虎徹「仮面ライダー?」映司「HEROTV?」 前編

435: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/16(金) 22:39:28.32 ID:gzxlWaan0
__________________________________________



のどかな日本風の風景が広がる街

【オリエンタルシティ】

絶えず近代的な建物が造られ古びた物は消えてゆくシュテルンビルドと違い
虎徹の故郷のオリエンタルシティは何一つ変わっていない昔のままで虎徹は安心感を感じる。

虎徹「…やっぱ昔のままだな…ここは……」


村正「虎徹、こっちだ。」


虎徹「兄貴!なんだ迎えに来てくれたのかよ!」

村正「配達のついでだ。」

虎徹「あっ…そう……しっかしさ、この車まだ使ってるのかよ、シュテルンビルドじゃあ引退してるぞ」

村正「こっちでは現役だ。……さっさと乗れ家まで乗せてってやる。」

虎徹「へいへい。」


436: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/16(金) 22:39:54.95 ID:gzxlWaan0

虎徹「なぁ……最近こっちはなんかあったか?」

村正「最近…と言うわけでもないが……ほらお前も良く通ったあの病院が潰れかけてて…」
  「こないだから【派遣医師】ってのが来たくらいだ。」

虎徹「派遣医師ねぇ……ふ~ん」

村正「ところでなんでお前が帰って来たんだ?」

虎徹「何だよ、弟が実家に帰って来ちゃいけないのかよ」

437: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/16(金) 22:42:22.43 ID:gzxlWaan0
村正「そう言う訳じゃないが……着いたぞ」

虎徹「……兄貴は来ないのか?」

村正「まだ配達の仕事がある。」

虎徹「あっそう……じゃあ俺、先に休んでるわ」

村正「虎徹、夜、店開けといてやる、悩みがあるなら来い」

虎徹「……ああ」

438: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/16(金) 22:43:19.49 ID:gzxlWaan0

虎徹は仕事へ向かった村正の車を見送ると
何も変わってない実家に入る。

虎徹「母ちゃん、ただいまー」

安寿「…あら虎徹、どうしたの急に帰ってきて?」

虎徹「ん……まぁ色々と……それより母ちゃんそんな畑仕事ばっかやってると腰痛めるぞ」

安寿「大丈夫よ、腰痛めてもすぐ伊達先生が治してくれるからね、」

虎徹「伊達先生?誰だよ」

安寿「こないだここに来た、そこの病院のお医者さんだよ。」

439: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/16(金) 22:44:02.15 ID:gzxlWaan0
虎徹「へぇ~……それより楓はまだ学校か?」

安寿「ん~もうそろそろ帰ってくるじゃないかい?」

虎徹「そう………」
  「とりあえずバニーに貰ったコレ、楓の部屋に置いてくるか……」


440: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/16(金) 22:46:10.17 ID:gzxlWaan0

NG(本文が少なくてすいません)


虎徹「なぁ……最近こっちはなんかあったか?」

村正「最近…と言うわけでもないが……ほらお前も良く通ったあの病院が潰れかけてて…」
  「こないだから【派遣医師】ってのの【井坂深紅朗】って先生が来たくらいだ。」

虎徹「【井坂深紅朗】ねぇ……ふ~ん」


井坂「NEXT…あなたの身体を看てみたい……」\ウェザー/

虎徹「あ、もしもし警察ですか?ここに変 がいます、助けてください。」

441: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/16(金) 22:49:17.77 ID:gzxlWaan0
NGのおまけのおまけ

虎徹「くっ………あの赤い人はまだか?」ソワソワ

?「待てッ!!」

虎徹「来た!!……って、あれ?」

G-3X「アレは…アンノウン!?」

バース(後藤)「ヤミーか!?」

ガタック「ワーム!?」

シザース「いえ、ミラーモンスターですね……」

G電王「時の運行を乱すイマジンめ!逮捕する!」


虎徹「」

442: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/16(金) 22:51:34.40 ID:gzxlWaan0

虎徹「………え?…こんなにも来て貰って悪いですけど……あの赤い人は?」
  「井坂深紅朗、ウェザードーパントと言ったら赤い人でしょう?」

G-3X「……照井課長ですか?彼なら新婚旅行に出かけてますよ。」
  「………とにかくここは危険です!逃げてください!はやくGX-05を……」ピッピッピッ バンゴウガチガイマス
  「あ、あれ?」ピッピッピ バンゴウガチガイマス

虎徹「…あ~もう!貸してみ!」

G-3X「お節介はやめてください!!これくらい自分で出来ます!!」ピッピッピ カイジョシマス


G電王「やはり人間など!!」バン!バン!

シザース「裏切っただと!?しまった!カードデッキに…!ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」ムシャムシャ

ガタック「うぁあぁぁぁぁぁぁぁ!!」ウンメイノー

ウェザー「この程度ですか……」

虎徹「くっ!書き手がウェザードーパント、井坂深紅朗がWで一番のお気に入りだからってもう二人も倒したぞ!」
  「……でもそのうちの一人は蟹に食われたしなぁ………それよりこの惨状どうすりぁいいんだよ!!」

○<俺に任せろ!

虎徹「……どうすりぁいいんだよ!!」

○<…俺に任せろ!!

虎徹「…………どうすりぁいいんだよ!!」

○<このままではすまさん…






なんか…ごめんなさい……



450: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/24(土) 01:05:40.28 ID:1YyR3zec0
二階  

虎徹「____っとこの辺に置いとくか、……んなんだコレ?HEROTVの雑誌か、どれどれ……」
  
虎徹「……ってなんだぁ!?俺達のとこだけ切り抜かれてるし!?……俺達の切り抜かれた奴はどこにあんだよ…」ゴソゴソ
  
虎徹「ん?……この引き出し……うぉっ!!なんじゃこりぁ!全部バニーの写真じゃねぇか!!俺は!?ワイルドタイガーは!?」

451: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/24(土) 01:14:25.97 ID:1YyR3zec0

楓「ふぅ……疲れた……ってお父さん!?」

虎徹「! よう楓!パパ帰ってきたぞ~パパ楓に会えなくてすっごい!寂しかったんだよ~」

楓「前にも言ったと思うけどその喋り方やめてよね!もう子供じゃないんだから……」
 「___ってお父さん私の引き出し勝手に開けた!?」

虎徹「あ~それは……」

虎徹「最低!!何で勝手に私の引き出しさわるの!?出てって!!」

虎徹「……待てって楓!…あっそうだ!パパおみやげ買ってきたんだ!バーナビーのサイン入りの__」

452: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/24(土) 01:19:13.16 ID:1YyR3zec0

楓「バーナビー!?本当!?お父さんありがとう!!どうやって手に入れたの?」

虎徹「まぁ朝早くから並んで………そんなことより楓、今日は久々に一緒にお風呂でも入らないか?」

楓「お風呂!?……私もう十歳だよ!!お父さんの変 !!」

虎徹「変 !?楓どこでそんな言葉覚えたんだ!」

楓「いいからもう部屋から出てって!!」

虎徹「お、おい!楓………はぁ……」



安寿「あれ?虎徹どこ行くの?もうすぐご飯だよ」

虎徹「ん~ちょっとな……久々に………」

安寿「……行ってらっしゃい…ご飯もあるから早めにしなさいよ……」

虎徹「…悪ぃ…」

453: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/24(土) 01:21:23.79 ID:1YyR3zec0

墓地

虎徹「……ふぅ…友恵…楓も俺がいない間にずいぶん大きくなってさ、俺がいなくてもしっかりした子になってるよ」

虎徹「相方のバニーとは上手くやってるし、ランキングで下の方だった俺の人気も最近上がってきたんだ。」
  
虎徹「そんでさぁ…最近来た新人HEROのオーズは良い奴だけどよ、どこか危なっかしくてさ……しかもNEXTじゃねぇんだってさ、」
  
虎徹「…………そんでな俺、能力減退してるんだわ、このままだと普通の人間になっちまうらしいって……これじゃあHERO続けられぇよな…」

虎徹「……ごめん……ごめんな…友恵…約束守れそうにない………」


虎徹は自分の妻の墓の前で静かに涙を落とした。
ただただ、まるで後悔するように謝りながら。

454: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/24(土) 01:22:40.89 ID:1YyR3zec0
NG【もしも虎徹の代わりに新しい【ワイルドタイガー?】が来たら…】1

鏑木家にて


虎徹「なんだコレ……?」

楓「お父さんどいて!テレビが見えない!!」

『新生TIGER&BARNABY!!見事犯人確保!!ではさっそくHEROインタビューに移りたいと思います!!』


『いや~どうですかバーナビーさん!NEWタイガーは!!』


虎徹「はぁ!?NEWタイガー!?どういうことだよ!!」

楓「お父さん!テレビ見えないって言ってるでしょう!!」


バーナビー「ええ僕の予想だと彼は今後の成長に期待できそうですよ。」

『バーナビーのお墨付きとは凄いぞ!!……ではNEWタイガー!!何か一言!!』


タイガ「僕は英雄になるんだ……」


『意味が分からない一言をありがとう!!NEWタイガー!!それでは次回もHEROTVをお見逃し無く!!』


虎徹「」

455: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/24(土) 01:24:56.27 ID:1YyR3zec0


【くだりは上と同じだからカット】

バーナビー「ええ僕の予想だと彼は今後の成長に期待できそうですよ。」

『バーナビーのお墨付きとは凄いぞ!!……ではNEWタイガー!!何か一言!!』

タイガーロイド『強い者が生き残る…勝った者こそが正義だ!』

『う~ん…HEROの言うようなことじゃないことを言う…ダークヒーロー的な一言をありがとうございます!!』
『次回のHEROTVもお見逃し無く!!』

虎徹「」

村雨「」

虎徹「…………って!誰だお前!!」

456: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/24(土) 01:26:12.13 ID:1YyR3zec0

【くだりは上と同じだからカット】

バーナビー「ええ僕の予想だと彼は今後の成長に期待できそうですよ。」

『バーナビーのお墨付きとは凄いぞ!!……ではNEWタイガー!!何か一言!!』


タイガーオルフェノク「我らラッキークローバーに逆らうなど……」

『コメントに困る一言をありがとう!!NEWタイガーでr「アンク…?」…え?』

オーズ「アンク……!?いや…信吾さん!?」

タイガーオルフェノク「あ、いえ、人違いです?」

『……では次回のHEROTVもお見逃し無く』

虎徹「」

信吾「」

比奈「」

464: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/30(金) 20:17:57.75 ID:87meinD+0

虎徹「…ただいまー母ちゃん、今日の飯何?」

安寿「お帰り、すき焼きよ手洗ったら早く来なさい。」

虎徹「おう、」


虎徹「楓、ただいま、」

楓「お帰りなさい。」

安寿「さ、二人とも席ついて、…いただきます。」

虎徹「いただきます!」

楓「いただきます。」

466: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/30(金) 20:18:47.39 ID:87meinD+0

虎徹「うまいな、この肉!」

安寿「…あんたは肉じゃなくて野菜食べなさい、どうせ馬鹿の一つ覚えのチャーハンくらいしか食べてないんでしょ。」

虎徹「……いいじゃねぇかチャーハン……第一野菜なら売店のピクルスサンドとか食べてるし…」

安寿「いいから野菜食べなさい、ほら、」

虎徹「へいへい…」


467: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/30(金) 20:25:06.01 ID:87meinD+0
<<463 465
やめるんだ!トラさんだって800年前の王の時は輝いてただろう!




虎徹「………」

楓「……なに?お父さん、じろじろ見て?」

虎徹「いや……楓はバニ……バーナビーが好きなのか?」

楓「うん!!だってスケートリンクでバーナビーが助けてくれてそれでファンになっちゃったんだ!!」

虎徹「そうか……ワイルドタイガーは!!アイツも中々良いと思うぞ?」

楓「ワイルドタイガー………そうかなぁ?だっていつも物壊すし…おっちょこちょいだし…あんまり格好良くないし…」

虎徹「」

468: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/30(金) 20:26:55.32 ID:87meinD+0
 


楓「でもバーナビー以外なら……」

虎徹「い、以外なら?」

楓「オーズかな!歌は変だけど……格好いいし、優しいし!」

虎徹「…へぇ……そうなのかぁ…」

安寿「…………」

虎徹「なんだよ母ちゃん、この無言で差し出す肉は?」

469: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/30(金) 20:27:47.77 ID:87meinD+0


楓「ごちそうさま!」

虎徹「ごっそさん……」

楓「あ!!HEROTV、HEROTV!!」


『さぁ始まりました!!HEROTVィ!!今回の犯人は刑務所から脱走した、銃火器などを装備して逃走中の凶悪犯!!』

『そんな凶悪犯に立ち向かうのは………キング・オブ・ヒーローのバーナビー!!』
『………おっとバーナビーのバイクの後ろから現れたのは……出たぁぁぁぁぁッ!!今ちびっ子や大きな子供の中で最もHotなHERO……仮面ライダーオーズ!!』
『以前の一夜限りのコンビが復活!!さぁ犯人の車を追跡中!!』
『これはもう、タイガー&バーナビー改め、オーズ&バーナビー!!のNEWコンビ誕生か!?』


470: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/30(金) 20:28:41.08 ID:87meinD+0

楓「すごい!!お婆ちゃん!!お父さん!!バーナビーとオーズのコンビだって!!」

虎徹「……そりゃあすごいなぁ!!タイガーじゃなくてオーズ&バーナビーだもんな!!」

安寿「…………」

虎徹「…あ、悪ぃ!そういやぁ兄貴との約束があるからちょっくら出かけてくる!!」

楓「行ってらっしゃい!!」

471: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/30(金) 20:29:19.71 ID:87meinD+0

 

虎徹は実家からすぐのところにある、
兄が営んでいるちょっとした居酒屋に来ていた、

自分の能力減退についてを話すかどうか悩みながらも
ドアを開け店の中に入る。

虎徹「うす……他に客はいないのか…?」

村正「…ああ、貸し切りだ。」

虎徹「そうか……」

472: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/30(金) 20:29:50.73 ID:87meinD+0

村正「……で、どうしたんだ急に帰ってきて…何かあったのか?」

虎徹「……まぁ……なんとなくだ…」

村正「……用がないのから帰って来なければいい。」

虎徹「…なんだよ、その言い方……!俺は用がなければ帰って来ちゃいけないのかよ!」

村正「いままでお前は用があるはずなのに帰ってこなかった……なのに用がないのに何故帰ってきたんだ?」

虎徹「……それは……」

村正「いいか虎徹、何かあるなら素直に言えばいい、ここでのお前は【ワイルドタイガー】じゃあない【鏑木虎徹】……俺の弟なんだ」

虎徹「……ああ、実はな…」

473: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/30(金) 20:31:12.19 ID:87meinD+0


村正「能力減退?」

虎徹「ああ、能力を使うたびに時間が減ってくんだ……」

村正「……そんな状態なのにずいぶんスッキリした顔だな…虎徹」

虎徹「……まぁな、俺もそろそろ歳だしな……HERO引退かな~ってさ」

村正「……虎徹、お前__「悪い!おでんある?」

474: ◆lyUlZTXcIM 2012/03/30(金) 20:38:19.94 ID:87meinD+0

ドアを勢いよく開け中に入ってきた男、いや…その身体や顔つきを見ると
『男』というより『漢』と言う方がしっくりくる。

ソフトモヒカンの頭に顎髭、
少ししわついた白衣の下からでもわかる強靱な肉体の持ち主の派遣医師【伊達明】

これが鏑木虎徹と伊達明の出会いだった。

517: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/06(金) 21:19:27.45 ID:XTHQLX8k0
 
村正「伊達先生…!……悪いけど、今日は……」

虎徹「あ、いいって兄貴!!アンタが伊達先生か……俺は鏑木虎徹!」

伊達「俺は、伊達明、一応医者やってる!!」

伊達「鏑木、……………ってあんたあの子のパパさんか!?」

518: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/06(金) 21:22:47.68 ID:XTHQLX8k0
虎徹「あの子……楓のことですか?」

伊達「おう!楓ちゃん!…あの子…しっかりしてるね!うちの子みたいにキラキラしてるし!」

村正「へぇ…お子さんがいらっしゃるんですか?」

伊達「違う、違う!後藤ちゃん…っていう…なんつうか…後輩…いや弟子みたいなもんのこと!」

村正「弟子……?」

519: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/06(金) 21:25:14.48 ID:XTHQLX8k0
伊達「…まぁ話を戻すとな、楓ちゃんのことなんだけど…気ぃつけろよ?何度かあの子と話したことあるけどな…」
  「…たぶんすっごい寂しい思いしてるぜ、なんたって父親が家にいないんだからな……」

虎徹「……………」


伊達「ところでアンタはなにしてるんだ?…鍛えてるっぽいけど…」

虎徹「俺は…シュテルンビルドで出稼ぎしてるサラリーマンみたいなもんだよ」

520: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/06(金) 21:28:38.37 ID:XTHQLX8k0
伊達「シュテルンビルド?奇遇だな!俺ももうちっとしたらシュテルンビルドに出稼ぎに行くのよ!んでついでに知り合いに会いにね」

虎徹「はぁー出稼ぎなぁ…やっぱり医者ですか?」

伊達「…あ~まぁそんな感じ、…その知り合いがさ、中々無茶する奴でさ、色々あってそれは直ったと思ったんだけどな……」

伊達「TVで見たらまた無茶しててさ、ちょっと話しとかんといけないかな~って」

村正「TV……?」

伊達「あっ!やっべッ!!…コレ秘密ね……実はその知り合いは…HEROやってるんだよ。」

521: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/06(金) 21:30:26.83 ID:XTHQLX8k0
村正「!?」

虎徹「……まさか…そのHEROって、オーズ?」

伊達「! よく分かったね~!…まさかアンタもHERO?「!?」…なっんつって……え?」

522: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/06(金) 21:36:00.41 ID:XTHQLX8k0


伊達「え?アンタもHEROなのか?」

虎徹「ああ、もうすぐ引退だけどな……」

伊達「引退?なんでまた?」

虎徹「もう俺も歳だしな……若いヤツらに任せて俺は引退してもいいかな~ってな」

伊達「へぇ~……あんた、それ本心か?」

523: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/06(金) 21:37:44.74 ID:XTHQLX8k0
虎徹「………どういうことだよ」

伊達「いや、俺にはアンタが自分に言い聞かせてるように見えてな。……本当はHERO続けたいんじゃねぇのか?」

虎徹「……本心だよ、俺はHEROやめる。」

伊達「……まぁいいけどさ、一つだけ言わせて貰うぜ、自分の欲望の声を聞かないフリすると後悔するぜ……ごちそうさん、おでん代ツケといて。」

虎徹「……………」

529: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/13(金) 20:37:02.51 ID:b4DDBItw0

翌日

楓「お父さん!起きて!ねぇお父さん!!」

虎徹「__ん~なんだよ楓ぇ……」

楓「お婆ちゃんが!倒れて…!」

虎徹「何ッ!」



虎徹「母ちゃん!どうした!大丈夫か!?」

安寿「動かさないで!…腰を痛めただけだから……」

虎徹「へ?」

村正「おい!虎徹!母ちゃん倒れたんだって!?」

虎徹「…ああそれがよ___」

530: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/13(金) 20:37:56.07 ID:b4DDBItw0


伊達「__っと、まぁそんなに酷くもないし湿布とか貼って安静にしとけばすぐ治ります。」

村正「わざわざすいません…ありがとうございます。」

伊達「いえいえ、では、お大事に。」




楓「大丈夫かな…お婆ちゃん………」

虎徹「大丈夫だって!あの医者……伊達さんも安静にしてれば治るって言ってたろ、」

楓「でも……」

虎徹「お婆ちゃんのことはパパに任せて、楓は学校行ってこいって」

楓「でも…お父さん、お婆ちゃん置いて仕事にいったりしない…?」

虎徹「……大丈夫だ、しっかり休暇取ったし…家にいるよ」

楓「……うん…行ってきます。」

虎徹「ああ、行ってらっしゃい。」

531: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/13(金) 20:38:52.14 ID:b4DDBItw0

虎徹「……ふぅ、……やっぱ寂しいんだろうな…だったら俺はHEROを辞めて楓の傍に___」


___本当はHERO続けたいんじゃねぇのか?___


虎徹「っ!駄目だ!!第一俺は能力が……」


___虎徹君、あなたは誰かのヒーローでいて___


虎徹「……っ…俺は…………」

532: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/13(金) 20:39:45.56 ID:b4DDBItw0



気がつくと虎徹は
考え疲れて虎徹は眠っていたらしくあくびをしながらむくりと起きる。


虎徹「ふぁ~あ……んぁ…母ちゃんー!楓はまだ帰ってきてないのか?」

安寿「携帯にも電話したんだけど繋がらないのよ…友達と話してるのかね…でも…今日はちょっと遅いねぇ…いつもはもっと早く帰ってくるのに……」
「一応、学校に連絡してみる…」

虎徹「頼む…」

533: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/13(金) 20:40:41.41 ID:b4DDBItw0


安寿「___はい…どうも……」

虎徹「どうだった?」

安寿「だいぶ前に帰ったって……」
  「雲行きも怪しくなってきたし…あの子…傘持ってないはずだし…」

虎徹「………」


虎徹は窓から顔を出し空を見上げる。
空はゆっくりと黒い雲が風に流れ始めて、青空を覆い始めていた。

534: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/13(金) 20:41:26.07 ID:b4DDBItw0

虎徹「……俺ちょっと見てくる!」

あれから数十分程度たって青空は暗雲に覆われ
ポツポツと雨が降り出し始めていた。

虎徹はレインコートを着込み、楓に渡すための傘を片手に家を飛び出していった。



虎徹「……楓ぇー!どこだー!!…くそっ…」

伊達「……あ~さぶさぶ…っと、よう、どうした?」

535: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/13(金) 20:43:09.46 ID:b4DDBItw0
虎徹「伊達先生!…楓見なかったか!?」

伊達「いや、見てねぇけど……どうかしたのか?」

虎徹「いや…こんな時間なのに帰ってきてないんだよ、雨もどんどん強くなってきてるし……」

伊達「…確かに…どしゃ降りの一歩前って感じだな……俺もいっぺん診療所に戻って着替えてから探すの手伝うわ…」

虎徹「ああ、頼む!」

536: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/13(金) 20:44:14.77 ID:b4DDBItw0


伊達「…ただいま!!」

伊達は誰もいない診療所のドアを蹴り、乱暴に開けると鞄をソファーに置き、
びしょ濡れになった白衣を脱ぎ捨てるとロッカーからレインコート取り出し、
前のボタンも付けず羽織り外に出る。

伊達「……ん?」

外に出ると診療所のドアの近くになにか綺麗にラッピングされていたのであろうた箱が置いてあった……。

先程ドアを乱暴に開けたときに蹴ってしまい大きくへこんでいる。
急いでいたから気付かなかったのだ。

537: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/13(金) 20:45:01.74 ID:b4DDBItw0
雨に少し濡れて箱がグチョっとしている。
ごめんなさいと思いつつ、箱を無視して楓ちゃんを探しに行こうと思ったがこの箱は見覚えがある…というより親しみがある。

伊達「……届くとは聞いてたけどかなり早いですねぇ……会長…」

おどけた口調で箱を開け、中の無惨な姿のケーキは後で食べると誓い、
クリームがべったりと付いたベルトを掴みとり、走り出す。

538: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/13(金) 20:49:37.56 ID:b4DDBItw0
NG

伊達「……届くとは聞いてたけどかなり早いですねぇ……会長…」

おどけた口調で箱を開け、中の無惨な姿のケーキは後で食べると誓い、
クリームがべったりと付いたベルトを掴みとり、走り出す。

そう_【カイザギア】を__

伊達「っておい!俺死んじゃうよ!」

後藤「いや、数々の死亡フラグを回避したんですからたぶん死なないんじゃあないですか?」

伊達「後藤ちゃん酷い!」

539: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/13(金) 20:52:38.73 ID:b4DDBItw0

NG

伊達「……届くとは聞いてたけどかなり早いですねぇ……会長…ってアレ?」

シュラウド「このアクセルドライバーを使いなさい……ん?」

伊達「どちらさん?」

シュラウド「……届け先を間違えたわ……」

伊達「はぁ…」

549: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/20(金) 20:45:08.31 ID:WiKNTqf00



虎徹「楓ぇー!!どこだー!返事しろ!!」

村正「おーい!聞こえたら返事してくれ!!…くっ…携帯も繋がらない…どうすれば……」

虎徹「……くっ……」

村正「……おい!能力を使ってがむしゃらに探したって…」

虎徹「兄貴…少し、静かにしててくれ…」

550: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/20(金) 20:47:48.01 ID:WiKNTqf00
虎徹は目を瞑り能力、ハンドレットパワーを発動する。
ハンドレットパワーは五分しか使えないと言うデメリットがあるが、
その名の通り、自分の【身体能力】を【百倍】にすることが出来る、
いつもは単純に力を強くしているだけだが、ベテランの虎徹は自身の能力の様々な使い方を知っている。

かつてジェイクに倒され大怪我を負った時もバーナビーに助言するため
肉体の治癒能力を百倍にし大怪我から回復したりした。

551: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/20(金) 20:52:03.56 ID:WiKNTqf00
…今回は自分の聴力を百倍化させた。
雨が地面に落ちる音や、兄貴や自身の呼吸や心臓の鼓動の音、
それらを無視し、より深く集中する。

今は何も聞こえない、ただ楓の声を聞くためだけに集中する。

虎徹(楓…頼む!何か喋ってくれ…!)

能力が減退している今、五分間使えた能力は今はもう三分前後しか使えない。
手首のPDAは残り一分と表示している。


____助けて…___お父さん……____



聞こえた。

楓が助けを求めている。
虎徹は声が聞こえた方へ百倍の速度で駆ける。


552: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/20(金) 20:59:53.97 ID:WiKNTqf00
楓は学校が終わった後、お婆ちゃんの腰が早く治るように丘の上の神社にお参りをしていたが
雨が突如降り出してきたため、神社の中に入って雨宿りをしていたのだが雨により土がぬかるみ、
老木が倒れ神社の扉を塞いでしまったのだ。携帯で電池切れのため助けを呼ぶことも出来ない。

そして神社自体も雨により傾き始めていた。


楓「……お母さん…お父さん……怖いよ………」



虎徹「楓ぇ!!どこだぁっ!!」

553: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/20(金) 21:00:52.58 ID:WiKNTqf00
楓「お父さん!!」

虎徹「そこか!……待ってろよ!楓!パパがすぐに助けてやるからな!!」

虎徹は神社の扉を塞ぐ何本かの老木を蹴り飛ばすと、最後の一本を持ち上げ投げ飛ばそうとする。

が、全身の青い発光が消え、能力がきれる。


虎徹「んぐぁッ!!」

楓「お父さん!!」


老木の重さに身体が押しつぶされそうになり虎徹は膝を泥まみれの地面につく

少しでも力を抜いたら自分はぺしゃんこに潰れるだろう。
でも……楓を助けられないままこんなところで果てる訳にはいかない。

554: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/20(金) 21:01:20.38 ID:WiKNTqf00
虎徹「ぐっ…!……娘一人助けられないで…なにがHEROだ……うぉぉぉぉおおッ!!」

虎徹は老木を後ろに投げ飛ばすと扉を開ける。

虎徹「楓!!」

楓「…お父さん!!……怖かった!…わ…私死んじゃうかって………!」

虎徹「…もう大丈夫だ楓、パパがついてるからな……」

虎徹は優しく楓を抱きかかえるとそっと頭を撫でる。




556: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/20(金) 21:04:23.28 ID:WiKNTqf00


村正「虎徹!大丈夫か!?」

村正は高い階段を上りきり、肩で息をしながら叫ぶ。
虎徹は楓を抱え神社から脱出していた。
その光景をみてふぅ…と、息を吐き一瞬安心するが

虎徹達の背後に大きな老木が倒れてきた。
村正は大声で叫ぶ。

虎徹は振り返り、巨大な老木に気付くと楓を庇うようにその場にうずくまる。


557: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/20(金) 21:09:52.57 ID:WiKNTqf00


だがいつになっても衝撃が来ない、虎徹は振り返ると老木は虎徹達から後、
数センチというきわどいところで止まっていた。
訳がわからないがとりあえずその場から楓を連れて離れる。

虎徹達が老木から離れると糸が切れた人形のように老木が地面に落ち、ゴロっと転がる。

虎徹「……なんだったんだ?今の?」


虎徹は不思議そうに目の前の老木をじっと見つめる。



558: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/20(金) 21:13:27.64 ID:WiKNTqf00

村正はふと神社の右の方を見ると、そこには、

頭部はUの字型で緑色に光り、身体の節々赤い円に緑色のカプセルが散りばめられ、
片腕はまるでクレーンの様な形をした人型の何かと目が合う

……もっとも目は無いのだが…

ソイツは村正にグッっと親指を立ててサムズアップをし、近づこうと一歩足を出した瞬間
ぬかるんでいた地面が限界を迎えたのかズズズと大きな音を立てて神社が反対側の崖に崩れていく。
それに巻き込まれソイツは手足をばたつかせながら消えていく。



村正「…………!?」

虎徹「……おい!兄貴聞いてるのか!?」

村正「…あ…ああ……なぁ虎徹…今なんか見えなかったか?」

虎徹「?…なんかいたのか?」

村正「…いや…ここ最近疲れてるのかな…………」

虎徹「?」

559: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/20(金) 21:14:51.53 ID:WiKNTqf00

次の日


虎徹「それじゃあ…行ってくる……」

楓「……………ホントにすぐ帰ってくるの?」

虎徹「ああ…退職届をだしたらすぐ帰ってくる。…約束だ…」

楓「……うん…」

村正「……本当にいいのか?」

虎徹「…ああ___それじゃあ…行ってくる」

虎徹は電車に乗るとしばらくした後、電車はガタンと揺れ
ゆっくりと走り始めていく。

虎徹は窓から景色を眺めていると電車の横を楓が【青い光を発しながら】並走してくる。

楓「お父さん!これ!」

楓は手に持っていた筒状に丸められた紙を窓から虎徹に渡すと
楓から青い光が消える。

560: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/20(金) 21:20:56.64 ID:WiKNTqf00

虎徹「……はっ…はははははははははッ!そうかぁ、楓も…俺の子だもんなぁ…」

涙を流しながら虎徹は笑うと筒状の紙を広げる。

その紙には、手を繋ぎながら笑うだ楓と虎徹、そして満天の青空にかかる虹の向こうに
楓の母親、虎徹の妻の鏑木友恵がにこやかに手を振っている絵が描かれていた。



虎徹は電車の窓から空を見上げる。

そこにはこの絵と同じ、美しい空が広がっていた。

561: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/20(金) 21:24:27.06 ID:WiKNTqf00
NG的な後日談?



安寿「楓…あんたいつの間に?」

楓「えっ?私いつの間にNEXTに…?」


伊達「……【NEXT】ってのは…次の世代に移っていくから【NEXT】って名前なんだろうな……」

村正「伊達先生…!いつの間に………って泥まみれですよ?」

伊達「……やっぱこれじゃあ格好つかないか…」

575: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/27(金) 20:10:47.47 ID:Il887w4x0
【記憶と裏切りと『ワイルドタイガー』】


前回のこのSSは!?

一つ!虎徹の故郷に伊達明現る!

二つ!ワイルドタイガーこと鏑木虎徹がHERO引退を決意!

そして三つ!虎徹の娘、鏑木楓がNEXTに目覚める!


576: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/27(金) 20:13:15.68 ID:Il887w4x0

カウントザメダル!
現在オーズの使えるメダルは!?

タカ トラ バッタ  

ライオン チーター

シャチ ウナギ タコ 

サイ ゴリラ ゾウ

【タカ】

577: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/27(金) 20:14:35.15 ID:Il887w4x0
~虎徹帰省時~


『さぁ始まりました!!HEROTVィ!!今回の犯人は刑務所から脱走した、銃火器などを装備して逃走中の凶悪犯!!』

いつもの様にHEROTVはヘリで上空から犯人が乗った車を映す。
街頭テレビの前に何人かの人々は立ち止まりその様子を見つめる。

様々な家では、
子供達が種類やキャラクターは違えども、HEROのグッズを手に持ち、
自分の好きなHEROが颯爽と登場するのをTVの前で待っている

578: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/27(金) 20:15:55.83 ID:Il887w4x0

『そんな凶悪犯に立ち向かうのは………キング・オブ・ヒーローのバーナビー!!』

子供達が立ち上がり興奮する。
それと同じく街でもバーナビーの登場にワァァァァと歓声が上がる


『………おっとバーナビーのバイクの後ろから現れたのは……出たぁぁぁぁぁッ!!今ちびっ子や大きな子供の中でかなりHotなHERO……仮面ライダーオーズ!!』
『以前の一夜限りのコンビが復活!!さぁ犯人の車を追跡中!!』
『これはもう、タイガー&バーナビー改め、オーズ&バーナビー!!のNEWコンビ誕生か!?』


579: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/27(金) 20:16:56.02 ID:Il887w4x0

何千人の市民がTVの向こうのバーナビーとオーズを応援し、
「この二人なら大丈夫だな」と呟き安心する人もいる。


だが、バーナビーとオーズは張りつめた緊張感の中、
ハンドルを切りバイクのエンジンを唸らせていた。


バーナビー『…っ!…NEWコンビ…ですか………くっ!……』

オーズ『…バーナビーさんにとっては…っ!…面白くないですよね!!』


580: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/27(金) 20:18:29.39 ID:Il887w4x0



軽口を叩きながら二人はバイクをたくみに操り、
犯人達の乗った車の窓から吐き出される鉄の雨を避ける。


バーナビー『……ええ…ここに虎徹さんが居ないから言えますが…っ!…この【TIGER&BARNABY】ってのはかなり気に入ってるんですよ!』

バーナビー『もしそれが違うものだったら……ちぃっ!……今の僕はありませんでしたからね!!……でもランキングで選ぶならアナタですけどね…!』

オーズ『そうですか!…おっと……でももし俺だったらタイガーじゃなくて…【TATOBA&BANRANABY】になりますよ!!』

バーナビー『…それは…しまりがないですね………………今だ!!』

581: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/27(金) 20:19:22.66 ID:Il887w4x0

犯人は窓から身を乗り出して銃を撃っていたが、
弾切れになった瞬間、犯人は一度車の中に戻り銃弾を詰め変えようとする。

その隙にバーナビーはハンドレットパワーを発動させ、
オーズはベルトの真ん中の部分を入れかえる。


タカ!

ウナギ!

バッタ!

582: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/27(金) 20:20:50.88 ID:Il887w4x0

オーズ『セイヤァッー!』

犯人は再び窓から身を乗り出し銃を向けるがオーズのしやなかなウナギウィップによる
攻撃で銃は犯人の手元を離れる、オーズは素早くウナギウィップで銃を失った犯人の身体を絞めると
窓から引っ張り出しそのままライドベンダーの後部に乗せる。

オーズは後ろをふり向くと犯人はぐったりと白目を剥きながら気絶していた。
なんだか悪いことした気がするなぁ…そう感じもしたが、すぐに切りかえバーナビーの方を見る。


583: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/27(金) 20:22:25.86 ID:Il887w4x0


バーナビー『はぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!』


バーナビーはオーズの手……鞭により銃を撃ってくる犯人が連れて行かれたと、同時にハンドレットパワーで強化された脚力で激走している車の天井にに飛びつく、
運転している犯人が天井のバーナビーに気づく前に、素早くバーナビーはフロントガラスを割り
犯人に加減をした蹴りを当て、気絶した犯人を助手席に乱暴に放り、ブレーキを踏み、車を止めると
バーナビーは犯人の首根っこを掴みながらドアからゆっくり降りる。

死傷者ゼロで、しかも強力な武器で
武装した凶悪犯をたった二人で確保する。

その事実が実況が流すとHEROTVを見ていた人達はその事実に殆ど驚き、歓喜し、拍手する。


584: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/27(金) 20:24:40.41 ID:Il887w4x0


バーナビー『………やっぱり此奴等も…』

オーズ『ええ…なんでこんな最新型の銃が……』


二人は頭を悩ませる、脱走した凶悪犯だとはいえこんな最新型の銃を
手に入れる手段なんてあるわけがない。


バーナビー『……誰かが横流ししているかもしれませんね…………』

オーズ『…………そんなことが……!?』

バーナビー『……ええ…普通では出来ません…出来るとしたら…ウロボロスの残党……』

バーナビーは最新型の銃を拾い上げると怒りをぶつけるように
ハンドレットパワーで銃をグニャリとへし折る。


585: ◆lyUlZTXcIM 2012/04/27(金) 20:30:20.52 ID:Il887w4x0

バーナビー『………やっぱり此奴等も…』

オーズ『ええ…なんでこんな最新型の銃が……』


二人は頭を悩ませる、脱走した凶悪犯だとはいえこんな最新型の銃を
手に入れる手段なんてあるわけがない。


オーズ『あ…!…でも凶悪脱獄犯がすごいもの持ってるってのはありますよね…浅倉威とか…』






王蛇『……食うか?』


591: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/04(金) 21:50:25.27 ID:WkT8G3dY0
~その日の夜~


そこは、なにもかもが燃えていた。

カーペット、ソファ、机、

棚に並ぶワインボトル、もう既に来年のカレンダーの貼ってある冷蔵庫。

サンタの人形やカラフルなボールに天使などのデコレーションが施されたクリスマスツリー。

……どうしてこんなくだらないことを覚えているのだろう?

592: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/04(金) 21:52:00.12 ID:WkT8G3dY0
…そして燃えさかる地面に倒れている、父さんに母さん。

でも仇はとった。
僕はジェイクマルチネスを虎徹さんと協力して倒した。
はやくこの夢から覚めて欲しい。


…この目の前のタトゥーを彫った右手に、銃を持っている男、

__それはジェイクでは無かった__

ジェイクの顔が知っている人達の顔に次々と変わっていく。

虎徹さんに、オーズの火野さん、ロックバイソンさん、スカイハイさん、
ドラゴンキッドさん、折紙サイクロンさん、ファイヤーエンブレムさん、
斉藤さん、ブルーローズさん、サマンサおばさん、ケインさん、
ロイズさん、アニエスさん、そして……


バーナビー「___っ!!」


解決したはずの悪夢は再び戻ってきた。

593: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/04(金) 21:52:32.64 ID:WkT8G3dY0



~【記憶と裏切りと『ワイルドタイガー』】~

現在オーズの使えるメダルは!?

タカ トラ バッタ  ライオン チーター
シャチ ウナギ タコ サイ ゴリラ ゾウ

【タカ】

594: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/04(金) 21:53:13.31 ID:WkT8G3dY0
~現在~


虎徹「……この俺、鏑木・T・虎徹、ワイルドタイガーは諸事情によりHEROを引退し、」
  「これからは普通の女の子…もとい、父親になります。」

虎徹「____って、感じかな?…でもなぁ…若い奴らもいるしな…このネタ通じるかな…?」


虎徹はシュテルンビルドに帰ってくると、
朝早くからトレーニングルームの鏡の前で引退発表のときの練習をしていた。

595: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/04(金) 21:54:35.66 ID:WkT8G3dY0


虎徹「ん~もっと堂々と、『誰かを守るためにHEROになったんだ!…だったら娘を守ったっていい!』とか、『…ただの人間だ!』とかか?」
  「…これじゃあ、俺の引退って解りづらいなぁ……」

映司「おはようございま___えっ?」

虎徹「へっ?」


虎徹はゆっくりと後ろを振り返ると
そこにはいつもの派手な服装の映司が目を丸くして立っていた。

596: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/04(金) 21:55:27.71 ID:WkT8G3dY0
虎徹「………いつから?」

映司「えっと…………『これじゃあ、俺の引退…』ってところからです……もしかしてタイガーさん…HERO引退するんですか…?」

虎徹「…ん…まぁ…な…能力が減退し始めてきてな……なぁ映司…バニーには俺から話したいんだ…だから…」

映司「…はい、でも本当にHEROのこといいんですか…?」

虎徹「…ああ…自分の欲望の声にしたがったままよ…!」

597: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/04(金) 21:56:08.91 ID:WkT8G3dY0
映司「欲望……そうですか!……でも意外ですね、タイガーさんの口から『欲望』なんて言葉が出るなんて」

虎徹「確かに……あっ!わかった…お前のせいだわ!」

映司「えっ!俺ですか?」

虎徹「おう!お前や伊達さんがいつも欲望とか言ってるからだよ!」

映司「そんなに言ってるかなぁ……って伊達さんを知ってるんですか!?」

虎徹「ああ、田舎に帰ったときに偶然な、アイツもHEROとして来るらしいぞ、」

映司「本当ですか?……じゃあ…」

虎徹「俺達に変わる新しいコンビになるかもな…」

映司「…いえ、伊達さんも来るなら後藤さんも…もしかしたらトリオかもしれません…!」

598: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/04(金) 21:57:05.87 ID:WkT8G3dY0

虎徹「はははははははっ!……お、悪ぃ…バニーから電話だ。……もしもし?」

バーナビー『………虎徹さん…少し話があります…僕の家へ来ていただけますか?』

虎徹「?……まぁ俺もお前に話があるし今から行くわ」

バーナビー『わかりました……』

虎徹「………んーなんかバニーの奴疲れてるなぁ…どうしたんだ?……映司、俺が居ない間になんかあったか?」

映司「…えっと…意識が回復したっていう犯人に会いに行ってきたそうです。」

虎徹「意識が回復した犯人…?……!…おい映司、それってウロボロスのクリームって奴じゃあ……」

映司「はい、確かその人で間違いないはずです。」

虎徹「…どうしたんだバニーの奴……ちょっと行ってくる。」

599: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/04(金) 21:57:37.06 ID:WkT8G3dY0



映司「…?何があったんだろう…?」

ファイヤーエンブレム「あらアンタこんなとこに居たの?…もう一時間くらいでマーベリックさんから今後のHEROTVについて話があるそうよ」

映司「…話ってなんでしょうね?」

ファイヤーエンブレム「ん~まぁ…関係者をあつめてのパーティみたいな物ね、ほらいくわよ」

映司「はい!わかりました。」

600: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/04(金) 21:58:46.10 ID:WkT8G3dY0

~道路~

虎徹「…チッ……事故渋滞か……」

虎徹はPDAを使いバーナビーに遅れそうだと連絡しようとするが
全く繋がらない。

虎徹「……また雨か…」

車の窓にポツポツとしずくが落ちる
ラジオの天気予報は大降りにはならないが今日一日は小降りが続くようだ。


607: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/12(土) 19:24:50.46 ID:/ej7dZtA0
~数日前~


バーナビー「……まさか…ジェイクはあのときアリバイがあった…?…なら両親を殺したのは誰なんだ…?」


バーナビーは一人、バーナビーの親を殺したウロボロスのジェイクの側近であるクリームの話を聞き困惑していた。
自分の記憶では確かにクリスマスの夜、マーベリックさんと一緒に遊んでいて一人家に帰るとジェイクが両親を殺したはずだ
…だけど最近は変な夢を見る、
犯人の唯一の手がかりである手の甲のタトゥーが消えていき犯人の顔が変化していく。

記憶が曖昧になるのでは無く、記憶が戻っていくようだった。


その後クリームは衰弱死し手がかりは消え失せ、
事件の年のクリスマスは僕がなにをしていたのか再びサマンサおばさんに調べてもらうように電話をした。

608: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/12(土) 19:25:38.85 ID:/ej7dZtA0

~現在、バーナビー自宅にて~


ここまでの僕は疲れていた、この悩みを虎徹さんに話そうと思い電話を掛けた。

だがしばらくして家に来たのは虎徹さんではなく、もう一人の恩人であるマーベリックさんだった。


バーナビー「……マーベリックさん?どうしてここに?」

マーベリック「いやいや、最近の君は疲れているようだからね……さっき買ってきたんだ、あそこの店のカプチーノは中々おいしいんだね」

バーナビー「…ありがとうございます…マーベリックさん……」


バーナビーはマーベリックが買ってきたばかりのカプチーノを少し飲むと
ふぅと息を吐く、それだけでだいぶ落ち着いた。

609: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/12(土) 19:26:37.93 ID:/ej7dZtA0
マーベリック「……で、バーナビー…君はどんな悩みがあるんだね?」

バーナビー「…はい実は____」



バーナビー「__という風に記憶が混乱してるんですよ……」

マーベリック「…………ふむ…」

マーベリックは考えるように下を向くとしばらく黙った。

バーナビー「………ん…電話…サマンサおばさんからだ…失礼、マーベリックさん。」

マーベリック「いや…気にすることはないよ…バーナビー君…」


サマンサ『坊ちゃま…クリスマスのことを調べてみたんですが…こんな写真が見つかりまして…』

バーナビー「……これは!?」

610: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/12(土) 19:27:42.80 ID:/ej7dZtA0
TV電話越しから見えるその写真は自分の記憶の中の物とは違っていた。
自分の記憶では幼い自分の隣に立っているのはマーベリックだが
この写真に映っているのはサマンサおばさんだった。

ゆっくりと真実が思い出される。

記憶の中のあの事件、

燃えさかる邸の中、両親を殺した犯人の顔に次々と変わっていく。

虎徹さんに、オーズの火野さん、ロックバイソンさん、スカイハイさん、
ドラゴンキッドさん、折紙サイクロンさん、ファイヤーエンブレムさん、
斉藤さん、ブルーローズさん、サマンサおばさん、ケインさん、
ロイズさん、アニエスさん、

これらが一瞬で過ぎると両親を殺した男を今度は鮮明に思い出す
……今より若い顔の…

アルバート・マーベリックだった。

611: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/12(土) 19:28:46.93 ID:/ej7dZtA0

バーナビー「___っ!!」

その瞬間地面にバーナビーは倒れた。
視界は揺れ、自分の左頬が地面に当たっているのを感じて横向きに倒れていることがわかった。

マーベリックはゆっくりソファから立つと子供をあやすような優しい声でバーナビーに話す。

マーベリック「……バーナビー君カプチーノに少し薬を入れさせて貰った……もう気づいたことだと思うけど…君の両親を殺したのは私だ…」

マーベリック「そしてなぜ君は犯人ジェイクだと思っていたのかは私の能力が関係しているんだ」
      「…私の能力は記憶操作でね…あのクリスマスに私といたと君に錯覚させていた…だがこうなることも計画どおりだ…」
      「ああ…あとタイガー君は来ないよ…今頃事故で足止めしているからね……」


バーナビー「マーベリック…き…貴様の…正体は…まさか…」

マーベリック「……そろそろか…おやすみ…バーナビー・ブルックスJr…」


マーベリックの言葉を最後にバーナビーの意識は深い闇に落ちる。

612: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/12(土) 19:29:29.01 ID:/ej7dZtA0

マーベリック「さて……後はHERO達と…今の女の始末だな…」

マーベリックは携帯電話を懐から取りだし電話を掛ける。

『はい、お呼びでしょうか』

マーベリック「ああ…サマンサ・テイラーと言う女性を始末して欲しい…写真も燃やせ…」

『…サマンサ・テイラーですね…承知しました。』

用件を済ませブツリと通話が終了する。
マーベリックは薬で眠ったバーナビーの頭にゆっくり触れる、マーベリックの手は青く光り、薄暗い部屋の中で少しの間、バーナビーの頭を照らしていた。

613: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/12(土) 19:50:15.03 ID:/ej7dZtA0
NG1

この写真に映っているのはサマンサおばさんだった。

ゆっくりと真実が思い出される。

記憶の中のあの事件、

燃えさかる邸の中、顔が次々と変わっていく。

仮面ライダーZOから仮面ライダーJに………


バーナビー「っ__どっちがZOだ…!?」

615: 作者(ウルトラマン列伝見て思ったネタ) 2012/05/12(土) 20:03:25.74 ID:/ej7dZtA0
NG2

この写真に映っているのはサマンサおばさんだった。

ゆっくりと真実が思い出される。

記憶の中のあの事件、

燃えさかる邸の中、顔が次々と変わっていく。

手塚(ライア)から一文字(THENEXT)、藤宮(アグル)、間明(ケータイ捜査官のキャラ)…

バーナビー「…………役者さんネタ…」

マーベリック「ならジャッカー電撃隊やV3もありじゃないのか?」

バーナビー「黙れイボ」


異常です……間違えた…以上です。



623: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/18(金) 22:37:09.92 ID:ILVleFbn0



~パーティ会場~


ロックバイソン「ってもよう…なに話すんだ?」

ドラゴンキッド「さぁ?…あのマーベリックさんが考えることなんてわからないよ」

ブルーローズ「…それにしても遅いわね…」

ファイヤーエンブレム「そうねぇ…私達レディを待たせるなんてもう!」

折紙サイクロン「レディ?」

ファイヤーエンブレム「あ゛?」

折紙サイクロン「ヒィッ!」

624: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/18(金) 22:38:12.12 ID:ILVleFbn0
スカイハイ「う~ん…喉が渇いたね……ん?この缶ジュースを貰うよ!」

映司「あっ!それは!」

スカイハイ「?」

タコー

ブルーローズ「!?なによこれ?」

映司「あ~!すいません、俺の持ち物です!ちょっとかさばるから外に出しておいたんですけど…」

スカイハイ「びっくりした!そしてびっくりしたよ!」

625: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/18(金) 22:39:16.24 ID:ILVleFbn0
斉藤「……………」ボソボソ

ロックバイソン「ん?…『この小ささでここまでの飛行性能、バッテリー…これを作った人間は天才だ』……だってよ」

斉藤「………………」ボソボソ

ケイン「え?『これを作った人間に是非合ってみたいものだ…』…ですって…」

アニエス「……通訳ごくろうさま…」

映司「え~っと…どうでしょうねぇ……あっ!他にもありますよ」

ファイヤーエンブレム「どれどれ~」

ロックバイソン「………いっとくがアイツの尻にはないと思うぞ」

ファイヤーエンブレム「…チッ………中々ガードが堅いのよねぇ…あの子…」

626: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/18(金) 22:40:37.32 ID:ILVleFbn0

タカー

バッター

ウナギー

クジャクー

ドラゴンキッド「可愛いね!」

アニエス「これなんでガンガン出していかなかったのよ!これを出していけば__」

ケイン「…スポンサーは儲かるでしょうねぇ……」

アニエス「視聴率も鰻登り!」

627: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/18(金) 22:43:40.70 ID:ILVleFbn0

マーベリック「いやいや…遅れてすまない、少し立て込んでしまってねぇ…」

映司「おーい!戻ってきてー」

タカー

ウナギー

クジャクー

マーベリック「…オーズくん…いいかね?」

映司「これで全部かな……あっ!すいません。」

ブルーローズ「あの、タイガー達は来ないんですか?」

マーベリック「ああ…彼らは別でね…とりあえず今配った飲み物…お酒やジュースで乾杯しよう、話はそれからだ…」

映司「…………」

ロックバイソン「どうした?」

映司「…いえ!何でも」

スカイハイ「………飲まないのかい?…」

映司「ん?……あのスカイハイさん…もし宜しければ___」

628: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/18(金) 22:45:39.93 ID:ILVleFbn0



マーベリック「ではHEROTVが今後も高視聴率が取れるように……乾杯!!」

「「「乾杯!!」」」


マーベリック「…………」

ロックバイソン「カァッーーやっぱ仕事終わりのビールはうめぇぜ!!」

スカイハイ「このジュースはなんだろう?ほろ苦い!そしてほろ苦いぞ!!」

ドラゴンキッド「……スカイハイってお酒駄目なんじゃなかったっけ?」

ファイヤーエンブレム「……あの子ジュースと間違えて飲んだみたいね……お持ち帰りしちゃおうかしら…」

ロックバイソン「ハハハハ……」

ファイヤーエンブレム「勿論…あなたもよ」

ロックバイソン「」


629: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/18(金) 22:46:35.69 ID:ILVleFbn0


ブルーローズ「……お酒ってそんなに美味しいの?」

アニエス「大人になったら飲んでみると良いわ。……それまではジュースで我慢しなさい」

斉藤「…………」

ケイン「え?なんですって?『酒は一人静かに飲むものだ?』…ふーん…あっ!ウォッカ一杯もらおっと…」


マーベリック「……………」

折紙サイクロン「…マーベリックさん?さっきから時計を凝視してますけど時間が気になるんですか?」

マーベリック「うむ…そろそろ時間だと思ってね…」

ロックバイソン「ん?……おーい!そろそろ本題に入りたいそうだ!」

アニエス「……Mrマーベリック…でHEROTVについてですか?」

マーベリック「ああ、そんなところだね……もう効果が出始めているだろうしね…」

ブルーローズ「……効果?_____ッ!」

背後からバタリと何かが倒れる音が聞こえ、ブルーローズは振り返ると
バタバタとみんなが地面に倒れていく、なにが起こったのか考えようとしたが襲い来る強烈な睡魔に負けて自身も寝てしまう。

630: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/18(金) 22:48:38.18 ID:ILVleFbn0
マーベリック「…………?……」

映司「スカイハイさん!?ロックバイソンさん!?皆どうしたんですか!?」


マーベリックは不思議に思う、この睡眠薬はかなり即効性がある。
大体の人間は飲んでから2~3分で眠りにつくはずなのにこの男、火野映司は眠りにつくどころが今も変わらず起きている。


マーベリック「……オーズくん…君は気付いていてこの酒を飲まなかったのかね?」

映司「……いえ…俺はバイクで来てますからお酒は控えています…俺の分はスカイハイさんに渡したんで飲んでいませんよ…」

映司「…………でもいまので誰が犯人かわかりました……マーベリックさん、なぜこんなことを?」

マーベリック「………ふぅ…やはり君はイレギュラーだったか……」

映司「答えてください!!」

マーベリック「……答えは彼にでも聞きたまえ…まぁ答えるとは到底思えんがね…」


631: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/18(金) 22:49:21.18 ID:ILVleFbn0

マーベリックが壇上から去っていく、それに入れ替わる様に黒い何かがマーベリックを追おうした映司の前に立ちふさがる。

映司「なっ!これは_____」


驚愕に困惑、二つが同時に映司の脳を襲う、
その黒い何かはよく知っている外見だ、各所に散りばめられたクリアの装飾、
スタイリッシュながらも力強い身体、ほとんど【ワイルドタイガー】の色違いだ。

だが【ワイルドタイガー】は【鏑木虎徹】であることで【ワイルドタイガー】なのだと思う。
目の前の【ワイルドタイガー】から感じるのはただ自分が知っている【ワイルドタイガー】とは違うと言うことだけだ。

642: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/26(土) 21:57:44.74 ID:Kg75fYLQ0

だが【ワイルドタイガー】は【鏑木虎徹】であることで【ワイルドタイガー】なのだと思う。
目の前の【ワイルドタイガー】から感じるのはただ自分が知っている【ワイルドタイガー】とは違うと言うことだけだ。


映司「…ここを通してください…話を聞かなくちゃ____ッ!!」

危険を感じて、とっさに後ろに飛び退く、
目の前の【ワイルドタイガー】が鋭い蹴りを放ったのが飛び退いてからわかった。

【ワイルドタイガー】は地面を蹴ってあっという間に映司の目の前に来ると首根っこを掴み上げる。

643: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/26(土) 21:58:37.86 ID:Kg75fYLQ0

映司はバタバタと空中で足を水を掻くように動かし、なんども【ワイルドタイガー】を蹴る。
いくら蹴っても【ワイルドタイガー】の手は緩まない。

首がみしみしと軋む、顔は酸素不足で真っ赤になってきた。
無我夢中で【ワイルドタイガー】を蹴るも手は緩まることはなくその力は強くなってきた。

激しい抵抗の中、映司の懐から缶が落ちる。
その缶は地面に触れた瞬間カパリと開いて変形し動物の形に変わる。

ウナギカンドロイドはヤミーすら怯ませるほどの電撃能力で足下から【ワイルドタイガー】に放電する。
その電撃により【ワイルドタイガー】は映司の首を絞める力が弱まり映司は地面に落ちる。

644: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/26(土) 22:04:47.48 ID:Kg75fYLQ0


オーズ『くっ!!』

ワイルドタイガー『…………』


オーズは苦戦していた、
この【ワイルドタイガー】にはオーズの攻撃が通じない。

胸部にパンチを繰り出すも、あっさりと受け止められてそのまま勢い良く手首を捻られ地面に叩きつけられる、
【ワイルドタイガー】は倒れたオーズの腹部を蹴り飛ばす、その蹴りだけでオーズは遠く吹き飛び、
屋上に備え付けられている貯水タンクに激突し穴が開いた貯水タンクからこぼれだした水を浴びる。

オーズに変身していなかったらこんな真冬に水を被ったら、
風邪を引くくらいじゃあすまないだろう。

645: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/26(土) 22:07:01.21 ID:Kg75fYLQ0

オーズ『このコンボが駄目ならこれで!!』

両端の赤と緑のメダルを取り替えて黄色のメダルにして再びスライドさせる。


ラタラタ~ラトラ~タァッ!!


ライオンの頭部から発する光と熱は一気にこぼれた水を蒸発させる。
そして閃光によって【ワイルドタイガー】の視界は潰れたと思った。

だが【ワイルドタイガー】は何事もなかったようにチーターレッグで素早く背後に回り殴ろうとしたオーズを
簡単に捕まえるとコンクリートの地面に叩き伏せる。


646: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/26(土) 22:12:37.69 ID:Kg75fYLQ0

オーズ『なんて強さだ…!グゥッ!』

ワイルドタイガー『__あたりまえだ!!このH01は貴様等HEROのデータを元に造られたものだからな!!』

オーズ『!!この声は!?』

ワイルドタイガー『その姿にシスはこっぴどくやられたからな、』

ワイルドタイガー『シスのデータとMrマーベリックから横流しされるデータから生まれた貴様を倒す最強のアンドロイドだ!!』


ラトラーターを放り投げるとH01と呼ばれる【ワイルドタイガー】は銃を取り出すとその銃口をラトラーターに向ける。

オーズ『くっ!!』

647: ◆lyUlZTXcIM 2012/05/26(土) 22:13:41.58 ID:Kg75fYLQ0
オーズは素早くスキャナーをスライドさせ必殺技を使う。
三つの黄色いリングが一直線にH01に続く、そのリングの中を猛スピードでラトラーターは走るが
H01はただ静かに引き金を引く、その瞬間オーズを包み込まんばかりの光の束がリングを破壊してラトラーターと激突し、
光の束が過ぎ去った後ラトラーターはゆっくりとその場に崩れ落ち変身が解除される。

【ワイルドタイガー】こと【アンドロイドH01】越しに見ていた声の主、赤っ鼻の男ロトワングは歓喜する。

ロトワング「どうだ!見たかこのH01の実力を!!NEXT等という化け物などもはや恐れることなんて無いんだ!はははっはははははっっ!!!」

マーベリック『……いいかね?ロトワング君?…』

ロトワング「あ、これはこれはマーベリックさん…お見苦しいところを…」

マーベリック『やはり…H01という保険を掛けておいて正解だったようだ……H01は速やかに帰投させてくれ…地下にトラックが駐めてある』

ロトワング「はいはい!……いやはや…オーズのデータを取るために犯罪者に最新の銃を横流しするとは…まぁそのおかげでこの___」

マーベリック『君の仕事は喋ることだったか?』

ロトワング「っ……失礼します。」

H01を通した通信が切れるとH01はエレベーターで地下へ行く。
その姿を見送るとマーベリックは大怪我により気絶した映司の頭部を触れ、新しい記憶を書き込む。


マーベリック「君の傷は……『鏑木虎徹』に受けたものだ……」

654: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/02(土) 20:32:34.28 ID:pNm+QjdQ0


映司はベットの上で目を覚ます。


知らない天井、首を動かし周りを見る。
よくわからない機械、棚の上に置かれた果物に花束、
そして自分の口に付けらてあるマスクは呼吸をするたびシュコーシュコーと音を立てる。

ここは病院だ

なぜ病院にいるのだろうか?確か俺は……


マーベリック「…起きたか、良かった良かった…心配したよ…」

映司「…マーベリックさん……俺は確か……」


ベットから起きあがろうとする映司をマーベリックは制止すると
まるで何かを確認するように尋ねる。

655: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/02(土) 20:33:46.23 ID:pNm+QjdQ0

マーベリック「……ところでオーズ君……君はどうして倒れていたんだね?」

映司「……はい…実はあのマーベリックさんの話の後、ちょっとバイクでぶらぶらしてたら突然男の人に襲われてメダルを………」

マーベリック「…メダルをどうしたのだ?」

映司「全て取られました……」

マーベリック「……そうか…その男はもしかしてコレかい?」


マーベリックは自身の鞄から男……鏑木・T・虎徹の写真を取り出し映司に見せる。
映司は【鏑木・T・虎徹】が【ワイルドタイガー】であることを知っている…そのはずなのに

656: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/02(土) 20:35:06.56 ID:pNm+QjdQ0

映司「!!……この人です!…どうしてこの写真を!?」

マーベリック「それについてはTVを見た方が良いだろう……」

マーベリックはTVをつけるとチャンネルを変えニュースにする。



『___周辺で、無職、サマンサ・テイラー氏が殺害されました。サマンサ・テイラー氏はとても強い力で殴られ致命傷だったそうです。』

『そして部屋には髪の毛や指紋が発見され…【鏑木・T・虎徹】と言うことが判明しました…この後HEROと警察により大規模な捜索が行われるそうです。』

『…このサマンサ・テイラー氏はKOHバーナビーブルックスJrと親子のような強い関係を持つらしく…このあとマーベリック氏による記者会見が行われるようです』

『次のニュースです…昨日警察官に対し暴行を行った男が逮捕されました…男は「俺は名護だぞ」と意味不明な発言を___


マーベリックはTVの電源を切ると映司の方を向く。

マーベリック「……ということだ…」

657: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/02(土) 20:35:53.09 ID:pNm+QjdQ0

映司「この『鏑木・T・虎徹』って人は今もシュテルンビルドに?」

マーベリック「ああ」

映司「俺も行きます!」

マーベリック「…無茶だ、そんな身体ではとてもじゃないがまともに走ることすらできないだろう…………ここは他のHEROに任せて君は休んでいたまえ…」

映司「……はい」

マーベリック「もしもの為に警備をつけておくよ…では…会見があるので失礼するよ…」

658: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/02(土) 20:36:30.22 ID:pNm+QjdQ0

現在オーズの使えるメダルは!!










667: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/09(土) 22:31:34.46 ID:D9br73Md0



虎徹「いったいどうなってんだよ!!」


虎徹は叫びながら走る。
全く訳がわからない、HERO ワイルドタイガーである鏑木虎徹は
現在、指名手配中の殺人犯となっていた。



668: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/09(土) 22:32:23.80 ID:D9br73Md0



昨日、やっとのことでバーナビーの家についたが
部屋にバーナビーは居ず、電話も通じなかった。

溜息混じりな愚痴を言いつつも家に帰る。
家に戻ると楓にもう少ししたら帰ると話したら「すぐ帰ってくるって言ったのに…うそつき」と言われてしまった
その言葉がショックだったのだろう、それからは覚えていない。

朝起きるとシャワーを浴び、いつもの服に着替えて会社へ出社する。
退職届は忘れないようにしっかりと懐に入れる。

だが今日は違った。
カードキーで社内に入ろうとしたが機械が上手く読み込まない。

669: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/09(土) 22:33:50.13 ID:D9br73Md0
しばらくその場で悪戦苦闘していると警備員が1人やってくる。


虎徹「おっ!ちょうどいいとこに!あのさ俺のカードキーが上手く読み込まないんだけど…」

警備員「はいはい、今上の者にかけあってみま_____」

虎徹「…どうした?_________はぁ?」


近くに備え付けられたテレビからは虎徹には全く信じられないようなことが流れていた。

670: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/09(土) 22:36:52.71 ID:D9br73Md0

『___周辺で、無職、サマンサ・テイラー氏が遺体で発見されました。』
『サマンサ・テイラー氏はとても強い力で殴られ致命傷だったそうです。』

『そして部屋には髪の毛や指紋が発見され…シュテルンビルド在住の【鏑木・T・虎徹】と言うことが判明しました』
『…この後HEROと警察により大規模な捜索が行われるそうです。』

『…このサマンサ・テイラー氏はKOHバーナビーブルックスJrと親子のような強い関係を持つらしく…』
『このあとアルバート・マーベリック氏による記者会見が行われるようです__』

671: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/09(土) 22:37:44.99 ID:D9br73Md0

虎徹「ちょっ、なんだよこれ…ドッキリとかか?」

警備員「………1階ロビーにて犯罪者鏑木・T・虎徹を発見…至急応援を…」

虎徹「待て待て!!おい!俺は何もっ……」

警備員「動くな!!…早く応援を!!」

虎徹「…っ!!」

虎徹はハンドレットパワーを使用し壁を破壊してその場から逃げる。
外に出た瞬間、道を歩いていた人々が悲鳴をあげる。

「キャーッ!!殺人犯の鏑木虎徹よ!!殺されるわ!!」

「ゲェー!!誰か助けてぇー!!」

672: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/09(土) 22:39:42.62 ID:D9br73Md0


虎徹「お、おい…ちょっと待てよ……俺が殺人犯って……」

あっという間にその道から人が居なくなる。
虎徹が困惑していると街頭テレビから大きく実況が叫ぶが
頭に入ってこない。


スカイハイ『そこまでだ!!殺人犯鏑木虎徹!!』

虎徹「スカイハイ……おい!どういうことだコレ!!」

スカイハイ『どういうこともなにも犯人を捕まえるのは我々の仕事だ!!』

虎徹「待て待て!!俺は___」

スカイハイ『征くぞ!』

虎徹「聞けよ!!…ああクソッ!!」


682: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/16(土) 22:07:39.19 ID:KUqgw3GU0


ワイルドタイガー、鏑木・T・虎徹はHEROである。

彼の特殊能力は五分間だけ自身の身体能力を百倍にできる。

彼は市民の平和の為、犯罪者と戦うのだ。


683: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/16(土) 22:09:38.55 ID:KUqgw3GU0

________________________
____________________
_________________
______________


スカイハイ『征くぞ!』

虎徹「聞けよ!!…ああクソッ!!」


スカイハイの放った小型の竜巻を避けるため腕についているワイヤー発射装置から
ワイヤーを射出しビルに引っ掛け避ける。

そのままワイヤーを引き上げビルの上を跳ねるように移動しながら逃げるも
スカイハイはその後を追う。

なんとかビルの屋上の影に身を隠しスカイハイをまく。
虎徹は頭がショートしそうだった。

気がついたら自分が殺人犯になっていて、ドッキリがドッキリじゃあ無いようで、仲間が襲ってくる……

684: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/16(土) 22:12:32.79 ID:KUqgw3GU0

なんてことだ…


街頭テレビから何か聞こえる。
ハンドレットパワーで耳を澄まそうとした瞬間能力が消える。
能力減退のせいで、もう3分も保たなくなってきている。

仕方が無くポケットから携帯を取り出し音を小さめにしてテレビを見る。
なぜか電話は誰にも繋がらないがTVは観れるようだ。


マーベリックさんが会見を開いていた。


685: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/16(土) 22:15:38.26 ID:KUqgw3GU0

『……今回無惨に殺された女性…サマンサ・テイラーはバーナビーの母親の様な存在でした…』
『そんな彼女を失った彼の傷は深く、大きい……だが彼はHEROだ。必ず犯人、鏑木虎徹を捕まえるでしょう!』
『今はバーナビーは新しいスーツの新調中です。完成次第確保に向います。』

『そして…鏑木虎徹に傷つけられたのは彼らだけではありません。…彼もです…』

画面が変わりどこかの病室内で、
口元に呼吸器をつけ、手足に包帯をつけた青年がが映し出される。

虎徹はその青年に見覚えがあった
いや、間違える訳がない。
過ごした時間は長いわけじゃあないが共に戦ってきたのだから


686: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/16(土) 22:17:06.52 ID:KUqgw3GU0

『彼の本名は言えないが…彼は仮面ライダーオーズだ。』

そのマーベリックの発言に会場がどよめく

『昨日、オーズ君は鏑木虎徹に襲われ現在病院にいる。』
『…彼はこんなボロボロの身体で我々市民を気遣い、捻挫した足を引きずって犯人を捕まえに行こうとした、』
『彼が無理をしない為にも犯人を見かけたら是非連絡を……HERO達が飛んで行きます。』


その言葉を最後に会見が終わる。
虎徹は口をあんぐりと開けたまま何も言えなかった。

687: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/16(土) 22:18:52.39 ID:KUqgw3GU0
日本


鴻上「………やってくれたねMrマーベリックッ……!」

鴻上はケーキを作る手を止めるとテレビを見て呟く。

鴻上「実に鮮やかな手口だ!火野君をああやって自分の手中に納めることで人質にした!なぜだかわかるかね?里中君?」

里中「…鴻上ファウンデーションが『もう一つのスポンサー』を降りない為ですか?」

鴻上「そのとおりだよッ!!彼らには我が社がスポンサーをしたことで莫大な資金を得たからだ!!」

鴻上「だが、彼がどのように鏑木虎徹を犯人に仕立て上げたのかは謎だ……」

鴻上「…それを調べ、火野君を救出し、彼らを滅ぼす。……その3つをあの二人にやって貰おう。…口説き文句は___」

里中「はい、『高額なバイトを紹介します』と『世界の平和を守っていただけませんか?』ですね」

鴻上「素晴らしい!!…だがもう一人サポートをつけよう…口説き文句は『有給休暇を用意しよう』だ。」

里中「…はい、では行って来ます。」

鴻上「任せたよ!!里中君!!」


688: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/16(土) 22:46:06.65 ID:KUqgw3GU0


NGの皮を被った何か

一年前

「……ポケスペのイエローが俺の中でぶっちぎって………あっ!やっべぇ!もうこんな時間じゃん!」

「早く寝ないと明日のニチアサ起きられないぜ…おやすみっと………」


~次の日~

「さーて、ニチアサ!ニチアサ!」

TV『……バンカーからどうアプローチするか……』

「…あれ?え?why?」
「…………おのれぇ!ゴルフゥゥゥウゥッゥゥ!!……あ、ファーボール!」




明日のフォーゼは全米ゴルフで中止です。

銀河王『残念。無念。』



695: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/23(土) 21:07:51.71 ID:IDPs4pu50


シュテルンビルド

会見からもう6時間以上も経っている。
虎徹は身を潜め隠れながら過ごしていた。


虎徹「くそっ…どうなってるんだよ……」


路地裏でこそこそと虎徹は歩く。
携帯で色んな奴らと連絡を取ろうとしたが繋がらない。

虎徹は携帯を懐にしまう、道に落ちていたボロボロの布を拾うとそれを羽織り行くあてもなく歩く。

696: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/23(土) 21:09:17.25 ID:IDPs4pu50

すると壁に張り紙を見つけるそこには自分の顔写真付きの指名手配書が何枚も貼ってあった。

虎徹「…っ……クソッ!!」

手当たり次第に剥がしていくと、ある一枚の自分の顔写真がウインクした。
気が変になったのかと思い、目をこすりもう一度見ると自分の顔から折紙サイクロンの顔になり
ニュッとポスターから顔を出す。
まるで3D映画のようだ。
その折紙サイクロンと目が合うと
ポスターから抜け出す様に変化し刀を構えながら歌舞伎役者のように叫ぶ。


697: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/23(土) 21:10:10.87 ID:IDPs4pu50

折紙サイクロン『折紙サイクロン、シュシュッとズバッと参上でぇ~ござる!!』

虎徹「…これまた色々と混ぜやがって……またブログ炎上するぞ!折紙!」

折紙サイクロン『!…な、なんでそれを!!』

虎徹「お前が前話したろ!アカデミーでさぁ!」

折紙サイクロン『何を…いってるんでござるか!それを話したのは【ワイルドタイガー】であってお主ではないでござる!』

虎徹「はぁ?なに言ってんだよ!俺がワイルドタイガーだ!知ってるだろ?」

698: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/23(土) 21:11:36.00 ID:IDPs4pu50

折紙サイクロン『……何を…言ってるんだ……』

虎徹「お、おい…やめろよ…その反応、いくらドッキリでも……」

虎徹が近づいた瞬間、やって来たドラゴンキッドが電撃を帯びた棒で虎徹の腹を突く
紙一重で虎徹は避けると口調を荒げて訴える。

699: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/23(土) 21:13:23.75 ID:IDPs4pu50

虎徹「ッ!おい!!お前らいい加減にしろよ!!俺を忘れたのかよ!!」

折紙サイクロン『忘れたも何も……』

ドラゴンキッド『殺人犯に知り合いなんか居ないね』

虎徹「…!!……本当にどうしちまったんだよ…一体…」


『どうしたもこうしたもねぇよ…』

背後から聞き覚えのある声が聞こえ振り向くとそこには
ロックバイソンが静かに立っていた

700: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/23(土) 21:15:10.54 ID:IDPs4pu50
虎徹「…バイソン!お前まさか!!」


___あいつはまともかもしれない___

そんな期待を抱きながら虎徹は近づくがロックバイソンは
その巨大な拳を握りしめ近寄ってきた虎徹の腹にねじ込む。

鈍い痛みが虎徹を襲う、肺から空気が押し出され
地面に倒れ込みながら何度も咳きこむ。


701: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/23(土) 21:16:46.50 ID:IDPs4pu50
ロックバイソン『…犯人確保だ……よくも俺のダチを……!!』

虎徹「ゲホッ!ゲホッ!!…なにいってんだよ…俺達だって…ダチだろ……?」

ロックバイソン『てめぇの様なゲス野郎が俺のダチなわけねぇだろうがッ!!』

虎徹「…………それ本気で言ってるのか……アントニオ…」

ロックバイソン『っ!なんで俺の本名を………そうか…調べやがったのか…それでオーズも……汚い奴だぜ…』

虎徹「…なんで…どうしたんだよ………………」

702: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/23(土) 21:18:36.26 ID:IDPs4pu50

虎徹は疲れきっていた。
空腹に耐え、孤独に耐え、悲しみに耐えたがそろそろ限界の様だ。
もう抵抗する気にもなれない。

ああ、そうだ逃げるんじゃあなくて自分から捕まって
みんなと話し合えばいいんだ。

なんでこんな簡単なことに気がつかなかったのだろう。

ロックバイソンに腕を捕まえられながら虎徹は動かなかった。


虚ろな目でふと空を見る。
雲一つ無い空が広がっていた。


……この空を見たことがある。

703: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/23(土) 21:22:25.19 ID:IDPs4pu50

どこだったか……

そうだ。
あのとき電車に乗っていたとき楓から絵を貰ったときに…
あの絵は確か……

手を繋ぎながら笑うだ楓と虎徹、そして虹の向こうに友恵がにこやかに手を振っていた。

こんな「格好悪い」俺を見て友恵はなんて言うだろう。
俺はいつも誰かの、楓のHEROであることを友恵に誓った。

なら最後の最後まで頑張るしかない。
ここで諦めたらどうなる?

楓には帰ってくるって言ったのに帰れないからまた「嘘つき」と言われるだろう。
それだけじゃなくて楓の中学校の制服姿、高校の制服姿、大学……いつかは結婚だってするだろう。
そんな楓の成長を俺がここで真相を露見させずに捕まったら楓はどうなる?
きっと周りから酷い視線や言葉を浴びせられるだろう。

そんなのは嫌だ。

強く思う。
力が身体の底から湧きあがる。
これが俺の「欲望」であり「願い」だ。

深呼吸して心を落ち着かせる。

704: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/23(土) 21:23:14.86 ID:IDPs4pu50

虎徹「…友恵……楓……」

ロックバイソン「……!…お前その名前は…」

虎徹「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!」

ロックバイソン『ッ!?』

能力を発動させロックバイソンの腕を掴み背負い投げで地面に叩きつける。
あんな巨体が地面に叩きつけられれば当然砂埃が舞う。
それで折紙サイクロンとドラゴンキッドの視界を遮るとマンホールの蓋を開け素早く地下に潜り込む。

必ず真相を暴くと誓いながら虎徹は地下道を走る。

709: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/30(土) 21:27:43.72 ID:RFtb93Oc0

オリエンタルシティ


楓「嘘……なんでお父さんが…」

安寿「っ!!」

楓はぺたりと力なく地面に倒れる。
TV画面には虎徹が殺人犯として映っていた。

安寿「……なんてこと…!」

楓「……お父さんはこんなことしない。だって約束だって破るし、ドジだけど絶対に…こんなこと…」

楓はそう言うが次第に泣き崩れていく。
わずか10歳の少女には辛いだろう

710: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/30(土) 21:30:08.92 ID:RFtb93Oc0

安寿はそれを悟り楓を抱きしめ、優しく語りかける。

安寿「いいかい…楓にはずっと隠してたけど…あなたのお父さん、虎徹はHERO、ワイルドタイガーなのよ。」

楓「えっ。」

顔をあげ楓は安寿の目を見つめる。

安寿「中々家に帰れなかったのも誰かを助けてたからなのよ……」

安寿「だから大丈夫。きっとなんとかなるわ。ワイルドタイガー、あなたのお父さんはHEROだもの。」


711: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/30(土) 21:30:51.93 ID:RFtb93Oc0

~地下道~


虎徹「っ、くそ。溝鼠じゃあねぇんだぞ。」


愚痴をもらしながらも虎徹は地下道を走る。
川の様に生活排水が流れているからそこまで寒くない、むしろ暖かいくらいだ。
が、地下に籠もる生暖かい空気、臭いは筆舌しがたいものだ。
そんな虎徹の頬をヒンヤリとした風が通り抜ける。
横を流れる生活排水がペキペキと凍ってゆく。

虎徹はこれに見覚えがある。
…これに何度も命を救われた。

だが今はこれによって命が危ぶまれる。

712: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/30(土) 21:32:14.24 ID:RFtb93Oc0

急に曲がり違う道へ走り外へ出る。
恐らくHEROTVからのバックアップもありこの地下道を把握しているだろう。
昔、まだ駆け出しのHEROだった頃、
シュテルンビルドの街の右も左もわからなかった俺をHEROTVの人がPDAでサポートしてくれた思い出がある。
他にも建物内で何階の何号室でまだ人が取り残されているなんてときもバックアップが入る。

マンホールを開け外に出ると走る。
数十秒後氷の柱がマンホールの蓋を吹き飛ばす。
蓋はくるくる、コインのように宙を舞うと鉄の音を響かせ地面に落ちる。
ぐわんぐわんとその場を回っていたがすぐに倒れる。

713: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/30(土) 21:33:37.85 ID:RFtb93Oc0

「…さっさと捕まりなさい。鏑木・T・虎徹。」

聞き慣れた声が後ろから聞こえる
いつもの虎徹だったらその高飛車な態度に茶々の一つでも入れるだろうが
いまはそんな余裕はない。下手をしたら能力が切れた今、いともたやすく捕まってしまうだろう。

ブルーローズは走らない。
地面を凍らしてスケートの様に滑る。
虎徹が能力を発動しているのなら簡単に追い抜けるが
いま、虎徹は能力が切れて、何時間もの逃亡に心身ともに疲弊している。

ブルーローズは虎徹を行き止まりの道に追い込むと
氷を発射する銃を向け、照準をブレさせることなく狙いをつけると
ゆっくり口を開く。

714: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/30(土) 21:35:38.45 ID:RFtb93Oc0

ブルーローズ「………さぁて、もう鬼ごっこはお終いでいいわね?」

虎徹「んだっ!…あー…まだちょっと走り足りないくらいだぜ」

ブルーローズ「フフ、面白い冗談ね、その歳じゃあ無理しないほうがいい気がするわ。」

虎徹「ああ、おかげで明日は筋肉痛だってえぇの。」

ブルーローズ「刑務所での明日だから大丈夫よ、ゆっくりできるわ。」

互いに話し隙を狙うが虎徹もブルーローズも全く動かない
もしもブルーローズが氷を発射して虎徹を凍らせるなら虎徹はワイヤーガンでビルの上に逃げるだろう
そうなったらブルーローズには追う手段は無い。
だから空を飛べるスカイハイや他のHEROがくるまで時間を稼ぐ。

715: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/30(土) 21:36:31.42 ID:RFtb93Oc0

下手に動いたらいけないと言うことを虎徹も知っている。
そして大体、何をするのか、何を待っているのかもわかる。
一か八か、虎徹は軽く息を吸うと叫ぶ。

虎徹「おっ!アレはスカイハイ!!」

ブルーローズがすっと後ろをふり向いた瞬間ワイヤーガンをビルに向けて発射する。
ワイヤーを巻き上げて身体が宙に……浮かなかった。足と地面が凍り付いている。

ブルーローズ「……そんな猿芝居で引っかかると思ったの?おめでたい犯人ね。」

虎徹「っ!」

虎徹は足下の氷を殴りつけ砕こうとするが
それが無駄だということは以前ボディービルダーのような男がブルーローズに俺と同じように捕まったときに知っていた。
だがそれでも虎徹は殴り続ける。

716: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/30(土) 21:37:07.70 ID:RFtb93Oc0

ブルーローズ「…往生際が悪いわね…」

ブルーローズはそう呟き虎徹に歩み寄る。
確かにブルーローズから見れば諦めが悪い犯人にしか見えない。

だが虎徹はブルーローズの侮蔑の視線を無視しながら氷を必死に砕こうとする。
そんな虎徹の腕をブルーローズは凍らせる。
首から下以外凍らされ完全に身動きが取れなくなった虎徹の頭上をHEROTVヘリコプターが通る。

街頭テレビからか実況の声が聞こえた瞬間。
わぁーっと街から歓声があがる。

『殺人犯、鏑木・T・虎徹はブルーローズによってたった今確保されましたっ!!』

717: ◆lyUlZTXcIM 2012/06/30(土) 21:38:03.34 ID:RFtb93Oc0


~病院~


『殺人犯、鏑木・T・虎徹はブルーローズによってたった今確保されましたっ!!』


病室内に備え付けられた小型テレビからHEROTVの音声が病室に響く
3時を過ぎた外は若干太陽が黄色がかってきた。
開いた窓からはすぅっと冬の冷たい風が入っていきて花瓶に入った花を揺らす。

看護師はとある病室の前に来ると二回ほど扉をノックする。
だが返事は帰ってこない。
不思議に思うが、患者は怪我を負っている、その疲れで寝ているのかもしれない。
包帯を替えるのはまた後で良いだろう。彼女はそう思い病室を後にする。

彼女が気付いたのはそれから1時間後だった。
カーテンやシーツがひも状に結ばれ1階の中庭まで続いて、
怪我を負った患者である

火野映司が居なくなっていることに。



722: ◆lyUlZTXcIM 2012/07/07(土) 20:56:06.55 ID:b73Mf6L30

~運搬車内~

運搬車はシュテルンビルドの道路を静かに走る。
もうだいぶ街から離れ郊外の刑務所に近づいていた。

郊外のあまり整備されていない道路では時折、
地面の小さなくぼみで車体が小さく揺れる。


虎徹「…………」

723: ◆lyUlZTXcIM 2012/07/07(土) 20:56:54.60 ID:b73Mf6L30

虎徹「……くそっ…」


虎徹は今までこの犯人運搬車は何度も見てきた。

同時に沢山の犯人をこの車に乗せてきたが
中を見たことはない。

虎徹は車内を見渡すことはしずに、
ただ下を向いて黙っていた。

能力が使えるのはあと50分後くらいだろう。
それまではただ体力を温存しておかねばならない。

虎徹は静かに固い鉄の椅子に座りながら考える。

なぜ、誰一人俺を覚えていないのだろう?

724: ◆lyUlZTXcIM 2012/07/07(土) 20:58:20.07 ID:b73Mf6L30

考えた、ドッキリが一番最初に浮かんだがそれは違う。
HERO達の攻撃は本気だった。
アイツ達の目は街を、市民を守るため全力で犯人確保をしようとするいつもの目だった。

では本当に忘れてしまったのか?
だとしたら鏑木虎徹の他にワイルドタイガーのことも忘れているはずだ。

だったら……

725: ◆lyUlZTXcIM 2012/07/07(土) 20:58:58.77 ID:b73Mf6L30




___そういえば…以前『ヤミー』と戦っていたとき、変な風になったらしいんですよ俺____

___変な風?どういうことだ?____

___そのヤミーの特殊能力でヤミーの『宿主』…いえ、被害にあった人のことが好きになっちゃたらしいですよ____

___お前が?それって洗脳じゃあねぇの?___

___はい。…あっ!ほかにもこんなことあって…___

___まだあんのかよ!___



726: ◆lyUlZTXcIM 2012/07/07(土) 21:00:03.70 ID:b73Mf6L30


そうだ。


少し前、実家に戻る前くらいに映司の話を聞いていた。

そのなかにそのヤミーの特殊能力で洗脳されたという話があった。

…もし、もしもみんながなんらかのNEXT能力で洗脳されているとしたら…


727: ◆lyUlZTXcIM 2012/07/07(土) 21:03:29.78 ID:b73Mf6L30
瞬間。


虎徹「___だッ!?」

車内が大きく揺れて虎徹は座っていた椅子から転がり落ちる。
さっきまで70キロ近い速度で走っていた車が止まった。

虎徹は少し耳を澄ますと銃声と悲鳴が聞こえる。
すぐに銃声と悲鳴が収まると
運搬車の後ろのドアから声が聞こえる。

『危ねぇからすこし離れてな、』

…すぐに誰だかわかった。
付き合いは長くないがよく知っている声だった。

金属の扉にがミシリと音を立てて引きはがされる。

728: ◆lyUlZTXcIM 2012/07/07(土) 21:05:50.14 ID:b73Mf6L30


周りには警察官が気絶して倒れている。
目の前には並んで立っている二人組、

頭部はUの字型で、身体の節々に緑色のカプセルが散りばめられ、
左腕はまるでの作業車のショベルの様な形をした方と、
外見は全く同じだが腕にはショベルはなく、所々赤く塗られている。

これは映司の話に出てきた…



仮面ライダーバース、同じく仮面ライダープロトバースだ。




737: ◆lyUlZTXcIM 2012/07/14(土) 21:16:43.42 ID:jhxVml9q0

これは映司の話に出てきた…

仮面ライダーバースと、同じく仮面ライダープロトバースだろう。


プロトバース『よう!久しぶり!』

バース『初めまして、ワイルドタイガー…鏑木虎徹さん』

虎徹「伊達先生!…え~っと、こっちは確か後藤………」

バース『後藤慎太郎です。火野から話を聞いていたんですね…』

虎徹「まぁな…真面目で困ったときに助けてくれる奴って聞いた…本当にその通りだ」

バース『いえ、自分はそんな立派なものでは…』

738: ◆lyUlZTXcIM 2012/07/14(土) 21:18:29.03 ID:jhxVml9q0
プロトバース『まぁとにかく、コレに乗りな。』

虎徹「これってオーズの……」

バース『はい。ライドベンダーです。乗ってください。』

虎徹「だけどあんたは…」

バース『大丈夫です。飛んでいきますから』


虎徹「…まぁ…そっちがそれでいいなら……ところで映司は?アイツ大丈夫なのか?」

バース『…いままで我々にとっての人質とされていましたが俺の元上司がなんとかしました』

虎徹「人質!?どういうことだよ!」

739: すいません飯食ってました 2012/07/14(土) 21:39:50.54 ID:jhxVml9q0

プロトバース『あのTVはもしお前さんを助けようと俺達が向かおうとしたら病院に横たわる映司を殺すってことだ。』

虎徹「…そんなこと誰が…」


プロトバース『あいつだよ、え~っと…アルバイト・マーベリック!』


バース『アルバートです。アルバート・マーベリック』

虎徹「マーベリックさんが!?証拠は?」

バース『彼は記憶を操るNEXTです、証拠は様子をコレが聞いていました。』

バースはバッタ缶を取り出すと録音を再生させる。

740: ◆lyUlZTXcIM 2012/07/14(土) 21:47:39.04 ID:jhxVml9q0
その内容はマーベリックと映司の会話。
その後すぐに何かを砕く音やオーズの叫び声、爆発音などが続いた。
それらが収まりしばらくして言葉が聞こえた

その言葉は虎徹の今の状態を示すものだった。

「ワイルドタイガーは謎の人物で鏑木虎徹と言う人間はワイルドタイガーでも何でもない」



虎徹「…まさかコレも全部…」

プロトバース『ああ、あの野郎の仕業だ。』

バース『とりあえずHEROが来る前にここから逃げることが先決です。』

虎徹「ああ…_____っ!!」

そのとき上空から赤い光の一本の線が矢のように降り
ライドベンダーを一台破壊し爆発が起きる。

プロトバース『うぉ!?』

バース『くっ!』

虎徹「…はぁッ!?……なんだよその姿…誰なんだよ……お前!!」

H01『…………』


虎徹の問いに答えることはなく、黒いワイルドタイガー
いや、H01は静かに虎徹に銃口を向けた。

752: ◆lyUlZTXcIM 2012/07/21(土) 22:11:03.38 ID:1e3GR3uB0




映司「うっ……ここは?」

里中「気がつきましたか?火野さん、ここは私の車の中です」

映司「里中さん!どうしてシュテルンビルドに?」

里中「仕事です。あなたを助けに来ました。」

映司「…助けに?どういうことですか?」

754: ◆lyUlZTXcIM 2012/07/21(土) 22:18:18.67 ID:1e3GR3uB0
鴻上『詳しい話は私が話そう!!』

映司「鴻上さん!!」

鴻上『可哀想に君はMrマーベリックに記憶をねつ造されて利用されてしまった!!』

映司「記憶を…?」

鴻上『信じられないのも無理はない!!記憶が変えられいるのだから!!』

鴻上『他のHEROやTV関係者達も記憶を変えられている!だが君が記憶を取り戻すのは実に簡単だ!』

755: ◆lyUlZTXcIM 2012/07/21(土) 22:19:22.30 ID:1e3GR3uB0

映司「どうすれば…?」

鴻上『以前のように変身したまえ!」

映司「あの…すいませんメダルは犯人に盗られちゃってて……」

鴻上『それならば心配要らない!火野君!私からのプレゼントだッ!!…里中君!』

里中「どうぞ」

映司「これは…!?」

里中「確かにお渡ししました。」


鴻上『さぁ火野君!!真実が知りたいのなら変身したまえッ!!』

映司「はい!」

里中「変身するなら私の車から降りてからにしてください」

映司「あっ、はい。」

756: ◆lyUlZTXcIM 2012/07/21(土) 22:22:47.88 ID:1e3GR3uB0


同時刻、シュテルンビルド駅周辺
一人の少女はリュックサックを背負うと駆け出す。


楓「…待ってて、お父さん…!」


757: ◆lyUlZTXcIM 2012/07/21(土) 22:29:51.73 ID:1e3GR3uB0

伊達「よう!鳥ヤミーの種類を間違える方、伊達です!!」
  「やっとこさ二人を助け出して俺達の反撃の番だ!!」
  「俺と後藤ちゃんのコンビとオーズのインドの技が炸裂!?…え?インドじゃあなくてブラカワニ?」
  「……とにかく次回、【 Double return  倍返し】みてくれよ!」

伊達「……で、あれは鶏ライダーだろ?」

後藤「白鳥です。ついでに言うと仮面ライダーファムです。」

伊達「………」


ファム「…鶏って…」

龍騎「サギじゃあないの?詐欺師なんだからさ」

ファム「冗談のセンス最悪ね」

龍騎「……すいません」


758: ◆lyUlZTXcIM 2012/07/21(土) 22:31:11.62 ID:1e3GR3uB0

~おまけ~

?「まぁ~たあの街に行くのか…」

?「…また?君はシュテルンビルドに行ったことがあるのかい?」

?「お前が居ないときにな、」

?「それはひょっとして『傷心旅行』というものかい?」

?「…あ~…とにかく準備しとけ、行くぞ」

?「わかったよ、翔太郎」

翔太郎「おう、フリップ________ダブルリターンときたら俺達しか…」

フリップ「翔太郎、僕はパスポートを持っていないけど大丈夫なのかい?」

翔太郎「……あー…フリップ、やっぱり、オーズなら大丈夫だ。俺はそう信じてるぜ?」

フリップ「……実に都合が良いね…君は…」


以上


770: ◆lyUlZTXcIM 2012/07/28(土) 21:09:15.28 ID:bAIZjIJl0
~Double return 倍返し~



プロトバース『っぅ~痛ってぇ~……なんだ?』

バース『黒い…ワイルドタイガー?』

バースはちらりと虎徹を見る。
本人の虎徹も唖然としていた。

H01『…………』

足の裏から出ているジェットを切り、H01はアルファルトを砕きながら着地する
ズンッという音が周りを重く響かせた。

虎徹「……なにもんだ!お前!?」

H01『…………』

H01は虎徹の問いには答えず、腕から熱で赤く発光するブレードを出し、
ガシャン、ガシャンと足音をたててゆっくりと歩み出す。

771: ◆lyUlZTXcIM 2012/07/28(土) 21:11:12.03 ID:bAIZjIJl0

虎徹「んだっ!なんだこいつ!」

プロトバース『おい!ここは俺達に任せて……』

バース『……さがっていてください。』

メダルポッドにセルメダルを入れ、バースバスターに付けると
がちゃりと銃口を向ける。

プロトバース『はあっ!』

バースバスターの銃口から勢いよく黄色い円盤が射出される。
最初はメダルを撃ちだしているのかと思ったがメダルは銃口の下に取り付けられたメダルポットに滑り落ちていく。

円盤状の弾は何発もH01に命中し火花を飛び散らせ、全身を煙が覆う。

772: ◆lyUlZTXcIM 2012/07/28(土) 21:13:47.29 ID:bAIZjIJl0

虎徹「……やったか?」

黒い煙の向こうからはあのガシャンという足音は聞こえない。

H01『…………』

ブオッと黒煙を左腕のブレードで切り裂き、足裏のブースターを勢いよく噴射させながら
一気に目の前のダブルバースに迫る。

プロトバース『なに!?……うぉっ!』

バース『伊達さん!…くっ!』

手前にいたプロトバースの胸元を斬りつけ、蹴り飛ばす。
そして身体を一回転させバースが向けたバースバスターを切り裂く。

H01『…………』

773: ◆lyUlZTXcIM 2012/07/28(土) 21:15:10.89 ID:bAIZjIJl0

虎徹「二人とも!大丈夫か!……くっ…!」

近づいてくるH01を前にし、虎徹は能力を発動させようとする。

クレーンアーム

クレーンアーム
キャタピラレッグ

電子音が鳴り、二本の金属ワイヤーが片方ずつH01の両腕を縛り動きを止める。
一本は右腕、もう一本は左腕。ワイヤーの伸びているところを見ると
バースの片腕が巨大なクレーンに変わっていた。

774: ◆lyUlZTXcIM 2012/07/28(土) 21:17:58.07 ID:bAIZjIJl0
バース『鏑木さん!他のHEROが来る前に早く!』

プロトバース『ああ、ここは俺と後藤ちゃんに任せな!』

虎徹「っ……けど!」

バース『街に行けば俺の元上司が鏑木さんをすぐに駆けつけます!』

プロトバース『ああ!たぶん俺達より強い!…早く行きな、楓ちゃんが待ってるぜ?』

虎徹「……わりぃ!」

虎徹はヘルメットを被りライドベンダーに跨ると猛スピードでその場を後にする。
それを追おうとH01も足裏のブースターを噴射させるがびくりともしなかった。

時間の無駄と判断したのかすぐにブースターを止めると
振り返りダブルバースに向かい合う。

775: ◆lyUlZTXcIM 2012/07/28(土) 21:18:52.24 ID:bAIZjIJl0

バース『……行きますよ、伊達さん』

プロトバース『この街の平和を守るため?』

バース『いえ、……世界の平和を守るためです!!』

プロトバース『…よしっ!なら俺もバイト代、稼ぎますか!!』

クレーンアーム、キャタピラレッグを解除すると
赤と緑の目を光らせH01へ駆け出す。

H01はそれに応えるようにぼんやりとバイザーが赤く点滅した。



789: ◆lyUlZTXcIM 2012/08/04(土) 21:39:45.58 ID:QEOrzgA80


~アポロンメディア社付近~

楓「………確かお父さんの会社はここだよね…?」

楓「バーナビーならきっと力になってくれるはず……」

?「____解析は終わったのか?……ああ、ご苦労、すぐに向かう。」

楓「……あの人って確かHEROTVの………あ…あの!」

マーベリック「……ん?どうしたんだい、お嬢ちゃん?」

楓「あ……あの私バーナビーに会って話さなくちゃいけないことが……!」

マーベリック「そうか、君はバーナビーのファンなんだね?……だけどごめんね、バーナビーは今手が離せないんだ」

マーベリックは手で楓の頭を優しく撫でるとその場を去って車に乗り込む。
車はマーベリックが乗るとすぐに、シュテルンビルドの巨大建造物、『ジャスティスタワー』の方へ走り去っていった。


790: ◆lyUlZTXcIM 2012/08/04(土) 21:45:32.90 ID:QEOrzgA80
~路地裏~

里中「……この辺りの路地裏で良いですか……では火野さん、私は離れていますので」

映司「はい……変身ッ!!」

スキャナーを三枚のメダルの前でスライドする。

791: ◆lyUlZTXcIM 2012/08/04(土) 21:46:28.75 ID:QEOrzgA80

コブラッ!

カメッ!

ワニッ!

ブラカ~ワニッ!!

792: ◆lyUlZTXcIM 2012/08/04(土) 21:51:55.18 ID:QEOrzgA80

光に包まれ映司の姿が『仮面ライダー』に変わる。
紫に光る目、布を頭に巻いたような特徴的な頭部、橙黄色のゴツゴツとした甲殻を手脚に纏った姿。

この姿に変身するのは三回目だ。

一回目は同じようにメダルを取られていたとき。
二回目はガラとの決戦のとき。

将軍様から譲り受けたメダルは、治癒能力があり傷ついた体を癒している。
……何百年経った今、再び将軍様に助けられた。

どんなに時代変わったとしても、絆とは絶えず続くもの。

繋いだ手は今も繋がっている。

そして全て思い出した。
今まで何をしていたのか、何をされたのか。

誰が黒幕なのかも……

793: ◆lyUlZTXcIM 2012/08/04(土) 21:56:03.02 ID:QEOrzgA80
やるべきことは沢山ある。
手を伸ばしても一人じゃあ届かない。
なら手を繋いで伸ばせば絶対届く。
比奈ちゃんが、後藤さんが、知世子さんが、伊達さんが、里中さんが、

そしてアイツが教えてくれた。



オーズ『……里中さん、行きましょう。』

里中「はい、それが仕事ですから。」

映司は変身を解除して手脚の包帯をとると車に乗り込む。

798: ◆lyUlZTXcIM 2012/08/11(土) 20:41:40.71 ID:TRq9+abl0

~シュテルンビルド市街~

虎徹「………確かこの辺に……いたっ!」

黒いワイルドタイガー、H01をバース達に任せ、虎徹は市街をライドベンダーで駆けていた。


虎徹は一台のタクシーを見つけるとライドベンダーのハンドルを握りしめスピードを上げ、
タクシーの真横につくと窓を軽くノックする。

虎徹「ベンさん!開けてくれ!話したいことがある!!」

ベン「……虎徹!?お前捕まったんじゃあ!?……とりあえずついてこい。」

ベンの乗るタクシーは路地裏にはいると適当に駐め、車を降りる

ベン「虎徹!お前……何があった?」

虎徹「ベンさん、実はマーベリックに………」

799: ◆lyUlZTXcIM 2012/08/11(土) 20:42:07.03 ID:TRq9+abl0

_______________________
説明中
___________________
「ゴルゴムの仕業だ!」
_______________
「許゛さ゛ん゛ッ゛!」
_______

800: ◆lyUlZTXcIM 2012/08/11(土) 20:44:27.25 ID:TRq9+abl0
虎徹「……ってわけです。」

ベン「なるほどな……だがなんで俺に会いに来たんだ?HERO業界を引退した下請けの下請けの俺なんかじゃあ会長のマーベリックに太刀打ちできないぞ」

虎徹「……秘策はありますが……俺のスーツが無いと……」

ベン「……うまくいくのか?」

虎徹「うまくいかせます!」

ベン「待ってろ、お前のスーツはいつもトランクに積んである。」

虎徹「えっ!本当っすか!」

ベン「馬鹿野郎、俺はいつでもワイルドタイガー、お前のファンなんだぜ?」



801: ◆lyUlZTXcIM 2012/08/11(土) 20:50:17.99 ID:TRq9+abl0

ベン「……だけど虎徹、どうやるつもりなんだ?HERO達には一通り説明したんだろ?今更どうやって……」

虎徹「ふっふっふ……ベンさんそれはテレビを見ていてくれれば分かりますよ」

ベン「テレビ?……HEROTVか?」

虎徹「ええ!そこで俺があいつ等にワイルドタイガーの証拠を見せてやります!」

ベン「そこまで自信があるのか……じゃあ虎徹、マーベリックの野郎に本物のHEROってものを見せてやれ!」

虎徹「はい!」


802: ◆lyUlZTXcIM 2012/08/11(土) 21:00:48.77 ID:TRq9+abl0
………………
…………
……


マーベリック「……どうだね?ロトワング君。」

ロトワング『はい、マーベリックさん……このコアメダルには謎のエネルギー反応があります。』
     『他のメダルの方は特殊機材さえあれば武器やアンドロイドの動力に使用できますが……』
     『この一枚……いや二欠片?からのエネルギー反応は他と異なっておりまして……かなりの時間がかかります』

マーベリック「……そうか……まぁ時間はある、しっかり調べておいてくれたまえ」

ロトワング『はい、Mrマーベリック。』プツッ

マーベリック「…………」



803: ◆lyUlZTXcIM 2012/08/11(土) 21:15:26.13 ID:TRq9+abl0

ピリリリリ

マーベリック「……私だ。」

鴻上『久しぶりだね、Mrマーベリックっ!』

マーベリック「……なんの用だね?今日は私の誕生日ではないが?」

鴻上『はっはっはっ!!面白いことを言うね、Mrマーベリック……今回は君への宣戦布告だよ。』

マーベリック「……宣戦布告?」

鴻上『……君と私の仲は短い期間だったが協力関係が確かにあった、が!君はその関係…私欲望を邪魔したッ!!』
  『つまり、……賢い君なら解るだろう?』

マーベリック「報復か……」

鴻上『素晴らしいッ!Mrマーベリック!よくわかったね!!まぁそれはそうと……覚悟したまえ、私の欲望を邪魔した罪は重い』

マーベリック「……ふん、君の財団では無く別の【財団】についただけの話だ。」

鴻上『…………』



804: ◆lyUlZTXcIM 2012/08/11(土) 21:21:33.31 ID:TRq9+abl0

マーベリック「これから私はさらに高みに昇り、いつの日か【財団】のトップになる日がくる」

鴻上『素晴らしい欲望だ!!……私の欲望を邪魔しさえしなければ協力を惜しまなかったものだが……』

マーベリック「ふん、さらばだ。」

鴻上『ああ、今日が君と君の欲望の命日になるところを見守っているよ、さらばだ。』

マーベリック「…………」

809: ◆lyUlZTXcIM 2012/08/18(土) 20:22:46.53 ID:qK4rvaIE0



~アポロンメディア周辺~

映司「はい……ん?…里中さん!駐めてください!!」

里中「どうしたんですか火野さん?」

映司は車から降りると一人の少女の方へと駆け出す。
あの子は虎徹さんに写真で見せてもらったことがある。

映司「……君は…ワイルドタイガー……虎徹さんの娘さんだよね……」

映司が近づいたときは警戒していたがこの一言で楓は目を丸くした。

810: ◆lyUlZTXcIM 2012/08/18(土) 20:23:31.03 ID:qK4rvaIE0

楓「……どうしてお父さんの正体を知ってるの?あなたは誰?」

映司「俺はオーズ。……仮面ライダーオーズ。火野映司、初めまして。」

楓「オーズ……お願い!お父さんを助けて!!」

映司「……うん、俺達に任せて。」

里中「……とりあえず証拠を持っている後藤さん達と合流しましょう。今連絡を取ってみます」

里中はバッタカンを取り出すとプルタブを捻る、
すると掌の上でバッタの形に変形した。


里中「……でませんね、故障でもないですし。」

811: ◆lyUlZTXcIM 2012/08/18(土) 20:24:59.26 ID:qK4rvaIE0

里中「……火野さん、後藤さん達は私に任せてHEROの方をお願いします。」

映司「はい!……っていってもどうやって……?」

里中「火野さんのことについては恐らく記憶を変えられていないはずです。火野さんが説得すればなんとか……」

映司「わかりました、やってみます!」

里中は静かに頷くと車に乗り込み走り去る。


812: ◆lyUlZTXcIM 2012/08/18(土) 20:25:44.68 ID:qK4rvaIE0

映司「よし、じゃあ訳を話しにテレビ局に行こうか……えっと……?」

楓「あっ、鏑木楓です。」

映司「楓……いい名前だね、それじゃあ楓ちゃん、行こう。」

映司達が歩き出そうとした瞬間、HEROTVの中継ヘリが頭上を通り過ぎた。
街頭テレビからは聞き慣れた実況の声が聞こえる

813: ◆lyUlZTXcIM 2012/08/18(土) 20:26:58.22 ID:qK4rvaIE0
『……先程指名手配中の犯人、鏑木・T・虎徹から『HEROを全員集めろ、アポロンメディア社屋上で待つ』との挑発があり、アポロンメディア社員は避難を完了しました。』

『…………おっと……?あのシンボルの前にいるのは……ワイルドタイガーです!鏑木・T・虎徹は古いスーツのワイルドタイガーのコスプレをしています!!』


『……なにやら中継ヘリに向かって叫んでいるようですがここからでは聞き取れません。』


『あ!たった今ヘリからHERO達が続々と降りています!タイガーとバーナビーを除いた全てのHEROです!!』
『……さぁ追いつめられた犯人を捕まえるのは一体どのHEROなんだぁっ!』

814: ◆lyUlZTXcIM 2012/08/18(土) 20:27:49.16 ID:qK4rvaIE0

楓「お父さん!?」

映司「……急ごう、楓ちゃん!!」

映司達はアポロンメディア社へと走り出した。

830: ◆lyUlZTXcIM 2012/08/26(日) 20:54:17.72 ID:UDr2hzOe0


アポロンメディア社屋上


ワイルドタイガー「ったく、なにがコスプレだよ、正真正銘本物のスーツだってのによ……」

鏑木虎徹、ワイルドタイガーはそうぼやくと
ヘリから降りてきたHERO達を見据え、静かに、だがはっきりと言う。

ワイルドタイガー「さぁて……ワイルドに吠えますか!……よっと、」

ワイルドタイガーはアポロンメディア社のシンボルである像から能力を発動させて飛び降りる。
……斉藤さんのあのスーツに慣れていたから、久々に着たこのスーツでは着地をしたとき若干衝撃が伝わってきて痛かった
だがここで痛いと言ってしまったら格好がつかないから必死に堪える。

831: ◆lyUlZTXcIM 2012/08/26(日) 20:55:04.59 ID:UDr2hzOe0

スカイハイ『……鏑木・T・虎徹!こんな所に呼び出してその格好で我々全員と戦うつもりか!!』

ファイヤーエンブレム『だとしたら無駄よん、コスプレしたってアンタはワイルドタイガーじゃあないもの』

ブルーローズ『いい加減にその痛い妄想から目をさましたらどう?』

ドラゴンキッド『ブルーローズの言う通りだよ』

ロックバイソン『…………』

折紙サイクロン『大人しくお縄につくでござる!!……どうしたでござるか?バイソン殿。』

ロックバイソン『……いや、あの野郎に聞きてぇことがあってな』

832: ◆lyUlZTXcIM 2012/08/26(日) 20:57:07.63 ID:UDr2hzOe0


ワイルドタイガー「ふっふっふ……!!まぁ待て、今から俺が本当にワイルドタイガーだってことを思い出さしてやる。」
        「見ろ!俺の渾身の……『おい、鏑木・T・虎徹。』……っだ!何だよ!!」

ロックバイソン『……一つ、テメェに聞きてぇことがある。』

ワイルドタイガー「……なんだよ」

ロックバイソン『俺は鏑木・T・虎徹なんて野郎のことは知らねぇが、てめぇが呟いた名前にはちょいと聞き覚えがあってな……』

ワイルドタイガー「おう……?」

ロックバイソン『……みんなの知っているワイルドタイガーは正体不明で天涯孤独ってはずだ。そうだろ?』

ブルーローズ『そうよ、それで有名じゃない』

ドラゴンキッド『それがどうしたの?』

833: ◆lyUlZTXcIM 2012/08/26(日) 21:00:42.74 ID:UDr2hzOe0
ファイヤーエンブレム『……まさかアンタこいつの言うこと信じるんじゃあ……?』

ロックバイソン『それは違う。……だが、俺の知っている女性はHEROワイルドタイガーが自分の夫なのが自慢だって言ってた。彼女の名前は……』

ワイルドタイガー「……友恵、鏑木友恵、俺の妻だ。」

ロックバイソン『……その名前をなんでてめぇが知っているんだ?』

ワイルドタイガー「……忘れちまったのか?アントニオ……俺が友恵の夫で、楓の父親だからだよ。」

ロックバイソン『……わかった。』

ワイルドタイガー「おお!思い出してくれたか!!」

ロックバイソン『どこで知ったか刑務所にぶちこんでから聞き出してやる。ストーカー野郎……行くぞみんな!』


「「「おう!!」」」


ワイルドタイガー「どうしてそうなるんだよ!!」

834: ◆lyUlZTXcIM 2012/08/26(日) 21:02:06.35 ID:UDr2hzOe0
ワイルドタイガー「……ちょっと待ってくれみんな!!」

スカイハイ『話は聞かせて貰った!……よくわからなかったが……とにかく!覚悟しろ!スカイハーイッ!!』

スカイハイは風を手の中に集めて小さな竜巻をワイルドタイガーに発射する。
竜巻は地面をえぐりながらワイルドタイガーへ一直線に進む。

ワイルドタイガー「危ねっ!おい!待てってスカイハイ!!」

ワイルドタイガーは迫り来る竜巻を横に跳び避けると
避けた先にファイヤーエンブレムが炎を出していた。

ファイヤーエンブレム『軽い火傷程度よ!ファ~イヤーン!!』

ワイルドタイガー「やべっ_____」

835: ◆lyUlZTXcIM 2012/08/26(日) 21:02:43.46 ID:UDr2hzOe0

思わずワイルドタイガーは自身を焼かんと迫る炎を前に目を瞑る。
ファイヤーエンブレムが出した炎はワイルドタイガーの眼前で何かに遮られ
ワイルドタイガーを焼くことはなかった。

『お待たせしました、虎徹さん。』

聞き覚えのある声を耳にし目を開ける。
そこには、布を頭に巻いた、ターバンのような特徴的な頭部、
橙黄色のゴツゴツとした甲殻を手脚に纏った姿。
そして腰に巻かれた銀のベルト。

ワイルドタイガー「お、お前……!」

オーズ『俺は味方です、……って言っても敵なんてここにはいませんけど』

仮面ライダーオーズ、火野映司が立っていた。

849: ◆lyUlZTXcIM 2012/09/02(日) 21:19:42.73 ID:i0ppXPBN0

………………
…………
……

マーベリック「お二人とも気分はどうかね?」

伊達「いいように見えるなら俺が診てやってもいいぜ?」

後藤「診察料、高いんでしょう?」

伊達「パンチ一発だ」

マーベリック「まだ元気はあるようだな。」

ロトワング『ですがマーベリックさん、悔しいことにこのメダルシステムによってH01が一機破壊されました。』

マーベリック「……ほう、ならばそのシステムは相当に使えるというのだな。」

850: ◆lyUlZTXcIM 2012/09/02(日) 21:20:11.20 ID:i0ppXPBN0
ロトワング『ええ現在新型アンドロイドにメダルシステムを組み込み出力強化を促す研究をしていたのですが、これのおかげで何倍もはかどりそうです!!』

マーベリック「そうか。……そのベルトはまだ使うのかい?」

ロトワング『いえ、もう結構です。処分いたしましょうか?』

マーベリック「待ちたまえ、……ふむ、せっかくだ、彼らには我々に協力してもらおう」

ロトワング『……と言いますと?』

マーベリック「昼食事を戻したくないのなら君は知らない方がいい。」


マーベリックは電話を切ると縛り付けられた伊達と後藤に青く光る手を伸ばした。

851: ◆lyUlZTXcIM 2012/09/02(日) 21:23:50.36 ID:i0ppXPBN0
………………
…………
……

ファイヤーエンブレム『オーズ!?』

スカイハイ『無事だったのかい!?』

ドラゴンキッド『……でも、なんでここに?』

ブルーローズ『犯人を庇ったし、もしかしたら……』

折紙サイクロン『偽物でござるか……?』


オーズ『皆さんに説明したいことがあります。……よっと、』

オーズはベルトを水平に戻し変身を解除する。
だが、映司の体は力が抜けたようにふらつき地面に膝をつく。

ワイルドタイガー「おい!大丈夫か!?オーズ」

映司「……はい、コンボを使うと疲れちゃって……」

852: ◆lyUlZTXcIM 2012/09/02(日) 21:24:49.73 ID:i0ppXPBN0
ロックバイソン『オーズ、お前ソイツにやられたんじゃあ……?』

ファイヤーエンブレム『第一ベットの上でボロボロだったじゃない?』

映司「いえ、怪我はこのメダルのおかげで治りました……それと今から説明します。』

映司「この事件は全部マーベリックさんの仕組んだことで、マーベリックさんは人の心を操るNEXTでみんなを洗脳したんです。」

虎徹「そうだよ!そう!」

ファイヤーエンブレム『アンタは黙ってらっしゃい!』

853: ◆lyUlZTXcIM 2012/09/02(日) 21:25:49.41 ID:i0ppXPBN0

折紙サイクロン『マーベリック殿がNEXTで僕達……あ、いやその拙者達を洗脳したって……』

スカイハイ『しかし少々それは……』

ロックバイソン『逆にお前がコイツに洗脳されてるんじゃあないのか?』

ワイルドタイガー「とりあえず俺のせいにするなよ!!」

ブルーローズ『仮に私達が洗脳されてたとしても、あんたはなんで気付いたわけ?』

映司「それは、オーズに変身するとそういうのが効かなくなるんで……」

ドラゴンキッド『でもソレってNEXTの能力だよね?僕達は能力使っているけど何ともないよ?』

映司「あ、実は俺NEXTじゃあ____」

『おーっと!ただいま入った情報によりますと先程のオーズは偽物で鏑木・T・虎徹の共犯者であるNEXTが擬態しているそうです!!』
『その偽オーズはオーズの力と記憶を持っている強敵だそうです!現在本物であるオーズは重傷のため病院で保護されているとのことです!』
『……つまりあのオーズは偽物だァッー!!』

854: ◆lyUlZTXcIM 2012/09/02(日) 21:26:33.41 ID:i0ppXPBN0

映司の声を遮り空中に浮かぶHEROTVヘリから大声で実況の声が轟く。
そしてその内容に映司と虎徹は大きく口を開けた。

スカイハイ『見たまえ!真実は常に白日の下にさらされるのだ!』

ファイヤーエンブレム『よくも騙したわね!正体を見せなさい!』

折紙サイクロン『拙者の擬態より完璧でござる……』

ブルーローズ(というより完全上位互換よね)

ドラゴンキッド(言ったら可哀想だから黙ってよ)

映司「違います!俺は本物です!」

ワイルドタイガー「そうだって!思い出してくれよ!」


『その演技をいつまで続ける気だ?鏑木・T・虎徹。』

『…………』


ワイルドタイガー「バニー!……ッ!」

映司「あのときの……!?」


ワイルドタイガーが振り返るとそこには黒い新型のスーツに身を包んだ相棒、バーナビー・ブルックスJrが
黒いワイルドタイガー……H01と共に立っていた。





871: ◆lyUlZTXcIM 2012/09/16(日) 23:21:09.21 ID:CSrYtUVE0
黒いワイルドタイガー……H01と共に立っていた。


ワイルドタイガー「バニー!……ッ!」

映司「あのときの……!?」


映司と虎徹の前に立つ二人の黒いHEROは色や
細かい部分は違うものの、よく知っているものだ。

872: ◆lyUlZTXcIM 2012/09/16(日) 23:23:38.85 ID:CSrYtUVE0

H01『…………』

映司「……ッ」

……あの黒いワイルドタイガーはマーベリックさんが開いた偽のパーティーで戦ったことがある。
黄色のコンボを使って戦ったが格納されている高威力の銃によって為す術無く倒された。

そしてその正体はNEXTではなく、
以前スカイハイさんと協力して倒したアンドロイドの強化型だ。
そのときのデータや今までのHEROTVのデータを資料にしている為、電撃、氷、炎、風、の対策はとられているはずだ。

でもアイツのデータにないこのメダルなら……戦える。

楓ちゃんにはカンドロイドを預けて下の階にいるように言っておいたから大丈夫だと思うけど、
他のHERO達とアイツが相手じゃあ……厳しい。
だけど、やるしかない。楓ちゃんと約束したから。


873: ◆lyUlZTXcIM 2012/09/16(日) 23:25:20.85 ID:CSrYtUVE0


バーナビー『鏑木・T・虎徹、僕は今すぐ貴様を八つ裂きにしてやりたい。……だがそれをやってしまったら僕はHEROじゃあなくなってしまうッ……』

ワイルドタイガー「……バニー、お前……」

バーナビー『大人しく自首しろ!それともこの人数相手にまだ続けるか?』

……嬉しかった。
今、マーベリックの罠に貶められて、洗脳された仲間達が俺を捕まえんと囲み、
相棒が自分の敵になっているという状況で一瞬そう思った。

確かに今の状況にはマーベリックに対する激しい怒りと仲間達が襲ってくるという深い悲しみもあるが、
バーナビーが『復讐者』としてではなく、『HERO』としてここに立っていることに嬉しく感じた。
これなら能力が減退していっている俺も安心してHEROを引退できる。

だけどその感情も一瞬、すぐに怒りへ変わった。
こんな風に見たくなかった、これは全部マーベリックの仕業だからだ。
俺も含めてみんなマーベリックの掌で踊らされている。

このあとバニーはどうなる?
いや、バニーだけじゃあない他のみんなだって同じだ、真実を隠蔽、抹消されて、記憶を書き換えられていく。

ギュウというグローブの擦れる音で、虎徹は無意識的に拳を握りしめていたことに気がついた。

だがその様子を見たHERO達は虎徹が抵抗しようとしているととらえてしまったらしく、さっと構えをとった。

874: ◆lyUlZTXcIM 2012/09/16(日) 23:30:01.03 ID:CSrYtUVE0

バーナビー『行きますよ、タイガーさん!』

最初に動いたのはバーナビーだった、アスファルトの地面を蹴って虎徹のほうへ駆けていく。
虎徹の眼前に来ると右の拳を顔目掛けて突き出した。
虎徹はさっとバーナビーの拳から一歩身を引いて避けるとそのまま後ろへ跳び退く。
……能力は移動中に使ったのだろうか?いまのところ能力は使っていない。

ワイルドタイガー「バニー!俺を覚えてないのか!?……今まで一緒にやってきただろ!」

洗脳されたバーナビーに向けて虎徹は叫んだ。

875: ◆lyUlZTXcIM 2012/09/16(日) 23:32:00.12 ID:CSrYtUVE0
正気を取り戻して欲しい、記憶を取り戻して欲しいと願った叫びは逆に今のバーナビーの神経を逆撫でした。

バーナビー『黙れッ!いい加減にしろ!それ以上意味の分からないことを口走るなッ!』

ワイルドタイガー「バニー……くっ……!」

バーナビーの攻撃はより一層激しくなっていった。
それに反比例するように虎徹の動きはどんどん鈍くなっていく、
決して諦めた訳ではないが疲れてきたのだ、虎徹の年齢はバーナビーの二倍はある。
瞬発力も持続力もバーナビーに比べて遥かに劣っているがそれを補う程の経験値があった。

どの動きも追われていたと比べて重くなっているがバーナビーの攻撃を一発もくらっていない、
どれも紙一重で避けていく。……その気になればバーナビーやHERO達の何人か倒すことはできるかもしれないが
虎徹の中に選択肢はない、だからこそ彼は避け続けていた。

876: ◆lyUlZTXcIM 2012/09/16(日) 23:34:48.83 ID:CSrYtUVE0


映司「うぐっ!」

ワイルドタイガー「映司!」

バーナビー『……そこだッ!』


叫びが聞こえ、一瞬気が映司の方へ逸れてしまった。
その隙をバーナビーは見逃さなかった。
鋭い蹴りの一撃が虎徹の脇腹にめり込み身体がくの字に曲がり地面に転がる。

ワイルドタイガー「ぐはっ…!」

877: ◆lyUlZTXcIM 2012/09/16(日) 23:39:37.67 ID:CSrYtUVE0


映司はH01に変身する暇もなく生身で胸部を蹴り飛ばされボールのように転がった。
肺中の空気が押し出され、一瞬息が止まり、そのすぐ血反吐をぶちまけん勢いで咳が続いた。

映司の隣に虎徹が脇腹を押さえながら転がってきた。虎徹は映司に手を貸し起き上がらせる手伝いをした。

ワイルドタイガー「くっ、……バニーの奴手加減なしかよ、……っ!」

映司「虎徹さん!……うっ!」

虎徹と映司を映司を捕まえようとバーナビーとH01が一歩踏み出す。

878: ◆lyUlZTXcIM 2012/09/16(日) 23:40:19.77 ID:CSrYtUVE0


楓「待って!」


ワイルドタイガー「……か、楓!?」

映司「楓ちゃん!?」


楓「……お父さんから離れて!!」

楓は激昂すると体と瞳が青く輝き、上空に光の玉を創り出した。
この場に立つ全員が、少女の頭上に浮かぶ光の玉をNEXT能力だとわかったが、どんな能力かはわからなかった。

885: ◆lyUlZTXcIM 2012/09/23(日) 21:18:04.61 ID:z5Emnrh00

部屋のモニターで一部始終を見ていたマーベリックは
光の玉に眉をひくりと動かす。

マーベリック「!……放送を中止させろ。」

携帯を懐から取りだしそれだけを伝えるとぶつりと切る。
しばらく俯き黙っていたが何か思い立ったように立ち上がると何処かへ歩いていった。

886: ◆lyUlZTXcIM 2012/09/23(日) 21:18:35.38 ID:z5Emnrh00
映司「今のは……いったい?」

ワイルドタイガー「なにが起こったんだ?楓。」

楓「えっ、私にもわかんない。急に能力が……」


ロックバイソン『ううん?……今まで俺達何してたんだ?』

スカイハイ『それはタイガー君を捕まえようと……?』

ドラゴンキッド『なんでタイガーを捕まえるのさ?』

ブルーローズ『そうよ、なんで私達タイガーを……?』

映司「虎徹さん、もしかして……!」

ワイルドタイガー「みんな、元に戻ったのか!?」

887: ◆lyUlZTXcIM 2012/09/23(日) 21:19:04.74 ID:z5Emnrh00

ファイヤーエンブレム『え、タイガーそのスーツ、ナニがあったの?』

折紙サイクロン『さっきの、あ……先程の光の玉は一体?』

ワイルドタイガー「……俺のこと思い出してくれたのか!?」

ロックバイソン『思い出すも何も俺達は仲間じゃねぇか』

スカイハイ『その通りだバイソン君!……だがなぜ私達は彼を……?』

ワイルドタイガー「……よかった!!本当によかった!!」

ロックバイソン『うぉっ!泣くなよタイガー!!』

ファイヤーエンブレム『……ふふっ、ハンサム、アンタも行ったらどう?』


バーナビー『みなさん……どうしたんですか……!?』

888: ◆lyUlZTXcIM 2012/09/23(日) 21:19:32.49 ID:z5Emnrh00
ワイルドタイガー「……バニー?」

バーナビー『どうして、急に……犯人のことをワイルドタイガーだなんて……!?」

スカイハイ『おかしな事を聞くね!彼はワイルドタイガーじゃあないか!』

映司「……まさか……?」

バーナビー『犯人がワイルドタイガー?……訳がわからない!僕の隣にワイルドタイガーがいるじゃあないですか!?』

ワイルドタイガー「お、おいバニー……?」

バーナビー『黙れッ!みんなに一体何をした!?』

折紙サイクロン『バーナビー殿……?』

ブルーローズ『……あんたまさか……?』

バーナビー『これも貴様のせいか!?鏑木・T・虎徹ッ!!』

ワイルドタイガー「お、おい!落ち着けよバニー!!』

889: ◆lyUlZTXcIM 2012/09/23(日) 21:20:25.62 ID:z5Emnrh00

みんなが正気になった中、バーナビーだけは先程と変わらず拳を握りしめ怒りと困惑を露わにしていた。
楓が放った光の玉の影響でバーナビーと虎徹の立場が逆転したのだ。

HO1は状況を分析、不利だと判断しバーナビーを腕を引きながらその場を後にした。

ドラゴンキッド『……いったいどういうことなの?』

ワイルドタイガー「ああ、いまから説明する……」

……………………
…………
……


ブルーローズ『___ってことは何?全部マーベリックさんの仕業なわけ?』

ファイヤーエンブレム『でも確かに最後の記憶を思い出すと納得できるわね……』

スカイハイ『ワイルドくんの娘さんの能力がコピーで我々の記憶を元にもどしてくれたのか!』

スカイハイ『ありがとう!そしてありが__』

ロックバイソン『だが何でバーナビーの奴には効かなかったんだ?』

ワイルドタイガー「そこなんだよ……なんでだ?」

楓「……私もよくわかんない、あのときは無我夢中だったから」

890: ◆lyUlZTXcIM 2012/09/23(日) 21:21:16.96 ID:z5Emnrh00
映司「……たぶん、バーナビーさんと偽タイガーには強力な光を遮断する機能がついていると思います。」

ブルーローズ『それだったら納得いくけど……なんでそんなことがアンタにわかるのよ?』

映司「以前、スカイハイさんと一緒にアンドロイドと戦ったことがありましたよね」

スカイハイ『ああ!勿論覚えているよ!あのときオーズ君は黄色い姿でとても眩しかったね!』

映司「パーティー会場で偽タイガーと戦ったときはライオンの光が効きませんでした」

映司「それに全てのHEROの能力を調べ対策をとってあるアンドロイドだと……」

ファイヤーエンブレム『アンドロイド!?じゃあ何よ私達ずっとロボットと一緒に戦ってたの!?』

ワイルドタイガー「だとしたらバニーが……!」

ドラゴンキッド『タイガー!どこいくのさ!』

ワイルドタイガー「……せっかくアポロンメディアに来たんだ、ちょくら着替える」

ロックバイソン『着替えるってお前!』

ワイルドタイガー「アントニオ!……楓を頼んだぞ」

891: ◆lyUlZTXcIM 2012/09/23(日) 21:21:46.68 ID:z5Emnrh00
ジャスティスタワー

バーナビー『タイガーさん!どういうことですか!なぜ逃げたんですか!』

H01『……』

マーベリック「まぁ、落ち着きたまえバーナビー君」

バーナビー『マーベリックさん……!』

マーベリック「よくは分からないがまるで洗脳されたように他のHEROは変わってしまってあの場に留まっていたら君も危なかっただろうタイガー君に感謝すべきだよ」

バーナビー『ですが!』

マーベリック「……だが、このままではいけない。HERO達を助けるための助っ人を呼んでもらった……来たまえ」

バース『…………』

プロトバース『…………』

マーベリック「バーナビー君、これで大丈夫だ、全てね。」

904: ◆lyUlZTXcIM 2012/10/07(日) 23:38:06.96 ID:S55nUpaG0


ワイルドタイガー「よっと、スーツスーツっと……」

斉藤「………」

ワイルドタイガー「おわっ!斉藤さん!?」

ワイルドタイガー「っても俺のことがわからないですよね……」

斉藤「…………」

ワイルドタイガー「えっ?……ふんふん、『なんでそんなクソスーツを着ているんだ?早くあっちのスーツに着替えろ』?」

ワイルドタイガー「そんなクソスーツっていいかたは……って斉藤さん!?俺のこと思い出したのか!?」

905: ◆lyUlZTXcIM 2012/10/07(日) 23:38:35.88 ID:S55nUpaG0

斉藤「?」

ワイルドタイガー「よかった……!」

斉藤「………」ボソ

ワイルドタイガー「……そんじゃあありがたくスーツつかいます!」

ワイルドタイガー「…………あの、斉藤さん一つお願いがあるんですけど……」

906: ◆lyUlZTXcIM 2012/10/07(日) 23:39:02.30 ID:S55nUpaG0
………………
…………
……

折紙サイクロン『HEROTVに本当のことを話すというのはどうでござろうか?』

映司「いえ、アニエスさんも今は洗脳されていますし……」

ブルーローズ『なんにしてもこれからどうするの?』

ロックバイソン『決まってらぁっ、マーベリックの野郎をとっちめてやる!』

ファイヤーエンブレム『じゃあその野郎の所へ案内して頂戴よ』

ロックバイソン『うっ、それは……』

スカイハイ『居場所がわからないのなら我々も対処のしようが無い……』

907: ◆lyUlZTXcIM 2012/10/07(日) 23:40:32.36 ID:S55nUpaG0
その場にいる全員が黙り込んでいる中、カンドロイドの電子音が響く。

映司「はい、もしもし。」

里中『火野さん、マーベリックの居場所が判明しました。ジャスティスタワーです。』

里中『後藤さん達の持っていたカンドロイドの反応が先程までありました。』

里中『はやく帰りたいので私は先に侵入しています。では。』


映司「……ジャスティスタワーだそうです。」

ドラゴンキッド『だったらすぐにのりこもうよ!』

斉藤『だったらコイツに乗りなぁっ!!』

ブルーローズ『あれってタイガー達のトレーラーじゃない!?』

スカイハイ『よし、出動だ!』

908: ◆lyUlZTXcIM 2012/10/07(日) 23:41:41.58 ID:S55nUpaG0

~ジャスティスタワー~

ワイルドタイガー『ここにバニーが……』

映司「……楓ちゃんはこの車に居てね。」

ワイルドタイガー『楓、お前の大好きなバーナビーはパパが絶対助けてやるから、斉藤さんとここで待っててくれ。』

楓「……うん。わかったからお父さんも無事に帰ってきてね!」

ワイルドタイガー『おお!約束だ!』

スカイハイ『なら彼女達を守るのに何人か残ろう!』

909: ◆lyUlZTXcIM 2012/10/07(日) 23:43:33.68 ID:S55nUpaG0

折紙サイクロン『なら拙者……いえ、僕が残って守ります!』

ドラゴンキッド『なら僕も残るよ!』

ブルーローズ『私もここで待つわ』

ワイルドタイガー『……みんな、頼んだぞ』

ブルーローズ『ええ、だからタイガー、あいつのこと頼んだわよ』

ワイルドタイガー『ああ、任せろ!』



910: ◆lyUlZTXcIM 2012/10/07(日) 23:44:10.16 ID:S55nUpaG0

~タワー上階~

ロトワング「マーベリックさん、侵入者のようです」

マーベリック「……あの二人以外は彼らが相手になる。H01を準備させろ」

ロトワング「承知いたしました。」


915: ◆lyUlZTXcIM 2012/10/14(日) 19:55:29.48 ID:Mf0UTg9w0

~タワー内部~

ロックバイソン『なんの歓迎もねぇな……』

ファイヤーエンブレム『逆に不気味ね……』

スカイハイ『だが油断してはいけない!敵がどこにいるかわからない!』

そう言った瞬間チーンという電子音を立ててエレベーターが開く。

バース『……お前達の会いたがっている奴は上にいる』

プロトバース『ただしそこのお二人だけだ。』

916: ◆lyUlZTXcIM 2012/10/14(日) 19:58:29.70 ID:Mf0UTg9w0
映司「後藤さん!」

ワイルドタイガー『伊達先生!どうしてここに!?』

バース『お喋りをするつもりはない、火野映司それに鏑木虎徹、このエレベーターに乗るんだな』

映司「後藤さん……?」

バース『気安く呼ぶな、とっとと乗れ。』

映司「まさか、二人とも……」

ワイルドタイガー『映司!……行くぞ……』

917: ◆lyUlZTXcIM 2012/10/14(日) 19:59:20.42 ID:Mf0UTg9w0
映司「……っ、はい。伊達さん後藤さん、後で必ず助けますから!」

バース『……?』

プロトバース『後藤ちゃん、いくぜ?』

バース『ええ、無力化します。』

スカイハイ『くるぞ!』

ロックバイソン『おう!』

ファイヤーエンブレム『イくわ!』

918: ◆lyUlZTXcIM 2012/10/14(日) 20:01:00.65 ID:Mf0UTg9w0


~ジャスティスタワー 上階~


映司「ここが……」

ワイルドタイガー『バニーはどこに……?』

バーナビー『待っていたぞ、鏑木虎徹……!』

H01『…………』

ワイルドタイガー『……映司、アイツを頼む』

映司「わかりました、変身ッ!」

コブラ!カメッ!ワニッ!
ブラカ~ワニッ!

オーズ『ハッ!』

925: ◆lyUlZTXcIM 2012/10/21(日) 21:35:50.42 ID:HM+85nu30
コブラ!カメッ!ワニッ!
ブラカ~ワニッ!

オーズ『ハッ!』

ジャスティスタワー上階での戦いで掛け声という名のゴングがなった。

H01は地面を蹴りオーズに勢いよく飛び掛かり、比較的装甲が薄いを二の腕を掴み、そのまま異常なほどの握力で握る。

激痛にオーズは振り解こうと両腕にセイヤっと力を込めたが全てのHEROのデータを集結させたH01の圧倒的な力に、

オーズはまるでプレス機はさまれたように腕が動かせなかった。


だが脚は拘束されていない。
右足を上げ、鋭い蹴りをH01の腹部に当てる。

そのとき脚が光り、蹴りに合わせて鰐の頭部のようなエフェクトがH01の脇腹を傷つけた。
ワニレッグの蹴りに少しH01は怯んだがまだオーズの腕を放さない。

926: ◆lyUlZTXcIM 2012/10/21(日) 21:36:21.97 ID:HM+85nu30

オーズは右脚、左脚と交互に蹴りを繰り出していった。
五回、六回と当て続けていくとパッとH01は腕を放して後ろに退いてそのまま直立不動の姿勢になる。

拘束が解かれたオーズもさっと距離をとった。

……危なかった。いくらこのコンボは怪我が回復するといっても痛いことは痛い。
もしも、もっと強く握られていたら骨が折れていたかもしれない。
そしてこの場所は戦うには少し狭い。それにもし虎徹さん達に被害が出てしまうと不味い。

ゆらりと先程まで直立不動だったH01が動き出した。
足裏のブースターから炎を噴出させ、弾丸のようにオーズに飛びつきそのまま壁を突き抜けていった。

927: ◆lyUlZTXcIM 2012/10/21(日) 21:37:06.58 ID:HM+85nu30


全身を強化されているオーズにとってコンクリートの壁に叩きつけられることは大したダメージではない。
無論、H01にもダメージはない。幾つか壁を突き抜けると、狭く四方八方にトゲのついた赤い部屋に出た。

そこでH01はオーズを放り投げブースターを切り地面に倒れるオーズを見下ろす。

投げられトゲが背中に当たる。だがトゲは金属で出来ていたにも関わらずオーズに押しつぶされ先端が折れていた。
オーズはすぐに起き上がるとすぐに構えをとる。

H01はバイザーを光らせると、左腕のアーマーから赤い剣がシャッと突き出る。
その剣は熱された金属のように赤く。そして鋭かった。
赤く光る剣先が地面のトゲに触れるとあまりにも容易く焼き切れた。


928: ◆lyUlZTXcIM 2012/10/21(日) 21:37:33.38 ID:HM+85nu30

……そうか。虎徹さん達から離れた方がいいと思っていたが、それは間違いだったんだ。
バーナビーさんは俺の目の前の黒いワイルドタイガーを本物だと思っている。
だからこんな風に剣を出していたりするとバーナビーさんに不審がられるから壁を突き抜けて離れたんだ。


映司が理解すると同時にH01はブースターで近づき赤く熱された剣をオーズの頭上に振り下ろした。

だがオーズの頭部が焼き切れることはなかった。

単品でもかなりの硬度を持つ、亀の甲羅をもした腕のゴウラガードナー。
両腕のそれを一つに合わせたより強度なゴーラシールドデュオで防いだ。

H01は焼き切ろうと力を込めていくが鵺ヤミーの強烈な一撃を防いだことのある
ゴーラシールドデュオには傷一つ付けられなかった。

929: ◆lyUlZTXcIM 2012/10/21(日) 21:38:10.39 ID:HM+85nu30
H01は剣に力を込めながら、右の太ももからさっと黒光りする巨大な銃を取り出し、オーズの腹部に押しつける。

オーズが気づき、避けようとしたときには既に間に合わず、赤い熱線がオーズの腹部を襲った。


衝撃に吹き飛び転がっていくオーズ。
避けきれず脇腹に熱くこみ上げるような痛みを感じる、これでH01は遠距離も近距離にも死角が無くなった。

しかもよく見るとどんどん、銃口の赤い光りが増している。

……アレはエネルギーを溜めているに違いない。
もしももっと強い一撃を撃たれたならまずい……短期勝負でいくしかない。

930: ◆lyUlZTXcIM 2012/10/21(日) 21:38:38.54 ID:HM+85nu30
オーズはスキャナーを取り、ベルトにスライドさせる。


スキャニングチャージ!


音が鳴ると同時に駆けだし、スライディング。
H01へ続く三本のリングの中へ。

H01が静かに右腕を上げ狙いを定める。
オーズは橙色のオーリングを潜りながらH01の眼前で飛び上がると挟み蹴る。
そのとき巨大なワニの頭部のエフェクトが現れて挟み蹴ると同じに噛みついた。

オーズ『セイヤァーッ!!』


H01の身体に巨大なアルファベットの『o』の文字が浮かび上がり、
H01は断末魔をあげることなく火花を散らし、やがて爆散した。

948: ◆lyUlZTXcIM 2012/11/04(日) 23:15:57.06 ID:ggpPHWcp0

オーズ『セイヤァーッ!!』


H01の身体に巨大なアルファベットの『o』の文字が浮かび上がり、
H01は断末魔をあげることなく火花を散らし、やがて爆散した。

オーズ『虎徹さんのほうにいかないと……』


虎徹の援護に行こうとしたオーズはその存在にぴたりと足を止める。

そこには先程倒したはずのH01がもう一機立っていた。

H01は太ももから銃を取り出してオーズに銃口を向け構える。

そのとき映司がよく耳にする。チャリンとメダルの音がした。

……あの銃はメダルで強化されているのだろう

銃口の輝きは増し、H01は引き金を引いた。

映司の想像どおりその銃の威力は先程のとは段違いだった。


949: ◆lyUlZTXcIM 2012/11/04(日) 23:21:31.80 ID:ggpPHWcp0

【最終話 相棒と欲望と誰かの希望】


ジャスティスタワー1階ロビー

バース『ハァッ!』

ファイヤーエンブレム『もう!激しすぎだわ!!』

ロックバイソン『こっちがやりずれぇことをいいことに……』

スカイハイ『彼等はオーズくん達の友達だ、下手に攻撃することは……』

プロトバース『よっと、隙あり!』

スカイハイの足にプロトバースのクレーンアームから伸びたワイヤーが絡みつき、
勢いよく引くことでスカイハイを地面に転ばせた。

スカイハイ『しまった!』

バース『今だ、セルバーストを……うっ!』

プロトバース『どうした後藤ちゃん……って、うおぁっ!』

バースの悲鳴を聞いてプロトバースがふり返った瞬間、仮面越しに鼻っ柱に鋭い蹴りが炸裂した。
そしてすぐに足、いや美脚で首を挟まれて……

ゴキッ


バース『』

プロトバース『』

里中「ふぅ、伊達さんも後藤さんも全く……さぁ上に行きましょう」

ロックバイソン『……マジかよ』

950: ◆lyUlZTXcIM 2012/11/04(日) 23:22:15.62 ID:ggpPHWcp0



ジャスティスタワー上階


ワイルドタイガー『いってぇ……』

バーナビー『なぜ立ち上がる……鏑木虎徹!』


オーズが去っていった後、虎徹にはバーナビーとの激闘が待ち受けていた。

互いに同じ能力を持つ者同士、身体能力百倍での戦闘。

だが同じ能力を持つだけで同じ力ではない。


虎徹は度重なる連戦により疲弊していた。

そして自分の年齢、能力の減退が大きく足を引っ張った。

それに比べてバーナビーのコンディションは最高だった。

マーベリックによって鏑木虎徹逮捕を止められていたため、体力は万全。

仕組まれたものだが彼を突き動かすヒーローとしての意志。

最新型のスーツに五分間の能力。

そして虎徹に比べ二倍近くの若さ。

虎徹に比べバーナビーが圧倒的に有利だ。

951: ◆lyUlZTXcIM 2012/11/04(日) 23:23:05.11 ID:ggpPHWcp0

だが虎徹は倒れなかった。

諦めることもしない。バーナビーに対する攻撃は一切しなかった。

避けるか受け流すかどちらかだ。

この虎徹の行動が少しずつ、少しずつ、バーナビーの知る『殺人犯、鏑木虎徹』に不信感と疑問を与えた。


……あと少し、あと少し何かが足りない。


オーズ『うわーっ!!』

突然壁を突き破ってオーズが砲弾のように虎徹のもとへに飛んできた。

地面を何度か跳ねて、壁に激突しやっと止まる。それと同時に変身も解除された。

ワイルドタイガー『おい、映司!大丈夫か!?』

バーナビー『タイガーさん、その銃はなんですか!?』


952: ◆lyUlZTXcIM 2012/11/04(日) 23:27:00.38 ID:ggpPHWcp0

映司に駆け寄ろうとしたがバーナビーの声を聞いてハッと虎徹はふり返る。

俺の偽物ロボットだ。

奴は銃を持っている、恐らくあの銃で映司はやられたのだろう。

バーナビー『答えてください!なぜヒーローのあなたが銃を持っているんですか!!』

バーナビーは激昂したがH01は一言も話さない。

H01『……』

バーナビー『待てと言っているでしょう!』

バーナビーがH01の腕を掴んだ瞬間、H01はその手を力ずくで振り払った。

H01『………』

H01は静かに銃口を映司に向ける。
バーナビーは銃を掴みとりそのまま握りつぶした。

バーナビー『どうしたんですか!タイガーさん、おかしいで……』

バーナビーが言い終わる前にH01はバーナビーを殴りつけた。

バーナビー『何をするんですか!?……っ!』

H01その拳を振り上げバーナビーを攻撃し始めた。

先程まで規則的に光っていたはずのバイザーはなぜか不規則に光っていた。

953: ◆lyUlZTXcIM 2012/11/04(日) 23:30:34.81 ID:ggpPHWcp0

H01から送られてくるを見ていたロトワングは目を丸くした。
H01にはバーナビーを攻撃しないようプログラミングしているはずだ。それなのになぜ?

……まさかアレは出力強化のためメダルを組み入れたのが原因だろうか?

なんにせよこのままでは……

マーベリック「いるかい?ロトワング君」

ロトワング「マーベリックさん!あの……これはですね、あのその」

マーベリック「そんなに怖がらなくていい、メダルを搭載したアレは素晴らしいものだからね」

ロトワング「そ、そうですかぁ。」

マーベリック「ところでアレの設計図はあるのかね?」

ロトワング「はい、このパソコンの中に……」

マーベリック「そうかそうか、なら君はもう必要ないな」

ロトワング「えっ、マーベリックさ……」


パァンッ!


マーベリック「さて、財団にいい手土産が出来たな。バーナビー君、悲しいけどここでお別れだ。」

マーベリックはロトワングの死体を手で押しのけ、
机に置いてあるオーズから奪ったメダルを全てポケットに入れる。

その中には割れた赤いメダルも混じっていた。

960: ◆lyUlZTXcIM 2012/11/11(日) 23:18:51.28 ID:plDnMvps0
残りのアレが少ないので挨拶省略。





H01は左腕のブレードでバーナビーの胸元を撫で斬る。

バーナビー『うわあああっ!』

ワイルドタイガー『バニー!!』

気を失った映司のもとを離れ、虎徹はH01にタックルをお見舞いする。

H01は虎徹のタックルに倒れはしなかったもののよろめき体勢を崩した。

その僅かな隙を見逃さずワイルドタイガーは右腕のワイヤーガン、ワイルドシューターからワイヤーを射出しH01を拘束する。



……どういうことだ?

タイガーさんが何故僕を攻撃して、何故鏑木虎徹が僕を守る?

今までは認めたくなかった思いから否定していたが、

この鏑木虎徹の行動はどこかタイガーさんに似ていた。

しゃべり方や動き。それに発言の内容。全てにおいて。

まさか……いや、そんなはずは……

961: ◆lyUlZTXcIM 2012/11/11(日) 23:19:58.80 ID:plDnMvps0
ワイルドタイガー『おい、大丈夫か!?』


鏑木虎徹の声でハッと我に返る。
なぜこの男は自分を倒そうとしてきた相手の身を心配するのか、わからない。

そういえばタイガーさんも犯罪者の命を心配していることがあった。

そう、ルナティックの時だ。あのときも僕にルナテックを優先させてみんなは炎の中犯人達を助けていた。

そんな人が簡単に人の命を奪う銃を使うだろうか?

それにこの鏑木虎徹もなんでここまでして僕を守る?

……この人が本当にサマンサおばさんを殺したのか?

マーベリックさんにも通信が繋がらないし、何が起こっているんだ?

962: ◆lyUlZTXcIM 2012/11/11(日) 23:20:37.07 ID:plDnMvps0

H01『……』

ワイルドタイガー『んっだ!こいつ暴れんな!』

H01はワイヤーから身を振り解こうと動き回り、足裏のブースターを噴射してタイガーに突進する。

その突進は見事タイガーに当たり、ワイヤーが緩む。

身体を縛るワイヤーから脱すると左腕のブレードを巧みに操りワイルドシューターを切り刻む。

そしてタイガーを蹴り飛ばし、尻餅をついているタイガーに銃を向ける。


バーナビー『はあぁぁぁぁぁぁっ!!』


一閃。

バーナビーがH01の銃を蹴り飛ばし、もう一閃。

重い蹴りがH01の顔に命中し、その巨体を吹き飛ばす。

その衝撃で頭部マスクが外れ、アンドロイドの頭部が剥きだしになった。


963: ◆lyUlZTXcIM 2012/11/11(日) 23:23:14.56 ID:plDnMvps0

バーナビー『……やはり偽物、マーベリックさん、どういうことですか……?』

ワイルドタイガー『バニー!もとに戻ったのか!?』

バーナビー『……違う、僕はまだお前を信じていない。……この偽物を倒したらお前から色々聞かせて貰う。』

ワイルドタイガー『……ああ、わかった。俺もいまはそれで十分だ。』


H01は起きあがり、腕のブレード振り、二人を睨みつける。


ワイルドタイガー『……いくぜ、バニー。』

バーナビー『バニーじゃない。僕の名前はバーナビーだ!』





964: ◆lyUlZTXcIM 2012/11/11(日) 23:24:28.25 ID:plDnMvps0

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. .|   八   |     .|
. .|  ./| |   ハ     |
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  ̄)::::::::)   (:::::::::::::::::::::::::ミ


965: ◆lyUlZTXcIM 2012/11/11(日) 23:34:46.82 ID:plDnMvps0


おい、映司。

「…………」

おい、映司!起きろってんだろ!

「お前、どうして……!?」

映司お前、俺を生き返らせるって欲望、忘れちまったのか?

「そんなの忘れるわけないだろ!」

だったらとっとと起きてあのイボを止めろ!

「……お前のメダルもあるしな」

とっとと取り返せ!

「俺だって急いでるんだからそんなに急かすなよ!」

おい!

「まだなにかあるのか?」


……お前『達』の手は届く。

……俺にもな。

「おい、待てよ!待てって!おい!」



「…………アンク!!」





投下終了

971: ◆lyUlZTXcIM 2012/11/18(日) 22:38:16.65 ID:XMHpQPNl0
どうも作者です。多分次の週の投下で最後です。
投下開始。



里中「____てください、起きてください」

伊達「……んぁ、俺は……痛っ」

後藤「……大丈夫ですか伊達さん」

伊達「後藤ちゃん、それに里中ちゃんも」

里中「気がつきましたか?」

伊達「なにが?」

後藤「俺達さっきまでマーベリックに洗脳されていたんですよ」

伊達「マジ……それでどうやって戻したんだ?」

後藤「それは……」

里中「頭を思いっきり蹴りました。」

里中「それはそうと、まだ仕事が残っているのではやく起きてください」

伊達「おう、さて一仕事しますか……痛って!」

後藤「大丈夫ですか……痛っ!」

ロックバイソン(そりゃあ、かかと落としだったもんなぁ)

スカイハイ(……大丈夫なんだろうか)

ファイヤーエンブレム(う~んどっちもいいお尻)

里中「さ、いきますよ」




972: ◆lyUlZTXcIM 2012/11/18(日) 22:39:07.13 ID:XMHpQPNl0

バーナビー『はぁぁああああああっ!!』

H01「……」

ワイルドタイガー『おらぁぁああああっ!!』

H01「……」


二人のヒーローがH01に攻撃を仕掛けるも

全てのヒーローのデータを把握しているH01にはビクともしなかった。

それに二人は互いに戦った際に能力を使用してしまっているので

ハンドレッドパワーが使えなかった。

H01はまるで周りを飛ぶ邪魔な虫を払うかのように腕を振る。

それだけで二人の攻撃は弾かれる。

HEROTVでのトップヒーローは機械相手に手も足もでなかった。


ワイルドタイガー『くっそ、どうすりゃあいいんだよ!』

バーナビー『こうも攻撃が通らないとは……』

ワイルドタイガー『映司の奴は無事か……?』

973: ◆lyUlZTXcIM 2012/11/18(日) 22:39:56.72 ID:XMHpQPNl0
バーナビー『どうすればいいんだ……っ!?』

バーナビーが驚いたのも無理はない。

先程まで消極的だったH01が急に間合いを詰めて二人の首を締め上げたのだ。

二人は手足を空中で必死にばたつかせるも機械であるH01力は弱まらなかった。


マーベリック「ご苦労、そのままにしたまえ」

バーナビー『マーベリックさん!』


ドアからマーベリックが出てくる。

いつもと変わらないぴしっとしたスーツを着込んでいる。

そしていつもと変わらない口調で彼は話した。

マーベリック「タイガー君、まさか君がここまで足掻くとはいやいや、驚いたよ」
      「所詮はHEROTVとバーナビー君のおまけ、いや踏み台だと思っていたが……」

バーナビー『マーベリックさん!どういうことですか!?この男がタイガーって!それにこのアンドロイドは!?』

マーベリック「バーナビーくん、君も薄々は気付いていただろう、彼は本物のワイルドタイガーだ。」

バーナビー『なにを……言っている!?』

マーベリック「本当のことさ、彼から延々と聞かされていたことが真実だ。全ての元凶はこの私だ。」

バーナビー『なら……あなたがサマンサおばさんを!?』

マーベリック「ああ、そうだ。中々ドラマチックだっただろう」

ワイルドタイガー『ふざけんじゃねぇ!この野郎!!人の命を何だと思ってやがる!!』

マーベリック「……まぁ最後なんだ、吠えていたまえ。」

974: ◆lyUlZTXcIM 2012/11/18(日) 22:41:33.76 ID:XMHpQPNl0

ワイルドタイガー『待てっ!逃げるつもりかこの野郎!』

マーベリック「逃げる?ヒーローも太刀打ち出来ないような最強のアンドロイドが居るのに逃げる?」

マーベリック「私はここから出て行って、この街を去るだけだ。」

マーベリック「……H01二人を始末しろ」


グッと二人の首を絞める手の力が強くなる。

今にも意識が飛びそうなほどに。

だが薄れていく視界の中、虎徹はマーベリックの後ろで動く人影を見た。

マーベリック「……いぼぁっ!」

映司「……」

先程まで気絶していた映司が起きあがりマーベリックを殴りつけたのだ。

マーベリックは背中から地面に倒れ、ポケットからメダルが何枚か落ちる。

H01はマーベリックの方を向いた、その隙を二人のヒーローは見逃さなかった。

互いにH01の胸を蹴りつけて脱出する。


マーベリック「……うぐっ、貴様!」

映司「降参してください!マーベリックさん!」


マーベリックは懐から金色の六発式の銃を取り出し、映司に向かって引き金を引いた。

金属が打ち付け合うような乾いた音と爆発音を響かせ銃弾は映司の胸に吸い込まれていく。

一発の銃弾が映司を腹に当たり、膝から崩れ落ちた。

そしてマーベリックは小さなリモコンのような物を取り出しボタンを押した。

……バーナビーのあの黒いスーツには危険な物が仕組まれていたのだ。
電流のようなものが流れ、バーナビーは悲鳴を上げて倒れる。


逆転した形勢が再び、振り出しに戻った。

975: 作者 トイレと風呂入ってました 2012/11/18(日) 23:44:02.97 ID:XMHpQPNl0

ワイルドタイガー『バニー!!大丈夫か!?』

マーベリック「くっ、はぁはぁ……H01奴を撃て」

H01は蹴り落とされた銃を拾い上げるとバーナビーとワイルドタイガーに向け、発射した。

だがその攻撃は二つの赤い閃光によって弾かれた。

プロトバース『ただいま参上っと!』

バース『火野!大丈夫か!?』

ロックバイソン『このゲス野郎!降参しやがれ!!』

スカイハイ『今ここで降伏したのなら我々も手は出さない!』

ファイヤーエンブレム『……でも抵抗するなら、焼くわよ』

マーベリック「ふふふ、形勢逆転といいたいのかね?」

マーベリックが指を鳴らすと四方八方からH01が出現する。

そして全機武器を構え、ヒーロー達を囲む。

マーベリック「私にはまだ13体の兵士がいるというのに」

マーベリック「それと、彼女たちも洗脳が解かれているようだね」

ロックバイソン『彼女?誰のことだ?』

そのときバンッと明るい光りがマーベリックを照らす。

そう、そのときにロックバイソン達は理解した、マーベリックが言っていた彼女とは……


『さぁー!!臨時ですがHEROTVのお時間です!!今まで犯人だと報道していた鏑木虎徹!彼こそが本当のワイルドタイガーです!!』

『我々はあのMrマーベリックのNEXT能力である催眠術によって仲間割れをしていたのです!!』

『そう!全ての黒幕はこのアルバートマーベリックだったのです!!私も驚きです!!』


マーベリック「ふん、飛行機をチャーターしてくれるとは、君は優秀だよMsアニエス。」

H01「……」

先程虎徹達と戦っていたH01はマーベリックを掴み、HEROTVの報道ヘリに飛び中に乗り込むと

乗っている人達をヘリから放り捨てる。

スカイハイ『まずい!!』

バース『くっ!』

カッターウイング

スカイハイとバースがすかさず飛び落ちていくパイロット達を救う。

マーベリック「さらばだ、HERO諸君」

マーベリックの乗ったヘリは飛び去っていく。

だが、

ワイルドタイガー『待ちやがれ!!』

ワイルドタイガー、鏑木虎徹は右腕のワイルドシューターをヘリに絡ませ、そのまま凧のようにヘリに引っ張られていった。



投下終了。

981: ◆lyUlZTXcIM 2012/12/02(日) 23:49:13.44 ID:u+6kBYC90


H01「……」

H01「……」

H01「……」

ロックバイソン『ぐっ!!』

ブルーローズ『私の氷が!?』


マーベリックが立ち去った後もジャスティスタワーではH01とHERO達の戦いが繰り広げられていた。

だがその戦いはあまりにも一方的だった。

HERO達の9人に比べH01の数は13体、そしてH01は全てのHEROの対策がとってある為、攻撃は通らない。

通信を聞いて助けに来たブルーローズ達も戦闘に加わったが状況は変わらなかった。

バース『火野!くっ!』

プロトバース『どけってんだ!くそっ!』

ファイヤーエンブレム『ハンサム!返事しなさい!!』


そしてマーベリックに撃たれ倒れた映司、スーツに仕組まれた罠により倒れたバーナビーにかけより安否を確かめたいが

立ち塞がるH01がそれを妨げ、HERO達の心に焦りを生む。

982: ◆lyUlZTXcIM 2012/12/02(日) 23:49:55.63 ID:u+6kBYC90


里中「……後藤さん、見てくださいあれ」

バース『どうした!?』

里中「一人だけ、あそこの扉から動かないのが居ます」

バース『ハァッ!……それがどうしたんだ!?』

里中「恐らく、あそこの扉の先に何かがあるんだと思います」

バース『……わかった、任せろ!』

里中が投げた数枚のメダルを受け取り、バースドライバーに容れる。

次々に電子音が鳴り響き、武器がバースの全身を包んでいく。

一瞬のうちに全身完全武装のバース・デイに変わると胸部のブレストキャノンが赤く輝き、極太の赤い閃光が扉に向け発射される。

その閃光は扉の前に立つH01を吹き飛ばし、H01ごと扉を破壊する。

煙が晴れた先には巨大なコンピュータが存在していた。

バース『あれは……?』

ファイヤーエンブレム『H01の制御コンピュータよ!』

ブルーローズ『根拠は!?』

ファイヤーエンブレム『女の勘よ!!』

ロックバイソン『え゛』

プロトバース『勘で上等!』

983: ◆lyUlZTXcIM 2012/12/02(日) 23:51:25.44 ID:u+6kBYC90

それぞれのHERO達の意識が巨大コンピュータに向く、

H01は本能的、……いやそういったプログラムも組み込まれているのだろう。

身を挺してHERO達の攻撃を防ぐもの、攻撃される前にHERO達を攻撃する者に別れた。

そんな中一つだけ不思議な行動をとるH01がいた。

そのH01はHERO達の攻撃の様子におっかなびっくりしながらまっすぐ巨大コンピュータ目掛けて走っている。

そのH01は巨大コンピュータの前に立つとどこからか取り出したのだろうか、


巨大な手裏剣を突きたてた。


巨大な手裏剣が突き刺さると同時にその一体を除く全てのH01の動きがまるで紐が絡まった人形のように悪くなる。

続けざまにまたもやどこからか取り出したのかわからない小太刀を二本取り出し、火花を散らすコンピュータに突きたてる。

その小太刀が止めとなったのかH01達は紐が切れた人形のように力なく地面に倒れ、完全に動かなくなる。

謎のH01の様子を見ていたHERO達はただ一人立っているH01に武器を向ける。


H01?『ちょ、ちょっと待ってください!僕です僕!折紙サイクロンでござる!!』

H01の姿が青い光と共にで折紙サイクロンに変わる。

ブルーローズ『アンタ、いつの間にか変化していたの?』

折紙サイクロン『えっと、コンピューターが見えたときくらいです」

折紙サイクロン『ちょっと前にピンチになってダメもとでこのロボットに変化してみたら味方だと思われたらしくて、』
『攻撃されなかったんです、だから変身してたらあそこまでいけるかなーって』

ブルーローズ『あんな激戦の中、よくもまぁ……』

スカイハイ『今年のMVPは君だね!おめでとう!』

ロックバイソン『そんなことよりオーズとバーナビーは!?』

里中「救急車は呼びました、それに今伊達さんが診てます」

984: ◆lyUlZTXcIM 2012/12/02(日) 23:52:43.64 ID:u+6kBYC90

伊達が診ている中のそりとバーナビーが起き上がる。

バーナビー「ん……ここは……?」

伊達「目さめたか?電気を流されただけだから大して怪我は無いはずだけども……大丈夫か?」

バーナビー「ええ、問題はありませんが……火野さんは!それにマーベリックは!」

伊達「火野は……ラッキーだ、携帯が盾になってくれてちょっと火傷したくらいで大したことはない」

伊達「っても倒れたときに頭を打ったから気絶してやがる……ったく心配掛けさせやがって」

ロックバイソン『そんでマーベリックの野郎は逃げやがった、虎徹が追っかけてったが……』

バーナビー「えっ、虎徹さんが!?」

ドラゴンキッド『記憶がもどったの!?』

バーナビー『ええ、全て思い出しました。今からマーベリックを捕まえに行きます』

ロックバイソン『おい、待てよお前ボロボロじゃあねぇか、後は俺達に任せてお前は休んでろよ』

バーナビー『スーツだけです、問題ありません、それにボロボロになってまで戦っているのは僕だけじゃあありませんし』

ロックバイソン『っても…………』

バーナビー『失礼します』

『だったらこいつを着ていきなぁっ!!』

バーナビーがロックバイソンの横を通り過ぎようとしたときエレベーターのほうから拡声器を伝わった大きな声が響く。

そこにはベンと鏑木楓、それに斉藤が三人がかりでなにか大きな荷物を持って立ったいた。

985: ◆lyUlZTXcIM 2012/12/02(日) 23:54:05.62 ID:u+6kBYC90

マーベリック「…………君は中々しつこい男だね、ワイルドタイガー」

ワイルドタイガー「……へっ、それが俺の売りだからな……」


あの後ヘリの中に何とか入った虎徹はH01と戦っていた。

__HEROTVのヘリは通常のヘリよりも大きく形状が違う、それに一般的なヘリと違い、飛行機の様なバーナーで飛んでいるため
プロペラが無い。ヘリと言うよりもどちらかと言えば飛行機に近いが基本的にヘリと呼ばれている___

ヘリの中と言うこともありH01は武器を使うことを制限されていたがそれでも能力が使えない虎徹よりも強かった。

全ての攻撃を受け流し、虎徹にダメージを加え続ける。

虎徹もなんとか致命傷になり得ないような一撃は避けていたがそれでも攻撃はくらいつづけていた為、

頭部を覆うマスクは砕かれ、肩のロゴ付きのアーマーは吹き飛び、胸部と腹部にヒビがはいっている。

だがそれでもHEROとしての意志は壊れることはなかった。


マーベリック「だがその売りも今日までだ、やれH01」

ワイルドタイガー「待て、マーベリック!今すぐ自首したら怪我しないぞ!」

マーベリック「……なにを言っているんだ?今の状況がわからないのか?……まぁいい、さようならだワイルドタイガー」

ワイルドタイガー「しっかり捕まっていろよ、マーベリック!!」

不敵に笑い、虎徹の瞳が青く光る。

もう一分間程しかつかえない、ハンドレッドパワー。身体能力百倍。

986: ◆lyUlZTXcIM 2012/12/02(日) 23:54:49.92 ID:u+6kBYC90

そのまま拳を足下に思いっきり叩きつける。

ヘリは空中で「く」の字曲がり、羽をもがれた鳥の様にくるくると回りながら落ちていく。

そして落ちていく先は海、虎徹はここまでヘリが来るまで粘ったのだ。

虎徹は落ちていく最中、マーベリックをかかえてヘリから脱出し、跳んで堤防に着地する。

H01は虎徹が拳を叩きつけた割れ目に足を挟み、そのまま海に沈んでいく。


着地した衝撃でマーベリックは泡を吹いて気絶している。

ワイルドタイガー「だっ、あっぶねぇ~」

マーベリックを放ると虎徹はふぅと一息つく。

やっと全てが終わった。


そう思った矢先、海からH01が這い上がってきた。

破損し、内部が露出している部分に水滴が当たる度、火花が出て、頭部はマスクが外れてアンドロイドの顔をさらしている。

片腕はなく、熱により赤く発光していた剣も光ることはなかった。

だがその剣を振りかぶり、虎徹の無防備な背中目掛けて振り下ろす。

ワイルドタイガー「……!」

その瞬間。

バーナビー『はぁぁぁぁあああっ!!』


グッドラッグモードにより肥大化したバーナビーの右脚の跳び蹴りがH01を蹴り飛ばした。

H01は吹き飛び海に落ちて爆発、大きな水柱を立てた。

987: ◆lyUlZTXcIM 2012/12/02(日) 23:55:18.42 ID:u+6kBYC90
バーナビー『全く、虎徹さんはどうしてこうツメが甘いんですか?』

虎徹「いや、その……あ!お前が来てくれるって信じてたからだよ」

バーナビー『それ今考えたでしょう』

虎徹「うっ、まぁ、いいじゃねぇかよ!」

バーナビー『全く……』

虎徹「それとバニー……やっぱお前は黒より白いそっちの方が似合ってるぜ」

バーナビーのスーツは先程までの黒いスーツではなく以前から使っていた白いスーツに変わっていた。

バーナビー『このスーツ、虎徹さんが持ってきたんでしょう、「タイガー&バーナビーはこのスーツじゃあなきゃなって」……恥ずかしい』

虎徹「斉藤さんバラしやがったのかよ!それに恥ずかしいとか言うなよ!粋な計らいだって言え!」

バーナビー『でもまぁ、感謝してますよ、虎徹さん』

虎徹「……おう、バニー、マーベリックはお前の手で…………」

バーナビー「ええ、そのつもりです、これがけじめですから。」

虎徹「ああ。」

二人のHEROは寒空の下警察の到着を待つ。

虎徹は静かにバーナビーの肩に腕を回しぽんぽんと叩いた。

子供を安心させるように、そして褒めるように。

988: ◆lyUlZTXcIM 2012/12/02(日) 23:57:18.05 ID:u+6kBYC90

街を巻き込んだ騒動は、様々なHERO達の活躍により解決した。

首謀者であるアルバート・マーベリックは捕まり、警察の輸送中、ルナティックにより殺害された。


鏑木虎徹の殺人罪は無実だと証明され、同時にワイルドタイガーの正体も鏑木虎徹だと世間に知れ渡った。

そしてもう一つ、虎徹は自身の能力衰退を発表、だがこれからもHEROは続けていくと宣言。

本人曰く「娘に「パパ格好いい」と「ワイルドタイガー格好いい」って言われるのが俺の欲望だ」とのこと。

そしてオーズ、火野映司は自身がNEXTではないことを公表しHEROを一時引退。

「また、戻ってきます。今度はもう一人を連れて」


そしてまた街は日常を取り戻す。


…………………
……………
……



他のビルに比べて高いここからはシュテルンビルドの街が一望できる。
街は街灯、店の電飾、ビルの窓からの電気、車のライト。
あらゆる色の光で彩られていた。


彼は以前このシュテルンビルドに住んでいた。
大きな事件に巻き込まれたが、無事解決できた。

そしてある約束をして一度この街から離れた。

それから__年。
彼は再びこの街に来た。

989: ◆lyUlZTXcIM 2012/12/02(日) 23:58:51.99 ID:u+6kBYC90

ふっと空から金髪の奇妙な髪型をした男が現れ彼に話しかける。

「ハッ!で、何だってこんな所に俺を」

「……良い景色だろ?お前にも…比奈ちゃんにも見せたいって思ってたんだよ」

彼の屈託のない笑顔に金髪の男は
街を見回してから静かに答える。

「…………確かにな………で?それだけか?」

全てを見透かしたように男はニヤリと笑う。
彼は考えが見透かされたのがわかったがそれでも自分の欲を伝える。

「下であんな騒ぎが起こってるんだ、決まってるだろ?……メダル。」

「……落とすなよ」

男の差し出す手をとり
彼は生き物が描かれた赤いメダル三枚を手に取り腰につけたベルトに入れる。

「ああ、……保証は出来ないけどな!」

「チッ!おい!待ちやがれ!!」

「お前もついて来いよ!!……」


「変身ッ!!」


青年の姿が変わる。
赤い鷹の様な頭部、そしてそれを覆うバイザー、クジャクの羽のような腕、そしてコンドルのような鋭い爪をもった足。


『仮面ライダーオーズ タジャドルコンボ 』は高く舞いあがる。



『どこへだって行けるさ!ちょっとのお金と明日のパンツさえあれば!』



  

虎徹「仮面ライダー?」映司「HEROTV?」

         完

引用元: 虎徹「仮面ライダー?」映司「HEROTV?」