1: ◆zbOQ645F4s 2021/06/05(土) 14:35:00.28 ID:XSsZlqvc0
‣前スレ
 灯織「それは違います!」 

 灯織「その矛盾、撃ち抜きます!」  

-------------------------------------------------
※注意

・本作は「ダンガンロンパ」のコロシアイ学園生活をシャニマスのアイドルで行うSSです。
 その特性上アイドルがアイドルを殺す描写などが登場します。苦手な方はブラウザバックを推奨します。
・キャラ崩壊注意です。
・ダンガンロンパシリーズ(1,2,3,v3,絶対絶望少女等)のネタバレを一部含みます。
・舞台は初代ダンガンロンパの希望ヶ峰学園となっております。マップ・校則も原則共有しております。
・越境会話の呼称などにミスが含まれる場合は指摘いただけると助かります。修正いたします。

以上のほどよろしくお願いいたします。

-------------------------------------------------


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1622871300

2: ◆zbOQ645F4s 2021/06/05(土) 14:36:45.78 ID:XSsZlqvc0
【4章現在での主人公の情報】
 
【超高校級の占い師】風野灯織

-------------------------------------------------
・習得スキル

【一番星の魔法】
〔自由行動二回目終了時にモノクマメダル10枚を消費することで、その日の自由行動を一回プラスすることができる〕

【ポシェットの中には】
〔自由行動のある日に限り一日の終わりにコンマ判定を行い、末尾の数字の枚数分だけのモノクマメダルを獲得できる〕

【意地っ張りサンセット】
〔反論ショーダウン・PTAのコンマ値の基礎値が+10される〕

【包・帯・組・曲】
〔学級裁判の誤答時ペナルティを三回までなかったことにする〕

【HAPPY-!NG】
〔交流による親愛度上昇が+0.5される〕

【摩的・アンチテーゼ】
〔反論ショーダウン・PTAでコンマ値の基礎値が+15される〕


・【現在のモノクマメダル】71枚


・【現在の所持品】
【ミネラルウォーター】
【虹色の乾パン】
【色恋沙汰リング】×2
【スカラベのブローチ】×3
【あしたのグローブ】×2
【おでこのメガネ】×2
【はっぱふんどし】×2
【白うさぎの耳あて】
【もちプリのフィギュア】×2
【ラジオ君人形】
【残鉄剣】
【狂戦士の鎧】
【毛虫くん】
【昭和ラジオ】
【黄金のスペースシャトル】
【聖徳太子の地球儀】
【ミレニアム懸賞問題】
【携帯ゲーム機】
【プロジェクトゾンビ】
【動くこけし】
【オブラート】
【スモールライト】
【古代ツアーチケット】×2
【もしもFAX】
【隕石の矢】
【アゴドリル】×2
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ジャスティスV変身ベルト】
【ログインボーナス】

3: ◆zbOQ645F4s 2021/06/05(土) 14:38:16.58 ID:XSsZlqvc0
【校則】

【1】生徒達はこの学園内だけで共同生活を行いましょう。共同生活の期限はありません。
【2】夜10時から朝7時までを"夜時間"とします。夜時間は立ち入り禁止区域があるので注意しましょう。
【3】就寝は寄宿舎エリアに設けられた個室でのみ可能です。他の部屋での故意の就寝は居眠りとみなし罰します。
【4】希望ヶ峰学園について調べるのは自由です。特に行動に制限は課せられません。
【5】学園長ことモノクマへの暴力を禁じます。監視カメラの破壊を禁じます。
【6】仲間の誰かを殺したクロは"卒業"となりますが、自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません。
【7】生徒内で殺人が起きた場合は、その一定時間後に、生徒全員参加が義務付けられる学級裁判が行われます。
【8】学級裁判で正しいクロを指摘した場合は、クロだけが処刑されます。
【9】学級裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、クロだけが卒業となり、残りの生徒は全員処刑です。
【10】コロシアイ合宿生活で同一のクロが殺せるのは、2人までとします。


【通信簿および親愛度】

・【超高校級の飼育委員】櫻木真乃……1.0【DEAD】
・【超高校級の占い師】風野灯織……(主人公)
・【超高校級の助っ人】八宮めぐる……0

・【超高校級の保健委員】幽谷霧子……0【DEAD】
・【超高校級のモデル】白瀬咲耶……3.5【DEAD】
・【超高校級の服飾委員】田中摩美々……12.0

・【超高校級の幸運】園田智代子……3.0
・【超高校級の応援団長】西城樹里……3.0【DEAD】
・【超高校級の日本舞踊家】杜野凛世……2.0

・【超高校級のゲーマー】大崎甜花……3.0【DEAD】
・【超高校級のスタイリスト】大崎甘奈……1.0【DEAD】

・【超高校級のギャル】和泉愛依……2.0

・【超高校級の???】浅倉透……0【DEAD】
・【超高校級のディベート部】樋口円香……6.0
・【超高校級の帰宅部】市川雛菜……12.0
・【超高校級の学級委員】福丸小糸……12.0【DEAD】


4: ◆zbOQ645F4s 2021/06/05(土) 14:39:26.94 ID:XSsZlqvc0
【コトダマ】

【かくれんぼ】
〔かくれんぼのルール
1.オマエラは鬼となって、オマエラの中に潜む裏切り者を探してもらいます。
2.見つけ出した裏切り者をぶっ殺します。
3.裏切り者をオマエラが殺した場合、学級裁判は行われずそのままコロシアイ合宿生活はおしまいとなります。
4.みんなで協力して裏切り者をぶち殺して仲良くなりましょう。
5.なお、このかくれんぼにはモノクマは参加しません。

以上のルールが今回の動機として設けられた。白瀬咲耶の殺害において、この条件は満たされたことにならず、学級裁判が行われることになった〕

【モノクマファイル4】
〔被害者は白瀬咲耶。死亡推定時刻は16時20分ごろ。音楽室のステージ上で殺害された模様。目立った外傷はなく、犯人と争った形跡もない。事件発生当時、現場ではスプリンクラーが作動しており、死体も頭からつま先まで全身が濡れてしまっている〕

【スプリンクラー】
〔音楽室に備え付けられているスプリンクラー。煙を感知し、火元の消化のために水を散布する。事件当時にも作動していたようで、灯織たちが現場に踏み入った際には現場は水浸しになっていた。〕

【非常電源】
〔音楽室が停電になると起動する。一台で音楽室のすべての設備を維持できるほどの発電力を有している〕

【断線ケーブル】
〔ステージ上に落ちていたケーブルの一部が、途中でちぎれてしまっていた〕


5: ◆zbOQ645F4s 2021/06/05(土) 14:40:23.79 ID:XSsZlqvc0

【フロアライト】
〔ライブステージ上に並べられていたライト。感暗式で、一定の光度以下になると自動で転倒する。電源は電池を使用し、それぞれ独立している〕

【薬品A】
〔音楽室の座席の下に落ちていた薬品の空き瓶。酸素と反応して気化し、無色透明な気体となる。気体を吸引すると催眠性の効果を発揮し、数分で意識を失ってしまう〕

【薬品B】
〔ステージ上に落ちていた薬品の空き瓶。酸素と反応して気化し、無色透明な気体となる。薬品Aと結合すると強い有毒性のガスを発生させ、吸引すると数分で呼吸困難になり、適切な治療を行わなかった場合死に至る。使用後のボトルは特殊な洗浄が必要となるため、使いまわしはできない〕

【ブレーカー】
〔音楽室全体の電力供給をつかさどるブレーカー。レバーを上下させてオンオフを切り替える。かなり高い位置に取り付けられており、灯織たちでは降ろせそうもない〕

【制御室のエアコン】
〔ステージ脇の制御室に取り付けられていたエアコン。16時20分になると起動するようにタイマーが設定されていた〕

【事件当時の状況】
〔愛依と雛菜は観客席の装飾、咲耶はステージ上で、摩美々は制御室で照明の調整をしていた。作業中唐突に煙があがり、咲耶の指示で全員が屈んでいると、煙を感知したスプリンクラーが作動。その直後に照明も落ちてしまう。真っ暗闇の中、咲耶を除いた三名はなぜか意識を失ってしまった〕

【燻煙剤】
〔音楽室に落ちていたもの。開封して着火するとしばらく経った後に自動で煙が発生する。害虫撃退用〕


6: ◆zbOQ645F4s 2021/06/05(土) 14:41:09.53 ID:XSsZlqvc0

【音楽室のエアコン】
〔音楽室のエアコンは壁に取り付けられたパネルで制御されていた。温度は18度と異常なまでに低く設定されている〕

【モノクマの証言】
〔モノクマはその部屋の中で事件が起きている場合、学級裁判に必要な場合は閉まっている鍵であっても特別に開けてくれるらしい〕

【ゴム】
〔音楽室の入り口付近に落ちていた弾力あるゴムのような何か。智代子曰く、「図工室の味がする」らしい〕

【音楽室の扉の鍵】
〔扉下部にいわゆるシリンダー式の鍵がついている。施錠できるのは外側からだけ〕

【ガスマスク】
〔音楽室の入り口付近に落ちていたガスマスク。有害な気体を吸うことを防ぐために使う〕

【ピアノ線】
〔咲耶がライブの前に予備を用意していたらしい〕

【化学室の薬品棚】
〔薬品A,Bが入っていた棚。他にも毒薬の『コトキレルX』が盗難されていた〕

【備品リスト】
〔化学室の薬品について事細かに記載されたリスト。これによると『コトキレルX』は液体の薬品らしい〕

-------------------------------------------------

8: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 15:01:44.29 ID:gNSguuoX0




【学級裁判 再開!】






9: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 15:03:50.48 ID:gNSguuoX0




……どうすればいい?




10: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 15:05:02.63 ID:gNSguuoX0

今の私は、何ができる?何をすればいい?


モノクマ「田中さんの筋が通らなかったとき、田中さんにはこの合宿生活の存続を妨げた罰としておしおきさせてもらうから!」

摩美々「……!!」

愛依「ちょっ……なんで、おしおき……!?」

智代子「そ、そんなのおかしいよ!摩美々ちゃんは誰も殺してないのに!」


咲耶さんの遺書。それはあまりにも信憑性がすさまじく、私は摩美々さんの推理に圧倒されるばかりだった。議論の流れを指をくわえて見守ることしかできず、気づけばここまで来た。


モノクマ「このコロシアイ合宿生活はただのデスゲームじゃないんだよ!それぐらいの責任は負ってもらわないと、みんなが納得しないんだよ!」

円香「……みんな?」

摩美々「……そのぐらいの覚悟、摩美々にないと思いましたー?」

灯織「摩美々さん……っ!」


今、摩美々さんは私たちを背負って立ち、モノクマと単身闘おうとしている。
咲耶さんの遺志を継いで、この合宿生活を終わらせるために……矛盾を叩きつけようとしている。


モノクマ「クックックッ……いいねえ、自分の命も厭わない。ライオンに噛まれたインパラみたいな目をしてるよ」

摩美々「……」


11: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 15:06:01.12 ID:gNSguuoX0

摩美々さんは、咲耶さんに倣って自分の命を懸けて戦っている。
なら、私にすべきことは摩美々さんの戦いを見守り続けること……?


モノクマ「オマエがそこまで覚悟を決めてるなら、ボクもそれに答えないとね!」

摩美々「……」


……なら、この胸のざわつきは何?
咲耶さんの自殺、それは事件の前から確定していて……摩美々さんはそれを知ったうえでこの計画を立てた。それに矛盾はない、ないはずなんだけど……


モノクマ「『白瀬咲耶は自殺をした。かくれんぼの条件を自分で自分を殺害したという形で満たした。だけどボクはそれに気づかず学級裁判を開いている』この三点を糾弾したいってことで合ってる?」

摩美々「そうですねー」


……なんで、モノクマはあんなに冷静なの?
自分自身のルール違反だなんて、そんなのモノクマが一番嫌いそうなのに……


摩美々「モノクマ自身のルール違反を指摘させていただきますー」

モノクマ「じゃあ最後にもう一回だけ確認するよ?オマエは糾弾に失敗した場合その時点でおしおき決定。それでもボクのルール違反を指摘する?」


……このまま黙っていたら、摩美々さんは本当に自分の命を懸けてしまう。
私は、それでいいの?

……これが最後のチャンスだ。
私しか、それをできる人はいない。

12: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 15:07:30.83 ID:gNSguuoX0
-------------------------------------------------


【私が選ぶべきなのは……】


・異議を唱える
・異議を唱えない


↓1
-------------------------------------------------

13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/06/06(日) 15:09:12.17 ID:dPCmWlpC0
異議あり!

14: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 15:10:07.82 ID:gNSguuoX0

摩美々「だから、そうするって言ってるじゃ……」

【灯織「異議あり!」】反論!



摩美々「はぁ……?」

灯織「あ、そ、その今のは……学級裁判ということもあり裁判の形式に従ったと言いますか……その……」

摩美々「そんなの別にいいケド、ここに来て異議を唱えるってそれどういう意味か分かってるのー?」

灯織「……はい」

摩美々「咲耶の遺志、そして私の覚悟を否定するかもしれない……その可能性が分からないわけじゃないよねー」

灯織「……もちろんです。ですが、私もここで止まるわけにはいかないんです!」

灯織「もし、摩美々さんが無為に命を落とすことがあれば……一生悔やんでも悔やみきれません」

灯織「私があなたをここで止めて見せます!」


15: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 15:11:41.04 ID:gNSguuoX0
-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】

【コトノハ】
‣【薬品A】
‣【薬品B】
‣【モノクマファイル4】
‣【ガスマスク】
‣【備品リスト】
‣【かくれんぼ】


摩美々「咲耶は自殺したんだよー」

摩美々「まず薬品Aを開封して、座席に隠しておく」

摩美々「その後で燻煙剤を焚くことで有毒な煙が発生していると思わせてー」

摩美々「しゃがむように指示して、私たちにガスを吸わせて眠らせるー」

摩美々「音楽室も密室にしておいてー」

摩美々「誰の邪魔もないままに自殺したんですよー」

-------------------------------------------------
【発展!】

灯織「確かに自殺までの流れの論理は通っていますが……」

灯織「咲耶さんの取った自殺の方法には疑問が残っています!」

-------------------------------------------------

摩美々「何言ってんのー」

摩美々「どうやって自殺したのかももう明らかじゃーん」

摩美々「咲耶は【化学室の薬品を飲んだ服毒自殺だった】んだよー」

摩美々「化学室の棚にあった薬品が【一つ減ってた】のは灯織も確認したよねー?」

摩美々「もういいですかー?」

摩美々「咲耶は自殺だった、それは揺るがぬ真実だよー」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ60以上で論破しろ!】

【スキル:意地っ張りサンセットと摩的・アンチテーゼの効果が発動します】

【コンマの数値が+25されます】

↓1
-------------------------------------------------

16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/06/06(日) 15:18:41.99 ID:lpuX0YfG0
【化学室の薬品を飲んだ服毒自殺だった】に【ガスマスク】

17: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 15:21:55.49 ID:gNSguuoX0
摩美々「ガスマスクは薬品Aの吸引対策でしょー?」

摩美々「咲耶の死因の服毒自殺とはなんら矛盾しないと思うケド」

(……咲耶さんの服毒自殺を否定するには、毒を飲んだことを否定しないと駄目……)

(何か矛盾はないか……なんとしても見つけないと……!)

-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】

【コトノハ】
‣【薬品A】
‣【薬品B】
‣【モノクマファイル4】
‣【ガスマスク】
‣【備品リスト】
‣【かくれんぼ】


摩美々「咲耶は自殺したんだよー」

摩美々「まず薬品Aを開封して、座席に隠しておく」

摩美々「その後で燻煙剤を焚くことで有毒な煙が発生していると思わせてー」

摩美々「しゃがむように指示して、私たちにガスを吸わせて眠らせるー」

摩美々「音楽室も密室にしておいてー」

摩美々「誰の邪魔もないままに自殺したんですよー」

-------------------------------------------------
【発展!】

灯織「確かに自殺までの流れの論理は通っていますが……」

灯織「咲耶さんの取った自殺の方法には疑問が残っています!」

-------------------------------------------------

摩美々「何言ってんのー」

摩美々「どうやって自殺したのかももう明らかじゃーん」

摩美々「咲耶は【化学室の薬品を飲んだ服毒自殺だった】んだよー」

摩美々「化学室の棚にあった薬品が【一つ減ってた】のは灯織も確認したよねー?」

摩美々「もういいですかー?」

摩美々「咲耶は自殺だった、それは揺るがぬ真実だよー」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ60以上で論破しろ!】

【スキル:意地っ張りサンセットと摩的・アンチテーゼの効果が発動します】

【コンマの数値が+25されます】

↓1
-------------------------------------------------

18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/06/06(日) 15:24:50.87 ID:IQCyATDe0
【一つ減ってた】に【備品リスト】

20: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 15:26:58.56 ID:gNSguuoX0
摩美々「むしろ灯織がその備品リストをよく見直すべきなんじゃなーい?」

摩美々「薬品が減ってたことは事実でしょ?」

(くっ……このリストに書かれている薬品のうち一つ、それが化学室から無くなっていたことは事実)

(……ん?このリストを見直す……?)

-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】

【コトノハ】
‣【薬品A】
‣【薬品B】
‣【モノクマファイル4】
‣【ガスマスク】
‣【備品リスト】
‣【かくれんぼ】


摩美々「咲耶は自殺したんだよー」

摩美々「まず薬品Aを開封して、座席に隠しておく」

摩美々「その後で燻煙剤を焚くことで有毒な煙が発生していると思わせてー」

摩美々「しゃがむように指示して、私たちにガスを吸わせて眠らせるー」

摩美々「音楽室も密室にしておいてー」

摩美々「誰の邪魔もないままに自殺したんですよー」

-------------------------------------------------
【発展!】

灯織「確かに自殺までの流れの論理は通っていますが……」

灯織「咲耶さんの取った自殺の方法には疑問が残っています!」

-------------------------------------------------

摩美々「何言ってんのー」

摩美々「どうやって自殺したのかももう明らかじゃーん」

摩美々「咲耶は【化学室の薬品を飲んだ服毒自殺だった】んだよー」

摩美々「化学室の棚にあった薬品が【一つ減ってた】のは灯織も確認したよねー?」

摩美々「もういいですかー?」

摩美々「咲耶は自殺だった、それは揺るがぬ真実だよー」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ60以上で論破しろ!】

【スキル:意地っ張りサンセットと摩的・アンチテーゼの効果が発動します】

【コンマの数値が+25されます】

↓1
-------------------------------------------------

21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/06/06(日) 15:30:29.70 ID:IQCyATDe0
【一つ減ってた】に【薬品B】

22: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 15:33:32.69 ID:gNSguuoX0
摩美々「いや、減ってた薬は『コトキレルX』、薬品Bとは別物でしょー?」

摩美々「小手先で誤魔化そうったってそうはいかないからー」

(摩美々さんの言う通り、薬品周りの事実に矛盾はない……)

(なら、現場との間に何か矛盾はなかったかな……)

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【反論ショーダウン開始!】

【コトノハ】
‣【薬品A】
‣【薬品B】
‣【モノクマファイル4】
‣【ガスマスク】
‣【備品リスト】
‣【かくれんぼ】


摩美々「咲耶は自殺したんだよー」

摩美々「まず薬品Aを開封して、座席に隠しておく」

摩美々「その後で燻煙剤を焚くことで有毒な煙が発生していると思わせてー」

摩美々「しゃがむように指示して、私たちにガスを吸わせて眠らせるー」

摩美々「音楽室も密室にしておいてー」

摩美々「誰の邪魔もないままに自殺したんですよー」

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【発展!】

灯織「確かに自殺までの流れの論理は通っていますが……」

灯織「咲耶さんの取った自殺の方法には疑問が残っています!」

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摩美々「何言ってんのー」

摩美々「どうやって自殺したのかももう明らかじゃーん」

摩美々「咲耶は【化学室の薬品を飲んだ服毒自殺だった】んだよー」

摩美々「化学室の棚にあった薬品が【一つ減ってた】のは灯織も確認したよねー?」

摩美々「もういいですかー?」

摩美々「咲耶は自殺だった、それは揺るがぬ真実だよー」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ60以上で論破しろ!】

【スキル:意地っ張りサンセットと摩的・アンチテーゼの効果が発動します】

【コンマの数値が+25されます】

↓1
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23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/06/06(日) 15:38:01.83 ID:7IMnY3heO
化学室の薬品を飲んだ服毒自殺だった に モノクマファイル4

25: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 15:41:47.52 ID:gNSguuoX0
摩美々「モノクマファイルには、死因の記載はなかった……」

摩美々「でもそれは薬品Bを使った殺害と錯覚させるためにモノクマが仕組んだ計略なんじゃないの?」

(流石は摩美々さんだ……理屈の練合では負けてしまう……)

(服毒自殺が不可能だった、行われていない……そういった明確な根拠をぶつけないとだめ……だよね)

(『コトキレルX』を飲むという自殺方法……薬品の特徴……?)

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【反論ショーダウン開始!】

【コトノハ】
‣【薬品A】
‣【薬品B】
‣【モノクマファイル4】
‣【ガスマスク】
‣【備品リスト】
‣【かくれんぼ】


摩美々「咲耶は自殺したんだよー」

摩美々「まず薬品Aを開封して、座席に隠しておく」

摩美々「その後で燻煙剤を焚くことで有毒な煙が発生していると思わせてー」

摩美々「しゃがむように指示して、私たちにガスを吸わせて眠らせるー」

摩美々「音楽室も密室にしておいてー」

摩美々「誰の邪魔もないままに自殺したんですよー」

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【発展!】

灯織「確かに自殺までの流れの論理は通っていますが……」

灯織「咲耶さんの取った自殺の方法には疑問が残っています!」

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摩美々「何言ってんのー」

摩美々「どうやって自殺したのかももう明らかじゃーん」

摩美々「咲耶は【化学室の薬品を飲んだ服毒自殺だった】んだよー」

摩美々「化学室の棚にあった薬品が【一つ減ってた】のは灯織も確認したよねー?」

摩美々「もういいですかー?」

摩美々「咲耶は自殺だった、それは揺るがぬ真実だよー」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ60以上で論破しろ!】

【スキル:意地っ張りサンセットと摩的・アンチテーゼの効果が発動します】

【コンマの数値が+25されます】

↓1
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26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/06/06(日) 15:43:57.78 ID:7IMnY3heO
化学室の薬品を飲んだ服毒自殺だった に 備品リスト

27: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 15:45:12.23 ID:gNSguuoX0

灯織「見つけた……!」

【BREAK!】

灯織「……そうだ、やっぱりおかしいですよ」

灯織「咲耶さんが服毒自殺をした……だとしたら現場には矛盾が生まれてしまいます」

摩美々「……どういうことー?」

灯織「摩美々さんも確認したと思いますが、こちらの化学室の備品リストを再度確認してもらえますか?」

灯織「ねえ、めぐる……なくなってた薬品がどんな特徴だったかはめぐるも一緒に確認したよね?」

めぐる「うん、無くなってたのは確か……飲むと全身の麻痺が最初に引き起こされて、やがて心臓も麻痺して死んじゃう液体の毒薬……だったよね」

灯織「じゃあめぐる、その薬を飲むためにはどうすればいい?」

めぐる「え?液体だから……直接ボトルから飲んだり、コップに入れたり?」

めぐる「……あっ!」

灯織「そう、現場にそんなものは残って無かったよね?」

凛世「お待ち下さい……」

凛世「ステージ上には、薬品Bの容器がありました……盗難された薬品と、薬品Bとの間で中身の入れ替えが行われた可能性はないのですか……?」

愛依「そっか……それならボトルに入れて持ち込めるし、ずっと誰が持ち込んだかナゾだった薬品Bのボトルの意味も説明できんじゃん!」

灯織「いや……その可能性はないと思うよ」

凛世「……何故、でしょうか」


【正しい選択肢を選べ!】

・ボトルの使いまわしはできないから
・薬品Bがまだ入っていたから
・毒薬が空気にさらすと固まってしまうから


↓1

28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/06/06(日) 15:46:21.25 ID:lpuX0YfG0
ボトルの使いまわしはできないから

29: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 15:48:05.93 ID:gNSguuoX0

灯織「これです!」

【解!】

灯織「薬品Bのボトル自体にその証拠が残ってるよ」

智代子「ボトル自体に……?」

雛菜「あ~!ラベルに書いてある~!」

雛菜「『本薬品は強い毒性があります。使用後のボトルは速やかに廃棄し、他の液体を保存するのには用いないでください』だって~♡」

灯織「咲耶さんが自殺する意思があったとはいえ、イレギュラーな事態を引き起こす恐れがある方法で毒薬を持ち込みはしないはずです」

摩美々「……そ、それはー」

灯織「現場に毒薬を入れたと思われる容器がない以上は、化学室から持ち出された毒薬を飲んで自殺したとは考えづらいんです」

愛依「えっ……!?それじゃあ咲耶ちゃんは、自殺じゃないってわけ?!」

灯織「……その可能性はあると思います」

モノクマ「あれ?これもしかして、田中さんのボクへの挑戦もお流れする感じですか?」

摩美々「……」

摩美々「いったん保留でー」

モノクマ「あれま!それなら仕方ないね!」

30: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 15:49:13.37 ID:gNSguuoX0

摩美々「でも別に私は咲耶の自殺を否定する気はないよー?」

摩美々「灯織が示したのはあくまで服毒自殺の否定であって、他にも自殺の方法はあるかもしれないしー」

(摩美々さんはあくまで自殺を譲る気はない……)

(摩美々さんだけに、咲耶さんは自身の秘密を明らかにしていた上にあの遺書……)

(私が摩美々さんでも、そうなると思う)

(でも、摩美々さんの推理を否定しないと前に進めないはずなんだ……!)

愛依「こ、これって結局どっちなん?!咲耶ちゃんは自殺だったの?!他殺だったの?!」

雛菜「でもやっぱり状況からすると他殺の方が自然じゃないですか~?」

凛世「しかし、自殺でも成立するのもまた事実です……」

めぐる「わたしは灯織の意見を信じるよっ!」

智代子「でも、化学室の薬品の盗難は見逃せないし……」

灯織「だからそれはいま説明した通り……」

円香「せっかく遺書があるのに、それを信じないの?」

摩美々「……咲耶」


【モノクマ「真実は二つに一つー!」】対立!

-------------------------------------------------

モノクマ「おやおや、これはデジャブってやつじゃないかい?!」

モノクマ「咲耶さんの死について、他殺か自殺かの議論……つい先ほど見たばかり、ですが!」

モノクマ「議論とは有為無常!状況は常に変わり行くものなのです!」

モノクマ「さあ、己の真実を信じてぶつかりあえー!」

31: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 15:50:49.33 ID:gNSguuoX0
-------------------------------------------------
【意見対立】

【議論スクラム開始!】

「白瀬咲耶は自殺だ!」vs【白瀬咲耶は他殺だ!】

愛依「咲耶ちゃんは密室を作って自殺を妨げられないようにしてたんだよ!」

凛世「咲耶さんは、薬品Aを用いて室内のみなさんを眠らせ……誰の邪魔も入らぬ中、その命を絶たれたのです……」

智代子「化学室で盗まれた毒薬……やっぱりあれは見逃せないよ!」

円香「咲耶さんの遺書の内容と事件はなんら矛盾していない……だったら自分の自殺を利用してモノクマに矛盾を突きつけようとしたんじゃないの?」

摩美々「今もコロシアイ合宿生活が続いてるっていうのが咲耶が自殺だったことの何よりの証拠でしょー?」

-------------------------------------------------
意見スロット
【毒薬】
【かくれんぼ】
【密室】
【遺書】
【薬品A】
-------------------------------------------------

【意見スロットを正しい順番に並び替え、敵スクラムを向かい討て!】

↓1

32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/06/06(日) 15:52:38.64 ID:7IMnY3heO
密室 薬品A 毒薬 遺書 かくれんぼ

33: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 15:55:29.96 ID:gNSguuoX0

愛依「咲耶ちゃんは密室を作って自殺を妨げられないようにしてたんだよ!」
【灯織「めぐる!」
 めぐる「密室は咲耶じゃなくても作れたし、殺人のために利用した可能性もあるよ!」】

凛世「咲耶さんは、薬品を用いて室内のみなさんを眠らせ……誰の邪魔も入らぬ中、その命を絶たれたのです……」
【灯織「雛菜!」
 雛菜「それは他殺でも成り立つ話ですよね~、目撃者を作らないため、とか~?」】

智代子「化学室で盗まれた毒薬……やっぱりあれは見逃せないよ!」
【灯織「めぐる!」
 めぐる「毒薬が盗まれてるのは事実だけど、現場に毒薬を持ち込むのは困難だよ!」】

円香「咲耶さんの遺書の内容と事件はなんら矛盾していない……だったら自分の自殺を利用してモノクマに矛盾を突きつけようとしたんじゃないの?」
【灯織「ここは私が!」
 灯織「遺書の内容と今回が自殺だったかどうかは直接関係しません……自殺だった明確な証拠とは言えないです!」】

摩美々「今もコロシアイ合宿生活が続いてるっていうのが咲耶が自殺だったことの何よりの証拠でしょー?」
【灯織「ここは私が!」
 灯織「かくれんぼのルール、まだ抜け道があるのかもしれません!」】

-------------------------------------------------
【CROUCH BIND】

【SET!】

【コンマの合計値200以上で相手のスクラムを打ち破れ!】

※スキル:意地っ張りサンセット・摩的アンチテーゼの効果は対象外です

↓直下より五回連続でコンマ判定(連投可)


34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/06/06(日) 15:56:42.30 ID:lpuX0YfG0

40: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 15:59:29.62 ID:gNSguuoX0

【30+91+23+99+88】

【コンマ合計値331】

【全論破】

「「「これが私たちの答えだよ!」」」

【BREAK!】


灯織「……摩美々さん、今回の事件の状況は自殺でも、他殺でも成り立つ条件が多いです」

摩美々「……」

灯織「だからお願いです……もう少しだけ、議論をさせてもらえませんか?」

灯織「咲耶さんの遺志を継ぐためにも、私たち全員が納得した形で学級裁判を終わらせたい。そう思うんです」

摩美々「……仕方ないですねー」

(摩美々さん……!)

摩美々「この合宿生活を終わらせるのはもう少しだけ先送りにしてあげますー」

摩美々「その代わり、摩美々も納得できる結論にもっていってよねー」

灯織「も、もちろんです……!」

(よし、議論をつなぎとめることができた……!)

41: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 16:01:03.96 ID:gNSguuoX0

愛依「ってことは、こっから先は自殺か他殺かの話を詰めていくってことでいいんだよね?」

凛世「しかし、現場の状況はそのいずれでも成立するような条件ばかり……」

凛世「ここからどうやって導けばよいのでしょうか……?」

智代子「うーん……どっちかだと成立しない矛盾があれば、話は早かったんだけど……」

めぐる「あっ!それだったらずっと気になってることを聞いてもいいかな?」

灯織「めぐる?」

めぐる「停電だよ!」

めぐる「さっき摩美々は自殺を主張するときに、摩美々たちの行動を制限するために停電を起こしたって言ってたけど……」

めぐる「どうやって停電を起こしたのかなーって!」

凛世「電力を過剰に使いすぎたことに由来するのではないでしょうか……?」

モノクマ「言っておくけど、そんなちゃちな理由じゃ停電は起きないよ!」

モノクマ「この学園には最新鋭の設備を導入してるからね!並大抵の電力使用じゃブレーカーを落とすなんて無理無理の無理久保です!」

42: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 16:01:44.70 ID:gNSguuoX0

円香「……なら、直接ブレーカーを落とすしかないんじゃない?」

智代子「でも、煙が発生した時咲耶ちゃんはステージの上だよ?」

雛菜「代わりに制御室にいたのは~?」

摩美々「……」

愛依「ま、摩美々ちゃん?!」

灯織「……流石に、モノクマ相手に命を賭けようとまでした摩美々さんが停電を起こしたとは思い難いです」

凛世「では、摩美々さんのほかに……どなたか制御室に隠れていらっしゃったのでしょうか……」

めぐる「もしかして、円香が潜んでたんじゃないかな?!」

円香「……はぁ?」

灯織「いや、あの部屋には隠れるような空間はないし……流石に誰かいたら摩美々さんも気づいてたと思う」

愛依「ん~?だったら誰がブレーカーを落とすの?」

(そうだ……今回の犯人は何かしらの方法を使って、制御室にいない状態でブレーカーを落としたんだ)

(そのトリックを明らかにしない限り……真相にはたどり着けない……!)

(考えろ……考えるんだ……!)


43: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 16:02:48.86 ID:gNSguuoX0
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

【コトダマ】
‣【音楽室のエアコン】
‣【ピアノ線】
‣【モノクマファイル4】
‣【モノクマの証言】
‣【ブレーカー】
‣【音楽室の扉の鍵】


めぐる「停電を起こすには【ブレーカーを落とす必要がある】よ!」

めぐる「どうしてブレーカーは落ちちゃったのかな?」

雛菜「≪設備が老朽化してた≫んですかね~?」

智代子「ケーブルが切れてたこととなにか≪関係ある≫のかな?」

円香「本当はブレーカーは落ちてなくて、≪照明の電源が切られてた≫だけなんじゃない?」

愛依「ブレーカーを落とすんならその場に【絶対いなきゃなんない】し……」

愛依「もしかして……ブレーカーを落としたのは摩美々ちゃんの≪もう一つの人格≫的な?!」

摩美々「ちょっとー、変なキャラ付けはやめてよねー」


【正しいコトダマか議論中の発言で論破もしくは同意しろ!】

↓1
-------------------------------------------------

44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/06/06(日) 16:04:46.03 ID:/J4PFlFB0
絶対いなきゃなんない に 音楽室のエアコン

45: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 16:08:48.63 ID:gNSguuoX0
モノクマ「ちょっと!並みの電力使用じゃブレーカーは落ちないって今言ったよね!」

モノクマ「ボクの学園を悪くいうのは許さないよ!」

(……ガヤが入ってしまった)

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

【コトダマ】
‣【音楽室のエアコン】
‣【ピアノ線】
‣【モノクマファイル4】
‣【モノクマの証言】
‣【ブレーカー】
‣【音楽室の扉の鍵】


めぐる「停電を起こすには【ブレーカーを落とす必要がある】よ!」

めぐる「どうしてブレーカーは落ちちゃったのかな?」

雛菜「≪設備が老朽化してた≫んですかね~?」

智代子「ケーブルが切れてたこととなにか≪関係ある≫のかな?」

円香「本当はブレーカーは落ちてなくて、≪照明の電源が切られてた≫だけなんじゃない?」

愛依「ブレーカーを落とすんならその場に【絶対いなきゃなんない】し……」

愛依「もしかして……ブレーカーを落としたのは摩美々ちゃんの≪もう一つの人格≫的な?!」

摩美々「ちょっとー、変なキャラ付けはやめてよねー」


【正しいコトダマか議論中の発言で論破もしくは同意しろ!】

↓1
-------------------------------------------------

46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/06/06(日) 16:11:02.98 ID:XF7bcd5T0
【絶対いなきゃなんない】に 【ピアノ線】でしょうか

47: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 16:12:27.22 ID:gNSguuoX0

灯織「それは違います!」

【BREAK!】

灯織「制御室にあったブレーカーは最近では珍しいレバー式のブレーカーです」

めぐる「そうだったね!ブレーカーは上下に動かせて、上にある時にONで、下にある時にOFFなんだ!」

灯織「ボタン式ならその場にいないとブレーカーを落とすことはできませんが……レバー式なら、レバーを下に動かすことさえできれば落とすことは可能ですよね?」

雛菜「確かにそうだけど~、レバーを下に動かすなんてどうやってやるの~?」

灯織「ピアノ線だよ……!こちらをレバーに括りつけておけば、ピアノ線を引っ張るだけでレバーを下げることが可能になる!」

愛依「ピアノ線……?」

凛世「音楽室ならば、調達も容易でしょう……糸としての強度も申し分なく……」

凛世「トリックに使うにはうってつけと言って過言なきものかと……」

摩美々「まぁ、不可能じゃないと思うケド……肝心のピアノ線を使ったそのトリックはどういうトリックなのー?」

摩美々「まさか部屋の外から糸を引く、なんて言わないよねー?」

灯織「……おそらく、犯人はレバーと反対側を別のものに括りつけたんだと思います」

灯織「括りつけた先のものが勝手に作動して、ピアノ線を巻き取るように動かすことで、力を伝達させたのではないか、と」

めぐる「別のものに、括り付ける……?」

摩美々「その様子だと、その【別のもの】とやらもわかってるみたいだねー」

灯織「……はい」

摩美々「それじゃあ示してもらおっかー」

摩美々「犯人は、どうやって制御室のブレーカーを落としたのかー」


【正しいコトダマを選べ!】

>>4~6

↓1

48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/06/06(日) 16:15:34.98 ID:/J4PFlFB0
制御室のエアコン

49: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 16:16:48.80 ID:gNSguuoX0

灯織「これです!」

【解!】

灯織「制御室の空調ではないでしょうか?」

愛依「空調……?」

灯織「制御室の空調は音楽ホールとは別に動いていて、タイマーが設定されていました。16時20分に起動するように」

智代子「16時20分って……咲耶ちゃんが死んじゃった時間とおんなじだよね!」

灯織「家庭用の一般的な空調と同じ型になっているので、時間になると噴出孔が開く仕組みになっています」

灯織「その際に開くパネルにピアノ線を括り付けていれば……」

灯織「連動してピアノ線を引っ張ることも可能なのではないでしょうか!」

摩美々「……途中までブレーカーを下ろした状態で、ピンと張りつめて結ぶようにしたら確かにタイマーと共にレバーが落ちる仕掛けが作れるかもしれないですねー」

雛菜「ピアノ線は透明だから、仕掛けには気づきにくいですしね~」

智代子「この仕掛けなら……制御室にいなくてもブレーカーを落とすことが可能になるね!」

円香「……むしろ、音楽室にいなくてもブレーカーを落とすことが可能になる」

円香「空調のタイマーさえ設定してしまえば、あとは放っておくだけ。アリバイ作りにはもってこいじゃない?」

めぐる「そっか……密室の外からでもブレーカーが落とせちゃうんだ……!」

50: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 16:18:20.14 ID:gNSguuoX0

摩美々「……問題は、誰がその仕掛けを作ったのかってことだケド」

灯織「……」

(今言った仕掛けを実行するには、あのブレーカーに手が届くことがそもそもの条件)

(ただ、あのブレーカーは私たちでは手が届く高さではなく……)

(一番背の高かった咲耶さんでようやく、といった高さだった……)

雛菜「ん~、でも雛菜たちじゃブレーカーにそもそも手が届かないんでしたよね~」

めぐる「咲耶が作った仕掛けじゃなかったとしたら……」

めぐる「あっ!そうだ!制御室の椅子を使ったんじゃないかな!」

めぐる「ほら、あの椅子の上に立てば誰でも手が届くんじゃないかな?」

摩美々「残念だけど、あの椅子は床に固定されてるから動かせないんだよねー」

雛菜「もしかして、円香先輩が何かしたんじゃないですか~?」

円香「……はぁ?」

雛菜「例えば犯人を肩車したとか~」

円香「……そんなわけないでしょ、そもそも音楽室の中で私を目撃した?」

凛世「手詰まり、でございます……」

(身長の問題……これをどうにかしない限りは……トリックを証明できない……!)

愛依「そ、それじゃあ……咲耶ちゃん以外誰もできなくね……?」

智代子「うーん、制御室には他に【踏み台】になりそうなものもなかったよね……?」


51: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 16:19:04.05 ID:gNSguuoX0

(…………)

(……【踏み台】?)

灯織「待って……!もしかすると、わかったかもしれない……」

めぐる「えっ?!ひ、灯織……それホント?!」

灯織「……うん、この仕掛けを作るうえで大事なのは、身長の問題なわけだけど」

灯織「犯人はある物を【踏み台】にすることで、自分の身長をブレーカーとエアコンに手が届くまでに調節したんだよ」

摩美々「ある物……?」

めぐる「ひ、灯織!そのある物って……!?」

(犯人が踏み台に使った【ある物】は、制御室に持ち込むのを見られても誰も不審に思わないものだ)

(一定の高さと強度を持ったうえで、その要件を満たすものは……あの音楽室の中ではあれしかない……!!)

-------------------------------------------------
【ひらめきアナグラム開始!】


ボ/―/ス/ッ/ク/ラ/―/ク


【正しい順番に並べ替えろ!】

↓1
-------------------------------------------------

52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/06/06(日) 16:19:43.17 ID:LLFsavAH0
クーラーボックス

55: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 16:21:05.34 ID:gNSguuoX0

灯織「そうか……わかりましたよ!」

【COMPLETE!】

灯織「クーラーボックスですよ……!あの時現場で踏み台に使えたのはそれしかありません!」

愛依「クーラーボックスって……ドリンクを入れてた?!」

めぐる「クーラーボックスならある程度の強度はあるし、乗っても壊れることはなさそうだね!」

灯織「私たちがライブ中に飲む飲み物を淹れておいたクーラーボックス、あれを作業中の皆さんに配るという名目があればクーラーボックスを持ち歩いて制御室に持ち込んだとしてもおかしくありません!」

灯織「制御室で作業中だった摩美々さんにその場でドリンクを手渡した後、適当な理由をつけて部屋の外に出してしまえば後はクーラーボックスの上に立って仕掛けを作れます」

摩美々「……!!」

灯織「これで停電のトリックも実現可能だと明らかになりました!」

摩美々「……灯織」

灯織「摩美々さん……わかったんですね」

摩美々「このトリックが使われたとなると……犯人もおのずと絞られる」

摩美々「咲耶の死の真相、灯織がいなかったら気づかないままだったかもしれない……」

摩美々「灯織、ありがとう」

(……あの時真実を探ることをあきらめなかったから、ここまで来れた)

(もう真相は目の前……咲耶さんの死に残された謎はもうあとわずか)

(咲耶さんを殺害した犯人の姿は……もう見えている)

灯織「……いえ、咲耶さんの真意を知れたからこそ、私もここまで来れました」

灯織「だからこそ、今ここで!私は真実を明らかにします!」

灯織「咲耶さんを殺害した犯人は……あなたです!」



【クロを指摘しろ!】

↓1

56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/06/06(日) 16:21:30.54 ID:/J4PFlFB0
りんぜ

57: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 16:23:11.30 ID:gNSguuoX0

灯織「あなたしか……いない!」

【解!】

灯織「凛世……あなた、なんだよね」

凛世「……」

めぐる「り、凛世……?」

灯織「犯人が停電のトリックに使ったクーラーボックス、あれを管理していたのは凛世」

灯織「ドリンクを配り歩いていたのも凛世だし、音楽室から持ち出したのも凛世だった」

凛世「……」

灯織「クーラーボックスを踏み台として利用できたのは、凛世だけなんだよ」

智代子「そ、そんな……そんなの……」

智代子「り、凛世ちゃん、違うよね?!灯織ちゃんの勘違いだよね?!」

智代子「だって凛世ちゃんが……凛世ちゃんが誰かを殺すなんて……そんなのあるわけがないよね?!」

凛世「……」

58: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 16:23:56.14 ID:gNSguuoX0

凛世「……はい、凛世は殺害など、しておりません……」

灯織「凛世……」

凛世「濡れ衣でございます……そんな、クーラーボックスのみで攻められようとは……了承しかねます……!」

凛世「そもそも、停電を凛世が引き起こしたとて……咲耶さんをいかに殺害するというのですか……?」

智代子「そ、そうだよ!咲耶ちゃんの死因を忘れてるよ!」

智代子「毒ガスを吸ったわけでもない、毒薬を飲んだわけでもない……だったら咲耶ちゃんはどうやって死んじゃったっていうの?!」

灯織「そ、それは……」

摩美々「灯織、落ち着いて考えればいいよー」

灯織「摩美々さん……」

摩美々「ここから先は摩美々も力を貸すから、一緒に考えよっかー」

摩美々「死体には目立った外傷もなく、凛世が現場にいなくても行える殺害方法……何があると思うー?」

(外傷をつけるわけでない、本人がその場にいなくても可能な殺害方法……)

(もう一度現場を振り返ろう……どんな殺害方法が考えられる……?)

-------------------------------------------------

【ひらめきアナグラム開始!】


し/ん/ん/で/か


【正しい順番に並べ替えろ!】


↓1
-------------------------------------------------

59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/06/06(日) 16:24:45.55 ID:lpuX0YfG0
かんでんし

63: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 16:25:33.28 ID:gNSguuoX0

灯織「そうか……わかりましたよ!」

【COMPLETE!】

灯織「感電死……凛世は、咲耶さんを電気で殺害したんじゃないでしょうか」

めぐる「かんでん、し……?」

凛世「……!?」

灯織「死因としては珍しいものですが、時折テレビの報道で見かけることがあります……」

灯織「体内に高電圧の電流が流れたことにより、体組織が破壊されたり、臓器が損傷したりしてその結果死に至る……と」

智代子「か、感電死って……そ、そんなの……どうやって?!」

智代子「現場に凛世ちゃんはいなかったって、灯織ちゃんが一番よく知ってるよね?!咲耶ちゃんの体にどうやって電気を流したっていうの?!」

灯織「咲耶さんは現場にあった、ある物に振れたことによって感電したんだ……」

(感電したからには、電気を放出しているある物に振れたことが死因になったはず……)

(それはもう、今までの議論でも登場していた……あれだ)


【正しいコトダマを選べ!】

>>4~>>6

↓1

64: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/06/06(日) 16:26:31.83 ID:LLFsavAH0
断線ケーブル

65: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 16:27:30.89 ID:gNSguuoX0

灯織「断線していた照明系統のケーブル……そこから感電したんだよ」

智代子「け、ケーブル……!?」

摩美々「これまでの議論でも何度も出て来たとおり、事件当時音楽室は停電状態で非常電源が作動してたよねー?」

摩美々「そこから直接電力を供給するケーブルの一部が何者かの手によって切断されていた……」

摩美々「つまりその切断面からは漏電しまくりだったんだー」

めぐる「事件当時は音楽室ではスプリンクラーが作動してたから咲耶も体はびしょびしょになってたし……いつも以上に感電しやすくなってたはずだよ!」

雛菜「水には電気がよく通りますからね~」

灯織「死因としてはこれまでの議論を見ても、最も有力なはずだよ」

凛世「お待ち下さい……たとえ漏電していても、それに咲耶さんが触れるかどうかは不確実でないでしょうか……」

凛世「咲耶さんの行動を、犯人は掌握していたとでも仰るのですか……?」

灯織「……」

灯織「凛世の言う通りだよ……」

凛世「ご理解いただけて何よりです……」

凛世「人の行動など、完全に掌握することはかないません……」

灯織「いや、私が凛世に同意したのは犯人が咲耶さんの行動を掌握していたという点だよ」

凛世「……!?」

灯織「犯人はある物を使って咲耶さんの行動を誘導して、断線していたケーブルに体を接触させたんだ」

凛世「そ、そんなもの……あるはずが……」

(停電状態で真っ暗闇の音楽室……)

(その状態で咲耶さんのとる行動はある程度予測がつくはず……)

(そうなると、誘導するためにはあれを使ったはず……)

凛世「論より証拠……実証していただきましょう……」

凛世「凛世が、如何様に咲耶さんを操ったのか……!」


66: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 16:29:18.24 ID:gNSguuoX0
-------------------------------------------------
【パニックトークアクション開始!】


凛世「成りません……」【防御力40】
凛世「詭弁でございます……」【防御力45】
凛世「枉惑はおやめくださいませ……」【防御力50】
凛世「凛世は潔白でございます……」【防御力55】
凛世「疑うは信ずるより易し……」【防御力60】


【盾の防御力をコンマで削り取れ!】

【スキル:意地っ張りサンセットと摩的・アンチテーゼの効果によりコンマ値が+25されます】

↓直下より五回連続判定(連投可)

67: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/06/06(日) 16:29:52.95 ID:LLFsavAH0

68: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/06/06(日) 16:30:06.52 ID:/J4PFlFB0

69: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/06/06(日) 16:30:47.74 ID:LLFsavAH0
すっす!

70: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/06/06(日) 16:31:06.11 ID:lpuX0YfG0

71: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/06/06(日) 16:31:07.01 ID:/J4PFlFB0

72: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 16:33:40.98 ID:gNSguuoX0
【コンマ判定 95 52 74 11 01】

【スキル効果を合算します】

【最終判定 120 77 99 36 26】

-------------------------------------------------
【パニックトークアクション開始!】


凛世「成りません……」【BREAK!】
凛世「詭弁でございます……」【BREAK!】
凛世「枉惑はおやめくださいませ……」【BREAK!】
凛世「凛世は潔白でございます……」【防御力19】
凛世「疑うは信ずるより易し……」【防御力34】

(あと少し……)

(なんとしても、凛世の防御を切り崩す……!)


【盾の防御力をコンマで削り取れ!】

【スキル:意地っ張りサンセットと摩的・アンチテーゼの効果によりコンマ値が+25されます】

↓直下より2回連続判定(連投可)

73: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/06/06(日) 16:34:03.40 ID:lpuX0YfG0

74: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/06/06(日) 16:34:16.01 ID:LLFsavAH0

75: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 16:38:06.98 ID:gNSguuoX0

【コンマ判定 40 01】

【スキル効果を合算します】

【最終判定 65 26】

【残り防御力がスキル効果よりも少なくなったため、自動で進行します】

-------------------------------------------------

灯織「理論武装を、打ち破る……!」

凛世「まだ、まだ……退際ではございません……!」



【凛世「凛世が、咲耶さんの行動を誘導することなど不可能です……」】


フ/ライ/ロア/ト


【正しい順番に並び替えて、コンマ値70以上でとどめをさせ!】

【スキル:意地っ張りサンセットと摩的・アンチテーゼの効果によりコンマ値が+25されます】

↓1
-------------------------------------------------

76: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/06/06(日) 16:38:49.51 ID:lpuX0YfG0
フロアライト

78: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 16:40:19.47 ID:gNSguuoX0

灯織「これで終わりです!」

【BREAK!】

灯織「停電が起きて、それがなかなか直らないとき……そんな時、皆さんならどうしますか?」

愛依「うーん、うちの家はちょっと年季入ってるからたまにブレーカーも落ちるんだけど……」

愛依「そーいう時はスマホかなんかの明かりを使って、ブレーカーの様子を見に行くかな……?」

灯織「そう、明かりを頼りに電力の復旧を目指して動くはずなんです」

めぐる「明かりを……頼りに……」

めぐる「あっ!フロアライト!あれって、死体を発見した時も点いてたよね?!」

摩美々「もともとはステージ演出用だったけど、停電中は一番の道しるべになるよねー」

摩美々「ステージの床に固定されて、右から左まで一定間隔に並んでた」

摩美々「制御室はステージ脇だったわけだし、咲耶がライトを頼りに歩くことは創造に容易いんじゃないー?」

雛菜「その道中にケーブルを置いておけば、それに接触するように細工もできるかもしれませんね~」

凛世「……」

灯織「現場にすべては残されていた……私たちが咲耶さんの遺体を発見した時の状況に、凛世の犯行計画のすべてのピースが揃っていたんだ……!」

めぐる「それに今思ったら、事件現場に足を踏み入れた時のあの焦げたみたいな匂い……」

めぐる「あれも咲耶が感電した時の匂いだったんだね?!」

雛菜「電気が肉体を通ると火傷しちゃうらしいですからね~」

凛世「だ、だとしても……凛世は、凛世は……!」

灯織「……まだ、認めてくれないんだね」

智代子「灯織ちゃん……!」

灯織「わかった、それなら凛世のために、チョコのために……事件のすべてをはじめから振り返って、それで終わりにする」

灯織「事件をすべて明らかにすれば……それが可能だったのは凛世だけだってきっとわかるから……!」

(そうだ、終わりにしなくては……)

(この事件を正しい形で終えること)

(それが咲耶さんの、摩美々さんの意志に報いることになるんだから……!)

80: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 16:41:35.98 ID:gNSguuoX0
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【クライマックス推理開始!】

【act.1】

灯織「今回の事件はかなり計画的なものでした。事の始まりは、動機提供……【かくれんぼ】の開始が宣言した日にまで遡ります。【かくれんぼ】で通達されたのは、私たちが【裏切り者】を殺害した場合にコロシアイ合宿生活をその時点で終了するというもの」

灯織「この話を聞いた、【裏切り者】の一人である咲耶さんは、自分の命を利用してコロシアイ合宿生活を終わらせる計画を思いつきます。自分の手で自分を殺す、自殺という方法を選ぶことで【裏切り者】を殺害したと主張すれば、ルールに従ってコロシアイを終わらせられると考えたんです」

灯織「その計画を思いつくや否や咲耶さんは同じユニットの仲間である摩美々さんのもとを訪ね、自分自身が裏切り者であるということ、そしてコロシアイを終わらせるための自殺を考えていることをすべて赤裸々に語りました。咲耶さんにとって、一番信用できる相手、自分の死後を託すことができる唯一の相手であった摩美々さん……彼女がその時に味わった感情は私には想像もつきません」

灯織「ですが、この夜のやり取りは間違いなく、二人の心に一つの覚悟をさせたのは疑いようもありません。だからこそ、摩美々さんはこの裁判の場でモノクマへの真っ向勝負を挑む意思を固めたんです」

灯織「……そしてその一方で、別の覚悟を抱く人間もいました。それが今回の犯人です。偶然にも咲耶さんが裏切り者であるという情報を耳にしてしまった犯人は、咲耶さんの自殺願望……そしてそれを知っている摩美々さんを盾にして犯行を行うことを思いついたんです」


【act.2】

灯織「翌日咲耶さんは私たちに対してライブの開催を提案します。自殺を考えているからこそ、最後に私たちとの思い出を作りたかったのか……今となってはわかりません。ですが彼女が【裏切り者】であったとはいえ、私たちを本当の意味で裏切っていたとは今も思えないんです……」

灯織「ライブの会場となったのは音楽室。樋口さんを除いた全員で翌日に備えてロケハンを行い、設備の確認を行うとその日はそれで解散。準備は翌日に持ち越されたわけですが……おそらく犯人の準備はこの日の晩から始まっていました」

灯織「犯人がやったのは電源ケーブルの切断です。これは停電が起きて非常電源が起動したときでも、照明だけは点かないままにするため。そして咲耶さんを感電させる凶器とするためでした」

灯織「続いて、化学室で今回の事件に持ち込む道具の調達です。犯人が調達したのは、咲耶さん以外を気絶させるための薬品A。死因のミスリードのための薬品B。そして、自殺の可能性をほのめかすための毒薬です。摩美々さんの咲耶さんの自殺に対する心構えを利用するために、服毒自殺に見せかけるための毒薬だったわけですが……結果としてそれが失敗。だって液体の毒薬を持ち込むには容器が必要なんですから」

灯織「そのことに気づかなかった犯人は、別の容器を用意することもなく中身の入っていない薬品Bのボトルだけを置いて、そのまま出て行ってしまいました。二重のミスリードを仕掛けようとした結果、見落としを作ってしまった犯人の急所になってしまったんです」


81: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 16:42:49.67 ID:gNSguuoX0
【act.3】

灯織「そして迎えたライブ当日。犯人は最初は食堂で私たちのライブ中に摂る飲食物の準備に携わりました。これはおそらく、踏み台としてクーラーボックスを利用するため。制御室でのトリックのための下準備はこの時から始まっていたんです」

灯織「団扇を作り終えた私たちと共に、犯人は一度音楽室を訪れます。クーラーボックスを肩にかけた犯人は自然な流れで準備中のみなさんにドリンクを渡していき、その流れのまま制御室に足を踏み入れます。適当な理由をつけて制御室にいた摩美々さんを追い出した後は、トリックの準備」

灯織「本来犯人の身長では手が届かない高さにあるブレーカー。ですが犯人は持ち込んだクーラーボックスを踏み台にすることで高さの問題をクリア。ブレーカーを途中まで降ろした状態にしておいて、レバーにピアノ線を括り付ける。そのままピアノ線の反対側は、ぴんと張った状態になるように長さを調節したまま、空調設備のパネルに括りつけて準備完了」

灯織「あとはタイマーさえ設定しておけば、時間が来て空調が起動するのと同時にレバーも降りる仕掛けが成立するんです。これで犯人はその場にいなくとも音楽室の電源を落とすことが可能になり、アリバイが成立するようになるわけです」


【act.4】

灯織「おそらくこれも犯人の計画の内だったんでしょう。私たちは四階の音楽室に来る際に、チュロスを持ってきていないことに気づき、急いで食堂へと戻ることになります。おそらくこれは、私たちを分断するため。そして犯人自身が現場を離れることでアリバイを作り出すため。二重の目論見があったんだと思います」

灯織「あとは退室の直前に薬品Aを開封しておいておく。空気より重たい気体を発生させるので、この段階で誰かが吸ってしまうリスクは低い。そして、タイミングを見計らって燻煙剤を点火だけすれば勝手に仕掛けが進んでいきます。燻煙剤の着火から発煙までのタイムラグで食堂へと犯人は移動。煙が出始めたところでトリックが本格的に動き出します」

82: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 16:43:55.94 ID:gNSguuoX0
【act.5】

灯織「突然の煙に動転した摩美々さん、愛依さん、雛菜さんたちは咲耶さんの指示通り煙を吸わないように身をかがめる。それと同時に煙は音楽室の消火設備に感知され、スプリンクラーも作動。そして16時20分になれば制御室の空調も起動。ピアノ線でつながれたレバーが降ろされたことで音楽室は真っ暗闇へ」


灯織「摩美々さん、愛依さん、雛菜さんは何が起きているのかもわからないままに薬品Aを吸うことになりそのまま意識を失ってしまいます。一方、ステージの上で他三人より高いところにいた咲耶さんは薬品Aを吸わずに済んだので意識があるまま。むしろ他の三人の返事が無くなったことで更なるパニックになっていたかもしれません」

灯織「一寸先も見えないほどの暗闇。そんな中で考えるのは、照明の復旧。前日のロケハンで非常電源の存在を認知していた咲耶さんは、非常電源を起動するためにフロアライトの明かりを道しるべに歩いていきます。実はこの時点で非常電源は正常に作動していたのですが……前日に犯人が照明系統のケーブルを切断していて、照明が点いていなかったがために咲耶さんはそのことに気づきませんでした」

灯織「でも、そのフロアライトは非常電源への道しるべであることに加えて、天国への道しるべでもありました。犯人はフロアライトの作るその道中、非常電源につないだままにしておいた断線済みのケーブルを置いておいたんです。暗闇の中、足取りは慎重になる。もしかすると、触角を頼りに触れるものすべてを探りながら歩いていた可能性すらあります」

灯織「咲耶さんが、ケーブルに触れてしまう可能性は誰の目に見ても高く……そして実際咲耶さんは……触れてしまったんです」

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灯織「そうして現場にいなくとも咲耶さんを殺害できてしまうトリックを実行したのは……」

灯織「凛世……あなただったんだね……」

【COMPLETE!】




83: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 16:44:55.18 ID:gNSguuoX0

灯織「凛世……どうかな?間違ってるなら、指摘してほしい」

凛世「……」

灯織「私だって、凛世が犯人でないなら……それが一番だから」

凛世「……」

智代子「凛世ちゃん……違う、よね……?」

凛世「……すべては、決しました」

智代子「……そん、な」

凛世「凛世は……すべてを、認めます……灯織さんの、みなさんの導いた推理……」

凛世「凛世はご指摘の通りの犯行を、実行いたしました……」

灯織「……そう、だったんだね」

めぐる「で、でもどうして?!」

めぐる「なんで咲耶のことを殺しちゃったの?!」

めぐる「凛世だって、咲耶のことが大好きだったよね……?!」

凛世「……今回の、動機でございます……」

摩美々「【かくれんぼ】だよねー……」

凛世「先ほど摩美々さんも語っておられた、咲耶さんの【裏切り者】であるという自白……凛世も通りすがりに耳にしてしまっていたのです……」

凛世「裏切り者ならば、凛世がやらねば……凛世が殺害せねば……その義務感にかられたのです……」

智代子「凛世ちゃん……そんなに抱え込んで……」

84: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 16:45:43.41 ID:gNSguuoX0

凛世「ライブの話を聞いた時より、此度の犯行を計画しておりました……」

凛世「ライブの話を、咲耶さんから持ち寄られた際に、事細かに会場の情報を尋ね……」

凛世「犯行に利用可能なものを探し、計画を練りました……」

めぐる「空調の設定、燻煙剤の仕掛け、停電の仕掛け……かなり計画的だったよね……」

凛世「はい、凛世一人では……とても計画が立てられず……」

摩美々「……やっぱり、円香だったんだ」

円香「その様子だと勘づいていらっしゃったんですか?」

摩美々「……まぁねー、密室制作の最後のピース。接着剤を注入したのは円香じゃないと成立しないからー」

愛依「そっか……そん時凛世ちゃんたちは相互に監視状態だったわけだし、フリーだったのは円香ちゃんだけか……」

円香「まぁ、私が協力したのは些細なところですけど」

円香「犯行計画に助言したのはしましたけど、基本準備は凛世がやったし……」

円香「あとはせいぜい裁判中の発言ぐらい?」

(……やっぱり今回の事件でも樋口さんが関与していたんだ)

(……ん?)

凛世「凛世は樋口さんと共にこの犯行計画を企て……」

灯織「ちょっと待って!」

智代子「ひ、灯織ちゃん……?」

灯織「凛世……それっておかしいよね……」

愛依「え?ど、どしたん?」

灯織「樋口さんが凛世に協力する……それっておかしいよ……」

めぐる「え?で、でも円香はコロシアイに意欲的だったよね?!」

めぐる「二人が協力関係でもおかしくないと思うけど……」

灯織「今回に限ってはそうはいかないんだよ……!」

(今回の事件で樋口さんが協力するのが矛盾である証拠を示そう……)


【正しいコトダマを選べ!】

↓1

85: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/06/06(日) 16:47:12.82 ID:/J4PFlFB0
かくれんぼ

86: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 16:48:12.77 ID:gNSguuoX0

灯織「これです……!」

【解!】

灯織「今回の動機、かくれんぼですよ……!」

灯織「かくれんぼでは、私たちのいずれかが裏切り者である咲耶さんを殺害した場合、このコロシアイ合宿生活が終了するというルールが提示されていました」

摩美々「……それってー」

灯織「そしてそれが発表されたとき、コロシアイ合宿生活の存続を希望する樋口さんは不用意に私たちに手を出しづらくなったはずです」

円香「……」

雛菜「万が一殺した相手が裏切り者だった場合、コロシアイ合宿生活が終わっちゃうので雛菜たちを皆殺しにするチャンスが無くなっちゃいますもんね~」

灯織「だから、裏切り者を今から殺そうとしている凛世に協力する理由が樋口さんには全くないはずなんです……!」

凛世「そ、それは……」

摩美々「……これってどういうことー?」

めぐる「ほ、ホントは咲耶は裏切り者じゃなかった……とか?」

灯織「いや、流石に本人の発言が嘘だとは思いづらいよ……」

(これは……どういうこと……?)

摩美々「咲耶が裏切り者であるがゆえに生じる矛盾はもう一つ、この合宿生活自体もそうだよー」

摩美々「凛世が裏切り者の殺害に成功したのに、かくれんぼのルールが適用されてない」

愛依「ど、どういうこと?!何が起きてるわけ?!」

モノクマ「……」

(【裏切り者】をめぐる矛盾……これは一体どういうことなの……?)


87: これで安価は最後になります ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 16:49:22.36 ID:gNSguuoX0
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【ロジカルダイブ開始!】


Q1.白瀬咲耶は本当に裏切り者だった?
A.裏切り者だった B.裏切り者ではなかった

Q2.どうしてコロシアイ合宿生活が終わっていない?
A.咲耶が自殺だったから 
B.かくれんぼによる合宿生活終了条件を満たしていないから 
C.モノクマがルール違反をしているから

Q3.かくれんぼの条件の内、どれを満たすことができなかった?
A.「オマエラの中に潜む」裏切り者をオマエラの手で殺害する
B. オマエラの中に潜む「裏切り者」をオマエラの手で殺害する
C. オマエラの中に潜む裏切り者を「オマエラの手で」殺害する
D. オマエラの中に潜む裏切り者をオマエラの手で「殺害する」


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

↓1

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88: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/06/06(日) 16:50:26.17 ID:LLFsavAH0
ABC

90: お疲れ様でした。 ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 16:52:20.07 ID:gNSguuoX0

灯織「推理はつながりました……」

【COMPLETE!】

灯織「そうか……そういうことだったんだ」

灯織「樋口さんの不自然な協力、コロシアイ合宿生活が終わらない理由……そのいずれも一つの仮説で説明がつく……」

めぐる「……仮説?」

灯織「もう一度かくれんぼにおけるコロシアイ合宿生活の終了条件を確認しましょう」

灯織「ここを見てわかるように、コロシアイ合宿生活を終わらせるには……『私たちが私たちの中に潜む裏切り者を殺害すること』が条件になっています」

愛依「う、うん……」

灯織「ここでは明らかに『私たち』と『裏切り者』が区別されてることがお判りでしょうか」

雛菜「ん~?それはそうですよね~」

愛依「違ったら……どうなんの?」

摩美々「……!!そ、そんな……!!」

灯織「摩美々さんもお気づきになられましたか……」

灯織「この条件を信じるのなら……コロシアイ合宿生活を終わらせずに裏切り者を殺害する方法が一つだけあるんです」

めぐる「合宿生活を終わらせずに、裏切り者を……?」

灯織「裏切り者が、裏切り者を殺害するんだよ……!」

めぐる「ふむふむ……裏切り者が、裏切り者を……」

めぐる「えーーーーーーーーっ?!」

愛依「ちょ、ちょい待ちちょい待ち!裏切り者は咲耶ちゃんなんだよね?!」

愛依「裏切り者が裏切り者を殺害って、それってつまり自殺ってことにならん?!」

灯織「いえ……必ずしもそうなるとは限りません」

灯織「そもそも私たちは前提からして間違えていたんですよ……今回の事件の犯人が凛世である以上、残された可能性はただ一つ」

灯織「凛世自身も、【裏切り者】だったんですよ……」

91: お疲れ様でした。 ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 16:53:08.44 ID:gNSguuoX0

智代子「り、凛世ちゃんが……裏切り者……?」

円香「……」

灯織「モノクマは何も裏切り者が一人だなんて明言していない……咲耶さんだけじゃなかったんです」

智代子「そ、そんなのありえないよ……!り、凛世ちゃん……!」

摩美々「それに、さっきの凛世の話の矛盾もそれで解決できるんだー」

愛依「ムジュン……?」

摩美々「私が咲耶が裏切り者だって話を聞いたのは私の部屋での出来事だったのでー」

摩美々「個人の部屋は全部完全防音じゃないですかー、通りすがりに話を聞くなんて不可能なんですよー」

愛依「そっか……それも凛世ちゃんがもともと裏切り者だったなら解決……」

愛依「同じ裏切り者なら、立場を知っててトーゼンなんだ……!」

凛世「何から何まで、お見通しでございますね……」

智代子「凛世……ちゃん……」

凛世「灯織さんの仰る通り……凛世は、ここでの生活が始まった時より……モノクマさまと内通しておりました……」

摩美々「……」

92: お疲れ様でした。 ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 16:53:58.88 ID:gNSguuoX0

モノクマ「ぶひゃひゃひゃひゃ!杜野さんの言う通り!」

灯織「も、モノクマ……!」

モノクマ「オマエラが仲良しこよししてた間も、オマエラの中にはボクの手先の白瀬さんと杜野さんが紛れ込んでいたんだよねー!」

モノクマ「それなのに協力だのなんだのって面白くて仕方ないよ!」

凛世「違います……!」

灯織「……凛世?」

凛世「凛世は、確かに間者としての任を受けておりました……」

凛世「ですが、凛世の心は常に皆さんと共に……決して、皆さんにコロシアイを強いりたかったわけではないのです……」

(……え?)

凛世「そもそも、裏切り者として与えられた仕事は……皆さんの動向調査、そして……」

凛世「万が一、事件が一度も怒らない場合は……モノクマさまに見せしめ代わりに殺されることの二つのみでした……」

めぐる「み、見せしめ?!」

愛依「そ、そんなのって……!」

凛世「真乃さんが、事件を起こしたこともあり……その任からは解かれることになりましたが……」

摩美々「咲耶も、同じことを言われていたんだねー……」


93: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 16:55:36.01 ID:gNSguuoX0

雛菜「でも、今の話が本当なら確かに裏切り者っていうほど裏切り者でもないですよね~」

円香「……雛菜?」

雛菜「だって、このコロシアイ合宿生活の運営に直接携わってるわけでもないし~」

雛菜「むしろ、モノクマにいいように使われてるだけみたいな~」

摩美々「……咲耶は、恋鐘と三峰を人質に取られて、従われたんだって言ってた」

摩美々「凛世も、そうだったんじゃないの」

凛世「……はい、お察しの通りです」

智代子「……えっ?!そ、それって……」

凛世「果穂さんと、夏葉さんです……」

智代子「か、果穂と夏葉ちゃんが……人質……?!」

凛世「お二人を人質に取られた凛世は無力で……ただ、モノクマさまの傀儡になることしかできず……ここまで参りました……」

灯織「凛世……」

94: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 16:56:27.26 ID:gNSguuoX0

摩美々「でも、それなら……どうして、咲耶を殺したの」

灯織「摩美々さん……」

摩美々「私たちと同じ気持ちだったっていうなら、なんでよりにもよって咲耶を……」

摩美々「同じ裏切り者の、咲耶を殺して……コロシアイ合宿生活を続ける選択をとったのー……?」

凛世「凛世が咲耶さんを手にかけたのは……摩美々さんの仰る通り……このコロシアイ合宿生活を終わらせないため、でした……」

灯織「え……?」

モノクマ「はいはい!そういう長話は投票が終わった後にしてちょーだいね!」

凛世「……!!モノクマさま……」

モノクマ「杜野さんもそれでいいよね?」

凛世「……はい」

(……?)

モノクマ「それにしても田中さんは風野さんに救われたね!あの時異議を唱えてくれなかったら、今頃田中さんは処刑台の上だったよ!」

摩美々「……そうですねー」

モノクマ「さ、一応これは形式上やっとかなきゃなんで……」

モノクマ「オマエラはお手元のスイッチで、犯人と思う生徒に投票してください!」

モノクマ「裁判の結果導き出したクロは正解なのか、不正解なのかー!さあ、どっちなんでしょうかね?」

95: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 16:57:21.17 ID:gNSguuoX0
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    【VOTE】


〔凛世〕〔凛世〕〔凛世〕


 CONGRATULATIONS!!!!



   パッパラー!!!


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96: ◆zbOQ645F4s 2021/06/06(日) 16:58:14.67 ID:gNSguuoX0





【学級裁判閉廷!】







104: ◆zbOQ645F4s 2021/06/08(火) 21:34:19.24 ID:a3uHmeLX0

モノクマ「あっぱれ!オマエラの推理は大正解!裏切り者の白瀬さんを殺害したのは同じく裏切り者の杜野さんだったのです!」

凛世「……」

モノクマ「いやはや、今回の仕込みはみんなびっくりしてくれたみたいだね!裏切り者が二人いるとは思わなかったんじゃないかな!」

灯織「どうして……どうして、こんなことを……!」

モノクマ「どうして?それって杜野さんがオマエラを裏切った理由?それともボクが杜野さんを選んで裏切らせた理由?」

モノクマ「なんであれ深い理由はないよ!まあ強いていうなら、ユニットのメンバーを人質にする仕掛け上、高校生以外のメンバーがいるユニットを選んだってぐらいかな?」

モノクマ「あとは西城さんはお構いなしに歯向かって来そうだし、園田さんはアホっぽいし、田中さんは頭がよく働くし、幽谷さんは例外だし!消去法的なところかな!」

愛依「……許せない」

智代子「モノクマ……絶対に許せないよ……!凛世ちゃんが、モノクマと内通して……毎日どれだけ苦しんでいたか……!」

凛世「智代子さん……」

智代子「凛世ちゃんは悪くないよ!果穂と夏葉ちゃんが人質に取られてたなんて……そんな人間として最低の行為、絶対に許すわけにはいかないよ!」

モノクマ「ぶひゃひゃひゃひゃ!ボクはクマなんだけど!園田さん、視力矯正した方がいいんじゃない?」

灯織「ちがう……チョコの怒りはモノクマの後ろにいる黒幕……あなたに向けられているんだよ」

モノクマ「はぁ……そんなこと言われなくてもわかってるよ。冗談が通じないなぁ」

灯織「冗談だなんて……!人の心をどこまで踏みにじれば気が済むんですか……!」

モノクマ「ぼろきれになるぐらい擦り切れるまでは踏みにじりたいと思う所存です、はい」

めぐる「ひどすぎるよ……!」

めぐる「無理やり裏切らせた上に、関わった人たちの苦しみまで嘲笑うなんて……そんなの!」

105: ◆zbOQ645F4s 2021/06/08(火) 21:35:59.16 ID:a3uHmeLX0

摩美々「……!!」

摩美々「もしかして、咲耶の遺書もモノクマの差し金だったんですかー?」

灯織「えっ……?」

摩美々「あの遺書の内容を鵜呑みにしてしまったからこそ、私は議論を間違った方向に導こうとしてしまった……それがモノクマの狙いだったんじゃないですかー?」

(そうだ……咲耶さんが自殺でなかった以上、摩美々さんの懐に仕込まれていたあの遺書は偽物ということになる)

(そんな非道な偽装工作……モノクマがやったに違いない……!)

モノクマ「いしょ……?」

めぐる「とぼけないでよ!裁判中も議論に出てきてたでしょ!」

モノクマ「んーと……ああ、あれか。あれのことね!」

モノクマ「多分それは杜野さんの方が詳しいんじゃないかな?」

凛世「……っ!」

智代子「そ、そんな……嘘だよ、ね……?凛世ちゃんが、あれを書いたの……?」

凛世「……はい」

灯織「り、凛世が……」

雛菜「ねえ、さっき……自分の心は雛菜たちと常に共にあって、裏切るつもりはなかったって言ってましたよね~」

凛世「……」

雛菜「でも、遺書の偽造はそれに思いっきり矛盾してませんか~?」

雛菜「アンティーカのアイドルが、勝手に勘違いして暴走するように仕向けた……明確に裁判に勝ちに来てるじゃないですか~」

(……!!)

(確かに、そうなる……あれは完全なミスリード……そんな証拠品をでっち上げた時点で凛世は、私たちを欺こうとしていたことになる……)

106: ◆zbOQ645F4s 2021/06/08(火) 21:37:06.62 ID:a3uHmeLX0

智代子「で、でも……生き残るためには、凛世ちゃんも仕方なかったことだし……」

雛菜「雛菜たちと協力するっていう意思表示をしてきたのに~、ここに来て雛菜たちは生きてても死んでてもいいってそれなんかおかしくないですか~?」

智代子「もうやめてよ!」

雛菜「え~?」

智代子「これ以上……凛世ちゃんを苦しめないであげてよ……!」

愛依「チョコちゃん……」

雛菜「……確かに、お友達からすれば雛菜がいじめてるように見えるのかもしれないですけど……ここを明らかにしないのは違うと思うんですよね~」

雛菜「別に雛菜もいじめてるつもりじゃないんです、ただ真実を明らかにしたいのは雛菜も同じなんですよ~」

智代子「で、でも……」

凛世「智代子さん、いいんです……凛世の口から、語らせてください……」

灯織「それって裁判の最後に語ろうとしていた……『コロシアイ合宿生活を続けようとした』ことと関係してるの?」

凛世「……はい」

めぐる「コロシアイ合宿生活を続けたかったってこと……なんだよね?どうして……?」

めぐる「わたしたちと同じ気持ちだったら、むしろ全員生き残ることを目指したかったんじゃないの……?」

凛世「凛世の気持ちが、みなさんと共にあることと……生還を望む気持ちとは、必ずしも同じでないのです……」

円香「……それ、どういう意味?」

凛世「この学園から、生きて出ていくこと……それは死するよりも、残酷なことなのでございます……」

灯織「……え?それってどういう意味……!?」

凛世「……詳しくは、語れません」


凛世はちらりとモノクマの方を見やる。
ということは、核心的なことを話すのは人質のお二人に危害が及ぶ可能性があるということなんだろう。

107: ◆zbOQ645F4s 2021/06/08(火) 21:38:25.85 ID:a3uHmeLX0

凛世「ただ、今コロシアイ合宿生活が終われば……これまでのみなさんの苦しみ、そして想いが……泡沫に散り果てることとなってしまうのです……」

凛世「ここで生活が終わるくらいなら、みなさんをここで……凛世の手で弔いたく、この裁判を起こさせていただいたのです……」

(死以上に苦しむことになる生還……?)

灯織「……凛世は、凛世なりに考えてこの事件を起こしたってことだったんだね」

凛世「……左様です」

めぐる「だとしてもだよ!」

凛世「……めぐるさん?」

めぐる「だとしても……なんで、なんで……わたしたちのことを頼ってくれなかったの!?」

(めぐる……)


めぐるの目からは大粒の涙が流れ落ちていた。
前回の裁判で、私たちは周りのみんなと助け合い、前に進むことを誓い合った。
それに強く賛同してくれた凛世は、私たちを頼らず抱え込んで……そして、この事件を起こしてしまった。
裏切り者であることを打ち明けることは高い高いハードルだ。
でも、もしも……私たちが凛世のことをもっと知っていれば……この事件は防ぐこともできたのかもしれない。


凛世「申し訳、ございません……」

めぐる「……うぅ」


でも、めぐるもわかっている。
人質を取られて、こんなわけのわからない事態に巻き込まれて……
人を信用していても、それを打ち明けるには勇気が……命を投げ出す覚悟も必要になる。
自分の命だけじゃない、他の人の命、大事な人の命だってかかわる問題だ。
凛世を責めることは、できない。

108: ◆zbOQ645F4s 2021/06/08(火) 21:40:18.98 ID:a3uHmeLX0

摩美々「ねえ、円香は今回の事件どこまで知ってたのー?」

円香「……はい?」

摩美々「凛世も言ってたけど、今回の事件にも関与してたんでしょー?」

円香「……ええ、まあ。といっても今回は大したことは。せいぜい音楽室の扉に接着剤を注入したぐらいのもので」

円香「凛世が裏切り者だとは聞いていましたけど、私が頼まれたのはそれくらいでした」

(そう、樋口さんと凛世は……コロシアイを続けるという目的が合致したがゆえに手を結んでいた)

(それなのに、今回の樋口さんの事件へのかかわり方は……思っていたより希薄だ)

灯織「凛世……もしかして、ずっと迷ってたんじゃないかな」

凛世「灯織さん……?」

灯織「というよりも、今も迷ってる……自分の選んだ道について、自分の決断について……その善悪の判断をしかねている。そんな風に見えるんだ」

凛世「……」

凛世「それは、買い被りです……凛世は、醜悪に生に縋っただけ……それ以外でも、それ以下でもございません……」

(凛世はきっとどれだけ言っても認めないだろう。彼女はそういう奥ゆかしい女の子だから)

(だから、このことは胸に刻み付けておこう。凛世がそれを望むのなら、私たちはあえて口には出さない)

(それが凛世を、私たちが信じることになるから)

109: ◆zbOQ645F4s 2021/06/08(火) 21:43:11.60 ID:a3uHmeLX0

モノクマ「さてと、もうそろそろいいですか?他に何か話したいことは?」

智代子「も、モノクマ!ちょっと待ってよ……まだ、まだ!話し足りないよ!」

凛世「智代子さん……」

智代子「凛世ちゃん、一緒に帰ろうって誓ったよね?!樹里ちゃんの気持ちを、命を受け継いで……一緒に生きていこうって言ったよね?!」

智代子「それで、一緒に日常に戻って……また一緒に買い物に行って、おいしいお菓子を食べて……また同じステージに立つって……!」

智代子「こんなお別れなんて……絶対嫌だよ!」

凛世「智代子さん……!」

凛世「凛世も、凛世も……一緒にこれからの時を過ごしたかった……!」

灯織「凛世……」

凛世「ですが、それは叶わない……凛世が、愚かにも……咲耶さんを手にかけてしまったから……」

智代子「……うぅ、そんなの、そんなのって……」

凛世「智代子さん……こんな凛世がお申し付けするのは、道理に沿わぬことですが……一つだけ、お聞き入れいただいても……よろしいでしょうか……」

智代子「……え?」

凛世「断じて行えば鬼神も之を避く……その心を、不惑のままでいれば……智代子さんの行く道に、障害などありません……」

凛世「どうか、うつけの凛世のように……どっちつかずの判断となるのではなく……」

凛世「皆さんを信じ、共に生きていく……その信念を、最後まで通してくださいませ……」

智代子「凛世ちゃん……!」

凛世「そして、摩美々さん……」

摩美々「……何―?」

凛世「摩美々さんにお渡しした咲耶さんの遺書、あれは完全な偽造ではございません……」

摩美々「……え」

凛世「あれは、凛世が新たに別紙に書き写したもの……遺書の原本は、こちらに……」

摩美々「な、なんで凛世が……」

凛世「咲耶さんと凛世は、双方ともに裏切り者であることを承知の上でした……」

凛世「そして、かくれんぼのルール提示のあの日……摩美々さんのもとを訪ねるより先に、咲耶さんは凛世の部屋に……」


110: ◆zbOQ645F4s 2021/06/08(火) 21:44:20.07 ID:a3uHmeLX0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【凛世の部屋】

ピンポーン

凛世「もし……咲耶さん……?」

咲耶「……凛世、話があるんだ」

凛世「……お入りください」

~~~~~~~~~

咲耶「凛世……同じ十字架を背負ったキミにだからこそ、この話をさせてもらうよ」

凛世「【かくれんぼ】について、でございますね……」

咲耶「……モノクマはもう手段を択ばないところまで来ている。摩美々や灯織の活躍もあって、私たちの団結力はすさまじいものになっているからね」

凛世「はい……霧子さんの裁判では……胸打たれる演説を……」

咲耶「だからこそ、脱出という餌をつるして無理やり事件を起こそうとさせている」

凛世「はい、脱出などと……モノクマさまの策謀が」

咲耶「私もできることならみんなを脱出させてあげたい」

凛世「……っ?」

(このとき、凛世は悟りました……コロシアイ合宿生活【終了の意図】は、咲耶さんには伝えられていないということに)

111: ◆zbOQ645F4s 2021/06/08(火) 21:45:17.11 ID:a3uHmeLX0

咲耶「でも、彼女たちの手を汚すわけにはいかない……ここを出た後の人生に大きく影を落とすことになってしまう」

(ですが、そのことを咲耶さんに伝えることはできず……モノクマさまに、口止めをされていましたから……)

咲耶「だから私は……自らその命を絶とうと思っている」

凛世「じ、自害……ということですか……」

咲耶「ああ、私が自分の命を懸ければ……自分で自分を殺害すれば、裏切り者を殺害するという条件を満たすことができるはず、そう思ってね。なんたって理屈っぽいモノクマのことだ、押し切れなくはない」

咲耶「もし失敗したとしても、この動機は流れて……彼女たちが殺人に手を染める可能性は再び下げることができるはずだ」

(凛世は咲耶さんの話を聞きながら思考をしておりました……)

(咲耶さんの意志は固い、しかし……このままコロシアイ合宿生活を終わらせてしまえば、それは咲耶さんも望まない結末を迎えてしまう……)

(凛世のなすべきことは、なんなのか……)

咲耶「だから凛世、キミにこれを託したい」

凛世「こちらの書状は……」

咲耶「私の遺書だ。私が自殺を終えたその時、みんなの前で読み上げてほしい。中には私が裏切り者であったこと、そして私からみんなに伝えたいメッセージがかかれている」

咲耶「同じく裏切り者のキミにこれを託すのは、少々ずるいことだとは思うんだけどね」

(最後に見せた咲耶さんの笑顔は、もの悲しく……)

(そして、とても美しく、凛世の瞳には映りました……)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


112: ◆zbOQ645F4s 2021/06/08(火) 21:46:13.90 ID:a3uHmeLX0

凛世「ですから、あの遺書に書かれていたのは咲耶さんの真意でございます……」

凛世「咲耶さんは、最後までみなさんのことを……愛しておりました……」

(……咲耶さん)

摩美々「凛世……それでも私は、咲耶を手にかけた凛世のことは許せない」

凛世「摩美々さん……」

摩美々「でもきっと、天国の咲耶は今頃退屈にしてるだろうから……あっちに行ったら、仲良くしてあげてほしいかなー」

凛世「……!!」

凛世「お心遣い、感謝します……」

摩美々「多分咲耶は、気にしてないと思うからさー」


摩美々さんは、そう言って笑った。
泣きながら笑っている。摩美々さんらしい……別れ文句だと思った。


113: ◆zbOQ645F4s 2021/06/08(火) 21:47:53.64 ID:a3uHmeLX0

モノクマ「はいはい、これで話もひと段落かな!」

モノクマ「ふぅ~……ちょっと話させてやろうと思ったらまあまあ長話するんだもん、困っちゃうよね」

智代子「……うっ……うっ」

摩美々「……」

モノクマ「というわけで、お待ちかねのおしおきタイムだよー!」

凛世「牽衣頓足ではございますが……お別れの時です……」

灯織「凛世……」



モノクマ「今回も、超高校級の日本舞踊家である杜野凛世さんのために、スペシャルなおしおきを用意させていただきましたぞ!」



凛世「本当に、申し訳ございませんでした……」

凛世「ですが、うつけ者の凛世に……最後に一つだけ我儘を言わせてもらえないでしょうか……」



モノクマ「それでは張り切って参りましょう!」



凛世「叶うのなら、凛世の墓前には……紫苑の花を……」




114: ◆zbOQ645F4s 2021/06/08(火) 21:49:27.82 ID:a3uHmeLX0





モノクマ「おしおきターイム!」

凛世「紫苑の花言葉は、『あなたを忘れない』ですから……」






115: ◆zbOQ645F4s 2021/06/08(火) 21:50:45.06 ID:a3uHmeLX0
-------------------------------------------------



GAMEOVER

モリノさんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。



-------------------------------------------------

116: ◆zbOQ645F4s 2021/06/08(火) 21:52:29.59 ID:a3uHmeLX0

夜桜……この国が世界に誇る自然の芸術ですね。
人々が篝火を焚き、暖かな光が花弁を照らす。
月明かりの下散りゆく桜色の雪は、いつの時代も私たちの心を掴んで離しません。

しかし、桜の花が散りゆく中で、今にも散り行かんとする命が一つ。
白装束に身を包むのは杜野凛世。
目の前には台の上に置かれた短刀。

殺人という罪に手を染めた彼女、その幕引きは自分の手で引かねばなりません。
古くからこの国に伝わる、【切腹】という作法で。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

凛として散る花の如く

超高校級の日本舞踊家 杜野凛世 処刑執行


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

切腹とは文字通り自分の手で腹を掻っ捌く行為。
並大抵の覚悟では行えません。

____大きく息を吸う。

杜野さんの呼吸に合わせるように脇に控える見届け人モノクマたちが鼓を打ちます。
どうせ見送るなら盛大に。
太鼓を乱れ打ち、盆踊りを踊って、神楽の龍も空に舞う。

杜野さんを和の文化で盛大に見送りましょう。

117: ◆zbOQ645F4s 2021/06/08(火) 21:54:36.03 ID:a3uHmeLX0

_____頬を汗が伝う。

もう逃げ場などありません。
杜野さんの後ろには介錯人が控えています。
下手な気を起こせば即座に首を跳ねられて終わり。

震える体、浅くなる呼吸。
ギュッと目を閉じる。

_____覚悟を、せねばなりません

短刀をその手に持った!そして刃先を自らに向け……

最後に一度、深呼吸。

さらば、現世よ!
ええい、ままよ!






杜野さんがその刃を自分の腹に突き立てようとしたその時でした。

外野の見届け人モノクマたちは盛り上がり過ぎてしまったようです。
いつのまにか酔いも回ってへべれけ状態。

おっと、危ねえ危ねえ転んじまうとこだった。
どうも暗くていけねえなあ、もっと明るくしとくれや。

〽️灯りをつけましょ爆弾に
ドカンと一発 爆殺だ
五人囃子の笛太鼓
今日は楽しい おしおきだ

あーあ、せっかく覚悟を決めたのに……
杜野さんどころか桜の木まで木っ端微塵。

風流もクソもあったもんじゃないね。

-------------------------------------------------

118: ◆zbOQ645F4s 2021/06/08(火) 21:55:40.05 ID:a3uHmeLX0

モノクマ「ひゃっほーーーーう!エクストリーム!」

モノクマ「杜野さんみたいな物静かなインキャも、散り際ぐらいは華々しく!いやぁ、おしおきっていい文化ですね!」

智代子「……りんぜ、ちゃん」


凛世が、処刑された。
目の前で起きた凄惨で衝撃的な光景が目に焼き付いている。
彼女は死の間際、その瞬間まで裏切り者となってしまった自分のことについて責任を感じ、その想いのまま亡くなってしまった。
なんて言葉をかけるべきだったんだろうか。彼女を許してあげるべきだったんだろうか。
そこに正解なんてない。それはわかっているけど、私たちはそのループする思考を止めることができずにいた。


モノクマ「あ、そうだ!一応言っておくと【かくれんぼ】は今回の事件でもうおしまいだからね!」

モノクマ「まぁそもそも裏切り者が残ってないからそれ以前の問題なんですけどね!」

円香「……ふぅん、それ言っちゃっていいんですね」

モノクマ「別に隠すもんでもないでしょ、このコロシアイもそろそろ終盤だしね!」

めぐる「一体いつまで続けるつもりなの……?」

モノクマ「正直いつ終わってもいいっちゃいいんだけどさ……どうせならもうちょっと数を絞ろうかなーって」

灯織「……数を絞る……?」

モノクマ「それにさ、ボクは樋口さんに期待してるんだよ」

円香「……」

119: ◆zbOQ645F4s 2021/06/08(火) 21:56:35.82 ID:a3uHmeLX0





モノクマ「いい加減見せてくれるんだよね?キミの考える【絶望計画】をさ!」






120: ◆zbOQ645F4s 2021/06/08(火) 21:57:32.04 ID:a3uHmeLX0

灯織「絶望、計画……?」

モノクマ「オマエラのことを殺したくて殺したくて仕方ない樋口さんが考えた……オマエラを絶望の渦に落とし込むための計画なんだって!」

めぐる「な、なにそれ……!円香!?」

円香「……ご心配には及びません」

円香「私の方ももうすぐ準備が整いますから」

灯織「樋口さん……どういうおつもりなんですか……!?」

円香「……ふふ、焦らなくてもわかるから」

摩美々「よくこんな状況で笑えますねー……」

円香「とっくの前に宣言したはず、灯織にはね」

灯織「……!!」

円香「私は必ず誰かを殺す、その時は……もうすぐ」

愛依「そ、そんなんって……!」

円香「あなたたちの仲良しごっこも、どこまで続くのか見物ですね」


樋口さんはそうやってモノクマと二人でほくそ笑むと、また我先にと裁判場を後にしてしまった。
残されたのは凛世の死の絶望と、樋口さんの言う計画に対する不安にどっぷりと浸かってしまっている私たち。

121: ◆zbOQ645F4s 2021/06/08(火) 22:00:02.58 ID:a3uHmeLX0

めぐる「円香……どうして、なの……咲耶と凛世の想いも円香には届かなかったの……!?」

灯織「……本格的に、樋口さんは対策を講じなくてはいけませんね」

雛菜「……」

めぐる「……これから、どうすればいいんだろう」



この合宿生活は終わらない。コロシアイは終わらない。
そして、どうしても凛世の犯行理由も気にかかる。
ここでの生活を終わらせることもまた絶望であるのならば、私たちはどこに向かっていけばいいの?


灯織「……」

めぐる「……」

摩美々「……」


もう空元気でどうにかなる話でもなかった。
前まではこんな時に率先して導いてくれた咲耶さんももういない。
……この空気は、覆らない。


そこから、何を話して、何をして、自分の部屋に戻ったのかわからない。
気が付けば私は自分の部屋のベッドに横になっていた。

もういっそ明日なんか来なければいいと思った。
生きても死んでも絶望、そんな生活ならば時計が進まないままでいい。

一生私は今だけのこの空虚な時間で、空気を吸って埃を食べて……人とも言えない状態になり果てる方がましだ。



122: ◆zbOQ645F4s 2021/06/08(火) 22:00:48.49 ID:a3uHmeLX0





「もう……いいよ」






123: ◆zbOQ645F4s 2021/06/08(火) 22:01:43.17 ID:a3uHmeLX0
-------------------------------------------------
【???】

智代子「もう、わたしだけになっちゃった……」

智代子「樹里ちゃん、凛世ちゃん……放クラ、もうわたしだけだよ……?」

智代子「どうして、こんなことになっちゃったんだろう……」

智代子「……」カサッ

智代子「……全然、味がしないや」

智代子「みんなで一緒に食べたお菓子なのに……あんなに大好きだったお菓子なのに……」

智代子「……おいしくない」

-------------------------------------------------

124: ◆zbOQ645F4s 2021/06/08(火) 22:02:31.42 ID:a3uHmeLX0
-------------------------------------------------
【???】

愛依「凛世ちゃんと、咲耶ちゃん……二人は裏切り者だった……」

愛依「二人とも、キョーハクされて、無理やり……」

愛依「でも、それって……人質は無事ってことじゃん……」

愛依「うちらが動機で見せられたビデオの二人も……」

愛依「あさひちゃんと、冬優子ちゃんも……きっと……」

愛依「なら、うちは……うちは……」

-------------------------------------------------

125: ◆zbOQ645F4s 2021/06/08(火) 22:04:18.24 ID:a3uHmeLX0
-------------------------------------------------
【???】

摩美々「……ああ、咲耶の字じゃんこれー」

摩美々「凛世、必死にまねて書いたみたいだけどこうして比較すると全然違うし……」

摩美々「……」

摩美々「ホント、咲耶もバカだよねー……摩美々に託すには荷が重すぎますってー……」

摩美々「はぁ、摩美々は悪い子だからしっかり咲耶のお願い聞くとは限らないのにねー」

摩美々「……」

摩美々「やれるだけのことはやってみてもいいかもねー……」

-------------------------------------------------

126: ◆zbOQ645F4s 2021/06/08(火) 22:05:26.52 ID:a3uHmeLX0
-------------------------------------------------
【???】

雛菜「……雛菜が、やらないと」

雛菜「円香先輩の暴走を止められるのは、雛菜だけ」

雛菜「だって、幼馴染なんだもんね……」

雛菜「他のみんなには、円香先輩のことはきっと……わからないから」

雛菜「雛菜がみんなを守らないと……雛菜が、ケリをつけないと……」

雛菜「雛菜は雛菜のやりたいことだけをやるから」

雛菜「見てて、透先輩、小糸ちゃん」

-------------------------------------------------

127: ◆zbOQ645F4s 2021/06/08(火) 22:06:22.06 ID:a3uHmeLX0
-------------------------------------------------
【???】

円香「……ふふ」

円香「結局あの『コトキレルX』の所在を特定せずに裁判は終わった……」

円香「……やっと、透と小糸のために……私も」

円香「この時を、待ち望んでいた」

円香「煮えたぎるような、溶岩のような……そんな感情をもう押さえつける必要はない」

円香「想いに、殺意に身をゆだねて」

円香「_______ただ私は、獣になり果てる」

-------------------------------------------------

128: ◆zbOQ645F4s 2021/06/08(火) 22:07:24.88 ID:a3uHmeLX0
【???】

「……行こう」

「わたしは灯織みたいに推理したり、難しいことを考えたりはできない」

「でも、きっとそんなわたしでも……わたしだからこそ、出来ることがあるんだよね」

「……うん、決めたよ」

「少しでも悩んだり、苦しんだり、脚を止めたりしている時間があるなら……わたしはその時間で一歩を踏み出す」

「全力で動いて、全力で抗って、全力で立ち向かうんだ……!」

129: ◆zbOQ645F4s 2021/06/08(火) 22:08:37.83 ID:a3uHmeLX0





「それが残ったわたしにできること、なんだよね……真乃」





130: ◆zbOQ645F4s 2021/06/08(火) 22:09:45.00 ID:a3uHmeLX0
-------------------------------------------------

【CHAPTER 04 Marionetteは絶望と眠る】

END

残り生存者数 7人

To be continued...

-------------------------------------------------

131: ◆zbOQ645F4s 2021/06/08(火) 22:10:57.52 ID:a3uHmeLX0

【CHAPTER04をクリアしました!】

【学級裁判クリア報酬としてモノクマメダル52枚を入手しました!】

【CHAPTER04クリア報酬としてアイテム『藁人形』を手に入れました!】
〔CHAPTER04を生き抜いた証。凛世がかつて想い人を投影していた人形は、解れてしまって見る影もない〕

【CHAPTER04クリア報酬としてスキル『水色感情』を習得しました!】
〔学級裁判で不正解時コトダマが減少して正解が導きやすくなる〕


144: ◆zbOQ645F4s 2021/07/21(水) 21:04:32.62 ID:2fsxRw+e0
-------------------------------------------------



GAMEOVER

シラセさんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。



-------------------------------------------------

145: ◆zbOQ645F4s 2021/07/21(水) 21:05:31.75 ID:2fsxRw+e0

さあさあ、今年も始まりました!
モノクマガールズコレクション!

全国の女子高生が注目するこのファッションショーに、なんと!ななななんと!
あの伝説的カリスマモデル、白瀬咲耶が戻ってきたァーーーーーーッ!!!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

殲夜アリア

超高校級のモデル 白瀬咲耶 処刑執行


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

流石は白瀬さん、抜群のスタイルに誰もを唸らせるクールな表情で魅せてくれますね。
ファーストルックからクールにスーツスタイルでキメッ☆
観客の女子高生たちも黄色い歓声をあげます!

146: ◆zbOQ645F4s 2021/07/21(水) 21:06:29.53 ID:2fsxRw+e0

このファッションショーは白瀬さんの独壇場、次々から次へとスタイルチェンジしては何度もランウェイへ。
赤に緑に青に黄、スパンコールにドレスにワンピース。
意匠を凝らした色鮮やかな美しい衣装に身を包み、回転寿司のレーンのように出ては入って出ては入ってを繰り返します。
過酷ですがこれがモデル業!
白鳥が水面下でバタ足をするように、華々しい世界の裏には弛まぬ努力があるのです!
白瀬さんも疲れが溜まってきてはいますが、表情は鉄仮面をつけたかのように崩しません。
ランウェイで表情を崩すのはタブー。笑うなんて持ってのほか。

それがモデルとしての義務であり矜持なのです!

しかし、芸能業界には大きな闇があります。

_______それは『嫉妬』。
堂々とライトを集めれば集めるほどそのライトの下にいない、暗中の少女たちは嫉妬の炎を燃やしてしまうのです。

147: ◆zbOQ645F4s 2021/07/21(水) 21:08:09.99 ID:2fsxRw+e0

ああ、可哀想に寸胴体系に生まれてしまったばかりにモデルモノクマはライトを浴びることはできません。
それなら嫉妬に走っても仕方ないですよね。
白瀬さんもトップモデルですしヒールに細工をされたぐらいじゃ大丈夫なはず……


……あれ?

あらら、ブッサイクに転んじゃってますね。ドレスも破けちゃってあれまあ!
そりゃ観客たちも怒り狂いますよ!
彼女たちが見たかったのはクールビューティ白瀬咲耶。こんな新喜劇みたいなのはお呼びじゃない!

白瀬さんの全身を包み込むのはランウェイのライトなんかではなく、カメラのフラッシュの好奇の光。
光の合間を縫って投げ込まれる観客からの罵声とゴミ。
埋もれるような失望に飲み込まれ、飲み込まれ……






ごみ山の中で誰にも見られることなく、
ボロ切れみたいなドレスを着たままひっそりとスーパーモデルは息を引き取りましたとさ。

154: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 20:56:42.37 ID:W2C/KaPl0
・現在の所持品

【ミネラルウォーター】
【虹色の乾パン】
【色恋沙汰リング】×2
【スカラベのブローチ】×3
【あしたのグローブ】×2
【おでこのメガネ】×2
【はっぱふんどし】×2
【白うさぎの耳あて】
【もちプリのフィギュア】×2
【ラジオ君人形】
【残鉄剣】
【狂戦士の鎧】
【毛虫くん】
【昭和ラジオ】
【黄金のスペースシャトル】
【聖徳太子の地球儀】
【ミレニアム懸賞問題】
【携帯ゲーム機】
【プロジェクトゾンビ】
【動くこけし】
【オブラート】
【スモールライト】
【古代ツアーチケット】×2
【もしもFAX】
【隕石の矢】
【アゴドリル】×2
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ジャスティスV変身ベルト】
【ログインボーナス】

155: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 20:58:48.16 ID:W2C/KaPl0
【ここまでの親愛度】

・【超高校級の飼育委員】櫻木真乃……1.0【DEAD】
・【超高校級の占い師】風野灯織……(主人公)
・【超高校級の助っ人】八宮めぐる……0

・【超高校級の保健委員】幽谷霧子……0【DEAD】
・【超高校級のモデル】白瀬咲耶……3.5【DEAD】
・【超高校級の服飾委員】田中摩美々……12.0

・【超高校級の幸運】園田智代子……3.0
・【超高校級の応援団長】西城樹里……3.0【DEAD】
・【超高校級の日本舞踊家】杜野凛世……2.0【DEAD】

・【超高校級のゲーマー】大崎甜花……3.0【DEAD】
・【超高校級のスタイリスト】大崎甘奈……1.0【DEAD】

・【超高校級のギャル】和泉愛依……2.0

・【超高校級の???】浅倉透……0【DEAD】
・【超高校級のディベート部】樋口円香……6.0
・【超高校級の帰宅部】市川雛菜……12.0
・【超高校級の学級委員】福丸小糸……12.0【DEAD】

-------------------------------------------------

以上です、それでは第5章開始いたします。

156: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 21:00:21.72 ID:W2C/KaPl0





___________一人目は不運に巻き込まれて。







157: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 21:02:41.65 ID:W2C/KaPl0

一人目は不運に巻き込まれて。
突然放り込まれた状況を理解も出来ず、ただわめくうちに仲間を手にかけてしまいました。
まさかそれが、この長い長い物語の始まりになるとも思わずに。

二人目は強さに憧れて。
強さの象徴と弱さの象徴が巡り合ったのは運命のいたずらか。
不思議と引き付けられた二人はみんなが寝静まった夜中に秘密の会合。
二人で強さを語らいます。その結果、二人は強さの倒錯を知り、本当の強き者は本当の弱き者の前に散り果てました。

三人目はエゴイズムに飲まれて。
ただ己が欲求を満たすためだけに二人もの人間を手に駆けました。
想いを同じくした二人の仲を引き裂いて、わざわざ不審者の存在を作り出してまで。
混迷で煙に巻こうとするのは人間の浅ましさか。

四人目は仲間のため。
裏切り続けた罪悪感と自己嫌悪。
自分の心に打ち込まれた楔は日を重ねるごとに大きくなり、やがて心臓もろとも突き破りました。
その結果の選択は仲間を救うと信じて、大きな決断に踏み切ったのです。


五人目は……………………

………………………
………………………
………………………
………………………
………………………
………………………
………………………

158: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 21:03:23.77 ID:W2C/KaPl0





………………………五人目なんか、いたか?






159: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 21:04:22.95 ID:W2C/KaPl0
-------------------------------------------------


CHAPTER05

Die the sky.

(非)日常編


-------------------------------------------------

160: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 21:06:04.25 ID:W2C/KaPl0


…………

……………………

…………………………………………
…………………………………………
…………………………………………
…………………………………………




…………………………………………ダメ。





161: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 21:06:46.88 ID:W2C/KaPl0

灯織「……はぁ」


裁判を終えて、もう動く気力も湧かず。
樋口さんの殺意を食い止める術を考えても、答えが出るはずもなく。
思考の堂々巡りがより一層靄を濃くするばかり。
ただひたすらに夢の世界に篭りたい一心で瞳を閉じ続けてきたけどこれ以上は眠れないらしい。


灯織「……なんだか、お腹が空いたな」


動きたくもないのに、誰かと話したくもないのに。
体は私の意思とは無関係に栄養を欲する。
別に何もいらないけど、眠ることもできそうにない。
むしろ眠るためには何かを口に入れて血糖値をあげたほうがいいかもしれない。


灯織「そういえば今、何時なんだろう」


睡眠も食事もいつのまにか疎かになっていた、モノクマのアナウンスも聞いていないしこの部屋には窓一つない。
もしかしたら夜時間真っ只中なのかもしれない。

……一応、出歩きは禁止だけど。


灯織「……行こうか」


162: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 21:08:42.76 ID:W2C/KaPl0
-------------------------------------------------

【寄宿舎エリア 廊下】


廊下に出ても人の気配はない。みんな寝ているのか、それとも学校エリアにいるのか。

……まあ、いいか。
食堂に行こう。夜時間なら閉鎖されてるだろうから、ダメだった時は倉庫かな。

-------------------------------------------------

【食堂】


ガチャガチャ

ダメ、閉まってる……
やっぱり今は夜時間なんだ。あの事件から、咲耶さんと凛世の死から数えて……何日めなんだろう。

……寝過ぎて頭痛すらする。
考えがまとまらない。

とりあえず、倉庫に行こうかな。

-------------------------------------------------

163: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 21:10:01.89 ID:W2C/KaPl0
【倉庫】

倉庫には生活用品以外にも豊富な食料が保管されている……小糸やチョコとの交流でも確認した通り。
お菓子でもなんでも口に入れるだけならなんとかなるだろう。

大きなあくびをしながら扉を開けた。

……何も考えずに。


愛依「……えっ?!灯織ちゃん?!」

灯織「め、愛依さん?!」


倉庫の扉を開けるとそこには蹲み込んで段ボールの箱を漁る愛依さんの背中があった。


愛依「え、ひ、灯織ちゃん大丈夫なん?!病気とかじゃ……」


私の姿を確認するなり、飛びつかんばかりの勢いで側にやってきて私の手を取った。
寝起きそのままの形で出てきてしまったのに愛依さんが顔をマジマジと見てくるのでよろけてしまった。


愛依「わ、灯織ちゃん?!やっぱチョーシ悪い系?!保健室行く?!」

灯織「い、いえ!そういうわけではないので……」

愛依「そ、そうなん?でも久しぶりに灯織ちゃんの姿見れてマジでよかった〜〜〜!うちらみんな心配してたんだかんね!」

灯織「そ、そうなんですか……?」

愛依「うん!裁判の後から部屋から出なくなっちゃったから……めぐるちゃんとか毎日部屋のインターホンも鳴らしてたと思うんだけど」


そういえば何回か部屋のインターホンが鳴らされていたような気もする。
私はそれにすら耳を閉ざしてしまっていたけれど……あれはめぐるだったんだ。

164: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 21:11:29.29 ID:W2C/KaPl0

愛依「ご飯とかちゃんと食べてる?!睡眠はとってる?!」

灯織「め、愛依さん……ありがとうございます、ご心配をおかけしました」


塞ぎ込んでいたのは……私だけだったみたいだ。
あれだけ周りに希望だなんだの強いて来たのに、結局足を引っ張ってしまっている。情けない限りだ。


灯織「……立ち止まってるだけじゃダメだって、みなさんに偉ぶって伝えてきたのに私が一番できてなかったですね」

愛依「灯織ちゃん……うちが言うのもおかしな話だけどさ、弱い気持ちを隠したり意地張ったりする必要って無いと思う」

灯織「愛依さん……」

愛依「うちらは友達じゃん?」

灯織「はい……すみません、友達……を裏切ってしまうような真似を……」

愛依「いや、それも違う!」

灯織「愛依さん……?」

愛依「灯織ちゃんはうちらのことを考えて考えて……その結果パンクしちゃっただけなんだから何も悪くない!自分のせいだとか考えなくてマジでいいから!」

愛依「灯織ちゃんがしょげてるなら、その分うちらが頑張る!応援するし、支えるから!」

愛依「……ね?ちょっとずつ頑張れれば、それでいいじゃん!」


愛依さんは胸を張ってそう答えた。弱り切った今の私には何より頼もしくて、なによりも嬉しい言葉だ。
ガチガチになっていた心の凝りがほぐれて、モチモチになっていくのを感じる……
私の中で大きな峠を一つ越えたんだろう。

165: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 21:12:37.08 ID:W2C/KaPl0

灯織「愛依さん、私がいなかった間のことを詳しく教えてもらえないでしょうか。……許されるなら、今からでも皆さんと共に前を向いて行きたいですから」

愛依「モチ!……てゆーか、もう来てもらったほうが早いかな」

灯織「……え?」

愛依「今、みんなで体育館にいるんだよね。灯織ちゃんも来てもらったほうが早いかも?」


夜時間に体育館に集まってる……?
なんのために……?


灯織「わ、わかりました……体育館、ですね」

愛依「大丈夫?一緒に行く?」

灯織「い、いえ……大丈夫です!お手数をおかけするわけには……!」

愛依「いやいや、遠慮しなくていいから!うちもどうせ行くんだし!」

灯織「あ、あの……その……」

愛依「?」

灯織「シャワー、浴びてから行ってもいいでしょうか……?」

愛依「あっ……」


166: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 21:14:03.99 ID:W2C/KaPl0
-------------------------------------------------
【体育館】

愛依さんと一旦分かれ、シャワーを浴びてから体育館の扉を開く。
何日も扉を開けていなかった右腕にはその扉は重厚に、そして威圧感を持って感じられた。
中から差してくる光の中に見たのは……

_______モノクマを解体している皆さんの姿?!?!


めぐる「灯織〜〜〜〜〜!!」


驚くのも束の間、正面から抱きついてきためぐるで遮られる。


灯織「め、めぐる……苦しいってば……」

摩美々「お熱いですねー」

めぐる「灯織、大丈夫なの?!心配したよ〜〜!!」

灯織「ご、ごめん……めぐる、もう大丈夫だから。心配かけてごめんね」

めぐる「病気はしてない?!怪我はしてない?!」

灯織「うん、そういうのとはまた違うの……ちょっとだけ、元気がなくなってたけどもう大丈夫だから」

めぐる「本当に?!無理してない?!」

灯織「してない、してないから」


めぐるの目元には涙が携えられていて、私を抱きしめる力も強く。
感情を真正面からぶつけられたような感覚だ。その両腕からじんわりと優しいものが広がるのを感じる。
私はめぐるの頭にそっと右の掌を添えて、撫で下ろした。

167: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 21:15:29.34 ID:W2C/KaPl0

摩美々「ご堪能のところ申し訳ないですケド、灯織にも今の状況を説明したいんだよねー」

灯織「あ、はい!むしろこちらからお願いしたいぐらいで……このモノクマは一体?」

雛菜「あは〜?でも正直雛菜たちにもよくわかってないよね〜?」

灯織「えっ……?」

智代子「うん……凛世ちゃんの裁判が終わった後のことなんだけどね……」

摩美々「いつもと同じように、エリアの開放があってー。その探索をした後はまたいつもと変わらず生活を続けてたんだケド、今朝になって愛依がこの状態のモノクマを発見したんだよねー」

雛菜「もともとアナウンスも流れなくなってておかしいなとは思ってたんだよね〜」

愛依「うちが校内で適当に散策してるとポツンってモノクマがいてさ!マジでビビったんだよね!」


そういえば、今日は朝と晩のアナウンスを聞いてないような気がする。
モノクマがここで動かなくなっていることと無関係なわけ、ないよね……


摩美々「あ、灯織これ渡しとくねー」

灯織「え?これは……?」

摩美々「モノクマの体に入ってた爆弾だよー」

灯織「ば、ばく……?!」

摩美々「ふふー、スイッチは切ってるから大丈夫だよー」


摩美々さんのからかいを受けるのも数日ぶりだな……
それにしても爆弾がモノクマの中に……何を目的として……

168: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 21:16:42.85 ID:W2C/KaPl0

……いや、目的なら知ってる。
実際私も目にしたじゃないか……この学園に来た初日、樹里が単身モノクマに抵抗したあの時。

____もう、そんな樹里はこの世にはいないんだけど。


摩美々「爆弾は置いとくにしても、モノクマの体はかなり緻密な機械設計みたいだよー。詳しいことはわからないけど、運動性能は信じられないほど高いと思う」

智代子「まあ実際あのおしおきをやってるぐらいだもんね……」

灯織「開発費用なんかもかなりかかってそうですね……」

雛菜「その結果やってるのがコロシアイの強要ってわけわかんない〜〜〜!」

摩美々「……まぁ、せっかく灯織に来てもらったことだし5階の調査報告をしとこうかぁ。モノクマに関しては摩美々たちもさっぱりですしー」

灯織「……あ、助かります」

めぐる「はいはい!それじゃあわたしが灯織に教えてあげるね!灯織のために一生懸命調べたんだよ!」

灯織「めぐる……うん、ありがとう」


モノクマのことは気にかかるけど、今はそれよりみなさんに追いつくことが先だよね。
ひとまずめぐるの報告に集中しよう。


灯織「じゃあ、聴かせてもらえる?」

めぐる「うん……あのね!」

______________

__________

______

169: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 21:18:08.71 ID:W2C/KaPl0
-------------------------------------------------
【めぐるの部屋】

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』


朝が来た……
凛世の事件の直後、円香の言い残した絶望計画。
それが頭から離れなくていても経ってもいられず、学校中を夜中は駆け回ってたけど円香の姿は見えず。
わたしが寝不足になっただけで終わっちゃった。

うぅ……わたしは灯織みたいに推理したりできないから、こういう時こそ力にならなきゃなのに……

ううん!だからってへこたれないよ!
諦めない限り、希望はあるって学んだから!
真乃から、みんなから受けついだ絆を果たすんだ!

とりあえずは灯織を起こすところから!


170: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 21:20:17.42 ID:W2C/KaPl0
-------------------------------------------------
【廊下 灯織の部屋前】

めぐる「おはよーーーーーー!!灯織ーーーーーー!!」


インターホンを何度も鳴らしてるのに灯織からの反応はない。
こんなの初めてだよ……灯織はいつも早起きで、わたしと一緒に食堂に行ってるのに……


めぐる「まさか……事件が……!?」


ガチャガチャ!ガチャガチャ!

何度もドアノブを下ろすけど、内側からかけられた鍵が外れることはない。
廊下にはわたしのあくせくと漏らす声と耳障りな音だけが響く。


めぐる「灯織!!返事してーーー!!」

モノクマ「あーもう!ストップ、ストップだよ八宮さん!」

めぐる「モノクマ?!この扉を開けてくれる?!灯織が……灯織が中で……!」

モノクマ「はいはい分かった、分かったから!いったん落ち着いてみよっか!ほら、1から素数を数える!」

めぐる「そ、素数……?えっと、3.141592……」

モノクマ「それは円周率!全然違うよ、せめて自然数とか無理数とかでボケてよ!」


171: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 21:21:44.70 ID:W2C/KaPl0

モノクマ「とにかく落ち着いてボクの話を聞くんだ、ベイビー。いい知らせと悪い知らせ、二つある。どちらから聞きたい?」

めぐる「え……?そ、それじゃあ悪い知らせ……?」

モノクマ「今日のボクは便秘なんだ、というかここ1週間ほどずっとご無沙汰でね。今朝なんか腸の働きを促進にする薬を飲んでみたんだけ_____」

めぐる「で?!?!いい知らせって?!?!」

モノクマ「圧がすごいよ圧が……入社4年目が新卒に説教するときぐらい圧を感じるよ……」

モノクマ「風野さんは無事!何も起きてないから!だからそのドアノブガチャるのやめてくれるよね?!」

めぐる「そ、そうなんだ……」

モノクマ「まあ、メンタルが無事とは限らないけどね?今みたいにガチャガチャすると逆に彼女にとって負担になっちゃうかもしれないから」

めぐる「……!?」

モノクマ「ボクとしては鍵が摩耗するような真似はやめて欲しいってだけだから!風野さんを部屋から出したいなら別の方法でも考えるんだね!」


モノクマはわたしにそれだけ注意を伝えると何処かに行っちゃった。
灯織は昨日の事件で閉じこもっちゃったってことだよね……
これまでわたしたちを引っ張ってくれてた分、やっぱり負担をかけちゃってたんだ……
灯織、ごめんね……


めぐる「……うぅ、灯織」


ドアの向こうにはきっと落ち込んじゃってる灯織がいて……体を震わせてるかもしれない。
ギュゥって抱きしめてあげて、これまでの分もいっぱい「ありがとう」って伝えたい。
でも、それをするには遅すぎたみたい。
扉は、わたしの力じゃ開けられない。
扉に沿わせた掌が無気力にずるずると落ちていく。


めぐる「……でも、わたしは……円香を止めないと」


灯織が動けないのなら、それは今わたしの役目。
灯織の想いを、願いを引き継いで……わたしがみんなを守る!
だから、今はちょっとだけ灯織のそばを離れないといけない。


めぐる「灯織、待っててね。わたしが灯織の分まで、頑張ってくる!」


わたしは最後に灯織のネームプレートにタッチした。

172: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 21:23:05.24 ID:W2C/KaPl0
-------------------------------------------------
【食堂】


みんなが集まったけど、やっぱり灯織はやってこなかった。円香も変わらず。
昨日の事件で二人を失っただけでなく、中心核だった灯織がいなくなったことでいつもよりも食堂はしんみりしちゃってる。


愛依「灯織ちゃん……やっぱ抱え込んでたんだね」

智代子「……灯織ちゃんに、応援の言葉をかけて欲しかったな」

雛菜「……どんよりした空気、雛菜きらい〜」

摩美々「……」


でも、だからこそ。
今はわたしが頑張らないとダメなんだ……
この嫌な空気も丸ごとギュッと抱きしめて、大丈夫にしてあげないとダメなんだ……!


めぐる「みんな、灯織がいっつもなんて言ってたか忘れてない?!」

愛依「えっ?……ひ、灯織ちゃんが言ってたこと……?」

雛菜「……絆、ですか〜?」

めぐる「雛菜正解!そう、わたしたちが大事にしなくちゃなのは絆……それは今でも変わらないよ!」

めぐる「灯織がいないからこそ、灯織との絆を大事にしないと……ダメなんじゃないかな?!」

摩美々「なんかふんわりしすぎてよくわかんないケド」

摩美々「要は『灯織がここにいれば何をしてたか』『私たちは灯織のためにも何をすべきか』ってことだよねー?」

めぐる「えっと……うん!多分!」

智代子「灯織ちゃんのために……」

愛依「……止まってる時間はないってことだよね」

雛菜「それに、円香先輩を止めないといけないですね〜」

摩美々「まあ、そんなのめぐるにわざわざ言われなくてもでしたケド」

めぐる「……ありゃ?」

摩美々「でも、摩美々のキャラ的に言いづらい話だったのでー……頑張り賞ぐらいはあげましょうかねー」

173: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 21:25:17.39 ID:W2C/KaPl0

モノクマ「はい!お話はまとまりましたでしょうか!」

雛菜「あ、来た〜!」

モノクマ「まあ、一応これもお約束というやつなのでアナウンスはしとくね?」

モノクマ「おめでとう!そなたたちはついに第四の壁を乗り越えた!その努力と成果を称えて新しき世界の扉を開こうではないか!」

愛依「5階……ってことだよね?」

モノクマ「そして大事なことなので、これも」

モノクマ「今そなたらの開いた扉は、この世界における最後の扉である!」

智代子「最後の……扉……?」

モノクマ「はやい話がこの学園は5階建てってこと!これ以上はもう無いってことだね!」

摩美々「……なるほどぉ」


5階が最後のフロア……ってことは、これが最後の手がかりってこと?
なら、なんとしても探索で成果を上げなきゃだよね!


モノクマ「それと合わせて、4階の学園長室も開放しておいたから探索はご自由に!」

モノクマ「きっと……オマエラの知りたい真相に近づくヒントが隠されてるはずだよ」

めぐる「……!!」

モノクマはそう言ってほくそ笑むと姿を消しちゃった。残されたわたしたちは、迷うこともなく一気にお互いを見合わせた。

摩美々「最後のフロアなら、気合入れなきゃですねー」

めぐる「うん!絶対に手がかりを見つけ出してみせるよ!」

智代子「……そうだね、頑張らないと」

愛依「おしっ!気合入れた!うちも本気で、死ぬ気で頑張るから!」

雛菜「円香先輩もきっともう探索してるよね……よし」


その一歩は力強く。
食堂を後にした。


174: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 21:26:47.81 ID:W2C/KaPl0
-------------------------------------------------

さて、新しく開かれた五階にあるのは……武道場に植物庭園、生物室。それと教室みたい。
あとモノクマの話だと学園長室の扉も解放されたんだっけ?
灯織がいない分、いつも以上に気合を入れないと!


めぐる「よーし、がんばるぞー!」

-------------------------------------------------
【探索について】

場所指定の安価と同時にコンマを判定し、末尾の数字と同じ枚数だけモノクマメダルが獲得できます。
※めぐるの獲得したモノクマメダルがそのまま灯織の枚数に加算されます

-------------------------------------------------

めぐる「どこから探索しようかな……?」

1.学校エリア5F 武道場
2.学校エリア5F 植物庭園
3.学校エリア5F 生物室
4.学校エリア4F 学園長室

↓1

175: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/24(土) 21:39:32.81 ID:K+gajc9v0
4

176: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 21:41:41.94 ID:W2C/KaPl0
4 選択

-------------------------------------------------
【学園長室】


4階の閉ざされていたはずの部屋。観音開きの重厚な扉は意外なほどにすんなりと開いた。

中はいかにもと言った感じな厳かな空間。
樫の木のデスクは威圧感を放っていて、壁にかけられた歴代の学園長の肖像画はわたしたちを睨みつける。
本当に通っている学園ではないのに、背筋をついつい正しちゃう。そんな雰囲気が漂っている。


摩美々「この部屋、ここまで隠してただけあって、結構色々あるねー」

めぐる「うん……摩美々は何か気になったものとかある?」

摩美々「とりあえずはあれかなー」


摩美々が指差した先にあったのは……ショーケース?中にはファイルホルダーといくつかの小物が見える。
摩美々はその一冊を手に取ると、わたしの目の前でパラパラとめくった。


摩美々「『コロシアイ合宿生活動機概要』……なんだか見覚えないー?」


目の前の書類には、見覚えどころか実際にわたしたち自身が経験したあの残酷な動機について手段からその狙いまで細かに記されている。


177: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 21:42:32.55 ID:W2C/KaPl0

めぐる『一つ目の動機は【疑心暗鬼】、あえて黒幕との接点を公開することにより必要のない疑いあいに持ち込む。お互いがお互いを信じ合えない状況下でアイドルたちは信頼をどんな形で発揮してくれるのか』

摩美々「透と真乃の事件……黒幕の目論見通り、真乃が疑心暗鬼の果てに透を手にかけた」

めぐる『二つ目の動機は【焦燥】、フェイク映像による近縁者の危機を告示する。この学園から出たいという意思を一層駆り立てた上で、真のアイドルになるための決断力を養成する』

摩美々「小糸は脱出しようと意思が強まった結果、殺害以外の方法を見つけるために樹里を頼って……事故に巻き込まれた」

めぐる『三つ目の動機は【才能】、各人の才能を伸ばすためのヒントを授ける。柔軟な思考力のもと、与えられた道具をどう活用するかに着目したい。
備考:当初の予定と異なり、コロシアイがそこまで精力的に行われなかったため一部変更。後の計画の予備実験としての役割も兼ね、被験体Aに人格の移植を行う』

摩美々「霧子はモノクマに人格を植え付けられて、自我の崩壊を起こして凶行に及んだ……」

めぐる『4つ目の動機は【犠牲】、集団としての生存のために1人を切り捨てる決断を迫る。損得勘定と個人の感情との間のすり合わせを適正化し、これから先生き残っていく上での野心を研ぎ澄ますのも狙いの一つである』

摩美々「私たちに紛れた裏切り者、咲耶と凛世はそれぞれ考えを別にして……凛世は私たちのために、咲耶を殺害した」

めぐる「ここまでのわたしたちと完全に一致してるね……」

摩美々「まぁ学園長室ってだけあってモノクマの書類なんだろうねー」


178: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 21:44:25.83 ID:W2C/KaPl0

めぐる「……あれ?第3の動機のところはもっと続きがあるみたいだよ?」

摩美々「……ああ、それは渡されたプレゼントの詳細についてみたい。見てみるー?」


数ページめくると、わたしたちに渡されたプレゼントが私たちの名前と才能、そしてそのプレゼントの写真付きで記されていた。

『八宮めぐる【超高校級の助っ人】ゼッケン』
『風野灯織【超高校級の占い師】水晶玉』


今生き残っているわたしたちの分は当然として、すでにあの動機が配られた段階で犠牲になっていたみんなの分も。一応用意はされていたらしい。


『櫻木真乃【超高校級の飼育委員】止まり木』

めぐる「……真乃の分」

摩美々「……ショーケースの中に入ってるケド、めぐる持って帰る?」

めぐる「うーん、流石にちょっと手で持って帰るにはおっきすぎるかな」

摩美々「……そうだねー」


『浅倉透【超高校級のカリスマ】テープレコーダー』

めぐる「あれ、透の才能ってこれ……」

摩美々「見るのは初めて……だけどある程度納得はいくよねー、カリスマってそれっぽいじゃーん」


透自身も才能のことは明かされてなかったらしいし、電子生徒手帳にも記載はなかった……
その才能が、カリスマ……

179: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 21:45:20.46 ID:W2C/KaPl0

『福丸小糸【超高校級の学級委員】タスキ』

摩美々「実用性のなさそうなプレゼント、私たちの中にも渡されてる人はいたけど小糸もそのパターンだったみたいだねー」

めぐる「『あんたが主役』……パーティとかで使うやつ?」

摩美々「つくづくモノクマって悪趣味だよねー」


と、亡くなった三人のリストを見た後パージをめくって……その手が止まった。
そこにあるはずの部分が、樹里の項目がまるまるバッサリと切り取られていたから。


めぐる「あれ?!樹里のページは?!」

摩美々「落丁ってわけでもなさそうだねー……もしかして、円香……?」

めぐる「えー?!もう先に来てたのー?!」

摩美々「かもね、モノクマにも円香が気に入られてるみたいだし……その程度の加担はしててもおかしくないでしょー」

めぐる「でも、なんで樹里のページが……?」

摩美々「……樹里の、プレゼント……?」


円香の行動の意図はわからないけど、今手元にない限りは諦めるしかない……
この謎は解消しようにもできない謎だ。

180: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 21:46:53.67 ID:W2C/KaPl0
【額縁】

学園長室の壁にはあんまり見慣れないおじいさんたちの肖像画。
うーん、下のプレートをよく見てみると……『希望ヶ峰学園歴代学園長』……?
ってことはこのおじいさんたちはみんな校長先生、だったのかな。
一番古いのは、これみたい。
『初代学園長・神座出流』……?
何て読むんだろう、『かみ、ざ、で、る』……?
人の名前、なんだよね……?

-------------------------------------------------

【コンマ判定81】

【末尾1】

【モノクマメダル1枚を手に入れました!】

1.学校エリア5F 武道場
2.学校エリア5F 植物庭園
3.学校エリア5F 生物室

↓1

181: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/24(土) 21:48:06.64 ID:Qqvqa1iu0
1

182: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 21:50:55.27 ID:W2C/KaPl0
1 選択
-------------------------------------------------
【武道場】

これは……弓道場?
人工で植えられてる桜が綺麗、その向こうには弓道の的が並んでる。
結構な奥行きはありそうだな、練習にはちょうどいいかも?


愛依「わー……すっご、マジで和風系じゃん」

めぐる「愛依!そういえば愛依は小さい頃から書道をやってたんだっけ?」

愛依「まーね♪ばーちゃんに教えてもらって、それなりには書けるんだけどさ、なんかこの武道場の雰囲気は懐かしい感じがすんね」

めぐる「そうだね、ザ・ジャパニーズスタイルって感じがするよ!」


弓道だけじゃなく鎧甲冑や掛け軸もあるし、モノクマが意匠を凝らして作ったのかな?
……とと、何か使える手がかりを見つけないと。


愛依「この部屋で気になるのは、このロッカーぐらい?」

めぐる「ロッカー……木の札を差し込んで開閉するタイプか……」

愛依「うん、それぞれのロッカーに対応した番号の札があるから……替は効かないっぽいね」

ロッカーを一つ一つ開けてみると、その一つに書類が無造作に押し込められているのを見つけた。書面には『塔和シティ大規模暴動事件』と書いてある。

183: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 21:52:10.89 ID:W2C/KaPl0

めぐる「塔和シティ……?なんだろう、愛依は聞いたことある?」

愛依「いや、うちもピンとこない……どっか有名なとこなのかな?」

『この暴動は国内有数の財閥グループ、塔和グループの管理する大規模埋立居住区・東和シティで起きた子供による大人に対する反乱である』

めぐる「そもそもこの塔和グループ、って聞いたことがないんだよね……」

愛依「めっちゃ有名なカイシャみたいに書いてるけど、聞いたことなくね?」

めぐる「うん……それに子供による大人に対する反乱って……?」

『未来機関は即座に事態の沈静化のため、14支部支部長の十神白夜を中心とした部隊を派遣。その際に新開発兵器・メガホン型ハッキング銃を隊員たちには所持させた。これは新開発された兵器の実用性を試験する意味合いもあった』

愛依「み、未来機関……?なんかよくわかんない言葉ばっかで……頭こんがらがってくるんだけど?!」

めぐる「……あれ?この十神白夜って名前、どこかで……」

-------------------------------------------------

『十神財閥の御曹司も確か高校生でしたよね?彼も今年デイトレードでかなり有名になりましたが』

-------------------------------------------------

めぐる「……そうだ!あの時のテレビで見た第78期生の名前だよ!希望ヶ峰学園の新入生徒!」

愛依「確かにそうじゃん!なんか聞いたことあると思ったら!……あれ?でもだとしたらおかしくない?なんで十神って人は希望ヶ峰学園じゃなくて未来機関って方にいるの?」


そう、明らかにこれはおかしい……
わたしの知らない情報が多すぎる……

184: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 21:53:53.48 ID:W2C/KaPl0

『メガホン型ハッキング銃にはいくつかの機能を搭載している。
専用の特殊な弾薬を使い分けることで、電子機器類を『破壊』『燃焼』『噴出』『操作』『麻痺』などさせることができる』


めぐる「なんかすごい機械だったんだね」

愛依「てかなんでメガホン型なんだろう……普通に銃じゃダメだったん?」

めぐる「でもすごい技術だよね、銃で撃つことで機械を破壊したりできるなんて!」

愛依「ハッキングってマジすごいね!」

『未来機関とレジスタンスとの攻防は長期にわたり、多くの犠牲を伴った。都市機能は完全に停止し、生き残るために暴徒化した大人たちを新たに鎮静する必要も生じ事態は混迷を極める。その際に鎮静に一役買ったのは他でもないあの【超高校級の希望】の妹の……』

めぐる「あれ?これで終っちゃってる……」

愛依「え〜?!ここからがめちゃくちゃ気になるところじゃん!」

めぐる「この暴動がどう治ったのか、きっとモノクマにとって秘密にしたいことなんだね」

愛依「う〜ん、わっかんないね……そもそもこの超高校級の希望ってなんなん?」

めぐる「希望ヶ峰学園の生徒に、そんな称号の生徒って今までいなかったよね?」

愛依「だと思う……うちも割と毎年生徒の発表は見てたけど、聞き覚えない系」

めぐる「この情報、どこかで活きてくるのかな」


武道場で得られた情報はこれぐらい。
聞き覚えのない場所で起きた聞き覚えのない事件。それを鎮静化したのもまた聞き覚えのない組織。
これって本当にあったことなの……?

-------------------------------------------------

【コンマ判定64】

【末尾4】

【モノクマメダル4枚を手に入れました!】

【現在のモノクマメダル…128枚】

1.学校エリア5F 植物庭園
2.学校エリア5F 生物室

↓1

185: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/24(土) 21:54:19.13 ID:aY7QKwEW0
1

186: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 21:57:09.97 ID:W2C/KaPl0
1 選択
-------------------------------------------------
【植物庭園】

すごい……入った瞬間おっきな花が目に入る。
思わず目を奪われ、近づいていくと……


モノクマ「あっぶなーーーーーい!!」

めぐる「うわぁっ?!も、モノクマ?!なになに、どうしたの?!」

モノクマ「八宮さん、迂闊に近づいちゃダメだよ!それはモノクマフラワー、雑食性の食虫植物だよ!」

めぐる「ざ、ざっしょく……?!」

モノクマ「超高校級の植物学者が開発した植物でね、プラスチックだろうと鉄だろうと人だろうと、なんでもお構いなしに溶かしちゃうんだから!」

めぐる「え、えぇ?!」

モノクマ「うおォン!さながら植物火力発電所だね!」

めぐる「そ、そんな植物あり……?」

モノクマ「まあ肝心の開発者の色葉田田田くんはそのモノクマフラワーの餌z……ゲフンゲフン」

めぐる「よ、よくわからないけど近寄ると危ないんだね……?」

モノクマ「そういうこと、まあ太陽の光が出てる時だけ活性化してそうなるんだけどさ。夜時間は静かなもんだよ」

めぐる「え?た、太陽……?でもこの学園じゃ太陽なんてどこも……」

モノクマ「今まではそうでした!が!熱い要望にお応えして!ついに!」

モノクマ「この植物庭園では人工太陽を導入しているのですーーーーー!!」

めぐる「じんこうたいよう……?」

モノクマ「紫外線を含む光を放つ、文字通りの太陽だよ!植物の生育のためには暖かい太陽光が不可欠だからね!」


確かにモノクマの言う通り、植物庭園自体は他の部屋同様窓も何もない部屋だけど天井には他の部屋とは表情の違う照明がついている。
この光が多分人工太陽ってことなんだよね。

灯りだけでも外の環境を再現してるってことなんだ……

187: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 21:58:10.49 ID:W2C/KaPl0
-------------------------------------------------
【智代子に話しかける】

智代子「……」

めぐる「……チョコ」


チョコは咲耶の裁判で、凛世を失った。
この生活が始まった時には放クラは三人いたのに、もう2人は……
明らかにチョコの元気は無くなっている。


智代子「めぐるちゃん……ごめんね、心配してもらっちゃって。大丈夫、ちょっとだけ時間をもらえれば……立ち直れるから」


それに凛世の死を前にしてなお犯行の意思を変えようとしない円香の存在。
灯織と同じく、抱えているものは多分わたし以上……


めぐる「……」


人と人はみんな違う。似てはいても、絶対に同じものは一つとしてない。
だから不用意に踏み込むようなことをすれば、かえってチョコを傷つけちゃう。
……こんな時、真乃や灯織ならどうするのかな。
なにかわたしが、チョコのためにしてあげられることは……

188: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 21:59:59.63 ID:W2C/KaPl0

智代子「……凛世ちゃんも、わたしに裏切り者だったって話はしてくれなかったし……やっぱり頼りなかったのかな」

めぐる「……チョコ!そんな風に、自分を責めちゃダメだよ!」

智代子「……でも、私がもっとちゃんとしてたらこうはならなかったんじゃないかなって……」

めぐる「チョコ……気持ちはわかるけど、それはチョコ自身が凛世の思いを反故にしてることになるんじゃないかな」

智代子「……え?」

めぐる「凛世は、最後のその瞬間までチョコのことを想ってた。わたしたちにその真意まではわからないけど、そのために事件を起こしたんだよね?」

智代子「確かに、そう言ってたけど……それは逆に私たちが凛世ちゃんを追い詰めたことになるし……」

めぐる「ちがう!追い詰めたのはモノクマの方だよ!チョコが責任に感じることじゃ……」

智代子「……」

めぐる「それに、凛世が最後にチョコに託した言葉……えっと、断じて行えば……ええっと……」

智代子「断じて行えば鬼神もこれを避く……だった、かな。信念を強く持てば、どんな障害も乗り越えられる……そういう言葉、なんだよね」

めぐる「チョコ……」

智代子「……うん、私の中でもきっと答えはもう出てるんだ。それなのに、その一歩を踏み出す勇気を寂しさが、孤独感が邪魔しちゃってたんだ……」

智代子「ごめんね、めぐるちゃん。なんだか吹っ切れたよ!泣くのはいつでもできるけど、前を向けるのは、向くべきなのは今だけだもんね!」

めぐる「……うん、頑張ろうチョコ!一緒にこの難局を乗り越えるんだよ!そのための応援なら、いつでもわたしが頑張るから!」

智代子「えへへ、そうだね!よし、それじゃあ意気込む意味も込めて……これを!」

めぐる「……?それって?」

智代子「凛世ちゃんの好きだったお菓子、なんだかもったいなくて食べれずにいたんだけど……はむっ!」

智代子「おいひ〜〜〜!!」

智代子「よーし!力が湧いてきちゃった!ここからまた、園田智代子再始動だよ!」


チョコはまだ少しだけ不安げだけど、元気を取り戻した。
無理をしているように見えるけど、今は無理をしてでも前を向くべきだってそう感じるから……それを指摘することはできなかった。
それに、チョコの意思を何よりも尊重すべき。
わたしはその側でチョコを支えることで、答えていかないと。


189: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 22:02:29.38 ID:W2C/KaPl0
-------------------------------------------------
【鶏小屋】

こんなところに鶏が……1、2、3、4ちょうど4羽だね。真乃がいればすごく喜んだと思うんだけど……


【倉庫】

ここには園芸用品がいっぱい詰め込まれてる。
肥料にブルーシート、芝刈り機に……ツルハシ?
ツルハシって園芸に使うのかな……?


【スプリンクラー】

入り口付近にはスプリンクラーを制御する装置。
でも管理者権限はモノクマにしかないみたい。

【毎朝7時半】に水やりをするように設定されてる。その時間に植物庭園にいると水を浴びちゃうから気をつけないとだね!

-------------------------------------------------
【コンマ判定13】

【末尾3】

【モノクマメダル3枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル…131枚】

-------------------------------------------------

【残り選択肢が1つとなったので自動進行します】

【獲得モノクマメダル枚数の判定のため直下のレスでコンマ判定を行います】

↓1

190: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/24(土) 22:12:47.37 ID:W/OQ59zX0
わくわくぅ!

191: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 22:15:06.62 ID:W2C/KaPl0
【生物室】


5階廊下の最奥部、のっぺりとしたグレーの扉が生物室みたい。
ゆっくりとその扉を開け……開け……


めぐる「開かない!」


結局まだ全部の部屋に行けるようになったわけじゃないんだ……がっくし。


雛菜「あ〜、やっぱりそこって入れないんですね〜」

めぐる「あ、雛菜!お疲れ様、探索は進んでる?」

雛菜「ん〜、まずまずですかね〜。この部屋も中を見てみたかったんですけど、開きませんし〜」


これまでにも閉鎖されてる部屋はあったけど、なんで生物室が?
学園長室とか情報処理室とかは重要そうなのも納得がいくけど生物室ってそこまで重要にも感じないような……


雛菜「この部屋、なんだか不気味ですよね〜……最上階のこんな一番奥でまるで隠すみたいに存在してる部屋ですし」

めぐる「うん……なんだか、他の部屋とも空気感が違うよね……」


空気感が違う、その言葉は部屋の見た目から発したものだったんだけど……
どうやら当たらずも遠からずだったみたい。


雛菜「ていうか……なんだか部屋の下から冷気が漏れ出てませんか〜?」

めぐる「え?……わっ、ホントだ!なんだか寒いと思ったら!」

雛菜「この中で何やってるんですかね〜」

めぐる「うーん……検討もつかないや……」


-------------------------------------------------
【コンマ判定37】

【末尾7】

【モノクマメダル7枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル…138枚】

192: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 22:17:09.37 ID:W2C/KaPl0

……さて、残すところはあと一つ。
入る前から異様な雰囲気を感じ取り、何故か先回し先回しにしてしまった教室。

_______意を決してその扉を開けた。

-------------------------------------------------
【教室】

めぐる「……っ!」


明らかに異様だった。
部屋に入った瞬間鼻を刺す刺激的な匂い。
それはここでの生活を送るうちに、嗅ぎ慣れてしまった匂い。
人の命を凝縮した、想いや感情を詰め込んだものが、無残にも散り果てた時の匂い。
血の匂い……人がそこで、死んだ時の匂いだった。


円香「……」


赤黒く染め上げられた教室は机や椅子も無残に破壊されており、その退廃的な光景の中心に円香は立っている。
わたしの入室に気づくと、そっとわたしの近くに寄った。


円香「……この教室にいると、思い出すでしょ?」

めぐる「お、思い出す……?」

円香「最初の事件……透も教室で、真乃に殺された」

めぐる「……っ!」

円香「……まあ、ここまでの惨状ではなかったけど。この教室はもっと遥かに凄惨な現場のようだから」


193: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 22:18:12.85 ID:W2C/KaPl0
円香はわたしの返答も待たずつらつらと言葉を綴る。

円香「殺人が起きたの事態は遥か前……それこそ私たちがここでの生活を始める前だったりするのかもしれないけど。それでもこの様子だと、死んだのは1人や2人じゃないんだろうね」

円香「……人の熱気を今でも感じるようじゃない?机に、椅子に、血痕に。手を触れただけで阿鼻叫喚の声が浮かび上がってくるみたい」


円香の言葉のままの想像が次々に浮かび上がり、胸のあたりがキュゥっとし始める。口のあたりに胃酸のような香りもする。


円香「でも、足りない」

めぐる「……え?」

円香「こんなものじゃ、私は満足しない。ただあなたたちを殺すだけじゃ満足しない。命を散らすだけじゃなく、そこに絶望を……生きる希望の一切を奪うだけの『最悪』をぶつける」

円香「灯織もめぐるも摩美々さんも愛依さんも智代子も……その瞳から希望の一切を失わせて見せる」


円香はその言葉とともに、私の胸に手を当てた。奥歯を噛みしめ、睨みつけ、そのドスの効いた声を上げる。


円香「その心臓を、潰す」

めぐる「……円香!」


わたしの制止に耳をかすはずもなく、円香は最悪の所信表明を下すとそのまま教室を後にした。
残されたのは地獄のような惨状となっている教室とわたし。

194: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 22:19:48.51 ID:W2C/KaPl0

モノクマ「ふぅ〜〜〜、樋口さんたら殺気放ちすぎだよ!怖くて出てくるタイミングを逃しちゃったじゃん!」

めぐる「わ?!モノクマ?!」

モノクマ「ボクは空気が読めるクマなので!シリアスムードの時にはROM専なんだよね!だってほら、ボクってば口を開けば口説き文句が出るじゃない?」

めぐる「よ、よくわからないけど……この教室ってなんなの?!円香が言ってたみたいに、何かの事件現場なの?!」

モノクマ「良い質問ですねぇ、全くもってその通り!」

モノクマ「この部屋は、とある凄惨な殺人事件の現場そのままなのです!死体は避けてるけど、他は一切手を加えてないそのままの形だね!」


うっ……やっぱりそうなんだ。
この匂いも、熱も……全てが本物。
これなら紛い物の方がよかったよ……


モノクマ「まあこれもオマエラの知りたがってる真実の一部だったりして?」

めぐる「えっ……それってどういう」

モノクマ「はいはい!これ以上は教えないよ!お母さんにネタバレする大人にだけはなるなって育てられたからね!」

めぐる「モノクマのお母さん……?」

モノクマ「まあ、手掛かりになりそうなものも残ってたりするし……結局オマエたち次第だよね!」


モノクマがそう言って目を向けたのは、机に突き立てられたままになっているナイフ。
あれも、その事件とやらで使われたものなのかな。


モノクマ「じゃ、頑張ってその足りない脳味噌で考えるんだね!ファイト〜〜〜!」

めぐる「……行っちゃった」


結局モノクマはまだ断片的な情報しか教えてくれない。
……この合宿生活の真実に、わたしたちは本当に近づいているんだよね……?

ひとまず、モノクマも気にかけていたあのナイフが気になるな。机に突き立てられていたナイフを引き抜く。刃渡りは10cm程度で、特殊な形状。
柄の部分にはモノクマの目元みたいな装飾。
これだけじゃ何にもわからないけど……ナイフをこのままにしておくわけにはいかない、よね。
いったんわたしで回収しておこう。

195: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 22:21:24.11 ID:W2C/KaPl0
------------------------------------------------
【食堂】

探索を終えたわたしたちは再度食堂に集まっていた。
目立った成果はないものの、徐々にこの学園の真相に近づくヒントが集まっていることで落胆はあまりなく、むしろ真剣な表情が並んでいる。


摩美々「この学園の全貌、少しずつ見えてきたって感じだよねー」

智代子「うん……希望ヶ峰学園、まだまだわたしたちの知らない秘密がいっぱいあったんだね!」

雛菜「というか、雛菜たちの知ってる希望ヶ峰学園と食い違う点が所々にあるような気がするんですよね〜……」


雛菜と同じ違和感をわたしも感じている。
希望ヶ峰学園の存在はずっと知っていた。日本中の憧れの学園、それは間違いないんだけど……
合宿前の記憶との矛盾も解決してないし、5階の疑問点の数々もこれと関係あるのかな……


めぐる「そうだ!探索中に円香に会ったよ!」

雛菜「……!!円香先輩は、なんて言ってました……?」

めぐる「……気持ちは変わらないみたいだよ」

愛依「……円香ちゃん、マジでうちらの誰かを殺すつもりなんかな」

智代子「め、愛依ちゃん……」

摩美々「間違いないだろうねー……」

雛菜「……」

摩美々「……でも、円香と単身交渉なんて真似はやめてよねー。誰かが相討ちなんか、そんなの望んでないので」

雛菜「……それ雛菜に言ってますー?」

摩美々「ここにいる全員だケド」


でも、これまでとは円香の話題になったときのみんなの顔は違った。

戸惑い、怯えるような顔じゃなくて……食い止めるという強い意志。
そして、それはわたしも同じ。真乃と灯織、この場にいない二人の気持ちも同じはずだから。

__________

________

______

196: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 22:22:45.22 ID:W2C/KaPl0

めぐる「……って感じかな!」


めぐるの報告を聞いた一通り聞き終わった私は、まずみなさんに改めて頭を下げた。


めぐる「ひ、灯織?!」

愛依「あ、謝られるようなことじゃないって!さっきも言ったじゃん?うちらは友達だから気を使わなくても……」

灯織「いえ……これは、謝罪だけでなく感謝の意味も込めた礼なので。受け取ってもらえませんか」

雛菜「灯織ちゃん、相変わらず義理堅いよね〜」

摩美々「まぁ、灯織はこうでもしないと気が済まないんだろうし気持ちは受け取ってあげようよー。お互いに負い目とか蟠りとかない状態じゃないと結束はできないしー」

灯織「……すみません」

めぐる「灯織、大丈夫!わたしたちも灯織にはずっと感謝してるんだから!」


めぐるは私の手を取ると、そのまま上体を引き起こしてみなさんを見るように顎で指示した。


めぐる「大事なのはこれから!でしょ!」

灯織「うん……」

197: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 22:24:21.12 ID:W2C/KaPl0

摩美々「じゃあこれからの話をしよっかー」

めぐる「うんうん!これからどうするかを決めなくっちゃだね!」

摩美々「灯織に渡した爆弾、これを使って情報処理室の扉を破壊しにいこっかー」

智代子「うん!そうだね!扉を破壊しにいこー!」

智代子「……え?!は、破壊?!」

愛依「ま、摩美々ちゃん?!そんなことしたら校則違反でおしおきされちゃうよ?!」

摩美々「コロシアイの首謀者……が操ってるモノクマが機能してない状態で誰が摩美々たちにおしおきを加えるわけー?」

灯織「……!!」

摩美々「今が絶好のチャンスだよー。円香が動いていない、こちらには灯織も帰ってきた。……脱出のためのヒントを得るための決死の作戦が今なら結構できるんじゃないー?」

愛依「た、たしかにそうかもだけど……」

めぐる「ひ、灯織……どう思う?」

灯織「え?」

めぐる「摩美々の言う通り、多分大きな意味がある作戦なんだと思うんだ。でも、灯織がやめておくべきだって思うなら……それにみんな従うよ」


ふと周りを見ると、みなさんが私のことを見つめている。
それは期待の視線ではなく、まして好奇の視線なんかでもない……信頼の視線。
一度逃げ出した私を、再び代表として迎え入れてくれる温かい視線だった。


198: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 22:25:26.39 ID:W2C/KaPl0

摩美々「灯織はどう思うか聴かせてもらってもいいー?」

灯織「摩美々さん……」

灯織「……」

灯織「行きましょう」

めぐる「灯織……!」

灯織「もう、逃げません。足踏みもしません。目の前に進むべき道があるのなら、それが悪路だろうと、危険な道だろうと、私は絆という指針がある限り折れはしません」

雛菜「やは〜〜〜!!」

愛依「そうだよね……やっぱ、ここまできたらもう進むしかないよね!」

智代子「……よし!わたしも一緒に行くよ!勇気と一握りのお菓子を持って!」

摩美々「ふふー、そう言ってくれると思ってたケドねー」


先程摩美々さんが私に爆弾を手渡したのは、ただのからかいだけではなかった。私に戦う覚悟があるかどうかを試したんだ。私にもう一度みなさんとの絆を背負う力があるかどうかを。
なら、それに答えないと。

恐怖なんか感じている時間が勿体無い。
前へ、前へ、前へ……!!



______行くしかないんだ……!!

199: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 22:26:04.50 ID:W2C/KaPl0


と、我武者羅に踏み出したのに。



__________絶望は私たちを簡単に逃そうとはしなかった。





200: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 22:27:23.69 ID:W2C/KaPl0
-------------------------------------------------
【情報処理室前】

灯織「なん、で……」

めぐる「うぅ……」

摩美々「……最悪」

愛依「ど、どうなってんの……!?」

智代子「そ、そんなぁ……」

雛菜「……」






モノクマ「みなさんお揃いでお散歩とは健康的ですね!新しい生活様式でもやっていけそうで何より何より!」


体育館で解体されていたはずのモノクマが私たちを待ち構えていた。
体表の毛皮には僅かなほつれもなく、挙動にもなんら不自然な点はない。完全体のモノクマだ。


摩美々「ちょっとぉ……下で解体したはずなんですケド……」

モノクマ「あー、あれね!第162代モノクマことモノトトスの死は何とも痛ましいものでした……」

モノクマ「動けなくなった隙を狙って、オマエラの手でバラバラに……小学生が蝶の羽を毟るようにそれはそれはバラバラに……」

モノクマ「そうかいそうかい!オマエラはそういう奴だったんだな!」

めぐる「な、なんで?!モノクマは、黒幕はいま動けないんじゃなかったの?!」

モノクマ「はぁ……いつの話してるのさ、確かに諸事情で動けなくなった瞬間はあったし、うっかりモノトトスはそこで手放したけどさ」

モノクマ「もう用件は済んじゃったし、普通に通常制御で元どおりなんだよね!うぷぷぷぷ!」


考えてみればそうだ。モノクマは複数体、しかもこちらで把握しきれないほどの台数がいるなんてわかり切ってたことだった。
一瞬の隙があったからって、こちらの思い通りになんか進むはずなかった。

201: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 22:28:17.92 ID:W2C/KaPl0

モノクマ「それよりオマエラ何しに来たわけ?この部屋の扉は閉め切ってるので入室できませんが?」

摩美々「……」

モノクマ「ねえ、黙ってないで教えてよ!喋らないならその体に聞いちゃうよ?ぐへへへ」

雛菜「うわ〜……」

灯織「そ、それはその……」

摩美々「……別にぃ?雑談しながら校舎散歩してただけなのでー、もう帰りまぁす」

モノクマ「ん?そうなの?センブリ茶くらいなら出しておもてなしするけど?」

摩美々「結構でーす」


口籠る私を他所に、摩美々さんはまともな言い訳すらせずに踵を返してしまった。慌てて後を追う私たち。


灯織「ま、摩美々さん!?諦めるんですか?!」

摩美々「トーゼンでしょー?モノクマがいるんじゃ、扉を破壊なんかしても無駄死にだしー……」

めぐる「で、でも……!」

摩美々「まぁ収穫はあったし、とりあえず今は撤退でいいんじゃなーい?」

愛依「しゅ、シューカク?なんもなくない?」


戸惑う私たちに、摩美々さんは声を潜めてその答えを返した。

202: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 22:30:00.94 ID:W2C/KaPl0

摩美々「第一に灯織が今隠し持ってる爆弾。モノクマに対しても、円香に対しても対抗策になり得るでしょー」

灯織「……!!」

摩美々「危機に迫られた時、使い道によっては状況を打破できる可能性のある代物だよねー。流石に玄関のあの重厚な扉は破壊できなくても、他の学園内設備を破壊することは容易なはずだよー」


思わずポケットに仕舞い込んでいる爆弾を強く握り込む。
そうだ、これは私たちの今持てる最高武力。これは抑止力にも、最終兵器にもなり得る。


摩美々「そして今モノクマが言った通り、モノクマには動けない瞬間が存在するっていう事実。この事実の裏を解明することができればぁ、自然とチャンスはまたやってくるんじゃないかなー」


確かにそうだ。モノクマは先程確かに、動けない瞬間があったことを認めた。
つまり摩美々さんたちで解体していたモノクマは何らかの意図があって停止していたわけではない、イレギュラーの産物だったということ。


愛依「なんか理由があって止まってたってことなんだよね?」

智代子「食事とか、トイレとか睡眠とか?」

摩美々「そこら辺をどうやってるのかはわからないケド、これまでの生活で目立ったボロはなかったからそういう整理的な要因ではないと思うんだよねー……もっと何か、別な理由が」

灯織「そうですよね……モノクマが停止するなんてこれまでになかった事態、ですもんね」

摩美々「……この学園の外で何かが起きた、とか」

智代子「け、警察が来たのかな?!」

雛菜「だとしたら遅すぎないですか〜?そろそろ雛菜たち、一ヶ月ぐらいここで住んでると思うんですよね〜」

愛依「うーわ、そういやもうそんなになんの……?」

めぐる「うーん、でも一ヶ月経ってやっと見つかったのかもしれないし可能性はないってことじゃないよね?!」

灯織「うん……それはそうだと思う、けど」

(コロシアイが始まった当初に言っていたあの言葉……モノクマは警察を恐れてすらいない様子だった)

(だとすると、警察が来たからってモノクマが離席することもないんじゃ……)

203: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 22:31:06.57 ID:W2C/KaPl0

摩美々「仲間割れ、とかー?」

智代子「な、仲間?!黒幕って一人じゃないの?!」

灯織「……!!そうですね、その可能性がありました……だって、私たちは実際黒幕に加担していた人間を知っているんですから……!」

めぐる「咲耶と凛世……そっか、脅迫されてたとはいえ黒幕側の人間として動いてたのは事実だもんね」

愛依「え?!裏切り者って他にもいんの?!」

摩美々「この前の裁判でのモノクマの発言を考えるとその可能性は流石に無さそうかなぁ」

智代子「じゃあもっと、根本的な……主犯格側の存在、とかなのかな?」

灯織「あくまで可能性、だけど」

摩美々「……なにかこちらからのアプローチで再度モノクマに隙を生む余地はあるかもしれないよねー」

智代子「もしも仲間割れが起きてるのなら、その仲間割れ相手はこっちの味方になるかもしれないんだもんね!」

めぐる「そうだよね!」


黒幕の仲間割れ、じゃなかったとしても間違いなく黒幕にとっての不都合が生じた結果なのは間違いないんだ。
希望はないわけじゃない……!


摩美々「さて、とりあえずこのまま帰るとして……爆弾はそのまま灯織が持っとくー?」

灯織「……みなさんがよろしければ、預からせていただきます」

愛依「うん、灯織ちゃんなら心配ないと思う!」

雛菜「雛菜も異議なしです〜」

智代子「でも大丈夫?灯織ちゃんは怖くない?」

灯織「……ううん、これぐらい平気。むしろ武器が手元にあって心強いよ」

摩美々「うっかり爆発させたりしないでよねー」

灯織「し、しませんよ!……多分」

愛依「そこは言い切ろ?!」

204: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 22:32:21.43 ID:W2C/KaPl0
-------------------------------------------------
【灯織の部屋】

情報処理室の開放は一時諦めて、それぞれの部屋へと戻った。
道中体育館に再度立ち寄ったけど、モノクマの姿はもう無くなっていた。黒幕に回収されてしまったんだろう。
結果として手元に残ったのはこの爆弾のみ。


灯織「慎重に、管理しないと……」


刺激しないように、丁寧に布に包んでデスクの引き出しにしまい込んだ。部屋の鍵をかけている限りは盗まれることもないはず。
みなさんに託された希望、大事に保管しておかないと。

さて、今からはみなさんは睡眠時間をとるらしい。
動作が停止していたモノクマの監視ですっかり遅くなっていたこともあり、別れ際には欠伸が止まないぐらいだったし……しっかりと休んでほしいな。

私はというと、ここ数日ひたすらに睡眠をとって現実逃避をしていたので寝足りている。
夜時間の外出は禁じられていたけれど……流石に時間を持て余しちゃうな。

少し、散歩でもしようかな。


205: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 22:34:12.10 ID:W2C/KaPl0
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【学校エリア】

コツ…コツ…

太陽光なんか微塵も入らないし、温度も空調で制御されて一定になっているから、正直昼と夜とでこの学園に違いはない。
ただそれでも昼間より無機質に感じるのは、私以外のみんなが眠っているという事実がそうさせるんだろう。

階段を上り、上の階へ。
そういえばまだ私は自分の目で5階は確認していなかったな。めぐるの話を自分で確かめて見るのもいいかもしれない。
そんなふうに考えながら一段一段登っている時だった。

……ズズ


灯織「……ん?」

(二階の男子トイレ?から、聴き慣れない音がしたような……)

灯織「……入って、確かめてみる?」

(いやいや!流石に……異性のトイレに入るのは倫理的にも問題があるし……万が一、他の人に見られでもしたら……)

灯織「……いや、なにを言い訳してるんだろう」


この学園で、そんなしがらみに囚われていたら前に進むことなんてできないのはこれまでの経験でも分かりきってること。
さっきはその一歩をモノクマに遮られたけど、今ここにはこの一歩は妨げるものはない。


灯織「……行こう!」


私は無駄に仰々しく意志を固めると、そのままお手洗いの扉を引いた。

206: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 22:35:21.58 ID:W2C/KaPl0
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【2F 男子トイレ】

灯織「だ、男子トイレってこんな感じなんだ……」


よくよく考えれば男子トイレなんてこれが人生で初めての入室かもしれない。
個室以外に壁にくっつく形で設置されているのは、小便器……なんだよね。全然見慣れない。


灯織「……あれ?」


小恥ずかしさから脱せず、しばらく視線のやり場に困っていたけど冷静を取り戻すとともにあることに気がついた。
並んでいる個室トイレの一番奥、そこだけ扉が半開きになっている。
この学園にいるのは私たちだけ、利用者なんているはずもない。となるとさっきの音は……ここだ。

その個室を覗き込めば、タイルの壁があるはずの空間にはポッカリと人一人潜れるぐらいの穴が空いている。
偶然開いた風ではない、ちゃんと切り取られた空間。


灯織「……隠し通路?」


途端に心臓が破裂しそうなほどに拍動する。
聞こえるはずのないドクンドクンという音が耳元でうるさい。
緊張、不安、怯え……そういう感情がごちゃ混ぜになって体が震えだす。
だからそれは、武者震いということにした。
この穴の先に感じているのは、期待と興奮。そういうことにして。

無理やりにその一歩を踏み出した。

207: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 22:36:07.22 ID:W2C/KaPl0
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【謎の空間】

その空間は異常なまでに無機質だった。
コンクリートが打ちっぱなしの教室に、簡素な机と本棚。
照明も白熱電球で、明かりとして頼りない。
まるで独房のような、冷たくなんの匂いもしない空気が漂っている。

灯織「この空間は、一体……?」

男子トイレの最奥、明らかに人目を避ける目的で設けられた部屋だ。
この、簡素なつくりの部屋には隠しておきたい秘密があるはず。

灯織「……よし!」


……隅々まで、調べ尽くす!

208: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 22:37:43.95 ID:W2C/KaPl0
-------------------------------------------------
【本棚】

本棚はスカスカ。数冊の本を収めるには私の背丈以上の本棚は流石に過剰な大きさじゃないかな。

まず目についた青いファイルを手に取る。ラベリングには【希望ヶ峰学園歌姫計画】と書かれている。

『超高校級のアイドル、超高校級のマネージャーをはじめとした学園の生徒協力のもと日本のエンタメ産業を担う新時代の“歌姫”を育成する計画』

『人為的に才能を生みだす意図ではなく、環境からのアプローチで才能を伸ばすことを目的とする』

『計画には現役のアイドルに参加してもらい、学園の生徒同様のトレーニングを実施する。適宜別のメニューも考案し、“超高校級”に匹敵する実力を習得する。成功した暁には、その生徒を【超高校級の歌姫】として迎え入れる予定』

……こんな計画が行われてたんだ。
超高校級のアイドルって、あの舞園さやかさんのことだよね……もし彼女と一緒にトレーニングさせてもらえたら、大きな成長を見込めそう。
なんだか羨ましくなっちゃうな。
でも、この学園は今こんな状態なわけだし……実際には実施されたわけでもないのかな。

続いて手に取ったのは赤のホルダーファイル。
膨大な数の紙がクリッピングされている、全部に目を通すのは厳しいけど……ザッピング的に見てみよう。
図説……これは、この学園の見取り図?各階ごとに解説が纏められている。
そこには、この隠し部屋のことも。男子トイレから繋がるこの空間は意図して作られたものみたい。

それと気になるのは、自分たちでは入ることのできない部屋。
情報処理室と生物室の2部屋が気になるな。何に使われている部屋なのか、どんな間取りなのか……ある程度掴めるかもしれない。

情報処理室は……なるほど、コンピュータがいくつも並んでいる。これは図書室にあったおもちゃとは別物、だよね。
さらにその奥にはもう一つ部屋があるみたい。そっちの情報は書いてない……?
いや、情報がないということは、むしろその部屋が重要なことの証拠。他の書類と併せて見ることで考察を深めて見るのがいいかも。

そして生物室。こちらは予想と違ったな……実験台などはほとんどなく、あるのは冷凍庫?かなりの収納スペースがあるみたい。何に使うんだろう……?
うーん、具体的に新たに得られた情報はあまりないかも。でも、見取り図としては使えそうだし、有力な材料かも。

209: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 22:38:50.86 ID:W2C/KaPl0
-------------------------------------------------
【机】

本当に簡単な作りの木製のデスクだ。
ただ、こんなところにあるのに不思議と埃が溜まっていない。……ということは、誰かが近いうちに使っていたことの現れになる。
そして気になるのは引き出し。
物を隠すなら、この中だよね。鍵すらついていない辺り、ここに私たち生徒がやってくることは想定していないんだろう。

一つ目の引き出しを引くと現れたのは……弾薬?
ドラマとかで見るのとは少し違う角張った形だ。リボルバー式の拳銃とかじゃ使えない、何か専用の銃がありそうなものだ。
危険物には変わりないし、これも回収しておいたほうがいいかな……?

そして2つ目の引き出しを引くと現れたのは……一枚の紙切れ。
メモ用紙を破ったような簡素な一枚。
それを軽い気持ちで手にして、裏へと目を向けた。





もしかしたらただのゴミで、手がかりなんか皆無の証拠未満の品かもしれない……そんな感じで本当に、軽い気持ちだった。

210: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 22:39:45.41 ID:W2C/KaPl0






『このコロシアイは浅倉透のため』




「……え?」

ガンッ


迂闊だった。
そもそも私がこの部屋に気づいたのは、物音がしたから。
なら、何者かがそこに出入りしていたということ。その【何者か】を完全に見落としていた。

突然の後頭部への強い衝撃は、一瞬で世界を揺るがせ、私を地に伏させ、意識を手離させるには十分すぎた。




犯人の姿を見ることすらなく、私はわずか数秒のうちに………………

211: ◆zbOQ645F4s 2021/07/24(土) 22:40:15.14 ID:W2C/KaPl0





______意識を失った。





217: ◆zbOQ645F4s 2021/07/27(火) 20:02:00.39 ID:Ai6SuBuE0

……あれからどれくらいの時間がたったんだろう。
目を覚ますと私は冷たい床の下、あの白熱電球の薄明かりの中にいた。
立ち上がると後頭部がガンガンと痛む。
腫れ上がってないかな、タンコブになってないかなと摩りながら立ち上がると、衝撃的な光景を目にした。

「…………ない」

本棚に入っていた数冊の本とファイルは忽然とその姿を消し、机の引き出しを引いてもそこには何一つなくなっていた。

「……やられた」

私が意識を失っている間に、あの何者かが全て持ち出してしまったんだ。
せめて姿さえ見ることができれば、何か手掛かりになったかもしれないのに。
それすらできず、気絶してしまって……

この足元のふらつきは、気絶の反動か自分自身に対する落胆か。
ひとまず私はふらつきながらも部屋を後にした。

218: ◆zbOQ645F4s 2021/07/27(火) 20:03:22.23 ID:Ai6SuBuE0
-------------------------------------------------
【2F 男子トイレ前】

めぐる「えぇーーーーーー?!」

灯織「め、めぐる……?」


しまった、気を失っているうちにもう夜時間が空けていたんだ。
めぐるは男子トイレから出てきた私をみて凍りついてしまった。


灯織「違う、違うのめぐる……これはそういうことじゃなくて……」

めぐる「う、うん……?」

灯織「細かいことは後で話すから、とりあえず今は落ち着いて」

めぐる「わかった、灯織のことを信じるよ……」

(どんな勘違いをされてるんだろう……)


219: ◆zbOQ645F4s 2021/07/27(火) 20:04:48.62 ID:Ai6SuBuE0
-------------------------------------------------
【食堂】

めぐると二人で食堂に行くと、そこには誰もおらず。
私は座って他のみなさんが戻るのを待つように指示された。
昨日まで塞ぎ込んでいたこともあって、朝食に顔を出さない私をみなさんはかなり心配してくださったらしい。
私を視界に捉えると愛依さんはまた駆け寄ってきてガクガクと肩を揺すった。


灯織「すみません、またしてもご心配をおかけしてしまって……」

愛依「ううん!灯織ちゃんが無事なのがマジで一番だから!大丈夫?どうしたん?!」

灯織「そうですね、まずは何があったのかをお伝えしないと……」

めぐる「うん!灯織が男子トイレから出てきた理由を聞かせてよ!」

灯織「え」

めぐる「……あれ?」

摩美々「灯織、もしかして……」

灯織「ち、違います!もしかしてに続くものが何か分かりませんが、とりあえず違うと思います!」

220: ◆zbOQ645F4s 2021/07/27(火) 20:05:56.40 ID:Ai6SuBuE0

灯織「私は昨晩みなさんとお別れしてから、その……眠りにつくことができず、学園の散策に向かったんです」

雛菜「灯織ちゃん、夜時間って出歩き禁止じゃなかった〜?」

灯織「それは……ごめん、申し開きもできない」

智代子「まあまあ、とりあえずはそれで夜の散策で何があったのかを聞いてみようよ!」

灯織「二階へ登っていた時、何かを引きずるような音が……男子トイレから聞こえてきたんです。昨晩、情報処理室に入ろうとしたところをモノクマに妨害されたこともあって、はやる気持ちもありました」

めぐる「それで灯織は男子トイレに入っちゃったんだね?」

灯織「うん……そうしたら、その中の一室。壁が隠し扉みたいになっている部屋があって、私はその中に入ったんです」

愛依「か、隠し扉?!マジで?!」

摩美々「……男子トイレじゃぁ、ここまで発見できなくてもおかしくないですねー」

智代子「そ、それで?!何をみたの?!」

灯織「うん……順を追って説明するね」


現物を持ち出すことはできず、何者かに持ち出されて手元にないので私の記憶の中からの話になる。
思い出せる限りで、情報の全てを伝えた。

221: ◆zbOQ645F4s 2021/07/27(火) 20:07:20.56 ID:Ai6SuBuE0

摩美々「『希望ヶ峰学園歌姫計画』……」

灯織「みなさん、聞いたことは……?」

愛依「ううん、初耳。全然聞いたことない……」

めぐる「希望ヶ峰学園って才能の研究をやってる学園だし、やっぱり変わったことをやってたんだね!」

智代子「わたしのチョコアイドルとしての個性もグンと伸ばせたりしたのかなぁ」

摩美々「…………それより、気になるのはやっぱり紙切れの方じゃない?」

雛菜「……うん、雛菜もそっちの方が気になる」

愛依「雛菜ちゃんに心当たりは無い系?」

雛菜「はい〜、透先輩がここに来てから変わった様子もなかったですし、コロシアイなんてそれまで一言も口にしたこともないですよ〜?」

智代子「透ちゃん本人はもう亡くなっちゃってるし、謎のままだね……」

めぐる「大体コロシアイに誰かのためも何もないよ!絶対に許されないことなのに!」

(それはそう、なんだけど……何かこの言葉には大きな裏がありそうな気がしてるんだよね……)

222: ◆zbOQ645F4s 2021/07/27(火) 20:09:35.72 ID:Ai6SuBuE0

摩美々「浅倉透のためってことはぁ、透にこのコロシアイを捧げるって意味合いだよねー」

摩美々「円香の暴走と何か関係があったりしないのかなぁ」

雛菜「円香先輩が何かを知ってるってことですか〜?」

智代子「うーん、でも円香ちゃんが変わっちゃったのは小糸ちゃんの事件が起きてからだしなぁ」

摩美々「円香が知ってたことじゃなくて、円香が暴走することまでが浅倉透のためのコロシアイ……だったりしてー」

(……え?)

摩美々「このコロシアイ、誰かの描いた絵図通りになってるような気がしてたんだよねー。まるで、あらかじめ存在していたシナリオをなぞるようなコロシアイっていうかぁ」

(ここで起きた事件が、何かをなぞっている……?いや、そんなこと……ありえない)

(真乃も、樹里も、霧子さんも、凛世も……事件が起きた理由は彼女たち自身の葛藤や苦悩から来たものなんだ)

(人の感情を予想したシナリオなんて……組めない、はず……だよね……)

灯織「すみません、現物を持ち出すことができず……あろうことか襲撃されてしまうなんて」

愛依「ううん!灯織ちゃんが無事だったことが一番なんだし気に止む必要ないって!」

摩美々「それにしても、灯織を襲ったのって誰なんですかねー」

雛菜「やっぱり、黒幕なんじゃないですか〜?雛菜たちはモノクマの監視でクタクタになってましたし、夜時間の間はぐっすりでしたよ〜?」

めぐる「うん……流石にわたしたちの中の誰かってことはないと思うな!」

摩美々「……」

223: ◆zbOQ645F4s 2021/07/27(火) 20:12:14.06 ID:Ai6SuBuE0

摩美々「もし灯織を襲ったのが黒幕なら、灯織は警戒しておくべきかもしれないねー」

灯織「え?」

摩美々「ファイルが持ち出されていたところを見るに、その情報は黒幕にとっても重要機密。それを知ってしまっている以上、灯織の存在はかなり厄介に感じているだろうからぁ」


それもそうだ。もしかすると黒幕はあの後頭部への一撃で私のことを殺そうとすらしていたのかもしれない。そう思うとゾッとする。
……と同時に、私はあの黒幕の急所に辿り着けたのだという効力感を抱いた。
この痛みは、これまでで一番の進歩を物語っているんだ。


灯織「ご忠告ありがとうございます、でも大丈夫です。私には、信頼出来る皆さんがいますから。そう簡単に殺されはしませんよ」

雛菜「あは〜?灯織ちゃん、はじめの頃から見ると図々しくなっちゃったね〜!」

灯織「ふふ、そうかも。でもこれは本当の気持ちなんだ。ここまで一緒に生き残ってきたみなさんのお力があれば、黒幕にも負けることはないって思うから」

めぐる「うん!ぜ〜〜〜ったいに!黒幕に灯織を殺させなんかしないよ!」

摩美々「摩美々もここで灯織を殺されたら困るので、協力ぐらいはしてあげますー」

愛依「うん、何かあったらうちらにすぐ言って!いつでもどこでも助けに行くから!」

智代子「頼りないかもしれないけど、精一杯力になるよ!」

灯織「……はい!」


こうして私たちは食堂を後にした。

命がけで手にした大きな手掛かり、これが学園の真実と黒幕の正体に近づく大きな一歩なんだ……!


224: ◆zbOQ645F4s 2021/07/27(火) 20:14:06.14 ID:Ai6SuBuE0
-------------------------------------------------

【灯織の部屋】

さて、休んでいる暇はないな。
後頭部は少し腫れちゃってるけど、このぐらい平気。
それより今は皆さんと協力して前に進むことの方が大事だよ。

絶対に真実に辿りついてみせる……!

【自由行動開始】


-------------------------------------------------
1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル138枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1

225: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/27(火) 21:13:23.78 ID:7Vbdrbcno
2.円香
参加遅れた……

230: ◆zbOQ645F4s 2021/07/30(金) 21:55:08.65 ID:OG0SNMWi0
2 円香選択

【円香の部屋】

私があの空間で見つけた、「このコロシアイは浅倉透のため」という謎のメッセージ……
その真相を明らかにするに、どんな手掛かりでも欲しい……

そう思って歩いていると、自然と彼女の部屋の前にたどり着いていた。
樋口さん……あの裁判以降、どう動いているんだろう……

めぐるが探索の時に一度出会ったとは言っていたけどそれ以降の詳細は不明だ。

ピンポーン

出るはずも、ないか_____

-------------------------------------------------
【5章における樋口円香の交流について】
樋口円香は本章では灯織からでは出会うことすら叶わない状況下にあります。
この章においては雑談パートは発生しません。
プレゼントを部屋の前に置いておくことで渡すこと自体は可能なので、親愛度上昇の判定は発生いたします。
-------------------------------------------------

なにかプレゼントを置いておけば、反応があるかな……?

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?

・現在の所持品

【ミネラルウォーター】
【虹色の乾パン】
【色恋沙汰リング】×2
【スカラベのブローチ】×3
【あしたのグローブ】×2
【おでこのメガネ】×2
【はっぱふんどし】×2
【白うさぎの耳あて】
【もちプリのフィギュア】×2
【ラジオ君人形】
【残鉄剣】
【狂戦士の鎧】
【毛虫くん】
【昭和ラジオ】
【黄金のスペースシャトル】
【聖徳太子の地球儀】
【ミレニアム懸賞問題】
【携帯ゲーム機】
【プロジェクトゾンビ】
【動くこけし】
【オブラート】
【スモールライト】
【古代ツアーチケット】×2
【もしもFAX】
【隕石の矢】
【アゴドリル】×2
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ジャスティスV変身ベルト】
【ログインボーナス】


↓1

231: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/30(金) 21:59:45.70 ID:a7qEOMLF0
スカラベのブローチ

233: ◆zbOQ645F4s 2021/07/30(金) 22:04:50.34 ID:OG0SNMWi0
【スカラベのブローチを置いておいた……】

樋口さん、今は会うこともできないけど……
私たちはずっと仲間だと思ってる、その証明としてこれを置いていくよ……


~~~~~~~

円香「……なにこれ、プレゼントボックス?」

円香「……」

円香「……ひっ」ビクッ

円香「虫をかたどったブローチ……?なにこれ、敵対の意志表明……?」

円香「……そっちがその気なら、こっちも遠慮なくいっていいってこと?」

円香「……上等」


(うっ……別のものを渡せばよかったかな……)


【親愛度が上昇しました!】

【スキル:HAPPY-!NGの効果により親愛度上昇値がわずかに増えます!】

【現在の樋口円香の親愛度…7.5】


235: ◆zbOQ645F4s 2021/07/30(金) 22:06:36.54 ID:OG0SNMWi0
-------------------------------------------------
【灯織の部屋】

樋口さんに渡したプレゼント、あれで釣るわけじゃないけど何かしらのとっかかりにならないかな?
……可愛いブローチだったし、喜んでもらえるといいけど。

灯織「まだ少しだけ時間はあるかな」

【自由行動開始】

-------------------------------------------------
1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル138枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1

236: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/30(金) 22:08:05.40 ID:a7qEOMLF0
雛菜

238: ◆zbOQ645F4s 2021/07/30(金) 22:16:02.96 ID:OG0SNMWi0
2 雛菜選択

【植物庭園】

雛菜「ぬくぬく~~~♡」

灯織「あ、雛菜……お疲れ様、今は調査中?」

雛菜「う~ん、今はただの日向ぼっこかな~」

灯織「そ、そうなんだ……」

雛菜「円香先輩にももしかしたらどこかで会えないかな~とか思わなくもなかったり~」

灯織「……雛菜」

(そういう割にニワトリ小屋をのぞき込んだりしているのはなんなんだろう……)

-------------------------------------------------
【親愛度がMAXになっているキャラの交流について】

これ以上ないほど灯織との友情が成熟しているキャラからはもうスキルを得ることはできません。
代わりに交流の終わりにコンマ判定を行い、その末尾に応じた枚数分のモノクマメダルを獲得できます。
-------------------------------------------------

プレゼントを渡しますか?

・現在の所持品

【ミネラルウォーター】
【虹色の乾パン】
【色恋沙汰リング】×2
【スカラベのブローチ】×2
【あしたのグローブ】×2
【おでこのメガネ】×2
【はっぱふんどし】×2
【白うさぎの耳あて】
【もちプリのフィギュア】×2
【ラジオ君人形】
【残鉄剣】
【狂戦士の鎧】
【毛虫くん】
【昭和ラジオ】
【黄金のスペースシャトル】
【聖徳太子の地球儀】
【ミレニアム懸賞問題】
【携帯ゲーム機】
【プロジェクトゾンビ】
【動くこけし】
【オブラート】
【スモールライト】
【古代ツアーチケット】×2
【もしもFAX】
【隕石の矢】
【アゴドリル】×2
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ジャスティスV変身ベルト】
【ログインボーナス】


↓1

239: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/30(金) 22:21:28.10 ID:a7qEOMLF0
もちぷりフィギュア

240: ◆zbOQ645F4s 2021/07/30(金) 22:24:27.95 ID:OG0SNMWi0
【もちプリのフィギュアを渡した……】

灯織「雛菜、これどうかな」

雛菜「……え゛っ゛」

灯織「ひ、雛菜……?」

雛菜「灯織ちゃん、これ……もしかして、雛菜に『かわいい』ものを渡そうとしてコレ持ってきたの……?」

(そ、そんな怪訝そうな目で見ないで……)

(うっ、別のものを渡せばよかったな……)

-------------------------------------------------

雛菜「……」

灯織「……雛菜?」

雛菜「あっ、ごめん灯織ちゃん……ちょっとだけ考え事~」

(雛菜が私に心を開くようになって数日、気兼ねなくお互い話はできるようになったけれど……)

(時々こうやってどこか物憂い気な表情を浮かべることがある)

(これはきっと私に対する関わり方ではなく、樋口さんの幼馴染であることによって生じる負い目のようなものなんだろう)

灯織「雛菜、樋口さんのことだよね?」

雛菜「あは~……やっぱ灯織ちゃんにはバレちゃってる~?」

灯織「雛菜はわかりやすいから。……まあ、私も人のことは言えないんだけどね」

雛菜「だよね~、灯織ちゃんってばお腹がすいてるときって露骨に『空腹~』って顔してるから」

灯織「えっ?!そんなに分かりやすい?!」

雛菜「あは~~~~!灯織ちゃんの分かりやすいのってそういうとこだよね~~~!」

雛菜「アンティーカの子がよくからかうのも気持ちがわかるな~!」

灯織「……もう、雛菜」


1.誤魔化さなくていいから
2.雛菜、間違っても一人で抱え込まないでよ
3.自由安価

【本セリフ指定安価で同時にモノクマメダル獲得枚数のコンマ判定を行います】

↓1

241: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/30(金) 22:29:00.81 ID:a7qEOMLF0
2

242: ◆zbOQ645F4s 2021/07/30(金) 22:39:52.80 ID:OG0SNMWi0
2 選択

灯織「雛菜、間違っても一人で抱え込まないでよ」

雛菜「え~?」

灯織「言ったでしょ、雛菜はわかりやすいって。今、雛菜が樋口さんのことで一人で責任とか後悔とか……一人で色々と背負い込もうとしてるのが丸わかりだから」

雛菜「……」

灯織「その……雛菜は優しいし、万が一のことがあれば……私は悲しい」

雛菜「……灯織ちゃんは心配性だな~」

灯織「……なっ!」

雛菜「灯織ちゃんも知ってるよね~?雛菜は、灯織ちゃんのおかげで変わることができた、幼馴染とそれ以外のみんなとの間にあった線を飛び越えることができたって~~~!」

雛菜「それに、雛菜は灯織ちゃんが側にいてくれてることは知ってるから!灯織ちゃんが悲しむことは雛菜もしあわせじゃないし~」

灯織「雛菜……その言葉に嘘はないんだよね」

雛菜「うん~~~♡なにかあればまず相談、それがお友達でしょ~?」

灯織「……うん、信頼してるよ」

(大丈夫、今の雛菜なら間違いは起こらない、起こさせない)

(それが私たちの培ってきた、積み重ねて来た絆……)

【コンマ判定81】

【モノクマメダル1枚を手に入れました!】

【現在のモノクマメダル枚数…139枚】

-------------------------------------------------

【スキル:一番星の魔法を発動できます】

【モノクマメダルを10枚消費して自由行動を追加できます】

【現在のモノクマメダル枚数…139枚】

【スキル:一番星の魔法を使用しますか?】

↓1

243: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/30(金) 22:42:39.46 ID:Byq+S8buO
使う

244: ◆zbOQ645F4s 2021/07/30(金) 22:44:20.37 ID:OG0SNMWi0

【スキル:一番星の魔法を使用しました】

【残りのモノクマメダル枚数…129枚】

-------------------------------------------------

【灯織の部屋】

樋口さんのあの一言で、みんな大きく変わってしまっている。
私がふさぎ込む一方で、雛菜のように何かを考え込んでいる人もいる。

……何も間違いが起きなければいいんだけど。

【自由行動開始】

灯織「まだ、時間はあるかな」

-------------------------------------------------

1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル129枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1

245: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/30(金) 22:44:52.97 ID:a7qEOMLF0
めぐる

246: ◆zbOQ645F4s 2021/07/30(金) 22:49:15.62 ID:OG0SNMWi0
2 めぐる選択

【体育館】

灯織「めぐる……?何してるの、こんなところで」

めぐる「あっ、灯織ー!えっとね、この前モノクマがここで動かなくなってたことで何かヒントが残ってないかって思ったんだー!」

灯織「そっか……どうだった?」

めぐる「うーん、手掛かりは何も……」

灯織「そっか……」

めぐる「でもでも、絶対に諦めないよ!あのモノクマの挙動……何か秘密があるはずだからねっ!」

(めぐるの底なしの明るさ……それがある限り、私はまだ戦っていける……)

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?

・現在の所持品

【ミネラルウォーター】
【虹色の乾パン】
【色恋沙汰リング】×2
【スカラベのブローチ】×2
【あしたのグローブ】×2
【おでこのメガネ】×2
【はっぱふんどし】×2
【白うさぎの耳あて】
【もちプリのフィギュア】
【ラジオ君人形】
【残鉄剣】
【狂戦士の鎧】
【毛虫くん】
【昭和ラジオ】
【黄金のスペースシャトル】
【聖徳太子の地球儀】
【ミレニアム懸賞問題】
【携帯ゲーム機】
【プロジェクトゾンビ】
【動くこけし】
【オブラート】
【スモールライト】
【古代ツアーチケット】×2
【もしもFAX】
【隕石の矢】
【アゴドリル】×2
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ジャスティスV変身ベルト】
【ログインボーナス】


↓1

247: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/30(金) 22:51:45.06 ID:g566MPpK0
ミネラルウォーター

248: ◆zbOQ645F4s 2021/07/30(金) 23:01:55.36 ID:OG0SNMWi0
【ミネラルウォーターを渡した……】

灯織「これ、めぐる。使って」

めぐる「ん?……わぁ!水だ!ありがとう灯織!わたしのために持ってきてくれたの?!」

灯織「うん、めぐるは何かと毎日走り回ったり私たちのために尽力してくれたりでエネルギーを使ってるから……水分補給をおろそかにしたら駄目だよ?」

めぐる「うん!灯織はわたしのことを気遣ってくれて優しいなぁ……ありがとう!」

灯織「ううん、これぐらいなんてことないよ」

【PERFECT COMMUNICATION】

【親愛度がいつもより多めに上昇します】

-------------------------------------------------

めぐる「灯織!灯織灯織灯織ー!」

灯織「めぐる……どうしたの?」

めぐる「えへへ、呼んでみただけ!なんだか、灯織の名前が呼びたいなーって!」

灯織「もう……なにそれ」

めぐる「灯織の名前を口に出すと、なんだかすごく力がもらえるんだよ!」

灯織「力?そんなの私がむしろめぐるから貰ってることで……」

めぐる「ちがうよちがうよ!わたしも灯織に力をもらってばっかりなんだから!」

灯織「もぅ……」

めぐる「わたしには灯織がいる、かけがえのない仲間がいる……この仲間を失っちゃダメなんだぞって!」

(めぐるの言う『力』は……真乃を失ったことに基づくものなのかもしれない)

(イルミネはもう、あのトライアングルを描くことはない……それを寂しく思う気持ちは私にだってある)

(それが無自覚なうちに、意識することなく、私への執着という形で現れたのが、今の掛け合いなのかもしれない)


1.じゃあ今度は私からめぐるの名前を呼んじゃうから
2.めぐる、手を握ろっか
3.自由安価

↓1

249: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/30(金) 23:06:03.63 ID:VLbhsbmS0
2

250: ◆zbOQ645F4s 2021/07/30(金) 23:10:40.11 ID:OG0SNMWi0
2 選択

灯織「めぐる……手、握ろっか」

めぐる「へ?」

灯織「私とめぐるは切っても切れない仲間、いつまでもどこまでも切れない絆を持っている。それを改めて確認したいなって」

めぐる「う、うん……」

ギュッ

灯織「めぐる……どうかな」

めぐる「……灯織の手、つめたいね」

灯織「え?!ご、ごめん……」

めぐる「ううん!ちがうの!……ほら、手が冷たい人って心はあったかいって言うでしょ?」

めぐる「それをわたしは知ってるから!この手から感じるものが、灯織の優しさの表れだって思うと……なんだか離したくなくなっちゃう!」

灯織「そ、そんな……照れるから」

めぐる「えへへっ、灯織!」

灯織「……もう」

めぐる「灯織灯織灯織ーーーー!!」

灯織「……もうったら……」


【親愛度が上昇しました!】

【スキル:HAPPY-!NGの効果により親愛度上昇値がわずかに増えます!】

【現在の八宮めぐるの親愛度…2.5】

-------------------------------------------------

【スキル:ポシェットの中にはの判定に移ります】

【直下コンマの末尾の数字と同じ枚数のモノクマメダルを獲得できます】

↓1

251: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/30(金) 23:16:37.48 ID:g566MPpK0

252: ◆zbOQ645F4s 2021/07/30(金) 23:19:05.66 ID:OG0SNMWi0
【コンマ48】

【モノクマメダル8枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル枚数…138枚】

-------------------------------------------------
【灯織の部屋】

ピンポーン

こんな時間に来訪者。……流石に黒幕がインターホンを鳴らしてはやってこないよね。
ある程度緊張を解いて来客を受け入れる。
扉を開くと、そこに立っていたのは……


めぐる「こんばんは、灯織!」

灯織「めぐる……どうしたの、何か用事?」

めぐる「えへへ、用事って言うか少し心配で……」

灯織「もしかして、私が黒幕に襲われないかってこと?」

めぐる「うん……灯織は今怪我もしてるから、万が一のことがあったら心配なの」

灯織「ありがとうめぐる……でも大丈夫、夜はちゃんと施錠してこの部屋に閉じこもるつもりだから」

めぐる「う~~~ん、足りないんじゃないかな。だってモノクマはいつでもどこでも出てこれるんだよ?鍵だけじゃ心配だよ~!」

灯織「そ、それはそうだけど……」

めぐる「ねえ灯織、今から一緒に護身用の武器を取りに行かない?何か自分の手で使える武器があった方が安心だよ!」


めぐるの口から武器なんてものが出てきて少し驚いたけど、めぐるの言う通りだ。
夜時間の個室は絶対安全なように見えて、その実自分を閉じ込める檻のようなもの。黒幕相手じゃ心細い。


灯織「でも、護身用の武器なんてどこに……」

めぐる「わたしにいい考えがあるんだ!体育館の前のトロフィとかの陳列スペース、あそこに立派な模擬刀があったと思う!」

灯織「模擬刀……確かに私でも使い方がわかるし、護身用にはいいかもね」

めぐる「よし、そうと決まったら善は急げだよーーー!」

253: ◆zbOQ645F4s 2021/07/30(金) 23:20:12.31 ID:OG0SNMWi0
-------------------------------------------------
【体育館前】

めぐる「えっと……ここにあったと思うんだけど……」


モノクマに呼び出しを食らった時など頻繁に出入りはしてたけど、そこまで注視したことはなかったな。
めぐるは品定めするように腰を曲げ、しばらく眺めたかと思うとその手に模擬刀をとった。


めぐる「これだね!本物の日本刀……じゃないから、斬れないけど緊急時は相手を叩いて使ったらいいと思う!」

灯織「うん、ありがとう……これなら私でも使えそう」

私のありがとうの言葉を満面の笑みで受け取るめぐる。本当にめぐるには助けられてばかりだな。

灯織「でもめぐる、めぐる自体は大丈夫?」

めぐる「え?」

灯織「せっかくだから、護身用の武器とかめぐるも持って帰ったらどうかな?備えあれば患いなし、っていうでしょ?」

めぐる「ううん!大丈夫!実はわたし、ナイフを持ってるから!」

灯織「え、ナイフ?」


私の問いかけにめぐるは懐からナイフを持ち出した。
そういえば、今朝のめぐるの報告でもとある教室の机に刺さっていたと言っていた。それを回収したままだったらしい。


めぐる「ナイフ自体は怖いものだけど……使い方に気を付ければ大丈夫!」

灯織「もう……大丈夫?ちゃんとそれで自分の体を守れる?」

めぐる「うん!ばっちりだよ!」


めぐるは自信満々に言うけど、大丈夫かな……
少し心配にはなるけど、狙われるなら私の方が先だ。
ナイフをめぐるが振るう機会もそうそうないだろうし、今のところはめぐるにそのまま任せておくことにした。

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254: ◆zbOQ645F4s 2021/07/30(金) 23:21:38.78 ID:OG0SNMWi0
-------------------------------------------------
【灯織の部屋】

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより、“夜時間”になります。間もなく、食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま~す』

モノクマ『ではでは、いい夢を。おやすみなさい…』

大きな収穫のあった1日だったな。
今に見てろ、モノクマ。このふざけた放送も、そう長くは続かせないんだから。

……っと、一応最大限の警戒はしておかないとね。
しっかりと部屋の施錠を確認して、護身用に持ち出した模擬刀も用意。これでそう易々とは殺されはしないはず。

なんとしても生き残って、この学園を皆さんと一緒に脱出するんだ……!
だから今はとりあえず、体を休めよう。
頭の傷もそうだし、昨日の晩から動きっぱなしだしね。

私は改めて固く決意をして、ベッドへと潜り込んだ。

-------------------------------------------------

255: ◆zbOQ645F4s 2021/07/30(金) 23:22:42.22 ID:OG0SNMWi0
_____
________
____________

【灯織の部屋】

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!』

モノクマ『起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』


素っ頓狂なアナウンスで今日も目を覚ます。両手をグーパーで確かめる、なんの異常もない。

……昨晩は襲撃を受けることはなかったな。
当然そのほうがいいんだけど、警戒していた分少しだけ拍子抜け。黒幕は私の存在をどう捉えているんだろう。

ひとまずは私の生存を示す意味合いでも食堂に行かないと。



256: ◆zbOQ645F4s 2021/07/30(金) 23:23:43.86 ID:OG0SNMWi0
-------------------------------------------------
【食堂】

智代子「あ、灯織ちゃんだ!よかった!無事なんだねー!」

愛依「灯織ちゃんだよね?!ちゃんと灯織ちゃんだよね?!」

灯織「だ、大丈夫!私は無事ですから!」

摩美々「ひとまず何もなくぅ?黒幕に襲われもしなかった感じっぽいねー」

めぐる「うん、夜の間定期的に灯織の部屋の前を見回ってたけど怪しい人も来なかったよ!」

灯織「そ、そんなことをしてくれてたのめぐる?!」

灯織「ご、ごめん!全然気付いてなかった!めぐる、今晩は私がめぐるの部屋を見回りするから、今日はゆっくり休んで!」

摩美々「別にめぐるの部屋を見張る意味はないと思うケド……」


食堂では私の生存をみなさんが喜んでくださり、そのまま今後の体制についての話し合いに。
『希望ヶ峰学園歌姫計画』の全貌、浅倉透という人間のこのコロシアイにおける立ち位置なので目下の課題を調べるのは当然として……






円香「おはようございます」

樋口さんにも警戒をせねばならない。

257: ◆zbOQ645F4s 2021/07/30(金) 23:24:31.85 ID:OG0SNMWi0

摩美々「一体何の用ー?摩美々たちは黒幕対策で忙しいんだケド」

円香「……生きて帰るお仲間の頭数にもう私は含まれていないんですか?」

灯織「そ、そういうわけでは……」

円香「別にそのつもりもないのでどうでもいいけど」

愛依「円香ちゃん……そんなこと言わないでよ」

円香「……」

摩美々「で?何が目的なわけ?まさか一緒にご飯食べたいわけでもないんでしょー?」

円香「よくおわかりで。こんな雑談をしに訪れたわけではないですね」

円香「みなさんにご挨拶をと思いまして」

めぐる「あいさつ……?」

円香「皆さんとお話しできるのもあと僅かですから」

灯織「そ、それって……」





円香「あなたがたの絆をズタズタに引き裂く準備は整いつつあります」

灯織「!?」






258: ◆zbOQ645F4s 2021/07/30(金) 23:25:31.15 ID:OG0SNMWi0

円香「見るも無残な、絆なんて世迷言の成れの果てをお見せしますよ」

智代子「ま、円香ちゃん!考え直してよ!凛世ちゃんの想いは……円香ちゃんには届かなかったの?!」

円香「凛世の想い?……智代子こそ、凛世の想いを都合のいいように曲解してない?」

円香「凛世はただ、このコロシアイを続けたかった。それだけのことなのに、あなたがたは勝手に希望を託しただの絆を繋いだだの、お得意の理屈を並べて悦に浸っている」

円香「本当に下らない、見ているだけで反吐が出る」

めぐる「ちがうよ!凛世は、わたしたちのことを思ってくれてた……そこに間違いなんて!」

円香「だとしても、私には関係ない。私にとって大切なのは透と小糸、二人のためにこの命を懸けることだから」

雛菜「円香先輩、どうしてそうもねじ曲がっちゃったの……」

円香「あんたこそね。灯織たちのくだらない洗脳を受けて、もう同情すらできない」

雛菜「……!!そんな言い方するなんてやっぱり円香先輩おかしい〜〜〜〜〜!!」

円香「……おかしい?おかしいのはどっち?」

雛菜「そっち〜〜〜!!」

円香「……はぁ、あんたとは議論すらまともにできない」


いくら言葉を投げかけても立板に水。
樋口さんの殺意と敵意は微塵たりとも揺らぐことはなく、私たちをしっかりと睨みつけている。


円香「では、いつまでその食事を味わえるかハラハラしながらお過ごし下さい」


そしてその敵意を突き付けたまま、樋口さんは背を向けた。私たちに一頻り恐怖をばら撒いて満足し、退室するつもりだ。





でも、それを彼女は許さなかった。

259: ◆zbOQ645F4s 2021/07/30(金) 23:26:30.53 ID:OG0SNMWi0

摩美々「待ったぁ、このまますんなり見逃すとでも?」

愛依「ま、摩美々ちゃん?!それ……?!」

智代子「い、いやぁぁぁぁぁぁぁ?!」


いつのまに厨房から持ち出していたのか、摩美々さんの手には包丁が握られていた。急速に食堂の空気が張り詰める。


円香「……へぇ、あなたがたにそんな勇気があるとは思いませんでした。てっきり平和主義を徹底するのかと思ったんですが」

摩美々「摩美々は平和主義ですよー、ただその平和を阻害する相手なら攻撃も辞さないだけでー」

愛依「わわ、わわわわ……ど、どうしよどうしよ!」

灯織「ま、摩美々さんやめてください!こんな形での幕引きは……望んでいません!」

摩美々「灯織!!」

灯織「……!!」

摩美々「灯織の言うことは間違ってないしぃ、全部その通り。こんな形で幕引きなんて、咲耶もきっと望んでない……」

摩美々「でも、円香を止めるにはこれしかない……言葉じゃ通じる相手じゃないんだよねー……」

円香「流石。よくわかっていらっしゃいますね」

摩美々「お生憎さま、摩美々も円香ほどじゃないケド悪い子なのでー」


まずい。摩美々さんをなんとしても止めないと……
この前の裁判とおんなじだ。また摩美々さんは自分の命を賭してでも、私たちを、絆を守ることに執心している。

260: ◆zbOQ645F4s 2021/07/30(金) 23:27:40.16 ID:OG0SNMWi0

どうやって止めるべきか、そもそも止めないべきなのか。
こうでもないああでもないとあたふたしているうちに……ことは唐突に終結を迎えた。


摩美々「……!?」

円香「……どうしました?私をここで止めるのでは?」

めぐる「ど、どうしたの摩美々…………って!?」

雛菜「ま、円香先輩その薬……!!」

円香「持ってきて正解でしたね、この前の事件でも使われた薬品A・B。既にこのボトルの中で調合済み。私は刺された瞬間ここでこれを開封しますよ」

摩美々「……」

円香「私の邪魔をすれば、即座に全員が共倒れ。さて、どうしますか?」


摩美々さんは奥歯をギュッと噛み締め、プルプルと腕を震えさせながら包丁の鋒を樋口さんの胸元から徐々に高度を下げていった。
どうしようもない、樋口さんは最強の自己防衛策を持っていた。


円香「では、失礼します」


私たちは食い入るような目で、その去り際を見送ることしかできなかった。


摩美々「……はぁ」


ガックリと肩を落とす摩美々さん。
手離した包丁が耳障りな金音を立てて床に落ちた。


灯織「摩美々さん……」

摩美々「……私は間違ったことはしていないと思ってるからぁ、謝罪も釈明もしないよ」

摩美々「ただ、無力な自分に苛立ってるだけなのでー……」


大丈夫。摩美々さんとの間に行き違いがあるわけじゃない。
想いは同じ……ただ、その苛烈さの違いなだけ。
摩美々さん自体不安なんだ、樋口さんの動向そして咲耶さんの意思を受け継ぐことに。

誰も凶行に走ろうとした摩美々さんを責めようともせず、朝礼は意図せぬ形で解散となった。


雛菜「……」

261: ◆zbOQ645F4s 2021/07/30(金) 23:28:52.64 ID:OG0SNMWi0
-------------------------------------------------
【灯織の部屋】

樋口さん、本当にやる気なんだ。
急がないと……急いであの部屋で知った秘密を解き明かさないと……
取り返しがつかなくなる、その前に。

【自由行動開始】

【事件発生前最終日の自由行動です】

-------------------------------------------------

1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル138枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1

262: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/30(金) 23:29:57.15 ID:+AGkHew+0
雛菜

267: ◆zbOQ645F4s 2021/08/03(火) 21:06:05.21 ID:Yd1VA74N0
2 雛菜選択

【生物室前】

雛菜「あは~?灯織ちゃん、なんでこんなところに~?」

灯織「雛菜こそ……どうしたの?この部屋って確か入室不可能だよね?」

雛菜「ん~……なんだかこの部屋ってすごく冷たい感じがするから、円香先輩が寄ってきそうだな~って」

(樋口さんをまるで虫みたいに……)

雛菜「冷気もそうだけど~、なんだか部屋そのものから感じる冷たさがあるっていうか~……」

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?

・現在の所持品

【虹色の乾パン】
【色恋沙汰リング】×2
【スカラベのブローチ】×2
【あしたのグローブ】×2
【おでこのメガネ】×2
【はっぱふんどし】×2
【白うさぎの耳あて】
【もちプリのフィギュア】
【ラジオ君人形】
【残鉄剣】
【狂戦士の鎧】
【毛虫くん】
【昭和ラジオ】
【黄金のスペースシャトル】
【聖徳太子の地球儀】
【ミレニアム懸賞問題】
【携帯ゲーム機】
【プロジェクトゾンビ】
【動くこけし】
【オブラート】
【スモールライト】
【古代ツアーチケット】×2
【もしもFAX】
【隕石の矢】
【アゴドリル】×2
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ジャスティスV変身ベルト】
【ログインボーナス】


↓1

268: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/03(火) 21:11:33.55 ID:Wu7eRyTU0
渡す 【白うさぎの耳あて】

269: ◆zbOQ645F4s 2021/08/03(火) 21:18:45.10 ID:Yd1VA74N0

【白うさぎの耳当てを渡した……】

灯織「雛菜、これどうかな?可愛らしいファッションアイテムで雛菜に喜んでもらえ_____」

雛菜「やは~~~~~~~♡これすっごくかわいいね~~~~~~!!」

灯織「わっ!?ひ、雛菜……!?」

雛菜「これ、もらっていいの~?」

灯織「……ふふ、うん。雛菜が欲しいのならぜひ」

雛菜「あは~!灯織ちゃん大好き~~~~!」

【PERFECT COMMUNICATION】

【いつもより手に入るモノクマメダルの量が増加します】

-------------------------------------------------

雛菜「はぁ~……なんでモノクマってモノクマなんだろ~」

灯織「雛菜?どうしたの、珍しいねため息なんて」

雛菜「灯織ちゃん~~~!灯織ちゃんはモノクマのことどう思う~?」

灯織「え?どう思うって言われても……」

灯織「私たちのみの安全を脅かす、危険な存在で……到底許しがたいって言うか……」

雛菜「雛菜が聞きたいのはそういうことじゃなくて~」

雛菜「……モノクマって可愛いと思う~?」

灯織「……えっ?」

雛菜「モノクマって自分の事を可愛い可愛いっていうけど~、実際のところ、黒色と白色の組み合わせはあんまりだよね~?」

灯織「そ、そう……だね……」

雛菜「目つきも可愛くない~~~!」

(突拍子もない話で面食らってしまったけど……)

(そうだよね、友人同士の会話って元々こういうものなんだ……特に意味のない話を、何の目的もなくする)

(……それを雛菜が私にしてくれているってことは喜ぶべきことだよね)

雛菜「もっと可愛いクマがよかったな~」

灯織「雛菜には大好きなクマのキャラクターがいるもんね」

雛菜「灯織ちゃん知ってるの~?」

灯織「うん、なんとなくだけど……」

1.サンダースだよね?
2.ユアクマだよね?
3.自由安価

【本セリフ指定安価で同時にモノクマメダル獲得枚数のコンマ判定を行います】

↓1

270: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/03(火) 21:21:23.00 ID:nwZmrdgpO
無難に2で

271: ◆zbOQ645F4s 2021/08/03(火) 21:31:39.92 ID:Yd1VA74N0
2 選択

灯織「たしか、ユアクマ……だったよね?」

雛菜「うん~~~!流石灯織ちゃんだね~!」

灯織「雛菜が普段から来てる服にもアップリケがついてたり、グッズも集めてたと思うから……」

灯織「それに、と、友達の好きなものはやっぱり、ちゃんと知っておきたいから……」

雛菜「やは~~~♡」

雛菜「雛菜ね、ユアクマカフェの店員さんをやったこともあるんだよ~?」

灯織「へぇ……お仕事?」

雛菜「うん~~~!プロデューサーが取ってきてくれた~!」

(プロデューサー、一人一人の好みや適性に合わせてお仕事を持ってきてくださるあの手腕は流石だな……)

雛菜「ユアクマカフェはね~、メニューもユアクマ仕様で食べるのがもったいなくなっちゃうぐらいなんだよね~」

灯織「コラボ商品とかって、見た目まで作りこみがすごいもんね」

雛菜「あ、そうだ~!今度灯織ちゃんも一緒に行こうよ~!」

灯織「えっ……私も?」

雛菜「灯織ちゃんにもユアクマの魅力をもっと知ってほしいし~、一緒にお出かけしたいから~~~♡」

灯織「……喜んで、私からもお願いしたいな」

(……雛菜とこんなに親しくなれるなんて、はじめは思わなかったな)


【コンマ判定00】

【末尾ゼロは10とカウントします】

【PERFERCT COMMUNICATIONにより獲得枚数が倍になります!】

【モノクマメダル20枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル枚数…158枚】

272: ◆zbOQ645F4s 2021/08/03(火) 21:33:43.94 ID:Yd1VA74N0
-------------------------------------------------
【灯織の部屋】

雛菜とこの学園を出た後の約束をしてしまった……

雛菜とここまで親しくなった驚きもそうだけど、
何より、ここから出ていく理由がまた一つ増えた。

____絶対に、モノクマを打倒してみんなで出ていくんだ。


【自由行動開始】

【事件発生前最終日の自由行動です】

-------------------------------------------------

1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル158枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1

273: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/03(火) 21:36:49.61 ID:Wu7eRyTU0
2 めぐる

274: ◆zbOQ645F4s 2021/08/03(火) 21:47:33.05 ID:Yd1VA74N0
2 めぐる選択

【1F 教室】

学校の散策にまた向かおうとした矢先、学校エリアの一階の教室の扉がわずかに空いているのが目に入った。
体を伸ばしてのぞき込んでみると、見慣れた美しい金髪。

……めぐるだ。
いつにもなく神妙な面持ちで、席に座っている。

深く集中しているのか、私にも気づいていない。
……声をかけようか。

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?

・現在の所持品

【虹色の乾パン】
【色恋沙汰リング】×2
【スカラベのブローチ】×2
【あしたのグローブ】×2
【おでこのメガネ】×2
【はっぱふんどし】×2
【白うさぎの耳あて】
【もちプリのフィギュア】
【ラジオ君人形】
【残鉄剣】
【狂戦士の鎧】
【毛虫くん】
【昭和ラジオ】
【黄金のスペースシャトル】
【聖徳太子の地球儀】
【ミレニアム懸賞問題】
【携帯ゲーム機】
【プロジェクトゾンビ】
【動くこけし】
【オブラート】
【スモールライト】
【古代ツアーチケット】×2
【もしもFAX】
【隕石の矢】
【アゴドリル】×2
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ジャスティスV変身ベルト】
【ログインボーナス】


↓1

275: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/03(火) 21:50:01.74 ID:nwZmrdgpO
あしたのグローブ

276: ◆zbOQ645F4s 2021/08/03(火) 21:55:02.94 ID:Yd1VA74N0
【あしたのグローブを渡した……】

めぐる「随分と年季の入ったグローブだね……!」

灯織「うん、持ち主の血のにじむような努力がつまった一品みたい」

めぐる「だね、持ってるだけでその人の熱意が伝わってくるよ……!わたしも頑張らなきゃってそう思えるような……!」

灯織「めぐるにとって、明日を頑張る活力になればいいかなって思ったんだ」

めぐる「灯織……ありがとう!灯織のその気持ちだけでもうれしいよ……!」

【PERFECT COMMUNICATION】

【いつもより親愛度が多めに上昇します】

-------------------------------------------------

灯織「……めぐる?こんなところでどうしたの?」

めぐる「……!!灯織!?も、もしかしてわたしのこと探してた?!」

灯織「あ、ううん……違うの、部屋の扉が開いてたから。……ここって」

めぐる「……うん、透と真乃の事件があった場所だよ」

灯織「……めぐる」

めぐる「真乃の言葉をそのまま守ることはできないで、今まで来ちゃった。真乃の事件の時から比べると、数もかなり減っちゃった」

めぐる「でも、今度こそ……真乃の言葉を守りたいってそう思うんだ。円香とも分かり合って、一緒に帰るんだって」

めぐる「そのための決意表明……なんてことをしてたんだ」

めぐる「……真乃、聞いてくれたかな」

灯織「……ねえ、隣に座ってもいいかな」

めぐる「灯織?」

灯織「私からも、真乃に送りたい言葉があるから」

めぐる「もう、灯織……なんだかお墓参りみたいだよ……」

(墓参りだなんて……そんなの、弔うことすらできず、今後も一生させてもらえないのにね)

灯織「ねえ、真乃……聞いてるかな」


1.今度こそ、樋口さんとの絆を証明してみせるよ
2.真乃の願い、絶対にかなえてみせるから
3.自由安価

↓1

277: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/03(火) 21:59:02.53 ID:Wu7eRyTU0
2

278: ◆zbOQ645F4s 2021/08/03(火) 22:06:59.53 ID:Yd1VA74N0
2 選択

(真乃の願い、それは……『モノクマに負けない』『アイドルとして輝き続ける』ということ)

(命を落とすこととなった真乃の分も強く気高く生き続け、そして夢を彼女の代わりにかなえるということ)

(……その願いは、私たち全員が背負うべき義務でもある)

灯織「真乃の願い、絶対にかなえてみせるから」

めぐる「……灯織」

灯織「アイドルとして、真乃の言う輝きを手にするのはいつになるのかわからないけど……必ずその時まで、努力を続けるしみんなで支え合って生きていく」

灯織「真乃が最期に見せてくれたあの笑顔を、私はこの先も一生忘れないから」

灯織「こんなの、めぐるからすれば当たり前のことだったかもしれないけど私自身の決意表明として、ね」

めぐる「ううん!灯織の決意……すごく胸に響いたよっ!」

灯織「そう言ってもらえると嬉しいな、少し照れちゃうけどね」

めぐる「真乃、見守っててね!絶対に灯織と、みんなと、真乃の願いを叶えるよー!」

(そこに亡骸があるわけでも、遺影があるわけでもない)

(彼女自体は、地下深くの処刑場で命を落としたし、死んだ場所はこの教室ですらない)

(それでも、何故だか真乃が……私たちを見て、あの優しいほほえみを浮かべたような気がした)

【親愛度が上昇しました!】

【スキル:HAPPY-!NGの効果により親愛度上昇値がわずかに増えます!】

【現在の八宮めぐるの親愛度…5.0】

-------------------------------------------------

【スキル:一番星の魔法を発動できます】

【モノクマメダルを10枚消費して自由行動を追加できます】

【現在のモノクマメダル枚数…158枚】

【スキル:一番星の魔法を使用しますか?】

↓1

279: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/03(火) 22:14:04.48 ID:nwZmrdgpO
する

280: ◆zbOQ645F4s 2021/08/03(火) 22:15:55.33 ID:Yd1VA74N0
【スキル:一番星の魔法を使用しました】

【残りのモノクマメダル枚数…148枚】

-------------------------------------------------

【灯織の部屋】

あの事件が起きたのももう一か月近く前になる。
全ては、あの事件から始まったんだったよね……

……真乃。
今の私は、間違ってない、よね……

【自由行動開始】

灯織「まだ、時間はあるかな」

【事件発生前最終日の自由行動です】

-------------------------------------------------

1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル148枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1

281: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/03(火) 22:23:02.68 ID:Wu7eRyTU0
2 愛依

282: ◆zbOQ645F4s 2021/08/03(火) 22:26:03.14 ID:Yd1VA74N0
2 愛依選択

【武道場】

灯織「愛依さん、やはりこちらにいらっしゃったんですね」

愛依「あれ、灯織ちゃん?どしたし、なんか用事?」

灯織「少し雑談でもと思ったのですが……今は取り込み中でしたか?」

愛依「ううん、大丈夫!うちも誰かと話したい気分だったからばっち歓迎~!」

(愛依さんと二人で雑談をして過ごした……)

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?

・現在の所持品

【虹色の乾パン】
【色恋沙汰リング】×2
【スカラベのブローチ】×2
【あしたのグローブ】
【おでこのメガネ】×2
【はっぱふんどし】×2
【もちプリのフィギュア】
【ラジオ君人形】
【残鉄剣】
【狂戦士の鎧】
【毛虫くん】
【昭和ラジオ】
【黄金のスペースシャトル】
【聖徳太子の地球儀】
【ミレニアム懸賞問題】
【携帯ゲーム機】
【プロジェクトゾンビ】
【動くこけし】
【オブラート】
【スモールライト】
【古代ツアーチケット】×2
【もしもFAX】
【隕石の矢】
【アゴドリル】×2
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ジャスティスV変身ベルト】
【ログインボーナス】


↓1

283: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/03(火) 22:33:13.46 ID:Wu7eRyTU0
渡す 【EYE GRASS】

284: ◆zbOQ645F4s 2021/08/03(火) 22:37:49.88 ID:Yd1VA74N0
【EYE GRASSを渡した……】

灯織「このメガネ、見覚えないですか?」

愛依「えっ?……あれ、これって……」

灯織「はい、結華さんがメガネメーカーとのタイアップで作ったデザイングラス……と同じものです」

愛依「うわっ!ホントだ……!これって結構レアもんじゃん?!」

灯織「愛依さん、辛いときはこれを見て、結華さんのことを思い出して元気を出してください」

愛依「……ありがとう、灯織ちゃん」

愛依「でもさ、せっかくなら……あの子に渡してあげるべきなんじゃないかってうちは思うんだけど……」

(うっ……別のものを渡せばよかったかな……)

-------------------------------------------------

愛依「……ねえ、灯織ちゃん」

(愛依さんの表情は、いつもよりも真剣だ。私に今から投げかける質問に対し、かなり慎重になっていることが分かる)

(……真剣に、答えないと)

愛依「この前の……咲耶ちゃんと凛世ちゃんの事件、あったじゃん?」

灯織「……はい」

愛依「うちさ、あの事件の後……二人の言ってたことを改めて考えてみたんだよね」

愛依「したら……二人とも、他のユニットメンバーを人質に取られてたって言ってたんだよね」

灯織「確かに、死に際の凛世の言葉を振り返ると、そう言った胸の言葉がありましたね」

愛依「……それってさ、あさひちゃんと冬優子ちゃんも無事ってことになんないかな」

灯織「……!!」

愛依「二回目の事件の時、うちが見させられたのは二人が酷い目にあうビデオ。正直、生きたままいられるとも思えないような……そんぐらい、目もそむけたくなるようなやつだった」

愛依「でも、恋鐘ちゃんとか、果穂ちゃんとか……みんな無事だったんなら……もしかして、二人も……」

(愛依さんの声は少しばかりうわずっていて、感情が露出していた)

(淡い可能性に縋るような気持ち……それはこの生活における弱みになる)

(でも、これは愛依さんにとってか細くも大切な……生きていく希望なんだ)

愛依「灯織ちゃん!……灯織ちゃんは、どう思う?!二人は、生きてると思う!?」


1.二人を信じましょう
2.残念ながら……
3.自由安価

↓1

285: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/03(火) 22:40:50.98 ID:Wu7eRyTU0
1

286: ◆zbOQ645F4s 2021/08/03(火) 22:49:58.26 ID:Yd1VA74N0
1 選択

灯織「愛依さんの気づいた可能性……それがたとえどんな細い可能性でも、それを信じる価値はあると思います」

愛依「……灯織ちゃん」

灯織「今の私たちが、冬優子さんとあさひとのためにできるのは、二人を信じることだけ。でもそれで十分じゃないですか」

愛依「え?」

灯織「あの二人がそう簡単に命を落とすとは、私にも思えませんから」

愛依「……だよね!そーだよね!」

灯織「モノクマにどれだけの力があって、どれほどの脅威なのかはまだ完全には推し量りかねます」

灯織「でも、きっと……ストレイライトのお二人なら、それをはねのけることだって可能だと思います。常に進化を続ける、限界を超え続けるユニット……ですから」

愛依「灯織ちゃん……うちらのこと、よくわかってるね!」

愛依「ストレイライトはこんなところでくたばるタマじゃない!……これってこういう使い方で合ってる?」

灯織「ふふ、最適解だと思います」

愛依「うん、うちらは負けない……こんなとこで負けたりしないから!」

愛依「ありがと灯織ちゃん!うち、この希望を大事にする!この希望があれば、うちもまだまだ戦える!」

(愛依さん……喜んでいただけて良かった)

(ただの希望的観測に過ぎないかもしれないけど……それでも、信じていればきっとそれは叶うって……今はその言葉を信じるしかない)


【親愛度が上昇しました!】

【スキル:HAPPY-!NGの効果により親愛度上昇値がわずかに増えます!】

【現在の和泉愛依の親愛度…4.0】

-------------------------------------------------

【スキル:ポシェットの中にはの判定に移ります】

【直下コンマの末尾の数字と同じ枚数のモノクマメダルを獲得できます】

↓1

287: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/03(火) 22:53:52.03 ID:aUh4OOWXO
っす

288: ◆zbOQ645F4s 2021/08/03(火) 22:55:55.74 ID:Yd1VA74N0

【コンマ03】

【モノクマメダル3枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル枚数…151枚】

【CHAPTER05におけるすべての自由行動が終了しました】

【事件発生パートへと移ります】

289: ◆zbOQ645F4s 2021/08/03(火) 22:56:22.37 ID:Yd1VA74N0





……私はきっと最初っから間違えていたんだろう。






290: ◆zbOQ645F4s 2021/08/03(火) 22:57:38.34 ID:Yd1VA74N0

今日という一日の最初、この1週間の最初、この学園生活の最初…………彼女と出会ってからの『最初』。

『最初』を間違えていなければ、彼女の心情を少しなりとも理解して、葛藤を少しなりとも感じ取って、決意を少しなりとも写し取って。
ちゃんととるべき対応を、しかるべき警戒をしていたはずなんだ。

(きっとまだ樋口さんは動かない)

そうやって胡座を掻いていた。
この世界は散文的な物語でもないし、まして漫画の世界、御伽話の世界でもないんだ。
一度途切れてしまった糸はもう繋ぎ止めることはできない。
彼女との間の糸がプッツリと切れる瞬間は私自身が見ていたのに、そこから目を背けてしまっていた。





_____だから、見えていた結末に気づくことができなかった。

291: ◆zbOQ645F4s 2021/08/03(火) 22:59:45.14 ID:Yd1VA74N0

-------------------------------------------------
【灯織の部屋】

「……なに、これ」


それは突然に舞い込んだ一枚の写真。
自室に帰った私が模擬刀を手に取り、今日こそ返り討ちにしてやるなんて子どもじみた決意を胸にしていた時にやってきた知らせ。


____光沢紙に映し出されていたのは、どこかの部屋で拘束されて項垂れるめぐるの姿。



……樋口さんだ。
樋口さんが口にしていた【絶望計画】が動き出したに違いない。
だとしたら、これが罠なのは明白。
めぐるを餌にして私をおびき出し、ひいては私を殺そうとすらしているのかもしれない。

でも、無視することなんてできない。
めぐるを見捨てるなんて、地球が滅亡しようともありえない。
私にとってはこの星なんかよりも、めぐるは大切な存在だから。

私は手元の模擬刀を改めて握り直した。
めぐると一緒に取りに行った、護身用の模擬刀。

黒幕を打ち倒すためのはずだったのに、仲間を守るために、かつての仲間を挫くために手にしている。


「……行こう」

292: ◆zbOQ645F4s 2021/08/03(火) 23:01:46.47 ID:Yd1VA74N0

そして、私が間違えていた『最初』がもう一つ。
この部屋に写真が差し込まれた時の、『最初』。

完全に頭に血が上っていて、冷静でなくなっていた。
この部屋に写真を入れるなんて、ドア下からしかできやしない。
私の部屋の前に直接出向かない限りできやしないのに。



……樋口さんが、【ドアの前で待っている】ことなんて想像にたやすいのに。

不用意にも扉を空けてしまった。


円香「こんばんは」

灯織「……!?ひぐっ……!?」


樋口さんが視界に入ったことを脳で処理するよりも先にその右手が伸びてきた。
右手に掴まれていたハンカチがそのまま私の口元を覆う。
薬品特有のツンとさす匂いが一瞬で脳へと到達した。
トロンと口元が開けっぱなしになるのを感じる。
どんどん全身が弛緩していく。
足元からドロドロに溶けていき、そのまま昏倒。


293: ◆zbOQ645F4s 2021/08/03(火) 23:02:33.00 ID:Yd1VA74N0





_____私の世界は黒に染まった。






294: ◆zbOQ645F4s 2021/08/03(火) 23:03:24.83 ID:Yd1VA74N0
-------------------------------------------------
【???】


???「……円香、本気なんだね」

???「それならわたしももう逃げないよ……わたしにしかできない、わたしにたくされたことがあるから」

???「もうこれ以上、誰も死なせない……殺させない」

???「それが二人と、みんなと誓った約束だから」




???「……いくよ」


-------------------------------------------------

300: ◆zbOQ645F4s 2021/08/05(木) 21:03:50.86 ID:B6IyU65v0
【???】

……あれから、どれくらい経ったんだろう。

私の視界は依然として真っ黒なまま。何かアイマスクのようなもので目隠しを付けられてるんだろう。おかげでここがどこなのかもわからない。
それに加えて、耳栓までつけられている。自分の唾液の音ぐらいしか聞こえないので今が朝か夜か、アナウンスすらも聞こえない。
極め付けには後ろ手に椅子に拘束されている。脚は自由になっているけれど、手が使えないので目も耳も自由にならない。


こんな状態のまま、既に数時間の時が経った……と思う。
時間の感覚もあやふやなのは拘束の時に吸わされた薬のせい。
意識がしばらく安定せず、平衡感覚すら怪しい時期もあった。
それにこの拘束は思った以上に体力を持っていく。体も同じ姿勢を余儀なくされるので、節々が痛む。
苦痛に喘いでも助けてくれる人はいない。疲弊は加速度的に増していく。


何も出来ぬまま時間だけが過ぎていき、

何もわからぬまま時間だけが過ぎていき、

何も起きないまま時間だけが過ぎていき、

闇が晴れたのは、一眠りした後だった。

301: ◆zbOQ645F4s 2021/08/05(木) 21:05:28.15 ID:B6IyU65v0





「灯織ちゃん、大丈夫〜〜〜〜〜?!」

唐突に晴れた暗闇の果て、目の前に現れたのは雛菜だった。






302: ◆zbOQ645F4s 2021/08/05(木) 21:06:25.61 ID:B6IyU65v0

灯織「ひ、雛菜……?」

雛菜「よかった、無事だぁ〜〜〜!!雛菜、寂しかった〜〜〜〜〜!」

灯織「ちょ、ちょっと待って……じょ、状況が掴めてないから……まず雛菜がどうしてここに?」

雛菜「え〜?鍵が開いてたからだよ〜?」

灯織「鍵……?」


そう言われて気がついた、ここは私の部屋だ。
樋口さんに気絶させられた後、そのまま自分の部屋に監禁されていたらしい。


雛菜「鍵は開いてたけど、外からドアストッパーを噛ませてあったから内側からは開けようがなかったけどね〜」

灯織「ど、ドアストッパー……?」


雛菜の手には黒い台形状の物体が。
本来なら扉を開けっぱなしにするためのものだけど、使用用途によっては犯罪にも使いうる品だと最近ニュースで見たっけ。


雛菜「他の部屋にもいっぱい噛ませてあったから、多分みんな閉じ込められてるんだよね〜」

灯織「そ、それホント?!雛菜?!」

雛菜「う、うん……」

灯織「急いでみなさんの無事を確認しないと……!雛菜、とりあえず私の拘束を解いてくれる?!」

雛菜「わ、わかった〜!」

303: ◆zbOQ645F4s 2021/08/05(木) 21:08:18.91 ID:B6IyU65v0

雛菜に拘束を解いてもらうとその勢いのまま廊下へ。
手も足も久しぶりの活動で慣れない痛みに突き刺されるけど、今はそれどころじゃない。緊急も緊急だ。

雛菜の話通り、寄宿舎の個室のいくつかには不自然にドアストッパーが噛ませてある。私以外の生存者の部屋だ。
私は片っ端から扉を開けて、みなさんを解放していく。


智代子「灯織ちゃん……!あ、ありがとう……お腹が空いちゃってたんだよ……!」

愛依「ひ、灯織ちゃん……!ありがとう、マジで怖かった……」

摩美々「灯織……これって……?」

灯織「……わかりません、恐らく樋口さんが全員を拘束していたんだとは思うんですが」

摩美々「……これで全員?」

灯織「……そういえば、めぐるの部屋にはドアストッパーが噛ませてなかった」


……嫌な予感が全身を突き抜けた。これまでに何度も味わってきたそれとはまた違う、電流にも似た寒気。
あの時、私を部屋から吊り出すために使っためぐるの写真。
この学園では画像加工なんかできっこない以上、めぐるは本当に監禁されているはず。
だとしたら、私たちと違った形で危険に晒されている……!?


灯織「……めぐるっ!?」


思わず摩美々さんに向けていた爪先を魔反対に向けて走り出したくなる衝動に襲われる。
そんな私の右手を愛依さんが掴んだ。

304: ◆zbOQ645F4s 2021/08/05(木) 21:09:18.17 ID:B6IyU65v0

愛依「灯織ちゃん、待って!不安なのはわかるけど、ここで一人で走り出しちゃダメ」

灯織「……愛依さん」

雛菜「円香先輩が動き出してる以上、単独で動くのは危険だよ〜」

智代子「うん、みんな一緒に探したほうがいいよ!」

摩美々「みんなの言う通り、いったん灯織も落ち着いてー。めぐるの身に何かあったって決まったわけじゃないじゃーん」

灯織「そ、そうですね……すみません、冷静を欠いていました」

雛菜「でも、何かしらに巻き込まれてるのは間違いないし早く助けてあげないと〜」

灯織「あ、だったらこの写真……」


めぐるが拘束されている写真を皆さんにお見せした。


摩美々「……この写真、摩美々たちみたいに個室で撮影されたものじゃないねー」

雛菜「う〜ん、どこだろ〜……?」

智代子「……あ!わかったよ!多分これ、5Fの植物庭園だよ!」

灯織「植物庭園……?」

智代子「うん、植物庭園には園芸用の道具を仕舞い込んでる倉庫があるんだけどね?この端に写ってる肥料の袋に見覚えがあるんだ!」

愛依「チョコちゃんちょーお手柄じゃん!」

智代子「えへへ、結構出入りしてたから!」

摩美々「それじゃあ植物庭園に向けてしゅっぱーつ」

305: ◆zbOQ645F4s 2021/08/05(木) 21:11:08.41 ID:B6IyU65v0

私たちは息を揃えて植物庭園へと向かった。
途中樋口さんからの襲撃が来る可能性も考慮し、最大限の警戒態勢。
周囲を見渡しながら、慎重に歩みを進めた。

___そして短くも長い時間の後、ようやっと植物庭園へと辿り着いた。


愛依「灯織ちゃん、大丈夫。落ち着いて。きっとめぐるちゃんは無事だから」

灯織「……はい」

摩美々「……灯織、開けるよ」

灯織「お願いします……!」


そして私たちは息を整え、観音開きのその扉を開けた。

めぐるの無事を確かめるために。

樋口さんの企てを食い止めるために。

もう誰の手も汚させないために。

誰も悲しまないで済むように。

絆の存在を証明するために。

希望が挫けないことを改めて知るために。

306: ◆zbOQ645F4s 2021/08/05(木) 21:12:15.52 ID:B6IyU65v0





……もう一度絶望に向き合うために。





307: ◆zbOQ645F4s 2021/08/05(木) 21:13:14.04 ID:B6IyU65v0





【植物庭園の中央には、覆面をした謎の人物の刺殺体が転がっていた】






308: ◆zbOQ645F4s 2021/08/05(木) 21:15:09.69 ID:B6IyU65v0
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CHAPTER05

Die the sky.

非日常編


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309: ◆zbOQ645F4s 2021/08/05(木) 21:16:09.62 ID:B6IyU65v0

二度見、なんて言葉があるけどあれはまやかしだ。
実際人間は理解できないものを目にした時、視線を外すことすらできないから。

凝視して凝視して、その謎を解明しようと本能が試みる。
それでも人は理解できない時、一つの反応をあげる。


「うわあああああああああ!?!?!?」


予想だにしていなかった死体を目にしたことで、理性より先に絶叫が出た。
これまでのどの死体よりも異常な光景に、思考は全く追いつかなかった。


愛依「な、なんで?!なんで、死体があんの?!」

智代子「こ、この死体って……!?」

摩美々「覆面って……これ……」


そして、混迷を極める思考は行動を律することができなかった。
気がつけば私は死体に駆け寄り、その覆面をはごうとしていた。
その死体の正体を確かめるため、その死体の正体がめぐるでないことを証明するため。
私の両手を止めることはできなかった。


____結果から言えばそれは失敗。
だって、私がここでこの選択をとったことにより……

310: ◆zbOQ645F4s 2021/08/05(木) 21:17:21.83 ID:B6IyU65v0


カッ


摩美々「灯織……!!」


バーーーーーーーーン!!


瞬間、私の視界は真っ白になった。

そして次に気がついたのは無重力。
私の体は文字通り滞空状態にあり、そしてそのまま勢いに乗せられたまま地面へと打ち付けられる。
それでことは終わらない、私を吹き飛ばそう消し飛ばそうとする爆風。
それに抗うことはできずそのまま後方へ。

これだけのことがわずか1、2秒の間に巻き起こり、理解するにはその倍の時間を要した。

311: ◆zbOQ645F4s 2021/08/05(木) 21:18:18.76 ID:B6IyU65v0

愛依「ひ、灯織ちゃん!?」

智代子「なんで爆発が突然?!ど、どうなってるの?!」

摩美々「灯織も心配だけど、消火しないと……死体が誰だったのかすらわからないままになるよー?」

雛菜「雛菜が火は消すから、灯織ちゃんのことはお願いします〜」

愛依「お、オッケー!」


遠くに聞こえる皆さんの声。
全身を強く打ったけど、どうやら一応無事みたい。呼吸もできる、体も動く。


愛依「灯織ちゃん、大丈夫?!うちんこと分かる?!」

灯織「愛依さん……だ、大丈夫です……それより、死体は……」

智代子「今雛菜ちゃんと摩美々ちゃんが消火してるから大丈夫だよ!……ただ、顔の付近が爆発しちゃったから、死体には損傷が……」


愛依さんとチョコの力を借りて立ち上がり、なんとか元いた場所へ。
もくもくと上がる煙、ジューという消火の音。鼻を刺す肉の焼ける匂い。

そういったあらゆる不快を詰め込んだ空間で、再度死体に向き合った。

312: ◆zbOQ645F4s 2021/08/05(木) 21:21:20.75 ID:B6IyU65v0

雛菜「あ〜……これじゃあもう誰だかわかんないですね〜……」

愛依「……うっぷ」

摩美々「無理はしなくていいから、流石にこれはぁ……」


顔の部分が吹き飛んだせいで、上半身の損傷は激しい。
目も当てられないほど無残な姿になっている。
付近には発見時に死体が羽織っていた白衣の燃えかすや、突き刺さっていたナイフが転がっている。
なぜ、犯人はこれに加えて爆破なんか……


ピンポンパンポーン

『死体が発見されました!一定の捜査時間の後、学級裁判を開きまーす!』


モノクマ「はいはい!とりあえずひと段落した感じなのでアナウンス鳴らしときますね〜!」

モノクマ「いやぁ~ボクってば空気の読めるクマ!死体発見からここまでの流れ、アナウンスで茶々入れない辺り出来る大人だよね~!」

灯織「モノクマ……これは……」

313: ◆zbOQ645F4s 2021/08/05(木) 21:22:45.25 ID:B6IyU65v0

モノクマ「見ての通り殺人事件発生だよ!オマエラの中の誰かが、オマエラの中の誰かを殺したってことだね!」

摩美々「……それ、おかしくないですか〜?」

モノクマ「はぬ?」

摩美々「誰かを殺したって、被害者すら教えてくれないってコト?」

モノクマ「あ〜、それね!被害者ね!今回は犯人が意図的に被害者の正体を隠してると思うので、それをボクの一存で明かすのは公平な裁判の進行に反すると思いまして!」

灯織「ということは、モノクマ自体は被害者は把握しているんですね?」

モノクマ「当たり前田のクラッカー!犯行も始めから終わりまで、おはようからおやすみまでバッチリ見届けておりました!」

モノクマ「というわけで……ザ・モノクマファイル〜〜〜!オマエラのやるべきこと自体は変わらないからね、今回もバッチリ頼みましたよ!」


モノクマはやることだけやり終えると、私たちを置き去りにしてそそくさとどこかに行ってしまった。
残ったのは、被害者すらわからないという異例の事態を前に当惑する私たち。

314: ◆zbOQ645F4s 2021/08/05(木) 21:23:42.51 ID:B6IyU65v0

摩美々「……とはいえ、被害者は二択だよねー」

愛依「……え?」

摩美々「今ここにいない人物、めぐると円香。そのどちらかと見るのが普通でしょー」

智代子「……だとしたら可能性が高いのって」

雛菜「……」

灯織「……」

摩美々「ごめん、失言だったかもー」

灯織「いえ、気になさらないでください……摩美々さんのご指摘は正しいですから」


真実から目を背けてはいけない、それは真乃とめぐるとも誓ったことだから。
たとえそれが残酷な事実を映し出していようとも、それを有耶無耶にするようなのは違う。
めぐるだってそれは望まないはずだ。

でも、弱い心自体を打ち消すわけではない。
めぐるじゃなければいいのに、その心は決して樋口さんの死を望むようなものではなく……ただ純粋に友人を思う気持ち。

この気持ちにも嘘はつきたくない。
混じり気のない感情、それが私にできる精一杯なんだ。


……孤独な戦いが始まる。

315: ◆zbOQ645F4s 2021/08/05(木) 21:26:43.74 ID:B6IyU65v0
-------------------------------------------------
【捜査開始】

今回はめぐるが近くにいない。私一人で行う初めての捜査になる。
……大丈夫、できる。何も不安に思うことなんてない。
自分に強く言い聞かせて、モノクマに渡されたモノクマファイルを開封する。

『被害者は不明。死亡推定時刻は5時ごろ。死体は発見当時胸部にナイフが突き刺さっていた。その後覆面を剥がそうとした際に仕掛けてあった爆弾が起動。上半身の損壊は激しく、顔は判別不可』

やっぱりこっちにも被害者の記載はない。
今回の推理はそこから始めないといけないらしい。
樋口さんかめぐるか、どちらが今回の事件の被害者なのか見定めるのが前提の事件だ。

コトダマゲット!【モノクマファイル5】
〔被害者は不明。死亡推定時刻は1時ごろ。死体は発見当時胸部にナイフが突き刺さっていた。その後覆面を剥がそうとした際に仕掛けてあった爆弾が起動。上半身の損壊は激しく、顔は判別不可〕

-------------------------------------------------
さて、今回の事件は調べることも多いぞ。
私が爆弾を起動させてしまったことで、おそらく変わってしまったこともある。
みなさんへの聞き込みを入念に行うことで事実確認をしないといけないな。

1.死体周辺を調べる
2.植物庭園の設備を調べる
3.倉庫を調べる
3.雛菜に話を聞く
4.愛依に話を聞く
5.摩美々に話を聞く

↓1

316: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/05(木) 21:29:19.08 ID:l5+l5sA+0
1

318: ◆zbOQ645F4s 2021/08/05(木) 21:35:45.43 ID:B6IyU65v0
>>317 早速ミスってますね……こちら、コトダマの方の表記が正しいです。死亡推定時刻は【1時】です。

-------------------------------------------------
1 選択

【死体周辺を調べる】

今回の事件の被害者の死体だ。上半身は爆弾の衝撃で損傷も激しく、焼け焦げてもいる。見た目で誰か判別するのは不可能だろう。
……ん?そういえばこの死体、上半身だけ濡れてるな。


雛菜「ん〜?ああ、それは雛菜たちが消火したからだよ〜!」

灯織「雛菜……そっか、私が爆風で吹き飛んでる間にやってくれてたんだね」

雛菜「うん〜♡だって何が起きたのかすらわかってないのに爆発が起きちゃったから、犯人の証拠隠滅の可能性もあるかな〜って!」

灯織「うん、ありがとう……欠損が上半身で済んだのはかなり大きな成果だよ」

雛菜「やは〜!雛菜えらい〜〜〜〜〜!」


コトダマゲット!【謎の死体】
〔死体の上半身は爆破の衝撃で損傷が激しい。爆弾により引火した際に摩美々と雛菜が消火したため、上半身のみが濡れてしまっている〕

319: ◆zbOQ645F4s 2021/08/05(木) 21:36:53.77 ID:B6IyU65v0

……さて、どうにかこの死体から二人を判別しなくちゃいけないんだけど。

うっ……今回は今までのどの事件よりも直視しがたいな。
剥き出しになった肉がなんとも痛ましい。
損傷部位じゃないところからわからないだろうか。

爆発のあった上半身に背を向けるようにして、死体を触診していく。
下半身自体に怪しいところはなさそう。
年頃の女子高生の肉付きに、骨格。
流石に誰かまではわからないけど……

靴もご丁寧に履き替えさせられている。
倉庫で見かけた量産品のスニーカーだ。特定に至るための情報は削り取られている。
困ったものだなと腰をあげようとした時、ある違和感が私の視線を集めた。

……この手、おかしくない?
被害者がめぐるであれ、樋口さんであれ……この手はおかしい気がする。
だって、二人とも【右利き】なんだから。


コトダマゲット!【左手のペンだこ】
〔爆破された死体の左手にはペンだこができていた。めぐるも円香も右利きなので通常できるはずがない〕

320: ◆zbOQ645F4s 2021/08/05(木) 21:38:38.79 ID:B6IyU65v0

一部焼け焦げて煤のようになっているけど、死体には上から白衣が被せられている。


摩美々「化学室にあった白衣ですねー、薬品調合の際に本来は用いられるやつ」

灯織「なるほど……でもなんでわざわざ白衣をかぶせたり?」

摩美々「シルエットを隠す目的じゃないかなぁ、女性ってどうあがいても胸元で特徴が出ちゃうしー」


確かに死体を最初に発見した時、白衣はだいぶゆったりとした掛け方をされていたと思う。そしてその上からナイフが刺さっていた。
ということは犯人はその状態で刺し殺したことになるのかな?


摩美々「……ナイフについてる血痕は新しい、近くに輸血パックはない……」

灯織「ですね、それならこの血痕は被害者の……」

摩美々「いや、そう考えるのは早計だよー。あっちを見てみなよー」


摩美々さんに促されるまま目を向けたのは、ニワトリ小屋?
植物庭園の一角で飼育されているニワトリたちがどうしたというのだろう。
疑問を胸にニワトリに目を向けると……


灯織「……あれ?」

摩美々「気づいたぁ?」

灯織「なんだか元気がないですね……」

摩美々「そうなんですよねー、なんか動きが鈍いって言うかぁ……それにぃ、ニワトリの数自体、1匹減ってるんだよねー」

灯織「……この事件に関係、しているんですよね?」

摩美々「まぁ、何に使われたのかも今の灯織ならすぐわかるでしょー」


コトダマゲット!【植物庭園のニワトリ】
〔植物庭園内で飼育されていたニワトリ。なんだかニワトリの元気がなく、さらには事件前後でニワトリが一体減っていた〕

321: ◆zbOQ645F4s 2021/08/05(木) 21:39:49.66 ID:B6IyU65v0

死体の付近には爆風で散乱したものが転がっている。
やっぱり目につくのは……このナイフだ。
このナイフ……めぐるが教室から回収したものと同じだ。
あの夜、体育館前で私に見せてくれた武器。これがどうして……?


智代子「死体を見つけたときにはナイフが深々と刺さってたんだよね……」

灯織「うん、白衣の上から死体にまっすぐ。血痕もべったりついてたしね」

智代子「これが今回の凶器ってことになるんだよね……?だとしたら、犯人はこのナイフを持っていた人物?」


いや、それは違う……はず。
だってその理論だと犯人になるのは、なってしまうのはめぐるだ。
感情で答えをねじ曲げるわけじゃない、けど……

…………


灯織「まだ、結論を下すには証拠が足りないよ」

智代子「そうだよね!他の証拠も合わせて検討しないとだよね!」


違うんだよね、めぐる……?


コトダマゲット!【ナイフ】
〔死体に突き刺さっていた凶器と思しきナイフ。他のナイフにはない装飾がついている一品もの。事件発生前はめぐるが所持していた〕

322: ◆zbOQ645F4s 2021/08/05(木) 21:41:29.89 ID:B6IyU65v0

死体の付近に落ちていて気になるものはもう一つ。
これは、木札だろうか?

愛依「あ、それって武道場のやつじゃん?」

灯織「愛依さん……これの使用用途をご存じなんですか?」

愛依「うん、武道場にはその札を使うロッカーがあって誰でも使用可能だったはず……多分それに使う系のやつだね」

灯織「なるほど、ありがとうございます」

現場に落ちていた以上、これも事件に無関係ではないはず……
ともなると、あとで確認しておいた方が良さそうかな?

-------------------------------------------------
さて、死体の周りで調べるのはこれぐらいかな?
植物庭園は結構な広さだ。他にも調べるところはたくさんあるし、整理しないとね。

1.植物庭園の設備を調べる
2.倉庫を調べる
3.雛菜に話を聞く
4.愛依に話を聞く
5.摩美々に話を聞く

↓1

323: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/05(木) 21:44:53.02 ID:ILOiFlPC0
3

324: ◆zbOQ645F4s 2021/08/05(木) 21:45:53.97 ID:B6IyU65v0
【雛菜に話を聞く】

灯織「そういえば雛菜、私を助け出してくれたけど……雛菜は拘束されてなかったの?」

雛菜「ん〜?雛菜も捕まってたよ〜?」

灯織「そうなの?でもだとしたら、部屋から出ることはできなかったはずだよね?」

雛菜「雛菜は灯織ちゃんたちみたいに、部屋にドアストッパーを噛まされてなかったから、手さえ解ければ自由に動けたんだよね〜」

灯織「え……?」

雛菜「でも、長い間眠っちゃってたから動けるようになったのはついさっきのことだよ〜?」

(眠っちゃってた……?)

雛菜「一度縛り付けられた後に運ばれた食事、多分樋口先輩があ〜んして雛菜に食べさせたんだと思うけど……そのあと急に眠たくなっちゃったから〜」

(それって睡眠薬が盛られたってこと?……だとすると、雛菜がこの時間に目を覚ますように調整したってことなのかな)

雛菜「それにね~、みんながみんな部屋にドアストッパーが噛まされてたわけじゃないんだよ~?」

灯織「え?そ、そうなの?」

雛菜「うん~!灯織ちゃんと仲の良かったイルミネの子の部屋、ドアストッパーがなかったけど鍵はかかってたんだよね~」

雛菜「だから雛菜じゃ開けられない、ってなったから諦めちゃったんだ~」

(めぐるの部屋だけ鍵がかかっていた……?それってどうして……?)


コトダマゲット!【雛菜の証言】
〔雛菜も灯織たちと同様に部屋に監禁されていたが、部屋にはドアストッパーは噛まされておらず睡眠薬を盛られていた。同様にめぐるの部屋もドアストッパーが噛ませておらず、鍵がかかっていたらしい〕

-------------------------------------------------

1.植物庭園の設備を調べる
2.倉庫を調べる
3.愛依に話を聞く
4.摩美々に話を聞く

↓1

325: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/05(木) 21:48:09.03 ID:ILOiFlPC0
1

326: ◆zbOQ645F4s 2021/08/05(木) 21:49:27.49 ID:B6IyU65v0
1 選択

【植物庭園の設備を調べる】

植物庭園の入り口付近にはスプリンクラーの操作パネルがついている。
どうやら今は朝の7時半になると一体に水が散布される設定になっているらしい。

自分で設定を変えられるか少し手を触れてみるけど……


ダメ。まるでこちらの制御を受け付けない。


モノクマ「うぷぷ……スプリンクラーを自由に操ってラッキー   を呼び込もうったってそうは問屋が卸さないよ!」

灯織「モノクマ!?」

モノクマ「お年頃なんだから、すぐなんでも性と結びつけようとするのが悪いとこだよ!ほらそこ!●●のことを灯織って呼ぶのやめろよ!」

灯織「し、失礼な!」

モノクマ「ボクの大事大事なスプリンクラーをオマエラの性のはけ口にしようたってそうは許さないかんな!」


モノクマの妄想はさておいても、調整が生徒側で行えないのは有力な情報だ。
事件の起きた日でもスプリンクラーは朝の7時30分の設定だった。覚えておこう。


コトダマゲット!【スプリンクラー】
〔植物庭園一体を水やりするための設備。生徒側から設定をいじることはできず、毎朝7時30分に作動する設定になっていた〕

327: ◆zbOQ645F4s 2021/08/05(木) 21:51:03.23 ID:B6IyU65v0

植物庭園の中央にそびえ立つように生えている大きな花。まさかこれは事件に関係ないよね……?
と近づいていくと、またしてもモノクマが現れた。


モノクマ「フリーーーーーーズ!!」

灯織「な、なんですか……捜査の邪魔はしないんじゃなかったんですか」

モノクマ「邪魔じゃないよ、これは忠告!このまま放って置いたら風野さんは死んでたかもしれないんだからね!」


そういえばめぐるの報告にもあったモノクマフラワーってやつ……それがこれなのか。
なんだか物々しい風格はあるけど、近づくだけで本当に食べられちゃうのかな。


モノクマ「モノクマフラワー鑑賞の際は、そちらのプレートに書いてある説明に留意した上で楽しんでくださいね」

『モノクマフラワー:食虫植物
全長:約5m
食虫と書いてあるけど、人でもなんでも食べちゃうぞ!Wow wow wow 人を食え!!
※夜時間の間はおやすみしてます。
食べさせたかったらお昼においで』

……ふざけた説明文だ。でも、夜時間の間は活動を停止しているのは重要な情報。
証拠隠滅にも使える可能性のあるモノクマフラワーが動けない時間は犯人の行動にも制約を与えるはず……


コトダマゲット!【モノクマフラワー】
〔人でも金属でもなんでも食べてしまう食虫植物。全長は約5mほどで見上げる高さ。夜時間の間は活動を停止する〕

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1.倉庫を調べる
2.愛依に話を聞く
3.摩美々に話を聞く

↓1

328: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/05(木) 21:51:35.02 ID:Yo+Gp68UO
2

330: ◆zbOQ645F4s 2021/08/05(木) 21:53:22.00 ID:B6IyU65v0
2 選択

【愛依に話を聞く】

灯織「愛依さん、先程はありがとうございました」

愛依「ううん、いいのいいの!それより灯織ちゃんこそ大丈夫?めっちゃ吹き飛ばされて体も打ってたでしょ?」

灯織「ええ、捜査できるくらいには」

愛依「無茶はしちゃダメだかんね?……で、うちに何か聞きたいこととかそーゆー系?」

灯織「は、はい……死体が爆発したときのことなど、何か気になった点があればと思いまして……」

愛依「ん〜……うちもあん時はテンパってたしなぁ……あ!そういえば爆発が起きた時、なんかめっちゃ飛んできた布があったんだよね!」

灯織「布、ですか……?」

愛依「待ってて、確かこっちの方に飛んで行ったはず……」


愛依さんは植物庭園の端へ駆けて行き、そのまま一枚の布切れを持って戻ってきた。


愛依「これ!なんかタオル生地っぽいんだけどさ……なんかの証拠にならん?」

灯織「……なんだかこの生地、焼け煤けてるほかに何かで裂かれたような跡もついてますね」

愛依「確かに……何かで切ったのかな?」

灯織「しかし、そもそもこの布はどこから……?」

愛依「そう、それもわかんないよね!死体を発見したときにも、タオルなんかなかったはずだし……」


どこから出てきたのかすらわからないタオル……
これも事件に関係あるのかな?


コトダマゲット!【タオル】
〔事件後に愛依が拾ったタオル。焼け煤けているほか、何かで裂かれたような痕跡も残っている〕

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1.倉庫を調べる
2.摩美々に話を聞く

↓1

331: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/05(木) 21:54:35.79 ID:ILOiFlPC0
1

332: ◆zbOQ645F4s 2021/08/05(木) 21:55:47.90 ID:B6IyU65v0
【植物庭園の倉庫】

チョコの話だと、めぐるが写真で監禁されていたのはここ……のはず。
だとするとそれに関係する証拠があるかもしれない。

肥料や芝刈り機といった園芸の道具を退けていくと一つ気になるものが見つかった。


灯織「……メガホン?」


どうしてこんなところにメガホンがあるんだろう。スイッチを引いて声を出してみる。


灯織「あー……」


でも壊れているのかまるで声が大きくなることすらない。
一体何に使ったんだろう……

コトダマゲット!【メガホン】
〔植物庭園の倉庫の中に置いてあったメガホン。壊れているのか声を大きくする機能が使えない〕

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【選択肢が残り一つとなったので自動進行します】

333: ◆zbOQ645F4s 2021/08/05(木) 21:56:48.64 ID:B6IyU65v0
【摩美々に話を聞く】

摩美々「ねえ灯織ー、今回の事件……一つ灯織に聞いておかなくちゃいけないことがあるんだケド」

灯織「摩美々さん……?な、なんでしょう……」

摩美々「死体の上半身を吹き飛ばした爆発、あれの原因ってなんだと思うー?」

灯織「え?や、やっぱり爆弾……ですよね」

摩美々「そう、その爆弾なんだケド……この学園でそれを持ってた人って一人しかいないんだよねー」

灯織「え?…………わ、私ですか?!」

摩美々「そう、モノクマを解体したときに手にした爆弾。あれは灯織に預けっぱなしだったからさー。あの爆弾、他の誰かに預けたりはした?」

灯織「い、いえ……自分の部屋で保管していました……」

摩美々「……」

灯織「わ、私は違いますよ……?」

摩美々「……わかってるから安心しなよー」


そうだ、この爆発は爆弾を用いない限りは有り得ない。それこそモノクマを解体でもしない限りは入手不可能なんだ。
……私の部屋の爆弾、あれをもう一度確認しておくべきかもしれない。


コトダマゲット!【爆弾】
〔モノクマの内部に存在する爆弾。死体の上半身を吹き飛ばすにはこれを用いる他ない。学園内で現在所持しているのは灯織のみ〕

334: ◆zbOQ645F4s 2021/08/05(木) 21:58:32.30 ID:B6IyU65v0

さて、植物庭園で調べることはこれくらいかな?


摩美々「さて、捜査を進めて行かなきゃなんだケド……ここにある死体は一つ、めぐるか円香のどちらかは生きているはずだから……そっちも合わせて捜索したいよねー」

愛依「ん、それならうちがやっとくよ!推理とかは任す!」

雛菜「雛菜にもやらせてもらえませんか〜?円香先輩が生きているのかどうなのか、雛菜自身で確かめたいので〜」

摩美々「摩美々は異論なしですー」

灯織「はい、私からもお任せします……どうかご武運を」

智代子「捜査はわたしたちに任せてよね!」

摩美々「……でも、妙なんだよねー。死体発見アナウンスはすでに学校中に流れてるはずなのに、まるで反応がないのがさぁ」

灯織「……」


ダメだ。今は捜査に集中。
私がすべきなのは愛依さんと雛菜を信じることだけだ。


摩美々「今回の事件はまるで流れが掴めてない……とりあえず時間いっぱい学園中を探すぐらいのつもりの方がいいかもねー」

灯織「……そうですね」


悩んでいる時間がもったいないぐらいだ。
まさに暗中模索、手につくところからやっていかないと……!

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1.生物室
2.武道場

↓1


335: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/08/05(木) 21:59:06.67 ID:ILOiFlPC0
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