危険はつきものだ。ここんところ、それを実感するばかりだからな…」

171: 厳しくないと縛りの意味ないからね! 2018/11/13(火) 20:12:22 ID:kUCPsM4U
ーー37日目、夜、アッサラーム

カーズキータナカカズキー…

商人「相変わらず賑やかですね、ここ…」

戦士「おい!ただマッサージ行こうぜ!パフパフっつったっけか?」

盗賊「やめろ…思い出させるな…」

勇者「しかし今日は何事もなく終わったな、良い意味でも悪い意味でもな」

商人「アッサラーム周辺で魔物退治しましたけど、やっぱり外だとあまり退治出来ませんよね」

盗賊「何事もなくはねえだろ、ラックのたね盗んだぜ俺は!」

戦士「うんのよさなんか上がってもなー。やっぱり力だろ力!」

勇者「確かにちからのたねも欲しいが、1個2個あった所でな…」

盗賊「装備品の在庫を増やす意味でも、武器が欲しいよなあ…やっぱりピラミッドが良かったかもな」

戦士「言ってもしょうがねーだろ!明日だ明日!」

商人「明日は次の場所への移動日ですけどね…新しい土地で凄い武器や防具を見つけられれば良いですけど…」

172: ーー38日目、ノルドの洞窟東部 2018/11/14(水) 16:48:49 ID:kosqOq2I
商人「今日はいよいよくろこしょうを求めての旅路になりますね」

戦士「東にあるんだよなくろこしょう!で、東のどこにあるんだ?」

勇者「知らねえ」

戦士「はあ!?知らねーのかよ!」

勇者「町で話を聞いても、東にくろこしょうがある、か東に行けなかったって話しか聞けなかったからな」

盗賊「結局、誰も東に行って帰ってきた奴には会えなかったからな」

商人「多くの人が東を目指して死んだってポルトガで聞きましたよね。やっぱり危険なんでしょうね…」

戦士「東は危険って前にロマリアでも聞いたよなあ?」

盗賊「東に行けば行くほど危険なのかもしれねえな、この大陸は」

勇者「それでも行くしかねー、船の為だ。特別欲しかった訳じゃねーが、船があれば魔王の所まで行けるかもしれねーし、親父の足取りだって…」

商人「…そうですね。うん、行きましょう!」

戦士「おめーに言われなくても行く気満々だぞ俺は!っしゃー待ってろよ東!」

盗賊「まあ、結局東のどこに行けば良いかは分からないんだけどな…_

173: ーーバハラタの町 2018/11/14(水) 17:14:40 ID:kosqOq2I
勇者「ふう、なんだかんだ無事に町に着いたな」

戦士「で、胡椒はどこだよ?おーい、胡椒ー!」

盗賊「呼んで出てくるわけねえだろ…そもそもこの町にあるかどうかも分からねえのに」

商人「いや、見てください。これは胡椒屋の看板ですよ。おそらくこの店で胡椒は買えるはずです」

勇者「マジか、あっさり見つかったな。じゃあ早速店に入ってみるか…おい、店主がいねーぞ」

旅人女「なんだ、あんた達も胡椒が欲しかったのかい?残念だけど、店主の娘が拐われたとかでね、胡椒を売ってくれないんだよ。参ったね」

商人「娘さんが拐われた!?」

旅人女「つい最近らしいよ。店の裏に店主がいたから話でも聞いてきな。ったく、バカ猫が稼ぎ損ねたからアタシが代わりに一儲けしようとしたのに、とんだ足止めだよ。そもそもあのバカ猫が…」ブツブツ

盗賊「とにかく、店主に話を聞いてみるか…」

店主「おお、旅の方、聞いてくだされ。実はわしの娘が人さらいに拐われてしまっての。しかもそれを助けるべく婚約者のグプタまでもが奴らのアジトに…おお、グプタまで何かあったらわしは、わしは…」

戦士「人さらいかよ、ひでー奴等だな!」

勇者「仕方ねえ、俺らで助けるか。そもそもこの様子じゃくろこしょうを売ってもくれないようだしな。にしても、まるで俺らを狙い打ったみたいに災難が起きたな…」

商人「いや、そんなまさか…」

174: ーーバハラタの町周辺 2018/11/14(水) 17:25:32 ID:kosqOq2I
ーーハンターフライはギラをとなえた!ハンターフライはギラをとなえた!

盗賊「うおお、凄まじいぜ…そらあっ!」コンッ

ーーハンターフライたちをやっつけた!

戦士「ふー、つええなここのモンスターもよお!それよりさっさと拐われた奴ら取り返しに行かなくて良いのかよ?」

勇者「今行っても返り討ちにあうかもしれねーだろ、もっと強くならねーとな」

商人「そうですね…心配ですけど、僕らまで返り討ちにあってしまったら…」ジーッ

盗賊「ん?なんだ商人北の方を睨んだりして…ああ、北にあるっていう神殿が気になるのか、例の転職が出来るっていう」

商人「あ、いえ、その…」

勇者「まあ、まだ悩んでるなら行くだけ行ってみても良いかもな。どうせすぐに人さらいのアジトまでは行かねーし…なんだ?今倒した魔物、宝箱を…」

戦士「開けてみるぜ!…お?服だぞこれ!防具だ!」

商人「こ、これってみかわしのふく!?凄い、ぬいぐるみに続いてこんな物まで手に入るなんて…!」

盗賊「こいつはなかなかのもんだな。で、誰が装備する?」

勇者「そうだな…迷うが、盗賊が装備するべきか?みかわしのふくっていう位だから、攻撃をかわしやすくするんだろ?なら、一番攻撃にさらされる奴が着るべきじゃねーかな」

商人「ええ、僕もそれで良いと思います」

盗賊「よし、じゃあ遠慮なく…へへ、新しい装備なんていつ以来だ?やっぱりたまには新しい装備を身に付けたいよな。商人や勇者の装備も見つかれば良いんだけどなあ…」

176: ーー39日目、ピラミッド頂上 2018/11/15(木) 16:54:19 ID:wy96iOEI
戦士「うおー!景色良いなあ!お、見ろよ、ロマリアが見えるぜ!」

盗賊「うるせえなあ…何とかは高い所が好きって言うし仕方ねえが…」

商人「はは…僕は緊張しっぱなしですよ、魔物が強くてまた死なないかと…」

勇者「まあ、前に来たときより少しは強くなってるからな。そう簡単には死なねーとは思うがな」

盗賊「しかし見つからないな、とげのむち。俺らって探すとなるとさっぱりだよなあ」

戦士「せいなるナイフも全然ダメだったな!」

商人「ま、まあこれからまた下りる間に見つかるかもしれないですし…」

勇者「今の所はスタミナのたねくらいか?めぼしいのは。レア物には違いねーんだろうが、欲しいのはこれじゃねーよなあ…」

戦士「体力はみんな足りてるよな!」

盗賊「今日はやくそうの1つも見つけられてないしな。ま、魔物退治しながら気長に探すか」

商人「そうですね。旅立ってからというものの武器はどうのつるぎ1つ見つけただけですから、そろそろ良いものが欲しいですけれど…」

177: ーー夕方、イシス宿屋 2018/11/15(木) 19:14:17 ID:wy96iOEI
盗賊「…まあ、当然のように何も出なかったな…」

勇者「狙ってダンジョン行くと出ねえ、なんなんだこれは…」

戦士「物欲センサーってヤツか?」

商人「センサー…?でも昨日みかわしのふくが手に入りましたし…」

盗賊「まあなあ…所で明日どうすんだ?まだ人さらい退治には行かないだろ?」

勇者「そうだな、ピラミッドで今までにないぐらい長く戦えたから、強くはなってるんだろうが、すぐにって訳にはな…」

戦士「ノルドの洞窟の北にもほこらかなんかあったよな?そこどうだ?」

盗賊「そんなのあったか…?まあ、そこもいずれは行くようだろうが、まずはバハラタ北にあるっていう神殿はどうだ?」

商人「!…そうですね、僕は…行きたいです」

勇者「…良いんじゃねーか?特別ここに行かなきゃって場所もねーしな」

盗賊「転職の神殿っていうからには、もしかしたら経験値を稼ぎやすい所があったりするかもしれないしな」

戦士「おっ、良いな!またレベルアップ出来るな!」

勇者「出来るな、じゃなくてしなきゃなんねーんだよ、人さらいに勝つにはな。防具が1つ手に入ったとはいえ、全滅したら装備品の在庫ほぼ0だからな」

商人「厳しい事には違いないですよね…」

戦士「大丈夫だろ、昨日見つかったみたいに明日からも何か見つかるだろ!明日だ明日!お休みお前ら!」

179: ーー40日目、バハラタ郊外 2018/11/18(日) 19:19:05 ID:uJ4aH41A
勇者「よし、じゃあ今日は北の神殿を目指すぞ」

戦士「っしゃー、行くぜ神殿!」

盗賊「元気だなお前は…しかし転職が出来る神殿って言ってもよ商人…商人?」

商人「あ、待って下さい、あなほりが…」ザックザック…

盗賊「お前も朝から元気だな…」

勇者「ここの魔物もつえーが、進めば更に強くなるだろうからな、元気でなきゃ困るぜ」

盗賊「ま、そうだけどな…お、なんだ商人、その長いのは?もしかして…」

商人「ええ、見つけましたよ、てつのやり!」

勇者「おお、マジか!こいつはかなりのもんじゃねーか、やるな商人!」

商人「ええ、このくらいはしないと…」フウ…

戦士「で、これ俺が装備して良いのか?」

勇者「ああ、そしてお前が持ってたどうのつるぎは商人にやる。これで二人がパワーアップだ」

商人「良かった…攻撃力不足で困ってたんですよね」

戦士「これで俺はモンスターをバリバリ倒せるぜ!あなほりはすげーな!で、盗みはどうなんだ?」

盗賊「お前…ぱふぱふの時といい俺の心を抉りにくるんじゃねえよ…」

180: ーーダーマ近郊、夜 2018/11/18(日) 19:27:28 ID:uJ4aH41A
盗賊「おいおい、この辺の魔物強すぎじゃないか?」

商人「厳しいですね…防御力もあがってるからか、武器が強くなった実感があまり無いですね…」

戦士「俺は強くなってるぜ!サルもヤギみてーなのも一撃だ!」ウオー

勇者「あれヤギか?ヒツジじゃねーのか?まあどっちでも良いが、立て続けに守備力攻撃力魔力と上がったのに、ここじゃ苦戦しっぱなしだ」

盗賊「戦士の攻撃力だけだな、十分に通用してるの…お?あの魔物は…」

マッドオックスがあらわれた!キラーエイプがあらわれた!メタルスライムがあらわれた!

戦士「うおお!?あの銀色のやつ、倒してー!うおおおお…!」

メタルスライムはにげだした!

盗賊がおいおい、物凄い逃げ足だな!」

戦士「ぐあああ、ちくしょー!なんかわかんねーけどあいつは倒したかった!」

勇者「ああ、なんなんだろうな、あいつは倒さなきゃいけねー気がしたぜ…」

盗賊「ドラクエってゲームをシリーズ通して何十度もクリアしてるはずだが、あいつを初遭遇で倒せた記憶がねえなあ…」

商人「な、何の話ですか盗賊さん…」

181: ーーダーマ神殿 2018/11/18(日) 19:39:21 ID:uJ4aH41A
勇者「ーーふう、着いたぜ。しかしやたらと広い神殿だな…」

戦士「おお、色んな奴らがいるな!転職したくてこんな山奥まで来るのか?」

盗賊「どうもそうらしいな…まずはそいつらから話を聞いてみて…」

商人「話ならもう聞いてきましたよ」

戦士「うお、はえーな!」

商人「どうやら転職するとレベルが1に戻ってしまうらしいですね。しかも、転職するにはレベルが20ないといけないらしくて…」

盗賊「商人、今レベル19だったか?」

商人「ええ、さっきその辺で魔物退治したときに上がりました。でもまだ足りないので、神官に一人前にもなってないのにっておこられちゃいましたよ、ははは…」

勇者「怒られたってお前、転職するって言ったのか?」

商人「試しにですよ。正直まだ迷ってますし、レベルが1になるっていうし…」

勇者「まあ、レベル1の奴を人さらい退治に連れては行けねーからな」

盗賊「じゃあ仮にやるとしても人さらい退治してからだな?良いんじゃないか、考える時間が必要だろうしな」

商人「ええ、丁度良いと思ってます。でもどっちにしろレベルは上げないといけませんが…」

勇者「だな。おそらくこの辺で人さらいなんてやってるからにはこの辺の魔物より強いだろうし、俺らみんなもっと強くならないと歯が立ちそうもねー。明日からしばらく時間をかけるようかもな…」

183: ーー41日目、ピラミッド2F 2018/11/19(月) 19:45:41 ID:TS2yHdAM
戦士「今日もピラミッドだー!」

盗賊「ったく、墓泥棒にでもなった気分だぜ」

商人「お宝には手を付けてませんから…それにしても、やっぱり武器は見つからないですね…」

勇者「結構探してるんだけどな…とげのむちが手に入れば、戦士に持たせててつのやりは商人に、なんて考えてるんだがな…」

盗賊「取らぬ狸のなんとやら、だな」

戦士「ん?俺がムチ装備すんのか?」

商人「僕よりも勇者さんがてつのやりを持った方が良いのでは…?」

勇者「ムチは複数攻撃武器らしいからな、攻撃力の高い奴が持った方が良いだろ。あと俺は呪文を唱えるって選択肢があるからな、強力な武器は他の奴が持った方が良い」

盗賊「俺が槍装備できればなあ…」

戦士「槍ってか棒切れ以外装備と出来ねーだろ!」

盗賊「出来ないんじゃねーよ、装備出来る武器が見つからねえだけだ!…ったく、俺はいつまでひのきのぼうなんだよ…」

184: ーー夜、アッサラーム 2018/11/19(月) 19:57:37 ID:TS2yHdAM
商人「今日も見つかりませんでしたね、とげのむち…種とやくそうは見つかりましたけど…」

勇者「スタミナのたねは2つ盗賊が盗んだな。前も言ったが、欲しいのはこれじゃねーんだけどな」

盗賊「やくそうは3つも見つかったが、1つ使っちまったな。だから+2だ」

商人「ピラミッドの魔物は強いですから、やくそうわ使わなきゃならない場面も多いですよね…」

盗賊「…で、なんでまた夜のこの町に来るんだよ!色々思い出すだろ!」

勇者「ああ、明日は戦士が言ってた北の方にあるほこらを目指す。だからここで今日は1泊だな」

戦士「まだ人さらい退治に行かねーのかよ?」

勇者「まだまだだな。最悪更に二日後も別の人を目指すようだな」

盗賊「ま、全滅だけは避けないとな。一気に装備が4つも飛ぶ」

商人「最近少し在庫が増えたとはいえ、4つ失うと厳しいですね…」

勇者「まあ、レベルアップ次第だけどな。順調にレベルが上がって、さらに強力な装備でも手に入ればもちろん話は変わってくる」

盗賊「俺らの仕事って訳だな」

戦士「ん?最近の強い装備はだいたい宝箱かあなほりじゃねーのか?盗みは別に…」

盗賊「うるせえ!ちょっと調子が悪いだけだ、明日から見てやがれよ!」

186: ーー42日目、オリビアの岬 2018/11/20(火) 19:35:39 ID:Yl8rGCVU
商人「あっ、何か建物が見えてきましたよ!」

勇者「ほこらではないようだな…なんだあれ?」

盗賊「中が見えないから何とも言えないな…こんな辺鄙な所にしては結構な造りの建物だな」

戦士「これ湖か?お!見てみろよ、湖の島にも何か建ってるぜ!」

商人「本当ですね。でも良く見えないけど何か…嫌な雰囲気の建物ですね」

勇者「にしてもこの辺の魔物は訳わかんねーな。アッサラーム方面の奴らが出てきたと思ったらバハラタ北部の魔物達も出てくるし…」

盗賊「あげくに緑のカニまで出てきやがる。他はまあ分かるが、なんだあのカニ?なんでこんなとこにいるんだ?」

商人「嫌な敵ですよね、スクルトされたら逃げるしかないし…」

勇者「そもそもスクルトされなくても戦士以外ほとんどダメージ与えられねーんだけどな」

戦士「おい!早くあの中に入ってみようぜ!」

盗賊「だな、さて何があるのか…」

商人「楽しみなような不安なような…ちょっと想像がつかないですからね、こんなところに何があるのか…」

187: ↑はオリビアの岬周辺、ここがオリビアの岬 2018/11/20(火) 19:47:29 ID:Yl8rGCVU
勇者「ここは…宿屋か?こんな所に宿屋が…」

商人「凄い、並の宿屋よりよっぽど立派な宿屋ですよ!でも何故こんな所に…儲かってるのかなあ?」

盗賊「俺らみたいな迷える旅人の為なのかねえ?それで採算が取れるのかは疑問だが…」

戦士「お、誰かいるぜ!なあ、あんたも旅人か?」

兵士「俺か?いや、俺はここの…まあ、住人かな。ここの警護と、あの湖の中に見えるほこらの牢獄を見張ってるんだ」

盗賊「ほこらの牢獄?」

兵士「ああ、あそこは曰く付きでな…今でも無念の死を遂げた者達の魂が彷徨ってると聞く」

商人「そんな所が…あの嫌な雰囲気の正体は…」

勇者「そんな物騒な場所に、どんな事した奴らがぶちこまれるんだ?」

兵士「そうだな、最近だとサマンオサの…いや、よそう。お前達が入ることは無いだろうしな…」

戦士「当たり前だろ!よっしゃ、せっかく宿屋があるんだし休もうぜ!」

勇者「ああ、そうだな…少し気になるな、サマンオサ、か」

盗賊「あの牢獄に行くことになる時も来るのかねえ?少し面白そうではあるがな」

商人「ぼ、僕はちょっと遠慮したいです…」

188: ーー43日目、オリビアの岬 2018/11/21(水) 19:41:41 ID:YOz0KnfM
旅人A「おい、嬉しいけど…本当にうちで良いのか…?」ヒソヒソ

旅人B「信じられないよな…」ヒソヒソ

戦士「んー?なんか騒がしいなー」

使者「素敵な所ね、湖畔の宿なんて」

勇者「うおっ!?なんでここに!?」

盗賊「お、勇者君に会いに来たんですかー?」ニヤニヤ

使者「今日は商人君に話があるのよ。貴方、転職を考えているそうね?」

勇者「どっから聞いたんだこの人は…」

商人「ええ、まだすると決めた訳では無いですが…」

使者「王様からの言葉を伝えるわよ。転職は構わない、何度でも。ただしーーレベルは20まで。あと、最終的には元の職業に戻ることーーこれは商人君に限らないとの事よ」

戦士「レベル20まで!?ハンパじゃねーのか?」

使者「そうね。器用貧乏という言葉が好きらしいのよ。誰がとは言わないけど…」

勇者「王様じゃないのか?まあ良い、そういう事ならそうするしかねーな」

使者「それじゃ、確かに伝えたわよ。ルーラ!」ギュイーンギュイーン…

盗賊「相変わらず神出鬼没だなあの人は…」

191: ーーピラミッド 2018/11/23(金) 14:54:38 ID:1Rrg0YHE
盗賊「もちろん戦士は転職しちゃダメだ。いや、忘れてた訳じゃないぜ?忘れる訳ないだろ?忘れる訳ないんだよ」

商人「なんで何回も言うんですか…?」

勇者「転職のレベルに関しては、レベル20までの呪文しか覚えられない、という認識で良いと思うぜ」

盗賊「ただ時間が限られてる縛りだからな、20になったからといってすぐ町に戻らなきゃいけないって訳でもねえ。20になった日に更にレベルアップしたならそれは構わないという話だ」

戦士「そんなに経験値入るかあ?」

勇者「とてつもなく経験値が入る魔物もいるらしいが、今の時点では現実的ではねーな…」

商人「どくばりでもあればなあ…あれも手に入りませんでしたね、結構地底は湖にもいったのに…」

盗賊「地下3階まで下りないとひとくいがが出てこないからなあ。イシス砂漠にもいるが、難しいな…」

戦士「今日もとげのむちは見つからなかったな!」

盗賊レベル19「俺のレベルが上がっただけだな。戦士もあとちょっとらしいがな」

商人「なかなかパワーアップとはいきませんね…」

戦士「明日は見つかるかもしれねーだろ!」

勇者「だと良いがな…まあ明日はまた新しい場所に行くようだし、新しい魔物が新しい装備を持ってるかもしれねえ」

盗賊「今度こそ俺が盗んでやるさ。今まで良いとこなしだが、明日は、明日こそは…」

192: ーー44日目、ガルナの塔 2018/11/23(金) 16:58:18 ID:1Rrg0YHE
勇者「山奥の神殿の更に奥にある塔か…とんでもない秘境だな」

盗賊「こういう所にこそお宝がありそうなもんだがなあ」

戦士「どうせお宝があっても持ってけねーから意味ねーな!お、誰かいるぜ!」

女性「ガルナの塔へようこそ。さとりのしょがあれば、賢者にもなれましょう」

商人「さとりのしょ!最高級のお宝ですね!」

盗賊「俺の勘は正しかったな。ま、俺らには関係ないんだがな…」

勇者「てことは、この塔には基本用無しか。他に特別な理由が出来なければだが…」

戦士「ここにくろこしょうあったりしねーのか?」

商人「ここには無いでしょうね、さすがに…」

盗賊「まあ、せっかくだしちょっと探索してみるか?何か飛びっきりの秘密があるかも知れねえ」

勇者「ただで引き返しても仕方ねーしな。とはいえ、外の敵があれだけ強いんだから、ここの魔物はとんでもなく強そうだけどな…」

商人「そ、そうですね。慎重に…」

戦士「っしゃー!行くぞてめーら!」

盗賊「慎重にっつってんだろ!」

194: ーーダーマ近郊 2018/11/25(日) 19:29:18 ID:3JytDeC6
ーーマッドオックスがあらわれた!げんじゅつしがあらわれた!メタルスライムがあらわれた!

勇者「あの銀色野郎…!おい、倒す…」

メタルスライムはにげだした!

盗賊「ああー!くっそ、なかなか倒せねえ…」

げんじゅつしはメダパニをとなえた!戦士はこんらんした。

商人「せ、戦士さん、しっかり…!」

戦士「あー?お、魔物だぜー!」ドゴッ

戦士のこうげき!

勇者「ぐおおーっ!くっそ、戦士が混乱したら勝負にならねー、逃げるぞ!」ダカダカダカ…

商人「…ふう、どうやら逃げ切れたようですね…」

戦士「んー?あれ?魔物が勇者になってるぜ???」

勇者「魔物が俺になったんじゃねー、おめーが混乱したんだよ!」

げんじゅつしがあらわれた!げんじゅつしはメダパニをとなえた!せんしはこんらんした。

戦士「おー?お、魔物がいるじゃねーか!」ギラリ

勇者「お前マジふざけんなよ!おい、逃げるぞ!」ダカダカダカ…

195: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/25(日) 19:36:19 ID:3JytDeC6
戦士「んでよー、勇者が魔物になってよー。あれ?魔物が勇者だっけかな?」ウーン…

勇者「お前…!いや、もういい…それよりもう魔力がねー、ダーマに戻るぞ」

盗賊「体力もギリギリだな…ここで魔物に逢ったら…」

マッドオックスがあらわれた!

商人「ギ、ギラを使う魔物が4匹も!?ど、どうしたら…」

勇者「くっ……!戦うぞおめーら!」

戦士「おおー!そうでなくちゃな、おらあっ!」ズッ

マッドオックスはギラをとなえた!マッドオックスのこうげき!マッドオックスはギラをとなえた!

商人「く、ま、まずい…」

勇者「ちっ、逃げだ!逃げるぞ!」ダカダカダカ

しかしまわりこまれてしまった!マッドオックスはギラをとなえた!マッドオックスのこうげき!

商人はしんでしまった!

勇者「くそっ!逃げるぞー!」ダカダカダカ…

盗賊「…ふう、なんとか降りきったか。だが…」

勇者「今回は完全に俺のミスだ。くそっ、体力と敵の攻撃の激しさを考えたら、逃げ以外に選択肢はなかったのに…」クッ…

196: ーー45日目、ピラミッド 2018/11/26(月) 19:51:04 ID:I2LI6Gu6
戦士「おう、最初に言っとくけどどげのむちは出なかったぞ!」

盗賊「身も蓋もないな…ただ、やくそうは4つ手に入ったぞ、俺が3つ、商人が1つだ。そして…」

商人「あなほりでかしこさのたねが見つかりましたよ。勇者さんは種とレベルアップで魔力がグッと上がりましたよね!」

勇者レベル18「1.2倍位になったな。マホトーンも覚えたぜ」

盗賊「呪文を封じる呪文だっけか?」

勇者「ああ、少し使いどころが難しいかもな。さて、商人のレベルも上がったし、明日は人さらいどものアジトに行ってみるか」

商人レベル20「…いよいよですね」

盗賊「これ以外放っとけねえよなあ。ま、明日アジトに行って明後日攻略ってとこか?」

勇者「まあ、そんな感じだな。お前ら…足引っ張るなよ」

戦士「おおー!やってやるぜ俺はよー!」

198: ーー46日目、人さらいのアジト前 2018/11/28(水) 20:15:18 ID:GxFttMgM
勇者「…さて、着いたぜ。おそらくここが人さらいのアジトだろうな」

商人「森の中の洞窟…いかにもって感じですね」

盗賊「辛気臭そうな洞窟だなあ。ま、人さらいにはお似合いか」

戦士「人さらいは良くても捕まってる奴らは大変だろ?さっさと助けよーぜ!」

勇者「だから言ったろ、今日はあくまでも偵察だ。いきなり殴り込み出来るほど俺らは強くねえ」

商人「…外の魔物達にも苦戦してるのに、ダンジョンの魔物はもっと…」ゴクリ…

盗賊「おいおい、弱気になるなよ。俺らだってそこそこ強くなってるはずだろ」

商人「だと良いんですけど…」

戦士「そうだろうとなかろうと行くしかねーだろ!行くぜお前ら!」ウオー

勇者「てめーが仕切んな!だがまあ、行くしかねーのは確かだ。覚悟決めろよ」

商人「…はい!行きましょう!」ザッザッザッザッ…

199: ーー人さらいのアジト、B1F 2018/11/28(水) 20:26:11 ID:GxFttMgM
戦士「おらー!モンスターども、死ねやー!」ズッ

キャットバットをたおした!

勇者「正体が分からねーが…斬るぜ、らあっ!」ザンッ

あやしいかげをたおした!まもののむれをやっつけた!

商人「よしっ!ここの魔物達、思ったほどではありませんね。もちろん強いですが…」

盗賊「だな。魔物じゃないようなのもいたが…」

戦士「あいつら、人さらい達の手下なのかあ?」

勇者「マスクと斧の大男達か?さあな、そうかも知れねーが…なんか思い出すよなあのカッコ…」

商人「ああ、シャンパーニの塔の…あれ?あの影の魔物が宝箱落としてますよ!」

盗賊「お、ラッキーだぜ。開けてみるか…おおお!?これ、とげのむちじゃねえか!なんでこんな所に!?」

戦士「おおお!?これが探してた奴か!スゲー!」

勇者「あんなにピラミッドで躍起になっても見つからなかったのに、こんな所で見つかるのかよ…よし、じゃあ戦士に…」

戦士「んー?俺それ装備出来ねーぞ?」

勇者「マジかよ、それに商人も無理か。じゃあ…盗賊、お前だ。お前の素早さと鞭の複数攻撃はきっと強力なはずだからな」

盗賊「お、良いのか?じゃあお言葉に甘えるぜ…へへっ、初めて武器を更新したぜ、やっとひのきのぼうからおさらばだ。長かったぜ…」

200: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/28(水) 20:43:33 ID:GxFttMgM
盗賊「ハッハッハッ!喰らえモンスターどもが!」バシィ!

キャットバットをたおした!

商人「他の魔物も弱ってる…それえっ!」ザンッ

キャットバットたちをやっつけた!

戦士「おおー!スゲーなその鞭!」

盗賊「ああ、バシバシ攻撃出来て気持ちいいぜ」

勇者「さっさと魔物を倒せれば魔力の節約にもなるしな…にしてもこの洞窟はどこまでいっても同じような景色で、気を付けねーと迷っちまうな」

商人「本当に…あれ!?誰かいますよ!まさか人さらい…」

戦士「おい!お前人さらいか?」

兵士「うおっ!?な、なんだ魔物じゃないのか…俺はただの迷子だ。この洞窟で迷ってもう何年になったか…」フウ…

商人「た、食べ物とかどうしてるんだろう…」

兵士「以前男があっちの暗がりの方に歩いていってな、追いかけたんだが、どこかでカギを開けるような音がしたのを聞いただけで…」

勇者「見失っちまったのか。にしても、やっぱりここには誰かいるようだな。その男が人さらいなのか人さらい達を追っていったグプタとかいうやつなのかは分からねーが…」

盗賊「まだアジトを変えてないようなら朗報だな。移動してたらもう俺らには見つけられないだろうからな」

商人「となると、明日はいよいよ決戦ですね…でも新しい武器も手に入れたし、きっと…」

203: ーー47日目、人さらいのアジトB2F 2018/12/01(土) 20:48:44 ID:vJSHJPP2
戦士「この先に人さらいどもが居るんだよな?っしゃ、行くぜー!」

勇者「待て、確認だ。商人、やくそうはいくつになった?」

商人「全部で25個ありますね。結構ピラミッドで見つかりましたよね」

盗賊「やくそうに関しては俺が上手く調達出来たぜ、へへ」

戦士「武器とか防具はからっきしなのになー」

盗賊「それを言うな!で、装備はとげのむち、みかわしのふく、かわのぼうしだな」

戦士「俺はてつのやり、ぬいぐるみ、きんのかんむりにごうけつのうでわだぜ!」

商人「僕はどうのつるぎ、たびびとのふく、かわのぼうしです。あと持ちきれる限りのやくそうを持ってます」

勇者「俺も装備は商人と一緒だな。ちなみに今装備を紹介した順がならび順だ。まあ、しばらく変わってねーけどな」

盗賊「こうして見ると前二人と後ろ二人の装備の差が酷いな。仕方ないといえばそうなんだが」

戦士「んー?だからおめーが装備見つけねーからじゃねーの?」

盗賊「くっ、しつこいなてめえも…ま、成果が出てないのも事実だがよ…」

勇者「今更んなこと言ってても仕方ねー。敵は目の前だ、覚悟は出来てんだろうな?」

商人「…はい!」

戦士「っしゃー!行くぜ!人さらいなんぞぼこぼこにしてやんぜー!」

204: 今週は忙しそうなのです 2018/12/01(土) 21:00:59 ID:vJSHJPP2
ならず者A「なんだあ?誰かの話し声がするな」

ならず者B「話し声?お頭じゃあ…ん?誰だあいつら…」

盗賊「お、いたいた。この様子だとまださらわれた二人もここに居そうだな」

商人「後は助け出すだけですね…」

ならず者A「おい、なんだてめえら?俺達の仲間になりに来たのか?」

戦士「ああ?んなわけねーだろ!さらわれた二人を助けに来たんだよ!」

ならず者B「なんだと?」

勇者「てめえらの悪事もここまでだって事だ。二人を返すってんなら見逃してやっても良いが…」

ならず者A「ふざけるな!てめえらなんかにビビる俺達じゃねえんだよ!」

ならず者B「おい、お前達も来い!こいつらやっちまうぞ!」

ならず者C「おう!覚悟しろよてめえら!」

ならず者D「こんな湿気た所で退屈してたんだ、丁度良いじゃねえか」ボキボキ

盗賊「はっ、揃いも揃って台詞が三下みてえだな!望むところだ、行くぜ!」

ーーカンダタこぶんがあらわれた!

207: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/02(日) 19:58:51 ID:uBMpfzIs
盗賊「一纏まりになってるとは好都合だぜ、そらそらそらあっ!」バシィ!

勇者「一気に畳み掛けるぜ、ギラ!」ゴオオオ…

戦士「おらっ、喰らえっ!」ザクッ

商人「よし、一人はそろそろ倒せそう…」

カンダタこぶんはベホイミをとなえた!

戦士「ああ!?もうちょいだったのによお!」

カンダタこぶんはルカナンをとなえた!カンダタこぶんのこうげき!

勇者「ちっ、防御力下げる呪文まで使うのかよ!前に戦った時より強くなってやがるぜ!」

盗賊「それはこっちも一緒だろ、おらっ!」ピシャッ

戦士「うおおー!」ザクッ

カンダタこぶんをたおした!

商人「まず一人、ここから…」

カンダタこぶんのこうげき!カンダタこぶんのこうげき!

勇者「商人!大丈夫か?」

商人「ま、まだ平気です…くっ、やっぱり手強い…」

208: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/02(日) 20:03:37 ID:uBMpfzIs
盗賊「防御しとけよ商人!後ろ二人は1発でホイミ分持ってかれるな…」

戦士「やられる前に倒せば良いだけだぜ!うおおおおー!」ザクッ

勇者「先ずは商人にホイミだな、そして…もう1発ギラだ!」ゴオオオ…

カンダタこぶんをたおした!

商人「もう大丈夫、僕も攻撃します!それっ」ガンッ

盗賊「そらよっと!」バシィ!

カンダタこぶんのこうげき!カンダタこぶんのこうげき!

戦士「そんなもんでやられるかよ!うおらあっ!」ザクッ

カンダタこぶんをたおした!

勇者「とどめだ、うらあっ!」ザクッ

ーーカンダタこぶんたちをやっつけた!

戦士「うおおー!勝ったぜー!」

商人「や、やりましたね…いや、まだだ、さらわれた二人の無事を確認しないと…」

209: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/03(月) 19:59:00 ID:xhzqACm.
ならず者A「ムググ…」

盗賊「よし、全員縛ったぜ。さて…おーい、いたか?」

勇者「ああ、今見つけたーーおい、大丈夫か?」

タニア「ああ、助けて下さい!私はバハラタのタニアです!」

商人「良かった、無事です…!グプタさんも…」

グプタ「突き当たりにあるレバーを引けば、牢の入口が開くはずだ!頼む!」

戦士「お、これだな。そりゃ!」ガゴン ゴオン!

勇者「よし、開いたぜ!」

タニア「ああ、グプタ!私達帰れるのね!」

グプタ「ああ!ありがとうございました皆さん!…さあ、帰ろう!」

タニア「ええ!」

盗賊「ふう、一件落着、かな?」

商人「そうですね…ん?待って下さい!部屋の外から何か…歌声?」

???「まーとーめてー♪まんけーつーポートーフー♪よどおーしーなべのなかー♪おーい!おにくとホルモン、げんきかー?きょうこそ食べるぞー!」キャッキャッ

男の声「だから食べないで売るんだよ。そうすればもっと大きな肉に…なんだ?誰も出迎えに来ないな…」

210: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/03(月) 20:07:18 ID:xhzqACm.
グプタ「あ、ああ!人さらい達の頭が帰ってきてしまいました!」ガタガタ…

勇者「頭…?黒幕登場って訳か。にしても、この声、どっかで聞いたような…」

頭「おう、帰ったぞ…ああ!?こんな奴らさらったか…?」

子分?「おおお!?ホルモンがふえたぞ!おやぶん、ふえたなら食べていいか?」

戦士「ふざけんな、俺等が食われるかよ!」

盗賊「それよりこいつら、シャンパーニの塔の…!」

頭「ぬう、だれかと、思ったらまたうぬらか!しつこいやつらめ!」

商人「し、しつこいのはそっちでしょうが!まだ悪事を…!」

子分?「あくじ?これはしごとだぞ!はたらかざるもの食べるべからずなんだぞ!」ガオー

勇者「こんな仕事があるかよ…おい、あんた達下がってな!」

タニア「は、はい!」

グプタ「勇者様、ご武運を…!」

頭「今度こそは負けねえぞ!やっつけてやる!」

子分?「食べるぞー!」ガオー

ーーカンダタたちがあらわれた!

213: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/08(土) 23:53:28 ID:CCeISD9A
盗賊「今回もまずは子分からだろ?そらっ!」ピシャッ

勇者「ああ、出し惜しみは無しだ。ギラ!」ゴオオオ…

戦士「おらあっ、これで決まりだあっ!」ザクッ

カンダタこぶんはベホイミをとなえた!

商人「ああっ、また回復を…!」

カンダタのこうげき!カンダタこぶんのこうげき!

盗賊「くっ…、思った程ではねえな!」

商人「ええ、僕でも耐えられ…」

カンダタこぶんはルカナンをとなえた!カンダタのこうげき!

戦士「うおお!?防御力下げる呪文は卑怯だろ!」

勇者「敵にんなこと言ってもしょうがねーだろ!…おい、盗賊!」

カンダタのこうげき!盗賊はすばやくみをかわした!

商人「おお!さすがみかわしのふく!」

盗賊「こいつは本当に良い防具だぜ。よっしゃ、ここから反撃だぜ!」

214: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/09(日) 00:02:46 ID:TFfvhPeI
戦士「今度こそ、おらっ!」ザクッ

商人「僕も…それっ!」ガッ

カンダタこぶんをたおした!カンダタこぶんをたおした!

盗賊「よし、残りは親玉だけ…」

カンダタのこうげき!

商人「うっ…き、効いたあ…」

勇者「商人、回復してやる!自分でもやくそうを使えよ!ホイミ!」パアア…

商人「や、やくそうを…ふう、なんとか息を吹き返しました」

戦士「よっしゃ!後は集中攻撃するだけだ、オラオラッ!」ズッ

盗賊「誰がナンバーワンの盗賊か教えてやるぜ、そらそらあっ!」バシィ!

カンダタのこうげき!

勇者「ぐおっ…!まだまだ余裕があるぜ、うらっ!」ガッ

商人「そ、そうは言っても勇者さんにやくそうを…」

戦士「うおおー!突撃ぃ!」ドドド…

ーーカンダタをたおした!

217: なかなか時間が取れず申し訳ないのです… 2018/12/11(火) 13:54:07 ID:cHENzWs2
頭「参った!あんたらには敵わねえや…」

戦士「はっはー!完勝ってヤツだな!」ウオー

盗賊「まあ、思ったよりはな」

勇者「さて、この人さらい達は…」

頭「俺達はもう本当にこれっきり足を洗う。だから見逃してくれよ。な?」

商人「どうします?前も盗みを働いてましたし…」

勇者「……まあ、良いだろ。俺らはさらわれた人たちを助けに来ただけだしな」

盗賊「くろこしょうを買うためにな」

戦士「もしまたわるさ働いても、また俺等がやっつけてやるぜ!」

勇者「…という訳だ。もう悪さすんなよ」

頭「ありがてえ!あんた達の事は忘れねえよ!ありがてえ…」ナムナム

グプタ「勇者様!本当に、本当にありがとうございました!さあタニア、今度こそ帰ろう!」

タニア「ええ!ありがとうございました!勇者様!では!」タタタ…

商人「あっ、洞窟には魔物がいるから危ないですよ!」

盗賊「行っちまったな…さ、俺らも帰ろうぜ。くたくただよ俺は…」

218: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/12/11(火) 14:02:30 ID:cHENzWs2
頭「…行っちまったか」

子分A「お頭…」

頭「なにやってんだ、あいつらの縄をほどいてやるぞ…よし、全員生きてるな」

ならず者A「お頭、俺達が不甲斐なくて申し訳ねえ…」

頭「いや、相手が悪かった。そろそろ悪事も潮時かな」

子分?「ん~…」

頭「おお!大丈夫か!?しっかりしろ!」

子分?「…おなかへったぞ~…」グウー…

頭「はっはっは!そうだな、俺も腹が減ったよ!じゃあまずは飯にするか!それから…どうするかな…」

ーー

猫「うにゃあ、人さらい達から逃げてたら道に迷ったのですにゃあ…どこへ行けば…にゃっ!?あの声は…!」

旅人女「バカ猫、こんな所にいたのかい!さ、早く戻って食扶持稼ぐんだよ、ほら!」ゲシゲシ

猫「ふにゃー!?さらわれてた時と変わらない扱いなのですにゃー!」オアー…

220: しゃべる猫は珍しいから… 2018/12/15(土) 13:20:05 ID:U3EnNfvY
ーー夜、バハラタの宿屋

戦士「いやー、食ったし飲んだし人さらいはやっつけたし、最高だな今日は!」

勇者「うるせえな…俺は疲れた」

盗賊「俺も疲れたなあ。ま、無事に二人を助け出せたし…なんだ商人?」

商人「いえ…あの、転職の事なんですが…」

勇者「…ああ」

商人「やっぱりしばらくは商人のままでいようかと思うんです」

戦士「おー!良いじゃねーか!」

盗賊「…水を差すようだがよ、お前はもう心が決まってたと思ってたよ、転職する方にな。どういう心境の変化だ?」

勇者「思ったより楽に勝てたからだろ、人さらいに」

商人「ええ…でも転職しないという訳ではなくて、行き詰まったら…例えば全滅したらするとか、そういう風に考えているんです」

戦士「全滅なんかしねーけどな!」

盗賊「どうかな、ここから先は分からないぜ。てか、書いてる奴の気が変わったって訳だな」

勇者「なんの話だよ…」

221: ーー48日目、バハラタの町 2018/12/15(土) 13:30:11 ID:U3EnNfvY
グプタ「ああ、皆さん!昨日はありがとうございました!本当にありがとうございました!」

勇者「…ああ」

盗賊「嬉しい時は嬉しそうな顔しろよ勇者。それよりグプタさんよ、俺らはくろこしょうを買いに来たんだが…」

グプタ「くろこしょうですね!はい、こちらになります!もちろんお代は要りません!」

戦士「おお、太っ腹だなおい!」

商人「いやあ、流石に悪いですよ…」

グプタ「いえいえ、命の恩人ですから、これくらい当たり前ですよ!」

勇者「そうか…じゃあ有りがたくいただくぜ。どうもな」

旅人女「へえ、あんた達が人さらいからたすけたのかい?おかげでアタシもくろこしょうが買えるってもんだ、ありがとうな」

盗賊「あんたは初めてバハラタに来たときにいた…あんたもくろこしょうが目当てだったな」

戦士「っておい、そんなに買うのかよ?!俺だって持ちきれるか分かんねーぞそんな量!」

旅人女「心配いらないよ、アタシには良い荷物持ちがいるんだ、そいつが全部運んでくれるさ。これだけ西に持って帰れば大儲けだろうねえ」クックッ…

商人「凄い、よっぽどの力持ちなんでしょうね、その荷物持ちの人…」

223: ーーポルトガ城、謁見の間 2018/12/17(月) 19:51:38 ID:opZrVJWI
王「おお、そなたはくろこしょうを求めて東方へ赴いた盗賊だったな」

戦士「おいおい、俺だって言ったぜ!」

盗賊「黙ってろよ。俺が先頭にいるから俺の名を呼んだだけだろ」

王「して、どうだった?やはりダメだったろう…」

勇者「王様、これを」サッ

王「こ、これはくろこしょう!?まさか手に入れたというのか!おおお、さぞかし過酷な旅であっただろう…」

商人「そうですね、主に足袋より人さらいがですが…」

王「よし、では約束通り船をやろう!城の外に出てみるといい」

戦士「まじか!うおおー、やったぜ!」

勇者「静かにしろ、城内だぞ!…有り難き幸せにございます。では…」

商人「す、凄いです、本当に僕達船を…」ウルウル

盗賊「おいおい商人、なに泣きそうになってんだよ!さ、早く船を見に行こうぜ、俺達の船を!ほら早く!」ソワソワ

勇者「おめーだってそわそわしてるじゃねーか…しかし自分の船か、これならきっと、いや必ず…」

224: ーーポルトガ城下町 2018/12/17(月) 20:02:07 ID:opZrVJWI
戦士「おおおー、これか!?これが俺達の船か!?」

商人「戦士さん、あんまりはしゃがないで!海に落ちちゃいますよ!」

盗賊「これか…おもったよりずっとでかいな。これならどこへでも行けるだろうさ」

勇者「行ってもらわなくちゃ困るぜ。親父の足跡、魔王の居場所…」

戦士「どこへでも行けるのか!じゃあどこ行く?最初にどこ行く?」

盗賊「少し落ち着けよ…でもそうだな、今日はどこか新しい土地へ行かなきゃならないし…」

商人「なら、対岸にある灯台はどうですか?町の人も、まずは灯台に行くようにって言ってましたよ」

勇者「灯台か、外に出ればみえたよな?最初の目的地にしては近すぎる気もするが、まあ良いんじゃないか?」

盗賊「最初に行けって言うんなら誰か居るんだろうな。よし、ならそこで情報収集だな。海の人間にしか分からない事も知ってるかも知れないしな」

戦士「よっしゃー!じゃあ乗り込めお前ら!」

勇者「てめーの船みてえに言ってんじゃねーぞ!パーティーの船だからな!」

商人「ははは…でも本当に凄いなあ、僕達これからは更に広い世界に出ていくんだなあ…」

225: ーー船上 2018/12/19(水) 20:21:48 ID:vVVLI6ts
戦士「おいほら見ろよ、ピラミッドだぜ!」

商人「海から見ても砂漠は広いですね…」

盗賊「この辺りの海、小さな島が沢山あるんだな。知らなかったぜ」

戦士「あ、おい!ロマリアが見えてきたぜ!」

商人「徒歩だとぐるっと回らなきゃ行けないけど、船だと近く感じますね」

勇者「…ったく、船で優雅に遊覧かよ…おもちゃじゃねーんだぞ船は」

盗賊「お前は若いのに固いなあ。もっとはしゃげよ」

勇者「うるせーな、お前らみてーにはしゃげるかよ…おい、もう夜になったぞ!いつまで遊んでんだ!」

戦士「おお、そういや暗くなったな!よし、じゃあどこに泊まる?」

盗賊「夜になったならアッサラームだろ。ほら、早くしないと夜が明けちまうぜ」

戦士「おお、ぱふぱふだな!行こーぜ!」

盗賊「いや、俺は行かねえからな…」

226: ーー49日目夜、ダーマ神殿宿屋 2018/12/19(水) 20:31:43 ID:vVVLI6ts
戦士「うおー!今日も1日魔物退治で疲れたぜ!」

商人レベル21「僕と勇者さんはレベルが上がりましたね!」

勇者「俺は新しい呪文を覚えたぜ。が、あまり使わねーだろうなトヘロスは…」

盗賊「せいすいと同じ効果だったか?俺らは時間が限られてる以上、出来れば魔物とは戦いたいからな」

戦士「全部ぶっ飛ばしてやるぜ!」ウオー

商人「はは…それより、明日はどうします?せっかくダーマに来たし、ここから船で旅するのもアリじゃないかと…」

勇者「それも良いが…やっぱりあの灯台にいた男の言う通りポルトガから南に向かう方が良いんじゃねーかと思ってる」

盗賊「ま、それで良いんじゃないか?テドン岬を周ってランシール、だったかな?」

商人「分かりました。聞いたことのない地名ばかりですね…」

勇者「これからはそういう土地にばかり行くことになるだろうな。昨日戦った限りでは海の魔物もそこまで強くはなかったが、だんだん危険にはなるかもな」

盗賊「危険、上等じゃないか。やっぱり冒険にはスリルがないとな。なあ?」

戦士「おー!どんな魔物だろうが俺が蹴散らしてやるぜー!」

228: 年末進行め~ 2018/12/24(月) 20:09:36 ID:WuACU6C2
ーー50日目、ポルトガ沖

戦士「おおおーすげーぜ!船って結構早いんだな!」キャッキャッ

勇者「だから落ち着けよ!海に落ちても知らねーぞ!」

商人「誰のためにか…何のためにか…分からぬままに漕ぎ出す船…かあ」フウ…

盗賊「なんだ、おセンチだな商人。船旅は不安か?」

商人「いえ、そんな訳じゃ…ええ、本音を言えば少し…」

盗賊「まあ分かるけどな。どこで海の藻屑になるかも分からないしなあ」

勇者「んな事言ってたら船旅なんか出来ねーだろ。それに何のためにかは分かってる。魔王を倒すためだ、違うか?」

商人「ええ、もちろん分かってますよ。ただ、50日旅して来て、未だに魔王の居場所も分からないなんて…」

勇者「それを見つけるんだよ、この船でな。例えどこにいたって、必ず見つけて倒して見せる」

戦士「おおー!俺達なら出来るぜ、魔王打倒!」ウオー

盗賊「ちっ、能天気だねえ。ま、そうでなきゃこんな旅は出来ねえよな…おっと、何か見えるぜ。ほこらか?」

商人「そうみたいですね。どうしましょう勇者さん?」

勇者「そうだな…いや、もう少し先まで行ってみよう。まだ日も高いし、もしかしたら町か村が見えてくるかもしれねーからな」

盗賊「了解。しかし果てしないな海は。この船で世界の果てまで行けるのか…楽しみだな、ふふっ」

230: キャッキャッ(可愛さ-500% 2018/12/26(水) 20:32:30 ID:j/6AGkWM
戦士「おいおい、夜になっちまったぜ、どーすんだよ!今日どっか行かなきゃいけねーんだろ?」

勇者「お前に言われなくても分かってるよ!とはいえ、この先に町や村があるもんなのか…?」

商人「テドンの岬ってまだなんでしょうか…あ、勇者さん、この川を登ってみませんか?」

勇者「…いや、もう少し進んでみよう。そろそろ岬のはず…」

戦士「本当かあ?…お、あそこ見ろよ、岬じゃねーか?」

商人「本当ですね!でも…ここから何処へ…」

盗賊「村ならあるぜ、ここから上陸しよう」

勇者「…本当か?」

盗賊「ああ、盗賊の目は良いんだよ。あれは多分村、それもかなり寂れた感じに見えたが…まあ行ってみないと分からないな。それに…」

商人「もう夜も更けてきましたし、僕達に選択肢は無いですね…」

勇者「じゃあ行ってみるか。こんな所にある村か、栄えてはいねーだろうが、あるだけでありがてえと思わなきゃな…」

232: あけおめ 2019/01/01(火) 09:35:02 ID:FkQATskM
勇者「ちっ、山が険しいな…」

戦士「本当にこの山越えたら村あるんだろうな?!」

盗賊「まあ俺を信じろって…お?」

シャーマンがあらわれた!

商人「村の住人…ではなさそうですよね」

勇者「明らかにやる気じゃねーか!やるぞ!らあっ!」ガッ

戦士「おらっ、人かもしれねーが手加減しねーぜ!」ザクッ

シャーマンはベホイミをとなえた!

商人「ああ、もうちょっとで倒せたのに…!」

シャーマンはなかまをよんだ!くさったしたいがあらわれた!

勇者「はあ!?死体を呼ぶのかよ!ネクロマンサーって奴か!?」

盗賊「やるしかねーぜおらおらっ!」ピシャシャァッ!

勇者「こいつらにどれだけ効くか知らねーが…ギラ!」ゴオオ…

戦士「うおおお、突撃ぃー!」ドガッ!

ーーまもののむれをやっつけた!

233: 仕事納めたら風邪引いたの… 2019/01/01(火) 09:44:01 ID:FkQATskM
シャーマンのこうげき!じごくのよろいのこうげき!

商人「うっ…この鎧、攻撃力が凄すぎます…」

盗賊「とはいえ、倒すのは回復する方からだな、そらそらっ!」ピシャシャッ

戦士「そりゃあっ!」ザンッ

シャーマンをたおした!

勇者「数の多い鎧の奴を狙うぜ、ギラ!」ゴオオ…

じごくのよろいにはきかなかった!じごくのよろいにはきかなかった!じごくのよろいにはきかなかった!

商人「ぜ、全然効かないなんて!?僕の力じゃあんまりダメージも与えられないし…」

戦士「俺に任せろー!おらあっ!」ガゴン

シャーマンはベホイミをとなえた!

盗賊「ちっ、一人仕留め損ねたせいで…!」

じごくのよろいのこうげき!じごくのよろいのこうげき!

勇者「ぐおおっ!?くそっ、俺もいてえが商人が…防御してろよ!ホイミ!」

盗賊「へっ、スリルが出てきたじゃないか!だが俺は死ぬのが好きな訳じゃないぜ!ギリギリで踏ん張れるからこそのスリルだ!お前らも踏ん張れよ!」

234: 寒いのでみなさんもご自愛よろ 2019/01/01(火) 10:01:26 ID:FkQATskM
戦士「うおおお、らあああっ!」ズガン!

じごくのよろいをたおした!まもののむれをやっつけた!

勇者「くっそ、バハラタやダーマ辺りと比べて魔物強すぎだろ…」ハアーッ…

商人「魔物じゃならそうなヒト達もいましたね…それにしても、少し守備力が高いと僕の攻撃力だとなかなか…」

盗賊「防御とか力うんぬんじゃなくてよ、そもそも装備がなあ。お前らまだどうのつるぎだろ?」

商人「そうなんですよね…あの時せいなるナイフが見つけられれば…」

勇者「言ってもしょうがねーだろ。俺こそギラじゃ流石に火力不足も甚だしいぜ」

戦士「ん?盗賊のとげのむちよりダメージ出せるだろ?」

勇者「大して変わらねーし、魔力使って大差なしじゃな…魔力はホイミにも使う訳だしな」

盗賊「まあ、そっちはレベル上がればじき解決するだろ」

勇者「そのじきって奴がすぐなら良いんだがよ…っと、あれは…」

商人「む、村ですよ村!…って何でしょう、少し雰囲気が…?」

236: ーー夜、テドンの村 2019/01/03(木) 11:59:39 ID:oSCcmAdM
戦士「っかー!ボロ汚ねー村だなオイ!」

勇者「声がでけー!…いやしかし、これは…」

商人「なんていうか、村の中はずいぶん荒れてるのに、村の人達は元気ですよね」

盗賊「夜なのに、な…」

商人「何か気になるんですか?」

盗賊「いや…それよりこの村ではかなり貴重な話が聞けたんじゃないか?」

勇者「ああ、この北の山奥に魔王が居る。はっ、行くべき場所が分かったぜ」

戦士「でもこの山は越えられねーよなあ。どうすんだ?」

商人「うーん…船でも行けないとなると、やっぱりオーブを集める必要があるんでしょうか?船が要らなくなるっていう…」

盗賊「船が要らなくなるってのがどういう意味なのか、空を飛ぶのか地面に潜るのか…」

戦士「で、この後どーすんだよ!」

勇者「確かこの村のじいさんがランシールに行けと言ってたな。牢屋の扉を開けられるカギを手に入れろってな」

商人「なんだか物騒なカギですよね…でも、それがあればもっといろんな所へ行けるのでしょうし、そうなればオーブも…!」

勇者「そうなれば魔王の所へも行けるだろうな。よし、目標が明確になってきたぜ。この村に感謝しなきゃな…」

237: ーー51日目朝、テドンの村 2019/01/04(金) 19:06:10 ID:6hx6c3Qw
勇者「おいっ!いつまで寝てんだ、起きろ!おい!」

戦士「ああ~?もう朝飯か…へっぶし!さっむ!ってあれ?毛布は?布団は???」

盗賊「ねえよ…もともとそんなもの無かったんだよ、見てみろよ」

戦士「ん~?…お、おい!?こ、これどうなってんだ!?どうなってんだよ!?」

商人「わ、分かりません…起きたら誰も居なくて…」

戦士「そうじゃねえ!この村…この村…!」

勇者「…滅んでる、な。しかも昨日今日の話じゃねえな。くそっ…」

戦士「じゃ、じゃあ…じゃあ昨日の村人達は…!」

盗賊「なんだったんだろうな。おかしいとは思ったんだ、連中夜なのにまるで昼みたいなせいかつしてたからな」

勇者「足元もよく見えないような所に何人も人が居たりしたな。今思えばだが…」

商人「酷い…これを、魔王が…?」

盗賊「しかいないだろこんな事する奴は。むしろ他に居る方が怖いぜ」

勇者「やがて世界中がこうなるってか?させねえぞ、今に見てろよ、てめえの首ぶった斬りに行くからな魔王…!」

238: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/04(金) 19:20:40 ID:6hx6c3Qw
盗賊「…ダメだな、やっぱり誰も居ねえ」

商人「こっちもです…」

戦士「これ、どのくらい経ったんだろうな?」

勇者「見当もつかねえな…ここ数ヶ月って感じじゃねえのは確かだが…」

商人「1年なのか5年なのかそれとも…時間が経ってるわりには他の場所で噂になってませんね」

盗賊「こんな辺鄙な所じゃなあ…この後どうする?ここに居ても仕方ないだろ」

勇者「そうだな…ここを見つけた時は良い中継地点が見つかったと思ったんだが、そういう意味では宛が外れたな…」

商人「そうですね、これじゃあ…」

勇者「いや、そもそもここはルーラで来られないらしい。ここから先の冒険をどうしたものかと思ってな…」

盗賊「とりあえず今日はまたどっかで経験値稼ぐようだろ?外の魔物の強さを考えれば、このままじゃ危険だ」

戦士「なあ、ここに来るまでに確かほこらか何かあったよなあ?あそこに誰かいたら何か知ってるんじゃねーか?この村の事」

商人「ああ、そうかもしれないですね!」

勇者「今更何か知ってどうにかなるものでもなさそうだがな…まあ、当面はそれで行くか。今日は経験値稼ぎ、明日はそのほこらに行く」

盗賊「決まりだな。しかし…この旅でここまで気持ちが落ちたのは初めてかもしれないな…」

商人「そうですね、今までも色々ありましたけど、こんなには…魔王の脅威というものを初めて目の当たりにした気がします。でももう疑う余地は無くなりましたね、恐ろしい事に…」

240: ーー51日目、ダーマ近郊 2019/01/10(木) 20:04:34 ID:UEBGRRKI
げんじゅつしはマヌーサをとなえた!

戦士「うおおっ!?みんな幻に包まれちまったぞ!当たらねー!」ブンブン

げんじゅつしのこうげき!キラーエイプのこうげき!

商人「うわ、痛い痛い!」

盗賊「くそっ、当たれー!」ピシャシャッ

ーーまもののむれをやっつけた!

勇者「くそっ、町から出てすぐにぼろぼろだ…」

盗賊「俺らはマヌーサに弱いな。魔法使いがいないから仕方ないのかもしれないが…」

戦士「くそー、当たんねーとストレス溜まるぜ!」ウガー

商人「呪文の効果がある武器とかあれば良いんですけどね…あ、また魔物ですよ!」

アントベアがあらわれた!デスジャッカルがあらわれた!

勇者「たった2匹か、さっさと片付けて…」

デスジャッカルはマヌーサをとなえた!

戦士「あー!また当たらねー!ちくしょー!」ブンブン

商人「本当にマヌーサに弱いですね僕ら…」

241: ーー人さらいのアジト、B1F 2019/01/10(木) 20:13:30 ID:UEBGRRKI
戦士「なあ、思ったんだけどよ、最近お前全然盗んでねーよな?」

盗賊「はあ?お前、本文中に無いだけで盗んでるんだよ!48日目にシャーマンからちからのたね盗んだりとかな!」

戦士「その前は?」

盗賊「ピ、ピラミッドでやくそうとか…」

戦士「武器とか防具とか全然盗まねーよなあ、てつのやりとぬいぐるみはあなほりで、とげのむちとみかわしのふくは宝箱だろ?」

商人「まあ、滅多に武器とかは見つかるものでもないですし…」

盗賊「お前らなあ…良いか?盗賊ってのはレベルが上がる毎に盗みやすくなるんだよ。これがどういう意味か分かるだろ?」

戦士「あー、そういや前はかわのぼうしとかたびびとのふくとか盗んでたかもしれねーな。そうか、お前レベル下がったんだな?」

盗賊「ちげえよ!俺はこれからだって事だよ!」

勇者「それ何回も聞いた気がするがな…」

商人「でも、そろそろ僕と勇者さんの装備をなんとかしないといけないですよね。頑張りましょうね盗賊さん!」

盗賊「当たり前だ!見てろよお前ら!凄いの見つけてやるからな!」

勇者「だと良いがな…まあ、このままって訳にもいかないだろうし、期待してるぜ」

243: ーー52日目、イシス西部沖 2019/01/15(火) 16:12:50 ID:jX1Fv9PQ
戦士「お、見えたぜ、あのほこらだ!」

勇者「じゃあここから上陸だな。…ちっ、もう暗くなってきやがったぜ」

商人「この辺りはどんなモンスターが出るんでしょうね?東の岩山を越えればイシスでしょうから、その辺りのモンスターなのか…」

ーーホイミスライムがあらわれた!メタルスライムがあらわれた!

盗賊「うおおっ!?メタルだぞ!逃がすな!ホイミスライムは俺に任せろ!」ピシャシャッ

戦士「っしゃー!オラオラ!」ガッ

勇者「うらあっ!よし、あと一息…」

メタルスライムはにげだした!メタルスライムはにげだした!ホイミスライムはホイミをとなえた!

商人「ああっ!逃げていきます!」

盗賊「残ったヤツも回復されたな…だがまだチャンスはあるぜ!そらそら!」ピシャシャッ

勇者「このやろっ!そらあっ!」ガツン!

戦士「うおおー!喰らえー!」ガギン!

ーーメタルスライムをたおした!まもののむれをやっつけた!

商人「やった!やりましたよ!」

盗賊「ああ、上手くいったな。しかしあいつを倒すと凄い達成感だな。なんとなくレベルが上がりそうな気がするぜ」

244: ーー旅人のほこら 2019/01/15(火) 16:25:39 ID:jX1Fv9PQ
商人「着きましたね。ここは…教会なんですね」

戦士「こんなとこに教会なんてあるんだなー。メシとかどうしてるんだ?」

勇者「んな事よりさっさと話聞くぞ…どうも」

シスター「こんばんは。ここは迷える船乗り達が辿り着く教会です」

盗賊「迷える船乗り、か…近くの町や村から訪ねて来る人なんかは…?」

シスター「かつてはテドンの人達も訪れていました。けど、今は…」

勇者「ああ、俺達も行ったよ、テドンに…」

戦士「夜は人がうろうろしてたのによ、朝になったら誰もいねーんだよ!」

シスター「そんな事が…?では、テドンの人々は未だに苦しみ続けて…」

神父「死して尚、ですか…いずれ我々が救いに行かねばなりますまい…」

盗賊「よろしく頼む、と言いたい所だが…この辺りの魔物も強いからな、なかなか難しいと思うぜ」

勇者「…もう少し、待っててくれないか?そのうち、魔物が居ない平和な時が来る。その時まで…」

神父「そのような時が…?」

勇者「きっと…いや、必ず」

神父「…分かりました。では、その時を待ちましょう。それまで我々は、テドンの皆さんの為に祈りましょう…」

245: ーー旅人のほこら周辺、夜明け前 2019/01/15(火) 16:35:55 ID:jX1Fv9PQ
商人「…やるしかありませんね」

勇者「もともとそのつもりだ。魔王も魔物も根絶やしにしてやるよ、見てろよ…っと、夜が明けちまったな」

ーー53日目

商人「夜明けまでに町に戻れませんでしたね」

戦士「どーすんだよ!?1日損しちまうんじゃねーのか?」

勇者レベル20「そうでもねーだろ。あのメタル野郎のおかげで全員レベル上がったしな」

盗賊レベル21「あれからもう1体倒せたしな」

商人レベル22「その辺のダンジョンに籠るより効率が良かったかもしれませんね」

戦士レベル21「そういやそーだな!で、これからどうすんだ?」

勇者「このまま南下するか。テドン岬を越えれば、おそらくアッサラームかバハラタ辺りに着くはずだ。今日はそこで泊まって、明日ランシールを探そう」

盗賊「なるほどな。おっと、因みに俺らは世界地図も持ってないぜ。宝箱に入ってたから取れなかったんだ」

商人「誰に言ってるんですか…?でもそういう事なら急がないといけませんね」

勇者「また夜が明けたらまずいからな。流石に2日宿に泊まらないと厳しいだろうからな」

戦士「っしゃー!じゃあ進路は南!行くぞお前ら!」ウオー

盗賊「仕切ってんじゃねーよ。さて、また船旅だな。予定通り町に辿り着けると良いが…」

247: ーーテドン沖 2019/01/17(木) 20:28:19 ID:OpZP3o/o
盗賊「左手に見えるのがテドン岬だよな?さて、ここから先は…」

商人「この辺りは…多分北に行けばアッサラーム、このまま東に進めばバハラタじゃないかと思いますけど…どうします?」

勇者「真っ直ぐ行くか。バハラタを目指す」

戦士「っしゃー!舵はそのままだぜ!」

盗賊「ちっ、また暗くなってきたな。夜明けまでに間に合うか?」

商人「どうでしょう…あ、見えてきましたよ、バハラタです!」

勇者「ギリギリ夜明け前に着きそうだな。よし、下船の準備だ!」

戦士「おー!宿に行ってメシだぜー!」

盗賊「俺はもう寝たいなあ。腹が減ってない訳じゃないが、昨日もろくに寝てないしな…」

商人「ですね。ベッドに飛び込みたいです…」

248: ーー夜明け前、バハラタの町 2019/01/17(木) 20:38:11 ID:OpZP3o/o
盗賊「ふう、着いた着いた。さあ寝るか…ってこんな時間に起きてる住人もいるんだな」

商人「何話してるんですかね。すみません…」

男性「こんばんは。あんた達、自分の船を持ってるんだって?凄いなあ」

戦士「はっはー!すげーだろ!」

勇者「威張るなよ…つーかそんなことまで噂になってんだな」

男性「良いなあ。海の向こうのお宝なんかも手に入れられるんだろうな。俺も魔物さえいなけりゃな…」

商人「海の魔物は手強いですからね」

大男「海の魔物も怖いだろうが、陸の魔物だって恐ろしいぜ。以前テドン岬で朽ち果てた町を見たって船乗りがいたぜ」

盗賊「テドン…!そっちも噂になってたのか」

男性「あんた達も見たのかい?」

勇者「ああ、まあな…」

大男「噂は本当だったんだな。やっぱり魔王がやったんだろうか?」

商人「そうじゃないか…と思ってます」

男性「おお、恐ろしい。やっぱり俺に船旅は難しいなあ」

勇者「…少しずつ魔王の脅威が世界に広がってるんだな。くそっ…」

250: ーー54日目、バハラタの町郊外 2019/01/25(金) 14:37:58 ID:wVzvksKc
勇者「じゃあ今日は予定通りランシールを目指すぞ」

戦士「おおー!…で、どっちに行くんだ?」

盗賊「南か東かの二択だよな。どうする?」

商人「東に行けばダーマがありますよね。南は…海の向こうには何も見えませんが…」

勇者「ダーマに行った時はランシールの話なんて聞かなかったからな。陸続きになってるであろう東の線は薄いか?」

盗賊「ダーマの近くにあるなら噂で聞いてもおかしくないからなあ。となると、南か?」

戦士「はっはー!果てし無い海の向こうへ!冒険って感じだぜー!」ウオー

勇者「うるせー!だがまあ、確かに今までの冒険とは違うかもな。陸なら歩き続ければどこかには着くだろうが、海は…」

盗賊「海だってどこかに着くさ。よし、じゃあ南に行ってみようぜ!」

商人「あ、待って下さい!あなほりしないと…」ザッザッ…

盗賊「話のコシを折るなよ…」

251: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/25(金) 14:54:11 ID:wVzvksKc
戦士「うーみーはーひろいーなーおおきーいーなーっと!はっはー!ほんとに果てし無いぜー!」

勇者「まだ月が昇ってもらっちゃ困るがな…ちっ、夕方になっちまったな」

商人「そうですね…やっぱりそう簡単には見つからないですね」

盗賊「そもそもランシールってのは島なのか?大陸なのか?どのくらいの大きさなのか?全然分からないからな」

勇者「通り過ぎてる可能性もあるんだよな。今日見つけられねーとなると、ペナルティで装備を1つ捨てないと…」

戦士「おっ!ほら見てみろよ、何か見えるぜーー島だ!」

盗賊「マジか!?…おお、見えるぜ!島、いや小大陸か?とにかく陸地だ!」

商人「やりましたね!あれがランシールなんでしょうか?」

勇者「さあな。来たことある場所だったら勘弁だが…」

盗賊「いや、見てみろよ。見たことない景色だ、ここは初めて来る場所だ、やったぜ!」

戦士「よっしゃ上陸だぜー!」

商人「ま、待って下さい、準備を…新しい土地かあ、どんな人が住んでて、どんな物を売ってて、どんなモンスターがいるのか…ああ、期待と不安でどうにかなりそうですよ…」

253: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/29(火) 19:47:19 ID:yHOXvxMU
盗賊「野を越え山越え…山を越えたら森か、険しい道のりだな」

戦士「お?この程度で弱音かよ!俺はまだまだ元気だぜー!」ヒャッホー

勇者「はしゃぐな!無駄に体力使うんじゃねー!っと…」

しびれあげはがあらわれた!シャーマンがあらわれた!

商人「うわ、あの仮面のヒトたち、四人もいますよ!」

戦士「まず俺はちょうちょ倒すぜ!おらー!」ザクッ

しびれあげはをたおした!

勇者「よし、あとはこっちもだ、らあっ!」ザンッ

シャーマンはベホイミをとなえた!

商人「ああっ!回復されちゃいましたよ!このっ、このっ!」ガンガンッ

シャーマンはベホイミをとなえた!シャーマンのこうげき!シャーマンのこうげき!

勇者「ちっ、そこまで痛くはねーが、回復されるとキリがねーな!」

戦士「任せろ!俺なら一撃だぜ、おらー!…あれ?倒せねー」

シャーマンはベホイミをとなえた!シャーマンのこうげき!シャーマンのこうげき!

盗賊「いてててて、くそっ、このままじゃまずいぜ、少しでも数を減らさないと…」

254: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/29(火) 19:58:44 ID:yHOXvxMU
勇者「ちっ、やつらが呼んだくさったしたいが面倒だぜ…そらっ!」ザンッ

商人「うう、疲れてきた…そらっ!」ガッ

戦士「うりゃあー!」ドッ

シャーマンをたおした!くさったしたいをたおした!

シャーマンのこうげき!シャーマンのこうげき!くさったしたいのこうげき!

勇者「くっ…うらあっ!」ガッ!

ーーまもののむれををやっつけた!

盗賊「あー、やっと終わった!あいつらただでさえ体力高いのにベホイミまで使うからしぶといぜ!」

戦士「つーかよお、あんなひと山いくらの連中がベホイミ使えるのになんでこっちはホイミなんだ?」

勇者「悪かったなホイミしか使えなくて」フンッ

商人「ま、まあまあ…勇者さんは僧侶みたいな専門家じゃないですから…」

盗賊「敵の攻撃はどんどん苛烈になっていくしな。でもまあ、今のところなんとかやっていけてるじゃないか」

勇者「ギリギリだけどな…どこまでこの調子で行けるのか…」

戦士「お?みてみろよ、明かりが見えてきたぜ!町か?村か?」

商人「あ、本当ですね!ふう、やっと休めますね。船旅に山道に魔物でくたくたです…」

256: ーー55日目、ランシールの村 2019/02/02(土) 20:58:53 ID:HvWsGMAs
勇者「どうやらここがランシールで間違いないようだな」

盗賊「ああ。で、昨夜宿屋で聞いた話では、ここには神殿があるらしいな」

商人「ええ、さっきあった人もそう言ってました。宿にいた男性には見つけられなかったようですけど…」

戦士「んな見つけづらいとこにあんのか?」

商人「どうなんでしょう…?村の人達もあるとは教えてくれましたけど、どこにあるかまでは…」

勇者「神殿っていうからには神聖な場所なんだろう。あんまり部外者には教えたくないのかもな」

盗賊「もしくは危険な場所か…へっ、面白そうじゃないか」

商人「いやあ、危険なのはちょっと…あ、村の北の方を探してみませんか?」

勇者「森か…神聖な場所だ、こういう森の中に隠されている可能性もあるな…」

盗賊「行ってみようぜ…お、何か見えてきたぜ」

戦士「おお!?これが神殿か?でけーな!」

勇者「ああ、確かに神殿は大きいとは聞いていたが、これほどとはな…これは何かありそうだな、期待して良いかもしれねえ。よし、行ってみるぜ」

257: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/02(土) 21:08:04 ID:HvWsGMAs
商人「ふう、近くで見ると本当に大きいですね…」

盗賊「ああでかいな。でかくて立派な神殿だ。だが…」

戦士「入れねー!牢屋のカギみてーなので入れねーよ!」

勇者「おいおい、牢屋さえ開けられるカギの情報を求めてここに来たのに、牢屋のカギが開けられなくて阻まれるとかあり得ねーだろ」

商人「これは困りましたね…あれ?あそこの隅っこに何か…」

盗賊「おいおい、あれはスライムだぜ!モンスターが村の中に入ってきてるのかよ!」

勇者「しかも神聖な神殿の目と鼻の先だ。いや…こんな所にいるんだ、邪悪な魔物じゃないのか…?」

戦士「悪くねー魔物なんているのかよ?おい!そこのスライム!」

スライム「きえさりそうは持ってるかい?」

戦士「あ?なんだそりゃ?」

盗賊「いや、つーか喋ったぞコイツ…」

スライム「なーんだ、持ってないのか」

商人「その、きえさりそうを持っていたら…?」

スライム「だったらエジンベアのお城に行きなよ」

勇者「エジンベア?聞いたことねーな。だがまあ、この村だって知らなかったんだ、知らない町位あるだろうが、モンスターの言う事が信用出来るのか…」

258: ーーランシール西海上 2019/02/10(日) 17:47:49 ID:kq7/KES2
戦士「で、海に出たは良いがよ、エジンベアの場所分かるのかよ?」

盗賊「そりゃお前、盗賊のカンってやつだろ」

戦士「盗賊の?全然盗めてねー盗賊のか?」

盗賊「お前それは関係…関係ないだろ…」

勇者「途中トーンが下がったけど大丈夫なのかよ…」

商人「で、でもほら盗賊さんにはタカのめがありますから!あれを使えば未発見の町なんかが見つかるかも…」

盗賊「ああ、当然だぜ。あと昨日シャーマンが呼び出したくさったしたいからぬののふく盗んでるからな!盗めてない訳じゃないからな!」

戦士「ぬののふくってお前…」

盗賊「うるせえ!ほら、俺のタカのめによると、南東方向に何かあるぜ!」

勇者「そりゃランシールだろ…」

盗賊「そ、そうだな…じゃあもう少し進んで…ほら、あっちの方向に…」

商人「あ、本当だ!あっちに…」

だいおうイカがあらわれた!

戦士「おお、モンスターを発見したのか!やるな盗賊!」

盗賊「お、おお、そうだろ…?」

259: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/10(日) 17:56:14 ID:kq7/KES2
勇者「でかいしタフだし驚いたが、思ったほど苦戦しなかったな」

商人「勇者さんのラリホーがよく効きましたね!」

戦士「寝ちまえば楽勝だな!すげーな眠らせる魔法よお!」

勇者「ここまで役に立ったのは初めてだがな…それより、そろそろどこかに着いても良さそうだが…」

盗賊「ああ、南東だ。南東方面に何かあるぜ」

戦士「あ~?またランシールじゃねーのか?」

商人「あれから僕らもかなり南西に進みましたし…そろそろ別の物が見えてきても…はっくしょん!」

勇者「寒くなってきたな。そうか、この辺りは南の方が寒いのか…」

戦士「へえ、南に行けば行くほど暖かいんじゃねーんだな…お?なんか見えてきたぜ!」

盗賊「氷のでかい塊…いや、凍りついた大陸、なのか!?なんだこりゃ…」

戦士「あ、あれの上乗っかれるのか?割れたりしねーのか?」

勇者「分からねー…が、見てみろよ。あそこに…」

商人「あれって…ほこら、ですか?何か建物があります…!」

盗賊「建物が乗ってられるなら、人が乗っても大丈夫だろ。とりあえず上陸してみようぜ」

勇者「ああ。しかし氷の大陸か…世の中には想像を越えた場所があるんだな…」

263: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/17(日) 17:20:05 ID:Lp0M2siw
戦士「おお、乗れる!この氷乗れるぞ!」

商人「戦士さん、あんまりはしゃぐと滑って転びますよ!」

勇者「どこでもはしゃぐなあいつは…しかし寒いなここは」

盗賊「氷の上だからな、どうしたって冷えるだろ」

戦士「おーし、じゃああのほこら行ってみようぜ!」

勇者「バカ、新しい場所行くなら明日だろ。とはいえ‼️今日の宿はどうするか…」

盗賊「とりあえず北に行けばでかい大陸があるんだし、真北に進めば何処かに着くだろ」

戦士「おっしゃ、そうと決まれば船に戻ろうぜーーよーし、出航!」

商人「うーん、でも何か嫌な予感が…バハラタから南に行ってランシール、そこから西に向かってこの氷の大陸っていう事は、北に向かうと…」

戦士「お、何か見えてきたぜ!前に見たことある…テドンか?」

盗賊「テ、テドンか…まあスリルがあって良いじゃないか…」

勇者「………もう夜も遅いし、仕方ねーな。またあの村に行くことになるとはな…」

265: ーー夜、テドンの村 2019/02/26(火) 17:50:16 ID:5FHJjHw2
勇者「…やっぱり夜は賑やか、なんだな…」

戦士「そうは言ってもよー、滅んでボロボロじゃねーか村が!こいつらは幽霊だしよー!」

盗賊「おい、声がでけえよ!村の連中に聞こえるだろうが!」シッ

老人「おい、そこのでかいの。今何と言った?この村が滅んでいるじゃと?じゃあこのわしらはなんなんじゃ!」

盗賊「ちっ、言わんこっちゃねえ…」

商人「い、いえ違うんです!ちょっと勘違いしただけで、滅んだという訳じゃ…」

老人「そうじゃろう。わしらが魔王なぞに滅ぼされるものか!」

盗賊「あ、ああ、そうだよ、な…」

勇者「…ちっ。さっさと宿に行くぞ」

戦士「宿ったってよお、ボロ…」

商人「や、安くて良いですよねここの宿!」

盗賊「ああ、そうだな!…おい、少し黙ってろ!」ドスッ

戦士「ってえ!なんだよくそ~」

勇者「なんだよじゃねーだろ…ま、気が滅入るのは確かだが、休めないよりはマシだろ…」

商人「ええ、そうですね。気が休まるかはまた別ですが…」

266: ー56日目、テドンの村 2019/02/26(火) 18:00:58 ID:5FHJjHw2
戦士「つーかここ朝飯出ねーじゃねーかよ!腹減ったぜー!」ギャーギャー

商人「むしろこの村の状況で良くそんな感想が出ますね…何回見てもこの状況は…」

使者「話には聞いていたけど、確かに気が滅入るわね」

盗賊「うおーびっくりした!幽霊じゃないっすよね?」

使者「何言ってるの、ちゃんと足があるでしょう?」

勇者「ここルーラで来れないのにどうやって来たんだこの人は…」

商人「えっと、使者さんは今回はどんなご用件で…」

使者「貴方達ランシールで聞いたわよね?エジンベアのお城ではきえさりそうが必要だって。あれ、買うか魔物が落とすかしないといけないのだけれどーー」

盗賊「て事は、俺らの、いや俺の出番って訳だ」

商人「ぼ、僕も頑張りますよ!」

使者「最初は買っても良いんじゃないかと思ってたのだけれど…どうやら期待されてるみたいなのよ。だからーー二人とも、頑張るのよ。幸い、この辺りにきえさりそうを落とす魔物がいるらしいから…」

盗賊「まっかせて下さい!やってやりますよ俺は!」

勇者「よし、商人頼んだぞ」

戦士「お前なら出来るぜ商人ー!」

盗賊「おいぃ!俺だろうがよ!俺に期待しろよ!」

268: ーーテドン郊外 2019/02/27(水) 20:11:51 ID:zbf3Noy2
勇者「確か『私と良く似たモンスターがきえさりそうを持ってる』ってあの人は言ってたが…」

ーーまじょがあらわれた!ゴートドンがあらわれた!

戦士「お、いたじゃねーか似たようなモンスター!」

盗賊「はあ!?全然似てねえだろこんな婆さん!」

商人「ぼ、帽子とか…格好は似てるんじゃないかと…」

まじょのこうげき!ゴートドンのこうげき!まじょのこうげき!

盗賊「っとと!なんだ知らないが呪文を使ってこないな、そらっ!」ピシャシャッ

戦士「こっちの動物の攻撃はいてえ!うらぁー!」ザクッ

勇者「とどめだ、らあっ!」ゴッ

ーーまもののむれをやっつけた!

商人「よし、倒せました。きえさりそうはーー」

盗賊「おおーっ!見つけたぜ!」ヒャッホー

勇者「なっ!?きえさりそうか!?」

盗賊「ほら見ろよ、ちからのたねだ!こいつはレアだぜ!」

商人「盗賊さん…」

269: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/27(水) 20:24:15 ID:zbf3Noy2
戦士「おい、見つからないうちに夕方になっちまったぞ!」

勇者「ちっ、今日は次の場所に行かなきゃならねーからここまでだな。つーかこれからまだ冒険が続くのに消耗しすぎたぜ…」

商人「きえさりそうが見つけられなかったから後ろ髪を引かれますね。そう簡単ではないと思ってましたけど…」

盗賊「まあでも、きえさりそうは後回しでも構わないんだよな?そもそもエジンベアがまだ見つかってないしな」

勇者「ここじゃ確率も高くないってあの人が言ってたしな…」

商人「でも、あの鎧のモンスターも結構良い鎧を落とすらしいですから、ここで探すのもアリだとは思いますけど…」

勇者「確かにな。俺らは必ず魔王を倒す。だが、どうのつるぎとたびびとのふくで倒せるとは思えねえからな」

盗賊「けど装備だってここより良いものが他所にあるかもしれないし、ここにこだわる必要はないだろ。じゃあどこが良いかと言われても分からないがさ」

戦士「ごちゃごちゃ言ってねーで早くあの氷の大陸に行こうぜ!明日になっちうぞ!」

勇者「ああ、とりあえず行くぞ。まずは目下の目標に向かわないとな」

商人「はい!…ああ、あの大陸でもあなほりしたいけど、ここに戻ってからじゃないとダメかなだよなあ…」

盗賊「お前、真面目ってよりあなほり中毒だよな…」

271: ーーレイアムランド 2019/03/09(土) 19:40:40 ID:NJfubVUs
盗賊「おい、誰の引きが悪いって?」

戦士「そうだぞ!引きが悪いんじゃねー、実力がねーんだ!」

盗賊「ちげえよ!だから俺は…」

勇者「俺はこれからだ!…か?」

盗賊「ぐっ…と、とにかくきえさりそうこそは俺が手に入れてみせるからな!」

商人「えっ…と、ぼ、僕も頑張ります…」

勇者「んな事より、いよいよこの氷の大陸に来たぜ。さて、あのほこらには何があるのか…」

戦士「こんなさみー所に誰か住んでんのか?」

盗賊「どうだろうな…仮に住んでるとして、普通のやつじゃなさそうだがな」

商人「ふ、普通じゃないって…」

勇者「正に鬼が出るか蛇が出るか、って訳だ。お前ら、準備出来てるな?」

盗賊「ああ、どんなスリルが待ってるか、楽しみだぜ」

戦士「魔物は俺に任せろー!行くぜー!」ウオー

272: ーーレイアムランドのほこら 2019/03/09(土) 19:52:00 ID:NJfubVUs
勇者「外よりはマシだが、中も冷えるな…」

商人「そうですね、こんな所に何が…え?誰かいる…エルフ?」

巫女A「私たちは」

巫女B「私たちは」

戦士「うおっ!?双子か?そっくりだなおめーら!」

盗賊「しっ!静かにしろよ!」

巫女A「卵を守っています」

巫女B「卵を守っています」

勇者「卵…?後ろのでかいやつか」

巫女A「世界中に散らばる6つのオーブを金の台座に捧げた時…」

巫女B「伝説の不死鳥、ラーミアは甦りましょう」

商人「ラーミア…伝説の…!こ、これって…!」

盗賊「今の話とポルトガの灯台で聞いた話を合わせると…伝説の不死鳥で世界中を旅出来るって事か!すげえな、それなら魔王の城にだって行けるだろ!」

戦士「おおーっ!すげー!じゃあオーブ集めるっきゃねーな!」

勇者「ああ、だが肝心のオーブに関する情報がまるでねえからな…もっと世界中を回って歩けって事だな。やってやろうじゃねーか!」

275: ーーレイアムランド沖北部 2019/03/15(金) 23:34:21 ID:8L9ZQHfM
勇者「ーー黄昏を歩みし者共よ、睡魔の囁きに時を捧げよ!ラリホー!」パラララ

だいおうイカをねむらせた!だいおうイカをねむらせた!

戦士「流石だな勇者ー!俺はカニを倒すぜー!」ガッ

ガニラスをたおした!

商人「よし、残りのイカを…それ!」ゴッ

盗賊「うらぁー!」ピシャシャッ

ーーまもののむれをやっつけた!

商人「ふう、ラリホーが効くと楽ですね!」

勇者「ああ、ただもう魔力が…」

ーーテンタクルスがあらわれた!

盗賊「…っ!こいつは…!」

戦士「おお!?緑のイカか、よっしゃやってやる…」

勇者「逃げだ!逃げるぞ!」ダカダカダカ…

商人「…追って来ませんでしたね、良かった…」ホッ

276: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/03/15(金) 23:42:55 ID:8L9ZQHfM
戦士「なんだよー、戦わねーのかよー」ブーブー

盗賊「ありゃあどう見てもヤバイだろ…逃げるだけで結構なスリルだったぜ」

勇者「さっきも言ったが、魔力もほぼカラだしな。しかも夜になっちまってる…お前ら、ここからは覚悟しろよ」

商人「は、はい…ああ、テドン岬が見えてきましたね」

盗賊「今晩もまたあの陰気な村に泊まるのか…」

勇者「贅沢言ってられねーだろ…っと」

じごくのよろいがあらわれた!シャーマンがあらわれた!

商人「で、出ました!でも1体ずつなら…」

戦士「おお、ぶったおしてやるぜー!」ザンッ

勇者「おらあっ!」ガッ

シャーマンのこうげき!じごくのよろいのこうげき!

盗賊「くっそ、キツいな…だがまだだ、おらあっ!」ピシャシャッ

ーーまもののむれをやっつけた!

277: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/03/15(金) 23:47:31 ID:8L9ZQHfM
商人「なんとか勝てた…皆さん、やくそうを使って…」

勇者「節約してーが仕方ねーな。よし、あと一息…」

ーーじごくのよろいがあらわれた!シャーマンがあらわれた!

盗賊「へっ!今度は2体ずつかよ!スリルあるじゃねえか。行くぜー!」

戦士「おおー!おらおらあっ!」ガンッ

商人「よーし、戦士さんに続いて…」

シャーマンのこうげき!じごくのよろいのこうげき!

盗賊「ぐあっ!?くそ、ヤバくなってきたぜ…」

勇者「踏ん張れよ盗賊!もう少しで…」

じごくのよろいのこうげき!盗賊はしんでしまった!

戦士「おい!盗賊っ!?」

勇者「ちっ、ダメだ…逃げるぞ!」ダカダカダカ…

280: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/03/23(土) 19:17:25 ID:yXHG7oKg
戦士「やべえ、俺ももう…」フラフラ

商人「も、もう少しですよ戦士さん、しっかり!もう少しでテドンに…」

ーーゴートドンがあらわれた!

勇者「くっ、4匹…!もう戦えねー、逃げだ!」ダカダカダカ…

しかし まわりこまれてしまった!

ゴートドンのこうげき!ゴートドンのこうげき!

勇者「がはっ…!」クラッ

商人「ううっ、戦士さんに攻撃が来なかったのは良いけど、僕も勇者さんももう…このままじゃ全滅…」

勇者「諦めんな!逃げるぞー!」

戦士「うおおー!死んでたまるかよー!」ダカダカダカ…

281: ーー夜、テドンの村 2019/03/23(土) 19:27:21 ID:yXHG7oKg
戦士「…ここどこだ?地獄か…?」

勇者「まあ…あながち間違いでもねーかな」

商人「な、なんとか生き延びれましたね…盗賊さんを教会に連れていかないと…」

戦士「地獄の教会でもちゃんと生き返るのかー?」

神父「おお神よ!忠実なる神の僕、盗賊の御霊を呼び戻したまえ!」テーテーテーテーテーーテーーテーー

盗賊「ん…ここどこだ?ああ、地獄か…」

商人「ふふっ、盗賊さん、戦士さんと同じこと言ってますよ」

盗賊「なにいっ!?おい神父さんよ、頭打ったの治ってないんじゃねえか?」

戦士「おいぃ!どういう意味だよ!?」

勇者「うるせーなお前ら…」

商人「はは…じゃあ宿に行きましょう」

戦士「宿かー、朝飯出ねーんだよなあここ」

盗賊「確かに、アッサラーム辺りが良いよなあ」

勇者「アッサラームはともかく、今後の計画を見直さねーとな。いつまでもここで足踏みしてらんねえ。が…それは明日だ。今日はもう寝るぞ」

商人「ええ、疲れました…おやすみなさい…」

282: ーー57日目、テドンの村 2019/03/23(土) 19:40:26 ID:yXHG7oKg
盗賊「ふう…またこの陰気な朝だ…」

戦士「よっしゃー!じゃあぬののふくを投げ捨てるぜー!」ポーイ

商人「元気ですね戦士さん…僕は昨日あなほりし忘れましたよ…」

勇者「帰りはドタバタしちまったからな…で、今日だが…正直今の俺らじゃ実力不足も甚だしい」

盗賊「てえと、また修行パートか?今度はどこでだ?今更人さらいのアジトでもないだろ」

勇者「それなんだが…ダーマの北に塔があったよな?あそこはどうだ?最初に行った時は魔物が強すぎたが、今ならいくらか戦えると思う」

戦士「あー、あったなそんなとこ!」

勇者「で、あそこで修行しつつダーマ周辺の未到達地を探す。ただまあ、あまり長い間修行もしたくねーが…」

盗賊「せっかく船があるし、オーブっていう目標も出来たからな。あちこち動き回りたい所だよな」

勇者「あんまりのんびりしてたらまた…テドンみたいな場所が出てくるかもしれねー。修行は最低限にして、早めにオーブ探しに取りかかりたい」

商人「そうですね、こんな村がこれ以上増えるのは…」

戦士「よっしゃー!じゃあ魔物退治だな?俺は大歓迎だぜー!」

盗賊「ま、こんな村に長々いるよりは良いな。きえさりそうを見つけられなかったのは心残りだが…」

勇者「それも、この先見つけられるかもしれねーからな。よし、じゃあまずはダーマ北の塔に行くぜ」

商人「はい!頑張りましょう!」

283: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/03/24(日) 00:07:08 ID:GOa7FQsg
戦士「捨てたのはぬののふくじゃなくてひのきのぼうだったぜ!詫びて訂正するぜー!」

盗賊「言わなきゃ誰にもバレないだろ…んな事より、テドンで見逃してた情報があったよな」

商人「ええ、どうやらオーブがテドンにあったみたいなんです」

勇者「牢獄にいた囚人が持ってたみたいだな。オーブなんてモノを牢屋に持ち込めるのか…?」

商人「さあ…それに、そもそも今はあそこにないんですよね…」

戦士「夜に行けば良いんじゃねーのか?」

盗賊「またあの村に行くのか…てか、牢屋番がいる前で堂々と物品の受け渡しなんて出来ないんじゃないか?」

勇者「となると…牢屋の鍵を開けてこっそりと、って所か」

商人「鍵を開けた時点でこっそりじゃない気もしますが…あっ!お金を掘り当てました!10818
ゴールド!」

戦士「おお、すげーな!」

盗賊「ああ凄いな。凄いけど…なあ?」

勇者「ちょっと虚しくはあるな…」

商人「ええ、僕も…」

285: ーー夜、ガルナの塔 2019/03/28(木) 19:39:35 ID:WpP4OpC2
勇者「ちっ、夜になっちまったな」

商人「仕方ないですよ、明日行くべき場所をあらかじめ探してからこの塔に来たわけですから…」

盗賊「以外と慎重だよな、勇者は。もっとスリルを味わうべきだと思うぜ」

戦士「でもすげーよな!ダーマからちょっと歩いただけでほこらと、海の向こうには村っぽいのと洞窟まで見えたぜ!しばらく行く場所には困らねーな!」

勇者「まあな、しばらく経験値稼ぎは出来る…が、さっきも言ったがあまり長々とここに籠るつもりはねーぜ」

盗賊「ま、今やここのモンスターも然程の脅威じゃなくなってるからな。物足りなさはあるな」

商人「そうでしょうか、ここのモンスターも結構強いような…」

勇者「テドン辺りと比べりゃあ、まあそうかもな」

戦士「しっかしよお、ここのモンスター倒すより海で貝とかクラゲ倒した方が良くねーか?ちょっともの足りねーぞ経験値がよお!」

商人「でも、海は滅多に魔物に会えませんからね…すぐに一日が終わってしまいますよ」

盗賊「とりあえず2階に行ってみようぜ。物足りなさもある程度解消されるかもな」

勇者「そうだな、行ってみるか」

戦士「おー!なんでもかかってこいやあ!」

286: ーーガルナの塔、2F 2019/03/28(木) 19:51:42 ID:WpP4OpC2
ーースカイドラゴンはほのおをはいた!スカイドラゴンはほのおをはいた!

商人「うわー!?熱い熱い!」

戦士「くっそ…!死ねこのヘビやろー!」ガッ

スカイドラゴンのこうげき!

勇者「くそ、なんなんだこいつは!2階に上がっただけでこんな…」

盗賊「うおお、食らえやあ!」ピシャ

ーーまもののむれをやっつけた!

商人「はあ~…めちゃくちゃ強かったですね…」

盗賊「へっ、ちょうど良いスリルじゃないか」

勇者「火傷だらけの面で何言ってんだよ…ホイミ!」パアア…

戦士「すげーよな!初めて見たぜドラゴン!」

商人「ええ、びっくりしちゃいましたよ…」

盗賊「よし、あいつ相手なら経験値もスリルも上々じゃないか。ここで一稼ぎといこうぜ」

勇者「アホか!今の戦いの傷を回復するだけでホイミ10回以上使ったんだよ!もう魔力切れだ!」

商人「明らかに僕らにはまだ早かったですね…沢山の経験値が欲しければ敵も当然強くなる、当たり前ですけどなかなか都合良くいかないですね…」

288: 今日は… 2019/04/01(月) 11:04:43 ID:Qgy1pkZg
使者「ふふ、何故貴方達がそんな縛りをしているのか分かる?私が王様に進言したのよ、大魔王様の側近である私がね」

勇者「な、何だってー!?」

使者「バラモスなどに世界はもったいないわ。この世界は私がいただくの、ふふふ…」

商人「し、使者ちゃんがぶっちゃけたー!あとあたし女の子になっちゃった!」

盗賊「何だって!?そのままで良いぞ!」

商人「あと新元号は商人です!」

戦士「うおー!マーくん日本復帰!24勝0敗2セーブ!」

盗賊「増えるのそこかよ!」

猫「ついに全キャットフライを支配下に置いたのにゃー!」ニャオー

盗賊「ねこにくたべほーだいだな!」

ノレ「私の出番ももうすぐですね~ふふふふふ~…」

ーー58日目、ダーマの宿屋

勇者「…ひどい夢を見た…」

盗賊「お、起きたな。今日何月何日だっけなあ?」

商人「普通に続き書きましょうよ…」

291: ーーダーマ南東 2019/04/06(土) 22:08:36 ID:OjFmVOqA
戦士「うおおりゃー!」ザンッ

ーーげんじゅつしたちをやっつけた!

勇者「この辺の敵は楽に勝てるようになったな」

盗賊「そうだな、っと。ほれ、どくがのこな盗んだぜ」

商人「おお、やりましたね!」

戦士「んなのは良いからよー、武器とか防具くれよ!」

盗賊「ああ!?持ってない奴からは盗めねえよ!」

商人「ま、まあまあ、どくがのこなもいつかきっと役に立ちますから…」

戦士「ホントか~?で、今日はどこ行くんだった?」

勇者「この先にあるほこらだよ。そこに行ってから、また昨日と同じようにあの塔に…」

盗賊「お、そうこうしてる間に見えてきたぜ、ほこら…いや、何の建物だろうな?」

商人「うーん…でも行けば分かりますよ、もうすぐですし」

勇者「そうだな。さて、何が出るか…」

戦士「魔物でも何でも出てこーい!」

商人「いやあ、ほこらで魔物は遠慮したいなあ…」