1: ◆FaqptSLluw 2021/07/21(水) 01:04:50.27 ID:lgWUywaw0
【簡単なあらすじ】

――目標を達成できないとループが始まってしまう。

憧れのトレセン学園のトレーナーとなった主人公は、数奇な運命に囚われる。
ときに喜び、悲しみ、絶望し、挫折しながらも、主人公は進んでいく。
夢のURAファイナルズ、その頂点へと担当ウマ娘を導くために――。



第一ループ:スペシャルウィーク(メイクデビューで敗退、ループ)
第二ループ:ツインターボ(メイクデビューで敗退、ループ)
第三ループ:マヤノトップガン(現行)

――――――
【注意】
・ウマ娘公式が定めたガイドラインに違反しない程度に書きます。

>モチーフとなる競走馬のファンの皆さまや、馬主さまおよび関係者の方々が不快に思われる表現
>ならびに競走馬またはキャラクターのイメージを著しく損なう表現は行わないよう
>ご配慮くださいますようお願いいたします。
(ウマ娘公式サイトより引用)

・新人トレーナーなので、キャラ性を網羅していません。ご容赦を。

・SS初心者です。不作法などあったらすみません。何かありましたらご指摘いただけると幸いです。

・安価は1~3くらい先に飛ばす予定です。

・仮に安価が一日待っても来なかった場合、ある程度勝手に進行します。

・ウマ娘本編との設定に相違点が発生する場合があります。

―――

▼前スレ

【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」【安価】 前編 

【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」【安価】 後編

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1626797090

11: ◆FaqptSLluw 2021/07/21(水) 19:15:23.05 ID:lgWUywaw0
皆様に楽しんでいただけていることが何より嬉しいです。まだまだ先は長い気がしますが、気が向くまでお付き合いくだされば幸いです……!

―――

 俺はマヤノのことを信じている。

 信じているからこそ――今日の勝負は負ける、と。そう考えていた。

 マヤノの今の実力では、サイレンススズカには敵わない、と。

 他の誰でもない、俺が一番に痛感していた。

 していたはずだった。


「――マヤノトップガン、ここで完全に抜け出したッ!」


 その声に、がばりと顔を上げる。

 地面を切り裂くように走るウマ娘たちの、その先端。

 あり得ないと思っていた結果が、しかし確かにそこに存在していた。

 夢か何か、なのだと思った。

 勝つ可能性が全くなかったわけではない。だが、余りにも狭い門だった。

 サイレンススズカというウマ娘は、今代最強の逃げウマ娘と呼ばれるほどのスターウマ娘。同じく逃げを主戦場とするマヤノにとっては厳しい相手――と言うのがもっぱらの評価。

 そんな評価など関係ない、と。文字通り蹴り飛ばすように1着でゴールインを果たしたマヤノに……俺はなんて顔をして会えばいいだろう。

 ……いや、どうもこうもないな。正直に、誠実にあればいい。マヤノはそれ以上をきっと俺に望まないだろうから。

 沸き立つ観客席を辞して、控室へと戻る。そうする間、俺の心臓は高鳴りっぱなしだった。

 どうしてこうも高鳴るのだろう。自分の中に渦巻く感情のどれもが当てはまらないそれに、俺は困惑すら覚える。

 でも、一つだけわかることがあった。――この気持ちの正体は、マヤノに会えばわかる、ということだ。

12: ◆FaqptSLluw 2021/07/21(水) 19:35:03.54 ID:lgWUywaw0
お試しでやりましたけど、既存キャラの一人称吐くほど難しいです。金輪際やりません。

―――

 気付いたら、息が痛いくらいに上がってた。

 歩くのもめんどくさいのに、どくんどくんと胸を突き上げるような鼓動が、マヤを動かしてる。

 ゴールの先に見えたその表情が、驚いたものだったから。

 どんなもんだ! って言いたくなったから。

 歩くのをやめられない。今すぐにでも走っていきたい。

 脚がだんだんと早くなっていって、ちょっとでも気を抜いたら走っちゃいそう。

 もう少しだから、と言い聞かせるようにつぶやいて、もう一歩。

 この角を曲がれば、もうすぐ。

 ゆっくりと、ちょっとおおげさなくらいにゆっくりと、その扉の前に向かう。

 立ち止まってドアノブに触れれば、もう抑えきれなかった。

 きっと中に居る人は、マヤのことわかってくれてるから。

 扉を開けたら何にも考えずに、飛び込むんだ。

 だから、きっと受け止めてよね、トレーナーちゃん。

 ユー・コピー?
 

14: ◆FaqptSLluw 2021/07/21(水) 21:03:29.46 ID:lgWUywaw0
 がちゃり、と強く扉が開かれて、強く踏み込む音が聞こえた。

 何となく、”そう”なる気がして。俺は立ち上がって、扉の正面に立った。

 オレンジ色の弾丸が飛んできて、腹部に突き刺さる。しっかりと抱きとめ、衝撃を殺すためにくるりと一回転する。

 オレンジ色の弾丸――マヤノは、すりすりと胸板に頬を擦り付ける。まるで小動物がじゃれるように。

 軽く頭を撫でて上げると、腰に手を回されぎゅっと抱きしめられる。それだけでほんわかした気持ちになって、こちらもお返しにと髪を漉くように撫でる。

 ……そんな時間がどれくらい続いただろうか。外から響く他のウマ娘の声に、はっと我に返る。同時に、まだ言葉を交わしていなかったことを思い出した。


「……お帰り、マヤノ」
「ただいま、トレーナーちゃん!」


 そういうなり、マヤノはもう一度ぎゅっと抱き着いてくる。……少しどころかかなり痛いが、ここは為すがままにされる方がいい気がして、ぐっと我慢する。

 すると、小さな兆候を見抜いたのか、マヤノがぱっと手を離した。


「……痛かった?」
「ん、少しな」
「そっか、ごめんね、トレーナーちゃん」
「大丈夫だ」

 そう答えるが、脇腹は若干痛む。

 そんな俺の様子に気付いたのか、マヤノは少しだけ表情を悲しげなものに変えて――何かを思いついたかのように、ぽん、と手を叩く。


「トレーナーちゃん、マヤ、レース頑張ったよね?」
「……ああ、本当に頑張ったな」
「だから、一つご褒美もらってもいい?」
「ふむ。俺に可能な範囲ならいいぞ」
「やったー! じゃあ……」


 マヤノはそういうなり、備え付けのソファに座る。

 そして、自らの太ももをぺちぺちと叩いて――。

「膝枕、させてほしーなー……なんて」
「…………ダメだ」
「えー?! 今結構勇気だして言ったのに~?!」
「いや、そりゃ魅力的な提案だけどさ、今此処ではまずいっていうか、見つかったらやばいだろ?」
「やばいなんてことはないよ! 愛の前には年齢なんて些細な問題だってドラマでも言ってたよー?」
「愛の前では問題なくても、法律の前だと問題がありまくりなんだよ……」


 そういうと、マヤノは途端にしょんぼりした表情を浮かべて。


「……じゃあ、お願い聞いてくれないんだ」
「いや、そういうわけじゃ――」
「マヤ、本当に頑張ったのになぁ」
「だから――」
「あーあ……」


 ちら、ちら。


「……わかったよ、だけど、ここでは駄目だ!」
「えー? どうして?」
「人に見られたらまずい、って話をしただろ」
「……つまり、人に見られない場所だったらいいってこと?」
「そう、だな。ああ、そうだ」
「やったー! じゃあ、トレーナー室の中だったら大丈夫?」
「……。ああ」


 レースに負けるかも、なんて。そんなことを考えていた俺にとっては、そのご褒美は余りに軽すぎる気がしたけれど。

 でも、マヤノの表情は、とてもうれしそうで。

 その時、ふと先ほどの高揚を思い出した。

 だけど、気付いてしまえば――俺はその気持ちに蓋をしなければならない、ということに気付いてしまった。

 それは多分毒だろうから、全身に回る前に切り捨てておかなければならない毒だから。

 楽しみだと笑うマヤノに、俺はどんな表情で相槌を打てばいいのか、わからなくなっていた。

15: ◆FaqptSLluw 2021/07/21(水) 22:07:38.02 ID:lgWUywaw0
安価だし忘れマンなので追記です

下1 トレーナーは夜に何をする?

16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/21(水) 22:11:49.50 ID:WaYBrjuxo
トレーナー室へいく

21: ◆FaqptSLluw 2021/07/23(金) 21:10:13.22 ID:bcBao39p0
トレーナー「……。なんかいつもの癖でトレーナー室に来てしまった」

トレーナー「思えば、こことの付き合いもそこそこ長くなったよな。もちろんこの世界線の俺が此処を使ったのは大体2年くらいなんだろうけど」

トレーナー「ふと思い返すと、もう3年か。そのうち半分以上をマヤノと一緒に過ごしてきた――そう考えると、少しだけ感慨深いな」

トレーナー「本当は思い入れないほうがいいのに、って思ってるけど、やっぱり人のぬくもりって無意識に求めちゃうんだろうな」

トレーナー「……俺にとってのマヤノっていったい何なんだろうなぁ」

トレーナー「誰よりも大切な担当ウマ娘――。合ってるんだろうけど、なんだかしっくりこない」

トレーナー「明確な、言葉と言うか……感情が欠けている」

トレーナー「そして俺はそれを知っている」

トレーナー「……」

トレーナー「俺は、いつまで大人でいられるのだろうな」

トレーナー「嘘を吐き続けるのって、案外しんどいことだってわかっちゃったらな」

トレーナー「……ホントを吐き出して、楽になりたい――だなんて」

トレーナー「……」

トレーナー「日記でも書くか? 誰にも見せない日記。そこにだけ本音を零せばいい。そしたら隠し通せるんじゃないか?」

トレーナー「そうだ、そうしよう。日記を書くとしようか……どうせなら最初から」

トレーナー「そうと決まれば……。まずは日記帳の用意だな」

トレーナー「書き始めるとするならば、そうだな……」

トレーナー「”――なんかループしてね?”」

―――

▼トレーナーが日記を書き始めました。

22: ◆FaqptSLluw 2021/07/23(金) 21:14:07.18 ID:bcBao39p0
トレーナー「……。なんかいつもの癖でトレーナー室に来てしまった」

トレーナー「思えば、こことの付き合いもそこそこ長くなったよな。もちろんこの世界線の俺が此処を使ったのは大体2年くらいなんだろうけど」

トレーナー「ふと思い返すと、もう3年か。そのうち半分以上をマヤノと一緒に過ごしてきた――そう考えると、少しだけ感慨深いな」

トレーナー「本当は思い入れないほうがいいのに、って思ってるけど、やっぱり人のぬくもりって無意識に求めちゃうんだろうな」

トレーナー「……俺にとってのマヤノっていったい何なんだろうなぁ」

トレーナー「誰よりも大切な担当ウマ娘――。合ってるんだろうけど、なんだかしっくりこない」

トレーナー「明確な、言葉と言うか……感情が欠けている」

トレーナー「そして俺はそれを知っている」

トレーナー「……」

トレーナー「俺は、いつまで大人でいられるのだろうな」

トレーナー「嘘を吐き続けるのって、案外しんどいことだってわかっちゃったらな」

トレーナー「……ホントを吐き出して、楽になりたい――だなんて」

トレーナー「……」

トレーナー「日記でも書くか? 誰にも見せない日記。そこにだけ本音を零せばいい。そしたら隠し通せるんじゃないか?」

トレーナー「そうだ、そうしよう。日記を書くとしようか……どうせなら最初から」

トレーナー「そうと決まれば……。まずは日記帳の用意だな」

トレーナー「書き始めるとするならば、そうだな……」

トレーナー「”――なんかループしてね?”」

―――

▼トレーナーが日記を書き始めました。

24: ◆FaqptSLluw 2021/07/23(金) 22:54:49.92 ID:bcBao39p0
トレーナー「……次の目標レースだが、あまり考えたくはないが――ナリタブライアンとぶつかることになるかもしれない」

トレーナー「まだ正式には決定していない。とりあえず今年中に目標レースが設定されることはない――ないのだが」

トレーナー「でも、あんな強敵を前にして、のんびり椅子に座っている暇なんてないことは確かだ」

トレーナー「早くても年明けには、具体的にどのレースに出場するか決めなくてはならない」

トレーナー「……考えろ。マヤノが負けなくていい未来について」

トレーナー「決して未来は、閉ざされていないのだから」


―――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/脚質上昇/会話(秋川理事長)/秘密の特訓/その他(良識の範囲内で自由に)
※■■■まであとXターン(当ターン含む)

25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/23(金) 22:55:54.32 ID:yXRI9+ts0
スキル習得

27: ◆FaqptSLluw 2021/07/24(土) 11:44:33.97 ID:TNhEY5QI0
トレーナー「というわけで、年末まではゆっくりとしてもいい……という事になったんだが、やっぱり不安は残るよな」

マヤノ「……うん。静かに過ごすより、体を動かしてたほうが気がラクかも」

トレーナー「というわけで、今日からは技術を習得する練習に入るわけだが――」

マヤノ「どんな技術を習得するの?」

トレーナー「それは今から考えようと思っている――というか、マヤノの意見を聞こうと思ってな」

マヤノ「マヤの意見?」

トレーナー「マヤノが今足りないと思っているもの、と言えばいいかな」

マヤノ「うーん……なんだろ?」

トレーナー「じっくり考えてくれ」


―――
下1 どのスキルを習得する?

[スキルヒント:ウマ娘]
・読解力 Lv1[作戦:差し]
(中盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+50の補正)
・大局観 Lv1[作戦:差し]
(中盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+100の補正)
・食いしん坊 Lv1[作戦:先行]
(中盤に選択肢追加:終盤のコンマ判定を2段階上のものに上げる)
・魅惑のささやき Lv1[距離:中距離]
(中盤:ライバルウマ娘のコンマ判定を2段階下のものに下げる)
・スカイハイ☆ランデヴーLv2 Lv3[作戦:逃げ] ※フォームチェンジ権
(序盤に選択肢追加:ゴール時のコンマ判定に+200の補正)
・コーナー回復〇 Lv1[汎用]
(中盤に選択肢追加:終盤のコンマ判定を1段階上のものに上げる)
・円弧のマエストロ Lv1[汎用]
(中盤に選択肢追加:終盤のコンマ判定を2段階上のものに上げる)
・善後策 Lv1[短距離]
(中盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+50の補正)
・プランX Lv1[短距離]
(中盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+100の補正)
・押し切り準備 Lv1[作戦:逃げ]
(終盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+50の補正)
・逃亡者 Lv1[作戦:逃げ]
(終盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+50の補正)

28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/24(土) 11:57:45.52 ID:F1x3QZNCo
マエストロ挑戦するか

29: ◆FaqptSLluw 2021/07/24(土) 12:17:41.44 ID:TNhEY5QI0


マヤノ「うーん……これから、長い距離を走るレースが増えてくるでしょ?」

トレーナー「そうだな、有馬記念も視野に入れるべきだし、長距離対策は必須だ」

マヤノ「そうだとしたら、スタミナがちょっと不安かも~」

トレーナー「スタミナか、だとしたら……コーナーリングを見直してみるか。直線は上手くいっているようだし」

マヤノ「うん!」

―――

下1 習得コンマ
90以上:円弧のマエストロ習得
50以上:コーナー回復〇習得
50以下:コーナー回復〇のヒントレベル上昇

30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/24(土) 12:18:19.01 ID:eUyGd8oPo
ほい

31: ◆FaqptSLluw 2021/07/24(土) 12:26:32.36 ID:TNhEY5QI0

トレーナー「……まぁ、さすがに一朝一夕でどうにかなるものでもないよな」

マヤノ「うーん……でもなんかつかめたかも!」

トレーナー「そっか、だったらトレーニングは成功だな!」

マヤノ「えへへ~」


―――


▼スキルヒント[コーナー回復〇]のレベルが上昇した。


32: ◆FaqptSLluw 2021/07/24(土) 12:42:55.44 ID:TNhEY5QI0
キャンサー杯の方はどうでしょうか。
こちらはおかげさまでオープンリーグ全勝で落ち着きました。
皆様のご健闘をお祈りしております……!

―――

理事長「朗報ッ! 失礼するぞッ!」

トレーナー「おわっ?! 理事長?!」

理事長「決定ッ! ついに正式にトレセン学園に導入されることになったぞッ!」

トレーナー「……? 何のことですか?」

理事長「疑問! 君が嘆願をしたと記憶しているッ! 仕事が多いのだ、と」

トレーナー「……ああ! え、本当に改善されるんですか?!」

理事長「無論ッ!」

トレーナー「え、それってたづなさんには……?」

理事長「……無言」

トレーナー「きちんと決済、取ってくださいね」

理事長「肯定……」


―――

▼トレーナーの業務改善要望が通った。

▼トレーニング効率が上昇した。


34: ◆FaqptSLluw 2021/07/24(土) 13:00:26.90 ID:TNhEY5QI0
トレーナー「12月に入って、本当に寒くなってきた」

トレーナー「というわけでトレーナー室にも暖房が導入された。されたのだが……」

マヤノ「あったかーい」

ネイチャ「あったかいですなぁ」

トレーナー「……マヤノはともかく、なんでナイスネイチャがここに……?」

ネイチャ「あ、お邪魔させてもらってます~」

トレーナー「ああ、それは構わないんだけどさ……君寛ぎすぎじゃない?」

ネイチャ「マヤノの空気感にあてられて……。随分と懐かれてるようで」

トレーナー「……ま、信頼の表れってやつだな」

ネイチャ「へー……」

トレーナー(その視線は絶対に疑ってる奴だろ……!)

―――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/脚質上昇/会話(秋川理事長)/秘密の特訓/その他(良識の範囲内で自由に)
※■■■まであとXターン(当ターン含む)

35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/24(土) 13:02:52.68 ID:/j/WJNCS0
休息

36: ◆FaqptSLluw 2021/07/24(土) 13:08:02.64 ID:TNhEY5QI0
トレーナー「年末も近いし、寒さで関節も強張るし無理な練習は逆に呼称を招きかねない」

マヤノ「つまり?」

ネイチャ「つまり?」

トレーナー「今日は休みだ」

マヤノ「やったー! これで今日はトレーナーちゃんと一緒に居られるね!」

トレーナー「いや、トレーニングの時もいるじゃん……」

マヤノ「じゃあずっと一緒にいる……ってコト?!」

トレーナー「まぁ、そういうことになるんじゃないか?」

ネイチャ「へぇ、やっぱりそういう……」

トレーナー「んなわけないだろ、第一ナイスネイチャはいつ自分のトレーナーのところに戻るんだ?」

ネイチャ「トレーナーさんは今日別のところで会議してるらしいから……」

トレーナー「さてはお前、暇を持て余したから此処に来たとかそういうアレだろ」

ネイチャ「ざっつらいと。良く解ってるじゃないですか」

トレーナー「理解したくなかったよ……本当はな……」

―――

▼休憩を行った。

▼次回トレーニング効果が2倍になった。

37: ◆FaqptSLluw 2021/07/24(土) 13:12:32.93 ID:TNhEY5QI0
トレーナー「もう12月も末か……ミカン買わなきゃ」

マヤノ「今年も紅白見るの、トレーナーちゃん?」

トレーナー「んー。いつも通り簡単なご飯食べて、ぐーたらスマホ見て終わりかなぁ」

マヤノ「ふぅん……」

トレーナー「……? どうかしたか?」

マヤノ「何でもありませーん」

トレーナー(いきなりどうしたんだ……?)

―――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/脚質上昇/会話(秋川理事長)/秘密の特訓/その他(良識の範囲内で自由に)
※■■■まであとXターン(当ターン含む)

38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/24(土) 13:15:28.92 ID:MnnfsNRoO
トレーニング

39: ◆FaqptSLluw 2021/07/24(土) 13:23:53.45 ID:TNhEY5QI0
トレーナー「今年のトレーニングもこれで最後か」

マヤノ「そう考えるとちょっと寂しいかも……」

トレーナー「来年なんてすぐ来るし、また会えるんだ。そう寂しそうな顔されると……困る」

マヤノ「えへへ……そっか、じゃあ……来年もよろしくね、トレーナーちゃん」

トレーナー「ちょっと気が早いぞ、どちらかというと今年はお世話になりました、じゃないのか?」

マヤノ「えへ」

トレーナー「笑って誤魔化すことを覚え始めたな……まったく。トレーニングは誤魔化しなんてさせないからな。するとは思わないけど」

マヤノ「アイ・コピー!」

―――

■[すくらんぶる☆ゾーン]マヤノトップガン

スピード:787(B+)
スタミナ:757(B+)
パワー:760(B+)
根性:1059(S+)
賢さ:352(D+)
やる気:絶好調
―――

下1 トレーニングの内容
スピード/スタミナ/パワー/根性/知識
※サポートカード[スペシャルウィーク]アクティブ。根性の練習時に固定値追加。
※サブイベント[業務改善命令]アクティブ。全ての練習時に固定値追加。

下2 トレーニングの効果量
※ゾロ目の場合は追加イベント

40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/24(土) 13:28:34.82 ID:LupfOVho0
スピード

41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/24(土) 13:31:30.03 ID:eUyGd8oPo
はい!

48: ◆FaqptSLluw 2021/07/24(土) 19:37:28.66 ID:TNhEY5QI0
トレーナー「……マヤノ、ちょっと動きが悪いな?」

マヤノ「え」

トレーナー「マヤノ、お前ひょっとして――釣られたな?」

マヤノ「……はい」

トレーナー「あれほど言ったのに……ッ!」

マヤノ「ごめんなさーい……」

トレーナー「いくら誘惑が強くても――”ふんわりトロッ、マリトッツォ”は2日に1個までって……!」

マヤノ「でもおいしくて……」

トレーナー「黙れ黙れ黙れーい! 今日のトレーニングは1.5倍じゃーい!!!」

マヤノ「ゆるしてーっ!」

―――

▼マヤノトップガンのスピードが上昇した。

スピード:{787(B+)+03+[サポートカード:スペシャルウィーク]20+[業務改善命令]10}×2=853(A)

51: ◆FaqptSLluw 2021/07/24(土) 20:11:27.17 ID:TNhEY5QI0
トレーナー「女子の間でマリトッツォなる食べ物が流行っている理由が良く解らないのは、俺がおじさんになってしまったからなのだろうか」

トレーナー「信じたくないが、そろそろクリームがドカンと腹に溜まって気持ち悪くなる年齢だからな……」

トレーナー「ちなみに食べてみたが、普通だった。俺はあれならシュークリームでいい気がした」

トレーナー「見た目は可愛いから、人気の理由はそれかもしれないな」

―――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/脚質上昇/会話(秋川理事長)/秘密の特訓/その他(良識の範囲内で自由に)
※■■■まであとXターン(当ターン含む)
※今ターンが終了し次第イベントが発生します。

52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/24(土) 20:16:25.93 ID:/j/WJNCS0
秘密の特訓

53: ◆FaqptSLluw 2021/07/25(日) 12:45:27.14 ID:kSZaZ/Zr0
トレーナー「……日が暮れ始めたし、ここ辺りで今日のトレーニングは終了しようか」

マヤノ「うん! おつかれさまー!」

トレーナー「次のトレーニングは年明けだな。それまではゆっくりと体を休めておけよ?」

マヤノ「アイ・コピー!」

―――

マヤノ「……でね、その後にここに来ると……なんか浮気してるみたいだなって思っちゃうんだー」

ルドルフ「はは、噂になっては敵わんな」

マヤノ「その時はカイチョーさんがマヤを  ったことになるのかなー?」

ルドルフ「  ……。あまり褒められた言葉ではないよ、マヤノトップガン……」

マヤノ「でも昼ドラマとかだったら結構こういう展開あるよ?」

ルドルフ「そんなドラマを見てる方がおかしいのではないかな……」

マヤノ「そんなことより! 今日もトレーニング、お願いしまーす!」

ルドルフ「まったく、君の勢いにはついていけんよ……」

ルドルフ「教師役だが、今日、死んでしまいそうだ」

マヤノ「どういうこと?」

ルドルフ「ボケの解説を求めるのはご法度だぞ……」

―――

下1 トレーニングの効果量(コンマ)
※ゾロ目の場合は追加ロール

下2 スキル習得(コンマ) 
80以上で習得
50以上でスキルヒント
※ゾロ目の場合は追加ロール

54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/25(日) 12:49:17.80 ID:29/hC164o
ルドマヤ……あり!

55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/25(日) 13:06:51.33 ID:ATwAEFBh0
ゾロこーい

56: ◆FaqptSLluw 2021/07/25(日) 13:09:31.67 ID:kSZaZ/Zr0
アッ、ミスってたのでもう一個安価投げます……!

―――

■[すくらんぶる☆ゾーン]マヤノトップガン
スピード:435(C)
スタミナ:401(C)
パワー:668(B+)
根性:972(A+)
賢さ:264(E+)
やる気:絶好調

―――

下1 トレーニングの内容(コンマ)
01~20:スピード
21~40:スタミナ
41~60:パワー
61~80:根性
81~00:知識

57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/25(日) 13:13:03.55 ID:WnPxJZ+Uo
バクシン!

61: ◆FaqptSLluw 2021/07/25(日) 17:08:42.79 ID:kSZaZ/Zr0
―――

下1 秘密の特訓2回目:達成判定
[スピード:668]+[下1コンマ値]>[3回目判定値:500]の場合成功

※今回自動成功
※ゾロ目の場合は判定の可否に関わらず成功。
※成功するコンマ値でありかつゾロ目の場合は成長コンマに固定値追加。

62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/25(日) 17:11:00.60 ID:ATwAEFBh0
もいっちょゾロこーい

63: ◆FaqptSLluw 2021/07/25(日) 17:48:28.43 ID:kSZaZ/Zr0
順番が上下して申し訳ない……!

―――

下1 スキル習得の追加ロール
※ゾロ目の場合は追加ロール

64: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/25(日) 17:49:20.02 ID:XVb1yAZWo
パクパクですわ

67: ◆FaqptSLluw 2021/07/25(日) 18:29:51.31 ID:kSZaZ/Zr0
マヤノ「むむ……」

ルドルフ「……いつもよりキレが悪いな」

マヤノ「なんか、浮気の話してたらトレーナーちゃんのことが心配になって……」

ルドルフ「……はぁ、君も君で大概鈍いんだろうな」

マヤノ「え?」

ルドルフ「いや、何でもない。こういうのは自分で気づいたほうが為になるからな。気になるのなら自分で探してみると良い」

マヤノ「うーん……。良く解らないけど、それってマヤにとって大事なこと、なんだよね?」

ルドルフ「ああ、間違いなく君には重要なことだろう」

マヤノ「だったら、そうだね、自分で探さなきゃだめだよね!」

ルドルフ「その意気だ。まぁ、今日のトレーニングはその意識が得られただけで成功と言えるかな」

マヤノ「え? もうトレーニング終り?」

ルドルフ「トレーナーから無茶な練習はするな、と伝えられているんだろう? だったらこちらが無理をさせて故障させては……トレーナー君の前に立てない」

マヤノ「……そう、だよね。トレーナーちゃんを心配させないためにやってる練習が、トレーナーちゃんを心配させたら意味がないもんね」

ルドルフ「その通りだ。この後はクールダウン代わりに軽く周辺を歩いてくるといい。ああ、ついでに――」

ルドルフ「歩く間に、トレーナー君のことでも考えておくといい。君にとっての彼についてはよく理解できているようだが、その実、”彼から見た君はどのような存在なのか”についての理解がまだまだ不足しているようだからな」

マヤノ「トレーナーちゃんから見て、マヤの……?」

ルドルフ「ああ。こちらから答えは提示しない。……そもそも私自体理解はしていない。だが、これでもそれなりにウマ娘たちの面倒を見てきたという自負はある。故に、君はそれを顧みるべきだ」

ルドルフ「ほら、早くしないとクールダウンの効果が薄くなってしまうぞ」

マヤノ「……あ、アイ・コピー!」

ルドルフ「……。この手の話題は、あまり得意ではないな」

―――

▼マヤノトップガンのスピードが上昇した
スピード:853(A)+80=933(A+)

▼スキルを習得できなかった……。

68: ◆FaqptSLluw 2021/07/25(日) 18:43:39.34 ID:kSZaZ/Zr0
というわけで年末イベントです。
少し長くなりますがお付き合いください。
前スレ1000のコンマにて決定したイベントは、目標レース直前に差し込まれます。

―――
■積もる銀雪は、斜陽にて地を濡らすので。


――空気が酷く冷たい。


 外に出て思い出したのは、今年は例年以上に冷え込むというニュースキャスターの発言だった。

 考えてみれば、まともに外に出るのは11月の頭以来。それ以外はいつも部屋の中に居たから、寒さになれていないのは当然のことだった。

 マフラーはもちろんのこと、手袋やイヤーカフなどもない。外気に触れている肌が、冷気という極小の針で刺されているかのような、ひりついた痛みを訴えていた。

 直ぐに戻ろうか、とも一瞬考えた。だが、今日ばかりは外すことができない用事があった。

 電飾が煌びやかに街道を照らす中、俺はとあるお店へと足を踏み入れる。

 甘い香りが、鼻を満たして。俺は蕩けてしまいそうな、そんな世界へと足を踏み入れた。




69: ◆FaqptSLluw 2021/07/25(日) 19:18:16.84 ID:kSZaZ/Zr0


「……そういえば、クリスマスの予定は立てたのか?」


 秘密の特訓が終わったのち、シンボリルドルフはふとマヤノトップガンに尋ねた。


「まだ! でも、トレーナーちゃんと一緒に過ごしたいなーって」
「そうか。去年はひと悶着があったと聞くし、今年こそは早めに連絡をつけておくことをお勧めする」
「うん! そーするね! ありがと、かいちょーさん!」


 満面の笑みで返すと、シンボリルドルフは面食らったような表情を浮かべた。

 その表情が良く解らなくて、マヤノトップガンはふと聞き返した。


「どーしたの、かいちょーさん?」
「いや、去年のクリスマスはかなり大変だったんだろう? なのに、君はこの時期のことをなんとも思っていない、というか、むしろ望んですらいる」
「それが、不思議?」
「……ああ、そうだな。不思議、なのかもしれない」


 心配してくれていた。マヤノトップガンは、シンボリルドルフの様子をそう解釈した。

 だが、その心配はマヤノトップガンにとっては無用のもので。

 あの日、あの瞬間の体験は――むしろ、マヤノトップガンにとっては宝物のように煌めいて見えている。

 いつも強くて、自分のことを引っ張ってくれるトレーナーが、いつもは隠していた心の"うろ"の扉を開いて、想いを零してくれたこと。そして、それをあまつさえ拾わせてくれたこと。

 すべてを知りたいだなんて思ってはいないけど。ただ、自分の知らないトレーナーが知れたことで、まるで、自分の心の寂しさまで消えていくような――そんな気がしたから。

 その日は。


「特別な日、なんだ」


 特別な言葉で飾る必要はない。だって、それだけでもう、マヤノトップガンにとっては素晴らしい日の最大の形容なのだから。

 ルドルフは、その一言で何かを察しとったのか、くすりとほほ笑んだ。


「理解できないな」
「いつか、かいちょーさんにもわかる日が来るといいね」
「……。いつか、私も君みたいに――等身大の存在として、何かを想う日がくるのであれば。きっと理解ができるんだろう」


 そうつぶやくシンボリルドルフは、どこか懐かしむような瞳で、遠くを見つめていた――。



70: ◆FaqptSLluw 2021/07/25(日) 19:49:37.19 ID:kSZaZ/Zr0



 こん、こん。

「トレーナーちゃん、いる?」


 返事はない。室内は電気が消されており、主の不在を示していた。

 いつもであれば、トレーナーは室内で映像資料を確認しているのだが――。

 マヤノトップガンは不思議がってトレーナー室を開けようとするが――開かない。

 本格的にマヤノトップガンが異変を感じたのは、施錠を確認してからだった。

 トレーナーは基本的に外出時には鍵をかけない。と言うのも、そもそも学内はその性質上セキュリティが万全な状態で24時間機能しており、鍵をかける必要がないからだ。

 研究資料などはそもそも書類で残さず、データ媒体にスキャンしたのちに処分するのがトレーナー間での常識だ。それはマヤノトップガンの知るところでもある。

 で、あるからにして。トレーナー室が施錠してある状態とは、マヤノトップガンにとって――否、トレセン学園のウマ娘全員にとって異例の事態と言えた。

 ……ただ、引っかかる点があるとするならば。


「”ただいま外出中”?」


 そう、張り紙が張ってあることだ。

 つまり、この施錠には何かしらの意図があると考えていい。

 ということは。と、マヤノは何かの波動を感知する。


「とりあえず、ネイチャちゃんとこにお邪魔しよーっと」


 いつも通りの足取りで、マヤノトップガンはナイスネイチャが居るであろうトレーナー室へと向かうのだった。

71: ◆FaqptSLluw 2021/07/25(日) 20:37:23.62 ID:kSZaZ/Zr0
一言説明
・会田トレーナー
ナイスネイチャのトレーナー。
同世代の中ではトップクラスとも呼ばれる凄腕のトレーナーにして、世代最優との呼び声も高いコミュニケーター。




「……なるほど、トレーナー室に鍵が」
「そうなの~。まったく、トレーナーちゃんも一言くれればいいのに」
「張り紙が貼ってあったのでしょう? でしたら、それが一言なのでは?」
「それはそうだけど……」


 ナイスネイチャの居るであろう場所――会田トレーナーのトレーナー室にマヤノトップガンは訪れていた。

 会田トレーナーはちょうど映像資料を確認していたらしく、来客にもスマートに対応した。もっとも、それはマヤノトップガンが此処にしばしば訪れているからでもある。

 皐月賞以来、マヤノトップガンとナイスネイチャは良きライバル関係となっていた。時には競い、時には協力する過程で、トレーナー室を利用することもあった。

 そして往々にして、利用する時間帯には会田トレーナーがそこにいた。生来の気質的に世話をせずにいられない会田トレーナーは、かいがいしく彼女たちの世話を焼いてしまうのだ。

 そんなこともあって、マヤノトップガンから会田トレーナーへの接し方は非常にフランクなものだ。


「ふーん。あのトレーナーさんがねぇ」
「ネイチャ。発言に含みがありますね」
「だって、ねぇ」
「……意味するところは、私にも理解できますが」


 小さく、あのウマ娘馬鹿のことですから、と会田トレーナーが呟いたのが、マヤノトップガンには聞こえた。

 一体自分のトレーナーは外から見て、どのような評価をされているのだろうと一瞬不安になった。


「まぁ、あの人のことでしょうから時期に戻ってきますよ」
「ま、それまではゆっくりしていきな~」
「ここは貴方の部屋ではありませんよ、ネイチャ」
「でもいいんでしょ?」
「……いいんですけどね」
「というわけでゆっくりとしていきなされ~」


 なんでだろう、凄い居づらい……。とマヤノトップガンは内心でごちる。むろんだが、逆の状況でナイスネイチャが同じことを考えているなどマヤノトップガンは露にも思っていない。

 ある意味似た者同士であると言えるだろう。だからこそ対等に付き合えるのかもしれない。


「でも会田ちゃんはいーの? 研究の最中なんでしょ?」
「構いませんよ。それに、この研究は――他ならぬ君の研究ですかね、マヤノトップガン」
「え?! マヤの?」
「ええ。皐月賞の時、貴方のトレーナーさんに一つ教えられましたからね。貴方が居れば、より素早く研究が進むというものです」


 その言葉に首をかしげるマヤノトップガン。思い返せば、確かに控室に来るまでに少しディレイがあった。そこで何かを話したのだろう。

 マヤノトップガンが興味を示している。会田はその貪欲ともいえる好奇心に対して思わず笑いを零しながら、マヤノトップガンに向き直った。


「気になりますか?」
「……うん」
「貴方のトレーナーは明言はしなかったものの、こう言ったんですよ。――手腕も大事だが、ウマ娘の気持ちほど大事なものはない、と」
「――あはは、トレーナーちゃんのいいそうなことだ!」
「貴方にとってはそうかもしれませんが、私にとってはそうではありませんでした。だからこそ――今は意思と言うか、気持ちの勉強をしています」
「気持ちの勉強?」
「ネイチャが何をしたら喜ぶか、とか」


 そういうと、ナイスネイチャが慌てて二人の会話に飛び込んできた。


「わ、わ! ちょっとちょっとちょっとぉ! トレーナーさん、それ以上は駄目だってば!」
「おや、何が駄目なんですか? ひょっとして、ネイチャが試合後に求めてくるアレ――」
「――あああああああああぁぁぁぁ?!?!?!」


 がばり。会田トレーナーの口をナイスネイチャが塞ぐ。

 ナイスネイチャの頬はまるでリンゴのように紅潮しており――その様子はまるで、ドラマの中のヒロインのようだ、とマヤノトップガンは思った。

 そして――事実は不明のままだが――マヤノトップガンは二人の関係が”解って”しまった。重ねて言うが、事実は不明のままではあるが。

 なるほどどうして、これは自分は邪魔な存在であると。マヤノトップガンは理解してそっと会田トレーナーの部屋を辞したのだった。

72: ◆FaqptSLluw 2021/07/25(日) 20:57:36.23 ID:kSZaZ/Zr0



――出会いは案外唐突である。


「あ」
「あ」


 マヤノトップガンが会田トレーナーの部屋から出て、ひとまずは寮に戻ろうとした時のことだった。トレーナー室の前で鍵を閉じようとしているトレーナーが、そこにいた。

 耳も手も顔も真っ青で、今にでも倒れそうな顔色の悪さだ。肩がうっすらと濡れているのは、先ほどからにわかに降り始めた雪のせいだろうか。

 思わず駆け寄って、手を握る。――まるで氷のように冷たくなった指先の温度が、マヤノトップガンの暖かな体温に蕩けていく。

 マヤノトップガンの両手は、小さい。対して、トレーナーのごつごつとして大人らしい手は、彼女の両手を合わせてちょうど包み込めるほどの大きさだ。

 それでも必死に、温めようとする。なんだか、あの時の記憶がよみがえってきて、無性に寂しくなったから。


「……マヤノ?」


 声をかけられても、気が付けないほどに。指先から伝わる熱量が、二人の平均値になってもなお。マヤノトップガンは握り続けた。

 ふと、その手が握り返されて――漸くマヤノトップガンは自らを呼び続ける声に気が付いた。


「トレーナー、ちゃん?」
「どうしたマヤノ、何かあったか?」
「……うぅん、何もない、よ?」
「……。嘘ヘッタクソだなぁ、マヤノは」


 本当は隠しておきたかったんだけど、とトレーナーはつぶやいて、トレーナー室の扉を開く。


「ちょっと話そう。去年、マヤノが俺にしてくれたみたいに、今度は俺がマヤノの話を聞くからさ」
 

73: ◆FaqptSLluw 2021/07/25(日) 21:17:27.73 ID:kSZaZ/Zr0



 薄暗い部屋が、文明の光によって拓かれる。

 そうして、光の灯されたトレーナー室に入ったマヤノは、ようやくトレーナー室が施錠されていた意図を知る。


「サプライズにしたくてさ。マヤノが去年作ってくれたクリスマスケーキのお礼、ろくに出来てなかっただろ?」


 まだ準備が終わってないから、明日の午前中に終わらせようと思ってさ。

 トレーナーは小さく笑いを漏らして、そう言った。その背後には、煌びやかに飾られた、クリスマス仕様の部屋の内装があった。――おまけに、壁に立てかけられている大きなプラカードには、天皇賞・秋突破おめでとうの文字。

 ……漸く納得した。トレーナーの両手や耳が青ざめていたのは、この準備のために買い出しに行っていたからだ。マヤノトップガンは、心に温水を流し込まれるような気持ちになった。

 だから、トレーナーは……去年のクリスマスみたいなことにはならない。マヤノトップガンはそう考えて――瞳から流れ出すものを感じた。

 いうなればそれは、今までため込んできたものの結晶だった。

74: ◆FaqptSLluw 2021/07/25(日) 21:43:08.10 ID:kSZaZ/Zr0
 思い返せば、マヤノトップガンは皐月賞以来泣いたことはなかった。

 自身が勝たなければ、トレーナーの記憶が自分以外から無くなってしまう――。言うなれば、孤独な地獄を歩む未来が敗北の先に広がっていた。その責任や苦痛は、マヤノトップガンの眠りを妨げることさえあった。

 頭では理解していた。けれども、それを意識は容認することは出来ない。

 怖かった。

 怖かったのだ。

 泣きたい瞬間はいついかなる時にでもあった。

 喜んでいるときも。

 怒っているときも。

 哀しんでいるときも。

 楽しい時も。

 生きている、トレーナーと共に此処に居るという実感があれば、その瞬間こそが彼女にとっての絶望の旅路への予感でもあった。

 ……先ほどの、会田トレーナーやナイスネイチャとの会話も、強く予感を刺激する行為だった。

 会田トレーナーはトレーナーのことを認めていた。本来であれば、それは紛れもなく、彼にとって強い記憶となって残るはずのものだ。マヤノトップガンにとって、トレーナーが認められるのは――多分、自分自身が褒められるよりも嬉しいことだ。

 ナイスネイチャは会田トレーナーと良好な仲を築いていた。本来であれば、それはウマ娘とトレーナーにとって(その感情の大小の差はあれど)当然の経緯であり、そして未来だった。

 トレーナーを認めてくれている人がいる。当たり前の未来を送れるウマ娘が目の前にいる。それらが、自身の敗北によって。たった一度の敗北によって崩壊する。


「重いよ」


――それは重かった。彼女の飛翼を、傷付けてしまうくらいに。
 

「トレーナーちゃん、マヤ、ちょっとふつーじゃないみたい……」
「……俺も、目を背けてたかもしれない。だから、全部聞くよ。君の話を」
「……嫌いにならない?」
「何があっても」


 そういうなり、トレーナーは長いソファーに腰かけた。

 マヤノトップガンは吸い込まれるように、トレーナーの横に腰を下ろした。

78: ◆FaqptSLluw 2021/07/26(月) 00:34:33.14 ID:+guTX/1X0
やっぱり目が覚めたので続けます。
そして安価です。

―――

下1 ?????(1回目)
30以上:■■■
30以下:■■■

79: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/26(月) 00:35:37.90 ID:895Ult/S0
おはよう!

81: ◆FaqptSLluw 2021/07/26(月) 00:41:33.80 ID:+guTX/1X0



「さて、ちょっと待ってろ。飲み物をついで来るからな」
「……」
「……マヤノ、離してくれないと立てないぞ」
「……近くに居て」
「――解った」


 困った。飲み物をつぎにいけないのはまぁいい。あくまであれは話し合いをするときに有ると便利程度のものだから。

 ただ、袖をつかまれて立ち上がるのを拒む――とまでなると、マヤノの心の傷は相当に深い。

 普段のマヤノは独占欲こそ強いものの、行動を抑制する類のものではなかった。それが今は、行動を抑制するまでになっている。……つまり、俺に片時も離れてほしくないということで。

 結論を言えば、この話し合いの主軸は”俺のループについて”だと察した。


「……おおよそ、マヤノが抱えている問題の見当は付いている」
「……うん」
「だけど、改めて聞かせてほしい。マヤノが苦しんでる理由はなんだ?」


 問題を自らの口から語ること。それはとても辛いことだ。

 大の大人である俺だって、秋川理事長の言葉が琴線に触れ、怒り――漸く吐き出せたものだ。

 でも、なんとなくだけど。マヤノはこの問題をするりと口に出してしまう気がした。――本当に追い詰められているときとは、無意識に口が軽くなるものだから。

 そして。

82: ◆FaqptSLluw 2021/07/26(月) 00:43:35.54 ID:+guTX/1X0

「怖くなったんだ。トレーナーちゃんの記憶が周りから無くなっちゃうって思ったら」


 当たってほしくはない予想は、往々にして当たるものだ。

 だってそれは、マヤノが抱えている闇に気付けなかったという証拠でもあるからだ。悔しいとか、哀しいとか――いろいろ思ってるけど、それよりも強い気持ちは、強い慚愧の念だった。

 あまかったんだ、なにもかも。

 マヤノは頑張ってるから何でもできるとか、マヤノだったら大丈夫だとか。ウマ娘のことを信じて、信じて、信じて――俺がしたことはそれだけだった。

 時には、信じずに疑う事だって必要だった。マヤノは本当にこの重圧に耐えられるのだろうか、とか。……俺は考えていたようで、その実考えていなかったんだろう。

 こうなることは分かり切っていた。それでも、マヤノの言葉を全て鵜呑みにして――それで、マヤノは今潰れそうになっている。

 もともと爆弾はあった。それが今――着火しようとしている。そのトリガーが、クリスマス付近にあった。

――そして。

――俺は、この爆弾を消してしまう魔法なんてものは、持っていない。


「マヤノはさ……なんで怖いって思ったんだ?」


 だけど。諦めに反して口は動き続ける。

 そうしないと、導火線が燃え尽きてしまいそうで。

 そうしたら、何もかも終わりだって感じたから。


「俺が消えることかな。……あとは、俺が消えたら、記憶がマヤノ以外から消えてしまうこともか?」
「……うん」
「怖いよな……」
「怖いよ……」
「辛いよな」
「うん……辛いよ」


 だから、俺が出来ることは、今この場において――たったの一つだけだった。

 俺がこうしてしまったのだから。その責任は俺が取るべきだ。

 だから、まずは。


「マヤノ、男の膝はあんまり固くないかもだけど……」
「……ぅん」


 否定するでもなく、マヤノは俺の膝に頭を預けて横になる。

 俺はその髪をゆっくりと漉くように撫でる。いつものように、ゆっくりと――。

 ……俺のやろうとしていることが、マヤノの未来を消しかねないものであることも理解している。

 だけど。深い絶望に沈む誰かを救うには、これしか思いつかない。俺がかつてそうだったように、マヤノが俺に与えてくれたように。俺はそれを与えることしかできない。

 その結果、何が起きるのか。体験はしていなくても、理解はしている。何せ――恐らく、俺がその状態だからだ。


「マヤノ」
「……なぁに、トレーナーちゃん」
「マヤノは、俺のことが好きか?」
「……もちろん」


 その感情のベクトルがどうであろうと問題ない。要は、感情のベクトルが問題ではなく、その大きさが問題なんだから。

 深い絶望に居るのであれば、それを上回る感情で――支配するしかない。


「マヤノ」
「……」
「大人って卑怯だなって思ってくれたって良い。今の君に伝えるべき言葉ではないとも思う」
「……? うん」




83: ◆FaqptSLluw 2021/07/26(月) 00:44:10.87 ID:+guTX/1X0

 感情の支配。孤独を埋めるには、それを上回る存在感を与えるしかない。

 俺にとってのマヤノがそうであるように、マヤノにとっての俺が、そうである必要がある。

 それが破滅的なものだとしても。

 マヤノの未来が、ここで破滅するよりはもっといい。

 だから。

84: ◆FaqptSLluw 2021/07/26(月) 00:45:00.27 ID:+guTX/1X0


        ・・
「――君のことが好きだよ、マヤノ」



85: ◆FaqptSLluw 2021/07/26(月) 00:45:35.78 ID:+guTX/1X0


 今は、俺に浸ってくれはしないだろうか?



86: ◆FaqptSLluw 2021/07/26(月) 00:50:53.28 ID:+guTX/1X0
 花が落ちるように。星が瞬くように。

 月が昇るように。太陽が沈むように。

 雪が解けるように。水が流れるように。

 すべては、流転する。

 だから、それは道理だった。

 誰かに救われた人間が、”そう”救われたのであれば。

 誰かを救うときも、”そのように”しかできない。


――積もる銀雪は、斜陽にて地を濡らすので。


 二つが溶け合うまでに、そう時間はかからない。

 だからこそ、確信を抱いていた。


「――マヤも、トレーナーちゃんのこと、大好きだよ」


 銀雪が、昏い斜光に、その身を蕩かすなんて。

 酷く、当たり前の出来事なのだから。

87: ◆FaqptSLluw 2021/07/26(月) 01:05:59.99 ID:+guTX/1X0
▼バッドステータス[共依存]を獲得しました。
以後、特定の条件を満たすまではトレーナーとマヤノトップガンが離れるような行動を行えなくなります。


▼新たな目標が設定されました。


▼スキルヒント[独占欲]Lv1を獲得しました。


▼トレーナースキル[大人]を習得しました。
[大人]
汚い人間であるということ。
一定以上の好感度の担当ウマ娘に対して、甘言を弄することで様々なバフを与える。

90: ◆FaqptSLluw 2021/07/26(月) 01:31:01.67 ID:+guTX/1X0
 

「マヤノ、改めてだけど……。メリー・クリスマス」
「……もう、そんな時間?」
「すっかり話し込んじゃったからな。ほら、もう25日だよ」
「そっか……」


 ぎゅっ、と。マヤノの手が俺のズボンを握り締める。

 離別の気配を感じ取ったのか、離れないように握っているらしい。

 大丈夫だよ、と嘯いて頭を撫でる。すると、マヤノは安心したようにその手を解いた。


「……そうだ、クリスマスケーキを買ってきたんだ。一緒に食べよう」
「ケーキ? トレーナーちゃんが食べさせてくれる?」
「まったく、仕方がないな。……と、ちょっと待ってろ」


 机の上に置いていた荷物、その中でもひと際大きな箱を取り出す。

 かすかな甘い香り。ショートケーキを一つ取り出して、フォークで切り分けて……マヤノの口へと運ぶ。

 エサを与えられる雛鳥のように。マヤノは満面の笑みでそれをついばむ。

 ずきりと、胸が痛んだ。


「うん、おいしーよ。じゃあ……トレーナーちゃんにもおかえしー!」
「俺はいいって……!」
「……マヤのケーキ、食べてくれないの?」


 まずい。


「食べる、食べるよ――」
「やったー! はい、あーん……」


 少しの罪悪感と共に、ケーキを口に含む。

 苦い心中に対して、口の中が幸せの味で満ちていく。

 まるで、俺の心のようだった。


「……トレーナーちゃんが使った、フォーク」
「マヤノ、はしたないからやめなさい」
「……トレーナーちゃんがそういうなら」


 しぶしぶ、マヤノはフォークを元の場所に戻す。

 ……とはいえ、直ぐに食べさせあいが始まる。

 口を開き、ケーキを食み、口を開かせ、ケーキを食ませ。

 まるでそれが当然であるかのように、循環が行われる。

 本当は駄目なはずなのに。……その、はずなのに。

 どうして俺は、こんなにも幸せなんだろうな。

 ……許されるのであれば、この幸せがずっと続くといいのに。

100: ◆FaqptSLluw 2021/07/26(月) 12:15:44.73 ID:CuciB9UUO

「トレーナーちゃんはマヤのことどれくらい好き?」
「……難しい質問だな。そうだな……咄嗟に言葉が浮かばないくらいには好き、かな」
「えー? それって悪い意味にも聞こえるんじゃなーい?」
「この流れで言うんだったら良い意味だってことを理解して欲しいんだなー、俺は……」


 勿論解ってます、と表情で語るマヤノ。可愛らしい表情にほっこりして手を伸ばせば、まるでそうあることが当然であるように、マヤノは顎を引いた。

 絹糸のような髪の毛に指を通す。絡まりひとつない髪の毛は、いつだって綺麗で、滑らかだ。

 ……あの日以来変わってしまった、俺とマヤノの関係性。変わらないその感触だけが、やけに際立って感じ取れた。

 バックラウンドに流れる歌合戦では愛を歌っていて。それら全てが普通の愛に寄り添うものだった。

 無論紅白歌合戦なんて、一般的に流行した曲とそのアーティストが参加するものだから、大衆的な感性に沿ったものしか流れないことなんて分かりきってはいた。

 ただ、こんな時くらいは俺の心に寄り添ってくれる歌を流してくれてもいいんじゃないか、なんて思って。

101: ◆FaqptSLluw 2021/07/26(月) 12:16:49.98 ID:CuciB9UUO
「――トレーナーちゃん?」
「ん、どうした?」
「そろそろ年明けだよ!」
「そっか。と言っても、年明けの瞬間って何をしたらいいか分からないんだよな」
「んー……」


 マヤノは少し考え込んで……ふと思いついたかのように手を叩いた。


「ギュッてして?」
「……ん? ああ」


 突然の言葉に驚いたが、俺の体は案外すんなりと動いた。今までの経験の賜物か、あるいは深層心理がそうしたがったのか……。

 細い体を抱きしめると、マヤノの耳が細かく動いた。……どうやらご満悦のようだ。


「……どうするんだ?」
「このまま新年を迎えたら、来年もトレーナーちゃんと一緒にいられるかも、って。めーわくだった……?」
「全然」


 そういうと、マヤノは少し強く俺の事を抱きしめてきた。風呂に入ってそう時間が経っていないからか、何時もよりも強くマヤノの香りを感じた。

 ……いや、少し違う。マヤノが入浴したのは俺の部屋に備え付けの風呂で。そうなれば、使ったのは当然俺がいつも使っているヘアケア用品だ。

 僅かに、マヤノの香りにいつもの俺の匂いが混じっていた。

 興奮しないと言えば、嘘になる。それがどれだけ罪深いことか、理解してしまえば俺が潰れてしまうから……俺は嘘を吐き続けるしかない。

 嘘を吐けば、それを覆い隠すために10個以上の嘘が必要になる。――俺は、嘘を吐いた代償を、今支払っているのだと感じた。

 ……これからの年明けは、きっと罪悪の香りがする。

122: ◆FaqptSLluw 2021/07/27(火) 14:57:54.80 ID:h0ubBXHG0
トレーナー「新年あけましておめでとうございます、と挨拶をするんだが」

トレーナー「今年以上に、この言葉に心がこもらないことは多分ないだろうな」

トレーナー「……」

トレーナー「もし仮にループが無ければ、マヤノと健全に、共に歩けたんだろうか……」

トレーナー「……終わらせてしまいたい、という気持ちに違いはない」

トレーナー「けれども、どこか心の中で終わってほしくない、そうしたらマヤノと離れ離れになってしまうかもしれないという気持ちがある」

トレーナー「解せないな」

トレーナー「……」

トレーナー「妙な考えは仕事で誤魔化すに限る」

―――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/脚質上昇/会話(秋川理事長)/秘密の特訓/その他(良識の範囲内で自由に)
※■■■まであと10ターン(当ターン含む)

123: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/27(火) 15:14:02.53 ID:56TmOcZ70
マヤノは秘密の特訓、その間トレーナーはスキル習得
出来ないなら休憩を兼ねて一緒におでかけ

124: ◆FaqptSLluw 2021/07/27(火) 18:30:26.46 ID:h0ubBXHG0
別行動は状態異常によって不可能なので、お出かけの方を取らせていただきます。

―――


トレーナー「そういえばマヤノ、この前駅前のスイーツ店のクーポン券をもらったんだ、一緒に行かないか?」

マヤノ「駅前のスイーツ店……あ、マックイーンさんから聞いたよ! プリンパフェが絶品だって!」

トレーナー「お、そうなのか。そりゃがぜん楽しみだな。メジロマックイーンがお勧めするのであれば間違いはないだろうし」

マヤノ「うん、マックイーンさんのスイーツに対する目は……ウマ娘イチだと思う……!」

トレーナー「だろうな。よし、じゃあ準備してトレーナー室に集合するとしようか」

マヤノ「アイ・コピー!」


―――

トレーナー「スイーツ店ってさ、何というか……緊張するんだけど」

マヤノ「えー? マヤは緊張したことないかな~」

トレーナー「そうなのか……。俺の場合はあんまり来ない、っていうのもあるし、成人男性は浮いて見えるから緊張してるのかもな」

マヤノ「じゃあトレーナーちゃんも慣れればいいんじゃなーい? トレーナーちゃんのためなら、マヤちん、いつでもツアーコンダクターやるよー!」

トレーナー「それは嬉しい提案だ。もし今後機会があったらマヤノに頼むとするよ」

マヤノ「はーい、マックイーンさんほどじゃないけど、マヤも結構スイーツにはうるさいんだから!」

トレーナー「ほう、じゃあおすすめのスイーツとかも教えてくれるのか?」

マヤノ「うーん……まずはマックイーンさんおすすめのプリンパフェなんだけど……」

トレーナー「……一口にプリンパフェって言っても、かなりの種類があるな。イチゴにバナナ、果ては――なんだこれ、ずんだプリン? 最早ムースみたいなもんだろ……」

マヤノ「マックイーンさん曰く、ババロアみたいだった、らしいよ」

トレーナー「……マックイーンは、ひょっとしてこの店のメニューを網羅してるのか?」

マヤノ「うん、全部食べてみたって言ってたよー」

トレーナー「メジロマックイーン、レース前の減量とかどうしてるんだろうな」

マヤノ「ねー」

トレーナー「……まぁ、俺はベーシックにプリンパフェかな」

マヤノ「じゃあ、マヤは……チョコレートプリンパフェ!」

トレーナー「チョコレートプリンパフェだな。じゃあ、すみませーん……」


―――


トレーナー「……結局あの後、食べさせあいに発展しそうになった」

トレーナー「さすがにそれはまずいので掣肘したのはいいんだけど……」

トレーナー「マヤノが少し膨れてしまった」

トレーナー「いつか埋め合わせしなきゃなぁ……」


―――

▼休憩効果、次回トレーニング効果2倍

125: ◆FaqptSLluw 2021/07/27(火) 18:36:30.79 ID:h0ubBXHG0
トレーナー「最近、心理学についての勉強を始めることにした」

トレーナー「人の心の動きと言うのは、ある程度法則性があって、一つずつ紐解いていけば、異常な精神状態を改善することもできるのだそうだ」

トレーナー「……とはいえ、下手の横好き。さすがにそれを専門として学んできた人間ではないから、不十分な措置を講じそうで……恐ろしい」

トレーナー「それでマヤノの未来が潰えてしまったら、俺は……」

トレーナー「……いや、諦めちゃだめだ。俺が諦めたら、マヤノは、俺は、本当におしまいだ」

トレーナー「マヤノに比べたら俺はまだマシだ。だから、俺が、俺がどうにかするしかないんだ」

トレーナー「……明日は行動心理学じゃなくて、知覚心理学についての勉強をしてみるか」

トレーナー「たまになら、息抜きになるだろうし」

―――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/脚質上昇/会話(秋川理事長)/秘密の特訓/その他(良識の範囲内で自由に)
※■■■まであと9ターン(当ターン含む)
※休憩効果発動中。練習効果2倍
※バッドステータス[共依存]発動中。トレーナーと担当ウマ娘が別れるような行動を行うことは出来ない。

126: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/27(火) 18:43:56.78 ID:BTSnJ2lWo
トレーナースキル習得

127: ◆FaqptSLluw 2021/07/27(火) 18:51:42.74 ID:h0ubBXHG0
トレーナー「今日はトレーニングがお休みの日なので、勉強しようと思う」

マヤノ「ふーん、トレーナーちゃんは勉強熱心でえらーい!」

トレーナー「ふふ、だろう? ただ、マヤノにとっては詰まらない時間になるかもしれないが……」

マヤノ「んーん。マヤちんはトレーナーちゃんと一緒に居れるだけでとても楽しいから大丈夫でーす!」

トレーナー「……っ」

トレーナー「そうか、だったら……まぁ、邪魔にならない程度に好きにしてくれ」

マヤノ「アイ・コピー!」


―――

下1
トレーナースキルを習得する。
50以上で習得
50以下でヒントレベル上昇


■[スキルヒント:トレーナー]
・共感覚(パッシブ)Lv1(上限値)
真の意味でウマ娘と通じ合い、自身の持つ知識や経験などを余すことなく伝えることができる。
ウマ娘の所有する脚質、距離適性、スキルのヒントレベルを常に1上昇させる。

128: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/27(火) 19:01:31.19 ID:7Vbdrbcno
はい

130: ◆FaqptSLluw 2021/07/27(火) 19:25:45.76 ID:h0ubBXHG0
トレーナー「……」

マヤノ「……?」

トレーナー「……マヤノ」

マヤノ「どしたの、トレーナーちゃん」

トレーナー「あのな、実はなんだけど……太腿に頬を擦り付けられると少し困るんだよ」

マヤノ「えー? どうして?」

トレーナー「どうしても、だ」

マヤノ「えー?! きちんと言ってくれなきゃ、マヤわかんないよ~」

トレーナー「言いにくいんだよ、こればっかりは……。言えないわけじゃないけどさ」

マヤノ「じゃあ教えてよ、トレーナーちゃん」

トレーナー「ん~! そうだなぁ、マヤノは自分の体に俺が頬を寄せてすりすりしたらどう思う?」

マヤノ「……嬉しい?」

トレーナー「ぶっ壊れてやがる……」

マヤノ「トレーナーちゃん冗談だって! 恥ずかしいっておもうなー」

トレーナー「だろ? だからダメなんだ」

マヤノ「ん~? なんか答えになってない気がするけど……トレーナーちゃんがそういうなら……」

トレーナー「ああ、よく理解しておいてくれ……ください……」


―――

▼トレーナースキルヒントレベル[共感覚]が上昇した。


131: ◆FaqptSLluw 2021/07/27(火) 19:32:14.63 ID:h0ubBXHG0
トレーナー「目標レースを決めるべきだ、とは思う」

トレーナー「ただ、その前に解決すべき問題がある」

トレーナー「たづなさんには……事情は説明できないけれど、ある程度酌量してもらうように伝えておかなければな、とは考えているが……」

トレーナー「マヤノと長時間共に居ないと、俺自身が落ち着かない。多分あちらも同じ状況だ」

トレーナー「……正常な状態と、狂気的な状態。両者が介在している方が辛い、となんとなく思う」

トレーナー「俺もいっそ、狂うことができたらどれだけ楽だろう」

トレーナー「ただ愛して愛されて……それで十分だと考えることができたら、どれだけ楽だろう」

トレーナー「でもだめだ。俺はあくまでトレーナーだ。マヤノを導くために此処に居る」

トレーナー「だから、狂うことは出来ない。許されない」

トレーナー「さて、いつまで正気が持つかな」

―――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/脚質上昇/会話(秋川理事長)/秘密の特訓/その他(良識の範囲内で自由に)
※■■■まであと8ターン(当ターン含む)
※休憩効果発動中。練習効果2倍
※バッドステータス[共依存]発動中。トレーナーと担当ウマ娘が別れるような行動を行うことは出来ない。

134: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/27(火) 20:35:20.12 ID:LycsBmhno
理事長会話

135: ◆FaqptSLluw 2021/07/27(火) 20:58:14.57 ID:h0ubBXHG0
トレーナー「マヤノ、今日は……秋川理事長にお話があるんだ」

マヤノ「理事長……? 何話すの?」

トレーナー「この前のお礼とか。いろいろ助けてもらったからな」

マヤノ「……」

―――

下1 ???
50以上:■■■
50以下:■■■

136: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/27(火) 21:00:15.89 ID:BTSnJ2lWo
danger zone

138: ◆FaqptSLluw 2021/07/27(火) 21:09:09.33 ID:h0ubBXHG0
マヤノ「……トレーナーちゃん、マヤのこと嫌いになった?」

トレーナー「え?」

マヤノ「理事長と話す機会は何回だってあった。だからお礼を言える瞬間なんてどこにでもあった。違う?」

トレーナー「そんなことは――」

マヤノ「マヤ、嫌だよ……。トレーナーちゃんが他の誰かと話してるとこ見るの……」

マヤノ「ねぇトレーナーちゃん……」

トレーナー「……」

トレーナー「……ごめん、マヤノ。君のことを考えるべきだったな」

マヤノ「うん……こっちこそごめんね、トレーナーちゃん」

トレーナー「謝らなくていいんだよ、マヤノ」

トレーナー(こうなってしまったのは、俺のせいだから……)

―――

▼スキルヒント[独占欲]のヒントレベルが上昇した。

141: ◆FaqptSLluw 2021/07/27(火) 22:00:10.29 ID:h0ubBXHG0
トレーナー「……離れること以外にも気を付けるべき行動があるんだな、と思った」

トレーナー「考えてみれば、妥当だ。俺が消えるから抱えた絶望を埋めるための……共依存関係」

トレーナー「俺がループなどの作用によって消えたり、俺がマヤノの傍からいなくなることが、きっとマヤノにとっての苦痛だ」

トレーナー「……俺にとっての苦痛がそうであったように」

トレーナー「これからは細心の注意を払って動かなきゃな……」

トレーナー「今日は……勉強は少し休もう」

―――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/脚質上昇/会話(秋川理事長)/秘密の特訓/その他(良識の範囲内で自由に)
※■■■まであと7ターン(当ターン含む)
※休憩効果発動中。練習効果2倍
※バッドステータス[共依存]発動中。トレーナーと担当ウマ娘が別れるような行動を行うことは出来ない。

142: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/27(火) 22:11:46.11 ID:3PoIgYq2o
トレーニング

147: ◆FaqptSLluw 2021/07/27(火) 23:40:01.18 ID:h0ubBXHG0
トレーナー「さて、今日はトレーニングをしていくが」

マヤノ「おー」

トレーナー「おー、じゃないんだおーじゃ。ここ男性用の脱衣所だぞ」

マヤノ「えー。でも誰もいないからここで着替えちゃダメ?」

トレーナー「それはだめ」

マヤノ「ぶーぶー!」

トレーナー「いや、むしろそれ許可したら俺はマヤノのこと大事に思ってないってことだからな?!」

マヤノ「えー? つまりトレーナーちゃんは、他の人にマヤのこと見られたくないってこと?」

トレーナー「そう……いや、本当は俺にも見せちゃいけないんだけどな……?」

マヤノ「……トレーナーちゃんになら、いいよ?」

トレーナー「揺らぎそうになるからやめてくれ……。練習、始めるぞ」


―――

下1 トレーニングの種類
スピード/スタミナ/パワー/根性/賢さ
※サポートカード[スペシャルウィーク]アクティブ。根性の練習時に固定値追加。
※サブイベント[業務改善命令]アクティブ。全ての練習時に固定値追加。


下2 トレーニングの効果量
※ゾロ目は追加ロール

148: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/27(火) 23:43:13.34 ID:BTSnJ2lWo
スピード

149: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/27(火) 23:51:09.91 ID:vjv+l+UK0

152: ◆FaqptSLluw 2021/07/28(水) 00:03:23.75 ID:UB4pVOXc0
マヤノ「ランディーング……オーフ!」

トレーナー「走りのキレが……なんか変わってるな」

トレーナー「俺の指導以上に、走りが洗練されているな」

トレーナー「ひょっとして、俺以外と練習していたりするのだろうか……?」

マヤノ「トレーナーちゃん、どうだった?」」

トレーナー「ああ、今までの中で一番良かったぞ」

マヤノ「やったー! トレーナーちゃんほめてほめて~!」

トレーナー「よく頑張りました」

マヤノ「えへへ~。練習終わったらもっと褒めてね! ユー・コピー?」

トレーナー「……。アイ・コピー」


―――

▼マヤノトップガンのスピードが上昇した。

スピード:933(A+)+(91+[業務改善命令]10)×2=1135(SS)

154: ◆FaqptSLluw 2021/07/28(水) 00:47:32.97 ID:UB4pVOXc0
トレーナー「俺とマヤノの関係は、まだまだ学内には漏れていないようだ」

トレーナー「距離感が以前から近かったことが功を奏しているようだけど……」

トレーナー「ケガの功名と言うべきか、何というべきか……とにかく複雑な気持ちなんだよな」

トレーナー「まぁ、上手く行っているからいいんだけどな……」

トレーナー「さて、今日はどうしようかな」

―――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/脚質上昇/会話(秋川理事長)/秘密の特訓/その他(良識の範囲内で自由に)
※■■■まであと6ターン(当ターン含む)
※バッドステータス[共依存]発動中。トレーナーと担当ウマ娘が別れるような行動を行うことは出来ない。

155: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/28(水) 01:07:10.62 ID:bJYfiWBZo
マヤノのスキル習得

157: ◆FaqptSLluw 2021/07/28(水) 02:44:23.24 ID:UB4pVOXc0
 

トレーナー「というわけで、今日は技術を洗練させていくぞ」

マヤノ「ふむふむ……?」

トレーナー「いくつか課題点はあるが、ライバルとなるウマ娘のことを考えると小手先を活用するのが前提となってくる」

マヤノ「小手先……それがトレーナーちゃんの言うところの技術なんだね」

トレーナー「そうなるな。マヤノがこの先勝ちあがっていくためにも必要なトレーニングになる」

マヤノ「それがあれば……ブライアンさんにも勝てる?」

トレーナー「……確約は出来ないけど、勝てる確率は上がると思う」

マヤノ「……だったら、しっかりと取り組まないと! トレーナーちゃんのためにも、ね」

トレーナー「……。ああ、そうだな」

―――

[スキルヒント:ウマ娘]
・読解力 Lv1[作戦:差し]
(中盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+50の補正)
・大局観 Lv1[作戦:差し]
(中盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+100の補正)
・食いしん坊 Lv1[作戦:先行]
(中盤に選択肢追加:終盤のコンマ判定を2段階上のものに上げる)
・魅惑のささやき Lv1[距離:中距離]
(中盤:ライバルウマ娘のコンマ判定を2段階下のものに下げる)
・スカイハイ☆ランデヴーLv2 Lv3[作戦:逃げ] ※フォームチェンジ権
(序盤に選択肢追加:ゴール時のコンマ判定に+200の補正)
・コーナー回復〇 Lv1[汎用]
(中盤に選択肢追加:終盤のコンマ判定を1段階上のものに上げる)
・円弧のマエストロ Lv1[汎用]
(中盤に選択肢追加:終盤のコンマ判定を2段階上のものに上げる)
・善後策 Lv1[短距離]
(中盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+50の補正)
・プランX Lv1[短距離]
(中盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+100の補正)
・押し切り準備 Lv1[作戦:逃げ]
(終盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+50の補正)
・逃亡者 Lv1[作戦:逃げ]
(終盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+50の補正)
・束縛 Lv1[中距離]
(中盤に選択肢追加:終盤のコンマ判定を1段階下のものに下げる)
・独占欲 Lv2[中距離]
(中盤に選択肢追加:終盤のコンマ判定を2段階下のものに下げる)

―――

下1 どのスキルを習得するか。

158: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/28(水) 06:04:31.00 ID:uRDydV1Xo
スカイハイ☆ランデヴー

161: ◆FaqptSLluw 2021/07/28(水) 12:36:53.69 ID:+p+2riMVO
今回の目標について明言しておくと、それまでになにか達成しないとアウトってことでは無いです!

ーーー

トレーナー「という訳で、マヤノーー今日はこの技術について学ぶ」

マヤノ「わ、それって……」

トレーナー「ああ、新調した勝負服だ。もう一度、マヤノに合わせてリサイズしてきた」

マヤノ「すっごく嬉しい……! ありがと、トレーナーちゃん!」

トレーナー「喜んでくれたようで何よりだよ。今から着てくるか?」

マヤノ「うん! ……あ、トレーナーちゃんなら……覗いてもいいんだよ?」

トレーナー「覗くかっ!」

マヤノ「覗かないの……?」

トレーナー「……覗かないからな」

マヤノ「えー……」

ーーー

▼下1 スカイハイ・ランデヴーのスキル習得コンマ
20以上:習得
20以下:スキルヒントレベル上昇

162: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/28(水) 12:40:22.41 ID:OgPJmiimO
トレーナーちゃんへの理性トレーニングがすごい

163: ◆FaqptSLluw 2021/07/28(水) 18:53:51.83 ID:UB4pVOXc0
【アナウンス】
特に固有スキルにおいて、作戦スキルと汎用スキルの補正値が同一だとバランス性を欠くと判断したため、作戦スキルの上昇値を修正しました。
修正後の各スキルの上昇値は下記の通りです。
()内の数値は過去の上昇値となります。

また、将来的に固有スキルのリワークを行います。
目安は……このループが終了した時くらい、でしょうか。

―――


▼作戦固有スキル全般
・Lv1時補正値:200
・Lvアップ毎の上昇率:50

・これが諦めないってことだァ! Lv2 [作戦:逃げ]
(終盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+250(+200)の補正)

・スカイハイ☆ランデヴー Lv2[作戦:逃げ]
(終盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+250(+200)の補正)


―――

164: ◆FaqptSLluw 2021/07/28(水) 18:56:11.73 ID:UB4pVOXc0

マヤノ「トレーナーちゃん!」

トレーナー「お……今度はどうだ?」

マヤノ「ピッタリー! 凄く動きやすいよ~!」

トレーナー「ようやく完成か。やっぱりプロみたいにはいかないな。着心地はどうだ?」

マヤノ「うーん……正直悪いかも」

トレーナー「そっか。まぁ予想はしてたけど」

マヤノ「でも、トレーナーちゃんが作ってくれた衣装だもん。着心地なんて気にしない気にしない!」

トレーナー「いや、気にしてくれ……。今はまだ無理だけど、何れ着心地も良くしてやるからな」

マヤノ「やったー! 今日はこの勝負服で練習だね!」

トレーナー「……それは少し恥ずかしいな」

マヤノ「えー? マヤはこの衣装好きだよ? もっと自信もっていいって思うけどな~」

トレーナー「そ、そうか……照れるな」

マヤノ「あ~! トレーナーちゃんが照れたー! カワイイ~!」

トレーナー「カワイイとはなんだカワイイとは……!」


―――

▼固有スキル[スカイハイ☆ランデヴーLv2]を習得した。

▼フォーム[おんたいむ☆オブセッション]へのチェンジ権を獲得しました。
※[おんたいむ☆オブセッション]へのフォームチェンジはレース前に可能です。
※フォームチェンジにより、固有スキルが変化します。

■[おんたいむ☆オブセッション]マヤノトップガン
・スカイハイ☆ランデヴー Lv2[作戦:逃げ]
(序盤に選択肢追加:ゴール時のコンマ判定に+250の補正)

166: ◆FaqptSLluw 2021/07/28(水) 19:10:09.61 ID:UB4pVOXc0
トレーナー「例えばタバコに対して依存している人の治療は、ニコチン含有量を段階ごとに下げていく方法で行われるらしい」

トレーナー「完治とまではいかないが、ある程度症状は抑えられる、と本には書いてあった」

トレーナー「俺とマヤノのこの関係は、そんな感じでお互いがお互いと距離を取ればどうにかなるものだろうか?」

トレーナー「……なんとなく、ならない気がする。そもそも離れることに対する恐怖がトリガーである以上、むしろ別口の引金を引きかねない。リスキーというか、リスクしかない」

トレーナー「と、なると……置換するくらいしかないのか?」

トレーナー「俺の想いを、マヤノの想いを……置換する」

トレーナー「駄目だな、これもできそうにない」

トレーナー「置き換えられていたら、こうなってない。強いて挙げるのであれば……より強い怒りであれば塗りつぶせるかもしれない」

トレーナー「……考えていても無駄だ。まだまだ知識が足りないことがわかってしまったからには、この時間は無駄でしかない」

トレーナー「考えることを辞めたら終わりだが、無意味に考えるのは論外だ」

トレーナー「……学ぶしかないのかな、やっぱり」


―――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/脚質上昇/会話(秋川理事長)/秘密の特訓/その他(良識の範囲内で自由に)
※■■■まであと5ターン(当ターン含む)
※バッドステータス[共依存]発動中。トレーナーと担当ウマ娘が別れるような行動を行うことは出来ない。

167: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/28(水) 19:12:11.75 ID:7RIBgWAR0
スキル習得(トレーナー)

168: ◆FaqptSLluw 2021/07/28(水) 20:07:10.84 ID:UB4pVOXc0
トレーナー「そうだ、学ぶしかないんだ」

トレーナー「人間の本懐は学ぶことにある」

トレーナー「学習しなければ、何を為すこともできない」

トレーナー「知識とは全ての礎だ」

トレーナー「……そうだ。俺は怠惰に生きていられない」

トレーナー「凡人なんだ」

トレーナー「俺は、凡人だ」

トレーナー「凡人が天才たちに及ぶためには……」

トレーナー「……」

トレーナー「量しかない」

トレーナー「質なんて期待できないから、量で戦うしかない」

トレーナー「わかり切ってたことだ」

トレーナー「だからこの独白は別に開き直りとかじゃなくて、ただ単に過去の反芻でしかない」

トレーナー「そうに、違いない」


―――

下1
トレーナースキルを習得する。
40以上で習得
40以下でヒントレベル上昇


■[スキルヒント:トレーナー]
・共感覚(パッシブ)Lv1(上限値)
真の意味でウマ娘と通じ合い、自身の持つ知識や経験などを余すことなく伝えることができる。
ウマ娘の所有する脚質、距離適性、スキルのヒントレベルを常に1上昇させる。

169: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/28(水) 20:08:12.38 ID:J2LlPYXdO
おう

171: ◆FaqptSLluw 2021/07/28(水) 20:16:25.56 ID:UB4pVOXc0
トレーナー「……はぁ、なんか暗い気持ちになってきたな」

トレーナー「やっぱり、悩みこんでいるときに勉強なんてするもんじゃないわ」

トレーナー「なーにが質なんて期待できないから量で戦うしかないだバーカ!」

トレーナー「第一天才が努力してないって言ってるようなモンだろその言葉は……」

トレーナー「あーあ、アホらしくなってきた。今日は遊ぶか~」

マヤノ「トレーナーちゃん、授業終わったよ~!」

トレーナー「今日は早いな、予鈴が鳴ってまだ一分しか経ってないぞ……?」

マヤノ「トレーナーちゃんに会いたくて、全力で歩いてきましたっ!」

トレーナー「廊下は……いや、走ってないのか」

マヤノ「走ったらトレーナーちゃんも怒られちゃうから……」

トレーナー「おー、マヤノは偉いなぁ……」

マヤノ「えへへ……」

トレーナー「……そうだ、今日はトレーニング休みだし、気分転換に何処かに出かけないか?」

マヤノ「え? いいけど……何かあったの?」

トレーナー「……。いや、ちょっと考え事をしてて。それが煮詰まりすぎてるから気分転換したいなって思ってたんだよ」

マヤノ「そっかー。じゃあ……ゲームセンターいこ?」

トレーナー「お、いいな。じゃあゲームセンターに行くか!」

マヤノ「わーい! じゃあ10分後に校門に集合! マヤちん、ランディング・オーフ!」


―――

▼スキルヒント:トレーナー[共感覚]のスキルヒントレベルが1上昇した。


172: ◆FaqptSLluw 2021/07/28(水) 20:21:35.55 ID:UB4pVOXc0
トレーナー「桜が蕾つけてきたな~なんて思ってたら、いつの間にか暖かくなっててびっくりした」

トレーナー「トレーナー室のこたつをそろそろ撤去すべきか、とマヤノに聞いたら猛反対された」

トレーナー「理由はこたつの中で足をごっつんこ出来なくなるから、だそうだ。良く解らん……」

トレーナー「とはいえ、もうちょい暖かくなったらこたつは仕舞わなきゃな……」

トレーナー「……。そういえば、なんでこたつなんてものが常備されてるんだろう」

トレーナー「案外誰かの趣味だったりするのだろうか」

―――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/脚質上昇/会話(秋川理事長)/秘密の特訓/その他(良識の範囲内で自由に)
※■■■まであと4ターン(当ターン含む)
※バッドステータス[共依存]発動中。トレーナーと担当ウマ娘が別れるような行動を行うことは出来ない。

173: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/28(水) 20:42:39.31 ID:J2LlPYXdO
トレーニング

174: ◆FaqptSLluw 2021/07/28(水) 21:25:27.92 ID:UB4pVOXc0
トレーナー「塵も積もれば山となる、という言葉がある通り、小さなことでも積み重ねていけば大きなことを為せる力を得る。例えば……一流のウマ娘は素手で岩を割ることもあるらしい」

マヤノ「えぇ?!」

トレーナー「勿論嘘だ。しかし、まぁ。気持ちが強ければ岩を徹すことも出来るかもしれない。積み重ねとはそういうものだ」

マヤノ「へぇ~」

トレーナー「事実、人間にもレンガや石を拳で砕く人がいる。鍛錬の結果だな」

マヤノ「つまり、ウマ娘だったら……」

トレーナー「いずれは岩を砕けるかもな」

マヤノ「岩を砕けたら……オトナに近づけるかなぁ」

トレーナー「……いや、岩を砕く云々はあくまでたとえ話で――」

マヤノ「トレーニングに、ランディーング・オーフ!」


―――


下1 トレーニングの種類
スピード/スタミナ/パワー/根性/賢さ
※サポートカード[スペシャルウィーク]アクティブ。根性の練習時に固定値追加。
※サブイベント[業務改善命令]アクティブ。全ての練習時に固定値追加。


下2 トレーニングの効果量
※ゾロ目は追加ロール

175: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/28(水) 21:31:40.74 ID:bJYfiWBZo
スタミナ

176: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/28(水) 21:32:00.17 ID:7RIBgWAR0
ゾロゾロ

179: ◆FaqptSLluw 2021/07/29(木) 00:03:04.20 ID:jBCEyuIH0
トレーナー「……落ち着いたかマヤノ」

マヤノ「うん……」

トレーナー「頼むから、ゴリゴリマッチョマンにはならないでくれよ、ファン以前に俺とか家族とかがびっくりするから……」

マヤノ「うん、シチーさんみたいなオトナになることを約束します……」

トレーナー「よし、それでいいんだ、それで……」

マヤノ「……でも、なんか今の一幕で疲れちゃったねー」

トレーナー「ああ、そうだな……。肉体的と言うか、精神的に?」

マヤノ「おやつでも食べたい気分~」

トレーナー「さすがにトレーニングはしなきゃだけど。トレーニングを早めに切り上げて、その後カフェでも行くか」

マヤノ「賛成賛成~!」

トレーナー「じゃあ、とりあえずトレーニング、始めるぞ」

マヤノ「おー!」


―――


▼マヤノトップガンのスタミナが上昇した。

スタミナ:757(B+)+(17+[業務改善命令]10)=784

180: ◆FaqptSLluw 2021/07/29(木) 00:45:45.49 ID:jBCEyuIH0
あ、ちなみに今はシニアの4月~5月付近ですね。

―――

トレーナー「漸くこたつを片付けたのだが、マヤノは少し寂しそうだった」

トレーナー「ただ、そもそもこたつを使っていなかった上に、いざ仕舞ってしまえば特にマヤノからの言及もなかったので、もしかしたらただの名残惜しさがマヤノをああさせたのかもしれないな、と思った」

トレーナー「やっぱり、使い慣れたものとかを切り替えるまでは名残惜しいんだけど、いざ切り替えてみると前のものについて、案外思うところって少なくなるよな~って」

トレーナー「俺はそう思うんだけど、マヤノもそうなんだろうか」

トレーナー「まぁ、人ってそういうとこあるよね」

トレーナー「心理学的な効果とか、名前とかついてたりするのかな」


―――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/脚質上昇/会話(秋川理事長)/秘密の特訓/その他(良識の範囲内で自由に)
※■■■まであと3ターン(当ターン含む)
※バッドステータス[共依存]発動中。トレーナーと担当ウマ娘が別れるような行動を行うことは出来ない。

181: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/29(木) 01:16:04.34 ID:bOQIQjmNo
ナリブの模擬レース偵察(二人で)

ナリブの気迫感じて気合入れ直してくれ~

182: ◆FaqptSLluw 2021/07/29(木) 20:04:22.31 ID:jBCEyuIH0

 何かを失うことを恐れ、しがみつきたい気持ち。

 これは、そんな想いによるお話。

 名づけるならば、そう。

 この物語の名は――。


―――


Root1:Obsession-オブセッション-


―――


トレーナー「さて、今日は敵情視察だ」

マヤノ「てきじょーしさつ?」

トレーナー「これからマヤノが相対するであろうウマ娘の出来上がりを見に行くってことだ」

マヤノ「へー。今日は誰を見に行くの?」

トレーナー「秘密。とにかく出かけようぜ」

マヤノ「……アイ・コピー?」


―――


トレーナー「さて、着いたぞ」

マヤノ「ここって……模擬レースするとこ?」

トレーナー「ああ。ここで今日行われる模擬レース、何に向けた調整かわかるか?」

マヤノ「うーん……宝塚記念?」

トレーナー「ご名答。じゃあ、このレースに誰が出るか……解るか?」

マヤノ「うーん……。わかんない」

トレーナー「……。ひょっとしたら、前のマヤノだったら覚えてたのかもな」

マヤノ「トレーナーちゃん……? なんで、なんで……」

マヤノ「なんで、そんな怖い顔してるの?」

トレーナー「マヤノ、君はこたつを片付ける前まではごねていたが……片づけた後には特に何も言わなくなったよな」

マヤノ「え……? だって、それはしょうがないことだってわかってるから……」

トレーナー「……。今、分かった。マヤノ――君と共に羽搏く方法が」

マヤノ「トレーナーちゃん、いきなりどうしたの? お休みする?」

トレーナー「マヤノトップガン。今から君が見るべきなのは、俺ではない」

トレーナー「――ナリタブライアン……沈み行く夕陽だ。その影を捕まえて、決して離すな」


―――


 ナリタブライアン。

 彼女の名前を出した瞬間の顔を、俺は二度と忘れない。

 まるで暗幕から突如として光が漏れだしてくるような。

 マヤノの瞳に突如として宿った、夕焼けよりなお赤い、意志のことを。


―――


185: ◆FaqptSLluw 2021/07/29(木) 22:39:03.68 ID:jBCEyuIH0

トレーナー「……君は、君は忘れていたんじゃないか」

トレーナー「いや、忘れていたというか――敢えて見ないようにしていた」

マヤノ「トレーナー、ちゃん?」

トレーナー「マヤノはさ、俺を失うことが怖いんだな」

マヤノ「そんなの……そんなの当たり前だよ! トレーナーちゃんなしじゃここまで来れなかった! トレーナーちゃんがいなきゃ、飛べる空も飛べなくなっちゃったんだよ、マヤ……」

トレーナー「それは違う、大きな勘違いだ」

トレーナー「君は俺がいなくても飛べた。きっと、飛べたはずなんだ。今もそうだ」

トレーナー「何故なら君の翼は俺なんかじゃない、君の翼は君自身のものだった」

トレーナー「……はっきり言おう。マヤノ、君のそれは、執着心なんだよ」

トレーナー「何かを失う怖さが、君の翼を封じ込めた。そしてその怖さは、君の心から拭われることはない」

マヤノ「……」

トレーナー「だから。マヤノが持つ……俺が刺激した執着心を支配する感情が必要だった」

トレーナー「俺が、君の心を大きな感情で支配したように」

トレーナー「それが――俺の見つけた答えだよ、マヤノ」

トレーナー「マヤノ。今一度聞きたいんだ、君に」

トレーナー「……君が、飛ぶ理由ってなんだ?」

トレーナー「君が――マヤノがナリタブライアンに勝ちたい理由は、何だった?」

マヤノ「マヤの……マヤがブライアンさんに勝ちたい理由?」

トレーナー「そうだ」

マヤノ「負けたくなかった理由……それは、それは……」

マヤノ「キラキラしたかったから……」

マヤノ「そう、ブライアンさんよりも大きなキラキラになりたいって――」

トレーナー「……そうだ。あの日――メイクデビューの前、ナリタブライアンのレースを見たマヤノはそう言った」

トレーナー「マヤノの今の目標は、違うのか?」

マヤノ「……だって。だって……」

マヤノ「負けたくないって思ったのは、確かにブライアンさんがきっかけだったよ……?」

マヤノ「でもね、トレーナーちゃん……。マヤはブライアンさんに負けるよりも、もっと嫌なことが、トレーナーちゃんと2度と会えなくなるってことだったんだよ……」

マヤノ「……前に言ったよね、”ウマ娘にとってのトレーナー”についての話」

マヤノ「だから、マヤは――自分の唯一の味方を失いたくないって思ってただけ、なんだよ」

マヤノ「トレーナーちゃんは……マヤがトレーナーちゃんを信じてるってことにまで目を背けてるって……そう思ってるの?」

トレーナー「……」

トレーナー「俺は、君が信じているほどの人間じゃないって常に思ってる。だから、マヤノが信じてくれていることを。そして、マヤがそう言ってくれることが、すごく嬉しい」

トレーナー「でもな、マヤノ――」

トレーナー「俺は嫌なんだ。俺が大好きなマヤノが、俺のせいで正しく羽搏けないのは……」

トレーナー「……でも、マヤノの気持ちもわかる。だからこうしよう」

トレーナー「――ナリタブライアンの走りを見て、少し考えてくれないか」

マヤノ「ブライアンさんの走りを……?」

トレーナー「そうだ。……君がその走りを見て何も思い浮かばなければ、君の言葉が正しかったってことだと思うから……」

トレーナー「少し、考えてみてくれ――」


―――

▼マヤノトップガンのやる気が下がった。
絶好調→普通


186: ◆FaqptSLluw 2021/07/29(木) 22:52:24.82 ID:jBCEyuIH0
トレーナー「しばらく、マヤノと会うことはやめようと決めた」

トレーナー「二人で話し合って決まったことだ。だから、本当は受け入れなきゃいけないんだけど……」

トレーナー「……仕事が手につかない、な」

トレーナー「俺でもこうなんだ、マヤノは……一体どうなってるんだろうな」

トレーナー「………………………………」

トレーナー「……理性って、ちょっと邪魔なんだな」


―――


下1
お出かけ/休憩/会話/その他(良識の範囲内で自由に)

※XXXまであと?ターン(当ターン含む)
※特殊イベント[Root1:Obsession-オブセッション-]開始
※マヤノトップガンとの行動を行えません。
※トレーナースキル習得はトレーナーが抱く、マヤノトップガンへの執着心により行えません。
※ターン経過ごとの時間経過が1ターン1日へ変化します。
※特定イベントの発生まで、制限ターンは無期限に延長されます。

187: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/29(木) 23:00:40.31 ID:gBLinELB0
ウマ娘のことはウマ娘に聞くしかない、会長に会いに行けないかな
無理なら無難にお出かけ

189: ◆FaqptSLluw 2021/07/30(金) 19:53:35.11 ID:oJKSC1nf0

――どれだけ憂鬱でも、世界は回るし、時間は進む。


 業務時間が終わり、時刻は夕方6時。

 グランドから聞こえて来る、トレーニングに励むウマ娘たちの声。

 いつもはそろそろ仕事が終わり、研究――と言った時間だが、あいにく仕事が終わっていない。

 考え事とか、あるいはマヤノのこととか。色々あって仕事が滞ってしまっているのだ。

 情けなさに思わずため息を吐きながら、さてどうしたものかと外を見る。


「……ん? あれは……」


 視線の先には、一人でグラウンドを眺めるウマ娘の姿があった。

 遠くから見ても良く解る。あれはシンボリルドルフだ。

 エアグルーヴや生徒会役員のウマ娘たち、あるいはトウカイテイオーが近くに居ないのは珍しいな。

 もしかすると、息抜きがてらウマ娘たちの練習を眺めているのかもしれないな。


「……もしかして、シンボリルドルフだったら、答えをくれるのかな?」


 そうつぶやいて、自分の情けなさに吐き気がした。

 年下の子に自分の弱音をぶつけて、あまつさえ解決してもらうなんて……。

 いや、もう今更か……。マヤノにも同じことしちゃったしな……。

 それに、今は変なプライドを持つよりも、この事態を解決する方が優先だ。

 マヤノか俺か――どちらかがもたなくなった時、今度こそ本当に、戻れなくなるだろうから。


「行くか」


 幸い、気持ちに対して俺の腰は軽かった。

190: ◆FaqptSLluw 2021/07/30(金) 23:31:00.20 ID:oJKSC1nf0
「やぁ、シンボリルドルフ」
「貴方は――マヤノトップガンの」


 夕焼け空が赤々としている空の下、シンボリルドルフは組んでいた腕を解いてこちらを見た。

 いつも見ても凛々しい顔だ。決意すら漂ってきそう。


「……ウマ娘たちのトレーニングを見ていたのか?」
「ええ、こうして彼女たちのトレーニングを眺めていると……勇気を貰えますから」
「へぇ、勇気ねぇ……」
「そう言う貴方は、何故ここに? 偶然というわけではないでしょう?」


 へぇ、さすがにバレてるか。


「ああ、君に少し……なんだ、その。相談があって」
「……」


 驚かせてしまった。

 目をぱちくりと瞬かせるシンボリルドルフは、少しの間をおいて首を少し振る。


「驚いた?」
「……正直に言えば。年末以来一度もマヤノトップガンはこちらに来ませんでしたから」


 てっきり良好に進行しているのかと、と漏らしたシンボリルドルフに、俺はある確信を抱いた。

 マヤノがいつの間にか成長していた真相に対する確信。


「――君が一枚噛んでいたのか」
「……ええ、僭越ながら私がマヤノトップガンに手ほどきをさせていただいております。ご迷惑でしたか?」
「いや、いや――迷惑なんてとんでもない。わざわざありがとう」
「こちらから提案したことですので」
「そうなのか……。にしても、いいのか? シンボリルドルフだってそこまで時間があるわけじゃないだろ?」


 生徒会長とは、生半可な仕事ではない。正直、俺たちトレーナーよりも仕事があると考えてる。

 だが、シンボリルドルフはそんな俺の心配に対して微笑で返した。


「マヤノトップガンは、思った以上に凄い子ですよ」
「知ってる。――君がそう言うなら、より確信できるよ」
「ええ、あの子は本当にスポンジのように吸収していく。貴方の教えも、私の教えも」
「ふむ」
「だから、教えてるとこちらも……彼女の何というか、天才的な理解力に触れることがあるんです。気付かされることもありますよ。だから、いちウマ娘として――彼女とのトレーニングの時間をとても楽しみとしています」
「まだ成長するつもりなんだな」


 俺が聞くと、シンボリルドルフは小さく笑い、当然です、と答えた。


「弛まぬ努力は、何れ岩をも穿つでしょう。ウマ娘たちの夢を背負うものとして――負けてはいられませんから」
「さすがだな、皇帝は」
「ありがとうございます、これからも――皇帝の名に恥じぬように研鑽していきます」
「……それも含めて、さすがだな」
「……して、相談とは?」


 シンボリルドルフが一つ咳払いして、脱線しかけた話題を元に戻す。

193: ◆FaqptSLluw 2021/08/01(日) 11:47:51.97 ID:P9TDvDr90
「――実は、マヤノと共依存の関係になっている」
「……え?」
「この前のクリスマス、マヤノの感情が爆発しそうになって、それを収めるためにこうなった」


 シンボリルドルフは……さすがに驚いているようで、目を見開いていた。

 まぁ当然だろう。この前まで問題なく面倒を見ていた子が、共依存というあまり聞きなれない状態になっているのであれば。

 しばらく後、考えこんだシンボリルドルフは顔を上げ、こちらを見る。


「……なるほど、なんとなく理解はしました。要は――貴方のループに関連して、マヤノトップガンの心理的疲労が累積した結果、というわけですね」
「そうだ、理解が早くて助かるよ」
「ありがとうございます。……相談と言うのは、つまりそんな二人の関係をどうしたらいいのか、という内容で合っていますか?」
「そうだ」


 再び、シンボリルドルフは考えこむ。

 顔を上げたシンボリルドルフは、申し訳なさそうに眉を下げていた。


「正直なところを言うと、明確な答えを返すことは出来ません。何分、そのような状況に対しての知識が足りていないので……」
「……まぁ、そうだろうな」
「ただ、一つ思うことがあるとすれば――果たして、その関係はそこまで悪いものなのか、ということです」


 シンボリルドルフのその答えに、俺は思わず声を漏らした。

 彼女であれば、健全な関係性をこそ望むと考えていただけに、俺は虚を突かれた形になっていた。

 ……シンボリルドルフもそのことは承知していたのだろう。苦笑いを浮かべながらも、その訳を説明してくれそうだ。


「穿った考え方になるかもしれませんが、互いに好意を抱いている状態とは、相互の依存関係と言えるのではないでしょうか。好意とは言わば他者からの承認欲求と言い換えることも出来ますから」
「人それぞれだろうけど、まぁ確かに」
「ことマヤノトップガンに関しては当てはまる言葉だと思っています。だから、この話において大事なのは、その関係性自体ではなくて――想いの大きさというか、占める割合の問題だと思っています」


 なるほどな、と頷いた。

 誰かと離れたくない気持ちを依存心と言うのであれば、それは人間にとって至極当然の感情だ。

 俺にだって、マヤノ以外への依存心はある。友人や両親等がそうだ。

 だから、問題は占める割合――簡単に言えば、向ける感情の大きさ。

 今は俺に向いている感情がかなりの割合を占めているから、これを何処かへと分散させなければならない。


「ですから、その関係は悪いものではありませんが、感情のベクトルの大きさには調整の必要がある、と考えています」
「……そっか」


 で、あるならば。あとはマヤノが答えを出すのを待つだけなのかもしれない。

 マヤノがじっくり考えたうえで、俺以外への感情を見出せるのか……それが、分水嶺。

 漠然と抱いていた不安が、多少和らいだ気がして。

 俺はシンボリルドルフへと頭を下げる。


「ありがとう、シンボリルドルフ。答えを見出せたような気がするよ」
「いえ、こちらも――私の不明に気付けました、ありがとうございます」
「……ストイックだな」
「そういうものですから」


 シンボリルドルフは軽く微笑んで……ふと思いついたように、こちらに再度水を向けてくる。


「校内でわいせつな行為などに及ばないように、厳にお願いします」
「してねーよ!!!!」



194: ◆FaqptSLluw 2021/08/01(日) 11:55:45.29 ID:P9TDvDr90
トレーナー「授業中のマヤノの様子は……正直あまり良いとは言えないようだ」

トレーナー「集中力が欠如した状態が続いている、らしい」

トレーナー「マヤノの中で答えが見つかるまで待つのも必要だとは思うが……」

トレーナー「こちらからも、何か動けないだろうか」


―――


下1
お出かけ/休憩/会話/その他(良識の範囲内で自由に)

※XXXまであと?ターン(当ターン含む)
※特殊イベント[Root1:Obsession-オブセッション-]開始
※マヤノトップガンとの行動を行えません。
※トレーナースキル習得はトレーナーが抱く、マヤノトップガンへの執着心により行えません。
※ターン経過ごとの時間経過が1ターン1日へ変化します。
※特定イベントの発生まで、制限ターンは無期限に延長されます。

195: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/01(日) 12:06:17.40 ID:FiTHqvef0
今のうちに休憩溜めしておけば復活した時お得なのでは?ということで休憩

196: ◆FaqptSLluw 2021/08/01(日) 12:09:41.20 ID:P9TDvDr90
 

―――

トレーナー「仕事だけ終わらせて、今日は休養に充てるか……」

トレーナー「仕事もそうだけど、考え事だって休養を取らなければ良質なものは浮かんでこない」

トレーナー「それに……少し疲れたしな」

―――
▼休憩効果発動。次回トレーニング効果2倍。

198: ◆FaqptSLluw 2021/08/01(日) 12:13:23.06 ID:P9TDvDr90
トレーナー「昨日はよく寝たな」

トレーナー「春眠暁を覚えず……とはいうが、そもそも今のこの季節が本当に春なのか解らない」

トレーナー「5月の序盤とかは割とまだ春っぽい雰囲気があるんだけど、後半は夏っぽい気がする」

トレーナー「梅雨に入ったら春とか夏とか関係なく”梅雨だな~”って思うの、考えてみれば少し不思議だよな」

トレーナー「……マヤノは、雨は好きかな」


―――


下1
お出かけ/休憩/会話/その他(良識の範囲内で自由に)

※XXXまであと?ターン(当ターン含む)
※特殊イベント[Root1:Obsession-オブセッション-]開始
※マヤノトップガンとの行動を行えません。
※トレーナースキル習得はトレーナーが抱く、マヤノトップガンへの執着心により行えません。
※ターン経過ごとの時間経過が1ターン1日へ変化します。
※特定イベントの発生まで、制限ターンは無期限に延長されます。

199: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/01(日) 12:21:24.79 ID:2bsv0Njs0
去年の有馬記念のビデを見よう、ブライアンも出てるでしょ

225: ◆FaqptSLluw 2021/08/02(月) 18:23:09.97 ID:L6l3E1R20
「……有馬記念、か」


 年に一度の、オールスターラン。

 行く行くはマヤノも出場するであろうその舞台は、出場するだけでも誉れである。

 何十何百にも上る全てのウマ娘たちからファン投票で出場が決まる大舞台。

 つまりその場に立つということは、それそのものがスターウマ娘の証明とも言える。

 そして――マヤノトップガンは、そんな有馬記念の出走予想にも名前がある。しかもそれなりに上の方に。

 研究する必要がある。


「心ではいくらでも思えるよな、そんなこと……」


 心の中での嘘なんて、いくらでも重ねられる。

 本当は研究のために有馬記念のVTRを見るわけではないのに。

 本当の目的は――ほら、今ターフを押しつぶすような威圧を放ったウマ娘。

 ナリタブライアン。今となっては、俺の希望だ。

 彼女の走りがなければ、マヤノは立ち直れないから。

 俺の言葉では、かえってマヤノの心を折ってしまいかねないから。


「……さすがの走りだ、ナリタブライアン」


 画面の中のナリタブライアンは、やはり壊滅的なまでの末脚ですべてを蹂躙する影と化していた。

 有馬記念に並み居るウマ娘でも、彼女に敵うウマ娘は――居ない。


「でも、やっぱり……その走りは寂しいよ、ナリタブライアン」


 ぽつりと、言葉を零して。


「……寂しい、か」


 その言葉に、少し立ち返る。

 テレビからは、ナリタブライアンの一着を讃える声が響いていた。


226: ◆FaqptSLluw 2021/08/02(月) 18:28:15.25 ID:L6l3E1R20
トレーナー「朝目が覚めると、窓の外から蝉の鳴き声が聞こえてくる季節になった」

トレーナー「蝉の命は一週間っていうのは有名な話だよな。俺は割と残酷だな、と思う」

トレーナー「それが蝉という生態を保つための生存戦略なんだろう。長年の経験を累積して、生態がそう成長したからこそ、一週間でその命を散らす」

トレーナー「決まりきった死を迎える蝉の気持ちは、どうなんだろうか。脳の大きさが足りないから、思考なんてものはないのはわかり切っているのに――何故かそこに答えを追い求めてしまう」

トレーナー「それは俺が、八日目の蝉だからだろうか。死に体の、後には何もない存在だからだろうか」

トレーナー「はぁ、蝉関連の話は憂鬱になるばかりだな。切り替えて仕事するか」


―――


下1
お出かけ/休憩/会話/その他(良識の範囲内で自由に)

※XXXまであと?ターン(当ターン含む)
※特殊イベント[Root1:Obsession-オブセッション-]開始
※マヤノトップガンとの行動を行えません。
※トレーナースキル習得はトレーナーが抱く、マヤノトップガンへの執着心により行えません。
※ターン経過ごとの時間経過が1ターン1日へ変化します。
※特定イベントの発生まで、制限ターンは無期限に延長されます。

227: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/02(月) 18:33:50.41 ID:zOQXKgIw0
休憩

229: ◆FaqptSLluw 2021/08/04(水) 00:03:10.00 ID:0QYB9Qax0
トレーナー「仕事も終わったし、今日はラーメンでも食べに行くか……」

トレーナー「と言っても、赴任してこの方遊びに行くことなんてなかったから、近くにどんな店があるかなんて全くわからないし――」

たづな「……ふむ、でしたらおすすめのお店がありますよ!」

トレーナー「……い、いつからそこに?」

たづな「今しがた、です。トレーナーさんがお仕事されていらっしゃったようなので、様子を聞きにきたんですよ」

トレーナー「それは……どうも。今日の分の仕事は終ったので、とりあえず息抜きをしようと思っていて……」

たづな「……その手段が、ラーメンと」

トレーナー「はい」

たづな「私は今日はいけないんですけど、おすすめのラーメン屋があるんです。行きつけのところではないんですけど、一度食べに行って、すごくおいしかったので――」

トレーナー「へ、へぇ……」

トレーナー(なんか期待できそうだ……!)

トレーナー「ちなみに、どこのお店なんですか?」

たづな「ああ、それはですね……」


―――


トレーナー「……流石たづなさんだった」

トレーナー「魚介系の濃厚スープに、細いうねり麺……」

トレーナー「こってりとした中に香る、わずかなゆずの香り……」

トレーナー「何というか、その。凄く旨かった」

トレーナー「……次はマヤノと一緒に来たいな」


―――

▼休憩効果発動。次回トレーニング効果4倍。


230: ◆FaqptSLluw 2021/08/04(水) 01:01:35.83 ID:0QYB9Qax0
トレーナー「日が経るたびに、夏の足音が聞えてくる」

トレーナー「室内にいても暑さを感じると、扇風機とか風鈴の音が恋しくなってくる」

トレーナー「今年の夏は、多分例年よりも暑くなるかもな」


―――


下1
お出かけ/休憩/会話/その他(良識の範囲内で自由に)

※XXXまであと?ターン(当ターン含む)
※特殊イベント[Root1:Obsession-オブセッション-]開始
※マヤノトップガンとの行動を行えません。
※トレーナースキル習得はトレーナーが抱く、マヤノトップガンへの執着心により行えません。
※ターン経過ごとの時間経過が1ターン1日へ変化します。
※特定イベントの発生まで、制限ターンは無期限に延長されます

231: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/04(水) 01:02:11.71 ID:6aiWF8Pco
お出かけしたらターボにぶつかった

232: ◆FaqptSLluw 2021/08/04(水) 18:33:23.17 ID:0QYB9Qax0

 朝目が覚めて一番に気付いたのは、今朝の寝覚めが酷く悪い、という事だった。

 悪夢を見た自覚なんてなくて、まして夜更かししていたわけでもなく。

 夢を見ていた……いや、多分、悪夢を見た。でも、夢を見たってその内容を明確に思い出せるわけじゃない。

 だから……状況証拠的に悪夢を見ていたことを察する。そうでなければ、この寝覚めの悪さについて説明がつかない。


「顔、洗うか」


 一言呟いて、ぴしゃりと頬を叩く。

 そうすれば、先ほどまでの倦怠感は晴れたふりをする。

 カーテンを開いて、窓を開けば――夏の気配が、蝉の音と共に部屋に満ちた。


「――今日は、いつもより蝉が騒がしいな」


 蝉が鳴き始めて今日で3日目。

 命を燃やす鳴き声は、何処までも高まりあい、共鳴していた。

 

233: ◆FaqptSLluw 2021/08/04(水) 18:45:17.39 ID:0QYB9Qax0



「……トレーナーさん、最近仕事、頑張ってますよね」


 仕事の報告にと、トレーナー室にたづなさんが来たとき、彼女はふと零した。

 あまりに突然のことだったので、何も返さないでいると、たづなさんはいつもの微笑みを浮かべる。


「根を詰めすぎないように、とは常々お伝えしているんですけれどね」
「……。根を詰めてはいませんよ。端に仕事に打ち込む時間が好きなだけです」
「そんな人が業務改善依頼を出しますか?」


 黙りこくる。


「まぁ、どちらでもいいんですよ。結果としてトレーナーさんが業務に邁進できるのであれば、それで」
「はあ」
「ですが、さすがに最近のトレーナーさんは見過ごせませんから――これは上司命令です。散歩でもしてきてください」


 たづなさんは、一応俺の上司にあたる人だ。

 とはいえ、そんな上下関係を感じさせないほどにフランクである。

 これは恐らく、たづなさんが円滑なコミュニケーションのことを考えて、敢えてそうしているんだろうと思う。

 だが、こうして業務命令を出されると途端に上司の顔が出てくる。……こうなっては、俺は従わざるを得ない。


「30分、でいいですか」
「それくらい歩けば、運動不足の解消には役立つと思うので」
「……では。たづなさんもたまに運動してくださいね」
「トレーナーさんに心配されるほど運動不足ではありませんよ。はい、いってらっしゃい」


 たづなさんに押しやられるように、俺は外に出た。

 やっぱり、今も蝉はうるさい。



234: ◆FaqptSLluw 2021/08/04(水) 19:02:34.70 ID:0QYB9Qax0



 茹だる、という暑さの表現があるが、今日の気温は正しく茹だる程。

 外に一度顔を出せば、脂汗がにじみだす。

 こんな日でも、ウマ娘たちは外で元気にトレーニングをしているのだから凄まじい。仮に俺がトレーニングを行おうものなら、10分かそこらでダウンするだろう。

 何もこんな日に散歩なんて命令しなくても……とは思うが、クーラーに慣れ切った体というものはなんとなく健康に悪い気がしたので、リセットがてら歩くことに決めた。

 歩きだせば、やはりと言うべきか下着に、カッターシャツにと汗がにじむ。僅かに吹く風だけが俺の体温を下げていた。


「とはいえ、これ結構辛いな……」


 純粋に体力が奪われる。木陰のベンチに座って休み休み散歩を行っているが、その度に上がっている息に驚いてしまう。

 ただ、さすがにこれだけで息が上がるのはいただけない。運動不足。なるほどな、と思った。確かにこれは運動不足だ。

 休息は十分。座っていたベンチから立ち上がり、歩こうとした時だった。


「うおおおおおおぉぉぉぉ!!!」


 蝉よりなおうるさい声が響いたと思えば。

 俺は宙を舞っていた。

 ああ、轢かれたんだな。そう認識した瞬間には、頬は硬い地面の感触を味わっていて。

 まるで緞帳が落とされるみたいに、意識を失った。

238: ◆FaqptSLluw 2021/08/04(水) 20:41:35.94 ID:0QYB9Qax0
「起きろーっ!」
「うわぁッ?!」


 目が覚めるなり、耳元に大声が叩きつけられる。

 思わず身を逸らせば、額が何か硬いものに思いっきりぶつかって、目を閉じる。

 ……しばらく後に目を開けば、そこには”見慣れた”青い髪。

 空の蒼のように鮮烈な青と、藍とピンクの虹彩。

 彼女を前にして、俺は口をしばらく開けずにいた。

 そう、俺は彼女のことを知っている。

 風のように自由で、炎のように苛烈。その走りは、煌めかんばかりの才能を秘めていた。……かつての育成ウマ娘。


「ツイン、ターボ」


 俺がその脚を濁らせてしまった彼女が、俺のことを覗き込んでいた。

239: ◆FaqptSLluw 2021/08/04(水) 22:19:02.46 ID:0QYB9Qax0
「だれだ? ターボ、オマエのことなんて知らないぞ!」


 ツインターボは目を見開きながら、後ずさりする。

 名前が呼ばれただけなのに大げさな、などと思いつつも、確かに見ず知らずの人間に唐突に名前を呼ばれれば当然か、とも思う。

 さて、どうしたものか。適当に話題を振って、それをきっかけにしてこの場から離脱するのが一番簡単だろうか。

 ……今の状態で過去の担当ウマ娘と話すのは、俺の精神衛生上、あまりよくない。

 そもそも、過去の俺を肯定してくれたのはマヤノであって、俺自身が肯定したわけではない。正直なところを言えば、俺自身はまだ過去に対しての妄執に憑かれているフシがある。

 で、あるならば。

 ……俺が口を開こうとしたその瞬間、俺の顔をまじまじと眺めていたターボがふと声を上げた。


「オマエ、あのレースで勝ったウマ娘のトレーナー?!」
「あのレース……って、天皇賞のことか?」
「そうそれ!」


 びしり、と。俺のことを指さすツインターボ。

 行儀がなっていないが、今は置いておこう。


「それがどうかしたのか?」
「あの時、最後のまっすぐ……。――あの走り方、ターボのマネだ!」
「……」
「どうして? いつターボが走り方教えた? 教えてないはずだけどなぁ……」


 どうしてか、と言われても。

 ただ、やはりと言うべきかツインターボの育成が終了した時、俺の手には石のようなものが落ちてきて。マヤノとの初練習の時に光を出して砕けていた。

 それがマヤノの中の何かを変えた。本来備わっていないはずの、ツインターボの逃げの技術が、不意に現れたのが何よりの証拠だ。

 それは多分、ツインターボだってそうだ。ツインターボも、スペシャルウィークの時に出た石が砕けていたはずだ。

 ……それは明確な違和感だろう。下手をすると練習どころか会話も交わしたことがない相手が、自身の走法を完璧にトレースしている光景は。


「勘違いじゃないか」


 苦し紛れの言い訳だ。そう答えるほかにない。

 真実を打ち明けるのは、マヤノトップガンだけでいい。

 これ以上俺の運命に、誰かを巻き込むわけにはいかないから。


「――違う。ちがうちがうちがうーっ! ぜーったいウソついてる! ターボわかるもん!」
「……本当のことだよ」
「だって、あの走り方は……。ターボがずーっと試してたけど、けっきょくダメだったのだもん……」
「え?」

 その一言に、俺は思わず声を漏らしてしまった。

240: ◆FaqptSLluw 2021/08/04(水) 23:03:24.60 ID:0QYB9Qax0
「それは、一体どういうことだ?」
「何回もれんしゅーして、それでもダメだった。ターボには何かたりないから、どーしてもあの走り方は出来なかった……!」
「何か……」


 考えこむ。

 あの走り方について、俺が知るところは皆無だ。

 そもそも走り方だ。彼女たちウマ娘の走法を、彼女たちの適性をフルで活かしきれるものにチューンアップするのが俺たちの仕事。事実、ツインターボの時もそうしてきた。

 だから、ターボの脚質に合ったものがそのままマヤノの脚質に適合するはずがない。二人は逃げの適正こそ高いが――その運脚には大きな差がある。個人用にチューンアップしたものが他者に合うはずがない。

 だが、ターボはマヤノの走り方が”自身の求めていた理想形”であると言った。

 そんなはずがない。仮にマヤノの中に眠っていた”何か”がターボの走り方をマヤノに刷り込んだとする。どう転んでも、辻褄が合わない。

 ターボとマヤノの走り方は全く異なる以上、マヤノの走り方にターボの走り方が歩み寄る必要がある。その場合、ターボは違和感こそ感じるが、真似という言葉を使うほどに似る可能性はない。

 逆にターボの走り方にマヤノが寄っている場合、確かに真似という言葉は適当だが、そもそもマヤノのペースが乱されて十全な結果を導き出していない。

 つまり、だ。”ターボが違和感を抱くほどに走法が似る”ことと”トレースしたマヤノの走りが十全以上の成果を出す”ことは両立しない。

 つまり。これが両立する、という事は、現実にはあり得ない。……ということは、現実にはあり得ない要素がここにはあって。

 つまり、それは俺だ。

241: ◆FaqptSLluw 2021/08/04(水) 23:04:31.37 ID:0QYB9Qax0
「……石、それに本って一体」
「ねー、おしえてよー! ターボにもあの走り方おしえてー!」
「……ごめんな」
「えーっ?! やだやだ! ターボにも教えてくれなきゃやだーっ!」
「うぅん……」


 困ったな。どうあがいても説明は出来ないし、理解していないものを教えることは出来ない。

 ただ、ターボは……何というか割と頑固だ。

 このままだと根掘り葉掘り……となってしまいそうだ。

 救いはないんですか?


「おいっすー、ナイスネイチャでーす」


 ありました。

―――

▼事象に対する理解が進みます。


▼トレーナースキル[俯瞰]がレベルアップします。

■[俯瞰:解]
・第一段階
 様々なデータを数値的に見ることができる。
 ラウンド数の認識、レース時の達成着順の確認が可能。
・第二段階
 スキルを視覚的に把握可能になる。
 レース時、同一段階でのスキル同時発動が可能になる。
 ????????

―――

詳細なデータを追送します。

242: ◆FaqptSLluw 2021/08/04(水) 23:13:08.74 ID:0QYB9Qax0
Q:長々と書いてあるけど、これどういうこと?

A:今まで一回の展開(序盤中盤終盤)につき一つのスキルしか使えてなかったけど、これからは同時に使えるようになります。(条件有)
 あと、他にも色々恩恵があります。詳細については自分の目(行動安価)で確かめてね。


―――

▼[俯瞰:解]について
・当該スキルを入手したトレーナーは、技術や走法などが[スキル]として目に見えるようになります。これにより[スキル]に対する理解が進み、様々な恩恵が発生するようになります。
・うち一つが「レース時、同一段階でのスキル同時発動が可能になる。」です。これは、今まで展開に応じて一つしか発動できていなかったスキルを同時に発動させるコンマ安価の選択肢を増やす、ということです。

例えば[金スキル:全身全霊]と[マヤノトップガン固有:ひらめき☆ランディング]は今までそれぞれどちらかしか発動させることができませんでした。しかし、このスキルを習得した結果、コンマ安価が追加され、同時発動する選択肢が追加されました。

具体的には下記のようになります。
――――――――――

■習得前
・【レース終盤のマヤノトップガンの調子】
01~15:好走
15~30:末脚
31~45:全身全霊
46~60:シューティングスター Lv1
61~75:ひらめき☆ランディング Lv2
76~90:これが諦めないってことだァ! Lv2
91~00:ひらめき☆ランディング Lv4

――――――――――

■習得後
・【レース終盤のマヤノトップガンの調子】
01~11:好走
12~22:末脚
23~33:全身全霊
34~44:シューティングスター Lv1
45~55:ひらめき☆ランディング Lv2
56~66:これが諦めないってことだァ! Lv2
67~77:ひらめき☆ランディング Lv4
78~88:ひらめき☆ランディングLv2+末脚
89~99:ひらめき☆ランディングLv2+全身全霊
  00:ひらめき☆ランディングLv4+全身全霊

――――――――――





■■■■■■■■■





※詳細な条件について下記に明記します。
・[俯瞰:解]による同時発動の対象は、通常スキル(作戦スキル、距離スキル、汎用スキル)あるいはウマ娘が標準的に習得している固有スキル。
(継承により得た他のウマ娘の固有スキルとの同時発動は行われない)
・同時発動の対象は、展開の中で最も効果率が高いものと、次点で効果率高いものが自動的に選択される。
・次点で効果率が高いものが金スキル(前提スキル有)だった場合、金スキルとの同時発動の選択肢と、前提スキルとの同時発動の選択肢が追加される。
――――――――――
(例) 固有(終盤展開内効果率:1位)+全身全霊(終盤展開内効果率:2位)の場合
■選択肢には以下の3つが追加される。
・固有+末脚
・固有+全身全霊
・固有Lv倍+全身全霊(ゾロ目)
――――――――――
・展開に前提としてある要素(出遅れ、掛り、順調な出だし、ブロック、好走)はスキルではないため、同時発動は行われない。
・作戦や距離により十分なスキルが存在しない場合、同時発動の選択肢は増加しない。
・ゾロ目による補正効果は、同時発動するスキルの効果量の和に係る。

243: ◆FaqptSLluw 2021/08/04(水) 23:20:35.15 ID:0QYB9Qax0
▼条件の追記及び変更)

(変更前)
・次点で効果率が高いものが金スキル(前提スキル有)だった場合、金スキルとの同時発動の選択肢と、前提スキルとの同時発動の選択肢が追加される。
――――――――――
(例) 固有(終盤展開内効果率:1位)+全身全霊(終盤展開内効果率:2位)の場合
■選択肢には以下の3つが追加される。
・固有+末脚
・固有+全身全霊
・固有Lv倍+全身全霊(ゾロ目)
――――――――――

■■■■

(変更後)
・同時発動の対象として選ばれたものが金スキル(前提スキル有)だった場合、金スキルとの同時発動の選択肢と、前提スキルとの同時発動の選択肢が追加される。
・同時発動の対象として選ばれたものが両方金スキルだった場合、選択肢の増加には効果率が高いものが優先される。
――――――――――
(例1) 固有(終盤展開内効果率:1位)+全身全霊(終盤展開内効果率:2位)の場合
■選択肢には以下の3つが追加される。
・固有+末脚
・固有+全身全霊
・固有Lv倍+全身全霊(ゾロ目)
――――――――――
(例2) 先手必勝(序盤展開内効果率:1位)+コンセントレーション(序盤展開内効果率:2位)の場合
■[先手必勝]が優先され、選択肢には以下の2つが追加される。
・先駆け+コンセントレーション
・先手必勝+コンセントレーション
――――――――――

246: ◆FaqptSLluw 2021/08/04(水) 23:36:13.19 ID:0QYB9Qax0
 
―――


トレーナー「ツインターボの走り方がマヤノに出来る理由が少しわかった」

トレーナー「……ざっくり言えば、ツインターボにはスタミナキープのノウハウが欠けている」

トレーナー「終盤までスタミナを持続させることができれば、あの走りを行うことも可能だろう」

トレーナー「……”これが諦めないってことだァ! ”か」

トレーナー「ターボらしいスキル名だな」


―――


下1
お出かけ/休憩/会話/その他(良識の範囲内で自由に)

※XXXまであと?ターン(当ターン含む)
※特殊イベント[Root1:Obsession-オブセッション-]開始
※マヤノトップガンとの行動を行えません。
※トレーナースキル習得はトレーナーが抱く、マヤノトップガンへの執着心により行えません。
※ターン経過ごとの時間経過が1ターン1日へ変化します。
※特定イベントの発生まで、制限ターンは無期限に延長されます

247: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/04(水) 23:37:42.39 ID:i9K8Egxko
休憩

250: ◆FaqptSLluw 2021/08/05(木) 00:10:28.41 ID:V1rtorYY0
 
トレーナー「仕事も終わったし、今日は外に出て本でも探すか」

トレーナー「夏と言えばばてる時期だし、外に出たくない日もあるだろうからな……料理の本を探すか」

トレーナー「それに、三食コンビニ飯だとマジでやばそうだし……」

トレーナー「あと、マヤノに振舞えば喜んでもらえそうだしね」

トレーナー「……。早めに決着がつくといいんだけどな」

―――

▼休憩効果発動。次回トレーニング効果8倍

251: ◆FaqptSLluw 2021/08/05(木) 00:15:12.98 ID:V1rtorYY0
トレーナー「そう言えば、最近のコンビニはスイーツにかなり力を入れてるよな」

トレーナー「スイーツの棚を見ると、かなりの種類が揃えられていてビビる」

トレーナー「ウマスタ映えなんかも気にされているようで、見ていると楽しいデザートもあって、なんというか……ジェネレーションギャップを感じるよな」

トレーナー「文明が進化した結果に置いてかれないようにしないとな」


―――


下1
お出かけ/休憩/会話/その他(良識の範囲内で自由に)

※XXXまであと?ターン(当ターン含む)
※特殊イベント[Root1:Obsession-オブセッション-]開始
※マヤノトップガンとの行動を行えません。
※トレーナースキル習得はトレーナーが抱く、マヤノトップガンへの執着心により行えません。
※ターン経過ごとの時間経過が1ターン1日へ変化します。
※特定イベントの発生まで、制限ターンは無期限に延長されます

252: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/05(木) 00:17:42.69 ID:tOgfYfeJo
理事長と会話

254: ◆FaqptSLluw 2021/08/05(木) 23:22:22.67 ID:V1rtorYY0
トレーナー「……理事長と話をしなきゃならない、とは思うんだが」

トレーナー「何というか、気が進まないんだよな」

トレーナー「何話せばいいかわからないし、現状が現状だし」

秋川理事長「疑問、現状とは何だ?」

トレーナー「ぴっ……?! 秋川理事長、いつからそこに――」

秋川理事長「訪問ッ。今しがたノックしたのだが、返事がなかったから入らせてもらった!」

トレーナー「そ、そうなんですか……」

秋川理事長「肯定! 実はだな、少し話があるんだ」

トレーナー「話、ですか」

秋川理事長「提案ッ。君は同期のトレーナーの中でも飛びぬけて勉強家であると聞く。ウマ娘たちの中には、君をトレーナーとして迎えて”チーム”を作成してほしいという嘆願が出ている……」

トレーナー「チーム、ですか……」

トレーナー(過去に記録はあった。シリウス、カノープスなどの名前を冠したウマ娘たちによる連合、チーム……。どちらかというと、学校の部活に近い雰囲気だろうか)

トレーナー(悪くはない提案だと思う、マヤノにとってもいい刺激になる)

トレーナー(……俺がループしないという前提があれば、の話だが)

秋川理事長「推察。君の憂慮も理解できるッ……。断るも認可するも君次第だッ。答えは後々聞ければいい。心が決まったら答えてくれッ!」

トレーナー「……そういうことでしたら」

秋川理事長「では私は失礼するッ! さらばだッ!」

トレーナー「……今日も元気だなぁ、秋川理事長は……」

―――

▼イベントフラグが立てられました。

▼条件を達成するとイベントが発生します。

257: ◆FaqptSLluw 2021/08/06(金) 00:27:22.96 ID:HuBo1cyG0
トレーナー「クーラーの風の冷たさって、何というか自然界にない不自然な風だから、浴びてると違和感があるんだよな」

トレーナー「とはいえ、クーラーがなければ俺は既に死んでいる……」

トレーナー「自然の風を浴びに行く機会も必要だとは思うんだけど、クーラーの風の外に出た時点で死亡が確定している……」

トレーナー「ひょっとしてこれ、積みでは?」

―――


下1
お出かけ/休憩/会話/その他(良識の範囲内で自由に)

※XXXまであと?ターン(当ターン含む)
※特殊イベント[Root1:Obsession-オブセッション-]開始
※マヤノトップガンとの行動を行えません。
※トレーナースキル習得はトレーナーが抱く、マヤノトップガンへの執着心により行えません。
※ターン経過ごとの時間経過が1ターン1日へ変化します。
※特定イベントの発生まで、制限ターンは無期限に延長されます

258: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/06(金) 00:36:43.10 ID:iKIJGM250
ツインターボの様子を見てスペシャルウィークが気になったのでトレーニングしてるところを見に行く

259: ◆FaqptSLluw 2021/08/06(金) 23:57:54.92 ID:HuBo1cyG0

 人はいつだって悩む生き物だ。

 俺もそうだし、ウマ娘だってそうだろう。

 悩みなく生きることなんてできない。むしろ悩むことが生きることなのかもしれない。

 とはいえ……できるのであれば、悩み事は減らしたい。

 そして――今の俺には、悩み事が増えるフラグがビンビンに立っている。


「おーしーえーろー!」


 何度もトレーナー室の扉が叩かれ、俺は沈黙する。

 一言でも言葉を漏らせば、彼女の耳は俺の存在をここに認めることになるだろう。

 面倒なことになった。彼女の諦めなさに救われたこともあったが、今はその諦めなさに少しだけやきもきしている。

 ツインターボ、そろそろ諦めることを覚えてくれてもいいんだぞ……。


260: ◆FaqptSLluw 2021/08/06(金) 23:58:53.27 ID:HuBo1cyG0



「……行ったか」


 時間にしておよそ十数分。

 ツインターボはこちらの存在に気付かなかったのか、そのまま退散した。

 ウマ娘の聴力は人間のそれよりも鋭敏なので、見つからなかったことは幸運の一言でしかない。

 とはいえ、予断は許さない。ナイスネイチャの話によれば、ツインターボはそれなりに俺に対しての執着を見せているらしいからな。

 ……執着は執着でも、もちろんあの走り方――俗に言うところの”スキル”に対してだが。


「スキルと言えば、スペシャルウィークのものもあるんだよな……」


 シューティングスターと呼ばれるそのスキル。スペシャルウィークの驚異的な末脚を押し上げる、力強さとしなやかさを両立した走法――スキルだ。

 公式戦では全く使ったことがない。恐らくだが、このスキルにはある程度発動する条件があって、今のところマヤノはそれを発動したことがない。

 だが、知らず知らずのうちにマヤノの走法に影響を及ぼしている可能性がある。その時は――スペシャルウィークにも違和感が生じているはずで。


「……会いに行くか。一応理由もあるしな」


 俺はそう呟いて、トレーナー室を出るのだった。

 

261: ◆FaqptSLluw 2021/08/07(土) 00:19:24.13 ID:LizPTLal0
 スペシャルウィークがどこにいるかなんて、わからないけれども――分かり切っていた。

 彼女はいつだってそうだった。嬉しい時も、哀しい時も。

 どんなに打ちひしがれていたって、そこにいた。

 放課後のチャイムが鳴った後、魔法が掛けられたみたいに。

 スペシャルウィークはきっと、ターフから脚を離せなくなる。

 だから、スペシャルウィークがグラウンドにいることは、もはや必然だった。


「……綺麗だな、いつ見ても」


 洗練された運脚。力強いステップ。

 最大の効力を発揮する瞬間で炸裂する差し脚。

 そのどれもが俺の目に焼き付いて離れない。

 過去のあの姿と、重なって。離れない。

 ブルネットの髪がターフの緑に走るたび、思わず目で追ってしまうその姿は。

 たぶん、俺にとっての憧れだった。

 トレーニングでこれなのだから、レースなんて見た日にはきっと――きっと、俺は泣いてしまうかもしれない。

 彼女が駆けるターフのことを想うだけで心が熱くなる。

 ――いずれは、彼女と戦うことになる。そう考えれば、もっともっと、熱くなる。

 マヤノは彼女を超えることができるのだろうか。

 できないはずがない。スペシャルウィークは素晴らしいウマ娘だが、マヤノだって素晴らしいウマ娘なのだから。

262: ◆FaqptSLluw 2021/08/07(土) 00:20:44.92 ID:LizPTLal0
 そんなことを考えていると、ふと、スペシャルウィークと目があった。

 タオルで軽く汗を拭うと、手を振ってこちらに近づいてくる。

 練習の熱からか、紫の瞳は僅かに明るく色を変え、夕陽に照らされ輝いていた。



「……あ、あの時のトレーナーさん! こんにちは!」
「覚えててくれたか。練習に精が出てるみたいだな」
「はい! 有馬記念――私も出してもらえることになりましたから!」


 ……年末の有馬記念。

 確定はしていないものの、ここ辺りになってくるとおおむね誰が出走するかは想像がつく。

 スペシャルウィークほどのウマ娘ならば、ほぼほぼ出場が確定しているようなものだ。

 それにしても、有馬記念か。


「日本一のウマ娘になるって夢、叶えられるといいな」
「……え? どうしてそれを?」
「……君が友人たちと話してるのを聞いてしまったことがあっただけだ」
「そ、そうなんですね……! あはは、私ってば、声、大きかったかなあ……」


 頬を赤くし、照れるスペシャルウィーク。

 そんな表情に、過去のループを思い出して、少しだけ胸がいたくなる気持ちになって。


「そうだ、君にお返ししたいと思って」
「お返し、ですか?」
「君のおかげで、あの後マヤノとの話もスムーズに終わったよ。これはそのお礼」
「え! そんな、私はただ、トレーナーさんにお礼をしたくて……」
「……いつだって君は謙虚だなぁ。まぁ、でも。受け取ってもらわないと気が済まないからな……。受け取ってくれるか?」
「そう、ですか。だったらありがたく受け取ります!」


―――


下1 何をプレゼントする?



263: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/07(土) 00:27:01.58 ID:dt2pWbDno
スイパラ招待券

266: ◆FaqptSLluw 2021/08/07(土) 03:00:49.05 ID:LizPTLal0
「つい先日、商店街のくじ引きで引いたんだが……」
「こ、これって……! この前オープンしたスイパラの招待券……!」
「俺とマヤノ――担当ウマ娘分を除いても二枚余りがあってな。スペシャルウィークも食べることに対する関心が高いと聞いたことがあってね。どうかな?」
「感激です……!!」


 スペシャルウィークは差し出した招待券を大事に抱え、瞳を瞬かせた。

 やはり食べることに関心が高いという噂は真実だったようだ。ここまで喜んでもらえると渡した甲斐もあるというものだ。

 そんな様子に思わずほっこりしていると、スペシャルウィークがふと何かを呟いていることに気が付いた。


「元を取らないと……誰誘おうかな……。セイちゃんは……ダメ、スカーレットさんは……断られるだろうし……」


 ……スイパラが潰れないことを祈っておこう!


―――


▼プチイベントフラグが立てられました。

▼条件を達成するとイベントが発生します。


―――

267: ◆FaqptSLluw 2021/08/07(土) 03:06:33.65 ID:LizPTLal0
これからは情報を小出しにしていきます。
何かの判断材料になるかもしれません。

―――

■イベントについて

イベントには複数の種類があり、展開やコンマの数値によって変化します。



▼メインイベント(重要度:高)

ストーリーが進む上で必ず発生するシナリオ。

レースの開催や、ライバルウマ娘との競い合いなどが該当する。



▼リミテッドイベント(重要度:特高)

ストーリーが進む上で一度だけ発生するシナリオ。

その場の感情やウマ娘との関係性で発生する、予め定められているシナリオ。

ウマ娘との関係や、トレーナーの進退に関連するイベントが該当する。



▼メジャーイベント(重要度:高)

ストーリーが進む上で高確率で発生するシナリオ。

コンマや行動安価などで特定の条件を踏むと発生するシナリオのうち、特に重要度が高いシナリオが該当する。

ストーリー全体に強く作用する出来事が発生する場合が多い。



▼サブイベント(重要度:低)

ストーリーが進む上で中確率で発生するシナリオ。

コンマや行動安価などで特定の条件を踏むと発生するシナリオのうち、特に重要度があまり高くないシナリオが該当する。

当該ループに作用する出来事が発生する場合が多い。



▼プチイベント(重要度:低)

ストーリーが進む上で低確率で発生するシナリオ。

コンマや行動安価などで特定の条件を踏むと発生するシナリオのうち、何にも作用しないシナリオが該当する。

主に閑話などの形を取る場合が多く、当該イベントについてのみ、発生はあらかじめ定められていない。



▼エクストライベント(重要度:?)

ストーリー全体を通して、一度だけ、確率で発生するシナリオ。

全2種類。

発生するとストーリー全体に極めて高く、強い恩恵をもたらす。

"想いは力となり、願いは形になる。"

"祈りは遠く響き、やがて天破来たりて天命光に臥せり。"




271: ◆FaqptSLluw 2021/08/07(土) 13:36:54.51 ID:LizPTLal0
トレーナー「時折、海鳴りが遠くの方から聞こえてくる」

トレーナー「いや、実際に聞こえているわけじゃない。なんとなくそんな気がする」

トレーナー「季節には足音があって、夏は海鳴り――多分そんな感じじゃないかな」

トレーナー「春はあけぼの、秋は夕暮れみたいな」

トレーナー「……この流れで行くと”いや夏は夜だろ”となるな」

トレーナー「海か」

トレーナー「……なんだか、懐かしい気持ちになるな」


―――


下1
お出かけ/休憩/会話/その他(良識の範囲内で自由に)

※XXXまであと?ターン(当ターン含む)
※特殊イベント[Root1:Obsession-オブセッション-]開始
※マヤノトップガンとの行動を行えません。
※トレーナースキル習得はトレーナーが抱く、マヤノトップガンへの執着心により行えません。
※ターン経過ごとの時間経過が1ターン1日へ変化します。
※特定イベントの発生まで、制限ターンは無期限に延長されます

272: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/07(土) 13:53:24.82 ID:a90iHLM1o
ナリタブライアンと会話

273: ◆FaqptSLluw 2021/08/07(土) 14:30:07.59 ID:LizPTLal0

 蝉が鳴くのを、蝉に与えられた使命だと解釈するならば。

 蝉が死ぬことは、運命と言えるのではないか。

 蝉が鳴くのを、蝉にとっての全てだと解釈するならば。

 蝉が死ぬことは、義務と言えるのではないか。

 蝉が鳴く。蝉が死ぬ。

 生きて、死んで。

 その先に残るものなんて小さな脳みそじゃ解らないのに。

 蝉が鳴く。蝉が死ぬ。

 小さな体を揺らして。羽を動かし。音を響かせ。

 蝉が鳴く。蝉が死ぬ。

 7日目の朝、男は斯くして目覚める。

 ヒトの頭は、蝉よりも大きくてぎっしりしていて。

 だから、8日目を知るかもしれない。

 今朝の蝉は、酷く静かに、羽音を鳴らしていた。

274: ◆FaqptSLluw 2021/08/07(土) 15:58:00.93 ID:LizPTLal0

――平和なトレーナー室に”死体が転がされた”のは、昼を過ぎた頃だった。


 突如として扉を開き、中に入ってきたその姿に、トレーナーは絶句した。

 黒くあでやかな長髪に、全てを刺し殺すような金色の瞳。

 見入ってしまいそうなほどに堂々とした佇まいは、いっそ漢気すら感じさせるほどに精悍。

 ”シャドーロールの怪物”の威容は、その名の通り、影の如く深く、重かった。

 だから、そんな威容に中てられたトレーナーは、その名を口にすることしかできない。


「ナリタ、ブライアン」
「……用事があって来た。ここにアイツはいるか」


 相互に目線が交わされ、トレーナー室に影が差した。

275: ◆FaqptSLluw 2021/08/07(土) 15:59:20.65 ID:LizPTLal0



「マヤノはここにはいない」


 明確に返せる言葉は、それしかなかった。

 トレーナーにとって彼女は畏怖の対象であり、同時に希望である。

 言葉が詰まる。彼女に感情を握られている感覚すら覚えてしまう。

 努めて冷静でいようとしているが、たった一言にも感情が漏れだしている気がしてならなかった。

 そんなトレーナーに対するナリタブライアンの返答は「そうか」の一言だけだった。

 ナリタブライアンは踵を返し、トレーナー室から出ていこうとする。

 一瞬の逡巡。

 トレーナーは彼女を呼び止めることにした。

276: ◆FaqptSLluw 2021/08/07(土) 16:01:18.92 ID:LizPTLal0
「待ってくれないか、ナリタブライアン」
「……何か用か?」
「ああ、マヤノについてだ……」
「……聞こう」


 ナリタブライアンはもう一度踵を返し、ソファーへと腰かける。トレーナーはそんなナリタブライアンのことを一瞬見て、自身も腰を落ち着けた。


「さて、何から話そうか――」
「前置きは要らない。今お前が話そうとしているのは――マヤノトップガン、アイツの腑抜け顔の原因か?」


 ぴくり、と。トレーナーの眉が動く。

 些細な感情の動きが表に出れば、ナリタブライアンはそれを見逃すことはない。


「――やっぱりお前か」
「……ああ、そうだ」
「単刀直入に言う。――アイツの腑抜け顔をどうにかしろ」


 鋭い刃の如く、トレーナーへと突き立てられる言葉たち。

 述べられる言葉の羅列に、トレーナーはナリタブライアンの怒りを感じ取る。

 その怒りが言葉の端から香るにつれ、ナリタブライアンの表情は鬼気迫るものとなっていた。

 ……怒っている理由は、もはや明白だった。


「……君にとって、マヤノはどういう存在だった?」
「――どういう存在でもない。ただ、レースで競り合うウマ娘があんな様子じゃ、気にならないほうがおかしいだろ」


 確かにそうだ、とトレーナーは思った。

 ナリタブライアンほどのウマ娘になってなお、対策とは無視できないほどの効果を発揮する。特に有馬記念に出走するほどの、強力なウマ娘であればなおさら。

 ……だが、あくまでそれは建前の一つでしかない。トレーナーはなんとなく、そう感じた。

 言葉にすることはない。ただ、トレーナーは含みがあるような視線でナリタブライアンを貫いた。

 しばらく二者の視線が交錯し、火花を散らし。

 やがて折れたのは、トレーナーの方だった。


「……残念だけど、俺の力じゃ、マヤノを元に戻すことは出来ない」
「なんだと?」
「深い、深い事情がある。君にも安易に話せないくらいの事情が」
「……だったら、アイツはどうやったら戻る」


 その言葉に、トレーナーは考えこむ。

 マヤノトップガン、彼女は恐らく今考えている。自身の目的について、自身のあり方について――。

 そこに介在できるものなど、誰もいない。……少なくとも、自身は出来ないことを痛感していた。

 故に答えは。


「わからない」
「……それでもトレーナーか?」
「そうありたい、とは思ってるよ」


 トレーナーのその答えに、ナリタブライアンは静かな瞳で返した。

 まるですべてを見通すかのような透明な瞳は、トレーナーを見て――そして外を見る。


「……邪魔したな」
「今の答えで満足だった?」
「……さぁな」


 それだけを言い残して部屋を去るナリタブライアン。

 その瞳に、その心に、一体なにがあるのか。

 トレーナーには終ぞ見通すことは出来なかった。

277: ◆FaqptSLluw 2021/08/07(土) 16:02:57.39 ID:LizPTLal0
―――


▼シナリオイベント確定

▼イベント開始まで、あと1日


―――

278: ◆FaqptSLluw 2021/08/07(土) 16:06:25.16 ID:LizPTLal0
トレーナー「……ナリタブライアンが訪れて、一日が経過した」

トレーナー「これは直感だが、ナリタブライアンは何かを考え、それを実行に移そうとしている――」

トレーナー「それが何なのか想像は出来ない。ただ、きっと悪い方向には転ばない、と思う」

トレーナー「俺はヒトで、彼女たちはウマ娘だ」

トレーナー「………とはいえ、心配であることに変わりはない」

トレーナー「上手く、行くといいんだけど」

―――

下1
お出かけ/休憩/会話/その他(良識の範囲内で自由に)

※[リミテッドイベント]Root1収束まであと1ターン(当ターン含む)
※マヤノトップガンとの行動を行えません。
※トレーナースキル習得はトレーナーが抱く、マヤノトップガンへの執着心により行えません。
※休憩効果発動中、現在効果量8倍。

279: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/07(土) 16:07:35.11 ID:Ptk2LEFCo
休憩

280: ◆FaqptSLluw 2021/08/07(土) 16:12:26.51 ID:LizPTLal0
トレーナー「気を張ってばかりいては、余計に疲れが溜まるな」

トレーナー「息抜きに外に出る……のは少し余裕がないから難しい」

トレーナー「よし、今日はジョギングでもするか。運動不足気味だしな」

トレーナー「それに、走っていれば――マヤノたちと同じ気持ちになれるかもしれない」

トレーナー「真の意味で寄り添える、かもしれない」

トレーナー「……走ろう。余計なことを考えている暇があるのならば」

トレーナー「風に身を任せれば、こんな考えもきっと晴れるだろうから」


―――

▼休憩効果発動。次回トレーニング効果16倍

281: ◆FaqptSLluw 2021/08/07(土) 16:15:12.55 ID:LizPTLal0
―――


 蝉が鳴き始めて、八日目。

 蝉が、泣き止んだ。

 五月蠅いほどの静寂が、耳を劈く午後六時。

 俺はそれを眺めることしかできなかった。


―――

284: ◆FaqptSLluw 2021/08/07(土) 16:48:07.95 ID:LizPTLal0

「トレーナーさんッ!」


 ばたんと、強くトレーナー室の扉が開かれる。

 血相を変えたたづなさんの顔が見えた時、俺は何が起こったのかを察した。――ナリタブライアンがアクションを起こしたのだ、と。

 俺の表情が思った以上に変わらなかったせいか、たづなさんが冷静さを取り戻す。やがて俺の手を取って、外を指さした。


「マヤノトップガンさんと、ナリタブライアンさんが……!」
「……行きましょう」


 一言だけそうつぶやくと、俺は書類を仕舞い、外に出る。

 たづなさんに手を引かれるままに外に出ると、生暖かい風が全身に吹き付けた。

 飛来するごみに軽く目を閉じていると、耳にナリタブライアンの声が届いた。


「何度試しても変わない。お前では私には勝てない」
「……違う、違うもん。絶対に勝てるもん……!」


 泥だらけのジャージを着て、グラウンドに膝をつくマヤノトップガン。そんなマヤノトップガンのことを睥睨するように、ナリタブライアンが仁王立ちしていた。

 夕日が差して、ナリタブライアンの表情は陰に隠れている。だが、その声はあまりに重く、まるで首筋にナイフを突きつけられたかのような冷え冷えとした感触を覚えるほど。

 雰囲気からして、彼女には勝てない。そう思わせるほどの絶対的な威圧は、あの有馬記念の時よりもさらに洗練されていた。

285: ◆FaqptSLluw 2021/08/07(土) 16:48:57.90 ID:LizPTLal0
 そして、事実――マヤノトップガンは、今の彼女に勝つことは出来ない。

 ヒトより鋭敏な感覚を持つウマ娘であれば、そんなことわかり切っているはず。だが、マヤノは――いつもの理解力をここで発揮せず、ただただナリタブライアンに突っかかっていた。


「……何度やっても同じだ」
「次は勝つもん」


 ふっ、と。ナリタブライアンの口から嘲笑の息が漏れる。

 そんな無様な様子でよくもまぁ、とでも言いたげな表情。マヤノは、その表情を向けられて――ただただ悔しそうな表情を浮かべていた。

 ゲートにはいれば、ナリタブライアンはマヤノの方を見て、今一度笑みを浮かべる。


「10秒やる」
「――ッ!」


 明らかに自身のことを下に見ている――明け透けな言葉にマヤノは一瞬鼻白んだ。

 そして――次に浮んだ表情は、明らかな、とても明らかな怒りだった。

 ゲートが切られる。凄まじい勢いで駆け出すマヤノ。

 1秒、3秒、5秒。ナリタブライアンは腕を組んでいる。

 7秒、9秒。マヤノは駆けていく。もはや絶望的な開き。

――10秒。ナリタブライアンはゲートから”消えた”。

 爆発的な加速を見せたナリタブライアンは、逃げるマヤノとの差を潰しながら駆けていく。どれだけの差が開いていても、絶対に詰められるという自信があり――それを為しうるだけの能力を持っていると確信しているがゆえに。

 その表情は、いつもと変わらない。

 平坦で。でも何かに飢えているような。

 寂しそうな。

 ……その表情は、諦めのように見えた。

 此処に居る。誰か、この渇きを癒してくれ。闘争に価値を与えてくれ。

 狂戦士のような心は、しかし誰にも理解されず、孤高。

 もしかしたら、そんな心を理解できたのはマヤノを含めたほんの数人だったのかもしれない。そんな理解者が――濁ってしまっている。


「……怒ってる、のか?」


 ナリタブライアンの表情はそうは見えない。どれだけ見たって、涼し気で、しかし絶対に獲物を食い散らかす猛禽のそれでしかない。

 ただ、直感が囁く。ナリタブライアンは、怒っている。

 マヤノとの差が詰まっていくたびに、直感は確信へと変わっていく。ついにナリタブライアンがマヤノを抜き去った時、一瞬だけ――ナリタブライアンは歯噛みした。

 悔しさを、怒りを押しとどめるように。

 こうなってしまえば、マヤノに勝ち目はない。ナリタブライアンに抜き去られたマヤノは今にも泣きそうな表情を浮かべて、ゴールするナリタブライアンを見つめることしかできない。

 模擬レース場には、夜の闇よりもなお深い影が、落ちていた。

286: ◆FaqptSLluw 2021/08/07(土) 17:26:23.12 ID:LizPTLal0
「ハンデをつけてもこれか?」
「……」
「……失望した」
「……っ」
「お前だったらもっと走れると思っていた。でも違ったんだな、お前はその程度のウマ娘だった」
「ち、ちが」
「――どこが違う?」


 瞳を伏せて、そして開く。

 影に覆われる表情の中、ただ黄金色の瞳がマヤノのことを貫く。


「どこが違うんだ」
「……」
「……。せめて言い返してほしかったが」
「ぶ、ブライアンさ――」
「――名前を呼ぶな」


 その一言は雷鳴のようにマヤノの二の句を止め、瞳を見開かせた。

 ナリタブライアンは、マヤノに背を向け、夕陽を背負う。

 そして、たったの一言だけ、呟いた。


「オマエに期待していた私がバカだった」


 ナリタブライアンは、その場から去る。

 その牙でマヤノを切り裂いて。

 ……いや。自らをも切り裂いて。

287: ◆FaqptSLluw 2021/08/07(土) 17:27:17.52 ID:LizPTLal0



「ナリタブライアンさんッ――」
「たづなさん」
「トレーナーさん、どうして止めるんですか?!」
「……ここは俺に任せてくれませんか」


 そう言えば、たづなさんは伸ばした手を引っ込めて、強く拳を握った。

 ……たづなさんにだって分かっていたはずだ。彼女ほどウマ娘を長く見てきた人はいない。だから、ナリタブライアンがどれだけ深い傷を負ったのかも、きっとわかっている。

 でも、彼女の傷はたづなさんには癒せない。まして俺にも、誰にも――。

 その傷を癒せる方法は、たった一つしかない。

 だから、その手段を手繰りに行く。……そしてそれは、俺にしかできない仕事だ。


「……。お願いします」
「……ありがとうございます、たづなさん」


 一つお礼を言って、まずはマヤノへと近寄る。

288: ◆FaqptSLluw 2021/08/07(土) 17:48:52.47 ID:LizPTLal0
 グラウンドに膝をつき、両手で顔を覆っているマヤノからは、絶え間ない嗚咽が聞えていた。


「マヤノ」
「……トレ……ちゃん」
「無理に答えなくていい。だから、俺の話を聞いてくれないか?」


 こくり、と。マヤノが頷く。


「……悔しいか」
「……ぅん」
「……俺も同じ気持ちだ――と言いたいけど、マヤノの方が辛いよな。ごめんな、何も言ってやれなくて」
「……」
「でも。ナリタブライアンは正しいことを言ってた。そのことは分かるか……」


 こくり。


「失望、させてしまった」
「――っ」
「だけど、それは君のせいじゃない。俺が、君に背負わせすぎてしまった。それが原因で君の脚は濁ってしまった。だから、俺のせいなんだ」
「ち、ちが――ッ!」
「違わないよ。よしんば違っても……少なからず俺は確実に責任を負うべき立場にある」


 本当は、もっとほかに手段があったはずなんだ。

 重荷を背負わせてしまったこと。背負ってしまったそれを下ろさせる方法。

 他にもたくさんあった。でも俺は、この方法しか思いつくことができなかった。

 俺だっていっぱいいっぱいだった、と。言い訳はいくらでもできる。そしてその言い訳が、ある程度容認されるものだとわかっている。

 でも、でも――俺がもっといろんなことを学んでいれば、こんなことにはならなかった。

 だから。

289: ◆FaqptSLluw 2021/08/07(土) 17:49:39.24 ID:LizPTLal0
「だから訂正しよう、マヤノ。俺”も”悪いんだ……。だから、結果として……ナリタブライアンに、あんなことを言わせてしまった」
「……トレーナー、ちゃん」
「………悔しいよな、哀しいよな。追いつきたい背中にあんなこと、言われるの」
「……うん」
「今でも、追いつきたいか?」
「……おいつきたい」
「走りたいか?」
「……走りたい」


 俯きながら、答えるマヤノ。

 瞳は見えない。表情も。

 だけど、その声には確かな意思があった。

 あの時有馬記念で見つけた、あの寂しい背中に追いつきたいと。

 もう失望される走りは見せない、見せたくないと。


「……マヤノ。ナリタブライアンは今、傷を負っている。だからその傷を癒してあげないといけない」
「……うん」
「そしてその傷は――君が、ナリタブライアンに並ぶ……いや、超えなければ癒えることはない」
「……だから、超える」
「そうだ、だから超えなくちゃいけない」


 ナリタブライアンが怒るという事は、それだけマヤノにかける想いが強かったという事だ。

 影は光がなければ存在できない。ナリタブライアンにとってのマヤノは、光となりつつあった。――それは想像に難くない。

 だから、ナリタブライアンは不器用ながらも怒った。叱咤した。それでマヤノが起き上がることを望んでいた。

 自らが傷付いても、なお。


「明日からだ」
「……うん」
「明日から、ナリタブライアンを超えるぞ」
「……うん!」
「それが、ナリタブライアンに出来る唯一の贖罪だ。だから――また、一緒に戦ってくれるか?」


 言葉と共に、手を差し出す。

 ……強い感情は、強い感情で塗りつぶさなければならない。

 それは、ナリタブライアンに対する怒りであり、悲しみであり――何より、罪をあがなう気持ちだ。

 死んでいく蝉みたいに。泣きわめくことは出来ない。しちゃいけない。


――八日目の蝉。俺は、俺たちはそうあらなくてはならない。


 運命を気にする間もなく。

 義務を気にする間もなく。

 自身の全ての意味と価値を、声高に示さなければならない。

 俺たちには何も残っていないのだから。

 ナリタブライアンに届くまで、声高に。



[Root1:Obsession-オブセッション-]
[Answer2:八日目の蝉]

(了)

―――

290: ◆FaqptSLluw 2021/08/07(土) 17:51:54.86 ID:LizPTLal0
―――

▼リミテッドイベント[Root1:Obsession-オブセッション-]が収束します。

▼トレーナーとマヤノトップガンの抱く執着の対象が、ナリタブライアンとの対決及び勝利に設定されます。

▼当アナウンスをもって、ターン経過は元に戻り、通常のストーリーへと回帰します。

▼リミテッドイベント[Root1:Obsession-オブセッション-]、[Answer2:八日目の蝉]のクリア報酬及びステータス減少が発生します。

―――

下1~5 ステータスの減少幅(コンマ)
※ゾロ目の場合は減少打ち消し。

下6 ループ時報酬増加(コンマ)
※ゾロ目の場合は追加ロール

性質上連取の間隙は1分にさせて頂きます……!
よろしくお願いいたします!

―――

291: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/07(土) 17:56:03.81 ID:dt2pWbDno
やっぱりマヤちんが隣にいねぇといけないな!

292: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/07(土) 17:59:55.95 ID:8CBoFHRW0
ステータス減るのか…
Answer2ってことはいくつかルートがあったってことか

293: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/07(土) 18:06:40.27 ID:dt2pWbDno
理事長のイベント追う方向かなあ別解は

294: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/07(土) 18:09:53.09 ID:a90iHLM1o
サボってた訳ではないはずなので、トレーナーくんと離れてただけでパフォーマンス落ちるの「尊」なんですよね(消失しつつ)

295: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/07(土) 18:14:30.62 ID:vcAB3hfqo
はい

296: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/07(土) 18:17:05.42 ID:zw6pV1lmO
ユー・コピー?

297: ◆FaqptSLluw 2021/08/07(土) 18:21:32.61 ID:LizPTLal0
安価結果前にリミテッドイベント――再発しないイベントの為、分岐の説明です。
こういう分岐もあったよ、という設定のようなものと考えてください。

―――

▼Root1:Obssesion-オブセッション-

 意味はそのままObssesion(執着心)
 総ターン数:30

〇Root分岐条件:心理的異常に際し、ナリタブライアンについての行動安価を取る。

・[Answer1:天才の所以]
会田トレーナーの力を借りる。懇切丁寧なカウンセリングにより元の状態へと回帰する。

・[Answer2:八日目の蝉]
ナリタブライアンの懐を借りる。ナリタブライアンが発破をかけることによって発生する罪悪感と、勝利への執着心を取り戻すことで元の状態へと回帰する。

・[Answer3:真昼の大花火]
ナイスネイチャとマヤノトップガンを引き合わせる。ナイスネイチャとマヤノトップガンが口論から喧嘩に発展する。感情の暴露による異常性の発見によって元の状態へと回帰する。

・[Answer4:皇帝の威信]
ターン超過(30ターン以上)による強制イベント。シンボリルドルフが異常を察知し、マヤノトップガンへと挑発行動を取る。怒りによって元の状態へと回帰するが、学園側との関係が悪化する。

・[Answer5:執着の先に]
自由安価で諦めるなどの宣言をする。現状を維持したままストーリーが継続する。


―――

▼Root2:Ambivalence-アンビバレンス-

 意味は「感情の迷い」。
 総ターン数:10

〇Root分岐条件:心理的異常に際し、会田トレーナーあるいはナイスネイチャについての行動安価を取る。

・[Answer1:心理的緩解]
期限10ターンの間、会田トレーナーのカウンセリングを4回以上受ける。懇切丁寧なカウンセリングにより元の状態へと回帰する。

・[Answer2-1:理想]
期限10ターンの間、会田トレーナーとカウンセリングを介さない会話を行う。会田トレーナーの言葉により、トレーナーは元の状態へと回帰する。

・[Answer2-2:友達だったら]
期限10ターンの間、マヤノトップガンとナイスネイチャを引き合わせて会話を行わせる。ナイスネイチャの発破により、マヤノトップガンは元の状態へと回帰する。

・[Answer3:影を断つ]
期限10ターンの間、ナリタブライアンに関する安価を3回以上取る。ナリタブライアンとの勝負を望む心と、適切なカウンセリングにより元の状態へと回帰する。

・[Answer4:業務命令]
期限10ターンの間、上記3つのクリア条件をどれも満たさないことによる強制イベント。秋川理事長が異常を察知し、マヤノトップガンとトレーナーに物理的な距離制限を求める命令を持ち出す。ターン経過により元の状態へと回帰するが、学園側との関係が悪化する。

・[Answer5:戸惑いと未明]
自由安価で諦めるなどの宣言をする。現状を維持したままストーリーが継続する。

―――

▼Root3:Insanity-インサニティ-

 意味は「正気」
 総ターン数:1

〇Root分岐条件:上記2つのルートに分岐しないまま、夏合宿前日を迎える。

・[Answer1:レストア]
コンマ安価でゾロ目を獲得する。トレーナーが正気を取り戻し、懇切丁寧な対話と適切な目的設定により元の状態へと回帰する。

・[Answer2:諦念]
コンマ安価でゾロ目以外を獲得する。どちらも正気を取り戻さないまま関係が続く。学園側との関係が悪化する。

・[Answer3:鋼の意思]
とある人物が登場し、トレーナーの正気を取り戻す。

298: ◆FaqptSLluw 2021/08/07(土) 18:25:52.59 ID:LizPTLal0
※担当ウマ娘が異なる場合、喧嘩したり発破をかけたりするウマ娘は異なります。上記のルート分岐はマヤノトップガンの場合です。

300: ◆FaqptSLluw 2021/08/07(土) 18:33:36.24 ID:LizPTLal0
■[すくらんぶる☆ゾーン]マヤノトップガン
スピード:1135(SS)-81=1054(S+)
スタミナ:784(B+)-95=689(B)
パワー:760(B+)-27=733(B+)
根性:1059(S+)-09=1050(S+)
賢さ:352(D+)-62=290(E+)
やる気:普通


▼ループ時報酬アイテムの確定枠が増加した。
※結果はループしてからのお楽しみです。

302: ◆FaqptSLluw 2021/08/07(土) 18:40:08.01 ID:LizPTLal0
トレーナー「随分と長い間、マヤノとべったりだったからか、あの数日間の経験は本当に薬になったな」

トレーナー「ナリタブライアンには感謝してもしきれない。レースでの贖罪とは別に今度何か差し入れにでも行くか……」

トレーナー「……でも、ナリタブライアンの好きなものってなんだ? 詳しく知らないな……」

トレーナー「ビワハヤヒデなら知っているか? でも教えてくれるかな……」

トレーナー「さすがに善意だったら教えてくれそうだけどな」

トレーナー「近々街に出る必要がありそうだ」

トレーナー「さて、今日は何をしようかな」


―――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/脚質上昇/会話(秋川理事長)/秘密の特訓/その他(良識の範囲内で自由に)
※現在目標設定なし。
※休憩効果発動中、トレーニング効果16倍。
※あと3ターンで夏合宿に突入します。


303: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/07(土) 18:41:54.14 ID:vcAB3hfqo
16倍もあったら合宿でさらに倍にしなくてもすぐ1200いきそうなのでトレーニング

305: ◆FaqptSLluw 2021/08/07(土) 19:01:15.51 ID:LizPTLal0
トレーナー「ナリタブライアンは言わずもがな強敵だ。それに抗うということは、並大抵のトレーニングでは足りないという事でもある」

マヤノ「うん……! ブライアンさんを超えるには、もーとっくんが必要なんだよね……!」

トレーナー「ああ。加えて、欠点の底上げ、長所の伸長も肝要。つまりどういうことかわかるか?」

マヤノ「……全部トレーニングする必要がある?」

トレーナー「大正解。夏合宿に入ればもっとトレーニングができるが、それより前に出来ることもあるはずだ」

トレーナー「時は金なり。光陰矢の如し。時間は有限だ、早速トレーニングに入ろう」

マヤノ「アイ・コピー!」

―――

■[すくらんぶる☆ゾーン]マヤノトップガン
スピード:1054(S+)
スタミナ:689(B)
パワー:733(B+)
根性:1050(S+)
賢さ:290(E+)
やる気:普通

―――

下1 トレーニングの種類
スピード/スタミナ/パワー/根性/賢さ

下2 トレーニングの効果量
※コンマゾロ目の場合は追加ロール

306: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/07(土) 19:04:51.82 ID:WTcE4eD20
賢さ

307: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/07(土) 19:11:25.38 ID:ZpkZ50Jv0
アニメしか知らないせいか会田トレーナーis誰?ってなってる
そしてゾロこい

312: ◆FaqptSLluw 2021/08/07(土) 22:50:39.93 ID:LizPTLal0
 
―――

トレーナー「……さて、ではマヤノの今日のトレーニングについてだが」

マヤノ「……ごくり」

トレーナー「今日は賢さのトレーニングを行う!」

マヤノ「と、言うことは……」

トレーナー「ああ、マヤノの得意な分野だな」

マヤノ「うん! 百点満点とっちゃうよ~!」

トレーナー「よし、じゃあ――勉強開始だ」

マヤノ「ランディング・オーフ!」


―――

▼マヤノトップガンの賢さが上昇した。
賢さ:290(E+)+{(38+[業務改善命令]10)×16}=1058(S+)

313: ◆FaqptSLluw 2021/08/07(土) 22:54:40.30 ID:LizPTLal0
トレーナー「永らく訪れていなかった場所に久しぶりに出向いてみると、新たな発見があったりするよな」

トレーナー「子供のころに遊んでいた空地、高校生の頃に何となく寄ってみたら小さなプレハブ小屋が出来てて、たこ焼き屋さんになってたんだよなぁ」

トレーナー「ああいうのを見るとノスタルジーっていうか、なんとなく郷愁の念ってやつを思い出さない?」

トレーナー「いつか故郷に帰省するときには、錦を飾りたいな」

トレーナー「さて、今日は何をしようか」


―――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/脚質上昇/会話(秋川理事長)/秘密の特訓/その他(良識の範囲内で自由に)
※現在目標設定なし。
※あと2ターンで夏合宿に突入します。

314: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/07(土) 22:56:29.21 ID:eXSG1ioaO
休憩にして合宿用の買い出しに行こう

315: ◆FaqptSLluw 2021/08/07(土) 23:48:48.58 ID:LizPTLal0
トレーナー「……というわけで、今日はトレーニングはお休みだ」

マヤノ「えぇ~? でも、トレーニング休んだらブライアンさんに勝てないよ~」

トレーナー「そうとも限らない。優れたアスリートは休憩を取ることにおいても一流」

トレーナー「つまり……休憩を上手く取ることができるアスリートは、オトナだという事だ」

マヤノ「オトナ……!」

トレーナー「そうと決まれば、今日は街に出かけるぞ!」

マヤノ「アイ・コピー!」


―――


トレーナー「というわけで街に出てきたぞ」

マヤノ「それでトレーナーちゃん、今日は何を買いに行くの?」

トレーナー「今日買いに行くのは――夏合宿用の買い出しだ」

マヤノ「……夏合宿の?」

トレーナー「ああ。やっぱり年に一度の夏合宿だろ? 準備は万全にしておきたい」

マヤノ「んー。わかるかもだけど……。準備って何を買うの?」

トレーナー「そりゃ、夏合宿、夏、海と言えば――」

マヤノ「水着?」

トレーナー「花火だよ」

マヤノ「……」

トレーナー「……どうした、何か不満か?」

マヤノ「……トレーナーちゃんのばーか」

トレーナー「え? は?」

マヤノ「もーしらな~い!」


―――


トレーナー「……何故かマヤノにすねられてしまった」

トレーナー「いや理由はわかってる。解ってるけど……理不尽じゃないか?」

トレーナー「……そうでもないのか?」

トレーナー「……俺にはわからない」


―――

▼休憩効果発動、次回トレーニング効果2倍

316: ◆FaqptSLluw 2021/08/08(日) 00:11:36.83 ID:+X3veNpB0
トレーナー「……夏の気配が近づいてくるたびに、終わりが近づいているんだな、と思う」

トレーナー「どれだけ泣いても笑っても。来年の四月にはURAファイナルズが待っている」

トレーナー「そう考えると、一分一秒を大切にしなければな、と考えてしまう」

トレーナー「……さて、準備を整えなければ。そろそろ夏合宿だからな」


―――


下1
トレーニング/お出かけ/休憩/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/脚質上昇/会話(秋川理事長)/秘密の特訓/その他(良識の範囲内で自由に)
※現在目標設定なし。
※休憩効果発動中、トレーニング効果2倍。
※あと1ターンで夏合宿に突入します。

317: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/08(日) 00:13:06.41 ID:HUzPn6Rso
ブライアンにお礼とお詫びと、宣戦布告を

会ってくれないならハヤヒデ姉貴に言伝たのもう

318: ◆FaqptSLluw 2021/08/08(日) 00:56:28.13 ID:+X3veNpB0
トレーナー「準備とは何も、物理的なものに限らない」

トレーナー「精神的な準備も重要だ。パフォーマンスにもかかわってくるからな」

トレーナー「……さて、ナリタブライアンに対する謝罪はレースでするにせよ、義理は通しておく必要がある」

トレーナー「この前街に出た時にお礼の品に目星は付けたし、まずはビワハヤヒデに話を通しておくか」

―――

下1 ビワハヤヒデに会えるか
50以上:会える
50以下:会えない

319: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/08(日) 00:58:55.77 ID:SBe4XnuWo
うまだっち

321: ◆FaqptSLluw 2021/08/08(日) 02:23:06.43 ID:+X3veNpB0
トレーナー「……さて、どこにいるかな」

トレーナー「この時間なら、たいていのウマ娘はグラウンドにいそうなものだけど――」

トレーナー「……あ、居た。やっぱりあの髪の毛は目立つな」

トレーナー「あの、ちょっといいか」

ビワハヤヒデ「……む。何か用か?」

トレーナー「ああ、君に少し頼みたいことがあって。いいかな?」

ビワハヤヒデ「内容次第だが、協力するのは吝かではない。どんな用事だ?」

トレーナー「ナリタブライアンについてだけど、彼女にお世話になったから何か贈り物をしたい。なにがいいかな」

ビワハヤヒデ「ふむ……。消えものの方が喜ぶだろうし、ここはバナナなどはどうだろう。ブライアンの好物でな」

トレーナー「ふむ、バナナか……。ありがとう、参考にするよ」

ビワハヤヒデ「お役に立てたようなら何よりだ。では、私はトレーニングに戻らせてもらう」

トレーナー「ああ、ありがとう!」


―――


トレーナー「思ったよりも話しやすい……のか?」

トレーナー「ビワハヤヒデと言えばそれなりに硬い態度で有名だったはずだけど……」

トレーナー「実際に触れてみないとわからないこともあるもんだな」


―――

▼サブイベントフラグが立ちました。

324: ◆FaqptSLluw 2021/08/08(日) 02:46:28.79 ID:+X3veNpB0
 

―――

 海鳴りが近付くにつれて、心臓は早鐘を打つ。

 夏の始まり。磯の香り。

 普段踏みなれている学園の土を振り払って、白い砂を踏みしめる。

 夏合宿。7月前半から行われるこのイベントは、ウマ娘たちにとって非常に重要なイベントの一つである。

 特に、シニア級を駆けるウマ娘たちにとっては、最後の機会であるから。

 この時間を、無駄に過ごすことはない。無為に過ごす理由がない。

 海風が頬を叩く感触。夏の足音。

 今、蹄鉄が砂を踏みしめる甲高い音と共にカモメが舞い、気炎万丈たる合宿の幕が切られた――!

―――

■夏合宿について
夏合宿中は以下のことが行えます
・トレーニング
・休憩(トレーニング効率2倍)
・探索

■トレーニングについて
普段より効率のいいトレーニングを行うことができます。

■休憩について
トレーニング効率がアップします。また、やる気が下がっている場合は1段階上昇します。

■探索コマンドについて
夏合宿中、付近の探索を行うことができます。
このコマンドによって発生した進捗はループを経ても記録されます。
直接ウマ娘の成長に結びつくかどうかは運次第。ですが結びついた時のリターンは大きい、言わばギャンブルのような要素です。
また、探索の結果によっては次回ループ時に影響が発生する可能性があります。

―――

下1
今日は何をする?
トレーニング/休憩/探索/その他(良識の範囲内で自由に)

※休憩効果発動中。次回トレーニング効率2倍。

325: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/08(日) 02:51:39.96 ID:0riEbbs9o
探索

326: ◆FaqptSLluw 2021/08/08(日) 02:56:22.06 ID:+X3veNpB0
―――


■探索について

・探索とは?
夏合宿中にのみ行える特殊な行動です。
様々なスキルのヒントや、ループに役立つものなどが獲得できる唯一の行動ですが、時には何の成果も得られず終わる、いわばギャンブルのような行動です。
探索は13の探索度を有しており、一度探索するとその是非を問わず、探索度を1増やします。
※現在の探索度は[2/13]です。

・探索の特徴
探索は【ループしても探索度が保持されます】。
また、探索度を増やせば増やすほど、報酬を得る機会は増加します。
最終到達地点に到着すると、イベントが発生します。

・道中の判定について
下5コンマ安価を一気に取ります。
コンマの集計が終了した後、再度下5コンマ安価を取ります。
最終的に今までに集計した10コンマ安価を総合した数値によってリザルトを算出します。
道中の安価にも報酬が存在することがありますが、それなりに難度が高いものだと考えてください。
基本的にはコンマの数値が高ければ高いほど、ウマ娘やトレーナーにとって有用なものが入手できます。
コンマがゾロ目だった場合は、原則として終了後に追加ロールが発生するものとします。

・その他
追記すべき事項があれば都度追記します。
連取は性質上1分経過後であれば可能なものといたします。
ご協力のほどお願い致します――。


―――

327: ◆FaqptSLluw 2021/08/08(日) 03:04:22.52 ID:+X3veNpB0
トレーナー「今年も来たな、夏合宿――」

マヤノ「三年目になると、なんだか居心地が良くなって……くるのかなぁ」

トレーナー「少なくとも俺は慣れんな……」

マヤノ「きぐー。マヤもなの」

トレーナー「まぁ、出先って例外なく緊張しちゃうしな」

マヤノ「ねー。ちょっと外に出るくらいなら全然いいんだけど……」

トレーナー「な。ちょっと遠出するとなると尻込みしがち。……と、準備できたぞ」

マヤノ「……そういえば、さっきからトレーナーちゃんは何してたの?」

トレーナー「ああ、それは――まだ秘密だ」

マヤノ「えー?! おしえてよ~……」

トレーナー「後で教えるから……。とりあえず、島の様子を見に行こう。これが最後だしな」

マヤノ「ぶーぶー……」


―――


■[すくらんぶる☆ゾーン]マヤノトップガン
スピード:1054(S+)
スタミナ:689(B)
パワー:733(B+)
根性:1050(S+)
賢さ:1058(S+)
やる気:普通


―――


下1~5 探索安価

下1:コンマ値+45
下2:コンマ値+20
下3:コンマ値+25
下4:コンマ値+45
下5:コンマ値+45


―――

328: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/08(日) 03:14:02.71 ID:8gT5LRt80
たんっさくっ

329: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/08(日) 03:36:17.21 ID:8gT5LRt80
しらうっ

330: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/08(日) 05:26:51.37 ID:qdWdQ+zPo
どうなるか

331: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/08(日) 05:29:06.55 ID:0VxulyWA0

332: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/08(日) 06:12:44.86 ID:vURoASlqo
はい

333: ◆FaqptSLluw 2021/08/08(日) 16:20:57.57 ID:+X3veNpB0
トレーナー「さて、そろそろいいか……」

トレーナー「マヤノ、いい感じの切り株があるから、ここで休憩しようか」

マヤノ「はーい。結構歩いたね~」

トレーナー「そうだな、お疲れ様」

マヤノ「ん~。やっぱり緑がたくさんだと癒されるね!」

トレーナー「ああ、そうだな。やっぱりたまには自然に囲まれないと――」

トレーナー「と、そろそろ時間もいいしな。マヤノ、これ」

マヤノ「これ……ひょっとしてお弁当?!」

トレーナー「ああ。この前、マヤノと離れてた時それなりに時間があったからな。料理を少し学んだんだよ」

トレーナー「まだ下手の横好きって感じなんだけどさ」

マヤノ「……! トレーナーちゃんの手料理……」

トレーナー「まぁサンドイッチだけど、味わって食べてくれると嬉しい」

マヤノ「うんっ! いただきまーす!」


―――


■[すくらんぶる☆ゾーン]マヤノトップガン
スピード:1054(S+)
スタミナ:689(B)
パワー:733(B+)
根性:1050(S+)
賢さ:1058(S+)
やる気:普通


―――


下1~5 探索安価

下1:コンマ値+45
下2:コンマ値+20
下3:コンマ値+25
下4:コンマ値+45
下5:コンマ値+45


―――

334: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/08(日) 16:21:50.77 ID:qsIsSZlu0
うまぴょい

335: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/08(日) 16:32:23.36 ID:0riEbbs9o
うーうまだっち

336: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/08(日) 16:41:38.15 ID:2UaE5iJ6O
すきだっち

337: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/08(日) 17:12:32.50 ID:x1j/x6RYO
うまぽい

338: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/08(日) 17:12:49.26 ID:vhMMmlHPo
バクシン!

339: ◆FaqptSLluw 2021/08/08(日) 17:18:14.88 ID:+X3veNpB0
というわけで、ゾロが出たのでもう二回転……ッ!

下1~2 追加ロール

340: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/08(日) 17:31:35.76 ID:fS8Hl1Ogo
筋肉💪

341: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/08(日) 17:35:57.82 ID:3mOCnrZH0
わっしょい

342: ◆FaqptSLluw 2021/08/08(日) 19:31:01.86 ID:+X3veNpB0

ひとまずリザルトです。

―――

[71+45]+[21+20]+[37+25]+[55+45]+[86+45]
+
[77+45]+[36+20]+[15+25]+[50+35]+[26+45]
+
76+82
―――
合計:982


―――

▼スキルヒント[直線加速]Lv1を獲得した。(100)
▼スキルヒント[一陣の風]Lv1を獲得した。(500)

▼スキルヒント[上昇気流]Lv1を獲得した。(200)
▼スキルヒント[業脚]Lv1を獲得した。(600)

▼トレーナー下位スキルヒント[収束する条]Lv1を獲得した。(800)
▼トレーナー上位スキルヒント[運命の輪]Lv1を獲得した。(900)

▼アイテム[やる気ドロップス]を獲得した。(300)

▼アイテム[目覚まし時計]を獲得した。(400)

▼アイテム[夢のきらめき]を獲得した。(700)

―――

▼トレーナー下位スキル[収束する条]
▼トレーナー上位スキル[運命の輪]
※詳細情報習得後公開

343: ◆FaqptSLluw 2021/08/08(日) 19:36:29.49 ID:+X3veNpB0
トレーナー「やっぱり海の近くって、波の音が聞こえて穏やかな気持ちになるよな」

マヤノ「ねー。落ち着くというか、眠たくなるというか」

トレーナー「昼寝でもしたくなるよな。お腹もいっぱいになったし」

マヤノ「ちょっとわかるかも」

トレーナー「歩いてると目も覚めてくるだろうし、ちょっとしたらこんな気持ちもどこかに飛んでってるかもしれないけど」

マヤノ「んー。トレーナーちゃん、わがまま言っちゃダメ?」

トレーナー「ん、まぁ言うだけなら。わがままを聞くかどうかは後に決めるけど」

マヤノ「あのね、ここでお昼寝したいな~って」

トレーナー「……ふむ。まぁ、それくらいならいいぞ。無理な運動はパフォーマンスの低下をもたらすし」

マヤノ「無理な運動ってわけじゃないけど……。トレーナーちゃんと久しぶりに一緒に眠りたいなって思ったんだ」

トレーナー「そうか。んじゃぁ、マットを敷きなおして横になるか」

マヤノ「やった~!」


―――


▼探索度が[3/13]になった。

344: ◆FaqptSLluw 2021/08/08(日) 19:39:40.07 ID:+X3veNpB0
トレーナー「街でいろいろ買いこんできたおかげで、こちらでの仕事が本当に捗っている」

トレーナー「特にし好品は、こちらじゃ満足に用意が出来ないからな……。匂い付けとかは特にそうだ」

トレーナー「やっぱりいい匂いがすると仕事もはかどるからな」

トレーナー「五感に働きかけて効率を促す、これもまた一つの効率化ということだ、としみじみと思う」

トレーナー「そういえば、マヤノも香水を買っていたけれど――マヤノはどんな香水をかけているんだろうか?」

トレーナー「……これだけ切り取ると変 チックな発言だな」

トレーナー「人前では言わないようにしなければ」

トレーナー「さて、今日は何をしようか」


―――


下1
今日は何をする?
トレーニング/休憩/探索/その他(良識の範囲内で自由に)

※休憩効果発動中。次回トレーニング効率2倍。

345: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/08(日) 19:50:57.30 ID:3mOCnrZH0
休憩して水着でめいっぱい遊ぼう

346: ◆FaqptSLluw 2021/08/08(日) 20:16:32.51 ID:+X3veNpB0
トレーナー「夏と言えば海」

トレーナー「海と言えば砂浜」

トレーナー「砂浜と言えば――水着だ」

マヤノ「海水浴だーっ!」

トレーナー「遊んでいるように見えるが、そもそも海中での有酸素運動はトレーニング的にも避けては通れないお題目である以上、な」

トレーナー「海にはいかなければならない! そうは思わないか、マヤノ――!」

マヤノ「おもいまーす!」

トレーナー「はっちゃけるぞー!」

マヤノ「おー!」

―――

▼休憩効果発動、次回トレーニング効果8倍

▼やる気が上がった。
普通→好調

348: ◆FaqptSLluw 2021/08/08(日) 20:31:51.68 ID:+X3veNpB0
トレーナー「子供のころは砂浜で花火してたりしたんだけど、今は砂浜で花火を禁止されているところの方が多いらしい」

トレーナー「少し寂しい気もするけど、妥当だな、と思うところもあり……」

トレーナー「やっぱり海洋汚染はかなり深刻な問題だからな」

トレーナー「とはいえ、海岸でやる花火でしか得られない体験もあるから、出来る時にやっておきたいよな」

トレーナー「あ、もちろん後始末は必要だけどな!」


―――


下1
今日は何をする?
トレーニング/休憩/探索/その他(良識の範囲内で自由に)

※休憩効果発動中。次回トレーニング効率2倍。


349: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/08(日) 20:37:21.73 ID:0riEbbs9o
トレーニング

350: ◆FaqptSLluw 2021/08/08(日) 22:45:17.65 ID:+X3veNpB0
トレーナー「さて、そろそろ夏の仕上げに入ってくるわけだが、マヤノ」

マヤノ「なぁに、トレーナーちゃん」

トレーナー「思ったよりもナリタブライアンとマヤノの間に広がっている実力の距離は――遠い」

マヤノ「……うん。十秒貰っても負けちゃうってことは、そういうことだよね」

トレーナー「……そうだ。つまり、全体的な地力も、小手先でも負けているという事になる」

トレーナー「恐らくそれは一朝一夕で解決する問題でもない。おそらくこれは――才能以前に、取り組んできた練習とその練度が問題だ」

マヤノ「そう、だね。悔しいけど、ブライアンさんよりも地力が足りてないってことは、わかる」

トレーナー「……ああ、俺も痛感してるよ。どうしてマヤノのことを上手く導いてやれなかったのか」

トレーナー「だけど、それを打開する術が、今の俺にはある」

トレーナー「……だから、俺と共に走ってくれ、マヤノ」

マヤノ「うん、トレーナーちゃんとならどこまでも走れるから――!」

トレーナー「じゃあ、トレーニング……開始だ!」

―――

■[すくらんぶる☆ゾーン]マヤノトップガン
スピード:1054(S+)
スタミナ:689(B)
パワー:733(B+)
根性:1050(S+)
賢さ:1058(S+)

―――
※休憩効果発動中、トレーニング効率8倍

下1
トレーニングの内容
スピード/スタミナ/パワー/根性/賢さ

下2~3
トレーニングの効果量
※ゾロ目で追加イベント

351: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/08(日) 22:49:57.97 ID:3mOCnrZHo
スタミナ

352: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/08(日) 22:50:31.17 ID:mzdHXsJ0O
すきだっち!

353: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/08(日) 23:05:51.44 ID:0VxulyWA0

355: ◆FaqptSLluw 2021/08/09(月) 00:04:41.78 ID:dHhOdHCd0
トレーナー「……こんなに大きなタイヤを引ききれるのか、なんて思ったけど、割と引けるんだな……」

トレーナー「流石ウマ娘、時速70kmで走り、牛の突進を受け止める者達……」

マヤノ「……トレーナーちゃーん? なんか失礼なこと考えてない?」

トレーナー「……そんなことないぞ」

マヤノ「今ちょっと黙ったでしょ……! もー、しっかりマヤのこと見てくれなきゃイヤなんだからねっ」

トレーナー「ああ、しっかりと見てるよ――」

トレーナー(とは言っても、小さな子が自分の体よりも大きなタイヤを引いてるのは違和感だよなぁ……)

マヤノ「トレーナちゃん……?」

トレーナー「見てる、見てるから大丈夫だ……!」

マヤノ「ホントかなぁ……」


―――

▼マヤノトップガンのスタミナが上昇した。
スタミナ:689(B)+{(17+44+[業務改善命令]10)×8}=1200(SS+)

▼スタミナは最高の仕上がりだ。

▼[メジャーイベント:超克]のフラグが立ちました。

356: ◆FaqptSLluw 2021/08/09(月) 00:16:48.93 ID:dHhOdHCd0
せっかくの安価スレなので、ゾロ目の追加イベント、どういうのが欲しいのかも安価させて頂きたく――。

下1 追加イベントの内容
※記述の形態はお好きにどうぞ。
※ガイドラインに違反するような内容は再安価です。
※その他ストーリー上挿入できないような内容の場合も再安価です。

357: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/09(月) 00:20:40.49 ID:ti/LvhPUO
二度目の線香花火対決。今度は本当の意味での告白…とか?

359: ◆FaqptSLluw 2021/08/09(月) 21:03:07.81 ID:dHhOdHCd0
というわけで、ゆるりと進めていきます。

―――


「トレーナーちゃん、今日の夜花火したい!」


 トレーニング後。クールダウンするために歩いている最中、マヤノは提案した。

 つい先日、街で購入した諸々の品の中に花火は確かに存在している。

 前回はスペシャルウィークに突然渡されたので準備も何もできなかったが、今回はそもそも”花火をする”という目的のもと準備をしている。準備は万全と言えた。

 そして、準備が万全であるという事は、いずれマヤノが花火を提案してくることも分かっていたということで。


「いいね。じゃあ、今日の夜……夕食が終わった後に宿舎前で待ってるよ」
「うん! 今日のために用意したアレも着ちゃうから――トレーナーちゃんも、マヤにメロメロになっちゃうかも~?」
「はは、期待してるよ」
「……むー。そんな反応してられるのも今のうちなんだからね! 首をながーくして待っててね、トレーナーちゃん! ユー・コピー?」
「長くして待ってるよ、アイ・コピー」


 頬を膨らませ、踵を返すマヤノ。俺はリスみたいなマヤノの姿が見えなくなるまで、小さく手を振っていた。

 ……ようやくマヤノの背が消えた時、俺は自然と息を吐いていた。深い、ため息を。

 そのため息が何から出たのか、俺にすらわからない。ただ、この吐息が何かしらの想いからくるものは確かで。

 正体がわからない”想い”とやらが酷くむず痒くて、頭を掻いた。そしたら、波がいつの間にか脚に押し寄せていて、突然の冷たさに驚いて小さく悲鳴を上げる。

 そんな俺を笑うように、カモメが甲高い鳴き声を発していた。


360: ◆FaqptSLluw 2021/08/09(月) 21:39:50.89 ID:dHhOdHCd0


――夜風吹く海近くは、夏と言えどもそれなりに冷え込む。

 前年はスーツ以外何も持っていなかったからと購入した甚平を来た俺は、早々に後悔する羽目になった。

 甚平は風を通す。風が通ると脇の下や股間、首などが冷える。大動脈がある場所が冷えると、体温が劇的に低下して……つまり、めちゃくちゃ寒い。

 花火――火が近くにあればもう少しましになるんだろうけど、マヤノが来る前に始めてしまえば怒られてしまうからなぁ。

 寒い、と一人ごちったその時だった。遠くから、俺を呼ぶ声がして。

 振り向けば――マヤノが走っていた。

 オレンジの髪は結いあげられ、お月さまみたいな団子になって頭に乗っかっていた。両サイドから延びるウマ耳がまるで稲穂のようだ。

 軽く化粧をしているのか、いつもよりも頬の赤みが増した表情は、見る者を魅了する可憐さに満ちていた。金色の瞳が月光に照らされて、まるで世界から浮き出たかのように美しく、妖しくきらめいている。

 華奢でしなやかな肢体を覆うのは、見事な拵えの茜色の着物。夕陽が落ちる間際の空のように、赤いが僅かに暗い色がマヤノの雰囲気をいつもより大人しく見せている。

 ……見せているだけで、実際はそうではない。マヤノはこちらへと、かぽかぽと下駄の音を鳴らしながら駆けている。あの恰好では走りにくいし転びそうなものだが、見事なフォームで走っている。

 しみじみと成長の実感を得ていると、マヤノが勢いを殺さないままこちらに向かってくるのが見えて、俺は慌てて両手を広げた。


「――トレーナー、ちゃーん!」
「……っ! よいしょっ、と!」


 飛び込んできたマヤノを抱き留めながら、右の踵を軸にして勢いを受け流す。くるりと一回転して両足を踏みしめれば、転ぶことなく元の位置に収まった。

 ぺしりぺしりとウマ耳が腕を叩くので、抱き留めていた手を解いて頭を撫でる。ぴこぴこと小刻みに揺れるのは、マヤノが心地よさを感じている証左だ。


「まったく、いきなり飛び込んでくる奴がいるか」
「ここにいまーす!」
「……あまりやるなよ、いつまで受け止められるかわからないんだからな」
「えー? だったら、受け止めてもらえるくらいにスピードを落として……」
「あくまでも飛び込むつもりなんだな――っと。そんなことより先に言うことがあるな」


 マヤノの肩を掴んで、優しく離す。

 キョトンとした表情で俺のことを見上げるマヤノの瞳を見ながら、出来る限りの笑顔を浮かべる。


「――似合ってるよ、マヤノ」
「トレーナーちゃんも! かっこいいってマヤ思うな~!」


 お互いの言葉少なな評価に、一瞬だけ顔を見合わせて。

 どちらからともなく小さく笑う。なにが面白かったというわけでもないのに、なんだか笑いが止まらなくて、笑いが大きくなっていく。

 マヤノも同じようで、化粧で彩られた相貌を崩して大笑していた。綺麗に着飾っているのと、いつもの笑顔のギャップが凄くて、俺はまた一つ笑ってしまう。

 多分久しぶりの、純粋な笑顔だった。

362: ◆FaqptSLluw 2021/08/10(火) 21:49:34.84 ID:P9tFQQBJ0



「……くふ、ははは、まだちょっと笑いが抜けないな」
「もー、トレーナーちゃんってば笑いすぎだよ~」
「俺もなんでこんなに笑ってるかわからないんだよな。あー、笑った笑った」
「むー!」


 頬を膨らませて怒るマヤノ。

 悪い悪い、と呟きながら、膨らんだほっぺたを指先でつつく。すると、すぼんだ口からふしゅり、と息が漏れてきた。

 その様子が面白くてもう一度笑って――マヤノが胸をぽかぽかと叩いてきたので、もう一度軽い謝罪の言葉を述べる。

 そうしてリセット。夜の海岸線の空気感を、二人の雰囲気に混ぜ込む。


「にしても、久しぶりだな。お互いに……普通に接するの、っていうか」
「うん……。なんていうか、ツキモノ? がおちたみたい!」
「憑き物が落ちる……うん、確かにそうかもしれないな。余計なものが落っこちた、のかもしれない」
「……でも、ちょっと残念かも」
「残念?」


 俺が聞き返せば、マヤノはにこりと微笑んではぐらかした。

 いくら聞いても答えてくれなさそうだ。前までははぐらかし方も下手だったんだけど……妙なところで成長を感じてしまうな。

 だが、さて――このままの調子だといつまでも始まらなさそうだ。積もる話もある、会話だけなら永遠に続けられるが、俺たちの本題はそれらじゃない。

 持ってきたバケツの中に入れてあった花火とチャッカマンを取り出して、マヤノに差し出す。目をキラキラと輝かせて、それを見つめるマヤノ。


「マヤ、結構花火好きかもしれない!」
「キラキラしてるし、まぁ去年のはしゃぎようを見てれば、まぁ」
「学園でも花火できるかな?」
「……出来ないに決まってるだろ。それに、花火って言うのはこういう場所でやるからいいんだよ」


 俺がそういえば、けちぃ、と口をとがらせる。苦笑を返しながら、バケツに海水を満たして――チャッカマンを持つ。

 今日は風があるものの、そこまで強くはない。絶好の、とまではいかないが、それなりに花火日和だ。チャッカマンの火も僅かに揺れるだけ。

 ……花火の煙にだけは気をつけないといけないが、それはまぁ何とかなる。

363: ◆FaqptSLluw 2021/08/10(火) 21:53:22.19 ID:P9tFQQBJ0


「花火は火をつけてこそだ。そろそろやろうか」
「うん! トレーナーちゃん、つけてつけて~!」


 両手に一本ずつ持った花火を差し出してくるマヤノ。差し出されたうちの一本を取り上げて、残ったもう一本に火をつける。

 マヤノは少し不服そうだったけれど、火が付いた途端にそんな表情は掻き消える。火薬の香りが一瞬香った瞬間、マヤノの表情は華が開くように明るくなり。

――しゅぼ、と一瞬音が鳴り響き、光の洪水。

 まるでシャワーのように流れ出る光の線。赤に青、白に緑と、目まぐるしく色を変えるそれを、マヤノは吐息を漏らして見つめていた。

 しばらく見て満足したのか、いつぞやのように花火を振り始める。……何かの文字だろうか。空中に描かれた線を追って――なるほどな、と頷いた。

 エル、オー、ブイ、イー。……つまるところLOVEだ。実にマヤノらしい文字だと思う。


「トレーナーちゃん、今なんて書いたかわかる?」
「……さぁな」
「むー。じゃあもう一回書くから……次は見逃さないでね!」


 そういいながら、マヤノは再び宙にLOVEを書き始める。そんな様子に苦笑をしながらも、和やかさを感じて思わず微笑んでしまう。

 今年の頭だったら、こんな気持ちにはなれなかったかもしれない。もっと後悔と停滞に満ちた気持ちで、こんな光景を見ていたかもしれない――そう思うと、たまらなくこの日常が愛おしかった。

 ずっと続いてほしい。そう願わずにはいられない。

 でも、それを運命は許してくれない。俺たちはこの時間が過ぎれば、再び元の場所へ――強欲渦巻くターフへと戻らなければならない。

 ……楽しい時間は、まるで花火のように、パッと咲いて、消えていく。楽しい時間であればあるほど、惜しみたくなるような時間であればあるほど、光のように消えていく。

 花火と戯れるマヤノのことを眺めて、俺は一つの気持ちに気付いた。夏の魔法か、あるいは――隠れていた気持ちが花火によって照らされたか。もしくは、マヤノを待つ間に感じていた”想い”とやらが増大してしまったか――。

 なんにせよ、共通して抱いた願いはたったの一つだけだ。


「トレーナーちゃん?」
「……ん、どした?」
「なんかヘンな表情してたから……どうしたのかなって思って」
「ああ、ちょっと考え事……っていうか、造詣を深めてた? っていうか」
「……? とりあえずトレーナーちゃん! これ持って!」


 そう言って差し出してきたのは、先ほどまでマヤノが握っていた花火と同じタイプのもの。ぎゅっと握らされ、何かと思ったら――。


「トレーナーちゃんも色々考えてることとか文字にしてみたら?」


 そういわれて、いつの間にか奪い取られていたチャッカマンで火をつけられる。

 あ、と口に出したのを皮切りに、花火の先端から光があふれだす。


「花火の線、消えるから。なにかいてもバレないよ、トレーナーちゃん」
「……なるほど、ね」


 一瞬何を書こうかな、と思って――ただの線を描いた。

 マヤノは首をかしげて、もう一度考えて――また首をかしげた。


「何かいたの~?」
「何も」
「え~、どうして?」


 不思議がるマヤノの頭に手を置いて、俺は小さく笑う。


「――一瞬で消える言葉なんて、ちょっと寂しいだろ」

364: ◆FaqptSLluw 2021/08/10(火) 22:08:41.06 ID:P9tFQQBJ0
 あれから少しが経って、俺たちはいつもより言葉少なに花火に興じている。

 終わりの予感が近付けば近づくほど寂しくなる。いつもならマヤノは騒ぎそうなものだけれど、俺がさっき漏らした言葉に考えを巡らせているせいか、言葉は少ない。

 ちりちりと花火が消えていき、海岸に瞬いていた光のどれもが掻き消える。そして――俺たちは花火の終わりを明確に感じ取っていた。


「……終わったね」
「ああ、これからは――しめくくりだ」


 しめくくり、とマヤノが鸚鵡返しして、首をかしげる。俺は懐から”それ”を取り出して、開封。マヤノに一つ渡す。

 細くて小さくて。でも持てばなんとなく重みを感じるそれは――線香花火だった。


「去年もやったろ、これがなきゃ締められないよ」
「……うん、そうだね」


 マヤノは俺から受け取った線香花火をまじまじと眺めて――優しい笑みを浮かべた。

 去年のこの時期、俺はマヤノに”事情”について話した。話すまいと思っていたけれど、線香花火の魔力にあてられたみたいに、するりと。

 ……線香花火の魔力もあったが、そもそもマヤノのことを信頼しているからこそ話していた。それはマヤノも知るところであり、だからこそ――大切な記憶となっているのかもしれない。

 来年はここには来られないかもしれないけれど――同じ笑顔を見たいな、なんて思って。


「着火するぞ」
「わーい!」


 心に浮かんだ気持ちをごまかすように、チャッカマンで火をつけた。

―――


下1 線香花火 どちらが早く落ちるか(コンマ)
50以上:トレーナー
50以下:マヤノトップガン

365: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/10(火) 22:10:41.48 ID:LtDq2eHfo
他ルートの示唆を(勝手に)感じて感慨深

366: ◆FaqptSLluw 2021/08/10(火) 22:45:46.23 ID:P9tFQQBJ0
「ちっちゃい花火だ……」
「去年も同じ反応してたよな」
「え、そうだっけ?」
「おう、マヤノの言ったことなら大体覚えてるぞ」

 線香花火が弾ける。

 はじけた光の先を目線だけで追って、小さく笑う。


「そこは全部って言うところじゃなーい?」
「全部っていうとさ、さすがに覚えすぎだ、って思わない?」
「マヤはそうは思わないかな。あ、トレーナーちゃんもマヤのことが好きなんだーって幸せになれるから!」
「……そっか。そりゃよかった。でも99%ってことにさせてくれ」
「……どうして?」


 マヤノがこちらを向き、俺はマヤノの瞳を覗く。キラキラと輝く瞳いっぱいに俺の顔が映って、その中の俺はカッコ悪い表情をしていた。

 だから、精一杯、自分の思えるカッコイイを作って、答える。


「いざというとき、マヤノの嘘を受け入れたい」
「……マヤがオトナの女性になったら、ってこと?」
「ああ。全部覚えてたら、嘘かどうかわかっちゃうだろ? 1%くらいわからない、覚えていないっていう余地があったほうが――俺はドキドキする」
「ふーん……。よくわかんないけど、トレーナーちゃんはけっこー振り回されたいタイプなんだ」
「そう、なのかもな」


 確かに、マヤノみたいな子に振り回されるのは疲れるけど――楽しい。俺がそもそも能動的な人間とは言えないからかもしれないが、受動的に動くのは受け入れるだけで、楽でもある。

 だから、多分。マヤノと一緒に居るのが一番楽しい。


「俺はマヤノの隣が一番好きだよ」
「……わ、大胆。去年は嘘ばっかりでホントのこと言ってくれなかったのに」
「事情が変わったんだよ、事情が」
「事情?」
「ああ、事情だ」
「――それって、クリスマスの時の、あの言葉?」


 マヤノにそう聞かれて、俺は思わず固まった。その反応こそが、マヤノにとっての正解だったらしい。小さくそっか、と呟いて、マヤノは笑う。


「大人って汚いな~って思ったな~」
「……ま、そらそうだ」
「だって、あれ――嘘だけど嘘じゃないでしょ?」
「……ほう?」
「嘘だけど嘘じゃない……っていうか、別の言葉で誤魔化しただけ。違う?」


 なるほど、バレている、と。

367: ◆FaqptSLluw 2021/08/10(火) 22:48:09.44 ID:P9tFQQBJ0


         ・・
「――君のことが好きだよ、マヤノ」
「……」
「好き、って言葉――嘘でしょ? トレーナーちゃんは悪い大人だから」
「敵わないな。さすがだよ、マヤノは」
「でも、完全にちがう、ってわけでもない」


 マヤノの線香花火が、落ちる。俺のものよりも先に。

 去年もそうだった。マヤノの言葉も、体温も、声音も。

 違うのは、今マヤノが俺を見つめる視線の意味。

 俺が、マヤノを見つめる視線の意味。


「あの言葉のホントの意味って、何だったの?」
「……なんだと思う?」
「……解らない。マヤでも、トレーナーちゃんのことを全部知ってないから、解らない」


 だから。


「だから、教えてほしいって思っちゃうな。あの時のトレーナーちゃんの本心」
「……はぁ、なるほどね。やっぱり成長が早いというか、何というか」


 ここまでバレているのでは、仕方ない。

 そう言い訳して、俺はだんだんと小さくなる手元の線香花火に目線を落とす。

 ちかちかとして、今にも消えそうなそれが、まるで俺みたいだな、と思えた。

368: ◆FaqptSLluw 2021/08/10(火) 22:48:50.57 ID:P9tFQQBJ0

「――俺は、今まで人のことを好きになった経験があまりない」
「例えば、中学や高校。友人はいたけれど、異性は周りにいなかった」
「まぁ当然と言えば当然だ。第二次性徴――思春期を迎えた男女なんてそんなもんだ」
「だから、”この気持ち”がわからないまま大人になった」
「……それから下積みを経てトレセン学園に入って。最初に出会ったのがスペシャルウィークだった。スペシャルウィークは……何というか、俺にとっての憧れだった。俺もあんな風になってみたい、と思わせる……」
「次に出会ったのはツインターボだった。ツインターボは、理想だった。俺もあんな風に自由になってみたかった。そう思った」
「……そして君に出会ったんだよ、マヤノ。君は天才だった。何事にも果敢に挑戦する割に、良い成績を残して戻ってくる。……最初は嫉妬した。その才能があれば、俺だって何か残せたかもしれないのに、って」
「でも、メイクデビュー、京都JS、皐月賞と時が経つたびに、君のことが気になった。あんなに羨ましいって思っていた気持ちがどこかに消えていることに、俺自身が驚いた」
「その代わり、別の感情が顔を出した。まるで、嫉妬から芽生えたかのように。その気持ちの正体がわからなくて……俺は今までずっと探していた。天皇賞・秋の時も、クリスマスの時も、正月の時も――」

369: ◆FaqptSLluw 2021/08/10(火) 22:54:59.37 ID:P9tFQQBJ0

「――そして今、今気づいたよ、マヤノ」

370: ◆FaqptSLluw 2021/08/10(火) 22:55:40.01 ID:P9tFQQBJ0


 俺のこの気持ちは、多分。

 俺が、今まで誰かに対して抱いてこなかった感情。

 君を守りたい、君と共に居たい。たとえ、何があったとしても。

 多分、多分だけど、それを人は。



371: ◆FaqptSLluw 2021/08/10(火) 22:56:28.50 ID:P9tFQQBJ0


「君のことを愛しているんだ、マヤノ」


――人は、愛と呼ぶらしい。

373: ◆FaqptSLluw 2021/08/10(火) 23:05:37.17 ID:P9tFQQBJ0
「……ぇ」


 何処までも静かな海岸。

 線香花火が今落ち切って、明かりもない。

 だから、マヤノの息遣いまでが鮮明に聞こえた。

 ついに言ってしまった。もう後戻りは出来ない。

 この気持ちに応えてくれても、応えてくれなくても――俺たちの関係は、今から変わってしまう。


「今すぐの答えとかは求めてない。だから、今日はここでさよならだ」


 俺は腰を上げて、バケツにゴミを集める。そうしてもう一度マヤノを見て――その場から全く動いていないことに気が付く。


「……さすがに風邪ひくぞ。ほら、送ってやるから立て」
「……ぁ、うん……」


 手を差し出すと、マヤノは小さく声を漏らして、俺の手を取る。

 俺はそのまま、マヤノの手を軽く握って宿舎まで歩く。

 ……痛いほどの静寂が、俺たち二人の間に横たわっている。

 結局その後、お互いに言葉を発することはなく、別れた。

 ふと、振り返る。

 去り際に見えたマヤノの顔は――まるで林檎みたいに真っ赤だった。

374: ◆FaqptSLluw 2021/08/10(火) 23:08:49.76 ID:P9tFQQBJ0
トレーナー「……いや、どんな顔して会えばいいんだ?」

トレーナー「恥ずかしいというか、普通に、なんだ、その……!」

トレーナー「会いづらい……!」

トレーナー「でも会わなきゃ予定は立てられんし……うわぁ、どうしよう……」

トレーナー「……顔でもあらうか」


―――

下1
今日は何をする?
トレーニング/休憩/探索/その他(良識の範囲内で自由に)

※今ターンで夏合宿は終了します。

375: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/10(火) 23:12:10.46 ID:XS+BwBVJO
トレーニング

377: ◆FaqptSLluw 2021/08/10(火) 23:29:33.14 ID:P9tFQQBJ0
トレーナー「……」

マヤノ「……」

トレーナー「さて」

マヤノ「……っ!」

トレーナー「……トレーニング、やるぞ」

トレーニング(や、やりづれー……!)


―――

■[すくらんぶる☆ゾーン]マヤノトップガン
スピード:1054(S+)
スタミナ:1200(SS+)
パワー:733(B+)
根性:1050(S+)
賢さ:1058(S+)
やる気:好調

―――

下1 トレーニングの種類
スピード/スタミナ/パワー/根性/賢さ

下2~3 トレーニングの効果量
※ゾロ目で追加ロール

378: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/10(火) 23:35:31.20 ID:QlWRcxBso
パワー

379: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/10(火) 23:36:29.89 ID:cfvYyfMU0
パワーが不足しているので重点的に鍛えてみましょう

380: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/10(火) 23:37:29.34 ID:LtDq2eHfo
トレーナー君の成長も著しい

382: ◆FaqptSLluw 2021/08/11(水) 01:46:19.93 ID:phJv/GZv0
トレーナー「……よし、あと一本!」

マヤノ「っ!」

トレーナー「……あ、その……」

マヤノ「……」

トレーナー「……」

トレーナー(これはこれで早めに決着をつけなければ、後々に響くな……!)

トレーナー(とはいえ、返答はあとでもいいって言った以上急かすわけにはいかないし……)

トレーナー(……世の男性方はこんないたたまれない雰囲気の中で生きているんだな、さすがだ)


―――

▼マヤノトップガンのパワーが上昇した。
パワー:733(B+)+89+34+[業務改善命令]10=866(A)

383: ◆FaqptSLluw 2021/08/11(水) 01:50:20.75 ID:phJv/GZv0
トレーナー「夏合宿から戻って来たら、何故だかわからないけどマヤノと俺のことを疑う声が多く聞こえてきた」

トレーナー「ナイスネイチャ曰く、あんなにふわふわしててほわほわしてるマヤノなんて初めて見た、とのことで……」

トレーナー「……いや、隠せとも言えないし、俺自身も隠せている自信はない」

トレーナー「出来るだけ――まだとろ火くらいのうちに進展があると助かるが、果たして――」

トレーナー「……とはいえ、今日もマヤノとは会わなきゃいけないんだよな。よそよそしい感じを出さないように気をつけなければ」


―――


下1
トレーニング/お出かけ/休憩/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/脚質上昇/会話(秋川理事長)/秘密の特訓/その他(良識の範囲内で自由に)
※現在目標設定なし。

384: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/11(水) 02:21:15.63 ID:4BC5XADB0
それぞれ別行動でリジチョーとカイチョーに会いに行こうか

387: ◆FaqptSLluw 2021/08/11(水) 22:15:25.31 ID:phJv/GZv0
トレーナー「さて、今日の予定だけど……」

マヤノ「トレーナーちゃん、ちょっといい、かな?」

トレーナー「お、おう。どうしたマヤノ」

マヤノ「……あのね、マヤね、会長さんに用事があるの。だから、今日は――」

トレーナー「ああ、奇遇だな。俺も秋川理事長に仕事の話があるんだよ」

マヤノ「……ふぅん?」

トレーナー「やましいことじゃないぞ。それに会長――シンボリルドルフに会いに行くなら道中までは一緒だろ。理事長室と生徒会室、かなり近いし」

マヤノ「何があったかあとでたづなさんに聞いちゃうからね!」

トレーナー「やましいものなんてひとかけらもないんだよなぁ……」



388: ◆FaqptSLluw 2021/08/11(水) 22:20:44.72 ID:phJv/GZv0
トレーナー「さて、理事長はご在室かな――っと」

理事長「後生ッ! この決算は通してくれ――ッ!」

たづな「許可できません。だいたいなんですか、ウマ娘用のトレーニング器具追加100器って。さすがに持て余しますよ!」

理事長「憂慮っ! トレセン学園が抱えるウマ娘の総数は数百に登る! 練習器具の不足が発生する可能性も――」

たづな「そういう嘆願書、上がってきたことがありますか?」

理事長「む、むぅ……」

たづな「というわけで次――なんですかこれ、食堂にシャトーブリアン追加……?」

理事長「後生ッ! この決算は通してくれ――ッ!」

たづな「何度同じ言葉を繰り返すんですか、まったく……って、あら? トレーナーさんじゃないですか」

理事長「むっ……!」

理事長「嘆願ッ! 君もたづなさんを説得してくれッ!」

トレーナー「……えぇ」

トレーナー「>>下1」

389: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/11(水) 22:53:24.11 ID:1RhqQ3s6O
説得に加わってもいいが、見返りに温泉旅行を希望します!

391: ◆FaqptSLluw 2021/08/12(木) 01:01:33.08 ID:kMKUzmCb0
トレーナー「説得に加わってもいいですが、見返りに温泉旅行を希望します!」

理事長「認可ッ!」

たづな「ちょ、トレーナーさん?!」

トレーナー「考えてみてもください。食育という言葉がある通り、食べることは非常に重要な通過儀礼(イニシエーション)と言えませんか?」

たづな「ええ、まぁ。食育とか通過儀礼とか云々は理解できますよ? でも――」

トレーナー「――でも、さすがにシャトーブリアンはやりすぎだ、と」

たづな「……まぁ、はい」

トレーナー「甘いですね、考えが。てんで甘い。パフェくらい」

たづな「……」

トレーナー「ソーシャルゲームとかで考えてみてください。より高いレアリティへの進化のためにはそれなりのアイテムが必要ですが――さらに上のレアリティの進化のためには、もっともっと貴重なアイテムを使用する必要がある」

たづな「知識としては理解していますが……」

トレーナー「ええ、だからこそ――ウマ娘の進化のためにはシャトーブリアン! シャトーブリアンが必要なのです」

トレーナー「……ですが、たづなさんの言う事も理解できます」

理事長「なっ……! 遺憾ッ! 裏切りは許されな――」

トレーナー「静かにしていてください、理事長」

理事長「……ごめんなさい」

トレーナー「確かに費用を圧迫するのは考え物だ。ポケットマネーから捻出しようものなら、それはそれでまずいことになる」

たづな「ご理解いただけているようで何よりです。確かにその通りです。費用がかなりのものになりますし、何より――その、健啖なウマ娘が複数名在籍している以上、コストが……」

トレーナー「そこで、ですよたづなさん。ご褒美として与えるのはどうでしょうか」

たづな「ご褒美、ですか」

トレーナー「レースの勝敗でそれを与えるのはダメですが、それ以外――例えば、学園への貢献度などをある程度数値化して、規定以上の数値を出したウマ娘に与えるのはいかがですか」

トレーナー「例えば郊外活動――広報とかにも積極的に出てもらえたり、内務作業などの手も増えることでしょう。その分負担が軽減され、活動のコストダウンを狙える――」

トレーナー「どうでしょうか」

たづな「ふむ……」

トレーナー(……どうだ?!)



392: ◆FaqptSLluw 2021/08/12(木) 01:09:02.01 ID:kMKUzmCb0

たづな「いい案に思えますが――」

たづな「それ、厚生労働省に了解を取る必要がある(※)ので、無理です」

トレーナー「そんなぁ……」


―――

▼トレーナーは温泉旅行券(ペア用)を手に入れた。

※厚生労働省云々は多分です。法律に明るいわけではないので、あくまで創作上の断りの文句としてお受け取りください。
※一応参照した記述があるので明記します。労働基準法第56条2項にまつわる箇所です。興味があればどうぞ。

394: ◆FaqptSLluw 2021/08/12(木) 01:13:47.41 ID:kMKUzmCb0
トレーナー「ちなみにシャトーブリアンについては却下されたけど、月に一回、日本各地の名産のお肉が食堂に出るようになったらしい」

トレーナー「とはいえさすがにブランド肉。注文には上限があるらしい。泣いているウマ娘が何人か見受けられた」

トレーナー「ちなみに肉には塩コショウのみかける派だ。タレもいいけど、俺はこれが一番好きだ」

トレーナー「世間一般の方々はどんな好みなのだろうか」

トレーナー「実家はタレをかける派の方が多かったな」

トレーナー「マヤノは……そもそも肉とか食べるのか?」

トレーナー「いや、食べるはずだ。でも何だろうな、野菜をちびちびと齧っている様子が目に浮かぶというか、なんというか……。勝手なイメージであることは分かっている」

トレーナー「いかんいかん、変なことを考えているとマヤノにまた何か疑われそうだな」

トレーナー「切り替えていくか」


―――


下1
トレーニング/お出かけ/休憩/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/脚質上昇/会話(秋川理事長)/秘密の特訓/その他(良識の範囲内で自由に)
※現在目標設定なし。

395: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/12(木) 01:15:49.85 ID:1ReP4/YVo
マヤのスキル習得

396: ◆FaqptSLluw 2021/08/12(木) 01:22:07.18 ID:kMKUzmCb0
トレーナー「というわけで今日は、マヤノのスキル……こほん、技術を伸長していくぞ」

マヤノ「……うん」

トレーナー「……。やはりナリタブライアンに勝つためには地力以外にも技術を磨かなければ難しい」

マヤノ「……うん」

トレーナー「…………。というわけでトレーニングだ」

マヤノ「……あい・こぴぃ」

トレーナー「……」

トレーナー(き、気まずい……!)


―――

[スキルヒント:ウマ娘]
・読解力 Lv1[作戦:差し]
(中盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+50の補正)
・大局観 Lv1[作戦:差し]
(中盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+100の補正)
・食いしん坊 Lv1[作戦:先行]
(中盤に選択肢追加:終盤のコンマ判定を2段階上のものに上げる)
・魅惑のささやき Lv1[距離:中距離]
(中盤:ライバルウマ娘のコンマ判定を2段階下のものに下げる)
・コーナー回復〇 Lv1[汎用]
(中盤に選択肢追加:終盤のコンマ判定を1段階上のものに上げる)
・円弧のマエストロ Lv1[汎用]
(中盤に選択肢追加:終盤のコンマ判定を2段階上のものに上げる)
・善後策 Lv1[短距離]
(中盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+50の補正)
・プランX Lv1[短距離]
(中盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+100の補正)
・押し切り準備 Lv1[作戦:逃げ]
(終盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+50の補正)
・逃亡者 Lv1[作戦:逃げ]
(終盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+50の補正)
・束縛 Lv1[中距離]
(中盤に選択肢追加:終盤のコンマ判定を1段階下のものに下げる)
・独占欲 Lv2[中距離]
(中盤に選択肢追加:終盤のコンマ判定を2段階下のものに下げる)
・直線加速 Lv1[汎用]
(レース終了時に固定値+50を加算する)
・一陣の風 Lv1[汎用]
(レース終了時に固定値+100を加算する)
・上昇気流[マイル]
(レース終盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+50の補正)
・業脚[マイル]
(レース終盤に選択肢追加:ゴールのコンマ判定に+100の補正)

―――

下1 どのスキルを習得するか

397: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/12(木) 01:24:25.77 ID:me7q/u0F0
エンコのマエストロ

398: ◆FaqptSLluw 2021/08/12(木) 01:27:31.00 ID:kMKUzmCb0
下1 習得コンマ

90以上:円弧のマエストロ習得
40以上:コーナー回復〇習得
40以下:コーナー回復〇スキルヒントレベル上昇

399: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/12(木) 01:29:10.70 ID:/juJXBqKO
うまぴょい!

401: ◆FaqptSLluw 2021/08/12(木) 01:31:10.73 ID:kMKUzmCb0
トレーナー「というわけで、スキル……ぅん! 技術を習得していくわけだが……」

マヤノ「……」

トレーナー「上の空と言うか、対応がおかしいものの――さすがマヤノだ。教えたことを直ぐに吸収してくれる」

トレーナー「凄まじいな。これが天才か」

トレーナー「このままいけば上位スキルを習得するのも遠い話じゃないかもしれないな」


―――

▼スキル[コーナー回復〇]を習得した。

406: ◆FaqptSLluw 2021/08/12(木) 21:42:10.34 ID:kMKUzmCb0
トレーナー「さて、そろそろ休憩にするかな」

たづな「トレーナーさん、お疲れ様です。今少しいいですか?」

トレーナー「ああ、今しがた仕事がひと段落したところです。どうぞお入りください」

たづな「では失礼して……」

たづな「さて、ここに私が来た以上、用件はある程度ご理解いただけていると思いますが……」

トレーナー「目標設定、ですよね」

たづな「……言いにくいですが、そうです。こればかりは決めていただかなければいけません」

トレーナー「そう、ですよね」

たづな「とはいえ、もうシニア級の九月に入って、十月に回ろうとしています。ここから先、目標に定めなければならないレースは……決まっています」

トレーナー「……”有馬記念”」

たづな「その通りです」

トレーナー「分かってはいました。わかっては――」

たづな「……不安、ですか」

トレーナー「不安でないと言えばウソになってしまいますね」

たづな「心中、お察しするにはあまりある不安だと思います」

トレーナー「……ええ、まぁ。さすがに誰にも理解は出来ないと考えていますから」

トレーナー「用件は以上、ですか」

たづな「……はい」

トレーナー「俺はこれから、研究に移るので――」

たづな「……あの、トレーナーさん」

トレーナー「なんでしょう」

たづな「私は理事長の秘書――学園の関係者として、誰かの勝利を願ってはいけないと考えています」

たづな「ですが、ですが――。出来ることならば、トレーナーさんと、マヤノトップガンさん……お二人の未来を見たいとも思っています」

たづな「ですから……ご武運を。お二人が幸せなまま未来を迎えることができるように、祈っていますから……」

たづな「――悔いの、ないように」

トレーナー「……ありがとう、ございます」


―――

▼次の目標レースが”有馬記念”に定められました。

・有馬記念
難易度:特高 報酬:特高


▼目標レースまで、あと15ターン――。


407: ◆FaqptSLluw 2021/08/12(木) 21:46:53.51 ID:kMKUzmCb0
トレーナー「有馬記念と言えば、最強のスターウマ娘たちが集結する夢の舞台」

トレーナー「スペシャルウィークと一緒に居た頃は夢のまた夢だと思っていたけれど、今は鼻先まで迫ってきている」

トレーナー「……楽しみ以上に、恐ろしいな」

トレーナー「そこには……あの怪物もいるだろう」

トレーナー「果たして俺たちは勝てるのだろうか」

トレーナー「”シャドーロールの怪物”――ナリタブライアンに」


―――

■[すくらんぶる☆ゾーン]マヤノトップガン
スピード:1054(S+)
スタミナ:1200(SS+)
パワー:866(B+)
根性:1050(S+)
賢さ:1058(S+)
やる気:好調

―――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/ライバル研究(ナリタブライアン)/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/脚質上昇/会話(秋川理事長)/秘密の特訓/その他(良識の範囲内で自由に)
※有馬記念まであと15ターン(今ターン含む)


―――

408: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/12(木) 21:47:06.62 ID:NY90ZtOLo
ブライアンにライバル宣言(挨拶)しよ
バナナ持ってな!

409: ◆FaqptSLluw 2021/08/12(木) 21:51:26.74 ID:kMKUzmCb0
トレーナー「……マヤノ、次の目標レースのこと、もう聞いたか」

マヤノ「……うん。有馬記念だって――」

トレーナー「ああ、そしてそこには、ナリタブライアンも来るだろう」

マヤノ「うん、ゼッタイに来るって思う」

トレーナー「そこで、だ。あの時のお詫びもかねて――宣戦布告しに行かないか」

マヤノ「せんせん、ふこく……?」

トレーナー「ああ。俺たちは不始末のせいでナリタブライアンを傷つけた。それを癒すことができるのは、俺たちが彼女とレースで鎬を削ることのほかにないけれど――真っ向から戦います、って言えば、その傷はすこし癒えるんじゃないかな、って」

マヤノ「……うん。うん! 宣戦布告、しに行こう!」

トレーナー「そう決まれば――街に行くぞ」

マヤノ「アイ・コピー……って、街?」

トレーナー「将を射んとする者はまずウマ娘を射よ、だ」

マヤノ「???」


410: ◆FaqptSLluw 2021/08/12(木) 22:07:17.78 ID:kMKUzmCb0
トレーナー「というわけでバナナを準備してきた」

マヤノ「ブライアンさん、バナナが好きなものだったんだ」

トレーナー「意外だな、知らなかったんだ」

マヤノ「ブライアンさん、いっつも会話してくれないの……」

トレーナー「ああ、なんとなく想像できるな。けんもほろろに受け流されるマヤノ……」

マヤノ「うぅ……。いつかブライアンさんのいろんなこと、聞いちゃうんだから~!」

トレーナー「いつか聞きだせるといいな……と、着いたぞ。ビワハヤヒデから聞いた、ナリタブライアンが居そうなスポットその1……」

ブライアン「……」

マヤノ「いた……!」

トレーナー「さすが姉妹だ……よく把握しているんだな」

トレーナー「さてマヤノ、準備はいいか?」

マヤノ「……うん、うん、うん! 行くよ、トレーナーちゃん!」

―――

マヤノ「……ブライアンさん!」

ブライアン「……っ。何しに来た」

マヤノ「宣戦布告っ! ブライアンさんを倒すっていう宣言ッ!」

ブライアン「……。なるほど、な」

ブライアン「いいだろう。オマエがどれだけやるようになっているかは解らないが――」

ブライアン「全身全霊で――オマエの総てをぶつける覚悟でかかってこい」

ブライアン「詰まらない走りを見せたら……文字通り食いちぎってやる」

マヤノ「――ッ!」

マヤノ「ブライアンさんこそ、覚悟しててねっ! そんな余裕な態度取ってたら……マヤがいつの間にかばびゅーんって追い抜いちゃうんだから!」

ブライアン「フン……」

マヤノ「じゃあ、有馬記念でまた会おうね、ブライアンさん!」

ブライアン「……話が終わったんならさっさと行け」

マヤノ「ふーんだ、ぜーったいそのツンツンした態度、改めさせてやるんだから!」

ブライアン「……」


―――

トレーナー「この前は済まなかったな、ナリタブライアン」

ブライアン「アンタか。……私は私がしたいことをしたまでだ」

トレーナー「そうか。じゃあこれはプレゼントとして受け取ってくれ」

ブライアン「バナナ……!」

トレーナー「気に入ってくれると嬉しい。じゃあ俺はこれで」

ブライアン「……待て」

トレーナー「ん、どうした?」

ブライアン「アイツのこと、ぬかるなよ」

トレーナー「言われなくとも」

―――

▼マヤノトップガンのやる気が上昇した。

好調→絶好調

411: ◆FaqptSLluw 2021/08/12(木) 22:10:36.41 ID:kMKUzmCb0
トレーナー「……さて、宣戦布告も済ませたことだし、トレーニングだ」

トレーナー「ナリタブライアンという目標が見えたことで、マヤノとの間に充満していたあのやりづらい雰囲気は払しょくされている――さすがと言うべきか、ライバルが居るとやる気が違う」

トレーナー「とはいえ、喜んでばかりもいられない。ナリタブライアンは高い壁だ」

トレーナー「……超えられるかもわからない、高い、壁」

トレーナー「不安だ、心配だ――だけど、そんな感情は見ないふりをしないとな」

トレーナー「絶対に勝つ。勝って、マヤノと一緒に――トップに立つんだ」

トレーナー「絶対に……!」


―――


■[すくらんぶる☆ゾーン]マヤノトップガン
スピード:1054(S+)
スタミナ:1200(SS+)
パワー:866(B+)
根性:1050(S+)
賢さ:1058(S+)
やる気:絶好調

―――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/ライバル研究(ナリタブライアン)/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/脚質上昇/会話(秋川理事長)/秘密の特訓/その他(良識の範囲内で自由に)
※有馬記念まであと14ターン(今ターン含む)


―――

412: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/12(木) 22:15:12.12 ID:me7q/u0F0
スキル習得(トレーナー)

414: ◆FaqptSLluw 2021/08/12(木) 22:58:40.67 ID:kMKUzmCb0
 

―――

トレーナー「というわけで今日は勉強だ」

トレーナー「マヤノをいい方向に導けているという自負はあるが、現状で満足していては絶対に有馬記念では勝てない――」

トレーナー「つまり、今必要なのは、俺自身の成長であり、進化だ」

トレーナー「それに――マヤノの成長についてもそうだが、限りなく最高の出来になりつつある」

トレーナー「俺も最高の出来にしないとな。並び立てないだろう?」

―――

■[スキルヒント:トレーナー]
・共感覚(パッシブ)Lv1(上限値) HLv:2
 真の意味でウマ娘と通じ合い、自身の持つ知識や経験などを余すことなく伝えることができる。
 ウマ娘の所有する脚質、距離適性、スキルのヒントレベルを常に1上昇させる。

・収束する条(パッシブ)Lv1(上限値) HLv:1
 詳細情報習得後公開。

・運命の輪(パッシブ)Lv1(上限値) HLv:1
 詳細情報習得後公開。
 習得条件:[収束する条]習得。

―――

下1 どのスキルを習得する?

415: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/12(木) 23:01:12.87 ID:mdKn5n0zo
共感覚

416: ◆FaqptSLluw 2021/08/13(金) 00:02:17.08 ID:yZGIbECv0
トレーナー「というわけで、ウマ娘の特性について調べようと思う」

トレーナー「ウマ娘についての理解を深めれば、それだけマヤノの育成にも還元できるはずだ――」

トレーナー「……学生の頃もそうだったけど、社会人になってからも案外机に向かう時間って大事なもんなんだな~」


―――

▼スキル習得コンマ
40以上:習得
40以下:スキルヒントレベル上昇

417: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/13(金) 00:11:00.47 ID:XuS4IJ7go
なぜ湿りやすいのか

418: ◆FaqptSLluw 2021/08/13(金) 21:45:53.65 ID:yZGIbECv0
トレーナー「……なるほど」

トレーナー「おおよそは人間とは変わらない。身体能力のみ、人間とは隔絶されてはいる」

トレーナー「つまり、俺たちとそう変わりはない」

トレーナー「あーあ、調べるのもなんだか損したな。結局は――」

トレーナー「結局は、いつもの通りでいいってことじゃん」

トレーナー「だったら、等身大の俺で触れ合えばいいってことなんだよな」

トレーナー「……あるいは、本当はそれが俺にかけているものだったのかもしれない」

トレーナー「精進しなきゃな」


―――

▼トレーナースキル[共感覚]を習得した。

419: ◆FaqptSLluw 2021/08/13(金) 21:49:51.47 ID:yZGIbECv0
トレーナー「秋が深まると、緑だったものが一気に赤く染まるから風情があるよな」

トレーナー「ここまで明確に季節の移り変わりを感じる季節はないんじゃなかろうか」

トレーナー「紅葉狩りなんて風情あることはしたことがないけれど、たまにやってみると落ち着きそうなんだよな」

トレーナー「いつかやってみって見るのもありかもしれないな」

トレーナー「……その時は、マヤノも一緒に」

―――


■[すくらんぶる☆ゾーン]マヤノトップガン
スピード:1054(S+)
スタミナ:1200(SS+)
パワー:866(B+)
根性:1050(S+)
賢さ:1058(S+)
やる気:絶好調

―――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/ライバル研究(ナリタブライアン)/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/脚質上昇/会話(秋川理事長)/秘密の特訓/その他(良識の範囲内で自由に)
※有馬記念まであと13ターン(今ターン含む)


―――

420: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/13(金) 21:55:18.66 ID:kyrzhEY8O
ライバル研究(ナリタブライアン)

421: ◆FaqptSLluw 2021/08/13(金) 23:32:45.85 ID:yZGIbECv0
トレーナー「マヤノ、俺たちは強大な相手に立ち向かわなければならない」

トレーナー「トレセン学園きっての強者――ナリタブライアンに」

トレーナー「それは並大抵の努力では突破することは出来ない。……マヤノも十分に理解していると思う」

マヤノ「……うん。ブライアンさんは……多分今のままじゃ倒せない」

トレーナー「だから研究しなければならない。ナリタブライアンの総てを。――彼女の頭の先から爪の先まで、1mmも見逃さない瞳で」

トレーナー「分かっていることを羅列してみて、今分かっていないことを浮き彫りにしてみよう。分からないところを判明させたら――次は詳細分析。俺たちとナリタブライアンの間に広がる実力差について、具体的なデータを算出する」

トレーナー「じゃあ、まずはディスカッションだ。思いつく限りの、ナリタブライアンに関することを話し合おう」

マヤノ「アイ・コピー!」

―――

下1 ナリタブライアンの研究解析
50以上で研究度上昇・スキルヒント
50以下で研究度上昇

422: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/14(土) 00:04:59.61 ID:F7hbmTxL0

423: ◆FaqptSLluw 2021/08/14(土) 00:31:41.77 ID:VyRGhyHD0
トレーナー「ナリタブライアンについて知らないことと言えば、まずはその全体の能力値……んん! ……出来上がりだ。ただ、言えることがあるのならば――」

マヤノ「マヤのよりも優れてる――でしょ?」

トレーナー「ああ」

トレーナー(とはいえ、マヤノのステータスもかなりの仕上がり。なのに、ナリタブライアンのそれよりも劣るように見えるのは――なぜだろう)

トレーナー(ステータスという数値が見れている俺だからこそ分かる限界。マヤノにとってはこの数値が限界なのだろうか)

トレーナー(ナリタブライアン――体躯は明らかにマヤノよりも大きいが、果たして)

マヤノ「トレーナーちゃん?」

トレーナー「ああ、すまない。というわけで、ナリタブライアンに追いつくために全体の仕上がりを強化していく必要がある、が」

マヤノ「……トレーナーちゃん」

トレーナー「どうした、マヤノ」

マヤノ「マヤちん分かっちゃった。――多分、ブライアンさんの仕上がりに、マヤが追いつくことは出来ない……でしょ?」

トレーナー「……。その通りだ。君の仕上がりをどれだけよくしたところで、ナリタブライアンのそれには追い付けない」

マヤノ「そっかぁ……。じゃあ、もちろん仕上げはしなきゃいけないけど、それ以外でもブライアンさんを越せる何かを探さなきゃね!」

トレーナー「ああ、そうだな」

トレーナー「……そして、こうして見てきて、一つ分かることがある」

マヤノ「……?」

トレーナー「――ナリタブライアンの技術は、その全てが中盤から終盤に抜け出すものがメインだ。つまり、差しや先行時に使用する技術だな」

トレーナー「で、あればだ。……それを潰すことが、一番重要になるかもしれない」


―――

▼スキルヒント[差し焦り]Lv1を獲得しました。

▼ナリタブライアンの研究度が[1/7]になりました。

424: ◆FaqptSLluw 2021/08/14(土) 00:36:20.93 ID:VyRGhyHD0
トレーナー「中秋の名月とは言うけれど、そもそも月が隠れちゃわけないなぁ……」

トレーナー「とはいえ、この時期は昔から雨が多く、雲もかかりやすかった時期らしい」

トレーナー「一説によれば、中秋の名月とは”空想で楽しむもの”らしい」

トレーナー「確かに、実際に見るよりも、頭の中で考えた月を見るほうがよっぽど大きく、輝いて感じるからな」

トレーナー「つまり、昔の人々は人間の想像力を活用した暮らし方をしていた、という事」

トレーナー「……俺も、想像力豊かに生きたいものだなぁ」

トレーナー「いや、想像力でも追いつかない超現実を生きているわけなんだがね……ははは」


―――

■[すくらんぶる☆ゾーン]マヤノトップガン
スピード:1054(S+)
スタミナ:1200(SS+)
パワー:866(B+)
根性:1050(S+)
賢さ:1058(S+)
やる気:絶好調

―――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/ライバル研究(ナリタブライアン)/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/脚質上昇/会話(秋川理事長)/秘密の特訓/その他(良識の範囲内で自由に)
※有馬記念まであと12ターン(今ターン含む)


―――

425: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/14(土) 00:42:43.52 ID:TwluSy3Bo
ライバル研究

426: ◆FaqptSLluw 2021/08/14(土) 02:23:45.66 ID:VyRGhyHD0
トレーナー「ナリタブライアンの使う走法は、ガンガンに大きく走る超ストライドだ。特に末脚の鋭さは凄まじく――かなり仕上がっているマヤノを10秒待ったうえで追い抜くくらいの速度」

トレーナー「回転数こそ少ないものの、大きく脚を使うストライド走法は脚へのダメージが累積しやすい。それはつまり、ナリタブライアンの超ストライド走法は、限定的にしか使えない、ということだ」

マヤノ「……なるほど?」

トレーナー「もっとかみ砕いて言うと、終盤の加速がヤバいけど同時に弱点でもあるから、そこを突く」

マヤノ「わかったよ。……でも、どうやってその弱点? を突くの?」

トレーナー「終盤でストライド走法を使うことを考えれば、大きく分けて二つの対策がある」

トレーナー「一つは序盤から中盤の間に、ストライド走法をより短く使用する状況を整えること。
序中盤でスタミナを使わせることができたならば、終盤に入ってラストスパートをかける瞬間がより短くなる」

トレーナー「もう一つは――またいつか話そう。とりあえずは、ナイスネイチャの時と同じく搦め手を伸ばす方針で」

マヤノ「はーい! ブライアンさん、どんなこと言えばドキッってしてくれるかなぁ?」

トレーナー「……まぁ、あまり過激なことは言わないようにな」

―――

下1 ナリタブライアンの研究解析
50以上で研究度上昇・スキルヒント
50以下で研究度上昇

428: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/14(土) 02:40:16.66 ID:Xty7fbc+0
ラブカ?

430: ◆FaqptSLluw 2021/08/14(土) 18:52:42.04 ID:VyRGhyHD0
トレーナー「作戦として差しや先行を採るウマ娘にとって最も嫌うこととは何か、それを知ることによって、マヤノも”何をされたら嫌か”がわかったと思う」

マヤノ「うん。それこそマヤたちがやったみたいに、スタミナをどっと持っていかれたら辛いかも……」

トレーナー「そうだよな。誰かの弱点を見つけるという事は、自分のことを顧みることにも繋がる。対策は多ければ多いに越したことはない」

トレーナー「前を向くことも大事だが、時に足元に目を向けることも肝要だ」

トレーナー「案外そんなところに、解決策は眠っているかもしれないのだから……」


―――

▼スキルヒント[スタミナイーター]を獲得しました。

▼ナリタブライアンの研究度が[2/7]になりました。

431: ◆FaqptSLluw 2021/08/14(土) 19:00:40.51 ID:VyRGhyHD0
トレーナー「女心と秋の空――」

トレーナー「いや、特に理由のないつぶやきだ」

トレーナー「女性の心は秋の空みたいに変わりやすいものだ、という言葉。でも、マヤノのことを見ているとほんとうにそうなんだろうか、と疑わしくなってくる」

トレーナー「……マヤノの心も、いつか移ろうのだろうか」

トレーナー「――返事がないと斯くも不安になってしまうんだな」

トレーナー「とはいえ、返事の催促をしようものなら、ようやくこなれてきた会話がまたぎこちないものになってしまう」

トレーナー「うーむ……早期改善できるといいんだけどな」


―――

■[すくらんぶる☆ゾーン]マヤノトップガン
スピード:1054(S+)
スタミナ:1200(SS+)
パワー:866(B+)
根性:1050(S+)
賢さ:1058(S+)
やる気:絶好調

―――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/ライバル研究(ナリタブライアン)/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/脚質上昇/会話(秋川理事長)/秘密の特訓/その他(良識の範囲内で自由に)
※有馬記念まであと11ターン(今ターン含む)


―――

432: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/14(土) 19:02:39.36 ID:BZjeJhoY0
会話(秋川理事長)

433: ◆FaqptSLluw 2021/08/14(土) 21:55:07.09 ID:VyRGhyHD0
トレーナー「さて、仕事も終わったし――」

理事長「慰労ッ! お疲れ様っ!」

トレーナー「ちょわ?! り、理事長……一体いつからそこに?」

理事長「集中ッ! 先ほどからノックしていたが、集中していたようで返答がなかったから……勝手ながら入室したッ!」

トレーナー「ああ、そうなんですね。すみません」

理事長「容認ッ! それが仕事からくるものであれば、私に責めることは全くできないッ!」

トレーナー「ありがとうございます。――それで理事長、何か私に御用ですか?」

理事長「うむ、チームについてだッ!」

トレーナー「……その話ですか」

理事長「肯定ッ。今回は――その為の予算編成が終了したことを伝えに来たッ!」

トレーナー「それって、本当に作らなきゃいけないんですか?」

理事長「否定ッ。君が断るのであればそれでもいいし、認可してもらえば君にも一定のメリットはあるッ。提示した選択肢をこちらから否定する真似はしない」

理事長「――だから、君のためにこんなものを用意した」

トレーナー「……これは、稟議書? 決裁印が打たれている……」

理事長「仮定ッ。君のループが君にしか効果を及ぼさないものだとして――」

理事長「――君の持ち物については、どうだろうかッ!」

トレーナー「――。なるほど、つまり――この稟議書は、俺がループした後を想定して?」

理事長「肯定……。考えたくないことだが、夢と夢のぶつかり合いの果てに待ち受ける結果が、必ずしもいいものだとは限らない……。故にッ、私たちに出来るのはこれくらいだッ!」

理事長「――辛いであろう、先の話をして申し訳ない。でも、私たちがウマ娘の幸せを願う気持ちと同じくらい、君の幸せをも願っている。そのことは忘れないでくれ」

理事長「退室ッ! 用件は済んだから失礼するッ! さらばだッ!」

トレーナー「……なるほど、なぁ」

トレーナー「あの人も不器用な人だ、自分の許にあるものは全部幸せにするって、簡単な覚悟で出来ることじゃないよ……」

トレーナー「愚かだけど、なんでだろうな……」

トレーナー「その愚かさが、嬉しくてたまらない――」

―――

▼新要素[チーム結成]が追加されました。

・[チーム結成]
予算編成レベルによって、複数人のウマ娘を育成対象に選択することができます。
予算編成レベルはウマ娘を育成した際の最終成績によって上昇し、その度に「稟議書」に記載されます。
現在の予算編成レベルは1。チーム結成時の最大人数は2人です。

434: ◆FaqptSLluw 2021/08/14(土) 21:59:59.86 ID:VyRGhyHD0

※[チーム結成]はループスタート時にのみ選択が可能です。

―――

トレーナー「うーん、まだまだ暑い……」

トレーナー「昔はそうでもなかったんだが、最近十月の初めでも少し熱いと感じることがないか?」

トレーナー「熱いのはあまり得意じゃないからなぁ……出来るだけ気温は低いほうがいい」

トレーナー「とはいえ、低すぎると低すぎるでまた文句を言いそうなもんだけど……」

トレーナー「……やっぱり気温はちょうどいいほうがいいな!」

トレーナー「さて、そろそろ腰を上げなきゃな。こたつはいつ出そうか」


―――


■[すくらんぶる☆ゾーン]マヤノトップガン
スピード:1054(S+)
スタミナ:1200(SS+)
パワー:866(B+)
根性:1050(S+)
賢さ:1058(S+)
やる気:絶好調

―――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/ライバル研究(ナリタブライアン)/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/脚質上昇/会話(秋川理事長)/秘密の特訓/その他(良識の範囲内で自由に)
※有馬記念まであと10ターン(今ターン含む)


―――

435: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/14(土) 22:03:27.71 ID:a+M4ij8to
ライバル研究

437: ◆FaqptSLluw 2021/08/14(土) 22:14:16.60 ID:VyRGhyHD0
トレーナー「――さて、ナリタブライアンの対策をし始めてこれで三回目になる」

マヤノ「そうだね! 何かお祝いでもする~?」

トレーナー「何のお祝いだ何の……。今回は、この前濁した”終盤でストライド走法を採る相手への対策”の二つ目を説明して、それを実践しようと思う」

マヤノ「えーっと、早いうちにスタミナを使わせて、ラストスパートをかけにくくする……って言うの?」

トレーナー「それが一つ目だ。二つ目は……その勢いに乗る、だ」

マヤノ「勢いに、乗る――?」

トレーナー「ああ」

トレーナー「そうだな、マヤノは”スリップストリーム”って言葉、知ってるか?」

マヤノ「授業で聞いたことあるよ! パパもマヤノがウマ娘として競争を望むなら~って言ってた時に気にしろ~って言ってたよ!」

トレーナー「そうか、マヤノのお父さんは航空関係だったな」

トレーナー「スリップストリームとは、高速で走行する物体の直後に発生するらせん状の空気流のことだ。競輪やモータースポーツなどでは、これを活用してスピードを上昇する選手もいる」

マヤノ「……あ。マヤもレース中に、すっごく速い人の後ろについてたら、速度が上がったことがあるよ!」

トレーナー「そう、それがスリップストリームだ。ウマ娘の最高時速は70km/hとも言われている――つまり、自動車が道路を走る速度と同程度、あるいはそれ以上の速度を出すことができる」

トレーナー「そして、だ。マヤノと比べてナリタブライアンは――大柄だ」

トレーナー「体躯が大きく、高速走行する物体――ナリタブライアン。彼女の後ろについたり、あるいはその気流を活用することができれば、マヤノの末脚は大きく伸びることになるだろう」

トレーナー「と、いうわけで。ナリタブライアンのスリップストリームを受け取ることができるようにトレーニングをしよう」

マヤノ「アイ・コピー!」

―――

下1 ナリタブライアンの研究解析
50以上で研究度上昇・スキルヒント
50以下で研究度上昇

438: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/14(土) 22:21:24.48 ID:/SEq2/hn0

439: ◆FaqptSLluw 2021/08/14(土) 22:57:45.05 ID:VyRGhyHD0
マヤノ「ね、トレーナーちゃん……さっきからずっと引っかかってたことがあるんだけど、言っていーい?」

トレーナー「ん、どうした?」

マヤノ「……そもそも、作戦から考えるとマヤは……」

マヤノ「マヤは、ブライアンさんより前にいることの方が多くないかな、って……」

トレーナー「…………」

トレーナー「……あ」

―――

▼ナリタブライアンの研究度が[3/7]になりました。

441: ◆FaqptSLluw 2021/08/14(土) 23:52:16.67 ID:VyRGhyHD0
トレーナー「暑いとか言ってた記憶がある。その時の自分を殴りたい」

トレーナー「どうして早々に、冬服を出していなかったのか……!」

トレーナー「毎年こうだ、まだまだ着れる! と思い込んでたらいつの間にか寒くなって、間に合わなくなる……」

トレーナー「今日こそは冬服出すぞ……!」

トレーナー「……とか言ってると、気温が上がったりするんだよなぁ」


―――

■[すくらんぶる☆ゾーン]マヤノトップガン
スピード:1054(S+)
スタミナ:1200(SS+)
パワー:866(B+)
根性:1050(S+)
賢さ:1058(S+)
やる気:絶好調

―――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/ライバル研究(ナリタブライアン)/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/脚質上昇/会話(秋川理事長)/秘密の特訓/その他(良識の範囲内で自由に)
※有馬記念まであと10ターン(今ターン含む)

―――

442: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/14(土) 23:58:26.90 ID:Fod+9QVs0
とことんライバル研究

444: ◆FaqptSLluw 2021/08/15(日) 02:20:43.34 ID:Xl9pbPer0
トレーナー「さて、ナリタブライアン研究も佳境に入ってきたが――ここまで来て一つ分かったことがある」

マヤノ「ん~? なぁに、トレーナーちゃん」

トレーナー「……正直、マヤノとナリタブライアンを比較すると、さすがにナリタブライアンに比がありすぎる」

マヤノ「……うん。分かってたよ、それは」

トレーナー「というわけで、ナリタブライアンに勝つ方法その2と行こうじゃないか」

マヤノ「ブライアンさんに勝つ方法?」

トレーナー「ああ。彼女に勝つ方法、今までは実践的な方法のうち、ナリタブライアン本人に影響を及ぼすものを提示してきた」

トレーナー「これからは、マヤノ自身に影響を及ぼすものを教えていこうと思う」

マヤノ「つまり……これからマヤは、トレーナーちゃんにめちゃくちゃにされちゃう……ってコト?!」

トレーナー「言い方があれだけど、マヤノに変革を促すという意味では否定は出来ないな」

トレーナー「さて、ナリタブライアンに勝つ方法だが――ぶっちゃけると、今のマヤノだと逃げるしか勝てる方法がない。先行や差し、追込でブライアンに勝てるなんて考えちゃいけない」

トレーナー「逃げのメリットの1つとして、レースの局面を操作しやすいことが挙げられる。例えば、この前皐月賞で戦ったセイウンスカイのことを思い出してみろ。彼女は”ターフの奇術師”と呼ばれるほどのレースプランナーだ」

トレーナー「彼女ほどの辣腕を振るえ、とは言わない。が、彼女ほどの腕前を持つ存在からなら、学び取れることもあるはずだ」

トレーナー「というわけで、ビデオ研究――初めていこう!」

―――

下1 ナリタブライアンの研究解析
50以上で研究度上昇・スキルヒント
50以下で研究度上昇


445: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/15(日) 02:30:22.97 ID:pu739xaP0

446: ◆FaqptSLluw 2021/08/15(日) 22:15:25.42 ID:Xl9pbPer0
トレーナー「さて、ここまでビデオを鑑賞して――何か気付いたことはあるか、マヤノ」

マヤノ「うーん……。何というか、駆け引きが凄い……?」

トレーナー「そうだな」

トレーナー「より明確に言語化するのであれば――あれは足さばきや速度の緩急によって生み出される錯覚だ」

トレーナー「例えばココ、脚の回転は速くなっているけれど、速度はそんなに上がっていないだろう?」

マヤノ「あ、ホントだ……!」

トレーナー「ここなんかもそうだ。脚の回転は遅くなっているけれど、速度は上昇している」

トレーナー「まさに奇術だよな。気付いた時にはもう遅い、彼女のペースに全員が飲み込まれているわけだ」

マヤノ「この足さばきを、今から見につけるの?」

トレーナー「そうだ。だから今から――ダンスレッスンだ」

マヤノ「えぇ~? ダンスレッスン?」

トレーナー「ああ。普段マヤノが練習しているようなアイドル曲のダンスは、キレと素早さ、動きのダイナミックさが特徴だ」

トレーナー「だが、ボールルームダンス……俗にいう社交ダンスは優美で複雑なステップを要求する」

トレーナー「それに、だ。これからメディアの露出が増えてくるだろうし、こういうダンスを一芸として身に着けておくのは武器になる」

トレーナー「ナリタブライアン対策、一芸を身に着ける――どうだ、一挙両得のトレーニングだろ?」

マヤノ「聞くほどフシギだけど……トレーナーちゃんがそう言うなら、ぜったいそうなんだって思うから」

マヤノ「今日のトレーニングも、バッチリ決めちゃうよ~!」


―――

▼スキルヒント[トリック(前)]を獲得しました。

▼ナリタブライアンの研究度が[4/7]になりました。

447: ◆FaqptSLluw 2021/08/15(日) 22:44:50.78 ID:Xl9pbPer0
トレーナー「無くてもいいけど、あると生活がいっぺんに変わるものがあるよな」

トレーナー「例えば食洗器とか、瞬間湯沸かし器とか」

トレーナー「自室に瞬間湯沸かし器を導入した瞬間、何というか生活の質の向上を感じたな」

トレーナー「使えるものはやっぱり使うべきなんだなぁと強く感じたな」

トレーナー「……使える者はすべて使う、か」

トレーナー「いつかは俺も、その手段を取らなきゃいけなくなるのかな」


―――

■[すくらんぶる☆ゾーン]マヤノトップガン
スピード:1054(S+)
スタミナ:1200(SS+)
パワー:866(B+)
根性:1050(S+)
賢さ:1058(S+)
やる気:絶好調

―――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/ライバル研究(ナリタブライアン)/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/脚質上昇/会話(秋川理事長)/秘密の特訓/その他(良識の範囲内で自由に)
※有馬記念まであと9ターン(今ターン含む)

―――

448: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/15(日) 22:45:50.11 ID:McMwCAi5o
ライバル研究

449: ◆FaqptSLluw 2021/08/15(日) 23:13:08.12 ID:Xl9pbPer0

マヤノ「正直ね、トレーナーちゃん」

マヤノ「マヤは……ここまで来たけど、ブライアンさんに”勝てる”って思えない」

マヤノ「トレーナーちゃんが……どう思う?」

トレーナー「……本音を言えば、遠い、と思っている」

マヤノ「そう、だよね」

マヤノ「分かってた、分かってたけど……辛いね」

トレーナー「……けれども、君を勝たせるために俺は此処に居る」

トレーナー「言葉だけじゃない。――新しい走法を、君に提示しよう」

マヤノ「新しい、走法……」

トレーナー「ああ」

トレーナー「……実は最近、いろいろな研究の結果が出てな。そのデータをもとに、マヤノの走り方に合った”別の走法”を提示しようと思う」

マヤノ「……でも、今の走法を大きく崩したら、マヤ、満足に走れなくなっちゃうかもしれないよ?」

トレーナー「ああ。だから今回提示するのは――走法は走法でも、姿勢だ」

トレーナー「君が風になるための、走法」


―――

下1 ナリタブライアンの研究解析
50以上で研究度上昇・スキルヒント
50以下で研究度上昇

450: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/15(日) 23:14:52.87 ID:pu739xaP0

451: ◆FaqptSLluw 2021/08/15(日) 23:25:44.48 ID:Xl9pbPer0

トレーナー「この前、スリップストリームについて話をしたと思うが――」

トレーナー「物体の加速度と物体が受ける風の抵抗力の強さ、つまり空気抵抗には密接な関係がある」

トレーナー「新幹線を思い出してほしい。あれは、空気抵抗による速度減衰を減らすための構造になっている」

トレーナー「……つまり、速いものとは、それだけ”風と一体化している”ともいえるんだ」

マヤノ「飛行機もそう?」

トレーナー「ああ。なんなら飛行機こそ、もっとも空気抵抗のことを考えなきゃいけない乗り物かもな」

トレーナー「……というわけで、これから指導するのはスパート時の姿勢だ」

トレーナー「空気抵抗を限りなくゼロに近づける為には、超前傾姿勢しかない」

マヤノ「……えっと、確か、オグリキャップさんの走り方がそうだったよね、トレーナーちゃん」

トレーナー「ああ。だが、彼女の走り方は、丹念に解された関節の柔らかさが為せる業だ。一朝一夕であの超前傾姿勢は真似できない」

トレーナー(オグリキャップのスキル欄にある[勝利の鼓動]とやら。それが彼女の前傾姿勢をスキル化したものなのだろう、だが、俺が今から提示するのは――)

トレーナー「――だから、誰でもマネできる範囲のものにする」

トレーナー「だが、それでも努力や天性の柔らかさは必須だ。もしナリタブライアンに勝ちたいのであれば、これまで築いたものを一度崩す覚悟すら必要かもしれない」

トレーナー「マヤノは、その変革に耐えられるか?」

マヤノ「……変わっちゃうことは、怖いけど」

マヤノ「それでも、ブライアンさんには負けたくない。負けて、もうあんな、あんな寂しい顔してほしくないもん」

マヤノ「だから、どんなことだって受け入れるよ。それが、それが――」

マヤノ「ブライアンさんに勝てる方法って言うんだったら、何でも!」


―――

▼スキルヒント[直線加速]を獲得しました。
▼スキルヒント[一陣の風]を獲得しました。

▼該当スキルヒントは既に獲得済みです。

▼スキルヒント[直線加速]のスキルヒントレベルが上昇しました。(Lv2→Lv3)
▼スキルヒント[一陣の風]のスキルヒントレベルが上昇しました。(Lv2→Lv3)

▼ナリタブライアンの研究度が[5/7]になりました。

452: ◆FaqptSLluw 2021/08/15(日) 23:35:30.63 ID:Xl9pbPer0
(正直対策七つも考えられないわ……となったので、次回以降は何か変わるかもしれません)

―――

トレーナー「有馬記念が近付けば近づくほど、学園内の空気がひりついてくる」

トレーナー「もう出走するウマ娘が決まっている以上、そのウマ娘に対して注がれる視線は尋常ではないほどの感情を孕んでいる」

トレーナー「期待、希望、羨望――。有馬の舞台に立つウマ娘たちは、その全てが幾千、幾万もの強い感情を背負ってあの場に立つ」

トレーナー「……マヤノに気にした様子がないのは僥倖だった。ナリタブライアンという強大な敵を前に、そんな感情は気にならなくなってしまうからな」

トレーナー「例えばこれが、ライバルのいない子だったらどうなっただろうか。緊張とか重圧で押しつぶされてしまうんじゃないか」

トレーナー「……」

トレーナー「いや、今はマヤノのことだ。マヤノをどうやって勝たせるか」

トレーナー「対策は取った。だからあとは――どれだけ知恵をひねり出せるか」

トレーナー「もう一回、ビデオを見よう」


―――

■[すくらんぶる☆ゾーン]マヤノトップガン
スピード:1054(S+)
スタミナ:1200(SS+)
パワー:866(B+)
根性:1050(S+)
賢さ:1058(S+)
やる気:絶好調

―――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/ライバル研究(ナリタブライアン)/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/脚質上昇/会話(秋川理事長)/秘密の特訓/その他(良識の範囲内で自由に)
※有馬記念まであと8ターン(今ターン含む)

―――