1: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 00:38:15.69 ID:xk2urpam
千砂都「100点かあ……さすが生徒会長、志が高いねー」

恋「あ、いえ別にそういう意図があったわけでは」

千砂都「え、違うの? じゃあなんで?」

恋「違うというか、確かに優秀な成績を残すことは頭に入れているのですが……」

恋「一番の理由はそうではなく、その…」チラッ

千砂都「ん?」

恋「……いえ、やっぱりなんでもありません」

千砂都「そっか、それじゃあまた後でね」

恋「はい」


スタスタ


恋「…………はぁ」


千砂都「……」フリムキ



3: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 00:40:10.58 ID:xk2urpam
千砂都「──っていうことがあったんだけど」

かのん「テストで満点かあ、そんなの目指したことも無かったなあ」

千砂都「私もー、まあ平均点より上はいきたいとは思ってるけど流石にそこまではね」

かのん「そうそう、私もそんな感じ」

かのん「でもほんと凄いよね恋ちゃん、スクールアイドルと生徒会の活動もやりつつ学業も抜かりなし、なんてさ」

千砂都「そりゃ勉学は学生の本分ですから」

かのん「だよね~……はいアイスティーお待たせ」コトッ

千砂都「随分どんよりしてるね、自信無いの?」

かのん「ここのところ捗ってなくてさあ…」

千砂都「あははっそれは大変だ」

かのん「笑い事じゃないよぉ~……そのことでお母さんうるさいんだから」

4: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 00:41:24.59 ID:xk2urpam
千砂都「ごめんごめん、この通り!」パンッ

かのん「もう……で?」

千砂都「え?」

かのん「何か変だったんでしょ、恋ちゃん」

千砂都「あぁーそうそう、そうだった」ズズッ

千砂都「なんて言えばいいんだろ、心ここにあらずみたいな?」

かのん「どゆこと?」

千砂都「だからこう、言い方のニュアンス的に成績は二の次でさ、それに対して恋ちゃん本人はそこまで気に掛けてないんだよ。多分」

かのん「えぇ……なんか矛盾してないそれ? テストでいい点取りたいけど成績は別にいいって」

千砂都「……ま、やっぱりそうなるよね」

千砂都「でもそんな風な気がしたんだけどなあ、気のせいかなあ」クルクル

5: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 00:43:16.67 ID:xk2urpam
かのん「ちぃちゃんってさ」

千砂都「ん?」

かのん「意外とよく見てるよね、恋ちゃんのこと」

千砂都「えー、普通じゃないかなあ」

かのん「普通ねえ……まいっか。はいお待たせ、パンケーキです」

千砂都「おぉー! まん丸なお皿の上にこのふっくらとしたまん丸パンケーキ! しかもこれは……かのんちゃん、ますますマルさ加減に磨きがかかったね!」

かのん「あの~ちなみに焼き加減のほうは……」

千砂都「大丈夫! 文句なし!」グッ

かのん「あ、そですか」

かのん(優先順位おかしいからこれで自信持っていいのやら…)

千砂都「いやあ何度注文しても、この瞬間がたまんねぇー! マルを心ゆくまで堪能すべきか、はたまたこれを切り崩してでも味わうべきか!」

千砂都「この究極の二択を毎度迫られる感覚!」

かのん「いや味わってよ、あとちぃちゃん口調……」チラッ

恋「」

かのん「……ってあれ?」

6: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 00:45:20.58 ID:xk2urpam
千砂都「どしたの?」

かのん「いや、今あそこに恋ちゃんが」ユビサシ

千砂都「ほんと?」チラッ


シーーーーン……


千砂都「いないね」

かのん「おっかしいなあ、こっちをジーっと見てた気がするんだけど」

千砂都「だったら見てないで入ってくればいいのにね、お店」

ガチャ

千砂都「お、言ったそばから」

かのん「いらっしゃいませー……ってクゥクゥちゃん」

可可「……」ムスッ

スタスタ…  ストン

かのん「え、えーっと……クゥクゥちゃん?」

可可「ホットココアくだサイ」

かのん「あ、はーいただいま」ススス……

7: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 00:46:40.04 ID:xk2urpam
千砂都「恋ちゃんじゃなかったね」ヒソヒソ

かのん「それになんか機嫌悪いっぽいし、どうしたんだろう……」

可可「すみれが悪いんデスよ」

千砂都「あ、聞こえてた」

可可「二人で勉強会をやるって言ってたのに、途中で配信なんてするから」

千砂都「勉強会?」

可可「そうデス、試験も近いデスし……どーせすみれのことだからロクに勉強できてないと思って」

可可「見るに見かねて? しかたなーくクゥクゥが提案してあげたというのに、あのグソクムシときたら……」

可可「ウガーッ! 思い出したらまた腹が立ってきマシた!」

かのん「ま、まあまあ落ち着いて……はいココアお待ちどうさま」

可可「……どうもデス」ムスッ

千砂都(なるほど勉強会か……)フム

千砂都(それなら恋ちゃんもちょっとは話しやすくなったりするのかな)パク

8: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 00:48:07.00 ID:xk2urpam
可可「全く、何様のつもりデスかあのグソクムシは……」ズズッ

可可「あついっ!!」

かのん「そりゃ熱いよ! だってホットだもん!」

ガチャ

すみれ「ちょっとーこっちにクゥクゥ来てない? まあ来てるわよねいつにもまして騒がしいし」

可可「だーれのせいだと思っているんデスかー!?」

すみれ「はいはい私でしょ、悪かったわよ」

可可「なっ……はあ!?」

すみれ「何よ、だからこうしてわざわざ謝りにきたんじゃない。それと一応弁解」

可可「べんかい?」

すみれ「そ、別に悪気があったわけじゃないのよアレは。せっかくだから私なりに楽しくやりたいと思ってそれで」

すみれ「なんだかんだでただの雑談になっちゃったからどうしようもないっちゃないんだけど」

可可「……本当に?」

すみれ「ま、信じる信じないは勝手だけどね。とにかくそれだけ伝えに来たから、じゃ」

千砂都(さっき話したときだってなーんか本当のこと言いづらそうだったし)パクパク

9: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 00:49:34.25 ID:xk2urpam
可可「……待ちやがれデス」

すみれ「なに、まだ何か用?」

可可「このままじゃ不完全燃焼デス、明日も付き合ってやるから配信やりやがれデス、それで今回の件はチャラにしてあげマス」

すみれ「……そ。なら仕方ないわねー、あなたがそこまで言うならねー。うん、仕方ない仕方ない」

可可「……あとここのココア奢りやがれ、デス」トントン

すみれ「がめついわね!? それは流石にNoよ!」

千砂都(まあ実際恋ちゃんはまだ私たちに遠慮しがちなところあるし、もっと仲良くなるためにも)モグモグ

千砂都(きっかけとしては全然アリだよね、勉強会。誘いの理由的にも)ズズッ


カラン

10: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 00:51:21.25 ID:xk2urpam
可可「ハン、器が小さければ懐も小さい、いったいどこらへんがギャラクシー≪銀河級≫なのか教えてほしいデスね」

すみれ「こんの、言わせておけばっなんでただ集ってるだけでここまで偉そうに出来るわけよ!?」

可可「すみれにだけは偉そうとか言われたくないデス!!」

すみれ「はぁ!? それはこっちの台詞なんだけど!!」

かのん「ま、まあまあ二人とも少し落ち着いて」

可可「だいたい昨日の練習のときだって! 付き合うとか言いながら勝手に帰るし!」

すみれ「夜も遅いのにあなたがそのまま続けようとしたからでしょそれは!」

可可「ならそうはっきり言いやがれってんデスよ!」

すみれ「言って素直に聞くなら苦労しないっての! どうせ反発するくせに!」

可可「なにを!」

すみれ「なによ!」

かのん「ちょっと、ちぃちゃんも止めるの手伝ってよー…!」

千砂都(それにまずは何よりも歩み寄る姿勢だよね)カチャ

千砂都「……うん、よし! 早速明日やってみよう!」

かのん「今やってよ!!」

千砂都「え? なにが?」

11: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 00:52:40.67 ID:xk2urpam


翌日


千砂都「──っていうことが昨日あったんだYo!」

恋「ふふっ、それはさぞ賑やかだったんでしょうね」クスクス

千砂都「まあ、とは言っても私もそこまではっきりとは覚えてないんだけどね」アハハ

恋「その場にいたんですよね?」

千砂都「ちょっと考え事をしてたもんだから」

恋「周りが気にならなくなるほどの考え事、ですか?」

千砂都「ああうん、一応そういうことになる……のかな」メソラシ

恋「その反応……気になりますね」

千砂都「いやいや多分そんなにお気に召すほどの話じゃないと思うよー。はは」

恋「怪しい……」ジーッ

千砂都「……いい丸だね」

恋「はい?」

千砂都「恋ちゃんの目。あまりにもこっちを見つめてくるものだから」

恋「!? べっ別に見つめていたわけではっ」

千砂都「あ、そう? じゃあ私が恋ちゃんをただ見ていただけかあ」

12: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 00:53:43.81 ID:xk2urpam
恋「だからそういう意味で言ったのではなくてですね……」

千砂都「じゃあどういう意味?」ジッ

恋「つまりですね、その……」

千砂都「うん」

恋「……」ハァーッ

恋「やめましょう」

千砂都「うん?」

恋「これ以上の押し問答は何も意味がないような気がします」

千砂都「恋ちゃんがそういうなら私はいいけど」

千砂都(よしよし)

恋「ええ、もうそれで構いません。話を逸らしましょう」

千砂都(あ、バレてた)

13: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 00:55:41.60 ID:xk2urpam


カリカリ……


恋「つまり千砂都さんの話を聞くに、それで今日私を誘ったということですよね」

千砂都「え?」

恋「ですから、昨日のクゥクゥさんとの会話で考え付いたことなんでしょう? 今やっている勉強会は」

千砂都「あ、あぁー。そう、そうなんだよ。たまにはそういうのもいいかなって」

千砂都「ほら恋ちゃんって頭良いし、一緒にやると勉強も捗りそうだから。ね」

恋「そうですか、わざわざありがとうございます」

千砂都「ううんこちらこそ。おかげさまでサクサク進んでいるから」

千砂都(…恋ちゃんって鈍いんだか、鋭いんだか)

恋「今、何か言いましたか?」

千砂都「いえいえなにも」

14: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 00:56:56.09 ID:xk2urpam


カリカリ…


恋「でも……いいですよね、楽しそうで」

千砂都「あの二人は仲いいからねえ、それとも私との時間は楽しくない?」

恋「どちらも違いますよ、分かっているんでしょう」

千砂都「なんとなくは」

恋「千砂都さんは意外といじわるですね」

千砂都「かもね。じゃあもう一ついじわるな質問いいかな?」

恋「どうぞ」

千砂都「どうして昨日来なかったの、お店に」

千砂都「羨ましいって思うなら恋ちゃんも」

恋「確認のために少し寄っただけですから」

千砂都「確認って?」

恋「多分そんなにお気に召すほどのものじゃないですよ」

千砂都「あーそういう返し方する」

恋「ただ、もしあの後に皆さんが集まるって分かっていたなら……」

千砂都「自分も帰ることはなかった。って?」

恋「ええ、そう言い切りたいものですけど、ね」

15: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 00:58:07.96 ID:xk2urpam
千砂都「はっきりとはしないんだ」

恋「必ずと言ったら嘘になってしまいますから」

千砂都「嘘、か……」

千砂都「ねえ恋ちゃん」

恋「はい」

千砂都「嘘と誤魔化しならさ、どっちのほうが見逃してもらえると思う?」

恋「……状況によるとしか。ですが」

恋「直接的な物言いよりも、それらしい言い回しのほうが気にはなりますよね」

千砂都「恋ちゃんみたいな?」

恋「千砂都さんのような、ですよ」

千砂都「なるほど。似てるね私たち」

恋「そうでしょうか、私は合わせてもらってるような気がしてなりません」


カリッ


16: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 00:59:16.04 ID:xk2urpam


「…………」


千砂都「ま、なんにしても」

千砂都「それだけ素直に話せるなら遠慮なんてすることもないのに」

恋「千砂都さんが言わせているんでしょう?」

千砂都「私はそこまで器用じゃないよ、寧ろその逆でさ」

千砂都「不器用なんだよ。ほんと」

恋「誰に対しても?」

千砂都「ってわけではないと思うけど」

恋「……そうですか」

恋「なら、私も相手が千砂都さんだからこれだけ素直に言えるんでしょうね。きっと」

千砂都「……」ポトッ

恋「消しゴム、落としましたよ」

17: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 00:59:58.36 ID:xk2urpam
千砂都「あ、本当だ。うっかりうっかり」ヒョイ

千砂都「流石に集中力切れてきたかなー。あははっ」

恋「…では、今日はここまでにしましょうか」

千砂都「いいの?」

恋「根を詰めすぎるとあまり良くありませんから」

千砂都「じゃあ、お言葉に甘えて」

18: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 01:01:49.32 ID:xk2urpam





葉月家、門前


千砂都「でも、なんか安心した」

恋「何がですか?」

千砂都「私にあれだけ言えるなら、そのうち他の3人にも同じような感じで接することが出来ると思ったから、ね」

恋「千砂都さんはそのほうがいいのですか?」

千砂都「……なんで私?」

恋「…いいえ、聞いてみただけです」

千砂都「ふーん。あっそうだ、次からは差し入れ持ってくるよ。たこ焼き」

恋「いえ、そんなお構いなく」

千砂都「私は構わないからいいよ、それじゃあまた明日ね」タッ

恋「ちょっと千砂都さん! ……行ってしまいましたか」

19: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 01:02:52.27 ID:xk2urpam


ガチャ


サヤ「ああ、お嬢様。ご友人の方は?」

恋「先ほど帰りました」

サヤ「そうでしたか」

恋「……」

サヤ「…何か気にかかることでも?」

恋「え?」

サヤ「今日は随分と楽しみにされていたようですから」

恋「はい、とても楽しかったですよ。ただ……」

サヤ「ただ?」

恋「気を遣わせてしまいました」


バタンッ


恋「なかなか上手くいかないものですね、こればかりは」

20: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 01:04:32.06 ID:xk2urpam
かのん「それでどうだったの?」

千砂都「んー?」

かのん「恋ちゃんと一緒に勉強会やったんでしょ?」

千砂都「うん、やったよ。流石は生徒会長、教え方も上手でさあ」

かのん「いいなあ~……私も参加すればよかった」

千砂都「なら今度頼んでみるよ」

かのん「え?」

千砂都「? 今私なにかおかしなこと言ったかな」

かのん「あ、あー、ううん全然! 全くそんなことないよ、うん!」

千砂都「変なかのんちゃん」

かのん「そ、そうかなー……でもその様子だと、結構好感触だったみたいだね」

千砂都「……いや、そうでもないよ」

かのん「ちぃちゃん?」

千砂都「気を遣わせちゃったからね」

千砂都「なかなか上手くいかないもんだよ、こればっかりは」

21: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 01:12:12.70 ID:xk2urpam


翌日、公園前


恋「……」スタスタ

「そこのお嬢さん、お一人ですかい?」

恋「いえ、先客がいますので」フリムキ

千砂都「まあまあそう言わずに、一つくらい食べていきなさいYoーなんちゃって」カサッ

恋「なんだ、千砂都さんでしたか」

千砂都「ダメかな?」

恋「食事をご一緒していただけるのなら、私は構いませんよ」フフッ

千砂都「それじゃ、ご一緒させてもらおうかな」

23: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 01:13:07.60 ID:xk2urpam
千砂都「はいどうぞ、熱いから気を付けてね」

恋「本当にいいんですか?」

千砂都「いいのいいの」

恋「では、ありがたくいただきますね」

千砂都「たこ焼きひとつにそこまで丁寧な食事の挨拶する人初めて見たなあ」

恋「はふっ……んむ?」

千砂都「今の恋ちゃん見ると全然そんな感じしないんだけどね」ジーッ

千砂都(美味しそうに食べてくれるなあ……)

恋「……?」ハフハフ

千砂都「ああ私にはお構いなく。どうぞごゆっくり」ヒラヒラ

千砂都(なんか、マンマルみたい)

恋「……」ゴクン

千砂都(飲み込んだあと、ちょっとこっち振り向くところもそっくり)クスッ

24: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 01:14:51.88 ID:xk2urpam
恋「…そんな顔もされるんですね」

千砂都「あれ、そんなに変だった? 私の顔」

恋「ええ、少し意外だったので。確かに千砂都さんは明るくて笑った顔もよく見ますけど」

恋「初めてでしたから、そういった優しい眼差しを向けられたのは」

恋「少し、得をした気分です」ニコ

千砂都「あ、あー……それはそれは、サービスしたかいもあったってものだね」

恋「千砂都さんは?」

千砂都「と、言いますと?」

恋「私の意外なところ、見つかりましたか?」ハムッ

千砂都「それかな、恋ちゃんの意外なところ」

25: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 01:15:56.38 ID:xk2urpam
恋「?」

千砂都「口にソース付いてるよ」

恋「~っ!?」

千砂都「あははっ、言ってもらえないと分からないよねそういうのって。ほんとに」

千砂都(そっか、私そういう顔してたんだ)

千砂都「今は、赤くなってたりするのかな」

恋「むぐっ……けほ。それは千砂都さんが教えてくださいよ、自分じゃ分からないんですから」フイッ

千砂都「…それもそうだね、これまたうっかり」

恋「もう」

26: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 01:17:20.81 ID:xk2urpam
恋「──ごちそうさまでした。とても美味しかったです」

千砂都「それはよかった」

恋「…不思議ですよね」

千砂都「ん」

恋「昨日と違って、ただこうして公園でゆっくりしているだけなのに前よりも近く感じるんです」

千砂都「奇遇だね、私もだよ」

千砂都「ま、のんびりしてるからこそっていうのもあると思うけど」

恋「かもしれませんね」

千砂都「恋ちゃんもいい息抜きになったでしょ?」

恋「はい、おかげさまで」

千砂都「あ、それとたこ焼きね!」ビシッ

恋「それは確かにありますね」ピッ

千砂都「やっぱりマルはみんなを平和にするんだYo! うん間違いない!」

恋「千砂都さんは本当にマルがお好きなんですね」

千砂都「まあね!」ニコ

恋「……ふふっ」

27: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 01:18:26.23 ID:xk2urpam
恋「さてと、そろそろ帰りますね。千砂都さん、今日はありがとうございました」

千砂都「お礼を言われるほどのことはしてないよ。私はただ恋ちゃんにたこ焼きを食べさせたかっただけだし」

恋「それが、嬉しいんですよ」

千砂都「…そうだ、そういえばいよいよ明日だよねーテスト」

恋「何を他人事みたいに言ってるんですか、千砂都さんあなたも」

千砂都「満点、取るんだよね」

恋「!」

千砂都「頑張ってね、楽しみに待ってるからさ」

恋「……そうですか」クス

千砂都「…………」スル

恋「カバン、落とさないでくださいよ」

千砂都「…おっとっと、あぶないあぶない」

28: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 01:19:51.50 ID:xk2urpam
恋「ではまた……と、その前に」

恋「千砂都さん、手を」

千砂都「こう?」スッ

ギュッ

千砂都「…なにくれたの?」

恋「イチゴ味の飴です。勉強には糖分も必要ですから、それに」

恋「千砂都さんはマルがお好きでしょう? だからお礼です」

千砂都「ありがと。多分ちょうどいいサイズだと思うよ……見えないけど」

恋「ついで、ですから」

千砂都「なにが?」

恋「なにが、でしょうね?」パッ

千砂都「さあ…」

恋「確認お願いしますね、さようなら」タッ

29: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 01:22:35.55 ID:xk2urpam
千砂都「……思ってたより大きかった、かも。わからないけど」

「ちぃちゃーん!」

千砂都「かのんちゃんうぃっすー! 買い物の帰り?」

かのん「うん。ちょっと買い出し頼まれちゃって、それよりさっきそこで恋ちゃんに会ったんだけど」

かのん「一緒だったの?」

千砂都「ああうん、さっきまで。ね」

かのん「今日はうまくいった?」

千砂都「多分」

かのん「そっか、よかったね」

千砂都「とは言っても、肝心なことは何も聞けずじまいだったけどね」

かのん「それってテストのこと?」

千砂都「うん。でも、もういいの」

千砂都「きっとその日になったら聞かせてくれると思うから」

かのん「へえ~」

30: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 01:24:05.11 ID:xk2urpam
千砂都「どうかしたの?」

かのん「いやいやなんでも。ただ、今の私たちの中で恋ちゃんのこと一番分かってるのはちぃちゃんかもなぁ~って」

千砂都「そうかなあ」

かのん「私はそう思うけどな」

千砂都「私だってまだ分からないよ」

かのん「どのあたりが?」

千砂都「じゃあ試しに手を出してみて」

かのん「こう?」スッ

ギュッ

千砂都「わかった? 私のこと」

かのん「ううん、これっぽっちも」

千砂都「だよね。つまりそういうことだよ」

かのん「解答がふわふわしすぎてない?」

31: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 01:25:31.39 ID:xk2urpam
かのん「あ、でも」

千砂都「?」

かのん「さっきのほうがちょっとだけ顔赤かったよね、ちぃちゃん」

千砂都「それっていつ?」

かのん「私がちぃちゃんを呼んだとき、くらいかな」

千砂都「……気のせいだよ。多分」

かのん「そう?」

千砂都「そういうこともあるよ」カサカサ


パク


千砂都「…………甘いなあ。思っていたよりも」


33: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 02:02:25.98 ID:xk2urpam




恋の部屋


カリカリ


恋「…………ふう」


コンコン


恋「どうぞ」

サヤ「失礼します、そろそろお時間になるころなのでお知らせに参りました」

恋「ああ、もうそんな時間でしたか」

サヤ「随分と集中されていたようですね」

恋「景気づけの一食を頂いたものですから」

サヤ「? はあ…」

トントン

恋「……よし」

34: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 02:16:15.74 ID:xk2urpam


……





それから数日後


35: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 02:19:07.63 ID:xk2urpam

ワイワイガヤガヤ


かのん「返ってきたねーテスト」

千砂都「だねー」

すみれ「やったわよクゥクゥ! ほら! 前より全体的に点数上がってる!」

可可「あーもーうるさいですネェ、そんなに大声出さなくても聞こえてマス」

すみれ「なに柄にもなく冷めてるのよ! 二人で頑張った成果でしょ!」

可可「柄にもないとはなんデスか!!」

すみれ「そういうのがあんたらしいって言ってるのよ」

可可「キィーッ! すみれのくせに余裕見せてんじゃねーデスよ!」

可可「クゥクゥより成績の悪いすみれのくせに!」

すみれ「言ったわね! マウント取ったわね!」

可可「言いマシたが何か!!?」

36: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 02:19:57.77 ID:xk2urpam
千砂都「またやってる、あの二人」

かのん「クゥクゥちゃん素直じゃないから…」

千砂都「まあクゥクゥちゃんの気持ちはなんとなく分かるけどね」

かのん「わかるの?」

千砂都「自分の思っていた以上に相手が喜んでいたら、照れ臭くなるんだよ」

千砂都「気持ちを出すよりも受け止めるほうが先に来ちゃうから」

千砂都「それが強いほど、受け止めるとき……」


ガラッ


「千砂都さん!」

すみれ「あら恋」

可可「レンレン」

かのん「受け止めるとき?」

千砂都「……いっぱいいっぱいになるんだよ」

37: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 02:21:15.53 ID:xk2urpam
恋「見てください! やりましたよほら! 100点!」

千砂都「あははっ恋ちゃん本当にやっちゃったんだ。凄いね、おめでとう」

恋「はい! きっと千砂都さんが喜んでくれると思って!」

千砂都「……私?」

かのん「どういうこと? 恋ちゃん」

恋「見てください! マルしかないんですよ! この用紙には!」

恋「普通のテストならこの中のどれかにはハネがあります! でもこれにはありません!」

恋「そう! マルで溢れてるんです!」

かのん「……あの~、もしかして今まで頑張ってたのって、それが理由だったり?」

恋「はい、これが理由ですが」

すみれ「くっ、くくっ……単純」

可可「やりマスね、レンレン……」

38: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 02:23:01.73 ID:xk2urpam
かのん「えーっと……ちぃちゃん?」

千砂都「…………」

コホン

千砂都「大変じゃなかった? それ」

恋「確かに大変でしたが、不思議と辛くはありませんでしたね」

恋「寧ろ、誰かの喜ぶ顔が見たくて勉強をするなんて本当に久しぶりでしたから。心地よかったくらいですよ」

かのん(ひゃぁ~……)

千砂都「あー、っと。うん、それは何よりで」

恋「……もしかして、あまり喜んでいません?」

千砂都「そう見えるの?」

恋「え?」

千砂都「私は今そういう顔してるの?」

千砂都「……」

恋「……いいえ」

千砂都「じゃあ、帰りにどこかにでも寄っていこうか」

千砂都「たこ焼き奢るから」

恋「……はい」

39: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 02:24:34.08 ID:xk2urpam

千砂都「私、ちょっと出るね」ガタッ

恋「で、では私も……失礼いたしました」


ガラッ

ピシャン


「れーーーんーーーちゃーーーん!!!」

「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!」


かのん「……なるほど、これは確かに」

すみれ「いっぱいいっぱいになるわね……」

可可「甘酸っぱいデスねー、まるでイチゴみたいデス」

すみれ「それ座布団一枚」

可可「どうもどうも」

かのん「はいはいお後がよろしいようで」

40: ナポリタン ◆REnfaVoma. (もんじゃ) 2021/10/02(土) 02:25:50.02 ID:xk2urpam
終わりです、ありがとうございました。

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引用元: 恋「今度の中間テストで100点を取ろうと思うのですが」 千砂都「ふうん?」