【プレイ日記】勇者「縛りプレイさせられた」【DQ3】 前編

292: ーー旅人の宿屋 2019/04/06(土) 22:20:13 ID:OjFmVOqA
盗賊「ここは…宿屋か。ほこらみたいな宿屋、前にもあったなあ」

勇者「オリビアの岬だったか?あそこほど不便じゃ無さそうだが…」

商人「ダーマへ向かう旅人が利用する宿屋でしょうか?あ、誰かいますね、すみません…」

宿泊客「私は日出る国から来たもの」

戦士「あ?どこからだって?変わった服装だなおい!」

盗賊「日出る…東からって事か?確かに、今まで60日近く旅してきたが、見たことない服装だな」

宿泊客「私の国ではやまたのおろちという怪物が皆を苦しめておりまする」

商人「怪物が国を!?そんな…勇者さん」

勇者「ああ、聞捨てならねえな」

盗賊「勇者様一行の出番って訳だな。ま、国を苦しめてるような怪物だ、今の俺達でどうこう出来るかは分からないが…」

戦士「なんでもいいからぶっとばしに行こうぜ!」

勇者「だからすぐって訳にいかねーだろ、出来るだけ早くは行きたいがな。しかし魔物に苦しめられてる国か…テドンの例もあるし、そういう所はまだまだあるんだろうな…」

293: ーーダーマ北部 2019/04/07(日) 00:04:47 ID:99aaTS3A
商人「暗くなってきましたけど、そろそろあの塔に着きますね…あっ」

ーーキャットバットがあらわれた!

勇者「人さらいのアジトにいたやつだな?夜だから外に出てきたのか…おらっ!」ガッ

盗賊「そらそらそらー!」ピシャシャッ

戦士「うおおー!行くぜおらあー!」ザクッ

ーーキャットバットたちをやっつけた!

勇者「おし、いい感じだ…ん?あれは…」

商人「宝箱ですよ!開けてみましょう…ああ!これは!」

戦士「おおー!ぬいぐるみじゃねーか!2つめだぞ!?」

盗賊「へっ、盗んで手に入れたんじゃないのが気に入らないが、こいつは助かったな」

勇者「よし、じゃあ商人着てくれ」

商人「良いんですか?勇者さんは…」

勇者「俺は一番後ろにいるから平気だ。それに勇者が着ぐるみ姿ってのもな…」

戦士「ははー!確かにカッコ悪いよな!」

盗賊「お前…鏡見てから言えよな…」

296: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/14(日) 19:47:51 ID:Fx.QiYi2
商人「よーし、これなら多少の攻撃は…」

ベビーサタンがあらわれた!スカイドラゴンがあらわれた!

盗賊「げ、あいつは…」

スカイドラゴンはほのおをはいた!

商人「あっつい!防御力上げても炎は熱いです!」

勇者「そして小さいがあれは悪魔か!?どんな攻撃を…」

ベビーサタンはザラキをとなえた!

戦士「うおお!?確かすげーやべー魔法じゃ…」

MPがたりない!

商人「な、なんでしょう?何も起こらない…まあいいや、それっ!」ガッ

ベビーサタンはイオナズンをとなえた!MPがたりない!ベビーサタンはイオナズンをとなえた!MPがたりない!

盗賊「まあ、スリルはあったぜ…そらぁっ!!」ピシャシャッ

ーーまもののむれをやっつけた!

勇者「悪魔の方は大したことなかったな。ドラゴンは相変わらず辛いが…」

商人「さっきの猫と同じで夜だから塔の外に出てきたんでしょうか?油断ならないですね…」

297: ーーガルナの塔、1F 2019/04/14(日) 19:59:49 ID:Fx.QiYi2
戦士「おおらあー!くたばれー!」ザクッ

ーーまもののむれをやっつけた!

勇者レベル22「よし、レベルアップしたぜ」

商人「ここでのレベル上げの効率はどうなのかと思いましたけど、良かったですね!」

戦士「さっき商人が拾ったかしこさのたねの効果はあったか?」

勇者「ああ、1レベルでホイミ3発分は上がったぜ」

盗賊「そりゃ良いな。俺はどくがのこな2つめを盗ったし、商人はかしこさのたね、宝箱からぬいぐるみ。アイテムの方も上々の成果だな!」

勇者「ああ、全部有用だ。今日は良い1日だったな」

商人「僕らも明日レベルが上がると良いですね」

戦士「だな!よっしゃー!帰って飯だ飯だ!」

盗賊「ま、ダーマの飯は質素だけどな」

勇者「朝飯あるだけ良いだろ。よし、帰るぞ。結構歩いて疲れたからな…」

299: ーー59日目、ダーマ北部 2019/04/21(日) 19:59:41 ID:0lvFMjf2
盗賊「おい、ふざけるなよ。今だってまた俺はどくがのこな盗んだんだからな!」

商人レベル24「誰に言ってるんですか…あ、僕はレベル上がりましたよ!」

戦士「もう24か、すげーな!」

勇者「商人は上がりやすいからな。今日は商人と、あと盗賊のレベルを上げたいとこだな。戦士はちょっと厳しいかもしれねー」

戦士「ああ!?上げてみせるぜ俺はよ!」

盗賊「いや、気合いでレベル上がったら苦労はないだろ」

商人「遭遇するモンスターとの兼ね合いもありますからね」

勇者「とりあえずこのまま塔に行くぞ。昨日みたいにアイテムも手に入れば文句なしだが…」

商人「かしこさのたねとかもっと欲しいですよね」

盗賊「ふっ、任せときな。盗み絶好調のこの俺が…」

勇者「という訳で商人、頼んだぞ」

戦士「期待してるぜ商人ー!」

盗賊「おいぃ!」

商人「いつもの流れですね…」

300: ーーガルナの塔、1F 2019/04/21(日) 20:10:23 ID:0lvFMjf2
戦士「おおりゃあー!」ザンッ

まもののむれをやっつけた!

盗賊レベル23「おっし!俺もレベルアップだぜ!」

勇者「よし、予定通りだ。思ったより早かったかもな」

商人「順調ですね。このまま戦士さんのレベルも…」

戦士「おお、上がるぜー!」

盗賊「そう上手くはいかんだろ、ここの魔物と戦ってると結構体力削られるしなあ」

勇者「あの羊だかヤギだかのギラが邪魔だな」

商人「あの不気味な鳥のモンスターも攻撃が執拗ですよね。僕はぬいぐるみのおかげでいくらか楽になりましたけど…」

勇者「その割に経験値はイマイチ物足りねーよな。かといって2階に上がるわけにもいかねーときた」

盗賊「2階に行けばあのドラゴンが出てくるからなあ。まあ、さっき試しに3階までちょっと上がった時には会わなかったが」

戦士「俺は見てーけどなドラゴン!」

商人「いやあ、僕はもう少し強くなってからが良いですね…でも、上り下りしたおかげでアイテムは掘り当てましたよ。まんげつそうといのちのきのみですけれど…」

勇者「まあ、まんげつそうはともかくいのちのきのみはいつか役に立つだろ。よし、じゃあ引き続き魔物退治するぞ。俺の魔力が無くなるまでな」

戦士「っしゃー!倒しまくるぜー!」

301: ーーガルナの塔北部 2019/04/21(日) 20:19:18 ID:0lvFMjf2
勇者「さて、魔力も少なくなってきたし、そろそろ帰る頃合いだな」

商人「その前に…この塔の北にある湖の周りなら、何か珍しい物が出てくるかも…」

盗賊「ああ、こういう地域の境目に近い所だと別の地域の物を掘り当てられたりするかもしれないって話だよな」

戦士「そうなのか?すげーな!」

勇者「いや、そう簡単にはいかねーだろ…」

商人「そうですね、そんな上手い話はなかったですが…まだ持ってない防具が出てきましたよ!」

戦士「おお!盾だよなそれ!」

商人「ええ、かわのたて…一番安物の盾ですけど、僕らはまだ盾を持ってませんから…」

勇者「少しとはいえ、今まで0だったんだから確実に戦力アップだな。よし、戦力が装備してくれ。もし次が手に入れば、そのときは俺が貰う」

戦士「おー!守備力アップだぜー!」

盗賊「…しかし、俺ら今まで1つも盾持ってなかったんだな…」

商人「ええ、凄いですよね、ある意味…」

304: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/28(日) 17:50:57 ID:RCXJzBBU
勇者「よし、じゃあそろそろダーマに…」

ーーキラーエイプがあらわれた!げんじゅつしがあらわれた!メタルスライムがあらわれた!

戦士「うおお!?銀色がいるぜー!」

盗賊「よーし、じゃあ俺は猿にどくがのこなを使うぜ!」バサバサ…

キラーエイプはこんらんした。

商人「僕と勇者さんはメタルを…それっ!」ガギン!

戦士「俺はマヌーサ野郎を倒すぜー!」ザクッ

キラーエイプのこうげき!ミス!

勇者「くそ、ミスるなよ!そらっ!」ガンッ

盗賊「ほら、もう一回行け猿!」

キラーエイプのこうげき!メタルスライムをやっつけた!

戦士「うおおおお!やったぜー!」

商人「やりましたね、それにしてもあのメタルを倒すと凄い充実感だなあ…」フウ…

305: ーー夜、ダーマ神殿宿屋 2019/04/28(日) 18:03:33 ID:RCXJzBBU
盗賊レベル23「今日はなかなか良かったなあ。全員レベル上がっただろ」

商人レベル24「あの後更にメタルを2匹も倒せたのが大きかったですね!」

勇者レベル23「おかげでベギラマも覚えたぜ。どくがのこな様様だな」

盗賊「だろ?だから役に立つって言ったじゃないか」ドヤッ

戦士レベル23「しっかしよう、メタル倒せばレベル上がるなら、もっとメタル出る所で魔物退治すれば良いんじゃねーの?」

商人「そんな所って…あ!テドンの北にあった教会の周辺とか…」

勇者「そんな所あったな。でもあそこはホイミスライムと一緒に出てきただろ?回復がウザい上にホイミスライムは呪文が効きづらいからな…」

商人「そうか、どくがのこなも効かない、あるいは効きづらい可能性が高いですね」

盗賊「それに、どくがのこなにも限りがあるからな。少しでも手に入る可能性のあるここの方が結局は効率が良さそうだと思うぜ」

戦士「そっかー、しょうがねーな」

勇者「まあ、メタルは塔の1階には出ないようだし、塔の中より外をメインにするのはありかもしれねえな。もう少し魔力に余裕があるうちに塔を出るとかな」

商人「ああ、それはよさそうですね」

勇者「いずれにせよ、あまり魔物退治に時間掛けたくねーからな。今後も上手くメタルが倒せれば良いが…」

307: 令和もよろしくですよ 2019/05/04(土) 21:06:09 ID:LQZbxyJM
ーー60日目、旅人の宿屋南沖

勇者「よし、見えてきたぜ。あそこが日出づる国だ」

盗賊「とても都会には見えないよなあ、あまり期待出来なさそうだな」

商人「何の期待ですか…あ!モンスターが!」

ーーヘルコンドルがあらわれた!

戦士「海で良く会うでけー鳥だな!おらっ!」ガッ

ヘルコンドルはバシルーラをとなえた!

商人「うわっ!…だ、大丈夫、効かなかったみたいです!」

勇者「脅かしやがって!そらあっ!!」ゴッ

ヘルコンドルたちをやっつけた!

盗賊「おし、一丁上がり!…ん?見てみろよ、宝箱持ってやがったぜ!」

商人「開けてみましょう…おお!みかわしのふくですよ!やった!」

勇者「みかわしのふく…これで俺もたびびとのふくが脱げるのか…」ジーン

戦士「勇者!良かったなー!アリアハンからずっと同じ服着てたもんな!」

商人「長かったですね…でもこれで全員鎧は新調できましたね。全部鎧とは言い難いですが…」

308: ーージパング 2019/05/04(土) 21:14:57 ID:LQZbxyJM
村人「これはこれは!ジパングにようこそおいでなさいました!」

戦士「ジパング!?どっかで聞いた黄金の国って奴か!黄金どこだー!?」

商人「いや、どこにも見当たらないですね…」

盗賊「見当たらないどころか…なんだこのど田舎は!?店の1つもないぜ!」

勇者「これは…今まで旅してきたどの地域とも違う独特の国だな。建物も着てる服も何もかも違う」

商人「と、とにかく色々探し回ってみましょう。オーブがあるかもしれませんし、それに…」

戦士「化け物がいるとかいう話だったよな?やまたのおろちって言ったか?」

盗賊「そんな名前だったな。だが、村を見る限りは化け物がここにいるって訳では無さそうだ。別に荒らされた様子もないしな」

勇者「だが、村人達の表情が暗いのは気になるな…よし、色々聞いて回るぞ」

商人「ええ、もしかすると魔王に関わってるかもしれませんからね…」

309: 2019/05/04(土) 21:38:36 ID:LQZbxyJM
盗賊「…どうやらやまたのおろちって魔物に脅かされてるのは本当らしいな」

商人「生贄を求められてるって言ってましたね。確か指導者のヒミコ様とかいう人の予言っていう話みたいですが…」

戦士「怪しいんじゃねーのかそいつ?生贄にしろとかおかしいだろ!」

勇者「生贄出さないと村を滅ぼす、なんて言われたら従うしかねーだろ。とはいえ、予言なんてイマイチ信じられねーのも確かだ。直接話して確かめてみるか。たしかこの建物の…」

商人「大きな建物ですね…あ、あの人じゃないですか?確かヒミコ様は女性という話でしたし…」

盗賊「へえ、今まで会ったことないタイプの美人だな。こんにちは、美しいお嬢さん…」

ヒミコ「なんじゃ、お前らは?」

勇者「っと、俺らは…」

ヒミコ「答えずともよい!おおかた、この国の噂を聞いて来たのじゃろう。愚かな事よ、わらわは外人を好まぬ」

戦士「ガイジンだあ?」

ヒミコ「早々に立ち去るがいい!よいか、くれぐれも余計な真似はせんようにな!」

盗賊「おっと、では失礼します…なかなか気の強いお嬢さんだ。にしても、魔物退治を頼まれるかと思ったが、余計な事はするなときたもんだ」

勇者「ああ、むしろ迷惑そうにも聞こえたな。まさか魔物とグルなんて事はないだろうが、何か裏があるのかもな」

商人「謎が多いですよね、人も、この村も。何が起こっているにせよ、一筋縄ではいかなさそうですね…」

311: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/05/12(日) 21:26:33 ID:G6tY8cI6
勇者「さて、一旦ここを離れて、だ。どこに行くかだな、また塔に行くか、それとも…」

盗賊「北に行ってみようぜ。あっちに何かあるはずだ。勘だけどな」

戦士「えー、おめーの勘かあ」

商人「まあまあ、町を見つけたりは上手いですし…」

盗賊「おい、それじゃ盗む方はダメみたいじゃないかよ!」

商人「あ、いえ…」

戦士「お、自覚あったんだな!」

盗賊「んな事言ってねえだろ!とにかく北だ、良いだろ?」

勇者「じゃあ行ってみるか、塔にばっかこもってられねーしな」

戦士「ホントに何かあるのかー?…おお!あれ村じゃねーか!」

盗賊「どうだ、言った通りだろ?」ドヤッ

商人「流石ですね!盗賊さん」

勇者「今日この村には行けねーが、これでまた行き先には困らなくなったな。ここを基点に次の行き先を見つけられるかもしれねーし、中々悪くない村を見つけたな。問題は更なる未知の土地を探すか、ジパングの危機をどうにかするかだが…」

312: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/05/12(日) 21:33:34 ID:G6tY8cI6
盗賊「ふう、もうすっかり夜だな」

商人「ダーマまでは戻れませんね。でも幸いもうすぐ宿屋が…」

スカイドラゴンがあらわれた!ガルーダがあらわれた!

戦士「おお!またドラゴンだぜ!かっこいいよなー!」

勇者「言ってる場合か!くそっ、こっちの金色の鳥は初めて見るな…」

商人「とにかく攻撃します!とりゃー!」ガッ

スカイドラゴンのこうげき!ガルーダのこうげき!

盗賊「っとお…結構痛いが、この程度なら…そらっ!」ピシャッ

勇者「炎を吐く前に仕留めるぞ!らあっ!」ゴッ

ーーまもののむれをやっつけた!

戦士「おっしゃー!楽勝だぜー!」

盗賊「ま、炎も吐かれなかったし、まだ体力に余裕があったからな。しかし夜はやっぱり油断ならないな…」

315: ーー61日目、旅人の宿屋西部 2019/05/19(日) 20:03:56 ID:rhTvFlvI
盗賊「じゃあ今日もガルナの塔だな。日が暮れるまでに着くか?」

商人「どうでしょう…今日は早めに塔を引き上げるんですよね?」

勇者「ああ、夜になってからメタルを倒すために…」

ーースカイドラゴンがあらわれた!

戦士「おおー!かっこいいぜー!」ヒュー!

盗賊「飽きないなお前は…しかしこいつ、こんな朝っぱらから出てくるのかよ!?」

商人「こ、この地域に生息してるんでしょうか!?それーっ!」ガッ

スカイドラゴンはもえさかるかえんをはいた!

勇者「ぐおお!?くそっ、くたばれっ!」ゴッ

戦士「うりゃー!俺がドラゴンスレイヤーだぜー!」ドッ

スカイドラゴンをやっつけた!

盗賊「ふう、ダーマからそう離れてないのに、こんなにも魔物の強さが違うんだな」

勇者「ああ、だが一匹だから助かったぜ。初っ端からこのダメージはいただけねーが…行くぞ」

316: ーーガルナの塔、1F 2019/05/19(日) 20:15:27 ID:rhTvFlvI
盗賊「おりゃっ、ムチを食らえっ!」ピシャシャッ

マッドオックスをたおした!

戦士「続くぜー!…って、ありゃりゃ?」

マッドオックスはにげだした!

商人「あ、逃げ出しましたね!あのモンスターに逃げられたのは初めてじゃないですか?」

勇者「ちっ、逃げられると効率悪くなるんだよな」

戦士「しょーがねー、俺らに恐れをなしたんだろーぜ!」

盗賊「まあ、実際あのモンスターが敵わないと思うくらいには強くなれたんだろうな。ここでの修行パートもそろそろおしまいか?」

勇者「もともとそんなに長く修行するつもりはなかったけどな。ただ、ここでさえ2階に上がると途端に苦戦するんだよな」

戦士「でもよー、あちこちに行きながらだってモンスター退治は出来るんだしよー、もっといろんなトコ行ってみれば良いんじゃねーのか?」

盗賊「もっと良い修行の場も見つかるかもしれないしな」

勇者「まあ、な…少し考えないとな。とりあえず今日は間もなく夜になるし、魔力もいくらか余裕があるしそろそろ潮時だな」

戦士「よし、じゃあメタルだな!待ってろよー!」

盗賊「本当な、待っててくれたらどんなにか楽だろうな」

商人「ですね…」

317: ーーダーマ北部 2019/05/19(日) 20:24:53 ID:rhTvFlvI
盗賊「っし、どくがのこなを撒くぜ!」ファサァ…

キラーエイプはこんらんした。キラーエイプのこうげき!メタルスライムをたおした!

戦士「おおー!やったぜー!」

盗賊「へっ、俺様の素早さと盗みによるどくがのこなのおかげだな!」ドヤッ

商人「いやでも実際そうですよね。素早くどくがのこなを使えるから…」

キャットバットがあらわれた!

勇者「ちっ、黒猫野郎か!魔力を吸われる前に…らあっ!」ザッ

盗賊「うらっ!」ピシャシャッ

キャットバットたちをやっつけた!

戦士「っしゃー!こんな奴ら楽勝だぜー!…お?」

商人「宝箱ですよ!このモンスターの宝箱というと…」

盗賊「ぬいぐるみか!?マジかよ、3つ目だぜ!」

勇者「すげえな…よし、みかわしのふくと迷うが、こっちに替えるか」

商人「これでみんなの守備力がかなり上がりましたね!上がりましたけど…」

盗賊「着ぐるみ姿の行進はかなり不気味だよな…」

320: ーー62日目、ジパング郊外 2019/05/26(日) 20:15:42 ID:Klx6T0U2
商人「きょ、今日は本当にここの洞窟に行くんですか!?」

戦士「やまたのおろちって奴と戦うんだな!?うおー!」

勇者「バカ野郎、まだ戦わねーよ!洞窟の様子を見に行くだけだ!」

盗賊「俺もやまたのおろちって奴と戦っちまっても構わないがな。ま、それでももうあの塔じゃスリルが無くなってきた所だったし、ちょうど良いな」

商人「とはいえ、この辺にはどんな恐ろしいモンスターが…」

ーーだいおうガマがあらわれた!

戦士「なんだこいつ?ピラミッド辺りにいたよなあ?」

勇者「ああ、なんでこんな所にいるのか知らねーが…おらっ!」ゴッ

盗賊「うらあっ!」ピシャシャッ

ーーだいおうガマたちをやっつけた!

商人「ふう、大したことない相手で良かった…あれ?盗賊さん、もしかして…」

盗賊「ああ、盗んだぜ、とげのむちをな!ほら、勇者!」

戦士「うおー!やるじゃねーか盗賊!」

勇者「………これで、これでやっとアリアハンから装備してた武器防具は全部更新出来たな。長かった…本当に長かった…」

321: ーーおろちの洞窟 2019/05/26(日) 20:23:25 ID:Klx6T0U2
ーーメタルスライムがあらわれた!

戦士「うおおおー!銀色が8体もいるぜー!おらー!」ガイン

盗賊「ムチが通るか…?おらっ!」ガギギギギィン!

メタルスライムはにげだした!メタルスライムはにげだした!メタルスライムは…

商人「ああ、どんどん逃げていきますよ!」

勇者「くそっ、1体だけでも…おらあっ!」ガキギィン

戦士「うおー!くらえー!」ガギン!

ーーメタルスライムをやっつけた!

盗賊「くそっ、あんだけいたのに1体だけかよ…」

商人「あの硬さと逃げ足は本当に凄いです…」フウ…

勇者「まあ、ゼロじゃなかっただけ良しとするか」

戦士「うおお、次は全部倒すぜー!」

盗賊「いや、流石に全部は無理だろ…」

322: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/05/26(日) 20:30:53 ID:Klx6T0U2
商人「…でも、ここのモンスターは思ったほどではないですね」

勇者「だな、あの塔と比べてそこまで苦労する訳でもない割りには、経験値は倍近くだ。これは良いところを見つけたかもしれねー」

盗賊「たまにブレスが痛いだけで、敵の攻撃がそれほど苛烈じゃないからな」

戦士「勇者のムチもすげーな!」

盗賊「俺が盗んだムチな。しかし流石に同じムチでも俺と勇者のパワーじゃかなり違うな」

勇者「おかげでベギラマはせっかく覚えたのに出番が全くねーな」

戦士「これならもうおろちとかいうの倒せるんじゃねーか?もっと奥行ってみよーぜ!」

商人「いや、流石に…でももうちょっとくらいなら進んでみても…ああ、ここから下に行けるんですね」

勇者「しかし着ぐるみには暑い洞窟だな…こっちに行って…うお、あれがおろちか…?」

戦士「うおおおー!でっけー!かっけー!」ヒャッホー

盗賊「あ、あれか!?…スリルはありそうだが、今日は勘弁してやるか…」

商人「そうですね…というか、もうちょっと修行してからでも…」

324: ーー63日目、おろちの洞窟 2019/06/02(日) 20:27:25 ID:8xfli5q2
戦士「そーりゃっ!」ザクッ

ーーきめんどうしたちをやっつけた!

勇者「ふう、あの気持ち悪い奴ら、メダパニさえ効かなけりゃ雑魚だな」

商人「メダパニとベホイミしかしませんもんね。様子をじっと見られるのは気味が悪いですけど…」

戦士「パパっと倒しちまえばいーだろ!…ん?それなんだ盗賊?」

盗賊「ふっ、どくがのこなを盗んだぜ!」ドヤッ

商人「おお、あのモンスターはどくがのこなを持ってたんですね!」

勇者「それは銀色の奴を倒すのに使えるからな。いくらあっても良いくらいだ」

戦士「ここも銀色の奴出るもんな!」

盗賊「まあ、どくがのこなは他のモンスターと出てきた時に使いたいけどな」

商人「ここは他のモンスターと出てきませんもんね。そのかわりすごい大群ですけど」

勇者「なかなか数は倒せねーが、一匹は倒せるからな。ま、悪くねえ」

盗賊「経験値も稼げてどくがのこなも見つかるなら良いところだぜここは。さ、どんどん行こうぜ!」

325: ーー63日目、おろちの洞窟 2019/06/02(日) 20:36:58 ID:8xfli5q2
商人「くっ、逃げるな…!とうっ!」ガンッ

メタルスライムはにげだした!メタルスライムはにげだした!

盗賊「くそっ!でもまだいるぜ、そらっ!」ピシャシャッ

戦士「うおおおー!!」ガンッ

ーーメタルスライムをやっつけた!

勇者「ふう、だいたい一匹、運が良けりゃ2匹って所だな」

商人レベル27「ただ、他のモンスターも結構経験値がありますから、良い稼ぎになりますよね」

盗賊レベル25「今日は全員レベル上がったな」

戦士レベル25「銀色全部で4匹たおしたからな!」

勇者レベル25「これなら…思ったより早くやまたのおろちに挑めるかもな」

戦士「おお!やってやろうぜ!」

盗賊「あいつはスリルがありそうだぜ。しかし今日はどくがのこな二つにちからのたねまで盗めたぜ。いよいよ俺の時代だな…」クックックッ…

商人「僕はキメラのつばさしか見つけられませんでした。最近良いもの掘れてないなあ…」

勇者「まあ、どっちも何も見つけられないよりは良いだろ。あの化け物と戦うには、色々必要な物が多そうだ…色々用意したら勝てれば良いんだがな…」

327: ーー64日目、ダーマ神殿 2019/06/09(日) 19:50:15 ID:9nGH0NWE
戦士「で、今日はどこ行くんだ?」

盗賊「どこって、あのジパングの北にあった村しかないだろ。だろ?」

勇者「ああ。船で行くぞ」

商人「そうですね、船の方が良さそうですよね。歩いても行けそうですが…」

勇者「船をダーマに置いていくとジパングに行くのに手間だからな。船まで戻らねえといけなくなる」

戦士「て事は、明日はまたおろちの洞窟で経験値稼ぎか?」

勇者「いや………おろちに挑もうかと思ってる」

商人「も、もうですか!?大丈夫でしょうか…?」

盗賊「ま、いつかはやらなきゃいけないからな。近頃スリルもなかったし、良いと思うぜ」

戦士「っしゃー!じゃあさっそく乗り込もうぜ!」

勇者「バカ、明日だって言ってるだろ!今日はあの村に行って…あの村に宿屋があれば良いが」

商人「ジパングみたいな所かもしれないですからね…」

盗賊「その時はあのほこらにある宿屋に泊まれば良いだろ。さ、行こうぜ。久しぶりにわくわくしてきやがるぜ…!」

328: ーー旅人の宿屋北部 2019/06/09(日) 19:58:46 ID:9nGH0NWE
勇者「…少し寒いな」

盗賊「お前らは着ぐるみだからまだ良いだろ。うー…」カタカタ

商人「ノアニール位の寒さですかね?かなり北まで来ましたね…」

ーーデッドペッカーがあらわれた!

戦士「おお!?あの塔にいた鳥に似てるな!」

勇者「色なんかは全然違うが、同じくらい不気味だな…おらっ!」ピシャシャッ

デッドペッカーはルカナンをとなえた!デッドペッカーのこうげき!

商人「わっ!?防御力を下げてから攻撃してきますよ!」

盗賊「こざかしい鳥だな、らあっ!」ピシャシャッ

戦士「うおおー!」ザクッ

ーーデッドペッカーたちをやっつけた!

盗賊「ふう、見たことない敵だが、そこまででもなかったな。もっと大群で来たら分からなかったけどな」

商人「強くなってるって実感はありますね。やまたのおろちにも通用すれば良いんですけど…」

329: ーームオルの村、夜 2019/06/09(日) 20:08:16 ID:9nGH0NWE
勇者「ちっ、結局夜まで外で魔物退治しちまったな」

商人「もう起きてる人はあまりいないようですね。小さい村みたいですし、無理もないですけど…」

戦士「お、宿屋があるぜ!もう寝るか?」

盗賊「いや、あっちに明かりがついてるぜ。とりあえずいってみようぜ…ちっ、なんだ男だけか」

老人「おお、良く来たなポカパマズどの」

勇者「…?」

戦士「ん?勇者お前そんな名前だったか?」

盗賊「んな訳ないだろ。名前は4文字入力だ」

商人「なんの話ですか…?あの、すみません、そちらの方は…」

男性「ああ、ポカパマズさん。ゆっくりしていって下さいね」

戦士「おい、やっぱりお前の事ポカパマズって呼んでるじゃねーか!」

商人「不思議ですね。どういうことなんでしょう…?」

勇者「…まさか…いや、そんな事は…とにかく、今日はもう宿に行こう。明日明るくなってから、色々聞いて回ろう」

盗賊「だな。さあ、モタモタしてたら夜が明けちまう。早く宿屋に行こうぜ」

商人「そうですね。それにしてもポカパマズさん…気になりますね。誰なんだろう…」

331: ゆうしゃ せんし シーフ あきんと 2019/06/16(日) 20:18:22 ID:ksBYipyE
ーー65日目、ムオルの村

村人「お久しぶり、ポカパマズさん!」

市場商人「ここは市場だよ。ああ、ポカパマズさんじゃないですか!」

戦士「なあ、やっぱりお前ポカパマズなんじゃねーか?」

勇者「んな訳ねーだろ。にしても…」

商人「こんなに間違われるものなんですかね?不思議というより、だんだん無気味になってきましたよ…」

盗賊「さすがに考えすぎだろ。昔勇者とそっくりなやつでもいたんじゃないか?この村に」

勇者「俺とそっくりか…」

女性「ポカパマズさん、お久しぶりです。ポポタが会いたがってましたよ」

戦士「だってよ、ポカパマズ!」バンバン

勇者「だから俺じゃねーよ!…でもまあ、会ってみるべきか?一応な…」

商人「まあ、その子は喜ぶかもしれないですよね」

盗賊「じゃあ行ってみるか。この村の子供たちは市場の2階に集まるらしい。確かそっちに…」

戦士「階段あったな!ここを上って…お、どいつがポポタだ?」

母親「あら、いらっしゃいポカパマズさん。え、違うの?でも似てる…」

332: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/06/16(日) 20:28:25 ID:ksBYipyE
男性「貴方たちはもしかして、アリアハンから来たのではありませんか?」

商人「え?なぜそれを…」

男性「やはりそうですか。ポカパマズさんもアリアハンから来たと言っていました。確か、アリアハンでの名前はオルテガ…」

勇者「オルテガ!?い、今オルテガって…!」

男性「ええ。幼い子供を残してきたのが心残りだと言っていましたよ。貴方もオルテガさんをご存じで?」

盗賊「勇者は、こいつはそのオルテガの息子なんだ。まさかこんな…」

戦士「あー!だから似てたのか!」

ポポタ「ねえ!お兄ちゃんホントにポカパマズさんの息子なの?」

勇者「…ああ」

ポポタ「そっか…じゃあ下にある兜をあげるよ!僕には大きいし、お兄ちゃんに使ってもらった方が兜も嬉しいと思うんだ」

勇者「兜…?分かった、下に下りて…これは…この兜は、親父が旅立つ時の…!」

市場商人「私にも話は聞こえていたよ。さあ、持っていくと良い」スッ

商人「や、やりましたね!使者さんも、手渡しで貰えるなら貰って良いって言ってましたし!」

勇者「…ありがとう。大切に…使うよ」

オルテガのかぶとをてにいれた!

336: 女の子の名前を聞いちゃダメ❤️ 2019/06/23(日) 19:07:34 ID:OlDJRnLs
ーーおろちの洞窟

勇者「…よし、これで…」キュッ

盗賊「お、さっそく兜装備したな」

戦士「おおー!似合ってるじゃねーかポカパマズ二世!」

勇者「その呼び方止めろ…」

商人「これはかなりの戦力アップですね!…実は入手出来ないんじゃないかと思ってましたけど…」

盗賊「あそこにいた市場の商人が渡してくれたから良かったけどな、勝手に持ってってくれだとルール違反になるからな」

商人「前回は勇者がいなかったから入手しなかったんですよね。だからイベントの詳細を良く覚えてなくて…」

戦士「おいおい、なんの話してんだよ!?」

盗賊「こっちの話だ。それより勇者、今日はいよいよやまたのおろち退治だな?」

勇者「ああ、最悪全滅するかもしれねーが…戦ってみないと相手の強さも分からねーからな」

商人「少し恐いきもしますけど…」

戦士「大丈夫だろ、俺がぶっ飛ばしてやるぜー!…お、ほら見えてきたぜモンスターがよお!」

勇者「よし、準備は良いな。じゃあ行くぜっ!」

ーーやまたのおろちがあらわれた!

337: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/06/23(日) 19:15:17 ID:OlDJRnLs
盗賊「っしゃあ、ガンガン攻撃するぜ!そらっ!」ピシャアッ

戦士「おおーりゃあー!」ガゴン

やまたのおろちのこうげき!やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!

商人「うわ、熱い熱い!」

勇者「くっ、俺は攻撃に回れねーな、ホイミだ!」パアア…

盗賊「サンキュー!まだ戦えるぜ、そらそらっ!」ピシャアッ

戦士「うおおー!らあー!」ドガガン!

かいしんのいちげき!

勇者「すげーのが入ったな。でもびくともしてねえ…!」

やまたのおろちのこうげき!やまたのおろちのこうげき!

商人「うう…厳しい…でも僕だって…!それっ!」ガガン

かいしんのいちげき!

商人「だ、ダメです、僕の力じゃ…」

盗賊「何言ってるんだ、まだこれからだぜ!ここからがスリルじゃないかよ!行くぜっ!」

338: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/06/23(日) 19:21:19 ID:OlDJRnLs
勇者「くそっ、攻撃が強烈だ!ホイミ!」パアア…

やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!やまたのおろちのこうげき!

商人「ぼ、僕も回復に回ります!やくそうを…」

やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!

戦士「くそっ!くそー!負けねーぞこのヘビやろー!だああー!」ザクッ

やまたのおろちのこうげき!やまたのおろちのこうげき!

盗賊「くっ、まずいな、俺もそろそろ…」

商人「か、回復が追いつきません!このままじゃ…」

やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!やまたのおろちのこうげき!

勇者「もはやここまで、か…回復が間に合わないなら、ここで決める、全員こうげ…」

やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!

戦士「く、そ…負けね…」

やまたのおろちのこうげき!やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!

勇者たちはぜんめつした!

339: ーー66日目、ダーマ神殿 2019/06/23(日) 19:36:24 ID:OlDJRnLs
盗賊「…ま、という訳で反省会だ」

勇者「反省も何も、実力不足以外の何物でもねーよ」

商人「ちょっと強すぎましたね…」

戦士「俺の会心の一撃が入ってもびくともしなかったもんなー。お手上げってヤツじゃねーか?」

盗賊「現状はな。俺らはこれからレベルアップすることも出来るし…」

戦士「あ!そういや商人は全滅したら転職するって言ってたな!」

商人「ええ、ダーマに来たし、せっかくなのでしようかと…」

盗賊「やっぱり僧侶からか?回復が追いつかなかったからな、ホイミだけじゃ」

勇者「それだがな…あの人から手紙が来ててな、『最初は魔法使いから』だそうだ」

戦士「あの人って、使者か?」

商人「ええ、なのでまずは魔法使いに転職しようかと思います」

盗賊「あのお姉さんは俺らに辛い思いをさせたいのか?いや、王様か?まあ、言われたからにはそうするしかないだろうな」

勇者「ああ。それより今日は次の場所を探さなきゃならねー。とりあえず見つけておいた場所ももうないしな。今回の全滅で4つ装備を捨ててるんだ、その上新しい場所を探せずにまた装備を捨てるとなったら…」

盗賊「ああ、そこは盗賊の俺に任せてくれ、何とかする。ただ、宿のある場所に帰るまでに夜が明けそうだがーー言っても仕方ないな。よし、行くぞ!」

343: ーー67日目、ダーマ神殿 2019/06/30(日) 19:54:32 ID:zQS5GTbI
魔法使い「えーと、という訳で転職しました…」

戦士「おー、案外似合ってるんじゃねーか?」

勇者「仕方ねーとはいえ、最初はレベル下がって死にやすいだろうから、隊列の一番後ろな」

魔法使い「あ、はい!すみません…」

盗賊「謝る必要ないだろ、戦力アップのためにやるんだからな」

戦士「んで、今日どうすんだ?新しい所行かなきゃだろ?」

勇者「任せて良いんだよな盗賊?」

盗賊「ああ、ただ近くはないみたいだからな…出来れば今日中に行って宿に戻るまではしたいが…」

魔法使い「遠いんですね…」

盗賊「いざとなったらお前が、誰かが死んでも戻らずに進まなきゃならない。覚悟しといてくれ」

魔法使い「は、はい!」

勇者「今更だろ。行くぞ」

戦士「おー!まだ見ぬ新天地へゴーだぜー!」

344: ーージパング沖東部 2019/06/30(日) 20:06:03 ID:zQS5GTbI
戦士「おおおおっ!」ザクッ

勇者「そらあっ!くたばれっ!」ピシャアッ

ーーだいおうイカたちをやっつけた!

盗賊「ふう…魔法使い、レベルいくつまで上がった?」

魔法使い「7です。呪文はメラヒャドスカラ、あと今ギラを覚えました!」

盗賊「順調…なんだよな?魔法使いの事は分からないからなあ」

勇者「そういや装備は…魔法使いだとかなり制限されると思ったんだが…」

魔法使い「それが…防具はそのまんまなんです。ぬいぐるみとかわのぼうし…」

戦士「カッコ変わんねーもんな!」

魔法使い「武器はどうのつるぎからルーンスタッフに変わったので、かえって強くなった位です。力は落ちましたけど、それでも攻撃力はほとんど変わらないくらいで…」

勇者「ずっと袋の肥やしだったが、やっと日の目を見たな」

盗賊「まあ、装備が良くなってもレベル自体が下がってるんだ、無理するなよ…っと、あれは…」

戦士「なんか見えてきたなあ?あれ、塔だよなあ?」

勇者「そのようだな、じゃあ…ちっ、暗くなってきたな」

盗賊「まあこのくらいかかるとは思ってたよ。さ、入ってみようぜ。ノルマでもあるしな」

346: ーーアープの塔 2019/07/07(日) 19:32:10 ID:W/bz8.IM
戦士「はあー…連敗中も更新しなきゃダメかあ~?」

魔法使い「何言ってるんですか…?ここは少し薄暗いですね」

勇者「まあ夜だしな。にしても、もう何年も人が入った気配がないな」

盗賊「カビ臭い塔だぜ。洞窟よりは塔だが、こんな有様じゃ…おっと」

キラーアーマーがあらわれた!

魔法使い「鎧のモンスターですよ!固そうなモンスターですね…」

盗賊「とりあえず攻撃だ、おりゃあっ!」ガギギギン!

戦士「ほとんど傷ついてねーじゃねーか!おらっ!」ゴッ

魔法使い「ーー魂に宿る火、指先より出でて、かの者共を焼き払え!ギラ!」ゴオオ…

キラーアーマーのこうげき!キラーアーマーはルカナンをとなえた!キラーアーマーのこうげき!

戦士「ぐおおいってー!なんだあの呪文、掛けられたらめちゃくちゃ攻撃が痛くなったぞ!」

勇者「ギラもあまり効いてねーようだ…らあっ!」ドガギギィン

盗賊「くそっ、今じゃ俺が一番攻撃力が無いな…頼むぜお前ら!」

347: ーーアープの塔 2019/07/07(日) 19:40:57 ID:W/bz8.IM
キラーアーマーのこうげき!キラーアーマーのこうげき!

勇者「ぐおおっ!?すげえ猛攻だ…」

魔法使い「は、早く倒さないと…でもギラはあまり効かなかったし…冬よ!我が声に応え、その息吹を吹き付けよ!ヒャド!」カキーン

戦士「おっ、効いたっぽいぞ!おらー!」ガゴン

キラーアーマーをたおした!

キラーアーマーのこうげき!

盗賊「ぐおっ、きついぜ…早くしてくれ、もたないぞ…」

勇者「待ってろ!おらあっ!」ガギギギン!

魔法使い「もう1発…ヒャド!」カキーン

戦士「うりゃー!くらえぇー!」ドゴン!

キラーアーマーたちをやっつけた!

魔法使い「な、なんとか倒せましたね…」

勇者「全員ボロボロだな…回復するぞ、集まれ」

盗賊「どうやらここはちょっとスリルが過ぎるようだな。やまたのおろち退治の為に良い訓練場所が無いかと思ったが、ここは少しはやいかもな…」

348: ーージパング沖東部 2019/07/07(日) 19:50:17 ID:W/bz8.IM
戦士「あー、あそこの敵強かったな!」

勇者「まあな。あの後何回か戦ったが、戦い終わる度に何回もホイミするようだったぜ」

盗賊「でも魔法使いの呪文が戦力になると分かったのは良かったな。勇者のラリホーもあの鎧にそこそこ効いたしな」

戦士「鎧って寝るんだな、知らなかったぜ!」

魔法使い「いや、鎧は寝ないと…いやでも…」

勇者「んな事より、そろそろ夜が明けちまうぜ。町はまだかよ?」

盗賊「おそらくそろそろムオルが見えてくるはずだが…夜明けに間に合うかは微妙な所だな…」

魔法使い「なんだか少しずつ明るく…あ!見えましたよ、陸が!」

勇者「て事は…見えたぜ、ムオルだ!」

盗賊「ふう、なんとか夜のうちに着きそうだな」

戦士「うおー!腹へったぜー!さっさと帰って飯にしようぜ」

魔法使い「僕はもう寝たいなあ…」

勇者「俺もだ。にしても、明日からどうするか…修業はしなきゃならねーが、新しい場所も見つけなきゃならねーしな…」

盗賊「この近くに何かあればいいけどな。ま、それは明日考えようぜ、今日はもう休もうぜ、流石に疲れたぜ…」

351: ーー67日目、ムオル沖東部 2019/07/14(日) 21:09:25 ID:j0W1BSFI
盗賊「今週こそは2回更新する!…って毎週のように考えてるよな」

戦士「でも気がつくともう週末なんだぜー!」

魔法使い「詠唱は…個人個人でみんな違うんです。何故かというと調べ直すのが面倒だっていう…」

勇者「説明は終わりか?さて、今日は北に向かうぞ」

魔法使い「明日行くべき新しい場所を今日のうちに見つけておくんですよね」

盗賊「そいつは俺の仕事だ、任せろ…もっと北、そして少し西だな」

戦士「北ってのはこっちだよな?行くぜー!」

勇者「西と東しょっちゅう間違えるから気を付けろよ」

魔法使い「誰の話でしょう…うう、ここまで来ると流石に少し寒いですね…」

盗賊「お前らは良いよ、みんな着ぐるみだもんな。俺は…おっと」

戦士「なんか見えてきたなあ?あれは…なんだ?ただの浅瀬じゃねーか!」

勇者「いや、ただの浅瀬じゃあねーだろ。ねーだろうが…今はどんな場所なのか分からねーな」

魔法使い「覚えておいた方が良い場所、といった所でしょうか」

盗賊「多分な。さ、次は南に…ってこれはムオルだな。うーん、東にでも行ってみるか」

戦士「っしゃー!次だ次!」

352: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/07/14(日) 21:16:35 ID:j0W1BSFI
魔法使い「島がたくさん見えてきましたね。この辺であなほりを…あ、ラックのたねです!」

盗賊「まあ、小当りってとこか?さて、もうちょっと東に…」

戦士「島はいっぱいあるけど何も建物はねーなー」

勇者「この辺りは外れか?ならそろそろ引き返さないと…」

盗賊「まあ待てよ。成果無しで引き返したら明日が大変だぜ?タカのめで…北東だな」

魔法使い「北東!そっちにはまだ行ってませんよね」

戦士「こんな所に町とかあるかあ~?」

勇者「まあ行ってみるぞ…あれは?何か見えるぞ」

魔法使い「建物…ほこらですね!」

盗賊「っし!見つけたぜ!さて、夜が明ける前に帰るだけだが…」

353: ーー夜、ムオル沖東部 2019/07/14(日) 21:29:29 ID:j0W1BSFI
魔法使い「もうすぐ夜が明けそうです。間に合うでしょうか?」

勇者「以外と夜は長いからな。特に明けそうになってからが…」

戦士「おお!村が見えてきたぜ!」

盗賊「ふう、今日もギリギリ間に合ったな。この距離だと明日もギリギリだよなあ、当たり前だけどな」

勇者「そうだな…前の日に次の場所を見つけておくっていうのは失敗だったかもな」

戦士「行ったり来たりで時間のムダだよな!」

魔法使い「でも見つけられないと死んだ時と同じペナルティーですよね?」

盗賊「むしろ一人死んだのと同じペナルティーって、あんまり辛くない気もしてきたな。まあ、見つけるに越したことはないがーー」

勇者「実際今日も見つかったしな。それに、海の上だと戦闘も少ないから消耗もしねーし、あんまり宿まで戻る利点もねーよな」

魔法使い「確かに…!

戦士「まあどっちにしろ明日は今日見つけたとこだろ?」

勇者「ああ、せっかく見つけたしな。そしてせっかく夜が明ける前に着いたんだ、早く宿に行くぞ」

盗賊「この町には娯楽もないしなあ…」

魔法使い「僕はもうクタクタですよ、職業が変わったからか緊張しっぱなしで…」

戦士「っしゃー!宿で飯だぜー!ここの魚は絶品だぜー!」

355: ーー夜、ムオル沖北部 2019/07/21(日) 19:38:44 ID:J7DVHaDE
盗賊「あーくそ、やっぱり北は寒いぜ…」ブルルッ

勇者「少し我慢しろよ、昨日行ったからだいたいの距離や場所は分かってるからすぐだ」

魔法使い「ほこらがありましたよね。うーん、こんな所にあるほこらかあ…」

戦士「ジパングの近くにあるほこらみたいに宿になってたりしねーかな?」

盗賊「バハラタの北の方にもあったよな。湖畔のしゃれた宿屋が」

魔法使い「ありましたね。あそこも結構北だと思いましたけど、そんなに涼しくはなかったですよね」

勇者「バハラタやアッサラームがかなり暑い所だったからな。さて、そろそろ見えてくるはずだが」

盗賊「ああ、確か暗くなってきてから見つかったよなあのほこら。だんだん日が暮れてきたし、そろそろか…」

戦士「お!ほら見てみろよ、あのほこらだろあれ!」

魔法使い「ええ、あれです。そう大きくない島に、ポツンと建って…一体何が待ってるんでしょう…?」

勇者「それもすぐ分かるだろ。さ、行くぞ」

356: ーー夜、ムオル沖北部 2019/07/21(日) 19:50:36 ID:J7DVHaDE
ーー旅人のほこら

盗賊「…静かだな」

魔法使い「ええ。誰も居ないんでしょうか…?」

戦士「おーい!誰か!誰かいねーのかー!」

勇者「誰も居ねーようだな。居ねーが…」

盗賊「ああ…3つの部屋それぞれに1つずつ、あの旅の扉ってやつがあるな」

魔法使い「離れた土地へ移動できる旅の扉が3つも…!これって、新しい場所を3ヵ所も見つけたようなものですよね!これで楽に…」

勇者「いや待てよ。もうすでに行ったことのある場所に着く可能性だってあるぜ。覚えてないか?入れない、鍵がかかった場所に旅の扉があった所を…」

戦士「んー、あったようななかったような…」

盗賊「それこそさっき話したバハラタ北やジパング近くにあった宿屋になかったか?あとはロマリアからポルトガに向かう途中のほこらにもあったような…」

魔法使い「そういえばそうですね。他にもいくつかあったかも…」

勇者「…と考えると、この旅の扉を新しい場所と決めつけるのは危険だな。もっと別の場所も探さないと…」

盗賊「入って確かめるって訳にもいかないのがな。ま、どうせ今日はこのまま探索を続けるつもりだったんだろ?」

勇者「ああ、もっといろんな場所を探そう。町に戻る時間がもったいないからな。この近くに何かがあれば良いんだが…」

357: ーー夜、ムオル沖北部 2019/07/21(日) 20:02:11 ID:J7DVHaDE
戦士「で、次はどこ行くんだ?」

盗賊「そうだな…ここより更に北、そしてちょいと西、そこにも何かがあるな。そう離れてはいないようだ」

魔法使い「では行ってみましょう…うう、更に北は更に寒い…」

勇者「我慢するしかねーな。くそ、夜だからなかなか見えづらいな…」

盗賊「俺の目を信じてくれよ。もうすぐ…お、ほら、何か見えてきたぜ」

戦士「ん~?ホントかあ?平原しか見えねーぞ!」

勇者「平原っつーか雪原だな。でも何か変だな、人の気配というか、何者かが往き来してるような跡があるような…」

魔法使い「ええ、ヒトの痕跡みたいなのがありますよね。ここもいずれ調べる必要があるのかもしれないですね」

戦士「新しい場所キープってとこかあ?で、次どこ行くんだよ」

勇者「そうだな、あのほこらから少し西に来たし、このまま西に…ああ、夜が明けるな…」

ーー69日目

盗賊「夜が明けたか。あ、書き忘れたが、↑は68日目だからな」

魔法使い「誰に言ってるんですか…?でも太陽は日替わりから、僕らは西へ、太陽に追いかけられながら進むようですね」

勇者「今日も好天でめでたいこった。さあ行くぞ、新しい土地を目指してな!」

359: ーー夜、ムオル沖北部 2019/07/28(日) 20:05:54 ID:KLTCN1S6
戦士「よっしゃー西だ西だ!どんどん進むぜー!」

勇者「この辺は島が多いな…」

魔法使い「ですね。あまりガンガンは進めませんね…」

盗賊「お、ちょっと北よりに進んで見てくれ。何かありそうだ」

戦士「北にー?この島かあ?だだっ広いだけで何もねーぞ?」

魔法使い「いえ、見てください。雪原に1ヶ所、雪が少ない所が…」

勇者「ああ、人の手が入っているというか、誰かが往き来してる痕跡があるというか…」

盗賊「ただの雪原じゃなさそうだよな。ここも後々来たりするようかもな」

戦士「じゃあ覚えとかねーとな!お前ら覚えとけよ!俺は覚えられねーからな!」

勇者「自信満々に言うことかよ…」

魔法使い「でも、次の場所候補が見つかって良かったですね。あちこち当てもなく探し回るのも大変ですし…」

盗賊「まあな。だがこの調子でどんどん見つけていこうぜ。このまま西に行くだろ?」

勇者「ああ、どんどん行ってみよう」

戦士「っしゃー まだまだ進むぜー!」

360: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/07/28(日) 20:12:10 ID:KLTCN1S6
勇者「…あれからかなり西に、そしてやや北よりに来てみたが…」

魔法使い「何も見つからないですね…ミナミには広大な森林地帯が広がる大陸がありますけど…」

盗賊「でかいよなこの森。多分ムオルやダーマなんかと同じ大陸のはずだが…」

戦士「歩いては来れねーよな!船ってスゲーな!」

勇者「今さらかよ…っと、あれは…」

魔法使い「ほこらだ!ほこらがありますよ!」

盗賊「よし、また新しく見つけたな。しかしこんな所にどんなヤツが住んでるんだろうな?」

ーーホビットのほこら

ホビット「あ、船が通りすぎてく!ほらほら、そろそろ出番だぞ!」

旅人女「ほら、さっさと喋る猫の準備しな!」ゲシッ

猫「ふにゃー!?今やるところですにゃー!」オアー…

361: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/07/28(日) 20:20:11 ID:KLTCN1S6
魔法使い「…あれからまた北西にどんどん進んで…すっかり暗くなりましたね」

盗賊「夜が明ける前に何処かに着けば良いがなあ」

戦士「腹へったなー。そろそろ宿に泊まりてーぜ」

勇者「確かに流石に2日徹夜だと堪えるな…」

魔法使い「とはいえ、都合良く宿があるなんて…あれ?」

盗賊「あれ、町だよな?よし、今夜はあそこに…いや、新しい場所行くわけにはいかないよな」

勇者「いやよく見てみろよ。見覚えねーか?」

戦士「あー?…ああ!あれノアニールかあ!?」

魔法使い「え…?あ、本当だ!ノアニールですよ!」

盗賊「長い長い航海の果てに、ノアニールに戻ってくるとはなあ。ま、来たことがある町で逆に良かったな。そして…この町助けといて良かったなあ」

魔法使い「ええ、誰かを助けた事が、こうやって自分達に帰ってくるんですね…」

勇者「……よし、じゃあ上陸だ。今夜はノアニールに泊まるぞ。下船の準備だ!」

戦士「うおおー!宿だ!飯だー!」

363: ーー70日目、ノアニール沖東 2019/08/04(日) 20:54:54 ID:vD2QzmuI
盗賊「…さて、そろそろ昨日見つけたほこらに着くはずだが…」

戦士「お、あれだろあれ!見えてきたぜー!」

勇者「よし、じゃあここから上陸だな。さて…」

グリズリーがあらわれた!

魔法使い「熊が3匹!強そうですね…」

盗賊「やるしかないだろ、そらっ!」ピシャシャ

グリズリーのこうげき!グリズリーのこうげき!

勇者「くっ!?くそっ、バカ力め…!」

戦士「いてー!けど負けねー!おらー!」ガッ

グリズリーのこうげき!グリズリーのこうげき!

盗賊「くそっ、なんて攻撃力だ…!おらあぁっ!」ピシャシャァ!

グリズリーたちをやっつけた!

魔法使い「な、なんとか勝てましたね…凄い強さだった…」

勇者「あんまり長居したい場所じゃねーようだな。さっさとほこらに入るぞ。さて、何が待っているか…」

364: ーーホビットのほこら 2019/08/04(日) 21:06:05 ID:vD2QzmuI
ニャー…ニャー…

盗賊「猫が沢山いるな」

戦士「猫よりも人いねーのかよ!おーい!誰か…ぐおっ!?」ベキャッ

魔法使い「なっ!?小さな人影が華麗な回し蹴りを戦士さんに!?」

ホビット「こらー!ヒトのうちでギャーギャー騒ぐなー!」

盗賊「ああ、悪かったね可憐なお嬢さん。ところで…」

ホビット「あれ?君たち冒険者?珍しいねこんな所に」

勇者「ああ、俺達は…』

ホビット「あー!君オルテガさんにそっくり!私が昔一緒に旅してた勇者様と!」

勇者「な…!?親父と旅を…?」

ホビット「親父!?オルテガさんの息子なの!?へー、本当に似てるね!あー、懐かしいなあ…」

魔法使い「あ、あの、オルテガさんは…」

ホビット「あー、確か火山の火口に落ちて亡くなったなんて話だよね。でも私はちょっと信じられないなあ。君もそうなんじゃない?」

勇者「…ああ」

ホビット「だよね!きっとオルテガさんはまだ生きてると思うよ!世界は広いから今は会えなくてもさ、いつかまた会えると思うよ!」

365: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/08/04(日) 21:10:25 ID:vD2QzmuI
盗賊「ああ、きっとな。へへ、一緒に旅してたヒトが言ってるんだ、説得力あるじゃないか、なあ?」

勇者「まあ、な…」

ホビット「それで君たちは何処を目指してるの?…へえー、エジンベアに、きえさりそうかあ…あ!きえさりそうならこの辺のモンスターが持ってるかもよ!」

魔法使い「え!?本当ですか!?」

ホビット「でも君たちにはこの辺のモンスターはちょっと厳しいかなあ。ま、一応覚えといてよ!」

勇者「ああ、貴重な情報、助かる」

猫「にゃーん?」

勇者「いいえ」

猫「にゃーん?」

盗賊「いいえ」

猫「にゃーん?」

魔法使い「いいえ」

猫「…にゃーん?」

戦士「いいえ!」

猫「にゃーん…」

367: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/08/10(土) 19:28:00 ID:IL7a95Ao
戦士「よっしゃーじゃあ行くぜ!じゃあなアネキ!」

ホビット「じゃあねー!君のアネキじゃないけどね!」ノシ

盗賊「よし、じゃあさっそくきえさりそうを探しに…」

魔法使い「でもモンスターが強いですから…」

ホビット「あーあ、行っちゃったかー。猫君、残念だったね!」

猫「うにゃあ、喋れませんでしたにゃあ…」

旅人女「ったくバカ猫だねえ、喋らなきゃバイト代満額貰えないじゃないか!」ゲシゲシッ

猫「ふにゃー!?喋らせてくれなかったから仕方ないのですにゃー!」オアー…

ホビット「あはは、かわいそうだけど約束は約束だからね!…それにしても勇者の父親のパーティーメンバーなんて、結構重要そうなのになかなか話題にならないよね。リメイクとかもしあればこういうとこ広げて欲しいよねー」

旅人女「どうだろうねえ?ま、リメイクするならイベント増やすのは必須だろうけどね」

猫「にゃ、何の話を…?」

旅人女「アンタには関係ないよ、そんな事より次のバイト探しに行くよ、バカ猫」ズルズル…

猫「ふにゃー!?引き摺らないで欲しいのですにゃー」オアー…

ホビット「あはは、元気でねー!…君たちも、元気でね。またいつか、ね?」

368: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/08/10(土) 19:37:13 ID:IL7a95Ao
勇者「…とはいえ、鎧や熊ばっかりで全然それっぽいモンスター出ねえな…」

魔法使い「しかもあの熊、凄く強いです…攻撃力が恐ろしいですよ…」

盗賊「スリルがあって結構だと思うが、強さの割りには稼げないよなあいつら…きえさりそうが目的じゃなきゃ、あんまり居たくない場所だな…」

ーーまほうおばばがあらわれた!キラーアーマーがあらわれた!

戦士「おお!?こいつじゃねーかきえさりそう持ってるの!」

魔法使い「テドンの周辺にいたきえさりそうを持ってるってモンスターに似てますもんね…でもこの見た目は…」

まほうおばばはベギラマをとなえた!まほうおばばはベギラマをとなえた!

勇者「うおおっ!?くそっ、強烈な呪文を使いやがる!」

キラーアーマーはルカナンをとなえた!

魔法使い「でも少し噛み合ってないですね、ルカナンと攻撃呪文じゃ、僕も…ギラ!」パラララ!

盗賊「先に婆さん達を倒すぜ!そりゃっ!」ピシャシャ

まほうおばばをたおした!

戦士「鎧は任せろ!うおおおおー!」ガガッ

ーーまもののむれをやっつけた!

勇者「っし、なんとかなったぜ。しかしこれじゃ魔力がいくらあっても足りねーぜ、ホイミ、ホイミ、ホイミだ…」

369: ーー71日目、ムオル近郊 2019/08/10(土) 19:46:13 ID:IL7a95Ao
戦士「うおおー、やっと帰ってきたぜえ…死ぬ…」ヨロヨロ…

魔法使い「勇者さんの魔力も切れて、パーティーみんなボロボロですね…」

勇者「ったく、真っ直ぐ戻りゃ良いのに、ムオルからどのくらい歩けばきえさりそう持ってるかもモンスターと会えるか確認してーなんて言いやがるから…」

盗賊「まあまあ、明日以降を考えれば大事な事だろ?正直、ここのところ時間に追われてる感じだし…」

デッドペッカーがあらわれた!スライムつむりがあらわれた!

魔法使い「み、見たことないですよねあの貝のモンスター…それに、あの鳥は…!」

勇者「ちっ、逃げるぞ!」ダカダカダカ…

しかし まわりこまれてしまった!

デッドペッカーのこうげき!スライムつむりのこうげき!デッドペッカーのこうげき!デッドペッカーのこうげき!

盗賊「くそ、攻撃が…」

スライムつむりのこうげき!デッドペッカーのこうげき!

盗賊はしんでしまった!戦士はしんでしまった!

魔法使い「ああ、二人とも!」

勇者「くそっ、全滅してたまるかよ!逃げるぞー!」ダカダカダカ…

371: ーームオルの村、教会 2019/08/18(日) 19:22:36 ID:trTR1zaY
魔法使い「…よし、これで二人とも生き返りましまね。神父さん、ありがとうございました」

盗賊「結局、死んだのは俺と戦士だけだったんだな」

勇者「ああ、なんとか逃げ切れたぜ」

戦士「っしゃー、それじゃたびびとのふくとこんぼうをポイポーイ!」バサッ ゴドン

魔法使い「…手持ちの装備品も少し心許なくなってきましたね」

盗賊「ぬののふくとかなくなったしなあ」

勇者「最近、装備品を全く入手出来てねーからな」

盗賊「とはいえ、こんな旅だと運次第だからなあ」

戦士「とりあえず宿行こうぜ!腹へったしねみー!」

魔法使い「そうですね、僕も疲れました…」

勇者「じゃあ宿屋に行くか。そして明日はまたどこかにいかなきゃならねーのか…」

盗賊「ちょっと行動が制限されてきた感じはするよなあ。ま、明日はまだ行く場所があるからましだけどな…」

372: ーー72日目、ムオル沖北 2019/08/18(日) 19:30:14 ID:trTR1zaY
戦士「じゃあ今日はあの北の雪原に行くんだな?」

勇者「ああ、何があるか行ってみようぜ」

魔法使い「あんな所に住んでる人とかいるんですかね?」

盗賊「さあな。ただ俺達は今までも変わり者をたくさん見てきたからな」

戦士「おとといのアネキだって相当変り者だよな!」

勇者「あんな所で一人、猫に囲まれて暮らしてたよな…あんなヒトが他にいてもおかしくはねーな」

盗賊「エルフやホビットの可能性もあるよな…っと、夜になっちまった、こんなに遠かったか?」

魔法使い「もうすぐなはずですけど…あ、見えてきましたよ!」

勇者「よし、じゃあ上陸するぞ。準備は良いな?」

戦士「っしゃー、エルフでもモンスターでも出てみろってんだ!」

魔法使い「いやあ、モンスターはちょっと…でも、ここがダンジョンの可能性もあるのかあ…」ゴクリ…

373: ーー変化老人の家 2019/08/18(日) 19:39:27 ID:trTR1zaY
盗賊「…おお、家があるぜ。さんざん迷ったな…」

魔法使い「何もない平原を歩き続けて、一度元の場所まで戻ってしまいましたもんね」

勇者「さて、何がいるか…」ガチャリ…

老人「人に会うのは何年ぶりじゃろうか。そうだ、前に海賊達がふなのりのほねを持ってきて以来じゃな」

戦士「ふなのりのほねえー?」

老人「さてお前達、へんげのつえは知っておるか?」

勇者「へんげのつえ…?聞いたことはないが…」

魔法使い「多分、名前からして変化…姿を変えることが出来る杖ですよね?」

老人「そうじゃ!わしはあれが欲しいのじゃよ。噂では、サマンオサの王様が持っとるらしいがのう」

盗賊「王様が?それじゃ盗みでもしなきゃ無理じゃないか?」

戦士「そもそもサマンオサってどこだよ?」

魔法使い「聞いたことないですよね…?」

老人「サマンオサはさいごのかぎがあれば行けるそうじゃぞ」

勇者「サマンオサ、へんげのつえ、さいごのかぎ、か…これからの俺達の旅にも関わってきそうだな。覚えておくか…」

375: ーー夜、ムオル沖北部 2019/08/25(日) 21:01:27 ID:s8SQY/Ro
勇者「…夜明けまでに帰れねーかもしれねーな…っ!あいつは…!」

テンタクルスがあらわれた!

戦士「うおお!?いつか会った緑のイカだな!」

盗賊「どうするんだ勇者?」

勇者「…こいつは強そうだが、だからこそ良い経験になるはずだ、やるぞ!ラリホー!」ポワワーン

魔法使い「僕も呪文で…意志を燃やせ!魂を燃やせ!悪しき彼の者を焼き尽くせ!ベギラマ!」ゴオオオ…

戦士「おお、すげー魔法じゃねーかよお!」

テンタクルスのこうげき!テンタクルスのこうげき!テンタクルスのこうげき!テンタクルスのこうげき!

勇者「ぐあっ…!凄まじい手数だな…もう一度ラリホーだ!」ポワワーン

盗賊「今度は2体眠ったか!そらっ!」ピシャシャシャ

魔法使い「もう一度…ベギラマ!」ゴオオオ

戦士「うおおー!」ガッ

テンタクルスたちをやっつけた!

勇者「っし!手数には驚いたが、なんとか倒せたな。一応俺らも強くなってるみたいだな…」

376: ーー73日没朝、ムオルの村 2019/08/25(日) 21:11:23 ID:s8SQY/Ro
魔法使い「ふう、無事ムオルには帰って来られましたけど…」

盗賊「夜が明けちまってたなあ。もっと早く帰って来れると思ったんだがなあ」

戦士「どうすんだー?宿に泊まるのか?」

勇者「…いや、このままあのジパングの洞窟に行こう」

戦士「おお!?おろちと戦うのか?」

盗賊「アホ、経験値稼ぎだろ?流石に今また挑んでも返り討ちだろうよ」

魔法使い「そうですね、僕は魔法を覚えましたけど、体力がかなり落ちてますし…」

勇者「俺達は経験値も足りないが、平行して探索も続けなきゃならねえ。1日を無駄にする余裕なんかねーよ」

盗賊「だよなあ…ま、俺はスリルがある方が良いから、あの洞窟の魔物達と戦うのは賛成だぜ」

戦士「もっともっと強くなって、早くおろちのヤローぶっ飛ばさねーとな!」

魔法使い「ですね、幸いみんなさほど消耗してないですし…」

勇者「決まりだ、じゃあ行くぞ…消耗が少ないとはいえ、出来るだけ長く洞窟で稼ぐためには宿に泊まれなかったのは厳しいところだけどな…」

378: ーーおろちの洞窟 2019/09/01(日) 19:36:59 ID:6xhN9scM
盗賊「またここに来たか。少しばかり疲れてはいるが、それもまたスリルがーー」

魔法使い「ま、待って下さい!敵です!」

ーーきめんどうしがあらわれた!

勇者「ちっ、厄介な奴だな。しかしあの呪文さえ貰わなければ無傷で勝てる可能性もある。気を引き締めろよ!」

戦士「おおー!あんな呪文にかかるかよ!」

きめんどうしはメダパニをとなえた!戦士はこんらんした。

盗賊「おいぃ!言ってるそばから…」

戦士のこうげき!戦士のこうげき!

盗賊「ぐあっ!?くっそ、馬鹿力め…!」

魔法使い「ま、まずいです、僕は体力が…」

勇者「さっさとあいつらを倒すしかねー!うらあっ!」ピシャシャシャ

盗賊「うおおおっ!」ピシャシャシャ

ーーきめんどうしたちをやっつけた!

戦士「…ん?お、なんか知らねーが敵が倒れてるぜ!ラッキーだな!」ヒャッホー

勇者「こいつ…まあ、死人が出なかったから良い。いくぞ…」

379: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/01(日) 19:47:36 ID:6xhN9scM
戦士「へー、俺混乱してたのか!いやー、忘れちまうもんだな!」ハッハッハッ

盗賊「はっはっはっ、じゃないだろ。お前が混乱すると一番危険なんだよ。お前のパワーで殴られる身になってくれよ」

魔法使い「戦士さんの強さを肌で感じましたね…でも混乱してしまったのだから仕方ないで…」

きめんどうしがあらわれた!

勇者「くそっ、またこいつらかよ!やるぞお前ら!」

戦士「うおおおっ!今度は混乱しねーぜー!」

きめんどうしはメダパニをとなえた!勇者はこんらんした。

盗賊「おいおいおい、こっちかよ!」

勇者「…我が魂、深き底より真紅の牙を呼び起こさん!」

ーー勇者はベギラマをとなえた!

魔法使い「あ、熱い熱い!ゆ、勇者さん自分まで燃やしてますよ!」

盗賊「くそっ、早くモンスターやっちまうぞ!おらっ!」ピシャシャシャ

戦士「うおおー!行くぜー!」ガッ

ーーきめんどうしたちをやっつけた!

盗賊「な、なんとかなったか…前言撤回、勇者が一番危険だな…」

380: ーー夜、旅人の宿屋 2019/09/01(日) 19:56:21 ID:6xhN9scM
勇者「くそっ、散々だったぜ」

魔法使い「ま、 まあ仕方ないですよ…」

戦士「しかしレベルあがんねーもんだなー」

盗賊「魔法使いが2つ上がって16になったが、それだけだったもんなあ」

勇者「他が誰も上がらなかったな。くそっ、こんなペースじゃ…」

魔法使い「焦っても仕方ないですけど、でもこのままでは…」

盗賊「まあ、最悪アイテム捨てながらでも経験値稼ぐしかないだろうなあ。ここのところ装備品は見つからないが、消耗品ならいくつか見つかったな」

魔法使い「盗賊さんはどくがのこなとちからのたね、僕がどくがのこなとまんげつそうですね」

戦士「カネもたくさん見つけただろ?」

勇者「17744ゴールドあなほりで見つかったな。使い道はないが」

盗賊「ま、魔法使いはレベルアップしてるんだ、少しずつ強くなってると信じるしかないな」

魔法使い「2つレベル上がっても呪文覚えなかったのが辛いですけど…」

勇者「こっから覚えるだろ。いや、覚えて貰わないと困るぜ。そして俺らも強くならねーとな。しかし…くそっ、行き詰まって来ちまったぜ…」

382: ーー74日目、旅人のほこら近郊 2019/09/08(日) 20:03:43 ID:ua/gAIP2
魔法使い「今日は、以前見つけた旅人のほこらに行くんですよね?」

戦士「えーと、旅のとびらがたくさんある所だっけか?」

勇者「ああ。確か3つあったはずだから、どれか1つくらい新天地に行けるだろ」

盗賊「賭けっちゃ賭けだが、まあ外さないだろ…おっとお!」

ーービッグホーンがあらわれた!メタルスライムがあらわれた!

魔法使い「あ、あれは銀色の…!」

盗賊「おっし、慌てず騒がず…そらっ!どくがのこなだ!」

ビッグホーンはこんらんした。ビッグホーンのこうげき!メタルスライムをたおした!

戦士「おおー!やったなー!」

盗賊「へっへっ、素早さのタマモノだぜ。これで俺はレベルアップだぜ」

勇者「ここで経験値が得られたのはでかいな。異動日はなかなか魔物と戦えないからな」

魔法使い「そうですよね、ほこらにつく前にもう夜ですもんね…」

戦士「よし、じゃあほこらに行くぜー!待ってろよモンスター!」ウオー

勇者「だから、旅のとびらしかねーよ…」

383: ーー旅人のほこら東部 2019/09/08(日) 20:15:01 ID:ua/gAIP2
魔法使い「ほこらでは新しい場所に行けましたけど…」

盗賊「鍵がかかってて進めなかったな。どの辺に行ったのかさえ解らずじまいだ」

戦士「でもよお、とりあえず新しいとこ行ったから良いんだろ?」

勇者「まあな。だが出来ればあそこから更に別の土地に行けたら良かったんだけどな」

魔法使い「それでこの辺りは…あの塔があった大陸の東側ですよね?ムオルから海を越えた東にあった塔の…」

勇者「ああ、東海岸だ。この辺りに何かあれば…」

戦士「お?見ろよ、何かあるんじゃねーかあそこ?」

魔法使い「あそこは…ずいぶん開けた場所ですね」

盗賊「ああ、平原だな。あのへんげんつえがどうこう言ってた爺さんのいた所にちょっと似てるかもな」

勇者「似てるか?まあ、だだっ広そうな所は似てるか…」

魔法使い「もしかしたら、また誰か居るかもしれませんね。オーブやエジンベア、サマンオサの事を知ってる人がいるかも…」

盗賊「とりあえず、次に来る場所は決まったな。さて、これからどこに行く?」

勇者「南か、更に東かだな。南に大陸沿いに行くべきか、海を越えてみるか、さて…」

385: ーー75日目 2019/09/16(月) 00:49:50 ID:77yfOtm.
戦士「夜が明けちまったぜ!どっち行くのか決めたのか?」

勇者「…このまま東に向かおう。別に南でも良いけど、勘だな」

盗賊「勇者の勘か、結構じゃないか。よし、行ってみようぜ」

魔法使い「大陸沿いに進む南と違って、東は大海原ですから、何があるのか…」

戦士「でもよう、ほら、見えてきたぜ陸が!」

盗賊「ここは…どこだろうな?どうする?このまま上陸するか、北か南か…」

勇者「北に行ってみるか。どうも、見覚えのある景色のようだがな…」

魔法使い「僕も、どこかで見たことあるような…」

盗賊「ま、本当に知ってる土地ならそのうち知ってる町にも着くだろ。今は進んで…おお?あれは…」

戦士「城じゃねーか!小さな島に城!」

魔法使い「お城…!じゃあここがエジンベア…?」

盗賊「聞いた事があっても行ったことがない町っていったらエジンベアとサマンオサ、あとテドンで聞いたネクロゴンドだが、ネクロゴンドはテドンの北っていう話だったしな」

勇者「エジンベアの可能性もあるな、だとすると…まだきえさりそうが無いんだよな。あれがないとどんな不都合があるのか…」

386: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/16(月) 01:01:58 ID:77yfOtm.
魔法使い「ーーとはいえ、今日はまだここには行けませんよね。この後は…」

勇者「また東だ。東に来たらこの城が見つかったからな、更に東へ向かえば…」

戦士「よっしゃ行くぜー!…ってここ見たことあるぞ!ノアニールの西だろここ?」

盗賊「地底の湖のある洞窟に、エルフの隠れ里…間違いないな」

魔法使い「という事は…以前ムオルから西に探索した時、もう少し進んでいればここに辿り着けていたんですね…」

勇者「それは言っても仕方ねーな、あの時は次の場所に行くために引き返さなきゃならなかったからな」

盗賊「それに、寄り道したからこそお前もレベルアップしたと言えるだろ?」

魔法使い「それは…そういう考え方も出来ますけど…」

戦士「呪文も覚えたんだろ?」

魔法使いレベル17「メラミとマホトラを…僕としては、かなり強力な呪文を覚えたつもりですけど…」

勇者「お前だけじゃねー、パーティー全体だ。特にメラミは強力だと聞いてる」

盗賊「後々も役にたちそうだよな。ま、とりあえず今回はあの草原と城、2ヶ所見つけられたんだから上々だろ。さ、ノアニールまで行って休もうぜ」

戦士「っしゃー!飯だ飯だ!」

388: ーー76日目、エジンベア 2019/09/23(月) 02:01:22 ID:3/1h.RRM
盗賊「さーて、じゃあこの城にお邪魔するか」

魔法使い「うわあ…立派なお城ですね」

勇者「そうか?アリアハンと大差ないだろ」

戦士「田舎だしな!」

盗賊「おい、聞こえるだろ…っと、こんにちは、門番さん」

門番「ここは由緒正しきエジンベアのお城!」

勇者「!…ここがエジンベアか!」

門番「田舎者は帰れ!帰れ!」シッシッ

戦士「ああー?ここの方がよっぽど田舎だろうが!」

門番「なんだと?田舎者は礼儀を知らんな!さあ帰った帰った!」シッシッ

魔法使い「せ、戦士さん、ここは退きましょう…それにしても門前払いなんて、どうしたら…」

389: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/23(月) 02:08:59 ID:3/1h.RRM
盗賊「で、追い払われた訳だが…」

戦士「どうすんだよおい!ここに入れないと…あれ?入れないとなんかあるんだっけか?」

魔法使い「えーと、ランシールのスライムが、きえさりそうがあったらエジンベアに行くようにって…あ!」

勇者「なるほどな、きえさりそうはこの為に必要な訳だ」

盗賊「きえさりそうっていうからには姿を消す事が出来るんだろうからな。となると、あの門番の目をごまかして進入するためのモノなんだろうな」

戦士「盗賊みたいだな!」

盗賊「まあ俺は盗賊だし別に構わないが…きえさりそうを手に入れない事にはこれ以上は進めなさそうだな」

魔法使い「そうですね…でも幸い、この周辺にもきえさりそうを落とす魔物がいるみたいですし…」

勇者「とりあえず夜までは探してみるか。経験値稼ぎにもなるしな」

戦士「おお!あの門番ギャフンと言わせてやろーぜ!」

盗賊「俺もそうしたいが…そう簡単には見つからないだろうなあ。さて…」

391: ーー77日目、おろちの洞窟 2019/09/29(日) 20:23:59 ID:9al5U0r6
盗賊「あー、エジンベアも見つけたし、きえさりそうを探すべきなんじゃないかとも思ったんだがな…」

魔法使い「きえさりそうを探すにもレベルが必要、という事でまた経験値稼ぎになりました」

戦士「メタル野郎10匹以上倒せたな!やったな!」

勇者レベル28「まあ、運が良かったよな。逃げるやつも少なかったしな」

盗賊レベル28「俺と勇者がレベルアップして28に、魔法使いはついに20になったな」

魔法使いレベル20「今日だけで3つもレベルアップして目標に達成しました!インパス、トラマナ、そしてヒャダルコまで覚えましたよ!」

勇者「ヒャダルコまで覚えるとは思わなかったからもうけたな」

戦士「で、このあと魔法使いはどうすんだ?20になったら転職だろ?でも僧侶になるにはもっかい全滅しなきゃだよなあ?」

盗賊「一端商人に戻るのも馬鹿らしいよな。となると…玉砕か?」

魔法使い「え、それは…」

勇者「…まあ、それしかないな。このままやまたのおろちまで行くぞ」

魔法使い「え、ええー!?本当に玉砕するんですか?ま、待ってください、待って…」

392: おろちの洞窟、B2f 2019/09/29(日) 20:33:05 ID:9al5U0r6
盗賊「よし、今日もおろちがいるな」

戦士「おっしゃー!戦うぜー!」

魔法使い「ほ、本当に戦うんですか?」

勇者「勝ち目は薄いが仕方ねー、これが一番丸くおさまるだろうからな」

魔法使い「丸くおさまるとは一体…」

戦士「つべこべ言うな!行くぞー!」

ーーやまたのおろちがあらわれた!

魔法使い「え、えーと、じゃあ…大地よ力を!我らに岩のごとき堅固な盾を!スクルト!」ギュイイーン

勇者「どうせホイミじゃ追いつかねー、世界よ吼えよ!天の怒り、閃きここへ!ライデイン!」ピシャドーン!

やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!

戦士「あちちー!でも負けねーぜ、おらあっ!」ザクッ

盗賊「なんだ?案外いけるんじゃないか、そらっ!」ピシヤッ

魔法使い「もう一度スクルトを…」ギュイイーン

勇者「まだまだ!ライデイン!」ピシャドーン!

戦士「うおおー!叩きのめしてやるぜー!」ガオー

393: 78日目、ダーマ神殿 2019/09/29(日) 20:39:14 ID:9al5U0r6
盗賊「…まあ、普通に全滅するよな」

勇者「そりゃな…」

戦士「よっしゃ、なら投げ捨てるぜー!」ポイポイポイポーイ

僧侶「ああ、どうのつるぎが2つに、こんぼう、たびびとのふくも…」

盗賊「お前、さらっと転職してるな…」

僧侶「そういう予定でしたからね。でも皆さん、もう装備品の在庫がみかわしのふく1つしかないですよ!いよいよピンチです…」

勇者「最近全然装備品が手に入ってこないからな」

戦士「盗賊がサボってるからな!」

盗賊「サボってる訳じゃねえよ!だがまあ僧侶は転職直後で死にやすいだろうし、慎重にいかないとな」

勇者「新天地探しだからそうも言ってられねーけどな」

僧侶「新天地探せなくても装備品は捨てるようですからね。ここからはよりシビアな旅になりそうですね…」

395: ーーエジンベア郊外 2019/10/06(日) 19:44:03 ID:lxJu9Plo
盗賊「へえ、僧侶ってレベル1からホイミ使えるのか」

僧侶「そうなんですよ、もうパーティーの回復力アップですよ!」

戦士「おお、すげーじゃねーかよ!」

勇者「つっても転職すぐで体力無いんだから気を付けろよ」

僧侶「ええ、分かってます。それで今日はどこに…」

盗賊「この間エジンベア見つける前に見かけた草原だろ?」

勇者「ああ、あそこに何かありそうだからな…というか、無いとどん詰まりだ」

戦士「もう捨てる装備もほとんどねーからな!」

僧侶「ちょっと厳しくなってきましたよね…あ、見えてきましたよ、あの草原」

戦士「おお、ちけーな!」

勇者「そうか?もう夜になっちまったぜ…まあ良い、行ってみるぞ」

盗賊「なんかあれば良いがなあ。出来ればスリルのあるヤツな」

僧侶「いやあ、転職後なんで危険なのはちょっと…」

396: ーーエジンベア西の草原 2019/10/06(日) 19:50:15 ID:lxJu9Plo
戦士「お?じいさんがいるぞ!」

老人「私、ここに町作る。町作れば皆喜ぶ」

勇者「ここに町を?」

盗賊「いやいや爺さん、こんな何もない所に一から町作る気かよ!?一人で?」

老人「町作るには商人がいる。レベル低くても構わない。商人であれば良い」

戦士「商人~?」チラッ

僧侶「…!」

老人「心当たりあったら連れてきて欲しい。誰かいないものか…」

勇者「商人…か。悪いが今は心当たりねーな。まあ…見つけたらな。じゃあ行くか」

盗賊「そうだな…ほら僧侶、ボーっとしてんな、行くぞ」

僧侶「え!?あ、は、はい………町作り、か…」

397: ーー海上 2019/10/06(日) 19:59:14 ID:lxJu9Plo
盗賊「町作りに商人ねえ。心当たりはあるが、お前に今抜けられると困るからなあ」

僧侶「ええ、分かってます…」

勇者「…さて、これから何処に向かうか…あそこにノアニールがあったって事は、南東に行けばポルトガ辺りに着くのかもな」

戦士「ポルトガか、久しぶりだなー!」

盗賊「そうだな、行ってみるか…だいたい進路はこんな感じで…」

僧侶「あ、大陸が見えてきましたよ」

勇者「ここは…カザーブの西辺りか?じゃあ南下すれば良いか…」

盗賊「っておい、着く前に夜が明けそうだぞ!」

ーー79日目

戦士「あー、宿に泊まれなかったなー」

勇者「それに宿で夜を明かさねーとルーラ使えねーんだよ。時間巻き戻しになっちまうからな」

僧侶「巻き戻し…?あ、何か見えてきましたよ!あれは…ほこら?」

盗賊「あれは…テドンの北にあったほこらだな。もうとっくにポルトガより美波に来てたようだな」

勇者「ちっ、時間を無駄にしたぜ。僧侶のレベルがいくらか上がったから良いようなものの、もう時間を無駄には出来ねーんだがな…」

399: ーー海上 2019/10/14(月) 09:51:54 ID:ZJLNWqww
盗賊「じゃあ、また探索だな。あー、また西に行ってみるか?」

勇者「南はテドン、北はポルトガだからな…西しかねーな」

僧侶「あの草原から南に下った辺りですよね。何かあれば良いのですけど…」

盗賊「レベルも上がれば良いが、海の遭遇率と経験値じゃなあ」

戦士「お?おー、なんか見えてきたぞ!ほらあれ見ろよ!」

勇者「あれは…村、か?いや、村にしては少し…なんだ?」

僧侶「ちょっと様子が違うようにも見えますね…」

盗賊「…ふーん、なんだかスリルがありそうだぜ。さっそく乗り込みたいが、明日だよなあ」

勇者「ああ、仕方ないが、また東に宇美を渡ってテドンで1泊だな」

僧侶「テ、テドンですか…魔力も尽きてきたし、宿には泊まりたいですから仕方ないですね…」

戦士「あそこ朝飯ねーんだよなあ」

盗賊「気にするとこそこか?ま、確かにあそこはスリルはあるけど、そういうスリルは求めてないんだよな。良いさ、ついでにきえさりそうもみつけられるかもしれないからな…」

400: ーー夜、テドン郊外 2019/10/14(月) 09:59:49 ID:ZJLNWqww
僧侶「ああ、近くからでも分かる闇のオーラ…」ブルッ

盗賊「きえさりそうも見つからないな。てかあの魔女あんまり出てこないな」

勇者「まあ、少しでもレベルが上がったのは良かったな」

戦士レベル28「体力が大幅アップだぜー!僧侶は新しい魔法覚えたんだよな?」

僧侶レベル11「キアリーですね。最近毒を使う魔物に全然会ってないですけど…」

盗賊「ま、どくけしそう使わなくて良くなったのは良いだろ。有限だからなアイテムは」

勇者「余りまくってるけどな…」

僧侶「そしてあなほりで出てきたのはラックのたね。外れではないですけど…」

盗賊「使わないにしてもせめて装備品が良かったよなあ」

勇者「ここまできえさりそうが見つからないのは想定外だったな。また時間を見つけてあのホビットのほこら近くに行って探すしかないか…」

戦士「なーに、明日見つかるかもしれねーだろ?」

盗賊「その能天気な頭が羨ましいぜ。ま、もちろん明日には盗んでみせるがな」

僧侶「ぼ、僕もあなほり頑張りますよ!明日こそはきえさりそうを…!」

402: ーー80日目、テドン沖西部 2019/10/20(日) 20:28:40 ID:DdMdD9vs
勇者「もう80日か…」

戦士「あっという間だったな!そろそろ魔王倒してるかと思ったぜ!」

盗賊「そんなに簡単な訳ないだろ。にしてもきえさりそう出ないな…」

僧侶「ですね…あなほりも盗みも不発でした」

勇者「まあいい、仕方ねー。昨日見つけたあの村に行くぞ」

戦士「うまいもん食えると良いよなー。テドンは朝飯なかったからなー」

盗賊「大して大きくなさそうな村だったし、期待しない方が良いんじゃないか?ま、ムオルみたいに魚が美味いかもしれないけどな」

資僧侶「海が近かったですからね、もしかしたら…あ!」

戦士「お、見えてきたなあの村!…あれ?村っていうか、でかい家が一軒だけかあ?」

盗賊「そうみたいだな。昨日感じた違和感はこれか」

勇者「しかしあれだけでかい屋敷だ、誰かいるだろうし、何かあるかもしれない。行ってみる価値はありそうだな」

盗賊「そもそもいかないなんて選択肢はないだろ、なあ?」

戦士「あったりめーだろ!」

僧侶「ですね。魔物が住んでる訳でもなさそうですし。しかし大きな建物ですね、お城とかを別にして、こんなに大きな家はジパングのあのお屋敷くらいしか見たことないですよね…」

403: ーー海賊達の住み処 2019/10/20(日) 20:36:33 ID:DdMdD9vs
戦士「お?誰か人がいるぜ!おーい!」

男性「しっ!この先の家は海賊達の住み処。近づかない方が良いですよ」

盗賊「海賊?へえ、そいつは面白そうだな」

僧侶「ええ…僕は怖いですよ。魔物は居なさそうだと安心してたのに…」

勇者「しかし海賊となれば宝なんかを集めてそうだよな。オーブなんかもあるんじゃないか?」

戦士「ん?オーブってなんだったっけ?」

僧侶「伝説の不死鳥を蘇らせるために必要だという宝玉ですよ。それがあればきっと魔王の城にだって行けるはずです」

戦士「あー、そんな話だったな!」

盗賊「そんな大事なこと忘れんなよ。ま、確かに賊ってのは宝が好きだからな。この広い海を縄張りにしてるって事ならかなり期待出来そうだぜ」

勇者「ああ、だが…どうやら人影が無いようだが…」

男性「彼らはいつも夜にならないと帰ってこないですよ。だから今のうちに…」

盗賊「じゃあ出直すか。つってもそろそろ夜だけどな」

戦士「じゃあ夜まで魔物退治だな!うおー!」

男性「いや、今のうちにここを離れた方が…大丈夫かなこの人達…」

405: ーー夜 2019/10/27(日) 20:01:34 ID:fK2mLZHg
僧侶「良かったですね、外のモンスターと戦ったらてつのよろい持ってましたからね!」

盗賊「盗みじゃなく宝箱からってのと、ぬいぐるみより守備力が低いのが残念な所だがなあ」

戦士「この着ぐるみ、マジですげーんだな!」

勇者「まあ、装備品自体足りなかったからな、なんだって有り難い事には違いねー」

盗賊「さて、と…海賊達も帰ってきてるようだが…」

海賊A「なんだ、お前達は?ああ、お前達か、魔王を倒すために旅をしているってのは」

僧侶「え…僕達そんなに有名だったんですね…」

海賊A「よし、お前達を歓迎しよう。何の用だ?」

盗賊「あー、かくかくしかじかでーー」

海賊B「オーブ?ああ、確かどこかで盗んだやつがあったはずだが、どこにしまったかな…」

勇者「オーブがあるのか!?」

海賊B「ああ、見つけたら持って行っても良いと思うが…まずお頭に話してみてくれ」

戦士「おかしらぁ?」

海賊A「お頭は奥の部屋にいるよ、くれぐれも粗相のないようにな」

僧侶「海賊のお頭さんかあ…怖そうですね、うーん…」

406: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/27(日) 20:15:47 ID:fK2mLZHg
盗賊「よっしゃ、じゃあお頭の所に行くぞ。失礼します…っと、こいつは…」

女性「なんだい、あんたたち、見ない顔だね。あたいになんか用かい?」

戦士「あー?用があるのはお頭にだよ、お頭ってのはどこだ?」

僧侶「ちょ、ちょっと戦士さん…」

女性「あたいがお頭だよ。女がお頭なんておかしいかい?」

勇者「いや、おかしいというか驚いたというか…」

戦士「いやいやおかしいだろ!海賊だろ?女の海賊なんて変だろ!しかもお頭なんてよお!」

盗賊「お前…!ちょっと黙って…」

お頭「あっはっは!ずいぶんはっきり言うじゃないか、でも気に入ったよ!」

僧侶「……え?」

お頭「面白い奴らだよ、魔王を倒そうなんて思ってる奴らは違うねえ。なあ、本気なのかい?魔王を倒そうと旅してるってのは」

勇者「…ああ。必ず倒す」

お頭「手下から聞いたけど、オーブ探してるんだろ?どこかにあるから、見つけたら持って行きな。ルザミ…って知ってるかい?」

僧侶「ルザミ?いえ…」

お頭「ここから南に行って、ちょっと西にある島だよ。あそこを知ってるなんてあたい達くらいのものだろうね。行ってみると良いよ」

407: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/10/27(日) 20:24:40 ID:fK2mLZHg
戦士「おお!次の行き先まで!すげーなお頭!」

お頭「ふふ、あたいはあんた館が気に入ったからね。そうだ、魔王を倒したらまたここに寄ってみてくれよ」

勇者「ああ、約束する」

僧侶「では失礼します…はあ~、もうダメかと思いましたよ…」

盗賊「全くだよ。結果オーライとはいえお前…」

戦士「よっしゃ!じゃあオーブ探そうぜ!」

勇者「反省してねーな…まあいいがよ、そのオーブはどこにあるのか…」

僧侶「この屋敷の中には、倉庫のような所はないみたいですよね」

盗賊「じゃあ外に回ってみるか…うーん、それっぽい所はないな。あと怪しい所と言えば…」

戦士「この岩だろ!押してみるぜうおおおお!」グググ…

勇者「…!下に何か…俺も押す、行くぜ、おらあっ…!」

僧侶「よいしょお…!ああ、階段がありますよ!下りてみましょう!」

戦士「宝箱があるぜー!開けてみるぜ、おらっ!」パカッ

勇者「…!こいつは、オーブか!?ついにオーブが…!」

盗賊「赤い宝玉か、見事なもんだな、美しいぜ。しかしこれでやっとひとつ目か、あと5つ、先は長そうだぜ…」

409: ーー81日目、テドン郊外 2019/11/04(月) 20:28:44 ID:JSYZz5h6
勇者「ちっ、昨日も宿に泊まれなかったな…」

僧侶「欲張ってたら朝になっちゃいましたね…」

戦士「魔力足りねーのか?」

僧侶「いえ、僕はマホトラも使えるので、それで何とか…」

盗賊「ベホイミはホイミよりかなり魔力効率が良いらしいからな。で、だ。俺らはルザミっていう次の目的地も出来た。しかしどのくらい距離があるかも分かりゃしない」

勇者「ああ。だからとりあえず夜まではこの辺りで魔物を狩る。きえさりそうも要るしな」

戦士「今日こそ絶対見つけるぜー!」

僧侶「そして夜になったくらいにルザミに向けて出発ですよね?」

勇者「ああ、そのくらい時間を確保しとけば辿り着けないって事もないはずだ。ただ…」

盗賊「今夜も恐らく宿には泊まれないな。もちろん、途中に町でもあれば話は別だが…」

僧侶「お頭の話を聞く限り、周りに何もなさそうですよね…」

戦士「今夜も徹夜かー。飯は魚でも釣るとして、寝れないのがなー」

勇者「船に乗ったら交代で寝れば良いだろ。よし、じゃあ行くぞ。俺たちにもたもたしてる時間はないからな」

盗賊「っし!きえさりそう盗むぜー!」

410: ーー夜、海上 2019/11/04(月) 20:39:54 ID:JSYZz5h6
僧侶「結局、きえさりそうは見つかりませんでしたね…あそこの魔物達は魔法を使うのにあまりマホトラが効かないし…」

盗賊「くそっ、ほんとに持ってるのかよあの魔女!?」

勇者「あの人が言ってたから嘘ではないと思うが、確率は相当低いとも言ってたしな…」

戦士「お、見えてきたぜ、海賊の住み処がよお!」

僧侶「ですね。今日の目的地はここではないですが…」

勇者「ここから南に行って少し西、と言ってたが…まず少し西に進んでから南下した方が分かりやすそうだな」

盗賊「どのくらい南か分からないからなあ。まあとりあえず西に少し進んで…ん?あれは…!」

戦士「お?もうルザミってとこが見えたのか?」

盗賊「いや、ほら見てみろよ。あれ、見おぼえのある…」

僧侶「あ、あ、あー!あ、アリアハン大陸じゃないですか!?」

勇者「ああ、いざないの洞窟近くの森だ、あそこは…」

盗賊「で…ほら、あっちにも見えたぜ、島が。どうやらルザミとアリアハンはかなり近くにあるみたいだな」

戦士「お?じゃあルザミ寄った後アリアハンで宿に泊まれるじゃねーか!やったな!」

僧侶「ええ、良かったです。海に出てからはマホトラが効く相手も増えたとはいえ、魔力も不安でしたし…でも、こんな所にある島の人達…どんな人達なんだろう…?」

412: ーー82日目、ルザミ 2019/11/10(日) 20:42:12 ID:xHp1oqhM
僧侶「ここは…この島は…」

勇者「ムオルの村人は自分の村を最果てと呼んでたが、こここそ最果ての島だな…」

盗賊「しかし昔はでかい神殿でもあったのかねえ?この柱とか…お、島の住人だ」

女性「こんにちは旅人さん、ここはルザミ。忘れられた島ですわ。貴方達の前に旅人が来たのはどのくらい前だったかしら…」

戦士「ここがルザミで良いんだな!何もねーな!」

僧侶「戦士さん、島の人の前で…」

女性「良いんですよ。ここには本当に何もない、お店でさえ何も売っていません。でも、だからこそ他所では聞けないような話が聞けるかもしれません」

盗賊「一理あるな、都会じゃ噂話は次の、より新しく刺激的な話にかき消されちまうが、これだけの辺境ならそういうことも無さそうだ」

勇者「情報を集めてみる価値有り、か…いずれにせよ、こんな所まで来たんだ。聞けるだけ話を聞いてみるしかねーよな」

女性「ここは小さな島です。全ての人と話すのもそう時間はかかりませんよ」

僧侶「じゃあさっそく行ってみましょう!」

戦士「よっしゃー!うまいもん探すぜー!」

盗賊「そいつはあまり期待できなさそうだけどな…」

413: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/10(日) 20:55:12 ID:xHp1oqhM
勇者「ーーふう、これで全員の話を聞いたか?」

盗賊「だな。しかし本当に重要な話が聞けたんじゃないか?」

僧侶「ええ、やはり魔王はネクロゴンドの山奥。火山の火口にガイアのつるぎを投げ入れると道は開けると…」

戦士「あの預言者のじーさん、こんな所で俺らを待ってたのかよ!来なかったらどうする気だったんだ!?」

勇者「運命、って奴なんだろ。俺らがこの先ガイアのつるぎを火山の火口に投げ入れる事も、きっとな」

盗賊「で、そのガイアのつるぎをもってるのはサイモンとかいう男だって話も聞けたな。じゃあサイモンって男を探せばやがて魔王にも辿り着けるって訳だ」

僧侶「かなり…かなり魔王に近づいてる気がしますよ!ただサイモンという人がどこにいるかはわかりませんが…」

戦士「最後に話聞いた奴もなんか言ってただろ?南にある北の大陸がなんとかって。さっぱりわかんねーけどな!」

勇者「あれはおそらくへんげのつえを欲しがってた老人の事だ。…いや、何故へんげのつえの老人の事をあの学者らしき男が話した?」

僧侶「何か関係が…あ!もしかしたら、へんげのつえを持っているのはサマンオサの王様という話をあのおじいさんはしてましたよね!なら…」

盗賊「サマンオサにサイモンもいるかもしれない、ってか?流石にそれは話が飛躍し過ぎなきはするが…」

勇者「いずれにせよ、サマンオサもサイモンも手がかりがまだ足りねえ。まだまだ先は長いのかもしれないな。いや、ゴールがおぼろげにでも見えてきたのは前進したと言えるのだろうけどな…」

414: ーー夜、アリアハンの宿屋 2019/11/10(日) 21:03:04 ID:xHp1oqhM
戦士「なんだよー、勇者の家に泊まるんじゃねーのかよー?」

僧侶「いきなり押し掛けても迷惑ですよ、しかも四人も。でも勇者さんだけでも実家に戻った方が…」

勇者「………パーティーだからな。別々って訳にもいかないだろ」

盗賊「ふっ、いっぴきおおかみの勇者も成長したよなあ。やっぱりご両親に見せてやりたいよなあ?」

勇者「ヤメロ…」

戦士「成長っていえばレベルも上がっただろ勇者は!」

勇者「ああ、29になった。ベホイミも使えるようになったぜ」

僧侶「これでベホイミ使いが二人。これはもしかしたら…!」

盗賊「3度目の正直で今度こそやまたのおろちを倒せるかもな。どうだ、明日にでも行ってみるか?」

勇者「今度負けたらいよいよ装備してるモノを手放さなきゃならねえ。が、いつまでも逃げてる訳にもいかねーよな…」

戦士「俺ならいつだって行けるぜー!」

盗賊「ああ、そろそろ腹を括るときかもな」

僧侶「ええ、今ならきっと…!今度こそ、ベホイミが二人で使える今度こそ、あのモンスターを…!」

416: ーー83日目、アリアハン城謁見の間 2019/11/17(日) 19:33:34 ID:I8Wof59.
王様「ーーうむ、そうか、頑張っておるようじゃな。では、行け!勇者よ!」

勇者「はっ!…ふう、面倒な報告も終わったな」

盗賊「アリアハンに帰ってきてたのに王様に報告がありませんでした、じゃあ流石に不味いだろうからなあ。にしても、俺も僧侶達と一緒に酒場に行きたかったぜ」

勇者「酒飲みに行ったんじゃねーよ、金を預けに行ったんだ…っと」

使者「久しぶりね。面倒な報告ご苦労様」

盗賊「いやいや、おねーさんに会えるのならこっちでも悪くなかったな」

使者「順調、のようね」

勇者「装備が尽きて終わりそうだ…」

使者「あら、それなら良い話があるわ。黄金の国の多頭のドラゴンは、強力な剣を持っているとか。次に貴方達が戦いに行く相手でしょう?」

盗賊「おお、本当ですかい!?こりゃ良いぜ、現状カツカツだからなあ」

勇者「そうだな…情報、感謝する」

使者「良いのよ、そもそもこの情報が無くても戦いに行ったのでしょう?…気を付けるのよ」

勇者「ああ、分かってる」

盗賊「任せて下さいよ!へへっ、勝利の女神からお話も聞けたし、後はあの魔物を倒すだけだな!」

勇者「ああ、決着を付ける、今日な…」

417: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/17(日) 19:39:51 ID:I8Wof59.
僧侶「あ、来ましたよ勇者さん達!」

戦士「おー!遅いじゃねーか!」

勇者「王様へ報告するんだ、手早く簡潔にって訳にもいかねーだろ」

盗賊「それでも手短にやってくれた方だよな。で、金は預けたのか?」

僧侶「ええ、39000ゴールド預けて、合計97000ゴールドになりましたよ!」

戦士「10万までもう少しだぜー!」

盗賊「へえ、良いじゃないか。ま、使い道はないがな…いや、魔王を倒したらパーッとやるか?」

勇者「…ああ、倒したらな」

盗賊「おお!勇者からお許しが出たぜ!じゃあぱぱっと魔王倒しちまうか!」

戦士「おー!ごちそう食べまくるぜー!」

子分?「しゅちにくりんだー!」キャッキャッ

僧侶「…あれ?今見たことあるような女の子がいたような…?」

盗賊「気のせいだろ…多分」

418: ーーおろちの洞窟、B2F 2019/11/17(日) 19:50:58 ID:I8Wof59.
僧侶「いよいよ…目の前までやって来ましたね」

勇者「ああ、てめーら準備は良いか?」

戦士「バリバリオッケーだぜー!」ウオー

盗賊レベル29「俺と僧侶はレベルも上がったし、な?」

僧侶レベル17「ザメハを覚えましたよ。今回の戦いには必要無さそうですけど…」

勇者「王様から次のレベルアップまでどの位か聞いてたからな、上げられそうなお前らには上げてもらった。レベル上げの際に受けたダメージも回復したし…」

戦士「大してダメージ受けなかったけどな!」

盗賊「大してダメージ受けなかったって事は、転職した僧侶はともかく俺らはもうここでのレベルアップは厳しくなってきたって事でもあるよな」

勇者「ああ、ここでもたもたしてられねーって事だ」

僧侶「使者さんが言ってたという強力な剣も楽しみですけど、まずは勝たないと…今日こそ、今日こそは…」

盗賊「ああ、ぱぱっとやっちまおうぜ」

勇者「…よし、行くぞ!」

戦士「おおー!かかってこいおろちー!」

ーーやまたのおろちがあらわれた!

421: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/24(日) 20:25:45 ID:tcexFDFs
盗賊「先陣は俺が切るぜ!おらっ!」ピシャア

僧侶「僕は…スクルトから…!」ギュウウン

勇者「初っ端からぶちかますぜ、ライデイン!」ズガーン

やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!やまたのおろちのこうげき!

戦士「くううっ、痛てえー!でも負けねーぞおらあっ!」ザクッ

僧侶「またスクルトを…」ギュウウン

勇者「今度は鞭だっ、おらっ!」ピシャア

やまたのおろちのこうげき!やまたのおろちのこうげき!

盗賊はすばやくみをかわした!

盗賊「へっ、当たるかよそんな攻撃!」

戦士「おおー!みかわしのふく着てるだけあるなー!」

僧侶「さすが盗賊さん!…スクルトはもう良いかな?なら効くか分からないけどーー肌よ、肉よ、鱗よ、全て等しく軟化せよ!ルカニ!」ミュウウン…

勇者「…効いてるぞ!畳み掛けるぞ!」

戦士「うおおー!行くぜー!」

422: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/24(日) 20:32:49 ID:tcexFDFs
やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!

僧侶「くっ…ベホイミ!」パアアア…!

盗賊「おっ、さすがだぜ、ホイミとは違うな!そらあっ!」ピシャア

やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!やまたのおろちのこうげき!

僧侶「くっ…まずい…」ヨロッ

勇者「お前は防御してろ!ベホイミ!」パアアア…!

僧侶「あ、ありがとうございます!」

勇者「今倒れられたら困るんだよ!おらっ!」ピシャア

戦士「行くぜー!」ザクッ

やまたのおろちのこうげき!やまたのおろちのこうげき!

戦士「い、逝くぜー…」フラフラ

僧侶「戦士さん!ベホイミ!」パアアア

盗賊「へっ、敵さんも必死だな!」

勇者「当たり前だろ、俺らと一緒でな…らああっ!」ビシィッ!

423: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/24(日) 20:36:43 ID:tcexFDFs
やまたのおろちのこうげき!やまたのおろちのこうげき!

盗賊はすばやくみをかわした!

盗賊「だからそうそう当たらないってんだ!そらっ!」ピシャア

勇者「くっ、俺はもろに当たっちまったぜ…」

僧侶「大丈夫です!ベホイミ!」パアアア

やまたのおろちのこうげき!やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!

僧侶「あ、まずい…」

勇者「お前は体力ねーんだから無理すんな!ベホイミ!」パアアア…

戦士「しぶてーな!おらおらおらー!」ガガン

盗賊「しゃあっ!」ピシャア

やまたのおろちのこうげき!やまたのおろちのこうげき!

勇者「くっそ…おらあああっ!」ビシィッ!

ーーやまたのおろちをやっつけた!

425: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/30(土) 23:07:55 ID:rA5zDG16
戦士「よっしゃー!倒したぜー!」

僧侶「3度目の正直ですね。あ、そういえば強力な武器があるって…」キョロキョロ

盗賊「へっへっへっ、探し物はこれか?」チャッ

僧侶「おお!その剣が…!盗賊さん、盗んでたんですね!」

盗賊「ああ、俺の手にかかれば何てこと…」

勇者「おい!やまたのおろちが動き出したぞ!」

僧侶「え、ええっ!?」

戦士「まだやる気なのかー!?」

勇者「いや待て、なんだあいつの後ろにある…旅の扉か?くそっ、逃げる気だ!」

戦士「追いかけるんだろ?行くぜー!」ミュイーン

僧侶「ええ、行きましょう!」ミュイーン

盗賊「おい、もうちょっとこの剣を盗んだ俺を褒め称えろよ!…ちっ、仕方ねえ、行くぜーっ!」ミュイーン

426: ーー夜、ジパング 2019/12/01(日) 09:55:48 ID:9KK/FtN6
勇者「ここは…ジパングか!?ジパングのあの屋敷、何故こんな所に…」

近習「ヒミコ様!ヒミコ様がおケガを!ああ、なぜこんな事に…!?」

僧侶「こ、このタイミングでこのケガって…!」

盗賊「ああ。おい、ヒミコさんよ…」

ーーわらわの正体を知っているのはお主らだけじゃ…

戦士「ななななんだぁ!?頭に声がしてきたぞ!????」

勇者「これは…お前が…!」

ーー黙ってさえいれば悪いようにはせぬ。良いな?

僧侶「そんな事…!でも僕らも消耗してるし、ここは…え?勇者さん!?」

勇者「ベホイミ…全員回復したぞ。こいつはここで仕留める。さあ、正体を表せよやまたのおろち!」

盗賊「ああ、今日パパっと倒すって決めたからな!」

戦士「うおおー!今度こそトドメさしてやるぜー!」

ーーホホホ!ならば死ぬがよい!

ーーやまたのおろちがあらわれた!

僧侶「れ、連戦するんですか!?まだ魔力はあるけど、でも…ああもう!いきます!」

427: ーー夜、ジパング 2019/12/01(日) 10:05:10 ID:9KK/FtN6
盗賊「先手必勝だ!そらっ!」ピシャア

僧侶「魔力余裕がない訳じゃないけど、あまり長引かせたくない…なら、ルカニから!」ミュイーン

戦士「おっしゃー!これで攻撃がガンガン通るぜー!」ザクッ

勇者「ああ、とっとと攻めてさっさと終わりだ。おらっ!」ビシィッ

やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!やまたのおろちのこうげき!

盗賊はすばやくみをかわした!

盗賊「甘い、甘いね!もうお前の攻撃は見切って…」

やまたのおろちのこうげき!やまたのおろちのこうげき!

盗賊「げふっ!み、見切って…」

僧侶「見切ってないじゃないですか!ベホイミ!」パアアア…

やまたのおろちのこうげき!やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!

勇者「ちっ、死物狂いだな!こっちも一緒だがな!らあっ!」ピシャア

僧侶「スクルト!そしてもう1回スクルト!これでかなり楽になるはず…!」

やまたのおろちのこうげき!やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!

戦士「うおー!あちーあちー!」

428: ーー夜、ジパング 2019/12/01(日) 10:09:54 ID:9KK/FtN6
僧侶「せ、戦士さん!ベホイミ!手負いのはずなのに、まだこんな力が…」

盗賊「いや、手負いには違いないはずだ。怯まずに攻め続けるぞ!」

勇者「ああ、僧侶、回復は任せたぞ!戦士、突撃だ!」

戦士「うおおー!やってやるぜー!」ズガン

やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!やまたのおろちはひのいきをはきだした!

僧侶「…!火の威力が弱まってる…!い、いけますよ!」

勇者「ああ、もう一踏ん張りだ、うらあっ!」ピシャア

戦士「行くぜー!くたばれこの野郎ー!」ズガッ

ーーやまたのおろちをやっつけた!

盗賊「うっし!今度こそ倒したぜ!だが…肝心な事を忘れてたな…」

僧侶「ええ…せっかく手に入れた剣、装備し忘れましたね…」

勇者「まあ、倒せたから良いがな…こんなミスはこれっきりにしたい所だぜ…」

431: ーー84日目、ジパング 2019/12/08(日) 19:46:42 ID:ONLB9lTI
僧侶「無事やまたのおろちを倒して、この国も平穏を取り戻すでしょうね。今は大騒ぎですけれども…」

戦士「すげー剣も手に入ったしな!」

勇者「剣もだが、一番はこのオーブだな。6つのうち二つ目のオーブだ」

盗賊「やったな!まさかオーブがあるとは思わなかったが、この国を平和にしたご褒美って所かな」

僧侶「情けは人の為ならず、ですね。それで剣は誰が…」

戦士「俺だー!俺が装備するぞー!」

勇者「そして戦士が使ってたてつのやりは僧侶が持っててくれ。俺が装備しても良いが…」

盗賊「この前全滅した時お前が商人に戻った時用のどうのつるぎ捨てちまったんだよなあ」

僧侶「そ、そういえばそうでしたね。剣は手に入りましたけど、予備の装備品が少ない事態には変わらないですね…」

戦士「で、今日どこ行くんだ?あてはあるのか?」

盗賊「ああ、それだがな。今日は俺に任せてくれ。ちょっと気になる所があってな」

勇者「まあ、他にあてもないしな。しかしいよいよ行く場所が無くなってきた感じだな…」

432: ーーエジンベア沖西部 2019/12/08(日) 19:54:20 ID:ONLB9lTI
戦士「おいおい、こんな何もない田舎の城に何の用だ?」

盗賊「この城に用はねえよ、あるのはこの西だ」

僧侶「あの、商人を探していたご老人の…」

盗賊「いや、あそこより更に西…なんだが、おそらく徒歩では行けなくてな。まあ、行ってみようぜ」

勇者「あの草原より西…内陸に何かあるかもしれないって訳か…うお!?」

ーーヘルコンドルがあらわれた!

盗賊「はっ!こんな敵、今更わけないぜ!おらっ!」ビシィ

戦士「うおおー!試し斬りだー!」ズバッ

ーーヘルコンドルたちをやっつけた!

僧侶「そ、その剣凄い切れ味ですね!」

戦士「初めて100ダメージ超えたぜー!」ウオー

勇者「100ダメージ?しかし本当に強力な剣だな、あの強敵を倒した甲斐があったってもんだな」

盗賊「だな。よっし、この勢いでまだ見ぬ地まで一直線だぜ!」

433: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/12/08(日) 20:00:38 ID:ONLB9lTI
勇者「ったく、夜になるの早すぎだぜ!」

戦士「おーい、川めっちゃ枝分かれしてるけど大丈夫かー?」

盗賊「任せろ!次は…こっちだ!」

僧侶「わあ、どんどん進んでいく…よく間違えないですね、複雑な上に暗いのに」

盗賊「盗賊のカンってヤツよ!このまま進めば…ほら、見えてきたぜ!」

戦士「おー!村だ村だ!」

勇者「無事今日中に着けたな。さて、早速行ってみるか」

ーースーの村

盗賊「ずいぶん小さな村だな。ただ、あのくそ田舎の城と違って宿はあるみたいだな」

僧侶「よ、良かったです、おろち2連戦からほとんど休んでないから、魔力が…」

勇者「よし、今日はもう休んで、村の探索は明日だな。この小さな村でどれだけの情報が手に入るかは少し不安だが…」

435: ーー85日目、スー 2019/12/15(日) 16:56:55 ID:dizgFWAc
盗賊「さてと。小さな村だけど、結構情報あったんじゃないか?」

勇者「だな。まずかわきのつぼ。東の浅瀬で使えば良いと言ってたが、おそらく一度近くを通ったあの浅瀬だ」

戦士「でも東から来た奴らが持ってっちまったって言ってたぜ!」

僧侶「東、というとおそらくエジンベアですよね。ランシールではきえさりそうを持ってたらエジンベアに行くように言われましたし…」

勇者「話が繋がってきたな。きえさりそうがあればエジンベアの城に入れるはずで、かわきのつぼはおそらくそこで手に入るはずだ」

盗賊「で、浅瀬に行く、と。今までの流れで行くと、そこでオーブかオーブを手に入れる為の何かが手に入るんじゃないか?」

戦士「やまびこのふえの話も聞いたぞ!」

僧侶「やまびこのふえを吹いて山彦が返ってきたらそこにオーブがある、という話でしたよね。すごく便利そうですけど、やまびこのふえがどこにあるかは…」

勇者「となると、俺らが次にやるべきは…きえさりそう探し、だな」

盗賊「ああ、もうこれ以上は先伸ばし出来ないな。でも問題ない、俺がパパっと盗んでやるさ」

戦士「あなほり頼むぞ僧侶!」

盗賊「おい!俺を頼れよ!」

436: ーーホビットのほこら 2019/12/15(日) 17:02:58 ID:dizgFWAc
ホビット「お、なになにまた来たのー?きえさりそう見つからないんだー?」

猫「にゃーん?」

戦士「いいえ!久しぶりだぜアネキ!なかなか見つからなくてよー!」

猫「にゃーん?」

盗賊「いいえ。で、きえさりそう探しのついでに寄ったって訳だな。ここに寄れば、ここに入る前と後、両方であなほり出来るからな」

猫「にゃーん?」

勇者「いいえ。まあ、悪あがきレベルだけどな。見つからない事には先に進めないから仕方ねー」

ホビット「そっかー。ま、私も見つかるように祈ってるよ!ガンバ!」

猫「にゃーん?」

僧侶「いいえ。ありがとうございます。今日見つかれば良いんですけど、2日3日は覚悟してます」

戦士「じゃー行ってくるぜアネキ!元気でな!」

ホビット「バイバーイ!頑張ってね!」ノシ

猫「にゃーん…」

437: ーーホビットのほこら周辺 2019/12/15(日) 17:10:06 ID:dizgFWAc
盗賊「さーてと、一丁盗みとするか!」

僧侶「ではまず僕はあなほりを…」ザッザッ…

戦士「でもよー、見つかるまでモンスター倒し続けるっつってもよお、疲れたらどうするんだ?」

勇者「まあ、2、3日経てば魔力もなくなるだろうしな。そうなったらノアニールかムオルの近い方に行く事になるが…」

盗賊「どっちが近いだろうな?なんとなくだが、ノアニールの方が近そうではあるけどな」

勇者「まあ、とりあえずノアニールって事にして…」

僧侶「み、皆さーん!見つけましたよ!き、きえさりそう!」

盗賊「へ?マジか!?」

僧侶「は、はい!やっぱりあなほり回数をちょっとだけど増やした甲斐がありましたよ!」

勇者「っし!これで先に進めるぜ!流石だな僧侶!」

戦士「あなほりすげえー!盗みとは違うな!」

僧侶「ありがとうございます!ありがとうございます!」

盗賊「い、いやお前ら盗みだってな…おい、聞いてるか!?盗みだってなあ、盗みだってなあ…」

441: ーー86日目、エジンベア城 2019/12/23(月) 14:28:46 ID:dSEpARZs
盗賊「ふっ、やはり見るべき者が見れば分かるんだな、俺の仕事ぶりが…上質を知る人、ってやつか」フフン

勇者「…一応言っとくがな、こいつは最近全然盗んでねーのが問題なんだよ。お前、最後に盗んだのいつだよ?」

盗賊「おいおい、つい先日くさなぎのけん盗んだばっかりだろ!」

戦士「あんなの誰でも見つけられただろ!おろちのしっぽからはみ出てたのお前が真っ先に見つけただけじゃねーか!」

盗賊「その真っ先に見つけるのが偉いんだろ!」

僧侶「くさなぎのけんの前となると…73日目のちからのたねとどくがのこなですね」

勇者「もう半月近く盗んでねーだろ…」

盗賊「あ、あーっと、ところでだな、これからきえさりそう使ってこの城の中に忍び込むんだけどよ」

僧侶「強引に話題を変えましたね…」

盗賊「うるせえ!良いか、きえさりそうは1つしかないんだからな、間違って城から出たりするなよ!またきえさりそう探しに戻るからな!」

勇者「ああ。また僧侶にあなほりしてもらうのも悪いからな」

戦士「大変だったもんな僧侶!」

盗賊「いやいや、次は俺が盗むからな!?」

僧侶「はは…じゃあ行きましょうか。このお城の中にきっとかわきのつぼがあるはず。それがあれば、きっと…」

442: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/12/23(月) 14:42:34 ID:dSEpARZs
勇者「中に入ってしまえば、追い出されるような事はないみたいだな」

僧侶「そうですね。田舎者呼ばわりが酷いですけど…」

盗賊「なんのために門番はあんなに厳しかったんだろうな?まあ良いか、それより肝心のかわきのつぼだけどよ」

戦士「地下にある床がなんとかかんとかだったな!」

勇者「全然分かってねーじゃねーか…まず
、地下室には3つの岩があって、それを青い床に並べると何かが起こるらしい」

僧侶「その話とかわきのつぼがここにあるという情報、ここで聞いた海に沈んだという浅瀬のほこらの話、スーで馬から聞いたかわきのつぼを使う場所…」

盗賊「更に、場外にいたガキから聞いたさいごのかぎはほこらにあるらしいって話。全てが繋がった感じがするな」

勇者「おそらく、ここの地下にはかわきのつぼがある。そしてかわきのつぼを西の浅瀬で使えば…おそらくさいごのかぎってのが手に入るはずだ」

戦士「おおー!…で、そのカギどこで使うんだ?」

僧侶「僕が昔聞いた話では、さいごのかぎはどんな扉でも開けられるはず。おそらく牢屋の扉も…となれば、かなり使うべき場所はおおそうですけど…」

勇者「とりあえずはランシールだろうな。あそこには入れない神殿があった。そしてきえさりそうがあったらここへ向かうように言われたのもあそこだ」

戦士「おおー!繋がってきたな!」

盗賊「だからさっきそう言ったじゃねえか!ま、それより今の問題はだ。ここの床に岩を並べるってのが一筋縄ではいかなそうって事だよな。ま、俺にかかればちょちょいのちょいだろうけどな!」

僧侶「こういうのは盗賊さんが得意そうですよね。でもここの王様も何代も前から解けてない謎だと言っていたし、簡単に出来るものなのか…少し不安ですよね」

443: ーーエジンベア城地下室 2019/12/23(月) 14:54:05 ID:dSEpARZs
盗賊「さーてっと。どんなもんかねえ?」

戦士「おお!?これ押しすぎたら水の中に落としちまうじゃねーか!」

勇者「慎重にやらないといけねーな。さて、まずは左の岩から動かすか?」

商人「えーと、まずはこれをこっちに動かして、更にこっちを…あ、これじゃダメだ!」

盗賊「岩に囲まれちまうな。ふむ…少し考えさせてくれ」

戦士「おいおい、大丈夫なのかあ?」

僧侶「まあ、失敗したらこの部屋に入りなおせば良いらしいですし…でも入りなおすとまた最初から出来るって不思議ですね」

勇者「魔法かなんななんだろ。この城も歴史や伝統だけはあるみたいだしな。その割りには、スーから略奪したかわきのつぼの事もろくに覚えてないようだったが…」

僧侶「歴史が長いから、なんでしょうかね?それとも、そういう略奪を日常茶飯事に…」

盗賊「よし、分かったぞ!まずこれをここまで押して、それから俺らが右にぐるっと周って、右の岩を押して、それから…」

戦士「おお!?どんどん青い床に並んでいくぞ!」

僧侶「この調子なら3つ目も…並べました!」

ゴォン!

勇者「なんだ!?今何かでかい音が…よし、行くぞお前ら!さて、なにが出てくる?素直に壺が出てくるか、それとも…」

444: ーーエジンベア城地下室 2019/12/23(月) 15:01:46 ID:dSEpARZs
盗賊「どうやら奥から聞こえてきたな。奥に行ってみよう」

僧侶「奥に…あれ?こんな所に通路ありましたっけ?」

勇者「さっきまではなかったはずだな。その証拠に…」

戦士「ぐああっ、カビくせー!」

僧侶「…確かに、もう長い間使われてなかったんでしょうね」

盗賊「って事はだ、この城の奴らが長年解けなかった謎が解けたって事だ。そして…」

勇者「ここに隠されていたものは…これだな」パカッ

僧侶「これは…壺ですよ!古い、本当に古い壺です!」

戦士「うおおー!すげーな!盗みはてんでダメだけど謎解きはすげーぞ盗賊!」

盗賊「一言余計なんだよ!ったく、ま、これで道が繋がったな。俺らの行くべき道がな」

勇者「ああ、早速西の浅瀬に行こう。そこにおそらくさいごのかぎが、そして更に先へと行けるようになるはずだ」

かわきのつぼをてにいれた!

446: ーー海上 2019/12/30(月) 22:24:20 ID:zieTpQmM
盗賊「ふう、やっと仕事納めたぜ。こんな今年ギリギリまで働かせるなよな」

僧侶「なんの話ですか…それより、夜明けまでにあの浅瀬に着けるでしょうか?」

勇者「厳しいな…もし着けなきゃペナルティになるが…」

僧侶「装備品捨てるようですよね…あの剣が手に入ったとはいえ厳しいですね…」

戦士「んー?でもあれ、あの浅瀬じゃねえか?ほらあそこさー」

盗賊「マジか!?暗くて見えねえが…おお!確かにそうだな!ギリギリ夜明け前に着きそうだぜ!」

僧侶「間に合いましたね!さて、ではここでかわきのつぼを…おお!」ザザザザザ…

勇者「マジか、海の水が壺に吸い込まれて…あれは!?」

戦士「おおおー!海の中からほこらが出てきたぞ!」

盗賊「出てきたんじゃねえよ、水が引いて見えるようになったんだ。いや、見えるだけじゃないな、これは入れるぜ」

僧侶「こ、これがエジンベアで聞いた海に沈んだほこら…!じゃ、じゃあお宝も本当にあったりするんですかね!?」

勇者「落ち着けよ、お宝はあるかもしれねーって話だけだったろ。まあなんにせよ入ってみるしかねーけどな。さて、何が待ってるか…」

447: ーー浅瀬のほこら 2019/12/30(月) 22:34:04 ID:zieTpQmM
戦士「おお、中は広いな!」

僧侶「本当に…でも、こんなに広いんだからお宝がザクザクあっても良いのに…」

盗賊「良いのかよ僧侶がそんな煩悩まみれでよ。ま、同感ではあるけどな」

勇者「いや、お宝ならあるみたいだぜ、ほら、部屋の真ん中に…」

戦士「おー!宝箱だな!開けて良いのか?」

盗賊「重要そうだし良いだろ。待ってな…よし、開いたぜ」パカッ

戦士「なんだあ?こんなでかい箱の中に鍵が1つだけかよ!」

僧侶「いや、待ってください。このカギ…まさか伝説のさいごのかぎ!?」

盗賊「さいごのかぎ!?それは俺も聞いたことあるぜ、全ての扉を開けられるっていう全世界の盗賊垂涎の逸品じゃねえか!」

勇者「て事はこれがあればランシールの神殿にも入れるって事か。これでついに…」

戦士「先に進めるじゃねーか!なあおい!」

僧侶「ですね!最近いろいろ手詰まりだった感じがしてましたけど、やっと先が見えてきましたよ…!」

ーーさいごのかぎをてにいれた!

448: ーー87日目、ランシール 2019/12/30(月) 22:46:10 ID:zieTpQmM
盗賊「…で、勢いでランシールに来ちまったけど、今日はフリーなんだよな」

勇者「外から見た限り、多分だが神殿の先はダンジョンだろうからな。さて、どこに行くか…やっぱり少し経験値稼ぎしておきたいが…」

戦士「なあ、あのほこらの奥の骨が言ってたネクロゴンドとかいう所には行かねーのか?」

僧侶「いや、だからそこに行くためにオーブを集めてる訳でして…それより行き先ならあのダーマの奥にあった塔はどうですか?たしかガルナの塔とかいう…」

盗賊「あそこにか?今更あそこに行ってもなあ」

勇者「いや、確か2階以上はほとんど行ってなかったよな。良い機会だし行ってみても良いかもな」

盗賊「ああ、確かになあ。でもそれなら他にも塔がなかったか?ほらあのムオルの東にあったやつ」

勇者「あそこも良いかもしれないが、もし僧侶がレベル20まで上がったらそのままダーマに行けるからな、ガルナの方が良いだろ」

盗賊「なるほど、なら今日はガルナに行くかあ」

僧侶「今日はまだ始まったばかりですし、ルーラが使えますからね。じゃあまずはダーマに飛びましょう!」

戦士「久しぶりだなーあそこ。飯が質素でもの足りねーんだよなあ」

盗賊「俺は好きだけどな、転職希望の若いねーちゃん達もいるしな。よっしゃ、じゃあダーマ、そしてガルナへ行くぜ!」

450: 明けましてー 2020/01/05(日) 20:03:20 ID:gXMXubhs
ーーガルナの塔、2F

盗賊「はあ…こちとらもう仕事始めだよ」

戦士「儚い休みだったな!」

僧侶「ま、まあそれでも結構休め…」

ーースカイドラゴンがあらわれた!ガルーダがあらわれた!まもののむれはいきなりおそいかかってきた!

スカイドラゴンはもえさかるかえんをはいた!ガルーダはベギラマをとなえた!

盗賊「うおおっ!?なんだよおい!」

勇者「ごちゃごちゃ喋ってるから攻撃されるまで気付かなかったんだよ!らあっ!」ピシャッ

戦士「いってーなあ!うおおおっ!」ザシュッ

僧侶「こ、このおっ!」ボコッ

ーーまもののむれをやっつけた!

盗賊「ふう、しかし不意討ちとはな…なかなかのスリルだったぜ」

商人「少し散漫でしたね。気を付けないと…ここのモンスター結構強いですしね…」

451: ーー5F 2020/01/05(日) 20:11:25 ID:gXMXubhs
戦士「上ったり下りたり…ここ何階だあ?」

僧侶「確か5階です。たぶん…」

盗賊「しかしここは銀色のヤツがたくさん居るんじゃないか?なかなかの稼ぎポイントだぜ」

勇者「そうだな。だがだからこそどくがのこなの使い方に気を付けないと、すぐに無くなりそうで…出たぞ!」

ーーしびれあげはがあらわれた!メタルスライムがあらわれた!

盗賊「っし、どくがのこなは任せろ!」バサバサ…

しびれあげははこんらんした。しびれあげはのこうげき!メタルスライムをたおした!

戦士「おおっしゃあー!もう一匹倒すぜー!」ギャギン!

勇者「おらあっ!」ピシャッ

ーーまもののむれをやっつけた!

僧侶「やった!2匹倒せましたね!そして…僕のレベルも20になりましたよ!」

盗賊「マジか!ついに20か、これでまた商人だな!」

勇者「覚えた呪文は…バシルーラか、まああれば便利か」

戦士「じゃあダーマに戻るんだな?」

僧侶「ええ!戻って転職しますよ!また商人に…」

452: ーーダーマ神殿 2020/01/05(日) 20:18:49 ID:gXMXubhs
商人「…なんだかすごく久しぶりな気がします」

戦士「懐かしい格好だな!」

勇者「防具は変わってねーじゃねーか…武器はてつのやりになったがな」

盗賊「改めて再出発だな。しかしあの塔は実入りが良かったぜ。俺はすばやさのたねと、それからこのてつのつめを盗めたぜ!」ドヤッ

商人「装備品が盗めたのは良かったですね!僕はあなほりでキメラのつばさ、いのちのきのみ、まんげつそう、かしこさのたね、どくがのこなを見つけましたよ!」

戦士「やっぱりあなほりの方がすげー!」

盗賊「そ、装備品は俺だけだろ!」

勇者「まあ実際装備品は助かるからな。そして宝箱からどくがのこなをもうひとつ手に入れたな。アイテムでいえば大豊作だ」

商人「そもそもダンジョンにこもるのが久しぶりですからね」

盗賊「よし、じゃあ夜明け前までこの辺で魔物退治しないか?商人に戻ってすぐだからちょっと戦えばレベルバンバン上がるだろ」

勇者「そうだな。じゃあ行くか。また銀色のヤツでも倒せたらもうけものだからな…」

455: ー88日目、ランシール 2020/01/12(日) 22:06:57 ID:.YxC.mx2
戦士「またここに戻ってきたな!」

盗賊「さいごのかぎも持ってきたし、いよいよ神殿に入れるんだな」

商人「神殿、どんな所なんでしょうね。あ、さっき外でせいどうのたてを見つけましたよ!」

勇者「やったな。盾は少いからな」

盗賊「俺らが持ってたのはかわのたて1つだけか。もうどこで見つけたか覚えてないな…」

戦士「っしゃー!神殿に行くぜー!たのもー!」

盗賊「道場破りかよ…」

神官「よくぞ来た盗賊よ!お前はたった一人でも戦う勇気があるか?」

商人「ひ、一人!?ここから先は一人なんですか?そんな…」

盗賊「ああ!スリルありそうだしな!」

勇者「…大丈夫なのか?本当に」

盗賊「任せとけって!…何より、最初に偵察するなら盗賊の俺だろ?じゃ、行ってくるぜ」

戦士「頑張れよー!」

456: ー地球のへそ、B1F 2020/01/12(日) 22:16:36 ID:.YxC.mx2
盗賊「さーてと、入ってはみたものの、一人で魔物の相手は骨が折れそうだが…おっと」

キラーエイプがあらわれた!ハンターフライがあらわれた!

盗賊「こいつらは…まあいい、そらっ!」ピシャッ

ハンターフライのこうげき!キラーエイプのこうげき!盗賊はすばやくみをかわした!

盗賊「はっ、甘い甘い!おらっ!」ピシャッ

ハンターフライをたおした!ハンターフライをたおした!

キラーエイプのこうげき!

盗賊「ちっ、こいつの攻撃はちょっと痛いな…そらあっ!」ピシャッ

ーーまもののむれをやっつけた!

盗賊「よし!ここのモンスターはそんなに強くないのか?ま、一人で進める程度の強さって事なんだろうが…さて」

ベビーサタンがあらわれた!

盗賊「こいつもたいしたことないな!そらそらあっ!」ピシャシャッ

ベビーサタンたちをやっつけた!

盗賊「よし、この調子でどんどん進むぜ!これなら最後まで行けるんじゃないか?最後がどこなのか知らないけどな」

457: ー地球のへそ、B2F 2020/01/12(日) 22:26:54 ID:.YxC.mx2
盗賊「なんだここは!?だだっぴろいな!こりゃあどこに進めば良いか…とりあえず北だな!…っしゃ!階段だぜ!」

ーーB1F

盗賊「行きどまりかよ!次だ次!」

ーーB2F

盗賊「まずは戻って…ここから東だ。こっちは…」

ーーアントベアがあらわれた!ハンターフライがあらわれた!

盗賊「ちっ、アリクイ野郎4匹かよ!おらおらあっ!」ピシャシャッ

アントベアのこうげき!ハンターフライはギラをとなえた!

盗賊「くっ、呪文はキツいぜ!おらっ!」ピシャシャッ

アントベアをたおした!アントベアをたおした!アントベアはにげだした!

盗賊「へっ、レベル低いからなこいつらは!おらっ!」ピシャッ

ーーまもののむれをやっつけた!

盗賊「へへっ、強いな俺は!おっ、更に階段を見つけたぜ、ここはーー」

ーーB1F

盗賊「ってまた行きどまりかよチクショウ!いや宝箱はあるけど、あるけどよお…!」

459: ー地球のへそ、B3F 2020/01/12(日) 22:37:11 ID:.YxC.mx2
盗賊「へっ、地下2階の北東に見つけた下り階段を下りてみたが、こいつはビンゴのようだな。さてーー」

ーー引き返せ!

盗賊「うおっとお!?なんだ、石像が喋ったのか?びっくりさせやがるぜ!」

ーー引き返せ!引き返せ!引き返した方が良いぞ!引き返せ!

盗賊「うるせーな!戦士並みにうるさいぜ、全く。しかしこれほど引き返せと言ってくるんだ、ものすごいお宝がこの先にはーーねえ!?」

ーーふぉっ、ふぉっ、ふぉっ。お主の勇敢さだけは認めてやろう。だが向こう見ずなだけでは勇気とは言えん。時には人の言葉に耳を傾ける勇気も必要じゃよ。

盗賊「………はっ、御高説ありがたいね!だが俺には分かってるぜ、ここには絶対にお宝があるってな!だが問題は、だ」

ーーマージマタンゴがあらわれた!マッドオックスがあらわれた!

盗賊「問題はこのまま進むべきかどうかだ。やくそうも残り少ないが、お宝もおそらく間近にあるはずだ。進むべきか退くべきか、ここはーー」

460: ーランシール 2020/01/19(日) 20:56:29 ID:KeC9z3Bw
神官「よくぞ戻った、盗賊よ!」

戦士「おおー!遅かったな!心配しちまったぞー!」

盗賊「はっ、お前に心配されるほどやわな俺じゃないぜ」

神官「これこれ、仲間内で騒がぬように…お主は勇敢だったか?いや、それは自身が一番分かっているだろう。さあ、行くがよい」

勇者「…で?成果は?」

盗賊「ああ、こうして無事に帰ってきたぜ!」ドヤッ

商人「…えっと、あ、ああー、よ、良かったですね…」

盗賊「そんな微妙なリアクションするなよ!確かに持って帰る物は何も無かったが、偵察は確かにしてきたぜ。で、だ。商人、お前次行ってみろよ」

商人「え!?ぼ、僕ですか!?」

勇者「確かに商人は回復も出来るしアイテム探しも出来る。だが転職直後でまだ本調子とは言えねーだろ」

商人「レベル12ですね…」

盗賊「大丈夫だ、転職後のレベル12は普通のレベル12じゃないだろ?それに敵の強さも控え目だ、行ける行ける!いざとなったら逃げまくればなんとかなるしな!」

戦士「おおー!頑張れ商人ー!」

商人「じゃ、じゃあ行ってきます。本当に大丈夫かなあ…?」

461: ーー地球のへそ、B3F 2020/01/19(日) 21:03:57 ID:KeC9z3Bw
商人「…ふう、地下2階の広さには面食らったけど、盗賊さんに教えてもらった通りに進んできたらなんとかここまで来られたぞ。次はこの別れ道を右にーー」

ーーまじょがあらわれた!

商人「ま、ままま魔女!?この人達呪文は効きづらいし、僕のパワーじゃ一撃で倒せないし…仕方ない、それっ!」ザグ

まじょはベギラマをとなえた!まじょはベギラマをとなえた!

商人「わー!?や、やっぱり呪文が強烈だ、でも攻撃するしか…それっ!」ザクッ

まじょはベギラマをとなえた!まじょのこうげき!

商人「べ、ベホイミ…そして攻撃だ!このっ!このっ!このっ!このっ!」ザクザクザクッ

ーーまじょたちをやっつけた!

商人「な、なんとか勝てた…またベホイミ使わなきゃ…ああ、他の人が持ってるやくそうも渡して貰うんだったなあ。回復で魔力が尽きそうだ…」

462: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/01/19(日) 21:14:32 ID:KeC9z3Bw
ーー引き返せ!引き返した方が良いぞ!引き返せ!

商人「こ、これはプレッシャーだなあ…盗賊さんが辿り着いた所は何も無かったらしいけど、こっちは…あ!」

ーー引き返せ!

商人「た、宝箱があるぞ!開けてみよう…おお!」

なんと ブルーオーブをてにいれた!

商人「やった!皆さんやりましたよ!オーブです!これで4つ目のオーブだ。あと2つかあ、もうすぐだなあ。でも…とりあえず無事に帰らないと。魔力もかなりこころもとないし…」

ーースカイドラゴンがあらわれた!

商人「う、うわあっ!これは強敵だ…ここは慎重に、まずはラリホーで…」

スカイドラゴンをねむらせた!

商人「よし!でも直接攻撃すると起こしちゃうから…霜と雪の主よ、凍えるその手で敵を包め!ヒャダルコ!」ピキーン

スカイドラゴンはめをさました!

商人「わ、気を付けてたのに!でももう少しのはず、とりゃあ!」ガッ

ーースカイドラゴンをやっつけた!

商人「はあ~…なんとか倒せた…でもかなり魔力を使っちゃったなあ。無事に戻れるだろうか…」

463: ーー地球のへそ、B1F 2020/01/19(日) 21:22:37 ID:KeC9z3Bw
商人「な、なんとかここまで辿り着いたけど…もう体力も魔力も…」

ーーアントベアがあらわれた!ハンターフライがあらわれた!

商人「も、もう戦えない、逃げる!」ダカダカダカ…

しかし まわりこまれてしまった!アントベアのこうげき!ハンターフライはギラをとなえた!

商人「に、逃げられない!?盗賊さん、逃げられるのは盗賊さんのレベルだからじゃないか!転職後の僕じゃ逃げられないですよ!でももう一度…!」

ーー商人はにげだした!

商人「な、なんとか逃げ出せた…恨みますよ盗賊さん…」

ーーメタルスライムがあらわれた!ベビーサタンがあらわれた!

商人「あ、あの銀色は…!で、でもあの小悪魔達を相手出来ない、逃げよう!」

ーー商人はにげだした!

商人「よし、ちょっともったいなかったけど仕方ない、さあ出口へ…」

キラーエイプがあらわれた!さまようよろいがあらわれた!

商人「ダメだ、逃げよう!」

ーー商人はにげだした!

商人「も、もう限界だ…でももう少し、あと少しで外に出られるはず、なんとか、なんとか辿り着かないと…」

465: ーーランシール 2020/01/26(日) 19:50:15 ID:yZQ4V53A
盗賊「お、戻ってきたようだぜ」

商人「た、ただいま…なんとか帰りました…」フラフラ…

戦士「うおおー!大丈夫なのか!?頑張ったなー!」

勇者「ボロボロになってまでよくやってくれたぜ。ありがとよ」

盗賊「なんか二人とも俺の時と態度違うんじゃねえか…?」

商人「も、持ってきましたよ…この…ブルーオーブを…」

戦士「おおおー、すげーぜ商人!仕事したぜー!」

勇者「ああ、これで3つ目だな」

商人「え…?ああそっか、僕、いっぱいいっぱいで勘違いしてたけど、まだ3つ目かあ…」

盗賊「いや、これからすぐ4つになるさ。疲れてる所悪いが、テドンに行くぞ」

商人「テドン?なんで…あ!」

勇者「そうだ。確かあそこの牢屋に落書きがあっただろ。死ぬ前にオーブを…ってな。でもあの時は鍵が無かった」

戦士「今度はさいごのかぎがあるから取りに行けるぜー!」

盗賊「っていう話をお前が洞窟に入ってる間にしてたんだよ。じゃあ早速行こうぜ。今から出発すれば今日中に着くはずだ」

商人「はい!またテドン、でもオーブがきっとある!疲れてる場合じゃないぞ…!」

466: ーー夜、テドンの村 2020/01/26(日) 19:59:02 ID:yZQ4V53A
盗賊「ふう、相変わらず辛気臭い村だな」

戦士「盗賊にピッタリだな!」

盗賊「バカ言うな、俺は塔が似合うオシャレ盗賊だって何回も言ってるだろ!」

商人「塔ってそんなにオシャレですかね…?」

勇者「バカなこと言ってねーで、ほら、牢屋だぞ。盗賊、牢屋番を引き付けてろよ」

盗賊「おう、そういうのは任せろよ。おい兄さん、ちょっと聞きたいんだが…」

商人「…よし、今のうちですね。すみません…」

囚人「あなた達を待っていました。さあ、このオーブを!」

勇者「待ってた?俺達を?あんたは…」

囚人「ここから遥か南、レイアムランドのほこらの祭壇にオーブを捧げて下さい。貴方達に道が開けるでしょう」

商人「やっぱりオーブはあのほこらの祭壇に捧げるんですね。そうすれば…」

勇者「道が開ける。魔王の喉元もすぐそこだ。待ってろよ…!」

戦士「っしゃー!4つ目のオーブだぜー!」

グリーンオーブをてにいれた!

468: ーー89日目、テドン 2020/02/02(日) 20:00:39 ID:d3C85xbI
商人「うーん、相変わらずここの朝は…」

戦士「ぐおお、腹へったぜー…」グウウー…

盗賊「仕方ないだろ、我慢しな。で、今日だが…」

勇者「ああ、今日はムオルの東にあった塔に行ってみようかと思ってな」

戦士「ムオルー?あそこの近くに塔なんてあったかー?」

商人「東の海を越えた先ですよね?確かしばらく前に行きましたよね、魔物が強くてすぐに引き返しましたけど…」

盗賊「だが今なら魔物に対抗できるって訳だ。良いんじゃないか?洞窟ならともかく塔だしな」

戦士「塔好きだな盗賊!あ、バカとなんとかはってやつか?」

盗賊「お前に言われたくはないんだよ!ともかく行ってみようぜ。そういやスーで西にやまびこのふえがどうのこうのって話を聞いた気がするが、もしかしたらその塔にあるんじゃないか?」

商人「ええ、それは僕も気になってました」

勇者「よし、じゃあ行ってみるか。その笛は特に無くても問題なさそうだが、まあただモンスター退治するよりは目的があった方が良いからな」

戦士「っしゃー!レベル上げるぜー!」

469: ーーアープの塔、5F 2020/02/02(日) 20:08:18 ID:d3C85xbI
盗賊「…しばらく塔の中を探索したが、どうやらここが頂上のようだな」

戦士「でもよお、それっぽいお宝はねーぞ?」

商人「吹き抜けになってる三階の真ん中にありましたよね。歩いては行けない所に…」

勇者「って事はだ。ここから飛び下りるしか無いんだろうが…」

ーーエリミネーターがあらわれた!ヘルコンドルがあらわれた!

戦士「お、魔物だぜ!でもこいつらなら楽勝だな!マスクのやつなんかさっき逃げてったぜ!」

勇者「だが油断はするなよ!そらあっ!」ピシャッ

商人「僕も…あ、気を付けて!呪文を…!」

ヘルコンドルはバシルーラをとなえた!

盗賊「うお、ちょっ、待っ、うおおぉぉぉ…!」ピューン…

戦士「とーぞくううう!どこ行ったんだー!?」

勇者「くそ、マジかよ…まあもしもの時の合流先は決めてあるが、予定が狂っちまうな…」

470: ーー90日目、アリアハン ルイーダの酒場 2020/02/02(日) 20:23:06 ID:d3C85xbI
盗賊「よおっ!遅かったな!」

商人「盗賊さんは早かったですね…」

盗賊「いや、ちょうどここに飛ばされたんだよ。ラッキーだったぜ」

戦士「なーんだ、心配して損したなー!」

勇者「まあ合流出来たら何でも良いけどな。で、今日だが…あのへんげのつえを欲しがってた爺さんちの近くに、旅の扉が3つあるほこらがあっただろ?」

商人「ありましたね、でもあそこは牢屋の鍵が無いと…あっ!そうか!」

盗賊「今なら行けるって訳か。良いね。あそこはずっと気になってたんだ、何せあの爺さん、サマンオサがどうのこうのって言ってただろ?俺達が聞いたことある地名で行ったことがないのはもうサマンオサとネクロゴンドだけだ」

勇者「ああ、そしてサマンオサの王様がへんげのつえを持ってるって話をした爺さんちの近くの旅の扉…これは行ってみる価値があるだろ」

戦士「おおー、なるほどな!」

商人「是非行ってみましょうよ!新しい土地には不安もありますけど、あの塔でくさりがまと、たびびとのふくが2着も手に入りましたから、多少は余裕が出来ましたよ!」

戦士「3つも増えたのはすげーぜ!全部あなほりだったよな!商人すげー!」

盗賊「ま、まあ俺も飛ばされさえしなければな。うん。と、ところでだ、やまびこのふえは無事見つかったのか?」

勇者「ああ。で、一応報告なんだが…やまびこのふえを手に入れる為に4つ並んでる宝箱を全部あける羽目になったんだが、いのちのきのみは捨てたが、金と小さなメダルは持ち物になっちまった。まあ金はほぼ関係ないし、メダルも交換しなければ良いだけなんだが、一応報告しとかねーとな」

商人「宝箱、最後までやまびこのふえが出てこなかったですからね…2階の階段も東西南北全部行く羽目になりましたし、運が無かったです…おかげで上り下りが増えた結果あなほり回数が増えたのもあるのですが…」

472: ーー旅人のほこら 2020/02/09(日) 19:24:15 ID:poJ7k5FI
盗賊「ここだな、旅の扉が3つあるほこらは」

戦士「で、どの旅の扉に入るんだ?」

勇者「前に入って牢屋の扉で進めなかった所だ。右だな」

商人「じゃあ入りましょう。これ苦手なんですよね、酔ってしまうというか…」

盗賊「そうも言ってられないだろ。行くぞ」プワーン…

ーー旅人の教会

戦士「おおー、教会かここは!?鍵を開けるぜー!」ガチャッ

勇者「よし、通れたな…まずは聞き込みと行くか」

神父「旅人か。しかし今はこの地に来るのは勧められないぞ。噂ではサマンオサの王様が人変わりしたらしい」

商人「人変わり…?いや、それより今サマンオサって…!」

神父「サマンオサはこのほこらより西。山沿いをぐるりと西に進まれるがよろしかろう」

盗賊「情報ありがたいね、どうも。さて、行き先が分かったな」

勇者「ああ、やはりここがへんげのつえを持ってるサマンオサ王がいるという場所だったな。しかし人変わりか。一筋縄ではいかないようだな…」

473: ーー夜、サマンオサ 2020/02/09(日) 19:32:52 ID:poJ7k5FI
商人「ふう、着きましたね町に。しかしこの周辺の魔物は厄介でしたね」

勇者「魔力を吸いとられるとはな。それにしても夜とはいえこの町…」

戦士「なんだか辛気くせーな!お、でもあそこに人だかりがあるぜ!」

盗賊「バカ、ありゃ葬式だろ!しかし新しい町のお出迎えが葬式とはな。どれどれ…」

大男「うう、お前は良い奴だったのになあ…」グスッ

女性「あんたあ、なんで死んじまったんだい…?」ウウッ…

子供「ねえ、パパはもう帰ってこないの?」

勇者「…いたたまれねえな。だがただの葬式とは雰囲気が…」

男性「王様の悪口を言っただけで死刑だなんてあんまりです!こんなんじゃ商売になりませんよ!」

商人「悪口を言っただけで…!?そんな…」

盗賊「これが王様が人変わりした結果なのか?町の暗い雰囲気もそのせいなのか?いずれにせよ、はい分かりましたとへんげのつえを譲ってくれそうな感じじゃなさそうだな。また面倒事の予感がするぜ…」

475: ーー91日目、サマンオサ城下町 2020/02/16(日) 19:19:52 ID:xTrdjhMo
商人「…あれから色々町の人達に話を聞いてみましたけど、やっぱり王様はおかしいみたいですね」

盗賊「しかも昔は違ったみたいな話のようだな。人変わりってのも嘘じゃないみたいだな」

戦士「王様がおかしいんならよお、俺達でぶっ飛ばせば良いんじゃねーのか?」

勇者「バカ野郎、そんな事したら俺らが牢屋行きになるだろうが!」

商人「いくら悪くても王様は王様ですからね…」

盗賊「ま、城下町での情報収集はあらかた終わったし、接ぎは城に行ってみようぜ」

戦士「お、王様ぶっとばしに行くんだな?」

商人「ブッ飛ばさないですよ!情報収集に行くんです!…でもお城は少し怖い気もしますね…」

勇者「王様の本拠地だからな。しかし避けて通る訳にもいかないからな。へんげのつえの事もあるしな」

商人「そうですよね…」

盗賊「何より王様の本拠地だからこそ行かなきゃ分からない事もあるだろ。さあ、行ってみようぜ、虎穴に入らずんば、ってヤツだ!」

476: ーーサマンオサ城地下牢 2020/02/16(日) 19:32:08 ID:xTrdjhMo
看守「さあ、お前らの入る牢屋はここだ!大人しくしてるんだぞ!」ガシャン!

商人「…えっ、ちょっ、いきなり牢屋の中なんですけど!?」

盗賊「いきなりじゃないだろ、勝手口から入って城内をあちこち嗅ぎ回った挙げ句王様の前に行ってみただろ」

戦士「王様、話しかける前に牢屋にぶちこめー!とか言い出したな!やべーだろ!」

勇者「俺らも相当やべーというか軽率だったけどな…」

商人「盗賊さんずかずかと王様に近づいて行くんですもん…」

盗賊「いや、毎日のように人が死刑にされたり牢屋に入れられたりって話だったからな。牢屋にも相当数の人間が居て、そいつらの話を聞くにはこれが一番と思った訳だ」

勇者「まあ、捕まるって事は王様に都合の悪い事をしたからってのもあるだろうからな。話を聞く価値はありそうだが…」

戦士「そこまで考えてたのかスゲーな盗賊!でも牢屋じゃなくていきなり死刑だー!って言われたらどうしたんだ?」

盗賊「そりゃ、お前………」

商人「…まさか、ノープランだったんじゃ…」

盗賊「と、ともかく!俺らはさいごのかぎで脱獄は出来るんだ。さっさとこんなカビ臭い部屋から出て囚人達から話を聞こうぜ!」

勇者「ったく、結果オーライとはいえ…まあ死刑だなんて言われたら戦うだけだったから別に良いけどな…」

477: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/02/16(日) 19:44:19 ID:xTrdjhMo
盗賊「さて、脱出したが…流石に看守をボコって出るって訳には…」

看守「私は眠っている。だからこれは私の寝言だ」

戦士「うおお!?寝言でけーな!」

勇者「シッ!黙ってろ!」

看守「確かに王様はおかしい。だが我々は王様に逆らえぬ。私はここを動けぬが、どこかに秘密の抜け道があるらしいな」

商人「…ありがとうございます。どうやら牢獄から抜け出す事は出来そうですね」

盗賊「良い情報を聞いたな。やはりここに来た甲斐があったって訳だ!」

勇者「もっと別の方法もあったかもしれないがな。さて、後は囚人から話を…あそこの男の話を聞いてみるか」

男「この町の南にある洞窟には真実を映すと言われる鏡があるらしい」

商人「真実を映す鏡…昔、商売仲間からそんな話を聞いたことがあったような…」

男「その事を町の人に話した途端に俺は牢屋に入れられたのだ!くそっ、どうなっているんだ!?」

戦士「へー、王様はその鏡がキライだったのかー?」

勇者「…!なるほど、真実を映す鏡があると困る、であるならば王様の人変わりは…!」

商人「ああ!本当に王様が入れ替わっているかもしれない、そして鏡によってそれが暴かれてしまうかもしれない!」

盗賊「それを王様が怖れている、か!ありえるな。じゃあ抜け道を見つけたら次は鏡探しだな。やっぱりここに来たのは正解だったようだな!」

480: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/02/24(月) 16:39:30 ID:ZPJDj8jQ
商人「…とはいえ、抜け道を探すのも骨が折れそうですよね」

戦士「なにぃ、骨を折らなきゃ抜け道見つからねーのか!?」

勇者「そういう話をしてんじゃねーよ!ったく、まあ抜け道とかそういうのは盗賊の仕事だろ」

盗賊「ああ、任せとけよ!まずはこっちに進んで…ほら見ろ、階段だぜ!」

戦士「おおー、流石だぜ盗賊ー!」

商人「では更に進んでみて…だ、誰か居ますよ!?」

勇者「こんな所に誰が…おいおい!」

王様「そこに誰かいるのか?わしはこの国の王じゃ」

商人「これが、いやこの方が王様!?じゃあ…」

王様「何者かがこのわしからへんげのつえを奪いわしに化けよった。くちおしや…」

盗賊「なるほど、人変わりしたっていうのは本当だった訳だ。いや、人そのものが変わっちまったら人変わりとは言わないのか?」

戦士「なあ、こっちが本物なら連れてってあいつは偽者だー!って言えば良いんじゃねーのか?」

商人「それをやると国中が混乱する可能性がありますよね…最悪あちらに着く人までいるかもしれないですし…」

勇者「まずは偽者の正体を暴いて、更に必要ならーー偽者を倒す。まずは鏡だ。さっさと脱出するぞ」

481: ーーサマンオサ郊外 2020/02/24(月) 19:23:10 ID:ZPJDj8jQ
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盗賊「まあ、そうは言ってもまだ洞窟には行けないからな、経験値稼ぎだよな」

商人「やっぱりマホトラを使うモンスターが辛いですね。モンスターなのかヒトなのか分かりませんけど…」

勇者「引き連れてる死体もやっかいだな。タフな上に身を守りやがるから時間がかかっちまう。その割に経験値が少なくてうまみが少ねえ」

戦士「あのばーさんのベギラマ連発も辛いぜー!」

盗賊「そっちは体力の多い戦士より俺の方が辛いな。防御力はあるから物理攻撃は何とかなるんだけどなあ」

商人「…それで、↑のは何ですか…?」

勇者「ああ、アナログ人間が画像の張り方覚えたとかではしゃいでな。ちゃんと出来てるかどうか知らないが」

戦士「うおおー!よくわかんねーけどスゲーな!」

盗賊「まあ、あんまりこういうの張られても興醒めする人もいるかもしれねーからな、たまーにだな。書いてる奴が張り方忘れない程度にな」

商人「そんな訳で、僕も結構レベル上がってきましたよ。上がってきたというか戻ってきたというかですけど」

勇者「俺ももう1つレベル上げてえ所なんだけどな。明日洞窟を探索しながらレベルが上がるのを祈るしかねえかな…」

489: ーー92日目、ラーの洞窟 2020/03/01(日) 19:53:44 ID:.j7CNEqY
盗賊「さあてと、今日はここから真実を映す鏡ってヤツを探さないとな」

商人「こう、入ってみた感じ凄く広そうですよね。それにただならぬ気配が…」ブルッ

勇者「ビビっててもしょうがねえ、行くぞ…おい!出たぞ!」

ーーキラーアーマーがあらわれた!ベホマスライムがあらわれた!

戦士「おお!?あのクラゲみてーなの初めて見るよな?」

商人「そ、それより数が…!3、4、5匹もいますよ!」

勇者「おまけに鎧の方は2体か。やるしかねえ、まずはクラゲからだ!おらあっ!」ピシャシャシャッ

盗賊「いかにも回復しますって感じだもんな。そらそらあっ!」ピシャシャシャッ

戦士「俺は鎧を叩くぜー!」ガギン!

ベホマスライムはベホマをとなえた!キラーアーマーはかいふくした!

商人「やっぱり回復を使いましたね!それえっ!」ガッ

勇者「うおらー!」ピシャシャシャッ

ーーまもののむれをやっつけた!

盗賊「ふう、思ったよりはあっけなかったな。しかしやっぱり生半可なダンジョンではなさそうだぜ」

490: ーーラーの洞窟、B2F 2020/03/01(日) 20:03:56 ID:.j7CNEqY
勇者「ちっ、化物どもめ!おらおらっ!」ピシャシャッ

シャドーはヒャダルコをとなえた!

商人「くうっ、呪文が厳しい…!」

戦士「負けねーぞ!おらあっ!」ザクッ

ーーシャドーたちをやっつけた!

盗賊「くそっ、なんだよここは!?今までの魔物と全然違うじゃないか!」

商人「いきなり強くなった感じがしますよね。しかも地上にもいたあの人型モンスターのマホトラで魔力も厳しいですし…」

勇者「長居は出来ねーな。ガンガン進むぞ」

戦士「つーかホントにここ広いな!上の階も広かったけど下もひれー!」

商人「ですね。こんなに広いとどうしても魔物との戦いが増えてきます…」

盗賊「へっ、今までにないスリルだぜ…お?ほら見ろよ、階段だぜ」

戦士「よっしゃ!また下に進めるな!」

勇者「下に進めるのは良いことなのか分からんけどな。まだまだ先が長いって事かもしれねーからな」

盗賊「まあな。しかしこの階は目の毒だよな。宝箱がずらっと並んでてよ」

商人「ですね。開けられない僕達にはあまりにも辛すぎます…」

491: ーーラーの洞窟、B4F 2020/03/01(日) 20:14:02 ID:.j7CNEqY
勇者「地下3階に下りてすぐにまた下り階段があったが、地下4階に下りてみても何もなかったな…」

盗賊「また地下3階に上がってみるか。うーん、やっぱりあの小島にある宝箱が怪しいよなあ」

商人「あそこしかないですよね。じゃあまだこの階の東側に行ってみてないですし、進んでみますか?」

戦士「っしゃあ、ぐるっと回って~…お、また小島が見えるぜー!」

盗賊「もうちょっと北にも行けるな。ぐるっと回って…ちっ、またもと通りかよ!」

勇者「て事は、この階にはあの小島に行く手段はないのかもな。良く見りゃ小島の宝箱の手前には穴が空いてるな…」

盗賊「あの穴から恐らく地下4階に下りる、いや落ちるんだろうな。いや、待てよ。あそこから地下4階に落ちるなら、あそこに行くにはどうすれば良い?」

商人「どうって…ああっ!ここより上の階にも同じような穴がある!?」

戦士「おおー、そこから落ちればあそこの宝箱まで行けるって事か!」

勇者「恐らく、だけどな。しかしまたあの広いフロアを探さなきゃならねえのか、気が遠くなるぜ…」

492: ーーラーの洞窟、B2F 2020/03/01(日) 20:25:04 ID:.j7CNEqY
ーーゾンビマスターはマホトラをとなえた!ゾンビマスターはマホトラをとなえた!

商人「ああっ!?僕はもう魔力が空っぽです!」

勇者「一人を狙ってきやがるのか!?俺にはまだ余裕があるが…さっさと倒すに限るな、らあっ!」ピシャシャシャッ

戦士「うおおおー!」ザンッ

ーーゾンビマスターたちをやっつけた!

盗賊「くそっ、こいつら魔力はあるけど呪文を使わねえ俺にはあんまりマホトラかけてこねえときた。頭良いのか?」

商人「今回だけじゃなく、洞窟に入ってからずっとマホトラで狙われてる気がします!ああっ!皆さん、あそこ!」

勇者「なんだ…?あ!あれは…穴だな!?落ちる事が出来そうな大きさの!」

戦士「おお、見つけたぜー!さっそく落ちるぜー!」ピューーン…

盗賊「おいおい待て待て、宝箱は俺が開ける!そりゃあっ!」ピューーン…

商人「もう、そんなに慌てなくても…そりゃああああ………ったあ!」ドサッ

勇者「やれやれ、これで何も無かったら…いや、その心配はないようだな」

盗賊「ああ、あの小島だここは!そしてここには宝箱が…そらっ!」パカッ

ーーなんと ラーの鏡をてにいれた!

商人「やった、鏡ですね!ボロボロですけど何とか手に入りましたね。でも帰り道も長いなあ、油断しないようにしないと…」

494: ーー93日目、サマンオサ 2020/03/08(日) 19:36:29 ID:LGIOq.pk
勇者「さて、今日はいよいよこのラーの鏡でニセ者の王様の正体を暴いてやる訳だが…」

戦士「おう、早く行こーぜ!」

盗賊「その前にな、1つ問題があるんだよ。決して小さくないな」

商人「ええ、やまたのおろちのような強大なモンスターが王様の正体だったら…」

勇者「いや、そこじゃない。まあそれも問題ではあるんだが、それ以前だ。まず、また正面から行っても牢屋にぶちこまれるだけだ」

戦士「じゃあどうすんだよ!?」

盗賊「町での聞き込みの結果、王様は夜に一人で寝てるらしい。…まあなんで町の婆さんがそんなこと知ってるのか分からないが、とにかく俺らが突入するのは王様が一人になった夜だ」

商人「警備も薄いでしょうしね」

勇者「で、問題なんだが…夜までどうやって過ごすか、だ。まあ…町と外を往復してちょっとずつ時間が過ぎるのを待つってのが安全ではあるが…」

盗賊「仮にも勇者、勇気ある者一行が取る行動か?ってな」

商人「ああ、なるほど…」

戦士「じゃあ外で普通に魔物退治するのか?俺は構わねーけど、マホトラとベギラマすげーだろこの辺!」

勇者「そうだ、その通りだ…だから、とりあえず北に向かう。同じサマンオサ周辺でも、北の方はマホトラ野郎とベギラマ婆さんに会う確率が低いようだからな」

商人「北は平原でしたし、魔物の数も少なそうですよね。でも…勇者一行らしく振る舞うって大変だなあ」

盗賊「そうだな。ま、その方がスリルがあって良いだろ。よし、さっそく出発しようぜ」

495: ーーサマンオサ北部 2020/03/08(日) 19:47:16 ID:LGIOq.pk
商人「予想通り、こっちにベギラマ使いはいませんでしたね」

勇者「マホトラ野郎も1回あっただけだ。被害は最小限で済んだな」

盗賊「カメはうざったかったが、戦士なら一撃だしな」

戦士「このくさなぎのけん、やっぱりすげーぜ!」

勇者「これ以上の武器はなかなか手に入らないだろうな。さて、夕方になったな。そろそろ町に戻るか」

商人「出来れば誰かのレベルを上げたかったですけどね…」

盗賊「戦士か商人が上がると思ったんだけどな。ま、収穫もあったよな」

戦士「あなほりでいのちのきのみを見つけたよな商人!確か昨日の洞窟でもムチを見つけてたよな!」

勇者「とげのむちだな。地下4階で見つけたが、あそこにむちを持ってるような魔物いたか…?」

商人「ちょっと謎ですよね。でもまあ、助かった事には違いないですし…」

盗賊「そうだな!よし、じゃあ戻るぞサマンオサに!」

戦士「そういやまた商人のあなほりだったな!盗賊は最近全然だよな!」

盗賊「うるせえ!せっかくそっちの話題になる前に出発に気持ちを持っていこうとしたのに台無しにするんじゃねえ!」

商人「ま、まあまあ、誰が見つけても一緒ですから…」

勇者「全く、同情されてりゃ世話ねえぜ。これから大一番が待ってるかもしれねえのに、緊張感のない奴等だよな…」フウ…

496: ーー夜、サマンオサ城内 2020/03/08(日) 19:55:43 ID:LGIOq.pk
戦士「っしゃー!これから王様の…むぐっ!?」モガモガ…

盗賊「バカ、でかい声出すんじゃねえよ!」ヒソヒソ

商人「ええと、王様の寝室は…確かこっちですよね」

勇者「ああ。最初にこの城に来た日、城の中をあちこち嗅ぎ回ったのが役に立ってるな」

商人「その後捕まりましたけどね…」

盗賊「ま、それも作戦の内だけどな。よし、ここから飛び降りて…」ピューーン…

勇者「ったく、一度高台から飛び降りなきゃ行けないってのがな…」

商人「寝室の入り口は見張りがいましたからね…あ、ここですよ…」

勇者「よし、全員準備は良いな?盗賊、鏡を」

盗賊「任せろ。こいつで王様の顔を映して…なっ!?」

戦士「おいおい、バケモンじゃねーか!」

商人「ちょっ、戦士さん、声…!」

王様「みーたーなー?けけけ、生きては帰さんぞえ!」

勇者「構いやしねえ!どうせ偽物なら戦わなきゃいけねえんだ!やるぞ!」

ーーボストロールがあらわれた!

499: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/03/15(日) 19:13:19 ID:1ig6I1XQ
戦士「くさなぎのけんを道具としては使わねー!何故なら装備してる俺が一番攻撃力があるからだぜー!おらー!」ザクッ

盗賊「あと俺の勘違いでなければだが、くさなぎのけんはスクルトじゃなくてルカナンだ。相手の防御を下げる為のモノだな。らあっ!」ピシャアッ

勇者「誰に話しかけてんだよ…商人、スクルトを!」

商人「はい!スクルト!」ギュイイーン

ボストロールのこうげき!ボストロールはルカナンをとなえた!

盗賊「このやろ、頭まで筋肉が詰まってそうなナリして呪文を唱えるのかよ!」

商人「大丈夫です、下げられた守備力は上げなおします!スクルト!」ギュイイーン

戦士「ぶった斬るぜー!おらおらー!」ザンッ

勇者「手が空いてる今のうちに俺も攻撃だ!うらあっ!」ピシャッ

ボストロールのこうげき!ボストロールのこうげき!

商人「くっ、攻撃が激しいです!ベホイミを…」パアア…

戦士「俺はひたすら切り続けるぜー!」ザクザクッ

盗賊「俺も攻撃だけだ!…くそっ、もっと攻撃力がある武器ならなあ…」

500: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/03/15(日) 19:22:38 ID:1ig6I1XQ
勇者「言っても仕方ねえ!おらあっ!」ピシャッ

ボストロールのこうげき!ボストロールはルカナンをとなえた!

商人「また呪文を…!スクルト!」ギュイイーン

勇者「ちっ、俺も回復に回るようだな、ベホイミ!」パアア…

戦士「うおおー回復回復!負けねーぜー!」グサッ

商人「僕らが全力でサポートします!攻撃を!」

盗賊「力及ばないが全力を尽くすぜ!そらっ!」ピシャッ

ボストロールのこうげき!ボストロールのこうげき!盗賊はすばやくみをかわした!

戦士「おお、流石だな盗賊ー!」

盗賊「そう、俺はこっちで役に立つ!俺が生きてさえいればお前らの危険が減るはずだからな!」

勇者「ああ、そして回復の手間が減る分攻撃に回せる訳だ、そらっ!」ピシャッ

商人「僕も余裕が出来ましたよ、ルカニ!」ギュウウーン

ボストロールにはきかなかった!

商人「ああ、少しでも攻撃が楽になればと思ったのに…!」

501: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/03/15(日) 19:27:13 ID:1ig6I1XQ
戦士「問題ないぜー!うらあっ!」

ボストロールはルカナンをとなえた!ボストロールのこうげき!戦士はすばやくみをかわした!

盗賊「ははっ、お前俺のお株を奪うんじゃねーよ!」
勇者「っし、いけるぜ!商人、魔力は!?」

商人「そろそろ、残りを気にしなければならなくなってきました…」

勇者「回復は出来る限り俺がやる!お前は守備力をケアしてくれ!」

商人「了解です!スクルト!」ギュイイーン

ボストロールのこうげき!ボストロールはルカナンをとなえた!

盗賊「くっそ、タフだな!そろそろ倒れろよ!おらー!」ピシャッ

ボストロールのこうげき!ボストロールのこうげき!

勇者「ちっ、ベホイミだ!」パアア…

商人「僕も回復に回らないと…ベホイミ!」パアア…

戦士「おおおおお!うらーーっ!」ザンッ

ーーボストロールをやっつけた!

504: ーー94日目、サマンオサ城内、謁見の間 2020/03/22(日) 22:37:20 ID:6loURZxk
兵士「先日は無礼をしました。どうかお許し下さい」

戦士「全然気にしてねーぞ!」

盗賊「いや全然って事はないけどな。ま、仕方ないだろ」

勇者「終わり良ければ…って言うしな」

兵士「ありがとうございます。さあ、王様がお待ちです」

商人「……」キョロキョロ

盗賊「ん?どうした商人」

商人「あ、いえ…」

王様「再びここに座れるとは思っていなかった。感謝するぞ勇者よ!」

勇者「はっ。つきましては…」

王様「おお、話は聞いておるぞ。へんげのつえを求めてこの国に来たのであろう。そなたらは命の、この国の恩人じゃ。持って行くがよい」

戦士「うおおー、やったぜー!」

盗賊「うるせえよこんな場所で!では、お言葉に甘えていただいていきますよ」

商人「…その、王様。この国にオーブはありませんか?魔王を打倒する為にどうしても必要で…」

王様「オーブ…いや、そのような物はこの国には無いな」

505: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/03/23(月) 19:42:02 ID:sJ1HhccE
盗賊「なんだ商人、へんげのつえだけでなくオーブまでとは、ずいぶん欲張りだな」

勇者「まあ、オーブもあったら良かったが、そう都合よくはいかないだろうな」

商人「そうですね。この国が平和になって、僕らはへんげのつえを手に入れた。それで十分ですよね…」

ーーサマンオサ城下町

戦士「で、次どこ行くんだ?」

盗賊「とりあえずあの北の島に住んでるじいさんにこのへんげのつえを渡しに行くんだろ?」

勇者「ああ。だからまずはエジンベアに飛んで…」

商人「あ、あの!考えたんですけど、あのご老人の所に行く前にスー東の草原に行ってもらいたいんですけど…」

戦士「お?どこだっけそこ?」

勇者「……確かなにもない平原に町を作ろうとしてたじいさんがいた所だよな?商人、お前…」

商人「考えたんです。今まで4つのオーブは順調に見つかりました。でも残る2つのうちイエローオーブは人から人へと渡っているっていう情報だけ、もう1つのオーブは情報すらない…」

盗賊「イエローオーブの情報はランシールだったかな?確かにもう1つの話は聞かないな…それで?」

506: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/03/23(月) 19:57:28 ID:sJ1HhccE
商人「僕たちはもう世界の大体の場所に行きました。それこそ空でも飛べるようにならないと行けない所はほとんどない位に…」

勇者「そして空を飛ぶにはおそらくオーブが揃えなくちゃならない、か」

戦士「でもそのオーブが見つからないんだろ?じゃあどうすれば良いんだよ!?」

商人「だから…だから、ここからは各地を探し回るだけじゃなくて、1つの場所にじっくり腰を据えて探してみるのも手なんじゃないかと。それで…」

盗賊「その1つの場所ってのがあの平原ってか?町を作りながらオーブの情報を集める。そういう事か?」

商人「はい。町を一から作るとなればいろんな人が出入りするはずです。そうなれば自然と情報も集まるんじゃないかと…」

戦士「おお、すげーな商人、ナイスアイデアだぜー!…ん?でもそうしたらもう商人とは旅出来ないのか??」

商人「そ…それは…その……」

勇者「…まあ良い、とりあえず出発するぞ。あの平原に着くまでの間、船で潮風にでも当たりながらもう一度考えてみるんだな」

盗賊「ああ、それが良いと思うぜ、こうやって喋ってても仕方ない。俺らは時間が限られてるから、進まないといけないからな。進まないと…」

510: ーーエジンベア郊外 2020/03/29(日) 20:35:48 ID:cUOzqoMU
商人「よいしょ、よいしょ…うーん、最後のあなほり、何も出なかったな…」

戦士「なあ、本当に別れちまうのかー?」

商人「…ええ、その方がきっと良いはずです…」

盗賊「なんて言ってるけど良いのかよ?」

勇者「…仕方ねえだろ、あいつが自分で決めたんだ」

盗賊「つってもなあ…」

勇者「あいつはああ見えて頑固だからな。言っても聞かねえだろ」

盗賊「まあ、そりゃそうだろうけどな」

商人「大丈夫ですよ。あそこに立派な町を作って、オーブを見つけたらまたきっと一緒に旅出来ますよ」

戦士「おー、そうなのか?」

商人「ええ、きっと…」

勇者「…となればやることは1つだ。残りのオーブをさっさと見つけ出して、また合流する。だろ?」

盗賊「…!ああ、そうだな!へへ、こっちで残りを見つけちまって、お前をがっかりさせてやるぜ!」

商人「僕としてはそれでも良いですよ。でもそうなっても、町作りの手を抜く訳にはいきませんけど」

勇者「よし、じゃあ行くか…あの平原にここからならすぐだ。すぐに…」

511: ーースー東の草原 2020/03/29(日) 20:45:22 ID:cUOzqoMU
老人「…本当に、ここに残ってくれるのか?」

商人「はい。ここで町作りを…」

老人「ありがとう。とてもうれしい」

商人「いえ…では、皆さん…」ペコリ

盗賊「ああ、達者でな」

戦士「またいつか一緒になー!」

勇者「ちょくちょくここには寄らせてもらう。町作りサボらねえようにな」

商人「ええ、僕としても自分が作った町を見てもらいたいですし…皆さん、お元気で」

盗賊「じゃあな、寂しくなってないてるんじゃないぞ!…ふう、大丈夫だろうな、あいつは」

勇者「いのちしらずなわりには心配性だなお前は」

盗賊「俺自身の事とはまた違うからな。まあ、上手くやるだろうが、真面目過ぎる所があるからなあいつは…」

戦士「盗賊とは違うよな!」

盗賊「俺が真面目じゃないみたいな言い方するんじゃねえよ!…ま、心配しても仕方ないな」

勇者「ああ✨俺らには俺らのやるべき事がある」

戦士「よーし、気合い入れ直して行くぜー!」

513: 今日は 2020/04/01(水) 11:25:42 ID:ffKFkzgE
勇者✨「俺は勇者っ!正義の寵児、光の体現者だっ✨」

商人😭「えっ!?なななんですかいきなりっ!?」

盗賊😎「おいおい、何泣いてるんだ?楽しんで行こうぜおい😎」

商人😱「いや、楽しんでと言われても何が何だか…」

戦士💪「このSSはハッピーになったのさ!見ろよこの筋肉💪」

使者☺️「貴方は笑顔が足りないわね。ほら、笑って笑って☺️」

商人😵「し、使者さんまで…」

子分?🍖「食べるぞー🍖🍖🍖」

旅人女👿「こいつも食べな👿」

🍗🍗🍗「ふにゃー!?名前が🍗になったのですにゃー🍗🍗🍗」

ーースー東の草原

老人「お早う。どうした?うなされてた」

商人「ああ、いえ、何でもないです…なんだ今の夢…✨をごまかそうとしてエイプリルフールと関係無くなってるじゃないか…」

516: ーー夜、グリンラッド 2020/04/05(日) 20:04:02 ID:UY2z8jyI
盗賊「それは、出来ないんだ…何故ならこのSSを書き始めた時すでに商人が離脱するのは決めてたからなんだ。そういうものなんだ」

勇者「さて、だ。夜になっちまったな。そろそろあのへんげのつえを欲しがってた老人の家が見えてくる頃だが…」

戦士「おー?あの原っぱ、そうじゃねーのか?」

盗賊「だな。あのだだっ広い草原の平原のどこかにあのじいさんの家があったはずだ」

勇者「確かしばらく真っ直ぐ行って、それから…少し東だったか?」

戦士「お、あったぜ家がよー!」

盗賊「よし、んじゃ邪魔するぜ…っと。お、いたいた。じいさん、元気でいたか?」

老人「ん?お前たちはいつぞやの…おお!それはまさしくへんげのつえ!それが欲しかったんじゃ!のう、モノは相談なのじゃが、それとこのふなのりのほねを交換してくれんかのう?」

勇者「まあ、俺らには必要ないもんだが…その骨は何の役に立つんだ?」

老人「お前たちは世界中を旅しておる。しかしまだ行ったことのない所もあるようじゃな。そこに行くために、これはきっと役に立つじゃろう」

戦士「この骨がかあ?本当かー?」

老人「本当じゃよ。これでもわしは偉大なる魔法使いじゃからな。ほっほっほっ」

盗賊「…なんだか胡散臭いが、しかし行ったことのない場所へ行けると聞いちゃあな。よし、交換しようぜ!」

老人「おお、言ってみるもんじゃのう!」

ふなのりのほねを手に入れた!

517: ーーグリンラッド近海 2020/04/05(日) 20:13:17 ID:UY2z8jyI
戦士「やべーぞ、夜が明けちまう!」

勇者「ちっ、残念だが今日中に新しい土地には着けないようだな」

ーー95日目

盗賊「夜明け、か。2日でどこか新しい場所に行けなかったのは初めてだな。ペナルティは死んだ時と一緒だったよな?」

勇者「ああ。確かたびびとのふくが余ってたよな?戦士、捨ててくれ」

戦士「おう、じゃーな!」ポイー

盗賊「よっし、これでかえって急ぐ必要も無くなったし、商人の所に寄ってみないか?」

勇者「昨日の今日じゃねえか…だがまあ、寄らない理由もないな」

戦士「よっしゃー!進路は南へー!」

ーースー東の草原

商人「あ、皆さん、来てくれたんですか?見て下さい、もうお店を作ってみたんですよ!」

戦士「おおー!はえーな商人ー!」

盗賊「いや早すぎだろ…昨日の今日だぞ?どんだけ働いたんだよ」

商人「オーブ探し、皆さんに負けられないですからね!その為にはまず店を開いて商売を初めないと…」

勇者「…全く、凄い奴だよお前は。ただ、あんまり頑張りすぎてやらかさなければ良いけどな…」

519: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/04/12(日) 20:15:27 ID:eKhbcANw
勇者「よし、じゃあこのふなのりのほねが指し示す所に行ってみるか。今まで行ったことのない場所へ行けるってあのじいさんも言ってたからな」

戦士「よし、じゃあ使ってみるぜー!」クルクルクル…

盗賊「南に31、東に74って所か。へえ、不思議なもんだな」

勇者「確かに、何処かへ俺らを導いているようではあるな。ただ、行ったことのない場所って程の所を示してはいないようだが…」

戦士「おい、このふなのりのほねを手に入れたのを商人に言ってやらなくて良いのか?」

盗賊「ああ、せっかくだしな。じゃあちょっと戻るか…」

ーースー東の草原

勇者「………おいおい」

戦士「おお!?なんかすげー町っぽくなってねーか!?」

行商人「いやー、こんな所に町があるなんて!やっぱり商売は足で稼ぐのが基本ですな、おかげで良い取引先が見つかりましたよ!」

盗賊「いや、もう取引先とかいるのかよ…俺らが骨でくるくるやってる間に変わりすぎだろ…」

520: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/04/12(日) 20:25:41 ID:eKhbcANw
勇者「…結局、あれからまた時間を置いてあそこに行ってみたら、えらい発展してたな…」

戦士「商人バークって名前までついてたぜー!」

盗賊「あの劇場はなかなかだったぜ。あいつ、あんな趣味があったんだなあ、へへへ」

勇者「あいつの趣味かあれ?ぼったくりみたいな値段も吹っ掛けられたし、どうもあいつの意思とは別の何かが働いてそうでな…」

盗賊「あんなに早く町づくりが進んでるからな、尋常ならざる何かがあるんだろうな」

戦士「でもすげーな、オーブの情報が集まってたぜ!」

勇者「ああ、ブルーオーブはもう手に入れたが、シルバーオーブについては初耳だったな」

盗賊「ネクロゴンドの山奥にあるほこら…そこにあるって話だったな。とても近づけるような所じゃないらしいが、まあなんとかなるだろ」

勇者「なんとかなる、じゃねーよ、なんとかするんだよ。あとはそうだな、ガイアのつるぎなんて物の情報もあったな」

盗賊「大地を司る、山をも揺るがす剣、か。とんでもないシロモノだな、まあ本当ならだが」

戦士「ものすげー攻撃力がありそうだよな!」

勇者「ああ。だがもしかしたら、普通に武器として使う以外の使い道があるのかもな。何せ大地を司るっていう位だからな」

盗賊「盗賊としても是非手に入れたい逸品だね。さ、情報も集めたし、そろそろ俺らも先に進もうぜ。このペースじゃ残りのオーブ全部あいつに集められちまいそうだ」

戦士「おおー!進むぜー!」

521: ーー夜、ポルトガ近海 2020/04/12(日) 20:35:29 ID:eKhbcANw
勇者「…ふなのりのほねはどうだ?」

盗賊「近づいてはいるようだな。南15、東46の方向だ」

戦士「さっきよりかなり近づいたな!おっ、あれポルトガじゃねーか?」

勇者「ああ、こうして見ると小さいが活気のある町だな」

盗賊「ポルトガ海峡を越えて…っと。ここはあれだよな、ロマリアとかアッサラームとかある…」

勇者「ああ、あのでかい内海だな。こんな所に隠された町やダンジョンでもあるのか…?」

戦士「おっ、見てみろよ!南8に東18まで来たぜ!」

盗賊「そろそろだよな…んん?おい、あれはなんだ…船か?」

勇者「暗くて見えづらいが…そのようだな。かなりでかい…いや、でかいはでかいが、これは…」

戦士「おいおい、ボロボロじゃねーか!?」

盗賊「な、なんだこりゃあ…船ってこんなになっても動く物なのか…?いや、これはもう船っていうより…」

勇者「まるで船の形をしたバカでかい亡霊みたいだな。くそっ、骨が指し示すんだ、まともな所なはずがなかったぜ…だが、行くしかねえよな…」

戦士「おおー!俺らがこんな船に負けるわけねーぜ!行こーぜ!」

523: ーー幽霊船、甲板 2020/04/19(日) 19:54:13 ID:Z0doc4.Y
勇者「…っ、んだここは…外なのに嫌な空気が漂ってやがる」

戦士「おっ、ほら見ろよ、骸骨がいるぜー!」

盗賊「うおおっ!?骸骨がいるぜー!じゃねーよ!まあスリルに不足はないようだがな」

骸骨「例え嵐が来ようとも、この船は絶対に沈まんのだ!わはははは!」

勇者「…哀れだな」

盗賊「まあ、な。絶対に沈まないなんて言ってるが、この船は…ん?何かいるな?」

戦士「猫じゃねーか?小さいしよお…んん?なんか変だぞ??」

猫?「ひっひっひっ…幽霊船には屍が相応しかろう。ここで死ぬがいい!」

ーーミニデーモンがあらわれた!

盗賊「おお!?魔物かよ!まあこんな船に普通の猫はいないだろうが…そらっ!」ピシャアッ

戦士「うおー!」ザグッ

ーーミニデーモンをやっつけた!

勇者「…なんだったんだ?今のは」

盗賊「さあな。まあザコで助かったぜ。さ、進もうぜ」

524: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/04/19(日) 20:06:03 ID:Z0doc4.Y
勇者「…ん?あっちにいるのは…人間か?」

盗賊「人間と見せかけてまた魔物じゃないだろうな…いや、あれは確かに人間のようだな。おーい!」

旅人女「ん?あんた達は亡霊じゃないようだねえ?むしろどこかで会った事があったかい?」

戦士「んー?あ、胡椒屋にいた剣士か!」

勇者「ああ、確かに胡椒屋で見かけたな。何してるんだこんな所で?」

旅人女「それはこっちの台詞だね。ま、考えてる事は一緒だろうけどね」

戦士「んー?なんだー?」

旅人女「はっ、とぼけるのかい?まあ良いさ。どっちにしろ仲良く探検する気なんてないからね。さ、アタシはもう行くよ」

盗賊「へえ、お宝がどこにあるか目星は付いたのかい?」

旅人女「さて、何の話だろうね?じゃあね、せいぜい気を付けなよ」

戦士「行っちまったな。なあ盗賊、お宝って何だ?」

盗賊「さあな。カマかけてみたんだが、引っ掛からなかったな。なかなか手強いお姉さんだ」

勇者「こんな所を一人でうろついてるんだ、只者じゃないだろうよ。さあ、俺達も行くぞ。あの旅人はああ行ったが、こんな所に来てる人間がいるって事は、何かあるのは間違いないだろうからな」

戦士「おーし!見つけるぜ何かをー!」

盗賊「何か分からないのにその元気は何なんだよ…」

525: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/04/19(日) 20:21:37 ID:Z0doc4.Y
勇者「見ろよ、あっちに階段がある」

盗賊「下りてみるかーーっと、下はますます嫌な感じだな」

戦士「お、人がたくさんいるぜー!」

勇者「人、っつっても、生きてる奴は居なさそうだな…」

奴隷骸骨「俺達ゃ奴隷よ!ギーコ、ギコ!」ギーコ…

罪人死体「船を漕ぐのは、奴隷か罪人の仕事なのさ。しかし、死んじまっても船が漕げるなんてしらなかったよ…」

勇者「…自分が死んでるって理解してるんだな」

盗賊「でも上の船長らしき骸骨は分かってなかったようだぜ。個人差があるのかもな」

戦士「おーい、お前はなんで死んでも船漕いでるんだ?」

盗賊「お前…聞き方ってモノがあるだろ…」

罪人「おらは人を殺しちまったから、どんな死に方しても仕方ねえだ。だが…そっちの奴は無実の罪だったんだってよ。かわいそうになあ…」

戦士「むじつのつみ?何もしてねーのにこんな事やらされてんのか!?ひでーな!」

勇者「誤解が原因なのか、陥れられたのか…いずれにせよ…」

盗賊「ああ…なんとかしてやりたいが、どうしたら良いか…」

527: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/04/26(日) 19:48:28 ID:Va3.OS.U
戦士「おーい、無実の罪のあんちゃんよー!」

盗賊「お前本当、もうちょっと言い方をだな…」

エリック「オリビア…もうすぐ船が沈んでしまう…君とは永遠に会えなくなるんだね…」

勇者「…俺らの言葉は届いてないのか」

戦士「可哀相だなあ。なんとかならねーのかよ!」

盗賊「なんとかって言ってもなあ…いや、なんとかしなきゃならないのか?」

勇者「この船を救えば、俺達に道が開けるってか?あり得なくはないが…」

盗賊「どうすれば良いか見当もつかないな。まあ、とりあえずもう少しこの船を探索してみるか。しかし夜にこの幽霊船は辛いな…」

亡霊「溺れて死ぬのは苦しい…嫌だああ!死にたくねえよおお!」

魂「嵐が来るぞお!うああああ…!」

勇者「…長居するとどうにかなりそうだ。早めに…ん?あれは…」

盗賊「一番奥に何かあるな。宝箱か?」

戦士「っしゃー!開けてみるぜー!」

528: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/04/26(日) 19:58:37 ID:Va3.OS.U
盗賊「中身は…っと。これは…ペンダントか?」

勇者「何か書いてあるな。古すぎて読めないが…名前が書いてあるのか?エリックと…オリビア。オリビア…!」

戦士「さっきのあんちゃんが言ってたな!」

盗賊「て事は、あの兄さんがエリックか?こいつは二人のあいのおもいでって訳だ」

勇者「…持って行くか。何かの役に立つかもしれない。もしかしたら、この船…とまではいかなくても、あの男の無念は晴らせるかもしれねー」

戦士「あのあんちゃんに見せなくて良いのか?」

盗賊「こんな近くにあって気付かないとも思えないからなあ。この船の中でどうこう出来る問題じゃあ無さそうだ」

勇者「思い出の物を思い出の場所に…という事なのかもしれないな。難題かもしれないが、ただ…」

戦士「なんだー?」

勇者「いや、オリビア、って聞き覚えがあるような気がしてな。まあ良い、この陰気な場所に長々と居たくねえ、戻るぞ」

盗賊「ああ、なかなかのスリルだったぜ」

ーーあいのおもいでを手に入れた!

529: ーー船上 2020/04/26(日) 20:10:36 ID:Va3.OS.U
戦士「これからどこ行くんだ?」

勇者「まずは近くの町で泊まろう。そうだな、イシスにするか」

盗賊「お、良いねえ。またあの女王様に会えるぜ」

戦士「カニがうめーんだよなあそこ!」

勇者「あの砂漠のカニには良い思い出が無いがな…行くぞ」

盗賊「よし、進路は南だ、待ってろよ女王様!」

ーー

旅人女「…あいつらは帰ったのか。アタシもそろそろかねえ。幽霊船なんてどんなお宝があるかと思ったが、思った程ではなかったねえ。さて、荷物は積んだし、出発だよ!」ザザーン…

猫「…うにゃあ、お嬢様は何処に…にゃにゃっ!?船が居なくなってますにゃー!おーい!お嬢様ー!おーいなのですにゃー!」ニャーニャー

旅人女「…?何か聞こえたような…波の音か?それにしても、何かを忘れたような気がするが…」

猫「にゃー!みぃを忘れてますにゃー!戻って…にゃ?何か物音が…」

小悪魔「ひっひっひっ…幽霊船には屍が相応しかろう…」

猫「ふにゃー!?お助けですにゃー!」オアー…オアー…オアー…

531: ーー96日目、イシス城内 2020/05/04(月) 22:18:09 ID:hqD3dTic
女王「…では、ごきげんよう。旅の無事を祈っていますわ」

盗賊「はっ。では失礼します…いやー、今日も女王様は美しかったな」ウンウン

戦士「で、これからどこ行くんだ?」

勇者「そうだな…オリビアって名前、どこかで聞き覚えがあったんだよな。どこだったか…」

盗賊「おいおい、そんな煩わしい事考えるより、今は女王様の美しさを…」

使者「あら、ずいぶんとご機嫌のようね」

盗賊「おおっと!いや、使者のおねーさんも綺麗ですよ、へへへ…」

使者「お世辞はいらないわ。女王様と美しさで争おうなんて思わないし」

勇者「ずいぶんと久しぶりな気がするが、今日は…?」

使者「貴方達が行き先で困ってるのではないかと思ったのだけれど。違ったかしら?」

戦士「おおー、すげーな!なんで分かるんだ?」

使者「オリビアの岬、って聞いたことがあるでしょう。湖の見える美しい宿、覚えてないかしら?」

盗賊「ああ、思い出した!あの時もこんな風に使者のおねーさんが来てた!」

使者「あそこに行ってみたらどうかしら?あの時は開けられなかった鍵も、今なら開けられるのでしょう?」

勇者「確かにな…行ってみる価値はあるか。どうせ他に行き先もないし、オリビアとエリックのあいのおもいでも何かの役に立つかもしれないからな…」

532: ーーオリビアの岬 2020/05/04(月) 22:35:07 ID:hqD3dTic
盗賊「さて、ここにヒントがあれば良いんだけどな」

戦士「ここの牢屋の鍵を開けてみるぜー!お?詩人がいるぜ!」

詩人「旅の方ですか?ここはオリビアの岬。悲しい伝説の伝わる岬です」

勇者「悲しい伝説…?」

詩人「嵐で死んだ恋人を想い、オリビアはこの岬に身を投げました」

盗賊「そうか、オリビアにあいつの最期が伝わっていたのか…」

詩人「しかし死にきれぬのか、岬を通る船を呼び戻すと言います。ああ、二人のあいのおもいででもあれば、オリビアの呪いを解けるかもしれないのに…」

戦士「思い出のペンダントならあるぜー!幽霊船から持ってきたぜ!」

詩人「幽霊船?確かにオリビアの恋人エリックの乗った船も、幽霊船となってさ迷っていると言う噂は聞きますが…」

勇者「その幽霊船の中で見つけたんだ。そしてこれを見つけた。ここの呪いの事など知らなかったが、ここまできたなら二人の呪いを解いてやりたい。ここからでは難しいか?」

詩人「この岬を船で通ろうとすると、何処からともなく女の歌声が聞こえると言います。ならば船で来るのが良いでしょう。ここから遥か北、ノアニールという町があります。そこから船で西に向かうと、やがて大河が見えるでしょう。そこを遡ればオリビアの岬に着くはずです」

勇者「ありがとう。きっと呪いは解いてみせる」

盗賊「よし、行ってみようぜ。このあいのおもいでが二人に、そして俺達に何をもたらすのか?なかなか面白い事になりそうだぜ」

534: ーー98日目、ノアニール 2020/05/10(日) 19:56:12 ID:8Vr5nyLE
勇者「確かここから近いんだったな、オリビアの岬は」

戦士「なあ、せっかくここまで来るんならエジンベアから商人の町に行っちゃダメだったのか?」

盗賊「それは俺も考えたが…今あいつはあいつで頑張ってるだろうからな」

勇者「ああ、あいつは今町づくりをしながらオーブ探しもしてるんだろう。なら俺らは俺らがすべき事を全力でやるべきだろ」

戦士「そっかー。それもそうだな!」

盗賊「さてと。じゃあ進路は東へ、だな。このまま進めば…」

戦士「おっ、ホビットのアネキの家だぜー!」

勇者「今日はここにも寄っていく暇は無いけどな。さて、じゃあここの川か?あの岬に続いてるってのは」

盗賊「ああ、ここから遡ってみようぜ。…しかし、今更ながら凄い船だよなこいつは。川を遡るのも苦にせずグイグイ進みんだからな」

戦士「ポルトガの王様に感謝だな!」

勇者「ああ、改めて感じるな、俺らの旅がどれだけの人に支えられてるか…数えきれない恩に、報いなきゃな」

盗賊「へっ、いっぴきおおかみの勇者が成長したじゃないか。おっ、ほら見ろあの宿屋だ。って事はついたぜ、オリビアの岬に!」

戦士「っしゃー!オリビアとエリック、待ってろよー!」

535: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/05/10(日) 20:10:11 ID:8Vr5nyLE
勇者「さて、鬼が出るか蛇が出るか…進んでみるぞ」

戦士「おー!…ってなんだあ!?どこかから歌が…!」

盗賊「…哀しい歌声だな。いったいどの位これほどの哀しみに耐えてきたのか…」

勇者「言ってる場合かっ!船が…戻される…!」

戦士「うおおおっ!?…あー、戻されちまったなあ」

盗賊「聞いてた通りだな。さて、じゃあこいつを受けとれよ、オリビア!」ブンッ

勇者「さて、どうなるか?…光が、そしてあの二人は…!」

オリビア『エリック!私のエリック!ずっと会いたかった!』

エリック『愛しのオリビア、もう放さない!』

オリビア『エリックーー!』パアアア…

戦士「おお!?消えた…ぞ?これで、これで良かったんだよな!」

盗賊「ああ。永い時を経て、やっと再会出来たんだ。天国なんてものがあるか知らないが、ま、お幸せにって所だな。せめてあの世ではな…」

勇者「…これで、呪いは解けたはずだ。進むぞ」

戦士「おー!…で、この先何があるんだ?」

盗賊「それも、夜にあの宿屋で聞いたな。確かほこらの牢獄とか言ったはずだ。穏やかじゃない響きだが、さて何が待っているのか…」

536: ーー夜、ほこらの牢獄 2020/05/10(日) 20:26:22 ID:8Vr5nyLE
勇者「ちっ、暗くてよく見えねーな。夜になっちまったからな…いや、あそこでなにかぼんやり光って…炎?いや…」

亡霊「ここはさびしいほこらの牢獄…」

盗賊「本当に寂しい所だな。ほこらの牢獄…以前にも聞いたことあったよな?」

勇者「サマンオサの北東にあった教会の神父だな。勇者サイモンがほこらの牢獄に追放されたとかいう話だったな」

戦士「じゃあここにそのサイモンってやつがいるのか?でもよお、そいつ生きてるのかこんなとこで?」

盗賊「まあ、生きちゃいないだろうな。生きてる人間の気配がまるでしねえよここは。飯だってろくに食べられないだろ」

勇者「まあ、外から見た感じそんなに広くもなさそうだ。くまなく探すのも難しくはないだろう…あれは、また亡霊か?」

魂「私はサイモンの魂。私のしかばねのそばを調べよ…」

戦士「死体のそば?どこにあるんだ死体?」キョロキョロ

盗賊「別の部屋だろうな。今まで探索して、残るのはあの部屋だけだ。行ってみようぜ」

勇者「…ここだな。見ろ、死体、骨だ。このそばを調べれば…これは、剣か!?」

盗賊「こいつは…噂に聞くガイアのつるぎじゃないか?覚えてるか?ルザミとかいう小さな島で、預言者とかいうじいさんが言ってた事を」

戦士「あー、確かどっかに投げ入れるとかなんとか…」

勇者「火山の火口に、だ。火山の火口、親父の最期の場所…いよいよ、いよいよ近づいてきたぜ、核心にな…!」

ーーガイアのつるぎをてにいれた!

538: ーー98日目、オリビアの岬 2020/05/18(月) 19:39:53 ID:9XvROzF2
盗賊「…くあ、良く寝たぜ。しかし、もともと景色の良い宿屋だったが、呪いを解いたからか穏やかになって更に良くなったよな」

戦士「魚も捕りやすくなって飯のおかずが増えたぜー!」

盗賊「使者のおねーさんもまた来れば良いのにな。なあ?」

勇者「んなに暇じゃねーだろあの人も。さてと、ガイアのつるぎが手に入ったし、火山の火口に行かなきゃならないんだが…」

戦士「どこにあんだ?火山の火口って」

盗賊「火山の火口にガイアのつるぎを投げ入れるとネクロゴンドへの道が開けるって話だったよな?言葉の通りに受け止めれば、ネクロゴンドはテドンの北のはずだったから、イシス…いやあそこからだと岩山に阻まれるか?」

勇者「陸路では難しいのかもな。となるとバハラタか、あるいはアッサラーム辺りからテドン方面を探索する感じか」

戦士「言葉通りにってのはどういう事だ?」

盗賊「ネクロゴンドへの道が開けるってのがネクロゴンドへ直接道が繋がってるって意味の場合だ。もしかしたらオーブが見つかって空からの道が開けるって意味かもしれないからな」

勇者「そうなると火山の火口がネクロゴンドの近くにある意味もない訳だが…いずれにしろあの近辺を探索するしかないだろうな」

盗賊「他にあてもないしなあ。ま、行ってみれば分かるさ」

戦士「よっしゃー!早く飯食って出掛けようぜ!」

539: ーーアッサラーム沖南 2020/05/18(月) 19:55:19 ID:9XvROzF2
盗賊「…と、まあ勇んで出てきたが、どうやら探索って程歩き回る必要もなかったかな。あのでかい山、露骨に怪しいぜ」

勇者「少し沖に出たら嫌でも目に入って来たな。時間がかからなくて結構な事だぜ」

盗賊「よし、じゃあ上陸の準備だな…さあ、行ってみようぜ!」

戦士「すげえ険しい山道だな!でも負けねーぞ俺は!」

勇者「勝ち負けの問題かよ…っと、頂上に着いたな。そしてこれが火口か。ここが…」

盗賊「親父さんの最期の地、だったな。でもまあ、分からないぜ?伝え聞いた話で、目撃者もいたのかどうかあやふやだしな」

戦士「ホビットのアネキも信じられないって言ってたよな!」

勇者「ああ、そうだな…さあ、ガイアのつるぎを投げ入れるか。結構良い剣で、名残惜しくはあるが…」

盗賊「俺らの手持ちの武器だとこの剣の攻撃力はそれなりみ魅力的なんだが、そうも言ってられないからなあ…そらっ!」ポーイ

ーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

盗賊「うおお!?なんだ!?どうなってる!?」

勇者「噴火してるのか…!気を付けろ!噴石と…溶岩が!」

戦士「おおおおお!?溶岩が川を埋めてくぞ!?」

盗賊「ああ、うめて埋めて…川の向こうに、行けるようになったな…」

勇者「正に道が開けたって訳だ。しかしこんな大掛かりな仕組みで道を隠してたとなると、この先にあるものは余程…そして親父がここに来た訳…いや、今考えても仕方ねえ、行くぞ!」

540: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/05/18(月) 20:03:59 ID:9XvROzF2
盗賊「夜になったな…結構険しい道のりのようだな、この先も」

ーートロルがあらわれた!

戦士「うおお!?でけー魔物だな!」

盗賊「サマンオサの偽王様に似てるな…先手必勝、おらっ!」ピシャッ

戦士「ぶった斬ってやるぜー!」ズバッ

トロルのこうげき!トロルのこうげき!

盗賊「ぐっ…はあ!?なんだこいつの攻撃力は!?」

戦士「いってええ!すげー力だな!」

勇者「でも耐えられねえ程じゃねえだろ、らあっ!」ピシャシャッ

戦士「うらあー!」ザグッ

ーートロル達をやっつけた!

盗賊「くそっ、ここから先のモンスターは桁が違いそうだな…ん?見てみろよ、あそこにあるのは…!」

勇者「あれは…洞窟か!どうやら次はあそこにいくようだな。だが今日は引き返すようだな…」

戦士「洞窟は明日か?ここのモンスターはつええけど、俺は負けねーぞ!」

盗賊「ああ、負けてたら先に進めないからな。しかし…へへっ、ここから先は今までにないスリルが味わえそうだぜ…!」

542: ーー99日目、ネクロゴンドの洞窟 2020/05/25(月) 20:21:12 ID:seMuB3SY
盗賊「くっそ、ここに来るまでにかなり消耗しちまったな…勇者、魔力は?」

勇者「もう半分も残ってねえ。くそ、洞窟攻略が本番なのに、辿り着くまでにこんなに消耗しちまったら…」

戦士「勇者、さっきレベル上がったんじゃないのか?新しい呪文とか覚えなかったのか?」

勇者レベル32「残念ながら、な。ベホマでも覚えりゃあ、多少は楽になったかもしれなかったんだがな」

盗賊レベル32「ベホマもだが、さっきザキを使う魔物が出たぜ。あの影みたいな…お前、ザオラルとか…」

勇者「覚えてねーよ、ザキが効いたら終わりだ。二人になったら引き返すしかねー」

盗賊「だよなあ。こいつは難所中の難所のようだな。洞窟内はそこまで魔物と出会わないっぽいのが不幸中の幸いだがなあ」

戦士「なんだよ!弱気だな二人とも!俺は負けねーぞ!」

勇者「もちろん諦めるつもりはねー。だが、今日はもう引き上げだ。もう少し洞窟内を探索したかったんだが…」

盗賊「まあ、探索は明日以降だな。それより朝になるまでに帰れるかどうかだよな」

戦士「っしゃー!アッサラームに帰るぜーー!」

勇者「…まあ、お前のうざい程の煩さも多少は救いになるか。ここが本当の正念場のようだからな…」

543: ーー火山南部 2020/05/25(月) 20:30:04 ID:seMuB3SY
ーーフロストギズモはヒャダルコをとなえた!フロストギズモはつめたいいきをはいた!

勇者「ぐあっ!まずい、死ぬ…」

盗賊「勇者っ!先に倒す!おらあああっ!」ピシャシャッ

戦士「うおりゃー!」ザクッ

ーーフロストギズモたちをやっつけた!

盗賊「大丈夫か、勇者!?」

勇者「なんとかな…ベホイミ!…くそ、これで魔力はほぼ空だ」

戦士「もうないのか!?アッサラームまでまだまだだぜ!?」

勇者「ああ…仕方ない、ルーラで戻る。1日無駄になっちまうが…」

盗賊「全滅よりマシだろ。新しい場所到達に一日遅れても棄てるのは一個、全滅したら三個だ」

戦士「それに久しぶりに盗賊も武器盗んだだろ?」

盗賊「久しぶりは余計だろ!ただあの雲野郎が落とした剣、なんか不吉な感じがするんだよな」

勇者「まあ最悪捨てる候補になるなら良いだろ。よし、じゃあ戻るぞ…ルーラ!」ギュイーンギュイーン…

544: ーー100日目、アッサラーム沖南 2020/05/25(月) 20:38:55 ID:seMuB3SY
盗賊「…とはいえすぐ宿に泊まるのは勿体ないからな。ギリギリまで経験値を稼ぐか」

ーーヘルコンドルがあらわれた!

戦士「おっ、前に盗賊が飛ばされた奴じゃねーか!」

盗賊「うるせえよ!今はもう敵じゃねえ!そらっ!」ピシャシャッ

勇者「っしゃあ!」ピシャッ

ーーヘルコンドルたちをやっつけた!

戦士「っしゃー!楽勝だぜー!…ん?あれ宝箱じゃねーか?」

勇者「こいつの宝箱っていったらーー」

なんと みかわしのふくをてにいれた!

盗賊「だよなあ。まあ、装備品はあって困るもんじゃないしな」

勇者「ああ。おそらくあの洞窟攻略には時間が掛かりそうだ。捨てなきゃならねえ装備品も多くなるかもしれねー」

盗賊「本当なら今日明日で突破したかったが、今日宿泊で明日中には次に行かなきゃ行けないからなあ。少し厳しいよな」

戦士「明日一日で突破すりゃ良いんだろ?やってみせるぜー!」

勇者「まあ、出来りゃそれに越したことはないけどな。まあ明日だ。昨日から寝てねーから何もかも空っぽだ。早く宿に行きたいぜ…」

547: ーー101日目、アッサラーム 2020/06/01(月) 19:56:43 ID:.xI9x0VY
戦士「くあーっ、良く寝たぜー」

盗賊「おい、まだ準備出来てないのか?時間ないんだから急げよな」

勇者「そういうお前はさっき出掛けてたみたいじゃねーか、どこ行ってたんだよ?」

盗賊「ああ、昨日盗んだ剣あっただろ?あれをちょっと店に持ち込んでな。あれはもろはのつるぎって言うらしいぜ」

戦士「へー、強そうだったよなあれ!」

盗賊「ただ、試しに値段を聞いてみたら渋い顔をされてな、あんまり良い値じゃなかったよ。つまりーー呪われてるな、これは」

戦士「呪われてるのか!?その剣が!?」

盗賊「まともな剣ならもっと値が張るだろうからな。ま、剣の話は終わりだ。今日はあの洞窟手前で経験値稼ぎか?」

勇者「いや…突破を目指そうと思う。おそらくこの後に控えてるのは魔王だろう。魔王の時にこそ、時間をたっぷりかけたいからな」

戦士「おお、あの洞窟抜けるのか!燃えてきたぜー!」

盗賊「…かなり無茶だな。ま、そうは言っても今日経験値稼いでレベル上がるのはせいぜい戦士だけだろうからなあ。俺と勇者はもう上がったしな」

勇者「そういう事だ。さあ、そうと決まったら行くぞ。あの洞窟まで結構距離があるからな」

戦士「っしゃー!やるぜやるぜー!」

548: ーーネクロゴンドの洞窟周辺 2020/06/01(月) 20:04:28 ID:.xI9x0VY
ーートロルのこうげき!トロルのこうげき!

盗賊「くっそ、いてえなーーおらっ!」ピシャッ

戦士「うおおー!」ザンッ

ーートロルたちをやっつけた!

勇者「くっそ、こいつに一番会いたくなかったのに…回復するぞ、ベホイミ!」パラララ!

盗賊「アホみたいにタフだからな。他は最悪勇者のイオラでなんとか出来るんだが」

戦士「でもあれも魔力結構使うんだろ?」

勇者「結構どころじゃねーな、俺にとってはな。だが、ベホイミを2回使うよりはマシだ」

盗賊「どっちが効率良いか、だよなあ。魔力使わずに勝てるならそれに越した事はないけどな」

戦士「商人がいればなー」

勇者「それを言っても仕方ねえだろ。さあ、洞窟に着いたぞ。昨日よりは消費が少ないが、あのでかいの10体も相手しちまったのがどう響くか…」

549: ーーネクロゴンドの洞窟、B1F 2020/06/01(月) 20:14:43 ID:.xI9x0VY
盗賊「…やっぱり洞窟の中はそこまで魔物が多くないようだな」

勇者「そうでなきゃ今日中に突破するとか言わねーよ」

戦士「バッタバッタ倒してレベル上げても良いけどな!」

盗賊「そんな余裕ないだろ今は。とにかく無事洞窟を攻略するのが第一だ」

勇者「大体お前外でレベル上がっただろ」

戦士レベル32「おう!俺も二人に追い付いたぜー!」

盗賊「じゃあしばらく誰もレベル上がらないだろ…っと、階段だ。まあ昨日もここまでは来たけどな」

戦士「そういや洞窟なのに潜らねーで上るんだな」

勇者「おかしいって程でもないが…言われてみれば今までの洞窟はみんな下に進んでたか?」

盗賊「確かな。魔王の居場所はネクロゴンドの山奥っていう話だったからな、言わば登山だろ」

戦士「この先に魔王がいるのか?この洞窟の最後に出てくるのか?」

勇者「分かるわけねーだろ。とにかく、俺達は進むだけだ」

盗賊「そうだな、この先に待ってるのが魔王でもオーブでも、俺達には進む以外の選択肢はないよな…よし、行こう!」

551: ーー1F 2020/06/07(日) 20:16:47 ID:hBEr5vpI
盗賊「この洞窟に入った所が地下1階で、上ったら1階か」

戦士「0階ってのはねーのか?」

勇者「聞いた事ねえな…お前ら、構えろ!」

ーーミニデーモンがあらわれた!

戦士「この階はこのチビばっかりだな!おらー!」ザクッ

盗賊「さすがにあのでかいのは洞窟内には入ってこられないらしいな、そらっ!」ピシャシャッ

ミニデーモンはメラミをとなえた!

勇者「くっ…そ、うらあっ!」ピシャシャッ

ーーミニデーモンたちをやっつけた!

戦士「体力がねーからぱぱっと片付くな!」

盗賊「呪文だけは痛いがな。大丈夫か?」

勇者「問題ねー…が、あんまり何回も喰らいたくはねえな。長丁場だろうしな」

盗賊「ああ、なるべくさっさと進みたい所だな」

戦士「っしゃー!ガンガン進むぜー!」

552: ーー2F 2020/06/07(日) 20:29:06 ID:hBEr5vpI
勇者「2階は…特に問題なく進めたな」

戦士「あの宝石袋みたいなの早かったなー!早いだけで弱かったけどな!」

盗賊「呪文を2つ唱えた上に攻撃までしてきたからなあ。まあ攻撃力はてんで大したことなかったが」

勇者「あのレベルのモンスターだけだったら楽なんだが…階段だ」

盗賊「これで3階か。ここまでは順調だよな…んん?これは…」

戦士「おいおい、亀裂だらけで全然進めねーじゃねーか!」

勇者「上に上る階段自体はあるだろ、あそこに。ただ、亀裂を越えないと辿り着けないんだが、こういう時は…」

盗賊「亀裂や穴から落ちてみて活路を見いだす、だよな。今までも散々ロープとかから落ちた先に道があったりしたよな」

戦士「よし、飛び下りるぜうおおおおー!」ピューン…

勇者「行くか………っつう!結構な落差だな、さて…」

盗賊「お!ほら見ろよ、あの階段を上ってみれば…」

戦士「おおー、またすぐに階段があったぜ!さっき亀裂の向こうにあった階段か?」

勇者「だな。これで次は4階か、このまま出口まで辿り着ければ良いが…」

553: ーー4F 2020/06/07(日) 20:37:50 ID:hBEr5vpI
盗賊「ーーこの階は少し複雑なようだな。慎重に、かつ素早く…」

ーーじごくのきしがあらわれた!ガメゴンロードがあらわれた!

戦士「おお!?どっちも見たことねーぞ!とりあえずカメくたばれー!」ガギン!

ガメゴンロードはスクルトをとなえた!じごくのきしのこうげき!じごくのきしのこうげき!

盗賊「ぐはっ…!?この手数と攻撃力、まずいぞ…!」

じごくのきしはやけつくいきをはいた!

戦士「あっ!?が、が、が…」ビクビクッ

勇者「戦士!麻痺か!?」

じごくのきしのこうげき!じごくのきしはやけつくいきをはいた!

盗賊「かっ!?あ、くっ…!」

勇者「盗賊!くそっ、動けるのは俺だけ…」

じごくのきしのこうげき!戦士はしんでしまった!じごくのきしのこうげき!盗賊はしんでしまった!

勇者「くそっ、つええ…!引くか戦うか、どう…」

ガメゴンロードはもえさかるかえんをはいた!

勇者たちはぜんめつした!

555: ーー102日目、イシス 2020/06/14(日) 19:50:41 ID:0PMO31vo
戦士「んあー、負けちまったー…」

盗賊「強かったな最後の奴ら。しかも数が多かったしな。にしても戦士、見たことねーじゃないだろ、前の日にあの骸骨は見てただろ」

戦士「ああ?あー、そうだったな!」

盗賊「まああの時はあっさり倒したからなあ…さて、どうするよ?全滅して城に戻ると魔力回復するんだったか?」

勇者「ああ、魔力は戻ってる。このまま再挑戦も選択肢ではあるが…」

戦士「ちなみにいくつ装備捨てるようなんだ?」

盗賊は三人死んで1日オーバーだから4つだな。今日あの洞窟を突破出来なきゃもう1つだ」

戦士「そんなにかー!とりあえず捨てるぜとげのむちにみかわしのふくにてつのつめにたびびとのふくー!」ポイポイポイポーイ

勇者「かなり厳しくなっちまった。だが…今日の再挑戦は難しいな。いくらある程度あそこにいる魔物の特徴が掴めたとはいえ…」

盗賊「もう1つ捨てるのは確かに痛いが、まあ仕方ないだろうな。今日はレベル上げだ」

戦士「おっ、じゃあどこ行くんだ?」

勇者「そうだなーー」

557: ーーガルナの塔、5F 2020/06/14(日) 20:02:35 ID:0PMO31vo
戦士「うおおー、くたばれー!」ガギン!

メタルスライムをたおした!まもののむれをやっつけた!

盗賊「ふう、やっぱりレベル上げといったらここだよな」

勇者「ああ、あの銀色以外にもドラゴンなんかもまずまず経験値くれるからな」

戦士「ちょっと攻撃が痛い奴らもいるけどなー!」

盗賊レベル33「ドラゴンと金の鳥は厄介だよな。でも俺と勇者はレベル上がったよな」

勇者レベル33「やっとベホマを覚えたぜ。これでーーあの洞窟も抜けられるはずだ」

盗賊「やったな!あとまんげつそう3つといのちのきのみ1つを盗めたぜ。まあ、無いよりはまし程度だが」

戦士「まんげつそうはつかうだろ!めっちゃマヒしたじゃねーか!」

勇者「麻痺も厄介ではあるんだが、麻痺すると手数が足りなくなるからな。まんげつそうがたくさんあっても解決しない事も多いからな…」

盗賊「まんげつそうはあります、使う暇がありませんじゃなあ。まあ、次は麻痺しないように気を付けないとな」

勇者「麻痺せず死なずに進めれば、そう難しくもないとは思うんだがな。もちろん、俺らが昨日進んだ所が出口に近いなら、だが」

戦士「大丈夫だろ!明日は突破しかないぜー!」

勇者「もう捨てる装備品が底を尽きかけてるからな。明日は突破出来ないと…いや、突破する。絶対にな…」

559: ーー103日目、アッサラーム郊外 2020/06/21(日) 20:24:38 ID:LXs9hWdY
勇者「………」フウ…

盗賊「なんだ勇者、緊張してるのか?」

勇者「そんなんじゃねーよ。ただ少しな…」

戦士「大丈夫だ!俺が全部ぶっ飛ばしてやるぜー!」

勇者「はっ、出来るならそうしてもらいてえもんだな。さて…一応せいすいを撒くか」サアッ

戦士「んー?せいすいなんて効くのかー?」

勇者「さあな。ただ海の魔物を避けられるだけでも多少はマシになるだろ」

盗賊「少しでも消耗を避けたい所だからな。さて、じゃあ出港だ!今日こそーー」

ーーマーマンダインがあらわれた!

戦士「おいおい、いきなりモンスター出てきたじゃねーかよお!」

盗賊「…せいすいってこんなもんなのか?役立たずだろこんなの」

勇者「どうせザコだから良いものの…あてが外れたな…」

560: ーーネクロゴンドの洞窟周辺 2020/06/21(日) 20:33:34 ID:LXs9hWdY
ーーフロストギズモはつめたいいきをはいた!フロストギズモはヒャダルコをとなえた!

勇者「くっそ…!ーー力よ来たれ!集い、破裂し、世界を歪め蹂躙せよ!イオラ!」ドガポーン

ベホマスライムをたおした!フロストギズモをたおした!フロストギズモをたおした!

ーーまもののむれをやっつけた!

戦士「おおー!1発で片付いたな!」

盗賊「その前に俺が鞭で一撃入れてたからだからな!」

勇者「あんまり攻撃呪文は使いたくないが…モタモタしてたら余計に魔力を消費しちまうからな」

盗賊「回復呪文連発するよりはマシってか?そうかもな…お、着いたぜ忌まわしい洞窟に」

戦士「この前よりは魔力使わなくて済んだんじゃねーのか?」

勇者「まあな。レベルアップで魔力が上がったのもあるしな」

盗賊「残ってた2つのかしこさのたねも使ったしな」

勇者「ああ、ここまでしたんだ。今日こそは…」

戦士「ここを突破してやるぜー!」

盗賊「だな。よし、行くぜ!待ってろよモンスターども!」

561: ーーネクロゴンドの洞窟、1F 2020/06/21(日) 20:42:08 ID:LXs9hWdY
トロルがあらわれた!じごくのきしがあらわれた!ホロゴーストがあらわれた!

戦士「おお!?あのでけーの洞窟の中に出ないんじゃねーのかよ!?」

盗賊「こんな狭い所に入ってくるなよな!とはいえ一番怖いのは…そらっ!」ピシャッ

勇者「らあっ!」ピシャッ

ホロゴーストをたおした!

じごくのきしのこうげき!じごくのきしはやけつくいきをはいた!トロルのこうげき!

盗賊「ってえな…!しかし麻痺はしなかったな!おらっ!」ピシャッ

戦士「うおおらー!」ザンッ

ーーまもののむれをやっつけた!

勇者「よし、ここまではまずまずだ。だが少なくともあと三階層上があるからな、油断は出来ねえ」

盗賊「どんどん魔物が強くなるみたいだしな。ま、それでも今日こそはなんとかなるだろ。つーか、なんとかしないといけないんだよな」

戦士レベル33「おおー!レベルも上がったしもう負けねーぜー!」ウオー

563: ーーネクロゴンドの洞窟、3F 2020/06/28(日) 20:13:14 ID:waUSB17c
戦士「くっそー、上ったり落ちたり面倒くせーな!」ウガー

盗賊「お前が先走って落ちる所間違えたんだろ。しかしここの魔物は本当に強いな」フウ…

勇者「魔力も余裕が無くなってきた。ここからはより慎重に…っと、階段だな」

ーー4F

盗賊「前回もここまでは来れたよな。ここからはーー」

ーーじごくのきしがあらわれた!

勇者「あいつらか…逃げるぞ!」ダダダダ…

戦士「ええー!?おいおい、戦わねーのかよ!」

勇者「無駄な戦闘は出来ねえんだよ!…逃げ切れたか?」

盗賊「なんとかな…魔力、そんなに無いのか?」

勇者「半分ってとこだな。面倒そうな奴らからは逃げて…」

ーーおどるほうせきがあらわれた!

勇者「よし、そいつは倒すぞ!」

戦士「よっしゃー!おらおらー!」

盗賊「強敵からは逃げて弱そうな奴を倒す勇者…まあ、四の五の言ってられないか。ここを突破しなきゃいけないんだからな…」

565: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/06/29(月) 19:38:20 ID:b7EY9xlo
ーーじごくのきしがあらわれた!

勇者「くっ!逃げるぞ!」ダダダダ…

ーーライオンヘッドがあらわれた!ガメゴンロードがあらわれた!

勇者「1匹ずつか…やるぞ!」

戦士「うおおらー!」ザンッ

フロストギズモがあらわれた!

勇者「4匹いるが…やるぞ!」

盗賊「俺と勇者のムチ攻撃で大体倒せるから…なっ!」ピシャシャシャシャッ

ーーフロストギズモたちをやっつけた!

盗賊「ほら見ろよ、今度は盗みで手に入れたぜもろはのつるぎ!…どうした勇者?」

勇者MP4「ちっ…もうほとんど空だ」

戦士「大丈夫かあ?また…あー!見てみろよ!階段!」

盗賊「おおっ!しかも光が見えるぜ!出口だ!」

勇者「やっと…か。長かったな。しかしまだこの先に何があるか分からねえ、気を引き締めないとな…」

566: ーーネクロゴンドの洞窟、出口周辺 2020/06/29(月) 19:47:19 ID:b7EY9xlo
盗賊「…さて、出たは良いが夜の森の中だ。とはいえ、どうやら東に進むしかないようだけどな」

戦士「なんか嫌な雰囲気だなー」

勇者「ああ、どうやら本当に魔王の居場所が近いらしい…あれは…!」

盗賊「ほこら、か?どうする?…って、ここまで来て入らないって選択肢はないよな。行くぜ!」

戦士「うおおー!…お?おっさん一人だけか?」

男性「おお、ここまで辿り着く者がいるとは!そなたらにシルバーオーブを授けようぞ!」

戦士「オーブ!?すげー!」

勇者「話が早くて助かるが…」

男性「そなたらならきっと魔王を討ち滅ぼせるであろう!伝説の不死鳥ラーミアもそなたらの助けになるであろう!」

盗賊「そういえばオーブを集めると不死鳥が復活するとかいう話だったな。じゃあラーミアの力を借りて魔王の所まで行くって訳か」

戦士「おお、ついに魔王と対決だな!」

勇者「待てよ、まだオーブは5つしか集まってねえ。とはいえ商人が見つけてるかもしれねえからな。次はあの町に行ってみるか」

盗賊「ああ、このオーブを見せて商人をびっくりさせてやろうぜ!」

567: ーー104日目、商人バーク 2020/07/05(日) 19:41:10 ID:Vyod1lP2
戦士「おー、エジンベアからここまで1回もモンスターに遇わなかったな!」

盗賊「アッサラーム出るときに撒いたせいすいの効果が残ってるんだろ。にしても休息無しか…」

勇者「休んでる暇はねえし、この辺の魔物なら魔力が無くても負けねえからな。にしてもこの町…」

戦士「立派になったよなー。商人めちゃくちゃ頑張ったんだな!」

盗賊「それはそうだろうが、あいつがパーティー抜けてから何日だ?いくらなんでも早すぎだろ」

勇者「別れたのは95日目だな。10日足らずでこんな町が出来るものなのか…?」

戦士「すげーよなー!…お?あのじーさん、最初からここにいたじーさんだよな?」

老人「おお、私のこと覚えているか?…商人、とても良く働く。だがやり過ぎ良くない。町の者達も良く思ってない」

盗賊「………だろうなあ。一体どれだけのペースで働かせればこんな町が短時間で出来るのか考えるとな」

勇者「…少し、あいつと話をするか。あいつは何処に?」

老人「屋敷にいる。私案内する」

戦士「久しぶりだなー商人に会うの!あいつもオーブ見つけてるかな?」

盗賊「能天気だなお前は。でも、その能天気さが今は少し羨ましいぜ…」

569: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/07/12(日) 20:22:02 ID:Y9XDQEsw
大男「商人様、商人様に話があると複数の見慣れぬ男達が…」

商人「…?まだ約束の時間には…」

戦士「おおーい!商人、いるんだろー?」

商人「あの声は…!今すぐその人達を通して下さい!」

大男「良いんですか?では…」

戦士「おおー!久しぶりだぜ商人ー!」

商人「皆さん!お久しぶりです!3人とも元気そうですね!」

盗賊「ああ、なんとかな。見ろよ、オーブだぜ、銀色だ」スッ

商人「これは…!シルバーオーブですね!凄い、ネクロゴンドの山奥にあると聞いて、どうしたものかと思ってたんですよ!」

勇者「まあ、1回全滅したがな。それよりお前は…」

商人「ああ、僕の方もあと少しで…すみません、せっかく来ていただいたのに、これから商談がありまして…」

盗賊「…ずいぶん忙しいみたいだな」

商人「ええ、でももうすぐ、もうすぐですから。皆さん、今日はこの町に泊まって行かれませんか?この町の宿屋はなかなかのものですよ!」

勇者「そうだな、正直洞窟を突破してから休んでねえからこの辺で休みたい所だな」

商人「良かった!では今日はゆっくり休んでください。積もる話はまた明日にでも…」

570: ーー夜 2020/07/12(日) 20:30:28 ID:Y9XDQEsw
戦士「うーん、明日より今日喋れねーかと思ったけど、もう寝ちまったんだな商人」

盗賊「門番の大男は帰れ帰れの一点張りだ。ま、明日があるなら明日で良いさ。ほら、宿に着いたぜ」

宿屋「お帰りなさいませお客様。もう夕飯が出来てますよ」

勇者「ああ、悪かったな。よし、今日はもう休むか。流石に疲れたしな」

戦士「おおー!飯だ飯だー!」

宿屋「…」

ーー商人の館

商人「…よし、これはここに隠しておいて…すみません。何やら外が騒がしいようですが…」

大男「さあ?なんでしょうねえ?」ニヤニヤ

商人「…分かってますよ、隠さなくても。さあ、皆さんを入れてあげて下さい。僕は抵抗しませんから」

大男「え…?おお、はい、分かりました…」

商人「…ふう。これで、良かったんだ、きっと…」

571: ーー105日目、商人バーク 2020/07/12(日) 20:40:39 ID:Y9XDQEsw
盗賊「…くあ、よく寝たなあ。疲れてたにしても、全員日があんなに上るまで眠ってたなんてな」

戦士「ぐっすりだったぜー!」

勇者「ああ、まだ少し眠い気がするが…なんだ?騒がしいな…」

盗賊「外で何かあったか?出てみるか…んん?なんだ?様子が…」

戦士「おお?みんな殺気だってどうしたんだ!?」

老人「おお、貴方達ここにいたか。大変、革命、起こった」

勇者「…革命?」

老人「そう、ついに革命起こった。商人、牢屋の中。なんてこと…」

盗賊「なに!?そりゃどういう…いや、そうか、そういう事か…」

戦士「なんだ!?どういう事だ!?」

勇者「…とにかく商人の所に行こう。牢屋は商人の屋敷の向かいだったな」

盗賊「あいつ…心配してた事が現実になっちまったな…!」

戦士「どういう事だよ!?分からねーぞ!?」

盗賊「町の連中を働かせ過ぎたツケが廻ってきたんだろうよ。くっそ、あいつは無事なんだろうな…?」

573: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/07/19(日) 19:43:39 ID:yOnnXaDk
戦士「おーい、商人!おーい!」

商人「戦士さん…皆さん…」

盗賊「おい、無事か?怪我はないのか?」

商人「ええ、大丈夫です。皆さん紳士的で…」

勇者「ざっと見た感じ、町の連中に怪我してるヤツはいなかった。お前が抵抗しなかったから、あっちも手を出さなかったんだろう」

盗賊「にしてもお前…いや、どうしてこうなったかは分かってるよな?お前なら」

商人「ええ、少々…いや、とてもやり過ぎました。とても」

盗賊「そんなに焦る必要は…」

商人「それより、僕の屋敷だった所の椅子の後ろに、大切な物があります。それを皆さんに持っていって貰いたいんです」

戦士「お前、牢屋から出ないのか!?カギあるんだから出してやるぞ!?」

商人「ええ、気持ちは有り難いのですが…」

勇者「反省しなきゃいけない、ってか?」

商人「はい…」

盗賊「その大切な物ってのは…オーブだな?」

574: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/07/19(日) 19:56:06 ID:yOnnXaDk
商人「はい。やっと…見つけたんです。ただ高くて…」

盗賊「それでこんなムチャしたのかよ」

商人「…」

勇者「結局、どんなに繁栄しても、どんなに豊かになっても、魔王に滅ぼされたらおしまいなんだよ」

戦士「?どーしたんだ急に??」

勇者「だから、この町の連中に多少の無茶を強いた。オーブは絶対に手に入れなきゃならねえ。でもチンタラやってたらいつ手に入るか分からねえ。その間に魔王が本格的に動き出すかもしれねえ」

盗賊「…そうか、それでお前、こんな無茶を…!」

勇者「確かに無茶だが、滅びるよりはましだからな。かと言って、連中に無茶をさせた事実に違いはねえ。だから牢屋に残る。こんな所だろ?」

商人「勇者さん、なんで…」

勇者「なんで分かったのか、か?付き合いも…長いとは言えねえが、共に死線をくぐってきた訳だし、何より…俺は勇者だからな。パーティーの事なら分かる」

戦士「おおー!なんか分からねーが説得力すげー!」

商人「勇者…さん…」

勇者「お前の事だ、ハナから最後はこうなる覚悟でやったんだろ。だから今は連れ出しはしないが…すぐに迎えに来るからな。町の連中だって、この町をここまででかくした功績がおまえにあるのは分かってるはずだ、そんなに長く牢屋にぶち込みっ放しにはしないだろ」

商人「はい…はい…」

575: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/07/19(日) 20:08:15 ID:yOnnXaDk
盗賊「さて、じゃあオーブを取りに行くか。にしてもいっぴきおおかみのお前が、パーティーの事なら分かる、なんてな。成長したよなあ」

勇者「うるせー。んな事よりオーブを…っと」

大男「おい、ここはもう商人の屋敷じゃないぞ!部外者を入れる訳にはいかねえな!」

戦士「なにー!?ここには…」

盗賊「黙ってろ!…とはいえ、せっかく商人が見つけたオーブだ、なんとしても通してもらわないと…」

老人「皆、待つ。ここ、通して欲しい」

大男「あんたは…」

老人「この者達、最初にここを、私を見つけた。この者達居ないと、この町出来てない。この町の、恩人」

大男「…ちっ、分かったよ。あんたに言われたんじゃな…おい!荒らすんじゃないぞ!」

勇者「ああ、悪いな…椅子の後ろ、だったよな」

戦士「ここだな!…おお!?何もねーぞ!」

盗賊「待ってろよ、床を叩いて…ほら、ここだけ音が違うだろ?この床板をはがせば…」

戦士「おおー!黄色いオーブだぜー!これで揃ったな!」

勇者「ああ、あいつの…あいつと、あいつの作ったこの町のおかげでな」

ーーイエローオーブを手に入れた!

577: ーー海上 2020/07/27(月) 20:10:11 ID:eKppc6Dk
盗賊「ったく、あいつも真面目が過ぎてなあ」

勇者「まあな。だが、だからこそ町の連中は今まで我慢してたのかもしれないけどな」

戦士「あいつが真面目にやってるんだから、みんなも真面目にやらないとな!」

勇者「ああ。そしてあいつは賭けに勝った。考えても見ろよ、下手すりゃイエローオーブを手に入れる前に反乱される可能性だってあった」

盗賊「まあな。あいつとしても賭けだった訳だ」

勇者「そして賭けには勝った。あいつの真面目さがひきよせたんだろう…多分な」

戦士「流石商人だよな!…んで、今俺ら何処に向かってるんだ?」

盗賊「そりゃ、オーブが揃ったんだからレイアムランドのほこらに向かってるんだよ。あの町から北東に向かえば着くはずだ…多分な」

勇者「不確定だらけだな…っつーかあれ、見えてきた大陸、レイアムランドじゃねえぞ?」

戦士「おお!?たしか海賊達がいた所だよな?」

盗賊「てえと…かなりずれてるなこれは…くそっ、時間がむだになったぜ…」

578: ーー106日目、レイアムランドのほこら 2020/07/27(月) 20:20:10 ID:eKppc6Dk
勇者「ちっ、1日経っちまった」

戦士「みかわしのふくを捨てるぜー!」ポーイ

盗賊「それはともかく、ついにここまで来たな」

勇者「ああ。さて、とりあえずはオーブを祭壇に捧げるか…」ボッ

戦士「うーん、あの巫女の二人、飯どうしてるんだろうな?」ボッ

勇者「この大陸には鳥も熊もいる。そいつら狩ってるんだろ」ボッ

盗賊「ああ見えて肉食なのかよ…」ボッ

戦士「肉は美味いからな!」ボッ

勇者「さて、これで最後だが…」ボッ

カタカタカタカタカタカタカタカタ…

戦士「おお!?なんだなんだ!?」

盗賊「卵が…震えてる…!」

巫女「「私たち この時をどれだけ待ちわびた事でしょう」」

勇者「…一体どれだけの時を待ったのか、想像もつかねえが…いよいよなんだな、巫女達の悲願と、俺達が魔王をぶっ倒すって悲願が叶う時がな…!」

579: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/07/27(月) 20:37:09 ID:eKppc6Dk
巫女「「大空はお前のもの。舞い上がれ 空高く!」

カタカタカタカタ…パキッ

戦士「おおっ!?鳥が生まれたぜー!」

盗賊「でかいな!そしてこいつは…!」

勇者「神々しい…な」

巫女「「ラーミアは神のしもべ。心清き者だけをその背に乗せるといいます」」

盗賊「へっ、俺らの為の鳥みたいじゃないか、清い心の持ち主を乗せるなんてな」

戦士「盗賊、フラグってやつかあ?」

盗賊「どういう意味だ!?おら、とっとと外に出てラーミアに乗ってみるぞ!」

戦士「おおー!楽しみだぜー!」

勇者「ったく、遊びじゃねーんだぞ…じゃあ、悪いがラーミアは俺らに着いてきてもらう」

巫女「はい。よろしくお願いいたします。お気をつけて」

勇者「…あんたらも達者でな。さて…これでいよいよか。魔王を倒す。準備はこれで整った。待ってろよ…」

581: ーー上空 2020/08/02(日) 19:37:05 ID:RmQAaJGM
戦士「おっほほー!飛んでる飛んでるー!」ヒャッホー

盗賊「はははっ、こいつは凄いな!世界を上から見られるなんてなあ!」

勇者「そして障害物も無いから目的地まで早え。直線で移動できるからな」

戦士「よっしゃー!じゃあ商人のとこ行くかあ?」

盗賊「ああ、あいつに見てもらおうぜ!」

勇者「…あいつの所行くともう1日経つだろ。また1つ装備品捨てるようだぞ」

戦士「じゃあどこ行くんだよ?」

勇者「…でも、それでも商人の所だよな…」

戦士「だよなあ!勇者はそう言うと思ったぜー!」

盗賊「はっ!心配すんな、俺がガッツリモンスターから盗んでやるからな!」

戦士「商人が戻って来ればまたあなほりで武器とか見つけられるもんな!」

盗賊「おい!?俺の話聞いてたのかよ!?俺が盗むっつってんだよ!」

勇者「ったく、騒がしいったらないぜ。こいつらの相手するにも商人が居た方が楽だからな…」

582: ーー107日目、商人バーク 2020/08/02(日) 19:48:07 ID:RmQAaJGM
商人「み、皆さん!」

戦士「お、商人ー!牢屋から出れたんだな!」

盗賊、元気そうで良かったぜ。なあ?」

勇者「あれから何日も経ってねーだろ。…もう、良いのか?」

商人「ええ、もうこの町に僕は必要ないので…今、引き継ぎも終わった所ですよ」

盗賊「せっかくここまでの町にしたのに、作った本人はお役御免か」

商人「良いんです。町に名前が残るだけでも。それにしても、凄いじゃないですか!あれが不死鳥なんですよね!」

戦士「おお!商人のお陰だぜ!また商人も一緒に冒険出来るんだよな?」

商人「はい!でも一旦ルイーダの酒場に戻って登録し直さないと…」

勇者「ああ、面倒だが仕方ねーな。じゃあルイーダの酒場でまた落ち合うか」

商人「ええ、では先に失礼します!」

盗賊「おお、またな…っておい!ラーミアに乗ってけよ!」

戦士「行っちまったぞ。ずいぶん慌ててるなあ商人!」

勇者「………まあ、また冒険出来るのが待ちきれないんだろ」

盗賊「かもな。よし、俺らも急ごうぜ!っと、まずはてつのよろいを捨ててっ、と…よし、行くぜ!」

584: ーー上空 2020/08/10(月) 20:05:43 ID:MJd785uI
戦士「よっしゃー!じゃあアリアハンに行くぜー!」

盗賊「…と言いたい所だが、ここからアリアハンは今日中には着かないよな」

勇者「かと言ってネクロゴンドにだっておそらくは着かねえ。さて、どうしたもんか…」

盗賊「別の新しい場所を探さなきゃいけないんだが…こんな上から見られるからな、地上からだと見えない所まで見えるぜ。ほら」

戦士「んんー?…お!なんか城みたいなの見えるぜー!」

勇者「あそこは…カザーブの東辺りか?地上からだと分からなかったが、あんな所に城があるのか…」

盗賊「ああ、空から見たからこそだな。高い高い岩山に囲まれた場所にある城。何があるか気になるよな?」

戦士「魔王の城じゃないんだよな?」

勇者「可能性がゼロではないだろうが…あれだけいろんな所で魔王はネクロゴンドに居るって情報があって、実はこんな所に居ましたってのはな…」

盗賊「つまり、魔王以外にもこんな誰も知らないような所にある城に住んでる奴がいるって訳だ。こいつは俄然気になってきたぜ」

戦士「だな!じゃあ行ってみようぜー!」

勇者「お気楽だな…安全な所とは限らねーだろ。まあ、怪しい雰囲気も無いし大丈夫だとは思うが…」

585: ーー夜、竜の女王の城 2020/08/10(月) 20:19:29 ID:MJd785uI
戦士「おい、なんか、ここ…」ヒソヒソ…

盗賊「ああ、お前みたいながさつの塊でも思わず声を落すようなこの雰囲気…」

勇者「魔王の城じゃねえな。むしろ逆…神聖な雰囲気って奴を感じるぜ」

戦士「魔王の逆って何だよ!?神様とかか?」

盗賊「もしかしたら、な。しかしおねんねの頃から魔王の話は聞いてたが、神様が本当にいるなんて話は聞いたことないけどな」

勇者「居る居ないで言ったら居るんだろうが、こうやって現実の世界に居るってのはな。ちょっと信じられねえな」

盗賊「まあ神様が本当にいるかはまだ分からない…何だ?城の中に…馬?」

馬「ここは天に最も近い、竜の女王様の住まう城です」

戦士「竜の女王様!?どんなヤツなんだ!?」

勇者「分からねえ、竜の女王様なんて聞いたこともねえぞ…?」

盗賊「どうやら俺達の想像も、この旅で得た知識や情報も遥かに超えた存在がここには居るらしいな。へっ、スリルを超えた未知の誘惑に俺は耐えられそうにないぜ!」

戦士「だよな!会ってみてー!竜の女王様!」ワクワク

勇者「とは言うが…俺らに、人間に会えるような存在なのか?まあ、この城を進んでみれば分かるか。ここに何が待ってるか分からないが、俺らには進むしか道は無いからな…」

587: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/08/16(日) 20:01:56 ID:sQei3kKM
盗賊「…しかし、いくら神聖な雰囲気って言っても、静かすぎやしないか?人が、生き物が居ないって訳じゃなさそうだが」

戦士「そっちの部屋入ってみようぜ…お?えーと、ホビットっていう奴かお前?」

ホビット「おいたわしや、女王様はご病気で余命いくばくもないらしい」

勇者「病気?それでか…」

ホビット「しかし、自らのお生命と引き換えに卵を産むおつもりらしい」

盗賊「そうか、ドラゴンは卵からか…じゃあ俺ら余所者が余りウロウロしない方が良いだろ…っ!?」

勇者「この…部屋は…!」

竜の女王「…貴方方魔王に立ち向かうが真の勇者であるならば、このひかりのたまを授けましょう」

戦士「おおお、ドラゴン…!ひかりの…たま?」

竜の女王「このひかりのたまで、世界に平和が取り戻せるよう祈っています……生まれてくる赤ちゃんの為にも…」

勇者「…これは………女王様っ!」

竜の女王「………………」

ホビット「…ああ、おいたわしや、女王様!」

戦士「死んじまった…のか…?」

盗賊「………託されちまったみたいだな、俺ら。しかし、この玉はいったい…」

588: ーー108日目、アリアハン、ルイーダの酒場 2020/08/16(日) 20:14:56 ID:sQei3kKM
商人「ああ、皆さん!遅いじゃないですか!どこに行ってたんですか?」

盗賊「悪い悪い、でも仕方ないんだよ。ほら、2日ごとに新しい場所に行かなきゃいけないっての、覚えてるだろ?」

商人「ああ、そうか、そうでしたね、すみません…それでどんな所に行ってきたんですか?」

戦士「竜の女王様がいる城に行ったんだぜー!」

商人「ええっ!?す、凄いじゃないですか!」

勇者「それで、今際の際にこれを渡されたんだが…なんだか分かるか?」

商人「これは…す、凄い力を感じますよ!でも、これが何かは…すみません」

勇者「いや、良いんだ。城の連中にも分からなかったみたいだからな。ただ、魔王を倒す勇者ならば、って渡されてな」

商人「では、魔王の攻略に役立つアイテムなんでしょうか?」

盗賊「それも分からないけどな。ま、魔王まであと少しだ。会えば分かるだろ」

戦士「いよいよ魔王の城に乗り込むぜー!」

商人「そ、そうか、いよいよですもんね…足を引っ張らないようにしないとなあ。レベルもずいぶん差がついてしまったようですし…」

勇者「まあ、それはすぐ埋まるだろ。それより目下の課題は、装備品が底を尽きかけてるって事だ」

戦士「あともろはのつるぎ2つとルーンスタッフしか余裕が無いぜ!全滅したら誰かが装備してるの捨てなきゃならないぜー!」

商人「なるほど、それなら早速あなほりで役に立てそうですね!よし、じゃあ早速行きましょう!」

590: ーーアリアハン城、謁見の間 2020/08/23(日) 19:28:56 ID:zJ3LFLmg
王様「…では、いよいよ魔王に挑むのだな。良い報告を期待しているぞ。では、行け!勇者よ!」

勇者「はっ」

盗賊「…まあ前回ああ勇んではみたものの、アリアハンに来て王様に挨拶なしって訳にはいかないからな」

商人「ですよね…挨拶するのは勇者さん一人ですけれども」

勇者「ふう、待たせたな…ああ」

使者「久しぶりね。いよいよみたいね、魔王討伐も」

戦士「おー、いよいよ城に突入だぜー!」

使者「貴方は大変だったらしいわね。もう良いの?」

商人「ええ…よく知ってますね…」

盗賊「これが前科一犯の男の顔ですよ!男前になったでしょう?」ニヤニヤ

商人「盗賊さん、ひどいですよ…」

使者「ふふっ、貴方達は相変わらずね…気を付けるのよ」

勇者「ああ、問題ねー。今までの魔物と同じ、ぶっ倒すだけだ」

盗賊「へっ、おねーさんにも会えた事だし、俺らは元気全快ですよ!さあ行こうぜ!」

戦士「おおー!魔王倒すぞー!」

591: ーーネクロゴンドの洞窟、4F 2020/08/23(日) 19:40:16 ID:zJ3LFLmg
勇者「…とはいえ、魔王の城に乗り込むのは明日だけどな」

盗賊「さっきイシスからラーミアで見えたが、やっぱり魔王はここの北、湖と岩山に囲まれた城にいるようだな」

商人「どうやってあんな所に城を作ったんだろうって思うような所にありましたね…世界中探しても見つからない訳ですよね」

戦士「あれが魔王の城で決まりなのか?」

勇者「だろうよ。世界中のいろんな人間が、ネクロゴンドの山奥に魔王が居るって言ってたからな。あそこしかねーだろ」

盗賊「で、乗り込む前に恒例のレベル上げだが、やっぱりここの魔物は強いよなあ」

商人「僕びっくりしちゃいましたよ。よくこんな洞窟を3人で抜けられましたね」

戦士「すげー大変だったんだぜー!」

勇者「魔力が切れたりしてな。まあ、今日は経験値を稼ぐだけだ、いざとなったらリレミトで帰るし、そう危険ではないだろ。お前もいるしな」

商人「き、期待に応えられるよう頑張ります」ゴクリ…

盗賊「んなに緊張するなよ、今まで通りで良いって」

商人「は、はい…でも、僕にしか出来ない事で皆に貢献しないとなあ…」

592: ーー夜、イシス城下町 2020/08/23(日) 19:50:01 ID:zJ3LFLmg
戦士「ううー、夜は冷えるぜー…」ブルッ

商人「昼間はあんなに暑いんですけどね…不思議ですよね」

盗賊「そう、暑いんだ。みんなも熱中症には気を付けろよ」

勇者「誰に言ってんだよ…にしても、今日はレベルも上がったしアイテムも手に入ったし、上々だったな」

商人レベル23「流石に1日で差は埋まりませんでしたけど、レベル21から2つも上がりましたよ。もろはのつるぎとすばやさのたねもあなほりで見つけられましたし…」

盗賊レベル34「レベルが上がったのは俺と商人だけだったけどな。俺はもろはのつるぎとラックのたね、それにこの町の外にいたミイラからやくそうも盗んだぜ。僅差で俺の勝ちだな!」ドヤドヤッ

戦士「ほとんどやくそう一個の差じゃねーか!」

盗賊「うるせえ!一個でも勝ちは勝ちなんだよ!」

勇者「まあ、全滅しても余裕が出来たのは良い事だ。これからも頼むぜ二人とも」

盗賊「おう、どーんと任せとけ!」

商人「ぼ、僕も頑張ります」

戦士「なあなあ、もう寝ようぜ。明日は魔王の城なんだろ?」

勇者「ああ、じゃあ宿に行くぞ。明日に疲れを残さないようにな」

盗賊「ああ。いよいよだな、過去最高のスリルが待ってるぜ…!」

594: ーーバラモス城上空 2020/08/31(月) 20:51:35 ID:tcMRsD3g
戦士「おおっ、見えてきたぜー!魔王の城ー!」

勇者「おそらく、だけどな。実際行ってみねえと魔王が居るかは分からねえ」

商人「そうは言っても、あの禍禍しい雰囲気は…盗賊さん、どこ見てるんですか?」

盗賊「あっちを見てみろよ。なんだろうな、あのでかい穴は」

戦士「うおっ!?ホントにでけー!底が見えねー!」

勇者「あっちはあっちでただならない気配を感じるな。だがまずはこっちの城だ」

盗賊「ああ、だが都合が良いだろ、これから魔王に挑むって時にーー」

商人「あ、行ったことのない場所!」

勇者「これで2日余裕が出来るって訳か。悪くないな」

盗賊「だろ?相手が魔王だからな、準備期間は長い方が良いだろ」

商人「ですね、正直レベルも不安だし…」

勇者「暫定だが魔王の城だ、嫌でも上がるだろ。よし、行くぞーー」

595: ーーバラモス城、1F 2020/08/31(月) 21:02:14 ID:tcMRsD3g
商人「…魔王に会わない事には魔王の城かどうか分からない、とは言いますけど…」

盗賊「この雰囲気、禍禍しい気配…間違いないだろうな」

戦士「そうかー?立派な城じゃねーか!」

勇者「確かに、立派な城ではあるな。この邪気さえ無ければアリアハンの城なんかよりずっとな」

商人「そもそもこんな山奥にこれだけの城を造るなんてどれだけの財力があるのか…」

盗賊「魔王に必要なの金か…?いや、誰かが造ったのを魔王が乗っ取ったのかもしれないな。だとすると確かに恐ろしい程の財力だな」

勇者「もしそうだとしたら、これだけの城をこんな場所に造れる相手を滅ぼして自分のモノにしたーーこんなのが相手じゃ、アリアハンなんかひとたまりもないな」

戦士「やっぱり魔王は倒さねーとな!」

商人「ええ、ですが、これだけの強力な相手を向こうに廻すというのは、覚悟はしていましたが…」

盗賊「ああ、とんでもないスリルだぜ。さあ、進もうじゃないか」

戦士「おー!魔王やっつけるぞー!」

勇者「今日は闘わないからな?まずは城内部の偵察と、平行してレベル上げだ。魔王が相手だからな、レベルは上げすぎて悪いって事はないだろうからな…」

596: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/08/31(月) 21:13:16 ID:tcMRsD3g
ーーエビルマージはメラミをとなえた!エビルマージはマホトーンをとなえた!エビルマージはもえさかるかえんをはいた!エビルマージはマヒャドをとなえた!

盗賊「うおおっ!?凄まじいなおい!」

勇者「耐えろっ!ーー大いなる神よ、完全なる姿のその一欠片をこの者に!ベホマ!」パアアアア…!

商人「凄い…!我は静寂を望む者!多弁な禍に沈黙を!マホトーン!」パラララ!

盗賊「あまり効いてないようだが…速攻倒すだけだ!そらっ!」ピシャシャシャッ

戦士「うらあー!」ザグッ

ーーエビルマージたちをやっつけた!

盗賊「ふう、この城は強敵揃いだが、こいつが一番恐ろしいな。スリルあったぜ」

商人「今の僕は補助呪文を駆使して戦うのが一番だと思ってたのに、イマイチ効果がないのばっかりで…」ガックリ

勇者「全く効かねえ訳じゃなかったろ。それに勝てる事がわかったんだ、それは収穫だろ」

戦士「あいつに負けなきゃ、他の連中には負けないよな!」

盗賊「ああ、それに強敵を相手にしてるって事は順調に経験が積めてるって事でもあるな。今日いちにちでかなりレベルがあがるんじゃないか?」

商人「そ、そうですね。もっと強くなって、呪文以外でもパーティーに貢献しないと…」