1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 01:38:04.61 ID:dg9Nk33t0
男「え?」

女先輩「今からキミは男先輩だ!そして私は可愛い後輩ちゃんね!」

男「ちょ……言ってる意味が」

女先輩「はい!スタートっ!」

男「ちょっと先輩……」

女先輩「はい!先輩呼ばわり禁止っ!!」バシッ

男「痛いっ!」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 01:40:51.02 ID:dg9Nk33t0
女先輩「先輩、今日は寒いですね!」

男「えと……ああ、そうだね先……お、女ちゃん?」

女先輩「この調子だともうすぐ雪も降りますかねぇー」

男「そ、そうだね。もうすぐだね」

女先輩「……」

男「……」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 01:44:38.92 ID:dg9Nk33t0
女先輩「……いつも朝御飯何食べてます?」

男「え、えーと……俺はいつもパン二枚で……」

女先輩「何味ですか?まさか素パンですか?」

男「い、一枚は目玉焼き乗せて、一枚は砂糖塗って食べてるよ」

女先輩「砂糖ぉ!?キミそんなの食べてて太らないの!!?」

男「先輩、口調が戻ってます」

女先輩「あ……」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 01:47:23.52 ID:dg9Nk33t0
男「えーと……女ちゃんはいつも何食べてるの?」

女先輩「私はご飯とお味噌汁ですねー」

男「へぇー……日本人だね」

女先輩「はい!あと納豆もつけて食べます!」

男「へぇー……納豆はおいしいよね……」

女先輩「はい!」

男「……」

女先輩「……」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 01:51:07.58 ID:dg9Nk33t0
男「着いた。学校だ」

女先輩「じゃあ先輩、また放課後に!」

男「うん、またね女ちゃん」

女先輩「はーい!」






男「疲れた……」

男「でも、アレいいなぁ……」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 01:54:28.88 ID:dg9Nk33t0
──
───
────

女先輩「先輩!」

男「うわっ!どうしたんで……どうしたの!?女ちゃん!」

女先輩「次の化学、小テストらしいんです!!」

女先輩「過去問とか持ってないですか!?」

男「そんなの持ってるわけないじゃないですか!!!?」

女先輩「ペナルティーツー!」バシッ

男「痛い!」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 01:57:42.47 ID:dg9Nk33t0
女先輩「とにかく何でもいいからください!!」

男「何でもって……だいたい女ちゃん頭良いじゃないか……」

女先輩「今回はヤバイんです!!早くください!!」

男「えーと……じゃあ俺の化学のノート持ってってみる?」

女先輩「ありがとうございます!それではまた!!」




男「行ってしまった……」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 02:02:39.56 ID:dg9Nk33t0
男友「おい……今の後輩?」

男「え、えーと……まぁね」

男友「すげぇ可愛い!!いいなぁ羨ましい!!」

男「だよな!!可愛いよな!!」

男友「まさか狙ってんの?」

男「い、いやそういう訳じゃないけど……」

男友「何?他に好きな子でもいんの?」

男「いないけど……」

男「俺には手が届かないよ」ボソッ

男友「? 今何て?」

男「何でもない」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 02:07:41.63 ID:dg9Nk33t0
──
───
────

女先輩「先輩っ!!お昼ご飯一緒に食べませんかっ!?」

男「あ……女ちゃん。悪いけど先約が……」

男友「あーいいよ、行け行け」

男「行けって……」

男友「俺は他の奴と食うから。お前は可愛い後輩ちゃんとランチを楽しんでこい!」

女先輩「わぁ!ありがとうございます!!」

男「悪いな、男友。どこで食べる?女ちゃん」

女先輩「今日は天気が良いので屋上へ行きましょう!」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 02:12:44.78 ID:dg9Nk33t0
──
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────

女先輩「わぁー!日が照ってて結構暖かいですね!」

男「そうだね、朝の冷え込みが嘘みたいだ」

女先輩「先輩はいつもお弁当なんですか?」

男「うん。妹が作ってくれるんだ」

女先輩「す、すごく立派な妹さんですね……」

男「そうでもないよ、弁当作りはありがたいけど。女ちゃんは?」

女先輩「今日……実は……」

女先輩「先輩のためにお弁当を作ってきました!!」

男「えぇっ!?」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 02:15:22.74 ID:dg9Nk33t0
男「せ、先輩が俺に手料理を!?」

女先輩「ペナルティースリー!」バシッ

男「痛い!」

女先輩「あ、でも……先輩も弁当持ってきてますもんね……二つは食べられないですよね……」

男「いやいやいただきます!!二つくらい余裕です!!ありがとうございます!!」

女先輩「ペナルティーフォー!」バシッ

男「痛い!」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 02:21:16.99 ID:dg9Nk33t0
男「い、いただいちゃってもいいかな?」

女先輩「はいどうぞ!!」

男「では、いただきまーす!!」

男「うわ!すごく美味しいよ女ちゃん!!」

女先輩「本当ですか!?ありがとうございます!」

男「本当おいしい……」バクバクモグモグ

女先輩「よかったぁお口に合って……」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 02:25:18.40 ID:dg9Nk33t0
女先輩「あの……先輩」

男「なに?女ちゃん」バクバクモグモグ

女先輩「あの……その妹さんのお弁当……」

男「これ?」

女先輩「わ……私がいただいてもよろしいでしょうか?」

男「え、でもその女ちゃんの弁当は?」

女先輩「ですから先輩には同じお弁当を二つ食べていただくことになるのですが……」

男「い、いいの!?二つとも食べちゃって!!」

女先輩「は、はい!先輩こそよろしいんですか?」

男「もちろん!!喜んでいただきます!!」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 02:31:38.70 ID:dg9Nk33t0
女先輩「じゃ、じゃあ……妹さんのお弁当……」

女先輩「いただきますっ!」パカッ

女先輩「……き、綺麗…………!」

男「本当?妹のやつ喜ぶよー」パクパクモグモグ

女先輩「……すごくおいしいっ…………!」モグモグ

男「それはよかった!」パクパクモグモグ

女先輩「……」

男「どうしたの?女ちゃん?」パクパクモグモグ

女先輩「負けた……」ボソッ

男「え?今何て言いました?」パクパクモグモグ

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 02:35:38.84 ID:dg9Nk33t0
女先輩「うるさい!ペナルティーファイブ!!」バシッ

男「痛い!」

女先輩「……どうして妹さんはこんなに料理が上手なんですか?」

男「あーうち料亭の料理人なんだ。夫婦共々」

女先輩「そ、それで妹さんは親御さんに教わって?」

男「そう。あいつは昔っから料理が好きで」

女先輩「も、もしかして先輩もこれくらい料理が上手なんですか?」

男「いやー俺はからっきしだよ。卵焼きも満足に作れないよ」

女先輩「よかった……」ボソッ

男「今なんか言ったかな?」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 02:40:05.13 ID:dg9Nk33t0
男「ふぅー!ごちそうさまでした!!最高だったよ!」

女先輩「ごちそうさまでした……ありがとうございます……」

男「? 女ちゃん元気無い?」

女先輩「そ、そんなことないですよっ!!男先輩が好きな食べ物って何ですか!?」

男「あー俺は……寿司かな!」

女先輩「次に好きなものは!?」

男「えっと……ラーメンかな」

女先輩「その次は!?」

男「え、えーと……ハンバーグかな?」

女先輩「わかりました!!今度作ってきます!!」

男「ほ、本当っ!!?」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 02:43:43.41 ID:dg9Nk33t0
女先輩「じゃあ嫌いな食べ物って何ですか?」

男「え、えーと……あんまり無いんだけど」

男「俺エビだけは駄目なんだ」

女先輩「!」

男「あっ……!」

女先輩「今日の……エビピラフ……完食してましたよね」

男「い、いやそれは女ちゃんの作ったものだからすごく美味しかったっていうか」

女先輩「…………ありがとうございましたっ!」

男「え、いやあの……どういたしまして?」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 02:46:14.84 ID:dg9Nk33t0
女先輩「じゃあそろそろ授業始まるので、教室に戻りましょうか!」

男「そうだね」

女先輩「あ、これお返しします!ありがとうございました!!」

男「あ、ノート……役にたった?」

女先輩「それはもう!いろいろ研究させていただきました!」

男「け、研究……?」

女先輩「あ、いえあの気にしないでください」

男「はぁ……」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 02:49:47.89 ID:dg9Nk33t0
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────

男「! これ……違うノートだ……」

男「物理かな?……落書きだらけだ」

男「!!! じ、自作のポエムだっ……!!」

男「こ、これは見ちゃいけないっ……!!」

男「で、でも……すごく見たいっ……!」

男「頑張れ俺の倫理観っ……!!」



男「はぁ……はぁ……」

男「しかしチラッと俺の名前が見えたよーな……?」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 02:56:06.65 ID:dg9Nk33t0
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女先輩「一緒に帰りませんかっ!?先輩っ!!」

男「う、うん……あのね、女ちゃん……」

女先輩「何ですか?」

男「これ、ノート間違って俺に渡しちゃったみたいなんだ。返すね」

女先輩「…………っ!!////」

女先輩「見たのっ!!?どこまで見たの!!?この野郎っ!!!」ドカッバキッ

男「先輩痛い痛い!!ペ、ペナルティーです!!」

女先輩「知るか!!言えっ!!どこまで見たんだっ!!」ドスッゴキッ

男「な、何も見てません!!誓って本当です!!」

女先輩「ハァ……ほ……ハァ……本当か……?」

男「は、はい本当です!!」

女先輩「よ……よかったぁぁぁぁ……」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 03:00:53.42 ID:dg9Nk33t0
女先輩「じゃ……じゃあ……帰りましょうか」

男「そ、そうだね女ちゃん」






女先輩「明日から週末ですねー」テクテク

男「そうだね。女ちゃんは何して過ごすの?」

女先輩「あの……そのことなんですけど……」

男「何?」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 03:07:23.93 ID:dg9Nk33t0
女先輩「あ、あの……一緒に遊びに行きませんか!?」

男「お、俺と!?いいの!?」

女先輩「先輩がもしお暇であれば……」

男「暇暇!ものっすごい暇!!」

女先輩「本当ですか!?じゃあ10時に駅前に集合でいいですか!?」

男「はいっ!楽しみにしてます!」

女先輩「こちらこそっ!!またペナルティーっ!!」バシッ

男「痛い!」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 03:09:43.80 ID:dg9Nk33t0
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男「うわっ!!もう来てる!!ごめん待った!!?女ちゃん!!」

女先輩「いえ今来たところですよ!」

男「お、遅れてごめん!」

女先輩「まだ十五分前じゃないですか!行きましょう先輩!」

男「う、うん!」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 03:12:35.95 ID:dg9Nk33t0
男「ところでどこか行きたいところでもあるの?女ちゃん」

女先輩「とりあえずはですねー、私のマフラーを選ぶのを手伝ってほしいんです!」

男「マフラーかぁ。もういい加減欲しいよねー」

女先輩「そろそろ新しいのが欲しいと思いまして……付き合っていただいていいですか?」

男「もちろん!」

女先輩「じゃあそこのデパートに向かってしゅっぱーつ!」

男「お、おーっ!」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 03:16:50.69 ID:dg9Nk33t0
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女先輩「これとか良いと思いません?先輩!」

男「先輩……可愛い……」ボソッ

女先輩「先輩?聞いてます?」

男「う、うん!すごく似合うと思うよ!」

女先輩「本当ですか!?じゃあこれにします!」

男「い、いいの?俺ファッションとか全然わからないよ?」

女先輩「いーんです!私もたった今これがものすごく気に入りました!」

男「そ、そう……」

男「可愛い」ボソッ

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 03:19:16.35 ID:dg9Nk33t0
男「さっそく巻いてるね」

女先輩「寒いですから!」

男「もうお昼時だね。どこでご飯食べようか?」

女先輩「あ、私この辺でいいレストラン知ってるんですよ!そこにしませんか?」

男「本当?じゃあそこにしよう!」

女先輩「では、レストランへ向けてしゅっぱーつ!」

男「おーっ!」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 03:21:57.52 ID:dg9Nk33t0
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男「わぁ……すごくおしゃれだね」

女先輩「そうでしょう!料理も絶品ですよ!」

男「イタリアンか……じゃあ俺この生ハムのピザにしようかな」

女先輩「じゃあ私はこのカルボナーラにします!」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 03:25:01.31 ID:dg9Nk33t0
男「! おいしい!!」

女先輩「そうでしょう!ここは私のお気に入りです!!」

男「ピザってこういうものだったのか……」

女先輩「実は私まだそのピザ食べたこと無いんですよね……一切れくれません?」

男「うん、いいよ。はい」

女先輩「ありがとうございます!」

女先輩「あ、あの……お返しに、私のパスタもどうぞ!!」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 03:29:02.75 ID:dg9Nk33t0
男「えっ!?い、いいよいいよそんな!!」

女先輩「いいえ、あんなに食べる先輩がピザ一切れ減って満足できるはずがありません!!食べてください!!」

男「だってそのフォーク……ゴニョゴニョ」

女先輩「す、素敵なフォークですよね!!さ、食べてください!!」

男「じゃ、じゃあ……いただきます……」

女先輩「……」ジー

男「そ、そんなに見ないで……」

女先輩「ど、どうですか?お味は?」

男「す、すごく美味しいよ!」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 03:33:00.88 ID:dg9Nk33t0
男「美味かった……ごちそうさまでした」

女先輩「ごちそうさまでした!」

男「次はどこへ行く?」

女先輩「買い物は済みましたし……カラオケとかどうですか?」

男「カ、カラオケか……うん、行こうか」

女先輩「私の美声を披露しましょう!」

男「あの……俺超絶下手くそだから……ごめんね」

女先輩「そんなの気にしません!」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 03:36:14.37 ID:dg9Nk33t0
──
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女先輩「…………」プルプル

男「笑うな!!そこ!!」

女先輩「だって……キミ……アハハハハハハ!!」

男「だから言ったじゃないですか……ペナルティですよ!」

女先輩「いやー楽しい楽しい!!じゃあ次は私が歌いますね!!」

男「自慢の美声とやらを聴かせてもらおうか……!」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 03:39:18.38 ID:dg9Nk33t0
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男「す、素晴らしい歌声だった……」

女先輩「本当ですか!?ありがとうございます!!」

男「ちょ、ちょっとトイレ行ってくるね」

女先輩「はい!」






男「は、反則だっ……!」

男「あの容姿であの歌声はっ……!」

男「かっ……可愛すぎるっ……!!」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 03:41:39.77 ID:dg9Nk33t0
──
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────

男「次はどこへ行く?」

女先輩「ゲームセンターに行きたいです!」

男「お、じゃあ俺のUFOキャッチャーの実力を見せてあげよう!」

女先輩「本当ですか!?期待してますよっ!」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 03:44:32.07 ID:dg9Nk33t0
男「次はボウリング行かない?」




女先輩「先輩っ!ミスドがセール中ですっ!!」




男「あ、こんな所にスケート場があるんだ……」





女先輩「先輩っ!路上で弾き語りやってますよ!ちょっと聴いていきません!?」


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55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 03:46:39.39 ID:dg9Nk33t0
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男「そろそろ帰ろうか」

女先輩「名残惜しいですけどね!」

男「すごく楽しかったよ!」

女先輩「私こそ、最高でした!!」

男「じゃ、家まで送ってくよ」

女先輩「ありがとうございます!」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 03:50:05.61 ID:dg9Nk33t0
男「……」テクテク

女先輩「……」テクテク

男「……女ちゃんは、進路どうするの?」

女先輩「まだ一年ですよー?決まってません!」

男「……やっぱり遠くの国立大とか受けるの?」

女先輩「……どうしてそんなことを聞くんですか?」

男「……ちょっと気になって」

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 03:53:18.61 ID:dg9Nk33t0
女先輩「……受験の話をするのにこの関係は無理があるね」

男「……そうですね」

女先輩「じゃあ一旦中断!そこの公園でちょっと話さない?」

男「わかりました」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 03:55:59.22 ID:dg9Nk33t0
女先輩「何飲む?」

男「い、いえ自分で払いますよ」

女先輩「いいからいいから。今は私が先輩」

男「じゃあ……コーヒーのブラックをお願いします」

女先輩「はいよっ」ピッガランゴロン

女先輩「私は紅茶花伝ー♪」ピッガランゴロン

女先輩「はいっ」

男「……いただきます」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 03:58:36.97 ID:dg9Nk33t0
男「……先輩は、こんな大事な時期に僕と遊んでていいんですか?」

女先輩「……」

男「……元から全然勉強してるようには見えませんでしたけど……」

女先輩「まぁねーアハハ」

男「まぁ先輩なら勉強しなくてもいいとこ入れるんでしょうけど……」

女先輩「男君。私は大学は受けないよ」

男「えっ!?」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 04:01:27.84 ID:dg9Nk33t0
男「ど、どうしてですか!?そんなに勉強ができるのに!!」

女先輩「私は、料理の専門学校へ行くの」

男「……」

女先輩「だから、大学は受けない」

男「……どうして専門学校へ?」

女先輩「そりゃーそれが私のやりたいことだからさ!」

男「……本当、先輩は遠いな…………」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 04:05:30.06 ID:dg9Nk33t0
女先輩「遠い?」

男「俺は先輩のように勉強も出来ない、運動もそこそこ、特技なんてものはまるで無い……」

女先輩「……」

男「何より、やりたいことなんてのが全く無い」

女先輩「……」

男「先輩は全部持ってる。頭の良さも、運動神経も、生き甲斐も」

男「俺は、ずっと先輩に憧れてた……」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 04:09:10.39 ID:dg9Nk33t0
女先輩「……与えてくれたのは、キミだよ」

男「え?」

女先輩「去年までの私もそうだった。やりたいことなんて何もなかった」

女先輩「その上なまじ器用なばっかりに、勉強も、運動も、何の努力もせずにのらりくらりとやってきた」

女先輩「世の中全部がつまらなく見えたよ。楽しいことなんてまるで無い。頑張る価値のあるものなんて何も無いと」

男「……」

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 04:12:09.48 ID:dg9Nk33t0
女先輩「そんなときキミに出会った」

女先輩「キミは才能は確かに乏しいかもしれない」

女先輩「でもキミは誰よりも頑張って、誰よりも一生懸命に生きてた」

女先輩「あんな風になれたら、って思ったよ」

男「……」



女先輩「そして、いつしかキミを好きになってた」



男「……!」

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 04:14:28.17 ID:dg9Nk33t0
女先輩「覚えてる?去年のバレンタインにあげたチョコレート」

男「はい……『キミにもあげよう!』って言いながらくれた義理チョコですね」

女先輩「あれね、キミにしか作ってないの」

男「……!」

女先輩「キミが喜んでくれるように、キミが幸せになるように」

女先輩「一生懸命作った」

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 04:17:41.51 ID:dg9Nk33t0
女先輩「それでキミはあろうことか目の前で袋を開けて、幸せそうな顔をしながら食べてくれた」

男「あ、あれは腹が減ってて……//」

女先輩「そのとき、『これだっ!!』って思ったのよね」

女先輩「キミの幸せそうな顔が、私の人生を決めたんだ」

男「……」

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 04:21:25.70 ID:dg9Nk33t0
女先輩「確信を持って言う」

女先輩「こんなダメな私でも生き甲斐を見つけられたんだ」

女先輩「一生懸命生きてるキミにも、絶対それが見つかる」

女先輩「保証する!」

男「……ありがとうございます」

男「とても、嬉しかったです」

女先輩「うん!私も嬉しい!」

72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 04:28:21.19 ID:dg9Nk33t0
女先輩「ハイ!キミの人生相談終了!」

女先輩「次は、ってさっきからだけど私個人の話をキミにします!」

男「え、えっと……」

女先輩「ここまで言っちゃったんだ、これからする話のことはわかってるよね……?//」

男「は、はい!」

女先輩「あ、あのね……わ、私は……キミの……」

男「俺は女先輩のことがずっと好きでした!!」

女先輩「!!? ちょ、ちょっと!!」

男「大好きでした!!」

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 04:32:50.82 ID:dg9Nk33t0
女先輩「え、ほ、本と」

男「先輩さえよろしければ、俺とお付き合いしてください!!」

女先輩「え、え、え、嘘」

男「本当です!」

女先輩「わ、わぁわぁどうしよう」

男「……」

女先輩「……わ、私でよければ、よろしくお願いします!」

男「!! こちらこそよろしくお願いします!!」

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 04:37:53.16 ID:dg9Nk33t0
女先輩「……嘘みたい…………」

男「夢オチじゃないですよね……」

女先輩「わぁ…………」



男「……じゃあ、帰りましょうか。先輩」

女先輩「ペナルティーッ!!」バシッ

男「痛っ!!?」

女先輩「敬語、先輩呼ばわり禁止!」

男「え、あれまだやるんですか!?」

女先輩「ううん、終わり。だから今からは先輩後輩関係無しの同列ルールがスタートしました」

男「えぇ……」

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 04:41:17.45 ID:dg9Nk33t0
男「そういえばその先輩後輩逆転」

女先輩「ん?」

男「なんで始めたんで……始めたの?」

女先輩「それは……」

男「それは?」



女先輩「甘えたかったから……//」ゴニョゴニョ



男「え?今何て言ったの?」

女先輩「うるさい!帰るよ!!」

男「あぁちょっと待って!」

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/05(水) 04:44:18.07 ID:dg9Nk33t0
男「……」テクテク

女先輩「……」テクテク








男「……これからはいくらでも甘えてもらって結構ですからね」

女先輩「…………!!!/// ペナルティーキィッック!!!」

男「痛いっっ!!!」

fin

引用元: 女先輩「先輩後輩の関係を逆転してみよう!」