1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) 2011/10/12(水) 21:45:55.80 ID:MXPiVXmX0
このssはTIGER&BUNNYの13話あたりからと最終回後の仮面ライダーオーズのクロスオーバーです。
多少の独自解釈があるかもしれませんので
そういったものが苦手な方は静かに【戻る】を選択してください。
更新ペースは一週間に一回くらいです。

あとここでssを書くのは初めてなのでお見苦しいような点がございましたら教えてください。

2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) 2011/10/12(水) 21:58:41.07 ID:MXPiVXmX0

「ふぅ…だいぶ歩いたなぁ…」

青年はそう呟き、自分の身長より少し大きめの木の棒の先についた派手なパンツをポッケにしまう
最近は曇りの日が多くなかなかパンツが乾かなくて困っている。

「ライオンメダルでもあればいいのにな…」

そんなことを言って青年は仰向けに寝転がる、今日も野宿だ。
でもそんなことはこれまで旅をしている青年にとってはごく普通の出来事。

すっかり暗くなった空をふと見上げるとキラッっと流れ星が静かに過ぎ去る。
流れ星を見ると青年は慌てた様子で口を開く。

「パンツが乾きやすくなりますように!パンツが乾きやすくなりますように…」

流れ星に祈ることじゃないようなことを三回くらい言った後、
青年は静かに眠りにつく。

3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) 2011/10/12(水) 22:06:12.66 ID:MXPiVXmX0

青年の名は『火野映司』
かつてとある事件に巻き込まれ自分自身の欲を失ったが、
すこしずつ自分の欲を見つけていくため旅をしている。

そんな彼、火野映司は次の日、とある街【シュテルンビルド】に来ていた。
前日野宿していた場所からたいして歩いてないのに街の風景はがらりと変わっていた。
さっきまで歩いていたところは人が少なく、風景も殺伐していて活気も無かったが
シュテルンビルドは近未来的で活気に溢れている。

パンツを木の棒にぶら下げて歩いていたら捕まりそうなのでパンツは再びポッケにしまい
道の途中で木の棒を捨ててぶらぶらと街を歩く、
しばらく歩いていると大型の街頭テレビの音量が急に上がり、映司は驚きながらテレビの方を向く

4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) 2011/10/12(水) 22:15:15.75 ID:MXPiVXmX0
『さぁ!始まりましたHEROTV!! 今回は宝石泥棒を捕まえるため八人のHERO達が………』

まるでプロレスやアメフトの実況のような声が町中に響き、周りの視線が街頭テレビに注目する。
そのテレビにはサイドカー付きのバイクに乗ったロボットのようなスーツを着込んだ赤と緑の二人組がジープに乗った男達を追いつめていた。
赤色のスーツの人ジープに飛び移り犯人二人組を取り押さえるとテレビ画面に400ptと表示される。

最初見たとき何かわからなかった映司だがすぐに何か思い出し呟く。

映司「HEROTV……」


自分が生まれる何十年か前に突如現れた【NEXT】と呼ばれる特殊能力者達がスポンサーロゴを背負って様々な事件を解決するTV番組のことだ。

テレビに映るHEROを見ながら映司はポッケに手を入れ、パンツに小銭と一緒に入っている割れたメダルを握りふと思う。

(変身できたら俺もあんな風にできたのかもな…)

そんなことを思いながら映司は寝る場所を探すためその場を後にする。


5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) 2011/10/12(水) 22:25:58.60 ID:MXPiVXmX0


日本、鴻上ファウンデーションのとある一室


『二人組の犯人を確保しバーナビーにポイントが追加されます!今期のKOHはバーナビーで決定か!?だが相棒のタイガーはなかなかポイントが………』

部屋に備えられたTVを見ながら赤いスーツを着こなした男はケーキに生クリームを掛けデコレーションを淡々としている。
少し離れた場所で無表情でファッション雑誌を読んでいる女性は時たま時計を目にし、またファッション雑誌を読む。

赤いスーツの男、『鴻上光生』はケーキの真ん中に三色のメダルを置くと静かにケーキの上に箱を被せ、丁寧にラッピングする。

鴻上「里中君!これを火野君に届けてくれ!!……新しい、HEROの誕生だ!!ハッピバースデイ!!!」

鴻上はそう叫ぶとケーキの入った箱を里中と呼ばれる女性に渡すと里中は箱を持って静かに会長室と書かれた部屋から出る。

里中が去ったあと鴻上はグラスにワインを注ぎゆっくりと口に運ぶ。

6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) 2011/10/12(水) 22:41:42.96 ID:MXPiVXmX0


次の日、アポロンメディアオフィス



虎徹「今シーズンはお前で決まりそうだな、バニー」

バーナビー「はい、だけど虎徹さんのおかげですよ。」

虎徹「俺?何でだよ?お前が自分で頑張ったからだろ?」

虎徹は不思議そうに聞き返す。

バーナビー「僕たちはコンビですよ、僕のポイントはあなたのおかげでもあります。」

バーナビーはそう言った後、付け足すように

バーナビー「だから虎徹さんのポイントは僕のおかげでもありますから。」

と冗談ぽく言うと互いに少し笑ったあと
PDAが鳴る。するとさっきまでとはまるで別人のような真剣な表情へ変わり
互いにHEROスーツを着用しに向かう。

7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) 2011/10/12(水) 22:52:59.08 ID:MXPiVXmX0
『さぁ!始まりました、HEROTV!今回の犯人は最近シュテルンビルドを騒がせている車泥棒だ!今回犯人が盗んだのは、なんと!軍の新型装甲車だ!!』

『銃弾をいとも簡単に弾く装甲車をHERO達は捕まえることができるのか!?………おっと、装甲車の目の前に居るのは西海岸の猛牛戦車、ロックバイソンだ!』


ロックバイソン「そんなハリボテの車なんて、俺の硬度とドリルでぶち抜いてやるぜ!うぉぉぉぉぉぉぉ!!」

ドリルを回転させ叫びながら装甲車に突進する……がひらりと装甲車に避けられ、バランスを崩してガードレールにぶつかる。


『おっと、ロックバイソン装甲車に避けられてしまった!自慢のドリルは見事ガードレールを突き抜けています。』
『そして折紙サイクロン、ロックバイソンを助けながら見切れています。』

8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) 2011/10/12(水) 22:57:21.41 ID:MXPiVXmX0


『場所は先ほどから変わって高速道路、依然として装甲車は逃走を続けています………ん、あのバイクは…』

『でたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!超人気バディHERO、バーナビー&タイガーだぁぁぁぁ!!』

実況のテンションが一気にあがり街中から歓声が聞こえる。

タイガー「タ・イ・ガー!!タイガー&バーナビー!俺が先だっ!」

バーナビー「どうでもいいですけど、アレどうします?機動力もだいぶ高いですよ。」

タイガー「そんなもん決まってるぜ、ハンドレットパワーで叩き潰す。そんだけだ。」

バーナビー「……それだけですか?」

タイガー「そんだけ。」

バーナビー「…わかりました。このバイクで装甲車の真横に行きますからそこで飛び移ってください。」

タイガー「頼んだぞ。バニー」

9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) 2011/10/12(水) 23:02:55.09 ID:MXPiVXmX0
そう言った後ワイルドタイガーが能力を発動させる。
五分間だけ身体能力を百倍にする【ハンドレットパワー】を使い装甲車の真横に来た瞬間
フロントガラスの近くに飛び移りドアを引きはがし犯人を捕まえようとした瞬間ワイルドタイガーの顔面にゴツリと何かが当たる。

タイガー「ん?」

バァンッ!

破裂音が車内に響きワイルドタイガーの眉間に銃弾が当たる。
それも結構大きな銃だったためワイルドタイガーは車外に飛び出し地面を転がっていく。

犯人A「ざまぁみろ!軍から新型の銃や爆弾も盗ってたんだよ!」

犯人B「こいつはおまけだ!受け取りなッ!」

犯人はそう言うとバケツに山盛り入れた手榴弾を道路にばらまく、ばらまかれた手榴弾は数秒後大爆発を起こす。

10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) 2011/10/12(水) 23:09:26.06 ID:MXPiVXmX0
犯人C「よっしゃこのまま今まで稼いだ金を持っておさらばしようぜ!」

犯人B「この装甲車と武器があれば怖い物なんてねぇぜ!」

犯人A「全くだ!………おいなんか前に居ることね?」


『おっと?装甲車の行く先にヘルメットを着けた謎の男が立っています。なんでしょう一般人でしょうか?』


ヘルメットを着けた男は素早く右側に付いたスキャナーを取り外し斜めにスライドさせ言う。

キンキンキン
?「…変身ッ!」

   タカ!

    トラ!

      バッタ!

 タットッバ! タトバ タットッバ!!

珍妙な歌が流れた後、男の姿が赤、黄色、緑を基調としたHEROのような姿の男が立っていた。
HEROTVを見ている全ての人々が驚く。

11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) 2011/10/12(水) 23:14:07.80 ID:MXPiVXmX0
犯人B「構うこと無ぇ!轢いちまえ!!」

犯人C「言われなくても!」

そう言って猛スピードで装甲車は轢きにくるが焦ることなくバイクから剣を取り出しメダルを三枚入れると再びスキャナーを手に取り
剣の横をスライドさせる。

トリプルスキャニングチャージ!!


「せいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

叫びながら謎のHEROは迫り来る装甲車を横に避けタイヤの半分から下を切り飛ばす。
両方のタイヤが無くなった装甲車は地面を擦りながら壁にぶつかる。

犯人A「糞!何だあのHERO、無茶苦茶しやがって!」

犯人B「ぶっ殺してやる!」

あまりの衝撃に運転をしていた犯人Cは気絶しているがAとBは無視して武器を持ち外に出て謎のHEROにマシンガンを撃ちまくる。
三色の謎のHEROは避けることなく自分に当たりそうな銃弾を腕のかぎ爪でたたき落とすと大空高く跳ぶ。
突然のことにあっけをとられた犯人達は謎のHEROを一瞬見失うがすぐに上を見る、が、時既に遅く目の前に降りてきた謎のHEROに武器を弾かれ
二人仲良く頭にデコピンを食らい倒れる。

12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) 2011/10/12(水) 23:16:25.87 ID:MXPiVXmX0
犯人B「構うこと無ぇ!轢いちまえ!!」

犯人C「言われなくても!」

そう言って猛スピードで装甲車は轢きにくるが焦ることなくバイクから剣を取り出しメダルを三枚入れると再びスキャナーを手に取り
剣の横をスライドさせる。

トリプルスキャニングチャージ!!


「せいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

叫びながら謎のHEROは迫り来る装甲車を横に避けタイヤの半分から下を切り飛ばす。
両方のタイヤが無くなった装甲車は地面を擦りながら壁にぶつかる。

犯人A「糞!何だあのHERO、無茶苦茶しやがって!」

犯人B「ぶっ殺してやる!」

あまりの衝撃に運転をしていた犯人Cは気絶しているがAとBは無視して武器を持ち外に出て謎のHEROにマシンガンを撃ちまくる。
三色の謎のHEROは避けることなく自分に当たりそうな銃弾を腕のかぎ爪でたたき落とすと大空高く跳ぶ。
突然のことにあっけをとられた犯人達は謎のHEROを一瞬見失うがすぐに上を見る、が、時既に遅く目の前に降りてきた謎のHEROに武器を弾かれ
二人仲良く頭にデコピンを食らい倒れる。

13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) 2011/10/12(水) 23:20:05.30 ID:MXPiVXmX0
二重投稿すいません。



『お~っと!犯人達を見事確保したのは………誰?』

実況が思わず素に戻る、その数秒後画面がいきなり黄色のスーツを着た男の映像に変わる。

鴻上『驚かせてすまない、シュテルンビルドの諸君!!私は鴻上ファウンデーション会長、鴻上光生だ!!』

  『今、見事犯人を確保したのは鴻上ファウンデーションからのNEW!HERO!!…その名は!!』

  『仮面ライダーオーズ タトバコンボ!!!』

  『彼の能力はベルトとメダルを使った変化能力、メタモルフォーゼ!!……彼はこの街とHEROTVに大いに貢献するだろう!!それでは私は失礼する。』


完全にHEROTVを電波ジャックした男、鴻上光生は言いたいことを言って画面から消える。


『え~っと……今シーズン最後にポイントを稼いだのはNEWHERO仮面ライダーオーズだぁ~!!』

若干戸惑いながらもいつものようなテンションで叫び今シーズンを締めくくる。

28: ◆lyUlZTXcIM 2011/10/13(木) 20:34:27.75 ID:L+Z18gPo0
 

大量の手榴弾の爆発に巻き込まれたタイガーのHEROスーツは少し汚くなっただけですんだ、
HEROスーツを脱いだ虎鉄とバーナビーはトレーラーの中にあるテレビを見る。

虎徹「何だアレ?」

バーナビー「新しいHEROですか……」

虎徹「そりゃわかるけどさ…」

バーナビー「まぁ良いじゃないですか、それよりもうすぐ表彰式始まりますよ、虎徹さん。」

虎徹「お、おう……って俺このホコリまみれのHEROスーツでいくの!?」

バーナビー「…このタオルで拭いとけって斉藤さんが言っていましたよ。」

そう言いバーナビーは虎徹にタオルを渡すと先に表彰の舞台に行く。


29: ◆lyUlZTXcIM 2011/10/13(木) 20:39:07.75 ID:L+Z18gPo0
バーナビーが立ち去ってしばらくした後PDAが表彰がもうすぐ開始することを知らせる
虎徹は急いで、綺麗になったHEROスーツを着込み表彰の舞台に向かおうとして
外にでた瞬間、誰かとぶつかり相手を突き飛ばしてしまう。

タイガー「おっと悪りぃ、怪我ないか?」

?「あ、はい大丈夫です。……すいません表彰の舞台ってどこか教えていただけませんか?」

タイガー「ん、HEROTVの関係者か?」

?「はい、まぁ…そんなところです。」

タイガー「ちょうど俺も急いでいくとこでな、着いてこい!…ワイルドに……走るぜ!!」

30: ◆lyUlZTXcIM 2011/10/13(木) 20:42:08.50 ID:L+Z18gPo0



?「あの~俺も着替えた方が良いんでしょうか?」

タイガー「まぁ関係者はみんなスーツだからなぁ、その格好じゃアレだろ。」

?「そうなんですか、…じゃあ何でタイガーさんはHEROスーツなんですか?」

タイガー「そりゃあ、なんてたって俺はHERO、ワイルドタイガーだからな!」

?「なら俺もHEROスーツでいいんですね……変身ッ!」


タカ、トラ、バッタ、タットッバ! タトバ タットッバ!!


タイガー「へっ?」

オーズ「急ぎましょう、タイガーさん。」

タイガー「お前が………さっきのNEWHERO!?」

39: ◆lyUlZTXcIM 2011/10/21(金) 20:00:06.05 ID:BPcqjzy80
 


オーズが登場する一時間前、

映司「……もう夕暮れかぁ…」


映司はそう呟くと公園の周りを歩き、寝る場所を探そうと周りを見る。
すると突然タクシーが目の前に止まり中から綺麗にラッピングされた箱を持ったよく知っている女性がおりてくる。

里中「火野さん、会長からのプレゼントです。」

映司「里中さん!?お久しぶりです!…って、俺にプレゼント?」

里中「はい。今までのメダルやカンドロイド、ライドベンダーなどの礼をして欲しいと会長が。」

映司「…っていわれてもなぁ…お金もないし………あ!もしかして俺のパンツですか!これならプレミアムバンダイで…」

映司の話を無視しつつ里中は箱を渡し小型テレビを用意し鴻上からの映像を映し出す。

40: ◆lyUlZTXcIM 2011/10/21(金) 20:05:41.08 ID:BPcqjzy80


映司「鴻上さん!お久しぶりです。」

鴻上『久しぶりだね火野君!まずはその箱を開けてみたまえ!!君にはソレを使ってあることをして欲しい!!』

映司が箱を開けると、お店に売っているようなケーキの中央に自分が欲する、
いや欲していた力、三枚のメダルが乗せてあった。

映司「これって…!?」

鴻上『そうDr真木ィ!との戦いで砕けてしまった十枚目のタトバコンボだよ!!』
  『今回我々はコアメダルの復元に成功した!ほかにもグリードの意志のあったメダルも復元してみたが…残念だが意志は戻らなかった、
   …そして君にはこのメダルを使ってHEROをやって貰いたい。事件が起きたらド派手な登場をしてくれたまえ!火野君!!』
   『ああ、それとライドベンダーは何処かに止めてあるはずだ!!期待しているよ。』

会長が言い終わると映像が消え、里中は映司にHEROとしての情報が書かれたメモと二十枚くらいのセルメダルを渡しペコリとお辞儀をしてその場を去る。


映司「…ド派手な登場って言ってもなぁ…第一俺がHEROかぁ……とりあえずメモを読んでおこうかな。」

41: ◆lyUlZTXcIM 2011/10/21(金) 20:14:27.62 ID:BPcqjzy80

映司「………すっごい文字の量だなぁ…ふんふん俺のNEXT能力…って俺NEXTじゃないのに…」

映司「…よし!じゃあそろそろ行こうかな…………」









そして事件後
表彰会場にて、

マーベリック「今シーズンのKOHは…印象的なデビューを果たしたバディHREOのバーナビーブルックスJrだ。おめでとう。」

バーナビー「ありがとうございます。」
ワーワーキャーワー

マーベリック「……そして先ほどTVジャックという強烈なデビューをした、NEWHERO仮面ライダーオーズ!!」
      
マーベリックが言うと舞台袖からオーズが出てきて観客に向かいお辞儀をする。

マーベリック「彼のNEXT能力は【メタモルフォーゼ】ベルトと共に使うことにより強力な力を身につけることのできる能力です。」
      「新しいKOHとNEWHERO、そして他のHERO達と共にこれからもHEROTVを通してシュテルンビルドの平和と安全を守っていきましょう!」
                                                
ワァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!

43: ◆lyUlZTXcIM 2011/10/21(金) 20:21:21.97 ID:BPcqjzy80


表彰式後、トレーニングルームにて、


ブルーローズ「で、何で私達ここに集められてるわけ?」

ファイヤーエンブレム「あら、あんた知らないの?例のNEWHEROの挨拶とMsアニエスからの今後の方針についてよ。」

ドラゴンキッド「楽しみだな~」

スカイハイ「NEWHEROか…楽しみだ!そして、楽しみだ!!」

折紙サイクロン「………」

虎徹「どうした折紙?元気ねぇぞ?」

折紙サイクロン「…だってNEWHEROの能力って僕のよりすごいし……」

バーナビー「何を言っているんですか折紙先輩。彼の能力はあの姿にしかなれませんけど、折紙先輩は何にでも擬態できるじゃないですか。」


?「失礼します。」

HERO達が話している時三回のノックと共にドアを開けてアニエスとエスニック風の服装の青年が入ってくる。

44: ◆lyUlZTXcIM 2011/10/21(金) 20:30:24.10 ID:BPcqjzy80
 

エスニック風の服装の青年はペコリとお辞儀をするとHERO達に自己紹介する。

映司「どうも、仮面ライダーオーズの火野映司です。よろしくお願いします。」
  
アニエス「本日付でHEROTVの新メンバーになったからみんな、よろしくね、じゃあ今後の方針はこのファイルにまとめてあるから目を通しておいてね。」

そう言ってHERO全員にファイルを渡しアニエスは部屋から出て行く。


虎徹「しっかし新HEROが俺と同じ日本人かぁ…」

折紙サイクロン「日本人!?」

映司「はい、ちょっと前までは日本に住んでました。」

折紙サイクロン「ってことはニンジャは!?サムライは!?あったことあるんですか!?」

映司「う~ん…侍と忍者は会ったこと無いけど将軍様ならありますよ。」

折紙サイクロン「ホントでござるか!?」


ドラゴンキッド「さっきまであんなに落ち込んでたのに…」

バーナビー「それだけ日本が好きなんでしょうね。」

ファイヤーエンブレム「なかなかハンサムじゃない……嫌いじゃないわ。あの子」

ロックバイソン(後でファイヤーエンブレムには気をつけるよう言っとくか……)

45: ◆lyUlZTXcIM 2011/10/21(金) 20:38:39.22 ID:BPcqjzy80

談笑&質問攻めの後

ブルーローズ「あ、私そろそろ時間だから帰るね。」

ファイヤーエンブレム「あらやだ!もうこんな時間!?」

スカイハイ「うん、ではそろそろ帰ろうか!みんな夜道には気をつけて!」

虎徹「…あれオーズ、お前帰らねぇの?」

映司「俺は家がないので今日はここで寝させて貰っていいですか?」

一同「「えっ!?」」

ドラゴンキッド「まさかホームレス!?」

ファイヤーエンブレム「…ドラゴンキッド、あんたストレートすぎるわ。」


映司「…あれ、ここで寝たら駄目ですか?」

バーナビー「別に問題はありませんが…」

スカイハイ「家がないって言うのは……」

映司「ああ、俺色んなとこ旅してたから自分の家が無いんです。」

家がないと言う発言に一瞬周りが凍り付いたがあっけからんに言う映司を見てHERO達は少し安心する。

46: ◆lyUlZTXcIM 2011/10/21(金) 20:41:30.97 ID:BPcqjzy80
虎徹「う~ん……そんだったら俺ん家にくるか?」


  「その必要はないよタイガー君」


そう言いながらトレーニングルームに入ってきたのはHEROTV代表取締役のマーベリックだった。

虎徹「マーベリックさん…!その必要は無いってどういうことですか?」

マーベリック「なに、彼の事情を考慮して家を用意させて貰ったからね、オーズ君これがそのマンションの鍵だ」

映司「ありがとうございます!マーベリックさん」

マーベリック「何、このくらいのことならいつでも言ってくれ。」

映司は鍵とマンションの地図を貰いマーベリックにお辞儀をする。

スカイハイ「これでオーズ君の問題は無事解決だな!さぁ我々も帰ろう!!」

スカイハイがそう言い皆トレーニングルームから出る。
映司は外に出た後駐めてあったライドベンダーに乗ってマンションに向かう。

47: ◆lyUlZTXcIM 2011/10/21(金) 20:46:26.68 ID:BPcqjzy80




マーベリックは自室入ると紅茶をいれゆっくりと飲みながら椅子に座る。
すると突然、マーベリックの携帯に電話がかかる。携帯を手に取り電話に出る。

「私だ、」

「直接話すのはこれが初めてかなMtマーベリック、いや、ウロボロス。」

「…誰だね、君は、ふざけているのかね?」

「申し遅れた、私は鴻上ファウンデーション、会長の鴻上光生だ。」

「…【スポンサー】が何のようかね…?」

「いやなに、少し警告をしようと思ってね」

「警告…?」

「そう、君の欲望は素晴らしい!!…が同時に危うくもある。」
「もし、もしも君が我々に牙を剥く場合……今の君の立場は無くなると思いたまえ。」
「たとえば……計画にない存在を調べるため監視付きのマンションを用意するなど……」

「…!!」

「だが君が私の欲望を邪魔しないというのなら、今までどうり【スポンサー】を続けよう、悪くない話と思うが…どうだね?」

「……わかりました、ではこれからもよろしくお願いします。」

マーベリックがそう言うと鴻上との電話が切れる。
思わず歯ぎしりをした後、監視を退かせるようマーベリックは電話をかける。

48: ◆lyUlZTXcIM 2011/10/21(金) 20:52:51.12 ID:BPcqjzy80


次の日、トレーニングルームにて。


虎徹「よう!ファイヤーエンブレム、いやー外すっげぇ雨だな、もう全身ずぶ濡れだぜ。」

ファイヤーエンブレム「ならアンタもあそこで乾かしてきなさいよ。」

虎徹「あそこ?」

ファイヤーエンブレムが指を差した場所はトレーニングルームだった。
しかも現在使用中を知らせるランプが光っている。とりあえず虎徹は中にはいると
まるで太陽の光のような眩しさで一瞬目を瞑る。

「あ!おはようございます。タイガーさん。」

聞き覚えがある声を聞き、目をゆっくりと開けるとそこにはド派手なパンツ一丁の火野映司がいた。

虎徹「何やってんだよ!お前!」

映司「朝ここに来る途中すっごく雨が降ってきてずぶ濡れになっちゃて……ファイヤーエンブレムさんに何か乾かすものはないですかって聞いたら
   ここを使えばいいって教えて貰って…すごいですねこれ!パンツも服もすぐ乾きますよ!タイガーさんもどうですか?」

虎徹「…まぁ確かに服も乾くけどさ……そのなんて言うかな…まぁ俺はだいぶ乾いたしいいや、ちゃんと服来とけよ。」

そう言って虎徹はトレーニングルームから出るとポツリと呟いた。

虎徹「おじさん、最近の若い子がよくわかんねぇや………」

49: ◆lyUlZTXcIM 2011/10/21(金) 20:56:33.19 ID:BPcqjzy80
同時刻、とある病院にて

ふらふらと病院から出てくる男の目は死んだ魚のようで気力が感じられない
ふと男は街頭テレビに目を向けると、シュテルンビルドの銀行のCMが流れていた。それを見て男はポツリと呟く。

「もう…これしかない………」

男は目を青く光らせ、ゆっくりと銀行へ向かい歩いていった。

69: ◆lyUlZTXcIM 2011/10/28(金) 20:15:14.50 ID:JZ1CPcyL0

夜六時

虎徹達が話していると、急にPDAが鳴る。

『ボンジュールHERO、事件よ、まったく日曜日の夜6時から銀行強盗なんて……最高じゃない!」

虎徹「よし、いくぞバニー!」

バーナビー「今日こそは何も壊さないでくださいよ、虎徹さん」

虎徹「大丈夫、大丈夫、わかってるって!」

TIGER&BUNNYを先頭にほかのHEROもスーツを着に走っていく、映司は走りながらベルトにメダルを入れる、そして右側に付いているスキャナーを取り外し斜めにスライドさせ言う。

映司「変身ッ!」

タットッバ!タトバ タットッバ!!

独特の歌が流れオーズへと変身した映司は外のライドベンダーが駐めてある駐車場に向かい走る。

70: ◆lyUlZTXcIM 2011/10/28(金) 20:27:45.82 ID:JZ1CPcyL0

『さぁー始まりましたHEROTV!!今回の犯人は銀行強盗です!しかも今回の犯人はどうやらNEXTとの情報です、HERO達はどう対処するのか!』


男「クソッ!どけどけッ怪我してぇのか!」

覆面を被った男は金がこんもり入ったリュックサックを背負いながら歩道を走る。
男の指はまるで十徳ナイフのように親指は鍵、人差し指はナイフ、中指はヤスリ、薬指は+ドライバー、小指はラジオペンチと、
様々な工具になっていた。

「ここからは一歩も通さないでござるよ!」

そう言って男の目の前に立ちふさがったのは折紙サイクロンだった。
男を捕まえようと近寄ると男の手が握り拳分くらいの鉄球に変わり、勢いよく腕を振り回す。
折紙サイクロンはとっさに避け次の攻撃に備え巨大な手裏剣で防御の態勢をとる。

しかし男は折紙サイクロンを攻撃することなく近くに駐めてあった車に向かっていった。

男の親指が液体のような金属に変わると鍵穴に親指ごと差し込む。
するとすぐにドアが開き男は中に入ると完全に鍵へと形を変えた親指を鍵穴に入れ車を発進させる。

71: ◆lyUlZTXcIM 2011/10/28(金) 20:34:53.63 ID:JZ1CPcyL0


『おーっとどうやら犯人は体を金属に変えるNEXTのようだ!』

『金属の強靱な体を自在に操る強力なNEXT相手にHERO達はどう立ち向かうのか!?』

男「くそっ!金属にできるのは手だけだっつうのに好き勝手言いやがるっ!」
犯人がそう言い捨てたそのとき後ろから沢山の車の間を勢いよく走り抜け一台のバイクが現れる

『おっと、犯人の後ろから迫ってくるのは…NEWHERO仮面ライダーオーズだ!!』


タカアイで犯人がどこにいるか確認し速度を上げながらほかの車の間を通って男の車の真横につくと窓ガラスをノックし男に話しかける。

72: ◆lyUlZTXcIM 2011/10/28(金) 20:46:11.67 ID:JZ1CPcyL0
オーズ「もうこんなことはやめて止まってください!」

男「うるせぇ!邪魔をするなぁ!」

オーズ「そういう訳にはいきません!何でこんなことするんですか!?」

男「何でって…そりゃ……っ!金のためだ!」

男は一度言葉を飲み込んだ後オーズに言う。


オーズ「そんなお金って……っ!止まってください!」

行き止まり、それをいち早く知った映司はライドベンダーの速度を落とすが、
目の前を見ていなかった男は壁に当たる直前で気づき急ブレーキを踏むが間に合わない、男はとっさに目を瞑る。
正面衝突の凄まじい衝撃が来る、そのはずなのに車が大きく揺れただけ
不思議に思い目を開け窓の外を見るとヒビのはいった壁と前がひしゃげた車の間にオーズがいた。


正面衝突する前にオーズが跳び、壁と車の間に入り衝撃を吸収したのだ。

73: ◆lyUlZTXcIM 2011/10/28(金) 20:58:31.56 ID:JZ1CPcyL0
オーズはよろりと車と壁の間から出てきて、車に中にいる男に近づくとゆっくり言う。

オーズ「…大丈夫ですか?」

よろりと車から出てきた男はその後すぐにオーズにもたれかかるように倒れ気を失う。


『オーズ、犯人を確保しポイントゲットです!さすがNEWHERO!!
 その勢いはとどまるところを知りません!!』


実況がそう言ったしばらく後、犯人が警察に連行される。
シトシトと雨が降る中、警察に連行される男の後ろ姿をオーズは静かに見ていた。

83: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/04(金) 20:09:31.24 ID:oQBtjAnA0

シュテルンビルド内 刑務所

映司「…ありがとうございました。」

警察官に向かいお辞儀をし外に出るとふぅ、と息を吐き映司はライドベンダーの駐めてあるところへ歩く

勿論映司が刑務所のお世話になっていたと言う訳ではなく、とある人物に会いに行っていたのだ。
その人物とは以前、事件でオーズが確保した手を金属に変えるNEXTの男だ、
その男が『オーズと面会がしたい』と言う話を聞き映司は刑務所に来たのだった。
そして映司は男の話を聞き、しばらくした後男に別れを告げ現在に至る。

映司「…俺の手の届く範囲でできることをしよう…」

そう呟き映司はライドベンダーを走らせる。

84: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/04(金) 20:15:48.35 ID:oQBtjAnA0
トレーニングルーム。


映司「すいません、遅れました!」

扉を勢いよく開け息を切らしながら映司がトレーニングルームに入ってくる。

ファイヤーエンブレム「あら、今日は遅めなのね。」

ドラゴンキッド「遅れたって……もう夜だよ?」

折紙サイクロン「どうかしたんですか?」

映司「いえ、ちょっと用事があったんで……ところでさっきやけに不機嫌そうなブルーローズさんに会ったんですけど、何かあったのですか?」

ロックバイソン「テレビ見てみな。」

ロックバイソンが映司に言いながらテレビに指をさす、
テレビ画面にはTIGER & BARNABYが出演しているCMの最後に大きく
『超人気HEROのTIGER & BARNABYの特製カードが付いてくるTIGER & BARNABYソーセージ&ウィンナー発売中!!』
と、映っていた。

85: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/04(金) 20:26:49.98 ID:oQBtjAnA0

映司「へ~HEROって色々やってるんですね!」

ロックバイソン「まぁ俺みたいに何もない奴もいるけどな……」

ファイヤーエンブレム「まぁまぁ、落ち込みなさんな。」

映司「でもこれとブルーローズさんになんの関係が?……あっ!もうこんな時間か、すいません俺ちょっと用事があるので先帰ります。」

ファイヤーエンブレム「いつでも来れるようにPDAはちゃんとつけときなさいよ。」

映司「わかりました、じゃあ失礼します。」

そう言い去っていく映司をHERO達は見送る。

86: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/04(金) 20:48:21.58 ID:oQBtjAnA0
次の日
アポロンメディア社内


ロイズ「ふぅ……NEWHEROねぇ……」

アポロンメディアに勤務しているアレキサンダー・ロイズはHEROグッズの売り上げ表を見て溜息を吐く。
別に自社の売り上げが落ちているわけではない、むしろ鰻登りの真っ最中だ。
ロイズが吐いた溜息はライバルのとある企業の売り上げ表を見てだ、何故他の企業の売り上げ表が混ざっているのかはわからないが
たぶんあの鴻上とか言う男の仕業だろう。見せつけてきたのだ、自分の会社の成果を。

話を戻すとその表に書いてあるグッツの売り方がとてもうまいのだ。
NEWHERO仮面ライダーは特殊なベルトを着けている。そのベルトを玩具として売る。
値段は少し高めだが完成度は高く、HEROTVでオーズの活躍を見ていたら欲しくなる気持ちもわかるが大人も買っていくのだ。
私も一つ日曜日に朝から玩具屋に並んで買ってしまった。

そしてかなりの売り上げを誇る理由の一つに他のHEROのなりきり玩具がほぼ無いのだ。
だからあんなにも売れるのだろうか?

うかうかしていられない。そう思い気を引き締め新しい商品展開を考えようとしたとき、

87: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/04(金) 20:53:23.16 ID:oQBtjAnA0
すいませ~ん、掃除の者ですが、入っても宜しいでしょうか?」

ロイズ「ああ、入りたまえ。」


バイトの掃除係を部屋に入れると
目の前にいる男をみてロイズは驚いた。

ロイズ「…なぜ君がここに……!?」

映司「え、はい先日からバイトとして働かせて貰っています。」

ロイズ「いやいや、そうでは無くてHEROの君が何でバイトなんか…?」

映司「…それは…う~んなんて言うのかな~」

ロイズ「いや、まぁ言いたくないなら別に良いんだけどね……」


正直ロイズは疑問に思う、オーズは今話題のNEWHEROだ。しかも売り上げやスポンサーへの貢献もしているのも
先ほどの売り上げ表を見れば十分だといえる。お金にはバイトをしなくても困らないはずだ。なのに何故?


そんなことを考えていると映司は部屋の掃除を終わらせ去っていく。
綺麗になった部屋の中でロイズはただ黙って映司の後ろ姿を目で追っていたがすぐに我に戻りまた商品戦略を考える。

88: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/04(金) 20:57:19.77 ID:oQBtjAnA0

後日
正午、焼き肉屋『牛角』にて


「ロックバイソン君、君には俗に言うアンチというのが他のHEROに比べ少ない、私もそこは素直に評価しよう
 ……だがね、君は同時にファンも少ないんだよ。そろそろ活躍してもらわないとスポンサーとしても困るんだ。
 わかってくれるね。ロックバイソン君。」

ロックバイソン「……はい、失礼します。」


いつもは迫力のあるHEROスーツに身を包んでいるロックバイソンも今は私服姿、
そしてスポンサーに何度か頭を下げているその姿は端から見てもHEROには見えなかった。
ロックバイソンはスポンサーのお偉方に一礼した後、部屋から出て行く。
かなり大きい溜息がこぼれる。最近はあまり活躍ができていないのでスポンサーからの言葉もだいぶ刺々しいものになってきた

また溜息と同時に腹の音が鳴る。ふと時計を見るともう1時半だった、せっかくだから昼食にはここで食べよう。
そう思い店内に入り席に着く。
せっかくの焼き肉だ、一人で食べるのは少し寂しい、誰か他のHEROを誘ってみたが全員仕事があると言われ断られた。
オーズの電話番号は知らないため呼べない。本日何度目かわからない溜息を吐き、店員を呼ぶ。

89: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/04(金) 21:07:19.30 ID:oQBtjAnA0

映司「えっと、ご注文をどうぞ」

ロックバイソン「ああ、ハラミとホルモンと……ってお前!オーズ!?」

映司「ロックバイソンさん!?こんなところで…って『牛角』だからですもんね!」

ロックバイソン「…まぁ細かいことはどうでもいいからよ、俺のおごりで一緒に飯食わないか?」

映司「すいません!俺バイトですから………」

ロックバイソン「そうか……」

映司「とりあえず、もう一度注文お願いできますか?」

ロックバイソン「ああ、悪るい。えっとハラミとホルモンと………」

90: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/04(金) 21:14:29.74 ID:oQBtjAnA0

数日後、トレーニングルームにて。


ロックバイソン「…そういえばこないだ飯食いに行ったときに、
        店員を呼んでメニューを頼もうとしたらそれがあいつでさ、すっげえ驚いたぜ。」

折紙サイクロン「僕もスシバーに行ったときお皿洗っているオーズさんを見ました。」

スカイハイ「そう言えば私もスーパーで働いている彼を見たぞ!彼は働き者だね!」

ドラゴンキッド「ぼくも引っ越し屋で働いているって聞いたよ。」

ブルーローズ「オーズが働いてるととこ私も見たわ、」

ファイヤーエンブレム「何、アンタ達そんなにあの子を見てるの?てっきり私の会社だけでバイトしているかと思ったわ。」

ロックバイソン「ちょっと待て、今聞いただけで6つもバイトしてるってことか?」

91: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/04(金) 21:19:50.44 ID:oQBtjAnA0
映司「こんにちは!……って、なにかあったんですか?」

ファイヤーエンブレム「……アンタ今いくつバイトしてるの…?」

映司「え~と、8つくらいですけど?」


映司の発言にその場にいたHERO達は驚く
だがHERO達が一番驚いたのは映司自身がまるで当たり前のように言ったことだった。

ファイヤーエンブレム「…アンタそんなに生活に困ってるの?」

映司「いえ、何も困ってませんよ。」

ドラゴン「じゃあ何でそんなにアルバイトしてるの?」

映司「う~ん、それは………」

ロックバイソン「もしかしてただ金が欲しいとかか?」

映司「…まぁ、それもありますけど…実は…」


映司が続きを言おうとしたときトレーニングルームの壁に備え付けられたTVの音量が上がる。

92: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/04(金) 21:23:40.17 ID:oQBtjAnA0
『さあ、今日のゲストは話題沸騰中!人気絶頂!の爽快バディHEROコンビの……TIGER & BARNABYですッ!!』
『いや~どうですか?初のHEROコンビとしてデビューしてからだいぶ経ちましたが何か変わった出来事とかは?』

タイガー「いやー変わった出来事ですか、そりゃ俺がランキング4位になったってことですかね」

バーナビー「僕はそうですね……尊敬する人が父と母以外にもできたってことですね。」



映司「最近、タイガーさんもバーナビーさんもあんまり見ないと思ったらTV番組に引っ張りだこだからなのか…」

ロックバイソン「あいつら今すっげえ売れてるからな。………おれもああなりたいな…」

ファイヤーエンブレム「……アンタも大変ね。」

映司「あ、TIGER&BARNABYさん達で思い出したんですけどブルーローズさんの不機嫌の理由って?」

ファイヤーエンブレム「フフ、寂しいのよ。」

ブルーローズ「誰がよ!」

ファイヤーエンブレム「あら、聞いてたの?」

ブルーローズ「別に私はタイガーなんていなくても寂しくなんかないわよ!」

ファイヤーエンブレム「私は別にタイガーなんて言ってないわよ?」


ファイヤーエンブレムがそう言うとブルーローズの顔が赤くなる。

93: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/04(金) 21:26:41.63 ID:oQBtjAnA0
と同時にブルーローズのPDAが鳴る。アニエスからの電話だ。

アニエス『ブルーローズ突然だけど今度TIGER&BARNABY達と新曲を歌ってもらうことになったんだけど…』

ブルーローズ「はい…って…え!?」

アニエス『ダンスとかがあるからバーナビーはともかくタイガーにはしっかり教えてね、じゃあ』

そう言ってアニエスは場所と日時を伝え電話を切る。

その後ブルーローズは少しぶつくさ呟いた後嬉しそうに出て行った。

ファイヤーエンブレム「嬉しそうね、あの子、もっと素直になればいいのに。」

映司「あ!そう言うことですか。」

ファイヤーエンブレム「…まだ気づいてなかったのアンタ?」

映司「すいません…でも格好いいですからね、バーナビーさん。」

ファイヤーエンブレム「…もうそれで良いんじゃない…」

映司「?」

110: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/12(土) 08:48:54.58 ID:VYtBWdjZ0
寝坊しました。すいません


数日後、

映司「インタビュー…ですか?」

アニエス『そう、せっかくのNEWHEROなのに色々あって遅れたけど、まぁ良いわ。
     まず他のHERO達にあなたの印象とか聞いてるから適当に何言うか考えといてね。
     後、顔隠すならサングラスでもいいから用意しておきなさいよ』

映司「え、あ、は…はい!」

アニエス『あなたのおかげで視聴者の高年者層と子供層が増えたのよ。これからも期待してるわよ。』

映司「あっありがとうございます。」

アニエス『あなたのインタビューは一時間後だからそれまでに準備してなさい。』

アニエスからの電話が切れ映司はフゥと一息吐く、
腕時計よりも薄く、軽いPDAはテレビ電話もできることに驚きを感じる。
アイツの形見であるタッチパネル式の電話より高性能だ。
でもこれはこれで愛着もあるし何より、
比奈ちゃんや信吾さんに知世子さん、伊達さんに後藤さんや里中さん、鴻上さん達からのTV電話は楽しみの一つだ。
そしてみんなに会えたのも全部アイツのおかげだ。

111: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/12(土) 08:50:54.30 ID:VYtBWdjZ0
スカイハイ「オーズ君、ボーッとしてないで顔を隠す物を用意しなくていいのかい?」

映司「えっ!そう言えば…う~んどうしよう……」

ロックバイソン「俺のサングラスでも使うか?」

映司「いいんですか?…じゃあお借りします。」

ドラゴンキッド「でもそのサングラス大きすぎない?」

スカイハイ「大は小を兼ねると言うがこれは少し……」

ロックバイソン「俺のじゃあ駄目か……」

112: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/12(土) 08:51:43.78 ID:VYtBWdjZ0
映司に合う物を探している最中、
トレーニングルームのドアが開く。

虎徹「よぉ!、久しぶりみんな、いやーもうすぐコンサートの本番でさ緊張するぜ。」

ドラゴンキッド「タイガー!」

虎徹「よう、ドラゴンキッド…ってなにしてんだアイツら?」

ファイヤーエンブレム「実は…ってそうだアンタのマスク貸しなさいよ。」

虎徹「え、別に良いけどよ、ちゃんと返せよ。」

映司「ありがとうございます、タイガーさん。」

スカイハイ「おお!ピッタリじゃないか!」

ドラゴンキッド「うん、似合うよ。」

虎徹「……なぁアントニオ、今どういうことになってんだ?」

ロックバイソン「あいつのインタビューがあるからよ顔を隠す何かしらを探してたってわけだ。」

虎徹「ふーん…それで俺のマスクか…」

113: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/12(土) 08:53:04.19 ID:VYtBWdjZ0
一時間後

アニエス「本番開始!3、2,1、始まるわ!」


『さぁ今日はHREOTV生放送スペシャルです!NEWHERO仮面ライダーオーズに迫る
 スペシャルインタビュー&人気HEROの三人が歌うBTBコンサートの様子を生でお届けします!
 まず最初にNEWHERO仮面ライダーオーズのVTRをどうぞ』

実況がそう言うとTV画面にオーズの活躍をまとめたVTRが映される。
VTRが終わると画面が変わりTVスタジオに戻るとHEROTVの実況であり司会なども勤めるマイクが言う。

マイク『さぁVTRも終わり、皆さんお待ちかねのゲスト、NEWHERO仮面ライダーオーズ!!』

その瞬間拍手と共に舞台袖から
ワイルドタイガーのマスクを着けた映司が現れる。
映司は周りに向かい何度かお辞儀をしてから席につく。

114: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/12(土) 08:53:41.15 ID:VYtBWdjZ0
マイク『おや、オーズは顔を隠すためのマスクを付けているがあのデザインは何処かで見たことがあるぞ!」

映司「あ、このアイマスクさっきタイガーさんに貸してもらったんですよ。」

マイク『なんとNEWHEROオーズはもう他のHERO達とも仲良くなったようだ!』

マイク『そろそろ皆さんからの質問を彼に聞こうか、…まず最初の質問は…
    「どうして歌が流れるの?」…これは皆さん知りたかったはずです。さぁどんな理由でしょうか!?』

映司「えっと…実は俺もよくわかんないんですけど初めて聞いたときは俺も驚ろいたんですけど、
   『歌は気にするな!』ってある奴に言われてからは特に疑問を抱かなくなりました。」

マイク『そうなんですか!残念、歌については迷宮入りだ…!さぁ気を取り直して次の質問。』



115: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/12(土) 08:54:59.63 ID:VYtBWdjZ0
インタビューを開始してから数十分後、
スタッフがカンペを取り出し、締めにはいって欲しいとマイクに伝える。

マイク『さぁ楽しかった時間もそろそろ終わりが近づいて来ました。最後の質問です、
   オーズさんは犯人確保より圧倒的に人命救助や近隣の被害を防ぐのを優先してますがそれはどういった気持ちで行っているんですか」』

一秒にも満たない沈黙の後、映司は静かに答える。

映司「…俺は誰かが助けを求めて手を伸ばしているのに俺が手を掴まなかったら
   多分これからずっと後悔する。それが嫌だから自分の手の届く範囲でできることをしてるだけ、
   でもどうしても俺の手だけじゃ届かないって、時は誰かと手を繋げば届くってわかったんです。
   …だから俺はHEROだから犯人を捕まえる、じゃなくて誰かを助けたいから、困ってる手を掴みたいから俺はやってるだけです。」
   

HEROTVを見ている人達が静まりかえる、何も言わない。
TVに映る映司を見る人の目は真剣そのものだった。

マイク「……」

マイクは映司の言葉を聞き静かに拍手する。
観客もTVを見ている人も皆拍手をする。スタジオを、ビルを、街を拍手の音が埋め尽くす。

オーズのインタビューが終わった。映司は観客に拍手され何度かお辞儀をしてから席を立つ。

マイク『今回のスペシャルゲストNEWHERO仮面ライダーオーズでした!今一度大きな拍手を!』

映司は大きな拍手を全身に感じながらスタジオから去る。
映司が去った後もしばらく拍手は続いていた。




116: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/12(土) 08:55:42.51 ID:VYtBWdjZ0
アニエス「あの子……」

ケイン「NEWHERO、なかなか良いこと言いますね…」

アニエス「そんなことより、BTBライブの前座だから期待してなかったけど…なかなか視聴率稼いでくれたわね。」

ケイン「……そっすね…」

アニエス「それはともかくCM終わったらBTBライブよ!準備は!?」

スタッフ1「OKです」

アニエス「CMあけ五秒前よ、4、3,2,1。」


『さぁ!皆さんお待ちかねのBTBライブ、いよいよ始まります!ではBTBに大きな拍手を!!』

117: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/12(土) 08:56:35.94 ID:VYtBWdjZ0
楽屋裏

警備員「……ん、なんだドアが勝手に…」

警備員が立っていると急に目の前のドアが開く誰かいるのかと周りを見るが誰もいない。
ドアが古いからか、と解釈しまた警備に戻る。


楽屋の廊下、今の時間はBTBのライブを聴いてるからか人が居ないのにヒタヒタと足音が聞こえる、
スタッフ用のトイレのドアが独りでに開き、キィと音を立てて閉まる。
トイレの中誰もいないのを確認すると急にブルーローズの姿をしたきゃしゃな男が姿を現す。

?「はぁ、はぁ…あーびっくりした、でも楽屋の警備ってやっぱりどこも薄いんだな…」

ブルーローズの姿をした男、ライオネルは静かに呟くと思いっきり息を吸い込み口を手で押さえると姿が消える。

118: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/12(土) 08:57:58.79 ID:VYtBWdjZ0
映司「ふぅーあれで良かったのかな…」

映司はそう呟きながら楽屋の廊下を歩き自分の楽屋に戻ろうとしドアを開けると突然なにかにぶつかる。
映司はスタッフにぶつかったと思いとっさに謝るがそこには誰もいなかった。
不思議に思ったが誰もいないことを確認すると自分の楽屋の中に入る。

ドアが閉まった瞬間誰もいない廊下から急にライオネルが姿を現す

?「痛ったぁ~なんだよアイツ、スタッフか!? …でもとりあえずブルーローズの楽屋はどこだよ…ってヤベッ…」

ライオネルが小声で喋っているとどたどたと足音が聞こえてきて思いっきり息を吸い全身が透明になり走り去る。


119: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/12(土) 08:59:30.33 ID:VYtBWdjZ0


映司はバイトで貯めたお金を確認していると、見覚えのないHEROスーツを来た人達が楽屋に入ってくる。

二軍ヒーロー「スタッフさん、すいません、ここらに楽屋泥棒がいるらしいんですけど怪しい人影を見ませんでしたか?」

映司「う~ん見てないなぁ、あと俺は「ありがとうございました!」スタッフじゃないよ……って行っちゃった。」

途中で言葉を遮られ映司は少し肩を落としたが、何か喉が渇き水を買おうとして廊下に出ると声をかけられる。

スタッフ「おーい、こっち人手が足りないんだ手伝ってくれ~」

映司「そんなにスタッフに見えるのかなぁ……」

映司は呟いた後、少し小走りで手伝いに行った。

125: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/19(土) 07:55:43.02 ID:K/jVsO730


ライオネル「ふぅ…二軍HEROの癖に中々しつこいな、とりあえずブルーローズの楽屋は行ったから…NEWHEROもついでに…」

ライオネルは再び姿を現すと来た道を戻りオーズの楽屋へ入る。

だがオーズの楽屋には私物は何も置いてないと言えるくらい質素だった。
机の上には洗ったばかりのようなパンツとそれにくるまれた割れた赤いメダル、タッチパネル式の携帯、そしてパンパンにふくれた茶封筒。
ライオネルは茶封筒を手に取り中に何があるかを見るとお札がギッシリつまっていた。
それもちょっとやそっとじゃない金額だ。思わず唾をごくりと飲み込み、
茶封筒を懐に入れ、他の物も全部懐に入れた瞬間

ドシドシと足音が聞こえてくる。ライオネルは慌てて息を吸い込み姿を消す。

126: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/19(土) 07:57:52.93 ID:K/jVsO730
タイガー「おい、オーズ…っていないぞ。」

バーナビー「見ればわかりますよ、入れ違いになったんでしょうか?」

ブルーローズ「何でアイツをさがしてんのよ。まさかアイツが盗ったわけ!」

バーナビー「いえ、彼はインタビューが終わった後ずっとここにいたはずですし何か知っていると思って。」

バーナビー「…犯人についての手がかりも無いわけですしオーズさんが来るまで待ってましょう。」

127: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/19(土) 08:02:32.35 ID:K/jVsO730
そのころ映司は…


スタッフ「あんがとうな!」

映司「いえいえ、このくらいなら…それでは」

そう言い廊下の曲がり角を曲がると少し先に何かが浮かんでいた。

映司「…んアレは…タカカン?なんで…」

疑問に思ったときポケットに入っているバッタカンから音が鳴り、取り出し変形される。

鴻上『やぁ火野くん。どうだねHEROとしての生活は、自分の欲を見つけれたかね?」

映司「ええ、そこそこに」

鴻上『ならこれは君へのプレゼントだ!タカカンドロイドについている箱を開けたまえ』

128: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/19(土) 08:03:19.59 ID:K/jVsO730
映司「これってライオンメダル!?」

鴻上『そう、グリードのカザリ君の意思があったコアだ。Dr真木ィ!の屋敷近くで破片を発見してね、それを復元したものだ』

映司「ありがとうございます。」

鴻上『では、頑張りたまえ。…あ、電話にはでたまえよ。』

映司「あ、携帯置きっぱなしだ…すいません」

鴻上との会話を済ました後、映司は楽屋に戻るとHEROスーツを着たタイガー達がいた。

129: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/19(土) 08:05:11.47 ID:K/jVsO730

映司「あれ、俺の楽屋に集まってどうしたんですか?」

タイガー「おう、実はな……」




映司「…そうなんですか!」

バーナビー「ええですので何か不審な人物は見ませんでしたか?」

映司「すいません、見てません…ってアレ?ここに置いておいた俺のものが無い!」

タイガー「何が無くなっているんだ?」

映司「えっと、携帯とお金とアン………明日のパンツです。」

ブルーローズ「ハァ!?」

バーナビー「…オーズさんの持ち物はともかく、犯人はどこに……」


バーナビーがそう呟いた瞬間ドアが一人でに開く、その不可思議な光景にその場にいた全員の視線がドアに集まる。

130: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/19(土) 08:06:12.34 ID:K/jVsO730
タイガー「ッんだ!?今の…」

映司「…ちょっと待っててください」

映司はドアを開けると自分のPDAを使いタッチパネル式の携帯に電話をかけると目の前の誰もいない廊下に着信音が響く。

バーナビー「……まさか…」

バーナビがそう呟くとブルーローズの格好をした男が息を乱しながら現れる。

ライオネル「ハァ、ハァ…もう限界…っべ!」

その光景にタイガー達は唖然としていたがライオネルが逃げるとすぐに追いかけるが途中で姿を消され見えなくなる。
映司はオーズタトバコンボに変身しタカアイで周りを見るとうっすらと姿が見えすぐに追いかける。
ライオネルは急いで自分のバイクが置いてある場所に全力疾走し自分のバイクに飛び乗ると黒い煙を出しながら逃げる。


131: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/19(土) 08:07:33.09 ID:K/jVsO730

タイガー「待ちやがれ!この野郎!!」

オーズ「待ってください!タイガーさん」

ワイルドタイガーがそう言い能力のハンドレットパワーを発動し追いかける。
その後ろでオーズは自動販売機の真ん中のボタンを押すと数秒で形を変えバイク、ライドベンダーに変形する。
オーズはライドベンダーのハンドルを握りエンジンを数回ふかせライオネルを追いかける。


ライオネル「ひぃ、なんで追っかけてくるんだよ!」

タイガー「決まってんだろ!お前盗ったもの返せよ!」

ライオネル「いやだ!もう僕のものだ!」

オーズ「待ってください!」

ライオネル「ゲェ!なんだ!?あのバイク速っ!」

オーズ「あなたが盗った物は俺にとって、ブルーローズさんにとっても大切なものなんです!」

タイガー「そうだ!返しやがれ!」

ライオネル「う、うるさい!」

132: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/19(土) 08:08:36.96 ID:K/jVsO730

ライオネルはアクセルを強く握り速度を上げる。
…とはいっても原付のバイクの速度が上がってもライドベンダー相手には大したことは無い。
ワイルドタイガーを引き離しただけでオーズとの距離はどんどん詰められていく。


「このままでは捕まる」


ライオネルの脳裏にそんな言葉がよぎる。
ライドベンダーはもう数メートル後ろにいた、ライオネルは懐からオーズの持ち物を取り出し後ろに向かって放り捨てる。

133: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/19(土) 08:10:24.12 ID:K/jVsO730

後一歩で捕まえれる、
そう思って手を伸ばそうとした瞬間、自分の思い出の塊が投げ捨てられた。
ハンドルから手を離し勢いよくライドベンダーから飛び、手を伸ばす。

比奈ちゃん達からの携帯、パンツ、そして割れた赤いメダル………。

その全てを空中で、抱きかかえるように掴むと受け身もとれず、堅い地面を転がる。
タイガーさんが横を走り去っていくのを気にとめず
自分の腕の中にある物を確認する。

134: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/19(土) 08:11:06.78 ID:K/jVsO730
オーズ「良かった…何ともない…」

バーナビー「道の真ん中で何してるんですか?オーズさん」

後ろからバイクに乗ったバーナビーとブルーローズに声をかけられ映司は驚いて後ろをふり向く。

バーナビー「お先に失礼、オーズさん。」

バーナビーはそう言った後、犯人をバイクで追いかける。
オーズも倒れたライドベンダーをおこしエンジンをかける。

135: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/19(土) 08:13:16.22 ID:K/jVsO730

タイガー「もう逃げても無駄だぞ!」

ライオネル「ひぃぃぃっ!」

タイガー(すっげえ!なんだ?この全身に力が沸き上がる感じ…)

走ろうと足を前に出し地面を蹴る、すると砂埃を巻き上げ、銃弾のような速さで一瞬で数十メートル離れたバイクの前にたどり着く
今まで幾度もハンドレットパワーを使っていたがこんな風に力が倍増したことは一度もない。

いける、そう思い手を伸ばし犯人を捕まえようとした瞬間まだ五分経ってないのに全身の青い発光が消え能力が切れる。

タイガー「えっ?!」

能力が切れたことに唖然としてタイガーはその場で立ち止まる。

タイガー「ッおかしいな…なんでだ…?」

136: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/19(土) 08:18:31.74 ID:K/jVsO730
後ろから走ってくるHERO達を、全て振り切ったライオネルはバイクの速度を少し落とす。

ライオネル「よしここまで来れば………ッわぁぁぁ!」

安心しきったライオネルが出口に近づいたとき目の前に待ちかまえていたのは、
西海岸の猛牛戦車ロックバイソンだった

ロックバイソン「ウォリャァァァァ!」

近づいてくるバイクにロックバイソンはその巨体を使ったせり上げるようなタックルをバイクに浴びせ吹き飛ばす。
地面に倒れた犯人を捕まえると
【ロックバイソン、100pt】
これがロックバイソンの今シーズン初ポイントだった。

ロックバイソン(よっしゃあ!ポイントを稼いだ!…もうスポンサーに怒られずにすむ…)


137: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/19(土) 08:19:41.90 ID:K/jVsO730

次の日

ロックバイソン「ところでオーズ何であんなにもバイトしてたんだ?」

ファイヤーエンブレム「それね、実はちょい前にあの子が捕まえた金属のNEXTの娘の医療費のためだってさ」

折紙サイクロン「あの犯人は娘のために犯罪を犯したんですか…」

虎徹「………」

スカイハイ「犯人を捕まえるだけがHEROじゃ無い、と言うことなんだ。」

バーナビー「ですが、何でHEROTVでとりあげないんでしょうか?取り上げれば彼の人気はもっとあがるはずですのに…」

ファイヤーエンブレム「とりあげるつもりだったんだけどね、あの子断ったのよ。理由はわからないけど」

ブルーローズ「ふーん、ところで……アレはなんとかできないの?」

ドラゴンキッド「確かにアレはね……」

虎徹「アレ?」

138: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/19(土) 08:21:37.67 ID:K/jVsO730
晴天、雲一つ無い青空、太陽はさんさんと輝きここち良い風が顔に当たる。
映司はド派手なパンツを二枚ハンガーに掛けて乾かしながら言う。

映司「うん、やっぱりパンツは本物のお日様の光じゃないとね!」

場所はジャスティスタワー、HERO達のトレーニングルームもある建物の窓に干してある
パンツが静かに風に揺れていた。

149: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/26(土) 00:41:31.63 ID:v8a9/12i0
現在!オーズの使えるメダルは!

ライオン、タカ、トラ、バッタ メダル。



トレーニングルーム。


虎徹「ふんッ!ふんッ!!ふんッ!!!」

ブルーローズ「…珍しく元気いいわね」

ファイヤーエンブレム「それに比べて…」

スカイハイ「はぁ……」


トレーニングマシンで精を出していた虎徹とは正反対にスカイハイは背中を丸めうなだれ,深いため息をつく

150: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/26(土) 00:44:34.22 ID:v8a9/12i0

バーナビー「虎徹さん、そろそろインタビューの時間ですよ。」

虎徹「おう!いまいくぜ!!」


映司「……タイガーさんとバーナビーさん、すごい忙しいですね…」


スカイハイ「はぁ……」

スカイハイはため息を漏らすと静かにトレーニングルームから出ていく。
その背中からはいつもの彼からは想像できない哀愁が漂っていた。

151: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/26(土) 00:48:16.97 ID:v8a9/12i0


映司「どうしたんですかね、スカイハイさん…」

ロックバイソン「そうかお前は今シーズンから入ったからわかんねぇのか…」

ファイヤーエンブレム「あの子、こないだまでキングオブヒーロー(KOH)だったんだけどハンサムがKOHになったから…」

ロックバイソン「奴にとってあいつらの活躍は複雑だろうな…」


映司「…そうだったんですか…」


映司が呟くように言った後、着信音が鳴りポケットから携帯電話を取り出す
画面に表示される名前、『泉 比奈』の文字をみて映司は少し笑顔になって電話に出る。

152: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/26(土) 00:55:52.68 ID:v8a9/12i0
十分くらい話した後と映司は電話を切る。
先ほどからの様子を見ていたニヤニヤと笑いながらファイヤーエンブレムが映司に近づき話しかける。

ファイヤーエンブレム「アンタ、なに今の彼女?」

映司「いえいえ、違いますよ。・・・でもなんて言うのかな『友達』ってわけじゃないし・・・もっとそれ以上の……なんだろう?」

ファイヤーエンブレム「まぁ、アンタもがんばりなさいよ。」

映司「え、あ、はぁ…?」

ファイヤーエンブレムは映司の背中をポンっと叩いたあと
ひらひらと手を振ってトレーニングルームを後にする。
ボーッと立っていた映司にロックバイソンが声をかける。

ロックバイソン「そろそろ昼飯に焼き肉でも食いに行かねぇか?」

映司「すいません、今日は折紙さんとお寿司を食べに行く約束なので…一緒に行きます?」

ロックバイソン「おう、行くぜ!…じゃあ、ちょっと準備してくるで先に下に行っててくれ」

153: ◆lyUlZTXcIM 2011/11/26(土) 00:58:55.66 ID:v8a9/12i0

ロックバイソンはそう言ってトレーニングウェアから私服に着替えに更衣室に行く。
映司はトレーニングルームを出てエスカエーターにのり1階の駐車場に行く。

映司は駐車場に行くまでの間に比奈ちゃんと話したことを思い出していた。
比奈ちゃんの学校での色んな出来事や信吾さんのうっかりや伊達さんがクスクシエに遊びに来たこと
こっちもHEROTVの出来事を話した。楽しい時間だった、そして最後に比奈ちゃんが行った一言

『こないだ、伊達さんにおでんの作り方教えて貰ったから、映司君が帰ってきたらごちそうするね!』

その一言で急に日本に戻りたくなった。
でもまだHEROとしてやらなくちゃいけないことがあるしHEROとしてのやり甲斐も見つけてきたから帰れない。

そんなことを考えながら駐車場に着くとポツリと言う。

「…比奈ちゃんのご飯が食べたいなぁ………」


その言葉は誰かに届くことなく冬の冷たい風にかき消された。

164: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/03(土) 01:06:29.72 ID:Jdysf4/p0

スカイハイ「ハァ……」

愛犬ジョンとの散歩ついでにぶらぶらと歩いて気分転換を図ろうとしたがやはり気分は晴れない。
…元キングオブヒーローとして彼ら、バーナビー君達の活躍は心から祝福すべきなのだろうが、
なにか心に引っかかるものがある。…自分の順位は今はギリギリ二位だが、いつ抜かれるかわからない、
もしかしたらこのまま順位が落ちていき誰にも必要とされなかったら…
そんなことを考えていると急にジョンが公園の方へ走っていく。

スカイハイ「あ、コラ!ジョン待ちなさい!」

165: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/03(土) 01:09:41.62 ID:Jdysf4/p0

スカイハイはジョンの後を追い噴水の方へ向かうと
ベンチに座っていた白い髪の女性にジョンが何度も吠えていた。

スカイハイ「コラッ!ジョンやめなさい!…すいません、お怪我はありませんか?」

女性「大丈夫」

スカイハイ「…あの、隣よろしいですか?」

女性「ええ」

……その女性とスカイハイは少しの間喋り自宅に戻る。
公園のベンチに座っていた女性は物静かな方であまり話さなかったけど
女性と話したその時間はとても楽しかった。

166: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/03(土) 01:16:59.58 ID:Jdysf4/p0


数日後


アニエス「ボンジュールHERO、今回の事件の犯人達は現在、身代金と数人の人質を連れて用意させたバンで逃走中よ
     あなた達がすることは人質の救出と犯人確保、そして視聴率を稼ぐことよ!いいわね!!」

アニエス「………ああ、そうそうスポンサーの都合で今日はTIGER&BARNABYは辞退したらしいわ。…ったくこれじゃあ視聴率が……」
    「そろそろ出番よHERO、今日もガンガン視聴率を稼いでよね!」


167: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/03(土) 01:18:30.30 ID:Jdysf4/p0



映司「さてと、行くか!…「すいません~」…ってディレクターのケインさん?どうかしたんですか?」

ケイン「いやね、さっきオーズさんのとこのスポンサーから小包が届きまして、後で渡そうと思ってほかっておいたら、急に電話がかかってきて
    あなたのスポンサーの社長?会長?から『君、今すぐその小包をオーズ君に渡したまえ!…今渡さなかったらド派手な活躍ができなくなる!』
    …なんて言うからアニエスさんに使いパシられちまって……とりあえずお渡ししましたよ。」

映司「ありがとうございます!」

映司はライドベンダーに乗りヘルメットを被るとケインの横を走り去る、そして三つのメダルをベルトにいれ叫ぶ

「変身!」

タカとトラとバッタのメダルから珍妙な歌が流れ映司の姿を『仮面ライダーオーズ』の姿へ変える

168: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/03(土) 01:18:56.18 ID:Jdysf4/p0
オーズはバイクで走りながら小包を開けるとそこにはメダルの器に吸い込まれ消えたはずの俊足のメダル『チーターメダル』が
綺麗な箱の真ん中に入っていた。


オーズ「!?……なんでこのメダルが?」

疑問に思ったがバッタカンからHEROTVの実況が聞こえた。


『さぁ、始まりましたHEROTV!!今回の犯人は人質をバンに乗せ、現在高速道路を逃走中です。』
『犯人の車を追うのは……KOH改め風の魔術師スカイハイだー!!』

169: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/03(土) 01:21:58.55 ID:Jdysf4/p0
黄色いラインの入ったバイク、ライドベンダーに乗ったオーズが他の車の中をかき分け
犯人の乗ったバンを追う、その頭上を突風と共にスカイハイが抜き去る。

オーズは緑に光る複眼でその姿を見た後、負けじとアクセルを踏み込む。
だがグングンとスカイハイとの距離は離されていく。

ライドベンダーの最高速度はスカイハイの飛行速度よりも速い、が
スカイハイは障害物のない上空を一直線に進むことで最高速度で犯人確保に行くことが出来る
周りの車を避ける時スピードが落ちるライドベンダーではスカイハイに追いつけれない。

スカイハイの様に自分で空を飛べれば良いが手持ちのメダルじゃあ空は飛べない。

170: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/03(土) 01:25:16.70 ID:Jdysf4/p0

そのときふと以前貰ったメダルを思い出す『ライオンメダル』…あのメダルはまだHEROTVで一度も使ったことがないし
さっき貰ったもう一つのメダルでコンボが使えるようになる。

鴻上さんの言っていたようにHEROTVでド派手な活躍ができると思うが映司には一つだけ心配があった。
それは『暴走』プトティラのような暴走ではなくて、
以前と違い少なからず、小さな『欲』を持った自分がコンボを使って大丈夫なのか?
「比奈ちゃんのご飯が食べたい」これも欲望だ
グリード化しかかって味を感じなくなったからわかる、これは欲だ

171: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/03(土) 01:26:20.61 ID:Jdysf4/p0

___800年前の王はメダルの力を使いすぎ暴走した___


昔、アイツが言った言葉が頭をよぎる。
もしも、俺が暴走したら……

貰った黄色のメダルをしまいコンボチェンジをせず、犯人のバンの真後ろに着くと
メダジャリバーで扉を切り裂き中に飛び移る
荷台にいたもう一人の犯人は驚き人質を盾にしようとするがそれより速く頭を叩き犯人を気絶させる。

172: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/03(土) 01:28:59.44 ID:Jdysf4/p0

異常に気づいたのか、犯人の一人がトラックを急に止め、
転がるように運転席から逃げるがドラゴンキッドに叩きのめされる。

無事に人質を助けられてオーズはふぅ、と一息つく。
犯人を一人確保と人命救助でHEROTVの画面下に【オーズ、300Pt】と表示される。

『鮮やかな動きで犯人を確保、そして人質を救出したのは若手のドラゴンキッド、仮面ライダーオーズ!
 そしてちゃっかり人質を救出したのは折紙サイクロン、今シーズンは若手の活躍が素晴らしいですね!!』

『そして犯人を追いつめていたスカイハイは後半突如の失速、不安な香りが漂ってきますね……』

173: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/03(土) 01:32:54.31 ID:Jdysf4/p0


オーズ「中継終わったけどスカイハイさんは……!?」


映司が見た光景を一言で表すというのなら『珍妙』そう『珍妙』だ。

スカイハイが壁に刺さっている

壁にスカイハイが刺さっている

刺さっているスカイハイが壁に


その『珍妙』な姿に映司の動きが止まりあいた口がふさがらない。
…オーズのタカヘッドに口なんてないのだが………

180: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/10(土) 00:22:32.58 ID:LbSLcQau0

数日後

スカイハイ「…ハァ……」

ファイヤーエンブレム「まぁ、そう落ち込みなさんなって…」

スカイハイ「いや、落ち込んではないが…」

ドラゴンキッド「でもずっと悩んでるような感じだったよね?」

スカイハイ「私が悩んでいるのは恋についてなのだが……」





HERO女子組「「「ナニィィィィィィィィィ!?」」」








181: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/10(土) 00:24:01.83 ID:LbSLcQau0

ブルーローズ「で、相手は誰なのよ!!!」

ファイヤーエンブレム「もう、水くさいわね!」

ドラゴンキッド「で、もう好きって言ったの?」


スカイハイ「いや、まだだが…」

ファイヤーエンブレム「だったら、スカイハイ!私たちがアドバイスするわ!!」

ファイヤーエンブレム「まず笑顔よ!ハンサムに微笑まれて喜ばない女なんていないわ!」


次の日

スカイハイ「やぁ!こんにちは!!」ニコッ

女性「こんにちは」

スカイハイ「……いい天気だね!!」ニコッ

女性「ええ」

182: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/10(土) 00:25:18.72 ID:LbSLcQau0

次の日

ドラゴンキッド「僕だったら髪飾りとかほめられるとうれしいな」

スカイハイ「なるほど!ありがとうそしてありがとう!」


次の日

スカイハイ「その赤のカチューシャ、似合ってるね!赤が好きなのかい?」

女性「いいえ」

スカイハイ「…そうなのか…………」

183: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/10(土) 00:25:59.65 ID:LbSLcQau0
次の日

ブルーローズ「女子はちょっとしたコミュニケーシヨンに弱いの!さりげなく手を握られたら最高よ!!」

スカイハイ「ふむ、試してみるよ!ありがとう!」


次の日

スカイハイ「や、やぁ」

女性「こんにちは」

スカイハイ(さりげないコミュニケーション……ちょっとした手を握る…)
     (落ち着くんだ、そして落ち着くんだッ……ッ?なんだこの手の感触は!?)

スカイハイが手を見るとジョンが自分の手を舐めていた。

スカイハイ「こらっ!ジョン、やめなさい…」


184: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/10(土) 00:44:21.03 ID:LbSLcQau0


スカイハイは女性に別れを告げ、公園を出たあと、深く溜息をつく

私はジェイク事件以来、自分に、みんなの期待に応えるHEROに、『スカイハイ』に、自信が無くなってしまった。
…とても情けない話だがまたみんなからの期待に応えられないかもしれないと考えると全身から力が抜けてしまう。
……でも彼女と話している間は自分が『HEROスカイハイ』であることを忘れられる

こんな自分を彼女は笑うだろうか、…恐らく笑うだろう……

「あの…ハンカチ落としましたよ。」

そんなことを考えていながら自宅へ歩いていると後ろから声をかけられる

スカイハイ「あ、ありがとうございます!……ってオーズ君!?」

映司「どうも、奇遇ですね。…ところでそのワンちゃんって…?」

スカイハイ「ああ、この子はジョン。私の家族さ!君も犬を飼ってるのかい?」

映司「いえ、俺は犬を飼ってないんですけど、昔旅先でスッゴク大きい犬がいる人の家に泊めさせて貰ってたときに色々教えて貰って」
映司「たとえばおいしいドックフードの選び方とか、いやがらない体の洗い方とか」

スカイハイ「へぇ…是非おしえてもらないだろうか?」

映司「ええ良いですよ」

そう言いながら二人は喫茶店に入る。

185: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/10(土) 00:45:00.26 ID:LbSLcQau0
スカイハイが立ち去った後の公園前、一台のトラックが女性の前に止まり
中から赤っ鼻をした男が降りてくる

?「…探したぞ『シス』」

シス「…」

?「車に乗ってくれ」

シス「はい」

186: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/10(土) 00:48:10.44 ID:LbSLcQau0



頼んだコーヒーを飲みながらジョンのことやオーズ君の旅のこと、
自分が能力に目覚めた時のこと、色んなことを時間を忘れて話した
気がつくとあたりはすっかり暗くなっていた、そろそろ家に帰らなくてはいけないと思い席を立つ、が
なにか引っかかりを感じる、確かに彼女やオーズ君と話しているのは楽しいが、自分の悩みは解決できてない。
再び席に座りオーズ君に尋ねる。

スカイハイ「……オーズ君、少し私の悩みを話していいかい?」

映司「…ええ、いいですよ。」

スカイハイ「私は…ジェイク事件で敗北…いや、市民の期待に応えられなかった、それから自信を持てなくなってしまったんだ。」
スカイハイ「何かをするたびにまた期待に応えられないのかと考えてしまうと体が動かなくなる……そんな自分が本当に情けない…」

しばらくの沈黙の後、ゆっくりと映司が口を開く

映司「……俺もそうです」

スカイハイ「えっ?!」

映司「俺も昔、みんなの期待に応えようとして一人で無茶して、がんばって、がんばったけど…やっぱりできなかった。」
映司「でも、気付いたんです。一人だったらどんなに届かないことも誰かと手を繋いだらできる…って」
映司「…だからスカイハイさんも一人でいっぱい背負い込んでて届かないなら、応えられないなら…俺達に手を伸ばしてください。」

スカイハイ「オーズ君……ありがとう!そしてありがとう!!では君も、もしもの時は私達の手をつかんでくれ!」

映司「…はい、それでは。」

187: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/10(土) 00:49:12.29 ID:LbSLcQau0

喫茶店を出た映司はライドベンダーを駐めてある場所にむかう。
その途中シュテルンビルトのビルが立ち並ぶ夜景、その中に少し違和感を感じた
その違和感を確かめようと目を凝らすと少し遠くのビルにある看板が崩れ落ちるのが見えた
それを見た映司はライドベンダーへ走り、看板が崩れ落ちた所へ向かいライドベンダーを走らせる。

204: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/17(土) 23:54:09.06 ID:amVYqIu40


赤いスポーツカーを運転しながらバーナビーは横に不機嫌そうに座っている相棒を見る

バーナビー「虎徹さん、どうしたんですか?」

虎徹「…なぁバニーいつまでこんなモデルみたいなことが続くんだ?」

バーナビー「文句を言わないでくださいよ、スカイハイさんはいつも文句一つ言わずにやってたんですよ、虎徹さん。」

虎徹「だってよぉ!俺達はHEROだぜ!なのにアニメのゲスト声優だ、水着でインタビューや、時代劇のゲストとか最近そんなことばっかだろ!」

バーナビー「…やっぱり奉行役は目立たないから嫌だったんですか?」

虎徹「おう!だって最後の最後に一言だけだぜ!……って違う違う!俺が言いたいのは…んだっ!?」

205: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/17(土) 23:56:04.38 ID:amVYqIu40

突然道路に巨大な板が落下してアスファルトを砕きながらが迫って来る
それを避けるためバーナビーは素早くハンドルを切る
車の側面が少し削られたが何とか避け、急停車する。

バーナビー「大丈夫ですか!虎徹さん!」

虎徹「ああ、頭ぶつけただけだ、ってゆうか今のは何だぁ!?」


二人は急いで車から降りて振り返る、そこにあった物は町中にある巨大看板、

オーズが描かれていたようだが半壊し首から上が無くなっている

こんな物が落ちてきたら人通りの多い所なら大惨事になる。

206: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/17(土) 23:57:30.74 ID:amVYqIu40


落ちてきた原因を調べるため近づいて見てみるとオーズを中心に拳の跡が付いていた。

虎徹「わかったぞ!こいつは壊れたんじゃ無くて壊されたんだ!」

バーナビー「見てわかりますよ。」





バーナビー「この看板は上の…あの看板の一部でしょうね。」


バーナビーはそう言って上の看板を指さす

看板はどんな文章が書いてあるか読めないほど高い位置にあるが確かに半分になっている

虎徹「あんな所から落ちてきたのか…ふーん、なになに最高の?はき心地明日のパン…!!!」

看板の文字が少しずつ読みやすくなってくる、しかし虎徹の視力が上がった訳では無い。

看板はそのまま二人がいる高速道路の真下の道路に落ちて行った。

バーナビーと虎徹は急いで車に乗り高速道路を降りて下の道路に向かう。

207: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/17(土) 23:59:22.78 ID:amVYqIu40


高速道路下、一般道

赤いスポーツカーが落ちた看板の近くにドリフトをかけながら勢いよく停車する

バーナビー「どうも彼女の仕業のようですね。」

赤いカチューシャをつけた女性が看板をか細い拳で砕いている異様な光景

赤鼻の中年の男それを止めようとするが近寄ることができないでいる。

?「やめろぉ!やめてくれシス!」

「HEィROォォ」

女性は体を捻りながら顔を虎徹とバーナビーに向け口をぱくぱくと動かしながらゆっくりと二人に近づく

バーナビー「パワー系のNEXTですかね…?」

虎徹「…だろうな、とにかくこれ以上街を壊させるわけにはいかねぇ……行くぞ」

208: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/18(日) 00:02:07.65 ID:JTrw0ppD0

車から降りた二人が同時にハンドレットパワーを発動させる。

ハンドレットパワーはその名の通り身体能力を百倍にする能力

通常の百倍になった力ならパワー系のNEXT相手でも両腕を押さえて動きを止める事が出来るはず。

しかし予想に反し女性は腰を百八十度回転させ軽々と二人を振り払う。

虎徹とバーナビーは受け身をとって着地するがその異常な動きを見て唖然とする。

女性は二人の妨害など気にもとめず次の破壊対象を探す。
そして赤いスポーツカーの中置いておいたTIGER&BARNABYのポスターを見つけると
地面を勢いよく跳びボンネットに鋭く蹴りを入れる
数秒後赤いスポーツカーは爆発、炎上する。

209: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/18(日) 00:03:06.07 ID:JTrw0ppD0

虎徹「…なんだ…アイツ?」

バーナビー「行動が異常すぎる…」

あっけにとられていた二人は燃えさかる車を見てとりあえず消防を呼ぼうと携帯電話を取り出す。
その瞬間、炎の中からユラリと現れる陰を見て携帯を落とす。
皮膚が燃えたその下から現れたのは肉ではなく金属、美しい白い髪は燃え灰へと変わる。
モーターの駆動音のような音を立てながら歩いてきたのは不気味な人形、それは壊れたラジオのような音を鳴らす

「HERO…HEィROォォ…HEィROォォォ…」


虎徹「な、なんだよアレ…?」

バーナビー「まさかアンドロイド…!?」

アンドロイドはタンッと地面を蹴り虎徹との間合いを一気に詰め取っ組み合いを始める

210: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/18(日) 00:07:16.53 ID:JTrw0ppD0
虎徹「ッ…なんて力だ!」

虎徹はハンドレットパワーを使用しているにもかかわらず力負けしていた。
アンドロイドは虎徹の腕を掴みながら両足を浮かせ蹴りを腹に食らわせ吹き飛ばす。
虎徹はなんとか受け身をとるとアンドロイドを睨みながら立ち上がるがむせて膝をつく。
肺の中の空気を一気に押し出され気持ちが悪いがそんなことを考えている間にアンドロイドは迫ってくる。
近づいてきた瞬間に渾身のパンチを繰り出し頭を殴るがアンドロイドの装甲はへこみもしない、
それどころか真似をするように同じ動きで虎徹の顔面を殴る、虎徹は吹き飛び壁に叩きつけられる。

211: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/18(日) 00:08:18.37 ID:JTrw0ppD0


バーナビー「虎徹さん!!、クッ…アイツは一体…?」

?「アンドロイドですよ…あなたの両親が研究していた…」

バーナビー「ッ…誰だ貴様ッ!」

?「この私をお忘れですか、…あなたが幼い頃よく会っていたはずです」

バーナビー「貴様、まさか…」

?「そうあなたの両親の実験に協力していたロトワングですよ…」

ロトワング「あなたの両親の実験結果はさすがですよ、ここまでの性能を持ったアンドロイドは他にいないでしょう。」

バーナビー「今すぐあのアンドロイドを止めろ!」

ロトワング「…無理ですよ、HEROを認識すると破壊するという誤ったプログラムのせいでこの街を破壊しつくすまで止まる事は無いでしょう」

ロトワング「だってこのシュテルンビルドにはHEROが溢れていますからね!」

バーナビー「貴様ァ!」

212: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/18(日) 00:10:51.94 ID:JTrw0ppD0



虎徹「ぐぁ…ぁぁぁ……」

「HEィROォ………」


アンドロイドが虎徹の首を掴みあげ喉を握りしめるとミシミシと音をたて虎徹はまともに呼吸もできず苦しむ。
虎徹の首がへし折られる寸前、横から聞き覚えのある声が聞こえた。

オーズ「避けてください!タイガーさん!!」

オーズに変身した映司がそう叫ぶとアンドロイドをライドベンダーではね飛ばす。
解放された虎徹は咳を何度かし、深呼吸をした後オーズの顔をみて叫ぶ

虎徹「お前なぁ!首しめられて持ち上げられてたんだぞ俺!!なんとかアイツが手を離したから良いけど俺も轢くとこだったぞ!!」

オーズ「…すいません…なんか勢いで……」

虎徹「まぁいいけどもよ………アイツ強いぞ…」

虎徹の顔つきが真剣な表情に変わりアンドロイドを睨みつける。
アンドロイドは受け身をとることもなく地面に叩きつけられるがすぐに立ち上がるとオーズに向かい走り出す。

213: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/18(日) 00:11:59.07 ID:JTrw0ppD0

虎徹「来んぞ!」

オーズ「はい!」

虎徹は拳を握りしめ脇を閉じ構えをとる。

オーズは右腕を胸の位置くらいに上げ前に出し、

左腕を少し後ろにひき腰を軽く落とし構える。

219: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/23(金) 23:16:59.72 ID:OoMUdv1L0

アンドロイドの繰り出すパンチをオーズは両手で受け止めるお返しにバッタレッグで蹴りを入れる、
しかし何度蹴ってもビクともしない
虎徹もアンドロイドの頭部に何度もパンチを繰り出すが傷一つ付かない。

アンドロイドはオーズの腕を払うと両手を広げ上半身をプロペラのように回転させ二人を吹き飛ばす。
虎徹は宙で一回転して着地するがアンドロイドの腕を掴んでいたオーズは間近でくらい
まともに着地できず地面をバウンドしていく。

220: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/23(金) 23:18:25.64 ID:OoMUdv1L0

虎徹「!おい大丈夫か…うぐッ!」

オーズ「ガハッ……タイガーさん!」

アンドロイドが一瞬で虎徹の懐に潜り込み虎徹の腕を掴むと腹に蹴りを入れる

何度か蹴りを入れた後、虎徹の腕を離し殴り飛ばす。
虎徹は勢いよく壁に当たるとズルズルと力なく倒れるそして能力を発動している印の全身の青い光が消える。
アンドロイドは能力が切れようが関係なく倒れた虎徹の頭を掴み上げ腹を殴る。
虎徹はもがきながらアンドロイドの頭を何度も蹴るがアンドロイドの力が弱まることはなかった。

221: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/23(金) 23:19:38.81 ID:OoMUdv1L0


その姿を見て映司は思う

このままじゃ、このメダルじゃあ、勝てない。

だが今の自分がコンボを使ったら何が起こるかわからない

でもあのとき『使っておけば良かった』なんて後悔したくないから

虎徹さんを助けたいから

倒れた体を起こしアンドロイドに向かい走りながら横の赤と緑のメダルを抜き
替わりにオレンジと黄色のメダルを入れスキャナーをスライドさせる。



夜の街に新たな歌が響く

222: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/23(金) 23:21:06.04 ID:OoMUdv1L0

『ライオン!』

      『トラ!!』

           『チーター!!!』


  


『ラッタ♪ラタ~♪ラトラーター!!!!』



223: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/23(金) 23:22:49.37 ID:OoMUdv1L0


走っていたオーズの姿が瞬間的に加速する。
その勢いのままアンドロイドを蹴り飛ばす
巻き上げた土煙とその圧倒的な速度のせいでよく見えなかった姿が徐々に見えてくる

頭部には百獣の王の証の金のたてがみ、

腕には虎の爪が鋭く輝き

足は陸上最速のスピードを誇るチーターの脚、脚の黒い模様から蒸気が噴き出す。

カラフルだった全身を黄色の一色に染めたオーズの姿、

『ラトラーターコンボ』がそこにいた

224: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/23(金) 23:29:47.29 ID:OoMUdv1L0


アンドロイドが起きあがりラトラーターに向かい足裏のブースターを吹かせ近づく
ラトラーターは一瞬で後ろに回り込み両腕の爪、トラクローで切りつける
すると今まで傷一つ付かなかったアンドロイドの背中に深々と爪の傷跡が残る

アンドロイド背中の損傷を気にもとめずラトラーターと取っ組み合う、
アンドロイドは身体能力百倍(ハンドレットパワー)を使った虎徹より力がある
オーズも取っ組み合いでは分が悪いがラトラーターはしっかりとアンドロイドの腕を掴み体を浮かせアンドロイドの腹部に連続で蹴る。
百メートルを0,222秒で走れる足での強力な脚力での連続蹴りでアンドロイドの腹部が無事でいれるはずがない。

アンドロイドが取っ組み合いから脱出するとラトラーターと距離をとる。
アンドロイドの腹部は足跡でベコベコにへこみ、火花が散っていた。


225: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/23(金) 23:32:25.19 ID:OoMUdv1L0


ロトワングを気絶させ、遅れてきたバーナビーは虎徹達の近くに来ると同時に能力が切れ、
アンドロイドを圧倒するオーズの強さに驚愕する

バーナビー「………凄い…!」

虎徹「…ああ、すっげぇな…アイツ…」

虎徹(…俺バニーと一緒に能力発動したよな……なのに何で俺の方が早く能力切れしてるんだ……?)

226: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/23(金) 23:33:43.30 ID:OoMUdv1L0


アンドロイドはまるで逃げるように上空へと飛ぶ。
ラトラーターはそれを追うためにライドベンダーにメダルを投げ込む
取り出し口から小さなトラの形をした缶、トラカンが一つ
そして無数のタコカンが出てくる。
トラカンとライドベンダーが合体し『トライドベンダー』へと姿を変えるとラトラーターはそれに飛び乗り
大量のタコカンが宙に浮き、互いに連結し合いできた上空への道、その上をトライドベンダーで走る。

オーズ「逃がさないッ…!」

そう呟くと上空に逃げたアンドロイドとの距離を縮めるためよりアクセルを踏み込む。
あのアンドロイドをほかっておいたら、間違いなく物だけではなく人の被害が出る。

そんなことは絶対にさせない!

227: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/23(金) 23:35:00.14 ID:OoMUdv1L0

アンドロイドに追いつくとトライドベンダーの前部補助駆動輪からメダル状に生成したエネルギー弾を放つが
一発も当たらない。
アンドロイドの飛行速度が速すぎるのだ。
しかもこっちはタコカンの上で戦っているからあまり激しい動きはできない。

エネルギー弾を撃ち終える隙にアンドロイドはトライドベンダーの横に回り込み、両足をそろえたキックでラトラーターを蹴り飛ばす。

その衝撃でハンドルから手を離してしまいラトラーターは手を伸ばしながら地面へと落下していく

228: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/23(金) 23:36:57.25 ID:OoMUdv1L0

どんどん高度が下がり地面が近づく中、
突然風がラトラーターの体を押し上げ、映司の伸ばした手を誰かが掴む。


スカイハイ「私は言ったはずだよ、『もしもの時は私達の手を掴んでくれ』…とね。」

オーズ「スカイハイさん!ありがとうございます!」

スカイハイ「さぁオーズ君、共に戦おう!」

オーズ「はい!」

229: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/23(金) 23:39:54.33 ID:OoMUdv1L0

スカイハイは再びオーズをトライドベンダーまで風を使い押し上げると
迫り来るアンドロイドと上空で攻防を繰り広げる
オーズはトライドベンダーに跨り、スカイハイとアンドロイドの後を追う。


スカイハイとアンドロイドの上空での動きはほぼ互角だが、上空での取っ組み合いになったときアンドロイドは
ワイルドタイガーを超える力でスカイハイを押さえつける。

スカイハイ「クッ!…力では勝てないか…早く脱出しないと…」

必死にアンドロイドの拘束から脱出しようとスカイハイは振り払おうとするが圧倒的な力の差で
どうすることもできない。すると少し遠くから大声でオーズが叫ぶ。

230: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/23(金) 23:43:10.63 ID:OoMUdv1L0

オーズ「スカイハイさん!目を瞑って!!」

スカイハイ「…?」

スカイハイは言われた通り目をつぶる。     

ラトラーターの特徴の一つ、頭部から川の水も蒸発させるほどの熱光線を放つことができる。
だが今スカイハイとアンドロイドにその熱光線を当てたらスカイハイが無事ではいられない。

ならアンドロイドの目を潰す程度に加減して光を放つ。
カメラからの情報が無くなったアンドロイドに隙ができる
その隙にメダジャリバーに一枚セルメダルをいれアンドロイドの腕をすれ違いざまに切り落とす。

アンドロイドの片腕が切られたことでスカイハイはアンドロイドの拘束から脱出する。

231: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/23(金) 23:45:51.85 ID:OoMUdv1L0
強烈な熱光線のフラッシュにより目を失い、片腕を失ったアンドロイドは音だけを頼りに
レーダーでスカイハイとオーズの位置を特定し
ただがむしゃらに突進する。


オーズ「…行きましょう、スカイハイさん!」

スカイハイ「…ああ、トドメだ!……これ以上市民が、彼女がいるこの街を傷つけさせるものか!!」


スカイハイはより高く空へと飛び、オーズもさらに上空へ跳ぶと

スカイハイは風を身に纏い回転しながらアンドロイドへ向かい突撃し、

オーズはスキャナーをスライドさせ、目の前の黄色の三つのOの文字へ飛び込む。

232: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/23(金) 23:47:31.45 ID:OoMUdv1L0

冬の冷たい風をラトラーターから発生する熱で砂漠の熱風へと変え

スカイハイは熱風と共に、ラトラーターは風と共に爪をたて
二つのかけ声と共に突き抜ける。


スカイハイ「スカーイ…ッハーイッ!!」

オーズ「セイヤーッ!!」


胴体を真っ二つに裂かれ、しばらくしてからアンドロイドは上空で爆発四散する。

スカイハイは再び地面に落ちていくオーズの手を掴むとゆっくりと地面に降りる。

233: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/23(金) 23:49:04.19 ID:OoMUdv1L0
オーズ「スカイハイさんありがとうございます。」

スカイハイ「こちらこそ、ありがとう、そしてありがとう!オーズ君!」

スカイハイ「……ところで、いつもとHEROスーツが違わないかい?」

オーズ「…これも俺の能力の一つで、え~っと…コンボチェンジです。」

スカイハイ「そうか、いつもと少し違ったから少し戸惑ったよ!」

オーズ「少し…?………だいぶ違いませんか?」

234: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/23(金) 23:51:05.44 ID:OoMUdv1L0

数日後


『さぁ!始まりましたHEROTV!!犯人は銃をもった強盗犯グループ3人!!』

『おっーと!!早速スカイハイ犯人確保!!!以前の調子が戻ってきたようです!』

『そしてオーズは……ん?…頭部がライオンの様な形に変化しています…アレは一体…?』

『…速報が入ってきました、何々、何と!ベルトのメダルを換えることにより姿を変えて能力も変えることができるそうです!』

『凄いぞ!!NEWHERO!!彼の能力はまさしく無限大です!!さぁ犯人を追いつめ……え?頭が光って……うお、まぶしッ…!』

235: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/23(金) 23:51:43.57 ID:OoMUdv1L0



【しばらくお待ちください】

236: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/23(金) 23:52:24.53 ID:OoMUdv1L0


アニエス「あんたのせいで視聴率は上がってグッズも売れたけど…カメラが三台も使い物にならなくなって犯人確保がいまいち…」

アニエス「今度からアレは使用禁止!いいわね!!」

映司「…はい…」


虎徹「アイツも大変だな…」

245: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/25(日) 00:40:39.43 ID:MO68bsF70
クリスマス用小ネタ




ウヴァ「チッ…クリスマスだかなんだか知らないがイライラするぜ…」

映司、アンク、比奈、知世子 \キャッキャ ウフフフフ チッ クリスマスフェアヨー/

伊達、後藤、里中、鴻上 \メリィークリスマァス!! テイジナノデカエリマス/

カザリ、真木、アンク(ロスト)、メズール、ガメル \ニンギョウー ヤメロ! ヤメナサイガメル/

246: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/25(日) 00:41:16.84 ID:MO68bsF70


ウヴァ「………帰って寝るか………」


映司「ん…あれって…確か緑の…」ヒソヒソ

アンク「ウヴァか…」

比奈「一人なのかな…」ヒソヒソ


ウヴァ「……」

247: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/25(日) 00:42:01.93 ID:MO68bsF70

伊達「後藤ちゃん、アイツ…」ヒソヒソ

後藤「グリード!?」


ウヴァ「………」


248: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/25(日) 00:42:37.98 ID:MO68bsF70

ガメル「あれーウヴァ?」

メズール「まさか…クリスマスに一人!?」


ウヴァ「…グスッ……」


249: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/25(日) 00:44:12.39 ID:MO68bsF70



知世子「ちょっと~そんなとこにいないでこっち来て一緒に楽しみましょうよー!」

ウヴァ「…え……?」

250: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/25(日) 00:47:47.86 ID:MO68bsF70

伊達「昆虫野郎だってかまわないぜ!来いよ!!」

鴻上「ウェルカム!!」


真木「今年の終末を楽しみましょう。」

カザリ「こっちに来なよ」


全員『一緒に過ごそうぜ!ウヴァ!!!』


ウヴァ「……お前ら…ありがとう……いや、ありがとウヴァ!!」










○<……ハッ!……夢か……メリークリスマス、色々な欲望、解放しろ



以上、それではメリークリスマス!

256: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/30(金) 20:07:41.84 ID:ScHCCume0




現在オーズの使えるメダルは!

タカ、トラ、バッタ、ライオン、トラ、チーター
          ↑【使用禁止】



トレーニングルーム 夜



映司「ルナティック?」


ファイヤーエンブレム「やっぱり…アンタ今シーズンから入ったから知らないのね……」

ロックバイソン「まぁルナティックってのは、神しゅ……」

スカイハイ「神出鬼没でNEXT能力で犯罪者を殺す危険な男だ。」

ロックバイソン「………」

スカイハイ「ん?…どうしたんだいロックバイソン君?」

ロックバイソン「セリフ取んなよ、もう!」

スカイハイ「すまない、ロックバイソン君」

257: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/30(金) 20:08:22.50 ID:ScHCCume0

映司「どんな外見なんですか?」

折紙サイクロン「手にグローブがくっついてるような………こんな感じです。」


折紙サイクロンは自らのNEXT能力を使いルナティックに擬態する。


ルナティック(折)「『…判決をくだす…』って感じでボウガンを……ってオーズさん?」

映司「……ああ!ごめんね折紙君、初めて折紙君の能力見たからびっくりして」

ルナティック(折)「そうですか、ありがとうございます!」

ファイヤーエンブレム「その姿でお辞儀とかしてると、なんかねぇ……」

ロックバイソン「折紙、そろそろ姿戻せよ…」

スカイハイ「シュールだ…そしてシュールだ…」

258: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/30(金) 20:09:13.71 ID:ScHCCume0

映司「ルナティックかぁ…うーん」

後でアニエスさんに頼んで映像を見せて貰おうと思った瞬間腕に着けたPDAが鳴る

映司「鴻上さんからだ…なんだろう?」


『火野君!聞いたよ!……まさかライオンメダルが使用禁止とはね…』

映司「え!…何で知っているんですか!?」

映司はライオンメダルが使えなくなったのを鴻上に伝えてない、
なのに何で使用禁止のことを知っているのか疑問が生まれる。

『そんな火野君のために我が財団は新たにメダルを復元させた…それがこれだぁッ!!』

259: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/30(金) 20:10:04.95 ID:ScHCCume0
鴻上が画面越しに見せたのはシャチの模様、ウナギの模様、サイの模様の青い二枚と白色の一枚のメダルだ。

映司「え…?これって…」

『そう!サウタだ!!……冗談だよ火野君、本当はこれだ』

そう言って鴻上は懐からシャチメダルを取り出す。

『今からそちらに送るから明日には届くだろう、では、さらばだッ!!火野君!!』

鴻上がそう言い終わるとPDAからのTV電話が切れる。


260: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/30(金) 20:11:52.42 ID:ScHCCume0

折紙サイクロン「…なんかすごい勢いがある人ですね……」

映司「ええ、まぁ……それにしてもまた増えるのかぁ……」

ロックバイソン「なんだ、嫌なのか?」

映司「いや、使い分けられないんですよ」

ファイヤーエンブレム「どいうことなのよ?」

ファイヤーエンブレムが尋ねると映司は少し考えた後
ポケットからメダルを取りだし机に置く

261: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/30(金) 20:13:49.79 ID:ScHCCume0
映司「たとえば…タトバコンボの、このタカメダルは色んな物がよく見えて、トラは……爪を使ってブレーキに使えて、
   バッタはすっごく高く跳べるから便利なんです」

スカイハイ「だから君がよく使うのか!」

映司「で、こないだ貰ったのはライオンとチーター、ライオンは強い光で相手を怯ませたりできます…使用禁止になったけど…
   このチータは脚がすっごく速くなります。で、このライオン、トラ、チーターで【ラトラーター】になります。」


スカイハイ「こないだのアレか!」

262: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/30(金) 20:14:16.93 ID:ScHCCume0
ロックバイソン「なんかわかりずれぇな。」

映司「ええ、だから使い分けられないんですよ」

ファイヤーエンブレム「なら、トレーニングルームで練習してみたらどう?」

折紙サイクロン「雨の日の時オーズさんの下着を乾かす位にしか使われてませんからね…」

映司「はい!届いたら練習してみます。……ちなみに最近はライオンメダルで乾かしますよ。」


263: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/30(金) 20:15:30.35 ID:ScHCCume0




虎徹「………」

虎徹は行きつけのバーのカウンターで頼んだ酒を一人静かに飲んでいた。
口の中に入った酒が喉の中を潤していくが、いくら飲んでも気分は最悪だ。

最近、何もかもが調子が良いと思っていた。
アイツとコンビを組んだときは意見も合わなくて最悪だった。
でも今はどうだ、互いを理解し合い最高の相棒と思う
ずっと下だった順位は4位になった。

…そのせいで忙しくなって娘にはなかなか会えない日が続いているがたまに電話で話している。

264: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/30(金) 20:16:58.61 ID:ScHCCume0
最近、能力がいつもの何倍ものパワーも出せたりして順風満々の日々が続いていくと思った、
あのときと同じように。

でもベンさんが教えてくれた事実は残酷だった。


NEXT能力の減退


265: ◆lyUlZTXcIM 2011/12/30(金) 20:18:24.41 ID:ScHCCume0

たまにいるらしい、その名のとおりどんどんNEXT能力が減っていき、やがてつかえなくなると言う現象
短い蝋燭が最後激しく燃えるように俺の能力も最後のお勤めの最中らしい。

NEXT能力が無くなると言うことはHEROをやめなくてはいけないと言うこと
いままでHEROになるために…HEROになっても色んな物を犠牲にしてきた、今回はどうすればいい?

「…………ちきしょうッ……」

虎徹はそう呟くとグラスに注いだ酒をぐいっと飲み干す。



273: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/06(金) 21:48:10.76 ID:auzmrEmY0
数日後
早朝トレーニングルーム


ケイン「すんませーん、オーズさんいます?」

虎徹「んぁ?アイツならたぶんもうすぐ来るぞ。」

ケイン「そうですか、あの~タイガーさん、コレオーズさんに渡してくれますか?」

虎徹「小包?……また新しいメダルか?」

ケイン「多分…では失礼します。」

虎徹に鴻上ファウンデーションからの小包を渡すとケインはトレーニングルームから出て行った。

ケイン「つーか最近朝早いな~タイガー……今七時だぞ……」

274: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/06(金) 21:48:43.71 ID:auzmrEmY0


映司「おはようございます!…あれタイガーさん早いですね。」

虎徹「…まぁ俺のは少ししか保たない能力だから鍛えておかないとなと思ってな!」
  「そういやぁ、コレお前宛にって」

映司「ありがとうございます。」


275: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/06(金) 21:49:21.43 ID:auzmrEmY0


虎徹「まーた姿が増えるのか………まぁ俺と違って今勢いにのってるからなお前、がんばれよ。」

映司「……タイガーさん…どうかしましたか?」

虎徹「…何が?」

映司「いや、なんかさっきから自嘲してるみたいでしたから……なんでもないなら良いんですけどもし…」

虎徹「なーにいってるの、俺は別になんも無いから大丈夫だっつうの!」

映司「…なんかすいません!辛気くさいこと言って!」

虎徹「良いの良いの!……っと楓から電話だ。」

276: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/06(金) 21:50:08.21 ID:auzmrEmY0

ニカッと笑って虎徹は映司に向かい言ったすぐ後虎徹のPDAが鳴る

『お父さん…まだ帰って来ないの?』

虎徹「悪い!最近仕事がすっ~ごく多くてな、パパまだしばらくは帰れそうに無いんだ、ごめんな~楓」

『その言葉遣いもうやめてよ、子供じゃないんだから。じゃあね。』

虎徹「おい!楓……切れちまった……」

277: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/06(金) 21:56:36.06 ID:auzmrEmY0


映司「…あのタイガーさん、有給でも取ったらどうですか?」

虎徹「馬鹿言え、HEROに休みはないんだよ。」

映司「でも…楓ちゃん?、たぶんすっごく寂しいと思いますよ、俺もそうでしたから…」

虎徹「お前も…?」

映司「はい…俺の父親はいつも忙しくて、俺は一人で過ごしたりするのはしょっちゅうで…
   『退屈しないように』って欲しいものは何でも貰えたんですけど………
   本当に欲しかった『家族で過ごす時間』は貰えませんでした…だから会って
   楓ちゃんと話してあげてください。」

278: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/06(金) 21:57:53.51 ID:auzmrEmY0


その映司の言葉にふと思い出す。
大切な人のこと、彼女もそんなようなことを言っていた……



___虎徹くん、私がいなくなっても楓を___




279: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/06(金) 22:01:18.05 ID:auzmrEmY0


映司「タイガーさん?」

虎徹「……ああ!悪いちょっとボーッとしてたわ。…オーズお前朝飯って食ったか?」

映司「いえ、まだですけど…」

虎徹「そんなら下の売店でなんか食おうぜ!俺もまだ朝食ってないからさ、」

映司「はい!じゃあご一緒させていただきます。」

280: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/06(金) 22:04:25.37 ID:auzmrEmY0

楓「もう!お父さんの……ねぇお婆ちぁん、お父さんいつ帰って来るのかな…」

受話器を置いた後、少女【鏑木楓】は台所に立っているお婆ちゃん【鏑木安寿】に話しかける。
鏑木安寿は冷蔵庫から卵を取り出し、熱したフライパンの上で割ると卵焼きを作りながら
鏑木楓の質問に返事をする。

安寿「ん~そうだね…あの子のことだからいつになるかね………とりあえず朝ご飯できたから食べなさい。」

楓「は~い」

楓は返事をした後、席に座り安寿と共に朝食を食べる。

281: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/06(金) 22:05:03.72 ID:auzmrEmY0


食べ終えたあと茶碗と食器を冷やかして学校へ行く支度をする。
部屋に置いてあるランドセルを背負うと忘れ物がないか確認して
玄関へと向かい、靴を履き大きな挨拶と共に戸を開け外に出る。


「おーい!そこのお嬢ちゃん!ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

家から出て数分後、
ソフトモヒカンの少しひげを生やした白衣の男が大きな声で話しかけてくる。

 「悪ぃけどこの病院ってどの辺にあるか知ってるかい?」

そう言って男はこの街唯一の病院の写真を見せる。
確かこの病院は最近、医者が入院してしまい今は人が居ない病院だ。

282: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/06(金) 22:05:36.63 ID:auzmrEmY0
楓「え…えっとこの病院は確か…あそこの角を曲がってその先にある八百屋から少し左に行ったところにあります。」

 「ありがとな、嬢ちゃん!しっかししっかりしてるな~君…
  …おっとちなみに俺【伊達明】今日からしばらくそこの病院で働くお医者さん。よろしく!」

そう、男【伊達明】は笑顔で言うと病院の方向へと走っていった。
その男の背中を見送ると楓も学校へと向かう。

288: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/13(金) 23:28:57.63 ID:U5IiWofM0


同時刻、シュテルンビルド道路


バーナビーは前回のアンドロイド騒ぎで自分のスポーツカーが廃車になってしまったので
仕方なく、買った新しい車が届くまでバスで通勤している。
車が壊れた次の日はバイクで通勤していたがバイク通勤での悩み事は
バーナビーが乗っているバイクはかなり目立つと言うことだ
いつもHEROTVのときに犯人を追いかけたりしているあのバイクは信号で止まったときなんかに
声をかけられ、結局最後には路上でサイン会まで発展したことがある。

289: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/13(金) 23:30:13.27 ID:U5IiWofM0

この悩みを同じバイク通勤のオーズさんに話してみたところ

「俺は特に何もないですよ」

…とのことだ、何でオーズさんはなんとも無いんだろうか、そう聞いたら
オーズさんはこう言った。

「う~ん、俺は素顔を公開してないからライドベンダーに乗っててもアレですけど
 バーナビーさんは素顔を公開しててしかもあのバイクに乗ってたらみんな声をかけますよ。」

…それもそうだ。
そんな訳でとりあえずバスで通勤してみることにしたが
後ろのほうに座ってるとあまり声をかけられないので朝はゆったりと通勤できる。

290: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/13(金) 23:31:13.26 ID:U5IiWofM0

ふと窓を見てみる。
同じ景色のはずだが車のときとはまた違う景色で新鮮だ。
そんな風に景色を見てるとPDAが鳴る、アニエスさんからだ

『バーナビー、あなたは今日、絶対犯人がでたら捕まえなさい。あなたが犯人を逮捕したら【Mrレジェンド】の記録を越せるのよ!
 これほどおいしい展開は無いわ、いい!犯人がでたら絶対捕まえなさい!その後の特番の時間も取ってあるんだから!』

「はぁ…わかりました…」


そう言ってバーナビーはPDAを切ったとき周りから視線を感じた。
ふぅ、っと一息ついた後、虎徹に少し遅れると伝えた。

291: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/13(金) 23:32:02.98 ID:U5IiWofM0

______________________________________________________


日本鴻上ファウンデーション、会長室

鴻上「里中君!…例の物は見つかったかね?」

里中「…現在調査中です。それらしきものは幾つか見つけたらしいのでまもなく見つかるとの報告です。」

鴻上「そうか…あのコアメダルは…?」

里中「はい、現在制作中ですがセルメダルが足りないので本来のスペックは引き出せないと思います。」

鴻上「…ふむやはりあのときの無限のセルメダルで使いすぎたか…………」
  「では例のスポンサーの状況は……?」

292: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/13(金) 23:33:27.18 ID:U5IiWofM0

里中「あれから動きはありませんが、例のアンドロイドを作った科学者の行方がわかりません。」

鴻上「ふむ……」


鴻上はそう言うと机の上のケーキに生クリームをトッピングしていく
トッピングが終わると少し熟しすぎて黒っぽくなってしまったブルーベリーと
キウイをトッピングしケーキを作っていく

鴻上「できれば本人に渡したかったんだがね、そう言うわけにもいかないか………里中君、食べといてくれ。」

そう言うとケーキを里中へ渡す。
里中はケーキを見た瞬間、うげっ、と思わず口にする。
ケーキにはギョロリとした大きな目に手が張り付いたような顔、
周りは青い炎のような模様の謎のキャラクターの盛りつけがされていた。
そして下には【LUNATIC】とチョコレートで書かれていた。

293: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/13(金) 23:34:04.51 ID:U5IiWofM0



『さぁ!今回も始まりましたHEROTV!!今回の犯人は強盗殺人犯のNEXT、Mrホッパーだ!!』
『その名のとおり、バッタの様な跳躍力のNEXT能力、……だがバッタの跳躍力を持つ男はもう一人存在する。』


『それが_人気HERO!!仮面ライダーオーズ!!!』


今までMrホッパーを映していた画面が切り替わり、
Mrホッパーを追いかけるオーズへと変わる。

294: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/13(金) 23:34:56.69 ID:U5IiWofM0
Mrホッパーはビルの屋上からビルの屋上へと次々移動しオーズの追跡から逃げようとするが
オーズのバッタレッグはMrホッパーのNEXT能力に比べて圧倒的だった。
速さも、パワーも、跳躍力も、全てにおいてバッタレッグの能力はMrホッパーを上まわっていた
逃げていたMrホッパーとの距離も次第に詰められていく。

295: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/13(金) 23:35:36.29 ID:U5IiWofM0


Mrホッパー「っ!くそっ!何だよおい!」

ワイルドタイガー「待て!おい!止まれ!!」

バーナビー「無駄ですよ、タイガーさん」

オーズ「タイガーさん!バーナビーさん!」

Mrホッパー「増えてやがるし!!俺聞いてない!!」


Mrホッパーは大声で叫ぶと他のビルより頭一つ高いビルの上に飛び移る。
オーズはバッタレッグの跳躍で、タイガーとバーナビーもワイヤーを使って後を追う、

296: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/13(金) 23:36:33.81 ID:U5IiWofM0


屋上に勢いよくよじ登ったタイガーはそこで何かにぶつかる。

ワイルドタイガー「痛って!何だよ……って犯人?」

Mrホッパー「あ……あ…あ…」

ワイルドタイガー「なんだぁ?…確保していいのか?」

オーズ「…タイガーさん…上を見てください。」

ワイルドタイガー「んぁ?」

297: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/13(金) 23:37:46.59 ID:U5IiWofM0


Mrホッパーの目線の先、シュテルンビルトでひときわ高い塔の先端

そこには怪しく光る月の赤い光をを背にした不気味な影、

ソレが身につけているマントが徐々に端から燃えていく

マントを燃やすその炎は青色、その青いの光によって、姿がはっきりとみえてくる。

それは一言で表すなら、不気味

その、配色、動き、発言、どれをとっても不気味としか言い表せない。


見る物をを恐怖させる目を青い炎で光らせて佇むソレは・・・




「ルナティック……」






『……さあ、汝の罪を数えろ…』

307: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/20(金) 19:29:08.34 ID:tJJYvrkp0


『……さあ、汝の罪を数えろ…』



不気味なその男は空に左手をかざし青い炎の矢を精製し
右手に持っているボウガンに装填しオーズ達の方角に向ける。

狙っているのはオーズでもワイルドタイガーでも、
バーナビーでもない。炎の矢が向けられているのはMrホッパー

MrホッパーはHEROTVを見ているからルナティックのことを知っている。
自分のような殺人犯をNEXT能力で焼き殺す犯罪者にとって危険な男

能力の跳躍で逃げようと思っていても恐怖で脚がすくんで動けない。
全身が震え視界がぶれる。

ルナティックと対峙してから僅か数秒にも満たないがMrホッパーは何十分のように感じた。

308: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/20(金) 19:30:45.71 ID:tJJYvrkp0


オーズ「アレが…ルナティック……!」

以前、折紙先輩が擬態した姿と全く同じだが
雰囲気が全然違う。



ルナティックが炎の矢を発射する。
オーズは急いでトラクローを展開しMrホッパーに迫る矢をたたき落とし
ルナティックを睨みつける。

『…ほう罪深き罪人を庇うのか【マスクド・ライダー】?』

「………」

ルナティックの問いにオーズは答えず
ただ佇むルナティックを睨みつける。

309: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/20(金) 19:32:29.69 ID:tJJYvrkp0
虎徹はメット内部に表示されている時計を見る。
そこにはまだ余裕のある能力の残り時間が表示されていた。
だが能力が減退している虎徹にとってはたいして当てにならない

ワイルドタイガー「……バニー俺が囮になるからアイツを取り押さえろ。」

バーナビー「…わかりました。」

ワイルドタイガー「…よし行くぞ!」

310: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/20(金) 19:33:59.74 ID:tJJYvrkp0


ワイルドタイガーは腕のワイヤーガン【ワイルドシューター】をルナティックの右腕に向けて発射する。
ワイヤーをルナティックの右腕に絡みつけるとワイルドタイガーは思いっきり引き寄せる。

その隙にバーナビーは地面を蹴り上空で一回転し
ルナティック目掛けてきりもみ回転キックの姿勢を取る


311: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/20(金) 19:34:42.21 ID:tJJYvrkp0
だがルナティックは炎でワイヤーを焼き切り脱出。

ワイヤーが急に無くなったワイルドタイガーは尻餅をついて倒れてしまう。

自由になったルナティックはバーナビーのきりもみ回転キックの横をすり抜け、
バーナビーに炎の矢を装填したボウガンを突きつける。

バーナビー「クッ!!」

312: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/20(金) 19:35:30.34 ID:tJJYvrkp0

ルナティック「絶望が汝の___!?」

ルナティックの言葉を遮るようにボウガンに向けて水流が当たり、矢の軌道がずらされる。

首を急速に曲げ、ルナティックが見た先、
そこには頭部のデザインがシャチのように変わったオーズが頭部から水流を発射していた。

ルナティックは一度オーズ達から離れて上空へ行く
その瞬間背後からHEROTVのヘリコプターが現れる。


『おっと!ここでまさかのルナティック登場か!!さぁどうなる!! ………ん?オーズの頭部がまたもや変化していますね…』

313: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/20(金) 19:40:13.65 ID:tJJYvrkp0

『…茶番が始まったか……ふん、興が冷めた…また会おう【マスクド・ライダー】』

ルナティックはそう言い残すとマントを翻し、
夜の闇に消えていく。


オーズ「逃げた…?」

バーナビー「…そのようですね……オーズさん、さっきはありがとうございます。」

314: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/20(金) 19:42:45.67 ID:tJJYvrkp0
タイガー「バニー!オーズ!大丈夫か~?」

オーズ「タイガーさ~ん!こっちは大丈夫ですよ!」

バーナビー「なんとかアイツも退けましたし………あとは貴様だけだな。」

バーナビーはギロリとMrホッパーを睨みつける。


Mrホッパー「あ~助かった~殺されるところだったぜ、ハハッ!あんな奴に殺されてたまるかよ!」

バーナビー「貴様ッ!…よくもぬけぬけと___」

315: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/20(金) 19:43:27.32 ID:tJJYvrkp0
バーナビーが言い終わる前にMrホッパーの顔の横の壁が砕け散る。
Mrホッパーが横をふり向くとオーズの黄色い拳がめり込んでいた。

オーズ「……次なにか言ったら今度は殴りますよ………」


オーズは壁から拳を引き抜くとMrホッパーを睨みつける。
Mrホッパーは何も言えず震えながらコクコクと頷く。
その様子を見た後、静かにオーズは去っていく

ワイルドタイガー「あいつ……」

バーナビー「…運がよかったな、オーズさんがああしてなければ僕が殴っていた……」

バーナビーがそう言うとMrホッパーの腕を掴み確保する。

316: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/20(金) 19:46:03.17 ID:tJJYvrkp0
『…速報が入りました、バーナビーは今回犯人を確保したのでレジェンドの記録を上回りました!!』


その速報と共に街からワッ!と歓声が轟くが、
タイガーは去っていくオーズの後ろ姿を黙って見ていた。


326: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/27(金) 19:49:37.62 ID:K409nKr/0


アニエス「ルナティックも何で消えちゃうのよ!!せっかくの視聴率がッ…!」

ケイン「はぁ……」

アニエス「…まぁ、バーナビーが記録を更新したってのもあるから急いで記者会見の準備!」

ケイン「はい」

アニエス「…ったくルナティックも現れるなら現れるって言いなさいよ!!」

ケイン「……それは…ちょっと…」

327: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/27(金) 19:51:12.31 ID:K409nKr/0
_______________________________________________________________________
数年前のある夏

その日はとくに暑い日だった、家の車庫には窓は無く、
風のとおりが無いので生暖かい空気が外へぬけることはない。
そんな車庫にある派手な車の後ろに少年は縮こまり体を震わせていた。


「何だ!その目は!お前もどうせ私のことを屑だと思っているんだろ!」

男の問いに女性は首を横に振り否定するが
男は女性の胸ぐらを掴み無理矢理立たせると頬を殴りつける。

「糞ッ!どいつもこいつも……!俺のことをあざ笑ってるんだろ!」

そう叫ぶと男は地面に倒れた女性の腹を何度も蹴る。

少年は母親が蹴られるたびに聞こえる痛みに苦しむ悲鳴と、
父親が母親を蹴る音に怯えながら見つからないように
手足をより体に密着させ見つからないように縮こまる。

328: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/27(金) 19:52:13.92 ID:K409nKr/0


ふと顔を上げ車庫に立て掛けてある写真をみる。
そこには顔にアイマスクを付け、全身を鮮やかな色のスーツに身を包み親指をたてる
父親の姿があった。


「…悪いことを見逃しちゃだめなんだ……悪い奴を見逃しちゃ…」


自分に言い聞かせるように呟き、立ち上がって父親の前に行き、体を恐怖で震わせながら叫ぶ


「と、父さん!止めなよ!誰も父さんのこと馬鹿にしてないだろ!」

「黙れ!お前に何がわかる!……この馬鹿がぁッ!」

少年の勇気は虚しくも父親を止めることなどできず、父親を逆上させただけだった。
父親は少年を掴み上げると、派手な…かつての父親の乗っていた車のボンネットに叩きつける。

父親は少年から目を背け、再び母親の方をみて拳を固める。

329: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/27(金) 19:53:05.90 ID:K409nKr/0
少年はよろよろと立ち上がると父親を睨みつける。
だが父親を睨みつけている少年の目は、青く光り、全身からはうっすらと青く輝いていた。

「や、やめろぉぉぉっ!」

少年は父親に向かい飛びかかる。
父親はいち早く気づき、払いのけようとするが少年にふれた瞬間、父親の全身が青い炎に包まれる。

「ぐぉぉぉぉぉぉおおおおおッ!!」

少年はただ唖然と父親を見る。
数秒後に自分がやったのだと感じた。

もはや父親なのかどうかわからない炎の中の人影は何かを叫びながら燃えさかる手で少年の顔を掴む。








そこで夢は覚めた。

330: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/27(金) 19:53:37.15 ID:K409nKr/0

ユーリ「…っ………またか…」

ユーリは全身にかいた汗を流すためネクタイを外し部屋から出てシャワーへ向かう。
部屋の中には自分のスーツと少し縁が焦げている写真、そして不気味な……ルナティックのヘルメットが置いてあった。





331: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/27(金) 19:59:13.44 ID:K409nKr/0
記者会見後


マーベリック「やぁ!バーナビー、まずは記録更新おめでとう。」

バーナビー「マーベリックさん、ありがとうございます!」

マーベリック「…ところでタイガー君は一緒じゃないのかい?…せっかくのパーティーなのに、」

バーナビー「虎徹さんはさっきどこか行ってしまいました、『俺はこういう雰囲気あまり好きじゃ無い』とか言って…」

マーベリック「ハハハッ!困ったものだね、とにかく今日は楽しもう。」

バーナビー「はい、そうですね。」

332: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/27(金) 20:02:14.15 ID:K409nKr/0


映司「………」

映司はパーティに参加しず、墓場いた。
ある墓標の前に座り両手を合わせ目を瞑る。

虎徹「…よう、オーズ…どうしたんだ?こんなところで、パーティには参加しないのか?」

映司「タイガーさん…!……どうして…!?」
  「……タイガーさんこそパーティに参加してないじゃないですか。」

333: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/27(金) 20:03:02.06 ID:K409nKr/0
虎徹「まぁ…俺はああいう雰囲気は苦手なんだよ。」

映司「そうですか……じゃあ俺はこれで……」

虎徹「まぁ待てよ。」

墓標の前から立ち上がり、去ろうとしたとき
虎徹に引き留められる。

334: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/27(金) 20:03:57.22 ID:K409nKr/0
虎徹「この墓……たしか今日の犯人に殺された人の墓だろ?」

映司「…はい、身内がいないので葬式は行われなかったそうです………」
  「もし…もしもこの人が殺される前に俺がなにかできたら…この人は……」

虎徹「そうか……正直、お前はやってられないよな…HEROになって日が浅いのにこんな事件じゃあ…」
  「でもオー……映司、あんまり自分を責めるなよ、お前は都合の良い神様じゃあねぇんだから……」

335: ◆lyUlZTXcIM 2012/01/27(金) 20:04:40.02 ID:K409nKr/0
映司「タイガーさん…でも俺は……」

虎徹「映司、言っとくが俺達はHEROだが全部が全部守れる訳じゃない……がアイツを捕まえたことによってこの街の何人も守れたぞ。」
  「んで、『俺達』だ!さっきから『俺』って言ってるが、HEROは他にも九人いるんだから、なんでもお前一人で何でも背負おうとするなよ……」

映司「…!……すいませんタイガーさん…また同じふうになりそうでした……ああすれば届くってわかったはずなのになぁ……」

虎徹「…うしっ!じゃあ今日は俺のおごりだ!なんか食いに行くか?それとも俺がチャーハンでも作ったろうか?」

映司「…じゃあ…チャーハン、ごちそうになります。」

342: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/03(金) 22:08:08.33 ID:skclVH8K0



ユーリ「_____殺人犯、通称【レディーキラー】の姿を見たとの情報が市民よりよせられました。」
   

「……そうか、なら早急に対策を打たねばならんな。」

「ああ、一刻も早く見つけ出し、HEROに知らせねば……」

「ええ…ルナティックに先を越させられないようにな……頼んだぞ、ユーリ君。」




ユーリ「はい…」




343: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/03(金) 22:09:02.17 ID:skclVH8K0

虎徹の家



虎徹「まぁ、汚ねぇけどあがれよ。」

映司「お邪魔します。」
  「へぇ~タイガーさんの家って結構広いんですね!」

虎徹「とりあえず、俺はチャーハン作ってるから適当にくつろいでくれ」

映司「あ!俺も手伝いましょうか?」

虎徹「いいっての、くつろいでくれって!」

映司「じゃあ、お言葉に甘えて…」

344: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/03(金) 22:09:58.50 ID:skclVH8K0
虎徹がキッチンに立ちチャーハンを作っている間、映司はソファに座り周りを見渡す。
周りには飲み干して空になった酒瓶に脱ぎ捨てられている服が目に入り、立ち上がり整理を始める。
瓶は一カ所にまとめておき、服は拾い上げてしわを伸ばすと綺麗に畳む。

映司「こんなもんかな………ん?なんだろ?」

映司は足の裏に違和感を感じ、踏んだものを拾い上げる。

映司「ノート…?………【4,28  4,13 3,56 3,41 3,15】…なんだろうコレ?」

345: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/03(金) 22:10:51.73 ID:skclVH8K0
虎徹「完成!『虎徹のチャーハン、略してこてっちゃん』…ってな!」

映司「タイガーさん、このノートのこの数字ってなんですか?」

虎徹「!?……あ、あれだよ、ほら………まぁんなことよりチャーハン食べようぜ!冷めちまう!」

映司「…そうですね!お腹もへったし、ごちそうになります。」

虎徹「お、おう!ジャンジャン食え!!」

346: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/03(金) 22:11:46.68 ID:skclVH8K0



映司「…ところでタイガーさんはMrレジェンドのファンなんですか?」

虎徹「!?…なんでわかったんだ?」

映司「いや…写真とかDVDが置いているところを見ればファンだってわかりますよ。格好良いですよね。」

虎徹「そ~なんだよ!メッチャクチャ格好いいのにバニーは全然わかってくれないんだよ」

映司「…趣味は人それぞれですからね~俺のパンツもみんなわかってくれないんですよ!」

虎徹「…いや…お前のパンツは……俺もちょっと……」

映司「ええ~!変なのかなぁ………」



347: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/03(金) 22:12:25.63 ID:skclVH8K0

数日後
トレーニングルーム。


虎徹「っあ~………」


能力減退
その事実が頭をよぎるたび、虎徹は不安を感じていた。
不安を感じるたびに自分の体を虐めるようなトレーニングをしている。

体を鍛え、少しでも長くHEROを続けるために努力しているが
能力は使うたびに、ゆっくりゆっくりと減退していく。

348: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/03(金) 22:12:51.22 ID:skclVH8K0
溜息を吐き、下を向いていると着信音が鳴る。

虎徹「…ベンさん…はい!もしもし」

ベン『虎徹…話したいことがある。…時間あるか?』

虎徹「ええ、いいっすよ……じゃあ6時半にバーで。」


電話を切り、首を数回回し、タオルで汗を拭きながら着替えにロッカールームへ向かう。


349: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/03(金) 22:13:31.58 ID:skclVH8K0

バー


ベン「ところで、虎徹…能力はどうだ……?」

虎徹「……まぁ…順調に………ところで話ってなんです?」

ベン「ああ…お前には言いづらいんだが…能力減退について調べてみたんだがな…どうも【Mrレジェンド】も能力減退していたらしい…」

虎徹「はあぁぁぁぁッ!?」

ベン「馬鹿!声が大きい!」

350: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/03(金) 22:14:14.91 ID:skclVH8K0
虎徹が周りを見渡すとバーにいたほぼ全員が虎徹を見つめる。
咳払いした後、席に座る。

虎徹「…んな話があるわけ無いでしょう、Mrレジェンドは伝説の記録を打ち立てた男ですよ……」

ベン「…お前には信じづらいだろうが、現役時代Mrレジェンドと一緒に働いていた元HERO達に聞いた話だ。」
  「レジェンドの減退が始まってからは、途中まで他のHEROが犯人を追いつめて確保のおいしい瞬間だけはレジェンドがするっう八百長が常習だったらしい」
  「しかも自分に不都合な逮捕記録は消すってほどの徹底ぶりだったらしい……」

虎徹「……だからジェイクの逮捕記録がなかったのか……」


351: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/03(金) 22:15:01.64 ID:skclVH8K0

ベン「だいぶレジェンドは酒に溺れてたらしい、………虎徹、お前も今後の身の振り方を考えておいた方が良いんじゃないか?」

虎徹「……俺にHEROやめろっていうんですか」

ベン「…いや、俺だってこんなこと言いたかない、けどお前もいつまでもHEROをやってられる年じゃないだろ……」

虎徹「……失礼します!」

ベン「おい!虎徹!」

352: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/03(金) 22:15:46.98 ID:skclVH8K0



虎徹「……はぁ…」


「キャー!助けてぇッ!!」


虎徹「悲鳴!?どこからだ!」

虎徹は周りを見回すとマンションの屋上から、ちらりと女性が見えた。
アイマスクをつけ能力を発動させマンションの横に設置してある
非常階段のふちを足場にし屋上へと跳ぶ。

365: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/17(金) 19:41:37.46 ID:TNQXUOm70
非常階段のふちを足場にし屋上へと跳ぶ。



レディーキラー「さぁ、お嬢ちゃん。お楽しみの時間ですよ~」

鞭を持った男は薄汚い笑みを浮かべ女性へ一歩ずつ近寄る。

虎徹「待て!」

虎徹が屋上に着くととっさにレディーキラーは女性を羽交い締めにする。

虎徹「…その女性を離せ。」

虎徹が言った瞬間
腕のPDAが鳴り響く、

366: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/17(金) 19:42:38.03 ID:TNQXUOm70
『タイガー!テロ事件よ!すぐ現場に急行して!』

虎徹「悪いんすけど、今立て込んでるんで…終わったらすぐ現場に向かいます。」

虎徹はそう言いきるとPDAの電源を切る。

レディーキラー「……ん~オタクHEROなのか…へぇ~…わかったよ、ほらよ!」

レディーキラーは女性を柵の外に投げ飛ばすとさっと近くのゴンドラに飛び移る。

367: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/17(金) 19:43:39.13 ID:TNQXUOm70
虎徹「クソッ!あの野郎!」

虎徹は腕のワイヤーを柵にくくり付けると飛び降りて女性を救出し
そのままガラスを突き破りマンションの一室に入る。

「きゃあ!!」

「今の音は…!」

「おいおいおいおい!なんだっちゅーの!?」


「すんません!ガラス代は今度弁償するんで、この人を頼んます!……じゃあ…失礼しました!!」

虎徹はマンションにいた三人組を見てそれだけ言うとレディーキラーを追う。

368: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/17(金) 19:44:51.28 ID:TNQXUOm70


アニエス「タイガーがいないなら絵にならないじゃない!!」

ケイン「…どうします?」

アニエス「……タイガーがいなくても他にHEROはいるんだから…とりあえず今回はオーズとバーナビーを組ませるわ!」

ケイン「…それって視聴率かなり……」

369: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/17(金) 19:45:27.42 ID:TNQXUOm70

アニエス『ボンジュール、HERO!今回はある企業のビルの立てこもりよ、犯人は6人、人質は約10人、頼んだわよHERO。』

HERO「「「はい!!」」」

アニエス『バーナビー、オーズ、今日はタイガーが欠席したから二人には今日一日コンビとして組んでもらうわよ。』

バーナビー「まぁ、僕は構いませんよ、よろしくお願いします、オーズさん。」

オーズ「はい!こちらこそよろしくお願いします。」

370: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/17(金) 19:46:20.56 ID:TNQXUOm70

ビル内部。

犯人1「畜生!もうHERO達がかぎつけてきやがった!」

犯人2「慌てるな…こっちには最新型の武器があるんだ…」

犯人3「それに警備室乗っ取ってアイツが監視カメラで全部見えてんだからな!どこから来てもすぐわかるぜ!」


犯人4「おい、お前ェ……なんだこのサソリは……色が全然写真と違うじゃねぇか!!」

社員「ヒィッ!」


犯人5『…おい!なんか入ってき…うぉまぶs__』

犯人6「おい!どうした!?」

犯人3「…返事がないぞ!」

371: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/17(金) 19:47:48.52 ID:TNQXUOm70




数分前に\タイムベント/

372: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/17(金) 19:48:57.31 ID:TNQXUOm70
バーナビー「…オーズさん、あなたのメダルをうまく使えば人質を無事救出できるはずです、メダルの特徴を教えていただけませんか?」

オーズ「…はい!お願いします!…やっぱり俺じゃあアイツのようにはメダルチェンジができないんで……」

バーナビー「アイツ?」

オーズ「あ、いや、なんでもないです!……このウナギの模様のは…__________」







バーナビー「__なるほど、じゃあこんな作戦でどうでしょう。」


373: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/17(金) 19:49:45.24 ID:TNQXUOm70

バーナビーが考えた作戦は頭部を使用禁止のライオンヘッドに換え、ビルに侵入した後、

恐らく監視カメラで見張りが見てるであろう犯人に向け、監視カメラに近づき頭部を光らせて

犯人の目をしばらく潰す、その後バーナビーがハンドレットパワーを発動する。

犯人達と人質のいる部屋をシャチヘッドで感知し、ボディをゴリラに換えて

チーターレッグで一気に近づき、ドアを破壊し、驚いた隙に犯人達や武器を高圧水流で吹き飛ばしてバーナビーと共に
犯人を確保すると言う作戦。

374: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/17(金) 19:52:56.90 ID:TNQXUOm70
案の定その作戦は上手くいき犯人は確保され、人質は無事救出した。

『オーズ&バーナビー!!即席とは思えない抜群のコンビネーションによって見事犯人確保だぁぁッ!!』
『今回のポイントによりオーズの順位が5位から4位へ移動しました!!!』

375: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/17(金) 19:55:22.19 ID:TNQXUOm70

オーズ「…………」

ブルーローズ「青、銀、黄色…ずいぶん奇抜ね……」

ファイヤーエンブレム「どうしたのよ?オーズそんなにまじまじと銃を見て、欲しいの?」

オーズ「いえ…なんであの犯人達がこんな最新式の銃を持ってるのかな~って思って……」

バーナビー「それもそうですね…」

376: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/17(金) 19:56:25.33 ID:TNQXUOm70
スカイハイ「ふむ、これは何か裏があるのかもしれないが、ひとまずオーズ君、おめでとう!そしておめ__「おい!そろそろ撤収するぞ!!」

スカイハイ「………」

ロックバイソン「あ…悪りぃ!スカイハイ!」

スカイハイ「……いやいいんだ、ロックバイソン君……気にしないでくれ…」

378: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/17(金) 19:58:30.72 ID:TNQXUOm70

オーズ「う~ん……なんか気になるなぁ…」

バーナビー「でしたらユーリさんに調べてもらったらどうですか?」

オーズ「ユーリさん?」

バーナビー「はい、HEROの弁護もしている腕利きの弁護士です。ユーリさんなら色々調べてくれると思いますよ。」

オーズ「へぇ~わかりました!じゃあ今から向かってみます。」

379: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/17(金) 19:58:58.76 ID:TNQXUOm70

レディーキラーは倒れこんだ虎徹の腹を蹴り飛ばしゴンドラから地面に落とす。
虎徹はゴンドラに手を伸ばしながら下のゴミ捨て場へと落下する。

シトシトと雨が降る中、街頭テレビの音量があがる。

『オーズ&バーナビー!!即席とは思えない抜群のコンビネーションによって見事犯人確保だぁぁッ!!』
『今回のポイントによりオーズの順位が5位から4位へ移動しました!!!』


虎徹はそれを聞くと帽子を深くかぶり意識を闇に手放す。


384: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/24(金) 21:22:59.82 ID:QzQYpeW60

司法省

映司「え、ユーリさんもう帰っちゃったんですか?」

受付「すいませんね。あの人たま~にそさくさと早く帰るときがあるんだよ。」
  「まぁ、でも他の誰よりも仕事量も多いし文句を言う人は居ないけどね、…なにか用件なら私が伝えておきますけど…」

映司「いや、本人に直接言いたいので結構です。 ありがとうございました。」

映司「ふぅ…居ないならまた今度か…」


385: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/24(金) 21:29:28.19 ID:QzQYpeW60

キャバレー

レディーキラー「ねぇ、俺をペチペチしなぁい?」

女性「なにそれ、…面白そうじゃなぁい。」


キャー!!


レディーキラー「ん?うるさいねぇ…」


叫び声が聞こえた方向をふり向くとコンクリートの壁が
ドロドロと溶けだし、カーペットを青い炎が燃やし、炎はゆっくりとレディーキラーの周りを囲んでいく。

386: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/24(金) 21:35:44.08 ID:QzQYpeW60

ルナティック「……汝、罪を数え、罪を清算せよ。」

レディーキラー「オタクもHEROか…わかった降参……なんてなぁっ!」

鞭をルナティックの顔に向けて振るが顔に届く前に一瞬で灰になる。

レディーキラー「…!…おっと手が滑っちまった悪いね。僕ちゃんも年貢の納め時かな…」

387: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/24(金) 21:43:03.45 ID:QzQYpeW60
 

レディーキラー「おいおい、どうしたんですか?HEROさん。」

虎徹「…っ…」


レディーキラーを追っていた虎徹だが途中でハンドレットパワーの時間が切れ
通常の身体能力に戻っていた。


レディーキラー「…HEROってのはまず強くなくちゃあいけないんだよ。オタクはそんな弱いのによくHEROやってられるなぁ…」
       「じゃあな! 弱わっちいHEROさん!!ハハッ!!」

388: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/24(金) 21:46:28.33 ID:QzQYpeW60

ルナティック「汝の罪は重い…判決を下す」

レディーキラー「ち、ちょっと、HEROさん、早く捕まえてくれよ…」

ルナティック「貴様は二つ勘違いをしている、」
      「まず、私はHEROではない。そして私は貴様を捕まえない、死をあたえるだけだ。」

レディーキラー「お…おい…!やめろよ…俺が悪かった!!頼む命だけは…!!」


ルナティック「絶望が貴様の終焉だ……さぁタナトスの声を聞け…」

389: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/24(金) 21:50:38.85 ID:QzQYpeW60

ルナティック「汝の罪は重い…判決を下す」

レディーキラー「ち、ちょっと、HEROさん、早く捕まえてくれよ…」

ルナティック「貴様は二つ勘違いをしている、」
      「まず、私はHEROではない。そして私は貴様を捕まえない、死をあたえるだけだ。」

レディーキラー「お…おい…!やめろよ…俺が悪かった!!頼む命だけは…!!」


ルナティック「絶望が貴様の終焉だ……さぁタナトスの声を聞け…」

390: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/24(金) 21:51:34.46 ID:QzQYpeW60
二重投稿すいません…




映司「ユーリさんも居なかったし今日は早く家に帰ろうかな…」
  「雨は小降りだけど…洗濯物大丈夫かなぁ?」

映司はそう呟きライドベンダーに跨ると家に向かいライドベンダーを走らせる。
道の途中、赤信号で止まっていると街頭テレビから大音量でニュースが流れる
内容はルナティックに殺人犯が殺されたと言うニュースだった。
自然と映司の拳に力が入るが目の前の信号が青に変わったのに気付きアクセルを踏み込む。

その瞬間一瞬映司の視界が暗くなる。
疑問に思い、顔を上げると上空に青く光る点がチラリと見えた。
その青く光る点が何か映司はルナティックのように感じた、確証は無いが映司は路地裏へ入り変身する。

391: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/24(金) 21:55:01.55 ID:QzQYpeW60

映司「変身ッ!」

シャチ!

トラ!

バッタ!


変身しバッタの脚力で建物の屋上へと一気に跳び、
頭部のシャチヘッドの感知能力で青い点に注目する。

青い炎の高熱と体の輪郭を感じ、ルナティックと断定し、ビルの屋上を跳びながらルナティックへ近づく。

392: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/24(金) 22:00:10.79 ID:QzQYpeW60
オーズ「待てッ!ルナティック!!」

ルナティック「…………何のようだ【マスクドライダー】…?」

オーズ「……あなたを捕まえに来ました…」

ルナティック「…ほう…脆弱なるHEROよ…捕まえられるか?この私を?」

オーズ「脆弱かもしれないけど、これ以上誰かを傷つけさせないためにあなたを捕まえます…」

ルナティック「………まぁいい…」

393: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/24(金) 22:05:34.51 ID:QzQYpeW60
ルナティックは首をぐるりと回すとボウガンをオーズに向け何発か撃つ、
オーズはシャチヘッドから高圧水流を噴射するが炎は消えず、そのまま高圧水流を突き抜け
オーズの体に当たり火花を散らしながら屋上をごろごろと転がる。

「っ…!…やっぱりシャチヘッドじゃあ何発も防げないか…ならッ!!」

オーズはベルトから黄色と緑のメダルを取りだし、青いメダルをベルトに挿れ、スキャナーをスライドさせる。

394: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/24(金) 22:10:07.80 ID:QzQYpeW60

シャチ!!

ウナギ!!

タコォッ!!

シャッシャッ シャウタ~!! シャッシャッ シャウタァッ!!!

青い、トリッキーな戦い方の水中動物の王のメダルを使った

【オーズ シャウタコンボ】

395: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/24(金) 22:15:30.56 ID:QzQYpeW60

オーズは腰を落としながら腕を横に広げ、クネクネと動かしルナティックを睨む。

ルナティックは狙いを定めオーズに向け炎の矢を撃つが
オーズは体を液状化させると矢を避けることなく空中を進む、
炎の矢は全てオーズの体をすり抜けていく、その光景にルナティックは驚愕する。
ルナティックに近づくと瞬時に元にもどりボウガンを破壊するとルナティックに馬乗りしたまま屋上に叩きつける

396: ◆lyUlZTXcIM 2012/02/24(金) 22:18:23.46 ID:QzQYpeW60
オーズ「…終わりです…おとなしく警察に捕まってください!」

そう言ってオーズがルナティックの顔に手を伸ばす。


自分の顔に手が迫ってくる、その光景

以前にもあった。

自分の父が伸ばす手、
その手からは憎悪があった。
炎に焼かれていた。

自分がやった。


ルナティック「ゃ…やめろぉぉぉぉぉおッ!!!」

オーズ「!?」

今までのルナティックのイメージとはかけ離れた様な叫びをあげながら
手のひらから今までよりも高威力の青い炎を噴射してオーズを吹き飛ばす。

零距離で食らったオーズはよろめきながら地面に落ちる。


しばらくその場で息を整えた後、ゆらりと立ち上がりルナティックは夜の闇へと消えていく。

412: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/09(金) 20:10:59.04 ID:AHEZXFNQ0




虎徹は目を覚まし、ゴミ捨て場から這い出ると体の痛みに耐えながら自分の車を駐めてある位置にまで歩く。

ゴミ捨て場にいたせいか、服に臭いが移り道行く人々は皆、虎徹を避けていく。

自分の車まで着くとドアを開けシートに座り込むと

疲れをはき出すように大きく息を吐くとゆっくり車を走らせる。

413: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/09(金) 20:12:16.48 ID:AHEZXFNQ0


とおりをぬけると大きな街頭テレビにはニュースが流れていた。

それはレディーキラーがルナティックに殺害されたというニュース。


____あのとき逮捕していたら救えたのに。____


そんな考えが頭の中から離れない。

虎徹は歯を噛み締めてハンドルを強く握る、

414: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/09(金) 20:12:58.83 ID:AHEZXFNQ0

何分か経って虎徹は道の縁にオーズのバイク、ライドベンダーが駐めてあるのを見つける。

この辺りは特に何かあるわけでもない、
何かが引っかかりライドベンダーの前に車を駐めトランクから傘を出し映司を探す。


虎徹「………やっぱ、何もなかったのか…」

415: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/09(金) 20:13:33.77 ID:AHEZXFNQ0
虎徹は溜息を吐くとその場を後にしようとしたとき背後から何かが落ちる音が聞こえ、

振り返るとそこには全身青の姿に黄色い大きな複眼、三つのメダルが入っているベルトの__

そこで虎徹は何者か理解した。

虎徹「おい!映司!!大丈夫か____って熱ッ!!…クソッ!!」


416: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/09(金) 20:15:11.88 ID:AHEZXFNQ0

虎徹はオーズのベルトをスライドさせ変身を解除させると

意識を確認するため声をかけ、映司を揺さぶる。

一瞬だけ映司は目を開けたが、すぐに映司は痛みにより気を失う。

417: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/09(金) 20:20:04.05 ID:AHEZXFNQ0


映司「っ……ここは…?」


映司が目を覚ますとそこは見覚えのない見知らぬ部屋

虎徹「よう、起きたか?火傷はそんな酷くは無かったけど打撲とかあるから明日湿布換えてくれるってさ、」

映司「虎徹さん…ここは…?…っ!」

虎徹「あ~!病院だよ、病院・…もうお前ボロボロなんだから寝てろよ!」

映司「はい……」

418: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/09(金) 20:20:49.93 ID:AHEZXFNQ0

虎徹は温かい缶コーヒーを映司に出し椅子に座ると
しばらく考え込んだような動きをしてから映司に話しかける。

虎徹「なぁ…映司…一つ良いか?」

映司「何ですか?」


虎徹「お前ってNEXTじゃないだろ。」

419: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/09(金) 20:22:56.49 ID:AHEZXFNQ0

映司「ッ!……はい。でも…どうしてわかったんですか?」

虎徹「NEXTってのは病院で調べたりしてもわかるんだよ。」
  「お前がぶっ倒れている間に医者が調べてな…」

映司「……………すいません…今まで騙してて……」

映司は顔を下に向け、表情が暗くなる。
虎徹はそんな映司の頭を、クシャクシャっと撫でると笑顔で話しかける。

420: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/09(金) 20:23:54.70 ID:AHEZXFNQ0
虎徹「なに、良いってことよ!お前は誰かのためにいままでHEROやってきたなら、NEXTも関係ねぇ。」
  「……だけど…そのベルトは何だ?」

映司「はい、これは____」

映司は
【欲望のメダル】のことや

【オーズ】のこと

【グリード】のこと、

そして【手を掴んでくれた人】のことを虎徹に全て説明した。


虎徹は最初は半信半疑だったが映司の言葉を聞く内に信じた。

421: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/09(金) 20:24:47.42 ID:AHEZXFNQ0


虎徹「_____はぁ…お前も大変だったんだなぁ…」

映司「…でも…楽しいことも一杯ありました。」
  「もし俺が【仮面ライダー】になってなかったら多分色んな人に会えませんでした。」
  「___もちろんタイガーさん達にも…」

虎徹「…後悔してないんだな……?」

映司「はい。全く後悔してません。」

虎徹「そうか…それならいいんだ。…………そんじゃあ俺そろそろ帰るわ」

虎徹は椅子から立ち上がると静かに病室から出て行く。

422: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/09(金) 20:33:15.50 ID:AHEZXFNQ0

虎徹「……アイツがNEXTじゃないなら……俺が能力減退してても…………」

自分はまだHEROを続けられるかもしれない。
そう思ったがすぐにベンさんやレディーキラーの言葉を思い出す。

虎徹「いや……そろそろ俺も潮時か………弱っちいHEROなんてな……」
  「………悪い、友恵…約束守れそうにねぇ……………」

423: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/09(金) 20:35:13.94 ID:AHEZXFNQ0
虎徹は帽子を深く被りなおすと、

雨に濡れ、冷えた体をふるわせながら

一人静かに病院から出て行く。

424: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/09(金) 20:36:22.70 ID:AHEZXFNQ0

鴻上「ご機嫌よう!諸君!!社員の誕生日にはケーキを必ず作る方、鴻上光生だッ!!
   とうとう火野君がNEXTでは無いと言うことがワイルドタイガー君にばれてしまったね!!
   これは何かしら手を打つ必要があるか……
   次回!【帰省と娘とお医者さん】新しい話の誕生だ!!ハッピィバースデイッ!!」

425: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/09(金) 20:38:51.91 ID:AHEZXFNQ0



NG?

虎徹「なぁ!バニー!!聞いたか?【スーパーヒーロー大戦】の話!!」

バーナビー「ええ、【スーパーヒーロー大戦】というタイトルなのにヒーローの僕たちは主演していないあの作品ですか…」

虎徹「……それには色々と大人の事情とか、二次元と三次元とかな……」

バーナビー「オーズさんに頼み込んで映画に出さしてもらいましょう。」

虎徹「おい!バニーちょっと待て!!」

~~~

バーナビー「__と言うわけで出させてもらえないでしょうか?」

オーズ「え…ええ良いですけど……たぶん【あの人】を見たらすぐに……」

バーナビー「とにかくまず現場に行きましょう。」


426: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/09(金) 20:39:36.02 ID:AHEZXFNQ0
~~

虎徹「ここがスーパーヒーロー大戦の世界か……」
  「__って、わぁっ!!もう怪人みたいなのが戦ってるぞ!!」

バーナビー「僕たちも行きましょ___」


アタックライド インビジボゥ!!

敵1『どこに消えた!?』

敵2『わからん!!』

427: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/09(金) 20:40:10.58 ID:AHEZXFNQ0
アタックライド クロックアップ!!

ファイナルアタックライド ディディディケイド!! 

敵1『なにッ__ぐわぁぁぁぁぁッ!!』

敵2『ギャァァァァァ!!』

敵3『おのれ…破壊者め……うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』


ディケイド「……次!!かかってこい!!」

敵s『『『うおおおおおおおおおッッ!!!』』』

428: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/09(金) 20:43:03.36 ID:AHEZXFNQ0

カメンライド ジェイ!!

アタックライド イリュージョン!!

J(ディケイド)「「「うおおおおおおおおッ!!!」」」ドシーン ドシーン

ドカーン ドーン バーン



虎徹「……バニー……帰ろうか…」

バーナビー「……そうですね!」




映画【スーパーヒーロー大戦】
みんなで観に行こう!!


鳴滝「おのれ…ディケイド……貴様のせいでスーパー戦隊の世界も破壊されてしまった……」



以上です。

432: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/16(金) 22:33:12.07 ID:gzxlWaan0


【帰省と娘とお医者さん】

433: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/16(金) 22:33:32.93 ID:gzxlWaan0

アポロンメディア社内



ロイズ「有給休暇ぁ?…なんでまた?」

虎徹「そろそろ娘に会っておかないと俺の顔忘れられそうでして…」

ロイズ「ふ~む…困ったねぇ…うちのHEROはコンビでやってるわけだし…」

バーナビー「良いじゃないんですか、僕一人でもいけますし。」
「それと楓ちゃんへこれを、僕のサイン付きの本です。」

虎徹「おお………サンキュー」

434: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/16(金) 22:35:04.88 ID:gzxlWaan0

ロイズ「…う~ん…バーナビー君が大丈夫って言うなら………あんまり長くはならないでね?我が社の売り上げに響くから。」

虎徹「ありがとうございます!それでは!……………それはそうとロイズさん…オーズのメダル集め順調すね…」

ロイズ「…まぁ…重要な資料代わりとしてね……あ!バーナビー君、今度オーズにチーターメダルが余ってるかどうか聞いといてね。」
   「トラが二枚もダブっちゃってねぇ……チーターがなくて困ってるの。」

バーナビー「はぁ……」